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1960/04/13 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第18号
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1960/04/13 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第18号

#1
第038回国会 内閣委員会 第18号
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
   午前十時四十九分開会
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           小幡 治和君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           塩見 俊二君
           下村  定君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           鶴園 哲夫君
           横川 正市君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
   国 務 大 臣 池田正之輔君
   国 務 大 臣 小澤佐重喜君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   行政管理庁行政
   管理局長    山口  酉君
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   科学技術政務次
   官       松本 一郎君
   科学技術庁長官
   官房長     島村 武久君
   科学技術庁計画
   局長      久田 太郎君
   科学技術庁原子
   力局長     杠  文吉君
   文部大臣官房長 天城  勲君
   文部省管理局長 福田  繁君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○科学技術会議設置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○原子力委員会設置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○経済企画庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 科学技術会議設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方々は、小澤行政管理庁長官、山口行政管理局長、久田計画局長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#3
○千葉信君 行政管理庁長官にお伺いいたしますが、行政管理庁の方から資料として「懇談会等行政運営上の会合について」という資料をいただきました。この資料を見ますと、大体従来論議のあった各種審議、協議、懇談会等の関係について、おおむね了承できる線がはっきり出ておるのでございます。ずいぶんむだな時間をかけ、むだな手間をかげながらも、やっとここまで到達したことは私も大いに了といたします。ただ、この間の内閣委員会の総務長官との質疑応答の中で、この審議会の整理もしくは今後厳重に法律で規制をしていくという方針等については閣議できまったものではない、こういう御答弁がありました。今私のいただいたこの資料にも、だれが発出するものか、だれが通達を出すものか、受け取る方は各省ということになっていますが、その発出者がこの資料には記載されておりません。これは行政管理庁として、だれの名前でこれを発出されるのか、まずそれからお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(山口酉君) 文書の形式といたしましては、行政管理局長名で発出いたしております。
#5
○千葉信君 そうすると、この通牒だけでは私はその効果が期待できないというところに問題が残ってくると思うのですが、この通牒は、今の御答弁によりますと、第二条に基づく権限によって行政管理庁が行なったもの、厳格にいえば第二条の第三号の措置ではないかと思うのですが、いかがですか。
#6
○政府委員(山口酉君) 第三号にあります権限に基づきまして発したものでございます。
#7
○千葉信君 私の解釈通りですか。ということになりますと、この第三号の権限に基づいて、行政機関の機構、定員及び運営に関する調査、企画、立案及び監督を行なうこと、要するに、この管理局長の名前で出る通達は、行政管理庁からの各省庁に対する勧告でございます。私は、当面している問題は、勧告をして、それから各省庁が、あらためてこの勧告に基づいてどういう施策をするかという結果を待っていては、因るのは私じゃなくて、政府だと思うのです。今内閣委員会で三つか四つの各省設置法が採決されましたが、自余のものはこれからの審議でございます。しかも、これから審議する各省設置法の中に、問題になった違法の措置をとっている省庁がかなりあります。それからこの一週間以来、私の手元に、とうとう行政管理庁の方から正式に資料をもらえなかったので、私の方の立場から調査をしまして、表面に出ました法律違反の懇談会あるいは審議会、協議会、名前を持ち出してもよろしゅうございますが、この前申し上げたように、二十七ばかり残っております。これは行政管理庁に要求して出してもらった資料では出ておらない。全くの非合法で、しかも、人目をたぶらかしてもってきた組織、極端にいえばそうなります。ところが、この一週間来、私が正確に把握している以外のところにもたくさんあるということを、行政機関の中の職員が私のところへ連絡してくれた。これは労組とか何とかの関係じゃございません。行政機関内におけるはっきり行政官なんです。しかも、管理者の立場にある者がこういうことを言ってきております。何とかまあ自分の方のやつを穏便にはからってもらいたいということと、もう一つは、私の方は正直に資料を差し出しましたが、資料をあなたの方に出さない省庁の中にたくさんまだあります、いつでも私の方ではそれを正直に申し上げる資料を持っておる、こういう話を持ってきております。私は、事の当否はここでは問いません。問題は、はっきりともうすでに私の手元にきている、その正確な資料の中に含まれている部分だけでも、今後の内閣委員会における審議には非常に障害になる点で、これが解決されぬことには、各省設置法一件ごとにぎくしゃくと私はひっかかってしまうという見通しを持っております。それを行政管理庁として、まあ行政管理庁というところは何というか、責任ばかり重くて、非常に権限の軽い官庁ですから、その意味で私は非常に気の毒だと思っております。しかし、それにしても、今御答弁のありました行政管理庁設置法の第二条第三号による措置を、かりに今回とったとしても、私は、はたしてその通りに各省庁が着実に敏速に実行するかどうかということについて疑問を持つし、疑問を持たざるを得ない各省設置法の建前になっております。一体、行政管理庁では、一片の勧告をもってこの問題が、今私が申し上げたような種々の不便あるいは支障の生ずることを防ぐような措置だとお考えですか、この点を伺います。
#8
○国務大臣(小澤佐重喜君) この通牒は、これは通牒だけで終わらせるのじゃないので、通牒を出して、同時に、閣議でこの通牒を認めてもらって、また、次官会議等でも発表しまして、そうして徹底を期して実行を期したいというのがねらいでありますから、その通知が前哨戦ということにごらんになっていい。
#9
○千葉信君 まあ、いつやられるかは別として、それは当然必要な措置ですから、至急にその措置を講じてもらいたい。つまり閣議で正式に確認し、決定してもらうということ、それがないと私は問題が混乱すると思う。
#10
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは通知はきっときのうかきょう出しているかもしれませんが、この通知が相手に到着して、そして練ったころに私が閣議で発言するつもりでありますから、おそくともこの次の次ぐらいにはこれを閣議に諮って、最後の了承をしてもらおうと思っております。
#11
○千葉信君 そこまで御答弁あれば、あとは政府のその実行を待つばかりですから、それを一つ、この委員会における審議にあまり影響の起こらないように、敏速に一つその措置をとってもらいたい。
 それからもう一つ、単に閣議で決定して、実際はのんべんだらりと依然としてこの種の懇談会が開催されたりすることは、これは非常に許しがたいことですから、特に具体的に申し上げておきたいことは、この間も総務長官に一応のとどめをさしておいた形ですが、暴力犯罪防止対策懇談会、今月の二十五日に三度目の会合を開く予定がはっきりできております。そして当該民間の委員諸君も、そのことをはっきり政府の方から連絡を受けております。これはこの際、絶対に取りやめてもらわなければなりません。はっきり法律で規制するか、さもなければ、あの懇談会は一応解消して、新たに出発してもらうか、その点については小澤さんの方にも責任のある問題ですから、はっきりここであなたからも御答弁をいただきたい。
#12
○国務大臣(小澤佐重喜君) 総務長官が、この問題について事務的に通知を出したそうです。それで、これがいかぬというので、あわてて、ようやく取り戻したそうでありますから、これは行ないません。
#13
○小幡治和君 今お話のありました件は、与党の理事といたしましても、こういう問題で設置法の付議されるたびに論議が繰り返されておるようでは、非常に困ると思うのです。で、総理もはっきり答弁されておられますし、また、今の小澤長官の御答弁もありましたが、それの措置の点についておくれないように、今お話の通り、やはりはっきりさしていただきたい。意見の違うところは違うところで、これまた決定すればいいわけですから。しかし、もう同意したということで、ただその措置が残っているということじゃ困りますので、一つその点は特に私からもお願い申し上げておきます。
#14
○国務大臣(小澤佐重喜君) その点は承知しました。
#15
○伊藤顕道君 審議会等に関連して、長官に一、二お伺いしておきたい。
 先般の内閣委員会で、審議会等の兼職についてお伺いしたわけです。そのときの長官の答えは、三十二年に当内閣委員会に、当時の行管として、兼職の調査の結果を御報告になっておるわけですが、この問題はその後どうなっておるか。そのときの政府側の御答弁では、順次改善いたしたい、兼職を極力なくしたいという、明確なお答えがあったわけであります。で、先般の当内閣委員会でも、長官は、その後漸次改善されておりますとりっぱにおっしゃったわけです。そこで、三十二年のそれと、今手元にいただいたこの兼職調べの資料を比較してみますと、どなたがどう見ても、いささかの改善の余地がないわけですね。これは一体どういうわけなんですか。この前の御答弁では、漸次改善されておりますと、そういうふうにお答えになったのを、長官まだ御記憶だろうと思う。その通りかと思って期待を持ってこれを比較対照いたしましたところ、いささかも改善されていないわけです。これでは困ると思うのですね。改善されていなけりゃいないとはっきりお答えにならないと、いささかの努力のあともなくして、改善されたということを明確におっしゃっている。しかし、実際の数字を比較検討いたしますと、少しも改善されていない。むしろ改悪の面すらあるわけです。そういう無責任な御答弁では大へん困ると思うのであります。これは一体どういうわけなんです。その点をはっきり一つ。
#16
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは、ここの表に出ておったのは、従来任命してそのまま期限がある者というのでありまして、新しく任命する場合において改善された方針でやっておるという意味であります。なお、この問題につきましては、できるだけ重複しないように取り計らいます。
#17
○伊藤顕道君 いや、そういうことでは納得できません。三十二年以後本日までの数年間、どのように改善されてきたかという質問に対して、長官は、その後漸次改善されております一この後のことをお伺いしておるわけじゃない。その後どういう過程で改善されてきたかということを申し上げたわけです。
 そこで、数字をあげないと、このことがはっきり立証されないので、数字をあげてみますと、三十二年三月の行管の調査結果は、十六以上の兼職をやっておる者が三人おるわけですね。で、今回の報告は四人になっておりますね。で、一人で十六以上の兼職をやっておる者、中には十八というのもありますが、まあ一切十六ということでまとめて、これは三十二年の調査の結果は三人になっておる。今回のこの御報告では四人になっている。むしろふえておるわけですね。それだけではなくして、十一以上十五までの兼職をやっておる者は、三十二年のときのお答えでは九人になっておるわけです。それが逆に十一人にふえておるわけですね。さらに六以上十までの兼職が、三十二年の場合は四十九人で、今回の場合も、六以上十までの兼職は四十九人、いささかも数字の上に改善のあとがないわけですね。これはやはりこういうふうにして、長官がいかようにおっしゃろうとも、こういう現実の数字は否定できないと思うのですね。いささかも改善のあとがないじゃないですか。にもかかわらず、前回当委員会における長官のお答えは、漸次改善されつつありますということをりっぱにおっしゃっている、こういうことでは困るということを今申し上げておるわけです。やはりいささかも努力が足りなくて改善されていないということであるならば、ありのままお答えいただかないと、いささかどころの騒ぎでなくして、万事に支障を来たすことになるのですね。やはり率直にありのままお答えいただかないと、今後の審議にも非常に支障を来たす。局長には後ほどお伺いします。長官にお伺いしておるわけです。
#18
○国務大臣(小澤佐重喜君) 政府委員の方から、改善されておると言うのでそういう答弁をしたのですが、しかし、実際においてはあまり改善されていないようであります。そこで数がふえた関係もございましょう。これは審議会、懇談会の数がふえた関係もございましょうが、数字の上では多くなっております。そうでありますが、行政管理庁といたしましては、なかなかそういう通達を出しましても、その通り各省がやりませんので、実際のことをいうと、まあ困ってしまうのです。(「行管長官は無能じゃないか」と呼ぶ者あり)いや、有能になっておるのですが、そういうことになっておりますので、今度は私がみずからよくやりますし、次官等にも、次官会議でこれをやってもらうようにしますから、御了承願います。
#19
○伊藤顕道君 長官は、あまり改善されていないということをまだおっしゃっておるのですが、あまり改善されていないということは、逆に言うと、少しは改善されたけれども、大して改善されていない、そういう意味に私ども受け取るわけです。ところが、少しも改善どころじゃない、改悪でしょう。今再び数字を申し上げるのは避けますが、はっきりしておるでしょう。三十二年のそれと今回のそれとを比較して、むしろ兼職の数がふえておるのです。少しも改善のあとはない。あまり改善されていないということは当たらない。それから、さらにこれは重大問題だと思うのですが、国の行政組織について万般の責任を持たれておる長官の威令が各省各庁に及ばないということは、これは重大問題です。これはまことにゆゆしい問題であって、聞き捨てならぬ言葉だと思うのです。もし、かりに長官のおっしゃるように、せっかく努力はしておるけれども、行管長官の威令行なわれずして、各省庁がまちまちのことをやっておる、そういう意味のことになるでしょう。これはまことに重大問題であって、そういう内閣であるならば、これは早急に総辞職して信を国民に問わなきゃならぬ、こういう段階に入ると思うのです。威令が行なわれないということであるならば、これはそういうふうに受けとめざるを得ないわけです。この辺まことに納得いきかねるわけです。この辺一つ了解ができるようにお答えいただきたい。局長には後ほどお伺いする、長官にお伺いしているのだから。
#20
○政府委員(山口酉君) お説の通り、数字をまとめてみました結果、改善のあとが見えない結果になっておりまして、まことに遺憾であります。
#21
○伊藤顕道君 それは局長の言う言葉ではないよ。局長、それは越権だよ、あなたが言うのは。あとであなたにゆっくりお伺いする。
#22
○政府委員(山口酉君) 各省に長官から極力留意するように協議されておるわけです。ただ、任命権が各省にございますので、全体の数をどうするかという問題については、行政管理庁に審査権はございますけれども、任命権については実は権限がないわけでございます。しかし、全体の状況はこういう運営では好ましくございませんので、常に注意をしております。で、今回もこの調査ができましたので、これを次官会議に持ち出しまして、各省の次官に注意を促して、任命にあたっては十分考慮して、兼職による出席の不可能ということが生じないように、十分注意するようにということを次官会議で発言をして各省に促すことになっております。できるだけそういう点で努力して参りたいと思っております。
#23
○伊藤顕道君 私が今お伺いしたのは長官にお伺いたしたわけです。それを差しおいて、長官が欠席なさっておるのなら、これは真にやむを得ませんが、目の前に長官がおられまするのに局長がそういうようなことを言われるのは、まことに越権です、こちらから見ると。そこで、今いろいろおっしゃったようですけれども、私の耳には入らなかった。そこで、あらためて長官から御意見を伺いたい。
#24
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは各省大臣が固有の権利を持っておるのですから、それで二重になったというだけで、直ちにこれを不当だということは言えないのです。千葉さんの言われるのは法律問題ですけれども、これは二重になっても三重になっても不当だということは言えないのですから、それを勧告してだんだん直させるようにしているのですから、そこを少し手間がかかることをごしんぼう願いたいと思っておるのです。
#25
○伊藤顕道君 これは前から折衷法が幾つか出て、十分調査審議の結果が得られないので、期間を延長するという法案が幾つか出てきたわけですね、御承知のように。それにはいろいろ原因があるので、前回の委員会で、その点については私は指摘申し上げたわけです。その一つの大きな理由は、委員等がこういうふうに十六も二十も職を兼ねておったのでは、スピーディーな調査審議は期待できない、そういうことで御質問申し上げたわけです。そこで、こういう審議会等は、各省各庁の所管については、それぞれ大臣、長官が責任があるので、法的に行管の長官としてこれを縛ることができぬ、それはよくわかる。しかし、これが政府の意図のように行政の審議の成果を上げる上から、十分これを指導監督する立場にあるわけですね、これは間違いない。そのための行管であり、そのための長官であろうと思うのです。そういうことになると、少なくも指導監督の面において、怠慢か、あるいは力が及ばなかったか、力が及ばないということは、ほかの言葉で言うと無能ということになる。しかし、私どもは行政管理庁長官が無能などとは夢毛頭に考えていない。そういう前提に立つと、あなたは無能ではないのだから、有能なりっぱな士であるから、怠慢のそしりは免れぬということが言えると思う。指導監督の面で怠慢であったということ、こういうことははっきり言えると思うのです。その点をはっきりしていただかないと、私どもとしても納得できないわけです。この点を一つ明確にお答えいただきたい。
#26
○国務大臣(小澤佐重喜君) 有能と言われようと無能と言われようと、私はまじめにこれはやるつもりでおります。そこで、今お話をしたように、基本の権利は各省大臣にあるのですから、これをやったら直ちにいけないというわけにはいかないのです。そこで、だんだん説得して、これはどこと兼務しておる、どこと二重になっておるということを唱えて、そうして反省を求めるのですから、多少時日がかかることはごかんべん願いたい。
#27
○伊藤顕道君 多少時日のかかるということはわかります。そこで、前の調査の結果は三十二年ですね、三、四、五、六と四カ年経過しておるわけです。多少の時日はたったわけです。従って、これはまあこれ以上追及いたしませんけれども、強く要望申し上げておきたいと思うのです。せっかく行管の長官にあなたのようなりっぱな有能の士が選ばれたんですから、一つ今度あなたの就任を機会として、今後たとえばこういう兼職の面においても、一つ十分能力を発揮せられて、各省庁に対して十分指導監督の責めを果たしていただいて、再び三たびこういう問題を国会で審議する必要はないという、ことほどさように改善されるよう、そして、それを契機に、また調査会とか審議会が、やれ一年延期だとか、やれ二年延期だとか、そういう不見識な事態の起きないように、十分一段の御努力をいただきたいということをお願いし、さらに、それに対する長官の決意のほどを伺っておきたいと思います。
#28
○国務大臣(小澤佐重喜君) お話の点は十分心得ましたから、無能力と言われないように一生懸命やります。
#29
○伊藤顕道君 ついでですから、これは局長にお伺いしますが、この提出していただいた資料を見ますと、これには国会議員とか行政機関の職員は入っていないということですが、そこで、念のために参考までに知っておきたいのですが、現在国会議員、それと行政機関の職員はそれぞれ何名になっておるか、念のために局長に伺っておきたいと思います。
#30
○政府委員(山口酉君) その調査はいたしておりませんので、御必要があれば、あとで集計いたしまして提出いたします。
#31
○伊藤顕道君 それでは、この場ではちょっと無理でしょうから、早急に一つ出していただきたいということを最後にお願い申し上げて、時間の関係もございますから、本日のところは打ち切っておきます。
#32
○鶴園哲夫君 今の問題に関連いたしまして、この委員会に行政機関の職員が委員としておられるわけですが、それは今、伊藤委員の方からどれだけおられるか調べてもらいたいということですが、この委員会の下に幹事会というのがございますね、あるいは専門委員会というのがございますね、それの兼職状況も一つ調べてもらいたいと思うのですがね、できますか、あるんだからできるでしょう。委員会の下には、必ず幹事会なり、あるいは専門委員会なりというのがあるわけですね、その員数とこの兼職状況ですね。これも調べてもらいたいと思うのです。よろしゅうございますね。
#33
○政府委員(山口酉君) この委員会の数も、今二百六十余りございます。さらにその部会の状況と、これは委員が部会を構成しているのが大部分でございますが、そうでなく、さらにまあ各省の関係者がつきましたり、あるいは一部学識経験者も部会に入っておるものがございます。で、そういう点につきまして、さらに幹事はこれは世話係が主でございますから、各省の関係官が大部分でございます。一部まあ学識経験者等が入っているものもございます。そういう構成でございますが、関係の行政機関は、できるだけ幹事として、いろいろ資料を集めたり何かの関係がございますので、入れておりますので、非常に膨大な数になることが予想されます。で、調査をいたしますにつきましては、各省の協力を得てやるわけですが、相当日数がかかると存じますが、その点をお含みおきいただきたいと思います。
#34
○鶴園哲夫君 委員会がまあ二百六、七十、さらにこれからふえるんでしょうが、千葉委員の言われる不法なものを入れると三百ぐらいになるわけですね。その委員会が、それぞれ各省で、多いところは三十も四十もあるわけですよ。それの幹事なり専門委員というのは、二重にも三重にも四重にも兼ね合っていると思うのですよ。従って、これは今の行政官庁のあり方に非常に大きな関係があると思うのですよ。従って、行政管理庁としては、その程度のことは当然やはり御承知になっていらっしゃらないと困るのじゃないかと思うのですがね。ですから、若干の日時は要すると思いますが、ぜひ一つその資料の提出を願いたいと思います。
#35
○政府委員(山口酉君) お話のように、この各省の関係官が、非常に幹事等の事務が多くなっておりますので、運営上の一つの研究問題でございます。私どもといたしましても、その実態をつかんでおきたいという希望は持っておりますので、調査いたしたいと思っておりますが、そういう調査ができました場合には御提出いたします。
#36
○横川正市君 関連して。私は、法律によって調査会、審議会が作られれば適法であるから、それでいいというふうに考える。その前段の問題として、審議会、調査会というものが乱発されることは、国会の審議権の問題と関連をして、いささか国会軽視のそしりを免れないのじゃないかというふうに思うわけなんです。ことに膨大な行政機構が動いているわけでありますから、百の審議会が妥当か二百の審議会が妥当かは、ここでは重要さの度合いによって判断をすべきことですから、数で判断をしたいとは思わないわけですけれども審議の過程で、これならば、行政官が行政能力をもってするならば、当然この解決がつくであろうと思われるものまで審議会、調査会にたよる、これは私はいささか法律の数の多い有名な内閣委員会としては、迷惑であるというふうな気がいたします。そういうことではなしに、真剣に、審議会、調査会というものではなしに、各行政能力を発揮すれば解決するものならば、私はそこでやってもらいたいと思うのです。
 そこで第一の質問は、私は、結果的に見ると、審議会とか調査会というのは、現在の行政官がその能力をもっておりながら、それをやると、何か当たりさわりがあるので、審議会、調査会に逃げ込んで合法化して、これを適法化していくというきらいが非常に強く感ぜられるわけです。そういう点から言えば、一つ行政管理庁としては、この点に抜本的にメスを入れる必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのでありますけれども、その点についての長官の意見をこの際伺っておきたいと思います。
#37
○国務大臣(小澤佐重喜君) 審議会は民主主義の一つの現われだというので、盛んに審議会というような問題が流行しまして、その結果、お示しのような点もなきにしもあらずであります。でありますから、今後審議会の発足にあたりましては、厳重に調査をして、その適当なものだけをそういうふうにいたします。
#38
○横川正市君 そこで、一つの形から言えば、先国会で、たとえば建設省の設置法を私どもは審議したわけです。そうしてその設置の理由からいたしますと、法案の内容のよしあしは別問題として、設置理由については、まことしやかに、ある程度のものがついてくるわけです。そこで私どもは賛成をして通したのに、審議会、調査会にかけられた結果出された案を見ると、まことに賛成しがたいものになってしまっておる。こういうことになると、まず第一段階としては、国会で当然審議会その他について論議すればいいではないかということは言えるかもわかりませんけれども、その前段として、私はやはり審議をする必要があるのだ、審議会、調査会の意見を出される前に、当然そんな問題は国会で論議をしておくべきである、そういうふうに思われる。あの建設省の土地収用法の改正案に対する審議会の意見といいますか、ああいったものを見ると、私はやはり国会の審議権というものはもっと重要であり、しかも、行政官はそれに対して責任を持っていなければならぬ、その関係で解決をすべきものであって、審議会、調査会に諮って、その結果与野党が一つのものに対して絶対賛成、絶対反対と分かれていって論議すべきものではないというふうに思うわけです。そういう点でいえば、やはり非常にわれわれとしては残念なことなんですが、政治の場所が、アメリカ大使の朝海さんに言わせれば、これは十八世紀だと、この十八世紀の政治の体制にあわせるように審議会を運営する、それにはだれが一番いいかといったら、それには六十か七十のおじいさんを選んでくるのが一番いい、一つも行政運営についても国会の審議でも、進歩的なものが現われてこないという欠点が私はあるのじゃないかと思う。そのために十六も十八もやっている人たちは、これは権威者だということなのか、非常に立身出世中の人なのか何か知らぬけれども、いろいろなものを寄せ集めただけであって、ほんとうの意味で行政を動かそう、政治のバック・ボーンになろうという人は選んでおらない。もっと若い三十代、四十代の人たちの意見を聞けば、今の政治を飛び越した意見が出てくるから、これは警戒しよう、こういう考え方があるやに受け取れるわけなんですが、だから私は一人一役主義ぐらいで、もっと手当もふやして、ほんとうのバック・ボーンになる意見が聞きたいなら、そういうところを聞いて、出たところのものはまじめに具体化していくような、そういろ姿が出てきていいのじゃないか、こういうふうに審議会、調査会について思うわけなんですが、年をとられた方に耳の痛い話ですが、政治家は別でございますが、そういう意味で、その点については触れないことにしまして、行管長官として、これからの人選については、その点どう処置されるか、この際お伺いしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(小澤佐重喜君) 先ほどお話をしたように、要するに、審議会は民主主義ということを前提にしてふえたのでありますけれども、乱造あるいはよけいにそれが広がるようになっておりますから、これを構成するについては、年とった人も若い人もよく十分入れまして、意見を調整するようにしたいと思っております。
#40
○一松定吉君 ちょっと伺いますが、これらの人の委員手当というものの合計というのはどのくらいになるのですか、それはわかりませんか。一カ年にこの委員手当というものを委員にやるだけの費用ですね。
#41
○政府委員(山口酉君) この前御提出いたしました資料にそれぞれ委員手当を書いてございますけれども、合計は作っておりません。
#42
○一松定吉君 その合計が幾らになるかと聞くのです。
#43
○政府委員(山口酉君) 今急にはわかりませんので、あとで……。大体一つの審議会が、年間手当としましては十五万、二十万という程度が通常でございます。
#44
○一松定吉君 この高城元という方は十八兼ねている。こんな人は委員会を職業にしているようなふうに見える。こういうような人は、十八も兼ねておって委員の職責が尽くせますか。委員会が月に一ぺんぐらいなら一年に十二へんあるんだから、月一回出れば十八回だ、一カ月に。たとえば各委員会が五回開かれるとすると、十八も兼ねている人は出られやせぬじゃないですか。出られなくてもやはり費用は払うんですか、それはどうですか。
#45
○政府委員(山口酉君) この方は商工会議所の代表で出ておられると思います。そういう関係で、むしろ機関の代表で、商工会議所が関係するようなものにつきましては、一応この方の名前でやっておるということであろうと、実は私も想像でございますけれども、しております。で、出られなくても手当を出すのかというお話につきましては、これは出られない者については手当は支給いたしません。
#46
○一松定吉君 そうすると、この方は各委員会に対する権威者じゃないんだね。商工会議所の結局会頭とか副会頭とか、あるいは理事とかいうものであれば、各審議会における権威者じゃないんだね、それはどうです。
#47
○政府委員(山口酉君) これはどういう関係で任命されたのか、実はわかりませんですが、まあ想像でございますけれども、おそらく商工会議所という団体で考えておりますところを代表者から聞く便宜のために入れてあるものと想像するわけです。
#48
○一松定吉君 あなたに聞くのは無理だと思うから、あなたには聞きませんけれども、これは国務大臣であるあなたはこういうことをよく調べて、私なり、今参議院の諸君のお尋ねしたようなことで、名前を連ねておいて手数料あるいは報酬はもらう。権威者じゃないんだ、ただ商工会議所の役員であるからということで名を連ねるということは、審議会というものをおもちゃにしておるようなもので、実際私どもは、自分が行政官をやり、代議士をやってみて、実はこの表を見てわしは憤慨している。ほんとうは今他の諸君が言われたように、大臣なり、大臣の下におる行政官が特別の手腕を持っておればこんなものは要らぬものです。大臣と大臣の下の行政官とがよく相談をして、この案を一つ国会へ出そうかいうことで出して、国会で審議を受けてやればいいわけです。こういうようなものをたくさんこしらえて国費を使って、しかも、権威者でない者を使って、一人で十八も十六も、少なくとも一人が六つも委員を兼ねておるというようなことは、これはほんとうにこういうことを命じた関係者のやり方についてわれわれは驚いている。これは一つ国務大臣のあなたの資格において閣議で問題にして、こういうようなものを、君、できたら返したらいい。そうして国務大臣と、国務大臣の下の行政官〜でいろいろなものを調査研究して、どうしてもこれはわれわれの手に及ばぬというものだけを特別に権威者を集めて、その問題だけを研究させて、そうして自分らの態度をきめて国会に出すということになれば、費用は要りませんよ。これは一つほんとうに社会党の諸君がこれを問題にして追及するのは私は当然だと思う。われわれ与党であっても、ことにわれわれのような行政官をやった経験のある者から見ると、年々再々審議会の数はふえる一方です。われわれが大臣をしておったときにはこんなにふえていなかった。そういうことを見ると、今の大臣なり行政官は無能だということになる。実際無能だからこういうものをこしらえて、こういうものの知識をかりて結論を得て、そうしてそれを自分らの案として国会へ出すというようなやり方でありはしないかと思う。はなはだ私は遺憾に思うから、どうか一つこういう審議会なりが問題になったこういう機会に、大いに一つこれを是正して、そういうようなことでなくて、これらの人のやるようなことのできない方は国務大臣の資格はないんだから、大臣をやめてしまって、それのできるような人が国務大臣になってやる、こういうような方針でやってごらんなさい、こういう非難は受けぬことになる。私はこれを見て、あまりに憤慨にたえないから、そのことをあなたに一つお願いして、あなたから閣議に報告して、内閣委員会でこういうことが問題になった、なるほど委員会の主張はよろしいということになれば、みな考えて、これを一つ大いに是正するということを特にお願いしておきまして、これ以上追及はいたしません。追及しても答弁はできないから。
#49
○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題につきましては、兼務が七つ、八つになっている者を調査するとともに、その人となりも調査することになりますから、自然そのような形に入らなければならぬようなふうになっております。従って、一松さんの趣旨は十分徹底するように今後努力いたします。
#50
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#51
○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。
 その後出席の方々を申し上げます。池田科学技術庁長官、松本科学技術政務次官。
 御発言のおありの方はどうぞ。
#52
○千葉信君 池田科学技術庁長官にお尋ねいたします。この法律案に関連してお伺いしたいことは、今回二名の増員が中心になっておりますが、私は、その二名くらいの増員で科学技術会議を今後政府の思うように運営していくということはむしろ至難であって、科学技術会議自体の問題は、もっと別なところにあるという判断に立ってお尋ねをするわけですが、それは現行の科学技術会議というのは、大蔵大臣を初め、各省の大臣が五人委員になっておるのですが、その委員の中には文部大臣も含まれております。その科学技術会議そのものは、設置法の第二条によって「科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定に関すること。
 三前号の研究目標を達成するために必要な研究で特に重要なものの推進方策の基本の策定に関すること。」こういう諮問の内容等も科学技術会議自体に決定されておるし、さらにもう一つは、科学技術庁そのものにも、設置法によって、その任務として、「科学技術庁は、科学技術の振興を図り、国民経済の発展に寄与するため、科学技術に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」同時に、その方針については、科学技術庁が音頭をとるかどうかは別として、その方策について勧告をするという権限も科学技術庁に与えられております。そういう科学技術会議なり、ないしはまた科学技術庁の権限の関係からいうと、今新聞に伝えられているような、文部大臣と科学技術庁長官との間に意見の相違があるばかりか、いつまでもその問題が解決がつかず、官房長官が中間に立ってあっせん役をやらなければならぬなんというぶざまな格好は、要すれば、その科学技術会議なり科学技術庁が、その権限に基づく仕事を強力に推進していないというところにも私は一半の責任があるのじゃないかと思う。具体的なその問題の内容については、あとで文部大臣がおいでのときに一緒にお尋ねをしますが、まず、科学技術庁の長官としての立場から、私のこの疑問に対して御答弁を願いたいと思います。
#53
○国務大臣(池田正之輔君) ただいまお述べになりました御趣旨はよくつかみにくいのでございますが、科学技術会議というものは二人で足りないという最初のお話がございました。あと二人でいいのか、十人あったらいいのが……。
#54
○千葉信君 そんなことを言っておらぬ。
#55
○国務大臣(池田正之輔君) 私はそう聞いたのですが、それではやめましょう。
 科学技術会議というものは非常に権威のあるもので、従って、科学技術会議から出された答申というものは、内閣はこれを尊重しなければならないという建前に立っております。従って、今度の私のとりました勧告も、その科学技術会議から出された答申を文部大臣が忠実にこれを励行していなかった、従って、これに勧告をした、こういうことであります。
#56
○千葉信君 そこで、私のお尋ねしたいのは、その科学技術会議に文部大臣も入っております。文部大臣の入っているその科学技術会議で一定の政府の方針がきまっているのに、諮問が出されて、それを尊重しなければならないという条件があるのに、なぜ一体具体的な問題で文部大臣と科学技術庁長官との間に意見の食い違いが起こらなければならぬのか、起こるはずがないと思う。どっちが悪いかは別ですよ。どっちが悪いかは別だが、それじゃ一体結論から言うと、科学技術庁長官、ないしは、また科学技術会議の委員としての立場から言うと、私は仕事の完全に行なわれていない証拠が出てきているじゃないか、そう思うのですが、長官の見解いかがですか。
#57
○国務大臣(池田正之輔君) これは同じ政府の中におきましても、いろいろな意見があって私はけっこうだと思うのですね、ないのがおかしい。その結果をどういうふうにまとめていくかということが問題であって、従って、今私は勧告をいたしまして、その結論を出す過程にありますから、もうしばらく時間をかしていただきたい、かように思います。
#58
○千葉信君 私は、意見が合ったり意見が違うことについては、何も非難がましい口をきいているのじゃない。いつまでたっても解決しない。長官は単に意見が違うだけだというきれいごとの答弁をしておるけれども、何か新聞の伝えるところによれば、ばかやろうなどという言葉まで使って問題が紛糾したそうではないですか。これは国民の前にはずかしいと思わないですか。単なる意見の相違とか、当然あってしかるべきお互いの主張を述べる、そういう程度のもので国民に釈明するわけにいかぬでしょう。閣議の終わったとたんに、あなたがその部屋から出てきたとたんに、文部大臣をばかやろうとどなった。私はどなったことがいいとか悪いとか言わない。そんな不体裁な格好にまでなっているということ自体に問題がある。この法律の建前からいっても、そんな不体裁な格好にならないような格好で、この法律が、お互いにどんな権限で、どんな仕事の仕方をするかということをきめる。おまけに、この委員会で今問題になっている科学技術会議の関係にしても、その中に国の最高方針としての科学技術の振興をどうしてはかるか、その具体的な方策等についても総理大臣にあなた方の会議は諮問されているはずです。その諮問された会議の中に構成されている委員の中にいる文部大臣、あなたもいるし、そこで意見が戦わされることは否定もしないし、大いにけっこうだと思う。けっこうだけれども、その科学技術を振興するという具体的な方策であなたが勧告をし、その結果として、同じ行政官仲間、同じ大臣仲間でばかやろう扱いして、まさかなぐり合いはしなかったと思うけれども、そんな不体裁な格好をなぜ露呈するか、なぜもっと早く言うことをきかせるような努力をしなかったか、これは僕はあなたが悪いということを言っているのではない。どっちが悪いか知らないから聞いている。法律の建前からいっておかしいじゃないかということを私は聞いている。どうですか。
#59
○国務大臣(池田正之輔君) 世の中にはおかしいことは多いので、そのおかしいことを是正していくのがわれわれの務めだと思います。従って、私がばかやろうと言ったというのは、これは私が育ちが悪いものですからごかんべんを願いたいのですが、従って、何とかして自分がその職責である科学技術の振興をはかりたい、これは文部大臣も決して悪い人ではない、ただ、文部省という役所は、長きにわたって御殿女中式に妙な役所になっている。これは何とかこの壁をぶち破りたいというのが私の念願であります。
#60
○千葉信君 あとは文部大臣列席のところでお聞きします。
#61
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
   午前十一時五十五分速記中止
   ――――・――――
   午後零時二十五分速記開始
#62
○委員長(吉江勝保君) 速記つつて。大臣見えましたので。
 出席者を申し上げます。荒木文部大臣、福田管理局長がお見えになっております。
 御質疑のおありの方、御発言願います。
#63
○伊藤顕道君 この科学技術者養成の根本問題について、技術庁長官、そして文部大臣にお伺いしたいと思います。主として文部大臣にお伺いしたいと思うのですが、私が申し上げるまでもなく、三月十一日に池田科学技術庁長官が、荒木文部大臣に対して、科学技術者の養成に関して、科学技術庁設置法十一条第三項に基づいて勧告をなされたわけです。その要旨は、私が言うまでもなく、科学技術者の養成が国としての急務であるということ、にもかかわらず、文部省の計画はその要請に何らこたえていない、特に私立大学での技術者養成については特に再検討を要する、まあこういう要旨の勧告がなされたわけです。そこで、文部大臣としてはこれをどのように受けとめ、どのように措置されようとなさっておるのか、まずこの点からお伺いしたいと思います。
#64
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。科学技術庁長官からの職権に基づく御勧告を受けまして以来、その御勧告の趣旨に応じまして検討しつつあるところでございます。勧告にもございますように、また、今御指摘のように、今後十年間に大学卒業程度の技術者が約十七万人必要だ、今のままならば赤が立つ、それでは所得倍増はもちろんのこと、一般的に科学技術の振興を目ざさんとする国家的要請にこたえ得ない、こういうことから、昨年の暮れに科学技術会議の答申が総理大臣になされまして、そのとき以来、そのことが懸案になっておりまして、一年でもなるべくすみやかにその状況を解消する努力をしなければならない、しかし、さしあたりは教授陣の整備がなかなか困難だから、当面三十六年度の計画としては、すでに御案内の通りの計画でもって発足いたしまして、努力を重ねても、なお、かつ十年後に十万人弱の不足が出てくるということでスタートを切ったわけでございますが、それに対して科学技術庁長官から、そういうのんびりしたことではいけない、あらゆる努力をしてその不足分を充実するようにしなければならない、その一つの考え方として、従来以上に私立大学を活用することを文部当局は考えるべきであるという趣旨の御勧告をいただいたのであります。このことは当然のことでございますが、今申し上げたような今までの経過に照らしますと、現在国の予算に関連しますものとしては、三十六年度予算で御決定いただいた範囲を出ない、もし取り急ぎ三十六年度においても予算と関係なしにやれることありせばやるべきであろう、そういうことも勧告の趣旨には入っておりますから、そのことも受けまして、至急に検討を加えまして、善処し得るものは善処する、そういう考えで、今せっかく検討中なわけでございます。
#65
○伊藤顕道君 この勧告に対して文部大臣は、新聞の報道によりますと、三月十四日の記者会見で、このような勧告があったからといって、今すぐ計画を再検討する必要はないのだ、こういう意味の記者会見をなさっておるというふうに新聞は報道しておるわけです。これは新聞は間違いないのか、この通りであったのか、この点をまずお伺いしたいと思います。
#66
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 幾分ニュアンスは違いますが、そういうふうなことを申したことはあります。それは昭和三十六年度予算に関連する限りにおいては、財源措置等からいたしましても、また・池田内閣として、先ほど申し上げたようないろいろなことを検討し、科学技術会議の答申を尊重しながら考えました一応の結論が予算案には盛られて御決定をいただいたわけでございますから、予算に関係する限りにおいては、検討する余地は今年度としてはなかろう、もし予算に関係せずしてなし得るものがありせば、それは検討すべきであろう、こういう趣旨で話したことがございます。
#67
○伊藤顕道君 文部大臣は、科学技術庁長官から、以上申し上げたような勧告をお受けになっておる。また、それなくしても、科学技術会議の議員の一人でもあるわけです。文部大臣として。こういう両面の立場から、文部大臣としての責任は相当重いものがあるわけです。
 そこで、さらにお伺いいたしますが、結局、今こそ科学技術振興の絶好の機会だと思うのです。いまだかつて勧告がなされたことはないように私も記憶しておるわけです。ほんとうに科学技術庁長官が最初の勧告であろうと思うのです。この機会を機会として、ただ両省長官の、両省の間の言葉のやりとりということに終わることなくして、これをほんとうの契機として、大乗的な気持で日本の科学技術を振興させようという、おおらかな気持で当然やってしかるべきだし、また、そういう絶好の機会だと思うのですが、ここで一つ一大決意をもって日本の科学技術を振興させたい、きょうの新聞でも、ソ連の人間を乗せたいわゆる衛星がもう空を飛ぶようになっておる。こういう目ざましい科学技術の振興に即応するためにも、文部大臣としては、そういう両面の大きな責任があろうと思うのです。この点についてはっきりお考えをお伺いしておきたいと思います。
#68
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。ただいま御指摘の点は、仰せまでもないことと心得ておるのであります。先刻も申し上げました通り、池田内閣は、科学技術会議の答申を受け入れまして、閣議決定をして、これを尊重するという法律上の要請に基づいて、十分尊重しつつ予算を編成し、御決定をいただいております。ですから、その答申の範囲内におきましては、忠実に実行しつつあるつもりでございますが、その上に長官の勧告は、もっとスピード・アップし、もっと衆知を集めて科学技術者の不足を補う努力をせよ、こういう趣旨の御勧告でありますから、あらためて先刻来申し上げましたような気持と立場において検討いたしておるような状態でございます。
#69
○伊藤顕道君 現在科学技術の振興が各方面から非常に叫ばれておるわけですが、政府としてもその推進を約束しておるわけです。こういう面から見て、実際にはさてどうかということになりますと、特にそのうち大事な部門である技術者養成の基盤はどうなっておるのか、こういう点については、これはもとより科学技術庁にも責任があるわけです。しかし、特に技術者養成という面においては、文部省に一段と重い責任があろうと思います。この点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#70
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 科学技術者の養成が緊要であり、しかも、それが原則でなければならぬという、きわめて緊急の課題であることを十分理解いたします。その意味において、学校施設を通じて養成しますことの責任を持っております私として、まことに焦慮の感にたえないような気持でございます。ではございますが、何と申しましても、科学技術者の養成となりますれば、学校の施設設備も一応考慮せなければならぬ、これにも金が要る。さらには大学教授陣が整備されなければ、実質的に能力のある者が養成できないという悩みもございます。ことに大学教授陣につきましては、官公私立を問わず、御案内の通り、現職の教授、助教授等の腕こきの人々が、遺憾なことではありますが、民間からスカウトされていって、その穴埋めもなかなか容易ではないというのが現実でございまして、そういう事態に即して教授陣をそろえるということが、まずもって悩みの種でございますが、それも私は各大学と相談して、督励しつつ何とか教授陣を整備することも十分考えまして勧告の趣旨に沿っていきたい、かように思っておるところでございます。
#71
○伊藤顕道君 政府が三年計画で着手した大学の理工系学生八千人の増員ですね、これは三十五年度が達成年度であったと思うのです。ところが、それはそれで進んだとしても、あまりにもスピーディーな技術の革新ということ、それと企業設備の拡大の足並みにそろわないで、追いつかないで、現在技術者の不足が非常に深刻となっておるわけですね、とうていこのままでは科学技術の振興は期待できない、こういうことは明らかだと思う。この点について一体どういうふうに措置されようとしておるのか、この点を明確にしていただきたいと思うのです。
#72
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまも申し上げました通り、また、今もさらに御指摘の通り、養成上の教授陣の整備が何といってもむずかしいことでございますが、これを補充し育成しますためには、やはり各大学の大学院学生の優秀な者を大学にとめ置く方策がなければなるまい、そういうことで、大学院におきまする研究費の増額、あるいは研究手当の増額、あるいは研究旅費の増額等を、御決定いただきました三十六年度予算にも相当額を増額いたしまして今申し上げた目的に沿いたい。さらには、民間にスカウトされた優秀な教授、助教授等が、三百六十五日その職場で働いておる人ばかりとも思われませんので、そういう人々にも、その民間企業体に働きかけまして、余裕のある限りは、講師としてでも大学の学生育成のために協力してもらうというふうなことをあわせて行なうことによって、何とかして教授グループの整備をはかりたい、そういう考えでせっかく努力しつつあるところでございます。
#73
○伊藤顕道君 政府は所得倍増計画を立てておるわけですが、その前に、もうすでに物価倍増になっておるわけです。そういうことはまあ別の問題として、一応政府は所得倍増計画の中で、推定される理工系大学卒業者の不足十七万人と大臣も先ほど御指摘になったわけですが、さらに工業高校卒業者のいわゆる初級技術者、これらの不足については、大体四十四万人というふうに数字が出ておるわけです。こういうことになると、現在のままでは理工系学生の養成計画が大きく立ちおくれておるわけですね、このままではどうにもならない。よほど抜本的にやらないと、技術者養成計画はいつも計画倒れになって、あとあとと追いついていけないと思うのですね。こういう現状を見られて、これは特にこの技術者養成の面で文部省は大車輪に活躍してもらわないと、とうてい月並みの施策方法では追いつかないと思いますが、この点いかがですか。
#74
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通りだと存じます。いわゆる中堅技能者と申しましょうか、工業高校卒業程度の人々が、計画によれば四十四万人ばかり今のままでは不足するということは御指摘のごとくであります。これに対しましては、さしあたり工業高校方面に一万人の入学定員の増加をはかりまして、着々今後十年間には四十四万人の不足のほとんど大部分を充足できるような計画のもとに第一年度を踏み出しておるような次第でございます。それにしましても、工業高等学校の教諭、先生の陣容が、これまた口で言うほどやさしくございません。三十六年度等はどうやら間に合うようでございますが、今後にわたってはむずかしかろうと推定されるのであります。そこで、それに応じまするために、三年制度の臨時工業教員養成所を十カ所ばかりの大学に付置いたしましてその必要に応じさせよう、その他既存の大学における工業教員の養成という角度からの努力も、むろんあわせ行なうわけでございますが、そういうことによって教諭陣を整備しつつ、四十四万人不足に極力赤字がないように、この面は大学卒業者よりも比較的容易ではございませんけれども、およその推定数字を満たし得るであろう、こういう予定のもとに、これまた第一年度、三十六年度を踏み出しておる、こういうことでございます。
#75
○伊藤顕道君 新年度予算に織り込まれた技術者養成のための文部省としての構想の中にも、この技術者不足を解消させ得るという保証はないわけですね。この新年度の予算の面を検討してみても、とうていこの程度では技術者養成の面を抜本的に強化するという保証は見られないわけです。こういうことになると、今お伺いすると、大臣は技術者養成については、相当決意を持ってやろうとなさっておる。それならば、なぜ新年度の中にそういう構想を盛り込んで予算の獲得に努力されなかったのか、これはまことにつじつまが合わないと思うのですね。科学技術庁長官から勧告をもらって、それからあわてて、さてやろうとしても、新年度の予算の関係の面はどうにもならない。だから予算に関係のない面からまずやりたいということでは了解できないと思うのですね。これほど科学技術の養成が急務であることをお考えになっておったのなら、やはり握りこぶしではどうにもならない、やはり予算を獲得しなければならない。その予算化のためにいかような努力をなさったのか、どうしてもらわなかったのか、こういうことをお伺いしたい。
#76
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今お話の点はいささか恐縮の点でございますが、しかし、御案内の通り、高等学校、これは一般普通高等学校、工業高校、その他の産業教育面もあわせてでございますが、高等学校の設立者は都道府県である。従って、都道府県みずからの責任において生徒児童を収容するという建前でずっと明治以来きているわけでございまして、予算との関係で申し上げましても、すでに御案内のごとく、起債財源の世話はするけれども、校舎ないしは工業高等学校等の設備についても、従来は国の補助というものは、原則として行なわない。数年前、産業教育振興法を御制定下さいました結果として、実験、実習設備については特に金がかかるから、三分の一くらいの助成金をやろうということで、その面は従来不満足ながら行なわれ来たっておりますが、工業高等学校の校舎については、普通高校と同様、助成金等は一切出さないままで今日まで参っておりました。同時に、御案内のごとく、三十八年度から工業高校生の急増が始まります。その生徒急増対策の問題も喫緊の問題でありますと同時に、今問題になっております中堅技能者養成もまた緊要なる事柄であるということから、その二つの趣旨を合わせまして、実験、実習設備の補助率、今までの三分の一を三分の二に引き上げていただきました。それから工業高等学校の普通校舎につきましては、三分の一の国庫補助をすることによって、生徒急増兼所得倍増、あるいは科学技術中堅技能者養成の求めにこたえようということを、予算上も踏み切ることができたわけでございます。ところで、先刻来御指摘の中堅技能者の不足に応ずるという角度から見ますると、三十六年度の予算の中に頭を出しております工業高校の新設分は、概略二十六、七校をまかなうにすぎない。校舎の助成金から申し上げて、二十六、七検分見当かと思います。それでは実は十分じゃないんじゃないかという点も御指摘に相なっているかと思います。それはまさしくそういう御指摘も出てくると思いますが、ただ、三十六年度に頭を出しました工業高校の今申し上げる問題は、三十八年度の学年初頭に間に合わせる意味において、前向きに前々年度から着手しようということが緒についたものでございます。従って、三十八年度から発足させようとしております新設校分は、三十六年度予算と三十七年度予算を合わせて、三十八年度初頭の必要に応じさせる、こういうものの第一年度分と御理解いただきたいと思うわけでありますが、そのことは、必然的に三十七年度における工業高校の新設を、もっとうんとふやさなければならないという責任課題として残したわけでございます。概略百校近い、九十何校分を三十七年度の予算に成立させたい、そういう考え方で計画いたしておるのでございます。そういう計画を三十七年、三十八年と、ずっと今後九年間に続けていきまするならば、四十四万人見当の中堅技能者の不足は、曲がりなりにも埋め合わせがつくであろう、こういうことを期待し、その期待を目ざして努力をいたしたいと思っているわけでございます。
#77
○伊藤顕道君 新年度予算に盛られた科学技術者の養成、その関係の予算ということと、今大臣がるる御説明のあったそういう計画、こういうことを、前方を見られて、科学技術庁としてはこれで大体納得されるのか、いや、それはまだ不十分だとか、その程度で十分だとか、いろいろお考えがあろうと思うのです。科学技術庁長官としてはいかようにお考えになりますか、その点をお伺いしておきたい。
#78
○国務大臣(池田正之輔君) これは先ほども私申し上げましたように、文部省の役人の頭というものは、私にはよくわからない。今、文部大臣が、私が聞いておりますと、大学の卒業者の足りない分が約十万弱、こう言われた。私はいろいろな委員会その他で、こうした公式の席上で幾たびもこれは注意した、それでも、なおかつ、そのまま、文部大臣にそういう資料を提供してやっている。文部官僚の頭を僕は疑う。それでは明瞭に数字を私ははっきり申し上げる、今度は。もうしようがないから。その後若干は狂っておりますよ、実施面において。とにかく四十五年までの十年間に入学する学生が、国立、公立、私立合わせて、また、それに短期大学も合わして十万八千九百三十二人であります。入学する学生ですよ、卒業する学生とは違うんです。卒業しなければ何にもならない。卒業する学生は両方合わして五万六千九百三十二人しかないんです。四十五年までですよ、この十年間に卒業するのがそれしかない。しかも、これは入学した学生がそのまま大学を卒業をして、いずれも職場につくという仮定の上に立った数字であります。御承知のように、在学中に脱落する者も出てきます。卒業してから親の商売を継いだり、あるいは新聞記者になったり、いわゆる工業の職場につかないでよその職場につく人が相当ある。そういうロスがどのくらいあるかといいますと、大体今までの統計によりますと二割から三割です。それを引いてごらんなさい、一体幾らになる、大体四万人しかないじゃないですか。十七万の国家要請に対して、たった四万人しかここにできない、これじゃあいかぬじゃないかということを私はしきりに言っている。文部大臣とは、残念ながら、今までひざを突き合わせて話をする機会もなかったけれども、私は委員会等を通じて、こうして幾たびかこれを指摘している。にもかかわらず、依然として文部官僚は大臣にこんなでたらめな数字をしゃべらしている。大臣もどうかと思うけれども。
 それから、文部省は教授がいないと、こう言うのですね、それはまさにその通りです。しからば、教授が足りないなら、三十六年度から教授をふやす施策をなぜやらぬか、何もやってないじゃないか、これでは科学技術の伸張を受け持つ私の立場としては了承できないというのが私の立場であります。
#79
○伊藤顕道君 文部大臣もお聞きのように、今科学技術庁長官のお話によりますと、だいぶ食い違いがあるわけなんですが、これは私どもとしては、一体どちらを取り入れていいか、ちょっと判断に苦しむんですけれども、そこで、このことに関連してもう一度文部大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
#80
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 数字はそれぞれ見方によって違う可能性もございますが、私が申し上げておる推定の数字は、先刻も申し上げましたように、科学技術会議が内閣総理大臣に答申をいたしましたその答申作業の中身を基本に推定数字を申し上げておるのでございます。そのことに誤まりがあるかどうか、その後の新たな資料その他で誤まりを発見し得たとしますれば、それはもちろん訂正した数字を申し上げるのが筋かと思いますけれども、ただいまのところ、まあ長官の数字があるいは正しいかとも思いますが、さしむき私が申し上げねばならない数字は、法律上、科学技術会議の答申は内閣として尊重せねばならぬという建前から申し上げまして、そのとき以来の推定数字を申し上げることが妥当であろうと、こう思って申し上げておるにすぎないのであります。むろん長官の御指摘もございますから、もっと掘り下げて、その数字を間違いなきやという検討作業をいたさねばならぬとは思いますけれども、その作業が済みませんことには、私として一応納得する数字を国会でお答え申し上げる根拠がございませんものですから、長官の数字は数字として別途尊重し、検討材料にさしていただきますけれども、先ほど来申し上げておる数字は、今申したような立場と根拠に立って申し上げております。だからといって、どうでもいいとは一つも思いませんので、足らないことは事実でございますから、その国家的必要の前に、あらゆる政府としての努力をして、国民に、あるいは国民経済に欠陥を生じないように、申しわけのないようなことが起こらないようにという努力は、今後に向かってあらゆる努力をすべきものだと、かように心得ておるものであります。
#81
○伊藤顕道君 同じ政府の閣僚間でこういう大きな数字の食い違いがあるのは、われわれとしてはどうも納得いかないわけです。そこで、今長官の方からも御指摘があったように、十年間の計画で十七万人も必要なのに、それに対する総計がはるかに足りない。それにはいろいろ方法もあるが、まず結局教師の補充が一つの大事なめどになる、こういう点も指摘されたわけです。そこで、大学、工業高校、こういう面の学生の増員計画、これに即する大量な理工系の教師の補充という問題が大きな問題となってくると思うのですね。そこで、行管の勧告を調べてみますと、理工系の講座制大学の教師は一五%、それから学科目制の大学については三二%この面が欠員のままに放置されているという事態、これはまあ行管が勧告されたのだから間違いないと思いますが、このような実情では、まず教師の補充ということが先決である以上、このままではどうにもならない。こういう点についても、なかなかなまぬるい方法では解決を期しがたいと思います。何かこれに対して抜本的にお考えがあるのかどうか。やはり何といっても理工系の学生の不足ということは、結局さかのぼると教師の不足ということにもなるわけですね。従って、まず大事な一つの施策として、教師の補充という点に眼目を置かなければならないと思うのです。それが今申し上げたように、非常に不足のまま放置されている。これは何といっても文部省に責任があろうと思います。この点いかがです。
#82
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まさしく御指摘の通り、文部省に責任があると思います。ただ、幾分弁解じみたことを申し上げさせていただきますと、科学技術者の急激な民間における要望、不足状況、あるいは大学における教授、助教授陣の、今御指摘のようなスカウトされた穴埋めができない状態、そのような状態は文部省がその責めを免れるべきことではないと思いますけれども、その前提として一応考えなければならないことは、そのような科学技術面に対する学校であれ、あるいは民間の需要であれ、急速に起こりましたことは、科学技術面における新たな事態が、これまた急激に一般国民生活と関連する課題として出てきた。このことは日本だけでなく、世界的な傾向だと承知いたします。日本においても、たとえばエレクトロニクスの工業等も、単に学問的な課題でなくて、現実に大企業体として、マス・コミにまで載るくらいの機械工業として現実に起こっておる。そういう急激な需要に応じ得るような体制というものが、瞬間的にでき上るものでないことは申し上げるまでもないのでございまして、何としても、少なくとも大学四年間の課程を経なければ卒業生というものは出てこない。今のようなめまぐるしい科学技術面における諸要請は、日本におきましてはせいぜいこの二、三年来のことだろうと思います、現実問題としては。学問的にはもっと前からでございましょうが、そういう急激な需要の勃興のために、大学の教授、助教授等まで引く手あまたで引いていかれる、高給をもっていざなわれる、外国からも日本の有能な人が引き抜かれるという、遺憾ながらそういう現実面に遭遇しておるわけでございまして、それに応じ得べくんば、終戦直後からこのことあるを予期して歴代の内閣が考えておくべかりしもの、そういうのが筋道だと思いますが、そういう繰り言を申しておっても、現実ではどうにもなりませんので、せめてなし得ることは何か、特に教授グループの育成につきましては、先刻もお尋ねについてお答え申し上げましたが、これは大学院学生を大学の教授、助教授として残ってもらうための有効な方法を考える以外に手がないわけでございますから、従って、従来ともすれば大学院の研究等に対する経費が少なかったために、魅力がないと指摘されております。また、民間に行って学問的な探究の欲望を満たしたいということにも対応する意味において、研究手当、研究費、あるいは研究旅費等、あるいは大学設備等も、わずかではございますが、今までよりは相当額を増加することによって当面の求めに応じたい。さらには、各大学の大学院設置の申請に対しましても、四校か五夜かはっきり記憶しませんが、四つか五つを特に認めまして、そして大学教授に残る可能性のある大学院学生の養成に着手する、あるいは、また、先刻も申し上げましたが、そういう事情でございますから、物理的に不可能な範囲がございます。それはスカウトされて民間に行きましたりっぱな教授、助教授の資格のある人に、パート・タイムで、不満足ではございますけれども、講師とか何とかという立場で協力してもらうということを、官公私立大学はもちろん、文部省はもちろん、政府全体として、また民間も、その国民的な――遺憾ながら右往左往しなければならない事態に直面しておりますから、全努力をこれに集中することによって、初めてその混乱を最小限度に食いとめ得る事柄だと心得るわけでございまして、意を尽して民間にも働きかけまして、遺憾なきを期する努力をいたしたい、かように考えております。
#83
○伊藤顕道君 大学教師の養成については、言うまでもなく、大学院に待たなければならぬわけです。特に科学技術の面では理工系の学生ということにたるのです。ところが、この理工系の大学院の学生は定員の二一%にすぎない、こういう現状、これは数字に間違いがあれば御指摘いただきたいと思います。二一%が正しいというならば、これはあまりにもひどいと思うのです。どうしてこう少ないのか、いろいろ原因もありましょうけれども、大体大学院の学生に対する文部省のやり方が、あまりにもひどいという声をよく聞くわけです。これは身近な問題なので、私どももその一端についてよく承知しております。将来大学の教師ともなろうようなこういう大学院の学生に対して、特に研究の施設とかそういうことは、とうてい現状では望めない。はなはだしいのは、大学院の学生にテーブル一つを当てがっていない、こういう実情、これはどこの大学のどこということで指摘もいたしますが、そういうことでなくして、結局たとえていえば大学院の学生にテーブル一つを当てがってない、何をしているのかというと、人のテーブルを借りている、こういうことなんです。これは身近な問題なので詳しく存じておるわけなんです。たとえばこういうような実情は、あまりにも  将来の大学の教師ということを目標に一応大学院へ入っておる。もちろんその面の科学技術の研究ということで入っておるのですが、その一端が大学の教師ということになろうと思うのですね。そういう面で数字的にあげると、定員の二一%足りないというならまだ話がわかるのですが、全体の二一%というようなことになっておって、政府は声では大きく科学技術の振興を叫ばれますけれども、その基礎教育であるこういう面にも大きな隘路があるのではなかろうか、こういうところを一つ抜本的に何とか考えてもらわないと、このままではどうにも追いつかないと思うのです。それと、さらに工業高校でのいわゆる工学系の教師の不足は、大学のそれに比較して、まだまだ常にはなはだしいものがあるわけです。非常に深刻であるわけです。たとえば昨年の理工系大学卒業者のうちから、工業高校教師として就職した者は、全国でわずかに十二人、これはあまりにもひどいと思うのです。大学卒業者の中で、工学系統の教師となった者が十二名、全国でですよ。これは間違いがあったら御指摘いただきたいわけですが、また工業教員養成課程の卒業者を調べてみても、教職についたのは、全国的に見てたった三人、こういうことでは、まさに話にならぬと思うのです。これは一体どういうふうに措置しようとなさるのか。従来のやり方ではなかなか解決しがたいと思う。先ほどの文部省の予算の御説明の中に毛、工業増設、施設拡大、これはもちろんけっこうです。けっこうですが、学校ができ、施設ができても、これを指導し運営するのは人間です。この運営する人間である教師がいなかったら教育にならぬわけです。増設けっこう、施設拡充けっこう、しかし、何といっても、まず指導者がいなければ話にならぬ。それが昨年度の例を見ても、十二名に、片や三名という就職希望者しかいないという、こういう実情、これではどうにもならぬ。一つ抜本的にどういうふうに対策なさろうとするのか、こういう点を明らかにしていただきたい。
#84
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学の卒業生の工業高校の教員等になる者がきわめてりょうりょうであるということは、遺憾ながら御指摘の通りでございます。そこで、先ほども申し上げました通り、大学院の研究について魅力を持たせるように、あるいはまた大学に残る希望を持たせるようにという角度から、もろもろのことを予算でも御決定をいただきましたが、先刻ちょっと申し上げそこないましたけれども、一方、育英会を通じて育英資金を供給することによって、特に大学院学生に従来一万円出しておりましたものを一万二千円に引き上げる。そうして、また、この育英奨学の資金を貸し付けられました者が学校の先生になりますれば、従来は義務教育課程だけでございましたが、今度は高等学校ないしは大学等の教授、教諭等になります場合も、その奨学資金は返還義務を免除すするというふうなことで、極力教育者の充実をはかりたい、こう考えております。さらに、先刻ちょっと申し上げましたが、特に工業教員の養成につきましては、全国十カ所ばかりの大学に付置いたします工業教員養成所の立法措置も今御審議を願っておるわけでございますが、予算はすでに御決定をいただいております。この立法措置が国会を通過いたしますれば、この五月ごろには発足させるめどのもとに、年々八百八十名ぐらいの卒業者を出しまして、工業教員たらんとする者を受け入れ、卒業させて工業教員の不足充実に資したいということを御審議をお願いしておるような次第でございます。なお、一般に教員になりたがらないということは、民間からの上級、中級技術者要請の声が強過ぎる、強過ぎることは一面けっこうではございますが、しかも、給与等も格段の相違があるという魅力のために、現実に抜けていくのは、はなはだ残念でございますが、それをかれこれいっても始まりませんので、極力優遇措置も講じつつ、特に今申し上げたように、本来工業教員にならんと欲する者を養成所に収容いたしまして、年々千名足らずではございますが、卒業させることによって充足していきたい、こういうふうに考えております。
#85
○小幡治和君 議事進行について。いろいろ今論議の最中でございますが、文教委員会の方から文部大臣特においでを願いたい、もう四十分以上過ぎておりますし、文教委員会の方からも、ぜひ帰していただきたいというふうなあれもありますので、この程度で一つ文部大臣にお帰り願うことにお願い申し上げたい。そのことと、もう一つは、科学技術庁長官並びに文部大臣の技術教育の数字の面、いろいろそういう面についての食い違いがあるようにも、今の論議で聞き及びますが、こういう面につきましては、同じ内閣の同じ閣僚でございますから、十分一つ御両者の間に話し合いをされて、そうしてやはり統一ある見解をこういう委員会では発表していただくように一つお願い申し上げたいというふうに思います。そういう面は、もし議論がありますならば、閣議で十分に議論されまして、とにかく答弁としては、同じ内閣の大臣がそれぞれ違った答弁をこういう委員会でされるということのないように、一つ至急処置をお願い申し上げたい。
 なお、野党の方からも、文部大臣そのものに対しまして、また、別個の委員からも質問もあるようでございますから、また別の機会に文部大臣に重ねて来ていただくようにせざるを得ないと思います。そういう面で一つ御処置を願いたいと思います
#86
○委員長(吉江勝保君) ただいま小幡君からお聞きのような議事進行の発言がございまして、文部大臣を文教常任委員会からお借りしますときも、ある程度時間の制約を受けておりますのをお越しいただいておりますので、ただいまの質疑は終了したとは思いませんが、一応文教常任委員会の方にお戻りを願いまして、あらためまして委員長理事で打ち合わせをして取り計らいたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#87
○伊藤顕道君 そのことについて。これはもうお聞きでもありましょうけれども、ほんの緒論に入ったところなんです。それで時間の制約づきでの文部大臣のお出ましについては、私どもまっこうから反対しておるわけです。決して了承していないわけです。ところが、自民党側の理事御両名においては、十分と制約を受けてきたけれども、まあまあ何とかというような、しごくあいまいなお言葉で、そのうち大臣見えられたから、そこで時間に関係なければ、われわれはお願い申しておったところなんで、質問を始めたわけなんです。そこで、文教委員会に文部大臣が出られるのは当然なんで、これはわかります。だからこちらは要請したわけなんです。ところが、今申し上げたように、質疑がほんの緒論に入ったところなんで、まだ終わらないと思いますという、そういう委員長の表現でなくして、ほんの緒論に入ったところですから、そういうところを頭に置いていただいて、今後十分に時間をかけていただかないとわれわれ了承できないと思います。このことを了承の上で諮っていただきたい。
#88
○委員長(吉江勝保君) ただいま伊藤君からの御発言もありますので、それも含みまして、あとで委員長、理事で一つ打ち合わせをして、再度お越しをいただくように御協議いただきたいと思います。
 それでは文部大臣どうもありがとうございました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#89
○委員長(吉江勝保君) 速記つけて。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、これにて暫時休憩いたします。
 午後は二時十五分に再開いたします。
   午後一時十五分休憩
   ――――・――――
   午後二時三十三分開会
#90
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。
 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方々は、池田科学技術庁長官、島村官房長、久田計画局長、杠原子力局長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#91
○横川正市君 この設置法に関連をいたしまして、二、三政府の考え方をただしながら、直ちに実行に移していただきたい問題を質疑していきたいと思います。
 との原子炉安全専門審査会が設置をされまして、事実上運営をされる場合、いわば科学的な操作、それから運営等についてのいわゆる被害に対する安全を保障していくという見地から運営をされるというふうに考えられるわけでありますけれども、実際上、この審査会が設置されて、運営についてどういう範囲でこれが運営されるのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(杠文吉君) 御質問の趣旨は、運営の範囲というようなお話でございますが、それは原子炉等規制法といっております法律がございまして、その法律によりますというと、原子炉の設置をしようとするものはいろいろな条件を備えておらなければならぬということになっておりまして、その際に、第二十四条でございますけれども、第二十四条に、原子炉施設の位置、構造及び設備というようなもの等が、十分に放射線から汚染されることを防がなければならぬというようなことがございます。そういう許可基準をこの専門審査会にかけまして、もっぱら安全という観点から審査をいたすということに相なるわけでございます。
#93
○横川正市君 行政機関の一部として安全専門審査会が設置されて、これから国のいずれかの地点においても、原子炉を設置する場合には、その専門審査会の議を経て、安全が保障された場合に許可をする、そういう意味で設置をされるという趣旨は私どもも承知をしているわけです。ただ、この審査会の持っております行政上の一つの範囲といいますか、その中に矢太さんという方が専門委員でおられまして、この人がたまたまこういう発言をしているわけです。自分たちの任務というのは、これはいわば原子炉の設置についての被害、その他科学的な反応の範囲を出でないのであって、政治的な意味のものは、これは原子力委員会がきめればいいのだというふうにいわれているわけです。そうなると、私はこの専門審査委員会というものは、非常に幅も狭くなりますし、いわゆる原子力その他の有効な利用については、だれもが反対はしないわけでありますけれども、それだけに、最も大きな被害をもその中に含んでおるわけでありますから、そういう意味合いでは、もっと広範な審査会という性格を持つべきではないかというふうに考えられるわけです。もっと具体的にいえば、行政上ももちろんでありますが、政治的な関係についても、これはいわばこの決定には絶対に従わなければならないというところまで権限を付与されたものでなければならないのではないか。いわば政治的問題については、これはほかでやって下さいという程度の審査会では、非常に力が弱いのではないかというふうに考えるわけなんですが、大体提案された趣旨そのものからいきますと、幅の狭い、権限の少ないもののように思われますけれども、それで運営ができるかどうか、この点を非常に私どもは危惧するわけです。運営と範囲についてお伺いしたいと思います。
#94
○国務大臣(池田正之輔君) これは御承知のように、従来は安全審査専門部会ということでやって参りました。従って、これは本来臨時的なものでございまして、あなたが今御指摘になるように、政治的なそういう決定権もない。もちろん専門委員会でございますから、それに政治的な判断まで負わすということは私はどうかと思います。元来、今度御審議をお願いしております審査会設置に関しましても、これは第三十四国会の衆議院の特別委員会、あるいは参議院の当内閣委員会においても、この審査機関というものは法制化すべきであるという御趣旨の附帯決議がなされております。その附帯決議をも尊重いたしましてできたのがこれでございまして、これは元来、御承知のように、原子力委員会の下部機構としてあるものでありまして、従って、そこではもっぱら技術的な面で安全性を審査していただく、こういう建前になっておるのであります。
#95
○横川正市君 私の言うのは、東大の矢木栄というのですか、この人の審査部長としての意見の中に、安全性の結論に際しては、特に声明を発して「われわれの審査はあくまでも科学的な審査であってそれ以上のものではない。政治的問題の解決は原子力委員に期待する。」のだ、こういうふうにいっております。同時に、これは審査部会へ辞表を出した坂田さんの意見を拾ってみますと、これはこの審査委員会だけでは、どうも運営上、原子力の利用についての危険を排除するという、そういうものになっておらないのじゃないか。だから、もし設置するとするならば、もっと性格的にも、それから政治的にも、行政的にも、もう少し力のあるものを作ることが必要なのではないか。もちろん私どもも原子力研究所を視察をいたしましたときに、原子力の持っております被害そのものは大きいけれども、日常操作については、用心さえしておけば大したことはないのだ、こういう言い方をしている所員の人もおりましたから、被害を誇大に考えてその要求を私はこれは出したのではなくて、もっと政治的な意味で私はこれが必要なのではないかと思っておるのですが、現状をどういうふうに御認識されて今回のこの審査会の設置になったのか、この点をお伺いしたいと思うのです。
#96
○国務大臣(池田正之輔君) 矢太さんが言われたこと、これは私は当然だと思います。科学の技術者が、専門家がそれを判断するときに、政治的考慮を加えたり行政的配慮をするというようなことは、これはもう最も慎まなければならんことじゃなかろうか。あくまでも科学的な立場に立って、技術的にこれを審査していただくというのがわれわれの本来の考え方であります。
#97
○横川正市君 私は、いわゆるこの万能の力をこの審査委員会に持たせろと言っているわけじゃない。少なくともこの原子力関係では一人者と言われた坂田さんが、審査結論の中に出ておりますように、安全を保障するのにはこのままじゃ自分を含めての責任としてはとれないということから、辞表を提出するまでに発展をしている問題とからめて、この運営と、それから権限の問題とをもっと考える必要がこの中にあるのではないかというふうに思うから、その点からこの審査会設置についての政府の考え方は、一体どの程度に運用され、しかも、その幅はどの程度にしようとしているのか、これをお伺いしているわけです。今までの通りのものであれば、私はこれは有名無実でありまして、この考え方をお聞きしたあとで、具体的な事例について一体どうされるのかをお聞きしたいと思っているわけです。根本問題ですから、再度御質問申し上げます。
#98
○政府委員(杠文吉君) 今回法制化いたしまして、設置法の中にあげますにつきましては、これの裏づけといたしまして、従来は委員の手当だけを計上しておりましたものを、予算におきましても三百六十一万六千円という予算を計上いたしまして、そうして、その調査の謝金と、委員の手当はもちろんのことでごさいますが、従来通りでございますが、調査をその人方がまた人を使ってなさるというようなための謝金といたしまして九十三万円、それから、また実地調査もその方たちにお願いしたいというようなために、二十二万円という旅費を計上しております。それから印刷製本とか、あるいは外国の文献を翻訳して資料として使うというようなために八十一万八千円という予算を計上しております。また、この原子炉の安全を科学技術的に確かめますためには、計算ということが非常に重要な要素になっております。いろいろな点を仮定いたしまして、それをそれぞれの関連におきまして計算の数値でもって確かめていくということが非常に重要なことでございますが、従来は、それも予算の計上というものが局の庁費の中に入っていたものでございますから、十分でなかった。従いまして、直接にその審査委員の方々が計算機をお使いになって、自分の目で確かめる、そのための計算機の使用料といたしまして百五十一万三千円というようなものも計上いたしております。従いまして、これで十分ということは、あるいは言えなかろうかと思いますけれども、従来に増してそのような委員の方々の活動が活発に行なわれるところの予算というものは計上しておるわけでございますから、非常に従来に増すところの活発な御調査なりあるいは御審議なりが期待できるだろうと思っております。
#99
○横川正市君 具体的な問題からそれではお聞きいたしていきますが、三月の二十五日の日に、これは茨城の水戸の水戸米軍ジェット戦闘機の射撃演習場で、たまたま模擬爆弾の投下が行なわれておりまして、その際に、この原子炉の最も隣接地に誤って投下をされている問題があったわけであります。これには幾つかの問題が私はあると思う。もちろんこういう場所にああいう施設を置いたということが、当時のいろいろな状況判断の上で、間違いが起こらないという科学的な立証もあったかもわかりません。それから、また、そういう被害が起こらないように、こういう射撃場については取り除いてもらうという条件もあったかもわからない。しかし、その後原子力研究所やら、それからコールダーホール型の炉やら、さらには原子力発電所の設置等が行なわれておるにもかかわらず、依然として米軍の射撃演習場はそのまま使用されて、しかも、その被害が日々報道される。こういう点について、私は、いわばもっとこういう問題の起こる可能性のものについては、安全を保障するために、排除をすべき権能のあるものがあっていいのではないか、権能、権限というか、もっと細心の注意があって、最大の安全を保障するという建前から、これを決定的に排除していくべき何らかがあっていいのではないか。ところが、それが放任されたまま現状になってきておる。こういうことにもう少なからざる疑問を持っておるわけであります。これはどこにそういう原因があるかと、非常に私はコンプレックス的なものの考え方をすれば、野蛮地におけるところの文化人の社会的な地位から来るいろいろな不平等な取り扱い、これにも関係するだろうと思うのです。それから、もっと高度に言えば、私は、これは絶対安全のもとで操業されているから、これはいいんだという科学的な反応も出てくると思うのです。しかし、いずれにしても、そういうような高度な科学的なものではなくて、非常に原始的な不平等観の中で、依然としてこの危険なものが放任をされていくということについて、一体この責任者はどう考えているのだろうか、この点がまず一番疑問の点なんです。これは池田長官も就任されてから、米軍側といろいろ折衝されたようにも聞いておりますけれども、どうも折衝のあとがこうなったというふうには見受けられないわけでありまして、この点について一つ事情を明らかにしながら、一体これはどうするのか、即刻どうするのか、お考えをお聞きしたいと思うのです。
#100
○国務大臣(池田正之輔君) あの大事な東海村の原子炉のそばに演習地があるということは、これは何といっても大へん遺憾なことであります。しかし、これができた過程において、いろいろな事情から、今日まだそれが取り除かれないでそのままになっておるということも、これまた事実でございまして、今御指摘になりました三月二十四日でございましたか、私が就任いたしましてから初めてこういう事態が起こりました。その前には幾たびもあったようでございますが、初めて起こりましたので、翌日私はさっそく外務省の担当官を呼びまして、というのは、御承知のように、日米間の条約によってこれはきめられておりますので、従って、いわゆる日米合同委員会の議を経る必要もございますので、その方面の係官を呼びまして、アメリカの司令部に、かような危険な状態はよろしくないから、演習は中止してもらいたいということを厳重に申し入れをしたわけであります。おそらくかような申し入れを行なったのは私が初めてじゃなかったかと思いますが、それで私は司令部の責任者に来てもらって、厳重に抗議をするつもりでおったのでありますが、外務省の方からそういうふうに手続するからということでございましたので、一応それにまかせました。そうしたところが、その日のそれが午前十一時ころでございましたが、三時ころ外務省から連絡がございまして、司令部に申し入れをした、池田長官から強硬な申し入れがあったということを伝えた。そうしたところが、アメリカ軍もさっそく会議を開いて、取りあえず原因がはっきりするまでは中止しようと、それでバーンズ司令官の名前で、直ちに中止の命令を出されたのであります。これはまことに賢明な措置であると私は感謝しておったのでありますが、その後いろいろ米軍側としては、その原因について検討した結果、今度はつまり降下練習の方法を変更しまして、危険のないような方法によって練習を行なうということに改められたということでございます。それは日米合同委員会でその問題が取り上げられて、だから日本側もそれを了承して、そういう形で今日練習が行なわれておる。できればこれからこれはやめてもらって、あの敷地を日本に返してもらいたい、そして、将来これから日本の原子力センターとしてあそこに次に起こってくる新しい原子炉の設置場所としてこれをわが方では使いたいというのがわれわれの念願でございますけれども、まだそこまで運んでないことをはなはだ残念に思っております。
#101
○横川正市君 その、はなはだ残念でございますで一体済まされるかどうかという点なんですよ。この安全というものを最高の目標として進まなければならないという原子炉の取り扱い等について、私は、どうもやはり被害が起こってからは、人のうわさも七十五日の間は一生懸命何とかするけれども、また忘れてしまって同じことが繰り返されているのです。この日本の社会的のいろいろな状況等とあわせ考えてみて、あのままで放任しておいて、たとえばあそこに大きな事故が起こった、そうすると池田長官だけが責任をとってやめました。しかし、この汚物によるところの汚染その他によって起こってくるところのはかり知れない損害については、かかったものだけが苦痛と悲惨な思いをするだけでまた忘れられていってしまうというような、夢物語のようなことが起こるかもしれないというところに僕は問題があると思うのですよ。だから、最善の力を尽して、安全ということに最高の目標を置くということが一体どういうことなのか。新聞の報道によれば、六千メートルから落としたから、だから誤って目標からはずれたが、三千メートルから落とせば何でもないからと約束されたので、日本側では了承しました、これが一体この最高の安全を保障した運営の仕方かどうかということなんです。それから、報道するところによれば、爆撃の方法は肩越し爆撃といって、いわば宙返りでもって落とすと、そうすると、飛行機は、日本のように特攻隊精神じゃなくて、飛行機ももちろん、人間も無事生還をするととが目的だから、たまを落とすと、これはとんでもない所にいくというのは、百発のうち百発がそうだという。そこで、その目標から落とせば、何千メートル離れても、いわゆる攻撃力を持っております半径の広さというものは、これは相当大きいから、相手方に損傷を与えることについては問題はない。だから、ただ操縦者と飛行機の安全を保障するという意味で爆撃演習が繰り返されておる、こういうような事実等もあわせて私は見たときに、一体これは最良の安全度なのか、いや、被害はあるけれども、現状認めざるを得ないのは一体日本とアメリカとの力関係だと、こういうことになるのか。私は、池田長官が率直に認めるのならば、これは何をかいわんやです。しかし、対等な立場に立って、単に防衛をするとかしないとかという義務ではなくて、国民の置かれている立場そのものがきわめて危険な立場にあるという、それをどう保障するかという立場に立ったら、もっと別なことが私は両者間で話し合ってしかるべきじゃないか。返還が最も好ましいと思っているというならば、なぜ返還をもっと積極的にやらないのか。また、それが時間的に見通しが立たないのならば、なぜ原子炉の燃料の保管とか原子炉の運転を、これをいかに最良の安全な保障ができるようにやるか、操業を停止するとか、研究を一時中断するとか、そういう一つの方法があってこそ私は初めて政府が実際の対策を立てるという考え方が生まれてくるのではないかと思うのでありますけれども、この点について一つ御意見をお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(池田正之輔君) この問題は、御承知のように、率直に申し上げますと、日本側が若干見方が甘かったんじゃないか。というのは、あそこに原子炉を作るというときに、隣に演習地がある、危険だということは常識的にわかることでありますから、それをこれができ上がって、原子炉の施設ができ上がるころにはいなくなるだろう、なくなるだろうといったようなおのずから考え方も一部にあったように思われます。そういったようないろいろな過程を経まして今日まで実はぎたわけなんです。そこで、最終的にはそれじゃどうなんだということになりますれば、最終的にはあそこから出てもらった方が一番いい、それに間違いない。これは神様じゃないからわかりませんけれども、絶対に安全だということはだれでもがおそらく断言はできないと思います。従って、これはどいてもらうことが最も望ましい形なんでありまして、それにつきましては、お聞き及びかどうか知りませんが、地元の知事さんや何か、これからアメリカに行かれて話をしよう、どういうことになりますか、その結果いかんによって次の手を私としてはおのずから考えなくちゃならぬ。こういうものは、だからといって、そう急にやることがいいのか、いわゆる強硬な手段でいくことがいいのか、あるいはやわらかく交渉することがいいのか、要するに、一日も早くいい結果を見るということが望ましい形だと私は思っておりますので、まず、とりあえず地元の知事さんなんかが心配をして行かれるというのでありますから、その結果に期待し、また、それによっておのずから行動をとっていきたい、かように考えております。
#103
○横川正市君 非常に後任者としてはお困りのようで、しかし、歴史的に設置したのが悪いといっても、これは仕方がないことだし、それから小型の炉で細々とやっておったときには、それでも何とか時が過ごせる。しかし、いよいよ本格的に炉を据え付けて運転をする、こういうふうになってきますと、ますます近接地の爆撃演習場というのは、これは危険の度合いが高まってきているわけでありまして、困っただけで時間を過ごされては非常に私は迷惑をするのじゃないかと思うのです。私どものいろいろ出ている中では、たとえば二十七年の八月から三十三年の六月までの被害だけで、誤って投下されたものだけでも百八十八件、しかも、地図をとって見ますと、原子力発電予定地、それから英国炉の予定地、原研、それから原子力発電所、これらの久慈浜から磯崎、那珂湊まで、おそらくキロ程にいたしますと、これは十五、六キロの沿岸線ですよ。ですから、との点のような安全地帯なんというものは、今までの実際に誤って投下された被害の地域を見ただけで、安全の地はないわけです、ここには。そこで、安全の地は一体何かといったら、五百キロぐらいの模擬爆弾ならば、四メートルのコンクリートの壁が破れないから、理化学的には大体安全だろう、こういうことが安全だというのです。ところが、実際にはここにはB57ジェット機が千メートル離れない所に落ちております。それから、日米合同委員会の取りきめでは、百ポンドの普通爆弾、高性能のロケットを使用してもいいという約束が文書で取りかわされている。これは衆議院の内閣委員会で飛鳥田さんの指摘によってその文書が提示されて、丸山調達庁長官がびっくりした。どこからそんな文書が入ったのだろう、こういうことでびっくりしたということまで言われておるわけなんです。そうなってくると、私は、安全の保障されるものはこの地帯には現在は全くないと考えるべきじゃないか。そこで、相手側が言うことを聞かなくて、どうも対策がないというならば、今あそこを使用しているのを、一時解決するまで中断をする、これもきわめて消極的でありますけれども、やむを得ない処置である。そうして絶対にどうしてもあそこが必要で再開したいということならば、アメリカと本腰を入れて返還の問題について交渉する、これが私は残された唯一の方法だと思うのでありますけれども、長官としてこの具体的な考え方に対してどうお考えなのか、一つこの際明確に御答弁いただきたいと思います。
#104
○政府委員(杠文吉君) お答え申し上げたいと思いますが、なるほどごもっとものお説でございまして、私たちはこの点日夜頭を痛めております。先ほど長官からもおっしゃいましたように、返還についていろいろな手を打たなければならないということを考えております。しかしながら、現在あるところの原子炉の施設関係を、その問題が解決するまでしばらくでもとめるとかいうようなことは適当な措置ではないのではないだろうかと考えておりますのは、先ほどもいろいろ質問の、模擬爆弾その他が落下したということを御指摘でございましたですが、三十四年の十二月二日に原子力委員会の方から強硬な申し入れをいたしまして、日米合同委員会に問題が移されておりまして、飛行方向を原子力研究所から相当矩離離すというようなこととか、あるいは標的を今まで陸上にだけ置いていたのを海上に移すとかというような措置等をとっておりまして、それ以後におきましては、原子力研究所近くの事故というものは非常に減っております。同時に、原子力研究所の近くのみならず、そのほかの誤投下等も相当に少なくなっております。最近、ただいま御指摘になりましたような、三月の二十二日に、原子力研究所の炉から、直線コースにおきまして三千五百メートル離れた所に模擬爆弾が落下しておりますけれども、これは原子力研究所の炉にきわめて近い所の誤投下の件でございます。その結果、先日、長官から厳重な抗議を申し入れまして、中止を一時いたしました。原因の究明は、先ほど御指摘になりましたように、高度にも相当関係があるようでございますから、高度の点と、それからまた爆撃のスタイル等につきましても、御指摘がございましたが、そのような点についても十分に反省をいたしまして、米軍側としては、いやしくも原子力研究所ないしは原子力発電所の構内に誤投下があるということは、絶対にないようにという配慮をいたしておるような次第でございます。やはり短兵急に返してもらいたいのでございますけれども、多少の時間の余裕はかしていただきたいものだというふうに考える次第でございます。
#105
○鶴園哲夫君 関連。これは政府として、あすこを返還してもらうように、はっきり交渉しておられるわけですか。とにかく常識的にいいまして、世界的な常識からいって、航空路の下に原子力研究所がある、原子炉があるというようなことは、常識外、そのそばで戦闘機、ジェット機が演習をやっておる。しかも、原爆投下の模擬演習をやっている。そうして誤投下――誤って落ちるというようなおかしなことが日本で行なわれている。それに対して、どうも私は先ほどから聞いていますと、聞き漏らしたかもしれませんが、返してもらいたいのはやまやまだとおっしゃるのですけれども、これはやはり政府は強硬に申し入れるべきだと思うのです。アメリカといえども、そういう人命を無視したようなやり方、そんなことは世界の常識で許せないと思うのですけれども、強硬な態度で交渉しておられるのかどうか。それをはっきり、聞き漏らしたかもしれませんが、長官から伺いたいと思うのです。
#106
○国務大臣(池田正之輔君) これは突如として私の時代に起こった問題なら、交渉のしようもあると思いますけれども、実は今まで幾代かの間、これをそのままに見過ごしたわけじゃないのですが、幾多の交渉を重ねて、未解決のままになってきた次第でございます。そこへ私が出まして、また重ねて誤投下がございましたので、今度私は非常にこれは強く要請したのであります。その結果スタイルを変えたり、方法を変えて、そこまでは向こうも若干引き下がったというのが現状でございます。なお、さらに進めて、演習地の返還を要求するというつもりでございますが、それにはおのずから順序がございますので、この事情は地元の知事さんなんかも一番よく知っておるわけでありますから、そこへ自分たちがまず行って話をしようということで、この間から司令部に行ったり、近くアメリカ本国へ参りまして交渉してくる、こういう段階になっておるのであります。
#107
○鶴園哲夫君 その地元の知事さんが行かれる、それもけっこうでございましょうけれども、しかし、地元の知事さんがやられるから、順序があるというようなことでは済まないことじゃないですかね。日本をえらく野蛮国のように見ているのじゃないでしょうかね。こういうことで、そんな航空路の下にも置いちゃならぬという原子炉を――原子力研究所ですが、演習場の近くにあるとか、誤投下が行なわれている。そこへ政府は、何か知事さんの返還要求を待っているというような話では、もっと私は長官だけじゃなくて、総理みずからもこれを、返還を一つすみやかに要求さるべき問題だと思うのですけれどもね。何か少し弱いですね、いつもの長官のその気力に似合わず。何か大へんな問題があるのでございますか。常識的にいっておかしいですよ。もっとはっきり一つやってもらいたい。
#108
○国務大臣(池田正之輔君) お答えしますが、およそ、これは強引にやってできることとできないことがございますので、その辺の手かげんを実は私、考えている段階でございます。
#109
○鶴園哲夫君 これは強引にやってどうだこうだという問題じゃないのじゃないですか。大へんな危険な状態にあるのだから、強引にやるとかやらぬとかいう問題外の問題じゃないですか。即刻強引にやらなければならない問題じゃないですか。どうも事情を明らかにしてもらいたいと思うのですがね、何かその強引にやれない理由があるならば。これはおかしいですよ。野蛮国ならともかく――野蛮国だって承知できないのです。日本のこの東京のすぐそこで行なわれているのに、そこに経緯があるから、強引にやれないとか、順序があるというのじゃ、どうも私、承知できないのですがね。すっぱり言ってもらいましょう。長官、はっきりして下さい。
#110
○国務大臣(池田正之輔君) これは申すまでもなく、占領後の日本における米軍基地というものを認めて、今日まで長い経過を経てきておりますから、その経過から見て、もちろん、しかも、その後両国の条約によって認められたという事実でございます。この事実に立って、しかも、なおかつ、私の立場からいえば、これは困るというので、実は時期をねらっておった。そうしたところが、この間誤投下がございましたので、一応中止を要請した。米軍とすれば、練習は一日も欠かされないところなんでしょう。こういうので、しばらく休んでおりましたが、その後原因を調べたところが、これからこういうような方法でやれば、そういうことは万々一起こらないだろうという考え方に立って、それで一つ認めてもらいたいと、こういうことで、前から見れば、米軍側としても相当な譲歩をしたといわなければならぬと思います。もう一歩いって、これを全廃したいということは、あなたから言われるまでもない、私もそれは同感なんです。ただ残念ながら、従来の経過等がありますので、今までは認めておいて、今急によこせと言うても、なかなかこれはいかないことなんで、そこはうまく外交折衝ということで、早くこれを何とかするようにしたいというのが、今の段階でございます。どうも弱いと言われるかもしれませんけれども、おのずから物事は強弱――そう強いばかりが男じゃないのですから。
#111
○横川正市君 どうも池田長官の言っていることは、私、ちょっと理解ができないのですよ。両者協議をしてきめられたことであるからやむを得ない、その中にはこういうことがあるのですか。たとえばアメリカ側は、きわめて危険だから、あそこに研究所を置いてもらっては困ると、こういうふうに言ったんだが、日本の方は、いやいや危険については、私の方で十分安全を保持するようにいたしますから、どうぞあそこに置いて下さいと、こういうふうに言ってあそこに置いたものかどうか。この点、私はそういうばかなことはないと思うのです。もっとも茨城県の前知事の友末さんの、あそこへ研究所を持っていくまでのいろいろのいきさつについては、保守政治家の特有の住民ごまかしの何か宣伝が行なわれておるようです。岩上知事になってから、初めてその危険を地元民と一緒に話し合って、それを国会に陳情するようになったという一連の関係があるようです。しかし、それにしても、あそこに発電所、研究所を持ってくることが、日本側のいろいろな方法によって米軍側には迷惑をかけませんということで建てたとは、私は思わないんですよ。
 それからもう一つは、今度、教授であるアメリカの大使が日本にやって参ります。一説によれば、軍人の大使から行政官の大使、行政官の大使から民間人の大使というのは、相手国の力をだんだん認めていった現われだといわれておりますが、そういえばある程度アメリカは日本を認めたことになると思うのですけれども、しかし、日本人の対米感情というもののもつれの一番原因は何かといえば、やはり基地を持っているという原因やら、しかも、こういうような危険な状態にありながら、なおかつ演習が続けられ、抗議を申し立てれば一時演習を中止したり、回数を減らしたりするけれども、日にちがたてば、またもや同じことが行なわれる。そうしてこの事態なんか大へんなのは、あなたが実際には抗議を申し込んだのは六日の日でしょう。それなのに二十二日、二十四日には再び爆弾が投下されておるわけですね。こうなってくると、一体、日本の出先の人たちは、アメリカに子供が何かだだこねていったら、あめやるといってあめもらってきて、それで泣きやんだというような、きわめて納得のいかない折衝をしておるようにしかとれないわけですよ。それじゃどうも私どもは了解できないから、もしそこまで低いのならば、最初言ったように、この問題が解決するまで、事実上あそこの運転を中止をする、燃料公社もあるわけですから、燃料公社もこれも操業を中止して、そうして返還を待つ、こういうことが最善の安全を保つ処置だと私どもは考えるわけです。もう少し日にちを待って下さいということでは、納得ができない。操業したいということならば、私は、少なくともあそこで違約をして再び模擬爆弾、あるいはその他の事故が起こり得るという、こういう事態を察知できるわけですから、アメリカに対して返還の最も強い要求をすべきである。これはなぜ私は防衛庁の丸山長官と防衛長官とやらないかという、こういう点もありますが、もちろん、これはやるつもりです。しかし、実際はあそこにいる責任の役所が科学技術庁なんですから、池田長官は、最も大きな被害を受ける立場として、積極的な行動が私はあってしかるべきだ、こう思っているわけでして、先ほどの答弁では全然納得をしかねますので、もう少し明快に交渉の態度とか、あるいは日時とか、あるいはそうでなければ安全を保つ最善の方法は、こうやるとか、具体的なやつを、この際ですから、提示していただきたいと思います。
#112
○国務大臣(池田正之輔君) お答えいたします。誤投下があったのは二十二日でございまして、翌日、私、夕方その話を聞いたのでありますが、その二十四日の朝、役所に出まして、そこでさっそく外務省の担当官を呼びまして、私から厳重な抗議を申し入れた。その日の午後三時に向うから返事がありまして、六日というのは――そうしてその日の午後にまた誤投下があったというのが事実でございます。日米合同委員会は四月の六日に開かれまして、先ほど申し上げたような形で一応の決定を見た、こういうことでございます。
#113
○横川正市君 六日は、これは私の読み間違いでした。そこで問題は、六千メートルの上から落としたから目標を誤ったのだ。今後は三千メートル以下の低空から投下するから誤投下はないと約束をしたので、アメリカの演習は、三月二十四日から中止されていたが、同日の委員会で日本側代表が米軍の申し入れを了承したから、今月の七日から演習が再開される、こういうふうに報道されているのです。これはその通りですか。
#114
○国務大臣(池田正之輔君) 七日から  実際に始めたのはそれ以後だと思いますから、合同委員会を開いてそういう話をしたのは六日であります。その後どういうふうになっておりますか、そこまでは実はわかっておりません。
#115
○横川正市君 非常に不満なんです、そういうことでは。ですから私はさっき、たまたま日本の権威者であります坂田博士が、安全を保障することができないと、自分の良心からいってそういうことの一項の中に、米軍爆撃演習場の問題も入っているわけです。私は学者の良心から見ても、それから実際に研究しているいろいろな立場からその被害をよく知っている、そういう立場から見て了承できないと言って、責任をとれないからと言って辞職をしたという事実も出、さらにまた八木審査部長ですか、これは政治問題については、私の関知するところではないと言って、科学的な審査だけなんだ、こういうふうに、頼む審査委員会が、これが設置され運営されても、そのことによって何の安全も保障されないというところで、依然としてあそこがそのまま放任されているということでは、私どもとしては、どうしても納得できないわけです。ですから私は、これはいわば、原爆の被害に最善の注意を払うことももちろん大切でしょうが、そういう環境の中で運営されていることについて、一体政府はどうするのだ、この点をはっきりしないで、万全の措置、万全の措置と言ったって、これはだれもそんなものは信用できないです。しかも、先ほど鶴園君が言ったように、世界のどこを探してみても、爆撃場の所に背中合わせになって原子炉が置いてあるところはないというのです。それほど世界の各国は安全を保つために注意を払っているのに、日本だけがこのまま放任されていいということはないと思うのです。長官として、この今の答弁なら放任の答弁なんですが、放任をすると、ここではっきり言うのですか。それとも放任はできないから最善の努力――ただその努力は一体何なんだ、具体的にこの際明らかにしてもらいたい。これは私はできると思うのです、政府の責任者なんですからね。それで、アメリカとの力関係でできないのだとすれば、私は先ほど言ったように、国民感情が許さぬでしょうよ、こんなことは。少なくとも南極探検でタローやジローの犬をあそこへ置いてきたということでさえ世論があれだけ騒いだのですから、しかも、国内で人間がいつ爆撃下の中で傷を負うかもしれない、あるいは命を失うかもしらぬということを放任しておるということでこれはやむを得ぬのだということになったら、これは大へんなことだと思うのです。私が誇大にこれを言っておるのか、そうでないのか、この点も一つあなたの意見をお伺いしたいと思うのです。
 もっと一つはっきりしていただきたいと思う。あなたの方の態度がはっきりしなければ、調達庁の丸山長官というような、あの全くヒョウタンナマズで、この委員会に来ても、それはもう前言が前言じゃないですよ。私はやはり実際にあなたの方の、研究所がある所の者が本腰を入れないで円満な解決はないと、こう見るのです。その点、あなたのはっきりした態度をこの際明らかにしてもらいたい。
#116
○国務大臣(池田正之輔君) これは丸山長官レベルで話がつく問題ではございません。少なくとも私並びに総理が、いやしくも政治の責任においてこれはやるべき仕事だと私は確信しております。しかし、先ほど申し上げましたように、それにはおのずから今までの経過もございますので、順序がございますから、私はこれから何もしないと言っておるのではございません。何かをしなければならぬ。ただ、どういう方法でやるかということを、今ここで私は明らかにすることは適当じゃない、かように考えますので、行動を起こすことを、はっきりどういう方法でやるかということを申し上げることは遠慮さしてもらいたい、かように申し上げておるのであります。
#117
○横川正市君 それは、私は何となくその気持はわかったが、国民の皆様は承知しないと思うのです。ですから、少なくとも方法というのはあまりないですね。返還してくれるか、それともあそこの研究を一時中止するか、最善の安全保障をするのはこの二つですよ。ただ、それまでには何とか注意しながら、政府としては、返還をいつまでに実現したい、こういうことであれば、私は一つの回答だと思うのでありますが、具体的な問題については、これ以上言えぬということでは、これは回答にならぬ、こういうふうに思うわけです。その点一つはっきりしていただきたい。
#118
○国務大臣(池田正之輔君) これは何べんも申し上げますように、これから私が起こそうとする行動、これはいろいろ方法があるわけです。先ほど言いましたような、茨城県の知事さんや地元の代表の方が向こうに行かれるということも一つ。それと機を合わして、それのいかんによっては、こちらで私がある行動を起こすということも考えられます。しかし、その場合に、在日米軍の司令部というものもあるし、あるいはアメリカ本国の広報部といいますか、というようなものがあるし、どことどういうふうな形で話し合いをするのか、あるいは抗議をするのか、したらいいのか、効果的であるかというようなことも、これからの研究の課題であります。それには、一番今までの経過から見て、もう二、三日のうちに立たれるはずです、茨城の知事は。その結果を待つことも一つの重要な参考になる、こういうふうに考えております。従って、その結果を見て  たしか十六日に出発だと聞いておりますから、そのようなことで、決して私はそれから逃避したりしておるわけではございません。
#119
○横川正市君 私がここで質問をそれでやめれば事が済むことではないと思うのです。被害が前回から引き続きあったものが、その後中断されておって、事実上の誤った行為というものがないというならば、私はこの際ですから、あなたの今の御答弁で満足だと思うのですが、しかし、相手側は中断をしないで、今あなたの言われるように何か遠い所に落ちておるものではないわけです。二十四日の午前十時ごろに落ちたのは、柳沢さん、あるいは井上さんの畑に落ちたのは一一・三四キロ離れた所であります。こんなのだったら、ジェット機ならばほんの数秒の所なんです。実際考えてみたら、はだえにアワを生ずるような事態が実際に起きているわけなんですよ。遠い所に起きておるから高みの見物ができるというそういう事態じゃないのです。そういう点から考えて、私は今、池田長官が知事たちの渡米も一つの解決の柱だと、こういうふうに言われておりますけれども、もっと政府自体として動くべきことがある。それはやはり当面の責任者である長官やあるいは総理が、この問題についてもっと本腰を入れて折衝する。それなら私はきょうはこれ以上質問をしないのです。アメリカに対して。そうして事態がはっきりしないなら、国民世論というものは私は許さないし、アメリカはそれでもなおかつ続けるということになるのかどうか、私は非常に重要問題だと思う。そういう意味でぜひ一つはっきりとした態度をとってもらいたい。再度一つお答えいただきたいと思う。
#120
○国務大臣(池田正之輔君) これは今まで一緒に手をつないで歩いてきて、途中からばかやろうと言ってなぐるようなもので、やっぱりそれはいけない。自信がないとけんかもできませんよ。そこで、幸か不幸か、この間そういうチャンスがあった。そこで、私はこのチャンスをつかんで、私は国務大臣としてのみならず、原子力委員長の立場に立って、もしも万一原子炉が危険であったとか、あるいはこれによって被害を受けるというような事態が起こるとすれば、これは日本にとって不幸なばかりでなく、両国にとっても非常な事態だ。従って、原子力委員長として、これは一切の責任は私にありますから、そこで、厳重な抗議を申し入れた、こういうことでございます。実は外務省がびっくりするようなけんまくでそのときやったのです。自分のことですから、あまりそれ以上申し上げませんけれども、そのために、賢明にもここで直ちに中止の命令を出してくれたので、その結果さらに合同委員会で、これはおそらくあそこまで演習の形を変えられたということは、アメリカ軍にとっては演習効果が相当減っているだろうと思う。そうなれば当然アメリカ側としても、演習効果の少ない所で演習するよりも、何かやはり考えるところがあってしかるべきじゃないか。これは推察でございますが、この機を逸せずに一つ追い打ちをかけてみようというのが私の気持であります。
#121
○横川正市君 これは私はその問題は、もちろん当面の責任者である池田長官と内容について審議をするということも大切ですし、あわせて長官に一つ列席してもらって防衛庁長官ないしは調達庁長官と一緒にもう少し事態を明らかにしたいと思うのです。
 ただ、最後に、総理が六月に訪米するわけですが、そういう際に、この問題を、相手側と話し合う項目として持ち込むだけの価値のあるものとあなた判断されているか、いや、総理はもっとでっかい話をするので、こんなこまかいことは話をしないと、こうお考えになっておるのか、私はこれは非常に大きな問題だから、一項目持っていくべきであると、こういうふうに思いますが、長官の意見をお伺いしたいと思います。
#122
○国務大臣(池田正之輔君) 総理が今度アメリカに行かれるにつきましては、もちろん、これは日本政府を代表して行くことであり、日本国民を代表することでございますから、その席において、いろいろな懸案となっている問題が出ることは当然であります。従って、今度向こうへ行かれるについての、ことに安保条約以後における日米両国の関係というような問題は、いろいろ角度から検討されることだろうと思います。従って、その場合において、私も、外務大臣ではございませんけれども、いやしくも国務大臣としてみずから意見を持っております。しかし、その意見につきましては、まだ総理と話し合いしておりませんが、当然この問題も取り上げていい問題だと、ただ、その場合に、総理が直接取り上げていくことがいいか、それとも私がやることがいいか、どっちを先にすることがいいかといったようなことも技術的に考えていかなければならぬと、さように考えております。
#123
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#124
○委員長(吉江勝保君) それでは、速記つけて。
   ―――――――――――
#125
○委員長(吉江勝保君) 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側出席の方は迫水経済企画庁長官でございます。
 御質疑のおありの方は御発言願います。
#126
○村山道雄君 大臣にお伺いいたしたいのでございますが、経済企画庁設置法の一部改正法律案によりまして、このたび地域経済問題調査会を設置をされる法案を御提出になったわけでありまするが、この調査会につきまして二、三点お伺いいたしたいと思います。
 現在、経済企画庁で、国土総合開発法に基づきまして国土総合開発審議会で全国計画をお作りになっておるように伺っております。私が予算委員会でお伺いしたところによりますると、大体、全国の計画が六月末ごろまでにでき上がる見通しであるということを伺ったのでございまするが、その全国計画の中では、この地域経済問題調査会の企図しておられまする経済の地域的な発展に関する総合的な取り扱いということが、その立案の骨子になるだろうというふうに考えるのでありまするが、この調査会で調査されまする地域経済の発展に関する総合的な見方というものと、六月にでき上がりまする全国計画との間にどういう関連を持つようになりまするか、その辺のところをお伺いしたい。
#127
○国務大臣(迫水久常君) 全国国土総合開発計画というのは、計画の具体的な計画そのものでございまして、これは全国国土総合開発審議会の所掌でございます。実は、この地域経済調査会というものを予算に要求いたしました当時におきましては、地域経済といって、一体根本的なものの考え方が確定していないといいますか、どういうことをいえばいいのか、考えればいいのか、たとえば所得倍増計画においては、太平洋ベルト地帯というような問題を考えているし、通産省の方では工業立地の問題を重点に置いた地域的なものを考えているし、建設省の方では広域都市といいますか、それから自治省の方は基幹都市、いろいろ地域経済の問題をそれぞれの立場から考えておるが、それを根本的に一つ地域経済というものの概念を明らかにし、どういう問題を取り上ぐべきかということを根本的にやってみようじゃないかということで、予算を昨年の七月でございますか、要求をいたしました。
 そこで、きわめて率直に申しますというと、現在進行中でありまする全国総合開発計画の前にこういう問題の研究があるべきであったかもしれないのです、きわめて率直に言いますというと。それなら、もう全国総合開発計画ができてしまいつつあるのだから、そういう調査会は要らないじゃないかとおっしゃると非常に困るのですけれども、しかし、全国総合開発計画というのは、一応何と申しますか、地域的な所得格差を是正するということを根本の趣旨としまして、その点から出発した一つの開発計画を立てておるわけなんでありますが、地域経済問題の根本問題、基本的問題を調査する調査会というものが依然必要でありまして、従って、広域都市の問題についても、調査費が今度の予算には組まれましたし、自治省の基幹都市の問題についても調査費が組まれておりますが、そういうものの調査をそれぞれの立場で進めると同時に、地域経済問題調査会の予算も認められまして、五千万円の調査調整費というものがつきまして、地域問題というものを根本的に考えて、もう一ぺんやり直す。従って、これから出てくる結論によりましては  それまで今日申し上げるのは、あるいは言い過ぎであるかもしれませんけれども、六月に一応でき上がります国土総合開発計画というものに対しましても、若干の見直しを将来しなければならぬ場合も起こり得る可能性もないわけではない、こういうふうに考えております。
#128
○村山道雄君 その点は、一応現在の国土総合開発計画による全国計画は、地域格差の是正というような観点に立ってでき上がるのであるけれども、今回の地域経済問題調査会の調査と相待って、将来多少手直しをする場合が出てくるかもしれないという点につきましては、御説明を了承いたしたのでありまするが、そういうことでありますると、さらに進んでお伺いいたしたいと思いますのは、ただいまお話もございましたように、国民所得倍増計画では、地域経済の問題につきましては、投資効率ということを非常に重視されておるのでありまして、私から申しますと、その見方が多少近視眼的であり、投資効率に重点を置いて、そのほかの地域の所得格差を是正するということの経済効果というような点についての見方が足りなかったように思われるのでございまするが、いわゆるベルト・ライン地帯を開発をする、未開発地域の開発は計画期間の後半期まで見送るというような計画になっておるのでありますが、その結果、これがその通りに行なわれる場合におきましては、地域間の所得格差が増大をするということは明らかであると考えられます。そこで、政府は閣議決定にあたりまして、国民所得倍増計画の構想というものを決定されまして、後進地域の開発促進を強調しておられるのであります。これは、大臣もしばしば申しておられますように、必ずしも二者択一とかいうようなものではないというお話でありまするが、しかしながら、今度できます調査会が、一体、投資効率を上げるということに重点を置かれるのであるか、それとも所得格差の是正ということに重点を置いて考えられるのであるかということは、非常に大きな問題になると思うのでございます。結局、もし政府が――この委員会では、委員が十名、専門委員が二十名置かれると書いてあるのでございまするが、その委員なり専門委員を人選されます場合におきまして、経済審議会の産業立地小委員会の人たちを再び任命されるということになりますれば、再びベルト・ライン的な考えによりますところの所得倍増計画の構想のできる前の考え方に逆戻りをしてしまうことが明らかであろうというふうに考えるわけでございまして、私はちょっとこの法案を見ましたときに、これは邪推であるとは思いまするけれども、これはベルト・ライン構想の巻き返しをされるのではないかというふうに私は感じたような次第でございます。それはそういうことでないことを切に希望するわけでありまするが、特に大臣に要望をいたし、また、お考えをお尋ねしたいことは、この委員を人選をされる場合に、所得倍増計画、あの産業立地のベルト・ラインを考えた人たちだけをもって構成される場合におきましては、再びこの構想に表われておるような後進地域の開発を、後半期あるいはその次の十年に回すというような考え方になってしまい、狭い意味の投資効率に非常に重点が置かれるように考えるような次第であります。もちろん私はベルト・ライン的な考えの人たちが入ることを否定するわけではありませんし、そういう人たちの意見ももっともな点がありまするが、しかしながら、学者の中にも強く未開発地域の開発、所得格差の是正が必要であるということを主張しておる学者もたくさんあるのでございますからして、今回のこの委員会の構成にあたりましては、少なくとも半分ずつくらいは、この二つの考え方の人たちを加えていただきたいというふうに私は強く要望するのでありまするが、この点に関する大臣のお考えをお伺いいたしたいのでございます。
#129
○国務大臣(迫水久常君) 村山さんのお話の間には私申し上げた方がいいかなと思うことが数々ありましたのですが、御質問の要点が、地域経済調査会の人選はどうするのかということが、最後の御質問の要点であるようですから、その点だけお答えをいたしますが、これは全く産業立地小委員会とは無関係、まあ半分くらいはとおっしゃったんですが、半分も入らないのじゃないかと思いますけれども、全然無関係にお願いしたいと思っております。
#130
○小幡治和君 関連。今、村山委員が前の会議においてお伺いされた問題なんですが、要するに地域のいろいろな総合開発という前に、全国の総合開発というか、そういうものが先行して、その全国的な総合開発に基づいて、どの地域はどういう面を一つ助長していくかというよなうことが考えられてこなければ、これは何にもならぬと思う。ここにもあなたの何というか、資料に出ておるのに、要するに「地域的に均衡のとれた経済の発展を図る」と、こう言っておられるんだが、そうすると東北も、それから東京も北海道も、それから大阪も均衡のとれたというのは一体どういうんですか。これはやはり東京は東京なりの発展というものがあると思う。それから東北は東北なりの発展というものがある。これは性格が私は違うと思うのです。そこをみんな同じような一体均衡のとれた経済の発展というものを考えたら全部が背伸びしてしまって、これは非常に効率の悪いものを考えることになる。
 それからもう一つ資料にいわれておるが、「産業及び人口の適正配置」といわれておる。一体適正配置とは何か。産業を適正配置するということは、結局、その土地に適した産業を助長させる、こういうことになっておりますね。そうすると、北陸にはどういう産業が適正か、大都会にはどういう産業が適正か、また北海道にはどういう産業が適正かと、そういう意味における地域的にそれぞれの特質があると思うのです。気候の面においても、また地質の面においても、あるいは人口の面においても、交通の面においても、いわゆる産業のあらゆる条件というものがみんなそれぞれ違う。それをみんな均衡のとれた発展を考えてもだめなんで、そこをそれでは東京を中心にどういう産業をやらせるか、あるいは北陸はどういう行き方でいくか、あるいは東北はどういう行き方でいくか、日本全国の総合的な計画ができて初めて地域の経済の指導というものができてこなければならないという気がするんだけれども、全国総合がまだできないのに地域のいろいろの総合開発が考えられ、ここにいういわゆる地域の経済開発というものが、また調査会なんか出てくるが、そこの関連を一体どう考えているかということです。
#131
○国務大臣(迫水久常君) それはもちろん小幡さんのおっしゃるように、全部五尺五寸なら五尺五寸でそろえようという考え方じゃなくて、現在六尺の人もあるし、五尺の人もあるのですけれども、できるだけ幅を縮めようとすることは、要するに所得の格差という意味から申しまして、縮めたいとは思いますけれども、おのずからそこにはやっぱり若干ずつの格差というものは存在すると思います。従って、均衡のある発展というのは、東京ばかり繁盛して、東北なり南九州なりが取り残されてしまわないように、南九州には南九州らしい、東北には東北らしい一つの発展をするようにという、そういう意味で均衡がとれたといっていると思います。
 それから産業の適正配置のことは、ただいまおっしゃった通り、やっぱり水の関係だとか、資源の関係、交通の関係等によっていろいろ適当な産業もありましょうから、それをできるだけ適当の所に置くという、抽象的にはそういうことでございます。
 それで、総合開発計画というものは今まで全然できておりませんので、とにかく所得格差是正、これは予算委員会で御説明したのだったかと思いますけれども、現在所得の格差はどのくらいになっているか、東京と鹿児島では三対一、大体そういう比率だと思います。全国平均を一〇〇にしまして、鹿児島が六〇くらい、東京が一五〇くらい、それをたとえば鹿児島を例にとりますというと、全国平均が一〇〇に対して七〇に上げようか、上げた場合はどうなるか、どういうものを、どのくらい工業をもってこなければいけないか、七五に上げた場合にどのくらいの工業をもってこなければいけないか、そういうふうにして今研究をして、その格差の是正ということを重点にして、というのは、そういう意味でございまして、そういうところからスタートして、いろいろ仮定を設けては作業して、修正をしつつ進めておる、そういうようなものでもとにかく全国総合開発計画というものを一。へん作って、一つの問題の基本の種をここに出す、この全国総合開発というのは、おのずから太平洋ベルト地帯の産業立地小委員会に対する若干の修正になるでしょうから、産業立地の問題、工場配置、産業配置の問題については、全国総合開発計画の方が所得倍増計画に優先するという、ちょっと言葉が乱暴過ぎるかもしれませんけれども、大体の感じとしては、そういうような感じでもって取り扱いたいと思っておるのでありまする。そこで、そういうようなものができた場合に一つの地域、北九州なら北九州の地域の経済というものはどういうふうにあるべきかということは、今後検討されていくべきだと思う。そういう場合に、この地域経済問題調査会は地域経済というものの根本理論というものを研究しますと同時に、そういう点に入っても考えていかなくちゃならない、こう思っている次第であります。
#132
○小幡治和君 だから、要するに格差をなくするということは、それはもちろんけっこうなんですが、格差のなくし方にどういう――先ほどあんたの言われた産業立地なんですが、産業立地といっても、いかなる産業で、この地勢のところへ、この交通のところへ、この気象のところにどういう産業を考えて格差をなくするか、これは各地域によって非常に違うと思う。それをみな同じように、京阪地区と同じように、格差をなくするために引っぱり上げて、工場を持ってこようといっても非常にむだだと思う。そこで、東北は東北、九州は九州なりにどういうものを全国的に配置して、要するに適正配置して、そうしてその適正の態様はみな違う、その態様の違う適正の中においてそれぞれの格差をなくしていこう、それをやるのが総合開発じゃないかと思う。その総合開発ができずして、ただ地域の経済の方に持っていったところで非常にちぐはぐなものになっていきはせぬかということだと思うのです。私も村山さんの意見と同じ意見を持って、この間の予算委員会で御質問したわけなんですけれども、その点。
#133
○国務大臣(迫水久常君) どうも鹿児島の例ばかり引いて悪いのですけれども、たとえば鹿児島の国民所得の割合を平均一〇〇に対して今六〇というものをかりに七五に上げる、その辺まで上げてくるためには、現在の農業をどのくらいに、どういうふうに直していけば、農業生産で何%上がる、それのほかは二次産業、三次産業をあそこに育成することによって上げる以外には方法はないわけです。従って、鹿児島に大体こういうような程度の二次産業、三次産業を起こさなければいけないというのが、総合開発計画の内容でありまして、そういう産業を鹿児島なら鹿児島に移さなければならない、起こさなければならないとすれば、今度は地域的に産業道路をどうするとか、港湾をどうするとかいう問題がそこについてくる、こういうことだと思うのです。考え方の出発点の問題なんですけれども、一応今立てつつありますところの全国総合開発計画というものは、所得格差の是正ということを出発点として、所得格差をこの程度是正するためには、この程度の二次産業、三次産業をこの地域に起こさなければいけない、農業はどういうふうに生産性を上げなければいけない、こういうことが出てくる。それをさらに具体化していくためには、あるいは地域経済問題調査会等においても御研究願い、具体的に道路の問題とか、それに入っていく、こういうことです。既存の道路を前提としていったら、それは格差は縮まるどころじゃなくて、大きくなるばかりじゃないかと私は思うのですけれども、そういう意味です。
#134
○村山道雄君 私は、先ほどの迫水大臣のお答えに満足いたすものであります。地域格差の是正が行なわれない所得倍増ということは私は成り立たないと考えますので、その考え方によりまして、この地域経済問題調査会からのいい結論の出ますことを期待いたしまするし、それとの調和を保ちながら全国計画、各地域計画のりっぱなものをお作りいただくように希望いたしまして、私の質問を終わります。
#135
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言ございませんですか。――他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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