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1960/04/25 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第21号
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1960/04/25 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第21号

#1
第038回国会 内閣委員会 第21号
昭和三十六年四月二十五日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           小幡 治和君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           塩見 俊二君
           下村  定君
           中野 文門君
           千葉  信君
           鶴園 哲夫君
           横川 正市君
           田畑 金光君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   経済企画庁長官
   官房長     村上  一君
   経済企画庁調整
   局長      中野 正一君
   経済企画庁総合
   計画局長    大来佐武郎君
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   外務政務次官  津島 文治君
   外務大臣官房長 湯川 盛夫君
   厚生大臣官房長 高田 浩運君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   外務大臣官房外
   務参事官(総務
   参事官)    北原 秀雄君
   厚生省公衆衛生
   局環境衛生部長 聖成  稔君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○経済企画庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○外務省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○厚生省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方は、迫水経済企画庁長官、中野調整局長、曾田総合開発局長でございます。
 御質疑のおありの方は御発言を願います。
#3
○鶴園哲夫君 前回に続きまして、地域経済問題調査会、この問題につきまして伺いたいと思いますが、前回所得倍増計画との関係で伺ってきておったわけですが、この計画によりますと、十年後に鉱工業は三十年を一〇〇としまして、五一〇から五五〇というふうになる。で、通産省が長期経済見通し調査を行ないまして、通産省の長期経済見通し調査によりますと、ここに出ておりますところの地域経済問題調査会の考えとは全く逆なことになるように思うのであります。で、その調査によりますと、全国を一〇〇とした場合に、地域構成比は関東が四四になる、近畿、これは一九・八を占める、中部が一三・四を占める、どういう数字が出ております。それをひっくるめましてこの三地域、関東、近畿、中部、これに今後七七・二%集中するというのです。それから従業員が増加する、その中の九〇%はこの三地域に集中する。用地は三地域で八〇%ほど今後集中する、こういうことになりますと、これは地域経済問題調査会の考えておられることとは全く逆もはなはだしいという状態になるというふうに思うわけですが、そこで、これについて三点ほど伺いたいわけです。
 それは、地域経済問題調査会がこれから審議して答申を待ってどうこうということになるのだろうと思うのですが、なかなかのんびりした話だという気がするわけですね。もっとこれはピッチを上げましてやられるべき問題じゃないか。先般も長官は、これは率直に言ってもう少し前にやらなければならなかったというお話なんですが、今からこういう調査会を作ってどうこうというのでは、全くどろなわではないかという感じもするのですが、そこら辺のことをちょっと伺いたい。
#4
○国務大臣(迫水久常君) 御説きわめてごもっともだと思いますが、この調査会もできるだけ早く答えを出したいというので、一応二年間というふうに期間を区切っているところも、答えを早く出したいという意欲をそこに示しておるつもりなんですけれども、本来なら所得倍増計画の前にこういうものを一応基本的に研究していくべきだったと思いますけれども、やらなかったものですから仕方がありません。やらないよりも、やらないわけにはいかないので、おそくてもぜひ一つピッチを上げてやりたいと、こう思っております。
#5
○鶴園哲夫君 この間もお伺いをしたのですが、この鉱工業の発展といいますか、これは一つの大きな経済の流れに乗って、あるいは投資の効率という点から進められるわけですね。それに対しまして、今、企画庁が意図しておられますこの地域経済開発の調査会というのは、これは政策だと思うのですね。経済の自然の流れじゃなくて、あるいは経済のたくましい論理ではなくて、政策だと思うのです。投資効率というものを伸ばしていくには、この鉱工業の自然な流れに待った方がいいのだろうと思いますが、しかし、そればかりしておったのでは、これは種々問題もあるので、従って、これをチェックしなければならない、そして地域を開発しなければならない、こういう趣旨なんだろうと思うのですね。それで、一方はたくましい経済の理論だ、一方は政策だ、そういう場合に、一体政策というのはどれほどの力を持つのかという点を伺ったわけですよ。それに対して長官は、これはムードだ、ムードでやるのだというお話なんですね。そういうムードというようなことで、一体政策の力づけができるのかどうか、それを伺いたいわけなんですよ。それでムードというのは、これはもっと正確に言えば世論の力といいますか、あるいは常識の力といいますか、そういうものによって非常に一方的に偏する経済の発展、あるいは所得が一方に偏するという、そういう問題に対して何かチェックをしながら、全体として均衡のとれた発展をということだろうと思うのですが、ムードムードというようなことで一体できるものなのかどうか、そこら辺のことをお伺いしたいのです。
#6
○国務大臣(迫水久常君) 先ほどお述べになりました通産省のアンケートでも現われておりますように、企業が一定の方向にみんな集まる傾向を持っているということは、これは一つのはやりでありましょうし、それが一番経済効率がいいと思い込んでやっているのでしょうけれども、実際やってみると、そこには道がなかったり、競合して土地が高くなってしまったりして、実際これはなかなかそうもいかないのじゃないかと思うのです。そこで、地域経済問題調査会等で研究しまして、こちらの方にもいい所がありますといえば、なるほど、若干距離は遠くなるけれども、地代は安い、水は割合安く上がるというようなところから、それなら何もあわててこっちに行くことはない、こういうことで、おのずからそこにムードが出てきはしないか、また、そういうことを馴致していきたい、こういうふうに思っているので、これから先、地方に分散していくということは、これは言葉が悪いかもしれませんけれども、土地の紹介業というようなもので、たとえば郷里の鹿児島なんかにもこういういい所があるのだから、ちっとは遠いけれども、土地は安いぞということを宣伝  宣伝といっては工合が悪いかもしれないけれども、そういうことをみんなに知らせれば、それから受け入れ態勢もこうなっておりますということを知らせることによって、ただ無我夢中に東京だ大阪だ名古屋だと集中しているのも、それなら、そっちに行こうかという空気が出るのじゃないか。そういう空気が出るように努力し、また、それを期待している、こういう立場です。
#7
○鶴園哲夫君 わからぬでもないのですけれども、しかし、ほんとうにとことんまでやって、どうにもならない。飽和状態が飽和になり過ぎてどうにもならないというところまでそういうことが続くのじゃないでしょうか。それを、そういう場合になった場合には、これはもう所得格差とか、あるいは地域均衡というような問題は取り返しのつかないような状態になってからじゃないですか、そういう状態が五年やそこらで生まれるように思えないのですけれどもね。もっと、だから、単に今おっしゃったようなきれいごとではない力が要るのじゃないかというふうに思うのですけれどもね。
#8
○国務大臣(迫水久常君) 何といいますか、このごろ設備投資なんかも、少し行き過ぎだ行き過ぎだということを言われ始めてきますと、そうすると、それじゃ政府が統制をしなければならないか、かりに統制をするなんというようなことでもやろうものなら、それこそもっとひどく、それじゃ今のうちにというやつが出てきて、どうにもならなくなると私は思うのです。絶対だから統制する気はありませんが、東京都なら東京都の近所にはこれ以上工場は設けさせない、何月何日以降は設けさせないというようなことをかりにやったら、それまでに大へんな騒ぎが起こってくるのだと私は思います。だから、力を用いるということは、逆効果がずいぶん出てくるのじゃないかということを考えておるのですけれども、従って、また、みんな工場を東京の方に持っていきたいということも、その方が得だからと思ってやっておるので、よく考えてみたらあまり得じゃないなということがわかったら、必ずほかの方に行く気になるのだろうと思う。ただ、何といいますか、大学の受験生が東京の大学に入りたいといって、むやみに東京に集まってくるのと違って、そこのところは、よほどめいめいの損得勘定からいっても、どん詰まりにいくまでやらないで済む。従って、政府としても、その間に早手回しにできるだけ宣伝もし、PRもし、そういうムードを作ることに努力することによって、どん詰まりまでいかずに問題は解決してくれるだろうと思うので、そういうことをしたいと努力するつもりでおります。
#9
○鶴園哲夫君 先ほど私は、通産省の長期計画見通しの調査ですね、これを引用したわけですが、これなんかを見ますと、それは立地条件、用地の条件、あるいは水の条件、あるいは関連産業との関連の中で、それぞれ企業は企業としての利潤追求の立場から見通しを立てたのだろうと思います。立てました結果が、先ほど私が申し上げましたように、これから十三年、新しく新設されるという鉱工業は、ほとんど全部この三地に集中する、こういうことになっておるわけですね。そういう集中するものを、今お話のような、何か宣伝みたいなものでいくというふうに思えないのですけれどもね。くどいようですけれども、もう一ぺんそこのところを。
#10
○国務大臣(迫水久常君) まあ大学の受験生が、その願書を受け付け始めてから、大体自分の受けようと思っておる学校は何倍になるかということで、予想以上に倍数が多くなっていくと、とても入れないから、よその学校に行こう、こういう考えをアンケートにまとめたということは、そういう意味においていい効果があったのじゃないかと思います。そんなにむやみに東京、大阪、名古屋に集まってくる状況でありますと、うっかりすると土地はむやみに高くなってくるし、水もなくなる。これは自分たちはもうちょっと考えないと、競争力の低い所に行った方がいいと考える人も必ず出てくるだろうと思うので、その通産省の見通しというものはアンケートをまとめただけのものですから、そこのところをもうちょっと力を使ったらいいじゃないかといわれるのですけれども、どうも私は、そう高等学校の卒業生に、お前はどこの学校を受けろ、お前は東大はとても入れそうもないからというようなことをしない方がいいのじゃないかと私は思っておるのです。その点若干見解の相違かも知れませんけれども、そういう気持でおります。
#11
○鶴園哲夫君 この地域経済問題調査会の設置の中にも出ておりますような、このような状態でいけば社会的緊張を高めるという結果になってくるというようなことが出ておりますが、最近こういうような書き方が顕著に目につくように思うのです。農業基本法の場合におきましてあの答申が出ておりますが、あの答申を見てみますと、やはりそういう考え方が非常に強く出ておるようですね。私はこれは一種のどうかつ政策だと、こういうように思うのです。どうかつ――少しばかりどぎつい言葉ですが、どうかつ政策だと思うのですが、農業基本法の場合の答申を見ましても、外国貿易の自由化をやるということになると、農業は非常な困った状態になる。従って、社会緊張を一応強める、あるいは鉱工業の非常な発展に比べて、農業がきわめて低いということが社会的緊張をいよいよ高めるというような立場がどうも基本になっておるように思うのです。そうしますと、今度設置する調査会でも、やはりこれから運営していく場合に、そういうような立場というものが強くとられるようなことになるのじゃないかと思うのですが、そういうお考えがあるわけですか。社会的緊張を強めるという立場からチェックしていこうという考え方があるわけですか。
#12
○国務大臣(迫水久常君) 今の鶴園さんの御質問は、社会的緊張を高める結果ともなると提案理由で言ってるのを、逆に、だからといって、これをたてにして分散させよう、こういう意図があるかと、こういうことですか。提案理由で申しましたときは、結果はうっかりするとそういうことになるだろうという結果だけの予想と言っただけで、だからといって、みんなをおどかして、東京に集まると社会的不安が起こるぞと言っておどかして、向うへ、どこかよそへ行ってもらいたいという、そういうような実は考えで言ったのじゃなかったのです。
#13
○鶴園哲夫君 私は、国土法の問題につきましても伺ったわけですよ。十年――今年は十一年になって、どうも国土法は看板倒れになっちゃっている。それは企画庁というのが力がないのじゃないかという点を御質問申し上げたわけです。今後非常にむずかしい大へんなこれは問題だと思うのですが、その場合に、経済企画庁というのは、これは安本の時代と違いまして、力がないわけですね。一方は、大蔵省にしましても通産省にいたしましても、産業省で力を持っておられるわけですね。しかも経済の論理の上に乗っかっておるというわけですね。その場合に、そういう意味では力の弱い経済企画庁が、経済の論理に乗っていないところの政策というものをやるという場合には、どうもやはりそこへ持ってこざるを得ないのじゃないか。一種のどうかつ政策に持ってこざるを得ないのじゃないかということを出与えるわけなんですよ。
  〔委員長退席、理事小幡治和君着
  席〕
#14
○国務大臣(迫水久常君) 経済企画庁が非常に非力であることは、これは私どもは率直に是認をいたしますが、その非力なる経済企画庁をお預かりして、やせ腕を一生懸命振り回してやっている立場ですけれども、どうかつしてやろうとは決して思ってなくて、やはり私の今考えているのは、権力なき政府は――私が昔役所におりましたころは権力ある政府でしたけれども、このごろは全く権力なき政府ですから、政治全体がムードでやる以外に手はないのじゃないか。その中で権力なき経済企画庁は、閣内におけるムードを作って、それで企画庁と協力してもらう、こういう気持で努力しておるのです。力がなくて及ばないかも知れませんけれども、一生懸命やってみたい、こういうふうに考えておるのです。
#15
○鶴園哲夫君 確かに力は私はないように思うのですね。安定本部の時代はともかくとしまして、それが国土法なんかに全面的に出ているというふうに思うわけです。しかも、この所得倍増計画の中で一番問題になる地域格差、あるいは均衡のとれた日本全体の発展という問題は非常に重要な問題なんですね。それだけに、非力だ非力だというお話では、どうも納得しにくいわけですよ。従って、考えられますことは、この地域経済開発の調査会というものを、もっと大がかりなものになすったらどうか。これは委員が十名なんかではムードを作れないと思うのです。もっと大がかりな委員会を作って、所得倍増と同じようなでっかいものを作って、そうして業界等にも、学識経験者にも、今言われたムードを巻き起こすというような、あるいはある意味では社会正義的な立場を起こすというような心がないと、たった十人ですこの委員は。それじゃ経済界なりそういうところにムードを起こそうにも起こらない。あるいはそうでなければ行政委員会を作られるか、強力な行政委員会を作って地域開発をやるほどの熱意と決意がなければ、何かそういうきつい立場をお立てにならないと、今のままでいくと、どうもまた非力に終わりそうな気がするんですが、いかがです、その二つ。
#16
○国務大臣(迫水久常君) 地域経済問題調査会の機構をもっと大きくしろ、行政委員会を作るか作らないかということは、これはちょっと別の問題ですから、あとでまた申し上げたいと思います。地域経済問題調査会の規模を大きくしろと鶴園さんはおっしゃるんですが、ほんとうに鶴園さんがそう思っておるかどうか、私は若干疑問を持つんです。というのは、非常に数を多くしますと、きわめて露骨なことを言って済みませんけれども、それぞれその地域のひいきの人たちが出てきますと、これは収拾のつかない段階になってくるのじゃないか。それで比較的地域的なそれぞれの地域にあまり特定の立場を持たない、ほんとうの学識経験のある、ほとんど理論的なものだけを考える人たちを少数集めて一応やってみたい。それで考えてなるべく小さくと、こういうことで最小限度十人ということにしたわけです。もちろん専門委員というものが別に出てくるわけですけれども、ただ、それでその結果判断しまして、今、鶴園さんのおっしゃるような行政委員会的なものでもやらなければとてもだめだ、経済企画庁は非力で何ともならぬということになれば、そのときには行政委員会の問題をとり上げて御審議願いたいと思います。
#17
○鶴園哲夫君 私申し上げたのは、十名という委員ですね、これはもちろんおっしゃるように、地域とか、そういうものにとらわれない純粋の立場に立った人たちがもっとおられると思うのです。一ぱいおられると思うのですが、そういう委員会にしなければ、十名程度の一つかみの調査会では、この重大問題を推進していくにはどうもお話にならぬような弱いものになるんじゃないでしょうか。これは重大問題であるだけに、十名という調査会では問題にならぬと思うのです。また非力な状態に陥ってしまうのじゃないか。私は、何も地域から関係者を出せということじゃなくて、全体の立場に立って不均衡をできるだけ是正をして、全体として均衡のとれたそういう経済の発展を念願する人たちは一ぱいおるわけですから、理論的にも正しいですから、そういう人たちがおられるんですから、だからもう少しでっかいものを作ってムードを起こして、そうして世論の力を起こされたらどうですか、こういうことです。これでは世論にならない。
#18
○国務大臣(迫水久常君) 激励を受けてうれしいですが、強力なる一騎当千の士を集めて、それが何十人かの委員会に匹敵するがごとき強力なる一騎当千の士を集めて一つやらせていただきたいと思います。
#19
○鶴園哲夫君 どうもまずいですね。そういうものですかね。ほんとうに少ないのじゃないですかね。これじゃどうにもならないと思いますね。十人以上もっとふやされたらいかがですか。あらゆる立場から、農業関係も入れるし、工業関係も入れるし、いろいろな学者を入れまして、そして全体としての地域格差をできるだけ埋めていくのだという立場をおとりにならないと、所得倍増計画そのものが大へんな壁にぶち当たることになるのじゃないかと思うのですがね。だから何もここで固執されることはないのですから、三十名というくらいの委員会にして、盛大にお持ちになったらいかがですか、推奨しているのですがね。
#20
○国務大臣(迫水久常君) それは非常にごもっともな、非常にうれしいお話なんですけれども、いろいろ研究をしましたけれども、三十人というと、やはりなかなか人を集めにくいのでありまして、方々の委員会に重複したりなんかして、結局むずかしい。やはり一騎当千の人をごく少数集めて、まあそれを補充するのには専門委員というものを二十人くらい別に置いて、専門的知識を提供してもらうわけですけれども、どうしても三十人にしなければ通してやらぬとおっしゃられると困るのですけれども、十分これでやれそうに私は思っているのです。やりたいと思う。大いに能率を上げて、小さい、しかも身動きのいい、会議をするにしたって、大きな声で、拡声機を使わないでも会議のできるような体制をとっていく方がやはり能率的じゃないかと私は思ってこういうふうにしたのですけれども、一つのお考え方だとは思うのですが、私の考えはそういうことだということを申し上げておきます。
#21
○鶴園哲夫君 三十人としましてもこの程度のものなんですからね。何も拡声機を使う必要もないし、しかもおっしゃいますように、ムードの力ですね、あるいは新しい正義の立場というようなことを考えましても、十名じゃこそこそとやって、能率は上がるかもしれませんが、おっしゃるようなムードにはなかなかなりがたい、だから私は、非常に調査会が重要であるがゆえにそういうことを申し上げておるのですが、能率とかいう問題ではなくて、たくさんの人たちが集まって、権威のある人たちが集まってムードにするという気持がないのじゃないかというふうに私は思うのですよ。何かお飾りにこういうものをつけているのだ、こういうものを出しているのだというような邪推をしたくなるほどなんですよ、ほんとうのところは。
#22
○国務大臣(迫水久常君) 非常にありがたいお言葉なんですけれども、現在の企画庁には国土総合開発審議会、ここで、率直に言えばこの審議会でこの問題を議論してもできないことはないと思うのですよ。ところが、これはやはり人数が非常に多くて、しかも、基本的に問題を考えていく場合には、もう少しそれに人間を補充していかなければならない。そうすると、いろいろな現在の開発審議会を構成している人のグループのバランスがくずれてきたりなんかして、なかなかうるさい問題になるものですから、小さい動きのいい格好にしようというのが今度の考え方です。一つムードを作るというような、ほんとうにムードを作るというようなことで、どうしてもそれは大きな委員会が必要だったら、一つの具体的な問題は、今度は国土総合開発審議会も、その線を使えないことはないのじゃないかと思うのですけれども、結局この地域経済問題調査会は、基本的な問題を理論的に本気に勉強して掘り下げてもらおうと、こういう趣旨なんで、大きいのがいいということには私は限らないと思うのです。これは見解の相違ですけれども、私はそういう気持ですから、一つそういう気持もあるかなあと思って、御了解を一つお願いしたいと思うのです。
#23
○鶴園哲夫君 それじゃくどくなりますので、この調査会は、私の分はこれで終わりまして、その次の国民生活向上対策審議会というので伺いたいと思うのです。
 この国民生活向上対策審議会に入ります前に、迫水長官が昨年の十月ごろでございましたですか、国民生活審議会を設置したい、それから国民生活研究所、これを設置したいというようなことを発表されたことがあるわけです。一体おそらくこの今出ております審議会は、国民生活審議会というものの現われだと思いますが、名前だけは非常にきれいになっておりますけれども、国民生活向上対策審議会とわかりよくなっておりますが、どうも印象としまして非常に後退したのじゃないかというふうに思うわけですよ。
 それから国民生活研究所、こういったものはどういうふうになったのか、伺いたい。
#24
○国務大臣(迫水久常君) 審議会の方は後退されたというのですけれども、その御印象はよくわかりませんが、まさしく私が就任早々、気鋭のときに話をしたのがここへ出てきているわけです。
 もう一つ、国民生活研究所の方もぜひやりたいと考えたのですけれども、残念ながら、大蔵省から予算をとってくることが、国立の研究所を作ることは不可能になりました。そこで、今考えておりますのは、委託調査費という格好で予算を少しもらいましたから、その予算の中の一部を使いまして、それをもとにしまして、それで社団法人なり財団法人のような形で、企画庁の専属じゃありませんけれども、主として企画庁のお願いをすることを研究してもらう研究所を設置したいと思って、今努力をいたしております。
#25
○鶴園哲夫君 この審議会の中は、委員会と専門委員会と幹事会というふうに分かれるようですが、これは委員は国民生活の問題を検討されるのですから、消費者的な立場の人たちも入るわけでしょうか。この委員の構成の考え方、あるいは分科会を持たれるのかどうか、あるいは専門委員という方々にも、やはり消費者の代表という形の人たちが入られるのかどうか、その辺のことを伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(迫水久常君) この審議会が消費者の問題に重点のあることは当然でありますので、三十人を三つのグループに分けまして、消費者代表、経済界代表、一般の学識経験者、三つのグループにそれぞれ十人くらい、十人づつに分ける。消費者代表の中には、主婦の方々も当然これは入っていただきたいと考えております。
#27
○鶴園哲夫君 専門委員はいかがですか。
#28
○国務大臣(迫水久常君) 専門委員は、それぞれ専門の知識を提供する立場でありますから、審議会の委員ほど厳格に、一・一・一という比率になるかどうかは、これはわからないのでありますけれども、当然消費者の代表というものが大きなウエートを占めてくると思います。
#29
○鶴園哲夫君 次に、この委員会の運営の方向といいますか、審議の方向といいますか、そういうようなものがありましたら、この際明らかにしておいていただきたいと思います。どういうような内容を審議するのか、一体、国民生活向上対策審議会の審議の方向ですね、内容といいますか。
#30
○国務大臣(迫水久常君) 一応事務的に用意したものがありますから、中野調整局長から御説明をいたします。
#31
○政府委員(中野正一君) 本審議会の審議事項といたしまして、今考えておりますことを申し上げますと、第一に、国民生活の実情に関する事項、こういうものを考えております。これは御承知のように、国民生活の実態なり実情につきましては、各種の従来からもいろいろ調査がありまして、これによってある程度は判断できるわけでありますが、たとえば職業別、地域別に見ますと、消費の実態がどうなっておるかというような点はまだ十分明らかでございませんので、現在ございまするいろいろの資料を整備する以外に、国民生活の実情をどういう観点からどういう方法で調査したらいいか、また、調査結果に基づいてその実情をどう考えるべきかというようなことを本審議会で審議していただきたい。
 それからその次に、これはなかなかむずかしい問題でございますが、生活向上モデルというような言葉を使っておりますが、こういうものを作りたい。これは将来の合理的な国民生活の内容というようなものがどうあるべきかということを示す、いわば標準的な生活向上モデルといいますか、こういうものを作成していきたいということを考えております。ただ、これはそういうものを作る場合に、その方法論の非常にむずかしい問題がございまして、その内容、作成方法等についてこれは十分審議をしていただきたい。これは別に先ほど長官から御説明のありました調査委託費をまあ約一千万円近く取っておりますので、適当なる調査機関に、そういう生活向上モデルの作成の準備的な調査研究をあわせてやりたい、こういうふうに考えております。
 それから次に、御承知のように、まあわれわれの国民生活はだいぶん向上して参ったのでありますが個人の生活を取り巻くいわゆる生活環境施設というようなものが非常におくれておることは御承知の通りでございまして、そういう点から、こういう問題を国民生活の向上という観点から総合的に均衡のとれたものにするにはどうしたらいいかという、施策の総合的、かつ、基本的な方向を審議してもらうという考えでございます。また、そのほか国民生活の向上に関する問題につきましては、たとえば物価問題の基本的な方向というようなものは、もちろん具体的な物価をどうするということはこの審議会でやるわけでございませんが、そういう国民生活の向上に関連のある基本的な問題については十分審議をしていただきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
#32
○鶴園哲夫君 まあこれを要するに、所得倍増計画というのは生産力の発展に非常に重点が置かれておる。その中で国民の生活というものはどういうふうにあるべきか、どういうふうに高めていくかという点の審議をなさろうと、こういうわけですね。で、御存じのように、どうも生産力の立場というのは非常に強いのですけれども、一方、消費者の立場というのはまことに弱いのじゃないかというふうに私、常日ごろ思っているのですけれども、そういうような点について長官はどういうふうに考えていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。
#33
○国務大臣(迫水久常君) お説の通り、私、閣議に行っておりますと、生産者の立場を代表して発言をする大臣というものは非常に多いのです。ところが、いろいろな政策が、消費者の立場からそれを見てどうであるかというようなことを発言する大臣というものは、露骨に言って、全くないといっても過言ではない。私は、はなはだ大それたことを言うようですけれども、まあ行政に消費者の声を反映するために、経済企画庁は、その意味においては消費者の代弁をする立場をとらなければならないと考えましたので、就任以来、その方向で一生懸命に考えてきたのでありますが、結局今回の国民生活向上対策審議会というものを作りましたのも、そういう意味で経済企画庁を通して消費者の声というものが行政に反映する、いろいろな面で反映させるためにここでいろいろな知恵をまとめていきたいというふうに考えております。従って、ただいま調整局長が御説明をしましたのは、まあ大蔵省から予算を取りにいくときには、これはどういうことをしなきゃいけないかということは、これは言わなけりゃくれないものですから、一応こういうようなことを並べて申したのですけれども、もう少し機動的に消費者の立場から行政を批判するといっちゃ語弊がありますが、行政に対して反映してもらいたい。消費者の声というものをこの国民生活向上対策審議会でまとめて、それを経済企画庁の立場から閣議等で発言し、各省とも連絡してそういうような役目をこの審議会に果たしてもらいたいと、こう考えております。
#34
○鶴園哲夫君 その生産力をふやしていくというところに非常に重点が置かれ過ぎまして、生産力をふやしていくということを結論的に申しますと、国民の生活が向上する、あるいは国民全体が豊富になっていくというところに落ちつかなきゃならぬわけですけれども、今のところでは、なかなかそういうことではなくて、生産者の――生産者といっては恐縮ですが、生産力の立場が非常に強過ぎて、消費者の立場というものは弱いように思っております。その意味で、この審議会というものは非常に重要なものだと思っているわけですが、その意味で種々これから一つ伺いたいと思います。
 まず第一に伺っておきたいのは、これは念のためにお伺いするのですが、よくいわれております失業者群とか、あるいは生活保護世帯、あるいはボーダー・ライン層というようなこの人たちの生活の実情というものをあからさまにやはり分析をされて、消費行政――今の国の政治に役立てようという考えがあるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(迫水久常君) 今のは低所得者層の実態等をここで調査することもやるかという、こういう御質問ですか。
#36
○鶴園哲夫君 そうです。
#37
○国務大臣(迫水久常君) それは当然その問題にも触れると思いますけれども、具体的な資料というものは厚生省の方、そっちの方の審議会、そういう関係の審議会があります。厚生省にもありますので、そういうところから資料をもらってきて、それを種にしてやるということになりましょう。おそらくこの審議会が独自の見解でさらにそれを調査するということもりあ得るかもしれぬけれども、まあよそから資料をもらってきて、それを基礎にしてやるときの方が多いのじゃないかと思います。しかし、その資料があまり信用できないという印象があった場合には、この審議会で独自の研究をしようということにならぬとも限らぬ、ならぬともなるとも言えないが、もちろんその研究の対象ではございます。
#38
○鶴園哲夫君 先ほど審議会がこれからやっていきたいという審議のあらましの御説明を伺ったのですけれども、その中で重大な問題が抜けているような気がするのですが、それは消費者価格ですね、こういう問題についての検討というのは行なわれるのかどうか、先ほどどうもそれが抜けておったように思うのですが、これを抜かしちゃどうも国民生活向上対策の審議会になりがたいと思うのですけれども、消費者物価、こういう問題についての検討をなさるわけですか。
#39
○国務大臣(迫水久常君) これは非常に大きな要点になると思います。先ほど中野調整局長から説明しましたのは、大蔵省に予算を取りに行くときに、こういうことをやりますと言って一応説明をしたのであります。もちろんそれから落ちていることもたくさんありますし、大蔵省がすぐほかの審議会と重複するじゃないかと言うものですから、ほかの審議会とは重複しないようなところだけとって大蔵省に説明した、その資料をそのまま先ほど申し上げたのであります。従いまして、消費者物価の問題なんかは、当然この中に入ってくると思います。
#40
○鶴園哲夫君 どうも生活環境がどうだとか、あるいは消費者の立場というものを幾らかでも政府の政策の中に反映したいということは理解はつくんですが、一番大きな問題は、やはり今申し上げた消費者価格の問題というふうに思うわけですね。ですから、独占価格というような問題について、もっとはっきりとした見解をお持ちになっていただかないというと、国民生活の向上対策の審議会になりがたいというふうに私は懸念するわけです。御存じのように、これは農民だって知っておりますよ。一体肥料の値段がどうなってくるというのは逐次わかってきておる。あるいは、あらゆる商品というものはきわめて集中化されてきておるわけですね。二、三の会社によって支配されておるわけですから、ですから、独占価格というもの、こういう問題についてどういうような見解をお持ちなのか、そういう問題をまたこの審議会で根本的に審議されるお気持があるのか。この間も物価の値上げでごたごたしたことが起き始めると、その場はちょっとばかり経審の方では大臣がいろいろお会いになったりされますけれども、それがおさまっちゃうとそれっきりで、いつまでたってもこういうような消費者物価、あるいは独占価格というものについての政府の考え方というものがはっきりしないように思うんです。ですから私は、この審議会でそういう問題も明確なやはり考え方をお持ちにならないと生活向上審議会にならない、なりにくいという見解を持っておるんですけれども、そこら辺についてちょっと伺いたい。
#41
○国務大臣(迫水久常君) たとえば、鉄なら鉄の価格というものが独占価格である、それは当然もっと下げらるべきじゃないかというようなことの見解、そこまで入ってこの審議会でやるかどうかということは、私はちょっと疑問に思います、率直に申し上げまして。しかし、それは当然経済企画庁が物価政策として担当すべき部面でございまして、抽象的に言えば、独占価格については厳にこれを監視して、不当な価格の出ないようにするということを、言葉以上には言えないのですけれども、現に、せんだってから鉄の値段が物価指数の上でやや顕著に上がっているような状態になりますと、すぐに生産増加をする計画を立てさせるとか、それから、さらにもう少し私は掘り下げて研究するように通産省にも頼んでいるんですけれども、肥料の問題にしろ何の問題にしろ、価格構成の実体について、もう少し掘り下げた研究をして、下げらるべきものは下げなければならぬ、こういう形を今現にやりつつあります。従って、独占価格に対していかなる立場をとるか。もろもろの独占価格について、一々との審議会で、あるべき位置というものをきめていくというところまでは入らないと思いますけれども、今おっしゃったように、肥料なら肥料の問題は独占価格でもっておかしいじゃないか、政府はこいつを何とかしろという、そういうような話は当然この中から出てくると、こう思っております。
  〔理事小幡治和君退席、委員長着
  席〕
#42
○鶴園哲夫君 これは消費者生活の問題を審議される、あるいは消費者代表としての意見というものが政府の政策の中に入っていくうという立場をとられるなら、これは一番やはり問題になる独占価格という問題について、この審議会でも相当ウエートを置いて論議になるということがないと、私は非常にあぶないものだと思う。そういう問題についての国民の認識というのは非常に強まっておるのです。バター、チーズを買おうと思えば、森永か雪印か明治か、三つしかないということをみんな知っている。あるいはフィルムを買おうとすれば、さくらか富士か二つしかない、明らかです。時計を買おうと思えば、シチズンかセイコーか二つ、あるいは、テレビ、カメラにしましても、六つくらいのもので完全に独占されているわけですね。ですから、独占になっている中で、どうも最近の傾向を見ましても、なかなか卸売物価というものは下がらないで、上がるような傾向があるし、国民がやはり今後の生活を考える場合に、一番問題にしてくるのは独占価格、消費者物価という点について非常な関心の目を向けてくるだろうと思うんですね。その場合に、せっかくお作りになるこの審議会が、そういう問題についてなかなかすっきりしない、少し逃げて回ったような感じでは、受け取りにくいというふうに思いますけれどもね。
#43
○国務大臣(迫水久常君) 鶴園さんのおっしゃることはよくわかりました。そういう鶴園さんのおっしゃるような意味では、当然この審議会では消費者物価、あるいは独占価格といいますか、広く消費者物価といった方がいいと思うんですけれども、当然問題にするきわめて大きな要点になるだろうと思います。さっき私が少しよけいな言葉を言ったのは、たとえばフィルムの値段は幾らでなければならないかという原価計算までこの審議会でやるかどうかということはちょっと疑問ですということを申し上げたんですけれども、独占価格に対するきわめて厳重なる監視機関の役目をこれが果たしていくということは、これは当然そうありたいと、こう念願しております。
#44
○鶴園哲夫君 まあはっきりはしないのですけれども、とにかく消費行政的な構想というものですね、そういうものが打ち立てられるような感じもするわけです。消費行政の立場が政策として打ち立てられるような感じもするわけです、はっきりしないですけれども。消費者の利益を代表した立場というものが政策の中に反映をする、あるいは消費者の生活向上を助成する、そういうような行政というものが打ち立てられるような感じも受けるわけです、今までの御説明を聞いておりまして。そういうような明確なお立場があるのかどうか。今各省にばらばらになって、きわめて消極的に消費者行政、消費行政に該当するようなものがあることはありますね。たとえば厚生省に医薬、食料品、料金など、最低の消費行政みたいな、ばらばらになって存在しておるですから、もっとこういうようなものを調整総合して消費者行政というようなものを打ち立てられるようなお考えがあるのかどうか、そういうようなことを承っておきたい。
#45
○国務大臣(迫水久常君) それが実は最大のねらいでございまして、一足飛びに大きな機構でも作ったらいいのかもしれませんけれども、やはりそういうような立場で、たとえばアメリカではキーフォーバーという上院議員が、消費者省というものを作れという議案を出しているようでありますが、そういうようなことを、消費者の行政を確立するためにどういうふうにすればいいかというような、そういう問題も国民生活向上審議会で審議してもらって大きく打ち出していきたい。消費者行政を確立するということのねらいの第一歩を、ほんの小さい一歩ですけれども、ここに踏み出したということで私はおるんです。
#46
○鶴園哲夫君 通産省が、民間に消費者協会というものを設置したいというようなことを発表しました。それから商品のテスト機関ですね、こういうものを中央に設けたいということを通産省が盛んに言っていますね。これもやはり消費者の立場に立った行政というものが幾らか出てこなければならないという立場のように思いますが、これはいずれも御破算になったようですが、こういうような消費者の協会といいますか、あるいは商品のテストをする機関というようなものが、これがやはり本審議会あたりで審議されて、設立あるいはそういうような運営が行なわれるという方向にいかなければならんのじゃないかというふうに思っておりますがね。御存じのように、今日大へんな誇大な宣伝が行なわれるわけですね。医薬品にしましても電気器具機械にいたしましても、大へんな誇大な宣伝――私なんか誇大な宣伝だと思うんですが、あるいは懸賞付きの販売とか、最近公正取引委員会で問題にしているようですけれども、こういうような、全く消費者が裸のままでほっておかれたような形の宣伝に取り囲まれているわけです。そういう中で商品の品質なり、あるいは効力なり、そういうようなものをテストする機関、公正な意味でテストするということによって消費者というものを守っていく。一方的な宣伝や、そういうものによって押しまくられないという立場がきわめて必要じゃないかと思うのです。あるいはまた先ほど申し上げました消費者の協会というようなもの、これは官製のものになりますと非常に弱いのですが、しかし、こういうようなものがやはり存在をして種々調査しなければならないと思うのですが、こういうことこそおやりになってやっていかなければならない問題だと思うのですが、その点いかがですか。
#47
○国務大臣(迫水久常君) 通産省が消費者協会というものを作って、これは主として今お述べになりました商品のテストをするということ、やはり正しい商品のあり方というものをみんなにPRする機関だと思うのですけれども、私もそういうような機関ができることを希望して、若干予算をとるときには応援したのですけれども、うまくいきませんで、今度は予算がとれませんでした。しかし、そういうような方向のことは、これは当然しなければならぬことでありますので、来年度におきましては、おそらく今度できます国民生活向上対策審議会なんかでも、そういうような機構の問題等も、これも対象になると思いますから、通産省の所管になると思いますけれども、私も応援して一つ作るように努力をしたい、こう考えております。
#48
○横川正市君 設置法の地域経済問題調査会設置に当たって、総理府の外局として設置されておる土地調整委員会とか、首都圏整備委員会との関係といいますか、あるいは連携といいますか、そういう関係はどういうふうに保持されていかれるのか、この点を一つお聞きしたい。この地域経済問題調査会の主たる問題というのは、私はこれは先般も質問いたしましたように、一部の都市を中心に工業関係が集中的に群をなして設置をされてくる。そういうところに経済的な一つのアンバランスを生む要因がある。そこで、この中では工場新設に関する用地とか用水の取得が非常に困難になっておるから、それらも緩和をするという意味で論議をされるということになっておるわけです。そこで私は、この首都圏整備委員会とか土地調整委員会というのは、それぞれ外局として設置をされて運営をされているわけでありますけれども、大体目的というのは、その地域においては大同小異、あまり変わらない形になっておる。企画庁の今回置かれているものは全国的なものであり、部分的なものであっても、首都圏整備委員会等は、それについてある一つの方向を持って動いているわけです。そうすると、全体のものと部分のものというのはどこかで調整をとっていく必要があるのじゃないか。それは企画庁が独自でそういった問題の方向を出す。それから首都圏整備委員会がまた独自な方向で具体的な考えを持つということでは、結果からいって非常に大きなロスがあるのじゃないか。これは非常に悪い例かもわかりませんが、最近一号国道なんというのが作られるわけですね。立ちのきその他非常にめんどうな問題を克服して道路の幅を広げ、それから道路そのものは非常にいい道路に直っていく。その直っていくのに、一カ月か二カ月たたないうちにまたそこを掘り返して、今度は他のことが行なわれておるということが、まま東京都内の場合なんか見受けられる。ですから私は、政策として非常にこういう形で打ち出すことについてはいいのでありますけれども、各個に同じことを打ち出しているやつをどういうふうに調整をとっていくのか。私は必要なことだと思うのですね、形としては。たとえば、道路を新設するときには、水道とかガスだとか電気だとか、そういったものについては、付随工事として当然電気工事が必要ならば東電だとか、あるいはガス工事が必要ならばガス会社、あるいは水道工事が必要ならば水道局がそれぞれ負担をして、他の目的に使われる場合には賃貸しをするというような方針がきめられておっても、全然定められたとは違った方向で道路の建設が行なわれる。一つとって見てもそういう事実があるわけです。ですから、そういう点からいくと、経済の一つの根底になる問題を論議をし、それを実施に移すというときには、必ずその出先機関であるこういう関係の部門と問題を同じような形で論議をし、いわば結論というのは違っておっても、また同じ方向で仕事が進められていく、そこに時間的なずれが、非常に大きなロスを生んでいくということが考えられるわけです。そういう面でどういうふうに連係をとっていかれるのか、それをお聞きしたいと思うのです。
#49
○政府委員(曾田忠君) お答えいたします。
 一つの問題といたしまして、土地調整委員会との関係でございますが、土地調整委員会は、設置法にもありますように、鉱業あるいは採石業等、一般の公益または農業、林業その他の産業との調整をはかるというのが権限でございまして、具体的に申し上げますと、鉱区の禁止地域の指定に関する事務、あるいは鉱業権または採石権の設定等に関しまする異議の裁定、そういうようなことになっておりまして、直接には地域経済問題調査会との関係はないというふうに考えております。
 もう一つお尋ねの首都圏整備委員会との関係でございますが、この地域経済問題調査会の調査審議の内容といたしましては、地域経済の実態の調査分析から出発いたしまして、地域間の所得格差の是正の考え方の検討とか、あるいは産業及び人口の適正配置を実現するための基本的な政策、制度の問題というものを所管するとなっておるのでございまして、首都圏整備委員会の方におきましては、具体的に首都圏の区域内におきまするいろいろな計画、事業の実施の調整、そういうものを所管しておるわけでございまして、問題は、地域経済問題調査会の方は、基本的な政策事項について調査審議するということでございます。首都圏の方は、より具体的な首都圏の区域内におきまするそれぞれのいろいろな計画、施策を担当するというふうに考えております。
#50
○横川正市君 大体この地域経済問題調査会の設置の中で、当然論議をされる問題として、ここにずっと提案の理由が羅列されておるわけです。そこで、実際に、東京とか大阪とか北九州とかいうようなところは、その意味では、地域格差の上では上の方で、農村その他に相当低所得層があって、それらの問題の調整をも十分はかられていくだろうと思うのです。ただ、私は関連してお聞きしたいのは、たとえば首都圏整備委員会は、今、局長の言ったような方向で仕事をするわけです。それから地域経済問題調査会は、ここに掲げられておるような基本問題を論議をしていくわけですね。そうすると、基本問題を論議をして、具体的な首都圏整備委員会の整備方針に従って整備をしていくというのは、いわばこれが主になって、そして本来ならば、首都圏整備委員会が付随して動くという格好に連係がとられてくれば、問題は案外末端で起きない。ところが、非常に輻湊しておりますから、どれから手をつけていいかわからないという状態の中で、ひとまず首都圏整備委員会というのがやると、おそまきながら地域経済問題調査会が発足して、工業新設に関する用地とか用水とか、あるいは東京の通勤輸送に見られるごとく、非常に困難な問題であるとか、下水の不足だとか住宅難とか、生活環境の面において非常に問題もあるから、それも論議をするのですと、こういうふうになると、基本が非常におくれてしまって、そして輻湊された中で、もう当面仕方がないから整備委員会の方が先に仕事を始めてしまうと、こういうことにもなってしまうわけなんですよ。私は、それはしいていえば、この調査会が発足するということは、非常に手回しからいえば手回しが悪かったということになるし、それから、おそまきながら発足するとしても、総合的な国土開発の問題とか、それから今度は各ブロック別に出ている地域の特殊な状況から、低開発地域の開発問題とか、それと、それから産業的におくれた経済的な低位のところと、産業的に進んだ非常に上位のところと、非常にこんがらかった格好のまま今これは動き出そうとするわけですよ。そこで、私は前に説明したように、企画庁というのは頭脳の役割りをするところだから、頭脳のところで、一本やはり全体の調節ができるような一つの行政的な機関というものが必要なんじゃないか。そうしないと勝手まばらに動いてしまって、結論は、二度掘ったか三度掘ったか知らぬけれども、道はよくなるわけですからよくなったということになるけれども、手間ひまやら経費の問題からいえば、非常に大きなロスが存在する、これは日本の経済発展にとって必ずしも私はいい方向ではなくて、マイナスの面が非常に多いのだ、こういうふうに見るわけです。そういう点で一体どういうふうに調節をする考えですか。この調査会だけでは、ちょっとその能力がないというふうに見るわけです。そういう点から御質問しているわけです。
#51
○国務大臣(迫水久常君) 全くお話しの通りでありまして、先ほどから申し上げております通り、地域経済問題調査会というのは、確かに出おくれてしまったわけです。もっと早くやれば白い紙の上にきれいに絵がかけたでしょうけれども、いろいろなところでもっていろいろな墨がついたりしみがついたりしているところに、今度はしかし、こうほうっておいてはいけないというので、おそまきながら出てきたのですから、非常に困難な作業だと思います。しかし、これは困難な作業であっても、やはりやって、一つの基本的な方向をきめなければどうにもならないものですから、これをやらしていただきたいと思うわけでありますが、今申しましたように、遺憾ですけれども、おくれていることは事実でして、これをおそまきながらやって、一つ基本的な方向を考える。その地域経済問題調査会で、今お話しになりましたように、これはもうとてもほうっておいたのではどうもだめだから、一つの行政委員会のようなものを作って、一つ強力な行政機関を作る必要があるというようなかりに結論が出れば、もちろんそれはそのときになって考えてみる段取りにはなると思います。しかし、なかなか各省がんばっておりますから、そういう行政機関でやっても、簡単には話はつかないのじゃないかということもありますので、一つよく勉強してみなければならぬだろうと思っております。
#52
○横川正市君 首都圏整備法の目的を見ると、経済とか文化とか政治の中心になっている首都圏の建設と、その秩序ある発展を策定することを目的としているのだ、いろいろずっと出ているわけでありますが、この地域経済問題調査会の中の調査の対象としての東京都は、一体どういう格好で取り上げられるかという問題、これはいわゆる部分の問題として関連性を持って考える必要があると思うのです。私どもは、東京都なんかの場合は、名古屋と比較するわけではありませんけれども、雑然として、ただふくらむにまかせて今日を迎えているわけです。しかし、経済的な水準からいえば、非常に高い水準を持っているわけです。そういう点からいえば、この地域経済問題調査会は高低の実態を調査するだけにとどまってしまって、具体的な問題の解決はこれからあとに出てくる。そうすると、あとに出てくる機関は、二年なり三年なりあとになる。この首都圏整備委員会は、今非常にいろいろな形で乱雑になっているのだけれども、一応進行していく。結論からいうと、一体この調査会の調査の結果というものと、それからそういう方向とがどこで結びついてくるのか、あるいはその結びついたときには、東京都からいえば、調査の結果というものは無用のものになってしまって、一応結果が出てしまった。しかし、その結果が出るまでには、東京都自体としては非常な冗費を消費してしまうという結果になる、こういうことがいわれるわけです。だから私は、調査会というもので二年とか三年とかいう期間をかけないで、行政能力が、適時に今できて動いているものに指導的な役割というものを果たすべきじゃないか、そうしないと、二年とか三年という間の冗費を全くもう傍観してしまうことになるのじゃないか。こういう面で企画庁としてはもっと適切な指導というものを持ったらどうだろうか、こういうふうに思うわけです。それから低開発地域へいきますと、これはそれぞれ総合開発の法律が、特別委員会が制定されて動いているわけです。これもまた私は予算のぶんどりから、力のある政治家の出ている所とない所とか、いろいろなものがでこぼこになって出てくるわけですね。それが二年なり三年なりやらしておく、そうしてこの調査会がある程度の一つの結論を出す、結果は同じであっても、行政指導がないために非常にむだが多い、こういうことになるのじゃないか。その点をこの間長官も、もう全く初めからその能力が企画庁にありませんから、そこでこういうものを作るのですと言えば、全く何をかいわんやで、われわれとしてはもっと短期間に適切な指導能力というものを企画庁は持って、そうしてこういう冗漫に過ぎるような調査会にたよることなく指導すべきではないかというふうに機構上として考えているわけであります。その点は、どうも前回と同じ答弁じゃ私も満足しないのですが、それで何か企画庁は近々にそういう方針を出す計画でもあれば、それを一つお聞かせいただきたい。
#53
○国務大臣(迫水久常君) 非常に強力なる行政力を法律的な立場から持っている機関を作るということには、私は率直に言ってなかなかならないと思うのですけれども、要するに、内閣の首都圏整備委員会というものはもちろん行政機関でございますが、そういうものも含めて、各政府部内の行政機関がみんなそういう気持に一つなってくれるようにしなければならぬと思うのでして、早い話が、水の問題でもなかなかきまらぬような状態じゃちょっと心細いような気もしますけれども、そういう気運を作って、逐次できつつありますから、一つよく総理大臣にも言って、総理大臣の統制力をもう少し出すように毛話をして――どうも権限のある機関をここで搾るということは、どうも私は賛成しにくいような気がします。しかし、横川さんのお話は非常に示唆に富んだお話でして、もう一ぺんよくその問題考えてみまして、場合によっては、この地域経済問題調査会にも相談して、行政機構の問題をどうするかという問題まで入って相談をしてみたいと思います。
#54
○田畑金光君 ちょっとダブるかもしれませんが、この地域経済問題調査会とか、あるいは国民生活向上対策審議会の設置でございますが、これは国民所得倍増計画という広範な国民生活の問題とか、あるいは民間産業部門の今後の構造の問題とか、あるいは財政、金融、貿易、広範にわたって国民所得倍増計画というものができておるわけです。この計画書の内容を見ますと、産業の適正配置の問題であるとか、国民生活の消費水準の向上の問題であるとか、いろいろ政府の今後長期にわたる計画というものができているわけですが、今回企画庁の計画されておる審議会を設けるというねらいですね、この設置のねらい、これは先ほど申し上げた所得倍増計画にそれぞれの部門について載せておられるが、こういう問題を具体的に政府としては掘り下げて、将来のいろいろな面における計画あるいは施策の面に反映させよう、こういうような関係に立っておられるのかどうか。どんな関係になっておるか、一つこれを教えてもらいたいと思う。
#55
○国務大臣(迫水久常君) きわめて概括的に申しまして、非常に素朴な答えをすれば、今あなたのおっしゃった通りでございます。
#56
○田畑金光君 そうだとすれば、この所得倍増計画に載せられておる詳細にわたる内容があるわけですが、これはどこで作られたものなんですか。というと非常に抽象的でわかりにくいと思うのですが、これだけ各面にわたっていろいろ計画を立てておるわけで、これはすでに将来どうあるべきかということ、どうしなければならぬかという点まで触れているわけで、そういう点から見るならば、あえて審議会とか調査会を設けて、これから二年時間をかけなくても、もうすでに一つの方向というものはここで示されておると私は見ておるのですが、この点はどういうお考えなのか、承りたいと思います。
#57
○国務大臣(迫水久常君) まあこれから先十年の計画で、日本の経済の見通しを、たったこれっぽちのものでやるということは、表現するということの方が無理かもしれませんけれども、大体の方向はこういうようなものという見通しをここに立っておるわけですが、この中で地域格差の是正というような問題は、率直に言って、やや掘り下げ方が足りないという感じがしますので、所得倍増計画を閣議決定いたしますと同時に、所得倍増計画の構想というものを閣議決定しまして、農業近代化の問題、中小企業の近代化の問題、それに後進地域の開発促進問題というような問題については、もう一ぺんさらに掘り下げていくということの趣旨の閣議決定がありますので、その線に沿うていく建前です。従って、さっき私がごく素朴にと申し上げたのは、それじゃもう計画ができておるのだから、そういう審議会は要らないじゃないかという質問が必ずその次に出てくると思ったからそういうふうに申し上げたわけですけれども、もっとこれを掘り下げて具体的にやっていくことの問題がありまして、倍増計画にはそれほど深く具体的なところが書いてないから、きまってないから、もう一ぺんここで重要な問題であるし、根幹の問題であるしするから、一つ掘り下げていこう、こういうことです。
#58
○田畑金光君 この間、鶴園君の質問に対して大臣は、産業構造調査会と、今度企画庁に置かれる地域経済問題調査会、この関係は別段何の関係もない。その目的がそれぞれ違っていると、こういうようなお話でしたが、私はやはりこの間には相当有機的な関係、あるいは交錯する面が相当あるように見るわけですが、この点関係ないのかどうか、もう一度説明願いたいと、こう田いうのです。
#59
○政府委員(曾田忠君) お尋ねの問題は、産業構造調査会と地域経済問題調査会との関係のお尋ねかと思いますが、産業構造調査会におきましては、通産省の所管いたしております産業につきまして、需要とか、あるいは流通機構、供給、企画構想、あるいは労働生産性、技術等、そういう問題につきまして現状を明らかにいたすとともに、包蔵いたしておりますいろいろな問題を検討いたしまして、産業の国際競争力を明らかにするというのが大きな調査審議の重点ではないかと聞いておりました。従いまして、主として、たとえば鉄鋼等の各産業のそれぞれの部門に関しまする問題の分析、検討が大きな内容となっておるかと考えております。地域経済問題調査会につきましては、それぞれの産業――鉄鋼とかその他の事業に関することではなくて、全般的に一次、二次、三次産業の地域別の構成とか、あるいはそれぞれの一次、二次、三次の生産の地域別の状況、そういうものをいろいろ調査検討いたしまして、地域間の格差の是正の問題とか、あるいは産業及び人口の適正配置に関しまする基本的な問題、そういうものを検討するというふうに考えております。
#60
○国務大臣(迫水久常君) きわめて素朴に言いますというと、産業構造調査会の方は縦割りといいますか、産業別に考えていくし、地域の方は地面、面積に即した考え方なんですから、おのずから審議の内容が全然別個の問題ばかりでもって、同じような問題を取り扱わないということばかむでなしに、場合によっては何か関連のあることがあるかもしれませんけれども、建前の問題は、どこまでも産業構造の方は産業別に、鉄鋼業なら鉄鋼業の構造を調査する。こちらの方は地域的に九州はどうするとか、北九州とか南九州とか、そういうようなふうに考えておるのですから、重複することはない、まあ別個のものだといって、間違いないんじゃないかと思います。
#61
○田畑金光君 今お二人の答弁を聞いておりましても、ちょっと答弁の内容にニュアンスがあるというか、違いがあるように見受けるわけなんです。先ほどの御答弁によると、生産の面とか、あるいは流通、消費の面、こういう産業別について検討するようなことの説明だし、今の大臣のお話は縦割りと地域割り、こういうようなお話でございますが、御答弁を聞いておりましても、相当ニュアンスがあるように見受けるわけです。いずれにいたしましても、この産業構造調査会というのは、雇用の問題や内外の需要の動向に即応しながら、産業構造をどう改造していくかという問題、ことに貿易自由化に伴う国際競争力の培養という観点からこの問題は取り上げられておる、こう見るわけです。同時に、やはり地域経済問題調査会というのも、地域的な問題を中心に考えることはそうでございましょうが、やはり人口の配置や、あるいは産業分布に伴う雇用の問題、こういうようなことと切り離して考えることはできないし、同時に、また地域経済と申しましても、それは当然に輸出の問題や貿易の問題、あるいは海外経済との競争の問題、どういうような問題等も含めてやはり検討されるのが地域経済問題調査会であろうと、こう見るわけで、確かに企画庁は、経済をより高い立場において企画し調整するという関係だろうし、通産省は、あるいは産業の実際の指導、実施の担当機関である、そういうような違いはありましょうが、やはりねらいは産業構造調査会、地域経済問題調査会ともに共通の面が多いように私は見受けるわけですが、大臣のお話のように、これが何かしらん関係のないような、そういうものではないと私は見るわけですが、この点はどうでしょうか。
#62
○国務大臣(迫水久常君) 審議する対象は、おのずから同じテーマを扱う部分もないではないと思いますし、私は産業構造調査会の方のことはよく知りませんが、たとえば鉄鋼業は、その地域的配分をどうするかということまで産業構造調査会の方で入ってくると、私どもの地域経済問題調査会との関連が出てくると思うのですけれども、それは、だからその間は密接なる連絡をとる必要はあるとは思いますけれども、建前、根本的な趣旨からいうと、一方は地域的、一方は産業  縦割りということなんで、しいて関係ありという答弁の方がいいなら  私はそう関係はありませんという答弁をしますけれども、産業構造調査会があるから地域経済問題調査会は要らないじゃないか、地域経済問題調査会があるから産業構造調査会は要らないじゃないかというような話になってくるというと、それは全然質の違うもので、そういうことにはならないと、こう私は思います。
#63
○田畑金光君 こういうような機関の設置の場合、いずれにしても法律の改正ということで、当然にこういう法律についてはこういう内容である、この審議会はこのような分野を担当するのだ、従って、閣議を中心として、お互いの権限の配分というか、こういうような点については、当然通産大臣や、あるいは経済企画庁長官が、閣議の中においてこういうような問題については十分一つ話し合いをされて、その上に立って、今いったように、これは別個のものだ、内容も対象も取り扱いも範囲も権限も、これは別なんだ、こういう意見調整の上に立ってこういうようなものは出てきておるのかどうか。ただ単に簡単な法律案だから、閣議を素通りしたような形でこのようなものが出てくるのかどうか、取り扱いはどうなっておるのですか。
#64
○国務大臣(迫水久常君) これは閣議に出てくるまでには各省の事務当局間の話し合いもありますし、さらに事務次官会議にもかけまして、そうして閣議に出てくるので、おおむねこういうような問題はそういう段階で意見が調整をされて、お互いにお互いの立場を理解して、これは別なものだから両方出そう、これは同じもので重複するから一本に統合しようとかいうことは、その段階で調整がつきます。閣議のところへ出てきましてからは、そういう調整がついておるときには、私もそれについて異論があればもちろん閣議で発言しますが、その調整がついたことに対して私に異論がない場合には、閣議では特に発言しない場合もございますし、この問題は閣議で議論をしなかったと思っております。その事前に調整がついて、私も両方の調査会が存在することが合理的である、こう判断いたしましたから、閣議では特に話はいたしませんでした。
#65
○田畑金光君 この調査会の直接ねらっておることはどういうことなんですか。何をやろうということなんですか。大臣から一つ御答弁願います。
#66
○国務大臣(迫水久常君) 政府委員から一つ。
#67
○政府委員(曾田忠君) 具体的にちょっと申し上げますと、一つのグループといたしましては基礎的な問題があるかと思います。たとえば所得、生活水準等の地域格差の分析という問題、それから低開発地域の発展の停滞的要因の分析、そういうような基本的な問題がございます。これらの問題につきまして、各種の資料あるいは統計の調査、収集を行なうわけでございまして、こういうような資料に基づきまして、次は政策上の基本問題というものが調査審議されるものと考えております。たとえば産業の適正配置のための土地とか水とか、あるいは交通等の産業基盤整備対策のあり方の問題、あるいは過大都市の人口増加抑制のための抜本対策の問題、あるいは経済の開発を行政区画、つまり都市とかあるいは市町村間の行政区画の関連をどうつけるか、それから公共投資の地域配分の基準の問題、それから経済開発に関しまするいろいろな制度の問題、こういうような政策上の基本問題も調査審議をお願いするというふうに考えております。
#68
○田畑金光君 今あげられたことは、いずれも基本的な問題であるし、国の政策の面においては、一日もなくてはならぬ問題であるわけですが、こういう点は、今までの政府の政策の中で、こういう基礎的な問題は抜きにして行なわれていたのかどうか、この点はどうですか。
#69
○国務大臣(迫水久常君) 先ほど鶴園さんからの御質問、あるいは横川さんからの御質問に私はお答えしたのでありますが、本来なら地域経済問題調査会というような調査会が一番先にできまして、そこで一つの基本的なものがきまって、その上で所得倍増計画というものなんかが組み立てらるべきであった。ところが、そういうような段取りがつかずに、いきなり所得倍増計画に入ってしまった。あるいは国土総合開発の点におきましても、全国総合開発計画というものがまずできて、しかる後地域的に入っていくべきものが逆になって出ていく。そこで非常に混雑してしまうので、お話しの通り、いろいろ、何といいますか、手おくれになっております点がありますが、しかし、こういうふうな問題は、どうしてももう一ぺん基本的に振り返って見ていかなければならぬということで、今回こうやってお願いをしているようなわけであります。なお、経済審議会においても、所得倍増計画を策定して答申をいたしました際に、こういうことをいっているのです。産業立地に関する一応の方向は述べたけれども、新たな調査会または審議会を設けて慎重審議を進めることが必要であるということを経済審議会における答申でも指摘しておるような次第でございますので、ここでこの調査会をお願いしよう、こういうことでございます。
#70
○田畑金光君 先ほど申し上げた政府の国民所得倍増計画の中で、産業の適正配置の推進という項の内容を読んでみますと、「四大既成工業地帯を連ねるベルト状の地域は大消費地に接近し、産業関連諸施設の整備もすでに相当行なわれており、また、関連産業、下請企業が広はんに存在し、用地、用水もかなりの余裕を持っているなど、他地域にくらべてすぐれた立地条件を持っている。したがって社会資本の効率も高いので、この地域は計画期間における工業立地の重要な役割を果すことになろう。」こういうような地域をもう第一順位に置いて、次には、「ベルト地域のうち、四大工業地帯の密集部への新たな工業集中は原則として禁止又は制限する。」ということが第二。さらに第三点としては、「四大工業地帯の中心部よりできるだけ距離をおいた近接および周辺地域への工場分散を促進し、交通網の整備により、その外延の拡大を図る。」そうして最後に、北海道とか東北とか東日本、こういう地域を次に考えていく、こういうようなことを書いておるわけですが、これはどういうことになるわけですか。今後地域経済問題調査会が設けられて、いろいろな角度から検討する、そうした場合には、その結論によっては、この倍増計画の中に述べられたこういう内容等についても、これは当然変更もあり得るのだという前提に立つのか、あるいはこういう大きな骨組みのもとに調査会はこれの肉づけというか、さらに細部にわたっての問題点を検討していくということになるのか、どうなるのかその点は。その点を一つ承りたいと思います。
#71
○国務大臣(迫水久常君) きわめて率直に申しまして、所得倍増計画の産業立地のところのくだりは、やや何と申しますか、行き過ぎといっちゃ語弊があるかもしれませんが、そのような感じを持っておりますので、所得倍増計画を組みますと同時に、閣議決定をいたしました所得倍増計画の構想というものでは、後進地域の開発ということについてもっと重点を置いて考えるべきだという趣旨が述べられております。従いまして、そこの部分に関しましては、これから先研究をいたして参りまして、所得倍増計画に書かれていることとは若干の違う方向の答えが出てくるということになるだろうと思います。
#72
○田畑金光君 いや、率直に一つお答え願いたいのですが、今私が読み上げましたこの倍増計画のくだりは、地域経済問題調査会等の検討の結果は、当然変更があり得るという前提に立っておるのかどうか。ことに地域経済問題調査会を、先ほど来大臣や局長の答弁を聞いておりますと、おくれた後進地域の開発、ことに地域の所得の格差の是正、産業立地の適正、産業の適正配置、こういうようなことを述べておられるからには、この所得倍増計画に載せられたこの四つの順序というものは、当然これは変更というものがあってしかるべきだと、こう思うのだが、この点は一体どういう覚悟で地域経済問題調査会に問題を投げられようと政府はするのかどうか、これを承りたいのです。
#73
○国務大臣(迫水久常君) 地域経済問題調査会の審議は、所得倍増計画に掲げられました四大工業地帯とか、あるいはベルト地帯、そういう所得倍増計画に書いてあることの前提で地域問題を考えてくれと、こういうのでなしに、これには拘束をされない立場で考えてもらう、こういうことでございます。
#74
○田畑金光君 そうなりますと、まあこの点は、その御答弁に関する限りはそれはわかりますけれども、この間これ非常に問題は離れますけれども、これは衆議院の農林水産委員会で問題になったのかどうか、ちょっと新聞で見たのですが、ことに今農業基本法の問題の審議と関連しまして、米の統制について、統制を維持するのか維持しないのか、こういうことが問題になった節、国民所得倍増計画によりますと、「経済成長と民間産業の課題」、次は「政府の誘導政策のあり方」この項目の中において、「米については直接統制を廃止して間接統制にきりかえるものとする。」これが問題になったときに、池田総理は、池田内閣が続く限り、こんなことは絶対にありません、米の統制は絶対にはずしません、こういう答えをしているわけです。今また私たまたま経済企画庁長官に、産業の適正配置の問題についてお尋ねしますと、この所得倍増計画に載ったこの方針というものは、これは決してこのまま実行する意思はございません、地域経済問題調査会で自由な立場で論議を願うのだ、これは別に政府はこういう考え方でいるのじゃないのだ、こういうようなことになってきますと、これは全部所得倍増計画というものも、この内容というものは、一つ一つ検討していくと、これはくずれていくわけなんですが、そんなにこれは権威のないものですか。
#75
○国務大臣(迫水久常君) 私は、最後きっと田畑さんがそういうことをおっしゃるだろうと思って、さっきから言葉づかいを警戒しまして答弁をしておったような次第でございますけれども、国民所得倍増計画というものが権威があるのかないのかという問題ではなしに、国民所得倍増計画というものは、こういうような見通しでいますということを一応表明をした道しるべでございます。しかし、ただいまの四大工業地帯、ベルト地帯の問題については、これを発表する当初から、その点については留保をつけてありますことは、先ほどから何べんも申し上げます通りに、国民所得倍増計画の構想で、そこの部分についてはもう一ぺん考え直すのだというような趣旨のことは、ちゃんと閣議決定してあるのです。従いまして、私は国民所得倍増計画の権威というものを、この一事によって云々し、この一事によって否定するということは決して適当な考え方ではないと、こう思っております。
#76
○田畑金光君 いや、まあ答弁はいろいろなかなか大臣巧妙で、臨機応変にしっぽのつかまらないような答弁をなさること自体はけっこうですけれども、そこで私は、これは今回こういう地域経済問題調査会などという機関を設置される以上は、これはやはり経済の二重構造、あるいは所得の格差の解消、地域の格差の解消、こういうことをねらいとしているならば、むしろ一番大切なことは、後進地域というとどこになるかといえば、やはり北海道とか東北とか東日本、その中に規定されている第四項のような地域に対して、財政投融資の問題とか社会資本の投下の問題とか、こういうことについては、もっとこれは積極的な政府は熱意を示すべきであるし、予算措置等においても十分考慮さるべきだと思うのですが、こういう点も、これはこれから二年間この調査会が各角度から検討して、その結論を待たなければやらぬというのか、あるいは閣議においてもこの問題については留保しておるとするならば、私が今いったような角度で政府としては今後取り組んでいこうという気持なのかどうか、この点を一つ伺っておきたいと思うのです。
#77
○国務大臣(迫水久常君) ただいまお述べになりました後進地域の例示の中に、ぜひ一つ田畑さんのほんとうの御郷里である南九州も入れていただきたいと思うのですけれども、そういうような地域につきましては、この地域経済問題調査会の結論が出なければそういうところは開発しないのかというと、決してそうじゃありませんで、今私たちの方で作っておりまする全国国土総合開発計画というのは、六月中には何とか格好をつけたいとして今鋭意努力をいたしておりますが、そういうようなものもてこにいたしまして、そして予算の獲得については、当面十分に努力をいたしたいと考えております。
#78
○田畑金光君 私は、先ほどの質問の中で南九州を忘れておりましたが、南九州、北海道、東北、裏日本こういうふうに訂正いたします。一つ南九州も大いにやってもらわなくちゃならぬと思うのです。その点は大臣と全く同感です。そこで、ちょっと問題を離れますけれども、私、大臣に最近の経済の動きについて、私はしろうとですから大臣に教えていただきたいと思うのですが、どうも政府の所得倍増計画に基づく高度の経済成長政策が国際収支に相当の危険信号をもたらし、貿易上の赤字をもたらし、これが今後の経済の安定成長という点からいうと、相当不安がある、こういうように見られておるわけです。われわれ野党は、もちろん政府のこの所得倍増計画からくる安易な経済成長政策については、予算審議の段階において警告を発したわけですが、当時政府としては馬耳東風、池田総理以下、経済はおれにまかしておけ、こういう極度な楽観論を唱えて今日まできていたわけです。しかし、最近の情勢を見ますと、皮肉にも、去る二十日の日経連の総会において、二十一日の経済同友会の所見発表等を見ますならば、これは政府に非常な耳の痛い警告を加えているわけです。ことに、また最近は日銀の山際総裁は、しばしば新聞記者等の会見において、あらゆる機会を通じ、政府の今日の経済運営について警告を発しておるようです。いずれが妥当であるかどうかは別にして、とにかく政府を除き、財界においても日銀においても、あるいはまた大蔵省の中においても、あるいは経済企画庁の中の一部においても、同様な見解を持っておるとわれわれは思う。ところが、池田総理のみは、相も変わらず強気、楽観論、自信過剰、こういうことで、おまけに迫水企画庁長官等も、どうもそれに追随しているような形で遺憾に思うのですが、この点は先ほどの御答弁によると、国民所得倍増計画も、これは実は道しるべにすぎないのだ、いろいろ問題があるならば、そのつどこれは改めていくのだ、それでけっこうだと思うのです。今日日本の経済のあり方について、相当これは危険信号が発せられておる、もう一度政府としてはこの経済政策について考え直すべきではないかという議論、批判が各地に起きてきておりますが、この点について企画庁長官としてはどういうようにお考えになっておられるか、一つお聞かせ願いたいと思うのです。
#79
○国務大臣(迫水久常君) 少しくどくなるかもしれませんが、私たちの基本の考え方というのは、日本の経済は現在余力のありまする労働力に対して働く場所が提供されるならば、生産は上がって、十年以内にはおそらく現在の生産の倍の生産をあげ得る態勢になる、こういう判断です。しこうして、民間の経済的な意識もまたその通りでありまして、国民経済は成長の方向をずっととっていくであろう、こういうことで、とっていくように民間の経済人もそう考えておる、そういう根本的な認識をいたしますというと、ここでほうっておいてめいめいの勝手に、自分の手探りと勘で民間の経済がその成長をするようにしていきますというと、おのずからそこに行き過ぎるものがあり、あるいは行き足らないものがあって、能率のいい経済の成長はできない。従って、ここで一つ一応十年という期間を想定をして、その間に生産が倍になるというようなことになるならば、各産業間の均衡はこうなるであろう、なるのが一番いい形ではないか、それについては道路とか港湾とか、政府のなすべき仕事というのは、こういうように計画的に実行していかなきゃならないであろうという一つの見通しを立てまして、これを政府及び民間の道しるべとして作ったものが所得倍増計画なんでありまして、逆に言いまして、所得倍増計画というものを立てて、民間の経済を無理にでも引っぱっていこうというのでなしに、当然それだけの潜在能力は持っておる、そういう傾向にあるものに対して、一つ秩序の保持と速度の調節の目安を与えるために作った道しるべというのが国民所得倍増計画だ、こう私たちは理解をいたしておるのであります。率直に申しますというと、今日の日本の経済の成長は、国民所得倍増計画で一応この程度が妥当であろうと考えられた速度から申しますというと、確かにスピードがややアップし過ぎておるということは、私たちはこれは否定をいたしません。その点は絶えず私たち警告的な言葉も吐いておるのでありまするが、自由主義経済のもとにおきましては、このスピードを調節するのは、これは第一次的には民間の企業家自身であり、第二次的には、これに資金を供給するところの金融業者の責任だとわれわれは考えておるのでありまして、従って、またそのスピードを調節して、妥当なるスピードで進むこと自身が民間経済の共通の利益なんですから、そういう立場において、私たちは、民間の経済が自主的におのずからこの道しるべに従って速度の調節をしてもらうことを非常に期待をいたしており、また、それが彼ら自身の日本国民経済全体自身の利益なんでありまするから、それは可能であると考えております。従って、今日政府としてこの際速力を調節するために、あるいは引き締め政策に転換するとか、そういうようなことは全然考えておりません。私は率直に申しまして、今のような情勢で参りまして、しかるべく速度の調節を自主的につけていきますならば、国民所得倍増計画十年と予想しておったものが、大体八年間ぐらいで円満に達成できるものと私は期待しておるのでありまして、そのことから申しまして、国民所得倍増計画をこの際やめてしまうとか、これをさらに書き直して、もっとスピード・アップしたものに直していくというような考え方は全くございません。
#80
○田畑金光君 私は、今、大臣の答弁を聞いておりますと、とにかく倍増計画で一つの目標を与えて、民間の産業、企業がこういう目標のもとに協力してもらう一つの方向を示したものである、ことに潜在能力というものをできるだけ発揮して経済の発展を促進するのだ、そういう役割が倍増計画であり、政府の任務である、しかし、また同時に、最近の経済成長の速度が、相当当初の考えた目標から見ると、早過ぎる面も否定できぬ、こういうようなお話でありまして、私は、その速度が政府自身の考えていた速度よりも早過ぎて、それがたとえば設備投資の行き過ぎとなって国際収支の赤字、こういう問題をもたらしてきた。ことに物価の問題の動きを見ても、三月の初めあたりから、日銀の調べによると卸売物価についても強気を示してきている。こういうようなこと等を考えたとき、今の御答弁によると、あくまでもこれは企業家自身の反省によって考えるべきである、あるいは金融の担当者において考えるべきである、こういうようなわけで政府みずからがこういう事態に即して何をなすべきかという積極的な施策を持ち合わせていない、これは私は逆だろうと、こう思うのです。むしろ今日のように、政治というものが経済に優位するというか、経済について指導性を持っているときにおいてこそ、やはり私は政府がこういう事態に処して、しかるべきブレーキをかける必要があるならばブレーキをかけるとか、指導の必要があるならば行き過ぎについて指導する等々、私はやはり政治の優位というものがこういうときにこそ発揮さるべきものだと考えるわけです。この間、あれは日経連の前田専務理事であったかどうか、新聞で見ましたが、今の池田内閣の政治には、行政はあるが政治はないという、実に痛烈な批判をやっているわけです。むしろ私は最近の情勢を見ていると、日銀の総裁の方が日本経済のあり方については、むしろ政治性をもって大所高所からものを見ている。そういう面から見ますと、政府のとっている態度は、自分たちの打ち出した表看板をどう傷つけないかということだけで一生懸命になってしまって、実際将来このような姿が国民経済にどういう破綻を来たすかということについて一歩先んじて憂える、国民に指導を与え、あるいは産業、経済、企業に対して一つの方向を示す、こういうことを忘れているということは、私はまことに遺憾だと思うのです。こまかな問題については、私は質問をしたいのだが、こういうような時間でございますので、私はもっとこまかい問題点についてはあれこれと取り上げてやることはしませんけれども、今私の申し上げた点は、企画庁長官としてはどう考えておられるか、いま一度一つ承りたい、こう思うのです。
#81
○国務大臣(迫水久常君) 私は、建前が自由主義経済という建前の上で議論をいたしておるのですが、政府といたしましては、この際引き締め政策をするとか、つまり政府の行政的な、あるいは政策によってこのスピードにブレーキをかける必要は毛頭ない、それはかえって百害あって一利なしと、こう考えております。スピードのやや早く出過ぎているということは事実ですけれども、これが調節されることは、民間自身が自己の利益のために、民間経済自身が自己の利益のために当然そうなることでありまして、子供じゃないのですから、損得はちゃんとわかっているのですから、それを政府がここで急ブレーキをかけてやるというような政策をとるということは、百害あって一利なしと考えますから、政府は行政的にそういう処置をとることはいたさないつもりでおります。
#82
○田畑金光君 自由主義経済の建前をとっておることはわれわれもよく承知しておりますが、自由主義の建前をとっておるからして行政指導もできないというのか。これは法律を作って官僚統制をやれとかなんとかいうことを言っておるのじゃなくして、やはり最も全般的に、総合的に経済の動きを把握しているのは政府なんであるから、しかも、政府の指導する財政の運営や、あるいは経済に対する一つの指針というものが、今日の日本の経済というものに絶大の影響力を持っておるのであるから、そういう面から見るならば、行政指導することくらいは、これは自由経済と衝突する問題ではないとわれわれは考えておるのですが、それすらも自由経済というもとでは行き過ぎであるというのであるというのであるかどうか。そうしてみるならば、政府は、たとえば石炭産業が一つの斜陽産業であるからして、いろいろな行政指導を立法上、財政上の措置をやっておるわけです。海運が不況ならば、それに伴う施策をとっておるわけです。あるいはまた繊維設備が過剰であるならば、それに対する規制措置もとっておるわけです。これは当然政府がそのときどきの個別産業であり、企業であるかもしれないが、個別産業に対して大所高所から指導している問題だと、こう思うのです。これは決して自由経済そのものと衝突することではないと思うのです。だから長官の今の答弁を聞いておると、まるっきり池田総理と同じようなことをぬけぬけと言っておるようですが、少しは経済企画庁長官という立場にある人は、追随するのじゃなくて、もっと役所自体がそういう任務を持っておるわけなんですから、言うべきときには忠告する、意見を述べるときには、少しは言いたいところを述べるくらいの気魄を持っていなければ、経済企画庁長官のポストが泣くと思うのです。だから私はあなたに質問しているのですが、どうです。
#83
○国務大臣(迫水久常君) 行政指導という言葉の意味がどうも不明確ですが、私たちは現在の設備投資のスピードはやや速きに失するということは前前言っておりまして、方々の業界の会合なんかで話をしても、率直にそめ話はしております。要するに、体温計ではかってみると、体温は高いぞということをいっておる。それじゃ体温が高いから少し用心をしようじゃないかと考えるのは民間なんで、そのときにわれわれは、体温が高いからお前寝ていろといって命令をしたり、むりやりにふとんの中に押し込むということはわれわれはいたしません、こういうことを言っておるのが行政指導はしませんといっている意味であります。従いまして、このものの観測の仕方というのは、私は別に総理大臣に追従しているわけでもない。迫水久常独自の見解がたまたま総理大臣と同じである、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
#84
○田畑金光君 私あまり何ですが、ただあなたのお話のように、熱があるから、熱をさますのは病人自身の心がまえだというのじゃなくして、君は熱があるからこの薬を飲んだらどうだ、氷まくらで一つ冷やしたらどうだ、そのくらいの処方箋を書いてあげるのも、これは政府の役割じゃないか、こういうようなことを私は言っておるわけで、あなたのように、熱があるのは君は自分の責任だから寝ておれというのか、これでは人道問題に反しますよ。政治であるからには、もっと適時適応の手を打たれてしかるべきだと思うのだが、全くほおかぶりで通そうというのですか。
#85
○国務大臣(迫水久常君) 相手は子供じゃなくて大人なんですから、熱があるぞと、こういった場合に、無理に頭に氷嚢を載せてやったり、熱さましを飲まして、向こうがぜひ熱さましという薬を下さいという状態にまでくれば別ですけれども、ちゃんと、じゃしばらくじっとしていましょう、安静にしていましょうかといって、おそらくふとんに寝るだろうと思うのです。それを田畑さんのように子供扱いにすることは、日本の経済に対して、はなはだどうも失礼じゃないかと私は思うくらいでございまして、私は当分熱があるぞという警告は、状態を説明はいたしますけれども、薬を無理やりに飲ましたり、氷を頭に載せるようなことはしないつもりでおります。
#86
○山本伊三郎君 時間も相当過ぎていますから、簡単に一つ確認するという点で、一点だけ一つお尋ねをしておきたいのです。答弁を聞いていると、ますます質問をしたいような問題がたくさん実は出てくるのです。と申しますのは、経済企画庁は、池田内閣の高度経済成長政策の元締めでありますから、ただ設置法に関係する問題だけでもたくさんあるのですが、先ほど与党の理事からも相当懇願がありましたので、簡単に一つ質問いたします。実は、前の通産省の設置法のときに、先ほど質問出ましたが、産業構造調査会の設置法が出ておるんですが、それから今度あなたの方から二つの調夜会、審議会が出ておるんですが、私はこれの審議の中で、答弁なり、あるいはその他を聞いておりますと、産業構造調査会の方は、池田内閣のいわれる企業別の格差是正というところに眼目があるのじゃないかと、こう思う。それから今審議の対象になっておる地域経済問題調査会、これは地域格差の是正を一つやろうじゃないかという調査会でなかろうかと思う。それからその次の国民生活向上対策審議会、これはいわゆる階層別格差の是正というものをねらっておるんじゃないかと、私はそう思う。従って、それであるかどうか、ちょっとまず聞いておきたい。
#87
○国務大臣(迫水久常君) 地域経済問題調査会の方は、まさに地域的格差の是正ということが一つの大きな要点でございます。それから国民生活向上対策審議会の方は、そのこと自身が階層別の所得格差を是正するということを中心の目的としたのではありませんけれども、ここで勉強しましたことが、結果として階層間の所得格差の是正には非常に役に立ってくる結果になる、こう判断をいたしております。
#88
○山本伊三郎君 私がそういったのは、提案理由の説明の中に、これは一節ですが、「国民生活の各部面において不均衡が見られるのが現状であると思うのであります。」こういう文面があるのですが、こういう点から、そういうねらいであろうと私は思っておるんですが、そこで、先ほどから質問の中に出ておりまして、私は一つの不安を感じておるんです。これはもう私だけでなしに、国民も、今の池田内閣の経済成長政策についてそうあってほしいという希望の方もあると思う。また国民生活が豊かになるのですから、その方がいいのですが、そういう政策がまず池田内閣の成立と同時に打ち出されて、今ここで調査会なり審議会なり、そういうもので検討するのだというものが出てきたときに、私はまず最初に不安になったのは、ほんとうに自信があるのかどうか、こういうものを今調査することはいいのですが、前にすでに一つのものが政策として打ち出されまして、今その後に調査会なり審議会でやるということになって、はたして池田内閣の政策にわれわれは協力していいかどうかという国民の不安があると思うが、その点迫水長官としてはどういうふうに国民に対して説明されるか、この審議会の設置に当たって。その設置する理由はわかるのですが、前に打ち出された池田内閣の経済政策について若干不安を感ずるのですが、どういうことですか。
#89
○国務大臣(迫水久常君) 御質問の要点は、国民所得倍増計画というようなものが、もう信頼性がなくなってくる、こういうことですか。
#90
○山本伊三郎君 この所得倍増計画が出された以後、三つの格差是正ということでだいぶ問題になりました。先ほど申しましたように、企業別格差の是正、地域別格差の是正、階層別格差の是正というものが問題になって、それもやるのだといわれる。それも当然所得倍増計画の中に含まれておる。しかし、地域格差の是正については、第一次産業については日本では非常におくれているので、十年では倍増ということについては若干不安があるのだが、それに近いものをやっていくという池田内閣の政策の説明があったと思う。そういうものを出されておって、その後に、今日こういう調査会なり審議会を作って、これから調査しあるいは審議するのだという案だと思うのです。そうすると、先に出されたのは大きい看板を出されたのだから、それで物を買に行こうと思っておるのだか、そういう調査会や審議会をやらなければ、そういうふうにはっきり確定した対策は出ないのではないかという不安がある、その点についてはどう思われますか。
#91
○国務大臣(迫水久常君) 私は、かりにこういう調査会がなくとも、具体的にはどんどん政府は既存の目標に向かって政策を進めていくのだと思うのです。しかし、所得格差の是正とか、地域格差の是正とか、企業別格差の是正とか、階層間の格差の是正とかいう方向に向かって政策を今後どんどん進めていくのだと思いますが、その進めていくについては、政府だけでやらずに、各方面の知恵を一応拝借しながら、それで衆知を集めてやっていこうというのがこの調査会の目的だと思います。従って、出した看板は、すでにこの大看板だけ出したが、すっかりできておるということではなく、これから具体的にその方向に進んでいくわけですから、その進んでいくその政策の基本を皆さん方に御相談をして、衆知を集めてやりたいというのがこの調査会の目的である、こういうふうに考えます。
#92
○山本伊三郎君 ちょっと焦点が違うのです。なるほどこの所得倍増計画をそのまま進められたならば、わが党としては、階層別にも地域別にも、あるいは企業別にも格差が生ずる、より生ずるから、この点についてどうかということを再三各委員会でも本会議でも質問しておる。そのときに池田総理は、所得倍増計画をやっても格差は大きくなりません、そういうものは縮まっていくのだと、こういう答弁をされておる。そういうことでわれわれとしては、わが党にはわが党の政策がありますけれども、一応政党内閣として今の池田内閣のやることについては、そうあるであろうということを国民の一員として思っておる。ところが、今そういうお話を聞くと、地域経済問題調査会は、地域格差の是正を対象としてこれから調査するのだ、これはまともにいわれていないが、国民生活向上対策審議会は階層別格差の是正について一応やるのだといわれておる。そうすると、これからこういうものをやっていかれることについては不安だ、ですから、現在手放しで政府が何らの指示もせずに格差の是正というものは、これはできない。強力な一つの政治政策というものが出なければ、自然の経済の発展にまかせれば、今の自由経済の傾向からいくと格差が生ずることは当然だ、そういうことからこういうものを着目されたのだと思う。その着目されたことから考えればいいのですけれども、池田総理が格差を是正するというととをいっておられるのだが、今これを作ってこれからやるのだということについてわれわれが不安があるということをいっておるのですが、その点わかりますか。
#93
○国務大臣(迫水久常君) 何も政策を持たない場合に経済が高度成長をした場合には、格差が広がるか広がらないかという認識問題がまず第一にあると思うのです。私たちは、経済の高度成長というものが、要すれば雇用の増大ということによるのでありますから、雇用の増大ということは、すなわち所得の増大ということになるのでありまして、その間に当然格差は縮小する傾向にあるというのが私たちの認識で、そういう答弁を総理もしておると思うのです。それを皆様方はそうじゃなくて、今度は逆に拡大する方向である、これは一つの見方の相違でありまして、高度経済成長それ自身が所得の格差を是正する傾向にあると、こういうことを総理は答弁をしておられる。私もそうだと思いますが、しかし、さらにそれを具体的に、たとえば地域間の格差のごときは、ある場合には何ら措置をしなければ非常に拡大する可能性は現実の問題としてあります。私の郷里の南九州のごときは、何の措置もしてもらわなかったら、おそらく人間がいなくなる状態にさえありますが、そういう意味で、あるいは所得格差が縮まってくるかもしれません、人がいなくなることによって。そういうようなことでなしに、もう少しやはり日本全体を広くつかむという意味において措置していく、具体的な政策をさらにとっていかなければならない。その具体的政策をとるについては、皆さんの衆知を集めたいというのがこの調査会を作る趣旨であります。
#94
○山本伊三郎君 納得できないのですよ。実は自然に放置しておいて格差がなくなるとか、あなたの方ではなくなると思っている。現実に今まで見て格差はなくなっていない。ますます大きくなっている。ただ、いろいろと今各種の運動が盛んになっておるから、力によってその格差を埋めておるけれども、そのままやっておれば格差は大きくなることは自由主義経済の原則ですよ。それを何とか政府がやろうという政策の現われが私はこれだと見ているのです。この地域経済問題調査会を作って地域格差を何とか是正して、日本国民全体の、いなかの人も都会の人も生活が潤うようにしようというのがこの地域経済問題調査会の使命だと私は思っている。それを確認した場合にそうだとおっしゃった。そうだとすれば、これによって何かの行政指導か政策をこれで編み出そうとする一わけでしょう。調査会を作って答申してもらって、なるほどいいなということで、小学校の本みたように、政策に現わさないわけでない、政策に現わしていくのでしょう、調査会から出た答申や調査事項というものを。そういう意味からいうと、私は、今、池田内閣の出された最初のあの答弁の中にいわれておる経済の地域格差の是正をやるといわれておるけれども、あれは何かただ一つの看板を上げただけであって、実際まだ自信がない、これによって自信をつけようと思うかどうかということを、それを私は率直に聞きたい。そうでなければ、私はこういうものは必要でないと言いたい、実際は。そこまで今言いませんけれども、そういうことはどうなんです。
#95
○国務大臣(迫水久常君) やっと話がわかってきたのですけれども、ちょっと今地域的な所得格差は是正されるのだといってきたが、これはただ空費してきたので、それをあわててここで調査会を作って裏打ちをしていくことになるんじゃないかと、こうおっしゃるのですか。私は先ほど申しましたように、基本的な認識で若干先生と違うわけで、つまり高度の経済成長というものは、当然所得格差の是正の方向に効果があるという認識と、逆なんだという認識との根本的な認識の差がありますが、もし私の認識に立ちますれば、今回のこの調査会というのは、さらにそれを一そう確実にするための具体的な方策を立てるための手段であって、ここで初めてこれをやるから、今まではほんとうは拡大するやつを、ここで初めて、縮小するとは私は思いません。しかし、一そうそれを確実にし、スピードを上げ、この幅を広くするためにこういうものをやる、その点においては、池田総理等が所得格差の是正になるんだと答弁していることを、さらに確実にするための一つの処置と、こう御了解を願いたいと思います。
#96
○山本伊三郎君 実は、それはそういうことでこの場はのがれ得るかもしれませんが、実際これから出てくる調査事項なり、そういう運用の中で問題が私は必ず出てくると思う。極端に言えばあなたのいわれるいわゆる経済が成長してくれば格差は自然になくなってくるんだ、ただし、これによってこの格差をよりよく、何といいますか、狭めるようにするための一つのブレーキにするんだ、こういうことですが、そういう程度の問題であれば大ぎょうにこういう調査会を作ってやらなくても、企画庁の中には優秀なそういう人材がおると私は思うのですよ。おそらくないとはいわれないと思うのです。そういう程度の問題を、自然に要するに狭まっていくんだ、この程度の問題だけをここでやるんだ、こういうことでは、私は良識ある者としては納得できないと思うのです。やはりこの池田内閣のなす政策と若干相反するとはいわないけれども、それが大きくなっていくから、これを何とかここで是正しなくちゃいかないという意味においてとういうものをやられると思うのです。現実にそうです。地域的な経済問題というものは、当然そうなっておるんですよ。それをあなたが何とか程度の問題でこれを作るんだということで、強引にいわれると納得できないのです。大臣ね、それはそういうことであるとやはり率直にいわれた方が、低姿勢とはいいませんから、われわれも協力することは協力したい、こう思うんですが、どうなんですか。
#97
○国務大臣(迫水久常君) もう私も、この設置法を通していただきたい一心ですから、先生に同調してもいいんですけれども、しかし、この高度成長というものは格差の縮小の方向へ――そう言うと、すぐ先生はなくすという言葉を飛躍していわれますけれども、私は、なくなることはないと思うのです。しかし、格差を縮小する方向の力があるのか、格差を拡大する方向の力があるのか、私はやはり縮小する方向の力があるのだと思っているのですから、その根本の認識まで変えて同調しにくいのですけれども、ただ、程度といわれるのですけれども、程度というのは、私は相当大きな程度だと思います、これによって確保せられる程度は。従いまして、役人だけでいいじゃないか、程度の問題なら役人だけでいいじゃないかと、せんだって横川さんの質問だったか、ありましたが、私は、役人だけではやはり頭が片寄っておって、それは困るので、皆さんの知識を借りなければならないといいまして、あとで企画庁に帰ってから、大臣の答弁はちょっと官僚に対する侮辱だという話が出てきて弱ったんですが、やはり私は皆さんの知恵を拝借した方がいい結果が  これは国民のためなんですから、一つ程度はどの程度であるにしても、少なくとも程度は相当程度幅広くなってくることは事実ですから、お認めを願いたいと思います。
#98
○山本伊三郎君 時間もないし、言外にある程度、私に賛成はしないけれども、大体そうらしいように思っておられると思うんですが、しかし、大臣、過去十年間のいなかと都会における所得のいわゆる上昇の傾向を一つ見られたらわかる。もちろん経済成長に伴って、下のも上がってくることは事実ですよ、上がらなければ大へんです。しかし、上がるけれども、上がる程度が下の方と上の方とでは違う、それが格差が大きくなると私はいっておる。そういうものを僕はある程度もっと近接させるように近めでいこうということで、この地域経済問題調査会でいろいろ地域差を何とか是正しようじゃないかということを考えてやられると思うんです、それに間違いないですね。そうすると、私が最初にいったように、まず格差是正というものを打ち出された池田内閣としては、自信が私はなかったんじゃないかというのが質問の要点なんです。それはそうじゃないんだと、あなたはこういわれる。そうじゃないんだったらこういうものは必要ないんじゃないか、こういう三段論法です。ほっといても上がるのだ、こういうことについて私は質問しているんだけれども、あなたと平行線でやっておるんだが、やがてこの問題は事実の問題として出てきますから、事実の問題のときに、私は、あなたが正しいか私が正しくないかということはわかると思うんです。ここでいったところで大臣は頭を下げないと思いますから、いずれまた私その機会にやります。きょうは時間がございませんから、だいぶいろいろ問題がありますが、これで終わります。
#99
○鶴園哲夫君 この調査会につきまして、私若干くどくどと長官に御質問申し上げたんですが、調査会の任務が非常に大きいだけに、なかなかムードとか、あるいは経済企画庁という十年間の歩みを見ましても、なかなか御期待のようなことにならぬのじゃないかということをくどく申し上げましたんですが、これはおきまして、国民生活向上対策審議会、これも私は同じような懸念をいたしておるわけです。で、従来非常に消費者の立場というのが、はなはだ弱かった、今の政治情勢の中で、少なくとも消費者のマインド、精神というものを、政策なら、あるいは政府の中に反映していこう、こういうお気持は十分理解がつくわけですけれども、しかし、従来非常に弱かっただけに、また企画庁自身の弱さというものもやはり否定できないわけでして、しかも、昨年の十月ごろからはなやかにこの問題が取り上げられて、長官も、国民生活研究所という主張をなさいましたけれども、これは何か財団法人のようなものにすり変わってしまう、あるいは国民生活審議会というような、私は非常に大きなものだというふうに想定しておったんですが、こまかいものになっておる、あるいは通産省が出しました消費者の協議会というようなものもすっ飛んでしまう、あるいは通産省が同じように宣伝いたしました商品の品質をテストするという企画、こういう問題もすっ飛んでしまっている。これはいずれもどうも生産者側からの反対があったというような新聞報道になっておるわけです。また、消費者価格あるいは独占価格というような問題を取り上げないことには、これはどうにもならない、こういう問題も非常に大へんな障害ではないかと思うわけです。そういうような諸点から申しまして、この国民生活向上対策審議会というのは非常に重要であるけれども、また飾りものになる懸念というのが大へんあるのじゃないかと思う。物価の問題が出たときだけに、何かこういうものをやって、審議しているのだとほっかむりされる、それ以外のものは何となくふわふわしてしまって、消費者の精神というものが政策に反映しないという懸念をはなはだ強く持っているわけです。その意味で、この国民生活向上対策審議会についても、十分一つ決意を持って当たられるように一つ要望いたしたいと思います。
#100
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 村上君から、委員長の手元に修正案が提出されております。本修正の御意見は、討論中にお述べを願います。
 なお、御意見のおありの方は、原案並びに修正案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。
#102
○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております経済企画庁設置法の一部を改正する法律案に対して、修正の動議を提出いたします。
 修正案を申し上げます。
   経済企画庁設置法の一部を改正
   する法律案に対する修正案
  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  附則中「昭和三十六年四月一日」を「公布の日」に改める。理由は省略をいたします。
 よって、ここに修正案を提出する次第であります。
 以上の修正部分を除く原案に賛成いたしまして、私の討論を終わります。
#103
○委員長(吉江勝保君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより経済企画庁設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、討論中にありました村山君提出の修正案を問題に供します。村山君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって村山君提出の修正案は可決せられました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(吉江勝保君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。
 午後は二時十五分再開することとし、これにて暫時休憩いたします。
   午後一時十四分休憩
   ――――・――――
   午後二時三十七分開会
#108
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。
 外務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方は、小坂外務大臣、津島外務政務次官、湯川官房長、北原外務参事官でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#109
○鶴園哲夫君 中近東アフリカ部、これを新しく設置される。昨年一年間アフリカにおいて十七カ国独立国ができた。中近東合わせて三十六カ国。従って、国際政治、経済上重要な諸国であるし、また、日本の経済提携、親善関係から見ても重要な部分であるし、国連の場においても非常に重要な国々である。そしてこれらの諸国は独立という非常に強い民族精神というものがあると思うのでありますが、この際、部として独立したいという趣旨でございますが、そういう御趣旨は賛成でございますが、この点について、部は作りますけれども、従来ありますところの課はそのままになるわけでございますね。アフリカ課、中近東課、この二つがそのまま新しい部に入る。若干定員がふえまして七名増加する、十二名振りかえまして十九名、こういうことになっているように承っておりますが、部は作ったが、課は従来の通り二課でございます。で、定員は十九名、そうしますと、アフリカ課は課長を入れて一課八名、こういうわけですね。どうもせっかくの世界政治経済上非常に重要な、あるいは国民の立場からいっても非常に重要だ、こういうお話ですが、どうもこれは課としての形態からいってもどうかという感じを持つわけですが、たとえば欧亜局の場合は、三課あって六十三人という定員ですね。一課大体二十名少し、今度の場合は課が八名ということですね。部は作ったけれども、どうも特に強化されたというふうには受け取れないわけです。その点につきまして一つ伺っておきたいと思います。
#110
○国務大臣(小坂善太郎君) 考え方その他につきましては、ただいまお話のありました通りわれわれは考えておりまするが、この内部の組織につきましては、部長ができまして、その下に従来は中近東課ということで一課しかなかったものを、中近東課とアフリカ課と二つに分かれますわけでございます。従いまして、責任の所在も一層明確になりまするし、また、事務的にもはっきりした区分のもとに、より能率が上がることであろうかと、かように期待をいたしておるわけでございます。
#111
○鶴園哲夫君 最近非常に目立って局をふやす、あるいは部を新しく作るというのが顕著になって参っておりますが、そして人間はふえない、これは外務省設置法ばかりじゃなくて、今出ております設置法の場合におきましては、大体そういうような形態をとっておったのです。従ってこの問題は、行政管理庁等にも来てもらって論議をいたしたい、こういうふうに思っております。部局はどんどんふえていくが、定員はふえないという形では種々問題があろうかと思っております。ですが、今の問題につきましてはそれだけにいたしまして、次に伺いたい点は、衆議院の内閣委員会で問題になりまして附帯決議がついておるわけでありますが、それは認証官が外務省で半数前後を占めておるという点が問題になっておるわけですが、従って、この認証官についてすみやかに検討をすべきであるという附帯決議がついておりますが、これらにからみまして三点ぐらい伺いたいと思っております。
 一つは、昭和二十六年になりますか、国交が開けまして、それから六年ほどたちました昭和三十一年ごろの大使館、公使館、この数が非常に少なかったわけでありますが、大使館は二十七、公使館が二十、総領事館、それから領事館、これが三十八、ここで問題にいたしますのは大使館の二十七と公使館の二十、これが現在五十六、十四という形になっておる。さらに、ことしで大使館が八十にふえるわけであります。それから公使館の方は十八という形になるようですけれども、大使館の方は三倍以上の大へんなふえ方なのですが、公使館の方は逆に五年前に比べますと減ってきておるですね。公使館二十というのが十八という形になっておるわけですが、ここら辺のことにつきましてどういうふうに考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。要するに、大使館は非常にふえておるけれども、三倍という非常なふえ方ですけれども、公使館の方は逆に減ってきておるという点ですね。どうも何がなんでも大使館にしなきゃならぬ、こういうふうな感じを非常に強く受けるわけですけれども、その点についてどういうふうな感じを持っておられるか、伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(小坂善太郎君) 衆議院の方の御決議は、今お述べになりました在外公館の名称及び地位を定める法律の一部を改正する法律案、これに関連いたしましてこの御決議をいただいたわけでありますが、なお、この大公使館の問題につきまして、大公使館がふえますることは、やはり相手国に対しまして、特別に認証官である大使を送る国と、そうでない国とを分けますことは、相手国においてこれを非常に差別待遇をされたように感ずるものでございますから、従って、同様にみな認証官として大公使を出しておるわけでございます。従って、その認証官の数、大公使の数がふえると比例いたしまして、ふえるに伴いまして大公使館ふえていくというのが現状であるのであります。
 そこで、今御質問の大使館はふえたが、公使館はむしろその逆な形態になっておるのではないかということでございますが、これもやはり世界的な一般の傾向といたしまして、大使館を設置するということをまあ通常に考えておる国が多いのでございます。ことに、新しく独立いたしました国においては、やはり自分の国は相互主義で大使を交換したい、こういうことをどこでも申しまするのでございまして、そんな関係で、大使館は、国の増加に従ってふえるし、公使館はそれにむしろ反比例する形をとっておるという現状になっております。現在ウィーンで外交官の特権及び地位に関する法律家会議というのが行なわれておりますのですが、ここでは、もう公使というものは一つ考え直したらどうかというふうな議論がかなり強く出ておるように聞いております。結論はまだ得られておりませんですけれども、もしそういうことにでもなりますれば、大使ばかりになるのでございます。現在世界的な傾向といたしまして、大使がふえて、そうして公使がむしろ減っていくというような形になっておることを御了承願いたいと思います。
#113
○鶴園哲夫君 大使と公使の区別をちょっと承りたいと思います。大使は非常な激増をしておる、そうして逆に公使は減ってくる、こういう実情になっておるわけですが、しかし、これからお話ですと皆大使になるというような傾向も出ておるようでありますが、大使と公使の区別を伺っておきたいと思います。
#114
○政府委員(湯川盛夫君) 大使と公使の区別は、国際慣習法上、まあ栄誉及び席次において大使の方が公使より上位ということになっておりますが、大使と公使との間に、職務内容に実質的に差異があるわけではございません。ただ、この席次あるいは外交団の中における地位、それは大使の方が上でありまして、大使で赴任しますと、前任者の公使よりも上位になるというようなことはございます。実質的職務内容においては差異はございません。
#115
○鶴園哲夫君 ともかくこの大使というのは、この五カ年の間に三倍以上にふえておるんです。八十という数字になっております。で、公使というのは二十あったやつが、逆に減りまして十八というふうな数字になっておるわけでございますが、職務には差はない。で、大使の方が上だというお話なんですが、これは月給が上だということもあるわけですね。職務には大使と公使と差がないように思いますが、どういうところに――ただ向こう側との席次とか何とか、そういうことで大使はどんどん作るのだ、公使はどんどん減らす、こういうお考えですか。
#116
○政府委員(湯川盛夫君) 先ほど御説明申し上げましたように、席次等においては大使の方が上ということになります。従って、外交団の中における順位というものは、大使の方が上であります。また、そういうことはめったにないと思いますが、大使と公使が同時に一国の外務大臣に面会を申し込むというような場合には、大使の方が先に会ってもらえるということがございます。そこで、各国ともだんだん大使に昇格するのが多くなっております。そこで、いつまでも公使ということにとどまっていれば、外交団の中の席次も下がるということになりますので、一たびそういう傾向が出ますと、先ほど大臣が御説明された通りに、各国とも競って大使にする、昇格するというふうになっていくわけでございます。日本だけの傾向でなくて、世界的の傾向でございます。そこで、先ほど大臣がちょっと触れられましたように、外交官特権に関する会議、国際法委員会の主宰する会議においても、こういうふうになったらば、もはや大使と公使との区別を廃棄しようじゃないか、つまり昔のウィーン会議でもって、大使、公使、代理公使、弁理公使と四つの階級ができまして、それが外交団の長い間の制度になってきたわけでございます。この大使と公使というのは、もはや最近の情勢では、特に区別をする必要がないのではなかろうかという議も相当有力にあるのであります。しかし、こうした区別をなくするのは、しいて人為的にやらなくても、現在の速度をもってすれば、早晩公使というものがなくなってしまうのじゃなかろうか、従って、今度作る条約案では、区別を廃止しなくても、時が自然に解決するであろうというような意見が結局有力になったわけであります。そういうわけで、職務はあまり差異はなく、また、俸給も特に非常に違うわけではないのでありますが、ただ、そういう外交団の中で大使が大部分になった場合に、あくまで公使を残しておくというのは、何かにつけてそれだけ不利でありますから、ほかの国並みに、みんな大多数が上がった場合には上げるというふうにやっているわけでございます。
#117
○鶴園哲夫君 職務の内容が違わないというお話ですが、さらに今般公使というものがなくなった場合に、大使だけになるというお話ですが、これは卑近な例でいいまして、局長というものがなくなって、全部次官になる、こういうことになるわけですけれども、ですから、これはやはり給与の関係も勘案をいたしまして、今一等、二等、三等というふうに分かれておりますが、そこら辺の配慮がいるのじゃないかと思うのです。局長に該当するものがみんな大使になってしまったというのでは、これはおかしな格好になりますからして、そこら辺の考慮を含めてお考えになっておられるのか、伺っておきたいと思います。
#118
○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどから官房長も申し上げましたように、主としてこれは相互の国と国との関係で配慮をいたしているのでございまして、対内的には、問題は私どもは別に考えております。大使になったから、どうしてもその格で給料を上げるというようなことでは考えておりません。十分国内的な待遇の問題としては、これを別個に考えていくべきものである、かように思っている次第であります。
#119
○鶴園哲夫君 次にお伺いしたい点は、今各省で、法制によりまして顧問、参与というものを置いておりますのは、外務省と科学技術庁と、それから経済企画庁、この三つだと思っております。外務省は顧問、参与を置いておられますが、顧問が何人おられて、参与が何人いらっしゃるのか、その点を伺っておきたいと思います。
#120
○国務大臣(小坂善太郎君) 現在まで顧問、参与それぞれおりますのですけれども、私の方針として、できるだけこれを減らしていこう、こう考えております。現在顧問が八人、参与が六人ということになっております。これは前内閣で、移動大使として各国を回っていただいた方が、そのまま顧問に残っておられるというのであります。どうもこれはなかなかなか適当な機会がないと、やめてくれということは言いにくいものでありまして、本来外務省の人でない方が多いものでございますから、遠慮をしているという関係もございますので、適当な時期があれば、これはやめていただくわけでございます。
#121
○鶴園哲夫君 次にお伺いいたしたい点は、大使、公使というのが顕著なふえ方をこの五年ぐらいの間にしたわけでございます。大使館でいいますと、二十七であったのが、五年後の今日八十になったというふうに、大へんに顕著なふえ方であるわけですが、けっこうなことだと思っております。ただ、いつも感ずるのですけれども、予備役に入った人――予備役といいますか、
○Bです。非常に古いOBの方々の大使が激増する、大へんなふえ方をするというところで続々として登場されるという点も、私らはいつも新聞で経歴をみるたびに不安に思っているわけでございますが、こういう一ぺんやめられた職業外交官、OBの方々が続々としてはなばなしく登場されるということについてどういうようようにお考えになっておられるか、伺いたいと思います。
#122
○国務大臣(小坂善太郎君) 一般的な方針といたしましては、できるだけ新進気鋭の士に登場してもらうということで省内の風通しをよくして参りたい。若手でも、有能な人であれば、できるだけ簡抜して枢要なポストを占めてもらうというように持って参りたいと考えております。ただ、やめた方でありましても、なかなかますます盛んな方もあるのでございますから、例外的にはそういう方も考えなければならぬ場合もございます。一般的には、そういう方々にはなるべく新進に席を譲ってもらうというふうにやりたいと考えております。
#123
○鶴園哲夫君 その次に伺いたい点は、私は、今のその公使になる方々、それから外務省の局長、課長、こういうところは、御承知のように、非常に空白期間があるわけですね。昭和十五年から昭和二十五年まで十年間というものは、日本の外交は完全な空白状態にあった。従って、この空白の状態のときに育たれた方々が今局長、課長、補佐、公使というところにあるように思うのです。それから、一方におきましては、昭和二十六年ごろから国交を回復されて、たくさんの大使、公使が続々と生まれましたけれども、古い戦前型外交官といいますか、旧憲法――外交権が天皇にあったときの古いOBの方たちが、またはなばなしく登場している。一方、国際情勢は、御承知のように、四十数カ国で発足した国連が、今日八十九カ国、戦前の感覚なり、そういうものでは想像もつかない独立国というものが大へんな勢いで出てきているわけです。国際情勢というものは、そういう意味では非常な変わり方をしていると思うんですが、今申し上げたような外務省の実態の中で、一体、急テンポな、あるいは非常に変わった国際情勢の中で、どういうふうに大臣がお考えになっておられるのか、その点を伺っておきたいと思います。
#124
○国務大臣(小坂善太郎君) 外交官というものは、やはり国を代表して先方の国に接するのでございますから、ある程度の年令というものも場合によっては必要なときもございますし、それから本省の局長の場合でございましても、東京におりまする大公使はみな相当な年令でございますから、まあある程度の年令が必要とされるということもございますと思います。その意味で、外務省の次官初め局長は、他省に比べれば、若干年令的には卒業年次は古い方になっていると思います。今例外的に一番若い局長で、十二年が一番若い。ただ、今、鶴園さんがおっしゃったように、非常に国際的に大きな転換を戦後しているわけでございます。できるだけ本省に出先の人を呼んで、日本の実際の政治経済の状況に接してもらう、こういう意味で公館長会議というものをやっておるのでございます。公館長会議で十分先方の意見も聞きますが、こちらの状況も述べ、また、しばらく東京におって日本国内を旅行して、その空気に触れて帰ってもらうというようなこともいたしておるわけでございます。やはり全般的にそういう国内情勢を十分知らなければ、外交のほんとの効果は生まれぬわけでございますから、そのほかにも電信電報類をもちまして、極力重要な問題は出先の大公使によくわからせるように努力をいたしておるわけでございます。おっしゃるように、戦争中から占領中にかけまして、わが国は国際情勢の中に触れることが少なかったわけでございますから、そういう点につきましてのハンディキャップを十分補うようにできるだけ措置して参りたいということで、努力はいたしておるつもりでございます。
#125
○鶴園哲夫君 もう少し私が心配いたしておりますのは、今の外務省の上層部におられる方々、古参の課長、局長、公使というところは、さきほど申しましたように、十年間という大へんな空白があるわけですし、それから、大使になっておられるOBの方々にとりましては、これはやはり明治憲法の時代の感覚というものは、これはどうしたってぬぐい切れない。一方、国際情勢が御存じの通りでありますからして、そういう場合に、日本の外交というものが、何か不安を抱かせるわけですね。そういう面について、今公館長会議とかいろいろなことをおっしゃいましたが、もっとやはり何らかの考えが大臣としてあってしかるべきじゃないだろうかという懸念を持っておりますわけですが、いかがでございますか。
#126
○国務大臣(小坂善太郎君) どうもそういう一つの日本の変化並びに世界全体の変化というものは確かにあるわけでございますが、やはりお互いこれ旧憲法時代に憲法を習った者でございますけれども、今日の時代においては、さような残滓というより、むしろ新しい今日の日本の進み方というものについて十分認識していると考えますので、そういうのと同じ意味において、大公使の諸君、本省の局長の諸君にも十分感覚を身につけてもらっているつもりなんでございますが、具体的にどうかとおっしゃいますと、今申し上げたようなことが具体的にやっている措置でございまして、あとは心がけの問題でございまして、せいぜいそういう点については十分心がけるように努力をしていくということを申し上げる以外にないと思います。
#127
○鶴園哲夫君 日本が独立をいたしましてから、財界の方々が大使に相当登場されたことがあります。私ども見ておりまして、若干利権的なにおいが否定できないというふうに思っておったんですが、さらにまた一人大使で財界の人、産業界の人が入られましても、なかなかこれは外務省という、各省よりもっとまた違った雰囲気のある所ですからして、大使館の組織、機構、こういうものを十分こなせなかったという点もあり、浮き上がったということにもあるかと思いますが、しかし、いずれにしても大へんな登場があって、目をまるくしたわけですけれども、今これはほとんどなくなってきておるのですけれども、これらの点についてどういうふうな考えを持っておられるか、伺っておきたいと思う。
#128
○国務大臣(小坂善太郎君) 外務省へ高文を通って入って育った者以外に、やはり外部の人も優秀であり、適当な人があられれば、大いにこれを迎え入れることにやぶさかでございませんが、何といっても一番問題は語学の問題でございまして、在外使臣として行っておりまする場合に、やはり専門の語学の訓練を経た者以外の方は、どうしてもその点が難があるように見られるのでございます。そうでなくて、今度語学だけが非常にうまいということになると、ちょっと他の部門がバランスがとれぬ人もあるというようなことで、言うべくしてなかなか部外者の登用というのは、実際問題としてむずかしいように思います。それから、たとえばキャッチボールをするようなもので、在外の大公使が、これがいいと思って投げたたまも、外務本省においてこれをうまくキャッチされて消化されて初めていいたまになるわけであります。ボールがみんなどうも受けとめられないというふうになってしまいますと、どうも主観的意図にもかかわらず、なかなか機構がうまく動いていかないということもあろうかと思います。まあ心持としては、決して外務本省育ちに限らず、できるだけ部外者にいい人があれば迎えたい、こういう気持でおります次第でございます。
  〔委員長退席、理事小幡治和君着席〕
#129
○鶴園哲夫君 語学の問題をお話になりましたですが、これは私そんなに不可欠なものというふうに理解していないわけであります。大使あるいは公使が向こう側の方と折衝される、話し合いされる場合には、これは通訳を連れて行くのが礼儀になっているというふうに私は承知をしておりますから、さらに向こうからまた来るときは向こう側が通訳を連れて来るというのが礼儀になっているし、それはしきたりになっているように思うんです。そうしますと、特に外国語というものが不可欠な条件のようには私には思えないんですがね。それは職業外交官の方からいえばそういう主張もなるほどあるかと思いますが、実際の建前はそうじゃないのですから、だから、行くときは連れて行くし、向こう側もまた連れて来るというような実情なんですから、特にそれが大使の不可欠な条件ということにならぬわけです。さらにまた、御承知の通り、大使が国民の中に溶け込んで、あるいはその生活や文化を愛して中に溶け込んで生活をするなんということは、これはまず日本の場合においてはなかったのじゃないかと思います。その意味で外語は特に不可欠の条件のようには理解しがたいのですがね。
#130
○国務大臣(小坂善太郎君) 正式交渉の場合は、今お話のように、通訳を用いることが多いわけでございますけれども、まあ一般的なつき合い、ことに外交官同士で話し合う場合、外交官同士で話した話は外部に出さぬという不文律でございますので、そういう話をし合いまする場合に、これは何もあらゆる国の言葉が必要ではないと思いますが、少なくとも、一般的に理解される英語の範囲で自由にやはり話せるということがほんとうの意味の情報をキャッチするゆえんでもございますし、また、深いつき合いをする、その国の元首あるいは総理というような人たちとほんとうに深くつき合うには、しょっちゅう通訳がついて歩いているということではどうもできぬように思います。やはり通訳を通せば話は倍かかるわけであります。通訳がいるということで、どうも他人行儀に話がなりがちでございまして、この点はほんとうにいい外交をしようと思うと、少なくとも英語が自由に話せるということが必要のように思う次第でございます。
#131
○鶴園哲夫君 英語の話が出ましたが、私の理解では、そういうふうな不可欠な条件というふうには思えませんし、礼儀的に向こうが連れて来れば、こちらが応待するときは、こちらの通訳がついて行くということでやっておるわけです。英語の点だけお話しですが、あと中近東、アフリカなどについて申し上げますが、これはフランス語でありますから、英語というのは御使用になっておらないように思いますが、その点はどうですか、御答弁願いたいと思います。
#132
○国務大臣(小坂善太郎君) 御承知のように、アフリカのコミュノーテ・フランセーズという十六カ国、これはフランス語でございます。できればそういう国の間にはフランス語も話せる人がこれは一番いいわけでありますけれども、少なくともということを私は申し上げておるのです。一般的のつき合いをするのに、全然日本語で、常に通訳ということでは、どうもやはりほんとうのつき合いはできない、いい大使の活動はできないのじゃないかというように思う次第でございます。やはり一般的な交渉というのは外交官生活の一部でございまして、やはり常に自由に話して、お互いに隠しだてしないで話をするということが、大使としての職務の非常に大きな部分であるというふうに言わざるを得ないのであります。
#133
○鶴園哲夫君 私、こういう感じを持っているのですけれども、一つ伺いたいと思いますが、大使、公使というのは大体三年か、大体その前後の任期がある。で、向こう側の政府あるいは外務省当局というところと折衝なり話をしていくというのには、非常に短いといえば短い期間になるわけですが、その下におりますととろの、昔通訳官とか、あるいは翻訳官とかいった人たちですね、こういうところは任期が非常に長い、こういう点に問題があるのじゃないだろうか思うのです。一つは三年やそこらの年月では、その国の国民各層の気持なり感じなり文化なり、なかなか理解しにくい。これがもう外交折衝をする場合の基本的な問題になろうと思いますが、なかなか大使がそういうものをこなせないという実情にあるのではないか。さらに大使以外の、その現地に長年おられる方々は、また日本の事情に非常にうとい、その国の文化なり、あるいは生活なり国民なりというものに対しては非常な感覚を持っておられますけれども、なかなか国内の情勢にうといという点等から、今の外務省のやり方からみますと、非常に不備な状態が出てきておるのじゃないだろうかという懸念を持っておるわけです。そういう点についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか、伺いたいと思います。
#134
○国務大臣(小坂善太郎君) 従来、いわゆる高文を通ってきた人とそうでない人との間に、片方が非常によく働いて、片方が何年毛その同じ場所にいさせられるということがございましたのですが、最近はそれを改めまして、大体そういう差別なく、まあ三年ないし四年にぐるぐる各地を回るというようなことになっております。
 なお、お話のような、現地の事情に非常に詳しい人は、今度は日本の事情を知らなくなるということがあっては、これはまさに困る問題でございますので、こういう点を改めたいと従来から思っておったのでありますが、何分にも金がありませんので、賜暇帰朝をさせることができないような状況でございます。最近は御心配によりまして予算もふやしていただきましたので、さようなことがなくなりました。その点も、努めて賜暇帰朝を利用して、日本の事情が十分わかって任地へ帰るというふうにさせたいと思っております。
#135
○鶴園哲夫君 お話ですと、外交官試験を通った外交官という者と、それ以外の人たちの間には、そう差別のないように処理をしておられるというお話でありますが、しかし、御存じのように、ドイツ語を習い、あるいはインド語を習う、あるいはその国々のマレー語を習っているというような者、あるいは中国語を習っているという者にとっては、どうしてもそれぞれの該当の国に長年おられるということになる傾向が、これは否定できないと思います。そうしますと、私先ほど申し上げたような心配があるのじゃないかと思いますが、そこら辺のことも勘案の上に処理されているというお話でございますか。
#136
○国務大臣(小坂善太郎君) 中国語をやる人などは非常に外務省に多いのでございまして、これはその言葉が特殊的なものだから、そこに長くいなければならぬということはないのでございます。しかし、また国によりましてはスペイン語、ポルトガル語は、これは相当やはりおりますけれども、たとえばタイ語の非常な専門家であるとかというふうな、限られた国の言葉を非常にマスターしておるという人は、とかくそういうふうに重宝がられ、自分もまたそれが非常に得意であるとすればそっちにいたがるというようなことで、とかくその任地に片寄りがちになることは、これは一般的にいなめないかと思うのでありますが、なるたけそういうことになりませんように努力をいたしておりますし、先ほども申し上げたように、賜暇帰朝しまして十分に事情がわかるようにするというふうに努めておるつもりでございます。
#137
○鶴園哲夫君 あとちょっとですが、もう一つ伺っておきたい点は、外務省が国際法というものを取り扱っておられるという点から、非常に国際法に中心を置き過ぎるのではないかという心配を私はしているのです。かつて沖繩の問題が出ましたとき毛、これについては発言権はないのだというような話があったのです。私は、これはあまりにも国際法にとらわれ過ぎておられるのではないだろうか、今の東南アジアの諸国なり、あるいはアフリカ諸国の国々というものは、もし国際法というワク内に閉じこもっているならば、あのようにイギリスに食いつく、あるいはフランスに食いつくというような情勢になかなかなれないのじゃないかと思うのです。その意味で、どうも国際法というものに中心を置かれ過ぎているのじゃないかという感じがするのですが、そういう点についてはいかがなものでございましょうか。
#138
○政府委員(湯川盛夫君) まあ現在の外交は、政治経済あるいは国際法、いろいろなものを十分研究して遂行しなければなりませんが、国際法はやはり無視してやるというわけにはいきません。各国の近代国家内の一つの約束でありますから、それは十分研究いたして、これを重要視し過ぎても、し過ぎるというようなことはないと思っております。
#139
○鶴園哲夫君 国際法を非常に重要視しておられる、これはけっこうなことだと思いますが、あまりにとらわれ過ぎるのではないかという感じもありますし、また、御存じのように、外務省というのは、非常に各省とは違ったギルド的な組織になっているように思うのです。それは先ほどもお話もありましたように、外交官試験を通った者がそれが普通出て行く、それがほとんど外交運営をしている。従って、外部から入って来てこれとの競争があるとか、そういうようなことはない、きわめて温室的な、一方どちらかといいますと、少しく外交を握っている特権的な感覚というものが非常に強いのじゃないかという感じを常日ごろ持っているわけです。そういうものが、先般も松平大使の発言等に、日本の新聞を読んでいないというのですね。岸さんがそういうことを言われたのですが、そういうのにあやかろうというのかどうか知りませんが、日本の新聞を読んでいない。今や外交というものは国政の重要な一部門になっている。日本の国民の代表として、国の代表として派遣されている人たちが、日本の新聞を読んだことがない。一体どういう背景で外交をやられるのか、あるいは国民の感じなり感覚なり国情の動きというものを把握できないで、新聞を読まぬということをいかにも得意げにお話になるという、そういう感覚に何か一つ大きく欠ける点があるのじゃないかという懸念を持っておるのですが、そういう点について外務大臣どういうふうに考えておられるか。
#140
○国務大臣(小坂善太郎君) 松平君の発言中、日本の新聞を読まぬというようなことがあったように、私も新聞を見まして知りまして、この点は十分注意をいたしておきました。どうもその弁解を御紹介するのも妙ですけれども、私に対する弁解は、自分は国連におるのでありますから、国連内のいろいろな各国の判断というものを正確に伝えて本省に送る、本省の方は、日本国内の気持を十分に把握した上で訓令を出してもらう、それによって自分は行動しているのだ、こういうことを言ったつもりだったところが、日本の新聞を読まぬと言ったようになって、大へん御迷惑をかけて恐縮している、こういうことでございます。これは済んだことでございますが、さようなことがないように、さようなことがいやしくも誤って伝えられないように十分に注意をいたした次第であります。
#141
○鶴園哲夫君 今、松平大使からの実情が述べられたのですが、しかし、そういうところに問題があるのじゃないか。要するに外交という、非常に外務省という限られた範囲の中だけしか問題を処理されないで、大使というものは、もっと広範な立場からの広い判断の中でやはり物事に処していかれるという必要があるのじゃないかと思いますが、松平大使のごときは、全く外交官の特色を遺憾なく発揮しておるように思いますが、いかがですか。
#142
○国務大臣(小坂善太郎君) 今申し上げたように、注意はしたわけでありますけれども、まああの言葉を実は本人否定しているのですから、そう言った覚えはないと、こう言っておるのです。要するに売り言葉に買い言葉みたいになって、激しく迫られて、何かの拍子にそういうふうに誤解を生ずるような印象を与えたというふうなことであるようでありますが、その点につきましては、本人もそれを取り消しておりますが、そういうふうな印象を与えたとすれば、これは非常によくないことであるということはよく申してあります。本人も実のところ、そんな日本の新聞を読まぬというような、そういう気持で申したつもりではないと言って事実を否定しておりますから、その点は一つ御了承願っておきたいと思います。
#143
○鶴園哲夫君 中近東アフリカ部を設置されまして、これらの諸国、三十六カ国に対しまして十分な外交を進めていかれるというお話なんです。ことし十七カ国、さらに近い機会に数カ国独立する。こういう国々に対しましてどういう外交を進めていかれるのか、その点伺いたい。新しい独立した非常に特異な存在だ、従って部を作る、中近東アフリカ部というものを作るというお話でありますが、どういうふうな方針で臨まれるか、その点伺っておきたい。
#144
○国務大臣(小坂善太郎君) 新しく独立した国は、それぞれの民族の繁栄ということを非常に強く念願しておるわけでございます。私どもはその気持になって、その国の国民の気持の中に溶け込んで、その希望を達成するようにできるだけ協力をしていくという気持で接したいと考えておるのであります。従来欧亜局の所管でございまして、まあ私どもとすれば、できれば局にしてもらうことが一番いいと思ったのですが、これも予算の関係でそうもいきませんので、欧亜局の中に置いておきますが、欧亜局長が出て、向うの国から来た大使その他に会いますというと、やはり従来植民地として自分らの国に接していたその所管、その国を所管する省の局長が出てくるという感じを持つのでありまして、これはどうもあまりいいことじゃないんじゃないか。それよりも、中近東アフリカの専門の部長、これは部長でも局長でも、先方には英語に直す場合にはそう変わりはないのでございますが、その人が出て自分らの国のことをいろいろ話し合ってくれたと、こういうふうな印象を与えることが非常に必要ではないかというふうに思って、こうしていただくように今御審議を願っておる次第でございます。
#145
○鶴園哲夫君 従来から私ども、欧米中心ということで、欧米には行きたがるけれども、なかなかアジアその他の諸国には行きたがらないというような情勢のように承っております。今回中近東アフリカ部というものができて、ここに大使館ができ、公使館ができるということになると思うのでありますが、これはまたアジアと同じように、非常に民度はまだまだ低い。また、気候の悪い所ですし、部下との関係をとりましても、まずい所だと思います。また、生活環境からいいましても欧米とはまた比較にならず、非常に環境の悪い所のように思いますが、そういう所に対しまして、私は、この際思い切った人事をおやりになったらどうか、こういうふうに思っておるわけです。
 もう一つは、これは部を設置するところで説明がございましたように、新しく独立した国々であります。非常に特異な存在になっているわけでありますが、こういう国々の国民感情といいますか、あるいは民族感情というものは、これはもう欧米なんかとは非常に違ったものがあるんじゃないかと思っております。従来、職業外交官あるいは役人というのは、反対性運動というやつですね、こういうものに対しましては、本能的に恐怖心を持っておりますし、ですから、なかなかその意味では、反対性運動の中から、芽ばえてきましたこれらの諸国の国々の民族感情なり国民感情というものを十分理解をして、それらの国々の発展のためになるように援助をし合っていくというような外交のためには、これは思い切って新しい人事というものをこの際おやりになったらどうかという感じを持っております。これは先ほど来申し上げておりますように、今の外務省全体には種々大きな問題点があるように思います。
  〔理事小幡治和君退席、委員長着
  席〕
こういう機会に、条件は相当あると思いますが、思い切って新しい人事、外務省の人事というようなものをおやりになるお気持があるかどうか、承りたいと思います。
#146
○国務大臣(小坂善太郎君) この新興諸国といいますか、新しく独立したAAの中に多くある諸国は、やはり非常な向上心を持っていると思います。と同時に、それがかなり性急なものがあるのは事実でございます。それにやはりこたえていくということが、この国との外交上非常に必要なことだと思います。その点からいいますと、従来の欧米と違った感じで接しなければしかぬという御意見は、私もそう思っております。ただ、こういう国に参りまする場合、何といっても環境その他諸条件がよくないのでありますから、相当に優遇する措置をやはり一方に考えなければいかぬ。欧米の国の場合でございますと、やはり相当にある程度の休暇期間を与えて自分の任地、たとえばフランスの場合パリに帰すとか、いろいろそういう点に配意しておるようでございます。まあ私はできるだけ新進気鋭の士を抜擢してアジア・アフリカの大公使に持っていく。また、従来はそうでなかったのですが、やはりAAの国を回らなければほんとうに外務省の中枢になれないというような不文律を作っていこうとまあ考えておるのでございます。最近はそういう気分は、これは私だけでなくて、外務省の中に非常にほうはいとして起きておるように思うのでございまして、たとえば外交官試験を合格した者の中から、従来は英語、フランス語の研修生ばかり出ておったのですが、最近はアラビヤ語を自分で志望してそちらの研修をするという者も出ております。だんだんその点は変わってきておるように思います。
 なお、不健康地の場合、一般の賜暇帰朝をいたしますのは、四年その地で過ごしませんと賜暇帰朝は許されぬのであります。不健康地の場合は二年で賜暇帰朝の権利が発生するというふうにしてもらうように今年からなったわけでございます。いずれにしましても、今、鶴園さんが言われた新たなる構想をもって新たなる国に接するということは、私も同感でございまして、さような点で十分考慮いたしたいと考えております。
#147
○鶴園哲夫君 中近東、アフリカの諸国は、非常に欧米と変わった国民感情なり、あるいは向上心というものを持っておりまして、従いまして、こういう機会に、従来のからに閉じこもった感じのある外務省というような人事から、新しい人事というものをお打ち出しになったらどうか。大使、公使の任命についても、根本的にお考えになったらどうかという希望を持っておるわけです。アメリカが、今回、日本にしましても、インドにしましても、ビルマにしましても、職業外交官でない人たちを登用いたしておるような状況でありますが、これらの国々が違った感じを持っておる、感情を持っておる、精神を持っておるだけに、もっと広い意味のそういう人たちを大使、公使というものに任命をして、そして、それらの国々の、単に外交官なり、あるいは政府と折衝するだけでなくて、もっと広い範囲の、国民各層との関連の中で、国民感情なり、そういうものを理解をして、経済提携あるいは親善関係を結ぶというような方向をお打ち出しになったらどうだろうかと、こういう希望を持っておるわけです。先ほどのお話ですと、何かもっと若いところの大使館の職員のお話しのようでありましたが、それももちろん必要でございますが、今申し上げました大使、公使という、そういうところにもそういう配慮はないものかということが質問であります。
#148
○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほど申し上げたように、よい人があれば、大いに外部の方も歓迎したいと考えております。ただ、外務省全体としては、やはり全体に人事が詰まっていると申しますか、そういう感じが他省に比べて相当ございます。やはりいろいろ御批判も承りまするが、正式な外交官としての訓練を経、また、自分は日本の外交のために一生をささげようと思って外務省に入ってきた非常に有能な若手の、新進の諸君に張り切ってもらう。そのことがやはり外交の一番の中心であろうかと思いますので、外部から人を迎えるのは、もちろんいい人があればけっこうでありますけれども、それをあまりやりますと、本体の方が、何か自分が一生をささげている外交官というものが無価値に思われるというようなことになりましては、これまた一大事でございます。両々相待っていきたいというふうに考えております。
#149
○鶴園哲夫君 それはどうもいただけないのです。外務省に入る人は、これは当然外交官として生活したいということで高文を通ってお入りになると思います。それは通産省なり大蔵省なり、あるいは農林省等に入る者は、幹部として働きたいということで動いていると思います。それを見ておりますと、どうも大使というものがこんなにふえる、八十幾つもふえるというときに、公使がまた二十ぐらい、さらに総領事というものを加えますと大へんな数になると思います。千八百名ぐらいおられる定員の中で、少なくとも認証官に該当する者は百二十名近くある。非常なウエートを持っているわけです。そこへもってきて、外務省の内容を見てみますと、これは各省に比較いたしまして、調査官、審議官という数が圧倒的に多いのです。課長という数字は四十幾つありますが、調査官に該当する者は二十幾つある、こういうことは各省にはほとんど全く例がないわけです。そういう意味から、これは私は各省の問題だと思うのです。外務省の問題でもあるし、大蔵省や農林省の問題でもあると思う。ですから、これだけの参事官というもの、課長の半分ぐらい参事官を持っている、どこにもこういう省はないのです。十分私はお役に立っているのじゃないかと思います。今や各省では、大体部長どまりというのが常識になっているわけです。だれも彼も大使にならなければならぬというようなお話では、これはどうも受け取れないわけですけれども、もう一ぺん、大使というものはこんなに八十幾つもふえている、公使が二十名もいる、それに参事官というものが二十幾つあります。各省にはこんなものはないのです。ですから、もっと日本の外交なんですから、外務省のお役人のための外交ではないわけですから、そこら辺もう少し私は、若い外務大臣ですから、決意があってしかるべきじゃないか。先ほどのようなお話では、これは外務省の役人の答弁にしか受け取れない。
#150
○国務大臣(小坂善太郎君) 現在大使は六十、公使は十、これが今度は大使が六十五、公使が六ということになるわけでございます。ところが現在でも、全体に、先ほどから申しているように、ほんとうに若手の諸君が所を得て非常に張り切っているという感じがいたさないのでございまして、私はあまり人の首を切ることは趣味に合わぬのでありますけれども、やはり相当古い人には勇退をしてもらって、そうして若手に席を譲ってもらうように、今ぼつぼつやっているのでございます。その際に、できるだけ外部のよい雰囲気は注入するということにやぶさかではないわけでございますが、問題は人でございまして、適当な人がございますれば、これを考えることは当然だと思います。
#151
○鶴園哲夫君 再度要望申し上げておきますが、先ほど申し上げましたように、今の外務省の課長、局長、公使というところは、とにかく十年間という大へんなブランクがあるわけでして、さらにまた非常にOBの人たちがはなやかに進出しておられるということでは、どうも日本の外交にとって不安があるというふうに思うわけです。前々から、やはりもっと広範な立場から外交というものを進めなければならぬのじゃないかというふうに思っておりますし、今そういう機会でありますから、外務省というのはそういう状況の中にあるわけでありますから、そこへもってきまして、こういう新しく大使、公使という、アジア・アフリカ、中近東の問題が進みつつあるわけですから、そういう際に、やはりもっと先ほど来の新しい空気というものを注入していかれる必要があるというふうに思っております。重ねましてこの点一つ要望申し上げておきます。
#152
○国務大臣(小坂善太郎君) その点私同感でございます。いわゆるOBの人を新たに復帰さして道をふさぐというようなことはやらぬつもりでございます。岡崎さんの場合は、これはちょっと別でございまして、これは国連のああいう場においてやってもらう人としては、私はあれ以上の人はちょっと得がたいというふうに思っております。他の人については、従来の人にむしろだんだんおやめを願うということに今努力をしてやっておる最中でございまして、全体の傾向としては、今御指摘のようなことと同様の方向で考えていきたいと思っておる次第でございます。
#153
○横川正市君 関連して。今の岡崎さんの問題ですが、私は、先ほどから鶴園君と大臣とのやりとりを聞いておって、率直にいって聞きたいのは、外務省から来ておられる局長さんやなんかおられるわけですけれども、そういう人たちの意見も実は率直に聞きたいと思うのですよ。なるほど、ときたま大物を必要とするといって大物探しをすることは、必ずしも私は悪いことではないと思う。しかし、岡崎さんは、大体外交畑からも日本の政治畑からも、ある人は経済界では依然として現役かもしれないけれども、大体予備役か後備役になりつつあって、しかも、世界の動きというものは、私は岡崎さんがダレスさんと話し合って進めておった当時の外交とは、全く違った方向をたどりつつあるときに、なぜあの人を起用しなければならないのだろうかということについて、ちょっと新聞辞令を見たときに奇異に感じたのです。たまたま大臣は、今これは別だとおっしゃるけれども、どこが別なのか、この機会に御説明をいただきたいと思う。私は感じとしては、しろうとはしろうとなりに、岡崎さんの持っておられますいろいろな立場というものは、大体後備役くらいになりつつあるのじゃないかと思う。そういうようなところで、あなたの先ほどの答弁の、非常にOBは避けて新進をということも、それの一つの裏づけだと思うのです。そういうことになれば、少し意見はちぐはぐじゃないかと思うのですがね。これは外務委員会でやるのがほんとうなんでしょうが、たまたまここで話が出ましたからお聞きいたします。
#154
○国務大臣(小坂善太郎君) 個人的な問題をいろいろここでやるのはどうかと思いますけれども、外部から実は私も人を迎えたいと考えておりますが、なかなか気のきいたようなことを言う人も、じゃお前さんどうかというと、何だかんだといって逃げてしまう。事ほどさように、非常にむずかしいということであろうかと思いますが、岡崎さんについては、あなたも、彼が官房長官のときにいろいろ御折衝なさった御経験者だと思いますけれども、そういう樽爼折衝を通じて、岡崎さんも終戦後のいろいろな各界の考え方というものについては、十分に得るところがあったと思います。その点では一般の外交官とは違った経験を得ていると言わざるを得ないと思います。外務大臣としての答弁は、私などとても及ばぬ専門的な知識を持っておりますし、また、それなるがゆえに、かなりの不評も一面にはあったというように、頭の切れる人であります。そういうことは彼も現役を退いてからいろいろ当時を反倒して、非常に人間が成長したように思っておるのであります。私もああいう結論を下しまする前に、実はそこから少し記事が早く新聞に漏れちゃって困ったのですけれども、各社の有力な政治関係の幹部に、こういうことはどうだという意見を聞いてみたら、みんなこれは異口同音に、それが一番いい、これは大したいいことだという意見でありまして、私はその点で非常に自信を強めたような次第でございます。
#155
○横川正市君 これは一つ懸念は、外務大臣が二人にならないかという心配も一つありますが、しかし、一般的に、なるほど岡崎さんのいろいろな記事やなんか私ども新聞でたまたま読むことがあるわけです。ですから、そういう重要なポイントをつかんで適切な助言を吐かれるということと、それからそのヒノキ舞台に上がって、少なくとも日本の国連における大切な役割を果たすということは、私はずいぶん違ったことになると思うのですよ。それならあなたの方でも、吉田さんをもう一回総理大臣にしてやったらどうなんだ、その方が、あの人がずっとよいのではないかということにもなる。だから、これは現役の外務省の役人の人に、そのことは一体率直にどうお考えになるかということをお聞きしたくなるということを最初に言ったのはそこにあるわけなんでして、やはり現役は現役として、先ほどの鶴園君の意見に補足すれば、外交官の育て方というものを、天皇の出先機関であるという当時の外交官の育て方と、それから民主国家になって、新しい国際舞台に出ていく外交官の育て方というのは違うのじゃないか。単に巷聞だけでその評価をしないで、外交官のほんとうの育て方というものは、外務省としては相当考えていくべきじゃないかということは、もう一つ付け加えなければならぬことだと思う。そうしてやはりあまり
○Bにたよって、それでなくてさえ国連や、アメリカ大使に行っている朝海大使は、去年ですか、帰って来て、日本の政治は十八世紀ですということをNHKで放送されて、任命者はそれに対して別に一矢も報い得ず、再次重任されてアメリカに帰って行くというような状況等を考えあわせてみて、非常に私としては力弱い感じがするわけです。それから、また小坂大臣の言われたような意味で、おそらくそうでなければ任命しっこないわけですから、そのことは一体万人が、この人はといって歓迎しているのかどうか、非常に私はその点危惧を持っているわけです。もう一度一つこの点について、社交辞令でなくて、ほんとうにどうなんだということで御答弁いただければ幸いです。
#156
○国務大臣(小坂善太郎君) もちろん私は、いいと思わなければしないわけでございますが、いいと思う基礎には、いろいろな人の意見を聞いてみたわけでございます。まあ三紙の編集局長とか政治部長とか、こういう諸君には、一応どういうふうな感覚を持つか聞いてみたわけです。ところが、みんな非常にそれはもう一番いいということを、いわゆる社交辞令でなくて言っておりましたので、私はこれがいいと思ったのであります。そんなことから、少し記事の方が早く何となく漏れてしまったという点はあるのでございますが、まあ私は繰り返すようですが、岡崎さんが外務大臣をし、また官房長官をして、その間に得た経験というものは、これは他のいずれの大公使よりも、卒業年度とか年は別として、新しいものがあるように思っております。なお、受諾の一つの条件のような形で、自分の任期については、あまり長くしないで後進に道を譲りたいということも言っておったくらいでございまして、その点は非常に私も見上げたような気がするのでございます。
#157
○鶴園哲夫君 私としましては、これを要するに、外務省というのは、非常に今ありますところの各省とは違った特異性を持っている。これは一つはいいことでありますけれども、外務省の外交官というものは、六十をこしましても、その任務、あるいはその職にあり得る。これは各省とも、何とかしてそういう線に持っていかなければならぬというふうに思っております。まあ五十になる前に次官とか局長をやめなければならぬという、こういうおかしな制度は悪いと思っていますが、ただ、六十をこしても一線の外交官として任務が果たせるという伝統から、あるいは戦後の特殊な事情かもしれませんが、外交官にOBの人たちがはなやかに出ておられる。さらに顧問という制度、参与という制度があって、ここにもまたOBの人たちが相当おられるというような、いよいよもって外務省というのは、職業外交官によって何か封鎖された社会のような印象を非常に強く受ける。従いまして、先ほど来、この際というふうに、中近東アフリカ部の設置、それに伴う公使館、大使館等の新設の際に、そういうような空気を一新されていかれることについて、ぜひ一つ御努力いただきますように御要望申し上げておきたいと思っております。
#158
○田畑金光君 あるいはちょっと重複するかもしれませんが、国連大使の任命の問題で今質問がありましたので、私、関連するということになりますけれども、若干伺いたいのですが、岡崎氏が今度国連の大使に任命されるということは、これは私ちょっと席をはずしておりましたので、聞き漏らしておるかもしれませんからお尋ねするわけですけれども、これは正式に閣議の方でもきめられて、近く発令されると、こういうことになっておるわけですか。
#159
○国務大臣(小坂善太郎君) 本日閣議決定をいたしまして、近く信任状の奉呈を行なうことになっております。
#160
○田畑金光君 すわって私質問しますから、答弁もすわってけっこうですから。
#161
○国務大臣(小坂善太郎君) ちょっと言い直しますが、近く認証式を行なうことになっております。信任状奉呈と申しましたが、それを取り消しまして、近く認証式を行なうことになっております。
#162
○田畑金光君 適材だということでそのような手続をとられたということは先ほどの御答弁でわかりましたが、御答弁の中によりますと、こういう重要な大使の任命等の場合には、何か各社の、主要三紙の編集局長や政治部長等の意見も聞かれたというようなことですが、いつもそのような任命手続をなされる前に、そういうような手続をとっておられるわけですか。
#163
○国務大臣(小坂善太郎君) そのようなことはいたしておりません。たまたま私はじっこんにしておる人があったので、非常に重要な人事でございますし、従来から国連強化に関連して新聞紙上を幾多にぎわしておった問題ですから、そこで、たまたまそういう機会があったので聞いたわけでございます、個人として。もちろんこれは個人として聞いたにすぎません。
#164
○田畑金光君 松平大使は、結局この間の失言問題で責任をとらされたような形になったわけですが、帰国命令を発せられたそうですけれども、結果においてはそう見られるわけですが、この点はどうなんですか。
#165
○国務大臣(小坂善太郎君) 大体かわってもらう時期にきておったというふうに御了解をいただきたいと思います。
#166
○田畑金光君 ああいうような場合はどうなるわけですか。今顧問とか参与とかOBとか、いろいろ話がありましたが、現役の大使を退いて、まあ帰国命令を出された、こういう人々についての今後の取り扱いというか、これは外務省の慣例としてどういうことになっておるわけですか。
#167
○国務大臣(小坂善太郎君) 松平大使の場合は、任地に四年おりましたので、大体かわる時期になっておるわけでございます。
 そこで、顧問、参与という話でありますが、現在おりまする顧問のうち、一名だけが外務省の関係で、あとは全部外部の人です。参与は一名だけ、あとは全部外部の人です。外務省の人を顧問にするという考え方は、できるだけやめていきたいという方針でおります。現在の参与も、私どもが任命したのじゃなくて、前からの関係でそうなっておる。主として財界の人ですが、どうも外部の人に、私がなって、いきなりすぐ方針が違うのだからやめてくれということも言いにくいのでそのままになっておると、こういうことでございます。
#168
○田畑金光君 お尋ねしておることは、松平大使のような場合ですよ。かりにあのような事例の場合は、たとえば昔の軍人なら、現役を退くと予備役、こういうことになっておりますが、ああいうような場合は、松平さんのような場合は予備役ということになるのかどうか、それをお尋ねしておるわけなんです。今後どのような処遇をなされるのか。
#169
○国務大臣(小坂善太郎君) これは人事異動の一環としてやっておりますので、先のことを申し上げることはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
#170
○田畑金光君 岡崎さんを持ってこられたというのは、スチブンソン大使くらいの方を一つ考えてみようというわけで日本で探すなら、まあせいぜいあの程度がそれに当たるだろう、こういうようなことで白羽の矢が立ったというわけですか。
#171
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ他との関係は別といたしまして、その本人の力量、識見、非常に適任と思ったのであります。
#172
○田畑金光君 まあこれは国連外交の強化ということでいろいろ人を探されたが、なかなか適当な人がいなくて、落ちついたのがこういうことになったということでしょうが、国連外交の強化という点から、将来とも、まあ単に国連外交の強化という意味だけでなくて、外交陣営の強化というようなことを考えた場合、職業外交官出身だけでなくて、民間人から広く大使の登用等をはかるというようなことを考えておられるかどうか、この点どうでしょうか。
#173
○国務大臣(小坂善太郎君) それは考えております。適当な人があれば大いに歓迎したいと思っております。
#174
○田畑金光君 近くまあ国会が終われば、六月には池田総理もアメリカに行かれるそうで、小坂外相もまた一緒に行かれるそうですが、まあこの点はあとから時間があればお尋ねすることにしまして、先ほどの質問にまた関連しますけれども、ほとんど公使というのがなくなって、大使に移っていく。これは各国の事情がそうなってきて、相互主義の上に立っているからそうせざるを得ないのだ、こういうことですが、それはけっこうなことだと思うのです。そこで、お尋ねしたいことは、一体この大使館というのは、大使以下何名くらいの人がいるのか。アメリカのような大きな国、ソ連のような大きな国、それからインドやインドネシアという国、あるいは最近のアフリカにおける独立国家等に設置される大使館の構成、これはどういうふうな構成になっておるのか。一つまあ規模を、大中小といったら語弊があるかもしれませんが、その辺で御説明願いたいと思うのです。
#175
○政府委員(湯川盛夫君) まあ大使館の職員が何名くらいから構成されているかというのは、それぞれの、日本とそこの国とのいろいろな交渉案件とか重要性によって違います。ワシントンあたりは五十名以上おりますが、しかし、また小さいところは三名、四名くらいのところもございます。その国によって違います。特に大使館は一律に何名といった基準はございません。
#176
○田畑金光君 三名とか四名とかという大使館というとどこですか、三名の大使館というのは。
#177
○政府委員(湯川盛夫君) お尋ねは日本の在外公館ですか。
#178
○田畑金光君 ええそうですよ。日本の各国に置いた大使館の人員の構成を言っているわけです。
#179
○政府委員(湯川盛夫君) たとえばバチカンに大使を送っております。バチカンは大使を入れて三名。それから、たとえばドミニカといったところは四名、ニュージーランドあたりも四名、。ハナマくらいがやはり四名ですか、大体こういったところは少数であります。
#180
○田畑金光君 新しく設けられる国国、おそらくアフリカ諸国等においても同様な構成だと、そう思うんですが、社長であり、部長であり、係長というところで大使がお勤めになるわけで、どうも認証官にしちゃいささかお気の毒なような感じもするわけですが、お気の毒というよりも、こういうような構成でもって一国の外交上の仕事がその独立国家において果たせるのか果たせないのか、この点はどうお考えでしょうか。
#181
○政府委員(湯川盛夫君) なるべく十分な人員を持っていることは望ましいのでありますが、予算の関係で、理想通りに充実することもできないので・こういう小さな場合もありますが、しかし、これはたとえば東京に来ております外国の大公使館の場合でも、また非常に小さいところもあるわけでございまして、どこの国でも、必ずしも理想的な人員と申すわけにはいきません。ある程度はやむを得ないんじゃないか。できるだけ充実することは必要であると思って努力しております。
#182
○田畑金光君 私のお尋ねしていることは、予算の制約があってこうなったということは、それは現実の問題としてやむを得ないかもしれませんが、とにかく大使館としての門がまえを持つ以上は、いろいろ経済外交の問題もあろうし、あるいは文化の交流とか、あるいは情報の収集とか、たくさんあろう、こう思うんですが、やはり独立して世帯を張ると、小さくても、一応内部の体裁を整えねばならぬ、これはあらゆる場合そうだと思うのです。そこで、やはり独立国家にいやしくも大使館を設置する以上は、これはもっと内容等については、体裁を整えないと、実際外交上の使命達成ということは不可能じゃないかと、こう思うんですが、この点は一つ大臣どういうように考えておられましょうか。
#183
○国務大臣(小坂善太郎君) できるだけ人員を増加していただいて、外交陣容を強化したいということで、予算時期には非常に大蔵省と徹夜の折衝を重ねるのでありまするが、いかんせん、どうもなかなか急激にふやしてもらうことは困難でございまして現状のごとくなっておるわけであります。ただ大使が、先ほどのお尋ねに関連しますが、認証官であるのに気の毒じゃないかというお言葉で、こういうものは認証官にしなくてもいいのじゃないかというような意味が、これは私の考え違いかもしれませんが、かりにあったとすれば、それについてはこういう意見を申し上げておきたいと思います。それは、各国で受け入れております大使というものに対する考え方は、たとえばアメリカやイギリスに対しては認証官の大使が行っておるけれども、そうでない国には認証官でない大使が行くとかりに仮定いたしますと、やはりその国としては侮辱を受けたような感じを持つと思うのであります。やはり大使である以上は、同一の建前を持っていきませんといけない。これはかえって大使を置かざる場合よりも悪いということになるのでございまして、これはどうも館員の数が少ないから認証官でなくするというようなことも、これは困難でございます。問題は、相手国の受け取り方でございます。私ども外務省における認証官というものの見方は、そういう職務の内容からくる必然の認証官ということでございまして、認証官であるから待遇をどうする、こういうふうに了承していないので、これは各省長官、あるいは法務省の場合の者、裁判所の場合の者、あるいは検察庁の場合の者というふうな、待遇上から来る認証官というのじゃなくて、職務の内容から来るところの認証官、かような考え方をとっております。
#184
○田畑金光君 戦後の経済的なインフレと同じくらいに、どうも外務省の大使というものは、感じからいうと、非常にインフレという感じを持っておるわけですが、しかし、先ほど来のお話のようなことで、相手方の国もそうだとすれば、これはやむを得ないということでしょうが、こんなにたくさん大使というものが出てくると、大体本省の局長くらいの人方が出先の大使ということに今なっておられるわけですか、いろいろ卒業年次とか順序とかありましょうけれども。
#185
○国務大臣(小坂善太郎君) 大体古参の局長というくらいはもう大使になっております。先般条約局長でいろいろこちらで御答弁しておりました高橋君は、これはユーゴーの大使になっております。これは非常に早くなったわけです。あとの大使は、大体年次はそれ以上ということになっております。問題は、相手国が大使を日本へ置きたいということになってくると、こちらがそれを拒むことはもちろん非礼に当たりますから、しないわけです。相互主義でありますから、相手が大使を置けば向うの国に大使を出していく、こういうことになっておるわけです。われわれがやっておることも、一つの世界的な傾向としてそうなっておるということで御了解いただきたいと思います。
#186
○田畑金光君 それから、先ほど異動の問題について、松平さんの場合、四年ぐらい国連大使にずっといるので異動の時期がきておるというお話でしたが、普通の外交官というのは、海外にある人方はどれくらいの期間一つの国なら一つの国に駐在さしておくのですか。
#187
○国務大臣(小坂善太郎君) 従来の慣例で、大体三、四年というところでございます。
#188
○田畑金光君 先ほど、これまた鶴園委員の質問にお答えになっておられたのですが、やはり長い間外国におりますと、どうしても本国の事情というものにうとくなると・こう思うのです。あるいはまた東南アジアの国とかアフリカとか、ああいう暑い所におりますと、ぼけてくるということもあるわけですね、暑さぼけということが、外国に行っておると。そういうようなぼけてくるということが、この間の松平大使みたいな発言になってくるわけで、こういうような点は、語学の、何というか、教養を深めていくとともに、外交官の平素からの質の向上ということは、単に在外公館長会議だけで片づけられる問題でないと思う。公館長は文字通り公館長ですから、こういう人方についての日常の教育というか、質の向上、外交機能を遂行するためには、この人方がもっともっとりっぱになることが大切だと思うのですが、こういう点について外務省としてはどういう指導方針をとっておられるのか、承りたいと思います。
#189
○国務大臣(小坂善太郎君) 出先の外交官をできるだけみがき上げるといいますか、国内の事情も知らせる、出先においても十分精励させるということは、これはもう一番必要なことでございますので、その点については常に気をつけておるつもりでございます。具体的には先ほどお答えしたように、公館長会議を行なうそのときに、東京においていろいろと知識を深めていってもらう。それから常時新聞あるいは電報等によりまして、内地のことはよく出先にわからしておくように努めておるつもりでございます。
 なお、従来なかったことで、これは最近のことじゃございませんけれども、外務研修所というものが最近非常に活発になって参りまして、特に外交官として育っていく人を十分訓育していくということも、若い方には心がけておるつもりでございます。
#190
○田畑金光君 出先におります外交官の人方は、一年間に一カ月なら一カ月とか休暇がとれると思うのですね、そういうのはございませんか。私の考えておることは、そういう休暇なら休暇がきまっておると思うのですが、そういう期間等を十分に利用して、あるいは本国に帰すとか、あるいはまたそれらの期間を通じて、特定のテーマを与えて勉強してもらうとか、いろいろこれはあろうと思うのですがね。先ほどのように三名とか四名とかいうことになってきますと、おそらく休暇をとりたくても休暇もとれぬ。結局私の言うのは、後進地域に派遣されておる人方のことを特に心配するわけですが、こういう人方は、自然気候から健康もまいってしまう。また従って、文化の面からも頭がまいってしまう等々が重なって、いつの間にか、三年も四年おると、先ほどぼけてくるといいましたが、そうならざるを得ない環境に置かれているのじゃないかと、こう思うので、そういうような点等について、やはりそうでなくて、りっぱに外交官としての使命を遂行させるためには、相当、予算の面その他においても、これは外国に使いしておる人方ですから、私はやはり特別の配慮をやるべきじゃないか、こういう感じを持つわけなんですが、この点一つ大臣はどういう具体的な措置をとられておるか、承りたいと思うのです。
#191
○国務大臣(小坂善太郎君) 私も同様に思っておるのでございまして、休暇が二十日くらい与えられておるようでございますが、せめてその休暇がとれるようにしてやりたいというふうに思うのでありますが、実際上は忙しくて、やはり公館長はほとんど休暇をとるということは不可能のようでございます。そこで、公館長会議というようなものを利用して、その期間に日本に呼び帰す、あるいはその前後にできるだけ視察をしてもらうということを奨励しておるのでございますが、ことにお話の、暑い地方におる諸君に対しては、私も、せめて各人の家に冷房装置の費用くらいは官給のものをやりたいというふうに思って、予算獲得にいろいろ骨を折ってみたのですが、どうもなかなかそれも十分に――まあ若干はあるようでございますが、結局は皆さんの御理解で、一つ外務省にも予算を奮発していただかないと、なかなか実際やっている面では苦労が多いのでございます。まあ従来から、大体外務省の予算というものは、総予算の一%というのが戦前の常識であったのであります。今日はなかなかそこまでいっておりません。そこまでいくのに、ことしあたりでもちょっとはふえたのですけれども、率としては、むしろ前とちょっとしか違わないくらいの率でございます。戦前の場合でございますと、拓務省というようなものがあって、移住を別に考える機関があったわけです。それから大蔵省とか、あるいは陸海軍、これは別に費用を持って在外使臣を出しておった。今日では、移住の問題は外務省が全部やっておるわけですが、その他各省から来る人も、外務省定員ということになっていくわけです。それだけ金は  外務省自身のこれは官僚的のセクショナリズムといいますようなことになりますけれども、とにかく外務省として考えておる本来の外交専門の人に回る金というものは、それだけ少ないわけでございます。そんな点で、まだまだよほど奮発していただかないと、なかなか意あって力足らずということになることをおそれております。
#192
○田畑金光君 小坂外務大臣は、ことしの夏は、ずいぶん各国から招待されて訪問されるようで、私は、これは大へんけっこうなことだと思うのですが、やはり訪問外交で各国の首脳と意見を交換される、実情も見られる、しごくこれはけっこうなことだと思うのですけれども、同時に、やはり各国の日本の大公使館の実情等も見られて、今大臣の心配されたような点は、私は、これだけたくさんの大使館というものが出てきますと、名前だけの大使館というものが相当出てきはせぬだろうか、こういうことを心配するわけなんです。何年か前に私東南アジアへ行ったことがありますが、そのときにいろいろ大使館やそこらに勤めておる外交官の人方と会って話をしてみましても、経歴を承れば相当優秀な人方であるわけなんですが、しかし、実際何年も外地におりますと、話をしても、何かしらん焦点がぼけてくる、これは私やはり相当あろうと思うのです。これではまずいと思う。そういう点等についても、十分一つ大臣は、外国を歩かれるにあたっては注意して、今後改めるための御努力もあわせて願っておきたいと思うのです。
 それから今回、中近東アフリカ部というものを設けられたわけですが、たくさんの十七の国が独立をして、これからも幾つかの国の独立が予想される、こういうふうになっておるのですが、これから独立の予想される国というと幾つくらい、また、どんなところがあるわけですか。
#193
○説明員(北原秀雄君) 最も近くアフリカで予定されておりますのは、シエラレオーネが今回独立いたします。あとは東アフリカの方から参りますと、タンガニイカが本年度の秋の国連総会で決定いたしまして、来年度から独立すると存じます。それからケニア、ウガンダがおそらくその後一年くらいで、現在保護領でございますが、これが独立すると思います。それからローデシア、ニヤサランド、これがやはり今後おそらく一、二年の間には独立するかと存じます。大体目下のところポルトガル領のアンゴラと、それから現在非常に問題になっておりますアルジェリアを除きましては、これらの数カ国が予定されておりまして、大体アフリカにおきます独立国の数も、あと四つないし五つくらいで大体全部のアフリカ領域の諸国の独立は完了するのではないかと考えております。
#194
○田畑金光君 まあこういう国々が独立していきますと、またさらにそこで大使館を置くということになってきましょうが、大臣の先ほどのお話を聞いておりますと、外国語というのは英語とかあるいはフランス語、その程度語学の教養を持っておれば間に合うのかどうか。こういう国々が独立してきますと、やはりその国の国語というものも、一応外交官というものは十分マスターしていなければ、先ほどのお話ではないが、外交官としての任務の達成というものが、外交官としての任務の達成というものがあるいは現地の人方とほんとうに接触して、大いに国民外交の実をあげる、親善外交の実をあげるということはむずかしいと思うのですが、こんなにたくさん国が独立してきますと、これは語学の勉強も大へんだなという気持がするのですが、こんなことは外務省としてどのように取り扱っておられるのですか。
#195
○国務大臣(小坂善太郎君) アフリカで独立した国は、大体英語を話す国かフランス語を話す国、大体その指導者は、ほとんどどちらかの旧植民地であった関係で、非常に達者であるわけであります。従って、アラビア語というものも北の方では使いまするけれども、まあ大体その両国の言葉でいくように考えております。それぞれその専門の志を立ててこれから習う人には、いろいろな国の言葉をやってもらうようにしたいと思っておりますけれども、現状では、今申し上げたように、英語、フランス語でやっておりますので、その点は支障なくいけると思うのであります。
#196
○鶴園哲夫君 ちょっと大臣に。承っておりますと、認証官と、それから信任状の認証と何かごっちゃになっておるような気がするのですけれども、私は認証官といろのが外務省で七十ぐらいあるでございましょうか、私計算しますと、大臣を含めて七十ぐらい、六十九ぐらいになると思うのですがね。これは今政府の全体の認証官の半数をこす数字じゃないでしょうか。ですから、大使になったら全部認証官にしなければならない、公使は全部認証官にしなければならないという必要はないんじゃないだろうか、信任状の認証があればそれで足りるのじゃないかというふうに思うのですがね。そういう意味では、何でもかんでも認証官でなければならぬということじゃないんじゃないでしょうかね。どうもその辺が少しばかり私承っておりまして、認証官と信任状の認証と少しこんがらかっておるような気がしてしようがないんですけれども。
#197
○政府委員(湯川盛夫君) 認証官ということと大公使の信任状というものとは、これは別でございます。ただ大使及び公使の任免は内閣が行なって、天皇がこれを認証するということが法律にございますので、それで大公使は認証官ということになるわけでありますが、また、国を代表して外国に行っておるのでございますから、そういったような特別の手続によるということも適当であると思います。
#198
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#199
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
#200
○鶴園哲夫君 五年前の大使、公使合わせまして三十人かそこらの認証官ならまだまだですが、こういうふうにふえてしまっては、これはやっぱり考えなきゃならぬのじゃないかと思うのですがね。何がなんでも認証官にしなければならぬということはないんじゃないでしょうか。衆議院で附帯決議もついておるわけですが、これはこの法案とは別ですけれども、どうもさっきからのお話ですと、大臣は盛んに認証官という点についての繰り返し説明をされるものですから、信任状の認証で足りるんじゃないだろうか。もっとだから認証官というのは、国内において認証官の数と関連させてやはり考え直す必要があるんじゃないだろうかというふうに思っております。
#201
○国務大臣(小坂善太郎君) この点は外交の特殊性と申しますか、受ける国は、皆自分のところとほかの国とは全然差がないと、こう思っておるわけです。それをある国には認証官の大使が行く、ある国には行かないということに分けますると非常に外交上やりにくいことになるということであるのでございます。
#202
○田畑金光君 さっきちょっと大臣にお尋ねしかけたんですが、大臣、ことしはどういうような国々を回られる日程に今なっておるわけですか。
#203
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は総理と一緒にアメリカに参ります。これが終わりましてからイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、それからバチカンから招請がきておりますから、それらの国を回ってくることを現在予定いたしております。
#204
○田畑金光君 これはちょっと内閣委員会でお尋ねするというのはどうかと思いますけれども、最近の新聞を見ますと、例のガリオア、エロアの返済について、大蔵省と外務省との間で返済額についての意見の相違があったわけだが、しかし、話をスムーズにまとめて早く解決するためには、外務省の考えておる返済額でアメリカと交渉に入る、こういうようなことを新聞は伝、えておるわけですが、そのような新聞報道は、あれは事実であるのかどうか。
#205
○国務大臣(小坂善太郎君) まだこれはさまっておりません。
#206
○田畑金光君 きまっていないというのは、だからあの交渉はできないということになるのかどうか。きまっていないとすれば、いつごろまでにきめてこれを話し合いをするのか。すでにライシャワー大使が来られて、大臣と最初の会見のときの話の内容等をわれわれは新聞で見ておりますと、五月の初めごろから日米のいろいろな懸案等についても話を始めるというようなことが伝わっておりますが、そのような日程でこのガリオア、エロアの問題も話し合いを進めていかれるのかどうか、この点を一つお聞きしたいと思うのです。
#207
○国務大臣(小坂善太郎君) これも新聞の方でそういうふうに書いておるのでありまして、さような内容を話し合っておりません。
#208
○田畑金光君 話し合っていないでは、これは済まされんと思うのです。
#209
○国務大臣(小坂善太郎君) いや、私の言うのは、ライシャワー大使と私が会ったときに、ガリオア、エロアの話をして、五月初めから交渉に入るというように話をしたように新聞に書いておるという御質問でしたから、私はライシャワー大使との間にさような話し合いをしておりません、こういうことを申し上げました。
#210
○田畑金光君 そうしますと、これは何ですか、六月の中ごろには渡米されるということはさまっておりますが、それまでにはこの話を片づけて、一応日米の交渉を進められて、そこで話の一応のめどをつけて向こうに行かれるというのかどうか、この点はどうですか。
#211
○国務大臣(小坂善太郎君) さようにいたしたいと考えております。
#212
○田畑金光君 これは当然そうなってきますと、今の国会の情勢は、五月の末まで、五月の二十四日までこの会期はありますけれども、すでに池田総理は、重要法案を上げるためには会期の延長もやむを得ぬと、こういうことを、つい二、三日前、与党の国会対策委員長、副委員長を集めて話し合いをなされたと、こう書いておりますところを見れば、おそらく場合によっては、六月上旬までこの国会はいくのじゃなかろうか。これは、毎度の国会がそうですから、これは常識だと、こう思うのです。通常国会は一回しか会期延長ができぬから、会期延長するとすれば、大幅な会期延長も考えられるだろうと思うのです。そうなってきますと、私のお尋ねしたいのは、渡米される前に、一応ガリオア、エロアの問題も話をつけておきたいということですから、そうすれば、当然これは国会で承認を経るというようなことになるわけですか。
#213
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、その話がまとまるものならまとめたいと申しておるのでございまして、相手があることでございますから、まとまるかどうかということについては、これは、やってみないとわからぬ、こういうように申し上げざるを得ないと思います。
#214
○田畑金光君 私のお尋ねしていることはそれじゃなくて、かりに話がまとまったような場合は、国会の会期中であるならば、国会にこれはかけるのかかけないのか、こういうことをお尋ねしているのです。
#215
○国務大臣(小坂善太郎君) 国会の会期中にまとまるかどうかわかりませんので、そういう前提でいろいろ申し上げてもどうかと思います。
#216
○田畑金光君 いや、私の言うのは、一般的な問題としてお尋ねしているわけですからね。かりにこれはきまるなら、かりに国会が済んでいたとすれば次の国会でもけっこうですが、これは国会にかけるんじゃありませんかと、私はそれを一お尋ねしているのですよ。
#217
○国務大臣(小坂善太郎君) 当然国会にかけるべき問題でございます。ただ、それがこの国会とおっしゃいますから、それまでに間に合うかどうかわからないから、その間に合うかどうかわからないものについていろいろ申し上げることは不適当だと、こう思っておるわけでございます。きまれば、当然これは国会の御審議を経て、その御承認を経なければならぬ問題でございます。
#218
○田畑金光君 まあその点はその程度にいたしまして、もう一つ私お尋ねしておきたいのは、今度の予算を見ますと、大臣御承知のように、日米琉懇話会というものに、五十六万円だったと思いますが、予算措置をとっておられますね。きょう予算書を持ってきていないので、五十六万円という額は、あるいは違っておるかもしれませんが、予算措置をとっておられますが、これは、日米琉懇話会というのは、設置がまだできていないと思うのですが、これは昨年の夏ですか、大田主席が日本に参られて、あのとき池田総理でしたか、政府に話をされて、日米琉懇話会を持っていこう、設置したい、そこで一ついろいろな問題を話したい、こういうようなことになっていたはずですし、予算もすでに計上されておるのです。ところが、沖繩の現地においては、なかなか高等弁務官の意向等は、そういう機関を設置することについては芳しくない、こういうふうな意向等が手伝って、現地においてはなかなかこれは持てないような空気にあるわけです。そこで、与党の沖繩の自民党、そして今の沖繩の大田行政首席が非常に苦しい立場にここで立っているわけですが、政府としては予算をすでにとっておるのですから、日本政府としても、当然この日米琉懇話会を持つことについては、アメリカの了解をとる努力はなさるべきだと、こう思うのですが、この点についてはどうなっておるのですか。
#219
○説明員(北原秀雄君) 今の御質問の日米琉懇話のための会の件でございますが、これは沖繩に関する件でございますので、予算がもしついておりますといたしますれば、総理府の方の特別地域連絡事務所の方のあれについております。外務省といたしましては、本件に直接関係いたしておらない次第でございます。
#220
○田畑金光君 今の御答弁を聞いて、私は非常に遺憾に思うのですが、ついておるとするならばじゃなくて、あなたのお話のように、総理府所管の特別地域連絡事務所ですか、そこでこの予算にはあずかっておりますけれども、日米琉懇話会というのがちゃんと予定されて、五十六万の予算がついておるのです。金額は五十六万だったか、五十七万か、当然これは日米琉懇話会の設置の問題となれば、総理府の南方特連事務局の局長がこの仕事をするはずじゃないと思うのです。重要な私は外交問題の一環であるし、従って、外務大臣がこういうような問題についてはあずかるべき問題だと、こう思うので、この点は沖繩においては大きな政治問題なんですね。日本政府にもしばしば要請しておるしへ沖繩自民党は日本の自民党に、日本の政府与党にこの問題を持ちかけておることは、大臣も昨年来御承知のことだと思うのです。この点について大臣はどのようにあずかっておられるか、今後の見通しはどうなのか、それを承っておるわけなんです。
#221
○国務大臣(小坂善太郎君) 日米琉の間で円卓的な懇談会を持ちたいというお話がございまして、そのことは非常にけっこうなことだと私も思っておるのであります。これをいわゆる法的な機関とするということについては、これはちょっと今のところむずかしいと私も思いますが、そういう三者の間で常に意見を交換し得るような立場にしておくということは必要だと思います。そういう気持もありまして、本年度は沖繩に関する予算措置というものは、非常に従来に比べまして増額をいたしておるのであります。たとえばマイクロ・ウェーブの問題、あるいは西表の土地改良の問題などについて、政府としても積極的にこの問題に取り組もうということにいたしております。
#222
○田畑金光君 いま一度念のためにお尋ねしますが、この懇話会設置の問題は、私は先ほど申し上げたように、沖繩の現地の高等弁務官等の態度というものが非常に消極的で、せっかくこういう三者の機関を設けて、いろいろな沖繩の援助の問題とか、特に施政権の具体的な内容等についての話し合いをする場所、こういう考え方で懇話会設置が提唱されたわけで、それに対して、今申し上げたように、現地のアメリカ当局の空気が芳しくなくて、なかなか持てないのじゃないかというようなことになっておるわけです。そこで、やはり持つためには、アメリカ側に刺激を与えないで正しく理解せしめるためには、日本政府がやはり中に立ってアメリカの方と話をなされることが必要だと、こう思うのですが、大臣としてはこの懇話会に賛成だという今の御意見の表明で、私も、その限りにおいては全く同感ですが、これが発足できるように、日本政府としても、あるいは外務大臣としても骨を折られるというお気持であるのかどうか、これをいま一度念のために承っておきます。
#223
○国務大臣(小坂善太郎君) 懇話会の性格についてのいろいろな疑念があるんじゃないかと思うのでございますが、こういう点についてはよく話し合って、三者それぞれのためになるように考えたいと思います。
#224
○田畑金光君 四十五分の時間がきたようですから、まあきょうは一応私の大臣に対する質問はこれで終わります。
#225
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
#226
○委員長(吉江勝保君) 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側出席の方は、古井厚生大臣、高田官房長、熊崎総務課長、聖城環境衝生部長であります。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#227
○山本伊三郎君 それでは厚生大臣に、まず基本的な問題でお尋ねしたいのですけれども、環境衛生部を局に昇格するということについては、これは私はいいと思うのです。ただ、昇格をしたが、内容がどうかという問題である。そこで、具体的に二、三聞いておきたいのですが、資料を見ますると、現行は公衆衛生局で七課、それで環境衛生部は五課、改正後、課は同じく環境衛生局で五課で、定員が八名新規増だ、こういう資料がきておるのですが、これは間違いないですか。
#228
○国務大臣(古井喜實君) お尋ねの通りでございまして、その通りであります。
#229
○山本伊三郎君 それじゃ八名の増員はどういう人を配置するのか。その点局に昇格したその理由に相当関連性があるから、どういう人をふやすのか。
#230
○政府委員(高田浩運君) 便宜私からお答え申し上げます。
 事務官及び技官を予定いたしております。
#231
○山本伊三郎君 事務官は大体わかるが、技官はどういう専門的な人を置くのか、それを一つ。
#232
○政府委員(高田浩運君) 食品衛生の検査等を行ないます技術者を予定しております。
#233
○山本伊三郎君 じゃ大臣に聞きますが、この環境衛生部を局に昇格する。今聞くと、増員は食品関係の人をまあ主として考えておるのですが、環境衛生で一番今問題になっているのは、都市清掃の関係が相当問題が出ておると思う。これについて部を局にされた理由は、その食品衛生の関係が主体であったのか。その点局に昇格した主たる原因といいますか、理由は厚生省内部でどういう問題があったかということを、ちょっとそれを聞かしてもらいたい。
#234
○国務大臣(古井喜實君) 今増員の内容としましては、食品衛生関係の問題であるということを申し上げたのでありますが、しかし、局に昇格する問題は、必ずしもその点からきているわけでもありませんので、今年度の予算においても、環境衛生部関係の業務は、全般的に非常に拡大をしておるわけであります。これは要点をまた説明いたさせますけれども、全面的に拡大してきておるわけであります。そういう点もありますし、また、どうもこの二重機構というものを実際この関係でやってみておりますと、能率が悪い。いかにも非能率で、できが悪いのでありますので、まあそういう点を全般的に考えて昇格という案を提出しておる状況であります。仕事の内容につきまして、必要の点を補足説明させたいと思います。
#235
○政府委員(高田浩運君) 先ほどお話がございましたように、環境衛生部、それが局になりましても、仕事の内容の幅それ自体は変わりないわけでございます。御承知のように、非常に多岐にわたる仕事をいたしております。これは十分御存じで、詳しく申し上げる必要もないかと思いますが、上下水道、あるいは屎尿処理その他の清掃施設の関係、これは従来とも非常に努力をして、予算あるいは起債額等の増加をはかって参りましたけれども、今後あるいは十年計画、あるいはまあそういった長期の計画のもとにこれを進めて参らなければならない非常に重要な仕事と考えております。
 それから、ただいまちょっと申し上げました食品衛生の行政につきましても、対象の施設が非常にふえまして、あるいは添加物の種類が非常に逐年増加をいたしております。まあそういった関係もございますし、それから販売のやり方につきましても、自動販売でありますとか、あるいはインスタント食品でありますとか、そういう変わった形も出ておりますし、これらに対する対策を今後ともさらに拡充をしていかなければならないわけでございます。
 それから、またさらに都市におきます騒音あるいは煤煙、そういった公害関係の問題が非常に重要になって参っておるわけであります。これが今後の大きな問題を占めるのじゃないか、かように考えております。で、これの検討及び対策に十分腐心をして参りたいと思います。
 それから、さらに環境衛生関係の営業、旅館でありますとか、あるいは床屋でありますとか、あるいは料理屋でありますとか、そういったものの対象が、たとえば旅館等につきましては、最近非常な勢いで増加をいたしております。そういった対象が増加をいたしますと同時に、また、過当競争等によります衛生施設の整備あるいは取り締まりという面におきましても、格段の留意を払わなければならない、そういう状態になっておりますし、まあおもなる四点について申し上げましたが、そのほかの点につきましても、また必要があれば申し上げたいと思います。
#236
○山本伊三郎君 大体これは表面から見ておるかもわかりませんが、厚生行政の大体は保険、医療に重点を置かれておるやに見えるのですが、そうでないと思うのです。しかし、この環境衛生は、もう近代生活においても欠くことのできない問題だと思う。今食品衛生のことを言われましたが、非常に中毒問題が各所に起こるということ、これはもう非常に問題があると思う。私は、まあ全般に触れる時間はございませんが、特に都市環境、特に清掃関係ですが、これはまあ私も経験があるのですが、日本の都市においては十年というが、二十年くらい私はおくれていないかと思う。これは都市交通等もおくれておりますが、環境衛生においては非常におくれておると思う。これに対して、実はいろいろ環境衛生部の人人と会って聞いても、どうも大蔵省が言うことを聞かないのでどうもできないというような、きわめて消極的な話を聞いておる。この点はもちろんそれは財源の問題があるが、非常におくれておる。市町村では、もう清掃関係で行き詰まっておる。大都市では、これはもう皆さん方も御存じだと思いますが、一週間に一回しか清掃に来ない。清掃というが、ごみ取りに来ない。どうするかというと、もう近所に捨てるより仕方がない。そういうことがいろいろ衛生上の問題を起こしているのですが、厚生大臣は、これに対してどうかするというだけではこの問題は解決すると思っておらないと思いますが、一体基本的にどういうお考えでこの都市清掃の環境を考えておるか、厚生大臣として、この都市清掃に関する考え方について、方針といいますか、所信を一つこの際聞いておきたい。
#237
○国務大臣(古井喜實君) お話のように、病気になった者の対策とか、最小限度の方に従来追われておるきらいがありまして、積極的に環境を改善するとかいたしますような方面が、どっちかというと、残されておる今後の面であります。これは今後発展をさせなきゃならぬ方面だと思うのであります。で、都市の清掃問題などはお話の通りで、われわれが目で見て知っておる、これは事実であります。これというのも、都市がどんどん発展すると追っつかない、こういうこともあると思います。東京が三十万毎年ふえる、大阪が十五万ふえる、大都市が一つ生まれるくらいの人口がふえる、施設が追っつかぬというような面もあるかと思いますけれども、しかし、今後の大きな進むべき方向としまして、この方面には力を入れていきたい。少なくとも前年と比べれば、だいぶん前進はいたしましたけれども、まだ十分とは思っておりません。今後の進むべき道だと思っております。
#238
○山本伊三郎君 どうもまだ積極的な感じのする答弁じゃないですか。池田内閣としては、いろいろ経済成長政策に基づいて道路十年計画とか、港湾の五カ年計画とか、いろいろそういう生産につながる計画については非常に大々的に計画を立てられているのです。しかし、国民生活の日常生活に直結する環境衛生に対する何カ年計画というものは、厚生省で一体持っておられるのかどうか。これはもちろん市町村の事務になっておるからそうかもしれませんが、そういう点の、いわゆる厚生省独自として、かりに閣議にかけておるかどうかは別として、そういう計画があるかどうかということを実は聞きたかった、この点はどう思いますか。
#239
○国務大臣(古井喜實君) これはすでに御案内のように、水道につきましても、昭和四十五年度を最終年度として、一応十カ年計画を立てておるのであります。下水道終末処理施設、清掃施設につきましても、同じように十カ年計画を厚生省としては立てておりまして、これにのっとってことしの予算なども組んだわけであります。で、これをさらにもっと強化するかどうかという問題はむろんございます。ただし、とにもかくにも十カ年計画を三十六年度から第一年度として始めておるような状況でありますので、一そうこれを整備して、実現を少なくとも計画通りにはばかっていきたいと思っております。
#240
○山本伊三郎君 厚生大臣のそういう答弁を聞いて、なるほどと思いますが、実際今持っておられる十カ年計画、水道については、これはまあいろいろ環境衛生以外の問題にもつながっておる問題ですが、都市清掃についてあなたの言われたその計画でここ一、二年、まあ三年、五年後は別として、一、二年に顕著に都市の清掃がある程度解決することはむずかしいが、緩和される見通しがあるかどうか、この機会に一ぺんはっきり聞いておきたいと思います。
#241
○国務大臣(古井喜實君) これは一年、二年でここまでいったがというところまでいけば、それは一番よいのでありますけれども、必ずしも一年、二年だけでまるで目先が変わったほどにはそれはいかぬと思います。やはりある程度の年月をかけなければ不十分だと思いますけれども、しかし、とにもかくにも今考え得るのは、最大限度の今日としては案をもってこれを実行に移しておる、こういう状況であります。
#242
○山本伊三郎君 それじゃ都市清掃に限ってだけ聞いておきますが、三十六年度から十カ年計画で一応の案を立てておる、本年度の予算にそれも載っておると思いますが、本年度の予算額は私ども調べたらわかるのですが、一つ大臣から三十六年度はどれだけの予算でそれをやられるか、一つ教えていただきたい。
#243
○国務大臣(古井喜實君) 正確な数字を環境衛生部長からお答えさせたいと思います。
#244
○説明員(聖成稔君) 今非常に極度に行き詰まっております屎尿処理の対策といたしましては、根本の考え方としまして、下水の一番理想的な処理の方法は、申し上げるまでもなく、下水道を整備いたしまして、その地域の便所をすべて水洗便所に切りかえる、そうして下水の末端に終末処理場を作りまして、これを整備をする、始末をするということが一番基本の考え方だと思います。従いまして、採尿関係の予算措置としましては、下水道の終末・処理と、それからくみ取り、屎尿の処理をいたします屎尿処理施設と、この二本建てになるわけであります。先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、おのおの十カ年計画を立てまして整備をいたしております。
 予算につきまして申し上げますと、下水道の終末処理施設の補助金は、三分の一の国庫補助金でありまして、十億五千六百万計上されております。それから屎尿処理施設の関係につきましては四分の一の国庫補助でございまして、七億四千三百万計上されております。起債につきましては、屎尿処理施設のあとの方の関係が三十億、それから下水の方は御承知のように、下水のパイプ――管渠の方は建設省所管になっております。終末処理場は屎尿処理の関係で私どもです。起債につきましては、両方とも一本にいたしまして百三十五億ということになっております。
 以上であります。
#245
○山本伊三郎君 もう一つ塵芥処理のあれの焼却施設に対して、それに対する一つ予算措置を……。
#246
○説明員(聖成稔君) ごみ処理施設につきましては補助金でなく、起債をつけることになっております。先ほどちょっと言葉が足らなかったのでございますが、三十億の起債ワクの中にごみが入っております。内訳は、屎尿関係が十八億、それからごみが十一億、それから残りの一億がダンプ・カーとがバキューム・カーとか、器具機材の起債でございます。
#247
○山本伊三郎君 大臣もお聞きのように、三分の一、四分の一というそういう補助、あとは起債でやっておられるのですが、それを全部合わしても、おそらくそれだけの費用が全国の都市に割り当てて、これで都市の清掃、そういうものが今言われたように見違えるように変わるということよりも、むしろ人口が増加して、それに要るだけの費用を与えるくらいで、これはもう費用でないと思うのです。財源じゃないと思うのです。むしろ現在のあるやつを解決するというだけの費用じゃないと私は思います。これで十年計画といわれておりますが、十年先のことばかりいっておられませんが、私はこの二、三年の間に都市の清掃は行き詰まると思っております。先ほど言われましたが、大阪では、これはどこかの外国製のディノールですか、そういう焼却機を使って大々的にやろうという案があるのですが、なかなかそういう方をやり切れないという状態です。現在ごみをはかす所がない、こういう実情なんです。こういう実情があることを厚生大臣知っておられると思いますが、先ほど申しましたこういう都会、これは国民生活に日常関係のあるものについては、きわめて私は冷淡じゃないかと思います。生産関係に類するものについては、相当積極的に手を出されてやりますけれども、起債を全部合わせても百五十億ぐらいにしかなっておらぬ。しかも、三分の一、四分の一の補助金では、市町村ではそれに見返るほどの財源をもってやろうと思っても、なかなかやれない実情です。そういう実情を、環境衛生部長さんおられると思いますが、そういう点はどうですか、自信があるのですか、この点一つ厚生省の意向を、大臣でもけっこうですが、私は自信を伺うのですが、ただ単にこういうのだからこうやるのだという言いわけの政治じゃ私は納得できない男です。これは自信があるのだ、環境衛生部を局にして、そうしてこれだけの予算があって、そうして都市清掃が解決できるのだ、いや自身があるのだ、これを一つはっきり聞かしておいていただきたい。
#248
○国務大臣(古井喜實君) まどろっこしいといえばそういう見方も立つかもわかりませんけれども、実際、たとえば大阪にいたしましても、現状においてすでに非常に困っておる、私どももその実情を知っております。しかし、それならばこれに対して施設をやっていくといっても、これを市の方でなかなか施設を計画することが思う通りばかりいかないのであります。で、どれだけこなせるか、実行に移せるかという問題も一方ありますので、そういうこととにらみ合わせて極力推進をしてやっていくというのが実際の道になっていくのでありまして、その辺の事情はよく御存じだと思います。で、われわれとしては、しかし、お話のように、都市が発展するあとを追いついていくこともできないくらいでも困りますので、これは地元にもできるだけ積極的に計画を立ててもらう。これに対応して、こっちも中央のやり方の方が足を引っぱったりしないように、促進するようにやっていくほかはないと思っております。
 なお、また、実際問題でもっとお尋ねもありますれば、環境衛生部長から申し上げさせたいと思います。
#249
○山本伊三郎君 どうも私は、大臣の答弁を聞いておってもたよりないのですよ。というのは、これはもう現実の問題になってきて、ここ一、二年で都市は清掃関係だけでもどうなるかという私は心配をしておる。これがまた一つの衛生にも大きい関係が出てくるのですね。こういう問題について、どうも大臣には、建設関係の人々は道路計画でも自信を持った答弁をされておるのです。というのは、相当予算も十分取っておられるのですが、私はそれに匹敵するだけの国民生活に重要な問題だと思って、実はきょうのくるのを待っていたのです。ところが、どうも大臣のお話は自信がなさそうです。私は、都市の清掃はもう行き詰まっておる。このまま捨てておいたらどうなるかわからない。しかも、政府がそれを指導的立場で行政をやらなくちゃならぬのに、市町村のそれに対する財源的な問題ですが、意欲をそぐような方法で押えておると聞いておるのです。もちろんこれは補助金の問題に関連するのですが、やりたいと各市町村の当事者はそう思っておるらしいのですが、やはり今の地方財政ではやれない、何か補助金にたよろうとするわけです。これはもう当然だ、市民はやかましく言う。こういう問題について、どうも大臣は積極性のあるような答弁でない。従って、これだけの起債額とか補助金で私はやれないと見ておる。それを大臣はそれでやれるのだ、今の地方財政の総合的な関係からやれるのだという意味で答弁されておるのか。これではいけないのだ、もっと厚生省はこれに対して力を入れなければならぬ、それがために部を局にしたのだ。そういう部を局にするというような行政組織法の改正だけでは解決しないというのが私の質問の趣旨なんです。そういうふうに積極的にこういう環境衛生について厚生省は考えておるのか、今のままでいいのか、補助金についても、三分の一、四分の一の補助金で、このままで解決していくという自信があるのかどうか、これを聞いておるのです。
#250
○国務大臣(古井喜實君) これはまあ現状から申しますと、清掃あるいは下水問題を解決するだけでも、これをもう大々的にやろうと思えば一省ぐらい作ってもいいことかもしらぬのです、とらわれないで考えると。しかし、まあ実際問題が、地方の方もそれだけの用意ができるかどうかもあるのであります。補助金も今のままでは三分の一、四分の一というのでは、これはまだ不十分ではないかというものもあるかのように思っております。しかし、それ以上に、やはりこの場合は起債のワクをもっと与える方が解決になる、もっと必要だという面もあるように思うのであります。この辺で十分だ、また、これで全部が解決になるというふうには思っておりません。これから大きく一そう発展させなければならぬという面として残っておると思いますので、大きにそういたしたいと思うのであります。
#251
○山本伊三郎君 きょうもう時間がないから、あとは今度は数字をあげて次の機会に一つ質問いたしますから、まあ事前に聞きにこられたら質問する内容を知らしてもいいですから、きょうはこれで置いておきます。
 ただ、これは質問というよりも、私としては、きわめて厚生当局の環境衛生に対する熱意については、きょうの答弁だけでは納得しない。従って、その点は一つ十分今後の一応厚生省のこれに対する方針と、われわれ納得するような資料も一つ今度持ってきてもらいたい。私の方もそういう数字をあげて、一ぺん厚生省はどこまで考えているのか、こういう点を一つ聞きたいと思いますから、きょうはこれで質問を終わっておきます。
#252
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#253
○委員長(吉江勝保君) それでは速記つけて。
 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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