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1960/04/27 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第22号
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1960/04/27 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第22号

#1
第038回国会 内閣委員会 第22号
昭和三十六年四月二十七日(木曜日)
   午前十時三十一分開会
   ―――――――――――
出席者は左の通り。
  委員長      吉江 勝保君
  理 事
           小幡 治和君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
  委 員
           石原幹市郎君
           大泉 寛三君
           木村篤太郎君
           塩見 俊二君
           下村  定君
           中野 文門君
           一松 定吉君
           千葉  信君
           鶴園 哲夫君
           横川 正市君
           高瀬荘太郎君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
   労 働 大 臣 石田 博英君
  政府委員
   外務大臣官房長 湯川 盛夫君
   厚生大臣官房長 高田 浩運君
   厚生省医務局長 川上 六馬君
   労働大臣官房長 三治 重信君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   厚生省公衆衛生
   局環境衛生部長 聖成  稔君
   厚生省引揚援護
   局庶務課長   福田 芳助君
   労働省職業安定
   局職業訓練部長 有馬 元治君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○厚生省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○外務省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○労働省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
   ―――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方は、古井厚生大臣、高田官房長、聖成公衆衛生局環境衛生部長、川上医務局長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#3
○山本伊三郎君 それじゃ一昨日に引き続きまして、私は、特に第一の環境衛生部を局に昇格さすというこの問題について、一つ大臣なり関係当局に質問したいと思います。
 一昨日時間が実はなかったので、詳しい説明を聞く機会がなかったんですが、一昨日大臣から清掃事業に対する十カ年計画が政府としてはあるんだと言われたんですが、ほんのまあ概括というのですか、聞いたのですが、これに対して一つ具体的に、まずどういう内容であるかということをちょっと御説明願いたいと、かように思います。
#4
○国務大臣(古井喜實君) 現在立てております十カ年計画の内容を数字的に一つ事務当局から説明さしたいと思いますので、まずお聞き取り願いたいと思います。
#5
○説明員(聖成稔君) 清掃事業の十カ年計画でございますが、一昨日も申し上げました通り、清掃事業は屎尿処理、ごみ処理に分かれるわけでございますが、屎尿処理につきましては、一番基本対策は、下水道による処理が最も理想的であるということは申すまでもないことでございます。そこで、十カ年計画を数字的に申し上げてみますると、全国で七千三百六十万の人口が一応十カ年計画の対象になっております。そのうち、下水道によりまして処理いたします人口は二千四百八十四万、それからくみ取り屎尿を消化槽に投入いたしまして、そうして処理する屎尿消化槽によります処理人口が三千九百八十一万、それから屎尿浄化槽、これは便所が水洗便所で、個々に浄化をして参るわけでございますが、これの人口が八百九十五万、合わせまして七千三百六十万。
 それから、ごみにつきましては、焼却処分の対象人口を四千五百八十四万、コンポスト――堆肥を作る施設でございますが、これを五百三十一万、それから埋め立て処分を千八百七十五万、飼料に回します人口が四十七万、自家処理が三百二十三万、合わせて七千三百六十万。これが十カ年計画の概算でございます。
 で、これに要します総事業費が、下水の終末処理につきましては七百三十億、屎尿消化槽――浄化槽を含めまして三百四十七億、それからゴミの焼却施設が九十億、コンポスト二十五億、大体こんなことでございます。
#6
○山本伊三郎君 大体数字が出ておるんですが、この費用の点で、これは政府が要するに補助する額だけですか。それとも、各地方自治体、公共団体が負担するすべてのものがこれに含まれておるのかどうか。
#7
○説明員(聖成稔君) ただいま申し上げました数字は総事業費でございます。
#8
○山本伊三郎君 私、この数字をまだ詳しく分析する時間がないんですが、これは十カ年計画ですが、もう一回聞いておきたいんですが、これは三十六年度から始まるのかどうか、そして、三十六年度から始まるならば、年度計画はどうなっておるのか、その点一つ。
#9
○説明員(聖成稔君) すでに以前からこれらの事業はやって参ったわけであります。たとえば先ほど申しました数字は十カ年後の屎尿処理、ごみ処理の形を申し上げたわけでありますが、現状はどうなっておるか上申しますと、下水処理をやっております総人口が五百四十万、従いまして、先ほど申し上げました二千四百八十四万から差っ引きました千九百四十四万がこれから下水を整備する人口になって参るわけであります。同様に、消化槽につきましては、現在九百七十二万、従いまして、これからやりますのが約三千万、それから浄化槽につきましては、現在二百九十三万でございますので、残りが約六百万、ごみ処理につきましても、現在焼却能力が一千百七十八万人分でございますので、これから先整備いたしますのは三千四百六万、コンポストにつきましては、現在五十五万、残りが四百七十五万、こういったような数字になっております。従いまして、先ほど申しました、先般大臣からもお答え申し上げました十カ年計画というのは、あと残っておる分をこれから十カ年で片づけよう、そうしていこうという数字でございますので、十カ年計画は三十六年度、本年度を初年度といたしまして、四十五年末を目途にして十カ年計画でやろう、こういう考えでございます。
#10
○山本伊三郎君 この費用についての年度計画はどうなっておるのですか。
#11
○説明員(聖成稔君) まあ常識的に申し上げれば、必要な経費を、前回申し上げましたように、下水終末処理につきましては三分の一の補助、それから消化槽につきましては四分の一の補助でございますので、これを十カ年計画を十等分しまして、そうしてそれの三分の一なり四分の一なりの金額を年々計上していくということになるわけでございます。しかし、三十六年度につきましては、その域にまだ達しておりません。しかし、これはまあ地方側の受け入れ態勢等の関係もございますので、私どもの考え方としましては、だんだん年を追うに従いまして、補助金なり起債のワクなりを増額して参りましてこの十カ年計画を達成いたしたい、かように考えております。
#12
○山本伊三郎君 そうすると、今ちょっと計算しておるんですが、費用総額は大体千三百億か千四百億になるとちょっと今計算しておるんですが、これは三十六年度以降に要する費用の総額であるかどうか、もう一ぺん確認しておきたい。
#13
○説明員(聖成稔君) その通りでございます。
#14
○山本伊三郎君 そうすると、政府が負担する額というのは、この額の四分の一ないしは三分の一の補助金の率が政府の負担する額になるということでございますね。
#15
○説明員(聖成稔君) さようでございます。
#16
○山本伊三郎君 そこで、現状から見ると、なるほど総合計画において――私はまあこの計画案を聞いたところで、まだ検討しておりませんが、費用額そのものからでも、総額千五百億ではおそらく私は無理でなかろうか、これは私の今直感した考え方です。しかも、それの補助率は四分の一ないし三分の一にしかなっておらない。これではたして厚生省がこの清掃事業が完遂できるという考えでおられるのかどうか。一昨日もその点ちょっと抽象的に言いましたけれども、私としては簡単にいかないと思うんです。一つの例を申しますと、東京もそうですが、大阪の場合、この屎尿処理の場合、現在水洗便所のいわゆる設置されておるのが六万一千六百戸しかないんですね。世帯数は、戸数が七十三万という中で、一割弱しか実はまだできておらない。しかし、現在何とか消化槽で一応処理しておるようでございまするが、この実情から見ると、私はなかなかそう十年でこれは解消するとは見ない。まして、この費用の点から見ると、私は非常に不安といいまするか、実現はほとんど不可能に近いものじゃないかと思うのですが、その点厚生省としては今の補助率もあわせて、大体これでいけるんだという自信ある十カ年計画であるかどうか、この点一つお聞きいたしたいと思います。
#17
○説明員(聖成稔君) 前回申し上げたと思うのでございますが、三分の一、四分の一の国庫補助金のほかの自己負担金につきましては、起債を現在もつけておりますし、起債のワクも年々増加しております。今後もできるだけ起債ワクを拡大いたしまして、地方の一時的な負担を軽減する、そして清掃施設の整備を促進する、かような考えで参りたいと思っております。
#18
○山本伊三郎君 起債も、もちろんこれは一つの有効な事業推進の財源となりますけれども、やはり起債となれば、一応はやはり公共団体の借金ですから、また年々これが累積すると、その利子支払いその他でまた財政事情が困ってくる。従って、各地方議会でこの問題が討議されるときには、やはり財政計画で行き詰まっておる。大阪あたりも、今度は塵埃処理の、ディノールといっておりますが、ディノールというスイス製の焼却機を買うといっておるけれども、だいぶもめたらしいのですが、これが本年度は実現しない、こういうことになっておる。従って、起債は認めてやるというけれども、やはりこの補助率自体が、現在自治省あたりの発表数によると、四分の一というような補助率の補助金というのは、この以外にあと一つか二つくらいしか私は見ないのですがね。なぜこの清掃事業については政府はきわめて冷淡な態度をとるのか、その点一つこれは厚生大臣から聞きたい。
#19
○国務大臣(古井喜實君) 補助率の点から申しますと三分の一、またもっと低い四分の一という点には議論があるかもしれませんけれども、清掃とか下水の設備施設とかいうようなことは、私はこういうことこそ各自治体が受け持つべき大事な仕事だと思うのであります。そういう意味におきましては、事柄の性質から考えて、やはり補助率の点も、ただ負担を軽くするというだけでなしに考えなきゃならぬ点もあると思うのであります。一方、自治体の方では、とにもかくにも、御案内のように、相当歳入も伸びてきておりますし、交付税も伸びてきておる、こういう状況で、財源も伸びておるのが現状でありますからして、これは今のいき方でやっていってよいのではないかと一応思っております。ただし、さっきもお話が出ておりましたけれども、今十カ年計画をさせまして、一応の目安に立てておりますが、一方では、とれで足るのか足らぬのかという問題があり、一方では、これがこなせるのかこなせないのかという反対の問題もありますると思うのであります。もし自治体の方でぐんぐんこなしていって、補助とか起債ワクが足らないということになりますならば、これは計画に必ずしもとらわれる必要はありませんから、もっとこれをふやす努力をされていいのじゃないか。心配は、むしろ財源問題もあるかもしれぬが、いろいろな事情から、こなしてくれるだろうかどうだろうか、大阪の問題につきましても、財源も財源でありましょうけれども、まだ話がきまりがついていないのも、まあいろいろな政治的などの事情もあるかもしれませんけれども、はたして財源の点で行き詰まるというなら、またそこにぶつかっていなければならぬと思いますが、今のところでは、きょうまでのような行き方でいくことにいたしまして、状況によって考え直すべき点は考え直すということにしたらいかがなものかというふうに考えておるところであります。
#20
○山本伊三郎君 なるほど、これは戦前からの市町村の固有事務としては、この清掃事業がこれは最も大きなものだと思うのです。言われる通り、地方自治体のやるべき仕事であることは当然です。これは明治初年から、市が誕生して一番最初に手をつけたのが清掃問題だと思うのです。それはわかるのですが、しからば現在地方自治体自身の総合的な財政事情というものは、そうは許しておらない。しかも今日、戦後なおさらですが、地方公共団体に対する国の事務の押しつけが、相当大きく、それのいわゆる費用負担というものが大きく重なっているのですから、国がそういうことをやらなければ、固有の事務について市町村がこれに対して、当然相当な費用をかけてやれるのです。それがやれない。現在私が、これは正確の数字でないが、都道府県では、総財源予算の一割ぐらいしか地方自治体としての独自の活動に利用される財源がない、六大都市においては若干それより伸びておるけれども、従って、一割財源ということをよくいわれるのですが、そういうことで、私は、地方自治体で清掃事業はやるべきであるということの基本的な理念のみによってこれを解決しようと思っておったら、これはだめである。ことに、三年後には東京でオリンピック大会が開かれる、おそらく東京の現在の都市の清掃の状態では日本の恥辱になるのじゃないか、私はこの点については、厚生大臣は、いわゆる基本的な理念としてはそれでいいと思うのですが、しかし、財政事情はそうでない以上、政府はこれに対してもっと積極的に考えるべきだと思う。従って、私はこの問題についていろいろ聞くが、大臣はそういうことを公式の席上で言われますが、厚生当局では、私の意見に賛成しているのが相当あると思う。ただ大蔵当局がいろいろと難題をつけていることを聞いているのです。ここであなたと大蔵大臣にけんかさすような悪い意図は持っておらないが、厚生省としては、もっと積極的にこれの問題を取り上げていかなければ、私は十カ年計画というものは、やったというだけで、現実に現われてこないと思うのです。この点について、率直に厚生大臣としてその点を一つ明らかにしていただきたい。
#21
○国務大臣(古井喜實君) とにもかくにも、実際に清掃施設や、今のお話のような施設が完備してくる、その計画が実現していくことが大事でありますから、いわば理屈よりも、実際にぐんぐん進むということも非常に大事でありますから、それに支障を起こすような原因が、はたして財政事情ということであるなら、そこにぶつかっていかなければ解決できないと思うのであります、その点に中心がありますならば。この点はきわめてみなければならぬものだと思います。ただ、さっきもお話しのように、自治体に非常に固有事務以外の、いわば委任事務のようなものがたくさんにあって、その負担に圧迫を受けて固有の事務も伸びないじゃないかという点になりますと、そういう委任事務とか、国が持っていいような事業に対する国の負担を引き上げて、そしてもともとの自分のやるべき仕事の方の財源を浮かしてやるのがよいことであって、やはり筋道としては、財源問題になると、少しでもそういうふうに考えていくべきじゃないか。ないしは、また、自治体全体の財源を、全体として豊富にするというような考え方をとるとかいう、つまりあまりセクション、セクションで考えないで、全体として自治体らしく伸びていくように考えていく行き方の方が穏当ではないかと私は思うのでありますけれども、しかし、何さま大事なのは実際問題でありますから、どこにネックがあるのか、これはよく検討して、見当違いをしないようにしなければならぬことは重々思っております。
#22
○山本伊三郎君 その筋は筋でいいんですよ。ただ、私が言っているのは、こういうことを言っておらないのです。言われた通り、そういう国からの押しつけの委任事務は軽くして、財源を浮かしてこの固有事務をやるという、この建前はその通りです。答案に書けば、その通りに小学校の生徒は答案は満点になるあなたの答弁です。しかし、政治というものはそういうものじゃないと思うのです。現実の問題として、もう都市は清掃問題で行き詰まっておるのですよ。これはそうでないと言われるなら、私はこの質問を終わりますが、実際問題で、このまま置いておけば、東京都でも行き詰まってしまうという状態にきまっているのです。東京湾を埋め立ててやるという、あの護岸堤防ですか、今作ろうと思っておるが、相当費用もかけておるが、しかし、ごみの捨て場所がないという状態です。東京都の都民は実際知らないのですよ。とにかく人間というものは、腹がふくれるまでの問題は非常に関心を持ちまして、要らぬことですが、大臣よく御存じですが、第一次産業で原料を作って、第二次産業で加工して、第三次の流通過程を経て配給されて、そして人がそれを消化する。それまではみな肝心に考えるのですが、それから、きたない話ですが、体内で消化して出た問題を案外軽く見るのです。それを軽く見るかどうかということが文化国家の程度を示すといわれておるのですが、戦前から日本人はそうなんです。政府自体は気づかれておると思うのですが、今の大臣の御答弁は、非常に筋の通った御答弁ですが、現実はどうするかということについては、若干私は大臣の御答弁は納得できない。私は具体的に言うが、非常にこの補助率も少ない。財政がもとに返れば、その補助は全然出さなくてもいいと思うのです。おっしゃる通り、市の財源が豊かであれば、固有事務であるから市町村でやるべきです。当然なんです。市町村の負担でやるべきです。補助は一文も出さなくてもいいんですが、現在の実情ではそうはいかないので、政府も四分の一なり三分の一なり補助をして、何とか都市の清掃を完遂しようといいますが、緩和しようということで努力されているのですが、今の現時点ではこの補助率ではだめだし、また、塵埃焼却の問題については、起債だけで補助がないということを聞いている。それでも私は非常に不満なんです。そういう問題についても、厚生省は、政府の総合的な財政計画で問題があるなら、私はそれはそれで聞きますが、厚生省自身が、塵埃焼却の問題についても屎尿処理の問題についても、補助率はこうしてやりたい、そういう積極的な意欲があるかどうかということを私は今聞いている。地方自治体と政府との財源のいろいろの問題、そういう問題は教科書を見ればわかると思いますから、実際の問題を大臣に伺っているのです。
#23
○国務大臣(古井喜實君) そこで、あまり理屈でなしに、実情に即してどう解決していくかという考え方を言ってみろとおっしゃることになると思うのであります。私は、実は補助率を上げるとか財源を足すとかいう点も大事な点だと思っておりますけれども、実情を見てみますと、昨今は都市も清掃といって、非常に関心を持ってきましたし、騒いでき出したけれども、今までの第一優先的にこういうことをやるべきだというふうな考え方が薄かったと私は思うのであります。根本はそこにあると思うのであります。でありますから、昨今では財政の貧弱な都市でも、また、しかも、現在の補助率のもとにおいても、これをまっ先にやろうと計画しているところさえあるのであります。やる気になればそうなるのであります。根本は私はそこにあったと思うのであります。実情からもそう思います。もし、やろうとするけれども、財源の関係でどうもできないということなら、これは考えなければならぬ。ここでじゃまが起こるようなら考えなければならぬ。考えないという意味ではありませんけれども、根本が私はどうも従来そこにあったように思うのであります。さっきのようなことを申し上げているのでありますが、しかし、どんどん事柄の重要性を認識してやっていこうとすると、どうも財源が窮屈だ、また、そうしむけるのに補助を引き上げた方が政策的に効果的だ、こういうことでありますれば、これはその方面にも大いに考えなければならぬ、これは否定するわけではありません。わけではありませんが、そこだけでもないと、こういうふうに思っておりましたのでさっきのように申し上げたので、問題を否定するのではありません。ここにも大きに検討は加えたいものだと思うのであります。
#24
○山本伊三郎君 実際各地方自治体の責任者なり関係者も、これについては冷淡というか、割合に関心がなかったことは事実です。しかし、最近この屎尿処理の問題について、きわめて緊急な各都市政策の大きい問題になったのは、単に関心が薄かったのじゃない、そうせざるを得なく追い込まれてきたことは事実なんです。戦前はいなかの方から屎尿を車でむしろおみやげを持って取りにきた時代がある。そんな必要はなかった。塵埃については、都市については別の事情がありますが、屎尿についてはそういう状態であった。大都市は近傍から肥料のために屎尿を要するに買いにきた。今はお金を出しても取りにこない。相当都市の周辺にあるところでも、屎尿を肥料には使わないのです。こういう環境といいますか、情勢の変化から、もう都市の政治の関係者は、好むと好まざるにかかわらず、これを解決しなければならぬというところに押し込められてきた。政府はこれについて十分関心はあると思いますが、先ほど言われました、これは市町村の固有事務であるから市町村がやるべきであるということは、これは一応筋は通っているのだが、しかし、環境衛生というものは、戦後大きく日本では取り上げられてきた、戦前にはあまりこの問題は大きく出なかったと思う、国の政治としても。従って、私は、国としても、もう少し干渉するのじゃないが、指導的立場でこれを指示してもらいたい。私はこれ以上くどくど説教がましい質問はいたしませんが、よくおわかりになっていると思う。具体的に今言われたが、関心を持つのは先であるというが、もう少し関心を持って――今実は苦しんでいる中小都市が多いのです。そういうところは今言われた話で、そういうことであって財源が足らない、そういうやろうという意欲があるけれども、財源がないのでやれないということであれば政府がみると言われたが、その場合には具体的に補助率を上げたり、また、補助のついていないところには補助をつけるとか、起債額をふやすだけの政府に用意があるということを言われたが、どうか、この点一つ聞いておきたい。
#25
○国務大臣(古井喜實君) その問題も含めて、補助率等の問題も含めて、財源の点で困難があるならば解決をはからなければならぬ。つまり他に委任事務等に対する財源を国がたくさん与える、負担するということにおいて財源の余裕ができるのも一つの道だと思う。道はいろいろあるかと思いますけれども、しかし、補助率の問題も含めまして、そこに問題の焦点が、大事な点があるということになれば、大いに検討しなければならぬと、こう思うのであります。含めてですね。
#26
○山本伊三郎君 古井大臣もなかなかうまいこと答弁するので、私は、検討するとかそういうことでなしに、緊急の問題で、三十五年度、三十六年度について、その年度における予算編成上の財源の問題でいろいろ苦しんでおる都市が、仙台でも金沢でも、その他中小都市が特に多いのですが、あるのですよ。それが、ここに関係の部長もおられますが、そういうことでは厚生省はないのだと言われるなら、私はこれ以上尋ねませんが、現実にあるということを、もう私の方でも相当いろいろと話を聞くのですが、現実にあるのだから、検討じゃなしに、三十六年度はもう予算編成も済んだのですから、途中からどうこうというわけにいかないが、私の言うのは、来年度からこういうものをふやす要するに意思があるのかどうかという、それを聞いておるのです。
#27
○国務大臣(古井喜實君) ことしは前年に比べると、だいぶ補助の方も起債ワクの方もふやしたつもりでありましたけれども、今日各地からの要望を見ますというと、このワクが不十分であります。私もそう思っております。足らないと思っております。これは三十七年度にはもっとこれをふやすことを大きに努力しなければならぬと思っておるのであります。ただ、その場合に、なるべく広くあの都市にもこの都市にもできればさしたいものでありまして、同じワクをふやしても、率を上げて個所数を減すか、今の率だが、ワクをふやして、従って、多くの場所に実行させるか、同じ財源にいたしましても、そういう点は研究してみなければならぬと思うのであります。でありますから、その辺は、先ほど来のお話の点を私が否定しておるわけではありませんけれども、いろいろ詰めてみなければならぬ点がある。その辺を十分詰めながら、しかし、要するに前進させなければならぬのでありますから、全体としては率直にむしろ不十分だと思っておりますから、これを広げるように努力をできるだけしたいという考えでおります。
#28
○山本伊三郎君 今の時点では、するというはっきりしたそれは確約をここでとることはできないと思うのですが、私、厚生省関係の大蔵当局の人々ともちょっと話をしたことがある。これは正式の委員会の席ではございません。厚生省がそういう点を具体的に言うてこないのだから仕方ないといって、けんもほろろに私に言ったことがある。そういう意味において私はきょう質問しておるのです、大臣に。おそらくこれは、大蔵当局はいつもそういう手を使うのだから、そんなことをまともに受け取る私じゃございませんけれども、そういうことを言うから、それだけ聞くと、厚生省は一つも関心がないじゃないかという受け取り方をする。しかし、私はそういうことを知っておるが、一緒について行った人は、何だ大蔵省こう言うておるのに、厚生省何も考えて言うておらぬのか、こういう取り方をしますから、従って、おそらく三十六年度予算の編成でも相当にやられたと思うのですけれども、そこで一つ聞いておきますけれども、三十六年度予算編成において、補助率の引き上げ、また、補助のついていないところにつけようという考え、それから起債のワクの標準、これは広げられたのですが、そういう点について厚生省としては具体的な案をもって大蔵省と交渉されたかどうか、この点一つ聞いておきたい。
#29
○国務大臣(古井喜實君) 交渉の経過のことでありますし、まずもって部長からお答えさせたいと思います。
#30
○山本伊三郎君 けっこうです。
#31
○説明員(聖成稔君) 率直に申し上げまして、私どもの要求通りには大蔵省との話がつかなかったということは、これは御賢察願えると思います。先ほど来からおっしゃいます通り、非常に屎尿処理が極度に行き詰まって参っておりまして、そのために、ただいま予算配分の時期になりまして、非常に全国からたくさん要望が出て、実はその配分に苦慮しております。しかし、これはもうやむを得ませんので、相当新規にたくさんの個所を拾い上げることになると思います。そうしますと、ことしはいわば頭だけ出しておいて、二年継続事業で来年片づけるといったような方法をとらざるを得ないと思います。そうすると、必然的に来年度の予算がある程度膨張する。しかし、これはこの問題の性質上やむを得ないのじゃないかということで、今主計局の方と私どもと話をいたしておるのであります。
 交渉の経過につきましては、私ども各全国からの非常に強い要望もございますので、たとえばごみの処理につきましても、何とか補助金をつけるようにしたいというような要望もいたしておることは事実でございますが、残念ながら、ことしはそれは成功しなかったわけです。問題は、屎尿消化槽と下水終末処理とは両者関連性がございますので、とりあえず消化槽を作っておいて、将来沈澱池とかいろいろな施設を設けまして、下水終末処理に転換し得る関連性がありますので、一方が三分の一であれば、消化槽の方もぜひ三分の一にしたい。そうでないとバランスがとれないじゃないかというようなこともずいぶんやったわけでありますが、そのバランスの問題なら、終末処理も四分の一に下げたらバランスがとれるじゃないかというような話も出て参りまして、まあことしは成功いたしませんでしたが、来年は私どもとしては、ぜひまた繰り返しそれを実現するように努力して参りたいと、かように考えております。
#32
○山本伊三郎君 努力の点はわかるのですが、これは先ほど言われた十カ年計画の総額大体全部で千二百億円になるのですが、この計画についても私はもう一ぺん検討し直してほしいと思うのです。千二百億で現在のこの塵埃、屎尿、これを計画で完全にやれると私は思わないのです。東京都の今計画を聞いておりますが、東京湾の埋立地の整備といいますか、護岸といいますか、そういうものを作るだけでも何か百何億か要るようにちょっと聞いておるのです、これは合っているかどうか知りませんが。従って、そういうことからいくと、千二百億で私は処置できるとは思わないのですね。従って、私は、この計画自身まあ真剣にやられたと思いますが、私から考えればずさんであると言わざるを得ない。また、一時そういうものをもらうためにやられた素案であって、ほんとうに腰を据えてやろうという腹が私はここに見られないのじゃないかと思うのです。これが政府のまあ補助金の額だけであれば、これは別ですが、これが総額だというほどの部長の話であれば、私はこれでやれないと思うのです。大臣、一体どうですか、自信ありますか。
#33
○国務大臣(古井喜實君) これはさっきも申しましたように、一応の目安として立てておるものでありますので、実際の情勢に応じて、足らないと、こういうことであれば、これをふやしていくという、必ずしもこれにとらわれないでということも考えなきゃならぬと思うのであります。この辺は何も固定的に考えておるわけでもありませんので、実情に応じて十分考えていかなきゃならぬと思っております。
#34
○山本伊三郎君 まあ大臣はそれは専門でないからわからないとは思いますが、まあその答弁で私はやむを得ないと思うのですが、一応の目安だと言われますが、こういう案であれば非常に軽く見るのじゃないかと思う。十年でこれを均等に割ると、わずか年間百二十億にしかあたらないことになる。百二十億ということになれば、おそらく私常識上からいっても、これは全国の問題ですから、私はおそらくこれではいかないと思うのです。いかないじゃない、それはおそらく問題にならないと思うのですね。従って、私が今お尋ねしたのは、一応の目安でけっこうですが、もう少し自信のある、多過ぎるということは必要ございませんけれども、道路十カ年計画なんかは一兆何億といわれるような、そういう膨大なものがあるのですから、私はそれほど要るとは思いませんが、もう少し自信の持てる、また、一般の者が納得できるような一つ計画を来年の予算編成までに厚生省で立案されて、そして私はやってもらいたいと思います。この点についてどうですか。
#35
○説明員(聖成稔君) 実は、この計画を立てますにつきましては、御承知のように、清掃法による特別清掃地域、つまり市町村長が屎尿なりごみを集めなければならない地域ですが、その特別清掃地域の人口、それがやはり十年後には伸びて参ると考なければなりませんので、一応その伸びを見込みまして、そして十カ年後にその処理しなければならないごみなり屎尿なりの量は、屎尿につきましては、一応一人一日一リットル、ごみにつきましては一人一日四百五十ないし五百グラムというような数字がございますので、これをかけまして、そうすると必要な施設の総量が出て参ります。屎尿処理の場合に、消化槽の場合でございますと、大体建設経費は現在一人頭千百円というような単価がございます。これをかけまして、そして総事業費を出しているわけであります。下水終末処理場につきましては、各都市から出されております計画を全部積み重ねた数値になっておるわけであります。ですから、一応十分根拠を持って検討したつもりでございまして、しかし、人口の伸びなどにいたしましても、まあ十年後のことでございますから、いろいろ変更もございましょうし、あるいはまた施設の建設単価にいたしましても、またいろいろ動きがあると存じますので、そういう点は常時検討いたして参りませんと、ただいま立てました十カ年間計画を最後まで固執するというような気持は毛頭ないということでございます。
#36
○山本伊三郎君 実は、これは厚生省の責任とは言わないのですが、各地方公共団体でも、きわめてこの点についてはまだはっきりとしたそういう計画性を持ってやろうというのは少ないのですね。これは私ども認めます。早急の問題だけを解決しようとされて右往左往しているのが実情なんですね。従って、その点は指導行政としては、むしろ起債とかあるいは補助の問題で陳情なんかくると、きたやつを何とかさばこうという、まあそういうことじゃないと思いますが、それよりも、積極的にこうすべきであるという厚生省の私は指導体制をとってもらいたいと思うのですね。これがなければ、実際地方自治体といっても、この問題は地方行政の中でもきわめて軽視されておるきらいがあるのです。そこを一つ厚生省が非常に親切な態度で指導して、むしろ補助なんかも積極的に、こうやったらいいのじゃないかということを僕は相談にのっていただきたいと思うのです。これは希望ですが、従って、私は、ここで最後に、来年度の予算編成までに各清掃法による清掃地区の該当市町村に対してきわめて親切な方法で指導してもらって、それで的確な資料によって私は立案をしてもらいたいと思います。で、これはまあある二、三の土地で聞いたのですが、大都市になると、在住人口以外に、昼間入ってくる、旅行してくるという――東京なんか相当入ってくるのですね。そういうものは全然無視されているようなきらいがある。計画の方ではそれも相当一つのロスになります。この点も一つ十分皆さんの方で、監視というよりも、指導していただきたいと思います。それからもう一つ、そういうもう行き詰まったものを何とかそのときだけ切り抜けようと思って、この重要な固有事務であるものを、屎尿処理を請負にさそうというような風潮もあるのですね。これは私きわめて危険だと思う。なるほど財源的に見るとそれで安上がりのように見えますけれども、清掃事業自体の実質からいくと、きわめて危険なものが出てくると思う。これは私の経験したことでございますが、そういう請負業者にやらしたために、それを完全に終末処理をせずに、一般の下水の中にはうり込んでしまった。何か付近がくさいくさいといって騒ぎ出すからマンホールを開けると、そこに屎尿がたまっておったということが都市に往々ある。これはやはり請負業者に出すとそうならざるを得ないのです。それだけのものは、利潤といいますか、採算をとらぬといけないものだから、従って、市町村当局に安く請け負い、これで見合うような処理をしようというのでそうなる。従って、これは厚生省の指導は、そういう請負業者に無責任にやらすということはできないことになっていると思いますが、その点はどうですか。そういう方針は変わりませんか。
#37
○説明員(聖成稔君) これは先生も御案内だと思いますが、清掃法によりまして、特別清掃地域の屎尿のくみ取り、あるいはごみの収集、これは市町村長の責任においてやることになっておりますから、もちろん直営でやるのが建前である。業者にやらせます場合には、期間を定めて市町村長の許可を受けなければいけないというような清掃法の規定から申しましても、当然直営でやることが原則であるということは間違いないと思うのであります。従いまして、私どももそういう方針で市町村を指導いたしているようなわけでございます。
 それから、先ほどお話しございました私どもの清掃事業の計画としましては、特に屎尿処理については、大きな都市、あるいは中都市では個々にやらしていきますけれども、小さな地方、あるいはまた小さな町、そういうものは個々にやりますのは非常に不経済、非能率でございますので、自治法による一部事務組合を作らして、そうしてやらせるというような指導方針をとりまして、もう先生のおっしゃるような状態で、将来は全市町村にこういうものを作らなければならぬと思っております。従って、府県の衛生当局の方で市町村と連絡をとって、個々に単独でやる、個々に組合でやるというような計画を積極的に立てて指導してやって参りたいと、こういうような気持でおります。
#38
○山本伊三郎君 それで、実は内閣委員会で、いわゆる設置法の関係としてそこまで大臣に質問したことについては、私も時間をとって非常にお気の毒だと思うのですが、しかし、私、実は衆参を通じて社会労働委員会なんかを見ても、他の問題は相当いろいろと追及されてあるけれども、この問題についてはあまり見てないと思う。そういう意味においてきょうは若干時間をとってお聞きしたのですが、先ほど言われましたように、はっきりした確約ということは、現在はできませんが、来年度予算編成に当たっては、この補助率についても、なるほど厚生省が積極的にこの問題を考えているのだということが現実に現われるように、一つ厚生大臣の努力をこの機会にお願いして私の質問を終わりますが、その点について一つ厚生大臣から……。
#39
○国務大臣(古井喜實君) 先ほど来申しましたように、この清掃問題は、各地であのように気運が起こってきている状況でありますから、この気運が起こっている機会に、ちょうど打つべき鉄ならば打つべき時期かもしれませんので、気運がせっかく起こっておりますから、よいことでありますからして、こういう状況も考えまして、極力この問題は努力していきたいというふうに思っております。
#40
○一松定吉君 この厚生省の設置法の一部を改正する法律案は、私はことごとく適当だと思いまするが、少しく不審な点を伺ってみたいのですが、国立ガン・センターというのは、日本にただ一カ所これをこしらえるのですか。この間、今から四、五日前に、大阪にある大阪の市立のガン・センターというのができまして、非常に盛大に挙行せられたのであるが、ガンの増加が年年歳々ふえておる際に、ただ一カ所ぐらいのセンターの設置でよろしいのですか、その点を一つ。
#41
○国務大臣(古井喜實君) お話しごもっとも千万でありまして、ガンで亡くなった人が昨年も九万人あるという状況で、ふえてきておる。これが疾病対策の一つの重点でもありますので、ガン・センターにいたしましても、国立のものを設ける予算を今年度とっておりますが、のみならず、国立また地方のガン・センター、そういうものをもっとたくさんにしていきたい考えでありまして、各地の研究を全部総合的に活用いたしますならば、ガン対策が非常に前進するであろうというふうに考えておるところであります。荒筋はそういう考えでございます。なお、詳細が要りますれば局長から……。よろしゅうございますか。
#42
○一松定吉君 場所は築地の元の海軍軍医学校と病院と三カ所ですか。もしくは築地の元の海軍軍医学校の所在地であるその病院を改修して一カ所に置く、こういう意味ですか。それはどうですか。
#43
○政府委員(川上六馬君) もと築地にございました海軍学校と病院、あの一角にありますその施設をもとにして、必要な施設はさらに増設いたします。
#44
○一松定吉君 そこで、定員が、ガン・センター長以下医科一室に五十名、それから病院部門に百六十六名、研究部門に三十五名というのだが、これはガン。センターで研究する人に重きを置くのであるならば、この研究部門の三十五名というのは少ないように思うのであるが、それからこの定員五十名、ガン・センター医長、課長等が五十名、それから入院患者の病院の患者が百六十六名というのは、これは看護婦なんかという意味ですか。研究員が三十五名というのは、ガン・センターというものを設立するについては、研究員の数があまり少ないということになるじゃありませんか。この辺の一つ説明をして下さい。
#45
○政府委員(川上六馬君) ガン・センターの計画は一応二カ年計画に考えておりまして、それで初年度は今お話しございましたような程度の機構なり、あるいは定員になっておるわけでございますけれども、次年度におきましてさらにこれを拡張いたす考えでおるわけであります。
 この初年度の病院について申しますと、将来入院が四百床に、外来が六百床という計画をいたしておるのでございますけれども、初年度は入院が二百床に、外来四百床と見ております。それに相応するところの定員だけを三十六年度に計上いたしたわけでございます。
 それから研究所の方は、さしあたり臨床に直接関係の深いところの研究部門の病理部門と生化学の部門だけをまず初年度に置くことにいたしまして、そして次年度には化学療法ほか八部門の研究部門をさらに増設をいたしたいと考えておりますので、従いまして、研究部の三十五人と申しますのは、ただ本年は以上申し述べました二部門だけの定員でございますから、将来部門がふえますというと、それに応じて研究者の数もふやしていく、そういう考えでございます。
 それから診療に重きを置くか、研究所に重きを置くかというお話でございますけれども、これは両方ともやはり重きを置いているわけでございます。しかし、初年度はまず病院部門を先に始めよう、本年一ぱいで用意をいたしまして、来年の一月一日から病院は開設する予定です。明年度さらに研究部門を増設いたすとともに、臨床部門も先ほど申しましたように拡充して、入院患者や外来患者が多くとれるように計画をいたしておるわけでございます。
#46
○一松定吉君 そうすると、三十五名というのは、日本の病院においての研究者の三十五名ですか、もしくは海外にまで派遣して、海外に派遣することによってガンの研究をやるとかいうようなものもこの三十五名のうちに含んでおるのですか、どうですか。
#47
○政府委員(川上六馬君) 三十五名と申しますのは、先ほどいいましたただ二部門だけの定員でございますが、定員の中には部長その他定員も全部含まれているので、海外にその中から研究のために派遣する人も幾らか将来出てくると思います。それでたくさんの部門が将来ふえますに従いまして、二部門で三十五人でございますから、全体として十部門にいたしますと、約この五倍ふえるというような計画をいたしておるわけであります。
#48
○一松定吉君 研究するのは、日本における日本人の医者だけで研究するのですか。海外からそういう専門家を招聘して研究するのか、あるいは海外に派遣するとかいうようなものは含んでおるのか、この人員のうちには。
#49
○政府委員(川上六馬君) 今申しましたように、外人を定員の中に勘定はいたしておりません。日本の、ここに従事いたしますところのその他の職員が海外に研究に行く場合は、この定員の中の人を海外に派遣することになります。
#50
○一松定吉君 それなら、海外に派遣する人の予算というものは、このうちに入っておりますか、いないようじゃないか。
#51
○政府委員(川上六馬君) まだ初年度はその予算は入っておりませんけれども、人としてはこの中から出していくということを先ほど御説明したわけでございます。
#52
○一松定吉君 建物の整備費に五億五千四百九十万七千円というものを計上しておるが、建物はりっぱになるが、中におる者はガンの研究ということについて専心従事するというような人は数が少ないというようなことは、せっかくこれをこしらえるだけについての目的に多少反しやしないかね。建物をりっぱにすると同時に、人員もふやし、しかも、そのふやす人員のうちには、看護婦だとか、あるいは監督者とかいうものよりほかに、ガンの研究のことに重きを置く人員をふやすということでなければ、せっかくこのガン・センターをこしらえる目的に反するように僕は思うのだが、その辺はどうです。
#53
○政府委員(川上六馬君) この病院の定員の中には院長、各部長、その他すべての定員が含まれています。また、研究部門には今申しましたように、二部門の定員がみんな入っておるわけでございますが、将来いずれも相当増員して参りたいと存じます。海外に派遣する費用を特に取ってはおらないわけでございます。将来は必ずそういうような予算を獲得して派遣をいたしたいと考えております。それから研究の定員というものは、全部これは研究に従事する定員でございます。
#54
○一松定吉君 ちょっと待って下さい、三十五名全部か。
#55
○政府委員(川上六馬君) 三十五名全部でございます。
#56
○委員長(吉江勝保君) 発言を求めて発言して下さい。
#57
○一松定吉君 その三十五名が全部ガン研究のために従事するというと、そのガン研究についての、これを指導する人は日本におるガンの専門家か、あるいは外国からそういう優秀な専門家を招聘して、その輩下において研究するというようなことまでは含んではいないのかね。
#58
○政府委員(川上六馬君) 専門家も含んでおります。その他の予算の中には、顧問として権威者の方を九名ばかりお願いする経費が含んでおります。これは日本におけるガンの医学的な研究者で権威のある方々とその他物理化学の権威者などもこの顧問になっていただきまして、単に医学的見地ばかりでなくて、もっと広い見地から御指導を仰ぐ建前になっておるわけでございます。それから、なお、研究所と病院の部門のほかに、運営部というものを作りまして、今年は庶務的な仕事から始めるわけでございますけれども、将来はこれに情報部門、それから共同研究の推進部門というような部門を設けまして、そうしてこれで内外のガンに関しますところの情報の交流をはかりたい。国内で各所でガンの研究が行なわれておりますけれども、それらの人たちが共同してガンの研究を推進し得るようなお世話をここで申し上げたいと考えているわけでございます。ほんとうに名実ともにこの日本のガン・センターとしての実績を上げていきたいと考えております。
#59
○一松定吉君 私がお願いするのは、せっかくこういうようなよい施設をお設けになるのであれば、もう設けて予算が成立したらば、その瞬間からそういうような専門家をたくさん招聘をし、専門に研究に従事するというような人をこしらえて、それでこの目的を達成することに努力するということが一番いいと思うのであるが、それは結局予算が伴うことでありまするから、今ここでこの予算をどうせい、こうせいとは申しませんが、来年度の予算を編成するについては、もちろんそこに一つ重きを置いてやっていただきたいということをお願いしておきます。
 その次にお尋ねしてみたいのは、この四番目の医療制度調査会、これを設けたのが三十四年から二カ年ということで設けたにかかわらず、これが十分な調査ができずして、今度また延期しなければならぬというような、このわけ、十分な調査のできなかったわけはどういうわけであるか、その原因を一つ話して下さい。
#60
○政府委員(川上六馬君) これは非常に基本的な問題から掘り下げて今審議を願っておるわけであります。発足が御承知のようないろいろな事情がございまして一年おくれたわけでございますが、昨年の四月始まりましてからは、毎月一、二回開催いたしておるわけでございますけれども、何しろ医療とは何ぞやというような基本的問題から相当深く掘り下げられて御審議を願っておるものでございますから、大へん時間を要したわけでございますが、最近はだいぶ進みまして、ようやくこの医療施設の問題、医療関係者の問題というようなものにこれから入ろうという段階になっておるわけでございます。しかし、なお、内容につきましては、今後大いに御審議を願わなければならぬものでございますから、もう一年一つぜひ延ばさしていただきたいと思います。
#61
○一松定吉君 どうか一つそういうようなことはなるたけ運用を迅速にして、そういうような遅滞が行なわれた結果、国家の予算に影響するようなことは、やはりこれは御注意なさった方がいいから、一つお願いしておきます。
 そこで、次にお願いしておきたいのは、医療制度調査会の委員の数は十八名であって、そのうちに私のわからないのは、全国セメント労働組合の連合会の委員長、神奈川県の公安委員、八幡製鉄株式会社の取締役、それから日本通運の常務取締役、全国町村長会長、こういう医療制度に何も経験もなければ抱負も持たないような人を、どうしてこんな人を委員の中に入れるの、そのわけを一つ。
#62
○政府委員(高田浩運君) 私からお答えを申し上げたいと思います。神奈川県公安委員と言われますのは川西さんのことだと思いますが、これは御承知のように、保険行政を長くやられて、保険のことについてはいろいろと苦心と経験を重ねられた、いわゆる保険医療については学識経験ある方でございます。それから、そのほかの今お話のありました会社でありますとか、あるいは組合でありますとかの関係者と申しますのは、御承知のように、今日の医療は保険が非常に大きなウェートを占めておりますが、これにつきましては事業主側、あるいは被保険者側ないし保険料を納める側と、そういったものの立場というものも十分考えて医療制度を考えなければならない、そういう観点に立ちまして、その方面の代表者という意味において御参加をいただいておる次第でございます。
#63
○一松定吉君 今あなたのお話で私はわからないが、医療制度の調査をするについては、医療制度についての抱負経験を持っている人でなければならぬはずです。今あなたの言うような労働組合の連合会委員長とか、公安委員だとか、会社の取締役だとか、あるいは通運会社の常務だとか、全国町村長会長というようなものが、医療制度の調査にどういう経験を持っておりますか、その以外の委員は私はもっともだと思う。慶応義塾大学の教授だとか、それから大学の病院とか、あるいは病院の院長とか薬剤師の長だとかいうような人はみんな経験者だから、こういう委員にお願いすることはけっこうであるが、医師でも何でもない、知識も持たないような人を、今あなたの言っておったような理由で入れるというのは、かえって医療制度の調査を遅延ならしめ、目的を達成するにあまり効果はないと私は思うのだが、今せっかく調査会だとか公聴会とかいうものの設置について国会でも問題のあるときですから、将来は一つこういう人は、ほんとうに仕事のできる人を入れるというようなことに考えた方が私はいいと思いますから、これは一つ参考のために申さしていただきます。
 最後に一つ伺いたいのは、この引揚援護局を援護局と改称するのには、引揚者というものはなくなったからということは、これはこれでけっこうです。その次の病院管理研修所というものを病院管理研究所、「修」が「究」に直っただけだね、研修所が研究所に直っただけで予算が七百九十万円もふえるというのは、これはどういうわけだね。研修所であったものが研究所になったがために、三十五年の予算は四百五十万円であったのが、三十六年度になると千二百四十一万円になるというようなことになって、「修」が「究」になったがためなら、何か研修ということでは十分の費用が要らなかったのであるが、研究所ということになってから、かくかくの費用が要るようになるから予算がふえるということなら納得ができるのだが、そこを説明して下さい。
#64
○政府委員(川上六馬君) 病院管理研修所が研究所に名称を改正するわけでございますが、これは医療技術の進歩に従いまして、病院などの近代化をはかっていかなければならぬというような点から、大いに研究を要するものが多いわけでございますから、研究を主体にしたということでございますが、経費がこれだけ大へんにふえておるというおもな原因は、従来、研修所定員はたった五名しかなかったわけであります。医官が二名、それから事務官が三名、ただの五名でございましたために、病院の経営管理の部門でありますとか、あるいは建築、設備などの面の研究調査が十分出来なかったのですが、三十六年度におきましては、先ほど申しましたような理由によりまして、医官が八名、事務官四名、その他二名、計十四名とかふやして、診療管理、看護管理のほかに、特に経営管理の面を十分研究していく。それから建築部門におきましても、建築部門の研究のほかに設備研究などにつきましても充実して参りたいと考えておりまして、それに伴いますところのいろいろな諸経費を計上いたしたわけでございます。そういうことで大へん大幅にふえておるわけでございます。
#65
○一松定吉君 よくわかりました。そういうような意味で費用がふえるということは、これはやむを得ないことだからして、大いに一つ費用はできるだけ取って、厚生事業を完全にやって、国民の生活の安定だとか、病気の治療だとかいうようなことに御貢献を願うことは非常にけっこうである。
 最後に、少しこれとは離れておりますけれども、厚生省の設置法の一部を改正するということについて、関連して一つ厚生大臣に、私、簡単に伺っておきたいが、私が厚生大臣のときに、国立公園の拡大強化ということに力を入れたのだ。それはなぜかというと、国民からたくさんの税金をとって、そうして国家でいろいろな仕事をするということよりも、自然に与えられた日本の風光というものを、これを拡大強化して、外人を誘致して外貨の獲得を得て、それによって国民の収入からなるたけたくさんの税金を取らずして、外貨によって国家の仕事をしようということが、これが政治家の一番注意しなければならぬことだというので、私は国立公園の拡大強化ということに力を入れた実は一人なんであります。近ごろ厚生省がそういう方面にあまり力をお入れにならないのは、これは私ははなはだ遺憾に思っておるのだが、幸いに厚生大臣は、そういうようなことについて平素抱負経綸をお持ちになっておる方だから、ことしは仕方がない、来年度には一つぜひそういう方面に力を入れて、厚生省の設置法の一部改正については、一つ十分に外貨の獲得を得て、そうして国民の負担を軽くして、しかも、仕事はりっぱな仕事のできるようにということに御留意あらんことを特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#66
○国務大臣(古井喜實君) 一松先生のお話の点につきましては、十分考えたいと思います。
 なお、今年度目立ってはおらぬかもしれませんけれども、新しく国民休暇村という建前で、まだよごれていない、いい土地を求めまして、国立公園自体ではございませんけれども、新しい面を開拓していきたい。国民休暇村という考え方というようなこともいたしておるような状況でありますが、今後はよく考えていきたいと思います。
#67
○下村定君 きょうは引揚援護局の方がお見えになっておりませんから、詳しい御答弁は得られないと思いますが、引揚援護局の現在やっております業務、その内容を承りたいと思います。
#68
○政府委員(高田浩運君) 事務的な点にわたりますので、便宜私からお答えさしていただきます。
 御承知のように、引揚援護局は、引き揚げの業務が主たる立場で出発をいたしましたけれども、現在におきましては、直接の引揚業務というものは非常に少なくなっております。現在、未帰還者として一応私どもの考えておりますものの数は、大体二万三千人見当と考えております。そうして毎年内地にお帰りをいただく方は、大体、年間百四、五十名程度でございます。一ころに比べますと、この直接の引揚業務は非常に小さくなっておるということが言えると思います。反面におきまして、御承知の戦傷病者戦没者遺族等援護法の施行でございますとか、あるいは恩給法の改正によりまして、恩給関係の進達事務が非常に膨大な量になって参っておりますし、また、留守家族の援護の問題もかなりな仕事になっております。さらにまた、ずっと前から非常に苦心をしてやっております未帰還者の調査、そういった業務もまた非常に大きな部分を占めております。そういうような状況で、まあ御質問の趣旨は直接の引揚業務のほかに、どういう仕事がふえておるかということが主たる御質問かと思いますが、そういうわけで、直接の引揚業務以外の仕事が非常にふえておりますので、名称の点もこういうふうに変えたい、そういう趣旨で提案しておる次第でございます。
#69
○下村定君 私の伺いたいのは、太平洋戦争中に海外の各方面に遺留されました遺骨の調査、収集と、それから、それに対する関係諸国の態度というようなことを概略伺いたい。
#70
○説明員(福田芳助君) 今御質問の遺骨収集並びに遺留品の収集について申し上げますと、前に米国管理地域である地域から始めました遺骨収集につきましては大略終わりまして、現在のところ、共産地域圏、つまりソ連、中共、北鮮が残っておるところの大きな地域でありまして、部分的には、戦場ではなくして、抑留者が抑留されていった地域には若干戦地とは異なる状況における遺骨が残っておるわけですけれども、それについてはまだ手が伸びておらない状況です。そこで、共産圏につきましては、国交の回復を待ちまして、あるいはまた国交の回復を待たずして、でき得れば民間の、たとえば日赤等を通じまして、遺骨収集についてはできるだけ早期に実施したいということで申し入れておるところでありますけれども、まだ実現の段階にはなっておりません。概略以上であります。
#71
○下村定君 共産圏のことは別にしまして、そのほかの国でも、私の承るところによりますと、その当該国が必ずしもこの遣骨の収集、調査というようなことについて好意を持たない向きもあるように聞いておりますが、その点はいかがですか。
#72
○説明員(福田芳助君) 先ほど申し上げましたうち、残っている一番大きな地域はインドネシア地域でありますが、これは前に東部ニューギニア方面を遺骨収集しましたときに、実は実施する計画の範囲内であったわけであります。ところが、当時同国との関係上、途中で計画変更して、同地域だけ、つまりインドネシア地域だけを除いたという経緯があります。しかし、その後、当時の状況が変わりまして、墓地の情報等につきましては、やや好意的にいただいておりますから、今後は可能ではないかと、こう考えております。
#73
○下村定君 その業務は今後も続いて推進されるお考えだと思いますが、その点いかがですか。
#74
○政府委員(高田浩運君) 続いて行なうつもりで考えております。
#75
○下村定君 いま一つお伺いいたしますが、まだ戦死を確認されていない、いわゆる行方不明者と申しますか、失踪者、そういう者の現在数はどのくらいございますか。
#76
○政府委員(高田浩運君) 先ほど申し上げましたように、大体二万三千でございます。
#77
○下村定君 中共に抑留されておりますいわゆる戦犯者の釈放につきまして、厚生省としての御方針はどういうふうになっておりますか。
#78
○国務大臣(古井喜實君) 中国との関係は、日赤を通じてこの問題に対処しておる状況でありまして、直接こちらの政府から向こうの政府にといういき方は、ただいまのところ困難でありますので、日赤を通じてこの問題に対処しておるわけであります。
#79
○下村定君 遺骨の調査、収集、それから抑留されておるいわゆる戦犯者の釈放ということは、これは今後に残された相当大きな問題だと思いますから、この点について一つ今後とも御尽力あらんことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#80
○伊藤顕道君 私は、この法律案改正の各面についてお伺いしたいと思うんですが、もう時間もございませんから、ごくその一端についてまずお伺いしておきたい。
 医療制度調査会をさらに一カ年延長したい、こういうことでありますが、まずこの点についてお伺いしますが、一年延長しようとする具体的な理由は那辺にあるのか、この点からまずお伺いしておきたいと思います。
#81
○政府委員(高田浩運君) この点は、まず第一に、先ほどちょっと医務局長が触れましたが、二年の時限で出発をいたしましたけれども、医師会との人的な調整等に手間どりまして、実際上最初の一年間というものは開かれずに終わったわけで、結局二年の時限が、現在の時点において実質上一年ということになってしまったという点が第一点であります。
 それから、審議の内容につきましては、医療制度の、まあ医療とは何ぞやということから出発いたしまして、医療制度がどうあるべきか、それらについてずいぶん緻密な議論が進められておりますが、さらにその進行上、医療機関の整備の問題等がまだ未着手でございまして、これが今後審議すべき大きな部分を占めておりますので、それらを完成する意味においてもう一年延長をお願いいたしたい、こういう趣旨で提案をいたした次第でございます。
#82
○伊藤顕道君 この医療制度については、目下厚生省と医師会との間に意見の対立があって、調整いまだならないと、こういう状況下にあると思うのです。こういう中にあって、さらに一年延長したことによって、はたして満足すべき成果が得られるであろうか、こういう点が大いに憂慮されるわけです。そこで、この点について大臣のお考えをお伺いしたい。
#83
○国務大臣(古井喜實君) 医療制度を改革していくという点につきましては、改革の必要がある、それで改革をやっていこうという点においては医師会と考え方が違っておるわけではないのであります。問題は、昨今の社会保険の医療費の引き上げ問題についてあのような経過があったのであります。それからまた、医療費をどういうふうにして今後きめるかという問題などについては、今後に残っておる点がございます。ただし、この医療制度全般について多々問題がある、それに対して改善を加えていこう、そのためにまたこの調査会等を活用してやっていこうという、その点には別に意見の違いはございませんので、医師会側も、この医療制度調査会には参加をしてくれて、そうしてきょうまで審議をやっておるわけであります。で、これは私はもっと積極的に医療制度調査会を活用しなければいかぬと強く思っておるわけであります。さっき申しましたように、発足が一年もおくれてしまいまして、去年の一年を空費したあと、やっと去年の四月に発足した、こういうことで、審議もまた中途であります。それから一方、問題はたくさんある、こういう状況でありますので、今後の運用についても、少し積極的に、効果的にこれは意見を得ることができるようにやってみたいという考え方を持っておるのであります。その点は医師会とどうという点はないと思います。
#84
○伊藤顕道君 現在の調査会の調査において、未解決のままに残されている面がまだいろいろあると思う。そのおもなものはどのような問題であるか、このおもなものについてはっきりさせていただきたい。
#85
○政府委員(川上六馬君) 先ほども少し御説明申しましたように、まだ各論的なことには実は入っておらぬわけでございまして、初めは現在の医療の状況や公衆衛生の状態がどうなっておるかということを関係当局の方からまず御説明をいたしまして、それから始めて医療の本質及び主体性というような問題がだいぶ深く掘り下げられたものですから、そういうところにだいぶ時間をとっておるわけでございますが、三十六年の三月に至りまして、その部会を二つ作ることになったわけでございます。それは医療機関の問題と医療関係者の問題をそれぞれの部会に取り上げるということになったわけでありますから、将来まあ医療機関というものはどういうように整備していくかというような問題点が一つの重要な問題になると思います。それに見合うような医師その他の医療関係者をどうして養成していくかという問題、そういう問題が当面の調査会で取り上げられる問題になっているわけでございます。初め厚生省といたしましては、医療制度全般についての改善の基本的方策はどうかという諮問をいたしておるわけでありまして、そのほかにも将来いろいろな問題が出てくると思うのでありますけれども、さしあたって今申しましたような点が問題になっておるわけでございます。
#86
○伊藤顕道君 今ちょっと指摘もありましたが、三十四年四月、この医療制度調査会設置の際に、医師会から、医療保険制度を審議の対象とするならば医師会からは代表を出せない、こういう申し入れがあったので、その後混乱して、結局厚生省が折れて、この医療制度調査会では医療保険制度を審議の対象としないことにして発足したわけだと思うのです。そのために、今お話もあったように、一カ年空費してしまった、こういうことでこういう不手ぎわがもしなかったならば、ここで一年延長せぬでも所期の目的は達し得たと思うのですけれども、この点ははなはだ遺憾だと思うのですが、こういう点はいかがですか、大臣として。
#87
○国務大臣(古井喜實君) お話のように、二年の期限のものを半分、一カ年空費してしまったということは、非常にこれは遺憾であったと思っております。ただし、先ほども申しましたように、この調査会にも審議してもらいたいことが大いにあると私は思っておる。ことに、この医療機関の整備、どういうふうにこの医療機関を体系的に整備していったらいいものか、また、その具体的な医療機関の役割の問題などは、非常に現在は混乱したままでおる。一方には無医地区がありますし、一方には病院診療所がございますし、それで全体としての体系も整っていないように思うのでありまして、ここにも医療制度の上の大きな問題がありますし、これはこの調査会で審議をしてもらって結論を出すことが必要だと思いますので、幸いにこの一年間の延長ができますれば、今度は少し厚生省の側からも積極的にいつごろまでという審議の希望なども適当な方法で伝えましたり、そして区切りをつけつつ、今必要と思っております問題について意見を求めて参りたい、こういうふうに思ってる状況でございます。特に医療機関の問題のごときは、これは医師会側もここで審議することに不同意ではない。さっきも申しましたように、もうすでに部会を設けたくらいでありますから、また必要な問題でもありますので、そういうことを大いにやってもらう余地がある、こういうふうに考えておるのであります。
#88
○伊藤顕道君 今度は、提案を予定しておられる臨時医療報酬調査会という法案がありますが、これはどうもこれに関連あるように思うのです。医療保険制度を審議の対象とすれば医師会の協力を得られない、こういう過去のにがい経験から、こういう名称ではどうもずいので、そういう名称をもじって、そしてこのような名称にしたのではなかろうかというふうにどうしても考えられるわけですが、この点どうなんですか。
#89
○国務大臣(古井喜實君) これは全く別個の問題でありまして、この社会保険の診療報酬をどういうふうにきめるかという、そのための諮問機関として医療協議会があるわけでありますが、その医療協議会の方の改組の問題に関連いたしまして、問題は、つまり社会保険の診療報酬の額、それから診療報酬のきめ方、診療報酬の問題だけに限ってあります中央医療協議会、その医療協議会改組に関連して、一体診療報酬というものはどういうふうに算定するのが合理的かという算定のルールを一ぺん審議してきめるような、そういう機構を考えた方がよいのじゃないか。ルールなしに医療費を上げるな下げるなと言うのからして話が混乱する、こういうわけでルールを確立するための機構を作ったらよかろうということが社会保障制度審議会の意見でもございましたので、そういうことのためのものを医療費調査委員会として設けようというのでありまして、医療制度全体とは一つも関係ございませんし、こっちの方はそういうことには全く関係のない医療制度全般についての建前であり、とりあえずはこの医療施設と、その組織、医療関係者に関する問題、こういうことをやってもらおうというので、せつ然これは事柄が分かれておる状況でございますから、そういうふうに御承知願いたい。
#90
○伊藤顕道君 そうしますと、この医療保険制度とは関係がないという考えであるならば、今予定している調査会については、医療制度調査会に統一して差しつかえないと思うのですが、そういうことになると思うのです。また、池田内閣の基本的な方針である行政機構の簡素化、こういう点にも統合するということによって一致すると思う。似通ったような調査会をあえて別個に作って機構を複雑にするということは、池田内閣の方針にも反すると思うのです。この点はいかがですか。
#91
○国務大臣(古井喜實君) これは今も申し上げましたように、一方の新しく設けようとしております、つまり診療報酬の算定をどうしたらいいか、算定のルールを確立しようというだけの片方は委員会でありまして、これはその専門の人に審議をしてもらって、こういうふうな、ちょうど米価を算定するならばどういうルールで算定するかということと同じように、医療費の算定の問題、また、引き上げの問題、改定していく問題、これは将来でもいつでも起こる問題でありますから、どういうふうに算定をしたら一番合理的かという、それだけの専門の調査機関を設けることは、これは必要でありますし、また、それに向くメンバーで顔ぶれも作らなければなりませんし、それはそれとして特殊な何か特色があるわけです。それからこっちの方の医療制度調査会、今度一年延期していただこうというこっちの方は、今の医療機関全体の体系でありますとか、すべて医療制度全般についての問題を建前として論議してもらおうということでありますから、どうしてもこれは問題の対象の幅も違いますし、それから顔ぶれも同じではどうにもこれはできませんので、この調査会で診療報酬の算定のルールをきめるといいましても、これでは顔ぶれも適しない、こういう状況でありまして、こっちは面が広い、向うは診療報酬の算定方法というだけの問題である、こういうことでありますので、やっぱりこれはどうしても二つ別のものにしてしまって、ことさら要らぬものを作る必要はありませんけれども、そういうわけで別個のものとして考えて参りたい、こういうふうに思っておるわけであります。
#92
○伊藤顕道君 大臣の言われている通りだとすると、分けた方がいいようなことになるのですけれども、これは行政審議会の答申を見ても、本質的に似かよった審議会等については極力一本に統合すべきである、それから繰り返し申し上げるように、池田内閣としても、行政機構の簡素化ということは強調し続けてきているわけですね。そこで、調査会の中にも専門委員もおるだろうと思うのです。で、人手が足りなければ、さらに多少ふやすなりして一本化してやることの方がどうしても成果をあげるのには好都合だと思う。しかも、基本的な方針にも沿うわけですね。そういうできることからやっていかないと、行政機構の簡素化などと言うたところで、なかなか各省庁それぞれ都合のいいことばかりやっておったんでは成果は期しがたいと思うのですがね。なお、お伺いしたいのですが、この一点をお伺いして、時間もございませんし、午後の日程もびっしり組んでおりますので、この程度にとどめ、次回に引き続きお伺いしたいと思います。この点について。
#93
○国務大臣(古井喜實君) お話しのように、やたらにこういうふうな調査会を設けるとか、調査会でなくても、行政機構を設けるというのは私どももよくないと思うのです。で、要らんものはどしどしやめたらいい。ことに乱設をしたり、その上に責任転嫁のような意味で調査会などを設けるというようなことはよくないと私は思う。そういう意味のものはもうやめる方がよいと思うのであります。同時に、どうしても必要だというものは、これは置かなければならん。ここはせつ然考え方を分けて考えなければならぬ。不必要なものを置くのはよくない、要るものは置かなければならん、こういうことでやめるものはどんどんやめてしまいたいと今度も思っております。まあ必要やむを得んものは、これはどうにもいたし方ない。ことに医療費のごときは実にめんどうな問題でありまして、医療費の引き上げのたびごとにあのような混乱を起しておるのではよくないと私は思う。なんとか軌道に乗せなければいかん、そのためにはどうしたらよいかという、まあ方法論からあのようなものを社会保障制度審議会からもアドバイスされたのでありまして、全体論としては、よけいなものはもう作らん方がいい、これには相違ないと思っておりますが、今のような状況でございます。
#94
○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。午後は一時十五分再開することとし、これにて暫時休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
   ―――――――――――
   午後一時四十二分開会
#95
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。
 外務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方は、小坂外務大臣、湯川官房長、北原外務参事官でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#96
○伊藤顕道君 この法案に関連して大臣に二、三お伺いしたいと思いますが、まずお伺いしておきたいのは、行政審議会が答申されておりますが、この趣旨については大臣は尊重されようとしますのか、それとも参考程度に軽く考えておられるか、いずれであるかということをまず最初にお伺いしておきたいと思います。
#97
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの四月十二日付の行政管理庁からの通牒でございますが、その御趣旨にのっとりまして、目下検討しております。
#98
○伊藤顕道君 私が行政審議会の答申と申しました意味は、もちろん今の点もございますが、三十四年の一月二十二日、時の河合審議会会長が山口行管長官に対して、行政機構の問題で答申をなされておるわけです。今の御答弁で、当然行政審議会の答申という面で、同じ立場からおそらく尊重されるという御答弁があろうと思いますが、この点まず確認しておきたいと思います。
#99
○国務大臣(小坂善太郎君) さように心得ております。
#100
○伊藤顕道君 それじゃお伺いしたいのですが、今申し上げた三十四年の一月に時の行政審議会の会長が、行政制度の改革に関する答申をしておるわけです。その一節に、審議会の整理についての面が明記されておるのです。その一節に、閣議決定によって設置せられたものは廃止して、しかし、引き続き審議の必要あるものについては法律の基礎づけをすべきである、こういう趣意の答申がなされておるわけです。
 そこでお伺いしたいのですが、これは三十四年の一月二十二日にこういう答申がなされておるわけです。今外務省としては、こういう答申を尊重をされるという立場がはっきりしたわけです。ところが外務省は、その翌年の三十五年に閣議決定で外交問題懇談会を設置されておるわけです。そういうことになりますと、前年に行政審議会が行政機構の面で答申をしておるその翌年に、この趣旨を尊重するという外務省が、これに違反の閣議決定で外交問題懇談会、こういうものを設けておる。これはまことにおかしいと思うのですがね。どうも了解しがたいと思うのです。こういう点はどういう根拠に基づいてこういうものを作られたのか、この点をはっきりしていただきたいと思います。
#101
○国務大臣(小坂善太郎君) 行政的な委員会というものはできるだけ廃止していくということに対して、私もある時期に、憲法六十五条との関係で行政権が内閣に属する以上、あまりそれにまぎらわしいような委員会を設置することは避けるべきであるということを考えておった時期もございますし、現在もそういう気持でおるわけでございます。ただ、そういう委員会、審議会というものが、そういう行政そのものとまぎらわしいような形でございますような場合には、さような点ございますけれども、また、今御質問の河合審議会の勧告と申しますか、それも承知しておりまするが、その趣旨もさような点に趣旨があろうかと心得ております次第でございます。この外交問題懇談会というものはこれは一種の民間の有識者の懇談会でございまして、たまたま政府がその庶務のお世話をする、こういうことで、今の一般的に言いならわされておる委員会、審議会とは若干異なっておるものと心得ておるのでございます。この懇談会においては、一つの結論を取りまとめてこれを政府に答申するとか、さようなことはもう当初から予定しておらないのでございまして、懇談会そのものもオートノマスに、自主的に運営して参る、そうしていろいろな意見をかわして参るそれだけのことを考えておる次第でございます。従って、そういう点を十分行政管理庁にも説明をいたしまして、行政管理庁はもとより通達を出した方の指導的な母体でございます。そこの了解も十分得まして設置したとかような事情になっておる次第でございます。
#102
○伊藤顕道君 大臣からそういう意味のお言葉がございましたけれども、これは何とおっしゃろうとも、法律に違反していることはもう明確であると思います。詳しく申し上げますと、国家行政組織法の第八条、大臣よく御承知だろうと思うのですね。これに違反しておるということで、これは後ほどまたお伺いしますが、池田総理についても行管の長官についても、このことについては善処するというお約束がなされておるわけです。で、大臣は、法律は尊重されるかと私が伺えば、必ず尊重します、そういうお答えがあろうと思う。従って、あえてそういう質問はいたしませんが、そういう前提に立って、法律は尊重するということであるならば、この行政組織法第八条を尊重せなければいかぬと思う、厳然たる第八条。しかしながら、現実にはこれに違反しておる、先ほどの行政審議会の答申の趣旨をも踏みにじっておる、これは歴然としておるわけです。審議会の答申に反し、しかも、国家行政組織法という厳然たる法律にも違反しておる、これは明確だと思う。だからこそ池田総理も行管の長官も善処を約しておるわけです。ただ同じ内閣の外務大臣だけが今言われたような答弁では、矛盾もはなはだしい、了解できないわけです。この点今一回明らかにしていただきたいと思います。
#103
○国務大臣(小坂善太郎君) この国家行政組織法第八条にいっておりまするところと外交問題懇談会は、私ども矛盾していないと考えております。また、矛盾していないからこそ行政管理庁もこの懇談会の設置に同意したのだと心得ておりますけれども、そういう通牒の趣旨については十分尊重いたしまして、今後これが検討を行ないたいと、かように考えておりますことは先ほど申し上げた通りでございます。
#104
○伊藤顕道君 これは三十四年に、もうすでに審議会の答申なんかを見ても、審議会等の整理について、閣議決定のものについてはこれを廃止すべきである、すみやかに廃止しよう、こういう趣旨のものがあるわけです。こういうことが同じ政府の行政審議会から答申されて、先ほども御指摘申し上げたように、こういうことが明らかになったその翌年に、特に違反の閣議決定でなされておる、これは問題だと思う。これより先に、もうすでにできておった、従って、検討の結果善処するということであれば筋が通るわけです。前年の三十四年の一月二十二日に行政審議会の答申がなされて、閣議決定によるものは廃止すべきである、しかし、その中でも必要があるのもあるから、必要のあるものについては法律の基礎づけを行なう、こういうところまでその措置について具体的に明示しておるわけですね。にもかかわらず、翌年にこの答申の趣旨に反して作っておる。これは最初からあえて法を犯しておるわけです。今の御答弁では納得しがたいのです。重ねてこの点をお伺いしたいと思います。
#105
○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほど申し上げましたように、審議会または協議会は第八条によってできますけれども、諮問的な、調査的なもの以外のものでやるわけでございます。そこで、外交問題懇談会は、申し上げると非常に長くなると思って、先ほどは若干簡略にいたした次第でございまするが、今日の非常に複雑な国際情勢を反映して、国民各界名層の間にに種種の論議が分かれておりますけれども、実際国と国との間に起こりましたる事実というものは一つであるわけでございます。これをいかに解釈すべきかということについて、日本の国民としてはできるだけその解釈というものに正確なデータをもってその解釈をしようということが必要ではないか、それについての解釈は、よく話合うことが必要ではないか、そういうふうなことを考えましてこの外交問題懇談会というものを、文字通り懇談会として設けたのでございます。従って、この懇談会は、全く自主的に運営されるものでございまして、また、問題を取り上げる場合にも、これは懇談会自身が座長を選び、また、その座長がいろいろあっせんいたしまして、特に取り扱う問題をきめて、そうして特定の事項について政府の諮問を受けて答申をしたり、あるいは懇談会としてのまとまった意見や調査の結果を政府に具申したりするというものではないのであります。そこで、懇談会の中において、各界の分野から出てきた委員の個人個人の考え方を知る、こういう意味で設けられたものでございまして、一般に言いならわされる審議会あるいは協議会というものとは、若干特殊な考え方に立っておるものと心得ておるのでございます。従って、行政審議会からの答申が三十四年になされたことはもちろんその通りでございますけれども、その趣旨とも異なるものであるという解釈で、行政管理庁もこれを納得され、現在これが運営されておるわけでございます。しかし、今管理庁の通達の趣旨もございますから、さらによくこの点については検討してみたい、かように思っておる次第であります。
#106
○伊藤顕道君 先ほども申し上げたように、閣議決定の審議会、これは御承知のように、外務省だけではなく、大蔵省、労働省、厚生省、通産省、当委員会で通産省、運輸省の面については同じ角度から大臣にお伺いをしたところ、これは早急に廃止の面で努力する、こういう意味の答弁があったわけです。なお、行管の長官から各省にあてて通達もあったと思うのです。こういう内容の通達があったはずです。国家行政組織法第八条に規定された審議会、協議会にまぎらわしい機関を閣議決定や省令、訓令などで設けないこと、それから次に、すでに各省庁に設けられておるこの種の機関を再検討し、廃止すべきもの、存置すべきものに整理すること、それから存置すべきもののうち、その性格から見て、国家行政組織法の規定により、法律で設置をきめるべきものと認められる機関は、直ちに立法措置を講ずる、こういう意味の三点の内容を持った通達がなされているわけです。これは外務大臣も当然受けておられると思うのですが、こういう同じ政府の、いわゆる行管の長官からこういう通達も出ているわけですね。なお、これは審議の過程において、行管の長官は、一体、いつごろこれを整理するのかということに対して、第三十八国会中には措置したい。御承知のように、今会期は五月二十四日までで、もう幾ばくもないわけですね。今ごろ検討を始めるようなことでは、とうてい善処できないと思うのです。はなはだ遺憾と言わざるを得ないと思うんですよ。この点さらにお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(小坂善太郎君) 私ども外交問題懇談会を作った趣旨について、また、その運営されている実態については先ほどお答えを申し上げた通りでございまして、若干いわゆる審議会、協議会、懇談会等とは性格も運営の実態も異なっている点があると思っているのでございますけれども、先ほど申し上げたように、その通達のこともあり、また、本委員会におけるそうした御質疑の趣旨も承っておりますので、これについて検討をやっている最中であります。しかし、何分にも委員が外部の人でありますから、委員の意見もいろいろ聞いてみなければならんというようなことで、その委員等とも話をぼつぼつしている、意見を聞いて、交換している、こういう状態である次第でございます。
#108
○伊藤顕道君 先ほども申し上げたように、行管長官は今会期中に云々ということを言っておられるわけですね。もう会期幾らもないじゃないですか。その間に措置できるとお考えになっておられますか。この外交問題懇談会が存置の必要があるならば、法律の基礎づけをしなさいと、こういう意味の答申がなされておる。行管長官のこの通達もそういう意味に解釈できるわけですね。だから、存置の必要があるのかないのか、もしなければ廃止するし、存置の必要があるなら法律の基礎づけを行なえばいいわけですね。何でもかんでもそういうものは必要ないからやめてしまえ、そういうことを言っておるわけじゃない。必要がなければ廃止すべし、必要があるなら法律の基礎づけを行なって、国家行政組織法第八条にまぎらわしいそういう点を明確にしよう、こういう趣旨であるから、よくわかると思うのですね。そういう意味から、一体この外交問題懇談会は引き続き存置の必要があるのかないのか、この点をはっきり伺っておきたいと思うのです。
#109
○国務大臣(小坂善太郎君) 外交問題懇談会というのは、全く今申し上げたように、懇談的に行なわれておるし、しかも、民間の自主的な総意で全体の運営がなされておる、こういうものでございます。ですから、これは言ってみれば一つの何と申しますか、各人が外交問題について政府に建言したいこともあるのだと思いますし、いろんなことがあると思いますが、それは一緒にして、一緒の一つの懇談会の中でもっていろいろ話し合ってもらっておる。たまたま政府もそこに陪席しておって、そしてその空気を聞いていく、こういうことで、それに今日の複雑な国際情勢、また、国内のいろんな意見を反映しての意見を聞くということは有益だと考えておりまするので、従来までのところ、なかなか活発に運営されておりまするので、これは私としては存置いたしたいというふうに考えておる次第でございますが、まあ御意見のところは十分わかりますから、なお、そうした方針で行管の方針並びに国会の皆様方のお考えというものの線に沿いまして、十分に検討して参りたいと、こう思っておるのでございますが、行管長官の申しておりまする考え方に私どもも賛同いたしておるのでございますから、その趣旨で計らいたいと思っておる次第でございます。
#110
○千葉信君 議事進行について。今の外交問題懇談会に対する外務大臣の答弁を聞いておると、どうもその事実と食い違っておるところがかなりあります。政府が委員に任命した外交問題懇談会委員が、政府に関係のない全くの民間人の自由な意見を表明する機関であるかのごとき答弁をしておること自体にも問題がありますし、これはこういう論議をするようでは、かつてこの内閣委員会でけじめのついた問題について、もう一度私は初めからやり直さなければならぬ。やり直すときには、私は従来その問題についてかなり明確に答弁をした首相なり行政管理庁の長官らの同席を願って、そこで政府の統一した答弁をいただかないと、同じ問題で同じことを論議する格好になりますので、私はここで外交問題懇談会の中味には触れません。しかし、問題になるところは、外務大臣盛んに行政管理庁長官の通牒云々ということを言われますが、この委員会での従来の私と行政管理庁長官の質疑応答によりますと、一片の行政管理庁長官の通牒では、各省大臣に対して言うことを聞かせる権限のない立場だから、それだけではいかぬ、それだけでは政府の方針としてわれわれが不当だと思っている各種審議会、調査会、懇談会等をこの会期中に整理するということについては信用できない、従って、われわれの要求に基づいて行政管理庁長官の通達が各省に到達したころを見計らって、閣議であらためてこの問題をはっきりけじめをつけるということを行政管理庁の長官はそこで答弁しているのです。私はその問題が閣議にかかったということを聞いております。そして、またもう一つ問題は、総理府に設けられた暴力犯罪防止対策懇談会の問題についても、総務長官から、われわれの意見を十分尊重し、その法律論に聞いて、今月の二十五日に予定された暴力犯罪防止対策懇談会の開催を取りやめているのです。それが付属機関としての立場から、解散されたかどうかは、その点私はまだ確かめておりません。しかし、二十五日の開会を取りやめにしたということは、これは事実です。従って、たとえば外交問題懇談会にしても、あるいは通産省関係の輸出会議にしても、運輸省関係の貿易外輸出会議にしても、これははっきり私のところへ解散することにしましたと連絡してきております。残っている問題に、たとえば厚生省関係でも、農林省でも、まだ問題は残っていますが、しかし、いずれにしても、私は、政府の方針として行政管理庁の通牒が閣議の決定で確認されているということは、これは間違いのないことだ、それを外務大臣の今の答弁聞いておりますと、何か外交問題懇談会については、内容の異なる、行政組織法に違反しない懇談会であるかのような強弁を今日まだされておる。そうなると、私は従来のこの内閣委員会の審議の経過から見て、もう一回この外務省設置法の審議にあたって、外交問題懇談会の問題をはっきりけじめをつけるために総理大臣、それから行政管理庁長官の出席を願って、外務大臣と一緒の席で、私は従来の問題をもう一回ここでやらなければならぬ。そうでなしに、今、伊藤君の言われたような、質問されたような問題で質問し、外務大臣から聞いているような答弁では、全然これでは委員会の審議が進みません。もちろん外務省の方から非公式に私のところへ、外交問題懇談会の存置について外務省が希望しているこのままの存置ということについて連絡はありましたが、私は、その点は間接にきた話ですから、間接に断わっております。また、どうしても外務大臣が今言われたような答弁を繰り返すならば、国家公務員法や、ないしは一般職の給与法に反する謝金と名づける手当を出しているという給与法違反の事実についても、あらためて私はここで追及しなければなりません。従って、同じ問題を何度も蒸し返すことを避けるために、きょうはこれ以上同じ問題で押し問答を繰り返すことをやめて、席を改めて、次回の委員会にでも総理大臣並びに行政管理庁長官の出席を求めて、この問題にはっきりしたけじめをつける必要があると思うのだ。
#111
○国務大臣(小坂善太郎君) 委員長。
#112
○千葉信君 外務大臣、何も答弁する必要はない。議事進行の発言だ、議事進行について外務大臣が言う権限はない。
#113
○小幡治和君 今、千葉委員から議事進行について、外務大臣の懇談会についての答弁と過般の内閣総理大臣の答弁、行管長官の答弁等に食い違いがある、だからあわせて一つもう一ぺん聞いてみなくちゃ困るというようなお話もありましたが、私、内閣総理大臣の答弁というものをお聞きし、また、速記録を、今ここにもありますが、それを拝見しましても、今の外務大臣の答弁と食い違っておる点はないと思います。要するに問題は、単に意見を聞く聞かぬという意味のものでなくて、個人々々の、何といいますか、外交に対しての放談というか、そういうものを、とにかく一応この中へ入って、ただ放談をされておるという意味のものは、行政組織法のいわゆる審議会というふうなものじゃないというふうなんで、千葉委員は、それを審議会と一緒に取り扱わなければならぬということで、要するにこれは意見の相違だと思いますが、内閣全体としての千葉委員との意見の相違なので、私は総理の答え、あるいはあのときに法制局長官の林修三君も来ていろいろ千葉委員に答弁しておりますが、そういう面を見ましても、食い違いがあるから、それをもう一ぺんやらなきゃならぬというふうな意味の議事進行については、その必要がないというふうに私は判断いたします。
#114
○千葉信君 小幡君にお答えしますがね。小幡君、君欠席したりしているから、よくわからないのだ、従来まるきり委員会の審議の経過を。君は今総理大臣がどう言ったこう言ったというようなことを言うけれども、総理大臣は、君の言った通り、それをはっきり外交問題懇談会を廃止しますとか、廃止しなければならないとか、違法な考え方というようなことを総理大臣は肯定しなかった、これは三月の二十三日だ。しかし、そのときの総理大臣は、暴力犯罪防止対策懇談会については廃止をしますということを、その点でははっきり言っている。その他の外交問題懇談会、輸出会議等については、首相はその当時言を左右にしてはっきりした答弁はしておらない。しかし、そのあとで開かれた内閣委員会で、何度も行政管理庁の長官を呼んで、はっきり行政管理庁の長官は、君もおそらくその通牒を持っていると思うけれども、その通牒を出して、この参議院の内閣委員会で問題になった国家行政組織法第八条に抵触するおそれのある各種機関については、この際善処をするという答弁をしている。それでも僕の方でおさまらないで、行政管理庁の長官の答弁ないしは通牒ぐらいでは、同じ権限を持った各庁の長官に言うことを聞かせることについては自信が持てないはずだ。従って、その行政管理庁の通牒については、はっきりこれを閣議で決定しなさい、そう言って追及したところが、行政管理庁長官から、この通牒が各庁に届いたころまでに、通牒が各庁に徹底するのを待って閣議ではっきり方針をきめる、こういう答弁だった。君は大事な点をページが抜けているのだ。おそらく欠席して知らなかったんだ。
#115
○小幡治和君 いや欠席って、これは……。
#116
○千葉信君 これは都合のいい資料だけ持ってきてそういうことを言っている。そんなことはない。
#117
○小幡治和君 いや、速記録をちゃんと読んで、私は答弁というか、意見を言っているので、要するに千葉さんのそれにまぎらわしいものは整理する、要するにまぎらわしいと考えてない、要するに全然そういう行政組織法に基づくもの及びまぎらわしきもの、それと全然違ったいわゆる単なる懇談会、そういうものはこの限りにあらずということで、私は、政府の意見としては統一されておる。また、行管長官もそういう意味においては統一しておる。ただ、今、千葉委員の言う混淆されておるようなものを整理するということについては、行管長官は閣議においても申しておるようですし、それから各省もそのつもりでやっておる。ただ、今ここで問題になっておる外交問題懇談会というのはその範疇に属しないものだ。それを千葉委員は属すると、そういう意見を言っておるに過ぎない。政府並びにわれわれの党としては、そればそういうものの範疇に属しないと解釈しておるわけでして、私は、それは要するにその問題についての検討というものは解決しておるわけだ。ただ、そこにおいて少しの解釈に意見の違いがあるという程度に過ぎないというふうに私は見ておるわけです。ですから、そういうものをやる必要はないというふうに判断します。
#118
○千葉信君 委員長、こんな格好では審議を進められない。理事会を開いてくれ。
#119
○伊藤顕道君 今、千葉委員からお聞きのような趣旨の議事進行の動議が出たわけだ。そこで、委員長の立場で当然これは善処されにゃいかんわけです。私は、その議事進行の動議に対して、お聞きのように、大臣から繰り返し聞いても、先ほど来千葉委員の指摘になっておるように、総理並びに行管長官の答弁と、まさしくまっこうから食い違っておる。これをこのことだけ繰り返しても、およそ意味がないと思う。従って、日をあらためて、やはり総理並びに行管長官を当委員会に呼んで、はっきりとしなければいかんと思うのです。同じ内閣の各機関でこういうふうな食い違いがあるということは、まだ趣旨が徹底していない一つの証左であろうと思う。そういう意味合いで、この件に関する限り、本日は私の立場からも、もう質疑できないわけです。意味がないわけです。やっても意味がない。そこで、これは別途今のような意味で、別な機会で十分徹底するようにお聞きするということで、本日はこの程度にとどめて、他の項について質疑を続けたいと思うのです。これは質問じゃないのです。
#120
○委員長(吉江勝保君) ただいま千葉委員の議事進行についての動議が出ておりまして、小幡君からもそれに対する意見も出まして……。
#121
○小幡治和君 議事進行だ。
#122
○委員長(吉江勝保君) 議事進行の意見が出まして、それに対して、今度は伊藤委員の方から最終的に今意見を出されておるんですが、大体私聞いておりまして、皆同じ問題についての議事進行についての意見だと思うので、最終的に出しておられる伊藤君の意見、この動議によりまして、この問題につきましては、あらためてもう一度理事、委員長で散会後打ち合わせをいたしまして取り扱いを協議してもらう、そうして質疑は、この問題はおきまして、次の問題に進行していく、こういう伊藤委員の議事進行についての意見によりまして進めて参ってよろしゅうございましょうか。
  〔「異議なし」「異議あり」「必要な
  し」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(吉江勝保君) それでは委員長の出しました意見に異議があるということになりましたので、これもきまりませんですね。そうすると、もう一度初めに差し戻します。
#124
○鶴園哲夫君 これは、今理事打ち合わせをしてみたらどうですか。
#125
○千葉信君 おれの動議はそうなんだ、今やりたまえ。
#126
○鶴園哲夫君 だから、理事打ち合わせではっきりすればいいことなんですから、もっとお互いに話してみたらどうなんです。
#127
○千葉信君 この法律の審議が進まないのはあたりまえじゃないか。理事会で扱ってきめる……。
#128
○小幡治和君 今大体理事としての私の意見を申し上げた。しかし、伊藤君はまた理事の資格もある。質問者としてもそうですが、理事の資格のある伊藤理事がああいう意見を申された。私は、理事会を開いても、この問題はどっちかにきめるということはむずかしい。(「何を言っているか」と呼ぶ者あり)この問題は、先ほど私が出たり出なかったりなんというふうなことを、千葉委員、非常にけしからぬことを言っているのですが、私としては、とにかく理事としてこの内閣委員会に来ている以上は、今日までちゃんと聞いているわけだ。それからまた、ほかの委員もみんなの聞いているわけです。私は、ほかの委員も、大体内閣総理大臣の意見あるいは外務大臣の意見に食い違いがあることは認めていないと思うのです。そういう点についてははっきり決定してもらいたいと私は思う。
#129
○伊藤顕道君 私の趣旨はまだ誤解されておる。私の言った意味はこういう意味だ。この委員会で、この問題に関する限りは審議できない、はっきりしておる。この点はもう千葉委員の言う通りのことを言っているわけです。そこで、別途機会を設けて、総理並びに行管長官を呼ばなければ審議できない、そういうことを言っておるわけです。それを、わざわざ理事会を開かんでも、ここで、この委員会で確認されれば、わざわざ理事会を開く必要はない。ここできまらなければ理事会を開く必要がある。そういう意味で、わざわざ理事会を開かんでも、そういう意味で別途やるべきだということがきまれば、何も理事会を開かんでもいいわけですね。それで別途審議する、そういう意味です。
#130
○委員長(吉江勝保君) ちょっと待って下さい、今順番に発言させますから。今、伊藤理事の最初の発言に対して、私がある程度の議事進行の扱いを言うたのですが、それにつきまして、委員長理事打合会を別個にやったらどうかという扱いを言ったのですが、今話し合いによりますと、こちらからも異議が出ておりますし、伊藤理事からも、それについて賛同を得られなかったような発言がありましたので、私の申しましたような扱い方は、一応お預けにいたします。
#131
○小幡治和君 それで、今(「何べん言ったって同じことだ」と呼ぶ者あり)委員長の言われたように、理事会でもって話をするということは意味がないということになったのですから、だから問題は、(「そんなことになるものか、でたらめ言うな」と呼ぶ者あり)問題は、要するに総理大臣や何かと、それから今の外務大臣との意見の食い違いありゃいなやという問題なんで、それは一つみんなに諮って、食い違いがあるかないかはっきり聞いて採決して、そしてやってもらいたいと思う。私は理事会という――とにかく小幡聞いているとか聞いていないとかいうことを言われて、言われた以上は、これは私はそういう意味において、私は遠慮しますから、ほかのもうとにかく聞いている連中にはっきりどうかということを一つ委員長は聞いてもらいたいと思う。そして、私の意見が正しいか、どっちの意見が正しいかということを全部に問うてもらいたい。それを議事進行として私は要求します。
#132
○委員長(吉江勝保君) それじゃ千葉委員。
#133
○千葉信君 妙な理屈をこねているけれども、問題は、その行政管理庁の長官をそこへ呼んで聞けばはっきりすることなんです。それを何も委員諸君に聞いて、どう感じたとか、どう確認しているなんてことを聞く必要がどこにある。政府側で、行政管理庁の長官がはっきり答弁しているその事実と食い違いがあるということを僕は言っている。だから、そこは総理大臣の答弁がどうだとかこうだとか、そんなことを論拠にしてここでごたごたすることはない。行政管理庁の長官を呼べば足りる。はっきりここにも通牒も出ている。だから、ここでこれ以上この問題について外務大臣に聞いてもしょうがないから、行政管理庁の長官を呼んで、時期を見て行政管理庁の長官を呼んで、そして、はたして合致している意見かどうかということを確かめて、それから議事の進行に入りたい。
#134
○委員長(吉江勝保君) もう一度行政管理庁の長官を呼び出すことにつきましてのここで千葉委員の発言されておるのは、皆さんと一緒に確認を一ぺんしておきたいと思います。(「その前に小幡委員の動議があるじゃないか」、「動議はたくさん出ているのだ。一つじゃない」と呼ぶ者あり)動議は出ております。出ておりますが、最終的に今言われていることにここで決定するということじゃありませんが、委員の皆さん方が聞いておられて、いろいろな受け取り方をされておりはせんだろうかと思うので、千葉委員が言われたことをもう一度ここで確認をしまして、それで呼ぶか呼ばんかということはそのあとでまた諮ります。
 で、千葉委員が、伊藤委員の外務大臣に対する質問中に、議事進行として発言をされたのですね。その発言はただいま小坂外務大臣の答弁されておりますその国家行政組織法八条のいわゆる機関であるかないかという点について、小坂外務大臣の答弁されておるその答弁は、本委員会におきまして、先月、総理大臣の答弁されたその答弁、あるいはその後における行管長官の答弁された答弁と食い違っておる。だから、それをはっきりさせなければ、外務大臣の答弁では了承できないという意味で、ここへ呼んでその点をはっきりさせろということだ、こういう意味で動議を出されたものと思います。そうですね。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこで、小幡理事の方からの発言は、その点につきまして政府側の答弁は食い違いがないのだ、行政組織法で言うておる機関と、この外務大臣の答弁されておりまするものとは違うのだ、それは政府側の答弁には食い違いがないのだ、だから、このままでも進行してよろしいのじゃないかと、こういうように言われたように聞いたのですが、そうですね。(「その通り」、「それで実は疑義があるというのだ、欠席して今ごろ……」と呼ぶ者あり)ちょっと待って下さい。今発言中だ、委員長の。でありますから、お聞きの通りに、千葉委員は、そういう点に食い違いがあるから、もう一度行管長官を呼び出してはっきりさせろ、また、一方の小幡委員の方は、それは政府の見解に食い違いはないのだから、その必要はない、こういうように違っておるのです、両方の見解が。そこで私が、もう一度委員長理事の打合会でこの問題を協議したらどうかということも言ったのですが、それに対して両方の理事の方が、まあそれには賛成しかねるというような発言があったので、そこで、これからこの議事進行につきまして皆さんにお諮りをいたしまして、その皆さんのおきめになるところで委員長は取り計らいたいと思いますが、私の出しました扱い方には両者ともにお受け入れにならぬ。そこで、最初に出されました千葉委員の方の意見では、行管長官を呼んできて、そしてここで答弁したならばそれではっきりするのだ、こういうように最初の御主張を繰り返しておっしゃっております。それに対して、まだこういう意見であれば、多分小幡君は、食い違いがないから差しつかえないのだと、またもとへ戻ってしまうんじゃないかと私は思うのです。そこで、この議事進行につきまして、ここで皆さんの御意見で、多数の意見できめまするか、あるいは私が言いましてように、委員長、理事にもう一度お預けをいただきますか、いかがに取り計らったらよろしいですか。
#135
○小幡治和君 僕がさっきから言っているでしょう。要するに私はそう見る、千葉委員はそうじゃない、こういうのだ。ただ僕は何というか、内閣委員になったのがおそかったから速記録を見たと言ったのだが、そんな速記録を見たってだめだというのだ。だから前からなっているところの委員の連中は聞いているわけだから、はっきりそれを聞いたらどうですかと、それを私は動議としてあなたに出しているのだから、よけいなこと言わぬで、そいつをはっきり皆に聞いてみたらどうですか。
#136
○委員長(吉江勝保君) こうなると委員長の持っていき方になるのだが、私はたくさん発言されておりますから、筋道のところだけを今要約してお話ししまして、千葉委員は、またもとに戻って行管の長官を呼び出して話せばわかると、こう言えば、やはりまた小幡理事の方からは、それは政府の見解はそうだから、ここで聞いておった委員の意見を皆聞いた方がいいと、今度こういう意見です。行管長官を呼び出してこれを解決せいというのと、ここに出席をされておった各委員の意見を聞いて、それで決定した方がよいと、こういうように今度分かれてきておるのです。でありますから、これがどういうように取りまとめをしまして議事を進めていくかにつきましての動議といいますか、意見がありますれば、それを御発言……。
#137
○小幡治和君 こっちはその動議出しているのですよ。
#138
○千葉信君 こっちだって動議出しているじゃないか。
#139
○山本伊三郎君 それは、この問題についてはどう聞いたかという受け取り方について、この委員会でそれを数できめるということは、これは今後の委員会運営に大きい問題起こすと思うのです。もし聞いたということは一おそらく議事録を見ているというのは、あなた一部分だと思うのです。長い間の審議の過程、かりにここではおれはこう思うというので、今度行管長官が来て、われわれの考えておるのと違うと言ったらどうなんですか。そんなものを採決するというのは、どう聞いたかというようなことを採決するということは、委員会運営では大きい問題ですよ。従って、そういうものを皆私はこう聞いた、行政管理庁長官が来て、それは違うというような発言をしたときに、実際どうなるのですか。委員会の権威にもかかわりますよ、そういうことは。(「その通り」と呼ぶ者あり)だから、僕はこちらの社会党に属するけれども、この問題の運営について、一応理事だけじゃいかないというなら、また別の方法あるが、一応どう取り扱うかという問題について、やはり理事の間で相談をして、それをやって内容に入ってもいいですよ。この問題どう扱うかという、行管長官を呼ぶのか、あるいはそれ以外に議事録を調べて、そしてこれはこうだったということの結論を出すのか、それは別として、どう扱うということは、理事の世話役としてやるのが当然だと思うのだ。内容の本質に入らなくてもいいのだ。私はそういう扱いにしてもらいたい。
#140
○一松定吉君 今の私は山本君の主張が正しいと思うのです。つまり小幡君のように、個人の意見を聞いて云々というようなことよりも、つまり君の言うことがいいか悪いかということを採決すればいい。だからして君の言う通りの意見を採用して、両者を呼んで意見を聞くか、もう聞かないか、どっちにするか、この採決でいいんじゃないですか。小幡君のように、意見を端から聞くというようなことでは、今言う通り、先生の出した動議について採決するかどうかをきめて、採決せぬときまったら、それはさまってしまうのだから、そういうふうにした方がいいでしょう。そうすれば小幡君の意見も、やはりある意味においては尊重されることになるのです。
#141
○委員長(吉江勝保君) そこで、もう一度私から申しますが、小幡君の意見は、必ずしもここで一人々々の意見を聞けという意味じゃなくて、政府の見解は矛盾がないということを言うておられるのです。これは矛盾があるといわれたのに対して、矛盾がない、だからお前は出席しておらぬからそう聞いておらぬじゃないかというのに対して、それじゃ出席しておる委員に外務大臣の答弁と行管長官並びに総理大臣の答弁に矛盾があるかないかをお聞きになったらいいでしょうというのが小幡理事の発言なんです。一人々々の意見を聞けというのではないのです。政府の見解に矛盾があるかないかということだけを聞けばよい、こういう意見なんです。でございますから、だんだん話がいきますと、一松先生のように、これはもう合わなければ、最後にはもう一度私の言ったように、山本理事が委員長、理事に相談したらどうかという私の扱い方をもう一ぺん発言されたのですが、採決でそういう扱いにしていったらどうかということを順次きめていただきますか。
#142
○山本伊三郎君 これは皆さんでみんな了承済みだと思うのですが、考えてもらいたいと思うのですよ。かりにここで千葉委員の出された動議、いわゆる理事会に諮ってこの取り扱いをやれということというのは、この答弁が食い違っておるというのはわれわれの感じ方なんですよ。それがあなたの方は、小幡理事はそうではないと、こう言うのですよ。しかし、実際問題はどうであるかということは、当の総理なり行管長官がこなければこれは明らかにされないのですよ、委員の聞き方の問題だから。それをここで採決で千葉委員の動議を否決だということになって、かりに行管長官がこられて答弁がわれわれの言うことになったら、この委員会の権威というものはなくなると思うのですね。私のいうのは与党野党の問題じゃないのですよ。その意味において、取り扱いについて委員長理事の打合会でどうしたらいいかということだけを相談して、まとまらなければ、またその方法もあると思うのですよ、採決の方法もあると思うのです。しかし、そんなに僕は時間を急いで将来に残す問題をここでやるということは、僕はちょっと軽率だと思うからそういう案を出しているのです。
#143
○一松定吉君 私の言うのは、今お話の両者を呼んで聞こうじゃないかというような、聞いてそれのどちらが正しいのかということを聞けばきまるのじゃないかという御意見と、いや、そういうことは必要ないのだという意見が二つあるでしょう。小幡君のは、つまりそういうことを言う必要ないのだという意見なんですからして、全く反対の意見です。二つ意見があるわけです。その意見のどっちを採用するか、きまらなければ小幡君の言う通り、それを呼ぶことにはおれは賛成せぬのだという意見があるときに、それを呼んでそういうことを聞く必要はないので、採決してどうするかということがきまったら、それできまるのじゃないか、それがいわゆる議事の進行の方法なんです。
#144
○伊藤顕道君 結局もう今までのをまとめて言うと、小幡委員の方では矛盾はないということを言っておるわけですね。われわれは矛盾があるとはっきり言っておるわけです。また質問の過程において、まさしく食い違っておるわけです。しかし、内容についてはもう言いません、必要ないから。そこで、行管長官を呼ぶことによってそれが明確になるわけですね。必ず明確になるのです。そういうことは委員長としても責任があると思う。当内閣委員会の審議の過程において、あいまいもことしたような審議で進むということは、これは委員長の責任にもなるわけです。従って、これは先ほどから私申し上げておるように、今呼べないならば、別途行管長官を呼んで、私は先ほど総理をもと言うたけれども、行管長官で明確になると思うのです。だから行管長官でもけっこうだと思うのですがね。そうすることによって明確にして次の審議に入るということが、また、そういう運営をするのが委員長の責任でもあると思うし、そのために委員長というものがおられるのですから、そういう意味合いで、ここで理事打ち合わせを開かないでも、そういうふうにきまるならそれでいいけれども、すぐそういう方式をとればいい。しかし、今の内容ではなかなかきめがたい。そこで、どうしてもこの委員会できまらなければ理事打ち合わせをやるより方法がない。
#145
○委員長(吉江勝保君) だから私が最初に言ったときに、それじゃあというので、一応両方から否決されたから、私が一応今度皆さんに諮ったと、こういうことになったのです。
#146
○伊藤顕道君 だから、この委員会できまれば理事打ち合わせをやる必要はない。きまらなかったら理事打ち合わせできめる以外ない。そういうことになったわけです。
#147
○委員長(吉江勝保君) 理事打ち合わせをやりましても、それがきまらぬという意見が出ておったのです。しかし、今発言された中で私はちょっと感じたことですが、政府の答弁の中に矛盾があると言われるのに対して、結論は、政府の答弁の中には矛盾がないのだということを片方では言っておられるのです。そうしますと、内閣委員として連日出席されておる方は、相当黙っておられましても、これは明確にお聞きになって、判断といいますか、お聞き取りになっておるだろうと思います。だから、これはここで聞きますことが、決して私は早急だとは思いません、私自身は。それは委員としてここへ出ておられる方が政府の答弁に食い違いがあったのかなかったのかということぐらいはお聞きになって、しかし、それでももう一度相談した方がよかろうかと思って委員長理事の打ち合わせを提案した次第です。ここで私は、一松委員からは決をとってきめなければいかぬとおっしゃるので、議事を進める上から、委員長理事の打合会をもう一度やりまして、この運営をどうやるかということを一ぺん議題に供しまして、そして、それが皆さんの承諾を受けられれば、委員長理事でその取り扱いを協議していきたいと思います。それが否決になれば、これはまた皆さんに諮ってどういう方法でやるかを御協議いただきたいと思いますが、最初に、きょうのお聞きのような点を委員長理事で協議することにつきまして決をとりたいと思いますが、御異議ございませんですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(吉江勝保君) それではそのようにして進めて参りたいと思います。           一
 それでは委員長理事の打合会は本委員会が終了後でよろしゅうございますか。(「今だ、今だ」と呼ぶ者あり)すぐですか。(「すぐやった方がいいよ」、「どうせ審議に入れない」と呼ぶ者あり)そのやり方につきましての時期の問題ですが、一応それでは本委員会終了後ということに私が最初申しましたから、本委員会の終了後委員長理事の打合会をやることに決をとりますが、もし今すぐという、先にやれという方を……。(「その採決をするのなら、今すぐ委員会を終了しなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#149
○中野文門君 今速記もあるようですが、今委員長がその取り扱いについて委員長の方針を決をとるとおっしゃるけれども、決をとるまでもなく、一応速記をとめるのならとめられて、相談をまとめられて、私の希望としては、この状態のままごく短時間の間、この状態をどういうふうに進行するかということについて、別席で短時間、委員長を含めて、各派の理事との間に至急にこの取り扱い方の御懇談をなさってもらいたいと思う。(「それでいい」「別室でやればいいのだ」と呼ぶ者あり)委員長の職権でそういうふうにして下さい。
#150
○委員長(吉江勝保君) それでは速記をとめて。
   午後二時四十三分速記中止
   ――――・――――
   午後三時五十七分速記開始
#151
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
 先ほどから委員長理事別室で協議していただきまして理事の皆さん方の非常な協力を得まして、最終的にまとまりましたものを御報告いたします。
 本件につきまして、政府側の答弁に食い違いがあるかないかということにつきましては、行政管理庁長官を呼ぶことはやめまして、速記録を調査いたしまして、それは明日午前九時半より委員長理事立ち会いのもとで速記録を調べまして、その速記録によりまして明確にする。その点につきまして外交問題懇談会を中心にして、意見のもし食い違いがある点がございました場合には、閣議で最終的にまとまりましたものを外務大臣から御報告を願う、外務大臣に対しまして質疑をいたしまして答弁をしていただく、こういうようにしてまとめていきたい、大体委員長理事はさようにまとまりましたので、御了承いただきたい。(「了承」と呼ぶ者あり)
 本日は四時まで給与二法案をいたすつもりにいたしておりましたが、大臣が四時に退席を、退席といいますか、別の予約のところへ行かれますので、鶴園委員にも了解を得ましたので、明日の議題の際に質疑をしていただく。本日は続きまして次の審議にいま一件入りたいと思います。
   ―――――――――――
#152
○委員長(吉江勝保君) 次に、労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側出席の方は、有馬職業安定局職業訓練部長であります。
 御質疑のおありの方は御発言願います。
#153
○鶴園哲夫君 職業訓練部を局に昇格なさるというのですが、従来ありました三課、部のときにありました三課ですね。管理、指導、技能検定ですか、この三つの課は局になってもそのままのようですね。それから定員もそのままです。従来六十名おられるわけですが、増加はなくて、そのままつまり部が局になりますけれども、課はそのままだし、人間もそのままだ、要するに部が局というふうになったということですね、中は全く変わらない。これは一体どういう――部を局にするというのは、部が局になっただけの話ではないかというふうに思うわけです。これは今度の設置法の中で、部をふやしたり局を新設するというのがほとんど全部ですね、こういう形になっております。従って、この点については、これは労働省ではなくて、行政管理庁長官に来てもらいまして、はっきり質問いたしたいと思うのですけれども、どうも部というのは局になるだけでは、あと何も変わらんというのじゃ、どういうことで局になるのか、その点を伺いたいと思います。
#154
○説明員(有馬元治君) ただいま先生が御指摘の点は、後ほど大臣がお見えになりまして、またお答えがあると思いますが、私どもとしましては、訓練行政を、非常に産業発展の推進力として訓練事業を大いに伸ばしていかなければならんという観点から、現状におきましても定員もふやしたい、あるいは課もふやしたいという希望は事務当局としては持っておったのでございますが、何せ全部要求を入れていただくというわけにもいきませんので、この際は、差しあたり安定局中部から独立をしまして訓練局として、行政の責任単位に強化をいたしまして、そして訓練行政の推進をはかろう、こういうことでお願いをしているわけでございます。
  〔委員長退席、理事小幡治和君着
  席〕
#155
○鶴園哲夫君 訓練行政の内容も違わないわけですが、仕事が今後ふえていくという点はあろうと思います。しかし、これは直接この新しくできる局がやるのではなくて、やるのはこれは事業団がやることになるのですね。ですから、どうも監督官庁としての仕事の内容はふえないということですし、課もふえない、定員もふえないというなら、そのままやっぱり部として存在させておいた方がいいのじゃないか。なお、職業安定局の中に今部としてあるわけですけれども、安定局の部としておいた方が連絡連係その他からいっていいんじゃないかという感じを受けるのですけれども、積極的な理由ですね、部を局にする積極的な理由を明らかにしていただきたい。
#156
○説明員(有馬元治君) このたび雇用促進事業団法案をお願いしておりますが、その事業団の主たる事業の一つは、御承知のように、職業訓練事業でございます。しかしながら、職業訓練事業とそれから各県が設置運営をしておりまする一般訓練所と、それからさらに民間の各工場、事業場、いわゆる企業内で設置運営をしておりまする訓練所と三通りの種類がございまして、これを総合的に運営管理を指導をしておるのがわれわれの仕事でございます。そのほかに、直接現業的な事務としましては、技能の国家検定制度を持っておりまして、これを府県と一緒になって労働省が直接技能検定をやっておる、こういう状況でございます。また、職安局の局中部に残しておけばいいじゃないかという御質問でございますが、御承知のように、現在の職安局は、失業対策問題、あるいは失業保険、あるいは職業紹介、特に最近のような離職者の就業対策を中心とする全国的な広域職業行政というものを強力に推進するのが主たる任務でございまして、この職安局の中で今申しましたような訓練行政、これは質の点から申しましても、一種の教育行政でございます。そういう質の点から申しましても、また、量の点から申しましても、職安局の中で所管するのは適当でない、この際、今後の産業発展を大きく推進する柱として職業訓練行政を伸ばすためには、局中部から独立をさして局にする必要がある、こういう考え方で局の設置をお願いしておるわけでございます。
#157
○鶴園哲夫君 大臣がお見えになりましたので、若干繰り返すようになりますけれども、今度、部が局になる、しかし、課は従来の通り三課と、それから人員も前の通り六十名というのでありますが、おそらく今各省にある局というのはこんなものはないと思うのです。三課で六十人、多いところは一課で六十人もいますから。さらに、どうも仕事の内容が特に変わってくるというふうに受け取れませんし、部が局になる積極的な理由というのも明らかではないのではないかというふうに質問をいたしておるところです。なお、安定局の中にあるのを別に独立させるという根拠ですね、独立という根拠を明らかにしてもらいたい。それで、合理化によります離職者、炭鉱離職者、あるいは駐留軍関係の離職者、大きな問題だと思います。さらに今後農業関係からも、農業基本法の成立によりましてまず想定されますのは、六十万、七十万という人たちが、相当中年層の方々が出てこられるということになろうと思います。そうしますと、全体として見て、やはり職業安定という立場からの訓練が非常に大きなウエートを占めてくるんじゃないだろうか、今までと変わらない形じゃないだろうか。確かに今部長のお話にありました技術者の養成をしていきたい、技能者の養成をしていきたい、教育面の拡大をしていきたいというお話もありますが、これは社内教育とか、いろいろな点において行なわれておるわけですけれども、重点はやはり今私が申し上げたような、特に今後農業関係からの訓練というものがウエートを占めてくるということになれば、これはやはり職業安定という中に統一されて存在しておった方がいいのじゃないだろうかというふうに感ずるわけです。そこで、結論としまして、局にする理由と、それから独立させる理由と、この二つの積極的な理由を承りたい、こういうことであります。
#158
○国務大臣(石田博英君) 局にする理由と独立させる理由とは、まあほぼ同じ理由でございます。先ほど途中から聞いたのでありますが、訓練部長から御説明を申し上げましたように、第一に、職業安定局にございます仕事の量が、私どもの役所のバランスから見ますと、不均等に多いのであります。たとえば失業対策部、それから失業保険、そのほか、まあ特に失業対策部一つを取り上げましても、これはなかなか仕事の総量として多いのでございまして、一つの局の管掌下に現在職業訓練部まで置くことは少し過剰であるように思われることがおもな理由であります。
 それから、職業訓練をこれからやって参りまする――今までもやって参りましたが、特にこれからの目的の重点は、今お話にございましたように、再就職の機会を付与するための再訓練、従って、その再就職の機会を付与しますというところに置きますると、職業安定行政の当然一環になるわけであります。それはお説の通りでございまするし、今まで職業安定局の中に置いた理由でもあるわけであります。ただ、それと同時に、新規学校卒業者に対する職業の訓練、さらにその職業訓練の態勢を整備いたしまするための指導員の養成、そういうものの事務量というものが非常に多くなって参るのでございまして、職業訓練行政の面はこれから非常に大きくなって参りますだけに、そうでなくても、現在でも職業安定局の負担が非常に他の行政機構に比して多いために、独立させ、局に昇格させるということにいたしたいと思った次第であります。ただ、人数が同じで課が同じじゃ変わらぬじゃないか、こういう御議論も出て参ると思います。これは私どもといたしましては、今から将来の人数だけの問題を議論するのは適当でないと思うのでありますが、同時に、ただいま衆議院の社会労働委員会で御審議願っておりまする雇用促進事業団、ここに実際的な仕事を移しまして、訓練局の方では企画立案というようなところに重点を置いて参りたい、こう考えている次第であります。換言いたしますると、まず職業安定局の現在の仕事の量が非常に多い。職業訓練行政は、もちろん広義の意味におきまして職業安定行政の中に入るのでございますが、それと同時に、職業訓練の教育機構としての整備をこれからやって参らなければならぬということが大きな理由でございます。
#159
○鶴園哲夫君 これは行政管理庁長官に伺わなければならぬわけなのですけれども、大臣の見解を承っておきたいと思います。それは、どうもここ近年、局を作るという雰囲気が非常に強い。ことしも十六局作りたいという要求が行政管理庁にきている。昨年は二十二局を作りたいというふうにきている。昨年はこれは一局もできなかったのです。ところが、ことしは五局ですか、できる形になるわけです。どうもこれは部というものは行政の運営上問題があるのじゃないだろかうという点が一つ。それからもう一つは、局長、次官の年齢がここ数年の間少し延びまして、四、五年前まではたしか四十六、七才で局長、次官というものをやめた。これが少し延びまして、大体五十ごろまでに延びたのです。そうしますと、ポストがないと困るわけです。そこで参事官を作ったり審議官を激増しているわけです。それでも足りないので、どうも局の新設という方向に向いているというふうに、私は解釈している。これはいずれ行管長官に来てもらって、もう少し本格的にはっきりさせたいと思います。一体、部というものは行政を進める上において能率が悪いというふうにお考えになっておられるかどうか。
#160
○国務大臣(石田博英君) 一般的な行政機構についての御議論は、私がお答えする筋じゃないと思うので、差し控えさせていただきたいと思います。ただ、私が所管いたしておりまする役所の仕事から考えますと、たとえば部で申しますと、統計調査部、それから失業対部策、労災補償部、それから今の職業訓練部というのが代表的なものでございます。これは局の中で一課をして管掌せしめるのには仕事の量が多いというものを部にして取り扱っているのでありまして、私は、このこと自体としては行政運営上不適当だとは存じておりません。むしろ、たとえば失業対策事業のごときは、局にするのは、職業安定行政の明確に一環でございますから、不適当である。といって、仕事の量、重大性から、他の課との均衡を考えますと、これも大き過ぎるということでございますので、私どもの行政運用上から適当であると思っている次第であります。ただ、この際特に御理解をいただきたいと思いますことは、御承知の通り、労働省は戦後できた役所でございます。それから、もっと歴史的に考えますと、わが国の戦前の行政機構の中に、今の労働省の所管しておるような現在の仕事というものは、法律的に言えば工場法があっただけでありますし、行政の機構としては社会局の一課あっただけであります。むしろ逆に取り締まり行政の面が、ある面において労働行政と見られた時代が長かったわけでありまして、これが労働者の保護行政をやる役所として誕生いたしましたのは、御承知のように、戦後であります。しかも、それは戦前わずかな行政量であったものを一省に独立したのでありまして、戦前から伝わって参りました慣習といいますか、歴史的経過というものを完全に脱却し得ないまま、私は不当に小さな機構として出発したものだと思っておる次第であります。それが政治の上におきましても、行政の上におきましても、あるいは経済の上におきましても、大きな重量をもってきておるのでありまして、他の官庁の場合と私はおのずから違った行政組織上の御判断をお願い申し上げたい、こう思っておる次第でございます。
#161
○鶴園哲夫君 新しく五局できるんですが、どうも労働省の場合におきましても部が局になった、人間は変わらない、顔は同じだ、部長よりもちょっとでっかい目がぎょろぎょろぎょろつく、どうも政府みずから労働強化の方向へもっていかれるのじゃなかろうかという懸念をするわけですが、これも行管の問題ですけれども、すべて大体そういうふうになっておりますね。外務省の場合でも、私が聞いた場合そうですね、そういうお考えがあるのかどうか。政府みずからが労働強化を意図しておられるのかどうか。
#162
○国務大臣(石田博英君) 私どもの方といたしましてはそういう考えではございません。ただ、現在は職業訓練部は、縦の関係で職業安定局長の区処を受けるわけであります。これの横の連絡はもとより必要であることは申すまでもございませんが、縦の関係においては、やはり私どもに直結する組織といたしたいということであります。仕事の量は著しく現在増大しつつあるわけでありますが、その増大しつつある実質的のいわゆる第一線の仕事は、雇用促進事業団でやるわけでありまして、そちらの方で第一線の仕事を所管し、そちらの方で人員を総体に、実質的に見られるわけでありますから、いわゆる労働強化ということは意図いたしておりません。ただ行政組織、それから命令区処の関係、それを整備いたしたい、こう考えておる次第であります。
#163
○鶴園哲夫君 次に、三十四年の初めに、前の福田農林大臣、それと前の松野労働大臣との間で話し合いがあって、そうして農村子弟の職業訓練所というのが全国で十四カ所三十五年から作られた。この予算が約一億こす予算でありまして、この十四カ所の訓練所というものは、さらに三十六年度の予算では十六カ所また新設する、計三十カ所というものができるわけですが、三十五年に十四カ所一億九百万、補正しまして一億四千万になっていますが、その予算で始められましたこの農村子弟の職業訓練所の実情、全部動いていることになっているのか、どの程度進捗しているのか。施設、建物、こういう点大臣でまずければ部長でよろしゅうございますが、動いてないように私は聞いているものですからお尋ねするわけです。
#164
○国務大臣(石田博英君) 具体的な御説明は部長がいたしますが、私どもは着々計画通り進行いたしていると理解をいたしております。
#165
○説明員(有馬元治君) 昨年の予算でお認め願いました十四カ所は、これは全部予定通り工事を開始いたしまして、その約半数近くが昨年の十月から開所をいたしております。それから、残りは昨年一カ年で全部施設を完了いたしまして、この四月から新規に開所をいたしております。
#166
○鶴園哲夫君 私の質問はきょうはこれで終わります。
#167
○村山道雄君 私からお尋ねいたしたいと存じます点は、今回職業訓練部を訓練局にされますことにつきましても、大臣の御説明にもございましたが、国民所得倍増計画の構想によるところの職業訓練の拡充強化という点が非常に大きなねらいであると考えるわけでございます。そこで、国民所得倍増計画で、昭和四十五年度までにどれだけの労働力が増加をし、また、その中で職業訓練を要する技能労働者の数がどういうふうになって参り、また、そのためにどれだけの人間を職業訓練する計画がお立ちになっているか、その段階におけるところの技能労務者の過不足等について御説明をいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(石田博英君) 詳細な数字は事務当局から申し上げますが、長期職業訓練計画といたしましては、昭和三十四年から四十五年までの間に、技能労働者数の増加数を四百十七万と見込んでおります。そのうち、職業訓練による充足数は、新規の養成訓練で百五十五万、それから再訓練で百八十一万、合計三百三十六万と見込んでいるわけであります。なお、私どもの方だけの調査ではございませんけれども、この十年間に新規学校卒業者の見込みを申し上げますと、いわゆる中等技術者、高等学校卒業程度の者におきましても、それから高級と申しますか、大学卒業生の技能者におきましても、十年後には著しい不足を生ずる見込みでありまして、これらの充足は、文部省の方でも積極的に御協力を願うように、かねて私どもの方から申し入れているところでございます。詳細の数字等は訓練部長からお答え申し上げます。
#169
○説明員(有馬元治君) ただいま大臣が御説明になりました数字のいわゆる詳細を申し上げますと、私どもの訓練は、御承知のように、生産現場の技能者を養成していくという建前で、文部省の学校における技術教育とは人材養成の目的を異にしておるわけでございますが、文部省、企画庁、われわれと一緒になって今後の十カ年の経済の発展に即応する人材養成計画を検討いたしましたのですが、その数字によりますと、大体製造業、建設業、それから運輸、通信公益事業、この三つの大きな産業を対象にいたしまして、今後十カ年間に技術者でないいわゆる労務者の層がどの程度伸びるか、こういう推定を経済審議会を中心にしてしたわけでございます。その結果によりますと、三十四年度現在が、これらの三大産業に従事している労務者は八百四十三万人と推定されておりますが、これが千三百二万人に増大する。で、この八百四十三万から千三百二万人に増大しまして、純増がその問に四百五十九万ございます。これだけの労務者の中に技能者が多数占めていくというふうな労務構成をはかることが職業訓練の目的でございますが、これを一気に職業訓練を施した者だけで純増分をまかなうということもできませんので、従来の実績から推定いたしまして、この交代補充分その他を計算いたしまして、今後十カ年にどれくらいの技能労働者が要るかという推定をいたしましたのが、先ほど大臣からお話がございました四百十七万人という数字でございます。この四百十七万人を全部訓練を施して産業界に送り込むべきでございますが、これもなかなか一気にこれだけの数字をこなすということは不可能でございますので、従来の実績をさらに伸ばしていくという考え方で、熟練工と半熟練工に分けまして、この四百十七万人のうちで、どの程度訓練を施して産業界に送り出すべきか、こういう算定をいたしました数字が先ほど申し上げました百五十五万という数字でございます。現状の訓練規模を十年間に引き延ばしますと、約八十五万程度の供給がなされるわけでございますが、今申しました百五十五万を十カ年間に供給するということになりますと、その差額でございます約七十万、六十九万九千人というのを規模の拡大でもって充足しなければならない、これが十カ年の新規養成計画の概要でございます。この六十九万九千人と申しますのは、学校教育において、大学の理工系で七万人、工業高等学校で四十四万人の増加をはかるという数字に匹敵するのでございます。これだけの規模でもって十カ年の長期計画を年次別、職種別に立てて推進していこうと思っているわけでございます。
#170
○村山道雄君 だんだんと技能工がふえてくることになると思うのでありまするが、現在及び国民所得倍増計画完成年次における第二次産業の雇用者に対する技能工の割合いというものは、現在どういうふうになっており、将来どういうふうにふえて参りましょうか。また、それが諸外国と比べてみてその比率というものはどういうふうになっているのでございましょうか、もしおわかりでしたらお示し願いたいと思います。
#171
○説明員(有馬元治君) この第二次産業における雇用者全体に占める技能者の比率というのは、なかなか技能者の定義が各国まちまちになっておりますので、厳格な国際比較はいたしにくいのでございますが、現在ありますILOその他の資料から推定いたしますと、アメリカが六二%、フランスが六一・二%、カナダが五四・五%、イギリスが五八・一%、これに対しまして日本は三九・五%というふうに、非常に低いわけでございます。わが国の場合は、技能工の定義を経験三年以上、もしくは一年以上の訓練期間訓練をした者を含めまして技能工、こういう定義を下しておるわけでございますが、これで全雇用者数に占める率をはじきますと、今申しましたように三九・五%、これは諸外国の構成比率から見まして、非常に低いわけでございます。これを十カ年間の今の長期計画で、純増七十万の規模で百五十五万人訓練をいたし、さらに経験だけで参っておる者に対して、百八十三万人ちょっと再訓練を施すことによりまして、この比率がわれわれの推定では約四五%まで引き上げられる、こういう推定をいたしております。かりに十カ年間にこの構成比率が四五%まで引き上げられたといたしましても、ヨーロッパ、アメリカ等の先進国と比較するならば、さらに一〇%ないし一五%の格差がある。この辺がわが国の産業を今後発展成長させるために考えなければならない非常に大きな問題ではないか、かように思います。この十カ年間に先ほど申しました長期計画を遂行いたしたといたしましても、欧州先進国の構成比率からすると、まだ低い、こういう状況でございます。
#172
○村山道雄君 もう一つ別なことを伺いますが、いろいろとインドネシアとかフィリピンとかインドその他の地域の人たちを職業訓練のために受け入れられておられるようでありますが、これはどういう根拠に基づいて、また、どういう規模で、どういう計画でおやりになっておりますか、その点をお伺いしたい。
#173
○国務大臣(石田博英君) ICAあるいは中南米技術協力計画、中近東技術協力計画、あるいはインドネシア賠償、またコロンボ計画によります訓練ゼミナーの実施というようなことによって行なっておるのでありまして、ただいま五十三名、今までの実績は五十三人であります。それから三十六年度におきましては、コロンボ計画による訓練ゼミナーの実施は、監督者訓練、それから指導者のゼミナー、それから訓練指導ぜミナーそれぞれ十名程度であります。そのほか、ICAその他の計画に基づきますものが三十六名、これが三十六年度の計画でありまして、先般の開所式を行ないました中央職業訓練所において訓練を実施いたす計画でございます。
#174
○村山道雄君 言葉のわからない人たちを訓練されるので、いろいろ困難もあると思いますが、その訓練をされました結果、相当の効果が上がったというふうにお考えになっておりますかどうですか、その点を伺いたい。
#175
○国務大臣(石田博英君) 非常に評判がいいと思っておるわけでありますが、実は、その具体的な例といたしまして、先般フィリピンの労働大臣が私のところにお見えになりまして、ILOの計画で、後進国に対して技術者の技術指導員を派遣しておるわけでありますが、フィリピンにも西欧人が多く来るのだそうであります。私どもの方でやりました訓練の実績その他からかんがみて、一つこれからそういう指導員を日本からよこしてもらいたいということを強く私どもの方にも要望し、同時に、一緒になってILO当局に対してもそういう要望をいたしたいという旨の希望がございました。これはほんの一例でございます。言語は、英語をもって教育をいたしております。
#176
○理事(小幡治和君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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