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1960/05/19 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第28号
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1960/05/19 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第28号

#1
第038回国会 内閣委員会 第28号
昭和三十六年五月十九日(金曜日)
   午後一時三十九分開会
   ――――――――――
   委員長     吉江 勝保君
   理 事
           小幡 治和君
           村山 道雄君
           伊藤 顕道君
           山本伊三郎君
   委 員
           石原幹市郎君
           上原 正吉君
           大谷藤之助君
           木村篤太郎君
           塩見 俊二君
           下村  定君
           中野 文門君
           鶴園 哲夫君
           横川 正市君
           吉田 法晴君
           田畑 金光君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   国 務 大 臣 小澤佐重喜君
   国 務 大 臣 西村 直己君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   法制局第一部長 山内 一夫君
   行政管理庁行政
   管理局長    山口  酉君
   防衛庁長官官房
   長       加藤 陽三君
   防衛庁教育局長 小幡 久男君
   防衛庁人事局長 小野  裕君
   防衛庁経理局長 木村 秀弘君
   防衛庁装備局長 塚本 敏夫君
   調達庁長官   丸山  佶君
   調達庁総務部長 大石 孝章君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
    ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家行政組織法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
   ――――――――――
#2
○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。
 国家行政組織法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 政府側出席の方は、小澤行政管理庁長官、山口行政管理局長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#3
○鶴園哲夫君 国家行政組織法等の一部を改正する法律案につきまして、大きな問題が三つあると思っております。それらはいずれも密接に相互関係がありますけれども、その一つは国家行政組織法を改正をいたしまして、すなわち、定員に関するところを改正して、そして従来ありました定員法を廃止して、各省の設置法の中に定員を入れる規制をする、さらに現業については政令で規制する、この点につきまして、従来の定員規制と利害得失、この問題が一つ大きな問題としてあると思っております。で、もう一つは、この提案の趣旨の前提に立ちまして、各行政機関に共通する種々の問題があると思っております。
 もう一つは、今の提案の定員規制に基づいて各行政機関に適用されようとしていらっしゃるわけですが、その中で重要な問題があるところがあると思っております。それは五現業の中では林野庁、これは五現業の中でも、特に違った種々の問題がありまして、実際適用する場合に大きな問題があると思っております。それから非現業の場合におきましては農林省、さらに非現業の場合におきまして公共事業関係、その代表といたしまして建設省、これに大きな問題があろうと思っております。それからもう一つは、文部省の国立大学、さらに付属病院、ここに大きな問題があるように思っております。この国立大学並びに付属病院関係につきましては、どうも常勤、非常勤の把握がはるかにおくれているように思います。その意味で大きな問題があるように思います。
 以上申し上げました三つの問題があるわけでありますが、きょうはその第二番目の各行政機関に共通の問題といたしまして、若干の点をお伺いをいたしたい、こういうふうに思っております。
 で、まずお伺いいたしまするのは、第十九条を改正されるわけでありますが、この中に「恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員の定員は、法律でこれを定める。」とありますが、この中で「恒常的に置く必要がある職」、この「職」という問題について伺いたいと思います。この「職」は職種ではないだろうというふうに思っております。さらに、また、局長、課長、係長という管理職みたいなものでもないだろうと思っております。この法案の中から読みとれますのは、行政機関の組織を構成している単位、ユニットといいますか、そういうものではないかと思うのでありますけれども、念のために、「職」とは一体何かという点を伺っておきたいと思います。
#4
○政府委員(山口酉君) 十九条で規定いたしております「職」は、ただいま鶴園委員がおっしゃいましたように、個々の行政機関の中においてその組織を構成しております単位、その単位は、まあ一人の人が占めるということになっている単位を言うものでございまして、職種ではございません。さらに、課長とか係長とか、そういう管理職のようなものだけをさしているものではございません。
#5
○鶴園哲夫君 行政機関を構成をしておる構成基礎単位――ユニット、それは突き詰めて言えば個々の職員、こういうことだと思いますが、これで間違いないかどうか、確かめておきたいと思います。
#6
○政府委員(山口酉君) 職はポストでございますので、職員と別の言葉を使っておりますが、それに一人の人を当然充てるべきでございますから、それを充てた結果、その数を数えれば、職員の数とそのユニットの数は同じになるというのが自然でございます。
#7
○鶴園哲夫君 そこで、念のためにもう一つ伺っておきますが、二十二条の二項に、各行政機関の各内部部局の定員は、各行政機関の定員の範囲内で、総理府令、省令できめると、こうなっております。そこで、今、局長の御答弁の中にありましたように、「職」の定義ははっきりいたしているわけでありますので、この省令や総理府令で職種とかあるいは局長とか課長とかいうようなものを規定するものではないというふうに思っておりますが、その点を確かめておきたいと思います。
#8
○政府委員(山口酉君) 御意見の通りでございます。
#9
○鶴園哲夫君 次に、「恒常的に置く必要がある」という、この「必要がある」というふうにありますからして、必要がない職もあるのだろうと思います。これは論議いたしましても、抽象的な論議ではなかなか解決がつきにくいと思いますから、具体的に伺って参りたいと思いますが、これはまあ「職」の定義は明らかになったわけでありますが、すなわち、ユニットとか職員とかいう問題でありますからして、また、さらに具体的に言うならば、職員というふうに理解してもいいし、自然人というふうに理解してもいいというふうに思いますので、従って、職種によって必要があるとかないとかいう問題じゃないだろう、もっと正確に言いますと、職種によって差別をして、これは恒常的に置く必要がある、あるいはこれは恒常的に置く必要がないということではないだろうと思うのでありますけれども、その点を伺いたい。
#10
○政府委員(山口酉君) これも御意見の通りで、職種によってきめるものではございません。
#11
○鶴園哲夫君 そこで、これに関連いたしまして三つくらい伺いたいわけでありますが、ある省といいますか、有力な省といいますかでは、定員内に入っている相当数の職種が、ほかの省におきましては定員内に入っていない、すなわち、今度の措置によりまして除外されているという実情があるわけであります。これにつきまして衆議院の内閣委員会で、局長御答弁によりますというと、この不均衡は是正をしたいという答弁が行なわれたわけでありますが、是正をするという意味でありますけれども、これは有力な省、あるいは、ある省が恒常的に置く必要があると認めて置いておるものだと思うのです。従って、そっちの方向へ均衡をとって是正をするという意味だろうと思っておりますが、その辺のところを、不均衡を是正するという内容について、もう少し明らかにさせておいていただきたいと思います。
#12
○政府委員(山口酉君) これは各省庁を通じまして、考え方は当然同一でなければなりません。たまたま従来の取り扱いが、今度の制度の改正によりまして解釈した場合に、はたして妥当であったかどうかという問題がございまするので、そういう点は再検討してみるべきであることは当然でございますが、その結果といたしまして、各省を通じまして、ある省に特に有利、ある省に特に不利ということがないようにしたい、そこで均衡をはかっていきたいということを申し上げたわけでございますが、各省の実態で従来定員のきめられましたものをどういう職に充てるかということについて、実は率直に申し上げまして、従来は各省の自由になっておったわけです。従って、その運営が必ずしも適当でないのが一部には考えられるわけでございます。ですから、すべて今まで扱っておりますものに完全に右へならえをすることができるかどうかということは明言いたしかねるわけでございますが、今度の法律改正によりましては、できるだけ従来定員内と同じような勤務状態にあるものについては、定員内に繰り入れしようという考えが基礎になっておりますので、大体各省で従来認められておりますようなものは、現在入っておりません省庁のものにつきましては、なるべく従来の取り扱いで入っておりますものにさや寄せをするような考え方でいきたいと思っております。ただ明確に、非常に厳格な意味で、全部今まで入っているものは一人も間違いがないという前提に立って申し上げることは、実は実態調査も完全にいたしておりませんので、いささか無理と思いますが、できるだけ従来の定員内に扱われておりましたものがどういう事情であるかということをよく調査いたしまして、おそらく非常に無理な入れ方をしておるということも少なかろうと思いますので、それが是認される限りにおきましては、ほかの省におきましても同様の取り扱いをするようにいたしたいと存じております。
#13
○鶴園哲夫君 是正をするという衆議院の内閣委員会の御答弁の内容は、相当明らかになったように思うのでありますけれども、これは一体置く必要がある職なのかという点については、非常にきびしい規制の中で、各省庁がそれぞれ責任を持って、恒常的に置く必要があるという判断をいたしまして置いているというふうに思います。しかも、それらについての従来の行政官庁の立場というものがあるわけでありますければも、今のお話のように、そこまでは及んでいなかったということであります。従いまして、これは必要がある、ないという基準、これはおそらく行政管理庁として、今直ちに明確な方針があるというふうには思えない。従いまして、やはり各行政機関がそれぞれの責任を持って長い間の行政の運営の中で、また、経験の中で、また、きびしい規制の中で置く必要があると認めておるわけでありますからして、従って、先ほど局長の御答弁がありましたが、ある有力な省においては入っている相当数の職種がある、ほかの省では除外されている、定員内に入らないということのないように、均衡をはかっていただきたい、こういうように思っております。答弁若干無理な点もあろうと思いますけれども、その点をもう一ぺん御回答いただきたいと思います。
#14
○政府委員(山口酉君) そのような考え方で、できるだけ各省の均衡をはかっていきたいと思います。
#15
○鶴園哲夫君 今のやつは一つの省を例にとって申し上げたわけでありますけれども、全体の問題といたしまして、今度の御処置によりまして、現実に定員内に入ったものと定員外に残ったものと、こういうように分かれておるわけであります。それが残ったものが職種によって区別されたという印象を非常に強く受けているようであります。先ほど職種によって区別しないという御回答はあったわけでありますけれども、実情におきましては、職種によって区別されたという印象を非常に強く受けておるのであります。従いまして、この問題につきまして若干伺いたいわけであります。これはもう申し上げるまでもなく、各行政機関に大部分は共通な職種といいますか、であります。ですが、各行政機関にそれぞれ特殊な職種もあるわけであります。また、同じ行政機関にありましても、各局によりましてその特殊性が末端にいくほど出てくる、こういう実情にあることは、これはもう申し上げるまでもないことだと思います。で、それらの職種は共通な職種にいたしましても、数が少ない、大きな数字じゃございません。また、個々の行政機関にとりましても、その数は目立つほど大きなものでもない。しかも、それはいずれも行政機関の地方部局におるというのが多いわけであります。従いまして、数が少ないというようなことから、何か除かれたという印象を強く受けるということは、これは先ほど局長の御答弁の趣旨のなかからいいましても、妥当性を欠くのではないかというふうに思っておるわけであります。それらの職種は特種な職種である場合もありますし、共通な職種の場合もございますが、いずれにしても、員数がそれほど多くはない。ですが、各行政機関とも、それぞれ恒常的に置く必要があるという意図で置いておると考えて何ら差しつかえないのじゃないかと思うのであります。その意味で、これらのものは数が少ないとか、特殊なものであるとかいうことで除外をされる、あるいはされたというふうに受け取るわけですが、この点について若干伺いたいわけであります。で、看護婦、医者、保健婦、自動車運転手、交換手、小使、給仕、ボイラー手、製本、電工あるいは製図手、計測手、聞きなれない言葉もありますが、これはそれぞれの行政機関においては、長年にわたって必要な恒常的な職として置いておるものと思っておりますけれども、これらのものが除外されたという印象を受け取るわけですけれども、その点についての御答弁を伺いたいと思います。
#16
○政府委員(山口酉君) 今回定員に繰り入れいたします作業をいたしますにつきまして、一部実態調査がございませんために残してある部分がございます。これは本年度、ただいま御審議いただいております法律が成立いたしました後におきまして、各省で繰り入れの作業が行なわれますので、その後に残りましたものについて実態調査をいたしまして、そして、あらためてできるだけ早い機会に繰り入れの処置をとりたいと、かように考えておりますが、この前の作業で残りましたものが御指摘のようにございます、その中には、職種によって残したのではなかろうかというような意見をまま聞いておりますが、また、そういうことを言われてもやむを得ないような状況になっておるものがございます。たまたまそういうふうなものについての疑義がありましたので、比較的残されているものが多いというような点が現実の問題としてございます。しかし、たとえば看護婦にいたしましても、国立病院の看護婦等は当然必要なもので、定員内に数えなければなりませんし、現在現実にそういうものを入れております。ただいま御指摘にありましたいろいろな職種について、それぞれ入っておるものもあるわけですが、一般的に見ますと、これははずしたのではなかろうかと思われるような状況になっているものがございます。私どももそういう声を聞いておりますが、それは申し上げましたように、職種で入れる入れないというものをきめるのではございませず、最初に申し上げました通り、それぞれの行政機関のその機関におけるその職の状況を検討した結果決定するものでございますので、今後そういう職種についても、さらに残ったもの全体の中で検討いたしまして、必要のあるものについては繰り入れの措置をとることにいたしております。
#17
○鶴園哲夫君 この点は非常に関心の深いところでございますので、恐縮でございますけれども、もう一ぺん確かめておきたいのでありますが、今御答弁のありましたように、職種によって差別し区別したのではない。ただ問題は、その実態の把握が確信を持つまでに至らない、あるいは確信を持つには不十分であるというところから、行政管理庁として調査を行なって処理したい。重ねて申し上げますが、職種によって区別したのではないという点は答弁でも明らかでありますが、もう一ぺん確かめておきたい。
#18
○政府委員(山口酉君) これは職種によって区別したのではございません。従って、この中から相当のものが繰り入れをされることになることが予想されております。
#19
○鶴園哲夫君 これは衆議院の内閣委員会、四月二十日木曜日でありますが、行政管理庁長官が御答弁になっておられる内容であります。その御答弁の内容は従来定員法があって、恒常的に必要な職、つまり職員が定員に入らなかった、今回は恒常的に勤務する者はすべて定員に入れるというのが法案提出の趣旨であり、理由であるというふうに述べておられるわけであります。なお、また同じ日でありますが、別なところでは、繰り入れにあたっては、いやしくも恒常的に勤務していると認定すれば、その数を問わず、繰り入れるつもりである、こういう御発言をなさっておりますが、これは発言なさっておるわけですから、どうこうというわけじゃないのですけれども、こういうつもりかどうか、もう一ぺん伺っておきたいと思います。
#20
○国務大臣(小澤佐重喜君) 衆議院で答弁した事項に変わりはございません。すなわち、恒常的必要のあるものでありますれば、数に関係なくこれを繰り入れるつもりであります。
#21
○鶴園哲夫君 結論的に、一つ今の問題についてまとめてお伺いを申し上げたいと思いますが、必要な職というのは、これは職種ではないということは明らかでありますし、また、今回除外されたものは、職種によって差別し、区別したものではない、ただ、恒常的に置く必要があるかどうかということについての十分なる資料、判断の材料、こういうものが不足しているので、今後行政管理庁としては調査をして処理をしていきたい、こういうお話であります。
 そこで、もう少し入りまして伺いたいのでありますが、先ほど来申し上げておりますように、現在省かれました常勤職員、常勤的非常勤職員、いずれもそれぞれの行政機関が、長い間の経験と行政遂行の上から、きびしい規制の中で、恒常的に置く必要があるという判断のもとに置いておる。従って、勤務しておる者も、恒常的に勤務しておるし、これからも勤務するのだということで、継続して勤務しておるわけであります。そういたしますと、私は、行政管理庁が調査をなさって認定をなさるとおっしゃいますが、この認定については、先ほど申し上げましたように、明確な基準というものはなかなかこれは出しにくい。それぞれの行政機関の実情という点がありますし、長い問の運営上の問題がありますし、また、一つの行政機関をとりましても、各局におけるそれぞれの運営というものがあるわけであります。従って、私は、除外された常勤職員、常勤的非常勤職員、いずれもすべて大臣の御答弁にもありましたように、すべて数にとらわれずに入るものと確信いたしますが、そこら辺の点について長官の御答弁をお願いしたいと思います。
#22
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは各省に十分協議いたしましてこれを決定したいと思いますが、要は、行政管理庁として認定する趣旨については先ほど申し上げた通りでありますから、その具体化については、各省とよく御相談して進めたいと思います。
#23
○鶴園哲夫君 各省庁とよく御相談なさるというのでありますが、各省庁は、それぞれ恒常的に置く必要があるという確信を持って置いているというふうに思います。もちろん日々雇いのほんとうに臨時的な者もおりますけれども、少くとも、今常勤職員といわれ、あるいは常勤的非常勤職員といわれる人は、これはそういうものではない。その意味では、おそらく今の長官のお話等々から判断をいたしまして、数字にとらわれずに、すべて入るものだというふうに思うのでありますが、若干技術的な問題も入っておりますので、局長に一つ御答弁をいただきたいと思います。
#24
○政府委員(山口酉君) ただいま長官から申し上げましたように、各省の意見を十分に聞きまして、それを基本にいたさなければなりません。御意見のありましたように、これは非常に精密な基準というのは作りにくい性格のものでございますので、個々に当たって判定しなければならないということになります。その場合に、各省の実情というものは十分に聴取いたさなければならないと存じます。ただ、行政管理庁といたしましては、各省を横に公平に取り扱う必要がございますので、その面で各省の考え方の統一をはかる必要がございます。従って、各省の申し出をその基準にするとは申し上げられませんが、各省の意見は、運営上そのポストの要否を第一次的に判定するものになりますので、それを基礎にいたしまして、ただいま長官から申し上げましたような趣旨で、この際にできるだけ恒常的のポストで常勤職員をもって充てるべきものを、従来のごとく、定員外として特別の扱いをするというのは不適当でございますので、一挙に解決いたしたいと、かように考えております。
#25
○鶴園哲夫君 今の局長の御答弁の中に、各行政機関の統一調整というような内容があったのでございますが、これは先ほど以来申し上げておりますように、残ったものにつきましては、それぞれ行政機関として特殊なものが残っておる場合が多いわけであります。各行政機関に共通なものは非常に少なくなっておるのでして、それぞれ特殊な内容になっております。それだけに、なかなか行政管理庁としての実態把握が十分できないという点もあったろうと思います。各行政機関の官房長にいたしましても秘書課長にいたしましてもそうだと思います。従って、この点は統一というようなこともございますが、なかなかそういうふうにはいきがたいんじゃないか、ですから、私が先ほど申し上げたような考え方で具体的に処理しなければならぬのじゃないだろうかというふうに思います。
 もう一点は、できるだけ定員外という形に置いておくということはしない、この「できるだけ」というのが気になるわけであります。これはもう本人にとってみれば必死の問題でありまして、給与の問題それ以上の問題であるわけです。恒常的に置く必要があるというものであれば、これは長官の御答弁の中にありましたように、数にとらわれず、すべてそういう措置をするんだという御答弁があっていいんじゃないだろうか、こう思うんです。
#26
○政府委員(山口酉君) 各省の統一調整をはかる必要があると申し上げましたのは、職種的に統一というような意味ではございません。ただ、考え方といたしまして、やはりその省その省におけるそのポストの特殊性はもちろんございますから、横に比べて同じだというものはないと思います。あってもまれだと思いますが、しかし、そういうふうな個々具体的なものではなしに、考え方の基礎を非常に厳格に扱うところと、ゆるやかに扱うところというものがあるだろうと思います。そういうふうなことが生ずることを懸念いたしまして申し上げておるわけでございますから、お話のように、十分各省の意見を尊重いたしまして、長官がおっしゃられましたように、私ができるだけと申しましたけれども、これは正確にいいますと長官のおっしゃいました通りでございます。必要であるというものは全部ということでございます。
#27
○鶴園哲夫君 非常にくどくなりまして恐縮なんですけれども、この問題は今種々御質問申し上げまして、御答弁もありまして、その中から言えますことはこういうことじゃないだろうかと思いますので、それを申し上げまして、局長の一つ御答弁をいただきたいと思います。
 各行政機関それぞれ恒常的に置く必要があるというふうに認めて置いておるわけでございます。その限りにおきましては、私は、行政管理庁としても、各省庁の意見を十分尊重するということでありますので、これは各省庁の認定といいますか、従来の認定、従来の判断というものはお認めになっていかれると思います。また、実際勤務しているものも、恒常的なものとして確信を持っておるわけであります。その意味で御調査になってみれば、数にとらわれず、すべて入るというふうに思うのでありますけれども、そこら辺についてもう一ぺん御答弁をわずらわしたいと思います。
#28
○政府委員(山口酉君) 各行政機関がそれぞれ必要があると従来正式に認めておりましたのは、これは常勤職員でございますが、定員内で常勤職員を、常勤職員給与で置いております。これは全体の数が従来二万五千余りでございましたが、今回四万七千入れております。そのほかにも、さらに非常勤取り扱いのものを含めて入れてあるわけです。で、数といたしましては、従来から各省で考えて、行管にも要求しておりましたものがほぼ入っておるわけでございますが、最近に至りましては、さらにそれでは足りないというので、さらにまた数がふえてきておりまするし、そういう事情を勘案いたしますと、これはやはり各省の申し出だけによるわけにはいかないという気がいたしますので、これを実際の必要性について、とくと各省の実情を、申し出のみならず、実情を十分説明を聞きまして、そして私どもの方の納得のいくものであれば、これを全部繰り入れの対象にするという考えでございます。従って、あらかじめおよそどのくらいの数字というような予想はいたしておりません。そういう結果になりますれば、全部新しく定員を組むつもりでおります。
#29
○鶴園哲夫君 各行政機関が、今の局長の御答弁によりますと、若干妥当性を欠くかもしれませんけれども、予算要求みたいになる、各省が予算要求をするようなふうなことを行政管理庁に持ってくるのじゃないかというようなお感じがあるようでありますけれども、少なくとも人間の問題でありまして、恒常的に勤務しておるわけでありますからして、その問題はそういうふうな取り扱いは私はしないだろうと思います。なすべきものではないと思うのでありまするが、しかし、そういう意味からいって、私は、数にとらわれず、すべて入るものというふうに思っておるのでありますけれども、どうでございましょうか。
#30
○政府委員(山口酉君) 重ねて御質問でございますが、おそらく各省といたしましても、そう必要以上のものを要求されるということも考えられません。従って、そう大きく離れるというような予想はいたしておりませんが、しかし、まだ各省から出て参りません段階で、あらかじめ出たものについては全部認めるというようなことを今のうち申し上げることもいかがかと思いますので、御趣旨は十分わかっておりますが、まあ答弁といたしましては、どうも今申し出があったら全部という言い方はいたしかねるような気がいたしますので、十分に各省の意向を聞きまして、御趣旨のありますところを尊重いたしまして審査いたしたいと思います。
#31
○鶴園哲夫君 実態論といたしまして伺いますが、恒常的に勤務しておる、あるいは恒常的に置く必要があるというふうに判断された場合は、これはもう問題ないというふうに見ていいわけですね。そういうわけですね。
#32
○政府委員(山口酉君) その通りでございます。
#33
○鶴園哲夫君 若干問題が残りますけれども、これであまり取りましても何ですから、次に移りますが、次は、先ほど局長のおっしゃいましたように、今回相当数の人たちが定員内に繰り入れられるわけであります。これにつきまして私は三つの理由から一つの要望をいたし、御回答をいただきたいと思っておりますが、一つは、現在入るというふうに考えている四万六千の人たちは、いずれも相当の期間、一年、二年、三年、四年というふうに、長い期間各省庁に勤務をいたしまして、定員外職員ということで、非常にみじめな思いといいますか、不安定な思いといいますか、そういうことで、しかし、三十三年、三十四年、三十五年と定員内に繰り入れるという措置がとられて参っておりまして、その中で、やはり希望と期待を持って今日まで勤務してきて、これからも勤務しようという熱意に燃えている人たちであります。その意味で、この方々の期待感と希望にやはりこたえていかなければならぬのじゃないかということが一つであります。もう一つは、三回にわたりました繰り入れと違いまして、相当大きな繰り入れであります。昨年の十二月の数字からいいますと、一つけたが違う大きな数字であります。ほとんどの人が今回入るわけであります。従いまして、そう区別をする必要もないんじゃないだろうかと思いますし、また、従来のやっている仕事その他から申しまして、やはり適格者を選ぶということになりますれば、熟練度というものが非常に重要な問題じゃないだろうか、経験年数ですね。従って、そういう三つの点から、今度の繰り入れにあたりまして、やはり経験年数というようなものを重要視して、あるいはそれを原則にして繰り入れをやるという御措置の方がいいんじゃないだろうかという考えであります。これにつきまして、これは長官にも伺いたいと思っておりますけれども、局長の御答弁をいただきたいと思います。
#34
○政府委員(山口酉君) この点につきましては、これは各省の人事権者の権限になっておりますので、あとで大臣から御答弁をいただくことが必要であると存じますが、繰り入れの仕方といたしましては、各省とも非常に苦心をいたしておりまして、御指摘のような配慮から、従来非常に勤務年数という点に重点を置いて繰り入れをいたしております。昨年の暮れの本委員会の附帯決議もございますので、その点を十分に尊重して各省とも措置するように各省に通知いたしております。で、今回につきましても、当然同様の方針によって各省取り扱われることと思いますが、これは衆議院でも同じような御質問がございまして、行政管理庁小澤国務大臣から、この点につきましては、やはり御指摘のように、熟練度というものが適格を見る非常に重要な要素でございますので、そういう点を重要視して繰り入れを実施したいということを申されておりますので、各省とも、今回の繰り入れについては、同様の方法によって繰り入れをされるものと考えております。
#35
○鶴園哲夫君 今の問題は、局長のおっしゃいますように、若干の問題がありますので、小澤国務大臣お見えのときにもう一回、恐縮でありますけれども、回答をいただきたいと思っております。
 次に、十九条の二項であります。十九条の第二項に、「特別の事情により前項の定員を緊急に増加する必要が生じた場合においては、」「一年以内の期間を限り、政令でこれを定めることができる。」というふうになっておりますが、俗称政令定員と私は申しておるのですけれども、第十九条二項の政令定員、これにつきまして伺いたいのでありますが、この「特別の事情」というのはどういうことなのか、伺いたいと思います。
#36
○政府委員(山口酉君) これは、通常の場合においては法律案として提出すべきものでございますが、国会開会等の事情もございまして、それが予測し得ない状態のもとに必要が起こりましたような場合には、従来ですと、臨時職員の制度を利用しておったわけです。常勤労務者ということで、いかなる職種のものであっても、常勤労務者という制度で置いておったのです。たとえば飛行場を完成しなければならないというようなものは、当然定員内の職員でございますが、アメリカ軍が撤退して、あと運輸省で引き受けるという場合に、国会閉会中でございますとそういう措置がとれませんので、これは定員内であるべきものでございますけれども、やむを得ず常勤労務者で雇っておったわけです。これはまあそれ自身は適当なこととは思われませんが、まだ常勤労務者という制度が従来はあったのでございますけれども、今度はそういう制度を解消していこう、新たには常勤労務者は雇うまいという方針にいたしておりますので、そういう必要があるものは全部定員内の職員として採る、こういう考え方にいたしておりますので、定員が法律ででき得ないような事情が客観的にありました場合には、やむを得ず一時政令にして置く、かような考え方でございます。
#37
○鶴園哲夫君 そうしますと、第三項の「一年をこえて置く」という場合には、法律を改正する措置がとられなければならない。ですから行政管理庁としては、法案を出すという義務があるというわけでございますね。
#38
○政府委員(山口酉君) 政府といたしましては、当然一年をこえるような事情にある場合には、これはまあその間には国会もございますし、提案をいたしまして、法律にしていただくことも事実上可能と思われますので、法案を出すことにいたしております。
#39
○鶴園哲夫君 私は、この「一年以内の期間を限り、」というふうに書いてありますが、そうしますと、この俗称政令定員というものは、これは必ず定員にする義務を政府としては持っておるということなのでございますね。どうも第三項によりますと、「一年をこえて置く必要があるものについては、」というふうになっておりますので、この政令定員というのは二つに分かれるんじゃないか。一年未満のものと、一年をこえるものというふうに、二つに分かれるのじゃないかという懸念を持っておったのでございますけれども、今の局長の御答弁ですと、そうではないようでございますね。
#40
○政府委員(山口酉君) これは一年以内の場合には、政令でそのまま置くことができますが、一年をこえるようなものにつきましては、これは法律にする機会がございますので、法律にして一年以上のものは置く、それで一年をこえては政令では置かない。従って、法律が成立しない場合には、一年でその定員はなくなる。従って、その職員は置けない、こういうことになるのでございます。一年をこえない場合、それでちょうど一年くらい、一年を少し欠けるくらいでも、これは定員職員であることが至当であるというものにつきましては、それは政令だけで置ける。そういう、言いますれば臨時的なようなものにつきましては政令だけで置ける、かように考えております。
#41
○鶴園哲夫君 そうしますと、二つに政令定員というのは分かれるようですね。かりに八カ月でどうしても置かなければならない、ないしは一カ月で置かなければならんという場合には、この政令定員を置けるということになるわけですね。で、一年をこえる場合は、第三項によりまして、法律改正の提案をしなければならない、こういうわけですね。
#42
○政府委員(山口酉君) その通りでございますが、ただ、一年以内ならば自由に置けるかといいますと、そうではなくて、一年以内の定員であっても、法律を出して、法律で一年以内の期限つきの定員を認めることができるような状況の場合には政令で置けない、かような解釈でございます。
#43
○鶴園哲夫君 ちょっと理解しにくいんですが、十カ月のものも第二項でやられるわけですか。十カ月しか使わないという場合に。
#44
○政府委員(山口酉君) かりに十カ月でございましても、それは定員として置くことが至当であるというようなポストが新たにできました際には、政令で置くことにいたしております。
#45
○鶴園哲夫君 これはちょっと私の解釈と似ておるところもありますけれども、ちょっと違う点があります。従って、非常に重要な問題だというふうに思いますので、もう一回続いてやりますが、山本さんから御質問があるそうですから。
#46
○山本伊三郎君 ちょっと関連して、今の第十九条の二項の問題ですが、この言われることは大体一応わかったようですが、現実の問題として、一応一年以内という規定で政令で雇う。しかし、現実の問題としては一年で終わらない場合が多い。その場合に、結局それは置けないんですから、当然それはやめる。しかし、現実に仕事の継続があるので、やむを得ず引き続いてやらざるを得ないという場合が過去にもたくさんあるんです。そういう場合に、今おっしゃることを聞くと、法律でやらなければならない、こういうことになりますね。しかし、法律でやっても、それがもう半年で終わる、そういう場合には、やはり法律でやるかどうかという問題が起こってくるのであります。過去においてはそういうものはやっておらない。そのまま現在の法律で一年以内ということでありますが、その場合でも、引き続いてやっておる場合がある。それが今日臨時職員として五年も六年も続いておる。そういう場合の措置は今言われたが、一年をこえた場合には、いかなる場合でも法律で措置をするかどうか、この点をはっきり聞きたい。
#47
○政府委員(山口酉君) それは御意見の通りでございまして、一年をこえる見込みになった、最初は一年で終わるつもりでおったようなものでも、一年をこえそうであるというときには、これは六カ月であろうと三カ月であろうと、一年をこえるものは法律にしなければならない。法律で認められない場合には、政令は一年で終わりますので、定員がなくなってしまうことになります。必ずそれ以上延びる場合、一年以上延びる場合は、それが短期間延びる場合でも、一年をこえれば法律にしなければならない、かような考え方になっております。
#48
○山本伊三郎君 そこが問題なんです。実際問題で、形式だけ整えるという意味において、一年をこえれば一応やめさしてしまって、そして、また新たに雇ったという形で、法律の合法性だけでもってやっている事実が過去にたくさんあるのです。そういう場合では、形式的に整っておるのだから、一応政令では一年以上やれないから一年でやめた、そのあとは一応それでやめさすのだから、引き続いてまた一年間いけるのだと、こういう解釈で運用されるのです、実際問題として。そうすると、それを悪くする、こういう運用をされるのですよ。法律違反になりますから、もう一年以上過ぎるとこれをやめさせなければならない。同一人であればそういう問題があるから、人をかえて、要するに、本人はやめさすが、仕事は継続しておる。仕事は続けておるけれども、実際本人をやめらしてしまって、法律上本人のかわりに別の人を雇っていくということで、犠牲といいますか、非常に本人に迷惑をかけることがある、その運用について考えておられるかどうか。
#49
○政府委員(山口酉君) それは定員と、それから人事の問題がからみ合っておりますが、実は定員といたしましては、これは継続しておるわけであります。それが人が中でかわりましても、やはり一人の人のポストがありますれば、それは定員としては継続しなきゃならぬわけです。従って、そういう場合には、一年をこえる部分についてどうしても法律にしなければなりません。これは従来の例といいましても、従来はこれと同じ制度はございませんで、従来常勤労務者の制度が、まあ途中で切るような格好にしまして、繰り返しやっておったという例はございますけれども、これは各省会議でできたわけです。今度は政令及びそれから法律でございますので、各省会議ではできません。まあ勝手に政令々々でつなぐということはできない。これは政令にいたしましたのは一年限りでございまして、どういいましても、これは同じ内容の定員であれば、一年をこえる場合には法律にしなければならない。これが管理としまして、行政管理庁でその点を握っていきたいと、かように考えております。
#50
○鶴園哲夫君 これはどうもちょっと妙な感じがしますので、あとで伺いますが、政令できめる定員というのは定員外であるべきものなんだけれども、たまたま国会が開かれてないとか何とかいう、そういう事情によって政令できめるというのでありますから、待遇、処遇、給与、そういうものは定員内と同じというふうにとれますが、それでよろしゅうございますか。
#51
○政府委員(山口酉君) 御意見の通り、定員でございます。これは十九条の定員と全然同じでございまして、ただ、形式が政令に一時なっておるというだけでございますので、その身分上の取り扱いは、一切十九条第一項の定員と同一でございます。
#52
○鶴園哲夫君 先ほどの答弁の中で、定員に該当するものだ、ですが、八カ月のものも多いし、十カ月のものも多い、こういうお話ですね。そうしますと、どうも従来の定員という考え方と違うように思いますけれども、従来の考え方でいいますと、十九条にあるように、恒常的に置く必要がある、かりに六カ月、八カ月というのが恒常的なのかどうかという問題が起こりますが、そこら辺を一つ……。
#53
○政府委員(山口酉君) それは御指摘の通りだと思います。八カ月という例をあげましたけれども、それで恒常的といえるかどうかという判定をしなければならぬ。まあ八カ月ぐらいですと、おそらく無理であろうという感じがいたしますが、しかし、その職種の状況によって、その程度ならば、あるいは恒常的と見てもいいというものがなきにしもあらずで、あえて今八カ月ではだめですということは申し上げられませんが、予想しておりますのは、まあ一、二年をこえるようなものを恒常的と考えております。ですから、ただ法律の解釈の今御質問でございますので、それでは一年以内のものもあり得るということでございます。
#54
○鶴園哲夫君 この政令の定員は、待遇、処遇その他は定員内と全く同じだと、この予算の科目はどういうことになるのでしょうか。
#55
○政府委員(山口酉君) これはまだその例がございませんので、予算を組んでおりませんが、同じ職員給与の中に組まれるようになると思います。まあ国会に御審議を願ういとまのないような場合でございますので、おそらくは従来のこういう取り扱いをしなければならない事態が起こったときに実例がございますように、予備費を給与費に流用して支給するということになるのが一般であろうかと存じております。
#56
○鶴園哲夫君 わかりました。
 次に伺いたいのは、二月の二十八日の閣議決定についてでありますが、二月二十八日でしたですね、閣議決定。これによりますと、常勤職員というのは、これは「常勤労務者」と書いてありますが、常勤職員は二つに分かれる。従来二月二十八日現在において勤めておった者と、それ以降行管の協議によって新しく採用した者、非常にきびしい条件のようでありますが、どうしても必要があって行管と協議した場合は常勤職員が置かれるということであります。この二つに分かれるようでありますけれども、この新しく行管と協議して任命した常勤職員というのは、これはずっと常勤職員というもので残るのでございますか。
#57
○政府委員(山口酉君) これは原則として常勤職員という制度はなくしていきたいということでございますが、しかし、本人限り常勤労務者であることが有利であって、常勤労務者の身分を落とすと不利益になるというようなものが発生いたしました際には、その者限りについては常勤労務者の制度を残していきたい、こういう考え方をいたしております。従って、人がある限りは、細々とその常勤労務者の制度は残りますが、新たには雇わないということを建前にしておりますが、しかし、まだ現在常勤労務者として残っている者の中でも、再検討いたしまして入るものがあるわけです。従って、現在の常勤労務者給与に余裕がございまして、そして、それが定員になり得るようなものならば、これは雇っておっても、そういう制度はいつまでも残るという心配もございませんので、そういうものは承認をするようにしております。従って、そういうふうなものがまあ協議によって残るわけでございます。常勤労務者のうちでも、ある者は定員になり得ない者が出た場合には、その者は身分上の取り扱いをずっと保存する、不利益にならないようにしよう、こういうことでございます。常勤労務者そのものについて、別に二つあるということはございません。常勤労務者という身分の限りにおいては、取り扱いは同じでございます。ただ、新たに承認したものは、これはもう定員に入る予定でしてある、かような程度が違う。従来のものはもう一ぺん調べてからきめる、この程度の差異でございます。
#58
○鶴園哲夫君 その点をもう一ぺん確かめますが、行政管理庁と協議して、あるいはきびしいものだろうと思いますが、協議して新しく採用したもの、これは定員になるのか、こういうことです。定員にするのだ、そういう提案をするつもりなんだと、こういうことですね。
#59
○政府委員(山口酉君) それは全部そうなるかどうかといいますと、大体そういうつもりでおりますが、中には、途中で、まあ給与の方では一時常勤労務者の給与があるけれども、しかし、その者が将来常勤労務者としてそのままその役所で必要かどうかということになりますと、必ずしも必要でないものもございまして、そういう部分につきましては、まあ給与費もあることですし、制度もございまするので、ただいまのところ承認をいたしているものがございます。しかし、それはある所ではこの制度は業務量も減る予定の所もございまして、そういう業務の状況の移動によりまして、常勤労務者が必要がない、あるいは業務の形態が変わりまして、ほかの制度にした方がよろしいというような事情が発生することが予想されている、そういうふうなものもございまするので、全部が入るとは申せませんけれども、一応私どもで新たに承認をするというものは、これは定員内に繰り入れすることが可能であるというものについて承認をいたしております。
#60
○鶴園哲夫君 これは今の局長のお言葉ですと、常勤労務者制度というものをなくしていきたいというお話ですけれども、今のような御答弁ですと、どうもここへたまりができる、余りができるというように思うのです。というのは、事業量の移動によってというお話がありますし、これは事業量の移動というものは個々の省でも相当あるわけであります。相当というよりは、若干ずつあるわけであります。そうしますと、どうも事業の移動によるものというものがここにたまるのじゃないかと思います。まあ大部分は定員になるのだと、こうおっしゃるけれども、残るものがやっぱり出てくる。常勤職員制度をなくするという趣旨からいいますと、はなはだそれはありがたいと思うのですけれども、これはもう一ぺん先ほど申し上げました政令、定員との関連で一つ御質問申し上げたいと思いますけれども、今の点について、もしお答えございましたら……。
#61
○政府委員(山口酉君) この制度はなくしたいということは先ほど申し上げました通りでございます。ただ、定員に入らない者が出てくる場合には、すぐになくしてしまいますと、そうすると純然たる臨時職員になってしまいますので、そういう取り扱いは、身分上の取り扱いを変えないために本人限り残そう、こういうことでございます。これはふえることはなく、だんだん減るつもりでございます。新たに認められたというものは、先ほど申し上げましたように、これは一応まあほとんど全部が定員になる見込みがついた場合に認めておるわけです。まあ一部ちょっと例外があるということを申し上げましたのは、これはもう大体特殊の業務でございまして、もうはっきりしておるものです、なくなる、減るということが。それで、もう一つ例外といたしましては、もう閣議決定をいたしました際に、常勤労務者として従来採用することがきまっておった者がある、これはもうほとんど役所と本人との間に契約ができておったようなものでございますので、それを認めたという例はございます。これはほかの常勤労務者と同様に、定員内に入れるのかどうかということを再検討することにいたしております。従って、新たにだんだんたまっていくということはないものと考えております。
#62
○鶴園哲夫君 それでは閣議決定の、行政管理庁と協議して、やむを得ず新たに採用する者は定員になっていくのだ、例外が若干あるかもしれないというようなお話ですから、それはあとでもう一ぺんひっくるめて御質問申し上げますが、この定数は省令でおきめになるのですか。今の協議して採用した者、そういう常勤労務者として残っておる者、この定数は省令なり総理府令でおきめになるものかどうか、お伺いしたいと思います。
#63
○政府委員(山口酉君) 常勤労務者につきましては、これは定数というものはございませんで、予算の範囲内で置いております。現実の問題といたしましては、個人限りに存続と認めることにいたしておりますので、これは個人的なリストをもって管理していく、かような考え方でございます。
#64
○鶴園哲夫君 次に、同じく閣議決定の常勤的非常勤、これは大きく言って二つに分かれまして、この閣議決定を見ますと、二月の二十八日現在の常勤的非常勤、それから二十八日以降新しく勤務する者と、こういうふうに二つに並べておりますが、二十八日以降新しく常勤的非常勤になる者については、非常に厳重な規制がしてありまして、断じて更新しないという御意見のようですが、これは趣旨が明らかでありますが、今日までおる者、二十八日現在におる者、これはこの閣議決定によりますと三つに分かれるのじゃないかというふうに思うのです。一つは、四月一日に人事の異動書を出すことになっておりますが、それによって、一カ月以上の者と、一カ月未満の者と分かれるようです。一カ月以上の者については更新する、一カ月未満の者は更新しない、こういうふうになりますね、その点をはっきりさしていただきたい。ちょっと言い違えましたが、一カ月未満の者は更新するかしないかはっきりしていないのです、閣議決定では。はっきりしているのは一カ月以上の者については更新するというのがはっきり出ておるわけですが、一カ月未満の者ははっきりしていない。私は、これは更新するのかどうかという点と、もう一つは、この二つの中で特に必要なものは行管に報告するというふうになっております。報告した常勤的非常勤ということになると思います。この報告したもの、これはどういう効果があるのか、伺いたいと思います。
#65
○政府委員(山口酉君) これは趣旨といたしましては、従来役所で雇っております者について、常勤的な者はできるだけこれを定員内に繰り入れしたいということで措置いたしておりますが、しかし、将来雇い入れする者については、できるだけこれを定員内と定員外と区別できないような形態では雇用しないようにしたいということで、どうしても常勤が必要であるならば、それは従来のように定員外で置かずに、定員をちゃんととって、定員として入れよう、そういうものは定員がとり得るのだということを組織法ではっきり書きましたので、堂々と定員を要求し、定員内の職員として採ってもらう。それをとらずに、まあやみと申しますか、こっそり同じようなものを雇うというようなことはやめていきたいという趣旨で作ってあるのでございます。従って、従来の雇用のうちで、定員に入れる必要のあるものは入れた、その残りの取り扱いといたしまして、やはり新たなる定員の考え方といたしまして、入り得ないところの臨時的なものを雇っていく場合に、これは臨時的であるということを本人にも明瞭にしておかなければいけないので、それを明瞭にしていこうということにいたしております。ただ、従来役所の取り扱いが非常にそういうところが不明確であって、本人としてはまあ常勤のつもりでおったというような者があった場合に、その取り扱いが不利益になっては気の毒でございますので、そういう点を考慮して行政管理庁に報告をするというような制度を置いたのでございますが、実は、この報告をしたものの内容については、今度の実態調査においてはこの内容は調査いたしまして、おそらくこの中に、また定員とした方が適当であるというものがあるのではないかと考えられますので、その材料として取り扱いたい、こういう考えで報告するようにいたしております。報告をするという効果につきましては、各省で、できるだけ報告する際には相当検討をいたしますから、こういう職員の任用について、ずっと末端の方にまかせ切りにしておって、それで厳格な制度にのっとった取り扱いをすることを怠っておるようなものも現われがちでございますので、行政管理庁に一々報告するということになれば、慎重にそれらの点を検討するであろうというようなねらいも持っているわけでございます。特別にこれが法律的な効果を持つというような制度ではございません。政府部内のいわば便宜的な取り扱い制度でございます。
#66
○鶴園哲夫君 今の報告の問題について伺いますけれども、これは一カ月以上、一カ月未満という者について、特に必要なものは行管に報告する。その報告をしたものは各省慎重な態度で検討するだろうし、行政管理庁ともその点については協議があるわけですから、これは定員に入るものというふうに思われる。従って、その材料に使いたいということですが、そういたしますと、報告しないというと、今残りました常動的非常勤は定員内からはずれる、三十七年度は除かれるという心配はありますね。各省とも、こぞってこれは報告しなければいけませんね。そうしてやらないとこれはあぶないですね。これはそういう意味合いを持っているのですか。
#67
○政府委員(山口酉君) これは今度の 調査の基礎に、行政管理庁としては当然材料として使うつもりでおります。しかし、これ以外全然認めないかというと、そういうわけではございませんので、これは四月一日の状況で一応報告するわけで、まあ大部分入ると思いますが、しかし、その後でもそういう必要が起こったものが一部ありますれば、調査の対象といたしまして、各省の申し出があった場合に、それを調査の対象にいたさないということではございません。まあしかし、ここへ報告があるというものは、大体各省とも検討を要求するものを多く入れておるということが予想されます。
#68
○鶴園哲夫君 そこで、私が申し上げました十九条二項の政令定員、それから閣議決定によりますところの、行政管理庁との協議において新しく置かれる常勤労務者、それからもう一つ、新しくこれから常勤的非常勤として雇っていく、更新しないというふうに限定しておられますこの三つが問題になるのじゃないかと思いますが、それはこのような厳重なといいますか、規定をなさってみても、その大前提は、定員の増加というのが、毎年事業量に見合ってスムーズにふえていくという前提がなければ、これはなかなか運営できないのじゃないだろうか、過去の常勤職員の増加の数、常勤的非常勤職員の増加の数、それに定員の毎年の増加の数、こういうものを関連して考えました場合に、なるほど説明としてはお伺いできるのでありますが、なかなか定員増というのがスムーズに参らないという懸念をするわけです。そうなりますと、過去の長い経緯から申してみまして、政令定員というものが法のワク内で悪用される、八カ月なり十カ月というものがたまってくる、あるいは協議によって新しく置かれることになっております常勤的非常勤というものがたまってくる、あるいは閣議決定によりますところの二月の二十八日以降の更新しないという常勤的非常勤の数が大きなものになるということになるのじゃないでしょうか。もしそれを厳重に規制するということになりますと、どうも事業量に見合った定員というものがふえていかないということで、非常に労働強化になってくる。特に中央はともかくとしまして、全国にばらまかれております機関においては、そういう傾向が非常に強くなってくるのではないかという懸念をします。これは今の定員法でいく方がいいか、新しく今御提案になっていらっしゃる定員法がいいかという利害得失の大きな判断の材料だと思いますけれども、どうもそこら辺の問題がはっきりしないと御答弁の通りに理解しにくいわけでございますけれども、その点を一つ伺いたいと思います。
#69
○政府委員(山口酉君) 御意見はごもっともだと思います。定員の業務量に見合った増減の処置がよく行なわれていなければ、どういう制度を作っても無理ができて、そのために制度がこわれていくということは御指摘の通りだと思います。それはもちろんそういう定員の増減の処置、業務量が増加するに伴ってふやしていくという処置は、いかなる制度のもとにおいても、当然考えていかなければならないところでございます。そこで、それは制度だけの問題でなく、運用の問題でございますので、実際に合った定員を持つようにしたいということでございます。ただ、従来の定員法でございますと、それは従来の定員法では、業務を行なうのに常勤の職員を使っても、それは定員に入れるものと定員の外に置くものと二色あってよろしいと書いてある。これは任用形式さえ二カ月以内にすればよろしく、その二カ月以内にするものはどういうものであるということは書いてございませんので、これは二カ月以内の従来身分の不安なものをどんどんふやすということによって仕事はできるではないか、定員をふやす必要はないではないかという議論が立つわけでございます。そういう議論のもとに、従来定員の法律規制のほかに、定員外で定員内と同じような形態のものが発生したわけでございまして、これが種々論議され、本委員会でも改めろということを数次にわたって決議されておるわけでございます。その従来当委員会で決議されました趣旨に沿いまして、その点を明瞭にしたいというのが今度の法律の考え方でございます。当然こういうものは定員規制の中に入れるべきであるということを書かなければ、それを書かなければ、これは入れる必要はないんだという議論がありまして、そうして従来のような定員外の職員というもので、定員内と同じようなものが発生するということになります。そういう点から今度はその点を明瞭にいたしまして、十九条の一項の要件を満たすものであれば定員に入れる、従って、従来常勤労務者あるいは常勤的非常勤というような形態のものは、ほとんどがこれは定員に入れるべきものであるというような結果になって参ったわけでございます。そういう意味で、従来よりも規制の対象を今度は非常に明瞭にいたしておると考えております。
 そこで、政令定員が悪用されるかどうかという点でございます。これは従来の常勤労務者の制度や常勤的非常勤の制度等と違いまして、政令でございますから、従って、行政管理庁でもその内容審査をいたします。そういうふうなものが法律の趣旨に照らして合致しないようなものを持ってくれば、これは政令になることを制止することができるわけでございます。従って、この点が乱れるもとになるということはちょっと考えられないと思います。常勤的非常動が多くなるという問題でございますが、これも各省の運用上、従来のように自由にはしませんで、やはり予算上の措置といたしまして、臨時的な職員につきましても、どの程度のものを雇うことができるかという範囲を、従来の取り扱いよりは明確にいたした科目区分をいたしております。それから、そういうふうな点で常勤的非常勤が多くなるかどうかという点は、その予算編成の際に、そういう職種の要求の状況によってわかって参りますので、これは性格上当然定員の内容を持つものであるということになりますと、今度は法律の建前上定員に入れなければならないという議論になりまして、従来のように、法律が不明確であるために常勤労務者のままにしておくということはできなくて、これは定員に入れなければならないということで定員の方に回すということになる可能性がございます。そういうことから、御指摘のように、従来非常に運営がむずかしかった、必ずしも適切でなかった場合もあると思いますが、そういうことを想像いたしまして、今度も同じようになるであろうということも、一応ごもっともな御意見でございますけれども、そういうあらゆる点を考慮いたしまして、今度できるだけそういう心配が起こらない制度ということで、各省とも協力して、協議してこういう制度を作りましたので、まず私どもといたしましては、この制度によって適切な運用をはかり、一方、業務量に見合った職員の定員ということも十分配慮いたしまして、労働強化になるというようなことがないように、特に留意して運営いたしたいと考えています。
#70
○鶴園哲夫君 この問題は重要な問題で、もう少し伺わないことには納得がいきにくいわけであります。ですが、三時半という総理がおいでになる時刻でありますので、一点だけ申し上げておきますが、この問題について、それは政令定員、これは行管で相当の力をお持ちだろうと思います。それから協議による常勤職員、これも行管でお力をお持ちであろうと思います。しかし、お持ちにならない点がある、定員がスムーズにふえていくという点と、それから各省にまかされておりますところの今後採用する常動的非常勤職員、この二つはなかなか行政管理庁として手に負えない面がある。そうしますと定員がふえないということになる、政令定員で押えられる、協議の常勤職員で押えられる。そうすると、流れるところは常勤的非常動というところにたまってくるのじゃないだろうか、一カ月未満という、要するに更新しないというこの厳重な規定を受けておるここにたまってくるんじゃないだろうか。そうしますと、これは熟練度、経験度からいいまして、労働強化にどうしてもなってこざるを得ないというふうに思うのであります。しかし、時間の関係もありますので、この点はもう一ぺん別の機会に伺いまして、次に、大臣がお見えになりましたので伺っておきますが、今度行政管理庁といたしまして調査をされて、そして三十七年度の繰り入れをなされるわけでありますが、この場合に、御存じのように、あるいは長官は十分御存じでないかもしれませんが、定員外職員の問題という、長年かかった問題であります。七、八年長くかかった問題でありまして、当初は、各省、各行政機関とも、実態がつかみにくくて、職員組合、労働組合の保護、公務員としての平等の原則、人権の問題という形でこの問題がずっと日の照るようなところになって参りまして、政府が御存じのように、三十三年、三十四年、三十五年と、こう繰り入れる努力をなさってきて今日に至っておるわけであります。しかも、この問題は、職員の労働問題、あるいは勤務条件、こういうものに密接不可分な関係があります。その意味で今後調査をやられるにあたっての調査方法、あるいは様式、こういうものについて十分組合側の意見を尊重して案を作られ、実施に移されますようにお願いをいたしたいわけですが、その点について大臣の御回答をいただきたいと思います。
#71
○国務大臣(小澤佐重喜君) もちろんこれの繰り入れにつきましては、各省と緊密な連絡をとります。従って、各省を通じて労働組合の意向が反映してくると思いますし、また、そういうような都合で、労働組合の意向は、間接でありますが、行政管理庁へ反映してくるものと見ております。そうして一たん入れるときまりましたものは、勤務年数に応じて、でるだけ古いものから順々に繰り入れるという考えでございます。
#72
○鶴園哲夫君 今の職員の身分、労働条件に密接な関係がある。その意味で、私は、各省が組合の意見を聞くというだけにとどまらず、国家公務員法によりますと、政府機関に対してそういうことができるようになっておりますので、行政管理庁長官も、十分これは職員の身分、労働条件に関する問題として、調査方法、調査様式に対して尊重されるべきじゃないかと思うのです。その点が衆議院の場合も今御答弁のような話で、私の方じゃなくて、各局が、各省がやられるのだというお話ですけれども、これは国家公務員法ではそうじゃないわけでありますから、行政管理庁長官、あるいは行政管理庁としても、組合側の意見を十分尊重して進められるように要望いたしますし、また、回答をお願いいたしたいと思っております。
#73
○国務大臣(小澤佐重喜君) もちろん間接に各省の意見を聞くことはもちろんのことです。行政管理庁長官としても、組合の意見を十分尊重しましてこの繰り入れを行なうことにいたします。
#74
○鶴園哲夫君 今、私、質問が少しこんがらかったようでございまして、長官に御迷惑をかけましたけれども、調査の方法、調査の様式、こういうものについて組合側の意見を十分聞いてもらいたいということを申し上げているのですが、よろしゅうございますね。
#75
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは行政管理庁としましては、各地方部局に流して実態を調査することになるのでありますが、その場合においても、よく組合の意向等を取り入れまして、そうしてこの繰り入れを行なうことにいたします。
#76
○鶴園哲夫君 だいぶ時間がきておりますが、あと若干残しました問題がありまして、それから冒頭に申し上げましたように、具体的な各省の問題につきまして、建設省、農林省、林野庁、文部省の大学関係等の問題について具体的に伺って、今の行政管理庁の進められようとします定員規制の方法、これを確かめて参りたいというふうに思っておりますし、また、各省の重要な問題点等についても、できるならば解明し、解決した方がいいと思っておりますので、この問題はまた別の機会にお伺いすることにいたしまして、きょう私の質問は終わりたいと思います。
#77
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#78
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
#79
○横川正市君 今度のこの行政組織法改正の主たる内容については、鶴園委員の質問を通じ、さらに衆議院の速記録等を拝誦いたしまして、その内容については、私どもとしてはほぼ了承できるところだと思うのであります。ただ行政管理庁としては、こういう問題について取り扱いをどうするか、こういう点を、非常に短い時間でありますから、一点お伺いしておきたいと思うのでありますけれども、それは定員法が存続期間中に、定員の省内におけるところの融通をするための方法として、郵政省で行なった具体的な例でありますけれども、郵便物の激増する度合いは、都市と農村、あるいは山村、非常に違う。そこで、山間僻地で集配しておった、業務に従事しておった者を定員から除外をいたしまして、一部業務の請負化をはかっていく。その請負化された定員は、これを都市の新規雇い入れの定数に回してきた、こういう具体的な操作が行なわれたわけであります。そういうふうな操作が行なわれたことが今もって存続し、身分上ももちろんでありますし、給与上ももちろんでありますし、将来の身分の安定もない、こういうことで今もって不安を感じて仕事をしておる、こういう事例があるわけであります。これに対して、雇い入れ、あるいは非常勤の取り扱いその他について、ある程度考慮が払われておりますが、こういう事例に対してはどういうお考えを持っておられますか、これをまずお伺いいたしたいと思います。
#80
○政府委員(山口酉君) 業務の運営の仕方につきましては、これは管理監督の責任にあります郵政大臣の決定いたしました方法に従わなければならないわけでございますが、定員管理という面から見て、はたして業務の運営方法が適切であるかどうか、行政管理庁としてもそういう面からの批判はできると思います。ただ、御指摘の点につきまして、従来その適否を検討いたしたことがないのでございます。郵便物のそういう取り扱いの方法が適切であるという郵政省の考えで実施していることと存じますが、それが適切でないから定員としてその者を入れたいという意見を聞いておりませんけれども、あるいはそういう点について検討をしておるのかもしれないと存じますので、現在私どものところで決定的な案は持っておりませんが、郵政省の考え方を十分聞いた上、なお、必要であれば実情も調べまして、そうして適切な取り扱いをするように変更する必要があるならば、またそういうふうな取り扱いをいたしますようにこれは検討をさせていただきたいと思います。
#81
○横川正市君 なるほどその業務上の管理は郵政大臣が担当するわけでありまして、そこまで行管が一々差し出がましくやるということは、これはできない問題かもわかりませんが、しかし、業務の運行の中でそういう処置がとられたということと、それからもう一つは、定員法が制定されて、適宜適切な定員化が毎年そのつどはかられておった。しかし、それが定員事情その他によって、一時的に臨時雇用という格好にしたのではなくて、制度的に請負制度を設けて定員からはずし、その定員を都市にこれを持ってきた、こういう事情であります。そうしますと、今度の改正からいきますと、業務のいろいろな運営上、定員の現在までの取り扱いにいささか欠けるところがあったので、こういう改正が要望されて実現をする運びになったと思うのです。その改正の今日を迎えて、それならば定員法があったときにとられたこの処置は一体どうするのか。これは単に郵政省の管理上の問題だということだけではなしに、定員管理をされておった行政管理庁としても、私はこれに対して意見を持ってしかるべきである。ひいて、私が望むところは、こういうその取り扱いをしたものが他にあれば、これはやはり行政管理庁として、行政管理の建前から、勧告等の処置をとられるならば非常に幸いだ、こう考えておるわけでありまして、総理が参りましたので、私は最後にこのことをお尋ねをして終わります。
#82
○国務大臣(小澤佐重喜君) その問題はよく研究いたしまして、そういう事態がございますれば、そういう方法にいきます。
#83
○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#84
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、残余の質疑は次回に譲ります。
   ――――――――――
#85
○委員長(吉江勝保君) 次に、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題とし、本日は、特に総理に対し、質疑を行ないます。
 政府側出席の方は、池田内閣総理大臣、西村防衛庁長官、林法制局長官、加藤官房長、小幡教育局長、小野人事局長、木村経理局長、塚本装備局長、麻生防衛審議官でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#86
○横川正市君 私は、まず総理への質問時間が、きわめて短い時間しか持ち合わせませんので、非常に端的に総理の意見をお伺いしていきたいと思う。
 まず第一点に、池田内閣が成立をいたしましてから、巷間伝えられるところによりましても、また、総理がたびたび会合等で発言される内容をもっていたしましても、忍耐と寛容、一般的には低姿勢、こういうような態度で臨まれて、そのことに対して、国民はある程度好感をもって迎えて、国内的にも非常に歓迎されているのではないか、また、総理の就任以来、国の事情についても逐次安定をし、幾つか、その政策上の問題では論議いたしておりますけれども、ことさらに予想されるような騒動ないしは騒乱というようなものは国内にはないと私は思っておるのでありますが、総理は、この秋までに国内において何か重要な問題が起こるということを予想されて今なおその政務につかれているのかどうか、そういった点について、国内のこの秋までのいろいろな問題の見通しその他について、簡単に一つお聞きいたしたい。
#87
○国務大臣(池田勇人君) ただいまも経団連に行って話をしてきたのでございます。外交的には東西の冷戦というのはありまするけれども、自由国家群の間におけるわが国の信用は日に月に上ってきて、日本の経済力、経済協力に非常に各国とも期待しておる。国内的に申しましても、ただいまは衆議院におきまして、共産党を除く与野党全部の補正予算の賛成議決があった。また、きょうはちょうど安保の記念日でございますが、去年のそれに比べると、非常に私は落ちついておると喜んでおるということを今話をしてきたのでありますが、そういう気持を持っております。で、この秋に問題が起こるか、私は問題は起こらないと思います。そういうことは私は全然考えておりません。ただ、この上とも国内治安の確立と、与野党がほんとうに話し合ってりっぱな民主主義政治をやっていこう、こう考えておる次第でございます。
#88
○横川正市君 私どもはその内容をつまびらかにいたしませんけれども、先般アイゼンハワー米大統領が訪日を突然中止をされてきたわけであります。これは以前の事情等によって、私どもは訪日を延期を要請したという側にもありますので、この事実が実現されるならば、国内は歓迎の態勢にあったのではないだろうか、かように考えておったやさきでありますので、私どももちろん、国民全体がこれに対して驚愕をしたというふうに言っても差しつかえないのではないか。しかも、その理由といたしましては、アメリカのいろいろな判断によって極東におけるこの秋の情勢がきわめて不安になる見通しである、こういうふうに予想されて、その危機の中にアイゼンハワーを日本へ旅行せしめることは、これは考えなければならない、こういうことが、抽象的でありますけれども、新聞の報道するところで私どもは察知するわけであります。一体この国と非常に儀礼的な、そういう関係もさることながら、それ以上に問題のあります日米両国間において、前大統領が訪日を突然秋の極東における情勢の不安から中止をされた。これは私は、総理は、今、秋にはそういうことはない、こうお考えになったこととはいささか判断が違うのではないか、かように思うのでありまして、ただ質問の矢面が違って、前段はお答えになったが、後段には、そう言えばいや実はこういう事情があるということならば、そのことを一つこの際詳細明らかにしていただきまして、国民にその、実を知らしていただきたい、かように思うわけであります。
#89
○国務大臣(池田勇人君) アイゼンハワー前大統領の訪日につきましては、御承知かと思いまするが、コロンビア大学の同窓会で招聘しよう、こういうふうな話がありますと同時に、われわれも、今の情勢から申しまして訪日を希望し、来ていただけることを予想しておったのでございまするが、お話しの通りに、突然中止になったようでございます。事情につきましては私はつまびらかにしておりません。新聞の報道だけでございまするので、私は、最近帰られました道面君は直接にアイゼンハワーと会われて二、三日前に帰られて、私もあすくらい会うことにしておるのでございます。事情は新聞の程度以上に私は存じていないのでございます。ただ、この秋に問題があるかということにつきましての答弁は、私は国内的の話をしたのでございまして、国際的にどういう問題があるかということにつきましては、私は今の状態で何もないとは言えません。しかし、何もないことを望んで努力したいと思っております。
#90
○横川正市君 これは国内でどうアメリカが極東における情勢を判断されるか、これは勝手なことで、日本は日本でその信ずるところを行けばいいという、そういうことではなしに、私どもは、アイクの訪日がいわゆる私的なことで、あるいはまあ通常使われるところの一身上の都合等で訪日が中止をされた、こういうことならば、あえてアイクの訪日の中止をそれほど重視をするものではないのでありますが、この訪日が中止された事情の一端が、しかも、最も大きく重要に報道された内容が、この秋のいわゆる十月ごろをめぐって極東に不安が増大する見通しに立って訪日を中止された、こういうことが言われるわけでありますが、一部ではこうも言われております。この危機というのは、これはおのずとそういうようなものが、何らかの原因はあったにしてもあ突然出てくる、こういう危機もあるけれども予定のスケジュールの上に乗っかって危機を作成していく、あるいは醸成していく、そういう醸成した危機というものをそろばん勘定に入れて、そうしてその見通しに立った対策を立てていく、こういうこともあるが、アイクの訪日の突然の中止というのは、アメリカの極東におけるところの政策の中で、当然起こり得るところのスケジュールに乗って、予定をされた事態、そういうことを明確にした上でアイクの訪日を中止したのではないか、こういう判断をされておる向きもあるわけであります。しかも、それは有力な裏づけとして幾つかの問題が出されておるわけでございまして、今の総理のお答えでは、私はいささか物足りないというよりも、非常に不満に思うわけでありまして、もう少し知るところを明らかにしていただきたい。ことに向こうから帰って来た方々からお話を聞いてというものならば、私は、これはあえて重視をいたしません。おそらくアイゼンハワーの訪日の突然中止になったときのその見出しの中に、秋における極東の不安が原因であると、こう新聞に報ぜられたときに、総理は、一体それは何かについて検討されたと思うのであります。同時に、また、近くアメリカに行かれる準備をされておるのでありまして、そういう面からも当然いろいろ検討されて、あっちへ行かれてからの仕事の一端にされる、こういうことにも私はされるのじゃないかと思いまして、再度この点について御質問します。
#91
○国務大臣(池田勇人君) 私は事情をほんとうに知りません。確信のないことについてお答えするのはいかがかと思います。
#92
○横川正市君 私は、この問題は私どももその事情をつまびらかにいたしておりませんので、政府の責任者であります総理から、少なくともこの点についてはかくかくである、しかも、国民はあれを見て国際上のいわゆる信用の問題なのか、あるいはこの非礼をいろいろ日本側が言って、それに対して、この招待をしたが、それにもなおかつ日米間については信頼が持たれないというのか。そういったものでないとすれば、一体極東の危機については何かと、国民はおそらく心配されていると思うのであります。その心配が何であるかについて、政府がこの際明らかにできないということは、非常に私は遺憾なことであるし、できれば一つ機会を得て政府も見解を発表していただきたいと思うのです。その中で、私は第一に、あなたが今度アメリカに行かれるわけでありますが、その行かれる内容については、いろいろと新聞が報道される域しか私どもは知ることができません。ただその内容の一端が、四月の三十日に大平官房長官が発表したところによりますと、外交問題では中国と韓国を含めての極東問題が中心である。それから、国際低開発地域に対する経済協力、技術、資金援助等をめぐっての問題やら、製品買付などについて協力をしてもらう。それから両政権の施政方針を的確につかむことが根本である。三つ目の問題について十分力を入れてやられているわけです。
 そこで、私は第一に、自由民主党の党の決議によりまして、最近韓国へ議員団が派遣され、それから新聞の報道するところによれば、当然この秋の国連では大きな問題となるであろう中国問題をめぐって、日本がますそれに対して何らかの態度決定をする以前に日韓会談の改善をしておいた方がいいと、こういう考え方の上に立ってこのような処置に出られたと、こう言われておるわけでありますが、今日の韓国の実情と思い合わせてみて、私どもは他に幾つかの問題があるのでありますが、まだ最初に、この日韓会談を事前に解決しておきたい、そう考えられた理由について、この際明らかにしていただきたいと思います。
#93
○国務大臣(池田勇人君) 韓国との国交正常化は、私は、この秋の国連総会あるいは私の訪米という問題とは別個に、できるだけ早く正常化いたしたいというので、昨年九月外務大臣を行かし、その後も日韓折衝をしておるのであります。ただ、わが党の方々が行かれたのは、韓国の経済事情のみならず、政治、社会事情をやはりわれわれとしては十分知っておく必要がありますので、そういう意味において韓国に行くことを私は賛成いたしたのでございます。別に国連の関係あるいは日米会談の前提としてどうこうという考えではございません。
#94
○横川正市君 私どもは、最近のアメリカのいろいろな問題に対処する施策といいますか、その結果についていろいろと判断をされる材料が提起されております。ことに先般起こったキューバ問題のときに、ケネディ大統領のいわば公然たる支援のもとで避難民が訓練をされ、それから米政府が支給した武器を持ち、さらにこれを訓練せしめて、そしてキューバへ攻撃するための船やガソリン、これを譲渡して行動に移せしめた。この結果三つの問題が私はこの中にはあったと思うのであります。それは中央情報局等の情報の甘かった点、それを信じてやったことについての批判、しかも、その中には国務長官や国務次官の反対を押し切ってやったという内容、それからもう一つは、このこと自体がどういうアメリカのキューバに対する感情問題があったにいたしましても、小国政府の転覆を大っぴらに大国が希望するということは、これは許されていいかどうか。明日のキューバという問題を考えて、その他の小国の運命というものと考え合わせたならば、これは非常に重要な問題であって、この点についてアメリカ大統領の強い反省を要望するという結果が出、しかも、そのあとにケネディ大統領の声明書の中に、米国はこれまであまりにも軍事的な問題にばかり目を奪われていて、国境を越える用意を整えた軍隊、いつでも発射のできる態勢にあるミサイルなどに努力を集中してきた、しかし、もうそれでは足らぬ、現代は一発のミサイルの発射もなく、一回の越境もなくわれわれの安全が一つ一つ失われていくかもしれない時代なのだという、この大統領の声明文とあわせて考えてみますと、次にラオスにおけるところのアメリカのとりました最初の行動が逐次後退をし、さらに最近の情勢で変転をしておりますベトナムにおける南ベトナムの情勢問題、さらに今度はアメリカ軍のうしろ立てがあったのではないかと予想されております南朝鮮におけるところの軍のクーデター、こう一連としてながめて見ますと、私は、アイクの訪日中止をされた最大の原因というのは、アメリカにおけるケネディ大統領の就任以来の方針が逐次変わってきた、そのきざしが見えたのではないか。同時に、その変わってきたスケジュールが、秋の極東における不安をそろばん勘定の中に入れてアイクが中止したのではないか、こういうふうに一連の見方をする情勢が出ておるわけであります。こういう点について総理の一つお考えをお聞きしたいと思う。
#95
○国務大臣(池田勇人君) アイクの訪日中止が、極東のあれと限定されるようなお話でございますが、私はそう見ていないんです。世界情勢からとったんじゃないかと思います。それから今のベトナム、ラオス、朝鮮、こういうことにつきましてアイクの訪日中止と関係があるかということについての御質問でございますが、私はそういうことはわからないのでございます。
#96
○横川正市君 私どもは、政府よりか何分の一の情報も持っておりませんし、そから事実そういう機会に遭遇することもきわめて少ないわけでありまして、この際、総理からその事実について発表されるならば幸いと思っておりましたが、きわめて冷淡な答弁で、非常に残念に思うわけです。しかし、この問題は、私はいずれ具体化されてくる問題だと思いますから、これ以上は、この際この問題に触れようと思わないわけでありますが、次に、不幸にして十五日に韓国に軍の手によるところのクーデターが起こりまして、この詳細については、いまだ私どもはその内容を知ることはできない今日であります。ただこのクーデターが成功し、三軍の、いわゆる国連の指揮下における軍の指揮者が、一様にこのクーデターを支持し、あわせて、アメリカの公式の態度はまだ出ていないようでありますけれども、そのクーデターの結果出てくる政権については、ほぼこれを承認をする、こういうような状態が今日の情勢ではないかと思う。そこで、総理は、こういう事実が、最も近い日本のいわば非常に関係の深いといいますか、国に起こった、そういうことから、相当この点については関心を持たれていると思うのでありますけれども、私は、この点で総理の意見をはっきりとお伺いいたしておきたいと思うのは、韓国のこのクーデターの起こった理由は、大体二つだといわれておる。もし他に判断されることがあれば説明していただきたいと思いますが、一つは、これは経済の行き詰まり、政治の力の及ばないとか、政治の腐敗堕落という言葉を使ってあるけれども、はたしてそうであったかどうか私はつまびらかにいたしませんが、非常に政治に力がなかった、こういうことがいわれておる。それからもう一つは、これはそれのよってくる原因にもなろうかと思うのでありますけれども、三十八度線を境にいたしまして、六十二万と国防年鑑には出ておりますけれども、この軍隊を養っている韓国の経済、政治の事情、これがひいては民生安定に大きく影響をしたのではないか、こういうふうに情勢としては判断されるわけであります。そこで、今かりにこの軍事革命委員会がその政治、行政の全貌を握り、警察権を握って、そうして新しい政府によるところの政治を遂行しようといたしましても、この事情が除去されない限り、韓国の政治経済事情は好転をしない、こういうふうに私どもは見るわけでありますけれども、総理としてこの点の判断をまずどのようにされているか、お伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(池田勇人君) われわれとしては、別に日本の大使館があるわけじゃございませんし、直接のあれはないのでございますが、各報道関係、あるいはまたアメリカ大使館等いろいろ集め得られる情報で判断し、そうしてまた新聞の記事なんかを参考にいたしますると、今お話のありました経済力、あるいは軍費の調達力、こういうことでございまするが、私はそれは一つの原因であろうと思います。ただ、張勉政権ができまして、経済発展、国土開発新計画でやっておりましたが、何分にも与党内におきましても派閥がありますし、新民党の力も、ある程度強うございます。あらゆる政策が一本ですっきりして行なわれなかったというところに不満の点もあったのでしょう。そうして、また、経済開発がおくれておるということもございましょう。また、軍備の費用につきましては、これはアメリカから二億数千万ドル出ておりますので、六十二万とおっしゃいましたが、五十数万、まあ五、六十万でございますが、その分につきまして朝鮮の負担もございましょうが、アメリカの援助というものも相当あるわけでございます。それが大きい原因であったとは私は思いません。とにかく政治の力が足りなかった、派閥闘争ということもございました。そうしてまた私は、こういう記事につきましても、ある程度考えなければならぬ。それは南北朝鮮の統一問題と、最近における学生その他の運動を見まして、共産勢力がふえつつあるのじゃないかというふうな気持も軍部にはあったんじゃないかという気がいたしておるのであります。それはなぜかと申しますると、軍事革命委員会の声明等にも、反共とか、いろいろな点が載っておりますので、私は、板門店における二十日の学生の連合会議の動きというものも一つの刺激になったのじゃないか。しかし、これは確実な報道ではございませんので、アメリカのような国でもなかなか予想していなかったというふうなことで、まだこの原因につきまして明確な判断を私が申し述べるというのは時期が早いのじゃないか。従いまして、新聞報道等を中心にして申しますると、今申し上げたような状況ではないか。しかし、まだこれははっきり確定したものではありませんことを申し上げておきます。
#98
○横川正市君 そこで、私は、今の判断がかりに当たった当たらないは別問題といたしまして、南鮮における政治情勢がきわめて不安定になってきたということだけは、これはお考えになるのじゃないかと思うのであります。そこで、政府はさきに日韓会談を早急にまとめていきたいという方針をとっておられたようでありますけれども、この際、この日韓会談の方針を変えられて、慎重にこれをされるというお考えがあるかどうか、お聞きいたしたいと思います。
#99
○国務大臣(池田勇人君) 御承知の通り、革命政権が起きて、まだそれがはっきりしたものになっておりませんので、この際日韓会談をどういうふうにしていくかということを申し上げることは早過ぎると思います。ただ、きょうの新聞で見ますと、新民党との提携ということは、今度の革命委員会におきましても考えておられるようでございますので、はっきりした政権がきまりましてからの問題として私は考慮いたしたいと思います。
#100
○横川正市君 さらに私は、アメリカへ行かれる総理は、その構想の中に、今その政治力だけではなしに、その経済力にも事実上相当困難な立場にある韓国の状態、こういったことも十分分析され、さらに、また北鮮からの連邦制への申し出等も考慮されて、極東におけるところの非常に困難な問題がずっと羅列されておりまして、これらは日本の平和と安全には相当影響を持っているわけでありますから、そういった影響のあるものに対して、日本として何らかの具体的な提案をされるお考えを持っておられるかどうか、これは外交上の問題でありますし、また、他の機会では、まだ構想がはっきりされておらないという答弁もされておるようでありますけれども、日本としては、どういう方法がとられるにしても、南鮮の問題、北鮮の問題、それから中国問題、ベトナム、ラオス、こういうような極東における不安定な情勢というものをたくさんかかえておる日本として、日本の安全と、それから極東の安全というものとを考え合わせて、日本はアメリカに対して何らかの提案をするお考えを持っておるかどうか。私は、その内容についてこの際触れなくても、お考えをお聞きいたしたいと思います。
#101
○国務大臣(池田勇人君) 極東の国際情勢は、わが国としまして最も重要な問題でございます。私は、どの国との関係がどうこうと申しませんが、地理的にも歴史的にも、また、文化的にも、そうして人口の点から申しましても、ほんとうにベトナム、ラオスの問題よりも、私は、韓国、北朝鮮、中共の問題は、われわれとして関心が非常に強いということは申し上げ得ると思うのであります。しからば、中共あるいは韓国、北鮮の問題について、どの程度の話をするかという問題につきましては、お話がありましたように、ただいま検討をいたしておるのであります。また、韓国のこの革命の様子も見なければなりません。その原因とか、あるいは向こうの経済状態等々も十分調査してみたいと考えております。
#102
○下村定君 時間がきわめて限られておりますので、私は、本日、総理大臣に二つのことだけお伺いいたしたいと思います。
 その第一は、現在の国際情勢に対する総理大臣の御観察と、これに対処するための日本の国防のあり方でございます。国際情勢をくどくど総理大臣に申し上げる必要はもうございませんから、ごく簡単につまんで、順序として申し上げますが、もうだれでもわかっておりますように、最近の国際情勢は少しも緩和の徴候がなく、世界の各方面におきまして、事件の性質はいろいろ違いますけれども、血なまぐさい闘争が随所に起こっておる。また、東西の冷戦も、むしろ激化の徴候にあるように観察されるのであります。
 次に、これに対する各国の態度を見てみますと、アメリカは、ケネディ大統領の登場によりまして、一部では何か対外政策に変動が生ずるのじゃないかという予見をされた向きもあるようでありましたが、事実は従来通りの強い政策をとり、国際共産主義に対しても、多分に警戒をしておるようであります。また、その就任後発表しました一般教書並びに国防予算教書におきましても、ほとんど従来に例を見ないほど、詳細に国防に関する施策を明らかにしております。また、今年二月に出ました米国の国防白書、これを見ましても、また、NATO、SEATO関係国の態度から見ましても、もう例外なく、戦争に対する警戒と、これに対する安保体制の強化を力説しておるようであります。共産主義陣営におきましては、昨年の秋に行なわれました八十一カ国の会議、続いて本年のワルシャワ会議等におきまして、関係各国はいよいよ結束を固くしております。ソビエトは限定戦争の発生を認めて、民族解放戦争を正義の戦争と申しております。中共は中共で、依然として高姿勢、戦争の不可避論を唱えて、また、みずから核装備をするとまで申しております。一方におきまして軍縮会議及び核実験停止の会議は停頓の状態にあることは、これは周知の事実でござざいます。非常に簡単に申しましたが、以上のような一連の国際情勢に対しまして、総理大臣はどのように御観察になっておりますか。また、これに対して、日本の国防のあり方をいかようにお考えになっておりますか、これを伺いたいのであります。国防のあり方と申しましても、はなはだ言葉が抽象的で、御迷惑と思いますから、少しくどくなりますけれども、私がお伺いいたしたいことを敷衍さしていただきます。
 総理大臣が、御就任以来、国防に対して御関心を深くお持ちになって、いろいろな方面にこまかいところまで御配慮になっております。たとえば従来ほとんど行なわれなかった国防会議において懇談会をしばしばお開きになる、あるいは、これまた従来にない、制服の幕僚長を集めて意見をお聞きになる、防衛大学に御臨場になって卒業式の訓辞を与えられる、そういう点は数々私どもも承知して、感佩しておるのでございますが、一方におきまして、私ども国民は、池田内閣ができましてから、日本の国防に関する政策ということはほとんど伺っていないのであります。昨年の九月五日に発表せられました政策中に、日米安保体制を堅持し、最小限度の自衛力を整備する。極端に言えば、これだけです。本年の初頭に、総理大臣が議会で施政演説をあそばしましたが、この中には、防衛ということは一つも入っておりません。私は、決してそんな言葉じりをとらえて申すのではありませんけれども、そういう点からも、まあ言えば言えないことはございませんし、それから、先般来衆議院におけるこの防衛二法案の審議における総理大臣の御答弁を、私はつぶさに議事録で調べたのでございますが、これも断片的のことはいろいろありますけれども、大体におきまして現在の国防方針に従う、あるいは国力、国情に応じ、民生の安定を害しないように自衛力を整備するという範囲を出ていないように思うのでございます。これはあるいは失礼かもわかりませんが、私は正直にそういうふうに解釈をいたします。
 そこで、私どもも国防方針のあるということはよく承知しておりますが、あの国防方針というものは、内容があまりに抽象的で、極端に申しますれば、自由主義陣営の国であれば、どこの国へ持っていっても通用のできる共通の原則が掲げてあります。日本として、この点が日本の国防上の大事なポイントだということは、ほとんど現われておりません。しいてそれを求めるならば、第三項に、国力、国情に応じ自衛上最小限度の防衛力を保持する、効率的に、また、漸進的に整備する、こういうことがありますが、これも目標は現われておりません。また、将来いかなる戦争を予想しなければならぬか、これに対して日本がいかにして防衛するかということも、はっきりあの方針には現われておりません。あれでは、今策定されつつあります第二次の防衛計画の基準として、根拠として、私は不十分でないかと思います。また、今回総理大臣がアメリカにおいでになりまして、当然出るべき防衛上の御協議におきましても、あれだけではどうも空想にすぎやしないかという感じがいたすのであります。
 そこで、くどくなりましたが、私がこの席で総理大臣にお伺いいたしたいことは、もう少し具体的に、日本はいかなることを考えて、いかなる手段でこれと対処するつもりであるかというようなことを、基本的の構想だけでけっこうでありますから、お示しを願いたいと存じます。
#103
○国務大臣(池田勇人君) 世界の国際情勢につきましては、大体下村委員のお考えの通りでございます。私は、冷戦が続いておると考えております。ただ、アメリカの政策は、前よりもよほど具体的に、全面戦争に対してはというふうなことがありましたが、ケネディにおきましては、それが具体的に出ている。たとえばゲリラに対してもやるとか、局地的のことについても対処するように、ある程度具体的にはなってきたように思います。しかし、世界の情勢は、これはいろいろ一九五七年の巨頭会談、また、一九五九年のアイゼンハワー・フルシチョフの会談等等ございましたけれども、なかなか一朝一夕にはできません。来月フルシチョフとケネディとの会談が予想されておるようでございますが、いずれにいたしましても、何と申しますか、根本の情勢の変化はないようでございます。前と変わりないと思います。
 それから、わが国の防衛につきまして具体的にということは、これは国防会議できめることでございます。従いまして、今後における防衛計画につきましては、せっかくただいま防衛庁で検討中でございます。わが国はいかなることを考え、いかにこれに対処するかという問題でございまするが、これは普通の国とは違いまして、われわれは自衛のための最小限度のあれをやるということが建前になっております。しからば、自衛のための最小限度というのはどの程度かということは、今度時代の変遷につれまして、第二次国防計画で私ははっきり現わしたいと思っておるのであります。何と申しましても、日本の歴史的のこと、また憲法の問題、あるいは安保条約を建前としておる関係上、いかなることを考えるという、一般の国のようには私は参らぬことは、下村委員もおわかりいただけると思いますが、ほんとうに日本の今の状態において何を一番やらなきゃならぬか、最善の努力を各方面に向けていきたいと考えておるのであります。
#104
○下村定君 次にお伺いいたしたいことは、いわゆる第二次防衛計画は、諸般の政治的の事由によりまして、まだ成案を得てございません。従って、私は、この席でその第二次防衛計画の内容に及んで御質問申し上げることは差し控えます。ただ、現在この委員会に上程されております防衛二法案は、一面においては第一次の防衛計画の終末点であります。一面におきましては第二次防衛計画の出発点であろうと思うのであります。従って、政府当局におかれましては、第一次防衛計画によってどの点が達成され、どこに欠陥があるか、今後すみやかに改善すべき点はどの点であるかということは、もう今すでに御検討になっておると存ずるのであります。その点を一つお伺い申し上げたい。実は前回の当委員会におきまして、兵力の整備、すなわち、防衛力の整備そのものにつきましては、防衛庁長官からお話を承っておりますから、本日は総理大臣から、主としてこの自衛力の整備以外に、政治的の施策についてどういう点が不十分であり、どういう点を改めなきゃならぬかということを、簡単でけっこうでございますから、例をあげてお示しを願いとうございます。
#105
○国務大臣(池田勇人君) 第一次防衛計画は一応済むわけでございまするが、私は、やはり自衛隊の質の向上ということをはからなきゃいかぬ、人をふやすということよりも、質の向上をはからなければならぬ、近代的装備にしなきゃならぬ。そうしてもう一つは、やはりだんだんよくなって参りましたが、自衛隊に対する国民全般の認識でございます。私は、この点が今後自衛隊をわれわれ考えていく上において、私だけじゃだめなんです。国民全部が、自衛隊の必要性と、そしてこれを盛り立てていくような気持になられることを私は期待して施策すべきだと思います。
#106
○下村定君 ただいまのお言葉はよくわかりましたが、私は、この前予算委員会のときにも申し上げたのでありますが、兵力の整備あるいは国民とのつながりをよくする、質を向上するということのほかに、政治と申しますか、政策の方面で、現在は日本の国防態勢は完全でないと思う一人でございます。たとえて申しますと、現在の国際闘争の中で一番重視されていると考えられますのは心理戦です。ところが、日本ではその心理戦の対策というものが、はたして政策の上で確立されておりましょうか。また、これは国防問題だけでございませんが、情報、広報、この組織、これが私の見るところでは、全般として非常に弱体で、また、能率が悪いというふうに観察されるのであります。その他この非常時体制の準備が十分でないこともあります。また、防衛生産が培養されていないという点も、これは軍事とそれから一般の政治との関連において大事なことじゃないかと思うのでございます。それらに対する総理大臣の御意見を一応お伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(池田勇人君) わが国の独立と安全のために、他国からのいわゆる心理戦術にかからないようにするということは、これはもう最も必要な施策でございます。これは私は、やはり民生の安定、向上、ほんとうに日本の国というものが、日本人にはかけがえのないりっぱな国であるというようにすることが、これは国防のみならず、全体として必要なことであろうと考えておるのであります。そういう意味におきまして、私は政治家のあり方として、いろいろそういう愛国心と申しますか、国土を大事にしよう、守ろうという気持を起こすように施策の根本を持っていっておるのであります。
 情報関係につきましては、御承知の通り、敗戦後いろいろな機関がなくなりまして、法制上もいろいろ支障がございまして、これはお話の通りに、非常に各国に比べて弱体でございます。しかし、われわれはできるだけの情報収集につきましては、毎年これに対する整備をはかっておるのでありますが、十分ではございません。今後も努めていきたいと思います。
 それから非常時体制、また、防衛生産、こういうものも、敗戦後のあれで、憲法その他の問題等々も関連いたしまして、それから防衛生産も、やはり経済力の関係を考慮しながら、徐々に私は進んでいっておると思っております。何と申しましても、重要な資材はアメリカからの援助を得ております。そして日本で急にどうこうというわけにいきませんが、飛行機その他につきましては、私は、近い将来に相当の技術ができてくるのじゃないかという期待を持っておるのであります。
#108
○下村定君 そういう問題がおくれておるということは、いろいろの理由もございましょうけれども、私の考えますところでは、この現在の国際闘争というものが、単に昔のように、軍事ばかりでなく、非常に広い手段、広い範囲にわたって行なわれておる。従って、これに対処する国防というものも、軍事一点張りではいけない、国政の全般にわたって考えなければならないと存ずるのであります。で、そういう意味におきまして、この政府の国防に対するお考えの立て方が、そういう流れに沿うてやっていただくことが時勢に適合するゆえんじゃないかと、ひそかに考える次第であります。これはただ私の考えでございます。一応御検討をお願いをして、私の質問を終わります。
#109
○鶴園哲夫君 一つの問題について伺いたいのであります。
 自衛隊が発足しまして十年たちまして、さらに昨年来の自由諸国におきますところの諸事件、こういう問題と関連して、自衛隊も実戦部隊としての様相をはっきり提示してきているのじゃないだろうかという受け取り方をしておるわけであります。で、今回の防衛二法案の内容を見ましても、統幕議長に対します出動時における権限を付与する、さらに戦闘部隊としての能率を強化するという十三個師団再編成、海上艦艇部隊と海上航空部隊、これを実戦部隊としての役割のために一元化する、あるいは保安管制の整備強化、こういうのを見てみますというと、さらにまた昨年来のキューバ、韓国、ラオス、ベトナム、エチオピア、それに、つい最近ありました韓国のクーデター、こういう関連の中で、この臨戦体制というと少しどぎついかもしれませんが、局地戦体制という性格がはっきり出て参っておるのじゃないだろうかと思うわけでございます。しかし、昨年来のこの一連の事件は、反面、この自衛隊に対しまするシヴィル・コントロールを真剣に考えなきゃならないというところにきているのじゃないだろうか。また、十年たちまして、日本にも明確に武装をした一つの軍事社会というものが明らかにでき上がっている。それだけに、このシヴィル・コントロールは慎重に考えなきゃならんのじゃないだろうかという気がするわけでございますが、総理の御所見を承りたいと思います。
#110
○国務大臣(池田勇人君) お話のように、私は、この自衛隊の運営につきましては、これは私が最高の責任者であります。従いまして、何と申しますか、軍人が――軍人という言葉はどうかと思いまするが、とにかくシヴィル・コントロールということは、これは民主主義の根本でございます。私は絶対にこれは守らなきゃならん、この点につきましてはお話の通りでございます。
#111
○鶴園哲夫君 自衛隊のシヴィル・コントロールにつきましては、国防会議、内閣、さらに国会というようなものがあるわけでありますが、自衛隊の内部におきますところのシヴィル・コントロールの象徴は防衛庁長官であると思っております。その防衛庁長官に対しまして、文民的、政治的補佐機関は防衛庁の内局だと思います。この内局が七つございます。内局の中の局が、長官官房、防衛局とか、七局あります。この七局を見てみまして、定員が四百八十名、これは常識的にいいまして、政府機関の一局に当たらない、大体一局というふうに見ていいのじゃないかと思います。この局の中に、もう少し見ますと、教育局というのが、局はありますけれども、課は一つしかない。衛生局でも、局はありますが、これは課は一つしかない。常識的に言う日本の行政機関といたしましては、非常に貧弱です。ですから、内局と言って七局ありますけれども、一局に当たらないような存在ではないか、これが長官に対しまするところの文民的、政治的補佐機関であります。それに対しまして、軍事的補佐機関、これは幕僚監部であります。これは海上、陸上、航空と、三つの幕僚に分かれておりますが、それぞれの幕僚いずれも六部程度のものを持っております。部といいますけれども、これはいずれも大体副部長がおりまして、課もりっぱに整っております。部といいますけれども、大体局に該当するような、行政組織としてはあると思います。いかにも文民的、政治局補佐機関である内局が、はなはだ貧弱であるという点を懸念をするわけであります。もちろん各局長、参事官、いずれも優秀であります。ですけれども、この文民的補佐機関がこういう弱体では問題があるのじゃないだろうかという懸念をいたしておりますので、御所見を承りたいと思います。
#112
○国務大臣(池田勇人君) この自衛隊の運営は、防衛庁長官がおやりになります。そうして、それの政策、企画は内局がやることになっておるのであります。私は、人員とか局の数とかという問題じゃなしに、内局がほんとうにりっぱな施策、企画をやっていくことによって、非制服、いわゆる文民と申しますか、非制服がコントロールしていっておると私は考えておるのであります。だから、今後におきましても、内局の陣容その他につきましては、十分の注意をしていかなければいかぬと思います。
#113
○鶴園哲夫君 重ねてこの点は申し上げておきたいと思いますが、各参事官、実にりっぱな方々であります。しかし、内局が四百六十八名という定員、これは総理もかつて大蔵省で生活なさっておわかりだと思いますが、行政機関の一局に当たらない。しかし、軍事的補佐機関である幕僚監部は堂々たるものであります、内容を見てみまして。従って、内局の問題について、総理の今の、今後とも慎重に検討していきたいということを、重ねて御要望申し上げておきたいと思っております。
 もう一つこれに関連いたしまして、四月の二十六日の衆議院の内閣委員会におきましての、この権限を強化された統幕議長、これを認証官にする気ではないかという質問がありまして、それに対しまして防衛庁長官は、統幕議長は認証官にしたいし、三幕の幕僚長、陸、海、空の幕僚長も認証官にしたいと自分は思っておるけれども、まだ検討は命じていないということであります。私は、実は内心びっくりいたしたような次第であります。先ほど申し上げましたように、文民的、政治的補佐機関がきわめて弱体である。その中で、幕僚監部という軍事的補佐機関は強大なものがある。しかも、四人も認証官にするという考えが防衛庁長官にあるということは、いよいよこれは内局は全く有名無実のものになるのじゃないかという懸念をいたしておるわけであります。ただ幸いに、防衛庁長官もまだ内意のようでありますけれども、もし総理の見解がありましたら、この点一つ伺いたいと思います。
#114
○国務大臣(池田勇人君) この認証官の問題につきましては、いろいろ統幕議長とか幕僚長以外にも、いろいろ問題がございます。それは何と申しますか、昔からの関係がございまして、たとえば大公使というふうな問題と、それから下に何万という人を使っている問題、あるいは最高検あるいは裁判所の問題等もあります。また、同じ高等裁判所の問題、同じ裁判所でも、また東京とその他ではだいぶ違う。いろいろな問題がございますが、私のところには、まだこの認証官につきましての話は一切ございません。また、お話の統合幕僚長、私は昔からよく知っております。これは制服でございます。それから三幕僚長につきましても、私は就任早々会いまして、いろいろ意見の交換もし、その後もやっておりますが、私は認証官その他よりも、私が特に関心を持ち、その人らと常に接触をしていって、そうして非制服と、制服でも上の幹部の方、これは制服、非制服にかかわらず、ほんとうに民主的な考え方をもってやっていただくような方法を、自分自身としてはやっているのでございますが、今三幕僚長はもちろんのこと、統幕議長も認証官ということにつきましては、私はまだ聞いておりません。聞きましても、十分これは検討しなければ、他の振り合いもございますし、歴史的なあれもありますので、聞きましても、十分検討いたしたいと思います。まだ私どものところに参っておりません。
#115
○鶴園哲夫君 重ねまして、この問題について他の振り合いというお話でございました。で、私は、その他の振り合いということは、一つ内局との関係において慎重に御配慮いただきたいというふうに考えているところであります。そのように御要望を申し上げておきたいと思います。
 次にお伺いをいたしたい点は、幕僚監部であります。これは言うまでもなく、防衛庁長官に対しますところの軍事的補佐機関でありますが、これは皆制服で固められております。制服のようであります。はっきり私も存じませんが、職員名簿等を見ますというと、全部制服であります。その意味で、従来とも文民である防衛庁長官が、この幕僚監部の軍事的優越によって制約されるおそれがあるというふうな懸念を持たれて参っているようであります。今回御承知のように、幕僚の議長が大きな権限を持つことになりまして、従来幕僚の議長というものは、幕僚会議の総理をするだけにすぎなかったと思いますが、今度大きな権限を持ちます。そうしますと、いよいよ防衛庁長官が、軍事的優越の制約を受けるのではないかという懸念をいたしているわけであります。それは文官的、あるいは政治的補佐機関であります内局が非常に貧弱である、機構的に貧弱であるというのと関連をいたしますけれども、しかし、統幕議長が権限を持つとなりますと、一そうその懸念を深くするわけでありますが、御所見を承りたいと存じます。
#116
○国務大臣(池田勇人君) 制服のうちでも、昔軍人でなかった人が入っているのであります。林君は、私もよく知っておりますが、あれは昔軍人ではございません。今度の、統幕議長が長官の名においてやるということは、いかにも強くなったようでございますが、この企画、政策のもとは内局でございますから、私は、お話のような心配はないのじゃないか。ことに、別に問題として、内局をもっと強化したらどうかという問題、これはあると思います。そういう点につきまして、私は、防衛庁長官に、今後十分この内局のあり方を、御心配ないように一つ改正する要があれば改正する。ただ私は、今のところでは御心配の点はない、あくまで防衛庁長官が、統幕議長、各三幕僚長を駆使して、そして内局の意見、企画によって処置するのでございまするから、あまり御心配はないんじゃないかと思います。
#117
○鶴園哲夫君 お言葉でございますが、統幕の議長が会議を総理するというだけの権限でありましたけれども、今回出動時における指揮権、あるいは出動時におきますところの指揮命令の基本を立案するという権限を与えられるわけであります。その意味では、これは出動時でございますから、刀はさした、抜きはしないということでありますが、しかし、刀を持っているのと持たないというのは、相当にやはり力には私はなると思います。抜くということは、これはないわけでございます。なかなかないわけでありますけれども、持っているということは非常な権限を与えたことになる、力を持つ。その意味で従来とも懸念されておったわけですけれども、さらに今回その点の懸念をしなければならぬのじゃないかというふうに考えておるわけですが、重ねて御所見を承わらなくてもいいように思います。御所見がありますなら承りますけれども。
#118
○国務大臣(西村直己君) 貴重な時間でございますから、私から簡単にお答え申し上げます。統幕の強化につきまして、ちょっとややもすると誤解があってもいけませんので。
 総理から基本は話されましたけれども、内局の権限は、防衛庁設置法なり自衛隊法によって、政策の基本、たとえば出動するやいなやというような基本的なこと、それから、どの方面にどういうような構想で出動するのかというような基本的な事柄は内局がいたします。もちろん予算、人事は、平素において基本は握っております。それから、統幕議長の今度の権限の強化の内容は、防衛出動等の出動時において統合部隊を作る場合でございます。たとえば陸なら陸だけが動くというような場合におきましては、陸上幕僚長がやります。統合部隊を作る場合において、軍事上の専門的事項についての補佐は統合幕僚会議、議長が統裁しまして、もちろんそれには三幕僚長が当然のメンバーとなっております。そこで、軍事上の一つの考え方を、内局の意見の範囲内において立案して、それを長官のところに持って参ります。長官は、もちろん内局の補佐を受けつつこれを判断する。今度執行する場合は、議長は、それがきまりますれば、軍事面においてはこれを執行します、統合部隊に関し。ただ、その場合でも、それぞれの部隊の人事、管理等の行政面は、依然として各幕僚長に、内局の認めた範囲内においての部分は残してあるわけであります。従来は、それぞれ統合部隊ができたときには、どっちかの幕僚長一人を指定しましてやりまして、航空幕僚長か、あるいは海上幕僚長か、どっちかにやりましたが、三つが一緒になったような統合部隊、あるいは他の二つが一緒になったような場合は、部隊運用の中心を、統合幕僚会議、あるいは議長に持ってきた方がいいという内部的な効率と申しますか、機能の発揮というところに中心を置いたわけであります。もちろん具体的人事といたしましては、この統合幕僚会議議長なるものの人的要素というものは、非常に大事な要素であることは私は十分考えております。補足させていただきます。
#119
○鶴園哲夫君 この議長の権限の強化に関連いたしまして、若干ひねくれた見方だと私も思いますけれども、心配もありますので伺いたいと思いますが、議長は林さんでございますが、私も昔から存じております。なかなかりっぱな方だと思っておりました。れっきとした文官であるわけでありますが、警察予備隊ができますときに責任者として行かれまして、十年自衛隊と行動を共にしておられるわけですが、そろそろ停年に近くなっておるのじゃないかと私は考えております。れっきとした文官が制服を着たわけですけれども、現在陸将でありますが、これがどうやら停年に近くなるというところから、何か今までは議長というのは、単に統合幕僚会議の会議を総理するだけにすぎなかった議長に、いよいよ大事な権限を与えるというのは、何かそこら辺にちょっと回りくどく考えてみたいような気がするのでありますが、これは防衛庁長官でもよろしゅうございますが、御回答願いたいと思います。
#120
○国務大臣(西村直己君) では、具体的な人事の問題でございますから、私からお答えさしていただきます。
 林統幕議長は停年で退官するのではないかとおっしゃいますが、現在まだ五十四才でございまして、統幕議長の停年は五十八才であります。もちろんこの人たちが今後停年がきて退職した場合における統幕議長の具体的人事というものについては、これは総理を中心にした大きな人事でございまして、われわれは、シヴィル・コントロール、また、自衛隊の本来の任務等が十分遂行できるように、よくそれは人選さるべきだと考えております。
#121
○鶴園哲夫君 もう一つだけこれに関連いたしまして、日米安全保障協議委員会というのが昨年できまして、これは、御存じのように、防衛庁長官と、外務大臣と、ハワイの軍司令官と、日本に駐在いたしておりますアメリカ大使、この四者構成になっておりますが、この協議委員会をお作りになりますときに、国会の中におきましても、この下に専門委員会を作りたいという発言がなされておるわけであります。ところが、現実にはこれができなかった。そうして具体的に随時制服同士が話し合いをしていくという形になっているようであります。これは衆議院の内閣委員会におきます防衛庁長官の発言でありますが、私は二つほどこれに問題があるような気がしてならないわけでありますが、この協議委員会を作りますときに、その下に専門委員会を作る、その場合に、日本側としてはやはり文官を入れた、それを米側と合意ができなかったということのようであります。そして随時制服同士が話し合いをしていくということになりますというと、これはどうもこの面から日本の自衛隊の文民優位、こういうものがくずされるという懸念をするわけであります。なおまた、この安全保障協議委員会というのは昨年の九月持たれまして、それから今日まで持たれていないわけでありますが、なかなか持ちがたいようでありますね。持ちにくいようであります。防衛庁長官の衆議院におきます発言からかんがみますと、なかなか持ちがたいように受け取れる。今回米大使が交代しましたので、この機会に持ちたいということで外務大臣と話をしておられるということでありますが、そういう持ちにくい機関のもとに専門委員会を持てない。制服同士で話し合いをして進めていくとなりますと、どうも日本の自衛隊というものが、この面からいっても、どうもアメリカのハワイの太平洋軍司令官の一部隊のごとき取り扱いを受けるような印象を受けるわけであります。従いまして、二点につきまして伺いたいと思います。
#122
○国務大臣(池田勇人君) 安保条約に基づきまする日米協議会は、お話しの通り、昨年九月に開かれたと聞いております。
 これが開きにくいというふうなことは私は聞いておりません。それから、その下部機構に連絡会議を置くということでございます。私の知るところでは、制服のみならず、非制服も随時いろいろ私は相談をやっているんじゃないか。協議委員会の下部機構ということでなしに、実際問題としては、制服は制服同士、あるいは非制服は非制服同士、あるいは非制服と制服というような、具体的な問題は常に協議しておるんじゃないかと思いますが、こういう問題については防衛庁長官からお答えいたします。
#123
○国務大臣(西村直己君) 安全保障協議委員会は、昨年の九月八日に、前長官、外務大臣、マッカーサー大使と正式会議を持ちまして、その後今日まで持っておりません。しかし、これは総理からお話しがありましたように、開きにくいという状況ではありませんが、昨年来、御承知のように、アメリカの政変、こちらの方も選挙等がございまして、従って、新大使、外務大臣とも十分打ち合わせた上で、時期を得て開こう、こういう希望は持っております。ただし、これは同時にアメリカ側の態度というものも、また十分打診した上でなければならない。それから協議委員会は、御承知のように、安保条約の運営上の基本的な問題でございます。従って、下部をどうするか、特に軍事あるいは軍事的な面については、一部には軍事専門委員会を作って、機構としてはっきりきめたらどうか、それに対して構成員をどうするかという意見はいろいろ意見がございます。従って、それらの意見を無理に今の段階で割り切るよりは、必要が両者にあるというふうに意思の合致するときにおいてこれを作ってもよいし、その間におきましては非常に密接な連絡をとる。それがあるいは制服同士が集まってものをきめて、それによってすべて引きずられやせぬかという御心配、一応伺ったわけでありますが、私どもはその意味で、シヴィリアンはシヴィリアンなりに、十分情報の面におきまして、あるいはその他の面におきまして向こうと連絡をとらせております。また同時に、こちら側といたしましては、シヴィリアンの面では、単に軍事だけではございませんで、いわゆる国務省の出先である大使館等とも十分連絡をいたし、必要がもし将来起こりますれば、もちろん機構としての専門委員会も作る日があるいはくるかもしれません。これらは両者の意思を十分検討して、お互いの意思を尊重し、合致したところで作りたい。これが現在の姿でありまして、アメリカ側の軍人にこちらの制服が命令を受ける、少なくとも圧力を受けるというようなことは、これは今のところ絶対に私はないと思っております。
#124
○吉田法晴君 池田総理は近く訪米をされるということで、訪米の話の内容についていろいろ論議をされ、あるいは先ほども横川委員から質問がございましたが、経済的な問題についてはここではお尋ねをいたしません。防衛二法案に関連してお尋ねするのでありますが、二点だけお尋ねしたいのであります。
 沖繩の施政権返還問題については、沖繩の県民、七十万の県民だけでなくて、日本の国民の総意でもあり、かつては国会の決議もあったわけであります。その後、実際問題として中距離誘導弾等の基地等もあって、なかなか話が進まないようであります。岸総理は、出発前には、国民に強い交渉をするという約束をされましたけれども、向こうに行ってはそう強い交渉をされた形跡等はございませんでしたが、沖繩の施政権返還問題について強く交渉をし、実現のために努力せられる用意があるかどうかを一つ伺いたい。
 それからもう一つは、外交問題が主だといわれますけれども、先ほどからございましたように、あるいは中国の問題あるいはラオス、あるいはベトナム、韓国の問題等、アジアにおける外交あるいは防衛の問題等については、おそらくお話が出るだろうと思うのであります。後刻、これのアジアにおける事態に対する。アメリカの方針に基づく日本の態度というものは、具体的にあとで伺って参りますが、これらに関連をして、従来心配されてきた、あるいは論ぜられてきたのは、NEATO結成の何らかの足がかり、あるいは方向等について論議がされるのではないか、こういう推測と申しますか、あるいは心配と申しますか、そういうものがあるわけでありますが、第二次防衛計画については先般御質問がございましたが、アジアの各地の情勢に対して要請があり、あるいはそれらが何らかSEATO、NEATOに関連をする話が出た場合、従来のように、NEATOの結成の、あるいはNEATOの結成への一前進はしない、こういうような答弁でありましたが、これらについて御見解を承りたい。
#125
○国務大臣(池田勇人君) 沖繩における施政権の返還問題につきましては、お話の通り、さきの内閣におきましてもアメリカ政府に要望いたしたのでございますが、御承知のような結果になっているのであります。内閣が変わったから、アメリカのこれに関する考え方も変わってくるように期待したいのでございますが、なかなかそうはいかんのじゃないかと思います。しかし、これは国民的要望であるということは私はよく存じておりますから、そういうつもりで話をしてみたいと考えております。
 次に、SEATO加入の問題でございますが、これは私は出ぬと思います。出ても問題にならんと思う。私は、日本の憲法から申しまして、さらに国民の気持から申しまして、こういうことは、SEATO加盟なんかは問題にならんと私は考えております。
#126
○吉田法晴君 SEATO加入という点を尋ねたわけではございません。韓国なり、あるいは台湾、SEATO加盟国を含む南方との関連もございますけれども、主として日本を中心とした韓国、あるいは台湾、その他SEATOと申したのでありますが、NEATO結成に事実上つながる問題については、そういう話があった場合に、これは従来のように、そういう話については、あるいは多少疑いのあるものについては、全然これは話にのってこない、こういうことであるかという点を尋ねたのであります。
#127
○国務大臣(池田勇人君) 太平洋北方のわが国、朝鮮、台湾等につきまして、私は、経済的の問題は話題になると思いますが、軍事上その他の問題につきましては、話題にならんと私は思います。
#128
○吉田法晴君 それでは具体的にあとでその点はお伺いをすることにして、その前に、先ほど横川委員から御質問のございました七月危機説ではございませんが、七月、あるいはことしの後半については、何らかの事態が起こるのではないかという疑いを持っているのであります。具体的に質問に入ります前に、これは総理ではないのですが、防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、総理の質問に移る前に聞くことをお許し願いたいと思います。
 四月の中旬に杉田陸幕長が帰国され、そうして特別会議が持たれて、その際に、韓国の政局不安と申しますか、あるいは韓国において張勉内閣が不安定というか、何らかの事態が起こるのではないかということで、報告と一緒に、特別作業について協議をしたということを聞くのですが、杉田陸幕長が帰られてのそういう会議がありましたか、あるいは報告があったか、あるいは特別作業等について相談をされた事実があるかどうかをお伺いいたします。
#129
○国務大臣(西村直己君) 杉田幕僚長がアメリカの招聘を受けまして、米国側の軍事上の視察に参りましたことは事実でございます。帰りますと、翌朝早朝私は呼びまして、そうしてその状況も一応聞きました。さらに総理にも短時間御報告申し上げてあります。その間におきまして、格別それほど私は変わった状況というものをとっておるわけでありませんけれども、特に韓国等の問題について云々、特に韓国の問題、あるいは張勉内閣、こういうような問題についてもアメリカ軍側も触れておりませんし、また、われわれもそういう意見は聞いておりませんし、従って、そのために特別な会議をあるいは部内で開き、あるいは特別の作業をいたす、こういうことはないと思います。もちろん陸上幕僚監部でございますから、自衛隊本来の任務に従っての作業というものは、これは日夜やっておるわけでございます。これは御了解いただけると思うのであります。
#130
○吉田法晴君 四月の二十日に自衛隊の警戒警報が発令されたということは新聞にも出ておったところでありますが、この実態を御報告を願いたい。
#131
○国務大臣(西村直己君) これは当時衆議院におきましても報告を申し上げたことでございまして、ちょうど韓国で、レーダーに不明な、はっきりしない上空侵犯があったとかないとかいう通報を受けまして、航空総隊におきまして、これをただ一応の演習として取り扱って、短時間の演習としての情報として流したことは事実でございまして、それ以上、これが事実上空侵犯はなかったようでもございますし、また、これはわれわれとしては直接の関係はございませんから、情報として受け取った。それから総隊が、平素いろいろ意味で、演習をいい機会につかまえてやることはこれは当然の任務でございますので、われわれもそれを報告を受けております。
#132
○吉田法晴君 単に演習として利用したということでありますが、国連軍なり、あるいは韓国軍において警戒警報があって、日本の自衛隊においても警戒態勢に入った、あるいは警戒警報が発令されたという点は、韓国なり、あるいは朝鮮において関心がなければ、これはないはずであります。まあしらばっくれた答弁では説明はつかぬと思いますが、それ以上追及はいたしません。
 これは今後の問題でありますが、五月の二十三日から十二日間、米軍なり他の国々の、何と申しますか、軍人が観戦をするかどうかは知りませんが、航空部隊が中心かもしれませんが、陸、海の自衛隊を含んで、統合幕僚会議の主宰のもとに大演習を行なう予定である、こういうように漏れ承るのですが、そういう計画があるかどうか、承りたいと思います。
#133
○国務大臣(西村直己君) これも私国会を通して申し上げておりますが、五月二十三日から六月三日までの十二日間、航空自衛隊におきまして、日本全域にわたって防空演習を行なうということは、かねてから国会を通して御質問もありまして、お答えをしておるのであります。演習の目的は、日本の航空自衛隊の航空能力を総合的に演練する、レーダーによる情報の精度とか、迎撃機、言いかえますれば、こちらから一応防空態勢で上がります飛行機の緊急整備、防空戦闘の演練、こういうものを指示しますと同時に、保安管制、気象、救難、こういうようなことにつきましても、防空時に必要と思われる運用研究をやる、こういうことになっておるのであります。
#134
○吉田法晴君 防衛二法案改正に伴います統合幕僚会議の運営と申しますか、今のお話は航空自衛隊だけのようなお話でございますけれども、あるいは海陸等の若干の参加もあり、それから、改編された自衛隊の組織と命令系統に従って演習が行なわれるのではないかと考えられるのですが、その点はいかがでございますか。
#135
○国務大臣(西村直己君) これは航空自衛隊、空幕だけの、航空自衛隊だけの演習でございますから、もちろんそれに対しまして、便宜上、陸上及び海上の自衛隊、在日米軍の一部の飛行機等を借りる、こういうような部分はありましても、いわゆる今回の防衛二法案による統合部隊を作成して、統合幕僚会議議長がそれらについてのいろいろ運用上の意見を具申するという程度のものではございません。やはり航空自衛隊の演習でございます。
#136
○吉田法晴君 先ほど来、現在の情勢についてどういうふうに理解するか、むしろ政府なり、あるいは自衛隊の側からする現状把握というものは、先ほど下村委員と総理との問にございましたが、防衛二法案の改正も、統合幕僚会議のいわゆる即応体制の整備という点もあります。それから、十三個師に細分化し、あるいは機動化する、あるいは機械化するという点もございますが、このこれからの第二次防衛計画の基礎になります情勢見積もり等を勘案をいたしますと、先ほど来話があっておりますように、アメリカもそうだけれども、日本の自衛体制も、あるいは自衛隊は局地戦、あるいはゲリラ戦、あるいは治安出動等を目標にし、これに即応し得る体制にしようという点は、これは明らかなように思うのであります。新聞に報ぜられました第二次防衛計画の情勢判断、ICBMあるいは人工衛星時代の日本防衛という報告書、いわばこれは情勢分析、情勢判断というものと同じものであるかどうかわかりませんが、国防白書ともいうべきものといわれたり、これが第二次防衛計画なり、あるいはその最初の第一歩として防衛二法案の改正、あるいは自衛隊の改編等の基礎をなす、あるいは方向を規定するものだと思いますが、その中に、読み上げるまでもございませんが、局地戦争に対応する体制云々という点がございますと。ところが、先ほど申しました杉田陸幕長が帰って来られての新聞談話、あるいは新聞、雑誌等を通じてお話しになられたところを見てみても、ゲリラ作戦に対する対応体制、いわば即応体制、先ほど鶴園君は臨戦体制と申しましたが、そういうものが基礎になっているように思うのですけれども、その杉田陸幕長がもたらされたアメリカの国防政策の中に、はっきりそうした従来の局地戦と違った、局地戦の構想と違った限定戦の様相、あるいはゲリラ戦に対する対策というものがございますが、その他のものは省略をいたします、日本と関係がございませんから。その中に、新聞によって多少違いましたりいたしますが、与国あるいは同盟国との協力体制をとって、これに関連して軍事援助計画を再検討する、あるいは世界週報等に載っております文句を見ますと、こうした局地戦の分野では、アメリカと懸念をともにする他の諸国民と諸国家の協力的努力をどうしても当てにせねばならない。事実これらの諸国民の関心は、こうした局地戦にまっすぐ向けられる場合が多いのである。あるいは、われわれは外部から支援された小部隊をも含むいかなる規模の兵力にも対処し得るよう、今用意を整えておかねばならぬ、また、地元部隊に対しても同様に実力あるものにするため、その訓練に助力せねばならぬ、こういうことが書いてあります。この中にあります、あるいは与国と申しますか、あるいは同盟国と申しますか、あるいは地元部隊、これらの中には当然日本あるい日本の自衛隊というものが考えられると思うのですが、そうすると、SEATOあるいはNEATOに関連するいかなる話にも乗らぬという総理大臣の御答弁でございましたけれども、アメリカの国防方針、あるいは国防予算特別教書に盛られました、局地戦あるいは限定戦に対応するアメリカの与国あるいは同盟国、あるいは地元部隊に対する教育とかあるいは協力とか、こういう問題は当然に出てくると考えなければなりませんが、そういう話がアメリカに行かれた場合に出たらどうされるか、これは一つ池田総理大臣から。
#137
○国務大臣(池田勇人君) お話の点はケネディ大統領の国防教書について出たことだと思いますが、ケネディ大統領のあの教書は世界全体――アメリカと同盟あるいは締約国と、全体のことを言っておるのでございます。わが国は他の国とはよほど事情が違います。私は、どういう話があるか、あの教書だけによってなかなか想像はつきません。やはりわが国の憲法、そうして日米安全保障条約の線に沿いまして、私は、いろんな話がありましても、その線を越えるわけにはいかないと思います。
#138
○吉田法晴君 それでは、これは、私が情勢分析といいますか、あるいは第二次防衛計画の基礎になる防衛庁の文書の一部を読み上げて、日本でも、局地戦に対応するあれが基礎になり、そして局地戦あるいは限定戦に対する体制を整えなきゃならぬという点があり、国防教書の中にも与国あるいは同盟国あるいは地元部隊に対して云々と読み上げたところを総理は聞いておられたかおられなかったかわからなかったんで、もう一ぺん防衛庁長官に返って説明をし、あとで伺いますが、先ほど読み上げました、部分的でありますけれども、情勢分析、あるいは防衛庁の統合幕僚会議、あるいは防衛研修所を中心にして作成されたという「ICBM、人工衛星時代の日本防衛」という報告書、その中に先ほど申し上げましたような局地戦あるいはゲリラ戦、こういうものに対する体制を整えなきゃならぬという文書なり方針があるようでありますが、そういうものはこれは防衛庁としてお認めになりますか、まずその点から伺います。
#139
○国務大臣(西村直己君) ただいま研修所その他では、いろいろそれぞれが研究は恒久的な体制のもとにやっておるわけでございまして、それぞれのまた個人としても研究しておりまして、私、その論文自体は存じません。ただ、先ほど総理からお答えありましたのですが、ケネディの国防教書の中には、あきらかに与国との協力、また、アメリカも局地戦をやるが、与国も一つ十分局地戦に対する備えを期待するという趣旨がございます。これは世界全般に対する一つの考え方でもあり、また、アメリカの国会に対する教書でございますが、われわれの日本との関係は、御存じの通り、日米間の安全保障体制、一つは日本が憲法の精神のもとにおいて自衛力を漸増し、あるいは国情に応じてこれを整える、こういう方針のもとに自衛隊が今後考えられていくわけであります。そこで、私どもとしましては、この二法案を通じ、あるいは今年度の予算審議を通じましても、漸増主義をとりつつ部隊のある程度の整備をはかっている。その目標はどこにあるかと申しますと、わが国のもちろん安全あるいは平和を自衛するという観点から、国力に応じてということになりますと、私どもの方の国情なり国力からは、全面戦争に備えるということは、種々の立場から不可能でありまして、従って、おのずから日本における局地戦、あるいはそれに伴い、あるいはそれと関連しやすい間接侵略等を中心に防衛構想または防衛力の漸増をやっていく、こういう姿になるわけであります。ケネディの国防教書は、日本だけということよりは、世界全般に対する趣旨だと思いますが、わが国はわが国の建前からそういう一つの構想をもち、また同時に、その一つの基盤となっております日米安全保障体制の趣旨を十分生かして参りたい、こういう趣旨で運用なり、また、勢力の漸増を考えているのが現在でございます。
#140
○吉田法晴君 否定も肯定もなさいませんのですけれども、情勢判断、情勢見積もりというのか、情勢判断というのかわかりませんが、そういうものがある。これは新聞の報ずるところによると、海原という防衛局長の国防会議議員懇談会の席上で発表された判断というのですから、これは間違いないでしょう。その中に書いてありますことと、それから統合幕僚会議、あるいは防衛研修所が中心になって作成されたという「ICBM、人工衛星時代の日本防衛」という中に書いてございます分析、これは大体文章は違いまするが、多小似通った点がございます。そしてその似通っている、共通しているところは今お話がございましたが、共同防衛という点では、核兵器などの運搬手段の急速な進歩は、戦争の惨禍をほとんどたえがたいものとし、恐怖の均衡により、全面戦争は、米ソの誤解と誤算に基づくほかは起こり得ないものとなっているが、ICBMの出現はこの傾向をさらに推し進めることになろう、そうして、あるいは大陸間弾道弾、あるいは中距離弾道弾と申しますか、こうした核兵器による戦争の封じ込めと申しますか、これらはアメリカが担当する、だが、この限定された局地戦争発生の公算はなお強く、特に朝鮮、台湾、インドシナなどの不安定な地域を含んでいる極東においては、こうした局地戦争とともに、内乱、ゲリラなどの間接侵略にも備えなければならない。これは防衛庁の文書あるいは情勢判断の中に、朝鮮あるいは中国と書いてあります。たとえば韓国は政情の不安定のためその動向が注目される、あるいは中国に対しては原爆のことが書いてあり、ラオスにおいて中立が実現しても、左右両派の対立抗争によって分裂の可能性がないとは言えない、あるいはインドネシアのスカルノ政権は云々と、こうしてアジアの各国における情勢を分析をして、そしてなお局地戦の可能性については、これらについて否定するわけにはいかぬ。それから国内問題については、革新的な大衆運動が盛り上がりを示しても、安保闘争を上回る程度にとどまるだろう、国内要因だけでは革命にまでは発展しないだろうが、しかし、間接侵略の公算はないとは言えない。こうして、いずれも局地戦あるいはゲリラ戦、そして、それに対して日本が局地戦及び間接侵略に対する抵抗力を持っているのが最も現実的な防衛政策であるとして、局地戦、ゲリラ戦に対する体制を整えようと、こういう方針が第二次防衛計画の基礎にある点は、これは否定するわけにはいかぬでしょう、いかがですか。
#141
○国務大臣(西村直己君) もちろん私どもは、これは防衛は第二次防衛計画が始まって初めて起こる問題ではございませんで、従来、また今日御審議願っておる、あるいはこの間成立いたしました予算、それらを基礎にいたしまして、これから大体五年でございますが、防衛力をどういうふうな整備をはかったらいいか、これが次期防衛力の整備の考え方でございます。従って、部内におきましては、まだ防衛庁としての成案はできておりませんが、部内において作業を急いでいることは事実でございます。そこで、その前提になりますものの考え方でございますが、それは私も、ただいまお読み上げいただきました文章というのは、あるいは新聞であるか雑誌であるか、いろいろな方がそういうお考え方をお持ちになりますが、私どもといたしましては、やはり日本の国力、国情に応じた事柄と、いま一つは日米安保体制を持っている、二つの観点から将来の見通しを立てて参りたい。国力、国情と、いま一つは日米安全保障体制を持っている、その国力の中には、もちろん憲法上の問題、あるいは敗戦から今日に至るまでのいろんな過程、また、日本を取り巻く周辺の事情等もずっと考慮に入れて見通しを立てなきゃなりませんし、同時に日米間における安保体制においてそれぞれ持っておるところのやり方、こういうものを基礎にしてやって参りたいと思うのであります。そこで、結論的には、われわれは、このICBM等のああいう事態は、大きな大国間の戦争抑制力であろう、従ってわが国の国力、国情としては、おのずから中心を局地戦闘なり、あるいはわが国の国土を守り、従って、それに一応付随しやすい間接侵略等が一つの防衛構想の中心になっておるわけであります。言いかえれば、局地戦争、局地紛争、わが国内においての局地の問題、それから、これはその事態が起こるのかと申しますと、起こるというよりは、むしろ起こらないことをわれわれは念願するし、また、自衛隊がそういうことに対して平素いろいろ整備されていくこと自体が、局地紛争、局地戦を起こさないという抑制力としてわれわれは自衛隊があるのであり、こういうふうに戦闘力というよりは、抑制力として働くべきである、こういう考え方でございます。
#142
○吉田法晴君 この全面戦争と申しますか、あるいはICBM等による戦争抑止の努力、あるいはICBM等による防衛戦、これはアメリカなり大国の間で担当をする、日本においては、従来の考え方は、日本を守るについて、いわばアメリカから援助を受ける前に、日本で最初のとにかく阻止をするだけの力を持てばいいというのが大体の考え方であったように今思うのですが、ところが、それがアメリカの方針の変化もございますが、第二次防衛計画なり、あるいは防衛二法案改正の基礎になりました情勢の見積りの中には、日本が局地戦争及び間接侵略に対する抵抗力を持っていることが最も現実的な防衛政策である、こういうことで局地戦争の能力を持つ、これは間接侵略をも防ぐゆえん、こういう今の答弁だけでなしにアジアにおける局地戦争に、あるいはゲリラ戦等に対抗する態勢を整えるべきじゃないかという点が、日本の自衛隊の情勢見積りと申しますか、基礎分析の中にあるのではないかという点を指摘をしたのが一つ。
 それからもう一つは、アメリカの国防教書の中に出ている与国あるいは同盟国、あるいは地元部隊に対しても同様なゲリラ戦あるいは局地戦に対応する態勢を整えさせるべきである、相協力すべきである、こういう点がございますから、防衛二法案によるあるいは細分化、機動力の増強、あるいは近代装備、あるいはレーンジャー訓練と申しますか、対ゲリラ戦に対する訓練装備等もすでに始まっているのでないか、その上に立って国防教書に言われた他の諸国に対しても協力を願おう、あるいは地元部隊に対しても訓練に助力しなければならない、こういう方針がある以上、これらの点について池田総理が渡米されたときに話があったらどうするか、こういうことを最後に池田総理に伺いたいと思います。
#143
○国務大臣(池田勇人君) 局地戦争ということを土台にして、ラオスやベトナムの方にまで行って日本が局地戦争するというような御心配でございますが、これは大へんな私はあれだ、海外派兵はしないということにきまっているのでありまして、また、そんなことは想像だもつかぬことでございます。向こうからそんな話は私はないと確信しております。万が一あるとも言えない事柄だと私は思います。
#144
○吉田法晴君 それじゃ、総理、防衛長官も含んで、国防教書の中にある与国とか同盟国とか、あるいは現地部隊とかいうものの中には日本は含まれない、こういう解釈ですか。
#145
○国務大臣(西村直己君) それは私からちょっと御説明を申し上げますが、あれは世界全般、あるいはアメリカの国民、国会に対しての私は教書だと思いますが、もちろん日米間は安全保障条約という基本的なものも一つございます。また、日本には安全保障条約と同時に、日本の国力、国情という制約の中、もちろんそれには憲法の精神もございますし、その他のものもございます。そこで、日本はみずからの自衛をその構想のもとに進めておりますと同時に、安保精神というものを生かそう、そこで、その範囲内におきましては、もちろん大統領の教書に相呼応するものはあろうと思います。大統領の教書は、あくまで世界全般の、あるいはアメリカ国会に向かって私は発せられたもので、直ちにそれが日本だけ、あるいは日本を中心にさしている、こういうふうには言えませんが、従って、日本は入らないかと言えば、私は、アメリカ大統領の気持としては、当然日本も日米安保体制としての与国というふうには考えているだろう、こういうふうに私はあの教書を解釈いたしておる次第でございます。
#146
○吉田法晴君 アメリカの国会に対し、あるいは日本だけでなくて、世界の与国あるいは同盟国、現地部隊というものを考えてアメリカ側としては考えている。日本側としてどうかという点をお尋ねをしたのであります。安保条約があることも知っております。それから憲法問題も、海外派兵問題に関連をして、衆議院でもずいぶん論議をされた。そうしてこの安保条約に関連をして、あるいは特に松平発言に関連をして、憲法問題に関連をして質問がございました。その中で、池田総理、あるいは林法制局長官は、憲法論としては、何と申しますか、警察目的の場合については、自衛隊法は別として、できるかできぬかということになると、できる場合もあると考えておりますという答弁がございました。あるいは具体的には治安あるいは選挙の監視、こういう平和目的のために出るようなことがある場合には、その組織、機能、目的から考えて、私は憲法違反でない場合もあり得る。同じようなことを林長官が言っておられますが、そういう点からいって、警察軍として、あるいは国連の要請があれば、松平発言ではございませんけれども、協力をしなければならぬ、あるいは国連警察軍その他であれば、憲法上必ずしも違反というのではない、こういうことで、憲法解釈の問題は、海外派兵について、全くそれはできないという答弁ではない。そうすると、安保条約に基づく協力体制についてお話がないということは、これは必ずしも言えないのではないか。自衛隊法の改正なり、あるいは自衛隊の改編等を通じて、局地戦あるいはゲリラ戦に対抗し得る体制になりつつある。アメリカに行った場合に、話はないという予想はされないと、こういうお話でありますが、彼此勘案いたしますと、そういう話があるいはあるのではないか。憲法解釈の点についても、私は、これは従来のあいまいな解釈では十分アメリカとの話の場合に、そういういかなる形においても海外派兵はできないのだから、他の国の局地戦あるいはゲリラ戦に対しても、日本としてはその協力はできない、警察軍としても協力するわけには参らぬ、こういうはっきりした態度がとれるかどうか、池田総理から。
#147
○国務大臣(池田勇人君) 憲法論の問題、そしてアメリカのケネディの教書の問題をお出しになっていろいろの御質問でございますが、私は、はっきり申し上げておりますごとく、今アメリカのケネディ大統領の言う局地戦に日本の自衛隊が行くか行かないかということは問題にならぬだろうと思う。もし万々一問題になっても、それは絶対にお断わりでございます。私はそういうことはあるべきことじゃないと思います。
#148
○政府委員(林修三君) 憲法論の問題でございますが、今おっしゃったような、いわゆるゲリラ的なものに対する今のケネディ大統領の国防教書との関係で実は衆議院でお答えしたものではもちろんないわけでありまして、いわゆる国連警察軍と申しますか、あるいは国連警察隊と申しますか、そういうものと抽象的に憲法との関係のあのとき御質問だったので、それについて、一がいにはなかなか言えないので、それぞれの組織、あるいは目的、任務等を勘案しなければ、一がいには申せないということを言ったわけでございまして、その内容は、吉田委員よく速記録で御承知のことだと思います。で、今おっしゃった、問題になっておりますようなゲリラとか何とかいう問題とは、私の申しましたこととは全然関係のないことだと思っております。
#149
○吉田法晴君 池田総理の答弁の中に、自衛隊法、それらは別といたしまして云々と書いてございますから、自衛隊法の点からいっても海外派兵はできない、こういう答弁だと思うのですが、自衛隊法第三条の中には、「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、」云々と書いてございますが、これは憲法の拡張解釈等から考えて見ますと、論理だけでは、自衛隊法を理由にして出動なりあるいは派兵はできないのである、こういうことにはならぬというのは、たとえば具体的に朝鮮の事態、あるいはこれは過去の話でありますけれども、朝鮮事変の場合に、北鮮の釜山近くまでの、何といいますか、前進、それから南北統一、これは一応クーデターによって南における南北統一の動きは一応おさまりましたけれども、おそらく南北統一の動きというものは今後出てくるでしょう。これは在日朝鮮人と申しますか、総連だけでなく、居留民団も南北統一に賛成をして参った。これは民族的な悲願だと思う。そうすると、南北の統一と、まあラオスのような中立化というものが、かりに進んだ場合、この間からの西村長官からの口裏から言うならば、これらの朝鮮なら朝鮮の事態というものはあまり好ましくないという、反共運動ということで、クーデターによって民主的に選ばれた政府をひっくり返しても、それはむしろ好ましいというようなわけになる。南北の統一、あるいはかってのような釜山近くまでも来た云々というときには、国の安全に対して脅威があった、あるいは間接侵略の危険があるというような強弁をするならば、自衛隊法第三条は、必ずしも障壁としては最善のものではないのじゃないか。むしろ私どもは、国会の決議で、いかなる名義をもってしても、日本の自衛隊は海外に出動することは、これはまかりならぬ、こういうはっきりした――これは与野党をこしての決議であります。これらが最大の問題でありますけれども、それ以外には、従来の論理的な解釈、しかも、自衛の名によって憲法解釈を拡大していく、あるいは自衛の範囲、あるいは防衛の範囲というものを広げて参るならば、これは最大の抵抗にはならぬのじゃないか、こう思います。国会の決議もあり、いかなる意味においても、海外派兵なり、あるいは出動の相談には応じないという池田首相の答弁を信頼をし、その点まあ質問を終わりますが、ただ、もう一つお尋ねいたしたいのは、防衛二法案による改編、あるいはお言葉の中に、説明の中に、即応体制ということがあります。即応体制というのは、これはまあ皆さんのお言葉で言うならば、非常事態に対する即応体制、そういう意味で、私は、まあ鶴園君の臨体制といっても、ある意味においては同じだろう、事態に対応し得る体制をとる、こういう意味において臨戦体制だと思うのでありますが、そういう編成あるいは体制がとられながら、客観的には国防教書に表現されておるアジアにおける他の国々の軍隊に対する要請、あるいは訓練の助力という点もありましょうが、日本の自衛隊に対しても、漸次そういう要請があるということを心配いたしますが、なお、この秋あるいは七月以降の事態と関連をするかどうかは知りませんけれども、自民党の中には憲法改正の論議をされておること、あるいは憲法調査会で行なわれておることは間違いないと思う。憲法調査会での論議をこまかにたどるひまは実にございませんが、第九条に関連をして論議をされている、あるいは国会等にも請願が参っておりますけれども、自民党において、天皇の元首たるの地位を明らかにすべきではないか云々という意見等もあり、あるいは請願を相当多数、何千万も目標にしてとろうという点もございます。憲法改正の意図と、それから、これらの問題等について関連がある自民党の総裁として、何らかの意図があるかどうか、お聞きします。
#150
○国務大臣(池田勇人君) 憲法調査会は法律によって設けられ、いろいろ検討いたしておりまするが、まだ元首の問題等にはいっていないのではないか、経過的なものだと思います。しかし、いずれにいたしましても、憲法を改正するかいなかにつきましての結論は出ていないのでございます。私は、憲法調査会の意見を見、そうして、また国民の気持を考えてやるべきだ。私は三党首会談でも申し上げましたが、また、選挙のときに申しましたが、憲法改正というのは、三分の二以上あったらこれはやるんだというような考え方は持っておりません。国民の大多数がその気持になって初めて私は円満に行なわれるものだという信念を持っておるのであります。
#151
○吉田法晴君 池田総理への質問を中心にやるわけなんでありますが、もう一つ池田総理にお尋ねをしておかなきゃならぬ点がございます。それは、防衛二法案の改正、それから第二次防衛計画の中で、細分化、あるいは機動力の増加、あるいは近代装備云々ということで、局地戦あるいはゲリラ戦に対抗し得る体制がとられつつあることは間違いございません。それが国内的にはいわば治安出動という形で論ぜられておるわけでありますが、この治安出動の点について、昨年の安保騒動の際に、安保改定反対運動の際に、自衛隊の出動について、池田総理はこれを推進しようとした中の一人だと承っております。そしてこの自衛隊の動きに関連をいたしまして、安井国家公安委員長の言明の中にもございますけれども、防衛庁長官と国家公安委員長との間に協定ができておって、国内治安のため必要な場合に自衛隊が出動します場合の基本綱領もきめている次第で、なお、その細目については、防衛次官、警察庁長官との間に細目協定をきめて、さらに必要な現地協定といったものをきめて、常時、出動の際の遺憾なきを期しているわけでありますと、こういうことで、国会にも配られましたけれども、出動の際の要綱、これは国会に言われて全文が出たのではなくて、あるものの私は要約あるいは説明かと思うのです。「治安出動時における行動の基準について」という文書が出ております。その中にもございますし、それから国会で問題になった治安行動草案というものもございます。それを見てみますと、その中に、これは何と申しますか、実力行使の内容として、最悪の場合でありますが、暴徒に対して必中を期して狙撃したり、あるいは刺突をするというようなことが書いてある、あるいは戦車、装甲車によって一挙に制圧するといった表現がございます。それから化学薬品を使うということもあり、あるいは高地から低地に向かって制圧する云々という表現等もございます。この一般に局地から低地に向かうといったような戦術的なものは、これは防衛年鑑の中にあります。陸上自衛隊の新しい師団構想ということの中にも出ております。あるいは国土と地形に対する適応性の強化云々という中にもそういう点がございます。あるいは夜間のやり方、それから年鑑によりますと、戦場となるであろう平地周辺の高地を占領し、主として火力により眼下の平地を支配する必要性が大きいので云々、いわば国内でも――これは国外における危険性については先ほど申し上げましたが、少なくとも否定せられない治安出動の場合の具体的な戦術、あるいはやり方、制圧の方法等がございます。で、これらを紹介をいたしました法律時報の資料版の中にも、編者の解説の中にございますけれども、はなはだ刺激的で、しかも、これはおそらく国内の同胞であります。しかも具体的に、中に出ているように、あるいはデモ隊であるとか、あるいは群衆であるとか、こういうものに対して、こうしたきわめて刺激的な表現が使われておるが、必中を期して狙撃をしたり、あるいは刺突をしたり、あるいは戦車、装甲車によって一挙に制圧する等のことが書いてあるわけでありますが、去年の安保問題の際に、国内治安出動を強く主張をせられたという池田総理としては、どういう方針あるいは覚悟を持っておられるか、伺いたい。
#152
○国務大臣(池田勇人君) 昨年の安保騒動のときに自衛隊の出動を推進した覚えは全然ございません。
 それから命令出動は、自衛隊法七十八条に規定しておりまするごとく、間接侵略その他の緊急事態に際し、一般の警察力をもっては治安を維持することができないと認めた場合に限られるのであります。しこうして、そういう場合がもし万一あった場合ににつきましての公安委員長と防衛庁長官との話し合いは、前もってしておくことが私は適当であると考えます。要は、われわれは善良なる国民を守るために、そういうことのないことを欲して、そしてやっていきたいと思っております。
#153
○吉田法晴君 これは当時の池田通産相が、自衛隊の治安出動について、池田通産相も政府与党内にあって、自衛隊を使って云々という強硬論を主張されたというのは、これは私は何も根拠がなくて言っているわけじゃないので、閣議の模様は知っておりませんから、文書によって知る以外ないのですけれども、そういう表現がしてありますのが一、二にとどまらぬものだから私も実は申し上げるのであります。その際、赤城防衛庁長官が、治安出動についてきわめて消極的であった云々ということで書いてあるわけでありますが、それはまあ積極的に主張されなかったらそんなことはないと思うのであります。そういわれておりますだけに、治安出動については、きわめて慎重でなければならぬと私は考えるわけでありますが、それでは昨年のような場合、あるいは防衛庁の情勢の見積もりと申しますか、情勢分析の中には、当面国内においては、その大衆運動が盛り上がったとしても、昨年の安保以上に多少上回る程度であろうという分析がなされておりますけれども、これらの予想される事態、あるいは、かつての安保問題の際の事態に対しては、それでは池田総理は、これは自衛隊を出動すべき問題ではない、あるいは自衛隊が治安出動をすべきような状態ではないという工合に考えられるのか。これは過去のことについては誤解があったとすれば、今後の方針について承りたい。
#154
○国務大臣(池田勇人君) 過去に私がそういう意見を吐いたりしたのならば御質問が成り立つかもしれませんが、私は、先ほど申し上げたような状況でございます。大体閣議でそんなことが問題になったという私は記憶はございまん。私は全然そういうことは考えておりません。しからば、昨年の安保騒動のようなことがあったときにどうするかという問題、警察力をもってこれを静め得るかいなかということが問題なんでございます。昨年の事例を基準には私はできません。これはあくまで法律に書いてありますように、一般の警察力をもってしては治安を維持することができない、これでいくよりほかにございません。
#155
○吉田法晴君 主張されなかったとするならば、それは誤解であり、あるいは方々で報道されておるのは事実と違うということで、その点も了解をせざるを得ないのですが、問題は、昨年も主張しなかった、あるいはそういう事態に対して、あるいは予想せられる自衛隊の情勢の分析というのですか、そういう事態に対しては、同胞のことでもあるし、国内問題であるから、自衛隊の出動については、きわめて慎重でなければならぬ、こういう答弁であったように思ったから、それを念を押したわけでありますが、条文通りの答弁しかございませんでしたが、はっきりいたしません。重ねて……。
#156
○国務大臣(池田勇人君) 自衛隊の国内出動を、単なるデモその他でやるというふうな私は非常識なことは考えておりません。警察をもってしてどうしても治安の確保ができぬという非常事態が起これば、この規定によって考えなければなりませんが、デモその他によって自衛隊に出動命令を出す、そういうような気持は私は持っていないのであります。
#157
○吉田法晴君 あとは防衛庁長官に関連をして承りますが、自衛隊の出動については、厳に慎重でなければならぬ、これは総理としての当然の答弁だと思うのでありますが、条文に書いてあります警察力で処置のできない段階というのは、具体的にどうなのかということは、大へんむずかしい問題といいますか、大へん大事な問題だと思うのでありますが、出動時における行動の基準について、あるいは行動草案等を見ても、その点がはっきりいたしておりません。制圧の方法といいますか、具体的な実力行使について慎重でなければならぬとか、あるいは最高の指揮者で判断しなければならぬ。ところが、実際には、何といいますか、第一線の部隊長といいますか、あるいは連隊長というか中隊長というか、そういうものも実際に武器を使うこともあるだろう、こう書いてありまして、きわめて保証がない。出動するかどうかというこの区分についてもはっきりいたしませんが、あるいは実力行使なり、あるいは武器を使う際の、何といいますか、いかなる場合に使うべきか云々という点ははっきりいたしておらないのであります。きわめて表現を見ますと心配すべきものがございます。防衛庁長官なり、あるいは総理から明確に御答弁を願います。
#158
○国務大臣(西村直己君) 治安出動は、ただいま総理の御意見、方針が示されておりますように、きわめて慎重であらねばならぬことは当然だと思うのであります。特に、かりに万一出動がありましても、段階というものがたくさんあると思います。最悪の場合に善良なる国民の生命財産を守る、最悪の場合に、武器を使用する場合におきましても、武器の使用にあたっては、まず法律の定める真にやむを得ない場合にのみ限定する。それで、法律では、たとえば自衛隊法九十条、あるいは九十条の一号、二号とか、八十九条、九十五条とか、武器使用の法律的根拠がございます。それに従ってわれわれは最悪の場合でもやりますが、その場合でも、事前に警告も発して、十分予告を徹底するとか、指揮官の責任とか決心とか、こういうようなものを非常に厳格に守らして参りたい。あくまでも国内のできごとに対しましては、できるだけそういう治安出動のないことを政治全般として望みますが、最悪の場合におきましても、さらにまたその中で法律に十分準拠し、かつ、法律がありましても、その前に武器を使わないでもいけるような状態を誘導することに努めて参るようにいたしたいというのがわれわれの考えでございます。と同時に、法律に根拠がないじゃないか、保証がないじゃないかと言うが、法律には、自衛隊法にそういう場合を各条文によってずっときめられてあるわけでございます。
#159
○吉田法晴君 その法律の解釈、あるいは出動の場合の具体的なあり方については、それぞれの文書がありそうですから、個別的に質問をする際に譲りたいと思うのであります。
 そこで、最後に資料を要求をし、提出を委員長において取り計らわれたいのですが、先ほど読み上げました国家公安委員長の言明の中にも、国内治安のため必要な場合の基本綱領、それから細目についての防衛次官と警察庁長官との間の細目協定、必要な現地協定、これは三つになるのか一つになるのかわかりませんけれども、衆議院の委員会で公安委員長からはっきり言われたことですから、これは現にあるものだと思うのでありますが、それを資料として出していただきたい。
 それから、これは公式の言明はございませんが、先ほど新聞で見たり、あるいは雑誌で見る一部のものを引き合いに出したわけでありますが、原典と申しますか、責任あるものを基礎にして論議をいたしたいので、統合幕僚会議なり防衛研究所が中心になって防衛庁で作られたというICBM、人工衛星時代の日本の防衛と称する印刷物、それから新聞に出たもの、海原防衛局長が国防会議の議員懇談会の席上で提出されたという情勢判断と同じものであるかどうかわかりませんが、こうした防衛計画、あるいは防衛二法案改正の基礎になります情勢分析に関する書類、それから、これは第一次防衛計画の基礎になったかと思うのですが、防衛戦略白書というのですか、十四章一万数千語になるというもの、それから治安訓練を、五十八年のシナ派遣軍の経験を付した占領法規の解説書、これは総理は否定されましたけれども、海外に行った場合のこれは占領法規、過去の経験を基礎にした参考書類だと思うのですが、そういう解説書があるという話でありますから、お出しを願いたいと思います。特に最初に申し上げました国内治安のための必要な場合の協議綱領云々は、責任ある国家公安委員長が言明されたものでありますから、あることは間違いはない。それから海原防衛局長の国防会議議員懇談会の席上でお話になった云々というのは、新聞にも報道されていることでございますから、これらは間違いなくあるだろうと思います。
 以上の四つのものについて提出されるように委員長からお取り計らいをお願いいたします。
#160
○委員長(吉江勝保君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#161
○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。
 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、残余の質疑は次回に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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