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1960/04/13 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 逓信委員会 第18号
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1960/04/13 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 逓信委員会 第18号

#1
第038回国会 逓信委員会 第18号
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
   午前十時四十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           新谷寅三郎君
           手島  栄君
           松平 勇雄君
           野上  元君
   委員
           柴田  栄君
           寺尾  豊君
           野田 俊作君
           最上 英子君
           鈴木  強君
           永岡 光治君
           光村 甚助君
           森中 守義君
           山田 節男君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小金 義照君
  政府委員
   郵政政務次官  森山 欽司君
   郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君
   郵政省電気通信
   監理官     松田 英一君
   郵政省電気通信
   監理官     岩元  巌君
   郵政省貯金局長 大塚  茂君
   郵政省経理局長 佐方 信博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便為替法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○日本電信電話公社法の一部を改正す
 る法律案(鈴木強君外七名発議)
○郵便振替貯金法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。
 郵便為替法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のある方はどうぞ御発言下さい。――別に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明かにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 これより採決に入ります。郵便為替法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(鈴木恭一君) 挙手多数と認めます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(鈴木恭一君) 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(鈴木強君外七名発議)、(参第一四号)を議題といたします。
 まず、発議者より提案理由の説明を願います。
#8
○鈴木強君 ただいま議題となりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 昭和二十七年八月、電信電話事業の合理的かつ能率的経営体制を確立するとともに、設備の拡充強化を促進し、サービスの改善をはかるために、公共企業体として日本電信電話公社が成立いたしました。
 しかしながら、公共企業体の性格に対する理解が不十分であるため、八年以上を経過した現在、なお官営時代の制約が払拭されず、経営の自主性の確保及び職員に対する待遇改善については種々の問題を残しております。
 すなわち、経営の自主性については、現行の予算制度は、わずかに弾力条項の発動による弾力性を与えられてはいますが、これでは企業体の予算としては不適当であります。また、職員の給与は、その職務の内容と責任とに応じて定めることとされていますが、予算において給与総額を決定し、職員の給与は、その額をこえてはならないものとされ、公社職員の能率向上の意欲を失わせる原因となっております。
 これらの問題の解決のためには、昭和二十九年一月には臨時公共企業体審議会の答申が、昭和三十二年十二月には公共企業体審議会の答申がなされてりますが、これらの答申に応じた政府の措置は何らなされておりません。
 そこで、この現状を打破するために、公社の経営の自主性を確保するとともに、職員の待遇の改善をはかるためにもろもろの措置を講ずる必要があります。
 さらに、現在電信事業は、電報の中継機械化を初め、あらゆる合理化を進めていますが、事業の持つ公共性よりくる低料金政策によって生ずる赤字は、年間約百二十億円に達しています。そのため、公社全体のサービス提供に支障を来たすおそれがないというわけには参りません。
 そこで、これに対しても政府は何らかの措置を講ずる必要があるものと言わなければなりません。
 これらがここにこの法律案を提案する理由であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明いたします。
 第一は、経営委員会の委員は、一人は、公衆電気通信事業に関してすぐれた経験と識見を有する者でなければならないこととするとともに、経営委員会の権限を拡張し、委員の報酬も相当程度支給することとし、経営委員会の充実をはかり、公社の自主性強化の一助といたしました。
 第二は、公社の予算を政府関係機関予算からはずし、その事業計画の国会の承認をもって足りることとし、これに伴って財務及び会計の規定に所要の改正をいたしました。これによって公社の自主性を強化し、能率的経営を期するとともに、給与総額による拘束も撤廃することにより、職員の給与に対する制約をなくそうとするものであります、
 第三は、公社の電信事業につき経営上損失を生じたときは、毎年、その損失に相当する金額を政府が貸し付けることにいたしました。これによって電信事業の合理化をはかるとともに、公社のサービス向上を期そうとするものであります。
 なお、この法律は、経営委員会の委員の任命の改正規定を、昭和三十七年五月一日から施行するのを除き、昭和三十七年四月一日から施行しようとするものであります。
 以上がこの法律案の内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。
#9
○委員長(鈴木恭一君) 本日のところ、本案に対しましては提案理由の聴取のみにとどめておきます。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(鈴木恭一君) 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。
#11
○野上元君 本法の改正の目的は、料金を改定することによって、事業収支の均衡をはかることがおもなる目的とされておるようでありまするが、現在事業収支にかなりの不均衡を生じておると言っておられるのですが、これはどういう状態になっているのか、明らかにされたいと思います。
#12
○国務大臣(小金義照君) 計数等にわたることでございますので、政府委員から答弁をさせていただきます。
#13
○政府委員(大塚茂君) 三十五年度の収支を申し上げますと、振替だけを抽出して一応の計算をいたしてみますと、二億八千五百万円の赤字を出しておるという状況でございます。
#14
○野上元君 その理由は何ですか、赤字になっておる理由は何ですか。
#15
○政府委員(大塚茂君) 結局人件費の増高等に対応しまして、料金のアップが、料金が上げられなかったということに基づいておるというふうに考えております。
#16
○野上元君 そうすると、結論的には人件費の増加率の方が事業の成長率を上回っておる、こういうことになりますか。
#17
○政府委員(大塚茂君) さようでございます。この前に料金改定をいたしましたのが昭和二十九年でございますが、その後たしか三十二年に千二百円のベースアップがあり、その後も若干ずつベースアップがございますが、それに対しまして、料金の方は全然二十九年以来変わっておらないというような状況でございます。
#18
○野上元君 人件費の増加というのはどういう種類になっておるのですか。たとえば人員の増加による人件費の増加なのか、人員の増加はないけれども、ベースアップ、給与ベースの上昇によるのか、そのいずれの理由によるのですか。
#19
○政府委員(大塚茂君) 人員の増加はございませんで、結局ベースアップが主たる原因でございます。
#20
○野上元君 そうすると、今回行なわれんとする料金改正は、以上のような点を十分考慮に入れて改正をし、将来再び不均衡が生ずることがないという、近い将来にはそういうことがないという見通しを立てた上の料金改正であるかどうか、その点を一つお聞きしたい。
#21
○政府委員(大塚茂君) 私どもといたしましては、収支を見ます場合に、大体過去の五カ年間における人件費の上昇というものを参考にいたしまして、それと同じ傾向で伸びていくとすれば大体どういうふうな推移をたどるか、また、将来五カ年について一応見通しを立てまして、料金をそれに見合うように算定をいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、大体そういう計算からいきますと、何とか見合うというふうな計算をいたしたわけでございますけれども、御承知のように、今回の仲裁裁定をそのまま政府で受諾をするということになりますと、それが過去の人件費の上昇率を上回ったものになりますので、その分については、この料金改定案を策定いたします際には取り入れてそこまでは考えていなかったということになるわけでございます。
#22
○野上元君 私の質問にずばりと答えていただきたいのですが、今回の改正によって、どれぐらいの収支が改善せられ、そうして将来どれだけ長続きするのか、こういうことを聞いているのです。
#23
○政府委員(大塚茂君) 先ほども申し上げましたような過去五カ年間の傾向で人件費が伸びていくという前提に立ちますと、五カ年間は黒字が出るという見通しでございますが、今回の仲裁裁定を取り入れた場合に、それがどう変わるかということの詳細なる計算は、まだいたしておりません。
#24
○野上元君 先ほど、現在の赤字の金額は二億八千万円と言われたわけですが、今回の料金改定によってどれだけの増収になるのですか。
#25
○政府委員(大塚茂君) 三十六年七月一日からの実施でございますが、これが三億九千万円でございます。これが平年度とすると五億二千万円、五億ぐらいの増収ということになります。
#26
○野上元君 その点は一応了解をいたしますが、その次にお聞きしたいことは、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の提案理由説明資料の中にこういうふうにうたわれているのですが、この料金の決定にあたっては、原価を償うこととするのが建前であるが、必ずしも個別原価主義をとることなく、郵便為替事業と郵便振替貯金事業との両事業を通じて、全体としての収支のバランスをとるのだ、こういうことを言っておられるのですが、原価計算主義でいくのが建前であるけれども、必ずしも原価計算主義をとっておらない、こういう言い回しをされているのですが、一体どちらをあなたの方は建前とされているのですか。
#27
○政府委員(大塚茂君) 特別会計が独立採算の建前をとっております以上、原価主義ということを考えざるを得ないわけでございますが、ただ個別のそれぞれ取り扱い種目についての原価を考えるということでなしに、私どもとしては、振替事業の総括原価というものを問題にいたしまして、それを各種目にいかに割り振るかという考え方をとりますと同時に、さらに同じ郵便局で扱っております送金手段である為替事業ともこれを一緒にいたしまして、為替と振替と両事業を通じて収支の改善をはかるという考え方をとったわけでございます。結局、原価主義は建前としたけれども、それは総括原価主義を建前としておる。しかし、それだけに徹し切れずに、ほかの送金料金等との振り合いというようなものも考慮してきめた、こういうことでございます。
#28
○野上元君 個別原価主義はとらないと言っておられるわけですね。原価主義は建前であるけれども、個別では原価主義を必ずしもとっておらないということになると、コストを上回っているのもあるし、下回っているのもある、こういうことになるわけですが、下回っておるものは、どういうものであり、それは下回らなければならないどういう理由があるのか、あるいは公共負担的な性格がそれにあるのかどうか、その点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
#29
○政府委員(大塚茂君) 個別原価主義に必ずしもこだわらないといいますのは、結局、私どもが考えましたのは、為替と振替の両事業について、それぞれの原価主義をとっていない。率直に申し上げますと、為替につきましては、今回の料金改定をやりましても赤字が出るという結果になります。しかし、振替につきましては、先ほど申し上げましたように黒字が出るというふうなことになりまして、両者をつき合わして、原価になるべく近い収入を得るということを一応目標としたわけでございます。そういうふうな方法をとらざるを得なかったのは、先ほど申し上げましたように、ほかの送金手段の料金等とにらみ合わせまして、それ以上為替を上げるということは、為替について禁止的な料金になるということも考慮して、料金値上げを押えざるを得なかったというようなことから、そういうような結果になったわけでございます。
#30
○野上元君 そうすると、この説明資料でうたわれている「個別原価主義をとることなく、」ということは、振替貯金事業及び為替事業の個別の原価主義ではないのだと、こういう意味ですか。
#31
○政府委員(大塚茂君) そういう意味が最も大きいわけでございます。
#32
○野上元君 そうすると、二、三日前あなたの方から私の方へ提供されました「郵政要覧」の一部を読みますると、振替貯金事業の中にも、一部コストを割ったものがあるので、この収支が非常に不均衡になった、こういうふうに書いてあるのですが、そうすると、この振替貯金事業自体にも個別原価主義がとられておらないということになるのじゃないですか。
#33
○政府委員(大塚茂君) 振替貯金事業の中の各取扱い種目についても、やはりそういうことがある程度言えます。
#34
○野上元君 その一部コストを割ったものというのは、どういう種類のものですか。
#35
○政府委員(大塚茂君) 三十五年度の収支で申し上げますと、各種目ともほとんど全部原価を割っております。ただ、今度の改定によりまして、その原価をやはり割っておるものも多少残りますし、原価以上に出るものもあるという結果になっております。
#36
○野上元君 そうすると、あなたの方から出された「郵政要覧」の四十ページの下段の最後の点にあるこの表現の仕方は、これは誤っておるということですか。この表現によりますと、「一部コストを割ったものがある」と、こういうのですが、今のあなたの説明では、現在のところほとんどコストを割っておるのだと、こういうふうに言っておられるのだが、その点はどうなんですか。
#37
○政府委員(大塚茂君) この「郵政要覧」は、おそらく三十四年度あるいは三十三年度の数字を基礎にしてやっておると思いますが、その三十三年度あるいは四年度の数字をはっきり私は実は持ち合わしておりませんが、三十五年度におきましては、数字をもって申し上げますと、先ほど申し上げましたように、各種目について赤字が出ておるという状況でございます。
#38
○野上元君 この点は私表現があいまいだと思うのですがね。もしも全部コストを割っておるのなら割っておると、やはりはっきり書くべきだと思うのですね。こういう一部割っておるから困っておるのだという書き方じゃなくて、全体がだめならだめというふうにはっきりと説明しないと、われわれだって、それじゃこれは一部くらいならいいのじゃないかという気になってしまうのです。その点、表現をもう少し、官庁から出ておる文書は表現が全部あいまいなんですが、その点を十分検討してもらいたいと思います。
 それから、今あなたが言われたように、三十六年度以降において料金改定が行なわれた場合においても、なおかつコストを割るものがある、こういう説明なんですが、それはどういう種類ですか。
#39
○政府委員(大塚茂君) 私どもの一応の計算によりますと、公金払い込み、それから公金即時払い、元利金支払い、国債の元利金支払い、こういうものが少しまだ原価を割っておる、こういう状況でございます。
#40
○野上元君 それは原価を割る理由があるのですか、割らなければならないという理由があるのですか。
#41
○政府委員(大塚茂君) こういうものは、もともとその公共的性格にかんがみまして、前から原価を割るような低料金で扱われておるわけでございます。それにつきまして、今回値上げを相当大幅に行ないましたけれども、やはりそういう沿革的な理由から、低料金を全然全部変えてしまうというわけにはいきませんので、やはり昔の沿革が残っておるということになっておるわけでございます。
#42
○野上元君 まあ企業経営の方針ですが、とにかく伝統を守っておれば、いつまでたっても私は思い切った改善はできぬと思うのですよ。新しいアイデアをつぎ込むのなら、思い切ってつぎ込むという態度でなければ、今までの伝統をずっと守っていったならば、いつまでも赤字のものは赤字、こういうことにならざるを得ないのですが、そういうことに対してはいつあなたの方は踏み切ろうとするのか、その点を今後課題にして研究してもらいたいと考えます。
 それからこの振替貯金事業と郵便為替事業というものは、性格的には非常に違うものだと思うのですね。それをこの収支計算においてはプール計算をするというような行き方は正しいのかどうか、それは邪道なのじゃないかというふうに私は思うのだが、郵政当局としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#43
○政府委員(大塚茂君) 同じ郵便局で扱います送金手段としまして、為替は為替としての特色があり、また振替は振替としての特色があるわけでございまして、これは利用者の好むところ、選ぶところに従って、どちらでも利用していただくという建前になっておるわけでございます。おっしゃられるように、多少そういう特色あるいは性格の相違はありますけれども、同じ郵政事業特別会計の中に包含されておりますし、同じところで取り扱っておるという関係で、私どもとしては、常にその一体としてやはり扱っていくのが、まあ正しいとまでいかぬでも、実情に合うのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#44
○野上元君 あなたの意見に同窓すると、振替貯金事業は、これは黒字になってもよろしいと、しかし、為替事業の方は赤字でいいんだと、従って、為替事業の方は、今回の料金改定によってもなおかつ赤字である。しかも、それは振替貯金事業の黒字で埋めるのだと、こういう考え方が許されるかどうかですね。それほど公共性の問題について相違があるかというのです。この両者の事業の間に、いずれも原価主義をとっていくのが正しいのではないかというふうに考えるのだが、その点はどうなんです。
#45
○政府委員(大塚茂君) 私どもも理論としては一応その通りに割り切りたいのでございますけれども、現実問題といたしまして、為替の料金をとれ以上上げるということは、先ほど申し上げましたように、利用禁止するような料金にならざるを得ないという現実にかんがみまして、その引き上げ率は、ほかの送金手段との均衡を著しく破らない程度に押えざるを得ない。そうしますと、どうしても赤字が残る。振替の方は、従来相当低料金でございましたので、これをある程度上げましても、まだ為替その他の送金料金に比べて少し安いということになりますので、そういう面から少し黒字を出しまして、赤字の振替を現実問題として私どもとしては埋めざるを得ない状態にあるのでございます。
#46
○野上元君 振替貯金の料金の方は、従来は低きに失したと、従って、今回は改定をするのだと、しかし、その低きに失したという方が従来大へんよくて、高きに失する方が収支計算でまずいというのは、それはどういう理由に基づくのですか。
#47
○政府委員(大塚茂君) 送金手段を比較いたしますと、振替の方が手数が割合にかからなくて済むわけでございます。そういう根拠もあり、振替制度を大いに普及させたいという趣旨からしまして、従来低料金で取り扱っておったわけでございますし、また、そういうふうに手数が少し少なくて済むものですから、振替の方は料金が多少安くても収支が割合によかったわけでございますが、為替の方は手数が多少よけいかかるということと、利用数が一時に比べて非常に減少してきておるというような点から、為替の方については赤字が相当大きくなっておるという状態でございます。
#48
○野上元君 その点は、私は将来はやはり別個の事業として十分独立していけるような考え方に変えていかないと、振替貯金が将来かりに衰微の一途をたとるということになれば、これは為替事業の方でカバーできなくなるわけですから、そういう点も今後一つ課題にして検討しておいてもらいたいというふうに考えます。
 それから現行料金でいく場合に、料金値上げをしないでいく場合に、一口座当たりの受け払い数は、どれくらいになったら大体やっていけるのかという点はどうですか。
#49
○政府委員(大塚茂君) 実はそういう計算をやっておりませんので、後ほど一つ計算をしましてお答え申し上げたいと思います。
#50
○野上元君 私は、やはりそういう点が事業経営上必要じゃないかと考えます。ただ、人件費が上がったからどうだのこうだのというんじゃなくて、事業の成長率はどれくらいなければならぬのかという点を、一つ十分に検討された上においての料金改定でなければならぬというように考えるわけです。そういう点から見ても、今回の料金改定には、若干基礎的にあやふやなものがあるというように私は考えますが、そういう点を一つ十分考えてもらいたいと思います。
 それから、これも「郵政要覧」の中に書かれておりますが、振替貯金の問題点の一つとして、適正な料金体系を作る必要があると言っておられるが、その適正な料金というのはどういうものか、その点一つお聞かせ願いたいと思います。
#51
○政府委員(大塚茂君) ここに言っておりますのは、その前の方に、一部コストを割ったもの等があるというようなことで、振替事業として赤字だということが書いてございますので、この適正といいますのは、結局赤字のないような料金、消すような料金体系という意味だと考えます。
#52
○野上元君 それは振替貯金事業だけでなくて、あなたが所管されておる各事業に通じて言えることですか。
#53
○政府委員(大塚茂君) さようでございます。
#54
○野上元君 そういう御答弁をいただくと、為替料金の改正について、やはりそういう考え方でなければならぬと思いますが、改定をしてもなおかつ赤字を認めなければならないというようなことになると、依然として適正な料金ではないということになるわけです。その点はそれを一つ十分検討しておいてもらいたいと思います。
 それから「郵政要覧」中に、振替貯金の滞留残高がふえる傾向を喜び、そのことによって事業の収支の好転を期待しておられるようですが、これは振替貯金事業の本質から見て、こういう傾向をあなたの方は喜ばれるのですか。
#55
○政府委員(大塚茂君) 振替貯金事業の本質は、これは送金手段だということでございまして、その貯金が滞留されるということが本質的なねらいではございませんけれども、事業の収支という面から見ますと、口座に貯金の残高が多いということが、事業収支に貢献をいたしますので、そういう面からいって残留を私どもとしては希望いたしておるわけでございます。
#56
○野上元君 振替貯金事業の経営の主体といいますか、これは料金ではないのですか、滞留資金の融資による利子によってまかなっていくという考え方は、明らかに誤りだと思いますが、その点の考え方はどうですか。
#57
○政府委員(大塚茂君) 理論的にまさしくおっしゃられる通りだと思います。ただ、行き方といたしまして、まあ滞留と申しますか、残高の運用益と、差益というものによって料金を多少安くするということができれば、それもまた一つの行き方ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#58
○野上元君 そうすると睡眠口座がうんとふえて、大きな金が滞留することが、あなたの方は望ましいということになるわけです。その点は非常に私は矛盾があるのじゃないかという気がするが、その点はどうですか。
#59
○政府委員(大塚茂君) 滞留の金額がふえるということと、睡眠口座がふえるということとは、必ずしも一致しませんので、むしろ残高がふえるということは、活動している口座に払い込み金がたくさん払い込まれてくる。そしてそれを加入者が引き出すのを少しおくらしている。あるいは振替口座から現金を他に払い渡す、小切手払いその他で払います場合に、その口座に現金がたくさんあるということでございますので、むしろ睡眠口座というのは、ほとんど残高のない、口座を名前だけ持っているというものが多いわけでございます。
#60
○野上元君 いずれにしても、滞留資金というものは、これは不特定なものですね。これはあなたの方で計画を立てられる性質のものではないと思うのです。従って、事業経営の主体は、あくまでもこれは料金でなければならぬと思うのです。従って滞留資金がふえて、その融資による利子が増大したからと言って料金を下げる、料金に異同を生ぜしめるということがあるとすれば、それは行き方としては、私は邪道だと思うのですが、その考え方はどうですか。
#61
○政府委員(大塚茂君) 先ほど申し上げましたように、理論的にまさしくおっしゃられる通りだと思います。
#62
○野上元君 そしてこの振替貯金の利子ですが、これはどういうふうにお考えになっておるのか、この振替貯金事業というものは、第一条にうたわれているごとく、送金の一手段であって、かつまた、債権債務の決済手段である。貯金事業ではない。従って、これに利子を付せるというようなことは、明らかにこれは行き過ぎじゃないかというような気もするのです。しかし、今直ちにこれを廃止せよという意味ではありません。しかし、これは事業を創設したときの考え方から見れば、明らかに私は行き過ぎじゃないかというような気がするが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#63
○政府委員(大塚茂君) この第一条からいいまして、また、先ほど申し上げましたように理論的に申し上げますと、おっしゃられる通りだというふうに考えるわけでございます。
#64
○野上元君 理論的に私の言う通りだということになるならば、それをあなたの方で認められるということになれば、将来この問題は、じゃどういうふうに取り扱うのですか。
#65
○政府委員(大塚茂君) 実際問題としては、しかしやはり口座に相当の金額が常に滞留しておるわけでございまして、これを私どもは資金運用部に預託して、それに対して預託利子をもらっているわけでございますので、それに対する若干の利子を支払うということは、これまた公平な考え方から言って適当じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#66
○野上元君 そうすると理論的に私の言ったことが正しいのではなくて、やはり若干の利子を付すことが正しいというふうに考えられるのじゃないですか。
#67
○政府委員(大塚茂君) 振替事業としては、先ほど申し上げましたように送金手段ということが目的でございますので、おっしゃられるように貯金事業ではございませんので、これを滞留させるということに主眼を置いてこの振替事業を運営するということは誤りである。これは理論的にはあくまで送金手段、決済手段として考えなければいかぬという点について、私どもは理論的にその通りだと申し上げるわけですが、ただ現実に、先ほど申し上げましたように、口座に滞留する金があるということは、これは避け得ないことでございます。それをまた私どもは有利に運用いたしておりますので、運用益の一部を滞留した金に対してお返しするというのも、またこれ為替事業の本体ではございませんけれども、それ自体をとってみれば、正しいことじゃないかというふうに考えるわけでございます。
#68
○野上元君 そうすると為替を窓口で受け入れて、それで払い出されるまでには相当の日時があるわけです。その金は、明らかに郵政省にあるわけです。その金については、それじゃ利子を付することはしないのですか。
#69
○政府委員(大塚茂君) これはもう四、五日の問題でございますし、一々お払いするときに何日間を要したかということを計算をして利子を支払うということは事実上不可能でございますので、事業全体の収支の中で、そういうものも考えまして、まあ料金をきめてあるということになるわけでございます。
#70
○野上元君 そうすると料金の中に、その付するべき利子も入っておるのだ、こういうふうに考えていいのですか。
#71
○政府委員(大塚茂君) きわめて微弱なものでございますけれども、理論的には、そういうふうに申し上げられると思います。
#72
○野上元君 そうすると理論的には、為替の金もやはり利子を付すべきものだ、もしもふりにできるとするならば付すべきものだ、こういうふうにお考えなんですか。
#73
○政府委員(大塚茂君) 理論的に申し上げますと、そういうことでございますが、事実上実行できないということでございます。
#74
○野上元君 外国振替等で、お互いにこのやりとりをしておる国が十カ国ばかりあるわけですが、これらの国においても、やはりこの利子というものは付しておるのですか。
#75
○政府委員(大塚茂君) 外国におきましては、ほとんど振替の滞留金について利子を付しておりません。そのかわり取り扱い料金を少し低くするというようなやり方をとっておるようでございます。
#76
○野上元君 それは逆じゃないですか。取り扱い手数料を、そのために高くしてあるのじゃないですか。利子を付せないかわりに手数料を高くしてあるのじゃないですか。安くしてあるのですか。両方とも、これは利用者にとっては非常に利得になるのですが、その点はどうですか。
#77
○政府委員(大塚茂君) それは結局滞留金について、やはり利息はついておるわけでございますから、その利息を利用者に還元するかわりに、料金から差っ引いておるというような形でございますので、結局料金は、その分だけ少し安くなっておる、こういうことでございます。
#78
○野上元君 わかりました。
 それで、現在の利子は年二分二厘八毛になっていますね。これを決定された基準というものか、比較するものは何ですか。
#79
○政府委員(大塚茂君) 二分二厘八毛というのは、昭和十九年にきめた利率でございまして、その後金利に相当の変動がございましたけれども、振替のこの金利だけは変更しておりません。従ってこの金利は、必ずしもほかの金利とにらみ合わして常に均衡を考えながらきめられたというものではないように私ども承知いたしておりますが、具体的にそれじゃ昭和十九年に、何を基準にしてきめたかという点につきましては、私も実は詳細に承知いたしておりません。
#80
○野上元君 そうすると、まあ昭和十九年から今日まで変える必要がないという、まあ一つの理屈になるわけですが、変える必要のないという理屈を聞かしてもらいたい。
#81
○政府委員(大塚茂君) はっきりした実は理屈を持ち合わせていないのでございますが、まあ振替貯金としては、先ほど、これはまあ本流といいますか、きわめて一部分のその傍系に属する仕事だというふうな考え方から、そう金利に比例して動かす必要もないというようなことからきておるのではなかろうかと考えます。
#82
○野上元君 その質問は、その程度にしておきますが、次に、外国振替について、ちょっとお伺いしておきたいのですが、ヨーロッパのイタリア初め十カ国に限られて交換が行なわれておりますが、この十カ国に限った理由は、どういうことですか、他の国には、こういう制度がないということですか、それとも相手国が拒否しておるという意味ですか、日本が拒否しているのか、どういう理由によるのですか。
#83
○政府委員(大塚茂君) 結局、万国郵便連合の条約に準拠してやっておるわけでございますが、その取り扱いを開始することについて、わが国とその以外の国との間に、まだ条約を制定していないということでございまして、それは私どもの方からも、まだそう積極的に取り扱いを開始しようじゃないかという申し入れをしておりません。相手国からも、そういう申し入れがないということでございます。
#84
○野上元君 そうすると、その十カ国以外にも、この事業をやっておる国はたくさんある、こういうことですか。
#85
○政府委員(大塚茂君) ほかにも、あるようでございます。
#86
○野上元君 この外国振替の利用状況を見てみますると、昭和三十四年度において払い出しは、口数において六十二件、金額において二十八万円、受け高の方は、口数において八十五件、金額において約二百万円、こういうことになっておるわけですが、こういう僅少な、ほとんど利用価値のないようなものを、今後存続していくつもりですか。
#87
○政府委員(大塚茂君) やはりございますと便利でございますので、今ある制度をやめようということは、さしあたっては考えておりません。
#88
○野上元君 あなたの方では便利と言われるけれども、十カ国で一年間に、わずかに六十二件くらいの取り扱いしかない、しかも金額にして、わずかに二十八万円では、存在の理由はないではないですか。便利と言われるのですが、どこが便利ですか、便利でないから、利用者がないのじゃないですか。
#89
○政府委員(大塚茂君) 外国振替の業務の取り扱いを開始しましたのが、戦後になっては三十年からでございまして、まだそういう一面において、利用周知が行き渡ってないという面もございますし、今後、いろいろ貿易その他が盛んになるに従いまして、利用もふえるのではないかと思いますので、さしあたって、このままで状況を見ていきたいというように考えております。
#90
○野上元君 これは万国郵便条約に準拠してといっておりますけれども、それは義務があるのですか、義務はないのですか、その点はどうなんですか。
#91
○政府委員(大塚茂君) 義務はございませんで、新たに両国の合点を要するわけでございます。
#92
○野上元君 スエーデンに私行ったときに、ストックホルムでポスタル・チェックのシステムを見てきたのですが、これは非常に発達しておって、ほとんどのスエーデンの国民が、このポスタル・チェックを利用しておるようですが、こういう制度は、日本では発達の見込みはないですか。
#93
○政府委員(大塚茂君) わが国の振替におきましても、小切手払い制度というやつが現にあるわけでございますが、その利用は、まだ非常に少ないようでございまして、将来は、そういう面の普及をはかっていかにゃいかぬというふうに考えておるのでございます。
#94
○野上元君 次には、二、三事務的な質問をしてみたいと思うのですが、まず第一に、睡眠口座に対する措置ですが、除名数が三十四年には二万五千口座になっておるのですが、これは全体の何%くらいになるのですか。
#95
○政府委員(大塚茂君) 全体の口座数が四十七万件でございますから、大体五%程度に当たるかと思います。
#96
○野上元君 これは、ずっと過去の実績から見て、毎年こんなにたくさんの口座除名が行なわれておるのですか。
#97
○政府委員(大塚茂君) 大体、私どもの基準といたしましては、戦後当分の間、そのまま放置をいたしておりましたが、まあ事務の簡素化をはかるという面から、二十六年度ごろから、ある程度積極的に睡眠口座の整理をはかっておりまして、二十六年度には三十万口座ばかりを除名をいたしております。それから三十三年に十三万口座、それから三十四年に二万四千程度で、現在まで戦後四十六万口座ばかりを除名をいたしてきております。
#98
○野上元君 傾向としては、だんだん減っておるのですか、ふえておるのですか。三十五年度は、どうですか、見通しは。
#99
○政府委員(大塚茂君) 三十五年度は、まだとっておりませんが、大体、基準といたしましては、法律では、三年間全然受け払いのない口座は除名をすることができるということになっておりますが、実際実行しまする基準としましては、五年間全然受け払いのなかったものに対しまして、あらためて今後利用の意思があるかどうかということを確かめた上で整理をするというやり方をとっております。
 まだ、それに該当するものがある程度残っておるようでございますので、今後も若干出る見込みでございます。
#100
○野上元君 それは三年完全睡眠のものを除名するのが正しいのか、五年まで待つのが正しいのか、あるいはもう少し短縮するのが正しいのか、この点の見解はどうですか。
#101
○政府委員(大塚茂君) 事務の簡素化という点から見ますと、早いほどいいということでございますが、せっかく開いた口座でございますので、やはり最低三年は待ちまして、その上でやるのが正しいのじゃないかというふうに考えております。
#102
○野上元君 その次には、小切手払い事務用の会計機の配置状況を聞きたいのですが、今回の状態では、東京中郵、神田、大阪、京都と、この四カ所に、この機械が配置されておるのですが、現在はどうですか。
#103
○政府委員(大塚茂君) 現在配備されております局は、計六局でございまして、台数は七台でございます。
#104
○野上元君 これは非常に能率的であり、将来どんどんふやしていく考えなんですか。あるいはこの辺でとめておくのですか。
#105
○政府委員(大塚茂君) 相当能率的でございますので、予算の許す限り、将来ふやしていきたいというふうに考えております。
#106
○野上元君 一台幾らぐらいですか。
#107
○政府委員(大塚茂君) 今まで買っておりまするのは、大体一台六十五万程度だそうでございます。
#108
○野上元君 その次に、今回の改正によって、日本放送協会が取り扱っておる放送受信料及び日本育英会学資の貸与金の返還金の取り扱いを新設されるわけですが、われわれとしても利用の増進をはかることについて反対するものではないんだが、そのために、ますます収支のバランスがくずれるというようなことがあるならば、一考を要するんじゃないか。にわかに賛成できないと思うんだが、その取り扱いの見込み数はどうですか。
#109
○政府委員(大塚茂君) 結局、利用者がふえることによりまして、その原価も低くなって参りますので、そういう考え方で参りますと、相当取り扱い数の多いものについては、定料の扱いをいたしましても、それがふえることによって、収支がペーしていくという見通しを持っておるわけでございます。
 放送受信料については、年間取り扱い見込みが十一万件でございまして、日本育英会の反還金は年間十八万件の取り扱いがあるというふうに見ております。
#110
○野上元君 これを開始するための定員措置は、あらかじめやられておるのかどうか、その点を聞きたいと思います。
#111
○政府委員(大塚茂君) まあ合わせまして二十九万件程度でございますが、そのうち放送受信料につきましては、すでに四万件ぐらいは現在も取り扱っております。それから日本育英会の返還金についても、現在若干取り扱っておるものがあるわけでございまして、純粋に今回の措置によってふえますものは、そう多くないわけでございますし、この仕事が、全国の郵便局に大体ばらまかれますと、一局当たりにしますと非常に小さい数になりますので、さしあたって、それに要する定員措置、要員措置というものは考えておりません。
#112
○野上元君 今あなたの説明によると、放送の方は、現在すでに四万件ぐらいやっているということになると、七万件ふえるわけです。育英資金の方は十八万件中、どれくらいやっているのですか、現在。
#113
○政府委員(大塚茂君) 現在十万件取り扱っておりまして、ふえるのが八万件だそうでございます。
#114
○野上元君 そうすると、両者合わすと十二万件ふえるわけですが、これに対する定員の措置は、大して必要ない、こういうふうにお考えですか。
#115
○政府委員(大塚茂君) 振替の一年間におきます全国の取り扱い件数は、五千何百万件かあるわけでございまして、その中で十二万件がふえましても、先ほど申し上げましたように全国にばらまかれますので、特に要員措置を講ずる必要はないというふうに考えておるわけでございます。
#116
○野上元君 最後に、念のためにちょっとお聞きしておきたいのですが、振替口座を利用する人、あるいは振替貯金を利用する人の層というのは、どういう層なんですか。
#117
○政府委員(大塚茂君) 大体、加入者の四割が法人でございますが、これを業種別に申し上げますと、卸小売業が三三%、それから広告あるいは自動車修理、興信所などというサービス業が二二・五%、それから各種の製造業が一九・七%、それから金融あるいは保険業というものが五・六%、それから農業が五%というふうな大体状況になっております。
#118
○野上元君 そうすると、個人では、まあほとんど利用されておらない、こういう結果になるわけですか。
#119
○政府委員(大塚茂君) 口座所有者の六割は個人でございますが、これに振替を払い込むような利用者は、結局国民の大部分だということが言えると思います。
#120
○野上元君 一応この程度で、私の質問は終了いたします。
#121
○山田節男君 この今回の郵便振替貯金法の改正の中で、NHKの受信料の取り扱い問題ですが、ただいまの野上君の質問に対して、現在NHKの受信料を年間四万件ぐらい扱っている。総額の金がどのくらいになるか、それからNHKの受信料を特定郵便局で取り扱っていると思うのですが、特定郵便局で、NHKのテレビ、ラジオの受信料として取り扱っておる、件数はいいのですが、総額は、どのくらいの金額に上っているか、最近の集計があれば、お示し願いたいと思います。
#122
○政府委員(大塚茂君) 振替で取り扱っておりますものは、大体の見当がつきますが、特定局に委託されておりますものにつきましては、ここに資料を持ち合わせておりませんので、後刻お答え申し上げたいと思います。大体、放送受信料の一件当たりの払い込み金額が平均四百五十八円ということになっておりますので、それに四万件をかけますと、大体千七百万円程度、二千万円足らずという、振替の取り扱い高は、その程度になっております。
#123
○山田節男君 NHKの報告によりますと、大体三十四年度は、ラジオとテレビとの受信料の総収入が三百八十億円くらいで、その六割は郵政省関係で集納しておることになっておるわけです。そうすると、この振替貯金の件数はわずか四万件で、金額で千七百万円というと、そうすると、他の方が大へんな金になるのですが、これは特定局を通じて納めておるということは、これはどういう形で入ってくるのですか。振替貯金でもなし、為替でもなし、実際、どういうふうに扱っておるのですか、ラジオ、テレビの受信料というものは。
#124
○政府委員(佐方信博君) これは直接加入者が、郵便局に持ってきた分が、今度の振替の改正になるわけです。今までやっておりましたように、郵便局員が、一々集金に行きました分は、郵政省が集めてきましてから、郵便局からNHKへ面接振替で送る、この振替制度でなくて、いくわけです。
#125
○山田節男君 どういうことですか。
#126
○政府委員(佐方信博君) だから、郵政省が法律によって委託を受けるわけでございますね、だから郵便局員を使いまして、個々の人から集金してくるわけです。そうして郵便局は、現金が入って参りますと、郵便局長が、NHKに振替で送るわけです。
#127
○山田節男君 振替貯金ですか。
#128
○政府委員(佐方信博君) はい。それはここにありますような公金に準じた扱い方ではないわけです。ここで法案として問題になっておりますのは、個々の加入者が、自分でNHKへ金を納めますかわりに、郵便局まで来て、そうして振替用紙を使って、NHKに送るものを、今度の法律で安くしてやろうというふうになっておるわけです。
#129
○山田節男君 そうしますと、この現行法で、特定郵便局がその集金をして、振替でNHKに送るその金額というのはわかるでしょう、どのくらいになりますか。
#130
○政府委員(佐方信博君) それはちょっと、郵務局でやっておりますものですから、帰って調べますと、すぐわかりますが、ここでちょっと……。
#131
○山田節男君 これは、私、なぜこういうことを申し上げるかというと、NHKの受信料の問題は、これは、どうしても何とかしなくちゃならぬ。たとえばカナダ、アメリカ、英国、それから西ドイツ等を見ますと、ラジオ、テレビの受信料は、もう全部郵政省で扱う。しかし郵政省は、コミッションを大体五%、これはもう天引きでとってしまう。これが手数料になるのですけれども、この現行でやっておられる、特定郵便局で集金して、そしてそれを放送局へ振替で送るということになると、そのコミッションというものは、為替料金からいいますと、これは五%や六%ではないと思うのですが、その点はどうでしょうね。現行でたとえば百億扱っておるとして、それの何パーセントくらいのものが為替料金として入っているか、そういうことはわかりませんか。これは郵務局の問題でしょうけれどもね、収入は。
#132
○政府委員(佐方信博君) 実は、NHKの集金をいたしましてやります分の手数料としまして、郵政省としましては、三十六年度におきまして約四億七千万ほどNHKからもらうことになっております。それで先生のおっしゃいましたように、総取り扱いの金額がわかりますと、そのパーセンテージは、それを逆算するわけですから、帰りましてから、よく調べまして、御報告申し上げます。
#133
○山田節男君 これは委員長に一つお願いしたいのですが、これは非常に重要な今後のデータになると思う、特にNHKの受信料の問題につきまして。これは私は、年来の主張として、NHKのラジオ、テレビの受信料は、総括的に郵政省で扱うべきものだ、実は私は、そういう主張を持っています。
 そこで従来、過去、テレビができてからでよろしゅうございますから、過去三年ないし四年の郵政省郵務関係のNHKの受信料の扱いですね、扱い量、それからそれに対する振替貯金の料金、こういうのを一つ、これはすぐはできないと思う。日にちをかけて調べて、資料を一つ各委員に配っていただきたい。お願いします。
 それから、今手元に配られておる振替貯金の一部改正をみますと、十五ページに5のところに、「公金等に関する郵便振替貯金の取扱料金」として、「公金払込み」これが、NHKの受信料の扱いに該当すると思うのですが、これは意味がよくわからないのですが、「公金払込み」「払込金額の総額の千分の五に相当する金額に一の払込みについて十五円を加算した金額」これは具体的にいいますと、どういう意味ですか。
#134
○政府委員(大塚茂君) 公金で申し上げますと、納税令書一枚について十五円をとる。そのほかに、その人の公金で払い込みされました金額を合計しまして、それの千分の五に当たる料金を加えた額を、地方公共団体なり、日本放送協会なら放送協会のその払込金額の中から、料金として差し引く、こういうものでございます。
#135
○山田節男君 そうすると、具体的に一万円の公金を扱う場合に、料金として、一件十五円、プラス千分の五ですから、五十円ですか、そうすると六十五円になるわけですか。
#136
○政府委員(大塚茂君) さようでございます。
#137
○山田節男君 これは大臣に、ちょっと私、御意見伺いたいのですが、三十六年度のNHKの予算につきまして、本委員会で、いろいろ真剣な審議がありましたときに、受信料というものについて、片一方NHKにおきましては、受信契約者の開拓維持のために、それから集金の関係として、三十二億何ぼの金を使っておる業務として、そうして全体に見ますと、今度の予算におきますというと、ラジオ、テレビ、入れますと、約三百九十億ぐらい、そのほとんど六割というものは、特定郵便局を通じて入っている。あとの四割を、集金し、また一方においては、ことにラジオの解約者を防ぐために、いろいろPRをやっている、三十数億の金を使っている。これは今後、NHKの受信料をどうするかという問題は、郵政大臣も公約されたように、またNHK当局としても、それに取り組んで、一応結論を出すということを申しておりますが、これは私の個人の主張から、どうのこうの申すわけじゃございませんが、実質的にではなく、NHKの受信料というものは郵政省が六割を持っておる。将来NHKの受信料を確保するためには、どうしてもNHKが、ああいう特殊法人としましても、集金をしていかないことには、強制執行権なんか持たすことはできないのですから、郵政省が、この全部集金することは、これはいいのです。イギリス、カナダ、西ドイツはやっておるわけです。そうして、その金額が多くなりますし、取り扱いを何と申しますか、簡素化してやれば五%のコミッション、これは郵政省です。これが大体の妥当な線じゃないかと思うのですが、これは今年度に実現されるか来年度に実現するかわかりませんが、いずれにしても、私はこのNHKの聴取料問題とその他から申しますと、将来は四百五十億になるだろうと思う。
 ですから、今回の振替貯金法の改正において、放送協会の受信料について、公金に関する振替貯金の扱いと同様にされると、それは私は、御趣旨はよろしゅうございますけれども、少なくともここ数年間に、何とかNHKの受信料の問題を合理化しなくちゃならないということになりますというと、私はこの法律改正はむしろ今、今日おやりにならなくても、もう少しお待ちになって、そうしてNHKという半ば今度は税金に近い、あるいは免許料に近い性質のようなものになってくれば、当然郵政省が扱うべきものである。私は公金の扱いによりましてみますというと、かりに四百億のラジオ、テレビの受信料があるが五%、二十億です。で、ただいまの佐方経理局長の概算ですけれども、特定郵便局が扱ってきて、そしてNHKからもらうコミッションというのは四億六千万円内外、五億円に足りないわけです。ですからこれは郵政省の、こういう収入を確保するという意味からも、むしろ私は、NHKの受信料を今後性格を変えることによれば、必ず郵政省の厄介になってもらわなければならぬということになれば、やはり振替貯金あるいは特定郵便局から、NHKに払い込む場合の方法は、これは私は幾らも方法があると思いますが、こういう点から考えまして、特に今回NHKの受信料を、公金扱いにして振替貯金のワク内に、そういう公金のワク内に入れる。こういうことにつきまして、そういうことまで私お考えになってなかったんだろうと思うのですが、この点どうでしょうか。もう私は、そう長くない将来のことですから、今特に、こういうことを設けておやりにならなくても、もう暫く待ってNHKに対しては、むしろ金額も大きいのであります。それから一つの税金に類したものとすれば、これから扱いが変わってくると思います。
 こういう点について大臣は、こういう改正法をお作りになる経過において、これは貯金局長もそうですが、そういうことをお考えになったかどうか、御意見承りたい。
#138
○国務大臣(小金義照君) 日本放送協会の徴収する聴取料と申しますか、その料金の総額を、今郵便局で扱っている現状から申しまして、実は私は郵政審議会に、この原案をかける前に、日本放送協会から、こういうふうに取り扱ってもらいたいという希望もありまして、郵政審議会でも、もっともだというので、こういう答申が出ました。今、山田さんのおっしゃったような、日本放送協会の聴取料というものの根本的な性格をどうするかというようなことに関連して、その徴収方法等も本質的に変えるというようなことがあれば、これはそのとき考えなければならん、お説の通りの問題だと思いますが、現実には、やはり全部の聴取料を郵便局に委託することも一つの方法でありますが、今の日本放送協会の現状からいきますと、直接の料金を集める人を使うということは、各地方におけるラジオやあるいはテレビジョンの不鮮明なところ、あるいは故障の申し出というような苦情も一緒に聞くというような機会を与えたいというので、二本建と申しますか、直接調査するのと、それから郵便局に委託するのと、両方やっているようであります。
 そういうような関係で、私どもは根本的な問題が解決するまで、このような希望がございまして、またこれも郵便局で取り扱い得るものでございますから、この改正案を私ども決定して、国会に差し出したものでありまして、今お説のような今後の根本問題の取り扱い方いかんによっては、私は変わり得ると思いますが、とりあえずは、私はこれでやっていただきたいという希望でございます。
#139
○山田節男君 先ほどの大塚局長の御説明によりますと、たとえば公金に関する郵便振替貯金の取扱料というものは、改正法によりますと一万円について六十五円の手数料、六厘五毛のコミッションになる、コミッションというと語弊がありますが、手数料になる。六厘五毛というのはいかにも安いです。と申しますのは、NHKの業務局でやっておりますのは、直接奥金人と、それからある特定の民間人を集金人に委託しております。そうして集金をしている。それらに出しているコミッションと申しますか、先ほど申しましたように、業務関係でPR、開拓、解約防止をするために三十二億の金を使っている。これからみますと、これは、ばく大な金を、全体の四〇%のためにNHKが使っているわけです。そうしますと、六厘五毛というコミッションは、これはいかにも安過ぎると思う。今度の改正法を見ますと、従来の、たとえば千円の振替貯金について見ましても、二十五円であったのが三十五円、十円というと四〇%弱上がる。一万円につきましては、従来四十円であったのが七十円ですから実に七二%値上がりする。こういうような改正法案の建前になっておって、NHK、これはなるほど特殊の公法人でありますけれども、六厘三毛というような低率の手数料で扱うということは、私は国民放送だからいいです、いいですけれども、しかし他のバランスから見ても、あるいは将来のNHKの受信料というものは、これはどうしたって私は、やはり国家がそれを代金収納をするということをしなければ、NHKの経済というものは立っていかないから、そういう一つの伏線を考えますならば、今回、こういう六厘五毛というような、今日の低金利の政策から見ましても、これでは私は、あまりに恩恵に過ぎるのではないか、他の税金の場合と違うのです。ですから、そこらあたりのバランスを、どういうふうにお考えになっているのか、あまりにNHKの業務局でやっている集金のために、費用を政府がやる場合に、六厘五毛でやってやるのだ、こういうとのアンバランスは、これは非常に不公平じゃないか、特に振替貯金の赤字財政というものをカバーするために、今回かなり大幅の値上げになっております。そういうものから見ますと、公共放送の受信料に対するコミッションは、あまりに低い、こういう点から見まして、私はもう少しNHKの受信料というものの将来ということは、郵政省自体の問題として、こういう先例をお作りになりますと、将来これを、どういうふうにするかということになりますと、これまた、七倍にも八倍にもなってくるということになりますので、こういう点からも、私はもう少し慎重に考慮された方がよかったんじゃないかと思うのです。
 これは私、意見にもなりますが、私は、これは大臣並びに大塚貯金局長ですね、こういうことは、よくお考えになっておやりにならぬと、将来そういうような問題に直面した場合に、これはまた、アンバランスの問題になってくるということになって参りますから、この点を一つ、私は意見として、これは討論でございませんけれども、私の私見を加えて、どうも、これはバランスを失するように私は思うのです。この点、一つ当局にお考え願いたいと思います。
 私は、これで終ります。
#140
○国務大臣(小金義照君) ただいまのお説はごもっともでございまして、公金の取扱いは、大体税金またはこれに準ずべき地方公共団体等の金でありますので、なるべく料金は安い方がいいというので、振替貯金を利用していただいておりますが、NHKの今の他の集金のコスト等から考えますと、確かに御指摘のような点があります。これらも総合的によく考えたいと思っております。
#141
○委員長(鈴木恭一君) それから、先ほど山田委員から御要求の資料は提出できますか、お願いいたします。
#142
○国務大臣(小金義照君) 後ほど作成させて、お手元に届けたいと思っております。
#143
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、今日の質疑は、この程度にとどめておきます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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