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1960/06/06 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 逓信委員会 第31号
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1960/06/06 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 逓信委員会 第31号

#1
第038回国会 逓信委員会 第31号
昭和三十六年六月六日(火曜日)
   午前十一時二十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員植竹春彦君辞任につき、その
補欠として小柳牧衞君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     鈴木 恭一君
   理事
           新谷寅三郎君
           手島  栄君
           松平 勇雄君
           野上  元君
   委員
           植竹 春彦君
           大谷 贇雄君
           黒川 武雄君
           小柳 牧衞君
           柴田  栄君
           寺尾  豊君
           野田 俊作君
           谷村 貞治君
           久保  等君
           鈴木  強君
           光村 甚助君
           森中 守義君
           山田 節男君
           奥 むめお君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小金 義照君
  政府委員
   郵政政務次官  森山 欽司君
   郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君
   郵政省電気通信
   監理官     松田 英一君
   郵政省電気通信
   監理官     岩元  厳君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  説明員
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
   日本電信電話公
   社副総裁    横田 信夫君
   日本電信電話公
   社技師長    米沢  滋君
   日本電信電話公
   社職員局長   本多 元吉君
   日本電信電話公
   社営業局長   大泉 周蔵君
   日本電信電話公
   社施設局長   平山  温君
   日本電信電話公
   社経理局長   山本 英也君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公衆電気通信法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより開会いたします。
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続いて、御質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。
#3
○山田節男君 今回の公衆電気通信法の一部改正によりまして、電電公社の電話料金の、料金体系の一種の革命的な合理化を行なうというこの法案でありますが、まず総括的な質問を総裁と、それから郵政大臣にお伺いしたいと思うのです。
 まず第一に、今回の料金体系の合理化と申しますか、これにつきましては、過般電信電話料金調査会の答申に基づいて、この法案を作られたように了解するのでありますが、従来、電電公社が扱っておる電話並びに電信――電話はこれは幸いにしてと申しますか、当局の非常に熱心な合理的な計画が着々進められまして、収入の点においても相当増大しておる。しかし他方、電信は年々赤字を重ねておるという状況である。従って電電公社として、電信電話の料金業務を扱う、いわゆる独占企業体としましては、ことに赤字続きである電信料金というものと電話料金というものは、これはやはり別個の収入の道でありますから、これは、ことに郵政大臣として、電信電話料金調査会の答申案を見ましても、当然電話料金の体系の合理化と同時に電信の料金も合理化すべきでないか。申すまでもなく、こういう公衆通信の料金というものは、あくまで公正妥当でなければいけない、いわゆるジャスト・アンド・リーゾナブルでなければならない、これが原則なんですね。しかるところ、今回の法案を出されたところを見ますと、肝心な公共企業体である電電公社の収入源としまして、電信の料金というものについて何ら触れられていない、答申書にはあるけれども、法案には現われていない、そのいきさつはどういういきさつがあるのか。大体、先ほど申しましたように、公社の企業体としての不健全な収入源である電信料金を、なぜこれに対して法律改正のときに考慮しなかったのか、これをまず第一にお伺いしたい。
#4
○国務大臣(小金義照君) 答申には両方出ておると思いますが、これを私ども取り上げる際に、料金の調整と申しますか、合理化の案を立てるのを両方一緒にやるかどうかという問題にさしあたったのであります。これは一つの事業体で二つ以上の収入がある場合に、どれもこれもがペイするような合理的な、今おっしゃったリーゾナブルな料金に直すことが望ましいのでありますが、たとえば日本放送協会につきましても、ラジオの方は少し赤字が出るのでありますが、しかしテレビジョンの方で相当な収入があって、これを吸収し得るという状態で、過般もあのような収支決算の御承認をいただきました。電電公社の場合につきましても、電報料金は合理化する必要がある。これは字数の問題とか、いろいろなのがありまして、もう少し私どもとしては検討した方がいいのじゃないか。しばらくの間は電話料金の方でこれはまかない得るというような見地から、相当長い期間にわたって準備をしなければならない。公衆電気通信法の改正まず一本やりにこの際は御審議を願って、いずれさらに検討を加えた上、電報料金の方は処置をしたい、こういう考えでありまして、なお詳細は総裁からお答えをさせていただきます。
#5
○説明員(大橋八郎君) ただいまの御質問に対してお答えいたします。このたびの料金の合理化につきましては、むろん電信電話両方の合理化をはかるべきものと考えているのでありますが、また、その趣旨に基づいて調査会におきましても、電信についても一応の案が出ておったのであります。ただ、この電信の案につきましては、調査の途中におきましても、いま少しく電信事業というものの本体を掘り下げて、今のような赤字のままでいいか、あるいはこの赤字を根本的に埋め得ないまでも、相当程度までいま少しく赤字を解消するとか、何らかの方策を同時に考えたらどうかというような意見もむろんあったのでありますが、しかし、そこまでやりますためには、相当研究を重ねなければ、なかなか結論に達し得ないということが明らかになりましたので、とりあえず、当面の合理化ということである程度の案が出たのでありますが、いよいよ政府の方でこれをお取り上げになる場合に、さらに考慮された結果が、この際は電話だけでいこう、電信についてはさらに掘り下げて、いま少し根本的な問題までも研究した上でやるというふうな、政策的な見地から電話だけを取り上げるということになった次第と了解いたしております。
#6
○山田節男君 これは大橋総裁は、経営委員長として電電公社の創立以来、電電公社の最高方針については、議決機関の責任者としての要職におられたわけです。従って、二十八年の電電公社が第一次五カ年計画――これは国会は二回も電話の早急な増設をやれという決議を出している手前から、公社としては発足と同時に電話の拡充計画をやるということは、これは絶対的な使命でありますけれども、幸か不幸か、国際的に共通の現象である電信収入、電報の収入減というものは、これは国際的な現象であります。従って電電公社として、電信と電話の独占企業体として、この二つの大きな国民に対する電気通信役務の提供という奉仕的な使命から考えまして、電話の拡充計画、これはもとより根本的な改革をやる、国民の要望にこたえるということが、これは当然でありますけれども、アメリカのように電話事業と電信事業と別個な企業体になっていないところにおきましては、これはもう電電公社としたらば、電話と同時に電信に対する合理化、これに対するサービスの利便を促進するというようなことは、これは当然の義務でなくちゃならない。従って、第一次の五カ年計画、なるほど電信に関するいろいろなプランも立っておられまして、自来今日まですでに八カ年経過しておるわけであります。そのずっと経過を見ますというと、電報に関する限り、これはいろいろ電報の中継等の機械化、ある程度の合理化が行なわれていることは、事実は認めますけれども、しかしこれは当然いろいろ要員の問題もありましょう。あるいは電話と電信業務との交錯した部面もありましょう。そういう点から見まして、とにかく電信業務は、これはやはり電話の利益を受け入れられないもの、あるいは緊急を用するもの、電信としてのサービスは、これは特殊の使命を持っておるのであります。過去八年間の電報業務の収支の面から見ましても、電話に比べて非常に発達が遅々としたテンポであるように私は思わざるを得ないのです。そこで今回幸いに電話の料金体系を近代化しなくちゃならない、これは私は了承するわけです。同時に、この電信業務というものに対して、どうも私は電電公社としての誠意が足りないと言っては語弊があるかもしれませんけれども、なおざりにしたということも、これは語弊があるかもしれませんけれども、もう少し私は電電公社として電信業務に対する創意工夫をこらされていかなければならぬのじゃないかと思うのです。こういう点は、今郵政大臣がおっしゃったように、NHKにおけるラジオとテレビジョン経済、かつてはこれを分離さしたのであります、ラジオの経済とテレビの経済を分離さした。ところが、これもやはり五カ年計画という名をかりまして、一昨年から、ラジオとテレビの料金を一本化して、彼此相融通というこれは立場をとっておる。これでいいか悪いかということは、これは今日のようにラジオが減退しテレビが伸びておるという実情から見ますれば、今度はラジオの受信者がテレビの犠牲になるのじゃなくて、テレビの聴視者がラジオの犠牲者になるのだ、こういうような現状になってきているわけです。そういたしますと、私はこの電電公社の電信電話、両業務の独占企業体という点から考えますと、どうも今回の合理化、料金体系を合理化すること、なお各般の合理化運動としまして、電信業務というものを、それでは第二次五カ年計画のあと残りました今後二カ年間におきまして、この異常な電話の拡張計画に対して、どの程度の電信に対する業務の開発といいますか、発展と申しますか、そういうプランをお持ちになっているのか。これは抽象的でよろしゅうございますから、一つお知らせ願いたいと思います。
 それからなお、郵政大臣にお伺いしますが、この電信電話料金調査会におきます答申は、具体的に電信料を十円方上げて、従来十字であったものを十五字にして、最低限度を十五字にして七十円、これは数年前アメリカのウエスタン・ユニオンにおきましても同じようなやり方、最低の文字数を伸ばしまして、料金をそれより実質上上げておるということでありますが、そういうやり方を依然としてやっておるわけですね。で、これを、今大臣の御答弁でありますが、いわゆる池田内閣における所得倍増計画に伴う物価の上昇、しかも諸般の公共料金の引き上げ、これにいわゆる唱和するような誤解を受けてはいかぬという建前から、特に電信料金の問題について差し控えられているのかどうか。そのことは先ほど申し上げましたように、あくまで電気通信の役務の対象というものは公正妥当でなければいかぬ。今日の諸般の物価から見ますれば、かりにこの答申案にありますように、十円の値上げによって五字をふやして、十五字を最定限度にする、これは必ずしも妥当でないとは言えないと思うのです。その間に政治的配慮をお持ちになってこういう片手落ちな料金体系の合理化をあえて今回お出しになったのか、これを一つ大臣の考えをお伺いしたい。
#7
○国務大臣(小金義照君) 今お尋ねの第一点の電信、電報関係の計画につきましては、総裁からお答えを申し上げます。
 第二点の答申案において、最低限十字を十五字にして、ある程度の今の単位料金が上がるという政策につきまして私ども検討を加えましたのですが、今所得倍増といいますか、経済の成長率等を勘案いたしますと、電信、電報の需要は相当ふえ、そこで今十字を単位にするがいいか、十五字を単位にするがいいかというようなことについて、実情等のもっと詳しい調査が必要であるのではないかというような議論がいろいろ出まして、いずれにも実はなかなか到達点が得られなかった。さらに今、大橋総裁の言われたように、根本的にもっと実情について検討を加えようというようなことで、今回は見送ったような次第でありますが、しかし、政策的に今、十字がたとえ十五字になっても、最小限の文字を利用される利用者は値上げということになりますから、これが公共料金の値上げの一つとなって、この際いろんな問題を起こすから差し控えようというような根拠からだけではございませんので、今申し上げたように、基本的にもっと検討を加えて、実需関係を調べる必要があるのではないか、こういう見地から今回は見送ったのでございまして、単に値上がりムードを避けるという立場からだけではございません。第一点については総裁からお答えいたします。
#8
○説明員(大橋八郎君) 電信事業の合理化という問題は実は、おそらく明治時代、逓信省の所管に属しておった時代から当局の頭を悩ましておった問題であると考えます。これはまず世界的にどこの国でも電信事業というものは赤字というのが、ほとんど世界の各国の実情のようであります。アメリカだけ特に会社事業として相当の改革をやって、今日では赤字でなくなっておるようであります。これが唯一のほとんど例外と申していいかと思います。そこで一方から見ますというと、電報の領域というものは、だんだん電話の拡張によって狭められるといいますか、そういう状態にありますので、自然一方からいえば、電報の赤字というものは、幾らか電話の拡張の犠牲になったような形とも言われるわけであります。といって、電信事業というものをほんとうに黒字にするためには、電信のサービスというものを相当ひどく落とすか、あるいは料金を相当程度高めなければ、なかなか電信事業だけで赤字を消すということはよほど困難なことのように今日までは考えられるのであります。先年も電電公社の中に、特に電信事業について相当専門に人をかけて、一応の案を作ったことがあるようでございます。そのときでも、全然これの赤字を消すという案は出なかった。ただ今のようにひどい赤字を出すということはいかにもおかしいじゃないかということで、ある程度まで赤字を出して、それを電話で補うということは、これはどうもやむを得ないのではなかろうか。ただ今のようなままで、一つ電報を打つと、収入の倍も経費がかかるというような一体現在の状態はどうであろうかということで、まあある程度赤字を消すという程度の案が出たようであります。しかし、いよいよこれを実行に移すということにつきましても、まだいろいろ議論があって、結局これが実行されずにあるというのが実情であります。このたびの合理化の際も同様の考慮があったのでございますが、さりとて、電報料金をひどく上げるということも、私どもとしては、これは一般の電信利用者のためにいかがであろうか、どちらかと申せば、電報というものは、電話を使うよりも、むしろ電話の利用のできないような人が使う部分が多いのでありますから、できるなら安い料金である程度の奉仕をするという考え方がやはり相当に根強く横たわっておるわけでございます。従いまして、今後電報料金の合理化をさらに私ども研究を進めまして、どの程度の一体料金を定めたらいいかということを何とかしてこれをきめなければいかぬという考え方を持っております。
 なお、第三次の拡充計画の場合に、電報についてどういう考えを持っているかというお尋ねもあったようであります。これは公社になりましてから以来、電信につきましてもある程度の改良というものについて考慮いたしておりまして、これは山田先生も御承知と思いますが、電報の中継機械化の問題が取り上げられまして、今日は着々進行中でございます。ここ両三年中にはほぼ中継機械化が完成することになろうかと考えるのでありますが、この中継機械化の完成ということと、それから御承知の加入電信の制度というものが取り入れられまして、この方の需要が相当公衆から歓迎を受けておりますので、今後の拡充計画には加入電信拡充という方面に相当力を注がなければいかぬ、かように考えております。それといま一つは、専用電信というものの利用、この方は利用者にとりましても、また経営者である電電公社としても、専用線を利用していただくということが双方にこれは利益であるという考えで、この方もできるだけ今後の拡充計画については考えていかなければならぬ、かように考えておる次第であります。
#9
○山田節男君 これはまあ、はなはだ口幅ったいことを言うようにお感じになるかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたように、日本では電信電話、両方を単一の独占企業体でやらせる、これがいいか悪いかということは、これは私は企業的に見ますと相当問題があると思う。アメリカ式に電報業務と電信業務を別個にした方がいいとか、しかし世界の趨勢から見ますと、御承知のように電信電話というものは、ことに国営の諸国におきましては、これは両方やっておる。ですから、そういう建前をとるにいたしましても、電信業務ということにつきましては、ここに非常に私は口幅ったいことになるかもしれませんが、御承知のように非常に科学技術が進んで参りまして、特に電子工学、科学が進んで参りまして、アメリカの例を見まするというと、今日の電信業務というのは非常に多岐多端にわたっている。御承知のようにウエスタン・ユニオンというものは一九五六年に、先ほど申し上げましたように、料金の体系、料金を約一割五分上げています。しかし、この一九五九年、六〇年で電信業務のウエスタン・ユニオンの収入がふえた原因はどこにあるかということを、およそこの資料によって調べてみまするというと、電信業務というものは非常に多岐多端にわたる業務になってきた。たとえば今日、アメリカのウエスタン・ユニオンの電信収入の中で、電報の次にくるものは何であるかといえば、いわゆるワイヤファックス、テレファックス、加入電信、ことにワイヤファックスというものが非常に一種のマキシマムで、いろいろなレポート、それから普通の手紙、こういったような従来の郵便業務を代行するかのごときものが今日ワイヤファックスでもって非常にこれが広範に利用されつつある。その収入源が非常に幾何級数的にふえている感じである。ですから、今日やはり電電公社としても見ますると、加入電信料金も三十四年、三十五年を見ますると、大体七億前後の収入が得られて、加入者が二千五百くらいにふえた。これはかなり非常な進歩をしているわけであります。しかし電信業務は、先ほど申し上げましたように、科学技術が進歩して、ことに電子工学を電信業務に利用するということになりまして、電話とは別個な、しかも確実で正確なサービスができる、こういう点の開発が、私は電電公社としては、電報業務というものはなるほどもうからないものだ、こういう先入観があるために、こういうものに対する新しい産業としての開発が、研究はなさっていないとは申し上げませんけれども、事業体としてこれが表面に現われていないということですね。これはやはり電電公社の企業形態あるいは国民の電気通信の役務に対する要請にこたえるということになれば、当然私はこの点について率先して開発をされる。そうすれば電信業務の赤字というものは黒字になり得るという、アメリカがよくその例を示しておるわけであります、その数字におきましてですね、そういう点に対する企画というものが今日現われていないのですね。これは技術関係の方もおられるかもしれませんが、総裁、副総裁として、あるいは経営調査室長として、電信業務に対する今日までの先入観というものが非常に私は災いしておるのじゃないかというように考えますが、この点についてのお考えはどうですか。
#10
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘のように、電信に対する努力が足りないということ、これは一方に電話に関する需要が非常に強くて、また、それに対する対策に忙殺された傾きもありますので、あるいは外部からごらんになるといささか電信に対する熱意が電話ほどでなかったということ、御指摘を受けるのもそれは無理からぬことだと考えます。私どもとしても、できる限り御指摘のような電信に関する将来の拡充についてもむろん考えたいと考えます。
 ただ、ちょっとついでに申し上げておきますが、電報の赤字の一番大きな原因は配達面のことだと考えます。この配達面をはなはだしく規制するということになりますれば、相当これは節約になるかもしれません。しかし、これをひどく制限いたしますと、一般公衆の利便、電報に対する利便というものが非常に制限せられることになりますので、その点が今後一番実は頭を悩ましている点でございます。もちろん、ただいま御指摘のいろいろな新しい電信サービスについての研究なり拡充というものは、むろん私どもこれは今後考えます。同時に赤字対策としては、その点もむろん考えてしかるべきだと考えますが、同時に電報の配達ということですね、これをどうも現在ではいなかの土地で一日に二通、三通出るか出ないかという所も、やはりいつでも配達のできるようなかまえに人を使っておくというようなことなども、赤字に対する大きな理由になっておりますので、この点が私どもとしては一番実は頭を悩ましている点でございます。
#11
○山田節男君 これは電話料金の計画の合理化に関連しての質問で、私はこれをいつまでもやろうとは思いませんが、資料によりますと、電信料全般の収入支出から見ますというと、三十四年、三十五年ともやっぱり百三十億余円の赤字になっているわけですね。なるほど、郵便事業と同じように、電報事業の実態を見ますというと、人件費が郵便事業で大体七五、六%ないしは八〇%、これは各国も大体同じようでございますが、電報におきましてもやはりそういうことは、たとえばアメリカのウエスタン・ユニオンの例も、かつてはそういうことをいわれたわけなんです。しかし、それを――なるほど僻陬の地はこれは自転車かスクーターで行かなくちゃならない。しかし今申し上げましたように、ワイヤファックスとかテレファックスというもので非常に安直に、しかも容易にこういうサービスを受けられるような施設をすれば、そういう加入者がふえる。それからワイヤファックス、これはもう電報よりももっと早く、しかも正確であり、しかも長文のものを安くできる、こういうものが普及したことによる収入増というものは、一方における宿命である電報業務の人件費をカバーしてなお黒字を生ずる。こういう一つの経営の比重を変えることによって黒字を出し得ているというウエスタン・ユニオンの業績を見ましても、観念的あるいは実際に、大橋総裁がおっしゃるような計画はわかるのですが、先ほど申しましたように、新しいものを、電信業務の応用部面をもっと安くおやりになる、これは大体始めまして三年と思いますけれども、すでに二千五百という電信加入です。しかも、アメリカの状態を見れば、日本の今日の経済成長率から見れば、少なくとも万をもって数えなければならぬ。ここらあたりに、加入電信に対するPR、あるいはまた実際に料金が日本は高いのです。そういう点をかなりお考えになれば、電報の比重に対して、そういう方面の新しい電信業務のサービスをやることによって、その収入源が電報面の赤字をカバーするというのが、アメリカの少なくとも過去六年の業績が、そういう趨勢をたどってきているのですから、そういう面を特にお考えになれば、日本の今日の技術水準をもってすればできないことはないと思うのです。また、国民が当然この電気通信の役務に対しての能率向上ということを期待しておるのですから、少々高くても早ければいいというのが今日の大半の要求ではないかと思う。こういう点に、一つの電信業務の新しい部面の開発ということによって、宿命と思われておった赤字財政を克服し得るということを、私はしろうとですけれども、少なくとも筋として、そういうことをアメリカの例によりまして考え得るのですね。ですから、この点は十分御研究になっておるだろうと思いますけれども、今回こういった法案をお出しになっておられますけれども、片手落ちというわけではありませんけれども、そういう面も同時に開発して、電話だけに全知全能を傾けるべきではないのでありますから、この点は、私要望になりますけれども、これは所管の郵政大臣なり、ことに電電公社の最高首脳部は、私から申せば、電信業務は赤字の宿命あるという、そういうジンクスは、ここでもって撤廃してもらいたいという要望を付して、一つ電電公社にお願い申し上げておきます。
#12
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘の点は、十分考えまして、今後の改正改良をはかっていきたいと考えております。
#13
○山田節男君 そこで、今回の料金の改定、合理化の問題について、若干の御質問を申し上げたいと思うのでありますが、昭和二十八年に公社発足早々立てられたこの第一次五カ年計画というのは、電話の急速なる増加、これは国会の要請もありまして、電話の個数をふやすということに対しての重点主義を持たれている、これは当然のことだと思うのです。第二次五カ年計画が三十三年度に組まれましたときに、本委員会において私が重ねて申し上げたことは、積滞数が非常に宿命的に多いのでありますから、まず今日の第一次五カ年計画ももちろんでありますが、第二次五カ年計画においても、積滞数をいかにしてなくするかということが、すなわち、電話がほしければいつでもつけられるという状態に持っていく、この目途を何年に置くか、第二次五カ年計画を立てましたときに、いわゆる第四次五カ年計画の終わる昭和四十七年度においては、電話がほしいといえばすぐさっと引けるという目途を一応定めておやりになっているわけですね。これを私どもは了承して、第二次五カ年計画というものを本委員会においても承認したわけです。しかるところ、ずっとこれは異常な経済成長率ということもございますけれども、今日依然として、むしろかさんでいるのは、いわゆる潜在と顕在も合わせますというと、少なくとも百万近い積滞数というものがコンスタントにあるわけです。その壁というものはどうしても破れないのですね。そこに私は、当時の郵政大臣、どなたでありましたか、植竹氏であったか、寺尾氏であったか、平井氏であったか、私よく記憶いたしませんが、少なくともこれは郵政大臣として、第二次五カ年計画以降におきましては、いわゆるこの積滞数をなくするということのためにも、一種の基本的計画といいますか、マスター・プランというものを持って、そして、ことに日本のような大都市におきましては、非常に都市がフラットに発達しますから、まず郊外地域に、どういうふうに電話を架設するのだということの、いわゆる開発を先にやるということをできる限りやらしていく。そうして、もちろん、家が建てば、すぐ計画的に電話の架設ができるというようにすべきじゃないか。それについては、必ずマスター・ブランを持て、そして十五年間のマスター・プランを持ちまして、そして五年間に修正してもいいし、第一次五カ年計画においても、年度年度において違いますから、初年度におきまして新しいファクターが現われた場合に、第二年度においては既定の計画を削るなりふやすなりしていいのですから、そういうようなかなり収縮性を持つマスター・プランを持つべきだと、それがためには、やはり郵政省としましても、財政投融資等もかなり寛大にこれに融通することによって、電電公社の今日までの悪循環を切るようにしなければならぬということを、私は当時の総裁、副総裁に申し上げて、郵政大臣もこのことに対する御約束があったわけです。
 ところが、こうして第二次五カ年計画を、三年度におきましてやはり拡大計画をやっておられますけれども、このプランを見ますと、一体悪循環がいつ切れるか、昭和四十七年度で切れ得るかどうかということを、これは私しろうとだけれども、非常に不安を持つような状況でありまして、今回のこういう料金の改定で近代化されるということは、これはまことにいいことでありまするけれども、これは過去のことを言うようでありますけれども、第二次の五カ年計画で、少なくとも自動即時化というものを五〇%達成すれば、料金の改定を合理的にやるということは、収入源からいたしましても当然のことなんです。そういうことで、今日では、非常に一つの目標としまして掲げるほんとうの基本となるべきものがなかったから、悪く申しますと、その場その場の必要といいますか、そういうものによって今日作られておる第二次あるいは来たるべき第三次五カ年計画におきましても、そういうものがそごを来たすのじゃないか。その根本になるべきものはやはり資金というもので、これは電電公社は今日異常な増収入を続けておりますけれども、それだけでは建設資金が足りない。そうすれば、政府がいわゆる財政投融資の形においてこれを助けることによって国民の要望にこたえ得ると、こう思うのですけれども、こういう点につきまして、これは私は過去のことをどうのこうの言うわけじゃございませんけれども、今後の昭和四十七年度を目途とする、第三次、第四次の計画におきまして、私は今日までの電電公社としてのほんとうの基本的な、かなり確率度を持つマスター・プランというものがないから、今日のそごを来たしているのではないか、これは郵政大臣としても責任があるのではないかと思っているのです。こういう点につきまして、これは今後第二次計画を、第四年、第五年以降におきまして、そういうものをお持ちになり、あるいはまた、持たせるような郵政当局のお考えがあるかどうか、これをまず承って、次の質問に入りたいと思います。
#14
○国務大臣(小金義照君) お説はまことにごもっともでありまして、本年度の資金の計画を見ましても、自己資金が大体五九%を占めておるようなわけでございます。しかし、二十八年以降に比べると、社外の資金は相当多くなっております、今後の四十七年までの計画を実行していくためには、社外の資金等についても格段の努力をして参りたいと思っております。なお、マスター・プランと申しますか、基本的な計画についても、御趣旨に沿ったような線で検討を加えて、その実施を一日も早く実現するようにいたしたいと思います。
#15
○説明員(大橋八郎君) ただいま大臣から御答弁がありました御趣旨によって私どもも将来進んでいきたいと思います。現在第三次五カ年計画を新たに設定すべく、目下調査中でございまして、まだ輪郭までも申し上げる程度に達しておりませんけれども、今度の三十七年度の予算の編成期までには一応の案を作りまして、その案に基づいた三十七年度の予算を編成したい、かように考えておる次第でございます。
#16
○山田節男君 この今回の料金体系の中心をなすものは、いわゆる近代化といわれる理由は、料金の算定基準としまして、何と申しますか、距離によりまして、いわゆる距離別時間差法ですか、これは私は一つの合理化の基準として当然だと思うのですが、ことに市外通話が自動化して、従来の至急報あるいは特別至急報、こういうものがなくなるのだから市外電話の収入は必ず減るだろう、こういう電電公社の初め予想であったようにお聞きしておるのでありますけれども、しかし一たん即時化してきますというと、たとえば東京−大阪あるいは広島、福岡等の市外通話が非常にふえまして、料金は予想以上に増収になりました。こういう過去の、実績から私は申し上げるのですが、今回の料金体系の距離別時間差法、この基準でおやりになるということは、これは私は少なくとも第二次五カ年計画で自動即時化というものが五〇%までも見込んでくれば、これは換言すれば、すでに三年ないし四年前に今回のこういう距離別時間差法というものをおとりになるべきだったと思うのです。それが第二次五カ年計画の第三年度を経過した今日、六十数パーセントになって、大体一年の期間を置いてこういう料金体系の整備をしたい、こういうように私は了解するのでありますけれども、この点はどうなんでしょう。私は過去の死児のよわいを数える意味の質問ではありませんけれども、その間何かの資金的な部面――技術的な面ではそういう困難はないと思いますけれども、どうして今日まで料金の体系がいわゆる近代化と申しますか、おくれたのか、根本的な原因はどこにあったのか、それをお伺いしたいと思います。
#17
○説明員(大泉周蔵君) ただいまのお説まことにごもっともでございまして、私たち料金の体系について検討を重ねることすでに四、五年にわたっておるのでございまして、その間、距離別時間差法が当初から理想的であるかどうかという点については、実はよくわからなかったのでありまして、御承知でもございましょうが、当初は大都市周辺の関係等も考えて、市内帯域制というものに取り組んでおったのでございますが、どう考えてみてもそれがうまくいかない。しかも最近、今から見ますと三年前でございますか、イギリスにおいてこの距離別時間差法という画期的な方法がとられたということから、むしろ方向はその方向ではないかということで、さらに検討を加えました結果、欧州方面に広く使われているこの方法が、将来の技術の動向、自動即時化の方向から考えて一番いい方法であるという結論にようやく達したのでございまして、この点アメリカあたりは全然違った方法で進んでおる。その間において、私たち方向を定めるのに非常に苦心した点でございます。確かに今になって考えますと、もっと当初からこのような方法をとるということが、距離別時間差法をとった方がよかったということは、確かに考えられるのでございますが、いかんせん、この点につきましては、私たち世界の動向を見定め、今後の日本の電話の発展にはどれが一番よいかということの研究等に非常に手間取ったわけでございます。この点まことに、いわばもう少し早ければもっとよかったという気はいたすのでございますが、しかしながら、この自動即時化というものは、通話数あるいは回線数等においては相当進んだように見えますが、しかし区間数においてはまだ非常に少ない際でございますので、今すぐに取りかかるならば、どうにか間に合うのではないか、この時期をおくらすと、どうにも間に合わなくなるのではないかという、いわばぎりぎりのところで間に合ったというような感じがいたす次第でございます。
#18
○山田節男君 先ほど申し上げましたように、電電公社の経験から申しましても、市外通話、ことに長距離の市外通話が自動即時化するということは、結局収入の非常な、予想以上の収入を見た。これもアメリカの例ですけれども、アメリカにおきましては、やはり自動即時化、ことに距離七百マイル以上の長距離電話に対する、これは後ほど申し上げますけれども、無線中継、マイクロ・ウエーブ中継を電話に利用するということが普及するにつれて、非常に収入がふえている。収入がふえて困りまして、一九五九年の九月に、ワシントンの連邦通信委員会から、ベル電信電話会社に対しまして、年間五千万ドルの値下げをしろ、これは一通話幾らでなくて、会社全体として、市外通話に対して五千万ドルの値下げをしろという命令をしまして、昨年の十月からこれを実施している。それでありますけれども、依然として収入がふえている。どこにその原因があるか、これは私しろうとでありますけれども、これを若干調べてみますというと、なぜそれほどもうかるかというと、結局市外通話のイニシャル・コストといいますか、電話料金のサービスを提供するところの施設が進歩してきた。従って、コストが安くなったから増収になる。ですから、五千万ドルの値下げを要求されておるこのベル会社の実際の収入を見ますると、やはり収入は全体でほとんど減っていないという実情、その根源はどこにあるかといえば、今日の電話のサービスというものに対しまして、これまたきわめて新しい施設、これは私は第二次五カ年計画をわれわれに示されたときに、電電公社に申し上げたのですけれども、今日日本におきまするこの電話というものが、大体オープン・ワイヤー、いわゆる空中架線の電話線というようなことに非常に重点を置かれておる。なるほど今日マイクロ・ウエーブというものも利用されておりますけれども、まだまだそういう方向に対する、電話に対する無線中継、これは私第二次五カ年計画の発表のあったときに申し上げたのですけれども、少なくとも大都市間のものは、インター・シティの、大都市相互間の電話というものは、これは無線の中継であるマイクロ・ウエーブでやる、しかも、いわゆる無人中継でやる、これを大体アメリカとして原則的にやっておる。日本もこれをやるべきじゃないかということを申し上げたのです。その後のアメリカの状況を見ますと、市外通話に関しまして、これは技術関係の方がおられましょうから、私が間違っておったならば御訂正願いたいのでありますけれども、今日電話サービス、ことに市外通話に対する無線、ことにマイクロ・ウエーブを利用し、それからこれは私よく知りませんけれども、たとえばタイプTH、こういう従来のマイクロ・ウエーブの三倍の能率を持つといわれておるような無線中継施設、それからさらにまた、そういうものをコアキシャル・ケーブル、同軸ケーブルのこれまた新規のものが発明されまして、これは何と訳しますかわかりませんけれども、いわゆるツイン(双軸)の八チューブのコアキシャル・ケーブル、あるいは十二チューブのコアキシャル・ケーブル、こういうようなものが新しく敷設されることによりまして、市外通話が非常な能率を上げてきた。そこに五千万ドルの値下げを要求されたけれども、依然として増収を重ねておるということは、そういったことの一部を見ましても、今日の異常な電話のサービスというものが、今日の日本のように、ただこの空中架線をしているものを主に、あるいは地下ケーブルを主体とするのみならず、無線中継というものを電話サービスに利用するということが、非常に今日、比重から申しますと、三割五分ないし四割は――またこの六十一年度の計画書なんか見ますと、ほとんど建設資金の六割というものはそういう無線中継による電話サービスの改善に使っておるわけですね。こういう点に対する、私は電通研もあるのでありますからして、そういう点に十分留意しておられるのだろうと思いますけれども、今回の料金体系の、しかも新しい距離別の時間差法というものをおとりになれば、やはりこういったものをあわせて同じテンポで開発されることが必要だと、これは私しろうとの考えでありますから、専門家の方がおられれば、将来電話サービスの改善ということ、ことに市外通話というものに対して、こういうものに対して比重を持たれるような計画をお持ちになっているのかどうか、この点を一つお伺いしたい。
#19
○説明員(米沢滋君) ただいま山田先生から御指摘がございましたが、最近におきます世界のマイクロ関係の技術あるいは同軸ケーブルの技術というものは、非常にすばらしいということをわれわれは承知しております。アメリカにつきまして今御指摘がございましたが、日本の事情を若干御説明いたしますと、現在マイクロ・ウエーブにつきましては、最初三百六十チャンネルぐらいの四千メガサイクルというものを主体にしておったのでありますが、それが現在では四百八十、さらに九百六十チャンネルまで、それから六千メガサイクルに対しましては、これはアメリカと、CCIRの周波数割当と同じ、THシステムも同じ関係になって参りますが、東京−大阪で最近六千メガのマイクロ・ウエーブを建設、ほとんど完了いたしております。今後東京−大阪間でも、あるいはその他の地域でも六千メガ周波数を獲得といいますか、建設いたしまして、そして九百六十、さらにまたこれが千二百チャンネルになり、また研究所では千八百チャンネルまでしておるということになっておりまして、マイクロ・ウエーブの技術につきましては、ヨーロッパあるいはアメリカと比べまして、大体日本も肩を並べるというところまで行っていると思います。
 次に、同軸ケーブルにつきましては、先ほど先生御指摘ありましたように、八チューブの同軸ケーブルでありますが、最近東京−大阪で完成しておりまして、従来、東京−大阪、ほとんどマイクロウエーブのチャンネルを使って電話をやっておるのでありますが、同軸ケーブルができましたので、これは非常に災害その他を考えまして、有線、無線半々ずつこれに乗せていくという考え方で進んでおるわけであります。なお、市外回線がこういうように非常に経済的にできるようになりましたので、確かに御指摘のように一つの電話回線を作る経費というものは非常に安くなって参りました。しかし同時に、またサービス面から申しますと、従来市内の電話を一つつける場合に、昔は市外回線約一キロが必要だったのでございます。しかし、最近は自動即時あるいは手動即時等のために、これが三回線、いわゆる電話一つつけるのに市外回線が三キロメートル要るというふうなことになって参りましたので、結局、建設費が三分の一になりましたけれども、必要な回線数がサービス面で三倍になったということでございまして、結局、電話一個をつける経費というものはあまり下がっていないし、むしろふえているという現状でございます。これはアメリカ等の例をいろいろ調べましても、やはり最近は電話一つの経費というものはふえておるわけであります。さっき申し上げましたように、市外回線そのものにつきましては非常に安くなっておるという実情でございます。
#20
○山田節男君 これは私しろうとの意見ですから、十分専門家がそしゃくをしていただけばいいんですが、概念的に申しますと、やはり今日の電話サービスの、ことに市外電話、長距離電話というものが、従来のオープン・ワイヤー、あるいはケーブルよりもむしろ無線中継でやるということが世界の趨勢でもあり、アメリカの実績を見ましても、それがあるために企業体として収入がふえたということが明らかに示されておりますから、今の米沢君の言われた点があるでしょうけれども、これはやはり技術革新の進歩からいえば当然そういうことに、長距離電話にそういうものが応用されるということは、これは当然のことだろうと思います。どれだけイニシアル・コストを安くするかということが研究課題とすれば、これはやはり電話の能率化、拡大ということになれば、ことに山国である日本におきましては、こういう点に一つ重点を置いていただきたいということを強く要望をしておきます。
 そこで、今回のこういう料金の改定を距離別の間時差法、この原則は私は正しいものだと思うのです。ただ私ここでお伺いしたいことは、従来日本は電話というものを国営でやっておりますために、明治以来ずっと利用者、いわゆる電話を架設してもらう人の負担がこれが非常に多いわけであります。電電公社を作ったときにおきましても、やはり従来の電話の設備の負担を利用者、受益者にさせるという建前は、これはやはり解消せしめなければならない。公社当局も、必ずこれは時期を見て解消しますと、われわれはそれを時限立法でもって、従来の電話の設備負担というものを法制化したわけであります。そうしてこれは一昨年でありましたか、今度は負担法を廃止いたしまして、設備料という名前にいたしました。これを時限が切れますと同時に設備料としまして、東京におきまして一万三百円、しかしそれ以外に、たとえば東京におきまして十五万円の債券を持たせる。いずれにしても受益者に対する負担ということには……。なるほど債券を持てば一割五分で市場で売れば、三万円足らずで電話がつく、従来の十数万に比べれば非常に安い。私はそれは数字につきましてはもちろんそういうことが言えますが、電話というものは受益者が設備の負担をしなければならないというのは、これは国営時代の一つの遺風であります。公社ができた以上は、そういった傾向は、これは一日もすみやかに脱却しなければならない。今回の改正法に付随いたしましてこの基本料金の問題、従来十二級に区分されておったのが、さらに階級をふやしまして、電話の取り扱い局というものを十四級に区別をされておるように私理解するのでありますが、それによりますと、基本料金というものは依然として存在しておる。基本料金というものは、これも先ほど申し上げましたように、電話設備を負担する概念と一派通ずるものがありまして、この基本料金というものと、今回の電話料金の体系を合理化するという度数制、これをはっきりとその制度の基幹とすることになりますと、電話の基本料金の制度は依然として温存するということは、非常に矛盾しておるのじゃないか。これは大臣がこれを承認されているのでありますが、大臣の御所見と、電電公社が依然として基本料金というものを、度数制による料金体系、これをはっきりさすにかかわらず、依然として基本料金、しかもこれは場所によりましては料金が、たとえば東京のごときは百円上げるかに私はこれを資料によって了解するのですけれども、そういう点について大臣並びに公社のお考えを一つ承りたい。
#21
○国務大臣(小金義照君) 度数制の料金のほかに基本料金がありますのは、今御指摘のように、私はある程度の歴史的経過がまだこれを脱却するところまでいってないと思うのでありますが、なお同じ料金で通話ができるということになりますと、市内通話の局の級別がだいぶ変わりましたが、非常に広範囲に七円でかけられるところと、非常に狭い範囲しかかからぬところがありますから、そこでおのずからその間を調節する意味においても、まだ一挙に今御指摘のようなところまでいかないのではないかと私は考えておりますが、理想はもちろん山田先生のおっしゃったようなところに進みたいと思っております。さらに、いきさつその他の点につきましては、公社側から説明さしていただきます。
#22
○説明員(大橋八郎君) ただいまのお尋ねには二つの点があると考えております。第一の点は、架設する場合の、新規加入者に対してある種の負担をさせるということについての考え方であります。これは御承知の通り、まあ、はなはだ望ましからぬことではありますけれども、電話の歴史からいいますと、ほとんど明治時代から今日まで、受益者負担というな観念でありましょうか、ある種の負担金を加入者からいただいておるということが、明治時代からのずっとしきたりであります。ある時代におきましては、ほとんど建設費の総額を実費を負担させられるというような、ずいぶん不合理といえば不合理な時代もあったのであります。今日、戦後の公社になりましてからは、その点は大部分緩和はされておりますけれども、やはり一部は負担金の形でいただく、そのほかになお加入者の債券引き受けという形で、債券を引き受けていただくということでやってきたのでありますが、先ほど御指摘のように、一昨年でありますか、従来の時限立法を改めて、今度の暫定措置法というものが――やはり時限立法、十三年間の時限立法ができたわけでありますが、このときは、従来よりも変わった点は、負担金という考え方を一つ根本的にこれは改むべきじゃないかという私ども思想に立ちまして、負担金は全部これをいただかないことにいたしたのであります。また、そのかわり、従来よりもよけいな、多額な加入者に公社債を引き受けていただくということにいたしたのでありますが、その場合も、従来の加入者債券の引き受けの場合は、多少はやはり負担金的思想が根底に横たわっておった関係でありましょうか、社債の条件というものが、一般の公募債の場合よりも悪かったのであります。利息の安いむしろ社債を引き受けていただいたということでありますが、私どもは、先般の暫定措置法におきましては、一般公募と同じ条件の社債を引き受けていただく、これによって加入者に社債を引き受けていただいて、建設費の一部を援助していただく、協力していたでくという思想で実はお願いをしたわけでございます。さようなことで、決して私どもはこれが望ましいこととは思いません。しかしながら、どうも今日の情勢、なかなか投融資といいましても、いろいろ方々からの要望も多いことであります。なかなか私どもの思うようにいただくわけには参りませんので、やむを得ずかような窮策を実はお願いした、かようなことでございます。今後は、架設がもう少し潤沢にできるようになりますと、これは将来はぜひこういうことは廃止することが適当だと、かように考えております。
 それから基本料金の方は、先ほど大臣のお説の通りでありまして、それ以上私つけ加えるべきことを持たないのであります。要するに同じ七円の一通話の料金でも、市内加入者の非常に多いところと少ないところは、そこの利便において相当差があるのでありますから、その辺に大都市の利便の多いところでは基本料金をいただきまして、地方の少数の人としか話さない、通話のできない加入者よりも幾らか全体としてはいただいておるというきらいがあるわけでございます。そういう意味において基本料金というものをいただいておると、かように了解しております。
#23
○山田節男君 大臣並びに大橋総裁のお考え、これは私は、公社が設立されたと同時に、目標はやはり、こういったような従来の負担制度あるいは基本料金というものは当然なくすることが、公社設立のこれは本旨にかなうわけですから、大臣並びに大橋総裁のお考えは、ぜひ一つ早急に実現していただきたいと思うのです。
 そこで、今度は改正法によりまして、電話の取り扱い局を従来の十二級局を十四級局に変えられまして、それから準市内通話制度ですか、こういうものも新しく設けられまして、一体基本料金というものは百円ないし数百円上がる、全体的な、全国何千局ですか、七千局ですか、これから見ますると、私は相当の増収があるのではないかと思うのですが、今回の電話の取り扱い局の新しい級別による基本料金というものは、新しい基準によりまして、年間どのくらいの増収を予想しておりますか。
#24
○説明員(大泉周蔵君) ただいまの御質問に対しましては、こうお答えした方がいいと思います。実はこの級局を新たに作りましたことによりまして、実は何も変わるものはないのでございまして、むしろ今まで、最高二十五万までと二十五万以上となっておりましたものを、四十万に上げました。現在東京が七十数万、それから大阪が三十万くらいでございます。現在の時点でとらえますと、むしろ大阪の方は級が下がるという格好でございます。東京が百万になったときに初めて上がるのでございます。これは年間の架設数によりまして、あるいは二、三年後には上がるかもしれないのでございます。かような実情でございます。またこの準市内で、つまり一分間七円でかけ得る相手の加入数の十分の一を加算することによって相当増収があるかという御質問でございますが、三十四年の現状で調査しましたところによりますと、約二十局でございまして、せいぜい三千万円程度のものではないかという工合に考えているのでございます。
#25
○山田節男君 この改正案を見ますると、従来と級を逆にされて、一級が最低の電話架設数を基準としておられますが、これを見ますと、大体新しい制度の一級局から十級局までくらいの間の数は、この電話の架設がどんどん進めば一級から十級、ことに一級から六級ないし七級くらいまでの局は非常にふえるのではないかと思う。これは実際の数字はわかりませんけれども、そうして基本料金というものをかけてみまするというと、従来の基本料金収入と比べますと、かなり、かなりというと語弊がありますが、少なくとも三割くらいふえるのではないか、こういうように目の子算でも考えるのですが、今の大泉局長の言われるように年間三千万円では非常に少ないじゃないか、それの百倍以上あるのではないか、少なくとも十億以上のものがあるに違いないというような、こういう目の子算もできるわけです。この電話の取り扱い局を細別して、将来の単位加入区域の拡張、そういう点を見ますると、この基本料金の増収は、こんな三千万円どころじゃない、それの百倍くらいあるのじゃないかというふうにちょっと目の子算でもできるのですが、どうでしょうか。三千万円の数の基準は、これはあなた相当詳しいデータをお持ちになっているかと思います。あまり少な過ぎるのじゃないですか。
#26
○説明員(大泉周蔵君) 私の申し上げましたのは、今度の新しい改正案によった場合と、従来の法律の場合との差を申し上げたのでございまして、従来の料金のままであっても、級局の上がるものは多いじゃないかという御質問に対しましては、これは電話架設の速度いかんによりまして、下の方の級局が上の方に上がることは、これは従来ともずっとあることでありまして、このような数は年間三百局から四百局あるのではないかと、私は今想像いたしているのでございます。それに対しまして、この準市内制度をとることによって、ふえるものはその一割前後というようなことじゃないかという工合に考えている次第でございます。従いまして、金額につきましても、都市によって、局によって、多い少ない等もありまして、明確には言いかねるのでございますが、先ほど申しました数字の十倍前後ぐらいのものだと考えたらいいんじゃないか、こう考えております。
#27
○山田節男君 それからもう一つ、確かめておきたいことは、今回の電話の近代化に伴って新しい制度を、たとえば三十四年度の電話事業収入に新しい制度を換算してみるというと、市外通話を入れまして約三十二億円の減収になる、こういうことをうたわれておるわけでありますが、実際としては、先ほど申し上げましたように、市外通話は自動即時化がふえればふえるほど、拡張されれば拡張されるほど、ことにまたこういう一分制、それから三分、一分でありますが、それにしても自動即時化の区域が拡張されれば通話量はふえるのでありますから、むしろ私は電話料は非常にふえるのではないかと思うのですが、いわゆる三十二億の減収になるというこの根底は、ただ三十四年度に新しい体系をかけてみてこの減収になるんだと、実際の赤字じゃないんじゃないですか、これは一つの仮想というか、三十四年度の実績あるいは通話数、その他に新しい料金の体系による料金をかけたらば三十二億円の赤字になると、こういう数字であって、実際の三十二億の赤字が今度の三十七年度で、あるいは三十七年度の後半期からこれがいよいよ実施されることになると必ず出てくるという数字じゃないだろうと私は思いますが、そういう三十二億のいわゆる減収という数字はどういう根拠から出ているのですか。
#28
○説明員(大泉周蔵君) この点につきましては、手動のものが自動即時になりますと、ふえることは事実でございます。これは従来ともそのようなことは十分計算の根拠に入っているのでございますが、今回の新しい料金体系によってどれだけふえるかということになりますと、今までの三分、三分制の自動即時の場合と、今度の距離別時間差法、自動即時では、おそらく時間が非常に短くなるだろう、そのかわり度数はうんとふえるだろうということを私たち十分見込みまして、短くなっても、それを補うだけの度数が相当ふえるだろうという前提で計算した結果の三十二億でございます。しかしながら、この三十二億の数字につきましては、私たち考えますのに、御承知の通り毎年加入者増設は非常にたくさんやっておりまするし、また、市外回線数もふえて利用度数もふえております。毎年度の予算規模は大体三百億程度の大きさに毎年ふえている、むろん支出もふえております。その間においてわれわれ企業努力として相当これを埋め合わせる数字ではないか、またこの距離別時間差法というのは、東京周辺を例にとりましても、今まで二十一円だからかけなかったが、七円だからかけるというようなこともあって、そういう点等から見まして、長い目で見ればこれは埋め合わせるのではないかと思いますが、現実的に見ますると、これだけの減ではあるわけでございます。しかし私たちは企業努力で何とかこれをカバーできるものとにらんでおる次第のものでございます。
#29
○山田節男君 まだ質問を申し上げたいことがありますが、時間の関係もありますので、また他の機会に譲りたいと思いますが、最後に、これは衆議院でもいろいろ論議されて、その議事録も私は見たんでありますが、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画、ことに電電公社が発足した当時、ここにおられる新谷君等もその当時の委員として、何とか国鉄とか、あるいは専売公社等がもっと経常のしやすい、もっとフリー・ハンドで自主採算、独立経営ができるような一つ公社法にしたいということで、私どもはいろいろ苦慮いたしまして、当時の政府ともいろいろ交渉しまして、三公社のうちではかなりフリー・ハンドで電電公社の経営ができる、このつもりでいたんですけれども、しかし自来ずっと趨勢を見まするというと、やはり電電公社の経常上の一つの問題は、依然として全電通の従業員、労務対策の問題である。これは電電公社の労務対策については、その組合出身の同僚の議員もおられますから、これらの諸君から従来いろいろ意見もありまするし、また、衆議院の過般の本議案に対する質疑の形におきまして、この問題もしばしば各委員から述べられて、公社並びに郵政大臣の御答弁も私は承っておりますけれども、しかし何と申しても、これは私どもは公社経営につきまして一番公共的な事業であればあるほど、労務対策というものを一体どうするか、今回のこういう一種の革命的な料金体系をおとりになる、なるほど電話事業に関する限り、これはますます伸びます。また従業員も一面においては減らされるけれども、新規の職員をふやさなければならない、そういうことになりますというと、これは私はこういうりっぱな第一次、第二次、さらに第三次、第四次の拡大計画をやっていただかなくちゃならぬ上におきましては、やはり要員計画といいますか、労務対策といいますか、ヒューマン・リレーションズというもの、労務管理というものを、これは私はもっと根本的に考えていただく点が欠けているんじゃないかということを痛感するんです。私は組合の代表でも何でもありませんが、きわめて公正な立場から考えてみましても、全電通が何も左翼的な、共産党に支配されるような組合じゃないと思います。しかるに毎年こういう一つの行事のごとく争議が起きる。少なくとも争議が起きなくても苦情が常に存在しているということは、このことはいかにりっぱな計画をお持ちになっても、その遂行の過程においてそういう人的要素の部面におきまして隘路を設けられるということは、これは経営者としても責任の一端を負わなくちゃいけないと思うんです。ですから今回のようなこういう新しい料金体系、しかも増収は必ず予想し得るんだと、しかも合理化ということがこれに加わっておるんでありますから、合理化ということは、もう当然労力の一部における排除、従ってそれに対する配置転換、配置転換のためには職業の再訓練ということもございます。いろいろな問題が起きてきます。こういう点は、これは電信業務においてもしかりでありますが、ことに電話業務においてこれほどの画期的なことを実行しようということになり、ことに、この料金体系は、電話の中継の自動化ということであります。当然冗員を整理しなければいけない。それをいかに配置するか、これが私は現在公社の最高首脳部の一番頭痛の種になっていることだろうということはわかります。わかりますが、しかしながら、これはあくまでも今日の基本的人権という観念から見ましても、憲法の労働権ということから見ましても、必ず私は経営者から率先して従業員に対する将来の保障というものを与える。保障というものをはっきり見せてやれば、私はむだな紛争が絶えるんじゃないか。ですから、こういうような重大なこの変革の行なわれることにつきまして、将来の計画とにらみ合わせますというと、いろいろな経営の部面におきまして、やはり職員あるいは下級の従業員の人の声を聞く、そこに労使の信頼感というものがわき、また、よりあたたかいヒューマン・リレーションが生まれることによりまして、無用な労使紛争がなくて済むのじゃないか。ですから、経営に、公社の立場とすれば、これは国家の代行機関でありますから、何も株主に配当を心配する必要もない。ただ、国民にいかに安くいいサービスをするか、そうして、そのときは、やはり従業員に対して公正適正な待遇を与えることによって、喜んで働いてもらう。こういう一つのモラル・クライメートというものをどうしても打ち立てないと、一方どんどんこう近代化をおやりになりましても、片一方にそういったような足を引っぱるようなことをやっては、所期の目的がなかなか達せられないと思う。
 そこで私は具体的に申し上げますが、今日の全電通と経営者の労働協約、私は最近のものは見ませんけれども、従来の日本の通弊は、労働協約が非常に簡単であるということであります。外国の、ことにアメリカの電気通信業務の組合の団体協約等を見すまと、放送会社あるいは放送従業員の組合の結んでおる団体協約を見ますと、膨大な一つの法をなすくらいの、きわめて詳細な紛争の起こらないような、きわめてこまかいところまで労働協約で規定するというのが、これは大体欧米の一つの慣行になっている。そういう点から見ますと、電電公社のような大きな企業、かなり大きな要員を擁するということになれば、これは労使の話し合いでありまするけれども、団体協約、労働協約というものを、を起こさないように、もう少し詳しい詳細な労働協約を作るということが、これは一番緊急の問題である。
 この点と、それから同時に、これは公社でありますから、経営参加ということは、これはドイツのように共同決定権というような法律は今日ございませんから、法的にどうのこうのということはできませんけれども、しかし、今日の特に官公労の労働組合運動の趨勢から見まして、非常に激しい、あるいは共産党の支配を受けているというようなことをいいますけれども、過渡的にはそういうことがあったかもしれない。特に公社におきまして、経営の面におきまして、もう少し労務者の声を経営に取り入れるというような、こういう一つの寛容といいますか、民主的な観念をお持ちになっておれば、そこに私はムードが違ってくるのじゃないか。この点がどうも今日まで、第三者的立場から見ておりまして、経営の面においても考えてもらう点があるのじゃないか。もちろん、組織労働者、全電通の場合、これは非常に反省しなくちゃならぬ点があります。ありますが、どっちも、おれがおれがといっておったんでは、そこに一つのあたたかいいわゆるムードというものがいつまでたっても出てこない。だから、両方の良識というものがそこに出るような、ムードが出るような環境を作っていく。一方においては団体協約あり、一方においては日常の労務管理、ことに最高首脳でなくて、各職場職場におけるいわゆる首長としての労務管理の一端を担うべき者の再訓練、そういうものに対する訓練が足りないのじゃないか。今春各地方で起こりましたが、全逓、郵政、これは郵便局から電信電話業務を移管するという例の争議の過程、内容等を見ましても、やはり電電公社のような大きな公共企業体になって、下部の機関というものが非常に数が多いということになれば、それは少なくともその首長の地位について、多かれ少なかれ労務管理ということを行なわなければならない者に対して訓練が十分でない。要すれば今日の労働問題に対する認識が非常に一方的である、あるいは極端にいえば、無知であるというところにこういうようなむだな紛争が起きるのじゃないか、こう思うのです。そういう見地から、私はかような金もうけ――金もうけといっては語弊がありますけれども、少なくとも料金が上がるか上がらないかは別問題といたしまして、少なくとも毎年これは増収するのであります。同時に従業員に対しまして、増収があればベースアップするというような意味ではなくて、やはり経営者自体が、そういう増収をすれば、これはまるまる建設勘定に持っていくのだという、いわゆる原始的な資本主義的な観念でなくて、賃金を上げなければ、他の厚生施設等で実質賃金を上げるというような、そういう方面の労務管理上の考慮が足りない。これは、はなはだ口はばったいようなことを言うようでありますけれども、労働問題に関心を持っておる者として、従来こういう公社のあれを見まして、電電公社は非常に順調にいっている。国鉄なんかに比べれば、専売は別といたしまして、従業員も少ないのですから。しかし、電電公社としてやはり労務管理、あるいは経営の立場から見た労務管理の一つ新しいシステムを、モラル・クライメート、新しいムードを作るということを行なうということをおやりなさい、さらに、それで応じないということになれば、それをまた調整する、国会として是正する道があるのです。ですから、負けた勝ったでなくいたしまして、組織労働もそうでありますけれども、経営者の方から親心を持ってそこに新しいムードを作る。なぜ私がそういうことを申すかと申しますと、たとえばピール会社の従業員を今日約二十万使っております。しかし、従来労働争議があった、なるほどございます。ストライキに至らないいわゆる労働争議というものが、これは苦情処理機関にかけたものを入れまするというと、一九五九年におきまして六十二件というものがあります。しかし、いわゆるストライキ、実力行使に至らないで紛争の解決に終わっている。その原因はどこにあるかといえば、やはりそういったような大企業体になればなるほど、労務管理というものに対しての非常な努力というものがあるわけです。ですから、私は今回、こういう非常に日本としては革命的な新しい制度を設けられる、さらに四十七年度を目途とする大計画を、国民の輿望をになっておやりになるのでありますから、法文にうたえというのではございませんけれども、少なくとも、われわれの資料として、そういう点に対する資料というものが今日まで取られておらない。要求すればいろいろな資料が出ますけれども、しかしそういう要求して出た資料というものは、今申し上げたような観点からすれば、ためになる資料にならないのです。ここは私は決して苦言を呈する意味じゃありませんけども、今日経済の成長率の盛んな、異常な発達を示すということになれば、これはもう電信電話の役務というものは、これは国民が非常に改善を要望しているのでありますから、やはりヒューマン・ファクターというものが根本でおるという建前を従来もお持ちになっているでありましょうけれども、しかし、近代経営の、いわゆる生産性向上という、いわゆるトップ・マネージメントという観念からすれば、どうもこの点が若干欠けているのじゃないか。私は具体的には申しませんけれども、この点を一つさらに、最高首脳部はもとより、末端の、少なくとも数人の者を管理しなくちゃならない責任者に対しては、近代的なトップ・マネージメントで研さんをして、必ず下部の者にも、しかもそれは理屈だけでなくいたしまして、人格的な影響を及ぼすということ――これが私は今日の日本労働運動の通弊であると思う。電電公社もその例外でございません。
 こういう点から、一つ私は、今回のこの近代的な料金制度を設けようというこの御意図はもう満腔の賛意を表するものでありますけれども、しかし、これとあわせて、そういう要員に対する思いやりというよりも、むしろそういうものに対する御配慮というものが不完全である。これは私は痛感をいたしますので、このことをあえて私はここにあげるわけでありますが、そこで、これ質問になるわけでありますが、こういう大きな改革をなさることを起点として、将来の経営上におきまして、今申し上げたような点を、われわれは後顧の憂いないような、十分一つ計画をお持ちになっておやりになる御意図があるのかどうか。これは郵政大臣も、全逓というものを考えられて、さらにまた、あなたの代行機関としての電信電話業務という、まことに重大な企業体を監督なさっておるのでありますから、何かの一つの新しいムードをここで一つお開きになることが絶対必要である。それがやはり他の組織労働に対してまた大きないい影響を及ぼすのだ、こういう私は気持で御質問を申し上げておるのでありますから、一つ忌憚のない御意見を承っておきたい。
#30
○国務大臣(小金義照君) まことに大事な点でございまして、御指摘のように、ヒューマン・リレーションと申しますか、人的関係、これは非常に大事でありまして、郵政事業についてももちろんでありますが、電電公社としては、こういう画期的な一つの転換期と申しますか、事業大拡張の基本を築くにあたりまして、今の団体交渉あるいは労働協約その他を通じて十分な私どもも配慮をいたしたいと思っております。なお、相当な利益をあげた場合におきまして、これを労務者にどういうふうに報いるか、これは他の二公社あるいは五現業との関係もありまして、賃金だけではなかなかむずかしいかと思いますけれども、しかし、企業努力というものがある結果そういう利益をあげるのでありますから、厚生施設面、その他の点についてもこまかい私は配慮をもって臨んでいただきたいと考えるのでございます。
#31
○説明員(大橋八郎君) ただいま山田先生から御指摘のありましたように、近代的の企業経営におきましては、労使の間の関係を円滑に協力的に進めていくということが、経営の根底であろうと、私は考えておるのであります。従いまして、公社としても、従来もちろんそのつもりでやってきたのでありますが、実績必ずしもその志に沿わない点も多々あったかと思います。ことに、他の企業よりも近代的の技術の革新というものによって受ける影響が最もこの電信電話の事業は大きいと考えます。たとえば自動交換が始まりますと、従来の交換手というものの職場が幾らか狭められるというようなことも非常に大きいのであります。従いまして、数年前この方式変更に基づく改革の場合には、決してこれがために職場を失うことのないようにしよう、ただし職転、配転等については、これはある程度の話し合いによって、一定の条件のもとにこれを行なうことは労使ともにこれを認める。かようなことで数年前に基本了解事項というものが組合との間に行なわれたのであります。なお、昨年の春闘の際にも、さらに同じ基本的の問題につきましていろいろ話し合いはいたしまして、その結果、昨年の四月に組合との間に基本的了解事項というものが実は成立いたしましたのであります。
 大体において申し上げますと、「公社は第二次計画実施にあたって、労働組合並びに全職員の協力を得ることが必要であるとの認識に立ち、」、また「労働組合は、第二次五カ年計画の公共性を理解し、職員の労働条件の改善等につき、次の方針によって対処することを約する。」、そのような前提のもとに大体二、三の点の了解事項が成立いたしました。そのおもなものを申し上げますと、一つは、「賃金などの給与面については、現段階における賃金引き上げについて、客観的情勢を考慮しつつ対処するとともに、将来においてもさらに賃金水準並びに諸手当の向上に努める」、それから第二には、「勤務時間短縮については、国際的にその方向にあることを確認し、本計画の進行に応じ全体的な能率向上」−(労働強化によるものではない)というカッコがありまして、「能率向上の中でその漸進的実現を行なう。」、かような大体趣旨の協定を、了解事項を定めまして今日まで実行して参っておるつもりでございます。
 なお将来の第三次拡充計画の関係において申しますと、従来は実はこの自動化ということも割合に進行程度がゆるやかでありましたために、比較的配転とか職転とかいう問題も少なくて済んだのでありますが、今後の第三次拡張計画におきましては、これが非常なスピードが早くなってくるだろうと、今までよりも数倍の速度で進行すると思いますので、今度の第三次拡張計画におきましては、どうしてもその拡張計画の中に将来の要員計画、またこれらの点が最も重要に考えて、ある程度の計画をきめなきゃならぬと考えておりますので、従来の計画よりも少しく具体的な要員計画等も盛り込んで考えなきゃならぬ、かように考えております。
#32
○山田節男君 まだ若干ございますが、また午後に関連質問としてもし許されればと、条件つけて私の質問打ち切ります。
#33
○鈴木強君 資料を。一応本法律案の慎重審議を期するために資料が必要ですから、ちょっと要求しておきます。
 一つは、この改正が第三次五カ年計画以降の計画にどういう影響があるのか、ちょっと私わかりませんので、四十七年の、長期計画を公社はお作りになっているわけですから、その線に沿って第三次五カ年計画の概要はどうなっておるのか、これを一つお出しいただきたいと思います。その際に特にほしいのは要員措置でございますがね。六千八百局もある特定局が、郵政の委託業務を含めて五百ぐらいになるという大まかな線が出ておるようです。従って、それとの関係もありますから、郵政とも連絡をとって、大よそ委託をされている特定局の電信電話事業というのは、どういうふうな年度を追って公社に吸収されていくのか、その際、要員措置はどうなっていくのか、電電公社の長期計画に伴ってこれからの要員措置はどうなっていくのか、これを一つほしいと思います。
 二つ目は、委員会でもだいぶ私は何回か公社に御質問して参りましたが、例の線材、機材のコストですね、最近聞くところによりますと、多少量産に伴ってダウンをしているように聞いておりますが、原価調査課というのですか、本社の中にあるようですが、そこで御検討をいただいておりますこの利益率、さらにそれに伴って量産に伴うコスト・ダウンは線材、機材というのはどうなっているのか、この点の二つの資料を一つ審議の参考に必要ですから委員長から、公社に出していただくように要求してもらいたい。
#34
○委員長(鈴木恭一君) 公社の方よろしゅうございますか。
#35
○説明員(横田信夫君) 第一の問題の第三次五カ年計画、具体的にまだきまっていない点がありますが、この点も御要求の鈴木先生と打ち合わせて、できるだけ御要望に沿うような資料を出させていただくということでお許し願えれば、そういうふうにいたします。
 第二の問題も、コスト計算の問題でこまかい問題もありますので、この点も鈴木委員とお打ち合わせして、その御趣旨にできるだけ沿うようにいたします。
#36
○委員長(鈴木恭一君) 暫時休憩いたします。
   午後零時五十九分休憩
   ――――・――――
   午後二時開会
#37
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより再開いたします。
 午前の部に続いて、公衆電気通信法の一部を改正する法律案の質疑のある方は、どうぞ御発言願います。
#38
○野上元君 先般の当委員会におきまして、四人の参考人の方をお呼びいたしまして、いろいろと電電公社の経営等について参考人の意見を述べてもらいました。それに対して、われわれも質問をいたしたのでありますが、それらの点については、公社の皆さん方も十分にお聞き取り願ったと思います。
 そこで、私は、この本法案の審議に入りまする前と言いますか、重大な関係がありますが、基本的な公社の経営方針についてお聞きしておきたいと考えるわけですが、御承知のように、今日電信電話事業は、公共事業だということが言われておるのですが、公共事業といわゆる私企業との差を区別するのは、非常に今日むずかしい段階に入っております。私の見解をもってすれば、この事業の性格、あるいはまた経営の主体から見て公企業であるというような簡単な断定は下せないと考えるわけです。国がやっておるから公共企業である、私企業であるから、これは公共性がないのだ、こういうふうには、今日の段階では言えないと思うのです。それは参考人の皆様方も述べられておりましたが、たとえば電力等について、今日は非常に大きな社会性を持っておりますし、かつまた国鉄と並んで多くの人の足を運んでおる私鉄においてもしかりであります。さらにまた、今日金融機関が非常に全国的な組織をもって発達しておりますが、この金融機関等についても、十分に公共性を持っておる。あるいはまた病院等についてもしかりであります。こういうふうにして、今日いずれが公共事業であるかというようなことは非常にむずかしいと私は考えるわけです。
 しからば、どういう区別をすべきか、どういう点で公共企業と私企業とを区別すべきであるかという点でありますが、私はやはり最終的には、この経営の内容を見なければわからんのじゃないか。とりわけ予算に集中されておるいろいろな問題、この予算の中でも、建設資金あるいは設備資金等の調達方法、こういうものが非常に大きなウエートを占めてくると思うのですが、そういう意味からいきまして、今日の電電事業は、はたして公企業と言えるだろうかどうか、こういう点について、郵政大臣は、あるいは総裁は、どのようにお考えになっておるか、一つ根本的な御意見をお伺いしたいと思うのです。
#39
○国務大臣(小金義照君) 御指摘の通り、一国の経済がだんだん伸びて参りまして、いろいろな形態の事業、あるいは企業が行なわれて参りますと、その間、公企業なりや私企業なりや、また公益事業という名前もありますが、いろんな名前を付しておりますが、その企業体そのものが、国がやっておるから直ちに公企業だと断定し得ないものもありましょうし、またいわゆる私企業――株式会社等によって経営されておっても、非常な公共的なものがありますし、今御指摘のように、私設鉄道あるいはまた電気事業、ガス事業、まあこれらは、大体私企業であるが公益事業というふうな呼び方をしておるようであります。私はこの電気通信事業の中でも、公衆電気通信事業の中でも、国際電電会社のごときは、これは私企業という形をとっております。もちろん公益的な事業でありますから、所管大臣のある程度の監督なり指導なりは受けるようになっている電気事業、ガス事業あるいは私設鉄道と同様でございますが、この日本電信電話公社というようなのは、これは民間の資本も全然入らない、また政府の監督と言いますか、それも公共の福祉の増進に寄与するためという見地から相当入り込んでおります。従って、公共企業、私企業の区別は、実質的には経営形態だけでは区別できない。やはりよって立つ基礎的な法律上の問題とか、いろいろなことがございますが、私は大体、日本電信電話公社のようなものは、これは公共的な事業であって、かつ公企業である。従いまして、もし私企業であるならば、利益があれば特定の出資者とか、あるいは利害関係人に、その利益を及ぼすのでありますが、公企業体であるならば、これは金が十分余れば、投資しておる国家に還元するとか、あるいはまた一般利用者にそれを還元するとか、また従業員にこれを分配するとか、いろいろな点で、そういう利益または損害等が生じた場合の処置等が根本的に違っておる。
 こういうふうな見地から、私はこれは一つの私企業とは違った経営形態であるという意味で公企業と、こう解釈いたしておりますが、なお、私のこれは独断に流れるおそれがありますので、総裁からも説明をいただいたらいいかと思います。
#40
○説明員(大橋八郎君) ただいまの御質問につきましては、郵政大臣から詳細かつ明晰にお答えがありましたので、私としては、何らつけ加えることはございません。私どもは公社法の第一条に規定された通りの目的のもとに、この公益的な事業の経営に当たっておる次第で、ございます。
#41
○野上元君 私は、この電信電話事業が公共企業であるということであるならば、私企業の経営方針とは変わっておらなければならぬ、こういうふうに考えるんですが、そういう考え方については、御同意されますか。
#42
○国務大臣(小金義照君) 私企業とは変わった点があると思います。
#43
○野上元君 その変わった点というのは、抽象的ではだめなんで、具体的には、それではどういう点が変わっておるかという問題だと考えるんですが、今日電信電話事業がやっておられる経営方針は、民営のそれと、どこが変わっておるのですか。
#44
○説明員(大橋八郎君) これは私どもは、現在の日本電信電話公社というものは、御承知の通り、電信電話公社法の規定するところによって、詳細これに規定されてありますから、この通りにやることが即公社のいき得る道であると考えたわけでございます。
 従いまして、かりに電信電話事業を経営するにいたしましても、公社としては、特に利益配当をするということもございません。またでき得るだけ国民全般に、この電信電話の事業の利益といいますか、便益を供与するということを主たる目的として私どもは経営に当っておるつもりでございます。
#45
○野上元君 大橋総裁は、この間のどなたかの御質問に答えて、今日の段階において公社の経営方針については妥当であると考える、こういう御答弁があったのを、あなた御記憶でしょうか。
#46
○説明員(大橋八郎君) いつのことでありましたか、私ちょっと失念いたしておりますが、どういうことでございましょうか。
#47
○野上元君 たとえば今日公社は、相当な収益をあげられておるわけです。その収益は、ことごとく自己資金として建設費に注ぎ込まれておる。国家からはほとんど資金の導入はない。あっても、きわめてそのパーセンテージは低い。従って収益によって設備の改善あるいは拡張を行なっておられるというのが今日の電信電話事業の実態であろうと思うのです。そういうやり方が、今日の段階においては正しいのだ、こういうふうな御答弁があったと思うのですが、総裁、今でもそういうふうにお考えでしょうか。
#48
○説明員(大橋八郎君) その点でありますれば、現在の段階においては、これは決して非常に望ましい状態であるとか、あるいは最もいい状態であるとかいうことを申すわけではございませんけれども、今日の段階においてはやむを得ざる状態である、かように考えておる次第であります。
#49
○野上元君 その点で、あなたのお考え方ははっきりしたのですが、今日の状態においてはやむを得ないのだ、しからば理想的の姿というのは、どういう姿なんですか。
#50
○説明員(大橋八郎君) もし望ましい状態ということが許されるならば、私どもは、たとえば現在新しい加入者から公社債を引き受けていただいておる、かくのごときことは、決して私は正当のいき方であるとは考えておりません。むしろ変則的のいき方であると考えております。かようなものは、むしろでき得ますならば、財政投融資、もしくは一般公募の形において私は財源を調達するということが望ましいのであります。
 しかしながら、これは御承知の通り、この財政投融資なり、あるいは一般公募ということも、電信電話事業のみならず、そのほかにたくさんのいろいろの公益事業なり公営事業がたくさんあります。それらの面からの資金の需要も非常に多いのでありまして、私どもだけのために、特に多くの分け前をいただくということもできかねる、といって、これは据え置くわけにも参りませんので、先ほど申し上げました通り望ましいことではありませんけれども、やむを得ざる手段として、今日この程度のことは、一般の加入者に御迷惑をかけておる、かような状態でございます。
#51
○野上元君 そうすると、あなたのお説を聞いておりますと、今日の状態では、必ずしも満足ではない。本来ならば社債の発行だとか、あるいはまたその他の財政投融資の借り入れとか、そういうものによって設備の拡充、改善をやっていきたいが、今日そのようなことができないので、やむを得ず料金からの収益でやっておるのだ、こういう情勢だ、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
#52
○説明員(大橋八郎君) 大体御趣旨の通りと考えます。
#53
○野上元君 そこで私がお伺いしたいのだが、理想的の姿をやれないというのは、どういう理由があるのですか。社債を発行しても、それだけ応募する者がいないということですか。あるいはまた財政投融資は、そう簡単には大蔵省が回してくれないと、こういうことですか。
#54
○説明員(大橋八郎君) 財政投融資なり、あるいは一般公募債のワク等につきましても、おのずから経済方面あるいは財政方面のいろいろな計画が、それぞれの機関においてあるわけでございますから、なかなか私どもの思った通り必ずしも動きませんという状態でございます。
#55
○野上元君 しかしながら、少なくとも公共企業である以上は、今あなたの言われたような理想の姿に近づけるべく努力するのが当然だと思うんですね。今のような状態は、非常にあなたの理想からはほど遠いと思うんですね。やはり同じことを繰り返されているが、ほとんどその効果はあがっておらないと考えているんですが、こういう状態が、一体いつまで続くとお考えなんですか。
#56
○説明員(大橋八郎君) あるいは私どもの非力のために御迷惑をかけるかとも存じますが、私どもとしては、決して打ち捨てているわけではございませんので、でき得る限りの努力はしているのでありますが、力及ばず現在のような状態になっているものとお考えいただいてよろしかろうかと思います。実は、今年度の予算におきましても、そういう意味において、皆さん御承知の、これも必ずしも一番いい方法とは考えませんけれども、七十二億の外債を募集する、これなどもやはり、私どもの努力の一つと御了解を願いたいと思います。
#57
○野上元君 外債のことについては、あとでお聞きしたいと思ったんだが、今ちょうど御答弁がありましたので、ついでにお聞きしたいと思うんですが、外債は、国内で金を借りるよりも金利が安いから借りた、こういうことですか。
#58
○説明員(大橋八郎君) 安いから借りたといいますか、少なくとも国内で借りるよりも条件が悪くない状態で借りなければならぬ、かような考え方で募集に着手いたしたわけでございます。大体その目的通りにいったと考えております。
#59
○野上元君 たしか二千万ドルの外債にあなたは成功されたということを聞いておりますが、これは邦価に直すと約七十二億ですが、これは全体の設備資金からみると、そう大した大きな額じゃないと思うんですが、これでもやはり相当大きな効果があるんですか。
#60
○説明員(大橋八郎君) まあこれは数字から見ますれば、ごらんの通り、七十二億ということは必ずしも非常な大きな額とは申せません。しかしながら、これだけでも、私どもはやはりこれによって、三万名の加入者の増設ができる、かように考えております。
#61
○野上元君 そうすると、結局外債募集は、国内の資金調達が飽和点に達したので、外からも導入したのだ、こういうふうに解釈してよろしいんですか。国内のいわゆる資金導入は限度がきた、従って外債によったのだ、こういうふうに解釈してよろしいですか。
#62
○説明員(大橋八郎君) 限度にきたということは言い得るかどうか、私どももその点は財政のことにくらいので、断言いたしかねるのでありますが、とにかく今年度の予算編成の際にあたりましてはこれ以上の公募債あるいは財政投融資をいただくことができなかったわけでありまして、その足りない分の七十二億を外債に仰いだ、こういうことでございます。
#63
○野上元君 この方法は、これから毎年続けられるのですか、さらに拡大されていくんですか、そういう方針についてはお聞かせいただけますか。
#64
○説明員(大橋八郎君) これは年々の予算編成のときの問題でありまして、あらかじめ必ずこれは外債を仰ぐとか、内債に仰ぐとかいうことを平常から考えているわけではございません。私としては、必要な拡張計画の財源を要求する場合に、自己資金なり、あるいは加入者の引き受け債券等を引き当てにして、なお足りない分は、何らかの方法によって、借入金なり公募債によりたい。その場合に、そのときの財政状態なりあるいは一般経済界の状況によってですね、国内債で、もし募集できますればけっこうです。なお特に国内債で借りられるものを、わざわざ外債で借りるということも考えておりません。国内債でできない部分で、しかも外債により得る部分があるならば、必要な限度まで外債で借りてよろしい。かような大体の考え方でおるわけでございます。
#65
○野上元君 では、その外債の募集は、消極的な意味を持っておる。まず計画を先にして、その計画に国内の資金を充当して、なお足りなかった場合にのみ外債募集による。こういうふうに考えてよろしいですね。
#66
○説明員(大橋八郎君) この社債応募等の問題はですね、これは私どもは必要な限度のものを実はいただきたいということを、予算編成の際に要求いたすのでありまして、これを財政当局その他の財政計画に基づきましてですね、内債でこの程度お前の方に割り当ててよかろう。それ以上はできないが、それは外債でやったらよかろうというようなことで、そのときどきのおそらく財政当局の計画のいかんによって、相当これは大きく左右せられることだと考えます。
#67
○野上元君 それは電電公社自体の計画が主ではなくて、外の力の方が主になるのですか。その計画は。
#68
○説明員(大橋八郎君) これはもう債券をどうするとか、どこに求めるかという問題でありまして、そうなりますと、これはやはり財政計画に最も重大な関係がありますので、私の方では、ぜひ外債にしてくれ。あるいは内債でぜひ頼むという差別は特につけません。どちらでも、私どもは資金の調弁ができればけっこうでございます。こういう態度で今日まできておるわけでございます。
#69
○野上元君 かりに外債を将来募集されるとして、限度というのは全然考えておられないですか。最高限度というようなのは。
#70
○説明員(大橋八郎君) 今日においては、特にそこまで限度というものについて、まだ考慮いたしておりません。
#71
○野上元君 その問題は、ちょっと筋をはずれましたので、また元に戻しますが、この間の参考人も盛んに述べておりましたが、今日の電信電話事業は、いかにも派手に発展の一途をたどっておる。驚異的な進展を見せておるけれども、まだ国際的に比較した場合には貧弱なものだ。むしろ後進性だ。こういうことを盛んに言っておられましたが、その点は、電電公社としては認められておるんですか。
#72
○説明員(大橋八郎君) 世界の各国との例から比較いたしますと、まだそういばった程度ではございません。むしろ水準より以下と申してもいいかと思います。
#73
○野上元君 そうするとですね、とりわけ皆さん方は、公企業と言われておるんですが、この公企業が、将来発展していくという場合にですね、その資金の調達方法というのは、初期においてはですね、やはりその借入金だとかあるいは財政投融資から借りるとか、あるいはまた貯蓄をそちらの方に振り向けるとか、そういう行き方が、今日一番正しいというふうに言われておるんですが、料金でその将来の設備を改善していくというような行き方は、明らかに公平な負担でないのだというような論が非常に強いように思うのですが、そういう点は、どういうふうにお考えになっておりますか。
#74
○説明員(大橋八郎君) その点になりますと、私どもはですね、改良拡張の財源の一部を料金収入から求めるということは、必ずしも不当とは言えないと考えております。実は御承知の通り昭和二十八年に約二割の料金引き上げをお認めいただいたわけであります。そのときの趣旨もですね、この値上げによって得たる財源は、一部は減価償却積立金の不足を補うということが一つ。いま一つは、その増収をもって将来の拡張改良の資源に充てるのだ。かような趣旨で、当時国会の御承認を得たと承っております。また現在の加入者から、今後の新しい加入者の建設費の一部を支弁するというのはおかしいじゃないかという、こういう説もよく聞く説でありますが、しかしこの点も、電話というものは相手が多くなれば多くなるほど利便が増すわけであります。一万の相手の話のできる電話よりも、十万の相手の話のできる電話の方が非常に効果が大きいわけでありますから、将来の話す相手が増加する財源の一部に、現在の加入者の料金の中から一部を充当するということも、必ずしも不当ということも言えないと思います。
 のみならず先ほど申し上げました改良ということになりますと、これは将来の建設ということよりも、現在の加入者のサービスをよくするということでありまして、従来の手動であったものを自動に直す、あるいは市外交換を即時に直すというようなことに、これは向けられる金でありますから、これは現在の加入者の料金収入の一部を充当するということは、決して不当とは言えない、かように考えております。
#75
○野上元君 そうしますと、今電電公社で千何百億の収入があるわけですが、それを振り向けている率というのは、どうなんですか。改良に振り向けているのはどれくらいで、将来の設備投資には幾らぐらい、その率は、どれくらいになっているのですか。
#76
○説明員(大泉周蔵君) これは年によって多少の差は、ございますが、大体六〇%前後が、現在の加入者の利益になる分と考えられます。
#77
○野上元君 そうすると六〇%は、現在の加入者の改良、四〇%が将来の拡張、こういうわけですね、さらにこれも、この間の参考人がいろいろと申されておりましたが、料金の決定にあたって、今日新しい法案が出たわけですが、この料金水準について、どういうふうに考えるかという問題が一番重点である、その料金水準は、今日電電公社が行なっている大体収入を限度として、その幅において変えた、だけであって、水準というものはやはり従来の水準を、そのまま使っているのじゃないか、今日三十億の減収になっていると言っておりますが、この水準のきめ方は、電電公社の場合は、どういうふうに決定されているのですか。
#78
○説明員(大泉周蔵君) 御質問の趣旨をあるいは取り違えたかもしれませんが、同じ水準と申しますのは、同じ取り扱い通数と申しますか、電話なり通話数なりというものがあった場合において、総計において収入というものが同じになると、こう申しておるわけであります。
#79
○野上元君 問題は、水準といいますか、基本的な料金の考え方ですが、今日の電電公社の料金が高いか安いかという問題ですね、この水準の問題が、高橋参考人はたしか戦前の物価と比較して、その倍率を対比して今日の電電公社の料金が必ずしも高くない、こういう立論もされておったんですが、電電公社のように生産性の向上のどんどん進んでいく事業において、ただそういう料金の対比だけでこの電電公社の料金の水準は正しいんだ、あるいは他の物価と比べて割安なんだとか割高なんだとかいうことを論ずるということは間違いじゃないかと、私はそういう気がするんですが、その点電電公社はどうお考えですかね。
#80
○説明員(大泉周蔵君) この点につきましては非常にむずかしい問題なんでございますが、現在の電電公社において上がった利益を、現在の加入者に還元すべきか、あるいは将来の拡張、改良に向けるべきかという点は非常に大きな問題でございまして、私たち公社の持っておりまする公共的使命から、申し込んでもつかない電話を、一日も早くなくし、全国即時通話にすることが一番の急務であるから、どうしても現在のテンポを下げたくない、もっともっと拡張のテンポを上げたいという念願でございます。
 そこで、そういう点から言いますと、現在の料金水準を下げるということは、拡張のテンポを落とすおそれがあるので、そういうことはしたくない。これが第一の考え方でありますが、しからば、さて、現在の電電公社の料金が、ほかの物価に比べて高過ぎると、これは、そういうことは言っておれない、早く一般に調整すべきだ――そこで、翻って考えてみますと、昭和九年−十一年の基準に照らして考えてみたときに、電信電話料金というものは、どういうものであろうかと考えて、ほかと比べてみますと、割合にむしろ低目である。そうすると、これを下げなきゃならない急務というものは、むしろあまりないんであって、拡張の急務の方に重きを置くのが正しいんじゃないか、こういう工合に考えた次第でございます。
#81
○野上元君 拡張計画があるから、まあそういうことを言っておられるわけですね。かりに拡張計画がないとすれば、あなたの方の収益は、どんどん上がっておるわけですから、そうすると、一般の物価なんかに見て高いということは言えないんですか。
#82
○説明員(大泉周蔵君) この点は、実はどんどん上がっていますのは、どんどん拡張して、それによってだんだん上がっていくという、いわば雪だるま式と申しますか、どんどん電話をつけ、どんどん市外回線もふえれば、従って通話料もふえる。しかしながら、他面、支出もふえるということでございまして、そのような、いわば建設の規模なり収支の規模がふえることが、決して負担がふえるということとは通じない。むしろ利用者の方々が、その利用によってより利益を受けておられる、いわば正当な対価と思う次第でございまして、まあせっかくの先生のお話でございますが、私たちは、これによってむしろサービスを増しているという工合に考えた方が正しいんじゃないかと考える次第でございます。
#83
○野上元君 あなたの言われることもわからぬことはないんです、私も。それで今回の法律にも、わざわざこの料金改定によって三十億円の減収だということをうたわれている。電電公社はなかなか芝居がうまいと思うんです、減収だなんというところは。値下げじゃないんだ、減収になるというのですが、これは、今の理屈から言われると、この料金改定によって、有効需要を刺激して、さらに拡大していくんだと、通話数が。そうすれば、今日の三十億減収の予定が、実際やってみたら、需要を刺激しておって百億の増収になっておったんだと、こういうことが、言えるんじゃないですか。
 私が聞きたいのは、三十億の減収というのは、一体どういう根拠で出たのか、そしてその三十億の減収というのは、いつまで続くのか、いつから黒字に転ずるのかということは、どうなんですか。
#84
○説明員(大泉周蔵君) 実は、この三十億の減収と申しますことは、いろいろ誤解も生ずるんじゃないかと思って、私たち申しわけないと思うんですが、実は、これは、そういうことを目的としたのじゃございませんので、あくまで水準が同じくなるように努力したのでございまするけれども、何分改定をいたしますと、水準を無理に同じくしますと、どうしても上がるところも下がるところも出てきて、上がるところの影響が強い。従ってこれを受け入れられやすくするために、上がる方をずっと押えるということにしました結果、どうしても減収が生ぜざるを得なかったのでございまして、いわば変な言い方をしますと、不本意な減収だったのでございまして、出た計算をその通り正直に申しておるだけでございます。
 そこで、その三十億の減収の中で利用増の要素を見なかったかと申しますと、これは、三分・一分の場合には、三分までは値下げになりませんのですから、三分から六分までの通話数には移動がありましても、それ自体がふえるとは考えられないというので、三分・一分のほうは、手動のほうは利用増は考えなかったのでございますが、自動の関係につきましては、確かにふえるであろう、しかしながら通話の時間が非常に短くなろうということを考慮に入れて考えたわけでございますが、しかし、それで直ちにこの三十億がすぐ消えるぐらいの利用度であるかどうかということは、必ずしも言えないわけでございます。ただ、私たち考えましたのは、御承知の通り、毎年電電公社の財政規模はどんどん大きくなって参りまして、加入数も市外線もどんどんふえて参りますので、その間における三十数億というものは、前年度の三十四年度では一・六%なんでございます。したがって、こういうものは、利用増あるいは企業努力によってカバーできるだろうと、こう考えたのでありまして、これが何年で消えるかということは、その年の経済情勢、われわれの努力いかんで変わるわけでございまして、一がいに言いかねるのでございますが、私たちはできるだけ早く、これの穴というものを埋めるように努力したい、こう考えておる次第でございます。
#85
○野上元君 そうすると、その三十億の減収というのは、どの年度を比較してですか。三十五年度の実績と三十六年度の予定とを比較して三十億の減収になると、こういうことですか。
#86
○説明員(大泉周蔵君) この申しております三十二億と申しますのは、三十四年度の決算によりまして、その取扱数というものをもとにしまして計算しますと、収入は二千五十億円であるけれども、新しい料金体系で計算すると二千十八億円である、したがって三十二億減収であるということでございます。
#87
○野上元君 三十四年度の通話数を基礎に置いておると。そうすると、三十五年度の通話数を基礎に置くと、三十二億の減収というのは、どうなるかわからんと、こういうことですね。
#88
○説明員(大泉周蔵君) 三十五年度は、まだ決算がはっきりしませんので申しかねるのでございますが、推測で申しますと、これが三十五億円程度になるのではないか、また、三十六年度の予算をもとにしますと、これは四十四億円程度になるのではないか、こう推算いたしておる次第でございます。
#89
○野上元君 そうすると、毎年減収は逓増していくという計算ですか。
#90
○説明員(大泉周蔵君) この部分だけを見ますと、確かに逓増いたします。しかしながら、予算規模自体はまたこれより上回って飛躍的に逓増していくと考えておる次第でございます。
#91
○野上元君 私頭が悪いのでよくわからないんですが、そうすると、ここで言っておる減収というのは、どういう意味なんですか。
#92
○説明員(大泉周蔵君) これは、前の料金体系と新しい料金体系を同じ基礎物数に当てはめたときに、これだけの差がある、こういう意味でございます。
#93
○野上元君 そうすると、その通話の内容が変わってくると、この数字も変わってくると、こういうことですか。
#94
○説明員(大泉周蔵君) その通りでございます。
#95
○野上元君 そうすると、必ずしも電電公社が好まざる結果が出るとは限らんですね。その通話の内容が変われば、逆に増収ということがあり得るわけですね。
#96
○説明員(大泉周蔵君) その通りでございまして、まあ予想が違えば、これよりも増収もあり得るしまた減収もあり得ると考えるのでございますが、私たち、自動即時通話に関しましては、ある程度時間が短くなり、かつ通数がふえるという要素も見込んだつもりでございます。
#97
○野上元君 それでようやくわかりました。だいたい政府の言うことと、反対のことを考えておれば間違いないということが、一般の考え方のようでありますから、おそらくこれは増収になるのじゃないですか。その点はどうですか。三十六年度の決算を見なきゃわかりませんか。
#98
○説明員(大泉周蔵君) 私たちは、これはこの減収を取り返すために努力したいと思いますが、決してそう容易なことであろうとは思いません。またこれを埋め合わすための増収が出るとしますと、相当の市外線の増設を必要とするであろうということも想像されますので、決してなまやさしいものとは思いませんが、しかしある年限の間には、これを取り返すことは可能ではないかと考えてはおります。
#99
○野上元君 もちろん私は長期計画を立てる以上、それの減収が年々増大していくというような長期計画を、電電公社の方が立てられるなんということは、これは常識的に決して考えられないですね。高度経済成長計画をやっておられ、所得倍増計画も進んでいくしというようなことを考えると、年々その減収が逓増していくというような、そういうことはないと、いつかは黒字に転じていくとこういうように見ておるんですが、その見方について間違いないですね。
#100
○説明員(大泉周蔵君) これは私も、減収しっぱなしで、未来永劫にだんだん赤字になっていくという予想を立てておるわけでは決してございませんので、私たちは、料金改定の収入としては、これだけいわばお客様の方に有利になるような計算になるけれども、しかしながらいわばサビース増進といいますか、利用数の増加によって、これをカバーしていこうと考えておることは事実でございます。これは距離別時間差法によるサービスというものが、利用者の好評を博し、またその他一般サービスについて、利用者の方のいわば利用増が出て参りますならば、これは遠からずふえるものではあろうと思いますが、しかしながら料金体系それ自体としましては、明らかに今の体系と新しい体系との間には、差が出て参ります。
#101
○野上元君 そうすると今回の、かりに法案がこの国会で成立するとすると、明年度から実施されることになるわけですね。そうした場合に、あなたの方で、この間出された十三年間にわたる――十二年ですか、電話拡充臨時措置法の計画に基づいて昭和四十七年度までの計画には大した狂いがない、こういうように判断してよろしいですか。
#102
○説明員(大泉周蔵君) この程度の差は、根本には影響を及ぼすものではないと考えております。
#103
○野上元君 話はまた逆に戻るかもしれませんが、今日電電公社で、いつも問題になっておるのは、やはり公社が国営から、いわゆる公共企業体になった、そのうまみといいますか、それがいつも問題になっておるんですが、今日、皆さん方が痛切に感ぜられておるように、今までとあまり変わらないですね。たとえば給与の問題についても、これは予算総則に縛られてしまう。かつまた、先ほど大橋総裁がおっしゃったように、資金を調達しようとしても、なかなか公社だけでは、どうにもならない。ほとんど公社のうまみがないんじゃないか、こういうことが特に言われておりまして、その反面、公社が幾ら収益を上げても、従業員には、その上は公益事業だということで、これも押えてしまうというようなことがしばしば言われ、聞くんですが、その点は公社としては、いつもこれは問題になることですが、どういうふうにお考えになっておるんですかね。今日の状態、やむを得ざるものがある、こういうふうにお考えになっているのか、なお改善の余地があるとお考えになっているのか、もう少し企業的な、独創的な経営ができるような方針を望んでおられるのか、今日の状態を墨守されようとしているのか、そういう点について、大橋総裁どういうふうに考えられますか。
#104
○説明員(大橋八郎君) この公共企業体という制度も、考え方によって、いろいろ制度の幅があるのじゃないかと考えます。従いまして、現在存在している国鉄、電電、あるいは専売というような三公社の現在の状態が、必ずしもこれは唯一の公共企業体の形とも考えられない。おそらくいろいろな幅がありまして、よほど国営に近い公共企業体もあり、また民営の会社に近い公共企業体という考え方もあるだろうと思います。まあ現在できている三公社は、どちらかと申せば、こういう批評をして、はなはだいかがかと思いますが、初めて公共企業体というものが従来の国営から移ったのでありますから、おそらく第一段階として、比較的国営に近い公共企業体の形態ではないかと考えます。あるいは今後の社会情勢の変化なり、あるいは経済状態の変化等によって、だんだん場合によっては、もう少し自主性の強い、あるいは民間企業の方に近いようなところに移る場合もあり得ると思います。
 しかし、現在のできております公社法の範囲内においては、今申し上げましたように、どちらかと申すと国営に近い状態のままに運営されている、かように私どもは考えております。
#105
○野上元君 そうすると公企業というのは、いろいろと定義があるようですが、たとえば公共企業というのは、自己完成的な経済単位ではなくして、政治、行政団体である国の一部であるとか、あるいはまた地方自治体の一部だとか、こういう考え方もあるし、そうではなくて、いわゆるパブリック・インダストリーと言いますか、そこまで考えている公企業の経営の方針もあるし、いろいろあると思うのですが、今大橋さんのお話を伺っていると、やはり何と言いますか、国営に近い、ほぼ国営に近い公共企業体、こういうのが今日の電電公社の実情である。しかしながらその事業の内容は、飛躍的に発展しつつあるというところに、大きな一つの矛盾があって、それがやはり従業員等には敏感に響いているというふうに、われわれとしては考えられるのだが、その点は大橋総裁の希望としては、もう少し企業的な、独創的な考え方を希望しておられるのかどうか、その点一つ、お聞きしておきたいと思うのですがね。
#106
○説明員(大橋八郎君) これはむしろ現在の電電公社のあり方という点についての、政治家としてのいろいろ、皆さんの御意見があるだろうと思います。私どもは現在の法制のもとに働いているわけでありますから、希望は、いろいろと個人的意見はありましょうけれども、ここで個人的な意見を申し上げるべき立場ではないと考えます。
#107
○野上元君 いや私は、大橋総裁の個人的な意見を聞いているわけじゃなくて、総裁の御意見を聞いているのであって、われわれはやはり門外漢であって、この法案を提出されるのであっても、やはり公社の方が計画を立案されて、それが郵政省の手を通じてこられたのであって、実際は総裁の方の自主的な意見が、これによって現われてきているわけなんですが、そういう考え方を、われわれのいわゆる政治家と言いますか、そういう部類の責任に転嫁されるというのは、どうも僕は納得できないので、むしろ総裁自身が、もっと積極的に切り開いていかれるのかどうか、その点を一つ、忌憚のない意見を伺っておきたいのですがね。
#108
○説明員(大橋八郎君) これは、まあ公社ができてから以来、しょっちゅう公社の中にも外にもいろいろ議論があります。従来公企業体等の審議会が開かれたときにも、公社から意見を出したのは御承知の通りであります。
 当時の意見としては、相当自主的の運営のできるような態勢を望むという意見を、たしか当時公社から出したと思います。これがやはり、公社としての従来からの意見とお考えいただいてけっこうだと思います。
#109
○野上元君 私は結局、こういうことをお聞きするのも、できるだけ公社が独創的な計画を自主的に打ち出されて企業として、うまくやってもらいたい、毎回々々いろいろなことでもめておるというのは、まことにまずいのではないか、こういう考え方をするのですよ。それはやはり公企体になったということから、従業員は非常に大きな期待を持った。が、しかし実際には、今までとちっとも変わらないじゃないか。ことに、郵政大臣がおられるので悪いのだが、隣の貧乏人の郵政と肩を並べなければならぬ、こういうことが、しばしばわれわれも目につくのです。ときどき私は郵政の従業員の諸君にも、お前らは電電公社の足を引っぱるようなことをしてはいかぬ、あまり人をうらやましがるな。電電公社は、どんどん待遇改善をされればいいじゃないか。そのことが、結局は郵政事業の刺激にもなるのではないか。郵政の事務当局も、これはいかぬということで、大いに努力をし、待遇改善をやっていく。こういう一つの積極性を持ってくる。
 従って、そういううらやましがってはいかぬということをしばしば言うのですが、その点は、逆に電電公社の方から、貧乏人の方へ右へならえしておって、もっぱら彼らのかせいだ金は設備に投資されてしまうというところに、何か割り切れないものがあるのではないか、こういうような考え方がするのですが、そういう点は、総裁としてはお持ちになりませんか。また、お持ちにならないとすれば、いや、十分その点は尽くすべき点は尽くしているのだ、こういうお考えを持っておられるのか、一体どちらでしょうか。
#110
○説明員(大橋八郎君) ただいまお話になりましたように、剰余金は全部設備投資に充てているわけではございません。上げたる利益の一部は、むろん満足する状態ではないかもしれませんけれども、ある程度のものは従業員の待遇改善なり福祉増進に充てられておることは、これまた事実であります。
 しかしその程度が、あるいは従業員諸君の希望しておられるところにはむろんいっていないかもしれませんけれども、それが、全然行なわれていないということではないと思います。ただ私どもの方としては、でき得る限りその範囲を大きくするように努力するつもりで今日まで努力しておりますけれども、われわれの微力のいたすところ、思うように、なかなかうまくいきませんので、十分御満足を与えることができないのは非常に遺憾に思います。
#111
○野上元君 あなたは満足を与えるだけの金を持っているのです。郵政のように持ってないのから出せといってもしょうがない。それでは、われわれが作ってやらなければならぬという気もするのだが、電電公社は、もてあますぐらい金を持っておって、残念ながら満足する状態にいかれないのだというのは、どうも理解できないのですがね。その辺が一番むずかしいところじゃないですか。総裁は、日本一の金持ちなんですが、そこの従業員がいつも文句を言っておるというのは、あなたは持っておられる金を――人の金なんですから、それをあまり自分の金と間違えずに――自分の金は大いに貯金してもらってけっこうなんですが、その方の金は、やはりあなたの子供たちに、どんどん渡していくというやり方をせぬと、なかなかうまくいかないんじゃないか。
 その点が若干、努力にもかかわらず、なお足らざるものがあるのではないかというような気がするのだが、その点どうでしょう。
#112
○説明員(大橋八郎君) これはもう野上さん御承知のことで、あらためて申し上げることもないのでございますが、現在の公社法の三十条によって、ちゃんと標準というものがきめられておりまして、私ども電電公社だけ特別のことをやるということはできないように、ちゃんと、ここに規定が設けられておるわけです。この三十条の範囲内において、私どもはできるだけのことを努力する、かような状態でございます。
#113
○野上元君 それが私は一番おもしろくないのですがね。公企業だ公企業だといって、そちらの方ばかりが公企業なんです、押える方ばかりが。これは法律できまっているのだといって、そういうやり方では、全然国営から公企業になったうま味がないような気がするのだが、その点を何とか、もう少し改善する余地があると思うのだが、これは郵政大臣の仕事ですか。郵政大臣どうですか。あなたはあまり金がないので、名前が小金では、金はあまりないかもしれませんが……。
#114
○国務大臣(小金義照君) 読み方によっては、オガネとも読みますから……。
 野上さんの御意見は、おそらく公企業体になって、国家の直営から離れて、もう少し自由な活動の天地を努力して持つようにしたらどうかというような御意見だと思いますが、俗に三公社五現業といいまして、電電公社の方は、比較的裕福であって、私どもの方の郵政事業の方は貧乏で、その貧乏の方にならわなくてもいいだろうという、まあそうなればけっこうですが、もし私が許されるならば、電電公社が、そんなにもうかったならば、本家の郵政省の方に少し金を回してもらいたいくらいの考えなんですが、これはなかなか行政上、またわれわれの方は、会計法とか、国家行政機構の二部でございますから、非常に窮屈で、行政組織法、あるいは財政法、会計法、国家公務員法等の除外になっておる公企業体であるから、もう少し自由な金の使い方と、また企業活動も濶達にできるようなことを、私どもの方も望ましいと思っております。やはり、広い意味において国家機構、または政府関係行政機関の中において、あまりにでこぼこがあるということは、政府全体としては踏み切れないと思います。
 そこで、たとえば電電公社の方において、今大橋総裁が言われた三十条の規定内において給与その他のことができた上の金は、やはり拡張とかあるいは維持改善に回してもらって、国家を通じて、全般的によくなれる方に注ぎ込んでもらう。いわばこれは相当長い期間かもしれませんが、経過的には窮屈でも、ある程度やむを得ないと思っております。なお、電電公社がもっと機動的に働けるようにしたいという念願をもって、私どもは、ともどもに苦労いたしておりまして、ただ筋は筋、現実は現実というようなところもございまして、思うようにいかないというのが現状だと思っております。
#115
○森中守義君 関連。郵政大臣。公社法の三十条がどういう趣旨のもとに作られたかということは、かなり旧聞に属する問題でしようが、三十条が絶対的な条文などとはいえないと思うのです。
 それで私は、この前もちょっとお尋ねしたことがありますが、この前の行管の勧告が出ておりましたね。要するに公社の予算編成権と、郵政大臣のこれに対する調整権、この辺が、私は今野上委員の質問の一つのポイントを突いていると思う。それで利潤が上がった金を、一体どういうように公社が使っているか。すでに五百億、あるいは三十六年、三十七年、三十八年というように、事業の増高と利用度の増加に伴って利益が上がっていくことだけは、これは間違いないと思うのですが、そうなると、そういうふうに上がった利潤、三十条があるから、それだけを基礎にして配分をしなければならないということは、少し私はうまくないのではないか。三十条というのは、変えようと思えば、法律改正でできるわけです。問題はもう少し、建設資金に幾ら使う、あるいは職員にどれくらい配分する、そういう原則的な問題が、そろそろ検討されていい時期にきているのじゃないですか。
 そういうことが私は大臣の公社予算の調整権という権能に照らしておやりになる仕事だと思うのですが、大体、こういう公社経営として上がった利潤のどのくらいを処遇改善に回していくか、あるいは建設資金に回していくか、また、その比率等について検討されたことがありますか。
#116
○国務大臣(小金義照君) まだ具体的には検討したことは、まあ事務当局はあるかもしれませんが、私としては、まだそこまで手をつけておりません。
 ただ、これは郵政大臣と申しますか、国務大臣の見地から申しますと、やはり国家の政府関係機関の全般を通じての振り合いとか、いろいろなことも考えなければなりませんので、利益が上がる企業体は、相当大幅にその利益を従業員に分配していいということも一がいに私は踏み切れないのじゃないかというような考えを持っております。具体的に今おっしゃったような、どういう割合で分配すべきかというようなことは、私自身は、まだじっくり手をつけて研究したことはございませんが、事務当局から必要があればお答えをいたします。
#117
○森中守義君 これはなるほど、大臣の言われるように利潤が非常に上がっていけば、それだけ逆から言うならば、料金等を軽減していく、利用者に還元をしていく、これも一つの方法でしょうし、あるいは設備投資に大へんな金が要れば、そちらへ回していくということも利益金の使い方であると思う。
 しかし、そういうことが三十条を一つのたてにとってされるんではなくて、もう少し、上がった利益を建設資金には幾ら使っていく、あるいは益金の利用者に対する還元はどの程度にしていく、あるいは職員に対する配分はどの程度、こういうことが寄り寄り協議されていいのじゃないかと、こう思うのです。ただ、今のところそういう検討をしたことがないと言われますから、それ以上突っ込んでお聞きするのも無理かと思いますけれども、大体、物の考え方としては、どういうようにお考えになりますか。
#118
○国務大臣(小金義照君) お説の趣旨は、ごもっともでありまして、そういうふうな見地から検討もしてみたいと思っております。
#119
○森中守義君 おやりになりますか。
#120
○国務大臣(小金義照君) これは電電公社と私の方と、両方で研究しなければならぬ問題でありますから、相談をいたしまして研究をいたします。
#121
○久保等君 私、若干まだ各委員の方も御質問があろうかと思いますが、時間の関係もございますので、私あまり長時間実は時間が都合つきませんが、許されます私の時間の範囲内で、若干質問をいたしてみたいと思います。
 まず、今回出されましたこの公衆電気通信法の一部改正の目的としております料金体系是正という問題なんですが、基本的には、この料金問題に対して、どういうお考え方で、この改正法案を出されたのか、まず、その基本的な点についてのお考えを提案者の方から御説明を承りたいと思うのですが、大臣にお聞きしたいと思います。
#122
○国務大臣(小金義照君) この法案を提出いたしました根本的な理由と申しますのは、電話の架設をどんどん進めて参りまして、従いまして、経済がどんどん伸びていきまして社会生活圏が大きくなって参ります。従って通信等も、この電話による通信等も、市外通話の自動化を促進して参らなければならない。これらの点に即応いたしまして、料金の体系を合理化する。一口に申しますれば、大体そういう要請に基ずいて提案したのでございまして、その基本は、社会生活が向上し、経済が発展していく。電話の全国的な即時通話等を計画いたしておりまする立場から、最も簡明な、そうして間違いのないような料金のかけ方をする。そのためには、今までのようなことではいけないというので、この距離別時間差法というような方式によって料金をかけるのが一番いい、こういう見地から提案をいたしたのでございます。
#123
○久保等君 料金体系是正の問題は、私もずっと数年来懸案の問題であったことを承知いたしておるのですが、ただ一般国民の感じとしては、料金体系であろうと料金の金額そのものであろうと、とにかく料金という一般的な、常識的な感じからすると、やはり体系を含め料金制度そのものに対して、一つのやはり考え方を持っておると思うのですが、今回出されたのは、主として料金体系を是正するのだという体系是正という点に重点を置かれておると思うのですが、従来の経過は、この前料金の値上げをやり、そうして今回体系是正という形で二本建のような形で扱ってしまっておる。従って、今回は料金の高低――多寡といったような問題は、従来と同じような据え置きという考え方の上に立って、体系の是正だけを自動即時の伸展あるいはまた行政区域の合併、そういったような時代の進展といいますか、そういうものに即応するような意味合いで考えて今回出された思うのですが、しかし本来料金制度というものを考える場合には、当然一元的に、この問題を扱っていかなければならぬと思うのですが、そういう点から考えると、今回出された体系是正というものも、いわば一種の過渡的な一つの是正措置であって、もう少し一元的に、料金制度そのものについて再検討しなければならぬのじゃないかということが、常識的には言えると思うのですが、その点いかがですか。
#124
○国務大臣(小金義照君) この点につきましては、委員会に諮問もされたようでありまして、また先ほどの御質問にありましたように、この方法を、もっと早くとるべきではなかったかというような点に関連して、業務局長から経過的に説明をいたしておりますから、局長から説明をさしていただきます。
#125
○説明員(大泉周蔵君) この問題につきまして、根本的にという御意見でございますが、あるいはその意味を取り違えておるかとも思いますが、この電信電話料金調査会におきまして出ました議論につきましては、いわゆるグループ料金制というものを理想的に行なうためには、全国即時化が行なわれてしまわないと、ほんとうの理想体系にはならないと思います。その意味におきましては暫定だということが言えると思いますが、現段階において実施するには、これ以外に名案はないので、それをほうって置くと、その終局的な体系というものは、できなくなってしまうということが明らかになりまして、このような考えが一番いいということになったのでございまして、それを全般を待ってということは、事実上実施不可能ではないかというように考えております。
#126
○久保等君 私のお尋ねしようとしているのは、今局長の御説明のあった問題と、もう一つは、一体今の電信電話料金そのものもはたしてこれでいいのかどうかという、そういう問題。それについての検討を、私は今の局長の言われるような問題とあわせて、一元的に考えてみなければならぬじゃないかという気がするのです。
 ところが、おそらく局長なり、あるいは当局の考え方からすれば、料金そのものについては、これはむしろ建設資金等の需要の面からいえば、多々ますます弁ずるのだから、これについて適正料金とか何とかという見地からすれば、検討の余地があるにしても、今の立場からいって、とてもそういう適正料金という観点から検討するほど、ゆとりがないのだという気持だろうと私は思うのです。
 しかし、料金制度という問題は、ほんとうに純粋に考えていく場合には、料金そのものは、一体どの程度が適正なのか、そういう問題は当然考えていかなければならぬと思います。それに加えるに、全国的な料金そのもののバランスですね、均衡、これは今言う、私は、今度出された料金体系の問題が主たる問題だと思うのですが、要するに料金そのものの問題と料金体系、そういったものをひっくるめた形で、やっぱり料金制度というものについて、検討を加えていかなければならぬじゃないかという気がするのですが、その点をお尋ねしておるのです。
#127
○説明員(大泉周蔵君) この点については、先ほども大臣からも、総裁からも御答弁があったと思うのでございますが、この電信電話料金の全般にわたって根本的に検討するということも、確かに一つの考え方でございますが、やはりまたその間に、利用者の方々の、今までなれておられる実態というものを、いわばこの前も参考人の方が歴史を考えなければならぬとおっしゃっておられますが、そういう点も考えなければならぬということで、これをいわば理想、何といいますか、単に理論的にすぐ理想的なものにするということは、なかなかむずかしいことかと思うのでございますが、そこで電信電話の全般問題については調査会においても、いろいろ御論議があったのでございますが、やはり電信事業そのものを、根本的にどうするかというよりも、やはり水準を同じゅうした中でどういじれるかという議論があったように私拝聴しておったのでありますが、今回のいよいよ法案となりますときに、その電話の立場と電信の立場とは、ある程度やはり違っておりまして、電信については、根本的に考え直す必要がある。電信の方は、これは電話の自動化に伴う体系の整備並びに大都市周辺その他あるいは町村合併等に伴ういろいろの矛盾解決のために一日を争う改定であるということから、立法に当たったように私承知しておるのでございまして、この点におきましてはいわば一番重点の改定をするという考え方であると思うのでありまして、電信事業につきましては、全般の問題にわたって、さらに検討をされるものと承知しておる次第でございます。
#128
○久保等君 その現実の必要性なり、できるだけ早急に、今回出された問題を今実施に移していかなければならぬという、そういう事情は、私どもはよくわかる。ただしかし、料金制度という問題について、やはり一つの方向を見つめながら研究をし、また調査をし、できるだけ何といいますか、本来の姿に私はやはり体系そのもの、それから料金そのもの、そういったようなものを、一元的に含めてやはり研究なり、調査を一つしていただく必要があろうと思うのです。
 ところが、この前の料金の値上げの際には、料金そのものについても、いわばできるだけ建設資金をある程度確保していかなければならぬという立場から、料金が取り上げられて、ああいう法改正をなされたと思うのです。ところが今回は、また料金体系という面からのみ、これは実は、全国即時化という問題に対処しなければならないという立場から、料金体系の問題としてこれを取り上げているという、それぞれの目的をもってやっているのだが、しかし、料金制度そのものの本来考え方というのは、私は料金そのもの、それからまた体系そのもの、そういったようなものについて、もう少しミックスさせた、しかも一元的に制度そのものについて、やはり検討を加えていかなければならぬ、同時に考えていかなければならぬ。ところが歴史的な経過をたどってみると、特にここ数年の経過を見ると、私はやはり料金制度に対する取り組み方として、現実の必要性なり事情は理解できるにしても、料金そのものに対する取り組み方として、若干私は、正姿勢という言葉をよく使われますけれども、あまり正しい姿勢ではないんじゃないか。従って、そんなら一体料金制度の中で最も大事な電信電話事業における適正料金というものは、一体幾らなのだという、きわめて素朴な単純な問題がもし質問された場合に、現在の料金が、だれも適正ですと、おそらく今の電電公社にしても郵政当局にしても言い切れないと思う。しかし、言い切れないからといって、そのままにしておいてはならぬ。やっぱりそれは非常にむずかしい要素があるから、適正料金とは何だ、幾らだと簡単に言い切れるというものではないと思う。しかし、少なくとも今の料金というものは、あまりにもそういう意味では、政策料金的な姿になっているのです。郵便料は、よく政策料金だ政策料金だといわれるけれども、この場合に、今の政策料金というのは、電信電話の料金も、これまた一種の政策料金だと思う。これは私の私見でございますがね……。そういうことではやっぱり料金問題と真剣に取り組んで、国民の納得を得る実は姿になっておらぬじゃないか。もちろん建設資金という面からすれば、幾らでも金はほしい、建設資金は幾らでもほしいのだから、収益は幾らでも上げたいという事情はわかりますけれども、それじゃ一体、料金というものは電電公社は幾らでいいと思っているのだと言われて反問せられると、私は、それに対する適切な答弁ができかねるのじゃないかと思う。
 だから、そういう点でも、今度出された料金制度の改正の一部ではあるけれども、それは体系是正に中心を置いた料金制度の改正案であって、料金の金額そのものには、ほとんど手をつけないという考え方で作られておると思うのですね。ところが、これでは一体、料金制度そのものに対しての根本的な取り組み方とはいえないのじゃないか、そのことを私は質問しているわけなんですよ。
 従って、これはまあ何も早急に、そういう問題について結論を出せとか何とかということを私は申し上げておるのじゃない。方向としては、そういう方向へやっぱり取り組んで行く必要があるのじゃないかということを申し上げているのですが、この点について、大臣の一つ御感想をお願いしたいと思います。
#129
○国務大臣(小金義照君) 私は、一つの御見識だと思っております。ただ、とうふや、そばが幾らの値段がいいかというのは、これは簡単にある程度割り出せるかもしれませんが、この電信、ことに電話料金のような高度の技術や機械を駆使いたしますと、これはまあ極端にいえば、毎年、あるいは日々技術が進歩していきますので、その技術革新によって、どれだけのコストが下がるか、また、生産性の向上によって、どれだけコストを引き下げることができるかというような点を加味いたしますと、ここに七円という基礎数字を出しておりますが、この電話料金が、はたしてこれが適正なりやということになりますと、これはなかなかむずかしい問題でありまして、今久保さんの仰せのような、筋としては電信あるいは電話一通話をかける場合に、パリティ計算と申して非常な高等数学でも使って出せば出せましょうが、そのほかに、やはり国民生活を形成しておる諸般の現象、たとえば、生活費が幾ら、エンゲル係数が幾ら、あるいはまた家賃、地代その他交通費、いろいろなものを勘案して、総合的に一体電話料金というものは、どのくらいが政策的にしかるべきか、こう、ちょうど今おっしゃったように、二筋の厳重な意味のコスト計算から出した適正なといいますか原価、それから、社会生活の上から割り出しました政策的な料金、こういうような見方がございましょうが、これらは、いずれもやはり根本的な相当深く掘り下げて研究をしなければ、なかなかそれでも、まだ結論は見出せないかもしれませんが、困難な問題であります。
 そこで、電電公社または政府としては、何としても電話の積滞数が多くなりまして、すみやかにこれを解消していくように努力しようというところに、非常に大きな重点を置いて進んで参りましたので、今御指摘のような欠陥と申しますか、そういうような不用意、不備な点があるかとも存じますが、しかし、これは相当長い間の歴史的な要因も大事であります。よく税で申されますが、悪税でも長い間取られている税は悪税でなくなる、新しい税は、たとえ安くて合理的でも悪税だと言われるというようなことも聞いておりますので、七円という基礎料金が適正なりやいなやという御質問に対しては、私自身、実は正直に申し上げると迷うのであります。が、電電公社当局からは、よく歴史的経過等を伺いまして、また今後の建設の用意のために、いろいろな施策をしていく場合においては、やはりこれを基礎にして全国的な自動通話ができるような状態に持っていく、その途上において、今御指摘のようなことを私は研究討議して、国民の皆さんにできるだけ満足がいくようにしていくのが筋ではないか、こういうふうに考えております。
#130
○久保等君 これは非常に大きな問題で、一つの私は課題として、ぜひ将来の料金制度を考える場合の心組みといいますか、姿勢として、やはり常に考えておいてもらいたいと思います。そういう大前提のもとに立って、具体的な問題を若干考えていく場合に、いろいろ私は疑念を持ちます点もありますのでお伺いしたいと思うのですが、きわめて具体的な問題なんですが、この間も出していただいた電電公社の資料の中で、減価償却の引当金、これが年々計上せられております。
 この減価償却の引当金の一体根拠というものは、どういうことになっておりますか。相当改良的な減価償却も含まれておるのじゃないかと思うのですが、二十八年度から、ずっとこの毎年の減価償却引当金の計数がここに出ております。どういう比率で減価償却が行なわれておるのか、そこらのあたりを一つ、公社の方から御説明を願いたいと思います。
#131
○説明員(山本英也君) 公社でただいまとっております減価償却制度と申しますのは、公社になりました年に定めた制度を、昨年度三十五年度まではとって参りました。従いまして、どういうものを減価償却費引当金として年々積み立てておるかというやり方を申し上げますれば、電信電話の機械及び線路の施設に対しまして、それぞれの耐用命数というものを過去の、電電公社になりますまでの実績においてとらえまして、それに若干の技術革新的な要素をも加味しまして、新たに耐用命数を定めまして、それを定額法によりまして、個別に償却費を計算して計上いたしておるわけでございます。
 ただ、昭和二十七年に公社になりましてから、昭和二十九年度までは、先ほど来お話のございましたように、償却費に立てます額に、若干不足ぎみでございました。そこで料金改正をお願いいたしましたときにも、その一つの理由といたしまして、減価償却というものを十分にすることのできるような料金というものをおきめいただくことを、お願いいたしたわけであります。昭和二十九年以降におきましては、従来とっておりました償却制度そのものが実際に合うかどうかという点につきまして、若干の疑問が出て参ったわけでございます。と申しますのは、電信電話の技術の進歩が非常に著しいものがございまして、いわゆる技術革新に伴いますところの施設の陳腐化というような現象が、きわめて顕著に事業の上に現われて参ったわけでございます。
 そこで、その当時から昨年度までとっておりました減価償却制度というものが、適正なる償却制度であるかどうかということにつきまして、公社内部におきましても、また学界その他の方面にも御研究を願いまして、公社自身も、どういう償却制度というものが正しいかということについて研究を重ねて参ったわけでございます。その間、会計的と申しますか、経理的には、当時とっておりました減価償却制度自身では、若干減価償却費が不足しているのではないかということが、実績等において明らかになって参りましたので、その不足分と考えられますものを、各年度の決算期におきまして、郵政大臣の特別の御承認をいただきまして、特別償却費を、三十年度から特別償却をいたして参ってきております。昭和三十六年度以降におきましては、従来五カ年ほどの研究の結果をもとといたしまして耐用命数を変えますと同時に、償却方法につきましても、定額法から定率法に変えまして、今年の四月一日よりそれを行なうことにいたしております。
 従来、償却不足ぎみであったというものに対しましての特別償却の制度をお認めになっていただきましたので、三十五年度の決算においても、やはり従来と同じような特別償却のお認めをいただくようにしたいと現在は考えております。以上であります。
#132
○久保等君 三十五年度の予算と三十六年度の予算を見ると、確かに今経理局長の御説明のあったように、この減価償却制度そのものを改定をした経過が非常に顕著に出ておると思うのですが、三十六年度のこういう比率が、そうすると当分毎年、これから続いていくということになりますか。
#133
○説明員(山本英也君) 三十六年度の予算におきまして見込みました減価償却費というものは、三十五年度の予算におきまして見込みましたよりも多くなってきております。これはもちろん施設の量がふえますことに伴いますところの多くなりました分もございますが、ただいまお答え申し上げました償却制度の改正によりますところの増額分も含んでいるわけでございます。
 これを数字的に申し上げますと、従来の電信電話の機械の耐用命数というものは、大体二十一年ぐらい、平均いたしまして二十一年ぐらいを見込んでおります。三十六年度からは、大体総体の平均実用寿命と申しますか、耐用命数というものは十六年ほどに短縮をいたされました。それともう一つは、従来は定額法をもって償却を立てて参りましたが、三十六年度以降は、定率法をもって償却を立てて参ることに相なりました。その間にも、若干の償却費の引当金の多くなります要因がございます。
#134
○久保等君 まあこれは、相当むずかしい専門的なところで検討を願った結論に基づいて改定をしたのだろうと思うのですが、機械の場合について、二十一年を十六年に短縮したというお話、常識的に言えばわかるのですが、それは、どういうところで検討をせられたのですか。
#135
○説明員(山本英也君) 主といたしまして、耐用命数を、平均の耐用命数を定めましたものにつきましては、過去五年間の実績を基といたしまして、公社の技術革新とか、あるいは改良のテンポというようなものが第一次、第二次五カ年計画のテンポをもって推移するならば、この程度の耐用命数をもつであろうというものの実績によりましてとらえたわけでございます。それに基づいて現在の耐用命数を定めたわけでございます。
#136
○久保等君 この減価償却制度そのものについて、従来ももちろんそういう制度があったでしょうが、やはりある年限をおいて定期的に実験というか、経験というか、そういったようなものによって定時的にある程度検討を加えていかないと、ある程度――絶対正確ということも、なかなか電電公社ほどの大きな規模になってくるとむずかしいと思うんですが、相当確率の高い的確な減価償却というようなものを作り上げようとすると、相当長期の技術革新のテンポ、それからまた、いろいろ機械の種類にいたしましても、これは千変万化で種類が多いわけですし、施設にしても線路、機械、土木その他いろいろあろうと思うんですが、そういったような点から、何年間のそういう実績に基づいて、こう改定をしていくというか、研究をするというか、そういう、相当長期にわたったやはり実績の中でないと、一つの結論は見出せないと思うんですが、三十六年度から実施し始めたその料金改定、減価償却制度の償却率といいますか、私は相当そういった点では、二十八、九年からの長期の経験に基づいて、公社としては、もちろん正確だという御答弁になるんだろうと思うのだけれども、相当確信のあるものになっているのですか、この減価償却制度というものは。
#137
○説明員(山本英也君) 昭和二十九年から三十四年度に至りました間の電電公社の施設の改修なり、あるいは増設なりというようなもののテンポ並びにその間におきますところの技術革新的な要素というものは、どういう形で入って参ったかということが、一番大きな要素になると思うのであります。従いまして、この耐用命数を十六年に定めますにつきましては、各年別に相当こまかい調査を各施設ごとにいたしまして、その、実績を基といたしまして、ただいま申し上げましたように耐用命数を定めたわけでございますけれども、これで、今後永久に正しいものであるという工合に私どもは脅えておりません。もちろん企業の財務において、一番問題でございますところの減価償却というものを、正しい形にいたしていきますにつきましては、常時耐用命数と申しますか、そういうものの動向というものを的確に把握する必要はもちろんございます。ただ年々償却制度とか耐用命数というようなものを変えるということも、これも企業の経理上と申しますか、そういうことで不適当でございますので、なるべく長くもつような、耐用命数を、長とするように研究は相当細密に行なったつものでございますが、なお今後研究いたすつもりでございます。
 なお、もう一つ付言して申し上げますと、従来は償却不足というようなものが立ちますと、なかなか補正できにくい形の償却方法、定額法というものをとっておりましたが、今後は定率法をとりますので、残存価格に対しまして、ある一定率をかけるということでございますから、長い期間もちますので、その補正には、若干役立つよう償却方法の改正をもあわせて行ったものでございますけれども、久保先生のおっしゃいますように、償却制度そのものを、適正なものにするということについては、今後とも研究を続けて参りたいと思っています。
#138
○久保等君 この減価償却と非常に密接な関係があると思われまする資産再評価、これは戦後何回くらいおやりになりましたか。
#139
○説明員(山本英也君) 資産再評価と申しますのは、電電公社法に定められまして、たしか昭和二十八年三月を初めといたしまして、二十九年の末までに再評価をいたしております。その後資産の再評価ということはいたしておりません。
#140
○久保等君 現在、これはまあ少し資料でちょうだいしなければ、簡単な質問だけではすまされない問題だと思うのですが、二十九年の末にやられた資産再評価、それからその前の資産評価、そういったようなもの、それから現在の資産の評価、そういったようなものの資料をお出し願いたいと思うのですが、なかなかこれは大へんですか。
#141
○説明員(山本英也君) ちょっと先生のお求めになります資料、どういうものを提出すればいいのか、ちょっとわかりかねますけれども、たとえば現在の公社の資産というものの評価方法が非常に古い施設がたくさんあって、安い価格で資産を評価したものが非常に多くの部分を占めているかどうか。それで資産再評価を二十九年にやったけれども、その後の物価の値上がり状況とか、そういうものによって、現在の資産というものが適正に評価されているかどうかということの点を御検討になるといたしますれば、公社の資産というもののふえ方というものは、年々相当の額になっております。電電公社に変わりましたときの資産総額というものは、正確には覚えておりませんけれども、簿価で申しまして再評価をいたしますときに、四千億くらいであった、それが昭和三十五年度決算、まだ終わっておりませんけれども、おそらく七千億円近いものになると思います。そういたしますと、二十九年から三十五年までの間に物価の変動というものは、非常にたくさんあったというようなことでございますれば、総体の資産の評価というものは低過ぎるとか、高過ぎるとかということはございますけれども、まずまず新規の施設拡張改良分というものは、新しくなりました資産というものは、そのときの時価によって計算をいたしておりますので、それほど多くの評価益というものが生ずるかどうか、これは正確に計算をいたしたわけではございませんけれども、それほど大きいものだとは私どもは考えておらないのであります。
 従いまして、二十九年当時やった資産再評価の方法いかんということでございますれば、当時の資料から、幾らのものを幾らに評価がえしたかという資料は提出できると思いますけれども、そういうものでよろしゅうございましょうか。
#142
○久保等君 何といいますか、大きな種別にして、あまりこまかく分ければ、これは際限がないと思うのですが、そういう形ではなくして、これはきわめて一見して、一覧表的なもので、わかる程度の、大きく種別を幾つかに分けてもらって、それの何とい言いますか、二十九年の再評価前の資産、それから再評価後の資産、それと現在の資算総額そのものも、私は本来ならば減価償却の制度そのものを三十六年度、今年から変えたと言われるのだけれども、そのまず基礎になっている資産そのものを再評価はされないで、減価償却の制度そのものを何か変えられたということも、何かちょっと解せないような気がするのですが、そのあたりのいきさつはどうなんですか。
#143
○説明員(山本英也君) 現在の公社の資産の評価の方法、それと現在の償却というものがマッチしてておるかどうかという御指摘でございますが、多くの懸隔がないものという工合に私ども考えまして、法律で定められました再評価以後におきましては再評価はいたしておりません。
 ただ、そのために非常に償却不足が生ずるであろうとか、あるいはかりに純粋に取りかえが行なわれる場合でも、償却費では、とても間に合わないであろうという工合には、現在のところは考えておりません。
 それから、今先生のお話のございました資料につきましては、そういう点がわかりますように、大分数なり何なりで、先生に御相談を申し上げまして、こういうものということでございますれば、そういうものを作って提出いたしたいと思います。
#144
○久保等君 三十六年の予算の中で、三十五年の予算と比較をした場合に、減価償却の引当金が、約四割ないし五割近いくらい予算面ではふえておると思います。いわば減価償却を多く、三十五年度と三十六年度を比較すると非常にふえているわけですよ。ところが、その減価償却そのものを、そんなに改定を高率に行なう、そういう機会にこそ資産そのものについても、やはり再評価というものがなされてしかるべきじゃなかったかと思うのですが、資産の面では、全然そういった評価がえも何もやらないが、改定率だけは非常に大幅に、前年度、三十五年度では一割にも満たない程度のふえ方ぐらいしか、三十四年度と三十五年度とを比較すると、その程度のふえ方ですが、三十六年度の場合は、三十六年度に比較して約五割近い減価償却の率が上がっているのです。これは予算でいえば、三十五年度は三百七十三億だったのが、三十六年度では五百三十六億といった非常に大幅にふえているのですがね。ところが、その基礎になる財産そのものに対しては、評価がえを全然今のお話だとやっておられないということだとすると、そういう減価償却を改定する場合には、当然そうい資産そのものに対する的確な再評価というものがなされる必要があるのじゃないかという気がするのですが、そういう点はどうなんですか。
#145
○説明員(山本英也君) 先生のお話のように、理論的には、たしかに年々価格の変動というものがございますから、そのときの資産というものを理論的には、あるいは再評価ということを行なう方が正しいかもしれない。ただ、ただいま申し上げましたように、公社におきましては固定資産の増加分というものは非常に大きい。公社になりました当時の加入数で申しますれば三倍以上になっております。それから線路の長さ等で比べますれば、五、六倍になっておるのじゃないか。その四倍なり五倍なりというものは、公社になりましてからできた資産であるということは、ほぼ御推察いただけると思います。ですから、非常に古い資産を、何と申しますか、戦前の簿価というようなものをとっておる割合というものは、割合少ないのじゃないか。そういうことと、もう一つは戦前の簿価というようなものをとりました分は、公社法によって定められました再評価をいたしておりますので、それほど現在の資産の評価というものは、適正を欠いているという工合には私ども考えておりませんが、
 なおよく研究いたしてみませんと、その間のどのくらい幅があるかということは的確にはお答えできません。
#146
○久保等君 経理局長の言われるように、最近非常に急速度に年々資産というものが膨張しておることは事実だと思います。しかしそれにしても、前からあるというか、少なくとも十年ぐらい過去にさかのぼっての資産というものも、これは相当のやはり私は固定資産だと思うのですがね。従ってそういったものに対する価格の、当時におけるやはり時価というものは、できるだけ正しく評価しておくということは必要だと思いますがね。公社になってから直後に一ぺんやられたことがあるだけで、その後は別にやられない、やっておられないというお話なんですが、私はある一定の期間をおいて再評価をしていく必要があると思うのですがね。しかも、この減価償却を改定されるくらいなら、当然その根拠になるのは、資産に対する適正な評価というものが基礎になっていなければならぬと思うのです。年々新しくふえる固定資産、もちろんそのものは、最近のような非常に建設量の多い場合には、資産のふえ方というものは大きいけれども、しかしもともとある資産そのもののウエートも、決してそんなに小さいものではないので、その資産評価というものは、もう少し制度として五年に一ぺんとか、あるいは七年に一ぺんとかやられるような御方針なのか、別に今のところ、そういうお考えもないのか、再評価なんかされるのは、どういう機会にされようとするのか、将来やるとすれば、そういった点については、どういうお考えなんですか。
#147
○説明員(山本英也君) 資格の価格評価そのものが、公社におきまして問題になりますのは、やはり適正なる減価償却ができておるかどうか、また適正なる減価償却が行なわれる程度の料金収入が、そういうものがあるかどうか、そういうところが非常に問題なんだろうと思うのでございます。
 従いまして、そういう点につきましては、なるべく先生のおっしゃいますように、適正な資産額の評価を行なうということは正しいことだと思うのでありますけれども、やはり資産の再評価というようなことは、そう定期的に行なうべきものではないではないかという工合に実は考えております。非常に物価の変動が激しい、あるいはそういうようなときに、初めて行なわれてしかるべきものであって、公社のような固定資産というものでサービスを提供していきますような事業におきまして、年々年々資産の若干の変動にも、ぴしっと合わせるような資産の評価が之を年々行なうということは、実際上も行なわれませんし、またその必要もないのではないかというふうに考えております。
#148
○久保等君 だから、私も年々やるべきだなんということを言っておるわけではないのですが、確かにその経済変動がなければ、かりに経済の変動が全然ないということを前提とするならば、そんなことを全然やる必要がないのです。しかし二十九年と今年は三十六年になるけれども、ここ五、六年の物価の変動というものは、私は相当顕著なものがあると思うのです。決して水平線をたどったような横ばいの状態とは言えないと思うのですがね。従って、そういう経済変動、すなわち価格変動というようなことがあった過去五、六年を考えてみた場合に、やはり適正な評価というものはなされなければならぬし、公社としては、一体そのことについて、どういうふうにお考えになっておるのか、形式的に、ただ五年に一ぺんとか、六年に一ぺんということを申し上げるわけではないけれども、二十九年度にやられて今日まで全然やられておらない。それじゃ将来はどうなんだといえば、それも別に考えておらないのだという御答弁だとすれば、私の今申し上げているのは、三十六年度に非常に大幅な減価償却の改定を行なっておるということなんだけれども、そのときに、全然資産再評価の問題は抜きにして、そのことは二十九年当時から全然やらなかったのですというのでは、何か減価償却の改定そのものが、いい加減といっては、語弊があるけれども、どうも、いろいろな角度から検討してみた適正な減価償却改定であるとは言い切れないんじゃないかという気がするものですから、その点をお尋ねしておるのですが、従って、その資産評価の問題については、もう少し的確な評価をするような方法が考えられないものかどうか、あるいはそういうことについてお考えを持っておられるのかどうか、そこのところをお尋ねしておるのですがね。
#149
○説明員(山本英也君) 現在、ただいまのところでは、ただいま申し上げました通り、毎年度とか二年たったら一つ再評価をしていくということは、これは二十九年以降三十六年度に至ります間には、非常に価格変動が戦前戦後のような違いを示したとかいうような事実がないように思われますので、なお今後研究いたしまして、現在の資産の評価というものが正しくない、相当の年度にわたって正しくないということが判明いたしますれば、これは資産の再評価を行なうよりいたし方ないと思いますが、現在のところは、まだそういう状況ではないだろうと、これは想像でございますけれども考えておりますので、ただいまのところは、資産の再評価を行なおうという考えは公社としてはございません。
#150
○久保等君 まあ私、しろうとでよくわかりませんけれども、しかし何か減価償却の改定そのものが、どうもしっかりした基礎の上に、あるいは資料の上になされなかったんじゃないかというような疑義を持つものですからお尋ねしているわけですが、とかくお役所仕事で、大きな組織になってくると、そこらが、とかく戦前戦後のような物価の変動でもなければ、資産の再評価をやらないんだという考え方は、やっぱりお役所式じゃないかという気がするのですがね。減価償却そのものを、やはりできるだけ的確にやっていこうというならば、その資産が一体幾らするのか、十年もずうっと昔の価格を前提にして減価償却をやっておったって、これは始まらないと思うんですがね。
 しかも、減価償却の対象になるのは、主として比較的古い時代の施設というものが減価償却の対象になっていると思うんですよ。ところが、それに対する評価というものは、あまりなされない。もちろん電電公社の場合には、元のものをそのまま取りかえるんじゃなくって、非常に変わった、それこそ改良的な取りかえですから、厳格にはそこらのところも、むずかしいのかもしれませんけれども、しかし機械だとか何だとかいう、そういうものもあるが、比較的そう変わらない面もあると思う、施設としては。だから、そういうものについては、やっぱり資産再評価をやったかやらないかで相当違ってくると思うんですがね。だから、そこら辺は、もう少し機動的にというか、もう少し敏感に再評価をやっていくような制度にしていく必要があるんじゃないかという気がするのですがね。
#151
○説明員(山本英也君) おっしゃいますように、企業にとりまして資産の評価ということは、基本的な問題でございますので、減価償却制度とあわせまして、今後とも先生の御指摘のように研究をいたしたいと思います。
#152
○久保等君 そこで、次にそれじゃ……。
#153
○山田節男君 ちょっと関連して。今の久保委員の質問に関連して、ちょっと私お尋ねしたいのですがね、過日この法案に対して参考人に来てもらって、いろいろ意見を聴取したのですが、そのときに法政大学の薄助教授が、今回の電電公社の料金体系、従って、体系の近代化といいますか、合理化のことについて、こういうことを言っておる。料金体系、そのシステムを変えるということと、それから料金の水準、レートをどういうふうにきめるか、これは別問題として考えなくちゃいけない、それはなぜかというと、従来電電公社の電報料金、電信料金、あるいは電話料金にしても、経営者の立場で考え過ぎておる、なるべくその収入を現水準以下に落としてはいかぬという経営者側の利益を非常に考え過ぎておる、もっと受益者、すなわち電話利用者の立場を考えた料金の体系が必要じゃないかと思う、こういう実は参考人の口述がありました。これは私は、経営計画から申しますと、今日の公社の経営形態に、非常に大きな示唆を与えているものだと思う。
 そこで私、これは郵政大臣にもお伺いするんですが、今回のこの電信電話の料金調査会というものを作られて、これは電電公社がそういうものを作られたように考えるんでございますけれども、その答申案として、今度の料金体系がこういう具体化してきたということになった場合も、少なくともこの問題になっておる電話料金の水準については、これは郵政省に電電公社関係の監理官なり審議官なりいるんですから、当然アメリカでやっている連邦通信委員会が、この料金について、何が公正妥当であるか、公聴会の形式で、一応政府の機関で、この料金が妥当公正であるかということをきめる建前になっていることを、真剣に考慮する必要があると思います。ところが、この法案の大臣の提案理由の説明等からうかがいまして、そういうように、一応政府の機関を通じて、この料金の水準は公正妥当であると見た、こういうように私は受け取ったんでありますが、先ほど申し上げましたように、公社の経営形態ということを考えれば、やはり自分の経営体のことばかり考えておる。やはり利用者の立場を考えなくてはならない、というのは、料金としては、当然料金調査会の答申案というものは、政府の立場で、いわゆる国民の受益者の立場で、これが正しく公正であるかどうかということを十分お調べになったと思う、この点はいかがでしょう。
#154
○国務大臣(小金義照君) 今の料金に関する調査会が電電公社に設けられまして、それから答申があったものを郵政省に提出された。そこで私どもの方は、郵政審議会にこれを報告いたしまして、それから法案の作成に取りかかりました。特に郵政省として、別にあらためて料金に関する調査会を設けて検討したことはございませんが、まあおそらく日本の知識の、あるいは経験の豊かな方々をお集めいただいて、電電公社で調査をいたしましたから、私の方では、それを適正と認めまして、法案の作成に取りかかりました。
 ですから、特に重複を避けたというわけではありませんけれども、まあ一応、電電公社の方の集められました方方の御意見を尊重して法案を作成したということでございます。
#155
○山田節男君 これは、今減価償却の問題を久保委員が指摘されて質問があったわけですが、なるほど電信電話料金調査会の二十五人の委員を見ますと、各界の学識経験者、相当りっぱな人がメンバーになって、かなり長時間を費やして、こういう案のプランを立てられたということは、これは私は正しい行き方だと思うのです。
 ただ、私午前中申し上げましたように、アメリカにおきまして、アメリカ電信電話会社の系統であるベル電話株式会社、大体現在アメリカの電話施設の八五%を占有しておる、独占会社ではありませんけれども、膨大な電話会社、それに対しまして、けさ申し上げましたように、一九五九年の九月以降ですね、ことに長距離市外電話に対しては、あまりもうかり過ぎるから、五千万ドルこれを減らせということで、料金の値下げをやらしておる、先ほど申し上げましたように、やはり五千万ドル下げても、会社として一応施設をし、設備をすれば、前年度より、よけいもうかっていると、こういう結果になったので、さらに料金の値下げを連邦通信委員会としてはやらすかどうかということを考慮中だと、こういう状況であります。
 そういう状況から見ますと、少なくとも郵政省が電電公社の監督機関であるから、先ほど久保委員が言われたように、たとえば電電公社の減価償却の場合についても、三十年度、三十五年度、三十六年度、これは非常に減価償却の率が上がるということは、これは経営自体の健全化です。しかし少なくとも、私はそこに資本と減価償却の大体健全な線というものも、最低と最高とがあるわけです。それよりオーバーする減価償却をやるということは非常にいいことでありますけれども、しかしそれだけの金があるならば、もっとサービスを改善するか料金を安くするか、これを監督機関として考えさせるのが、電電公社経営としてはノーマルな状態です。
 ですから、先ほど久保委員が指摘されておりますように、こうして年々六百億あるいは七百億円の収益が上がっている。しかもそのためには五百三十何億かの原価償却もなし得て、なおそれだけの余裕がある、こういうことになりますと、これは健全な企業体には違いないけれども、しかしこれは、あまりに経営主体の収入第一主義の考えだ。悪い意味の資本主義になってくるわけですから、ですからアメリカがやっておるように、こういう公益企業でありますから、健全な経営はやらなくちゃいかぬ、また経理上におきましても、健全な減価償却もやり、しなくちゃなりませんけれども、かりに、たとえば三十五年度におきまして七百億円の純益があった、こういう場合、これは今日建設勘定へ金が幾らでも要るときであるから、それにつぎ込むからいいじゃないかという。そして、それを拡張することによって電話のサービスがよくなるからいいじゃないかという理由も立ちますよ。立ちますけれども、しかし問題は、これは受益者が、それだけ余剰金があるということは、過剰な料金をとられるということにも解釈ができるわけですから、そうすれば料金を安く下げる、これは私は普通の考え方じゃないかと思うのです。
 そこで私、先ほど監督機関である郵政省として、今回の体系の整備に伴って料金も変更する。やはり自動化の場合一割、手動の場合も二割五分ですか、若干上がるようになっているのですが、そういう点について、政府が独自な立場で監督機関として、これでいいか、あるいはこれは、もう少し安くしろということは、電電公社の収益というものとにらんで、監督機関として、これは当然、公平妥当な料金については、そういう要素も考えてやるべきじゃないかと思うのです。今の大臣の御答弁によりますと、こういうりっぱな調査会の構成メンバーで作った結論であるから、これを一番りっぱなものとして承認したという御説明のように伺えますが、それでは私は、郵政省の監督機関としての、殊に受益者を守るという立場から考ますと、少し私は、この点について足らない点があるのじゃないかという気がするのです。どうでしょう。今後さらに第三次、第四次の大きな計画をもって進む上において、単に郵政省が監督機関として今のようなままでいくということがいいか悪いかということ、これは、いろいろな角度から物の見方はございますが、公共企業体といえども一つの、これはもうけ本位じゃございませんけれども、損をしてはいかぬという、損をしない範囲において受益者のサービスをよりよくしていくのが、これは公社の第一主義であります。
 私はどうも、そういう今の大臣の御説明のようにりっぱな機関でやったものであるから、郵政審議会でこれはオーケーということになれば、それでいいのだということでは、これは監督機関として、少しこれは不親切じゃないか、いわゆる国民に対して不親切じゃないかと思うのですが、この点どうでしょうか、大臣として、現状やむを得ぬ、こういうお考えなのか。
#156
○国務大臣(小金義照君) 意識して不親切には決していたしておりません。ただ、私の一番感じておるのは、電話をかけようと思ってもかからない。サービスをよくしてくれということと、架設の申請をしても、全国で八十何万という積滞数がある。これを早く解決してくれ、これが政府の大きな仕事じゃないかという声が非常に強いのです。
 そこで、あれこれ勘案いたしまして、私はまずこの料金の調整をして、すみやかに自己資金、またできるだけ財政投融資あるいはその他の外部からの資金を導入して、電話の拡張をし、改善することが第一であると、こういうふうに考えまして、今の久保さん並びに山田さんから御指摘になりました資産の再評価、また批評として、経営者本位の傾向があるという御批判は、私はある程度甘んじて受けながらも、これは努めて要望にこたえることが非常に大事だと、こう考えております。そういうような現状でございますから、ただいま御指摘になりましたことは、十分注意をいたしますけれども、まず機械を近代化し、そうして架設をすみやかに実行することが、私は非常な大きな、われわれに課せられた責務であると考えております。
 なお、電電公社の監督と申しますか、所管省としての足らざるところは、十分これから補っていきたいと考えております。
#157
○山田節男君 私の申し上げておる真意は、なるほど電電公社が、こうしてどんどんもうかる。大いにもうかることは、これはいいのです。それは直ちに建設勘定に入るのであるから決してマイナスじゃない。で、電話の数がふえれば、利用者にとっては、よりサービスがよくなるわけですから、その点を私は申し上げておるのじゃなくて、ただ、経営の形態といたしまして、たとえば資本金一億円のものが、半期において十割か十二割というような金のもうけ方をして、もうかるのだから中継所をどんどん設けて利用者に便利になるのだからいいのじゃないかと、こういう意味でございます。ただ、この間薄助教授が指摘された点は、もうかるだけもうければいいじゃないかというのじゃなくて、やはりそれほどもうかるならば、現在加入している人の料金をやはり若干引き下げるべきじゃないか、先ほど申しましたように、アメリカは現にやっているのです。
 ですから、もうかっている金は全部電電公社の方に入るのじゃなくて、すべて建設に入るのだからいいじゃないか、それでサービスがよくなるからいいじゃないか、そういう見方もわかります。わかりますが、いわゆる経営体としてのノーマルは、いわゆる公共企業体の立場からすれば、もうかり過ぎたから、これは建設勘定に回すのだから、結局サービスがよくなるのだからという見方じゃなくして、そこにやはり収入――私は損をしちゃいかぬけれども、何も金をもうけるためにやる施設じゃないのですから、そこに、先ほど申し上げているように、それほどもうかり過ぎておるならば、その幾分かを、たとえばアメリカみたいに郵政大臣の命令でもって、市外通話に対して、ことに長距離通話の今度きめられたレートに対しましても、これをいろいろ数字的に計算されまして、一割下げろとか、あるいは一割五分下げろ、五分下げろというような具体的な指示をすることが――あるいは現状維持でもよろしゅうございますよ。それが郵政省の監督官庁としての、あなたの立場としては当然そういうあなたがアグレマンといいますか、アプルーバルを与えることによって、電電公社が、こうして法案として、郵政大臣を通じて出し得る、こういう建前を私はとるべきじゃないかと、かように考えますので、御質問申し上げたのです。
 ですから、これは大橋総裁にも一つ御意見を承わりたいのですが、どんどんもうかるけれども、それはすべて、それに外資を導入し、あるいは財政投融資も、あるいは受益者の負担の設備料も、全部建設に向けるのだからいいじゃないかというお考え、これはこの間の薄助教授の御意見を承って非常に示唆される点があったのです。今の久保委員の質問されたことが、資本の償却の問題について、これもあまりに高きに失するということは、これは私は、公共企業体として、いわゆる健全なやり方じゃない、かように考えるのです。この点について、大橋総裁どういうふうにお考えになるのか。
#158
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘の点は、実は先ほどもちょっとお答えしたのでございますが、企業からできました収益といいますか、剰余金、これをどう利用するかという問題であります。これは私どもとしては、大体において、三つの方面の使途にこれを向けるということが正しいと思います。
 一つは、これがために働いている従業員の労苦に報いるという意味において、待遇改善なり、そのほか、公共従業員の福祉増進のために、これを使うということが一つの行き方だと思います。いま一つは、事業の基礎を堅実にするがため、悪い施設を改善するなりなんなり、その一つの施策としては、やはり減価償却の積立金なども十分にこれを積むということが一つの使い道だと思うのであります。いま一つは、現在の加入者の、これは大体料金から生じたものでありますから、でき得べくんばこれを加入者の利益のために使いたい。
 そこで、加入者の利益のために向ける方法は、二つのことが考えられるのでありまして、一つは、ただいま御指摘の、料金を下げるという行き方が一つあります。また、いま一つは、料金を下げることはやらないが、これを現在の加入者のサービスの改善に向ける、たとえば、全体としてまだ手動の分が非常に多いのでございますが、できる限り早く、これを自動にかえる、あるいは市外の電話も待時制度が多いのでありますから、これをできるだけ早く即時、しかも自動即時に改良する、ということに向けるという方法も一つあります。現在私どもがやろうとしておるのは、後段のことでありまして、この際の施策としては、料金の引き下げに向けるよりも、改良の方に向けた方がいいんじゃないか、かように考えて現在やっておる、かようなことを申し上げた次第でございます。現在の段階においては、私はそれがまず適当な行き方であろうと、かように考えておる次第であります。
#159
○山田節男君 これはまあ私、意見になりますけれども、大体、一般の経営、ことにこれが民間経営の場合、今のような電電公社の収支の状況から見ますと、経営者の立場とすれば、金に不自由しない――もちろんこれは外資も導入しなくちゃならぬし、財政投融資あるいは受益者の負担も、そういう制度もなくちゃいけないという建前から、これは、一般の、たとえば商社であれば少なくともトップの幹部の皆さんは、これだけの大きな企業をおやりになったら、金融、ことに借金に非常に苦心をなさらなくちゃならぬ、事業のですね。ところが、幸いこういう収支のバランスがいいものですから、そういう点から見ますというと、今の経営の責任に立っていらっしゃる方は、その点非常に恵まれていると思う。ですから、私は決して残酷なことを申し上げるんじゃないんですが、かりに五百億円借りて、まあ減価償却しまして、かりに五百億の金が純益としてあった場合、建設勘定としては、やはりこの千五百億以上の金を毎年お使いになるんですから、なおそれでは足りませんけれども、しかし、経営者からすれば、この受益者の負担をなるべく少なくする、一方に借金をしなくちゃならぬけれども、料金もできるだけ下げるという立場に――やはり拡張してのサービスと、それから料金を下げるというサービスをよくするということも言えるんじゃないですか。だから、そういう点で、私は薄助教授の言われたことは、公社経営場合において、ことにそういう経理上の貸方借方という計数を立てる場合、私はそういう点におきまして、やはり公社といえども、民間企業と同じような建前で経営をしていかないと、今のように非常に一方的な、もうけたものは全部建設にいって、サービスがよくなるじゃないかとおっしゃいますけれども、直接の受益者の負担の軽減ということも、これはやはり、私は同じ意味においてお考えになるべきじゃないかと、こういうので申し上げたんです。
 まあ、これ以上私、御意見を求めませんけれども……。これで関連質問終わります。
#160
○久保等君 私も、ちょっと中座しなければなりませんので、とりあえず二、三点だけ質問して、またあとへ譲りたいと思います。
 今度の改定に伴って三十億程度減収になるとか、あるいは三十六年度の場合は四十億ですか、減収になるといわれているのですが、なかなか説明を聞いても、よくわからないというのが実情だと思うのですが、この資料で出されました料金改定に伴う増減収見込みという試算された一覧表みたいなものが出ているのですが、この中に出ております直線距離制で十七億の減収、これは三十四年度の場合をいっておられるのですが、あるいは三分、一分制にすると九億の減収、こういうのが出ているのですが、この直線距離制で十七億の減収というのは、どういう計算方式で出されたのか、そういう計算方式というものが、当然あるのでしょう。大まかな話でなく、計算せられた……。
#161
○説明員(大泉周蔵君) これは全国の中心局相互間を全部調べ上げて、それを個別に当たりまして、そして、その比率をかけて出したものでございまして、代表的区間を全部含んでおりますので、全体の傾向を示すものと思います。
 それによりまして、非常に短くなる区間のものは料金が下がるというものが多うございまして、それが三十四年度の決算ベースでは十七億の減収になったわけであります。同様にこの三分、一分制につきましても、これは通話の長さを統計的にとりまして、それを具体的に当てはめましてとったものでございます。自動即時通話につきましても、同様でございまして、これは与えられた通話数と、それから継続時分というものから算出したものでございます。
#162
○久保等君 これは何ですか、全国それぞれ具体的に全部当たって計算せられたのか、ある程度基準みたいなものをとって、あとは推定を加えてはじき出した数字ですか。
#163
○説明員(大泉周蔵君) 直線距離制につきましては、今申し上げました通り、この主要区間つまり代表的区間全部を実査したものでございます。また三分、一分制の料金につきましては、三十三年度に特別調査をいたしまして、そのトラフィックを調べて適用したものでございます。
#164
○久保等君 それから次に、国際電電のやっている国際通信の関係について、ちょっとお尋ねしたいのですが、衆議院の方で森本君がいろいろ質問せられた委員会の記録等も私読んで、それとダブらない面での質問をしたいと思います。国際通信の通話料というもの、これは国際電電と、電電公社との配分の関係、これは私も、その記録を見て、御説明は承知しているのですが、日本の国内の電信電話料金と、それから国際通信の料金と、その料金水準の比率といったものを、大づかみにいって、どういう比率になるか、おわかりになりますか。あまり正確なことはむずかしくてなかなかはっきりした比較はできかねると思いますが、国際料金水準と国内の電信電話料金の、この水準と比較して見られたことがございますか。郵政省の監理官のところの方でもいいですが、電電公社の方でもいいですが、伺いたい。
#165
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。具体的に比較をするというものがなかったわけでございますが、一方国際料金は、国際関係におきまして、それぞれ協定によってきめて参りますし、国内料金の方は、国内料金として法律できまって参るものでございますから、両者関連はさせておらなかったわけでございますが、実際問題としまして、国際料金の方は、たとえば電報料金について言いますと、戦前のものと比べましても、大体の上がり方というのは百倍にならない、たしか七、八十倍程度だったと思いますが、国内料金の方は、やはり物価の変動に伴いまして、二百倍以上だったかと思います。電話の方につきましては、大体ドル換算して考えておりますので、むしろ終戦後の状況というのは、戦争前の料金より安くなっているような状況でございまして、比率的に考えますれば、国内料金よりも、国際料金の方が上がり方が少ない。といいますのは、結局国際料金は、国際間の協定できめておりますために、外国が、あまり通貨の変動がありませんために、その意味におきまして、そう変動を来たしていないという状況になっておると思います。
#166
○久保等君 私のお尋ねしたいのは、それじゃなくて、それは戦後における上がり方の水準のお話だったのですが、そうじゃなくて、これは比較は、なかなかむずかしいと思うのですが、しかし、それにしても、国際の電報電話料金、それと日本の国内における電信電話料金、それとの比較をしてみた場合に、たとえば物価なんかの場合だと、日本の国内物価とアメリカの物価と比較すれば、三倍であるとか、二・五倍であるとかいうようなことがよく比較されるのですがね。そういうような関係での比率というようなものを、通信料金についてやはり言えるのじゃないかと思うのですがね。そういったことを研究せられたことがあるのか、ないのか。あるとすれば、一体どういったような比率になっておるのか。国際通信が、かりに二倍だとか、あるいは三倍だとかいうようなことが言えるのかどうか。まさか、国内料金も、国際料金も、非常にバランスがとれてとんとんだ、とんとんというか、ほぼ同じ料金水準だとは言えないと思うのですがね。そういったようなことについて、御説明願えないですか。
#167
○政府委員(松田英一君) 国際料金は、結局国際的な関係できまりますために、国内の物価等との関連においては、直接影響してこないわけでございますが、ただ、国際料金というものと、それから、その国の物価と申しますか、あるいは生活水準と申しますか、そういうものとの関係におきましては、やはり日本の置かれております一般的な状況と同じ関係におきまして、たとえばアメリカなんかにおきましては、生活水準から比べれば、比較的に国際料金は割安であるのに対して、日本から見れば国際料金はある意味から言えば、それよりは割高になっている。しかし、もっと後進国の料金を考えれば、日本はまだ安いという状況になっておりますが、国内の料金につきましては、これは各国の国内通信の料金と日本の国内の料金も、それぞれの物価と申しますか、やはりそれも生活水準との関係になると思いますが、その点につきましては、やはり国際料金と同じような関係に立っている。ヨーロッパ、あるいはアメリカにおきましては、生活水準と比べれば比較的に電信電話料金は安いですし、日本においては、まあ中間程度で、後進国においてはもっと割高になっているということは、大体論として言えると思います。
 ただ、具体的な数字として検討したものは持っておりませんので、大体のいろいろな料金その他の関係を考えてみましての感じから言えば、そういうことであります。
#168
○久保等君 私の聞かんとすることに対するお答えにはなっていないのですが、私のさらにお聞きしたいと思っているのは、国際通信の料金の配分について、そこらのところは、もうちょっと資料でもって、はっきりしておらないと、どういう比率で国際通信の料金を配分するかという場合の配分の問題が解決しないのではないかと思っているのですよ。何か衆議院での御説明を聞くと、たとえば名古屋から、かりにニューヨークへ電話をしたという場合の料金の配分は、電電公社としては、国内における市外通話料、そういったようなものの取り分をとり、残余のものは国際電電でもって受け取っておるというような御説明であったと思うのですが、結局電電公社への取り分は、国内の市外通話料分、それに若干国際電話ですから、それを接続するのにあたって、いろいろ時間がかかると思うのですが、そういったような時間、そういったようなものを結局取り分として、電電公社の方ではとっておるという話なんですが、結局残されたものを国際電電がとっておるというような関係のようなお話だったのですが、これは時間がないですから、そのあたり、さらにお尋ねはいたしませんけれども、そうだとすると、国際電電の取り分というものは、何を根拠に一体料金の配分を受けているのかということになると、それはまあ電電公社の分を差し引いて、残った分だけは、国際電電の取り分になっているのだというのでは、国際電電の料金収納の根拠というものは、理論的な説明というものがどうもはっきりしないような気がするのです。
 従って、私は国際通信の料金配分の問題については、今言った国際通信の一体、料金の水準というものと、日本の国内における料金の水準というものは、どういう比率になっているのか、そこらのところも、配分の場合には一つの大きなファクターになるのではないかと思う。今お聞きするところによると、あまりそういったことについて確たるデータをお持ちでないようだけれども、その点は、やはり相当研究を要する問題ではないかと思うのですがね。衆議院での質問は、そういう私の言うような角度からの質問ではなくて、国内における端末の利益というものは、電電公社が施設をし、保守をする、そういったようなものは、結局国際通信という場合には、その施設というものは活用されているのだが、料金は、結局今言ったような日本の国内における料金分だけを受け取るというような形では不公平ではないかというような角度から質問をしておったと思うのですが、その問題についても、私もうちょっと突き詰めて考えていくと、今申し上げましたように、役務の提供、施設の提供、そういったようなものを一つにして考えて、その中で相対的な料金収納の比率を考えて、施設、あるいは役務、そういうようなことを按分比例して料金収納を配分するということが、理論的に正しいのではないかと思うのです。ところが、そうではなくて、現実には、この電電公社の取り分を差し引くと、残った分は、全部国際電電の収納にするというようなことでは、国際電電の料金収納の理論的根拠というものが、どうもはっきりしないと思うのです。これは、ここで短時間のうちに議論のやりとりで、なかなか究明はできがたいと思うのですが、どうも今の監理官の御説明だと、私のお聞きする具体的な資料をお持ちでないように思いますから、具体的にお答えをいただきかねると思うのです。
 そこで、これも今後の問題として御研究を願いたいと思うのですがね。今言う料金というものは、国際通信の料金と、国内の料金の水準というものを比較した場合に、どの程度の率になるのか、これはある程度研究すれば数字が出てくると思うのですが、監理官の言う御答弁では、私のお聞きしようとする御答弁には、全然なっておらない。その国内における感じというものは、外国の場合には多少どうも割安のように感ずるし、日本の場合には割高に感ずるという、その国の国内における国際料金と国内料金の感じだけの御答弁があったんですが、私の申し上げるのは、日本の国における国内料金の水準と国際料金の水準というものを比較した場合には、その比率がどういう関係になっているのか、一対一なのか、一対二なのか、あるいは一対三なのか、まあそういう比率が、どの程度になるのかということを、きわめて抽象的ですけれども、お伺いしたんですけれども、まあその的確な御答弁が得られないが、まあそれを今後の問題として、また一つ御研究置きを願って、何か結論でも出た機会にはお知らせ願いたいと思うんですが、これは一つの私は料金配分のファクターだと思うんですがね、重要な。まあそのことを一つここで注文をいたしておきます。
 それから課金装置を、今度の料金体系の改定がなされると、課金装置の取りかえをするんだというお話なんですが、まあこれには相当の日数も要するという御説明のようですが、一体この装置の取りかえに、どのぐらいの人員を要するものなのか、またどのぐらいの日数を要するものなのか、あるいは経費をどのぐらい必要とするのか、そういったような御説明を願いたいと思うんですがね。
#169
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。今先生御指摘のように、今度新しい料金体系を実際に適用していくにつきましては、いろいろ工事上の準備が必要でございます。どのくらいの期間が要るのかということにつきましては、大体試行、試験的にこの新しい料金体系で実施する期間を三カ月ぐらい見ております。それのあと一カ月ぐらいの間に、その新しく使います機械の仕様書といいますか、どういうものを買うかという仕様書をきめまして、それから物品を製造いたしまして、それから工事に移すわけでございますが、大体七月から三カ月間七、八、九と試行いたしまして、十月に準備をいたしまして、十一月から物の準備にかかり、製造にかかりまして、十一、十二、一、二、三、大体半年かかるわけでございますから、三月ないし四月ごろになるわけでございます。その工事をいたしまして、そして最後に試験をいたしまして、本年の九月の末ごろを期して、全国一斉に新料金体系を施行しよう、こう考えておるわけでございます。
 どういう機械が要るのかと申しますと、自動即時通話につきましては、通話が自動的につながると同時に、自動的に課金をする必要があるわけでございますが、現在自動即時通話をやっている区間は比較的近距離でございまして、そしていずれも市内の度数計と同じ度数計を使っておるのでございますが、私どもといたしましては、さしむきこの度数計を使って参りたいと思います。なおその度数計以外に、現在の方式では、三分を通話した後に相手方によって、距離によって料金が変わっておりますが、その料金に応じただけ七円の倍数値になっておりますので、度数計が回るような仕組みになっておりまして、この機械をZZZの方式というものを使っておりますが、新料金体系におきましては、このZZZを使いませんでK方式の機械を使うことにいたしております。そこで、このK方式とZZZの関係でございますが、全然方式は違うのでございますが、現在相当広く使っておりますZZZの機械をできるだけこの新しいK方式の課金をやるときにも改造して使って参りたいと思っておるわけでございます。
 その理由には、いろいろございますが、一つは、それを設置する場所の関係もございます。それから、こういった新しい機器を製造する製造能力の関係もございますし、それからもちろん経済的な事情もございますが、できるだけこのZZZの機械をKの機械に改造していく、こういうことも考えておるのでございます。それからなお、この新しいK機器を作ります場合には、当然のことでございますが、時間の刻み方が今までのZZZと変わって参りますし、今までのZZZの場合には、通話が終了してから後に、相手方の距離によって、何回か度数計を回して計算するのでございますが、今度のK機器の場合には通話中でもきめられた秒数ごとに登算して参ります。そういったいろいろ機械が新しく変わりますし、先ほど申しましたように、改造したり新しいものを据え付けたり、製造の準備をしたり、いろいろなことをやりますので、先ほど申しましたような日数がかかる次第であります。
#170
○久保等君 予算は、そうすると今年度予算でやる面もあるし、来年度予算、両年度にまたがるのですか、その点。
#171
○説明員(平山温君) 予算といたしましては、御指摘のように今年度に要るもの、それから来年九月でございますから、来年になるものもございますが、大体課金関係としましては、相当部分を改造して使いますので、大体十億か十一億ぐらいで金としては済むつもりでございます。これをもし全部新しいもので買ったものを装置するといたしますと、四十二、三億に相当する工事に相当しております。
#172
○久保等君 工事の要員なんかは、どの程度の要員を必要とするお見込みなんですか。
#173
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。全体の延べ人日を一万六千人目必要だと考えております。
#174
○久保等君 そうすると、これの人件費関係は、さっきのあれは機器に対する経費の話なんですね。十億円とか、あるいは四十億円というのは。
#175
○説明員(平山温君) 機器並びに工事費全部を含んだ金でございます。
#176
○久保等君 それでは次に、一つきわめて具体的な話でお伺いしたいと思うのですが、いろいろ最近、町村合併等による行政区域の拡大等があって、それぞれの地域で、この料金問題をめぐって問題が出ておるところがあるようですが、まあ時間があれば、いろいろ全国的にどういうケースがあるのかお伺いしたいと思うのですが、今ちょっと私の手元にある問題としてお伺いしたいと思うのですが、例の大阪の豊中の問題なんですが、こういったような問題について、やっぱりこういう機会にこそ、ある程度の手直しを私はやるべきじゃないかと思うのですが、まあそれぞそ特殊事情がありまして、一律に扱って参ることもできかねると思うのです。しかし非常に地域の住民からした場合には、やっぱりおのずから問題に、それぞれの特殊事情というものがあり、またある程度地元のそういう要望等を解決をしていかなくちゃならぬ問題が私はあると思うのですよ。だから、なかなか地形は出たり引っ込んだりしているのだから、丸いところにコンパスで円を書いたりするというようなことでは処理できないと思うのですが、豊中の場合を具体的に考えてみると、なるほど説明を聞いたり、地図を眺めたりすると、やはり手直しを要する地域のきわめて具体的な一つの例じゃないかと思うのですが、こういったことについては、どういうふうにお考えなんでしょうか。
#177
○説明員(大泉周蔵君) 今度の料金体系の検討にあたりましては、実は今申されました豊中とか、あるいは北九州とか、あるいは東京周辺の諸都市等を絶えず頭に置いて考えたものでございまして、手直しという程度で簡単に済むと非常によろしいのでございますが、社会生活圏の拡大の結果、どうしても今度のグループ単位料金区域と申しますか、こういう制度を考えていかなければならないということになったわけでございまして、今度の体系で、理想的に根本的に解決されているとは私は思っていませんので、相当程度前進するものと考えておる次第でございます。
#178
○久保等君 だから、今の豊中問題も解決するのですか。
#179
○説明員(大泉周蔵君) 従来豊中は、三分間二十一円だったのでございます。今度は距離別時間差法を使うことによって、短い時間ならば市内並みでかけられるということになって、相当改善されるということになると思うのであります。
#180
○久保等君 今度の料金体系と現行の料金との比較の問題じゃなくて、従来から特に大阪市内に編入してもらいたいという、いろいろ強い要望があって郵政大臣に対する、一回ならず二回にわたって、何か陳情等がなされて、それに対する大臣からの文章での回答等がなされておるような経緯があるようですが、それについて、ここにお見えですが、寺尾郵政大臣の当時、あるいは田中郵政大臣の当時、それぞれ公文書で返事を出したりしているようなこともあったのですが、こういうことについて、将来の問題として一つ検討したいというような回答をその都度出しておること、ここ数年に及んでおるのですが、今のお話のようなことでは、その解決策にはならぬじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
#181
○説明員(大泉周蔵君) 具体的問題の処理にあたっては、いろいろ特殊事情を検討する必要があろうかと思いますが、実は加入区域の問題につきましては、今度の新しい体系というよりも、むしろ従来の体系の中における基準の問題だろうかと思うのでございます。従来は加入区域につきましては、ことに複局地等の場合でも、原則として行政区域を越えるようなものは作っていなかったのでございますが、たまたま大阪の特殊事情で、周辺の市の中で、大阪の加入区域内にあるために、いろいろ問題が起こっておるわけでございますが、その他の諸都市では、ほとんどない例なんでありまして、これはなお、全般的に見て解決すべき問題だと思うのでございますが、これは加入区域制度の基本問題として、並行して、むろん検討するつもりではございます。
#182
○久保等君 あまり全国にも例がないという、異常なケースならば、この問題はこの問題として解決しても、解決はつくということにもなるのじゃないのですか。
#183
○説明員(大泉周蔵君) 申し上げますのは、実は行政区域の外にまたがる例はほとんどないので、今行なわれておるような大阪市内でないのを、市の加入区域に入れるという御要望は、実は例がないわけで、なかなか今まで処理しかねていたわけでございます。また行政区域の中が、二つの加入区域に分かれておるという御意見もございますが、この点につきましては、やはり経済圏と行政区域の差と申しますか、国内にたくさん例があるのでございまして、この点の処理につきましては、むしろ加入区域の作り方という基準の方の検討をして参りたいと思っておる次第でございます。
#184
○久保等君 だから私、ここで明確なお答えをいただくことも無理かと思うのですがね。しかし、やはり地元の人たちの感情といいますか、それも単なる感情では問題にならないのだけれども、しかし、ある程度の比較論なり均衡論から出ている感情問題という問題があるとするならば、やはり解決をしてやらなければならんと思うんですよ。公社としてはあまり理詰め一点張りで解決するといっても、なかなか納得しないと思うんですよ。
 大阪の場合には、行政区画を離れた隣りの尼崎市が大阪の市内に編入せられて、大阪市内料金で通話ができている、ところが同じ大阪府内にありながら、しかも尼崎市と隣接をしているものが同じ大阪府内だ、片方は兵庫県だ、こういうような関係にあるから、兵庫県の方が大阪市内に編入されているということになると、これはどっかにも例があるとかというのではない。自分の隣接した地域にこうした問題があると、やはり私は、なかなか納得しないと思うんですよ。行政区画を異にしながら、市内に入り、同じ行政区画におりながら、自分の方は大阪市内として扱ってもらえないというような問題があると、こういうケースが、どの程度像かにあるのか、これと似かよったケースが、ほかにどのくらいあるのか、それもお尋ねしたいと思いますけれども、時間がないようでございますから、いずれ機会をあらためてお尋ねしたいと思いますが、こういう問題について、一つ何とかこういう解釈、それこそ料金の体系を是正するとか、大規模の改定を行なうのだというような機会にでもやらなければ、なかなか平素やる機会もないであろうし、また平素、それを一つ一つやっていると、また全体的にみて、不均衡をきたしたりなんかして、こういう機会に私はある程度まとめて解決するなら解決するという態度が必要じゃないかと思うのですが、これは全体的の収入の問題にも関係するのだけども、しかし全国的に、こういうケースがどの程度あるのか知りませんけれども、何とか積極的な解決をやろうというお気持があるのかないのか、そのあたりのことだけを一つちょっと伺っておきたいと思うのですがね。
#185
○説明員(大泉周蔵君) この問題につきましては、先ほども料金調査会のお話がございましたが、調査会において、ずいぶんいろいろの議論のあった問題なんでございます。そこでこの問題は、実は非常に広く大きな問題がからまっておりまして、大阪周辺全部の問題なんでございます。これは大都市周辺のすべての加入区域の問題にからまるのでございます。
 この問題につきましては、慎重に考慮して参りたいのでございますが、なお、調査会におきましては、将来、先ほどちょっと申しました理想的な料金体系と申しますか、イギリスのような制度になった場合には、もっと改善するのだという意見もあったのでございましてこの点地元の方が、完全に解決しない点の御不満はよくわかるのでございますが、漸進的に解決の方向に持っていきたいというふうに考えているわけであります。
#186
○久保等君 おそらく大阪の場合には、堺あたりの問題も、これと関連する問題じゃないかと思うのですが、私もよく地理的な事情も知りません、知りませんが、ちょっとこう手元にある図面だけで見ても、堺の場合とこの豊中の場合と比較すると、また事情が若干違うようにも思うのです。従って、それは次々と隣接しているから、どこで一体、それじゃ区切りをつけるのかというむずかしい問題もあると思うのですが、少なくとも豊中の場合には、大阪の局からはかって十キロ内のところに、豊中の少なくとも半分程度の地域が入るようですが、堺の場合には、少なくとも十キロの中には、そういう地域は一つもない、さらにもう少し広げて十五キロというように円を広げていけば、堺というものも一部が入ってくるようですが、そういうあらゆる角度から検討した場合に、何か考える余地があるのではないかという気がするのですが、なかなかむずかしい問題ですから、委員会だけの答弁でOKとか何とか言える問題ではないと思うのですが、もう少し事態の解決の方向に公社が積極的に努力する余地があるのではないかと思うのですが、何とか熱意と誠意を持って、地元の人たちの納得できるような方向で解決する御努力を願いたいと思うのですがね、どうですか。
#187
○説明員(大泉周蔵君) 私は、実はこの問題については、五年間取っ組んで非常に苦心しておるのでございまして、御趣旨を体しまして、できるだけ努力をいたしますが、私たちのできることをできないとばかり言っておるのではないのでございまして、これは加入区域と申しますのは、通話損失の配分、つまり聞こえなくなるかもしらぬという問題と、つまり料金の均衡の問題、あるいは経済の交流の問題とか、いろいろなことで問題があるのでございまして、なかなか簡単にいかない問題なのでございます。御趣旨に沿って、できるだけ検討を進めたいと思います。
#188
○久保等君 参考のために……。四年がかり、五年がかりで苦労せられておるというのでしたら、こういうケースが幾つございますか。それも、ほんとうにたくさんのケースがあって、いろいろ違うと思うが、非常に長い間の懸案で頭を痛めておるというような問題は、全国で大よそ幾つくらいありますか。
#189
○説明員(大泉周蔵君) 幾つと申しましても、北九州にはすでにみな合併しろという要求がございますし、東京周辺では、保谷、武蔵野、その他いろいろございますし、その他名古屋方面にもあると聞いておりますが、これはいろいろな方面に響いておるのでございますが、公社は今までのところ、行政区域にまたがる合併は原則としてやらない、こういう態度をとっておりますから、今のところ、この程度でございます。それを十キロがいいじゃないか、十五キロがいいじゃないかといったような単純なことでやりますと、加入区域の基本体系が乱れてしまいまして、かえって不公平を来たすのではないか――ということは、これはやはり技術上の面と、経済上の面と、公平感の面その他の面をにらみ合わせて考えていくべきではないかと考えておるわけでございます。
#190
○久保等君 それじゃ最後に、またつけ加えて申し上げますが、それは新しく加入区域を作っていく場合には、そういう考え方でいいと思うんですがね、やはり既成事実というものも、これは度外視するわけにいかないのですよ。だから豊中の場合には、尼崎という一つの問題が、いいにしろ悪いにしろ、現実の問題としてある場合には、やはりそことの比較論でもって、地元の諸君が強い要求を出されると思うのですよ。
 だから、それが北九州の話をしてみたって、それから大阪、名古屋の話をしてみたって、現実に目の前に置かれておる、そういう公社がやってきておるところの矛盾というか、既成事実ができ上がっておる。行政区域が全然違うところが、大阪府どころじゃなくて、大阪市内の中に編入せられておるというふうな問題が出てくると、これはやはり同じ大阪、名古屋だとか、あるいは東京で、いわゆる地元の人たちの気持とは、また違った非常に強い要望があると、私は思うのですよ。だから、その辺のところになると、少し政治的な配慮を加えられるのかもしれませんけれども、そういう角度からも、もうちょっと考える余地があるのじゃないかと思うのですが、これは、一つ何とか積極的に御考慮願いたいと思うのです。
#191
○鈴木強君 今の問題で関連して私は質問したいのですが、これは、今出ている矛盾というのは、われわれが指摘しているように、今度の料金改定に際して、一番大事な電話の加入区域の再編成ということを全然やらずに中途半端なことをやってきたから、こういう矛盾が出てきていると思う。私は今の質疑を聞いておって納得できない点は、大臣のお手元にもありますように、豊中市が、大阪を中心にして半径十五キロの中に入ります。今、この豊中市の中で、八分の一程度になりますか、この赤になっている下に、青が入っています。そこは大阪の電話です。豊中市の赤の中で、青いところまでは大阪の電話が入っております。青線からそとに十五キロのところまでは、豊中の電話局になります。ですから赤と青の中の豊中市から大阪市内にかけるときは七円、青と赤の区域から赤の区域にかけるときは、同じ豊中市でも二十一円かかるのです。今回距離別時間差法というのを採用して、豊中局より大阪市内にかける場合、五十秒で料金は七円に変わっていくわけですから、そういう点で、多少の調整をしたということはわかるのです。しかし根本的にはこれは解決しない。
 だから私は、営業局長のおっしゃるように、技術的な面、あるいは不公平になるかならぬかの点、こういういろいろ理由もあげられましたが、これは通話損失というか、そういう点からいっても、現に尼崎、約十五キロの先まで行っておるし、吹田市は、豊中より二キロくらいはまだはみ出しております。ですから、そこまで大阪から電話がいっておるのに、豊中のあそこまでいかないということは納得できない。不公平という点からいっても、現に隣の兵庫県の尼崎が、大阪の電話になっておる。吹田が入っておる、守口、布施が入っておる。こういう隣接の市は、みな大阪の電話になっておる。ところが、ここに豊中だけが陥没しておる。こういう矛盾したものがある。これはおそらく公社の中では、たった一つだと私は思う。特に八分の一くらいが大阪市内に入っているということになると……。だからこれは党派を乗り越えて、大阪の赤間参議院議員でも、あるいは大川議員でも、特に地元の出身でもあるからかもしれませんが、一緒になって、これは矛盾だ、直してくれと言っているのです。そんなことを直せないで料金なんか変えるのは反対だといって、二十一万の豊中のみんなが署名運動をして、大臣のところに行ったかと思いますが、公社の総裁にも、そういうことじゃ反対だといって、猛烈な地元民の反対運動があるわけです。これは長い間、四年も五年もかかっている問題ですから、せめて私は、この点くらいは解決しなければ、何をもって電電公社が公衆の便益をはかるということが言えるか。私はそう思うのです。
 その点は大臣、その地図を見れば、よくわかります。公社の総裁がやろうとすれば、やれるのです、大臣のお手をわずらわさなくても。あなたは、監督の立場にあるから、こういうことを現実に一つ把握していただいて、すみやかに大阪市内に入るように、これは政治的な配慮を大臣に向かって私は要望しますが、大臣、その矛盾を解決してくれますか。
#192
○国務大臣(小金義照君) 地理的に見ると、まさに十五キロ以内に入っております。今、大泉局長から、いろいろいきさつを説明いたしましたが、私も、なおこれは研究して、できれば――入れた方が公平ならば、公平を期したいと思います。なお電電公社とよく相談いたします。
#193
○久保等君 まだだいぶ、いろいろ基本料の問題その他についてもお尋ねしたいと思ったのですが、ちょっと僕、中座しなければならぬものだから、また一つ、後ほどお願いします。
#194
○委員長(鈴木恭一君) 十分間休憩いたします。
   午後四時五十八分休憩
   ――――・――――
   午後五時十六分開会
#195
○委員長(鈴木恭一君) ただいまより再開いたします。
 先ほどに引き続いて公衆電気通信法の一部を改正する法律案の質疑を継続いたします。
 質疑のおありの方は、どうぞ御発言願います。
#196
○鈴木強君 私はこれから質問いたしますが、委員長には二十時間の質疑の通告をいたしておりますので、その点を委員長はお忘れなくお願いいたします。なお、そのほかに四名の同僚委員からも十時間の質疑の要求がありますから、私もできるだけそのことも考慮して質問いたします。
 最初にお尋ねしたいのですが、三月の二十五日に電電公社は不当処分をやっておりますが、その中で福島県の場合ですが、処分をした通信部長は、処分をしたままどっかへ雲隠れをしてしまった。組合の方で交渉しようと思うのだが、行く先がわからない、こういうことを私は聞いておるのでございますが、公社はそれを知っておられますか。
#197
○説明員(本多元吉君) そういう話も聞いたりいたしましたものですから、私ども通信局によく連絡いたしまして調査いたしましたが、御承知のように、十六日の時間外職場大会におきましては、いろいろその前後に交渉もございました。通信部長といたしましても非常に疲労もしていたようでございまして、他の場所におきまして執務をいたした。これは通信局長も存じております。そういうわけで、決して所在をくらましてしまった、かようなわけではございませんで、通信部の上部機関であるところの通信局ともよく連絡をとって、他の場所において執務態勢にあった、かように私どもは了解しております。
#198
○鈴木強君 通信局が了承をして一週間ぐらいですか、その所在がわからないという状態があったようですが、しからば疲労しているというお話ですが、お互いにそれは忙しくやれば疲労もするでしょう。しかし一週間も局をあけるということは、管理者としてどうかと私は思うのですが、一体どこにおったのですか。調べているというならわかるでしょう。どこの旅館ですか。
#199
○説明員(本多元吉君) その点は私ども通信局を信頼いたしまして、場所は調べてございませんが、通信局からはそういう先ほど申しましたような回答でございます。
#200
○鈴木強君 皆さんは権力で人の首を切っておいて、それでまあいろいろその処分の中にはこの委員会でも問題になりましたように、不適当な、理屈にならないような処分もあるわけです。従って、それに対して組合が部長に話をしようとしても、その部長の所在がわからなくて、会見もできないようなことは、これはいいことですか、大体五日間か一週間ぐらい部長がその通信部をあけたということは、これはどういうことなんですか。職務執行上に支障はなかったのですか。
#201
○説明員(本多元吉君) お答え申し上げます。先ほど申し上げましたような事情で、通信局とよく連絡をとって、通信局にはその所在を明確にして執務態勢にあったわけでございます。なお私といたしましても、さような御注意がほかからございましたので、直ちに通信局に連絡をいたしまして、できるだけ早くその事情が解決するならば執務するようにと、通信部の局舎に出るように、かようなことは指示いたしまして、通信局はさように取り計らったと思っております。また、いろいろその後委員会におきましても事実誤認というようなことの調査というようなものに関連いたしまして、お話もございましたので、さようなことについては通信局に十分連絡をいたしまして、そういうことに対応できるような態勢にはしたつもりでございます。
#202
○鈴木強君 これはあまり私時間をとりたくないので、一つどういう理由で一週間も通信部の方をあけて、あるところに寝泊りをしなければならなかったのか、それに対して通信局はどういう見解をとったか、それから行っておった先はどこなのか、これは一つすみやかに御調査をして、その調査の結果をお示しいただきたいと思います。これは委員長一つお願いします。
#203
○委員長(鈴木恭一君) よろしゅうございますか。
#204
○説明員(本多元吉君) よろしゅうございます。
#205
○鈴木強君 それからもう一つお尋ねしたいのですが、私は、九州の大村電報電話局で起こりました春闘の事件について、四月二十日、党の方から視察を命ぜられまして現地へ行って参りましたが、この内容を見ますと、大村の分会長と県支部の三役が合計四名解職になっております。私は率直に申し上げて、大村の高橋という電報電話局長は非常に率直な方で、参りまして、いろいろお話を伺っている間でも、非常に一つ信念を持ってやっておるりっぱな方だというふうに思いました。で、この際私が伺っておきたいことは、もちろん、実力行使については私はこの際は触れませんが、十五日の日、組合の責任者と当該局の局長と話し合いをいたしまして、十六日の実力行使に対してはこの保守関係、施設関係、保全関係ですね、こういう面については二名でよろしい、局長と施設課長、こういう了解が組合の間にでき上がりました。運用関係については、その際結論が出ませんでしたので、明日話し合おうと、こういうことで別れているわけです。ところが、こういう話をしましたあとに、どういう行き違いか知りませんが、六名を入れなければいかぬ、こういうお話がございまして、それではきのうの約束と違うのではないか、こういうので論争になったようであります。しかし、組合の方も通信サービスをある程度確保しようということは考えておったようですから、話し合いには応じます、こういうことで、いつでもお会いできるように、組合の所在等も十分に連絡をとって、また管理者の皆さんの居場所も連絡をとって、そうして別れているようでありますが、にもかかわらず、何ら折衝をやらずに、九時三十五分ですか、朝、警察官が介入をしてきた、こういう事件があるわけです。特に処分になりました川並という分会長は、みずから施設保全について二名の管理者が入ってよろしい、こういう了解をいたしましたが、それでも心配だということで、自分で局の中に入って、みずからその保安に当たって、しかもその実情については、時間を区切って、こういう状態だということを屋外に放送設備を使って報道している。こういうのが真相のようであります。
 私は警察署長ともお会いして参りましたが、労働問題に対して警察が介入することについては当然これは慎重であらねばならないということについては意見が一致しておりますが、しかし、局の方では、警察官が入らなければ局が火事になる、そういうでたらめを言って警察官の導入を要請した事実もあります。これは私は非常に問題だと思うのですが、これらの事実について、本社はどう把握されておりますか。
#206
○説明員(本多元吉君) その前日に何名というようなお話を私どもは聞いておりません。しかし、これは今回の時間内職場大会におきまして、私どもは全員の人が就業してほしい、かような方針で考えて参っておりますので、現地でそういうようなお話があったということはないと思っております。なお、その当時の事情といたしましては、決して大村電報電話局も平穏裏に事が運ばれたのではないのでありまして、当日の午前の三時半ごろから三、四十名の者が管理者の入局を阻止する態勢で集まってきている。すでに六時三十分ごろになりますと、玄関の前で勢ぞろいして、管理者の入局を阻止するというふうな態勢になっていた、かような状況でございます。私ども今回の処分につきましては、かような時間内における現場の職場大会並びにそういうようなピケを張って管理者並びに就労の意思のある従業員も入れないような状況にする、こういう阻止というようなものは違法なものと考えまして処分をしたわけでございます。
#207
○鈴木強君 私はそういうことを聞いているのではないのです。施設保全のために、組合と現場の局長と話し合いを持って、こちらからもこういうことをやるという明確な通告をしているのです。その際に、ここに議事録もありますが、組合の方から、「大村程度の施設では施設の保安は何名居れば良いのですか。」と、こう局長に聞いたところが、局長は、「私も技術者だし、極端に言えば私一人でも良いが二人は必要ですな。」、こう言った。組合の方は、「そうすると局長、施設課長二人おればいいのですね。」と言ったら、「だいたい良いと考えます。」、こういうふうに明確に施設保全については話が済んでおる。ですから、そういう労使間において話し合いをやったものが、どういうことか知らないが、その夜か朝方になってからそれではいかぬというようなことがいわれてきて、労使慣行というものは一切破棄されておる、こういう事実を知っておるのですか。
#208
○説明員(本多元吉君) それはおそらく、あるいは施設の応急の保安というような意味におきまして局長が言ったのかもしれませんが、その点は私ども明確にいたしておりませんけれども、私どもといたしましては、一、二名の者が入ればそれでよろしいのだ、あとの者は職場大会なりその他の方に行ってよろしい、そういうような意味で局長が言ったようには解釈できないと考えております。
#209
○鈴木強君 あなたの方は、どういう報告をもとにして処分したか知りませんが、具体的にはこういうように記載されたような事実があります。これは間違いはないですね、こういうパンフレットが出ておりますが、このパンフレットについて現場の高橋局長に、これで間違いないでしょうかと言ったら、ないと確認しておる。またあとであなたに参考のために差し上げますが、それで今言ったことが一つ。組合で保安要員についてよろしいという話し合いがついておったものが、一方的に破棄されたということが一つ。もう一つは、運用部門に対するサービス保全に対する話し合いについては、話し合いをしようといって四度もむしろ組合の方から督促しておる。話し合いをしようじゃないか、ところが、一切話し合いに応じないで、むやみやたらに九時三十五分警察官を導入してきた。こういう点も、これは労使間のあり方としてはおかしいと思う。職員局長は、これは電電公社の一応労務関係としては最高の責任者だと思いますが、そういうあり方はいいでしょうか。
#210
○説明員(本多元吉君) お答えいたします。組合との間においていろいろ話し合いの場を作って物事を解決していくことは、もちろん労使関係の建前でございますが、当時の事情といたしましては、すでにそういうような先ほど申しましたようなピケを張って、威力によって管理者なりあるいは職員の入局を阻止するというような態勢のいわゆる実力行使の情勢でございました。そういうような情勢のもとにおいて話し合いを行なうということは、これは私ども適当な状態ではない、かように考えます。そういうような状態を排除いたしまして、正常な状態において話し合いをするというのが、これが労使関係の筋道ではないか、かように考えております。
 それから警察官の関係でございますが、私どもへの報告によりますと、管理者といたしましても、入局いたしますために、これは再三申し上げましたけれども、施設並びに運用の職員の手で執行できない場合を考えまして、周辺の管理者が集まりまして、そういうものができる人間で対処しよう、かような考えで入局することにいたしたのでございますが、そういう者が再三そのピケを突破して中に入ろうといたしましたができない、かような状態においては、これは適当でございませんので、そういうような状態のもとにおいてピケ隊の実力行使を排除してもらうために警官をここに導入をした、かようなことであろうと考えております。
  ―――――――――――――
#211
○委員長(鈴木恭一君) 委員変更についてお知らせいたします。
 本日、委員植竹春彦君が辞任せられまして、その補欠として小柳牧衞君が選任せられました。
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#212
○鈴木強君 今の職員局長のお話を承っていると、はからずも、皆さんの労務対策というものに対するあり方が、私は非常に疑問になるのです。なるほど実力行使に入った、そういう中で交渉するのはおかしい、理屈は一応わかるのです。しかし、労働慣行、労働問題というものは、なかなかそう理屈通りにいかないのです。問題は、そこであなたの方と組合との話し合いで、サービス部門ならサービス部門に何名入れて通信を確保するか、こういうことになった場合に、あなた方の方では、そんなことは実力行使をやっているから話し合いはできないのだといって、いわば感情的になって労使が紛争しているために、大事な通信サービスというものができなくなってしまうじゃありませんか。むしろそういう事態になってもやはり話し合いをして、そうして何名でも入ってくる人は入ってもらって、一般大衆に労使の紛争というものにより迷惑をかけないようにするのが、本来の私は労使のあり方だと思う。あなたの方では、十六日にはああいう団体交渉なんかもみずから退場して、十一時間も――何回も言うけれども、そういうばかげたことをやっている。動力車の組合の経営者は、実力行使をやっている事態で紛争を解決した。どっちが国民のためにいいのですか。前時代的なセンスをもって電電公社の労務政策をやっているから……。こういう事態に対しても、もう少し公衆に労使が迷惑を及ぼさないようにするためには、それは一つの生きものですから、話し合いをしてやるのが筋道じゃないかと思う。
 私は多くはきょうはここで申す必要はありませんが、この大村の闘争の実情を見ておった警察官の話を聞いて参りました。同時に報道されたあそこの地方新聞なり、あるいは読売とか朝日とか、そういう新聞に出ている争議に触れた見方あるいは報道関係の記者諸君の話、こういうものを総合してみましても、ある程度秩序正しく整然とやっておる。坂本委員もこの間須崎の話が出ましたけれども、いろいろ警察官の力を借りて、そうして一方的に弾圧するような態度に出、しかも人の生命を断つような首切りを平然とやっている。そういうことはちょっと過酷ではないか、坂本委員もおっしゃったような、そういうような実は話も私は伺ったのですよ。もう少しこういうものについて当該の通信部長も、私はちょっとしか会いませんでしたけれども、なかなか要領のいい男です。率直に言って八方美人的な、いろいいろ問問が今まであったようですが、八方美人的な要領のいい男だ。われわれに会うとうまいことを言うが、実際のやり方を見ていると反動的な面がたくさんあるように感じました、私は。そういう通信部長のもとに労務政策が現場の局長の意思というものを無視して、そうしてどんどんやられてしまう。これでは現場の局長はたまったものでないと思う。そこらにもう少し基本的な労使のあり方というものについて考えてみる必要があるのではないかと思いますがね。どうですか。
#213
○説明員(本多元吉君) 先ほど申しましたように、ピケ隊を張って、私どもの所要のサービスを確保するための要員の入局ができない、こういうような、状態のもとにおきましては、やはり私どもといたしましては、万やむを得ない措置でございまするが、警官にお願いして、そのピケ隊を排除していただいて、通信サービスを管理者の手においてでも確保したい、これは私どもといたしまして当然のことだろうと思うのでございます。これは別に地方だけがいろいろ勝手にやっているというわけではございません。本社におきましても、御承知のように、前にあれだけの一千をこえるピケ隊を当日張ったわけでございます。私ども本社の業務といたしましても、それは必要な業務でございますので、管理者並びに職員がこのピケ隊の中に入って、またその際には、警察の方の力もお借りして仕事についたわけです。決してこれは中央が勝手な労務対策のいろいろなやり方の違いというようなものがあって、そういうことをやったわけではなくて、私どもこれは当然、そういう際におきまして、万やむを得ない措置としてやったものなんでございまして、そういう点は一つ御了承願いたいと考えます。
#214
○鈴木強君 この現地の調査というのは、皆さんの方では、通信局長会議等も開いておられるようですが、実際に本社からどなたかいらっしゃって、現場の実情というものは把握されておるのでございましょうか。
#215
○説明員(本多元吉君) 私ども、本社から事前に参って、現場を調査に参っておりませんが、これは、通信局においては、全部その管内の事情というものは、現場に参って知悉しております。私どもは通信局の報告を信頼をいたしまして、通信局とよく打ち合わせをいたしまして、今回いろいろな措置をとったわけでございます。
#216
○鈴木強君 これは、私たちは直接現場まで行って、各関係者にいろいろ伺って参りました。ですから、片寄らずに言っているつもりなんですがね。ですから、やはりまずいところはまずいところとして直して、そしてお互いに公衆に迷惑をかけないという立場に立って、こういう争議を解決するようにせぬと、感情に感情をまじえてやったのでは、これは激発するだけですから、そういう点の御注意も必要だと思いますが、特に大量の処分が出ておりますから、少なくとも現地の実情というものはよく調べていただいて、そして確信のある答弁がほしいのです。これは大臣もお聞き取りのように、この委員会でも問題になりまして、さらに再調査までもしていただくことになっておるのですから、これは、私は職制、ラインというものがあるのですから、一々全国まで行って、実情を調査をするということは酷かもしれません。だが、問題として提起されたことについては、もう少し実情というものを的確に把握して、われわれの質疑に対しても確信のある御答弁のできるような措置をとっていただきたいと思います。是非について、私はここでは申し上げませんが、そういうこれからの労使のあり方についても、考えを持って、ほんとうに事業を発展するというような方向にみんなで力を合わしていくと、こういう方向に御努力願いたいと思います。
 森中委員からも質問もあるようですから、この問題については、私はこれで打ち切ります。
#217
○森中守義君 総裁にちょっと最初に伺っておきますが、公社機関の中に発生した問題については、一体的に責任をおとりになりますか。公社の機関は、どこであろうと、どういうクラスの機関であろうと、そういう機関の中に事件が発生した場合に、一体的な責任をおとりになりますか。
#218
○説明員(大橋八郎君) 事柄にもよりますが、概括的に一切の責任は、公社として直接の責任と監督の責任と、いろいろ種別はありますが、何らかの責任はあると思います。
#219
○森中守義君 職員局長、労務担当の局長として、思想調査を職員におやりになったことはありませんか。
#220
○説明員(本多元吉君) 私どもそういうような方針で思想調査というようなことを、そういうような方針で臨んでおりません。やっておりません。
#221
○森中守義君 方針で臨んでおらないというわけですが、それは、そういう方針があってはならぬのです。思想、信条、すべてこれは憲法が保障しています。だから、方針をお持ちになること自体私はおかしいと思う。また、そういうことは、公社の労務政策上の議論の対象の外だと思うのです。ところが、実際問題としまして、九州で思想調査をおやりになったことがありますね。御記憶ありませんか。
#222
○説明員(本多元吉君) ただいまのお話は、長崎でそういうようなことがあったということは、私ども聞いております。
#223
○森中守義君 私は、これは多少意見にもなりますけれども、私も九州であり、熊本であります。しかも、在来まで九州における労使関係というものはすこぶる正常であったと私は思っております。ところが、そう思っているやさきに、今局長がはしなくも言われた九州の長崎で思想調査が行なわれた。それが事実問題として公社側と組合側とが確認をしたことがある。私は、今まで九州関係における労使問題が非常に不必要な紛争を起こさない状態にあったのに、今回どうしてこういう思想調査等を行なったか、しかも、許されていない調査をやって、労使間に暗影を投げたということについて、すこぶる割り切れない気持を持っております。今、局長は、長崎であったと、こう言われるわけですが、その内容はおわかりですか。
#224
○説明員(本多元吉君) 内容について、私詳しく報告を受けておりませんが、ただいまお話がございましたような思想調査といいますか、そういうものに類するようなことが行なわれたようにちょっと聞いておりますが、これについては、通信局におきましても、いろいろ間違いがあってはいけないということもございましたので、一応その点については、組合と十分話し合いもして、了承を得るように努力をいたしたというような報告を私は聞いております。その程度でございます。
#225
○森中守義君 私は、双方で確認をされた文書を拝見をいたしました。その中で、九州通信局長及び九州通信局の首脳部がお書きになっておる書面では、明らかにそういうように誤解を与える節があったことは遺憾であると、こういう遺憾の意と釈明が行なわれております。しかも、長崎通信部長名による、いわゆる思想調査といわれておるところの内容を拝見しますと、やはりこれは公安調査庁が行なっておるような内容のものがずいぶんあるようです。あなたはその内容をごらんになったことありますか。
#226
○説明員(本多元吉君) 私はその内容は存じませんが、誤解を与えるようなことがあってはいけないということの注意は通信局に申しております。
#227
○森中守義君 労務担当局長という立場から、この種誤解ないしは疑惑を与えたということたけでも、相当大きな問題だと思うが、あなたはそういうことに対してどう思われますか。
#228
○説明員(本多元吉君) 誤解ないしは疑惑を与えたというような点につきましては、これは遺憾なことだと存じます。
#229
○森中守義君 進んでその内容を検討するという気持にはなりませんでしたか。
#230
○説明員(本多元吉君) 私ども、本社といたしまして、そういうような、先ほど申しましたような方針なり考え方でやっていることでございませんので、その点、通信局と組合の間におきまして、いろいろその間の事情の釈明、説明等によりまして、大体誤解も解けるような努力もしたと考えますので、その内容について、これをしさいに検討すると、かようなことをいたさぬでも差しつかえないと、かように考えまして、中央におきまして、そういうような内容の検討はいたさなかったわけでございます。
#231
○森中守義君 私は、その辺に少し問題があると思うのですよ。これはほかの、たとえば厚生問題であるとか、あるいは人事問題であるとか、一般的な問題に属する労使間の問題であれば、これはなるほど出先におまかせになっておいてもいいかもわからない。しかし、憲法に触れる、あるいは公社経営の中に採用さるべきでないこと、いわんや、公社の本社自体もそういう方針を持っていないことをやったということであれば、これこそ私は進んで事実の調査を行なわれて、少なくとも、公社が一体的にそういう指示をしていない、思想調査をやろうという意思は毛頭ないというようなことを明らかにする必要が私はあったと思う。なるほど、九州には通信局長がおられる。出先には通信部長がおられる。それぞれの立場で処理すればよろしいと、こういうことも事と次第では言えるかもわかりませんが、この思想調査というものは、今まで諸官庁の中にあまり聞いたことがない。そういうことを問題に提起されているのに、本社の方で全然そういう問題について調査されていないというのは、私はどうかと思う。そういうことが私は今日の公社と全電通との不必要な紛争の一因をなしておるのではなかろうか、こういうようにも考えるのです。局長どうですか、進んでやるべきじゃなかったですか。
#232
○説明員(本多元吉君) 私ども通信局に対しましては善処方を申しておきまして、通信局といたしまして、組合ともいろいろお話をして、先ほど申しましたような了承を得るような努力もいたしましたので、あえて本社がこれを行なうというようなことも必要もないと、かように考えたわけでございます。
#233
○森中守義君 関連ですから、これ以上お尋ねするのもどうかと思いますから……。もちろん、この問題はきょう限りで終わるわけでもありませんし、むしろ私は公社の労務政策の一つの重要な問題点にもなると思いますから、できるだけ早く思想調査といわれているその文書、長崎の通信部長が出された文書ですね。それと九州電気通信局長と全電通の九州地本の中で交換をされた確認書、この写しを一つ資料としてできるだけ早く出して下さい。それを基礎にしていろいろお尋ねした方がより正確になると思いますから、それを一つ要求しておきます。委員長、資料の要求をして下さい。
#234
○委員長(鈴木恭一君) この資料の要求、よろしゅうございますか。
#235
○説明員(本多元吉君) よろしゅうございます。
#236
○鈴木強君 この際、大臣に一つお尋ねしたいことが私はありますが、あなたは就任をされて、この委員会に所信を明かにされた際に、非常に長い間問題になっておりました例の電電公社の預託金制度のあり方に対して、改正をする必要があるということで、今国会に所要の手続を終えて法案を提案をしていただく、こういう非常に希望のある御発言がありました。私は大へんけっこうなことですから、その一日も提案の早からむことをこいねがっておったのでございますが、いよいよ会期もきょうを含めて三日になっておりますが、一体これはどうなったのでございますか。
#237
○国務大臣(小金義照君) これは政府の関係機関としては三公社がございます。他の公社との関係等も考慮されまして、いろいろ折衝いたしましたが、満足のいかないところではありますが、大体の成案に今一応到達しております。しかし、いかにも会期が切迫いたして、会期延長後になりましたので、今回はこれを提出しない。先般、私の考え方として申し上げましたのは、でき得べくんばまとめ上げて出したいということでございましたが、遺憾ながら、一応はまとまったと申し上げて差しつかえないのですが、物理的に時間がないので、これは遠慮させていただきたいと思います。
#238
○鈴木強君 他の二公社もあります、御指摘の通りにですね。そこで、それぞれこの問題については考え方があると思うのです。特に私は、日本社会党の立場に立っても、長い間研究いたしましたので、この不合理は一日もすみやかに直さなければいかぬと、そういうことで、実は公社法全体の改正についても、大臣御承知の通り、今国会に提案しておりますが、その際にあなたにも申し上げたように、われわれは大臣の御発言を信頼して、当初法改正の中に入れておったのでございますが、まあ政府当局がそういう御態度であればその方が私はよりベターだと思いましたものですから、あえてその改正法案の中からは抜かして、大臣の手腕を期待しておったのでございますがね、非常にこれは遺憾千万であると私は思います。それで御努力は認めます。
 聞くところによりますと、国鉄でございますかは、何か今度の国会にそういう手続をなされたようにも聞いておるのでございますが、そうであれば、何とかわが電電の場合も同時にやれなかったものだろうか、こういう私は気持が今でもしているのですが、幸い自民党の内閣改造があるようですが、大臣が御留任いただくことを私は野党の立場ですが非常に期待をします。それもどうなるかわからぬ、わからぬから、もうきまったことと同じだと、ただ手続的に出せなかった。こういうお話のように私承ったのですが、大臣が留任されればけっこう、それでなくても、そのあなたのおきめになった御構想というものは、私は差しつかえがなければここでお聞きしたいのでございますが、もし差しつかえがあれば、また別途お尋ねいたします。あえてそのことは御答弁を求めませんが、いずれにしても固まったという内容については、大臣がどういう立場にお立ちになっても、必ず次期国会には出てくると、こういうように理解をしてよろしゅうございますか。
#239
○国務大臣(小金義照君) 今御指摘の通り、やはり国鉄と同じようならば、あるいは出しても御審議願えたかと思っておりますが、それよりもう少し電電公社は特別に私ども主張しておりますので、それを固めるのに少し時間もかかりましたし、これは御指摘の通り、電電公社の事業をお考え下すっての御意見でございますから、ありがたく御意思を拝聴いたしまして、できるだけいいものにして出したい。ただ、これは御承知の通り、こちらが希望することについては、なかなか、頑迷という言葉を使うとしかられますが、なかなか頑固なところがありまして苦労いたしております。
#240
○鈴木強君 まあ大臣の御所信を聞きましたので、むずかしい面もあると思いますが、一つぜひ実らしていただきたいということを私はここに強く希望しておきます。
 それから次に伺いたいのは、先般、電電公社は、第二次五カ年計画の四年度でございますね、その建設資金の一肋に外債二千万ドル、約七十二億の導入をお考えになっておったようでございますが、その後総裁も渡米をされて、何か正式に調印をなされたように私は風説に聞いておるのでございますがね。非常にこの国会で問題になったことでありますので、私はもう少し誠意のある態度がほしかったと思うのであります。あれから委員会も何回も開いております。むしろ進んで、こういう結果になりましたくらいの誠意のある私は委員会に対するお話があってもしかるべきではなかったか、こう思うのであります。しかし、これはぐちでございますから、私は申しませんが、それをじゃこの機会にその経過はどうなのか、調印されて実際に金はいつごろ入ってきて、これが第二次五カ年計画の本年度の建設資金にどう加わって計画していくのか、その点を一つ承りたいと思います。
#241
○説明員(大橋八郎君) この外債の問題は、昨年度の予算の際に、御承知の通り二千万ドルの米貨債の募集が予算総則において認められました。この募集ができた暁には、この金を原資として、約三万個の新規の架設をやり得るということが、三十五年度の予算の総則において認められたわけであります。私どもはこの趣旨に基づいて、でき得べくんば三十五年度の予算会計年度中にこれを手に入れまして、予定の通り発行したい、こういうようなことで、昨年から努力いたしたのであります。その結果、昨年の九月でありますか、公社の経理局長をアメリカに派遣いたしまして、アメリカのニューヨークにおける証券会社の中で、ファスト・ボストンをマネージャーとし、デロンリード、スミス・バーネーを子マネージャーとするこの三社で発行を引き受けてもらうことに契約ができました。十月にアメリカの調査団が当地に参りまして調査をいたしました。そのときの予定では、十一月に公社からさらに調査団が向こうに参りまして、最後の仕上げをして、十二月にSECに届出をして、一月の半ば過ぎには募集ができるだろうという当時の一応のスケジュールができ上がっておったのであります。ところが、その後だいぶ経済界の状況等が非常に変化がありまして、たとえば、ハガチー事件のような不詳なことがあったりして、そのために日本の財界において一昨年発行した日本の国債が値下がりがあったというようなこともあります。もちろん、その間アメリカの大統領の選挙があった、日本でも総選挙があったというようなことで、結局昨年のうちには募集に着手することが困難だという見通しで、本年に持ち越されたのであります。
#242
○鈴木強君 結論だけでいいです。
#243
○説明員(大橋八郎君) そういうようなわけで、本年の三月になりまして、いよいよ募集の時期がよさそうだという向こうの通知がありまして、こちらから申しますと、その結果、五月の二日の日に三社と私とがニューヨークにおいて調印をいたしました。二千万ドルの外債を募集するという契約が成立いたした。そのうち千五百万ドルは十五カ年間の長期の契約であります。あとの五百万ドルは中期ものでありまして、三年の契約、四年の契約、五年の期間のもの、こういうふうに分かれております。長期の発行条件は、法定利息は六分で、発行価格が九十五ドル半という発行条件であります。中期ものは三年のものが百六十万ドル、これは五分の利率であります。四年のものが百七十万ドルで、これが利息が五・一二五%、五年のものが百七十万ドル、この利率は五・二五%、かようなことでありまして、結局三日の日に正式にこれが売り出しを開始いたしまして、十日の日に締め切って、即日全部売り切れ、かような状態であります。
#244
○松平勇雄君 本案に対する質疑を打ち切って、直ちに討論に入られることの動議を提出いたします。(「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#245
○新谷寅三郎君 私はただいまの松平君の動議に賛成いたします。
#246
○委員長(鈴木恭一君) それでは松平君の提出の質疑を打ち切って直ちに討論に入るべしとの動議を議題といたします。
 この動議に賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#247
○委員長(鈴木恭一君) 多数と認めます。よって松平委員提出の動議は多数をもって可決せられました。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#248
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて下さい。
#249
○鈴木強君 私は、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して反対討論を行なわんとするものであります。
 討論に入ります前に、一言私は触れておきたいと思いますが、今も私は委員長に御質問を申し上げましたように、本改正案は今度の電電公社の長期合理化計画と非常に重大な関係がございます。従って、われわれは、この委員会を通じて尽くすべき審議は十分尽くし、参議院としての良識を発揮して、この法律案施行に際しても万遺憾なき措置をとって、ほんとうに電電事業が国民にりっぱになったというようにほめられていただくようなものにしたいと思いまして、私は二十時間の討論の通告をいたしましたし、同僚議員も約四十時間程度の質疑を委員長に通告をしております。これは松平挑発提案委員にも十分御連絡をとった上のことであります。にもかかわらず、かように非民主的な、われわれの質疑を残して議事を打ち切ったということは、まことに委員会の運営上禍根を残すものでありますから、私はこの点については委員長にも大きな反省を求めると同時に、自由民主党の諸君もあまり数の力でもってものを押し切るというようなことをやらないように私は願うものであります。
 さて、本論に入りますが、御承知のように昭和二十七年の八月、電信電話事業の合理的かつ能率的な経営形態を確立するとともに、設備の拡充強化を促進し、サービスの改善をはかるために、公共企業体として日本電信電話公社が発足したのでありますが、この間、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画等を通じ電信電話事業は目ざましい発展を遂げ、他の企業体に比較しましても、きわめて優秀な業績をおさめて参ったのであります。これは電気通信事業における技術革新と、これに従事する全職員の涙ぐましい努力のたまものであると私は確信するものであります。しかしながら、このような電信電話の発展の過程を見まするときに、公共企業体の性格に対する理解がまだ十分ではないために、今日においてもなお官営時代の制約にしばられまして、経営の自主性の確保、職員に対する待遇改善等に幾多の問題を残しておるのであります。
 これらの点に関しまして、さきに昭和二十九年一月、臨時公共企業体審議会より、また昭和三十二年十二月、公共企業体審議会からそれぞれ答申がなされているのでありますが、いずれも公社の組織運営を根本的に民間的センスに切りかえ、その企業性と自主性を強化して、もっぱら能率的、進歩的運営をはかる必要があると指摘せられ、その具体的事項として、公社の予算及び決算制度、監督、料金の決定、給与等、勤務条件の諸般にわたりましてその改善方策が示されたのでありますが、これらの答申に応じた政府の適切な措置が今日に至りましてもいまだ何ら講ぜられておらないことは、政府の怠慢と言わなければならず、私のきわめて遺憾に存ずるところであります。わが党はつとにこの点を重要視いたしまして、その矛盾と不合理とを是正して、真に公企体としての運営にふさわしいものにしようという見地から、今国会に、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を提案したのであります。私はまずこの基本的問題の改正を行ない、その前提のもとでなければ、いかなる改正をいたしましても、真に効果的な成果をおさめ、国民の期待に十分こたえることはできないと信ずるのであります。もとより私どもといたしましても、電気通信設備の機械化、自動化等の合理化施策については、何ら反対をするものではありません。ただ、われわれが最も重視するのは、合理化の進展に伴って、そこに働く労働者の労働条件が向上しなければならないこと、設備の近代化に伴って生ずる余剰人員を、労働者の意向を尊重して最善の措置を講ずること、また利用者に対してもその恩恵を最大限度与えることであります。このことが合理化の前提条件とならなければならないことであります。従って、その一環として、電話料金も合理的妥当なものに改正することは当然のことと思うのであります。このような見地からいたしまして、わが党は、さきの電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案の審議の際におきましても、同時に料金問題にも触れるべきであることを強く主張したのであります。現行料金引き下げは、むしろわが党が率先提唱したところであります。
 ところが、今回の政府提出の改正案を見まするに、料金改定にあたりまして当然まっ先に考えなければならない現行の料金水準が、はたして適正であるかどうか、また、料金と一体不可分である現行電話加入制度の欠陥の是正等の最も重要な諸点には何ら触れるところがないのであります。この不合理と欠陥とをそのままにしておいて、料金だけを改定しようというのであります。政府並びに公社当局は、今回の料金改正は値上げをねらったものでもなく、値下げをねらったものでもない、現在の料金収入に変動を来たさないことを前提として、現行の料金水準を維持することを基本方針とした。しかし、結果的には三十億円程度の減収を生ずるであろうというのでありますが、私どもから見まするならば、それは単に計数の上で数字のつじつまを合わせただけで、はたして実際に値上げなのか値下げなのか、どこにその保証があるか、まことに独善的な知能犯的な料金引き上げを内容とした改正案であると断ぜざるを得ないのであります。
 以下私は本法律案の内容につきまして、おもなる矛盾点と不合理を指摘してみたいと思います。その第一は、この改正案では、現行の料金水準に対する検討が十分に行なわれていないのであります。現行の料金水準は、昭和二十八年に減価償却費の不足を補い、また拡充資金の一部に充てるための理由で、従来の料金ベースに対し二割程度の値上げを見込んで改定され今日に至ったものでありますが、電電公社は一般私企業にも例を見ないほどの利益を生み出し、昭和三十四年度には実に五百十四億円の巨額に達し、しかもその額は年々増加の一途をたどるものと思われます。現在最も有力な建設資金源となっております。そして、この利益の増加の最大原因は、従業員諸君が、第一次五カ年計画以来今日まで飛躍的に増大する設備の拡充維持を行なってきた血みどろの労働の結晶であります。また目ざましい技術革新の成果であることは疑いを入れないところであります。しかるに、公社当局は、このような膨大な利益を、一つには加入者の利益のために、一つには従業員の待遇改善のために、一つには将来の建設のために充てると言ってはおられるのでありますが、加入者に対する還元、それは料金の引き下げであろうと思うのでありますが、これは一体いつ行なわれるのでありましょうか。また、従業員に対する待遇改善に充てるといいますが、公社従業員の待遇は、最も新しいこのたびの仲裁裁定実施後における平均ベースを見ましても、鉄等の従業員よりむしろ低い状況であります。私どもは、何としても納得ができないところであります。
 しかるに、一方において、将来の建設に充てるといわれる建設勘定への繰り入れは、本年度予算において約五百億に達し、これに減価償却引当金を合計いたしますと、実に一千十九億円となっているのが実情であります。私は、国営事業である電気通信、電信電話のごときものの建設を、元来、財政投融資等の国家資金でまかなうべきものであると思うのでありますが、実際問題としてこれが困難な場合には、事業上の利益の若干を将来の加入者の増加のために充てることは、それによって同時に既存の加入者の利益にもつながるものでありますので、あながちこれに反対するものではありません。しかし、問題は、その程度、方法いかんであろうと思うのであります。公社の現在の事業成績から見まするならば、率直に言って、もっと加入者と職員への還元を真剣に考慮すべきであろうと思うのであります。特に今回のごとき料金改正にあたりましては、どの面から見ても、また、どのような電話のかけ方をいたしましても、いやしくも、もとより料金の値上げになることのないような料金改定でなければならないと信ずるのであります。しかるに今回の料金改定について見ますと、なるほど値下げになる部分も若干はありますが、逆に値上げの部分も相当にあるのでありまして、たとえば東京−大阪間の場合、即時化にならない前の当分の間は、三分の場合二百九十円が三百十八円に、六分の場合五百八十円が六百三十六円になるわけでありまして、このような事例は他にも相当にあるのであります。また、自動化された場合に適用されんとする距離別時間差法の適用区域における料金制度も、加入者の電話の話し方によっては値上げとなることは必至であります。おそらく、この改正案が通った場合には、利用者と世論のごうごうたる反撃を受けることは今から明らかであると思います。
 その第二は、現行の加入区域制度の欠陥に対し、何らの考慮が払われていないことであります。現在の加入区域制度のもとにおきましては、東京、大阪のような大都市と中小都市との間、あるいは地方農漁村との間に著しい格差が生じておりまして、サービスの便益及び料金の負担の均衡がとれておらないのであります。一例をあげて、大阪周辺の電話加入区域の矛盾、不均衡を申し上げますと、先ほども質問を申し上げましたように、たとえば大阪と豊中、吹田、尼崎との間のごとき、全く不合理不均衡の典型的なものであると思いますが、このような傾向は、最近の社会生活圏の拡充傾向とからみまして、現行の加入区域との間に著しいギャップが生じてきておるのであります。しかもこのギャップを生じているままの現状に対し、何ら手を加えずして、料金だけを改定いたしましても、これが合理的に均衡のとれた料金となるはずのないことは火を見るよりも明らかであると思います。
 次に、反対理由の第三は、この料金改正案には、この実施計画の裏づけが全くなされていないことであります。御承知のように、この料金改正案は、市外電話の即時化と表裏一体の関係にあるものでありますが、それにもかかわらず、今後の市外通話の自動即時化計画は、この法案審議の過程において全く示されておらないのであります。さらにその上に、昭和三十八年度より始まる第三次五カ年計画の概要すら明らかにされず、ただ黙って公社当局を信頼しろというのであります。しかも、このような独善的傾向は、最も重要な今後の電信電話事業拡充計画遂行の根幹となるべき要員対策に関しても全く同様であります。前にも申し上げましたように、第一次五カ年計画発足以来、拡充に次ぐ拡充をもってし、諸外国にもその例を見ないような設備の拡充を行ない、しかもこれをよく保守運用しまして、今日の輝かしき電信電話事業を築き上げ、また今後も一そうこれを発展さしていくべき使命をになうものは、言うまでもなくここに挺身する従業員全員であります。試みに、最近の要員の充足状況について見ましても、昭和三十五年度新規要求人員一万四百五十八人に対し、予算で認められました要員数は五千三百十六人であります。また本年度に至りましては、一万四千三百七十六人の要求に対し、認められたものは八千七十一名でありまして、実にこの二カ年間で六千名の削減となっております。従いまして、この削減によりますところの差、すなわち実際に必要な人員と実際に働いている人員との差は、従業員のいわゆる労働強化、言うならばその犠牲によって償われていると言っても過言ではありません。また、第三次五カ年計画を遂行しようといたしますと、市内電話のこうした増加と全国市外即時綱の確立ということはどうしても避けられないところでありますが、現在郵政省の特定局に委託しております交換局を含め約六千八百の電話局のうち、おそらく六千二、三百の局は無人局となり、ここに従事する交換要員は要らなくなる勘定になります。その大部分を占める女子職員は、どうしてもどこかへ配置転換されるか、または職種転換を余儀なくされる運命にあるのであります。公社当局は首切りはしないと言っておりますが、これらの従業員の労働不安に対し、これを解消するような何らの具体的計画は示されていないのであります。公社当局の、従業員の給与、要員配置転換等に対する態度は、以上申し上げたようなものでありまして、これら従業員の涙ぐましい努力に対し、何らあたたかい手を差し伸べず、妥当な要求に対しても誠意をもってこれが解決のための努力をはからず、かえって、時には重圧を加えて、この重圧に対して組合員が行動すれば、直ちに厳罰をもって臨むという、最近の政府並びに公社当局の労働政策は、明らかに前時代的なものであり、誤りであると言わなければなりません。事業は人にありとは古代からいわれてきております。いかにりっぱな計画を立てても、労働者の協力なくしてはその計画は画餅に帰するでありましょう。私は、この際、公社が今日までとりつつある、誤れる愚劣な労働政策を率直に改められて、真によき健全な労使関係を樹立され、労使一体となって、国民の期待する事業の発展を期せられる態勢をすみやかに確立されるよう強く要求して、私の反対討論を終わります。
#250
○新谷寅三郎君 ただいま議題となっておりまする公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対し、私は自由民主党を代表して賛意を表するものであります。
 本案は、最近におけるわが国電話事業の急激な発展に伴い、現行電話料金制度の不合理を是正して、自動即時化に適合する料金課金方式を採用するとともに、市内及び市外電話料金の融合をはかり、あとう限り、電話料金体系を合理的に調整せんとするものでありまして、時宜に適した方策であると存じます。
 ただ、電話料金制度につきましては、本案は当面の一応の対策としては、これを了承するのでありますが、現在非常な勢いで急増しつつある電話需要の実情にかんがみ、これに対応して策定せられるべき電話拡張第三次五カ年計画にあたりましては、今後さらに十分なる調査、検討を遂げ、より合理的な、かつ加入者の便宜をより増大し得るであろう料金制度を確立し、もって電話事業の健全な発展と国民への奉仕の全きを期すべきであると存じます。
 以上の希望意見を付して私は本案に賛成するものであります。(拍手)
#251
○山田節男君 私は、ただいま議題となっておりまする公衆電気通信法の一部改正法案に対し、民主社会党を代表いたしまして、以下述べまする若干の理由に基づきまして反対を表明するものであります。
 まず第一に、今回この法案の内容としまする電話料金の改定の合理化並びに料金の調整の点につきましては、近来電話の需要がおびただしく、しかも、加入地域の拡大ということは、新都市の発展拡大の点から、当然これは実現されるべきでありますが、そういう点から現行の料金をもってすれば非常な不公正な格差が出るという点並びに電話の接続の自動化に伴いまする全国的な自動即時化、これが進展に伴いますれば、いずれにいたしましても、この今回法案の内容としまするこの料金の体系の合理化ということにつきましては、私はこれに対しては賛意を表するものであります。しかしながら、今以下述べまする三点の理由をもちまして、この法案に反対せざるを得ないことは、まことに遺憾に存じます。
 第一には、この法案が本国会に出しまする前には、電信電話料金調査会、この答申を見まするというと、電話の料金の合理化と同時に、電信の料金についても、この調査会において慎重に審議をして、結論まで出ておるのであります。しかるに、今回電信の料金につきましては、ことさらにこれを省いて、電話料金の合理化ということだけの内容を出したことは、非常な片手落ちであると思うのであります。何となれば、今日の電信の電電公社における収支の地位から見ますというと、たとえば三十四年、三十五年度の収支状況を見まするというと、実に百三十億を余る赤字の状況であります。もとより、これは電話の収入が非常に良好でございますので、これでカバーし得るということは了承できまするけれども、経営の原則から申せば、これは一つの変則でありまして、電信業務は電信業務としての企業体の確立、健全化、合理化をしなくてはならない。しかるに、この法案には、初め企図したところの電信料金の合理化、それが含まれていないところが、この法案の致命的な一つの欠陥と申しますか、不健全である、不健全な様相を呈しておったとこが反対せざるを得ない第一の理由であります。
 第二の理由は、今回のこの法案によって示されたところによりますると、従来の電話の取り扱い局を十二級別にしておったのを、十四級別にいたしました。第一級電話取り扱い局は二十五個の電話の加入者を初めとして、百万あるいは百万以上の級別に定めておりますが、これを詳細に調べてみまするというと、これは電電公社の収入面においては、先ほど電電公社の幹部の御答弁を聞きましても、これは増収になる一つの要素になっておる。それのみならず、私の特にこの問題について不安に思いますることは、こうして全国的に電話の自動即時化、いわゆる今後の料金は度数制でいくのだと、こういう建前になって参りまするというと、この基本料金制度というものは、これは国営時代の遺風でありまして、私どもが声を高くいたしまして、従来の電話設備負担臨時措置法の廃止を叫び、これを時限立法とし、この法を廃止いたしまして、かわりに電話設備負担法を創設し、従来の加入者の負担を軽減することに努めたのでありまするが、しかし、依然としてこの電話の加入者の負担は存在するのであります。と同時に、この基本料金というものも、やはりこの電話設備負担臨時措置法と同じ性格のものでありまして、公社として今なお今日かような制度を温存するということは、これは一種の邪道ではないかと思うのであります。ことに自動即時化に伴う度数制を採用するに至りましては、この基本料金制度を存置することは、きわめて矛盾であると考えるのでありまして、これが反対の理由の第二であります。
 第三は、これはこの電電公社の電話料金の合理化に伴いまする要員計画の問題であります。私どもの手元に昭和三十三年、第二次五カ年計画が発表されました際、ことに、この要員計画につきましては、公共性の進展に即応して従業員の処遇の改善をはかるということを公約いたしておるのであります。もちろん、今回のこの料金の体系の合理化というものは、全国的な自動即時化を目途とするものであります。しかも、昭和四十四年を九五%以上の自動化を目途とするものであります。そういたしまするというと、少なくとも、この電話の接続の自動化あるいは市外電話の自動即時化ということになりますれば、たちまち問題になりますものは電話要員の問題であります。同時に、電信の方におきましても、中継機械化ということは、すでにこの要員のために労働争議が起きておる例も私ども見ておるのであります。そういうことになれば、今回のようなこういう画期的な料金の近代化、合理化をやることになりますれば、これに伴うところの要員の処置をどうするか、これは法案に盛ることはできませんけれども、この法案の審議の過程におきまして、私どもの納得し得る要員計画を示さなくてはならないのにもかかわらず、私の納得する、いわゆる計画的な要員計画を示されないというところに私は不満を持つのであります。
 以上、この三点が、もし今回この料金の体系の合理化ということに即応してやりますならば、私は今回のこの法案につきましては無条件に賛意を表したいのでありまするけれども、以上申し上げましたように、この法案に盛るべき内容が欠けておる、言いかえますれば未完成である。こういうところに私は本法案について反対をせざるを得ない、まことに遺憾とするものであります。しかしながら、この料金の合理化、近代化ということは、これは当然のことでありまして、これは電電公社の持つ当然の使命であります。私は、これを大いに今後促進されますと同時に、今申し上げました、反対をせざるを得ないこの三点の理由を、十分当局はお含み願いまして、法の円満なる効果的な実施を要望してやまない次第であります。
 以上をもって反対討論といたします。
#252
○奥むめお君 私、参議院同志会を代表いたしまして、今日結論をつけようとしておりますこの法案に賛成をいたします。しかしながら条件がございます。これは、この法案がかかりましてから、いろいろな立場から皆さんが発言なさいました記録を通して見て下さいましても、非常に問題の多いことが、将来にかけての不安を残しておると思うのでございます。電話事業は、すでに生活の必需品と申すべく非常に普及発達しております。これはもちろん、経営者の立場にある方、従業員の方、それから加入者の人々が、三者一体となってこの発展を持ち来たしたものだと思うのでございます。この際に機械化をして、合理化をして、全国的に即時通話ができるように、電話がだれでも使えるように、画期的な推進をしようとしていらっしゃることは、非常にけっこうなことだと思いますから、賛成いたしますけれども、当局の説明を聞いておりましても、机上の計画はできておるけれども、それの裏づけとなるべきものが固まっていない。これが機構の面に対して非常に不安を与えるわけであります。たとえば人員の問題あるいは料金の問題、あるいはブロック別に局を統合して、一定料金をきめようとしていらっしゃる、それもいろいろ問題がある。そのほかいろいろございますが、ですから、今これをいいとか悪いとかということはむずかしいと思うのです。ただ、せっかく推進して、一生懸命にやっていらっしゃって、この発展を遂げた今日、日本経済の実情に合わせて、変革を遂げて合理化しようとしていらっしゃる、この熱意に私は賛意を表明するわけであります。
 私の条件といたしましては、まず、たびたび大橋総裁から、電話を皆がかけられるように、すべての人に加入が及ぶように、これを急いでいるのだ。オンリーこればっかりおっしゃっております。これもごもっともなことだと思います。しかし、今まで電話を使ってきた人が、高い設備料やあるいは債券や、あるいは基本料や、あるいは電話料を納めて今日の繁栄をもたらす力になったということは、これは私もっと真剣に考えてもらわぬと困る。この電話料金は、今度の改正によっておそらく上がるだろう、きっと上がる。これは多くの委員もおっしゃっていらっしゃるし、私もそう見ざるを得ないのでございます。ですから、加入者に対して還元する、サービスの還元というものを、ただこれからの新規加入者をふやすのだということだけでなしに、せめて基本料をやめるとか、あるいは債券を下げるとか、いろいろあると思うのです。こういうことを私は考えないというのがむしろおかしいと思う。ことに、サービスを旨とする公共企業体でありながら、何でもかっさらえるだけかっさらって、そして設備増進だ、これは少し虫がよ過ぎると思うのでございます。こういう問題は、国民感情から言っても非常に困ると思う。これが一つ。
 それからいずれ来年、一年後にこれが実施されますときには、また、がたぴし労使問題がわれわれを悩ますのじゃないか。一体に私ども、労働組合が悪いのか、無理を言うのか、あるいはそれに対する企業体の当事者が下手なのか、非常に迷惑することが多い。この根本的な問題を初めに解決しておいてほしい。もうほとほとみな迷惑している。ですから、国会の審議を見ましても、もしもこの問題がスムーズに話し合いがついて片がつくものならば、われわれもっと建設的な問題に長い時間をかけられるんだということを非常に考えるのでございますが、まずこの問題を何とか話し合って、そして解決つけてほしい。金もあるんだし、事業も発展しているんだし、ここで解決できなければ、いつできるのだと言いたいところです。
 それから私どもからいいますと、配置の問題は、特別、労務者の、従業員の不安を感じているところだと思いますが、婦人の労働者、婦人の勤労者をたくさん持っている業態であるだけに、この問題に対しては事前の話し合い、納得ずくの配置転換ということを努力していただかないと、非常にあとに問題を残こすのじゃないか知らぬ。先に委員会で申し上げましたけれども、婦人の有能な人は、男女の別なしに職場をうんと解放して、引き立ててもらわなければ困るということをつけ加えて、こういう条件を付けて私賛成をしたいと思うのでございます。
#253
○委員長(鈴木恭一君) ほかに御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#255
○委員長(鈴木恭一君) 挙手多数と認めます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#256
○委員長(鈴木恭一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時四十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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