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1960/02/28 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第5号
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1960/02/28 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第5号
昭和三十六年二月二十八日(火曜日)
   午前十一時七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
   委員
           小柳 牧衞君
           館  哲二君
           津島 壽一君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
          小笠原二三男君
           加瀬  完君
           杉山 昌作君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○新市町村建設促進法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和三十六年度地方財政計画に関
 する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 まず、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○国務大臣(安井謙君) 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案の提案理由の説明をいたします。
 提案の理由及びその内容の概略を申し上げますが、昭和二十八年十月、町村合併促進法が施行され、全国的に町村合併が進められましてから今日まで満七年余を経過いたしたのでありますが、幸いにして一般の理解と協力により、きわめて顕著な成果を上げることができたのであります。昭和二十八年九月末日、当時、約九千九百を数えた全国の市町村が、本年二月一日現在では、約三千五百市町村と、おおむね三分の一に減少し、町村合併によって約二千四百の新市町村の誕生を見るに至ったのであります。町村合併によって減少した町村の数は六千六百余に上っているのでありまして、これは、国が当初立てました合併計画に基づく減少予定町村数に対して一〇六%に当たり、また都道府県が立てた合併計画に対しましても九六%の進捗率を示しているのでありまして、町村合併は、今やおおむね所期の目的を達成した段階にあると存ずるのであります。
 一方、町村合併を通じて誕生した新市町村の建設につきましては、新市町村建設促進法の施行以来、すみやかにその一体性を確立するとともに、その地域の自然的、経済的、文化的その他の条件に即して、総合的計画に建設庁進めるように国、都道府県その他の団体等において、それぞれその行なう各般の施策を通じ協力して参ったのでありまして、新市町村における真摯な建設の努力と相まちまして逐次建設の実績が上げられつつあるのであります。しかしながら、町村合併後なお日浅い新市町村として、拡大された地域建設についてその建設を進め、真に新市町村の一体性を確立し、住民福祉の増進と地域の発展をはかっていくためには、なおいろいろ困難が存し、新市町村建設計画に掲げられた建設事業の実現も毎年、計画のおおむね八〇%前後にとどまるのであります。新市町村建設計画の完全な実施をはかり、建設の目標を達成して新市町村の健全な発展を実現していくためには、国、都道府県その他の今後一そうの協力援助を必要とするのでありまして、町村合併がほぼその目標を達成した現在、過去七年有余にわたる町村合併の推進に終止符を打ち、もっぱら新市町村の建設にさらに積極的に力をいたすべきものと考えられるのであります。これがため、この際本年六月末をもって失効することとなっております新市町村建設促進法の有効期間を延長することとする等のため、同法の一部を改正いたしたいと存ずるのであります。
 以下改正法案の内容についてその概要を申し上げます。
 第一は、新市町村建設促進法の有効期間を五カ年延長し、引き続き新市町村に対し新市町村建設計画の実施の促進をはかることとしようとするものであります。
 第二は、町村合併の現状にかんがみ、町村合併に伴う争論の処理及び未合併町村合併の推進に関しましては、本年六月末をもってこれらに関する措置を打ち切ることとし、関係規定の有効期閥を延長しないこととしようとするものであります。
 第三は、町村合併に関する計画に基づく都道府県知事の勧告または自治大臣の勧告を受けた市町村で、今までに町村合併をしていないものが、今年六月三十日以降に勧告に基づく町村合併を行なった場合においては、これを新市町村とみなして新市町村建設促進法の適用を受けることができることとしようとするものであります。
 第四は、新市町村が災害等に際して、国の財政上の援助に関し、町村合併が行なわれなかったものとして措置しなければならないものとする特例措置は、他の特例措置の取り扱いに準じて新市町村建設促進法の有効期間中に限ることとしようとするものであります。
 以上が新市町村建設促進法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は、後日に譲りたいと思います。
#5
○委員長(増原恵吉君) 次に、昭和三十六年度地方財政計画につきまして、自治大臣の説明を聴取いたします。
#6
○国務大臣(安井謙君) ただいまお手元に配付いたしました昭和三十六年度地方財政計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 政府は、経済の高度の成長を確保し、国民所得の倍増を達成することを目標として、昭和三十六年度において減税、社会保障及び公共投資等の重要施策を強力に展開することとしているのであります。昭和三十六年度地方財政計画の策定にあたっても、国の財政と同一の基調により、地方財政基盤の充実をはかり、その健全化を一そう推進する方針のもとに、投資的経費の財源を充実して行政水準の向上をはかるとともに、積極的に後進地域の開発を推進していくことを目標としたのであります。
 すなわち計画策定の具体的な方針といたしましては、
 第一に、地方財政需要の増高に対応して地方財源の確保をはかる反面、国税、地方税を通ずる減税措置の一環として地方税においても、住民負担の軽減合理化の措置を講ずることといたしました。
 第二に、産業経済の発達の遅れているいわゆる後進地域の開発を促進するため、開発のための各種公共事業にかかる国庫負担率を段階的に引き上げる措置を講ずるとともに、財政力の貧弱な地方団体の財源を傾斜的に増額して、その行政水準の向上を期することができるようにいたしました。
 第三に、産業発展及び国民生活の向上に対応して産業関連施設、文教施設及び環境衛生施設等の計画的な整備拡充をはかるため、投資的経費にかかる財源の充実をはかることといたしました。
 第四に、長期にわたって地方財政の健全化をさらに推進するため、前年度に引き続き国の一般会計所属の直轄事業に伴う地方団体の負担金にかかる交付公債制度を廃止する等の措置を講ずることといたしました。
 なお、計画の策定にあたりましては、昭和三十四年度決算に基づいて地方財政計画の投資的経費等の諸経費につき、その算定方法の合理化をはかることといたしております。
 以上のような方針のもとに、昭和三十六年度の地方財政計画を策定いたしますと、その歳出規模は一兆九千百二十六億円となり、昭和三十五年度地方財政計画に比して、三千七百四十五億円の増加となる見込であります。
 次に、歳出及び歳入のおもな内容について簡単に御説明申し上げます。
 第一に、歳出について申し上げます。
 その一は、給与関係費であります。
 給与費につきましては、(1)地方公務員の給与改訂の平年度化に伴う経費、(2)児童、生徒の自然増に伴う義務教育教員の増加、(3)交通警察の拡充、暴力団犯罪取り締まり強化等のための警察官の増加、その他法律制度の改正に伴う職員の増加に要する経費を確保するほか、(4)昇給に伴う給与費の増恩給、退隠料の増等を見込むとともに昭和三十四年度決算額に基づいて既定地方財政計画に計上されていた議員、委員等の給与費について、その算定方法の適正化をはかることとしたのであります。その結果、前年度に比し千二百二十三億円を増加し、総額七千二百二十七億円と見込まれるのであります。
 その二は、給与関係経費を除きました一般の行政事務に要する経費、すなわち一般行政経費であります。この一般行政経費のうち、(一)国庫補助負担金を伴う経費は生活保護費、中小企業近代化促進費等、国庫予算の増加に伴い前年度に比し四百七十七億円を増加し、総額千八百八十八億円と見込まれるのであります。(二)国庫補助負担金を伴わない経費は、所得倍増計画による国民経済の伸張率等の事情を勘案して算定いたしました結果、総額千九百七十一億円となりました。
 その三は、公債費であります。公債費につきましては、通常の償還費を計上するとともに、明年度の一般財源の増加等の事情にかんがみ、昭和二十六年度までに発行された公共災害復旧事業債及び昭和二十六・二十七・二十九年度に一般財源の補てんにかえ特別の措置として発行を許可された地方債について繰り上げ償還を行なうための所要財源を計上して将来の地方財政の健全化に資することとしたのであります。その結果、公債費の総額は千六十億円と見込まれるのであります。
 その四は、道路、橋梁、河川、その他公共、公用施設の維持補修費であります。これにつきましては、各種公共、公用施設の増加等の事情を考慮して五十五億円の増額を行ないました結果、その総額は五百十四億円となりました。
 その五は、投資経費であります。投費的経費につきましては、新しく樹立されました所得倍増計画達成の見地から、国及び地方を通じた公共投資の大幅な拡充が強く要請されていることにかんがみ、特にその充実に意を用いたところであります。
 (1) まず、国り直轄事業に伴う地方公共団体の負担金は、前年度に比し八十七億円を増額し、二百九十億円を計上いたしました。国の直轄事業にかかる地方負担金の納付方法としての交付公債制度については、昭和三十五年度において国の特別会計に属する直轄事業にかかるものを廃止したのでありますが、明年度からはさらに国の一般会計に属する直轄事業にかかるものについてもこれを廃止することとし、その所要経費をもあわせて計上することとしたのであります。
 (2) 次に国庫補助負担金を伴うものにつきましては、新しく策定せられた新道路整備五カ年計画に基づく道路整備事業費を初め、治山治水事業費、港湾整備事業費等の普通建設事業費等の増によって、前年に比し、六百六十一億円の増加となり、総額は三千八百二十億円と見込まれるのであります。また、国庫補助負担金を伴わない地方独自の事業費につきましては、新道路整備五カ年計画との関連における道路の整備、高等学校生徒の急増に対処するための公立高校施設の整備、都市人口の急増に即応した環境衛生施設の整備等に要する経費を中心として、前年度に比し四百億円を増加いたしますとともに、既定地方財政計画に計上せられている単独事業費について、昭和三十四年度決算額に基づき算定方法の適正化を行なう等の措置を講ずることといたしました。これらの結果、昭和三十六年度の規模は二千百三十七億円となったのであります。
   なお、以上のごとく投資的経費の増額を行ないますとともに、(1)後進地域の開発を積極的に促進するため、これら地域の地方公共団体に開発のための公共事業の受け入れを容易ならしめるような財政制度の確立をはかるため、別途立法措置を講ずることとし、(2)また、地方交付税制度を改正して財政力の貧弱な地方団体に対し財源を傾斜的に増額する措置を講ずることといたしているのであります。
  第二は歳入であります。
 その一は、地方税収入であります。地方財政需要の増高に対応する地方財源の確保に留意しつつ、国税、地方税を通じた減税措置の一環として地方税においても、住民負担の軽減合理化の措置を講ずることとし、法人税における固定資産の減価償却の耐用年数の改訂等に伴って住民税、事業税及び固定資産税を行なうとともに、遊興飲食税、電気ガス税等についても、大衆負担の軽減を行なうこととする反面、新道路整備五カ年計画の実施に伴い必要となる道路目的財源を確保するため、地方道路税のほか目的税たる軽油引取税の税率(現行一キロリットル当たり一万四百円)を二千百円引き上げることとしたのであります。これらの地方税制の改正を考慮して、地方税全体の収入は前年度に比し、千三百八十九億円の増加となり、総額は七千六百十九億円と見込まれるのであります。なお、国税の減税措置が自動的に地方税収入の減少を生ぜしめることのないよう地方税制の自主性を強化するための地方税法の改正を同時に予定いたしているのであります。
 その二は、地方譲与税であります。前述の軽油引取税と同様、道路目的財源の充実のための地方道路税の税率(現行一キロリットル当たり三千五百円)を五百円引き上げることを予定いたしておりますが、この増収を考慮して地方譲与税全体で前年度に比し、百六億円の増加となり、総額は四百二十四億円と見込まれるのであります。
 その三は、地方交付税であります。その総額は、臨時地方特別交付金三十七億円を含めて三千七百七十三億円と見込みましたが、このうちには昭和三十五年度国の補正予算で追加となった地方交付税のうち、昭和三十六年度に繰り越されることとなる。二百七億円を含んでおります。
 その四は、国庫支出金であります。国庫文出金は義務教育関係国庫負担金二百四十一億円の増、その他の普通補助負担金三百三十五億円の増、公共事業費補助負担金三百四十四億円の増、その他失業対策事業費補助負担金の増を合わせて、全体で前年度に比し九百四十九億円、増加し、総額は四千九百七十五億円となっております。
 その五は、地方債であります。地方債につきましては前年度に比し、五十億円を増額し、その総額は七百七十億円としたのであります。
 また、明年度における地方債といたしましては、地方財政計画に計上いたしましたもののほか、交通事業、電気事業、水道事業等にかかる公営企業債を前年度に比し二百億円増額して七百七十五億円、簡易水道、下水道事業等にかかる準公営企業債を前年度に比し百三十五億円増額して三百四十億円、さらに厚生年金還元融資及び国民年金特別融資にかかる地方債百四十億円を予定しております。
 従って、地方債の総額は二千億円となり、前年度に比し四百四十五億円の増加となっております。その資金別の内訳は、政府資金千五百五十億円、公募資金四百五十億円であります。
 その六は、雑収入であります。雑収入につきましては、使用料及び手数料等の増五十億円を見込むととおに、既定地方財政計画の計上額について昭和三十四年度決算額に基づいてその算定方法の適正化を行なうことといたしました、その結果、雑収入の総額を千五百六十五億円と見込んだのであります。
 以上が昭和三十六年度地方財政計画の概要であります。
 これを通観いたしますと、昭和三十六年度地方財政は、国民経済の伸張に対応して、地方税及び地方交付税に、相当額の自然増収が期待されることにより、投資的経費を初め、諸経費の充実を行うとともに、長期にわたる地方財政の安定性を促進するための措置をも講ずることができたのであります。これによって国の諸施策と呼応して地方財政においても現在強く叫ばれている公共投資及び社会保障の拡充の要請にこたえていくことができるものと考えております。
 以上でございます。
#7
○委員長(増原恵吉君) 引き続き財政局長より補足説明を聴取いたします。
#8
○政府委員(奥野誠亮君) 地方財政計画の計数、ここにございますように一兆九千百二十六億円の規模になったわけでございまして、前年度当初よりも三千七百四十五億円を増加しているわけでございます。増加率が二四・三%に当たっているのでございます。国の一般会計の予算規模が、前年度当初に比べまして二四・四%の伸び率を示しているのでございますので、総額におきましても、また、その伸び率におきましても、国の一般会計と大同小異の姿になっているということが言えると思います。
 四ページのところに増減事由に関する調べを掲げておりますので、それで御説明を申し上げたいと思います。
 金額の欄の左側が総額で、右側が一般財源でございます。国庫負担金を控除した額を一般財源として掲げたのございます。給与関係の経費で、給与費がグロスで一千二百一億円の増、ネットで九百七十一億円の増という一とになっておりますが、主として給与改訂の平年度化のものでございます。人事院勧告に基づく増七百二十億円、ネットで五百八十億円、これが一般職員の分でございます。特別職の関係の部分もあるわけでございまして、そういう部分は二十九億円と予定しているわけでございまして、下の議員及び特別職の給与の改訂等の中に包含せしめているわけでございます。従いまして、これを合わせますと六百九億円ということになるわけでございまして、前国会に御説明申し上げておりました数字をこの中に入れているわけでございます。
 それから義務教育職員の増員が、ネットで二十三億円ということになっているわけでございます。三十六年度におきましては、小学校の児童が減少いたしまして、中学校の生徒がふえるわけでございます。そのこまかいことは七ページの中ごろに書いてあるのでございまして、そういうような生徒、児童の増減の関係から、教職員が九千三百二十八ふえるのでございます。そのことに基づく経費でございます。
 (ハ)は、法律制度の改正等に基づく増員関係をそこに並べたのでありまして、警察職員では四千五百人の増、これは三十四年度から一万人増員計画が立てられたわけでございまして、最終年度、これで一万人増員が完了するわけでございます。これに伴いまして六百五十四人ふやす。さらにまた昨年行なわれました火薬取締法の改正に基づきまして、その事務に当たる職員を七十人増加をする必要がある、こういう見込みを立てているわけでございまして、その関係の経費でございます。
 bは社会教育主事の増でございますが、これも先年、社会教育法が改正されまして、三十七年までに、人口一万以上の町村及び市には社会教育主事を置くものとするということになったわけでございますので、三年計画で社会教育主事及び主事補を増員していくということにいたしたわけでございます。地方財政計画に計上いたしますと同時に、市町村の基準財政需要額にそれだけの増加分を算入する措置をとってきて参っておるわけでございます。
 cが高等学校産業教育課程の充実のための教職員の増で、四百四十二人を見込んでおるわけでございます。三十六年度の国の予算で、機械とか、電気とか、工業化学とか、建築とか、土木とかいうふうなものにつきまして、五十八課程について施設の補助金を出すということになっておるわけでございます。そうしますと、これだけの課程がふえますと、府県としては、先生をふやさなければなりませんので、それに対応いたしまして増員を見込んでおるわけでございます。
 dは生活保護基準引き上げに伴う福祉事務担当職員の増千六人を見込んでおるわけでございます。これらの計数も、お手元にお配りしております資料の中に書いておるわけでございます。保護基準を一八%アップする、そうしますと、保護対象の世帯もふえてくるであろうという推定をいたしておるわけでございまして、ふえる世帯は七万世帯余りでございますが、こういう見込みを立てておるわけでございます。郡部及び市部にケース・ワーカーを何世帯に一人ずつ置くかというようなことがきまっておるわけでございますので、その社会福祉事業法に基づいて算定されます職員の増加数を見込んだわけでございます。
 それからeは消防法施行令改正及び消防施設の増強等に伴う人員の増というものをここに書いておるわけでございまして、消防関係の職員は、消防施設補助金で常設消防に新しく六十六台のポンプが増強される、それに伴いまして、消防職員をふやしていかなければならないということ、あるいはまた技能検定職員の増員を、職業訓練法の制定に基づきまして、連年考えていかなければならないということ、あるいは今回の結核予防法や精神衛生法の改正に伴いまして、これに基づく命令入所の患者数がふえることになると思われますので、関係職員の増というようなことをあわせ考えまして、ここに計上いたしておるわけでございます。
 それから臨時職員の定数の問題は、国におきましては、補正予算において七%を定数化いたしたわけでございます。さらに三十六年度の予算におきまして相当数の定数化を行なっておるわけでございまして、全体を会わせますと、ちょうど七〇%に相当する臨時職員が定数化されたことになっているようでございますので、地方財政の面におきましても、同じ割合で定数化をしようということで、この計算をいたしておるわけでございます。三十五年度の地方財政計画で見込んでおります臨時職員の数が三万二千人余りでございますので、その七〇%に当たります二万三千人余りの職員の定数化を考えておるのでございます。
 校長管理職手当の改訂は、従来七%でありましたのを八%に引き上げられたこの国の予算設置に伴いまして、国庫負担を行ないません高等学校その他につきましても、同じ計算をして参りたいと考えておるわけでございます。
 昇給及びこれに伴う給与費の増等の題でございますが、これは従来の地方財政計画の建前をそのまま踏襲して参っておるわけでございまして、義務教育関係の職員につきましては、年間三%の増、その他の職員につきましては四・二%の増加を見込んでおるわけでございます。
 それから議員及び特別職の給与の政訂等として六十四億円掲げておるわけでございますが、このうちの二十九億円は、前の国会で御説明申し上げましたように、特別職についても、財政計画上の計数の、県分については四〇%、市町村分については三〇%の改訂分を見込んだ、その額が二十九億円でございます。つまり、計画に入っております額が、県会議員でありますと二万九千幾らで入っておったわけでございます。非常に少ない額で入っておったわけでございまして、自後、一般公務員につきましては給与改訂が行なわれてきたわけでございますが、特別職の者につきましては、計画上はほうっておいたわけでございます。そこで、計画に合わせますために、ある程度是正をしたい、その関係で三十五億の額を計上いたしておるわけでございます。
 義務教育の教職員数の指定統計による是正が四千十七人ということになっておるわけでございます。三十五年五月一日現在の指定統計の義務教育職員と、三十五年度の地方財政計画上の員数と比較いたして参りますと、四千人余りの開きが出ておるわけでございますので、その修正を行ないたい。さらに高等学校等の教職員数の指定統計による是正、これも同じ考え方で、高等学校の先生につきましては、一年おくれの教職員数の是正を行なっておる、こういうふうに考えていただいてよろしいと思うのでございます。指定統計の員数と財政計画の員数の差を一年おくれに埋めておるわけでございます。その数字が二千五百十人ということになっておるわけでございます。
 それから、その他の中で、三十九億円、ネットで掲げておりますのは、退職手当率を引き上げて計算をすることにした関係に伴う経費でございます。
 それから恩給及び退隠料は、これは組合に入っている職員につきましては、昇給率と同じ計算をいたしまして、その他の職員につきましては、三%の増加率を見込んでおるわけでございます。
 その次の一般行政経費の中の国庫補助負担金を伴うものについては、グロスで四百七十七億の増、ネットで百四十二億の増ということになっておるわけでございます。国庫補助金の内訳、あるいはまた国庫補助金の整備とか、新設とかいうようなものは、その説明資料の中に表として掲げてありますので、説明は省略いたしておきたいと思います
 国庫補助負担金を伴わないものにつきまして二百四億円の増加額を計上いたしておるわけでございます。これは昭和三十六年度の経済計画の大綱によりますと、経常支出の伸びを一〇・七%といたしておりますので、これを基礎として算定して参ったわけでございます。
 公債費が二百二十億円の増ということになっております。定時償還分は六十億円でございまして、繰り上げ償還分が百六十億円になっておるのであります。当初、退職年金制度の実施を考えておったわけでございまして、退職年金制度を実施するといたしますと、一般財源で百六十億円必要だと、こう考えておったのでございます。しかしながら、いろいろの事情から、退職年金制度の実施は三十七年度からにするということになったわけでございます。そこで、この百六十億円の財源を何らかの形において留保したい、そうして三十七年度からの退職年金制度の円滑な実施を予定していきたい、こういうような考え方から繰り上げ償還のことを企図するに至ったわけでございます。また、そうすることによって将来の地方財政の負担を緩和することができると、かように考えておるわけでございます。地方財政平衡交付金の制度のとられておりました時代に、どうしても全部計算してみると地方財源が不足する、そういうような際に、当時の地方財政委員会等と大蔵省との間の話がつかないままに、さしあたり地方団体に公債を発行させて、それで地方財政計画の穴埋めをするというような措置がとられて参ったわけでございます。大部分そういうことでございますが、そういう地方債につきましては、その後になりまして、そういうことが地方財政を混乱させた原因になってきているのだと、漸次地方財源も増額されて参ったのでございまして、従いまして、そういう意味の地方債の元利償還は、それは全額を基準財政需要額に算入するという措置をとってきたわけでございます。現在の地方交付税制度には、そう書いておるわけでございます。三十七年度以降で残りますこういう意味の地方債が五十五億円ございます。これはいずれ全額地方交付税で補てんをしていくわけでございますので、この際その繰り上げ償還をはかり、繰り上げ償還をやる団体については、そのまま増額の地方交付税を交付していきたい、こう考えておるわけであります。なおまた二十六年度以前の国庫負担金を受けて行なった災害復旧事業費に充てるために起こした地方債の三十七年度以降の残額、これが百五億円でございます。国庫負担を受けて行ないました災害復旧事業費に充てるために起こした地方債元利償還額は、御承知の通り九五%までは基準財政需要額に算入してございます。従いまして、この部分も繰り上げて償還してもらう、こういう増額の地方交付税をそういう団体に与えていきたい、もちろん不交付団体にまで与えるわけではございませんが、基準財政需要額に算入する措置をとっていきたい、かように考えておるわけであります。合わせまして百六十億円になるわけでありまして、ちょうど退職年金制度実施に必要な財源と見合うわけであります。
 その次が維持補修費でございまして、維持補修費の増を五十五億円見込むことにいたしたわけでございます。ちょうど経済大綱の政府の財貨サービス購入費の伸び率が二・九%に当たっておりますので、その比率を基礎として算定いたしたわけでございます。
 投資的経費で千五百十一億円の増加ということになっておりますが、一つは、直轄事業の負担金が八十七億円ふえる。その内訳は特別会計分、一般会計分に分かれておるわけでございます。二番目に、国庫補助負担金を伴う地方団体が行なう投資的事業が六百六十一億円で、普通建設事業費が七百十六億円、災害復旧事業費が九十八億円の減と、こういうことになておるわけでございます。さらに失業対策事業費が四十三億円の増加になるのでございます。三が、国庫補助負担金を伴わないものが七百六十三億円の増加を見込むことにいたしたのでございます。普通建設事業費につきまして、新規の増で四百億円を見込んでおるわけでございます。これはその上に書いています国庫補助負担金を受けて行なう普通建設事業費七百十六億円、これが前年対比で三四・三%の伸びを示すことになるわけであります。国の補助金を受けて行ないます普通建設事業費が三四・三%の伸びでありますので、単独分につきましても、それを基礎として増加額を見込むということで四百億円を計上することにいたしたわけでございます。その次が決算による是正四百四十八億円でありまして、やはり国の予算を基礎として地方財政計画を立てているわけでありますが、たとえば公営住宅を建設する事業費も、地方についての国庫負担がなされない、学校の新増設についても、同じことであります。そうすると、土地の購込が要るじゃないか、あるいは建設単価が実態に合わないものがあるじゃないかというようなことがございまして、三十四年度の決算を基礎として検討して参りますと、四百四十八億円程度の規模の是正を必要とするという結論に達したわけであります。災害旧事業費では八十五億円の減であります。
 また、この地方財政計画の計算に従って歳入歳出を交付団体、不交付団体別に見ていきますと、これは給与でありますと国家公務員ベースになって参りますし、また行政費も基準的な費用を基礎にして算定して参りますので、不交付団体においては五十五億円の平均水準をこえる必要経費の額が上がって参るわけであります。
 その次が歳入でございまして、地方税のうち、現行法による増収見込み額千四百四十八億円といたしておるわけであります。これはちょうど前年の当初に対しまして二三%の増ということになっておるわけであります。もちろん、この半分ぐらいは、三十五年度中に実績としては伸びているだろう、こう思っているわけであります。税法改正による経費九十八億円の減、軽油引取税の税率引き上げによる増収が三十九億円、一キロリットル一万四百円を一万二千五百円にしたいという考え方を持っておるわけであります。
 地方譲与税で税率の変更のありますのは、地方道路譲与税だけでございます。二番目の地方道路譲与税が現行税率一キロリットル当り三千五百円を四千円にするということに計算しているのであります。
 地方交付税の増九百八億円の内訳は、カッコの中に書いてあります臨時地方特別交付金の分で七億円、それから三十五年度の地方交付税を三十六年居に送りましたのが二百七億円、その他の分が六百九十四億円ということになっております。
 国庫支出金の増が九百四十九億円、約一千億円という大きな伸びを示しております。内訳はそこに書いてある通りであります。
 地方債では五十億円の増ということでございまして、一般補助事業債で八十億円の増、災害復旧事業債で五十五億円の減、直轄事業債はそのまま据え置いておりますので増減ございません。特別地方債で二十五億円、合計しますと五十億円、前年対比八%程度の増加でございますが、準公営企業、公営企業全体を合わせますと、三十五年度の千五百五十五億円が四百四十五億円を増しまして二千億円になったわけでありまして、二八・六%、約三割の増ということになっておるわけでございます。この辺に産業関連施設とか、あるいは生活関連施設の整備を急ぎたいという姿が現われて参っていると、かように考えておるのであります。
 雑収入三百四十三億円のうち、規模是正に伴いますものが二百九十三億円でございまして、ネットでは五十億円の増加と考えておるわけであります。
 その次のページで、第三表で歳入歳出構成に関する調をあげているわけでございます。
 歳入構成でごらんいただきたい点は、五番目の地方債のウエートが、三十五年度と比べまして五%から四%に下がっております。反面、地方交付税のウエート、三番目の部分ですが、一九%から二〇%に上がっております。借金の分量が下がって一般財源の分量がふえた、絶対額のみならず、構成比においてもそうなったというのでございまして、歳入構成が、若干ではございますが、健全化に進んでいるということを言えると思います。もちろん地方交付税は前年のものを送ってきている関係もございますが、全体としては、そういうことが言えると思います。
 それから歳出構成におきましても、給与関係の経費が三九%から三八%に一%下がっております。大幅な給与改訂が行なわれておりますのに、なお一%下がっておる。一般行政経費でも二一%から二〇%に下がっております。反面、五番目の投資的経費が三一%から三三%に上がってきているわけでございまして、低いといわれている地方行政の水準を従来のスピード以上に引き上げていくという姿が歳出構成の上に現われていると思うのでございまして、両方を通じまして、地方財政はやはり漸次健全化に向かって前進しているということを指摘できると考えておるのでございます。
 それから一番最後のところに地方債計画を書いておりますので、先ほど二千億円のことを申し上げたのでありますが、もう一ぺん申し上げておきたいと思います。一番最後ですから二十二ページの第十表でございます。地方債計画の比較に関する調として下から三番目を見ていただくとよろしいのでございますが、三十五年度では千五百五十五億円、それが三十六年度では二千億円ということになっているわけであります。準公営企業と公営企業関係の地方債が特に大幅に伸びているわけであります。特別地方債と申しますのは、厚生年金還元融資の部分、従来は地方債計画に計上しないで処理して参ったのでございますが、その部分と、国民年金の特別融資の部分、それをここに掲げたわけでございます。額もだんだん大きくなりましたので、やはり地方債として統一的に運用していきたいという考え方でございます。この百四十億のうち、一般会計に所属するものが二十五億円ぐらいあるだろうと考えまして、この中の二十五億円だけ一般会計の方に計上することにいたしておるわけでございます。なお、この計画の外ワクに書いておりますが、上の欄に出ておるのでありますが、公有林整備事業のための地方債、これは八億円を年度当初から予定することにいたしておるわけでございまして、運用は、三十五年度と全く同様の方向で実施したい、かように考えておるわけでございます。
 以上でございます。
#9
○委員長(増原恵吉君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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