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1960/04/13 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第14号
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1960/04/13 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第14号
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
   午前十時五十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十二日委員小柳牧衞君及び鈴木壽
君辞任につき、その補欠として木暮武
太夫君及び木村禧八郎君を議長におい
て指名した。
本日委員木暮武太夫君及び木村禧八郎
君辞任につき、その補欠として小柳牧
衞君及び鈴木壽君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鈴木  壽君
   委員
           小柳 牧衞君
           津島 壽一君
           西田 信一君
           前田佳都男君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
           加瀬  完君
           松永 忠二君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○地方公営企業法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和三十六年度地方財政計画等に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動について御報告いたします。
 四月十二日付をもって委員鈴木壽君が辞任され、その補欠として木村禧八郎君が委員に選任され、本日付をもって委員木村禧八郎君が辞任され、その補欠として鈴木壽君が委員に選任せられました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(増原恵吉君) 理事補欠互選の件についてお諮りいたします。
 ただいま御報告の通り、理事鈴木壽君が一たん委員を辞任されましたため、理事一名が欠員となっておりましたところ、鈴木君が再び委員に選任せられましたので、この際鈴木君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(増原恵吉君) まず、地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 特に御質疑がございませんければ、次回に譲りたいと思います。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
#7
○鈴木壽君 この際一つ、地方財政についての自治省のお考え方をお聞きしたいわけなんでありますが、それは一つは、地方財政に対する大蔵省の考え方が、まあ毎年予算の編成前に、どういう形か、私どもその形式についてはよくわかりませんけれども、地方財政についての考え方というようなことで示されておるようでありますが、それを見ますと、どうも私どもちょっと納得しかねるような幾つかの問題があるわけなんで、その大蔵省の地方財政に対する考え方を中心に、それを一体自治省としてはどういうふうに受けとめておるのか、それに対しどういうふうな考え方で対処しておるのかというようなことについて、まず最初にお伺いをいたしたいと思います。たとえば三十六年度の地方財政についての考え方というふうに、大蔵省が出しておりますそれには、幾つかの項目があるわけでありますが、地方公務員の共済年金制度についても、あるいは、いわゆる財源調整というような問題についても、いろいろ問題となる点があるだろうと思うわけでありますが、具体的に大蔵省は今言ったような問題についてどのようなことを考えており、どのような主張をしてき、それに対して自治省としては、先ほど申しましたようにどう対処しておるのかということについて、まず最初にお伺いしたいのであります。できれば、こういう問題については大蔵省はこういうふうな主張をし、それに対して自治省はこういうふうに考えておるのだ、こういう形で幾つかの項目について最初にお話ししていただければありがたいと思います。
#8
○国務大臣(安井謙君) 昭和三十六年度の予算編成をいたしますにつきまして、大蔵省が基本的に考えましたものの一つは、地方自治体同士で財源調整ができるものはしたいという考え方が一つあったわけでございます。これにつきまして、まあ自治省の考え方としては、なるほど地方団体間にある程度の格差がある、あるいは交付税の不交付団体になっておるようなものについて相当な財政収入の伸びがあることは認めるが、しかしそれはその自治体自体の内容から見ると、決してそれが十分なものじゃないし、ことに内部で財政調整をやるという考え方は賛成できないという趣旨、建前をとっておったのであります。この点につきましては、予算の編成において最後に政府の方針としてそういうことはやらない、こういうことにきまったわけであります。
 次には、今度政府がとっております全体のこの地方団体間の格差を少しずつなくしていこう、いわゆる経済発展のテンポに合わせて均衡をはかっていこう、こういう考え方でございまして、これにつきましては、まあ特にこの補助の特例といったような法律案を別個に自治省としては出しまして事に処していく、こういうふうな計画を立てておりました。これも大綱的には大蔵省との話し合いもついたわけでございます。そういうふうにいたしまして、一方では、全体として地方団体自体の財政の健全化をはかっていく、この問題につきましては、まあだれも異議はないことでありまして、順次健全な財政の方向へ向けていくという考え方は両者一致しておるわけであります。さらに、この交付税率そのものを増額するかどうかという問題につきましては、昨年から引き続きまして、ことしのこの全体の財政事情から申しますと、税額におきましても、地方においても相当な増額もある。それから交付税につきましても、これは三十五年度の当初に比べまして、三十六年度は事前に相当増額を期待できる。まあ大体金額にしましても、当初に比べれば九百億くらいの交付税増額ができる。実体的に見ましても六百四十億程度のものができるというふうな実情でもございますので、この際交付税率そのものをいじるということより、その他で国が協力してできるだけ地方の開発に対処していこうというようなことから補助金の補助率の特例法といったようなものでむしろ財政的な、国の財政の支出を見ていくというふうにこれも意見は一致をしておるわけであります。まあ大体大筋といたしましては、そういうような問題でございますが、あと、まあ個々の問題につきましては、それぞれの見解もございますが、また御質問に応じまして御答弁いたしたいと思います。
#9
○鈴木壽君 今のお話ですと、大蔵省が主張しておりましたようないわゆる財源調整の問題はやらないということにまあ政府としての一致した見解に到達した、こういうお話であります。まあその他のお話の中には、交付税率の問題等もございましたが、それはまあ一応別にして、そういうふうに考えてよろしいのですか。従って、来年度においてはそういう問題が起こらないのだ、こういうふうに考えてよろしいのでございますか。
#10
○国務大臣(安井謙君) 来年度と申しますと昭和三十七年でございますね。まあ三十七年におきましては、そういう問題についてはさらに十分検討をして、三十七年度予算編成までにはいろいろ検討するということになっておりますが、自治省としては、いわゆる財源調整という形のものはあくまでこれは不合理だという考え方で、さらに十分な折衝を予算編成までにしていきたいと思っております。
#11
○鈴木壽君 三十六年度の予算等についての話し合いは一応ついたようでありますが、来年度、三十七年度につきましては、さらにこれからいろいろ話をしていくというようなことらしいのですが、実は私、従来の経過からしまして、大蔵省のいわゆる地方団体間の財源調整の問題についての主張というものは年々強くなってきている。しかも、具体的にいろいろな問題点を指摘してきておる。こういうようなことから言って、ことしの三十六年度の地方財政についての話し合いは一応まあまあというような形でついたかもしれませんけれども、今後もやっぱりこの問題は依然として残っていくのじゃないだろうか、こういうふうに私思うわけであります。といいますのは、三十四年度の地方財政についての考え方、三十五年度の地方財政についての考え方、三十六年度の地方財政についての考え方、この大蔵省の考え方は、今申しましたように、年々その主張というものが強められてきているように私感じるわけなんであります。たとえば三十四年度の地方財政についての考え方の中の第四番目に、「地方団体間の財源の配分を合理化するため、地方交付税の算定上基準財政収入の標準税収に対する割合を引き上げ、特別態容補正(未開発補正)をさらに拡充する等により地方交付税の配分の調整をはかるとともに、たばこ消費税を譲与税に改め、人口割で配分すること等の措置を講ずる。」、こういうふうに述べておるのです。ここには交付税による調整の問題が一つと、たばこ消費税等をいわゆる譲与税とする、これによる財源調整を打ち出してきているわけなんです。
 その次の三十五年度の地方財政についての考え方の同じ四番目の項目でありますが、「地方団体間の財源配分の合理化を図るため、たばこ消費税の譲与税化、地方交付税及び地方譲与税の配分の調整合理化を講ずる必要がある。」、ここでは新しく三十四年度の地方財政に対する考え方で述べた交付税による調整と、たばこ消費税を譲与税化するということのほかに、さらに現在の地方譲与税の配分の問題をここに取り上げてきている。三十六年度の地方財政についての考え方の中には、これは六番目の項目だったと思いますが、「地方団体間の財源配分の合理化を図るため、地方交付税等の調整合理化を講ずるほか、義務教育費国庫負担金についても不交付団体に対する国庫負担額につき、更に所要の調整措置を講ずる。」、前年度までに関して義務教育費国庫負担金についても、ここに所要の調整措置を講じなければならないというふうな新しいことも加わってきているのです。こう見てきますと、私は、大蔵省のいわゆる財源調整の問題についての考え方というものは、自治省の主張によってやんでしまったと、あるいは後退をしたんだということよりも、むしろ先ほど指摘しましたように、年を追うて強く主張され、さらに問題が広げられたような形において提起されてくるということがこれは明らかであると思うのです。従って、先ほど大臣がお話のように、三十六年度は話し合いがつき、三十七年度はこれから話をするんだと、こう言っておられますが、もちろんこれは話し合いはするでありましょうが、大蔵省の主張というものは、私何か非常に強くなってきており、実はそういう点で一体自治省がこれをどういうふうにいわゆる話をして、自治省が考えておる団体間の財源調整は行なわないんだということで押していけるのか、ちょっと私実は心配になってきているのです。というのは、ほかの問題で――今言ったのは団体問の財源調整の問題でありますけれども、ほかの問題でだんだん大蔵省の言うような格好になってきている。そういう点からしますと、私はこの問題は非常に大事な問題であり、重要な問題でありますから、そういう大蔵省の考え方に対処して自治省としてよほどこれは腹を据えてがんばらないことには困る事態が出てくるんじゃないかというように思うわけなんですが、その点どうです、大臣、自信ありますか。
#12
○国務大臣(安井謙君) お説の通りに三十四年度あるいは三十五年度の予算編成に際しまして、非常に大蔵省は例の財源調整という思想の上からたばこ消費税の譲与税化あるいは配分の方法の変更というものを計画しておったことは事実でございます。この際にも、事務当局のそういう計画に対しまして、これは政府としては、不穏当であろうという結論から二年間にわたって出された提案がまあ否定されたわけでございます。ことしも今、大蔵省が一貫をして考えられておりますこの財源調整という思想は全部なくなったとは今でも考えられません。そこで、ことしは形を変えまして、いわば財源調整の形が、この公共事業に対する補助率の変更、差別待遇と申しますか、そういうものと、それから義務教育費に対する国庫負担の頭打ちといったようなものでまあ若干の調整をやりたいというのが希望のようでございましたが、これは二つとも引っ込めてもらったという結果になっております。従いまして、これは毎年強くなっておるというよりは、まあ何とかでき得る限り団体間の財源の調整によって国庫支出を少しでもカバーしたいという思想は、これは大蔵省が予算を編成し、予算を握っておる立場からいえば無理からぬところもあろうと――考え方としてというか、大蔵省側の態度としては、あろうかと思いますが、私ども自治体の実態というものを見ました場合に、そういうこそくな手段によって自治体のほんとうの財政強化ははかれるものではない。むしろそういうことに手をつけることによって非常に画一化されるといいますか、むしろ将来に悪い影響を残す要素の方が多いだろうというような観点からこれは反対をしておりますし、また今後もその態度はくずすわけにはいくまいと思っております。それには何と申しましても、この自治体の財政の実態というものをよりよくまあ国の財政当局にも認識をせしめるということが必要であろうと思います。今後もこの実態につきまして、十分な認識をあらかじめさせるような努力を今から払っておるつもりでございます。
 さらに地方財政あるいは交付税という問題とからんで見ました場合に、なるほど基準財政需要というようなものの単なる机上の計算から申しますと、交付団体の一、二のものについては、相当財源が計算上の余裕が出るような形もありますが、これを実体的に見ました場合に、たとえば東京を見ましても、都会における混雑ぶりというようなものは、ある意味では地方団体より、地方の団体都市というものよりは、何倍かひどいという実態でもあるわけでありまして、これは裏を返していえば、国民といいますか、大都会における住民の経済能力、社会的な活動範疇に対して公共事業が十分伴っていけないような財政状況にあるともいえるのでありまして、そういう意味からは、基準財政需要額というものに対するものの計算についても、今後やはりいろいろな角度から検討していかなければならない。また、その実態を十分に財政当局にも知らしめる必要がある、そういうふうなことによって、今後も不合理な財政的な調整というようなものについては、やらせないようにしむけていきたい、こう考えております。
#13
○鈴木壽君 具体的にもう少しお聞きするのですがね、たとえば大蔵省が従来主張してきましたような、交付税による財源調整の強化というようなことの中で、先ほどもちょっと触れましたが、交付税の算定の上で基準財政収入の標準税収に対する割合を引き上げるという問題がすでに出ておったんです。これはまだ主張しておることであるのか、あるいはもう完全にそういうものは引っ込めたのか、これはどうなんですか。
#14
○政府委員(奥野誠亮君) 形式的にはその提案はして参りませんでした。しかし、事務当局としては、依然同じような希望を持っているだろうと思います。といいますことは、話し合いの断片におきまして、そう言うたところで自治省がすぐ承諾してくるわけのものでもないだろうから、というようなことを言っておったのであります。私たちは、あらゆるものを否定するわけではございませんで、そのときどきの地方財政の状況をよく考えまして いろいろな方法を工夫しながら財源の適正な配分を研究していきたいという気持は持っておるわけでございます。
#15
○鈴木壽君 大蔵省はそのほかに特別態容補正みたいなものを従来相当の額を見たことがありますが、こういうもの、あるいはその他補正の方法なり、あるいは測定の単位なり、単位費用の問題等についてもいろいろ意見を持っているようでありますが、こういう問題、これはまあ今のあなたのお話のようにそのときどきによっていろいろこれは検討されなければならぬと思いますが、そういう問題を含めて、私は交付税による財源調整の問題というものは、なお大蔵省としては捨てておらない考え方だろうと思うのですが、それに対して自治省としては、今後どういうふうに考えていくつもりなんですか。
#16
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘になりました特別態容補正の強化の問題、この点につきましては、私は直接話をいたしておりませんけれども、財政課長から聞きますと、大蔵省の事務当局におきましても、特別態容補正を強化するということについては合理的でないという事情がよくわかってきたというような話をしているようでございますので、この問題は、さらに主張を繰り返すということはまずないだろう、こう判断いたしておるわけでございます。私たちも交付税制度の改正につきましては、年々いろいろな検討をし、また新しい提案もいたして参ってきておるわけでございまして、今回におきましても、市町村間の格差を是正していく、そして弱小の市町村に基準財政需要額を傾斜的に増額するという方途をとることにいたしましたり、あるいはまた単独災害復旧事業債の元利償還費につきまして財政力補正を行なおうといたしましたり、いろいろの検討をいたしておるわけでございまして、ただ、これはやはりお話しになりましたように、国庫負担を増額するかわりに、地方団体間の財源をあっちへやったり、こっちへやったりすることでけりをつけてしまうという意味のいわゆる財源調整、こういう考え方につきましては、どうしても納得できない、こう思っておるわけでございます。しかし、地方交付税制度の配分が現状のままでいかなる事態にも対処できるかということになって参りますと、これは今後の情勢の変化におきまして、必要な改善は当然加えていかなければならないという気持を持っておるわけでございます。大蔵省の事務当局の提案につきましても、謙虚に耳を傾けて検討して参るつもりでございます。
#17
○鈴木壽君 たばこ消費税については、これを譲与税に改める、そして人口に応じた配分をするということについてはどうなんですか。
#18
○政府委員(奥野誠亮君) これも大臣からお話しになったことでございますが、私たち、大蔵省の事務当局と話し合いをしております経過から見ますと、どうしても自治省としてはのんでくれないだろう、自分たちは依然としてそういうことを考えておるけれども、二年にわたってですか、とにかくその実現が内閣として取り上げられずに終わってきているものですから、そういうことをさらに蒸し返すということはやめて、そのかわりに、公共事業費について一部の団体の負担割合を引き下げるとか、あるいは義務教育費の国庫負担金について一部の団体からカットするとかいうふうな提案をしたのだ、こういうことを言っておったわけでございます。従いまして、大蔵省の事務当局の問で、たばこ消費税の譲与税化の希望を持っておるということは、これは今日なおあり得るだろうと存じておるわけでございます。
#19
○鈴木壽君 入場譲与税と、地方道路譲与税についても、大蔵省は、たとえば入場譲与税の問題については、交付団体の超過財源からの控除割合の引き上げを主張しているようでありますが、こういう問題はなお残っておりますか、話し合いしなければならぬというようなことで。
#20
○政府委員(奥野誠亮君) 少しでもいわゆる財源調整が強化されれば、国庫の負担がそれだけ軽くなるというような気持で、希望を洗いざらいあげてもらいたいということになれば、そういう問題も出てくるのじゃなかろうかと思います。しかしながら、そういうことによって浮かせる国庫負担の軽減額というものは実は大したものでないだろうと思います。そういう意味で、執拗にそういうことを主張してくるということはあまり考えられないのじゃないだろうかという気持でおるわけでございます。地方道路譲与税の譲与額の制限を昨年行なったわけでございますけれども、これは実は大蔵省から主張してやったわけじゃございませんで、自治省事務当局が、法人事業税の伸び、その他を考慮いたしましてとった措置でございます。
#21
○鈴木壽君 大蔵省は、私の見方からすれば、おそらくこういう問題についての主張をなお変えておらないだろうというふうに思いますが、しかし、最終的には取り上げられないというような形で今来ておると思いますが、今後も続くのじゃないだろうかと思う。しかし、これは私の個人の見通しですから。そこで、大蔵省一つ方向を変えて、ことしはまた三十六年度の地方財政について方向を変えてきたのじゃないかと思うのです。それは三十六年度の地方財政についての考え方の第七の項目なんですが、これは今までの、先ほどあげましたように、三十四年度あるいは三十五年度の地方財政についての考え方の中には入っておらなかった交付税や、あるいは譲与税配付金特別会計においての年度間の財政調整の問題を取り上げてきている。これはまあ地方団体のいわゆる財政の長期にわたる健全性を確保するため、こういうふうにありますが、この年度間の財政調整についてはどのようにお考えになっておられるのか。また大蔵省は具体的にどのように主張してきておられたのか。この点一つ。
#22
○国務大臣(安井謙君) 年度間の財政調整というやつは、これは幅があり、非常に広い考え方があると思いまして、私どもこれを、この事情によって一がいにこうだときめつけてしまうわけにはいかないという面があると思います。思いますが、全体の考え方としては、こういった交付税、譲与税というものは、やはりその年度において適当に配分されるべきものであるというふうな考え方がございますので、これをあらかじめ長期的に計画をして、次年度へ保留をして繰り延ばしていくというふうな考え方は、現在の状態ではまだ穏当でないというように考えております。
#23
○鈴木壽君 大蔵省の考え方は、三十五年度でもちょっと頭を出しておりますが、ことしは先ほど申しましたように、はっきり「交付税及び譲与税配付金特別会計において年度間の財政調整措置を講ずる必要がある。」、こういうふうに出てきたのでありますが、大臣は、自治省としてはそういう必要はないのだというふうに今考えておる、こういうふうなお話であります。ですから、私ちょっとお聞きしたいのは、大蔵省は具体的にどういうことを内容として主張しておるのか。
#24
○国務大臣(安井謙君) これは具体的には交付税を、一つ多いような年には、相当ふえたような場合には、後年度へ繰り延べてくれということだと思います。
#25
○鈴木壽君 大蔵省のそういう主張、それに対して自治省はそういう必要がないのだ、現段階においてはそういうふうにすべきじゃないという話ですが、これは現に、三十五年度の交付税の補正でふえたのが二百七億回っておるんですね、三十六年に。これは大蔵省の主張は、そうしますと通ったということになるわけですか。
#26
○国務大臣(安井謙君) これは計画的に年度当初からそういうものを考えてやるということじゃなくて、年度が詰まってきました場合に、むしろ三十六年度のいわゆる交付税の計算基準を全面的に合理化する資金として見た方が技術的に見てもいいんじゃないかという、いわば自治省自体も全体からの判断をしてこれはやった場合でございます。で、先ほど私が申し上げましたように、この年次的な計画というやつも、一がいにこうだときめてしまうわけには参りません。そのケース、ケースによっては、ああいう場合もとった方がよかったということもあろうかと思いますが、全体として、あらかじめ、ことしは多いようだから一つ幾ばくかを保留して次年度へ繰り延ばすというふうな考え方は、まだ今の財政状況ではとれないような段階ではなかろうか、こういうふうに思っております。
#27
○鈴木壽君 三十五年度の第一次補正予算が出る際に、すでに大蔵省はこの交付税の使い方について、相当強い意見を出したはずなんです。まあたまたま結果として、先ほど申しましたように、あの当時の百十七億ですね、三百五十七億から二百四十億使って残りの百十七億と第二次補正の九十億、この二百七億が繰り越される格好になってしまった。これは自治省としてはそのときどきによって考えてやったのだ、こういうふうなお話でありますけれども、これは一つの年度間の財源調整としてやったものには私は違いないと思うのです。今の段階において、そういう地方財政にそういう、何といいますか、余裕も必要もないと、こうおっしゃるけれども、現にそういうことをやっていらっしゃる、その点ちょっと矛盾しないのですか。
#28
○国務大臣(安井謙君) 先ほど申し上げましたように、補正予算に伴う交付税の繰り延べというものにつきましては、もう年度も非常に差し迫っておりましたし、これをそのまま配分するよりは、次年度の全体計画に織り込んだ方が、技術的にも効果も大きいし、合理化できるという、そういう状況の判断によりまして、これは自治省自体でむしろそういう措置をとったので、大蔵省で一般に言っておる年次にわたっての調整あるいは繰り延べというものとは、これは性格が違うように私どもは心得ております。
#29
○鈴木壽君 あれを繰り越しをして、合理化することのために使うのだと、そういう現実の必要からやったのだと、こういうふうな御説明のようでありますが、しかし、結果からすれば、もちろん三十五年度の当初において予想はしなかったかもしれないけれども、これは明らかに年度間の調整であるには違いないわけですね。今後一体、三十六年度予算においても、おそらく補正予算というものは、これは当然出てくるだろうというふうに私どもは予想しております。額についてははっきりしませんけれども、当然補正予算というものは組まれるだろうと、その場合に、一体三十五年度にやったようなことを、また現実のいろいろな必要なり、合理化というようなことでおやりになりますか、どうですか。
#30
○国務大臣(安井謙君) やはりその場合のケース、時期の問題、あるいは内容の問題によって、個々で判断して参りませんと、ちょっとあらかじめこれはこうするのだ、この場合はこうだというふうに予定することはできまいと思います。でありまするから、考え方として、当初から現在ある交付税なり譲与税の額を、年間を通じた配分に繰り延べをするというようなことを計画的にやるのには、まだ今の地方財政は、それほどの段階にまで行っていないというふうに私どもは見ております。しかし、その年度途中における補正の状況、あるいは時期、あるいは公共事業の消化の状態、そういうふうなものを見て、それは、そのときには、また、そのときに一番ふさわしい判断をすべきものだというふうに考えております。
#31
○鈴木壽君 ただ、大臣はそういうふうに言うのですが、あの補正のときの交付税の問題については、当時の委員会におきましても、私からも、あるいは他の方々からもいろいろ質問が出、また、意見も出されておったと思うのですが、どう考えても、私どもはああいう措置はおかしなやり方だと、今でもそう思っています。しかも、合理的に金を使うのだ、あの時期ではそういうことができないために、後年度に繰り越して合理的に使うのだ、そのためにやったのだと言っても、三十六年度における交付税の使い方というものは、必ずしも合理的だとは実は思っていない。これはあとでいろいろまたお尋ねをして参りたいと思います。たとえば公債費の繰り上げ償還百六十億をやったような問題でも、私は必ずしもこれは合理的なやり方だとは言えない、あなた方はあるいは合理的だというふうに考えておられるかもしれませんけれども。ですから、原則的に持っている現在の地方財政の状況からして、計画的に年度間の財源調整をすべき段階ではないという観点であったら、私は、やはりそういう原則を貫くような態度が必要だと思う。出てきたときは、そのときの状況によってやるのだというふうなことだとすれば、私は、これはどんな場合でも、こういうふうにきめたらそれを絶対動かしちゃいかぬというようなことはあるいは言い切れないような場合が出てくるかもしれないけれども、少なくとも今のあなたのおっしゃるような地方財政の状況からして、そういう時期ではないとするならば、私は、やはり今後もそういうことがあっては困ると思うのです。しかも、三十五年度のあの補正予算の出た時期というのは、残り大体半年近く、五カ月ぐらいある時期なんです。その時期で一体交付税を繰り越して使わなければならぬというような、そういう地方財政の状況であり、さらに交付税のいわゆる算定の仕方が地方団体にとってもうこれ以上見るところがないのだというような状況であったのかというと、私はそうではないと思う。何か便宜主義的な考え方が強いと思うし、邪推かもしらぬけれども、やはり大蔵省の主張に押されてしまったのだというふうな考え方もしたくなるわけなんです。ですから、私はやはり今後、現在の地方財政の状況あるいは長い将来のことは、遠い将来のことはともかくとして、ここ一両年の間は、これは大体の見通しができるはずなんで、そういう観点に立って、たとえば三十五年度にやったような交付税の繰り越し使用というようなことを今後も時と場合によってはやるのだ、こういうことについて私は納得できませんが、大臣、どうですか、重ねて一つその点を。
#32
○国務大臣(安井謙君) 三十五年の場合は、御承知のように、十二月に補正予算が出まして、下旬にきまったようなことで、あと三カ月しかないし、計画的に実施するためには、直接必要な給与費の補給だけにしたいという措置をやったわけでありますが、最初から言っておりますように、原則としてそういうことをやっていくという段階では今のところはない、こういうととはわれわれ確認をいたしております。実際問題になって、時期、方法、金額等については、そのときの状況によって判断はしなければならない、こういう考え方でございます。
#33
○鈴木壽君 一体三十五年度において、あの時期において地方の団体の財政の状況、あるいは特に問題を交付税の問題にしぼっても、交付税で一体地方のいわゆる行政の財政需要というものを、もうこれでいいのだという程度まで見ておったのかどうか。私は、その前提がない限り、勝手に地方のいわば当然の権利ともいうべき交付税を一片の特例法によって繰り越しするなんということは、これは私は許されないと思うのです。交付税の算定等において、もう十分であったというふうにあなたはお考えになっておられるのですか。そうして、あの残りの金を、百十七億なり、あるいはその後に出た九十億という金を、三十六年度に繰り越すことによって、ほんとうに合理的に計算ができるのだ、使うことができるのだというふうにやはり考えておったのですか。
#34
○国務大臣(安井謙君) 三十五年度の基準財政額の算定につきましては、当初計画を立てまして、全体の財政需要からこういうふうにきめるということで、財政基準額の算定もできておったわけであります。従いまして、補正予算によって動かさなければならないという状況が起きたのは、あの給与の改訂という問題でありますので、この問題については十分に穴を埋められるような措置をいたしたい。従いまして、あと年度がわずかなものでありまするから、その残額の分については、これは総合的に三十六年度のものと合わせて配分の計画を立てたということであります。
#35
○加瀬完君 ちょっと関連して。今の大臣の御発言は、非常に私は、これは大蔵省などに対しましては何か一つの言いがかりをつけられることにもなりかねないと思いますので伺うのですけれども、基準財政需要額を各団体で算定いたしましても、その不足分が、地方団体の計算した基準財政需要額の不足分の通りに交付税が配付されてはおりませんね。おればですよ、――おったという今の大臣の御説明のように承るのですけれども、そうであれば、そんなら交付税はもうあげなくてもいい、交付税で余剰が出た場合には、それは別にプールして取っておけとかというふうな議論が大蔵省から当然出されますよ。平衡交付金の場合は、基準財政需要額の不足分というものをこれは埋めるという法律でありますから、当然政府がそれを補てんしなければならないという形になりますから、これはプラス・マイナス合っておるのです、バランスが。ところが、交付税の場合には、交付税の額というものが大体きまっておる。その大ワクの中で単位費用でいろいろ積み上げたものを、ある程度バランスを合わせる作業というものが中間で行なわれて配付という経路をとっておるでしょう。だから、地方団体からすれば、地方団体の計算の通りの要求額というものを交付税が満配の形で配付されるという結果は今までとっておられないわけだ。だから、鈴木委員の指摘するように、地方団体から見れば不足しておるのですから、当然地方の団体にいただけるはずの交付税の増額分というものが出てくれば、それが地方にそのまま来て不足分が埋められるという形に地方は運んできてくれないと困る。これはお認めになるでしょう。そうでなくて、初めの計算でもうぴたっと地方の要求する額と政府の方から配付していく額とは合っているのだということでは私はないと思う。その点は奥野さん、どうですか。
#36
○政府委員(奥野誠亮君) 基準財政需要額の算定が地方団体の任務ないし現状から見て十分であるか十分でないか、これは議論の存するところだと思うのであります。しかし、一応年度当初においてこの程度まで各地方団体の財源を保証するのだということで単位費用等の決定をお願いいたしておるわけでございます。その事実については、あの補正予算の当時までに変更の加わわって参ったのは給与だけだ、こういうことでございますから、これはその通りに了解していただいてよろしいと思うのであります。従いまして、基準財政需要額と基準財政収入額との差額は完全に埋められ、給与改訂によってふやすべき部分をふやしてそれも完全に埋められる。そうしますと、ふえた部分は、ただ私は特別交付金として増額配分になるだけのことじゃないか、こう思うのでございます。そういう配分の仕方をするよりも、やはり年度当初に計画を立てて基準財政需要額を算定する、その結果によって地方団体に配分した方が配分も合理的にいくだろうし、配分を受けた団体もそれを計画的に使えるのじゃないかというようなことから翌年度に送ったおけであります。特別交付税に流れていくべきものを取り上げてしまって交付しないということではなしに、交付の時期、交付の方法についてより合理的な方途を選びたいというようなことであの措置をとったわけでございますので、その点は御了解をいただきたいと思うのでございます。
#37
○加瀬完君 それはわかるのですよ、あなたのおとりになったお考えは。しかし、地方団体が算出をした基準財政需要額というものがそのままの形で認められて、この不足財源が配付されるという形はとっておらないのです、実際として。そうでしょう。交付税額がきまっておるのですから、交付税の総額というものに合わせて地方団体の方で歩み寄りをしなければならないという現状でしょう。だから、地方団体とすれば、基準財政需要額が埋められたと言うけれども、それは自治省や各府県の行政指導の上でバランスを合わせられたということで、ほんとうはまだ不足がたくさんあるのだという問題が残っておると思うのです。だから、その年に交付税が総ワクのワクがふくらんでくるというならば、もっとその年に使えるような方法を講じてもらわなければならないのじゃないか。ですから、それは行政指導のこまかい点をいろいろ徹底させて、配付の方法は特別交付税で配付しても、それはいろいろな方法あると思う。しかし、その年不足しているのだから、その年の不足分をまず埋めてくれることに使わせてくれなければ困るのじゃないか、こういう要求があるだろうと思う。三十五年度なら三十五年度はこれで計画通りできるのだ、ことしはこれでやれ、余ったものは来年だということでは、地方団体とすれば、三十五年度なら三十五年度の結局十二分な地方団体の考える行政はできかねておるわけですから、財政的には。それをまず埋めてもらいたいという考えがあるのじゃないか。で、自治相のお考えのように、一応途中ではそれは計画変更その他めんどうだから、むしろその財源を温存しておいて、三十六年度に新しい計画のもとに単位費用なども変えて配分した方がいいじゃないか、こういうお考えですけれども、その二百七億というのは、三十六年度に単位費用を変えて、二百七億も加えてその単位費用の計算の通り配分できるかもしれませんけれども、今度は三十七年度、三十八年度で、二百七億ふくらんだ通りのふくらみ方が――もっと率直に言うならば、その単位費用を維持できるような交付税の総ワクというものが保持できるかどうかということには、私は問題があると思う。だから、自治省もこの二百七億のふくらみについては云々という通達を出しておりますね。そうなってくると、この三十六年度にまとめてやったという意味が薄らいでくるのじゃないか。三十六年度以降、単位費用をふくらませた、この単位費用の計算の通りに幾らでも、平衡交付金のときのように、もう地方の基準財政需要額の要求に応じられるのだという保証があればいい。それがないわけです。鈴木委員の心配をなさっておる点もこの点だと思いますけれども、ことしはこれで足りるのだと、だから、ことしの分だけでも来年に回すのだということになると、もう交付税は十分に足りているんじゃないか。ですから、総額がこれだけふくらんでいるならばそのパーセンテージはもっと下げてもいいんじゃないか、こういう議論が当然私は大蔵当局からは出されてくると思うのです。それを心配をするわけです。その手が十分に打たれておるかどうかということに、鈴木先生の質問もなろうかと思うのです。私も自治相のような御答弁では、何か大蔵省にいい材料を提供するような感じを受けましたので関連して伺っているわけです。
#38
○政府委員(奥野誠亮君) 加瀬さんの心配していただいている気持はよくわかります。また鈴木さんも同じような気持で心配していただいているのだろうと思います。私たちが考えておりましたのも、やはり将来のことも考慮してあのような措置を選ぶことがよりベターだと、こう考えたわけであります。気持は同じなんですけれども、選ぼうとする方法が違うだけだと、かように私は考えております。あの金額がわずかなものでありますと、むろん特別交付税に繰り入れて配分したのだろうと思いますが、何分二百七億という大きな金額でございますので、それならその財源を利用して、将来にわたる地方の行政水準引き上げをはかりたい、こう考えたのでございます。そう考えても、地方財政平衡交付金当時なら穴が埋められるような増額をせられるけれども、地方交付税制度ではそれができないんじゃないか、こういうお考えを持っておられるようでございます。しかし私たちは、地方財政平衡交付金制度も地方交付税制度も本質的には同じだと考えているのでございます。それは地方交付税法の第六条の三の二項でありますが、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によって各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率」――交付税率のことでございます――「の変更を行うものとする。」、こう書いてあるわけでございます。従いまして、もし基準財政需要額を増額した、しかし、増額する場合にも、御指摘のように、財源がありませんとなかなかそれが困難でございます。幸いにして二百七億を送ることができる、それを使って単位費用を引き上げる、そうしますと、将来にわたってそれだけの水準を維持されることになるんじゃないか、こういう気持を当時も持ったわけでございまして、そういう意味でより合理的な配分ができる、こう思ったのでございます。もしかりにそれが年度の途中でふえたものが非常に大きな金額でありましても、そのまま配るべきだという主張を強くして参りますと、逆に穴があいたときは、穴があいてもそのままほうっておくべきじゃないか、こういう考え方に私は通じかねないと思うのでございます。そういうことをいろいろ考えて参りますと、理論的には、送った方が恒久的に地方財源を確保するゆえんになるんじゃないかと、こう思ったわけでございます。もとより現在の単位費用が地方行政の水準のあるべき姿から見て十分であるか十分でないかという議論になって参りますと、私たちも十分でない、こういう感じを持っておるわけでございます。でありまするからこそ、また大臣がお話しになりましたように、ただ機械的に年度間の財源調整をやっていくんだという考え方はとれない。たとえば前年度よりも地方交付税の総額が何%ふえた場合には、それをこえる部分は翌年度に送ってしまうのだというような機械的な年度間の財源調整はやれない。あくまでもそのときそのときの地方財政の実態な考慮して、必要があれば翌年度に送るというようなやり方をすべきだという考え方を堅持いたしておるわけでございます。
#39
○鈴木壽君 ただ、その場合に、先ほど私お聞きしてお答えいただいたんですが、年度の初めに計画を立てて、たとえば基準財政需要額等を算定して、それでずっとやっていきますと、補正予算等によって交付税がふえたというような場合も、そのときに必要な特別な、たとえば昨年度でやったような給与改訂とかいうような必要なものは見てやるんだが、あとは年度半ばでもあり、あるいは年度のおしまいにきているんだから、どうもうまい使い方がないのだ、むしろ翌年度に越した方がいいんだというような考え方になってくる。私は毎年こういうような格好が出てくるんじゃないかと思う、ここしばらくは。少なくとも三十六年度においては補正というものは相当出てくると思う。そのために給与改訂があるのかないのか。これは今から予測できませんけれども、あるいは調整分の戻しというようなことはあるいは出てくるかもしれませんが、そういうものを除いて、あとは翌年度へ繰り越すんだというようなことに私は聞いたんですが、そういうことなんですか。先ほど大臣はそういうふうにおっしゃっておったし、局長のお話を聞いても何かそういう思想に通じるものがあるように聞いたんですが……。
#40
○国務大臣(安井謙君) 繰り越すとみなきめているわけじゃないのであります。そのときの状況によって適当な補正をやった方が好ましい、あるいはやり得るような状況にあるというような場合には、むしろ当然これは建前としてやはり配分する、年度内に。こういう建前でものを考えていっておりますが、しかし、その時期、内容等によって、これは後年度へあるいは三十五年度と同じように繰り越した方がベターであろうというような場合もないという保証もなかろう、こういう趣旨でございます。
#41
○鈴木壽君 そうしますと、どうも現実的なような考え方でありますけれども、そういう面からいって、あるいはそういう場合もあるだろうというふうなお考え方もできると思いますが、今の交付税の建前からすると、やっぱり明らかにいけないことですね。この点はどうです、今の交付税法の建前からいって。
#42
○政府委員(奥野誠亮君) 今の交付税法には、御承知のように財源不足額を埋めてなお余裕がある場合には、それを特別交付税に繰り入れますし、逆にまた足りない場合には、基準財政需要額を按分的に減額して再算定をする、こういうことにしておるわけでございます。いずれにしましても、誤差を頭に置いた法律規定をいたしておるわけでございますので、特にその差額が大きい場合には、あるいは繰り入れ率の改訂の問題も起こって参りますし、逆にまた翌年度へ繰り越すというような問題も起こってくるだろうと思うので、その場合には当然法律改正という形をとらなければならないと思っております。
#43
○鈴木壽君 これは繰り返しのような格好で、また昨年の補正予算の際の交付税の取り扱いの問題について論議をしたものを、さらにまたここでやるような格好になってきましたが、どうもそういう考え方でいきますと、あなたのおっしゃっているように、交付税法を改正をすると、こういうことをおっしゃっていますが、どういう方法をとるんでしょう。あるいは特例法というような格好でおやりになるんでしょうか、どうです。
#44
○政府委員(奥野誠亮君) いろいろな場合があり得ると思うのでございます。交付税法そのものを改正するという場合もありますれば、特例法を出すという場合もあります。
#45
○鈴木壽君 これは少しおかしいことになってきましたね。これは今までやってきた交付税法を改正する場合もあり得るし、特例法でやり得ることもあるだろうということになってくると、これは本質的に今の交付税法というものをいわば否定したような考え方に立ってきておりますね。これはどうしても私どもは納得できませんな。それが何べんも言うように、加瀬さんもまた指摘されましたように、現在の交付税で見ておる基準財政需要額というものが、その年度における地方行政におきますところの財政需要に見合うだけ見ておるというような前提に立つならば、これは私はそういうことを将来考えてもいい時期が来るかもしれません。しかし、あなたもお認めになっておられるように、必ずしもそれは十分見ておらないんだと。とすれば、やはり使い方というものを、当初にきめたから、あとこれについては、余った分はそのときどきによって翌年度へも繰り越すんだ、こういうふうな考え方に立つとすれば、私はおかしい問題になってくると思いますね、どうです。
#46
○政府委員(奥野誠亮君) 私は現在の地方交付税法が予想している態度を申し上げているわけでございまして、御承知のように第三条には、第一項で「財政需要額が財政収入額をこえる地方団体に対し、衡平にその超過額を補てんすることを目途として交付しなければならない。」、こう書いてあるわけでございます。言いかえれば、大穴のあくようなことを予想していないわけでございます。同時にまた、大きな金額が特別交付税に流れ込んでくるというようなことを当然予想していないと考えるのでございまして、単位費用の改訂を行なうべき筋合いのものだと、こう思うのでございます。そういう意味で申し上げておるわけでございまして、法律の予想しないような事例が起こった場合にどうするかということでございますので、その場合には、別に法律を作って穴を埋めていかなければならないだろう、こう申し上げているわけでございます。ただ法律に書いてあることがそういうことに触れておりませんので、そういう意味でこの規定だけで、余った場合にどうなるか、それは当然特別交付税に繰り入れられるんです、そうして配分するんです、こう答えるべきものかもしれません。法の建前から見まして、従来二回ないし三回にわたってですか、繰り越しが行なわれておりますので、そういう場合には、いずれもかなりな金額に上ったわけでございます。金額の小さいのはみなこの法律通り配分されておるわけでございます。しかしまた、翌年度へ送られる場合には、当然立法されておりますので、そういう意味でお答えをいたしておるわけでございます。
#47
○鈴木壽君 あなたが今引用された第三条の場合に、私は初めの方をやはりもう少し十分に読み取らなきゃならぬと思うのです。「常に各地方団体の財政状況の的確なは握に努め、」という、こういう前提があるのですね。ですから、そういうところから私は問題をやはり考えていかなきゃならぬと思う。ただ、たくさん余ったからことしはやらないのだとかなんとかいうような便宜主義的な考え方では私は済まされないと思うのですね。はたして現在の地方団体の状況からして財政、税及びこういう交付税等の配分等について、一体十分にそういうものを、地方の行政の水準を維持できるような態勢になっておるのかどうかということがやはり先決問題として考えられなきゃならないので、それなしにただその超過額を補てんするとかしないとかということは、これはやはり変なものになってくると思うのですよ。私どもは今の交付税の見方というものは、十分地方の行政をまかなっていくためにはなお少ない見方をしているのだ、こういう前提に立っておるから、金が出てきた場合には、それを是正するようなことを当然年度間でもやるべきだ、それを年度当初に計画を立ててこういう見積もりを立てたのだから、年度半ばになってどうも金が出てきたからというので、そのとき使うのは困る、来年度へ送った方がむしろ合理的な使い方ができるんだ、こういうような考え方というものは私はおかしいと思うし、そしてまた、今の交付税の方の規定からしてもこれは逸脱する考え方じゃないだろうか、こういうことなんです。
#48
○政府委員(奥野誠亮君) これは繰り返し申し上げておりますように、どちらの道を選ぶことがベターかという性格の問題にすぎないと、こう考えておるわけでございます。政府もただ法律を勝手に解釈をして行なっておるわけじゃございませんで、特に新しい法案を提出して議決をいただいておる性格のものでございます。なお、年度の中途で増額になりましたものを、財源不足額を完全に普通交付税としてきめておるからそれを特別交付税に継ぎ足して配分するのだということではなしに、さらに年度の中途であっても、財源がふえたのだから単位費用を引き上げて基準財政需要額を増額すればいいじゃないかというようなもし御意見であれば、私はここに若干問題があると、こう思うのでございます。もし金があるからそのときだけ基準財政需要額をふやすのなら、かりに穴のあいたときに基準財政需要額を減らせばいいじゃないか、こういう逆な議論が起こってこないとも限りませんので、そういうことをおそれますと、やはり年度当初に計画的に単位費用を引き上げる方が将来この制度を維持していく場合にはよろしいのじゃないだろうか、こういうことも当時判断をいたしたわけでございまして、そういう考え方に立って翌年度から計画的に単位費用を引き上げよう、こうはかったわけでございます。
#49
○鈴木壽君 まだいろいろ申し上げたいこともありますが、時間もあまりないようでございますから、ただ私の、たとえば三十六年度、三十七年度、八年、九年、四十年とこうなって、先のことについてはお互い見通しのつきにくい問題でありますけれども、少なくともここ二、三年というものは、私は金が少なくて、今、かりに百億か二百億か使って単位費用を引き上げた、基準財政需要額を引き上げたといっても、それをまかない切れなくて、あとでがたんと落ちて単位費用なんかも低く改訂をしなければならぬというような事態が来るとは私は思っておりません。これはあなた方だってそうだと思う。むしろふえていくのです、ここしばらくは。そういう前提に立って遠い将来のことはいざ知らず、ここ数年はそういうふうな趨勢に立って、しかも、その額がわずか百億か二百億の金とすれば、私はそんなに将来不足を生じて単位費用を今度は低く改めなければならぬという事態は来ないと思う。そういう前提に立ってものを言っているのです。結局繰り越しても単位費用を上げる、従って、基準財政需要額というものを引き上げるというような形になってくるとすれば、それが半年前に行なわれるか半年後に行なわれるかぐらいの程度の差なんです。ですから、私はやはり地方交付税というものは地方団体の当然の一つの一般財源として使える金なんで、何も国からのお恵みの金ではありませんから、これはその年度に来たものはその年度に交付をして、もし必要であるならば地方団体、個々の団体の取り扱いとして地方税法の改正であなた方がおやりになったような年度間の調整も私はなし得る規定がありますから、それをやらせるべきだと思います。個々の団体によって、それを一片の特例法によってこういうことをするということは私は許されないと思います。今聞きますと、これからも出るだろうというような、そのときどきの状況によって出るだろうというようなことであるとすれば、私はなおさら問題だと思う。かつて昭和三十一年度で百十億円の交付税の増額があった場合に、財源調整の復活分に九億、期末手当の増額分として十五億を使ってその残りの八十六億をこれは翌年度へ繰り越して、これは私が今さら指摘するまでもないことですが、これをいわゆる公債費対策というものに使ったのです。こういう例は確かにありますが、その当時でもこれはいろいろ問題になったようでありますし、決していいと思っておらぬというような当時の田中さんだったと思いますが、大臣はそういうことをはっきり言っておられましたのですが、こういうことを例があるからといって、またしても三十五年度で行なうというようなことは、私は今言ったような点からしていけないし、一方、繰り返しますけれども、地方財政法の中に、各団体が自分たちの判断において年度間の財政調整ができるような、またしなければならぬ、そういうようなものがある。そういう点からいってもこれは地方団体に対する不当な干渉といいますか、介入といいますか、そういう結果になってくるのじゃないかと思います。これでそろそろやめますから、その点いま一度考え方をお聞きしたい。
 それからいま一つ、三十六年度において交付税が三十五年度の当初に比べて九百八億ですか、ふえておりますが、その中には、今問題としておる二百七億も当然入っているわけなんでありますが、この二百七億が入ったために、いわば交付税が余ったような格好になっているのです。そこでとられた措置が公債費の繰り上げ償還という形だと見ざるを得ないのですが、この点について一つ御説明いただきたいと思います。二つの問題について。
#50
○国務大臣(安井謙君) 詳しい実態につきましては、財政局長からも御説明申し上げると思いますが、これは余ったからするというようなことでなくて、地方財政の将来をも考えました健全化というものをはかる上から、今までいわば赤字時代に非常に無理をしておった借金を徐々に返していく、徐々にといいますか、返して、できるだけノルマルな姿にしていこうという、地方財政の全般の改善という趣旨からこういう方法をとっているわけであります。これが全体のいわゆる基準財政需要額というふうなものとみなし得るような性格のものであると思います。
#51
○政府委員(奥野誠亮君) 繰り越すことの是非につきましては、たびたび申し上げますように、どちらがベターかという判断の問題に属することだと思います。ただ鈴木さんの心配されておりますのは、あるいはそういうように繰り越していったのじゃ、地方団体に金が余っているのだから、さらに翌年度に送るという式に、あるいはその結果は交付税の引き下げとかいう事態が生じないとも限らない、そういう大蔵省の見解、気持が年度間の調整措置を講ぜよということで現われているのじゃないかという気持じゃなかろうかと、私は推察をいたしているわけであります。そういうようなことをいろいろ推し進めて参りますと、なかなか地方財政をまともに見まして、これを合理的に改善をしていき、あるいはその水準を引き上げていくというような措置を講ずることを検討することが困難になるのじゃないかと思います。そういうような作戦的なことじゃなしに、地方財政というものを直視して、私たちは補正予算でふえたそれを配っても、現実に地方団体のふところに入るまでには三月ごろになってしまう、予算を組んでどう使うということじゃなしに、おそらくそのまま翌年度へ送られていく、そういうことよりも、地方団体にとって、むしろ新年度の財源として計画的に使った方がより効率的に使えるのじゃないかという判断をいたしたわけでございます。大蔵省の御当局の持っております問題につきましては、やはり地方財政の実態につきましても、もう少し正しい認識を持ってもらうように、今後われわれは努力していかなければならないと思います。大蔵省の事務当局がこういう態度をとってくるから、地方財政の実態から見て好ましい方法でなくても、あえて違った方法をとるのだという考え方は、今のところはしておらないわけでございます。あくまでも地方財政の実態から見て、どういう方向をとることが一番ベターであるかということをまともに考えまして、そういう方向として選ぶならばどの道であるかというような考え方に立って参ってきておりますことを申し上げさせていただきたいと思います。
#52
○鈴木壽君 大臣に私は端的に、二百七億を繰り越したために余ったのじゃないか、そのため公債費の繰り上げ償還をやったのじゃないかと言ったら、そうじゃないのだ、長期にわたる地方財政の健全化という建前からやったんだと、こうおっしゃっておりますが、しかし、これは地方財政計画等の説明では、来年度から、来年度というか三十七年度から出発を予定している年金制度の地方団体の享受分についてとっておくのだというような、ほかに適当なうまい使い道もないからというようなことも言っておられますね。やはり結果としては、余っているのですね。繰り越したために百六十億というものはそういうふうに使える金ができた。これはひとり交付税というだけの問題でないかもしらぬ、あるいは他の税収その他の収入等からも問題が関連してくると思います。結果として私は、交付税で一部プールしておく格好ですから、それだけ交付税に余裕があったということなんで、もしなんだったら、ほかの単位費用なり等に使うべきものを、引き上げ等に使うべきものをここでプールしておく格好なんですが、ここでやっぱり余った格好ですね、そう考えちゃだめなんですか。
#53
○国務大臣(安井謙君) 地方団体としては、少しでもよけい金をほしいし、使えるだけ使いたいという希望ももっともでありますし、また地方財政の現状が、非常にむだなぜいたくをしておるとはむろん思いませんが、少なくともここ両三年の間非常に段階的に逐次よくなってきておる。三十六年度は相当行政水準の向上もはかられるという状況下にあるという事実、配付するといえば喜んでみんなもらいたいに違いありませんが、やはりそれにはおのずからある程度の節度と申しますか、順序というか、を立てることも必要であろう。それへたまたまそういった共済制度を実施するという予定で見込んでおりました費用が延期になったために、そういう財源的には所要でなくなったという事情もあって、その全体の財政を勘案した結果、これは一つ健全財政の確立のために、こういう際こういう措置もとる必要があるであろうという総合的な判断をしてやったわけで、出たものは何でも配ってしまえばそれでいいじゃないか、あとは一つ地方団体にまかしたらいいじゃないかというお考えもさることながら、非常な干渉にならない程度にやはりこの財政全般のバランスなりを考えて、政府としても配付する際には、それぞれの処置をとることも必要じゃないか、まあ私は大体三十六年度に、現状においては非常に全般としておほめにあずかっているような措置をしているのじゃないかという感じもしておるのであります。
#54
○鈴木壽君 おほめ申し上げたいこともありますけれども、私、ほめるとかほめないとかいう問題を別にして、こういう措置は、私はやっぱり端的に言って、繰り越しをしたために残った一つの金だと思うのです。そこで、あなたは将来にわたっての地方財政の健全化のためにとったと、こういうのですが、今の繰り上げ償還をする百六十億ですか、これがあるからこれは残っておれば地方団体に対して非常な財政的な重圧を与えておるのだと、こういうふうなもし考え方をすれば、私はこれは間違いだと思いますね。間違いというよりも少し思い過ごしだと思う。これは毎年交付税で返す返さない、今繰り上げ償還するしないは別にして、毎年交付税で一〇〇%ないし九五%ですね、これは見ておるのです。特別措置債については一〇〇%見ておりますね。それから災害債については九五%見ておる。災害債の分のわずか五%分です。かりに百億あれば五億ですか、総額としてこれがあるからといって地方財政がどうのこうのという段階じゃないのです、今は。その点どうです。
#55
○国務大臣(安井謙君) その点はおっしゃる通りで、私の言葉が少々足りなかったかもしれませんが、そのために非常に重圧をこうむっておるとかなんとかいうことを必ずしも考えたわけじゃないのですが、この際全体の財源から見て、そういう措置をとっておく方が、先ほども御指摘もありましたし、私も認めましたように、共済年金制度が繰り延べになったために、当然必要であろうというような財源が将来はまた出てくるのでありまするから、まあそういうようなためにも資するというような意味で財政を健全化しておくということが好ましいだろうということでやったわけで、非常に重圧で何もできないというように必ずしもとったわけじゃないのであります。
#56
○鈴木壽君 三十七年度から共済制度が発足して、毎年の所要額が大体百六十億だとすれば、これは来年度だって、交付税でかりにそれを見るにしても、百六十億くらい今よりふえてきますよ、あなた方そういう見通し立てませんか。だから私は……。
#57
○国務大臣(安井謙君) それは計算の仕方ですし、もののとり方ですから、それは百六十億くらいの財源が全然出ないのかということになれば、これはまたやり方は幾らもあろうと思います。しかし、この段階においては、ちょうどそういう問題もあるし、たまたま全体の財政から見て、とにかく全体からいって貧乏団体について起債が相当率が多いという状況もあるんだから、これはまあ徐々に返していくに越したことはないし、また、でき得れば返し得るようなときに返しておいて、弾力をつけておいた方が、将来からいっても非常にいいのじゃないかということで、それやこれを総合してこういう措置をとるというふうにしたわけでございます。
#58
○鈴木壽君 私は、この今問題となっておる百六十億の繰り上げ償還という問題は、地方財政に対する起債の現債高等からして、あるいは地方財政の状況等からしまして、それからまた、それが実質的にはほとんど全部が交付税によって見ておられるという現実からいって、これは財政上の問題として考えるというのは、私は少しおかしいと思う。ただ、その百六十億という退職年金制度のためにとっておきたいという、そういう考え方は一応わかります。しかし、わかるが、その百六十億というのは、さっきも何べんも言っておるように、はたしてこの際の、あなたがおっしゃるような合理的な使い方をして繰り越したためにできたものかどうか、その合理的な使い方の一環として考えていいかどうかということには、私はやはり問題があると思う。ちょっと問題を変えますが、一体、退職年金制度は三十七年度から必ず発足しますか。
#59
○国務大臣(安井謙君) これは一つ、ぜひそういうふうにしたいと思ってやっております。多分できるであろうと思います。
#60
○鈴木壽君 これは、三十五年度にもぜひやりたいと言ってできなかった。三十六年度においても、ことしにおいてもですね、ぜひやりたいと言ってできなかった。そうすると、三十六年度にできなかったそれを、三十七年度においてやれるという保証がありますか。しかもこれは、大蔵省から国の負担分を切られてことしは取りやめになったが、大蔵省は来年度になったらこれを出しますか。どうです、この点。
#61
○国務大臣(安井謙君) まあこれは先のことですから、もう今から予言をして的確に言うわけには参りませんが、われわれは何としても、これは三十七年度にはどういう形であろうと実施をするという運びにいたしたいというつもりで、すべての準備を進めておるわけです。
#62
○鈴木壽君 この制度に必要な金のうち、国が負担すべきだといってあなた方が要求した額は六十七億でしたか、たしかその程度の金だったと思いますが、これはもう完全に切られておりますね。もし三十七年度で大蔵省がこれをけったと、そういう場合でも発足しますか、この点どうですか。
#63
○国務大臣(安井謙君) その場へ当たってみなきゃわからぬと思いますが、一応建前としては、要求をして、実現をさせるという建前でかかるわけですけれども、まあ財政全般の問題でありまするから、今ここでこうだというふうにきめてしまうわけにはいくまいと思います。
#64
○鈴木壽君 これはまあ金を出させることだから、出さなくとも出発しますなんと言ったら大へんなことになるから、私もそれ以上言いませんが、かりに出発できなかったとすれば、この百六十億の金の使い方のこれも、また中ぶらりんなものになってしまいますね。せっかくプールしておいたけれども、それが使えないという格好になって、いろいろ問題が起こってきますよ。そこら辺の見通しもあると思いますが、まあ私は、時間でもありますので、公債費の繰り上げ償還の問題、それから年金制度の問題については、後日さらに考え方をお聞きしてみたいと思いますけれども、きょうはこれでやめます。
#65
○加瀬完君 関連して。結局、この間の財政計画の説明では、三十五年度の交付税の全体の収入に対する構成比は一九%だったけれども、三十六年度は二〇%にふえているのだ、こういう御説明があった。二〇%というのは、三千七百七十三億の総額のことだろうと思う。実際、交付税の性能として、プールしておくとか何とかという今出たような問題ははずして、交付税そのものの性能通りに使い得る一体額というのは、三十六年度には幾らですか。
#66
○政府委員(奥野誠亮君) その意味がよくわかりませんが、百六十億の地方債の繰り上げ償還に充てられますものも、地方団体としてそれも財政運営の一つの道でございまして、将来にわたって弾力のつくことでございますので、これをはずして計算をするということもちょっと理解しかねるようなことでございます。ただ歳入構成がよくなったんだということを申し上げているわけでございますが、その原因は、地方債を歳入全体の伸びの割合に伸ばさなくても全体の収支が立つというようなことになったということでございます。そのことが結果的には一般財源が比例的に多くなっているということでございます。
#67
○加瀬完君 質問が的確ではありませんでしたから、改めて伺いますが、今の御説明はわかります。こういう単位費用を変えた三十六年度の交付税の算定方式で積み上げていった総額というものは幾らを想定しているのですか。
#68
○政府委員(奥野誠亮君) 地方交付税総額の九六%に当たるものが、基準財政需要額と基準財政収入額の差額の財源不足額の合算額に相当するという形になっているわけであります。
#69
○加瀬完君 私はそんなにならないと思う。三十六年度の交付税総額というものは、今の説明のように配付するという標準でいくならば、単位費用というものはもっと変わってきていいと思う。この単位費用の計算でいくなら、どうしても今の説明よりも少ない交付税の額というもので結論が出てくるという形になるように思われる。時間がありませんから、別の点から伺いますが、いずれにしても、三十五年度の交付税の見積もりというものは少なかったのですね。むしろこの単位費用というものは、三十五年度の当初に作られておってもよかったわけです。現在の交付税の増額された現状から考えますと、三十六年度に、三十五年度の交付税のふえた額に合わせるような単位費用を作ったところで、この単位費用は三十七年度になると、また実際において三十六年度で交付税がたくさんの単位費用の計算以外の額を生ずる、残額が生ずるということになりかねないと思う。そうすると、鈴木委員が指摘しているように、今年の特例の方法というものが、毎年々々特例法を出して繰り延べて、次の単位費用を改めて交付税を配付していくという一年送りになってしまう。三十五年度に当然地方として入るべき財源が三十六年度に入り、三十六年度で入るべき財源が三十七年度に入る。一年おくれになってしまっておる。これは妥当な方法とは思われない。むしろ三十五年の残額が出たら三十五年の余剰額というものは特別交付税でも何でも配付して、その使い方を繰り越し財源として三十六年度の財源に充てるか、あるいは三十五年度において赤字分の処理に充てるか、あるいは今まで背負っておる起債の償還に充てるかということは地方自治団体にまかせればいい、また、そういう適切な財政運営ができるように行政指導をすればいいと思う。そういう当然の財源を政府でチェックしてしまって、翌年々々と繰り越していくということは、地方団体にとれば当然入るべき財源を政府にあたためられておるような形になってしまう、少なくとも三カ月なり半年なりという期間は。なぜもっと鈴木委員の指摘したように、地方自治団体にまかせられないか、まかせて、今考えておるような方法を行なはないか。そうすれば地方税の法の精神からいってもぴったりそのままに生かされるのではないかと思うのですが、これは意見になりましたけれども、希望としてそういう点考えられるのじゃないかということだけ申し上げておきます。
#70
○政府委員(奥野誠亮君) 毎年度、年度中途に補正予算で地方交付税が多額に増加するというような経済情勢の続いていきますことは、私どもも非常に期待したいところでございます。しかし、必ずしもそうなるのだという保証はあり得ないことかと思うのでございます。三十五年度の二百七億円を三十六年度にプラスしたものですから、今後も継続的にそういうことになるのだということは、私ども考えないわけでございます。もとより、たとえば道路整備五カ年計画二兆一千億の問題にいたしましても、三十六年度より三十七年度の事業分が多くなって参るわけでございます。あるいは港湾整備五カ年計画にいたしましても、あるいは治山治水五カ年計画にいたしましても、その他のもろもろの計画にいたしましても、年々相当の伸びを見込んでおるわけでございます。所得倍増計画というものに関連もあって、財政需要も相当の伸びを予定いたしておるわけでございますので、それらと見合いまして、地方交付税の単位費用も当然引き上げていかなければならぬと考えております。その場合に、退職年金制度に要する財源は三十六年度で予定しておったことでございますから、三十七年度は七年度として当然それぞれについて相当の財政需要の増加を見込まなければならないので、三十六年度に退職年金制度ができる結果、ある程度の財源を用意しなければならない、そういう考え方のものをさらに三十七年度でプラスして財源手当をしなければならないという事態になりますよりは、その財源は本年度においてすでに予定しておったわけですから、三十七年度にもそのまま持っていけるような措置を講じておいた方がより地方財政の将来を考えた場合には健全ではないかというふうな考え方に立っているわけであります。御指摘の通り当然単位費用は増額していかなければなりませんし、それに見合うような財源手当もしていかなければならぬと思うのでございます。国家の経済成長を強く見込んでいきますればいくほど、そういう点の措置も当然とらなければならないと考えておるわけでございます。そうなればそうなるほど、ある程度ことし予定しておった財源が来年度引き続いて使える方がよい、こういう考え方も立つものと考えております。
#71
○委員長(増原恵吉君) 本日はこの程度にいたします。
 これにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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