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1960/04/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第15号
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1960/04/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第15号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第15号
昭和三十六年四月十八日(火曜日)
   午前十一時十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十七日委員前田佳都男君辞任につ
き、その補欠として館哲二君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鈴木  壽君
   委員
           小柳 牧衞君
           郡  祐一君
           館  哲二君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           占部 秀男君
           加瀬  完君
           中尾 辰義君
  委員外議員
           紅露 みつ君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○酒に酔って公衆に迷惑をかける行為
 の防止等に関する法律案(紅露みつ
 君外二十四名発議)
○地方公営企業法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○連合審査会開会に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動について御報告いたします。
 四月十七日付をもって前田佳都男君が辞任され、その補欠として館哲二君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(増原恵吉君) まず、地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
#4
○国務大臣(安井謙君) ただいま議題になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地方自治法は、昭和二十二年に制定されましてからすでに累次にわたる改正を重ねておりますが、今回は、地方行政の合理化及び簡素化に資する見地から、必要最小限度の改正を行なうこととしたものであります。すなわち、公有水面埋立地の所属をめぐり、関係市町村間に紛争があるため所属未定地の編入処分ができないでいる例がありますので、公有水面のみにかかる市町村の境界を定める手続を簡素化し、公有水面埋め立ての竣工前に、すなわち当該地域が公有水面である間に問題の解決をはかるようにするとともに、普通地方公共団体の議会の議員、長その他の職員が請負禁止の規定に該当するかどうかの認定の手続を整備し、さらに、最近における普通地方公共団体の事務の広域的処理の必要性の増大にかんがみ、普通地方公共団体の協議会、一部事務組合等の共同処理方式について合理化をはかり、あわせて法令の制定及び改廃に伴い、普通地方公共団体が処理しなければならない事務等を掲げた別表に所要の改正を行なおうとするものであります。
 以下、改正法律案の主要な事項について概略を御説明申し上げます。
 第一は、公有水面のみにかかる市町村の境界を定める手続を整備することとしたことであります。すなわち、先ほども申し上げました通り、現在、公有水面埋立地の所属をめぐり関係市町村間に紛争があるため、所属未定地の編入処分ができないでいる事例が数件ありますが、将来、数地方公共団体の地先にわたって公有水面埋め立ての行なわれる例はますます多くなることが予想されますので、比較的簡易な手続により、公有水面のみにかかる市町村の境界変更及び公有水面のみにかかる市町村の境界に関する争論の処理ができるようにするとともに、公有水面の埋め立てが行なわれる場合において、当該埋め立てにより造成されるべき土地の所属すべき市町村を定めるため必要があるときは、必ず埋め立ての竣工前においてできる限り早い時期に、市町村の境界の決定、変更または確定をしなければならないものとし、もって埋立地の所属をめぐる紛争の解決を促進し、あるいは将来紛争の起こることのないようこれを未然に防止し、あわせて埋立地の所属を合理的に定めることができるようにしようとするものであります。
 第二は、普通地方公共団体の議会の議員、長その他の職員が請負禁止の規定に該当するかどうかを定める手続の整備に関するものであります。現行地方自治法におきましては、普通地方公共団体の議会の議員、長その他の職員は、当該普通地方公共団体に対し請負をすることができない旨が規定されておりますが、これらの者が請負禁止の規定に該当するかどうかを決定する手続を欠いているため運用上遺憾な点が見られますので、この際その決定手続を整備しようとするものであります。
 第三は、広域にわたる総合的な計画を作成するため、普通地方公共団体の協議会を設けることができることとする等、普通地方公共団体の協議会に関する制度を合理化しようとするものであります。現在すでに普通地方公共団体は、事務を共同して管理執行し、または事務の連絡調整をはかるため、普通地方公共団体の協議会を設けることができるのでありますが、都市発展の趨勢及び地域開発の必要にかんがみ、広域にわたる総合的な計画を共同して作成する普通地方公共団体の協議会を設けることができるものとし、公益上必要があるときは、自治大臣及び都道府県知事は、関係のある普通地方公共団体に対し、協議会を設けるべきことを勧告することができるものとするとともに、協議会は、関係のある公の機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができるものとする等、普通地方公共団体の協議会に関する規定を整備することとしたのであります。
 第四は、数都道府県にわたる市町村及び特別区の組合の設立、規約の変更及び解散の手続について合理化をはかり、自治大臣が関係都道府県知事の意見を聞いて許可等をすることに改めたのであります。
 第五は、昭和三十三年以来改正をいたしておりません別表につきまして、その後の法令の制定及び改廃に伴う所要の整備を行なおうとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたします理由及び法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は、後日に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(増原恵吉君) 次に、酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案を議題にいたします。
 まず提案理由の説明を聴取いたします。
#7
○委員外議員(紅露みつ君) ただいま議題となりました酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 めいてい者に対して寛容に過ぎるわが国の社会的習慣を風刺する意味で、いわゆる酔っぱらい天国ということがいわれるようになったのは、戦後のこととはいえ、すでに新しいことではないのであります。しかるに、年末、年始や花見どきは言うに及ばず、盛り場、街頭、汽車、電車などの公共の場所や乗りものにおいて、目にあまるめいてい者を日本ほど多く見かける国はないということを絶えず内外の識者によって指摘され、めいていによる犯罪の件数も年々増加の傾向にあることは、従来の統計の示すところによって明らかであります。他方、また、酒乱に基づく家庭悲劇も一向に跡を断たないのが実情であります。
 もちろん、酒が人間生活に慰めと潤いと楽しみをもたらすものであるという一面を否定するものではないのでありますが、さればといって、それが公衆に迷惑をかけるようなものであってはならないことは言うまでもないところであります。ただ、従来から、めいてい者の行為については、それが、多少、人に迷惑をかけるようなものであっても、酒の上のできごとという理由で社会一般もこれを大目に見、めいてい者の責任はあまり追及しない習慣があるように存ずるのであります。そのため、一般の善良な市民及び家族が、めいてい者によって受けているかくれた迷惑、被害ははかり知れず、彼らが、いわゆる酔っぱらい天国に心の底からやりきれなさを痛感しているであろうことは、想像に余りあるものがあるのであります。
 もちろん、めいてい者に関しましては、警察官職務執行法、道路交通法などの現行法におきましても、部分的に関連規定が設けられております。しかしながら、現下のわが国におけるめいてい者の実態にかんがみ、今後わが国がいわゆる酔っぱらい天国なる汚名を返上して真の文明国として国際社会に伍していこうとするためには、現行法の規定ではすでに種々の点で不十分であると思われますし、とりわけ、わが国において開催予定の次回オリンピック大会を目前に控えているといった事情などを考慮しますと、その点を特に痛感するものであります。
 他方、また、めいてい者に対するわが国の世論も近来ようやく活発となり、婦人団体を初め多くの団体もこぞって悪質のめいてい者を規制する立法を要望し、特定の地域においては、すでに市民ぐるみのいわゆる酔っぱらい追放運動を実施しており、報道機関などにおいても、この問題を種々の観点から大きく取り上げるに至っております。
 かような現下の情勢に対処して、私どもとしましては、この際、飲酒を強要するなどの悪習を排除し、飲酒についての節度を保つべきことを日本国民の努めとして宣明し、その啓発的措置をあわせ講ずるとともに、過度の飲酒が個人的及び社会的に及ぼす害悪を防止するために、できる限りの総合的、かつ、効果的な施策を早急に樹立する必要があると判断しましたので、おおむね次に述べるような方針を骨子としてこの法律案を立案いたしたものであります。
 方針の第一は、公共の場所または乗りものにおけるめいてい者のうち、本人のため、応急の救護を要するものについて、警察官による保護の万全を期することとしようとするものであります。
 方針の第二は、めいてい者が、公共の場所または乗りものにおいて、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野または乱暴な言動をしたときは処罰できることとし、また、めいてい者が警察官の制止をきかないであえてそのような言動をした場合は、さらに処罰を強化しようとすることであります。
 方針の第三は、アルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者に対しても、その者が積極的に医師の診療を受けるよう公的な面からの必要な助言的方策を講じ得ることとすることであります。もちろん、めいてい者に対する施策の完全を期する上からは、アルコールの慢性中毒者に対しては、国立の治療センターを設けるなど国家がその責任において診療を行ない、できるだけ早期に社会に復帰させるようにすべきでありまして、そのことは、福祉国家として当然なすべき措置と考えるものであります。しかしながら、今直ちに、それらの点を全面的に取り入れた施策を実現することは困難でありますので、今回はやむを得ず可能な範囲のものについて措置するにとどめましたが、今回措置できなかった施策については、今後早急に必要な予算措置を講ずることなどによって、積極的に推進されるよう強く要望いたすものであります。
 以下その内容の概略について御説明申し上げます。
 第一は、法律の目的を明確にしたことであります。すなわち、この法律が、めいてい者の行為を規制し、または救護を要するめいてい者を保護するなどの措置を講ずることによって、過度の飲酒が個人的及び社会的に及ぼす害悪を防止することを目的とするものであることを第一条において明らかにいたしました。
 第二は、わが国における今までの誤った飲酒についての社会的悪習を是正しようとするものであります。すなわち、すべての日本国民が、飲酒を強要するなどの悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めるべきことを第二条において宣明いたしたのであります。
 第三は、めいてい者の保護に万全を期することとしたことであります。
 その一は、警察官は、めいてい者が、公共の場所または乗りものにおいて、粗野または乱暴な言動をしている場合において、当該めいてい者の言動、酔いの程度などに照らして、本人のため、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当の理由があると認められるときは、職務としてこれを保護しなければならないこととし、第三条第一項においてその旨を規定いたしました。従って、この規定は、従来、警察官職務執行法の規定に基づいては保護できなかっためいてい者を保護しようとするものであります。
 その二は、第三条第二項から第四項までにおいて、第三条第一項の規定により警察官がめいてい者を保護した場合に行なうべき必要な事後手続などについて規定いたしました。これらの手続につきましては、警察官から、保護の理由などを事後毎週簡易裁判所に通知させることとするなど、おおむね警察官職務執行法第三条に規定ずるところと同様の事項を規定いたしております。特に留意しました点としては、本条の保護の対象となる者が、警察官職務執行法第三条第一項に規定する広範囲の要保護者と異なり、めいてい者についての場合でありますために、保護の乱用を防止し、人身の不当な拘束を避けるなどの理由から、警察官職務執行法第三条第三項ただし書きに規定するような二十四時間をこえての保護はできないこととしただけではなく、さらに保護の万全を期する上から、保護の時間は、酔いをさますために必要な限度のものでなければならないことといたしました。
 第四は、悪質なめいてい者については処罰を強化することといたしたことであります。
 その一は、公共の場所または乗りものにおいて、公衆に対して迷惑をかけるような著しく粗野または乱暴な言動をしためいてい者については、これを拘留または科料に処することとし、その旨を第四条第一項に規定いたしました。なお、第四条第二項及び第三項につきましては、軽犯罪法第二条及び第三条と同様の趣旨の規定であります。
 その二は、警察官が第四条第一項の罪を犯そうとしていると認められる者を発見したときは、その者の言動を制止することができることとし、その制止を受けた者が、その制止に従わないで第四条第一項の罪を犯したときは、一万円以下の罰金に処することといたしまして、その旨をそれぞれ第五条第一項及び第二項に規定いたしております。これは、めいてい者のうちで特に反社会性の強い者に対しては、さらにきびしく処罰して社会の平穏と秩序を維持しようとする趣旨のものであります。
 第五は、めいてい者が、その者の住居内で同居の親族等の生命、身体または財産に危害を加えようとしている場合に、警察官が、警察官職務執行法第六条第一項の規定に基づく立ち入りの必要があると認めるときは、当該住居内に立ち入ることができる旨を第六条に念のため規定したものであります。本案は、言うまでもなく、あくまで警察官が警察官職務執行法第六条第一項に規定する要件に該当する場合に立ち入ることができる旨を規定したにとどまり、めいてい者の居住する住居内への立ち入りについて、警察官職務執行法第六条第一項に規定する要件を緩和する趣旨のものではないのであります。ただ、めいてい者の居住する住居内への警察官の立ち入りについて、特に本条を設けた意義としては、悪質なめいてい者による家庭悲劇か一向に跡を断たない現状にかんがみ、警察官が、警察官職務執行法第六条第一項の規定により住居内に立ち入ることができる旨を一般に周知させ、かつ、悪質なめいてい者がその者の住居内で同居の親族等に危害を加えないようその者を心理的に強制するといった効果も考えられるのであります。
 第六は、アルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者に対し、その者が、積極的に医師の専門的な診療を受けるように勧奨するなどの方策を講じたことであります。
 その一は、警察官がこの法律の第三条第一項または警察官職務執行法第三条第一項の規定によってめいてい者を保護した場合に、その者がアルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者であると認めたときは、すみやかに、もよりの保健所長に通報すべきこととし、その旨を第七条に規定いたしました。これは、現状におきましては、アルコールの慢性中毒者及びその疑いのある者でありましても、警察官としては保護をしてもその後はそのまま放置せざるを得ない建前になっておるのでありますが、今後におきましては、保健所長に通報することによって、そのことが、その者を診療への方向に向かわしめる一つの契機になるであろうことを意図して設けた規定であります。
 その二は、第七条の規定により警察官からアルコールの慢性中毒者またはその疑いのある者についての通報を受けた保健所長は、必要があると認めるときはその者に対して医師の診察を受けるように勧奨し、さらにその者の治療または保健指導に適当と思われる他の医療施設を紹介することができることとし、その旨を第八条に規定いたしました。アルコールの慢性中毒者及びその疑いのある者に対するこのような仕事は、一般的に、国民にとっての第一次的な保健に関する窓口である保健所において取り扱うのが適当であり、保健所としても必要があると認めるときは、通報のあった者に対する公的な助言者または相談相手となり、その者が自発的に診療への方向に向かうよう努めることになるわけであります。
 その三は、第八条前段の規定によって保健所長から医師の診療を受けるように勧奨された者がその勧奨に従って受ける診察及びその診察の結果必要と診断された治療について、その診療を受ける者が生活保護法の適用される要件を満たしている場合にあっては、同法第十五条に規定する医療扶助を受けることができる旨を一般に理解、周知させるために第九条に念のため規定したものであります。
 第七は、この法律を適用するにあたっての注意義務を明示したことであります。この法律の大半が人権と密接な関係のあるものであることにかんがみ、その適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意すべき旨を第十条において規定いたしました。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第でございます。
#8
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は、次回に譲ることといたします。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○小林武治君 自治省にお伺いし、ますが、公営企業についての監督とか監査とか、こういうようなことはどうなっておりますか。
#11
○政府委員(奥野誠亮君) 地方自治法上、地方団体の財務について、行政庁が検閲をするという権能を持っておるわけでございます。そういう意味におきまして、公営企業につきましてもそういう態度で行なっておるわけでございますけれども、なかなか手が回りかねておるというのが実態かもしれません。そういう方向で努力はいたしておるのでございます。公営企業法においても、類似の規定を置いておるわけでございます。
#12
○小林武治君 公営企業をやる場合には、ふだん届出とか、あるいは事業の執行、経理等については、何か届出をすることになっていますか。
#13
○政府委員(奥野誠亮君) それぞれの企業に関する法律によりまして、政府の関係省の許可を受けなければならないというものもあるわけでございますけれども、特に自治大臣に届け出でなければならないというような規定を置いていないわけでございます。ただ公営企業の経理につきましては、地方公営企業法におきまして規制をいたしておるわけでございますし、自治大臣が、そういう点につきまして検閲、助言等の権能を持っているわけでございます。
#14
○小林武治君 公営企業は、企業であるからして、採算というような問題について自治省は当然関心を持ち、注意をしていかなきゃならぬと思いますが、そういう経営の内容については、どの程度関与しておりますか。
#15
○政府委員(奥野誠亮君) 従来、使用料をきめます場合につきましても、戦前においては、内務大臣の許可というようなことになっておったわけでございますけれども、公営企業につきましては、その後はずしてしまったわけでございます。従いまして、自治大臣としては、使用料の変更等につきましての権限を持っていないわけでございます。しかし、料金の種類によりましては、政府の中で実は権限を持っているというのがあるわけでございます。ただ御指摘になりましたように、独立採算その他の面につきまして、自治大臣がいろいろと助言をしていくということになっているわけでございまして、具体的な問題としましては、たとえば地方債を許可いたします際に、内容が非常に悪化しているというようなものにつきましては、一つの改善案を立てていただきまして、改善案の決定と同時に、地方債を許可するというような態度をとることによって健全化への協力をしているというようなのが実態でございます。
#16
○小林武治君 自治省としては、公営企業が採算的に成り立つ、また成り立たなければならぬ、こういうことについての関心というか、そういうことはしっかり持っておるのですか。
#17
○政府委員(奥野誠亮君) 全く御指摘の通りに、深い関心を持っているわけでございます。地方公営企業も、同時に、地方団体の財政責任に帰着するわけでございますので、相対的にそういうものにつきましては深い関心を持っているわけでございます。それがどういう形においてその任務を達成しているかということについて今申し上げたわけでございまして、料金統制といいましょうか、そういう問題についての権限は、現在のところは持っていないわけでございます。従いまして、いろいろな形の検閲とか助言とかいう格好において、その方向の達成をはかっているわけでございますし、また各関係団体だけでなしに、各自に対しましてもそういう意味の協力を求めて参ってきているわけでございます。ただ具体的には地方債の運用を通じまして、そういう私たちの期待していることの具現を見きわめているということになろうかと思うのでございます。
#18
○小林武治君 そうすると、地方の公営企業が、あるいは経営がずさんであるとか、あるいはその料金が原価を割る、こういうようなことによって経常的の赤字を出しておる、こういうようなものについては、何か関与しますか。
#19
○政府委員(奥野誠亮君) 地方団体の側から積極的に内容の検閲を求めてくる場合がございます。そういう場合には、当然その企業のいろいろの検閲を行ないまして、具体的の改善策を助言していくということでございます。さらにそのほかにも、今申し上げましたような方途は別途講じておるということでございます。
#20
○小林武治君 私が申し上げたいのは、最近いろいろの値上がり、物価騰貴あるいは人件費の値上がり等によって、公営企業が相当経常的の赤字を出しておるものが多い。これが結局、料金の値上げ等によらなければ救済できないというふうな状態のものが多いのであります。たとえば水道の問題あるいは電車あるいはバス、これらの問題についてどうしても料金を上げなければ適正な運営ができない、従って、赤字を出して、ついに結局は一般会計の世話にもならなければならぬ、こういうふうな事態を生じつつあるのでありますが、そういうふうな場合に、この公営企業を見ておる自治省としても、料金の適正化というふうなことについて相当な関心を持ってしかるべきだと思いますが、その点はどうですか。
#21
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘の通りでございまして、やはり水道料金にいたしましても、その他の料金にいたしましても、企業別にどういう姿になっていくかということは、絶えず把握しているつもりでございます。また、そういう資料をもとにいたしまして、料金が不当に高過ぎるとか、あるいは低過ぎるために、当然必要な改善ができないとかいうふうな点についての指摘はいたして参ってきているわけでございます。また単に公営企業の内部だけの問題で解決することができないものは、一般会計との関係において処理しなければならないこともあるわけでございまして、そういうことも当然いろいろと検討を加えながら指導、助言をしておるという状態でございます。
#22
○小林武治君 現実にもうそういう問題が起きておるのですが、それで客観的に見ても、ある程度料金の修正をしなければ事業が成り立っていかない、こういうふうになってきておるようでありますが、これは政府部内の問題としても、公営企業が健全経営されるべきであるということは、自治省としては当然関与、関心を持たなければならぬが、そういう事態について、あるいは当該の料金を認可する官庁に対して料金の適正化ということについて勧告をするか、申し入れをするという、そういうようなことはできませんか。
#23
○政府委員(奥野誠亮君) 料金の引き上げを要する場合と引き下げた方がいい場合と両方あるわけでございます。具体的に、たとえば料金の値上げを抑制する意味の先般の閣議決定が行なわれたわけでございますが、しかし、バス事業、電車事業等におきまして非常に古い料金ベースを据え置いておりますために、どうしてもそのままでは人件費の高騰あるいは諸経費の高騰というようなことから赤字にならざるを得ないというような事態に立ち至っている企業もあるわけでございます。そういうものにつきましては、特別に取り扱わざるを得ないのじゃないかと考えているわけでございまして、そういう点につきましては、運輸省に対しましても自治省の考えを具体的に述べまして、協力を求めているということはいたしているわけでございます。
#24
○小林武治君 政務次官に伺っておきたいのですが、もう現実にそういう問題が起きているのですがね。それで自治省としては、公営企業が健全経営であるべきだ、こういう方針は堅持されていると思うのですが、そのためには、どうしても料金について何か手直しをしなければならぬという問題が現実に方々に出てきているのですが、これは自治省の立場としても、単に見過ごしているということでは、公営企業法を主管している自治省としては、私はむしろ怠慢じゃないかと思うのですが、一緒になってやるべきだ。それから同時に、企業の採算というものについては、公営企業法を主管している自治省としても、ある程度の権限というか、相談を受けるというふうな立法的な、そういうふうな手段を講じておくべきではないかと思うが、どうですか。
#25
○政府委員(渡海元三郎君) 立法的にそういった手段が現在勧告的なものにとどまっているのじゃないかと思いますが、ただいま仰せになりましたような事態を自治省の方で把握もし、また、しておらなければなりませんが、そういった場合が把握された場合においては、現在の法の許す限りにおきまして、そのような手段をとるよう各公営企業体に向かって適当な助言、勧告を与えていると、かように承知しておりますが、ただいま小林先生御指摘になりましたように、権限づけるという点につきましては、なお将来検討さしていただきたい、かように考えるわけであります。
#26
○小林武治君 これはもうはっきり自治省としても健全な経営、経常的な赤字などが常時出ては困る、継続的に出ては困る、こういうことははっきりしているでしょうね。もしはっきりしておれば、もうそういう状態のものが相当現実に出てきているんですが、これを黙って見過ごしておかないで、健全経営のためには料金等についても手直しをする必要がある、こういう見地に立って、それぞれの主管庁に対して自治省からも勧告をするか、現実の問題として。そういう手段をとってもらいたいと思うんですが、どうですか。
#27
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘のように、自治省といたしましては、公営企業の独立採算制、健全経営ということを強く期待いたしているわけでございます。そういう意味の指導も強力に行なって参ってきているわけでございますし、関係各省にもそういう申し入れをいたして参っているわけでございます。ただ、最近の物価値上げムードといいましょうか。そういうものを抑制する必要があり、そういう意味の閣議決定がなされましたので、ただ独立採算だけで、今直ちに料金値上げを行なってでも独立採算の強行を強く突っぱっていくということは、一律的には取り扱えないようになっているのじゃないかと、こう思うわけでございます。しかし、これも物価値上げムードを押えるためにやむを得ない時期だと考えているわけでありまして、基本的には、今御指摘になりましたような態度で臨んで参りたい、かように考えているわけであります。
#28
○小林武治君 今個々の事業者からそういうふうな申し入ればありませんか、自治省には。
#29
○政府委員(奥野誠亮君) ございます。団体によりましては、議会の議決を経て料金値上げをやった。その料金は決定されてから六、七年経過しての改正である、従って、これについては、ぜひ関係官庁、官署の許可を受けたいのだ、自治省としても協力をしてもらいたいというふうな申し入れをしてきているところがございます。そういうものにつきましては、私たちもまた例外的な措置として許可を与えるべきものだ、こういう考え方に立っておるわけでございます。
#30
○小林武治君 まあ、今のようなことは自治省の責任としてもやってもらいたいし、それから将来法律的にも、経営の財務規定みたいなものは、形式的なものばかり作っておっても、実質的な点については、ある程度自治省も協議を受けるとか、そういうふうな法律的な措置を講ずる必要があるかと思うのですが、ただ、あなたの方が法律を作って、いわば投げやりでもって地方の自由にまかしておく。そしてあとは全部事業官庁だけにやらしておる。これでは、私は公営企業の所管省としての自治省の仕事、責任を十分果たしておるとはいえないと思うのですが、何かそういうことについて、法律的な、立法的な措置を講ずるということについても一つ検討してほしい、こういうことを注文しておきたいのですがね。
 それから、現実の問題としては、何のために赤字が出るか。赤字がもし料金の問題であれば、これは適正化するということについて、自治庁としても、もっと一つ本気になって当たってほしい、こういうことを注文して、私はきょうの質問をやめておきます。その点もう一ぺん政務次官から……。
#31
○政府委員(渡海元三郎君) 御指摘の点、まことにごもっともであろうと思います。よく検討さしていただきまして、善処さしていただきたいと思います。
#32
○占部秀男君 二つの点でお伺いをしたいのですが、一つは、今度の法改正によると、地方公営企業の特別会計の中に、今度地方公共団体が必要の出資を行なうことができるということになるのですね。拡大するための資金を必要とする。その意味では私はよくわかるのですが、これは、たとえば東京都なら東京都で都の交通の関係をはかるという場合に、都の交通局の特別会計へ都の方から出資をする、こういう形に具体的にはなるのですか。その点いかがなものでございましょうか。
#33
○政府委員(奥野誠亮君) たとえば東京都が地下鉄事業に一般会計から金を出します場合、単に貸付金を繰り入れていく場合もございますし、あるいはまた本来出資金相当のものを繰り入れていく場合もあるわけでございます。現在の地方公営企業法には、単に繰入金の規定を置いておりまして、それは原則として返さなければならぬのだという建前をとっておるわけでございます。しかし、ある程度無利子の金を持つことによりまして、料金を低く定めることができるというふうなことにもなっているわけでございますので、そういうものについては、積極的に一般会計から出資の意味の繰り入れをして健全経営をやらせるべきではないだろうかというような考えも持つわけでございますので、そういう性質を明確にしておきたい、かように考えているわけでございます。
#34
○占部秀男君 従来の繰り入れと、この出資なんですが、同じ公共団体の中の仕事で、何か形だけ形式的に変えたというどうも感じが強くあるのですが、実益はどういうところにあるのでございますか。その点を一つ。
#35
○政府委員(奥野誠亮君) 一般会計から特別会計へ繰入金として繰り入れるわけですけれども、受けた側でそれをどう経理するか。出資金として経理するか、借入金として経理するか、あるいは補助金として経理するか、いろいろな問題があるわけでございます。その場合に、出資金として明確に経理さしていきたい、かように存じておるわけでございます。
#36
○占部秀男君 もう一つの点は、これは直接この法律の改正には関連はないわけですけれども、例の、今度地公企労法の一部改正があるわけですね。それと、この職員の身分取り扱いについで、私は関連事項が出てくるのじゃないかと思うのですが、そういう点についての改正は考えていないのですか。
#37
○政府委員(奥野誠亮君) 地方公営企業労働関係法でしたか、そちらの方の附則で、所要の改正手続をとることになっております。
#38
○占部秀男君 ああ、附則で、けっこうです。
#39
○加瀬完君 先ほど小林委員が御質問した趣旨とは私は反対なんですが、この提案理由の御説明の中に、独立採算を建前として、経営の健全な発展をはかり、住民に対するサービスを確保する、こういう大筋がうたわれておりますけれども、さっき小林委員が御指摘になりましたように、独立採算を建前とするということが地方団体としては強調をされまして、独立採算のためには、住民への負担転嫁という形で独立採算をはかろうとする傾向が強いと思うのです。しかし、これは公営企業でありますからね、住民の福祉ということも当然考えなければならないはずでありますから、あまりに独立採算のために料金を上げて、住民に負担を転嫁するという方法は、これはあくまでも原則としては避けていくべきじゃないかと思うのですが、自治省のお考えはどうですか。
#40
○政府委員(渡海元三郎君) もっともでございまして、公営企業の建前から、あながち独立採算が成り立たないからといって、直ちにこれを独立採算にするために住民への転嫁をするということは、これは公営企業という立場から、よく考慮しなければならない問題でないかと思います。私も実は本日汽車で帰って参りますさなか、ある地方団体の理事者の方々と、たとえば現在の公営企業をながめましたのでは、水道事業その他では相当黒字を出している、健全な経営をされておるが、一般的な公営企業の中で現在非常に赤字を出しておるのは、現在の交通事業が非常に赤字を出しておるのじゃないか。その場合考えますと、普通の営利会社なんかの場合は、営業路線におきまして、経営という部面を考慮に入れてある程度選定しておる。しかしながら、自治体がこれを行ないます場合には、経営ということを離れまして、住民の利便という点から、経営的に不利益な採算の場合においても、これを実施しているというような問題が起こるというような問題から、交通事業におきましては、相当の赤字が出る。これを直ちに住民に転嫁して、料金を値上げすることによって独立採算制をとっていくことが至当であるかどうかという点については、十分考慮しなければならない。従いまして、ここに規定されておりますような、資本というような形態におきまして、安定した資金を与えることによりまして、金利コストを下げていくとか、あるいは現在ございます施設に対しまするところの地方債の財源を、公営企業債の財源を、必ずしも耐用年数に合っていないために、これの支払いのために追われて、料金を値上げせざるを得ないというふうな問題は、耐用年数に合わした期限の延長というふうなものを考えまして、あらゆる方向をもってこれを検討しなければならないというようなことを語りながら上京したようなわけでございます。しかしながら、そのことがただいま直ちに、小林先生の御指摘になりました、こういった運営の面を監督官庁としての自治省が常に把握しながら、適当なる処置と助言を与えるべきだという御趣旨とは、私は全然相反するものではなかろう、かように考えておる次第でございます。
#41
○加瀬完君 その今御説明のございました公営企業の特別会計への出資ですね、具体的に申し上げますと、たとえば再建団体等では、一般会計から出資をしようにも、財源そのものがかれておるわけですね。しかしながら、実際の公営企業は今、政務次官御指摘のように、一般会計からの援助でもなければ、これは料金でも上げなければならない、こういうケースが多いと思うのです。そういう場合に、その出資財源というものを自治省としてはどうお考え下さるのか。この点は何か特別御配慮があるのか。
#42
○政府委員(奥野誠亮君) 大体どの地方団体においても、公営企業については出資をしていくというまでの考え方は持っていないわけでございます。ただ、事業によりまして、たとえば、地下鉄事業のようなものになって参りますと、建設費の減価償却費、それにプラスして経常経費、それを全部料金にはね返らせるということになりますと、相当の金額になっていくわけであります。将来の料金のことを頭に置いて考えますと、ある程度一般会計から財源を出さざるを得ないんじゃないか、こう考えておるわけでございますので、そういう場合には、繰り戻しを予想する繰入金じゃなしに、積極的に料金を低減させる企業の出資金としての繰入金だということを明確にしたいかように考えているわけでございます。そのどの企業につきましても、出資金まで一般会計から出しまして料金を必ず下げなければならないのだというようには考えていないわけであります。公営企業の性格からいいまして、あるべき料金を維持するためには、どうしても出資を必要とするという向きにおいては、積極的に出資を期待していきたいということでございます。
#43
○加瀬完君 私は、一般会計から出資をして料金を下げろ、そういう議論を申し上げているのじゃない。不当だといわれるほど料金をつり上げなければ採算がとれないという団体に対しては、料金を不当なほどつり上げないようにするためには、どうしても一般会計からの出資ということが必要になる。ところが、その団体は再建団体あるいはこれに準ずるような団体で歳入構成そのものをある程度規制するということになりますと、出そうにも出せないじゃないか。現実的な問題としてはそうすれば背に腹は変えられませんから、これは住民に転嫁をしていかざるを得ない、こういう問題ができてくるんじゃないか、こういう点を伺っておるのです。
 それからもう一つ、今御説明の中で伺いたい点は、東京都のような団体で地下鉄事業のような大きなことをおやりになる。で、そういうために特別に財源の方法を考えたのだという御説明もございましたけれども、東京都で地下鉄をやるのと、地方の貧弱団体で水道事業をやるのとでは、その財政的な負担というものはかえって地方の団体の方がつらいという場合もあり得るわけですから、東京都の地下鉄に応用できるものならば、当然地方の水道事業でもその他の病院事業でも、これは一般会計からの出資というものを認めていただかなければ困るんじゃないか、そういう点を重ねて伺いたい。
#44
○政府委員(奥野誠亮君) 出資することができるということでございまして、出資した場合には、どうしても一般会計におきまして本来その公営企業を予定していない一般財源をそれだけ使っていくということになるわけでございますので、納税者一般がその分を負担するということになると思うのでございます。税率引き上げの形において負担をするか、あるいは行政施設のサービスが低下をするという形において負担をするか、とにかく一般会計が金を出すということは、単に公営企業の利用者だけの負担じゃなくて、一般納税者の負担になるのだ、こういうことだと思うのでありまして、いずれの道を選ぶかは、当該団体の議会が決定をすればよろしい問題じゃないか、こういうふうに考えております。
 それから水道事業につきまして積極的に一般会計から援助しないと料金が高くなり過ぎて経営ができないというようなことは、一般的な事例ではないように私たちは考えているわけでございます。水道事業につきましては、原則として所要経費を料金にはね返らしてもらいたいというような気持を今日では持っておるわけでございます。
#45
○加瀬完君 施設その他の条件をよくして料金を若干上げてバランスをとるというのは、これを原則としていいと思うのです。それが、だれが考えてもこれじゃ料金を上げ過ぎるのじゃないか。初めの計画が非常にずさんであったから、あるいは料金を上げて、独立採算をとるという名のもとに独立採算で取り過ぎるような方法をとったり、料金を上げることは一番やさしいから、そういう形になって参りますと、これは、公営企業が一般企業よりも料金が高くてサービスが悪いということになっては公営企業の目的を失うわけですから、その点は相当考慮しなければならないのじゃないかということなんです、私の申し上げておりますのは。
 それから、一般財源から出資をする、これは行政の今までの幅を縮めたり、あるいは税金をよけい取ったり、こういう形で一般の住民のやっぱり負担になるのだとおっしゃるけれども、いずれにしても、そういうやりくりのできる団体はいい。やりくりができない団体は財源の方法を何か特別考えてやらなければ、一般会計から出資するといって出資するもとがないじゃないか。そういう場合に自治省としては何か特別な財源というものを考えてくれるのかどうか、ここです、伺いたいのは。
#46
○政府委員(奥野誠亮君) 一般会計から出資をする、その出資の金がないから地方債を起こしたいという場合につきまして、そういう出資だから一切認めないのだという考え方は持っていないわけでございます。従いまして、そういう起債を起こした場合には、一般会計で負担を元利償還額について負っていかなければならない、こういう問題になろうかと思うわけでございます。
#47
○加瀬完君 それからもう一つ、公営企業で事務組合なんかをもっと奨励する必要があるのじゃないか。貧弱団体で背負い切れない、公営企業を起こして住民に負担を転嫁するというようなことをさせるならば、もっと県あたりが中心になって、行政指導をして、新町村が一緒になるとか、あるいは市と付近の町村が一緒になるという形で、公営企業の事務組合というものをもっと奨励をする必要があるのじゃないか。たとえば塵芥処理なんかの問題でも、病院の問題でもあるいは水道の問題でも、人口三、四万の新しい市でやる、人口一万五千か二万の町でその隣ですぐ同じようなことをやるというふうなことが繰り返されておりますから、今度の公営企業の事務組合の問題が出ておりますけれども、事務組合をもう少し行政的に指導してうまくやらせるというお考えはないのですか。
#48
○政府委員(奥野誠亮君) 全く同感でございまして、私たちは、できる限り単一の団体で処理するというよりも、多くの団体が共同いたしまして、広域的に処理することによって事務能率化、料金の低廉化をはかっていかなければならない、かように考えておるわけでございます。従いまして、一部事務組合という形式以上に、そういう広域処理の方式を効率的に進めていくことができる体制をどう持っていくかということにつきまして、寄り寄り協議を続けておるわけでございまして、今回地方公営企業法の一部改正案を提出しておるわけでございますけれども、これだけにとどまりませず、将来ともいろいろな方法を検討して参りたいということで研究を続けておるわけでございます。
#49
○加瀬完君 それから法律の二十二条に企業債がございますね、ここでいう企業債というのは、具体的にどういうものをさすのか。それからその企業債を集める方法は、具体的にどういう方法を考えておられるのか。
#50
○政府委員(奥野誠亮君) 二十二条の企業債は、これは普通の地方債のことでございます。二十三条の方は償還期限を定めない企業債のことでございまして、一般の地方債とは若干別なものを考えておるわけでございます。二十二条の方でありますと、地方債のうちの企業に利用されるものを考えておるだけのことでございます。
#51
○加瀬完君 私の言うのは、二十二条の企業債は、どういう種類でどういう方法で集めることまでお認めになっておるのか、具体的なことを伺っているんです。たとえば、いろいろな方法がありますね。これは法律違反じゃないかというふうな問題も今までありましたし、これはまあ仕方ないから認めてやろうといったようなこともありました。ですから、この企業債は、大体こういう方法でこんなようなものを集める程度のものならばよろしいんだというふうな具体的なものをお持ちなのかどうか。
#52
○政府委員(奥野誠亮君) ちょっと二十二条と二十三条と見比べていただきたいのですが、二十三条の御質問じゃないかと思うんですが、二十二条でしょうか。どちらも企業債の規定ですが、二十二条のことに違いありませんか。
#53
○加瀬完君 二十二条でも二十三条でもいいですよ。ここでいう企業債というものは、どういう幅を持たせてあるのかということなんです。
#54
○政府委員(奥野誠亮君) 公営企業の建設なり、あるいは運営なりに要する資金につきましては、広く地方債の発行を認めると、こういう態度をとっているわけでございます。一般会計の地方債につきましては、特定のものについてのみ地方債の発行を認めておるわけでございます。しかし、公営企業につきましては、単に建設、改良だけじゃございませんで、運営に要する経費につきましても地方債を認めると幅広い態度をとっておるわけでございます。この地方債の資金といたしましては、やはり行政庁の許可を受けなければならないということにいたしておるわけでございます。附則の方で、当分の間、行政庁の許可を受けなければならないという規定を置いておるわけでございます。許可を受けた地方債の資金は、一つは、政府資金がございます。政府資金につきましては、資金運用部の資金とそれから簡易保険及び郵便年金積立金の資金とがございまして、それぞれの資金の別によって借入先が異なってくるわけでございます。しかし、許可を与えますときに、どちらの資金を使うべきかということも示すわけでございますので、そちらに出向けば直ちに借り入れができるという運営になっておるわけでございます。それから、地方公営企業金融公庫の資金、これは、地方公営企業金融公庫が貸し付け得る対象の事業を政令で限定をしておるわけでございまして、その限定された事業に充てる場合だけであり、同時に、許可をいたします場合には、地方公営企業金融公庫の資金を使うべき部分を明示いたしておるわけでございます。その他の部分は、地方団体が自分の力で資金を確保するわけでございますけれども、一つは、特定の地方団体においては、市場で債券を発行いたしまして、それで資金を入手しているわけでございます。また、例外的には、銀行資金を利用するとか、こういう方法をとっておるわけでございます。こういうような資金移動を伴います地方債のほかに、別途交付公債の制度をかなり活用するように私たちとしては努力いたしておるわけでございます。土地を買収する。その場合に、地方団体の債券を相手方に渡すことだけによって所有権を入手する。その場合に、相手は所有権を失うけれども、地方団体の債券を確保するということになるわけでございまして、金融界には何ら影響を与えない。その債券の所持者は、債券の定めるところによりまして、十年賦とか二十年賦とかで団体から金を受けていく。年賦で所有権を譲り渡したというような形になろうかと思うのでございます。大体におきまして、そういうような姿でございます。
#55
○加瀬完君 結局、交付公債はお認めになるということでございますね。
 そうすると、電電公社などがおやりになっておったように、電話の購入の場合、施設費のほかに、いろいろの条件をつけて債券その他のものをあわせ購入させますね。それに準じた方法を水道でも、その他の公営企業でもとりましても差しつかえないわけですね。
#56
○政府委員(奥野誠亮君) 交付公債方式は、原則として、所有権を持っている人間にその所有権を譲り渡してもらう、そのかわりに地方団体の債券を渡すというようなものについて認めておるわけでございます。
#57
○加瀬完君 ですから、具体的にA地域ならA地域に水道を引くとしますね。そうすると、A地域の水道受益者といいますか、その人たちに、水道を引いてやるからそのかわりこれだけ債券を買え、あるいは、これだけ、二十三条のこのような幅でもいい、無利息で何年間の金を貸しておけという形の取引というものを、悪くいえば取引というものを住民との間に自由にやっても認められるかと、こういうことです。
#58
○政府委員(奥野誠亮君) 今御指摘になりましたのは、やはりこれは債券発行でございます。交付公債じゃないと思います。地方団体の債券を市民に買ってもらうということだと思います。そういうようなものにつきましては、私たちは、積極的にそういう方法で資金が確保できれば非常にけっこうなことだ、こういうふうな気持でおるわけでございます。特に水道を敷設します場合に、給水を受ける関係者から積極的にそういう資金の提供を受けるという場合には、ある程度普通以上に地方債の発行額をふやしてもよろしいのじゃないかというまでの気持を持っているわけでございます。
#59
○加瀬完君 わかりました。ですから、交付公債でもよろしいし、今のような方法も認められる、こういうことですね。
 そこで、最後に一つ伺いますが、先ほども非常に赤字の出る一つに鉄道の問題がありましたが、政府も奨励しているような農業から工業への転換ということで工業用地というものを提供していろいろの工場を誘致する運動というのは各地方団体で激しくなってきております。そうなりますと、結局、集団的に工場なんかができましても、これに付随して国鉄で鉄道など引いてくれませんから、どうしても県などで県営鉄道といったようなことが問題になってくるわけです。たとえば、私どもの千葉の例を申しますと、鉄道の計画ですと十年以後でなければ鉄道は引けない、しかしながら、工場は二、三年先にでも鉄道を引いてくれなければ困るという場合、どうしても誘致した責任者である県は、県営で鉄道を引かなければならないというような羽目に陥って参る。しかしながら、その鉄道を引けば採算は合わない。鉄道を引くには非常な大きな資金が要る。しかし、ここ二、三年再建団体だ。で、すぐに始めなければならない。資金も、資金ぐりの上で内容でも形式の上でも非常に制約を受ける、こういったような場合に、その資金関係というものを自治省はどういうように幅を認めて下さるのかどうなのか。
#60
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘の鉄道が、かりに短期的には採算が合いませんでも、長期的に採算が合う。また、その鉄道を敷設することによりまして地方の積極的な発展をはかっていくという場合には、私は、公営でおやりになることは非常に望ましいことじゃないかというぐらいの考え方を持っておるわけでございます。それほど大きなものじゃございませんけれども、たとえば岡山県の水島地区でいろいろな工場が建設されつつあるわけでございます。そうしますと、倉敷市の経営しております鉄道を水島地区まで延ばしていかなければならない。そうしませんと、せっかくできる石油精製所等との間の物資運搬ができないというような問題になりまして、延長を行なうことにいたしました。その地方債を昨年許可いたしたわけでございます。資金のあっせんもいたしておるわけであります。具体的な問題につきましては、積極的にそういう点について私たちとしては協力をしていきたいという考え方でおるわけでございます。
#61
○加瀬完君 再建団体であっても、将来の発展というものが見込めて将来の採算というものが考えられるならば、起債その他についても考慮できると、こういうように了解してよろしいですか。
#62
○政府委員(奥野誠亮君) 再建団体であるから特にその活動に制約を加える意思は毛頭ございません。特に公営企業に対しまする限りは、再建団体でありましょうと、普通の団体でありましょうと、その間に取り扱いを別にするというようなことは毛頭ございません。
#63
○加瀬完君 公営企業にはそういう御方針でも、結局、一般会計からの出資ということが問題になりましょう。それに制約を加えないか、こういうことです。
#64
○政府委員(奥野誠亮君) その県政の発展上必要な出資につきましては制約を加える意思はございません。再建計画の達成という条件が満たされなければならないことは言うまでもございませんけれども、満たしてなお出資が可能なものにつきましては、それを制約する意思はございません。
#65
○鈴木壽君 今度の地方自治法の一部改正、先ほど趣旨説明があったこの中で、広域行政を行なうための総合的な計画を作成するというような目的で協議会を作ることができますね。関係団体の。これで具体的に言うと、この中でただ計画を立てるのか。あるいは実際に仕事をやるというような場合も出てくるのじゃないかと思うのですが、それと現在の一部組合で仕事をする、公営企業を行なうという場合に、これとは何か関係を考えて、この二つの法案でこういうふうになっておるのかどうか。ただ、これはこれ、今度の地方自治法の改正は地方自治法の改正だ、こういうことなんでしょうか。どうです、その点。というのは、さっき加瀬さんの質問の中に、将来事務組合等の拡充といいますか、広げていくようなお話がありましたから、そういうことと何か関係があってこういう法の改正を行なうのか、その点どうでしょうか。
#66
○政府委員(奥野誠亮君) 広域処理の体制を強化していきたいということにつきましては、全く同じような考え方に立っておるわけでございます。一部事務組合を設けて行なう方式もございますれば、協議会を設ける程度で方針をきめていくというような問題もあろうかと思います。一部事務組合方式をとりまして、法人格を持って運営していく場合につきましても、今回の公営企業法の改正におきまして、それを能率的に執行できるような運営体制を整備するという意味に中心を置きまして、改正をはかっておるわけでございます。協議会方式は、公営企業に限りませず、一般的な行政につきましても、そういうことで地方自治法の規定が設けられておるわけでございまして、かりに公営企業のあり方を協議会でいろいろお話し合いをいたしまして、方針をきめまして、それをどう執行していくかということにつきまして、一部事務組合方式をとろうじゃないか、そうしてその方針の執行にゆだねようじゃないかということにいたしましても、現在ではなお執行力が弱いといいましょうか、信用力が乏しいといいましょうか、そういう欠陥があるわけでございますので、そこを補おうと考えましたのが地方公営企業法の改正案でございます。
#67
○鈴木壽君 公営企業法の改正のことについてはお話のように了解しますが、それと、ただ、じゃ一体、将来の方向として重点をどこに置くかということがやはり考えられなければならない問題になるのじゃないか。協議会を作って計画を立てることだけなら、これはいいのですが、実際ここに、あとでこれはこの法案を審議する際にお聞きしなければならないことですが、具体的になると、たとえば病院の問題にしろ、あるいは上水道、下水道の問題にしろ、そういう具体的な企業のやり方に関係してくるのじゃないかと私思うのです。だとすれば、一体現在の、今議題となっておる、こういうものとの関係、あるいは今言ったように方向として、自治省としては具体的な仕事をする場合にどうさせるつもりなのか。どっちでもいいのだというお話であるとすれば、ちょっとそこら辺私はおかしいのじゃないかと思うのですがね。
#68
○政府委員(奥野誠亮君) どっちでもいいという性格の問題じゃございませんで、両々相待って広域処理の体制を強めていかなければならない、こういうことになっております。御承知のように、地方自治法の中に協議会の規定があるわけでございます。それにつきまして積極的に行政庁が協議会方式を設けて、そして広域処理の体制を整備したらどうかというようなところに積極関与していくことができるというのが、今回の地方自治法の改正のねらいであろうと思うのであります。そうやりまして、今度どう執行するかという場合に、公営企業に関しまする限りは、地方公営企業法の改正によりまして、若干体制を整備していく、こういうことでございます。一般行政事務につきましても、これを受けてどう整備していくかということにつきまして、今後なおその執行体制につきまして検討を要する問題があるのじゃないかと思うのでございます。事実自治省内部におきまして、そういう問題の議論をいろいろ繰り返しているわけでございます。
#69
○鈴木壽君 協議会の問題は、単にいわゆる公営企業だけということでなしに、お話のように、他のいわば一般的な行政についても行なわれるべきものだと思います。そこでただ問題をしぼって、公営企業というような問題を考えた場合に、いろいろな問題が出てくるのじゃないかと思いますが、その場合には、やはり一体、水道なら水道、あるいは交通事業なら交通事業というものをどうやっていくかということにつきましては、それが公営企業として事務組合でやっていく方がいいんだというような場合には、事務組合でやっていく、あるいはまあ別々にやるという場合も出てくるかもしれませんけれども、こういうふうに、両方の、それこそ指向するところは、特別に事務組合を作ってやらなければならぬというふうな方向ではないわけですね。特別にそれを抜き出して推し進めていこうという気持ではないわけですね。
#70
○政府委員(奥野誠亮君) 正確にお話を理解していないかもしれませんが、協議会方式は、あくまでもそのお言葉の通り、いろいろと協議できめていくということだろうと思います。積極的に交通事業を執行するというふうなものは協議会方式でできっこないと思います。協議会方式を設けまして、それを今御指摘になりましたように、一部事務組合の経営にゆだねようじゃないかという結論が出てくる、そういう執行体制が生まれるのじゃなかろうか、こう思うのでございます。公営企業に関しますそういう一部事務組合方式の強化をはかっておるのが、今回の公営企業法の改正でございます。しかし、一般行政事務につきましても同じ問題があるわけでございます。そういうものを一部事務組合方式で行なうにしましても、どういうふうに執行体制を強化するかということにつきましては、今後の研究課題ではなかろうかというように私たちは考えておるわけでございます。
#71
○鈴木壽君 最後に一点、地方財政法の一部改正案が、地方債の共同発行のことでやっておりますね。これはやはり今の公営企業なんかの問題も予想して考えておられるのですか。その点はどうです。
#72
○政府委員(奥野誠亮君) やはり広域処理の体制を整備していきたいという考え方も一つの考え方に立っておるわけでございます。具体的に申し上げますと、たとえば茨木県と勝田市、あるいは栃木県と宇都宮市が一部事務組合を作りまして、土地開発の仕事をやっておるわけでございます。そういう場合に、一部事務組合の名前で債券を土地の所有者に渡して、土地の所有権を入手するというようなことでは、なかなかなじみの少ない債券でございますので所有権を確保しがたい。あるいは勝田市なり宇都宮市だけの債券でも、なかなか信用力というような問題から土地の入手が得がたい。そういう場合に、茨木県と勝田市、あるいは栃木県と宇都宮市の名前の債券を相手に渡すことによって土地を入手しようとする、そういう場合には、県の信用力によりまして、若干入手が容易になるだろうと思うのでございます。そういう意味の債券の消化力を強めていく、信用力を強めていくというようなことを頭に置いて、地方財政法の改正を願ったのでございます。もちろん、もう一つの基本的には、大阪府と大阪市が外債を起こす、共同して起こすという問題もあるわけでございます。
#73
○鈴木壽君 ですから、場合によっては、この公営企業事務組合でやる、こういうことのまあいわば一つの手がかりにもなるのだ、こういうふうな御意図があるのかということです。
#74
○政府委員(奥野誠亮君) その通りでございます。
#75
○委員長(増原恵吉君) では、本案の質疑は、本日はこの程度といたします。
#76
○委員長(増原恵吉君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りをいたします。
 酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案について、法務委員会及び社会労働委員会より、それぞれ連合審査会開会の申し出がありまするが、両委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認めます。
 なお、開会の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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