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1960/04/25 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第17号
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1960/04/25 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第17号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第17号
昭和三十六年四月二十五日(火曜日)
   午前十一時十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
   委員
           小柳 牧衞君
           郡  祐一君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           占部 秀男君
           中尾 辰義君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治省税務局長 後藤田正晴君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   自治省税務局市
   町村税課長   鎌田 要人君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 前回に引き続き地方税法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○占部秀男君 こまかい点から具体的にお伺いをしたいと思うのですが、電気ガス税の問題点をお伺いしたいと思います。
 今度の政府の原案を見ますと、三百円までの免税点ということになっているわけでありますが、これは相当な大衆課税なので、私はこれを基礎控除にすべきではないかというように考えておるのですけれども、政府としては、そういう点の検討を原案作成をされる場合にしたかどうか。また、したとしたならば、どういう考えで免税点に原案を作ったか、その点をお伺いをしたいと思います。
#4
○政府委員(後藤田正晴君) 電気ガス税につきまして、免税点によって大衆負担の軽減をはかるか、それとも基礎控除制度をとるかということは、十分に検討いたしたのであります。税制調査会におきましてもこの点御審議を願ったのでございますけれども、結論といたしましては、免税点が適当である、こういうことになったのでございます。そこで、なぜ免税点の方が適切かということでございますが、もともと、このような消費税につきまして、税制上、基礎控除というのはあり得ない、やはり零細負担の排除ということになれば、これは税の性格上、当然に免税点であるべきであるという税理論上の問題もあるのでございます。また実際問題といたしまして、相当担税力のある人まで、すべてが基礎控除になるというよりは、それだけの財源があるといたしまするならば、これはやはり免税点制度によって免税点をそれだけ高めるということで、いわゆる大衆負担の軽減をはかるのがより適切である、こういうことになると思うのでございます。このような意味合いから免税点制度を採用いたしたのでございますが、さらに私どもといたしましては、徴税上の問題という点についても検討をいたしたのでございます。徴税上の点については、基礎控除がいいのだとか、いや、免税点の方がいいのだとか、それぞれの議論があるようでございますが、私どもといたしましては、やはり免税点の方が、電気とガスを通じて考えました場合には、徴税上はベターであると思うのでございます。と申しますのは、基礎控除の額が基本料金――たとえば電気について申しますと、基本料金以下の非常に低い点にきめるという場合には、これは確かに徴税上は基礎控除の方が有利なように思います。しかしながら、そういった低い基礎控除では、実はそう大した意味がないので、基本料金を上回わる点を基礎控除の額として定めるということになりまするというと、これはやはり免税点の方が徴税上はベターである、こういうように私どもは考えるのでございます。ただ免税点の場合には、限界点においてトラブルが生ずるおそれがあるという点については、これはマイナスの面であろうと思います。従いまして、今回は限界点におけ
 る争いをなくするという意味合いから、検針日がおくれた場合についてだけ日割りの計算をする、検針日が予定日より前にいったというときには、そのときの現状で免税点の適用の有無を決定する、こういう、国税自体の扱いとは違いまして、トラブルを少なくするという配慮もいたしてあるのでございます。
 以上のような点から今回の改正におきましては免税点制度を採用する、こういうことにいたしたのであります。
#5
○占部秀男君 お話はわかりますが、相当担税力のある方もあるわけですけれども、私どもは今日の電気器具の普及の状態から見て、電気の問題は、もうこれはどこでも相当量の電気を使っている。ガスの問題は、いろいろ都市によって違いがありますけれども、電気関係は相当の、農村までも電気器具の普及によって電気を使う量はふえているわけです。そういうようなおりから、はたしてこの免税点三百円でどの程度の恩恵が行き渡るものであるかということについては、われわれは少し疑問を持っているわけです。そこでお伺いしたいのですが、まず電気のこの定額関係では、これはおよそ、自治省の資料もあったと思いますが、何灯ぐらいつける分までこれによって免税されるのか。そういう点を具体的にわかったら一つお伺いしたいと思う。
#6
○政府委員(後藤田正晴君) まず電気でございますが、三百円の免税点で定額電灯の場合には、全需用家の八〇%二百五十万戸が課税対象からはずれることになります。次に従量灯でございますが、従量灯の場合には、月三十一キロまで、五百三十一万戸、総需用家の三四%が課税対象からはずれる、こういうことに相なっておるのでございます。従いまして、今回の免税点制度は、電気につきましては、私は相当な軽減がはかられる、こういうふうに考えておるのでございます。
 次に、ガスでございますが、ガスの場合には、月十一立米、三十八万戸、全需要家の一〇%が対象からはずれる、こういうことでございます。従いまして、ガスの免税点について多少論議があるようでございますが、これらにつきまして、私は、やはり現在の電気とガスを比べました場合の両者の普及の度合い、さらにはガス使用家庭と電気使用家庭の家計の実態、こういうような面から見まして今回初めて設けました免税点制度としては、この程度でおよそのバランスがとれているのではなかろうか、こういうふうに考えておるのでございます。
#7
○占部秀男君 そこで、念のためにお伺いしたいのですが、この前予算委員会のときにもちょっとお伺いしたのですが、基本料金の問題ですね、あのときに、まあそのままにしていたのですが、従量の場合ですが、基本料金を含めての使用料ということに課税対象といいますか、それはなるわけでありますから、そうなると基本料金はおよそ、ところによって違うと思うのですが、どの程度の基本料金が、特に六大都市、あるいは中小都市あたりでなされているか。こういう点を一つお伺いいたします。
#8
○政府委員(後藤田正晴君) それぞれの電気会社によって料金体系が違うようでありますが、東京電力管内では、たしか百八十円だと承知いたしておりますが、詳細は市町村税課長から状況を御説明申し上げたいと思います。
#9
○説明員(鎌田要人君) 東京電力の場合で申しますと、従量の場合、基本料金はアンペア制になっておりまして、五アンペアでございますと、一月につき九十円、それから十アンペアで百八十円――まあ十アンペアというところを今局長申し上げたわけでございますが、それで二十アンペアが三百六十円、三十アンペアが五百四十円、こういう形になっております。それで東京電力の場合でございますと、五アンペア、七灯以下の場合でございますと、基本料金は取らない、こういう形になっております。それから関西電力の場合でございますと、御存じの通り、アンペア制でございませんで、最低料金制になっております。それから東京電力の場合も、一需用家一月につき最低料金は百六十五円という定めになっております。これは使っても使わなくても百六十五円までは取られる、こういうことでございます。
#10
○占部秀男君 そうすると、従量関係で、かりに東電管内をやった場合に、十アンペアといえば、これは大てい電熱器やなんか使うので、相当の家庭は十アンペアでなければ、五アンペア以下ではとても使えないということになると、電気洗たく機その他普及されておる現状から見て、やはり十アンペア相当以上が普及されておる現実のワクではないかと思うのですが、そこで百八十円の基本料金と、百六十五円ですか、最低料金と、そこのところは三百円をこえるわけですか、そうじゃないのですか、その点……。
#11
○説明員(鎌田要人君) ちょっと今の私の説明が悪かったと思いますが、百六十五円と申しましたのは、使っても使わなくても百六十五円取られる、いわゆる最低料金でございます。今、十アンペアの場合でございますと、百八十円プラス百六十五円でございませんで、百八十円にプラス――東京の場合でございますと、一キロワットアワー当たり九円五十銭でございましたか、それが加わっていくわけでございます。
 それで、立ったついでではなはだ恐縮でございますが、十アンペア、五アンペアの問題でございますが、これは私どもの今度の考え方が、零細需要家の負担の配慮、こういう思想でおるものでございますから、大体五アンペアというところで一応切ってみたわけでございます。そこで、こまかい話になって恐縮でございますが、東京電力の場合に、三百円でどれくらいのところまで使えるだろうか、こういうことを調べてみたわけです。大体、台所が四十ワットつける、大体一日三時間使う、それから玄関に二十ワットつける、これは一日一時間使う、それから居間に、六畳に六十ワットつけて、これを五時間使う、それから四畳半の居間に四十ワットをつけて二時間、それからテレビに二百ワットのものを大体一日二時間ぐらい、それから電気洗たく機を百二十ワットのものを三十分ぐらい使う、アイロンを二百五十ワットで十五分ぐらい使う、これを使いますとちょうど二百九十七円、こういうことに相なるわけであります。大体零細負担の配慮がこれで目的を達成できるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#12
○占部秀男君 なかなかぴったりとうまく三百円のところへいっているので非常に感心しました。そこで、今度の電気ガス税の免税点設定に伴って減税される額は大よそどのくらいになりますか、金額。
#13
○政府委員(後藤田正晴君) 大体二十三億でございます。
#14
○占部秀男君 また、かりに今度の三百円までをいわゆる基礎控除、こういうような形にすると、全国的に減税が予想される額はどのくらいになりますか。
#15
○政府委員(後藤田正晴君) 七十三億でございます。
#16
○占部秀男君 この電気、ガス税の問題は、これはガスの問題もそうでありますが、特に電気の問題は、これからの後の近代生活と申しますか、憲法で定められたところまではいかなくとも、所得倍増その他いろいろな政府の施策等もあって、個人の生活はやはり向上していくと思うのですよ。その場合に、電気機具の普及から、特に電気の問題はこれはもう家庭生活と、従来もそうでありますが、特に今後も切っても切れないような必需品中の必需品に私はなると思う。従って、将来この電気についての税金を私は廃止すべきじゃないかという考え方を持っているのですが、そういうような点は自治省の方としての考え方はいかがでございますか。
#17
○政府委員(後藤田正晴君) 占部先生から御質問がございましたような御意見を私もしばしば聞くのでございますが、ただまあ、私どもはこの税につきましては、消費に担税力を見い出して課税をする、しかも、確実に税収が得られ、さらには電気なり、ガスなりの使用というものが、実際実情を調べてみますというと、担税力とちょうど合った結果が出てくる、こういうようなことで、私ども税の立場におる者といたしましては、将来とも続けていきたい税であると、こういうように考えておるわけでございまするけれども、さらに翻って考えますれば、おっしゃるように、まさにこれはいわゆる奢侈品というようなものに対する消費税でなくして、必需品課税であるというところに、やはり税制上の問題点もあろうかと思います。こういうような点につきましては、やはり地方財政の実態等ともにらみ合わせまして、真剣な検討を加えなければならぬということは私どもも考えておるのでございます。しかしながら、今直ちにこれを廃止をするというようなことは、私どもとしては現在の段階では考えてないのでございまして、むしろ私は、やはり社会生活の向上につれて、御質疑のように、電気なりガスの消費というものは次第にふえていく、こういうような点を考えまして、今回は免税点三百円ということできめましたけれども、将来はやはり消費の伸びというものとも考え合わせまして、財政の許す限り、逐次負担の緩和に努めていく、こういう線で考えていきたい、かように思っているのでございます。
#18
○占部秀男君 この問題で、今度の法改正では、一般の電気、ガスの消費に対する減税問題とともに、非課税品目の追加をしておるわけですね。そこで、この非課税品目を追加したと同時に、また整理している部面も二、三あるのじゃないかと思うのですが、どういうような意味合いからこの非課税品目を追加されたのか。また、現在の砂金等の五品目をこれは削除したと思うのですけれども、削除されたのか。その方向を一つお伺いいたしたいと思います。
#19
○政府委員(後藤田正晴君) 御承知の通りに、現在の電気ガス税で産業用に使っておるものにつきましては、非課税にいたしておるものが相当あるのでございます。この意味は、私どもといたしましては、生産用途に使われます電気、ガスについて、その当該産業が、国民経済上重要な意味を持ついわゆる基礎産業であるとか、あるいは新規産業で、重要産業に属するものといったようなものにつきまして、生産過程で電気、ガスを多量に使うということによって、この税がかかる場合に、いわゆる原料課税になるという、従って、それが製品原価にはね返っていくというような点をできる限り防止をする、こういう意味合いから非課税品目を設けておるのでございます。で、現在九十二品目達しております。その非課税による減収額は百五十九億という膨大な金額に上っておるのでございます。そこでわれわれといたしましては、重要基礎産業というものについては、ある一定の基準、たとえば五%というものを限度にして、これはやはり非課税として残さねばならぬと思いますけれども、いわゆる新規重要産業用のものにつきましては、これは新規産業として認められる期間に限るべきである、いわゆる限時法で扱うべきである、こういう考え方を持っておるのであります。そこで、そういう意味合いから、税制調査会に付議いたしました結果、やはり一定の基準、たとえば五%というような点を目安として、現在ある九十二品目についてもその基準に照らしてあらいがえをすべきである。同時に、新規産業用のものについては、年限を付して認めるべきである、こういう御答申をいただいたのでございます。それに従って私どもとしては原案を作成いたしたのでございますが、政府部内における折衝の過程におきましていろいろな議論が出まして、その基本方針については、引き続いて政府部内で検討する、こういうことで私どもとしては妥協せざるを得なかったのでございます。しかしながら、現在の品目中、整理すべきものは整理をする、同時に、従来から問題になっている追加すべきものは追加をするということだけは、今回の改正で取り上げようということに相なりました結果、十九品目――これはこまかく分けまして十九品目で、厳密には十二品目だと思いますが、を追加すると同時に、砂金等の、現在非課税になっておる品目中、五品目は整理をする、こういうことで今回の改正案を提案をいたしたのでございます。しかしながら、先ほど申しますように、基本の問題については、本年一ぱいさらに主管省と私どもの方で検討をする、こういうことに相なっておるのでございます。
#20
○鈴木壽君 今、占部委員からのお尋ねがありまして、また、それに対する御答弁がありましたのですが、ちょっと関連をして、今の電気ガス税の非課税品目等のことにつきましてお伺いしたいと思うのです。
 この問題につきましては、電気ガス税そのものについては、今までの自治省の主張としては、これを将来、消費税に純化をしていきたい、こういうことが常に述べられておったと思うのです。それはそれなりに、私、一つの考え方だと思いますが、しかし、この税の始められたときからのことを考え、現在のこういう形になってきておる場合に、これはやっぱり、いわゆる消費税としての純化という問題について検討を要すべき時期じゃないだろうかと、私はそういうふうに考えます。前のことを調べてみますと、二十五年に市町村税として電気ガス税が設けられた際は、全部一般のものはみんな対象になっておった。ただ、当時価格差補給金が出ておるものに、こういう産業については、そういう特殊な補給金という制度があったために、それに対する何といいますか、恩恵的な意味でこれは非課税とするということであったと、私思っておりますが、それが価格差補給金がなくなって、そういう制度がなくなったにもかかわらず、今度は反対に非課税品目が、いわゆる新規産業とかなんとかいって相当ふえてきておるという、こういうことですね、今後いろいろ検討したいというふうに言っておられますが、私はやはりここではっきり、今の非課税品目についての範囲を整理をして施行をしていくという方向に私はやはり踏み切るべき時期に来たのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。具体的に、たとえば、何といいますか、重要基幹産業というような問題ももちろん考えていかなければなりませんし、新規産業の場合でも、こういうことによってある意味においては保護し、ある意味においてはその結果として、住民がいろいろ製品等を買う場合に、そういうことにも関係をしてきますから、必要だというふうにもいわれますけれども、何といっても今のように年々年々追加され、しかも整理されるのは、何も産業というようなものについて、いわば役に立たなくなったものだけしか整理されていないということに私は問題があると思うのです。調査会にも、たしかその問題で年限を切って、五年なり三年なり年限を切っていくべきじゃないかという意見が出ておったと思いますが、その年限をどこで切るかということもいろいろ問題があると思いますが、採算ベースに合ったら、これはやはりこういう非課税の措置というものはやめるべきだと思います、原則として。それが年限を切る場合に、これは何年になるか、個々の産業によっても違うでございましょうから問題があるとしても、根本的な考え方としては、私はそういうところにいかなければならぬ時期に来ておるのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。一体、電気ガス税を課さないことにしても、それは会社の利益になっておるのか、あるいは製品の購買者に何かの形で返ってきておるのか、これはつかみづらいと思うのです。まことにあいまいな、効果の見えない一つの恩典みたいな格好になってきておるので、単に大産業にやることはいけないなんというふうなことで、イデオロギー論めいたことを言っておるのではなくて、実際に一つの税というものから来る今のような点を考えると、はっきり非課税品目として扱うことについて、線を出すべき時期じゃないかと、こう思うのですが、ちょっとくどくなりましたけれども、そういう点、将来検討するということでしたが、いかがでございますか。
#21
○政府委員(後藤田正晴君) 電気ガス税の産業用非課税の点についての御意見は、私同じような考え方を持っております。やはり消費に担税力を見出して課税をしていくという現在の税の建前上、私は産業用のものといえども、ほんとうに必要なものに限定をしてきめるべきである、現状は私の考えでは、いささか乱に流れておる面があるのではないか、もう少し整理すべきものがあるような感じがいたしておるのでございます。従いまして、私どもとしては税制調査会の答申の線に沿って将来引き続いて合理化をはかっていきたい、かように存じておるのでございます。
 なお、御指摘のございましたように、自治省としては、消費課税として純化していくのではないか、こういう御指摘がございましたが、確かに自治省としてそういう考え方を持っておったことも事実でございますけれども、今日の段階では私どもはこの考え方を持たない、やはり御趣旨のような線で将来は進んで参りたい、かように考えておるのでございます。
#22
○鈴木壽君 まあ相当はっきりした御答弁が得られましたから、もうこれ以上あまり申し上げなくてもいいと思いますが、私の申し上げておることは、何でもかんでも大企業、大産業にやることについては反対だという、さっきも言ったように、そういう妙なイデオロギー的なことでなしに、やはり税そのものからして私考えていかなければいけないのじゃないかと思うのです。確かに私は、いわば重要基礎物資を作るためにそういうコストの中に占めるウエートが非常に大きくてというような問題については、やはり考えていかなければならぬと思います。それから新しいいわゆる新規産業、特に最近の合成化学繊維等のああいうものについても、これはある意味において育てていくといいますか、そういう製品ができるだけ安く国民の手に入り得るように、そういうこともやはり私は否定はできないと思います。あってもいいと思いますが、しかし考えてみるに、一方、電気なんか大口需用はばかみたいに安い料金でやっておる。そういうところに一つの問題がある。すでにそういう面で保護されておる、こういうことを考え、さらにもう一つは、さっき申し上げましたように、その利益というものは一体どういう格好になっていくのかというようなことについても、これははっきりつかみがたいところなんです。
 それから、こういういわば基礎産業的なあるいは基幹産業的なもの、あるいは新規のものでもいいのですが、それに対する援助なり助成というものは、こういう地方税によって全部おぶさるような格好では私はまずいと思う。国の一つの政策として、国税の面においてもやるべきだし、あるいはその他の面で助成をしていくというのが私はやはり建前じゃないだろうか。こういうふうに、住民に非常に密接な関係を持つ税金ですから、そうして市町村の都市的なところではそれが現在相当ウエートを持っておる税金なんですから、そういう面で、地方団体がそういう会社の、あるいはそういう産業の保護なり育成なりというものに大きな役割を負わせるということは、私はどうしてもやはり筋が通らないのじゃないだろうかというふうに思うのです。
 そこで、さっきお話がございましたからこれ以上申し上げなくてもいいと思いますが、いま少しくそういう新規産業等について御検討いただいて、さっきも申しましましたように、その期限が三年でいいのか、五年でいいのか、これはいろいろ具体的に検討した場合に問題が出てくると思いますけれども、やはりできるだけ早くそういう期限を設ける等のことによってこの非課税についてはずすようにしなければ私はうまくないと思うのです。これは総額をとらえても百数十億円の、何といいますか、税額になっておりますから、大きいと思います。町村、特にさっき言った都市的な市町村にとっては非常にいい財源なんです。何もかにも税金を取れという意味ではありませんけれども、そういう意味からいって私は問題があると思いますから、どうか一つその点は私は十分検討して、早く結論を出すべきだと思いますから、あらためてつけ加えておきたいと思います。
 もう一つ、特別徴収義務者に対して、何といいますか、手数料みたようなものを出すことについては、今電気ガス税について問題をしぼってお聞きをしたのですが、この点については何か御検討なさったことがありますか。
#23
○政府委員(後藤田正晴君) 特別徴収義務者に、いわゆる手数といいますか、経済上の負担をかけておるので、その分を補償をしたらどうだ、こういう御意見、従来から私たびたび聞いております。しかしながら、私は特別徴収義務者というのは、税の徴収については特殊な立場にある人であり、特別徴収制度そのものによって、納税者はもちろん徴税者にとってもきわめて便利といいますか、合理的な税制であろうと思うのでございます。従いまして、そういった意味で、終戦後特に発展をして参りましたいわゆる特別徴収制度というのは、全体の面から見まして非常に合理的な税制だ、つまりその立場からいたしまするならば、いわゆる公共の福祉という観点から見て、特別徴収義務者の立つ特殊な地位にかんがみて、私はやはりそれは受忍をすべき性質のものであろう、こういうふうに考えておるのでございます。従いまして、当該徴収義務者の受忍義務の範囲の中に、そういった経済的な負担を負うという面も含まれておる、こういうふうに考えまして、私は現在の段階では、これらの人に経費を別途に出すということは考えていないのでございます。
#24
○鈴木壽君 これはまああなた考えておられないと、こういうのですが、しかし、常識的な点から考えてみて、これは相当の、何といいますか、特別徴収義務者になっておる人は、労力の点からいっても、あるいは経費の点からいっても、私はやっぱり相当な負担になってくると思いますね。公共性のものだというようなこともおっしゃいますが、それは確かに公共性のものには違いないでしょうが、実際の仕事が、この税金があることによって、あるいはない場合との比較によってこれはやっぱり違うと思うのですね。だから、私は何らかの形でやっぱりしかつめらしい手数料の交付というようなことでなくても、何らかの形で見るべきじゃないかと思うのです。遊興飲食税、今度名前は変わりますが、そういうものについても、いろいろあれですよ、組合等に実際は加入して……。それから、この噴気ガス税についても、私聞いたものですから、これはあなた方に確める意味もありましてお聞きするのですが、実際は市町村に納める場合にある程度手数料的な意味で差っ引いたものを納めているところもあるのだ、こういうことを聞いたこともあるのですがね。そうすると、たとえば市役所なら市役所においては、それは一たん全額納まったものとして、あと徴税何とかの格好で落とすということもあるやに聞いている。これは私、はっきり自分で証拠をつかんでおるわけではないのでございますが、もしそうだとすれば、実際上も必要性を認めて、また徴収に当たっておる電力会社の方でもそういうふうなことの要望があって、そういう取引が行なわれているのじゃないかと思うのですが、どうでしょう、やっぱり考えてみる問題じゃないでしょうかな。
#25
○政府委員(後藤田正晴君) 特別徴収義務者に徴収費を支払うかどうかという問題につきましては、ただいまお答えいたした通り、現在これに経費を支払うという考えを実は持っておらないのであります。と申しますのは、この問題は単に遊興飲食税あるいは電気ガス税の問題にとどまりませず、他のすべての問題に波及する公算のある問題でございます。たとえば源泉徴収義務者としてのものも、これもまた非常な負担を現在受けておるのでありまして、これらの点にも波及をするというようなことも、われわれとしては考えなければならないというふうに考えておるのでございます。
 なお、この点が憲法違反かどうかといったような点で、国税についてでありますが、現在一部の新聞等で見ますというと、問題になっておるやに聞いておるのでございますが、また現に訴訟になって特別徴収義務者、いわゆる源泉徴収義務者に経費を払わないのは憲法違反だといったようなことで裁判になって、すでに憲法違反にあらずといったような判決が出ておる例もあるのでございます。私といたしましては、御趣旨はよくわかるのでございまするけれども、税制全般に関連をする問題でございまして、これについて経費を支払うという考え方は従って現在は持っていないと、こうお答えせざるを得ないのでございます。
 なお、御質問の中に、現実に地方団体では報奨金名義で出しておるのじゃないか、こういうお話がございましたが、率直に申しまして、そういう団体が若干あるようでございます。しかし、私はこれは先般の、全国税務課長会議の席上でも、厳に慎んでもらいたい、一地方団体、特にこういうことは、えてして、いわば財政力が相当豊かな団体でまま起こりがちなことであります。これが他の団体にも非常な悪影響を及ぼすといったようなこともございまするので、私どもといたしましては、これは出さないように現在指導をいたしておるのでございます。
#26
○鈴木壽君 関連が長くなって恐縮ですが、他の税に波及する心配のあることだということはこれは確かなんですし、ただ電気ガス税に限って申し上げておるのですが、やはりこういう問題は他の税に波及するから困るということでなしに、他の税に波及しなければならない――、他の税に波及する場合もあっていいと思うし、憲法違反であるなしの問題はこれは一つあると思いますが、私は憲法違反であるとかそうでないとかいうことでなしに、実際負担をかけているのですから、そうして一方的に法律で特別徴収義務者にして、負担をかけておるのですから、かけたものに対して何らかの形で見てやることが至当じゃないか、これは普通の常識論からいって、私はそう思うのですがね。ですから、これは今のたとえば源泉徴収なんかに、その事務をやっているのも、負担がかかっておるから考えなければならぬのじゃないか、これは私は当然考えていいと思う。そういう建前でいわゆる一つの税を徴税する場合に、徴税費というものを当然そういうものを含めて考えていくべきものだろうと考えるものですから、全然そんな、何といいますか、ことをさせても、それはその手数料あるいは何らかの報奨金というようなものは不必要だ、やる必要はないという考え方だけは、私はそれで押すべき問題じゃないと思いますね。そうして現にさっき言ったように、あなたもお認めになったように、あるのですし、やはり会社の方だってそういうことを望んでおるし、市町村でもやはり現実の問題として必要だということで、表立ったやり方はやらないにしても、そういうことをやっておりますから、今までやったことを今度やめます、あなた方に言われてやめますと、こう言われても、なかなかこれはちょっと容易でないところが出てくると思うのですね。これは一つ今の段階であなたは考えられないと、こうおっしゃるのですけれども、全般的な問題として、私は今の電気ガス税についていろいろな声があるし現実の問題等からいってこれは必要があると思ってやっていますが、これは全般の問題として一つやはり私は考えるべきじゃないだろうかと思うのですがね、大臣、一体こういう問題、どうです。
#27
○国務大臣(安井謙君) だんだんお話を伺っておりますが、今の現状における要点は、今、税務局長申し上げましたように、納税者あるいは徴収者双方とも、今の制度の方がより能率的であり、また便利であるというような点から採用されておる列もございます。これに対して若干の報奨制度を認めるべきじゃないかという御議論については、十分これは検討する余地があると存じますが、今申し上げましたように、全体の財政の事情、徴税の実態あるいはこの制度そのものが両者の便宜というような点からも生まれておるというような実態から、今直ちにそういう制度をここで変えるという意思はないわけでございます、しかし、確かにそれは御議論として拝聴に値する問題であります。今後も検討は十分いたしていきたい、こう思っております。
#28
○鈴木壽君 電気ガス税の問題は、徴収なり、あるいは納付という格好から見ると非常に単純な計算で、一割を国税にして、それでまとめて納めたものを市町村に納める、非常に取り扱いとしては便利だし、その限りにおいてはそんなに労力的にも、あるいはその他の点においても、負担をかけないのじゃないか、こう言われるかもしらぬけれども、またしかし、そういうことだけで問題を処理すべきじゃないと思うし、私はやはりさっきも言いましたように、電気ガス税の問題を一つ取り上げましたが、その他の税においても、やはり正当な徴税費というものは当然見て、その中で考えて処理していくべき性質の問題であろうと思いますから、そこで一つ大臣にも、今後勉強すると言われましたから、重ねて申し上げて要望しておきます。
#29
○占部秀男君 この問題で最後にもう一つお伺いしたいことは、市町村長が指定する街路灯の問題なんですがね、私は去年も一昨年も――一昨年でしたか、地方税の問題が起きたときに、この委員会でもこういう問題についての質問をしたこともありますし、さらにまた最近、いろいろと防犯関係その他の関係から、街路灯をふやすというような問題が、明るい町を作るという形であちらこちらで問題になっておるわけです。警察庁でも全国的にそういうような種類の、直接そうかどうか知りませんが、運動を起こそうとしておるやに私ども聞いておるのですが、そういうような実情の中ですから、今度の地方税の改正にあたっては、当面、街路灯の電気料金についての税金の免税といいますか、そういうような点については、はっきりと打ち出してくると思っていたのですが、そういう点については、今度の免税点の問題にひっからまって何か有利なというか、解決される方途でもあるわけですか、ないわけですか、その点一つ。
#30
○政府委員(後藤田正晴君) 街路灯の実態が非常に複雑でございます。なるほど、街路灯として考えてみますれば、個々の商店の商売上の観点で作っておるような街路灯もございます。しかし、その場合でもそれがまた町を明るくして公共のお役に立っておるということもこれまた事実でございます。しかしまた街路灯の中には、そうでなしにいわゆる防犯灯として、文字通り公共の役割だけを果たしておるといったような防犯灯もあるわけでございます。そこで私ども、今回の改正の際には、これらの点を検討いたしまして、街路灯のうち、いわゆる商売用のものについてまでこれを課税の対象からはずしていくということは適当でないだろう、しかしながら、いわゆる防犯灯といったようなものについては、これはむしろ課税の対象からはずすということが筋ではないかということで検討いたしたのでございます。ところが、私どもで警視庁管内の実態を調べましたところが、三百円の免税点で九四%まで課税対象からはずされるということに相なっておるのでございまして、これでまず警察当局もほぼ目的は達成せられておるという意見でございますし、私どももまた、そういう考え方で今回の免税点制度で防犯灯についてはまず解決をしたと、こういうふうに考えておるのでございます。
#31
○占部秀男君 非常にけっこうな話を聞いたわけですが、これは東京管内で九四%か五%かというお話でしたが、これは私も詳しくは街路灯問題についてのあれは知らないのですが、結局、農村関係ですね、そういうようなとても最近犯罪が多くて、持に暗やみが多いというのは例の郊外であるとか農村面であるとか、こういうところもほぼ同じように実施していいと考えられるわけですが、どうですか。その点はどうなんですか。
#32
○政府委員(後藤田正晴君) 警視庁管内の実態がこのような実態でございますので、いなかに行けばまずほとんど私は免税点以下のものであろうと、こういうふうに考えております。
#33
○委員長(増原恵吉君) 暫時休憩をいたします。
   午後零時十三分休憩
   ――――・――――
   午後二時七分開会
#34
○委員長(増原恵吉君) 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 地方税法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。
#35
○小林武治君 ちょっと伺っておきますが、公営企業に対する課税はどうなっていますか。たとえばガス事業とか電車の交通事業とか、地下鉄とか、こういうものに対して、市営でやってるものは県税の問題があるし、県でやってるものは市町村税の問題がある、国税の問題もある――国税はかからぬかもしらぬけれども、課税は現在どうなっていますか、そういうふうないわゆる私企業と競合しているような交通事業なんかに対する。
#36
○政府委員(後藤田正晴君) この地方団体が経営いたしております場合には、課税権を有する団体相互の関係として非課税ということが一応の原則になっております。
#37
○小林武治君 それは何か法律で書いてあるのですか。
#38
○政府委員(後藤田正晴君) 各税目ごとに書いてございます。
#39
○小林武治君 バスとか水道はともかくとして、自動車税、たとえばそういうようなものは全然取っておりませんか。
#40
○政府委員(後藤田正晴君) 自動車税等につきましても、地方団体の経営の場合には課税をいたしておりません。地方団体の場合に原則として取るのは間接税等について当然課税をしておりますけれども、それ以外のものは課税権相互の関係で非課税の扱い方になっております。御質問の自動車税等については課税をいたしておりません。
#41
○小林武治君 今、地方団体で電気事業を営んでいるものがありますか。たとえば電灯事業等ですね。
#42
○政府委員(後藤田正晴君) 電気事業で例をとって申し上げますと、地方の公営事業が五十三企業ございます。
#43
○小林武治君 課税問題は全然ありませんか。
#44
○政府委員(後藤田正晴君) 発電等の場合には、これは税にかわるものとして例のあの交付金の対象にいたしております。従いまして、この場合には二分の一に課税標準が軽減になる、こういうことになっております。
#45
○小林武治君 今のものは固定資産税にかわるものですか。
#46
○政府委員(後藤田正晴君) 固定資産税にかわるものとして、国のものにつきましても、例の交納付金制度ができましたときに、地方公共団体のものにつきましても、発電事業については、これは交付金の対象になる、こういうことにいたしたわけでございます。
#47
○小林武治君 配電事業は全然やっておりませんか。
#48
○政府委員(後藤田正晴君) 配電事業は対象にいたしておりません。
#49
○小林武治君 私のお聞きしているのは、配電事業をやっているものは現にないということですか。
#50
○政府委員(後藤田正晴君) 配電事業を地方団体で公営をいたしておるものはございません。
#51
○小林武治君 今のこのバスとか、あるいは電車、こういうものに対してお互いであっても全然課税をしないということは、これは私は合理的でないと思うのですが、これはめいめい各行為が法律に書いてあるのですか、課税しないと。
#52
○政府委員(後藤田正晴君) それぞれの税目に非課税扱いを書いてございます。
#53
○小林武治君 今は、たとえば電電公社も国鉄ももういろいろな税金を全部取っておる。ほとんどそれと同じ立場にある公営企業であってもこれから全然税金を払わぬと、こういうことは非常にほかの事業との権衡上も適当でないと思いまするが、こういうものを、やはりお互いに事業主体がまた全然違うのですから、要するに県と市町村とのお互いの関係ですね、こういう関係から言うても、国さえ現在もう固定資産税というようなものをみんな地方団体に払っておる、こういうときに、地方の自治団体が全然税金をのがれておるということは片手落ちだと思いまするが、お互いに相殺し合うようなところなら別だが、そうでなくて、税を取るものは取る、こういう関係、お互いの関係が別になっておる関係が多いのですが、税金を取れるようにするのが当然じゃないかと思うのですが、どうですか。
#54
○政府委員(後藤田正晴君) 地方団体の公営企業等についての場合についての課税の問題は、御説のように三公社等との均衡問題からも、御意見のようなお立場で改善をしたらどうだという御意見は、私どもしばしば承っております。私どもといたしましては、やはり現在の公営企業が、何といいますか、三公社式のやり方に変わります場合には、これはやはり三公社との均衡等を考えまして、当然固定資産税であれば、納付金の対象にする、あるいは自動車税等でございますれば、これは課税の対象として検討していく、こういう考え方でいくのが一応筋ではなかろうかというように考えておりまするので、御質疑の点は、私どもとして将来検討して参りたいと、こういうふうに考えております。
#55
○小林武治君 自動車税は今度の改正でも公社からもみんな取るように改正になっておりまするが、どうも今のようなやり方でなくて、一つお互いに取れるようにやるのが当然だと思う。ことに私企業と競争しておるバスとか電車とかというようなものは、民間私企業からはどんどん取り、それから今の公営企業からは全然取らないということは、お互いのその経営の立場からいっても適当でない。これは政務次官、どうですか。私はそういうふうな公営企業、下水道とか水道とかは別問題で、こういうものはほんとうに私は公営企業で適当な事業であるし、交通事業なんかはむしろ私企業にまかした方がいいんじゃないかとさえ私どもは思うのです。従って、現在やっているようなものは、負担を公平にするというような意味から、自治団体経営の交通事業からは適当な税金をお互いに取るというふうな建前にすべきものだと思いまするが、これからの一つ問題としてこれを直してもらいたい、そういうことについてどういうふうなお考えか伺っておきたいと思います。
#56
○政府委員(渡海元三郎君) 経営という立場から考えた場合、私企業に課税をして、これと同じような経営状態にあります公企業から課税を免除するということには、不均衡と申しますか、経営上の不均衡があるのじゃないかというふうな点で、このたびの改正におきましても、国鉄その他につきまして課税をするようなものを入れさしていただいた、この点は今、局長が話した通りでございます。しかしながら、小林先生御指摘の地方公共団体がやっておる自動車事業等の交通事業等の公企業にまでこれを及ぼしたらどうかという点につきましては、税を取ります課税主体の事業でありますので、いろいろ疑問の点も起きてくるのじゃないかと思いますが、他面、路線の設定等におきまして、住民の便利というところから非営利線を経営しておるということもございますが、できるだけ経営主体をこういった事業は民間に移すという御方針は、私も小林先生に同感でございますが、この点はむろんでございますが、いわゆる課税を公平にすることによってその点の公平を保ち得るかどうかという点についてはいましばらく検討さしていただきたいと、かように考えます。
#57
○小林武治君 これは前は、とにかく国鉄とか、あるいは電電公社から税金取らなかった。ところが、もう電電公社も国鉄もバス事業も自動車税をみんな取られる、そういうことになっておって、国鉄の経営するバスと自治団体の経営するバスと何の違いがあるのですか。それで要するに課税の主体というものは、要するに県と市町村との関係だね、だから、これはお互いに財政が違うのだから取ると、さっき申したように県と市と同じような取り分があるというなら別だが、そうじゃない、ほとんど別々に計算がいくのだから、国さえ土地とか、そういうものに対しても地方団体に金を払っているのですから、県と市町村と全然別個なもの、だから、その間にお互いの税金は取った方が適当じゃないか。従来のように国鉄も公社も国も何も地方税を払わなかったと、こういう時代ならばともかく、今、みんな取っているのですから、そういうものとの関係からいっても取るのがあたりまえじゃないか、そういうふうに思われませんか。
#58
○政府委員(渡海元三郎君) ただいま小林先生の御議論は全くそうでございまして、私も同感でございます。しかしながら、御承知の通り、ただいまの公企業の中でたしか経営が困難であると思われる公企業体はほとんど交通事業に集中されておるのじゃないかと、かように考えます。料金の問題あるいは住民の利益をはかっての問題、むしろ公企業の中にはたして料金にこれを転嫁してやるべきかどうか、むしろ一方から申しまして、新しく作られたような町村合併地帯にまで採算を度外視したものでやっておる。そこらには私企業の発展がいかないために、こういうふうな面が行なわれておるじゃないか、かように考えます。これを先生の御議論で徴税という点からながめましたら、大いにそのように持っていくべきでありますが、他面、実態をながめましての現在の運営事情というものを考えました場合、民間経営にして税金を取れるようなところだったら、できるだけ指導の面におきましても、民間経営に移すという形態に持っていくのが当然じゃないか。また、そういった私企業で行なえない、しかも、住民の便益のためにやらなければならないという公営企業におきましては、これを直ちに徴税の形で表わしていいかどうか、こういう点は問題があろうかと思いますが、先生の御議論の点も十分考慮さしていただきまして、そういった点、あわして検討を加えて参りたいと、かように考えます。
#59
○小林武治君 これは私は議論をする気持じゃありませんが、バスや何か、そういうものを公企業でやってもらう必要はないので、従来は沿革でそういうことになっておるので、民間でやればもっと合理的に、もっと健全に経営できるのを、公企業がかえって経営が放漫だとか、あるいは会計がずさんだとか、こういうことで採算がとれない分が多い。こういうふうなものは一体公企業がやっておるためにかえって悪い。従って、公企業であるために非常に利益を受けているというような部分は、バスとかそういうものはあまりないというふうに私どもは見ておる。だから、今の私企業で十分やれるようなものが、競合してこれをやって、そして赤字を出しておるという例がありまするので、とにかく税金をこういう事業に対してお互いに負担する、繰り返して申しますが、前のように国も公社も全然払っておらぬときならいいが、今とにかく国からさえ取っておるじゃないですか、市町村は。それを県と市町村との関係でお互いに取らぬというようなことが私は適当でない、こういう考え方です。もうお答えは要りませんけれども、どうもあなたの答弁の仕方少しおかしい。
#60
○西田信一君 ちょっと関連して。税務局長にお尋ねすることが適当かどうか別として、ちょっと今の御質問に関連して質問します。今の御答弁で公営の電気事業というものは、配電事業というものではない。ずっと古い歴史を振り返ってみますと、かなり相当の配電事業というものがあるわけです。これは例の戦争中、配電統制令で一本にされた。そのときの経営でその収益を保証するという意味で、いわゆる契約上、配電会社との間に交納付金制度というのがありましたね。そういった制度があって収益を保証しておった。それが戦争でこういう結果になったのだが、ところが、今日の経済状態ではそれは全く有名無実になっておる。そこで配電事業の還元、復元問題が起きた。起きたけれども、これは今の結果でいうと、全然そういうものができておらない。そこで相当の財政上の潤いがあった。配電事業に対して交納付金制度が、今の貨幣価値からいうと問題にならないのですが、これに対する復元と関連して、交納付金制度というものは、一体その後どういうふうに変化されたのか、それを市町村財政上どういうふうに解決したのかという点、おわかりですか。
#61
○政府委員(後藤田正晴君) 私、所管でございませんので、ちょっとお答えいたしかねますが、財政当局に御質問の点連絡いたしまして、後刻お答えいたしたいと思います。
#62
○鍋島直紹君 ちょっと方向を変えまして、来年度のことについて伺いたいのですが、新聞によりますれば、政府の税制調査会ですか、これの答申を十二月かに出すために、国税と地方税の配分を主体として、審議に入ったということを聞きますのですが、実際はそうでございますか。
#63
○政府委員(後藤田正晴君) 三十六年度残っております税制改正の点を審議するということになりまして、すでに第一回の会合が始まっております。従いまして、税源配分の問題は三十六年度の問題として、これから審議が本格化していく、こういう段階にございます。
#64
○鍋島直紹君 それは地方税と国税との関連においてですか。
#65
○政府委員(後藤田正晴君) その通りでございます。
#66
○鍋島直紹君 そこで、地方税と国税との関連において根本的な改正をする。来年からは相当減税をおそらく考えているということが、私は何といいますか、今度の税制調査会の主要議題になるまではなかろうかと、こう思うのですが、大体そういった点、具体的な問題に答申がなってくるだろうと思う。そうしますと、現在自治省において、国税と地方税との関連で、どういう点に、詳しくは要りませんが、大きく一つ矛盾を感じておられる点、不合理な点、あるいは非常に御不満の点もあろうかと思いますが、そういう御意見をちょっと聞かしていただきたい。私個人の意見をつけ加えますと、実際に国税に入っているものがどうも非常に有利というか、普遍的な税が国税にあって、地方税においては、徴収その他に非常に煩瑣な点がある、あるいは徴収する場合においても、御承知の通り富裕県と貧乏県があるように、でこぼこであるというふうなことで、どうもかすみたいな税金が地方税に回って、非常に普遍的な地方財政という大きな見地から見て、あるいは一部地方税に譲ってもいいような普遍的なものが国税に取り上げられている。大蔵省の強い示唆によって、これは政府の方針かもしれませんけれども、そういった感じがしてならないのですが、こういった点の御意見をちょっと伺います。
#67
○政府委員(後藤田正晴君) 御質問の通りに、現在の地方税の内容は、国税と比べまして、いわゆる税の立場から見ますれば、非常にいわゆる不利といいますか、そういった税種が多いように思います。従いまして、これらの改善については、私どもも何とかいたしたい、こういう気持でございますが、一般の空気は、むしろそれとは逆ではないかというような印象を受けております。従いまして、税源配分部会におけるこれからの審議も相当苦しい論議を重ねなければならぬのではないか、これは率直に申しまして、そういう情勢だと思います。そこで、私どもの考え方でございますが、まず現在の地方税を量の面で見ました場合に、いかにも歳入構成中に占める地方税収の割合というものが低過ぎる、現在地方団体全部を平均いたしますれば、歳入構成中税収の占める割合は四〇%弱でございます。国の場合は九〇%は税収で占めている。ところが、これを実質の分配、税の分配、つまり使う面から見ますれば、これは逆に租税全体の六四%は、これは地方が使っている、こういう実態になっておるわけでございます。従って、私どもの考え方としては、何とか地方自治の健全な推進の裏づけになる財政面での地方団体の自立強化ということを考えます場合に、一番望ましいのは税収だろうと思います。従いまして、地方税の分量を私はぜひふやしたい、こういう考え方を持っております。その際に国民負担という面から見ますれば、現在の国税、地方税を合わした税負担をこれを重くするということは、とうていできないことですし、またすべきではない。そうなってくれば、勢い、現在国税中にある税種を地方税に移す、こういうことでなければ、地方税の分はふえないのではないか、こう考えておるのでございますが、量の面についてはそういう考え方をし、同時に、地方税を質の面から見ました場合に、御承知の通り、現在は、財政需要の伸びは国と地方はパラレルに伸びております。大体似たような程度になっております。ところが、税収の伸びが、これは地方税と国税を比べました場合には、国税の方の伸びが非常に高い。地方税の方は伸びが悪い。従いまして、そのままの状況でほうっておきますれば、国と地方との間の格差というものは次第に開いてくる。これを開かないようにするのはどうすればいいかといえば、これは国の方はどんどん減税ができる。地方の方はその際減税ができない、そういう結果にもなってくるわけであります。従いまして、現在の地方税を質の面から見ました場合には、私はやはり伸張性のある税種を何とか確保して、これを培養をしていきたい、こういう考え方を持っております。現在の国税の弾性値は常識的には一・五といわれておりますが、資料で見ますれば、一・三三ないし一・五、地方税の場合には、一・〇九ないし一・一九というように弾性値が地方税の方は非常に悪いわけですから、こういった面を質の面で改善をしていく、こういう考え方で税源配分を検討すべきものであろう、こういうように思うのでございます。
 いま一つ、質の面で私ども非常に残念だと思いまするのは、これは租税全体を国税と地方税に分けるという場合には、これは勢い地方税というものは負担分任ということで、どうしてもいわば大衆課税的の税種が地方税にいくんだ、そういうことは当然言えることで、その面は私はやむを得ないと思うのですけれども、それにいたしましても、現在の地方税を冷静に見ますというと、負担分任という名のもとに、あまりにも零細なところにまで税の負担を求めておる、こういう結果に私はなっておると思います。ところが、これを改善しようといたしましても、現在の段階では遺憾ながら財政面、そういう方面でどうしてもできない、そういう私どもは悩みを持っておるのでございます。従いまして、税源配分等の過程を通じて負担分圧の名のもとに大衆課税、零細者にまで負担を求める大衆課税になっているもの、あるいはまた負担が不均衡、また税制の面で見ましても、前近代的の税といったようなものは、これは逐次税源配分の過程において合理化をしていく、こういうことを私はぜひやりたい、こういう気持を持っております。しかしながら、何分にも現在の税源配分の状況、地方団体の財政の実態というものを考えますれば、それらは不合理の点がわかっておりながら、やはり根本的にメスを入れていかなければどうしても改善ができない、こういう面についてできるだけの私どもは税制調査会における審議の過程を通じて努力をして、改善をして参りたい、こういうふうに考えております。
#68
○鍋島直紹君 大体お話しわかりましたが、都道府県税で考えてみると、貧乏県はおそらく一年の財政規模の一〇%前後の税収しかないところが相当ある。しかも、二、三都府県は、おそらく一〇〇%あるいはオーバーしている。しかも、後進地域の財政力指数で見ると、半分以下の府県が三十幾つもあるということで、地方団体が、都道府県だけに限っても、非常に自己財源というものがないのですね。少ないというか、貧困である。しかも、今言われたように、その税収が伸びる増収率というものが国税に比例して非常に少ない。市町村を見ましても、実はこれは根本的に不合理だと思うのですが、たとえば課税方式の第一課税方式とか、ただし書きがあるとか、いろいろと、過酷な税金を課していいような制度を認めているような状態になっている、実際言いましてね。この点根本的に不合理があるのじゃなかろうか。従って、それは町村の立場に立ってみれば、仕事をいろいろやらなきゃならぬわけですから、できるだけ多く自己財源があった方がいいから、その方式をとりますけれども、その方式を実は町村に対して認めている、とる道を作っているというような状況になっている。そういう状況のもとに、今言われたような再検討が行なわれる、そういうことになるわけですが、今、局長が言われたようにむしろそういうことを救っていこうというのじゃなくして、何か逆のような空気が一般的に流れているというような原因はどういうところにあるんでしょうか。
#69
○政府委員(後藤田正晴君) お説のように、行政サービスがいいところが税が高いというのであれば、これはあたりまえの話だと思いますが、逆に行政サービスの悪いところが税が高い、やむを得ずそうなっている、これはいかにも不合理だと思います。ところが現実には、先ほど申しましたように逆の意見がある。と申しますのは、現在のように経済格差がそれぞれの団体間にある場合に、税をどのようにいじくってみても、何と申しますか、財政の比較的豊かな団体はより豊かになる、財政豊かならざる団体は税収がふえるにしても、その割合は低い、こういう根本的な問題点があるわけです。そこで、経済的な合理主義の観点に立つ方々は、むしろ地方自治というものを日本で考える場合に、これを税に当てはめて考えた場合に、独立税を強化をするということは、これは経済的な合理主義から見れば逆なんだ、そうでなしに、むしろ国で徴収をしてこれを地方に与える、つまり、あてがい扶持の地方自治の方が経済的な合理主義の観点から見ればいいのだ、こういう基本的な考え方を持っているわけです。この面が私ども地方自治を推進しようとする立場にあるものと、そうでない、名前は地方分権であるけれども、経済的に見るならば、中央集権化を強めていくことが合理的なんだ、こういう基本的な観念の相違から議論が分かれているわけであります。そういたしまして、現在はむしろ経済的な合理主義の見地に立った意見の方が強いんだ、現在の状況で地方の独立税を強化すればするだけ経済的なロスになるのだ、こういう考え方、この面から今私どもが非常に苦労をしているというのが実情でございます。
#70
○鍋島直紹君 お話しわかりますが、要するに何じゃないですかね、地方自治の確立という面から見れば、あくまで自主財源が全部とはいわないけれども、みなくとも半分や幾らかはあった方が、これは市町村長さんの行政というものは非常に豊かにできる。しかしながら、それに伴う普遍的な税源が実際地方税にない。それじゃ国税にあるかないか、国税の配分の場合において。国がそういった方式に切りかえたときに、地方税と国税を対比して、できるだけ普遍的なものを、国税にとっても非常に大事な問題だと思うのですけれども、国税も地方に与えるのはいやがる税種目だろうと思うのですが、そこを踏み切って市町村なり都道府県に普遍的な税種目として与えれば、何とか地方自治の確立から見てもいいのじゃなかろうか。いわば自主財源がふえてくるのだという方向へ私はぜひ一つ今日やっていただかぬというと、逆にいうならば、表向きは地方自治の確立だとか、さあ地方分権だとかと、知事も市町村長も選挙によって選ばれて、そうして地方分権だといいながら、財布のひもというものはもう完全にしぼられてしまって、ほんとうの名目上の地方分権であって、実質上は中央集権ならざるはないというような実態にまでいく基本的な問題じゃなかろうかと私は思うわけなんですね、この点が。従って、税制調査会の答申というものは、大きな政府の政策に影響を及ぼしますから、私はこの点に非常に注目もし、今後の行き方もあるのですが、ただ困るのは、率直に申して困るのは、そういった普遍的な税種目が具体的にありやなしやということなんですが、実際に言いまして、都道府県にしろ、市町村にしろ、この点は税務局長、どうお考えか、これは御意見でけっこうです、むずかしい問題になりますから。
#71
○政府委員(後藤田正晴君) 私は率直に申しまして、現在の経済情勢といいますか、地方団体間の産業構造なり、経済力の実態をそのまますなおに見ました場合に、どのような税をとりましても東京とか大阪の方が伸びがよくて、いなかの方が伸びが悪いと、これは私はもう否定できないだろうと思います。しかしながら、そうは申しましても、現在の税種の中でも、これは私は考えようによって地方団体にもう少し独立税源をやり得る余地はあると考えております。現在、私は具体的に税種を申し上げるのはデリケートでございますけれども、率直に申しますれば、たとえば酒とか、たばこといったような消費税ですね これは私は全国に税源が分布になっていると思います。従って、そういったもので地方の独立税源を強化をしていくということは、私は一つの考え方だろうと思います。しかしながら他方、こういう議論を申しますと、それじゃそういう税はある程度地方にやってもいいかもしれぬと、しかしながら、全体の面から見れば、それでは法人事業税は一体どうするか、これは非常に偏在をし安定性も欠けるじゃないかと、むしろこういうものは国税の方が適当じゃないだろうか、こういう議論が逆に出てくるわけでございます。そうなってきますと、法人事業税と酒なり、たばこなりの消費税とをかけかえた場合に、これは私は数年を出ずして地方団体の独立税源というものは非常に減ってくると思います。と申しますのは、税金の伸びがまるっきり違う、消費税の方は大体国民所得の伸びとパラレルにしか伸びません。ところが、法人事業税、いわゆる所得課税をとっておるものにつきましては、これは国民所得の伸びよりもはるかに税の伸びというものはあるわけでございますので、同じ金額同士のやり取りということになりますと、おそらくや二、三年たてばまるきりこれは結果としては逆になってしまう、こういう面もございまするので、私どもとしては、やはり先ほど申しましたように、伸張性のある税は維持培養しながらこれを補完をするという意味において、何とか消費税でも地方財源にいただければこれは相当改善をせられるのではなかろうか、こういうように思うのでございますが、何分にもこういう問題はむずかしい問題でございまするので、私どもとしても十分準備も整えた上で税制調査会には臨んでいきたいと、こう考えるのでございます。
#72
○鍋島直紹君 この問題はこの程度にいたしておきますが、要するに国税と地方税の配分についての答申が、あと来年度予算を目標にあるわけですから、今申し上げたようなことで一つ具体的に御検討御努力を特にお願いをし、できるだけ一つ地方の自己財源のふえるように、しかも、普遍的にふえるようにお願いをしておきたいと思います。
 それから小さな問題二、三お聞きしたいと思いますが、最初は遊飲税の問題でいろいろ問題が出ておりますので伺いたいのですが、今回遊興飲食税の名称が料理飲食等消費税ということに改まって、それから免税点が五百円、千円に上がったのでございますが、この料理飲食等消費税にいわば改められたこの理由はどういうことか、内容があまり変わっていないのですけれども、その改められた一つの理由。それからもう一つは、五百円と千円に免税点を上げられたことによって相当減収が来ます、持に貧乏府県といわれるような後進県という点については、八〇%、九〇%ぐらいいわば影響が来て、あと一五%か二〇%しか残らない。額は割合に少ないのですけれども、その税種目としては相当額影響が来る。しかも、今日までの遊興飲食税の徴収方法というものは非常にむずかしい。各県税事務所、県庁職員の人たちは非常に苦心をして集めておったもので、徴税費用も率直に言ってかかっておる。一体全体これ今後そういう事態になったときに、徴税費用とその税収と関連させてみて、どうかすると徴収費用の方がよけいかかることにもなりゃせぬかと思われるのですが、こういった点についての影響をお話し願いたい。
#73
○政府委員(後藤田正晴君) まず第一に名称の問題でございますが、御承知のように、遊興飲食税という名前は税としては歴史的に非常に古い名前でございます。しかしながら、従来からこの名前につきましては実は問題があったのでございます。と申しますのは、遊興飲食税という場合に、普通の飲食をした場合、あるいは旅館で泊まった場合、こういったときにもらう領収証は遊興飲食税だということで非常に印象がよくなかったということは率直に申し上げねばならぬと思います。そういう面からぜひ名前は変えた方がいいじゃないかと、こういう議論が従来からございましたが、私どもは歴史のある税でございますし、今日にまあ至っておったのですが、やはりこの際むしろこの税の性格と内容を的確に表わすものにした方がよかろうということで料理飲食等消費税と、こういうふうに改めたのでざいます。「等」という字が入っておりますのは、実は従来の遊興飲食税でも抜けておったのですが、旅館を含めておるつもりでございます。同時に、消費税というのは、文字通りこの税は業者が納める税ではなくして消費者が納める税でございますので、税の性格を端的に表わす方がよかろうと、こういうふうな意味合いから名称を変更をいたしたのでございます。
 第二点の今回の免税点の引き上げの問題でございますが、私どもは率直に申しまして、税の立場から申し上げますれば、三百円と八百円の免税点というものの適用状況を見ました場合には、私は免税点は現状のままで実はいいのじゃないかと思っておったのでございます。しかしながら、過去数年間国会における附帯決議あるいは御議論等から見ましても、これは免税点を引き上げた方がいいんじゃないかという御議論があり、また、党といたしましても、与野党通じて免税点の引き上げをやるべしと、こういう御意見でございました。だといたしますれば、私ども税の立場でとかく申すべき筋合いのものではなくて、まさに、これは国民的な要望なんだと、こう私どもとしては理解をすべき筋合いのものだ、こういう観点から私どもは今回五百円、千円というふうに免税点の引き上げに踏み切ったのでございます。その結果、いなか等において徴税費が非常にかかって税収が非常に少なくなる、こういう面も若干出てこようかと思いまするけれども、これはやはり将来の消費水準の向上、こういうような面から見まして、逐次この税についても、今回のこの改正点がぴったり合ったやり方になっていくのではなかろうか、こういうふうに思っておるのでございます。
#74
○鍋島直紹君 それから遊興飲食税の徴収方法について一、二伺いたいのですが、現在まで遊興飲食税が非常に評判が悪いというか、いろいろ問題を起こす点が実は多かったと思います。それは結局、遊興飲食税自体が、たとえば宿泊の問題にしても基礎控除がある、免税点がある、一割の率がかかる、場合によっては温泉旅館等の場合においては、一割五分の率がかかるというふうに、一人の人間の行動で泊まる場合、以上のようないろいろな税種目が、といいますか、いろいろな要素が入ってきて、その計算が非常にめんどうくさいといったようなことが一つと、もう一つは、どの限度をもって一割五分にするとか、一割にするとかというふうに、自主的に宿屋で判断しなければならぬ。しかも、その際において、名府県の財政状況あるいは各府県の課税方針といったことによって、隣の県とそこに差ができてくるというような、こういう問題が実はあって、この遊飲税の徴収については非常に従来多かったと思いますが、少なくとも今回免税点も上がってきたわけですから、そういった観光シーズンでもあるし、あるいはシーズンといいますか、観光が非常に盛んになってきたときでもあるし、数カ年前に比しての旅行者、そのほか非常に多く現在移動され、かつ飲食をされておる中に、あまりにも各府県においてそういった面がひどくなったり、取り扱いがある場所においては五百円である、ある場所においては八百円になるというふうに違ってくることは私はよくないんじゃないか。また問題を起こす点が出てくるんじゃなかろうか。これは結局、法律に基づく行政指導あるいは徴税に関する自治省としての各府県に対する指導の問題にも入ると思いますが、この点について、はっきり一つお示しになっておるかどうか、あるいはお示しになる予定であるかどうか、これを一つ明確にお答えを願いたい。
#75
○政府委員(後藤田正晴君) 御説のように、遊興飲食税の徴収につきましては、各地にいろいろな問題点があると思います。この税は建前が場所課税ということに相なっておりますが、一番問題になりますのは、旅館等の場合におけるいわゆる二枚鑑札、この場合に、具体的に税率をどう適用していくのかということが非常に問題であろうと思います。つまり場所課税でありながら、当該場所で二つ以上の行為が行なわれる、そこで、そういった場合に、いわゆる行為課税式に分けねばならない、この面が一番の問題点であるわけでございます。実際問題として、これは私は計算の問題ではないと思います。やはり税率適用区分の問題、これが一番の問題になると思っておるのでございます。そこで私どもといたしましては、従来からこの遊興飲食税につきましては、詳細な税率の適用区分についての指示をいたしておるのでございます。つまり、法律制度あるいは私どもの方のいわゆる指導の通達、こういった面では私はそう問題の点があろうとは思っておりません。問題は、それをどう執行するかという段階になって非常に問題が複雑になってきておる。これらの点につきましては、私どもは今回の改正法をお認め願いました上は、さらに指導の徹底を期していきたい、こういうふうに考えております。
 なお、税率適用区分の通達等につきましても、私どもはそう問題があるとは考えておりませんけれども、これにつきましても、業界等からはいろいろな御意見がございます。これらの御意見を私は率直に聞いて、もし私どもの従来の通達に誤りがあるとか、あるいは執行上問題があるというような点がございましたらば、それを具体的に御指摘願えれば、私どもとしては、これを改めまして、通達の合理化をはかってやるということには、いささかの私は異論も持っておりません。直すべき点があれば直していきたい、こういうふうに思っておるのでございます。
#76
○鍋島直紹君 遊飲税についてはそのくらいにしておきまして、次、自動車税の問題につきまして、ちょっとお伺いいたしたいと思います。今度貨物自動車と自家用自動車が、実は自家用、営業用ですか、貨物自動車についても自家用、営業用が一緒になった、この税率一本化の問題は従来からいろいろいきさつがあると思うのですが、今回一本化された理由をまずお話し願いたい。
#77
○政府委員(後藤田正晴君) 御承知の通りに、現在の自動車税につきましては、トラック等について、自家用と営業用という区別がございます。また乗用車についても区別がございます。乗用車につきまして区別がございますのは、これはいわゆる奢侈的な面に重課をする、こういうことで区別があるわけでございますが、この点については、私は現在の日本の現状から見て、自家用、営業用の区分は依然として残しておくべきであろう、こう考えております。ただ問題は、トラック等の場合でございますと、この自家用、営業用の区別は実は従来はなかったものでございますが、二十九年の改正の際に、自家用、営業用の税率に千円の差をつける、こういうことで今日に至ったのでございます。ところが、トラック等についてみますと、自家用であれ営業用であれ、これはひとしく事業経営の手段として使われておるものでございます。そういった意味合いから、今日日本の実態を見て、営業用と自家用について、トラックについて区別をするという理由は私はない。むしろ区別をするなら、逆に私は道路損傷負担というような面を考えますれば、逆に自家用の方が安くて営業用の方が高くあってしかるべきだろうとすら考えるわけでございますが、それらの点については、運賃にはね返るといったような点も考えねばなりませんので、私どもとしては、少なくともこの際税率の一本化だけはやるべきであろう、こういうことで改正案を考えたわけでございます。
#78
○鍋島直紹君 もう一つ伺いたいのですが、一般的に自家用といいますか、自動車の中で軽自動車ですね、三千円から千五百円になっております。それから急に飛び上がって、一万八千円くらいになると思いますが、それから三万二千円ですか、ちょっとその辺のところ、大型自動車が三万二千円でいわゆるルノークラスが一万八千円でしょう。そうして今度は、同じ四輪車の自家用車だけれども、三千円になって、二輪車は千五百円になる、こういう段階が多少極端に腰折れしたような形になっておる。それがいい悪いといういろいろ理由はあるでしょうけれども、要するに、こういう自動車の種類の税金のかけ方というもの、あるいは営業用との区分してかけるというもの、これは外国等の例において、根本的に何というのですかね、公平であるかどうか、その点、どういう御意見なんですか。
#79
○政府委員(後藤田正晴君) 軽自動車税について不均衡是正の観点から引き上げをいたしておりますが、現在の軽自動車税は千五百円一本になっております。で、御承知の通り、この税率をきめましたときは、ほとんど三輪なり四輪の軽自動車というものが市場に出回ってないときの税率、つまり軽二輪を頭において作った税率でございます。ところが、その後の実態は軽三輪なり、あるいは軽四輪というものが相当たくさん出回ってきた。そういたしますというと、価額の面なり能力の面なり、あるいは使用の実態というような面から見まして、二輪を頭に置いて描いた千五百円一本の税率を、これらの軽三輪なり軽四輪に適用するということは、いかにも負担がアンバランスであると、こういうような意味合いから軽自動車の税率の改正を私どもしたいと、こう考えたのでございます。問題はその際、御質問にございました小型自動車と軽四輪との問題、これが一つの問題として出てこようかと思います。で、小型につきましては、三百六十CCから従来は千五百CCまでが小型、これが一本税率できまっておったわけでございますが、昨年の道路運送車両法の改正で、現在は小型の範囲が三百六十CCから二千CCにまで拡大になっております。そういたしますというと、この小型の税収につきまして、もう少し段階を置いたらどうだろうか、その方がむしろ負担の公平という観点からいいのではないか、この私どもも実は考えたのでございます。ところが問題は、その際に段階をつけるにいたしましても、基準を一体何CCに置くかという点がきまらないわけでございます。と申しますのは、自動車行政の面――生産面の自動車行政でございますが、その面で日本の小型自動車を何CCを中心にして将来やっていくのかという点が実はきまってないというのでございます。そこで、私どもとしては、小型自動車の税率の均衡化をはかりたいとは思いましたけれども、何分にも税の方が自動車の生産行政より先行するということは、これはいかがなものであろうかと、こういう点を考えまして、今回は小型自動車の税率には手を触れないで置く、こういうことにいたしたのでございます。
 で、この小型と軽四輪との開きが実は相当ございます。これらの点につきましては、まず小型を変えなかったということ、それからもう一つは、軽自動車と小型は、なるほど、相当開いておりまするけれども、その運転免許の面なり、あるいは性能と、こういうような面を見まして、率直に言うて若干税負担が開き過ぎるなという気持は持っております。持っておりまするけれども、まずこの程度の開きでしばらく推移を見ていくことが、自動車なり軽自動車等との生産行所との関連においては適当じゃなかろうかと、こういう意味合いで軽自動車の四輪についての税率の改正のみをいたして、小型自動車には手をつけなかった、これが実情でございます。
 ただ、自動車税なり軽自動車税につきましては、私は現在の税が全体としてほんとうにバランスがとれておるかと申しますと、これは私、率直にまだまだ改善をすべき点があると思います。やはり諸外国の立法例等を見ますというと、実態は国によって違いまするが、やはり私は自動車、乗用車については排気量で大体切って税率を刻んでいくべきであろうと、トラックについては積載量と自重等で、重量で切って考えていくべきものであろうと、こういうように考えておりますが、これらについては、やはり将来の自動車等の生産行政の面ともからみ合わせて私は先行きの問題として考えて参りたい、こういうふうに思っております。
#80
○鍋島直紹君 最後にちょっと方向は変わりますが、一、二点お伺いして終わりたいと思います。
 その一つは、都道府県税あるいは市町村税で、法律できめられた税金外に財政の困難とかいろいろな理由、特に財政の問題だろうと思いますが、やっておる都道府県、市町村が、これは詳しくは存じませんが、相当あると思いますが、この点、今後の方針として、そういうものはなるべくなくしていく方がいいんじゃないか、財政事情がよくなればなるほどいいんじゃないかと思いますが、その実態と今後の方針はどうかということ、それからもう一つは、今度の改正で市町村民税あるいは都道府県税などの改正が相当複雑になっておりますから、率直に言って市町村に対して県税の課税資料をとるとか、何といいますか、市町村税が県税の代理に代行をして取るとかいうふうに、いわゆる課税事務というものが非常にふえるのじゃないか、そういう点について市町村及び都道府県との間に何か対策を講ぜられ、あるいはその間の調整をとるというようなことでないとスムーズにいかぬのじゃなかろうかと思うのです。この点についての税務当局の御方針、この二点を伺っておきたい。
#81
○政府委員(後藤田正晴君) 法定外普通税につきましては、これはまあ地方の自治という観点からこの制度そのものは私はあってしかるべきものだろうと、こう思いまするけれども、実際、法定外普通税をそれじゃ残すかどうかということにつきましては、これは現在の法定税目が非常に税の網の目を広げております。従いまして、私どもとしては、いたずらな税源あさりはやめるべきである、ほんとうに零細な人にまで税を取って、しかも、それにまた徴税をはかるといったようなことは、この際やめたらどうだろうかということで、従来から法定外普通税は整理の方針で臨んでおります。で、この方針は私は将来とも続けて参りたい。ことに最近のように経済の好況と相待ちまして税収が伸びておる時代でございまするので、まず私はこういった法定外普通税はどんどん整理をしていくということで地方団体を指導して参りたいと、こういうように考えております。現在は都道府県が法定外普通税が三億五千三百万、市町村分が四億七千八百万、合計八億三千一百万程度に減っておりまして、実際問題として、私どものところにこういう法定外普通税は廃止をしたいというのが最近どんどん参っておりますので、私どもの指導の方針にマッチした第一線の実態になっておると、こう御報告申し上げて誤りがないと思っております。
 次に、住民税の改正に伴います府県民税の賦課徴収の事務を市町村に従来通り委任をしておる。ところが、課税方式が改正になったので市町村に課税事務が過重になりはせぬかと、こういうお話でございますが、第一課税方式、いわゆる今回の本文方式採用の市町村にとりましては、これは私は大した問題はなかろうと思います。これは課税対象の把握なり、あるいは諸控除なりすべてが同じでございますので、この面はそう大した問題はないと思いますが、問題は、ただし書き採用市町村の場合には、府県住民税のためにのみ諸控除を調べたり、あるいは税額控除分を調べたりと、こういう面が出てくるわけでございますので、若干事務が仰せの通り過重になる面が出て参ります。従いまして、私どもとしては、できるだけ市町村のそういった事務を軽減をしなければならぬということで、納税者自身の負担の面も考えまして、それらとのにらみ合わせで申告制度をまず充実をいたしております。この点が一つ。いま一つは、税額計算が非常にやっかいなわけでありますが、百万円以下の所得者につきましては、簡易税額表を今回新たに制度として設けるということにいたしまして、市町村の事務の負担の過重にならないように配慮をいたしておるわけであります。しかしながら、同時に、府県住民税の賦課徴収のためにいろいろな経費がかかると思います。その財政負担は、従来から県が負担をいたしておるわけでございますが、従来の負担のやり方が本文の第一課税の場合、第二課税の場合の区分がない。ところが、実際はこれは第二課税の方がやはり従来といえども事務の負担がやっかいなわけでございます。で、今回は本文方式の採用市町村とただし書き方式採用市町村との間に差をつけたい。
 もう一つは、それぞれの納税者の税額によってはやはり徴収費というものは割高、割安になるわけでございますので、こういった実態も見て徴収費の市町村への交付に差をつけたい。同時に、全体の額についても、若干引き上げをいたしまして、実際の徴税費にマッチをさせるというような措置をとっていきたい、そういうふうに考えております。
#82
○鈴木壽君 最初にお聞きしたいのは、地方税の減税の問題でありますが、三十六年度では九十八億円の減税、平年度で二百二十六億円の減税というふうになっておるわけでありますが、そこで減税の問題は、これはまあいろいろむずかしい問題があると思います。先ほど来のお話を聞いておっても、市町村のいわゆる財政の実態等からしまして、まあ何といいますか、理屈通りの、考え通りの減税もできないということも、私は事実としては認めざるを得ないと思います。しかし、今回の減税が、何といっても減税というふうな名に値しないような形になってしまったんではないかというふうに思うわけなんであります。なるほど平年度で二百二十六億円、初年度九十八億円といいますが、その三十六年度のこれは住民税等になると、来年度で、三十七年度で大幅に出てくるわけなんでありますが、私、今住民の立場からいって、地方税の、特に住民税の減税をしてもらいたい、してもらわなければ困るというのは、これはまあ非常に強い切実な要求として私はあるというふうに思います。これはまあ私ども個人のことを言っては悪いけれども、私ども個人の地方税をとってみても、すこぶる大きい額の住民税を払わなければならないという点からも、そういう声は人ごとでないものとして受けとめることができるわけなのです。そこで、これからの一体地方税における減税というものをどのように将来考えていかなければならぬかということを、私はこれは確かに真剣に取り上げなければならない問題だと思うのですが、何か今年度はこういうふうなことでありますが、将来さらにこういう点について考えていきたいとかというようなことがあるとすれば、今お考えになっていらっしゃるとすれば、まずその点を一つお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#83
○政府委員(後藤田正晴君) 一般的に減税が望ましいということは、これはもうもとよりのことでございます。私どもの減税に対する考え方は、現在の国民所得に対する国民の税負担という面からまず考えまして、やはり私は大体二〇%ないし二一%、これでぜひ押えるべき筋合いのものであろうかと、こういうふうに考えておるのであります。現在の税負担は、大体三十六年度が二〇・七%、そのうち地方税は六・一%、こういうことになっておりますが、三十五年が二一%になっております。これらの点から私はやはり所得が伸びれば、税はやはり累進高率等の関係で税負担の率が高まって参りますので、その面はやはり財政需要ともにらみ合わせながら二〇%ないし二一%の間で抑えて、それ以外の面は納税者の手に返す、こういう考え方でいくべきであろう、こういうふうに思っておるのでございます。そこで、これを地方税に適用いたします場合には、先ほど申しましたように、地方税は、何と申しましても、税の伸びが悪い、他方財政需要はパラレルで伸びていく、こういう宿命があるわけでございますが、こういった面を考えながら、私どもとしては税源配分の過程においてできる限りの減税をしたい。その際減税の項目として取り上ぐるべき点は、私はやはり負担分任とはいいながら、その納税者に、いわゆる零細者にまで負担を求めている大衆的な負担軽減という面をまず考える。同時に、現在の地方税では負担不均衡を招来しておるものがあるように私は見ておるのでございますが、そういった点についても改善をしていきたい。もちろんこれらの措置は、三千五百余の地方団体に与える影響は、それぞれまちまちでございます。従いまして、交付税の弾力的な運用と申しますか、低種地等に対する傾斜配分というようなものとかみ合わした上で、そういった減税措置を講じていきたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#84
○鈴木壽君 考え方はわかりましたが、そこで、地方税の改正の問題を考える場合に、当然減税の問題を含めて改正の問題を考えるときに、私は今の考え方の中に、先ほども、あなたの鍋島さんの質問に答えられた言葉の中にもありましたが、地方の団体の税源をできるだけ確保するということをあまりに中心に考え過ぎて、住民の負担を軽減するという方向には、どうもいかないのじゃないかというそういう論があることを、私感じるのですが、たとえば地方団体には減税の余地はもうないのだ、これ以上減税するなら地方団体はもっていけないのだ、あるいはせっかく行政水準の引き上げなり、あるいは引き上げとまで言わなくとも、維持をしていこうという場合に、減税は困るとか、こういう論が非常に強く地方団体でとられておる。確かにそういう面からの言い分もわからないわけじゃないのですけれども、しかし一方、税の負担をする側から申しますと、私はやっぱり国税等において減税をされても、地方税においては、特に住民税関係においては、依然として減税をされないというような形があるとすれば、これは私どうも一がいに今言ったような論で押し切られても困る問題だと思うわけなんであります。特にこれを裏づけるような意見として、たとえば地方税においては、いわゆる負担分任の考え方、それからくる広く、浅く、ともかくたくさんの人から税金を納めてもらおうというようなことから、ともすれば大衆課税的なそういうものはまだまだ残っていると思うのです。特に住民税においてはそうだと思う、考え方としましてはですね。これはやはり多少、国税と地方税とにおいて性質を異にする部面があるいはあるかもしらぬけれども、やはり税でございますから、負担する者の能力なり、そういうものに一応根拠を求めて、その上に立ってやはり税というものを私は考えていくことが筋じゃないだろうかというふうに考えるのですが、そういう点から私考えまして、今回行なわれましたたとえば課税方式の整理に伴って、国税と地方税との間の何といいますか、影響し合う、それを遮断しようと、こういうこともちょっとそのままでは私おかしなことになってきているんじゃないだろうかと、こういうふうに思うのですがね。やはり国税も減税をするし、地方税もそれに従って減税されるというような事態が当然あってもいいと思うし、これ、全然性質の違った、今のような形でなしに、別の、たとえば所得割方式とかなんとか、ああいうものでなしに、別の形で税が組み立てられ得ると、こうするならば、おのずと問題は違ってくると思いますが、少なくとも今の、たとえば所得割というあの考え方からして、所得税の課税所得額を中心にしてものを考えていく場合には、私は当然やはりそこに何といいますか、完全に遮断をして、地方税は別なんだと、国税においてこういうことも減税の一つの措置として考慮したりなんかするけれども、住民税は別なんだと、こういう考方えは、どうも私自身は了解できない点なんですがね。
 そこでお答えいただきたいことは、今の私が申し上げましたような地方税の減税に対する考え方と、さらに関連をして、今回の改正案に示されたような課税方式のいわば整理といいますか、統一といいますか、そういう問題、それから、国の所得税等の減税等の影響を受けないようにしようという、その国税と地方税との関係の遮断ですね、この問題について少しく考え方を詳しくお話し願いたいと思うのです。
#85
○政府委員(後藤田正晴君) 納税者の立場から見ますれば、国税であれ地方税であれ、ひとしく租税負担でございますので、国税が減税になった際に、地方税は一体なぜ減税しないんだと、こういう要望が出てくることは、これはもうきわめて私は当然のことだと思います。ただ、私どもは、やはり租税負担というものは国税、地方税あわせて考えるべきだと、納税者はやはりいずれにしろ税として納めるんだということでございまするので、税の軽減は、まず減税の余裕のあるところから私は減税をすべき筋合いのものだと、こういうふうに実は考えておるのでございます。で、地方税でなぜ一体減税できないのかということは、先ほど申しましたように、財政需要は国も地方も同じような程度に伸びている、ところが、地方税の方の伸びが非常に国税に比べて悪いと、こういったために、国税の方は減税の余地があるけれども、地方税は減税の余地がないと、こういうことになるわけでございます。ここに私どもの悩みもあるわけでございます。しかし、もとより私は、地方団体の財政需要面のみを考えて、納税者の立場を考えないということではございません。やはり最近の経済の状況等ともにらみ合わせまして、でき得る限度の減税は地方税においても行なうべきものだと、こういうふうに考えておるのでございます。
 そこで次の、住民税のでき得る限りの影響遮断という問題でございますが、私どもといたしまして、従来住民税について一番のやはり問題は、課税標準等が国税に依存し過ぎておった、従って、地方の財政実態いかんにかかわらず、国の所得税について減税の余地ありということで減税をいたされますというと、これは第一課税方式であるならば、自動的に減税になる、第三課税方式であるならば、自動的に増税になる、こういうことに課税方式の仕組みがなっておったのでございます。つまり国の立場においてのみ考えられた所得税制の変更が地方税に自動的に及んでおった。従って、その結果、地方財政の自主的な安定的な運営が困難になる、勢い、そこから減収補てんをめぐるいろいろ複雑な問題が発生してくる、こういうようなことで、数年間経過したわけでございますが、私はやはりそういったことになるのは、現在の課税方式の立て方があまりにも国税に依存し過ぎるんだ、やはりここらで地方税は地方税として地方の財政の実態からいって減税すべきときには減税をする、こういう立て方に改むべき筋合いのものであろう、こういうことで、今回の課税方式の改正を考えたのでございます。もとより所得課税でございまするので、納税者の立場等も考えまして、私どもとしては、国税の影響を遮断をすると申しましても、いろいろな遮断の仕方もございましょうが、やはり所得課税であるという点から、所得の範囲及び計算について、原則としてこれは国税に乗っかるべきであろう。ところが、所得控除以下の段階、所得控除と税率になろうかと思いますが、この段階につきましては、これはやはり住民税の本質というものともにらみ合わせて考うべき筋合いのものである。この点については税制調査会におきましても、所得控除以下の段階については、むしろ税法ではあまり詳しいことは書かなくて、地方の実態にまかせて運営させたらどうだ、それが地方自治の本旨に沿うじゃないかという御意見の方が、どちらかというと強く出たのでございます。しかしながら、私どもといたしましては、現在の財政実態から見まして、さような改正のやり方をいたしますというと、住民負担に激変を招来するおそれがある、こういう点を考えまして、やはり財政収入なり、あるいは住民負担と両面からいって激変を与えることは好ましくないという観点から、現行の所得控除の項目及び金額等は据え置く、こういう考え方に立ったわけでございます。税率等につきましても、従来と同じような、所得税における所得段階ごとの税率に二〇%を乗じたものを準拠税率にして、納税者の負担に変化を与えない、こういう考えで住民税の課税方式の考え方を立てたのでございます。もちろん住民税におきましても、これは減税すべき面もあると思います。その点については、やはり財政上の実態とにらみ合わせてこれは考えたのでございます。その結果、従来の住民税の実態から見て、どうも勤労所得者に税負担が重いというのが実態でございます。そういった意味合いから、今回の住民税の改正では、勤労所得者については一万円のいわゆる基礎控除的な控除を認める、同時に、退職所得等については、その所得の性格から見て、頭打ちを撤廃をする、こういうことで四十一億ばかりの住民税の減税を行なう、こういうことにいたしたのでございます。
#86
○鈴木壽君 これは、私がかりに減税をもっとやるべきだと、こういうふうな主張をしても、現行の地方税のいろいろな税目等からいたしまして、それだけの中で解決できない問題も私も認めますし、これは先ほどお話があったように、国税、地方税を通ずる全体の問題としてこれはやはりそこまで踏み切っていかないと、なかなか大へんだというふうにも考えます。ただ、さっきも言ったように、地方団体には、これ以上の減税をされては困るとか、あるいは減税をする余地がないのだというような論がいかにも強く主張されて、特に市町村あるいは都道府県等の団体の関係者からそういう面が非常に……、たとえば税制調査会なり税懇等においても、いつも聞かれるのはそういうことばかりじゃないかと思うのですが、そういうことだけでこの税というものを取り扱っては、私、非常に住民にとっては迷惑だと思うわけなんです。
 そこで、大臣何か会議だそうでございますが、簡単にお聞きしますが、たとえば住民税の減税、来年度になっても、都道府県関係の場合、それから市町村段階におきましても、減税される額というのは、これはあまり大きいのはないのです、ほんとうをいえばね。一方、その税の自然増収というものは、三十六年度に約千四百億を見込んでおる。三十五年度においても八百二十五億を見ておる。おそらく決算ではもっとこれはふえておるのじゃないかと思うのですが、こういう次第ですから、私はもっとやっぱりこの住民税に対する減税というものを積極的に取り上げるべきじゃないだろうか。ただしかし、私も、この三十六年度における約千四百億の自然増収を見込んでおる、あるいは三十五年度における八百億円以上の自然増収を見込んでおるというけれども、実態は必ずしも住民税だけの税収だけでなくて、むしろ法人関係あるいは事業税関係等において大きな伸びを示しておるということも事実でありますけれども、しかし、住民税だけを見ましても、このいただいた表によって見ましても、三十六年度では、前年度と比べて、道府県の住民税関係において百十七億、それから市町村の住民税関係において二百五十五億の増収を見ているわけですね。増収だけでこれですから、私はやはり減税の余地はあると思うのです。住民税だけで考えてみましても。経済がだんだん成長して、いわゆる好調を続けるという場合に、税の伸びることはこれはむしろ当然ですけれども、だから、伸びただけ全部返せという意味でもないのですけれども、しかし私は、減税の余地はあると思うのです、こういう数字から見ましてもですね。ですから、この点一つ、大臣お急ぎのようですから簡単にお聞きしますが、将来私はやはり住民税の減税ということをもっと推し進めるべきじゃないかと、こう思うのですが、自治省としては、あるいは政府としては、これに対しては今年度はこれだけやって、あとしばらく終わりだ、こういうことなのか。あるいは、将来もこの問題に取り組んでいって、十分検討した上で減税の方向を打ち出していく、こういうのであるか。そこら辺の一つ、考え方があるならば、お聞きしたいと思います。
#87
○国務大臣(安井謙君) 住民税について将来考える必要がないか、こういう御質問でございますが、これはなかなかむずかしい問題ですが、私は、これはやはり税の性格とそれから財源の実態の両面から考えていかなければなるまいと思うのでありまして、税の性格からいいますと、先ほど税務局長も申し上げましたように、住民税というものの性格が、非常に、地方の公共団体に対する負担分任といいますか、応益性を持った税であるというような趣旨から、これは広く浅く取るということが一つの建前になってしかるべきものであろうと思っております。しかし同時に、それじゃそういうような趣旨でいつまでたっても減税を考えなくていいのかどうかという問題になりますと、それはやはり私は一がいにそういうふうに断定はできない。ただ現在の段階におきましては、これはまだ今の地方の固有財源の実態から見まして、特に市町村税の実態から見まして、国税のいわゆる所得税に比例をした減税をやるというような形のものはとうてい忍び得ない現状であるというようなことから、今度も徴収制度を改正いたしまして、国税の減収とは分離をするという建前をとったわけでございまして、従いまして、私はこれは絶対の議論があくまで一方的に徹底的に貫かれなければいかぬという問題ではなかろう。将来の地方財政の問題、あるいはあり方というようなものと関連いたしました際には、十分今後の問題としては検討していかなければなるまいというように考えております。しかし、現状では今御希望のように減税をやることがなかなか困難な実情であってやり得ない、こういうことであろうと思います。
#88
○鈴木壽君 今回の提案しております改正案によって、いわゆる平年度化した場合に、三十七年度の場合に、このいただいた資料を見ますと、都道府県関係で、住民税――県民税のうち、個人関係のものが七億七千五百万円ですか、これが減税になるようでございますが、それから平年度化した場合、市町村関係で二十六億九千万円、個人関係ですよ。これはきわめて少ない額ですね。大体三十四億か五億程度、平年度化してもそういうことになりますね。さっきも言ったように、今後のいわゆる税の伸び、自然増のことから考えますと、私はやはり何といってもこの額は少ないと思います。それが一つには、国税の減税が影響されては困るということから、いわば独立したような形で法定して控除等をきめるというようなこと、課税方式が今の第二課税方式一本――あるいは、ただし書きもありますけれども、そういうことにきめられて、非常に幅が狭くなってきておる。もしそういうことに一応限定されるとしても、今後税率の問題なり、あるいは控除の問題なりにおいて、もっと私はやはり考えていかなければいけない問題だと思うのです。私も、今の五つもある課税方式をそのまま野放しにしておいていいというわけでもないと思うし、実態は第二課税方式ただし書きにほとんど集まっておるような状況ですから、何らかの形で、あまり複雑でなく、何本もあるというような格好でなしに、まとめなければならぬとは思っておりますから、そういう意味において統一の方向、整理の方向というものは一応認めるにしても、もう今度きめたことで完全に遮断をして、ちゃんと法定してしまって、多少の市町村等において取捨の余地はあるにしても、そういう格好でやって、あともう自治体の財政状況からいって、なかなか減税というものは容易でないのだ、これ以上できないのだというようなかたくなな態度であっては私はいけないものじゃないかと、こういう数字からいっても、私はもっとやはり減税をしていい時期だと思います。それから全体的な問題からいって、交付税等の関係からいっても、減税とはまるまる市町村の、何といいますか、減収という格好にならぬでしょう、三割、あるいは超過課税すればもう少しあるかもしれませんけれども。そういう程度ですから、交付税の計算等からいいますと。ですから、これはやっぱり、たとえば五十億やれば五十億まるまる穴があくだんとか、三十億減税をやれば三十億まるまる穴があくんだとかいうことではないと思うから、他の収入等ともあわせ考えて、私は現段階においてはもっと積極的に地方住民のそういう個人的な負担というものを私は軽減すべき段階だと、こういうように思うのですが、大臣のお話聞くと、将来考えるけれども、なかなか簡単にはいかぬぞというふうにも聞えますがね。大臣、重ねていかがでしょう。これであと大臣に対する質問は終わりますが。
#89
○国務大臣(安井謙君) 住民税につきましては、大体今の三十七年度を目標にしまして、三十億と、それに退職者の所得を入れますと約四十億か四十一億程度の減収を今の制度で見込んでおるわけであります。そこで、主としてやはり農村の問題になると思うのですが、農村で非常に減税の幅が、今度でも全体狭かった。所得税の方では、四十万戸からありました所得税の納付者が、今度は十三万戸に減るという話でありますが、それと同じような比率でものを考えていきますと、これはちょっと住民税としても大へんなことになります。それじゃどこらでそれをやったらいいかという計算はなかなかむずかしいので、今の税の性格から見まして、ことしは一つ全体として大きな移動のないように、ごく特別に修正をしなきゃならぬ分だけ住民税においても減税を見る、こういうふうなことを考えたわけでありまして、われわれも住民税であるがゆえに、これは今後といえどもびた一文減らすわけにいかない、こういう考え方で一本調子で通しておるわけじゃむろんございませんが、今の実態からいいますと、これはなかなか手のつけにくい税金である、実態的にも、それから税の性格からいってもなかなかやりにくいものであるというようなことから、今度はこういう税制をまあことしはきめていただきたいと思っておる次第でございます。
#90
○鈴木壽君 そこで住民税で、いわゆる専従者控除というものを導入することを、これはだめだということで導入しないことにしたんですが、これについてどうですか、局長。いろいろ御検討なされたことだと思うのですが、考え方を少しお聞きしてみたいと思います。白色の場合のです。
#91
○政府委員(後藤田正晴君) 住民税の専従控除につきましては、御承知の通り税制調査会におきましても、あらゆる角度から検討をいたしまして、また、われわれ事務当局も検討をいたしました結果、今回の所得税における専従控除の拡大分は地方税には持ち込まないんだと、こういう結論になったのでございます。その理由でございますが、二つあると思います。一つは、税制上の理由、いま一つは、実際の影響面から見た立場と、この二つでございますが、まず税制上の問題として考えました場合に、現在の日本の社会の慣行から見まして、家族間給与支払いの実態はまずほとんどない。従いまして、国税における専従控除といえども、税制調査会における答申にございますように、経費として割り切ることはできなかったわけでございます。やはりこの専従控除というものは、経費的な面と、いま一つは、負担面を考えた概算控除的なものだということで、いわばボーダー・ライン、青色申告についてすら、なおそういった経費として割り切れない面や、定額控除として認める白色者についてはこれは経費の性格がきわめて希薄である、こういうことでございます。そうなって参りまするというと、これを地方税に持ち込むかどうかということになりますというと、地方税の立場といいますか、地方税の理論として、住民税の本質から見て、やはり応分の負担をしてもらうという税の建前から、経費として割り切れていない国税における専従控除制度を地方税に持ち込むわけにはいかないのだ、こういう税制上の立場が一つあるわけでございます。実際問題としてこの影響を考えてみますというと、専従控除を国税並みにかりにやるといたしますれば、財政関係の影響は八十六億でございます。国税はこの改正で七十六億でございます。つまり地方税の方が実は財政的な影響は大きいのでございます。そのうち財政力の希薄な第二課税方式ただし書き採用の市町村及び第三課税方式ただし書き採用市町村に対する影響は、そのうち六十七億でございます。これが単に財政面だけであるといたしますならば、私はまた別個な考え方も成り立ち得るのではないかと、こういうふうに思いますが、問題は、納税者の数が激減をするということでございます。第二課税方式ただし書き、第三課税方式ただし書き採用市町村の場合には、納税者が百七十五万名なくなるのであります。ということは、納税者の数で申しますれば、五〇%これが課税の対象者からはずれてしまう、こういうことになるのでございます。そういたしますというと、その結果は、住民税というのは実は勤労者住民税ということになって参りまして、税を納める者は勤労所得者だ、役場に勤めておる人とか、あるいは学校の先生方、あるいは隣村の工場に行って働いているという人は住民税を納める、ところが、事業者はほとんど住民税は納めなくて済む、こういう不工合な住民税制になるわけでございます。こういったことは、住民税の存立そのものを脅かすということになって参りまするので、私どもといたしましては、どうしてもこの専従控除制度の拡大を持ち込むというわけには参らない、こういうことに結論として相なったのでございます。
 国税の場合においては、事業者について専従控除を拡大をした、これは、いわゆる法人、個人間の税負担という面のバランスを考えてやったわけですが、同時に、そういたしますというと、勤労所得者と事業所得者との間の負担にアンバランスということが生じて参るわけでございます。そこで、勤労者については、これは扶養控除の引き上げと配偶者控除の新設ということを認めて、全体としてバランスをとって、課税最低限度の引き上げという形で一般的な減税の一環の中に織り込んでこの制度を認めた、こういうことでございます。そこで、これをかりに地方の住民税でとりますというと、問題は、単に専従控除の問題だけで済む問題ではございません。これは専従控除をかりに納税者が五〇%なくなってもやるのだ、こういうことでやった結果は、動労所得者との税負担という面から勤労者についてそのままにしておくわけには参らない、やはり勤労者について何らかの形の減税をやらねば負担のアンバランスを招来する、そういたしますというと、住民税について見た場合に、二百七十億という減税にどうしても相なってくるのですが、こういった面を考えて私どもとしては、十分各方面からの検討の結果、専従控除制度を地方税たる住民税に持ち込むということは不工合である、こういうことで今回これを改正をする、こういうことにいたしたのでございます。
#92
○鈴木壽君 これは、きょうは実はお考えだけをお聞きしておきます。
 もう一つ、いろんな各種の法人等の今まで減免しておったやつを今度減免しないことにしたのですが、それに対する考え方を一つお聞きしておきます。非課税の範囲整理のこと……。
#93
○政府委員(後藤田正晴君) 現在のこの法人等につきましての非課税規定のうち、まず住民税でございますが、住民税の中にいわゆるこの五条法人につきまして、国税はこれは現在課税をせられておるのでございます。ところが、国税で課税をせられておるにかかわらず、地方税では非課税となっておるものがあるのでございます。ところが、非課税規定のあり方そのものについては、午前中の会議で鈴木先生からおっしゃいましたように、もともと国税よりは地方税の非課税の範囲というものは狭くあってしかるべきものであります。ところが現実には、ただいま申しましたように、逆のことに現在なっておる。そこで、税制調査会においても、少なくとも国税の線までは整理をすべきであるということになったのでございます。私どもも同様の考え方をとりまして、いわゆるこの五条法人については、本来の事業を営む場合は別といたしまして、本来の事業以外の収益事業を行なった場合には、当該収益事業分について、収益事業を営む事務所、事業所について当該地方団体が住民税課税をするということで国税の線に合わせた、これが一つでございます。
 もう一つは、住民税について非出資の各種協同組合及び出資組合であって出資総額が積立金の四分の一未満の各種の組合等に対しましては、住民税は現在課税をしない、こういうことになっておりますが、法人税ではこれはやはり課税をする、こういう建前になっておるのでございます。従いまして、これについても、先ほど申しましたのと同じ趣旨から、これは整理をすべきものである。ただし、再建整備中の各種農林水産業等の組合及び事業協同組合、こういうようなものにつきましては、これは現実に法人税が課されない限りは、住民税も課税をしない、こういう建前にいたしたのでございます。
 次がこの事業税の関係でございます。事業税につきましても、考え方は全く同様でございます。ところが、事業税についても、この非課税法人あるいは非課税事業あるいは課税標準の特例といったようなものが非常に広範に認められまして、国税の範囲を飛び出して課税をしてないというものがあるのでございます。そこで、これらについては、この国税の線までは少なくとも整理をすべきであるということで今回の改正案を考えたのでございます。つまり非出資のこの各種の農林漁業等の協同組合でございますが、これはすでに国税におきましては、これは課税をせられることに三十五年からなっております。つまり国は、すでに国の政策としても非課税にする必要がなくなった、こうなっているものについて、依然として地方税は税の立て方が国税のように期限付でなかったというために、地方税で非課税規定が残っているということになっているわけでございまするので、これを今回の改正で国税の線まで少なくとも合わせるということにいたしたのでございます。
 また、積立金が出資総額の四分の一未満の出資組合であるこの農林漁業等の組合でございますが、これにつきましては、現在の事業税の立て方では配当をしたときだけは課税をする、内部留保分は課税をしない、こうなっておりますが、国税の場合には、それを再建整理の期間中に限っているわけです。従って、この面につきましても事業税でやはり国税と同じように再建整備中の農林漁業等の協同組合及び事業協同組合については、内部に留保した場合に、再建整備中のものに限って非課税にする、それ以外は課税をする、こういう建前に改めた。つまり本来的には国税より狭い範囲であってしかるべきものが、税の立て方が、片方は期限を切っている、地方税は無期限になっておったということで、すでに国税で国の政策としても非課税にする理由がなくなった、こう税法上でなっておるものが、地方税では依然として無期限になっておったために残っている。これは国税の線まで整理をする、こういうことが今回の改正の趣旨でございます。
#94
○鈴木壽君 いずれ、まあ中途でやめるようで悪いのですけれども、今お尋ねした二つの問題について、あとで多少またお聞きしたいと思いますが、きょうはこれで一つ終わらしていただきたいと思います。
#95
○委員長(増原恵吉君) 残余の質疑は、後日に譲りまして、本日はこの程度で散会をいたします。
   午後三時五十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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