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1960/05/16 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第21号
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1960/05/16 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第21号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第21号
昭和三十六年五月十六日(火曜日)
   午前十時四十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           基  政七君
   委員
           小柳 牧衞君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
           松永 忠二君
           中尾 辰義君
           杉山 昌作君
  衆議院議員
           綱島 正興君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
   自治省選挙局長 松村 清之君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   自治省財政局財
   政再建課長   茨木  広君
  ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○離島振興法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○選挙制度審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○後進地域の開発に関する公共事業に
 係る国の負担割合の特例に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方財政法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 まず、離島振興法の一部を改正する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○衆議院議員(綱島正興君) 離島振興法は、御承知の通り、二十八年に制定願ったものでありまして、離島の特殊事情による後進性を除去するために、基礎条件を改善しまして、産業の振興に関する対策を樹立いたしまして、もって離島民の経済力を培養し、その生活の安定と福祉の向上をはかり、あわせて国民経済の発展に資するために二十八年七月二十二日法律第七十二号をもって制定されたものであります。自来、数度に及ぶ一部改正をしたのでありますが、このたびもまた次の点で一部改正をお願いしたいということでございます。
 第一は、従来は一定の離島の全域を離島振興法で指定いたしたのでありますが、必ずしも全域を指定せずとも、その一部を指定するをもって、この法律の目的を達するに足るような場合は、その一部だけ指定するようにしたい、こう改正したいと思うのであります。最初この指定は、独立した行政区域を持っておる離島、こういうことでございましたが、その後改正いたしまして、町村の一部であっても、一つの島を指定することができると改正いたしました。今度は、島の一部でも、これは非常に殷盛な地域を持っておる島がございます。そういうところは必ずしも離島振興法という特別な処置をする法律を適用せぬでも、非常に離島性の濃い未開発部分についてだけ離島法を適用したい、こういう関係から、一部指定をできるように改正したい、こういうことでございます。
 第二、離島振興法の九条五項は、離島の市町村が簡易水道を布設するときに国は十分の三・五以内の補助を市町村に与えるというのでありますが、離島の水源が乏しいものが多くなりましたので、補助額を十分の四と改めたいというのであります。これは大体もう離島では水道が一番大切でございます。本土と違いまして、水源が非常に乏しゅうございますので、どうかした村は半日もかかって水を汲むというようなところが、まま離島のうちにはございます。そういう事情でございますから、だんだん簡易水道を布設して参ったのでございますけれども、その地域の負担の関係、町村の負担の関係から、どうしてももう少し補助率を上げていただかんとやれないというところがたくさんできて参りました。それで、これはほんのわずかな上昇でございますが、これだけ、十分の三・五というのを十分の四とする、こういうことにお願いしたいということでございます。
 それから第三は、離島審議会委員の数を、三十名以内とあるのを三十一名以内とし、北海道開発事務次官をこれに充てるようにする、こういうのでありますが、この法律は、各省事務次官が審議委員でございます。当時北海道開発庁というものができておりませんでしたので、北海道開発事務次官というものは入っておりません。ところが、北海道にも離島がございまして、離島審議会でこれを指定しております。これを開発して参っておるのでありますが、不幸にして北海道開発事務次官はこれに入っておりませんから、これを一人入れて一人ふやそうと、こういうことでございます。
 次に、道路の新設及び改築に関する補助を、従来三分の二であったものを四分の三にするというのは、これは本法は別表になっておるのでございますが、道路については三分の二となっておりますのを四分の三ということにいたしたい。これもちょうど水道のとき申し上げましたと同じように、もう離島の道路というのは非常に条件が悪うございまして、山を削ったり、谷を埋めたりして道路をやって参りますために、幅員拡張をいたすにしても、新設いたすにしても、改修いたすにいたしましても、非常に費用がかかりますので、かようにいたしたい。これは北海道本土の補助率と同じことでございますが、もともとこの道路の補助は、本土も上げてしまいましたので、今では従来の通りでございまして、三分の二でございますと本土とほとんどひとしゅうなりますので、これを四分の三にお願いしたい、こういう改正でございます。どうぞ御審議いただきまして、すみやかに御可決いただきますようにお願いを申し上げます。
#4
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は、次回に譲ることといたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(増原恵吉君) 次に選挙制度審議会設置法案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。
#7
○国務大臣(安井謙君) ただいま議題となりました選挙制度審議会設置法案につきまして、提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 選挙が民主政治の基盤をなすものである以上、選挙の公明化を期して参ることは、わが国民主政治の進展のために、常に変わることのない課題であると考えられます。このような見地から、選挙制度は、創設以来幾多の改革を経て現在に至っているのでありますが、最近における数字の選挙の実情を顧みますとき、現行制度の全般にわたって再検討を加え、もって党派をこえ、国民全体の協力を得て、理想選挙の実現を期して参る必要が痛感され、世論もまた強くこれを待望しているものと思われるのであります。
 政府といたしましては、この際、改善の具体策について成案を得るために、新たに強力にして権威ある選挙制度審議会を設置し、各界各層の学識経験者をわずらわして、選挙制度の合理化及び選挙の公明化に関する重要事項について調査審議を願い、その答申を待って、これを尊重して、改正法律案を国会に提出する等所要の措置を講じようとするものであります。これがこの法律案を提案するに至った理由であります。
 次に、この法律案の概略について御説明いたします。
 第一に、選挙制度審議会は、国政の基礎をつちかう選挙の制度及びそれに関連のある諸般の事項の調査審議を使命とする関係上、これを総理府に置くことといたしました。
 第二に、その所掌事務といたしましては、選挙及び投票の制度に関する重要事項、国会議員の選挙区及び各選挙区別の議員定数を定める基準及び具体案の作成に関する事項、政党その他の政治団体及び具体案の作成に関する事項、政党その他の政治団体及び政治資金の制度に関する重要事項並びに選挙公明化運動の推進に関する重要事項について、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議の上答申するとともに、これらの事項についてみずからも調査審議の上意見具申をすることができるものといたしました。
 第三に、審議会の構成につきましては、学識経験者のうちから内閣総理大臣が任命する委員三十人以内で組織することといたし、特別の事項を調査審議するため必要があるときは、別に、特別委員を置くことができるものといたしました。この特別委員は、国会議員及び学識経験者のうちから内閣総理大臣が任命するものでありますが、国会議員のうちから任命された委員は、特に国会議員の選挙区及び各選挙区別の議員定数を定める具体案の作成については、事柄の性質上、調査審議に加わることができないことといたしました。
 第四に、審議会から答申または意見具申のあったときは、政府としてこれを尊重して所要の措置を講ずべきことは当然のことでありまして、特にこの趣旨を明記することといたしました。
 なお、これらの事項のほか、審議会の組織、運営等について所要の規定を設けた次第であります。
 以上がこの法律案の提案理由並びにその内容の概略であります。
 何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#8
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は、後日に譲ることといたします。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方自治法の一部を改正する法律案、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案、地方財政法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括議題として、前回に引き続いて質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○鈴木壽君 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案について、若干お尋ねをいたしたいと思います。従来財政の苦しい団体あるいは後進地域と見られる地方の団体に対して国が財政的な何といいますか、援助といいますか、補助をしてきたわけでありますが、今回こういうような形で全般的に後進地域というものを取り上げて、特に公共事業の場合、国の負担割合を多くしていこうと、こういう趣旨で法律案が作られておるようであります。ただ、この際一つ最初にお聞きしたいのは、いわゆる後進地域というものをどういうふうに把握するかということだと思うわけであります。従来、たとえば東北地方とか、あるいは九州というふうな地域的に分けてやっておったわけでありますが、わかったようなことで、しかも、はっきりわからないというのが、後進地域の実情ではないかと思うのですが、今回のこの法では、いわゆる財政力指数というものをとらえて、これで後進地域と、しからざるものというふうに区別をするようでありますが、一体後進地域というものをどう考えていくべきであるのか、その場合に財政力指数というもので的確に後進地域というものがつかみ得るものかどうか、こういう点についてどういうふうにお考えなのか。これは根本的な問題だと思うのですが。
#11
○国務大臣(安井謙君) お尋ねの点は、解釈の仕方はいろいろあろうと思います。なかなかむずかしい問題だろうと思いますが、大体自治省といたしましては、一定の基準のもとに平均をとって、その平均に及ばぬものを後進地域というふうに大体推定をするという考えで基準を定めておるわけであります。
#12
○鈴木壽君 ちょっとはっきり聞き取れなかったのですが、事業量の平均をとっていく、こういうことなんですか。
#13
○国務大臣(安井謙君) 後進地域というものをどういうものにきめておるか、どういうきめ方をしているかというお話だと思いますので、大体この基準財政収入と基準財政需要額といいますか、に対する割合を見まして、固有的な収入でためる全国団体の平均値というものを見てその平均値に達しないような基準財政収入しか持っていないものについては、これを一応後進地域の範疇に入れるというふうに考えているわけであります。
#14
○鈴木壽君 ですから、後進地域というものをきめる場合に、あなた方が考えられました財政力指数というもの、それだけで後進地域と、しからざる地域というふうにきめる、それだけではたして後進地域、そうでない地域、こういうことでいいのかどうが、端的にいえばそういうことになるわけですね。これはいろいろ考え方があって、むずかしいと思いますし、一つの基準を作るとなれば、何かの基準的なものを出さなければならぬということもわかりますし、従って、それから財政力というものを勘案をして基準財政収入額と基準財政需要額との比率によってきわめるということも一つの方法だと私は思うのです。ただ、この場合に、そういう税の入ってくるそれと財政需要額とのそれだけではたしていいかどうかということは、私は問題じゃないかというふうに考えておるわけなんです。私は、意見めきますが、後進地域とか、あるいはそうでないという地域の区分けをする、これは具体的にはなかなかむつかしい問題でありますが、一体その地方のよくいわれる行政水準というようなものがどういう程度にできているかということが一つやはりつかまれないと、そうただ基準財政収入額と基準財政需要額、そのことだけの数字的なこまかい数字を出したことだけではたしていいものかどうかというふうな私は疑問があるわけなんです。その点、おそらくいろいろこういうことをおやりになる場合に各方面から御検討になったのじゃないかと、一つの結論としてはこういう数字でもっておやりになるということになったと思いますが、お考えになるその過程にどういう検討をなされたのか、もしそういうふうな御検討があったならば一つお話ししていただきたい。
#15
○政府委員(奥野誠亮君) お話のように後進地域をどう限定してゆくかということにつきましては、政府部内でもいろいろと検討を重ねてきた問題でございます。基本的には、地域間の経済発展の格差を是正してゆきたい、経済発展のおくれている地域を発展させるようにもってゆかなければ、個人間の所得の格差あるいは地方団体間の財政力の格差、そういうものは是正できないんじゃないかというようなことから始まっているわけでございます。そういう意味において、経済発展のおくれている地域、これについてはいろいろと公共施設を整備してゆかなければ産業が来ない、立地条件を整備しなければ産業が発展してこない、立地条件を整備しなければならないような地域をどう限定してゆくか、それについては現在の国民所得の一人当たりの額がどうなっているか、あるいはまた第二次、第三次産業就業人口が全産業就業人口に対してどういう比率を占めているか、あるいはまた将来行なってゆかなければならない公共投資の所要額が財政力に対してどういう割合を占めているか、そういうようなことをいろいろと検討して参ったわけでございますが、それではこのファクターを使うことが絶対に正しいんだというようなことは必ずしも言い切れないわけでございます。そういうようなところからいろいろ議論したあげく、独立税収入がどの程度になっているかということで一応比率を求めた場合と大同小異ではないかというようなことにもなり、結局、一番客観的な数字の得られる基準財政需要分の基準財政収入というような今回の方法をとるに至ったわけでございます。経過的にはいろいろ御疑問をお持ちになりましたように、政府部内におきましても、あれやこれや検討したあげく、今日の結論に達して参ってきているわけでございます。
#16
○鈴木壽君 県民の所得とか、それからまた現在のいろいろな第一次産業、第二次産業等の関係やら、こういうものの検討の中に最終的に今のような形になったと、こういうふうなお話でありますが、何かそこら辺は数字的に比較をなさいましたか。
#17
○政府委員(奥野誠亮君) いろいろと数字を取っているわけでございます。その結果、今日の結論になったわけでございます。
#18
○鈴木壽君 いま一つ、これもはっきりしたようなはっきりしないような言い方でわれわれ使っているわけなんですが、さきに私も言いましたいわゆる行政水準の状況ですね、こういう面で非常に進んでおるところ、進んでおらないところ、これははっきりしてくると思うのですが、そういうようなファクターなんかも何か導入するような方法というものはなかったわけなんですか。
#19
○政府委員(奥野誠亮君) そういう意味で先ほど私は検討の段階においてこういう作業もしたんだということを申し上げたわけなんでございますが、将来行なうべき公共投資の需要額、それが財政力に対してどういう割合を占めておるかということでございます。そうなって参りますと、将来行なうべき公共投資をどう見るかということにつきましては、人によっていろいろな議論があるわけでございますが、だれもが納得する客観的なものはまだできておらないわけでございます。また単に現在の行政水準ということになりますと、道路でありましても、舗装率がどうなっているか、改修率がどうなっているかということだろうと思うのでございすけれども、後進地域の開発ということになって参りますと、これから新たに道路を作ってゆかなければならない、そういうような問題がむしろ非常に大きな比重を占めておるわけでごごいますので、現在の行政水準のあり方だけをとったのではこれからの投資需要額を算定できないということにもなってくるわけでございます。そういうようなことをいろいろ検討してやったわけでございます。
#20
○鈴木壽君 お話のように、私も現在の行政水準をただ押えるということじゃなしに、現在の行政水準を押えるということは将来一体どの程度にしなければならぬのかということのための押え方でなければならぬと思うのです。従って、お話のように、将来どういう程度の公共投資をしなければならぬのかと、こういう問額がやはり一応つかまれないとできないものじゃないか。もちろん現在のいわば行政水準なり施設なり、いろいろな産業の状況等が税の上にある程度反映されることも、これはわかりますしね、しかし、それと現在の状況において、じゃ、常にイコールかというと、私は必ずしもイコールでないと思うんであって、そういうことを将来どの程度投資をしなければならぬかということがむしろ後進地域においては重大な問題であって、そういうものをはっきりさせてゆくことが一番大事な問題じゃないだろうか、こういうふうに私、ぼんやりしたような言い方でありますけれども、思っておるわけなんですね。ですから、何かこれによっては補助率を高めてゆくというようなことだけれども、一方仕事の量をどういうふうに配分するかということも私は大きな問題にならなければならぬと思うのです。むしろ中心的な問題にならなければならぬと思う。将来後進地域に対して仕事をどう配分するのか、先進地域については依然としてたくさんの公共投資がなされる、おくれたところはいつまでたっても今のような格好でゆくというようなことでは、単に財政的に多少の補助率の引き上げによって助かるというようなことがあっても、いわゆる格差の是正ということにはほど遠いことになるんだろうと思うのです。そういう意味で何か現在の、たとえば各県の状況なりというものをもうちょっと的確につかんで、従って、将来どうなきやならぬのか、この程度まで引き上げるためにはどの程度の投資が必要であるのかというような、そういう一つのデータが私はほしいものだと思うのですが、もちろん十分そういうような点も御検討なさったということでありますけれども、何かそういうことで私どもにこの県の状況はこうだというふうなものを示していただくような、そういうような何か資料はございませんか。
#21
○政府委員(奥野誠亮君) この法案を制定いたしました事情は、後進地域については産業立地条件を整備しなければならぬ、しかし、そういうところに公共投資を重点的に振り向けようとしても、自分の団体では受け入れ能力がない、受け入れを円滑ならしめるような財政援助制度を作りたい、これがこの法案の建前でございます。従いまして、これだけであらゆる問題が解決されるというわけじゃございませんで、御指摘のように、道路整備五ヵ年計画とか港湾整備五ヵ年計画、治山治水五ヵ年計画というものだとかが別途策定されているわけでございまして、また、国土総合開発法に基づきまして、地域ごとの総合開発計画も、逐次、整備されて参ってきているわけでございます。それらの計画におきまする地域ごとの需要配分計画がどうなっているかというようなところもいろいろと論議していかなければならないと思うのであります。しかし、そういう計画ができまして、さて後進地域に相当な事業分量を持っていくということになりましても、今の制度のもとではそういう事業分量もなかなか受け入れが困難であります。今の事業分量でも受け入れが困難であるにもかかわらず、さらに重点的に公共投資が行なわれたのでは一そうその受け入れが困難であります。それを円滑ならしめますのが、この制度でございまして、さらに、具体的に後進地域の開発がこのような運営でよろしいかどうかということにつきましては、個々の産業関係の計画が地域的にどう計画されていくかということに入っていかなければならないじゃないだろうか、かように私たちは考えているわけでございます。
#22
○鈴木壽君 確かにお話のように、こういう措置がなされることによって従来より関係府県の財政負担といいますか、そういうものが軽くなりますね。従って、その軽くなった分だけ、まあ余力が出る。ほんとうの意味で余力ということにはならぬかと思いますけれども、まあいずれ余力が出るというふうなことにも私なると思いますから、円滑にいろいろな事業が行なわれるという一つの基礎になるかと思います。そういう意味で私どもはこういう措置が後進地域についてとられることについては、われわれ自身も賛成でありますけれども、ただ、もっと私は今の国の経済成長政策なり、所得倍増計画なり、そういうものが大きく進められていくためには、総合的な一つのものがやっぱりなけりゃならぬのではないか。もちろん各個に道路計画なり治山治水計画なり、いろいろなものはありますけれども、少なくとも後進地域の開発に役立てるというのであるとすれば、もっと総合的なものが加わったものにならなけりゃならぬのじゃないかと思うのです。だから当然関連して、たとえば、まだ法案なんかは出ませんけれども、何ですか、広域都市ですか、それから工業の何とかいういろいろな法案が出ておりますが、もっとああいうものとの関連をはっきり持ったものにしていく必要が私はあるのじゃないだろうかと思うのですが、このものを私は単なる否定をするという立場に立ってものを言っているんじゃないのですけれども、大臣、地域の格差の是正というような問題を考えていく場合に、私はもっと今言ったように総合的な施策というものが当然必要になってくると思うのですが、そういう点についてお考えありませんか。
#23
○国務大臣(安井謙君) ごもっともなお話でありまして、これからの所得倍増計画なり経済の発展に伴いまして、この地域格差を縮小していく、なくしていくというのが大きな課題になっておるわけであります。これは総合的に今後取りかかっていかなければならぬということで、種々の、各方面からの準備をしているわけでありまして、ただ、これだけやればこれで解決するのじゃありませんので、しかし同時に、これは多角的にやらなければならぬものですから、ただ一本の法律にぽっとまとめて、これで万事解決するというふうにはなかなかいきにくい性格のものであります。とりあえず今、政府といたしましては、さしあたり間に合うものからどんどん手をつけていこうじゃないか、そうしてそれを追って総合的な計画にまとめていこう、こういう方針をとってやっているわけでありまして、今、企画庁から出しております低開発地域に対する工場分散計画といいますかの法律、これは御承知の通りに小都市、市町村を中心にした工場分散の計画も一つ法律案を出しております。と同時に全般的に、今お話のように後進地域というものに対するいろいろな見方もありましょうし、取り上げ方もありましょうが、とにかく一つの基準を設けまして、後進地域全般に対する公共事業のそういうものの促進をはかろうという計画のもとに、の水準、後進地域に対する水準の向上をはかるための、こういった補助特例を今審議を願っているわけでありまして、さらに、われわれの考え方としましては、地方のいわゆる低い開発地域における都市を中心にして総合的な開発の計画というものをやるための基幹都市といったような考え方を目下準備中でございまして、これも近く法案提出の運びにしたいと思っております。
 まあこれらが比較的総合的な対策になろうかと思いますが、これは今もお話のように、たとえば自治省だけの問題じゃございません。建設省もあれば通産省もある、あるいは農林省も関係してくるというようなことから、法案を取りまとめるのに今手間を食っているような次第でございます。おいおいそういうような形でもって総合的に地域格差をなくしていくという具体的な対策を立てるつもりでおります。
#24
○鈴木壽君 大臣、こういうまあ先ほど局長からのお答えですと、これまでの、こういうものにするまでの過程ではいろいろな検討がなされた、特に将来どの程度のいわゆる公共投資をすべきかというような問題等についてもずいぶんいろいろ検討したというお話ですが、そういう検討されました資料というものはありますか、各県ごとの。
#25
○国務大臣(安井謙君) 各団体、まあ主として府県を中心にしまして、この開発の事業に対する五ヵ年計画というようなものもそれぞれの資料を取り調べ、また、それを総合しまして今後の地方行政のあり方というものとからめて検討いたして参ったわけであります。
#26
○鈴木壽君 はっきりしたものはまだできておらないわけでございますね。
#27
○国務大臣(安井謙君) ええ、この将来計画を見通してかくあるべしというものを数字的に、具体的に計画を立てたものというものはまだまとまってございません。
#28
○鈴木壽君 私はやっぱりそういうことが先決問題として一応の数字的なものを持たなければいかぬじゃないかと思うのですが、しかも、それは単にこういうものの特別措置法だけの問題じゃなしに、交付税その他の地方財政の考え、そうしてまた将来の行政水準を引き上げていくというようなことになると、そのことがもうどうしても持たれなければならない一つの大事な問題だと思うのですが、そういう点については将来おやりになるようなお考えありますか。たとえば道路の状態がどうだとか、あるいは学校の状況はどうだとかいろいろ問題があると思うのです。全体の国道あるいは地方道を通じて、将来どうしていかなければならぬかというようなことについては、今のたとえば国の五ヵ年計画なんといっても、そういう具体的な年度割というものは何もできていないのですね、総額がきめられているだけなんです。その地域にわたって一体どうしなけれればならぬかというこまかいところまでの見通しはまだできていないようであります。あるいは文教施設の整備というような問題についても一体今後どういうふうに、老朽校舎の問題その他生徒の増減に伴ってどういうふうになっていくのかということについてもはっきりした策を持っておらない、こういうような一、二の例をあげますとそういうようなことになっておると思うのですが、私はそれでは地方の府県なり、あるいは市町村なりにおいて、特に今問題となっておるような、いわばおくれておるような地域の問題を考えるような場合には、どうしても基礎になるものが押えられておらないと、一時的な効果はあるかもしれぬけれども、所得格差の是正というようなこと、あるいは全般的な経済成長というようなことになってくると、私はやっぱり問題が依然として残っていくだろうと、こういうふうに思うのですがね、将来。大臣、どうですか、一つ非常に難儀な問題で、めんどうな作業を必要とするかもしれませんが、そういうふうなものを早急に作るようなお気持はありませんか。
#29
○国務大臣(安井謙君) 私は、この問題は非常に重要な問題でありますし、御趣旨のようなものを極力政府としても考えていかなければならぬと思うのでありますが、一つは、団体の数も非常に多い。地域差あるいは実態もそれぞれ違っておる団体を、これを総体的にまとめ上げて、将来何年計画に持っていくという、技術的な困難さも一つありましょうが、同時にもう一つは、鈴木さんなんかのお考えのように、できる限り計画化していくことは必要でございますが、われわれがとっております政策の根本は、国民経済全体の大きな自然成長というものを、できるだけ政府がこれをサポートしていくという立場で、初めから一つの企画をきめて、この型にはめてしまうのだというふうな考え方には、若干考え方、扱い方に差があろうかと思うのであります。そういうような趣旨からも、御期待通りのきちんとした何カ年計画、いわゆる計画経済に近いような企画というものを将来きめて、はめていくというふうにはなかなかやれないというふうにも考えておるわけであります。従いまして、大筋として、道路の五ヵ年計画をどういうふうにして、将来国民経済の発展あるいは地域の発展と相待って、大筋としてどういうふうに考えていくか、港湾はどう考えていく、あるいはその他一般の事業、産業の発展をどう考えていくかという基本的な調査は、見通しは持つにしましても、非常に企画の詰まったもの、それで強制力をもって統制をしていくというふうな考え方では、必ずしもいかない場合があろうかと思います。
#30
○鈴木壽君 私も今の、これは根本的な問題になりますが、計画経済あるいはそれに近いような方式できちっとやれと言っても、今の政府ではそれほど実行力もないだろうと思うし、そこまで――私は一つの限界が当然あるということを考えるから。しかし、よく言われるように、従来政府自身も格差の是正ということをしばしば言っておる。しかしまた、これなしに、ただ手放しに、自由経済そのままの手放しに、伸びる工業だけがどんどん伸びていって、それでいいわけではないだろうと思うし、伸びる地域だけどんどん伸びていってそれでいいのだ、こういうことには政府だって考えておらないから、地域格差の是正ということをやはり一つの大きなねらいとして考えておられると思う。そのための工場分散なり、あるいは基幹都市の問題なり、広域都市の問題等が話になってくる。同時にまた今の特別措置法というものも私は考えられておると思うのです。ですから、そういう面にやはり近づけて、そういうねらいにだんだん近づけていくためには、一体地域格差と言ったって、地域の現状がどうなっているか、それを是正するためにどうしなければならぬかという、その程度の計画的な見通しだけは持たなければならぬ。それが五年でできるか、十年でできるか、いろいろ問題はあろうと思います。しかし、それを是正するための前進的な、前向きの努力だけはしなければならぬと思います。そうするためには、一体現状がどうなっているのかということは、当然ある程度つかんでおかないと、題目だけになってしまうと思うのですね。私はそういうふうな考え方をせざるを得ないと思うのです。前にも申し上げましたように、何もきちっと計画的にすべてのものを、しかも、地域を一せいにならしたようなきっちとした、ものさしではかったような、そういうことをせいと言っても私はできないことは当然だろうと思いますから、そこまでは申し上げませんが、今の政府の経済成長政策と、そうしてまた、それに当然伴わなければならぬ地域格差の是正というもの、あるいはいろいろなそのなかにも問題はありますが、一つの問題として地域格差の是正というものをうたい出す以上、それはやはりそういう、根本的なものを調査なり、実態をつかんで、一体これをどういう格差を縮めていくかということのいろいろの施策が行なわれなければならぬというふうに考えますから、何かそういうことについての調査なり、資料なりというものが当然あっていいのではないかというように思ってお聞きしているわけなんです。これはひとり自治省だけの問題ではなしに、企画庁あたりにそういうふうなものを、政府のものとして持っているかもしれませんが、もし自治省だけでなしに、他の官庁等において、そういうものが調査されており、あるいは調査中であるとすれば、私はそういうものでもお示し願えればありがたい、こういうふうに思います。
#31
○国務大臣(安井謙君) 今お話のような趣旨のものは、確かに必要なものでございますし、やらなければいかぬので、先ほども申し上げましたように、個々の地方団体の将来の計画といったような材料もできるだけ取り寄せ、あるいはまた、これを縦に考えた場合に、道路の五ヵ年計画であるとか、港湾の五ヵ年計画、利水計画であるとかというふうな、そういったような基本的なものの考え方、そういうものを総合して、できる限り将来への大きな基本方針もきめていきたいと思っているわけでありますが、今ここで、それじゃ将来のそういうようなものを総合的にまとめて、どういうような計画になっているかというようなものができ上がっているかどうかということになりますと、これは現在まだそういうふうに取りまとめたものはでき上がっておらないということでございます。
#32
○鈴木壽君 将来そういうふうな方向にまとめていくというふうにお聞きしてよろしゅうございますか。
#33
○国務大臣(安井謙君) これは先ほども申し上げましたように、ものの程度によると思うのでありまして、どこまでそれがきちんとしたものかということになれば、いろいろ議論もございましょうし、また、どこまでやるべきものだという限界の点もあるかと思いますが、それぞれの部門あるいはそれぞれの主要な団体については、現在でも基本的にはいろいろの計画を持っているわけでありまして、できる限り将来これをまとめまして、一つのその段階において見通し得るめどというものは、今後もつけていきたいと思っております。
#34
○鈴木壽君 さっきも私は申し上げましたが、今回のこの特別措置法は、そのものを私否定する立場でなしに、ただこういうものをやる場合に、もっと総合的なものがほしいということは、たとえば道路五ヵ年計画がある、港湾の整備の五ヵ年計画がある、治山治水のそれがある、こういったいろいろのものがありますね。そういうものをやる場合にも、事業量を一体どの地域にどういうような振り分けをするかということを当然考えなければならぬと思う。その他の場合にも、そういう問題が当然出てくる。そうして、そうなった場合に、一体将来の地域の財政力がふえて、どう対応できる態勢にあるのか、おそらく貧弱団体では仕事を持っていけと言ったところで、なかなか持っていけないでしょうから、そういうような場合に、その団体に対してそういう仕事をどう評価し、後進性の脱却ができるような進め方が可能かというような財政的な裏づけというものを私は考えていくべきだ、そこまでいかないと、確かに百数十億の金は、これによって従来の地方負担分のあれはあるいは、何といいますか、助かるかもしれませんね。しかし、百数十億の金が助かるといっても、今言ったようにそのことで直ちに後進性の脱却なり、あるいは地域格差の是正ということに結びつかないような形に終わってしまうのではないかという私心配がある、率直に言って。多少のゆとりはできるかもしれません。だから、ゆとりのある金を別の方に回し、ある種の仕事をするということで関係はあるかもしれませんけれども、特にいま少しく事業量の関係になり、将来一体どういう施設をどのようにしなければならぬというめどを持った仕組みにならないと、十億の負担をするのを九億で足りたのだといったことだけに終わりはしないかというふうに思うので、妙な少し回りくどいような聞き方をしておりますけれども、もっと私はこれに今言ったような要素を加えたものにしていくための努力が必要だと思うし、そういう計画がなければならぬというふうに今思ってお聞きしておるわけなんです。何かそれによってあれですか、どうもお前の考え方は少しおかしいのじゃないかということでもあったら率直に一つお話し願いたい。
#35
○政府委員(奥野誠亮君) 大へん率直に申し上げますと、自治省としては、当初、後進性の強いところに特に国の援助の割合を高めるということとあわせまして、事業分量が多ければそれもからみ合わせまして事業分量の多いところには国の援助の割合を高めると、この二本建を考えておったわけでございます。そうした方が今の鈴木さんの所説を伺っておると一そう合ってくるのだと思います。ただ政府部内でいろいろ議論しております過程におきまして、事業分量をからみ合わせると国の援助の割合を高める度合いをどうするかという決定がおくれてくるという点と、もう一つは、事業分量の取り合いっこになり過ぎるという点、この二つからなかなか全体をそういう方向にまとめ上げるには時間がかかったのであります。そこで一応このような形において財政援助の制度を打ち立てたわけでございまして、もとより今後この制度の実施の経過を見ながらよりよい方向を探求していきたいという気持であるわけでございます。この制度がこのままで完璧だという気持ではございませんで、先ほども申し上げましたように、経過的にはこれに合わせまして事業分量もからみ合わしたいということを、私たちとしては理想としておったわけでございます。なお所得倍増計画にいたしましても、その他の各部門ごとの開発計画にいたしましても、地域別に金額が明示されて参りませんと、地方財政を所管しておりますものとしても、どの程度の将来その団体に対する財源付与をめどにしていくかということが定まって参りませんので、将来といたしましては、逐次そういう方向に行くのだろうと思うのでございます。ただ、こういう方向ができて参りましてから、まだそれほど年月を経過しておりませんので固まった方向に行っておりませんけれども、だんだんとそういう方向に固まっていくのじゃないだろうかと、そう考えておるわけでありまして、私たちといたしましても、そういうことをめどにしながら、どのような財政援助の制度を地方団体にとって参りますことが、それらの計画をより容易に達成せしめるかというようなことを研究して参りたいという考えでおるわけであります。
#36
○鈴木壽君 大臣、あれですか、道路予算とか、それから港湾、治山治水、ああいうものの各地方への配分にあたって、自治省はたとえば建設省なり運輸省なり等に対して何か意見を言ったり、要望したりするというようなことができますかできませんか。
#37
○国務大臣(安井謙君) こういうものを具体的に計画を実施することにつきましては、審会議を通すような形になっております。その審議会において、自治省からも出ておりまして、いろいろ問題について審議に当たり発言をする、こういう仕組みになっております。
#38
○鈴木壽君 もっと私端的に言って、たとえばことしの道路予算の具体的な配分にあたっての何かあれですか、要望したり、あるいは相談をしたり何かそういうことをおやりになっておりますか。
#39
○国務大臣(安井謙君) 実際的に、たとえば三十六年度の道路の公共事業費をどういうふうに配分するかという、個々について、一つ一つの相談を受けてやるというふうには建前はなっておりません。これは建設省が全体の道路計画というものを見た上で立てる建前でありますが、しかし、それが非常な財政事情に著しい影響を及ぼすものである、あるいはその団体の財政事情でいかがかと思われる点があれば、これは注意してこちらからも建設省へ注文をつける、要望するというふうに実際問題はやっております。
#40
○鈴木壽君 私、ことしの道路予算、それから港湾予算、治山治水関係その他全部をまだ承知しておりませんけれども、どうもやっぱり一つの道路なり港湾、特に港湾等の問題になりますと、いわゆる地域の格差をなくするというような方向でいっているとは思えない予算配分になりますね。個々のそれは地方道とか、いろいろな問題に従来よりは予算はふえております。国道の方でも予算はふえております。しかし、何といってもおくれたところはやっぱり依然として差がついていくようなそういう形ですね。ですから、やっぱり前にも申し上げたように、事業量の配分の際に、もっとそういう各建設省なり運輸省なり農林省等に対して、そういうような問題について、大臣、十分これは閣議のときでもけっこうだと私思うのですがね、ほんとうに注文をつけて、しかも、それなしには国の政策なんというものはできないのだ、経済政策なり地域格差の是正なりということはできないのだということで強くやらないと私はいけない問題じゃないかと思うのですが、何か閣議の際にも、そういうふうなことについての注文をつけたり意見を述べたりするような機会はございますか。
#41
○国務大臣(安井謙君) これはあるわけでありまして、今のたとえば地域格差をなくしていこうという大きな政府の方針というものは、閣議で決定をしてそれぞれの主管省に流れていくわけであります。また実際問題としても、特別支障のあるというような問題があれば、これについては必要な発言は常にできるわけであります。ただ個々のものを決定するために一麦の路線とか、その他についての個々の相談をそれぞれ全面的に受けるというような仕組みにはなっておりません。
 それから地域格差をなくするような方向にどうも行っていないようだというような見方もおありかと思いますが、これも見方によって、なかなかむずかしい問題でありまして、たとえば道路に対する投資の比率といったようなものも、一定の基準を設けて、しかも、これを地域の挙展のために使うというふうにやっておりますと、今度は逆な面で言うと、都会なんかは道路に対するまた別の見方の需要量等から言うと、非常に投資額が薄いじゃないかというような結論も逆に出る場合もありまして、そこらのかね合いというやつはなかなかむずかしいものだろうと思う。しかし、お話の御趣旨のように、全体の方針に関係するようなものについては、十分主張は生かし得る機会はあるわけであります。
#42
○鈴木壽君 これはまあ今の大臣のお話でございますけれども、さっきも申し上げましたように、私は三十六年度の予算の配分等でも、大きなものをまだ見ておりませんけれども、従来はやはり端的に言うと、たとえば太平洋岸とか、それから日本海側なんというと、はっきり格差のあるのが見えますし、また予算ののつけ方なんかにおいても、依然として格差が縮まるという方向でないということは、十分指摘できると思うのです。たとえば東北地方では、東側の国道と西側の方の国道と比べてみると、一目瞭然ですね。しかも、改修あるいは舗装等が、なかなか西側の方では進まないという問題がある。私は何も自分が東北の西側の方におるからという、ひがんだ気持で申し上げるわけでございませんけれども、現実はそうなんです。そういうことが各地にあるので、こういう問題を国として直していくというふうでないと、幾らたっても差がむしろ広がるような傾向にいくのじゃないかというふうなことまで、心配いたすのでありますから、どうか一つ大臣、今言ったような点で、今後十分政府部内でそういう主張をして一つやっていただきたいと思うのです。実際に道路なりその他港湾なり、いろいろなものの配分をごらんになって、どんどん注文つけたり、意見を述べていただきたいと思うのですが、私はこれは要望なんでございますけれども、一つそれを申し上げておきたいと思います。
 それから、こまかいことになりますが、この法の三条にある引上率の負担割合の算定方法ですね、一つの式があるわけなんですが、これはもう少しわかりやすく説明していただけませんか。たとえばこの数字が何を表わしているのか、〇、四六から当該適用団体の財政力指数を差っ引いてという、こういうようなのをもう少し――わかったようなわからないような、一つこれだけどういう根拠でどうなっているのかということをちょっと御説明いただけませんか。教えてもらいたい。
#43
○政府委員(奥野誠亮君) 基本的には〇・四六から当該適用団体の財政力指数を差っ引きました差額、それを引上率に使いたいということでございます。さらに言いかえれば、全国平均でみれば、四六%くらいは、租税収入で財政需要をまかなっていける、それに達しない団体の達しない比率をかさ上げ率に使っていこうという考え方でございます。その場合に、最も引上率の高い団体の引上率を二五%まで持っていこう、現在では二五%になりません。最も財政力指数の悪い団体の引上率を二五%まで持っていこう、それに応じて、他の団体のかさ上げ率も修正していこうということにいたしましたのが、この算式でございます。
#44
○鈴木壽君 どうも弱いんだ、こういうのは。
#45
○政府委員(奥野誠亮君) なお重ねて申し上げますれば、こう考えていただければよろしいかと思います。分子に書いてあります〇・四六%マイナス当該団体の財政力指数、要するに四六%に達しない団体の比率、これをかさ上げ率に使いたいのでございます。これに、分母に書いてあります〇、四六%マイナス財政力指数が最少の適用団体の当該財政力指数、現在では二三%のようでございます。そうしますと、〇・四六から〇・二三を引きました比率が二三%でございますから、二三%の団体のかさ上げ率を、二三%ということにとめませんで、二五%まで上げたい、そこで全体に二三%分の二五%、〇・二五をぶつかけることによって、他の団体のかさ上げ率もそれによって修正していける、その程度に引き上げていくということになるわけでございます。基本的には分母に書いてあります〇・四六%マイナス当該適用団体の財政力指数なんであります。平均まで達しない比率をかさ上げ率に使おうと、こういうことでございます。しかし、一番悪い団体は、その比率だけにしないで、二五%まで持っていきたい。そこで一番低い団体につきましての不足率を、分母に置いているわけであります。従いまして、一番低い団体が二三%でありますから、〇・四六から〇・二三を引きました差額の〇・二三が、分母に入ってくるわけであります。今年度に関します限りは、二三%は分母に入ってくるわけであります。で、上のこれを、もし、財政力指数が最も悪い団体に当てはめますと、分子も同じ比率になるわけであります。当該適用団体の財政力指数がやはり〇・二三でありますから、分子も〇・三二であります。〇・二三分の〇・二三になるわけであります。言いかえれば一であります。従いまして、その団体は〇・二五に一をかけるわけでありますから、二五%まで引き上げることになります。同様にそれより高い団体につきましては、それぞれ分母に書いてあります当該適用団体の財政力指数が上がってくるわけでありますけれども、それらの団体の不足率を、一番低い団体を二割五分アップにしたわけでありますから、その程度に修正されていく。要するに二三%分の二五%をぶっかけて、それだけで四六%に達しない比率そのままのものを若干引き上げて、かさ上げ率にするということになってくるわけであります。
#46
○鈴木壽君 大体お話はわかりました。そこで、いただいた資料の国庫負担引上率の算定実例でございますね、これをいま少し、A県の場合、B県の場合と二つのものがありますが、これを一つ、もう少し御説明いただきたいと思います。
#47
○説明員(茨木広君) A県の場合の方は、普通の団体の場合でございますが、財政力指数が二五%の団体の例をあげてございます。でありますから、もう一つ一番前の方の紙で財政力指数の載っているものがございますが、ただいまの二五という団体は、ちょうどこの中にはございませんが、山形が二六・二、高知が二四・四と、こういうことになっております。このちょうど中間に見た場合と一応仮定したものでございます。で、二五と仮定いたしますというと、この算式に当てはめますと、一プラス〇・二五かける〇・四六下の方の分母が先ほど局長から説明がありましたように、財政指数は過去三カ年間の基準財政収入額と基準財政需要額の平均を用いますので、三十六年度に使用いたしますのに、配付いたしております一番上の紙に載っているわけでございますが、その場合の例といたしまして、〇・二三が三十六年度の一番最少団体になる。要するに三十三年、三十四年、三十五年の平均になるわけであります。そこで、分母の方は〇・四六マイナス〇・二三ということになって、〇・二三と出ます。分子の方が当該団体の財政力指数でございますから、当該団体の財政力指数が二五%、小数点に直しまして〇・二五とこうなってきます。そこで〇・四六マイナス〇・二五ということになって、〇・二一になります。そこで〇・二三分の〇・二一、これを〇・二五に乗じますというと、結果が一・二二八と、こういうふうに出て参ります。そこで、この法律の方におきましては引上率は、これはずっと小数点以下あるわけでございますが、小数点以下二位未満は切り上げるものとすると、こういうことに相なっておりますので、一・二二八の小数点二位以下を切り上げて一・二三というふうに引上率がなってくると、こういうことになります。そこで、法律に書いてありますように、これを通常の国の負担割合に乗じまして国庫の新しい負担割合を算定すると、こういうことに相なりますので、そこで例にあげてありますように、二つ例があげてありますが、砂防事業の例で説明申し上げますというと、通常の補助率が三分の二でございます。これに今度の新しい当該団体の引上率一・二三を乗ずることになります。そういたしますというと、〇・八二というのが出て参ります。そこで、この団体の場合の砂防事業の国庫の補助率と申しますか、負担率が、〇・八二というのが三十六年度で適用されますところの国庫の負担率になると、こういうことになるわけでございます。それから道路の方の関係で申し上げますというと、国道の場合で載っておりますが、四分の三の補助率になっております。そこで、これは〇・七五になりますが、〇・七五に今のやはり当該団体の引き上げ率の一・二三を乗じますというと〇・九二ということになってきます。ところが、これは三条の第二項の方に制限がございまして、適用団体の負担割合が百分の十未満のときは、百分の十だけは負担するんだということが二項にございます。そこで、この場合には〇・九までが国の方の負担の限度になってくるということになりまして、〇・九二のうちの〇・〇二が切り捨てられまして、〇・九ということになる。この〇・九を当該団体に対しますところの国道の場合の補助率としてこれを使用すると、こういうことに相なるわけでございます。
 それからB県の方の例でございますが、これは財政再建団体の場合の例でございます。これは経過措置の方の二項の適用のある場合の実例を実は示しておるわけでございます。この場合は経過措置の二項の方で、三十六年、七年、八年、三カ年にわたりまして、三十六年度の場合には、従前の再建団体に対しますところの指定事業制度及びそれにからまっておりますところの東北なり九州、四国の開発促進法の重要事業制度、こういうものを併用いたしまして、その旧法の方で計算いたしました場合の額と新しい法律の方で計算いたしました額と比較いたしまして、三十六年度は多い方を適用する、それから三十七年度の場合には、旧法の方で算定いたしましたもののうち通常の補助率で計算しました額をこえます、要するに国のかさ上げ額の部分について二分の一にいたしまして、これと新しい法律に基づいて計算しましたやはりかさ上げ額の二分の一と、これを比較いたしましてよい方をとる、それから三十八年度が四分の一にいたしましたもので比較すると、こういうことになっております。そこで、このBの例は総合計で計算しました例が書いてあるわけでございますが、総合計で計算しました国の方の負担のふえます額が、この例の場合には二億というふうに定めてあります。一応こういう二億と仮定いたしますというと、従来の再建法、それから開発等の制度を適用して計算しました場合の例が二億八千万というふうに出たと仮定いたしますというと、この場合は新法の方によらずに、旧法の方の制度を取り上げるんだと、こういうことに相なる、こういう例でございます。この例の場合に、三十七年度になりますというと、従来の二分の一の額になるということになりますから、その半分ということで、おそらくこの例の場合でありますというと、新しい法律の方が有利になってくると。この裏の方に例が示してありますが、この場合は新法の方式によった例が二億五千万アップになると、こういう例の場合でございますが、この場合に、従来の再建団体と開発促進法の例でよった場合に一応三億と出たと、この場合の引き上げ率が一・一六という団体の例を取り上げておりますが、そういたしますというと、三十七年度の場合は三億を二分の一にした数字と、新しい新法の二億五千万円と比較されますので、二億五千万円と、一億五千万円ということになりまして、二億五千万円の方が多うございますから、新法の方が三十七年はこの団体については適用になる、こういうことになりますというような例でございます。
 それからこの逆に出ました場合、この場合は従来の方式が適用になるのだということでございますが、この場合でも一・一六マイナス一、かける二分の一、それにプラス一で比率が一・〇八になります。要するに従来の方法を取り上げます場合に、引上率の方の計算においても、一以外の部分については二分の一にした率を用いるというのが、この法律の経過措置の二項の、三ページ一番最後から四ページにかけまして、この場合において云々ということで、率の計算について二分の一にするのだということが書いてございます。その説明が一番最後のところの説明でございます。一・一六から一を引いた〇・一六を二分の一にしまして、そして今の一を引いた部分をもう一度元に戻すためにプラス一をする、そして一・〇八になります。これが今の法律の三ページの最後から四ページにわたる部分の説明でございます。非常にこまかくなりまして恐縮でございます。そんなような工合でございます。
#48
○鈴木壽君 そこで三十七年度からは、何といいますか、再建団体においては新法と比べてみた場合、三十七年度、三十八年度においては再建団体は新法が出ない方がいいというようなことになるのではないか、国の負担率の方からすれば、そういう場合が出てきますね。もう一度申し上げましょう。「三十七年度においては、新法による割増額と、従来の方式による割増額の二分の一の額とを比較して、その有利な方をとる」、こういうようなことでありまして、「即ち、」云々と、こうありますが、そうしますと、従来の方式によった場合の割増額三億円と、新法によった場合の二億五千万円、そしてその場合に二分の一とかなんとかということがあって、二分の一のところと比較されますから二億五千万円の方をとる、こういうことでしょう。
#49
○説明員(茨木広君) そうでございます。
#50
○鈴木壽君 三億をもらえると思った団体が新法が適用されることによって、三十七年度においては五千万円損する、こういうことになりますね。
#51
○説明員(茨木広君) そういうことに相なります。と申しますのは、一応この再建団体の方の制度は三十年度ごろの事態を前提といたしまして、その当時の再建団体を対象にするということになっているわけでございます。その後、準用団体等で市町村の方におきましても再建に入ったものもあるのでございますけれども、この団体にはこの制度は適用されていないわけでございます、と申しますのは、三十年度当時は非常に地方財政の財源措置も現在よりもっと悪うございましたために、いろいろ問題があったわけでございますが、おかげさまで各方面だんだん充実して参りましたので、現在のところにおきましては、再建団体であるか、あるいはそうでない後進地域かによっての差がだんだん少なくなって参りました。そこで今度の制度の場合におきましては、従来と建前を異にいたしまして、再建団体であるか、そうでないかということではなくして、この新しい財政力指数によって判定いたしました団体の順位によって引上率の差をつけていく、こういうような制度にすることになっておるわけでございます。
 そこで、立て方が今申しましたように、一律にそういうような新しい尺度でもってやるという立て方をいたしておりますので、従って、従来の指定事業制度なり、重要事業制度の場合と若干見解を異にするようなことに相なっておるわけでございます。そこで、経過措置といたしまして若干差が出ますような場合におきましては、今言ったような三年間に順次こちらの制度の方になだらかに吸収をしていくということで、三十六年度はまあ全額、それから三十七年度は二分の一、それから三十八年度が四分の一、こういうような制度を立てたわけでございます。と申しますのは、同時に、十八団体ほど再建団体が三十五年度であったわけでございますが、三十五年度末で三団体完了をいたしております。それから三十六年度に六団体完了をする予定になっておる。そうすると大体残る団体が九団体になっております。そのほかに、別途ことしじゅうに再建計画の変更をいたしまして、大体一年くらい、−多いものは数年になりますが、期間を短縮いたしまして、再建を促進するというような情勢になっております。従って、そのようなこともかみ合わせて考えまして、今言ったような制度にいたしたわけでございます。しかし、やはり再建団体でも、たとえば山梨、秋田、鹿児島のような団体は、財政力指数の低い団体でございますので、引上率も相当多くなりますので、今の経過措置の方の適用は受けないで、新しく新法がもう当初から適用になっていく、こういうような団体もございます。そういうようなことで、二、三財政力指数の相当高い団体も、経過措置でやっていった方が有利な団体が出てくるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#52
○鈴木壽君 三十六年度までに――現在までに終わったのが三団体でしたね。
#53
○説明員(茨木広君) 三団体でございます。三十六年度は六団体になります。
#54
○鈴木壽君 また完了ということになりますね。そうすると、三十七、八、九、今のところでは、あるいは期間の短縮なんかが行なわれるかもしれませんけれども、今の状態では三十七年度で終わる予定の団体が……。
#55
○説明員(茨木広君) 一団体でございます。三十八年度は四団体でございます。
#56
○鈴木壽君 そうすると、三十九年度で四団体でございますね。
#57
○説明員(茨木広君) 三十九年が二団体、四十年が一団体、四十五年が一団体でございます。
#58
○鈴木壽君 そうしますとあれですか、端的に言って三十七年度からは、今お聞きしたように、新法が出ることによって、その適用されることによって、従来の再建団体であったもの補助の仕方からすると、若干不利になるというところが出てくるのはこれは当然ですね、一般的に言って。
#59
○説明員(茨木広君) 大体若干出る見込みであります。
#60
○鈴木壽君 この場合、三十九年度から全部もう新法に切りかえられるわけですね。
#61
○説明員(茨木広君) そうでございます。
#62
○鈴木壽君 このうち三十九年度からのを考えてみると、今のところ三十九年で二団体、四十年一団体四十五年で、一団体、これはあれですか、再建期間の短縮というようなことは見通しとしてはどうなんです。
#63
○説明員(茨木広君) 大体今考えられておりますのは、四十年の団体が二年くらい、その当初立てました再建計画の赤字解消額よりも、進渉いたして赤字を解消いたしております。四十五年の団体が約五年くらい進渉いたしております。と申しますのは、再建債のほかに、別途再建債にたな上げされなかった赤字があるわけでございますが、それがほとんど、佐賀県は去年、それから徳島県はことしなくなると思いますが、全部再建債以外の赤字は解消いたしております。計画ではまだ三十五、六年ごろは赤字が出るような、再建債外の赤字が累積するような当初の計画になっておりましたが、非常に進渉いたしております。こういうことで、かような団体は大体三十八年ないし、徳島が四十年に終わるだろう、こういう計画に今年変更できるだろうと思っております。三十九年度の団体が三十八年に終わるだろうと思います。三十八年の団体は大体一年短縮できるのではないか、三十七年の団体は大体見込みといたしましては、本年度で完了できる、こういうように私どもとしては思っております。大体そんなような状況でございます。
#64
○鈴木壽君 残る団体はあまり数多くないわけなんですが、三十七年度それから三十八年度、両年にわたって二分の一、四分の一のこれで新法に切りかえていくわけですか、どうです。これはもう一年くらいの団体にはそれこそ、さっきお話のあったようになめらかにというならば、四分の三、二分の一、四分の一くらいでというように、三年くらいかかったらどうですか。ちょっと気の毒じゃないですか。
#65
○説明員(茨木広君) 当初は三十六年度一年限りでというような案であったわけでございますが、まあ三カ年ということで三十八年度までにいたしたわけでございます。大体今の各団体の繰越金の状況、それから積立金の状況等から判断いたしまして、それから現在の改善されました地方財政の状況から判断いたしまして、まあこの程度の年限がありますれば十分であろうというように考えております。と申しますのは、主として後半の方に引っかかって参りますのは、相当財政力の上位団体と申しますか、中位団体と申しますかの団体が二、三それに該当するのじゃなかろうかというような考え方をいたして見ているのでございます。従って、原案でお願い申し上げたいと思っております。
#66
○鈴木壽君 これは、お話のように再建団体になる当時の財政事情と今とは相当違っておると思いますから、一がいに再建団体であるから非常に苦しいんだということでやることもどうかというふうな感じはしますけれども、そういう計画でずっと、少なくともその再建団体になった当時、二、三年というものは、非常に苦しいやり方で、事業の圧縮やら、公共事業なんかみんな圧縮することが建前であったのですから、そういうことで来ているのですから、今多少いわば好転したというようなことがいえても、やはり本質的に苦しいところなんですね。大体。ですから、そういうところには、わずか一、二年のところですから、もう少し温情をもってやることが、当初に考えた趣旨からしていいんじゃないでんか、財政局長、どうですか。
#67
○政府委員(奥野誠亮君) 地方団体は国から金を取り得だというような気持で考えていきますと、少しでも損するような団体があってはいかぬ、こうしう立法にせざるを得ないのかもしれません。しかし、制度を改善するということになって参りますと、一時的には思い影響を受ける団体が出て参りましてもやむを得ないのじゃなかろうか、こう思っているわけでございます。今御議論されております若干三十七年度において不利になる団体もあるわけでございますけれども、半面、ある程度恒久的に財政援助を保障する立法になっているわけでございますから、その団体におきましても三十七年だけをとらないで考えた場合には、もとよりこの制度によりまして相当な好影響を受けていくわけでございます。また再建団体の中にありましても、財政の貧困な団体におきましては、今よりさらに大きな援助を受けられることにもなってくるわけでございまして、この制度の結果、数年の間若干今よりも不利になる団体が生ずるけれども、その団体にあっても恒久的に援助を受けられるのだからはるかに有利な制度になっているわけでもございますし、また多くの団体はこれによりまして非常に大きな恩恵を受けて参るわけでございますので、やはりこういうような法律の建前にすべきであろうと、かように考えておるわけでございます。
#68
○鈴木壽君 それは赤字団体だから何もかにもというんじゃないですけれども、団体の数もわずかだし、なだらかにやるという建前だったら、なだらかに団体をもう少しふやしてやることが私はいいんじゃないかと思うのですけれども、やっぱり若干不利なのがありますからね。ですから、そういうことも私考えるべきじゃないか。もちろん恒久的になるということだけは確かですから、今後どの程度続くかわからないのですけれども、恒久的であることは確かです。それは再建団体でないものも恒久的に利益を受けてやるんですからね。せめて三十九年あたりまでいくように、最初の年は四分の三、それから次は二分の一、次は四分の一と四十年度あたりから一つこの新法に全面的に切りかえるというようなこともいいんじゃないですかね。やっぱり原案を作ってしまえば困りますか。
#69
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘のような影響を受ける団体は二、三の団体でございます。私たちは現在の財政再建促進特別措置法の援助のあり方についてすでに改正を加えたい、こういう気持でおるわけでございます。現在不合理だと考えておるわけでございますので、それを残しておく考え方は毛頭ございません。
#70
○鈴木壽君 それから今再建団体に対して事業量を、当初七五%、各三カ年間の七五%圧縮した形でやってきましたが、今はどうです、そういうようなワクがありますか。
#71
○説明員(茨木広君) やはりございます。ただ当初は、三十七年から二十九年までの三カ年の平均の事業量を基礎にいたしまして、それの七五%をこえますというと補助率のワクが一切なくなる、こういう制度であったのでございますが、そのあとでは七割五分までのところは二割アップ、それから事業量が、一割ふえますと二割アップを一割アップに補助率を落とす、それからそれをこえますというと、通常の補助率に返ると、こういうことでだんだん補助率が通常の方に返るというような格好になっております。ただし、やはりそういうことでございますから、事業量との計算では、その二十七年から二十九年のものを、その後の公共事業の伸び率等で修正しましたものを基礎にいたしまして基準事業量というものをきめて、それとの関係で、今言ったような方法できめている。やはりそういうことでは制限がございます。
#72
○鈴木壽君 一方においてそういうような制限をしておるのだし、これはやっぱりもう少し、残り少ないわずかの団体ですが、めんどう見てやるというとちょっと語弊がありますけれども、それはあなた方もおっしゃるように再建団体に指定する当時の財政の状況と、今のかりに再建団体であっても財政の状況と違うことは確かですが、しかし、まあ今言ったように、一方においては事業量の圧縮なんかも、圧縮といいますか、過去においては相当圧縮され、現在においてもまたそういうような一つの基準によって補助率が違うというような状況になってるんだしね。まあ少しくもし再建団体法の適用か有利だとするならば、そちらの方でやるべきじゃないですかね。
#73
○政府委員(奥野誠亮君) 私たちは再建法がありますために、いつまでも再建団体で残っている、これが非常に不合理だと考えているのであります。完了できる団体でありましても、再建法の適用を受けておりたいのであります。また受けておった方が金の計算だけでは有利であります。私たちは早く独立の精神を取り戻してもらいたい。それでなければほんとうの自治の進展を期することは困難じゃないか、こういう気持でおりますので、なるべく早く私たちは再建法のあのかさ上げ制度はやめていきたい、こういう気持でおるわけでございます。金の損得以上に独立の精神というものを強く持っていただきたい、こういう考え方は抜け切れないわけでございます。
#74
○鈴木壽君 ほんとうの自治の建前に返って、独立の精神を持つことについては、私も大賛成です。それですから、そういう意味において私は、今補助率で、あるいは仕事の量で縛ること自体が私はそれではおかしいと思うのです。それで、確かにあなたのおっしゃる通りですが、ただしかしながら、財政状況が早く再建団体でなくなるのかというと、必ずしもそうでないという現実があるのです。だから、例の赤字を全部返してやって独立団体になりたいのだ、しかし、それをやることによって非常にまた苦しいというところが出てくる。仕事をやりたいが、やれないところが出てくる。ですから、私はやっぱり多少事情は違っておることは確かにおっしゃる通りでありますし、自治の精神、独立の精神に立ち返ることは大賛成でございますが、わずかの補助率を高めることによって自治精神を失わせないようにということがむしろ今の段階ではいいんじゃないですか。
#75
○政府委員(奥野誠亮君) 再建期間の長い団体は、この制度によってみな有利になります。御心配になっているような団体は、現在でも三十七年ないし三十八年までが再建期間だ、こういう団体でございます。私たちはやっぱり早く再建を完了してもらった方がいいんじゃないか、こういう気持でおるわけでございます。また不利になります額もそれほど大きなものではないと思っておるわけでございます。
#76
○鈴木壽君 さっきのことにちょっと返るわけでありますけれども、そうしてまた奥野さんのお話によっては、前に自治省としてはそういうことを考えたというのですが、事業量の増大に伴ってやっぱり補助率をもっと上げてやって、ほんとうの意味で仕事ができるようにしてやるということが私はどうしても必要だと思うのですが、大臣は実は近いうちにそういうような方向を強く打ち出して、この法律改正を考えていかなければいけないというふうに今お考えになりませんか。
#77
○国務大臣(安井謙君) これは、先ほども財政局長も御答弁いたしましたように、自治省としては当然一つ考えるということでスタートはした問題でありますので、今後とも十分これは考慮していきたいと考えております。ただ私は、基本的には今の地方交付税によってある程度の地方団体間の格差は、少なくとも都市における行政措置としてはある程度平均化されておる、しかし、地域的に見ておくれているところに今度逆に別の方から多く補強をしてさらに格差を縮める作業をしていこうという法律でありますから、でき得る限り数字も多いし、金額も多いにこしたことはないのでありますが、これはやはりそのときそのときの財政状況も勘案しながらしなければならぬので、直ちに事業量そのものを今すぐ適用する方向でこの次から成立させるというお約束もむずかしいかと思います。十分これは御指摘のように検討して、自治省として一つその方向でさらに進めたいと思っております。
#78
○鈴木壽君 その点については、私はやっぱり将来考慮するというだけではなしに、強くそういう方向に持っていってもらいたいものだと考えるのです。そうでないと、何べんも申し上げますように、地域格差の是正ということは単なる題目だけに終わる、そうでしょう。ある程度の事業しかやれない。どんどんいろいろな事業をやっていかなければいけないという今の状態なんですから、それに対応できるような財政措置というものを当然やっぱり考えていくということでなければ、私は首尾一貫しないものだと思います。そういう意味で大臣の今後の最大の努力をこの点について一つ傾けてやっていただきたいと思います。
 それから指定事業の範囲と、それに関してたとえば海岸の直轄事業、一連の海岸保全施設にかかわる事業費が一億円以上の海岸保全施設整備補助事業、こういうようなことがございますけれども、こういうふうになると、一億円以上の事業量というふうになりますと、非常にこれは限定されてきたものになりますね。災害関連事業で事業費が一億円以上のものというふうなこともありますけれども、これはたとえば海岸保全の施設の仕事で一億円以上といったってこれは三十六年度の予算で全国でどのくらい、何カ所くらいありますか。
#79
○政府委員(奥野誠亮君) ちょっと今その個所を承知しておりませんので、調べてお答えしたいと思いますが、実は開発促進法で重要事業と指定したものについてかさ上げが行なわれておることは御承知の通りであります。その範囲に海岸や砂防の事業が入っていないわけでございます。そういうところからこれを取り入れるについて大蔵省としてはなかなか範囲を広げにくい、こういう事情があろうかと思うのでございます。一応一億円以上の仕事ということになっておるわけでございますけれども、国会の御論議もございますし、政令を定めます段階におきましては、自治省としてはさらに努力を傾けていきたい、こういう考え方でおるわけでございます。
#80
○鈴木壽君 私これをいただいて見たところでは、はて、一億円以上の海岸保全施設の整備事業というものは全国で一体どのくらいあるだろうかというふうに思って、こういうりっぱな法律ができても、適用される事業個所なり団体というものはきわめて少ないのじゃないかというふうに考えたものですからね。
#81
○政府委員(奥野誠亮君) 海岸保全施設整備事業の総額が百二十六億余りになっているようでございます。そのうち一億円以上の仕事が百九億余りで八六%に当たっております。一億以下の金額が一四%になるわけでございます。ただ件数におきましては、若干食い違いがあるのかもしれないそうでございますけれども、百七件でそのうち一億円以上の件数が三十八件ということになるようであります。
#82
○鈴木壽君 ちょっと私は今のあとの方はっきりこう聞き取れなかったのですが、一億円以下の仕事が三十八件でございますか。
#83
○政府委員(奥野誠亮君) 海岸保全施設整備事業が総額で百二十六億円余り、そのうち一億円以上の仕事に該当するものが百九億円余り、パーセンテージで八六%に当たっておるわけであります。件数では総体の件数が百七件で一億円以上のものが三十八件、従って、件数では三五%にしか当たっていないということになるわけでございます。多少食い違いがあるかもしれぬそうであります。
#84
○鈴木壽君 そうするとやっぱりあれですね、もっと私は金額を引き下げるべきじゃないかと思うのですね。まあ今度政令の段階で十分考慮してやるというようなお話でありますが……。それから、いろいろ衆議院の段階においても附帯決議がつけられておるようでありますが、「河川事業については、小規模河川改修事業をも対象事業とすること。」と、こういうふうなことがありますが、それから「砂防事業、治山事業及び地すべり対策事業については、適用河川水系及び準用河川水系にかかるものをすべて対象事業とすること。」と、こういうふうな附帯決議がついておりますが、大臣こういうことについては何ですか、これはまあ一つわれわれもこういうことを要望したい。できれば一つここではっきりお約束いただきたいとも思うのですが、いかがでしょう、こういうことにつきましてのお考えは。
#85
○国務大臣(安井謙君) 衆議院におきましても同様な御意見でございまして附帯決議も実はついております。従いまして、まあそういった御意見については十分尊重して今後の政令段階で決定する際にはその趣旨を生かしたいと思っております。
#86
○委員長(増原恵吉君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#87
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
 それでは本日は質疑はこの程度とし、これにて散会をいたします。
   午後零時二十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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