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1960/05/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第22号
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1960/05/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第22号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第22号
昭和三十六年五月十八日(木曜日)
   午前十時四十三分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
五月十七日委員郡祐一君辞任につき、
その補欠として小沢久太郎君を議長に
おいて指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
  委員長      増原 恵吉君
  理事       小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           基  政七君
  委員
           小沢久太郎君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
           加瀬  完君
           松永 忠二君
  衆議院議員
           二階堂 進君
           加藤 勘十君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   経済企画庁総  曾田  忠君
   合開発局長
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
   自治省選挙局長 松村 清之君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
   消防庁長官   鈴木 琢二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○離島振興法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○昭和三十七年における参議院議員選
 挙の選挙運動等の臨時特例に関する
 法律案(石原幹市郎君外四名発議)
○地方行政の改革に関する調査(消防
 に関する件)
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
   ―――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 五月十七日付をもって委員郡祐一君が辞任され、その補欠として小沢久太郎君が委員に選任されました。
   ―――――――――――
#3
○委員長(増原恵吉君) まず、離島振興法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。――別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。
 離島振興法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(増原恵吉君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
   ―――――――――――
#8
○委員長(増原恵吉君) 次に、昭和三十七年における参議院議員選挙の選挙運動等の臨時特例に関する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。
#9
○小林武治君 ただいま議題となりました昭和三十七年における参議院議員選挙の選挙運動等の臨時特例に関する法律案の提案理由とその要旨を御説明いたします。
 公職選挙法は、今日までの施行の実情などから見まして、選挙運動に関する規定を初めとして若干の改正の必要を感じて参った次第であります。しかし、公職選挙法の抜本的な改正は、今国会においてすでに審議されております選挙制度審議会設置法案によって設置される同審議会での結論を待って行なうべきであると考えますし、また、一方、御承知のごとく昭和三十七年の参議院議員の通常選挙が明年に迫っておりますので、この際抜本的な改正は行なわず、とりあえず同選挙を対象とした所要の措置を臨時特例として講ずることとした次第であります。
 その第一は、選挙運動期間についての措置であります。現在の二十五日の期間は、従来の実情から見ますと若干長過ぎるきらいがありますので、これを二十日といたしました。
 第二は、連呼行為についての措置であります。現在連呼行為は、演説会場及び街頭演説の場所においてする場合にだけ許されているのでありますが、選挙区域その他参議院議員の選挙の特殊性にかんがみまして、選挙運動のために使用する自動車または船舶の中においても、午前八時から午後七時までの間に限って連呼行為ができることといたしました。
 第三は、選挙運動のために使用される自動車についての措置であります。従来、選挙運動のために使用された自動車の使用の実情から見まして遺憾な点が少なくありませんので、この際、選挙運動のために使用される自動車は、命令で定める乗用の自動車とし、二輪車以外の自動車を使用する場合には、その使用の際、上部の全面にわたりおおいを取りつけたものに限ることといたしました。従いまして、いわゆるトラックは一切使用できないこととなります。なお、命令で定める乗用の自動車のうちには、いわゆる幌付ジープをも入れるつもりであります。
 第四は、選挙運動用の無料はがきの枚数等についての措置であります。まず、選挙運動用の無料はがきの選挙運動に占める重要さなどを考慮いたしまして、その枚数を現行のそれぞれ二倍といたしました。また、この選挙運動用の無料はがきの譲渡防止を効果的にするため、郵政省において、候補者ごとに命令で定める表示をすることとし、そのために選挙運動用の無料はがきは、官製はがきに限ることといたしました。
 第五は、選挙運動用のポスターの枚数についての措置であります。ポスターの枚数も、選挙運動用の無料はがきの枚数を増加したのと同様の趣旨から増加いたしまして、全国区選出議員の選挙につきましては、現行の五万枚を十万枚とし、地方選出議員の選挙につきましては、現行の八千枚を一万二千枚と、現行の三千枚を五千枚とそれぞれいたしました。
 第六は、地方選出議員の選挙におきましては、選挙の公営の拡充の一環として、一投票区について一カ所以上の公営のポスター掲示場を設けることとしたことであります。これによって選挙民の選挙に対する関心も一段と高まるものと思われます。
 第七は、選挙運動に従事する者で中央選挙管理会又は都道府県の選挙管理委員会に届け出たものに対して報酬を支給することができることとしたことであります。選挙運動従事者の労苦に対して何らの報いもできないということはあまりにも実情に沿わないと思われるからであります。
 その支給することのできる金額は、出納責任者については、一人一日千円以内、出納責任者以外の選挙運動従事者については、一人一日五百円以内とし、支給することのできる人数は、全国選出議員の選挙にあっては四十五人、地方選出議員の選挙にあっては、その都道府県の区域内の衆議院議員の選挙区の数が一である場合には十五人、一をこえる場合にはその一を増すごとに二人を十五人に加えた数といたしました。
 このように選挙運動従事者に報酬を支給することができることといたしましたので、その報酬の支給の限度額を現行の選挙運動に関する支出金額の制限額に加算した額を選挙運動に関する支出金額の制限額とすることといたしました。
 以上が、この法律案の提案理由とその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#10
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は、後日に譲ります。
   ―――――――――――
#11
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題として質疑を行ないます。
#12
○松永忠二君 消防庁の長官にお尋ねをするのですが、去る十四日の福岡市の東公園において消火演習の際に耐熱服を着た消防員が燃えるバラックの中に飛び込んで重傷した、この問題についてはいろいろな新聞がこれを書いております。また、これに関連をしていろいろな消火器の問題等もやはり相当考えなければならない問題があるのではないか、そういうようないろいろな意味で二、三お尋ねをするわけであります。
 事柄の内容というものについては、一応新聞等で報道されておるのですが、概要を一つ簡単にお話をいただきたい。
#13
○政府委員(鈴木琢二君) 去る五月十四日、福岡において行なわれました消火実験の際に起きた事故は、まことにわれわれも遺憾に思っております事故でございまして、ただいまもお話のありました耐熱服を着て火の中に飛び込んだ、これは私どもの方でもかねがね研究いたしておりますし、また東京消防庁でも数年来研究いたしております服装でございますが、これはあくまでも耐熱服で、輻射熱を防いで火点になるべく近寄って消火に従事するというための服装でございまして、火の中に飛び込んでいいという性質のものでは絶対ないのでございます。それをどう思い違いしたのですか、あるいは誤解しておりましたのを、もうすでに相当経験済み、実験済みなものにもかわらず、それをまあ十分理解しておらなかったのだろうと思うのでございますが、耐熱服を着て火の中に飛び込んでもいいというふうに誤解してそういう実験を行なったのではないか。これは専門家の消防職員がやっただけに、まことにわれわれ遺憾に存じておるわけであります。そういう実験を行ないましたのは、新聞等にも出ておりますように、県下の消防本部の消防大会がありまして、そのアトラクションとして、その耐熱服を着て――これは場所は福岡市千代町東公園内でございますが、十六平方メートルの木造平家を建てて、それに油を注いで火をつけて、マネキンを中に入れて置いて、それをかつぎ出す演習、人命救助の演習ということで、火が回ったところへその耐熱服を着て飛び込んだために、意外な負傷をいたした、こういう結果になったわけでございます。どういう事情でそうした荒っぽい演習をやったのか、これはそのうち現地から呼んで詳しくその経過を調べてみたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、何を勘違いをしたか、その点をもっとよく詳しく調べまして、今後の指導をいたしたい、かように考えておる次第であります。
#14
○松永忠二君 焼けどをした者については、傷害の内容というものが、一人は非常に重傷だ、一人は何週間ですかという、そういうようなことが書かれておったのですが、その傷害を受けた程度はどうなんですか。
#15
○政府委員(鈴木琢二君) 二名のうち一名は二、三日でなおる程度の焼けどのようでございます。それから一名はいささか重体で、しかし生命には別状なく、すっかりなおるまでには一カ月くらいかかるのではないかという程度でございます。
#16
○松永忠二君 この耐熱服の普及度といいますか、耐熱服を使っている状況というようなもの、それから耐熱服の必要性、それから価格、種類というようないろいろな内容があると思いますが、この耐熱服について、まず使用の必要性というものをどういうふに考えておられるのか。それから価格とか種類というようなものについて、どうなのかということを一つお聞きしたい。
#17
○政府委員(鈴木琢二君) この耐熱服は、ここに現物がございますが、石綿生地にアルミ粉末を吹きつけて作ったのを表地といたしまして、その裏にGPモケットという化学資材をしみ込ました資材がありまして、普通はこう三重になっておる。従来、御承知の消防は、おおむねさしこを着ておったわけでございます。従来の消防のさしこ、これは目方にしますと四キロくらいで、水をふくませると六キロくらいといわれておりますが、さしこに水をかけて火の中へ入る、火点に近づくというのが、古くからわが国の消防の行なっておりました服装でございます。このさしこというのがあまり古くさいというので、何か新しい化学資材はなかろうかということで、従来からわが国の消防でも研究しておりましたところ、アメリカでこういう種類の資材ができまして、これが近代的でもあり、また耐熱の性能もいいということで、最近東京とか、六大都市とか、あるいは福岡等の消防が、火点になるべく近寄って消火に従事するという目的のために、さしこにかわるものとしてぼつぼつ用いられるような状況になっている次第でございます。
 それから値段は、一着大体三万七千円から四万円くらいであります。
#18
○松永忠二君 種類も何か五種類くらいあるというような話を聞いておるんですが、まず普及度、どのくらい普及しておるのか。いろいろなものによると、東京の消防庁あたりでは七十七着くらいあって、各消防署へ二着くらい配って、一つは科学車に使い、一つは消防車に使っておる。また五十着購入するという予定をもっておる。まあ福岡あたりでも二着ですか購入をしておるし、きょうの新聞あたり見ても、各消防署、各県の方から問い合わせも来ておるということだから、相当やはり使用しておられるものだと考えるわけですが、この使用状況というものについて、もう少しはっきりお聞かせいただきたい。
#19
○政府委員(鈴木琢二君) 各都市の消防当局でどれくらいずつ現品を持っておるかということの詳しい調べはございませんが、この使用法、要するに使用方法、目的でございまして、従来のさしこにかわるものという観念で使えば、むしろ、さしこよりは耐熱性が強いものでございます。誤ってそれを耐火性があると思って使用したために事故を起こした。むしろ今日の消防科学の近代化という面から申せば、まあ、さしこよりも体裁もよし、また、いろいろな面で便宜な点もある、また耐熱力も強いということで、むしろ広く使われた方がいいんじゃないかとわれわれは思っておりますが、そういう誤解に基づいてこんな事故を起こされちゃ困りますので、まあ、さしこにかわるものと、こう思って使ってもらえれば、むしろ、さしこよりも効果の大きいものでございますから、そういう間違いを起こさなよいうに、今後十分指導に気をつけなければいけないと思います。
#20
○松永忠二君 私の聞いた普及度については、あまりはっきりしたものを持っておらない。しかし、東京消防庁が七十七着持っているとか、あるいは五十着をなお購入の予定をしている、こういうことについては、その通りなんですか。
#21
○政府委員(鈴木琢二君) その通りでございます。東京消防庁におきましては、相当何べんも実験をいたしまして、その使用方法等については十分みんな知識を持っているはずであります。
#22
○松永忠二君 そうすると、少しまたお尋ねをするのですが、何か消防庁の消防研究所の所長は、消防庁が推奨したりしたことはないし、今まで実験したこともないというようなことを言われているわけです。そうすると、さっきお話のように、使い間違ったというお話なんですが、これについては、耐熱服の使用というような問題について、あなたのところにある消防研究所というようなものは研究されておらなかったのですか。まあ発表、いろんなのに載っているのを見ると、今まで実験したこともない、推奨したこともない、われわれ何にも関知したところじゃないというような言い方をされているようですが、消防研究所というものは、この耐熱服について一体どういう研究をされて、事実またこの耐熱服についてどの程度の基準なり、あれを出しておったのですか、この点はいかがですか。
#23
○政府委員(鈴木琢二君) 私どもの方の研究所では、この耐熱服が入ってきました当初、二十七年ごろであったと思いますが、その当時一ぺん実験をやっております。その後東京消防庁の第一線としての必要から、ちょいちょい実験をやっておりますので、私どもの方も一緒になって研究をやっているわけでございます。ただ耐熱、つまり五百度の輻射熱に対しては抵抗力があるということはわかっているのですが、その火の中へ飛び込んでいくというのは、これは絶対に自信を持ってそんなものはできないわけでございまして、それで耐熱についてもいろいろ種類によって、あるいは作り方によって違ったりいたしますので、ほんとうに自信を持って何度以上の輻射熱、何度以下ならいいということを一々の品物について、確信をもって技術的にきめていくということは、非常に困難な現状でございまして、そういった関係から、私どもの研究所ではこれは検定もいたしておりませんし、それから別に基準もきめておりません。推奨もいたしておりません。結局、さしこにかわるものとして、それぞれの市の消防当局において財政力、その他でさしこにかわるものとして、それぞれの希望に応じて今使っているというだけでございまして、私ども技術的に自信を持ってぴしゃりと規格とか、あるいは耐熱の程度というものを、はっきりと自信を持ってきめるというところまではいまだ至っておらない性質の被服でございます。
#24
○松永忠二君 しかし、どう考えてみても、東京消防庁あたりでもそれだけの数を持っておるし、ほかの地域でも相当な数を持っておるということになれば、消防研究所というものは耐熱服についての一応の研究もされておられるということが当然だと思うのですがね。そしてまた、その耐熱服には必要な使用上の注意とか、そういうものを明確にされていなければいけないと思うのですがね。こういう点については、私が今お聞きしておるのは、耐熱服について消防研究所というものは一体どれだけの研究をされておるのか、そのためにあると思うのですがね。それだけ使用されているものならば、推奨もしていなければ実験もしたこともないし、われわれは関知しないということじゃなくて、積極的に研究所は研究をしてしかるべきものであるし、同時に、それだけの価格でこういうふうな機関が使っているならば、使用上の注意とか、そういうものは明確になっていなければいけないはずだと思うのですがね。この点は今まではこうであったが、これは非常に手落ちだったし、こういう点について検討が必要だと考えておられるのかどうか、その点はいかがですか。
#25
○政府委員(鈴木琢二君) この耐熱服は、アメリカの3M社という会社が作ったものがだんだん日本に入ってきておるわけでございますが、まだわが国では値段の高い関係もありまして、一般的ではございません。もちろん、私どもの消防研究所でも、当然これは研究しなければならない問題でございますが、まだそれだけの普及率を持っておりませんし、値段からいいましても、普通のさしこの十倍以上の値段もするわけでございますから、そういう面からも十分な普及がされないものでございますので、現在、消防研究所では、いろいろと当面の問題で研究しなければならない問題がたくさんございまして、そういったことから、耐熱服について決定的な研究をするまでに手が伸びない実情であるわけでございます。
#26
○鈴木壽君 関連。東京消防庁あたりでこれを使い始めたのはいつごろなんですか。
#27
○政府委員(鈴木琢二君) 東京消防庁では三十一年の九月に最初の実験をやっておりますので、そのころからぼつぼつ使用が始まっております。
#28
○鈴木壽君 三十一年九月というと、大体五年前ですね。五年前にいろいろな実験をやって、そうして現在相当な数を持っておるようでありますが、はっきりこれは効果があるものだ、耐熱のために効果があるものだ、こういうふうになってそれを備えつけるようになったのはいつごろですか。
#29
○政府委員(鈴木琢二君) 東京消防庁の詳しい、いつ、どれくらい講入したかという資料は持っておりませんが、三十一年の九月に実験をやってぼつぼつ使い始めまして、さらに三十三年にまた詳しい実験をやっております。そんなわけですから、まあ三十一年からぼつぼつ使い始めて、さらに三十三年に再検討して、まあこの程度ならいいということでまたそろえた、そういうことだろうと思います。
#30
○鈴木壽君 そうしますと、五年前、三十一年の九月にそういうぼつぼつ実験をしたり、その結果、多少効果があるというふうに見て、そうして本格的にその効果を認めて採用し始めたのは三十三年ごろだろうというお話ですが、そういうふうに採用するような場合に、あなたの方なり、特に消防研究所なりと何か連絡等があるべきだと思うのですがね。そうしてまた正式に相当の数を用意するためには、自分たちの東京の方だけでなしに、ちゃんと研究所があるのでありますから、そこでの一応検定なり、あるいはその他の実験、テスト等を経たものでないと、ちょっと今のただ各消防団なり、あるいは各消防庁等で勝手に、という言葉は少し悪いのですけれども、採用したりするというようなことになるというと、そこら辺、研究所なり、あなた方の方とのいろいろな仕組みの上で変なものがあるというふうに私感じますが、そこら辺、どうなんですか。もちろん研究所は、今あなたがおっしゃったように、ほかのいろいろ試験中のものもあり、研究するものもあって、忙しいかもしれませんけれども、しかし、少なくともこういうものについては、そういうところのテストなり実験なりを経たものを取り上げるというようなことが本来の行き方じゃないかと思うのですが、そこら辺どうなんですか。
#31
○政府委員(鈴木琢二君) これは先ほど申し上げましたように、耐熱服で、火点になるべく接近したいということでこういう服装をするわけでございまして、その耐熱服であるという性能さえ理解して使えば、まあさしこよりはいいじゃないかということですから、研究所といたしましては、これが入ってきました当時、二十七年に、まあさしこよりいいじゃないかという程度の試験はやっておるわけでございます。それで、私ども技術者の研究の話を聞きましても、絶対に火の中に入ってもいいという服装は、現在のところはちょっと考えられない。簡単に言いますと、燃えないものはないというほどだろうと思いますが、結局、火の中に飛び込む服装というものはない、ただ火に近寄るための耐熱服、こういうことさえ忘れなければ、絶対に危険性はない。さしこよりもむしろよいということがいえる程度の服装でございます。そういう意味で、今まで詳しい試験調査はやっておらないのでございますが、火に近づくために、私ども今研究所でやっております、一番重点に研究しておりますのは、火に近づくのでなしに、煙の充満した部屋に入って作業をする防煙マスクの問題と、それから煙を通して火点を発見する透視のめがねと申しますか、そういうものを研究することにむしろ今日は追われておりまして、火に近づくというよりも、煙に対する対抗策がむしろ先なんでございます。そういう私どもの研究所の実情でございます。
#32
○鈴木壽君 私がお聞きするのは、火の中に飛び込んでいいとか悪いとかいうことでなしに、あるいはまた今の煙に対するどうとかいう、そういうようなことでなしに、研究所で全然正式に取り上げて試験もしない、実験もしておらない、こういう話ですから、それではせっかく研究所があって、いろいろ消防器具なり、防火の問題なり、消火の問題等について研究する機関ですから、そうしてまた、いろいろな器具なんかについての検定をしておりますね。そういうところでやらないで、ほかの方でただ単独でやったものが、やってみたらよかったから採用するのだということだけで済む問題なのかどうかということなんです。私はそうじゃないと思うのですね。やっぱり正式に、これは場合によっては人命に関することですから、火に近づくといっても、ただ危険がないわけじゃないのだ、飛び込むことは違っても。そういうことも消防研究所あたりで私は本格的に、お忙しいかもしれませんけれども、あるいは他に研究問題をたくさんかかえているかもしれませんけれども、やはり一応の結論を出して、その上でこれは火に飛び込むのじゃないのだ、あくまでも火に近づくために、従来のさしこよりはいいのだというような結論を出すべきであるというふうに私は思うのですが、そういうことは全然行らわれておらないということですから、私どうも研究所というのは何をしているのか、消防団なり、あるいは消防庁なりでやることと全然かけ離れたことをやっておったのじゃ困るのじゃないかというふうなことなんです。
#33
○松永忠二君 関連。今、鈴木委員も言われているように、何かさしこからこれに変えていくし、また東京あたりでは、さしこじゃとても接近もできない、だから耐熱服にだんだん変えていきたい。耐熱服だってあなたのおっしゃるように、価格は国産でも一万五千円程度でできているのだ、そういうふうにだんだん移っていきたいし、また東京あたりでは現実にさしこではどうにもならぬということで、こういうふうになってきているわけなんだから、今始めたときにちょっと試験した程度じゃなくて今話しが出ているように、もう少しはっきり研究をして、この問題についてきちっとしたような研究所も研究をしていくということなのか、どうなのかということを聞いているのだから、その辺をはっきりお答えをしていただければいいのですよ。そうしてその次のことをお聞きしたいのですがね。
#34
○政府委員(鈴木琢二君) われわれとしては、全く意外な事故が起こったわけでございますので、さっそくこの問題につきましては十分調査もし、また、耐熱服に対する研究もいたしたいと存じます。
#35
○松永忠二君 そうすると、耐熱服については、使用の注意とか、そういうものは全然書いてなかったのですか。たとえば、少なくも福岡でやられて、公の者がそれを使用するに間違って着て飛び込んだなんて、そんなことじゃおかしいと思うんですね。ちゃんとそれだけの重要なたくさんな金額をしているものであるし、それだけの所に入り込んでいくだけのことをしようとするなら、これが一体どういうもので、どこまでの使用に耐えるかということは、明確にそれに書いてあるべきはずの性質のものだ。あなたのおっしゃるようにい耐熱であって、不燃じゃないのだということについて、あれは八百度とか、幾度ということ、きちっと使用の注意とか、そういうものが、ちゃんと明確になっていないのじゃないですか。また、そういうことはどうだったのですか、耐熱服については。
#36
○政府委員(鈴木琢二君) 八百度程度の耐熱性を持っているということがわかっておるのでございますが、これはもう使い始めてから数年たっておりますので、八百度程度までは耐熱性があるということは、おおむね大きな消防局では常識的になっておるわけでございます。ただ、その程度以上の詳しいことは私どももわかっておらない。
#37
○松永忠二君 そうすると、これについては、耐熱服は八百度の熱には耐えるのだということで、耐熱服としては八百度の熱に耐える服だという基準というものは全然きめてなかったわけなんですか。
#38
○政府委員(鈴木琢二君) 基準はきめておりませんで、メーカーの作ったこの布地がその程度の耐熱性を持っているという実験の結果が出ておるというだけでございます。
#39
○松永忠二君 そうすると、きょうの新聞あたりでも、管理の法規の面についても検討を加えたいというようなことを言われているようですがね、記事ですからわかりませんが、今の消防法の第十九条というのにいろいろ出ているわけなんですね。「消防の用に供する機械器具及び設備並びに防火塗料、防火液その他の防火薬品に関して、要求があるときは、検定を行うことができる。」、こう書いてありますね。実際見ても、消防研究所の検定というふうにきちっと普通のものはできておりますね。そうすると、要求があるときに検定を行なうというのだが、要求がなければ検定は行なわない、そういう検定がないものが盛んに利用されて使用されているということもありますね。また、こういうものについては検定というものを行なうのか、行なわないのか、そういうことについても明確になっていないのではないかというようなふうに考えられているんですが、この点で改善を加えていく必要はありませんか。われわれの気持から言えば、それだけ公に使用していくものであり、特に人命にかかわるものであれば必ず検定を必要とするとかいうようなこと、そういうふうなことについてやはり要求があるときは検定を行なうというのではなくて、検定を必要とするとか、検定のあるものを使用しなければいけないとかいう、こういうことがなければ、特にこの人命にかかわる問題だから、いけないのではないかというようなことなんですが、この点について、今話を聞くと、耐熱服については何らのそうした明確のものもない。そういうままで、しかも、相当な価格で使われているというようなこと、それからまた要求があれば検定をする、こういうようなことについては、今後改めていく必要があるのじゃないかということを今度の事柄を通じてみても感ずるわけです。特に私たちもこのころ町で消火器を販売する人たちが消防の人たちを連れて、そうして街頭で宣伝をしているわけですね。そうしてそういう消火の実験をするわけなんです。それははたして検定があるのか、ないのかということについては一般の人がわからないまま、消防の人をつれて実験しているのだから大丈夫だろうということで、それをどんどん買うわけなんですね。こうなってくると、それは検定がないのだからわれわれは責任がないのだという言い方では、実際の問題として一般の方も困ると思うのですね。だから、こういう点については、何かやはり法律的な一つの規約の上においても整備をしていく必行があると思うのですが、そういう点について具体的にどう考えておられるのですか。
#40
○政府委員(鈴木琢二君) 現在の研究所の検定は任意検定でございますので、御指摘のような検定したものと、しないものと種類がいろいろで取り扱い方が違っている点でまことに遺憾の点があるのでございますが、われわれとしましては、消防関係の器材あるいは薬品その他の材料につきましても、一切検定したいという気持はあるのでございますが、これは非常に種類が多く、相当な人をそろえ、相当な設備をしませんと、あらゆる消防関係の器材について検定するということは不可能な状態でございます。われわれれ事務的な希望としては全部やりたいという気持があるのでございますが、非常な予算がかさむ、とても検定手数料で追っつく問題ではないのでございまして、その点まことに遺憾なのでございますが、できるだけ現在の陣容なり、予算を活用して検定の範囲を広げたいという考えを持っております。しかし、それでもなかなかだんだん新しい消防器材ができてきますので、とてもそれでも間に合わない状況にだんだんなってくるのじゃないかと思います。まあ、何らか方法があれば、検定の補助機関のようなものを研究所に設ける方法がなかろうかと思いまして、いろいろその方法を研究さしております。なかなか役所の仕事の補助機関というものを設けるのはそう簡単には参りません。しかし、何かそんな方法を考えて、検定の範囲を広げて、スピーディな検定ができて、業者にも、あるいは使用者にも御不便をかけないような方法がなかろうかということを研究いたしておるのであります。
#41
○松永忠二君 最後に、少なくも公の機関が使用する、公に公費を出して、金を出すというようなものについては、検定を受けたものを使用するという程度の制限というものがあってしかるべきだと思うのですね。個人がやるのじゃないですからね。だから、そういうことについてはどう考えているのか。今お話のように、検定をしていれば、その検定が相当な信用があることであるので、購入する者も安心をして買うわけです。だから、業者も検定を受けることについては積極的にもやるわけだから、能率的にそれが実施をされる方法があれば、積極的に検定を私は受けると思うのです。だから、そういう検定を迅速に実施できる機関を早急に設けておく。これは国の予算がなければ外局のようなものでもできないものじゃないと思うのですよ。単に今のような、消防研究所が検定をするということだから、役所だから、そういう予算も、そう人員もないから、スピーディにできないから結果的にできないということになるわけですから、外側に置いておいてきちっとされれば、そういうこともできる。それからまた少なくも、これからそういう、消防庁七十七着持っていて、五十着も買おうというものが、消防研究所の検定も受けていないものを使用しているということになれば、しかも間違って飛び込んでしまったりなんかするというようなことでは、これはやはりもう少し公の機関というものは責任を持ったものを使うべきだと思うので、こういう点について、少なくも公の機関が使用するものについては検定を受けたものを使用する、実験の段階ならこれは別ですよ。実験の段階じゃないと思うのですよ。もうすでに実験から実際に使っている段階になっているときに、そういう検定という一つの科学的な検査も受けないままに、ルーズにただ使っているという状況をそのままにしておくわけにいかぬじゃないかと思うのですがね。こういう点については、やはり、公の機関がそういうことを実施するについては、少なくもそういうことが必要だというふうに私たち考えておりますが、この点なんかについても検討する必要はありませんか。
#42
○政府委員(鈴木琢二君) 検定の問題につきましては、御指摘のような、いろいろな欠点が現在ございまして、これは私といたしましても一つの大きな悩みの種でございます。それで、何とかして早急に具体的な検定の方式、検定の仕方というものを研究いたしたいとせっかく努力いたしております。なるべく近い機会にこの検定の問題は何とか解決いたしたいと考えております。
#43
○小林武治君 今の松永君のお話は、私ども非常にもっともなことだと思います。どうも従来から消防庁は、どっちかというと、とろいというか、仕事のやり方がですね、われわれ非常に不満足に思っておるのです。で、今度は自治省に一緒になった。一緒になったから、ちっとは何か消防庁の活動について違ったところがあるかというと、まだどうもそうではなさそうだ。今の検定の問題なんか、最近も電気用品の検定なんかの規則の法律が出ている。やはりどうもお話のように、ある程度消防庁で責任を持って一つやる必要があると思うのですが、それで消防庁の長官はそういうこともしたいと言うが、さようせっかく消防庁の所管の安井大臣が来ているので、問題の検定ということを何とかやはり考えていかないと、そういうところに私は大切な仕事があると思うので、これをやるには、相当予算とか、いろいろの問題が出てくるので、どうしてもこれは自治省の大臣の指示というか、推進がなければできないと思います。そのことについて、一つ安井大臣の考え方を――ぜひやってもらいたいと思うのだが……。
#44
○国務大臣(安井謙君) 今、だんだん松永さんらのお話の検定の問題につきましては、規格だけはきめて、できるだけ善処いたそうというふうに努めてはおりますが、何分人手不足といったようなことから、非常に不十分な点があることは、今、小林委員御指摘の通りでございます。私ども、今のようなお話を承れば、なおさら今後一つ検討いたしまして、こういった点で万全を期するように努力したいと思っております。
#45
○松永忠二君 大臣に最後に。とにかく耐熱服を着て、それでまあ不燃ということはどうか知りませんがね、とにかく火の中に飛び込んでやけどをする。それがまた検定も受けないものを、検定を受けないというよりも、消防研究所としては、明確なそれについてまだ研究もしていないというお話なんですが、こういうことでは実際問題として、国民にだって、一般の人だって信用ができないし、まあこのままでいいというわけにはいかぬと思うので、今、小林委員からもお話があったように、やはり具体的に推進をしてもらう必要があると思うのですよ。だから、予算とか、いろいろな問題はあるけれども、これもたとえば外郭のような団体を作って、そこを検定の機関とするなら、それもスピーディに行なわれるという方法もあるので、この問題から具体的にできるだけ早い機会に処理をするということについて、やはり大臣のそういう考え方を明確にしておいていただきたいと思うのですがね。
#46
○国務大臣(安井謙君) 今のお話はもうまことにごもっともなことでございますし、事人命に非常に関係のあることですし、今後早急に一つ検討いたしまして、何か具体的にいたしたいと考えております。
#47
○鈴木壽君 一つは、今のお話の研究所の問題ですが、研究所の予算なんか見ますと、まあこれでほんとうに権威のある検定ができるかと思うくらいに研究費がすこぶる少ないという予算になっておるようですね。これはたしかこの前僕らが見せてもらって、研究費が割に少な過ぎるというようなことで要望して、三十五年度に若干ふえ、三十六年度でもまた若干ふえておるようでありますが、しかし、あれでもってほんとうに消防研究所としての機能を発揮できるかというと、私はまだ足りないのじゃないかというふうに思うわけなんです。ですから、その点について一つ今、大臣からもお話がありましたし、費用の問題なり、あるいはその他機構、人員等の問題について十分これは考えてもらわなければいけないと思いますが、そういうことを、要望めいたことを申し上げます。
 それからもう一つは、これは消防庁の方にお聞きしたいのですが、損保協会あたりで何か消防器具の検定みたいなことをやっておるはずですね、それはどういうふうになっておりますか。
#48
○政府委員(鈴木琢二君) 損保協会というよりも、料率算定会で消火器等の検定を――検定とは違いますが、保険会社の基準に従ったものであるかどうかを検査いたしております。で、このたび器具の問題につきまして消防法の改正をいただいたわけでございますが、この問題とからみまして、規格は消防庁できめるということにはっきりなったわけでございます。その問題と料率算定会の検査の問題等をどうするかという問題は、一つ問題点があるわけでございます。これを結局消防庁の政府のきめた規格を、やはり損害保険会社の料率算定会でも、その基準によってやるべきものじゃないか、こういうことで、ただ向こうは一つの商売上の標準でございますので、いろいろ向こうには理屈があるわけでございますけれども、まあそういったことで一本にしていこうということで現在話を進めております。これは何とか話がつくのじゃないかと、われわれ希望を持っております。そういうことでございます。
#49
○鈴木壽君 損保の関係のそこの機関でやっていることが、どの程度の権威のあるものか、あるいは科学的に十分根拠を持ったそういう標準なんかを示し得るものか、わかりませんが、しかし一般には、むしろそちらの方で、損保の関係のそれの機関でやったものをだいぶ信用しておりますね。研究所の方でやるのは、まあ申し出のあったものだけやるでしょうし、そういう面でいろいろな今問題になったように、当然取り上げなければならぬ問題についても手が回らぬというようなこと、あるいは検定をしておらない、認定しておらないというようなことがあるかとも思うのですが、その消火器等については、やはり今のお話のようにもっとやはり、何も一本に統制するというような意味じゃないけれども、権威を持ったもので、あちらの方の検定はこうだし、こちらの方の推奨はこうだというような、ちぐはぐなことにならぬようなものが、あっていいと思うわけなんですね。その今のお話の、何といいますか、消防庁の方での規格といいますか、標準といいますか、そういうものに合わせたようなやり方をするというようなことについて、向こうでも本気になって、そういうことをおやりになるつもりなんですか、その点、どうです。
#50
○政府委員(鈴木琢二君) 今度の法律改正に伴いまして、その問題ずっと話を進めておるのでございますが、御指摘のような従来矛盾がございまして、その矛盾がないように一本のものにしようということで、むしろ料率算定会の方も積極的な希望を持っておるようでございますので、何とか解決がつくのじゃないかと思っております。
   ―――――――――――
#51
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#52
○松永忠二君 地方自治法の一部を改正する中で、まず協議会の問題について、少しお尋ねをしたいと思うのですが、こういう協議会について、ある程度法律的な、補強したといいますか、提案の理由あたりを読んでみると、ここには「都市発展のすう勢及び地域開発の必要にかんがみ、広域にわたる総合的な計画を共同して作成する普通地方公共団体の協議会を設けることができるものとし、」、こう書いてありますが、これで一体、考えている実効がどの程度上がるというふうに考えておられるのか、そういう点を一つお聞かせ願いたい。
#53
○政府委員(藤井貞夫君) 今回提案をいたしておりまする広域的な計画作成の協議会でございますが、これは今お話のございましたように、地域開発あるいは都市発展ということから、いろいろ都市の区域にまたがって、広域的な処理をしなければ、事柄の円満な解決ができないという事柄がだんだんふえて参っておるのであります。これに対処する方法としてはいろいろあると思います。たとえば、最も大きなものといたしましては、府県をこえての広域的な処理ということになれば、これは府県合併というようなこともございましょうし、府県の相互間におきまするいろいろな協力方式というような点も考えられようかと思うのでありますが、ただ現在のところでは、まだ府県の合併ということを政府の方針として打ち出すというところにまでは至っておりません。といたしますと、その次に考えられまするのは、いろいろな共同処理方式というものをもう少し有効適切なものに改めていくということであろうかと思うのであります。共同処理の方式といたしまして、御承知のように、現在地方自治法上の制度といたしましては、組合の方式、これは特別公共団体としての組合を設立して、事務を共同していくということでございます。組合設立によって事を達成しようとする方式、それから協議会の方式、次には事務を他の地方団体に委託していくという方式を考えているのでございます。まあ組合その他につきましては、相当程度効果を上げております従来の沿革もございますし、効果を上げているものもかなりございます。協議会にいたしましても、ぽつぽつこれを活用する機運も出ているのでありますが、現在の協議会といたしましては、一つの単なる事務執行についての連絡調整をはかっていくというためのものと、法律上、地方団体の事務とされておりまするものについて、それの管理、執行というものを共同して行なうための協議会、この二つに限れているわけであります。しかしそれよりも、もう少し考え方を変えまして、新たな事態に即応して、公団体の区域をこえた広域的な面に着目をいたしまして、共通した広域的な計画を作成をする、そのような協議会の必要性というものが時代の推移に即して必要な事柄ではあるまいか、そういう計画作成の協議会を設けまして、その協議会において結論が出たことについては、法律上の拘束を直ちにそれぞれの地方団体に課するわけには参りませんけれども、事務の執行その他については、できるだけ協議会に出た基本方針の線に沿って事務を処理するように努力目標を与えていくということが、全然何もないよりも、一歩前進ではないかというふうに考えております。ただ、これは非常に大きな効果を発揮するかどうかは、われわれとしても若干疑問に思っております。
 共同処理方式の最も進んだ方式としては、合併するということ、あるいは最近、私たちの研究をいたしておりますものといたしまして、組合ということよりも、もう少し簡易で能率的な方式といたしまして、たとえば事業体あるいは企業体、こういった方式によりまして、組合の長所とまた短所を補う措置を講ずることによって、能率的な事務処理をはかり得る方法も考えていってはどうかということで、この点は目下われわれとして検討いたしておりますが、そこに至る前段といたしまして、従来ございまする協議会の機能というものに一つ新たなる作用を加えまして、広域的な共同的な計画を樹立していく協議会、そういうものを作っていくということが、都市発展の趨勢等から見まして、一つの前進ではあるまいかと、かように考えております。特に都市が相櫛比しておりますような地域におきましては、都市計画の問題にいたしましても、また具体的に屎尿処理一つとってみましても、やはり非常に困難な事態が生じておりまして、これらについては、やはり広域的にそれらの関係の市あたりがお互いに連絡協調をとって、広域的な立場から共同して計画を作成する、その計画に従って事務処理を行なっていくということにいたしましたならば、一歩前進の体制がやはり作られることは確かではないかと、かように考えて提案をいたしましたような次第でございます。
#54
○松永忠二君 大臣に伺いますが、今御説明もありましたように、国の事務とか、あるいは地方公共団体の事務、そういうものを共同してやる協議会というものは従来あったわけです。しかもそれは、自分の権限内に属することについて協議会を設けて推進するということができるにかかわらず、現実には資料にもらったように、ほとんど宝くじ程度のものだということであった。今度は、共同計画ということになれば、相当拡大されたものだと思うのです。それを、協議会という勧告とか、あるいは努力目標などをつけた程度では、これが実効を上げることが至難だろうということは、まあわれわれちょっと考えてみてもそう考えられるわけです。従って、今話のあった事業庁というような考え方というものが推進できない、今直ちに。そのために、やむを得ずこういう措置をとった。で、もう次の段階というよりは、もうできるだけ早い時期に事業庁というようなものを置いて、そうしてこの関係市町村の合例による一つの地方公共団体とか、あるいは関係市町村の協議によるような一つの仕事の計画を実施をしていく機構を作っていくというような、そういう事業庁の考え方を実施をしていかない限り、これだけではとても問題にならない、というようなことを大臣は考えておられるのかどうか。
#55
○国務大臣(安井謙君) 実は、今のお話は実体的にはその通りでございまして、事業庁という形をもっていかなきゃ実効は上がらないという気持はあるのでございます。まあ、先ほど局長もいろいろ説明しておりますように、いろんな事情から直ちに踏み切るのにはまだちょっと問題が残っておるということで、とりあえずこういう方法でやっていこうというふうに考えて、将来あるいは基本的な考え方としましては、松永さんのお話のようにわれわれも実は考えているわけであります。
#56
○松永忠二君 そういうになってくると、ここに今国会に低開発地域工業開発促進法案というのが出ているわけです。これは、ある意味では自治省あたりの考えている基幹都市建設と考え方が非常に通ずるところがあるというだけではなくて、単に工場関係だけではなくて、この法律案の中にはそれに関連したいろいろな港湾施設、工業用水道とか、あるいは道路とか、進んでは教育とか職業訓練などというようなことまでも法律に出ているわけなんです。こうなってくると、そういうことが推進できないままに、一方ではそういうことがばらばらに推進されていくということでは、全く支離滅裂に陥るのではないか、今言うような大臣の考え方があるなら、少なくも企画庁と通産省と建設省と自治省の間で話し合いができない限りは、一つの法律をどんどん推進して出していくということでは、計画的な事の推進ができないではないか思うのですが、こういう点については、一体今後どういうふうにしてこういう問題を着ているような中に吸収していくとかいうようなことを考えておられるんですか。
#57
○国務大臣(安井謙君) 今御指摘の低開発地域の工業分散計画は、お話の通り企画庁から法律案として出ておるわけでありますが、この低開発地域の開発、いわゆる地域格差の解消という方向へ進めますためには、いろんな政策が各方面から必要だと思うのであります。これはまあ自治省が主として指導的立場に立って全体的な指導をするということが大事でありますと同時に、各省がそれぞれの自分の主管の事務を通じて実施段階をやってもらわなきゃ困るということが一つありますのと、それから、これはなかなか大きな問題でありますので、直ちに右から左へ効果が現われるというような政策の出る部門もありますし、また、もっと準備段階を経て十分検討してやっていかきゃならぬというようなやり方もあろうと思います。そういうものをそれぞれ併用して今後、低開発地の開発という政策を進めていきたいと思っておるわけなのであります。従って、その一環として企画庁が今出しておりますのは、とりあえずこの段階において直ちに採用できるような小都市、五万とか十万とかといった市町村、そういうものを中心にして今でもすぐにでも実効が上がるというようなものがあれば、これはぜひ取り上げていきたいという趣旨で出ているのが、この企画庁が出しておりまする法律案でありまして、それについてももろもろの便宜をできる限り与えていきたい。自治省が中心になって案を想定しております基幹都市の計画というものにつきましては、これは単に工場を右から左に分散させようと思っても、全体の立地条件も必要だし、あるいは文化、教育、産業、社会保障制度の施設といったものも併用して、立体的に考えていかなければなるまいというようなことから、問題が非常に多岐にわたるものでありますから、現在も通産省あるいは建設省その他の省ともそれぞれ協議をしながら、基本的なる法案のほぼ作成の段階にこぎつけているというので、これによりまして全体的な一つ基礎から始めて相当大がかりに進み得るような政策を出していきたい、それに間に合うといいますか、それまでの期間に、すぐでも着手できるものがあれば一つ早くやっていこうというのが、この企画庁の案でありまして、政府全体として各個ばらばらになっておって収拾つかないというほどのものじゃなかろうと思います。御指摘のように各省に関係があるものですから、なかなか一本ですっと推進していくというのにはやりにくいことも事実でありまして、基幹都市の法案もそのために提案が手間取っておったというような事情になっております。
#58
○松永忠二君 そうすると、少なくも今後地方関発に関連をした法律については、今いわれている建設省の広域都市であるとか、あるいは自治省の基幹都市あるいは通産省の工業地帯開発という問題については、将来あなたのおっしゃったように、各省努力しなければできぬものですから、まあまあ各省で一つずつということでなくて、今後少しはねらっていることの違いはあるとしても、これはばらばらにやられたのでは、開発地区がある地域にできる、それがまた市町村にまたがっているということになってみると、また協議会というものともどういう関係をもって推進するのかという点についても触れてくるわけです。というようなことを考えてみると、今後出てくるものについては、少なくもこれは今考えられている三つの省については、一本化されたものが出てくる、そうしなければできぬことです。そしてまた、それが出てきたときには、この法律案等については必要性というものがなくなってくるというようなことも考えられるのか、これはこのままずっとやっておって、あと三つの省の考えられているものについては一本化していくというような、そういうような考え方を持っておられるのか。私たちから言えば、できれば同じようなある程度ねらいを持っていることを考えてみると、今実は自治省の出している後進地域の公共聖業の問題についても、ある程度やはりこういうものと関連している問題だと思うのですね。そういうものも総合されてくれば、もっとすっきりしたのではないか。この前の委員会でも非常に討議されているように、もう少し総合的な、計画的なものがないのかという御指摘があるように、私たちも、法律的にももう少し統合されたものがあってしかるべきだと思うのです。そういうような意味から、今後出てくるものについては、少なくとも、通産省、建設省、自治省のものは、一本化されたものが出てくるのだ、そういうことについて努力をしていると、こういうことですか。
#59
○国務大臣(安井謙君) おっしゃる通りでありまして、これは各省分担がありますから、あるいはものによっては、部分的にはどうしても各省それ自体でやらなければいかぬという面も、今後出ないという保証はございませんが、今私ども考えておりますのは、政府としては、一つそれを総合的にして、そうして一番基礎的なものを、この三省間で協定のできたものを出すような努力を今しておる最中でございます。なお、低開発のやつはこれはとりあえず、どんどん今からでも、役に立つ、すぐにも着手できるという、いわば小規模の速効的なものでありまするからして、これはこれとして実は生かしていきたい、なるべく早くその方も通過をしていただきたい、これは所管は違いますが、そういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○松永忠二君 そうすると、この前少しこの問題は触れたわけですが、これに出ている事業税とか、あるいは不動産取得税とか、あるいは固定資産税の減免の措置については、これが非常によく実行されてきた場合における財政的な問題については、これは交付税の中で全部操作するようなやり方になっているわけですが、やはりこういう問題については、国として法律的にこれを措置するなら、財政的な面についても、明確に積極的に国が措置することが必要だと思うのです。ただ交付税の中で操作をするということだけでなくて、これが財政の上に相当な額に上ってきたような場合においては、自治省としては、別個に予算の財源的な措置を要求するという腹でこれを認めておるのですか。
#61
○国務大臣(安井謙君) これは、将来のいろいろもう少し件数を当たってみてからでないと何とも言えないと思いますが、われわれは、この交付税そのものが、絶対額としては相当額今日ふえてきておる段階であります。また地方の税収自体も非常にふえてきておる段階であります。でありまするから、相当技術的な分については、そういうものの地方財政計画の中でやりくりをする分も相当出てこよう、しかし同時に、それだけでは足りませんので、一方、別個のそういうものと全然外ワクの公共事業に対する補助督励というような、別個に財源を出して、全体的な補助を進めていくというようなものも併用しておるわけでありまするから、この問題にしましても、将来の基幹都市の問題にしましても、建設省でいう広域都市というような観念にしましても、相当調査の段階を経た上で、今後またいろいろ考えなければならぬ問題があろうと思うのでありまして、必要に応じては今後また別個の財源措置を考えるということもあると思いますが今直ちにこれのためにどうしようという成案をここに持ち合わせておるわけではありません。
#62
○松永忠二君 まあ協議会の一つの法律的な補強ということについては、やらないよりもやった方がましだということは言えると思うのですが、ただ、これでは結局、実際に計画したものを推進する、実施をするところがないわけですから、絵にかいたぼたもちというような結果になりやせぬか。今までの例を考えてみても、結果においてそうだ。だから、早急に今の実施する機関というものを明確にして、それが実施できるようにしていかなければならぬと思うわけです。まあある意味では、この前から話が出ておるように、
 一歩々々あっちこっちで後退をした形が出てきてしまっておるのではないか。この前から出てきておる後進地域の公共事業についても、また個々の事業庁のことも、やや後退したものが出てきてしまっておるという感じがするわけです。だから、本格的なものをやはりまとめていく努力が何かできると思うのですが、あなたの方では、これを作って今勧告をし、推進をしていくというものについて、具体的な考えを持ってこれを提案をされておるのか、これを作ればということなのか。事業庁の考え方が通らなければ、少なくともこれをやらなければ困る問題、こういうふうに具体的に推進していかなければならぬ問題であるし、これらの点についてはなお勧告も必要だと考えておる。そういう面については、どういうふうなものを持っておられるでしょうか。
#63
○政府委員(藤井貞夫君) 御承知のように、今地域開発の問題が全国的にいろいろ問題になっておりますが、この方向は私は大まかに申して三つあろうかと思います。一つのねらいは、非常に開発のおくれた、しかも割と小さな地方団体というものを対象にいたしまして、そこへの工業誘致というものを主体として考えていくという考え方、これは低開発地域の工業の開発促進法のねらいとするところであろうと思います。その次には、今度は大都市の地域開発という問題が一つあるのではないかと思います。大都市をこのままにしておいては何とも仕方がないではないかということで、大都市自体を対象にいたしました、あるいはまたその近郊を対象にいたしました地域開発の問題というものが一つあろうかと思います。そのほかに、今度は全体としての地域格差の問題であるとか、あるいは大都市へのこれ以上の人口あるいは産業の集中というものを何としても抑制をしていかなければならぬ、その他いろいろな要請から申しまして、地方々々にその基幹となる都市というものを建設をしていく、工業等を中心としたそういうような有力な基幹都市というようなものを建設していく、私は地域開発にはそういう三つの方向があろうかというふうに考えておるのであります。私たちは今、大臣が申されましたように、基幹都市構想として考えておりますのは、その最後の点をねらいとしておることでありまして、この点関係各省と具体案について詰めに入っておる段階でございます。ただその場合に、基幹都市というような構想が出て参ります場合に、その対象になりまするのは、これは何を申しましても、大都市というものは省かれるわけでございます。産業立地条件というものをある程度具備しておるところを中心にして、そこに基幹都市というものを建設をしていこうという考え方が主体になって参りまするので、地域的に申せば、どうしても大都市地域というものは、これは除外されるということになって参ろうかと思うのでございます。具体的に申しますれば、大阪、神戸、この間に御承知のような衛生都市が非常に櫛比をいたしております。これらの点については、当然大都市の再開発ということには対象になりましょうけれども、低開発地帯ということでもなし、あるいは基幹都市の対象にもなり得ない問題であろうと思うのであります。ところが、現実にこれらの諸都市の間におきましては、日々の社会生活あるいは市民生活の上で共同的に処理をしていかなければ何とも打開のできないような諸問題というものが累積をいたしております。これは現実の実は要請となって現われておりまして、すでに阪神間では、阪神都市協議会とか、そういったようなものが続々と建設をされておるような状態でございます。これらの現実の要請にこたえまするためには、やはり今の協議会ということではなくて、広域的に総合的な計画を作成をしていくと、そういう協議会が必要であるという現実の要請が生まれてきております。これらの地帯からは、やはり法律上の措置としてこういうものをぜひ作ってもらいたい。それが非常に実施機関というような形になると、また、それぞれ各都市の足並みが乱れてしまうけれども、その中間的の法的の根拠を持つ計画作成の協議会といったような裏づけができれば、今よりも数歩前進するというような機運にあるというようなことも、地元から種々要望が出ておるような点もあるわけであります。その他にも今の各省で考えておりまする低開発なり、あるいは基幹都市なり広域都市なりというようなこととは別個の問題といたしまして、計画作成のための協議会というものを作ることは単なる腰だめということではなくて意味が十分にあるのではないかという考え方に立っておる次第でございます。
#64
○松永忠二君 大臣にお聞きしますが、公団、公庫というのが盛んに出てきているわけだし、何か地方開発公庫法案というような法案を考えておられるというようなことも聞いているわけです。自民党の国土開発調査会あたりでは地方開発公庫法案という法案を何か用意をされて地方開発に専任をする独立機関を設けて地方開発の債券を発行していくというような考え方もある。公団、公庫はどんどんできていく、そういうような中でこのように実施機関のない単なる協議会というようなものだけしか推進をされていかないということになると、言う通り、ばらばらになってしまうという感じがするわけですがね。この地方開発公庫法案とか公団、公庫というふうな、こういうふうな問題については、今、自治省が推進をされようとしておる考え方からいうとどういうふうなことになるのですか。統一をしなければできないし、あるいはばらばらな発足というようなことについては困るというような考え方でおられるのか。そういうような点はどうなんですか。
#65
○国務大臣(安井謙君) 私ども地方開発というものはやはり地方の自治体が中心になって促進をやっていく方が効果も多いし、また、それが本筋であると実は考えておるわけであります。その線に沿ってのいろんな施策なり法律を考えていきたいと思っています。ただ特殊なものをより能率を上げてやるためには、道路であるとか、あるいは水道であるとかいうものの工事を促進させるというような意一味から、そういったものを全般的に地方で統一した公庫というものができることもこれもやむを得ないというか、ある意味においては必要なものだと思いますが、一般の地方開発というものは、一つの公団というようなものでものをそろえて一斉にやっていくというような性質のものじゃなかろうと思いますし、また、そうでなくて、むしろ自治体自体を中心にして責任を持って発展させていくべき方向が地方団体のあり方、あるいは今日の姿からいえば適当じゃないかというふうに考えております。
#66
○松永忠二君 それでは今のお話によるとあれですか、地方開発公庫なんというのは、そういう考え方については賛成できないと、こういう話なんですか。
#67
○国務大臣(安井謙君) 地方開発公庫というのは大体どういうものを目標にして考えられておりますか、まだ私の方でこれを具体的に対象にして研究したものは何にもございませんが、ああいう公庫、公団方式で地方の一帯を開発するということは私は今の段階では好ましくないと思っております。
#68
○松永忠二君 もう一つお聞きしますが、事業庁とか、あるいはそういう協議会に推進の機関を持っていくというような考え方が必要ならばむしろ町村、道州制なり、広範囲の地方の行政区域の変換をはかればいいのじゃないか、そういう範囲で必要な事業を推進をしていかにゃできない事態が起こるなら、むしろそっちの努力が、先であって、そういうことはあとなんだというような考え方もまあいわれているわけでありますが、こういうような考え方については、大臣はどんなふうにお考えになっておられるのですか。
#69
○国務大臣(安井謙君) 道州制といいますか、まあこの行政区域をもっと広げた単位でものを考えるべきじゃないかという御議論は、私ども一つの御議論としては、非常に考えなきゃならぬものだと思っております。まあ何分にも日本の行政区画というものはあまりにも小さ過ぎるということは言えると思うのであります。しかし、これはまあかつて市町村合併である程度まで県内の問題は進めてきたわけであります。将来もそういう形で進めていくか、あるいは都市市町村連合のような形でまず必要なものから実際上そういう措置をとっていくかというようなことになるわけでありますが、まあ今のところ直ちに法律でもって規制して、強制してこの道府県の合併とか、あるいは市町村の合併をさらに強化していくという方向より、現在の段階で自主的に連合体というような形式ででき得る限りそういう目的を達した方がより今の事態に合うのじゃないかというような趣旨からもこの法案は出ておるわけであります。また全体の道州制というような問題につきましても、将来これは十分考えなきゃならぬ問題でありまするが、今直ちに法律で強制するよりは、むしろ基幹都市とかそういったような構想で実質上の連合体を強化していくことによってその目的を達する方が早道じゃないかというふうに考えております。
#70
○松永忠二君 大体わかりました。それで、まあ私も市町村合併が行なわれてその次の段階で一体何をどういうふうにしていくかというふうなことになれば、おのずからもう一段高い段階のものが考えられなければいけない。で、そうなってくれば、道州制というようないろいろな問題とか、そういうふうなものを強制的に行なわないということになれば、おのずからこういうふうな方向を一つの事業に基づく機関であるとか、あるいは組織というものを作っていく以外に方法はない。それがまあ勝手気ままに事業に基づいてやるのだから各所管でばらばらにやられるということになれば、自治体としては非常に困惑をしてしまうということになるわけです。従って、今度のできている協議会というものは、そういうことが推進が直ちにできないので、やむを得ず暫定措置としてこういうものが置かれた。で、これはしかしその次の段階として当然そういうことを考えられるという方向で努力をされるということは必要じゃないかと私たちも思うわけです。
 私はあとほかの方ですから、もし協議会とその問題についてほかの方に御質問があれば一つやっていただきたいと思います。
#71
○鈴木壽君 今の協議会の問題ですが、二百五十二条の二を改正案のように改めようとするわけですが、現在の二百五十二条の二で協議会を作ることについては、これははっきりうたってありますし、内容としても、広域にわたる総合的な計画を立てる場合でもやれると思うのですが、これはなぜこういうものを特につけ加えなきゃならぬのか、この点一つお聞きしたいのです。
#72
○政府委員(藤井貞夫君) 現在認められますものは、地方団体あるいはその機関というものが法令上やり得ること、あるいはやらなければならぬこと、すなわち、地方団体の当然の事務として行なうべき建前とされているものについて、これを協議会において共同処理をしていくという協議会と、それからもう一つは、単なる事務の連絡調整をはかっていくということをねらいといたしまする協議会、この二つが認められておるわけでございます。計画作成ということ、それがまあ大きな意味においては計画を作ること自体もやはり地方団体の事務としてやり得ないことじゃないのだからして、そういうものも現在の規定というものを活用をすればできないわけのものではないではないかというような御疑問もあろうかと思うのであります。しかしながら広域にわたって共同処理しなければならぬという事務の必要性というものは今後ますます増大をしていくという傾向にあるわけでございまするが、先刻もちょっと申し上げましたように、既成市街地の再開発をはかっていく、それの一体的な建設の発展なり、あるいは農村地帯の計画的な開発を進めていくというような各種の事務を総合的に把握をいたしまして、これを系統的に計画的な共同の処理をはかっていくという一つの新たな範疇と申しますか、そういう必要性が近時ますます現実に生まれてきておるのであります。そこで、積極的にその機運というものをとらまえまして、新しく将来の構想等とにらみ合わせながら総合的に、あるいは地域的な地方団体の区域を越えまする地区につきまして計画の作成をやっていく、そのための協議会を作り得る。また、それを積極的に推進するような建前でもって法的措置の根拠を与えていくということが一つの建設的な意義を持っているのではないかというふうに考えまして、既存の管理、執行のための協議会、それから連絡調整のための協議会のほかに、第三の範疇に属しまする協議会といたしまして、計画作成のための協議会を制度化したいと、かように考えた次第であります。
#73
○鈴木壽君 今後お話のように広域的な総合開発計画というようなものを立てなければならぬ、そういう協議会というものが持たれなければならぬという、そういう必要性については私も十分わかりますし、方向としては、そういう方向に向かっていくべきであろうと思うのですが、ただしかし、ここに特にこういうふうにうたわなければならないほど今の二百五十二条の二というものは窮屈なものであるのかどうかですね。私は当然この中で、地方自治団体の「事務の一部……若しくは」云云、こういうふうなことがありますが、その地方団体の区域、二つ以上の区域にまたがったというようなことも本来的には地方団体の仕事として私は十分そこに現行法の建前からしての協議会というものが作られていいと思うのです。また作らるべきであると思うのです。現にあなた方からいただいた資料の中にも、総合開発協議会というものが、数は少ないけれども、作られてある。ですから、特別に必要性なり、あるいは意義というものは、私は今申しますように、否定もいたしませんし、あるいはまた、私自身は肯定はしておりますが、法改正によらなければそういうものができないのだ、あるいは促進できないのだということでは私はないのではないかというふうに考えるのですが、その点重ねて……。
#74
○政府委員(藤井貞夫君) 今回設けようと思っております協議会の性格は、既存の協議会と比べてみますと、どちらかといえば連絡調整の方の協議会に近い性格を持っておるものであろうと思うのであります。ただ、これは計画作成事務の連絡調整ということではないのであります。計画作成ということは、これはそれぞれの地方団体の事務として当然あり得ると思うのでありますが、計画作成事務の連絡調整事務ということではございませんで、地方団体あるいは執行機関の事務の処理あるいはその管理、執行で地方団体相互間の間におきましても、あるいは事務の相互間におきましても、密接な関連にある、たとえば非常に近接したところに相当の都市がある、そこで屎尿の処理をどうするというような密接な関係にあるものを、あらかじめ作成をしておきました広域にわたりまする総合的な計画に基づいて行なう、そこにねらいがあるわけであります。それぞれの地方団体の行うべき事務について将来どうしていくか、また、この方向に行くのがいいんじゃないかという大ワクをきめておきまして、それに従いましてそれぞれの市町村というものが事務を進めていくというところにわれわれはねらいを置きたい、かように考えておるのでありまして、そこに従来からございまする管理、執行のための協議会とか、あるいは連絡調整の協議会というものとは違った範疇の性格を持つものであると、かように考えておるのであります。
#75
○鈴木壽君 従来の「事務の一部を共同して管理し及び執行する」ということ、それから「長その他の執行機関の権限に属する事務の管理及び執行についての連絡調整をはかるため」の、従来のやつは二つはっきりしていますね。今度やるのは、第三番目としてつけ加えられるのは、「広域にわたる総合的な計画」を共同して作成するためです。これは計画作成の段階しかない。そうしますと、計画作成、共同の作成であったら、これは私は単にそれだけのことであったら、今の法ででも十分やれる、こういうふうに思うわけですね。そうしてさっき申し上げましたように、あなた方の資料にある総合開発協議会というのは、計画作成のためのおそらく協議会であろうと思う、私は内容はよく承知しておりませんが。もしそういうことができないのだ、もっとさらに管理し及び共同して執行するということになれば、これは性格の違った一般的な事務の問だ。長及び執行機関の権限に属する事務ですね、この二つに分けてある。こういうこととの関連は一体どうなのか。ちょっと私は、お話では新たに作られる総合的計画を共同して作成するための二つの性格をあなたは持たれるようにおっしゃっておりますが、協議会は一体どういうことなんですか、私はちょっと理解しかねるのですがね。
#76
○政府委員(藤井貞夫君) 私の説明が十分でないのかもしれませんが、私たちが今回の協議会というのは、性格的にいえば、どちらかといえば連絡調整ということの協議会に近いと考えておりますけれども、しかし、これはそれぞれの団体が持っております計画作成という機能、それの連絡調整事務ということではない。協議会自体がいろいろな共同して計画自体を作っていく、そういう性格のものであり、その共同して作る計画というのが、それぞれの地方団体がお互いに密接な関係のある仕事、そういう仕事について計画を協議会自体において共同して作成をしていく、そうして作成をいたしました計画に基づいてそれぞれの地方団体が法律上当然にそれに拘束をされるということではございませんけれども、それに基づいてそれぞれの事務の執行をやっていくように努力義務を負わせる、そういう性格のものとして考えておるのであります。
#77
○鈴木壽君 ですから、そうすると協議の場合に、単なる連絡調整ではないのだ、共同して執行するんだ、こういうことでございますね。あなたのお話をそういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。ただ私二百五十二条の二の一項と二項、現行法ですよ。いずれもここには「普通地方公共団体の事務の一部」と、それからもう一つは、「若しくは普通地方公共団体の長、委員会若しくは委員の権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務の一部を共同して」云々と、こうあるところから、それからずっとあとに続いて「又は」云々とある。二つの仕事というものははっきり分けておりますね。分けた二つともそういうことでやるということなのですか。今のお話のようなことでやるということなのですか。ただ私は、この二百五十二条の二の改正の部分を見ますと、これでは「計画を共同して作成するため」の協議会しか出てこないわけですね。そうして二項の方の改正には「国の事務の一部を共同して管理し及び執行する」と、こうありますから、今分けれらた仕事の分野というものを分けて考えていることじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうなのですか。
#78
○政府委員(藤井貞夫君) わかりましたですが、計画を作成いたしまして、その計画に従ってそれらの事務を共同処理していく、いわゆる執行体としてそれを共同して処理していくということになりますると、それはそのために組合を作ることもございましょうし、あるいは事務の執行のための協議会を作ることもあり得るということでございます。これは計画を共同して作っていく、そのためをねらいといたします協議会の設立ということでございます。
#79
○鈴木壽君 ですから、私が聞くのは、あくまでもこれは「計画を共同して作成するため」のものじゃないか、こう言ったら、いや、それだけじゃなくて、執行の部面まで入るのだと、こういうふうにおっしゃるのですから、協議会自体の第一のはっきり出ている性格というものは、やはりあくまでも総合的な計画を共同して作るのだ、そのためには協議会を作るのだ、あとの執行はどういうふうにするか、これはまた別でしょうね。別の形が考えられるといいと思う。そこは私分けて考えるべきだと、この改正案の文面から私はそういうふうに受け取っておったのですが、あなたは、いや、執行の方までいくのだと、こういうことをおっしゃったように私は聞きましたから、それではおかしいじゃないかと、こういうことなのです。
#80
○政府委員(藤井貞夫君) その点は鈴木委員のおっしゃる通りでございまして、これが単なる計画作成だけのことでございまして、執行は別の方法でやるということでございます。
#81
○鈴木壽君 そこで計画作成をするだけのものがこの法改正を待たなければできないかどうか、初めの問題に帰りますが、この点はどうです。
#82
○政府委員(藤井貞夫君) これは、それぞれの地方団体が計画作成ということはやりますけれども、これは広域にわたって、他の地方団体の区域にまたがってまで法制効果を及ぼすようなことはやれませんですから、それらのそれぞれの計画でございますが、要するに広域的にわたる事務を共同して計画の作成に当たる、総合的な計画を共同してやる、そういうことは、やはり現在連絡調整なり、事務の共同処理執行ということからは出てこないのではないかというふうに考えていきたいと思います。
#83
○鈴木壽君 そうしますと、ここにあなた方からいただいた資料の協議会に関する調べの中の市町村関係のやつに、二ページの上から二番目の欄に、総合開発協議会というものがある、これは一体どういう性格のものですか。もしあなたのおっしゃるように、そういうものが許されないとすれば、総合開発協議会の中では、これは一体何をするのか、単なる調整ですかね。
#84
○政府委員(藤井貞夫君) これの内容は、道路等につきましてそれの共同施工をやるというための協議会でございまして、名前は、総合開発ということに相なっておりますけれども、事務の内容というのは、やはり管理、執行の部類に属する協議会。
#85
○鈴木壽君 ここはやはり狭くというか、たしか文面には「管理し及び執行し」ということと「連絡調整を図る」ということと、まあ現行法ではあるわけなんですが、だから、計画を協議会を作って一緒に作ることはできないというような窮屈なものですかね。私は、ここにあるけれども、かりにここになくても、今のような必要性が機運に乗ってというと少し言葉が悪いが、そういう機運ですから、そういう必要性から、たとえばA県とB県の両方にまたがる地域の総合的な開発をしようという場合に、一緒になって協議会を作ることは何ら差しつかえないと思う。自治法の建前からいってそれはけしからぬ、法違反という何ものもないと思うのですね。特にこういうものにしなければならぬという積極的な理由というものをお話のようなすなおな気持で理解できないんですがね、どうですか。
#86
○政府委員(藤井貞夫君) その点は御疑問もごもっともだと思うのでございますが、まあお話しになりましたように、たとえば今度のねらいといたしております協議会が、既存の連絡調整なり事務の管理、執行についての共同処理ということでもって全然やれないかというふうになれば、これはそういうものは違法であって、そういう協議会は成り立たぬというようにきめつける程度のものではないと思います。これは御指摘の通りだと思います。ただ今いろいろこういうような現実の要請というものが出てきておりますし、地域発展なり総合開発というような時勢にもございまするし、そういうような点については、ここで強調してそういう道を積極的に開くというねらいを私たちとして持ちましたことはこれは事実でございます。
#87
○鈴木壽君 これは変な言い方ですが、最近どうも法律があまりこまかく規定し過ぎて、どうもかえって、何といいますか、自治体が自主的な考え方でその必要によって事を行なうということをかえって規制するようなことがありはしないかということを実は私はちょっと心配するんですよ。で、当然広域にわたるいろいろな開発計画等をしなければならぬし、また、そういうことなしには経済成長の問題等々一緒にしてもなかなか追いつくことができないというようなことになってくると思うのですが、だからといってですね、私は今言ったようにたとえば両県にまたがる、あるいは両町村にまたがるような地域の開発をするというような場合に、双方が両方でやろうじゃないか、めいめいの考えだけでなしに両方の力を合わせてやろうじゃないかというようなことを、むしろ積極的にやらせるような指導の面はあってもいいんですがね、一々法律に書かなければやれないのだとか、今までの法律ではどうも窮屈なんだというような、どうもそういうような考え方はちょっと私は賛成しかねるのですがね。意図はわかりますし、必要性も私は否定するものでもないのですが、だからといって、こういう法の改正に待たなければならないという性質のものじゃないではないかというふうに思うのですがね。重ねて一つ。
#88
○政府委員(藤井貞夫君) 御説のようなお考えもあろうかと思います。その点あまりがんじがらめと申しまするか、法の建前からあまり微細にわたったようなことをやるのはいかがかと、それもごもっともでございまして、私たち特に自治省の立場としては、そういうような点については十分戒心をして、事柄を処理していくという建前を堅持してきておるつもりでございます。ただ、この協議会につきましては、従来運用上非常に、何と申しまするか、低調と申しては言葉が悪いかもしれませんけれども、具体的な例を見ましても、あまり積極的な効用を発揮しておるような運用が事実なされておりまするものが少ないというような事情もあるわけでございます。それに従来からも、すでにできましてからかなり時期がたっておりまして、連絡調整と、それから本来的な事務の共同管理というようなことになずんでしまっておるというような点もございますので、ここでやはり地方々々に起こって参っておりまする現実的な地域開発の要請というものを取り上げて、それをこの線に乗せていくという積極的な意図を持たせる意味合いにおきましても、やはり総合的な計画の共同作成ということのための協議会、こういうものを設けることがそういう要請にこたえまする意味においても意義のあることではないかというふうに考えたのでございます。
#89
○鈴木壽君 関連して、今度は二百五十二条に新たに三項を加えることになるわけですが、ここで「勧告することができる。」ということがあるわけですね。ここに「公益上必要がある場合においては、」というようなのは一体どういうことをこれは予想しておられますか。
 それからいま一つは、勧告そのものの、何といいますが、どの程度の効力を持つものか、この点どうですか。「公益上必要がある場合においては、」ということと、においてはいかなることを予想しておられるのか、それから「勧告することができる。」という勧告のいろいろなこれは受け取り方があると思いますね、その二つの点について……。
#90
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻もお話が出ておりましたが、最近公団とか、あるいは事業団というような名称の機関の乱立が目立ってきておるという状況になっておりますが、これらを設置をいたしまする理由として一般にいわれておりまするところは、これら公団にやらせようとしておる事務というものは、地方団体の区域を越えて広域的に処理しなければならぬにもかかわらず、地方団体が自発的に、あるいはこれをなめらかに処理することがいろいろな面からいって期待ができないというところにそのねらいがあるようでございます。このような理由によりまする公団等の設置をなくしていくために、なくしていくというのは、これは私たち本来、地方団体が能力としてやり得る、本来やり得ると、そういう事業を何か能率的だとかというような理由からだけで公団というような方式に持っていくということにつきましては、これは私たちはやはり地方団体の立場からいって本来的には疑問に思っております。ものによりましては、住宅公団であるとか、道路公団、これは十分の私は効果は上げておるとは思いますけれども、しかし本来的に地方団体が行政上、もう少し制度上も考えてやる、あるいは財政上の裏づけも講じてあげるということになれば、十分やり得るというようなものまで、正確な地方団体と違って住民の直接の批判監視の目からのがれるようなそういう体制にありまするような公団、公社というようなものに無批判的に移していくということについては、私たちはあまりいい傾向だというふうには思っておらないのであります。このためには、いろいろな制度上にもやはり考えていかなければならぬ。ただ単にそういうものはけしからぬというようなことばかり言っておっても仕方がないのでありまして、公団、公社等の設立を促しまする原因については、私たちこれは謙虚な反省をいたしまして、その原因については、これを積極的に除去する、制度上改善していく、そういう措置を講じなければならぬというふうには思っております。ただ、それの一環といたしまして、今度の方式を一つの、そう有効なものとは考えませんけれども、何らかの意味があるということで考えて参ったのでありますが、その場合に「公益上必要がある場合に」おきましては、公共団体の協議会を設けまして、これをやっていくようにということが勧告できるような措置をとったわけであります。これは勧告といいましても、そうやたらに乱用するというような意図は全然持っておりません。むしろ現地におきまして、そういう機運がだんだん高まってきておる、そういうものについて一歩政府としてもあと押しをするあるいは関心を示すということによって、それらの事務処理というものが円滑に推進していくという体制がとられれる見込みが明らかであるという場合において、この勧告規定の発動を促すということにいたしたい。しかし、これの乱発というものはこれは厳に差し控えたいと思いまするし、勧告がございましても、これはあくまで勧告でございまするので、勧告を受けました地方団体というものが法的にどうしても勧告の内容を実現しなければならない法律上の義務を負うというものではないわけでございます。
#91
○鈴木壽君 そこで、お話はわかりましたが、公団等の問題については、大臣からもお話がありましたしわかりましたが、計画を立てたり、それからそれについての実施をする、そういうことはできるだけ自治体がやるべきだというふうな考え方に立っておるわけなんですね。この点一つ念を押しておきたいと思います。
#92
○政府委員(藤井貞夫君) その通りでございます。
#93
○鈴木壽君 この考え方と、従来、国がいわゆる国土総合開発の見地から取り上げてきてやっております特定地域の総合発開地域の指定なんかありますな、これはいわば国がその指定としますね、こういうものとの関係は今後どういうふうになってきますか。
#94
○政府委員(藤井貞夫君) これは国土総合開発法に基づきまする計画あるいは地域指定というものは、これは自治法が一般法であるに対しまして、御承知のように特別法、個別法でございます。従って、これは地方自治法の特例といたしまして総合開法が優先すべきものであると考えております。
#95
○鈴木壽君 いや、現在すでに指定されたり何かしておるところは別ですが、これからもいろいろな個所が調査されるものとして指定されたり、あるいはまた今後調査してやっていくというところが出てくると思いますね、その場合に、今後の問題として考えていく場合に、どういう、国がいわゆる指定という形でやらせるのか、あるいは地域のこういう協議会を作って、そういう地域に対する開発計画を立て、あるいは実際の仕事をさせる、こういうことにしていくのか、ちょっと私そこら辺問題があるのじゃないかと思うのです。全然矛盾はありませんか。
#96
○政府委員(藤井貞夫君) 新しく指定等のことが行なわれます場合においては、政府においてもいろいろな角度から事柄を考えると思いますが、その場合においては、かりに指定をしようとするような地域に、今度の措置によりまする協議会というようなものが現実に動いておるというような場合におきましては、この協議会において取り上げておりまする計画その他が、地域指定の内容等についてもやはりお互いに影響を与えるということになってくるのではないかと考えております。また、そのことが、現実の事態がそういうふうに動いておるのでありますからして、現地の実情として十分そういうものを国の施策、地域指定等においても反映せしめることが、むしろ妥当な措置ではないか、かように考えております。
#97
○鈴木壽君 そうしますと、今の国土総合開発の面からやっておる特定地域の開発計画の指定という、これはいわば重要な国の見地に立ってみて、重要な地域はそういうことによってやる、その他のものは自治体の方でやれ、こういうことになるのですか、ならぬのですか、どうですか。
#98
○政府委員(藤井貞夫君) 必ずしもそうではないと思います。国土総合開発計画法に基づくもので、この協議会というものと矛盾撞着するものにつきましては、これは当然特別法が優先をするという建前だろうと思いますけれども、国の政策なり計画なりというものが、その地域においては全部が全部その協議会を排除するというようなものではないと思います。ものによりましては、こういう区域内においても、計画内におきましてもなお本法に基づきまする協議会が活用される余地があり得るのであります。ただ、これが矛盾するというようなことになりました場合には、特別法が優先をするということでありまして、その間において矛盾撞着は生じないものと考えております。
#99
○加瀬完君 今までの御説明の限りでは、どうもこの内容はアクセサリーにしかすぎないではないか。御説明にあります通り、勧告したところで、その地方団体の議決で勧告も聞かないということの方向に持っていってしまえばそれまでです。ですから、これは鈴木委員の指摘する通り、行政指導でうまく話をまとめていくより効果が薄いということになりかねない。それなら何もことさらにここに勧告までを含めた協議会の性格というものを新しく作る必要はないのじゃないか。今までの協議会でさらにそれを幅を広げて効果を上げていくように行政指導すればよろしいのじゃないか。指導助言の位置にとどまってよろしい問題ではないか。もしそうでなくて、どこまでもある一つの計画を国が持ってその方向に町村を引っぱっていく。それで勧告は、今の御説明では軽いものですけれども、実際に計画を進めるということにもなれば、その勧告にいろいろ裏をつけなければならない。そうなってくると、これは明らかに自治権の侵害ということになる。御説明ではそういうことがない、そういうことがないならば、何もこんなものをここに新しく盛り込む必要はないのじゃないか。こういうことになるように御説明の限りでは私にはうかがわれたのです。意味ないじゃないですか、どうでしょう、この点。
#100
○政府委員(藤井貞夫君) 行政指導でやれないかということでございますが、行政指導でやり得る限度はもちろんあろうかと思うのであります。ただ、現在こういうような風潮と申しますか、現実の要請というものがかなり地方によって出て参っております。その場合にやはり積極的にこういう総合的な計画の共同作成ということを打ち出して参りますることが、これらの機運を促し、あるいはこれを促進をしていくという意味から申しまして、非常に意味のあることであるというふうに考えておりまするし、それがやはり法的の根拠を持ったものとして運営されていくということにおきまして、地方団体自体もこれに対処する考え方というものが異なってくるものがあると考えるのであります。勧告につきましても効果がないではないかということでございますが、やはり地方自治に対する干渉の範囲にわたらない程度においてこれが十分受け入れる素地があると認められるものにつきまして勧告の措置を講じていく、そういう道を開いておきますることが現在の要請というものにこたえ、あるいはこれをさらに進めて参りまする上におきまして意味が十分にあるのではないかと、私たちはかように考えておる次第でございます。
#101
○加瀬完君 これは水かけ論になりますけれども、そういう計画を促進するという程度なら、これは指導助言を強く進めていけば事足りることだと思う。勧告したって聞かれなければそれまでのことですし、当然、だれが考えても共同して総合計画を進めていかなければならないのに、A、B、Cという三つの町村のうち、AならA、BならBが反対するということはあり得ないですね、あり得ない。第三者が考えて当然三団体は共同すべきだと思うのに、一つの団体が落ちていくというからには、その団体については住民の考えている公益性というものは、あるいは住民の福祉というものは、一緒になってやらない方がいいという何かの理由がない限りは、単に感情的にそっぽを向いているということはあり得ない。そういう感情があるところに勧告を出したところで、町村合併が不可能なように、当然紛争が解決されるべき勧告ですらこれが聞かれない状況です。ましてや、こういう問題をそう簡単に勧告が出たから勧告の通りということにはならないと思う。また公益上必要があるかどうかの見方が地方住民の見方よりも知事や自治省や大臣の見方の方が優先するという考え方もおかしいと思う。住民には住民の意思があって共同計画を進めない、あるいはまた協議会を作らないという理由があるわけですから、これはこの住民の感情というものをときほぐしていかない限り、この協議会はできませんよ。共同化は進みませんよ。従って、これはあくまでも指導助言を本体として今までの行政指導で進むべきであって、お前ら聞かなければ勧告するぞと言ったところで、出すなら出してみろ、勧告は聞かないという事例がたくさんあるのですから、そういうことではますます地方団体と県なり国なりの間にみぞができることだけに終わってしまうと思う。ですから、非常に手間どるかもしれませんけれども、やはり今までの方法で法律は変えないでやっていくというのが、私は地方自治体に対しましては親切なやり方ではないかと思う。で、こういう協議会を作るという法律を作ることによって協議会が勝手に作られてくるというならば、今まで何をやっておったかと言いたい。協議会を法律化しなければならないほど必要があるならば、もっと法律を作らなくても協議会によって共同計画が進むように行政指導というものは徹底しなければならない。ですから、私はひまがかかっても現行法をうまく運用するということの方がけがのないことじゃないかと思う。意見になりましたけれども、お答えは要りませんが、従ってこれにはどうも賛成できかねるわけです。
#102
○委員長(増原恵吉君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#103
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
#104
○加瀬完君 その点はそれにとどめて他の二点ですね。同じようなことがこの改正法の中で言われるのじゃないか。たとえばこの「埋立ての竣功前においてできる限り早い時期に、市町村の境界の決定、変更又は確定をしなければならないものとし、」、これはその通りですよ。しかし、ならないものとはならないので紛争が起こるのです。そうすると、この改正法で見ます、結局、新しくつけたものは、調停により市町村の境界が確定しないときは、知事が裁定することができるという、しかし、両町村の確定しないで争って、争う両方のそれぞれの理由を持ち込まれているときに、知事が確定できますか。また例を引いて恐縮ですが、町村合併のときと同じだ、両方からやんやんやんやんとそれぞれ違った問題を持ち込まれているときに、知事が両方の話し合いが遂げられないままに即決即断という。形がとれますか。どうもこの内容も、言っていることはりっぱなことですけれども、実際の効果というのは薄いのじゃないかという疑念がある。その点どうですか。
#105
○政府委員(藤井貞夫君) 今回の所属未定地あるいは公有水面埋立地の所属を決定をいたしますことに関連いたします改正でございますが、これは私たちといたしましては、今度の改正案というものが、現行法よりもやはり相当前進したことに相当なるのではないかと考えております。と申しますのは、現在、埋立地の工事というものが現実に進んで参りますると、そこに土地というものができて参りまするので、いろいろ地先水面を持っております市町村間において、現実的な配慮というものがここに加わって参りまして、それの編入処分というものに非常に争いが生じて参ります。そこで、あらかじめ公有水面のみについて境界というものを変更する、あるいは確定をするという手続を講じておきますると、今後はその海面について埋立地ができて参りましても、境界がすでに変更いたしておりまするので、その造成されました土地を編入するということについて疑いがなくなってくる、そういうことで今後の埋立地の編入処分にからまる紛争というものは、私はかなり減って参ることに相なるのではないかというふうに考えております。今、加瀬委員がおっしゃいましたように、現実のしかし行政の問題として、あるいは政治の問題といたしまして、お互いに紛争をしておるのに、知事が確定ができるかということを言われますると、これはその通りでございましょう。やはりただ単に法律にこれがあるからといって、確定の権限を振り回してやるというわけには参らない場合も多くあるかと思います。しかしながら、やはり確定の権限は知事において最終的には持つ、さらには公有水面のみにかかります境界の確定等につきまして、単に地元の市町村の方から申請があるのを待つのではなくて、知事の方から地元の同意を得てこれをやっていく、いわゆる主導権を県の方に与えていくとともに、地元の意向というものを無視するわけには参りませんので、その議会の同意を得ていくという方向にいたしますことによって、これは私は埋立地等をめぐります紛争というものは、これによりまして一歩、数歩の前進をいたすのではないか、かように考えておる次第でございます。ただ、確定の権限が知事にあるからといって、それをむやみに振りかざしていくということでも、法律上は何か線が引けましても、それによって現実の市町村の対立というものをおさめるわけには参りません。そういう点につきましては、十分お互いに市町村の了解を得て円満に事柄が進められまするように、私たちといたしましては、その点のやはり行政指導というものに十分万全を期して参りたいと考えておる次第であります。
#106
○加瀬完君 知事が裁定するにいたしましても、今御説明のように、関係町村の議会の同意を得るわけですね。知事の裁定案というものが関係町村の同意を得られるならば、この法律の改正の必要というのは実際上は起こってこない。想定されるのは関係町村のそれぞれの主張というものが知事の裁定とは違うことが予想されますから、結局、この法律改正が必要となってきたと考えられるわけです。で、前段で御説明がありましたように、埋め立てになって、そこに建物が建つということになるから争いが起こっているのでしょう。埋め立てにならない公有水面のときにもう裁定をするのだといいますけれども、知事が一つの裁定案というものを出して、それぞれの関係の団体に同意を得るように提示をする場合は、一応何も将来とも見通しのない公有水面に知事がそういう裁定を出すことはあり得ないわけです。近い将来埋め立てとして発展するのか、あるいは他の形で発展するのかいずれにしても町村に利害関係を生ずる問題が出てくるから裁定案を出すわけです。これは利害関係にさとい住民の方が知事よりもその点は敏感です。従いまして、公有水面のときに出すといっても、これは埋立地の境界線を裁定するときとそんなに隔たりは生じないと思う。これもやはり行政指導で解決しなければならないところの問題というものになるのじゃないか、そう思うのです。時間がありませんから、それだけ申し上げます。
 その次に、第二点の改正法としてお述べになっております請負禁止の規定ですね。これは九十二条の二なり百四十二条なりというのが現在ありますけれども、ほとんどこれは正確にはこの法律通り監督といいますか、法律の内容といいますか、こういうものが徹底しておらないと思う。たとえば某県の某市の市長は請負業者です。請負業者の社長で、市長に当選いたしました。従いまして、関係もありますから当然その社長はやめています。やめていますけれども、実質的には社長の名義が変わっただけで、本人が会社の主宰者であることにはかわりはない。その会社が中学校の請負をして大騒ぎになりました。大騒ぎになったけれども、いつのまにか、それは議会の反対派がもみ消されてそのままになってしまった。今度の改正案にもいろいろ運用上遺憾な点が見られるので決定手続を整備したとあります。その決定手続の一つに、前条の規定に該当するときは、その職を失うとある。その当該の規定に該当するかどうかは、その選任権者がこれを決定する。そうしますと、市町村長の場合の選任権者、まあ各種の市町村長が任命する委員の選任権者はわかりますね。そうすると、市町村長の場合はどういうことになります。選任権者がこれを決定するというのは、どういう方法で決定とみなすのですか。
#107
○政府委員(藤井貞夫君) 認定権者は選任権者が明確にあります場合は、選任権者であることを原則といたしておりますが、市町村長の場合におきましては、やかましくいえば選任権者は住民でございます。そうかといって、それを代行する議会にそういう認定権を与えるということになりますと、これまたいろいろ問題を生ずる余地もありますので、現行法で被選挙権の有無を決定する機関が選挙管理委員会に相なっておりますので、市町村長の場合、請負人に該当するかどうかという認定は、選挙管理委員会がこれを持つということにいたしている次第でございます。
#108
○松永忠二君 関連。私の聞くのはそこなんです。公職選挙法の第何条でそのあれがあるのですか。
#109
○政府委員(藤井貞夫君) 改正案の四ページの三行目にございますが、百四十三条の規定を改正いたしたいということにいたしておりまして、ここで被選挙権の有無ということの下に、請負の規定に該当するかどうかという規定を加えることによって、選挙管理委員会がこれを認定するということを明らかにいたしたいと考えておる次第であります。
#110
○加瀬完君 選挙管理委員会というのは、これは市町村長が任命する方々ですね。で、この選挙管理委員会が実際において市町村長の該当かどうかを認定できますか。自治省では簡単に認定できると御認定なんですか。
#111
○政府委員(藤井貞夫君) 選挙管理委員は、御承知のように議会で選挙をいたすことに相なっております。従いまして、だれをこれの認定権者にするかということを考えました場合においては、現在被選挙権の有無ということも、選挙管理委員会というものが認定をいたしておりますので、最もやはり適当な機関ではないかというふうに考える次第であります。
#112
○加瀬完君 実質的にできますか。それは結局、県の選管とかいうことになれば、法律の専門家などが加わっておりまして、法律的な解釈なども的確にできるかもしれませんけれども、市町村の選挙管理委員会ということになりますと、それぞれの実際法規に通じた専門家というものを何名も入れるということは不可能です。これは非常に法律的にも解釈のデリケートな問題ですからね。これを簡単に、お前は町長資格だ、お前は市長資格だ、こういう認定を下し得ますか。
#113
○政府委員(藤井貞夫君) これは被選挙権の有無というようなものよりも、さらにデリケートな認定を要する問題であるということは御指摘の通りだろうと思います。ただ現行法の建前では、請負規定に該当する場合においては、その職を失うということだけになっておりまして、それの認定権者というものが全然明らかになっておらない、当然失職という法律上の解釈で現在まで来ておるわけでありますが、ところが、そうなりますると、本人が非常に良心的であって、自発的に自分が議員をやめる、あるいは請負をやめるということになれば別問題でありますけれども、そういうことはまずまずない。そういたしますると、現在どういうような措置がこういう事態が起こりました場合に行なわれておるかと申しますると、一つは、議会の議員でありますると、議長がこれは当然失職したのだからということとみなして、従って、欠員が生じたということで選挙管理委員会に通知をするというようなことをやって初めて問題が具体化するということもございます。それから議員の場合さらに申しますると、これは失職をしたのだから、報酬はもうそのとき以後は払う必要はないということで、報酬の支給を停止するというようなことをやって初めて問題が具体化してくるというようなこともあるのであります。また認定手続が明確でありませんために、事実上それを一つはっきりさせようというこで、議員の場合、議会でもってこれを取り上げて認定をして、それが微妙なところで一票だけの相違で失職の認定を受けた、しかし、これは認定権者が議会であるということは現行法はっきりしておりませんので、それをめぐっていろいろ紛争が起きたというような事例はまま起こっておるのであります。そこで、やはりこの点は法律上当然失職というような解釈だけでいくのではうまくございませんので、認定権者というものを明らかにする方がいいのではないかと、かように考えた次第でございます。認定権者をだれにするかという点につきましては、いろいろお考えもあろうかと思いますが、やはり選任という場合に、これをこの資格に該当しているかどうかということを決定しなきゃなりませんので、選任のときの条件を、さらにその人が就職をしてずっと的確にその地位を保つための存続要件でもあるという建前から、選任権者にその認定権を与えることにいたしたのでありますが、そうでない場合については、選挙管理委員会等にその認定権を付与するということにすることが、やはり現行法の建前よりは一歩前進に相なるのではないか、かように考えた次第でございます。今、加瀬委員が御指摘になりましたような点は確かにございましょうけれども、それかといって市町村長のこのような資格認定ということを県の選挙管理会に持ってくるというのも、これまたやはりそれぞれ市町村が自主的に運営をやっていくという建前でもございますので、そういうことはやはり適当ではないのではないか、実際上そのような資格があるかどうか、能力があるかどうかという点につきましてはその人を得るというように法律の精神というものが生かされて、それが実際の運用面では効果を発揮していくということに、徐々にいろいろ宣伝あるいは啓蒙というようなことを強化していく、そういうよりほか仕方がないのではないか。そのためには、われわれといたしましては、行政指導の面においてこれが的確に運営して参るということにつきましては、特段の配慮を加えたいと、かように考えている次第であります。
#114
○加瀬完君 御趣旨のほどはわかります。そこで、認定の問題で一番解釈に苦しむのは、この六項にありますように取締役――いろいろありまして監査役もしくはこれに準ずる者とある。これに準ずる者というのは、一体自治省ではどう解釈して指導しているのですか。
#115
○政府委員(藤井貞夫君) ここに書いてありまするような役職についております者、それらに準ずるという意味でございますが、それは名称の如何を問わず、ここに例示をしてある者と同等の支配力を持っている者、こういうような解釈でおるわけでございます。
#116
○加瀬完君 そうしますと、社長であった者がやめて、せがれに社長を譲って、しかし、せがれとは同一家族として住んでいる。形式的には取締役でも監査役でも顧問でも何でもありませんけれども、実質的には旧来の言葉をそのまま使えば、家長としてせがれさんからいろいろ相談を受けて、会社運営の実質的な内容にはタッチしている、こういう者は少なくともこれに準ずる者に当たりますね。
#117
○政府委員(藤井貞夫君) 準ずる者というのは、そこまでは私は考えておらない、また読んでおらないのであります。これは従来の行政、実例でも、あるいは行政判例でもそのようなことに相なっておりまして、そこまでの事実上の関係というものは、これは事実認定にいたしましても、きわめて困難でございます。今御指摘になりましたような関係は確かにあり得ると思います。おやじが形式上だけ職を退いて、子供に社長を譲り、あとは自分は顧問でも参与でも何でもない、何でもないけれども、ともかく何か実力を持って実際上会社運営に参加しているというような場合、事実問題としてはあり得るのであります。しかし、それを法律上のこれに準ずる者として読みますことは、従来の沿革その他この法律の字句的な解釈から申しまして無理があるのではないかと思います。
#118
○加瀬完君 じゃ、準ずる者とはどういう内容をさしております。
#119
○政府委員(藤井貞夫君) ここに列挙いたしておりまする名称以外のたとえば参与であるとか、あるいは評議員であるとか、そういった名前の如何を問わず、実質上は会社の重役、あるいは財団その他におきまする理事とか監事とか、そういった者と同等の支配力を持つ者、こういう意味でございます。
#120
○加瀬完君 それじゃ、私のさっき出した例は、同等の支配力を持っていると認められるでしょう。そうでなければ同等の支配力を持っている者というのがありますか。私の出した例がオミットせられるならば、全部これはざる法で逃げちゃう、それは商売人ですからいろいろ抜け道はきちんと考えております。しかし、実質的には自治体に弊害を及ばすこの法律で禁止している内容というものは、外だけ形式的につくろって中は一つも会社の重役と変わりのないことをしながら自治体にいろいろ関係を持つということなんです。それを禁止しているんですから、少なくも同一家族であって実際の会社の運営の相談に乗っておって、その者が自分の関係する団体の請負をその会社がするとすれば、これは少なくもこの法律に触れると見なければおかしいでしょう。
#121
○国務大臣(安井謙君) それは非常にこの実体論としてはごもっともな御議論だと思いますが、やはりこれは今の法の形式と申しますか、実体的な、たとえば国会議員が役員、大臣になるとやはり社長を一応退いているというような形をとっているような例もままある。これが必ずしも、道義的に見て、あるいは実体的に見ていいかどうかという御議論は非常にごもっともだと思うのでございますが、今のところ、そこまでゆくとこれはまた基本的人権とか何かの自由とかいうものと抵触するきらいもあります。少なくも形式上そういうようなものを備えた形でやることは禁止するということにすれば、その裏をかいたような問題がないとは言えませんが、今までよりはきちんとしてゆくであろうし、また将来そういうような裏をかくものがだんだんなくなっていってもらうというようなことで、これは出していると思いますので、実体的に全然そういう危惧はないということはこれは明らかに言えないと思いますが、これはないよりは一歩前進だという点で御了承願いたいもんだと思います。
#122
○加瀬完君 この前、当委員会にも今、大臣の御引例になりました兼職禁止の法案が問題になったことがある。少なくも当委員会では知事とか大きな市長とかの兼職までも禁止しなければこの法律の目的は達しられないという議論があったわけです。従って、それらの経過を知っておって自治省がお出しになるというからには、今、局長の御説明になるように、形式のいかんを問わず実質的に重役と同じように会社に重要な指導力を持つ、そういうものを準ずる者と解釈するというのは当然だと思うのです。それならば準ずる者というのを確実に押えるためには、形式のいかんを問わずというのだから、形式では判断できないのだから、内容的に会社に指導権を持っている者、それをこの準ずる者のワクの中に入れなければこの法律は意味をなしませんよ、こう解釈するのが当然なんだ。
#123
○政府委員(藤井貞夫君) 今回の改正は実体的なものには触れておりませんで、それは認定の手続というものについて不明確であるものを明確にいたしたいというこだけにとどまっておるのでございます。立法論といたしましては、いろいろございます。今お話にありましたような事例は私たちもよく知っておるのであります。ただ現在のこの法律、あるいは従来からございます法律の規定と同じ趣旨でございますけれども、これらについて今の事実上の影響力というものまで拡張解釈することは、私はこれは無理があると考えております。名称についてはそのほかの名称を使っておってもこれに準ずるような大きな影響力を持っている者はこれを排除したいということでございまして、一つ立法論といたしまして、将来いわゆる事実上の影響力というものまでこの法律改正でもって入れてゆくということになるというのは一つの立場でありましょう。立場でありましょうが、そこまでゆくのははたして立法政策としてもいいのかどうなのか、また認定ということになれば、それこそ非常にむづかしい問題が生ずるが、その点は社会常識その他から見てどうであろうかというような点はございますけれども、立法論としては私は全然問題にならぬというものでないと思います。ただ現行法の解釈といたしまして、そこまで参るわけには参らないのではないかというのが私たちの意見であります。
#124
○加瀬完君 やる気がないということだけははっきりとわかりましたよ、作ったけれどもやとる気がないんだと。というのは、極端なことを申して失礼ですが、あなたの御説明では、準ずる者というのは顧問とか参与とか、そういう名称のいかんにかかわらず、内容的に会社に大きな影響を持っておる者は準ずる者だと、こういう御説明があった。それならば私は五大市の五市長は事実上こういう関係があって請負をしたけれども、これは準ずる者に当たるかというと、そういう内容には触れておらない。それならば前段の説明が生かされるならば、今私が出したような例をつかまえないならばつかまえるものがない、こういうことになる。ですから、それはこういうものはやりましたけれども、別に今までと少しも変わりはありませんということにすぎない、それだけわかりました。そういうお考えでありますと、まして知事や五大市長などの兼職禁止などということは自治省では今お考えになっておらないと考えてよろしゅうございますね。
#125
○政府委員(藤井貞夫君) 現在のところは兼職禁止の範囲をこれ以上広げるということについては考えておりません。
#126
○鈴木壽君 今の問題は大事な問題だと思うのですが、私どもも、いわば実質的に支配する者にまで及ばなければ、この法というのは役に立たなくなってしまうと思うのですがね。これは幾つかの事例があって、一部からはいろいろ非難をされておりながら、形の上で社長とかあるいは重要な役職にないということだけでてんとしてその職にあって平然としている者があるのですがね、これはやはり解釈の上でも、運用の面でもそういうふうに今、加瀬さんが指摘したようなことにならないと、これはほんとうにざる法になってしまいますね。そこでその点一つ、これは言ってもこれ以上進まないと思いますが、関連してお聞きしたいことは、副知事または助役が、これは知事――今の百四十二条の規定に該当するときは解職しなければならぬ。解職されるのですね。で、この場合もちろん知事がやる、あるいは市町村長がやるんですが、ほかの場合には異議の申し立てといいますか、訴願があったり、あるいは裁判所に持っていってやることがありますが、ちょっと見たところ、見落としかもしれませんが、私見たところでは、副知事または助役の場合には、そういう手続が法の上ではないように思いますが、これはもしないとすればどういう理由なのか、そこら辺一つ御説明を願いたいと思います。
#127
○政府委員(藤井貞夫君) 今御指摘になりましたように、副知事、助役については異議の申し立ての方法はございません。と申しますのは、これは現在法の建前といたしまして、副知事、助役というのは、いわゆる政務官的なものとして考えておるわけであります。従いまして、身分保障というものがございません。知事なり市町村長が適当であると考えた場合においては、いつでも解職ができるという建前になっておるのであります。その点は特別職である関係と、それから副知事なり助役というものの性格、さらに特別職といたしましても、出納長なり収入役というのは、これはいわば執行機関とは一種の対立した関係に置かるべき筋合いでございますので、この方は身分保障をいたしておりますが、助役なり副知事はそういう関係で身分保障がないわけであります。それに照応いたしまして、これらの資格認定ということについて、知事なり市町村長がかくかくであると判定いたしますれば、解職を一方的にやれるという建前をとっておるわけであります。
#128
○鈴木壽君 副知事や助役の、何といいますか、性格というようなものもわかりますが、今言ったようなことで、これは判定上の問題で、これはいろいろ今の請負の禁止の問題になりますと、いろいろ今議論があったように、むずかしい問題ですね。そういうことだけに限っても、何かやはり救済規定といっちゃ悪いけれども、何かなければならぬというふうにも思うのですが、やはり全然必要はありませんか。それは解職の理由はありますけれども、問題は、今の請負等に関係した問題であれば、実質的にどうのこうのという問題もあるでしょう。形式的な問題、実質的な問題、そういう微妙な認定上の問題がある問題ですから、そこで一つの、何かの、本人の立場を主張して、最終的に他のところで決定してもらうというところがあってもいいような感じがしますが、どうですか。
#129
○政府委員(藤井貞夫君) 御疑念の点はわかるような気もするのでありますけれども、現在、すでに何らの理由なくして、知事が副知事を解職するという場合にも、いわゆる異議の申し立て等の規定は全然ないわけでございますが、何ら理由のない場合でもそういうことでございまして、これはもっぱら政治的な、あるいは行政的な判断の問題、それが非常にむちゃなことをやれば、世の指弾を受けると、そういうようなチェックの方法しか実は認めておらないわけでございますので、この資格の認定が微妙な点にあるということはわかりますけれども、もっとさだかでない理由によっても、一方的に解職ができるということに相なっておりますので、それらの権衡の問題から申しましても、現行法の建前上、従来の沿革等から申しましても、副知事、助役等につきましては、その点はやむを得ないのではないか、かように考えております。
#130
○鈴木壽君 その点はいいですが、今あちこちに、特に県の段階等においては、公社というものができていますね。この公社の責任者なり首脳部が、県の吏員の者がなっているというような例はありませんか。吏員というよりも、たとえば副知事とか、そうしてそれが請負関係で今のこの法に触れてくるような場合のことが予想できませんか。
#131
○政府委員(藤井貞夫君) 場合によってはそういうことがあり得ると思います。公社、公団等につきましては、そういうような具体例を私最近では承知をいたしておりませんが、たとえば九州の例であったと思いますが、モーターボートの一種の競走会という外郭団体を作りまして、それの会長の職を当該地方団体の市長が兼ねたという事例がございまして、これはやはり請負に該当して、だめだということの判例が出ております。
#132
○鈴木壽君 それは、それに該当するからだめだという判例、従って、そういう者は公社の方の責任者になれないということなんですね。
#133
○政府委員(藤井貞夫君) さようでございます。
#134
○鈴木壽君 もしそれを知らないでおって、なって、該当するのだということがわかった場合には、公社の方だけやめればいいのか、それとも本職の方をやめなければならぬのか、そこら辺どうですか。
#135
○政府委員(藤井貞夫君) これは兼職禁止に該当した瞬間において、なれない者がなったのですから、失職するわけです。その職を失うということになっております。これは知事なり副知事が、あるいは市長なり助役なりがそういうことをやりますれば、市長、助役の職を失うということになるわけであります。
#136
○鈴木壽君 そこをあなたのようにはっきりしていいのですね。
#137
○政府委員(藤井貞夫君) これは私たちの今までの解釈上疑いがございません。
#138
○鈴木壽君 ただ、その公社の関係だけを切れば、あとはいいのだというようなことでは許されませんね、あなたの今のお話では。
#139
○政府委員(藤井貞夫君) 一応なってしまったわけですから、なったらその瞬間にその職を失うと書いてございますから、これは法律上はそういうことになるわけであります。
#140
○委員長(増原恵吉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#141
○委員長(増原恵吉君) 速記を始めて。
 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方自治法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#144
○委員長(増原恵吉君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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