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1960/05/23 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第23号
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1960/05/23 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第23号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第23号
昭和三十六年五月二十三日(火曜日)
   午前十一時九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月十九日委員小沢久太郎君辞任につ
き、その補欠として郡祐一君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           基  政七君
   委員
           小柳 牧衞君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           白井  勇君
           館  哲二君
           津島 壽一君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
           加瀬  完君
           松永 忠二君
           中尾 辰義君
           杉山 昌作君
  委員外議員
           田畑 金光君
  衆議院議員
           丹羽喬四郎君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   警察庁保安局長 木村 行藏君
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治省選挙局長 松村 清之君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に附した案件
○旧沖繩県の地域における公職選挙法
 の適用の暫定措置に関する法律案
 (基政七君外二名発議)
○地方議会議員互助年金法案(衆議院
 提出)
○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○後進地域の開発に関する公共事業に
 係る国の負担割合の特例に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方財政法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初めに委員の異動について報告いたします。
 五月十九日付をもって委員小沢久太郎君が辞任され、その補欠として郡祐一君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(増原恵吉君) まず、旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。
#4
○委員外議員(田畑金光君) ただいま議題となりました旧沖繩における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案について、その提案理由を御説明申上げます。
 御承知の通り、敗戦の結果わが国は、サンフランシスコ条約第三条によって旧沖繩県に対する施政権をアメリカ合衆国の手にゆだねることに同意いたしました。以来今日まで十余年の間、わが国は旧沖繩県に対する領土権を持ちながら、それに対して施政権を行使することはもちろん、部分的にせよ国内法を適用することすらできない状態のまま今日に至っているのであります。
 従って、旧沖繩県住民は、国籍上は日本人でありながら、日本人としての何らの特権も保護も与えられず、アメリカの軍政下の規律と生活に甘ずることを余儀なくされているのであります。
 その結果、旧沖繩県の住民たちは、主権者としてたれもが当然に持つ権利、たとえば自分たちを統治する行政の長をみずから選ぶ権利、公共施設に自分の国の国旗を掲げる自由、労働組合を何ら干渉なしに作る自由など、主権者としての基本的権利や自由を持ち合わせてい実情であります。
 このような状態の中で旧沖繩県住民はこぞって相国復帰を熱望し、当地の立法院また、そのことを再三にわたって決議いたしております。
 われわれは同じ同胞として、このような旧沖繩県住民の期待を一日も早く実現するよう最善の努力を尽くすことが必要であり、また、そのような方向に一歩でも二歩でも近づく具体的な施策を積み重ねていくことが、日本政府ないしは国会に課せられた重大な使命であると痛感するものであります。
 周知のように、旧沖繩県に対するアメリカ合衆国の施政権行使は、それがサンフランシスコ条約に基づくものとはいえ、それには「日本を国連の信託統治にするという合衆国の提案が行なわれるまで」という条件がついており、決して無制限に認めたものではないのであります。しかもこの条件は、過去十余年の間に実行されなかったし、今後も実行される見通しは全くないのであります。
 これらのことから私たちは、旧沖繩県は、将来日本に復帰することが、最も自然であり、望ましい姿であると考えるのであります。しかも、これの可能性は将来において十分予想される事柄であります。
 私たちはこの際、このような事態をあらかじめ予測し、旧沖繩県住民が、みずからの国会議員を選出し得るよう、旧沖繩県の議席について公職選挙法上の暫定措置を講じておくことが必要であると考えるのであります。これがこの法律案を提出する主たる理由であります。
 以下、この法律案の内容について御説明申上げます。
 まず、衆議院議員の選挙につきましては、現在、公職選挙法及び奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の関係規定によりまして、四百六十七人とされております議員定数を、当分の間、臨時に四百七十一人とし、旧沖繩県の地域をもって一つの選挙区として、その選挙区から選挙する議員の定数を四人といたしました。
 次に、参議院議員の選挙につきましては、現在、公職選挙法の関係規定によって二百五十人とされております議員定数を、当分の問、臨時に二百五十二人とし、そのうちの百五十二人を地方選出議員とし、衆議院議員の選挙と同じように、旧沖繩県の地域をもって一つの選挙区として、その選挙区から選挙する地方選出議員の定数を二人といたしました。
 なお、この法律の施行期日は、公職選挙法が、将来、旧沖繩県の地域に適用されることとなってから別に政令で定めることにいたしております。
 以上が旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案の提案理由の趣旨説明でございます。何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は後日に譲ることといたします。
#6
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方議会議員互助年金法案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。衆議院地方行政委員会委員長代理理事丹羽喬四郎君。
#7
○衆議院議員(丹羽喬四郎君) ただいま議題となりました地方議会議員互助年金法案の提案理由並びにその内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、この法律案を立案いたしました理由を述べますと、その目的とするところは、地方公共団体の議会の任務の重要性にかんがみ、これを組織する議員及びその遺族の生活の安定に資するため、互助の精神にのっとり、議員の退職、公務傷病及び死亡について年金を給する制度を設けようとするものであります。
 すなわち、年金給付を行なうため、地方公共団体の議会の議員が互助会を設け、その互助会がこの法律および規約の定めるところに従い年金を給するというのが、この制度の基本的な考え方でありまして、年金の種類、年金の年額、互助会の設置その他若干の付随的な事項を規定しようというのであります。
 次に、本案の内容について御説明いたします。
 その第一は、互助会についてであります。地方議会議員は、都道府県、市(特別区を含む。)町村の区分により、それぞれ全国組織で地方議会議員互助会を設けることができるものといたしております。しかし、これは強制ではなく、任意としておりまして、互助会を設立するには、会員となるべき十人以上の者が発起人となり、規約を定め、自治大臣の認可を受けなければならないものとしております。また、この場合におきましては、都道府県議会議員互助会は千人以上、市議会議員互助会は五千人以上、町村議会議員互助会は一万人以上の会員数になることを設立の要件としております。互助会は、政令で定めるところによりまして登記することによって成立するわけでありますが、この互助会には、役員として会長、副会長、理事及び監事を置くほか、代議員を置き、規約の変更、事業計画書の作成及び規約で定める重要な変更その他互助会の業務に関する重要事項等を代議員会で議決することにいたしております。
 次に第二は、互助会の行なう互助年金の給付についてであります。
 互助会が給する年金は、退職年金、公務傷病年金及び遺族年金でありますが、これら互助年金の給付は、それぞれ国会議員互助年金の普通退職年金、公務傷病年金及び遺族年金に準ずるものとしております。ただし、退職年金給付の最短在職年限は、国会議員の場合は十年でありますが、地方議会議員の場合は十二年としております。
 第三は、掛金についてであります。互助会の会員である地方議会議員は、規約で定めるところにより、掛金を納めるものとし、その額は、その者の標準報酬月額に百分の五を乗じて得た額以上の額とするものとしております。
 その他、互助年金の基礎となるべき在職期間の計算、互助年金の停止、互助年金の改定、時効、非課税等についても規定しております。
 以上のほか、経過措置として、昭和二十二年四月三十日からこの法律の施行の日の前日までの間における地方議会議員としての在職期間は、この制度に基づく給付の対象とするようにしております。また、将来新たに地方公務員の統一的な退職年金制度に関する法律が制定される際には、この制度もこれに統合することといたしております。
 以上が、この法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。
 なお、この法律案は、衆議院におきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党の合意のもとに成案を得まして、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出にかかる法律案として提案し、全会一致をもって衆議院を通過いたしたるものであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#8
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は次回に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(増原恵吉君) 次に、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
#10
○国務大臣(安井謙君) ただいま議題となりました銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 銃砲刀剣類等は、その性質上人を殺傷する機能があり、往々にして犯罪の用に供される危険性がありますので、過去におきましても、危害防止の観点から、銃砲刀剣類等について、事態に即して必要な法的規制が講ぜられて参ったのであります。
 ところが、遺憾ながら、最近において銃砲刀剣類または危険な刃物を用いて暴力犯罪を犯す傾向が高まって参り、社会不安を引き起こしていると見受けられるのであります。政府におきましても、さきに暴力犯罪防止対策要綱を定めて、暴力犯罪の根絶のため、総合的な施策を推進することとしたのでありますが、その施策の一環として、銃砲刀剣類等の所持や携帯に関する現行法の規定を整備いたしますとともに、警察官が取り締まりをする場合の権限等につきましても、現行法の中に明確な規定を設ける必要を認めましたので、この法律案を提出いたした次第であります。
 次に、本案の内容について御説明いたします。
 その第一は、飛び出しナイフについて、これまで所持の禁止をしていなかった刃渡りが五・五センチメートル以下のものにつきましても、比較的危険性の少ない形状のものを除いて、その所持を禁止することといたしたのであります。
 第二は、銃砲または刀剣類の所持許可の申請がありました場合、申請者の同居の親族に、人の生命、財産または公共の安全を害するおそれのある者がいて、その者が、その銃砲または刀剣類を使用して、人の生命、財産または公共の安全を害するおそれがあると認められるときには、許可をしないことができるようにし、また、一たん、許可をした後にこのような事情が生じて参りました場合にも、許可の取り消しができるようにいたしたのであります。
 第三は、従来、業務その他正当な理由のある場合を除いて携帯することを禁止されていましたのは、あいくち類似の刃物となっておりましたが、今回このあいくち類似の刃物にかえて、原則として刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物とし、携帯禁止の対象となる刃物の範囲を広めるとともに、その概念を明確にすることといたしたのであります。
 第四は、警察官は、銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬している疑いのある者が、他人に危害を及ぼすおそれがあると認められるときは、銃砲刀剣類等と疑われる物を提示させ、またはそれが隠されていると疑われる物を開示させて調べることができることとし、また、現に銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬している者が、他人に危害を及ぼすおそれがある場合に、その危害を防止するため必要があるときは、それを提出させて一時保管することができることとし、あわせてその一時保管の手続について規定いたしたのであります。
 以上が、改正法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#11
○委員長(増原恵吉君) 本案の質疑は後日に譲ります。
#12
○委員長(増原恵吉君) 次に、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案及び地方財政法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括議題といたします。
 両案について御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#13
○松永忠二君 後進地域の開発について、基本的な問題はだいぶもう論議をされたようですので、数字の点を少しお聞きしておきたい。
 この法律を作ったために、従来あった各地域の開発によるかさ上げ、そういうものを除外をして、これだけによって増加をする金額というのはどのくらいあるのですか。
#14
○政府委員(奥野誠亮君) 現行法ということになりますと、一つは、今おあげになりました各地域の開発促進法でございます。もう一つ、地方財政再建促進特別措置法に基づくかさ上げもあるわけであります。両者合わせまして、現在の時点で百四、五億程度だと、かように考えておるわけであります。この法律案に基づきまして、三十六年度事業では百七、八十億円のかさ上げになろうかと、かように存じております。
#15
○松永忠二君 そうすると、百七、八十億から百四億を引いた残りが、結局この法律案ができたために増加になった予算額だ。金額でいうと大体六十億くらいのものですか。
#16
○政府委員(奥野誠亮君) 現行法でありますとだんだんなくなっていくわけでございます。地方財政再建促進特別措置法は、再建が進むに従いまして金額がなくなっていくわけでございます。従いまして、現在の時点では百七、八十億から百四、五億のものを引いた差額がふえるわけでございますけれども、将来におきましては、もっとふえる、こういうことになるわけであります。
#17
○松永忠二君 これは大臣にお聞きをするのですが、今ある後進地域の法律を一本化する、そういうようなことで整理をする、こういうような意味も一つあってこういう法律ができているわけですが、この法律ができたために、今かさ上げになる予算というものは、大体五十億か六十億だと、こういうことになるわけですが、それでは何か考えられているようなことが十分目的が達せられないのじゃないか、従来ばらばらにやっておったものを統一するということならば非常にあれなんですが、これを一本化して、特にここに提案をされているような目的を達成しようということになれば、もう少しやはり率とか、そういうようなものについて考えていかなければいけないのじゃないかという感じを持つのですが、こういうことはどうなのですか。
#18
○国務大臣(安井謙君) 今度の法案でまとめたにすぎないのやじないか、ふえている額が差し引きずれば少ないのじゃないかというお考えもあるかと思いますが、御承知のように、今日開発法を適用しております団体につきましても、再建団体が非常に多いわけでありまして、将来再建団体でなくなってくれば、それは自然に補助率の適用はなくなってくるわけであります。そういうものを考えていきますと、現在の百億前後のかさ上げ額というものが将来はうんと減ってくるということからいいますと、逆にそういった金額は将来まで保証されるということになりますので、今を最高にして、むしろ今後減るものを十分保証していくという考えも入っている。同時にまた、今まで適用されていなかった地域に対する適用も、今のように総合的にやっていくということになろうかと思います。
#19
○松永忠二君 その点は考え方の違いだと思うのですけれども、相当期待をしていた法律なんであって、これが自治省にできるということで、こういう特に内容を公共事業ということではなくて、もう少し広い範囲のものだというふうなことの考え方も初めはあった。あるいは率についても相当高いものであるし、今まで話のあった事業量等も含められたものであるというような期待も相当待っておられたわけです。今度出した法律の中では相当大事な法律だと思うわけですがね。それだけに今数字的には将来それは減るものがあるのだということだけれども、そういうお話だと、たとえば再建団体、再建法に基づくかさ上げというものは、一体この中の幾らくらいあるのですか。百七十億という今お話のあった中で、再建団体に対するかさ上げですね、それは一体金額にするとどのくらいあるのですか。
#20
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほど申し上げました現在の百四、五億円と申し上げましたのは、再建団体、再建法に基づくものと開発促進法に基づくものと、両方含めてございますけれども、開発促進法でありましても、赤字団体である間だけかさ上げを認めているのでございます。宮崎県と大分県の例外を除きましては、財政再建団体である問だけのことでございまして、従いまして、数年ならずして、現行法をそのままにしておきますと、まずゼロになってしまうわけでございます。そういう意味におきましては、今回の立法は非常に重要な意義を持っている、かように考えております。
 なお、百七、八十億円のうちの赤字団体で三十六年度事業分については、百四十億円程度のようでございます。
#21
○松永忠二君 そうすると、今のお話の百四十億というのは、これを全部入れて百七十億のお話なんです。従来の再建を含めた数字が百四億だというのは、数字がちょっと違いはしませんか。
#22
○政府委員(奥野誠亮君) 再建法に基づきますものと本法に基づきますものとのかさ上げ率が違うわけであります。本法によりますと二割五分までかさ上げを持っているわけであります。現行法でありますと最高二割でございまして、しかも、事業分量によりまして、ふえて参りますとかさ上げ率が減ってくるわけであります。最高が二割でありまして、事業分量に応じてかさ上げ率が一〇%くらいしかないところもございますし、一一%くらいのものもございます。今回の法案に基づくものは、全部財政指数を基礎にいたしましてかさ上げ率をきめていくものでございまして、必ずしもかさ上げ率に合わないものでございます。私が申し上げます百四、五億と申しますのは、三十五年度における従来の制度によるかさ上げ率でございます。
#23
○松永忠二君 だから私の聞いたのは、率を聞いているのじゃなくて、百四億が再建法とそのほかの後進地域の開発促進によるかさ上げの金額だと、こうおっしゃったのですね、それが今度の法律ができたために、百四億は百七十億になっていると、こう言うのだから、それじゃ百四億の中に再建法に基づく一体かさ上げというのは幾らあるのか、こういうことを聞いているのです。
#24
○政府委員(奥野誠亮君) 三十五年度の制度に基づきます三十五年度のかさ上げ額が百四、五億でございますが、三十六年度になりますと再建が完了して参りますので、その団体の分はずっと減って参ります。たしか八十億前後に下がってくると思います。それに対しまして三十六年度事業で、新法では百七、八十億円になります、こう申し上げているわけでございます。三十五年度はかさ上げの適用を受けた団体も、三十六年度ではかさ上げの適用を受けなくなる団体が相当出て参るわけでございます。
#25
○松永忠二君 まあ将来再建団体の適用が除外をされればかさ上げの適用がなくなるような団体も出てくるのですから、相当これでも額は考慮されたのだという説明をされているわけですね。しかし、後進地域の開発の法律について、再建団体にのみそういうことを考えるということじゃなくて、地域開発のことから考えてみて、もう少し総体的な考え方をしいていくべきだということで法律ができていると思うのですよ。だから、今まで再建団体についてかさ上げしているのだから、それでこれだけ多くなったから非常に多いという理屈は、私たちはそう簡単に受け取れぬと思うのですよ、われわれの考えでいくと。だから、われわれから言うと、再建法に基づく適用とか、あるいは後進地域の開発促進で相当今までやってくるものが、これが適用されることによって格段のかさ上げがあると、相当な開きが出てくるということも期待をしているわけです。しかし、あなたの説明では、将来は片方は減るのだから、それを恒久的にしたのだから非常に抜本的だ、そういうお話であったわけですね。まあわれわれからいえば、特に後進地域の開発について各単独法律をこしらえて、しかも、全般的に後進地域の開発について仕事をやっていこうとしているのだから、もっと充実したものが提案されることを期待をしているということなんです。
 そこでもう一つの点は、こういう法律は適用団体は府県なんですね。裕福な都道府県の中にも実は非常に貧弱な市町村があるわけなんですね。そういう点について、一体適用団体については都道府県でやむを得ないというふうに考えておられるのか。あるいは、そういう富裕県の中の市町村については、一体どういうふうなやり方をするのが適当なのかということについては、どういうお考えを持っておられるのですか。それを少しお聞きをしたいわけです。
#26
○国務大臣(安井謙君) 今、今度の特例法が都道府県――都は入りませんが、府県単位であるということは御指摘の通りでございまして、これはまあいわゆる地域格差をなくしていく方法はいろいろな方法をとらなければいかぬと思います。基本的に府県を中心にして一つのかさ上げ方式をとっていくというのも、有力な手段の一つであります。また、今御指摘のような市町村というようなものを対象にしまして、まあ工業の分散計画、あるいは基幹都市といったような考え方でそれを総合的に、また今度は地域的に開発していく方法も別個にそれぞれ考えておるつもりでありまして、このかさ上げのやつに三千数百団体に上る市町村を全部含めてというふうには、いろいろな事情から考えておらぬわけであります。
#27
○松永忠二君 何か特にこれを除外をされた府県については、まあ富裕の団体だからこういうふうな適用は必要ないというような考え方をされているわけです。その富裕の中に実は相当貧弱な市町村が出てきているわけですね。市町村については、あなたがおっしゃるように、工業開発のような促進の法律等によってやっていくというお話だけれども、そのこと自体の中には、別に補助率についてどう考えていくとか、そういうことは全然ないわけなんですね。むしろ工業を誘致できるような条件を、むしろ条例を作って減免をしたものについて、国がただ交付税の中で見てくれるという程度のことであって、それでまた同時に、それの法律に出ている、いわゆる産業の基盤強化としての道路とか、橋梁とか、あるいは教育とかいうものについても、特にそれに補助がどうこうなるという性質のものでは、あの法律はない。そうなってくると、これのように、公共事業というものについて補助率が増加されるということとは全然内容が違ってきている。こういうことについては、今大臣が説明されたようなことでは、ちょっとそっちの方はこっちの方でやればいいじゃないかというお話だけれども、別にそういった低開発地域の工業開発促進法でもないのだから、そうなってくると、除外をされている府県の貧弱市町村からいうと、何かもう少し積極的に、そういう市町村について何らかの措置をしてほしいという気持は強いと思うのですがね。こういう点について、積極的にこういう方法を考えているので、こういう方法でこうなるのだという具体的な説明を私たち聞きたいと思う。今の説明ではちょっと私たち、これじゃあできないと思うのですがね。
#28
○国務大臣(安井謙君) お話の通りに、特例法を適用する以外の府県につきましては、今、具体的にどれだけの補助率を上げる、あるいはかさ上げをするというような制度は、今直接には考えていないわけであります。大体、今度の適用にいたしましても、いろいろ考えがありますし、なるべく多い方がいいことはもう事実なんでありますが、われわれといたしましては、財政の関係もありますし、全体を勘案いたしまして、過去の財政力指数が平均値以下のものに今度の法令を適用しよう、そうしますと、いろいろな市町村の公共事業、あるいは立地条件の改正というようなものは、対象自体は市町村であっても、やはり府県自身がこれを実施するということになりますし、また、平均値以上のものにつきましては、今のところ、府県の力、あるいは従来のこの公共事業の補助でもって、その府県内にある貧弱市町村についてはいろいろ操作をやってもらいたいということで、直接には、今御指摘のような対象にした特別の具体的措置をとるようにはしていない。これは財政上の関係やその他もありまして、すべてができれば一番理想的かもしれませんが、まだ今の段階ではそこまで手が及びかねる、こういうことでございます。
#29
○松永忠二君 その手は及びかねているというか、そういう点について、市町村のそういう財政的な面については、こういう方法で措置をしていけばいいんだという、手は及ばぬということじゃなくて、別の面の財政的な調整法があるのであって、その方からこういうふうな措置をしていくから、この方はやる必要はないといって、これは必要なんだ、そういう御説明はないのですか。
#30
○国務大臣(安井謙君) この貧弱市町村といいますか、実は御承知の通り、地方交付税というやつが、結局収人と支出のギャップを埋めておるわけでありまして、いわゆる一般の財政の状況からいうなら、これは大体市町村は平均しておる、財政的に見れば。それはその規模自体に違いはありますが、そういう意味で見ておりますので、この平均値から以上の富裕県といいますか、府県の分については、まあその方の力でもって一般的な公共事業のいろいろな対策というやつもやっていただきたい。で、今さしあたって、平均値以下の府県を対象にしてかさ上げを適用しよう、こういう考えでございまして、大体府県、市町村といえども、一定のレベルまでは交付税でもって補給してやるのだから、そこから先は、特に必要な面については、まあ一定レベル以上の府県自体が一つそういうものについては考えてもらいたいということで今は立てておるわけであります。
#31
○松永忠二君 交付税のようなものでそういう点は配慮しておるということは、だれでもそういうように考えるわけなんですが、ただ、都道府県はなかなか市町村の財政ということに対して改善には必ずしもそう熱意がないわけであります。府県は自分自身のところがなかなか仕事もあるし、財政的にもあれなので、自治省自身は都道府県を対象にして、いろいろものを考えておられる、主として。その市町村まではなかなかめんどうが見切れぬというのが実情のようにわれわれも考えるのですが、こういう点については、何か市町村側の方から強い要望はないのですか。そういうことについて、具体的にこういうことをやられることについて、市町村側の方からもこういうふうな措置をしてほしいという、そういような要望が訴えられたことはないのですか。
#32
○国務大臣(安井謙君) その点につきましては、たとえば、この基幹都市的な考え方であるとか、あるいは広域都市といったような趣旨から、市町村自体でも、今後将来、法律制定される場合には、めんどうを見てほしい、めんどうを見てほしいというか、指定をしてほしいというような要望は相当出ております。しかし、この法案に関係した部分につきましては、主として補助を要する公共事業の分でありますので、大部分が対象が府県にならざるを得ないというようなこともあり、そうしてまた、先ほど申し上げましたように、一般財政だけの問題につきましては、交付税でこの穴は埋めておるので、格別、財政上の赤字を生ずる市町村というものを特に置きざりにしておるということではないのであるから、従って、補助の特例の適用を受けない府県については、その府県自体の力で、もし必要な場合のいろいろな立地条件、市町村につきましても、立地条件の改正とか、公共事業の投資というものは、その府県の方針なりその範囲内で現在のところやってもらいたい、こういう考え方でございます。
#33
○松永忠二君 そういう今の大臣の趣旨というものは、これで除外されておるようなことですね、いわゆる大体標準以上とか今考えておるようなそういう府県については、特に条例とか、いろいろなものを考えて今度は県独自でできるそういう操作というものについて十分配慮していけという、そういう指導の方針というものは各府県に及ん
 でおるのですか。
#34
○国務大臣(安井謙君) これはやはり府県の仕事そのものが市町村の実態を見てそれぞれの投資の割合なりというものもきめていくのが基本的な任務でありますから、従って、これは当然そういうふうに措置されることを期待もし、また、いろいろな交付税の配分その他につきましても、そういう指導をいたしておるわけであります。
#35
○松永忠二君 どこまでを除外するかということについて、適用府県についても問題があると思うのですが、また、こういう方法で実際にやってみてこれに除外されておる府県について考えてみると、また、その中に非常なアンバランスがある。市町村の中でずいぶん貧弱なものもある。実際仕事を進める場合に、なかなか容易でないという状況もある。だから、そういう点については、やはり何か基幹都市というようなことでその指定をされて、そういう面からこれが是正されていくという段階が明確になってくれば、一応そういう方行で行けるというような気持もするわけなんだけれども、そういう点はまだ明確になっておるわけでもないので、こういうような点については、特にやはり市町村の財政の問題、それから、それといろいろな事業の推進というような問題については、なおこれだけでいいという性質のものじゃないように思うので、こういう点については、やはり各方面に網をかけるような法律を推進してもらいたいという、そういう気持を強く持っておるわけであります。
#36
○国務大臣(安井謙君) 今の御指摘はごもっともでございまして、さらにこの特例法以外に、今言われますように総合的な全体の地方−市町村の開発促進というようなものについても総合的な法律も準備中でございます。なぜ早く出さぬかと、こういうことでございましょうが、何分、各省に関係もございまして、いろいろとその調節に手間をとっておる段階でありますが、なるべく近く、今御趣旨のような法案等についても提案をすべく進めておる次第でございます。
#37
○加瀬完君 松永委員の御指摘の点は、後進地域の開発に関する特例によって、今までも地方財政のアンバランスの一つの点であった未開発地域あるいは低開発地域の財政力の負担過重というものに対する解決はつく、これは認めているんですよ。しかし、地方財政という広い面から見ると、貧弱町村もたくさんある。交付税でまかなうというけれども、交付税でまかなってもらっても、まかなわれておらない、現実には。公共事業自身も行ない得ないようなまだたくさんの町村があるんじゃないか。これを解決をしてもらわなくては、点が解決になっても面の方は解決にならないのじゃないか、こういう御質問と私は伺っておったわけです。私も、そういうことが言われるのじゃないか。確かにこれは点は解決した。しかし、面は解決されておらないのじゃないか。しかも、財源は交付税だ、それならばその交付税はもっと面の解決に先に使われるべきものであって、点の解決に先に回されて大きな面が残るというのはおかしいのじゃないか。この前もこういう疑問を持っておりましたが、局長がおりませんでしたから質問は中途でやめたのですけれども、この点、局長、どうですか。
#38
○政府委員(奥野誠亮君) 今回府県を対象にいたしまして公共事業についてのかさ上げ制度を行なうことにいたしておりますのは、どちらかといいますと、産業立地条件を整備すべきところについて、その整備を容易ならしめようと、こういう趣旨でございますので、やはり府県が対象になるのだろうと、こう思うのでございます。また市町村ということになって参りますと、それぞれの市町村をどのような市町村に発展さしていくかということにつきましては、やはり地域の状況等を考えながら計画を立てていかなければならないと思うのでございます。こういうような一般的な制度では不穏当ではないか、かように考えておるわけでございます。どうしましても特定の地域ごとに開発計画を立てまして、その地域内におきまして、また、どういう地域における港湾を整備するか、あるいはどういう地方に道路を整備していくかというようなことにして参りませんとむだが多くなってくるんじゃないかと、こういうふうな考え方も持つわけでございます。ただ港湾とか道路とか河川とかいうことになって参りますと、おもに府県の仕事になって参りますので、府県の公共事業の吸収を円滑ならしめることでよろしいのじゃないか、かように考えておるわけであります。従いまして、残された問題としては、大臣もお話しになっておりますように、地方開発基幹都市の建設でありますとか、それぞれの特定の都市を取り上げまして、どういうような持っていき方をするかという具体の計画があってそれぞれについての援助の方策を立てなければならぬのじゃないか、かように考えておるわけでございます。やはりあくまでも市町村ごとにどう持っていくかという具体の案を立てましてから後に、その案を実行容易ならしめる制度を作ることではなかろうか、こういう考え方でおるわけでございます。
#39
○加瀬完君 私の伺いたいのは、財源は交付税なんですよね。交付税が低開発地域の財源補足にまず使われるということが一体妥当なのかなぜならば、交付税にたよらなければやっていけないところのたくさんの市町村がある。これはいまだ未解決だ。今までの方法であれば、市町村に流れてくる交付税が一部カットされるような形になる、極端な言葉で言えば。だから、低開発地域の財政を補足することは必要でありますけれども、これは特別の財源を持つべきじゃないか。交付税でやるというならば、交付税率そのものを引き上げて、交付税をふくらまして、ふくらました分を使うのならわかるけれども、そうでなければ、当然今までからすればもらい得た交付税というものがもらえないことになるのじゃないか、こういう疑問を持つわけであります。なぜかといいますと、自治省でお出しになりました数字に少し当たってみますと、町村合併を非常に推進したわけです。それで今、人口五千から八千、八千から一万五千、一万五千から二万五千、こういう単位の町村をとってみますと、人口一人当たりの額がどうなっているかというものを見ますと、歳入合計は、人口で五千から八千の町村が六千八百八十七円、三十四年度です。それから八千から一万五千の町村が五千四百九十七円、一万五千から二万五千の町村が四千六百七十六円、一人当たりの税収というものが必ずしも町村合併で規模の大きくなったところがふくらんでいるということにはならない。もちろんこれはこの第二次産業、第三次産業が三〇%以下の町村を拾ってみました。しかも、大臣がさっき御説明になっておりますようにに、交付税でまかなうといいますけれども、さらに交付税とか、都道府県でいろいろ指導すればいいということでありますけれども、一つの例として、国庫支出金や、都道府県の支出金を見ると、五千から八千の町村は、国庫の支出金が七百三十三円、都道府県支出金が七百六円、一人、平均ですね。それが一万五千から二万五千の町村になると、国庫支出金は三百五十九円、都道府県支出金は二百十四円。少なくなる。ですから国庫支出金なり、都道府県の支出金というものは、歳入合計の高い小さい町村には割合いいけれども、標準町村といったような場合には、必ずしも高くならない。ここでは結局貧弱町村が六千八十七円の一人当たりの歳入合計を持つのに対して、標準町村が四千六百七十六円しか持たないということになるのです。これをさらに今後、現在の行政実態から見ますと、さっき言った五千から八千の町村の危険校舎の比率は一二・七ですが、人口一万五千から二万五千になりますと一三・五、危険校舎の比率は大きい町村の方が高い。屋内体操場は、小さい町村が〇・三二坪中学の場合。でありますのに、大きな町村は〇・一一坪、それから道路の改良率は小さい町村が一三・四では大きな町村も同じく一三・四。ところが、これが四万の市になりますと一一・九%と道路改良率が非常に低い。ですから、この仕事は割合に人口の多い町村の方が多いということが想定できるのじゃないですか。しかし、財源は、する仕事の多い割に公共事業財源というものはそれだけ配当されておらない。確かにことしは交付税の単位費用というものを変えました。変えましたからこれが若干の変化はありますけれども、問題の、たとえば一番の大きなもとである市町村税、あるいは地方交付税、国庫支出金なり、都道府県の支出金なり、こういうものを合わせた額が一万五千から二万五千の町村の方がはるかに低いわけであります。仕事が多くて財源が少ないということでは、十分にこれは新市町村の建設は推進できないわけであります。こういう問題は低開発地域に対する財政のアンバランスを埋めることと同じように取り上げられなければならない問題であると思いますけれども、この問題はどう取り上げられておるかという点に私たちは疑問を持つのです。交付税の単位費用は変わりましたけれども、今私が指摘したような問題は、簡単に解決できるようになっておるかどうか、この点はどうでしょう。
#40
○国務大臣(安井謙君) 具体的な問題につきましては、財政局長からまた答弁があろうかと思いますが、ただ、私は今のでちょっとお聞きしたいのだが、人口で割って平均値を出してみられるという方法、そうすると、それ以上の五万なり十万という都市は一体どうなるか、あるいは百万以上の都市では人口別にすると、やはりもっと落ちていくのじゃないかという問題で、今の八千なり二万程度の個人当たりの費用でもってこれを比較されるのは非帯に、これは試算の一つの方法として十分今後も検討してみたいと思いますが、それだけで今答弁を求められるのも無理じゃなかろうかという気がします。
#41
○加瀬完君 これはおたくの方でお出しになった表なのですよ。ですから全体を正確につかむということはできないかもしれないけれども、一応の傾向をつかむことはできると思う。それで今大臣もおっしゃったように、人口が多いところはどうなるかと。人口が非常に多いところになれば、また、そこに歳入合計も上がれば、住民税も上がってくるということになっておる。一番へこんでおるところが人口八千から二万五千のいわゆる地方における町村合併によって拡大された新市町村という点に問題があるのじゃないかと私は指摘したいのです。局長、どうでしょう。
#42
○政府委員(奥野誠亮君) 人口段階で考えて参りますと、人口の少ないところでも一応団体としてまとまった仕事をやっていきますためには、一人あたりにしますと金がかかるようでありあります。学校の規模にいたしましても、生徒数の少ない団体では一人当たりの校舎の坪数がよけい要るというようなことになっているようでございます。しかし、少ない財源では十分な仕事ができませんので、やはり大きな団体にしていくべきである。大きな団体にしていきますと、職員の数も多くなれば専門の職員も置いて能率的な仕事もできるのじゃないか、こういうような考え方を持っておるわけでございます。ただ、一人当たりの数字で議論をいたしますと、どうしても小さい団体の方がよけい金がかかりまして、しかも、効率が十分でない、こういう結果になっているようでございます。しかしいずれにいたしましても、弱小町村全体につきましてまだまだ十分でない面がたくさんございますので、そういう点につきましては、財源の充実、その他行政の指導の面についても万全を期していかなければならないように私たちは考えております。
#43
○加瀬完君 人口五千から八千の小さい団体は財源も割合によければ仕事もしておるということなんですよ、一人当たりの平均値を出すと。自治省で奨励をした合併町村の一万五千から二万五千という町村が、一番大きい規模の団体が、収入も少なければ仕事も完全に遂行していない、こういう数字が現われておりますから、奨励をした市町村というものに対してはもう少し仕事ができるように財政措置をしてやることの方が先決ではないか、それが怠られておる、まあこういうことですが、低開発地域だけの問題を解決しても、それでは交付税の使途というものからすれば、私どもは疑点を持たざるを得ない、こう思うのです。
 もう一つ例を申し上げます。これはある県の三十四年度の決算額、それから基準財政需要額に関する調査でありますが、歳入決算総額から特定財源の収入額を引いて、結局、一般財源による支出額と昭和三十四年度の基準財政需要額とを比べて基準財政需要額をどれだけ保証しているのかという保証率を教育費だけで調べてみました。そうするとこれは不交付団体を除きまして交付団体だけで調べてみますというと、中学校では保証率が五七・三九%それから町になりますと、中学校が四四・八四%、非常に保証率が低い。ですから単位費用を上げたところでまだまだ保証率というものはある程度高まったにとどまって、この決算額と比べると、地方の持ち出し分というものがはるかに大きくなるというものを完全に埋めることになっておらない。交付税がふえたならば、交付税はまずこういう方向に流すことの方が先決じゃないか、その問題が解決されておらないじゃないか、こういう疑念を持つわけです。何も低開発地域に対するこの財源保証というものは反対するわけではない。それはそれでけっこうですけれども、何か大きなものを忘れておらないかという点を指摘したい。
#44
○政府委員(奥野誠亮君) 人口五千ないし八千の団体の方が合併をした町村よりもかえって財政状態がいいのじゃないかという点は、私も一般的には、そういう傾向があろうかと思います。自治省としては、どちらかといいますと、八千以下の町村には合併していただきたいのであります。ところが、合併を拒否している、拒否しているものは、こじんまりやっている、むしろ一般的な富裕な団体のものですから他との合併を拒んでいるというのが多くの実態でございます。しかし、人口一人当たりの財源が多くても行政能率が上がらないという、こういうものの考え方をしているわけです。土木の職員でありましても、道路の設計その他の面でいろいろ職員を置くということになると、ある程度の人数を持たないと、そのよい技術者を得ることができませんので、そういう方向の努力をしているわけです。それはそれにいたしましても、合併した町村の財政状況が悪いというのは、自治省といたしましても、なお一段の努力を払わなければならないということは言うまでもないのであります。従いまして、今年度は特に民度の低い町村、言いかえれば開発度の低い町村ということになりましょうか、そういう団体は基準財政需要額を傾斜的に増額する措置をとっているわけでございまして、こういう方向をなお今後も続けていきたい、そうして合併後の町村の財政がさらによくなって参るように努力していくつもりであります。
 次に、教育費を例にとられまして地方交付税での保証率の話がありましたが、県が教育費について五七・二九%の保証率にとどまっておるという、これについては、私納得しかねているわけでありますけれども……。
#45
○加瀬完君 市です。
#46
○政府委員(奥野誠亮君) 市ですか。いずれも市町村の中学校ということになって参りますと、御承知のように、人件費は府県も持っておりますけれども、どうしても校舎の建設費でありますとか、設備の整備費でありますとか、そういうようなものが中心になって参りますので、かなり波があるのではないか、こう思うわけであります。都市によって非常に違ってくるのじゃないか、こういう感じを持っているわけです。町村の四四・八四%というのはいかにも少な過ぎるという感じを持つのでありまして、おそらく校舎の増改築の問題がなければ、基準財政需要額の方がオーバーするだろう、こう考えております。これは償却費が基準財政需要額には入っておりますので、そういう結果になろうと思います。将来こういう程度でよろしいというわけではございませんが、今申し上げましたような校舎の増改築費はどういう姿になっているだろうかということがわかりませんと、ちょっと基準財政需要額の保証率という格好には参らぬのじゃないかと思います。もし投資的経費、消費的な経費というような区分でこういうデータが出ますと、私たちそれをすぐ判断の材料にできるわけでございますが、今申し上げましたような点もございますので、将来とも教育費の充実には努力していきたいと思いますけれども、その点も御了承を願いたいと思います。
#47
○国務大臣(安井謙君) 非常に貴重な御試算だろうと思いますが、これちょっと空で、今、傾向としては御答弁できると思うのですが、もしなんでしたら、そのデータ、質問の形式でいただきまして、私どもの方で研究をさせて、また書類で必要なら御答弁もする、というような方法も都合ではとってみた方がいいのではないか、なかなか室では正確に答弁できないと思います。
#48
○加瀬完君 数字が合っているか合っていないか、正確か正確でないかという御答弁を私いただこうと思っていない。ただし、一般的な傾向として、地方の歳出額と基準財政需要額というものを比べると、まだまだその保証率は低いものだということは、これはお認めいただけると思うのです。交付税をいろいろ単位費用を変えたところで、今年の単位費用の改定だけで、これらの問題解決できるということになっていないのじゃないか。だから、まだ市町村では国の財政に依存しなければならないという面があるのだ、これを解決しなければならないという点を大臣に認めていただければいいのです。今後の問題としてこれはいかがですか。
#49
○国務大臣(安井謙君) お話のような点もあろうかと思います。十分一つ検討いたしまして、今後もできるだけ善処いたします。
#50
○加瀬完君 それから低開発地域の公共事業というのは、どちらかというと、その地域の住民本位のものというよりは国の計画に基づくものの方が多い。国の計画に基づく公共事業には財源の補てんをする、しかし、住民が直接要求する公共事業に対しましては、十二分な財源が与えられておらない。与えようとしていらっしゃることはわかりますけれども、十分でない。この点お認めになりますか。
#51
○国務大臣(安井謙君) 十分であるかないかという問題になってきますと、これはやはり水かけ論も出てこようと思います。また全体の市町村財政が、今のように、いろいろな御指摘の面で必ずしもわれわれも十分であるとは思っておりません。ただ、交付税自体が、当初計画にすれば九百億からふえておることでございますから、そういうことについては、今までも御説明申し上げましたような、できるだけ重点配置というものを今でも心がけてやっておるつもりであります。しかし、そういった点にまだまだ配慮の足りない部分があるとすれば、今後検討いたしまして十分また善処したいと思っております。
#52
○加瀬完君 交付税と地方財政のアンバランスを見て、このアンバランスを埋めるために重点配置をされるということは私困ると思う。交付税の性格はそういうものじゃない。私たちの心配していることは、低開発地域に対する財政補てんをするということはけっこうなことですけれども、それが交付税のみでもって行なわれておって、今まで国で支出しておったものがだんだん落とされてくる、こういう傾向になってくると、交付税の率そのものが上がるか、総額そのものが非常に伸びるということでないと、交付税にたよっておった諸団体が非常に困るのじゃないか。大蔵省は得たりかしこしと、交付税によってすべてのアンバランスを埋めるという方式を今まで主張しておった、今度のことを一つのよりどころにして。繰り返すようで恐縮ですが、そういう方式をとられてくると、今までの自治省の主張と違うし、地方団体も財源のよりどころを失って困ってくる、その点を心配しておる。
#53
○国務大臣(安井謙君) それはお説の通りでありまして、国がやるべき仕事を、交付税がふえたのだからみんなかぶれ、この思想には従来も自治省はがんとして反対をしてきておるわけであります。従いまして、今度の特例法のように、交付税のワク外でもって財源を捻出するというような別途の法律も出していっておるようなわけであります。しかし、一方で交付税自体が相当額予定よりもふえておることも事実でございます。そういう場合には今のようなある程度の重点配置ということも考えられてくる場合もあるのじゃないかと思います。
#54
○加瀬完君 予定よりもふえてはおりますけれども、地方団体からすれば、予定の財源を交付税によってはまだまかなっていただいておらない、こういう見方も成り立つと思う。交付税がふえたら、ふえた分がそのまま各地方団体に来るならいいのですけれども、そのふえた分は、お前はこれだけしか見込んでおらないから、だから、ふえた分は見込まないはずだからといってほかの方へ流して参りますと、行政水準を引き上げようとする地方団体の意欲というものは、財源がありませんからいつも低迷していなければならない。先ほど道路の改良率と言いましたけれども、一〇%前後のところを動かない、こういうことではどうにもなりませんので、仕事をしたい、住民に直結するところの公共事業をしたい。しかし、財源がない。財源をたよるとすれば、地方で急に財源がふくらむような希望が持てませんので、交付税にたよらざるを得ない。だから交付税はそのふえた分を地方団体に流してもらわなければ困る、こういう希望は当然強いと思う。だから、これを途中でカットしていくような方法はとっていただいちや困る。そうであるならば、交付税そのものを引き上げるような方法を考えてもらわなければ困る。そういう場合は交付税を引き上げるべきだという、これは交付税法の精神からいってもそうでなければならないわけです。交付税率を引き上げないで、ふえたものをふえた分だけよそへ流されちゃ困る。これはそうでないと思っておりますが、いいでしょうね。
#55
○国務大臣(安井謙君) 基本的にはその通りと考えております。
#56
○加瀬完君 こまかい点もう一点で終わります。さっき松永委員が指摘されたのですけれども、地財法を適用されておる団体がございますね、再建団体が。その地財法の適用団体は、三十六年、三十七年、三十八年以降になれば、地財法の適用団体も非常に少なくなりましょうけれども、後進地域の開発に関する公共事業にかかる国の負担割合の特例というものが適用されますと、再建法の有利な点というものは逐次なくなってくるわけですね。そうすると局長が説明されたように、三十八年、三十九年以降のことは、ゼロになったものがこれだけ加わるんだからよくわかります。しかし、三十六年、三十七年、三十八年という間においては、再建団体は今までと大して変わりはないんじゃないか、低開発地域の引き上げをしたところで、一方地財法の適用をだんだんセーブされてくる、そうすると団体そのものにとってはまるまる何%ふえたという形にはならない。なぜ再建団体は再建団体の適用をそのまま残しておいて、それにこう乗せていくという方法をとれないのか、この点はどうなんです。
#57
○政府委員(奥野誠亮君) 地方財政再建促進特別措置法に基づきまして、赤字団体に対して公共事業のかさ上げを行なっておるということは、即財政再建を促進するための措置であったと思うのであります。今日におきまして、当時再建計画を立てた団体と立てなかった団体との間においてどれだけの差がってあるかということになりますと、私たちは、もうないと、こう答えたいのであります。そうなりますと、かつて再建計画を立てた団体だからということで、いつまでも公共事業費のかさ上げ負担を国がやっていくということは、不均衡がはなはだしいという姿になっておると、こう言わざるを得ないのであります。一挙にやめるということになりますと、激変の問題も起こりますので、そこで、若干の経過措置を講じながら廃止するということにしたわけでございます。今日になりますと、財政の再建を促進するという意味の国の援助よりも、やはり地域の開発を促進するという意味の国の援助これが重要な問題になってきておるのではなかろうか、かように考えまして、今回のような立法をいたしたわけでございます。
#58
○加瀬完君 それはよくわかるのですよ。しかし団体側からすれば、地財法を適用して、再建団体としての恩典といいますか、補助を受けておった。受けながらも公共事業は進められなかった。その恩典が幾分か切られて、今度の特別法が出たからといって、公共事業が一挙に進むというわけにはいかぬのじゃないか。再建団体の利益を受けて、その上にかさ上げをして、低開発地域の公共事業にかかる今度の特例が乗っかってくるならば、今までできなかったけれども、今度は相当低開発地域であれ、しかも、再建団体であっても、公共事業は進められるということになりますけれども、もらう、補助されるトータルというものは幾らも違わないわけでしょう。一方がやめられて、一方が幾らかふくらんでくるというだけのことです。それでやれなかった公共事業が一挙に推進できるということにはならぬでしょう。
#59
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほども申しましたように、現在の地方財政再建促進特別措置法に基づきます国庫負担のかさ上げ制度は情勢に合わなくなってきておる、こう私は判断しておるわけです。従って、これはやめたい、廃止したいと、こう考えておるのでありまして、それに対して加瀬さんは、期間のある間は残していいじゃないか、こうおっしゃっておる。残しておくことが地方団体間の不均衡を助長しておることになるのだと私たちは判断するのですが、そこの判断に若干の違いがあるんではないか。かりに加瀬さんのおっしゃる通りだといたしましても、それは一体、具体的にどの団体かということになって参りますと、若干減る団体もあるわけでございますけれども、僅少の額にとどまっておるわけでございますし、しかも、その期間もごくわずかの年数だけのことでありますので、それなら不公平を助長しておる制度をこの際やめるべきだ、しかし、おっしゃっておるようなお気持もあるわけでございますので、激変緩和の措置だけは規定として残しておこう、こういう態度をいたしておるわけでございます。
#60
○加瀬完君 実際的に公共事業は進みませんよ。やっぱりそれは今の結果から見れば、再建団体でも他の団体とあまり変わらない姿を呈してはおりますけれども、こういう形を整えるまでには、何年間のたくさんの犠牲の上に立っている。いろいろな点をチェックしてきて、体裁だけ整えたという点がある。そこで、再建団体でないとすれば、いろいろの住民の欲求を押えていた点もやらなければならない問題も起こるわけです。ですから、その見通しを立てて、六年なり八年なり計画したものを、お前の方は一年やめろ、三十六年からはこういう比率によって再建団体による補助は切っていくんだと、こういうことになれば、初めの計画というものは狂ってくる。公共事業を進めようと思えば、今度は今までの再建団体のために押えておった、当然自治体としてやらなければならない問題を押えなければならないその要求を聞くということになれば、公共事業は財源がなくなってくる、こういうことになろうと思う。何年のことでもなければ、これは既得権ですから、相当の犠牲を払って地財法の適用を受けた地財法の利益というものは利益として残しておくのは当然じゃないか、こう思うのです。
#61
○政府委員(奥野誠亮君) 財政再建措置をとった経過から見ますと、ある程度増収が生じて参りました場合には繰り上げ償還をして、債券をなるべくすみやかに解消するという、これは私は筋道だと思うのであります。たとえば千葉県は、三十七年度まで財政再建団体となっておりますが、一年、二年おくれることは、決して無理な団体ではなくなってしまっておるわけでございます。そういうことをあわせ考えますと、具体の団体につきまして、財政再建促進特別措置法のかさ上げ制度の措置をした方が有利じゃないかということはあまりないのじゃないか、そのことが特にその団体の財政を非常に混乱させるということは間違いなのじゃないか、こういう感じも持っておるわけであります。具体の団体について御意見を伺いませんとわかりかねるわけでございますけれども、地方財政の現在の姿から参りますと、むしろ府県については繰り上げ償還をしていただきまして、そしてもとより必要なものについては地方債を認めてもよろしいと思うわけでございますけれども、再建計画のワクから離れて、独立して、責任を持って自治運営をしてもらった方が好ましいというふうな姿に今日においてはなってきておるのだ、こういうふうな判断に立っておるわけであります。
#62
○加瀬完君 金融業者みたいなものの考え方だとは思う。まあ具体的になってくると千葉県が例に出ましたが、確かに財政的の表面はよくなりましたよ。しかし、千葉の道路を見てごらんなさい。雨が降れば全然自動車も通れない県道が相当ありますよ。結局、そういう、当然県がやらなければならないような公共事業がカットされて、財政再建という方向に振り向けられておるわけですよ。それはどこの再建団体だって相当の住民の要求というものを押えて、とにかくその財政的な建て直しを先にしなければならないということで、法律の目的がそういうことですから、犠牲を払ってそれを一年変更するというなら、まずその何年か押えられたその住民の福祉、あるいは要望というものを先にかなえるという手が打たれなければ、地方団体の長なり、議会としては、先に進められないのですよ。仕事をさせないことは今まで通りだ。しかし、公共事業だけ先にやれと、こういうことでは私は当を得ないと思う。だから、やはり再建団体なり、財政貧困の団体なりは、それぞれの特殊な事情があるわけです。その事情がこの本法の適用によって緩和されるような方向に持っていってくれなければ困る。一方にくれれば一方を取る、これではほんとうの意味の低開発地域の開発は進まないじゃないか。公共事業は進むかもしれないけれども、しかし、全体の地域開発というのはおくれてしまう、そういう点ももう少し考えていただかなくっちゃ困ると思うのです。これは希望ですから答えなくてもけっこうです。
#63
○鈴木壽君 一点だけに大臣にお聞きしますが、実はせんだってもちょっと大臣にお聞きしたのですけれども、この法案を衆議院で上げる際に、衆議院から附帯決議がついておりますのですが、私どももこの附帯決議の趣旨についてはこうなければならぬというふうに考えておるわけでありまして、ただ従来附帯決議はどうもあまり政令等を作る場合に重要視されておらないという、そういうこともあったので、私どもは単なる気休めとか、アクセサリーのつもりで附帯決議をつけるわけではないのでありますから、この点まず附帯決議の、いわば今後政治を作る際にあたっての取り入れ方についての考え方と、特にここに具体的に、たとえば災害関連事業、あるいは海岸保全の整備事業等についての事業量の最低限を押える場合には、できるだけ圧縮せよと、こういうこと、あるいは河川改修なり、あるいは砂防事業等についての適用について、はっきりうたわれてあるわけなんでありますけれども、こういうことにつきまして、今申しましたように、どの程度取り入れるおつもりなのか。これは私非常に大事な問題だと思うし、この法案の上がる上がらない、あるいは将来ほんとうに有効なものであるかどうかということについては、こういうものものがせない問題だと思いますから、そういう意味で一つ大臣の決意を聞いておきたいと思うのですが、いかがですか。
#64
○国務大臣(安井謙君) これはまあ普通に、どの附帯決議でもおろそかにしていいというわけじゃございませんが、特に今度のこの問題につきまして、国会に御意見のあります点につきましては、自治省としては、特にごもっともだという感じもいたしております。まあ、もともとでき得ればこういう程度の線は実現をしたいということで、せっかく交渉中のものでもございます。しかし、今どれとどれがすぐどうなるということになりますると、直ちに具体的なお答はできませんが、単に抽象的に決議案の精神を体してやるという以上に、この個々の問題につきましては目下折衝して、できるだけ実現を期したいということでやっております。
#65
○鈴木壽君 これは当然大蔵省との話し合いになると思いますが、これは大蔵大臣にも来てもらえればよろしゅうございますが、大臣だけでなしに、今後いろいろ話し合いをする段階で、一つ大蔵大臣あたりから、あなた方も賛成だということでありますから、来てもらって、念を入れて聞いてみましょうか。それまでの必要ありませんか。特に、たとえば、先ほども申し上げましたように、事業費の額による制限を、まあ今までの話し合いでは、大体災害関連事業なり、あるいは海岸保全整備事業等につきましては、一億円以上というふうになっておりますね、大体そういうふうに話し合いしておったようでありますが、こういうことになりますと、私どもはもっと下げた額を実ははっきりここに額をうたって、われわれはわれわれとしての考え方なり、そういうものを打ち出したいとも思うわけなんです。しかし、そこまでいわば縛ってしまうというようなことがいいのかどうかということも一応考えられますけれども、ともかく、私どもの気持としては、そういうところまで考えておるわけなんでありますけれども、そういうことを、私の予想するところでは、大蔵省あたり、かなり強い抵抗もあるのじゃないか、あるいは、その他の事業についての、たとえば準用河川にかかるものに、それについても対象事業とせよと、こういう事柄については、相当金の面で大蔵省としては直ちにオーケーというようなことはできないんじゃないかとも思うのですが、そこら辺いかがでございますか。
#66
○国務大臣(安井謙君) 御指摘の通りに、大蔵省は何と申しましても財政をしぼっていくという建前がございますので、なかなか難色のある点もあることは事実でございます。しかし、たとえば今の一億を五千万円におろすというような点につきましては、こういう決議の御趣旨に沿って、実はわれわれのところでは、目下最高の努力をいたしておる最中でございます。何とか一つそういう線にこぎつけたいということで、現在、大蔵大臣に今ここでいきなり返事をしろと、こういうお言葉なんですが、なかなか御答弁しにくいと思いますが、私は何とかやるつもりで努力をしておる最中であります。
#67
○鈴木壽君 まあ大蔵大臣に来てもらうことはやめましょうか。それで、今の予想では、これはこの前から、あるいは、きょうの段階でもお話がありましたように、これに要する経費というのは、大体百七十億ないし百八十億というようなことでありますが、これらの今の防帯決議に盛られたような、こういうことの実現のために、これは今の段階では、さらに金額がどの程度ふえるということは言えないと思いますが、これがふえることは、これは確かでございますね。ですから、これは大臣もお認めになっていられるように、大蔵省ですから、できるだけ財布のひもをきつく締めよう、そういうのでこれは相当の困難があると思うのですが、そこで、それゆえに、なお、大臣の一つ強い決意で決議の趣旨を十分生かすようなことを私は特にお願いしたいと思います。そういう意味で、あらためて一つ御決意のほどをお伺いして私は質問をやめたいと思います。1
#68
○国務大臣(安井謙君) ごもっともなお話でございますが、御指摘のような点、何十億これから要るというような問題でもなかろう、これはやはり何億とかいうような問題で、ぎりぎりの線に行くと思いますが、相当額につきましては、われわれももうすでに貫徹ができるというめどもついておりますし、また、さらに努力を要する面もあろうかと思いますが、少なくとも、抽象的にこの精神だけ体してやったが何にもできなかったというような結果にはならないことを私どもは確信いたしております。
#69
○鈴木壽君 それと関連していま一つですが、こういうものをやって、特に後進地域に対して手当をしていくということと同時に、こういうものをおまとめになるまでの間に、大蔵省との間にいろいろやりとりがあったことを私ども聞いておりますが、一方において、こういういわばかさ上げ方式のようなものをやって、他の面で、たとえば富裕団体等においてはこういうものはかっ切るぞ、こういう問題は将来どうなるのですか。今の段階では出てきておらないようですが、これは大蔵省の長い問の年来の主張なんですね。この際でも、大蔵省は富裕団体からこれだけ差っぴいてというようなことをしばしば言っておったということを聞いておりますが、どうも大蔵省の従来のそういう考え方なり、あるいは主張の仕方からしますと、将来これはこれとしてやっておきながら別の面で今私が心配したようなことが主張され強硬にあなた方との間の話し合いの際に述べられるのじゃないかというふうなことを心配せざるを得ないと思うので、その点はどういうような話し合いになっておるのか、私の心配するようなことが将来起こらないのかどうか、それのお見通しなり、あるいは話の結論等について、もしお話しができたらお伺いしたいと思います。
#70
○国務大臣(安井謙君) 御指摘のいわゆる財源調整という問題、これは大蔵省の計算上の見地から見て非常に根強い主張であることはお話の通りでございます。しかし、われわれの見方としては、現在の富裕団体というものがはたしてその名に値するかどうかには全然別個の考え方を持っておりますし、この点につきましては、従来もよくなかったわけでありまして、今後もこれはより合理的な根拠、計算をいたして、十分折衝もするのでありまして、いわゆる従来言っておったような財源調整を将来は受け入れるのだというようなつもりは毛頭考えておりません。
#71
○鈴木壽君 地方財政法のこと、時間もないようでありますから簡単にお聞きしますが、地方財政法の一部改正案につきまして、この第五条の六を新たにつけ加えなければならぬという積極的な理由を一つお聞かせ願いたいと思います。
#72
○政府委員(奥野誠亮君) 具体的に今回、大阪府、市が欧州において外債を発行するということでいろいろ話し合いをしております過程におきまして、大阪府、市共同の債券にしてもらいたいという向こう側からの希望があったことに原因しておるわけでございます。しかし、国内について考えて参りますと、たとえば栃木県と宇都宮市、茨城県と勝田市が現在、一部事務組合を作りまして、共同で公共用地開発を行なっておるわけであります。そういう場合に、交付公債によって土地の買収をしておるわけでございますけれども、もし茨城県と勝田市、あるいは栃木県と宇都宮市というように、共同の名前での債券でありますと、信用力もはるかに大きいわけでございますので、土地の買収が一そう容易に行くのじゃないかと、こう思われるわけでございます。そうしますと、将来、勝田市なり宇都宮市なりがやる仕事だけにとどまりませんで、県の信用力をそこに一枚加えて参るということも今考えられるわけでございますので、そういうことをあわせ考えまして、そういうような共同発行の規定を置くということにいたしたわけであります。
#73
○鈴木壽君 大阪市と府との間のいわば外債の、それがまあいわば端的なそのきっかけだと、こういうふうに理解していいんですね。
#74
○政府委員(奥野誠亮君) その通りであります。
#75
○鈴木壽君 それから後段でお述べになりました、たとえば栃木ですか、宇都宮と県との問の問題、茨城の問題等、これはしかしすでに事務組合を作っておるとすれば、その形において私は共同発行が――共同発行というような形で一緒になってできるものだと思うのですが、今の法の建前からいっても。そうしますと、ひとえにこれは外債の、今おあげになった大阪市と府とのその関係だけの要請を満たすと、こういうことで立案されたというふうに考えていいわけですか。
#76
○政府委員(奥野誠亮君) 過去の例から考えまして、将来、共同発行の立法措置をしておくと非常に効果的にそういう仕事が進められるのだ、こういう意味で申し上げたわけでございます。将来こういう制度ができますと、そのいう地域につきまして、一部事務組合という、住民にはなれない形における債券じゃなしに、弱小の市だけじゃ、また信用力の問題もございますし、そこに府県なり信用力の大きい団体が加わった形で債券を発行するという場合に、土地買収などはさらに今よりも効果的にできるのじゃないか、こういう期待を持っておるということでございます。
#77
○鈴木壽君 将来、共同で仕事をするようなことは、これはだんだん多く出てくると思います。特にせんだってここを通りました地方自治法の一部改正等によっても、そういう機運にこれは自治省としても持っていこうという、これははっきりした考え方があると思いますから、と同時に、また実際の必要からそういうことになるだろうと思います。ただしかし、それが何といいますか、事務組合というものがかりに作られておる、しかし、それでは住民になじみがどうもうまくないというようなことで共同発行という、今のようなこういう法改正によらなきゃならぬというようなことにはすぐならぬと思うのですがね。私は一部事務組合のそういう形において、あるいは両団体の間にそれぞれの決議でやれるのじゃないか、今の法の中においてもですね。私はそう思うのですね。五条をずっと読んでみたり、関係する自治法のそれを読んでみたりしますと、私は現行法においてもこういう形はとり得る、こういう形をとっても違法だとはいえない、私はそう思うのですが、いかですか、その点は。
#78
○政府委員(奥野誠亮君) こういう規定をおきますことによって、後段に書いておりますように、地方公共団体が連帯して支払いの責めに任ずることになるわけでございますので、債権者保護をもこれによって果たせるということになるわけでございます。現行法で債券に二つの団体の名前を書いて発行するということができるかどうかにつきましては、やはり私は問題があると思います。何らの規定がないのにそれができると言い切れるかどうか、やはり疑問があると思います。もちろん連名で債券を発行します場合には、それぞれの団体が相互に債務を保証し合うという議決をしなければならないと思います。で、その債券には両方の団体の名前があがるわけでございますけれども、その総額がそれぞれの団体の債務ではなしに、それぞれの団体の債務はお互いに話し合いによって違った金額になっていると思います。ただ事業の部分については相互に保証し合う議会の議決を経ておると、こういう形になろうかと思うのであります。相互に債務の保証をし合えばそれですぐ債券にも両方の団体の名前を書けるはずじゃないかということになって参りますと、現行法には現定がございませんので、そこまで言い切れるかどうかは疑問がある、かように考えているわけでございます。少なくともこの後段に書いてある債権者保護の規定はございませんので、それは満たされていない、こう言えると思うのでございます。
#79
○鈴木壽君 はっきり、共同してそのやれるという規定はもちろんないわけなんですがね。しかし、事実的にやって、それによって何といいますか、効力がないとか、あるいは効果を上げ得ないということでは私はないと思うのですね。何かこう現在のものでもやれるものにさらに大して変わりもないようなことをやれるように作り変えるというようなことについては、私はちょっとすっきりしかねるところがあるのですがね。そこで具体的に、一体両団体の間でやる場合は、どういう形のその議決の仕方なり、それをやるか、一つ具体的におっしゃっていただきたいと思います。たとえばある事業を両団体でする場合に、十億なら十億という金を債券発行によってやりたい、そうして一方の団体が五億、一方の団体が五億というような形で、内容としてはそういうものの場合に、一体どういう形の議決なり、そういうことをやるのか、具体的にそれをお聞かせ願いたいと思います。
#80
○政府委員(奥野誠亮君) 大阪府、市の例をとって申し上げますと、さしあたり三十六年度において九十億の外債を発行したい、こう考えておりまして、それぞれ四十五億ずつ程度になろうかと考えているのであります。そうしますと、大阪府も大阪市も四十五億円ずつの債券発行の議決をするわけでございます。債務にありましても四十五億円の債務が上がってくるだけのことでございます。別途に両者がそれぞれ他の団体の四十五億円分についての債務保証の決議をするわけでございます。で、別途九十億円の外債の債券それぞれには発行者名を、大阪府と大阪市両方の団体の名前を書くわけでございます。九十億円の債券にはそれぞれ両団体の名前が上がって参るわけでございます。従いまして、その債券の支払いについては、一の団体だけが責任を負っているのじゃなしに、この五条の六によりまして、両団体がそれぞれ連帯して支払いの責めに任じている、こういうことになっているわけでございます。単に今の問題だけじゃなしに、将来とも広域的に行政を進めていきたいと思いますし、そういう場合に、相互に信用力を補完し合えるような態勢にいたしていきますことが仕事を進める上において有意義ではなかろうか、こういう考え方を持っているわけでございます。債券発行についてはこまかいことまでいろいろと法律に規定しているわけでございまして、従いまして、今こういう共同発行の規定がございません限りにおいて法の整備を必要とする段階にあるのではなかろうかと、かように考えているわけでございます。
#81
○鈴木壽君 それを共同発行という形にしたい場合に、共同発行というものの規定について明文化されておらない。ただし、これは事務組合としてやれますね。事務組合を作って事務組合で九十億なら九十億を借り入れる。事務組合を作った両団体はそれぞれの責任を当然負わなければいかぬし、そういう形でいっても私は差しつかえない問題じゃないか、こう思のですがね。
#82
○政府委員(奥野誠亮君) 事務組合の名前で債券発行をすることができますけれども、なじまれない名前でございますので、おそらく金融界においてその債券が転々としていくことはまず不可能だろう、こう思うわけでございます。やはりなじまれた名前でございませんと、なかなか消化できない、こういうふうに考えているわけでございます。
#83
○鈴木壽君 なじみがあるかないかということだけにこの点かかってきたようですがね。それは今の段階で地方団体のいわゆる事務組合というものが、それこそあなたのおっしゃるようにポピュラーになっておらないかもしれませんね。従って、それこそ外部に対してなじみというようなことについては若干心配されるところがあるいはあるかもしれません。しかし、私はそういう形でいくことがほんとうの自治体同士のこれはいわば一つの特定の仕事なんでございますから、事務の一部についてのことなんですから、そういう格好においてやろうということが従来の法の建前等からいたしましても、私は、いいのじゃないだろうか。ただ私心配するのは、外債の場合ですね、これは強い何か要請があってそれなしにはだめだ、こういうようなことでもあるとすれば、まあ考え方をちょっと変えなければならぬだろうと思っております、自分自身でね。しかし、将来国内で発行するような場合においてもそれを使っていくのだという考え方には、せっかく事務組合を作って仕事をやれるわけで、起債もできるのだという一のつ方向をずっと長く打ち出してきておって、何か、回転にブレーキがかかってしまうようなそういう形というものは私は考えなければならぬじゃないかと、こう思うのですがね。その点どうです。
#84
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、外債発行の問題からこの必要が生じたわけでございます。しかし、国内的にも仕事は一部事務組合の形でやるべきでございます。また、やれると思います。しかし、金融が、一部事務組合を作って法人化したからすぐ金を借りられるのだ、こういう格好にはならないと思います。従いまして、組合を結成している個々の団体が資金を集めてそして一部事務組合に提供する、こういう形にならざるを得ないのじゃないかと思います。その場合にも、組合を構成する団体がそれぞれ単独で資金を集める上にもお互いに信用力を補完し合って集めた方が集めやすいと、こういうように思いますので、こういう規定が非常に将来意義を持ってくるのだと、かように考えます。
#85
○鈴木壽君 その点になるとちょっと私あなたと考えが違うのですがね。事務組合でも金を借りられるようになることが、従来のこういうような考え方からいっていいのであって、そして、ここにもちゃんと出ている。ですから、若干今の段階ではなじみがないとか、一般化しておらないということで多少のあるいはは心配されるようなこともあるかもしれませんけれども、私は将来の方向としては何ら差しつかえない問題だと思う。あなた方だってそういうことに対してやはり心配するなり、何か指導していくべき一つの責任があると思うのですね。ですから、私、外債等の場合において、これ以外の条件ではだめだというようなことでもあればこれはやむを得ないというような気を持っている。将来国内の起債の問題であって、それすらもそれによつやっていくというような考え方になると、私はちょっとにわかに賛成しかねるようなところがあるのですね。しかし、これは一つ意見になりましたからその程度にしまして、大阪の市と府とお互いに保証し合うといいましたね、それぞれに四十五億程度ずつ出し合って。これは国が補助するというような形をとりますか、とりませんか。
#86
○政府委員(奥野誠亮君) 別途に国がその債務を保証することにして法律案を国会に提案を予定しておるわけであります。
#87
○鈴木壽君 これは大蔵の方にかかっている法律案でやっていますね。そうすると、何もこんなお互いに保証するとかしないとかいうことが事実上またそんなに重要な意味を持つものだとは考えませんが、どうですか。
#88
○政府委員(奥野誠亮君) 国の保証以外に大阪府、市の共同発行、こういうことを先方では希望いたしておるわけでございます。共同発行ということになって参りますと、やはり当然両者が相互の分を保証し合わなければならない、こういう考え方を持っているわけでございます。共同発行の規定がございませんので、そこで、こういう法律改正をいたしまして、共同発行の規定を置きたいわけでございます。
#89
○鈴木壽君 これはまあ向こうのたっての希望だというようなことです。だから、私はさっきも言ったように、その限りにおいては、外債等の発行の場合にはこういう形もあり得るのだ、とらざるを得ないのだ、こういうふうに了解できますが、それが国内の円での起債の場合にも、そういう方向が便利だし、こういう方向こそが望ましいのだというような考え方にはちょっと私は何べんも言うように賛成しかねるので、そこで、大阪の市と府との間の事業なり、あるいは外債の条件等についてもう少し詳しく一つ聞かしてもらいたいのですが。
#90
○政府委員(奥野誠亮君) 大阪港と堺港に関する施設の整備でございまして、港湾の整備、工業用地の造成、工業用水道の建設、鉄道引込線の建設というようなものでございまして、事業費の総額を七百七十億円と予定しておるわけでございます。そのうち起債の対象と考えておりますものが三百五十八億円でございます。三百五十八億円。三十六年度以降にわたって考えられておる仕事でございます。なお、条件の点につきましては、今後の金利の模様を考えながら一番有利な時期に発行したい、こういうふうに考えておる次第でございまして、現在のところは、まだきまっていないわけでございます。しかし、私たちとしては、できる限り有利な条件を期待しているわけでございまして、国内で債券を発行できるよりも高い条件ということはあり得ないというふうにもとより考えておるのであります。
#91
○鈴木壽君 そうすると、総事業量が七百七十億円、そのうち起債引き当てが三百五十八億、三十六年度で約九十億の見込みだといいますと、これは大体四年ぐらいの継続事業になるのですか。それとも、あるいは三年ということになりますか、その点は。
#92
○政府委員(奥野誠亮君) 一応事業計画としては四十年度までを考えておるわけでございます。
#93
○鈴木壽君 これは引き受け、今話がまだ結論までいっていないでしょうけれども、引き受ける向こうの方はどこですか、国は。
#94
○政府委員(奥野誠亮君) 西ドイツでございます。
#95
○鈴木壽君 どういう格好で、それは西ドイツの政府でやるのですか、あるいは民間の何か金融機関でやるのか、そういう点どうですか。
#96
○政府委員(奥野誠亮君) 西ドイツの政府もこの問題の話し合いの過程においてはもちろん入っていたわけでございますけれども、向こうの金融機関が市中発行のあっせんをするわけでございます。
#97
○鈴木壽君 もう少しそこら辺、今までの話、これは相当進んでいるやにも聞いておりますのですが、もう少し詳しく述べていただけませんか。
#98
○政府委員(奥野誠亮君) 当初は吉田元総理が心配をされまして、単にアメリカで外債を発行するだけじゃなしに、ヨーロッパにおいても外債を発行する、そうすることによって経済的な連携を強めていくべきじゃないだろうかというふうなことから総理とアデナウアー首相との問で話が始まった問題でございます。その後、幸いにしていろいろの努力が実を結びまして、先般来ドイッチェバンクの人たちも日本に来るというようなことが進んで参っておるわけでございまして、国内的な手続が成立いたしました暁において最も有利な時期を選んで外債を起こしたいということに話が進んで参っておるわけでございます。
#99
○鈴木壽君 外債、まあいわば一つの外債ですから、外債を私はまあ何もここで否定しようと思いませんが、今のお話を聞いてみますと、総額三百五十八億、しかも、五年間ということになりますと、平均して八十億くらいですかね。――八十億にはなりませんが、七十億かそこらですね。この程度は国内でやれませんか。これは政策的なことでしょうから、大臣、どうですか。
#100
○国務大臣(安井謙君) 今これだけの金額の年度割りならば、七十億か八十億という金だから絶対不可能とは思いませんが、今のように、外債はできるだけ適当な方法と適当な事業を対象して一つ入れていこうというような意味から、アメリカ以外からも、そういう機運があれば進めて、将来さらに増額する場合も考えられるんじゃないかと思っております。
#101
○鈴木壽君 これは港湾なり、それに伴う工業用水あるいは鉄道の引込線等の仕事だというお話ですが、こういうことに対して国の今の起債のワクで足りなかったらそれをふやすなり、あるいは何とかの、いわば債券、証券を出すような、そういう公募の形なり、何かそういうような形でやれないのですか。しかも、向こうから借りる利子、これはどのくらいになるかわかりませんけれども、そういうものと比べてもあまり高くないというような形で、この程度の額ならば私はまかなえると思うのですが、どうなんですか。
#102
○国務大臣(安井謙君) この程度の額だけが絶対まかなえないかどうかという問題になれば、今おっしゃる通りだと思いますが、これは利率等につきましても、現在より少なくとも有利な条件になり得る見通しもあるわけであります。またさらに、東京都でも機運ができればやることもよかろうということもありましょうし、将来そういう道を開くという意味で、現在この額でございますが、ぜひ実現をしておきたい、こう思っております。
#103
○鈴木壽君 私の今申し上げるのは、さっきも言ったたように、外債がけしからぬとかなんとかいう一点張りで、私、そういう意味で申し上げるわけではないけれども、額の点からいってもそう大したことではなし、安いといっても、私は、そんなに安い金が借りられるわけじゃないと思うので、むしろ政府が見てやるような、政府の投融資の中で見てやるような、こういう仕事の性質からいってもそうなんですから、その方がむしろ安くつくではないかというふうに思うのですがね。そういう点から思うことと、さらに、あるいは将来そういうことは起こらないかもしれませんけれども、これはたとえばマルクと円との関係とか、そういうようなことのために、これは長期にわたっての返済になるでしょうから、いろいろな問題が起こるんではないかというふうな心配もある。たとえば東京都の仏貨外債の問題で、ようやく最近何とかという人が中に入って話がまとまりかけておるというようなことで、これは明治以来のそういうことがあるわけなんですね。ですから、平常な姿でこのままずっと何年も進んでいくというような時であればいいのですけれども、やはり十年、二十年の間には、いろいろな国と国との、あるいは世界各国との間の経済上の変動やら、従って、マルクなり円なりの価値の問題なんかが出てきて、いろいろな問題が将来起こり得る可能性がある問題ではないだろうか。むしろそういうものだったら、あまり大した額でもないのだし、積極的にこれをやらなければならぬというふうなことに考えなくてもいいではないか。私は、そういうことも一つの心配として思うのですけれども、大臣は、やはりこれはぜひ一つでかしたい、この機会にいわゆる将来に道をつけておきたいと、こういうお考えなんですか。
#104
○国務大臣(安井謙君) まあ、やはりアメリカだけでなくして、そういった国からの借款の道もつけておくのがいいじゃないかという考えでこれは実現したい。将来どういう変動がないとは言えないといえば、そういう問題もありましょうが、現在のところ、アメリカ以外からもそういうルートをつけておきたいというつもりで、非常に乗り気で進めているわけでございます。
#105
○鈴木壽君 まあ、世銀等からいろいろな形で金が入ってきておりますから、アメリカだけでなしに、その他の国からも入ることも私はいいと思います。しかし、この問題を一つの突破口みたいな形で考えるというほど突き詰めた考え方をしなくてもいいじゃないかと思うのですが、やっぱり政府としては、それについて、今、大臣のおっしゃったように態度をきめておられますか。
#106
○国務大臣(安井謙君) これは政府が先立ってそういうものを操作したとかいう性質のものじゃむろんないのです。先ほど財政局長が御説明申し上げましたように、大阪というものを対象に、たまたま特定のそういう話が持ち上がってきた。これに対して政府はけっこうじゃないかという立場で必要な措置だけをやっていく、そのこと自体は非常にけっこうじゃないかということでございます。この金額は、わずか百億か九十億ぐらいのものじゃないかという御説もありますが、これは将来の弾力ということもありましょうし、また特定の地域の特定の工事を対象にした金額としてはやはりまとまっておりますので、財政的にも非常に工合のいいものだというふうに思っております。
#107
○鈴木壽君 これでやめますが、もちろんこれは大阪の方で話し合いを最初に出したものでしょう。しかし、これはさっきお聞きしたように、政府保証がある問題ですから、これはやっぱり政府としても慎重にこういう問題についての考えをまとめなければならぬだろう、そういう段階があったのだろうと思います。ですから、そういう意味で大臣の話を聞いておったわけですが、何かこんな程度の金でわざわざドイツから借りなくても、むしろもっと有利なような形で、政府が、それこそ日本の経済成長の基盤になる一つの仕事ですからね、やるために積極的な熱意を示すことがむしろ今の段階としては私は必要じゃないかと思うのですが、まあこれは意見になりますから、その程度にしておきます。
#108
○委員長(増原恵吉君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認めます。
 まず、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#110
○鍋島直紹君 私はこの法案に賛成でございますが、この際、各派の意見を代表いたしまして、次の附帯決議を提出いたします。
 ただ、念のために申し述べておきますが、この法案におきまする適用事業の範囲は政令で定めることになっているのでありますが、その政令案の内容を拝見いたしますと、私どもの主張の大部分は盛り込まれることになっております。しかし、ただその一部分、私どもとしては、その範囲に加わるべきものと考えるものが入っていないようであります。すなわち、災害関連、海岸保全、湖岸堤防につきましての事業費一一億円以上にしぼることとしているようでありますが、これは三千万円以上とすることを希望するものでありますけれども、少なくとも五千万円以上の分を対象とすることにいたすことを希望するのであります。
 なお、砂防事業等につきまして、適用河川水系にかかるものとする等のワクにしぼることは不適当ではないかといった点であります。附帯決議に掲げました政令指定の範囲に関する部分はこの意味でございます。
 以下、附帯決議案を読み上げますので、よろしく御審議を願います。
 後進地域の開発に関する公共事業に
 係る国の負担割合の特例に関する法
 律案に対する附帯決議(案)
 後進地域における産業立地条件の整備とその体質の改善は、現下の急務である経済発展の地域的均衡、いわゆる地域格差の是正の前提をなすものであり、その実現については公共事業の補助負担率の特例は最も重要と思われるから、本法の実施に当っては政令による事業指定の範囲等、次の諸点に留意し、遺憾なきを期すべきである。
 一、公共事業の配分の適正を期するとともにそれぞれの適用団体における開発は最も総合的効果をあげることとなるよう関係諸措置と併せ特段の配慮をすること。
 一、政令により適用事業の範囲を指定するについては左の事項の実現を図ること。
  (イ) 災害関連事業、海岸保全施設整備補助事業および湖岸堤防施設事業について事業費で最低限度額を定める場合においては、でき得るかぎり低い額とすること。
  (ロ) 砂防補助事業、林地荒廃防止補助事業、地すべり補助事業については適用河川水系、準用河川水系にかかるものはすべてこれをふくませること。
  (ハ) 河川事業については小規模河川改修事業をも対象事業の範囲に入れること。
 右決議する。
 どうかよろしくお願い申し上げます。
#111
○委員長(増原恵吉君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認め、これより採決に入ります。
 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(増原恵吉君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました各派共同の附帯決議案を議題といたします。
 本附帯決議案を当委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#114
○委員長(増原恵吉君) 全会一致でございます。よって本附帯決議案は全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対して安井自治大臣から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
#115
○国務大臣(安井謙君) 法律案に対しましてただいま附帯決議をいただいたわけでございますが、政府といたしましても、この附帯決議の精神を十分に尊重いたしまして、特に政令等で定める事業の範囲その他につきましても具体的な御趣旨の内容の線に沿って実現に努めるつもりでございます。
#116
○委員長(増原恵吉君) 引き続きまして、地方財政法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、採決に入ります。
 地方財政法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(増原恵吉君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま決定いたしました両法案につきまして諸般の手続等は、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#120
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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