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1960/05/26 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第24号
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1960/05/26 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第24号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第24号
昭和三十六年五月二十六日(金曜日)
   午後二時十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員西田信一君辞任につき、その
補欠として徳永正利君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
  委員長      増原 恵吉君
  理事
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           基  政七君
  委員
           小柳 牧衞君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           津島 壽一君
           湯澤三千男君
           加瀬  完君
           中尾 辰義君
  政府委員
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   自治省財政局財
   政課長     松島 五郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法及び地方財政法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○鍋島直紹君 地方交付税法の今度の改正につきまして二、三簡単に御質問を申し上げますが、第一番目に、御承知の通り三十六年度は国税三税が伸びて、いわば交付税が非常にふえたということと、さらに三十五年度から繰り越した二百億の交付税が加算されておるわけでございます。従って、いわば普通の年とは異例に二百億伸びておる。それを一つの財源にしながら行政水準の引き上げをし、あるいは公共事業そのほかに、まあ地方財政を潤していこう、こういうことなんですが、今後の見通しですね、二百億の繰り越しという要素というものを考えながら、三十七年度、八年度に対する交付税の見通し、この点について自治省、どうお考えになっておるか。まず第一番目にお伺いいたします。
#4
○政府委員(奥野誠亮君) 現在政府で考えております所得倍増計画がどのように進んでいくかということの見通しにもからんで参ると思うのであります。国民所得がそう伸びて参りますと、租税収入にも相当大幅な増収を期待することができると考えます。その場合に、その増収を公共投資にどの程度振り向けるか、あるいは減税にどう振り向けていくかというような見当の問題になるのじゃないかと思います。地方財政につきましては、減税という問題が大きくかかって参りません限りは、現状において相当な自然増収を期待し、それによって示そう地方財政の改善措置が行なえるのじゃないだろうか、こういうような気持でおるわけでございます。
#5
○鍋島直紹君 そこで、一般交付税も三十六年度から来年度にふえてくるでしょうが、三十七年度に、また三十六年度から繰り越すといったような、二百億ことし繰り越したような状態ができるものでしょうか、どうでしょうか。この点どういうふうにお考えになっておりますか。
#6
○政府委員(奥野誠亮君) 三十五年度の決算におきましても、国税三税に相当増収があったようでございまして、そうなりますと、この分からも三十七年度において交付税に繰り入れを見込むことができるわけでございます。従いまして、二百億円の繰り越し財源が三十七年以降なくなるので、直ちに地方財政上財源が非常に窮屈になるというような心配を持つ必要はないのじゃなかろうか、かような気持でおるわけでございます。
#7
○鍋島直紹君 次に移りたいと思いますが、きよう、後進地域の開発に要する国庫負担の率の引き上げの法律が通ったのですが、一方、地方財政計画にもその策定の基本に、後進地域の開発のための措置というのが相当強く出ております。従って、後進地域の国庫負担の率の引き上げの特例、この措置と、一方、地方交付税制度でまたそういう後進地域にうんと交付税の配分について充実していこうという考え、この具体的な関連についてちょっとお伺い申し上げたいと思います。
#8
○政府委員(奥野誠亮君) 地方交付税制度の改正におきまして、従来から後進地域に対する基準財政需要額の傾斜的な増額という措置をとって参ってきておるわけでございます。その考え方は、従来の基準財政需要額の算定におきまして、さしあたりはその当時の財源の使い方を基礎にして、その部分だけは確保していくという態度をとって参ったわけであります。従いまして、後進地域においては、財源がないために、その支出も必ずしも十分ではなかった。それが基礎になって算定されているわけでございますので、その傾斜をなくしていきたい、こういう気持で進んで参ってきておるわけでございます。現状におきましてなおそういう部分が相当数あったと思うわけでございまして、もちろん、その中にはそのままにしておいてよろしいものもあろうかと思うのでありますけれども、なお、そういう意味の傾斜的な増額措置は今後も続けてとっていくべきだと思います。他方、投資的経費につきまして、従来は、すでにできておる道路面積等を基礎にして算定をして参ってきたわけでございますけれども、さらに、あるべき投資額を見込むべきだというようなことから、面積とか、人口とかいったものを測定単位として投資的経費を算定するという要素を強めて参ってきております。しかし、これはどの程度まで強めることがよろしいかどうかということは、今後の公共投資がそれぞれの地方においてどう行なわれていくかということともあわせて検討していかなければならないことだと考えるのでございます。先ほど法律によりまして、後進地域が公共事業を受け入れやすいような措置ができたわけでございますけれども、当委員会の御決議にもありましたように、現実にそれらの需要分量がどのように配分されていくかということをも見守っていきたい、そうしてそういう仕事が単に国庫負担率の引き上げのみならず、地方団体の基準財政需要額の算定におきましても、受け入れを容易ならしめるような措置は考えていかなければならないというふうに存じておるわけであります。
#9
○鍋島直紹君 そこで、この後進地域の今の説明大体わかりますが、今度の地方交付税法の改正では、貧弱団体に対して、財源強化をされる。結局、財政力補正その他の具体的な具体策があるわけでしょうが、この財政力補正あるいはその貧弱団体に対する、もうちょっと御説明を、それについての、財政力補正等の内容についての御説明等伺いたいということと、あわせて貧弱団体にはそういう形で財源強化をされるわけでしょうが、一面、投資関係については別途の意味において、――環境衛生、上下水道、屎尿処理とかいう意味で、そうしたからといって、決して財政力が豊かであり余っておるというわけじゃない。従って、一面において貧弱団体の財政力強化が行なわれるとともに、他面においては、都市のそういった事業について行なわれていかなければならぬ財源はあるわけですから、ある程度その内容ですね、やり方について一つわかりやすく御説明を願いたいと思います。
#10
○政府委員(奥野誠亮君) 今御指摘になりましたうちの第一点は、財政力補正の強化ということでございます。地方団体に一般財源を付与できませんので、さしあたり地方債の発行額を増額して、公共事業を地方団体にやらして参ったということがございます。この部分の元利償還額につきましては、二五%だけを基準財政需要額に算入するという措置を数年前とったわけでございます。しかし、弱小の団体におきましては、償還能力というものがそれだけ乏しいわけでございますので、二五%よりももっと多額に基準財政需要額に算入するという措置をその後とり始めたわけでございます。そうして昨年は最高九五%まで基準財政需要額に算入するということにしたわけでございます。すなわち、特定債の元利償還額を基準財政需要額に算入するにあたりまして、団体によりまして、最低二五%から、最高九五%の幅をきめたわけでございます。ことしはさらにもっと九五%まで引き上げていく団体の幅を広げまして、そうして救済の度合いを高めるという措置をとったわけでございます。これがいわゆる財政力補正の問題でございます。同じような考え方を単独災害の地方債の元利償還額についてもとり得たわけでございます。
 第二の、貧弱団体に対する基準財政需要額の傾斜的な増額の問題でございますけれども、従来、貧弱な団体は金の使い方もそれだけ少なくなります。そこで、言いかえれば、行政の質の差があったわけでございます。そのまま補正糸数で需要額を割り落として参ったわけでございますが、この割り落としをやめるか、あるいは少なくしていくというような方向で、まずふえました財源を弱小の団体に優先的に振り向けるという措置をとって参ってきておるわけでございます。
 さらに、今ちょっと申し上げたわけでございましたが、道路費を算定するのに、道路の面積を基礎として算定したのでは、道路を作りたいのだけれども、作れなかったのだ、だから道路の面積が少ないのだという団体は、いつまでも十分な道路費の財源を確保することができないわけでございます。そこで、道路の面積に限らず、全体の面積でありますとか、あるいはなまの人口でありますとか、こういうものを測定単位にいたしまして投資的経費を算入してきて参っておるわけでございます。その場合に、やはり補正にあたりましても、先ほど申し上げましたような要素を加えまして、人口測定単位とすることにつきましては、貧弱団体に割り落としておるものには、その割り落としの程度を弱める、あるいはやめるというような方向に改善していきたいと考えておるわけであります。
 第三は、今後、財政需要のあり方が変わっていくじゃないか、これに対応して、どういうことを考えておるかという意味の御指摘であったと思うのでございます。まさにその通りでございまして、国民生活の水準が上がって参りますと、各家庭におきましても水洗便所が使えるようにならなければならない。それにはまず下水道の整備をしていかなければならない、こういうような問題にもなってきておるわけでございます。下水道整備ということになりますと、当然、農村よりも都市において優先していかなければならないわけでございます。そういう意味において、この関係の経費を必要な団体に確保していきたいというようなことから、従来は下水道関係の基準財政需要額を十四億程度にしておったわけでございますが、下水道関係の経費につきまして、その他の土木費で三十二億円を増額する、それから衛生費といたしまして、屎尿処理関係におきまして十四億円を増加するというような措置をとったわけでございます。今後もそういうような、時々生じて参ります財政需要の増加に対応して必要な団体に確保する際に、傾斜的な配分とあわせまして一これも一種の傾斜的かもしれませんけれども、実態に合うような配分方法を講じて参りたいという考えでおるわけであります。
#11
○鍋島直紹君 今の奥野さんの言われた第一点ですね、二五%財政需要額に算入する、それから最高は九五%、その幅をことしはさらに広げていきたいということなんですが、その計算の中に入れていく基礎というものは財政力指数か何かを使われるのですか、その幅をやっていく基礎は。
#12
○政府委員(奥野誠亮君) 過去三カ年の間の地方税収入額、この関係の地方債の元利償還額の比率によりまして差をつけて参っておるわけでございます。
#13
○鍋島直紹君 両方の差を、一定の率で九五%のものからずっと段階をつけておられるわけですね、大体。
#14
○政府委員(奥野誠亮君) その通りであります。
#15
○鍋島直紹君 それからもう一つ伺いたいのですが、最近各府県で、公選知事という一つの特殊なポストと申しますか、公約を実行しようという気持のせいであるか、あるいは国がやるからとか、少なくとも各府県で公団を作る、いろいろな府県単位の公団を作って、そうして事業を遂行していく。見方によっては、いわば財政力が非常に乏しいので、公団形式という形で、よそから金を借りてやりたい仕事をやっていこうというようにも見えるし、ある一面には公団形式を国がどどんやるものですから、地方がこれに見習ってやるというようなことで、各府県の土地造成公団だとか、あるいはそういったものができておりますがいそういうものができていくと、それは県の単独事業費というものが、非常に少な過ぎるじゃないかという一面の見方もあると思うのです。しかし、それはそれとして、これについての財源措置、あるいは交付税の配分、あるいは府県の財源措置についての自治省の見方、そういう点どういうふうに自治省としてお考えになっておられるかどうか、この点ちょっと伺っておきたいと思います。
#16
○政府委員(奥野誠亮君) 地方自治団体におきまして公団、公社を設置して仕事をやっていくというようなものが非常に多くなってくる傾向にございます。ちょうど国におきましても、公団、公社の設立が比較的に多くなってきたのと似た面もあろうかと思うのであります。しかしそれ以上に、地方団体においてこういう姿が顕著になって参ってきておりますことについては、私たちも深い関心を寄せている最中でございます。それらの原因の中に地方財政計画なり、あるいは自治省内の考え方において、単独事業費の見方が少ないためにそういう傾向を来たしているというような点はないかというような御指摘でございましたけれども、私は必ずしもそういう点はそうないんじゃないだろうかというように思っておるわけでございます。地方債の許可を受けることが困難なものだから、公団、公社を作ることによってそれをもぐっていきたいというようなものもあるわけでございますけれども、公団、公社を作ってそこで借り入れをしてやっていく、それが至当なものであります場合に、かりに、地方債計画がございまして、そのワクをはみ出さなければならないものでございましても、公団、公社を作ってやってそれが是認されるものならば、ワクで縛って押えてしまうということは穏当でないと思います。弾力的な運用をしてしかるべきものだ、こう考えております。また、そういうような態度をたとえば埋め立て事業その他についてはとっておるわけであります。ただワク外の地方債でございますので、そういうものについてまで資金をあっせんするということは困難でございますので、自然縁故資金その他にたよらなければならないということにいたしておるわけでありますけれども、そのよなことからいたしまして、地方財政計画等における単独事業のワクが少な過ぎるから公団、公社の設置に拍車をかけているのだというようには考えていないのであります。公団、公社を作りますについては、たとえば弾力のある運用をしたいのだ、弾力のある運用ということになりますと、議会の制約から離れるというようなことにもなりかねないわけでございます。あるいはまた人事の面もございますし、今、言うように安易に地方債をくぐっていきたいというような面もございましょうし、もちろん公団、公社を作って行なうことが至当な面もございましょうし、私たちからいいますと、いかにも脱法的であり過ぎるというような面もあるわけでございまして、私たちとしては、できるだけ、地方団体の仕事としてやれるものはやっていった方が、ガラス張りの中でやることでございますし、もちろん公団、公社を作るにつきましても、その財政的責任は地方団体に帰着してしまうものでございますから、そういうことならば、一そう地方団体が自分の責任において行なう態勢を発揮させるべきものではなかろうかと、こういう気持でおるわけでございます。
#17
○鍋島直紹君 自治省として、公団、公社を作っていろいろやりたいいという財政的な面での規制は、ある程度財政計画の方でできるでしょうけれども、全般的に見て、公団、公社を作って事業を遂行していこうという、いろいろな事業があるでしょうが、それについてある程度規制するというか、指導するというか、そういったことをやっておられますですか、今の実情において。
#18
○政府委員(奥野誠亮君) 三十六年度の地方財政の運営について、地方団体に通達をいたしました際に、若干そういう点に触れたわけでございまして、「最近公営企業又は準公営企業を実施する場合において地方債資金の獲得が困難なことを理由として公社等の外廓団体を創設して事業経営を行なわせる傾向が見られるが、実質的には地方公共団体の財政責任に帰せられるものとなるにかかわらずその運営に住民の意向を充分反映させられない欠陥なども生じているようであるので、このような事例の生ずる場合には、公社等設立の結論を出す前にあらかじめ地方債の許可について充分当省に協議するよう特に留意されたいこと。」、こういう意味のことを出したわけでございます。私たちはやはり公団公社の行き過ぎの面もあると、こう考えておりますので、あえてこのような態度を打ち出したわけでございます。地方債の許可が得られないから公団、公社を作るのだ、そういうような場合には、ほんとうに受けられないのか、受けられるか、相談してごらんなさい、こういう態度をとっておるわけでございます。公団、公社を作りましたからといって、すぐその公団、公社に金融力のあるわけのものじゃございません。そういう法人に銀行は金を貸すものじゃございません。自然貸されるためには、全面的に地方団体が債務保証をしたりしているわけでございます。その結果、公団、公社の運営が間違えば、地方団体の全住民がその財政的責任をかぶってしまわなければならない、こういうことにもなってしまうわけでございますので、債務保証の現在の放任の態度もこのままでよろしいかどうかということについても、将来において検討して参りたいという気持であるわけでございます。
#19
○鍋島直紹君 公団、公社ですね、これはまあ財政力の面から、そういう起債の面、あるいは債務保証の面から、ある程度ごらんになるでしょうけれども、全般的に見て、公団、公社を率直に言って御厄介にならぬで作るというようなことが起きた場合、ある程度自治省として協議に応ずるのか、全然これは野放図に、無制限に作っていいことになっているのですか、この辺どうなっておりましょう。
#20
○政府委員(奥野誠亮君) 公団、公社の設立について、法的な規制は現在のところないわけでございます。将来これをどうするかということについて協議をしている最中でございます。
#21
○鍋島直紹君 最後にもう一つ伺いたいのですが、再建団体から、この一、二年間に、相当財政再建団体として指定されてある程度規制を受けて、財政の管理といっちゃあれでしょけれども、自治省の見通しの中でやっておったのですが、これから抜けている団体が相当出てきて、再建団体も非常に少なくなります。ところが、再建団体であった期間というものは、財政力は非常によくなっておるでしょうけれども、現実にやはりこの給与の問題にしても、あるいは県の単独事業の問題についても、やはり自治省と打ち合わせをして予算を組むわけですから、よその県との間において、ある程度の行政水準の差というものが、抜け出た瞬間においてはあるわけじゃないかと思うわけですけれども、そういった点について、ないと言われればそれまでですけれども、ある程度やはり再建団体から抜け出たときには相当財政力も規制されておりますから、ほかの同じような府県に比べて行政水準が多少下がっているのじゃないか。これを追いつかせるためにも、ある程度やはりここに財政的に見てやるとか、あるいは事業の進捗をはかり行政水準を上げるとか、厚い交付税の配分なり何なりというものが必要じゃなかろうかと一応考えられるのですが、こういった点、財政局の方でどういうふうにお考えになっておられるか。
#22
○政府委員(奥野誠亮君) 財政再建団体は再建計画を立てて計画的に財政運営をして参ってきております。変更する場合には、自治大臣の承認も必要であるというようなことから、堅実な財政運営を他の団体よりもより一そう心がけてきたということが言えると思うのでございます。行政水準が劣っているということをおっしゃいましたが、たとえば消費的経費などは極度に切り詰めておりまして、むしろ投資経費に余裕があればそれに振り向けるというようなやり方をしている。その結果、財政構造が比較的よくなってきているというふうなのがむしろ実態じゃないかと思ってるわけです。今日になりますと、財政再建団体であったかそうでなかったということの比較において、財政再建団体であった団体が悪いというようなことは言えなくなってきている。むしろ財政再建団体であった団体の方が財政運営がしっかりしたものになってきている。これが最近完了した暁にまたもとのもくあみになりはしないかということが財政当局にあるということが実態であるように思います。しかし、いずれにいたしましても、再建団体から一本立ちになったとたんに財政がまた悪化するということがあってはなりませんので、私たちとしては、できるだけそういう団体については注意をいたしまして、援助できるものなら特にある期間援助をすべきものではなかろうかとこういう気持でおるわけです。
#23
○鍋島直紹君 今の問題ですね。財政構造は確かに再建団体はある面で見て自治省の一つの監督下にあるわけですから、財政構造という面から見れば、これはよくなっていると思います。赤字が解消し、黒字が残る団体になるでしょうし。しかし今度は、そういうことを除いて構造じゃなくして堅実に予算を組む、給与なり、あるいは県の単独事業なり、あるいは公共事業の裏づけなり、まあ特に消費的経費の面かも知れませんが、そういう点からいくと、やはりそれだけ監督下にあるだけ他の府県に比べると多少行政水準の低下というものがあるのじゃなかろうか。従って、そうすると非常に自由になるものですから、そういう面から非常に、抜け出たからということで行き過ぎもあろうし、ある程度は心がけてやらなくちゃならぬということも考えられるわけです。そうしないと、いつまでも再建団体として規制を受けておるという理由はないわけですから、こういうふうなのは知事の財政運営の今日の一つの大きな問題でしょうけれども、こういう点に何か親心を示していただくということですね。なお多少、私資料を持ちませんから今申し上げませんけれども、再建団体を終わった行政水準と一般の行政水準というものに差があるものだろうかどうだろうかと思って伺ったのです。もう一ぺんちょっとお考え聞かしていただきたい。
#24
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘になりましたような点はあろうかと思っております。従いまして、また逆に再建を完了すると、当該団体の財政当局者では、再び泥沼に落ち込んじゃ大へんだ。しかし、相当な支出の要求が強くなるだろうから、これを押えるのに心配だというふうなことを漏らしているものも相当あるわけでございます。ただ基本的に非常に水準が低いのだ、財源がないためにそういうことになっているのだという点につきましては、将来とも再建を完了したからこれは全く見ないのだということじゃなしに、よくその団体については注意をしていきたいと思いますし、必要な助言、援助もしていきたいという考えでおるわけでございます。
#25
○鈴木壽君 先ほどの鍋島委員のお尋ねの中にありました公団や公社の問題に関連してでございますが、何か自治省ではこういう公社を作っていったり何かすることについて制限する法律的な措置を講じようというように考えておるやに伝えられたこともあるのですが、そういうことについてはいかがでございますか。
#26
○政府委員(奥野誠亮君) 頭から制限をするという方針をきめて検討しておるのじゃございませんで、将来公社、公団が増加する傾向があるけれども、これについてどういう態度をとるべきであるかということについてよりより協議をいたしておるわけでございます。公団、公社の乱設というと語弊があるかもしれませんが、非常にたくさん作られてきている。それはそれなりにそういう行き方も、行政の必要もあることを示しておるのだろうと、こう思うのでございます。ただ頭から規制する結果は、必要な行政を押えてしまうという結果になっても穏当でございませんので規制するという立場でなしに、どう考えていったらいいかということについていろいろ検討をしておる最中でございます。
#27
○鈴木壽君 そこで、これは先ほどの鍋島委員のお尋ねに対するあなたの答弁の中で、大体考え方がわかりましたが、やはり公団、公社、特に地方ではあまり公団という名前じゃなく公社という名前を使っておるようですが、公社等の設立に踏み切るといいますか、そういうふうになっていくのは、一つは、資金の面だと思うのです。起債のワクが少ないというようなことからくるそういう面。で、こういうものを作って公社みたいなものを作って特に民間の金も入れよう、こういう傾向は、非常に考え方が一つ大きくあることは確かなんです。それで今全国に二百くらいの公社がある。いろいろな種類の公社でしょうが、その程度の数があるということなんですが、一つの大きな理由は今言ったようなこと。それから一つは、私はやはり会計制度の現在の法規の上での制約等に関係するそういうことから、言葉は少し悪いかもしれませんが、もっと自由に、たとえば年度を切られたりするための、会計年度のああいう制限のための実際の仕事をやる場合の不都合さがあるということから、そういうことからのがれようと――のがれようという言葉は悪いかもしれませんが、そういうふうなことも私は一つあるのじゃないかと思うのです。ですから、特に資金の面において、私は企業のそういう資金についてのワクの拡大ということを十分考えていかなければならぬ問題ではないかと考えます、公営企業の場合。
 それから今の会計制度からくるそういう制約といいますか、もう少し楽になりたいということについて一つの企業の会計の場合、何か方法を考えてやる方がいいのじゃないかということを私は考えるわけです。だからといって無制限に何んでもかんでも公社、そういうものでやらせろ、こういう意味じゃないのですけれども、私はやっぱり今の公社でやらなければならぬそういう理由があり、しかも、公社を設けなければならぬという理由の中には、今言った二つの問題があるとすれば、そういう面で考えていく必要があるのじゃないだろうかと思うのですが、その点についていかがでございましょうか。
#28
○政府委員(奥野誠亮君) 今の一つの資金面から公社を作っていく傾向があるのじゃないかとおっしゃる点ですが、これはその通りと思います。しかし、公社を作ってでも地方団体の究極的財政責任全部ひっかぶるそういうものをやってよろしいものなら地方債として正式に認めてもいいんじゃないか、こう私たちは考えるわけでございますので、先ほど読み上げましたような通達をいたしたわけでございます。地方債の許可が得られないから公社を作ってやっていくのだ、そういう気持であるなら地方債の許可が得られるか得られないか、とにかく、その問題について相談をしてごらんなさい、こういうことを言っておるわけであります。私たちはできる限り地方債の弾力的な運営をはかっていきたいというつもりでおるわけでございまして、地方債計画がもう一ぱいだから地方債のめんどうは見られないという態度はとらないつもりでございます。公社を作りましても別に政府資金が借りられるわけじゃございません。また民間資金を使う場合でありましても、地方団体の責任で借りる方がはるかに有利な条件で借りられる。公社でありますと、自然悪い条件のもとに借り入れをせざるを得ないのだと思うのでございます。地方債の計画の外になって参りますと、政府資金の世話まではできないでございましょうけれども、少なくとも地方団体として銀行資金等の借り入れをはかった方が有利な条件になるのじゃないか、こう思うわけでございます。従いまして、資金面から公社の設置という方向にいっているんじゃないかとおっしゃっている点、これも相当にあると思います。あると思いますが、そういうことに追いやられぬように私たちは地方債の運用をしていきたい、こういう考え方でおります点を御了解願っておきたいと思います。
 第二番目に会計制度が非常に硬直して、その結果こういう公社の設置に進んでいるんじゃないだろうかという点でございます。私は、この点については、地方公営企業法を制定しておりまして、企業会計方式を、条例で定めれば採用することができるようになっておりますので、そういう点は少ないのじゃないだろうかと、こう思うわけでございます。ただ、むしろそれよりも議会の制約から離れていきたい、一々議会から干渉されては困る、だから公社を作ってやっていくと、こういう傾向が多分にあると思うのでございます。そのことがまた私たちとしては一つの問題だと、こう考えておるわけでございまして、しかも、公社の名前でありましても、財政責任は地方団体に帰着してしまうわけでございますので、ただ、そういう意味だけで行なうのならこれは考えものだと、こういう気持を強く持っておるわけでございます。
#29
○鈴木壽君 前段のことにつきましては、お考えはわかりますが、私、そういう方向でいったら、何でもかんでも公社でやらなければならぬというふうな考え方にはならぬだろうと思います。特に必要な、どうしてもというようなことは、これはあり得るにしても、乱立して、その結果また運営の上で問題になるというようなことは私はなくなるだろうと思いますから、そういう意味でそういうようなあなた方の起債に対する態度なり、資金の需要に応ずるような相談の仕方なりというものがあれば、まあ公社の設立に踏み切ろうとする一つの理由というものは薄弱になるだろうと思うのです。会計の問題ですが、これはたとえば、ある県において土地造成の仕度をする、あるいは市においてですね、そういう場合、いわゆる公営企業として別途の会計でやれるところはそれは確かにお話のようにやれますが、ただ、その年度ごとに金を持ってきて、あるいは起債によって年度ごとにやっていかなければいけないという形をとっておるところが今のところは多いのじゃないかと思うのですね。ところが、それでは十分なる土地造成あるいはその他の仕事の場合にどうもうまくないのだ。今言ったように公営企業というはっきりした一つの別途の会計をもってやるよりも、むしろさっきも言ったように幾らか議会の面も確かにあるでしょう。そういうこともありますが、そっちの方へ振りかわっていくというようなことが現に私出ているんじゃないだろうかと、こういう意味で、そういう問題の際の会計といいますか、財務制度の問題も一つ考えてやることが、いわゆる公社の乱立とか、あるいはその結果、うまくない運用をしでかすものが出てくるというようなことを避ける意味において、何か一つの役立つ方法になってきやしないかと、こういう気持でお考えをお聞きしたわけです。
#30
○政府委員(奥野誠亮君) 財務会計制度におきましても、いろいろ問題がございますので、現在検討している最中でございます。
  ―――――――――――――
#31
○委員長(増原恵吉君) 委員の異動がありましたので御報告いたします。
 本日付をもって、委員西田信一君が辞任され、その補欠として徳永正利君が委員に選任されました。
#32
○鈴木壽君 これはあとでいいんですが、これは奥野さんの方でやっています公社の、どこの県にどういう公社があり、どこの市にどういう公社があるというような、そういう何かお調べがありますか。あったらあとでけっこうですから参考のために一つほしいと思うのですが……。そうして単なる名前だけでなしに、どういう仕事を現在までやっておられるのかというようなことまで、もしできたらお願いしたいのですが、いかがでございましょう。
#33
○政府委員(奥野誠亮君) 公営企業課で調査した資料がございますので、それを提出させていただきます。
#34
○加瀬完君 交付税の質問をする前に、その前提の歳入の関係について若干伺います。それは今度の交付税の算定で、単位費用の引き上げの内容として、次のような問題が解決されているかどうかということなんです。この三十四年度、三十五年度を見ても、法定外課税が非常に多い。この法定外課税というものは、漸減させるような方向に今度の単位費用というものは組まれておるかどうか。それから先般地方財政計画等で御説明もありましたし、それから地方税法の改正のときにも御説明があったんですけれども、事実は住民税は上がっておる。特に府県民税は、町村によりましては二倍ないし三倍ぐらい総額においてかぶさってきております。これは標準税率というもので、一応当然県も県民税をかけるわけでありますけれども、標準税率よりも低い町村などでは、標準税率で割り出されると総体の額が今までの二倍ないし三倍ということになって、いろいろ問題が起こっております。これらの標準税率によるところの住民税へのはね返りなどというものは、今度の交付税の算定で一体考慮の中に入っておるのかどうか。まずこの二点伺います。
#35
○政府委員(奥野誠亮君) 法定外普通税は、どちらかといいますと、整理するという方向で指導して参ってきておるわけでございます。普通交付税の計算上特別なことはいたしておらないわけでございます。ただ財源が全体として豊かになれば、金が少ないので法定外普通税を起こすんだというような傾向は、これは当然なくなっていくだろうと思います。財政状況がだんだん改善されておりますので、そういう意味での無理な課税はこれは廃止されていくと、こう考えておるわけでございます。現在法定外普通税のウエートは非常に低いものになってしまっております。
 第二番目の県民税、市町村民税の問題でございますが、基準財政収入額を計算します場合には、標準税率による計算をいたすわけでございまして、これは従来と少しも変わりございません。従いまして、かなりきつい課税を行なっておる団体は、その差額だけ自由に財源が使えていけるということになるわけでございまして、全体として財源が豊かになってくれば、そう無理をして、それ以外の財源を調達するという必要は薄れていくということが、同じように言えるのじゃないだろうかと、こう思うわけでございます。制度の上には何ら改正はいたしておりません。
#36
○加瀬完君 私が伺うのは次の逆なんで、制度の上には御説明のように欠陥はないわけです。しかしながら、標準税率というものを設けて、まあオプション・ツーの本文を主体にしてやっていくと、こういう方針なんですね。それは住民税に実際にかかってきた場合に、いわゆる増税にならないかというと、そういう心配はないという御説明であった。ところが、県民税などはそれを標準におろして参りますと、たとえばオプション・ワンの非常に低い税率でかけてあった町村なんかにとりましては、県民税の県の割当額というものが二倍ないし三倍ということになって、結局、今までから見れば増税という形になってはね返ってくる、そういう形では、これは交付税を今御説明のようにふやしたといっても、地方財政計画の基本そのものがぐらついてしまってはおかしいじゃないか、こういう意味なんです。もっと一つの例を出せば、たとえば固定資産税は大体三十四年度は二八%ぐらい超過課税をしておりますね、今度の説明によりますと、一応超過課税を納めるわけです。それを交付税でまかなうわけです。しかし、これをまかなえるかどうかということにまた問題が出てくるのではないか。そうすると計算の上では交付税の単位費用を上げて計算して、それだけ交付税を配付するわけですから、足りていることになりますが、実際は足りなくて、いまた法定外課税なり、その他の方法なりというものを講ぜざるを得ないということになるんじゃないか。それではどうも初めの財政計画そのもの、歳入の構成そのものにどこかもう少し検討する要があるのではないか。逆を言うならば、十二分に歳入を裏づけるだけの交付税になっていないんじゃないかという疑義が持たれるわけです。伺っている点はそういうことなんです。
#37
○政府委員(奥野誠亮君) どうも話を理解していない点がありはしないかと心配しながらお答え申し上げますが、地方財政計画上は御承知のように標準税率に基づく税収入を計上しておるわけでございます。団体によっては超過課税を行なっておりましても、それなしに財政収支が合うという建前で計算をしているわけでございます。府県民税の市町村への配付は、市町村の課税の状況いかんにかかわらず、一定の計算によって割り当てられておるわけでございます。従って、府県民税と市町村民税との比率で申しますと、市町村民税の税率が引き下げられていけば逆に府県民税の市町村民税に対する比率は多くなるということはその通りでございますが、絶対額においては何ら異同はないということじゃなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
#38
○加瀬完君 私の質問もどうもはっきりしない点があるかもしれませんから、もう一度申し上げますと、地方交付税の単位費用を上げて、率直に言うならば、去年よりもことしの方が交付税が条件が私はよけいにもらえるようになったのだから、町村にとればそれだけ財政は去年から比べれば比較的楽になっていいはずなんですね。ところがまた、今までの地方財政計画や、あるいは地方税法の説明の中では、別に交付税が引き上がっても、各団体の個々は財政的には楽にならないという説明は何もないわけです。交付税が引き上がって地方税も悪く変わったわけじゃない。あるいは地方財政計画も去年か、ら見れば後退したわけじゃない、ですから財政はむしろ昨年から比べれば固まってきた、こういう御説明に承っておった。ところが、たとえば私どもの方の県の例を出せば、千葉県なら千葉県で地方課なり税務課なりが、県民税の割当を各町村にやりますね。それを見ると、三十五年度の県民税の二倍ないし三倍という額がきめられて、これだけ県民税を取れという形で町村に押しつけられる。町村は交付税はよけいもらうようなものの、今度は県民税をよけい、去年から見れば二倍ないし三倍払わなきゃならないことになりますから、住民税は一つも引き上げられないはずのものが、実質的には引き上げられるという形になる。こういう、一方は地方交付税で財政を固めると言いながら、どんなに固めたところで、一方で別の吸い上げ口が今のように公然と行なわれておっては、地方団体、特に市町村としては困るのじゃないか、こういうことなんです。
#39
○政府委員(奥野誠亮君) お話しよくわかりました。地方交付税がふえて地方財政が改善されない、あるいは地方税がふえて地方財政が改善されない、いずれにいたしましても、そのもとは国民の出した税金でございますので、租税収入に増加があるということは、国民の負担の絶対額が多くなってきておるということに帰着すると思います。問題は、国民の所得がふえた以上に税金がふえているかどうかという問題にならざるを得ないのじゃないかと思うのでございまして、やはり所得がふえておれば、租税収入の絶対額が多くなってきても、これはまあやむを得ないのじゃないだろうかと、こう思うわけでございます。従来の税率そのものが重くなったわけじゃございませんので、絶対額の問題であろうと思います。それ以上に所得がふえて参ってきておるわけでございますので、それを負担する力があるかないかという問題として検討すべき性格のものじゃなかろうかと、かように思います。
#40
○加瀬完君 しかし、二倍ないし三倍ということですよ、県民税が一挙に引き上がるということが、経済的条件の変化だけでそう大きな吸い上げが行なわれるということは考えられないと思います。結局、住民税のかけ方に問題があるということにならないか。
#41
○政府委員(奥野誠亮君) 県民税の個人分は三十五年度が百九十八億円、三十六年度が二百四十二億円ですから、四十四億円の増加に全体としてなるようであります。従いまして、二割余りの増加になるようであります。二倍、三倍という話はちょっとわかりかねるのでございますけれども、あるいは例外的な団体においてそういうことがあり得るのかもしれませんけれども、全体としては、今申し上げるようなことでございます。しかし、かりにふえた団体でありましても、おそらく所得がそれなりに特に他の団体よりもふえているからそういうことになっておるのだろうと思います。千葉県の県民税が全体として二倍になっておるということはまずあり得ないのじゃないかと、こう存じております。ですから町村によって例外的にある、だから所得のふえ方が他の団体の住民の場合よりもどこか特に多かったことがあるのじゃなかろうか、こう思うわけでございます。全体としましては今申し上げましたようなケースになっておるわけでございます。
#42
○加瀬完君 これは全体の計算は初めから合わせているのですから合うのですよ。それから全体の計算でそう一〇〇%以上も違うということは当然考えられない。ただし、各個々の町村になりますと、オプション・ワンの比率で町民税をかけておる。その町民税の率に従って県民税がかかってきたわけでしょう、今度。ですから同じ県であっても各町村ばらばらであったわけですね。同じ収入で、同一経済条件であっても、町村によりまして県民税の負担率というものは違ってきておる、今までは。違っておったのです、今までは。今度何か県で標準税率か何かをとって一つの試算をしてお前のところはこれだけ県民税をかけろというふうな方向でおろしているのじゃないですか。ですから去年納めた県民税に比べると、二倍ないし三倍というものが出てきておる、こういうやり方が一体許されるかどうかということです。
#43
○政府委員(奥野誠亮君) 県民税は、もし市町村において従来から所得税額の何%という方式をとっておったといたしますと、比率で示されていくわけでありますから、まず今おっしゃったような事例はないと思います。第一課税方式を市町村がとっておりました場合には、その所得税が二倍、三倍になった場合は、これは当然住民税が二倍、三倍になって均衡がとれると思うのであります。所得税額はそんなにふえていないのに、県民税だけが二倍、三倍になったと、こういうことがあれば、どこかに間違いが起こっているのだと思うのでございます。理論的にはあり得ないと思います。それからただし書き方式、あるいは第二課税方式をとっておる団体につきましては、前年の所得税額の調査をして県が絶対額を配分しておるわけでございます。絶対額を配分しておるわけでございますから、その調査資料に誤りがあって是正されるというような式のことがあり得るのじゃないかと思うのでございますが、それでありましても、所得税額がふえていないのに、ただ配分額が二倍、三倍になるということは私どもにはちょっと予想されないことでございます。そこで、具体的の市町村を教えていただきまして、どういうことでそういう結果になっているのか、調べさしていただきたい。一般的に考えまして、私たちには全く納得のいきかねるお話でございますので、具体的の団体について調べてみたいと思います。
#44
○加瀬完君 まあそれはそうしていただくことなんですけれども、私の問題にするのは、住民税を今度の地方税の改正であのような形に変えて、第二方式の本文なら本文という一本にすればこれは問題がないわけです。ところが、一本にしないで、また前後のいろいろの変化ということを認めているわけです。ですから市町村によりまして、同じ経済的条件であっても、県民税においてはそれぞれ重い軽いが生じてきてしまう、理論上はそうであっても。町村の中では同じでも、町村を別にすれば、たとえば家族五人で五十万なら五十万の所得をとっている者でも、町村によりまして県民税は違ってきます。それを県がそういうものを是正するために何か調査して一つの標準を出して、お前の方は幾ら、お前の方は幾らと、こういうふうに割り当てた結果が二倍ないし三倍という大変化を生じたのではないかと思うのです。これは何も県民税の問題をどうこうするわけじゃないのですから、よろしいのですが、そのように、あるいはさっき申しました固定資産税の超過外課税にしても、どうもまだ交付税を引き上げただけでは十分でない措置が歳入構成の中に残っておるのじゃないか、こういう心配がありましたので伺ったのです。具体的に、たとえば警察の費用なんかは、交付税をいろいろ算定をなさいましてもまだ十分ではないのじゃないかと思われますので、次に数字で例を申し上げてみます。
 三十四年度の決算で調べますと、物件維持補修費、扶助費補助費、これらの一般行政費が各都道府県分合わせますと、百十三億一千四百万になっておる。別に事業費がありますが、事業費は各府県それぞれ特殊事情がありますから、これを除きまして、一般行政費の百十三億一千四百万円、これを法律できまっておる通り二分の一国庫補助があるとすれば、これは五十六億五千七百万になるわけです。ところが、国庫支出金は二十八億五千九百万しかありません。本来ならば五十六億五千七百万補助があるべきものが、二十八億五千九百万しか補助がないということになれば、この差額というものは、これは地方の負担になるわけです。今度の交付税の算定ではこういう問題が解決されているかどうか。
#45
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘になりましたように、国庫補助負担金が実所要額を基礎として計算する場合には少なきに失すると思われるような点がかなりあるわけでございます。そういう意味では年々国庫支出金の算定の是正ということを求めて参ってきておるわけでございまして、若干ずつは改善されて参ってきていると思います。単位費用を計算します場合に、二分の一とか、三分の二とか、国庫負担金が確定していきますものについては、そこに算入されています額に対応して、それだけの比率で計算された国庫支出金があるものとして計算をしておるわけでございます。しかし実際問題として、そこまで国庫支出金がこない場合には、それだけ穴があいてしまうということになるわけでございまして、その計算方式は、単位費用全体を通じてとっているわけでございます。従いまして、御指摘のようなものが単位費用の中には出て参ろうかと、こう思っておるわけであります。
#46
○加瀬完君 これは三十四年の決算ですがね、二十七億九千八百万という地方の超過負担金は相当大きいじゃありませんか。五十六億五千七百万を当然もらえるはずのものが、二十七億九千八百万だけ……。
 この二つの数字を比べてみて、あまりにも超過負担分が大きいじゃありませんか。
#47
○政府委員(奥野誠亮君) 国庫支出金は、一定の所要額の計算の仕方を基礎にして算定されておるわけでございます。決算額は、地方団体が現実に支出した額でございます。現実に支出した額の一定割合を国庫支出金として国が出していくんだというような方針がとられておりますものについては、お述べになりました通りかと思うのであります。たとえば義務教育の教員給与費、これは実支出額を国が負担するわけでございますから、もし御指摘のような事例がありますと、もっぱら国の責任を追及すべきものだと思います。しかし、そうじゃありませんものについては、あながち国の方の支出が少ないばかりとは言い切れない面があるわけでございます。たとえば警察庁舎につきましては、二分の一を国が補助していくという建前になっておるわけでございますけれども、地方団体の庁舎の支出額が、全部国の計算している基礎通りだと、こうも言い切れない面もあるわけでございますので、一方的に国だけを責めることもできない。しかし、もとより国の支出額が穏当でない面もありますので、そういう点については、私どもは年来要望を重ねてきているわけでありまするから、そういう点のありますことも御了承願いたいと思います。
#48
○加瀬完君 これは交付税の問題ではなくて、まあ結論を出すならば、交付税をどのように算定しようが、国庫支出金の伴う地方の委託事務みたいなもの、あるいは警察行政みたいなものだけにこういうような計算が行なわれておっては、交付税を算定したって算定のしようがないじゃないですか。もう一つ数字を申し上げると、今、局長さんのおっしゃった建築なんかを含む事業費は、歳出額が二十七億九千八百万国庫支出金が六億九千四百万、二割そこそこですよ。しかし、事業費は、それぞれ地方団体によって特殊な事情がありますから、それを除きまして、理件費を見ますと、歳出が九十四億一千百万、国庫支出金が二十三億七千八百万、維持補修費が、歳出額が五億九千三百万、国庫支出金が一億五千万、扶助費補助費が、歳出額が十一三億一千万、国庫支出金は三億三千百万、こういうことで、結局、二分の一との差を見ても、二十七億九千八百万という差が生じている、こういう行政のやり方をそのままにしておいて、交付税だけをどのようにやったところで地方の赤字というものは埋まるはずがない。で、局長さんの今の御説明ですと、これはあながち国の責任だけではないというけれども、十三億一千万円かかっているものに対して三億三千百万円だけしか支出金がない。当然国が支出する義務がある支出金がないということでは、地方はやっていきようがないじゃありませんか。しかも、警察ですよ。府県会議員だって警察の費用をぶっ削れなんて勇ましいのは何人もいませんよ。言った通り出す。ところが、それだけの国の補助というものは態勢がとれておらない。それをみんな地方も背負っている。先ほど鍋島委員から再建団体の問題が出ましたけれども、私はやはり鍋島委員の心配に同感なんですよ。それは給与なんかは、若干昇給昇格を引き延ばしたりなんかしておりますけれども、上げないわけにいきませんよ。これはある程度やっぱり上げまして、年末手当なんかが、国で変われば、おれの方は再建団体だから五〇%しか出さないというわけにいきませんから、やはりこれに準じて出していく。ですから消費的経費は割合に節約されておらない。節約しようがない。投資的経費でやる事業で落としているのが多い。再建団体ですから一応今まで背負った借金が幾らか埋まってきたのと、いろいろのささえがありましたから、ささえの条件で財政的には有利になってきたということにすぎない。ささえの方を全部とってしまって、もう一回お前で走れということになれば、これは半身不随の状態がそのまま残っておりますから、また再建団体になったのと同じ過程をたどらないとは保証できないですよ。ですから鍋島委員の御指摘のように、再建団体を一応抜け出したならば、今度は再建団体にならないような何心財政的保証というものを考えてくれなければ心配だというのは、もっともだと思う。そういう状態なんです、事実。その状態の中に、さらに再建団体を苦しめているものに、あるいは貧弱団体を苦しめているものに警察費がある。こういう警察費の国庫支出金のあり方であっては、私は府県にとっては大きな負担だと思う。この点は自治省として、いろいろ折衝するときに、もっと国庫支出金の裏づけというものを確実にしていただくように希望を申し上げておきます。このことは教育費にも同じ傾向が出ております。これは三十三年の文部省の調べですから、少し古いですけれども、小学校児童一人当たり教育費の都道府県の開きを調べてみると、昭和二十四年は最高最低の開きが標準偏差で出しますと八百六十三円であった。それが三十二年になりますと千八百七十九円と開いている。また最高最低で見ると、最高は、三十二年は二万一千五百九十五円、最低は一万一千三百八十四円、これだけ開いているのです。同じ都道府県で義務教育費、平等でなければならないものがこういう開きがある。これは町村で見ても言われますよ。これは三十四年度の千葉県の町村で調べてみますと、もちろん教育費人口一人当たり、一番いいところは二千八百四十三円になる、ところが、市でも、一番低いところは七百十四円、これだけ開きがある。こういう行政格差というものはどこから一体生じているのか。やはり財政そのものにアンバランスがある。行政的な手腕、力量の差もありましようけれども、財政的アンバランスというものがあるわけなんです。そういうものを今度の交付税の単位費用の改訂については、どれだけ一体ならそうとなされておられるか。こういう警察費、教育費という一番負担の大きいところは案外ならされておらないのじゃないかという心配がありますので、この点を一つ……。
#49
○政府委員(奥野誠亮君) 教育費の問題につきましては、府県でありますと教員給与費の問題でありましょうし、市町村の問題でありますと小中学校の施設の経費だと思うのであります。こういうような経費につきまして、適切に算定し財源保証の程度を厚くすれば、それに伴いまして、地方団体間の格差というものは縮まっていくだろうという気持を持っているわけでございます。今般の改正にあたりましても、特にそういう点に意を用いて改正を行なったわけでございまして、たとえば特に学校を測定単位とする単位費用を引き上げる、そうすることによって、面積の広い、学校数の多い弱小の団体の基準財政需要額を増大するというようなことをいたしているわけでございますし、また通信運搬費でありますとか、備品費でありますとか、あるいは燃料費でありますとか、あるいは賃金でありますとか、そういうような意味の経費を増額して参ったわけでございまして、こういうような特殊な意味で増額いたしましたもの、すなわち給与改訂が行なわれたら自動的にふえるというようなものを別にいたしましても、全国で約三十億円余りの増額を行なっているわけでございます。そういう方向を通じまして、御指摘のような点の解消をはかっていきたい、こういう考えでおるわけでございます。
#50
○説明員(松島五郎君) 先ほど先生から御指摘のございました警察費について、物件費等につきましての国庫支出金が二分の一に達しないのではないかという御指摘でございます。これは、決算から申しますと、先生がお述べになりましたように、物件費は、三十四年度の決算額では九十四億一千百万円に対しまして国庫支出金が二十三億七千八百万円でございますので、二分の一になっておりません。しかし、警察関係のところで一括して物件費と申しておりますのは、警察官の被服費等、あるいは庁舎の燃料費あるいは消耗品費というようなもの、あるいは光熱費というようなもの等を一切含めまして、一方、この中には警察の実際行政活動に要します自動車のガソリン代とか捜査費用とかというようなものも含まれているわけでございます。現在の警察法の施行令によりますと、人件費並びに警察官を設置するに伴いまして必要になります経費、具体的に申しますと、被服費等は全部都道府県の負担となっております。また庁舎の管理等に要します経費、電燈料でございますとか、水道代でございますとか、あるいはそこで使います燃料費でございますとか、そういったものも全額府県の負担になっているわけでございます。従いまして、物件費という項目でまとめました場合に、そのちょうど半分が国庫支出金となるというわけではございませんで、もとより国庫支出金の交付の内容等につきまして、なお是正すべき点はございますが、必ずこれが二分の一にならたければならないというわけのものではないのではないかというふうに考えております。
#51
○加瀬完君 蒸し返して恐縮ですが、一体警察行政というのは非常にへんぱなものだと思うのですよ。地方単独の事務なのか、国の委任事務なのか、はなはだ不明瞭だと思う。地方自治体警察だと、こう説明する、確かに今言ったように、その費用のほとんどというのは県が負担をするわけです。指揮権はどこにありますか、指揮権は国家公務員である地方本部長が持っている。何人かの上級幹部に握られているんでしょう、これは国家公務員。この国家公務員は御存じのように、地方公安委員会の同意はおりますけれども、中央で任命するものです、実質的には。指揮命令の一切の権限というものも、これは警察庁長官が持っている。そういう形であるならば、警察行政に要する費用というものはもっと国が負担をするのが当然なんです。そういう主張を私たちはしたいのです。地方公務員であり、地方固有の事務ということであるならば、本部長の任命も、幹部の任命も、これは地方公安委員会なり知事なりにまかすべきです。費用は地方が負担して実際の権限は国が握っておる。そうであるならば、それが被服の費用であろうが、捜査の費用であろうが、ガソリン代であろうが、少なくももっと国の分担割合というものは多くていいんじゃないか、そういう主張を自治省にしてもらいたいという趣旨なんです。
 で、交付税の算定を、いろいろ単位費用をお変えになったのですけれども、こういう点はどの程度お考えになっておるんでしょうか。たとえば税収の傾向を自治省が出された資料から調べてみますと、都市人口一人当り額は、二千百円から四千三百円、全国平均は三千六百円、人口の十二万以上になりますと、だんだんよくなってくる。町村は二千円から二千六百円、内容的には都市、町村を通じて産業構造の高いものが税収が多い。それなら交付税は産業構造の低い方によけい流されてこなければ均衡が保てないということになるのですけれども、産業構造の高低というものを交付税の算定で現在どう考えておられるか、あるいは将来これはさらにどういうものをお考えになるおつもりですか。
#52
○政府委員(奥野誠亮君) 独立税収入の地方財源に占める割合がふえて参りますれば参りますほど、御指摘になりましたように、基準財政収入額の方式上七割ないし八割の方式をとっておりますので、二割ないし三割が多くなって参ります。従って、基準財政需要額の算定におきまして、そういう独立税収入に恵まれない地域の保証を厚くしておくというような方法をとるべきだと、かように考えておるわけであります。そういうこともございまして、今回の改正において、数値の低い市町村の基準財政需要額を傾斜的に増額するという措置をとったわけであります。数値を計算するにあたりましては、第二次及び第三次の産業就業人口が全産業就業人口に占める割合の低い団体が数値が低いわけでございますが、今おっしゃいましたような団体でございます。そういう団体につきましては、特に傾斜的に増額する措置をとったわけでございまして、市町村の分だけでその額が三十六億円に及んでおるわけでございます。その他の点につきましても、たとえば農業行政費の単位費用を上げるというようなことでありますとか、先ほど申しました面積とか人口を基礎にして算定してやるというような措置をあわせ講ずることによって、御指摘のような欠陥の生じないようにして努めてきているつもりでございます。
#53
○加瀬完君 それで法律案要綱に示されましたように、農業行政費なり商工行政費なり、その他の土木費などというものの単位費用は、その三十六億ですか、それらがその単位費用の合計ということになるのですか。
#54
○政府委員(奥野誠亮君) 私が申し上げました三十六億円の分は、これは態容補正の改正によって行なう部分でございます。三十六億円ぐらいでございます。そのほかにもいろいろなものがあるわけでございますが、需要額全体といたしましては、全体で八百十億円ふえてきているわけでございます。単位費用のものも補正経費のものもございます。
#55
○加瀬完君 一応態容補正で三十六億に相当額をおやりになる、これは態容補正というものをある程度よほど変化をつけてもらわなければならぬと思うわけです。しかし問題は、あとで御説明になりました一般の単位費用が上がりましたけれども、これで十分かどうかという問題がまだあとに残っておるわけです。たとえば道路費は、市町村分は引き上げたとおっしゃる、どれだけ引き上げたかというと、面積については三円七十七銭、道路の延長については二円一銭、それから府県分は、道路の延長については四十円と九十六銭、面積については一円と十五銭。四十円と九十六銭ということであれば、これは相当単位費用が引き上がったという感じを持つ。道路延長について二円と一銭引き上げて、これで急に市町村の道路がある程度維持補修並びに改修ができるということになりますか。
#56
○政府委員(奥野誠亮君) 道路整備につきましては、道路整備五カ年計画がございまして、どのような道路から改修してゆくかというようなことになっておるわけでございますので、交付税の計算もそれに合わせて行なうことにしておるわけでございます。どちらかといいますと、国道から優先して改修してゆくということにならざるを得ませんので、自然増加傾向は、どちらかといいますと、国道や府県道の分担を行なっております府県ということにならざるを得ないのじゃないか、かように考えておるのであります。いずれにいたしましても、その計画に合わせまして基準財政需要額の増額を行なったわけでございます。
#57
○加瀬完君 昨年来の政府の方針で公共事業というのが非常にふくらんできた、道路にすれば国道あるいは主要県道というものがよくなってきておる、しかし、それだけでは住民の直接利益というものには百パーセントプラスするという形にならない、その国道に結ぶ県道、県道に結ぶ市町村道というものが実際的によくならなければ、道路計画は進行したとは言えないと思う。道路五カ年計画といったって、あの当時も大いに議論したんですけれども、これは国の道路五カ年計画であって、市町村にとれば一つも道路五カ年計画にならない。どうせおやらせになるならば、今まで市町村の土木費のうちの道路延長の単位費用は九円と二銭でしょう、今度それを十一円と三銭にしたんですね。なぜこれを、せめて府県分の単位費用の半分くらいにできないか、これは減ったわけじゃありませんから、ありがとうとお礼を申し上げたいのですけれども、二円と一銭ふやしたところで、しかも、非常に物価なんか上がっているでしょう。これは、大体上がったのは二〇%ですよね。二〇%ぐらいは、物価や賃金が上がりますと、結局、去年と同じだけしかできないということになるのじゃないですか。それから、その他の土木費も、人口一人当たり三十四円四十一銭ふやしているでしょう。三十四円四十一銭ふやして、人口当たりにして幾らになりますか。どうも単位費用はふやしていただいても、仕事をするにはまだできかねる。ですから、寄付を集める、こういう形をとらざるを得ないと思う。もう少しふやせなかった理由は、どういうところですか。
#58
○政府委員(奥野誠亮君) 地方財政計画の上でも、一応支出の規模が二三%以上の増加になっておるわけでございますので、従来の例から見ますと、画期的な財政規模になってきている、財源の充実の速度になってきている、こう言えると思うのでございます。しかし、税外負担が多いじゃないか、地方の行政水準が低いじゃないかというようなことを御指摘になりますと、私たちもなお一そう財源の充実をはかっていきたいというように思うわけでございます。他方には、減税の要請も強いわけでございますので、やはりある程度国民負担のことを考えながら、漸進的に財源の充実をはかっていくという道を選ばざるを得ないのではないか、かように考えておるわけでございます。その場合に、どのようなところから充実をしていくかということになって参りますと、それぞれについて、国で五カ年計画等を定めております場合には、それに即して財源の充実をはかっていかなければならない、こういうことになろうかと思うのでございます。
 道路について御参考までに申し上げますと、基準財政需要額の増額は、道路、橋梁、街路を合わせまして三百四十三億円でございます。そのうち、道府県については二百四十七億円、市町村については八十六億円、こういうことになっておるわけでございます。それにいたしましても、市町村でありましても四割乃至五割の増額と、かなり思い切った増額措置がとられるようになったわけでございます。もっぱら、これは道路整備五カ年計画の地方負担額を充足したいということで改正をはかっておるものでございます。
#59
○加瀬完君 そこですよ、問題は。国の道路五カ年計画の負担金なり分担金なりを単位費用として計算してありますから、表面の額は多いかもしれませんけれども、市町村自体とすれば、市町村道の何カ年計画というのは、一つも進まないわけですね。四〇%にも五〇%にもなっておらない。論より証拠、これは特別に選んだわけではなくて、行き当たりばったりに三十六年度の市町村の予算書を幾つか当たってみました。そうすると、A町は、橋梁費で当然ふえておるべきはずのものが四十一万二千円減っている。道路新設改良費、これで百十七万七千五百円減っている。
 農業費では三十四万一千円減っている。B村では、道路橋梁費で二十四万四千七百円減ってている。農林費では十一万八千円、新農村建設費では七十九万三千五百円減っている。C町では、農業費で七千二百十五円減っている。D市では、道路の維持修繕費で七十一万六千二百五十三円減っている。橋梁維持修繕費では六十二万一千円減っている。失対の道路整備費では百八十万七千六百二十九円減っている。こういうように、予算書を見ると、ほんとうならば、こういう形で一応単位費用がふえたのですから、県は当然それぞれ単位費用がふえて、道路費でも、あるいは農業費でも、若干計算の上では上がっているという指導をしているはずだ。にもかかわらず、組まれた予算というものは、議決された予算というものは実際の町村では、こういう単位費用のふえた分をふやすわけにいかなくなっている。これが実態です。正真正銘だ。県から資料をもらってきたのです。決算じゃないです。三十六年度の予算書から調べてみたのです。前年度の予算と本年度の予算を比べてみると、今言ったような数字になっている。そうしてみると、五カ年計画で、国の計画が進んでいるかもしれぬけれども、地方計画は一つも進まない。こういうことでは、これはどうも、単位費用の二円一銭だの、三円二十七銭だのというふやし方では、問題の解決にならないということにならないか、こう思うのです。ふやしてくれたのはけっこうです。ふやし方が足りない。足りない証拠には、予算がふえてないじゃないか、こういう質問を重ねたい。
#60
○政府委員(奥野誠亮君) いろいろと御鞭撻していただくことは大へんありがたいのですが、御指摘になりました予算は、私は三十六年度の当初予算と三十五年度の最終予算との比較じゃないかと、こう思います。もし当初予算と当初予算との比較で、そのような団体が数多くあるとするならば、まずそれは集計の間違いだろうと、こう私は思います。事実、三十六年度の地方財政は三十五年度に比べますとかなりよくなっております。また三十六年度の予算編成におきましても、ある程度年間を見通して計画的に組んでもらうという意味で、基準財政需要額がどの程度伸びるだろうかということを、特に二月に総務部長を集めまして、一応の見積もりを示したりいたしておりますので、計画的に私は三十六年度は従来よりも予算を組んでくれたものだ、こう期待をいたしております。もし、具体の例について異常なところがございますなら、具体的に教えていただきまして、私の方でも調査いたしたいと思います。
#61
○加瀬完君 一部分三十五年度の最終の予算額より下回るということなら、今おっしゃったように、それは何月の議会で追加予算を出すはずなのだから、今は少ないがということにもなろうかと思いますが、一応今御説明のように、ことしは財政力もある程度去年よりもプラスされるということになれば、去年の予算の総額とにらみ合わせて、あまり変化がない数字というものが盛られて当然だと思う。ところが、軒並みに低いでしょう。ですから、これは奥野局長のお考えになっているように、非常に交付税の単位費用等を増額してもらったので、ことしはわれわれ町村においても五ヵ年計画ができるというような受け取り方はしておらないということは概括的に言えると思う。これは町村の名前をあとでお見せしてもけっこうです。
 その単位費用でもう少し文句があるのです。たとえば単位費用のいろいろの算定をしておりますけれども、人頭庁費というのがありますね。本庁と出先機関と試験場とみんなこれは違いますね。違っているところもあるかもしれませんよ。しかし、燃料費一つとれば、本庁で燃料費使うときは四百円、出先では二百円、試験場になると、どういうわけか百円、こういう差というものは、どうも旧態依然たる中央が一番強くて、出先に行くほど先細りになる弊風をそのまま残しているのじゃないか。備品費にしたって、本庁は千百円、出先は七百円、試験場は五百円、市町村は四百円。光燃費もそうですよ。本庁が二千百円、出先千三百円、試験場八百円、町村は八百円。試験場とか出先というものは二千百対千三百、二千百対八百の割りで仕事をすればいいということになりますか。あまり電気をつけておくとこれはだめになってしまう。おかしいじゃないか。これは、単位費用は燃料費だの光熱費だの、そんなに本庁と出先と違うはずがない。本庁の方々はいかに思われるか、この点は。
#62
○政府委員(奥野誠亮君) 人頭経費の出し方を、従来の実績を基礎にしまして、こういう計算の仕方をしておりますので、得指摘になりましたように、従来出先を、多少財政的にどちらかといいますと、十分金を回していないというような面が現われていないとも限らない、こう思います。そういう点につきましては、だんだんと財政状況も改善されて参っておりますので、将来さらにそういう点の検討を重ねまして、是正すべきものは十分是正に努めていきたい、かように考えております。
#63
○加瀬完君 これはぜひ単位費用を変えていただきたいと思います。どうもあけすけな話で恐縮ですけれども、出先機関はどうして調達しているか、光熱費や燃料費の不足を町村にみなかぶせるわけですよ、分担金幾ら幾ら出せというので。試験場なんかもそうですよ。足りないから関係者に幾ら幾ら集めてもらいたいというので、それで燃料費や光熱費をまかなっている。私はあまり寄付みたい変な集め方が多いので逆に調べていったら、四百円、二百円、百円という差が出てきて、これでは、なるほど足りない三百円は寄付で集めるよりほかないということがわかってきたのです。だから、どれもこれも本庁と同じようにしろということは妥当を欠きますけれども、少なくとも、もっと本庁と出先機関というものを接近させる必要のものもあろうと思います。そういう点将来考えていただけますか。
#64
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘の点、まことにごもっともでございますので、十分研究してみたいと思います。
#65
○鈴木壽君 関連して。次官、今お聞きのように、いろいろな結論は、単位費用なり基準財政需要額の見方が低いということなんです。というのは、いろいろ不合理を認めながらも、上げることによってやはり交付税のワクに制約のあるところからくる問題があると思うのです。それがもう大事な一つのポイントだろうと思うのです。そこで、私どもは従来今の交付税率じゃ少ないのだということを言っておりますが、単にそれは何%上げればいいというふうな、そんなことだけでなしに、やはりこういう実態から、どうしても現在の率のままでは、今言ったような問題が解決できないという、そういうことなんです。はたしてそれがわれわれが主張するような三〇%でいいのか、あるいは三一%でなければならぬのか、これはいろいろ問題はあると思いますが、結論は、私は今の交付税率のそれでいったんじゃワクがふえないから、従って、こういう是正もできない、こういうことにならざるを得ないと思うのです。
 そこで私は一つ実情なり、特にあなた方にお願いしたいのは、お願いというよりも、むしろ要望したいのは、率の引き上げによって交付税のワクを広げて、思い切って単位費用を引き上げることが何より大事な問題じゃないだろうかということについてのお考えなり、御決意のほどなり、そういうものがあったら一つ聞かしてもらいたいと思うのですがね、これはこのままでいったら、たとえばさっき加瀬さんが詳しい数字までお述べになっての御質問なんでありますが、毎年出ます交付税の解説、大きな厚い本を私も実はひっくり返してみると、そういうふうな問題が幾つもあるのですね。何かもっと詳しい三十六年度の算定基礎になっている数字なんかを、実は私資料として、昨年度との比較ができるような、そういうものが実はほしいと思うのですが、今またそれを要求すれば、はたしてすぐ出てくるかどうか、新たなそういうものを作るための難儀をかけてもちょっと気の毒だと思いますからやめますけれども、そういうのですから、やはり、たとえば二円一銭の単位費用が引き上げられたと言っても、これは長さが、かりに市町村道が何メートルあるか、実態を一々個々につかむわけにいきませんけれども、かりに何キロあったとしても、これで増額される分は知れたものですね。しかし一方、補修なり改良なりをする場合に、一メートル当たりどれくらいかかるかというと、これもまたすぐ出てくることなんで、そういうものとの比較の場合にこれは問題にならぬ数字であるわけなんですね。特に今の市町村の大部分は、道路等についての未改良部分が非常に多いのですね。こういうことから考えますと、もっとその基準財政需要額というものを引き上げて、市町村に財源を与えるという方式をとらない限り、他に一方に国の方で五カ年計画でこれこれでやるのだ、ガソリン税を引き当てにこういうふうにやるのだ、補助率を若干上げるという、これだけでは道路の問題一つとっても、なかなか加瀬さんが指摘するように、前進はしないのです。ですからこの点、根本的な問題で一つあなた方の考え方をお聞きしたいと思うのです。どうなんですか。
#66
○政府委員(渡海元三郎君) 地方財政に種々深甚なる御警告を賜わりまして、地方自治の確立のために寄せていただきました御意見につきましても、ごもっともであろうと思います。私たちも絶えず地方財源の充実に努力していかなければならないと考えております。現状をもって決して満足するものではございません。ただ地方財政の全般を当然国の財政の中における地方財政の部分という意味で考えまして、本年度特に交付税率の引き上げということを、国の財政全般の上から困難であったので行なえませんでしたが、もとより、これをもって十分であるということも考えておりません。なお地方財政の充実ということにつきましては、単に交付税率の引き上げのみでなく、地方税の増収ということによって、おのずからこれの単位費用、財政需要額の単価等も実情に合い、しかも、地方の行政の水準を上げ得るところの単価が持ってこられるのじゃなかろうかと、かように考えております。幸いにいたしまして、前年度来、政府諮問機関である税制調査会等で御審議願っております中央、地方を通ずる税制改革の案というものも考えておりますが、これらの面におきましても、中央と地方のあり方で、自主財源の充実をはかり、もって地方財源の充実というものに寄与せなければならないと考えております。この面と、あわせまして、現在の交付税率がはたしてこれでよいかどうかということは考えらるべきものじゃないかと、かように考えております。今後ともにこの面の充実に努力をいたしていきたい、かような所存でございます。
#67
○鈴木壽君 これはまああなたの今のお話で、今後とも努力していくということですが、これは、たとえばお話の中の、一般財源を特に税収入の増強にもよらなければならぬということ、これは確かですが、しかし、少なくとも今の町村の大部分が、どのように今の税をいじっても、現在以上はるかに多くこえて財政が豊かになれるような、そういう税改革なんか実際のところあり得ないのです。われわれも実はいろいろな問題で、こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないかということは考えたり、あるいは案を作ってみましても、事、今の町村に関する限り、一体どこから税収入の大きな増大を期待できるかというと、根本的には私はあり得ないと思うのです。ある限られた町村は別ですよ。あるいは市関係になりますと、工場がくることによってとか、いろいろな点はありますけれども多くの町村においては、これは私は限度があると思う。そうしますと、一体どこで財源の充実をはかっていくかということになりますと、私はやはり、今の交付税等によってやるしか手はないと思うのです。そういう意味で、私は特に交付税の問題だけを申し上げておるわけなんですが、これは大蔵省あたりで相当抵抗があると思う。これは毎年のことで、出すものは少しでもいやだ――いやだといっては悪いかもしれませんけれども、とにかく渋るのですから、これは相当な抵抗があると思いますけれども、やはり今のようなこういう基準財政需要額の形でいくならば、町村というものはいつまでたっても私は救われないと思うのです。そういう意味で、交付税率の引き上げということが、大きな問題にならなければならない。特にこの際、気をつけていただきたいことは、これは悪く勘ぐっているかもしれませんけれども、たとえば三十五年度において先ほど鍋島委員が指摘されました二百億の三十六年度への交付税の繰り越しというような事柄も、場合によっては、大蔵省からすれば、来年度に変に税率の引き上げなんかされちゃ困るのだというようなこともあるいは考えたんじゃないかと勘ぐりたくなるような事実もあるわけなんですね。ですから、こういうものともあわせ考えながら、やはり自治省としては、あくまでも交付税の引き上げということ、従って、それに伴うところの財政需要額の引き上げということをうんとがんばってもらいたいと思うわけです。単にお世辞でなしに、努力しますとかという一ぺんの通り言葉でなしに、私はほんとうにやらないといけないと思うので、特にくどいようでございますけれども、あらためて一つきょうのおしまいとして次官にお考え方をもう一度御答弁願いたいと思う。
#68
○政府委員(渡海元三郎君) 私の言葉不足のために、あるいは私の考えておりましたことが十分通じなかったのじゃないかと思いますが、ただいま鈴木委員御指摘の通りでございまして、三千五百有余の自治体の財政状況が、あまりにもまちまちであるというところに、自主財源だけをもってしては補い得ない日本の自治体の苦しさがございます。このために、これの均衡財源と申しますか、調整財源としての交付税制度が認められておるのでございますが、私も鈴木委員と同じように、どんな税金を取りましても、貧弱団体はいよいよ貧弱である、富める団体に多くいくという日本の地方自治体の現況というものは救うことができない。そのために調整財源たる交付税の税率を引き上げをして充当すべきであるということは、今仰せの通りであろうと考えます。ただ私が申し上げましたのは、自主財源を強化するとともにこれと引き合わして、そういった観点からも税収面でどの程度の補強ができるか、それとあわせて調整財源たるこの交付税をどういうふうに持っていくかということ、これを十分に論議していくべきじゃなかろうか、こういうことを申し上げたのでありまして、決して片一方、税だけ上げたらいいのだという意味で申し上げたのではなかったのでございますが、言葉不足のために意思が通ぜず、申しわけないと思います。仰せの通りでございまして、私どもも今後とも国の財政とにらみ合わせまして地方財政の充実を期し得られまするよう、十分、交付税率の引き上げその他による地方行政水準の引き上げに要する財源を充実するよう努力いたして参りたい、このような所存でございます。
#69
○鈴木壽君 次官は地方行政のベテランでございますから、今さら私が申し上げなくてもいいと思うのですが、次官、いつまでおやりになるかわかりませんが、いられる間に一つ大臣と一緒になって、この問題について一つ前進をはかるよう最大の努力を私は期待して、きょうのところはこれでおしまいにいたします。
#70
○加瀬完君 ちょっと一つ残しましたから……。市町村関係の土木費のうち、道路の面積、道路の延長を単位費用の基礎にしておりますね。すると、新設線などはどうなりますか。
#71
○政府委員(奥野誠亮君) 道路になりません限りは、その意味の測定単位の中に入ってこないわけでございます。そういうこともございますので、面積とか人口とかいうものを測定単位とする部分に投資的経費の算入をはかるように今回いたしておるわけであります。
#72
○加瀬完君 それは、その他の土木費ということになりますね。その他の土木費が、面積、人口を単位に出ていますね。しかし、都市計画を施行するところは別ですけれども、そうでない場合は、やはり予定線というものも、これは県あたりで市町村道は認定するものは認定して、予定線こらいは単位費用の中に入れないと、これから産業開発をいろいろやって、新しい道路を作らなければならないのに、新しい道路というものはできませんね。これを将来考えていただけませんか。単位費用の中に予定線を……。
#73
○政府委員(奥野誠亮君) 御指摘になりましたものは都市計画事業費を見る場合のことだと思います。それ以外の御指摘のありましたものを見るために、その他の土木費じゃなしに、その他の諸費のところに、面積という測定単位を加えているわけでございます。そこで一般的な投資的経費を算入する、そのことは、もとより都市計画事業費だけじゃございませんで、全面積を測定単位として取り上げているわけでございます。
#74
○加瀬完君 都市計画の施行区域は都市計画でやれるのですが、しかし、都市計画を施行しないところでも、やはり産業開発のためには、新線道路というものを作らなければならない。こういう場合の道路については、単位費用というものの算定は一つもない。そこで、やたらに予定線を作られても困るけれども、県なら県が一応認定権かなんかを持つ形にして、県が認めた市町村の予定線というものには、それが新設工事を起こすときには、単位費用の中に算入するというような方法を考えてもらわないと困るだろうということなんです。その点も将来考えていただけますか。
#75
○政府委員(奥野誠亮君) あるべき道路所要財源をどう算入していくか、こういう問題に帰着するのだろうと思います。現在では、先ほど申し上げましたように、道路の面積なり延長なり、現にでき上がっているものを基礎として算定するほかに、その他の諸費で新たに面積を測定単位とするものを設けまして、三十六年度の単位費用は二十九万三千円というふうにいたしておるわけでございます。一応これであるべき投資的経費を、道路に限りませず、その他のものと合わせまして、それぞれの行政費において算定し得ないものを捕捉する、こういうつもりでやっておるわけであります。しかし、これだけでも十分だと思いませんので、将来とも、あるべき投資的経費をどのような形において捕捉していくかということについて、検討を重ねていきたい、かように考えます。
#76
○委員長(増原恵吉君) 残余の質疑は次回に譲り、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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