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1960/05/30 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第25号
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1960/05/30 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第25号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第25号
昭和三十六年五月三十日(火曜日)
   午前十一時五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月二十七日委員杉山昌作君辞任につ
き、その補欠として森八三一君を議長
において指名した。
五月二十九日委員徳永正利君辞任につ
き、その補欠として西田信一君を議長
において指名した。
本日委員森八三一君辞任につき、その
補欠として杉山昌作君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           基  政七君
   委員
           小柳 牧衞君
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           津島 壽一君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
           占部 秀男君
          小笠原二三男君
           加瀬  完君
           松永 忠二君
           杉山 昌作君
  衆議院議員
           丹羽喬四郎君
           川村 継義君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   自治大臣    安井  謙君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   法制局第一部長 山内 一夫君
   警察庁刑事局長 新井  裕君
   文部省管理局長 福田  繁君
   自治政務次官  渡海元三郎君
   自治大臣官房長 柴田  護君
   自治省行政局長 藤井 貞夫君
   自治省選挙局長 松村 清之君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
説明員
   自治省財政局財
   政課長     松島 五郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方議会議員互助年金法案(衆議院
 提出)
○地方交付税及び地方財政法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○選挙制度審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 五月二十九日付をもって委員徳永正利君が辞任され、その補欠として西田信一君が委員に選任されました。
#3
○委員長(増原恵吉君) まず、地方議会議員互助年金法案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○加瀬完君 この互助年金法案でありますが、私は御提案は当を得たものだと思いますので、もちろん賛成であります。ただ、この問題ではいろいろ誤解もありますし、それから新聞などでも、一部は若干批判がございます。これはむしろ提案者よりは自治省あたりのPRが非常に不足しているのではないか。そこで政府当局に伺うのでありますが、地方公務員の特別職が、たとえば町村長とか市町村長とか、あるいは助役、こういう特別職は、退職金ももらえば、あるいは互助年金以上のいい条件でやめたあとの給与の支給もあるわけです。一般公務員はもちろんです。町村議員だけが永年勤続をしている場合、互助年金のような制度が施行されるとすると、いろいろ物議をかもす。しかし、条件は国会議員と同じように兼職の禁止もございますし、相当きびしい。戦前でありますれば、あるいは戦後の早い時代でございますと、兼職もできましたし、いわゆる名誉職としての名実伴ったわけです。今は名誉職といったような気持では、ほんとうの意味では地方議員は勤まらない。これは国会議員と、まあ会議の日数は違いますけれども、その任務なり心がまえなりというのは少しも変化がない。変わらないと思います。ですのに地方議員の永年勤続者にこういうものをやろうとすると、何かいろいろの、やるべからざるものにやるような、また名誉職的な見方というものが強い。これは一般の人々に地方議員の任務というものを十分に理解させる必要があるのじゃないかと思うのです。この点は、どうも市町村長などの関係には、割合にあたたかい見方をしておりますけれども、どうも議員に対します自治省の見方も、やっぱり一般の世論をそのまま受けるのかどうか知りませんが、その間、差等があるように感ずるのであります。その点十二分なPRが足りないというように、そのための誤解がずいぶん多いと思いますが、いかがですか。
#5
○政府委員(渡海元三郎君) 御趣旨まことに、ごもっともでございます。私たちも十分今後とも議員の職責の実情につきまして御趣旨の点、PRに努めたいと存じます。
 現在の地方自治法の給与体系におきましては、常勤の特別職に対しましては、ただいま申されましたように、一般公務員と同様な退職年金の制度あるいは給与制度が確立されておりますが、現在の地方自治法の給与体系の中では、非常勤の特別職、議員等につきましては、戦前の観念のいわゆる名誉職的なものは付与いたしておりませんが、給与関係におきましては、あくまでも実費弁償報酬という形で行なわれておるところにそういった根本的な欠陥があるのじゃなかろうかとも考えております。しかしながら、この給与体系を現在の議員の実情、勤務の状態に合わして解決するのは非常に困難な状態でありますし、とりあえず今度議員提案されます議員年金制度も、まず自分らで互助年金を作られますような制度のもとにこの欠陥を補おうとされているんじゃないかと、かように考えております。その法文の中にありますところの附則の第四条で、年金制度に統一されます際にも、十分ただいまお述べになりました御趣旨を勘案の上、現状に合ったような統一制度の方針について考えていきたい、かように考えておる次第でございます。今後とも御趣旨の点のPRにつきましては努めて参りたいと思います。私たちは、本法律案の議員提案につきましても、ただいま述べられましたような実情、議員の任務というものも考えまして、お手助けする分は、事務当局といたしましていろいろな面の立法の参画に対しましてもお手伝いさせていただいておるような状態でございます。ただいま御趣旨のような点は今後とも十分注意いたしまして、PRに努めて参りたい、かように考えております。
#6
○加瀬完君 確かに常勤、非常勤の差はあります。常勤、非常勤の差はありましても、その義務なり任務なりというものについては、市町村長であろうが、市町村議員であろうが変わりはない。たとえば、自治法によりましても兼職の禁止その他の制約事項というものは、市町村長も議員もほとんど同じです。それならば、議員提案というふうな方法ではなくて、むしろ自治省自体が、互助年金法でも何でもいい、議員の職務を永年に勤続をした場合は、こういう形で報奨をするという、あるいは待遇をするというふうな、そういう方法を考えてしかるべきじゃなかったか。いろいろ議員提案に対してアドバイスされた点は御説明になっておりますが、アドバイスするのではなくて、自治省がみずから提案すべき問題ではないか、こう思いますけれども、この点はいかがですか。
#7
○政府委員(渡海元三郎君) この点、現状に合わせまして議員立法よりもむしろ政府提案の形において出すべきではないかという点につきましては、御承知の通り、国家公務員の共済年金制度が確立しました現在、一日も早く地方公務員の共済年金をこれに準じて訂正すべきが当然でございます。私たちもこれに対しまして鋭意努力して参りましたのでございますが、まことに申しわけないのでございますが、一部国庫補助の関係で本年も見送らざるを得ない状態になりました。できるだけ近い将来にこの問題を解決いたしまして、一日も早く国家公務員制度に合うところの地方退職金の制度を打ち立てたい、かように考えております。もちろん、この際には私たちは政府提案の形におきまして議員の年金制度もやりたいと、かように考えておったのでございますが、この制度ができるのを待たずに確立したいという気持もあって、今日の議員提案になったのではなかろうか、かように考えております。それらの点を勘案いたしまして、議員互助会で発足される限りにおきましては、私の方は議員提案の形に持っていっていただくようにお願いするのが妥当ではなかろうか、かように考えまして議員提案にしていただいたのでございまして、その点、先ほども申しましたように、御趣旨としては賛成でございますので、事務その他につきまして十分のアドバイス等をさしていただいているような次第であります。
#8
○加瀬完君 くどいようですが、どうも市町村長のやることは、おきめになることは割合に大目に見る。また組合などもあって、職員のいろいろ出してくることも、これもある程度話し合いをつけなければならない。しかし、地方議員なんというのはむだなことをきめて、身勝手なことをやるんだというような先入主がおありになるんじゃないかと思う。そうでなければ、互助年金などを議員立法をするまでのほんとしておられるはずはない。なぜならば、国会議員などはそういうものができている。もう十分に研究が済まされなければならないものだと思います。疑って恐縮ですが、地方議員というものは市町村長より率が悪いものだというものの見方が潜在意識にでもありましては、それはなかなか事が解決しないと思う。といいますのは、兵庫県で事務組合が退職金をきめた、それによりますと、町長は一年から五年の退職年数の者は、今まで一・五でありましたものを三にしまして、倍に引き上げた。助役、収入役も、それぞれ引き上げたのであります。ところが、職員は全然引き上げてないのです。六年から十年の者も、数字を申し上げますと、町長であれば一・六であったものが三・一、助役は一・六であったものが一・九五、収入役は一・六であったものが一・七五、職員は〇・六であったものが〇・六、もちろん議員はこの中には入っておりません。名誉職ということであれば、特別職である市町村長も助役も収入役もこれは名誉職なんです、常勤ではあっても。むしろ退職手当等を必要とするものは一般職員であるはずにもかかわらず、職員の場合は全然上げない。で、事務組合で条例を改正して、倍に上がったのは市町村長、こういうことでは、これをそのまま自治省はお認めになると思いますけれども、こういうようなやり方をそのまま認めておられては、どうも市町村長は何か特別待遇をするけれども、市町村長というものはやっぱり執行部は高く見る。高く見るというか、優位な地位に見て、議員なんていうものは数も多いしするから十ぱ一からげで低く見る、こういう見方があると言わざるを得ない。この点どうでしょう。
#9
○政府委員(渡海元三郎君) 市町村長、助役と、常勤の者に対しては重く見て、議員に対しては、何と申しますか、差等をつけておるのじゃないかという御意見でございますが、私たち決してそのようなことは考えておりません。率直に御答弁さしていただきますなれば、私は民主政治の根本というものは、結局、地方自治になければならぬと思うのです。国民の民主政治に対するほんとうの教養というものを高める教室は地方政治にあるのだ、こういうふうにことわざでもいわれておりますが、そのためには、地方政治をつかさどるところの理事者も、また議員もともに一般住民から信頼され、尊敬されなければならないと思う。しかるに、率直に申しまして、残念ながら個個の特定した議員というものに対しましては、わが国の民衆はみんな尊敬の念を持っておりながら、抽象的に議員という言葉を吐いたならば、何かそこにまた一種の区別感ではございませんが、何と申しますか、差等をつけたような感じを持っておるのが、まあ現在の一般の観念の姿ではないかと、かように考えております。この観念を払拭してほんとうに信頼される議員なり、当局理事者が現われないことには、ほんとうの民主政治は確立しないものではなかろうかと、かように考えておるわけであります。そのためにも、地方政治におけるところの議員の方々の職責も、またほんとうに信頼する政治を生み出すために、議員も信頼されるようにならなければならないと、かように考えております。この点、現在の自治法制定の中にありますところの二百四条による退職金の禁止規定のごときが、常識的に行なわれるものですら法に触れておるのだという意味から、ちょっとしたものが大きく取り上げられ、しかも、それが監査請求などの事例によって現われるために、よく根を掘り下げて聞いてみれば当然のことでありながら、それが大きな社会問題になって、いよいよ議員に対する疑惑を深くするということが、それがいけないことであるとかねがね考えておったのでございまして、このためにも私たちはあるべき姿におけるところの制度を確立しなければならないと、かように考えております。しかしながら、現在の自治法におきましてはまだその点にまでいっておりません。常勤の特別職と非常勤の特別職との間には法制上の区別がついておりますので、この点もやむを得なかったのではないかと考えておりますので、今後とも御趣旨の線に沿いまして努力をして参りたい。
 なお、ただいまの具体的な点につきましては、局長から答弁さしていただきたいと思います。
#10
○政府委員(藤井貞夫君) 退職手当組合の問題がございましたが、この点は一部事務組合として特別職たる執行機関あるいはその他の一般の公務員について、これを対象にして実施をいたしておりますいわゆる一時金としての退職手当の共同運営の方式でございます。この場合において普通一般の県等におきましては、知事さん等がやめられる場合におきましては、普通の一般公務員とは違った歩増しの制度をとりまして、それぞれの機会に議会に諮ってこれを決定するという仕組みで運営されておるのが通例でございますが、町村等の場合におきましては、この退職手当組合の対象にいたしておるのが普通でございます。その点で任期あるいは職務の重要性等を勘案をいたしまして、若干の歩増しをやったというのが今御指摘のあった点であろうと思っております。その点まあ若干の歩増しをするということ自体は、職務の重要性あるいは任期の問題等から見ましてこれはやむを得ないところであると思いますけれども、一般公務員と違ってあまりにも多額の歩増しというものをやりますることは、その点おのずから自戒を求めなければならない問題ではないかと考えております。今お話しになりました点、私、具体的内容は承知をいたしておりませんですが、一般的にはこのような運営が好ましいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 なお、るる御指摘がございましたが、われわれといたしましては、決して議員というものに対して、執行機関よりこれを軽視するというような考えは毛頭持っておりません。それらの点につきましては、世論の動向その他につきましても一考をわずらわす点があろうかと思いまして、それらを中心といたしまして、われわれ自身といたましても、今後PRその他の点につきまして十分自粛自戒をいたして参りたいと、かように考えておる次第でございます。
#11
○加瀬完君 今の問題から直接関連もありませんが、逆に質問をいたしますが、町村長でありますと、在職年数が一年から五年で一・五の支給率が三・〇に上がっている。一般職員は三十一年以上勤務しても〇・六五で変わりがない、こういう条例改正というものを妥当なものとお認めになるかどうか、具体的なことで。市町村長を特別に考えておらないと言うけれども、この条例をそのまま何ら注意もしないで通させるというならば、これは特別に考えていると言わざるを得ない。一年から五年の短い期間のものでも倍に上げて、三十年以上も勤務した職員は一つも上がらない、こういうきめ方をお認めになられるかどうか。行政指導をなされないのかどうか。
#12
○政府委員(藤井貞夫君) 私は、一般論として執行機関と議決機関の間に差等を設けるというか、考え方について区別をしていくと、議会あるいは議事機関というものを軽視していく、そういう考え方はいけないという二とを申し上げておるのであります。ただ、その他の常勤の職員の取り扱いにつきましては、町村長あたりについては、今も申し上げましたように、職責の点あるいは任期の点、また選挙でもって選出されるという点、それらの点を考慮いたしまする場合においては、一般職員に対してよりある程度のそういう歩増しと申しまするか、優遇措置を講じますることは、これは私はやむを得ないところではないかと、こういう意味で申し上げたのであります。
#13
○加瀬完君 それは認めます、その通り。それで今までは三役は一・五であった。で、一般職員は〇・五であった、一年から五年まで……。これが二十年以上の勤続者でありますと、今までは町村長は一・七であった、それを今度は三・二にした。それで一般職員は〇・七であったが〇・七、据え置きそのままだ。変えるというならば、少なくも二倍ないし二倍に近く三役を上げるというならば、一般公務員だって若干上げなければ比率が合わないじゃないか。差等はある程度あるでしょう。ありますけれども、今申し上げたような差等をそののままにして、片方は一つも上げない、片方は二倍に上げると、こういうやり方をお認めになるというならば、これは町村長なり常勤の特別公務員というものに対して特別に考えているとしか考えられないじゃありませんか。
#14
○政府委員(藤井貞夫君) 特別職に対する給与の指導方針と一般職に関する給与の指導方針はおのずから異なっております。一般公務員については、給与の関係あるいは退職手当の基準というものにつきましても、一般公務員と同様の措置が講ぜられることを期待をしていろいろやっておるのであります。特別職、特に町村長等につきましては、これは個々のいろいろ具体的な実情もございます。従来の取り扱い等の沿革の問題もございます。事実現に行なわれておりまする知事等の退職手当等につきましても、県によりましてその実情が個々具体的に違っておるようであります。そういう問題につきまして、何か一般的な統一規定を設け、あるいは統一規定を設けないまでも一つの基準を設けて指導するということも一つの考え方でございますけれども、私たちとしては、今のところ、それらの点について明確な基準というものをきめて、それを指導していくというところにまでは踏み切っておりません。そういうような点から今御指摘になりました点につきましては、町村長の職分その他の点にかんがみまして、歩増しの制度を改めたということでございまして、私たちの方といたしまして、その点について格別の指導をいたしておるわけではないわけであります。
#15
○加瀬完君 格別の指導をしなくていいかということなんであります。というのは、さっき政務次官の説明のように、今度の互助年金は、一般公務員の年金が成立した場合は、その中に流れ込んでいくでしょう。今互助年金に対する一つの批判は、結局一般公務員と同じ年金制度になれば、議員が勝手な要求を出して、たくさんの公費を使うのじゃないか、互助年金そのものは形の上からは賛成なんだが、この次に来る一般年金に流れ込んだあとの公費の乱費をするもとを作ることもおそろしいということを言っている。なぜそういうことを言うかといえば、今兵庫県の一例を出すように、退職年金を改正する、町長は二倍にする、一般公務員は据え置きだと、こういうものを目の前に見せられては、議員だって、町長があんなに取っているならば、われわれだってもっと取ったっていいじゃないか、こういう議論をする者も出てくるかもしれぬ。あるいは一般の人は、町長と一般職員がああいうふうな比率で退職金がきまるのだから、今度は議員の連中もあの町長と一般職員の比率のようにまたむさぼり取るだろう、これでは公費の乱費になってたまらない、こういう批判が出ている。だから、こういう問題を三対一であったものが六対一になった、これじゃひどすぎるじゃないかというように行政指導をしていけば、一般の人々も自治省があのような指導をしている限りにおいては、一般年金に互助年金が流れ込んでも問題は起こるまいということになる。親切の不親切というものです、このような問題を見過ごしていることは。もう執行部は勝手なことをする、議会は勝手なことをする、こういう印象を一般の人々が受けております。今の互助年金は問題はないけれども、この次に来るものがおそろしいという不安感を持つ。持たしているのは、その一因を自治省がになっていることにもなりかねない、極端なことを言えば。三役は一・五であった、一般職員は〇・五、それを三役は三にして一般職員は〇・五、こういう改正を目の前に見せられては、これは互助年金にすらも不安を起こすもとになりますよ。でありますから、互助年金についてPRをなさると政務次官はおっしゃって下すった。互助年金でPRをするためには、こういうべらぼうなきめ方に対してもっと指導することを自治省はやってくれなければ困る。この点どうです。
#16
○政府委員(藤井貞夫君) この点は先刻申し上げておりますように、年金とそれから一時金としての退職金、その点の取り扱いでこれは別個になっておるわけであります。ただ別個といいましても関連があることであります。一般の住民というのはそこらの区別をはっきり知って論議するというわけのものでもないという点から見れば、執行機関、特に特別職関係について何か勝手なことをするというような印象を与える、そのことがひいては議員の今後の退職年金制度の運営についても危惧の会を与えておるということでございましたら、これはわれわれの本旨とするところではございません。御指摘の点につきましては、具体的な事例をさらによく調査をいたしてみまして、他の地方団体との均衡その他の点も考慮して、必要であると考えますれば適切な指導を講じて参りたいと考えております。
#17
○加瀬完君 さらに政府に伺いますが、一般公務員の共済制度に流れ込ませるときに、先ほど申しました通り、一部には互助年金が流れ込んでいった場合には、たくさんの公費が乱費されるんじゃないかというおそれがある、そうじゃないのだという点をここで御説明をいただきたい。
#18
○政府委員(渡海元三郎君) 御承知の通り、国会議員の互助年金制度につきましては、国会法でも明記されております。それに基づきまして二、三年前ですか、互助年金に関する法案が通過いたしました。これの保証責任と申しますか、それは国庫が保証するという形になっておりますが、互助年金でございましたなれば、ほんとうに現在議員提案として出ております互助年金でございましたら、その点何らの保証もないということでございます。従いまして、将来ともに長く永続する互助年金であらするために、どうしましても確固たる法の裏づけをするために、幸いにして地方共済――一般公務員の共済年金制度にこれを統合したい、こう考えております。その際、経理は当然区別するように議員提案の法文の中にもうたわれておりますが、そのようにさしていただきますが、国会議員の互助年金等も勘案いたしまして、将来多額の地方負担がこれによって生じるというふうなことは私たちは極力避けていく考えで進み、また現実に五%という掛金によりましてもそうなし得ると、かような確信を持って今回の議員提案にしても賛意を表しておるような次第でございます。
#19
○加瀬完君 一般の公費を、今提案されておる互助年金に出すことに反対ですか、賛成ですか。
#20
○政府委員(渡海元三郎君) 一般の公費を出すことに対して、あながち私たちは反対であると、かように考えておりません。ある程度のものを出すこともまた当然のことでなかろうか、かようには考えておりますが、おのずから限度があろうと、かように考えておりますので、全国的な議員の勤務の状態、また地方財政の勘案等によりまして、これをおのずから決定されるべきものだ、かように考えておりますが、現在提案になっておりますこの法案によりますと、将来約七、八年の間は、全然互助年金で一般の公費を使わずに運営できるものであろうというふうな計数的な計算も出ておりまするし、また、これが赤字になった場合におきましても、一そう将来の地方財政計画に非常に重圧をかけるといったようなものでない、かように考えております。
#21
○加瀬完君 私は公費は当然出すべきだと思う。非常勤と常勤の差はあったって公務員であることに変わりはない。三対一の割なり、六対一の割で支給するということには問題がありますけれども、おのずから限度があるということは、非常動や常勤の勤続年数、あるいは勤務の内容でそれが比率が違ってきますけれども、これは公務員でありますから出すべきだと思う。出すに値する仕事をするかしないかということは、議員個々にこれは考えてもらわなきやならないことで、今の議員がどうだから、こうだからということを理由に一、二の例をあげて、だから公費を支出するということはむだだという考えに立ってもらっては困る。当然出すべきです。そういう点でもう少し一般の国民に自治省はPRをしていただきませんと、何か議員だけが互助年金というものを作って、自分たちが身勝手なことをしているという印象がありますので、この点は互助年金法が議員提案で通過いたしましても、自治省は管轄内の所管の中の仕事でございますから、一般にPRすることを御努力いただきたいと思いますが、これはいかがでしょう。
#22
○政府委員(渡海元三郎君) 提案されました法案の中には、将来できます一般公務員の年金制度確立の際、これに統合するということが書いてありますが、その際には私たちも十分政府提案として考えなければならないのでございますので、ただいまの点を十分心に入れまして、ただいまよりも研究もし、PRを進めていきたい、かように考えております。
#23
○小林武治君 ごく簡単に御質問申し上げますが、この法案が実施されると、当然市町村等においては報酬の変動が行なわれる。すなわち、場合によっては高い方への平均化運動が行なわれる、こういうことが起こってくると思うんですが、この際、地方議員の報酬をある程度標準をきめるとか準則を作るとか、そういうふうな御意見は自治省にありませんか。
#24
○政府委員(渡海元三郎君) ごもっともな御質問でございまして、私たちも地方議員の報酬の標準額をきめるために、あらゆる調査とかそういったこともいたしたのでございますが、現在それを決定することは、非常に千差万別の給与状態にありますために、かえって地方財政にもある程度の影響を及ぼすのではないかと思っておりまして、今実施の段階に至っておりません。ただ本法案に基づきましての給与の引き上げということは十分考えられるところでございますので、先般来の一般公務員の給与の引き上げに伴いまして、相当程度の地方議員に対しまする改訂も行なわれて参りましたので、現在この法案によるところの給与の引き上げというようなことが起こらないように、十分の行政指導を加えて参りたい、かように考えておるような次第であります。
#25
○小林武治君 どうしても私は町村等にこの制度を実施することは多少時期が早いというような気がいたしますが、たとえ任意の制度でありましても、実施されればどこの町村も当然入る、入ればこの給与の平均化運動が起るというふうに考えざるを得ない。それでそのために給与をまた方々で上げて地方財政に影響を及ぼすということは好ましくないと思うのでありますが、今お話のように、この制度のために給与がまた高い方へ平均化の運動を起こすということ、こういうことについては、ある程度、押えるという言葉は変でありますが、こういうことのないように実際に行政指導をされると、こういうように理解してよろしいですか。
#26
○政府委員(渡海元三郎君) 御趣旨の通り指導をいたしていく考えでおります。なお本法律案の制度過程におきましても、ただいまの御意見のような危惧の念、御意見のあったことも十分承知いたしておりますので、関係当事者にその当時から申しまして、そういった危惧の起こらないように十分連絡をとっておるような状態であります。本法案の成立の暁におきましては、あらためましてそういう方向に向かっていろいろの行政指導をいたしまして、本法案によって給与の引き上げというようなことの起こらないように努めて処置をして参りたいと、かように考えております。
#27
○小林武治君 今の議員としての報酬等についても、地方公務員も、国会議員もいろいろなそういう規定もありますし、相当めんどうな問題であるので、将来の問題として地方議員の報酬の準則あるいは標準、こういうようなことについて何らか具体的の方策を講ぜられたらどうかと思いますが、そういう注文だけを一つ申し上げておきます。
#28
○政府委員(藤井貞夫君) ただいまの点はいろいろむずかしい点もございますけれども、そうかといって、毎々一般の公務員について給与の引き上げがございますと、それに伴い議員の報酬の引き上げ等の問題が具体化してくると要らざる疑懼を起こすという点もございますので、私どもといたしましては、今、小林先生のおっしゃったような方向でもって一つ積極的に研究をしてみたいと考えております。
#29
○委員長(増原恵吉君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方議会議員互助年金法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(増原恵吉君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
#34
○委員長(増原恵吉君) 次に、地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#35
○鈴木壽君 藤井さん、ちょっと交付税のことでございますけれども、今の小林さんの御質問並びにあなたの答弁に関連して、地方議員の報酬の問題でございますがね、標準的なものを作ることがどうかというようなお話でございましたが、一応今の交付税の中では算定の基礎となるその数字は出しておりますね。議員であれば大体月一万円くらい、それから議長は一万五千円くらいの計算で出ておるわけなんでありますが、そういう意味においては、あなた方が考えておられる、何といいますかね、地方における基準財政需要額の算定の一つの基礎となる数字だけは出ている、こういうふうに考えることができると思うのです。そこで、一体こういう数字がこのままでいいのかどうか、これとは別に今後基準を示すというようなことになりますとどういうことになるのか、そこら辺一つ、これはあなたの方とそれから財政局長の方からとお答えいただきたいと思います。
#36
○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘になりましたように、財政計画上は一つの単価をきめましてこれを基礎にしてはじいているわけであります。大体県等の関係あるいは市等につきましては、従来の実績の積み上げ等の関係でやっておりますので、そう非常識の単価にはなっておらないというふうに思っております。ただ町村あたりに参りますと、これは非常に実態がまちまちでございまして、財政計画で認めております単価に比較いたしまして、その実態はとうていそこに及ばないようなきわめて低い実支給ということが行なわれておる実例がきわめて多いのでございます。こういう点もございます。それとやはり議員につきましても、その職責の内容なり、あるいはその他の執行機関の職責との対比なり、あるいは比較にはなりませんけれども、国会議員の報酬の問題なり、これらの点とあわせ考慮いたしまして何かのやはり基準というものは見つけ得るのではないか。そういう基準を設定をいたしますることが、町村あたりについては報酬の引き上げということになる場合が多いと思いますが、しかし、適正なものであればそいつもある程度やむを得ない。先刻来問題になっております今度の互助年金法の改正を機として一般の報酬の引き上げが行なわれることはこれは好ましくありませんけれども、あるべき水準までやはり町村議員といえども持って参るということは、これは別に抑制する必要はないし、むしろそこまでいかせるというのが、職責を十分果たせる意味からいっても適当なことではないかというふうに考えるのであります。従いまして、今の財政計画に盛り込んでおります単価というものを全く無視するという気持はございませんけれども、先刻申し上げましたいろいろの要素を勘案をいたしまして一つの基準、それも法律でもって強制をしていくような措置は私は行き過ぎであろうと思っておりますけれども、一応のやはり適正な基準というものを作っていく、そうしてそれをむしろ理論的な問題として財政計画上の単価に持ち込んでいく、そういう方法で事柄を考えていくということがいいのではないか、そういう意味でございます。
#37
○鈴木壽君 少なくとも一つの当然算定の中にあるこういう数字というものは、あなた方が考えておる標準的なものだというふうになるわけなんですね。そうでないとこれはおかしなことになると思います。ですから、ここに一応、形はいろいろ標準をきめるとか、あるいは限度をきめるというような問題については、いろいろな方法があると思います。だから私は標準をきめるなり、限度をきめるなりということをするという意味で申し上げるのではなしに、今の段階においてもすでにこういうものが出ておるのは、都道府県の場合には普通の議員――これは去年の数字でありますから、あるいは今年は改訂になっておるかもしれませんが、普通の議員は月二万五千円くらいのことにしておるわけなんですね。そうしますと、これは一つの標準ということに見ていいのではないかと思うのですが、これはそういうふうに考えてどうなるのかということなんです。さらにこれが低いのだ、あるいは高過ぎるのだ、こういうのだったら、それについてどういうふうにお考えになっておられるのか、そういうことを実はお聞きしたいわけなんです。ですから、ある程度今はあなた方が財政計画にこういう数字を出しておりますから、町村が財政計画なり、あるいは交付税のこういう算定の基礎になっておるこういう数字を尊重するという一つの考え方があれば、おのずと線は出ておる。これが事情に合うか合わないかということは別に問題がありますが、これは別としましも、現在においては一つの線が出ておる、こういうことに考えざるを得ないと思うのですが。
#38
○政府委員(奥野誠亮君) 交付税の大小をきめます際には、一応あるべき所要額というようなことではじいて参ってきておるわけであります。しかし、議員の報酬額をどの程度に持っていくかというようなことにつきましては、いろいろな考え方があるわけでございまして、そういうことから世論におきましても、議員の給与をきめていくことについていろいろと批判的なものがあったわけであります。その際にどういうことをめどにすべきかということについて、自治省としても、ある程度の額を示すことはいかがなものであるか、こういうことをしばしば論議したのでございます。財政再建計画の変更というような問題にも関係を持って参りますので、財政局としては、すみやかに府県議会の議員の報酬額等についても、一つのめどを立ててもらいたい、こういう考え方を持ってきたわけでございますけれども、いろいろな意味でそういう意味のめどを自治省としてはっきり立てるという段階には現在のところまだ至っていないわけであります。しかしながら、実績がかなり上がって参ってきておりますし、どのようなところにめどを置くかということを、単に財政計画なり交付税計算だけでやっていきますことについても問題がございますので、さしあたり昨年の十月一日現在の実績を基礎にいたしまして、財政計画の改訂を行なうということにとどめたわけでございます。それにいたしましても、従来のものをそのまま据え置きに置いて参りましたので、かなりな引き上げになっているわけでございます。要するに、単に名誉職であった時代から、今日の議会のあり方がかなり変わって参ってきておりますので、そういうことにおいても報酬額に非常に大きな変遷があるわけでございます。この際にどういうところに置くかということについては、従来交付税計算において、実績を基礎にしながらあるべき所要額というようなことで算定をして参っておりますので、どちらかといいますと、実績に引きずられてきているということは言えると思うのでございます。そういうようなことでございますので、将来とも自治省としては、その点についてさらに突っ込んだ検討を加えながら考えて参りたいという気持でおるわけでございます。
#39
○鈴木壽君 これはこまかい数字のことですから、松島さんでもけっこうですが、府県の議員は、三十五年度では大体さっき申し上げましたように二万五千円程度だったと思いますが、市町村の場合は、一万円程度だったと思います。議長、副議長はちょっと上です。今年、三十六年度にはどのくらいになっておりますか。
#40
○説明員(松島五郎君) 従来の財政計画では、三十五年度では都道府県の交付団体の議員報酬が二万九千九百二十六円でございましたのを、三十六年度は五万円と改めております。それから不交付団体では四万七千六百八十六円でありましたのを七万円と改めております。なお市町村では、一般の都市では、議員さんが一万六百二十八円でございましたのを一万五千円と改めました。それから町村の議員が、千七十円でございましたのを二千五百円に改めております。これをもとにいたしまして、交付税におきましてもそれぞれ単価改訂を行なっております。すなわち三十五年度の交付税では議員の報酬の基礎が二万七千五百円でありましたのをこれを財政計画と同じ五万円といたしております。それから市町村では議員報酬が、人口十万人以上の交付団体でございますが、従来一万一千円でありましたのを一万五千円に改めております。
#41
○鈴木壽君 そこで、さっきのお尋ねをすることになるわけですが、これで実態とは必ずしも一致しない部面もあると思いますが、特に不交付団体等におきますところの都道府県の議員のこれなんか、おそらく低過ぎるのではないかと思うのです。ですから、そういう問題はありますけれども、一応ここに三十六年度としての標準的な線は出ておるというふうに考えていいのではないかと思うのですがね。さらにこれを実態を調査し、あるべき標準的なものを示す、こういうことなのか。現在のこれで大体いいのだと、こういうことなのか。そこら辺どうですか。
#42
○政府委員(藤井貞夫君) 現在の単価というのは、今御説明申しましたように、実績というようなものを基礎にしてやっております。実績といいましても、現実に交付団体等におきましてはさらに上回っているということも、あるのも、これは事実でございます。ただ私たちといたしましては、そういう実績の積み重ねといったものではなくて、もう少しやはり理論的と申しては言い過ぎかもしれませんけれども、やはり議員の職責、それと執行機関の職員との対比、あるいは国会議員の待遇というようなものをにらみ合わせてみて、まあ大体こういったところがいいのではなかろうかというような基準の実質面から一つ描き出してみる、そういう努力をやはりやってみる必要があるのではないかという感じがいたしておるという点を申し上げたのであります。その要素をどういうふうにやっていくかということはなかなかむずかしゅうございます。今、財政局長からも申し上げましたが、一時何かやはりその基準を考えてみようじゃないかということで、一応いろいろな角度から検討をしてみたのでございますけれども、なお確信の持てるような案をまだ作り出すに至っていない現状でございます。そうかといって野放図に、これは議員は特別職で議決機関であるからして、これは勝手にほおうっておいてもいいというものではございませんし、そうかといって、今町村の関係で申し上げましたように、二千五百円ということになっている、これ自体は実はかなり上がってきてはいますが、実態はもっとはるかに低いところがございます。年間で三千円といったようなところも実はあるわけであります。そういったものにつきましては、いろいろな事情もあると思いますけれども、やはり議会の議員としてあるべき報酬のめどというようなものはこういうところだということを一つ今は基準として設定をしていく、こういう努力を続けてみることが必要ではあるまいか。それが出て参りましたならば、財政の方とも相談をいたしまして、財政計画なり、あるいは交付税の単位費用ということも、それに合わせて改訂をするという方法があるのではないかという意味でございます。
#43
○鈴木壽君 何といいますか、あるべきといいますか、理論的な、あるいは合理的なそういうようなものの一つの基準を設定すべきじゃないかという考え方、これは一応わかりました。そうした場合、財政計画の中なり、あるいは交付税のこういう算定の要素として当然入ってくる、作用するというふうな考え方にならざるを得ないと思うのですが、そういうふうに考えていいですか。
#44
○政府委員(奥野誠亮君) それぞれの行政の担当部門から標準的な所要経費というものが示されるようになって参りますと、政府としては当然それをもって地方財政計画なり、交付税計算なりを行なうべきものだ、かように考えております。
#45
○鈴木壽君 そうした場合のいわゆる標準というものと、あるいはあるべきだというふうに考えられたそういう額というものと実態というものは、これはまた相当差が出てくるのじゃないかと思う。その額を上回った額の場合もあるし、また町村の場合においては、ずっと下回っているというようなところが出てくるだろうと思う。特に今一つそういう例として、これは都道府県団体における交付団体、不交付団体等の今の額を示されましたが、交付団体は、県会あるいは府会議員が七万円、これは現在、ことし不交付団体がどこになるかはっきりつかんでおりませんが、東京、大阪、それから神奈川、愛知だろうと思うのですが、これはいずれも七万円以上ですね。特に東京、大阪の場合は、十万円をこえているわけですが、これは非常に実態と合わなくなってきますね。こういうところは、これは不交付団体だからいいのだというふうにほうっておきますか、あるいはまた、実態はこうだからこれだけはやっぱり計上しなければならぬ、財政計画の上に、あるいは交付税の算定の一つの基礎として算定をしなければならぬというふうに取り扱うのかどうか、ここら辺どうです。
#46
○政府委員(奥野誠亮君) 非常に率直なお話をいたしますと、議員報酬をどうするかということで何度も考え方を実は変えております。しかし、財政の面からすぐ議員報酬――従来の算定と非常に大きく変わった数字、そしてそれをもってあるべき給与額だというふうにしていくことについては問題があるのじゃないかというような気持を持ち出したわけでございます。そこで、議員報酬につきまして、県議会にありましては、昨年の十月一日現在の実績で、これで財政計画の計算をせよ、こういうことにしたわけでございます。そうしますと、不交付団体については、はるかに大きい数字を上げなければならぬ。あまり低過ぎる。そうなっても問題でございますので、先ほどのような数字にとどめたわけでございます。将来やはり議員報酬につきましては、行政局の方で適当な報酬額というものを検討してもらいまして、それを基礎にして指導に当たるなり、計画の資料にしていくなりの考えを持っております。最近、議員報酬の引き上げの動きというものがかなり急激であったというふうに私たちは思うわけでございます。もともと議員が名誉職というふうに法定されておった時代から、その後制度的にも変わってきておりますが、現実に報酬改訂が行なわれた姿というものは、かなり急激であったというようなことが、このような問題になってきておると考えております。
#47
○鈴木壽君 理屈の上ではきちっと割り切れないところがこの場合も出てくると思うのです。たとえば、三十六年、都道府県の場合に五万円と見た。しかし、今現在で五万円でとどまっておるところはあまりありませんね、都道府県の議員の報酬が。おそらく五万円というところは、幾つくらいありますか。全部それより上じゃないですか。ちょっと下回ったところは一、二あったと思いますが。そこでその実態ちょっとわかりますか。
#48
○政府委員(藤井貞夫君) 私の方で今持っておりまする資料によりますと、五万円以下のところが二十府県あります。
#49
○鈴木壽君 五万円以下というのは、五万円も含めてですか。
#50
○政府委員(藤井貞夫君) 五万円も含めました。
#51
○鈴木壽君 ですから、五万円で線を引いて、四万円何がしと五万円何がしと線を切った場合に、いわゆる五万円に達しないところは……。
#52
○政府委員(藤井貞夫君) 五万円に達しないところは八県ございます。
#53
○鈴木壽君 そうした場合に、やはり財政計画としては、かりに五万円を上回るものはたくさんあっても、一応五万円にとどめるべきだというふうにやはり考えておられますか。
#54
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、十月一日現在の実績で財政計画の数字をきめるわけでございます。
#55
○鈴木壽君 そこで一つ別の問題に移りますが、統一単価表のことなんですが、昨年とことしは、給与費関係のことは別にしまして、建築工事費なんかは変わっておらないように見ましたが、これはどっか変わったところございますか。
#56
○政府委員(奥野誠亮君) 建築単価は改訂をいたしておりません。国税計算上は減価償却費の計算で算入しておりますが、それを変えてはおりません。
#57
○鈴木壽君 これはいろいろ関係するところが、役所関係でも出てくると思いますが、これはやはり、特に建築工事費等の場合、引き上げなければならぬ段階にきているんじゃないですか、その点はどうです。
#58
○政府委員(奥野誠亮君) 財政計画上は、投資的経費を大幅に増額しておるわけでございますけれども、建築単価とかいうふうなことではなくして、総体的に把握しておりますので、それはそれでよろしいと思うのであります。国税計算の方では、減価償却費を算入するという方式をとっておるわけでございまして、坪当たり、木造の場合には何円、鉄筋の場合は何円というものを基礎にいたしておるわけであります。その部分については特に改正はいたしてないわけでございます。むしろ木造の部分を鉄筋構造に変えていく、こういうような改正を将来は財源の許す限りやっていきたいという気持を持っておるわけでございます。最近、木材価格の高騰という問題がございますので、将来においては、そのときの建築費の状況を基礎にして十分検討していきたいというように存じております。
#59
○鈴木壽君 償却の問題の方で考えるというが、工事の単価そのものがやはり基礎になって、かりに償却のことが事情に合うようにいろいろ変えていくということが当然考えられるとしても、そういうことにならなければ私は理屈に合わぬと思うのですがね。これはさきも言ったように、いろいろめんどうな問題もあると思います。おたくの方だけでということもできない、建設省とか、いろいろなそういうところに問題が非常に関連して出てくると思いますけれども、やはりこういうところに一つの現在の単位費用が実情に合わないという問題もあるのじゃないか、あるのじゃないかじゃなくてあると思う。これはことしの、たとえば庁舎の木造二階建、坪当たり三万九千二百七十円、これは昨年も同様だったでしょう、いつからこういうふうな単価になっていますか。今の単価になったのはいつです。
#60
○政府委員(奥野誠亮君) 大体、小中学校の国庫補助負担金の算定の基礎が変わって参ります場合には、それに合わせておるわけでございます。今御指摘になりましたものをいつきめたか覚えておりませんけれども、国、地方を通じて同じような考えで財政計画を作っていくものでございますから、この三十六年度の交付税の基礎を作りますときには、国の予算単価においても改訂を加えなかった、こういう実情がございますので、従前のものを踏襲したわけでございます。
#61
○鈴木壽君 今、私が申し上げましたように、これはあなた方だけでやれる問題ではない。建設省、文部省あるいは運輸省ですか、そういうところにもいろいろ関連しますから、あなた方だけで今実情に合わないから引き上げるというような、そういう作業は私はできないことはこれもわかりますが、こういう問題、これは政府として当然私は考えていかないといけない問題だと思うのですが、次官、どうですか、こういう問題、これはやはりいつでも市町村の財政なんかのことを論じられる場合に、特に学校の建築費のいわゆる標準単価、これは低いのだ、そういうものにさらに何割かかけられて補助の坪数が出る、さらにまた起債の方もそれに関連してくるのだと、こういうふうになって、町村にとっては非常に大きな財政的な重圧になってくるわけなんですね。そういうことのためにも、私は早急に改められなければならぬと思うし、特に最近の建築費の値上り等に照らして考えてみた場合に、そういうことが私は非常に緊急なことじゃないかと思うのです。と同時に、それはいま一つは、根本的にこういう地方の財政計画なり、あるいは交付税を算定する場合に、これはやはり一つの大きなかなめになることなんですから、こういうことについて、めんどうだからといって、いつまでもほうっておくということは、これは許されないと思うのです。そういう点、これは政府として早急に改訂ということに踏み切って作業を進めるべきだと思うのですが、この点いかがでしょうか。
#62
○政府委員(渡海元三郎君) ごもっともでございます。私たちもそういった観点から、本年度の地方財政計画におきましては、三十四年度の決算を基礎といたしまして、四百四十八億という、そういった面における財政の規模是正をやって、地方財政の充実と申しますか、その面に対する財政的な実態を地方財政計画に反映できるように処置いたした次第でございますが、三十七年度以降におきましても、当然国におきましても、こういった点の是正が行なわれると思いますが、私たちも、それとあわせまして、当然御趣旨のような交付税の算定基準の単価費用も上げて参りたいと、かように考えております。
#63
○鈴木壽君 昨年度、たとえばPTAの負担の軽減、あるいは税外負担の解消というようなことで、交付税でいろいろな措置もなさいましたですね。しかし、あれでは、たとえば給食の炊事婦を一人増すとか、あるいはその他の単価において多少引き上げるとかということをしたにとどまって、むしろ問題は、こういうところが改正されないと、多少の、炊事婦を一人増したぐらいではどうにもならぬ問題じゃないかと思うのです。現に、昨年の――今年も同様な額だと思いますが、昨年のそういう措置のために出された交付税において、教育費に見られた額は、わずか三十数億、三十七億だったかと思いますが、その程度じゃなかったかと思います。土木関係はほかにありますから、総額で約九十億くらいです。今のPTAの負担の中に、実はこれはいろいろ負担してはならぬようなものがあるのですが、そのうちに、特に学校の建築費だとか、あるいは修理費だとか、そういうものがずいぶんな額を占めていることは、これは御承知の通りなんです。だから、炊事婦の問題、あるいは多少の消費的な経費を上回るような計算をしても、これは根本的な解決にならぬですよ。一つは、こういうところにまで入っていかないと、町村の教育費に対する負担を、住民に税以外の形において負担させるというようなことがなくならぬと思うのです。給食の方はよくなったかもしれません、あるいは備品、消耗品の方では多少よくなったかもしれませんが、まだまだこういうところに手をつけない限り、PTAの負担の解消というようなことは、ただ口先だけの問題になってしまう。そういうことからいっても、私はこういう問題を早急に手をつけなければならぬと思うのです。いかがでしょう、重ねて一つ。
#64
○政府委員(渡海元三郎君) 昨年度行ないました九十億の税外負担の解消という問題に対しましては、これは法的にも、三十六年度からはこれを禁止するのだというふうにやりました関係上、少なくとも実行でき得る見通しのあるものを、財政的措置をあわせまして考えたのでございます。この点不十分で、まだ税外負担の解消される面が非常に少ないじゃないかという御趣旨は、ごもっともでございます。しかしながら、財政が一度によくなれば、ともかく、現在の状態では漸進的に進まなければならないという観点から、今年度は特に税外負担ということはうたっておりませんが、先ほども申し上げましたような規模是正の姿におきまして、地方財源をその部面におきまして増額することによって、間接的に税外負担の解消をはかっていくという方針をとってきた次第でございます。明年度におきましては、おそらく国の建築単価の基準の改訂も行なわれると存じますので、あわせまして、御趣旨のような財政需要額におけるところの確固たる財源を与えるとともに、ただいま仰せられましたような税外負担の解消に対しましても、いま少し財政とにらみあわせまして、的確な配慮が行なわれるように指導いたして参りたいと、かように考える次第でございます。
#65
○鈴木壽君 話がだんだん税外負担の解消の問題になってきましたのですが、これは昨年、交付税の中で、財政需要額の中で見ていくという措置、私ども非常に歓迎をしたことなんであります。しかし、さっき申し上げましたように、市町村関係では、小中学校はわずか三十四億しかやっておりませんね。私どもは三十五年度において、そういういわば一歩前進というような形で踏み切ったのでございますから、そういう意味において、歓迎もし賛成もしたわけでありますが、さらにこれがもっと額の上で措置されなければならぬと、年々進まなければならぬというふうに期待しておったわけなんですが、そうしてまた、昨年の答弁では、今後こういうことを続けてやっていきたいと、こういうお話だったのですが、三十六年度において、昨年通りにストップした理由は何でしょうか、今年は全然前進しておりませんね。
#66
○政府委員(奥野誠亮君) すでに申し上げたかとも思うのでございますけれども、三十五年度の措置としては三本建で行なわれた。そのうち、地方財政法の改正をして、特定の経費については負担転嫁を禁止したというふうなものもあるわけであります。その分の効力発生と申しましょうか、あるいは適用と申しましょうか、それは三十六年の四月からということにいたしたわけであります。そういうような法律改正の結果、府県から市町村への負担転嫁を禁じたものがあるわけでございますけれども、一つの県において一億円をこえる負担増加を来たす、その結果市町村の負担軽減を招くということになるわけであります。そういうようなかなり思い切った措置をとっていることでもございますので、今後税外負担の姿をさらに的確に調査した上で次の措置をとらなければならないと、こういうふうな考え方もございますので、三十六年度においては地方財源一般を充実する、そうすることによって間接的には税外負担の排除にもなると思うのでございますけれども、税外負担そのものを取り上げてどうこうするということについては、やはり若干経過を見守って、十分調査をした上で対策を講ずべきではないかと、こういうような判断をいたして参っておるわけでございます。
#67
○鈴木壽君 これはまあ地方財政法の改正で三十六年度からということになり、また政令で、教育費関係では、教職員の給与に関するもの、それから学校の維持修繕に関するもの、この二つをはっきり政令でうたってあるはずなんですね。私は、こういう問題を解決するために自治省がはっきり踏み切ったことについては、先ほども申し上げたように、非常によいと思うのだが、しかし、それだけにとどまっておって、これからまだ実態を見ておって、どういうふうにするか今後考えていくというふうなやり方をすべき段階では私はないと思うのですね。なぜ、たとえば校舎の新築のような場合の負担をさせることをとめないのか、また事実負担しなくてもよいような財政措置をやらないのか。これはわずか三十四億の措置で、そういうものは、今言ったような政令にあることだけだって、実は私は不十分だと思うのです、こまかい数字は私は実は今持っておりませんけれども。だから、三十五年度にああいう措置をし、三十六年度にも引き続いてやって、そうしてそれによって事実上町村が解消のために手を打たざるを得ないようにすることが、むしろ今の段階としては、私は必要な段階に来ているのではないかと思うのですがね。もう一年見るとか、もう二年実態を見て、さらにこれから考えていくという、そういうことの段階じゃないと私は思うのです。もう何年来この問題が言われてきておって、なおかつ自治省自体がそういうことだとすれば、これは私はおかしい話だと思うのです。少なくとも、今のPTAの負担の、いわゆる公費でもってまかなわれるべきものが、PTA等のああいう形において負担されておる百数十億、これは今直ちに全部というわけには私は参らぬと思いますが、少なくとも三分の一なり半分なりということに着々私はやっていかなければならぬと思うのですが、政務次官、そこら辺どうでしょう。
#68
○政府委員(渡海元三郎君) ごもっともでございまして、税外負担の解消ということをやります以上は、建築費の部面で最も大きな額を占めますその部分にまでメスを入れなければならぬということは当然でございますが、また一面、そのためには、地方財源の確固たる裏づけをするために相当額の金額になるので、そういった関係で、昨年度行ないましたときには、特に実行し得るものを法で規定するとともに、実行し得るという確信のあるものにとどめるために建築費が除かれたものであろうと、かように考えます。しかしながら、これをあわせて解消すべきは当然の目標でございます。私たちは、これを税外負担の解消という部面に明らかにしてこれを行ないますということは当然でございますが、従来からの実際の移り変わりに要する面もございますので、特に税外負担の解消ということはうたいませんが、規模是正という部面で、この部面に対する財源を付与するという面で、間接的にこれらのものに対しましてもなし得るように努力して参ったような次第でございます。なお、ただいま局長が答えましたように、将来この制度を積み上げていくに従いまして、法制化その他に移り得る確固たる自信ができましたときには、当然基準財政需要額を引き上げますとともに、また法制的にもそういったものにまでも進み得ると、かように考えておる次第でございます。
#69
○鈴木壽君 単に交付税だけでなしに、一般的な他の財源の付与といいますか、あるいはそういう規模を大きくすることによって解決をはかることも一つの方法だというのも、確かにお話の通りですが、しかし一方で、逆に交付税の算定では、他にいろいろな財源があるなら――結局税以外に市町村には金があるわけではないのですが、これの差引関係になってきますから、私はどんどん入れていってもいいと思うのです。そういう措置は、私はむしろ効果的な措置だと思う。これはこのままにしておいて、この程度にしておいて、あとはほかの方に金が出てくるからそれでやる、幾らかでも税外負担の解消のために使えるだろう、これも今言ったように確かに一つの方法だけれども、それだったら、そういう金というものは、今言ったように、税以外にそんなにあるわけはないわけですから、基準財政収入額と財政需要額との差引関係によって、また今言ったように、もっとこれを計上することによってこれはぴしゃっと解決するのですね。抽象的な、はたしてやれるかやれないかというようなことよりも、むしろこういうことできちっとやる方が効果的だと私は思う。私はそういう方向をどんどん進めるべきだと思うのです。そうでないと、何年たっても、あなた方が解消なんて何年来かけ声をかけて指導するなんと言っても、できっこありませんよ。来年度で一つこれははっきりもう少しふやすというようなことに踏み切れませんか。
#70
○政府委員(奥野誠亮君) お話の趣旨がよくわからないのでありますが、ただ交付税をふやすとか、財政計画を税外負担の解消で幾ら上げるとかいうことだけで、私は問題は解決しないと思うのでございます。やはり何かそこに法的な措置もあわせてとらなければならぬのではないか、こういう気持を持っておるわけであります。そうなって参りますと、今直ちに小学校や中学校の建築費について住民の負担を求めることは一切なくするのだというようなことにしてしまいますと、かえってまた、そちらに問題を起こしてしまうおそれもあるわけでございまして、やはり円滑に行ないますためには、一般的な財源を付与しながら、税外負担排除の措置をあわせとっていく、しかも、それについて、その部分において問題の生じないような工夫をしていかなければならないということではなかろうかと思うのでございます。そういう意味で、実態をさらに調査したいということを申し上げておるわけでございますが、私たちのばく然とした考えでは、この次の段階としては、府県立の高等学校の経費について、市町村への負担転嫁を排除するということではなかろうかという気持を持っておるわけでございます。そうしますことが、また市町村の負担軽減にもなるし、また、それが直接市町村の住民の税外負担の排除にもなるのではなかろうか、そういうことから思い切って法的措置もあわせて講ずることができるのではなかろうかという気持を持っておるわけであります。これもさらに実態を調査した上で結論を出さなければならないと、こういうふうに思っておるわけでございますが、税外負担を排除していきたいという熱意は、私は鈴木さんと少しも変わりはないと思います。ただ、それがどういうふうな段階を経てどういうような措置をとっていくことが目的を達し得る道であり、しかも他に弊害を引き起こさないかということをあわせて考えていきたい、こういう気持でおるわけでございます。
#71
○鈴木壽君 私も、単なるあなたのおっしゃるような財政的な措置だけでなしに、法の上でもやらなければいかぬということは考えております。従って、財政法の改正もああいうふうになりましたし、それから特に政令等においてああいうふうにきちっとやることも、私はそういう意味では賛成しているのですよ。そういうことも両方考えながら、私は積極的に進めるべきだ、こういうことを言っているわけなんです。従って、校舎の新築の場合の寄付をとることをやめるということが、いろいろ他に影響するところがあるというようなことも実はあるかもしれません。しかし、法令の規制等もあわせて、そこまでいかないと、これは直らない。実は私この次にお尋ねしたいと思ったのは、今の県立の高等学校の建設の場合等における地元の負担の問題ですが、これは私は全国的なところを調べておりませんけれども、どこでも、県立の高等学校を新たに設置するような場合には、三分の一程度、それからさらに増改築のような場合でも、やはりその程度の地元負担というような形でとっておるのが通例のようでありますね。こういうことも、これはやっぱりはっきり、し得ないようにしないと私はいけないと思う。これは、局長が今そういうことを考えているのだ、こういうふうなお話ですから、一つ私はそういう線で強く進めないといけないということをこの際特に申し上げて、これからの税外負担の解消のためにぜひがんばってもらいたいというふうに思います。
 そこで、三十七年度金がなかったのですか、ただ様子を見るということだけなんですか、金がなくてこういうことをさらに進めることができなかったということなんですか、やっぱり様子を見るということが主なんですか。
#72
○政府委員(奥野誠亮君) 地方財政計画上では、数百億円の規模是正等を行なっておるわけでありまして、そういうことを行なわないで、それをただ税外負担の解消という形に置きかえるということだけでしたら、いつでもできるわけであります。私たちはやはり、順序を追いながら、地方財政の改善策を行なっていきたいと考えておりますので、そうなって参りますと、この際規模是正を思い切って取り上げていくということが穏当ではなかろうか、税外負担解消の問題についてはさらに実態を掘りたげた方がよろしいのではないか、こう思っておるわけでございます。私たちが法律で負担転嫁を禁止しておりますのは、直接であると間接であるとを問わず、負担を転嫁してはならないと、こう書いてあるわけでございます。自発的な寄付金ならよろしいというふうな式にいたしておきますと、また、それがくずれて参りますので、自発的な寄付金であろうと何であろうと、こういう経理については全部こういうふうにしなければならないという建前にしておるわけでございますので、校舎の建築費について、そこまで持っていくことについては、現状においては問題がございますし、また、それについてどういうふうな措置をとるかということについては、もう少しいろいろ検討すべき余地もある、こういうことであったわけであります。
#73
○鈴木壽君 これは私は、実は気持としては、さっきも申し上げましたように、昨年そこまで踏み切ってやって、教育費関係だけでいえば、わずか三十四億でございますけれども、これをことしもしそれくらいつけてやれば、これは相当、財源の改善のための問題は前進したと思うのですがね。ですから、もちろん私は、これだけをやってよそをほったらかしておけということではないのですが、ことしの交付税の増額等の状況、あるいは明年度以降の見通し等からいたしましても、さらに二十億、三十億の金をことしここに置くことによって、著しい影響があるというふうに私は思えない。むしろそれは、他に影響があるといっても、そのこと自体が改善されることによって、むしろプラスになる影響になるのじゃないかというふうに私は見るのですがね。まあこの点さらにこれからおやりになるという気持の表明があったわけなんですけれども、これは一つほんとうに真剣にこの問題と取っ組んで、ここ一両年の間に少なくともPTA教育費関係なり、あるいは直接の土木の負担等の問題に限っては、まず一応これでいいんだというところまでやらないといけないと思います。しかし、この件についての質問は、これで終わりますが、あらためて次官の御決意のほどを一つお聞きしておきたいと思います。
#74
○政府委員(渡海元三郎君) 税外負担の解消につきましては、私たち、ただいま御指摘の鈴木先生のお気持と同じでございまして、将来ともにこの問題については強力に進めていかなければならないと考えます。ただ鈴木先生御指摘のように、単にその部面に対するところの財源を与えても、はっきりとそのことを打ち出していかなければ、非常に効果が薄いのじゃないかと言われる御指摘ごもっともであろうと思いますが、他面、局長がお答えいたしました通り、直ちにこれを法制化することは、現状とあわせましてさらに混乱が生ずるのじゃなかろうかというところから、財源を付与するとともに行政指導をし、円滑な実施に移すために、本年は見送る姿にしたのでございますが、鈴木委員ただいま御指摘の、学校関係におきまして、本年もそのくらいのものをふやしたらいいじゃないかというお話は、ごもっともでございまして、実はこの部面に対しましては、昨年同様三十七億ですか、学校関係におきましても、交付税の算定において引き上げさしていただいたような次第でございまして、ただ税外負担の解消ということには銘打ってはおりませんが、財源的にはそれをなし得る状態に置きつつ行政指導をし、なお円滑にその部面を法制化できるときには持っていきたい。ただ、いかにこれを実施に移すかという点におきまして、方法論におきまして、少し御意見の点とは異なっておりますが、その部面に対して努力もし、将来ともにこれの方向に向かって努力をしていくということにおきましては、私たち今後ともにたゆまざる努力を続けていく覚悟でございます。
#75
○松永忠二君 局長にお尋ねしますが、局長が今答弁をされていることについて、私は一応よくわかると思うのです。法律できめられ、政令できめられて禁止したものについては、直接たると間接たるとを問わず、厳重に実行していく、そうしてそれについては、財源的な措置も十分してある、こういうお話なんです。ところが、その今禁止をされている政令の中の、市町村の職員の給与、それから維持修繕の費用について、やはりそういう姿が完全に出ていないのじゃないか。で、実情は特に小中学校において、市町村の職員であるべきものが、財源的な措置が十分でないから、今なおそれがそのまま残っておるというのが実情です。従って、今の答弁から考えると、そういうものは絶対あり得ないような指導もするし、それについては財源的な措置もしてあるということで、それを完全に行なわせる、そういうことをあくまでやっていかれるという御決心だと思うのです。そうしてまた、それについては、財源的には十分なんだ、こういうう見解だと思うのですが、そういう点はどうなんですか。
#76
○政府委員(奥野誠亮君) 地方団体の財政需要には莫大なものがございますので、同時にまた地方団体の財政運営につきましては、国の方で予算配賦式なことを考えませず、あくまでも財源全体を総合的に判断して自治運営をしていくということにいたしておりまするので、特定の経費だけが潤沢だというようなことは理論的にはあり得ないのじゃないか、こう思うのでございます。しかし、税外負担の解消ということを目ざして地方財政法の改正をいたして参りまする以上は、その部分についてそれが実行できるような財政的な措置を講じていかなければならないと思います。そういう意味で三十五年度において地方財政計画の改訂を行ない、また単位費用の改訂も行なったわけでございます。三十六年度におきましても、単位費用の改訂という点については、小中学校の建物維持修繕費で十一億増額する、さらにまた小学校費について、給与費という意味において、半年分の人夫賃をプラスして計上するというような措置をあわせて講じておるわけでございまして、逐次そういう点については、なお充実をはかる方向において検討していきたい、こう考えておるわけでございます。
#77
○松永忠二君 いや、そういうことじゃないのです。あなたのおっしゃったように、昨年も財源措置はした、本年はそのこと自体にはやれないけれども、そういう面で地方の財政の問題については、交付税の基準を上げるということで財源措置もしてあると、従って、私たちから言わせれば、政令できめたことについては、毫末もこれに違反をするようなことが行なわれるべき状態には自治省としてはしてないのだ、従って、小中学校の学校の中に校務をつかさどっている人で市町村以外の職員があり得るはずはないし、それについて適当な財源措置もしてある。そうしてまたそれが、もしも、この前少し話が出たように、各市町村のPTAとか学校が、非常に必要以上のものを持っているということであれば、それについてはやはり一定の基準を作ってそれを守らせていく、それだけのつまり行政的な措置をしていかなければ何にもならないと思うのです。私は財源的にそれで完全になっていく削減措置がされているとは思わない。しかし、今年度また交付税法の一部改正をして、財源的な措置をやっているのだから、少なくともきめたものについては完全に実施をさせていく。それが必要以上のものを持っていた場合においては、妥当なものを打ち出して指導をしていきながら、行政的にはそれを誤りなく実施をさしていくという決意がなければ、また、それを責任を持ってやっていくというだけのことをはっきり言わなければ、実情はそれが守られていかない現状にあるということを申し上げているわけです。そういうことについては確実に実施をさせていくという決意ですか、そういうことについて具体的にやっていくということをお約束できるのですか。
#78
○政府委員(奥野誠亮君) お考えは全く同感でございます。問題は、小学校なり中学校なり、どういう部門の仕事を担当していくためにどの程度の人を必要とするかという点について、十分掘り下げて適当な指導のできるようないろいろな体制を作っていくということにあるんじゃなかろうかというふうに思います。そういうことがはっきりしました場合には、それに応ずる財源措置は、当然十分に各地方団体に保証していかなければならぬ、こういうふうに存じておるわけでございます。
#79
○松永忠二君 こういうことですか、あなたがおっしゃるのは。そうすると、そういう基準というものが今明確になってない段階では、ある程度のものがあってもこれは仕方がない。ある程度法律にきめられたことがそのまま守れない状態がかりにあったとしてもやむを得ない。だから一定の基準なり、そういうものが明確にされてくれば、その財源措置はしなければできないわけでしょう。そういう状態に今ない状態の中では、今の法律をきめ、政令をきめてみたところが、それが完全に守られない場合があり得てもやむを得ない、こういう答弁なんですか。
#80
○政府委員(奥野誠亮君) 法律的に施設の維持を義務づけられていないものについて、たまたまそういう施設が特定の団体において寄付金等でまかなわれておる、それに関連する職員もその団体の職員になっているというようなことがあるのではなかろうか、こう思うばかりに多少用心したものの言い分をしたのです。本来市町村の職員であるべきものだ、それが団体等の負担でまかなわれておるということは、これは穏当でないと思います。そういうことがなくてよろしいだけの財源措置はしてあるつもりだ、かように考えておるわけでございます。
#81
○松永忠二君 何かはっきりしないのですが、あなたの今言ったようなことで実際に行なわれているわけです。あとから言われたように、いずれも校務をやっていて、事実上それが間接的に父兄負担になっているという状態がある、こういうことを私は申し上げている。特にこれは給与の問題なんです。従って、学校の給仕であるとか、あるいは学校の図書の関係の仕事をしている者とかというものについては、今言ったように、これは明らかに校務に携わっているものだ。しかしながら、これについては財源的な措置が十分でないからということで、その者については、引き続いてPTAが負担をしている実態がある。そこで、それについては一つの数字的な基準がないから現状ではやむを得ないと、こうおっしゃるのか、それともそういうことはあり得てはならぬのか、こういうのか。そこのところがはっきりと聞きたい、こういうわけです。
#82
○政府委員(奥野誠亮君) 学校図書館のお話が出たので申し上げたいと思いますが、学校図書館の仕事に携わる職員というものを、交付税計算にはそのものずばりで見ていないわけであります。ただ、そういう職員もあり、いろいろ負担転嫁の問題もあるので、そういう人を見てほしい、こういう文部省のお話をことし承ったわけです。そういうようなこともいろいろございまして、小学校について、半年分の人夫賃所要額、賃金所要額相当額を算入するという措置をとったわけでございます。中学校についても同じような措置をとったわけでございます。学校図書館の職員をどう将来考えていくかということについては、私たちもなお検討して参りたいと思いますけれども、ことし文部省からそういう要請がございましたので、とりあえず、今申し上げますような小中学校についての算入措置をとった次第でございます。
#83
○松永忠二君 これで終わりますが、そうすると、この前政令を出して禁止したのは、今具体的に出ておる学校の図書館の仕事をやっているような者、あるいは特別に給仕を増員をして学校の校務をやらせているというような、そういうことにまでは、考えが及んでいないものだ、こうあなたはおっしゃるのですが、私たちから言わせると、そういうことではなくて、やはり学校の中における校務に携わっている者であれば、これは市町村の職員となるべきものであって、その市町村の職員としてのいわゆる給与財源については、具体的にはこの前のときに給食婦というようなものについて、交付税の中の算定に一人増員をしていく、そういうことを具体的には行なった。そのほかのものについては、まだ具体的な処置はされないけれども、相当な財源措置もしてあるし、今度は交付税全体についても相当な改訂をしておるので、そういう点についても十分考えられていく財源措置はしてあるので、正しく法律を守ってもらえるだけの措置はしてあるとわれわれは考えていいのではないか。そういう線でいかなければ、今おっしゃったようなことを言っておられたんでは、現実にはそういう税外負担の問題は解決できない。そうしてまた、もしあなたが、いや、その図書館の問題とか、あるいは給仕のことについてはそこまで考え及んでいないし、そのところまでのことではないというならば、あの法律を守らせるためにそのことについて自治省と文部省の間に明確なものを出していくべき僕は責任があると思う。そうでないと、法律的に一体学校の中で市町村職員でない者は校務に携わっていいという法律的な根拠がどこにある。法律違反をさしておきながら、しかも、それをいいと考える理由はどこにあるのか、こういうことを実は反問したい。どこに法律的に一体そういうものが学校の中で校務に携わっていいという法律的な根拠がどこにあるか。学校教育法のどこに書いてある。自治法の中のどこにある。そういうものはやっておいていいという根拠があるのかということを逆に私は聞きたいわけです。従って、やはりこの問題については、ある程度はっきりしたことを言っていただくと同時に、そういう点については、今後努力すべきものがあるなら努力をするということで、ばく然とした言い方をして、何か十分の措置はしてあるようなこととを言いながら、なおかつ、これはできないのだというようなことを言ってみたりすることでは、事実上、さっきから話の出ている税外負担について、少なくもその法律できめられたものは完全に、直接と間接とを問わず禁止をするのだというあなたの前に言っていることが、実際には信頼できないという感じを持つのです。
#84
○政府委員(奥野誠亮君) 松永さんのお話をだんだん伺って参りまして、ようやくはっきり私もわかったわけでございます。昨年税外負担の解消を考えました場合に、小中学校については、管理部門の市町村職員でありますとか、あるいは給食関係の職員でありますとか、そういう者については、全部財源措置をすることによって負担転嫁をさせたい、こういう考え方をはっきり持っておったわけでございます。ことしになりまして、学校図書館の問題が出て参りまして、そういうところに問題のあるのを承知したわけでございます。そうかといって、今全国の市町村に学校図書館を予定し、それの職員を全部市町村職員として予定をし、増員させるということは可能かどうかということになって参りますと、財政的にもかなり問題があるわけでございます。そういうようなところがか、先ほど申し上げたような措置を講ずることにしたわけでございまして、将来学校図書館がどう発展して参りますか、そういうことともあわせまして、十分検討を加えて参りたいと考えておるわけでございます。
#85
○加瀬完君 ちょっと関連。鈴木委員の御質問になりました義務学校建築補助の問題ですが、文部省では当然補助の対象になっておるにもかかわらず、大体七〇%から八〇%のワクの中を補助対象としている。従いまして、最小に言って二〇%のものはもらえる条件にありながら補助を受けられないという姿に置かれている。この問題を自治省としては、地方団体にかわりまして文部省とどう交渉されているか。この点が一つと、それから先ほど局長の御説明の中にもありましたように、これは自治省だけできめられる問題ではなくて、補助単価というものは文部省等できまります。しかし、きまった補助単価というものでは、たとえば木造なら一坪三万円という補助の基準では、実際にことしなどは建築ができない。二割方上がっている。こういう場合に、特別交付税か何かで非常にそのために被害の大きい、被害といいますか、マイナス面の大きい町村等には新しい財政補助を考えてくれるかどうか。この二点をお尋ねいたします。
#86
○政府委員(奥野誠亮君) 御承知のように、すし詰め教室解消等については、五カ年計画が立てられたわけで、ございまして、そういう際には、本来補助対象となるべきものをことさら地方単独事業に振り向けたわけではございませんで、プラス・アルファの仕事がある、そういうものを三割程度ですか予定をするということで始まったわけでございます。七割は補助対象だ、三割は単独事業だということにいたしましたのも、当然補助対象となるべきものをことさら単独にやったわけじゃなしに、かなり一人当たりの面積を小さく押えているとか、あるいはまた、木造建築を補助の基本に考えているというのを鉄筋にしたいとかいうような問題がございますので、そういうものを頭に置いて単独事業というものを考えているわけでございます。
 それから第二番目の、建築単価が上がっているという問題につきましては、三十六年度の国の予算に計上されております国庫補助負担額では所要の建築坪数が確保されないというようなことになりますならば、自治省としてはむしろ国庫予算の補正をやってもらいたいという気持を持っているわけでございます。今後の問題の推移を見ないとこの点については十分な議論はできないわけでありますけれども、基本的にはそういう考え方をいたしておるわけでございます。
#87
○加瀬完君 後段はそれでわかりました。
 前段は、局長の理解が違っている。単独事業の問題じゃない。当然補助対象になっておるものも、文部省の言によれば、九〇%とらえたいけれども、九〇%はとても今の数字ではとらえられないので、八〇%くらいとらえたい、しかし、事実は七〇%台しか捕捉されておらない。ですから、二〇数%というものは当然の補助対象というのが補助対象の中からはずれておる、こういう姿をそのままにしておいては、地方が負担をかぶるだけです。これは現実に補助対象であるならば、それはその通り補助として捕捉してもらわなきゃ困る、こういうことなんです。これは希望でございますから、そのような線で地方の主張を文部省に十分に働きかけていただきたい。
 後段はわかりましたので、私の質問は終わります。
#88
○委員長(増原恵吉君) 速記をちょっととめて。
  〔速記中止〕
#89
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。午後二時から再開をいたします。
   午後零時五十六分休憩
   ――――・――――
   午後二時二十八分開会
#90
○委員長(増原恵吉君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 地方交付税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。
#91
○鈴木壽君 市町村の教育費関係ですが、さっきPTA等のいわゆる税外負担の解消のための問題について、ここでいろいろ論議がありましたが、単位費用の積算の基礎、三十六年度のこまい数字を私全然わからないのでお聞きするのですが、もしこれは今、こまい数字のことでございますから、あとでお答えいただいてもけっこうですが、小学校費のみに例をとって申し上げますと、消費的な経費の算定の仕方でいろいろ実情に合わないところがあるんじゃないかと思うのです。そこで私今申し上げるのは、これは三十五年度の積算の基礎についての数字で申し上げますが、今年もしそういうことについて改訂等をされまして引き上げられておるというのであれば、私それでよろしゅうございますが、一つの例としまして、先ほども局長ちょっと何か人夫賃のことについてお話がありましたのですが、昨年は一日二百四十五円、二十人分というふうに見ておりますね、ちょっと数字がこまかくて恐縮ですが、こういう数字、それから燃料費等は昨年は三万円しか見ておらない。こういう問題で今年これは何か改訂が行なわれておるのかどうか、こういうことをちょっとお聞きしてみたいと思うのです。
#92
○政府委員(奥野誠亮君) 小中学校費につきまして、PTAの負担を軽減するといいますか、税外負担をできるだけ整理していくということになりますか、そういうことも念頭に置きまして若干増額を行なっているわけであります。一般的に給与費とか使丁とかの単価を増額いたしましたほかに、たとえば燃料費を小学校費につきましては五千円ふやすとか、印刷製本費にも五千円ふやすとか、あるいは光熱水費を一万六千五百四十円ふやすとかいうような式の改訂をいろいろと行なっているわけでございます。小学校の学校数を測定単位とするものにつきまして三十一億円余りの増加、それから児童学級数を測定単位とするものにつきまして二十一億円余りの増加、それから中学校費は、学校数を基礎とするものにつきまして、十二億円余りの増加、それから生徒数、学級数を基礎とするものにつきまして九億円余りの増加ということになっておるわけでございます。
 なお、午前中ちょっと答弁で十分でない点がございましたので訂正させていただきたいと思います。義務教育校舎の建設費について、単独事業分を三割、補助事業分を七割見ている、その三割分はプラス・アルファの数字だというふうな式のお答えを申し上げたと思うのでありますが、五カ年計画を作りましたときには、富裕な団体についてまで一律的な補助をする必要はないんじゃないかというようなことから、単独事業分を三割予定したというようなことになっておるわけでございますので、その点を訂正させていただきます。
#93
○鈴木壽君 私、実はこんなこまかい数字を今持ち出してどうのこうのと言っておるのは、もっとこういうものの算定の際に経費を多く見てやることが、さっき言ったようにいろいろな、たとえば一つには税外負担の解消のためにも非常に有効だと、こういうつもりで実情はどうもあまり低過ぎるのじゃないかというような感じから今言ったように一、二の例を取り上げてみたわけなんですが、私詳しいことしの数字は持っておりませんから、ここで比較をして申し上げることはできませんけれども、総額においては確かに十数億あるいは二十何億というふうなそれができておるようでありますけれども、何かこうこまかく当たって経費の明細を見て参りますと、どうもこれでは実情に合わない著しく低く見積もられておるのじゃないかというふうな感じを持つわけなんです。たとえば燃料費を五千円ふやす、光熱水費も一万六千五百円となりますと、去年よりは千五百円しかふえておりませんね。一体燃料費が三万円で足り、光熱水費が一万六千五百円程度で足りるかどうかというようなことになりますと、私はあまりにこれは実情とかけ離れ過ぎるのじゃないかということから、もっと思い切った増額の措置をとるべきだということを申し上げたかったわけなんです。そこでもう一つ、教材用の図書や備品の算定に当たっては、どういう方法をとっておられるのか、これは文部省の方の義務教育教材費の負担が半額出ることになっておりますが、これをどういうふうにして算定をせられておるのか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
#94
○政府委員(奥野誠亮君) 教材費につきましては、半額国庫負担制度がとられておりますので、それを基礎にして算定しているわけなんです。
#95
○鈴木壽君 ですから、その半額負担のことは今私も申し上げてその通りなんですが、半額負担する、そうすると総体の、あれですか、半額負担の額から割り出して、逆にこういうふうに積算の基礎になる数字をはじき出している、こういうことなんですか。
#96
○政府委員(奥野誠亮君) その通りであります。一人当たりの金額がきまっておりますので、それを基礎にしてはじいておるわけなんでございます。
#97
○鈴木壽君 これらの問題については、そうしますと、あなた方の方の立場として地方の財政の問題特に財政需要の面からこれは何か意見はございませんか。
#98
○政府委員(奥野誠亮君) 教材費につきましては、国庫負担額を引き上げてもらいたいという要望が地方団体の側にも強いわけでございますので、自治省としてもそれを希望して参っておるわけでございます。文部省においても同じようなことだと思うのでございますけれども、政府としてなお十分に引き上げることが希望通りには至っていないというのが実情でございます。
#99
○鈴木壽君 これはことしと去年とで計算上の違いはありますか、ことしふえているというようなことありますか。
#100
○政府委員(奥野誠亮君) 教材費国庫負担金は、三十五年度と三十六年度との比較で四千六百万円の増になっておるだけでございます。従いまして、基礎的には変わっていないというふうに思います。
#101
○鈴木壽君 どうもこまかい数字にわたって恐縮ですが、実はいただいたこの「各行政項目別単位費用算定基礎」(都道県分)(市町村分)、これを見ますと、確かに本年度は、たとえば今お聞きしておる市町村分の小学校費の関係では、本年度は備品費、通信運搬費、燃料費、光熱水費、印刷製本費、賃金費の物件費を大幅に増額算入しておるのだ、こういうふうに説明として書かれてありますが、数字的にどうもはっきりつかめる資料がないものですから、ここに掲げられているのは、算定の基礎になるこまかいことでなしに、最終的な経費の総額だけしか出てきておりません。従って、どのように引き上げられておるのか、昨年と比較してはどうなるのかということが、実はこまかに知らせられておりませんものですから、実はちょっとせんだって、さっきも休憩時間中に申し上げましたように、もっとやはりこまかいものを、何かの項目に限ってもよろしゅうございますから、つけていただかないと最終的な総額、あるいは単位費用の数字だけしかわからないわけなんですから、これは少しめんどうなことかも知れませんけれども、一つ今後そういう資料もあわせて委員会に出してもらいたいと思います。というのは、今言ったように、膨大なこういうものになるというような、全部、こういうものと言っては無理があると思いますが、ただしかし、特に昨年度において、今お話のような単位費用と、こういうふうな問題について大幅に増額するのだ、したのだ、こういうふうな幾つかのものだけでもいいから、何かそういうものがほしいと思うのですが、そうでないと、ただこの最後の数字だけ見て、あといろいろなところに法令関係なんかたくさん出てきますが、一体なぜこういう数字が出たのかわからぬわけですね。ですから問題は、やはり私ども、こまいことでございますけれども、そのこまい算定の基礎になるそういう事項について、はたしてそれが財政需要をまかない得るかどうかという問題が一番今の問題じゃないかと思いますから、そういう意味で一つ今後そういう資料をあわせて出していただきたいということ、これは要望でありますけれども、少し無理でしょうか。
#102
○政府委員(奥野誠亮君) 一応ここで小中学校の今御指摘になりましたような経費を幾らを幾らに直して計算しているかということを申し上げまして、それをさらに資料として提出するようにしたいと思います。小学校費の学校数を基礎に測定単位としているものについて申し上げますと、事務補助員の月額七千四百円と計算しておりましたのを八千五百円に、千百円増額しております。それから需要費の総額では学校医二名見ておるわけでありますが、その報酬年額七千円を一万二千円に、五千円ずつ増額をいたしております。それから学校薬剤師の報酬を新たに年額五千円として一名分算入することにしています。通信運搬費八千六百円と計算しておりましたのを一万八千六百円に、一万円の増額を行なっております。備品費一万五千三百円を一万八千円に、二千七百円増額しております。それから児童学級数を測定単位といたしております部分については、まず給与費の増額を行なっておるわけでありまして、使丁について八千五百円を月額として計算しておりましたのを九千七百円に、千二百円増額しております。それから給食調理員三名算入しておりますが、月額六千円と計算しておりましたが、六千九百円に増額しております。それから建物の維持費を坪当たり五十円として新たに算入することにいたしております。それから需要費の関係では、賃金を四千九百円しか算入しておりませんでしたのを三万六千円、三万一千円増額しております。燃料費は三万円算入しておりましたのを五千円ふやしまして三万五千円にいたしております。印刷製本費が一万五千円を二万円に、五千円増額しております。光熱水費が一万五千円を三万二千六百四十円に、一万七千六百四十円の増額を行なっておるわけであります。こういう種類の改正になっております。中学校につきましてもこれと同じ改正を行なっております。
#103
○鈴木壽君 あとで出していただけるというのですから、今の市町村教育費の中の小中学校のそれだけでよろしゅうございますから、もしできるようでしたらあとで出していただきたいと思います。
 文部省の管理局長にお尋ねいたしますが、実は先ほどこの委員会でいろいろ交付税の問題で質疑が行なわれたわけでありますが、教育費関係で交付税の算定の基礎になっている建築費の標準単価ですね。さらに今の国庫負担の割合の問題、こういうことが実は問題になったのでございます。そこで、私は今結論的にやっていることがいいか悪いとかいうようなそんな問題よりも、これはいろいろ私どもの意見もありますけれども、実際どういうふうにおやりになっておられるのかということをまず聞きたいわです。
 その一つは、義務教育の学校の小中学校等における補助の対象になる坪数、これは非常に実情に合わない低いところに押えられておるのじゃないか、こういう問題が一つあるわけなんです。しかし、これはよくあなたからお話を聞いて、いま少しくはっきりしたところをつかみたいと、こういう気持からお聞きするわけでありますが、たとえば老朽校舎の改築にあたって三百坪のその建築坪数が必要だといった場合に、補助対象は三百坪でなしに、それから一割くらい引いた二百七十坪、さらに今度はもっとある率をかけたものに補助をする、こういうようなことまで行なわれておるやに聞いているんです。そこら辺の私はっきりした事情を知りたいために、今どういうふうにおやりになっているのか。それを一つ最初にお聞きしてみたいと思います。
#104
○政府委員(福田繁君) ただいまの御質問でございますが、若干御質問の趣旨にたごう点があるかもしれませんが、抽象的ではございますが、一応現在とっております方法について申し上げます。
 これは御承知と思いますけれども、昭和三十四年度から公立学校の施設につきましては五カ年計画を立てまして、逐年校舎の整備をはかってきております。従いまして、その年度々々の予算によりまして、その予算の範囲内で校舎の整備をはかっていく、こういうような建前になっておるわけでございますから、小中学校につきましては、負担率は二分の一になっているわけでございます。ただ五カ年計画を樹立しました際の計画の概要を申し上げますと、全体計画といたしまして、大体三〇%程度は従来の国庫負担の対象外といたしまして、従来これは自己資金その他においてやっておりました実績を見まして、三割は大体この起債で見た、そこで見るというようなことにいたしまして、残りの七〇%を国庫負担事業の対象としてこれを整備していく、こういうようなやり方をして参ったわけでございます。補助率は、今申し上げましたように、二分の一でございますが、単価につきましては、大体鉄筋五万六千二百円、鉄骨四万二千九百円、木造にいたしまして二万七千二百円、こういうような単価をきめまして、そうしてそれぞれ事業ごとに鉄筋、鉄骨、木造との割合を過去の実績等も勘案いたしましてきめております。そういうやり方をいたしましておるわけでございますが、先ほどお述べになりました点に関連いたしますが、補助事業といたしましては、今申しました各町村で計画を立てましたものを、法律に基づきまして生徒一人当りの基準坪数というものがございます。その基準坪数をもとにいたしまして、当該年度の五月一日現在の生徒数に基準坪数をかけ合わせまして、そうして必要坪数というものを算出するわけでございます。それによって一応の必要な坪数というものが出るわけでございます。それに基づいて不足教室を解消していくというようなやり方をいたしておるわけであります。従って、この町村の計画自体と補助事業の対象になっております計画が若干食い違いがあるというようなお尋ねのようでございましたが、これは予算の関係もございまして、木造と鉄筋、鉄骨造の関係から申しますと、一〇〇%補助事業の対象とすることが望ましいわけでありますが、なかなかそこまで参りませんので、大体九〇%を目途にいたしまして、充足率九〇%ということで従来の予算を執行いたしております。小中学校についてはそうでございますが、ただ御承知のように、中学校におきましては、生徒が非常に急増するという関係上、このピーク時におきますところの普通教室を整備するということが五カ年計画の内容になっておりますので、従って、その特別教室等につきましては、補助対象事業になっていないというような実情がございます。従って、そういった点から申しますと、おっしゃるような点があると思います。危険校舎の改築につきましては、これはやはり生徒一人当たりの基準坪数と生徒数とをかけ合わせまして、必要坪数というものを計算いたしまして、その年度々々の事業計画というものをきめていくわけでございます。従って、これにつきましては、今申し上げたような中学のような実情はございません。ただ中学につきましては、特別教室等を補助事業の対象にいたしておりませんので、補助そのものとしてはそういう点があると存じております。
 概要でございますが、以上でございます。
#105
○鈴木壽君 お話し大体わかりましたが、生徒児童数に基準坪数をかけ合わして、必要な坪数を出す、これは当然で、それ以上はみ出るるところは、これは補助の対象とは考えられないということは、これは当然今の立場からすればそうだと思います。その場合に、小学校はたしか〇・九、中学校は一・〇五、こういう基準がありましたですね、それで間違いございませんか。途中ですが、ちょっと念のために伺います。
#106
○政府委員(福田繁君) 小学校につきましては、一人当たり〇・九坪でございます。中学校におきましては一・〇八坪でございます。
#107
○鈴木壽君 そこで、それによって出した必要坪数の九〇%を見る、こういうことじゃないのですか、今のお話では。その点いかがでしょうか。
#108
○政府委員(福田繁君) これは結果的に申しますと、大体九〇%程度になるわけでございまして、これは平均しての問題でございますが、たとえば木造校舎の予算が割合に多いものです。ところが、実際の希望は鉄筋、鉄骨造が非常に多いというふうな、実際の需要との関係から申しまして一〇〇%出でないという事情になるわけでございます。そういった点で充足率が若干下がっておりますことは事実でございます。
#109
○鈴木壽君 充足率が下がってくる。これは単に希望する、あるいは必要である坪数、これは当然国の一つのワクがありますからね、場合によっては下がることもあると思いますが、そういうことを最初から計算に入れて、はなから一〇%切り落とす、こういうことでなしに、お話のように、木造の方が予算が多いが、しかし鉄筋等の需要が多くて、当然それに応じ切れなくて充足率が下がってくる、ならした場合に九〇%になる、こういうふうなことなんですか、どっちなんですか。
#110
○政府委員(福田繁君) その点は初めから私どもは予算の状況なり、編成の問題としては、補助対象事業の一〇〇%要求するわけでございます。しかしながら、今申しましたような実際上の予算執行の問題になりますと、そういうアンバランスがありますので、やむを得ず九〇%になる、こういうような結果になっております。
#111
○鈴木壽君 ですから、初めから九〇%に落とすということでなしに、結果としてそういうふうに下がってくる、こういうことなんですね。そこで、私聞くところによりますと、最初からワクが小さくて、全部の需要に、あるいは要求に応じ切れないということは、これは当然ですから、それではなから、さっき例としてあげましたように、三百坪なら三百坪、これは必要坪でございますよ、その場合に、一割落としたそういうもので最初から、何といいますか、物事を考えていく、こういう態度をとるように聞いておったのですが、そうであるのか、ただ結果として一〇〇%いくところももちろんある、しかし、コンクリート、鉄筋の方と、それから、木造との関連で、鉄筋の方が需要が多いというようなことから、出てきた結果として九〇%になる、こういうことなのか、こういうふうにお聞きしているわけです。
#112
○政府委員(福田繁君) 今お尋ねになりましたその通りでございまして、結果的にそうなる。
#113
○加瀬完君 関連。そんなことはありませんよ。あなた方作業を地方の教育委員会にさせる、地方の教育委員会では九〇%か、あるいは九〇%弱なりで切ってやっていくじゃありませんか。それを文部省がさらに切っている。ですから個々を見れば七五%しか充足率がないところもあれば、五〇%そこそこのところもある。あなたが一番初めに言ったことだけが正しい。九〇%を目途にしているが、実際は九〇%になっておらない。あなたの方の課長がこの前説明したその通りなんです。トータルの最後は九〇%充足ということじゃ絶対にない。そうであるとするなら、これは全部九〇%充足するように、足りない分を文部省にいただきにあがりますけれども、間違いありませんか。
#114
○政府委員(福田繁君) 私は決して間違いを申しているつもりではございませんが、府県から持ってくるのがすでに切ってあるとおっしゃいますが、それはやはり当初の要求は、府県としても一〇〇%ということを要求するわけでございますが、当該年度の予算の執行上それに応じられないというので、府県としての配分上落としてくるわけでございます。そういう事情は確かにございますが、しかし、私どもは初めから八〇%あるいは九〇%でよろしいという態度でこれを予算要求をいたしているわけじゃございません。その点は一つ御了承を願いたいと思います。
#115
○加瀬完君 予算要求はわかる。わかるけれども、結論は私の言った通りにしかならない、現状では。せめて予算の九〇%程度充足させたいというのはあなた方の御努力の一つの目標だ、その九〇%はあくまでも目標であって、ことしは存じませんよ。三十五年度までの結果からいうと、それはとても九〇%予算はまかなうような形にはできなかった、こういうことも現実としては事実なんです。努力は認めますけれども、まだ実際の危険校舎、実際の法律の上では補助される、不足坪数からすれば補助する予算金額というものは非常に足りない、少なくとも二〇%弱足りないというのが事実じゃないですか。
#116
○政府委員(福田繁君) 私は、大体九〇%程度、小中学校についてはいっているのでありますが、事業の種類によりまして、たとえば屋体等につきましては、これは加瀬委員のおっしゃるように、充足率は若干下がっております。と申しますのは、これは非常にまた希望が多いというような関係上、県としても若干充足率を落としてもなるべく数多く予算を配分して、そうして整備をはかっていきたい、こういうようないろいろな事情もございますので、事業によって若干の差のあることは事実でございます。
#117
○鈴木壽君 一つ局長ね、これはさっきも言ったように、私、実情を知りたくて今お聞きしているのですからね。そういう意味でこれは少しこまかい数字になりますが、三十五年度に小学校、中学校を分けまして、普通教室あるいは屋体、これまた分けて下さっていいと思いますが、充足率を少し今数字があるのでしたらお示しいただきたいのですが。
#118
○政府委員(福田繁君) ただいまこまかい資料を持っておりませんけれども、大体小中学校につきましては、九〇%でございます。屋体等は八五%程度になっているかと思います。そういう状況でございます。小中学校は大体それでいいと思います。
#119
○鈴木壽君 そうすると、教室の場合には大体九〇%、屋体のような場合には大体八五%程度までいっているはずだと、こういうふうに聞いたんですが、よろしゅうございますか。
#120
○政府委員(福田繁君) さようでございます。
#121
○鈴木壽君 一つ、あとでけっこうでございますから、来週でもいいし、今週のおしまいごろでもよろしゅうございますが、めんどうでもちょっとそこら辺の数字的なものを資料として当委員会にお示しいただきたいと思いますが、できますか。
#122
○政府委員(福田繁君) 提出いたします。
#123
○鈴木壽君 そうしますと、必要坪数の教室の場合には、九〇%はまあ補助対象になっているのだと、こういうふうに考えてこれは間違いありませんね。
#124
○政府委員(福田繁君) さようでございます。
#125
○鈴木壽君 私はちょっと実情とは違うと思うのですが、これは必要坪数をさらにどこかで圧縮する作業が行なわれているんじゃないですか。私は、実情はそうじゃない。私ども町村の関係者から聞かされるところでは、あるいは県の教育委員会等から聞かされるので、そうでないというふうに聞かされておるのですが、七五%か八〇%程度じゃないかというようなこともいわれておりますが、お話だと九〇%ぐらいだと、これはまあまあと言わざるを得ないと思うのですが、これはやはりどこかで――そうすると今言ったように、いわゆる必要坪数なるものを落として落として、最後に持ってくるのはどうせ持っていったってこれは通らないのだと、最後にあなた方のところに持っていくのはすぐ通りそうなぎりぎりのところを持って県の教育委員会あたりに持ってきているんじゃないかというふうにも思うのですが、それはどうなんですか。
#126
○政府委員(福田繁君) 私充当率九〇%と申し上げましたのは、補助対象事業についてでございます。これは誤解のないようにお願いします。たとえば年次計画で中学校の整備をするような場合が多いのでございまして、特に三十五年度におきましては、三十五年度の当初予算とそれから補正予算、こういうものでまあいわば二回事業があったわけでございます。さらに三十六年度の事業もこれは継続して行なわれておりますので、従って、県が中学校の校舎の整備につきまして指導する場合に、若干そこは緩急の順序をつけまして、町村のもちろん財政力等も考えるわけでございましょうが、全体を通じまして三十七年の五月一日現在の一番生徒数の多いときを目途にいたしまして校舎の整備計画を立てるわけでございます。従って、その中での区切りは、若干緩急があるわけでございます。そういった点から、校舎の整備につきまして、町村がこれだけ、百坪整備したいという場合に、それが七十坪しか整備できなかったというようなことも三十五年度においてはあったと思っております。しかしながら、通じまして三十五年度の当初予算も補正予算も大体九〇%で私どもは維持いたしております。
#127
○鈴木壽君 それでは私の心配したようなことがないとすれば、それはけっこうでございますが、もう一つ、さっきのお願いした資料と、もう一つお願いしたいのですが、五カ年計画の三十四年度からですね、三十四、三十五、三十六年、ことしの配分はまだ終わっておらぬでしょうけれども、いずれ、三カ年間のそれが出ておりますが、全体のそれと、それから各年度間にどのように進められているか、三十六年度までの分を一つこれもあとで簡単な数字を並べたものだけでけっこうでございますから、従って、それをお願いすることと、それから従って残りどのくらいあるのか、それがわかるように一つ資料としてお願いいたしたいと思うのですが、やっていただけますか。
#128
○政府委員(福田繁君) あとでまた資料を差し上げてもよろしゅうございますが、ここに数字を持っておりますから、若干おもな事項について申し上げますと、小学校につきましては、大体十三万二千坪でございます、全体計画が。それの約八四%に相当いたします十一万二千坪を三十六年度の実績坪数まで入れますと完了する予定になるわけであります。従いまして、残りは約一五%強、約一六%ということであります。中学校は御承知のように、今年度でもって必要な整備を終わりますので、国庫負担の事業といたしましては、三十六年度で一〇〇%完了するという予定になるわけでございます。それから小学校の屋体で、ございますが、これは大体一万九千坪程度でございますが、全体計画といたしまして一万九千坪程度。約五九%の一万一千坪ばかりすでに整備をしております。従って、残りは約四〇%程度残るということでございます。それから中学校の屋体でございますが、これは全体計画十三万七千坪の中で五八%に相当する八万坪が三十六年度までに整備される予定になっております。従って、残りは九一%強でございます。五万七千坪程度でございます。それから小中学校の統合校舎でございます。これは既定五カ年計画の分だけを申し述べますと、二十九万四千坪が全体計画でございます。それの七九・八%約二十三万五千坪でございます。それを三十六年度までに完了する予定になっております。残りは約二〇%の五万九千坪程度でございます。それから義務制学校の危険校舎でございますが、これは百二万坪の全体計画に対しまして、現在までに、三十六年度までに四七・六%、こういう数字になっておりまして、四十八万六千坪が完了する予定になっております。残りが五二%。これはほかの事業に比べまして若干おくれておりますが、従来五カ年計画が出発いたしましてから小学校の不正常校舎の解消、それからその後は、御承知の通りに、中学校の生徒急増に備えまして中学校の校舎整備に重点を置いて参りましたので、危険校舎の整備は若干五カ年計画の中では立ちおくれになっておる、こういうような事情になっております。義務制学校について申し上げますと、全体が二百二十五万坪でございますが、それの六八・八%に相当する百五十四万九千坪が三十六年度で終わる。といたしますと、残りは三一%に相当する七十万三千坪、それだけ義務制学校について残る勘定になっております。これらを三十七年、三十八年に整備する、こういうようなことになっておりますので、お聞き取りにくかったかと思いますけれども、全般としましては、義務制学校については、三カ年の間に六八%程度進捗しているというような勘定になっております。
#129
○鈴木壽君 今大体お伺いしましたが、あとで一つプリントして配付していただきたい。
#130
○加瀬完君 資料の点で一つ関連して。今御説明の中に小学校の屋体とありますね。これは戦災学校だけでしょう、小学校の屋体の補助の対象は。ですから、今までの御説明の中に、小学校も中学校も屋体も補助の対象になっているというふうに御説明がありましたけれども、一般戦災を受けない小学校は屋体は対象になっておらない。
 それから、九〇%になっておるというのは、三十五年度は中学校の繰り上げの補助の分が補正予算で出ました。それらを合わせると、三十五年度に限っては中学校は九〇%という数が出るかもしれませんけれども、小学校の危険校舎などはずいぶん切られております。ですから、年次計画はそうなっておりますけれども、もう一つ私は資料をいただきたいのは、三十三年、三十四年、三十五年と、いわゆる五カ年計画ができてから、実際市町村から申請のあった、そして法規の上では当然対象になるべき危険校舎なり、あるいは不足校舎なりの坪数は幾らか、これに対して実際補助を与えた、補助金の対象になった坪数は幾らか。で、結局充当率は何%になっておるか。こういうものもあわせて出していただきたい。
#131
○政府委員(福田繁君) ただいま、私、小学校の一般の屋体について補助対象になっているというように申し上げたのであれば、これは間違いでございますので訂正いたします。五カ年計画設定当初から戦災の小学校だけしかこれは対象にいたしておりませんので、小学校の一般の屋体については今後の問題でございます。その点を訂正いたしておきます。
 ただいま加瀬委員からのお話は、充当率等はできるだけ調べまして提出いたしたいと思います。
#132
○鈴木壽君 それから、先ほど御説明があったのですが、ちょっと私聞き漏らしたので、もう一度恐縮ですが、小中学校の校舎の建築費の標準の単価をおっしゃっていただきたい。
#133
○政府委員(福田繁君) 単価でございますが、小学校も中学校も単価は同様でございます。鉄筋にいたしまして五万六千二百円、それから鉄骨にいたしますと四万二千九百円、それから木造が二万七千二百円、これが予算単価でございます。
#134
○鈴木壽君 そうしますと、小学校、中学校、いずれもこれは同じでありますが、木造の場合に、単価が二万七千二百円で一体校舎建築ができるというふうに考えておられるのですか。あまりに低過ぎるのじゃないですかね。これはどうなんですか。
#135
○政府委員(福田繁君) 従来、今申し上げました単価でやってきております。従って、単価の問題もいろいろ低いという地方も出て参っておりますが、私どもといたしましては、従来はこの単価で一応差しつかえなかった。ただ、鉄筋、鉄骨の校舎を建てるのにどうも木造の予算しかないという場合に町村側におきまして非常な負担がかさむというような点がございましたので、三十六年度予算におきましては、鉄筋、鉄骨の比率を予算上一〇%引き上げるようなことをしてもらったわけでありますが、それによって若干調節をつけていくということでございます。ただ、最近の工事の実施状況を見ますと、鉄筋、鉄骨の場合におきましては、ほとんど予算単価でまかなえておるようでございまするが、木造の場合、若干材料費等が最近上がっているということはこれはもう事実でございます。従って、将来の問題としては私どもこういう単価の問題も十分研究していきたい、かように考えております。
#136
○鈴木壽君 お話のように、まあ鉄筋の場合は、これは私どもの聞き及ぶ範囲では、地方の場合にも何とかこれでやれるんだ、また、継ぎ足しをしても単価の面ではそう大きくならぬというふうなことを聞いておりますが、木造の場合、今二万七千二百円というこういう単価で一体できるかというと、これはとてもじゃないができませんですね。そうしますと、二分の一負担なんといっても、実質的には国は二分の一をはるかに下回った負担になって、市町村の持ち出しが非常に多いということがこれは実情なんでね。特にことしになってからの建築費の木材その他の値上がりによって、さあ補助はもらえそうだ、しかしどうも実情に合わない、こういう単価のきめ方に基づくところの補助であるから自分たちの方の持ち出しが非常に大きいんだということで非常にこぼしておるところがずいぶんあるんですね。これはもう実態はそうなんです。ですから、これは何としても今後研究していくというふうにおっしゃっられるけれども、明らかに二万七千二百円ではやれないことがはっきりしておりますから、今木材を何か特別に安く手に入れるとかの方法がない限り三万五千円以下ではおそらくは校舎はできないと思うのです。ですから、そこに相当のもう坪に八千円もの開きが出てきておるわけですね。さっきも言ったように、二分の一の国庫負担のそれがそうでなしに、実質的にはずっと下回っている、こういうまことに残念な事態が起こってきているわけなんです。それだけ町村の持ち出しが多くなり、町村財政の他の部面についての圧迫になるというのが今大きな問題になるわけですね。実は午前中PTA等のいわゆる税外負担の問題について、ここで交付税の算定の問題と関連をしましていろいろ話が出ましたのですが、そういうこともこれは一つの大きな原因となってこういう大きな持ち出しがなければ、ある程度現校舎の維持修繕なり、あるいは備品なり、いろいろそういう面についての支出ができるのだけれども、洗いざらいこういうことの継ぎ足しのために財源をみなかき集めてしまって、あとどうにもしょうがないんだというところが幾つもあるわけなんです。これはどうしても今後研究するという少しゆうちょうなようなそういう態度でなしに、これはさっそくあれですね、私どもからすれば、これは補正予算でも組んで一つやってもらいたいと思うくらいなんですけれども、少なくとも来年度では実態に即したようなこういう単価のきめ方をしないと私は困ると思うのですが、どうです、その点。
#137
○政府委員(福田繁君) 来年度の予算におきましては私ども十分この点をもう少し材料を集めまして検討したいと思っております。とりあえず今年度の問題といたしましては、先般、各地方の実績単価を調査してみますと、木造につきましては、地方によりまして相当差があるようでございます。高いところでは坪当たり三万円以上のところがかなりございます。ところがまた一面、非常に予算単価を下回るという地方も相当ございます。そういう地方が相当ございますので、今年度の問題としては、私どもは木造の単価に予算執行の場合に若干の傾斜をつけまして、そうして高い地方にはなるべく単価を有利に考える、こういうようなことで一応三十六年度の予算執行の問題としては処理できるのではなかろうか、こういうことで現在研究いたしましてやっている次第でございます。いろいろ地方によって違いますけれども、さらにもう少し具体的な詳しい調査を今後継続しまして研究をいたしたいと思います。
#138
○占部秀男君 関連して。今、局長のお話で、それは地方によっていろいろと木造建築のことですから特に単価の大小はあると思うのですけれども、二万七千円以下で相当余るようなことはあまり聞かない。実際われわれ聞かないのですが、特にこの問題はきょうに始まった問題でなくて、単価の安いということから来る地方財政の困った現状はここ十年来ずっと続いているんですね。どうしても文部省でできないというなら正直に補助率を下げて、そうしてできないということを明らかにすべきだと思う。補助率は補助率で高い補助率、実際の単価の問題になるとそんなにもらってないということになる。そのために逆に何か国から地方財政の問題が出るときには、補助はしています、補助はしていますというような機械的な返答で、迷惑しているのは市町村です。金がないなら金がないで補助率を下げるとかなんとかいうことを正直に私はすべきじゃないかと思うのです。この問題は三十七年度はどうにかしますというお話なんで、それ以上大きな声を出してもしょうがないんですけれども、その点はもう少し正直にやってもらいたいと思うのですがね。注文だけつけておきます。
#139
○鈴木壽君 局長ね、今のお話し、私も非常に不思議だと思うのです。二万七千二百万円以下でやれるところもあるんだと、こういうふうになりますと、これはおかしいですよ。そういう場合があり得る場合の要素としてこういう場合がただしある、市町村有林のそういう財産を持っておったところでやった場合、それを非常に安く原価計算みたいなことをやった場合にはそういうことがあり得る。いま一つは、国有林野の特売なんかがありまして、そうして相当大きな石数をもらって、ただし、りっぱな国有林の場合、多くはりっぱな木ですから、それをそのまま校舎に使うのはもったいないということで、陰で、これはいいことか悪いことか知らぬけれども、転売をして差額を利用するという手が実はある。やっているところがある。そういうことでもしないと今どきあなた、二万七千二百円で坪がそれ以下でできるのが幾つもあるということになりますというと、これは日本の物価の今の状況がどうかしているんで、これはおかしい問題ですわな。実態は三万円以下ではできないというのが通説なんであって、しかも、最近は三万円でもできないのだと、これはいろいろ校舎の作り方にも多少はよるかもしれませんけれども、とても三万円以下ではできないというのが一般的な水準だと思うのですよ。ですから、やはりこの点はどういう状態調査をせられたのかわかりませんけれども、これはあまりそういう実態調査は、失礼だけれども信用できないと思いますから、よく実態をつかんで、これはやはり単価の改訂をしないと、市町村としては非常に困っている。どこでも今は町村の学校の建築費で一番参っている、建築費で。しかも、教室だけならいいけれども、特別教室もなければならぬ、小学校のやはり屋体等もどうしてもなければならぬ、そういうときに、一方補助単価がこういうふうに低い、これで満足するしかないということ、こういうような事態があるとすると、ますますもって町村のいわば財政的なそれに重圧を加えることになるので、一番理事者が頭を痛めておることは、今言ったような校舎建築についての金の問題なんですから、これは一つぜひしかるべき価格に改めるということをやってもらわないと私はいけないと思う。ゆっくりこれから研究しますというのじゃないと思いますが、どうです。
#140
○政府委員(福田繁君) ただいま申し上げました点は、各府県を通じてことしの工事の実際からとりました調査資料でございますが、おっしゃるように非常に単価の問題は大事な問題でございますので、私どもとしては、今後十分やはり実情に即するように研究をいたして参りたいと考えております。
#141
○委員長(増原恵吉君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#142
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
#143
○松永忠二君 今御説明の中で、国庫負担の補助対象外として三割をあれしたと。その三割について起債または単独事業でやると、こう言っておりますが、実際のところはどうなんですか、補助がつかないものについて起債をほとんど認めていないという現状じゃないかと思うんですがね。県では補助をもらったものについても起債はフルには見られない。少しやはり九割とか八割程度しか見られない。だから単独事業でやるものについて起債を見るなどということは禁止をすることを自治省は言っちゃいないけれども、事実上はあまりない。そういう状況だという話を現実に聞いてみてもあるわけです。三割を実際起債でやっているというようなところはあるのですか。
#144
○政府委員(福田繁君) おっしゃるように、財政力のあまり豊かじゃない町村は、補助対象にならないと、単独事業ではなかなかやりにくいのでございますが、確かに町村当局としましては、できる限りやはり補助をもらってやるということでございますが、三割の単独事業として除外いたしました分は、やはり従来の全国的な実績を見てのお話でございますので、従って、大きな市等ではむしろ補助事業よりも単独事業でどんどんやったというような過去の事例もございます。たとえば大阪とか、東京もそうでございますが、そういうような富裕な都市は、相当単独事業でやっておるものがございます。
#145
○松永忠二君 これは両方にお聞きをするのですが、自治省の方からも御返答いただきたい。単独事業のその場には起債がついているのですか。実際にそのほとんどがついていないという状況じゃないかと思う。この点はどうなのですか。
#146
○政府委員(奥野誠亮君) 地方債を配分いたします場合に、国庫補助負担金が交付されます団体分の地方負担額、これを基礎にいたしまして、補助事業に見合うワクの配分を府県に行なっておるわけでございます。それから単独事業に要する建築費に対応する地方債につきましては、別途にそれはそれなりにまたその額を配分しているわけでございます。しかし、実際問題として国庫補助金が、今御議論のございましたように、使用額から見ますと少なきに過ぎるようでございます。そういうようなところから、多少継ぎ足しに使われる部分が出て参りまして、私たちの見ているところでは八割五分が補助事業の学校建築費に向けられておって、一割五分が純単独事業に回っているというのが現実のようでございます。計画といたしましては、今申し上げましたように、補助事業に見合う地方債のワクの配分と単独事業に見合うワクの配分を別途に行なっているわけでございます。
#147
○松永忠二君 聞いているところでは、義務教育関係の起債については教育の費用を、教育は一般の単独事業とは別個にして配分していると。従って、一般の単独事業の中から起債を教育の方に回していくということはできない。そういうような配分の仕方をしている。従って、教育の関係でくる起債ワクの中で、現実には国庫補助事業に対する、補助事業についてすらも起債がフルにつけられないのだから、従って、その国庫補助事業でない教育の単独事業あたりに起債をつけるなどということはとんでもないことであって、とてもできた話ではないということが現実なんですが、全国的には今言ったように一割五分程度そういうことが行なわれているのですか。
#148
○政府委員(奥野誠亮君) 今申し上げました単独事業というのは、もとより義務教育施設にかかる単独事業でありまして、市町村の一般単独事業のことを申しているのではございません。義務教育関係の地方債は、市町村の一般単独事業その地の事業とは別個に、義務教育関係の地方債として府県ごとにワク配分を行なっているわけでございます。その場合に、単独事業に見合う分として予定した地方債分は、それはそれとして、府県、ことにワク配分をしているわけでございます。しかし実際は、そのうちの一部が補助事業分に回っていくものですから、結果としては八割五分と一割五分の割合になって出て参ってきているということでございます。
#149
○松永忠二君 そうすると、自治省の方から各府県に配分するときには、やはり単独事業分として、もちろん教育施設の中で何割程度を、補助事業に対して何割程度のものをそういうものとして配分しているのですか。
#150
○政府委員(奥野誠亮君) 補助事業分につきましては、府県ごとに市町村負担額が出て参るわけでございます。その計算上の地方負担額の八割相当額を府県に配分しているわけであります。
#151
○松永忠二君 いや、それを聞いているのではなくて、補助事業分とそれから単独事業分ではどういう割合で配分をしているのかということです。今お話のように、単独事業分のものとして配分をしているのだから。しかし、結果的には一割五分と八割五分ということになっているけれどもというお話であるので、現実にはどのくらいの割合で単独事業分としてこの起債ワクを与えているのですか。
#152
○政府委員(奥野誠亮君) 国の計画から逆算いたしまして単独事業分をはじき出しているわけでございますけれども、国の補助事業に見合う建築坪数、それの七分の三に相当する単独事業分があるということで地方財政計画あるいは地方債計画を作っているわけであります。要するに、三割が単独事業分で、七割が補助事業分だ、そうして補助事業分がまずきまりますから、それの七分の三相当額が単独事業分だ、そうしてそれの金額の八割相当額を地方債資金として用意していく、こういうやり方をしているわけであります。
#153
○松永忠二君 文部省の方にお聞きするのですがね、今お話のように、基準坪数が〇・九で中学校が一・〇八だ、ただ起債のときにはまだ少し坪数がふえているのですがね、こういうような関係で、実は特に中学校の校舎等については今言う通り、普通教室だけについての解消を考えているので、事実上は各府県で単独に相当事業をやらなければいけないでしょう。特にそういうものについて普通教室のようなものについては起債をほしいと、起債をもらえば事業するにもやりやすいので、こういうような希望が強いわけです。
 そこでまあお尋ねするのは、今お話のあった三割については、完全にこの起債というのは、起債または単独事業というのだから、起債で考えているのは一体何割くらい考えておられるのか。それは現実にはっきりもらっているのかどうか。それから今言う三割でない事業についても起債をつけてほしいということは強い要望としてあるのだが、こういう点については、自治省との間で話を進めたことがないのかどうか、そういうことをお聞きしたい。
#154
○政府委員(福田繁君) ただいまのは単独事業の分の三〇%についての起債の割合、その八五%というその問題でございますか。ちょっと意味がとれませんでしたが。
#155
○松永忠二君 あなたは、七〇%は国庫補助の対象としてやって、三割は国庫補助対象以外で考えて、これは起債または単独事業でやるのだと、こういうお話だったのです。そうすると、この三〇%の中で起債が何%で、単独事業として、起債を伴わない単独事業としてどのくらいあるということに計画されておるのか。あとのことは別です。
#156
○説明員(松島五郎君) 義務教育の施設の関係の起債の問題でございますが、昭和三十六年度の国庫補助金を伴います文教施設整備五カ年計画に基づきます事業費は小学校、中学校、あるいは屋内体操場というようなものを含めまして、三十六年度は事業費にいたしまして百九十九億一千二百万円でございます。そのうち地方負担額が百十億八千五百万円、約百十一億円でございます。これに対しましては、先ほど局長から申し上げましたように、起債を八〇%を目途に充当することにいたしておりますので、その分が約九十億程度になる。それからただいま申し上げました補助事業に対応する単独事業、いわゆる七、三のうちの三の単独事業の分が地方費でいたしまして八十五億三千四百万円でございます。それに対します起債を同じく八割の充当を目途といたしておりますので、その分が七十億でございます。両方合わせまして百六十億円が昭和三十六年度の義務教育関係施設の起債のワクになっております。
#157
○松永忠二君 今答弁のあった財政課長の、その割合が、計画の中でもその割合に考えておるのですか、文部省の方として。
#158
○政府委員(福田繁君) 起債につきましては、七、三の三の部分につきましては、もちろん私どもは百パーセント希望するわけでございます。しかしこれは、まあ従来自治省におかれましても大体八〇%の充足率をもって許可方針とされておりますので、そういった面で一応五カ年計画の年次計画におきましても大体八〇%を目標に考えております。こういうことでございます。
#159
○松永忠二君 あとの方を一つ。あとの答弁を一つして下さい。そうでない、その基準坪数が低いために普通教室をとにかく建てなきゃ、全くの単独事業で、これは必ずしも非常にぜいたくな事業ではなくて、教室の基準坪数が低いためにくるそういうまた起債をほしいということなんです。こういうことについては自治省との間に何か話を進めたことがあるのですか。
#160
○政府委員(福田繁君) これは五カ年計画設定当初からの問題でございますが、一応この補助対象事業としては普通教室だけでございます。特別教室については単独事業でやるものについてそれをできる限り見るというような方針で自治省も処理して下すったと思いますが、全般的な問題としてはやはり普通教室を整備して後の特別教室の整備という問題で、これは非常に大きな問題でございますが、私ども五カ年計画の修正の問題として、いわゆる三十八年度以降にその問題を全面的に取り上げて参りたい、こういうような考え方でございます。全般的な問題としては自治省とはまだ相談をいたしておりません。
#161
○松永忠二君 最後に一つ。その今言ったのは少し局長が意味を取り違えているというか、私が言い足りないというのですか、私が言っているのは、特別教室について起債をほしいというのではなくて、基準坪数が低いから教室について単独事業でぜいたくでない範囲の急造対策をやろうとしている。しかし、これは今言っている三割にも該当しないものであるので、全然起債が事実上は考えられていない。しかし、自治省の考えでは七対三だから、三の中にそれは含まれているんだと、こういうような考え方を持っておられるようですね。現実にはその方へみな取られてしまって、そういうものにはほとんど起債が回ってこないと、こういう点についてやはりもう一歩進めた起債のワクを作っていただかなければ実情は非常に困るのだということなんです。
#162
○政府委員(奥野誠亮君) 地方債の問題だけではなしに、かなり今のお話がございました公立義務教育施設整備五カ年計画の修正そのものにも問題があるかと思うのでございますが、たとえば国庫負担金は金額といたしまして、生徒一人当たり一・〇八坪、地方債の方では一・二六坪の起債を配分しておるわけでございます。その差額だけが補助事業の分に回っているということは言えるかもしれません。しかしそれ以外にも、農村人口が減って都市人口がふえる、そういうようなことから従来の数字以上に都市の総坪数が多くなって参っておりまして、農村校舎をそのまま都市に振り向けるわけにもいかず、そういうようなことから是正を要するような問題がいろいろ起こっているのだろうと思います。文部省ともいろいろ打ち合わせをしながら、今起こっているいろいろな問題の打開に当たっていきたい、かように考えているわけであります。
  ―――――――――――――
#163
○委員長(増原恵吉君) 本法案の質疑は一応この程度にとどめ、次に選挙制度審議会設置法案を議題として質疑を行ないます。
#164
○小林武治君 当委員会に総理がおいでをいただいたのはきょうが初めてでございます。しかし、国の財政の六割、七割も、結局地方の財政に形を変えて使われておる。こういう面からいたしましても、総理としては地方行政、財政というものについては十分の一つ認識を持ってやっていただきたいと、こういうことを一応要望をいたしておきます。
 次に、今回の選挙制度審議会の問題でありまするが、選挙には金がかかり過ぎる、昨年十一月の選挙のあとでも、どうしてもこの選挙法を根本的に直して金のかからない選挙にしなければならぬということが世間の要望でもあったのでございまして、これらの要望からいたしますれば、この選挙のあとのこの国会で選挙法を直すということが一番いい機会ではなかったかと思うのでありまして、ほんとうに政府にその気があれば、私はある程度できたのではないかというふうにも考えるのであります。そこで、今度の制度審議会法案を提出されたことにつきましても、池田総理はどちらかと申しますと選挙法の改正には熱意がない、消極的である。すなわちこの審議会の設置法案を出したのも、これは選挙法の改正を引き延ばすための手段ではないか、こういうふうなことを言われておるのでありますが、その辺の事情につきましてまずお伺いいたします。
#165
○国務大臣(池田勇人君) 選挙制度につきましては、従来いろいろ調査会その他で議論されておったのでございます。昨年の総選挙の前におきましても、この調査会の結論によっていろいろ検討が加えられましたが、結論を得るに至らなかったということは御承知の通りでございます。従いまして政府におきましては、この選挙制度につきまして、単に選挙とか、あるいは投票という問題でなしに、根本的にしかも広くかつ具体的な答申を得たい、それによってやっていこう、こういう考えのもとに今までの調査会とは違った、もっと権威があるというと語弊があるかもわかりませんが、もっと広範にしかも具体的にりっぱな答申を得て、そうしてやることが過去の経験からいってその方が早道じゃないか、こういう考えのもとに選挙制度審議会設置法案を御審議願いまして、そうして通過後直ちに審議に取りかかって、結論の出たものから逐次やっていこう、こういう考えでいるのでございます。民主主義の根本であるこの選挙というものをりっぱにやっていく上におきまして、もっと深く広く具体的なりっぱな案を出すべく、回り道ではありますけれども、結局早道だと考えまして御審議願っている次第であります。
#166
○小林武治君 そうすると、総理もこの選挙法改正については非常な熱意を持っている、そうしてこの審議会には非常な期待を持っている、こういうふうにわれわれも了解いたしたのでございますが、しからば、この選挙制度審議会の結論というものについても、ある程度の期日等についての期待をお持ちになっていると思いまするが、そういう点はどうですか。
#167
○国務大臣(池田勇人君) これはいついつまでに結論を出してもらいたいと申し上げることはいかがかと思いまするが、私はこの必要性からいって、また国民一般の気持からいってりっぱな案をできるだけ早く出していただきたい、こういう気持でいるのであります。
#168
○小林武治君 この選挙法の問題は非常に重要な問題であることはもとよりであります。従いまして、この審議会から答申等が出たなら、私はこれらのためには臨時国会等も開いてしかるべきような大問題だと思いまするが、さようなほどまでの御決心をお持ちになっているかどうかということも伺っておきたいと思います。
#169
○国務大臣(池田勇人君) 私は、答申の行なわれたとき、内容等によって考えなければならぬ問題で、今臨時国会を開きますと私がここではっきり申し上げる段階ではないと思います。
#170
○小林武治君 むろん今そういうようなお答えをいただくことはどうかと思うのであります。しかし、それほど重要な、また、それほどに大きな期待をしている問題ということの御認識を総理がお持ちになっているかどうかということを伺っておきたいからお尋ねしたわけであります。
 それで、この選挙法の問題につきましては、これは選挙の公営だとか、あるいは罰則の強化、運動方進だとか、いろいろの問題があるのでございますが、私は選挙法改正のやはり一番重大な根本の問題は、選挙区の問題である、そういうふうに思うのでございます。で、衆議院の附帯決議等におきましては、一つ人口と定員のアンバランスを直してもらいたい。しかし、選挙区制の問題については慎重な態度をとれ、こういうふうなことがいわれているのでありまするが、これは非常な矛盾した考えであるのでありまして、人口と定員のアンバランスは、現在のような選挙区をそのままにしておいてこれを実行するということはこれは不可能である。すなわち、八人ものあるいは選挙区ができる、そういうようなことは考えることもできないのでございます。従いまして、私はどうしてもこのアンバランスの問題を取り上げれば当然選挙区制の問題にも及ぶと思うのでございます。特に私は今の選挙区は一番今の日本の状態においては悪い区制であると、こういうふうに思っているのでありまするが、この選挙区制の問題をほんとうに取り上げること、すなわち政府はこの審議会に対して諮問をするということになっておりますから、ほかのいろいろの枝葉末節の問題もありまするが、この選挙区の問題、内容を何にするかということは別問題にして、選挙区の問題についても諮問する、こういうふうなお考えがあるかどうかを伺っておきます。
#171
○国務大臣(池田勇人君) 今回の選挙制度審議会は、従来の調査会とは違いまして、諮問をすることも、また諮問のない問題につきましても、独自に調査し得ることになっておるのであります。で、この前の選挙制度調査会には、選挙の制度という、こういうふうに抽象的でございましたが、今度は、私が先ほどお答え申し上げましたように、選挙全般につきまして根本的かつ具体的に検討が、あるいは審議が行なわれることと考えております。
#172
○小林武治君 むろん審議会は独自の見解で政府に申し出ることができる。しかし、政府の諮問の仕方、こういうものによっても、審議会の方向というものが相当な影響があると思うのでありまして、総理は、この選挙区の問題が一番根本的な問題であるというふうなことについてのお考えはどうであるかということを一つ。
#173
○国務大臣(池田勇人君) これは選挙全般につきまして考える場合において、従来から一番問題になっておるのは、この区制並びに定員の問題でございます。そしてまた、ある党では、比例代表を加味するとか、いろいろな議論がございます。これは審議会で当然結論が出ることと思います。私は今政府が諮問するかということは、私は当然こういうものは諮問してしかるべき問題だ、こう考える。ただ御承知の通り、衆議院におきましては、この選挙区制の根本的改正につきましては十分慎重にやってくれと、こういう附帯決議が要望せられておりますので、ほかの問題とのかね合いで、一番先に出るか、あるいは一番あとに出るか、今の衆議院のあれによりますると、この問題につきましては慎重にやってくれという、各派一致の要望があるようでございます。しかし、この問題は選挙制度審議会の審議の重要な問題となってくることを私は予想いたしておるのであります。
#174
○小林武治君 私は、この今の民主政治というものは、どうしてもこの政党政治を確立すると、こういうことが絶対に必要であると思うのでありまするが、現在の選挙の制度では、この政党政治の確立については非常な障害になっておるというふうな考えを持っておるのでありまして、今政党は強い団結と協力が必要である、こういうことがいわれながら、やはり選挙そのものが派閥選挙が行なわれる。すなわち現在の日本の選挙は、これは政党政治と言わんよりか個人の選挙である。すなわち公認等については、ある程度の重要さは持つが、この中選挙区制のおかげに、結局はこの派閥選挙あるいは個人選挙が行なわれる。この個人選挙のおかげに政党が強く伸びない、十分に団結を持つことができない、こういうふうに考えております。また金のかかるのも今の中選挙区制の大きな弊害の一つだと思うのでありまして、選挙に金がかかるということが、今の民主政治の一番の大きなガンになっておる。これを直すためには、私はどうしてもこの中選挙区制というものを直さなければならないというふうに確信されておりまするが、少なくとも総理も、今の中選挙区制にある程度の欠陥がある、こういうふうな認識をお持ちになっておるかどうかということを伺っておきます。
#175
○国務大臣(池田勇人君) いろいろ議論のあるところでございます。従いまして、議論があるということは、そこに長所短所があるという現われでございまして、ただいまの選挙区制度、投票制度が、これを動かすべからざるりっぱなものであるということも私は考えておりません。十分こういう点につきましては、学識経験者等で審議を願うべき問題だと思っております。
#176
○小林武治君 衆議院の選挙区の問題につきましては、私は以上のような考え方を持っておるものでありますが、なお、参議院の選挙制度の問題でありますが、参議院には、衆議院と違って、全国区というものがありまするが、これが当初設けられた意味が漸次失われている。すなわち、だんだんその様子が変わってきておるのでありまして、この制度につきましても、私は相当な変革を加えなければなるまいということを考えておるのでありまするが、これも当然問題にすべきことと、こういうふうに思うのでありますが、その点はいかがですか。
#177
○国務大臣(池田勇人君) 私はやはり審議の対象になると考えております。
#178
○小林武治君 参議院の問題でありますが、どうも参議院というものがだんだん私は意味が薄れてきておるのじゃないかというふうな感じを持ちます。すなわち権限、力の弱い、衆議院の第二班であるというふうなことでありまして、せっかくの二院制度が非常に色があせてきた、こういうふうな感じを持ってきておるのであります。すなわち参議院は、ただ大体において衆議院よりか権限の狭い存在にしかすぎない、あるいは参議院が軽視される、こういうふうなことが言われておるのでありますが、ある程度これは軽視されるのも本質的な欠陥があるからだ、こういうふうに思うのでありまして、総理は衆議院の方でありまするが、参議院の制度というものをこのままにしておいたのでは、結局、私は、意味がだんだん失われていく、こういうふうなことであります。今これをどうするかというふうなことについて結論的な意見があるわけではありませんが、選挙制度と合わせまして、参議院制度というものを、何かすでに戦後十五年たっているこの際、根本的な考え方をしなければなるまいと思うのでありまするが、この点についてはどういうふうなお考えであるか、伺っておきたいと思います。
#179
○国務大臣(池田勇人君) この二院制度の利害につきましては、いろいろもう旧憲法時代からの議論のあった問題でございますが、戦後日本が憲法制定の場合におきまして、これもやはり実際問題として、一院制度か二院制度か、話になったと承っておるのでございます。しかし、ただいまはいずれにいたしましても二院制度になっておるのであります。従って、今の参議院のあり方等は、これは選挙制度からも、また参議院の性格が変わってくることも考えられますので、十分今後検討してみたいと思っておるのであります。
#180
○鈴木壽君 私も実は先ほどの小林さんが述べられましたように、政府は選挙法の改正についてどの程度の熱意を持っておられるのかについて、実は疑問な点があるわけなんでありますが、今、総理のお話を聞いておりますと、今度の審議会において、十分選挙制度全般の問題についての検討をしてもらい、また適切なる答申をしてもらうのだ、まあこういうお話であります。で、おそらく選挙制度を改めなきゃならぬ。選挙法の改正の方法というのは、それはもちろん、あるいは選挙区制の問題等になりますといろいろな論はありますけれども、しかし、その他の問題については大体方向が出ておるのじゃないか。しかも、これは最近の問題でなしに、私は去年、おととし、これは岸内閣時代から選挙法改正という問題は、いわば一つの公約であったはずでありますし、あなたが総理になってからも、これは改正をしなくちゃならぬ、とりあえず技術的な問題について早急にやるのだということをどこかでお話しになったこともあると思いますし、昨年の特別国会の際でございますか、あの際にもあなたはそういうことをおっしゃっておられる。もうとうにこれはやらなければならぬ問題だと思うわけなんであります。従って、私どもはそういう意味でこの国会に改正案が出るであろう、当然提出せられるであろうということを予想しておったのであります。しかし、それが出ないで今会期も余すところあまりないようなときに、今度は選挙制度調査会というものを作ってやるのだと、こういうことになってきますと、何か小林委員がおっしゃったように、法改正の問題を先送りにするのだというような印象をどうしても受けざるを得ないわけであります。一体、本気で総理あるいは今の政府はこの選挙法の改正問題をできるだけ早く実現するという気持がおありなのかどうかということが、先ほど申しましたように、私は何かこう心配になってきているのであります。あなたが、私先ほども申しましたように、総理になってからも、いわゆる伊勢談話として伝えられておる中にも、はっきり選挙法の技術的な改正をやるのだ、また国会においてもやるのだと、こういうことを言っておった。なぜやれないで、今こういう形の選挙制度審議会ができて、これからよく学識経験者の方々の意見を聞いて、そういう答申を待ってやろう、こういうふうに考えが変わってきたのか。まずその点を一つ、あなたの考え方の変わり方を一つお聞かせいただきたいと思います。
#181
○国務大臣(池田勇人君) 私は別に考え方は変わっていないと思います。先ほど申し上げましたように、また提案いたしました場合の本会議で申し上げましたごとく、今までの選挙制度調査会の答申等によりまして具体的案を作ろうといたしましても、御答申がかなり抽象的であったり、そしてまた、その答申によって各派がまとまらなかった私は実例を知っておるのであります。従いまして、今度は選挙制度の全般の問題につきまして、具体的に答申を得てやった方がこれは早道だと、こう考えましたので、この審議会設置法案を御審議願っておるのであります。私は就任早々また施政演説におきましても、選挙の公明を期するためにあらゆる手段を講じていく、そしてまた選挙制度審議会を設けて根本的な一つ具体案を作ってもらい、そしてそれを尊重していくということは初めから申し上げておるのであります。私はこの方法がとるべき最も妥当な方法と考えております。
#182
○鈴木壽君 これは前の答申が抽象的であったり、それからその答申に対して各派の意見が一致を見なかったのだ、そのためにやれなかったのだということのようであります。しかし、これは前の三十四年の十二月二十六日の選挙制度調査会のこの答申は、これは抽象的とは言えませんね。これは問題をはっきり打ち出しているわけなんです。一つは、選挙の公営を拡充すること、それからまあ幾つもありますが、たとえば選挙の腐敗を粛正するために次のような措置をとらなければならないということをはっきり一、二、三、四と、こう書いてありますし、あるいは立候補の自由を乱用するとか、そういうことについての規制をするためにはこうしなければならないとか、あるいは高級公務員の立候補についてはこうすべきであるという、これは抽象的でない、きわめていわば具体的、法改正までには及んでおりませんけれども、改正の条文までには至っておりませんけれども、指摘している事項はすこぶる具体的です。これをしも抽象的だからやれないということになりますと、一体今度の答申でどういうものが出てくるか、これは将来のことでわかりませんけれども、こういうこと以外に答申として一体どういうことが書けるのか。私は抽象的なるがゆえに法改正までに至らなかったということについては、これはおかしな言い方であろうと思う。それからいま一つ各派の意見がまとまらなかったということが述べられております。確かに昨年の秋の段階におきまして、十分ないわゆる各党派の間の同意というものが得られなかったことも事実であります。しかし、答申が、今後の答申であれ、過去における答申であれ、答申そのもの全部各党派で異議なく承知できるというようなことが、はたしてあり得るかどうか。たとえば、先ほど来小林委員が問題にしておりましたし、あなたもお答えになりましたように、選挙区制度の問題になりますと、これは必ずしも簡単じゃないと思う。各派の意見の一致ということは、必ずしも私は期待できない。今のものの考え方からすれば、そういうことが言えると思う。各派の考え方が一致しないばかりでなしに、同じ党派の中ですら、あなたの自民党の中ですら小選挙区制がいいと言う者、あるいはそれじゃ困ると言う者、これはいろいろ意見のあることは、あなただって御承知だと思う。一体そういうことになりますと、各派の意見の一致を見ない限り、いかなる答申が出ても、それに基づいた、それを取り上げたところの法改正を行なわないのだということになりますと、一体いつ選挙法の改正をおやりになるのか、これは私は問題だと思う。ですから、もちろん大事な問題についての意見の一致を見ないということもありましょう。しかし、少なくとも意見の一致を見ている、あるいは世論が望むようなそういう改正案は、これは政府の責任で、あなたの責任で出すべきだと思う。そういうことをしないで、特に避けてやるというところに私は少し考え方について納得できないところがある。少し長くなりまして恐縮でありますが、たとえば選挙の公正を期するためにどうすればいいのか、こういうことはみんな問題が出ているのです。事前運動の取り締まりなり、あるいは金をかけないようにするためなり、あるいは罰則の強化なり、いろいろ問題が出ているのです。過去の答申にも出ておる。少なくとも選挙の公明を期するための、あるいは腐敗せる選挙をやめさせるための少なくともそういうことだけの選挙法の改正だけにとどまってもいいから、ともかく私はそういうものを出すべき段階だと思うのです。おそらく昨年あなたが政府を作ったときには、そうしてまた去年の選挙をごらんになってそういうことをお考えになっておったのじゃないかと思うのですがね。その点どうも私はあなたのおっしゃるように、答申が具体的でないとか、あるいは各派の意見が一致しないということで、何かずるずるになってきた、そこに法改正の、そうして公明選挙をあくまでもやっていこう、それによって民主政治の基盤を作っていこうという熱意といいますか、決意に欠けているように私は思わざるを得ないわけでありますが、重ねてその点いかがでございますか。
#183
○国務大臣(池田勇人君) ただ調査会の答申でもいろいろな項目をあげてやっておりますが、そら立法しろということになりますと、なかなかむずかしい問題があるのでございます。たとえば公正を期するとか、あるいは公営選挙を拡大する、そういうようなことを書いておりまするが、立法するために、ああいう点をどうする、こういう点はどうする、もう少し深く検討してもらいたい、こういう気持で私は審議会設置法案を御審議願っておるので、決してこれを延ばそうということを私は考えてやっているわけじゃございません。具体的問題につきましては、関係大臣から御説明申し上げます。
#184
○国務大臣(安井謙君) 今鈴木さんの御指摘になりました公営の問題あるいは罰則の強化、具体的にうたってあるじゃないかというお話は一応その通りでございますが、先ほど総理からもお話しになりましたように、たとえば公営の問題と申しましても、例をあげますと、同じ区内で定員の数倍にわたる、いい例かどうかわかりませんが、泡沫候補といわれておるような人が立っておる区を、これを今ここであげられておる程度のことで公営をやった場合に、はたして平等ないい公営の精神に合うかどうかといった点等については、相当まだ研究の余地が残っておるように思います。また刑罰の強化等につきましても、なるほど刑罰を強化するということは必要でありましょうが、他の犯罪とのバランスの問題、あるいは選挙なるがゆえに罪九族に及ぶといったような思想から、はたして間違った採用がされる危険はなかろうか、あるいは定数と人口のアンバランスというものは早急にやれと、こういうお話でありますが、先ほど小林委員の御指摘のようにやればこれは七人、八人の定員を持たざるを得ないというようなものが相当できるわけであります。そういう場合の考え方をどうするか、こういう点につきましては、残念ながらまだこの調査会の答申では非常に不十分だと思います。さらにそうい5問題を含めて総理のお話のように、さらに大きな問題も一緒にもう少し具体的に検討をさしていただきたいというのがこの審議会にお願いしておる趣旨でございます。
#185
○鈴木壽君 まあ慎重にこういう問題を取り扱いたたいというお気持のようでありますが、さっきも申し上げましたように、これはもちろん慎重であるべきなんですが、しかし、すでに方向が出ており、さらにまたある程度の話し合いのできておる問題もある、選挙法の改正の場合、全部包括的に一斉にあの法律全体にわたっての大改正を行なわなければならぬというそういう場合もあろうと思いますけれども、また必要に応じて部分的なものを改正することによって、その積み重ねによって最終的にはいい選挙が行なえるような選挙法の改正というところに持っていこう、こういう考え方が私は当然あると思う。そういうあとの方の考え方に立っていくことが今の場合にはまた必要じゃないだろうか。そして具体的な、あるいは抽象的だという問題になりますと、一体今度の選挙制度審議会でかりに答申が出る――いつ出るかわかりませんが、一体それを事こまかく泡沫候補のときはこういうふうにチェックすべきだとかというような、そういうこまかな答申というのは私はこれは期待できないと思うのです。あなたが今例にあげたようなことは、泡沫候補のことについては規制をしなければならぬということぐらいは出てくるかもしれません。こまかくこういう方法によってやれとかというようなことまではこれはちょっと私は答申としてはどうかと思うのです。また、そこまでいき得るものかどうか、あるいは罰則の問題でも、これこれの場合はこういう刑を科せなければならぬとかというような、それこそ具体的なこまいところまでは、こういうところの審議会なり制度の調査会等の答申のそこまでの任務じゃないと思う。やはりここでは方向を出すしかないのです。ですから、たとえばこういうことはあり得ると思うのです。定数のアンバランスの問題については、何人程度を基準にして、二十万なら二十万を基準にして、それについて一人なら一人というような、いわばある程度の数字は出るかもしれませんが、あとのことについてはそんなこまかいところまで答申は出てこないと思うのです。たとえば連座制の問題などは、今よく選挙違反なんかで追及をされておる者の時効の延長の問題等につきまして、時効を延長せよということが前の選挙制度調査会から出ております。じゃ何年何月何日にせよなんということは、これは答申としては出てきませんよ、これは。そうすると、何日にすればいいかわからぬからこれは慎重に検討しなければならぬ、そんなことを言っておったらこれはいつになっても法の改正なんかできやしませんよ。ですから、この点は今言ったように、先ほどから申し上げておりますように、たとえば罰則の強化、連座制の強化というような問題だったら、そういう線はもうこの問題について考える場合に、だれでもこれは意見の一致するところなんです。一体それをどういうふうに区切るかというようなことは、いろいろ技術的な問題は出てくると思いますけれども、とにかく方向としてはそうなっている。そういう問題を今取り上げていくことが私は必要な段階であろうと思う。一昨年の地方選挙あるいは参議院の選挙それから昨年の秋の衆議院の選挙のああいうざまを見ておっては、これはもうこれ以上待っておれないというのが世人の考え方だと思うのです。何とかしてもらわなければ困る。国民もこの国会に、従って、選挙法の改正案は、先ほども言ったように、全般的な全部を包括するようなことはあるいは期待しなくても、そういう問題についての腐敗選挙をやらないように、選挙の公明化を期するための選挙法の改正というのは、これはみんな出るものとして望んでおり、期待しておったのだろうと思うのですがね。やはりそうしますと、今度の審議会でどういう答申が出るかわかりませんが、抽象的だとか、各派の一致した意見がなければできないとか、これはまたそういうことになりますよ。それでいいのですか、総理とそれから自治大臣。
#186
○国務大臣(安井謙君) きょうは総理の御答弁が主体でございますので、あまりこまかい御議論は私ども差し控えたいと思っておりますが、今のような公営の問題につきましても、これはなかなか問題はそう法律で作るようなものまでいかなくても、まだ非常に残っていると思うのであります。たとえば公営選挙、あの演説会というようなものにつきましても、それが非常に逆効果を、広げることによって及ぼすというような問題もございますし、もっと基本的に考えなければならぬ問題は相当まだ含まれていると思います。そういう点につきましては、この権威ある審議会でぜひ御答申を具体的にいただくように配慮したいと思っております。
#187
○国務大臣(池田勇人君) 別に議論するわけではございませんが、たとえば泡沫候補、言葉は悪いが、泡沫候補の規制の問題にいたしましても、なかなかその規制の仕方が憲法上非常な身分関係の問題になってくることもあります。また連座制を強化しろと、こう申しましても、この連座制につきまして、憲法との関係、なかなか私はむずかしい問題があるのじゃないか。こういう問題につきましては、私は法制的にもまた政治的にも十分検討してもらう必要があるのではないか。こういう大事なことでございますから、私は広い範囲でしかも深く、具体的にいろいろ答申をしていただくことがかえって早道じゃないかという気持で言っているのであります。
#188
○鈴木壽君 まあこういうものを作って、それの答申によってやるという段階になってきているのでありますから、私も過去のいろいろな政府の言ってきたこと、あるいはまた世人の期待しておるところをくどくど述べてもしょうがないと思いますが、たとえば今、総理や自治大臣のお話のように、もっと具体的にといっても、たとえば一例として申し上げますが、今の泡沫候補の規制の問題等になりますと、これは確かに総理の言うように憲法上の問題も考えなければならぬというようなことにもなってくると思います。しかし、具体的なというのはどの程度要求し、どの程度にするものかということは私は問題だと思うのでありますが、たとえば個人演説会の回数の制限を緩和しなければならぬというようなことにつきまして、個人演説会は何回にした方がいいとか、そういうことなんか出てきませんね。また、そこまでを期待すべきものじゃないだろうと思うのですね。だから、その方向が示されましたら、答申においてそういう方向が示されましたら、それをこの法案にあるように尊重してやっていく、その間に法制化の過程においていろいろこまかい規定というようなものも検討しなければなりませんけれども、そういうふうなことしか私はできないのじゃないかと思うのですね。それを具体的にやってもらいたい、具体的にやってもらいたい、前のこれは抽象的であるからどうも手がつかぬというような考え方であるとすれば、せっかく審議会をお作りになっても、おそらく法改正にまでは至らないのではないかという私は心配をするのです。そこで、その点はそれくらいにしますが、一体私ここまで申し上げてはあるいはちょっと失礼に当たることが出てくるかもしれませんが、何か選挙法の改正について総理も渋らざるを得なかったという中に、この前の三十四年十二月の選挙制度調査会の答申をめぐっての政府、与党の方、こういうものの中で、他会派の問題よりも、むしろあなたの政府と党との関係においての意見の一致を見なかったことが、ここまで法改正を延ばしたことになっているのではないかというふうに思うわけなんですが、最初答申に基づいて、安井さん、これはあなたの前の時代でありますが、自治省で案を作りましたですね。ところが、それが党の七役会議かなんかでけちをつけられてしまった、そうして党の選挙調査会のいわゆる青木委員会とかいわれる青木さんの方に回した、その作った案をさらにまた自治庁でいろいろやったけれども、その案がまた後退したとか、気にくわぬとかいうことでもたもたしておったいきさつがありますね。むしろ私は、選挙法の改正を特に選挙の公明あるいはそれに関連するいろいろ罰則の問題等に関連しての改正に踏み切れなかったのは、そういう自民党の内部の方々のいろいろな動きが今日までこういうふうに引っぱってきた、それではないかと思うのですが、総理である、総裁である池田さん、その点についていかがお考えになっていらっしゃいますか。
#189
○国務大臣(池田勇人君) 当時私は総裁でも総理でもなかったのでよく存じません。聞いておりません。専門の事務当局からお答え申し上げます。
#190
○国務大臣(安井謙君) お話のように、昨年二月答申案につきまして、一応の素案は自治庁としては作ったわけでございますが、今、総理が御指摘になったような問題、根本的な問題もあり、さらに具体的な問題、両面からなかなかこれが成案を得るに至らなかった事情であります。さらにそういった成案を、これとか、あれとか、こう二、三出しまして、各党との折衝をやりましたが、いずれも一致を見るに至らなかったというようないきさつがございますので、先ほどお話のようなことも、一つもっと広い視野から、そうしてより具体的な答申をもらいたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#191
○鈴木壽君 広い視野からといいますと、前の選挙制度調査会についてのこれは不信任ということになりますね。これではどうもだめだ、新しい審議会を作って、せっかくこういう答申を出したにもかかわらず、これではだめだから、もっと広い視野からものの見れる人たちを選んで、あるいは法的にもう少し権限も与えて、それによってやろうと、こういうことなんですか。
#192
○国務大臣(安井謙君) 決してこの前の調査会を不信任するというようなつもりは毛頭ないのでございまして、実は今度の審議会を作るにつきましても、前の審議会の委員のおもな方々とは十分に話し合いをいたしまして、いろいろ問題を提起してみますと、なるほど、これはもう一回出直した方がいいじゃないか、こういう大方の御結論も得ておるわけでございまして、決して軽視してやるというつもりではございません。
#193
○鈴木壽君 より広範な御検討を願って、従って、広範な答申を期待しているようでありますが、これは今からこんなことを聞いても、まだそんなことまで考えていない、これからだと、こうおっしゃるかもしれませんが、一体どういうことを諮問なさるつもりなんですか。やはり、この法にあるように、第二条にあるような、こういうものを全部一どきに諮問いたしますか。そして、その場合に、答申を求める時期、こういうものは一体どうなるかということを、今お考えになっておられますか。
#194
○国務大臣(安井謙君) この答申を求める方法、内容等につきましては、法律案にも具体的にうたってあるわけでございます。たとえば「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」、「国会議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定める基準及び具体案の作成に関する事項」、「政党その他の政治団体及び政治資金の制度に関する重要事項」、「選挙公明化運動の推進に関する重要事項」、こういうふうに、今度は審議会自体に諮問すべき事項についても、具体的に内容をうたっておるわけであります。この線に沿って諮問をいたすのでありますが、その結論の出る時期につきましては、これはまだ審議会自身もできておりませんし、ちょっと今ここで言明するわけには参るまいかと思います。
#195
○鈴木壽君 ですから、第二条にある、今あなたがお読みになったようなこういうことを全部諮問なさるつもりであるのか。
 それから、まだ発足しておらない審議会でございますから、今から期限をつけるなんということはおかしな話であるかとも思いますけれども、しかし問題は、来年参議院の選挙がありますね。ですから、やはり時期というものは当然あなた方の腹づもりとしては予想して考えなければならぬと思うのです。また国会が十二月から開かれると、こういうことを考えますと、ある程度あなた方としては、こういうところまでで答申を出してもらいたいとか、意見を出してもらいたいとかいう、そういう期待というものは、私は当然持ってしかるべきだと思うので、そういう意味で、私は何かそういうことについて考えているのではないかと、こういうふうにお聞きしたわけなんですが、その二点を一つあらためて……。
#196
○国務大臣(安井謙君) 今のようなものを主眼にいたしまして、さらに前回出ております調査会の答申は、具体的な検討の材料になるであろうと思っております。それから時期につきましては、おっしゃる通りでありますが、これから審議会もできる過程でありますので、今ちょっとわれわれの方で予測をしてこれをどうだというわけにはなかなか参らない。できる限り早く答申を求めるという方針で臨みたいと思います。
#197
○鈴木壽君 さっき総理は、小林委員のお尋ねに対して、法案が通過したあと、できるだけ早く審議会を持ってもらって、そうして諮問をする、結論の出たものから逐次やっていきたいと、こういうふうにお答えになっておられましたが、そうしますと、諮問の仕方は、全般的に、この第二条にあるような事柄を全部諮問して、そうして結論が出たものを逐次出してもらうと、そういう格好をおとりになるように、これは聞かざるを得ないわけなんですね。そういうおつもりなんですか。
#198
○国務大臣(池田勇人君) 私は、この答申が出たものを逐次と申しましても、やはり一々そのつどつどというわけにも参りますまい。そこで、衆議院におきまして附帯決議のありました、当面急を要する事項について早急に行なう、それから選挙区制度の根本的改正について調査審議を行なう場合には特に慎重を期するとこうなっておりまするから、まず選挙区制の根本的改正というものにつきましては、審議はされるでしょうけれども、その他の急を要する問題、これが先に出てくると私は期待いたしておるのでございます。
#199
○鈴木壽君 私は、先ほども言っておりますように、こういう選挙法の改正の問題については、根本的な選挙区制の問題等については、かりに答申があったにしても、これは相当また、政府としても、あるいは各政党間におきましても、検討しなければならぬ問題だろうと思います。従って、そういうことをも含めての選挙法の改正を一挙にやるということになりますと、これは時期的にいって非常に先へ行ってしまうというようなことになると思いますから、まずとりあえず、これは先ほど小林委員の言葉の中にもありましたように、金のかからないような選挙、金をかけない選挙、もしそういう金をかけたり何かした者に対しての罰則を強化するというような方向の選挙法の改正をまずとりあえずやらにゃならぬじゃないだろうか。そうしてまた、審議会に対してもそういうやはり政府の考え方をある程度明らかにして、そういう問題についての答申はできるだけ一つ早くやってもらいたいというふうなことをすることが一番今のこの時限における選挙法の改正については妥当なものじゃないだろうかと思うのですが、この点いかがですか、総理大臣。
#200
○国務大臣(池田勇人君) 大体そういうふうに考えております。また衆議院の決議もそういう方向でいっていると私は考えております。
#201
○鈴木壽君 最近の選挙のやり方を見ておりますと、特に先ほどもちょっと私触れましたが、一昨年の地方選挙あるいは参議院の選挙、さらに昨年の秋の衆議院の選挙、こういうものを見ておりますと、非常にこれはほうっておけないということに世人も考えておられると思う。そういうきたない選挙が行なわれておる。おそらくこれは総理も認めざるを得ないと思うのですが、選挙違反の件数なんかも、昨年の秋の選挙に際しての検挙された者を見ましても、非常に前よりもふえているのですね。一体、これをこのまま放置しておいていいかどうかという問題ですね。しかも、その選挙違反は非常に悪質なものがふえている。特に供応、買収というようなそういうものが非常にふえている。金もかかり過ぎる。まあ二当一落というような言葉がありますが、今じゃもう二当一落じゃなくて、三当二落にまで相場がこう上がってきておりますね。それくらいの金が使われておる。こういう選挙になってきておる。しかも総理、これあなたの党の方々が一番多く金を使いますね。これはどうです。一体総理として、総裁として、こういう点について、まあ法改正もさることながら、何とか手がありませんか。いかがですか、これは。
#202
○国務大臣(池田勇人君) 選挙に金がかかるということはほんとうに一番いかぬことでございます。わが党の者につきましても、常にそういうことを言っております。自分のことを言っては恐縮でございますが、私は身をもって実践しておるつもりでございます。できるだけ金を使わないようにやっていくよう、お互いに戒め合っておる次第でございます。
#203
○鈴木壽君 確かにあなたは身をもって金のかからぬ選挙を実践しておられるようであります。昨年のあなたの選挙の場合の法定費用六十四万二千八百円のところ、あなたの入った金は六十四万四千六百二十円、支出が五十四万二千六百三十七円でありますから、相当余って、法定費用に達しないと、こういう届け出でありますから、これは確かにあなた自身はそういうふうにやっておられる。ところが、あなた自身はそういうふうに身を持することすこぶるりっぱでありますが、あなたの党としての集めた金は、あなたの方のいろいろな派閥と言っちゃ悪いかもしれませんが、いろいろな個人、AならAという人を中心にした後援会みたいなそういう会がございますね。あるいはあるグループの会、こういうところで集めた金というものは、これはまた莫大な金が集まって、それが使われておるのですね。ですから、私はまあ何もあなたが金を使ったというような失礼なことは決して申しませんが、あなたの方の党なり、そういうグルーブなりで非常にたくさんの金を集めて、たくさんの金を選挙に使っておる、これはもうはっきり官報に出ておるのですから……。しかも一説には、これに出ているものの何倍かの金が出ているかもしれぬというふうなことがいわれておるくらい、とにかく昨年の選挙には金が出ておる。これは一つ総理、あなたが、自分はそれこそ公明選挙を実践しておられるのだと、こういうことだけでなしに、そうしてまた言葉の上で単に戒め合っているということだけでなしに、やはり党の、第一党の総裁として、党全体の問題として、こういうことをなくするようなことを考えなければいけないのじゃないか。この点どうですか。私はぜひそうなければならぬと思いますが、いかがでございましょうか。
#204
○国務大臣(池田勇人君) そういうことをなくするように私は努力をいたしておるのであります。いろいろ、この前の選挙は何かいわゆる百日選挙と、こう言われておりまするから、いつもより違反が多く出たかもしれません。しかし、違反のないことをわれわれは期さなければならぬので、あらゆる方面から努力をしていきたいと考えております。
#205
○鈴木壽君 そこで私は、これは一つ効果的なこととして、これはまあどの党派でもやっていることなんですが、あなたの党の方では、かりに公認した場合は、百万円とか、あるいはその人によっていろいろ違うのだそうであります。それから今度、各所属するところによって二百万、三百万の金が入る、そのほかにまた個人的に金を集める、こういうことで、さっき言ったように莫大な金を使っている。単に金を集めただけならともかく、これがみんな今度は地方に行って、供応、買収の資金になっているわけなんです。こういうことは、やっぱり改めようと思えば私は改められると思う。総裁であるあなたが各候補者に対してそういう金を与えない、かりに与えても、法定費用以内でちゃんとやるのだというその限度において与える。そういうことも
 一つのきき目のある方法じゃないかと思うのですが、一つそういうことであなたはおやりになる気持はございませんか。
#206
○国務大臣(池田勇人君) そういう方向に向かって努力いたしたいと思います。また、これは金を使うのもやはり相手方のあることであります。やっぱり国民全体がそういう気持になる、候補者ばかりでなしに国民全体が選挙の公明を期するというふうな努力をするように私はいたしたいと考えておるのであります。
#207
○鈴木壽君 これはあなたの前段の御答弁を私は大事なものとして聞いておきたいと思うのです。なお後段の方の、国民全体がやはりそういうことにならなければならぬということも、これは確かでございます。その通りでございます。しかしですね、昨年秋の私ども見聞した選挙の中で行なわれたことは、何も国民あるいは選挙民が要求したとか、もらいに行ったとかでなしに、みんな、ただ門口から物をばらまいて歩くということが、これは選挙民の意思にかかわらず行なわれておるのですね。むしろ、国民のあるいは選挙民のそういった、今言ったような、向こうから求めるとか、選挙民がそれを要望するとかいうことでなしに、そういうことにかかわりなしに、候補者がそういう金の使い方をやっている。もちろん選挙民の方々の何といいますか、こういうことに対する自覚と申しますか、そういうことは大事でありますが、あなたの御指摘される通りでありますが、まず、私は金を使わないという、また使わないようにする、そういう仕組みを、これは法改正とかなんとかいう以前に私は取り上げなければならぬ問題だろうと思うのですね。これはまあ私の持ち時間もなくなりましたからやめますが、これは相当あなたの方では金を集めて、それを現実に使っているのですね。ちゃんとここに報告が出ておりますから、これはあなたもおそらくごらんになっていらっしゃるだろうと思います。一体こんな金を使わなければならぬのか。しかも、今言ったように、そのほかにいろいろこういうところに載せられない金が出ておるのでありますから、もしこういうようなことをやったら、それこそ厳罰だ、本人はもとより、その連座制を強化することによってやはり厳罰にすべきではないだろうかと思うのです。そういう問題をまずとりあえず、これは各党派にあって、異議がない問題だろうと思う。これをしも渋るような党派があったり、人があったりすれば、これはおかしいと思うのですから、こういう問題をこれは政府の責任においてでも法の改正によってちゃんとやっていくのだという、そういう決意なり姿勢が私はほしいものだと思うのですが、これに関連して、もし審議会の答申が来年の選挙に間に合わないというようなことがあれば、答申に基づく法改正という問題がもし間に合わないということがあると、やはりそれはいつまでたってもこのままに、法改正を行なわない、そういうことなんですか、その点一つ。
#208
○国務大臣(池田勇人君) 私は当面急を要する今のような問題につきましては、早く出ることを、答申のあることを期待しております。
#209
○鈴木壽君 そうすると、そういう問題について、これは諮問の仕方も私は関係してくると思います。全体をずっと、さっき私ちょっと問題にしましたように、広範な範囲にわたっての諮問の仕方をしておって、まず早いところ出てきたものだけまずやっていくということになると、向こうだってそれぞれ考え方があるから、こちらの方のものを早く出すということはなくなる、そういう場合も私は考えられる。従って、こういう問題についてはというので問題を区切ってやはり諮問するということを今あなたがおっしゃるようにやりたいのだったら、そういうことも一つの方法じゃないかと思うのですが、これはいかがでございましょうか。
#210
○国務大臣(池田勇人君) この審議会ができましたならば、審議会の委員の人々は、衆議院の附帯決議のみならず、ここで議論せられたことを十分私はお考えになることと思うのであります。従いまして、審議会の委員の方々とは、われわれとしてはこういうことを申し上げると同時に、十分皆さんの意のあるところをおくみ取り願うようにいたしたいと思います。
#211
○鈴木壽君 これでやめますが、一つ、これは実際の場合に、こちらでおやりになるのかどうかわかりませんが、まさか総理一々おやりになるわけじゃないだろうと思いますが、委員の人選でございますね、これは非常に大事な問題だと思います。さっきあなた方、どうも前のこれじゃうまくないのだというようなことでありましたが、必ずしも不信任じゃなくて、この中からまた委員を選ぶのだというようなこともおっしゃっておりますが、しかし、前の委員の名前を見て参りますと、初めからもうその考え方が一つに固定してしまっていって、たとえば選挙区制の問題なり、そういう問題について、初めから考え方が固定しているという方がたくさん指摘できますね。これは事が事であるだけに、やはり委員の人選というものをこれは十分に慎重にやってもらわなければいけないと思うのですね。初めからそういう結論が予想せられるような顔ぶれだったら、私はこれはおかしなものになってしまうと思うのですが、これは今言ったように、直接私は総理おやりになるわけでもありませんでしょうが、総理の人選にあたっての心がまえと、安井さんの方から一つ一これは安井さんの方でおやりになるのですか。もしおやりになるのだったら……。
#212
○国務大臣(安井謙君) 手続はそういうことになります。
#213
○鈴木壽君 あなたの方で一体どういうつもりで心がまえをやっておられるのか、お聞きしておきたいと思いますが。
#214
○国務大臣(安井謙君) お話のように、できるだけ広く、そうしてできれば実務の経験者、あるいはかつて選挙の経験もあったというような人も人材主義でお願いをしたいと思っております。それから固定した思想を持っておるというふうに言われるのでありますが、せんだってこの調査会の委員の方も、おそらく固定しておると思われる方といろいろお話をしてみましても、必ずしも固定しておらぬのであります。でありますから、そういう点は決して片寄った初めから結論の見え透いたような構成にはならないように十分配慮いたしたいと思っております。
#215
○鈴木壽君 総理、その点どうです。
#216
○国務大臣(池田勇人君) 非常に大事な仕事でありまするから、私自身も個個の人につきまして従来の主張またその性格、あるいは経験等々につきまして十分私自身も審査して、ほんとうに公正、りっぱな委員会のできるよう努力をいたしたいと思っております。
#217
○松永忠二君 二、三お聞きをするわけであります。まず総理大臣に、審議会のことは別として、池田総理として理想選挙を実現する、そうして国民が非常に期待をしている選挙法の改正、こういうようなものにあたってこれだけはどうしてもこのままでおいてはならないと考えているものはどういうものなんですか。そういうことを総理としてお持ちだと思うが、そういう点についてどうしてもこれはこのままでおけないと考えておられるものはどういうものがあるのか、それを一つまず先にお聞きをしたいわけです。
#218
○国務大臣(池田勇人君) 私はこのままでおけないという問題は、これは今まあ金のかからないように、りっぱな選挙が行なわれるように、こういうことを考えておりますが、具体的にこの問題はこうしたいということを今ここで申し上げることは適当ではないかと思います。
#219
○松永忠二君 私がお聞きをしているのは、具体的にこういうものをこうしたいということではなくて、こういう問題については何としても解決をしなければできない、こういう考え方は私はあると思うわけです。そういう考え方がなければ、これを即時と言うか、直ちにとにかく結論を得て広い角度で、しかも、根本的に解決をしていくということについての熱意の点についても疑われるのではないかと思う。だから、これをこう変えていきたいということではなくて、この問題については何としてもとにかく検討していかなきゃできないと、総理みずからお考えになっている点はどの点なのか、それを一つお答えを願いたいと思う。
#220
○国務大臣(池田勇人君) それは公正、公明な選挙が行なわれる。それで、私はそのためにはどういうふうにしたらいいかという具体的な問題につきましては私の意見は申し上げない方がいいと思います。
#221
○松永忠二君 それでは私の方から逆にお尋ねをいたします。特に先ほどから質問があっているのは、とにかく参議院の選挙というものは目の前に来ているわけです。しかも、参議院の選挙は百日選挙どころではなくて、期日もきまって、あるいは一年選挙とも考えらるべきものである。そういう選挙を目の前にしてきているおりから、どうしてもこの点は直していかなければできないという点が私はこの前の選挙の反省からあるわけで、また、そういうことがあるからこそ、政府みずからも公約として出しておるし、審議会も作ろうと考えておられるのでありますから、まずその中で後援会というものが候補者から多額の金を寄付を受けて、そうして後援会全員に金をばらまいて、物をばらまいていく。そうして事前運動においてこれが行なわれていくという、この点については何としても改めていくべき問題ではないかと私たちは思うわけです。
 それからなお、もう一つの点としては総括主宰者あるいは出納責任者が、御承知の通り相当なりっぱな人物でありますけれども、具体的に名前をあげることは遠慮いたしますが、昭和三十三年に出納責任者であって、買収容疑で指名手配されて逃亡していた、それが昭和三十五年の四月に現われて、三十五年の選挙ではまたまた買収のために逃亡して指名手配を受けているという具体的な者もあるわけです。あるいは中には、昭和三十三年の総選挙で指名手配されて、総括責任者が夫婦でもってまだ逃げているという具体的な問題もあるわけです。こういうことを考えてみたときに、やはりこういう問題について、これは明確にやはり改めていかなければできないし、この問題は解決をしていかなければできないのではないかということを強く感ずるわけなんです。まずこの二つの問題については、総理は一体、やはりこの次の選挙の行なわれるまでには、何とかして方法を検討いただいて解決をしていかなければ公明選挙、金のかからない選挙はできないとお考えになっておられるのか、それともそういうこともはっきり個人的な見解を言うことは差しつかえるのか、私はむしろはっきりしたお答えこそ国民も期待をしておるし、われわれも期待をしておるわけであります。そういう御答弁があってこそ、私は何としてもこのままでは選挙は公明に行なわれないし、金のかかる選挙を改めることはできないというような熱意が私たちはわかると思うのでありますが、この点についてはいかがでありますか。
#222
○国務大臣(池田勇人君) 来年の参議院選挙に対しまして、政治活動をする、たとえば国会報告とか、あるいは演説会を開くということにおきましてこれを差しとめるというわけには参らないと思います。そのためにある程度の後援会ができまして必要最小限度の支援をするということも、これは私はやむを得ないのではないか。しかし、その間において事前運動であり、あるいは法違反を起こすというようなことは絶対に避けるよう指導していかなければならない、私はこういう意味におきまして、やはり公明選挙のために候補者自体が自粛して下さると同時に、相手の国民に対しまして公明選挙のPRをこれでやっていきたいというので、予算も要求いたしておるのであります。後援会等のあり方につきましては、これは良識でいくよりほかにないと思います。
 それから次の御質問の、過去におきまして総括責任者等が逃亡しておる、こういう問題を私聞きましたので、法務大臣につきましてその後の手配、様子はどうかということを二回ほど聞いておりまするが、何分にも今はそれがつかまっていない状況であるのであります。こういうことは早く指名手配の実績が上がるように努めると同時に、先ほど申し上げましたように違反の起こらないよう、候補者はもちろん、国民におきましても公明選挙が行なわれるようにPRしていきたいと私は考えております。
#223
○松永忠二君 今あなたが申されたようなことについて、選挙運動として使用せられるその寄付金の制限、あるいはその連座制の強化、こういうような点について、やはりあなたがおっしゃったことは、法律的に規制をしなければできないと、そういうふうにお考えになっておられるのか、今あなたの申されたようなことでそれができるとお考えになっておられるのか、そういう点を期待をされておるのかどうか、そういう点についてなお御答弁を願いたいと思います。
#224
○国務大臣(池田勇人君) 連座制の問題、選挙費用の問題等につきましては、私は重要な問題でございますので、早急にこの審議会にかけ、そして御検討願いたい、こう考えております。
#225
○松永忠二君 まあ具体的に私たちからいえば、この選挙制度審議会の法案が通過をされて六月中に発足をし、答申を受けて法案を作って通常国会に提示をし、通常国会において審議を上げれば、同時に選挙になってしまうということになるので、ほんとうにこの参議院選挙に間に合わせて有効な改正や施策を行なおうというようなことであるならば、われわれからいうと、また別個な、先ほどからお話があるが、方法があろうかと私たちは思っておるわけであります。そこで、提案の理由にも説明されているように、その答申を待って、これを尊重して改正法律案を国会に提出する等所要の措置を講じようとするものであります、こういうふうに書かれておりますが、一体それはいつの選挙から実施をするのか。そしてまた、この次の参議院選挙にはそれを間に合わせるのかどうか、その点について総理のお考えを聞きたいわけなんです。
#226
○国務大臣(池田勇人君) これは答申が出てこないとわかりませんが、私はこの必要性は万人が認めておること、そして先ほど答えたように、さしあたって急を要する問題につきましては先に審議しろと、こういうことが附帯決議まであるような状況でございますので、私はその点は十分心得まして、審議会におきましても、さしあたって必要なものにつきましては答申が早く出てくることを期待しておるのであります。答申が出て参りましたら、われわれといたしましては、早い機会に実現ができるよう努力いたしたいと思っております。
#227
○松永忠二君 端的にお聞きをいたしますが、参議院の選挙に間に合わせるというようなかたい御決意はあるのでありますか。
#228
○国務大臣(池田勇人君) 答申が出て間に合わせられるような情勢になりますれば、私は間に合わせたいと、こういう希望を持っております。
#229
○松永忠二君 そうすると、大体御希望としては間に合わせたいというようなお考えを持っておられるようでありますが、そうなって参りますと、実は今参議院の方へ自民党の方々から参議院選挙の臨時特例に関する法律案が提案をされているわけであります。これには、この提案理由の中にこういうことが出ておるわけです。「御承知のごとく昭和三十七年の参議院議員の通常選挙が明年に迫っておりますので、この際抜本的な改正は行なわず、とりあえず同選挙を対象とした所要の措置を臨時特例として講ずることとした次第であります。」、こういうふうに出ておるわけであります。今、総理は非常な熱意を持ってこの選挙法の改正にあたっていこう、選挙制度の改正にあたっていこうという熱意を信じ、また、それを間に合わせたいという、そういうことを考えているなら、ここに出ております選挙制度審議会の中には、その答申を尊重すると、しなければならないと、権威あるものとしてこれを尊重していこうということになりますならば、こういうものが出ておることがかえってこの審議会を拘束をするとか、あるいは審議会の答申をゆがめるとか、あるいは審議会のいわゆる自由な討論の上に影響を与える、むしろそういうものを尊重するという立場から言うならば、これはやはり審議会の答申に待つべきではないかという考え方があるわけであります。これについては、自民党総裁として、この提案にあたっては総務会等においてやはり通過をしておることを考えてみると、どうも提案されている設置法と矛盾しているのではないか、特に間に合わせたいというそういう事柄とこの議員提案とは矛盾をしているのではないかと私たちは思うわけです。こういう点については総理はどういうふうなお考えを持たれているのか、見解をお聞きをしたいのであります。
#230
○国務大臣(池田勇人君) 国会に提出されておりまする修正案は、私の聞いておるところでは、ごくまあ簡単と言うと何ですが、はがきの枚数とか、ポスターの枚数だとか聞いております。これは国会において適当に御審議願えればいい。私は今までのあり方から申しまして、そういうささい、ささいと言っては語弊がありますが、非常にはがき、ポスターが東京その他の大都市では少な過ぎるというふうなことは聞いておるのであります。この問題につきましては、私は矛盾しておるというほどのこともないと考えております。国会におきまして適当に御処理願いたい。
#231
○松永忠二君 そうすると、矛盾しておらないというのは、ささいなことだからということで、従って、やはり参議院選挙に間に合わせたいと考えている中には、もう少し広範囲な、そうして相当まあ重要性というか、必要性に立ったものを実施をされると、そういうことを逆に言えば裏書きをしているものであります。そういうお考えでありますか。従って、このささいな問題については処理をしてもらえばよいのであって、参議院の選挙には相当重要なものを何とかして間に合わせたい、こういうお考えだと解釈をしてよろしゅうございますか。
#232
○国務大臣(池田勇人君) 今出ておりまする改正案につきましては、私は、はがきとかポスター、こういうもので、いかにも少な過ぎるということにつきまして、是正したらどうかという意見で出ておることは、これは考えられると思うのであります。しかし、その問題につきましても、審議会におきまして、今後の問題として議論しないというわけのものではございません。しかし、私は、そういう問題でなしに、選挙の公明が期せられるという、もっと重要なと申しますか、もっと、金のかからない公明な選挙施行に必要な問題はたくさんあると思います。そういう問題につきましては、早急に審議せられて、あらためてよくすることでありまして、なるべく早くいたしたいというふうに考えております。
#233
○松永忠二君 先ほどからいろいろ質問もある中で、私たちも、熱意の問題について、ややいろいろ考えさせられるわけなんですが、私は、具体的に、緊急、当面解決を必要とするもの、とにかく公明な選挙を推進するに必要だと考える、当面解決をしなければできない問題というものは、先ほどからお話のありましたように、実は相当あるわけです。昭和三十四年十二月二十六日に選挙制度調査会の答申があり、自治庁案が選挙法改正要綱案としてある。自民党選挙調査会試案というものがすでにある。社会党にも公職選挙法一部改正案が用意されて、提案をされている。そして三十五年十一月に、選挙直前に、各党の協議した案もあるわけです。昭和三十六年二月には、公明選挙連盟の公職選挙法等改正意見の公表もあるわけです。これらを参考として、政府の原案として本通常国会に提案をまずすると、そうして根本的な改正の問題については、私たちは任期が一年などということではなくて、二年くらいの任期をもって、徹底的に一つそれを研究をして答申をしてもらう、こういう方向こそが、最も国民を納得させ、池田内閣の選挙法に対する、選挙制度改正に対する熱意を明確にする具体的な方法だとわれわれは考えているわけです。これについては、あなたはどういうふうな御見解を持たれますか。私は、具体的にこういう方法をとるべきだと思うのでありますが、その点についてはいかがでありますか。
#234
○国務大臣(池田勇人君) いろいろな案があることは承知いたしております。また国会に提案された例もあることを知っております。しかし私は、各般の事態を考えまして、今回のような措置をとることが妥当であると考えて、御審議願っておるのであります。
#235
○松永忠二君 それでは刑事局長が見えておりますから……。選挙違反の件数が大へんに多くなって、悪質になってきておる。しかも、その件数についても、大体五割増しであり、買収、利益誘導のごときは、二十八年以来約八割、おととしの昭和三十四年の選挙では、八割六分七厘だと、こういうふうになっておるわけなんです。当時指名手配をした者が百名、三十三名逃亡中、未逮捕の者が二十九名であると、こういうふうにいわれているのでありますが、現在、一体この前の選挙で逃亡しておる者の数というのは幾人あるのでありますか。
#236
○政府委員(新井裕君) 現在わかっておりまして、いまだに逮捕されていない者が二十三名ございます。
#237
○松永忠二君 こういう逃亡者の数が相当なたくさんの数を占めている。そうしてまた、あなたの関係の方々も、いろいろなところへ出てきて、今度の選挙では後援会活動に名をかりて、供応が目立っている。そうして物品の供与等が非常にぜいたくになったということを明確に発表されているわけであります。こういう問題については、やはり法的に規制をしていって、法律改正をして、徹底的にやはりこれを取り締まりをしていくということが必要だと私たちは考える。現在の法律では不十分であるという点がいろいろあると思う。こういう買収とか供応、しかも、物品供与がぜいたくになって、物品供与の件数のうちの約八割六分を占めておるという現在の状態、そうしてまた、こうした逃亡者があった。逃亡した後、選挙が終わったあとに出てきて、またそれに、選挙に関係をしてまた逃亡するという、こういう状況では工合が悪いから、こういう点については、やはり法律的に十分に規制をしていく必要があると私たちは考えるのですが、刑事局長は、いろいろな今までの証左から考えてみて、やはりこういうことが必要だ、そういう法的な規制を改めていく必要があるとお考えになっているのかどうか、その点をお聞きしたいのであります。
#238
○政府委員(新井裕君) お尋ねの趣旨、あるいは誤解をいたしておるかもしれませんけれども、私どもの承知いたしております限り、日本の選挙法というものはきわめて詳細をきわめておりまして、これ以上つけ加えるものがあるかというふうに一般的にお尋ねになりましたならば、私どもは、これ以上技術的に詳細な規定を作られるということは、かえって取り締まり上不自由を来たすという気持の方が実は強いのでございます。大へん、お尋ねと並行線のようなことでございますが。と申しますのは、形式犯というものが非常に多うございまして、これは実際は、選挙運動中にわれわれの取り締まりのエネルギーを相当消耗いたします。従いまして、実質犯の捜査に対しまして力を注ぐべく非常にこれがじゃまになるというのが、むしろ私どもの本音でございます。で、実質犯が非常に多いということは、形式犯が何にもやっていないように思いますけれども、実際は、これは警告という措置でとどめておりまして、立件送致をいたしますと大へん手数がかかるので、できるだけまあそういうことは、形式犯については警告をすることによって制止して、やめてもらうという方針でやっておるからでございまして、実際の違反の件数というのは、非常に形式犯が多いのでございます。その点を一つ御了承を願いたいと思うのであります。
 この前もほかの委員会でお尋ねがございまして、私どもは、もし希望を言えとおっしゃれば、こういうことはいけないのだという犯罪の類型をはっきりお示しを願いまして、目的罪でございますから、目的を立証し、行為もそれに関係あるように立証しなければならないというところが捜査の非常な難点でございますから、できるだけ、こういうことはしてはいけないという類型をはっきりおきめを願いたい。そういうことによってわれわれが実質犯の捜査に最も効率的な力を注ぐようにしていただきたいということを申し上げたのでございます。
#239
○委員長(増原恵吉君) ちょっと申し上げます。総理の日程の都合がございまするので、質問を一つ総理に集中をしていただくようにお願いをいたしまして、時間が、実は総理が来ていただくのが予定より少しおくれたのですが、大体二時間、五時半ということが一応予定であったのでありますが、そのおつもりで、一つ総理に御質問を集中してお願いをいたします。
#240
○松永忠二君 なお少しお聞きをしたいわけでありますが、私は、今いろいろ形式犯もおありだと、こういうお話だけれども、現実に統計を見てみれば、買収とか供応、利益誘導というものが、選挙違反の約八割を占めておる、八割以上を占めている。しかもこの状態は、選挙法をそのままにしておいて、今度の参議院選でこの件数というのは下がる自信があるのでありますか。私たちはむしろこれは、今度の参議院選では増加をされるであろうというような考え方をもって、あなたの御答弁を聞いていると、これ以上こまかくしてもらったのでは困るなどというお話を聞かされたのでは、やはり実際に御苦心をなさっている方々としては、むしろやはりこのまま、一年の後にこのままの状態で参議院選を迎えるということになれば、事実上やはり相当警察関係でも苦労しなければできないし、違反も出てくるのだから、やはりそれに間に合わせてほしいという気持は私は率直に言ってあると思う。そういうような点についてはっきりした御答弁を願えないのは非常に残念でありますが、昭和二十八年、三十年、三十三年、三十五年と、こういう違反がどんどん増加をしているわけです。総理にお聞きをしたいのでありますが、その間に公明選挙というものは常に熱心に推進をされていたわけです。常時啓発も、公明選挙のそういう活動だけではこういう効果を上げることはできないのではないかということが私たちとしては痛切に感ぜられるわけです。従って、現在の状態でそのまま置くということになるならば、参議院選挙に間に合うことができないということであるならば、単に公明選挙の常時啓発というような点で答申を得てみるとかというようなことでは、とうていこれを事実上推進していくことはできなかろうと考えるのでありますが、こういう点については、先ほどお話のあったように、予算をふやして、あるいは緊急という中には常時啓発の公明選挙の方法などの答申を得るという気持もおありだと思うわけでありますが、それだけでは違反の事実から考えてみて、これは効果をおさめることはできないとわれわれは考えるのですが、この点についてなお総理の一つ御見解をお聞かせ願いたいのであります。
#241
○国務大臣(池田勇人君) これは絶滅を期するということはなかなか困難でございましょう。しかし、今までにも増して相当の具体的の措置は予算その他で私はとっているつもりでございます。そして政府並びにまた候補者につきましても、私は十分心得ていただきたいと、こういうことを党内でもやっていきたいと思っております。
#242
○松永忠二君 なお一つ、そういう点については、今あなたもおっしゃったようなことが事実あなたとしては効果もある、同時にまた、そういう点については法律的に改めていかなければ十分な効果をおさめられないということについては同感だと思うのでありますが、その点はいかがでありますか。
#243
○国務大臣(池田勇人君) 今までの答弁で御了承願えると思います。
#244
○加瀬完君 時間がないようでありますから端的に伺います。第三条に審議会の答申また意見を尊重するとありますが、尊重するということは、答申案を政府案として原則的には出すものだと了解してよろしゅうございますか。
#245
○国務大臣(池田勇人君) 答申の通りを出しますか、やはり政府も政府としての考えがありますので、尊重するということは、この通りだと私はお答えするわけにはいきません。政府は政府といたしまして十分尊重しながら、そして善処いたしたいと思います。
#246
○加瀬完君 そうすると、今までの調査会の出した案と何ら異ならないと思うのです。今の総理大臣のお言葉をそのまま受けますと、与党が反対すればぜロになるということになる。それでは今までの調査会と審議会というのは全く同じケースをたどらざるを得ないということになりますが、与党が反対しても政府は責任を持って答申案を尊重するという保証が何かありますか。
#247
○国務大臣(池田勇人君) 今回の審議会法案は前の調査会とはよほど違っておるのであります。あの調査会を何といいますか、調査会を設けることができるという設置法の規定によってやったわけです。今回はそうでなしに、別に単行法を設けまして、そしていろんな調査の範囲をきめておりますし、また政府が積極的に尊重すると書いておるのでございますから、私は、前の調査会のことも尊重はいたしますけれども、今度の心がまえというものはよほど違っておるとお考えいただきたいと思います。
#248
○加瀬完君 それではその心がまえというのは、一応政府は審議会の答申を尊重してそれによって原案を作ると、若干の修正はありましても。その政府案というものに与党が激しく反対をいたしても、与党の反対は押しのけて政府案でまとめると、こういう御覚悟だと考えてよろしいのですか。
#249
○国務大臣(池田勇人君) なかなかそこはむずかしいのでございまして、与党と政府というものは実体は一緒でございます。問題は与党がどうかこうかということより、与党の内部の意見がどうかという問題が切実な問題だと思います。私はそういうことにつきましては、この法案の趣旨にかんがみまして、十分善処いたしたいと思っております。
#250
○加瀬完君 時間がありませんから、今の点はもう少し聞きたいのでありますが、次に移ります。
 はなはだぶしつけな質問でありますが、油田総理の後援会であります宏池会に対する献金が、昭和三十五年の上期と下期で非常に大きく開いております。金額にいたしますと、上期は一億千三百六十七万円、下期は三億九千六百四十万円、二億八千二百七十三万円、パーセントにして二五〇%ふえている。総理大臣になって献金が非常にふえたということになる。この点は献金をした側が、少なくも大蔵大臣であった池田さんよりも総理大臣になった池田さんに何かを期待している、その期待が全部純粋なものだとは考えられないのでありますが、この点をどうお考えになりますか。
#251
○国務大臣(池田勇人君) 宏池会は池田の政治活動を支援するということで設けられておると思っております。私はそこの会計には何ら関知しておりません。
#252
○加瀬完君 大蔵大臣でありましたときに、酉政会というこれは清酒関係の業者によりまして構成されております団体から宏池会には九百万円、自民党には五百万円、蒸溜酒懇談会、おそらく合成酒の団体だと思います。これは池田さんに一千二百万円、宏池会にですね。自民党に五百万円、こういう金額が献金をされております。証券会社は野村が千二百万円、大証が一千万円、山一、日興がそれぞれ七百万円、大蔵大臣である池田さんの後援会にこれらが寄贈をされておるということは、そのまま何ら求めるもののない献金だとは受け取れないのでございますが、宏池会としては、池田さんにこの間の事情をどのように御報告なされておりますか。
#253
○国務大臣(池田勇人君) どこからどれだけ寄付が来たということは聞いておりません。私はまた届けを見てもおりません。
#254
○鈴木壽君 関連。今、総理は何ら会計には関知しない、届けも見ておらないと、こういうことなんですがね、非常にきれいなようでありますが、非常に無責任だと思いますね。あなたの後援会でしょう。あなたの後援会に多額の寄付――寄付のよしあしは別にして、私はそれを今申し上げるわけじゃありません。たくさんの寄付がされ、しかも、その寄付金が単にあなたの政治活動を援助するという目的以外に多数の自民党の方々のための選挙の費用に、援助費、組織活動費というふうにして多額に支出されておりますね。それをあなたが全然関知しない、後援会はおれは一切何をやっておるか知らぬぞと、これではあなたの後援会としてそれはおかしいと思うし、あなたそれで責任は果たせないと思いますね。それは関知しないことはきれいだともいえますけれども、一方、さっき申しましたように、私は無責任だと思う。あなたの後援会で一体どういうことをやっておられるのかよく承知して、もしその後援会に行き過ぎがあるならば、あなたがそれを何かの規制をするということが、ほんとうにあなたとしてのやるべき当然の仕事だと思いますが、そういうことを全然おやりにならない。おれは一切会計等には関係しないのだ、知らないのだと、何をやっておるか勝手だと、これでは私はおかしいと思うのですが、その点いかがですか。
#255
○国務大臣(池田勇人君) 私は総裁になるまでは宏池会の事務所に行きまして、いろいろ財政経済問題につきまして、一週に一回くらい行っておりました。しかし、そのときにおきましても、収支の問題につきましては、私は全然タッチせぬということを原則にいたしておるのであります。それからまた、今いろいろあれもございましたが、総裁になりましてからは、もう宏池会には一切足を入れておりません。そうして大蔵省時代の親友が本を出したりいろいろやっておるようであります。自分は、そういうことはもう初めからタッチしないと、こういうことにしております。それから、総裁になってからは全然あれしておりません。
#256
○加瀬完君 それでは、自民党の献金について伺います。これは、池田さんが総裁になる前の点にも触れますけれども、たとえば、日本甜菜製糖から五百万円昭和三十四年度に献金がありました。三十四年には日本てん菜振興会法というものができております。それから、船主協会から三十三年に一千万円、三十四年に一千万円、三十五年に八百万円献金がありました。今度利子補給法が通っております。私鉄関係は、東京急行が三十三年に三千万円をはじめ、三十四年に各私鉄連合が一千二百万円献金しております。私鉄の運賃が三十四年に上がっております。それから、全国乗合自動車協会は、三十五年度に二千万円、これはガソリン税反対運動資金として徴収して、これを自民党に献金しております。こうなって参りますと、献金がみんな政策にそのままつながっております。こういう献金をそのまま受けることは、総理大臣がさっきおっしゃる公明な選挙をはなはだ汚すものではないか。こういう点について、総裁といたしまして、どのように今後政策につながる、あるいは自社の営業につながるような政治献金というものを規正なさるお考えでございますか。
#257
○国務大臣(池田勇人君) 私は、総裁を引き受けましてから、この資金関係につきましては十分慎重にしなければいかぬというので、特に親交のありまする一、二名の者を選びまして、金の出入りは全部資金局長の判がなければ出せないということに厳格にやっておるのであります。しこうして、政党のあり方ということから考えまして、今までわが党でやっておりました経済再建懇談会というものから月に二千万円の寄付をもらっておったようでございまするが、私は、こういうことを改めて、ほんとうにりっぱな党組織をし、そうして一般大衆の支持を得ると、こういう格好に変えなきゃいかぬというので、今そういう方向に努力いたしておるのであます。私は、来月中にはこのわが党を支持する外郭団体の設立をして、こういう特殊の階級の者からどうこうということをなくしたい、こういうふうに努力をいたしたいと思います。
#258
○加瀬完君 ある団体を押えますと、宏池会に対する献金が一番多くて、その次に自民党。あるいは経済再建懇談会という一つの団体が幾口にも出しておりまして、それも自民党の中で一番勢力の強い個人に献金が一番多い。これは、政治を腐敗させるもとになるんじゃないかと憂えるものであります。
 それから自民党は違法と思われる献金を受けておりますけれども、これは一体どういうことになりますか。たとえば、昭和三十三年に四百万円、三十四年に百万円、三十五年に二百万円全国モーターボート連合会から寄付を受けております。全国モーターボート連合会は、政治献金はできないはずです。これを受けておりますのはどういうわけですか。
#259
○国務大臣(池田勇人君) 私がなってからありましたかどうか存じませんが、聞いておりません。以前の問題あるいはなっていた点につきましては検討をいたしたいと思います。
#260
○国務大臣(安井謙君) 事務的に調べまして、その点はまたあらためて……。
#261
○加瀬完君 自転車振興法でもモーターボート振興法でも、政党献金を許すとはどこにもない。金の支出は、モーターボート競走法は、二十二条の四の六に、「モーターボートその他の船舶、船舶用機関若しくは船舶用品の製造に関する事業又は海難防止に関する事業の振興を図るため必要な業務」、これで押えている。ですから、明らかにこれは違法な献金を受けていると言わざるを得ません。あとは詳しくはまた別の委員会で伺います。
#262
○占部秀男君 時間がないようですから、それじゃ簡潔に御質問いたします。
 総理は、今度の審議会では選挙制度全般にわたって根本的にかつ具体的に答申案を出させるようにしたい、こういうようなお話でございました。私も具体的に二、三の点だけお聞きをいたしますが、今選挙の問題で一番選挙を汚れた選挙のような印象を与えているのは、何といっても買収、供応、こういう問題であり、特に会計出納者が逃げておる。そのために、それがつかまれば完全に選挙違反になる者がのうのうとして国会へ出ておる、こういうような事態、あるいはまた、国民の意思を代表しておる者が大きく公約を破ったような、あるいは議員としてふさわしくない非常に悪いいろいろな形の行動を行なう、こういうような点が何としても選挙問題については大きく影響しておると思うのであります。そこで、こういうような議員については、リコール制、いわゆる解職の請求というものを選挙民に持たせる、こういう点はお考えにはならないのでしょうか。まあ現在でも地方自治法で地方議員と長については解職の制度があるわけでありますが、国会議員は、衆議院は解散があると言ってしまえばそれまででありますけれども、いずれにしてもそういうような不明朗な問題をえぐっていくというためにも、やはりそうした場合の議員に対する解職請求、こういう問題を諮問するようなお考えは、ございませんか。
#263
○国務大臣(池田勇人君) 理屈はなかなかいいようでございますが、そういう制度があったら弊害がやはり出てくるのじゃないかと思います。せっかくのしかし御意見で、ございますから、自分自身も検討してみたいと思います。
#264
○占部秀男君 もう一つは、選挙権はもちろん基本的な権利でありますが、選挙そのもののいわば抗議的な性格を持っているというところから最近棄権が多いということについて、学者の一部あるいはまた識者の一部には、強制投票制度を、二、三の国でやっておるようでありますけれども、設けたらどうかというような意見があるようでありますが、そういうような点は今度の審議会には諮問をされるというようなお考えはございませんか。
#265
○国務大臣(池田勇人君) 棄権が相当ある状況から見まして、そういう御意見ももっともな点もあるようでございますが、外国の強制投票という制度は私寡聞にして聞いておりませんが、なかなかむずかしい問題じゃないかと思います。今後検討してみたいと思います。
#266
○占部秀男君 もう一つは、選挙権の年令の要件の問題であります。現行法は、御存じのように満二十才です。世の中が相当進んでおるし、特に今もう常識も高まっておる。また教育も相当普遍化しておる。こういうような情勢の中で、年令を十九とか十八とかという工合に引き下げるような問題をこの審議会に諮問されたりまた検討されると、こういうようなお考えはございませんですか。
#267
○国務大臣(池田勇人君) 満二十才というのをもっと上げたらどうかという議論も私は前にも聞いたことがございます。それからまた今は下げたらどうかという議論であります。これは単に選挙権という問題だけで単純に論じられぬ問題じゃないかと思います。民法その他にもいろいろな関係もございますので、これまた十分検討してみたいと思います。
#268
○占部秀男君 もう一つ、この立候補の制限の問題なんですけれども、現行法では御存じのように公務員は立候補する前にやめなければならぬ、これはもう選挙権そのものがいわば法のもとに平等であるということを前提として選挙権があるというようにわれわれは聞いておるのですが、そういうような立場からいくと、当選した後に公務員を辞職する、これは当然のことだと私は思うのです。一般公務員は一般職を辞職するということはこれは当然のことだと思うのですが、立候補する前に制限するということは、これは少し行き過ぎじゃないかという感じを持つわけです。特にこの行政権力の中心にある幹部公務員の場合には、これはどうか私は知りませんが、いわゆる下っ端の一般の公務員にそういうようなことをすること自体が少しひど過ぎるのじゃないかという感じを持つわけですが、そういう点について審議会で検討される、あるいはまた諮問される、こういうようなお考えはございませんか。
#269
○国務大臣(池田勇人君) 前から公務員、ことに高級公務員については立候補の前に一定の期間がなければいかぬ、その問題が今度憲法の問題にも関係があると、ずっと前に論じられておりまして、これが単に被選挙権の問題としてだけではなく、公務員のあり方ということにも関係いたします。なかなか結論は出にくいのでございます。前と同じように十分検討いたしたいと思います。
#270
○占部秀男君 これが最後ですから。最後の点は、悪質の買収、その他の悪質の違反者の場合に、これは罰金をやっても、刑務所にやっても、私は大したことにならぬのじゃないかと思うので、むしろ罰金やいわゆる刑罰を与えるよりは、そういうような立候補者については、長期間にわたって立候補をさせないというような、立候補の資格を落とすということも考えると、選挙は相当私は明朗化してくるのではないかと思うのですが、こういう点は率直に言って総理としてはどういうふうにお考えになっておりますか。これは最後でありますから。
#271
○国務大臣(池田勇人君) むずかしい問題ばかりで、憲法にも関係する問題でございますので、これまた十分に検討いたしたいと思います。
#272
○委員長(増原恵吉君) それでは総理のあれは……。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
#273
○委員長(増原恵吉君) 速記始めて。
 それでは、本日の質疑はこの程度といたしまして、これにて散会いたします。
   午後五時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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