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1960/06/06 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第27号
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1960/06/06 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第27号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第27号
昭和三十六年六月六日(火曜日)
   午後三時三十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
六月二日委員鍋島直紹君辞任につき、
その補欠として宮澤喜一君を議長にお
いて指名した。
六月三日委員宮澤喜一君辞任につき、
その補欠として鍋島直紹君を議長にお
いて指名した。
六月五日委員小柳牧衞君、占部秀男君
及び杉山昌作君辞任につき、その補欠
として宮澤喜一君、千葉信君及び大谷
瑩潤君を議長において指名した。
本日委員千葉信君辞任につき、その補
欠として江田三郎君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     増原 恵吉君
   理事
           小林 武治君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           基  政七君
   委員
           郡  祐一君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           津島 壽一君
           西田 信一君
           湯澤三千男君
           秋山 長造君
          小笠原二三男君
           加瀬  完君
           松永 忠二君
           中尾 辰義君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
  政府委員
   警察庁長官   柏村 信雄君
   警察庁保安局長 木村 行蔵君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   警察庁保安局保
   安課長     小野沢知雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○本委員会の運営に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(増原恵吉君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 六月二日付をもって委員の鍋島直紹君が辞任され、その補欠として宮澤喜一君が委員に選任され、六月三日付をもって委員の宮澤喜一君が辞任され、その補欠として鍋島直紹君が委員に選任され、六月五日付をもって委員杉山昌作君、占部秀男君、小柳牧衞君が辞任され、その補欠として大谷瑩潤君、千葉信君及び宮澤喜一君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(増原恵吉君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。
 ただいま報告の通り、理事の鍋島君が一たん委員を辞任されたことにより、理事一名が欠員となっておりましたが、鍋島君が再び委員に選任されましたので、この際、再び同君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増原恵吉君) 御異議ないと認め、さよう決しました。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(増原恵吉君) 次に、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。補足説明を聴取いたします。
#6
○松永忠二君 委員長、ちょっと議事に入る前に議事進行。きょうの議事に入る前に一つ、少しお聞かせをいただきたいし、また私たちも少し意見を持っていることについて申し上げもしたいのでありますが、この前の六月一日の委員会のことについて、私たちの欠席をしている間に三つの法律案が可決されて本委員会を通過して本会議にかけられたのですが、どうもその議事の進め方について私たちとしては納得しがたいものがあるのです。どういう順序で一体この審議が進められたのか、委員長に一つその経過をお聞かせをいただきたいと思うのであります。
#7
○委員長(増原恵吉君) ただいま松永君の御質問に対しまして委員長からお答えをいたします。御承知のように六月一日は木曜日、本委員会の定例日でございます。事前の理事打合会によりまして、当日は委員会を十時から開くことになっておったわけであります。十時に理事会を開くように招集をいたしたのでございまするが、その際、鈴木理事の方から、本日は理事会には出席いたしがたい事情があるので懇談会という形で話し合いをしたいということで、懇談会ということで話し合いをいたしたのであります。当日午前中はいろいろの事情で委員会に社会党としては参加しがたい事情にあるので、その事情をくんで委員会を午後一時に開くようにしてもらいたいという御要望がありました。懇談会としてお話し合いの結果、その旨を了承いたしまして、午後一時に開会の変更手続をいたしました。
 で、午後一時になりましてさらに理事懇談会というふうな形でお話し合いをいたしたのでありますが、御承知の衆議院における議事の取り運びの、まあいわゆる余波を受けたと申しまするか、事情で、社会党としては議事に参加しがたい事情があるので三時ごろまで委員会を開くことを待ってもらえないかという話がありました。で、懇談会では、十時の開会を一時に延ばしたことであるから、一時には開会をしてはどうだろうという意見もありましたが、鈴木理事の申し出を了承をいたしまして、そのときは、懇談会と申しましても、社会党及び自民党の理事だけが参加をしておった状態でございました。一応三時ごろまでは開会を待つことにしようということにして、さらに三時開会の変更手続をしたわけであります。そのあと同志会その他から、一時開会のはずが三時に延びたのはどういう理由かというまた詰問的な質問を委員長は受けましたが、鈴木理事との懇談の結果、事情を参酌をして三時ごろまで待つことにしたからあしからず了承を願いたいということを申しまして、了承を得たわけであります。三時になりまして、しばらく様子を見ておったわけでございますが、鈴木理事その他の社会党の方々の参会を得ることができない状況でございました。三時半ごろまで待っておりましたが、他の会派の方々は委員会に出て参られまして、三時予定の委員会であるから、定足数もそろったことであるし、ぜひ開会をしてもらいたい、こういう強い要望がございました。委員長としては、これをなお開会をせずにおくという事情が適当でないと認めましたので、鈴木理事の方へ委員部の人をやりまして、委員会の開会をしなければならぬ状況になっている旨を伝えたのでございます。鈴木理事の方からは、今何と申しまするか、話し合いをやっているところであるので、いましばらく待ってもらいたいという御返事がことずけとしてあったわけであります。これを委員会の皆さんに申し上げたのですが、もう二度も時間を延ばしたことでもあるし、三時ごろという約束もあることであるから、ぜひ委員会を開いてくれという要望であったのであります。そこで委員長としては、さらにもう一度委員部の人を鈴木理事のところへ派遣をしまして、どうしても委員長としては、委員会の成規の要求として委員会を開かざるを得ぬ状態になったから、その旨をお伝えするということを申しにやったわけであります。そこで、鈴木理事が自身で委員室へ参られまして、今話し合いをやっているところであるので、いましばらく委員会を開くことを待ってもらえないかということを委員長にも申され、出席の委員の各位にもその旨を申されたのでありますが、各委員としては、もうこの段階ではぜひ委員会を開きたい、委員長、委員会を開けということでありまして、委員としては、委員会を開会することを適当と認めて開会をいたしたわけであります。
 なお、審議をすべき法案については、公報に載せておりました御存じのいわゆる三法案でありますが、三法案については、それぞれ質疑を行ないまして、質疑の尽きないものから採決をしていくということに委員会の取り運びとしてなりまして、順次採決を願って、三法案を委員会として可決をいたしたという事情になっているわけであります。
 委員長としては、社会党の委員各位が全部欠席の形で委員会を開くということはまことに遺憾であると存じたのでありまするが、当日の事情としてはやむを得ざる状況であったのでございます。しかし、こうした状況は決して委員長として好ましいものと思っておりません。将来は社会党の委員各位にもぜひ委員会には御出席をいただきたく、委員長としては、各会派の委員が御出席の上で委員会を開くように事を運んで参りたい、かように考えている次第であります。
#8
○松永忠二君 鈴木理事からまあ今自民党と社会党の幹部で話し合いを進めているので、いましばらく待っていただければ、その話し合いも大体落ちつくところへ落ちつくのではないか、従って、まあ、しばらく待ってほしいというようなお話があった。今、委員長からもお話がありましたが、私たちも理事からそういう話を聞いているわけです。そういうふうに要請をしている。事実また両方の幹部で話し合いをされていたわけです。その後間もなく話し合いもついたようになったのでありますが、委員長としては、そういう鈴木理事の強い要請によって話し合いの状況等をお聞きをいただいたとか、そういう措置をとられたのですか、そういうことはとられないのですか。われわれとしては、そういうふうな強い要望もあれば、はたしてその通りであるのかどうなのか。あるいは、その状況等も委員長として一応お聞きをいただいて、そして本日とうてい話し合いの妥結の状況にはないというようなのか。それとも大体もう落ちつくところへしばらくして落ちつくだろうというような御判断をいただいて、そしてやむを得ない場合にはどうこうというような御判断もあってしかるべきだと私たちは思うわけであります。まあ、強い要望もあるし、特にそういう審議の形があまり好ましくないというお話であるならば、個々の委員からは、それは強い要望があるとしても、委員長としては、やはりそういう運営をされることが妥当ではないかと私は思うわけですが、そういう努力をしていただいたのでありますか。その点はどういう御判断で今のような進行の仕方をなさったのか、それを一つお聞かせ願いたいと思います。
#9
○委員長(増原恵吉君) お答えいたします。委員長としては、話し合いがどういうふうなことになるかについて正式に申し上げることはどうかと思いますが、私も話し合いがつかないような状態ではなかろうというふうには推測をしておりました。従って、二時半ごろ話し合いが始まって三時ごろに大体の話し合いがつくだろうという鈴木理事のお見通しに一応私も似た感じを持っておったわけでありまするが、三時を過ぎ、三時半になり、大体委員会を開会をいたしたのは三時四十五分を過ぎておったように考えまするが、なお、その間話し合いがついていないという状況でありましたので、まあ、私が一応個人的に持っておった見通しは、はずれたという形になったのでありまして、列席の各委員からぜひ委員会を開会してくれという要請に基づいて委員会を開会した……。
#10
○秋山長造君 関連して。その件で委員長に重ねてお尋ねしたいのですが、あの当日の鈴木理事さんの委員長に対する申し入れは、決して出席を社会党が拒否するとかなんとかいうような、そういう不穏当な内容を持ってはおらなかったと思うのです。その点は委員長も認めておられると思いますが、あの日は、前日来の内閣委員会における運営の仕方の適不適、特に委員長不信任案の取り扱い方というようなことで非常に問題になりまして、そしてその結果、その扱いをどうするかということで両党間の幹部の間で話し合いが行なわれ、さらに議長、副議長もこれは内閣委員会一個の問題でなしに、院全体の運営の問題だ、各委員会に通ずる院全体の運営の問題だからということで委員長、議長、副議長もあっせんに入られて、そしてただしょっちゅうある両党間の幹部間の話し合いということだけでなしに、議長、副議長が正式にあっせんに立たれての相当院全体に影響する公式の話し合いだったのです。そういうことであるから、なおさら鈴木理事から再三にわたって条理を尽くして委員長なり、あるいは自民党の理事の方に申し入れをし、また了解を求めたわけなんです。それはその通りだと思う。委員長もそれはお認めになると思うのです。結果的に見ましても、まあ、三時ごろまで待ってほしいということが、三時になっても、どうも合意が成立しなかったからというお話ですけれども、結果的には鈴木理事の申し入れ、われわれの申し入れをあえて無視してお開きになって間もなく散会をされたわけですが、まあ、委員会が散会されるとほとんど前後してこの議長、副議長のあっせんによる幹部会談というものは合意が成立したわけなんですね。いわゆる俗な言葉で言えば、話がついたわけです。だから、すぐわれわれは、じゃ、出ようといったら、もう済んだあとだ、こういうことだったのです、その時間的な順序は。だから、まあ結果からいえば、もうちょっとこの委員長の方で、党によってはそれは早くやれ、社会党なんかの言うことは聞く必要はないというようなことを委員長におっしゃった方もあるかもしれぬ。あるかもしれぬけれども、それは十分社会党の真意を御了解にならないままでおっしゃったことじゃないかと私は思うのですが、まあ、そういう点は委員長の方からよくお話し下されば、従来のこの委員会の運営のやり方ということから考えれば、当然曲がりなりにも御了解がいただけたはずじゃなかったか、私はそういうように考える。非常に私はその点残念に、遺憾に思うのですが、まあ、私の乏しい経験からいいましても、私は国会へ出てきて八年になりますけれども、八年間にずいぶんいろいろな委員会を渡り歩いて、渡り歩くというと言葉は悪いけれども、いろいろな委員会を経験してきましたが、私は今日の増原委員長のもとでの、この地方行政委員会というものに参加しまして、それでこれはほんとうに今まであちこちの委員会を経験してきたところから申しますと、一番、皮肉な意味じゃなしに、ほんとうに一番、どういいますか、穏やかといいますか、円満にといいますか、ほんとうの意味でそういうようにスムースに行なわれている委員会だと思って敬服しておった。仲間ぼめではなはだ恐縮ですけれども、鈴木さんの理事としてのいろいろなやり方ということについても、私は非常にりっぱだったと思う。今日も。しかし、それはもう与党の方にしても委員長にしても十分お認めになって下さっていると思う。非常に紳士的に内輪のとやかくの不満がときにあっても、そういうものはうまくやはり調整されて、そして各党の間をできるだけ円滑に、しかも、委員会の運営にはできるだけほんとうの意味でまじめに協力するという態度でやってきておられるはずなんです。私はそれはおそらく皆さんお認め下さると思います。そういうことでやってきておりながら、一日に限ってこういうような、どういうわけか、こういうように、われわれは出席しないと言ったのではない。出席すると言っておる。それからまた何も選挙関係の法律についても、交付税の法律についても、これは引き延ばしのために引き延ばしなんかする必要もないし、するつもりもないし、するはずもないと思う。それもお認めいただけているはずなんです。だから、なおさら、それはもうちょっと待って、そしてわれわれが出席をした上で上げるなら上げるで運んでいただきたかったのですよ。その点は私は委員長に対してはなはだ申し上げにくいけれども、あの日の、その他は大体よろしいのです、委員長のやり方は私はもう今もってはなはだ不満なんです。それは先ほど来松永君の質問に対していろいろ弁明が出たのですけれども、しかし、その御弁明ではこれは一応つじつまは合っていますけれども、私は心底から了解はつきがたいと思うのです。しかも、あの日他の委員会、ちょうど木曜日で定例日ですから、他の委員会は一斉に予定されておったのです。しかし、他の委員会は中に一、二はやむを得ない事情で一応社会党の理事との了解づくで形としては若干の時間で開かれた委員会もありますけれども、大体ほとんどの委員会は、委員長なり理事なりが社会党側の言い分を了承されて適当に処理されたはずなんです。いわんや、その社会党が出ないうちに法律を三本もさっさと上げた委員会は一つもありませんよ。われわれはその話を聞いてびっくりしたが、同時に、同僚議員がみんなそれはそんなばかなことがあるか、ほんとうかというようなことだったのですよ。これはもう今の政防法みたいな問題と性質が違うのですからね。それほど政治的な意味があるわけでもないし、また、われわれが特にあの三本の法律のどれかをどうでもこうでもあの日は上げることに反対しなければならない、反対するためには時間を稼がなければならない、そのためには出ないことに限ると、そんな理屈をこじつけるような余地のある法律でも何でもないのですからね。われわれも内輪でもう特にあの中で選挙関係の政府提案のと、小林理事の提案されたものと二つの法律なんか、もうきょう上げようということを言っておったのですからね。どうせ翌日は本会議だし、そういうことですからね。これはもう当日の段階での私は委員長のやり方としては、委員長自身も、取り越し苦労といいますか、社会党の真意というものを非常に曲げて私は受け取られたんじゃないかというような気もするのですね。鈴木理事があれだけ再三にわたって条理を尽くして了解を求めたにもかかわらず、ああいう結果になったということは、私はこの委員会の運営としては、はなはだ承服できないやり方だったと思う。その点について私は委員長の率直な御感想を承りたいと思う。同時にまた、松永君なり私が今申し上げておることは、私どものこの場だけの言い分ではない。その当日の私どものこれは真意ですから、おそらくそれは間違いないと思うのですよ。鈴木理事も同じ気持だったと思いますので、一つその点の委員長の重ねての御心境を伺いたい。それから同時にまた、ああいうことが二度と繰り返されないようにしていただきたい。
#11
○委員長(増原恵吉君) お申し出の趣旨は、私もよくわかる気がいたします。先ほどるる経過を御説明したように、当日鈴木理事としては、ぜひもうしばらく待ってくれということを私にも言われたし、委員各位にも話をされたわけであります。しかるところ、各会派の方では、自由民主党も民主社会党も同志会も、当日はちょうど無所属の方は御出席がありませんでしたが、各会派ともぜひもう開いてくれという要望が強くありましたので、その状況は鈴木理事も委員会に出て、各位と懇談をされた状況で御認識になったことと思うのであります。委員長としては、まあ私の考えでは、できる限り開会を伸ばすという措置をとったつもりでありまするが、三時四十五分ごろであったと思いまするが、やはり委員の要望に基づいて、委員会を開くことが適当であるというふうに判断をしまして、委員会を開くに至ったわけであります。
 平素の鈴木理事を初め、社会党の委員各位の当委員会における御協力については、秋山委員の言われる通り、私どもも大へん円満な、りっぱな協調をしていただいていると認識をいたしております。こういうことが将来あるということはまことに遺憾しごくであります。将来にわたってこういうことのないようにお互いにさらによく協調をして、りっぱな委員会の運営をやって参りたい、かように考える次第でございます。
#12
○秋山長造君 言葉を返して恐縮ですけれども、それはお互いにやることはけっこうなんです。それはもう社会党の委員にしましても、また社会党ばかりじゃありません。この全委員の皆さん、この委員会で終始真摯な態度で法案の審議に当たり、委員会の運営にほんとうの意味で協力していることは、また今後もしていかなければならぬことは、これはもう申し上げるまでもないのです。その点はいいのですがね。一日現在でのあの委員会の取り運びについて私は問題にしているわけです。だから、まあそれに対して委員長がそういうふうにおっしゃるならば、ただ抽象的に、お互いに将来仲よく、円満にやりましょうとおっしゃることは、それはあの日の委員会の取り運びに対する弁明としては、ちょっと私はずれていると思うので、私は委員長の、だからといってそれをたてにとって、しつこく委員長の責任とかなんとかということを追及するとかいうつもりはございませんけれども、まあしかしあの事態は、今申し上げたように参議院全体、各委員会を通じてあの日のああいう特殊な事情、条件のもとで、しかも、われわれの出席しないうちに、われわれはその日は一日出ないとは言ってないのですからね、そうでしょう。われわれの出席が間に合わなかったわけなんですね。われわれが出席できないうちにやってしまわれたわけです。しかも、三本の法律を、それはもう三本、十ぱ一からげという言葉がありますがね、とにかくさっさと上げられてしまった。そして話がついて、さあ出ようというときには、もう済んだあとだというようなことは、それはやはり委員長の取り運びとしても、私は完全だったとは言えぬと思うのです。だから、そのことについて率直に委員長が、それはそういう点は遺憾だった、今後はそういうことのないようにやりたいくらいな御弁明は、私はあってしかるべきだと思う。別にそれ以上の委員長の責任とか、どうとか言うて別にしつこく追及するつもりもありません。だから、私の申し上げる真意は、また松永君の申し上げている真意はすなおに受け取っていただいた上で、やはりそれは遺憾の意くらいのことは表明していただきたいと思うのですがね。いかがでしょうか。
#13
○委員長(増原恵吉君) お答えをします。私が個人的に遺憾の意を表する、表しないということは、別にこだわりませんがね。当日の委員会開会の状況は、ただいま経過を申し上げたように、委員長が開会を宣するに至る状況が、列席の各派の委員の要望により開いたわけであります。社会党さんが欠席をされている形でやるということの適当でない、満点でないことはよく了承をいたしているわけであります。当日の委員会開会の運びというものは、事情としては今申し上げたような事情であった、この取り運びは私は満点であったというふうに考えているわけではございません。
#14
○松永忠二君 その、開くにやむを得ない要請もあったから開いたという点について遺憾であったと思うのですが、それを委員長の立場で開かざるを得なかったというお話については、ある程度――全部が全部了承しないとしても、やむを得なかったという状況もあったとは考えるわけなんです。しかし、私はその次のことだと思うのです。今お話のあったように、開いた委員会も実はほかにもあるわけなんです。ところが、その委員会の審議は、しただけで、法律案についてそれを上げてしまうというような措置はしなかった。で、どう考えてみても、参議院の選挙の問題の特別立法については、あるいは本国会で上げるためには、その次の週の本会議ではおそいというような、そういう時間的なめども一応わかります。しかし、その他の法律案については、そういう時間的なめどというものを説明する何も根拠はないと思うのですね。それで、先ほどお話のような委員長の気持だとすれば、一体、法律案をどういうわけで三本一度に上げてしまったのか。特に、選挙制度審議会法案については、まだ当委員会では質問をしていないわけなんです。池田総理に総括のただ質問をしただけであるというようなことを考えてみたときに、その逆に――われわれの方は何ら意図的でないにもかかわらず、開会された委員会を意図的にむしろやられたのではないかという逆なこともわれわれから言うと考えられるわけなんです。開くにやむを得ざる事情だったということについては、ある程度わかるとしても、その委員会で時期的に緊急必要だと思われないものまで上げてしまったということについては、逆に私の方から言えば、委員長の御説明を願いたいと思うわけなんです。なぜ一体、そういう変則的な、時間的にも理由のないものを、どういうわけで十分な審議もなしに――われわれの方に相当な質問のあることも御承知で、そのとき一気に上げた、しかも、七、八分の時間で上げているということになれば、これは逆に言えば、私の方は非常に素朴にものを考えているのに、委員長自身の運営は逆に意図的に行なわれたのではないかというようにすら考えられる。やはりこの点については非常に遺憾だという点があると思う。逆に委員長から言えば、それは正しかったやり方だという説明であるなら、そういう点は私たち十分見解をお伺いしたいわけなんです。
#15
○委員長(増原恵吉君) お答えをいたしますが、委員会を開きましてからは、公報に載せておりました予定の順序に従って法案の審議をいたしたわけであります。出席の各委員が各法案とも質疑なく討論に入り、一つは修正意見が出て、そうして討論を終わって採決、次の法案も質疑なく、採決という形で事を運んだわけであります。問題は、社会党委員の御出席のないところで委員会を開いたというところにやはり問題は実質的にあると思うのであります。委員会を開きましてからは、予定の法案審議の順序に従って、各委員の意思に従って委員長はその取り運びをしたということであるわけであります。
#16
○松永忠二君 その御説明では私たちは納得はいきません。前々からこういう形のものはどうもおもしろくない――それはもう今まで円満に運営をされていたし、また、そういう方向へ行こうというような考えであるならば、私は委員長として、当日の審議の進行について御意見があってしかるべきだと思うわけです。個々の議員からは強力な御意見があるとしても、委員会全体の運営から考えてみて、従来の運営の仕方、当日の理事の強い要望というものが考えられたときには、どこの限度で本日の審議を取りやめていくべきか、打ち切っていくべきかということは、おのずから私は方向があると思う。そういうことについて、私たちは、むしろまことに失礼な言い方ですがね、委員長なり理事が積極的に鈴木君のところに連絡をされて、あなた方は御事情があって出れないようだが、われわれとしてはやむを得ず運営をする、従って、きょうはこういう予定でやりたいと思うが、ぜひ一つ聞きおいてほしい、という程度の御連絡があることは、私自身ほかの委員会の理事等やっておりましたが、相互にそれくらいの信頼とあれとがあって運営してきていると思うのですよ。また、そういうことが私はやっていただけるような鈴木君の従来の運営の仕方であったと思うわけです。そういう点については、あの方に話をしてみてもどうにもならぬということではなくて、やはりその間に御連絡いただければ、やむを得ず開くその会議の中で運営されることについても、ある程度のやはり理解と協力というか、了解とが得られるということも考えられると思うのです。従って、各委員がそういう御発言であったとか、委員の言う通り私は運営しただけだという、こういう言い方をされちゃ納得できないので、やはり各委員の御意見はいろいろあったにしても、この問題についてはこういう方向でいきたい、そうしてまた、こういうふうに運営をしていきたいという御意見があってしかるべきだし、そういう措置について遺憾の点はなかったのかということを実は私たちは申し上げている。そういう点については、次善の、まだこういう方法もあったと考えられるけれどもこうであったという御説明なり、あるいは顧みてこうだというお感じなり、あってしかるべきだし、それを率直に、秋山委員も、お話を聞けば、あえてそれをいつまでこだわってどうこうではないと申されているのでありますから――その点については、私はその当日の運営にあたっての委員長の手運びについて遺憾の点があった、遺憾の方法があったということを率直に私は感じておるわけです。そういう点は明快にやはり一つお述べを願いたいと思いますがね。
#17
○委員長(増原恵吉君) その点は、今まで繰り返し申し上げておるように、社会党委員の出席のないところで委員会が開かれるということは、これはいわば変則であって、きわめていい状態でないことは私も申し上げておる通りです。従って、申し上げたような事情で委員会を開くことが適当と認めて委員会を開いた。委員会を開きまして、各委員からのそれぞれの意見に従って議事を取りまとめていった、そうしてそれぞれの法案が採決をされるという運びになったということでございます。まあその運びがもとより私も満点な運びであったとは思いません。これは委員会の開かれた状態と同じことです。しかし、当日の委員会を開くことを適当と認めざるを得なかった事情、開いてからの議事の運びということは、そうした動きを取りまとめて委員長としては議事を運んでいった、こういう形になっておるわけでございます。
#18
○秋山長造君 そういう形式的なことを言っては承知できない。鈴木理事を通じて――あの当日の両党の幹部間の話し合い、あるいは議長、副議長が入られての話し合い等の結論を待ってということを、鈴木理事から再三話を通じておったと思うのですがね。委員長は鈴木理事からそういう話があれば、当然自民党の幹部の方も、こちら側の相手として話をしておられるわけですからね。その幹事長か国会対策委員長か何か、そういうような人に、鈴木社会党理事からこういう話があるのだが、ということで、その事実を確められるとか、何かそういうようなことはおやりになったのですか、どうですか。
#19
○委員長(増原恵吉君) 自由民主党としては、国会対策で当日はたしか二度ばかり打ち合わせをやりまして、二度目の打ち合わせで、それぞれの委員会は必要に応じて委員会を開いて議事を運んでくれ。その際に社会党さんの方へは、委員会を開いて議事を進めます、ということを答えてやってくれということを、まあこれは内部事情でございますが、自由民主党の国会対策委員会としては話があったわけであります。で、その私どもの内部事情の要望のような形をとってやったわけであります。他の会派も委員会を開いてくれという要望があったということであります。
#20
○秋山長造君 委員長……。
#21
○委員長(増原恵吉君) ちょっと、これは速記をとめてやった方がいいかと思うのですが、どうですか。
#22
○秋山長造君 いや、まあいいです。
 それでは地方行政委員会は、議長なり副議長なりを中に入れての、院全体の運営の問題について、たとえば不信任案の取り扱いというような問題についても話し合いがあったわけですね。その結論が出なくてもさっさと委員会を開いて、社会党が出ないところで三本の法律をさっさと上げてしまえというようなことだったのですか。私らが党の幹部から当日承っておることはそういうことではなかったのですがね。だから、そこらにもしそういう食い違いがあったとすれば、これはやはり幹部間の、しかも、当日には、きわめて公式的な話し合い、公の話し合いであったわけですから、そういうもののあり方についてもわれわれは考え直さなければならない。
 それから先ほど来委員長のお述べになっておることは、当日の経過のいわば事務的な御報告というように私は受け取っているが、常識的に考えましても、何と考えても、開いたということだけでなしに、さっさと三本上げてしまうということはちょっと行き過ぎじゃないかと思う。それはなるほど、委員長は委員長の主観は交えないで委員会の皆さんの要望に沿っておやりになったとおっしゃったが、委員長はただそういうおひなさんみたようにすわっておるだけではないと思う。やはり委員長は長がつくのですから、やせてもかれても。で、私はある程度その委員会の運営についてのリーダー・シップといいますか、と言えば大げさかもしれないが、何かそういうものはやはりあるだろうと思うのです。だからそこらにもう少しあの事態に対する経過に対する委員長としての反省といいますか、何といいますか、そういうものはあってしかるべきじゃないかというように考えるのですけれども、別に、さっきから繰り返して申し上げておるように、この問題を食らいついていつまでも委員長にその責任を追及するとかなんとかそういう大げさなつもりは全然ございません。ただしかし、このまま、済んだことだからしょうがないということで、黙ってほうっておくという気持にもなれない。そこのところを一つ委員長の適切な意思の表明によって、この事態を何とかおさめていただきたいと思うのですが、時間を特にこれにかけて委員会の運営を妨害しようとかなんとかという気持は全然ございませんから、この点は一つすなおにお受け取り願いたい。
#23
○委員長(増原恵吉君) ちょっと速記をとめて。
   午後四時二十七分速記中止
   ――――・――――
   午後四時五十二分速記開始
#24
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
 いろいろ御質問に対してお答えをいたしましたが、こまかい経緯等は別の問題といたしまして、社会党委員の列席のないところで委員会を開き、採決をしたということは適当なことではございません。この点については遺憾の意を表します。将来こういうことのないように、各位の御協力を得てやって参りたい、かように考えます。
 それでは補足説明を聴取いたします。
#25
○政府委員(柏村信雄君) 銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案の内容につきまして、逐条御説明申し上げます。
 第一は、飛び出しナイフの定義についての改正であります。
 第二条第二項は、刀剣類の定義を定め、この定義に該当するものは、第三条によって、特定の場合を除いては、その所持を禁止しているのであります。現在、刃渡りが五・五センチメートル以下の飛び出しナイフにつきましては、飛び出しナイフの定義から除外して、所持禁止の対象としていないのでありますが、この禁止の対象としていない刃渡りの短いものが、数多く犯罪に供用され、また、青少年に悪い影響を及ぼすようになって参りましたので、飛び出しナイフは、刃渡りにかかわらず、所持を禁止することといたしたのであります。ただ、刃渡りが五・五センチメートル以下のもので、開刃した場合に、刃体をさやと直線に固定させる装置がなく、また、刃先が直線であって、刃体の先端部が一定のまるみを帯びたものは、比較的危険性が少ないと認められますので、規制の対象から除外することといたしたのであります。
 第二は、銃砲または刀剣類の所持許可の基準についての改正でございます。
 第五条第一項は、銃砲または刀剣類の所持許可を受けようとする者の欠格事由を定め、この事由に該当するときは、許可をしてはならないとされており、その欠格事由の一つとして、第六号に、「人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」という規定があるのであります。ところが、この欠格事由は、許可を受けようとする者自身についてのものであるため、許可申請者の同居の親族中に、この条項に該当する者がおり、その者が申請にかかる銃砲または刀剣類を悪用するおそれがある場合でも、許可を受けようとする者自身が欠格事由に該当しない限り、許可しなければならない建前となっており、そのため、危害防止上好ましくない事態をも生じているのであります。そこでこれに対処するため、新たに許可を受けようとする者に第五条第一項第六号に該当する同居の親族がある場合において、その同居の親族が銃砲または刀剣類を使用して人の生命、財産または公共の安全を害するおそれがあると認められる者であるときは、許可をしないことができることとし、その旨を第五条第三項として新たに規定いたしたのであります。
 なお、このことに関連しまして、第十一条の許可の取り消し事由につきましても、同様な趣旨に基づいた規定を新たに加え、許可後においてこのような事情が生じた場合には、許可の取り消しができることといたしたのであります。
 第三は、刃物の携帯禁止についての改正であります。
 第二十二条は、何人も、業務その他正当な理由のある場合を除いては、あいくちに類似する刃物を携帯することを禁止しているのでありますが、刀剣類以外の刃物が犯罪に使用される状況を見ますと、あいくちに類似する刃物とその危険性において変わらないものがきわめて多いのであります。そこで、あいくちに類似する刃物に限らず、危険性において同じようなものも規制の対象に加えることとし、あわせて、この際、規制の対象とする刃物の概念を明確にするため、刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物は、業務その他正当な理由がある場合を除いては、携帯してはならないことといたしたのであります。ただ、刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ、折り畳み式のナイフ等の日常一般に携帯して使用されることの多い刃物で、危険性の少ない種類または形状のものは、政令で定めるところにより、この規制の対象から除外することといたしたのであります。
 第四は、銃砲刀剣類等の一時保管等に関する規定を第二十四条の二として新設したことであります。
 警察官には、人の生命及び身体を保護し、犯罪を未然に防止する大切な責務があるのでありますが、銃砲刀剣類等による危害防止のための警察官の権限については、現行法では明確でないところがあるのであります。そこで、危険な銃砲刀剣等を携帯し、または運搬している者について、危害を防止するため、一時保管その他の手続を明確に規定する必要があるのであります。
 すなわち、第一項では、銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬していると疑うに足りる相当な理由のある者が、他人の生命または身体に対して危害を及ぼすおそれがあると認められるときは、警察官は、その銃砲刀剣類等と疑われる物を提示させ、またはそれが隠されていると疑われる物を開示させて調べることができるものとし、人に危害を及ぼすことの多い銃砲刀剣類等について、事前にとれを発見するための警察官の権限を明確にしようとするものであります。
 第二項は、第一項の調査の結果発見された銃砲刀剣類等を持っている者、または、初めから公然と銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬している者が、他人の生命または身体に危害を及ぼすおそれがあって、危害防止のため必要があるときは、警察官は、それを提出させて一時保管することができるものとし、危害を未然に防止するための権限を警察官に与えようとするものであります。
 なお、第一項並びに第二項の規定による警察官の調査及び一時保管は、相手方の行なう提示、開示または提出の行為を前提とするものでありまして、警察官が捜索したり、差し押えたりする権限を認めたものではありません。
 第三項以下は、この一時保管に伴う手続として、一時保管をした警察官は、所轄警察署長にすみやかに引き継ぐこと、所轄警察署長は、五日以内にその物件を本人等に返還すること、その物件が第三条第一項の規定により所持を禁止されている者から提出されたものであるときは、提出した者にはその物件を返還しないことができること、一時保管を始めた日から五日を経過しても、相手方の所在不明のため、その物件を返還できないときは、その旨を公告し、公告の日から六月を経過しても、なお、返還できないときは、その物件は、国または都道府県に帰属すること等を規定し、その他一時保管に関し必要な事項は、総理府令で定めることといたしました。
 以上、今回の改正案につきまして、その内容を御説明申し上げた次第であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  ―――――――――――――
#26
○委員長(増原恵吉君) ただいま委員の異動がありましたので御報告いたします。
 本日付をもって委員千葉信君が辞任され、その補欠として江田三郎君が委員に選任されました。
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#27
○委員長(増原恵吉君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#28
○秋山長造君 ちょっと議事進行について。ついでにこの今配られた、これはちょっとざっとでもいいですから、一ページか二ページですから、ちょっと説明しておいて下さい。
#29
○政府委員(木村行蔵君) お手元に差し上げております資料は、刃渡り及び刃体の定義等につきましての資料でありまして、おもに先ほど逐条説明にありましたように、刃渡りの問題や刃体の問題、それから刃体の測定方法、あるいは政令で定める種類または形状のものについては、携帯の場合に、携帯禁止の対象からはずすというような種類のものがありまして、政令及びその他総理府令などの関係で一応大まかに現在考えております大綱でございます。
 そこで第一の刃渡り及び刃体の定義でございます。これは刃渡りの定義は、ここに書いてありますように、刃渡りと申しますのは、刀剣類の刃長及び穂長を総称しておる言葉でございます。刃長と申しますのは刀、剣、なぎなた及び飛び出しナイフの棟区から切先までを直線にはかった長さをいいまして、これを専門用語で刃長と申しております。それから穂長は、やりに関する刃渡りでありまして、やりのけら首から穂先までを直線にはかった長さのことをいっております。この刃渡りの定義は、専門家その他から聞きまして研究した結果でございます。
 それから刃体とは、その刃物の殺傷に用いられるか、または殺傷に直接有効に役立つ部分……
#30
○秋山長造君 現物について言って下さい。
#31
○政府委員(木村行蔵君) この刃渡り――これはナイフでございますが、このナイフについて申し上げますと、ここに刃のみねがございます。こちらが俗称、通常用語でございますが、柄のついておる部分、こちらがみねでございますが、このみねのへこんだところにみねまちというものがございます。このみねまちからこの刃の一番突端を切先といっておりますが、この切先から直線に引いてみねまちまでの直線を刃渡りと、こういうふうにいっておるわけであります。やりについては、現物がありませんから……。大体ナイフ類、刃物類については、この切先からみねまち、この下はあごまちといいますけれども、このあごまちとこの刃のついている部分との、ここに一つの線が、くぼみがあるわけでありますが、このくぼみの一番背中がみねまち、このみねまちから切先までを直線に見たところが刃渡り、こういうふうに御理解いただければいいかと思います。
 それから刃体とは、この刃物が直接殺傷に用いられる部分、あるいは殺傷に直接有効に役立つ部分でありまして、ここに書いてありますように、柄部――握る部分、つかの部分、この部分を除いたこれ以上の部分全体を刃体というわけです。
 それから刃体の測定方法でありますが、これは一応総理府令で測定の方法を規定することになっておりますが、法二十二条に規定する刃物の長さは、総理府令で規定することになっておりますが、その一応の要綱をここに書いてございます。刃物の切先またはこれに相当する部分より柄部またはこれに相当する部分、柄部がない場合には、柄部を除いた部分までの、切先からその除いた部分の最短距離をはかること、ただし、これによりがたいものについては、次の各号によってはかるものとする。すなわち、身部と柄部の区別のない切り出しナイフで、これの全然ないものがございます、つかの部分。そうして全部が金属製になっておる場合に、この柄部に相当する部分を除いた以上の部分が刃体であります。その部分を一応明確にした方がいいと思いますので、一応八センチメートルを差し引いた長さ、大体日本人の通常人の手のひらの長さといいますか、それに相応する部分を柄部として概念しました。その概念に基づいて、柄部を除いた、八センチを除いた部分が刃体である、こういうふうに考えるわけであります。それからネジのあるはさみは、切先からネジまでの距離をはかる。ここに、はさみにつきましては、刃体がなかなか測定がしにくいのでありますが、一応ここにネジがございます。このネジから上の切先までの、先ほど申しました刃のついておる切先、この直線といいますか、この長さ、これを刃体として測定方法を規定すべきではないか、こういうふうに思われます。それから前号以外の、刃物は千差万別でありますけれども、その他の刃物については、刃先の線の両端の距離を刃体とする、こういうふうに観念すべきではないかと思います。
 それから政令で定める種類または形状の刃物というのは、先ほど逐条説明でございましたように、法第二十二条の改正で一応原則としては、刃体六センチメートル以上の刃物については、正当な理由がない場合には、携帯を禁止する、こういうふうにいたして、携帯禁止の、従来あいくち類似というような範囲を若干広げまして、同時に、あいくち類似の刃物という概念は必ずしも明確でありませんので、その概念を明確にするということで、刃体六センチメートル以上のものは原則として携帯禁止、正当な理由がない場合には、原則として携帯禁止、こういうふうにいたしたいのでありますけれども、ただ、例外的に、先ほど逐条説明がありましたように、一応この種類または形状を限定しまして、その限定したものについては、殺傷力も比較的少のうございますし、また、その種類またはその形状によっては、非常に日常携帯し、または日常卑近に持ち歩き、または日用品、あるいは文房具品として使われる頻度の高いものにつきまして、一応政令で種類または形状を限定するという、その限定したものについては、正当な理由の有無にかかわらず、携帯は自由であるということにいたしたいというのがここに書いてあります「政令で定める種類又は形状の刃物」ということで、その政令で定めることになっておりますので、一応案を考えてみたわけであります。
 その内容を申し上げますと、はさみにつきましては、これはここに掲げてありまするように、はさみで先端部の著しく鋭利でないもの、これはふだん用いるはさみの鋭利の程度からいいますと、ほとんどこの程度のものが大部分だろうと思いますが、著しくこの先が鋭利であるこういうものについては、やはり正当な理由なくしては、殺傷力が非常にありますし、またあまり日常携帯されるものでもありませんので、そういうものについて業務上または正当な理由があった場合には、もちろん携帯していいけれども、そうでない場合には、携帯を禁止する、しかしこの程度のもの――この程度のものでは正確ではありませんけれども、一応先端部が必ずしも著しく鋭利でないというものについては、そういう種類のはさみについては、八センチメートル以下のものについてこれを携帯が自由なものにする。それから折り畳み式ナイフ、これが折り畳み式のナイフでありますが、これも折り畳み式のナイフでありますが、これは俗称肥後の守であります。肥後の守は、先ほど逐条説明でもありましたように、刃体八センチメートル以下のものについて、一定の形状といいますか、種類のものについては、携帯を自由にしよう、こういうふうな法案の趣旨であります。これが八センチメートル、刃渡りが八センチメートル以下であって、刃体が八センチメートル以下でありまして、しかも折り畳み式のものである、それからこの刃の幅が一・五センチメートル、それから刃の厚み、裏側の厚みがございますが、この厚みが〇・二五センチメートル、そういう両方の制限をこえないもの、しかも、これが固定装置がない、すなわち刃を開けた場合に、これが一応柄部であると同時にさやであるわけでありますけれども、この柄部あるいはさやと申してもいいと思います。これを固定してしまって、開いたら戻ってこない、そうすると非常に危険でありますので、これについては固定しないもの、それから第三は、刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフ、これがくだものナイフでありますが、刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフであって、これは厚みだけについて制限がある。厚みが〇・一五センチメートルをこえないもの、いわば非常に薄っぺらな、ぺらぺらなもの、刃体の先端部が丸みを帯びている、こういうものについては、殺傷力もありませんし、また、くだものナイフは大体先がとんがっていないのが大部分でありますので、そういう意味合いから、この形状については、携帯自由というふうにすべきではないかと思われるのであります。それから刃体の長さ七センチメートル以下の切り出しナイフ、これが切り出しナイフでありますが、この刃体の長さ七センチメートル以下であります。それから刃の幅が二センチメートル、それから厚みが〇・二センチメートルをそれぞれこえないものであって、これがあいくち類似のものでない、作り方があいくち類似でないもの、こういうものについては、携帯を自由にするということで、二十二条改正案のただし書きの中に織り込んでいく、こいううふうになっております。
#32
○加瀬完君 木村局長に。今のそこにある見本でどれが該当することになりますか。いいやつと、悪いやつ……。
#33
○政府委員(木村行蔵君) これは、ただいま御説明いたしましたように、すでに二十二条の改正案の、いわゆる携帯の場合に、正当な理由の有無を問わないで携帯の自由なものですね、これは自由なやつでございます。こっちの方は携帯について、正当な理由の有無を全然問擬しない。これは政令で種類または形状を限定しまして、先ほど申しましたように、たとえば肥後の守については、これは固定装置がない、それから厚みや刃の幅について、一定の制限がある、こういうような形状を限定しております場合には、これは携帯自由。それから、これはもうそもそも初めから携帯について自由である。正当な理由の有無を問擬しないもの、と申し上げますのは、法案にありますように、刃体の長さ六センチメートル以下であって、全然問題にならない、こういうものであります。それから正当な理由がない限りは、携帯を禁止する。もちろん正当な理由があれば、たとえば登山家が登山用ナイフを持っているとか、ボーイ・スカウトがボーイ・スカウトの行事に持っていく。その他いろいろな正当な理由がある場合には、もちろん自由に持っていいのでありますが、どうも正当な理由がなくて、護身用だとか、その他の悪用されるような場合には、これは問擬されるものでありまして、携帯については、制限される、こういう状況のものであります。これをちょっと回してみます。一応この説明が書いてありますので……。
#34
○委員長(増原恵吉君) 速記をとめて……。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(増原恵吉君) 速記を起こして。
#36
○小林武治君 ただいまの飛び出しナイフの問題でありますが、今度五・五センチメートル以下は禁止する、こういうことについて、業者に対する影響というものはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#37
○政府委員(木村行蔵君) この点につきましては、ある程度は影響があると思いましていろいろ事情を調べておるわけでありますが、たとえば、すでに製造してしまっておる、そういう問題については、業者と十分相談いたしております。また通産省などともいろいろその問題について連絡いたしております。
#38
○小林武治君 今の、相談しておるとか、通産省とお話しになっておるとかいうことでありますが、具体的にどんな影響があるかと、こういうふうなことはおわかりになっていますか。
#39
○説明員(小野沢知雄君) 実は直接、飛び出しナイフの影響と申し上げますと、業者に注文があったにもかかわらず、これが返品になったというものが大体五百万円ばかりでございます。それから製品の在庫が、全然注文がないし、売れないで滞貨してしまったものが二百万円ございます。それから半製品でもって、そのままではどうもならなくてこれを改良しなくちゃならぬというようなもの、それが百五十万円ほどございます。合計いたしまして八百五十万円のとりあえずの損害があるということが、特にこの飛び出しナイフの関の業者の方から申告があるわけでございます。
 それからあとこの販売業者に対する影響でございますけれども、これは大体販売業者はメーカーにみな返しますので、販売業者に対しまする影響というものはさしてないだろう、全部製造元にしお寄せされるものであるというふうに聞いておるわけでございます。
#40
○小林武治君 そこで、この問題について、衆議院は何か附帯決議をつけられて、そして当局の方ではまあ善処でもするような答弁があったように聞いていますが、善処とはどういうことをされるつもりなのか、その点を一つ……。
#41
○政府委員(柏村信雄君) 衆議院の審議の過程におきましても、ただいまお尋ねの点が相当議論されましたし、附帯決議にも、適当な措置をとるようにということがございました。この前の改正におきましても、通産省等において作る型を変えるとか、そういうようなことで、融資をあっせんするとか、県の方で考えるとかという問題は別にございましたけれども、特に返品等による損害について、とれを補償するということは従来もいたしておりません。また、この種の法律制定につきまして、同様のものがいろいろあると思いますが、そういうものについても、損失を補償するということはやっておりませんので、その点は衆議院における審議の過程においても、補償するということは今までも考えていないということを申し上げた次第でございますが、通産省からも、中小企業庁からも列席いたしまして、できるだけ府県当局等と相談して業者が立ち行かないことのないように、設備資金とか、そういう面で考慮したいというような答弁があった事情を申し上げておきたいと思います。
#42
○小林武治君 この飛び出しナイフは輸出に関係――輸出は認めるとか、そういう点はどうなっておるわけですか。従って、製造もしておると思うし、また、あるいは海外における需要なんかは、別に日本のような規定があるとかないとか、その点はどうですか。
#43
○政府委員(柏村信雄君) 飛び出しナイフにつきましては、むしろ輸出の方がずっと多いわけでございまして、国内需要は年々最近は減ってきているというふうな状況でございます。輸出の方はもちろん制約するわけではございませんので、その方についての製造は当然行なわれることになる……。
#44
○小林武治君 そうすると、現在製造を認めているものも輸出に転換できるからして、実際に損害はそう受けない……こういうふうな問題はないのですか。
#45
○政府委員(柏村信雄君) ただいま保安課長から申し上げましたのは、現実に返品になる可能性のあるもの、在庫でむだになるものということでございますが、業者としては、将来の販路その他をいろいろ考えますし、また、ほかの型に転換するということもございます。また飛び出しナイフ自身につきましても、ただいまお話のように、輸出の方に振り向けていくということがございますので、長い目で見れば、今度の改正によって非常に大きな打撃を受けるとは考えられませんし、この点等につきましても、この法案制定の立案の過程におきまして、業者ともとくと打ち合わせをいたしまして、そういうことのないようにわれわれとしてもできるだけ努力いたしたつもりでございます。
#46
○小林武治君 今度の規定で所持の許可の問題について、親族等に他人に危害を加えるおそれのある者があるときには、許さない、こういう規定をするのは、そういうことはどうしてわかるというか、調査というか、やっていかれるのですか。
#47
○政府委員(柏村信雄君) 従来は申請する者について調査をいたしまして、そういう欠格事由がある者については、許可しないということでやっておったわけでございます。今度の改正では、同居の親族にそういう者があるときには、許可することができないということにいたしているわけでございます。これにつきましても調査をすることになりますけれども、特に何らうわさもない、今までの警察の調べ等においても、何らそういうふうなあれがないというのを、事こまかに根堀り葉堀り調査していこうという考えではございませんで、現に今度の改正の趣旨といたしますところは、今までは、許可の取り消しになった者などが同居の親族の名前で申請いたしましても、欠格事由がなければ、現行法ではこれを許可しなければならないというふうになっているわけでございます。ところが、実際には使う者が、危険な者が使うというようなことになるおそれがありますので、主としてそういうような脱法的なものを防ごうということが主眼でございますし、また警察の従来のいろいろの調べにおきまして、世間でも非常にひんしゅくしているような乱暴者がおる、あるいは殺人、傷害等の前科があって、近所で危険視されておるというようなことがはっきりしておる者がおるときには、これについて今回の改正の趣旨を生かして適用していく場合がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
#48
○小林武治君 今の問題の調査の方法ですね、こういうととがやり方によっては非常に迷惑になるおそれがありますね。今お話のような事態についての規定であればいいし、積極的に親族がどうこう、こういうようなことをあらためて積極的に調べるというようなことになると行き過ぎというような問題も起こるかと思いますが、その点は大丈夫ですか。
#49
○政府委員(柏村信雄君) 調査の点につきましては、十分にそういろ人権侵害等までいかなくても非常にいやな気持を起こさせるような方法はとらないようにいたしたい、十分注意するつもりでございます。
#50
○小林武治君 その点について、法の執行上何か注意でもされるつもりですか。
#51
○政府委員(柏村信雄君) 先ほど申し上げましたように、この改正の趣旨が、主として脱法的な者、また明らかに世間でうわさが高いような者について適用していこうという考えでございますし、またかりに、そういうような親族がおっても、管理というものが申請者において十分できるというような見通しのあるものについては、これは「許可をしないことができる」ということに特にしているわけでございまして、そういう親族がおっても許可する場合があるように規定もいたしておりますので、十分今お話のような点の調査については遺漏のないように特別の注意を喚起して参りたい、こういうふうに考えております。
#52
○小林武治君 それからもう一つの問題は、他人の生命、身体に危害の及ぶおそれのあるような者が刃物を持っておる疑いがある、これを「開示」させる、こういうような言葉、それからもう一つは「提示」する、こういうような言葉がありまするが、開示させるというのは、どの程度のことをさしておるのか。
#53
○政府委員(柏村信雄君) 疑わしいものを開示させる、あるいは疑わしいものが隠されていると思われる場合に、これを開示させる、開かせるということでございますが、これはあくまでも警察官の説得によりまして、本人の任意の提示、開示を求める、開示をするようにしむけていくということでございまして、強制して、警察官が本人が開示しないにかかわらず、自分の手でこれを開いてみるとか、あるいはポケットの中に手を突っ込んで取り出してみるというようなことは、この規定からはできないというふうにわれわれは解しておるわけでございます。
#54
○小林武治君 提示という言葉は、現実に持っておるとわかっておる者に出させる、開示というのは、持っておるかどうかはっきりしないから開かしてみる、こういうことなんですか。
#55
○政府委員(柏村信雄君) 提示につきましても、現実に持っているということがわかって、ふところの中に入れておるのが見えておるというようなものももちろんございますけれども、どうもあいくちを持っているようだ、ふくらみ工合とか、あるいはその他の情報とか、本人の挙動とかというようなことで持っていると思われるという場合に、これを出させる、出してみるようにしむけるということでございますので、一応ここで、二十四条の二でいっておりますのは、疑わしい、持っていると思われるというものを提示させる、あるいはふろしき包みか何かに隠しておると思われるものを、ふろしきをあけさせて調べる、こういうことでございまして、両方とも疑わしいものについての規定でございます。
#56
○小林武治君 何か区別があるのじゃないですか、開示と提示というのは。提示というのは、確かに持っている、開示というのは、疑いがある、そんな区別をしているのじゃないですか。
#57
○政府委員(柏村信雄君) 提示といいますのは、たとえば、あるものをポケットに入れておる、ポケットがふくらんでおる、たたいてみて、どうもこれはあいくちを持っておると思う、そのあいくちらしきものを出して見せろ、そうして確認するわけです。それから開示というのは、たとえば、ふろしきに包んで長いものを持っておる、そのふろしきをあけて見ろ、こういうことでございまして、両方とも、提示はそのものを出して見ろ、開示は包んでおるものをあけさせる、包んでおるものをあけさせて、結局は目の前に出させるということでございますから、両方とも目的は同じことでございます。
#58
○小林武治君 開示の方法ですね、開示の仕方というか、相手方に対する強要という言葉はいかぬですが、どの程度のものをいうものか。
#59
○政府委員(柏村信雄君) これはまあ衆議院段階におきましてもいろいろ御質問がございましたが、私どもは純粋に任意な、全く、ちょっと言って相手があけて見る、あるいは出して見るという任意な行為というものが考えられます。それから強制力をもってそれを調べるという方法も一つ考えられるわけでございますが、ここで申しますのは、あくまでも強制力は伴わないが、警察官として、そういう怪しい者につきましては、できるだけ確認をする努力をする、従って、相当強く説得をして、そういうふうに本人の気持が向くようにしむけるということで、まあ、この法律自体が何と申しますか、オール・オア・ナッシングというような性格のものでなくて、そういう完全な任意というと語弊がございますけれども、何ら心理的な影響も受けないで、見せろ、ああどうぞ見て下さいと、こういう場合だけでなしに、初めどうも見せたがらない者でも、上手に説得をして見せるようにしむけていくという、中間的な、物理的な強制は伴いませんけれども、中間的な要素を持っておる。これは職務質問等について聞きただすときも、これはあくまでも答える義務は、義務といいますか、法律的に、答えない場合に罰を食うというものではございません。また答えないものを強制的にしゃべらせるという方法はないわけでございますが、やはり相当手を変え品を変えて質問をすることによって、真実をつかんでいくというやり方をしておるわけでございます。怪しい者について、それと同じようにやはり提示、開示させる、あるいは提出させるということについても、相当努力して説得をするということは当然行なわれることであろうと思います。
#60
○小林武治君 この法律案を見て、人によっては、こんななまぬるいことでは一体目的を達することができるか、こういうことを言う人があるし、一方からは、これがもし乱用されれば相当な弊害がある、こういうことで衆議院でも、この規定の運用には慎重を期せ、こういうことになっていますが、これは公安委員長は、慎重を期するとは、どの程度のことかおわかりになって、適当な指導ができる、警察官は指導ができる、こういうふうに思っておられますか。
#61
○国務大臣(安井謙君) 慎重を期するといいますか、この法文全体が犯罪を予防するための行政措置というような考えでできております。従いまして、警察官がこれを行動します場合に、まず、そういう大前提でものを考える、ただ今までのたとえば警職法等である程度これに似通った規定はありますが、非常に現在の青少年が、ことに凶器を持ってやる犯罪というようなものに対して、特に注意を喚起し、そうして警察官のできる限界というものも必ずしも明確でないというようなことから、この法律ができたわけでありますので、そういう意味では十分警察官にこの法の精神というものを納得させることによって、私どもいわゆる行き過ぎというようなものも起こらないというふうに考えております。
#62
○小林武治君 一応私はこれで終わります。
#63
○秋山長造君 条文の質問に入る前に、さっき資料に基づいて御説明を受けたのは刃物だけなんです。もう一つは銃砲の方ですね、銃砲の特に拳銃ですね、これは犯罪に使われているものは、多く刃物とそれから少し大がかりなのは拳銃である。で、拳銃は何ですか、今警察庁の方でこれははっきりした数字はわからないと思いますが、推定として大体市中へどの程度出ているものなんですか。
#64
○政府委員(柏村信雄君) 拳銃につきましては、これは御承知のように、警察官とか特殊な司法警察官以外は持てないことになっておるわけでありますから、これは厳格に守られておれば市中にあり得べからざるものでありますけれども、かなり拳銃による犯罪があるわけでございます。ただ私ども、その拳銃がどのくらい流れておるかと、流れておるといいますか、市中に隠されておるかということは、ちょっと正確な数をつかみ得ない状況でございます。
#65
○秋山長造君 もちろん正確なものがわかるはずはないのですけれども、大体大ざっぱな推定としてどの程度出ているものですか。たとえばその数字が警察庁で確認される、されないにかかわらず、相当そのものが出ていることは事実のようですが、そういうものが個人の手に渡る経路について、いろいろのルートがあると思うのですが、警察庁で大体確認されている、あるいは推定されている経路というようなものについてもお示し願いたいと思うのですが。
#66
○政府委員(柏村信雄君) 拳銃につきましては、戦前に日本の軍人で持っていた者がおるわけでございます。古くは拳銃が持てる時期もあったと思います。そんなことでそういう者が、拳銃を所持してはならないということになったにもかかわらず、そのまま届出もされない、提出もされないで隠されているものが転々動くというものが一つあるわけでありますし、また非常に残念なことでございますけれども、駐留軍とかそういう外国人が持っておるものが売却されて日本人の手に渡るというものもあるようでございます。大きく申しましてそんな種類ではなかろうかと思います。
#67
○政府委員(木村行蔵君) 一応の経路の全体の参考になるかどうかわかりませんが、拳銃の不法所持取り締まりをいたしました場合に、特に暴力事犯の取り締まりと並行しまして行なったのがございます。その場合、三十五年の昨年の犯罪検挙、暴力団の犯罪検挙に伴いまして押収しましたのが三百八十九丁、三百九十丁ばかりございますが、その中の出所経路を申しますと、ただいま長官からもお話がありました駐留軍関係、これが七十一丁で、これが一八%、それから旧軍人関係、この関係で四十五丁で一二%、それから自己所持、もともと自分が持っておりましたか、それ以前の経路はわかりませんですけれども、一応自分がもともと所持しておったというものが七十八丁で二〇%、それから自分が作った、手製が三十五丁で九%、それから拾得発見、いろいろ警察の方で拾得あるいは届出奨励を法に基づいていたしております。その場合、拾得で発見いたしましたのが十三丁、これが三%でございます。それから輸入関係が二丁でこれは一%、まことに残念でありますけれども、出所不明というのが約四十五丁ございまして、これが三七%でありまして、なかなか拳銃の経路というものを突きとめるということは非常にむずかしい問題でありますけれども、警察としては、いろいろな場合にこれの非常に究明に努めております。
#68
○秋山長造君 これはなにですか、自己所持なんというものは、この銃砲刀剣類の取締法によって手続はなされておらないのですか、おったのですか。
#69
○政府委員(木村行蔵君) それは不法所持であります。違反であります。
#70
○秋山長造君 今おっしゃったのは全部不法所持ということですね。
#71
○政府委員(木村行蔵君) はい。
#72
○秋山長造君 たまたま暴力団の検挙だけでもこれだけの拳銃が出ておるのですから、おそらくやはり推定としてはこれをはるかに上回る、あるいは数層倍くらいの拳銃が出回っておるのじゃないかというように、しろうと判断ですが、思われるのですが、日本に拳銃の製造業者というのはどのくらいあるのですか。
#73
○政府委員(木村行蔵君) これは今のところ正確な数字はわかりませんが、通産省の方でいろいろ関係しておりますので、その方面と連絡しましてまた……。
#74
○秋山長造君 その正確な数字はまたあしたでもお知らせ願いたいと思うのですが、やはり相当数あるのですか。
#75
○政府委員(木村行蔵君) これは非常に少ないと思うのです。
#76
○秋山長造君 少ないですか。そういう国内の製造業者あたりからやみで流れるというようなことは少ないのですか。やはりさっき長官のおっしゃったような経路が大体多いのですか。
#77
○政府委員(木村行蔵君) 先ほど長官からお答えいただいたのと、私の申し上げたのが大部分でありまして、まあやみで製造元から直接流れ出るというのはきわめて少ないと思います。
#78
○秋山長造君 今の数字の中の出所不明ですね、出所不明の拳銃というのはやはり外国製が多いのですか、国内製が多いのですか、出所不明の拳銃の三七%というのは。
#79
○政府委員(木村行蔵君) これは全部外国のものであります。
#80
○秋山長造君 そういたしますと、この駐留軍関係が一八%もあり、それから出所不明ではあるが、外国製が三七%もあるということになると、大体不法所持されておるやみの拳銃の少なくとも半分以上は外国のものだということになるのですね。あるいは半分以上じゃない、ほとんど外国のものかもしれないけれども。そうなると、やはりその出どころといえば、駐留軍関係か、あるいは密貿易あたりで第三国人から入ってきたものかというように想像できるわけですがね。まあ密貿易の方の取り締まりは大いにやっておられるだろうと思いますが、駐留軍関係から流れるルートですね、これは拳銃ばかりじゃありません。その他いろんな禁制品なんかについても、密輸物資あたりが、あるいは麻薬その他ですね、基地を通じて相当流れておるんじゃないかということは、国会なんかでも法務委員会あるいはこの委員会その他でしばしば論議されてきているわけですし、当局の方でもこの取り締まりにはいろんな関係で、相手が駐留軍であるために、あるいは基地であるために、非常に手をやいて苦心をなさっておるんじゃないかと思うのですがね。で、巷間われわれはずいぶんいろんなこと、これは単なる無根のデマである場合もあるが、同時に事実である場合も多いのですがね。この立川だとか何だとかいうアメリカ軍基地あたりを通じて、偶然なことでいろいろな禁制品が流れるという場合もあるでしょうが、軍人、軍属等を通じて計画的にいろいろなものが流されておる。しかも、それを今の行政協定その他に縛られて、なかなか警察としてかゆいところへ手が届くという取り締まりができにくいという面があるのじゃないかと思うのです。それらの面について少し突っ込んで御答弁を願いたいと思うのです。
#81
○政府委員(木村行蔵君) 確かに今申されました事情については、前々から非常に私たちも苦慮いたしておりまして、その関係におきましては、駐留軍人につきましては、一応駐留軍軍隊の内部の規制ができておりますので、その規制によりますと、拳銃などにつきましては、公務以外に基地外において所持することは禁止されているわけであります。しかし、その規定がありましても、必ずしもそれが万全に取り締まりがされていない。駐留軍内部においても若干そういう問題について問題があるわけであります。従いまして、これにつきまして、駐留軍の武器の管理についていろいろ盗難があったり、あるいは密貿の問題がありましたり、密貿につきましては、密貿の取り締まりを十分に力をいたしておりますが、管理自体が不十分であることにつきましては、昭和三十三年六月、ちょうど三年ぐらい前に、警察庁の長官の名前で公文書で、厳重に向こうの在日米軍司令官にあてて、武器の管理の厳正化と、それから不法所持というものについて十分に防止してもらいたい、こういうふうな申し入れを文書で申し入れました。と同時に、いろいろな盗難がありましたり、あるいはいろいろな暴力団の検挙を通じてそれが駐留軍から出ているというような事情が、そういうケースがありました場合には、そのケースその都度関係駐留軍には連絡しまして、注意なり、あるいは今後の対策について具体的にお互いに協力をいたしておるような状況であります。
#82
○秋山長造君 駐留軍の関係の拳銃は、あれは何かネームが入っているとか、何か向こうの部隊の数字が刻み込んであるとか、何かそういうことで、警察の方でその拳銃を見ればすぐこれはどこから出たものだということがわかるようになっているんだと思うのですが、いかがですか。
#83
○政府委員(木村行蔵君) 駐留軍の持っている拳銃は、大体型がある程度きまっておりますし、それから駐留軍全体としてそれぞれの部隊で一連番号がありまして、その一連番号を通じて大体その出所について具体的に突きとめていくということが可能性があるわけでございます。
#84
○秋山長造君 で、そう建前としてはなっているとしましても、実際にそういうものが流れて、日本人の手に渡って、そして警察の方でそれを検挙されたというような場合、今の三十三年六月の警察庁長官の申し入れ等もあるし、それは徹底してやはりその出所を洗うということは行なわれているんですか、どうなんですか。
#85
○政府委員(木村行蔵君) その通りに徹底してやるように努力いたしております。
#86
○秋山長造君 努力はされてそれは突きとめられているのですか、どうですか。途中でうやむやになるようなことが多いのじゃないのですか。
#87
○政府委員(木村行蔵君) 相当の数は突きとめておりまして、先ほど申し上げた七十四丁というのは、具体的に駐留軍の出所がわかった数字であります。
#88
○秋山長造君 そういう場合にね、突きとめられた場合に、どういう結末になるのですか。たとえば向こうの流したものを受け取ったこっちも何か処分をされるのでしょうが、流したもとの方はどうなるのですか、その扱い方は。
#89
○説明員(小野沢知雄君) お答えします。実は日米行政協定によりまして、駐留軍関係のそういう犯罪は、一次裁判権が向こうにあるものですから、向こうがやるといえば向こうへ引き渡すわけであります。それから向こうが放棄すればこちらが裁判するわけであります。そういうふうになっております。
#90
○秋山長造君 その建前より、実際はどういうように行なわれているのですか。実例はどうなっているのですか。結局うやむやになる場合が多いのじゃないですか。
#91
○説明員(小野沢知雄君) 大体向こうがはっきり証拠があがれば、その裁判権に基づきまして厳重に処分をしているようでございます。
#92
○秋山長造君 そういうことが今の御答弁によれば一応励行されているようにも受け取れるのですが、そういうことによって数は減りつつあるとか、依然として減らぬとかいう結果が出てくると思うのですがね、そういう点は確認されているのですか。
#93
○政府委員(木村行蔵君) 大体駐留軍関係で相当大きく暴力団その他に渡ったという場合に、いろいろな特定な事情がある場合があったわけであります。たとえば朝鮮事変のときなどは相当あのどさくさのいろいろな関係、それから軍の移動が具体的にありますと、その移動でそういう駐留軍関係から出たというような場合があったわけでございます。それ以外に個々的な軍人というのは、ケースとしてはまあそれほど多くはないのではないかと思います。
#94
○秋山長造君 昔の軍隊では御承知のように、非常にゴボー剣一本でも命よりも厳重な扱いをするというような、非常に一つ一つの武器の行き先というものが確認されていたと思うのです。今の自衛隊なんかの場合はそういう点はどうなっているか、これはあなたの方へ聞くのはちょっと筋違いだろうと思うのですが。それから米軍なんかの武器の扱いですね、たとえば拳銃なんかにしても、新品をおろしてきて何年か使ったら、まだ使える拳銃でも廃品扱いで処分してしまうというようなことがもし行なわれているとすれば、そういう廃品扱いになったものは……日本に来ている駐留軍が使っておったそれが何百丁でも一度に廃品扱いになる。それは本来われわれの常識からいえば、一まとめにしてそれぞれ国の方へ持って帰るのが常識でしょうけれども、あるいはスクラップにしてつぶしてしまうとかなんとかというような処分をするのか。それとも廃品扱いになったものは適当にルーズにどこかへ流してしまうようなことになるのかどうか、そこらはどうなっているのでしょうか。
#95
○政府委員(柏村信雄君) ただいまお話のように、昔の日本軍の武器その他軍の備品についての管理というものは非常に厳格であったことは事実でございます。おそらく現在の自衛隊もそういう点につきましては、私は遺憾なくやっていることと思いますが、率直に申しまして、米軍のそういう銃器等についての取り扱いは、今お話のように消耗品扱いにしているものが非常に多いようでございます。それで数年前までかなり弾薬や何かが流れるというような事情もありまして、それで三十三年にこちらからの強い申し入れをしたようないきさつも、そういう点について特に注意を喚起するつもりでやったわけでございまして、その後一々そういうことについての連絡もいたしておりますので、最近におきまして、特に大量のそういう不始末があるというふうには考えられないのでございますが、先ほど保安局長も申しましたように、朝鮮事変とかで多くの部隊が移動する、日本におってそれが国に帰るというようなときに、もう要らないからといって売り払っていくというようなのが一時かなり出回ったということはございます。この点は今後も米軍については、もちろん強く管理の面において注意を喚起するように努めて参りたいと思います。
#96
○秋山長造君 この点は、今度の法案を見ますと、一応銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案ということで、対象は刀剣だけじゃなしに銃砲全部含めているということになっているのですけれども、今も実物も見せていただきますように、どうも刃物が主になっているのが実際のようですが、銃の方、特に駐留軍関係から流れる銃の取り締まりということをもう少し何か徹底したことをおやりにならなければ、ただ少々の切り出しナイフとかなんとかいうものを追っかけ回してみても、それは片手落ちなことになりはせぬかと思うのですが、そういう点でどういうように考えておられますか。
#97
○政府委員(柏村信雄君) 今回の改正は、先ほど逐条説明で申し上げましたように、飛び出しナイフについて原則として全部やめるということと、あいくち類似の刃物というものをめぐりまして、定義をはっきりし、規制の範囲を広げたということでありまして、直接には銃砲類についての規定の改正はいたしておらないわけでございますが、これを持ち歩く者等につきましての調査権と申しますか、調査しやすいようにする、また調査の責任を警察官が十分自覚するようにするという意味の規定としては、二十四条の二、これは刀剣、刃物のみならず銃砲にも当然適用されていくわけでございますので、そういう面からも十分効果を上げて参りたいと思いまするし、お話しになりましたように、銃砲の危険性というような点からいいましても、今後もちろん現行法の適用におきましても、また今度の改正法の適用におきましても、銃砲については取り締まりを厳にして参りたい、こう考えております。
#98
○秋山長造君 私はあの駐留軍関係の問題はもう少し掘り下げて御質問したいと思っているのですが、きょうはこれで私一応やめます。
#99
○小笠原二三男君 ちょっと資料を要求しておきたいのですがね。その前に飛び出しナイフを制限したその後、飛び出しナイフによる恐喝あるいは殺傷、こういう事件の件数を調査されたものがあるならお知らせ願いたい。
#100
○政府委員(木村行蔵君) お手元に……。
#101
○小笠原二三男君 ついておりますか。あればよろしい。
#102
○鈴木壽君 秋山さんのお尋ねに関連して、木村さん、今の三十五年の拳銃の不法所持した者、あなた方の調査したやつ、三百五十くらいですね。それです。この質疑応答の中にありましたのですが、一つ数とパーセンテージのやつですね。それからもう一つは、国産のものか、あるいは外国のものか、それのやつ。なお、三十五年だけのでしょうから、三十三年あたりからのどういうふうになっているのか、その状況。それからもう一つあわせて、不法に所持しておった者が、どういう種類の人間であるのか、これを一つ。もしあなた方の持っておられる今までのものでおわかりでしたら一覧程度にしてこの次お出しいただけばいいと思います。
 それからもう一つ。警察庁長官の方で、三十三年に駐留軍に対して、いわば公文書でしょう、何と申しますか、銃砲等に対する申し入れをなさった、こういうお話ですが、その後、三十三年以降にどういうふうにさらになされているのか。そうしてまた、向こうで具体的にそれによってどういうふうなことをなさったとあなた方はごらんになっているのか。なければないでいいし、こういうことをやっているというふうなことでもいいと思いますから。問題は、やはり一番おそろしいああいうものが、まあ大方の見るところ、駐留軍関係から相当周囲に流れているのではないかというふうなことをいわれておりますから、そういうところからあなた方は現在まで十分努力して参ったと思いますけれども、さらに一緒になってこれの取り締まりなり、そういうことの不法に流れることのないようにすることが、現在における非常に大きな仕事ではないかというふうに思いますので、そういう意味で一つ、別にどうのこうのと、さらに今まで詳しくいただいた資料でどうのこうの言えないかもしれませんけれども、一応の参考のために出していただきたいと思います。
#103
○加瀬完君 私も資料を願いたいのですが、三つです。最近の銃砲刀剣による犯罪件数、このうち今提案されているような取り締まりの改正法が出れば、犯罪防止ができたと推定される件数。二番目は、青少年犯罪中、銃砲刀剣等の不法所持によるもの。第三は、空気銃による傷害及び不法所持件数三点をお願いします。
#104
○委員長(増原恵吉君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#105
○委員長(増原恵吉君) 速記起こして。
#106
○政府委員(木村行蔵君) 今の御要求の資料、一部ありますけれども、ないのがございますので、できるだけ御趣旨に沿うてととのえてみます。
#107
○委員長(増原恵吉君) それでは本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後六時九分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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