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1960/03/09 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第9号
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1960/03/09 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第9号
昭和三十六年三月九日(木曜日)
   午前十時四十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           成瀬 幡治君
           天坊 裕彦君
   委員
           大谷 贇雄君
           塩見 俊二君
           堀  末治君
           前田 久吉君
           山本 米治君
           荒木正三郎君
           大矢  正君
           清澤 俊英君
           野溝  勝君
           永末 英一君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省理財局資
   金課長     鈴木 喜治君
   大蔵省理財局経
   済課長     小熊 孝次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○資金運用部資金法の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○郵便貯金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○農業近代化助成資金の設置に関する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(閣法第二四号)(内閣送付、
 予備審査)
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(閣法第一三八号)(内閣送
 付、予備審査)
○関税定率法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○関税暫定措置法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○関税定率法の一部を改正する法律の
 一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○企業資本充実のための資産再評価等
 の特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 会計法の一部を改正する法律案、資金運用部資金法の一部を改正する法律案、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案、農業近代化助成資金の設置に関する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第二四号及び閣法第一三八号)、関税定率法の一部を改正する法律案、関税暫定措置法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、以上九件を一括議題とし、順次、提案理由の説明を聴取することにいたします。
#3
○政府委員(田中茂穂君) ただいま議題となりました会計法の一部を改正する法律案外八法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 まず、会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、国の行なう売買、貸借、請負その他の契約の制度につきまして改正を行なおうとするものであります。
 現在、国の契約制度は、会計法及びこれに基づく予算決算及び会計令で規律し、運用されておりますが、この制度は、大正十年制定にかかる旧会計法の内容を大体そのまま受け継いだものでありますので、その後の事情に照らし再検討する必要があったのであります。そこで、昨年以来財政制度審議会において御討議を願って参ったのでありますが、このほど政府においても結論を得るに至りましたので、ここに会計法の一部を改正して国の行なう売買、貸借、請負その他の契約についての制度を整備し、その運営の円滑化をはかることにいたしたいと考え、この法律案を提出いたしました次第であります。
 次に、本法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず第一に、現行の会計法は、一般競争を原則とし、指名競争及び随意契約を例外としておりますが、一般競争の行なわれているのはきわめて少ない実情にあります。しかし、一般競争の方式は、国の契約方式として確保すべき公正及び機会均等の面からもすぐれた制度であり、各国もこれを原則的方式と定めている例が多いという実情にあります。従いまして、本法律案におきましては、契約の性質または目的により一般競争に付する必要がない場合及び一般競争に付することが不利と認められる場合においては指名競争に付し、契約の性質または目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合においては随意契約によるものとし、それ以外の場合は一般競争によることといたしておりますが、予定価格が少額である場合等においては、指名競争または随意契約によることができることにいたしております。
 第二に、競争契約の場合における落札方式は、歳入原因契約にあっては最高の、歳出原因契約にあっては最低の入札者を落札者とすることを原則といたしますが、歳出原因契約のうち特別なものについては入札価格が著しく低いことにより契約の適正な履行がされないおそれがあると認められるとき、またはその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認められるときは、所定の手続のもとに次順位の入札者を契約の相手方とすることができる道を開くことにいたしております。
 第三に、契約の適正な履行を確保するため監督及び検査について必要な規定を設け、監督及び検査の民間委託に関しても規定を明確にし、また契約の目的物について相当期間の保証がある場合においては監督または検査を一部省略することができることにいたしております。なお、この改正に伴いまして、監督員、検査員の任命についての規定を整備するとともに、その責任の明確化をはかることにいたしております。
 第四に、契約書の作成、入札保証金、契約保証金等の事項につきましては、従来学説、判例等において議論がありましたが、この機会に規定の明確化をはかることにいたしております。
 第五に、電気、ガスもしくは水の供給または電話の役務提供のごとき長期継続契約につきましては、手続の簡素化をはかることにいたしております。
 第六に、契約事務を担当する者につきましての任命の規定を整備いたしますとともに、その責任の明確化をはかることといたしております。
  ―――――――――――――
 次に、資金運用部資金法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 資金運用部資金は、郵便貯金、厚生年金積立金その他の政府の特別会計の積立金等の政府資金を統合管理し、いわゆる財政投融資として運用されていることは御承知の通りであります。
 昭和三十六年度には、拠出制国民年金が発足することに伴い、特にこれを契機といたしまして、資金運用部のあり方、国民年金積立金の運用等につきまして、資金運用部資金運用審議会を初め国民年金審議会、社会保障制度審議会からも、それぞれ建議や答申が行なわれております。これらの建議や答申におきましては、これら政府資金を国民生活に直結する部門に積極的に運用し、かつ、その使途を明確にするとともに、他方資金運用部資金の源泉が一般国民の貯蓄的性格のものであることにかんがみ、その適正なコストをまかない、できるだけ有利に運用すること等が要望されております。また、資金運用部資金の運用計画等について審議を行なっております資金運用部資金運用審議会の構成及び運営の改善をはかることも要望されております。
 政府といたしましては、これらの要望を十分考慮し、その趣旨に沿って制度及び運営の改善を行ない、もって資金運用部資金のより適正な運用をはかりますため、資金運用部資金法の所要の改正を加えることとし、ここに本法律案を提案いたした次第であります。
 次に、この法律案の概要を申し上げます。
 第一に、資金運用部資金運用審議会の名称を簡明な資金運用審議会に改めますとともに、その組織を中立公正にしてしかも実質的な審議を行ない得るものとするため、従来行政機関の職員が多数を占めていたのを改めて、学識経験委員七人以内で組織することとし、会長は委員の互選によって定めることといたしますほか、専門の事項を調査審議させるため審議会に専門委員若干人を置くことができるものとし、関係行政機関の職員を専門的立場から調査審議に参画させることといたしました。
 第二に、資金運用部資金の運用につきましては、前に申し述べました通り、昭和三十六年度には拠出制国民年金の資金も加わりますので、これらの資金について特に国民生活の安定向上に直接役立つ部門に最重点を置いて運用いたしますとともに、その使途を明らかにする見地から、資金運用部資金の運用計画書及び運用報告書を作成するにあたっては、大蔵大臣が審議会の意見を聞いて定める分類及び区分に従って、使途別に分類し、これを国民年金、厚生年金等の年金資金等と郵便貯金資金等とに区分した表を添付しなければならないことといたしました。
 第三に、現在資金運用部預託金のうち約定期間七年以上のものに対しましては、年六分の利子を付しておりますが、郵便貯金の資金につきましては、この預託利子収入によっては収支相償わず、その赤字は毎年資金運用部特別会計からの繰り入れによって補てんしているのでありまして、その累積債務額も相当多額に上っている状況であります。しかしながら、郵便貯金は国民の零細な貯蓄であり、適正なコストをまかない得るよう運用すべきものと考えられるのでありまして、郵便貯金事業の経営の合理化にさらに努力いたしますとともに、資金運用部におきましても預託利回りの向上をはかる必要があるものと考えられます。
 同時に、厚生年金、国民年金等他の長期預託金につきましても、同様に国民の貯蓄的性格の資金であり、ひとしく利回りの向上をはかるべきものと考えられるのであります。
 これらの点を考慮いたしまして、資金運用部におきまして、約定期間七年以上の預託金に対し、年六分の通常の利子のほか、昭和三十六年度以後当分の間、大蔵大臣が資金運用審議会の意見を聞いて定めるところにより、特別の利子を付することといたしました。この特別利子につきましては、金利水準の推移並びに資金運用部の収支の状況に則応しつつ、毎年度資金運用審議会の意見を聞いてその年度に適用する利率を定めることを予定いたしております。
 なお、資金運用部預託金利率の特例に関する法律は、郵便貯金の約定期間五年以上七年未満の預託金に対し、特別利率による利子を付することを定めたものでありますが、実体的にその必要がなくなりましたので、廃止することといたしました。
 第四に、簡保資金につきましては、積立金を分離運用しておりますため、資金運用部に対する余裕金の預託は、これが翌年度積立金となって払い戻されるまでの間の短期の預託となり、このため利回りが低くなっておりますが、毎年度新たな余裕金の預託が繰り返される点から見れば、その資金は実質的には安定的に滞留しているものと見ることもできますので、簡保資金の特殊性やその利回り向上の要請をも考慮いたしまして、昭和三十五年度以後に簡保余裕金として預託された資金で、預託期間一年以上七年未満のもののうち、新たに預託された余裕金の額に応じて払い戻されるものに対しましては、昭和三十六年度以後当分の間、通常の利率による利子のほか、特別の利率による利子を付加し、原則として年六分まで預託利回りの向上をはかることといたしました。
  ―――――――――――――
 次に、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 資金運用部資金法の一部を改正する法律案によって、資金運用部の長期預託金について特別の利子を付することといたしておりますことは、ただいま御説明いたしました通りであります。これらの措置等によりまして、郵便貯金特別会計においてもその経理内容の改善がはかられることとなりましたので、従来暫定的措置としてとられて来た一般会計及び資金運用部特別会計からの郵便貯金特別会計への赤字繰り入れの措置を廃止するとともに、あわせて、過去の赤字繰入金につきましては、今後の郵便貯金事業の経営の健全性の維持に資するため、この際一般会計への返済義務を免除することといたしております。
 また、これに伴いまして、郵便貯金特別会計の借入金の制度につきまして所要の整備をはかることといたしております。
  ―――――――――――――
 次に、農業近代化助成資金の設置に関する法律案について申し上げます。
 政府は、農業協同組合等の農業関係の融資機関が行なう長期かつ低利の資金の融通を円滑にするため、都道府県が行なう利子補給について国が助成することとし、もって農業経営の近代化に資するため、今国会に別途農業近代化資金助成法案を提出して御審議をお願いいたしております。
 農業近代化助成資金の設置に関する法律案は、この農業近代化資金助成法の規定に基づき、都道府県が農業近代化資金の融通につき利子補給を行なうのに要する経費を補助するために必要な財源を確保するため、政府の一般会計に農業近代化助成資金を設けようとするものであります。この資金は、一般会計から資金に繰り入れる金額及びこれを資金運用部に預託した場合に生ずる利子をもってこれに充てることとし、前述の都道府県に対する補助の財源に充てる場合に限り、予算の定めるところにより使用できることとしようとするものであります。なお、以上申し述べましたほか、資金の管理、受け払い、増減の計算等所要の規定を設けることといたしております。
  ―――――――――――――
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案(第一次分)について申し上げます。
 政府は、昭和三十六年度税制改正に関して、すでに所得税法の一部を改正する法律案等所得税、法人税、通行税等の減税をはかるための法律案を提出して御審議を願っている次第でありますが、今回の税制改正の一環として、現在の経済状勢に応じ、租税特別措置について整理合理化を行なうとともに新しい所要の措置を設ける等の目的で、租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案についてその大要を申し上げます。
 第一は、企業の資本充実に資するための配当課税の特別措置であります。
 現在、企業の資本構成是正のため、企業の増資促進が重要な課題となっており、そのため配当に対する課税のあり方が問題となり、税制調査会を中心として種々検討を行なって参りました。政府としましては、この問題についてはなお検討を続ける所存でありますが、企業の増資促進に資するため、当面の暫定措置といたしまして、企業の支払い配当に対する法人税率を引き下げることにより企業の配当コストの軽減をはかることとしております。
 すなわち、法人利益のうち支払い配当に対する法人税について現行の基本税率三八%を二八%に引き下げるほか、所得年二百万円以下の部分に対する三三%の税率を二四%に、農業協同組合等の特別法人に対する二八%の税率を二〇%にそれぞれ引き下げることといたしております。
 このように配当に対する法人税率を引き下げる反面、現行の法人税率を前提とする個人の配当控除割合及び法人間配当の益金不算入の取り扱いについてこれに対応する調整を加え、たとえば現在二〇%の配当控除を一五%に引き下げ、また、法人の受け取り配当がその支払い配当をこえる場合には、そのこえる金額の二五%は益金に算入する等の措置を講ずることといたしております。
 第二は、貯蓄の奨励のための特別措置の改正であります。
 現行法では、昭和三十六年三月三十一日までの間に支払いを受けるべき預貯金等の利子所得については、他の所得の税率により所得税を課税することとしているのでありますが、最近の金利、特に預金等の金利引き下げの政策方向を考慮して、なお一年間その適用期限を延長することとしております。また、昭和三十六年三月三十一日までの間に支払いを受けるべき配当所得については、一〇%の軽減税率による所得税の源泉徴収を行なっているのでありますが、この措置についても利子所得に対する取り扱いとの権衡等を考慮して、なお一年間その適用期限を延長することとしております。
 第三は、技術の振興及び設備の近代化に資するための特別償却制度の改正であります。
 現在、特別償却制度としては、合理化機械等の初年度二分の一特別償却、重要機械等の三年間五割増特別償却等九項目に及ぶ制度があります。これらはいずれも国民経済の再建に少なからぬ効果を上げて参ったのでありますが、この際、別途実施を予定しております耐用年数の改訂との関連、特別償却制度の明確化と簡素化、中小企業の機械設備の近代化促進の重要性等を考慮し、所要の改正を行なうこととしているのであります。
 すなわち、現行の合理化機械等の初年度二分の一特別償却制度並びに重要機械等及び協同事業用機械等の三年間五割増特別償却制度を廃止し、これらにかえて新たに取得価額の三分の一を初年度普通償却の別ワクとして認める特別償却制度を設け、その適用対象として従来の合理化機械等のほか耐用年数の改訂に単純に吸収することを適当としない中小企業用機械を中心とした重要機械等の一部及び協同事業用機械等を加えることとし、さらに、この制度による各事業年度の特別償却額があまり過大とならないよう、その特別償却範囲額が年一億円以上の法人につき特別償却前利益の二分の一を特別償却の限度とする制限を新たに設けることとしております。
 また、わが国の立ちおくれている試験研究を助長するため、試験研究用機械設備等の特別償却制度は特にその充実をはかることとし、現行の個別承認による特別償却の償却方法を、普通償却のほか初年度三分の一の別ワク特別償却を認める制度に改め、耐用年数の改訂と相待って償却方法の改善をはかることとするほか、個別承認の対象とならない試験研究設備についても一定の条件のもとに広く普通償却のほか初年度十分の一の別ワク特別償却を認める制度を新設しているのであります。また、これら試験研究の成果たる新技術企業化用機械設備等の特別償却制度も、その償却方法を初年度三分の一の別ワク特別償却制度に改め、特別償却制度の態様の統一と合理化をはかることとしております。
 さらに、探鉱用機械設備等、鉱業用坑道等及び造林費の特別償却制度については、これらの産業等の性格等に顧み、その適用期間を約三年間延長することといたしているのであります。
 第四は、価格変動準備金制度の改正であります。
 法人税の一般的軽減の反面、企業の利益留保の性格が強いといわれている価格変動準備金制度について、制度を合理化しつつ、若干積み立ての制限を行なうこととし、国際商品等で価格変動の著しいものを除き、現行の積立率を二五%程度引き下げることとしております。ただし、改正後の限度額をこえる既往の積立額は、たな卸資産の増加によって吸収されるまで取りくずさないよう経過措置を講ずることとしております。
 第五は、産業の助成を目的とした各種特別措置の改正であります。
 その一は、輸出所得控除の制度の改正であります。この制度につきましては、最近の国際会議等における情勢を考慮し、昭和三十二年の外貨危機の緊急総合対策の一環として設けられた割増控除制度は、適用期限の延長を行なわないこととしておりますが、輸出所得の特別控除の制度は輸出振興の重要性に顧み、なお三年間適用期限を延長、存続することと致しております。
 その二は、重要外国技術使用料に対する所得税課税の特例の改正であります。最近国際二重課税の排除のための祖税条約の締結は逐次進渉を見ているのでありますが、なおわが国と密接な経済関係のある主要国で租税条約の未締結の国もあり、重要外国技術の導入の必要性に顧み、この制度につきましても一五%の軽減税率により、なお二年間この措置を存置することとしております。
 その他、国内航空事業の助成のため航空機に対する通行税を一〇%に軽減する特別措置、開墾地所得及び土地改良事業施行後の裏作所得に対する所得税の免税の特例措置並びに農業委員会のあっせんにより行なう農地交換による所有権移転登記等の登録税軽減措置について、これらの措置の一部に制度の合理化のため若干の改正を行なった上、それぞれ三年間その適用期限を延長することとしております。
 第六は、その他各般の改正であります。
 その一は、譲渡所得関係の特例の改正であります。すなわち、収用等の場合の譲渡所得課税の特例について、課税の繰り延べが認められる代替資産の範囲の拡張、その取得期限の延長等について所要の改正を行なうとともに、居住用財産の譲渡所得を計算する場合の控除額を現行の十五万円から原則として五十万円に引き上げることとしてその負担の軽減をはかっております。
 その二は、交際費課税の特例の改正であります。これまでの資本金一千万円以上の法人について、その支出交際費のうち、その取引金額の一定割合及び一定の基準年度の実績支出額を基礎として計算される限度額をこえる部分の金額の損金算入を認めないこととしている制度にかえて、制度の簡素化及び公平化をはかるとともに、これを若干強化するため、支出交際費のうち一定の基礎控除額をこえる金額の二〇%を損金に算入しない制度に改め、なおこの制度の適用期限を三年間延長することとしております。
 その三は、沖繩地域の居住者で、内地に一定期間滞在する者に対し、その所得の実情に顧み、居住者と同様、扶養控除等を認め、その負担の軽減をはかることとしております。
 その他増資促進の重要性に顧み、配当課税の特例措置と対応して、増資登録税の軽減措置の三年間の適用期限の延長、地方公共団体が公用等に供するため取得する船舶に対する取得登記の登録税の免除等所要の改正を行なうこととしております。
  ―――――――――――――
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案(第二次分)について御説明申し上げます。
 政府は、租税特別措置法の改正につきましては、ただいま提案理由を御説明した同法の一部を改正する法律案を第一次の改正案として立案し、すでに国会に提出していたのでありますが、その後鉱工業技術研究組合法、低開発地域工業開発促進法その他の法案が国会に提案されることとなったこと等に伴い、必要な税制上の特別措置を講ずるため、重ねて租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第であります。
 改正案の概要の第一は、試験研究の助長をはかるための特別措置であります。科学技術振興の重要性に顧み、試験研究の助長をはかるために、すでに税制上各種の措置が講ぜられているのでありますが、さらに、鉱工業技術研究組合法案の提案に伴い、同法に基づいて設立される鉱工業技術研究組合がその試験研究用の機械設備等の取得に充てるため組合員が組合に対して納付する費用については、最初の一年間でその七〇%、三年間でその全額を償却する特別償却の方法を認めるとともに、鉱工業技術研究組合が組合員から受け入れた賦課金で取得した試験研究用固定資産については、その取得価額を減額していわゆる圧縮記帳を行なうことによりその賦課金の受け入れにより利益を生じさせないことができるよう措置することとしております。
 第二は、産業助成のための特別措置であります。この点については、まず企業基盤を強化するため特定産業の合併を促進する政策上の要請に従って合併が行なわれる場合等に課税の特例を認めることといたしております。すなわち、機械工業振興臨時措置法に規定する特定の機械工業を営む法人、農業協同組合合併助成法もしくは漁業協同組合整備促進法に基づき合併を行なう農業協同組合もしくは漁業協同組合または中央卸売市場において卸売業を営む法人が一定の要件に従って合併を行なった場合には、その合併により生ずる清算所得に対する法人税の課税を軽減し、特定機械工業を営む法人が事業の共同化のために、機械工業振興臨時措置法の要件に従って現物出資した場合には、その出資により取得する株式について圧縮記帳を認め、さらに農業協同組合及び漁業協同組合が一定の要件に従って合併を行なうときは、被合併法人の欠損金を引き継ぐことを認めることとしております。
 次に、特定産業の合理化と工場の地方分散等のために、工場用地の買いかえを行なう場合に課税の特例を認めることといたしております。すなわち、特定機械工業を営む個人または法人が、その生産方式の改善等のため、一定の要件に従って工場を移転する場合及び中小企業者が事業場の集団化のため一定の要件に従って一団地の工場用地に工場を移転する場合に生ずる譲渡所得について、一定の要件のもとで、その買いかえた工場用地の取得価額を圧縮記帳する等の方法で課税の特例を認める措置を講ずることとしております。
 さらに、硫安工業の合理化に資するため硫安製造業者の繰越欠損の処理について特例を認めることといたしております。すなわち、硫安工業の合理化対策の一環として硫安製造業者が日本硫安輸出株式会社に対して有する売掛金で本年七月三十一日までに生じたもののうち日本硫安輸出株式会社の欠損に見合うものを法人の所得の計算上損金に算入するとともに、これに伴う損失については十年間の欠損金の繰越控除ができる等の特例を設けることとしております。
 第三は、低開発地域等の工業開発等の促進をはかるための特例措置であります。わが国経済の急速な発展に伴い、地域別の所得格差を是正するため地方における工業開発等を促進することが重要な課題となっておりますが、そのため税制上所要の特別措置を講ずることといたしております。この点については、まず低開発地域工業開発促進法案の国会提出に伴い、同法に基づき低開発地域工業開発地区として指定される地域内で製造業の用に供する設備を新設または増設する場合には、一定の要件のもとで、初年度において機械設備については取得価額の三分の一、工場建物については五分の一相当額を普通償却の別ワクとして償却することを認める特別償却の制度を設けることとしております。
 また、地方において工業開発等に資するため、地方公共団体もしくは日本住宅公団の行なう工場用団地等の造成のため土地が買収されたことに伴って代替地等を買いかえた場合または首都圏整備に関する法令によって東京都の区部等の既成市街地内において作業場の新増築等が制限されているため土地等を譲渡し、他の市街地開発区域、低開発地域、工業開発地区等の地区において土地等を取得する場合には、圧縮記帳の方法により譲渡所得の課税の特例を設けることとしております。
 第四は、海外移住者に対する譲渡所得等の課税の特例であります。わが国から海外に移住する者の実情を考慮するとともに、移住振興の見地から、国の行政機関が作成した計画に基づいて海外に移住する者が移住に際して資産を処分した場合の譲渡所得等の課税についての特例を設けることとし、その譲渡所得の金額から百万円の特別控除を行なった後の金額の二分の一相当額を譲渡所得の金額と見ること等の措置を講ずることといたしております。この結果、一般の譲渡所得の課税の例により、その金額からさらに十五万円を控除した後の金額の二分の一が課税の対象となることとなるのであります。
  ―――――――――――――
 次に、関税定率法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、関税率表の全面改正及び関税制度についての一部改正等を内容とするものであります。
 まず、本文関係としましては、第一に、緊急関税についての制度を新たに設けたことであります。後ほど説明いたします関税率改正におきましては、通常の状態を前提として国内産業の保護等をはかっておりますが、海外価格が急落する等の異常の事態は考慮してはございません。特に輸入が自由化されて参りますと、このような事態のもとに輸入が増加しまして、それがわが国の産業に重大な損害を与える場合も十分考えられますので、このような緊急事態に対処して早急に関税率を引き上げ国内産業を保護する必要がございます。この制度は、このような場合に緊急関税の賦課、ガット譲許の撤回または譲許撤回の補償としての新たな譲許等を一定の要件のもとに政府限りで行なうことができることとするものであります。
 第二に、関税割当制度でございますが、ニッケル及び高速度鋼につきましては、別表の税率が低税率と高税率とに分けられております。これは一定数量以内のものは低税率として国内需要者側の要請を満たすとともに、その数量をこえる数量の輸入については高税率としてそれと競合する国内産業の保護をはかろうとするものであります。第九条の三の規定は、別表によって定められておりますその低税率を適用する基準及び方法を定めたものであります。
 第三に、再輸出減税の規定でございますが、機械の組み立てのため一時的に輸入され再び輸出される工具等につきまして全額課税するのは酷な場合がございますので、減税することができる規定を設けたものであります。
 第四に、輸入禁制品の関係でございますが、これは一昨年の衆議院大蔵委員会での決議の御趣旨に従いまして、その取り扱いを一そう慎重に行なうため輸入映画等審議会を設置する等の改正をしようとするものであります。本文関係といたしましては、その他若干の規定の整備があります。
 次に、別表関係につきましては、まず、税表分類につきまして改正案ではブラッセル関税表の分類方式を採用いたしましたが、これは現行の分類体系が最近の新しい輸入商品の実態に沿わないこと及びブラッセル関税表の分類が国際的に最も広く認められていること等を考慮したものでございます。
 次に、関税率の改正について申し上げます。現行関税率体系は、昭和二十六年の全面改正後若干の小規模な改正はありましたが、ほとんどそのままこれを踏襲して現在に至っているわけでありますが、この間においてわが国経済は目ざましい発展を遂げ、当時に比べ、量的にも構造的にも大きく変革してきております。このような産業貿易の変化に対応し、また今後の産業構造の高度化に順応するためにも現行税率は全面的に再検討を行なう必要があったわけであります。特に最近における貿易自由化の進展により、関税の機能がその重要性を増して参りますので、この再検討が一そう緊急に要請されるのであります。
 このような状況から、政府は関税率審議会に諮りまして、関税率改正の作業を進めたのでありまして、検討品目は二千余にわたっております。
 税率検討に際しましては、基本的には貿易自由化を前提といたしましたが、主食関係や非鉄金属の一部または石炭等のように、現在のところ基本的政策に未確定の要素が多いものについては、検討時期を後日に延ばす意味で現行税率据え置きといたしたものでございます。検討の結果、関税率の引き上げられた品目は二百五十一品目でございますが、これらは、わが国において今後積極的に助長育成するためには現行税率では不十分と考えられる産業、たとえば酪農製品や工作機械の一部等、及び自由化の際の衝撃が大きいと思われる産業、たとえば大豆、非鉄金属の一部等々の生産物でありまして、適当の保護を必要と考えたものであります。ただし、この場合においても、単に内外の価格差を埋めるということでなく、将来における合理化の見込み等を勘案して税率を定めております。
 次に、関税率の引き下げられた品目は三百八十六品目であります。
 この引き下げ品目には、すでに対外競争力を備えるまでに成長した産業を対象としたもののほか、従来の奢侈関税としての高税率を若干引き下げたものも含まれております。これらは保護関税の立場からは従来の税率を維持する必要が認められないので、需要者の利益を考慮して引き下げを行なったものであります。たとえば塩化ビニール、貴金属製品等であります。
 なお、税率の据え置かれたものの多くは、現行税率が今後も適当とされたものでありますが、現状では積極的結論を得ることが困難のため、一応現状維持とされたものもあることは前にも述べた通りであります。
 また、今回の改正案におきましては、従量税を採用したものがかなり増加いたしております。その形態も単純な従量税ではなく、従価従量のいずれか高い方の選択課税や、従価従量の併課税率等、税率に弾力性を持たせることを考慮しております。
 最後に、以上のような改正案を作成するにあたりましては、産業保護の面を考えるとともに、国内一般需要者の立場に立って考慮を加えたことは言うまでもございません。また、関税の国際性、特にガット関係等についても十分に考慮いたしております。
  ―――――――――――――
 次に、関税暫定措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、従来から関税の暫定的減免措置を行なっていた物品のうち所要のものについてその適用期間を延長するとともに、今国会に別途提案されている関税定率法の一部を改正する法律案が施行された場合の基本税率とわが国産業の実情等を勘案して、若干の物品について暫定的関税率を定め、あわせて必要な事項について規定の整備を行なおうとするものであります。
 以下、その内容につきまして簡単に御説明申し上げます。
 第一に、現在暫定的に関税の免除または軽減を行なっている物品のうち、重要機械類、給食用脱脂粉乳、農林漁業用重油、肥料製造用原油、製油用原油等の物品につきましては、本年三月三十一日でその適用の期限が到来するのでありますが、最近におけるわが国産業の実情等にかんがみ、その適用期間をさらに一年間延長することとしております。
 第二に、従来から免税措置をとっております給食用脱脂粉乳につきまして、児童の体位の向上等の必要性を考慮して、その適用範囲を拡大し、幼稚園及び児童福祉施設の幼児または児童の給食の用に供されるものについても免税することとしております。
 第三に、ガス事業の公共性にかんがみ、ガス原価の引き下げに資するため、その原料として使用する原油の関税を免除することとしております。
 第四に、さきに申し上げました関税定率法の一部を改正する法律案において新たに緊急関税制度及び関税割当制度を導入することになっておりますが、これらの制度を暫定税率を定めている物品について適用する場合に必要な規定の整備を行なうこととしております。
 第五に、現在減免税を行なっている物品のうち国産が可能となったもの、または関税定率法の一部を改正する法律案において従来の暫定税率を基本税率としているものについては、暫定措置を廃止するとともに、新たに必要となった若干の物品について暫定税率を定めることとしております。
 また、関税定率法の一部を改正する法律案において、税率を引き上げることとしている酪農製品、機械類の一部等について、国内消費者または需要産業に対する負担の増大を避けるため、これら物品の輸入を自由化するまでの間、暫定的に現行税率を据え置くこととしております。
 その他、貿易の自由化に伴う一時的輸入の増大により国内産業が打撃を受けるおそれのある物品については、国内産業が合理化されて国際競争力を備えるまでの間暫定的増税を行ない、あるいは国内生産業と当該物品の需要産業の両者の保護調整をはかるため、特定物品について関税割当制度を適用することとする等の措置をとることといたしました。
 このほか必要な規定の整備をはかることとしております。
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 最後に、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における沖繩との貿易の実情に顧み、沖繩等の生産品に対して従来行なっていた関税免除の制度に加えて新たに関税軽減の制度を設けようとするものであります。
 沖繩等から輸入される生産品に対して関税を免除する現行の制度は、当初その土産品を対象と考えておりまして、それ以外の物品、すなわち外国産物品を原材料として同地域で生産された物品をわが国に輸入する場合には、政令でこれらの品目を指定し、これについては全額課税する建前でございました。
 しかしながら、従来は、この種の問題となる物品の輸入はほとんどなく、従って、政令による品目指定も必要としなかったわけでしたが、最近、たとえばエンジンを外国から沖繩へ入れて、そこでボートを組み立てわが国に輸入する等、沖繩を中間生産地とする物品の輸入が増加する傾向が出て参りました。
 これらについて従来のものと同様に関税の全額免除を行なうことは、関税定率法の一部を改正する法律附則第四項の本来の趣旨ではございませんので、政令でこれらの品目を指定することも考えられますが、全額課税を行なうことは、結果的には同地域における加工産業の存立を困難といたすことになります。
 本法案は、このような場合に、本邦の産業に重大な影響を与えず、かつ、税負担の公平を失しない範囲内において、政令をもちまして、沖繩において付加された価値の部分については関税を課さないこととしようとするものであります。
 以上が会計法の一部を改正する法律案外八法律案についての提案の理由及びその概要でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
#4
○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(大竹平八郎君) 速記を起こして。
 ただいまの説明に対しまする質疑並びに補足説明は後日に譲ります。
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#6
○委員長(大竹平八郎君) 続いて、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次、御発言願います。
#7
○大矢正君 三十五年度予算の二次補正で、三百五十億を産投会計の資金に繰り入れて、そのうち百五十億は三十六年度の産投会計の歳入に受け入れる、あと二百五十億は三十七年度以降の産投の出資の財源にする、こういう第二次補正をめぐりまして、三十一年度において議論されたと同様に、財政法上違反であるかもしくは疑義が生じて参りました。予算委員会でかなり突っ込んでこの問題に対する議論が行なわれ、さらに、先般は公聴会を開きまして、東京大学及び早稲田、慶応両大学から教授を招いて、この問題に対する財政法上の疑義について議論をいたしました。その中で、私は聞いておりまして、東大の教授の意見は、財政法上疑義があるかどうかということは、法律上の問題ではなくて、これは政治的な問題である、こういう発言がございましたが、他の二名の参考人は、これは明らかに財政法上疑義がある、従って将来においては当然これを改正をして、その上に立って行なうのが至当ではないかと思う、という発言もございました。以上のような状況から判断をいたしますれば、この法律案をそのまま認めるというわけには参りませんので、大蔵省としていかような考えを持っておられるか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
 なおまた、二十九条に違反するとか、四十四条の資金に対してどうかというような具体的な内容は、予算委員会でかなりやられておりますので、私はあらためて申し上げませんが、そういう考え方それ自身について、まずお尋ねをいたしたいと思います。
#8
○政府委員(上林英男君) お答え申し上げます。今回の補正予算によります産投資金への繰り入れにつきましては、政府は適法なものと考えております。先ほど御指摘がございました公聴会におきましても、私、拝聴いたしておりましたが、公法学者でございます雄川先生は、財政法規というものは形式的には厳格でなければならないが、そこに盛りまする内容については弾力的に盛らるべきである、従いまして、ことに今回の措置、資金への繰り入れというものは三十五年度の歳出であり、その財源といたしますところは三十五年度の自然増収である、従いまして、形式的には適合しており、これをいかなる内容を盛るかということは、財政的、政治的判断に基づくものである、こういう御趣旨のお話があったと思います。なお、お二人の方は財政学者でございまして、主として財政学的な見地から、いかなるその自然増収を処理したらよろしいかというような観点からの御発言かと私承ったわけでございまして、その観点からいろいろな御発言があったやに思っておりまするが、そういうような意味におきましても、政府といたしましては今回の措置が適法なものであると、こういうふうに考えているわけでございます。
#9
○大矢正君 大蔵省としては当然、適法であると考えなければ提出するわけにはいかぬわけでありますから、これは違法だと考えて出してくる、そんなばかなことは私はあり得ないと思うので、当然、あなたの方の立場としてはこれは適法だと思うのだから出されるのだろうと思う。しかし、衆議院で大蔵大臣が、当然これは財政制度審議会で十分検討しなければならない問題でもあるというような発言もありましたし、それから参議院の予算委員会では、特に要望が付されて、財政制度審議会というものは、従来大蔵事務次官を中心にして各省のほとんど代表ばかりであって、そういう財政制度審議会のあり方というものについては疑義があるから、もっと多くの人の意見を取り入れる形で財政制度の審議会というものについての構成を考えてみる必要があるのではないか、こういうような発言がなされまして、大蔵大臣もそのことを了承しております。もちろん、この財政制度審議会につきましては財政法の附則上きめられておることでございますから、具体的にはいろいろ問題でございますけれども、ただし、十二人以内でこの財政制度の審議会を構成をするという点については、まず大蔵事務次官以下というふうになっておりますから、他にどういう人が入るのかということについては必ずしも私は規制をされておるわけではないのではないか、こういうふうに思いまするので、そういう点で、大蔵省としてはどういうように考えてこの財政制度審議会というものを構成をするつもりか、そしてまた、いつごろの時期にこういう審議会を開いて検討するつもりなのか、そういう点について、一つこれは政務次官でなきゃ答弁できないと思うから、政務次官から答弁して下さい。
#10
○政府委員(田中茂穂君) ただいまの大矢委員のお尋ねでございますが、ただいま正確にお答えする時期にはまだなっておりませんけれども、御意見のように、財政制度審議会の今後の構成、あるいはいつから発足させるかという点について、ただいま省内で検討をいたしておりまするので、いずれ結論が出次第にお答えする機会があろうかと思いますので、本日のところは、まだはっきりとしたことをお答えすることができないことをおわび申し上げたいと思います。
#11
○大矢正君 政務次官、三十六年度の産投会計の歳入の中に繰り入れられて、それが原資となって、各政府関係機関その他に出資をされるわけだけれども、これはやはり財政制度審議会というもので検討をするということは、将来において財政法それ自身を直すか何かしなければならない、あるいはこういう措置はとれないんだということも出てくる可能性もあるんで、そういうことになりますと、この三十六年度の中に繰り入れた百五十億円というものを直ちに新年度において使うということは、これは財政制度審議会の結論が出てくるまである程度見合わすべきではないかという、実は私どもそういう主張をいたしているわけであります。この主張に対してどういうふうにお考えになっておられるでしょうか。
#12
○政府委員(田中茂穂君) 先ほど法規課長からお答えいたしましたように、産投会計への繰り入れば、これは違法でないという建前を省としてはとっておるわけでございまして、なお百五十億の問題につきましては、省といたしましては、政府といたしましてはこれを使用する、支出するということにきめておるわけでございまして、それを、ただいまの大矢委員のお尋ねは、財政制度審議会にかけてこれを検討すべきではないかという御意見のようであったかと思いますが、それも必要であろうかと思いますけれども、それらにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、十分慎重に大臣も衆議院、参議院の両院でお答えになっておりまするように、これは今のところ百五十億は使うということでございまして、どういう機関を経て使うかということ等につきましては、今のところ考えていないわけでございます。政府といたしましての見解を率直に申し上げましたので、お許し願いたいと思います。
#13
○大矢正君 これはまあ技術的なことですが、法規課長にお尋ねをしておきたいのですが、かりに三月三十一日の予算で、産投会計では大体こういう内容のもとにこれこれの団体その他に対し出資をする、こういうふうにきめられた場合に、これは四月一日からまあ効力を発生するわけですね、産投としては。あとまあ法律が直ればいいわけです。そこで、普通は一体いつごろ実際にこれが出資をされるのか、すぐ出資されるのか、あるいはさらに年度末というようなこともあり得るわけで、そういう点については従来はどういうふうになっておりますか。
#14
○説明員(鈴木喜治君) ただいまの大矢委員の御質問の点でございますが、実行の問題でございますので私の方からお答えしますが、一般会計から産投の資金に入れますのは年度内でございます。産投会計法が通れば、一般会計から産投の資金に繰り入れるのが年度内に行なわれます、三十五年度内に。ただいまのどこの機関に幾ら出資するのかということは、三十六年度の問題でございます。
#15
○大矢正君 その資金の中に受け入れるのは当然年度内に受け入れてやらなければ、三十五年度補正で組んでいるんだから、年度内に資金の中へ受け入れるということは当然です。私はそれを聞いているのではなくて、それから三十六年度の歳入に受け入れて、その歳入から具体的にたとえば中小企業金融公庫に幾らとか、あるいはどこどこに幾らというふうに出ていくでしょう。それが大体いつごろになるのか、実行されるのは。それを聞いているんです。
#16
○説明員(鈴木喜治君) 今不十分なるお答えで申しわけありませんが、一般会計から産投資金に入れますのは当然年度内でございまして、年度内に従って産投資金に三百五十億入ります。三十六年度には、ただいま御審議願っておる三十六年度予算が通りますと、三十六年度に入ってから今度は産投資金から産投特別会計へ百五十億繰り入れます。繰り入れた上でどこの機関に幾ら、いつごろ出資するかという点は、従来の例で申しますと、御承知のように、出資金は各機関にとっては無利子の金でございますので、なるべく早く入れてやるということで、従来の実績でいいますと、比較的年度の初めの方によけい出しているというような状況でございます。
#17
○大矢正君 年度初めといっても、四月も五月も六月もあるのだけれども、これは従来の例として、たとえば輸出入銀行なら輸出入銀行に百五十億なら百五十億というふうにして入れれば、それは今言われた通りに利子のない金だから、一日も早い方がいいのは機関としては当然だと思うが、年度の後半にもっていくというようなこと、あるいはもっていったというようなことはないですか、従来の例としては。
#18
○説明員(鈴木喜治君) これは実行上両面から考えなければなりませんが、一つは産投の金繰りでございます。もう一つは各機関の資金別の金繰りでございます。産投の金繰りとしましては、この一般会計から入れられます資金の分でございます。従って、資金からまた産投会計へ入れる分は、すでに年度当初に金がございますので、そういうやつから逐次出資していくという格好になると思います。
#19
○大矢正君 あなたの答弁、私はよくわからないのだが、産投会計それ自身として考えてみれば、三十六年度で見ると、資金から受け入れる百五十億もあるだろうし、あるいはそれだけでなくて、産投それ自身のものもある、産投の剰余金もあるし、それから産投の中でも、現在は産投というものは出資でこれは無利子だけれども、過去においては貸付もありますから、そういう意味では利子収入その他もあるでしょう。そういうものがそろったときに初めて全部の資金計画のもとに歳出ができるわけだけれども、それが全部整わなければできないわけでしょう。そういう面で集中的に行なわれるのは、具体的にいつごろになるわけですか。
#20
○説明員(鈴木喜治君) 今お話しの通りでございまして、産投の固有の原資と申しますか、資金からの繰り入れを除いた分につきましては、剰余金の部分はこれは当然年度の初めに使います。その他の部分は、納付金にしましても、回収金にしましても、利子収入にしましても、原則的には九月、三月に入るやつが多いのでございます。従いまして、このような特別な資金からの繰り入れがない場合の普通の状況で考えますと、比較的年度の初めには産投の資金が不足しておりますが、同時に、各機関の方の資金の需要から申しますと、なるべく無利子の金は当初に入れてもらいたい、こういう要望がございますので、産投会計としては年度内の金繰りだけの問題でございますれば国庫金の繰りかえ使用ができますので、そういう点を考えながら実行をやっております。
#21
○大矢正君 これは最初申し上げた通り、財政法上のたとえば二十九条、四十四条その他の疑義があるとかないとかいう議論をする気はありませんからしませんが、先ほど申し上げた通り、財政制度審議会を開いてできる限り早い機会に、財政法上疑義があるとすれば一体どういうところなのか、またないとすればないなりではっきり、また疑義があって直した方がいいということになれば財政法を直すというような、そういう具体的な結論をいつごろ出すかという点については、これはやはりなるたけ早い機会に出すべきである、こういうように要望されていることですから、大蔵省もできるだけ早い機会に財政制度審議会というものを構成して、当然これは要請があった通りに、単に各官庁の次官その他ばかりが集まってやるだけでなくて、もっと積極的に多くの意見を聞くということで、財政制度審議会の再編成をして、一つすみやかに結論を出すように努力してもらいたいと私は思います。
#22
○清澤俊英君 ちょっとわからないのだがね、お話を聞いていますと。ということは、一つの疑義があるから、政務次官は何らか早い機会において審議会を作ろう、こういうことを言っていられるのだ。それから、当局の係官は何ら疑義がない、あたりのまえのことだ。――こういうことになると、そこにはどうもちぐはぐのものがある。あたりまえのものなら、審議会なんてめんどうなものは要らないわけだ。そういうのはどこから出てきたのか、われわれは了解するのに苦しむ。
#23
○政府委員(上林英男君) 先ほど申し上げましたように、今回の措置につきましては政府は適法と考えております。ただ、三十一年度におきましてこういう先例もございまして、そのときにもいろいろ論議があったわけでございます。また、今回におきましても疑義があるのではないかという御質問もあったわけでございます。従いまして、ただいまの財政法二十九条によりまする追加予算制度自体についてそういうような毎回議論を生じないような制度に改正する必要があるのかどうかということにつきましては、なお今後しかるべき機関に諮りまして検討して参りたい。ことに追加予算制度になりますと、明治憲法以来の追加予算制度でございまするので、それにつきましては慎重に検討いたしまして、その二十九条によりまする追加予算制度を改正する必要があるかどうかということを研究をいたしたい、こういう趣旨でございます。
#24
○清澤俊英君 もっと違う何じゃないかと思うのだがね、僕らもあまりこういうことは専門じゃないけれども。だから、新聞などを通じて見ておりますると、まあ、現在のそれ自身に疑いがあるというのだ。疑いのあるものは疑いがあると思う。だから、自分らの解釈だけを、これが正しいのだ、こういうものの言い方は僕は問題にならないのだと思うのだが、あなた方の言われているのはそういう言い方なんだ、自信があるがごとく。まだこのものが直すか直さぬかという問題に対しては非常な疑問があるのですよ。大臣の答弁を見てみましても、何を見ましても、新聞を通じても、みな疑問がある。現行法からやはり非常に疑問があるのですよ。疑問はあるが、実際の運用としては、そういうことがこれから高度の経済発展をした場合には考えられる、これは一般の常識になっているように私は考えておるのであります。そこにおさまっているのじゃないかと思うのです。それを何かしらん、今の御答弁で見ますと、自分らのやっていることはみな正しいのだ、間違いなしなんだ、こういう答弁なんだから、おかしい、こう言うのです。私は言うておられることがおかしい。しかも、そういう私がさっき言うような疑義を政務次官は引き継いで、だからこういう方法をもって一応検討しようと今考えております。――これはまあ辞令か何か知らぬけれども、はっきり言うておられる。認めておる。いま少し答弁する方には、そういうことをもっと重点的にはっきりした考え方で言うてもらわなければ問題にならないと思うのですけれども。わけがわからぬ。そうじゃないですか。間違いなしと本気にするならば、何にも調査したりいろいろなことは要らないじゃないですか。それでどこまでも答弁していきなさい。であるから、政務次官が言う通り、何とか一つ審議会を設けたり、いろいろな方法を検討して検討しましょう、こういうことを政府はやっている、こう言うのだから、おかしいじゃないですか。そういうものの言い方は僕はきらいなんです。
#25
○政府委員(田中茂穂君) 私が先ほど申し上げましたのは、今回の産投繰り入れにつきましては違法ではないという建前を政府としてはとっておるわけでございます。しかし、違法ではないかという疑義が、御質問がございまするので、今後そういった疑義を生じないような追加予算制度に改正する必要があるかどうかということを、ただいま検討をいたしておるわけでございまして、先般の参考人の御意見を徴しましても、二人の財政学者は違法ではないということをはっきりおっしゃっておりまするし、今後そういう疑いをいやしくもおかけしないような方法を考えて参りたい、かように思っておりまするので、その点御了承を賜わりたいと思います。
#26
○清澤俊英君 いずれ速記録を調べまして。新聞で簡単に見ていますから、私のど忘れかもしれません。大臣はそういう答弁じゃなかったと思う。私はそう記憶しております。その場限りの答弁では私は承知できません。
#27
○委員長(大竹平八郎君) 本法律案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#28
○委員長(大竹平八郎君) 次に、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取することにいたします。
#29
○説明員(小熊孝次君) さきに説明のございました企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を申し上げます。
 企業資本充実法は、昭和二十九年の六月一日から施行されまして、一定規模、すなわち資本金五千万円以上の会社、及び資本金三千万円以上五千万円未満の会社でございましても再評価限度額が一億円以上の会社につきまして、強制再評価を行なわせまして、適正な減価償却を可能にいたしまして企業経営の合理化をはかりますとともに、昭和三十二年の三月三十一日を含む事業年度以降再評価積立金の資本組み入れ及び必要な減価償却を行なわせるために、配当制限を行ないまして今日に至った次第でございます。
 その後、すなわち昭和三十二年の三月三十一日を含む事業年度から三年間につきましては、資本組み入れ割合が三〇%未満の場合及び減価償却の額が普通償却範囲額の九〇%未満の場合には一五%をこえる配当を行なってはならないといたしておりましたが、昭和三十五年三月三十一日を含む事業年度以降二年間におきましては、再評価積立金の資本組み入れ割合による配当制限を若干強化いたしまして、資本組み入れ割合が三〇%未満の場合におきましては一二%をこえる配当をしてはならない。それから五〇%未満の場合におきましては一五%をこえる配当を行なってはならない、こういうことにいたしたわけでございます。
 なお、右の五年間におきましては、再評価積立金の残高が資本金に対しまして二五%未満の場合には資本組み入れ割合によりますところの配当制限を適用しないことといたしております。
 右のような措置は、昭和三十七年の三月三十一日を含む事業年度の直前事業年度までの措置でございますが、現在企業によってはまだ相当多額の再評価積立金を有するものがございまして、一斉に最終処理を行なって再評価積立金勘定を廃止するということには無理がございますので、さらに三年間につきまして資本組み入れの促進をはかることといたしまして、提案理由でも申し上げましたような措置を講ずることといたした次第でございます。
 今回の資本組み入れにかかりますところの配当制限の措置といたしましては、第一段階と第二段階に分けまして、第一段階は最初今後二年間、すなわち三十七年の三月三十一日を含む事業年度から二年間、それからその後の一年間を第二段階といたしまして、漸進的にしかもある程度配当制限を強化していくという、こういうような形で実施いたそうとするわけでございます。
 第一段階につきましては、再評価積立金の資本組み入れ割合が三〇%未満の場合でございますが、これを一〇%をこえる配当をしてはならない、こういうことにいたしたわけでございます。これは現行法によりますと、一二%をこえてはならないとなっておりますが、これを一〇%にいたしました。それから資本組み入れ割合が三〇%以上で五〇%未満の場合は一二%をこえる配当をしてはならない、こういうことにいたしております。これは現在では一五%になっております。それから従来ございませんでした段階を一段階設けまして、資本組み入れ割合が五〇%以上七〇%未満の場合は一五%をこえる配当をしてはならない、このようにいたしたわけでございます。それから従来もございましたが、再評価積立金の残額が資本金に対しまして二〇%以下である場合は配当制限を免除する、こういう形にいたしております。これは従来二五%でございます。
 それから、以上は最初の二年間でございますが、次の一年間につきましては資本組み入れ割合を引き上げまして、四〇%未満の場合には一〇%、それから四〇%以上で六〇%未満の場合は一二%、それから六〇%以上で八〇%未満の場合は一五%をこえる配当をしてはならない、こういうことにいたしたわけでございます。
 それから減価償却にかかる配当制限でございますが、これは普通償却範囲額につきまして九〇%に満たない場合につきましては配当制限をするわけでございます。これは従来は一五%でございましたが、今回は、先ほど申し上げました最初の二年間につきましては一二%、それから次の一年間につきましては一〇%をこえる配当をしてはならない、こういうことにいたしたわけでございます。
 それから、今回新たに設けましたのは、再評価積立金をほとんど資本へ組み入れた、あるいは資本金に対しまして相当再評価積立金の残額のウエートが少なくなった、こういうような会社につきましては、なるべく早く再評価積立金というような特殊の勘定を廃止できるようにする、こういうような趣旨で、資本組み入れ割合が八〇%以上である場合あるいは再評価積立金の額が資本の額に対しまして一〇%以下である場合におきましては、取締役会の決議によりましてその全額を資本準備金に組み入れることができるものと、こういうふうにいたしております。ただし、これは強制ではございませんが会社の任意によりまして商法上の資本準備金に組み入れることができる、こういうことにいたしたわけでございます。
 このように今回の措置は三十七年の三月三十一日を含む事業年度から三年間の措置をきめました。その後の措置につきましては、またあらためて本国会におきまして御審議を願って具体的な措置をきめる、こういうような予定にいたしておるわけでございます。
 以上簡単でございますが、補足説明を終わります。
#30
○委員長(大竹平八郎君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#31
○委員長(大竹平八郎君) では、速記を起こして。
 ただいまの補足説明に対する質疑は後日に譲りまして、本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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