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1960/03/16 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第11号
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1960/03/16 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第11号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第11号
昭和三十六年三月十六日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理 事     上林 忠次君
           佐野  廣君
           天田 勝正君
           天坊 裕彦君
   委員
           大谷 贇雄君
           岡崎 真一君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           前田佳都男君
           山本 米治君
           荒木正三郎君
           大矢  正君
           清澤 俊英君
           永末 英一君
           原島 宏治君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵大臣官房財
   務調査官    吉岡 英一君
   大蔵大臣官房財
   務調査官    泉 美之松君
  参考人
   国民金融公庫総
   裁       中村 建城君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○通行税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○有価証券取引税法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国民金融公庫法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 通行税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は御発言願います。
#3
○天坊裕彦君 今度のこの通行税法の改正は、鉄道に対する二等の通行税をやめようということなんですが、同時にまた、別の措置法か何かで航空機の通行税については一割のやつは三年間延ばすということがきまることになるわけですが、飛行機の通行税の一割と鉄道の一等の通行税の二割というのは、どうも私はバランスが失しているのじゃないか、同じようにしたらいいんじゃないか、あるいはまた通行税というのは税収をふやす目的でできたやつで、一時やめていたやつが、支那事変に入ってから税収をふやすというためにこしらえたのですが、だんだんやめるべきがほんとうじゃないかと私は思うのですが、外国なんかでは今どうなっておりますか。それから、飛行機と鉄道との通行税を同じにするということについてどういうお考えを持っておるか、少し伺いたい。
#4
○説明員(泉美之松君) 通行税の問題につきましては、ただいま天坊委員からおっしゃいましたように、外国でも若干例はございますが、大国ではそう大して例のない税でございますので、そのためにいろいろ問題があることは私ども承知いたしておるのであります。通行税は、本則は通行税法の規定によりまして航空機、汽車、汽船を問わず二〇%の税率に相なっておるのでございます。ただ、航空機につきましては、これがいわゆる新興産業であるという点、並びに日本航空の方はそうでもございませんけれども、まだ赤字を出しておるといったような状況でありまして、各国とも航空機に対しましてはいろいろ補助的な措置をとっておるというような状況からいたしまして、二〇%の税率を一〇%に特別措置を講じておる状況でございます。
 で、本質的には、お話のように、税率を区別すべき特別の理由はないわけでございますが、今申し上げました補助的な性格を持っておるわけでございまして、私どもといたしましては、通行税につきまして、昨年度税制調査会におきましては、御承知の通り所得税、法人税といった直接税を中心といたしました検討を行ないまして、間接税につきましては検討が進んでおりませんで、これから四月以降間接税及び地方税の方に重点を置いた審議が行なわれるわけでありまして、その際に、税制調査会の審議の結果などをも参考にいたしまして、お話のような点につきましては今後いろいろ検討いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。
#5
○天坊裕彦君 将来は、いつまでもこれを取っていくつもりでもないのだ、航空機に対しては特に新興産業として援助するのだというお話はわかるのですけれども、しかし、飛行機もだんだん、国内線はほとんど満員が多い。しかも、やはり割引をやっておる、現に。それと比べて汽車の一等、二等といっても、このごろああいう混んでおる状態では、一等に乗る人が特にぜいたくだとはいえない。これはやはりやめるべきが、本来やめていくべきものだと思う。せいぜい税の額も三十億程度でありますから、この際三十億かんべんするということは、そう大きなマイナスにはならぬと思うのです。飛行機とのバランスを実際にこうやってみますと、これは飛行機だけの関係じゃなくて、遊興飲食税との振り合いもありましょうし、いろいろな問題もあろうと思うのです。しかし、この提出していただいた大蔵省から出た参考資料を見ましても、ホテルに泊まって千三百円ぐらいのところで二百七十五円くらいかかるというわけなんですけれども、鉄道に乗って千三百円ぐらいのところというのは出ていないので、あまり比較できないのだけれども、たとえば東京から静岡まで行くと、これを急行で行った。たとえば「つばめ」とか「こだま」に乗っていくと、大体汽車賃が千二百円から千三百円くらいかかるのです。その中で「こだま」にでも乗ったら四百円ぐらい取られる、一等に乗ったら。ずいぶん違うのですね。これは大き過ぎると思うのです。それから名古屋あたりに乗って行っても五百六十円くらいかかるのですね、平均して通行税は。非常に高いものです。飛行機の関係は特に何して一割に減じて、競争をやって、飛行機の方が割引運賃で、お客さんの取り合いをしておる。しかも満員だ。何しておるのかわからない。飛行機を援助することは私は賛成だと思うのです。これはまたいろいろ方法があるだろうと思うのですけれども、そういう鉄道の一等と飛行機をそう区別する必要は今の段階ではないと思う。将来研究するというお話ですが、もう少し具体的に調べていただいて、なるべく早くその区別をなくする、あるいはもう一歩進んで通行税を全部なくしてしまうというところまで踏み切られることを私は希望するわけであります。一つ政務次官にそうお考え願います。
#6
○政府委員(田中茂穂君) 具体的な数字につきましては、ただいま泉君からお答えいたしたのでございますが、まあアメリカ、西ドイツあたりでも、またフランス、そういうところでも、大体アメリカでは一〇%の課税がなされております。それから西ドイツではその料金の一二%から一五%、その程度を取っておりまするし、フランスではすべての交通事業者に対してその運賃の八・五%の用役供与税というものが課されておるのであります。そういうことで、諸外国でも日本と比べますとそれは非常に安いようでございますが、今天坊委員の御指摘の通り、航空機とのバランス、そういったことも十分考えまして、今後検討さしていただきたいと思います。
#7
○大矢正君 この通行税というものは、一体どういう理由のもとにこの通行税を取っておるのか、僕はよくわからないのですが。通行税というものを取る理由ですよ。
#8
○説明員(泉美之松君) 通行税は、先ほど天坊委員からお話がありましたように、支那事変中にまあ物品税、通行税及び遊興飲食税といった、いわゆる一般大衆よりもやや消費の高級なところに対しまして直接消費税の形で取るということから始まった性質のものでございます。汽車でございましても、従来は一等、二等に対して取って、三等には取らないけれども急行を利用する場合には取るというふうに、やや消費が高級と認められるものに対してその直接消費税の形で徴収するということででき上がったものでございます。各国におきましても、まあイギリスはないのでございますが、アメリカ、ドイツ、フランスあたりではやはりそういう税があるわけでございます。
#9
○大矢正君 人間が乗ると通行税を取られて、貨物を乗っけると割引運賃でというのは、どうも理屈が合わないのじゃないか。人間が、同じものに人間が乗ると通行税を取られて、国から通行税を取られて、貨物を乗っければ割引運賃で安く品物を運んでくれるというのは、理屈が合わないのじゃないですか。
#10
○説明員(泉美之松君) これはまあ、人間が乗るから、そこに消費的性格が出てくる。貨物を運ぶ場合におきましては、流通過程においてやはりコストの一つとなって出てくるということでございますので、人間の場合にだけ取るという形になるわけでございます。
#11
○大矢正君 あなたね、札幌まで汽車の一等で、新しい一等で寝台に乗って行った場合と飛行機に乗って行った場合と、札幌まで行った場合どれぐらい差があるか、計算したことありますか。
#12
○説明員(泉美之松君) ただいま計算持ち合わしておりませんが、資料はございます。
#13
○大矢正君 これ、今の答弁では間に合わないから何ですがね。天坊さんも言われていたのですが、私は通行税というものがある方がいいという前提に立って話をしているわけじゃないけれども、航空機の場合には特例措置として二〇を一〇に軽減していますね、これ前から。これは北海道に、かりに東京から札幌まで行く場合には、片っ方で行くと二十四時間も五時間もかかるのですね。片っ方の飛行機で行くと三時間で行ってしまう。これはものすごい違いですよ。幾ら寝台に乗って寝たからといって、二十四時間も五時間もかかるのと、三時間で行くのでは、べらぼうな違いなんです。だからね、金を持っている人間に限らず、同じ行くのであったら、一等に乗って寝台に乗って行くのだったら、飛行機で行った方が早い。途中汽車で弁当を食ったり食堂に行ったり、疲れて向こうに行って一日休まなければならぬということを計算したら、私、飛行機の方がずっと経済的だと言うのですよ、みんなに。それに対して通行税を一割にして、汽車でがたがた疲れて行って、一日仕事にならないように疲れて行くのに、通行税をきちっと頭から二割かけるというのは、これは実際僕はおかしいのじゃないかと思う。日本航空自身がまあ赤字の段階であればよかったけれども、今国内線というのはずっと黒字ですよ。毎年黒字ですよ。国際線があるから赤字になっているが、日本航空というのは黒字ですよ。毎期五億くらいの黒字になっておる。それなのに、いつまで航空機に対して一〇%の軽減税率をやっていくのか。これは天坊さんも言っているように、おかしいと思うのです。この航空機の特例というのは一体いつ切れるのですか。
#14
○説明員(泉美之松君) 航空機に対しまする通行税の一〇%の軽減の措置は、一応本年三月三十一日で到来することになっておりますが、別途御提案申し上げておりまする租税特別措置法の一部を改正する法律案におきまして、なお三年、三十カ年三月三十一日まで延長したいという措置を講じて御提案を申し上げておるわけでございます。
 お話のように、特に札幌へ行く場合なんかを考えますと、航空機を利用した方がはるかに経済的であることは私どもも十分承知いたしております。ただ、先ほども申し上げましたように、航空機産業が新興産業であるという点と、お話のように日本航空は赤字を脱却いたしまして毎期相当の黒字になっておりますが、全日空の方がまだ赤字でございますので、それらの点を考慮いたしまして、特別措置をなお三年継続いたしたい、かように考えておるわけでございます。もちろん、航空機産業に対しまする助成の仕方といたしましては、通行税の軽減の形で行なうべきか、あるいは郵便物を運ぶのに対して特定の措置、補助金的な措置を講ずるか、そのやり方には他の国にもいろいろ例があるわけでございまして、通行税だけでそういう措置をとるのが適当とも必ずしも考えないわけでございまして、これらの点につきましては、先ほど申し上げましたように、間接税の全般的検討の際にそれらの点を含めて検討いたしたい、かように考えておるわけでございます。
#15
○大矢正君 その航空機の税率の軽減がいいか悪いかということは、きょうの議題じゃないから、いずれ租税特別措置法のときにやらなければいかぬと思いますがね。しかし、あなたの言われておる通り、全日空がかりに赤字だというならば、全日空が赤字だというのならば、国鉄だって赤字だから運賃の値上げをするのでしょう。全日空には国から出資をしてあるし、融資もしてあるというのならば、国鉄だって国から金を出しておるのだから、同じことですよ。だから、片手落ちじゃないかと思うのです。軽減税率一〇%というのは、あくまで航空機に使う――航空機の軽減税率というのは昭和二十八年ころからでしょう、たしか私の記憶では。そうすると、昭和三十九年度まで約十年間ですよ。十年間の特例措置というのはあるはずがない。根本的には税そのものを変えたということと同じことですよ、十年間というのは。特例措置というのは、本来一年か二年のわずかの期間にやるべきものであって、特例措置を十年間も継続してやるのは大体本来おかしいのだ。そうすると、航空機が一〇%というのなら、汽車の通行税をなくした方がいい、比重からいえば。当然そうなるべきですよ。政務次官、どうですか。
#16
○政府委員(田中茂穂君) お話はよくわかるのでございますが、今のところ、諸外国におきましてもやはり通行税を取っておる現状でございまするし、またお話のような点も十分検討いたしまして、今後一つ研究さしていただきたいと思います。
#17
○荒木正三郎君 国鉄に対して私鉄あるいはバスとの関係についてちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、私鉄の場合は最近車両が相当改善せられて、いわゆるロマンス・カー、実質的には汽車、国鉄の一等と何ら変わりがない、あるいはそれ以上の設備があるというふうな電車が走っておるわけですね。そういう私鉄に対しては、通行税というものは全然取っていない。国鉄の一等にだけ取るというのは、不均衡のように私は思うのですがね。そういう点はどういうふうにお考えですか。
#18
○説明員(泉美之松君) 御承知のように、国鉄の場合におきましては、従来はまあ三等の料金に対しまして一等の料金が三倍といったような割合でございましたが、今度はそれが御承知のように三等がなくなりまして、二等に対して一等は一・六倍、従来は二倍でありましたものを一・六倍というふうに賃率の変更が行なわれる予定でございますが、国鉄の場合には一等、二等との間に相当大きな開きがあるわけでございます。私鉄の場合におきましては、その間の開きが少ないのが通常でございます。で、お話のように、ロマンス・カーのような場合におきましては、相当そのすわり心地等は国鉄の一等に比べて決して劣らないという場合もあろうかと思いますが、賃率のそういう差というものを考えまして課税を行なっております関係上、私鉄の場合には概してかからない場合が多いわけでございます。
#19
○荒木正三郎君 私、通行税というものがどういう理由で今日なお残っておるのかということがよくわからないのですがね。こういう税金があるから、いろいろ不合理が出てくるのじゃないか、こういうふうに思うのですがね。まあ私鉄の場合は二等料金になっておる。ロマンス・カー等の場合、若干それに特別料金を取る。けれども、土台は二等料金を取っておる。しかし、実質は、これは何ら変わらない。そういうやはり差別が起こってくるのは、通行税というものをなお今日続けて取っておるというところに原因があるのじゃないかと、私はそういうふうに思うのですがね。そういう点、どうですかね。
#20
○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、通行税は同じ乗りものを利用する場合の消費のより高級と認められる場合に対して課税するという建前をとっておりますので、普通の料金の場合に比べましてさほど差異がない場合には課税にならない。そこに相当の差異が生ずる場合に初めて課税するという建前をとっておるわけでございまして、今度の通行税の方の改正案におきましても、普通の料金に比べて三倍以上になるような場合には、等級を区分しておらなくても課税すると、そうでない場合には一等、二等と区別する場合には一等に対して課税するというような改正案の内容になっておるわけでございます。
#21
○荒木正三郎君 地方のローカル線ですね、ローカル線に乗ると、一等の車は大ていあいて、あんまり満員になっているという私経験がないのですが、それでもやはり一等車をつけて走っている。非常にもったいない。隣の三等といいますか、二等を見ると、ぎっしり立って満員ですよ。しかし、一等車の方はがらあきだ、ころいう状態が私らの経験ではしばしばあるわけですね。そうして国鉄は赤字だというのですね。もう少しこういう車が効率的に利用されるという点から考えてもね、通行税の問題等は早くこれを処理された方が全体の収入としてふえるのじゃないですか、どうですか。
#22
○説明員(泉美之松君) お話のように、それは地方のローカル線におきましては一等の乗客が少ない場合もありましょうが、これは通行税のせいでそうなっておるというよりは、むしろやはり所得の程度が低いために一等に乗ることを好まないということで、これはやはり賃率のせいが一番大きいのじゃないかと思うのでございます。通行税だけのせいではなかろうかと思います。
#23
○荒木正三郎君 それはわかっています。それはそうですがね。
#24
○説明員(泉美之松君) まあ通行税自体につきましては、お話のように、いろいろ問題があることは私どもも承知いたしております。ただ、諸外国におきましても、一〇%程度が普通でございますが、課税されております。それらの比較と、それからまた間接税全体の中におきましてこういう直接消費税に対してどういう負担が適当であるかというようなことをいろいろ考え合わせまして、根本的な検討を行ないたい、かように考える次第でございます。
#25
○荒木正三郎君 この通行税、私の聞いておるところでは、明治三十八年に初めて創設されたように聞いているのですが、それから大正十五年まで続いて、大正十五年で一応廃止になっているのじゃないかと思うのですがね。廃止の理由は何ですか。そのとき廃止された理由ですね。
#26
○説明員(泉美之松君) 大正十五年に廃止されました当時の事情につきましては、私もそれほど詳しくないのでございますけれども、十五年の税制改正におきまして、所得税、法人税にかなり重点を移すという、租税体系のかなり大きな変更がございまして、間接税におきましては、酒、たばこ、砂糖というものに重点を置いていくというふうな租税体系のかなり大きな変動がございまして、その際、まあ通行税は当時かなり少額でございましたので、この程度の税はやめようというのが理由であったように承っております。
#27
○荒木正三郎君 これは創設からの経緯から見て、通行税というのはやはり戦費調達という理由がおもじゃなかったのですか。日露戦争の三十八年に創設をし、そうして途中でやめて、今度は昭和十三年ですか、支那事変でまたやる、こういう経緯から見て、戦費調達という理由がおもなものじゃないかと、私どもそういう経緯から見て考えるのですが、そういうことであれば、やはりこの機会に廃止してもいいんじゃないか、そうしてその方が税の均衡負担という点からいってもいいんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、どうですか。政務次官にも答えていただきたい。
#28
○説明員(泉美之松君) お話のように、通行税が最初に起こされましたのは明治三十八年の戦費調達のためであります。また、それが一時廃止されました後、十三年に起こされましたのも、先ほど申し上げましたように、支那事変の関係で起こされたといういきさつはあるわけでございます。ただ、明治三十八年から大正十五年まで続きましたように、戦費調達の必要が終わった後におきましても、やはり相当期間続けられておるという実績はあるわけであります。これは結局、他のそういう直接消費税、遊興飲食税でありますとか、そういった消費税との関連において検討すべき事柄でございまして、なるほど通行税自体にもいろいろ問題の点はございますけれども、ただそれだけとして廃止するとかどうとかということは困難でございまして、他の税との関連を考えまして、その上で検討すべきものというふうに考えておるわけでございます。
#29
○須藤五郎君 先ほど天坊さんの質問に対しまして、遊興飲食税なんかと同じような形で通行税というものが論じられているのは、はなはだおかしいと思うのですが、今伺っていると、大体この税金というものは戦時戦費をひねり出すために作ったものであるということが、荒木君の質問によって、私も全くその通りだと思うのですが、先ほどの政府の答弁に、何だか旅行そのものをぜいたく扱いしているような印象を受ける話があったと思うのです。はたして旅行はぜいたくなのかどうかという点を、あなたたちどういうふうに考えますか。
#30
○説明員(泉美之松君) 別に旅行がぜいたくだと申しておるわけではないのであります。ただ、たとえば東京から大阪へ行きます場合に、一等の汽車に乗って行くのと、二等に乗っていくとでは、その料金の間に相当差異がある。そうして一等で行かれる場合には相当高い料金でも行こうといわれるわけでありますから、そうすると、二等の場合には課税しなくても、一等の場合にはやはり税金を徴収して、その消費の高級性に対して税金を課していいのではないかという考え方のもとにできておるわけでございまして、別段旅行することがぜいたくだというような気持ではございません。
#31
○須藤五郎君 私は、日本人が日本の土地を汽車に乗って行こうが、飛行機に乗って旅行しようが、それに通行税を払うなんていうことは、これは不合理なことだと思う。そんなばかな税金はないと思う。だから、飛行機が一割で汽車が二割が高いとか安いとかいう問題を私は言っているのじゃない。もっと根本的な、こんなものを払うのはおかしいので、通行税なんかやめなければいかぬと、そういうふうに考えるわけです。旅行は必要に迫られて旅行するのであって、決してこれはぜいたくではない。それは物見遊山に歩く人もありましょうけれども、しかし、そればかりではない。ほとんどが必要に迫られて歩くわけです。自分の土地を必要に迫られて歩くのに税金を払わなければならぬというのは根本的におかしいので、通行税などというのはやめるべき性質の税金だと私は思うのです。それを通行税といって名前をつけて、そうして一等が二等よりぜいたくだから一等にかけるというのは、これは通行税じゃないと思うのです。これは通行税という名を借りながら、いわゆる奢侈税のようなものを通行税という名によっているだけです。もし取るなら、通行税という名前をやめなければいけないのじゃないかと思う。もっとほかの取り方があるのじゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、どうですか。
#32
○政府委員(田中茂穂君) ただいまの御意見、まあそういう感じもいたします。しかしながら、今回の改正によりまして、一等運賃だけ残るわけでございまして、担税力から申しましても、二等乗客よりも一等乗客の方が担税力がある。また、他の消費税等から考えまして、まあ均衡のとれたものだと一応考えているわけでございまして、今の須藤さんのお尋ねのように、しからばこれは通行税という解釈で取るべき筋合いのものではないではないかというふうにも一応考えられます。しかしながら、今回の改正は、一等運賃だけに残るわけでございますので、それらの点につきましては一応今後の研究課題にさせていただきまして、十分一つ検討させていただきたいと思います。
#33
○須藤五郎君 私は、今天坊さんとも話したのですが、私たちは一等パスをもらって旅行しているわけです。旅行の運賃に対しては私は優待されてもいいと思うのです。しかし、私たち国会議員が、その中に含まれている通行税を、通行税そのものも私たちはごまかしているような印象を受けるわけです。国会議員は通行税を払わないで旅行しているというのは、何か割り切れぬものが私はあるように思うのですが、どうですか。料金をわれわれは優待されることはわかります、国鉄から。それは理解できる。しかし、その中には通行税も実際は含まれているわけです。私たちの動くについては、ここから大阪、北海道に行けば、千円からの通行税がかかる。北海道選出の議員は、汽車に乗るその優待を受けると同時に、国に払うべき通行税という税金を一回について千円ずつネコババをきめているということになりはしませんか、どうですか。その点はどういうふうに。
#34
○政府委員(田中茂穂君) 大体、国会議員の先生方は寝台あたりを御利用になると思うのでございますが、その寝台にはやはり通行税が入っているわけでございます。そういうことで、寝台を使わない場合はどうかということになりますれば、これはやはりその分まで、国会議員の先生方には日ごろの御労苦に対してお報いするというようなふうに御解釈をお願ひ申し上げたいと思います。
#35
○須藤五郎君 私は、税金まで優待を受けるのはおかしいと思うのです、国会議員は。通行税ということなら、私は税金まで国会議員が無料にしてもらうということは、どうも話の筋が合わぬように考えますが、どうですか。同僚諸君、どうですか。どうも私はこれはおかしいと思うのですよ。
#36
○政府委員(田中茂穂君) その通行税という名称につきましては、やはりおっしゃるような点も一応考えられますので、これは今後の研究課題にさせていただきたいと思います。
#37
○須藤五郎君 私は、次官、今そういうことを言いますのも、通行税という名前によって税を取るところに無理があると思うのです。おかしいと思うのです。だから、どうしても取らなければならぬ税金なら、賛成するわけじゃないのです、私はそういうものに賛成するわけじゃないのですが、いわゆる奢侈税的なというものならわかる。しかし、通行税という名前で、一等なら一等料金だけにそれをかけること自体が私はおかしいと思うのですよ。よく今後研究していただきたいと思います。
#38
○清澤俊英君 結局はこういうことじゃないですか。今国鉄運賃が上がる、その他の値上げの際に、下がるのは一等、こんなことじゃ国民はおさまらないから、ごまかしのために税金をつけようというのじゃありませんか。そういうことしかねらいがない。ほんとうの特殊人種に運賃を下げる。比率からいったら三倍でも五倍でもいいだろうと思う。すし詰めの中に立っている国民から見たら、それを下げようというのですから、国民の感覚からは悪いに違いない。それをごまかすために、税金でちょっとごまかそう――それがためにこういうような議論が出ると思う。これは徹底的に考えた方がよいと思う。
#39
○説明員(泉美之松君) お話でございますが、別段通行税をとることによって今回の国鉄の賃率の改正をごまかすとかなんとかいう意味は、もちろんないわけでございます。賃率の改正云々にかかわらず、従来から一等に対しましてはその料金の二〇%の通行税を徴収いたしているわけでございます。ただ、今回の国鉄の賃率の改正におきましては、従来一等の料金は二等の料金に対しまして二倍であった。その外ワクに通行税の二〇%があったわけでございますが、いろいろの国鉄の事情からいたしまして、それを一・六倍の率にして、その外ワクの二割の通行税がつくということでございます。
#40
○永末英一君 先ほどの田中政務次官のお話で、何か優待乗車証ですか、鉄道乗車証によって汽車に乗る国会議員に対しては、何か御労苦に報いるために通行税を取らないというお話があって、大蔵省当局はそれを認めているような、そんなばかなことがありますかね。御労苦に対してというような……。つまり、もし法律的にものを言うとするならば、運賃なり寝台料金なりを支払うときに、支払い料金に対する税金の支払い義務が発生するのじゃないか。優待パスなるものは金を支払う行為をしておらない。従って、基本がないから、ゼロに対して二割かけてみても税金が発生しないというような御解釈に立っておられるならば、われわれも須藤さんも意を強くして税金を払わないで汽車に乗れると思いますが、それとも何か御労苦に報いるために、租税特別措置法に何も書かれないで、税金を払わない行為を認めておられるのかどうか。その点ははっきりして下さい。
#41
○説明員(泉美之松君) 永末委員のおっしゃる通り、通行税は汽車あるいは航空機による運賃の領収の際にこれを徴収することになっております。従いまして、国会議員の方の場合におきましては、運賃を徴収いたしません。それに対して通行税を課するわけに参らないという法文になっておるわけでございます。
#42
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論を終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。通行税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#45
○委員長(大竹平八郎君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#47
○委員長(大竹平八郎君) 次に、有価証券取引税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は御発言願います。
#48
○荒木正三郎君 公社債の投資信託は、この一月に設定されたのですね。それで、この三月までどれくらいの投資があったか、説明をお願いいたします。
#49
○説明員(吉岡英一君) 公社債投信は一月に発足をいたしまして、一月に四百六十億の設定を見ました。二月に三百四十億の設定を見たわけでございます。三月は今募集中でございまして、はっきりしたことはわからないわけでございますが、おそらく、非常な推定になりますが、三百億見当かという感じがいたしております。
#50
○荒木正三郎君 それで、新聞等の報道を見るのですが、非常に公社債の投資信託に申し込みが殺到している、こういうふうな事情が起こっているというふうに聞いておるのです。これは私は別にこれを悪いという意見を持っているものではありませんけれども、この公社債投資信託の安全性の問題、大体七分八厘くらいかの配当をする、そういうような広告で募集をしているようですが、しかし、経済界に変動などが起こった場合、そういう配当は将来にわたっても確保できるのかどうか。これが大衆化していく、大衆性を帯びていくという点から考えて、こういう問題は非常に大事だと思う。いわゆる銀行預金の安全性と公社債の投資信託の安全性という問題ですね、そういう問題について若干の不安があるのじゃないかという感じがするのですが、こういう点はどうでしょうか。
#51
○説明員(吉岡英一君) 公社債投信は、御承知のように、大部分が公社債を運用する投資信託でございます。現在のところ、大体集まりました資金の九割を公社債に投資をいたしておるわけでございます。あとの一割をコールに回しております。従って、安全性という問題につきましては、持っております九割の公社債が安全かどうかということになるだろうと思いますが、御承知のように、社債は優良な大きな企業の出しておりますものでもございますし、担保その他につきましてもかなり比較的確実なものであるわけでございます。
 なお、ただ、公社債投信につきまして、先生今おっしゃいましたように、七分八厘で配当を予定すると申しますか、予定配当と申しますか、そういう配当を保証するというような宣伝はしないように厳重に申しておりまして、よくごらんいただきますと、最近の電力債等を中心として運用をいたします、その電力債は今のところ七分八厘というような宣伝をいたしておるわけでございます。従って、将来公社債の条件の改訂等がございますれば、当然そういうものも変わってくることになると思っております。
#52
○荒木正三郎君 公債の方は、これは安全性があると思います。しかし、社債の場合は、今好況ですからそういう心配はないと私は思う。しかし、不況になってきた場合、その会社自体が経営困難になるということになれば、元金そのものについてもこの問題が起こってくるという事態も考えられるわけですが、その点について。
#53
○説明員(吉岡英一君) これはただいま申し上げましたように、そういう社債を出すような企業がつぶれてしまうということになりますれば、おっしゃるようなことが起こることもあり得るかと思うのでありますが、申し上げましたように、社債については特別の担保もついておりますし、まずまず比較的安全と申しますか、確実な部類に入るのではないかという気がいたしております。
#54
○荒木正三郎君 社債の発行について、何か条件があるのですか。これは非常に確実であるという安全性という点からいって、何か条件でも付してあるのか、あるいはそういう安全性はだれが認めるのですか。それは野放しになっておるわけですね。
#55
○説明員(吉岡英一君) これは別に法律でだれがということではないと思うのでありますが、御承知のように、担保付社債というような制度がございまして、工場財団その他を設定して、それを担保にして社債を発行するというようなふうに、社債は広く大衆に持ってもらうものでございますから、それだけに制度としても確実な担保をつける制度になっているわけでございます。
#56
○荒木正三郎君 それから、もう一つの問題は、これは銀行預金よりも確かに利回りがいいですがね。そうすると、今後どういうふうになっていきますかね、金融は。銀行を通じてのいわゆる間接投資といいますか、そういうのがだんだん減ってきて、公社債を通じて――これは間接投資ですか、直接投資になるわけですか、それを伺っておきたいと思うのですが、そういう方向へ金融が変わってくるのではないか、こういうふうに思うのですが、こういう点はどうですか。
#57
○政府委員(石野信一君) まず、間接投資か直接投資かという問題でございますが、これは普通いわれておる観念といたしましては、企業が大衆から、金融機関を通さないで資金を集めるという点では直接投資といってよろしいかと思いますが、ただ、その考え方の問題と申しますか、そのときの定義の仕方で、そこに投資信託というものが入っておりますから、そういう意味では間接の形をとっておることも事実でございます。直接社債を大衆が買うような場合のような直接投資ではないわけです。ただ、金融機関を通しての貸付の形のものを間接投資と普通観念しております意味では、直接投資といっていいのではないかと思います。
 おっしゃるように、公社債の投資信託の売れ行きは一月、二月に非常に大きくて、社債も当初の予定以上に売れまして、そういう意味で金融の流れが非常に変わるのではないかというようなふうに、ある意味でショックを受けたと申しますか、そういうような疑問も生じておるわけでございます。ただ、これがたまたま金利の引き下げの時期に当たっておりました関係と、それから証券会社も熱心に募集したというようなこともありまして、かなり売れ行きが好調ではございましたけれども、こういうものがどの程度に全体の金融の流れを変えるかというようなことにつきましては、もう少し事態を見ませんと、はっきり見通しがつかないわけでございます。理論的には確かにそういう意味で、社債が売れますと、社債で会社の資金がまかなわれるということに相なりますから、それだけ金融機関の預金でまかなわれる部分が減るということでございます。必ずしもそういう形で直接投資の部分がふえることが悪いということではないのでございますが、急激な金融の流れに変化が起こりますと、混乱毛生じまするので、これは金利の引き下げの問題等においてそういう点も考慮をいたしまして、要するに金融が混乱にならないように、これは理財局の方と私どもの方と両方でいろいろ相談をいたしまして、とにかくあまり一時的に非常に変化が起こるというようなことがないように努めて参りたいと考えております。
#58
○荒木正三郎君 銀行預金の金利が下がるということになれば、当然、資金は信託の方へ行くと思うのですがね。それで、ついでにお尋ねしますが、銀行預金はどれくらい金利を下げるつもりですか。あるいは、こういう社債等の金利、これはどういうふうにしていくのですか。そういう点、説明願いたいと思います。
#59
○政府委員(石野信一君) 銀行預金の金利の引き下げの問題でございますが、これは金利のきめ方についての建前がございまして、政府がこれをきめるという建前をとっておらないのでございます。それで、大蔵大臣は臨時金利調整法に基づきまして金利を、経済情勢に照らして、変えたらどうかという発議だけをいたします。そうすると、日本銀行政策委員会がそれを受けまして、金利調整審議会に諮問をいたします。その金利調整審議会で、こういうふうに下げた方がいいという答申案ができまして、それを日本銀行の政策委員会に答申いたしまして、日本銀行政策委員会が決定をいたしまして、大蔵大臣はそれを告示する、こういう手続になっております。従いまして、建前上私どもの方から今幾ら下げるというふうに申す筋合でないものでございますから、その点は今申し上げられない段階にございます。私どもとしては、大体一般に言われているような程度の引き下げが行なわれるものと期待いたしておるのでございますが、社債の条件の方もそれと合わせて、ある程度引き下げということが問題になって参るわけでございます。バランスの問題も業界での話し合いということが第一義的になりますので、ただいま具体的に幾らというふうに申し上げかねますけれども、バランスをとって考えていきたい、そういうような気持でおるわけでございます。
#60
○荒木正三郎君 政府は今低金利政策ということを高く掲げていて、これを推進しようとしている。しかし、政府は何も言えない、今の答弁では。少しおかしいと思う。建前は政府がきめるものでないということは、これは私よくわかります。しかし、これは政府の指導というものが、政策で掲げられて、その政策が実行されるためには相当強い指導があるはずですから、政府としてはどれくらい下げた方がいいというふうな考え方を持っておられるのか、そういう点を伺っておきたい。
#61
○政府委員(石野信一君) 御指摘のように、今の金利水準の低下につきましては、政府といたしまして、貿易・為替の自由化の進展に対処いたしまして金利の引き下げをはかる、こういう考え方に基づいてやっていることではございます。ただ、その場合にも、金利というものがやはり経済に対していろいろの調整機能を持っております。従いまして、金利を下げる場合にも、業界が――業界と申しますか、関係者みんな納得して、金利を下げるにつきましても、やはり金利は下げるけれども、それが直ちに経済を刺激して、思惑等の事態を引き起こさないようにというような配慮も、できるだけ関係者みずから考えてやるという意味において、従来からその金利の決定については、政府でなくて、日本銀行政策委員会というものが中心にやることに相なっておるわけでございます。従いまして、金利の引き下げについての考え方といたしましては、いろいろの機会に政府といたしましても話をいたしまして、理解を強めるための努力をして参っておるわけでございます。これに基づきまして、一月、日本銀行も公定歩合を下げましたし、それから市中の短期の貸し出し金利も下げたわけでございます。今の預金金利の問題も、そういう意味におきまして、私どもの方から幾ら下げる考えだということを申し上げる段階でございませんので、直接お答えになりませんけれども、そういう建前から、民間の方で日本銀行政策委員会を中心としてその引き下げを考えておるということでございまして、それが結局社債の条件等ともバランスをとって、引き下げという方向で今話し合いが行なわれておる段階でございますから、その話し合いがある程度固まりますまで、私どもの方から今幾らということを申し上げるのはごかんべんを願いたいと思います。
#62
○荒木正三郎君 それから、公社債の信託の設定で、大企業は金の調達という面においても非常に有利なのですね。ところが、中小企業の面ではそういう恩恵を受けることが少ないんじゃないかと思うのですがね。こういう点はどういうふうに今後考えていったらいい問題か、御説明願いたいと思います。
#63
○政府委員(石野信一君) おっしゃいましたように、社債の発行が大企業の方が発行をしやすい、中小企業はそういう社債の発行等がむずかしいという意味において、まあ社債の売れ行きが非常に簡単で、たくさんそっちに資金が集まるということになりますと、御心配のような面もあるわけでございます。ただ、銀行といたしましては、法人に金が入ります場合、やはりその金が結局は流動性をもって預金になるという筋合いになるわけでございます。従いまして、金は全体として動いておりますから、それがために預金が全然消えてなくなってしまって、その部分が金がなくなるということではございませんのと、社債で入った金が銀行の貸し出しの償還に充てられるという分もあるわけでございます。それから、社債で調達された金がまた支払いに充てられて、中小企業の方に向かうということもございます。それで、銀行といたしましては、従来自分の方で貸しておった金が社債で資金が調達されることになりますと、銀行の方の貸し出しの方を今度はまた中小企業の方にも回すという余裕も出てくるわけでございます。そういう意味におきまして、大企業、中小企業というものを歴然と区別いたしますのはなかなかむずかしい問題でございまして、金の流れとしては入り組んでおりまして、大企業に入った金が中小企業の支払いにも充てられるという例もありますし、銀行でも、大企業に貸しておりたのを今度は中小企業の方に回すというような関係も出て参りますので、そういう点は、ただ理論的に考えた通りだけでもないと思うのでございますが、その点、最初に申しましたように、公社債投資信託の売れ行きが非常に一月、二月急激に大きく出ました関係で、ある意味でのショックというような感じが出ておりますけれども、もう少し事態を見まして、御心配のようなことになりませんようにできる限りいろいろ配慮をいたして参りたいと思っております。
#64
○荒木正三郎君 それじゃ最後に要望しておきますが、やはり安全性の問題については政府としても十分な配慮、考慮を一つしてもらいたいと要望しておきます。
#65
○山本米治君 一つ伺いますが、今度の公社債投信の発足は従来長年懸案であった社債市場というものが育成される端緒を作ったので、私、大へんけっこうなことだと思うわけであります。ただ、あまりに急激な変化が起こったために、銀行との間、特に地方銀行との間においてトラブルというか、ヒッチを起こしておる。これは非常に感情的な問題にまでなっておるようでありますが、そこで、公社債投信をやる証券会社の態度ですね、かなり誇大な宣伝といいますか、収益の配当金予想についても、七分八厘だとかいろいろやっておるが、これは税金のことを考えたり手数料のことを考えたりしたら、必ずしもそうはいかないというようなこと。それからわれわれ自身も経験しておるのですが、ダイレクトメールというんですか、非常にりっぱな広告みたいなものをやたらに寄こしておる。こういうように、証券会社は最近景気がいいんですが、それはけっこうなことですが、そうして社員の報酬が、あるいはボーナス等も非常にけっこうなんですが、それをあまりに景気がいいのにまかせてそういうことをよくし、あるいは誇大な宣伝費を使うというようなことをするよりは、僕はもっと株式の手数料などを減らすべきじゃないかと思っておるんですが、今度の公社債投信発足以来のこの金融界の問題について、大蔵省はどういう態度をとっておられるか。この銀行と証券会社とのトラブルの問題について、どういう態度をとられたか、あるいはまた今後もとられようとしておるか、一つお伺いしたい。
#66
○政府委員(石野信一君) 公社債投信等の売れ行きが非常に、予期されたよりも大きかったという点と、その募集の過程において御指摘のような非常に盛んな宣伝等が行なわれました関係で、金融界がショックを受けましたことは、これは確かに事実でございます。ただ、私どもは、公社債投資信託というものによって社債が売れて、特にまあ一般社債というものに対するなじみができる。従来間接投資が非常に重いウエートを持っておりました日本の経済で、そういう意味で社債がなじみができるということは、これまた方向としては望ましいことでございまして、今の一時的な現象だけで、金融界としてもそうそれでショックを受けて、まあ永久的に何か非常に変化でも起こるんじゃないかというような不安を持つのは、これは当たらないんじゃないかと考えておるのでございます。私どもとしては、金融界の方にはそんなにこの問題で何か感情的なことにならないで、それがやはり今まで証券界よりは金融界の方が何と申しましても古い業界と申しますか、証券界の方が最近大きくなって参っておるわけでございますから、そういう意味で証券界に対しても理解を持って、ことに先ほど来お話しの投資信託のこの流動性の確保というような問題につきましても、結局金融と密接な連絡があるわけで、関係があるわけでございますから、そういった点でも十分によく話し合って、経済界全体がうまくいくようにやるように、まあこういうふうに私どもも話しておるわけでございます。まあ金融界としても基本的にはそういう考え方を持っております。ただ、何分窓口で証券会社の人が定期預金を引き出して投資信託を買ったというような現象がございますので、いろいろと感情的なこともお耳に入ると思いますけれども、私どもの指導といたしましては、そういう意味で、金融界の方も大局的な見地からこの問題に入ってくるように申しておるわけでございます。
 なお、証券会社のその広告宣伝等の上で行き過ぎがないようにという点につきましては、理財局の方でそういった点についてもなお十分研究して努力することと考えております。
#67
○山本米治君 理財局の方から今度伺いたいんですが、今の広告宣伝等について手放しでおるのか、多少制約を与えておるのか。銀行等についてはそういう宣伝は非常に自粛しておるようですが、その間について証券会社に何か注意でも与えておるのか、何か制約を与えておるのか、あるいはそういう行き過ぎた宣伝費を使うならば、私はもっと手数料を下げるべきじゃないかと思うが、手数料問題についてどういう態度をとっておるか、お伺いしたいのですが。
#68
○説明員(吉岡英一君) ただいまお尋ねの証券会社の広告宣伝に関する問題でございますが、今回の公社債投信が発行するにあたりまして、特に公社債投信についての広告については、従来そう内容にまで立ち入ってあまりものを申しておらなかったのでありますが、公社債投信に関します限りは、元本保証という文句、あるいは予想配当率というようなものは、一切使ってはならないというような、内容にわたってまでの指導をいたしました。
 それから、全体の経費の問題でございますが、これは昨年の五月から、証券会社の広告宣伝につきましては証券会社の経常的な収入であります委託手数料の五%以内に押えるようにという指導をいたしております。今回の公社債投信の発足にあたりまして、新たなものを宣伝をしなければならないので、この五%の制限をはずしてほしいという要望もありましたが、われわれといたしましては、年間五%の範囲内でやるようにということで、総額でそういう制限をいたしております。なお、公社債投信等は、かなりわれわれといたしましても神経質にと申しますか、指導をいたしたつもりでありまして、一時新聞の全ページ広告というようなものが出たことがございますが、それもさっそくそういうことをやめるようにというような指導をいたしておるつもりであります。
 なお、お話のございました株式売買の委託手数料の問題につきましては、御承知のように、前々期と申しますか、一昨年の決算期当時からかなり証券会社の採算がよくなって参りました。株式市場の拡大に伴いまして採算がよくなって参りましたので、昨年取引所等とも相談をいたしまして、株式売買の委託手数料の引き下げをはかることにいたしまして、昨年の十月から、一般の大衆投資家の利用いたします基本料率につきましては大体平均一五%の引き下げを行なったわけでありまして、その際に取引所とも相談をいたしまして、株式の売買高が拡大をすると申しますか、仕事がふえれば、もっと引き下げが可能であるはずだということで、今後も株式売買高がふえますれば続いて引き下げを実施するという約束をいたしておるわけでございます。その後の情勢を見ますと、御承知のようにへ株式売買高は、東京で申しますと、毎日一億をこえるというような状況が続いておりますので、本年度再び第二回の引き下げがおそらく実行できるのではないかと考えております。
#69
○山本米治君 よろしゅうございます。
#70
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。有価証券取引税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(大竹平八郎君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、前例により、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#75
○委員長(大竹平八郎君) 次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は御発言願います。
#76
○大矢正君 国民金融公庫の代理貸しと直接貸しですがね、理屈は抜きにして、直接貸しをこれからどんどんふやしていくという考え方を持っておられるのかどうかですね、あるいは現状維持でこれからもいこうという考え方なのか、その直接貸しと代理貸しとの考え方について伺います。
#77
○政府委員(石野信一君) 御承知のように、国民金融公庫につきましては直接貸しを主といたしておりまして、最近におきまする比率は代理貸しの方が二三%、直接貸しの方が七七%程度でございます。これはまあ直接貸しを主として参る考えでございますけれども、何分、公庫の人員の増加の関係とか機構の関係等もございますので、直接貸しだけにしてしまうということも簡単な問題でもございませんし、また代理貸しを通してその地域々々の借り手の便宜もはかるというような考え方もございますので、そういう意味で、今のような程度で、直接貸しを主としてやって参ると、こういう考え方でございます。
#78
○大矢正君 そうすると、これから店舗の拡張といいますか、支店の設置といいますか、支所の設置といいますか、そういうものは拡張する意思はないわけですか、現状から。
#79
○政府委員(石野信一君) これはもう現実的に考えまして、能力のある職員の増加の程度と関連いたしまして、大体年に四つずつ程度ふやしております。三十五年度でも四つ、三十六年度でも予算で四つふやすことを予定いたしております。
#80
○大矢正君 これは希望が出ているわけでしょう、地域々々からね。支所を作ってくれとか、そういう希望が出ているはずだが、その希望というのは現在どのくらい出ておるのですか、全国的に。
#81
○政府委員(石野信一君) ただいま出ておりますのは、十くらいございますそうであります。
#82
○大矢正君 これから、かりに年に四つなり、五つなら五つでもふやしていくということは、結局のところ、この直接貸し一本に将来なってしまうというふうに解釈されるのじゃないですか。代理貸しは残りますか、それでもなお。
#83
○政府委員(石野信一君) これは全体の資金量のふやし方との関係の問題でございますが、やはり中小金融、中小企業の金融のための補完機関としての政府機関の資金は、できるだけ毎年度ふやして確保いたしたいと、こういうふうに考えております。従いまして、代理貸しの方がなくなってしまうということにはなかなかならないというふうに私どもは考えております。
#84
○大矢正君 これは話は変わりますけれども、今度の改正案で役員を二人ふやしてくれという提案のようですけれども、結局、私ちょっと調べてみると、国民金融公庫は総裁以下六人ですね、役員は。住宅金融公庫も六人、農林漁業金融公庫も役員が六人、それから中小企業金融公庫も六人ですね、あと開発銀行、輸出入銀行、こういうところは非常に多いようですけれども、商工中金は八人になっておりますね。大体しかし、肩を並べるところでは六人の役員数というのが通常の状態なん正すね、私が調べてみたところによると。そうすると、国民金融公庫は確かに資金量の点では多いようですよ。三十六年度の予算書を調べてみても、国民金融公庫が千二百二十六億、住宅金融公庫が五百二十二億、農林漁業金融公庫が六百億、中小企業金融公庫が八百三十五億、東北開発公庫が百八十七億、公営企業金融公庫が二百億、こういうようにまあ大体政府関係の公庫比較においては確かに国民金融公庫は多いとはいいながらも、これは資金量が多いということで役員が多いというふうには私は必ずしも限らないのじゃないかというふうに、こう思うのですね。
 そういう点からいって、ここで国民金融公庫で二人の理事をふやすということになると、他の公庫でも当然理事の増員という結果になってくるんじゃないでしょうかね。これは銀行局長に質問するというよりは、政務次官か大臣から答弁してもらわなきゃならぬことだけれども。
#85
○政府委員(石野信一君) 私どもの所管外であるかもしれませんが、大体公庫とか銀行につきましては私どもの所管でございますので、とりあえず私からお答えいたしますが、この際、国民金融公庫の理事を二人増員をお願いいたしましたゆえんは、これは二十四年度にできたわけでございますが、これはできたときの早々の数字と現在を比べるのは少し適当でないかもしれませんが、たとえば貸し出し規模では五十八倍、貸し出し残高で三十七倍、職員数では五・三倍、支所数で四・四倍、代理所数で一・七倍。二十四年はできたてでございますから少なかった関係もございますが、三十年度をとりましても、貸し出し規模で二・五倍、貸し出し残高で二・七倍、職員数で一・六倍、支所数が一・三倍、そういうようなふうに全体の仕事の規模が大きくなっております。従いまして、国民金融公庫につきましての理事は設立当初の四人のままになっておりますので、二人の増員をお願いいたしておる次第でございます。
 今回、他につきましても増員をお願いをいたしておるものがございまして、先ほどおっしゃいましたように、大体国民六人、住宅五人、農林漁業五人、これは理事でございます。それから中小企業金融公庫も六人にいたす、こういうことになってバランスをとっております。
#86
○大矢正君 これは、私が言った六人というのは、総裁、副総裁を含めて六人ということを言っているんですよ。それで、この最後の議案である北海道開発公庫の、これは副総裁を置いてくれと、こういうことですね。昇格ですよ。理事を副総裁ということで昇格させてくれということで、まあ全体的に公庫その他から、理事をふやしてくれとか昇格させてくれとかいう、何というか、ムードが非常に上がってきて、一せいにおれんとこも、おれんとこもという危険性が私は出てくると思うのですよ、今公庫をふやせば。だから、そういう点で考えてみますと、確かに昭和二十四年ですか、設立当時から変わりはないとおっしゃるけれども、株式会社の設立みたいなもんで、どんな小さな会社でも、やはりある程度きまった役員というのは必要だと同じようなもので、これはやはり出発のときは大体六人なんていう役員を置かなくても、二人か三人でよかったと思うのだが、現状は大体私はいいところではないかというふうに思っているんですが、これはそう目にかど立てて反対するような筋のものでないから、まあ簡単にしておきますけれども、銀行局長に質問することとどうか僕はよくわかりませんけれども、たとえば公庫なら公庫の総裁ないしは副総裁、それから理事という、この役員をきめる場合に、これは一体どこできめるんですか。
#87
○政府委員(石野信一君) 総裁と監事は政府で任命いたしまして、理事につきましては総裁が主務大臣の認可を受けて総裁が任命する、副総裁、理事についてはそういうのが原則でございます。
#88
○大矢正君 これは銀行局長の所管の国民金融公庫に限って一つ話をしたいと思うのですけれどもね、これは国民金融公庫というところは、前身が公務員でなけりゃ、官吏でなけりゃこれは役員になれないのですか。普通民間人では役員――理事とか総裁とか副総裁になることはできないのですか。
#89
○政府委員(石野信一君) その点は、決してそういうことではございませんけれども、理事の任命につきましては公庫の総裁の方から発議がございます。従いまして、第一義的に総裁のお考えを聞いていただいた方がいいと思いますので、中村総裁がお見えになっておりますから、必要でございましたら、総裁の御意見を伺っていただけたらけっこうかと思います。
#90
○大矢正君 それじゃ、一つお答え願いますかな。
#91
○委員長(大竹平八郎君) 参考人として中村総裁の意見を拝聴することに、皆さん御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(大竹平八郎君) 中村参考人。
#93
○参考人(中村建城君) 別に、理事の資格は公務員の経歴がなければならぬということはもちろんございません。現に副総裁は純民間人でございます。前身が日本勧業銀行の常務でございまして、それからその前の副総裁もやはり民間人でございまして、それから理事のうちで、ただいま四人おりますが、そのうちの二人まで庶民金庫時代から長くおりまして、経歴はすでに、通算いたしますと三十年近い者でございます。そのうちから優秀な者を特に理事に任命いたしました。あとの二人は、御指摘の通り、役人の前歴がございます。これは一概に申せませんが、やはり長く勤めた者で練達の者が、事務に精通している者が理事になることは、これは一つには仕事の上から、一つにはまた職員の士気高揚の上からも必要かと思いますので、少なくとも半数は中の練達の者を上げて、あとは政府機関でありますから、事務にとらわれずに全般的にものを見、あるいは政府関係の考え方がよくわかっているという者を一部やはり入れて、ただいまちょうど半数になっておりまして、理事の半数が役人出であり、半数が中におりました者であります。それから副総裁だけは純民間人にお願いする、こういうことになっております。
#94
○大矢正君 これは、私こういうことを言うのはいやだし、大蔵省の偉い人から憎まれるのもあまり好かぬから、言いたくないのですが、中村さんは大蔵省の主計局長が最終官職となっている、僕は全部調べたのだから。これはいずれ予算委員会でもって総理大臣とやり合おうと思って、名前から前歴から全部調べたのだ。だいぶ金をかけて興信所で調べたのだけれども、松田さんは大蔵省の神戸の税関長が最終の官吏職名、油谷さんは通産省の東京通産局長が最終の官職、あなたは一番責任者で大蔵省の主計局長。私は、国民金融公庫だけで大蔵省のお役人さんがそこまで入ってけしからぬと言っているのじゃなくて、そればかりじゃなくて、現在ひどいところになると、役員が九人おって、九人とも全部かつての国家公務員、全員公務員というところもある。いずれ予算委員会で明らかにしますが、概してそういう傾向が強いのだが、確かに政府関係機関だし、公庫だから、非常に政府の仕事に詳しい人たちがなるということはけっこうだと思うのですが、あまりにも行き過ぎるということはいいことじゃないのじゃないかと思うのですね。これはやはり民間人からも人を入れて、もっと現実に民間の立場もよく理解した形の中の運営というものを考えていかなければならないのじゃないかというふうに実は感じましたから、ちょっと申し上げただけでありますけれども、なまいきのことを言ったようではなはだ恐縮ですけれども、一つそういうところに十分留意をされて、これから一つ運営していっていただきたいと、私はそう思います。
#95
○政府委員(田中茂穂君) 御意見は十分拝聴いたしておきますが、今度の公庫の増員理事の人選につきましては、まだ全然白紙でございまして、何らそういった横すべりというようなことも何も聞いておりません。御意見は十分拝聴いたしておきます。
#96
○清澤俊英君 二人ふやすというのは、どういう方面の業務をふやすのですか、二人ふやすというのは。親切に説明書に書いてもらえば一番簡単ですけれども。
#97
○参考人(中村建城君) 私どもが二人増員要求しましたのは、何分にも私どもは支所が八十四ありまして、今度四つふやして八十八でございますが、代理所が七百四十ありまして、大体普通の貸付は支所長に権限を委譲しております。一々中央でやっておったのでは渋滞いたします。しかしながら、大口のもの、特殊のものは本部に票議して、それを理事がよく見てやっております。この方の数字はもちろんふえておりますが、これは現在の人数で十分やれると思います。ただ、何分にも八十八の支所が支所長の専決権限でいろいろやっておりますが、この間の連絡統一がとれない。それをしょっちゅう見て回りまして、調整しなければならない。そのために会議もいたします。それから巡視もいたします。会議は支所長を東京に集めますが、八十八人集まりますと、とても講義式になりまして、いろいろ詳しく話すことができません。それで、次長以下はブロックに分けておりまして、全国を四つないし五つのブロックに分けてやっております。その会議だけでも支所長会議が二回、次長、業務の課長、総務の課長、あるいは専門の恩給とか審査の課長とかというブロックの会議をやる。ほとんど年中どこかで会議をやっておる。私どもも参りますが、それに各理事が分担して参る。そのうちの一人が大阪の支所長をやって本部におりませんので、三人がブロック会議にかけ回る。同時に、若い者、中堅級の者の研修会がございます。これも一カ所に集めることができませんので、やはり全国を二つに分けてやっております。こういうことで、三人では出払うことが多くて、本部に理事がいない。本部に一人か二人理事がいてくれなければ困る。そうして、どうしても本部に一人か二人理事がおらなければならないということで、最小限二人というようなことで、分担して表に出かけることもあり、みんながいないときに本部の留守居をして、本部に来られる方の応対に当たる者もあるので、最小限二人いていただかないと、思うようにいかない、こういうつもりでお願いした次第でございます。
#98
○永末英一君 業務の円滑のために理事をふやされるという話ですけれども、現在どこでも、国民金融公庫を利用する零細業者なり国民の側からいいますと、申し込んでから実際貸付に当たるまで、一カ月ないし二カ月かかっているというのが実情ではないかと思う。業務の円滑というのは、この期間を短くしてもらうということが業務の円滑になると思うので、理事を今のところ二名ふやすということでそういうことになれるのか、もっとほかにやらなければならぬことがあるのかどうか、その点のことをお伺いしたい。
#99
○参考人(中村建城君) 先ほど申し上げましたように、大体仕事の方は、大口とか特別のもののほかは支所長に一任しておりますから、理事をふやしたからといって、直接に貸付期間の短縮がはかれるというものではございません。ただし、ただいま仰せの一カ月、二カ月というのは実ははなはだあれでございますが、ただいまのところ平均しまして二十二、三日になっております。これは申し込み、窓口に来ましてから貸付についてイエス、ノーを決定するまでの期間でございまして、それがお金が出るには、その後に印鑑証明をとるとか、保証人を立てるとかでいろいろおくれて、大体二十三、四日、早いもので十五、六日、おそいものは一カ月。一カ月、二カ月というのは常例ではないということでございます。
 その点につきましては、さらに分化いたしまして、何とかもう少し早くやらなければならない。早い支所は十五、六日で貸しておるのですから、ならぬものかと思っておりますが、どうしても新規の申し込みに対して手間がかかる。二回、三回のおなじみの方には早く貸せる。突っ込みになりますと今のようになりますが、この点はさらによく事務を分化いたしまして、一日も早くお貸しできるようにこれは十分にいたします。しかしながら、これは理事を増員したからスピーディになるということとは関係ないと考えております。
#100
○永末英一君 職員数をふやせば、もう少しスムーズにいくとお考えですか。
#101
○参考人(中村建城君) ある程度はそういうことは言えますが、ただ、現在、ことに昨年、ことしあたりの就職事情からいいますと、人数をふやしましても、なかなか有能な人が集まりませんので、むしろそれよりも事務の熟達をする、たとえば研修会をする、あるいは講習会をするということで、事務の講習をして能率を上げることが必要だ。同時に、機械化をはかっております。まだ十分ではございませんが、昨年あるいは三十六年度におきまして、主要支所には機械化をはかりまして、それによってスピーディに仕事を処理するような方向に向かって、現在多少人員も増加していただきますが、今後は機械化と、人員もいい人を集めまして、両方合わせまして、できるだけスピーディにやっていこうというふうに考えております。
#102
○永末英一君 職員給与は国家公務員に準じて扱うということになっておるはずでありますけれども、国家公務員と比べて現在国民金融公庫の職員の給与はどうですか。
#103
○参考人(中村建城君) 国民金融公庫は、昭和二十七年度の半ばまでは公務員と同じでございました。それが、公務員と同じでは他の民間金融機関と比べて非常に低いので、そのときに待遇改善というので、公務員から離しまして、民間式というベースになりまして、そのときベースアップがありました。従って、そのときに、公務員と比べて、これは割合をはっきり申し上げられませんが、二割や二割五分は高いと思います。その程度になりまして、その後は公務員のベースアップの都度、大体同じような割合でベースアップされておりまして、最近の、昨年十月にさかのぼって十二・四というベースアップも実施しております。従って、最初に離れた間差だけはずっとついているという格好になっておりまして、公務員よりはいい待遇になっております。
#104
○永末英一君 その地域の一般の金融機関に従事している民間給与と比べて、どうですか。
#105
○参考人(中村建城君) 民間給与というのは、実はいろいろ調べますが、なかなかほんとうのことを言って下さいませんので、はっきり調べられません。ただし、初任給等につきましては、大体銀行間の協定がございまして、その協定の線まで一つぜひ持っていきたい。ことにこういう時勢になりますと、なかなか給与が低くてはいい人が集まりません。お願いいたしまして、ただいまのところは公に出している初任給は、私どもの方が幾らかよくなっております。これはやがて民間も上がると思いますので、一歩先んじて幾らかよくしております。その他の幹部級につきましては、全く比較はできません。今回のベースアップによりまして、詳しいことはわかりませんが、そうひけをとらぬというところまで上がったというふうに考えております。
#106
○永末英一君 銀行局長にお伺いしますが、大蔵省は、国民金融公庫の職員の給与等についてどういうような関係にあるか、それが一点。
 もう一つは、政府関係諸機関の給与が必ずしも一律でない。でこぼこがある。たとえば、同じ政府関係機関にしても、農林関係の金融公庫というようなところは、ほかの公社やあるいはほかの公庫に比べて低いというようなことに対して、銀行局長はどのように考えているか、この二点をお答え願いたい。
#107
○政府委員(石野信一君) 第一点の問題につきましては、これは結局職員の給与につきましては、理事者と職員との間で話し合って、これに基づいてきめるのが原則でございますが、主計局といたしましては、やはり予算の関係、経費の関係がございますので、それには関心を持っていることは事実でございます。そういう意味におきまして、主計局がきめるとかそういうことではございませんけれども、まあほかの公庫との関連、銀行等の問題も、主計局の方で考えておるわけでございます。現実問題としてはいろいろでこぼこがあるというようなお話でございますが、これにつきましては、なかなか給与のでこぼこというのもわかりにくい、むずかしい問題でございまして、できるだけそういう意味では、銀行、主計局の方で見ておるということだと考えております。
#108
○大谷贇雄君 ちょっとお尋ねしますが、政府関係、大蔵省関係の、国民金融公庫総裁おいでになりますが、日銀、国民金融公庫、開銀、輸出入銀行、中小企業金融公庫、そのほか別動隊の商工中金、なおほかの住宅公団とか道路公団とかいうような総裁、理事等の俸給は、一体どのくらいになっておりますか、それをお尋ねします。
#109
○政府委員(石野信一君) ただいまお尋ねの問題、私ども銀行局の所管ではございませんので、先ほど申しましたように、主計局で銀行以外の公団とか全部そろえて見ておりますので、今ちょっと手元にそういう資料がございませんから、お差しつかえございませんでしたらば、次の機会にでも質問に対するお答えを留保させていただきたいと思います。
#110
○大谷贇雄君 それでは、それはあとで資料を要求いたしますが、これ、国民金融公庫の総裁は俸給はどの程度でございますか。ちょっと変ですが。(笑声)
#111
○参考人(中村建城君) これはおそらく各日明細にはっきり印刷してあると思うのでございますが、総裁は二十万円いただいております。
#112
○大谷贇雄君 そこで、これは大矢発言に刺激をされて大いに質問するわけですが、今私が申したこの各金融公庫の総裁、理事等の俸給、並びに住宅公団とか政府関係の公団の幹部の俸給は一体どのくらいかというような資料を、一つ提出をお願いしたい。お取り計らいを願いたい。
#113
○委員長(大竹平八郎君) 政務次官、よろしゅうございますね。簡単ですから。
#114
○政府委員(田中茂穂君) 主計局とよく相談いたしまして、内容を。
#115
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。国民金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(大竹平八郎君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
#120
○荒木正三郎君 資料要求を言っておきたいのですが、その内容は、国民所得と、国民の所得の階層別の人口分布を示す一欄表、たとえば年収が二十万円ならば二十万円のものが幾ら、二十五万円までのものが幾ら、そういう所得の階層別の人口分布を示す一欄表、これを提出してもらいたい。
#121
○政府委員(田中茂穂君) 階層別の何ですか。
#122
○荒木正三郎君 人口数です。たとえば年収二十万円から二十五万円までは全国で何人になっておるか。それを過去五カ年間の推移を見たいわけです。
#123
○政府委員(石野信一君) ちょっと、私どもの方の資料じゃございませんので、まあ多分そういうのはあると思いますから、関係の方に当たりまし玉
#124
○荒木正三郎君 ずっと前のは私はとってあるのですが、最近の方を見たいのです。ですから、できれば昭和三十六年度の見込みを入れてもらったら一番いいのですが、その見込みが入らなければ、昭和三十五年、三十四年、三十三年、三十二年。
#125
○政府委員(石野信一君) 大蔵省以外の内閣総理府とかなんとかの統計があるのじゃないかと思いますので……。
#126
○荒木正三郎君 これは前に大蔵省の方のを……。
#127
○政府委員(石野信一君) それじゃ、税の関係かと思いますが。
#128
○荒木正三郎君 そうです。しかし、税を納めていない下のものも知りたいわけです。
#129
○政府委員(石野信一君) そういう意味の資料があるかないか調べまして、また後ほど御連絡をとりまして善処いたします。
#130
○大谷贇雄君 私は今うっかりしておったのだが、金融公庫等の総裁、幹部の俸給と、民間の銀行とか会社とかというようなところのおもな――さっき、総裁が、民間よりも幾らか、民間と同じくらいでなければいかぬというようなお話がありましたが、民間のこの俸給のベースとの比較がほしいのです。
#131
○委員長(大竹平八郎君) 大谷君に申し上げますが、民間の比較ベースというのは銀行関係ですか。
#132
○大谷贇雄君 そうです。
#133
○委員長(大竹平八郎君) それは特殊銀行じゃなくて普通銀行。
#134
○大谷贇雄君 そうです。
#135
○政府委員(石野信一君) 政府機関と同種類の民間の会社銀行の給与でございますが、具体的な名前を出してというわけにいきませんし、また数も多いことでございますから、何か御参考になるようなものを考えまして、抽象的な形で何かお出ししたいと思います。
#136
○委員長(大竹平八郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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