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1960/03/17 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第12号
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1960/03/17 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第12号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第12号
昭和三十六年三月十七日(金曜日)
   午前十一時七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           天田 勝正君
           天坊 裕彦君
   委員
           大谷 贇雄君
           岡崎 真一君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           前田 久吉君
           山本 米吉君
           荒木正三郎君
           木村禧八郎君
           清澤 俊英君
           永末 英一君
           原島 宏治君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省主税局税
   関部長     稲益  繁君
   大蔵省理財局長 西原 直廉君
   大蔵省管財局長 山下 武利君
   大蔵省為替局長 賀屋 正雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵大臣官房財
   務調査官    泉 美之松君
   大蔵省理財局国
   庫課課長補佐  工藤 振作君
   通商産業省重工
   業局重工業課長 宮沢 鉄蔵君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税及び金融等に関する調査
 (関税政策及び国有財産管理に関す
 る件)
○参考人の出席要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、水田大蔵大臣が御出席になっておりますので、両案に関連いたします財政、金融一般についても、御質疑のある方はこの際御発言を願います。政府側の出席は、水田大蔵大臣、田中大蔵政務次官、西原理財局長、大月財務調査官、上林法規課長であります。
 順次、発言を許します。
#3
○清澤俊英君 大蔵委員会は大臣の御出席が非常に少ない、こういうお話を聞いておりますので、本日の議題にちょっとはずれておりますけれども、所得税を中心にいたしまして一、二点お伺いしたい、こう思います。と申しますことは、このたび専従者控除を、青色申告から白色申告にまで及ぶ拡大をしていただいたのであります。
 そこで、お伺いしたい第一点は、青色申告だけでなく、白色申告に対しても専従者控除を認められました根本がどこにあるか。われわれから見るならば、これは大蔵省として一応必要経費としての労働報酬をお考えになっているんじゃないか、こう考えるのでありまして、その点が一つ。
 それから、そういたしまするならば、現在、専従者控除をしていただいておりますものは、全農民のうちの大体七%から一〇%の間であります。約一割くらいのものであります。あとの大部分は、当然控除せらるべき労働報酬に対する必要経費を控除していただけないで、税金をかけられておる。これはあなたのところでなく、地方税としてこれはかけられるのであります。しかも、地方税におきましては、大体固定資産税が今年は〇・五%ぐらい引き上げられる。こういう形になりますと、結局しまするならば、今農業基本問題が中心になって所得均衡というものを中心的に考えられておるとき、実際の農業所得というものが、他の第二次産業が十年後に三倍になる、第三次が二・六ないし二・七になる、こういうような倍率を持っておるにかかわらず、第一次産業である農業の所得は十年後に五〇%しかふえない、半分しかふえない。こういうような非常な不均衡を是正いたしますためには、ただ単なる生産体系だけではなかなかむずかしい。従いまして、これらの均衡をいたしますためにも、多くの場合あるいは社会保障制度であるとか税金でもって十分なるまかないをしなければ、これは達成できない問題だと思います。しかるに、大部分、九割の人間が当然の労働報酬に対してこれを控除せられることなく、これに税金をかけられるというばかな話はないと思う。私がずっと前にこの大蔵委員会におりましたときに、この問題をしばしば力説したのでありますが、大体農村におきまするところの労働力というものは、これは常に計算上で逆比例しておる。農村におきます所得と生産とをにらみ合わして見まするとき、農民自身の中に非常な格差を持っている。地理的な格差もあります。東京付近の農民は非常に何をやっても高く売れる。北海道の農民が作るものは汽車で持ってこなければならない。非常に常に災害常襲地帯の人たちと無災害地帯の人たち、あるいは非常に有利な耕種を作られる場所とそうでない場所という工合に、なかなか内部調整としましても困難なのであります。従いまして、一般的なもので何かこれに均霑するものがなければならないと思う。それで、さっき申しました通り、農業の労働力というものは単なる資本主義生産の必要経費としての労働力の、ことく均一じゃないのであります。ということは、自然的条件によりまして収穫の少ないところほど、これは労働力は不完全であります。あるいは災害常襲地帯のようなところほど労働力はたくさん使われなければならない。そういうところほど収穫は少ないのであります。従って、今農村の所得の問題で一番問題を起こして騒いでおりますのは、この労働力の問題で、それがたまたま専従という形で現われておる、こう考えておるのであります。専従という問題を非常に強く出して参りましたが、結局専従などという問題でなく、生産の中の所得の計算において労働力を控除してもらわなければ、これは完全な所得は計算して出せないということなのです。これが基本になっておるのであります。
 こういう場合にどういうわけで、これはあなたに言っていいか悪いかわかりませんけれども、ぜひ関連があることでありますから、自治大臣も来てもらえば一番ようございましたけれども、きょう大臣に来てもらう建前にしていて実は遠慮しましたが、地方税においてこの控除が認められない、これははなはだ私は不公平であり、今、国が施策として進めておる農業基本法の精神から見ましても、これは逆な進行をしておるのじゃないか、こう思います。大臣に一つ御見解をお伺いしておきたいと思います。
#4
○国務大臣(水田三喜男君) 今御質問の点は、住民税の問題ではないかと思いますが……。
#5
○清澤俊英君 住民税だけではない。
#6
○国務大臣(水田三喜男君) 農業課税は、御承知の通り、他のそういう課税と比べて、私は、再三の改正によって非常に合理化してきていると思っております。たとえば、昭和二十四年で見ますと、農業課税は、三百万人以上の人が税金を納めておって、税額は四百二十二億円ということでございましたが、現在では、今度の改正によって、税金を納める人が十三万幾らということになっておる、税額でも七億ということでございますから、国税の面におきましては、農業課税の問題というのはほとんど今では問題がないくらいに、これは配慮されていると私は思っております。
 今度白色申告者に専従者控除を置いたということは、これは私は、今度の税制改正で税の公平といろことを考えまして、個人と法人との間のアンバランスをなくすということ、それから利子所得、配当所得、そういうようなものの関係を考慮したり、それから青色申告においてこういう制度をとられる関係で、やはり白色申告に踏み切る方が、この制度に踏み切ることがやはり均衡上必要だということで、税制上の議論がいろいろあると思いますが、この均衡をとるために私どもは踏み切ったということでございますが、それと住民税というものは性質が違いまして、住民税の方はそこに住んでいる住民にできるだけ広くその地方の必要な経費をまかなってもらうという立場の税金でございますので、性格が違う。ですから、今後住民税をどういうふうにしたらいいかという問題は残ると思いますが、そういう意味の住民税ですから、この住民税、今の現状から専従者控除というようなものをやったら、これはもう住民税を納める人の数というものは激減してしまって、地方財源というものをどうするかという制度自身の問題につながる問題でございますから、そこで専従者控除という観念を取り入れるということはわれわれは不合理だと思って、今度やらなかったわけでございますが、問題は、今後国税と地方税のあり方、この税源の配分をどうするかという根本的な問題に及ぶものでございますので、税制調査会においても今後この問題をさらに検討するということになっているわけでございまして、国税における専従者控除をすぐに住民税に適用しないかという問題は別だと私は考えております。
#7
○清澤俊英君 ただいまの御答弁でよく伺いましたが、大体このたびの専従者控除を白色申告に置いたのは、税の均衡の立場だけであって、これを必要経費としてお認めにならなかった、労働という必要経費に対してお認めにならなかった、こういうことか、その点はっきりして下さい。
#8
○国務大臣(水田三喜男君) 青色申告では経費として見ておるわけでございますが、これが御承知のように、日本の今の実情から申しまして、企業と家計というものの分化というものが完全になっておりませんし、また家族に対して正式に給与を払うという慣行もはっきりしていないという状態でございますので、これが厳密な意味の給与であるかどうかということには問題があろうと思いますが、いずれにしろ、これを給与に準ずるものというようなことにして経費と見るという制度を青色申告に採用しております以上、白色申告にもその通りに取り入れたということでございます。
#9
○清澤俊英君 それが非常な間違いじゃないかと、こういうのです、先ほど申しました通り。農業所得を計算する場合には、どうしても必要経費であるところの労働力というものを総所得の中から必要経費の中にまぜて引かなければ、問題が解決しないのじゃないかと、こう私はお伺いしているのです。と申しますことは、普通の物を作りますときには、労働力をたくさん使えば物ができる。これは普通の常識だろうと思うのです。ところが、農業における生産体系においてはそうじゃないのだ。労働力を使うところほど生産が下がるという逆比例を持っている。自然的条件で、つまり山の中で耕地整理もろくにできないようなところは、労働力も三倍も四倍も使っておる。収穫はかえってそういうところは下がっておるのであります。これは現実の事実ですよ。しかるに、なぜに必要経費として労働力を引かないのか。それが先へ解決しなかったら、問題にならないと思うのです。
 大臣は、先ほども申しまする通り、国税と地方税との差異がある、従いまして、地方的なものは地方的な一つの力で解決してもらうのだ、こういうようなお考えであるかしれませんが、農業の立場からしまして、工業の生産とは違います、さっき言う通り。地域的に、かりに東京付近の農民が作る大根と北海道で作る大根とでは、これは価格が違います。牛乳のごときは、東京でかりに一升六十円、七十円しておりましても、北海道へ行きましたら四十円かそこらであります。鹿児島あたりへ行ったら、やはり同じことだろうと思う。加工業にはなかなかこういうものはないのであります。こういう地域差というものを持っておる。あるいは災害の常襲地帯という所もある。ここには非常な疲弊した形が残っておる。そういう疲弊した力のところに何ら考慮することなく、ただ地方は地方で片づけたらよかろうということでは、ずいぶんおかしなものができ上がると私は考えるのでありまして、これらのことは少なくとも税金全体を取り扱っておられる大蔵大臣として十分考えていただかなければならぬ。私は、少なくともそういった地域的な同一産業内における大きな差を持ち、いろいろな点でくわしく申しましたら四つも五つもの格差を持って、その地方的な一つの貧困状態に陥っているようなところをおっぽらかしておるようじゃ、これは問題にならないと思う。その点を大蔵大臣にお伺いしているのであります。その点はどうなんです。私の申し上げていることは無理なんですか。これは長いこと私は一貫して主張しているのであります。労働力と生産が逆比例しているんです。労働力をかければかけるほど、そういう場所に限って生産が落ちているのだ、所得が落ちているのだ、こういうことなんです。これだけは御承認できますか。
#10
○説明員(泉美之松君) 清澤委員のおっしゃいます、事業を営む場合の事業主自身及びその家族のいわゆる自家労賃を所得税の課税にあたりまして経費として認めるかどうかという点につきましては、いろいろ問題があるわけでございます。ただ、わが国の現状におきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたように、家族従業員に対して給与を支払うという慣行も一般的にはございませんし、そういう点からいたしまして、その自家労賃を経費として見ないで、自家労賃がすなわち事業主の所得になるという形をとっておるわけでございます。これが社会がだんだん変わって参りまして、家族従業員に対する給与の支払いが一般的に慣行になるといったような場合におきましては、それに対する課税につきましてもやはり考慮しなければならないような面が出て参るかと思いますが、現在におきましてはそういうふうになっておるわけでございます。
 なお、所得の格差が各地方にある。お話のように、労力をかければかけるほど、かえって所得が少なくなるという事情はあります。しかし、所得税はその生じた所得に対して課税するわけでございます。従って、自家労賃として評価して課税するというわけではございませんので、そこで所得税としてはその担税力に応じた課税ができるということになるものと考えておるわけであります。
#11
○清澤俊英君 時間がもう過ぎておりますから、なるべく簡単に申しますが、どうもあなた方のおっしゃることはしゃくし定木過ぎる。今までは、質問しますと、大体家族労働という労働力を計算することがむずかしい、こうお答えになっている。それがために引くことができなかった。それはひとり農業だけじゃないのだ。ほかの産業におきましても、家内工業をやっているような人たちの労働力は引かないでいるのだ。従って、それに対しては勤労所得税はかけていないのだ。――こういう御説明を私は承っている。ところが、米の価格をきめます、米価決定の際などには、ちゃんと大体の標準をつけて労働力というものを計算されて、そうして一級から十級までの段階をつけて生産費を計算しておられるのです。だから、何も詳しいところまで出さないでも、やる気があれば、こういう労働力を引いた公正な所得が出せるのだ。出さないところにおかしさがあると言うのです。
 だから、今青色申告から白色申告に移りました際に、農業関係者の受け取っていることは、これは少なくとも国がいわゆる必要経費として労働力を見たのだろうというふうに受け取っているのです。ようやく一歩前進だと言っている。そうしてみるならば、何ゆえに地方税においてもこれを考えられないのか。地方税も同じ形で残っている。非常に不利な場所は、力がないのに、ない所ほど大きな資源がありませんから、その場所は無理な固定資産税の評価をせられるという形になって、弱い者がだんだん弱る形じゃないかと思う。大蔵大臣は、少なくとも国の公平な政治にあずかって、税制のことを中心的に考えられるのがあなたのお役目だと思います。本来ならば、これは、総理大臣に出て来てもらって答弁してもらいたいが、そんな大ぎょうなことは言わなくてもわかると思うから、大臣に言うのです。弱い者ほど強いものがかかるというばかなことはないでしょう。固定資産税につきましても、あなたの御説明からいうとそうなるのだ。地方のことは地方でまかなうために何するのだ。――確かにそういう形は出ております。それでは、今一生懸命出されている農業基本法であるとか何とかといって騒いでいることが、何ら役に立たないのじゃないか。もう少しそれらの点は大臣から考えてもらわなければならないということなんです。
 私はその御答弁をお願いすると同時に、そういう立場に立って一つお伺いしたいことは、今新潟県におきましては、東京などでは梅の花が終わりまして、もう十何日もたつと桜の花が咲きますが、われわれの所に行きますと、まだ六尺の雪が積もっております。そうして雪解けになると、なだれが来る、土砂崩壊が来る、水害が目の前に見えている、農耕期はおくれる、散土消雪をどうやるか、苗しろの手当をどうするか苦しんでおります。これがもう常例であります。こういう後進地帯に対しまして、大体どういうことをもって、何というのですか、人間の生活の権衡を保たせ、公平なる国の政治をしく、こういうことにするのでしょうか。私は、少なくともこのたびの鉄道が四日も五日もとまって、ほとんど鉄道がとまることは産業の動脈がとまったことです。今日鉄道は開通しておりますが、天坊さんここにおられますが、鉄道は開通しておりますが、肥料の完全配付に対しましては、まだ一大障害を来たしております。国道やあるいは県道は幾らかあいたかしれませんが、駅に着きました肥料というものは、これを村の中に持ってくるのに大騒ぎしております。どこでも倉庫は一ぱいになっている。荷物小屋も一ぱいになっている。肥料の受け取りができないで、農期に間に合わぬという状態になっている。こういう日が約一年のうち半分です。六カ月の間雪にとざされて非常に不利な立場にある地方に対しまする税制等に対しては、どうお考えになっているのか。私は、少なくともこれらに対しては特別な御処置を講じていただかなければ、後進地帯などはこれは伸びっこないと思うのです。これらに対するお考えを明確にお示しを願いたいと思います。
#12
○国務大臣(水田三喜男君) 現行法のこまかい規定については、あとから説明していただきますが、現行法でも、積雪地帯の納税者について、その被害の程度に応じて税の減免ができるようになっておりますし、また雑損控除制度もありますし、さらに納税延期、徴税猶予というような制度もできておりますので、これは現行制度で大体被害があったものに対する措置はできることになっておると思います。
#13
○清澤俊英君 それはとんでもない間違いですから、一つよく調べて下さい。きょうはまあ時間もありませんから、これでやめますが、それはとんでもない間違いです。ただ、雪害のあった場合に、それを政府で何とかするということはあたりまえの話です。して下さるのはあたりまえの話です。雪の中で半年もふさがれて、一切の生活に支障を来たし、工場誘致にも問題を起こし、いろいろな雪というものに対して不利な立場に置かれておる住民全体に対して、これは一体どうなっているのですか。私は全体のことを言うのです。個々の災害のあったとき何とかして下さることは、私も承知しております。半年も雪にふさがれて――あなた、実際雪なんか知らないのじゃないかと思う。大体、日本人には悪いくせがあるのです。雪は豊年のきざしとかなんとかいっているが、あんなものは大体話を聞きますと、支那の南方にあった三才図会か何かにそういうものが書いてあるのだそうですが、そんなものじゃありませんのです。われわれのところは、雪に降られたら大へんなものです。かりに長岡から五里のところだと、五里のところを歩いていかなければならぬ。そういう三百六十五日、半年の間不幸な立場に立っている。それをどうしてくれるのか、こういうことなんです。
#14
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、税の問題としての御質問かと思いましたので、これは現行法で十分対処できるようになっているということを申したのですが、その問題になりますと、税制だけの問題でなくて、そういう積雪地帯に対して国はどういう施策をとるかという別個の施策の問題になろうと思います。
#15
○清澤俊英君 私がお伺いするのはね、このたび新潟県に雪害がありまして、労働者の方から、大体雪おろしであるとか、交通費であるとか、あるいは破損の手当であるとか、いろいろの問題に対して五千円から約一万円くらいの請求を、何とか手当をしてもらいたい、こういうので、官公労の方で一応出しました。ところが、官公労としては何とかできるかもしれないけれども、工場問題としては、たくさんの工場、民間企業者との関係においては、これはなかなか、一つ一つ別ですから、だめだ。だから、現在においてもある工場は二枚も出す、ある工場は三千円も出す、何にも出さぬところもずい分ある、こういうようなちぐはぐな問題が出ておる。そこで、われわれは考えますとき、官公労の今日少なくとも薪炭手当のようなものがある。薪炭手当のようなもので一応そういう現実は認められておるのだ。ところが、官公労以外の一般の人たちのその労苦というものは何ら認められていない。だから、これらのものを解決するにはどうしたらいいだろうというようなことから、よくよくせんじ詰めてみれば、税金かなどで措置して、今大臣が言われるような特別な方法を考え出す、こういう二つの方法しか私はないのじゃないか。つっかけの問題としては、税金を特別な措置をもって、積雪通常何メーター以上の地方に対してはこういう税額の控除をやる、これは一般です。こういうような方法が考えられることが一番先の問題じゃないか、こういうことになっておるのです。こういう点に対して、大臣は、当然そういう地帯に対する一般的の問題として、特別な機関を設けて考えろ、これはあたりまえと言われるが、そういう機関をお作りになる御意思があるかどうか。今言われたように、こういう特別の地帯に対することを一応考えてみる、特別の機関を作るべくお働きになる考えがあるのか、そういう点考えがあるのかないのか。これをやるには一番初め税金で措置することが一番楽じゃないかと思いますので、従いまして、税金等について御考慮があるのかないのか。この二点だけお伺いして、私は質問をやめます。
#16
○国務大臣(水田三喜男君) その問題はもう閣議にも出ておりまして、積雪の被害が非常に大きいということと、またこれが雪解け期になって一度に水が出てくることも考えられますので、そういうまた災害ということも考えなければならぬ。政府各省間でこの対策に当たるための協議会か何かを持とうということは閣議できまっておりますので、この問題の対策は私ども立てるつもりでございます。
#17
○清澤俊英君 まだいろいろありますけれども、これで質問終わります。
#18
○天坊裕彦君 二、三お尋ねしたいと思います。今、清澤さんから、相変わらずの鉄道屋扱いされましたので、まず鉄道の問題一つだけお伺いしたいと思います。
 せんだっての本会議で運賃法が審議されましたときに、中村順造君の質問に対しまして、鉄道の預託金の問題であります。この質問に対しまして、運輸大臣は非常に木で鼻をくくったような話の御答弁がありましたが、大蔵大臣は非常にその問題を重視して、何かいい方法があれば考えてみるというような御答弁であったと思うわけです。十分その問題の本体を御承知の上でお答えのあったことだと思うのでありますが、そういうお気持の変わらぬうちにもう少しこまかくお伺いしておいた方がいいかと、こういうように考えたわけでございます。
 結局、御承知のように、電電公社なり国鉄の収入金というものが国庫に預託する義務があるということで、毎日大体十二、三億くらいでありましょう、十二、三億くらいの金が入りますと、これを直ぐ国庫に入れるわけであります。ただ、まあ便宜上の問題として、七日間くらいは市中銀行を通って送ってもいいということでありますが、それからあとはみな国庫預託金としての扱いで、これがまず四十億たまるまでは全然利子がつかない。四十億こうしてから、あとの分についてまあ八厘くらい利子がつく、こういう制度になっているわけであります。それで、一年間平均――もちろん、いろいろ支払いのためにある程度の金の預金が要することは当然でありますけれども、大体年間通じて残高がどうなっているかといいますと、大体預託金が三十四年に百五十億くらい一月平均ある。それがとにかく八厘ですか、四十億をこえた部分について八厘の利子があるだけだというようなことであります。そのほか、まあ二、三十億――三十億ばかりが、市中銀行で日本銀行へ行くまでの間にやはり七厘の利子で、三十億くらい、大体毎月それくらいある。毎日あるということであります。この問題、利子が安いとか高いとか、もう少し市中銀行その他に預ければ、運用を自分ですれば、利子がふえるという問題も一つありますけれども、私は、この問題は、一番大きな大事なことは、いろいろ国鉄の合理化の問題が言われておりますけれども、収入金なり、その金に対する企業的な精神をどう持つかという根本の問題として、一番大事なところではないか、こう考えるのでありまして、とにかく何かこれの運用についてもう少し自主性が認められるというふうにしていただけたら、いろいろな小さい合理化の問題でも、根本的に私は国鉄自身がみな関心がそういうふうになってくるのではないか、こう思うのでありますが、この問題に対して大臣のお考えを承りたい。
#19
○国務大臣(水田三喜男君) これは、この間も申しましたように、国庫預託金制度――まあ国鉄が資本金に直したらどのくらいになりますか、一兆一千億円くらいの全額政府出資の法人でありますし、その予算も国会の承認を得るというような特別の性格に基づいて、従来からやられた方法でございますし、そのかわり、損金が生じたという場合には、国の余裕金を同じ利子で使えるというふうな便宜も与えられているというところから、まあ今の制度は大体私は当然じゃないかと思っておりますが、しかし、最近、今おっしゃられたような、もう少し何らかの改善が加えられないかという問題は、国鉄からもございますし、電電公社からもあるという状態でございますので、これはやはり三公社そのほかの政府機関と全体をにらみ合わせた改善をしなければなりませんので、そう簡単にはいかないことでございますが、何らかの改善を加えたいというので、今私ども検討をやっている最中でございます。
#20
○天坊裕彦君 もちろん、今の制度が、お話にございました通り、片方で便宜な点も非常に得ているということも事実でございます。しかし、最近の実績を見ますと、ずっととにかく百億以上あるということが多いようでございます。また、電電公社などは非常にまだ国鉄よりももっと成績がいいわけですから、おそらく二百億をこしてきているのではないかというふうに考えられますので、しかも、いろいろ企業体としての経営の意識の問題が論議されているときでありますから、もちろん鉄道だけでどうするという問題でなくて、三公社一緒に何らかの自主性を得られるように、一つ今お話の通り御検討下さいまして、実施できますようにぜひお願いしたいと思います。いろいろほかの公庫その他もありますけれども、いろいろなやり方、自分の金の運営についての自主性がいろいろ差があるようであります。一番まあ窮屈なワクの中に入っているのじゃないかと思いますので、ぜひ一つお考えを願いたいと思います。
 次に、道路財源のことから少しお伺いしたいと思うのでありますが、その前に、昨年の予算の編成のときに、一方で非常に道路の整備を急速にやりたいということで、二兆三千億程度の予算をどうしても盛り込んでほしいという要望があって、それに対して大蔵省は最後まで一兆九千億、まあ五カ年計画で一兆九千億程度でいいというようなことで、だいぶ論議が戦わされたように伺っているわけであります。ところで、最後に、まん中をとったような格好で、二兆一千億ということになったのでありますが、大蔵省がその当時一兆九千億でいいといって最後まで主張しておられた理由を、一つ伺いたいと思うわけであります。
 まあ私の想像では、一兆九千億程度であるならば、その財源としてガソリン税を必ずしも上げなくてもいい、やっていけるぎりぎりの線じゃないかというようなことが一つの理由。それからもう一つは、道路の今までの旧五カ年計画による工事の進捗状態というようなものをにらんでみて、なかなか三年、四年たってみても、必ずしも十分に進捗しているとも言えない。せんだって道路整備計画の進捗状況の参考資料をいただいておりますが、それらを見ましても、五〇%前後というようなことで、急激に大きくふやしても、必ずしもそれについていけないのじゃないかというようなお考えがあったのではないかと、こう思うのでありますが、その辺の事情を少しお差しつかえなければお話し願いたい。
#21
○国務大臣(水田三喜男君) 私どもの案は、一兆九千億ではなくて一兆八千億でございました。と申しますのは、やはり日本の財政力を考えた案でなければむずかしい問題でございますので、その場合に一番先に問題になったのは地方の単独事業でございますが、五カ年間で三千五百億ぐらいが、やはり地方財政の実情から見てそこらがいいところではないかという問題と、それから有料道路の問題ですが、有料道路は、私どもの計算でいきますと、今度は四千五百億円ということになりましたが、五カ年で四千五百億円ということは一カ年で九百億円、これは政府も持つのですが、大部分民間の資金によるということでございますと、電力債の消化の状況とか、こういういろいろなものから見まして、今道路債を一年にそれだけ消化させることがどういう影響を与えるかというような問題を見ますと、五カ年間のワクとしましてはやはり四千億前後が限度じゃないかというような、そういうもっぱら財政的な立場を考えて、それとの均衡で見ますというと、全体として一兆八千億ぐらいが、もしガソリン税を増徴しないということであるならば、この辺が一番適当だろう、そうして国も一般会計においておそらく約四百億円近いものを負担するということで、一兆八千億計画は成り立つというのが私どもの考え方でございましたが、御承知のような状態で、交通に対する施策はもう急を要する現状でございますので、もう少し大きい五カ年計画であるべきだということになりまして、二兆一千億円、その財源は結局ガソリン税の増徴によってする、それから国も八百何十億、約九百億円近い会計の負担を考えるということで、一般道路事業の方を大きくそれによって拡張したわけでございますが、この措置によって地方財政の方が急に変わるものではございませんので、一兆八千億程度の予算から、計画から見ますというと、それほど単独事業の金額は、計画は動いていない。それから、公団の事業、有料道路事業も、当初の線の一兆八千億計画よりは大きくはなりましたが、これもそう大きく、今のような事情がございますので、結局、一番やはり必要な問題は一般道路でありますから、この事業の増大というものをガソリン税の増徴によってやるという計画に変わったというのが、当初の計画から今度の計画に来たいきさつでございます。
#22
○天坊裕彦君 非常に詳細に伺いまして……。ただ、そこで、問題の一つとして、道路を急速に整備する必要がある、ことに成長経済の基盤として道路が一番隘路になることであるので、急速にやるということは私も賛成なのでありまして、これは今のお話、いろいろ議論はございますけれども、二兆をこした金でこれくらいをやるということは私も賛成であります。
 ところが、道路費がふえれば、すぐ財源をガソリン税に持っていくというのが、一つやはり問題があろうかと思うのであります。総理大臣も、この問題についての御説明で、道路整備の金が多くなったから当然ガソリン税の増収にいったと、目的税だからという、非常に簡単な理由を言っておられるのでありますが、御承知のように、道路整備の金が非常に出なくて、一方ガソリン税みたいなものが、少なくとも道路の受益者が出すようなそういう金が相当あるにもかかわらず、ガソリン税の多寡までも――道路整備の費用が出ないことがあるということで、少なくもガソリン税分だけは当然出そうじゃないか、それにプラス一般財源から出すという建前でできておると考えるのであります。それ以外に、目的税だから、要るだけそっちの方から出すという建前の根拠は私は見当たらないと思う。しかし、今お話しのように、政府から、一般会計から出す金というのは非常に今まで少なかった。今度も、これは大蔵大臣非常な御努力で百億に上がったというふうに聞いておりますけれども、しかし、それにしても、そのバランスは非常に少ないので、やるとすれば必ずガソリン税は上げなければならないという建前はどうした理由から出てくるのかということが、一つ問題であろうと思うのです。
 それから、有料道路の問題が出ました。有料道路の問題について、私一つだけお聞きしておきたいのですが、今道路整備を含めて、どこもここも道路をよくしなければならない、これは当然であります。しかし、その内容は私は二つあると思うので、一つは、各都市から都市への地方の道路を今まで通りの計画で進めていくということと、同時に、都市周辺の車が全然動かないという問題の解決ということが非常に大事な問題だと思うのであります。何とかして、少しでも車がもう少し動くような格好にしなければならぬ。その問題は、今までどうも忘られておったやつが、道路整備という問題にからんで、だれもその都市周辺の道路がよくなるんだという気持に巻き込まれて、道路がよくなるなら、ガソリン税を出すのはしようがないという気持も相当ある。ところが、実際都市周辺の道路があれだけでどれだけよくなるかという問題でありますが、それにからんで、一体この東京なら東京の一番大事な高速度道路と称せられるものをこしらえるというのに、これは四号線とか二号線とかいうことが計画されておりますが、あれをどうして有料道路にしなければいかぬのか。非常にりっぱないい道路ができて、その上を走るのに、金を出す車でなければ通さぬというような格好にするのは、非常に私はおかしいと思うのです。それは道路公団でやっている地方の道路について、ある程度、なかなか一般の道路財源からできる道じゃひまがかかるというようなものについて、道路公団でおやりになる道ができるというものは有料道路であっても、これは私はある程度是認できると思うのでありますが、東京のまん中で、一番いい所へ道をこしらえるというものが有料道路でやられるというのは、私はどうもわからぬ。もちろん、建設を急ぐというようなことで、あるいは競争意識を起こして早くこしらえさせる、いい道路をよくこしらえさせるというような意味で、別に公団を作ってこらえさせるということならば、これは意味があると思うのでありますが、でき上ったものを、東京のまん中の一番いい所でこしらえる道路が有料でやらなければならぬということは、どうも私はわかりかねる。特に資金がどうしても出ないというようなときに、ああいう道路公団で一般からの金も集めてやる。全体として道路を早く整備しようという建前で考えられたのであろうと思うのでありますが、その理由はあるとしても、緊急を要して東京都の中でやる道路についてならば、あれだけの規模に、大きく全体の道路整備予算のワクが広がってくれば、何をおいてもそこに使わるべきだというように考えるのでありまして、東京都内等の有料道路というものはなぜ有料にするのだかという点を私はいささか疑問にするのでありますが、その点について御説明願いたいと思うのであります。
 それから、今の問題にからんで、大臣は道路公債にからむ問題の一応の答えの線もお出しになったような感じもするわけでありますが、やはり私は、ああいう公団で、その上を通る自動車の通行料金というようなもので裏打ちをしていくのともう少し違って、道路公債でこれからだんだんふえていくガソリン税収入というものを裏づけにしてやっていくものと、私は基礎において若干違うのじゃないかという気もいたしますけれども。それから、まあことしは今のお話のように、大きなワクで道路公団債でもなかなか困難な状況なので、それ以上にふえた公債は考えられなかったと、こうおっしゃっておるわけでありますが、しかし、しからば逆にいって、どういう条件になれば公債発行が可能になるかというような点もあわせて、一つ御意見を伺えれば伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(水田三喜男君) 東京都内の都市計画路線、たとえば環状線とかいうような都市計画路線は、もちろん一般道路として整備いたしますが、そうでなくして、それ以外特別の交通道路というようなものを計画してやらなければ、今の財政事情ではとても現状に対処することはできないという考えから、一方のそういう、今おっしゃられたようなものを特別道路として有料道路にしたと思いますが、じゃ、有料道路でやるとしたらどの地点がいいかと申しましたら、結局やはりすぐにペイする所が一番的確だろうということになりますので、従って、都市周辺についての特別の道路についてはこういう組織でやるということになったのだと思います。大体こういう道路のような公共的なものをその都市の税金だけでやるべきかどうかということについては、私ども非常にいろいろ議論がございまして、これも一つの問題であろうと思いますが、しかし、現行はそうじゃなくて、たとえばガソリン税ならガソリン税を一般会計に入れて、これを各種の国費に使うというのではなくて、今後どんどんふえるこの税金というものを目的税にして、これによって道路の整備をはかるのだという建前をとっております以上は、ほんとうはもう一般会計からこの特別会計に金を入れることも予算の編成上は一つの問題があるというくらいでございますので、ましてや一般会計からの公債によってどうこうという問題はむずかしい問題になりますので、従って、前の政府においてもその点の勘案とかいろいろな工夫が行なわれて、一般道路としてやるものと、そうじゃなくて、道路公債を出して民間の資金によってやる部門というものをあわせて、この道路計画を遂行するのがいいということになって、道路公団とか高速度営団とか、いろいろなものができるようになったのでございますから、そのいきさつから見ましても、東京都の周辺の道路なんというものは、特別道路はやはり公団が扱って有料道路として急速な整備をはかるということは、私は妥当な策じゃないかと思っております。
#24
○天坊裕彦君 まあ有料道路の話は、すぐ今、そういう建前で発足したばかりでありまして、これに水をさすような言い方で、すぐどうということはどうかと思うわけであります。しかし、東京都の道路整備という問題は全く緊急を要するんでありまして、またあらゆる手を用いるということは必要だと思いますが、でき上がった道をとにかく有料道路にして、その金を払える車だけは楽に走れる、払えない車はもとの線に戻ってよけい混んでくるというおそれは多分にあるわけでありまして、その点は今後研究問題であろうと思うわけであります。
 今、道路の一般公債によれないという問題についてもお話がございましたが、先ほど大臣御自分でおっしゃいましたが、とにかく、今まで道路整備を怠っておった分も、今までの分の取り返しも、それから将来の受益者の利益というものも、それを全部ひっくるめて、今の目先の受益者にかぶせてしまうという行き方につきましては、やはり私はこれに限度があると思う。そうした点から、やはり公債の問題は、これは大臣も特にそういう考えをお持ちになっておられる方だというふうに伺っておるわけでありますが、もう少し私はこれは突っ込んでお聞きしたい問題もありますけれども、将来の問題として私はやはり限度があって、道路整備が日本として当然必要になってくる、もう少しのワクはとにかく公債で広げていくという面を持ってもいいのじゃないかというふうに思うわけであります。
 そこで、これは大蔵大臣に申し上げる問題じゃなくて、むしろ建設大臣とか、いろいろな方と一緒に伺わなければいけない問題だと思う。特にいろいろ申し上げたいことはあるのですが、一つだけ、これもやはり大蔵大臣への質問じゃもちろんないんですけれども、踏み切りの問題、これは大蔵大臣にしりを押してもらわなければできないと思うのですが、建設大臣、運輸大臣も、どっちも若干の気があるけれども、この踏み切りについては、おれのところは七割しか出せない、うちの方は三割しか出さない、鉄道で六割、建設省では四割しか出さない。それにもう一つ加えて、府県道については自治省関係の金がどうしているというような問題で、みなにらみ合ったままで一つも進んでおらない。おそらく踏み切り施設について鉄道などで使っております金は、一年に五億くらいのものじゃないかと思う。そういうことでは、とても今の踏み切りはよくならない。そこで私は、こういう大きな予算が出たときに、これももちろん当てがある話でありましょうけれども、建設省なら建設省で、運輸省のワクなら運輸省のワクで、五百億なら五百億というものを取る。国鉄の方は国鉄の方で、運賃が上がったチャンスに百億なり二百億というものを出す。これを一緒にして、一人の人が見て必要な踏み切りを順次片っ端から解決していくという、こういうシステムを考えたら、私は解決がある程度促進されるのじゃないか。今のままほっておいたら、みんな踏み切りをやらなければいかぬと言いながら、これはできやしません。そこで、建設大臣、運輸大臣のしり押しをして、何とか動かすには大蔵大臣が一番いいと思うのですが、何かそういう問題については一つしり押しをしていただくわけには参らぬでしょうか。
#25
○国務大臣(水田三喜男君) そういう問題がほんとうに進まない実情でしたら、これは政府としても何らかの対策を立てなければならぬ問題だと思います。大蔵省が出ることが一番いいことでしたら、いつでも出ます。
#26
○天坊裕彦君 進まない実情であることは間違いありません。これはもう見て下さればすぐわかります。しかし、大蔵大臣が出ていくというのが最後の案で、最善の案かどうかということになりますと、私もよくわかりませんが、いずれにいたしましても、金の元締めである大蔵省でそういうことを推し進められれば、今のままほっといて、かけ声だけでしておるより、促進されることは間違いがない。ぜひ一つお骨折りを願いたい。
#27
○国務大臣(水田三喜男君) 実は、内閣の中に交通対策の協議会もできておる現状でございますから、ここの議題として私の方から出します。
#28
○天坊裕彦君 ありがとうございました。とにかく、これは両方の金を一手に握った人が一つ一つ解決しなければ、一つ一つの踏み切りをやられていたのでは、おれのところは四割しか出さぬ、おれのところは六割しか出さぬということでけんかをしていたのでは、いけない。これは実際問題、そうしていただければ解決できると思います。
 今のように、何でも大蔵大臣積極的にしり押しをして下さるようでありますので、道路工事、とにかく道路の整備に対してガソリン税を納める連中の不満を御理解願いたいと思うのであります。とにかく、道路の整備計画あるいは進捗計画の参考資料をいただきましても、結局、一級国道の何%でき上がったというような、見ても何にもわからない。結局、東京から青森に行く道がかりにあるとすれば、宇都宮の周辺が少しでき上がった、福島の周辺が少しでき上がった、これを寄せ集めて何%でき上がったというだけで、とにかく五〇%できたとしても、ずっとまっすぐに五〇%走れるものじゃない。これを何とかもう少し集中的に、一つの道路として完全にでき上がるというようなところまで持っていくようなやり方ができないものかどうかと私どもは考えるわけです。道路のそういう建設の仕方、それから工事の仕方、こういうものにみなが非常に能率的に合理的によくやっておるというふうに思えば、そうしてその道路ができ上がってくれば、道路税を払う、ガソリン税を払う連中も、目に見えてよくなったということで、私は、道路整備に協力することを惜しまないと思います。ところが、実際の道路工事のやり方というものは、道を妨害するばかりで、でき上がったと思うと、一年たったらその上をまた掘り返しておる、こういうのが実情であります。私は、いろいろな土建屋さんのいるところで、とにかく神宮のうちと神宮の外苑と宮城の皇居の前の道は、大正年間にできたのですが、とにかく目に見えて大きな掘り返しをやっておるのを見たことがない。とにかく、それでできた。ある程度金をかければできる。今の道路のやり方は、とにかく単価を安くして、あっちこっちみなこしらえておるのですから、一年たつと引っくり返さなければならぬ。そうすると、新しくでき上がったばかりの道をまたあとから掘り返すということは、費用の点でむだであるばかりでなく、道路妨害が二年も三年も続く。こういうやり方では非常に困るのです。そういう点に対する指導その他をうまくやる工夫を、大蔵省は非常にそういう点、頭のいい方がそろっていらっしゃるでしょうから、ぜひ何かやっていただきたいと思います。
 同時に、たとえば道路の掘り返しで、各関係の部門のセクショナリズムで、いろいろ二重、三重にやっておることも、事実、言われておる通りであります。協力をするという話もなかなかできない。それから、道路妨害をしないということで、前の建設大臣なんかも、とにかく修繕工事は夜やらせますという話だったけれども、夜なんか一つもやっていない。昼やっておる現状です。道路妨害をやりながらやっておるのが現状です。道路工事の効率化ということは、これは経費の上でも非常に大事な問題が出てくるわけでありますから、その意味では非常に関連があるわけであります。そうした点のしり押しをぜひともしていただきたい、効率化をはかっていただきたいということを希望いたしますが、その点について大臣の御意見を一つ伺いたい。
#29
○国務大臣(水田三喜男君) その点全く同感でございます。
#30
○永末英一君 私は、この二法案に関連して、政府の考えておる財政投融資の基本的な考え方についてただしておきたいと思います。
 昭和二十六年に財政投融資制度が新しい形でできましてから、最初は主として金融的な役割を持っておったと思うんです。ところが、最近では、いわば一般会計、普通の予算のうちででき得ないものを、いろいろな政府関係機関や、あるいはまた類似の機関等を新設をして、そしていわば財政投融資の中で一般会計でやらなくちゃならぬようなことをやっておるようなことになってきたのではないか。で、租税ではないのに、仕事の内容としてはそうなってきておる。しかも、昨年度ぐらいから、ここにあります輸出入銀行というようなものを媒介機関としながら、資本輸出ということをまた財政投融資の中でやっていこうとしておるのではないかと思われるわけです。一方、政府は所得倍増計画というようなものを出しましたが、まあ池田総理の言うところによりますと、計画ではなくて構想である。構想が妄想や空想になっては困るのでありますけれども、たとえ構想であっても、それが計画であるとするならば、特にその計画の中ですでに発表されたものの中には、政府が行なう行政投資の飛躍的な発展なんというようなことをいっております。これから今後、この財政投融資に対して非常に大きな重点がかかってくるのではないかと思われます。しかるに、財政投融資のそれらの内容の変化にかかわらず、政府はこれに対する基本的な見解を明らかにしたことはないと思うんです。そこで、この機会に、政府が一体現在の時点に立ってこれから財政投融資をどういうような方向に使おうとしていくかということを、一つ明らかにしていただきたい。
#31
○国務大臣(水田三喜男君) 財政投融資の意義というものは、終戦後から今日までだんだんにもう変わってきております。特に日本の経済再建というようなものが急務とされていましたときには、やはり何といっても基幹産業を立て直さなければ日本の経済全体が復興しないという問題もございますので、そういう点への融資に意味を持たせた時代もございますが、今では変わって参りましたし、従って、ここでできるだけ、民間の企業というようなものはもう民間の資金でまかなわせるという方向をはっきり立てて、そして国の財政資金というものはもっぱら公共的な性格を持ったものにこれを投融資するという方針を、もうすでに何年か前から立てておりますが、今度もそういう方向を明確にして、そして一面、その資金の原資がいろいろ零細な資金として国民から拠出される現状でございますので、この拠出者の意図も十分に考えまして、国全体の財政資金がどういうふうに使われているかという使途を明瞭にするという必要がございますので、今度この使途別の分類というものを置いて、どこにどう使われているかということを明瞭にするということを法律できめることにいたしましたが、それによって、まず使途をはっきりすることと、今度はどういうところに重点を置くかという問題は、あとからもし必要なら事務の方から御説明いたさせますが、直接国民の生活に関係のあるもの、それから同じく関係がある産業の基盤の整備のため、それからさらに地方開発とかその他のやはり国に関係のあるものへの投融資になるたけ限定するような方向へ持っていくという方向で、今後の運営をやりたいと考えておるわけでございます。
#32
○永末英一君 財政投融資がだんだん一般会計の内容とその使い方が重複してくるということになりますと、一般会計では、予算でございますから、いわゆる民主的な予算としては、それぞその原則をやはりかたく守ってやっておられる。たとえば、公開の原則、統一性の原則、限定性の原則等は、議会でも守り、そしてまた大蔵当局もこれを守ってやっていっているわけです。ところが、この財政投融資につきましては、実際の使い方が非常に似てきておるにかかわらずいわばそれらの原則とは無関係に運用されているというふうに思います。今ちょうどおっしゃったように、使途を法定していくということは、たとえばそれらの原則を今のままでは充足していないというための一つのまあ解消の方法であろうかと思いますので、従って、今後財政投融資を運用していかれるについて、今使途は法定すると言われましたが、予算で今まで政府が対処しているようないろいろなやり方とからみ合わせて、一体、何か特にこれから重要度を加える財政投融資部分の運用についてこれらの点を配慮せられることを考えておられるかどうか。
 たとえば、資金運用審議会等におきましても、これは議会の予算委員会のごとき役割をしていかなくちゃならぬにかかわらず、たとえば議会というのはいわば税金を納めている払い手の方がこれは入っているのであって、非常に厳密、精細に検討を加える。ところが、運用審議会には、その資金を出している、資金運用部資金を出している者や、あるいはこれから国民年金を支出する者、あるいは簡保に契約をしている者というような人々の意見というものが、これは全然入ってこない。こういうような運用の仕方にも私は考える余地があるのではないかと思います。
 また、いろいろなところに少しずつ出資をしたり、あるいは金をくれてやったり、しかも、それぞれの各省にわたるいろいろな機関がございますから、大蔵省としては直接に監督ができない。こういうような考え方でやっていけば、統一性もまたこれは一つも保たれない。さらにまた、途中で使途を勝手に変更するということも悪いとはされていないので、たとえば支出未済額の繰り越しというような制度を作って、勝手にやっている。予算では単年度主義がとられているけれども、財政投融資ではこれらの点は無視して運用されておって、何ら別にだれも不思議がらない。
 こういうようなやり方が続いていっておるのに、財政投融資の持つ比重は非常に大きくなってきておる。もし拠出制の国民年金がどんどん軌道に乗ってくるとしますと、われわれはまだ軌道に乗らすべきではないと考えますけれども、非常に多額の金がここへ入ってくる。こういう点について、この財政投融資を使っていく運用について、何らか新しい、予算と同様であるとは申しませんが、予算に対して政府が配慮していると同じような程度の配慮を加えていかなければ、国民はこの財政投融資の使い方、運用について非常に不安に思うと考えるので、この点についてお考えがあれば伺いたい。
#33
○国務大臣(水田三喜男君) 非常にごもっともな御意見でございまして、私どももこの問題は今後慎重に考えなければならぬ問題だと思っております。御承知のように、予算は、政府案として決定されるときに閣議にかかって、これは当然閣議が決定いたしますが、財政投融資計画というものは、その付属資料と申しますか、つけては出しますが、別にとれについての閣議決定を必要とするという扱いには今はなっておりません。で、そういう扱いがいいかどうかということも問題でございます。と申しますのは、結局予算が本体であって、従来はこの財政投融資はこれと別個にいろいろ計画された問題であったための結果とは思いますが、そうでなくて、今後やはり国の予算と財政投融資というものは相当一体的な考えを持って編成をする必要が私はあると思います。そうしますというと、これを一体に考えるというようなことにいたしますというと、順序としてはあるいは財政投融資の計画をきめる方が先にならなけりゃならぬじゃないかという気がいたします。で、これは政府が勝手にきめることじゃなくて、やはり審議会にこの使途別の諮問をいたすわけでございますから、そこで国の財政資金はこういうところへこういうふうに使ったらいいということがきまったら、それと見合わせて国の予算というものが均衡をとって、施策として投融資部面でどういう施策の強化ができるかというものとにらみ合わせて、必要な予算というものが考えられるというようなことになったら、これは合理的にいくのじゃないかと思いますが、今の予算編成の実情から見ますというと、なかなかこれがむずかしくて、先にまず予算をきめて、そして補完的な意味から財政投融資の配分をするというような結果になっておりますが、これは本来なら、やはり財政資金の使い方というものがきまって、それとにらみ合わせた予算の編成をやって、全体的な施策の均衡をとるというようなことが望ましいのじゃないかと思いますが、技術的問題、従来からのいろんな慣例の問題とからみますので、相当むずかしい問題だと思いますが、今おっしゃるような考慮はどうしても今後私どもしなければならぬ問題だと考えております。
#34
○永末英一君 まあ大臣の御答弁で事の重要性を御認識になっておられるようですから、ぜひそういう計画を立てて一つやっていただきたいと思います。現在でも、たとえば、一体この財政投融資、特に資金運用部に集めるべき金等について、統一運用がいいのか分離運用がいいのかというのが各省間のなわ張り争いのような形で論じられたこともありましたが、問題は、いろいろな出てくる原資が、やってくる先がはっきりしておる。はっきりしておればこそ、それが一体その、いわば保険なら保険、預金者なら預金者、それだけの定められた利率や保険、また還元金等だけで、それらの原資の提供者の利益を守ればいいというのではなくて、それが財政投融資の使い方によっては経済のいろんな変動も起こってくるであろうし、預金の利子だけを返してもらったって物価水準が変わってしまえばこれは何のことかわからないということで、そういう角度からやはり原資の提供をしている者は原資配分のやり方についていろいろ危惧を持っていると思う。それで、そっちの問題は別として、今いろいろ原資配分をやっておられますが、それに何らかの原則を立てておられるかどうか。つまり、国民年金はこういう方面に使う、簡保はこうだ、郵便貯金はこうだ、そういう何らかの原則を立てられて原資配分をやっておられるかどうか、その点伺いたい。
#35
○政府委員(西原直廉君) 今お話しのように、財政投融資の全体の資金を、まあ国といいますか、全体の目的に合うように配分するというのが一番重要なことだと思います。私どもといたしましては、原資として一体どのくらい見込めるかというのを全体的に総合いたしまして、それをただいま大臣からお話ございましたように、どういうところに大体重点を置くべきかというようなことを考えて配分するのであります。その場合、ただ今度いろいろ問題ございました国民年金とか何かでございますが、国民年金につきましては、特にそれが国民生活に直接関連のあるもの、あるいは国民生活の安定の基盤になるもの、そういうようなものに重点を置いて使った方がいいというようなあれがございますので、この国民年金あるいは厚生年金、そういう年金勘定に年金の関係から出て参ります資金については、差し出しました使途別分類の中にございますように、そういうところにその資金が充当されると申しますか、実質上運用されるような工夫もそれに加味する、こういうことにしているわけでございます。これ以外に、やはり簡保年金の点について、全体の資金をどういうふうに振り分けるかということになりますと、簡保年金でもやはり簡保の積立金を勧誘するのに便利なようなふうにその資金が使われることが必要だというような面の配慮なんかもございます。郵便貯金なんかにつきましても、同じような希望があるわけでございます。
 そういう点、いろいろ使途別分類なんかに分類いたしますときに、全体の資金をどう使うか、それがどういうようなふうに分類表の中で表わすと申しますか、分類していくのがいいかというときには、それぞれの資金の計画とか資金を預かるときの便宜というようなことも考えて織り込みまして、そういう財政投融資計画を作るわけでございます。
#36
○永末英一君 お答えによりまして、単に定められた原資提供者の利益を守るだけではなくて、やはりその金の使い方についても原資を提供する側の利益を守っていこう、こういう御方針が盛られるということでございますから、適当な機会にわかるような姿でお見せを願いたいと思います。
 ところで、この点に関連して二点ほど伺っておきたいのでありますけれども、この財政投融資でいろいろな出資をされたりしているいろいろの政府機関がございます。その政府機関が、今度は国民に対して融資をする。その融資の利子が一定でない。たとえば、そこにあるようなでっかい大企業に対する利子率は非常に低い。四分とか六分。ところが、零細企業でございますと、あるいは一般の国民でも、零細な金を借る場合には利子率は九分、九分五厘と高い。もし原資提供者の側からすれば、この財政投融資で恩恵を受けるような大企業はちっともこれに対して提供していないにかかわらず、利子において非常な恩恵を受けている。しかも提供している側は、むしろそれよりも高い利率で金を借りているというようなやり方が、一体今おっしゃったような原則に立っているかどうかを伺わざるを得ないと思います。その点についての考え方、あるいはこれを是正していく用意があるならば、お答え願いたい。
#37
○国務大臣(水田三喜男君) それはむしろ逆じゃないかと思っているのですが。たとえば、醵出年金の資金というようなものは有利にやはり運用しなければならぬという意見が出ておりますので、できるだけこれを有利に運営するつもりでおりますが、この年金資金の融資対象というものは、御承知のように、そう高い利子を取れるものではございませんので、この資金だけの運用でしたら、たとえばせいぜい五分何厘しか運用できないということになりますが、これを六分五厘の運用までわれわれは持っていこうとするためには、今度そうでない部門、低利子でなければいけないというのでないほかの部門へのいろいろな、高利子というのではありませんが、もっと高い利率の貸付をやって、その利益の中から持ってきて補給してやるというようなことまで考えているのでございますから、一般のそういう公共的な特に低利融資を要するというような方面には、私どもはそう大きい高い金利の貸付はやっていない。そのほかのところで若干高めの、性質に応じて金利をきめておるというのが実際の実情でございます。
#38
○永末英一君 私の言うているのは、そういうことを申し上げているのではないのであって、先ほど御答弁がございましたように、その使い方についてもやはり原資提供者のいろいろな生活の部門にいろいろな系統を通じて使われてくるとするならばそれは、それとして利益は返ってくるのだと思います。ところが、全体的に財政投融資でそういう作業をやっている中で、たとえばあすこに出てくるような大企業、あれを利用するのは大企業です。その大企業の利子が低くて、今のような零細企業の利子が高いのはどういうことか。私は、あの程度に全部利子率を下げてしまったら、今度は原資提供者の利益が、いわゆる安全性がそこなわれますから、だめになる。だから、そんなことをせいと言っているのじゃないのです。なぜ、財政投融資の資金をお使いになる場合に、利子率にそれだけ格差をつけられるか、しかも大企業には安くせられるか、その点を伺っておる。
#39
○国務大臣(水田三喜男君) 問題は輸銀だと思いますが、輸銀は、これは御承知のように、輸出振興のための実は金融機関で、出資は無利子になっておりますために、できるだけ安い金利が好ましいということで、輸入と輸出の金融は区別して、輸入だけ現行四分ということになっておりますが、これは金利体系の問題から考えてみましても、資金の需要が多くて、輸銀自体の経理の問題から見ましても、また外国の同種の銀行金利から見ましても、これは少し低過ぎると思いますので、今、関係者間でこれは引き上げの方向で検討されている最中でございます。
 そこで、輸出入銀行の貸し先は割合に大きい企業であるということから、大企業の金利が低いと言われておりますが、大企業といっても、実際から見ますというと、たとえば造船金融というようなものは、造船会社が受ける融資は、自分の用に使うのはほとんど三分の一とかいうことで、あとは全部下請その他の中小企業に注文したもの、装備品とか、一括した金融をそこは受けるということで、造船所だけの金融というものではございませんし、輸出に関してはそういう関連のものがたくさんございますので、確かに貸付の対象は大企業になっておりますが、実質は私はあながちそういうふうにはなっていないと思っています。しかし、いずれにしましても、四分というものについては今検討中でございます。
#40
○永末英一君 貸し出す場合の利子率は、やはり公平にやっていただきたい。これは要求しておきます。
 ところで、先ほどやはり集めやすいように運用していくんだというようなお考えがございましたが、郵便貯金の預託者の利子を下げてしまった。郵便貯金にいたしましても、だんだん内容は変わっていると思うのです。昔は、銀行の行かない農村部門というものを対象にしたので、多くの預託者が農村部門から出てきた。このごろは、農業協同組合等の力が入り込んだために、現在の郵便貯金の預託者というものの内容はだいぶ変わっている。むしろ一般勤労者の零細な貯金、あるいはまたその勤労者の家庭の主婦のへそくり、あるいはまた学校等で、貯蓄は国の力だなんというようなPRをやって、いわば強制的に学校貯金等をさせておる。そうして零細な金をかき集めておきながら、郵便貯金預託者の利子を下げるということは、何かうしろからだまし討ちをしているような感じを受けますが、一体、大蔵大臣、あんなことでいいのですか。
#41
○国務大臣(水田三喜男君) これは日本の金利水準を下げるということの一環としてやることでございまして、金融機関の貸し出し金利を下げる、それに応じて預託金利も下げるという政策を今政府は考えておりますので、ひとり郵便貯金だけではございません。銀行預金から、たとえば公社債の利子から、全般的に均衡をとって私どもは下げようと考えておりますので、均衡のとれた形でこの預金の金利が全部解決しますれば、決してこれは郵便貯金の預金者だけを優遇しなかったという問題ではございませんので、これは全部均衡をとってやるつもりでございます。
#42
○永末英一君 これで最後にしておきますが、全般的な高金利を引き下げることは、これから貿易・為替の自由化を行なって国際ベースで日本の経済をやっていかなくちゃならぬときに、日本経済としてやらなくちゃならない大きな仕事だと思う。私は、財政投融資で融資をしている先は小さなところも利子率を一定せよというのは、だんだん下げていくべきが至当だと思う。その下げた中で、原資提供者の原資も守っていく、こういうことをお考え願いたいと思う。
 今の問題に局限すれば、全般的なことをやらぬ先に、政府で一方的にやれるいわゆる郵便貯金の利子を下げてみせるなんということは――しかも預託者というものは、小さな、あるいはまた勤労者の世帯でしょう。そういう順序が間違っているということを申し上げているのであって、これからいろいろな手段をとっていかれると思いますけれども、たとえ最後の目標がこうであっても、一方的にできるようなことで、力のない、声のない大衆に一ぺんに響くようなことをやって迷惑をかけてもらいたくない。現に郵便貯金はあんなことをやっておられます。このごろ下がっている。大衆というのは敏感です。しかも、こっちで公社債信託なんということで利回りがよくなれば、郵便貯金はやめちまってあれでも買おうかということになるそういうことで、やはり大蔵大臣が言われたように、全般的な金利引き下げのためにはやはり郵貯の利子も引き下げなくちゃならぬかもわかりませんけれども、順序を誤らないようにやっていただきたい。要望しておきます。
#43
○須藤五郎君 今度の第二次補正予算は財政法違反だということが、これまでもずっと言われてきております。そこで、私はお尋ねしておきますが、財政法第二十九条にいうところの必要避くべからざるという条項に今度の第二次補正予算は合致するかどうかということを、まず伺いたいと思います。
#44
○国務大臣(水田三喜男君) これは、いずれにしましても、私どもは差しつかえないという見解でありましたが、疑義が出されておることは事実でございますので、今後はこの疑義のないようにしたいということで、私どもは今この問題を研究しておりますが、まあ資金というものは、資金の性質上、その年に使ってしまわなくてもいいもので、何年かにわたって使う必要のあるものを国としては持たなければならない、持つ必要があるという場合には、資金を作っていい。しかし、勝手に作らぬで、これは法律で作れということになって、その法律でできた資金というものがあるわけでございますが、その資金に金を繰り入れる必要があるかないかということは、私は法律論じゃなくて、政策論だと思います。今の瞬間に、ここでこの資金に金を繰り入れておかなければ困るという場合には、これは繰り入れてもいいものでございますが、今度の場合――従前にもこういう問題がたくさんございました。例がございますが、今までの場合には、繰り入れても必ずしもすぐに使わなかった。二年、三年にわたって使ったということでございます。だから、来年使う、すぐに使わなくていいものを、必要避くべからざるものかどうかということでございますが、その金を使うことが必要避くべからざるものということでしたら、二年先に使うものは別に必要避くことのできないものということは言えないと思います。しかし、その資金に金を入れておかなければ起こり得るいろんな問題に弾力的に対処できないという事情があって、やはり今入れておかなければ困るというときには、入れて差しつかえないのじゃないかということで私どもは考えて、入れることは別に政策的な観点からやることは差しつかえない。会計法上は差しつかえない。入れる必要があるかないかという問題は、政策論で別だという考えで、過去もそうやっておりましたし、その前例に従って私どもは今回やったわけでございますが、いろいろ疑義がある以上、今後こういうことでやらないで、必要であるかないかは場合によったら国会が判断をする。だから、そのつどもっと別な方法をとるか、あるいはこの会計法自身を疑義のないように改正するか、何か考えろということでございましたので、私どもも考えるということになったわけでございますが、とにかく私どもはそれで法律論としては別に違法をやっているとは思いませんが、そういう疑義が出ておることは事実でございます。
#45
○須藤五郎君 大臣が疑義が生じておるというのは、おれたちは疑義は持たないのだが、ほかに疑義があるからこれから注意をしよう、こういう意味で、大臣自身の中にも疑義が多少生じた、だから今後はそういうことは気をつけてやろう、こういうふうな意味と違うわけですか。大臣自身は全然疑義は感じていないわけですか、どうなんですか。
#46
○国務大臣(水田三喜男君) 法律学者の意見を聞きますと、法理論としてはそれでいいということでございますので、私も法理論としてはいいと思っています。ところが、この種のことは、過去を見ますというと、そのたびごとに一々問題になっているということは好ましいことではございませんので、法理論としてはいいといっても、そういう措置をとることが年中もめるという姿はこれは好ましいことではないと思いますので、だれもが異論のないような措置をとることが正しいと私は思っています。
#47
○須藤五郎君 そうすると、今の言葉の裏には、大臣自身も疑義を感じているのだ。おれは何も疑義を感じない、法的にこれは正しいのだというならば、こういういかがわしい言葉を述べる必要はないと思うのですよ。大臣がこのような疑義があるから、今後は気をつけようということの中には、大臣自身も多少とも疑義を感じた、だからこれからこういうことはやらないようにしよう、こういうように考えているのではないかと私は善意に解釈をしておったわけですが、大臣自身は全然疑義を感じていないのですか、どうですか。
#48
○国務大臣(水田三喜男君) 正直な話をいたしますと、政策的にはこういう資金が必要であり、資金に金を始終繰り入れて枯渇させないということは必要だと思います。現にこの資金はゼロに今までなっておりました。過去に繰り入れたものは三カ年にわたって使用して、この三十五年度の末でこれがゼロになっておる。ですから、これは資金の繰り入れの必要は私はあると思っておりますが、では、必要があるなら、そういう必要性は最初からわかっておることだから、当初予算でなぜ予算編成のときにやらぬかという問題が出ると思います。ところが、これは御承知の通り、なかなかこれを二年、三年にわたって使っていいという資金を当初予算で組むということのむずかしさは、これはもうあなたも大体御想像できると思いますが、これは歴代、こういう必要でありながらこの資金を当初予算に組むということはなかなかむずかしい問題で、従って、必要性はあるのですから、年度末になって、国の優先的な必要経費はまかなわれて、なおそのあとにたとえば自然増というようなものがあって余裕金が出た、余裕があるというときに、それではこの必要性をこれで充足しようというふうにされたのが、大体過去の慣例でございまして、またそうするよりほかに仕方がなかったと思います。ですから、この種の資金の繰り入れということは、やはり年度末になって金の余り方を見てからやるというのが事実通例であったわけでございますが、しかし、その場合に、ですから今、入れておかないと、次に行ったならば当初予算でなかなか入れられないという問題が起こっていることは、予算の編成上しょっちゅうあることでありますので、理屈をつければこれも繰り入れが必要だと、今ここに歳出を立ててこの資金に繰り入れることがやはり、必要避くべからざるものかどうか知りませんが、とにかく必要だということがいえるという解釈で、従来は来たのでございますが、やること自身は悪くないことですが、そういう解釈がどうもいいようでもあるし、少し無理でもあるという疑義が出ていることは確かでございますからこれは今後やはり疑義のないようにしようと私ども一は考えております。
#49
○須藤五郎君 陳弁これ努めておられますが、大蔵大臣も心の中には一抹の不安がやはりある。こういうように私は理解をしまして、もっと話をしたいと思うけれども、時間がおそくなってきているので、(「遠慮はするな」と呼ぶ者あり)遠慮はしないけれども、私はこの話はあとで機会があるだろうと思いますから、話を進めます。
 大臣は覚えていらっしゃるだろうと思いますが、昨年の特別国会で第一次補正予算を組むときに、ここにいる木村委員の質問に、これだけしか財源がないのか、おそらく第二次補正予算を組む腹があるのだろうという質問を木村委員がしたときに、第二次補正予算は組みませんとここで答弁していらっしゃると私は思う。しかるに、それから一月くらいしかたたないうちに、その前言を翻して、第二次補正予算を組むに至った点は、どういう経過でどういう心境の変化からそういうことをされたのか、承っておきたい。
#50
○国務大臣(水田三喜男君) これはあのときに申しましたように、当時財源の見積もりについて不確定要因がたくさんあるという、いろいろな要因にこれこれこれこれのものがあるから、これ以上自然増はないのだとかいうようなことは言えないが、今補正予算を立てるについて確実に見込み得る範囲はこうであると御説明いたしまして、従って、今のところ第二次補正は考えておりませんという御答弁はしたわけでございます。二次補正はいたしませんということを言ったことは、これは速記録を調べていただけばわかるでしょうが、そうは言っておりませんので、その後の様子を見た結果、二次補正を出すということに変わったわけでございますが、当時としましては、確実な財源として見込み得る限度がこの額だということを申したはずでございます。
#51
○須藤五郎君 大臣は最初、今年度の当初予算を組むときに、当初予算の中に百五十億の予算をすでに組み入れておった、ところが、予算のぶんどりによってそれが横の方に取られてしまったので、百五十億を取ることができなかった、で、今度補正予算に三百五十億円組んだ、こういうことが言われているのですが、これは私は非常に行政的な不手ぎわだと思う、これに対して大臣は責任を感じていらっしゃるかどうか。
#52
○国務大臣(水田三喜男君) あまり不手ぎわとは思っていなのですが、今言ったように、確実に見込み得るというものが一次予算のときにつかめなかったのですが大蔵原案を作るときは、一月五日でございますので、この状態は依然として続いておりまして、従って、私どもはまだ自然増の趨勢というものがはっきりつかめないときでございましたから、やはりさっき申しましたような、この資金への繰り入れば必要だ、この必要は厳としてございますので、その必要性を満たすために当初予算においてはこれは少なくとも百五十億円は入れるべきだという原案を作ったわけでございます。ところが、この原案に基づいて各省折衝し、最後に内閣がこれを決定する段階になりますと、期間が非常にずれておりまして、一月の末近くなっているときでございますから、不確定であったものがだんだんに確定的になってきた部分も非常に多く、大体の自然増がこのくらい見込まれるという状態もそのときに並行して出て参りましたので、最後に閣議調整の段階で、その百五十億円は内閣が今やっているいろいろな政策上の必要経費にこれを使って、もし自然増の見込みがつくのなら、その資金への繰り入れば補正によることが適当であるという最終決定になって、当初予算に組んだ百五十億円をあれから削除した、こういうようないきさつになっております。
#53
○須藤五郎君 私たちの側から見ると、ずいぶん不手ぎわだと私は思うわけですが、今回のこの補正予算の使い方を見ておりますと、一見明らかなように、必要避くべからざるものと受け取れない点があります。すなわち、三百五十億を産投に入れて、二百億は三十七年度以後に使うというように、緊急の必要避くべからざるものとは受け取れないと私は思うのです。どうも政府の方針は、余ったからそれを取るときに取っておいて、プールしておいて、将来不足を生じた場合この金を使う、まあ言えば一種の隠し財源を作っておく、こういうふうに私たちはとれるのですが、これははなはだごまかし、いわゆるもっと悪い言葉でいえば、詐欺的な私は行為ではないかと、こういうふうに考えるのですが、大臣はそれに対してどういう見解を持っていらっしゃいますか。
#54
○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたように、三百五十億円資金に繰り入れても、三十五度は百五十億円しか使わぬ、あとの二百億円はそれ以後の年において使われるということは、必要避くべからざることじゃないのじゃないかというふうに言われるのですが、さっき御説明申しましたように、そうじゃなくて、資金へ繰り入れるということが必要だということでやったんだということでございまして、三十七年度以降において二百億円使うことが必要だというふうな法律解釈ではないのだということであります。
#55
○須藤五郎君 そうなると、意見がまた衝突するわけですけれども、避くべからざるということの中には、非常なせっぱ詰まった必要性というものが私は裏づけにあると思うのですよ、避くべからざるということの中には。ところが、それをあなたは、必要避くべからざるというので、緊急性というものを全然あなたの意見は度外視しているように思うのです。私は、避くべからざるということの中には、緊急必要だと、緊急避くべからざるものだと、そういうことで私はあの字句が使われておると思うのです。ところが、今年使わない、三十七年以後に使う金を今取っておこうということは、これは何だか私はふに落ちない、こういうふうに考えるわけです。
#56
○国務大臣(水田三喜男君) そこがいわゆる疑義が出ているというところでございまして、法律の解釈としては、その金をいつ使うかということは、資金の性質上その年に使わない。使うんでしたら、その年の歳出予算で組めばいいのですが、その年だけで使わないで、次年度に及んでも適時弾力的に使う必要があるのだ、そういうものについて資金というものを置くということはできるのですから、資金の性質それ自身はその年に使わないという性質のものでございますから、そこから必要緊急性というようなことをいいましたら、資金というもの自身、もうその性質から見て衝突するものでございますので、そこの会計法の必要欠くべからざるというものは、資金なら資金というものがあるとするなら、その資金に金を繰り入れることが必要かどうかということでございますので、法律の解釈としてはそれでいいと、こういうことになるわけでございますが、そこのところに今言った割り切れないそのような疑義というものが出ておるから、今後そういう点をやはりはっきりすべきだと私ども考えていることでございます。
#57
○須藤五郎君 昨年、木村委員の質問に対して、第二補正を組む気持はないと言われたが、経験の深い大蔵大臣ならば、今年度また第二補正予算を組むだけの財源があるということは、大臣はそのときちゃんと腹づもりをしておったと思うのです。そのくらいの見通しは大蔵大臣は持っておったはずです。ところが、昨年第二補正予算を組む案はないと言って、あれだけの第一補正予算で済ましておいた。その裏には、やはり私は官公労の職員のベースアップの問題があったと思うのです。あのとき人事院が勧告をしておりましたが、人事院の勧告を十分にまかなうだけの私は財源はあったんだろうと思うのです。それをあのような状態に押えるために、第一補正はあの程度に押えて、そしてそのときに木村委員の質問に対して第二補正を組む意思はありませんというようなとぼけた答弁をして、大臣は済まされた。おそらく、私は、大臣の腹の中に人事院勧告を忠実に行なわないためにああいう答弁をされた、こういうことは私は明らかだと思うのでありますが、この点について大臣の答弁をもらいたいと思います。
#58
○国務大臣(水田三喜男君) あのときは、一体民間はどのくらい本年度は賞与を払うのかというような見込みも十分ついていませんでした。それから年末年始の酒そのほかのものの売れ行きがどういう状況になるかというものも確実につかめておりませんでしたし、確定申告というような問題も先の問題でございますし、これを相当のものがあるだろうという予想は持てても、これが見込みが違ったらこれは大へんなものでございますし、そういう不確定要素が幾つも重なっておるとき、税当局の見方もいろいろ分かれて、もしかりに順調にいくならこれくらいのものも見込めるというものもありますし、基準を少し変えて、もしこういう状態が出てきたという場合はこうだと見るというと、少し低い数字にもなりまするし、見方によってこれはいろいろ当局の中にもそういう問題がございますので、私どもは、やはり心配のない確実に見込み得るものとしたらこの辺をとることが一番あぶなげないのだというようなことで、自信の持てる財源に局限する。そういうことから見ますというと、たとえばベースアップをするにいたしましても、それに対応したいろいろな均衡をとった、まだ補正をしなければならぬという補正要因は他にたくさんございますのでそういうものを勘案すると、大体遡及して十月から実施することが国としても確実な財源で処置したゆえんになるし、また一方、その影響を受ける地方財政のいろいろなことを考えても、ここが適当だというふうに考えたのでございまして、あれを避けるために財源を特にうそを言って少なく見たのだというような事情はございません。
#59
○須藤五郎君 私たちはこういうふうに解釈したのです。当時人事院の勧告があって、財源があるということが明らかになるというと、人事院勧告通りそのまま受けなければならぬのだが、だから財源がないということにして、第二補正を組む意思など毛頭ありませんというような答弁でごまかして、非常に手の込んだ芝居を大蔵大臣が打たれた、こういうふうに私たちは解釈しておる。今二百億、もしも三十七年度以降に使う準備、それも使うとはっきりきまっていない、必要があれば使うというような、そういう余裕のある金が二百億あるならば、その金を昨年の人事院勧告を履行するために使う、このくらいなことがあってしかるべしと私は思うのであります。しかし、見解が違いますから議論してもいたし方ありませんが、私どもはそういうふうに考えております。
 そして大臣に伺いたいのですが、このようなやり方というものは今回限りでやめるべきだと私は思うわけです。それに対して大臣はどういうふうに今考えていらっしゃるのですか。
#60
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、今回限りやめるべきものだという原則は立てられないと思います。たとえば三十五年度が代表的なものでございますが、当初予算を編成するときに、もう経済の見方を明らかに間違っておった。経済の伸び率はこうなるだろうという見方も間違っておりましたし、三十五年度の予算を作るときには、大体下期以後の日本経済は少し停滞気味になりはせぬかという予想も含まれておって作られたことははっきりしておりますので、従って、大きい見込み違いをやってしまった。これは今後こういう見込み違いをやっちゃなりませんので、直さなくちゃなりませんが、かりにそういうことがあったというときに、国民からは金をたくさん吸い上げておいて、それを少しも使わないで、二年先に、今の制度ではそうなりますが、持ち越していくという措置は、これは大きい揚げ超をそのまま政府は黙って持っていくということでございますから、これについては、今度は政策論としていろいろな論議が出てくるだろうと思います。ですから、やはり年度末近くになって、そういう財政や金融の状況とにらみ合わせて、どうこれに善処するかということは、当然政府が政策的にも考えるべき問題だろうと思います。その場合に、もう一応ほんとうに差し迫まられた補正要因というものがあるのでしたら、これは当然補正予算でやるべきであるし、そうでなくて、たとえば食管の調整資金もそうでございますが、赤字に備えるために、それを調整するために、あらかじめそういうものに対処する資金というものをここで繰り入れておこうという措置をとるか、あるいは経済の現状に応じた、いわゆる産投会計に若干のものを置いておくかということは、将来政策論として、年度末近くなれば政策論として始終起こり得る問題だと思う。その場合に、どう使ったらいいかというようなものは、やはり政策論として国会の中で審議されて、それはいかぬといえば使わないし、いいといったらそれに使えるといったようなやり方の工夫というものが私は必要で、その工夫がりっぱにできるのでしたら、今後こういうことはやらないというような原則をきめる必要がないので、やる必要が今後やたらに今より多くなってきやせぬかと私は思っております。
#61
○須藤五郎君 私は、今回限りという保証を大臣から取りつけたいと思っておったのでありますが、今の答弁で、それはとうてい望めないということがはっきりいたしたわけですが、それでは、もちろん、政府の考えておることは、このようなやり方をこの際合法化し、制度化しようとしておるのではないだろうか、積極的にこういうやり方を存続させようとしておるのではないかという懸念が私に生ずるわけであります。これに対して大臣の御見解を承りたい。
#62
○国務大臣(水田三喜男君) これは国会の意向によって、いいといえばやれるし、悪いといったらやれないというような制度をしくのでしたら、これは少しも弊害のないことは当然であります。どういうふうに今後これをやるかは、まだこれから検討する問題でございまして、今ここで個人の意見は言えませんが、あるいは法律を改正するという問題もございましょうし、こういうことをやる場合には、これに対してこういう措置をせいということで対処してもよろしゅうございますし、とにかく疑義がないようにこれがやれるようにすることは必要だろうと思います。
#63
○須藤五郎君 先ほど永末委員も、こういうことは一般会計でやるべきでないかという意見を述べておられましたが、私たちも同じような意見を持っておるわけです。むしろこれを廃止して、こういうやり方を廃止して、一般会計から直接まかなうべきである、このような特別な方法はもうやめるべきである、とるべきでないというのが私たちの見解です。これに対して、最後に大蔵大臣の意見をもう一度伺いたいと思います。
 それと、これはこの法案とは関係のない問題でありますが、私は昨晩ちょっとラジオをひねっておりますと、前後はよくわからないのですが、ちょっとこういう声が耳に入ったと思います。いわゆる今度の予算編成にあたりまして、大蔵大臣が炭鉱の保安費三十億を削除した、こういうことがラジオ放送でちょっと私の耳に入ったと思うのです。三十億で炭鉱の保安が完全に行なえるものだとは思えませんけれども、最近、炭鉱災害が続出しておる。その裏には、大蔵大臣が炭鉱保安そのものに対してあまり関心がないのではないか、そういうところにも大きな原因があるのではないだろうか、こういうふうに思うわけです。大臣、ラジオで放送した事実は事実ですか。三十億、予算編成において関係省から要求があったのを、それを削除した。もしもそういうことがあるのなら、そういうことはやめてもらいたい。そうしてやはり炭鉱の保安のことも大蔵大臣も真剣になって考えてもらいたい、こう思います。
#64
○国務大臣(水田三喜男君) 大てい何か事故が起こると、大蔵大臣が金を出さなかったからということにこのごろはなるようでございますが、今の問題はそうではございません。で、こういういろいろな安全のために、特に中小企業は安全装置についてすべきことを怠っておる原因が、金融がつかないためだ、そのためにこういう事故が起こりやすいのだから、労災保険の積立金を直接中小企業に貸せるようにしてほしいという要望がございました。関係省からございましたが、これは私どもが検討した結果、特別会計そのものにああいう資金の金融業務というものをさせるということはどうかという原則論の問題が出まして、これはやはり適当でない。その資金を利用してもいいですから、貸す機関というものは、たとえば中小企業の公庫か何かに一つワクを置いて、そこで貸させるとかなんとかという考慮をしよう、そういうことを考えようじゃないかということになって、この労災保険の会計自身が、あそこが貸付業務をやるということはいけないということを私どもは言ったことはございますが、それが誤り伝えられたのじゃないかと思っております。
#65
○委員長(大竹平八郎君) これにて暫時休憩いたします。
   午後一時十二分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十七分開会
#66
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開会いたします。
 午前に引き続き、水田大蔵大臣に対する質疑を続行いたします。
#67
○木村禧八郎君 私は、今ここに問題になっています産業投資特別会計、日本輸出入銀行の法案に関連しまして、その背景になる一般的な問題について質問いたしたいのですが、それは所得倍増計画と財政金融政策の問題で、ちょうどこの法案は、産業投資特別会計は、これは国内的な財政金融政策に関する法案でありますし、それから日本輸出入銀行法の方は国際金融ですね、対外的な財政金融に関する法案でありますから、ちょうどこの機会に所得倍増計画と財政金融政策に対する国内的な問題と、それから国際的な、対外的な問題について御質問したいのです。
 それで、言うまでもなく、所得倍増計画を達成する場合、財政あるいは民間の金融というものが非常に重要性を帯びてくるわけですが、その中で特に国内的な財政金融政策としては、この所得倍増計画に関連しまして問題になる点は、大体私は三つあると思うのです。一つは、言うまでもなく、所得倍増計画は設備投資設備の民間投資ですね、その拡張を中心として展開されていくということになって、従って民間の金融の問題が重要になるわけでありまして、民間に対するいわゆる成長金融政策といいますか、そういうものが一つ柱として重要になってくる。それから第二が、先ほども問題になっておりました財政投融資の問題、それから第三が、公共投資の問題、三つ問題があります。
 そこで、一番最初に、民間の金融に関する金融政策について伺いたいのですが、この金融政策には、今いろいろ金利政策とか、あるいは買いオペレーションの政策とか、日銀の窓口指導とか、いろいろあるわけであります。こういう成長金融政策をとっていく場合には、もちろん現在及び今後の日本の経済の情勢というものがその基礎になってそういう政策が行なわれていくわけでありますが、どうも私の見るところによると、日本の経済の動向と政府の金融政策が食い違っているのじゃないかという感じがするのです。というのは、まず金利政策について伺いますが、今年の一月に利下げをやったわけですね。しかし、これからの資金の需給関係を見ますと、これはあとで三十五年度の政府支出対民間収支を伺いたいのですが、これからさらに六百億ぐらいの自然増収があると見込まれておるわけですね。それから三十六年度の予算についても、政府の予想しているように三千九百三十億の自然増収どころでなく、もっと自然増収は多いと思われます。そうしますと、補正を組まないとすれば、非常に引き揚げ超過になると思うのです。しかも、これもあとで伺いますが、国際収支がどうも最近になってよくないわけです。そうすると、国際収支が赤字になってくれば、これは御承知のように、金融もいわゆるデフレ的に作用するわけですから、そういう情勢を見ますと、資金の需給関係はむしろ窮屈になってくるのですね。そういうような情勢になっているととろに、今度政府の方は日銀の公定歩合を引き下げ、そうしてまた郵便貯金の利子も引き下げる。そうしますと、国内め経済情勢、ひいてそれを反映した資金の需給関係と政府の金利政策とは食い違っているように思うのですね。この点どう考えるか。それと、政府のいわゆる成長金融政策として、金利政策というものをどういうふうに基本的に考えているのか、この二つの点についてまず伺いたいと思います。
#68
○国務大臣(水田三喜男君) この所得倍増計画とからんだ財政金融政策と申しますと、そこに書いてありますように、基本的には通貨価値の安定を保つということと、それから景気変動の幅を大きくしない、なるたけ小幅にするような配慮を加えるということと、それから成長に見合った資金の供給の円滑をはかるということでございますが、大体この三つの考え方を中心に今後の金融政策はやっていかなければならないだろうと思っております。そこで、必要資金を円滑に供給するという問題は、これは日銀の資金の出し方と関連する問題でございまして、これはこれでまた別に私どもは新しい考えを持たなければならぬと思っておりますし、同時に、この所得倍増計画の基本というものは、何といっても、やはり国際競争力に日本の企業が勝って、日本の企業が伸びていくことを前提とするわけでございますから、どうしてもここで日本の金利水準というものについて何らかの配慮を加えなければいけないという問題に迫られておることは御承知の通りでございます。
 それでは、金利水準を下げるという仕事もどうやったらよいかと申しますと、ただ従来のように資金の需要供給の関係によって金利がきまるものだという立場だけでは、なかなかそういう情勢の誘致はできません。経済が伸びておるときには資金需要は強いのでございますから、そのままではなかなかこういう仕事はできませんので、そこで私どもは、まずここで無理をしても金利のレベル・ダウンをどうしてもやりたいと。金利の持つ調整機能はそれ以後にまた正常の姿で発揮してもらえばよいので、一ぺんここでどうしてもレベルダウンの仕事だけはしたいと考えまして、できるだけそれができる環境を作ることに骨を折りながら、民間にもこれを要望して、関係者間の間で自主的な踏み切りを願ったという次第でございますが、そういう若干政策的な考えのあった仕事でございますから、普通の民間の単なる情勢というものから見たら、あるいはそこに若干今申し上げたような合わない問題があろうかとも思いますが、しかし、いつの日に民間も自主的にそういう方向に協力するかということになりますと、年末より、いろいろな事情からこの年初の時期を民間が選んだということは、私は非常に妥当な時期だったと思います。それによってまず金利低下の動きが始まってきますというと、さらに関係者間の間においては、いろいろなものの均衡をとって落ちついた姿になってもらわなければ困りますので、一連の構想として、預金金利の問題とか、公社債の条件の問題とか、いろいろなものが起こって参りますが、これは大体私は適当に解決されるのではなかろうかと思っておりますが、そういう問題が起こってもなお、一応今の金融状態を見ますというと、問題なく推移しておるとい−のがやはり今の実情だと思いますので、この点においては、私どもは、そう時期を誤ったとか、行き方を誤ったものだとは今思っておりません。
 問題は、今後、今の行き方でいってどういふうになるかということでございますが、これはあとから御質問があるかと思いますが、この三十六年度の国庫対策民間収支の見通しというようなものを一応立てておりますが、これは税の見方にも関係いたしまして、大体今年の歳入の見方が正しいというのでしたら、そう大きな狂いもないでしょうが、そうではなくて、依然として経済が予想よりもよいというような状態でいけば、これはわれわれの見方よりも揚げ超的な要素を見なければなりませんし、貿易の問題も入って参りますので、今立っておる一応の見通しがその通りいくかどうかということは、まだこれから相当の検討を要しなければならぬと思いますが、私はこの金利引き下げの一連のきょうまでの仕事は、大体時期を得た、よい時期ではなかったかと思っております。
#69
○木村禧八郎君 三十五年度の政府支出と対民間収支の問題ですね、あれは当初どのくらいの予想で、それから年度末までどのくらいの予想であったか。それから、三十六年度の対民間収支の数字を一つ……。
#70
○国務大臣(水田三喜男君) ちょっと説明員から……。
#71
○説明員(工藤振作君) 昭和三十五年度の財政資金対民間収支は、当初予算に基づきまして、千八百億円の払い超と見込んだのでありますが、最近の実績では、実績の推移から見ますと、三百億円程度の支払い超過にとどまるのではないか、そういうふうに見込んでおります。
#72
○木村禧八郎君 三十六年度の予想は……。
#73
○説明員(工藤振作君) 三十六年度の対民間収支を予算に基づいて推算いたしますと、千六百億円程度の散布超過になるのではないかという見込みでございます。
#74
○木村禧八郎君 この三百億の――当初の千八百億の払い超という予想が三百億の払い超ということに変わってきたのですね。これは税収の見積もりが非常に違って、非常な自然増収になったということが一つの大きな原因になっていると思うのです。それから、まあ貿易収支ももちろんあるのでありますが、これは大体、第二次補正までの自然増収の見積もりで三百億払い超というのですか、今後まだどのくらいの自然増収が予想されておりますか。
#75
○国務大臣(水田三喜男君) なかなかむずかしいですが、今、一月末の実績によって見ますというと、大体、この見込みは五。六%の向上ということになっておりますので、それで、まあその通りにいくかどうかはわかりませんが、三月末までを一応推算するということになりますと、五百億円以上ということになると思います。
#76
○木村禧八郎君 まあ六百億見当と思われますが……。で、この三百億の払い超、これは今大蔵大臣が言われた五百億以上の自然増収というものを前提にして推算したものですか。
#77
○説明員(工藤振作君) 国庫収支べースで申し上げますと、租税の自然増収と考えられるものは約六百億円程度と考えられております。この六百億円程度と申しますのは、国庫収支ベースでございますから、国税庁ベースの推計とはその意味で食い違って参ります。その食い違って参ります理由は、たとえば昨年三月末に納付された法人税その他の諸税が、国庫収支ベースでは三十五年度の収入として計上されております。また、国庫収支ベースでは、一般会計税収分のほかに交付税及び譲与税配付金特別会計が直接収納する租税をも含んでおります等の関係から、国庫収支ベースにおける税収見込額と国税庁ベースにおける税収見込額とは食い違っておりまして、むしろかなり多目に計上されておるという結果になっております。
#78
○木村禧八郎君 それで、その三百億の払い超は、今の六百億の国庫収支ベースの増収ですかを前提にした推定なんですか。
#79
○説明員(工藤振作君) そうでございます。
#80
○木村禧八郎君 それから三十六年度――私はどうも三百億の払い超にとどまるかどうか、もう少し自然増収が多くなれば払い超はまた少なくなるのですがね。その点がまた問題ですけれども、当初の政府の予想と非常に変わってきておるのですね、こういうふうに。それから三十六年度千六百億の支払い超過という、これもまた私は変わってくるのではないかと思うのですよ。
 特に、これに関連して今伺っていきますが、最近貿易が、どうも今年一月になってから経常収支で非常に赤字が出てきて、二月もやはり予想よりも大きい赤字である。それから、財界あたりの見方では、総合収支で今年六月ごろまでこれは赤字になるのじゃないか、こういう予想になってきているわけですね。そうなりますと、非常に資金の需給関係が変わってくるわけですね。三十六年度に入ってからも千六百億の支払い超過といいますけれども、国際収支の面から非常に変わってくると思うのですよ。
 そこで、国際収支を大蔵省はどう見るか。この国際収支の今後の推移いかんによっては、所得倍増計画はくずれてきてしまいますね。財界でも、国際収支の問題に関連して、所得倍増計画を手直ししろとか、考え直すべきじゃないかという意見まで出ているやに新聞では報ぜられておるのです。今後の国際収支は重大な問題だと思うのですね。所得倍増計画の根底をゆるがす大きな問題ですし、また直接的には資金の需給関係に非常に大きな変化が来るわけです。従って、政府はこれまで低金利政策をとってきております。しかも、資金の需給関係に基づく金利の引き下げよりも、何か無理に、そういうものを無視して無理に金利を引き下げる必要がある、こう言われる。私は低金利政策そのものに反対するのじゃないのですがね。ですけれども、今は自由企業原則ですし、自由経済のもとで資金の需給関係から遊離して、政府が政策的金利を無理にとるという場合には、そこにいろんな反動が起きてくると思うのです。そういう関係もあって、今後資金の需給関係に非常に大きな、政府が今まで予想していたのと大きな狂いが生じてくると思うのです。それと今度は、政府の今までとった低金利政策というものが矛盾してくるわけですね。先ほど大蔵大臣は、これまで政府の大きな見込み違いでした。経済成長率についても、税収の見込みについても大きな、ほんとうに大きな見込み違いをした。――今後も私は大きな見込み違いをするのではないか。特に国際収支、貿易を中心として大きな見込み違いを生ずるのじゃないか。そうなると、これまでの政府の金融政策というものがこれでいいのかどうかということが、非常に問題になってくると思うのですよ。そういう意味で、まず、国際収支の今後の見通しについて、大蔵省はどういうふうに考えておるか、特に最近の非常な変化についてどうお考えになるか、伺いたい。
#81
○国務大臣(水田三喜男君) 国際収支に関する見込み違いといいますと、この三十五年度は大体経常収支についてやっぱり一億二千万ドルの黒字ということでございましたが、これは二月、三月の様子を考えますと、この見込みが出てくると思います。
#82
○木村禧八郎君 大体どのくらいの予想ですか。
#83
○国務大臣(水田三喜男君) まあ、とんとん程度になりはせぬかと思います。しかし、資本取引を入れた総合収支では、当初の予想の六億ドル黒字は狂わぬと思います。ですから、外為の散超も二千百六十億円を予定しておるのでありますが、これに対する来年度の外為資金の散超は七百二十億円と、今の予想はそうでございますが、今度は、その内容をなす貿易状態で、いろいろ検討はしておりますが、貿易の一〇%前後の伸びは――一〇%まで今政府のあれはいっておりません、九%ぐらいしか。この見込みは、私はそうはずれないで済むのじゃないかと今のところは思っています。今までの例を見ましても、六月までの輸出というものは相当は見込めませんが、下半期から日本の輸出期でございますので、その予想を入れまして、それから総合収支におけるいろいろな予想もあって、二億ドル程度の黒字というものは、一応私は確保できるのじゃないかと今のところは考えております。
#84
○木村禧八郎君 これはよほど慎重に見通しを立てていかないと、また大へんな狂いを生ずると思うのですが、最近の国際収支が予想より悪くなってきている一番大きな点は、何といったって輸出が予想よりふえてきていないということです。これまで国際収支が非常に赤字になった場合は、輸入がうんとふえたのですね。輸入が激増して、国際収支の赤字が出てきた。これがこれまでの特徴だったわけです。今回は輸出、特に対米輸出が伸びない。しかも、それはアメリカの景気後退、あるいはドル防衛、そういうことの影響も受けておるわけです。輸出が予想よりふえないために国際収支が赤字になってきているということは、これはこれまでの日本の国際収支の赤字の場合と非常に違うところです。それで、輸出が伸び悩みになってきている。その上に、高度成長政策によって輸入がふえてくるというところに赤字の原因が出てきておるわけです。
 そこで、今後の見通しでありますが、アメリカの景気についてはいろいろな楽悲両様の観測がありますが、政府は本年下期ころからよくなるだろうと、こう思っておるように思われますが、財界では、そんな簡単なものじゃない、やはり一そう悪くならないにしても横ばい程度であると。それから、イギリスが悪いです、ここのところ。ドルの危機がようやくおさまったら、今度はポンドの危機でしょう。それから、後進国が悪いですね。アメリカの輸出の減退をカバーしてきた後進国に対する輸出が、悪くなってきた。そうなると、そう楽観できないじゃないかと思うのです。これは私は重大な問題になってくると思うのです。倍増計画の根底をゆるがす大きな問題になると思うのですが、この点、どういうふうにお考えになっておりますか。
#85
○国務大臣(水田三喜男君) まあ一月に赤字を出したといっても、これは十二月に輸出が非常に伸びた一つの反動もございますし、前年度の同じ月に比較してまだ輸出が落ちているわけではございませんし、全体的にことしの輸出状況というのは、世間では心配しているようでございますが、しかし私は、今言いましたように、一時的に世界貿易の情勢に若干の停滞があったにしましても、ドル防衛の問題も落ちついてきましょうし、私は当初予想する程度の輸出は何とか確保できるのじゃないかと考えております。
#86
○木村禧八郎君 このアメリカの景気後退、それからドル防衛の問題、さらにイギリスの経済が悪いということ、後進国の経済が悪いということとあわせて、この自由化の問題ですね、自由化の問題がこれから本格化してくると思うのです。例のIMF勧告ですね。というのは、十四条国から八条国移行の勧告がある。これがほとんど必至じゃないかと思う。大蔵大臣はよく御存じじゃないかと思うのです。そうなりますと、今まで三年間八〇%の自由化をやると、こういつておりました。勧告を受ければ、一年以内に自由化を促進しなきゃならぬわけですね。そういうことも重なってくると思うのですよ。この自由化の問題をどういうふうに考えられますか。
#87
○国務大臣(水田三喜男君) 自由化は、むろん、私どもできるだけこれを促進しようと思っておるわけでございます。しかし、いつも申しますように、一応政府として去年自由化のプログラムを作っておりますし、その方向に沿って今自由化が停滞せずに進められております。この経常収支に関する為替管理の問題ももう予定通りやっておりますし、三十五年度に予定したものは全部実行済みという状態でございますし、貿易物資の自由化の方も大体あのプログラム通り今進んでいるところでございますし、IMFのコンサルテーションでもこの点を十分認めましたし、それから日本がいよいよ八条国移行という問題についても、まだ莫大な賠償を日本はしょっておるときでございますので、日本の外貨が若干ふえたということをもってすぐに日本問題は簡単にはきめられないという、いろいろな特殊事情も考慮されて今のような状態になっておるのでございますから、さらにこの自由化計画を順調に進めるようにといういろいろな要望や勧告は受けるかもしれませんが、はたして八条国移行の勧告をことし受けるかどうかもまだきまっておる問題じゃございませんしそういう可能性があるかもしれませんが、そうならない可能性も十分にございますし、そうかといって、私どもはこの一つの大勢に逆らっていく政策というものはとりませんので、今のこの計画を順調に進めていくということで大体私はいいんじゃないかと考えていますが、特に農業生産物の問題につきましては、これは日本だけの問題じゃなくて、諸外国でも自由化といっても自由化されない部分もたくさん持っておるときでございますので、日本におきましてもこの自由化の問題で一番むずかしい問題は農産部門における自由化の問題だと思いますが、これもいろいろな措置をこらしまして、たとえば今度は大豆の自由化のためにいろいろ予算的な措置も講ずるということをいたしましたが、関税の措置、そういう必要な措置等を合わせて、プログラム通りには私どもは実施していきたいと思っております。
#88
○木村禧八郎君 どうも、まあ非常に楽観しているようですが、われわれはいろんな情報――情報といっても新聞とか通信等でありますけれども、ほとんど今度は八条国への移行の勧告を受けることは必至であるというふうにいわれておるのですが、私はその影響は決して小さくはないと思う。というのは、今後の日本の貿易が楽観できない。そういう上に、この自由化の問題が起こってくるのですから、そこでその影響は私は非常に重大じゃないかと思うのです。特にドルの防衛の問題がございますから、これまでと私はアメリカの態度なんか違っていると思うのですよ。そんなに楽観的に考えていいかどうか。
 そこで、まあ金融政策に入っていくのですが、どうも大蔵大臣はあまり心配ないと言っておりますが、私は最近の国際、特に貿易の悪くなってきておる原因がこれまでと違って輸出が伸び悩みになっておるということ、これが非常な重大な問題だと思うのです。そういう変化が生じてきていることは、それが今後急速に解決する見通しがちょっと立たないわけなんですよ、世界経済いろいろ点検してみますと。アメリカ経済、イギリス経済、それから後進国地域の経済を見ましても。そうなると、国際収支は、政府の予想したのと、三十六年度の予算の前提となっている、あるいは所得倍増計画の前提となっている国際収支と大きく狂って参りまして、そうして資金の需給関係も千六百億もの払い超という前提になっておりますが、私はそうならないと思う。この間、慶応大学の高木教授が予算委員会で公述いたしましたが、非常な自然増収になって、むしろ引き揚げ超過になるおそれさえあるということも公述しておったわけです。そういうことから見て、政府のその金融政策というものが何か逆行しているように見えるのです。
 それで、伺いますが、これまで政府の金融政策は、いわゆるアメリカの米国方式へ移行する、特に公定歩合政策についてはそういう政策をとっている。それで、金利を下げるときには市中金利に追従するという政策、金利を上げるときには、これは事態が緊急を要するから、これは先行する、こういう政策がとられたわけです、これまで。ところが、さっきの大蔵大臣のお話では、需給関係ばかりにとらわれているわけにはいかない、無理をしてもそこにこの金利引き下げ、そうして低金利に持っていく必要があるのだ、こう言われておるわけです。これまでの大蔵省のいわゆる金融政策、特に金利政策と非常にそこに違いが出てきて、百八十度の転換を来たしている。私たちは銀行局長にも前に聞いたことがあるのですが、大蔵省の金融政策、特に金利政策について、これは市中の需給関係によってきまるものであるから、やはり市中金利に追従する政策をとっていくのだということをこれまでしばしば言われておったのです。それが今度そこで百八十度転換して、需給関係を無視しても低金利政策をとっていく。こういうことです。そこで、その後需給関係が、政府が先行して低金利政策をとったのに、需給関係がそれについていけばいいのですがね、そうすれば混乱は起こらない。ところが、実態は逆に、さっきお話ししたように、国際収支を中心として、それから政府の自然増収が予想外に多くなるということを中心として、むしろ引き揚げ超過になる。だから、需給関係はそこで窮屈になる。そういうときに、それと逆行する金融政策をとっておるということは、どうも私はふに落ちないのです。そこにいろんなフリクション、混乱が起こってくるのじゃないか。これはあとで郵便貯金の利下げの問題についてその点伺いたいと思うのですが、そこで非常な矛盾がこれから出てくると思うのです。その点、どうなんですか。
#89
○国務大臣(水田三喜男君) 今の金融情勢の事実を見ればおわかりだと思うのですが、あまり矛盾が出なくて、むしろいい姿に変わりつつあるのが実情じゃないかと私は思っております。
#90
○木村禧八郎君 それじゃ、具体的に聞きますが、どうもあとで聞こうと思ったのですけれども、この財政投融資の問題ですがね、三十六年度の郵便貯金の伸びをどういうふうに見ているか、三十六年度の計画ではどのくらい見ているのか。
#91
○国務大臣(水田三喜男君) 郵便貯金は千四百五十億円と見ているはずでございます。
#92
○木村禧八郎君 これはあれでしょう、当初計画では大体千三百億ぐらい見ておったのじゃないですか。
#93
○政府委員(西原直廉君) 当初の計画では、三十五年度において千三百億、それでその後、三十五年度が大体相当伸びがよくなりましたので、千四百五十億というふうに三十五年度を見たわけです。それで、三十六年度もそれと大体横並びならば大丈夫だろうということで、千四百五十億と三十六年を見たわけです。
#94
○木村禧八郎君 最近の郵貯の利下げによって、この目標を達成できると思いますか。
#95
○国務大臣(水田三喜男君) さっきの御質問にも出ましたが、この預金金利を下げるのならば、なぜ郵貯を先にやるか、ほかをやってから郵貯をやってもよかったじゃないかという御質問もございましたが、これも郵貯の利下げは法律を要しますので、国会の御審議を願わなければならぬという関係から、この預金金利の引き下げが一番先に郵貯から扱ったようなことになったのですが、私どもとしましては、郵貯だけの預金金利の引き下げをやるわけじゃございません。全体均衡のとれた姿の預金金利の引き下げをやろうと今考えておりますので、その点は御心配ないと思いますが、しかし、いずれにしろ、一番先に郵貯の問題が出てきますので、それによって一時的に郵貯の伸びがとまるとかいうようなことはやはり若干考えられますので、そういう点も十分考慮はしておりますが、年全体としては、これは落ちついたあと、その程度までの伸びは見られるだろうという予想でございます。
#96
○木村禧八郎君 最近の郵貯の伸び、どうなんですか。
#97
○政府委員(西原直廉君) 最近は少し郵貯の伸びが悪いようでございます。大体、現在までで千四百三十億というところでございます。
#98
○木村禧八郎君 そうしたら、今度利下げによってまた、私は、ほかを下げればまたもとに戻るだろうというふうに言っておりますがね、しかし、私はここに問題が起こってくると思うのです。それから、今問題になっていますオープン型の公社債投資信託ですか、その利回りと、それから銀行の金利との問題、今問題になっているでしょう、これはどういうふうになりましたですか。
#99
○政府委員(西原直廉君) 銀行の方の、受託銀行団の代表の方と、引き受け証券会社の代表の方で、目下話し合い中でございます。
#100
○木村禧八郎君 話し合いで それはどういうふうに、どういう話し合いをやっておるのですか。
#101
○政府委員(西原直廉君) 私も、その場に立ち会っておりませんので内容をよく存じませんが、聞いておりますところでは、受託銀行団の代表の方はこの際社債の金利を五厘下げるように、応募者利回わりでといいますか、それから引き受け証券会社の代表団の方は二厘がせいぜい限度じゃないか、引き下げるとして。そういうふうなことで、両方の問でまだ意見が一致していない、こういう現状だと承知いたしております。
#102
○木村禧八郎君 都市銀行と地方銀行との間にも非常に違いがあるわけですね。それから、大蔵大臣、さっき無理をしてもと言われましたが、資金の需給関係というものを無視しても、無理にも低金利政策をとっていくというところに、いろいろな問題が私は起こるのじゃないかと思うのですね。それで、この実勢は、さっきお話しのように、今後の日本のこの景気の見通し、ことに貿易、国際収支、それから税の自然増収が多くて引き揚げ超過になる、そういうような点から見て、需給関係はむしろ金利引き下げの方向に行かないのに、政策的に無理にそこに金利を下げていくという点に、私はいろんな混乱の起こるその原因があるのじゃないかと思うのですが、そればかりじゃなく、さらにこの所得倍増計画と矛盾していく点は、これはあの予算委員会でも質問したのですが、低金利政策をとる理由ですね、この理由はどこにあるかといえば、設備投資がどんどん大きくなってきて、企業の借入金の金利負担が重くなってくる。そこで、その金利負担を軽減するということが一つの大きなねらいであって、それによって所得倍増計画に基づくいわゆる成長金融政策をやっていこうというところに私はねらいがあると思いますが、そうじゃないのですか。
#103
○国務大臣(水田三喜男君) さっき無理してもと言ったのは、政策的な意図を持つ場合には、ほんとうにそれをやろうとするときには、無理をしてもというふうな考え方をしなければと言ったのですが、実際は、あまり無理をしないで業界が自発的にそういう措置をとるということになったわけでございます。
#104
○木村禧八郎君 設備投資との関係です。
#105
○国務大臣(水田三喜男君) 金利を下げるという目的は、もうしばしば申しましたように、日本の金利水準を国際水準に近づけたいというのが目的でございまして、それを近づけることによって日本の企業が国際競争力を強化して、体質の改善もこれによってできるというので、むろんそういうところにねらいがございますが、しかし、これによって民間の設備投資を特に刺激してこの倍増計画の促進をやろうという考えは私どもは持っておりません。民間の企業者の態度を見ましても、設備投資については三十五年以来非常に慎重になっておることは事実でございますし、私どもも今年度三兆一千億という一応の目標は持っておりますが、実際の今の情勢を見ますというと、相当それ以上設備投資が行なわれる可能性も出て参りますので、こういう点についてはある程度のいろんな行政指導も加えなければならぬかとも思っておるようなわけでございますので、こういう点は相当私どもは合理的に調整するつもりでおりまして、むしろそれをあまり刺激されては困るという方向の考えを持っておるのは事実でございまして、目的はさっき申しましたが、そういうのじゃなくて、どうしても国際水準に日本の水準を一歩々々これを近づけていく、そのための金利引き下げだと御承知願いたいと思います。
#106
○木村禧八郎君 それは私は矛盾していると言うのですよ。国際競争力を強めるために低金利政策をとっていくということが、具体的には企業の金利負担を軽くしてコストを安くしていくということになるわけですよ。それで、低金利政策をとって、低金利政策ばかりではありません、オペレーション政策でも、たとえば日銀に二十億円の買いオペを行なわせようというようなことが考えられているようです。さらにまた、日銀の窓口指導も、従来は窓口指導は貸し出しをチェックするという役割をしておったのですが、それを緩和して成長金融をどんどんつけていくと、それからオペレーションを、今までは売り戻し条件でしたが、今度は無条件で日銀にオペレーションをやらせるということ、そういう成長金融政策を、金利政策の面からも、それからオペレーションの面からも、窓口指導の面からも、全面的にこれが非常な積極的な金融政策になってきているのですよ。その結果として、設備投資が、今大蔵大臣が言われたように、予想以上に大きくなってきている。予想以上に大きくなってきているので、今度はあまりそれが行き過ぎないように心配していると、そういうようなお考えになっているのじゃないかと思うのです。最初は成長金融政策というものをどんどん積極的にとりながら、最近は設備投資が予想以上に大きくなってきたので、それを今度はやや調整しなければならぬというような考えになってきているように思うのですが、その点どうなんですか。
#107
○国務大臣(水田三喜男君) 低金利が刺激して特に設備投資力を旺盛にしているというふうには、まだ見られないのじゃないかと思います。で、設備投資の意欲というものは、昨年来からずっと引き続いて見られている現象でございまして、しかもそういう刺激が非常に多かったとしても、実際にできた、実際の設備投資の状況を見ますと、過剰施設とかなんとか、そういうふうに思われるような問題が、実際には二、三年前に見られたよりはもうないというふうに、非常にそういう投資も堅実になっておりますので、今後さらにこういう慎重さも企業に加わってくるというようなことを予測いたしまして、現実にそういう意欲は旺盛であっても、大体調整されて、三十六年度は三兆一千億円前後にとまるだろうと予想をしておりましたが、なかなか企業意欲というのはそう簡単に今喪失しておりませんので、それはあまり多く越すことはないようにという配慮はしたいと思いますが、今度の金利引き下げがこれを刺激して特にそういった情勢を起こしているとは、まだ私どもは見ておりません。
#108
○木村禧八郎君 それは金利だけの問題じゃないのですがね。オペレーションの問題も、日銀の窓口指導の問題もあわせて質問しているわけですが、問題は今後にあるわけですよ。で、私は矛盾すると思うのです、ここのところは。これはまあ予算委員会でも質問しましたが、非常な設備過剰になってきている。それで、私は来年あたり設備過剰の反動が訪れるのじゃないかと思うのです。そういう点から見て、何だか私は非常に矛盾していると思うのです。しかも、これからの経済情勢は政府が予想したのと非常に違ってくるわけですから、さっきの国際収支、貿易を中心として。そういう点で非常に私は何かそこに矛盾があるように思うのです。しかし、これは議論になりますから、次にもう一つの所得倍増計画の裏づけとしての財政金融政策の柱として財政投融資の問題について伺いたいのです。
 財政投融資の問題は、原資と、それから運用の面から一つの非常な転換期に来ているということは、もう周知の事実だと思うのです。そこで、この原資の面については先ほども質問があったわけですが、今後政府は財政投融資を公共投資とか、あるいは国民の福祉を増進させるためのいわゆる環境整備ですか、そういう方面に重点を置いていくとなると、どうしてもまあ無利子とか、しかも低利のそういう原資が必要になってくるでしょう。そういう場合に非常なこれから原資の不足が起こってくるのじゃないか、こういうふうに思われるのですが、この点はどうですか、今後の原資について。
#109
○国務大臣(水田三喜男君) 原資が不足してくるというような今の……。
#110
○木村禧八郎君 もう一つ、じゃ具体的に。たとえば国民年金については、三百九十億予想しておったのが、大体三百億程度しか見込まれない。それから、郵便貯金についても、今度利下げをやればまた一そう促進されると思うのですが、その傾向が伸び悩みになってくるのじゃないかという、そういうような原資についての不足がこれから起こってくるのじゃないですか。そこで、一般会計の方からその原資を補わなきゃならぬというので、今度は第二次補正ですね、あれを組んだということになってきていると思うのです。だんだん一般会計から原資不足を補う、そういう傾向が強くなってこざるな得ないのじゃないかということなのですよ。
#111
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、それが金利の問題から心配されるのでしたら、その心配はないのじゃないかと思います。さっき申しましたように、預金金利が政府の原資になりました部面だけが引き下げられるということでしたら影響するかもしれませんが、他の同じような金利が均衡をとれて一律にみな下げられるということでございましたら、特別な変化はないのじゃないかと思っております。
#112
○木村禧八郎君 いや、その全体としてですよ。理財局長から御答弁願ってもいいのですが、全体として、今後の原資の見通しはどういうふうに考えられますか。
#113
○政府委員(西原直廉君) お話の点が三十六年度のことでございましたら、いろいろこの原資の内容に――郵便貯金、厚生年金、国民年金、その他いろいろな各種の特別会計からの預かり金、それから簡保資金と、いろいろございます。それぞれの原資におきましてはそれぞれの年、過去いろいろございますように、それぞれやはり動きがある。国民年金なんかも三百億と一応ここで期待はしておりますけれども、これはもっとふえて三百億ぐらいになりますか、あるいは三百億を割りますか、その状態によっていろいろ違うだろうと思うのです。また、郵便貯金がどういうふうに動きますか、いろいろあると思いますが、しかし、三十六年度でございますと、大体こういう程度、今度は原資をできるだけ一ぱい、私どもの感じとしてもできるだけ一ぱい見るというふうに考えて参りましたけれども、大体この程度のことは、それぞれの原資についての増減はあると思いますけれども、期待してもいいのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけであります。
 それから、三十七年度以降のことになりますと、大体過去のこれらの原資の動きを見て参りますと、やはり貯金なりその他いろいろ増減はございますが、一般の国民所得の伸びとか、そういうようなものとやはり大体調和をとれてすべて伸びていっておりますから、今後もちろん財政資金に対する需要がどうなるかということによって総体的な意味における原資の問題はあると思いますが、原資自身としてはそういうような意味での伸び悩みというものは考えられないと、こういうふうに思っております。
#114
○木村禧八郎君 先ほども大蔵大臣が述べられておりますが、たとえば電力債なんか市中で消化し得るものはなるべく市中で金融をまかなうようにしていく、そうしないと政府の産業資金の供給が不足してくるから、大体だんだん民間に肩がわりさせていく、こういうようなことでしょう。民間に肩ががわりしていけば、これは民間の資金を圧迫することになりますので、民間の資金を圧迫するようなことになる。そういうことで、それができないとすると、今度はどうしても一般会計からの出し分が多くなれば、そこで産投会計あたりの公債発行の問題というようなものがそこに問題になってくるのじゃないか、そう思うわけです。原資の問題が今後産投会計での公債発行の問題につながってくるのじゃないか。そういうことで今質問しているわけなんです。
#115
○国務大臣(水田三喜男君) その民間資金というものも固定したものではございませんで、資金量が足らないというときに、民間に死蔵された資金があるかないかというようなことも問題になりますが、過去において経験しましたように、いわゆるたんす預金というようなことで各家庭に死蔵された資金というものがあるということでしたら、これをどうして引き出すかというようなことで無記名預金とかいうような制度をしきましたところが、非常に資金が順調に出てきて資金量が増したというようなこともございますし、また私どもは、最近の国民所得のふえるのに従って、新たに堅実な中間層というようなものがこの二、三年の間に非常に多くなっているという事実も、徴税そのほかの統計の中ではっきり出てくるような状態でございますので、こういう所得がふえてきた堅実な国民層の資金を、ひとり消費だけに向かわせないで、これを資本の蓄積の方向へ持ってくるという考慮も必要でございますし、そういういろいろだ情勢を見て、今度はたとえば公社債投信というようなものを許可しましたところが、やはり想像しなかった資金というものが出てくるというような事態になって、長期資金が予想よりも多く順調に消化されるという状態にもなって参りましたので、従って、今まで、公社債を発行すればすぐに民間の金融を圧迫するのだ、これ以上の消化能力はないと、もう定説になっておったことでも、現実には少し違った形で、そういうものの消化が民間資金を圧迫――そうひどく圧迫しない形でつまり銀行が全部背負うというような形でなくて消化されているというような事実もにらみ合わせますというと、今後、私どもが今予想しておるいろいろ必要資金、長期資金というようなものも相当民間に消化させることも可能だというふうにも思われますので、私は金融情勢というようなものは今いい方向へ変わりつつあると思っております。従って、さっき話しましたように、国の財政投融資というような計画も、民間企業に対しては民間の資金でこれをまかなわせるというような方向も今後は可能になるだろうと思いますし、従って、この部面ですぐに大きい公債を出さなければ困るというような事態にならなくても私は済みはしないかという予想を持っております。
#116
○委員長(大竹平八郎君) 木村君、あと通告者もありますので、簡単にお願いいたします。
#117
○木村禧八郎君 そうですが、簡単にいたしましょう。ほかの質問者もおありのようですから、なるたけ……。
 それでは、今度第二次補正の四百四十億のうち三百五十億ですね、あれを資金に今繰り入れたわけですね。あれは何に使うのですか。
#118
○国務大臣(水田三喜男君) 産投会計に対する出資要望というものは今非常に強いのでございますが、私どもはどうしても四百億円ぐらいはこの会計から出資で見てやる必要があると考えておりました。ところが、産投会計固有の資金が二百四十億ですかしかございませんので、百五十億円、新たに繰り入れた資金を使うということにしたわけでございまして、その四百億円は、住宅公庫以下輸出入銀行に至るまで相当たくさんの数がございますが、どこへ幾ら出すかというこまかい数字なら、資料をお出しいたしますが、全体として、ことしはどうしても産投会計で見てやらなきゃならないと思われるものが、大ざっぱにいって四百億ぐらい。その不足分の百五十億を今度繰り入れたわけでございますから、その百五十億をどこへ使うというひもつきのものではございませんで、四百億計画の中に百五十億を入れ込むということでございます。
#119
○木村禧八郎君 これは輸出入銀行、輸銀へこれを回すのじゃないですか。輸銀が金利を引き上げですね、これをしないで据え置いた、輸出入金融についての。そのカバーとして国が回すのじゃないですか。
#120
○国務大臣(水田三喜男君) 直接そういうわけではございませせん。これを百五十億円を産投の中で割り振りをして、今言った四百億円くらい必要資金が、需要がございますので、住宅公庫以下九十億、七十億と、それぞれみな出資することになっておりますが、そのうちの一部として百五十億円を繰り入れるということでございます。
#121
○木村禧八郎君 それじゃ、もう大体計画がお立ちのようですから、それではその配分についての資料ですね、それから残りの二百億ですか、三十七年度。これも大体わかりますか。そうしたら、その配分計画を出して下さい。
#122
○国務大臣(水田三喜男君) 二百億の配分は、全然まだ予定も何もございません。それから三百九十八億、これは今ここで、じゃ、区分を申し上げます。
#123
○木村禧八郎君 じゃ、委員長、時間がありませんから、資料にして出していただきます。
 どうも二百億、まだ立っていないというのは、何かつかみ予算みたいなものでしてね、非常に納得いかないのですが、時間がございませんから、あと二つここで伺いますので、時間がございませんから簡潔に御答弁願いたいと思うのです。
 それは、国際的な、対外的な金融に関する問題ですが、一つは後進国開発の問題ですが、それはDAGの総会が開かれるようですが、今後日本が後進国の援助ですね、まあアメリカの要請もドル防衛と関連してあるように聞いておりますが、これはどうもこのDAGあたりの意見ですと、日本のこのいわゆる輸出入銀行を通じての延べ払いとか、そういう形での援助は、正しい後進国援助じゃない。そこで、多少採算を無視しても、そういう援助をすべきである。で、これまで日本以外の諸国は、ソ連の後進国援助に対抗する意味で、採算を無視して、かなり政治的な立場から後進国援助をやってきていると思う。で、日本も今後後進国援助を、アメリカから要請があったような場合ですよ、採算ベースでなく、そういうソ連の後進国援助に対抗するというような、政治的な意味を持ったそういう援助も日本は行なっていくのかどうかということが一つです。
 それから、第二は、外為会計の問題ですが、前にこれは御質問したのですが、最近金相場も落ちついてきたようですが、日本の金準備は非常に少ないのです。そこで、こういう金相場の落ちついたときが金を買う一つのチャンスであろうと思うのですが、その日本の金準備の充実の具体的な方法、金を買うならどの程度買うつもりであるか、どの程度の、外貨準備に対して金準備の比率、金保有の比率をどの程度にしていこうとしているのか。
 それから、これは非常に大きな変化だと思うのですが、今度の外為特別会計を見ますと、私は損が出てくる、欠損勘定が出ると思ったところが、欠損勘定が出ていないのです。多少の黒字になっているのです。その理由をだんだん聞いてみますと、外為会計に赤字が出そうになった場合には、金を日銀に売る。金を日銀に売ることによって、そして利息のつかない金を外為が使うような、こういう方針に転換されたやに聞いているのです。すると、これは今までの方針と非常な大きな転換だと思うのです。そこで、今後のこの外貨準備の政策というものが、ここで非常に大きく私は転換する一歩を踏み出したのじゃないかと思いますので、今後外貨というものは日銀にだんだん保有させる方向に転換するのかどうか。そのワン・ステップなのかどうかですね。これまでは、外為会計で赤字が生じそうになった場合には、金を日銀に売るなんてことはやらなかったわけですよ。今度の三十六年度の外為会計の運用においてそういうことを初めてやるということになったようでありますが、その点ですね。この二つの点を。
#124
○国務大臣(水田三喜男君) 外為会計の運営では、今年度の予算からそういう方針をとることにいたしました。金ではなくて、外貨を日銀に売るということです。
#125
○木村禧八郎君 証券ですか。少し詳しい説明を。
#126
○国務大臣(水田三喜男君) そういう方針の転換があったことは事実でございます。
 それから、その次の対外援助の問題は、商業ベースによる援助の範疇を越えたやり方を今後はある程度しなければならぬと私どもも考えていまして、そのやり方そのほかについては、ただいま大蔵省の中で考究中でございます。
 それから、もう一つは金の問題ですが、これは実はお答えしましたように、将来の問題としては金の保有をもう少しふやすべきだと、こういう方針によって善処するつもりでございます。
#127
○木村禧八郎君 最後です。ただいま日銀に外貨を売るという方針ですね。それをもう少し具体的に内容を伺いたいのです。それから、今後の問題も伺ったわけです。今後だんだん日銀に外貨を持たしていくという政策をとっていくのか。
#128
○政府委員(賀屋正雄君) ただいま大臣から、モフの持っております外貨を日銀に売却したお話がございましたが、具体的にどういうものを売ったかと申しますと、モフが大蔵省証券、これは主として大部分米ドルでございますが、アメリカの大蔵省証券として持っておりましたものを、これをモフの所有から日銀の所有に移管したと、こういうことでございます。
 それから、今後どういう方針でこの売却をしていくかということでございますが、まあモフにはモフの設置せられました本来の目的というものがございまして、外貨の収配を行ないまして民間の貿易金融に支障のないようにということ、それから為替相場の変動についての責任をとるという本来の作用がございますが、その作用に支障のない限度におきまして日本銀行に売却して参りまして、そしてなるべく赤字の出ないようにしていくと、こういう方針でございまして、現に来年度の予算におきましては、来年度末、つまり三十七年の三月末には大体十一億ドル程度になる見込みで予算を組んでおります。それは今後増加いたします外貨はもとより、ただいま持っております外貨も若干売る、こういうことになっております。
  ―――――――――――――
#129
○大谷贇雄君 先般、二月の十日の当大蔵委員会におきまして、神戸の税関で、二十数社の貿易商社がアメリカ向けのトランジスター・ラジオの不正輸出をしているという事件につきまして御質問を申し上げました。これは大臣もすでにお聞きだと思いますが、実際の輸出価格よりも一、二割高く税関に不正申告をしておる、こういう問題でございます。そこで、聞くところによりますと、その不正輸出台数というものが二十数万台に及んでおる、その額は三十数億円に上っておると、こういうことでございまして、そのことの御質問を申し上げた。ところが、目下捜査の途上であるから詳細は申し上げられないと、こういうことでございました。私もまた、捜査段階においてそのことに支障があっては捜査当局が困られますので、深く御質問を継続をいたさなかったわけです。ただ、随時判明次第、捜査に支障なき限り御報告をすると、こういうことでござましたので、このことはその後予算委員会におきましても通産大臣に、わが国の輸出貿易振興の点から考えましてです、日本の商社がほんとうにまじめな気持をもって貿易をやらなければ、そういう点かも、日本の経済が非常に繁栄して、日本の民族の非常な優秀な勤勉力というものが買われておる際に、日本人全体の信用を失墜するのじゃないかというまあ質問をいたしたわけでありますが、時間が十分でなかったので深く申すことができなかった。この点につきまして一体、大蔵大臣はどうお考えでございますか。
 通産当局も来ておりますから、通産関係のことは後ほど通産当局にお尋ねいたしまして、またその後の詳しい状況は聞かしていただきたい。
 先に一つ聞かしていただきましょうかな。
#130
○国務大臣(水田三喜男君) 差しつかえない限りで御報告してもよろしゅうございます。
#131
○政府委員(稲益繁君) 前回、予算委員会で御質問がございました際にお答えいたしましたその後の、捜査の経過が判明いたしました。が、現在まだ完結いたしておりませんで、詳細はやはり差し控えたいと思います。
 概略を申し上げますと、あの当時、調査をいたしております商社数が二十六社と申し上げましたが、その後若干増加いたしまして、三十三社ほど調査をいたしております。内容でありますが、トランジスター・ラジオのいわゆる六石以下のもの、これに対してチェック・プライスがある。これをくぐるという目的であろうと推察されるわけでありますが、その関係で高価申告が数量で約百万台ほどございました。価格にいたしまして、高価相当額が約二百四十五万ドルということであります。これに対しもまして、七石以上のものが、これはチェック・プライスがございませんで、低価申告で虚偽の申告が行なわれておるということであります、大体、現在判明いたしておりますのは数量で約二十万台、低価申告額が約四十五万ドル、従いまして、その差額の約二百万ドル見当が現在預かり円になっておる……。
#132
○大谷贇雄君 二百万ドル……。
#133
○説明員(稲益繁君) 約二百万ドル相当の円が預かり円になっておる、大体そういう状況であります。
#134
○大谷贇雄君 そこで、今の問題はまだ捜査途上だから、深くまだ申し上げませんが、今後こういう――神戸の税関が見つけたわけだが、今後一体それに対してあなたの方としてはどういうふうに――今後たってこれは起こり得ることなんです。それに対してどういう一体処置をその後考えておられますか、対策をお尋ねします。
#135
○政府委員(稲益繁君) こういうチェック・プライス関係をくぐると申しますか、違反のケースでありますが、対策と申しましても、結局、現在のチェック・プライス制度がありますと、過当競争の結果どうしてもこういう事例が起こりがちであります。私ども直接、こういうチェック・プライス制をしいておりますのは通産当局でありまして、税関としてはこういう確認をやっているわけです。従いまして、根本はやはりこういった何と申しますか、輸出の秩序でございますか、こういったものをどうやって維持していくかという、いわゆる通商政策の問題になってきまして、通産省の方にはかような事案につきまして逐一連絡はいたしております。通産省の方で検討してもらうということになっております。
#136
○大谷贇雄君 通産省、来ておられますか。
#137
○委員長(大竹平八郎君) 来ております。
#138
○大谷贇雄君 この問題御承知だと思いますが、こういうことがたびたび起こっては、非常に、さっき言ったように、国際信用を落とすと思うのです。どういう処置をその後お立てになっておりますか。
#139
○説明員(宮沢鉄蔵君) チェック・プライスの制度がだんだん、為替取引の自由化等のもとでは、非常に効果があまり期待し得ないものという面もございますので、これからの、具体的なトランジスター・ラジオの問題に限って申しますと、数量規制といった方に大体重点を移しまして、チェック・プライス制度そのものをむしろ廃止するというような方向で、現在検討しております。
#140
○大谷贇雄君 そこで、あなたの方はそういういろいろ何ですな、これは一ぺんまた商工委員会で詳しく御質問しなければいかぬが、この自動車の部品が、シドニーに陸揚げされた日本製の自動車部品がにせものとわかって、もう豪州で、日本みたいなものはあかんといって、さっぱり評判が悪いというのは知っておられますか。
#141
○説明員(宮沢鉄蔵君) 今の具体的なシドニーの自動車部品の問題は、私はまだ聞いておりませんのです。承知しておりません。
#142
○大谷贇雄君 それはあなたの方の関係でしょう。
#143
○説明員(宮沢鉄蔵君) 輸出のそういう事態があれば、当然私どもの方の関係だと思いますが、私きょう今のところまだ話を聞いておりませんものですから。
#144
○大谷贇雄君 そんなことではあかんわ。そのことがアメリカへも流されたわけだ、通信社から。アメリカで問題となって、日本の業者を痛烈にこきおろしている、こういうことなんです。その陸揚げされた部品は全部国産なんです。ところが、そのメイド・イン・ジャパンというマークがつけてないわけなんです。ひどい話ですよ。それで、それどころか、アメリカのフォード、イギリスのモーリス、 オースチン、西ドイツのワーゲンなどの商標と番号が打ってある。聞いておられないですか。
#145
○説明員(宮沢鉄蔵君) 今の件は私は承知しておりませんので、よく調べてみたいと思います。
#146
○大谷贇雄君 そこで、専門家が鑑定したところが、日本の製品だということがはっきりわかったわけです。そこで、新聞には、にせもの現わると、でかでかと書いてある。それで豪州の上院議員までが、関税法違反で部品は即時廃棄処分に付すべきだと、こう言っておられる。こうした問題を、御存じないことを御質問してもしようがないから、この問題はあらためてやりますが、今後、そういうようなことで、今のトランジスター・ラジオの問題等でも、これは通産当局としては、日本の貿易を振興するという立場におって、そして大いにいろいろやっておられるのに、ざるから抜け出てしまうようなことで、全部帳消しになってしまうというようなことでは、これはいかぬので、これは十分に一つ気をつけていただきたいと思います。それで、税関部長さんの方はまた、わかり次第、私はこれはとことんまで、いつまでたっても聞きますから、一つ了承願いたい。
 そこで、大蔵大臣、行ってしまわれたから、これは工合悪いのでありますが。
#147
○委員長(大竹平八郎君) 発言中でございますが、重工業課長は、よろしゅうございますか。
#148
○大谷贇雄君 よろしい。
 証券関係の人おられますな。
#149
○委員長(大竹平八郎君) 大谷君に申し上げます。委員長の手元にはその通告がございませんので、一応帰しましたが、今追って、だれか係員に来るように命じておりますから、しばらく御猶予を願います。
#150
○大谷贇雄君 それでは一つ、これもこの問国有財産の問題、一部改正法律案で大いに一席弁じたところが、どうもとんと筋違いらしくて、委員長からこの次にせよということだったので、きょうあらためて御質問しますが、内容はもうすでにこの間申し上げたから、速記録で読んでいることだと思いますが、名古屋の問題で、私の地元で、まことに実はお恥ずかしいことですが、名城大学という天下に名高い大学の問題であります。これに対して、私はもう前から不思議にたえぬのです。それは海のものとも山のものともわからぬような大学に、八万坪も国有財産を貸したとか売ったとか、そして草ぼうぼうとしてはえてしまっておる。農学部を作るといって、この間も聞いてみると、それでも、学生五人か六人かと思ったら、二百何人かおるそうで、そして八万坪のところに、今も聞いてみると、寄宿舎に六十人ばかりおるだけで、こんなむちゃくちゃなもったいないことをして許すということが、これを払い下げなり貸すということが、これは日本の土地が狭いときに、最も有効適切にやらなければならぬ国有財産を、そういうことをして貸してしまうということ、これは文部省もきっと推薦をしたのだろうし、いろいろな事情があろうけれども、今日そういうようなところでそんなわずかな、六十名ばかりが寄宿舎におるというだけのことで、八万坪も領有させておくということは、これは土地の経済からいっても、春日井市という市の発展からながめても、これはもったいないきわみだと思うのです。これは回収をするなら、あるいはもう取りやめるなりという御処置をとり得ぬものかどうか。もし六十人の学生があるからいかぬということであれば、それはほかに処置を考えてあげて、学生たちが困らぬようにしてやるというようなことでやるという方法がつかぬものかどうか、この点一つ。それから、その後お調べになった状況も聞かせてもらいたい。
#151
○政府委員(山下武利君) ただいまお尋ねになりましたところは、旧名古屋造兵廠の鷹来製造所というところの土地約八万坪、建物約四千五百坪に関する問題でございます。この土地並びに建物は、終戦後この近辺のほかの施設と一緒に賠償指定の施設となっておったのでありますが、賠償物件がほとんど中央部にありましたために、それに必要でない部分につきまして昭和二十二年にこれが返還になりまして、そこでこの返還当時は、この財産につきまして特別な転用の希望者もございませんで、たまたま名城大学、そのころは名古屋の理工科学園といっておったのでありますが、名城大学が総合大学を作るという構想のもとにこの施設に農学部の増設を企図いたしまして、これを貸してほしいというお申し出があったわけでございます。当時、地元の春日井市を中心といたしまして、付近の町村では名城大学誘致期成同盟会というふうなものをお作りになって、大学の進出について非常に御熱意を示されたというようなこともありました。また、春日井市の議会におきましても、大学の必要経費の一部を補助しようというふうな決議まであったことでございまして、当時といたしましては、大学の進出について地元は非常な熱意を示されたわけでございます。それから後に、非常に遺憾なことに、学校に理事長の問題をめぐりまして内紛が起こりまして、学校といたしまして十分な機能を果たしていないということは、大谷委員御承知の通りでございます。
 そういうことでございまして、国有財産の使用として十分でないということは、大谷委員の御指摘の通りでありますけれども、事はしかし文教の問題でありますので、大蔵省といたしましては、一日も早く学校がその機能を発揮できるようにしていただきたいということを衷心から希望いたしますと同時に、国有財産の最終的な処理につきましては、学校が十分な機能を回復することを待って処置いたしたいと、かように考えておるわけでございます。
#152
○大谷贇雄君 そこで、この問題はたびたび申すように、せっかく春日井市という名古屋の衛星都市が非常な御承知の発展途上にあるわけです。そこで、そういうような、何かまん中のところを他の会社が払い下げを申請して、そうしてそれを大体認可になるようなのですが、そういうふうに工場等がどんどんできようという大事な土地だと思うのです。従って、それは大学が隆々として発展して、農学部がりっぱになるならばともかく、その見通しのないようなものについては、十分一つ検討を願わなければならぬと思うのです。
 それから、もう一つは、戸山が原のハイツですか、やはり国有地において、ただいま、国会議員か都会議員か知りませんが、そこだけが払い下げを受けたのか、あなたの方が貸したのか、とにかく議員の人には貸した。家を作った。ところが、ほかのそこに前から住んでおる人たちが、議員だからそういうことを特に許したの、だろうと、こういうことで非常に憤慨をして、各方面へ投書をしたり、あるいはふんまんをぶちまけておる。こういう事実がありますが、一体その事情はどういう事情ですか、承っておきたいと思います。
#153
○政府委員(山下武利君) ただいまお尋ねの点は、旧陸軍の戸山学校の施設の一部でございまして、土地が約千二百四十八坪、建物が八棟、二百十二坪あるところの場所の問題でございます。この施設は終戦前後から実は、この戦災にあった人とか、その他非常に戦争で困られた人が、十六世帯ばかり旧軍の施設に実際上の居住をいたしておったのであります。この辺一帯は都の住宅地区として適当であるということから、都営の住宅敷地といたしまして、昭和二十四年から有償で都に貸し付けておったのでありますが、この十六世帯の住んでおります部分の千二百坪につきましては、東京都はどうしても居住者の整理がつかないということでもって、住宅建設を断念いたしまして、昭和三十一年に国に返還をいたしてきたものであります。その後、その建物のうちの二棟ばかりのものは厚生省に所管がえになりまして、厚生省から現居住者にこれを売り払っている。約五名ばかりの者に分割売り払いをいたしておりますが、その残りの部分につきましては、まだ大部分国との間に正式の契約ができないままで、実際上の居住が続けられておる、かような状態でございます。
 そこで、この土地の端っぽの方でございますが、がけ地になったところ約六十坪ばかりのところを、ある個人に貸付をいたしまして、これは売り払いを前提として貸付をいたしたわけでございます。これはどういうわけでこういうことをしたかと申しますと、本来がそういう紛争地でありました上に、土地の形状ががけ地でありまして、相当の整地費をかけないと宅地としてふさわしい形状にならないというようなことで、他に競争者もないということから、金額等からも随意契約の適格な範囲内であるということで、ある個人に貸付をいたしております。これはもちろん正当な評価ができ次第、これを売り払うという前提のもとにやっておることでございます。残りのいわゆる政府と正当な契約なくして住んでおられる方に対しまして、いろいろと話を持ちかけて、これを正当な契約に持ってくるように今話をしておるところでございます。大体において今メドがつきかけておるというような状態でございます。
#154
○大谷贇雄君 そこで、これは今までそこにおる人々とすれば、戦災で空襲で焼けた人でもなんでもない、しかも身分は議員さんであるその人に、突如として貸して、それでりっぱかどうか知らぬが、ともかく家が建ったということになれば、これはだれしも、へー、これは議員だから貸したのだな、こういうことを一般の人が思うのは、私は当然だと思う。これは私は知っているけれども、名前は言いません。言いませんが、これは社会党さんの議員であります。そこで、そういうことが新聞や雑誌に出るようなことになっては、これは非常にあなたの方の注意が足らぬことからこういうことになってきたと思う。そこで、だから、今後こういう点については十分に私は御注意を願わぬと、一般の人々が議員というものに対する――横車を押したから、あれは借れたのだというようなふうに誤解を生むおそれがあるのではないか。
 その点は十分に一つ御注意を願いたいと思うことと、それから、そこに住んでおる人たちは、事情はまことに空襲後の状況でお気の毒だと思うのですよ。住むに家がなし、借りるに土地がない。この参議院のそこにもあります。これは全国で不法占拠をして住んでいる国有地というものが相当あるだろうと思うが、どのくらいあるのですか。
#155
○政府委員(山下武利君) 現在東京都内におきまして非常に土地が希少価値を生じております関係から、特定の個人に土地を随意契約でもって貸したり売ったりするということは、これは厳に慎まなければならないことでございます。こういうことは極力避けるようにしておるわけでございますが、本件につきましては、今申し上げましたようなことで、妥当と認めた次第でございます。この点、御了承願いたいと思います。
 それから、不法占拠の件数でございますが、これはまだはっきりしたことは、実はよくわかっておりません。不法占拠あるいは無断使用と申しましても、いろいろな形態がございまして、単に契約ができていないということで、ただ貸付の条件が合わないとか売り払いの条件が合わないとかというふうなことのために、形式上無断という形になったのでございますけれども、実は大体において話がついておるというふうなものもありますし、あるいは全く、政府の方から見ますというと、情状酌量の余地のないような不法占拠というものもあるわけでございまして、現在たとえば訴訟係属中なものは三十一件というふうに残っておりまして、このほかにもまだいろいろと立ちのきを勧告したり、あるいは売り払い、貸付その他の条件を提示いたしまして、正当な契約の線に乗せようというものは相当たくさんに残っております。
#156
○天田勝正君 今まあ大谷さんがまことにいい質問をしてくれたのだが、私は、この問題では議運においても取り上げ、会計法の審議の場合も取り上げ、過日も取り上げて、それから管財局の一、二課長等が私のところに来てくれたりなんかしたのですが、一向どうも私の満足するような答えがいつまでたっても出てこない。ここで質問すれば質問しっきり。そのときはまあ今管財局長が答弁したような答弁聞けるのだけれども、あとはさっぱり、どういう処置をしたというのが出てこないのです。問題は、売り払うものは売り払い、そして正当な対価を受け取って貸し付けるものは貸し付ける、そうするというと、もう紛争からははずれてしまって、現に裁判ざたになっているものだけを取り上げていつでも大蔵当局は答弁なさるのです。今、今期国会には建設省が、まあたまりかねて、公共の用に供する土地等の収用法の特別な処置を講ずる法案を御用意になっているようですが、私がいつも一番心配するのは、結局ごね得みたいな連中が、結局国民の正当な、しかも零細な税金まで食っている。一言にして私はそういうことじゃないか。一番はなはだしいのは国鉄の用地なんです。これは一番もう、何といっても繁華街ですから、それで結局不法占拠をしてしまって、それで会計検査院などで注意をされて、それじゃというのであわてて正当な契約にするのです。正当の契約したから、ものが解決したのじゃなくて、もともとは不法占拠なんです、もともとは。それに契約をすればいいと思う――今度はその結果、人口と交通の混雑、こういうようなことから、どうしても駅の周辺などを広げたりなどしなければならない場合に、今度はとほうもない居住権がそこへ発生したかのごとくになってしまう。どうにもならない。
 だから、役所の契約ですから、普通の契約よりもはるかにあれなんですよ、需要者側に有利な契約になっている。有利な契約のところにもってきて、繁華街ですから。ほとんど今日日本を見ると、パチンコなんか、ギャンブル、要するに業務が多いのです。どっちかといえば、健全なる市民生活のためになんというのではないのです。そういうものによけい使われて、今度それが不当な立ちのき要求をする。たとえば国鉄が借りたなんといっても、そういうことの累積ははなはだしいと思っているのです。
 だから、私はその、むしろ今の管財局長の答弁のごとくに、正当な契約に切りかえつつありますというここがあぶないのです。その正当な契約にすれば不当占拠ということが消えてなくなくなりまして、今までは居すわりで、こね得して、そしてあとは居すわってしまって仕方がない。国会でとやかく言われるので、きわめてゆるやかな条件で貸してしまう。貸してしまったら、また結局立ちのきには国民の税金で立ちのかさなければならない。こういうばかげたことを見ると、ごね得という気持が起きますよ。ですから、私は、事が小さいといって、どうも皆さんが耳を傾けてくれないので残念でしょうがないのだが、これは部長、局長でこの場で答弁するということに、この間も言ったのは、政務次官もおられることだから、こういうことについてはよくよく政府部内で一つ協議を願いたいというふうに私は申し上げたはずなんです。現実に今話が出たから言うのですが、その参議院会館わきの、はっきり不法占拠なんです。不法占拠なんでしょう。今どうなっておりますか。この間もそれを言ったけれども、それっきりになったのですが、どうなんでしょう。
#157
○政府委員(山下武利君) 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、管財局で直接に所管をしておりますのは普通財産に関するものでありまして、行政財産または公社財産等につきましてどういうふうな不法占拠の状況がありますか、つまびらかにいたしておりませんが、少なくともわれわれの普通財産に関する限りにつきましては、極力正当なラインに乗せたいと、かように考えておるのでございます。
 それから今、天田委員のおっしゃったように、不法占拠をしておる者に対して売り払って、あるいは貸し付けて、それを正当な契約と見るということは私の方としてはやっておらないのでございます。不法占拠と認めるものは、あくまでこれは訴訟その他の方法によって立ちのきを迫るという態度は変えておらないのでございます。われわれがその貸付ないし売却に移行しようと考えておりますものは、終戦後のいろいろな事情はありましたにせよ、とにかく一応の事情があってそこに入った人であって、長年の間にすでにそこに住まわせることが社会慣習上妥当であるというふうに判断したものに限ってやっておるのでございます。
#158
○天田勝正君 前段のは、何回も言ってもどうも納得ができないから、それで繰り返したんであって、その部分に関する限りは、あなた一人を責めても仕方がない。政務次官がおられるから、また聞いておいてもらうために、まくらで申し上げたのです。あなたの関係しておることについては、具体的にはこの参議院会館のわきのあれは、明らかに不法占拠なんでしょう。どうなんでしょう。
#159
○政府委員(山下武利君) ちょっと、具体的なケースにつきましては、私は的確な知識を持ち合わせませんので、調べました上で御返事申し上げたいと思います。
#160
○天田勝正君 それが困るのです。いつかは係りの責任者がかわってしまって、もう二十八年から言っているんだが、今になってようやくこんなありさまです。それが困るというのです。それで、社会公共上長く置いていいかどうかといっても、そんなのは勝手な理屈なんです。そんなものは、入るときに大体契約もなしに入るということ、しかも、個人のところなら、個人のところでいいという主張をするのではない。個人のところなら、損害はその人だが、国有財産、公共のものというのは、私は個人のものよりもっと大切にするという考えがなければだめだと思っているのです。ですから、皆さんが何らかの事情におきましてそこに入ったんだろうなどという考え方は、個人の場合は通用しても、公共の国家の財産については通用しては相ならぬ。そういう考えでやってもらわなければいかぬ。おそらくそこらだったら、私は弁解ができると思う。私の初めにここに当選してきた二十二年は、あそこは三軒か四軒です。あとはふえたんです。一番初めおった人は、もともと陸軍省のきっと小使でもしていたとかなんとか言うに違いない。だけれども、陸軍がなくなって、そこにいるという必要なんかあるはずはないです。そこにいたというのは、その人のエゴイズムですよ。そういう初めの人はそうだけれども、もし無理に理屈をつけるとしたら、エゴイズムを認めるとしても、初めの三、四軒しかない。あとのものはいかに理屈をつけようとしても、理屈のつけようはずはございません。ですから、その具体的なことを処理してもらいたいと申し上げているのです。清水谷の公園だってそうです。ああいうところをどんどん不法占拠をすれば、十年たてばどんなりっぱなうちでも建ちますよ、不当利得で。どっちかといえば不当利得、国民の税金を食ってるということで、だれだってできる。そういうものは居得でしょう。何もその間賠償を取るんじゃないのです。ですから、せっかく話が出たから、もう一ぺん注意を喚起しておきますから、すぐどこはどうという具体例で、僕はいつの機会かにお示し願いたい。
#161
○大谷贇雄君 それで、まあ大臣が衆議院の本会議へ行かれたから、ちょうど田中政務次官がおいでになりますから、この問題は、局長はさっき希少価値という言葉を使ったが、東京では御承知の通り、もうあなた、どこへ行ったって大へん土地が少なくて、そうしてみんな土地がほしいんですよ。そういうところにおいて、黙って居すわってしまって、今参議院会館の話が出たが、私はまあ二十八年に当選してきたときから気がついているのです。行ってみると、あなた、りっぱな畑ができたり、堂々たる庭を作って、畑を作って作物を作ってやっていなさる。そういうようなことを放置しておくということでは、これは国家の国有財産を管理する管財局としては、大蔵省としては、これは国民に対してまことに申しわけない、私はかように思うがゆえにそのことを言うのであって、名古屋の名城大学の問題も、私どもの実は土地の学校ですから、かわいいですよ。しかし、それでは国有財産というものを重んずるゆえんではないじゃないかと、こういうことからの私は御質問を申し上げて、政府に協力する意味において私は申し上げておるわけです。こういった点について政務次官は一体どうお考えですか、その点。
#162
○政府委員(田中茂穂君) 最後に申し上げようと思ったのでございますが、今お尋ねでございましたので、この機会にお答えいたします。
 前回の委員会のときにもお答え申しましたように、国有財産の管理につきましては万全を期するように申し上げておきましたが、今具体的にお示しになりました参議院会館のそばの問題、それから清水谷公園の中の一部不法占拠の問題、早急に調査いたしまして、御意見のように完全を期する上においての善処をいたしたいと思っております。
#163
○大谷贇雄君 最後に。そこで、どうか一つ、今、政務次官のお言葉で了承いたしますが、どうか一つ、これは非常な大事な問題でありますので、十分にこれは国民のために御善処をお願いいたしたいということと、それから、管財局長の方で、東京都内のそういう不法占拠をしておる個所、件数等が一体どのくらいあるか、その資料を御提出願いたいが、委員長、一つお願いを申し上げたいと、かように思います。
#164
○委員長(大竹平八郎君) 政府側、よろしいですか、資料。
#165
○政府委員(山下武利君) できるだけ整えて御提出いたします。
#166
○天田勝正君 それにつけ加えて、私も資料をお願いしておきます。今具体例を二つあげたのですが、政務次官、東京都の公園のごときは、必ずここで質問をすれば答弁はきまっている。あれは地方公共団体である東京都に所管せしめまして云々と、こうくる。ところが、一面、たばこの税金だとかなんだとかが、みな国民の税金がいっている、それでまかなっている。そして、ことに東京都の場合は、ここで非常に大きな問題になったのが二つあります、過去に。一つは虎ノ門公園の問題これは衆参両院でえらく問題になったけれども、とうとうあそこに居すわりをしている。今はあんなところに公園なんかありゃしない。もう一つここで問題になったのは、池袋の学校の占拠、これで東京都は往生して、参った。結局、とほうもない今言ったような移転費を出して、ようやく出てもらった。長らく不当な利益を得ていながら、あとはそのまま、跡始末は国民の税金、こういうばかげたことはないので、そこで大谷さん資料の要求とともに、これは一つ東京都と連絡をとって、結局、国有財産が東京都に移管され、東京都がまたそういう状態ですから、これも一つでき得る限り、地方公共団体の問題ですけれども、資料の提出を願いたいと思います。
#167
○委員長(大竹平八郎君) よろしゅうございますね。
#168
○政府委員(山下武利君) ちょっと、今のは東京都のどういうところの、具体的にもう少し……。
#169
○天田勝正君 学校とか公園です。
#170
○政府委員(山下武利君) 東京都に学校とか公園とかのため貸し付けたものの資料という意味ですか。
#171
○天田勝正君 そういうことです。それで、あとどうなっているかということです。
#172
○政府委員(山下武利君) わかりました。
#173
○委員長(大竹平八郎君) これにて水田大蔵大臣に対する質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。
  ―――――――――――――
#174
○委員長(大竹平八郎君) この際、お諮りいたします。
 関税定率法の一部を改正する法律案及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、参考人の人選等は委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(大竹平八郎君) 御異議なきものと認め、よってさよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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