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1960/03/28 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第16号
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1960/03/28 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第16号
昭和三十六年三月二十八日(火曜日)
   午前十時四十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           成瀬 幡治君
           天田 勝正君
           天坊 裕彦君
   委員
           青木 一男君
           岡崎 真一君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           前田佳都男君
           山本 米治君
           荒木正三郎君
           木村禧八郎君
           清澤 俊英君
           永末 英一君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
   大蔵省主税局税
   関部長     稻益  繁君
   大蔵省理財局長 西原 直廉君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
   大蔵省為替局長 賀屋 正雄君
   通商産業省通商
   局長      今井 善衞君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省理財局次
   長       吉田 信邦君
   通商産業省通商
   局通商政策課関
   税審議室    堀田 禎輔君
   食糧庁業務第二
   部長      村田 豊三君
   郵政省簡易保険
   局次長     竹下 一記君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○所得税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○物品税法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○揮発油税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地方道路税法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○資金運用部資金法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○関税暫定措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法の一部を改正する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は御発言願います。
 なお、政府側の出席は、水田大蔵大臣、田中大蔵政務次官、石野銀行局長であります。
#3
○天田勝正君 私は、まず大蔵大臣にお伺いしますが、きょうは本法案を上げる予定だそうでありますから、簡潔にするために、例は一つだけ引きます。
 まず、輸出入銀行が融資しておるもののうち、アラスカ・パルプのごときは、資本金が二十億に対して百十八億の出資を行なう、こういうことでありまして、普通の常識からすれば、これはまことに不思議な話であります。ところが、昨日輸出入銀行側から出席を求めまして参考人としていろいろ御意見を伺ったのでありますが、これが基準というものが何ら示されない。単に、日本の業界の要請であり国策である、従って自分たちの判断としてはこの程度の融資は差しつかえないものと考える、こういうようなお話であります。ところが、結局、だんだん聞いてきますと、これはかつて数年前に輸出入銀行ができるときに閣議決定があって、そのために特別な融資を行なうという意味のことも申されております。そこで、私はお聞きするのですが、輸銀ができまするときの閣議決定というのはどういうことなのか、そしてこれは内閣はかわるにかかわらず継続するものなのか、この点をまず伺っておきます。
#4
○国務大臣(水田三喜男君) まあ昔、復金がありましたときに、一々貸し出しについて政府が指示をするというようなことがいろいろ問題を起こしたこともございますので、開銀、輸銀がその後できるにつきましては、大体どこにどういう貸付をするのかというのは両方の機関の責任で行なわせるというのを建前にして発足し、現在もその通りやっておりますが、しかし、そのうちでも特に重要な国策に関する問題というようなことの金融につきましては、当局間で相談して内閣の意向をただしてくるというようなときには、そういうものに限って閣議決定をしたり閣議了解を与えるというようなことをやっておりまして、アラスカ・パルプの問題もその一つのケースで、政府がこれに、国際経済協力の線に沿ったものであるし、また日本の原材料資源の輸入市場を確保するとい問題にも関係しますので、これは輸銀からも応援してしかるべしという閣議決定をしたことがございますので、それに基づいて輸銀の方が具体的な貸し出しを処理しているということになる一思います。
#5
○天田勝正君 その後内閣がかわったわけですが、しかし、その閣議決定した効力というものは、内閣がかわるとかわらないとにかかわらず、現在でも存続し、また将来別の内閣ができたときであってもこれを拘束する、こういう筋のものですかどうですか。
#6
○国務大臣(水田三喜男君) 内閣がかわって前内閣の方針を変更する必要があると認めて、また同じ手続で閣議決定でこれは方針を変更するというようなことがない限りは、大体前の決定が有効であると思います。
#7
○天田勝正君 そういたしますと、今の池田内閣は、この決定当時の内閣がどの内閣であったか知りませんが、その当時の決定を変更する必要なし、よってアラスカ・パルプのごとき会社には大いに厚く投資をすべきである、こういう考えでおられるわけですね。
#8
○国務大臣(水田三喜男君) 輸銀の貸付は差しつかえないという態度をとっております。
#9
○天田勝正君 さっきも説明の中でちょっと申し上げましたが、この会社は二十億の資本金なんです。そして従前も毎年輸銀から資金を出してきたわけですが、ことに今回百十八億、これは資本金の六倍なんです。ここに問題が私はあると思うのです。大臣は、資本金の六倍も融資することが当然なりと、輸銀がおきめになっているわけですか、あなたも当然なりとお思いになりますか、どうなんですか。
#10
○国務大臣(水田三喜男君) これは、こういう種類の会社は、将来になったら増資をするというようなことが当然あると思いますが、発足のときにはなかなかそう、最初から資本金を全部整えられるというような性質のものでございましたら、これはまた貸付の必要性というものもいろいろ変わってくると思いますが、そうではなくて、しかもその事業に対して輸銀ひとりが貸すのじゃなくて、民間の市中銀行が協調融資で、心配ないという判断のともに各市中銀行がみな貸し出しをする、その場合に輸銀もこれを援助して手伝ってほしいという申し出に対して、輸銀が貸すわけでございますので、輸銀が全部危険負担をしているわけじゃございません。事業を十分に調査している関係市中銀行が全部これは問題ないとして貸すのに、輸銀がお付き合いをしているということでございますので、資本金のどうこうによってそう簡単にきめられる問題ではないと思います。
#11
○天田勝正君 資本金の多寡によって簡単にきめられない。――融資というものはそういうものだと私も承知しております。しかし、百十八億という額がこの出資の全部であって、それを市中銀行もまかない、また輸出入銀行もまかなうというふうに危険を分担しているというのじゃないのです。輸銀だけで百十八億なんです。ですから、私は、資本金の六倍ということは何と考えても普通の常識ではないのじゃないか。今大臣は、発足当事においてはなかなか資金も集まらないし云々というお話でありましたが、しかし、一般の業界ならば、発足当時は幾らのどから手が出るほど要求があっても、実績がないから貸してもらえないというのが普通なんでございます。貸してもらえない。それをこの会社だけには――ほかもありますけれども、この会社は特にこうした資本金の六倍、普通の場合だったら資本金を越える融資などというのはありますか。ほとんどないでしょう。これはたまに例を引けばあるかもしれないが、まあ普通はない。資本金を越えるには、結局私は閣議決定というものがものを言っているのだというふうに考えるわけなんです。ですから、それなら、閣議決定したならしたで、他の基準が何かなくちゃならない。その点、何かありますかと聞いている。
#12
○国務大臣(水田三喜男君) これは、民間市中銀行の融資と、それから同時に、輸銀の場合に化繊業者の保証をとっておりますので、この相当大きい保証力の上に立った貸付でございますし、回収が不可能とかいうような懸念というものは貸付のときから、最初から、もうないというような措置をとっておりますので、私は別に問題はないと、こう考えます。
#13
○天田勝正君 日本の化繊業者が枯渇しているという理由がなければ、いわば国策会社みたいなものを別に庇護する必要はない。おそらく正面の理由は、政府もそう判断されたんだろうと私は思う。その判断は筋道としては私はとやこう言うのではございません。しかし、何せ、とにかく輸銀の投資というものが、まあ通常は七%の利子であると書いてあるけれども、業務方法書によって四・五%以上だ。そうして実際にこのアラスカ・パルプに適用しておる利率は幾らかと聞けば、やはり四・五%と、こういう。そういたしますと、私どもがすぐ疑問に考えますことは、本来それだけ国策の必要、業界としてもどうしてもこの会社をもり立てなければならないというならば、なぜ株式の募集をしないか。疑うわけではありませんけれども、株式の募集をするならば、当然一割ぐらいの配当を約束されなければならない、まあ一年、二年は別として。ところが、結局、これはまあ輸銀という形で政府の金を使う、国の金を使う、こういうことになれば、四分五厘で用が済む。この方が安上がりだから、こちらの方にアラスカ・パルプを通じて日本の化繊業界というものがたよっておる、こういうふうに判断されるのでありますが、そうじゃありませんか。
#14
○国務大臣(水田三喜男君) 確かにそういう問題はあると思うのですが、こういう国策的な会社の発足でございますので、すぐにこれが採算に乗って配当できるというような業績の問題は望めないことと思いますし、しかし、そうかといって、いつまでもこういう金融にたよるということは、当然これはもう救う義務がありませんので、返済期が来るというようなときを契機に、結局、関係業者の出資というようなものに順次に切りかえられていくというふうなことになろうと思います。
#15
○天田勝正君 こんなゆるやかな金融で済むなら、中小企業の苦しみなんというものは日本からなくなってしまいますよ。私はそう判断する。ともかく資本金の六倍の融資、これは幾らでも繰り返しますが、これはどう考えても異常なんです。異常なものに対する貸し出しがこれだけあるには、あるだけの理由がどうしてもなければならない。そうすると、結局、どうもきのうも聞き、きょうも聞いても、さっぱりその点をおっしゃらないのですけれども、まあ時の輸銀の幹部ですか、あるいは閣議決定というようなこともありますから、時の内閣の大臣のまあ気持次第という、心の向くままという工合で、勝手にこういう国費によって支出された資金が出されていいものなんですか、どうですか。おかしいですよ、それは。
#16
○国務大臣(水田三喜男君) 前にはミナス製鉄の問題がございましたし、アラスカ・パルプ、こういうのは結局、国として一つの国策の線に沿ったものだという判断のもとに応援をしているものでございますし、その方針に基づいて輸銀の貸し出しが行なわれております以上は、この事業をここで中途でどうこうするわけには参りませんし、所期の目的通り完遂させるということに努力するよりほか仕方がございませんので、政府としましても、すでに発足した会社についての方針をここで変えようというような考えは全然持っておりません。
#17
○天田勝正君 答弁がどうもよそへすり変わってもらっては、迷惑な話です。今、途中ですぐやめろという議論をしておるのじゃ、ないのです。途中だからやめるわけにいかないとおっしゃるけれども、途中だっても私は株式にたよるということは不可能ではないと思うわけです。それだけ将来性もあり、業界があげて待望しておるということは、できた製品というものが売れないという憂えはないはずです。必ず売れるし、必ず業界としては買わなければ、今度は化繊業界の方が成り立たない。そういうものでありますから、当然それぞれの業界は株式という形で出資してしかるべきなんです、どう考えても。当分は無配当かもしれないけれども、やがてはその配当ならば、配当まあ一割以上になるでしょう。ところが、それを特に四分五厘という低利な資金ですね、これを利用するというところに、私はどうしても疑惑を持たざるを得ないわけです。だんだん今度返済のことも、言葉の中で察知いたしますと、業界がそれぞれ保証しておるのだから差しつかえない、こう言うけれども、資本金さえつぎ込まないということになれば、保証はしたけれども、ほんとうに責任を負うという気持はないのじゃないか、今度、こういう疑いが出てくるわけです。そういう場合の最終的な返還の義務というものは一体どこにあるのか、あるいはまた、もしそれが返らなかった場合は、この輸銀の融資というものはどういうことになるのですか。結局、これは国の損ということになるのでしょう。どうなんですか。
#18
○国務大臣(水田三喜男君) 輸銀としてはもう貸し出しが終わっておるものでございますので、今後は回収の問題になると思いますが、これは最初の目的通り事業を実現させることに努めると同時に、そのために据え置き期間とかいうようなものを置いてあるのでございますから、その間の猶予はともかくといたしまして、そのあとの回収の方法については、これは貸し出しの責任が輸銀が持っておる問題でございますから、輸銀としましては、これに鋭意増資をさせるという方向へ指導するというようなことも、今後当然行なわれるだろうと思っております。
#19
○天田勝正君 結局、私どもはこう受け取っていいのでしょう。貸した金ですから、投資した金なんですから、返ってこないということも、これは想像できるわけです。一般にもあることだから、一般にもあることはここだってあるはずです。そういうときは結局国の損失と、こういうことで片をつけざるを得ないわけですね。どうなんですか。これは仮定の問題であると言ったって、普通世間にあることですから。
#20
○国務大臣(水田三喜男君) 国が全部損するというようなことを考えた事業ではございませんので、そのために十分の保証をとっておるということでございますから、そのための保証でございますから、最悪の場合輸銀が全部損になるということには、私はならないと思っております。
#21
○天田勝正君 なかなか、近ごろは水田さんも言い抜けばかり上手になって困ってしまうが、おかしいですよ、これはどうしても。ですから、どうなんですか、大臣。あまり言い回しよく言っていないで、何かそこへ今後基準を設けるとか、資本金は少ないけれども設備はその会社自体に十分あるのだとか、あるいは他が保証しているからいいということをいうならば、それならすべて株式に切りかえさせるとか、それも全部やれというのは不可能であるけれども、政府の融資はせいぜい資本金程度にとどめて、あとはいかに国策会社といえども株式を持たせることによって資金調達するとか、何かそういう基準を設ける気持はないですか、どうですか。
#22
○国務大臣(水田三喜男君) まあこのアラスカ・パルプの問題は、貸付を行なってしまった問題でございますから、基準というと今後の問題ではないかと思っていますが、今後の問題としましても、輸銀というものが特殊の任務を持った特殊の金融機関でございますから、その性格上、輸銀にいろいろの基準を設けることによってむしろ輸出を阻止するという効果の方を大きくする問題が考えられますので、この輸銀の金融のワクをきめるということは私は非常にむずかしい問題だと思います。
#23
○天田勝正君 日本の産業というものは結局、回り回ればみな輸出に関係なしとはいたしませんけれども、このアラスカ・パルプの場合は、輸入原料を確保するということが主なんです。輸出が直ちにどうという問題じゃありません。ただ、そのできた化繊というものがやがて輸出される、こういうことはありましょう。今は直ちに輸出がそれでストップをするというような問題じゃないし、かりに言い回しによって、化繊輸出が困るようになるのだと議論しても、どうしたって半分は資本金で調達して、あとの半分は融資に待つのだ、こういうことの方が幾ら国策会社といえども当然でしょう。あるいはそれだけ重要なものならば、全額政府資金によって株を持つ、こういうことが公社の場合でも何でも当然行なわれているので、これほどまでに――国策々々といったって、三公社のごときものは全額これは国庫の出資です。しかし、この輸銀の融資からすれば、全額ではないのですよ、六倍だから、どう考えてもおかしいと、こう申し上げているのです。だけれども、どうしてもそれは基準を設けなければ、時の輸銀の幹部と時の政府の気持次第で押し通すということなんですか。再び聞きます。
#24
○国務大臣(水田三喜男君) 今私が言いましたのは、勘違いしていまして、この輸銀に一社当たり貸付の金額の限度を置けというような問題だと思って答弁しましたのですが、そうじゃなくて、まあアラスカ・パルプはもう貸し出しをしてしまった問題でございますからですが、そうでない、今後の問題というようなことでしたら、その資本金のあり方と貸付のあり方というようなものについてのそういう考慮は、これはやはり望ましいことだと私は思っています。
#25
○木村禧八郎君 関連。今度の、きのうからロンドンで開かれているDAGと輸出入銀行との関係ですね、一、二伺いたいのです。
 それは、第一点は、新聞で報じられていることは、日本政府にも協力方の要請があったというふうに聞いたように思いますが、その内容はどういう内容であるか。新聞によっていろいろ違うものですから。参加十カ国の総生産の一%とかあるいは国民所得の一%とかいっておりますが、これに協力するということになると、どのくらいの後進国援助に対して日本が資金援助をすることになるのか、そういう点が一つです。
 それからまた、援助の定義についていろいろ新聞でも報じられておるように、輸出入銀行の今五年程度の延べ払いは援助と認めないというようなことが伝えられておるわけですね。十年以上にならないと援助とみなさないということになると、この輸銀の今後の融資というものも変わってこざるを得ないと思うのですが、そういう点はどうなんですか。この二点について伺っておきたい。
#26
○国務大臣(水田三喜男君) DAGの会議でそういう提案が出るかもしれぬという情報は得ておりますが、まだそれが会議に出されているわけではございませんし、そういうものが出た公電も今入っておりませんので、そういうものが出されたらそれによって私どもはいろいろな態度を検討するということになっておりますので、まだ具体的な一つの考えは全然きまっておりません。
#27
○木村禧八郎君 政府に何か事前に協力方の要請があったということがいわれておるが、政府に何の連絡もないのですか。それともう一つ、二つ質問したのですが、後段の質問に対して何か答えてもらわないと……。輸銀との関係です。
#28
○国務大臣(水田三喜男君) 正式なそういう要請が政府にあったことは聞いておりません。それから輸銀との問題でございますが、これは今始まったことではなくて、昨年のDAGの会議のときでも、延べ払い条件等も今日本でやっている程度では、これは援助というわけにはいかぬという意向も、関係国から出されたいきさつもございますので、こういう問題についても、私どもはこの条件緩和そのほかについて今後検討するつもりでおります。
#29
○木村禧八郎君 正式にはなくても、非公式にはあったんですか。それから、この援助というものの定義の問題になるのですが、政府はそれをどういうふうに考えているのですか。
#30
○国務大臣(水田三喜男君) それは正確なことは外務省に聞かないとわかりませんが、大蔵省としてはただ外務省からこういう問題が出るかもしらぬというような話は聞いておるということでございますが、外務省へ向こうからどういう形で来たかは私はまだ存じません。
#31
○木村禧八郎君 何だか、この輸出入銀行法の法律案を今審議しておるわけですが、しかし、今後その援助の定義いかんによってはずいぶん変わってくるのですね。今までの五年くらいの延べ払い方式ではこれに含まれないというような問題も起こってくるわけです。これについて、そんなに簡単に見過ごしておいていい問題なんですか。このDAGのああいう会議は、そんなに大した問題じゃなくて、これは軽視してもいい問題なんですか。
#32
○国務大臣(水田三喜男君) 軽視するつもりはございませんが、御承知のように、DAGというのは別に議決をしない、関係各国が集まっていろいろ懇談する機関でございますので、そこで出た問題を見て、政府としてはこれにどう対処するかをきめればいい問題でございますので、まあDAGは一つの懇談会でございますので、その結果を見て私どもはいろいろ対策をきめたいと、こういう立場で臨んでおります。
#33
○木村禧八郎君 どうもあまり時間がございませんから、もう簡単に打ち切りますが、しかし、もしかりに総生産の一%くらいの援助をするということになれば、かなりの額になるのでしょう。ですから、今後の日本の国際収支にも相当大きな影響が出てくるわけです。こういう問題について、今大臣の答弁を伺いますと、何だかもう実にあやふやな、ほとんど検討もしていないような、出されてから考えるとか――新聞ではどんどん出ているじゃないですか。大蔵省はもう少し検討しているに違いない。そんなこと、検討していなければならぬはずです。それを出てから検討してみるとかなんとか、そんないいかげんな――これはさっきも大蔵大臣、答えたように、今起こった問題じゃないでしょう。だいぶ前から起こっている問題ですよ。私も今急に質問するわけじゃないです。このDAGの問題については何回も質問しているんですよ。
 それで、このDAGの援助というのはかなり政治的な意味を持っている。いわゆる共産圏の後進国に対する援助に対抗する意味を持っているのであって、これは非常に重要な意味でございますよ。これをだんだん深入りしていけば、コマーシャル・ベース以外の非常に政治的な意味を持った援助になってくるわけですよ。そこで、このDAGのこの会議の成り行きというものは、そんな軽い意味をもって考えるべきものじゃなくて、相当私は重大視さるべきものだと思う。ところが、先ほどの答弁ですと、何か非常にたよりない無関心に近いような御答弁ですがね。そんな程度でいいのかどうか、もう少し検討されているに違いないと思うのですよ。大蔵大臣、もう少し詳細に詳しく御答弁願いたいと思います。
#34
○国務大臣(水田三喜男君) それはいろいろな場合に対処する検討はしておりますが、今の御質問のDAGの場合は、これは懇談会でございますので、懇談の場合にはいろいろ日本の考え方とか立場についてのこちらの代表からの懇談もするはずになっておりますし、ここで縛られてどうこうという問題ではございませんので、その懇談の結果、政府としてはいろいろ方針を今後きめるという立場で臨んでおるのでございますから、今ここで国民総生産の一%がどうこう、それによってどうするかという具体的な考えのお答えができないということでございます。
#35
○木村禧八郎君 それは懇談であるから、正式のIMFとかそういうようなところと違いますが、道義的にはかなり制約されるのじゃないかと思うのです、道義的には。そういう場合に、日本としてはやはり主張というものがなければならないと思います。たとえば援助の定義についても、日本としてはこういうふうに考える、賠償まで含めて考える向きもあるようでございますが、賠償は援助としては含むべきでないとか、あるいは輸銀のプラント輸出について五年ぐらいの延べ払いもこれは援助に含むべきだとか、何かそういう主張がなければならないはずだと思います。道義的には、あそこで大体きまりますと、かなり縛られることになってくるのじゃないかと思いますが、その点はどうなんですか。
#36
○国務大臣(水田三喜男君) これは会議の懇談の結果によって政府は善処策をきめるという立場で、今代表を出しているということです。
#37
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#39
○成瀬幡治君 社会党を代表いたしまして、この法律案に反対をいたします。
 その理由は、第一は、原資である百二十億は、第二次補正予算の審議の際にも問題になったことでございますが、財政法二十九条の違反の疑いがあるのじゃないか、この点がまだ解決しておりません。
 第二の点は、昭和三十六年一月現在の貸付残を見ますと、一千三百七億でございますが、うち四分という低利で貸し出されている輸出関係のものが千四十六億でございます。しかも、質疑で明らかになった点は、銀行と協調融資をする場合には、業務方法書の中に七対三を原則としているとはありますが、原則はそうなっているが自由裁量で貸し出されるというようなことになっております。いわゆる輸出入銀行の原資は、一般会計から産投に入り、産投から輸銀に入っているわけでございますから、原資は考えてみれば国民の血税でございます。その血税が四分というような安い金利で貸されるという点が一つ問題です。質疑では、この点について考慮するということはございますが、その点が一つの問題であるとともに、今申し上げましたように、自由裁量で貸されるというような点はいかがかと思います。こういう点を一つ明確にしていただかなければ、輸銀の幹部の方の自由裁量ということは何か疑わしい点があると思います。たとえば、やり方というのはいろいろと意見があるかもしれませんが、船舶について七−三の比率で貸したとすると、どの会社にも七−三で融資が行なわれる、車両に対しては八−二で協調融資をしたら、いつまでたっても八−二でやるというような点を明確にしていただかないと、あまりに権限が大き過ぎると思うわけでございます。そういうような点から、今後改正をされるとするならば、そういうような点も明確にしてやっていただかなければならないと思います。
 以上二点を簡単に申し上げまして、反対の理由といたします。
#40
○天田勝正君 民主社会党は、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案に反対いたします。
 反対の理由は、すでに産投特別会計の際に一部は申し上げましたが、ただいま成瀬君から申されましたように、すでにこの産投特別会計へ繰り入れる百二十億それ自体が財政法違反であると私どもは考えております。
 さらに、融資、投資の方法でありますが、これまた私どもの質問で明らかになりましたように、極端な例を申し上げれば、資本金の数倍に及ぶ投資さえ行なっておるのであります。これに対する政府あるいは輸銀当局の答弁は一向に要領を得ておりません。ほとんどこれらの融資というものが、時の政府と輸銀の時の幹部によって、気ままに右左できるということでありまして、まことに国民の税金によってまかなわれた資金の使途としては、ずさんきわまりないというように私どもは考えております。そして政府側の答弁を聞きますと、これは国策なるがゆえにというお話でありますけれども、しからば、他の政府機関で見まするように、幾ら国策といえども資本の全部をまかなうというのが精一ぱいのはずであります。ところが、資本の全部はおろか、その数倍の融資を行なう、そしてこの金利に至りましては、四分五厘というようなきわめて低率な、この厚い庇護を一、二の会社に与える、こういうことは何としてもうなずけないのであります。もしこういうようなずさんな融資によって、国策なるがゆえにやるというならば、おそらく日本には中小企業の苦悩というものはなくなるだろうと私どもは信じます。そういう観点からいたしまして、かようなずさんな融資を行なうならば、これらは当然中小企業者の復興のために回すべきであると考えるのであります。
 以上によって本法案に反対いたします。
#41
○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表しまして、この法案に反対をするものです。
 もともと私たちの党は、日本輸出入銀行法そのものに反対をいたして参りました。それは国策会社を援助するという名によりまして、大資本に対して低利の金を融資する、いわゆる大資本育成がこの法案の目的であるということを私たちは指摘して、これに反対して参ったものであります。中小企業などはこの法案の恩恵から遠いところに置かれて、何ら恩恵を受けていない。この輸銀法によりまして恩恵を受けるのは、過去の実績から見ましても、明らかに大資本のみであるということははっきりいたしました。
 また、あらゆる不合理の問題につきましては、先ほどからの天田委員の質疑の中でその点がはっきりしたと私は思うのであります。特にこの一部を改正する法律案につきましては、私たちは第二次補正予算を財政法違反だという建前をとっており、従って、この前成立しました産投も私たちは反対をして参ったわけです。そこから百二十億輸銀に入れるという法律は、当然これは私たちは筋を通して反対をしなければならないものだと、こう考えます。
 以上の立場から、私はこの法案に反対をするものです。
#42
○山本米治君 私は、自由民主党を代表して、本案に賛成するものであります。
 今後わが国か経済成長政策をやって参りますにつきまして、非常に問題となる一点は国際収支の点でありますが、その国際収支改善のうちの中心問題はまた輸出伸張問題になることは当然でありますが、この輸出が今後なかなか国際的競争がきびしくなる情勢であります。そこで、この国際的輸出競争場裏に処してわが国の輸出を伸ばしていくためには、いろいろな点で政府が直接間接の援助政策をとらなければならないのでありますが、日本の金利が国際的に割高だということは、日本の非常にまずいハンディキャップになっている一点でありますが、まず輸出に対して金融をつけること、それから、しかも低利でつけるということは、非常に輸出伸張の上に重要なのでありますが、この点において、日本輸出入銀行の任務というものが今後ますます重要になるだろうと思うのです。
 そこで、三十六年度におきましても一千億に近い融資計画がなされておるのでありますが、ただいま野党の反対理由を聞きますと、まず第一点が、この間の第二次補正、ひいて産業投資特別会計への出資の財政法違反問題であります。これはわが党はすでに違反でないとしているのであります。それから、その他の点につきましては、大体普通の金融ベースから考えて反対しておられるようでありますが、先ほど申しましたように、今後日本が輸出を大いに伸ばしていかなければならぬという点から見ますと、これは一種の国策といいますか、特殊な金融でございまして、輸出に対し金融を豊富にし、かつ安い金利でしてやるということが必要なんであります。四分という金利は確かに非常に安いのでありますが、これは市中銀行との協調融資のことを考え合わせますと、四分ではない、五分あるいは五分以上になることは明らかであります。
 また、大資本の会社にだけ融資するということが一つの反対理由になっておりますが、なるほど輸出の性質から見ると大体そうなりがちでございますけれども、このうち融資先のおもなるものの船、造船会社などにおきましては、もう半分以上が関連下請会社、いわゆる中小企業等がこれに関与しておるのでありまして、必ずしも大会社に対して貸すということにならないのでありますし、またアラスカ・パルプがやり玉に上がっておりますけれども、これなどもきのう以来の質疑応答で明らかになりました通りに、これは国策という言葉はあまり今日では適当でないかもしれませんけれども、輸出振興の立場からやっておるのでありまして、資本金に対し融資額が過大であるというような点もこの場合われわれは当たらないのじゃないかと考えておるのであります。
 こういう意味におきまして、ともかく輸出に対しては普通の金融ベースでない、特別の金融という点をよく了解するならば、野党諸君の抗議は当たらないと思うのであります。この意味合いにおきまして、本法案が、来年度輸出入銀行の資金を豊富にするその一環として、産投特別会計が百二十億出資してこの資本金を増加しようとすることは、まことにけっこうであろうと賛成するものであります。
#43
○委員長(大竹平八郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#45
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#47
○委員長(大竹平八郎君) 次に、法人税法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、物品税法等の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、資金運用部資金法の一部を改正する法律案、郵便貯金特別会計法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律案、関税暫定措置法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、以上十一法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑をしていただくわけでありますが、物品税法等の一部を改正する法律案は、衆議院で修正され本院に送付されておりますので、便宜大蔵省当局よりこの際修正の概要について説明願うことにいたします。
#48
○政府委員(村山達雄君) 物品税法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院の修正の内容をかいつまんで申し上げますと、今度の物品税ではいわば増税部分と減税部分があるわけでございます。減税部分は、従来気筒容積千五百CC以下のものにつきまして一五%の小型の税率を課税しておりましたが、これを今度二千CCまで一五%課税する、これが減税の内容でございます。それから、増税の方の内容は、従来大型の自動車といたしまして五〇%の課税をいたしておりました分が、従来でございますと気筒容積四千CC以上のものを大型と認めておりましたが、今度は三千CC以上のものについて五〇%を課税するということになったわけでございます。
 ところが、この自動車につきましては、三十五年度の外貨割当が昨年の十一月に行なわれまして、約一千台でございますが、この三月の末まででその大部分が輸入されるわけでございますが、約二百六十六台というものが四月、五月に持ち越されております。先般新聞にも報じられましたように、一部は着きましたけれども、横浜の埠頭において沈没したという事情もございます。これらのことがございますので、その増税部分の規定は六月一日まで延ばしてはいかがであろうかということでございます。
 その大型の点が一つと、それから小型の部分につきまして、従来幅の制限を置いていなかったわけでございますが、今度新たに自動車車両運送法の登録区分と同じように小型につきまして幅の制限を置きまして、幅百七十センチ以上のものにつきましては、これは気筒容積とかあるいは輪距にかかわらず、三割の税率を適用することにしてございます。その分も増税部分でございますので、要するに増税負担分はすべて六月一日から施行いたします、減税になる分は四月一日から適用いたします、こういう修正をいたしてございます。
#49
○委員長(大竹平八郎君) 水田大蔵大臣に質疑のある方は、順次、御発言願います。
 なお、水田大蔵大臣のほか、政府側は石原大蔵省主計局長、村山大蔵省主税局長、西原大蔵省理財局長、稻益税関部長が出席しております。
#50
○須藤五郎君 私はこれから、所得税法、特に源泉徴収の問題について質問したいのでありますが、せっかく大臣が御出席になっておるのでありますから、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
 今回、政府は税制改正をやろうと、こう言っておりますが、今回の税制改正のねらいは一体どこにあるのか。今回の改正ではほんの一部分であると思うが、真のねらいはどこにあるのか。調査会の結論はまだ出ないのか。根本的な改正は、手直し程度ではだめであると思います。その点から見て、今回の所得税法改正には大きな矛盾があると思いますが、政府はどういうふうに考えておられるか、まず伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(水田三喜男君) 改正のねらいは、もうたびたび申しておりますように、中小所得者の税負担を軽くしたいということがねらいで、今度の税制改正案もそれを中心とした改正案でございます。
#52
○須藤五郎君 根本的な改正をしようとするならば、次の二点を最重点的に私はすべきものだと思うのであります。一点は、中央地方を通じて税制の民主化と簡素化、二点は、税負担の軽減と負担の公平をはかること。これをやろうとするならば、まず労働者の税負担の軽減を考えなければならないと思いますが、大蔵大臣はどういうふうに考えられますか。
#53
○国務大臣(水田三喜男君) 特に勤労所得者の減税というものを中心にやったものでございますので、労働者の負担は非常に今度の改正案によって私は軽減されていると思います。
 それから、中央地方の税のあり方でございますが、今度は国税は一応国税で減税いたしまするし、地方税は地方税で減税をいたしましたが、この中央地方を通ずる税源の配分というようなものについての根本的な合理化というようなものは、確かに今度の場合は十分でございませんでしたので、これは税制調査会の検討事項として、さらに引き続いてこの問題に入るということになっておりますので、その結論を待って、次の段階において私どもは善処したいと考えております。
#54
○須藤五郎君 まあ、池田内閣は所得倍増を打ち出して幻想を与えておるようでありますが、所得倍増を言っているが、その前に物価がどんどんと上がっていく。こういう状態の中で、労働者の生活はだんだんとやはり苦しさを増してきているわけです。労働者の税負担の軽減をしなければ税改正は私は全く無意味なものだと思うのでありますが、政府のこの点に対する考えをもう一度はっきり聞いておきたい。来年度改正のときに税負担の軽減をやろうと、今も大臣言っていらっしゃいますが、はたして実際やる意思があるのか、またその用意があるのか、政府の決意を伺っておきたい。
#55
○国務大臣(水田三喜男君) 来年も減税はする方針でおります。
#56
○須藤五郎君 そこで、私はこの際労働者に対する税、すなわち勤労所得税について本質的な問題で二、三質問をいたしたいと思います。労働者は、勤労所得税の名によって、憲法、会計法、所得税法に違反して、不当かつ不公平な重税を課せられていることであります。その一つは、源泉徴収であります。そもそも労働者は、労働基準法第二十四条によりまして、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と保障されておるわけでありますが、この点、大蔵大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#57
○政府委員(村山達雄君) この源泉徴収の制度は、ひとり国の、政府の便宜からだけ設けられているのではなくて、納税者の手数も考えて合わせ設けられているわけでございます。
#58
○須藤五郎君 そんなばかなことがあるか。
#59
○政府委員(村山達雄君) おそらく、その労働基準法でも、法律に別段の定めあるもののほかというおそらく条項が入っているだろうと思いますが……。
#60
○須藤五郎君 ちょっと、もう一ぺん言って下さい。
#61
○政府委員(村山達雄君) おそらく、今引用されました労働基準法の中にも、法律に別段定めある場合は当然除く制度になっていると思います。しかるがゆえに、所得税法その他では法律で双方の便宜を考えてやっている、こういうことでございます。なお、給与所得税についての源泉徴収制度は近年発達したものでございますが、これは欧米各国いずれも採っている制度でございます。
#62
○須藤五郎君 あなたは今労働基準法の問題を出しているが、徴収ができるようになっておるわけですか。例外規定があるだろうというが、その規定があるならば、労働基準法をちょっと読んで下さい。どこにそういう規定がありますか。あるなら、読みなさいよ。はっきり言って下さい、何条に書いてあるか。
#63
○政府委員(村山達雄君) 後ほど調べまして御答弁申し上げます。
#64
○須藤五郎君 ここから問題が発展していくのだから、これを明らかにしなかったならば、次の質問ができないのです。早くやって下さい。
#65
○委員長(大竹平八郎君) 須藤君、大臣に対する質問があれば、先にして下さい。
#66
○須藤五郎君 大臣にこの質問をしているのですが、大臣が答えないで主税局長が答えるから、こういうことになるのです。私は大臣に質問して、だから、最初から大臣に答えてもらいたいということを一応言うて、それで質問しておるのです。主税局長は知ったかぶりで言って、労働基準法に例外があるだろうというような無責任なことを言うから、だから、労働基準法のどこにあるか、それを読んでもらいたい。それを読まなければ質問が続けられないということです。どこにあるのですか。何条にあるのですか。
#67
○政府委員(村山達雄君) 後ほどその規定を調べまして……。これはおそらく憲法違反というようなことはもう全くないと思いますので、その規定があるか、あるいは解釈の問題であるか、いずれにいたしましても、われわれは合憲的な規定である、源泉徴収に関するものはさようであると考えております。
#68
○須藤五郎君 こういう条件では、質問を続けられないです。今もいかにも知ったかぶりで言ったのだから、ちゃんと頭の中にあるのだろうと思うのです、その法案が。何も知らないで、何も用意なしにああいう不用意な答弁をするのはけしからぬと思うのです。実に議員を侮辱しておると思うのです。早くはっきり答えなさい。あなたが答えようとしておる条項はちゃんと僕はわかっておるけれども、あなたに言わせたいから言っておるのだ。
#69
○国務大臣(水田三喜男君) 私が答えるべき問題だったかもしれませんが、私は具体的にその条文を知りませんでしたからお答えしなかったのですが、かりにそこがどうなっておりましょうとも、問題は憲法違反かどうかという問題ですがこれはとにかく納税者から見たら申告の煩瑣な手続から免れることになるし、徴税機関から見ましてもこれは非常に便宜なことでありますので、納税者が便宜であるという立場もはっきりしておる問題でございますので、今世界各国ともこういう方法をとっておるということでございまして、このやり方が憲法違反になるというふうには私どもは全然考えておりません。
#70
○須藤五郎君 納税者が便宜だ便宜だと、あなたたちは自分に勝手のいいことを言っていますけれども、今総評においては源泉徴収は憲法違反だという訴えを裁判所に提出をしようとしておるわけです。あるいはもう手続が済んだかもわからぬ。源泉徴収はいかに国民から反撃を受けておるかということを、あなたたちは知らなきゃならない。だから、私はこの問題をきょうここで取り上げてやっておるのです。もしも国民が喜んでいるものならば、そういうはっきりした法案を作って源泉徴収はできるのだ、今日のようなやり方でできるのだという法案をちゃんと作っておいてから、なぜやらないのですか。法律も作らないでおいて、法的な根拠も何もなくして、そして一方的なものの考え方でそういうことをやるということは、これは法違反じゃないですか。会計法から見ても、財政法から見ても、所得税法から見ても、憲法から見ても、あらゆるところから見てこれは違法なのです、こういうやり方は。だから、それを私は追及しているわけです。まず労働基準法違反ではないかと追及したら、労働基準法に例外があるでしょうというような無理な答弁をやるから、こういうことになるのです。早く答えて下さい。探したってないのです、労働基準法には。
#71
○政府委員(村山達雄君) 憲法三十条で納税の義務を規定しております。「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」、従いまして、所得税法では、これはやはり国の税に関する基本法でございまして、その中ではっきり源泉徴収義務を行なうということを書いてあるわけでございますので、明らかに合憲的である、かように考えているわけでございます。
#72
○須藤五郎君 その源泉徴収が法的に合法であるという条項が所得税法にあるというが、その所得税法の第何十条ですか、読んでみて下さい。
#73
○政府委員(村山達雄君) 所得税法第三十八条、長いですから、前文だけ読ませていただきます。第三十八条「居住者に対し、この法律の施行地において給与所得の支払をなす者(命令で定める者を除く。)は、第四項の規定による場合を除く外、その給与の支払をなす際、左の各号に定めるところにより、左に掲げる税額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを政府に納付しなければならない。」云々でございます。
#74
○須藤五郎君 徴収ということですよ。大臣、答えて下さい。大臣、ここには「左に掲げる税額の所得税を徴収し……これを政府に納付しなければならない。」、こうなっている。そこで、私はお聞きしたいのですが、ここで言っている徴収ということの正しい解釈を願いたい。
#75
○政府委員(村山達雄君) そこに「支払をなす際……徴収し、」と書いてございます。それが源泉徴収という意味でございます。
#76
○須藤五郎君 会計法第三条から第八条までの規定では、第三条には「歳入は、法令の定めるところにより、これを徴収又は収納しなければならない。」、こうあるのです。ここに徴収という言葉と収納という言葉をはっきり区別している。収納と徴収の区別を述べてもらいたい。
#77
○政府委員(村山達雄君) 徴収といい収納といい、それぞれの法律にそれぞれの意味で使っております。会計法で書いておりますのは、収税官吏に関する徴収並びに収納のことを書いてあるわけでございます。また、所得税法のところでは、源泉徴収義務者の徴収義務に関して規定がある、こういうわけでございます。
#78
○須藤五郎君 大臣、あなたは黙って聞いていないで、答えて下さい。大蔵官僚だから、徴収と収納の区別くらいははっきりしていると思う。ちゃんと法によって、徴収とはいかなるものである、収納とはいかなるものであるということをはっきり規定されておる。だから、収納と徴収を自分勝手にいいかげんに解釈することはできないと思うのですよ。徴収とは、調査、決定、納入告知することであって、収納することではありませんよ。収納とは、調査、決定、納入告知のあったものを受け取ることであって、徴収することではないのです。このことは国税徴収法第四十二条及び国税収納金整理資金に関する法律第九条の規定に明らかなんですよ。そこにはこう書いてあるのです。徴収とは納税者に対し納付すべき金額、期限、場所を指定し納税の告知をすることである、こういうふうに言っておるのです。ここでは徴収という言葉と収納という言葉をはっきり区別して使っておるのです。あなたのように、そんないいかげんな解釈は許していないはずです。どうですか。
#79
○政府委員(村山達雄君) 今のお読みになりました徴収に関する規定は、納税の告知に基づく徴収の規定でございまして、「国税を徴収しようとするときは、税務署長は、納税者……に対し、政令で定めるところにより、その納付すべき金額、納期限及び納付場所を指定して納税の告知をしなければならない。」、これは御案内のように、今の徴収方法には源泉徴収もございますし、それから申告納付もございますし、それからこの申告を不当と認める場合には更正決定をいたしまして、それで納入告知によって徴収する場合等、いろいろございます。で、ここに書いてございますのは、申告納税で申しますと、更正決定をして納入告知をいたしまして徴収する場合のことが書いてあるわけでございます。所得税法の源泉徴収の規定は、これとは全然違う領域についての規定でございます。
#80
○須藤五郎君 もう一ぺん話をもとへちょっと返しますが、もうあなた、労働基準法、大体見当がついたろうと思います。労働基準法のどこに徴収できるという言葉があるか、一つ述べて下さい。
#81
○政府委員(村山達雄君) 労働基準法二十四条をちょっと読んでみますと、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。但し、法令若しくは労働協約に別段の定がある場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定がある場合若しくは当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。」、「但し法令……に別段の定がある場合においては、」という、「定がある場合においては……賃金の一部を控除して支払うことができる。」、所得税法また法令でございまして、これはちょうどこの六法全書で引用条文に所得税法というのがやはり引いてあるわけであります。
#82
○須藤五郎君 この控除できるということの内容を具体的に説明して下さい。控除できる項目は何ですか。何が控除できるのか。
#83
○政府委員(村山達雄君) 少なくとも源泉徴収税額は控除できるわけであります。
#84
○須藤五郎君 源泉徴収税金を控除できるという条項がどこにありますか。この中のどこに書いてありますか。
#85
○政府委員(村山達雄君) 先ほど申し述べましたように、所得税法第三十八条で支払いの際徴収するということでございます。で、憲法の三十条との関係は、やはり法律の定むるところによって徴収しております。それで、この規定の方で、労働基準法のただいま読みました条文では、法令で別段一の定めがある場合は控除して支払うことができるということでございますので、平仄は合っていると思います。
#86
○須藤五郎君 ここで労働基準法の第二十四条によって、法令の定めるところによって控除できるというその控除できるものの内容は、決して税金じゃないのです。源泉徴収をこれは認めていないのです。ここで控除できるものは厚生年金保険、それから健康保険、失業保険、日雇健保、こういう種類のものであって、私が持っておる六法全書にはそういうことはどこにも書いてないのです。もし書いてあるなら、一ぺん示してもらいたい、源泉徴収ができるというような項目があるならば。
#87
○政府委員(村山達雄君) なかなかこれは解釈の分かれるところかと思いますし、まあこれは何でもございますが、「控除して支払うことができる。」と、こうありますから、税金も控除することには違いございません。ただ、このただし書きの法令の中に、税金に関する法令まで予定されて書かれたかどうかは、これはなかなか立法者に聞かないとわかりませんが、少なくとも、少なくともですよ、規定の形式としては所得税法の法令もまた該当し得るように読めるわけでございます。
#88
○天田勝正君 ちょっと関連、一言だけ。どうも、むしろ政府はそういうことは言わぬで、どうも須藤さん、ございませんでしたと言った方が、私は早いと思う。労働基準法なんということで議論されているが、労働基準法は何です。ほかのものじゃない。労働者の保護立法なんです。だから、その控除というものは、当時の審議録をちゃんと私は読めばはっきりしてくると思うのですが、それは労働者保護上の厚生年金とか、そういうものがそのときの立法の精神そのものなんです。だから、とほうもないものを持ってきて、そんならそこにそう書いてあれば、ほかに今度それを裏づける条文がどこかになければならぬ。だから、そういうものではないのですから、あんまりこじつけて答弁していると、時間ばかり長くかかって、こっちは被害者になってしまうから、頼みますよ。
#89
○須藤五郎君 この六法全書にも書いてないようなことを政府が勝手に解釈して、そうして源泉徴収をするというようなことは、これは私もう法を最も尊重し、最も守らなければならぬ立場にある官吏としては、はなはだ遺憾だと思うのです。こういうことは私は許すことができない。明らかにここに書いてあるならばともかく、ここに例外としていわゆる特に許す問題として書いてあるのは、私が先ほど読みましたように、健保や失業保険、日雇健保、こういうものなんです。これはなぜそれを認めておるかといえば、健保などは反対給付を受けるものだからです。そういう精神でこれを認めておるのです。ここには税金のゼの字も書いてないわけです。それを一方的に勝手に拡張解釈によってそういうことをやるということは、これは私は法違反だと思います。
 大体が、源泉徴収制というのは一体いつできたか。御存じのように、あの戦争中に起こった問題です。戦争のどさくさにまぎれて、権力者が労働者に無理やり押しつけたもので、本来私は敗戦と同時にこういうふうのはやめるべき性質のものだと思います。大臣、これを答えて下さいよ、この点。労働者の賃金から、労働者本人の承諾も得ず、所得税を源泉徴収するということは、労働基準法違反です。明らかに違反です。今まで述べたように、また法のもとに平等だと保障している憲法第十四条の違反だとも私は言えると思うのです。労働者の基本的人権をじゅうりんするものであると、私はこういうふうに確信をするものです。一体こういうことを政府はやれる法的根拠は何か、こういうことになると、三十八条をあなた持ち出すのだろうと思うんですが、大臣、一体今までの政府の答弁を聞いておって、あなた、これが妥当だと考えられますか、どうですか。早くこういうものはやめなきゃならぬものだと考えられますか。どういうふうにお考えになりますか。
#90
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、これは早くやめるべき性質のものというものじゃなくて、むしろ納税者にとっても徴税者にとっても便宜な方法であるということである以上は、これは今までそうしていなかった方が、むしろこれは、間違いということはございませんが、妥当でなかった。やはり各国でもそういう制度になっておるんですから、それだけの制度の価値は持っておるものと見られますし、日本でもそういう制度をとることは少しも差しつかえない。やめるべきものじゃ私はないと思います。
#91
○須藤五郎君 しかし、大臣、労働基準法違反ですよ。労働基準法というのは憲法の附属法ですよ。最も尊重しなくちゃならぬ労働基準法の精神を踏みにじったこういうやり方というものをやあなたは尊重するんですか。そうするというと、あなたの考え方まで私はおかしいんじゃないかと思うんです。労働基準法に絶対これは反していないという見解ですか。反していないという見解ならば、反していない理由をちゃんと法律の中で私示してもらいたいと思うんです。示すことができないで、そういうことを口で一方的に言っておったんでは、だめじゃないですか。
#92
○国務大慶(水田三喜男君) これは結局、実質論の問題でございまして、こういう制度がいいんだということで、かりに国にその法律ができたという場合には、その法律に抵触するいろんな問題が他の法律にあるとすれば、今までは全部関連する限りの法律改正をやっております。が、これはどういうわけで、この所得税法ができたときにこれとの関連を考えたか考えなかったかは私わかりませんが、もしこの源泉徴収そのものが悪いんだということでございましたら、これはもし労働基準法にそこが抵触するという問題ございましたら、あえて悪いことをやる方を直さなきゃならぬと思いますが、こういう源泉徴収方法というものは、納税者にとっても一々これを申告させられるような手間が省けるという便利があって、いいんだということでしたら、これに抵触するほかの方の法律を直すのがほんとうじゃないかと私は思っております。
#93
○須藤五郎君 まあ源泉徴収がいい悪いは一応さておいたとしましても、あなたが今後段において認めているごとく、労働基準油にそれはないと。労働基準法に反しておるということだけは確かだと思うんです、私は。労働基準法のどこにもそういうことをしていいということが書いてない限り、労働基準法の違反だということは明らかになったと思うんです。そして、もしも源泉徴収がいいとするならば、労働基準法の方を訂正しなくちゃならぬという大臣の意見だと私は思うんです。まあそれは別としましても、労働基準法にないということだけはあなたも認めた、今。だから、私は、労働基準法のどこにあるか、労働基準法違反ではないかということを、私は今までやってきたわけなんです。
 あまりここにこだわっていると、ほかに進みませんから、この程度でそこはおいて、次に私は質問を進めたいと思いますが、さらに、収納するには法令に基づく権限のある官吏のみしかできないことになっておるはずであります。一体いかなる法令によって給与所得の支払いをなす者に所得税を収納する権限を与えておるかどうか、説明して下さい。
#94
○政府委員(村山達雄君) 先ほど読みました会計法の規定は、徴収官吏が徴収する場合、つまり納入告知によって徴収する場合には権限ある官吏が徴収しなければならぬということをいっておるわけでございます。そのほかにも申し上げましたように、申告納税というのは、本人が申告して自発的に納付するわけでございます。で、また源泉徴収という制度は、これは所得税法の第三十八条で別に設けられてあるわけでございまして、それぞれその徴収方法の違いに従いまして、それぞれの条文で規定してあるわけでございます。
#95
○須藤五郎君 だれでも税金の取り立てなどはできないという規則がちゃんとあるわけなんです。会計法第七条にはこういうふうに規定しております。「歳入は、出納官吏でなければ、これを収納することができない。」、官吏でなければできないと規定しているし、第八条は、「歳入の徴収の職務は、現金出納の職務と相兼ねることができない。」、こういうふうに兼職を禁止している。どうして給与所得の支払い者に徴収と収納を兼務さしているのか。
#96
○政府委員(村山達雄君) 先ほども申し上げましたように、会計法の規定は、国がみずから納入告知書を発してそういう方法によって徴収する場合の事柄について書いてあるわけでございます。で、従いまして、今の源泉徴収とかそういった別の方法で収納する場合は、その領域外となっている、かように考えております。
#97
○須藤五郎君 もう一ぺん三十八条に戻らなければならぬ。三十八条には徴収という言葉を使ってある、微収という言葉を。しかし、収納という言葉はどこにも使っていない。だから、あなたたちは勝手に徴収という言葉と収納という言葉をごちゃごちゃにして同意義に使っているから、そういう間違いが起こる。しかし、これまで読みました法律の中では、徴収ということはこういうことである、収納ということはこういうことであると、収納と徴収とはっきり区別して書いている。あなたも官吏だから、それくらいのことは知っているでしょう。そうして徴収をするのはこれこれの官吏でなければならぬ、収納するのはこれこれだ。そうして収納と徴収とを兼務することはできないということが会計法に七条と八条にちゃんと規定されているのじゃないのですか。それを、所得税法の第三十八条を金科玉条のごとく持ち出して、そこに書いていないようなことを拡張解釈して、そうして勝手にやっているということになる。どこに収納していいと書いてありますか、三十八条の。
#98
○政府委員(村山達雄君) たびたび申し上げているように、会計法の規定している範囲、これがどの領域に限定されているかということに尽きる問題だろうと思います。会計法は、会計法が規定している範囲について、それぞれの用語、それぞれの意味を持たして、その範囲において規定しているわけでございます。で、源泉徴収に関する所得税法第三十八条の規定は、会計法の規定の領域外であるというふうに解しているわけでございます。
#99
○須藤五郎君 会計法、財政法、所得税法にも、官吏以外の者に委嘱できるということはどこにも書いてないのです。どこにありますか、そういうことは。
#100
○政府委員(村山達雄君) まあ私からお答えするのが適当であるかどうかわかりませんが、これはおそらく歳出の主計の方の、法規課の方の領域だろうと思いますが、これは会計法は会計法の領域でその規定をしております。で、源泉徴収は源泉徴収の領域で規定してございます。
#101
○須藤五郎君 それじゃ、答えて下さい。
#102
○政府委員(上林英男君) 御指摘の通りに、国税の徴収ないし収納につきましては、それぞれの歳入徴収官ないし収納官というものがございまするが、この特例といたしまして、ただいま主税局長の申しております所得税法の三十八条によりまして、国が徴収し、収納いたしまする前に、何と申しますか、法律的には適当な言葉じゃないと思いまするけれども、ある一種の委託をいたしました人が、その権限に基づきまして徴収し収納するという制度自体が、所得税法の三十八条によりまして特例として定められている。それに基づきまして収納されました所得税が、さらに国税収納整理資金に入れられる、こういうことに法制をとっているわけでございます。
#103
○須藤五郎君 それはあなたの解釈、違いますよ。もしそれならば、三十八条に、徴収及び収納をさせる、収納しごうごうと、やはり徴収という言葉と収納という言葉を二つ並べて書かなければならないので、それは違いますよ。やはり会計法なり財政法なりで、徴収と収納という言葉は明らかに区別されて使われている。その建前から、三十八条には徴収という言葉しか使っていない。収納していいという言葉はどこにも使っていないのです。ですから、あなたたちの言うようにやるならば、徴収及び収納と、こういうふうにはっきりと明示する必要がある。それが明示されていない。それを、あなたたち、明示されていないものを勝手に拡張解釈して、徴収も収納も、それも給与を支払う者にそういう権限を考えているのです。これは会計法違反だというんです。会計法の七条、八条には、こういうことのできるのは官吏だけだと書いてある。しかも、その官吏についても、収納と徴収を兼務することはできないということがちゃんと七条、八条に規定されている。会計法といえば、何じゃないですか、憲法付属法の、所得税などよりももっと上の法律でしょうが。その法律にはっきり規定されていることを、それをあなたたちは踏みにじっている。どうですか。
#104
○政府委員(上林英男君) 会計法に規定いたしております徴収と収納の意味は、御指摘の通りでございます。ただ、これは会計の厳正確実を期しまする意味におきましては、命令官と、それから出納官との権限を明確にいたすために、徴収と収納という言葉を使い分けているわけでございます。今の所得税法におきましては、先ほど申しましたように、国が委託を特例としてしたというような感じで徴収いたすわけでございまして、その意味におきましては、特に会計手続上の今申しましたような命令官と出納官の区分というような概念を用いずいたしまして、この徴収という言葉をあわせて事実上使っているというふうに私は解しているわけでございまして、その意味で、会計法に規定いたしました徴収という意味よりも、もう少し広い意味で所得税法は規定されているんじゃないかというふうに私は考えているわけでございます。
#105
○須藤五郎君 私は、法律というものはもっと厳重に、はっきりと明確にやっていくべきものだと思う。あなたたちがそういうふうに解釈したいならば、ちゃんと法律にその点を明示しておかなければいけないので、この法律は不備です、そういう点からいったら。いつまでもこれにこだわっていると先に進みませんから、私は次に進めていきたいと思います。
 以上の質疑でもわかりましたように、労働者に対する税金の取り方は、全く基本的人権を無視したむちゃなものだと私は思います。幾ら、政府が陳弁いたしましても、憲法、財政法、会計法に違反して、はなはだ無理があり、不当、不合理のものだと考えるのです。この際、政府は早急に税制を改めることが絶対必要だと思いますが、重ねて大蔵大臣の意見を求めます。
#106
○国務大臣(水田三喜男君) 実際問題として、この制度で納税者にどれだけの不利があるかどうかといいますと、一般の申告納税者に比べて、源泉徴収者の方は早く税金を納めるということになりますので、早いおそいという問題の不利とか、そういうような若干のものはあると思いますが、そうなれば、それに対処するために、公平にするために、給与所得控除というようなものが適当に勘案されるならそれでいいと思いますし、実際問題としてそういう点が妥当であるということになるのでしたら、この源泉徴収制度そのものが労働者の不利になるとか、人権をじゅうりんしたものだとかいうふうなことは考えられませんので、問題は、徴税者にとっても納税者にとっても、これが便利であるかどうか、公平な税制のもとにこういうことが行なわれることがいいか悪いかの問題で判断するよりほか仕方ないと思います。そういう意味から判断しますと、私は、この源泉徴収制度というものは、非常に納税者にとっても便利な制度ではないかと思っております。
#107
○須藤五郎君 私は、以下の質問で、いかに不利なものであるかということを実証したいと思います。
 次に、給与所得者の受けておる差別待遇の問題であります。特に私は、まず所得の控除に対する差別待遇を問題にしたいと思います。いかなる所得者にも必要経費の控除がございますが、労働者の必要経費は控除されていないと思うのです。その点どうですか。
#108
○政府委員(村山達雄君) 税法の上では、給与所得につきまして、必要経費という概念を設け、それを引くという制度はとっておりません。ただ、それにかわるものといたしまして、御案内のように、給与所得控除、こういう制度を設けておるわけでございます。
#109
○須藤五郎君 労働者が仕事をしていくためにはいろいろな必要経費があるわけなんです。まあ映画の監督さんとか、私は音楽家だから音楽家を例にあげますが、映画一本作曲すると何十万円かの金が入る。しかし、その中では、作曲するのに必要な経費というものがやはり除外されておる。何割かが除外されておる。それは御存じの通りです。しかし、労働者が働くのに何ら経費が省かれていない。労働者はやはり町の中心に住むことはできないから、郊外に住む。そこから職場に通うためには相当な時間がかかる。交通費がかかる。私の知っている人でも、朝晩二時間ぐらいかかる遠くから汽車に乗って通っておる人もある。汽車賃が相当これはかかるのです。ところが、その汽車賃は、働くためのこれは必要経費だと私は思うのです。それから労働者は、紳士と違って、働くために被服が非常に痛みやすい。特に痛みやすいのです、労働者は。ところが、労働者の被服費なんというものは必要経費として認められていない。また、職場が遠いために、職場の近くに居を移そうとすると、東京では畳一畳について千円以上の部屋代が必要になってくる。不合理な家賃を払わなければ職場の近くに移ることもできない。それから、特に飲食費でありますが、労働者はよく働くから紳士諸君よりもたくさん飯を食わなくちゃならぬ。また、職場の帰りにはしょうちゅうの一ぱいもひっかけないと疲れがなおらない。あすの労働にも差しつかえがあるというようなことになる。だから、労働者がしょうちゅう一ぱいひっかけるのは、これは必要経費だと思う。決してぜいたくやそんなものじゃない。飲まなければあしたが持たないということなんです。それから子弟の教育費というものがあります。これは自分が体をすり減らして、そうして老年になる。老年になると働けなくなる。そのときに自分にかわって働いてくれるのはだれか。これは子弟です。そうして子弟の世話になって労働者諸君は晩年を暮らさなければならぬ。だから、子弟の教育費というものは、労働者にとってはこれは必要経費です。ところが、交通費も、被服費も、部屋代も、飲食費も、子弟の教育費も、これは一つも必要経費としてあなたたちは認めていないわけです。ほかの所得者に対してはいろいろな必要経費を認めながら、なぜ労働者に対してこういう必要経費を認めないのか。また、以上述べた点は必要経費とは認めないのか、政府はこれを認めようとしないのか、この点です。
 それから、第三点は、基礎控除や、家族の控除で控除してあるとあなたおっしゃる。しかし、これは必要経費として控除したのじゃないのです。だから、むしろこの際必要経費として控除した方がすっきりとして私はよいと思うし、簡明になる、こういうふうに考える。どうしても労働者の必要経費というものは政府は控除しなければいけない、私はこういうふうに考えますが、それに対する見解を承りたい。大臣がせっかくここにいるのだから、大臣から。
#110
○政府委員(村山達雄君) 今のは税法に関する技術的な問題でございますので、一応私からお答え申し上げまして、さらに大臣から。
 必要経費の概念でございますが、これは個人につきましては、規定にもございますように、ほかの所得につきましても、その当該収入に必要な経費ということでございます。ただ、先生がおあげになりました肉体労働のために、飯はよけい食わなければいかぬとか、それから一ぱい飲まなければいかぬとか、あるいは子弟の教育がある、これはほかの所得者についても必要経費としては認めていないわけでございます。これはわれわれの会計学の方の概念でもそうでございますが、いわゆる生活費に属する問題でございます。従って、いわば個人事業につきましては、その職業会計というものと、私人としての、あるいは人間プロパーとしての会計というものを概念的には分けておるわけでございまして、職業プロパーの会計に属する収入支出という意味で、必要経費という概念が全般として構成されておるわけでございます。ですから、おっしゃいましたような点の大部分は、現在の税法では、他の所得者におきましても必要経費の概念ではなくて、これは生活費の概念で、それに対する税法の手当といたしましては基礎控除を幾らにする、扶養控除を幾らにする、その他の控除を幾らにする、こういうので実はまかなっておるのでございます。おっしゃる中で、おそらく通勤費というものが純粋の必要経費と認められるかと思います。しかし、通勤費につきましても、各国の所得税法では、いわゆる通勤費は必要経費であるかどうかという議論はなかなか論議の多いところでございます。そこをあまりこまかい議論をしないで、必要経費と見てもいいと思いますが、あと給与所得者の必要経費というものがどこできまりますか、おそらく家事関連のものがたくさんあるわけでございまして、おそらく被服費――洋服を着るにいたしましても、これは私生活にも使いますので、家事に関連しておるわけでございます。現行の所得税法の全般的な考え方は、家事関連の経費は必要の経費と見ていない、こういう大原則を打ち立てておるわけでございます。
 しかし、われわれといたしましてこういう計算をしたことがございます。いわゆる税法概念における必要経費というものが、給与所得者が一体どれくらいあるだろうか、家事関連は税法上認めないようでございますが、理論的には按分計算をして認めますという立場もあると思います。そういうものを積み重ねて、現在の給与所得控除、それらのものをかりに必要経費と認めた場合、今の給与所得控除で足りるかどうか、こういうことをいろいろ計算をいたしてみましたが、この改正前の給与所得控除額でも、われわれが考えておりますただいま申し上げましたような意味の必要経費の額よりは、相当多目になっているという計算になっておるわけでございます。
#111
○須藤五郎君 私は、それは汽車に乗ることは、通勤することはほかの人でも同じだし、飯も同じように食う。そういうあなたの意見ですが、しかし、労働者として特にほかの人たちよりも、やはり食費の、食べることも多いわけです。そうしてほかの人よりもやはり酒を飲まなければならぬということも起こってくるわけです。被服費なんかは特に、国会へ来てじいっといすにすわっているのと違って、工場で働けば、やはり汗にもなるし、洗たくもたくさんしなくちゃならぬというので、下着類なんかのいたみは、国会にすわっているよりはたくさんいたむわけです。だから、同じようなことであるけれども、労働者というものは、これだけ、それ以上に必要なんだ、必要とするんだ、そういうところへ考えを及ぼして、そうして労働者の必要経費というものをやはり私は認めていかなければならぬ。それでなかったならば、労働者は満足しないと私は思うのです。こういうことも私は今後税制改革をやる場合、一つ大臣頭の中に入れて、そうしていろいろ考え、税制改革をやっていってもらいたい。労働者はこれを、あなた、要求しているのです、必要経費として。それは妥当だと私は考えるのです。この点考慮してもらいたい。
 それから、次になりますが、所得とは毎年一月一日午前零時から十二月二十一日午後十二時までの総収入から必要経費を控除したものであります。従って、所得金額の確定するのは、十二月三十一日午後十二時であると考えます。しかるに、労働者は源泉徴収によって所得税の前払いをさせられている。これはやはり法のもとに平等を規定した憲法第十四条違反ではなかろうかと私は考えますが、大臣、どうですか。
#112
○政府委員(村山達雄君) 憲法のもとに平等のあれでございますが、これは職業とか、性別とか、そういうものによって差別してはならない、こういう規定でございます。これがはたして職業によって差別していると――職業によってその所得計算なり、源泉徴収の仕方はそれぞれ違うわけでございます。これが法のもとにおける平等を阻害しているかどうかという問題になりますが、われわれは阻害しているとは思っておりません。それぞれ所得の種類により、その所得計算を妥当に計算し、それから源泉徴収もこれは双方の便益を考えているということでございまして、御案内のように、源泉徴収しているものは給与所得のほかに配当とか、利子とか、あるいは合同運用の信託であるとか、こういうものはすべてその源泉においてやっているわけでございます。なお、職業人につきましても、たとえば音盤吹き込みの料金であるとか、あるいはテレビ、ラジオに出演する場合の料金であるとか、それぞれ取っているわけでございます。また、社会診療報酬につきましても源泉徴収いたしておりますし、会社の払う弁護士料、弁理士料、公認会計士に払う料金、その他すべて源泉徴収いたしているわけでございまして、その法意といたすところは、何と申しましても源泉において最も的確に把握できますし、その税率が妥当であり、双方の便益からいって手数が省けるという問題、それから全体の徴税費が安くなるという点、それらを勘案しているわけでございまして、これらそれぞれの所得の種類によりまして現実的な方法をとることが、憲法のもとにおける平等、あの規定に違反しているというふうには一われわれは考えていないわけでございます。
#113
○委員長(大竹平八郎君) 須藤君に申し上げますが、他にだいぶ通告もございますので、できるだけ進行に御協力願います。
#114
○須藤五郎君 できるだけ進行に協力いたします。
 私が法のもとに平等を主張したのは、ある人は一年を通じて十二月三十一日に合計した所得に対して税を払っているのにもかかわらず、労働者は所得税の前払いをさせられている。これはやはり法のもとにおいて所得税を払うという建前で、私は不平等だ、こう考えるわけです。そういう点で憲法十四条に違反しないかということです。
 それから次に、所得に対して幾ら所得税を払うかは、納税義務者の自主的な判断にまかされている。翌年二月十六日から三月十五日までに確定申告することになっております。税務署長が申告税が不当だと考えれば、さらに更正して義務者に通知する。更正に対し不服があれば再調査の申し立てができる。右のように訴願手続ができるが、源泉徴収をされる者にはそれができない。これも私は法の平等からいえば、法の精神に反すると思いますが、どうでしょう。簡単に答えて下さい、時間もありませんから。
#115
○政府委員(村山達雄君) これは支払いの際その支払い金額に対応した税金を徴収するわけでございます。従って、幾ら払うかという問題、現行の税率は実は一年間の所得を考えて一カ月の税率を盛っておりますので、従って、取り過ぎるという、不当に高いということはございませんです。ただ、今おっしゃっているように、その高い安いではなくて、前払いするということがどうかという問題は、先ほどお答えいたしましたように、双方の便益を考えている問題でございますということを言っておるわけでございます。
#116
○須藤五郎君 時間があれば、こういう点もっとやりたいと思いますが、もう時間が迫って参りますから、私は次に移りましょう。
 給与所得者を除く一般の納税義務者は、所得税法第五十四条の規定によりまして利子税を支払えば、政府に納付すべき所得税額を無担保で低利で事業資金または生活資金に流用できることになっておる。源泉徴収をされる給与所得者にはこうした特典が与えられていないと思いますが、どうですか。
#117
○政府委員(村山達雄君) これは源泉徴収の制度でございますから、そういう事態は起き得ないということでございます、御案内のように、支払いの際徴収するわけでございますから、従い、まして、もし雇い主が遅配をしておれば、その遅配自身は別に好ましい好ましくないの問題ではございませんが、徴収義務はないわけでございます。従いまして、今言ったような滞納になるというのは支払いながら徴収しない場合でございまして、これは納税義務者の方の違反ではなくて徴収義務者の方の徴収違反でございます。従って、納税義務者自身についての違反という問題は源泉徴収制度自身についてはないわけでございます。
#118
○須藤五郎君 いや、普通の納税者は、日歩三銭出せば、税金を無担保でそうして金利で事業資金などに流用することができるおけです。ところが、源泉徴収をされる者は、こういうことをやろうと思ってもできないわけです。一年間ずっとためて税金を払うなら、相当な金額になるでしょう。家に病人があったりいろいろした場合、一応一時、日歩三銭払えば、その税金を納めないで女房の病気のために入院料にそれを流用することもできるわけです。しかし、源泉徴収をされる労働者はそういうことができないような条件がずっと作られているわけです。そういうことをやりたくてもできない。ところが、一般納税者はそれができる。こういういわゆる芦別があるわけです。その点、どういうふうに考えられますか。
#119
○政府委員(村山達雄君) 先ほどのところでお答えしたと思いますが、制度が源泉徴収制度でございますので、申出口納税の場合には滞納ということがあり得る、納税義務者の。しかし、源泉徴収制度でございますので、受給者側からの滞納ということはあり得ない、そういうことでございます。
#120
○須藤五郎君 それが差別待遇だ。
#121
○政府委員(村山達雄君) ですから、違反があったとすれば、給与を支払いながら徴収しないということでございますので、これは納税義務者の問題ではなくて徴収義務者の問題でございます。簡潔に申しますと、源泉徴収制度であるから、滞納ということは納税義務者についてはあり得ない、こう申し上げているわけであります。
#122
○須藤五郎君 私は、源泉徴収そのものが非常な差別待遇だという点を述べるためにこれを言っておるのです。こういうふうに一般納税者と勤労者とは、税金の滞納の問題の面だけを見ても、非常な差別をされておる。一般の納税者はその滞納した金を日歩三銭の低利で生活費なり事業の資金にそれを流用することができるじゃないか。そういう道が開かれておる。しかるに、勤労者には、源泉徴収で引かれるから、そういうことができていない。これも源泉徴収というものが非常な労働者に対する差別待遇ではないか、こういうことを言っておるのです。
 さらに驚くととは、給与所得者が奪われた国税を流用できる特典を給与などの支払者に与え、給与支払日の翌月十日まで無担保、無利子、またその翌日から日歩三銭の低利で流用さしておる。まことに私は不合理だと思うのです。労働者側から取り上げた金を、日歩三銭でいわゆる給与の支払者にそれを流用さしておる。こういう道が開かれておることは不合理ではないか。どうですか。
#123
○政府委員(村山達雄君) 別に、徴収義務者にその余裕金の運用のチャンスを与えるために、わざわざ翌月の十日にしているわけじゃございません。ただ、通常ですね、徴収義務者といえども徴収額計算書を作る。それで、納付の手続といたしましては大体それぐらいの日にちがかかるであろうというところで、その納付期日をきめておるわけでございます。
#124
○須藤五郎君 まあいろいろな問題がここにたくさん出てきておるのですが、同僚諸君も非常に急いで、こういう紙を私のところに回して見えましたので、私もできるだけ質問を急ぎたいと思いますが、それでは、こういう給与の支払者が集めた税金を納める日限になっても納めない、それを会社なり税金を集めた者が使い込んでしまうと、こういう状態が起こったとき、それはどうして支弁することになっておりますか。
#125
○政府委員(村山達雄君) これはいわゆる徴収義務違反でございまして、源泉徴収加算税並びに利子税をさらにその徴収義務者からその負担において追徴することになるわけでございます。
#126
○須藤五郎君 ところが、その徴収した者がそれを負担する能力を欠いた場合、会社が倒れてしまう、またそういう倒れなくても使い込んでしまって払うことができないで会社が解散して。しまう、こういうことがたくさん例があるだろうと思うのです。私は意見を聞くと同時に、大蔵省としてつかんでおる資料です、こういう……。会社が、給与支払者が集めた税金を使い込んでしまって国に納めないという、そういう資料を提出していただきたい、こういうふうに思います。
 それから、この源泉徴収をする規定ですね、源泉徴収の規定はいわゆ給与の支払者となっておるが、これは会社なんですか、社長なんですか、それともその会計係なのか、だれをさしているのですか。
#127
○政府委員(村山達雄君) まあ前段の問題は資料の問題でございますので、後刻そういうものがありましたら提出することにいたしますが、私の経験している範囲では、遅配――遅配といいますか、源泉徴収すべきやつを過少にしたという事例はかつては少しあったようでございますが、納めないで、その税金を取って、それを使い込んで解散してしまったというような事例はあまり承知しておりませんが、なお資料の問題で、ございますので、後刻整えまして提出いたしたいと思います。
#128
○須藤五郎君 給与の支払者は。
#129
○政府委員(村山達雄君) 支払者はもちろんこれは会社でございます。会社の場合は会社でございます。
#130
○委員長(大竹平八郎君) 須藤君に重ねて申し上げます。大臣は午後の衆議院の本会議に出る予定でございますので、通告者もだいぶありますから、なおそういう局長に質問の点もたくさんあると思いますが、そういう点はまた後日に質問する機会はたくさんあると思いますから、どうぞ一つそのつもりで御協力願います。
#131
○須藤五郎君 委員長にお願いしたいのです。もう三点ほどでありますので……。
#132
○委員長(大竹平八郎君) 一点にしておいて下さい。
#133
○須藤五郎君 一時までに終わるようにいたしますから、お願いいたします。
 こういうふうにですね、会社に対して便宜をはかっておると私たちは思うわけですが、反面、所得税法第三十八条は、給与所得の支払者に対してめんどうな源泉徴収をしてこれを納付する義務を課しておきながら、給与所得の支払者に何の代償も与えていないのです。数千数万の従業員を持っている給与所得の支払者は、その義務を果たすために多数の従業員を必要とするが、その財政的負担は全く無視されておると思います。また、給与所得の支払者は、給与の支払いを受ける者の家庭にどんな事情が生じても、風水害、火災、盗難病人などが起こっても、あっても、経済的に困っておることがわかり、源泉徴収することが非人間的だとわかっても、人間性を無視して源泉徴収をしなければならぬ。源泉徴収に手心を加えたり見送ったりすると、所得税法第四十三条の規定で支払者自身が所得税を徴収される、こういう条件であります。これに反しまして、国から給与の支払いを受けて雇用されておる税務担当の行政官は、国税徴収法第百四十八条により、納税者がその財産に対して天災、火災などを受け、また盗難にかかったとき、病人が出たとき、つまり税金を金銭で一時に納付することができない場合はみずからの申請で徴収を延ばすことができる、このように人間性を無視した残酷な徴収を避けることができる。良心を満足させ、無慈悲なことを行なわせられる苦役からのがれられる道もちゃんと開かれております。こういうふうに官吏にはこういう道が開かれておるのに、給与の支払いをする者にはこういう道が開かれていない。まことに私は不合理なものだと思うわけでありますが、おそらくこれは、先に給与所得の支払者にいろいろな便宜を与えておる、これはこのようないわゆる給与支払者に対して迷惑をかけておる代償として、そういう前に述べたような便宜を与えておるものと思いますが、この点どうですか。
#134
○政府委員(村山達雄君) 徴収義務者には徴収義務をかげながら、それについて別段交付金等をやっていない、それはおそらく余裕金の運用等の利益を与えているからだろうというような前段のお話でございますが、われわれはそうは考えておりませんで、先ほどちょっと申しましたように、納付期日を翌月の十日といたしておりますのは、その手数等を考えておる話であって、その間利益を与えるという考えはございませんのです。
 それからなお、交付金を別にやっていないという点は、この程度のことはやはり国の事務の一部として御協力願いたいというつもりで、そこは給付、反対給付で相殺だという考えをとっているわけでありませんで、その程度の御協力を一つお願い申し上げたい、こういう気持にほかなりません。
 なお、病気の場合云々のお話がございますが、源泉徴収制度でございますので、その一々の場合、個々の納税者の都合によりまして徴収制度というものはお話の通り設けられておりません。ただ、一般的に災害減免法の適用のあるような場合につきましては、税の減免は、給与所得者といえども、減免はもちろん、徴収猶予の制度もまた別途開かれておるわけでございます。
#135
○須藤五郎君 まことに口は重宝なものといいますが、給与所得の支払者に対していろいろな仕事をさしておいて、無報酬でいろいろな仕事をさしておいて、それは国に御協力を願っておる。――全く私は虫のいい話だと思う。こんな話はない。しかも、これに従わない者、いわゆるその責任を果さない者に対して、罰則をもって臨んでおる。好意で協力を願っているならば、罰則をもっておどかすとは何事ですか。そんなばかなことありますか。すなわち、弱い給与支払者をそそのかし、罰則で脅かして、(「教唆扇動だ」と呼ぶ者あり)全く教唆扇動だ。そうして労働者から源泉徴収をして、これも戦事中の遺物である源泉徴収をやって、そうして、あなたたちは、労働者のこれは利益だと大臣は言うけれども、どこが労働者の利益です。今までずっと述べられたところを見ましても、いかにこれは労働者に不利だかということがはっきりするじゃないですか。源泉微収は労働者には不利です。利益のあるのは国だけです。政府だけです。給与の支払者もこれには迷惑をしている。一文にもならぬことで、罰則を突きつけられて、それでいやでもおうでもそれに従わなければならない。それは不合理じゃないですか。こういうことは廃止しなければいけません。こういうことをやっているから、私は片方で何か便宜をはかるのじゃろう、こういうことを先ほど言ったわけですが、全くおかしいじゃないですか。
 第一、これを職業とするところの官吏にはいろいろの人間的な思いやりがちゃんと施されている。納税者が病気のときや、家庭に困ったことがあるときは、その税を一時延ばすというようなことは、いわゆる行政官吏にはそれを認めているのです。ところが、給与の支払者にはその自由すらも認めない。認めていないものを、罰則で脅かしている。こんな不合理がありますか。これは全く不合理きわるもので、こういうことは一日も早くやめなければならぬ。第一、源泉徴収そのものを一日も早くやめる、これが私は必要だと思うのです。
 最後に、私は一言意見を申し述べておきたいと思いますが、政府は税制改革の気になって、一大勇猛心を発揮して、源泉徴収を撤廃するべきです。税制の民主化、簡素化をはかり、所得税一本とし、しかも高度累進課税を採用し、税体系の整備をなすべきものと私は考えます。大臣の意見があったら申し述べて下さい。
#136
○国務大臣(水田三喜男君) 税制をなるたけ簡単にして、わかりいいようにしたいということについては、私どもも賛成で、来年度においてはぜひそういうふうにしたいと、今いろいろ研究をしているところでございます。しかし、今申されました、源泉徴収は戦前の遺物だというお話でございましたが、そうではなくて、むしろ税制としては近代的な制度であって、遺物でなくて、むしろ進んだ制度であると考えておりますので、その間のいろいろの不合理があるとすれば、それは直すということは、これは私ども賛成でございますが、これをやめるという方向ではあまり私は賛成いたしませんです。非常に今のところいい制度だと思います。
#137
○天田勝正君 十一も法律案があるわけですけれども、大臣がここにおられるのは二時までだそうですから、私は、ほかの各位の質問もありますから、資金運用部資金法だけにしぼって、質問を行ないたいと思います。
 国の財政投融資の原資は、産投会計、資金運用部資金、簡保資金、公募債借入金、こういうふうに分かれております。財政投融資の資金源の場合は、簡保資金というものは全然別に扱われているわけです。しかし、資金運用部の方には預託金が毎年振りかえされている。そのために、今度も若干簡保資金に対する規定ができたわけです。
 そこで、私がまず第一質問いたしたいのは、厚生年金や国民年金の資金については、還元融資を行なう。この還元融資をどの程度に重く見るかということは、これは単なる事務操作ではなくして、ときの政府の私は考え方だと思う。これに対して厚生年金の還元融資は二五%、二百六十億、さらに国民年金の預託見込みの三百億の二五%、七十五億、合わせて三百三十五億の還元融資を見込む、こういうのです。この二五%というものは、一体何を基準にして出したものか、これがまず第一点。
 次には、簡保資金について、さっき申し上げるように別建てになっておりますけれども、当然これもまた還元融資を考えなければならないと思います。これに対する計画というものがやはりなければならないと思いますが、それをまずお示し願いたい。まず二点をお伺いします。
#138
○国務大臣(水田三喜男君) 従来一五%の還元融資をやっておりましたが、これは少ないという意見がございまして、いろいろ審議会の意見を徴して二五%ときまったわけですが、二五%がいいのか三〇%がいいのかというような問題については、はっきりした私は明確な基準はなかったと思っております。一五%の現行では足らぬ、できるだけ多く還元融資はすべきだという意見がございまして、三〇%という意見もございましたし、いろいろの意見を総合して二五%ときまったわけであります。特別のこの基準というものはないと思います。
 それから、簡保の問題は理財局からお答えいたします。
#139
○委員長(大竹平八郎君) なお、天田君に申し上げますが、郵政省より竹下簡易保険局次長、大塚貯金局長が見えております。
#140
○説明員(吉田信邦君) 簡保につきましては、特に還元融資というて特別に分けたものはございませんが、当初簡保が独立運用をいたします際も、還元融資的な運用をいたしたいといえば全面的に還元融資的な考え方をとるという立場で、簡保の運用の独立というようなことが起こった経緯もございます。現実の問題といたしましては、直接的な還元融資としては、契約者貸付という形で、これは財政投融資のワクとは別に、まあいわば財政投融資に入れる以前に加入者に対する貸付という形で、来年度についても約百四十億ほど予定されております。そしてその他の財政投融資として運用される分野におきましても、地方団体への貸付その他国民生活に直結する部門等に融資する。この融資がある意味で拠出者の還元的な要素を強く盛り込んであるわけでございます。
#141
○天田勝正君 便宜、事務当局が答えても差しつかえございませんけれども、私は還元融資のウエートをきめるのはやはりときの政府だと思う。そういう観点から質問しますが、今のお答えを聞いておりますと、簡保資金の関係では千三百六十億のうち百四十億ですか、そうするとさっき私が申し上げたように、そうして大臣もそれを認められたように、厚生年金や国民年金の還元融資は二五%だ、ところが、簡保の方はそうすると一〇%に満ちませんが、どうなんですか、それは。
#142
○説明員(吉田信邦君) 今申し上げました百四十億は、千三百幾らの財政投融資とは別に、財政投融資に組み入れる以前に一応直接的に還元融資という形で加入者に対する貸付金を取っておるわけでございます。
#143
○天田勝正君 私のさっきの質問は、簡保資金についても当然還元融資の計画がなければならないけれども、その計画はどういうものか示してくれと、こうお聞きしているのです。それは具体的にいえば、還元融資は何%にする、その基礎はこうだ、こういうことになると思いますが、その点どうなんですか。
#144
○説明員(吉田信邦君) 還元融資という言葉自体が、まあ考え方によっていろいろあるわけでございますが、従来の厚生年金等についての還元融資と申しますのは、やはり直接厚生保険等を納めている者に直接役立つような分野における公共的な施設等に貸し付けるというような趣旨で、還元融資が含まれております。それに対して簡易保険の方は、これは御承知のように、民間の保険と同じようないわゆる保険業務でございますから、そういう意味で直接的にまあいえば保険料を担保にして金を借りるという形における加入者に対する貸付というのが、ただいま申しました百四十億でございまして、そのほか今の厚生年金等でやっておりますような還元融資の分野について、簡易保険の場合にはその保険者の保険金を払っている者の団体とか、そういった特殊な形というものは原則としてないわけでございますから、従って、地方還元というような趣旨で地方団体のいろいろの公共事業に対する資金を貸すとか、あるいは必ずしも簡易保険加入者だけではないけれども、そういった層を含めた広い層に対して地方団体のいろいろの公共的施設に金を貸すという形で、それ以外に特に還元融資として格別の区分はいたしておらない。むしろ全体が還元融資的な要素を盛り込みながら融資を行なっているという考え方をとっているわけでございます。
#145
○天田勝正君 それじゃ、まあ特別なあれはないというので、還元融資的な性質を勘案しながら……。こういう話は、国民年金の問題でずいぶん、本会議あるいは予算委員会等で質問された方たちの主要な部分は還元融資であることは、政府は御承知だと思うのです。そたのめに運用を云々ということで政府も答弁しておりますし、ですから、今後この種の零細な国民の資金というものは何か基準を設けなければならぬと思います。単に還元融資的な心がまえで云々などと言われて、そうすると、さっききの輸出入銀行法と同じことで、その衝に当たるときの政府あるいは官僚の一部でも、早い話がやれる、こういうことであってはならぬと思います。それで簡保資金についてはやはりそういう何らかの基準を設けて、何%についてはこれこれ、何%についてはこれこれの地方公共団体なりあるいは特定の作業なり、こういうものにという場合に、基準を設ける用意がありますか。大臣、どうですか。
#146
○国務大臣(水田三喜男君) 年金の資金についても、還元融資をやると同時に、そのほかの残余の資金をどういうふうに使うかということは、今度の法案によって今御審議を願っている法案ではっきりしております通り、使途別の分類をする、どこへどういうふうに使ったかということをまず明確にするという方法と、どこへどれだけ使うべきかというものも審議会にかけて使途を審議してもらうという形で、ほとんど全部をいわゆる還元融資的な方向に使いたい、拠出者の直接の利益になるような方向で使いたいという趣旨で使途別の分類をするということになりましたので、それで大体目的は果たせるのじゃないかと思っております。
#147
○天田勝正君 財政投融資の中で資金運用部資金は四千二百九十七億円でしょう。そうして簡保資金の方は千三百六十億なんですよね。ですから、運用部資金と比べても、ずいぶん別建ての簡保資金というのは、原資は多いと考えなければならぬ。これが別建てとなっておるほかに、資金運用部資金には簡保資金の積立金を入れて、これがもう年々繰り返されているわけですね。繰り返されておるから、今度、預託期間が一年以上七年未満のもののうち新たに預託された額に応じて払い戻しされるものに対しては、三十六年度以降当分の間原則として年六分、こういうような規定まで設けるに至った。毎年預け入れが継続されるということは、やはり長期資金が供給されておる。だから、簡保資金というのは、財政投融資の面では別建てになっておるけれども、実は資金運用部の方が簡保資金よりはるかに多いと見ながら、この簡保資金の預託金もこの中に入っておる。少なくともそういうことなんでしょう。だから、運用部資金は非常に簡保資金のおかげをこうむっているわけだ。
 で、運用部資金の方については、つまり運用部資金のうちの年金資金等々、この年金資金等のうち厚生年金、国民年金、これについては、それぞれ二五%ずつのものは還元融資する。これがまだ大臣の答弁ではっきりどこまで基準をしたらよろしいかということは結論がついていないというお話だけれども、簡保資金だって、これで同様にそういう基準を設けなければならぬと思うんですが、どういうんです、それは。するつもりがあるんですかないんですか。
#148
○説明員(吉田信邦君) 簡保資金につきましては、従来からもそういう還元融資的な性格を強く入れるということで、地方債に運用することを重点に置くということで来ております。そういう意味で、現在として特にそのうちどれだけがいわゆる厚生年金等の還元融資に該当するかというような区別は格別にいたしておりませんが、財政投融資全体の計画を策定するにあたりまして、簡易保険当局とも十分御相談しながら、簡易保険の資金の性格上どういうものに運用したいか、どういうものに運用することが適切かというようなことを御相談しながら、資金運用部と簡易保険の割り振りをきめておりますが、それにつきましては、私どもといたしましては、資金運用審議会にお諮りして、どういう形が適正かというようなことについて御意見を伺いながら処置してきておる次第でございます。
#149
○天田勝正君 まあこれらの数々の資金は、それぞれ国民年金についても運用審議会ができたり、現にこの資金運用部資金につきましても、名前は改めますけれども、資金運用審議会、こういうものができる。ですから、たとえ当局がいろいろ配慮をしながら還元融資的な融資を行なうとしても、私は、簡保資金についても同様に、単に役人の手心次第ということではなく、委員会を設くべきだと思うんだけれども、それは、今の資金運用部の資金運用審議会、この権限にまかせてそれでもう差しつかえないんだと、こういう答弁ですか。
#150
○説明員(吉田信邦君) 簡保につきましても、同じ資金運用審議会の議を経て郵政大臣が運用先をきめるということに相なっております。実は、これは、この資金運用審議会は、そういう意味では大蔵大臣が資金運用部資金について諮問いたしますとともに、郵政大臣も簡保資金については同じ審議会にかけるという形で、金額的にも簡易保険の金額も相当大きうございますから、そういうところで権衡のとれた運用がなされるように配意されておる次第でございます。
#151
○天田勝正君 私は、これは一本でなく、あくまで別建てでよろしいという実は意見を持っておる。なぜかというと、昨日も私が簡保資金について質問いたしまして、政府側はまことに困った。このくらいコストの安い資金はないんです。きょうそれを繰り返して質問するつもりもありませんけれども、二つ、三つ例をあげましょうか。三枚も数字があるのですから、これを全部やるというと一日かかりますからね。
 簡易生命保険というものは、確かに一般の生命保険会社に加入するよりも楽にはいれますけれども、たとえば保険金二十五万円で十年満期十年掛、こういう場合には、五十才の人が入れば、二十七万一千二百円掛けなければ二十五万円もらえないのですよ。年寄りだから、生命が危険であるから、保険金よりもよけい掛けるという答弁がきっとありそうなんだ。ところが、不思議なことには、これが五才でも十才でもよけい掛けなければ二十五万円にならない。たとえば、十才であっても、二十五万二百円掛けなければ二十五万円もらえない。いいですか。それから同じ二十五万円に対して十五年満期の十五年掛ときたら、はなはだしいのは三十万二千四百円掛けないと二十五万円もらえない。私は単純に三十万二千四百円と申し上げているのだけれども、かりに郵政省で扱っておるうちで定額貯金の二年超というのは六分でしょう。簡保は、少なくとも十年なり十五年なり二十年なりというんです。これは二年以上であることは明らかなんだ。そうすると、二年超の六分の利子でいきましても、三十万という額を、それは一ぺんに三十万じゃないけれども、とにかく十五年かかって三十万ですが、これをしかし初めから複利をやってごらんなさい。おそらく五十万近くになるはずです。あなた方数字に明るいから、すぐ計算できると思う。五十万近くにならなければならないものが、二十五万円でなければ返ってこないんです。現実に返るものが、三十万掛けなければ二十五万にならない。だから、コストの安いこと天下一品なんです、これは。その間死ぬというけれども、それは確かに一九〇〇年あたりは日本人の平均寿命は三三・一。それから戦争前において一番長く続いたのは四四・六でしょう。戦争前あたりまでがずっと四十六才。それから戦争が済んでからというものは一年に一年以上延びてきたんです、日本人の平均寿命は。そういえば、今日六十五までは大丈夫だといってもいいくらいなんです。それまでに満期になるものが全部、よけい掛けなければもらえないのが簡保資金の性質なんです。だから、こういうコストの安いこと私は世界一だといってもいいと思うんですが、そういうものは特に私は希望がある限りは還元融資を全部やるべきだという考えを持っている。この点についてどうですか、大臣。
#152
○国務大臣(水田三喜男君) 僕はよくわからないんですが、保険制度である以上、一定の安全率を見た死亡率と、金利をどのくらいに見るかという計算の上に、掛金がきまっておるはずですが、今おっしゃられた通り、金利をゼロに見ている保険だと思っておりませんが、これは保険局から答弁していただきます。
#153
○説明員(竹下一記君) 簡易保険が非常にコスト安であると御指摘ございましたが、確かにそういう面が強いわけでございまして、その点はその通りでございますが、やはり生命保険ということでございまして、貯蓄という面とは本質的に違うということからいたしまして、場合によりましては、払い込みました掛金額が保険金を上回るということもあり得るかと思います。これは民間保険につきましても同様のことが言えるんじゃないかと思います。簡易保険の場合は、その傾向が非常に強いということは事実でございますので、いろいろ努力をいたしております。保険料を下げますとか、分配金の増配を努力いたしましてやりますとかいう面の努力をせいぜいいたしております。
 それから、やはり簡易保険の魅力を生み出すという面からいたしまして、そういうような試みのほかに、なお実は簡易保険の加入者の方々に、これが万一の場合だけの保障にとどまらないで、生存しております場合にも簡易保険につきまして何らかの利益が得られるようなことができないものか、こういうことも考慮いたしまして、直接もしくは間接の利益還元という方法につきましていろいろと考究はいたしております。また、利用者の、加入者の人たちから積立金の直接還元ということの要望も実は多少、と申しますか、最近はだんだん出てきておりまして、たとえば家を作りたいが資金を貸してくれないか、生活環境を改善したいが金を貸してくれないか、生業資金も貸してくれないかと、要望はさまざまでございますが、何らかの形で還元をさしてくれと、こういった要望も実は強うございますので、郵政省といたしましてはいろいろ事務的にはその面も検討もいたしております。
 それから、もう一つは、これは積立金の運用とは直接の関係はございませんが、事業費といたしまして福祉施設を作りまして、その面の利用を通じまして加入者の人たちの福祉向上に資する、こういう試みをもいたしておるわけであります。
#154
○天田勝正君 とにかく、大臣のいる時間がきまっておりますから、他にも質問者がおりますから、私は主として政治的な問題だけ聞こうと思います。
 とにかくいずれにしても、それは民間会社に似たようなものだといいましても、あれはちゃんと配当がついておりまして、いずれにしても似たものではないんですよ。ないから言っている。掛金より少ないものをもらうなんていうことはあり得ない。たとえば、民間の生命保険会社は、一回掛けただけでほうったらかしておけばゼロだけれども、三年なら三年掛ければ、掛けた金が返ってくる。掛けたものよりも少なくなってくるという話はありませんよ。
 そういうことを言っていると時間をとりますから、私はきょうのところはもう一問だけでやめたいと思う。生きているときのことも考えなければならぬのです。生きているときの場合は、反論すればこういうのがあるんです。大体二十五万円で十五年満期のものがある。しかし、掛金は十年です。それで現に十年たって、満期になって、もらえると思っていて、もらえない人がいる。これは十五年満期になっているから、五年間は据え赴きです。五年据え置きにしてごらんなさい。それがかりに六分ということになれば、それはやはり掛けた金の八割高ぐらいにふえなければならぬはずです。金利のことはゼロにします。金利のことは零にしても、もと掛けた金だって、これも二十五万四千円掛けなければだめだというのがあるのです、据え置きで。ずいぶんおかしいじゃないですか。
 きょうは、このことはまたあとの機会に言いますけれども、しかし、この質問は、これは資金運用部のやつに書いてあるから、ほかに質問できないんです。きょう上げれば、きょう質問するよりほかない。それで申し上げるのですが、大臣、政府は今、ざっとこの数年間物価が横ばいで、その反対をいえば日本の貨幣価値が下がらないということを誇りとしている。私も確かに変動のないことはそのまま認めます。確かに日本の歴史からすれば、との数年間ぐらい物価の変動がないときはなかったと思う。その点は大臣がほら吹いても黙っています。だけれども、そのくらい変動がなくても、御案内の通り、政府の統計でも、この五年間に八%は上がっているのです。言うなれば、八%だけ貨幣価値が日本においては下がっているのです。これが一番変動しないときの実情なんです。スイスでもって千九百年の金貨が等価値で今使えるというほどじゃないでしょう、日本は。だから、私は資金運用部の預託金として入っておりますこの運用部資金、投融資のときは別になりますけれども、資金運用部に入っている。そういうことを考えた場合に、貨幣価値のだんだんの下落、十五年たてば二四%下落するわけです、一番下落の勢いがゆるいときでも。だから、私から言うならば、どんな場合でも二四%だけは少いものを掛けても、十五年たったら同じものがもらえるのがあたりまえなのに、その方がちっとも配慮されていない。およそおかしいじゃないかというふうに考える。ここまでは私の考えです。
 そこでどうです、大臣、こういう私は不合理だと思うのだけれども、この政府の資金運用部資金の構成されている一々について、そのコストを全部調べてみて調整する御意思はありませんか、どうなんです。
#155
○政府委員(西原直廉君) ただいま御指摘のように、最近、大体卸売物価あるいは消費者物価は安定はしておりますけれども、卸売物価にしても、二十七年を一〇〇としまして現在二・四%上がっておりますし、消費者物価も三十年平均を中心といたしましてお話のように八%上がっているという状況であります。簡保その他資金運用部で預かります金は、簡保資金以外にいろいろな資金がございます。各特別会計からも預かっておりますし、それで現在の制度としては、資金運用部として預かります金がどのくらいの年限で預けられるかということで利子を分けているわけでありまして、やはりそういう意味で大体原則としているわけです。ただ、簡保の積立金につきましては、法律で御審議願っておりますように、その性質とか何かを見まして、ある程度たまるようなものについては、割合長期の金と同じように年六分の利回りになるようにしたい、こういうふうに考えているわけであります。
#156
○天田勝正君 もう質問しなくていいのですが、私は頭のいい大蔵当局、西原さんなどが、私が指摘をしておる矛盾を御存じないはずがないと思う。大臣も数字に明るいから、ちゃんと御承知なんです。昨日貯金局長からもお答えになりましたけれども、もしもという場合がありますからと言うけれども、そのもしもの場合があるから、ちゃんとよく保険料率というのがきまっているのです。だから、いろいろ改定したというけれども、この実態は日本人の平均寿命が四十六才のときのなんです。去年きめたというのだけれども、そうじゃない。その基準は四十六才くらいのときになっているから、こういうようになっておる。コストはただのみならず、ある部分については政府当局の方が加入者から利息をとっておるという格好なんです、これは。妙な話なんですよ。それで、財政投融資にはやはり入ってきますけれども、また一部は入ってきていないものがあるけれども、たとえば、おかしいというのは、電電公社の資金調達を見てごらんなさい。財政投融資でそれは資金調達した一面では、電話公債でやっておるでしょう。電話公債の方は十年間で、十万円の債券を買えば二十万円の証書が初めから来るのですよ。この二十万円になるというのは、西原さん、あなたも御存じの通り、七分五厘の年利ですよ。片方はそうなんです。同じ政府機関である電電公社の資金調達も、財政投融資でやる分もあれば、そういうふうに借入金でやる分もある。この借入金の分については七分五厘でよろしいと政府はお認めになっておる。それで平仄が一体合いますか。これは合いっこないのです。だから、あまりねちこち御答弁なされるよりも、これはやはり全体として私はそういう面も含めて御検討になるのがしかるべきだと思うのですが、どうなんです。
#157
○政府委員(西原直廉君) これは私からよりも、むしろ郵政省の簡保の問題でありますので……。保険料の算定のときには、今御指摘のように、死亡表を使っているわけでありまして、これで現在は第九回のものの死亡表でございますので、今のようなお話の点があると思いますが、今度一般の民間の保険会社でも同じようにやると思いますが、第十回の死亡表、つまり最近の死亡表に変更することになると思います。そういたしますと、それで保険料が変わって参ると思います。
 それから、予定利回りは、これは保険料を計算いたしますときに、一応予定利回りを見るわけでありますが、これは今四%ということでやっておるわけであります。これ以外に民間の保険会社では配当を幾らつけるというようなことを実際の運用利回りによってプラスしているわけであります。そういう点がいろいろ仕組みとして考えられておる点と思います。
#158
○成瀬幡治君 時間があと二十五分しかありませんから、大臣だけに一つお答え願いたいのですが、大臣、その前に、減税の公約の問題についていろいろ尋ねたわけですが、そういうことは別として、とにかく公約通りにいかなかったということは事実です。そこで、閣議でそういうようなことで、あなたが減税の公約について努力されたと私は思う。しかし、三十六年度か、あるいは平年度にしても千七百四十四億くらいしか減税になっておらぬ。あるいは国民年金の問題についてもいろいろ問題を公約なさったけれども、どうもあの当時の公約通りにはいかなかったというような点について、閣議で何かその党の公約について、いよいよ実施段階での措置が食い違ったことについて、閣議で何かお話し合いになったことがあるのかないのか、反省の色というものが国民に対してあるのかないのか、この点を一つお伺いいたしたい。
#159
○国務大臣(水田三喜男君) 公約は、私は公約以上を実施したつもりでおります。党の公約は、御承知の通り、平年度、国税で千億、地方税で二百億以上というのが公約でございましたが、今度の税制による減税は、平年度、国税で千百三十八億、地方税で二百九十五億、合計千四百三十三億ということでございますから、減税としては公約以上のものをやったということになろうと思います。
#160
○成瀬幡治君 そこで、大臣、むし返したくないが、あなたの方でお出しになっている資料を見ますと、平年度は増税のものを含めて、ほんとうの中身の減税は六百二十一億、平年度は七百四十四億とあなたの方の資料で出ております。増税分のことは言わずにおって、通算をせずにおって、ただ減税をしただけはこれだけだ、公約以上やったのだというのでは、私は押し問答をしたくないですよ、やはり減税といえば、増税分と減税分を通算をして、そして減税になるというのが一般の取り方だと私は思うのです。そうじゃなくて、増税分のことには全然触れずにおいて、私は公約以上にやったのだと胸を張られたのでは、ちょっと私らは心外だと思うのです。
#161
○国務大臣(水田三喜男君) それは私どもは、中小所得者を中心にこれだけの減税をすると言ったその減税はやっております。同時に、特別措置の合理化というようなものをやって、増収になる部分、これは当然ございますから、それを差引して言っているわけではございませんで、新規にこれだけの減税をやると言った以上、その内容がそうなっていればいいということで、差引でこれを見るというのは少しどうかと思います。
 で、過日社会党の方と討論したのですが、そのときに、差引計算をやるとすれば、社会党は国会に出したのは千七百億円減税で、二千二百億円増税というのだから・そうすると、社会党はもっと減税をしようと言っておりながら、実際は四百億の増税案を出すのかと言ったら、お互いに税制というものは差引で見るべきものでないということになって、今後そういう計算をしないことに両方でなっておるんでございますが、選挙のとき、これだけの減税をするというのは、新規に何を中心にどういう内容で減税をやるのだということを公約するので、その通りに私どもやっているわけでございまして、差引計算なんというと、社会党の方の今度の案は四百億円増税案ということになるのですが、それは私どももそう見ていないので、やはり千七百億減税というのが、私どもの減税案に対立する概念だと私ども思っておりますが、差引勘定というのはどうもおかしいので、私どもの公約は、はっきりとそういう意味でない減税を公約しておるのでございますから、今度の減税案では公約以上のことをやったのだと思っております。
#162
○成瀬幡治君 社会党がどうこうというのじゃなくて、そうすると、自民党の減税案というのは、これからも増税というものは全然含まずに、差引勘定ではなくして、公約された場合には、自民党の政府がやられる場合には、いつでも減税とこうおっしゃったら、それは減税分のことであって、増税分とのトータルではないということを、ここで明確にあなたはおっしゃられた、こういうふうに受け取っていいわけですね。
#163
○国務大臣(水田三喜男君) 従来からそういうことになっております。
#164
○成瀬幡治君 次に、問題を進めまして、税負担の公平の点については、だから、高いところを下げるのだという点と、もう一つは、減税の恩典が多くの人に及ばなければならないという点とは、若干矛盾してくると思うのですが、今度の減税をおやりになると、恩典は国民の何%が浴したことになるかですね。
#165
○国務大臣(水田三喜男君) 今まで納税者であった者で失格したという者は、大体二百十八万人と私どもは見ております。で、今までの納税者の失格者ですから、もし減税をやらなかった場合には、新規に所得が従来より若干ふえて税金にかかるべき人が、どれだけかからなくて済んだかという数字はちょっとわかりません。
#166
○成瀬幡治君 わからぬとおっしゃればそれまでですけれども、私はやはり減税が国民全体の何%恩典に浴したかという点は……。
#167
○政府委員(村山達雄君) 所得税の納税義務者の数を申し上げますと、大体全部及ぶわけでございますが、その数は申告、源泉両方合わせまして千四百五十四万三千人ぐらいでございます。このうち、ただいま申し上げましたように、今度の減税は全部に及ぶわけでございますが、失格いたすものは二百十八万。それから、全体の国民総数に対してどれくらいの割合になるか、世帯数で申し上げますと、それは所得税の納税義務者を含む世帯の全世帯に対する割合、これで大体影響がわかるわけでありますが、四六%程度になっておるわけでございます。
#168
○成瀬幡治君 そうしますと、次に大体世帯数で申しますと、国民全体の今度の減税は四六%が恩典に浴したと、こういうふうに見ていいわけですか、世帯数でですよ。
 次に、もう一つは、税金が公平でなくちゃならぬという点ですが、これはいろんな点で不公平じゃないかというものの例を一つとって申し上げて、そうしてこれを何とか直さにゃならぬという努力をしていただかなければならないと私は思うのです。今年はもうできなくても、この次に、来年にぜひやってもらわなければならぬと思います。たとえば砂糖消費税と関税を比べてみると、国民の税負担率は、御承知のように四六・二%になっております。ところが、高級毛皮の物品税の方で見ますと、税負担は一六・七%となっております。従って、国民は生活必需品であるべき砂糖というようなものをなめると税負担が四六%、毛皮コートというようなものは一六・七%というのは、少し税としての負担関係でおかしいんじゃないか。それから、勤労所得税で見ますと、今度の改正でいいますと、標準家族で三十九万円までは税金がかからぬということになっております。ところが、配当課税の問題あるいは利子所得の課税から比べてみましても、片一方の方では百三十三万円までは税金がかからないというような点は、どう考えてみてもおかしいわけです。あるいはまた、所得税だけで例をとりましても、一家――父親、長男、次男、まあ長男に奥さんがあって大体年間所得九十万円あるとしますと、そうすると、一家の所得とみなされるその所得が九十万円といたします。ところが、これが三人に分離しておりますと、一つの所得税の税がおおよそ計算してみますと年間七万七千円ぐらいで、一家にみなされる方が損をしております、今の税金の取り方では。こういうような点を見ますと、税がやはりどう見たって不公平だということはお考えになっておると思います。従って、こういう問題についてどういうふうにお考えになっておるのか、お答えを承りたいと思います。
#169
○政府委員(村山達雄君) 大へんむずかしい問題でございます。今の砂糖とそれから物品税の税率の開きの問題お話の通りでございます。ただ、砂糖につきましては、御案内のように、もし砂糖の税率を非常に軽くして安くするということになりますと、今のブドウ糖の方の関係、それからひいては農家の澱粉処理、イモの問題をどう処理するかという問題に大きく響いて参りますので、担税力のあるところに重くかけろということ以外に、産業政策の要素から現行の砂糖消費税のような税率が盛られていると思います。この点は、来年間接税の検討の際にそれらの点々もあわせて、税の負担の公平という問題と、そういういわば産業政策と申しますか、社会政策という問題をどの点で折り合わせていくか、こういう問題で検討して参るべき筋合いのものだと思います。
 それから、第二段の、今の普通の給与の標準世帯でございますと、今度三十九万円までは免税点で、それから配当については百三十三万円である、おっしゃる通りでございます。ただ、これはものの考え方でございまして、法人で納めている税金を現在の考え方では個人の所得の前取りだと、こういう考えに立っておるわけでございます。で、これがいわゆる配当控除の制度あるいは配当益金不算入の制度をとっておるわけです。今度この点について若干改正を加えて、配当については反面控除率を引き下げたわけでございます。その結果、配当の免税点が従来より引き下がったわけです。これがいわゆる法人の二重課税のものであるか、独立の納税主体と考えるべきか、あるいは個人の前取りと考えるべきか、あるいはその中間で考えるべきか、こういう問題で、一見いたしますと、おかしな格好が出ておるということはわれわれも認めておるわけでございますが、これは法人税に関する中心的な理論問題でございます。
 それから、家族の問題でございますが、これも非常にむつかしい問題でございまして、御案内のように、戦前におきましては家族合算制度を単純にとっておったわけでございます。ところで、今日は原則として分離課税、各所得者のものを分離課税をとっております。ただ、いわゆる資産所得につきましては一定の条件をつけて合算をしておる。日本の現行制度はそうなっております。この課税単位をいかなる単位でもって見るかということは、世界各国いろいろ違っております。大体欧米諸国は夫婦並びにその未成年の子か、まあ夫婦を中心にして課税しておる。しかし、これも単純なる合算ではなくて、あるいは二分二乗方式、三分三乗方式、あるいは特別の控除をするとか、あるいは特別の軽減税率を使うとか、単純な合算を使っておるところはほとんどございません。しかし、この徴税の方法についてはたしてこれが合理的であるかどうかということにつきましては、これはまた非常に問題が多い。いろいろ検討してみたわけでございますが、実際の実務といたしましては、現在の資産合算の程度であれば、現実の不公平はある程度排除されてゆくのではないか。ただ、今度その点について特に配慮いたしましたのは、例の配偶者控除の引き上げという点でございます、これが夫婦共かせぎの場合の分離課税の場合と、そうでなくて世帯において主人だけが働いている場合の税負担が、現行が不公平だという観点に立てば、その点は今度ある程度配偶者控除の創設によって薄められてくるという問題ですが、との課税単位につきましては引き続いてなお、税制の理論問題としておっしゃる通りむずかしい問題でございますが、検討して参りたい、かように考えております。
#170
○成瀬幡治君 私も、今日こうなっておる、よってくるいろいろな理論的なものはわかります。わかりますけれども、これはしかし税の負担の公平という立場から見れば、どう見たって納得のいかない点だと思います。だから、そのよってくる、こうこうなってきたとおっしゃる点はわかりますし、それからあなた方が努力されている点もあると思いますが、しかし、これは不公平という点から見れば、どう見たって納得できません。あなたは配当控除が二重課税になるじゃないかということをおっしゃいますけれども、その点はわれわれも百も承知なんです。しかし、そうであっても、なおかつ国民としては納得のいかない点だと思うんです。従って、これを何とか直す方向に努力をしなければならぬ。方向に努力する。だから、従って、あまりこまかくぶった切ってくると、いろいろなへ理屈がつく、もっともらしい理屈はつくと思うんですが、もう少し税制そのものを簡素化して、国民がやはり税の負担が公平であるという立場に立って、私は税制を検討してもらいたいと思う。こういう議論に対して、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#171
○国務大臣(水田三喜男君) お説もうごもっともでございまして、できるだけ税金はまずわかりやすいということが必要でございますし、この簡素化の問題については、私どもは今研究しておりますが、来年度において実現させたいと思っております。
#172
○成瀬幡治君 それから砂糖、バナナ、パイナップル、その他が外割になっておりまして、かつて河野農林大臣のときだと思いますが、超過利潤の問題でありますが、これが法律案が御承知のようにつぶれました。それで、関税はたしか四円を八円にして穴のあいたのを埋める、あるいは実質的に給付をするとかなんとかいうので、うやむやになってしまった。今日砂糖に対する、あるいはバナナ、パイナップル等で、超過利潤というものが、あるいは不当利潤と言っちゃおかしいかもしれませんが、そういうものが全然ないと大臣はお考えになっているのか、どういうふうにお考えになっているのか、その点お答えいただきたい。
#173
○国務大臣(水田三喜男君) 超過利潤が非常にあることはもう事実でございますので、問題はどうしてこの超過利潤をなくするかということでございますが、私どもは、関税率を上げてそして自由化してしまうのがいいという意見で、昨年はそういう方針をきめましたが、新しい政府になってから方針が変わって、この自由化を見合わせることになりましたので、最初きめた方針に近づけさせることが必要だと考えまして、ここで砂糖の輸入量を多くするということによって事実上の超過利潤をなくするという方向の措置をとりたいということから、砂糖の輸入量をふやしましたので、それによって今まで見られたような超過利潤というものはなくなるだろうと思っております。
#174
○成瀬幡治君 また、こまかいいろいろな点については、関税の法律案を審議するときに伺いたいと思いますが、先ほど一言言われたように、確かにあなたは変わっていないのです。農林大臣が南條さんから周東さんにかわっているだけです。関税の引き上げ率がですね、なぜあの間約一カ月ぐらい、たしか十二月の二十九日に、あなたがおっしゃるように、四閣僚で御決定になったものがまた変わってきた。しかも、そのかわっておる人は、南條農林大臣が周東農林大臣にかわっただけです。どうも政治的にあまりにも早く変わり過ぎておる。それが国内の澱粉業者を保護するという名目はあるかもしれませんが、しかし、そこには何かがえんじないものがあるのじゃないか。そこで、そういうものに対して何か割り切れないものがありますから、あなたがおっしゃるように、何というのですか、超過利潤の問題等は輸入量をふやすからそれはないのだと、それで事は解決してしまったということでは納得いきません。それから、あまりにも手ぎわよく変わられたことも納得いきませんから、御説明願えればけっこうだと思います。
#175
○国務大臣(水田三喜男君) 問題は、やはり国内のイモの、イモをどう保護するかということから、ここで一気に自由化すことは農政として困るという問題が出て、一ぺんきめた方針が変わったということでございます。
#176
○成瀬幡治君 まあ私は、最初決定されるようなときでも、そういうようなことは織り込み済みで決定されている。それほど手ぬかりな決定はおやりにならないと思う。それが一カ月ぐらいたって豹変をされるというのは、私は資料の不勉強であって、そういうようなことに対して決定をしたということは、あなたとしても不勉強だったから、今度はそういうものが出てきたから変えたのだというなら、少し決定が軽々し過ぎると思います。まあしかし、これは押し問答になりますから、また関税を審議するときにやっていきたいと思います。
 最後に、まあ時間がございますから、最後に、この税制調査会で問題になっている租税通則法について、大臣は、これはいろいろ問題があると思いますけれども、大ざっぱにひっくるめて、今議論されているような構想に対して大臣は一応賛成なのか、反対なのか、あるいはああいう考えを支持されるのか支持されないのか、御意見を承っておきたい。
#177
○国務大臣(水田三喜男君) 今税制調査会が意図しておりますその通則の問題は、考え方は、私ども賛成でございます。
#178
○成瀬幡治君 一応まあ時間が参りましたから、私はこれは資料だけ要求をしておきます。揮発油税関係につきまして、さきに十カ年計画をお立てになりました。今度また十カ年計画が変わっておるわけですが、一つどういうふうに変わってきたかという点、それから財源がどうなったかという点、これは揮発油税がどれだけ入ってくるか、一般会計からどのくらい持ってくるか、それから地方公共団体の負担分はどうなっておるか。それから三、四年やったわけですが、それに対して進捗率ですね、いわゆる計画に対する進捗率、こういうようなものを、さきの十カ年計画と今度新しく四兆九千億にふくれ上がった計画と比較して資料を出していただげればいいと思いますが、その資料は御提出願えましょうか。
#179
○国務大臣(水田三喜男君) 資料は大体できておると思います。提出いたします。
#180
○委員長(大竹平八郎君) これにて暫時休憩し、午後は二時半から再開いたします。
   午後一時五十七分休憩
   ――――・――――
   午後三時十六分開会
#181
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 資金運用部資金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行することにいたします。
 質疑のある方は御発言願います。
 なお、政府側よりは田中大蔵政務次官、西原理財局長が見えております。
#182
○成瀬幡治君 この審議会全体の問題についてお尋ねをしておきたいと思うのですが、この資金運用部資金の運用審議会は、委員の方は大体月にどのぐらい出席されるかという点が一つと、報酬は月になっておるのか日当になっておるのか。
#183
○政府委員(西原直廉君) 本年度の実績で申し上げますと、大体今までに二十四回ぐらいお集まりいただいております。それから、報酬の方は一回幾らということになっております。
#184
○成瀬幡治君 幾らですか。
#185
○政府委員(西原直廉君) 予算上千二百円ということになっております。
#186
○成瀬幡治君 これはまあどなたから答弁を承るのがいいのか、ちょっと私ども困りますが、御承知のように、審議会たくさんございます。一番高いのは、私は日銀の政策委員会だと思います。たしか月二十万以上になっておると思います。出席を見ますと、月に四回か五回で、しかもその出席の内容を見ますと、秘書か何かが来て判を押して、実質的な出席じゃないというようなことも明確になっております。こういう審議会がたくさんあるわけですが、片一方では一日日当が千二百円、片一方では一回が何万円に相当するような日当になっておる。私は、内閣において十分整理をされて、納得のいくような取り扱いを今後していただくことを、希望として申し上げておきます。
#187
○政府委員(西原直廉君) ただいまお話しの日本銀行の政策委員は、これはまたいわゆる普通の審議会と少し違う性格になっているかと思いますが、一般のこの審議会の場合の報酬のいろんなやり方について、主計局の方で多分ある程度はいろいろ標準をきめてやっているのじゃないかと思います。今の御趣旨の点は主計局によく通じるようにいたします。
#188
○成瀬幡治君 あわせてお伺いしておきたい点は、一番多い人は、だれかということは別としまして、委員会に、十幾つ政府の審議会に名前をつらねておられる方があるわけです。実際は、その人は実業家であるならば、不可能なんです。そういうような点も一つ勘案をして、善処されるようにお願いします。
 それから、天田委員からしばしば指摘をされておったわけですが、郵貯の方の利率を六分であったのを、赤字であるから当分の間五厘を最高限として特別の利子を付すると、従って六分五厘になるだろう、こういうことになっておりますが、片一方の簡保の方は余裕金であると。これをまあ今度は従って長期資金にもみなすことができるから、六分までの預託利回りの向上を――まあ六分になるかならぬか、そこのところちょっとわからぬが、六分を保証するのか。私がちょっとわかりかねるのは、あるいは五分八厘ぐらいになるのか、その辺のところが一つ。六分で保証するかせないかという点を明確にしていただくとともに、なぜ同じ郵政省で集めたところの郵便貯金の方は六分五厘、簡保の方は六分にする――六分と固定をすればですね、にするのか、理由を一つ明らかにしていただきたい。
#189
○政府委員(西原直廉君) 今のお話の、簡保の方は六分を保証するわけでございます。これは当分の間でございますが、六分を保証いたします。で、簡保の場合におきましても、七年以上の期限で預託される場合には、郵便貯金なんかと同じようにやはり、六分五厘になりますかどうなりますか、これは資金運用審議会で御決定いただくところでありますけれども、特別の利子を付することになるわけでございます。その間の違いはそういう場合にはございません。で、片一方の方の特利を付しますものは、七年以上の預託を受ける、その点が今の簡保の、一応ここで言っております六分を当分の間保証するというものとの間の差でございます。
#190
○成瀬幡治君 簡保の余裕金を今度長期の預託金とみなして、大体当分の間六分と、こういうことになりますね。しかも、それは七年未満の……。もしこれがずっと七年で来れば、そのときはまたもとへ戻して、また初年度から始めるというような形になるのか。実際は預託金は長期に私たちは常識的にも続いていくと思うのです。その辺のところで、だから六分五厘と六分との差があるじゃないかと、こういうことを言っておるわけです。
#191
○政府委員(西原直廉君) ここで規定してございますように、簡保の方は一年以上七年未満で大体預託されることになるものでございますから、その預託されたものは、その期限によりまして簡保の方にまあ引き出されていくわけでございます。郵便貯金の方は七年以上の期限で預託されるわけでございます。その点が違っていくことになるのでございます。
#192
○成瀬幡治君 私は、あまりあなたの方と、形式論やいろいろなことを議論したくないのですよ。実質的に簡保の方がより長期だということは、私が申し上げなくても、あなた方の方がようおわかりになっておるわけです。なぜそんな、七年でどうだこうだという、そんなテクニック的な私は御答弁をいただくよりも、どうしてこう差をつけなくちゃならぬのか。私は差をつけずにやっていただけば、先ほど天田委員が指摘されたような、掛金よりも払い戻し金の方が少なくなるなんてこともないと思うのです。それほどまでに国民の犠牲を払って、片一方の方に、財政投融資という名のもとに融資を優遇をせなきゃならないのか、その辺のところを私は質しておるわけです。
#193
○政府委員(西原直廉君) 簡保の方から資金運用部が預託を受けておりますものの中に、ことしの二月末現在のところでは七年以上のものが百億ございます。それから、一年以上が百九十七億、三カ月以上が九十五億ございます。それで、この七年以上の百億につきましては、今のお話のように、全然差別なく、六分五厘になりますれば六分五厘の利子を付する、こういうことになるわけでございます。でありますから、簡保の方で六分五厘かなんか、そういう特利を付したものをつけてほしいということになれば、七年以上に預託して下さればそれでけっこうなのでございます。
#194
○成瀬幡治君 それでは、ちょっともう一ぺんもとに戻りますが、通常の利率は六分ときめておったものが、私は今度五厘を、特利をつけるということは、郵貯が赤字になるからつけておいでになるのではないかと思う。ところが、七年以上で、何か聞きますと、簡保の方は七年以上になったものは六分五厘つけております、こういうような答弁ですか、そうでもないのですか。
#195
○政府委員(西原直廉君) どうも言葉が足りなくて失礼いたしましたが、今までは全部預託の利率は七年以上というもので六分になっております。これは資金運用審議会その他の御意見で、資金運用部としては、結局運用して得た利益を郵貯あるいは国民年金あるいは厚生年金、こういうような七年以上の長期の預託をしているものにはできるだけ返すようにしよう、こういうようなことでございますので、今お話しのように、七年以上の預託金につきましては、すべて大体今の予定では六分五厘の利子をつける、こういうふうに改正させていただきたい、こういうわけでございます。
#196
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#197
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。資金運用部資金法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につき、ましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
#201
○委員長(大竹平八郎君) 次に、関税定率法の一部を改正する法律案、関税暫定措置法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 質疑のおありの方は御発言を願います。
 なお、政府側からは稻益税関部長、通産省より今井通商局長、農林省より枝広経済課長が出席いたしております。
#202
○成瀬幡治君 IMF総会が大体九月ごろですか、あるいは十月ごろですか、いつごろ持たれるか知りませんが、何にしましても年内に持たれると思う。そこで十四条から八条へ移行勧告されるであろうということは、しばしば新聞に出ているわけですが、もしそういうような場合があったときに、今度改正される関税法と関係がございますか、何らそれに対して関係がないのかどうか。勧告を受けたときに、なおかつ今度改正されたものを改正せなければならないのかどうかということです。
#203
○政府委員(稻益繁君) お話しの点は、IMFの勧告が出ましても、直ちにそれが関税率とは直接の関係はございません。ただ、勧告が出ますると、要するに、国際収支を理由とした為替・貿易の制限ができなくなる。そういたしますると、いわゆる貿易の自由化ということになって参るわけでありますが、今回の私どもの改正案におきましては、そういった貿易の自由化というものを一応前提といたしまして、自由化された際にわが国の産業がいかなる関税率で適正な保護が受けられるかということを、目的と申しますか、目標として、関税率の設定作業を行なったわけでございます。従いまして、そういうIMFの勧告に基づく、いわゆる何と申しますか、自由化というものを想定して、関税率が今回改正案ができておる、かように御了承いただきたいと思います。
#204
○成瀬幡治君 今度の改正の第一点として、緊急関税の問題が出ておるわけですが、この問題について、法定主義からいって違憲になるのじゃないかという議論があることは、すでに御承知の通りだと思います。そういうことはそれといたしまして、もし緊急措置をあなたの方がおとりになったと、たとえば国会開会中ならどういうようなふうに……。確かにこの緊急措置をされる条項がございますが、国会開会中であったというような場合には、どういうふうにされるのか。
#205
○政府委員(稻益繁君) 今回御提案申し上げております緊急関税制度におきましては、国会の開会中、閉会中を問わず、非常に制限をされました、つまり条件でありますが、条件を非常にきびしくしぼっておるわけであります。従いまして、また引き上げの幅等につきましても、非常に何と申しますか、限定された形で政府への授権をお願いいたしておるわけでございます。従いまして、今回の緊急関税制度によりまして緊急関税が発動するというような場合には、一応私どもとしては、国会開会中、閉会中を問わず、政令でやらしていただきたいと、かような趣旨でございます。
#206
○成瀬幡治君 そうしますと、この法律が通ってしまうと、一応税法は税法としてある。非常な条件はついておるけれども、緊急措置は大蔵大臣の権限においてこれができるのだと。やってしまったあとの事後措置については、もちろん報告もしなければ、あるいは事前についても、国会開会中であっても何にもやらないと、こういうことなんですか。そうだとすると、片一方では法定主義でいくという大原則と申しますか、大前提というものがある。それとの矛盾が私はどうしたって出てくると思うのです。従って、こういうことをやられるような場合には、たとえば公聴会を開いてやるとか、何かそれについて少しでも自由裁量が、条件はきびしくするとおっしゃったけれども、なおかつ、そうではなくて、自由裁量の幅というものを狭めていくというような対策というものが考えられておるのが妥当だと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
#207
○政府委員(稻益繁君) 私どもの現在この運営について考えておりますことは、非常に問題は緊急と申しますか、そういった非常に急ぐ事態においてこの緊急関税が発動されるわけであります。従いまして、一応政府に非常に限られた制限のもとに授権をしていただくということをお願いしているわけでありますが、これは実際の運営といたしましては、現在ちょうど関税率審議会、今回の改正案につきましても数十回にわたって開いていただいたわけでありますが、この関税率審議会に私どもとしてはお諮りをしまして、そこで十分学識経験者、そういう方々の御意見も伺いまして、しかる後に発動する、かように考えているわけであります。
 それから、いま一点、報告も何もしないのかという点でございますが、せんだって衆議院の大蔵委員会の方で実は、大蔵委員会として本法案を御審議いただきました際に、最後に附帯決議がついておりました。そういう措置を政府がとった場合は国会に報告するようにという御趣旨を附帯決議としていただいたわけであります。十分そういうことで、私ども必ず報告をいたして参りたい、かように考えております。
#208
○成瀬幡治君 事がすぐ損得に影響したいろいろな問題になると思いますから、私もあなたの方がこれを運営される場合には慎重に、いろいろな点に配慮されておやりになると思いますから、一つ運営にあたっては十分に御留意願いたいと思います。
 それから、次に、提案の理由の中に、四ページの一番終わりに、「基本的には貿易自由化を前提といたしましたが、主食関係や非鉄金属の一部または石炭等のように、現在のところ基本的政策に未確定の要素が多いものについては、検討時期を後日に延ばす意味で現行税率据え置きといたしたものでございます。」と、こういうことを提案理由に書いてございます。基本的政策に未確定の要素が多いということは、どこで、たとえば砂糖を延ばされたのは先ほどちょっと触れましたが、この基本的政策は内閣がおきめになるわけですが、今こういうようなものとこういうようなものは具体的にいってこういうような点が基本的政策が決定ができなかったからこうなっているのだという御説明を承らないと、私どもとしても納得のいかない点がたくさんございますから、私は品目別といってはあまりにもたくさんあり過ぎるかもしれませんが、たとえば砂糖はこうだ、大豆はこうだというような、主食関係のもの、あるいは非鉄はニッケル等になっておりますが、そういうようなもの、あるいは石炭は重油との関係があると思いますが、そういうような点について少し御説明を願いたいと思います。
#209
○政府委員(稻益繁君) 提案理由のところで書いてありますもの、大体主食と石炭、石油、それから非鉄の一部、銅、鉛、亜鉛といったようなものであります。それぞれにつきまして理由を申し上げますと、主食につきましては、米、小麦でありますが、いずれも現在もしもこれを自由化するということになりますと、かなり何と申しますか、国際比価が日本に非常に不利と申しますか、日本の米なり小麦なりというものは割高についているわけであります。従いまして、今回の改正作業におきましても、一応検討はいたしたわけでありますが、現在のところ、御承知のように、主食関係は食糧管理制度のもとで非常に何と申しますか、統制が行なわれているわけであります。当面主食はまだ輸入の自由化ということも考えられませんし、また輸入されて参りますものも、直接政府で管理をしているという形でありまして、その関係から、御承知のように、現在は暫定で免税を行なっているわけであります。そういった、いわば輸入の自由化の問題並びに食糧管理制度、これが近い将来にどういう形になって参るか、これに対して根本的な検討がまだ始められた段階でありまして、現段階におきましては、そういった完全な何と申しますか、民間貿易による輸入の自由な姿というものがいつごろ実現するかまだ想定がつかないわけであります。そういう意味におきまして、今回は現行の関税率をそのまま据え置いたといったような次第でございます。
 それから、石炭、石油でありますが、これは総合的なエネルギー対策と申しますか、そういった点が通産当局におきましてまだいろいろ検討の過程にあるわけでありまして、従いまして、石炭と石油との関係をどういった形で根本的に政策として解決するかというめどがまだはっきりついておらないわけであります。従いまして、今回はそういった主として理由から、石炭、石油の関係は現行の税率を据え置くということで解決いたしたわけであります。
 それから、いま一つの面であります非鉄の一部でありますが、これにつきましても、御承知のように、銅、鉛、亜鉛、いずれもまあ日本におきましてはまだ非常に、何と申しますか、自由化に困難な物資であります。これを自由化するという場合には、いろいろな国内産の銅、そういったものの対策を別途どうやるかということは、現在まだ検討の過程にあるわけであります。今回の関税率の改正作業をやります際には、まだその方の結論が出ておらないということでありまして、まあそういう意味で今回は見送りの据え置きといたした。
 いずれも主要な物資といたしましては、ただいま申しましたようなそれぞれの理由がいずれ明らかになると申しますか、一応のめどが立つ時期が参るわけであります。その際に、そのときのいろんな条件を加味いたしまして適正な税率を設定いたしたい、かような考えでございます。
#210
○天田勝正君 私はまずお聞きしたいのは、この関税関係の三法は、まことに法律の名前からして妙なんで、関税定率法というものがあって、そして暫定措置をしなければならぬものは関税暫定措置法、こういうものがある。そこでこれらを改正する場合には、その一部を改正する法律案というのが出て、もとからあった関税定率法なり関税暫定措置法なりというものが改正されて、改正部分が含まって新しい法律ができてくる、こういうのがあたりまえなんです。この関税関係だけは関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律、こうくる。こういうふうに他の法律の扱い方とはどうしても別に扱わなければ処置ができないというのは、どういう理由ですか。これは部長でも、法規課長でも、どちらでもいいですよ。
#211
○政府委員(稻益繁君) 関税に関しまする法律といたしましては、基本的には関税法と関税定率法、これが、この二つがこの基本の法律になるわけであります。暫定措置に関する法律と申し上げまするのは、従来やって参りました、おおむね一年でありますが、一年を限って免税をするとかいったようなたぐいのものを暫定措置にあげてあります。今回この暫定措置がかなりまあふくらんだと申しますか、内容が多くなったわけでありますが、これはいわゆる自由化に対処いたしまして、いろいろまあ暫定的に合理化が進むまでの暫定措置として二年なり三年なり増税をするとか、あるいは二年なり三年の間は自由化がおくれるから低い税率でやっていくとかいったような考慮をいたしましたために、暫定措置がかなりふくらんでいる、かような次第であります。
 それから、いま一つ提案いたしております関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、大へん名前が長いのでありますが、これは琉球関係を特別に別の法律でそういう形できめておるものでございます。その一部を今回、従来は免税措置だけということでありました。今回はこれにつきまして原料課税の考え方も取り入れまして減税措置をとりたい、そういうこともとれるようにしたいということで、その一部を改正するという形に、非常に複雑ではありますが、そういう形になったわけです。
#212
○天田勝正君 趣旨は私も承知しておるのですよ。この関税定率法の一部を改正する法律というのが、現在沖繩の分だけが一部残っておるといってもよろしいので、あとは暫定措置法の方へみんな移行したのでしょう。だから、むしろ国民の立場からわかりやすくするならば、沖繩との関税関係の法律とかなんとか、もうわかりやすい言葉で、ひょっと端的に表現してしまえばいいのに、普通いかなる法律の扱いだって、本法があって、それに対する一部改正といえば、今度はもとあったものにその改正部分が含まってくると、こういうのが普通なんですよ。ところが、あの関税定率法の一部を改正する法律と、こういうのは、その法律ができたときに関税定率法の方がその分だけ改正になればいいものが、一部改正する法律なのに、そいつが独立して歩くということは何としても普通の法律の扱いとは全然違うでしょう。どうしても違った扱いをしなければならないのはどういう理由か。だから、私はむしろこの質問は法制局に聞きたいのだが、まあ法規課長が来ておるからどうしてもこういうふうに別建てにしなければならない理由を聞いておるのです。
#213
○政府委員(上林英男君) 技術的な問題でございますから、私からお答え申し上げますが、今の関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律と申しますのは、これは附則を改正いたしておりまする法律でございます。御存じのように、本則でもっていろいろ本法を改正いたしますと、そのまま本法の中に織り込まれるわけでございまするが、ただいまの問題になっておりまする条文は「当分の間、その関税を免除する。」というのが附則で書かれております。これは当分の間の暫定措置といたしまして附則に規定をされましたわけでございまして、ちょうどその附則が関税定率法の一部を改正する法律の附則に書いてあるわけでございまするので、その附則自体を直しますということになりますと非常にややっこしいことになりますが、一部を改正する法律の一部を改正する法律ということになるわけでございますが。
#214
○天田勝正君 附則を改正しようが何であろうが、普通の法律の扱いというものは、一部を改正する法律というのが出れば、それは本法の方の附則がそう変わればよろしいのであって、その一部を改正する法律というのがあれば、それは独立の法律だという扱いは少なくとも他の法律ではないでしょう。どうなんです。ないはずなんです。あれば、そういうものが附則だけ改正した場合に、一部を改正する法律というものが独立独歩で動いていくわけです。ほかにそういうものがないのに、これだけあるというのがどういうわけですかと、こう聞いておる。どうです。附則改正というのは知っておるのですよ。それにしてもおかしいでしょう。
#215
○政府委員(稻益繁君) お言葉でありますが、ただいま法規課長が申し上げましたように、関税定率法の附則でもって琉球関係のことが規定されておるわけであります。従いまして、これは法の形としましては別個のものになるわけです。従いまして、それだけを改正するという形で別に出さざるを得ないわけであります。
#216
○天田勝正君 それじゃお聞きしますが、この法律は何月何日施行するというのが附則で出てくる場合に、幾つも法律がありますが、そういうものが別に独立に歩いておるということがありますか。他に例があるのだという話があるのなら、してもらいたい、私は。私の記憶にはない、どうしてもそういうものが。
#217
○政府委員(上林英男君) ただいまの施行の期日の問題と若干これは違うのでございまして、附則で書きまする場合にはいろいろな範疇がございます。本法に書いてありまする事項につきまして、暫定的に当分の間こうするというようなことを例外的に書きまする場合にも、附則で規定を設ける場合がございます。そのような場合に、暫定的に適用されまする本法の例外規定を毒しますときには、その附則の規定を直していく、こういう形にならざるを得ないわけでございます。従いまして、論理的に考えますと、その附則を直す。従いまして、その附則を入れましたときが、本法を一部改正する法律の附則でもって行なわれました場合には、その附則をまた直す必要があるということは、技術的には考えられるわけでございます。
#218
○天田勝正君 あのね、論理自体を、論理なんというのは人によって「一人々々違えばみんな違うくらい論理学はあるので、ただなるべく大ぜいに通用する方がいいのであって、例外規定だって法律上だって、いろんな書き方があるけれども、おっしゃる意味でないただし書きというあれだって、言ってみればみんな例外規定だ。ほんとうはこうだけれども、原則はこうこうするけれども、かかる場合もあり得るという書き方もあるし、ずらっと書いてきて、「但し」というので、ここで救済規定なり例外規定を設ける場合もある。だから、例外規定だから、あるいは附則に書いてあったんだから、別建ての一部改正の法律というものが単独で歩いていくということは私はあり得ないし、もしそういうことが趣旨からして必要だとしても、これは整理する方が望ましいじゃないかと思うのですが、どういうのです。今までの説明では、どなたにしても、どうしても附則に書いてあったがゆえに一部改正をするという形で別建てにしなければならないというきめ手の説明には私はならぬと思う。どういうものなのですかね、これは。
#219
○政府委員(稻益繁君) 非常に法律の立て方の問題でありますが、昭和二十九年の関税定率法の改正の場合におきまして、この附則が、つまり関税定率法の一部改正の法律を出します際に、その附則としてこの琉球関係の法律が出たわけなのであります。そういたしますと、一部を改正する法律の本文の方は関税定率法の中にとけ込んで参るわけであります。ところが、そのときついております附則の方は、これは残るわけなんです。本文の方へとけ込むことはできないわけであります。従いまして、その附則の部分は別にそれだけが生きておりますので、この内容を変えるということになりますると、関税定率法の、さきに御審議いただきました二十九年の一部を改正しますその改正法、それの一部を改正するということにならざるを得ないわけでございます。
#220
○天田勝正君 歯切れが悪い。まあ去年暫定措置法ができて、そこでまあ大整理をやったわけです。大整理をやった。だから、沖繩の分だけ、中身は沖繩の分だけを従来通り一部改正法律の方へ残したというのだから、その際に暫定措置法にだって、そうでなく関税定率法にだって、整理が私はできないはずがないと思うのです。それをもう少しわかりやすく、どうしてもこれを残さなければいかぬのだという説明がつきますか、どうなんです。
#221
○政府委員(稻益繁君) 考え方でありますが、私どもがとっておりますのは、要するにこの沖繩関係のそういった何と申しますか、免税措置、今回は減税措置を言いますが、これが性格が暫定措置法の一般のものと違っておるという観点から、暫定措置法を改正しましたときにもその中に入れませんで、若干性格が違うものだという趣旨で、別にこれだけを残しておるわけでございます。
#222
○天田勝正君 どうもあなた方の大へんな説明を聞かなければわからないような法律の名前は、考え方の違いだのなんだのということを言いますけれども、そういうことは望ましいことじゃないのです、国民の方からは。国民の方からは、なるべく、早い話が酩酊者取り締まりなら、今度酔っぱらい取り締まりという名前を使った方がよろしいという。だけれども、これだけでは全然法律的にどういうのか、論理的にどういうのかわからないのですよ。どう考えたって、普通、私が指摘したように、関税定率法の一部を改正された法律なんだから、もとは何だ、こういうふうふうにしか納得できない。そうですから、もし沖繩の趣旨を申されますけれども、それならそれとして、沖繩との貿易におけるその関税の暫定措置法とかなんとかで整理すべきものだ。しろうとわかりがすぐできるようにあなた方は考えてもらうのが、今日の新憲法の趣旨ですよ、大きくいえば。ですから、これはいつまで言っても尽きませんから、私はそういうことを希望だけしておきます。
#223
○成瀬幡治君 行きつ戻りつするような質問で悪いですが、次に関税の割当制度のことについてお尋ねしたいと思いますが、この前の説明によりますと、数量の決定は一つ政令でやると、こういうような御説明がございました。で、一体、通産関係の方が来てお見えになるようですから、ニッケルとか高速度銅あるいは五酸化バナジウム、あるいはセラックというんですかシードラックというようなもの。ちょっと五酸化バナジウム以下のものは何に使うかわかりかねますが、その御説明を願うと同時に、年間大体どれくらいの所要量が要るかという点を御説明を願いたい。
#224
○委員長(大竹平八郎君) 答弁は通商局長に限りませんよ。
#225
○政府委員(稻益繁君) 今ちょっと数字を調べておりますから。
#226
○政府委員(今井善衞君) ニッケルについて申し上げますと、ニッケル年間の需要量というものがございまして、これは年によってだんだんふえていくという建前になっております。この年間の需要量のうち、国産でまかなえるものがございます。つまり、大体国産は六千トンと見まして、三十六年度は年間の需要量は六千八百トン、三十七年度は七千四百トン、三十八年度は八千百トンというふうに見ておるわけでございまして、従いまして、年間の需要量の中におさまるものと申しますか、三十六年度で申しますると八百トン、三十七年度千四百トン、その分につきましては無税にいたしまして、それを越えるものにつきまして関税を定める、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 それから、そのほかのバナジウム、セラック、高速度鋼、これにつきましては、現在検討中でございます。現在年間の需要量その他につきまして検討中でございます。いずれ政令できめますまでに検討をしたいと思いますが、現在検討中でございます。
#227
○成瀬幡治君 何に使うのか。
#228
○政府委員(稻益繁君) お答え申し上げます。五酸化バナジウムは合金鉄の原料でございます。高速度鋼はそのまま高速度鋼でございます。それから、セラック、シードラックでありますが、塗料の原料であります。
#229
○成瀬幡治君 問題は、これは二段関税になっておるわけですが、まあ受付を会社別にやってくると思います。それで、その年のいつ――大体発表をして締め切ると、あとから申し込んだものはもうだめというか、先着順でやるというようなことになるのですか。何か無税の割当を受けたところが得をして、そうでないものが損するような形になるわけだと思うのです。運用が非常に大切になってくると思いますが、そういう不公平になるようなことは避けなくちゃならぬということはお考えだと思うのですが、どういうようなことでおやりになろうとしていますか。
#230
○政府委員(今井善衞君) これは現在為替管理法によりまして外貨割当という制度がございまするが、それと同様の制度をとりたい。つまり、ニッケルでございますれば、業者に対しまして所要の量を割り当てしまして、その分については無税ということになるわけでございます。
#231
○天田勝正君 関連々々。成瀬委員のさっきの質問にまだ答えていないから、私も聞きたいわけですが、ニッケル、五酸化バナジウム、セラック、シードラック、こういうものは、通商局長によれば今検討中だと、こういう。そうすると、幾ら輸入するかわからないという状態でですね、この関税を免除したりなんかするわけなんですか。そういうことでいいんですか。これは関税部長に聞きますけれども、税当局としてはどうなんです。おかしいと思うのだが。
#232
○政府委員(稻益繁君) 法律で一応基本的な点は規定しておるわけなんでありますが、ただいま通商局長からお話がありましたのは、その具体的な数量を今年度幾らにすると、たとえば三十六年度幾らの数量にするということを具体的に目下検討中であるということであります。
#233
○天田勝正君 ということってね、大ていおよそ見込みがあるはずなんですよ、何でもね。それはこまかい数字までどうというんではなくたって、その大まかな見込みというものがなければ、これは認定を与えようとかなんとかということはもう考えられないはずですね。ですから、私はそういうものはおかしいと。およそのめどというものはあるはずだと。ただ、こまかい全体の需要の中、しかもこのシードラックなんというのは国産ではできないでしょう。できないんでしょう。できるんですか、どうなんですか。セラックだってシードラックだって、できないでしょう。そうすれば、会社から資料をとったらすぐ出てくるよ。
#234
○成瀬幡治君 今まで、逆にいえば、外割しておった額はどれだけあったかわからないですか。
#235
○委員長(大竹平八郎君) 都合で、答弁は政府委員でなくても説明員でもよろしゅうございますよ。
#236
○説明員(堀田禎輔君) ただいま御質問になりました高速度鋼、それから五酸化バナジウム、セラック、シードラックでございますが、一応需要量の検討はいたしておりますが、大体の見当といたしまして、高速度鋼は国内生産量の四〇%程度、それから五酸化バナジウムの方は七百トンはワク内で輸入しておる。それからセラック、シードラックは、大体現行の輸入量よりも若干は上回る程度ではないかというような点で検討しております。
#237
○成瀬幡治君 どのくらい輸入しておるのですか。
#238
○説明員(堀田禎輔君) ちょっとその数字……。
#239
○成瀬幡治君 わからないのですか。
#240
○天田勝正君 さっき成瀬さんが質問したところが、ニッケルについてはこれこれの需要があって、これこれの需要の伸びがある、こういうことを言われておるのですよ。ほかのことは言わないのですけれども、やっぱりほかのセラックだってシードラックだってみんなそういうものがあるはずなんです。今までの使用量というものはこれから研究しないったって出ておるはずなんですから、ことに国産を全然しない物資については今までの外貨割当があるでしょう。その数量というものがある。それに対する伸びというものは、さっき通商局長が言ったニッケルについたって、推定ですよ。幾ら伸びるかあの、数字が確たるものではありはしない。だけれども、推定というものは日本の産業の伸びからして出てくるはずなんです。だから、それを四〇%といったって、もとの方がわからない。四〇%といわれたってどうにもならないのですから、それをはっきりしてもらいたい。
#241
○政府委員(今井善衞君) 的確なお答えができなくて相済みませんが……。
#242
○天田勝正君 的確でなくていい、見込みで。
#243
○政府委員(今井善衞君) 現在輸入しておりますものにつきましては、外貨割当制度をやっております。従いまして、今それぞれの物資について幾らの外貨を割り当てているかというのは手元にございませんけれども、調べますればはっきりした数字があるわけでございます。この外貨割当制度、需要の伸びと関連いたしまして、毎年少しずつ国産がない場合にはふやしていくという関係になるわけでございまして、今年度、来年度の数量を幾らにするかということを検討しておるわけでございまして、いずれ五月に政令ができますまでに、関係局と十分打ち合わせて、数量は最終的に確定するという仕組みになっております。
#244
○委員長(大竹平八郎君) 今井局長に申し上げますが、ただいまの成瀬、天田両委員のは資料要求的な性質になりますが、資料要求として委員長は認めますから、なるべく早い機会に御提出願いたいと思います。明日出していただけますか。
#245
○政府委員(今井善衞君) 明日提出いたします。
#246
○成瀬幡治君 この関税割当は外貨割当、外割のような格好でやると、こうおっしゃいましたが、そういたしますと、どのくらい輸入するかということにつきましては、最終決定は閣僚審議会、それは総理、大蔵、通産、農林、運輸、これだけのところで決定をされると見て差しつかえございませんか。
#247
○政府委員(今井善衞君) 輸入計画につきましては、ただいま御指摘になりました閣僚審議会できめまして、そしてこの政令に載せる数量につきましては関税率審議会にかけて最終決定をいたします。
#248
○成瀬幡治君 そうすると、その関税率審議会というのは別途にあるわけですか。これとは違うんですか。
#249
○政府委員(今井善衞君) はい。
#250
○成瀬幡治君 わかりました。そうしますと、外貨割当の、私はどういうふうに……。五月なら五月に政令で、たとえばニッケルはこれだけ輸入、高速度鋼はこれだけだと、こういうことをおきめになりますね。そうしますと、各会社は五月三十一日なら五月三十一日までに通産省なら通産省の窓口において締め切られる。それを、割当をやられるのかどうか。そこのところ、外割の私はやり方がわかりませんから、もう少しやり方を親切に一つ御説明願えないでしょうか。
#251
○政府委員(今井善衞君) 外貨割当のやり方は、各商社、需要者から申請を出しまして、そしてそれによって割り当てておるわけでございまして、との関税割当につきましても、同様の方法で五月末日までに割当したいと思います。
#252
○成瀬幡治君 私は、その割当を受けた人が得して、そして割当を受けない人があると思うのですよ。ということは、片一方では経済の成長をあなたもいろいろとやっておみえになりますが、当然私は二段関税になるだろうと思う。たとえばニッケル、二段関税にならぬというなら問題ないと思いますけれども、二段関税になったときにとうなるか。先に出した者はもうかるという点が一つあるのです。そうすると、もうかったまま、ある人は関税の割当を受けて、あとから出した、その後輸入で高い関税でやられた人と比較すれば、そこに安い関税でやったのは超過利潤というものがあるわけです。そういう点の不公平についてはどう処置されるか。これは、お前のところ運が悪いんだ、こういう一言で済まされようとしておるのか。その辺のところまで来るとどうなるのかちょっとわかりませんから、外貨割当のときとおんなじだ、おんなじだと言わずに、もう少し説明を一つして下さいよ。
#253
○政府委員(稻益繁君) 今回新たに採用いたしました関税割当制度の目的でありますが、なるほど運用の面から見ますると、現在の外貨割当と非常に似たような結果になるわけでございます。趣旨といたしますことは、先ほど来お話がありましたように、だんだん日本の場合に貿易の自由化も進めて参らなければならない。そういたします際に、完全に自由化になりますると国内の産業が立ちいかないというような面があるわけなんでありまして、これに対しまして、そのものの性質にもよるわけなんでありますが、今回私どもが適用したいと考えておりますような物資は、大体すべて非常に国内でも、何と申しますか、重要な物資になるわけなんです。従いまして、その必要な、つまり総需要から国内の生産を引きました必要輸入量というものは、これはどうしてもできるだけ低い価格で需要者に渡すようにしなければならない。ニッケルの場合で申し上げますと、そういうものを従いまして無税にするということをやったわけであります。
 それから、仰せのように二重の税になりますが、そのワク内は無税でありまして、ワクを越えますると、とたんに、まあニッケルの場合で申し上げますと従量税で表われておりますが、従価でたとえば五〇%というように高い税率になって参ります。ほとんどこういう場合には禁止的な税率というふうに思われます。なお、それでも一応門戸は開いてあるわけでありますので、そういう場合には、自由化いたしました場合は、そういう高い税率を承知でなお輸入をしたいという向きには、そういう門戸が開かれるということになって参るわけであります。制度の趣旨といたしましては、大体そのワク内で輸入がとまる、それを越えて入って参りますものは、輸入自体をとめはいたしませんが、国内の生産に非常に影響が、必要量以上入って参りますので大きいわけでございますから、その国内の生産者に迷惑がかからない程度の、生産者を保護できる程度に高い税率を持っていくということになるわけであります。結果から見ますると、そのワクを越えて高い税率を払って輸入するという方は、無税の場合と、五〇%くらいありますから、非常な負担で、負担という意味では非常に不公平が出るわけであります。制度の趣旨は、どこまでもそのワク内におおむね輸入をとどめたいという趣旨から出ておるわけでございます。
#254
○成瀬幡治君 実はそういうことを知らなかったのですが、ニッケルですが、五〇というお話は伺いましたが、高速度鋼とかあるいは五酸化バナジウム等が大体禁止的な関税が設けられるということになれば、私が心配したような二段関税になる心配よりも、今度はこの割当を受ける方が激烈な競争になる。そういう場合どんなふうにやっておみえになるか。たとえば砂糖のごときは外割の結果が残っておって、遊休施設のものが非常にありまして、コスト高になるということが一つ、今関係がないとおっしゃいますけれども、事実そうだと思う。その辺のところを、どうなっておりますか。
#255
○政府委員(今井善衞君) この外貨割当制度は、ただいま御説明がありましたように、国産保護と消費者に安い輸入品を提供する、その二つの要求をいかに調和するかということでこの制度があるわけでございまして、大体国産品がある程度輸入品よりも高いという物資が個々に外貨割当の対象になっておるわけでございます。従いまして、この国産品は外国の輸入品で脅かされないで生産を続けてもらいたい。それから、ただ国産だけで足りないわけでございますので、従って、輸入品につきましてはできるだけ安い関税で、適正なる価格で消費者の手に入るようにということでこの制度ができておるわけでございまして、この輸入につきましては、今まで外貨割当制度をやっておりまして、大体どういう需要者が適正な需要を持っておるかということはわかっておりますし、またその使用実績等もわかっておりますので、従いまして、それぞれ過去の実績等を十分考慮いたしまして割当したいと思っております。
#256
○成瀬幡治君 まあ三十六年度は六千八百トンだと、こうおっしゃる。だから、八百トンだけ輸入する、これはやはり争いになると思うのです、受け取る方は。あなたの方では、実績はわかっておるから、こういうことになるから、自由裁量的なものになってくるわけです。で、砂糖のような例にはならぬかと思いますが、設備の割当があったために遊休設備というものが出てきたということは、どう弁解されようと事実なんです。従って、その制度の是非は私は議論したくない。議論しておるわけじゃない。こういうことをおやりになっておると、経済に弊害があるということはおわかりだと思うのです。従って、弊害を少なくするような措置というものは当然講じておかなければならないものだと思うから、その点についてはどういう配慮、方途をしておみえになるかということをお尋ねしておる。それを、過去の実績でわかっているなんとかだけでは済まされない。ですから、私の質問する趣旨に合うような一つ御答弁をお願いしたい。
#257
○政府委員(今井善衞君) 国内の総需要の見方につきましては、ある程度ゆとりを持ちまして総需要を見ておるわけでありまして、今までの外貨割当制度のように、およそ外貨が足りないからということで控え目に数量を割当しておるわけではございませんで、ある程度ゆとりのある総需要というものを想定してやるわけでありますので、従いまして、何と申しますか、需要者でもって分け取り競争が起こるというようなことはまずないという前提でこの数量がきめられるわけでございます。もし何らかの関係で需要が伸びてくるという場合におきましては、その後たとえば制度改正なりしかるべき方途を考えるべきものであるというふうに考えております。
#258
○成瀬幡治君 それでは、あす出て参ります数字に基づいて……。昨年はこれだけ輸入した、三十六年度は六千八百トン、こうおっしゃいましたから、その数量に基づいて、今おっしゃいましたように、大体国内需要を若干上回るようなゆとりのあるもので割当をするのだから、そういう心配はないのだとおっしゃるならば、これは数字でやることにして、あすにこの問題についての質問を保留しておきたいと思います。
 それから、政令の問題を、五月と、こういうことをおっしゃいましたが、毎年の割当、まあ非常に景気動向があったり、いろいろなことがあることは別として、定期的に、大体五月の上旬か、中旬か、下旬か知りませんが、いつごろこの数字を発表されるのか。何月何日に大体割当の数量を発表するということが法律にきめてあるのか、あなたの方が自由裁量で五月におやりになるのか、五月なら上旬、中旬、下旬ぐらいの基準を一つ示してもらう必要がある。
#259
○政府委員(稻益繁君) この制度の運用につきましては、ことしと申しますか、三十六年度につきましては、たまたま法律の施行が御承知のように六月一日からになっております。従いまして、五月末までに割当の総量などをきめたい、こういうことを申し上げておるわけであります。平年度になりますると、通常の会計年度で、外貨予算も四月から翌年の三月、外貨予算の場合にはこれを年二期に分けておるわけであります。通常の場合でありますと、大体四月から割当が行なわれるわけであります。従いまして、三月末までにそういった割当の数量を決定いたしまして、政令を出すという運びになろうかと思います。
#260
○天田勝正君 成瀬さんの質問で、数字が出ない分は明日に保留されておりますから、私は数字でないことをこの際質問していきたいと思いますが、この税関ですね、これは大量の物資を扱うのもあれば、それぞれ旅行者の扱いをするものもある。で、評判の悪い主たるものは、この旅行者に対する税関の態度たるや、およそ世界でも定評のあるほど悪いですね。私はかつて、五年前ですか、外国旅行をいたしまして、本院から派遣されたわけですけれども、その際もずいぶん各地でその評判の悪さを聞いてきて、本委員会においてこれを問題にしたことがございます。大いに勉強してさようなことのないようにというようなことを答弁されて、こういう点はすっかり改善されたのだと思っておっていたところが、たしか十日ほど前だと思いますけれども、週刊誌だと思いますが、投書の形で出ておりまして、依然たる不評判、これは外国人の不評判どころか日本人なんで、列をなして外人も並んでいるけれども、だんだん気づいてみると、何がしか税関のお役人に知っておる者があるというと、その人はすっすっと行ってしまう。ところが、自分ら何の知り合いもない者は一番最後まで残される云々という趣旨だったと記憶しております。一体、あれですか、税関部長はこれらのことについて常に注意をされたり、あるいは何か監督の措置をとったり、訓練を行なったり、そういうことをサービス面においてしておられるのですか、おられないのですか、どうですか。
#261
○政府委員(稻益繁君) 現場の税関で、特に旅行者への通関態度がいろいろあるいは批判非難の的になる、これはもう私どもとしましても非常に常日ごろ気にかけておるわけであります。大へん恐縮な言い分ではありますが、私どもとしましては、ここ数年非常にそういう点が私どもとして改まって参っておるのではないか、かように実は思うわけなんであります。いろいろこれは場合によりまして、そういうことが絶対にないということも私ども断言いたしかねるわけでありますが、あらゆる機会をとらえまして、御承知のように、税関の職員につきましては、いろいろ定期的に研修をやっております。そういう際にも、特にそういった監視系統の職員につきましては、態度と申しますか、そういった点につきまして常日ごろ十分注意をいたしておるような次第でございます。
 なお、いろいろな手続問題でありますが、これにつきましては、今日では航空機の発達によりまして、大体空港におきます税関の仕事が非常に通関にしろ多いわけなんであります。こういう点につきましては、以前は書面による申告を求めておったのでありますが、敏速を欠くと申しますか、時間の節約、また乗客の方々のできるだけ手数を省きたいというような趣旨から、口頭の申告をもってこれにかえるというようないろいろ工夫はいたしておるわけであります。一般に、仰せのようないやしくも批判なり、あるいは非難の的になるというようなことがなくなりますように、今後ともあらゆる機会をとらえて、そういう面の研修と申しますか、教育は進めて参りたい、かように考えております。
#262
○天田勝正君 ここ数年はそういう旅行者に対する不快感を与えることはない。しかし、その前には断言することはできないのだ。まあ私は正直におっしゃったのだろうと思う。私は、おそらく、この総会雑誌や週刊誌を皆さんが見た場合に、文士で外国へ行かれた人の文章を見ておりますと、もう例外はないといっていいくらい後進国の例を必ず一つとられる。それはその国の第一印象ですから、後進国は確かにどこへ行ったってえらくいばるのです。いばるということは、待望の独立ができたので、国家の権威を誇示したい。まあ稚気満々たるところも一面なきにしもあらず。これは何人も認めているところ。それを書いた場合の次には、必ず日本の税関を書かない文士というのはまずありませんよ。とにかく後進国はこうであるけれども、日本はというようなことで、ここ数年はなどといって、稻益さん、あなたも承知していて、そういう答弁をされるのだろうと思うけれども、部下が可愛いから……。日本全体としては困るわけですから、私自身だって出先の下僚役人のあげ足をとっていじめ上げようという気持はないのですよ。ありゃせぬけれども、われわれが見たところで、言葉は通じなくても、態度というものはどんな国へ行ってもわかるのです。
 私自身の経験でも、イランなどへ行けば、英語も何もない片言でも、われわれには通用しないけれども、日本人に白人以上に親近感を彼らが持っておるということは、一つも言葉が通じなくてもわかるのですよ。ですから、そういうことは言葉のやりとりでどうのこうのということではなくて、態度雰囲気、そういうものなんですから、これについては、外人はもちろんのこと、日本の文士はほとんど指摘するほどに、これは五年間ではありませんよ、この一年間でも指摘されておるわけです。これはもう私は役人の方はいばった方が健康上いいかもしれないけれども、いばられる方は健康上まことに悪いですから、これは抜本的に考えてもらわなければならぬと思う。どうですかね。
#263
○成瀬幡治君 忘れちゃうといけませんから、先に資料を要求しておきます。「輸入映画等審議会は、政令で定めるところにより」と、こうあります。政令案というのは当然用意しておいでになっておられると思いますが、これを一つ、この審議に関係しておりますから、資料をお出し願いたいと思います、明日までに。
#264
○委員長(大竹平八郎君) よろしゅうございますか。
#265
○政府委員(稻益繁君) まだ実のところ、法案の審議中で、政令の方はそこまで準備ができていないわけでありますが、明日提出ということはちょっといたしかねると思うのですが。
#266
○成瀬幡治君 これは憲法二十一条と関係がございまして、違憲論まで出ておるわけです。もうこれは私が言わなくても、衆議院で議論された点があると思う。これ何にもなしで、「はいそうですか」「準備できておらぬから」「よろしい」というわけにもいかぬから、何か骨格みたいなものでも出さなければ、はいそうですかということでやるわけにはいかぬのです。「何にもございませんから」「はいよろしゅうございます」だけでは済まされないと思いますから、何とか明日までに格好つけてやっていただきたいと思います、どうですか。
#267
○政府委員(稻益繁君) 明日それじゃあらましの骨格といったような形のものを提出するようにいたします。
#268
○成瀬幡治君 あなたの方に教育して、上げようとしておるのに、上がらぬようにしなさんな。
 次に、お尋ねしたい点は、外割の問題ですが、一体今年外割はどのくらい、据え置きの品目というのがあるのですが、これが結果的には外割になると思う。従って、予算でどのくらいとれるか。それは主として石油で、石炭で、あるいは砂糖で、バナナで、パイナップルで、パルプで、品目別に、これもここで今あげてもらえば、それに基づいて御質問をするし、これもなければ、一つ資料としてお出しおき願うか、どちらでもあなたの方の都合で一つやりたい。
#269
○政府委員(今井善衞君) 外貨予算は、御承知のように、上期、下期、二期に分けて編成されておるわけでございまして、この上期予算は、大体三月三十一日の閣僚審議会できめるということになっております。従いまして、今は決定ということじゃなくて、事務的に作業しておるものがございますので、これをあわせて御提出いたしたいと思います。
#270
○成瀬幡治君 念を押すわけじゃございませんが、一応据え置かれたものの、品目別に、総ワクじゃなくて、その内訳まで出していただきたい。
#271
○政府委員(今井善衞君) 総ワクじゃございませんで、個別にできる限り細分して出したいと思います。
#272
○成瀬幡治君 砂糖のことについて少しお尋ねしたいと思いますが、御承知のように、十二月二十九日の日に、総理、大蔵、食糧、農林、この方たちが一寄って、砂糖を自由化する、関税は四一十一円五十銭を四十七、八円に引き上げる、答申も出ておるというようなことが、こういうふうにおやりになったのが、まあ据え置きになってきたのですが、大臣の御答弁を聞きましても、国内の澱粉、ブドウ糖関係からこういうふうにしたんだといういきさつがございましたが、これは農林省と私は通産省と意見が違うと思いますが、最初にこういうふうに農林省の方からなったいきさつを伺うとともに、通産省の方から、こうなったというようないきさつ、両方から一つ承りたいと思います。
#273
○説明員(村田豊三君) 御指摘のように、砂糖の関税の引き上げ案はございましたけれども、もともと砂糖の貿易自由化に関しましては、昨年の六月の為替・貿易自由化促進閣僚会議で方針の決定がございまして、その決定されました当時の方針といたしましては、砂糖の自由化につきましては、おおむね今後三年間くらいは自由化をしないで、その間に国内の甘味資源に対しまする各種の育成措置を講じまして、慎重な配慮を加えた後において検討するという基本方針がきめられておったのでございまするが、その後、ただいま御審議をわずらわしておりまする関税定率法の大改正の検討が着々と進みまして、砂糖につきましてもいずれ早晩自由化は、ただいま申しましたような基本方針にのっとりまして、おそかれ早かれ自由化をする時期が到来するわけでございまするから、その自由化に備えまして、自由化する場合の国内甘味の保護対策といたしまして、税率をどのようにいたしたらよろしいかという検討が行なわれた次第でございます。その検討の結果は、現行の税率を若干上げまして、それによって国内の甘味資源の保護をはかって参るという一応の結論が出たわけでございます。しかし、もとよりその結論は、新しいその関税の引き上げ案は自由化の実施と同時に実施をしていく、従って、自由化につきましてはできるだけ早く自由化ができるように検討を加えて参るということで、昨年の十二月ごろでございましたか、一応そういう事務的には結論を出しまして、関税率審議会にも諮問を申し上げた経緯があるのでございますが、その後、内閣もかわりましたし、国内の甘味資源の育成につきましてなお若干時間をかけて検討すべき点があるというふうな意見もかなり出て参りました。当面、ただいま御提案申し上げて、今回御提案を申し上げる法律案の改正には、税率の引き上げはいたさない、しばらく自由化を見送るという経緯をたどった次第でございます。
#274
○成瀬幡治君 通産省の方、どうですか。
#275
○政府委員(今井善衞君) 通産省の立場は、外貨予算編成に際しまして、農林省と十分打ち合わせていろいろの金額をきめるという立場にあるわけでございまして、ただいま村田部長から御説明がありました趣旨を、私ども連絡を受けまして了承した次第でございます。
#276
○成瀬幡治君 時間的な問題もございますから、私はこれは資料要求で、あす一つ出していただきたいと思いますが、結局、砂糖をどれだけ輸入するかということについては、国内の甘味育成計画があると思うのです。従って、砂糖の総需要量が年々どうなっているか、それに対して国内の甘味資源をどういうふうにしていくかという計画を出していただいて、その上に立って議論をしたいと思うのですが、あすその資料は出ませんでしょうか。
#277
○説明員(村田豊三君) もしよろしければ、ただいま手元にその資料を持っておりますから、御報告申し上げたいと思います。
#278
○成瀬幡治君 それじゃ、すぐにこの場で一つお願いします。
#279
○説明員(村田豊三君) 御指摘の砂糖の需給並びにそれに関連いたしまする国内の甘味資源の自給度の強化に関します全体の計画でございまするが、この計画は、農林省が昭和三十四年度から昭和四十三年度まで十カ年の計画を立案をいたしております。ただいまその計画にのっとりまして、国内甘味資源の自給度の向上、並びに自給度の不足いたしますものにつきましては外貨割当をいたしまして、外糖の輸入をいたしているわけでございます。そこで、その計画につきまして、数字的にわたりまして恐縮でございますが、朗読を申し上げます。
 昭和三十四年度から申し上げます。総需要量が百二十九万トン、国内の生産量でございまするが、これが二十五万六千トン。従って、差引要輸入量、これが百三万四千トン。次に、三十五年度でございますが、総需要量百三十六万トン、国内生産量二十八万トン、差引要輸入量百八万トン。三十六年度、来年度の計画でございますが、百四十一万トン、三十四万五千トン、百六万五千トン。三十七年度、百四十七万トン、四十一万トン、百六万トン。三十八年度、百四十七万トン、四十八万トン、百万トン。三十九年度、百四十九万トン、五十五万一千トン、九十三万九千トン。四十年度、百四十九万トン、六十一万六千トン、八十七万四千トン。四十一年度、百五十万トン、六十六万二千トン、八十三万八千トン。四十二年度、百五十一万トン、七十万七千トン、八十万三千トン。四十三年度、百五十二万トン、七十五万トン、七十七万トン。以上でございます。
 従いまして、この計画を立てました当時の長期十カ年計画といたしましては、十年後の国内の総需要量を百五十二万トンに見まして、そのうち国内で自給をいたしますものが、これはテンサイなり、西南諸島のカンショ糖なり、ブドウ糖なりがあるわけでございますが、これが七十五万トン。従って、差引要輸入量が七十七万トンという計画に相なっております。
 ただ、申し上げましたついでにお断りを申し上げなければならないのでございまするが、三十四年度にこの計画を作成いたしたのでございますが、その後所得倍増の問題とかいろいろ客観情勢の変化もございまして、ただいま私どもはこの長期計画につきましてはそういった観点からの再検討をいたしております。従いまして、若干今後数字に変化があることは御了承いただきたいのでございますが、ただいまはこの計画に基づいて各種の施策を取り進めておるような次第でございます。
#280
○成瀬幡治君 続いて、この資料に基づいての質問ですが、まあ三十六年度は三十四万五千トンの国内甘味ができるということですが、そうしますと、大体これをカンショとブドウ糖、あるいはビート、もう少し内輪にこまかくして、そうしておよそ耕地面積というものがそれに大体なってくると思う。それから、弔う一つは、それに対してあなたの方は補助育成をされると思いますが、そういう国からの補助金と大体投下資本というものをどのくらいに踏んでお見えになるのかですね。私が聞きたいのは、要するところは、実行されなければ何にもなりませんから、実行をされた暁にはどういう形になるか、そのことが知りたいために実はお尋ねをしておるわけです。
#281
○説明員(村田豊三君) ただいま申し上げました三十六年度の計画でございまするが、この計画の中で国内の自給されまする数量を三十四万五千トンと申し上げましたが、その内訳は、テンサイ糖が十八万トン、カンショ糖が、いわゆるケイン・シュガーでございますが、カンショ糖が十一万八千トン、結晶ブドウ糖四万七千トンという計画に相なっております。
 そこで、御指摘の面積でございますが、テンサイ糖は、御承知のようにこれは大部分が、ほとんど大部分が北海道でございまして、北海道は大体面積といたしましては四万五千ヘクタールを予定をいたしております。まあ結晶ブドウ糖は、御承知のように澱粉を糖化いたしまして取るものでございますので、直接これは面積には関係ないかと思います。カンショ糖は、これはただいま手元に面積の資料を用意いたしておりませんが、面積といたしましては比較的少ない面積でございます。主として奄美群島を中心にしました西南の諸島でございます。
 なお、これに関連いたしまして、補助金でございまするが、御承知のように、ビートそのものの生産の増強のための補助金として特掲されまするものは微々たるものでございまして、むしろビートの増産を助長いたしますための土地改良事業でございますとか、そういう土地条件の整備にからんでの予算がこれは一番主力になるのでありまして、従いまして、ただいま申しましたものの中で一番金額的にも多くなりまするものは、何と申しましても、北海道のテンサイ糖に関しまする補助金なり、あるいは融資であろうかと存じますが、これにつきましては、ただいま手元にその補助金の数字を用意いたしておりませんので、後ほど御報告を申し上げたいと存じます。
#282
○成瀬幡治君 あまり、農林委員会と間違えるといけませんから、一つ資料として私もお出しを願えれば非常にいいと思います。
 で、もう一度申し上げますが、最終目標としての昭和四十三年に約半分の甘味資源。私は日本農業の転換に際してもこれはいいことであり、資源の確保の面からいっても非常にいいではないか。私は方針は賛成なんですが、その場合どんなふうになるか、どれくらい資本が投下されて、採算ベースとしてはどういうことになるか、そういうような点を知りたいと思いますから、資料としてお出し願いたいと思います。
#283
○委員長(大竹平八郎君) よろしゅうございますね。
#284
○説明員(村田豊三君) 御要望の線にぴたりと沿えるかどうか存じませんが、またさような資料を持っておりませんけれども、極力整えまして提出するようにいたしたいと思います。
#285
○委員長(大竹平八郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#286
○委員長(大竹平八郎君) 速記をつけて。
 なお、質疑は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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