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1960/05/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第24号
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1960/05/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第24号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第24号
 昭和三十六年五月十八日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
五月十六日委員佐野廣君辞任につき、
その補欠として迫水久常君を議長にお
いて指名した。
五月十七日委員迫水久常君辞任につ
き、その補欠として佐野廣君を議長に
おいて指名した。
本日委員江田三郎君辞任につき、その
補欠として戸叶武君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     大竹平八郎君
   理事
           上林 忠次君
           佐野  廣君
           成瀬 幡治君
           天田 勝正君
   委員
           大谷 贇雄君
           梶原 茂嘉君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           山本 米治君
           木村禧八郎君
           戸叶  武君
           永末 英一君
           須藤 五郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  田中 茂穂君
   日本専売公社監
   理官      谷川  宏君
   大蔵省理財局長 西原 直廉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   日本専売公社総
   裁       松隈 秀雄君
   日本専売公社販
   売部長     三枝 正勝君
   日本専売公社生
   産部長     坂口  精君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○製造たばこの定価の決定又は改定に
 関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○大阪港及び堺港並びにその臨港地域
 の整備のため発行される外貨地方債
 証券に関する特別措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから委員会を開きます。
 委員の異動について御報告いたします。去る十六日付をもって委員佐野君が辞任され、その補欠として迫水君が委員に選任されました。十七日付をもって迫水君が辞任され、その補欠として佐野君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(大竹平八郎君) 右の結果、理事一名が欠けることになりましたので、委員長は、前例に従い、成規の手続を省略し、理事に佐野君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(大竹平八郎君) 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取することにいたします。
#5
○政府委員(谷川宏君) 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。
 この法律案は、四月二十五日本委員会において大蔵政務次官から提案理由を御説明申し上げました通り、日本専売公社が昭和三十六年二月一日から試製販売している葉巻たばこパンドール、及び同年三月十五日から試製財売している葉巻たばこグロリアを今後継続して販売するため、日本専売公社製造たばこ価格表に追加すること、及び従来から販売していた葉巻たばこアストリアの型式中「太さ一五ミリメートル」とあるのを「中央部の外周四七ミリメートル」という表現方法に改めることを内容とするものであります。
 現在、日本専売公社におきましては、国内産葉巻たばこは昭和二十七年以降アストリア一銘柄だけを正式販売しており、最近は相当数量を輸入品に依存しておるのでありますが、戦前における国産葉巻たばこは九銘柄の多きを数えたこともあり、またその販売数量も輸入葉巻たばこを含めた現在の販売実績を相当上回るものでありましたので、葉巻たばこの今後の需要の増加を考え、専売益金の増収をはかるため、日本専売公社におきましては、本年二月一日から一本百八十円の高級葉巻たばこパンドールを試製して販売しております。また同じく三月十五日から一本五十円の中級葉巻たばこグロリアを試製販売しております。これらはいずれも発売後わずか二、三カ月を経過しているにすぎませんが、アストリアの売れ行きは三十三年度約六十五万本、三十四年度約百五万本、三十五年度約百五十八万本と逐年上昇しておりますこと、また戦前における葉巻たばこの販売状況が、輸入葉巻たばこを含めて大正八年、最高でございましたが、約六百七万本、九――十一年の平均でも約二百四十万本であったこと、及び短期間ではありますが、パンドール、グロリアの販売状況等から見まして、今後も良好な売れ行き状況を示すものと予想されますので、これらを継続して販売するため、今回価格表に追加の措置をとろうとするものであります。
 次に、紙巻たばこの型式は、その長さ及び内周の両面から規定し、葉巻たばこアストリアは長さ及び太さの両面から規定しております。葉巻たばこアストリアの場合、直径という意味で太さという表現を用いていたのでありますが、葉巻たばこは正確には円筒型とは言えないので、直径で表示することは必ずしも適当ではないと考え、できるだけ正確を期するため、紙巻たばこが巻紙の厚さを除く意味で内周という表現を用いていることに対応して、葉巻たばこの場合は上巻に葉たばこを使用しているので外周という表現を用いることにし、アストリアの「太さ一五ミリメートル」とあるのを、新しく追加措置をとりましたグロリアと同様に、「中央部の外周四七ミリメートル」という表現に改めることにいたしました。
 以上がこの法律案の提案理由の補足説明でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(大竹平八郎君) 質疑のある方は順次御発言を願います。
 なお、専売公社よりは松隈総裁、三枝販売部長、坂口生産部長が出席をいたしております。
#7
○天田勝正君 この法律案は、法律案自体としてはきわめて簡単な法律ですが、私は前のハイライトのときもこの名称について問題にしたわけですが、これはもうすでに試製して販売しているものでありますけれども、一体グロリアだのパンドールだの、どうしてこのごろかたかな文字が専売公社は好きなのか、そこらがどうも了解に苦しむ。どうしてこういう名前をつけなければならないのか、この際お聞きをしたいと思うのです。
#8
○説明員(松隈秀雄君) 製造たばこの名前をつけるにあたりましては、いろいろ苦心をしておるのでありますが、結局、たばこも民衆に売るわけでありますので、民衆に歓迎されるということが必要でありまするので、その呼び名、同時にそれをもとにしました意匠を考案することになっております。そこで、名前の方から考え、それを同時に意匠化した案を部内で募集をいたしまして、それをさらに公社の相談相手になっていただいているいわゆる専門家と申しますか、その方面の人の意見も聞きまして決定するのでありますが、どうも内部のそういう方面に関係している人も、最近は年令層が非常に若くなっておりますので、部内から出てきますいろいろの案が、どうしても日本の固有名詞よりも外国名の方が、案としてよけい出て参ります。それから、図案化した場合も、やはり外国名前でローマ字で入れる方が図案としておもしろい、こういうようなことになりますので、いろいろ詮議をしますというと、得点数の多いものを採用するというようなことになると、どうしてもまあ外国名がよけい当選するというような傾向にあるわけであります。
#9
○天田勝正君 この葉巻はあまり民衆の方には実は関係がないので、きょう決定されそうなパンドールだっても一本百八十円でしょう、グロリアが五十円でしょう、アストリアが三十円。あんまり民衆の方には関係がないので、大蔵省だの専売公社だのには、えらく学のある人が多過ぎるから、そういうことになるかもしらぬけれども、この間のハイライトは、おそろしくスラングで、多分米語だと思うのだけれども、ところが、このパンドールは何かラテン系だね、フランスかどこか……。グロリアというのは、グローリアスという形容詞の場合は英国の国歌にあるけれども、こういう形容詞でない場合最後に母音で終わるというのは、これはやはりラテン系でしょう。その下に今度フロア・ファイナというのは、何て読むのか知らぬが、これはイタリー語でしょう。こういうものでなければ民衆の方がどうも親しみが持てないというのは、とても理解に苦しむところなんですが、(「インターナショナルや」と呼ぶ者あり)おかしいと思うのだね。民衆とは無関係で、外国人がたくさんのみますからこういうふうにしましたという話ならわかるけれども、民衆の方が親しまれるためにこうだというのは、まことに理解に苦しむところです。どうですか、この点は。
#10
○説明員(松隈秀雄君) パンドールは、実は公社のたばこ愛好者の方々にお集まりを願っているパイプクラブというのがございまして、そこの辰野隆先生、非常にパイプたばこの方の熱心なファンであり、同時に葉巻についても非常にいろいろの御意見のあるお方でありますが、その方のサゼッションでパンドールというのは非常にいいというようなことを伺いまして、それでなるほど金のクジャクということで、金のクジャクということだと、模様化したときに非常に豪華に見えて、一本百八十円もするたばこであるというと、これをキリの箱に入れて極彩色の図案にして出したいというのには、金のクジャクというのは非常に図案化しやすいし、図案がきれいになるというので、公社でも意見が一致したと、こういうようなわけでございまして、公社独自ではなくて、それぞれ関係しておる方面の方の意見も聞きつつ決定をしておるんでありますが、一般大衆の意見ということも、これは小売店の消費者調査というようなこともやっておりますので、そういう面からの声も資料として公社としては取りつつあると、こういうわけであります。
#11
○天田勝正君 これは結局、名称の決定はあれですか、そういういろんな、諮問機関というほどのものではないにしても、意見を聞く。しかし、最終決定はこれはあれですか、総裁なんですか、それとも大臣なんですか、どちらなんです。
#12
○説明員(松隈秀雄君) 最終決定は総裁でありますが、その前に商品計画委員会というものを設けてありまして、そこで討議をいたします。その商品計画委員会にかける前に関係方面の意見、ことにたばこについて熱心であり、いろいろふだん御意見を出すお方のところはこちらからも伺って聞いておるというような工合でございます。なお、先ほど来申し上げております通り、名前と同時に、それを図案化して、図案の上でもなお工合がいいかどうかということをあわせ考慮している、こういう実情でございます。
#13
○木村禧八郎君 関連して。ただいまの御答弁ですと、図案化したときですね、やはり非常に何というのですか、魅力のある、買いたいというような欲望を起こすようないい図案を考えるので、それにはローマ字あたりが非常にいいというお話でしたが、私は最近日本の字でも非常にいい字があると思うのですね、書家なんかで。特にまた最近では字でも絵みたいな字がありますね。それで、この前天田さんがこの名前のことについて質問して、私はこの間ちょっと海外に少し出たのですが、そのときパリからベルリンに行くとき飛行機の中でドイツの人に会ったのですね。僕はピースを持っていたのですよ。このピースは日本のシガレットだと言ったら、これは日本のたばこじゃないじゃないかと言うのですよ。ピースとなっている、これがお前の国のたばこかと、こう言うのですよ。なるほどそう言われて、みんな日本のたばこじゃないと思いますよね、これで。それで、やはり私はそのときそう思ったんですが、天田さんの質問で思い出したんですよ。やはり日本語にもいい日本語があるのだし、どこの国だって自分の国の文字なり言葉というのがあるんですから、やはりそういうものの、それで図案化した場合も、このごろの書家なんか非常にいい絵みたいなあれも書きますし、いい書家に頼めば図案だっていいものがあると思うのです。それから文字だって、日本の国民がこれはおもに吸うんですからね。私は何だか、民族の自主性というと少し大げさですけれども、自分の国の言葉なり自分の国の文字というものをもっと尊重し、これをまた美術化するなり何なりする、そういう着想というものが必要だと私は思うのですよ。
 さっきインターナショナルというお話がございましたけれでも、ものによってはインターナショナルの必要なものもあります。しかし、何でもかんでも横文字――前にいわゆる西洋かぶれというものがありました。そういうものの残存があると思うんですよ。なごりがね。何でも英語ならいいもので、まあ洋行というような言葉がはやりましたが、それで自分の国のいいところ、自分の国のやはり文字なり言葉のいい点があれば、それをやはり政府が専売というものを考える場合に、何か図案する場合にも取り入れるという着想というものがあってしかるべきじゃないかと私は痛感したのですが、私は天田さんの質問に同感なんですがね。だから、今後そういう工夫もされたらいかがでしょうかね。
#14
○説明員(松隈秀雄君) 御意見ごもっともな点もございますんで、なお御趣旨は商品計画委員会の方にも私から強く伝えまして、今後の検討に資するようにしたいと思っております。
#15
○大谷贇雄君 天田、木村両先生から名称のお尋ねがあり、御意見も拝聴しましたが、私も全く同感です。まあ一面、今のお話だと、民間のたばこ愛好グループの辰野先生等の御意見を聴取されて、新しい感覚をもって若い人たちの、若い世代の気持をキャッチする、こういう意味でこの名前をつけられたというそのこともよくわかります。そのこと自体、私はさっきちょっとインターナショナルと言ったんですが、専売当局が外務省的な感覚をもって大いに日本の若き世代に国際的感覚を導こう、こういうような気持も、これもまた私はこういうハイカラな名前をつけるということも一面いいことだと思う。しかし、今木村先生がお話しのように、私も外国へこのごろ行きまして、やはりピースの話が出たんですよ。どこの国のたばこかわからぬ、のんでみると、大へんおいしい、これどこのたばこですと。これジャパンだと言うと、ちょっと奇異の感をみんなが持つんです。ですから、やはりデザインの問題でも、やはり日本の国内の最近のデザイナーというものは大へんな進歩をしておるのです。先般社会党の大会をテレビで見ましたけれども、あのデザインなんというものはなかなかスマートで、何ですよ、なかなかいかしましたよ。ああいうように日本のデザイナーも非常な進歩をしています。ですからね、やはり日本の商品を海外に輸出をしよう、たばこをのましてやろう、こういうやはり意気を示す点においては、私は一面インターナショナルなこういう名前もけっこうだと思いますけれども、やはり海外の人にたばこを、一つ日本専売公社が世界のたばこ市場を撹乱してやろう、こういうような大きな意図をもって、日本的なデザイン、また呼称をもってゆくということは、非常に日本の品物を海外に宣布するという意味においても非常に大事だと思うんですが、その点どう考えておるか。
#16
○説明員(松隈秀雄君) いろいろ御意見が出ましたんで、あるいは従来接触している公社のまあコンサルタント・グループとでも申しますか、そういう方面が少し狭過ぎるということであれば、もう少し範囲を広げるなり、新しい方面についての目のつけどころを変える、こういうようなことについて注意して参るようにしたいと思っております。
#17
○大谷贇雄君 そこで、今この見本にちょうだいしたグロリアにしても、これは何か知らぬが、パンドール、こういうものを外国の人が見て、そしてのんで、そしてこれはもう何だ、これはわれわれの国の追随じゃないかというような感じを持ちはしまいか。その点はいかがですか。デザインにしても、こういうものは、これはもう日本的でないですね。その点いかがですか。そういう点についての反響はお調べになっておられるのですか。
#18
○説明員(三枝正勝君) パンドール並びにグロリアについての、そういう先生のおっしゃいましたような市場調査は詳しくはしておりません。確実なデータはまだ出ておりませんけれども、今後も調査いたしたいと、こういう工合に考えております。今パンドール並びにグロリアは、そのものについての的確なお答えになるような調査はまだいたしておりませんけれども、その他の調査としては、たとえば、これは逆の例でございますけれども、先般来昨年の十月から両切りの外国たばこを市販にいたしておるわけでございますが、その際に今のお話とは逆に、外国たばこを買う際にピースのような外国たばこをほしいと、こういう消費者があったというような調査はいたしておりますけれども、お話そのものについての調査はまだいたしておりません。
#19
○大谷贇雄君 そこで、これはぜひ私は、――まあ若人たちの気持を引きつけるような、ちょっとハイカラですわね。ちょっと買いたいというふうな感じがしますがね。そういうことで知らず知らずの間に、外国のものがいいので、日本のものはつまらぬから、外国の名前をつけて、デザインも外国的にするというような単純な考え方でいっておるとすると、これは私はとらざるところだと思うのです。その点は十分に一つ御調査を願った上で。単純におやりになるということは私はどうかと思う。そこで、これは今、あなた何ですか、グロリアというのはイタリア語ですか。
#20
○説明員(三枝正勝君) グロリアは英語でございます。
#21
○大谷贇雄君 パンドールというのはどこの言葉ですか。
#22
○説明員(三枝正勝君) パンドールはフランス語でございます。金のクジャクという、先ほど総裁のおっしゃった金のクジャクという意味でございます。
#23
○大谷贇雄君 ハイライトはどうです。
#24
○説明員(三枝正勝君) ハイライトは英語でございます。まあ先般もこの委員会で、いろいろスペルの問題について論議になったわけでございますが、まあ最近の英語には略式で書かれるようなスペルがありますので、図案化する際においてそういう点も考慮いたしまして、簡略にいたしましてhi――liteと、こういう工合に書いて、私ども英語からとったわけでございます。
#25
○大谷贇雄君 それで、その意味はどういうんですか、意味は。
#26
○説明員(三枝正勝君) ハイライトは、まあ焦点を合わせるとか、いろいろニュース、ハイライト、今週のハイライトとか、いろいろありますが、そういうそのときの一番問題になるような事柄であるというような意味でございまして、まあ通俗的にハイライト、ハイライトということは大衆化された英語になっておりますので、とったわけでございます。
#27
○大谷贇雄君 で、それならあなた、このハイライトというのは日本語でどういうんですか。日本語へ翻訳すればどうなんですか。(「ないね、ちょっと日本語にはぴったりしたのはない。」と呼ぶ者あり)
#28
○説明員(三枝正勝君) まあそれほど最近においては日本語化された英語であるということでございます。
#29
○大谷贇雄君 いや、日本の言葉でのどういう意味を、ミーニングを持っておるかということをお尋ねしたいので、あなたハイライト――子供はまあはいちゃい、はいちゃいや。ハイライトと言いませんで、あなた。ある種の種族は、ハイライトとは言いませんわ。まあしかし、ここでははばかりまするから言いませんが、そこで、どういう意味なんですか。ぴんとこぬわ、わかりません。
#30
○説明員(三枝正勝君) 日本語で申し上げますと、強い光を当てると、こういう意味もあると思います。
#31
○大谷贇雄君 と、輝く光ということ。それなら、アストリアということはどういう……。
#32
○説明員(三枝正勝君) アストリアは星とい、金の星なりああいうスターというところから変化された言葉で、やはり日本語で訳すると、まあ星ということでございます。
#33
○大谷贇雄君 スターというのですか。
#34
○説明員(三枝正勝君) まあそういう意味でございます。
#35
○委員長(大竹平八郎君) 大谷君に一言御注意を申し上げます。ただいま天田君質問中で、関連質問でありますから、なるべく簡単にお願いいたします。
#36
○大谷贇雄君 グロリアは。
#37
○説明員(三枝正勝君) グロリアは、まあ栄光とかたたえるという、たたえることを名称にした意味でございます。
#38
○大谷贇雄君 わかりました。そこで、スリーエーは。
#39
○説明員(三枝正勝君) スリーエー自体は、そのものは英語の単語でも何でもないのでございまして、Aという文字を三つ並べたという、そのものが一つの名称になっておるわけでございます。
#40
○大谷贇雄君 そこで、今私がお尋ねをしましたように、知っておる言葉もあれば、このハイライトなんていう言葉は、ちょっとまだぴんとこぬのですが、そこでこのパンドールを御発売になる。そこで、これは日本の言葉でいうと金のクジャクである。大へんよろしい。非常にノーブルで大へんいいと思いますが、これはあれだ、パンドールと書いたって、金のクジャクだと思う人はだれもないが、一体その日本語的PRはどうなさるおつもりでございましょうか。
#41
○説明員(松隈秀雄君) 一本売りですとはっきり出ませんけれども、箱ごと買っていただきますと、箱の裏には金のクジャクが羽を広げている絵が出ておりますので、まあそれから想像していただけるものと思うのであります。
#42
○大谷贇雄君 これは非常に重要な問題ですから。これはあなた、やっぱり一本だって、中にパンドールとは金のクジャクであるということのPRは、私は日本人である人々にのませようという場合には、日本人をこれはフランス人にしようというなら別だが、これは私は非常に大事な問題で、パンドールよりもむしろ「金のクジャク」の方が非常に高貴な名前で私はいいと思う。だから、そういう点について、PRの点について十分私はお考えを願わなければいかぬじゃないかと、こう思うのですが、この点いかがですか。
#43
○説明員(松隈秀雄君) PRについては公社も非常に力を入れておりますので、PRの面は御趣旨に沿いたいと思います。ただ、商品の中に注釈をつけるというのは、まあ商品のイメージをこわしますので、それなら初めから日本的な名前の方がいいと思います。そういうことにつきましては、先般もこの大蔵委員会で御意見がございました。また今日重ねて御意見がございましたので、先ほども申し上げましたように、商品委員会でいろいろ検討をいたしますので、その委員会に御意見があった旨をよく伝えまして、今後検討いたしたいと思います。
#44
○大谷贇雄君 最後です。それはあなた、ここに説明を加えることはイメージをこわすとおっしゃいますがね、それはあなた、金のクジャクが羽を広げたこの絵が一枚あって、パンドールとは日本の言葉で金のクジャクであると書けば、それは実にイメージなんか絶対こわれない、パンドールより「金のクジャク」の方がもっとイメージそのものだと私は思いますが、それはイメージをこわすとのあなたの主観的な発言はちょっと私意外ですが、どうなんですか。
#45
○説明員(松隈秀雄君) これは人々によっていろいろ見るところ、あるいは意見も違うかと思うのでありますが、注釈づきがいいかどうかということはかなり問題でありますので、注釈を要するということであれば、最初から注釈しないでいいような名前の方がいいのじゃないか。その意味で、パンドールとつけたのがまずいとおっしゃられればごもっともな御意見とも思われますので、今後検討いたしたいと思います。
#46
○大谷贇雄君 ちょと、そういうこと言っていやしませんよ。そんなことなら、初めからパンドールという名前でなしに、「金のクジャク」にした方がいいと、そういうことはかたくななお考えですよ。そんなこと言っていやしませんよ。パンドールがいいとっている。同時に注釈を加えろと言っている。パンドールという言葉はチンプンカンプン、私はフランス文学やったけれども、初めてだ。そんなものは注釈ではないがな。美しいデザインのパンドール、「金のクジャク」とやってごらんなさい、注釈でも何でもない。あなた、このたばこ金のクジャクの羽のごとく光彩を放ちますよ。おかしいですよ。こんなおかしな言葉は、ちょっと釈明して下さい。かたくなことではどうもならぬ。
#47
○委員長(大竹平八郎君) 大谷君、関連質問ですから、またあとで時間がありましたら……。
#48
○説明員(松隈秀雄君) 二種類の、英語名と日本語名と二つつけるがいいかどうかという、商標としてデザインとしても、二つになるような、帯封がパンドールといえばパンドールを思わせるような英語なりフランス語なりの帯封もするし、その上に「金のクジャク」とつけるのがいいかどうかについては、これはいろいろ専門家の意見も聞いて検討いたしたいと思いますので、今日直ちにいいか悪いかということはむずかしいと思います。御意見のことはよくわかります。
#49
○大谷贇雄君 けれども、私の質問を誤解してああいう言い方というものは私は了承できませんから、また他の機会に言います。
#50
○須藤五郎君 関連して。皆さんの意見を聞いていると、僕はやはりこういう不満があると思うのですよ。日本人でありながら、やはり外国文字に追従し過ぎはしないかという点だろうと思うのです。それは戦後日本に現われたたばこのみならず、あらゆる面に現われた風潮だと思う。これは私は改めていただきたいと、こういうふうに考えます。たばこでも富士と書いてある日本字で書いてある、あれは大へんいい図案だと私は思っているのです。そこで、ピースのことですが、ピースという言葉は日本人に親しみ深い言葉であり、図案としてもすぐれた図案だと思います。ピースのかわりに、ピースのあの箱の上に「平和」と書いて下さった方が、私はもっとすぐれているのじゃないかと思うのです。たばこ一つ買うたびに、平和、平和という言葉がやはり全部の国民の中に入ってくる。ピースという言葉では平和ということがぴたっと来ない。せっかく平和という言葉を使いながら効果が薄いという点からも、あれは「平和」という名をつけてもらった方がいいと、常に考えておるものなんです。だから、そういう点で特にたばこのような宣伝力のあるものの名前はよく考慮していただいたらいいじゃないか、こういうふうに私は考えるものです。
#51
○天田勝正君 私はまあ、名前のことをあんまり長くやるというと迷惑だろうと思ってあれしたら、木村さんからだいぶん私から聞けばとうとい意見を聞いて、そう迷惑でないという自信を得たわけですが、私はきょうここへ資料を持ってこないからあれですが、言うまいと思ったのですが、昨年の新聞で、ニューヨークに日本人の書家がおるのです。どの新聞ですか、出たことがある。これは私びっくりした。この人が書家として三十年ニューヨークで通っている理由は、日本字というものは絵であるということなんです。向こうの人の評価がね。それで、向こうの人には文字としてはわからないのに、その人に字を習いにも来れば、その人が書家として通っておる。驚くべき記事を実は見た。ですから、日本人が、松隈総裁のおっしゃるように、横文字でないとどうも図案したときに工合が悪い、こういうふうにおきめになっておられるけれども、ところが、案外向こうでは日本字の方がよほど絵であると、文字はわからないけれども、何かそういう象徴的に書くと、逆に意味がわかる。確かにそうでしょう。日本は象形文字をだんだん変形したのですから、それをうまく図案化すれば、文字そのものが絵になるし、また意味もわかる。こういうふうにさえ、どちらかといえば、本来英語からすればスラングぞろいといってもいいくらいのアメリカでさえもそういう認識をしているのですね。日本の文字に対して。こういうことでありますから、ここで数委員の方がそれぞれおっしゃったのであるから、これはやはりただ答弁というだけじゃなくて、私は真剣に考える必要がある。
 もう一つは、これ自体はまあ一本百八十円もするのだから、とても大衆のものでないから何をしてもいいというあれもありますけれども、ハイラトイのごときは、私もこれは古くコロンビア大学を出た人に聞いたことがある。コロンビア大学を日本人で出ておられながら、hi――liteという字を知らなかった。これは驚くべきことです。これはまともな文字や言葉、それから付き合う相手もまともな人と付き合っているがゆえに、おそらく知らなかったのだろう。結局まあ多分そうだろうと、私の判断の方が、あのまん中にちょっと光があるものだから、要するに高い光と、結局それが焦点というふうなことだなと解釈して、おれはそう思うのだがと言って、こっちがむしろ注釈をしたという事実がある。ですから、こういうこともやはり十分考えてもらいたい。私は話は飛ぶようですけれども、外国へ行くと、どの町へ行っても、何かその町へ来たというような感じを受けると思うのです、どなたも。だから、一ぺんしか行かないコペンハーゲンあたりの絵を見るというと、私は的確にコペンハーゲンだということがすぐわかる。どころが、近ごろ写真で上の方からとった日本の町じゃ、これが東京か大阪かわからないですよ。そういうことでもあまりにまねが激し過ぎるのであって、私は日本に来たという気持はおそらく外人が持たないのではないだろうか。ただ、羽田から大森へ来る途中の何があまりきたないので、まあ日本に来たという感じを受けるだけで、写真などで東京を見たって、東京やら京都やらというのはわからぬでしょうから、何もこっちの文字で宣伝したって、やがてオリンピック――私ども個人からしたらやってもやらないでもいいんだけれども、きまった以上やる。やる以上は、日本の宣伝ができる機会だ。そういう場合に、たばこ一つでもどこのものやらわからぬというよりも、日本のものだということの方がよろしいのだし、それが宣伝しにくいなどということはあり得ない。というのは、われわれみたいに、ほんとうに片言も言えぬところの人間が聞いても、向こうの人は氷川丸だの秩父丸だの今だってちゃんと知っているのですよ。向こうの名前にどっちかというと注釈をつけて、秩父とはどういう英語だという注釈をしたためしはないのです。氷川丸なんていうのはどういうのだという注釈をしたためしはないのですが、そんなものはかれこれ二十年先のことですよ。その船は。だけれども、今でも知っておる。それがわれわれみたいな口のきけないものに対しても話が出て、言っていることは私にもわかる。
 あまり話が長くなって申訳ありませんけれども、そういうことなんですから。向こうのものを注釈するのも一つの方法でしょうが、逆にこっちのものをそのままで覚えさせるというのが最も私はいいと思う。こういうことは一つぜひ、意見の言い放しでありまして、別段答弁を求めてもどうにもしょうがないものですけれども、私はまあこの際、大蔵省においても、この専売公社についても、そういうことも考えてもらいたい。先ほど木村さんのおっしゃったことも、やはり非常に示唆に富むことなのですから、そういうことは謙虚に一つ聞いてもらいたいという注文だけいたしておきます。
 それで次に、この際お聞きしますが、紙巻たばこは従来、それぞれ税金が、専売益金としてもよろしいのですが、地方税の関係もありますが、そういう部分ですね、たばこの価格、それに上積みになりまする益金、税金、こういうものはいつも資料を出されておるのですが、今回決定しようという三種類についてはそういう部分がいかがになっておりましょうか、この際一つお聞かせ願いたいと思います。
#52
○説明員(三枝正勝君) パンドールにつきましては、一本当たり百八十円の定価でございますが、その率で申し上げまして五七・四%というのが利益率になっております。その中には消費税も含んでおりますが、そういうことになっております。それからグロリアにつきましては四二・三%が一本当たりの百五十円の中に含まれておる利益です。こういうことになっております。
#53
○天田勝正君 アストリアは。
#54
○説明員(三枝正勝君) アストリアは一七・二%でございます。
#55
○天田勝正君 そういたしますと、これは一般の者の口に入らない高級なたばこが、一般が消費する紙巻たばこよりもきわめて安い税金と、こういうことになりますが、そうですか。
#56
○説明員(三枝正勝君) 率といたしましては、紙巻たばこに比較いたしまして幾分低くなっておりますが、この定価をきめる際における検討といたしまして、現在公社で外国から輸入いたしております葉巻もあるわけでございますが、その葉巻のパンドールにつきましては、マジェスティックスというのが一本当たり二百円になっておりますが、それの品質の面から、それからまた輸入しているものの葉巻の利益率というものとの均衡を見まして、そして百八十円というようなものをつけたわけでございます。それからまた、戦前において、国内で売っております葉巻が、両切りとの均衡をも考慮いたしたわけでございますが、大体において、戦前においても高級の葉巻が、当時売られております葉巻たばこの一本当たりの定価にいたしまして、一本当たりの四倍なり五倍見当の価格であったというようなところの見当もつけまして、パンドールにおいてはそういう価格、それからグロリアについても今申し上げましたような価格を決定することにいたしたわけでございます。率としては低いわけでございますけれども、一本当たりの金額というのは、パンドールを一本買ったに対しまして、ピースを四個ぐらい買ったというような利益額になりますので、そういうようなことで、率としては低いけれども、一本当たりの絶対額が高いので、まあ今申しましたような均衡ということを考えまして百八十円なり五十円という値段をつけたわけであります。
#57
○天田勝正君 これははなはだもって妙なことで、まあ織物の消費税があったころのことを引き合いに出してはおかしい話ですが、その場合に、それはあなた、農家の人が作業に着る紺がすりのものが、それはごく少ない税金しかかけられない、金紗の着物は高いと。それは売り値も高いし税金部分も高い。そんなことはむしろあたりまえのことだ。大衆の着る方が金額にしてもパーセントにしても低い税金の方がしかるべきだ。ところが、私がこれを聞いたのは、普通の紙巻が七五%くらい税金を取られて益金部分がある。これは多少低いなんというのじゃない。一番パーセントを高く取っておるパンドールでも五七%ですから、それが二〇%も違う。今度アストリアに至っては一七・二%というんですから、普通の一般の者が消費するのから見れば、これは七〇%も六〇%も違うと、こういうことになるでしょう。それは論理的におかしいじゃないですか。売り値も、ごく一部の人が吸うものについては値段が高い、その中に含む利益部分、税金部分は高いのだ、こういうことでないと、一般の国民はどうも私は承服いたしかねると思うのですがね。どうですか、それは。
#58
○説明員(三枝正勝君) 紙巻たばこにつきましては、先ほど七〇何%というお話がありましたけれども、大体六〇%代でございます。従いまして、パンドールにいたしまして約一〇%見当は低いわけでございます。まあ率としてはそういう工合に約一〇%程度低いわけでございますが、一本当たりに含まれておる税金の額から申しますと、先ほど申しましたピース四個分くらいとパンドール一本の絶対額、まあ大体そういう大ざっぱにいって見当になりますので、先ほど来申しましたような理由で適当じゃないかと。
#59
○天田勝正君 それね、おかしいんだな。全然初めの出発点がどうもわれわれの考えと違うので。だって、物品税をまあここへ引き合いに出すのもおかしいが、物品税の場合だって、大衆的消費のものはどんどんはずしていく。しかし、ぜいたく品の方は一番最後まで残すし、そのパーセントも高い。それが普通だ。ぜいたく品は、宝石類とか、もともと値段も高い。値段も高い上に、さらに宝石なんぞ使う人は少ないのだから、よって奢侈税という形で税金をよけい取る、こういう式なのが普通なんですよ。たばこだっても、一本百八十円のものを吸えるなんというのは容易にいるものじゃないですよ。いるものじゃないから、そこらは値段も高かろうけれども、さらによけい税金を取ったっていいという考えになってこなければならないと、私はそう思う。これはどうなんですか。専売公社だけでそういういいとか悪いとかでないでしょうから、大蔵政務次官はさっき了解を得てよそに出ちゃったから仕方がないですが、これは監理官来ておられますから、大蔵省の考えを聞きたいですな、一つ。税金の問題ですからね。
#60
○政府委員(谷川宏君) お答え申し上げます。ただいまの御質問、まことにごもっともであると考えておる次第でございますが、そのたばこの定価の中に占められまする納付金の部分につきまして理論的に考えてみますると、もちろんその大部分は税金、消費税相当額でございますが、理論的に申し上げますと、そのほかに企業利潤というものが入っておるわけでございまして、消費税相当額と企業利潤部分と分けることができますれば、非常にその点明確にお答えできるわけでございますが、両方入っておりまするので、ただいま定価に対して五七・四%が売上金の利益になっておりますが、その五七・四%のうち消費税相当額が幾ら、企業利潤部分が幾らということが現在の制度のもとにおきましては明確に区別できないわけでございます。なお、紙巻たばこにつきまして、ことしの予算で申し上げますと、平均いたしまして六五・九%、約六六%が利益でございますが、同じようにそのうち企業利潤部分が幾らということを明確にお答えするような制度になっていないわけでございます。
 ところで、その企業利潤の部分につきましては、定価に対して比率で考えられるのか、あるいは定額で考えられるのか、これは理論的には非常にむずかしい問題であろうと思いますけれども、一つの商品の利潤というものを考えてみますると、一般的に申し上げますと、価格の高いものにつきましては比較的利潤が低い。すなわち、その物の製造に要する労賃あるいはその他の要素を考えてみた場合に、それが大体同じような労賃が支払われるとした場合におきましては、むしろ固定資産税の償却部分その他企業利潤部分というものは定額的な考え方で考えられておると、かように考えるわけであります。そういたしまするならば、百八十円の中に占めるところの利益の、百三円になるわけでございますが、そのうちの税金部分を引いた企業利潤部分、それから紙巻たばこにおける同様なものが定額的なものであるとすれば、それを差し引きました消費税相当額というのは、今はっきり数字でお答えできないわけでございますが、必ずしもパンドールにおきまして低いということには理論的にはならないと、かように考えます。しかしながら、今天田委員のおっしゃったことはまことにごもっともでございまして、高級贅沢品につきましては、できるだけ消費税相当部分は高くあってしかるべきだと考えます。
 以上のような次第でございまして、先ほど公社販売部長も御説明申し上げましたように、同様な品質の輸入品との価格、これは関税の関係がございまして、葉巻は二〇〇%、一般の紙巻たばこは三五五%という関税率が現在きめられております。そういう関税率の差を考えますると、同質の輸入品との権衡を考えまして百八十円という定価をきめた次第でございます。
 なお、外国におきましてはどうかと調べてみますると、西欧諸国におきましても、紙巻たばこに比べまして葉巻の消費税は若干低いわけでございます。これは専売国以外の自由販売の国におきましても、葉巻の税率は若干低い。これは、金額がかさむという点からいたしまして、かようになっておるんじゃないかと考えます。
 以上のようなわけでございまして、今後価格を大蔵省といたしまして審議いたします場合におきましては、十分にその点を考慮に入れまして、なるべく御期待に沿うようにして参りたいと、かように考えます。
#61
○天田勝正君 御期待にと言ったって、およそ苦しい答弁なんで、聞いていても汗が出るんだが、そういうお話をされましても、やはりぜいたく品、一般大衆向きでないもの、値段の高いものというのは、これはたばこに限らず、これは一般論としても金額は高い。それから、利潤部分であろうと、税金部分であろうと、それは高いのが普通なんです。ごく最近、新聞を見られた方は知っておられるでしょうが、たとえば銀座四丁目のかどの三愛の店のある敷地が日本じゅうで一番地所が高いんだそうですが、あそこで商売をやってみて、宝石のごとく一番利潤が高くて、床面積について売り上げの高いものをやっても、あの土地を使ったのでは引き合わない。よって、これは広告の場所にするんだと、こういうことがついこの間も新聞に出たばっかしなんです。ですから、宝石などはそういうわけで高いし、それから奢侈税もかかるし、またさらに利益も非常に多いと、こういうのがあたりまえなんですよ。ところが、この葉巻の場合、今まあパンドールは五七・四%ですけれども、アストリアは一七・二%でしょう。そうすると、これは何か事業でも商売でもされたことのある人はすぐおわかりのように、どだい利益部分というのは一割ないし二割なんですから、生産者であっても。そうすると、一七・二%というのは、これは大体企業利益部分と、こういうふうに見て差しつかえない。そうなると、今度はアストリアというものは、どだい税金部分はないんだと、こういうことになっちまう。そういうふうになりませんか。どうなんですか。
#62
○説明員(三枝正勝君) アストリアにつきましては今天田委員のおっしゃった通りでございまして、公社といたしましては、将来そういういわゆる税金部分のないようなものについては現在の製造を中止いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#63
○政府委員(谷川宏君) 私からも補足して御説明申し上げます。アストリアにつきましては、昭和二十一年に製造を開始し発売して以来、昭和二十二年に若干値上げをしたわけでございますが、その後昭和二十二年の定価が今の定価と同じでございまして、その後十四年間定価が据え置きになっております。で、製造経費がその後相当たくさんかかるようになっておるわけでございますが、最近の物価政策に対しまして、最近におきましては値上げをしたいという声もあったわけでございますが、大蔵省といたしましては、値上げをするということについて一般論として必ずしも好ましくないということもございまして、しかし、損してまで売るということは問題でございますので、新しく二つの製品が発売されました機会におきまして、消費者の動向等も十分考え、また財政の見地からいたしましても、この問題は早急に解決をしなければならないと考えております。そこで、できるだけ早く新しい製品の製造が順調に伸び、そして消費者が新しい製品に対して需要が固まるという機会を見まして、できるだけ早くアストリアにつきましては製造をやめるということを公社に対して申しておる次第でございます。
#64
○天田勝正君 この質問だけで長くなりますが、われわれからすれば、ピースもそうしょっちゅう吸っておるわけじゃないので、ピースだってもいささか大衆のものとは実は言いがたい。けれども、そのピースでも、国に貢献するところは、一箱につき、おそらく二十七円か八円貢献しているはずですよ。ところが、さっきのお話を聞いておるというと、片一方は葉巻の方が値段が高いから、普通のたばこ何箱も消費するだけは一本でしょうのだ、こういうお話があるけれども、アストリアにしたところで、グロリアを例にとってみたところで、とてもこの一つだけの分は国に貢献しませんよ、どう考えたって。アストリアでいえば一七・二%です。かりにこれを二〇%にしたって、五円くらいのものでしょう。そういうことになる。グロリアが五十円にして四二%にしたって、ピース一箱分の貢献はしない。それがおかしいということなんですよ、何と言おうとも。きょうの議題になっておるのは、どうせわれわれのものでないものが議題になっておるのですから、言うなれば、高かろうと安かろうといいということだけれども、国に貢献する部分だけをとらえていうならば、それは一般大衆のたばこの方がよほど貢献している。こういうことになるので、これは少しどころじゃなしに、大いに考えてもらわなければこれは困ります。どうですか、この点、総裁などは。
#65
○説明員(松隈秀雄君) たばこの場合におきましては、先ほど説明がありました通り、消費税部分と事業益の部分とがございますために、比較的高い小売定価のたばこには高い消費税が盛ってあり、比較的小売定価の低いものには低い消費税率が盛ってあるわけでありますけれども、それがはっきり出ておらない。それをはっきりされるためには、消費税部分あらかじめきめて、そしてあとは製造原価でかげんして、相当の製造益が出るように仕組まなければならないのでありますが、現在の公社の制度から申しまするというと、消費税率がきまっておらないし、益金の出し方も、一応間接経費のようなものは本数割りにして割りつけてあります。これももし真に製造原価を見ようとするならば、安いたばこには、一般管理費の割りかけも安くし、高いたばこの方に一般管理費の割りかけを高くするというようなやり方をすべきであろうかと思うのでありますが、実益もあまりないところと、それから手続もめんどうであるために、平均的な割りかけをしておる。それから個々の製造益を調節するためには、安いたばこは、工場も比較的手入れをしない古い工場のままで、原価を上げないようにして作つていくというようなことが考えられるわけでありまするが、実際問題といたしますと、公社が一体となっておって、工場が古くなって参りますれば、やはり定価の低いたばこを作っておる工場でもこれを改築するということになる。改築するということになれば、できるだけ最新式な工場にしたいということで、そこの工場はやはり相当固定設備が高いものにつく。こういうようなことも出て参りますので、現在たばこの場合においては、ただいまは葉巻について御指摘がございましたが、紙巻たばこの場合においても、比較的、利益率というものは、消費税と企業益と合わせたものでありまするが、それが接近して出されておる、こういうのが実情でございます。今後、消費税を軽減するというような問題が起こって参った場合に、公社としてどういう処置をとるかということは、その辺もただいま申し上げましたような事情も考慮しまして十分検討しなければならないことだと思っております。
#66
○天田勝正君 こちらの聞いておることを無理にねじ曲げて、よその答えをされるから、ますます時間が長くなっちゃうんで、今答えを聞いていると、私があたかも企業利益部分と税金部分とはっきりしろという質問をしておるがごとく答弁されるのですけれども、そんなこと言っておるんじゃないですよ。国民の方から見れば、どの道、専売益金という形になろうと、また地方のたばこ消費税の形であろうと、国もしくは地方公共団体に結局、名称はどうあれ、貢献しているかどうかなんです、問題は。だから、それを区分しようとしまいと、われわれの方は一向差しつかえないのです。問題は、高いものが買える人たちのその国なり地方公共団体に貢献する比率がおそろしく低くて、一般の「いこい」だの何かを吸っている人たちの方が比率の高い負担をしているということは、論理的におかしいじゃないか。これを言っているんです。ですから、それでさっきの答弁を聞くというと、そう言ったって片方で何箱も消費する分を片方は一本分で負担しているのだというけれども、そうじゃないのじゃないか。今現実にその数字を見れば、アストリアに例をとれば、今、さて今度はこれをやめると言い出したけれども、やめるのは先のことで、アストリアにすれば税金部分は一つもなかったのと同じだ。片方のは、この一つでも二十七円か二十八円は負担している。話が違うじゃないかと言っているんですから、私はむしろ何か質問をすり変えたみたいによそのことを言われるよりも、それはどうも考えてみればおかしい、大いに直す努力をいたしますということの方が私はいいと思うのです。どうなんですか、おかしいと思わないのかね。それを思うか思わないかなんだ、問題は。考え方が変だよ。
#67
○政府委員(谷川宏君) 先ほどお答え申し上げました通り、天田委員のおっしゃる通りでございますので、今後定価をきめます場合におきましては、十分その点を考えまして、そういうような方向できめたいと私どもは考えておりますが、現在のパンドール、グロリアにつきましては、先ほど申し上げましたように、外国から輸入して参ります同品質のたばこの関税率が、紙巻と葉巻とが三五五と二〇〇と違っている関係がございまして、その外国輸入葉巻との競争の関係もございますので、百八十円と五十円ということにきまっておるような次第でございますので、今後一般的に定価を考え直すとき、あるいはまた新しく葉巻製品を出す、あるいはまた高級なたばこを出します場合におきましては、考え方としては天田委員のおっしゃることがもっともでございますので、十分その点を頭に入れまして、値段をきめます場合に検討して参りたい、かように考えます。
#68
○天田勝正君 もう一言言っておきますが、値段の問題はどうも輸入葉巻たばことの均衡ということをお考えになっているようですけれども、そんな輸入の葉巻たばこなどは、そういうときはやめればいいんであって、そういうことによって答弁をそらされちゃ困る。ほかの各委員もこの点はおっしゃるでしょうから、私はもう一つだけ別のことを聞いておきますが、最近私どもが心配いたしておるのは、どんどんタバコ耕作者が減っておるんですよ。この結果として、こういうような高級のものは一本百八十円もするものができる一方、今度一般大衆のたばこの方はそのことのために質が落ちてきたり、あるいはまた製造が不足して、自然安いものを買いたくても高いものを買わざるを得なくなってきたり、そういうことの方がどちらかというと私どもは心配されるんですが、そこで耕作及び葉タバコの生産がここ数年どういうふうに変わっておりますか。生産部長御存じですかね、耕作反別及びその葉タバコの生産量、数年でいいから。
#69
○説明員(坂口精君) 昭和三十一年から申し上げますと、昭和三十一年が七万六千三百三十二ヘクタールでございます。三十二年が七万二千五百二十八ヘクタール、三十三年が六万七千五百一ヘクタール、三十四年が六万一千八百四十ヘクタール、昭和三十五年が五万八千九百七十二ヘクタールでございます。三十六年は、ただいまから植付検査をやるわけでございますので、わかりません。量目、目方の方でございますが、三十一年が一億五千百九十七万六千キログラム、三十二年が一億四千五百一万キロ、三十三年が一億三千七百七十七万八千キロ、三十四年が一億二千八百五十九万六千キロ、三十五年が一億二千六十五万二千キロでございます。
#70
○天田勝正君 それで、これは反別においても猛烈に減ってきまして、この五年間では、とにかく二万ヘクタールも違ってきた。二万ヘクタールときては、これは日本の零細過小農からすれば大へんな面積なんです。ところが、この速度よりも、またさらに生産ときたら落ちている。これは何としても農民の意欲が落ちたということです。そういう原因についてまず公社はお調べになっておりますか、どうなんですか。これを一つ先に聞きます。
#71
○説明員(坂口精君) 面積、生産量ともに落ちて参っておりますが、生産量の方は、これはいろいろな天候関係などもございますが、面積が落ちて参っておりますのは、戦後葉タバコは全く終戦直後にはゼロに近いところまで参ったわけでございます。それで御承知と思いますけれども、葉タバコは大体二年くらい貯蔵いたしまして、十分熟成いたしませんと製造原料に使えないわけでございまして、戦後全く原料を焼き尽くしまして、ストック・ゼロからスタートいたしました。急速な増反をはかって参ったわけでございます。その年に必要といたしまする数量の生産をいたしますと同時に、余ったものをたくわえまして、正常在庫を、大体在来種においては二十カ月分、黄色種、バーレー種につきましては二十四カ月分、これを私どもは正常在庫と申しておりますが、非常な急速な増反によりまして、正常在庫までもって参ったのでありますが、それが昭和三十年ごろに至りまして、非常に新しい技術が葉タバコ生産の面に導入されまして、特に農薬のいいものができまして、単位面積あたりの生産が非常に上がって参ったのでございます。そこへもってきまして、消費が横ばいないし、一年は下降したのでありますが、下降いたしまして、非常にストックが過剰になって参ったわけでございます。それによりまして公社といたしましては、種類によって違いますけれども、黄色種の方の在庫過剰が非常に著しくなりまして、三十一年以降減反を、これはわずかでございますけれども、はかって参ったのでございます。タバコ耕作にはいろいろな乾燥室その他の施設が要りますので、減反いたしますことは非常に耕作者に迷惑をかけることになりますので、自然に労働力関係等でやめたい方も相当あるわけでございます。普通耕作の旺盛なときでも、三%程度の耕作者は常に新陳代謝をいたしているのでありまするが、この減反の方法といたしまして、なるべく耕作者に迷惑をかけまいとして、新しい耕作者の参加されることを拒む、こういった消極的な減反をはかって参ったのでありまして、それによりましてようやく在庫が今年に至って調整ができた次第でございます。現在、先ほど申し上げましたように、在来種は二十カ月分、黄色種とバーレー種は二十四カ月分をもってこれを正常在庫と考えているのでありますが、ちょうど現時点におきます公社の在庫は、在来種が一九・四カ月、黄色種が二五・九カ月、バーレー種が二五・二カ月でございまして、黄色種におきまして約二カ月分、バーレー種におきまして約一カ月半余り過剰でございますけれども、最近この製品たばこの売れ行きが非常に伸びて参っておりますので、こういった過剰はむしろ私どもは非常に正常な、最もいい在庫量であるというふうに現時点では考えております。ところで、最近非常に製造たばこの販売が伸びておりまして、大体年率六%ぐらいは伸びるのじゃないかということを公社としてはいろいろな資料で算出いたしておりますが、これを将来六・一%ないし六・〇%、ずっと直線的に伸びて参りますといたしますと、相当今後は葉タバコの不足を来たすということが見込まれるわけでございまして、これにつきまして三十七年度以降、増反をはかって参りたい。三十五年度まで減反をいたしまして、今年三十六年度足踏みをいたしまして、三十七年度から増反をはかって参りたいというふうに考えておる次第でございます。生産量が逐年減って参っておりますのは、そういうわけでございます。
#72
○天田勝正君 そういたしますと、三十一年から三十五年までの間に、二万ヘクタール近いものが減反したのであるけれども、むしろこの減反は計画的減反であって、農民の耕作意欲が落ちたがゆえにこうなったということではない、そしてこれがむしろ今のところは正常の姿である、こういうふうに承知してよろしいですか。
#73
○説明員(坂口精君) 大体、この三十一年から三十四年くらいまでの間の減反は、大体計画的な減反でございます。三十五年並びに今年は、計画をいたしましたのよりは、ややこの希望の方が下回って参っております。また、ごく最近の耕作産地の気勢は相当落ちて参っておりまして、これはいろいろ農業の構造変化等も影響いたしまして、御承知と思いますけれども、タバコには公示面積、面積を公示いたしまして、それから耕作者が耕作許可申請というのを出されまして、許可面積というのができますのですが、それについて今後は植付検査をいたしまして、検査面積が出て参りますが、タバコの耕作面積には三種類の、公示面積、許可面積、検査面積と、こうあるわけでございますが、公示面積に対しまして耕作申請をなさる面積、それを公社は許可いたしますが、その面積が三十五年、六年、この二年はかなり落ちて参っております。耕作気勢が過去よりはかなり落ちて参ったということは、主としてその原因は農業の構造変化にあろうと思いますけれども、これらにつきまして今後公社といたしまして、三十七年からの増反につきまして、いろいろ検討いたしておる次第でございます。
#74
○天田勝正君 この問題は政府の所得倍増計画にも、そしてまた今審議中の農業基本法にも関係が出てくるわけなんですが、そう抽象的に農業の構造変化というだけでは、これは困ることなんでありまして、要するところは、今までは計画的に、増反するも減反するも、希望者が多いのであるから、かなり意のままに行なえた。ところが、今度は意のままに行なえないということに事態ができた。こういうことになれば、これは何らかここに対策を立てなければならないし、原因においても単なる構造変化だからやむを得ないとはお答えになっていないからいいんですけれども、しかしそれに対策というものがはっきり立てなければならぬと、こう私どもは思っておるわけなんです。これは二年ともにそうだとすれば、何らかすでにお考えが公社においてきまっておられると思うのですが、今までのところは何もそういう対策というものはおやりにならないのですか。
#75
○説明員(松隈秀雄君) 製造たばこの売れ行き増加に対しまして、将来葉タバコの生産を拡大して参らなければならない。現時点においては大体において正常在庫を保有しておりますが、三十七年度からは増反の方向に進まなければならぬということは、ただいま生産部長から説明申し上げた通りであります。これがために、公社といたしまして長期五ヵ年計画を目下策定中でありまして、その中に葉タバコの生産増加はどうしたらいいかという施策を研究中でございます。葉タバコを増産するにつきましては、第一には収納価格の問題もあると思います。これも適正な収納価格をきめて参らなければなりません。それから、ある程度価格を引き上げましても、最近の農業の機構の変化に伴いまして、あまり手数のかかる作物は作りたくないと、こういうような気運が見えることも事実でありますので、できるだけ葉タバコの生産労力を減して、しかも収量なり品質なりをあまり落とさないように、われわれは力を省く省力栽培ということを言っておりますが、省力栽培の方法を大いに取り入れるべく各試験場を督励しておるわけであります。それから、従来の黄色種にかえてヒックスという新しい比較的肥料が少なくて多種目的が達せられるような品種を、すでに六百町歩も導入しておりますが、これを漸次ふやしていきたいと思っております。
 それから、在来種については、葉のしという仕事がございまして、これがなかなか手数を要する、また若い世代からきらわれる原因の一つにもなっておりますので、できるだけ葉のしを省略してしぼり種という品種を研究いたしまして、これにつきましてもすでに目鼻がついて試験的導入は行なっておるというような次第でございます。そのほかに乾燥方法についても、これがなかなか手数を要しむずかしい問題でありますので、乾燥方法の機械化というようなこと、さらに共同作業とかいうような方面につきましても、いろいろ工夫をこらして農民の耕作意欲が減退しないように、できればそれが向上するようにするということを考えているわけであります。
 なお、これは公社だけで考えてもむずかしい問題でありますので、中央、地方にそれぞれ適当な協議会というようなものを設けたらという考えでありますが、さしあたりは本年度において、もう来年の反別をふやすということであれば、本年中に地方に、産地を中心とした協議会を作りまして、県当局あるいは農林関係者、学識経験者、その他関係者の協議会を開いて問題点や隘路をよく検討して、公社において手を尽くすべき点についてはどういう点が注文が出るか、それに従って公社はどういう手を打てるかというような点も十分考えていくようにしたいと考えております。
#76
○戸叶武君 関連質問ですが、今生産部長と長官からの話を聞いて、私の方ではタバコの生産地ですが、腑に落ちない点は、御承知のように、昭和二十八年度にMSA協定と余剰農作物の受け入れをやって以来、小麦の輸入によって小麦は席巻されてきた。次の段階における農業の上における構造変化の著しいものは、やはりタバコの問題でありますが、タバコは生産部長の言ったように、昭和三十年にたしか河野さんがアメリカに行って以来、相当大量に葉タバコを押しつけられてきて以来、農民の受け取り方としては、非常に規格がむずかしくなって、それから耕作を捨てた人はそのままになり、新しい加入を拒むという方式が強化されて、実際上先ほどの報告の数字で見られるような非常な減反になったのですが、その減反の要因の二つを要約すると、いわゆる政府は選択的拡大という表現で、構造変化を表現しておりますけれども、農民の受け取り方としては、米やその他のものから見ると、タバコは骨がおれるだけで、手間にならぬ、金にならぬ。金になるようだが、肥料代が高いし、労賃に換算すると非常に低いものだ。それよりはむしろ酪農や果樹に転換した方が女房、子供まで泣かせないで済むという一つの転換の方式、それからもう一つは、規格がうるさくて、とても買いたたかれてしまって、これは天候の関係からできが悪いというようないろいろの口実を言いますが、今から見ると、この五、六年というものは非常にきびしいのです。農民は非常に苦労している。値段はどんどんたたかれてしまう。こういう形で減反がずっとここまで来たので、これから六%伸ばすといって、今までの考え方を少し変えて、悪代官的の専売局から少しにこやかにやろうとしても、すでに農村における構造変化というものは著しいものがあって、こんなに手間に合わないで、肥料代がかかって、そうして検査規格がうるさくて買いたたかれているようなタバコ、これにいつまでもへばりついていた日にはのたれ死してしまうという形で、タバコに対する関心というものが私は非常に薄くなっていると思うのです。専売局は宣伝はうまいから、宣伝は上手にやるでしょうが、消費者に対してたばこを吸わせるよりも、深刻な面というものが耕作農民の中に流れている点、それからもう一つは、やはり今の専売局との下請機関的のたばこ耕作組合、このやり方が下請的であって、生産者の自主的の組織に一向にならない。そこにこの生産者の声というものが正しい意味において専売局にも伝わっていないし、またこの価格問題における、あるいは労賃に対する正しい論争の対象になっていない。米があのように生産費補償方式によって価格が決定されているときに、また麦が貿易自由化の波によって押しつぶされようとしていながらも、一つの抵抗があるときに、専売という名のもとにおいて、このタバコが一つの契約栽培でありながらも、妥当なる耕作者の利益が擁護されていない。非常に封建的な、ボス的な支配のもとに押しつぶされていたこの事実が、今まででもほとんど隠蔽されてきたんですが、これは当然今後においても問題になるので、今一番換金作物的な対象になるものはタバコと、それからもう一つビール麦です。独占資本であるビール会社の四社のカルテルの組織のもとに、たばこの耕作組合のまねをして、自主的な生産者の利益を擁護しない形で値段をたたこうという方式が出ている。これは今非常に農業基本法の問題をめぐっても、具体なガンとなるのは、専売公社のやり方と独占資本のビール会社の農民搾取のやり方で、これが一番私は今後やり玉に上げられる対象物としてこれはやらなくちゃならないので、抽象的な農業基本法というより、農業基本法に内在する矛盾というものはこの二つの面から火を吐くと思うんですが、そういう点において、今までの答弁を見ると、なるほど裏の方がだんだんわかるが、清盛が衣で隠しているように、ちらちらとした答弁の中に、今までの専売公社のやり方が生産農民に対してどれだけ苛酷であったか、冷酷であったかということがわれわれでもくみ取れるんですが、この機会に何らかのもう少し反省をしないと、これはえらい爆発が起きると思う。私は答弁というよりは、もう時間がないようですから、あらためて何らかの機会にこの問題を取り上げて一つ掘り下げてみたいと思いますが、当局ももう少しこの問題に対して研究してもらいたい。今すぐ答弁という形で用意はできないかもしれませんがね。
#77
○永末英一君 新しい葉巻たばこを生産されるについて新しく製造施設を作られたと思いますが、それは幾らくらい金をかけましたか。
#78
○説明員(三枝正勝君) 特にこのパンドール、ゲロリアを作るために製造施設を新しくしたということじゃございませんで、前からある施設をそのまま使用して行なっているわけでございます。
#79
○永末英一君 人員は葉巻を生産するについてどれくらい使っているんですか。
#80
○説明員(三枝正勝君) ちょっと正確に工場の葉巻関係の従業員の人数は記憶しておりませんので、必要でございますれば、後ほど資料として提出いたしたいと思います。
#81
○永末英一君 パンドールを年間十五万本生産する。大体これは嗜品ですから、手につければ毎日やはり吸うだろうという一応仮定を置きますと、三百六十五で割れば四百十数人になるんですね。しかも、このパンドールを生産しまして、一生懸命宣伝してやっているけれども、結局四百十数人を相手に商売を考えている、こういう計算なんです。グロリアは百五十万本だというけれども、そういう計算で考えますと、お客さんは四千数百人であって、大した数じゃない、こういうことになるんですが、もしこの前提が許されるならば、そういうような商売を考える場合に、この葉巻たばこを生産するについて、あなたの方では従来の施設を使うといっているんですが、この施設の償却の見込み、さらにこれに従事している従業員には給料を払わなくちゃならぬ。商売としてこの程度の生産で専売公社は引き合うのかどうか、その辺の見通しをお聞かせ願いたい。
#82
○説明員(松隈秀雄君) パンドールだけの抜き出しての今原価計算を持っておりませんが、先ほどもお話が出ましたように、消費税部分と、それから企業益と含めて、小売定価に対して五七・四%程度の益を出しておると、こういうことでございまするから、この製造を開始したことによって利益がないというようなことはあろうはずがないと、かように思っております。
#83
○永末英一君 それは、小学校の生徒に言うのならそれでわかりますが、あなたはそれを生産するのだから、それに対してやはり生産施設も要れば人員もかかっておる。あなたの方のそろばんで利益率が五七・四ということをお聞きしているだけで、その中身をお知らせ願わなければ、この問題わからないと思うのですが、それはあとで知らしていただきたいと思いますが、さらに一歩を進めて、この葉巻を作るためには外国種を輸入しておりますね。どれくらい輸入するのですか、年間の輸入金額予定。
#84
○説明員(三枝正勝君) 原料といたしましては、グロリアの関係の一番上に巻いております、ラッパーと申しておりますが、ラッパーの葉タバコは国内産でありますが、その他の部分、中巻きの部分、填充の関係はマニラなりあるいはハバナ等から輸入しておるわけでございます。数量は、正確にどの程度の数量を輸入しておるかということにつきましては、追ってまた資料として提出いたしたいと思います。
#85
○永末英一君 はなはだ不十分な答弁ですが、追って知らしていただけばいいのですが、日本のタバコ耕作をしている農民の作るタバコからわれわれは葉巻たばこを作り、それを売り出そうと、こういうなら、原料代については日本国民に返っていくわけですよ。ところが、それを外国から輸入しておいて、そうしてそれを安い専売益金を見込みながらこれを売る。あるいはこれを買うのが日本人でなくて外国人であるかもしれませんが、その対象といえば、もし継続的に吸えば両方合わしても五千人に足らぬような一日平均ですね。そういう者のために専売公社は新しい二つの葉巻たばこを作ろうとする。そうして専売益金はあがると、こういうお話ですが、先ほどのお話では、葉巻については二〇〇%の関税をかけると、こういうことになると、一体これは国庫の仕事としてどっちが利益なのか。こっちははっきり二〇〇%あがる、こっちはいろいろ仕事をして利益があがるかあがらないかわからない。総裁のお話としてはあがるということですが、現実においてはもうけがあがるかどうかわからぬ。一体監理官は、専売公社がこういう新しいことをやることについて、国庫の姿から見た、場合にどっちが一体有利だと考えておるのか、この点を一つ伺いたい。
#86
○政府委員(谷川宏君) 葉巻の愛好者はまだ現在におきましてはそう多くはないのでございますが、最近の販売状況からいたしますると、だんだん戦前の販売数量に近づくような傾向が見えておりますので、国内におきましても葉巻を求めたいという人がだんだんふえて参っておるわけでございます。そこで、今お尋ねのどちらが利益があるかということでございますが、公社といたしましては、葉巻につきまして、すべて外国の輸入品だけにたよっていくということよりも、やはり国産の葉巻というものをできるだけ合理的な原価をもちまして製造して需要にこたえるという必要もございますので、その外国との比較の関係も考えながら、需要に見合った製造をやって参るということでございますが、それでは今のパンドール、グロリアにつきまして定価と原価との関係を御説明申し上げますと、パンドール百八十円のうち総原価が六十二円三十一銭でございますが、そのうち原料費が三十五円七十四銭、労務費が十二円六十五銭、材料費が九円四十七銭、製造経費が三円八十七銭、販売管理費が五十九銭、合計総原価が六十二円三十一銭、売り上げ利益が百三円二十九銭。あとグロリアにつきましては、五十円の定価に対しまして、総原価が二十四円八十八銭、売り上げ利益が二十一円十二銭でございます。パンドールの場合におきましては、百八十円の中で原料費の三十五円七十四銭、これの大部分が葉タバコでございまするし、またグロリアの場合におきましては五十円のうち原料費が五円三十四銭でございますので、この大部分が葉タバコでございます。
 この一方外国から輸入いたしましております製品について申し上げますと、先ほど私が関税率のことを申し上げましたのは、現在、公社が輸入いたしますのは法律によって関税をかけないで輸入いたしまして、公社が専売利益を見込んで定価を定めて販売しておるわけでございますが、その販売定価を、外国輸入品の販売定価を定めます場合におきましてこの関税率を参考にしておるわけであります。どうして参考にしておるかということは、公社が輸入します場合には無税でございますが、一般の旅行者、あるいは日本に参ります外国人等が携帯を許されておる一定数量をこえた数量のものにつきましては関税がかかっておるわけです。その一般旅行者その他日本に持ち込まれる無税で携帯を許されている以上の数量についての関税率が葉巻の場合は二〇〇%でございます。そこで、二〇〇%を基準にいたしまして公社が国内の販売定価を定めておるわけでございますが、パンドールと品質が大体同様であると思われますキューバ産のマジェスティックスと申しますのがございますのですが、これが定価が二百円でございます。販売利益はそのうち百八円四銭ということになっております。そこで、先ほどのパンドール百八十円に対して百三円の利益、一方二百円に対して百八円の利益でございまして、パンドールは五七・四%の利益、マジェスティックスは五四%の利益になっておりますので、この二つだけを比較いたしますると、パンドールの方が若干国庫によけい利益をもたらしている。ほかのグロリアにつきましても、比較するものといたしましては一本六十円の米国産のロアタンというのがございますが、これも大体同様な関係になっておりますので、結論から申し上げますと、できるだけ原価を切り詰め、そしてまた国内において公社がすべて外国の製品だけにたよるということは、販売あるいは国家の利益という考え方を離れても、公社としては葉巻を作って売り出すということを考えることがしごくもっともであろうと思いますので、今後できるだけ原価を切り詰め、国庫の利益をできるだけ上げていくという方向に努力をしたいと思いますが、以上のようなことで必ずしも外国製品だけにたよった方がよけい利益があがるということではないことを申し上げたいと思います。
#87
○永末英一君 今の御説明の中で、外国製品を輸入した場合よりも利益があがるというのは、これはうそですね。つまりパンドールを作るために、あなたの御説明の中で三十五円七十四銭ですか、その大部分は輸入をしますというのですから、あっちに払うのでしょう。利益率だけでなくて、日本の国内からあっちに払うのだから、その分もやっぱり支払いになりますね。うちの金が出ていくわけですよ、外国へ。だから、大蔵省の金庫の中だけの計算でなくて、国民経済全体として一体これを輸入した場合には相手方に六十円なら六十円払ってしまうかもしれない、今のキューバ産の葉巻ですよ。これを買う者は、現在一体日本人が十五万本か百五十万本消費するのか、たまたま外国人が日本に来て葉巻を吸いたいやつが葉巻がないのでうろうろする、そこで売ろうというつもりで、日本が一流国であるということを誇示するために作ろうというのかもしれないけれども、そうしますとはなはだ経費がかかり過ぎていると思う。ただ単に今までのそろばんをはじかれただけで、パンドールの利益率や、グロリアの利益率を申されたと思うのです。われわれはやはりこれを作るためには、相当の経費が固定しているに違いない。そういうものを全然計算に入れずに、これを経営していく方法と、そんな少ない消費量なら、輸入した葉巻で、特殊な嗜好財ですから、さばいてしまうということを、どっちがどっちということを真剣にお考えにならなければ、簡単なこんな二つの葉巻たばこを作っても、日本でもいいたばこができます、原料は全部よそのお国でございますというのであっては、どうも商売としてもいいことじゃないのじゃないでしょかね。どうです、総裁。
#88
○政府委員(谷川宏君) ただいま御質問の中に、外貨の支払いという観点からどうかということでございましたが、先ほど例にあげました二百円のマジェスティックス、これはCIF価格で七十三円十八銭ということになっております。七十三円十八銭というのは外貨で支払われる。一方先ほど申し上げましたように、パンドールの場合は、百八十円のうちで三十五円七十四銭が原料費でございまして、大部分が葉巻たばこでございますので、これは外貨で支払う二百円のうち七十三円、百八十円のうち三十五円という比較から申しましても、外貨の支払高は輸入品の方が多い。またグロリアにつきましては、国産の葉も相当使っておりますので、グロリアにつきましては、一そう外貨の支払高というものは少ないということでございまして、そういうものも十分総合的に考慮いたしまして、新しい製品を出そうというふうな考えでございます。
#89
○永末英一君 このごろアメリカとイギリスの紙巻たばこの輸入が非常に多くなっている。それを許したために、日本の富士とかピースとか、それに競争するであろうところの商品の売り上げに影響がございましたか。
#90
○説明員(松隈秀雄君) 外国製品を輸入いたして販売しておるのでありますが、その数量はきわめて少ない数量であります。ただいまのところでは、それがために専売公社が売り出しておりまする高級たばこの方に影響はない。高級たばこの伸びは、平均のたばこの伸び以上の伸びを示しておるので、その心配はないと思っております。
#91
○須藤五郎君 今アメリカから輸入しているたばこの数量と代金、どのくらいですか。
#92
○説明員(三枝正勝君) 昨年、三十五年度に輸入した総数量は約七億六千万本でございます。すべてのものを計算いたしまして、本数に計算いたしまして申し上げますと、約七億六千万本でございます。それから、金額にいたしまして約三百六十万ドルでございます。それで、そのうちで三十五年度に販売を完了したものは約五億四千万本でございますので、その残余のものは三十六年度に越して、今後販売する、こういう状況になっております。
#93
○須藤五郎君 この間秦野の葉タバコの栽培場を見学に参りましたときに、私たちを案内して下さった方の話では、将来中国からタバコの葉を入れたい意向があるのだということを伺ったわけですが、そういう計画があるのですか。
#94
○説明員(三枝正勝君) 戦前におきましては、中国から相当黄色種を輸入しておりましたので、現在専売公社といたしましては、相当の数量輸入いたしておりますけれども、なるべく安い葉タバコを輸入した方が国家的にもいいと、こういうふうに考えておりますので、中国の葉タバコの状況等もわれわれ承知したいと思っているわけでございますが、現在のような政治情勢でございますし、なかなかその見本も取り寄せることはできないわけでございますが、見本を取り寄せることができ、そうして貿易もできるということになれば、その品質、価格によりまして、公社といたしましては、適当なものがあれば輸入してもいいのじゃなかろうかと、こういうふうに考えているわけでございます。
#95
○委員長(大竹平八郎君) 先ほどの戸叶君の質問につきまして、松隈総裁から御答弁、願いたいと思います。
#96
○説明員(松隈秀雄君) 先ほどは農業基本法との関連、農業機構の変化に伴って、将来のタバコ耕作が非常に問題であるというお説を伺ったのでありますが、われわれもその点は非常に心配しているところであります。長期五ヵ年計画を検討してみまするというと、製造たばこの消費は年率六%ぐらいの割合で伸びていくのじゃないかと、かように考えます。そういたしますると、それに対応いたしまして、葉タバコの生産増加をはかって参らなければならない。そうしますれば、あらゆる手段を尽くして生産の確保をはかる。それにつきましては、先ほど申し上げたと思うのでありますが、単に収納価格の問題だけではなく、また公社の従来の耕作農民に対する点について反省をいたす点があるというような点はもちろん反省をし、売りもの、買いものですからして、供給者がないということになれば、これは非常に窮地に追い込まれるわけでありますから、何としても供給者に公社に協力していただくという、こういう態勢を整える必要がある。それがためには、今から必要な手を順次打っていくことが大切であると、かように考えておりますので、御趣旨の点は公社でも最大関心事であって、最善の努力を今後その方面に向けていきたい、かように考えております。
#97
○戸叶武君 時間がないから、一点だけで済ませますけれども、総裁が売りもの、買いものだという形において、生産者の立場は十分考慮すると確言されましたが、問題は、国の利益になることだからいいのだというような形で生産者を犠牲に供するというやり方は間違っているのであって、やはり収納価格の問題に対しては、契約栽培である以上、やはり団体交渉的な形式をとるかどうかは別問題として、私は団体交渉を持つなり、あるいは米価審議会のような一つの権威ある価格決定機関というものがないと、このままでいくと、とにかく専売公社、お上の言うなりに動くタバコ耕作組合というボス組織によって、それをボスの買収――温泉に連れて行ってやった、どうしてやったという形でやっている今までの旧時代的な生産者ごまかしの運営方式というものは、私は納得がいかないと思う。これは一番旧式なやり方なんで、商売だからという形で、生産の面は無視されてきておりましたが、農水委員会においても、ここのところは穴になっていて、どうも専売公社の問題に対してはメスが入れられないで、一つのタブー的になっておった。しかし、背景には、国の利益だからという形において、そうしてこの生産農民というものが犠牲を強要されたのですが、こういう前時代的な、旧時代的なやり方というものは今後許されないのですから、一つこれはしかるべきときにじっくりこの問題に対して取っ組んでいきたいと思いますが、総裁は一つ、専売公社として、ほんとうにこれにこたえるだけの資料も集め、われわれも本格的な取り組みによって今の専売公社の持っている暗い面を摘出して、一つ一大改革をお願いしておきたいと思いますから、御協力をお願いいたします。
#98
○木村禧八郎君 来年あたり、やはり消費税の減税の問題はどうしても起こってくると思うのです。そういう場合に、たとえばたばこの消費税を下げた場合、専売公社の経理の方にどういうふうな影響を持ってくるのか。その点、どの程度にやはり消費税を下げるかということも問題になってくると思います。経理にどういうふうに影響をしてきますか、実際問題として。
#99
○説明員(松隈秀雄君) 税制調査会では最近調査を再開いたしまして、本年度は間接税について軽減すべしという世論が強いから、間接税の軽減の問題を取り上げると思うのであります。その場合において一番問題になるのは酒税の引き下げであると思うのでありますが、酒税を引き下げた場合に、よく酒とたばこということが引き合いに出されますから、たばこの消費税部分を引き下げるかどうかということは当然問題になると思うのでありまするが、まだ全体として間接税にどれだけの減税財源を予定するか、それからそれに対してその中で酒税は幾らくらいが見込めるか、それの見当がついておりませんので、たばこの方をどのくらい消費税を下げるべきであるかということについては、今のところ何とも申し上げることはできないと思うのです。
 それから、たばこを下げた場合においてどうなるかという問題でありまするが、先ほど申し上げましたように、たばこの場合には、消費税部分と益金部分が一体となりまして、大体において小売定価の六六%程度のものを国及び地方団体に納付しているというのが現状であります。そこで、消費税部分がわかりにくいから下げるという場合に非常にむずかしいのでありまするが、結局国民大衆が安い小売定価のたばこを買う、こういうことがすなわち消費税の減税に当たるわけであります。そうなりますというと、現在の小売定価を動かすということになるわけでありまするが、これの動かし方が酒の場合よりは非常にむずかしいわけでありまして、現在大体十本当たり五円間差で並んでおります。そこで、全部について五円引き下げるということであれば、消費間の移動は目立たないと思うのでありまするが、上級品はたとえば据え置いて、中級、下級品を下げるというようなことでもするということで、下げる銘柄と下げない銘柄が、あるいは下げる率が違うというようなことになりますというと、消費間の移動ということが相当激しく出てくるのではないか、かように考えますので、たばこ小売定価の変更には酒の場合以上にむずかしいことがあると思うのであります。酒の場合には、御承知の通り千円をこえる酒もあれば、四百円台の酒もあるので、相当値段の幅がありますから、あるものを少しいじってでもすぐにそれが著しく他の酒の方に消費が移るということではございませんけれども、たばこの場合には五円刻みということでありまするために、もしその間差があるところで十円開きの間差になるというようなことになると、消費の移動はかなり大きく影響して参る。そこで財源があって全部一律に、たとえば五円下げることができるか、それができない場合に下級品を下げるとして、そういう大幅ななだれ的な下級商品への消費の移動をどう防げるか、こういう点を十分検討しないと、今にわかにお答えを申し上げかねるわけであります。
 そういうふうに今度は減って参りました場合におきまして、生産費の七割程度のものが葉タバコの代金でありまして、これは今もお話がありましたように、最近の農産物の傾向からいえば、上がろうとも下がるということはない。労賃、材料費ともに今後下がるであろうという見通しのものはないわけであります。それから、小売定価をかりに下げるとすれば、小売人の手数料というものは現在八%及び八・五%という二段階になっておりますが、これも売り上げが下がれば小売人の手取りが減りますから、小売手数料の歩合引き上げの問題が同時に出てくると思います。そういうことからいたしますれば、小売定価の引き下げを実現した場合においては、公社の地方団体に納めまする、たばこ消費税が、これが価格の府県と市町村とで一九%ですから、これの方も減るから、地方団体の財源補てんの問題が起こり、それこれ考えますると国、地方団体にかなりな財政面の悪影響がある。しかし、それを忍んでも、どのくらいの財源を用意するからたばこの小売定価は改正すべきであるかどうかということは、税制調査会が検討し、その答申いかんによってさらに政府がお考えになることだと思っております。
#100
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#102
○天田勝正君 民社党は、この法律案には反対をいたします。
 元来、私どもは大衆にそう影響のないものといたしまして、この法律案には賛成するつもりで参ったのでありますけれども、しかし、だんだん質疑を重ねるに従いまして、これは反対せざるを得ないという結論に達しました。そのことはすでに質疑においても各位もお聞き取りいただいたと思うのでありますが、もともとこうした高級たばこが一般の大衆たばこに比してその利益部分なり税金部分なり、要するに国家に貢献する比率がきわめて低いということはとうてい納得しがたいところでありますために、特にアストリアのごときはそうした利益、税金部分というものはわずかに一七%にすぎない。一般の紙巻が六六%に比較いたしますならば、これは全体の数量が少ないのでありますから、直ちにもって大衆たばこにこれらを転嫁しているとは申しかねますけれども、しかし、理論的には何としても納得できないところでございます。
 次には、この国内産葉タバコの耕作反別及びその生産量の推移でございますが、これまた三十五年以降におきましては、なかなか公社の思うようにその生産が確保されがたいという状態が明らかでありますし、しかもそれが今日叫ばれておりまする所得倍増計画には一向この状態をもってしては貢献しない、こういうふうに私どもは考えるのであります。かりに、たばこ消費自体が年率六%の伸びを示しましても、農民の立場からいたしますると、倍増どころか現在の所得もとうてい確保されないということが明らかでありますし、またこの高級葉巻たばこそれ自体が、要するに日本産をもって作るのではなくして、大部分の原料はこれは外国産をもって作るのだ、これはどうもはなはだおかしいのでありまして、こういう観点からいたしましても、これはむしろない方がかえって国のためにもいいとさえ私は極言できると存じます。
 そういう理由からして、この法律案には反対をいたします。
#103
○須藤五郎君 私も簡単に反対の意見を述べたいと思います。
 ただいま同僚天田委員から反対理由を説明されましたが、私も同じような意見を持つものです。嗜好品といいながら、私は奢侈品にも類すべきこういう高級たばこが、大衆たばこよりも税率のごく低いこと、この点におきましても私は大きな不満を持つものでありますが、ごくわずかの人しか吸わないこういう高級たばこを、いろいろな不合理な条件のもとに製造すること自体が私はおかしいと思いますので、この法案に対しましては反対をいたします。
#104
○委員長(大竹平八郎君) 他に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(大竹平八郎君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
#108
○委員長(大竹平八郎君) 速記つけて。
  ―――――――――――――
#109
○委員長(大竹平八郎君) 次に、大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案を議題とし、補足説明を聴取することにいたします。
#110
○政府委員(西原直廉君) ただいまお話ございました大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案につきまして、補足説明さしていただきます。
 大阪府及び大阪市におきましては、阪神地域の経済的発展に即応して、大阪港及び堺港の整備、臨港工場用地の造成、並びに関連の工業用水道、貨物鉄道整備などの画期的な総合計画を立てまして、その一部は現在実施中でございますが、その総事業費は千百四十億円、そのうち起債対象事業の事業費は七百七十億円を予定されております。このように事業費自身が非常に多額でございますので、この七百七十億円のうち三百五十八億円程度を外債発行によって調達するということで、さしあたって三十六年度におきましては九十億円相当額の外債発行を行なう予定にしているわけでございます。こういうようなことから、この外債について、大阪府と大阪市が合同して発行を行ないますその元利払い等について政府は保証を行なう必要がございますので、この法律案を提出した次第でございます。
 この法案の第一条は、ただいま御説明申し上げましたような元利保証に関する規定でございまして、財政法の第十五条第一項によりまして、国が債務を負担する行為をいたしますときには、法律に基づくもの、あるいは歳出予算の金額、または継続費の総額の範囲内におけるもののほか、あらかじめ予算をもって国会の議決を経なければならないことにされております。また、法人の債務に対する政府の保証は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の第三条本文の規定によりまして、原則として禁止されておるところでございます。本案の第一条第一項は、法律に基づく債務負担といたしまして国会の議決を経ることとしているものであります。また、財政援助の制限に関する法律の特例をも定めているものでございます。これが大体第一条でございます。
 第二条の関係は、外貨債に対する税制上の取り扱いであります。その性質上、諸外国が発行した外貨債や日本の戦前の外貨債に対する税制上の取り扱い等を勘案いたしまして、通常行なわれております原則によって外貨債に対する税制上の取り扱いを定める必要がございます。政府あるいは政府関係機関または地方公共団体の発行する外貨公債につきましては、諸外国が発行した外債の例を見ましても、また戦後わが国が発行し、また発行するようなことを考えますと、利子や償還差益等について租税その他の公課を課さないのが原則となっております。今回の外貨地方債につきましても、これらの例にならいまして、租税その他の公課を課さないこととしたものでございます。もちろん、この場合今回の非課税措置は、わが国の税法上、日本に源泉のある所得について総合課税を受ける者、すなわち税法上の居住者、外国法人、日本に事業を有する非居住者、日本に事業を有する外国法人等に対しましては適用しないこととしております。この点は一般外貨債発行の際の税制上の取り扱いの原則に沿ったものでございます。
 次に附則でございますが、三十六年度におきまして大体九十億円の外貨債の発行が予定されているわけでございますが、普通の場合には、一般的にはよく予算総則によりまして、政府がその予算総則で定める限度において元利保証をするというのが通例でございます。今回この昭和三十六年度におきます大阪府及び大阪市の外貨地方債につきましては、三十六年度予算を作成しました後に生じた問題でございます。そのために通例の予算総則によることができません。特に保証の限度をこの法律の附則において定めまして、国会の議決を経ることとした次第でございます。
 以上簡単でございますが、この法案の提案につきましての補足的説明をこれで終わらしていただきたいと思います。
#111
○委員長(大竹平八郎君) 質疑は後日に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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