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1960/02/21 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第4号
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1960/02/21 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第4号

#1
第038回国会 商工委員会 第4号
昭和三十六年二月二十一日(火曜日)
   午後一時三十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月二十一日委員古池信三君辞任につ
き、その補欠として高野一夫君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
   委員
           赤間 文三君
           井川 伊平君
           岸田 幸雄君
           高野 一夫君
           山本 利壽君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           中田 吉雄君
           向井 長年君
           加藤 正人君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   国 務 大 臣 池田正之輔君
  政府委員
   科学技術庁原子
   力局長     杠  文吉君
   通商産業政務次
   官       砂原  格君
   通商産業大臣官
   房長      樋詰 誠明君
   通商産業省通商
   局長      今井 善衞君
   通商産業省鉱山
   局長      伊藤 繁樹君
   中小企業庁長官 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○中小企業信用保険公庫法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○中小企業信用保険法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉
 の規制に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○経済の自立と発展に関する調査
 (鉱業法改正問題に関する件)
 (貿易問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 最初に、委員の異動について報告いたします。
 本日、古池信三君が本委員を辞任され、その補欠として高野川夫君が本委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(剱木亨弘君) それでは、まず中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#4
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま提案になりました中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 中小企業金融公庫は、昭和二十八年八月設立以来、年々貸出資金源を増大し、その機構も拡充整備して、その貸出残高は、昨年十二月末で千四百七十五億円をこえるに至りました。
 しかしながら、貿易自由化に備えて、中小企業の経営の合理化、設備の近代化を促進し、その振興をはかる上において中小企業金融公庫の果たす役割はいよいよ重要であり、すでにこの一月より貸出金利を年九分に引き下げ、中小企業者の金利負担を軽減し、その貸出資金源についても、昭和三十六年度において政府資金四百二十五億円を融資することにより、その拡大をはかることとしたのでありますが、なおこの際、中小企業金融公庫法の一部を次の通り改正し、もってその機能を拡充強化いたしたいと考える次第であります。
 第一は、理事の増員であります。公庫の業務は、資金量の増大に伴い、毎年増加しておりますので、これら業務量の増大に対処するため店舗の増加と相待って理事を二人増加して六人とすることであります。
 第二は、公庫の総裁が、従たる事務所の業務に関し代理人を選任した場合、その代理人の代理権の範囲を法律上明確化し、従たる事務所の業務に関し一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する旨を規定することであります。
 以上が本法案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
 次に、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 中小企業信用保険公庫は昭和三十三年七月設立され、現在百四十七億円の資本金をもって、信用保一証協会の業務上必要な資金の貸付業務とその保証に対する保険を中心とする保険業務とを行なっております。
 同公庫は、現在その資本金のうち六十八億円を融資基金に充てこれをもって信用保証協会に対してその保証業務に必要な資金の貸付を行なっており、これにより信用保証協会の保証規模の拡大、保証料の引き下げ等諸種の面におきまして顕著な効果をおさめつつあります。
 しかしながら、最近におきましても、中小企業の資金需要は依然として旺盛であり、これとともに保証需要も大幅な増加の傾向にありますので、信用保証協会の保証原資をさらに大幅に増強して保証能力の拡充をはかる必要があると考えられます。
 このため、政府といたしましては、中小企業信用保険公庫法の一部を改正し、昭和三十六年度におきまして中小企業保険公庫に対し、産業投資特別会計から二十億円を出資し、これを同公庫の資本金とするとともにこれを同公庫の融資基金に充て同公庫から信用保証協会に貸し付けることとした次第であります。
 以上が、本法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 中小企業に対する金融の円滑化をはかるため、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫等の中小企業専門金融機関の貸出資金量を増大する等、諸種の施策を講じて参っておりますが、中小企業が信用力、物的担保力の不足のため通常の金融ベースに乗りがたい点から考えますと、中小企業の信用力を補完する制度はきわめて重要な役割を果たしております。
 この信用補完制度としましては、御承知の通り信用保証制度と信用保険制度とがありますが、この両制度は、機能及び業務分野において競合重複する面が見られますので、その調整が必要とされており、現在は、これらの問題を審議した昭和三十二年末の金融制度調査会の答申に基づき信用保証協会の機能の拡充強化をはかるとともに、中小企業者に対する信用補完業務は第一次的には信用保証協会の保証によるものとし、中小企業信用保険公庫による信用保険制度は、信用保証協会の保証債務のすべてについて再保険的機能を営む包括保証保険を中心とするように運営して参っております。
 明年度からは、このような方向をさらに進めて信用補完制度の整備をはかることとし、中小企業信用保険の保険種別を包括保証保険の一本立とすることといたしました。また五十万円以下の小口融資の保証を対象とするいわゆる包括第一種保険については、すでに全信用保証協会の加入を見て順調に運営されておりますが、五十万円をこえる融資を対象とする包括第二種保険についても、さらに順調な発達を期するため中小企業者一人についての付保限度額を五百万円から七百万円に引き上げるとともに保険料の引き下げを予定いたしております。
 このほか信用金庫連合会の中小企業向け貸付を容易にするため、その貸付にかかわる信用保証協会の保証を、信用保険に付することができることといたしました。
 次に、この法律案の概要を御説明いたします。
 まず第一は、融資保険及び普通保証保険の制度を廃止して、包括保証保険の一本立とすることであります。
 第二は、包括保証保険のうち第二種保険のうち小企業者一人についての付保限度額を、五百万円から七百万円に引き上げることであります。
 第三は、信用金庫連合会の中小企業者に対する貸付にかかわる信用保証協会の保証を新たに中小企業信用保険の対象とすることであります。
 第四は、その付則において中小企業信用保険法の改正に伴う中小企業信用保険公庫法の改正を行なうことであります。すなわち、中小企業信用保険種別の廃止に従って、中小企業信用保険公庫が毎事業年度国会の承認を経ることを要する保険価額の総額について保険種別の区分を廃止する等の整備を行なうことであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(剱木亨弘君) 三案の質疑は後日に譲ることといたします。ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#6
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(剱木亨弘君) 次に、経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので発言を許します。高野君。
#8
○高野一夫君 私は簡単に伺っておきたいことがあるのですが、かねがね鉱業法の改正が必要であるということは政府当事者も認めているところであるし、また関係業界からも強い要望があった次第でありますが、なかなかむずかしいということで審議会を置かれた。すでに相当の時日がたっているように思いますけれども、この審議会がどういうふうにして開かれて、どういう経過をたどっているかを一応一つ聞かしてもらいたいと思います。
#9
○政府委員(伊藤繁樹君) ただいま御質問のございました鉱業法改正審議会でございますが、一昨年六月に通商産業大臣の諮問機関として設置されたわけでございますが、現在まで鉱業法につきまして全面的の改正の、審議を行なっておる状態でございます。
 審議会の構成でございますが、これは学識経験者のうちから任命された委員が十五人、これが審議の主体になっておりますが、なお、関係の行政機関におきまして、やはり十五人程度専門員として委嘱をされておる次第でございます。
 審議会の審議経過でございますが、三十四年六月に設置されたわけでございますが、その年度には月一回、十二回審議を行なった次第でございます。これは主として関係各方面がどういう意見、要望を持っておるかということの説明聴取と、それから鉱業法全般につきましてのフリー・ディスカッションを行なったわけでございます。三十五年度に入りましてだんだん問題の焦点がはっきりして参りましたので、鉱業法改正の基本的な問題、たとえて申しますと、鉱業権付与の問題でございますとか、試掘権制度のあり方の問題でございますとか、租鉱権制度の問題、あるいは他権益との調整の問題その他鉱害賠償の問題、あるいは鉱山保安災害の防止の強化の問題、こういう問題につきまして個々的に検討いたして参るわけでございますけれども、それら非常に相互に関連がございますので、この審議会の中に基本部会というものを設けまして、三十五年度にはそれらの個々の問題につきましての検討を加えて参ったわけでございます。非常に委員の方も御多忙でございますが、毎月三回審議をいたしまして、現在までにすでに二十回程度の審議をいたしておる次第でございます。しかしながら問題が非常に、鉱業法でございまして複雑な法律でございますし、また鉱業権者なりその他の関係者の方にも利害の非常に深い関係もございますので、まだ必ずしも現段階においては意見がまとまったわけではございませんので、実はわれわれといたしましては、国会方面の御要望もございますので、できるだけこの二年の期間内に結論を出したいと思って関係者としての努力をいたした次第でございますが、そこまではまだいっておりませんので、実はもう一年程度勉強させていただきたいという法案を本国会に出そうと考えておる次第でございます。
 今後の予定といたしましては、大体基本部会でいろいろな議論は出尽したように思われますので、そろそろこの数ケ月内に桂本部会としての大体の意見をまとめまして、その意見に基づいて、まとまりました点につきまして、この個々の問題につきまして最終結論を下していくというような考えを持っておる次第でございます。
 以上が今までの審議会の経過でございます。
#10
○高野一夫君 そこで、あとまだ一年最初の予定よりは延ばさなければ結論が得られそうもないということであるようでありますが、もうすでに議題となった問題は、大体鉱業法をこういうふうに、まあ鉱業法の改正を必要とするという点は、ほとんど、ことごとく一応は論議の的になったわけですか、それとも、たとえば一部の租鉱権とかいう問題に限ってあって、まだ重要の問題の審議はこれから初めて手をつけるということに、こういうようなことになっておりますか、その辺のことを。
#11
○政府委員(伊藤繁樹君) 通産省の方から大よそ問題となり得るという点は、全部この委員会に事務局案として出しまして、それらすべての点でまあ審議を尽してない点がございますけれども、大体問題点のすべてについては、一応のディスカッションを終わろうとしている段階でございます。
#12
○高野一夫君 今後一年かかるというと、最初この審議会を置くときにわれわれが要望したのは、一年ぐらいで何とか結論を出せないかということだったのです。それはなぜかというと、すでに通産省がやはり改正の必要を認めておる。それが意見は改正したい。考え方は業界あるいは公共団体と違うかもしれぬけれども、公共団体なりあるいは事業方面からも強い要望が多年にわたってなされている。しかも、現実にいろいろな問題が起こっている。それを二年も三年もかかって、かからないと改正の結論が出ないということでは困るから、将来こういう欠陥が起こり得るであろうことを予想しての改正、対策ならば何年かかってもいいけれども、すでに過去から困っている事態があっちこっち起こっている。そうならば、それを改正するならば、審議会で審議を急いでもらいたいということをわれわれは一番最初審議会を置くときに強く要望しておった。しかし、まあ二年はどうしてもかかるだろう、一年ではそれは無理ですというのが、通産省の当事者からのお話であって、今日まで推移を眺めておった。大よその経過は私もいろいろな関係で承知はいたしておったのでありますが、現在いろいろな問題がすでに起こっている。これをどういうふうにして、いい工合に適正に処理していくかという点が鉱業法の改正、特に鉱害問題に対する点として強く浮かび上がってきている。そういう点が一向に結論が出ない。まだ一年も一年半もかかる。二年もかかって出ないということになりますと、やはり因る部門があっちこっちたくさんおできになる。でありますから、そこにこの鉱業法の現行の欠陥があるとされているわけですから、それを早く改正して、みんなが安心してやれるように持っていきたい。こまごまとしたことは申しませんが、これは皆さん専門家で御承知の通りである。私はもう少し何とか、それは委員の方も御苦労だろうけれども、審議をもっと早めてもらう、促進する方法はないものだろうかと、こう思いますが、それはどうでしょうか。
#13
○政府委員(伊藤繁樹君) ただいまの高野先生のお話のように、われわれ幹事役といたしましては、国会方面に早期にこの問題を解決するようにという御要望もあったことを承知いたしておりますので、できるだけ努力をいたした次第でございますけれども、先ほど申し上げましたように、何しろ鉱業法は非常に広範な法律でございまして、関係各界の利害に関係するところもございますし、また、外国立法、その他の資料も十分に集めて検討していかなければならぬという面もございまして、われわれの努力にもかかわらず、二年の期間内に審議をまとめることができませんでしたことは、はなはだ遺憾とするところでございますが、先ほど申しましたように、もうすでに大体の議論は出尽くした段階にございますので、早急にこの問題の結論を得るように努力いたしたいと思います。
#14
○高野一夫君 これが早く結論が出ないと、政府自身内部において困っている問題がたくさんあるのです。鉱業法の改正の一つの鉱害問題を取り上げますと、北九州にいろいろな問題が出ておるわけですが、そこに、運輸省が洞海湾の計画を立てておる。建設省が重工業地帯の建設をあらためて再計画を立てようとしておる。それが一向にこの問題が解決できないためにお手上げの状態です。建設、運輸、通産、全部そうなっておる。でありますから、私はこまかいことは申しませんが、できるだけ一つ今後とも努力をしてもらって、急いでもらいたいということが一つ。
 それからもう一つ、審議会の委員の構成ですが、これには、たとえば非常に広大な、鉱害を受けておるような地域の対象者、たとえば北九州の代表者なり、あるいは、せめて福岡県知事というような人たちは委員に入っておりませんか。鉱業権者とか、あるいは政府関係とか、学識経験者とか、そういうのが委員に入っておって、その鉱害を受けておる地域、その地域のめんどうをいろいろ行政的に見なければならぬ立場の人が委員に入っていないじゃないか、私はよく知らなかったけれども、そう思うのですが、それはどうですか。
#15
○政府委員(伊藤繁樹君) 現在の審議会の委員には、ただいまお話の通り、入っておりません。これは、ただ、鉱害の被害者の方々の意見は、いつでもこの審議会におきまして伺っておる次第でございまして、審議会の審議経過におきましては、すでに代表の声は委員にそれを承っていただいておるような次第でございます。なお、中途におきまして、鉱害復旧事業団の代表者が委員に任命されておりますので、それによっても被害者の声は反映されるものと思っておる次第であります。
#16
○高野一夫君 鉱業権者の意見は、そういう方法ならば、随時意見は聞けます。鉱業権者の方は委員が出ておる。一番大きな問題は北九州の問題ですが、その広大な北九州の全地域にわたって非常に問題が起きており、その始末に困っておる。その地域の福岡県の代表者が正式に毎回出て発言権を持たせないということは、鉱業法の改正点の一番大きな鉱害対策の問題を吟味する上において、私は審議会のあり方としてすこぶる適切でないやり方だと思う。被害者の意見も随時求めて調査することができる、そういう者を学識経験者の資格でも何でもいいからやはり入れて、ほんとうに北九州なら、北九州、あるいは常磐炭鉱なら常磐炭鉱の方面の実情をよく知っておる人が、改正点についての意見を委員の資格において述べる、私は、そうでなければうそだと思う。ことに、それは鉱業法の改正点をあえて鉱害だけでなく、いろいろな点にわたっておるのでありますけれども、一番大きい問題としてわれわれが非常に切実な関心を持っておるのは、鉱害対策、これはもう北九州の問題は皆さん御承知でしょうからおわかりでしょうけれども、もう水道、飲料水に困る、それから、都市計画に因っちゃってお手上げ。そのほか、先ほど申し上げました建設省の重工業地帯の再編成についても、運輸省の洞海湾対策についても、みなお手上げの状態である。これが鉱害問題についての今後の方針がきまらぬから、これではわれわれ非常に困るのでありまして、これは与野党超越した大きな問題だと思う。困るから一つ早く結論を出してもらいたい。それがどういうような意見になるのか、せっかく、審議会ができたのですから、審議会の答申を待つよりほかないと私は思いますけれども、いつごろ、一つ、どういう方向で改正がされるか、また、その地域の公共団体の代表みたような人の意見が力を持って有力に発言されるか、そういうようなことを少し考えていただかぬと、鉱業法の改正も、あなた方のせっかくの努力、御苦心にもかかわらず、長々とこれから、まだ引っかかってくる、まだ引っかかりますよ。それを私は憂えるのでありまして、将来の欠陥を予想するのじゃない、現在、何年来起こっておるその欠陥の改善もできない。私は、この北九州の問題と取っ組んでから何年かかっておる、それができないのをほったらかしておかなければならぬということは、政府としては、これは困ることだろうと思う。われわれ国会においても困ります。だから、その問題について特に一つ審議を急いでもらって、あと一年とか何とかいうんでなくして、せめてこの夏ごろまでの間においてはできるだけの結論を出す。それからまた答申を得た上でいろいろ政府で原案をそれぞれ練らなきゃならないし、われわれとしても、また国会議員の立場で事前のいろいろな研究もしなけりゃなるまいと思う。だから、今こまかい問題に触れませんけれども、この大きな切実な問題に対して、もう少し真剣な気持をもって対処しなけりゃならぬという心がまえで、もしも通産省がかかえられるならば、鉱業法の改正の答申を急がせる、さらにもっと切実な方策を立ててもらわなけりゃならぬ、こう私は思うわけです。この点について、重ねて、どうしてもそれは急がせる、一年かかるだろうけれども、さらに急がせるといってみたところで、善処すると同じで、はっきりしたことはわからぬのでありますから、また二年のつもりだったが一年延びた、それもまたむずかしい問題にひっかかってまた半年延びる、一年延びる、こういうことになりかねない、それじゃ困ると思うのでありますから、そこで、私は特に本日はこの委員会に飛び入りの形で、この問題についてだめを押しておきたい。どうしてもあと一年ないとできませんか。一つ現地の実情を十分把握されて、あの現地の非常に混乱した事態をよく把握されるならば、私は、一年のところを半年、半年のところを三カ月縮めて、この審議会の結論を出すべく、もっとがんばってもらっていいと思う。委員諸君には御苦労だけれども、一カ月に一回とか二回でなくして、もう少しひんぱんとお開きを願わなきゃならぬ大きな問題なんです。
#17
○政府委員(伊藤繁樹君) 委員会の方にも国会の要望をよく伝えまして、できるだけ一年を要せずして結論が出ますように、誠意をもって努力をいたしたいと思います。
#18
○高野一夫君 それじゃ、委員会とも、よくこの審議会とも相談をなさり、大臣とも相談なさって、次の機会までに、まあそう簡単に一週間、十日でやる必要もありませんから、委員会、審議会が開かれたときに十分協議を一つしていただいて、どの問題はいつ解決する、どの問題はいつごろになる、こういう少し具体的な方策を打ち合わせられて、当委員会においてあらためて、いつごろ――なるべく早くということが大体いつごろになるか、はっきりした答弁を、私は大臣からも局長からも伺いたいと思います。この点について、十分省内においても大臣を中心として、それから審議会に対しても協議をしておいていただきたい。それだけ私は要望しておきます。
#19
○中田吉雄君 鉱山局長来ておられるからお伺いしますが、このいただきました日程表には、石油資源開発株式会社法の一部改正法案は二月下旬に出すということになっているんですが、もう下旬ですが、いつごろ出ますか、その見通しを一つ。
#20
○政府委員(伊藤繁樹君) 一応、石油資源開発株式会社法の改正は国会に提出する予定で準備を進めている次第でございますが、これは内容といたしましては、石油資源開発株式会社が将来配当ができます場合は、政府配当を後配株とするという問題と、それから第二点は、探鉱費用を繰り延べ償却することができるということと、それから政府出資の登録税と鉱業権の登録税を、五年間無税になって現在いるわけですが、それを将来延長するというこの三点を内容とするわけでございますが、最後の政府出資の登録税と鉱業権の登録税の方は、大蔵省と交渉いたしましたところでは、臨時租税措置法の改正の方でまかなっていくということになりましたので、その点は提案の必要がなくなってきたわけでございます。あと政府株を後配株とするという問題と、探鉱費用を繰り延べ償却するという問題につきましては、実は大蔵省の方と現在交渉中でございますけれども、その交渉がまだまとまりませんので、ちょっとまだ提出する時期ははっきり申し上げられない段階でございます。
  ―――――――――――――
#21
○委員長(剱木亨弘君) 科学技術庁長官が出席されましたので、核原科物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#22
○国務大臣(池田正之輔君) ただいま議題となりました核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
 わが国における原子力の研究、開発及び利用は、昭和二十九年その緒について以来、着々進展し、すでに運転中の原子炉は二基、近い将来設置されるものは相当数を数えるに至っております。また、核燃料物質の製錬、加工、再処理等の研究開発も、原子燃料公社及び日本原子力研究所を中心に行なわれ本年秋に予定される国産一号炉の完成によってその成果が明らかにされようとしております。
 一方、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律が、原子炉の設置及び運転、製錬、加工及び再処理の事業並びに核燃料物質の使用について、平和目的及び計画的利用の確保並びに災害の防止を目的として、昭和三十二年に制定されて以来、政府として、その施行に万全を期して参った次第でありますが、研究、開発の進展に伴い、法制定当時予想されました事態にも若干の変化が生じてまいりましたので、法施行の経験に徴し、現行法に改正を加え、規制の方法の適正化をはかる必要があると考え、この法律案を今国会に提出するに至った次第であります。
 以下この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、国際規制物資の使用等に関し、必要な規制を行なうことであります。
 原子力の平和利用に関する日米、日英、日加各協定、国際原子力機関憲章に基づいて入手する核燃料物質、原子炉その他の設備、資材すなわち国際規制物資につきましては、平和利用確保の見地より、これら各条約に相手国政府機関の行なう立入検査、報告徴収等のいわゆる保障措置について規定されています。
 これらの条約の実施につきましては、従来は国際規制物資の使用が主として原子燃料公社及び日本原子力研究所に限られておりました関係上、それぞれ、原子燃料公社法及び日本原子力研究所法により支障なく運営して来ましたが、今後の研究、開発の進展に伴い、広く民間において使用されることが予想されますので、条約の一そう円滑な実施をはかるために、国際規制物資の使用について立入検査、記録報告、移転の制限等に関し、必要な規定を設けた次第であります。
 第二は、臨界実験装置についての規制の強化をはかったことであります。臨界実験装置につきましては、従来、核燃料物質の使用についての規制措置を適用して来たのでありますが、今後、その設置数の増加及び規模の大型化が予想されますので、諸外国の事例をも参考とし、検査、保安規定、主任技術者の選任等に関し、原子炉に準ずる規制を行なうこととした次第であります。
 第三は、原子炉施設について定期検査に関する規定を設けたことであります。
 原子炉施設の検査につきましては、現行法上その設置及び変更時における施設検査、性能検査の規定があり、またその他必要な場合においては、随時立入検査を行なうことができるのでありますが、原子炉災害の防止については特に万全を期するために、原子炉施設のうちその安全性に関し重要な部分について、毎年一回定期検査を受けなければならないものとした次第であります。
 第四は、一定量以上のプルトニウム及び使用済燃料の使用に関する規制を強化したことであります。
 プルトニウム及び使用済燃料は、他の一般の核燃料物質と異なり、放射能が強く、かつ、毒性を有する等の危険性からみて、施設及び取扱いの面において万全を期する必要があります。このため、従来の核燃料物質の使用についての規制に加うるに、施設検査、保安規定に関する規定を設ける等規制の強化をはかった次第であります。
 第五は、原子力施設検査官を置くことであります。原子炉施設等の施設検査、性能検査及び定期検査に関する事務は、一般行政事務と異なり、高度の学識と経験を要することにかんがみ、今回、検査関係の規定の整備を機会に一定の資格を有する者に限りこれを行なわせることとし、検査に万全を期せんとするものであります。
 以上が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由並びに要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
#23
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#24
○委員長(剱木亨弘君) それでは再び経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。質疑のある方は御発言を願います。
#25
○中田吉雄君 貿易のことについて少しお伺いしたいのですが、どなたかいらっしゃいますか、通商局長……。
 通産省の本年度の重要政策にもうたってあり、また池田内閣の中心であります所得倍増計画は、十年後に九十三億ドルですか、年率一〇%ずつ伸ばしていくということがまあ一番中心で、それができるかできないかは非常に高成長政策の制約要因になると思うのですが、実は経済審議会で出した内容を見ましても、基準年度から昭和四十五年までの年次別、地域別の商品別の実際伸びというような過程が一つも書いてないのです、結果だけありましてね。特に私は最近のアメリカの日本の輸入制限等とからんで、九十三億ドルの中でアメリカに期待しているような大きな額ははたして実現できるかできないか、非常に問題があると思いますので、従って所得倍増計画の中で占める、十年間に九十三億ドルまで伸ばすという、もっと具体的な内容を少し説明していただきたい。
#26
○政府委員(今井善衞君) 所得倍増計画の十年後の貿易の姿、つまり四十五年度の輸出目標はただいま御指摘ございましたように九十三億ドル、現在約四十億ドルでございますので、二倍半ぐらい伸ばさなければいかんということになっておるわけでございまして、御承知のように貿易の関係は特に国際経済の変動、景気の循環等に左右されますので、従いまして、四十五年度の目標だけを作りまして、年次別の計画は、そういう世界の情勢あるいは景気循環の関係、そういうものを見ながら毎年毎年作っていこうということになっているわけでございます。この九十三億ドルは、これはもうなみなみならない努力を私どももしなければならぬと思います。御承知のように現在の日本の貿易構成から申しますと、いわゆる機械あるいは重化学工業品というものは全体の約四〇%ということになっておりまして、貿易の大宗というのは繊維なり雑貨なんでございます。ところで世界の貿易はいずれも先進国は機械を中心として伸びているわけでございまして、従いまして、十年後における姿としまして、やはり日本も重化学工業の方にウエイトをおきまして伸ばさなければならない。もちろん繊維だとか雑貨だとか、そういったものも伸びなければなりませんが、特に重化学工業の方にウエイトをおいて伸ばさなければならぬ、そのためにはこれはもう機械工業自体の力をつけるのみならず、特にたとえば東南アジアに対する経済協力を進めるというふうな対策を講じながら伸ばしていかなければならぬ、こう思うわけであります。
#27
○中田吉雄君 局長の御発言でちょっと気がかりなのは、経済を最初三年間九%ですか、十カ年平均七・二ですか、そうして九十三億ドル、年率一〇%伸ばすということで地域別、年次別というようなものを積み上げて昭和四十五年に九十三億ドル、それからそのうちで北米が三十一億四千万ドル、基準年度六億八千万ドルというふうに地域別に年次別にただいま言われたような機械工業製品を主にするとか、そういうことを積み上げてなったわけでしょう。その点は九%成長させ、四年目からは平均七・二%成長させるには四十五年九十三億ドルになるというようなただはじいて、あとは経済情勢に応じて年々それに達するような努力をするという結果なんですか。そのためにこれにないのですか。私はそうじゃないと思うのですが、その関係はどうなんですか。このいろいろ貿易小委員会なんかの報告を見ますと、ただ基準年度と四十五年の結果と地域別の結果だけ、商品別の結果だけ出ているのです。そこに至る過程が出ていないわけなんです。そこではたして九十三億ドル伸ばすことができるかどうか、高成長政策は十分言われているように達成できるか、そうしてまたその主要な部分である北米の貿易が、三十一億ドルに、すでに経済月報を見ても、非常にしょっぱなから北米関係はもう停滞をきたしている。まあ、輸入制限等もあってそれは当然でしょうが、経済企画庁の調査局から出ているのでも、そういうふうにもうすでに非常な停滞をしていろいろな工夫を要することが出ているのですが、そういうことを十分判断するには、ただ九十三億ドルとはじいて逆算をしたような、どうも池田さんのはそういう政策ではないかと思う節もあるのですが、どうも局長の今のお話を聞くと、そうなんですが、その内訳ないのですか、年次別、地域別、商品別、その問題はどうなんですか。
#28
○政府委員(今井善衞君) 所得倍増計画で貿易面に現われた指標といたしましては四十五年度の目標と、それから商品別並びに地域別の目標だけでございまして、年次別の計画はございません。これはおそらく私よくわかりませんが、ある程度の積み上げということももちろんやったのだろうと思いますけれども、何と申しましても貿易につきましては、これは世界の景況によりまして、非常に輸出がたとえば伸びる場合と輸出が停頓する場合がございますので、従いまして毎年同じ割合で伸ばすということじゃなくて、十年間で大体平均一〇%ということでもってやるのが実情に合うのじゃないか、私やはりそういうふうに思います。
#29
○中田吉雄君 どうも池田さんの施政方針演説聞いても、予算委員会等傍聴しても、どうも逆算をした途中のプロセスが一番大事なんで、それがなければ……、特に九十三億ドルの中でその三分の一を占める対米貿易が言われるような形で伸びていくかどうか、幸い北米向けは停滞したが、他の部面で伸びたので堅実な足取りをとっているという、経済月報には報告をしてあるのですが、それを判断するには何かありそうなものだと思うのですが、それはきょうでなくてもいいのですが、次の機会に年次別、地域別、商品別のそういう四十五年度九十三億ドルと出たという、積み上げた何らかの判断するに足る、それがかなり信憑性のあるものかどうか、そういう資料をきょうでなくてもいいのですが、次でもできませんか。
#30
○政府委員(今井善衞君) それは経済企画庁とよく相談しまして調べてみますけれども、私はおそらくその年次別計画というものを出すことができないんじゃないかと思います。これは非常にお言葉を返すようで失礼でありますが、この貿易につきましては、非常に年によって伸びた場合と伸びない場合がございまして、たとえばただいま対米貿易の話が出ましたが、五年前の日本からの輸出というのは約五億ドルでございます。それが現在におきましては二倍になりまして、十億七千六百万ドルというふうなことになっておるのでありまして、その場合商品的に見ましても、当時こういうものはとても出ないだろうというものが、現在におきましてはそれがりっぱに輸出されておる、非常に輸出商品についても広範囲になっておるということで、やはりいろいろの見地からいきましても、やはりある程度長期間で見ますれば伸びると思います。
#31
○中田吉雄君 じゃまあ問題をしぼって、九十三億ドルのうちで三十一億ドルは北米が占めるわけですが、それをどうしてそういう三倍になるという計算になってきているのですか。私もここに昭和二十年から三十五年までの輸出入の伸びを調べてきてみたのですが、どうしてそういうふうな計算になるのですか。
#32
○政府委員(今井善衞君) この四十五年度における対米貿易三十一億ドルの内訳ははっきりはしないようでございますが、現在たとえば対米貿易の主流をなしております繊維品、雑貨、これはある程度伸びる、それからやはり機械類、たとえば小型自動車なり、そういったものが相当伸びるんじゃないか。また化学製品でビニール等の合成樹脂関係、そういったものも相当伸びるんじゃないか。やはり新しい商品の力をかりて貿易は伸びるんだと、こういう前提に立っておるようでございます。
#33
○中田吉雄君 世界経済評論に出ています世界経済白書というものがあるのですがね、それの一九五〇年から五九年までの日本、西ドイツ、イギリスのアメリカ市場における伸び率なんかを見ても、比較としてはさっき言われたようにトータルとしては伸びておるのですが、しかしアメリカ経済の伸びからいうと、かえってパーセントは減っておるのですがね。日本のアメリカ市場におけるパーセントですね。それからまあいろいろ最近のアメリカ経済の構造の変動を見ても、まあ昭和二十年から三十四年までで四十六億ドル出ているわけですね。輸入は百八億ドル出ている。しかし最近十年間の伸びから見ても、今後カナダも入ってくる、北米が入るわけですが、はたして言われるように伸びるかどうか。もう少しアメリカの産業構造、輸入のいろいろな内訳等を見て、なかなかめんどうじゃないかと思うのですがね、いかがでしょう。
#34
○政府委員(今井善衞君) 確かにドイツあるいはイギリス、そういった西欧諸国からのアメリカへの輸出は、日本と違いまして、機械関係が主力になって出ておるわけでございます。日本といたしましては、これは御承知のように繊維品なり雑貨が中心として従来伸びてきておるところでございますが、最近たとえばトランジスターとかあるいはカメラとか、そういう軽機械類が伸びつつあるわけでございまして、今後におきまして、たとえば小型自動車なりやはり西欧諸国並みに機械につきましても格段の努力をいたしますれば必ず伸びるんじゃないかと、かように考えておる次第でございます。
#35
○中田吉雄君 日本の貿易の伸び率は、この計算の基礎になっておるのを見ますと、世界貿易の伸び率よりかけたはずれにいいようです。過去はそうだったと思うのですが、その計算の根拠ですね、それを少し説明していただけませんか。世界の貿易の一九五〇年から五九年まで六・五くらいですか、日本は非常に伸びているわけですがね。そういう傾向がずっと続くものですか。今度見ていられて、世界の伸び率よりか飛躍的に……ドル防衛その他輸出競争の激化、きょうなんかの新聞を見ても、イギリスの経済動向、ヨーロッパ等を見て、相当輸出状況は、国際市場は競争が激化すると思うのですが、世界の貿易の平均の伸びよりか、これまでと同じような段違いの伸びを期待できるかという問題ですね。
#36
○政府委員(今井善衞君) 過去十年間の世界の貿易の伸びよりも、大体日本はその二倍ないし三倍程度の伸び率を過去において示しておりますが、特にこの二年間ぐらいは世界の貿易の伸びというものは、欧州市場を中心として、欧州の中の域内貿易というのが非常にふえているように考えられます。従いまして、過去十年間のような伸びというものは、日本が欧州市場に進出する努力がよほどなされない限りむずかしいとは思いますけれども、やはり何と申しましても、日本の輸出競争力が、従来におきましては御承知のようにございまして、むしろ安売りだ安売りだというふうに騒がれているのが現状でございますので、輸出競争力がないから伸びないということは言えないのじゃないか。ただ、機械等につきましては、これは御承知のように相当努力をいたしませんと、コスト的にもまだ欧州に立ちおくれているような面がございますので、機械を伸ばしますにつきましては、経済協力なり何なりとともに、国内においてよほどの合理化なり努力をしなければならない、かように考えております。
#37
○中田吉雄君 この問題は、きょうは資料もなんですし、さっき言いましたように、年次別、地域別、商品別に、企画庁と相談されて、もう少し、そういう十年間に九十三億ドルになって、そして十年間に所得が倍増するという、大体大丈夫な輸出額であり伸び率だ、年率一〇%はあぶなげのない数字だ、ということを判断できる、基準年度と最終年度だけのやつからいろいろそれをはじかれた前提条件はありますが、なかなかそれはわからぬので、ごめんどうでも、その資料を一ついただきたいということと、それからこの条件の中で、計画の前提ということになっております共産圏貿易ですね、最終年度に四億七千九百万ドルで五・二%、これは人口からいっても面積からいっても、そうしてそれぞれ七カ年計画、第二次五カ年計画等からいって、飛躍的に経済力を高めている国がいわゆる世界経済から離脱しているということは、これは非常に問題だと思うし、最終年度に四億七千九百万ドルで、たった五・二%というのは少し低くはないのですか。
#38
○政府委員(今井善衞君) 先ほどの資料の点でございますが、経済企画庁と相談いたしますけれども、おそらく御期待に沿えないんじゃないかという気がいたします。過去の輸出の伸び等をみますと、ある場合には二割伸び、ある年には全然伸びないという関係がございます。これは世界経済の伸び、ないし日本経済の動きと関連して、さようなことになっておりますので、従いまして、平均値としては出るにいたしましても、どうしてもそれを今から、たとえば五年先の目標をきめて、その年次別に積み上げていきましても、どうしても毎年々々直さなければならぬような結果になると思います。現に、たとえばことし等をみましても、前半は対米貿易が非常に伸びましたけれども、後半は対米貿易がむしろスロー・ダウンしてしまった。そのかわり、前半に不振であったところの東南アジアが、後半におきまして非常に伸びまして、そうして全体としては目標通りになったというふうな関係にございまして、従いまして、特に地域別商品別にこまかく分けた場合には、それが経済の変動とすぐかけ離れるというふうな形になるわけでして、長い眼で見れば達成できると思いますけれども、どうしても景気変動がございますので、年次別にきちきちと出しましても、はずれる可能性というものは非常に多いと思います。そういう関係で非常にむずかしいじゃないかと思います。
 それから共産圏貿易につきましては、おそらく腰だめの数字じゃないかと私は思います。現状において中共貿易をどうするかというふうなことについては、いろいろ問題があるわけでございますので、従いまして、もう少し貿易が正常化された状態でなければ的確な判断はできないじゃないか、かように考えます。
#39
○中田吉雄君 そういう問題は、また北鮮貿易その他とともに、他日やりたいと思うのですが、とにかくこの計画の中で、私は、ポイントはやっぱり対米、北米貿易の三十一億ドルだと思う。アメリカの工業生産の伸びを見ましても、一九四八年から五三年の五カ年間に二六%――五%ですね。一九五三年から五九年の六年間には一六%――三%の成長率もしていない。しかも、ドル危機を米たすほどの、年額にして四百億ドルも軍事費を使ったりして、なかなかそういう体制が切りかえられぬ限りは、非常に困難ではないか、昨年は日本の貿易は一割五分伸びましたけれども、アメリカはたったその十分の一ですからね。三割を期待しておるのに、全体で昨年は一割五分。だのに、対米貿易はたったその十分の一だということを見ましても、経済高成長の制約要因である貿易の規模、しかもそのアメリカの占める比重というようなことはなかなか問題じゃないかと思うのですが、そのことだけを申し上げておきます。
 それから最近急速に日本に対する輸入制限の問題が労働組合等から起きたりして、二、三日来非常に問題になっていますが、特に一九五七年から五カ年間の自主規制もまあ期限が済むわけですが、その問題にからんで少しお伺いしたいですが、自主規制の内容と、そしてその際に、自主規制をやりましょう、ならアメリカは見返りとしてこういうことを日本に保障します、見返りとしてこういうことをしよう、というようなことを自主規制の際にはとられたのですが、そういうことについて少しお話をしていただきたい。
#40
○政府委員(今井善衞君) 御質問の点は、これは対米綿製品の問題だと思いますが、対米綿製品につきましては、
 一九五六年にいわゆるワン・ダラー・ブラウス事件と称されるように、非常に日本から綿の二次製品が安売りされたのでございます。それから綿布につきましても、当時非常な勢いで伸びておった。御承知のように、アメリカの業界が騒ぎまして、いろいろ日本品の輸入制限運動――関税を引き上げてほしいとか、あるいはその輸入制限をしてほしいとか、いろいろ動きがあったわけでございまして、そこで政府とアメリカ政府と対米綿製品の五年間の協定を結びまして、初年度におきまするところの日本から輸出いたしまする数量を両国間できめたわけでございます。今手元にはっきりした数字を持ち合わせませんが、綿布といたしまして約一億一千万ヤール、それから二次製品といたしまして一億二千五百万ヤール見当じゃないかと思います。全体で約二億三千万ヤール程度の数量をきめまして、そして日本はその範囲内で輸出することを自制する。そのためにこのやり方といたしましては、輸出入取引法に基づきまする輸出組合の規制だとかあるいは業者の規制だとか、いろいろなことをやっておるわけでございますが、日本は自主規制をやるかわりに、アメリカ側といたしまして関税の引き上げはやらない。それからその期間中は輸入制限はしない、こういうことになっていたわけでございます。で、この計画は毎年レビューする、検討するということになっておりまして、その間五十九年に一回検討いたしまして、その初めの数量の一割見当よけいにワクを増額したのでございます。それが現状になっておりまして、今年最終年度としてさらにまた向こうに対してワクの増額を申し込むという段階になっておるわけでございます。ただ残念なことは、日本側といたしましては約束した数量を守っておるのでございますが、その間たとえば二次製品につきましては、香港等から非常に大量に輸出されておりまして、当時の日本の地位というものが今香港によって占められていて、香港が一位、日本が二位というふうなことになってしまった。それからあるいは綿織物自体につきましても、ほかのインド、パキスタンあるいは西欧のスペインそういうふうなところから相当出まして、当時アメリカの綿織物の輸入の中で日本の占める割合というものは非常に高かったのでございますが、現在は二割そこそこになっておるというふうな状態でございます。従いまして日本としては、どうしてもこの際ワクの増額を要求をせざるを得ない、強く要求するつもりでおるわけでございます。
#41
○中田吉雄君 それはいつごろやるのですか。
#42
○政府委員(今井善衞君) おそらく来月の初めぐらいになると思います。
#43
○中田吉雄君 自主規制をすれば、さっき言われたような内容でやれば、関税を引き上げないといっておきながら、アメリカは州の立法で関税を引き上げたりいろいろやっておるわけです。これはもう少し私はアメリカに対しては、昭和二十年から三十四年までに四十八億ドル日本が輸出して、百六億ドルですか、とにかく倍輸入しておる。最近はややバランスがとれるようになっていますが、それはアメリカにとってカナダに次ぐ最大の市場で、少しアメリカについては何でも腰が弱過ぎるのじゃないかと思います。私は外務委員をしていました際にも、日本はカナダ、アメリカと太平洋の魚族を保存するということで、日本だけがとりにいかないというような、そういう協定を結んでおったり、そういう点で非常に、私は具体的な内容についてはあまり知りませんから言いませんが、とにかく一九五八年には、綿製品関係で七一%を占めたものがその自主協定をやったために二〇%以下になっちゃった。そうしてしかも日本は他の農産物とともに、アメリカの綿花の最大の市場でしょうが、腰が少し弱過ぎる。また伝え聞くところによると、池田さんがアメリカに行く手みやげとして――岸さんが安保の交渉に行くときに自由化を大いに促進するといって、ああいう自由化の話し合いができたのですが、今度また行く手みやげとして、自由化はもっとスピード・アップするという手みやげを持っていくというようなことも伝えられているのですが、で、正直に自主規制を守った業界の人が損をして、この点で最近非常に強腰のようですが、私は日米加等のあの太平洋の魚族保存の協定を見てもそうですが、この終戦以来今日まで倍――半分の輸出入関係になるのです。とにかく終戦以来十五年に日本がざっと五十億ドル輸出して百十億ドル近くアメリカから買って、そういう状況にもかかわらず、今盛んにアメリカが労働組合等も不況とからんでやっておりますが、少しどうも共産圏に対してはなかなか強腰だが、アメリカに対しては全く青菜に塩みたように非常に弱いのじゃないか、こういうことに政府の取り持ちで自主規制をやった業界も非常に強い不信を抱いておられるんじゃないかと思うのですが、もうそういうことについて用意ができているのですか、交渉も近いのですが。
#44
○政府委員(今井善衞君) アメリカと協定を結びまして、日本側が自主規制をしておりますのは、綿製品だけでございまして、ほかにはいろいろ自主規制をしているけれども、これはわが方で自発的にやっているという関係になっているのでございまして、これは日本の輸出のあり方の通弊でございますけれども、これは一時に伸び出しますと、非常に一時にその商品が伸びていく、そのために相手国産業を非常に刺激いたしまして、その関係で無用のトラブルを招いているわけでございます。私どもといたしまして、この対米綿製品につきましては、五年間数量を一定にしたという点におきまして、非常に反省すべき要素がありますので、従いまして、これにつきましては、今年度の問題として強くのぞみたい。原案につきましては、大体においてこの態度はきまっているのでございます。
 それからそのほかのものにつきましても、やはり何と申しましても、長い目では輸出をふやして参らなければいけないわけでございますが、一時にたとえば殺到いたしまして相手国を困らせるという場合には、ちょっと自主規制で足踏みをいたしまして、また向こうも平穏におさまってくれば、また伸ばすというやり方でもって、弾力的にやるべきだと、それによりまして向こうは非常に購買力があるわけでございますから、輸出を伸ばすことができる、かように考えております。
#45
○中田吉雄君 最近の新聞報道を見ますと、輸入制限の大きな理由として、日本のソーシャル・ダンピングの問題をだいぶ言っているようですが、そういう問題はもう心配ないのですか。
#46
○政府委員(今井善衞君) 日本のソーシャル・ダンピングというような言い方じゃございませんが、ガットでもって市場撹乱の問題ということが問題として取り上げられておるわけでございますが、市場撹乱の問題というのは、日本も含まって、いわゆる低賃金国がその低賃金を利用して先進国に対して安い商品を出してくる。その問題を後進国、低賃金国の問題として討議をしようというふうな動きがあるわけでございます。アメリカにおきまして、特に日本だけを低賃金とこう言っているわけじゃございせまんで、そういうふうな問題として一括して取り上げられておるわけであります。
#47
○中田吉雄君 それから話は飛びますが、大豆はどうなっていますか。これは小坂大臣、水田大臣等がアメリカに行かれたときも、新聞の報道するところでは、かなりこの自由化をアメリカの商務長官ですかがやかましく言ったという、うわさですが、通産省にもアメリカの関係の人が督促にいっておるということをかなりの人から聞いて、小坂さん等は一体日本の外務大臣かと思うような答弁を――この一〇%の関税をもっと倍にせいというようなことがあるが、あまり上げずに期待に沿うというようなことを言っておられるのが、朝日新聞初めその他に出ておったのですが、今でも百万トン近く入って、三百億円からの大きな市場なんですが、これはどうなっていますか。
#48
○政府委員(今井善衞君) アメリカが特に大豆のことを申しますのは、これは全然理屈がないわけじゃございませんで、そのほかの商品と切り離して、大豆の問題とそれから精製ラードの問題を取り上げておるのでございます。これは五十八年の末に西欧諸国が一斉にこの西欧の通貨の交換性の回復をやったわけでございますが、それまでは御承知のように日本の外貨予算におきましてドル地域とポンド地域というふうに分けてやっておったわけでございます。ところで、そのドル地域については資金割当をし、それからポンド地域については自由に入るところのAA制度をとっておるという品物がちょうど十品目ございまして、その十品目につきましてアメリカから、通貨の交換性を回復された以上、これは差別待遇である、いろいろの規定に違反するという抗議が持ち込まれたのでございまして、その後八品目につきましては現在ドルもポンドも同じ扱いということにいたしたのでございますが、大豆につきましては、まだ差別待遇をしておるわけでございます。従いまして、特に差別待遇を直せという要求がアメリカ側から出ておるのでありまして、そのほかの品物と大豆の扱いだけは違うというふうに御了承願いたいと思います。
#49
○中田吉雄君 それはアメリカとしては余剰農産物で……、国内の農業を保護する立場から言えば十分対抗できるのじゃないのですか、その関係はどうですか、対抗できないのですか。
#50
○政府委員(今井善衞君) これはたとえば大豆を全部ほかのあらゆる地域のものを割当制にするというなら、それはそれで筋は通るわけでございますが、アメリカだけは割当制にして制限をする、しかしそのほかの地域は自由に入れるというふうな待遇を現在しておりますことに対して、それはおかしいじゃないか、差別待遇じゃないか、まさしく現在やっておりますことは差別待遇というふうなことになるわけでありまして、その点につきましてはわれわれとしてやはり何とか善処しなければならぬというふうに考えております。
#51
○中田吉雄君 その点、たとえば全購連等がソビエトから入れようというようなこともなかなか許しておられぬのですが、アメリカとそう変わらないのじゃないですか、その関係はどうか。
#52
○政府委員(今井善衞君) これは今のソビエトの話は別にいたしまして、たとえば中共の大豆でございますが、これは別個の取り扱いをいたしております。中共等につきましては別個な取り扱いをしておりますが、そのほかの地域については一切AAということでもって自由に入れる制度をとっておるわけでございます。
#53
○中田吉雄君 次回か適当なときにもう少し貿易の問題を……基準年度と最終年度との逆算したような形でなしに、もう少し一つ判断するに足る資料をいただきたいと思います。これはなかなか膨大な本ですが、逆算したような形でどうにもならぬです。それをお願いしておきます。
#54
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか。――他に御質疑がなければ、本日はこの程度で散会いたします。
   午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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