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1960/03/09 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第6号
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1960/03/09 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第6号

#1
第038回国会 商工委員会 第6号
昭和三十六年三月九日(木曜日)
   午後一時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
           吉田 法晴君
   委員
           赤間 文三君
           小林 英三君
           斎藤  昇君
           山本 利壽君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           中田 吉雄君
           向井 長年君
           加藤 正人君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   経済企画庁調整
   局長      中野 正一君
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   通商産業政務次
   官       始関 伊平君
   通商産業省企業
   局長      松尾 金蔵君
   通商産業省重工
   業局長     佐橋  滋君
   通商産業省石炭
   局長      今井  博君
   通商産業省公益
   事業局長    大堀  弘君
   中小企業庁長官 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業振興資金助成法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○工場立地の調査等に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣送付、予
 備審査)
○機械工業振興臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○小規模事業者に対する金融特別措置
 法案(向井長年君外三名発議)
○下請代金支払遅延等防止法の一部を
 改正する法律案(向井長年君外三名
 発議)
○官公需の中小企業に対する発注の確
 保に関する法律案(向井長年君外三
 名発議)
○経済の自立と発展に関する調査(電
 力料金問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 最初に、本日の議事について御報告いたします。本日は初めに、中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案外二件について、政府より趣旨説明を聴取いたします。引き続いて本院議員向井長年君外三名発議の小規模事業者に対する金融特別措置法案外二件の提案理由説明を聴取いたします。なお、右のあと昭和三十六年度の施策一般につき通産、企画両大臣に対する質疑を行ないます。
 それではまず、中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案、工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律案、機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま議題となりました中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案について提案理由を御説明申し上げます。
 中小企業の経営の合理化をはかり、大企業との間の格差を是正することは、日本経済の均衡ある発展をはかる上にきわめて緊要なことであります。
 かかる観点から、政府におきましては、従来から中小企業のための各般の施策を講じて参っておりますが、特に設備面での立ちおくれを是正するために、中小企業振興資金助成法を制定し、設備の近代化及び共同施設の設置に対し助成措置を講じて参っており、相当の成果をおさめつつあることは御承知の通りであります。
 しかしながら、最近における技術革新の進展及び貿易自由化の実施に対処して、中小企業の近代化を急速に推進する必要がさらに強くなってきております。
 ところで、現下の経済の好況を反映し、中小企業界も全般的には順調に伸展しておりますが、中小企業の工場は多く住宅地域或は商業地域に散在しており、今や立地的な制約からその発展と合理化を阻害される傾向が著しくなってきております。従いまして、かかる中小企業者が市街地を離れて工場適地たる一定の団地に集団的に工場を建設し、工場の適正規模化、施設配置の合理化、設備の近代化、共同施設の利用の高度化等により画期的に経営を合理化し、生産性の向上を期するとともに、あわせて騒音、火災等の公害問題の解決をはかろうとする中小企業工場団地の造成気運が全国各地において高まって参りました。
 しかし、このような集団化計画の遂行に際しましては巨額の資金を要しますとともに、土地の取得、工場の建設、共同施設の設置、あるいは道路を初めとする関連施設の整備、団地の運営等計画全般にわたって高度の総合性、統一性が必要でありますから、国及び地方公共団体による適切な指導、助成なくしては所期の目的達成はきわめて困難な実情にあります。
 従いまして、集団化計画の適正かつ円滑な実施をはかり、中小企業の経営の合理化を一そう促進するため、中小企業振興資金助成法の一部を改正することといたしたのであります。
 次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、国の補助の対象となる都道府県の貸付資金に中小企業者の工場集団化のための土地及び建物に関する資金を追加することといたしております。
 すなわち、中小企業者が事業協同組合等を中心に一つの団地に集団して工場または事業場を設置します場合に、その集団化計画が政令で定める基準に該当し、かつ、中小企業の振興に著しく寄与するものであると認められますときには、従来から貸し付けて参りました設備近代化資金及び共同施設設置資金のほか、新たに、その集団化のための土地の取得もしくは造成及び建物の建設に必要な資金を当該事業協同組合等及びその構成員たる中小企業者に対し、貸し付けることができることといたしたのであります。
 第二に、工場集団化のために必要な工場用地の買いかえの場合の所得税及び法人税の課税に特例措置を講ずることといたしております。
 すなわち、集団化に伴い新たな土地を団地内に取得するとともに従来の土地を譲渡することになりますが、この場合、その土地の譲渡益に対する所得税及び法人税の課税を一定の要件のもとに減免することにより、新工場の建設、設備の更新等、計画の達成に際し多額の資金を必要とする中小企業者の負担の軽減をはかり、集団化計画の円滑な実施を促進することといたしているのであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
 次に、工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律案について提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 わが国工業の円滑な拡大を確保し、国民経済の健全な発展をはかるためには、企業内部における合理化を推進するにとどまらず、適地適産の原則にのっとり、工場の合理的な立地を促進する必要があります。このため、通商産業省におきましては、すでに昭和三十三年度以来工場立地の調査等に関する法律に基づき、全国百六十六の地区について工場適地調査を実施し、関係資料を整備して、企業者に対し、工場立地に関する資料の提供、助言を行なってきたのであります。
 しかし、最近における工場の新増設の動向をみますと、特定の地域に対する過度集中等、工業の円滑な発展という観点からみて好ましくない事態も見受けられる状況でありますので、これが改善のためこの法律案を提案した次第であります。
 今回の主要な改正点について御説明申し上げますと、第一に、現行法では工場適地調査を行なった地区内においても、立地の動向を正確には知ることができず、工場の適地誘導に支障を来たすこともありましたので、今回これを改め、一定地域、一定規模以上のものに限り、工場の設置の場合には届出を求めることといたしました。
 第三に、工場の過度集中等好ましくない立地が行なわれる場合であって、工場の合理的な立地に著しく背反するものにつきましては、工場立地調査審議会の意見を聞いて、設置の場所について必要な勧告をすることができることとし、適正な立地について企業の協力を求めることとしております。
 その他の改正点といたしましては、通商産業大臣が、従来の工場適地調査に加えて工場立地の動向の調査を行なうこととするほか、通商産業大臣及び事業所管大臣が、工場立地に関し事業者の判断の基準となるべき事項を公表することとし、工場立地適正化の一助とすることとしております。
 以上がこの法律案の内容及びその提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。
 次に、機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 機械工業は、国民経済の高度成長をになう産業として、今後飛躍的な発展が期待されている産業であります。先般政府において策定いたしました所得倍増計画におきましても、今後十年間に、機械工業の生産及び輸出の規模を四倍余にすることが必要であるとされております。しかしながら、現状におきましては、その国際競争力ははなはだ弱体でありまして、今後進展を予想されます貿易の自由化に備えて、急速に機械工業の合理化及び近代化を促進する必要性が痛感されております。
 御承知の通り、現行の機械工業振興臨時措置法は、経済自立五カ年計画達成のための施策の一環として、機械工業の設備の合理化等を促進する目的をもって、昭和三十一年六月に施行され、自乗機械工業の体質改善をはかる上に、顕著な効果を上げて参りました。しかしながら、この法律は、五年間の限時法として制定されましたため、今年六月をもって廃止されることになりますので、ただいま申し上げました最近の内外の情勢にかんがみ、この際、さらに五年間存続せしめるとともに、その内容を拡充強化し、機械工業の合理化及び近代化を飛躍的に進め、もって国民経済の高度成長とその健全な発展に寄与いたしたいと考える次第であります。
 これが本法案を提案するに至った理由でございます。
 次に、本改正案の内容について、その概略を申し上げます。
 改正の第一点は、本法の対象となる特定機械工業の範囲を拡大し、従来機械器具またはその部品の製造業に限られておりましたのを、熱処理業のごとき加工業をも対象とすることができるようにしたことでございます。
 改正の第二点は、現行法の諸規定を整備拡充いたしまして、機械工業の合理化のために行ない得る共同行為の範囲を拡大するとともに、機械工業合理化の前提として規格の統一を促進するため、所要の制限措置を講ずることができるようにいたしております。
 改正の第三点は、機械工業の合理化及び近代化を促進するため、税制面において特段の優遇措置を講ずることとし、合理化に資する合併あるいは事業の共同化に伴う法人税の軽減、合理的な集中生産体制の確立に必要な工場移転の際の土地の譲渡益の非課税等の措置を講ずることといたしております。
 なお、これに関連して別途、租税特別措置法の一部改正法案が上提されております。
 以上本改正案の要点を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同下さらんことをお願いいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(剱木亨弘君) 次に、小規模事業者に対する金融特別措置法案、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、官公需の中小企業に対する発注の確保に関する法律案、以上三案を順次一括議題として、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。
#5
○向井長年君 提案者を代表しまして、小規模事業者に対する金融特別措置法案の提案理由を説明いたします。
 本案は、中小企業等協同組合法第二十三条の三の「政府は、事業協同小組合の組合員に対し、税制上、金融上特別の措置を講じなければならない」という規定のうち、金融上の特別措置について、具体的立法を提案するものでありまして、組合員以外であっても、常時使用する従業員の数が五人、商業またはサービス業を主たる事業とするものにあっては従業員数二人以下の小規模事業者に対して、この特別措置を適用するものであります。
 特別措置の内容としては、第一に、商工組合中央金庫及び中小企業金融公庫の一事業年度間の貸付総額のうち、小規模事業者に対する貸付額を百分の二十五を下らない割合で確保せしむる措置であります。商工組合中央金庫も中小企業金融公庫も、中小企業金融の政府関係専門機関でありまして、もとより小規模事業に対して融資することを業務としておるのでありますが、金融機関としての安全性から、ややもすれば小規模事業に対する貸付が消極的になるおそれがあるので、金融上の特別措置として、この際、これを確保する必要があるのであります。しかも、小規模事業の規模別分布を見ますと、従業員三百人未満の事業所のうちに占むる従業員四人以下の事業所数を見ましても、七七%強なのでありまして、小規模事業に対して、総貸付の二五%程度を充てるのは当然の措置なのであります。
 第二に、現行の中小企業振興資金助成法に規定する貸付にあたっても、一会計年度における小規模事業者に対する貸付を百分の二十五を下らないよう確保すべき点であります。これについては言うまでもなく、中小企業のうちに占める小規模事業の社会的経済的比重の大きさから見て、当然過ぎる措置なのであります。
 以上、小規模事業に対する金融上の特別措置として二点を含む特別立法を提案するものであります。何とぞ、慎重審議の上、御賛成あらんことを希望いたします。
 次に、下請代金支払遅延防止法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 現行法は、下請代金の支払遅延等を防止することによって、親事業者と下請事業者との取引を公正ならしめて、下請事業者の利益を保護することを目的としております。しかし親業者に対して、下請事業者が、どうしても弱い立場に立つという事実は、中小企業の過当競争によって引き起こされるやむを得ない現象なのであります。従って現行法の執行にあたりましては、法の運営につき、よろしきを得ることが必要であるとともに、法の不備な点は、一日も早く是正もしくは補足しなければならないのであります。
 本法について改正を提案する点は左の通りであります。
 第一に、現行法は第三条において契約内容を書面として交付すべき旨を明記しておりますが、下請事業者の給付の内容と記載されているのを、給付提供の時期、受領の時期、返品条件、支払時期、支払手段として、その内容の主要点を明記して、契約を公正ならしむる必要があるのであります。
 第二に、現行法第四条の親事業者が順守すべき事項については、下請事業者の責任でないことが明白な場合にもかかわらず、下請事業者の給付の提供に対して一定期日以降にもそれを受領しない場合、及び給付に対する下請代金を支払わない場合を追加することが必要であります。
 第三に、現行法第四条には、新たな追加事項として、
 1 定められた支払期日までに親事業者が下請代金を支払わなかった場合の遅延利息の支払義務と、その息ての取りきめ
 2 下請事業の給付提供に対して親事業者がそれを受領しないことによって生ずる下請事業者の損害賠償
 3 親事業者が下請事業者に対する下請単価が不幸に押し引下げられているので、その最低額の取りきめ
 4 下請事業者は、親事業者からの発注の受入れについて、継続性が保障されず全く不安定な立場に置かれているので、やむを得ない場合を除いては、親事業者は一定量の発注を継続して下請事業者に委託する
 右の四件を明記して下請事業者を保護し育成する必要があります。
 第四に、以上の改正に伴なって、罰則について若干の追加が必要であります。
 以上、下請代金支払遅延等防止法の一部改正を提案するものであります。何とぞ、慎重審議の上、御賛成あらんことを期待するものであります。
 次に、官公需の中小企業に対する発注の確保に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 政府の資料によると、昭和三十三年度の国民総支出十兆二千九百十七億円のうち、政府の財貨とサービス購入は一兆九千九百五十七億円、すなわち一九・四%を占めております。従って国民購買力のうち、国、地方、公共企業体、公団等の購買力、いわゆる政府の財貨サービス購入は重要な役割を持っているのであります。
 国が各種の経済政策をもって、中小企業経営の安定をはかっている現在、国民購買力のうちの相当量を、恒常的に中小企業に向けることが必要なのであります。このためには、国が自己の裁量によって政策通りに運用できる予算面で、中小企業に対する相当量の発注を確保することが、最も望ましいのであります。
 そこで、本案は、第一に、国、地方公共団体、公共企業体等が、サービスまたは物資を調達するため、請負、買い入れその他の契約をする場合に、中小企業に対して、調達総額の最低二割を確保し、こうして中小企業の活動を維持せしめ、中小企業の健全な発達をはからんとするものであります。
 第二に、このように官公需要の一定割合を中小企業に対して確保するために、内閣総理大臣は、毎年度、中小企業官公需確保審議会の答申に基づいて、その割合を決定し公表しなければならない義務を持つこととし、各省各庁等の長は、その公表された組合に達するよう中小企業に発注するよう努める義務を負わせるものであります。
 第三に、このような一定量の発注を確保するために、中小企業者のみに一般競争契約をせしめることとし、また各省各庁の長及び地方公共団体や、公団、公社の長は、毎年度中小企業に対する発注実績を監督官庁に報告する義務を負わせます。また、それぞれの監督官庁の長は、それぞれの官公機関が一定最の発注を中小企業者に対して発し得るように必要な勧告を行うことができるようにするものであります。
 第四に、内閣総理大臣の諮問機関として、中小企業官公需確保、審議会を設置して、ここで毎年度中小企業に発注すべき割合の決定、その他の事項について意見を具申できるようにしておくものであります。
 以上、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重審議の上、御賛成あらんことを希望いたします。
 以上であります。
#6
○委員長(剱木亨弘君) 以上六案の質疑は都合により後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(剱木亨弘君) 次に経済の自立と発展に関する調査を議題とし、昭和三十六年度の通商産業省及び経済企画庁の施策一般につき質疑を行なうことといたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○吉田法晴君 私は、九州電力の料金改定についてお尋ねをいたしたいのですが、まず経済企画庁長官にお尋ねしたいのです。過ぐる七日の閣議で公共料金などの値上げについて当分の間極力認めないことにしたい――相当大きく新聞等でも、取り上げておりますし、それから全面禁止に近い――こういう報道がなされておりますが、このことは官房長官の談話等にもございますので、そういうふうになっておるかと思います。ところがそれは七日、翌八日に九州電力の料金改定について急にきめる、あるいは条件付了承云々といったようなことさえもある。昨年の九月の物価抑制について、特に公共料金については特にこれは押えるという申し合わせがあったのですが、その後国鉄の運賃、あるいは医療、公営住宅、あるいは私立学校の授業料等に、物価値上げ抑制に関する閣議了解は実際には空文にひとしかったような物価値上げあるいは公共料金の値上げが行なわれている。閣議で七日、さらに公共料金の値上げストップをきめられているのに、九電の料金値上げは許している。こういうことになりますと、あるいは続いて申請される東電の電力料値上げ問題についても、通産大臣、このような申請をしてくれば、受けなければならない、判断しなければならない、こういうお話がありますように、実際には看板だけは掲げたけれども、また昨年の九月の物価抑制閣議了解と同じような運命になるのではないかと考えるわけでありますが、物価値上げ抑制について努力しておるといっても、あるいは七日の閣議できめられた方針と実際に行なわれております公共料金の値上げとは違うじゃないか、看板だけじゃないか、こういう意味でまずお尋ねをいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(迫水久常君) 昨年の九月の閣議了解は、私はまあ相当の効果があったものと思っております。たとえ話をして恐縮ですけれども、切符を三枚くれというものに対してもう一枚しかやらぬというのも抑制の内容の一つでありまして、そういう意味においては、国鉄も要求通りには上げておりませんし、九州電力も要求の通りには上げておりません。極力これを抑制した立場でおります。しかし、この全体的の空気を見ますというと、どうもそういうことだけではなかなか問題が解決しそうもない。実際問題として東電でありますとか、あるいはその他のところでも経済的な考え方からいけば、当然上げてしかるべきものも、これはあると思います。あると思いますけれども、そういうようなものが次から次に一つ一つ出て来られたんでは、いわゆる物価値上がりの心配をするムードというものは消えないで、世の中はやっぱり非常に騒がしい状態であると思いますから、当分の間は一切上げないという方針をきめまして、抑制の程度を一そう強くしようというのが、今回の閣議了解の趣旨でございます。従いまして、当然上げなければならぬものもあることは認めますし、またそういうものは将来空気が鎮静をしまして、そういうものを上げるのはしようがないんだということを一般に了解せられるような、そういう時期がきましたら、当然これは上げることになると思いますけれども、さしあたり何かその了解が行き届かない状態のところにおいては、一応当分の間ストップをしようというのが閣議了解の趣旨でございます。
#10
○吉田法晴君 閣議了解の中に――これは閣議に配られた文章そのものかどうか知りませんが、閣議で値上げを認めることをきめたものを除き、公共料金の値上げは当分の間一切行なわない方針をとる――こういう文句があるようですが、それに間違いはございませんか。
#11
○国務大臣(迫水久常君) 間違いございません。
#12
○吉田法晴君 間違いないとすると、閣議で値上げを認めることをきめたものを除きと――九州電力の料金改定については、通産省から出ましたあれは八日の日付になっておるのでありますが、そうすると、九州電力の値上げ問題は閣議了解の文句からいうと矛盾をするのではないかと考えられますが、その点はどうですか。
#13
○国務大臣(椎名悦三郎君) 私の了解では、九州電力の電力料金値上げの問題を閣議に報告いたしまして、そうしてその了解を求めたのであります。そのあとで経済企画庁長官から、今後においては一切当分の間――当分の間これを最後として一切公共料金の値上げを認めないことにしたいというので、あの三項目にわたる提案がございまして、これもまた閣議において了解を与えたと、こういうふうになっておったと思います。ですから、あなたのおっしゃるように、閣議で勝手に、今後もこの了解を閣議だけが破ることができる、こういったようなことではなしに、九州電力とは離れて、これを最後として一切当分の間は行なわない、こういうことでございます。
#14
○吉田法晴君 昨年から申請をされておったからという理由で同じ日の閣議で、公共料金の値上げは当分の間一切行なわないというその全面ストップを同じ閣議でやりながら、その前に技術的にといいますか、九州電力の料金問題はこれは例外なんだということでその事前にやられたと、こういうことですか。そうしますと、時間的には多少違いますけれども、しかし公共料金について値上げストップをした同じ日の閣議で、あるいは同じ閣議で、九電の料金値上げだけは認められた、こういうのは公共料金値上げストップの申し合わせ、あるいは閣議了解のやり方がきわめてずるいやり方、先ほど、昨年の申し合わせもその後実際には行われてこなかったじゃないか、今後もそういうことであるならば、この公共料金値上げストップの措置も実際にはざるになるのじゃないか、こういうようなお尋ねをしたんですが、同じ日におそらく一時間も違ってはいなかっただろうと思うのですが、そういうことがはたして政府のやり方として妥当だと思われるのか、重ねて御答弁して下さい。
#15
○国務大臣(迫水久常君) 九州電力の問題というのは、率直に申しますというと、最終的に閣議決定したのは昨日でありますけれども、上げなければならないという方針は、いろいろな関係上、若干時日前にその方針だけはきまっておりました。最後の形式的な閣議を七日にしたのでありまして、今、椎名通産大臣が言われました通り、その閣議の決定がありましたので、もうこれまでにしてくれ、あとはもうやめてくれというのが、こちらの発言の趣旨でありまして、了解をしたのでありまして、この発言趣旨が了解された後に九州電力だけは別だといって取り上げたのではありません。
#16
○吉田法晴君 いずれにしても、技術的にといいますか、大へんずるいやり方だと思うのですが、それはそれでは経緯として聞いておくことにして、今後当分の間一切公共料金の値上げは行なわない方針だ、こういう点は通産大臣も認められた、了承をされた。そうすると、委員会等で質疑もあったようですが、東電の問題はどうなるのですか。これは今言われたように、通産大臣も含めて、当分の間一切行なわないということを了承されたというんならば、衆議院の予算委員会ですか、商工委員会ですか、委員会等で答弁された申請が出れば検討しなければならぬ、こういう点が今の答弁と違うように思うんですが、矛盾するように思うんですが、その点はどうなんですか。
#17
○国務大臣(椎名悦三郎君) 企画庁長官の提案が大多数で通りましたので、私もその趣旨につきましては理解できますので、当分の間ということならば、これはやむを得ないだろうということで、私はそういうことを発言したわけじゃありませんけれども、そういう心持をもって了承しておるのであります。そこで、まああとから何が出てくるかわかりませんけれども、とにかく東電の料金改正問題というものは実はあるんです。あるんですが、当分の間一切公共料金は上げないと。これはどうも閣僚として閣議了解に従わないわけに参りませんから、私はこれに従いますけれども、現行法令の範囲内において東電が申請をするという場合においては、その申請を受理しないというわけにも参りません。それで、受理をし、現行法令に抵触しない限りにおいて、この閣議の了解の線に沿うて対処して参りたい、こう考えております。
#18
○吉田法晴君 これは、委員会じゃなくて、七日の夕刻の記者会見での通産大臣の発言でありますが、「値上げを認めないという行政方針はもちろん尊重する。しかし現行の公益事業令は〃電力会社の値上げ申請があった場合は審査のうえ適格のものは認可しなければならない〃と規定しているので、東電の申請があれば受理する。」、こういう方針を明らかにしたと報じられております。閣議の了解といいますか、これは文君にもなっておるのですから、決定をされたものだと思うんですが、それは了承する、あるいは尊重しなければならぬ、現行法規の建前は申請があれば受け付けなければならぬ、これはわかる。しかし、受け付けて検討をするあるいは審査をするということは、そこまでは私は否定しませんけれども、閣議了解について通産大臣が了承をした、あるいは尊重をする、従わなければならぬというならば、認可をしなければならないという行政行為がなされるならば、これは先ほどの申し合わせ、あるいは通産大臣が認められあるいは経済企画庁長官も認められております閣議了解とは矛盾するということになります。法の建前だけを説明されたのですか、それとも、通産省の意思、気持も含めて言われたのですか。
#19
○国務大臣(椎名悦三郎君) 法の建前をもっぱら言ったつもりでございますが、しかし、現実問題はやっぱり存在するのでありますから、現実問題をそこにとらえ、そしてこれに対する法の建前を説明したと、こういうことでございます。
#20
○吉田法晴君 はっきりして下さい。法の建前だけでなしに、現実問題について態度をきめなければならぬ。その態度をきめるときに、政府了解としては、経済企画庁長官も言われあなたも言われるが、当分の間一切公共料金値上げを行なわない、こういう方針。審査をしてそれで態度をきめる、値上げの態度をきめるというならば、当分の間一切行なわないということとこれは予盾しますが、どうですか。
#21
○国務大臣(椎名悦三郎君) 一切が仮定に基づいておるのですから、東電なら東電が一体いつ申請書を出してくるか。また、それを受理しただけで法の建前は投げておくわけにいきません。ですから、当然審査をしなければならない。審査をして、厳密な審査をやってると、いろいろな疑問が出てくる。そういったようなことがいろいろあるだろうと思います。それで、とにかく現行法令というものに抵触せざる限りにおいて閣議の了解の趣旨を尊重するということは、別にそう正面から衝突する問題じゃないと私は考えております。
#22
○吉田法晴君 それじゃ、そのことについて、最後的に伺いますが、「通産省は」、これは事務当局の談話だろうと思うんですが、「東電の料金引き上げは約一五%程度のものだろう。これは東電の経営者の考え方一つにかかっている」と書いてあります。それは通産省の事務当局の談話で、問題は政府の態度です。法令に従って申請があれば受け付けなきゃならん、審査をしなきゃならん、しかし、当分の間公共料金の値上げは一切行なわないという点は、審査をしていても結論においてはその閣議了解の当分の間は――当分の間がどの程度か説明を聞いていませんけれども、ここで聞くところではことしいっぱいというか、新聞の言うところでは一年ぐらいだろうという報道もありますけれども、当分の間については、その了解の期間の間は東電の問題についても結論は出さんというんですか、あるいは、料金の値上げは東電の場合といえども例外ではなく、公共料金の値上げを実現をしない、阻止する、こういうことなんですか。
#23
○国務大臣(迫水久常君) 私、少し言い過ぎかもしれませんけれども、この閣議の発言は、これによって法律の趣旨を曲げようという考え方ではありません。従って、東電が申請を出される。慎重に私は出してこられるだろうと思うんですけれども、出して、そうして通産省が審査をして、そうして答えが出て、どうしても法律上認可しなきゃならん状態になったら、これは法律の方が私は優先するものだと思っております。しかし、そのときには当然経済企画庁にも相談がありますし、さらにそれを認可することを閣議でもう一ぺん決定しなければならん立場にありますから、そのときにどういう一体疑問がさらに出てくるかということは、これは別問題であります。法律の建前から言えば、申請書が出てきて審査をして、そうして欠格条項がなければ認可をしなければならないという規定はちゃんと生きているんですから、それはその通り運んでいっていいと思います――と私は考えております。
#24
○吉田法晴君 問題は法律的の問題じゃなくて、政治的な問題です。申請をする、受理しなきゃならんでしょう、法律を変えない以上。それから審査もされるでしょう。しかし、結論を物価値上げになるように認可をするかどうかというそこで閣議了解がある。それならば政治的な問題としてとにかく判断をしなければならん。あるいは経済企画庁にも相談があるということですが、そのときの態度は、閣議了解の当分の間一切公共料金は値上げしないという方針が生かされるのか、それとも、いやそれはそのときの話で、閣議了解は法律を拘束するものでないから、そのときはそのときの話で、実際には値上げになるかしらん、こういうことなんですか。その閣議了解をとられたという責任者としての明快な返答をどっちかはっきりして下さい。
#25
○国務大臣(迫水久常君) 当分の間一切行なわない方針をとる、それは行政方針なんです。一方、法律問題として事柄が進行してきた場合に、それで決裁をする、これは法律上の問題でございまして、その法律上どうしても認可をしなければならない立場に政府が追い込まれてきた場合に、この行政方針とぶつかってくるというときに、どうするかという、そういう御質問と思うのですれども、それはまあ具体的な場合になって考えられることと思います。私の方にかりにそういうことを言ってきた場合には、一切行なわない方針をとるという建前からいって、通常の審査の方式、通常こういう方針をとっていない、認可をしてもいいのだという方針をとっている場合に、考えられる審査の方式以外に、私の方でもって、こういう点はどうかということを調べてくれということを言い出すかもしれません。こういう方針をとっている以上は、審査の内容がそれでは困るじゃないかということを言うかもしれません。従って非常に吉田さんの御質問が、仮定のことを言って……筋のことを言っておられる、で、筋のことだけを私が御答弁をすれば、法律の問題は法律の問題、方針の問題は方針の問題、そこを調和をさせるのは具体的な問題として、そのときになって処置をする、こういうことだと思います。筋は筋、具体的な問題は具体的な問題として考える。吉田さんがもし筋だけをお聞きになるならば、法律の問題は法律の問題として先行をいたします、法律の方が閣議了解よりも優先をしますと、こういう御答弁をするよりほかにありません。
#26
○向井長年君 あの、ただいまの九州電力の値上げの問題ですが、通産大臣の談話で東京と九州は認めざるを得ないというようなことを先般言われたと思うのですよ。その後閣議で、今企画庁長官からもお話がございましたが、この九州電力の値上げをしなければならないというのは、どういうところに原因があるのですか。この点、一つ通産大臣から明確に御答弁を願いたい。これはおそらく開発も含めていわゆる資本費の増大ということになると思うのです、事実上。だから、その問題について政府は抑制をしているが、一応上げようということに踏み切ったと思うのです。これはいい悪いは別として、そういう一つの事例を持ちながら、もし東京電力が、いまいろいろ話題になっておりますが、これが出てきた場合には絶対に値上げしないのだ。そうすると、なぜ九州電力を、これを認めたかという矛盾が起こってくるのです。こういう点についてどうお考えになりますか。今申請が出ていないから値上げもしない、当分の間やらないのだ、こう言われるかもしれませんけれども、先ほど言われるように法律上受理をしなければならない、今出てきた場合に、いわゆる資本費の増大から値上げをしなければならないという事態になった場合に、政府はどういうお考えを持っておるのか。その点から考えると、九州電力の値上げをしなければならない理由はどこにあるのか、これを明確にしてもらいたい。あるいはそれに対して値上げを抑制しようというならば、なぜ抑制する立場において、それに対する、いわゆる開発銀行等の資金金利の引き下げとか、その他の問題を全然加味せずして、そしてそういう考え方を持っておられるのか、どうもわれわれ判断に苦しまざるを得ないが、この点明確に一つ答弁をしていただきたい。
#27
○国務大臣(椎名悦三郎君) 向井さん、もう十分に割り切った判断をしておられると思うのでありますから、私が別にくどくど申し上げる必要はないと思うのです。御指摘の通り九州電力の値上げ問題は、端的に言えば、もうこれ以上需用に応じて設備を単独ではできない。そのうちもう株価も額面を割るだろうし、いろいろな破綻現象が起こって、あるいは膨大な建設資金というものがどこからも調達する望みがなくなってきた、借りる方法が途絶えてしまったというような状況にならぬ前に、とにかく財政力というものをがっちりと固める必要があるということにあるのでございます。その問題をさらに分析して言えば、ちょうど三十一年まで続いておった水火力調整金の問題もございます。もし、あれが今日まで続いておると仮定すれば、年額三十億に近い、たしか収入になる。そうすると、今度の値上げが一〇・五%でございますが、半分ぐらいはもうそれで助かるということになる。もう一つは、次々に実行して参った建設費に対する資本費の増高でございます。この二つが九州電力をもし放っておけば、数年にしてほんとうに窮地に追い込まれる形になるのでありますから、そのときになって騒いだのでは、とてもだめです。そういうことで今回の料金値上げが行なわれたのであります。それでありますから、これと同じような状況が数年の後にくるであろうと予想されるものについては、同じようにこれはやってやらなければならぬ。やらなければならぬのでありますけれども、しかし事柄は電力だけで世の中は割り切れませんから、いわゆる値上げムードですから、値上げ心配ムードでありますが、ともかくもこういったような空気がだんだん醸成されて、便乗主義者が次から次と出てくるというようなことでは、これはやっぱり電力問題は解決するけれども、大きなそこにマイナスの要因がつけ加ってくるのでありますから、当分の間一つがまんしろ、こういうことなら、これはどうもがまんせざるを得ないのではないかというふうに考えて、私は了解を与えたのであります。
#28
○向井長年君 そういこうことじゃないですよ。値上げを認可するとい段う階に至るまで、なぜ値上げしなければならぬというやつを抑制しようという政府の立場を持っているのだから、抑制するためには、先ほども金利の引き下げとか公共事業の補助とか、いろいろの補償があると思うのですよ。そういう問題については何ら手をつけずして、聞きますと、二百五億の開発銀行の貸し付けを電発を含めて与えた、これについては利子の引き上げを考えているのだ、こういうことをわれわれは耳にするのですが、逆に値上げを押えるためには、そういう施策というものをなぜ考えないか、こういう点を私は質問しておるわけです、まず第一に。値上げ賛成者じゃないのです。値上げをやらさぬために、私は政府として公共補償の問題もありますし、あるいは最近におきましては、特に送電線等の線下補償というか、こういう問題も相当大きく出てきておりますが、こういう問題について政府はほとんど考えずして、値上げ抑制、値上げ抑制ということは、私は話が違うと思うのですが、この点を明確に答えていただきたい。
#29
○国務大臣(椎名悦三郎君) 値上げ抑制の池田内閣の方針に沿いまして、できることなら値上げしないで済ませたいともちろん考えたわけであります。あらゆる企業経営、技術全般に関する合理化を指導するほか、全体の建設資金に比較すると、財政資金を電力に回す額は、ごくわずかなものです。最近における電力社債の金利の問題にいたしましても、いろいろ研究してみたのでありますが、とてもそういうことでは、一〇%に余る値上げというものに比較いたしまして問題にならぬ。かりに今市中の銀行の金利と開銀資金の金利との差額に目をつけて、全部かりに開銀資金にこれを置きかえたといたしますれば、二%くらいしか助からないという状況でございまして、遺憾ながらこの程度の値上げは、これは最小限度の値上げであり、これを認めざるを得ないということに相なった次第であります。
#30
○向井長年君 企画庁長官にお尋ねしたいのですが、行政方針という問題ですね、現在は当分はやらない、こう言っておりますが、九州電力と同じような性格が、また上げなければならぬという理由がいわゆる公共事業で出てきた場合には、やっぱり上げるのですか。
#31
○国務大臣(迫水久常君) そういうものを一さい含めて当分の間行なわないというのが。
#32
○向井長年君 当分の間は、今出ておりませんからいいんですが、しかし九州電力と同じような理由のもとに東京電力の値上げ申請が出た場合においては、通産大臣は受理しなければならない。受理した場合に、しからばどうするか、こういう問題について行政方針が現われてくると思うのです。従って、仮定の問題になりますけれども、そういうような理由のもとに申請がなされた場合においては、今当分行なわないという形で押し切るのか、あるいは場合によれば、これに対して行政方針として内容を分析して考えるのか、どうなんですか。
#33
○国務大臣(迫水久常君) 非常にそこのところ、御質問もあまりはっきりしないし、私の答弁もあまりはっきりしませんけれども、かりに三月中に申請して、三月中に昭付するようなことは絶対ないと思います。やっぱり当分の間という、一応さっき申し上げましたように、物価に対する一応の安定感というものが得られ、みんなの所得が相当ふえてきて、多少はそういうものが上がっても、生活の向上には関係ない。今のいわゆる所得倍増より物価倍増が先にくるというムードがおさまってきたとき、みんなの理解のもとに上げるような状況が、私は必ずそういう時期がくると思いますけれども、またこなければ困ってしまうでしょうけれども、そういう時期までは見送ってもらう、こういうつもりでございます。
#34
○吉田法晴君 当分の間というのは、どういうことですか。
#35
○国務大臣(迫水久常君) 大平官房長官は、新聞記者の質問に対して、フォー・ザ・タイム・ビーイングと、こういうことを答えたそうです。要するに当分の間で、私は暦で一年とか半年とか、暦できめるということでなしに、やっぱり何といいますか、経済が成長するということを国民がみんな感じ、めいめいの所得がふえてきた。従って理由のある料金というものの値上げについては、これは容認しなければならぬという、そういう雰囲気は必ず出てくると思うのです。また、そういうことをPRしていかなければならない。何が何でも上がったらいけないという状況は、これは自由主義経済のもとでは不合理なんです。ところが不幸にして現在そういう状態であるから、当分の間やらないと、こういうわけであります。
#36
○吉田法晴君 経済企画庁長官がムードと言われたが、そうすると、とにかく、今までの答弁を聞いておりますと、閣議了解事項もムードですか。当分の間一切行なわないというけれども、一つ検討して、理由のあるものはこれは許可せざるを得ないだろう。九州電力について水火力調整金がなくなった。あるいは建設資金が要る。資金調達のために値上げしなければならないということがわかれば、実質的に物価抑制あるいは公共料金ストップの方針があるけれども、やらなければならない。東電から出てきた場合には、それに対して法律に基づいて受理しなければならぬ、審査しなければならない、あるいは許可せざるを得ないようなことになるかもしれない。あるいはその検討の仕方には行政方針も入るかもしれないけれども、そこのところはムードだけで、はっきりした方針がないようですが。
#37
○国務大臣(迫水久常君) 大体今まで私どもが物価の問題について説明をしてきました方針といいますか、方向は、事実をその通り言っていたのであって、手間の上がってくるのは、所得倍増の傾向であるときにはしようがないじゃないか、それは容認すべきである。公共料金の中にも、その企業全体を生かすために値上げをするものはやむを得えない、こういうのだという説明をして参りました。こういうことをここで言うのは必ずしも適当でないかと思うのですが、経済企画庁の長官室から見ておりますというと、こういうものを取り扱っている役所が、そのそっちの方の合理性を非常に重点に置いて物価問題を取り上げているような感じが私にはしたものですから、それでは困るので、一切行なわないという方向で一つものを考え直して、そういうところから考え直してほしいというのが、この閣議了解の趣旨です。そういう意味において、役所のものの考え方の、ムードを変えるというなら、ムードといってもいいかもしれませんけれども、私はそういう考え方もありまして、この提案をいたしたわけです。
#38
○吉田法晴君 論議をしようとは思わぬわけですが、今の手間の問題云々、これは本会議で説明をされました。ところが、公共料金の点は、今も九電の問題について言われたけれども、手間の問題じゃない、賃金の問題じゃない。むしろそれは出ている場合に逆な抑え方をしているようですが、公共料金について言われているのは、手間じゃなくて、あるいは資本費とかあるいは建設費とか、主として資金の面、それについてやはり九電のように検討をして認めざるを得ない云々ということになると、公共料金の値上げを一切当分行なわぬという方針は、これは今までの答弁のごとくであれば、くずれ去って、物価をできるだけ押えたい、あるいは公共料金の値上げをストツブしたい、こういうものもムードになってしまうのではないか、こういうことを申し上げているわけですが、ここのところは議論ですから、議論は時間がかかりますから省略しますが、もう一つお尋ねをしたいのは、これは事務的な実際の経過ですが、今度の決定が政治料金だといわれているわけです。決定のときにも、決定というか、了解のときにも、自民党の総務会の了承を得ることを条件にして云々ということがある。それから日にちについても、七日の閣議了解の前に行なわれた。あるいは通産省の決定といいますか、発表は三月の八日、それから八日付で認可をし、実施については、新聞は二十二、三日ということであったが、二十一日ということに、これはあとで書き込んで発表された。そうすると、反対運動なりあるいは政治的な動きもあって、できるだけ早く繰り上げて実施しよう、こういう考慮があったかと思うのでありますが、政治料金だといわれる非難に対してどういうように説明をされますか。その経緯と、それから一〇・五%になった。一〇・八%という予定と、一〇・五%になった、変わった実質的な理由とを一つ御答弁願いたいと思う。
#39
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御承知の通り、九州電力から申請のありました数字は一七・五五%でございました。これを各方面から厳密な査定を加えたのでありますが、まず需用予想が少ない、低過ぎるのではないか。それから修繕費あるいは人件費、燃料費、そういったような問題についてもう少し節約できるじゃないかというような点を審査いたしまして、そうしてたしか一二・六%という数字を得たのでございます。これにさらに税法の改正がございまして、従来の配当課税三八%でしたか、それが一〇%ほど少なくなったというその要素を加え、まあ、ぎりぎりのところ一一・一%という数字をその次の段階においては得たのであります。しかし、どこをどうということなしに、なお企業努力の余地が絶対にないか、あるかという問題をさらに検討いたしまして、一〇・八%という最終案を得たわけであります。これで与党の方の政務調査会、総務会の方に提案したわけであります。ところがその後に起こってきた現象としては、電力社債が非常に売れる、そうして金利がこれらによればさらに低下する。その当時は確定しておりませんでしたが、四厘ほど低下するという見通しがほぼ立ったものでありますから、この点を考えると約〇・二%はさらに少なくなるのではないか。それから電灯関係の需用の想定が、まだこれはもう少し引き上げる余地があるというような検討を加えられまして、結局それによって年額一億四、五千万程度のさらに節約の余地が出てくるのではないかということになりまして、まあ大体その数字を了承いたしました結果、一〇・五%という値上げ率に落ちついた次第であります。
#40
○吉田法晴君 そうしますと、閣議了解は、先ほど通産大臣の説明によると、七日、それから自民党の総務会は八日のようですが、通商産業省の認可は八日付、その閣議了解のときには一〇・八で、総務会で一〇・五%になったと、こういうことですか。
#41
○国務大臣(椎名悦三郎君) 正確に申しますと、政務調査会が六日、七日両日にわたって行なわれ、閣議了解は七日の午前中に行なわれた、それから総務会は七日の午後に行なわれた、こういうわけであります。それで閣議了解を得たときは一〇・八%、政調及び総務会、この両機関を通過する間にさらに〇・三%の引き下げということになったわけであります。でありますから、その間に多少食い違うのでございますが、まあ、これは閣議決定という問題ではなくて、本来は通商産業大臣において専管し得る問題でございますが、しかしながら、事柄が時局柄重大であるというので、閣議の了解を経ることになっておるのでございます。そこで、明日また定例閣議がございますから、これが変更になったということを事後報告をいたして、その了解をとりつけたい、かように考えております。
#42
○吉田法晴君 そうすると最終的には一〇・五%で閣議了解は得てない、閣議の了解の際には一〇・八%、で、通産省で発表するまでに自民党の総務会の意見があった。その自民党の閣議了解の線でなくて、自民党の了解の線で通商産業省は認可をしておる。こういうこと、そしてまだ閣議のその後の訂正の了解を得てない、こういうことですが、そういうことでいいのでしょうか。これはまあ、この需用者からいいますと、消費者からいいますと、これは下がった方がよろしい。しかしこの行政のあり方として、そういう点、そういう便宜的な方法が許されていいものかどうか、閣議了解なり、あるいは通産省の決定の前にいろいろ意見を聞くことは、これはまあされてもしかるべきことだと思うのです。その点は法上、国会にかけることではなくて、国会の意見も聞きたい、あるいは前には、質疑に応ずるのではなくて、私は、商工委員会に実質的にその了承を求める措置をとるという答弁が前にあったということを聞いておりますが、やり方において、この問題のようなやり方をなされておるのではないかという点を感ずるのですが、何といいますか、あまりに便宜的なやり方、まあ通産大臣正直にとにかく一切の経過を言われましたけれども、そういうやり方は、やり方として妥当を欠くのではないかという感じがあるのですが、いかがですか。
#43
○国務大臣(椎名悦三郎君) 過去の例を調べて入ますと、問題ごとにいろいろやり方が変わっておるようであります。いずれにしても、電気、ガス等の問題は、通商産業大臣の専管事項であるけれども、物価問題に影響することでもあるし、閣議に報告をして、その了解を得るというようなことで、報告の方に重点を置いてやった場合もあるようですし、それから報告して了解を求めるというような気持でやった場合もあるようです。まあどこに違いがあるかといったら、あまり違いはないと私は思いますけれども、とにかく、この問題については慎重に取り扱って、閣内の意見等を尊重し、また政党内閣でございますから、与党の意向も徴するという最近のやり方でございます。この間の七日の閣議に報告をして、そしていずれこれは与党の方にも相談をしておる、きのうから相談をしておる、その相談によっては、またあるいはこれは変わるかもしらぬ。それらの問題については、とにかく通商産業大臣の方に一つ適宜の措置はおまかせ願いたい。そういう心持をもって閣議の了解を得たつもりで私はおりますから、間違ったことをやったとも思っておらないわけであります。
#44
○吉田法晴君 閣議了解というものが、いかにいいかげんなものかということを暴露した一つの事件として私ども聞くのです。物価値上げ抑制についてもそう、それから電力の料金の九電の料金改定についても、閣議の了解を得るのに報告された数字が、その後結局変わった。またあらためて閣議了解をとる。閣議了解というのは、そういういいかげんなものだと申し上げたいのであります。それと同時に、通産省として、経過が先ほど説明がありましたけれども、たとえば税法の問題あるいは消費電力量の問題、その他需用費、企業努力と言われましたけれども、通産省の検討がずさんであった。この点ははっきり言えると思うのですが、いかがですか。
#45
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは需用の予測にいたしましても、いわば予測でありまして、どれがほんとうに正確であるかということになりますと、もう一分一厘正確を期するということは、これはほとんど不可能な問題だと思います。そこで、まあ理由のない数字の上げ下げは、これはもう絶対に禁物でございまして、最近の電力社債の売れ行きの状況、金利低下の状況というものにかんがみて、まだ引き下げの余地があるのではないかというようなことについて数時間検討をされたわけでありますが、これは絶対にもうそういうことを、織り込んであるから、一分一厘余地がないというわけにもこれはいかぬものでありまして、やはり多数の人が集まって意見を持ち寄ってきめることでありまして、私もその点は納得がいきましたので、それでこれに賛成をしたわけであります。しかし、それじゃ翻って、原案を作った通産省が非常にずさんではないかということを言われますが、これはまあ見方の問題でありますが、どれが正確でどれが不正確であるということは、これはもう突き詰めてはなかなか出てこない問題だと思います。まあその意味において、別に非常に大きなあやまちをしたというようには私考えておらぬわけであります。
#46
○吉田法晴君 あやまちであるかどうかはわかりませんけれども、昨年の七月十四日申請を受け付けてから半年以上今日まで検討をしたが、その長い間かかって検討をした中には、先ほど言われたような一〇・八%から一〇・五%に変わった、〇・三%の抑制の原因になった税の問題、あるいは需用費、修繕費等の問題、企業努力等、そういう問題については気がつかなかった。こういうことになりますが、その点は間違いないですか。
#47
○政府委員(大堀弘君) 先ほど大臣からお話がございましたように、私ども事務当局といたしましては、値上げの影響がございますから、できるだけ厳格に査定を行なって、申請は一七・五五%でございますが、できるだけわれわれの計算し得る限り抑制していきたいということで査定をして参っておるわけであります。先ほどお話の税の問題などにつきましては、現在法律が国会で御審議中のわけでございまして、これがどちらにきまりますか、わからぬわけでございますが、これが御審議が決定いたしますれば、四月から下がる。これは本来企業の内部蓄積をふやすという意味においての税法改正でございましょうが、それをも上げて、やはり率を下げるために、最終段階におきまして四月から下がるということで査定をしたわけでございまして、できるだけ押えるという趣旨で、多少逆に言いますと、機械の耐用年数が短縮されるということによって、そういうものはふえなければなりませんから、それだけ逆にふやさなければならない面もあるわけでございますが、できるだけ圧縮をするという意味において最後の段階でこれを削ったのでございます。
#48
○吉田法晴君 従来の検討の内容がずさんであったということは、結果からいってこれはまあ非難を免れないと思うのです。今の税法の問題についても、不確定要素を入れて、それで大丈夫かと、こういうことになるのですが、先ほど向井君が言われましたが、電力料金値上げ抑制の陳情の中には、金利の負担、あるいは改府の財政投融資の大幅増額によって建設費あるいは資本費をふやし、それで電灯料金の値上げを最大限度に押えてもらいたい、こういう要望があったのですが、こういう点についてはどれだけ検討がなされているのですか、あるいはどれだけの改定の抑制について織り込まれたのか、資本費全体との関連において御説明を願いたい。
#49
○政府委員(大堀弘君) 電気事業、電源開発に関します財政投融資につきましては、かねてから本委員会において吉田先生から御質問もございまして、私どもももちろん、でき得る限り財政投融資を増額するように努力をして参っておりますが、御承知のように道路、港湾あるいは住宅、中小企業、農林関係、そういった面における財政投融資の需要の伸びも大きいために、電源開発にそれほど大きな資金を追加するわけにいかないということで、本年度は開発銀行から出しました財政投資が二百五億円、電源開発会社に対します分は四百十億、地方公営電気事業に対しましては約百四十億程度の資金が作られておりますが、総額といたしましては大体結果において前年の横ばいに相なっておりまして、その範囲において私どもとしては金融の資金のコストの計算をいたしておるわけでございます。
#50
○吉田法晴君 金利の問題は。
#51
○政府委員(大堀弘君) 一般金利につきましては、社債、市中借り入れ、あるいは生命保険から借りておりますもの、興長銀から借りておりますもの、それぞれ高いもの低いものがございますが、開発銀行の資金は六分五厘、電源開発会社に対しましては預金部資金の借り入れが四百十億でございますから、これも六分五厘でございます。市中のものはそれぞれ違っておりますが、大体八分六厘から九分一、二厘、これくらいのものが現在の金利でございます。
#52
○吉田法晴君 いや、金利負担の軽減あるいは財政投融資を大幅増額することによって、今後の建設資金なり、あるいは資本を増加させて、それで値上げを抑制するというのは、国が抑制をし得る具体的措置として何する具体的なものでしょう。そういうものにどれだけの努力がなされたか。財政投融資については横ばいで、何らあれはなかったという答弁はいただいたのですけれども、金利の軽減についてどういう努力がなされたか、これについて何ら答弁されておらない。
#53
○政府委員(大堀弘君) 金利の引き下げの問題につきましては、これは一般の金融情勢によりますので、私どもとしては、一般的な問題はできませんが、ただ社債をできるだけ発行いたしまして、安定した資金を電源開発のために確保したということについては、昨年十月以来相当私どもとして努力いたしまして、その結果、一月以来社債の発行が、投資信託の拡大等によりまして、社債が相当売れるようになりまして、今日資金確保の面におきましては、かなりの成果を上げておるわけでございます。金利の低下の問題は、私どもはいずれ近い機会に少しずつ下がっていくのではないか、そういう予測をいたしておりますが、それ以上のことは私どもの立場においては御答弁申し上げることができないわけでございます。できるだけ安い金利のものを調達するという意味で、外資の導入にも努力をいたしております。財政投融資につきましては、われわれといたしましては最大の努力をいたしましたが、はなはだ申しわけございませんが、大体本年度は現状維持というような結果に相なっているわけでございます。
#54
○吉田法晴君 財政投融資の増額についても、あるいは金利の引き下げについても、金利が下がるだろうというお答えがございましたけれども、当の責任者として、あるいは責任省として経済企画庁あるいは通産省においては、努力はしたけれども成果がなかった、こういうことだと思うのですが、どうも今度の料金改定の認可問題の時期も、それから認可それ自身も、佐藤前社長がアメリカに行って世銀借款を申し込んだ。その世銀借款の条件として電力の値上げが要請された。そこで、借款の都合、これが時期を早めたように思うのです。これは、新聞に報ぜられました発言と、それから、もっと延びるのでなかろうかと思った電力値上げの認可が急速に行なわれたほんとうの原因はこの辺にあるように私どもは思うのですが、その辺きわめて残念に思うのです。そういう日本の物価問題あるい産業問題について、もっと日本独自の方策をとることはなぜできなかったかということを感ずるのですけれども、それはとにかくとして、世銀借款千二百万ドルと、それから値上げ率との関係はどういうことになっておるか。それから資金について、先ほどちょっと触れられたようですけれども、世銀借款なり、あるいは社債云々というところで十分できるのかどうか、その点、お尋ねしておきたいと思います。
#55
○国務大臣(椎名悦三郎君) 正式の世銀借款の申請は七月だったと思いますが、話し合いはその前から申し入れてありまして、それに対する世銀の方の見方等もこっちにわかっておったわけであります。正確な期日の問題はあとで追加してもよろしゅうございますが、こちらの方では値上げ率の見当を大体一〇%そこそこに話しましたところが、世銀の係において、これはどうしても九州電力の最近の経理状況から見て一四%ぐらいの値上げが妥当のところであろうというような意見が申し述べられ、これに対してこちらの方から、いや、そこまでいかぬでも十分だというような意見の交換が行なわれたと、私は聞いております。そこで、今度の値上げ率の問題は、世銀のそういったような意向ももちろん徴しましたが、しかしながら、もう独自のこれは判断でわれわれは今回の結論を出した次第でございます。また、世銀当局としても、値上げ率をどうしろこうしろということよりも、むしろ九州電力の企業それ自体として健全であるかどうかということの判断が中心でなければならぬと、私どもも考えておるのでありますし、これは言うを待たないところでありますけれども、独自の判断で今回の値上げ率を決定した、こういうような状況であります。資金の点につきましては局長から申し上げます。
#56
○政府委員(大堀弘君) ちょっと、先ほど御質問の点がわかりませんでしたのですが……。
#57
○吉田法晴君 建設資金が必要なので、世銀借款、それから電力債、その他こうこうこういう計画だというお話がありました。それから、建設費が値上げの最大の理由になっているわけでありますが、この査定をされた計画で十分だという御判断に立っておられるかどうか、具体的に項目について御答弁を願いたい。
#58
○政府委員(大堀弘君) これは資本費の中で借入金及び増資によって調達する資金と両方ございますが、三十五年、昨年九月末現在で九州電力の借入金の残高は千百四十六億円でございます。資本金が二百四十三億円、合計で千三百八十九億円でございます。現在原価計算の対象になっております計算期間、三十五年の下期から三十七年の上期までの間に、この借入金の増加は三百三十九億円、増資は八十一億円やらせようとしておりますが、合計で四百二十億円の資金の増加がございます。利率につきましては、市中のものは九分一厘から九分二厘というものがございます。社債あたりは八分六厘七毛といった金利でございますが、この金利の傾向につきましては、できるだけ安いものを調達するように努力はいたしておりますけれども、やはり財政投融資の額自身が横ばいでございまして、工事資金絶対額はだんだん増加いたしておりますので、平均金利が建設費のコストに入って参りますので、平均金利としてはやはりまだ上がっていく状態にあるわけでございます。そういうことで、われわれとしましては、できるだけ安い金利の金を調達させるように努力はいたしておりますが、現在のこの状況で参りますと、まだ少し上がって参る。金利の負担の増加、それから新しい発電所が建設せられ運転に入りますと、現在の料金が古い建設簿価で評価されておりますから、水力でいいますと、大体キロワット当たり五万円程度、火力でございますと二万二千円程度の簿価でございますが、新しい発電所ですと、水力で十五、六万円、火力で六、七万円でございます。従いまして、それに対する金利の増加、負担の増加と同時に、償却がやはり三倍くらいに旧簿価のものに比べてふえて参ります。これを総合いたしまして、結局料金が上がっていく、資本費がふえるというのはそこにあるわけであります。そういう状況になっておりまして、資本費の負担を減らすために、できるだけ安い金を調達するようにわれわれも努力いたしております。会社の方へも努力を要請いたしているわけであります。
#59
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
#61
○中田吉雄君 迫水長官にちょっとお尋ねしたい。公共料金の値上げや物価の値上げに対する内閣の基本的態度について、ちょっとだけお伺いしたいのですが、長官は、所得倍増計画の内閣の大きな柱を遂行するために、物価並びに公共料金が値上がりして、その基本政策をくずしてはならぬというので、閣議や記者団会見で、また企画庁全体が強い態度で臨んでおられる態度はよくわかるのですが、二、三の新聞、さらに封筒に入れて配ってくる「国会通信」というものを見ますと、どうも当分の間というのは、国会中じゃないか、こういう感がするわけであります。それは政府のほんとうの腹は、前に配ってきた「国会通信」という記事には、来年の参議院の選挙までに、ことしじゅうに大体上げねばならぬものは上げてしまうんだ、しかし来年の六月ないし七月の参議院選挙には、そういうことはもう時効にかかってしまう、だから内閣の腹は、ほんとうは上げるんだ、こういうことをはっきり書いて、その先端を切るものが国鉄の運賃値上げであり、九州電力であり、やがて国会が済んだら、また椎名大臣の発言のようなことがあって、東電もあり、バス、私鉄次々にやって、しかしそれは年内に上げていけば、来年の参議院選挙には時効にかかるんだ、こういうのがほんとうの政府の腹だというように、私はまあ、長官が努力されている善意をかたく信じたいのですが、各個撃破でやってはまた少し冷却してはやるという、これまでのことを見、私その点非常に善意の努力にもかかわらず、そういう裏の情報も流れて、たとえばもう国鉄の運賃値上げをやるんだということは、数カ月前に党のだれがこれをきめて、だれがどういう形で推進するということを、その情報は流しておったが、まさにその通りになっていますし、なかなかこれは所得倍増計画の基本にも触れる問題ですし、やはり相当、ただいま発言のような点をかなり堅持していただかぬとうるさいから、国会中は九電ぐらいにして、次々にというようなことにならぬでもないじゃないかということを心配するんですが、そういう情報を知っておられますか。また、そういうことになりませんように、一つ厳たる態度をとっていただきたい。
#62
○国務大臣(迫水久常君) 私は、かりにそういうように勘ぐっている人がいたら、ずいぶん根性の曲がった人だと思います。私のところには、そういうことを言ってくる情報が一つも流れてきていません。やはり私のところに、そういうものをよこさないところを見るというと、何人も私はまじめにやっているんだということを考えているから、私のところによこさないのじゃないかと思いますが、今、中田さんのおっしゃった通り、私は、ほんとうに大まじめにこれを考えてやっていくつもりでおります。決して、国会が済んだらどうこうということで、それまで、どうにかしておこうということでは決してないということを信じていただきたいと思います。
#63
○中田吉雄君 時間がありませんから、まあ一つ、そういう情報が現実の問題になりませんように、中田がああいうことを言ったが、ということを一つ念頭に置いて、私は案外あの情報は、どこから出た情報か知らぬが、これまでずっとたんねんに読んでみますと、なかなか肯繁に当たる、勘ぐるというよりか正確な情報を案外流しておるので、その点、一言申し上げておきます。
 地域の問題は、申し込んでおりましたが、あらためてやります。
#64
○吉田法晴君 大臣に最後のところを聞きたいのですけれども、小さいところを一、二聞きたいと思います。
 この大衆の電力料値上げにならないようにという配慮が、若干なされたことはわかります。わかりますが、定額電灯について〇・七%、それから、これはまあ例示でしょうが、三部屋、台所、便所を有する家庭で、アイロン、洗たく機、ラジオを持っておるような最低料金適用需用家、五アンペア以下程度のところでは九・四%、それから標準的なアンペア需用家、これは何アンペアぐらいになるのかしれませんが、月額百円程度、こういう計算がなされているようですが、やや広い部屋を三つもしくは四つ持っている家庭で、アイロン洗たく機に加えて、テレビ、電気がまを持つ者が月額百円ぐらいですが、パーセンテージにすると一一・四%ぐらいになりそうですが、三部屋あるいは四部屋云々といっても、ほとんどこれは、こういう家庭の層が大部分だと思うのですが、前の三部屋程度で五アンペア以下ですかを使用しているところで九・四%、あるいは三ないし四部屋持っている家庭で一一・四%、大体一〇%程度大衆の電灯料は上がる。こういうことになりそうですが、これはせめて定額電灯の〇・七%、あるいは農業用について五・七%ですか、その程度ならば、五・六%ならば、これは大衆の電灯料値上げにならないようにという配慮がなされたと思いますけれども、一〇%前後、九・四%から一一・四%、一〇%は上がるという点は、これはやはり大衆の電力料値上げになるという非難はまぬがれるわけにいかんと思うのですが、いかがですか、これについて、もっと標準のアンペアの取り方、それから値上げ率について再考ができたのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#65
○政府委員(大堀弘君) 本来アンペア制に制度を変えたわけでございますが――九州電力としまして変わったわけでございますが、このアンペア制ということは、つまりたとえばここにございますように、電気がまなら電気がまを持っておりますと、夕方になると、それを動かす、あるいはその他の電気器具をよけい持っておりますと、それらが一つの電気の需用としては集中して、ピークになって出まして、それに必要なだけの供給力を備えなければならぬ、そのために多少高くても、水力発電所の大きなダムのものを作っていかなければならぬというのが今日の状況でございまして、そういう意味でアンペア制で、家庭で使います器具、ないし電灯の灯数、そういった大きさによってもアンペア制が、五アンペアの方もあるし、十アンペアの方もあるし、また十五アンペア、それ以上の方もあるわけでありますが、従いまして、そういう器具の大きさによって、アンペア料金というものを、取りまして、それからあと使った現実の電灯について、一キロワットアワー当たり幾らという使用料金を取っておりまして、総合して料金が出るわけでございますから、この制度によりますると、実はもう少し会社の当初の申請にございましたように、この辺に対して影響が大きく出まして、理論通り参りますと、四割も上がるような方が出る、こういう点、聴聞会におきましても、あまりに制度の改正、趣旨はよくても影響が大き過ぎるのじゃないかというお話がございましたので、私どもとしましては、全体の率を下げると同時に、アンペア制に切りかえることによって、大きく出る影響を殺さなければならないということで、いろいろと工夫をいたしまして、ただいま先生御指摘のように、制度は変わりましても、その程度に止めるように下げて参ったわけでございます。むろんその辺も、もっと下げられればけっこうでございますけれども、やはり全体の値上げ率一〇・五%程度でございますと、いろいろ工夫をして、ほんとうはもう少し大きく影響が出たものを、この程度に押えまして、特に定額の力には、平均値上げ率以下に出ますように工夫をいたしましたし、低所得の定額灯及び従量電灯のごく低いものは、先ほど先生の御指摘がございましたように、定額〇・七%でございしますが、今度電気、ガス税の三百円以下の免税点が施行になりますれば、むしろ実際の支払額は下がるということに相なるわけであります。定額の方に特別配慮を加えまして、率を低くいたしておるわけであります。
 もちろん標準家庭につきましても、できるだけ下げる努力はいたしましたのでございますが、全体の率の関係で、私どもとしては、その辺が限界ではないかと思っておる次第であります。
#66
○吉田法晴君 電灯会社についても立っていくように、あるいは税法の改正についても、電気ガス税でもですけれども、先ほどの説明によると、通産大臣の頭の中には、配当課税の軽減の方が先にある、こういう工合に電灯会社のためには、まあ申請通りではないけれども、立っていくように配慮をする。しかし大衆料金については、定額電灯については、これはわかります。〇・七%云々ということはわかりますけれども、国民の大部分を占める三部屋、あるいは四部屋持っておるアンペア制のあれについては、これは五アンペア以下で九・四%、あるいは七・五アンペア以下で一一・四%ということになれば、それ以上になりますと、お話の通りに、もっと上がるわけです。ですから、実際の各家庭の値上げ率は一〇%以上になることは、これは間違いない。平均が一〇・五%ですから、平均以上にも大衆については値上がりになる。この点が、とにかく一番県民運動というか、国民運動的に反対運動が起こった大きな原因ですが、それについては、十二分に配慮がなされなかったじゃないか、多少の努力は認めますけれども、平均以上、あるいは実際には十何パーセント以上になって参るでしょう。おそらく一五%か、あるいは二〇%になるかもわからぬ。電力を増強をして国民に使ってもらわなければならぬ、こういう理由のために上げるにしても、平均以上の電力の値上げ、あるいは十数パーセントあるいは二〇%の値上げというものは、ひどいじゃないか。
 それから全体のあれからいって、大多数の国民の負担率が多くなるような値上げという点は、何としても承服しがたい、こう考えるのですが、努力はわかりますが、もっと方法が、七・五アンペアに工夫をしたというのに比べて、結果からいって、国民大衆の値上げ率を抑制する点について努力が足らぬではないか、こういう非難は免れないと思う、いかがですか。
#67
○政府委員(大堀弘君) さっき申し上げました従量電灯のうちで約七〇%を占めております最低料金適用需用家、これが戸数で大体七〇%を占めておりますが、三部屋に、台所、便所、アイロン、洗濯機、ラジオを持っておるという家庭でございますが、この値上げ率につきましては、かりに十五キロワット・アワー程度使っている方、非常に低いところでございますが、この辺でございますと、現在現行料金の二百二十九円払っておる方が、二百四十六円でございまして、十七円値上げでございますが、これは率で七・四%でございます。大体二十キロワット・アワー未満の方でございますと、三百円の免税点にかかりますので、この率でございますと、多少値下げになりまして九七%くらいに支払額はなるわけであります。
 それから最低料金適用需用家の中でも、三十キロワット・アワー程度使う方につきましては、三百七十三円の支払いで四百十一円になりますから、三十八円の値上げで、これが一〇・二%くらいの値上げ率になりまして、これがかなり、まあ七〇%からの多数のものを考えまして、できるだけ低くしたわけでございます。
 それから十アンペアといいますと、かなりの需用家でございますが、その中でも、使用量の少ない方、月五十キロワット・アワー程度しか使わない方につきましては、実は十アンペアですが七・五アンペアという扱いにいたしまして、法本料金を五十円差し引くことにいたしまして、これによって値上げ率をできるだけ押えて、月額百円程度の支払い増にとどまるように工夫をいたしたのでございますが、私どもとしましては、できるだけ定額電灯及び従量電灯の低い、多数の使用者の方のところを、できるだけ影響を少なくするという配慮をいたしまして、上の、割合にまあ大きな需用家の方は、これは収入の面もよろしいわけでございますから、多少ごしんぼうをいただきますが、これについても、今申し上げましたように、率があまり大きく出ませんように、アンペア制の運用につきましても、七・五アンペアという取り扱いを特に作らせまして、これは会社の申請にないわけでございますが、私どもは、そういうふうに設定いたさせまして認可したわけでございます。
#68
○吉田法晴君 今の数字と、それから値上がりの申請率、従量電灯、それから、うち最低制適用需用家――そこに示されております九・四%、一一・四%というのは、これは違うようですが、これはどういうわけですか。
#69
○政府委員(大堀弘君) これは、従量電灯全体としましては一一・四%の値上げでございます。それから今申し上げました最低料金適用需用が、家庭の七〇%に相当する低いところの方だけとりますと九・四%の平均になっております。電灯の中でも大口電灯、つまり大きな料理屋でございますとか、そういった大口電灯は、これは従来もさようでございますが、これは高くてもやむを得ないということで、総合の結果が一一・四%に相なっております。
#70
○吉田法晴君 農事用電力については、どういうことですか、先ほど申し上げましたような、申請は一五・五%で、それから査定によると五・七%の値上げと、こういうことですか。
#71
○政府委員(大堀弘君) さようでございます。
#72
○吉田法晴君 石炭については、私も質問をいたしましたが、負荷率割引制の強化、あるいは契約電力の圧縮等によって平均値上がり率以下にとどまることになったというこでございますが、実際にどういうようになったのか、具体的に御説明を願います。
#73
○政府委員(大堀弘君) この点につきましては、会社の当初の申請案によりますと、負荷率割引を、現在まであります負荷率割引制度、つまり負荷というのは、先生御承知だと思いますが、一カ月、時間でいくと七百二十時間あるわけでございますが、かりに一カ月フル運転すれば七百二十時間の運転、これは一〇〇%の負荷率ということになりますし、三百六十時間稼動する場合には五〇%の負荷率、石炭あたりはポンプを使って常時水を処理いたしております関係上、割合に負荷率が高い、常時動いておる電気で、負荷率が高い電気でございます。負荷率の高い人につきましては、特別の割引をいたしまして、電気会社としては割合に使用の状況が設備に対してよろしいものでございますから、できるだけ割引をいたして参っておるわけでございます。
 この負荷率割引制度ということで、従来やって参りましたが、どうも一般の需用家と比べて、負荷率割引が大き過ぎるというのが、料金制度調査会で、いろいろ需用家が集まり学者が集まって検討いたしました結果、現行の割引が大き過ぎる。そのために負荷の割引が、著しく高くなり過ぎているという結論が出ておりまります。会社の申請は、制度調査会の答申に基づいて出されたために、負荷率割引がきかなくなってきた。従って、負荷のいい石炭業界に対して、割合に結果的に大きな影響が出るという申請案になっておりましたので、聴聞会の御意見も考慮いたしまして、私どもとしては、理論的にはそうかもしれぬが、やはり倉荷率割引は、従来に近い相当大きな負荷率割引にすべきだということで、会社申請案を直させました。それが第一点でございます。
 それから契約圧縮といいますことは、何万キロの電気を使うという、当初需用の大きさを会社と契約いたしておりますが、それを今後は、かなり実際に使います線まで引き下げて、できるだけ需用家料金の負担を軽くしてやるということを双方加えまして、まあ会社申請当時に比べますと、実際は三分の一ぐないのところまで、石炭については値上げの負担が減ることになっておるわけでございます。
 料金といたしましては、大口電力及び小口電力のいずれかへ入ることに相なりまして、また、ここには、一段料金制が従来ございましたので、今までの電々丸の使い方によっては、一件々々については、上昇率の出方は違っておりますが、平均といたしましては、平均値上げ率以下になっております。
#74
○吉田法晴君 まあ負荷率割引の問題は、大臣からもここで答弁があって、せっかく平均負荷になるように努力をして、そしてやったところが、負荷率割引を引く、こういうことで、電力料が、負荷平均についての努力にもかかわらず、今度の値上げについて著しく上がるということは矛盾じゃないか。その点は考えましょうということで、これは努力をされたと思うのですが、その結果どうなったかということをお尋ねしたのですが、三分の一程度云心ということですが、平均以下ということで、今もお話がありましたが平均負荷のこれは努力もありましょうが、実際に炭鉱の保安電力が大部分だと私は思われるのです。その他の点については努力をして平均化したという点だと思います。
 それから、ちょっと落としましたけれども、中小企業について四割、五制の値上げ率を受けなければならぬという苦衷を訴えておる企業等もございましたが、中小企業等については、値上げ率以下とするほか、負荷率割引を強化の方向に改め云々と書いてありますが、実際には、どういうことになっているのですか。その努力の程度を一つお聞かせ願いたい。
#75
○政府委員(大堀弘君) 小口電力につきましては、低圧のものについて見ますと、ある場合は八・六%ぐらいの値上げに押えております。高圧のもので一〇%ぐらい。これはまあ私どもとしまして、やはり中小企業に対する影響もごいますので、できるだけ値上げの影響が大きく出ませんように工夫をいたしまして制度を作を作ったわけでございます。
#76
○吉田法晴君 これは小口についても、あるいは石炭についてもですが、さっき水火調整金がなくなった云々ということで、九分断をし、あるいは電力融通が不十分で、九州だけが高い電力――日本一の電力料を払わなければならぬ云々ということになりますと、九州の持っておる後進性あるいは二次、三次の、とにかく製造工業がない。御存じの通りに産炭地振興その他で、その穴を埋めなければならぬ。あるいは新しい産業を誘致しなければならぬのに、九州が今まであったものも、ともかく他の地域に比べて不利な電力費を使わなければならぬ云々という点が強調されたのですが、結果から見ますと、中小企業について八・六あるいは一〇という、多少まあ平均前後の努力がなされましたけれども、一割近いやっぱり値上げ率になったということは、これは九州のおくれている産業構造を発展させ、あるいは産炭地振興等をするについては大きなマイナスになったということは、これは否定することはできないと思います。大へんその点、全体について遺憾の意を表しますが、もう一つ、第一の九州の電力料値上げの直接の原因になった、新しい電源開発をやっていくのに、建設資金が要る、それに世銀借款云々というようなことで、値上げ問題が起こったのですが、九州の石炭関係者の中から言わせますと、あるいはまあ、これは他の産業についても同様だと思うのですが、九州の中で資金についても、あるいはあれについても、協力を得るという態度で臨まれれば、これはそういうことはなかったろうけれども、九州の産業あるいは県民の協力を得るというよりも、世銀の借款に最大のとにかくあれを求めて、そして佐藤社長が行かれた。そしてこの経営の問題、まあそれに電力料の問題もからみますが、それで電灯料金の値上げ問題が起こってきた。そこに内紛との関連で不明朗なものを感じ、あるいは九州だけが、そういう見地から高い電力料をなぜ払わなければならぬかという、こういう県民と申しますか、国民の間に強い批判が起こってきたゆえんがあるわけでございますが、通産省としては、多少あなたの方から言わせれば、最大の努力をされたんだと言われるでしょうけれども、努力はしたけれども、この程度になった、こういうことなんですが、たとえば石炭の問題一つとつてみても、石炭のコストダウンと、それから電力料の値上げとが矛盾をする。それから低品位炭の需要と電源開発という問題等も相関連してあったわけでありますが、この九州の石炭なりあるいは産業と、この電力あるいは電源開発のあり方の問題について、通産省としては、どういうように考えられたか、あるいはどういう工合に調整されたか、それから石炭のコストダウンの問題と、これと矛盾をする電力料金の値上げ問題を、どういう工合に調整をしようとされたか、それらの点について、これはまあ、石炭関係もございますし、その他の関係もございますから、通産大臣から答弁願うのが至当かと思いますけれども、あなたしかおられませんから、当事者として、通産省全体として、どれだけ努力をしたかという点を一つ承りたいと思います。
#77
○政府委員(大堀弘君) ちょっと、ただいまの最後の御質問にお答えします前に、最初の点についてお話しございましたが、ちょっと補足して御説明させていただきたいと思います。
 まあ、電源開発は御承知のように非常に大きな資金の調達が必要でございまして、三十五年を例にとって申しますと、九州電力だけで総工事資金が二百六十七億円、三十五年度だけでございますが、さらに過去におきまして、九州電力が借りております債務の償還期限がきておりますのが相当ございまして、それが百四十三億円、合計して四百十一億円という金を調達しなければならぬということで、これをいかにして調達するかということが、電気事業界全体、いずれも同じでございますが、この場合も、内部留保――これは主として減価償却でございますが、これは、料金が非常に押さえられておりますために、資本に見合った十分な償却ができておりませんけれども、償却その他の、自己資金の八十四億円の資金を調達いたしますが、ことしは増資がございませんので、その他三百二十六億円は全部借入金でまかなっております。社債でいきますと、たとえば八十億円、市中銀行から百億円、興銀とか長銀から三十六億円、保険会社、信託銀行等からも借りまして、さらにできるだけ――二十二億円借りておりますが、外資も相当努力をして二十二億円入ってくる――、今年度二十二億、来年度二十億くらい入りますが、今度の借款によりまして……。それで、決して外資を借りるために上げるということではございませんで、結局全体の資本負担なり資金調達のため、これの金利あるいは新しい発電所の償却費がふえるため、そのために値上げをしなければならない、こういう理由によりまして、決して世銀のためではなくて、むしろ世銀の金は年利五分七厘五毛、興銀は六分五厘でございますので、市中から借りておりますのは九分以上になっておりますが、それよりさらに安い金で借りております。従いまして、市中から借りた場合よりも一年一億三千万円くらい金利負担が軽減されるわけでございますが、そういう意味で、私どもとしましては、決して値上げのためではなくて、そういう必要によりまして世銀の借款も、あらゆるところから借りられるところの金を、できるだけ安い有利な条件のもので調達しようという努力をいたしておるわけであります。
 それから、ただいま石炭との関係、産業との関係の御質問でございまして、私どもは、実は石炭対策につきましては、電気事業に対して非常に強い要請をいたしておりますが、実は重油がだんだん値下がりして参っておりますので、重油専焼火力を作りたいというのが、電気事業界として非常に強い要望となっております。かりに、火力発電所で二十万キロないし二十五万キロ当たりのものを作りますと、重油専焼で最近発注しておりますのは、キロリッター当たり五万円を割るような安い価格でできるわけでございます。従来やっております石炭だけで、やりますと、重油専焼の設備でやりますよりも、七万円近く要る、二万円以上値が開いております。従いまして、本来、実はコストの上昇を防ぐ意味からいきますと、重油専焼の設備をすると、資本比が二割くらい節約になってくる、と同時に、重油が現在キロリッター当たり最近まで八千円程度でございました、国際価格は大体六千円近いわけでございます。これは国内事情で輸入を抑えておる関係と、揮発油と重油の価格構成の関係で、そうなっておりますが、国際価格に接近して参りますと、燃料費がさらに下って参ります。電気の合理化の意味から言いますと、重油専焼火力を認めていくというのが、私どもの立場でございますけれども、それをあまりやりますと、国内の石炭使用量が減って参る、国内石炭対策という問題からみて、相当な問題になってくるというわけでございますが、通産省全体としてのエネルギーに対する考え方としては、重油専焼も、大いにやらなければならないけれども、やはりある程度石炭の一般需要の減退にかわって、ある程度電気が石炭を使うようにしようということで、現在長期契約を電気業界と石炭業界の間においてやらせよう。現在使っておりますのは千五百万トン程度使っておりますが、二千万トン以上まで、これを上げて使わせるようにし、しかも価格は石油価格のいかんにかかわらず、現在の石炭合理化審議会できめております価格によって買っていこうというふうな石炭業界に対する一つの対策として、電気業界に、そういう要請をいたしまして、現在話し合いが行なわれておるわけでございます。
 同時に、先ほど御指摘のような山元火力発電についても、電気自身については問題がございますが、石炭と電気と両方考えまして、方法として、山元発電についても協力しようということで、現在話し合いを進めておるわけでございます。そういう意味で、私どもはやはり電気事業が大きな石炭の需要家である意味もございますから、そういう意味で、石炭産業の安定のために、できるだけ協力をさせるような態勢で、現在進めておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 一般産業に対する関係につきましては、これは主として大口小口その他ございますが、私どもとしましては、電力原単位から見て、どのくらい影響があるかということも、いろいろ分析をしてみておりますが、大体、多数の商品については、一%以下のものが多うございます。今日相当各商品とも、生産性が向上されて、また大規模になってきておりますから、まずこの程度のものは消化できるのではないかと、大部分の場合はさように考えられるわけでございます。
#78
○吉田法晴君 九州だけ、日本一の高い電力をなぜ使わなければならないかというのは、電力事業のあり方にも関係をいたしますが、前からこれは党派をあげて主張されているところだが、国が金利の引き下げなりあるいは軽減のために措置をする、あるいは財政投融資をして、電力料金の値上げを最小に食い止める、こういう努力はほとんどなされずに、一〇%強のとにかく値上げを九州の県民に負担をさせる、そうして地元の、とにかく県民なりあるいは産業の協力を得て電源開発をしていこう、こういう姿でなしに、直接の動機が、先ほど弁明をされましたけれども、世銀借款等、これを他に求めようということで、地元の協力を得ようという態度でなかった点に、この反対運動の起こった大きな原因が私はあると思うのであります。多少の努力がなされたことはわからないではありませんけれども、全体として見ると、この要望あるいは反対運動を含めての地元の要望というものは、実現されなかった。たとえば低品位炭の使用あるいは低品位炭による山元発電等についても、どの程度進んでいるかという点も、あわせて聞いたわけでありますが、そういう点についても、これはやはり県民の協力を得るということを、国も加わりながらやるというのでなければ、いわば地元に転嫁させる、あるいは国が物価を押えるといいながら、電力料金値上げ問題については、理由ありとしてとも、かく一〇%以上の値上げを認めるということで、国の施策に対しても、国民の不信と運動は、今後もなお続くでしょうが、結論としては遺憾の意を表しますが、十分努力しなかったではないか、こういうことは、これは、はっきり結論としては言えると思う。具体的な答弁が少し足りませんでしたけれども、時間もおそいから、この程度にいたします。
#79
○中田吉雄君 資料要求ですが、工業立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明で、昭和三十三年から工場立地の調査等に関する法律に基づいて、全国百六十六の地区につきまして、工場立地の調査を実施した、こういうことですが、その資料をぜひ一つ、この法案の審議に際して提出をお願いしておきます。
#80
○委員長(剱木亨弘君) ただいまの資料要求については、善処いたします。
 他に御発言がなければ、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時四十九分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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