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1960/03/23 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第9号
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1960/03/23 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第9号

#1
第038回国会 商工委員会 第9号
昭和三十六年三月二十三日(木曜日)
   午前十時四十九分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
           牛田  寛君
   委員
           赤間 文三君
           大川 光三君
           斎藤  昇君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           中田 吉雄君
           向井 長年君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       砂原  格君
   通商産業省重工
   業局長     佐橋  滋君
   中小企業庁長官 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省中央
   計量検定所長  玉野 光男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○計量法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○中小企業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業信用保険公庫法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○中小企業信用保険法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は、臨時石炭鉱害復旧法の一部改正案について趣旨説明を徴し、計量法等の一部を改正する法律案の審議及び中小企業金融公庫法、中小企業信用保険公庫法、中小企業信用保険法のそれぞれ一部を改正する法律案について内容説明を聞き、質疑を行なうことといたします。
 議事の都合により、最初に計量法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
#3
○牛田寛君 このたびの計量法の改正案でございますが、改正の趣旨がこれまでの御説明だとあまりはっきりしないようなんであります。それは私どもが御説明の中で印象を受ける点は、国際会議で決定されたことだから改正するというような趣旨が強く印象づけられておりまして、計量の基本単位の定義とか基準とかというものに関する一つの考え方というものがあまりはっきりされておらない。これは非常に難解な点もあると思いますが、この点をもう少し私どもにわかりやすく説明していただきたいと思うわけであります。そういう立場から二、三の点についてお伺いをしたいと思います。
 まず、長さの定義の改正でございますが、光の波長を長さの定義として採用するということになりまして、クリプトン八六の出すある一定の光をその基準にする、こういうことでございますが、その定義それ自体というものは、実際の長さの基準にはならないと思うのです。たとえば今まで使っておりました国際メートル原器が長さの基準になっている。それは実際に金属の棒でありまして、それに線が刻んである。御承知のように、その線と線の間という一つの物質的な基準があったわけでございます。ところが、今度の光の波長の定義というものそれ自体は、この長さだという現物がないわけであります。われわれが実際にその長さの定義から基準を作って、それをもとにして長さの量というものを基本にするということであれば、必ず長さの基準を表わす物質的なものがなければならないと、こう考えるわけであります。今度の場合には一体どういうものが長さの基準に当たるかということについて御説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(佐橋滋君) 牛田先生の御質問でございますが、この前国際度量衡総会の決定に従うんだという点を強調した、こういうお話でありますが、まさにその点はその通りでありますが、まあ文化、学術、科学が非常に進歩するにつれまして、いろいろの計量の単位というものの正確さを期する必要がありますので、その意味で現在の定義よりもさらに正確度を期し得る方法が発見されれば、それに従う方がより計量の単位としては的確であろう、こういうことを考えているわけであります。ただいまの御質問で、従来メートル原器があって、メートルの長さというものが現示されているわけでございますが、今度の場合には光の波長ではかるということで、はっきりしないんじゃないかと、こういう仰せでございますが、従来のは人工の原器でありまして、これは長年の間にはいろいろ変化もし、あるいは破損されるというようなこともあるわけでありますが、今度の場合も決して物がないわけではありませんので、必ずこういう方法で、政令できめます方法によれば、その長さというものが現示できるのであります。自然現象で一つの長さを現示するというふうに変えるわけであります。メートル法の定義自身が非常に難解でありますが、ある一定の原子を取り出しまして、その原子から発生する光、これはある状態で必ずどこででも現示できるわけでございまして、その長さの何倍という形で一メートルの長さを定義づけようと、こういうふうにしておるわけでございますので、決して物質的にその長さを現示するものがない、こういうことはないと考えております。
#5
○牛田寛君 それで、今お話がありました、いつどこでも物質的に現示できるということでありますが、この定義にあります「クリプトン八六の原子の準位2p10と5d5との間の遷移に対応する光の真空の下における波長」、この波長は、いつどこでも現示するわけにはいかないと思います。必ず何かの物質的な具体的な方法をとらなければならない。それは一体どういう方法か、こういうことをお伺いします。
#6
○政府委員(佐橋滋君) 非常に難解なあれでありますが、これは一定の装置を持てば、現示ができるわけでありまして、現在は中検でその設備が完了しておるわけでありまして、中検に備えてある設備で、この「クリプトン八六の原子の準位2P10と5d5との間との遷移に対応する光の真空の下における波長」というものをはかり得ることになっております。これはそういう設備をどこへ作っても、同じようにこの波長が出てくるわけでありまして、その波長をはかれば、一メートルという長さが現示できるということになるわけであります。
#7
○牛田寛君 私はただいまお話のあるその設備を直接拝見しておりませんし、具体的にこまかい点も承知していないわけでありますから、非常にしろうと考えの質問になると思うのですが、われわれが概念的に考えておりますのは、クリプトン八六を何か真空中のチューブの中に封じ込んで、電流を流すというような方法で光を出させる、こういうふうに考えておるわけです。大体そんなふうなものと考えておりますが、そういうふうなやはり人工的な方法で光を出す、こういうことになりますと、まず問題になるのは、クリプトン八六の同位元素の純度というようなものも問題になるかもしれませんし、それからその中の真空度というようなことも問題になるかもしれませんし、それから電流の強さの影響もあると思うのですが、結局それが出す光の波長その他に影響を及ぼしはしないか、そういうことになるわけです。そうしますと、定義と、それから人工的に作った装置との間の関係、人工的に作った装置であれば、必ず理想的な定義とはズレがあると考えなければなりません。それからもう一つは、そのような、電流を流すとか、あるいは真空度とか、そういういろいろな条件が、必ず光の波長に影響してくることになれば、これは一定不変なものとはいえなくなるわけでございます。その辺をどういうふうに保証されるのかということをお伺いするわけです。
#8
○政府委員(佐橋滋君) 法律には非常に難解な定義を下しまして、これを現示する方法は国際度量衡総会の採決に従って、政令で定めるということになっておりまして、先生の御質問の点でありますが、クリップトン八六を入れます放電管の内径とか、あるいは管壁の厚さとか、あるいはこれに流します電流の強さとか、あるいは放電管の周囲の温度とかいうようなものを政令できめまして、こういう状態で、この装置で現示すれば、正確に光が出るということは、政令で定めることになっております。
#9
○牛田寛君 そうしますと、法律で定められた定義のほかに、具体的な基準としては、その正確度を保証する幾つかの条件というものは政令で定める、こういうふうに承知してよろしいですか。
#10
○政府委員(佐橋滋君) その通りであります。
#11
○牛田寛君 そうしますと、結局具体的の基準というものは、人工的に作ったものでありますから、その精度というものは、やはり技術の進歩によって変わってくる。それから世界中どこででもその製造条件が一定というわけにいきません。技術の相違もございます。ですから、一応政令で定めるとか、あるいは国際協定で定めるとかいたしましても、具体的な品物そのものにはいろいろと違いが出てくるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その点はいかがでしょうか。
#12
○政府委員(佐橋滋君) 国際度量衝総会で、こういう現示の方法を、現実に出す方法につきまして専門家の間でいろいろ検討の結果、これならいけるというのが全部きまっておるわけでありまして、それを政令でうたって、その方法によって現示しよう、こういうことでありますので、方法の規定が正確に行なわれれば、この法律で規定したような波長というものが現示できる、こういうふうにわれわれ考えておるわけであります。
#13
○牛田寛君 こまかい技術的の問題はともかくといたしまして、重要な長さの基準であれば、やはりその精度というものが問題になってくるわけであります。先ほどから今度の法改正は基準の精度を上げたということを申されておりますが、従ってその基準が、いわゆる製造法も含めてどの程度の精度、長さの再現性と申しますか、いつどこで作っても、これだけの誤差の範囲内にはまるという数字的の保証というものは実際に出ているでありましょうか。
#14
○政府委員(佐橋滋君) この前の御説明で申し上げましたように、現在の度量衡原器ではかりました場合には、一メートルを現示する前に大体五百万分の一の精度しか得られないのが、今後の波長による現示の方法によりますと、一億分の一以内の誤差で一メートルの長さが現示できる、こういうふうに実験上なっているわけであります。
#15
○牛田寛君 私が伺いますのは、光源の精度、光の基準の精度、光の基準であるランプのようなものの製造法とか、それから原子の純度とか、そういうふうな条件の誤差がどの程度に出てくるか、今までこのような製造範囲でおさまったという一つの数字的なデータが得られているのだろうか、こういう質問なんであります。
#16
○政府委員(佐橋滋君) 私も専門家でありませんので、あまり詳しい説明はできませんので、あとで中検の玉野所長に御答弁願うことになると思いますが、原子自身は、御承知のようにクリプトン八六というのは、いわゆる原子自身が何といいますか、原子核の周囲に一定の軌道を描いております電子とからできておりまして、この原子核はこれまたさらに陽子とそれから中性子からできておって、原子自身の性質というものは陽子の数によってきまることになっておりまして、このクリプトン八六というのは、陽子が三十六ある原子であります。その中性子の数は若干変わるものがありますが、これは同位元素といって、たとえば四十八中性子があるものあるいは五十中性子があるものというふうに一定のものしかないわけでありまして、ここで取り上げておりますクリプトン八六というのは、陽子が三十六と、それから中性子が五十というある一定の原子を取り上げておりまして、これはこれ以外のものはないといいますか、これを取り上げております。で、純度の問題はない、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。
#17
○牛田寛君 今のお答えはちょっと私納得できない点があるんですが、もちろん原子の御説明はその通りであると思いますが、その定義に基づいた光を出す具体的な方法は、いわゆる先ほど申しましたいろいろな条件に影響されるのじゃないかと思います。ですから、今局長がおっしゃいましたような定義通りの理想的な光の波長が具体化されるということが考えられないのですか。
#18
○政府委員(佐橋滋君) 中検の所長に答えさしていただきたいと思います。
#19
○説明員(玉野光男君) 私から今の御質問に対してお答え申し上げたいと思います。
 今御質問で、純度が問題ではないかというお話しもございましたが、その点についてまず申し上げたいと思いますが、確かに純度がクリプトン八六という同位元素が、分けましても必ずしも一〇〇パーセントの純度というわけには参りません。従いまして、純度につきましても、国際度量衡総会におきまして純度を規定いたしまして、九九%以上のクリプトン八六を含んでいるものであるというふうにきわめておりまして、そのきめ方によりますれば、先ほど重工業局長がおっしゃいましたように、ほかの条件が適当であるならば、一億分の一の再現性が得られるということでございます。なお、純度のほかにも電流の強さ、真空度というようなものにつきましても影響がございまして、そういうふうなことにつきましても、すべて実験的に研究が進められまして、こういうふうな方法であるならば、一億分の一の精度は間違いなく再現ができるのだという条件がはっきりとわかっておりますので、その条件を取り込めまして、今度の政令できめますものを作る予定でございます。
#20
○牛田寛君 次に、ただいまのお話しで、長さの基準としての光の波長を再現する方法については了解できたわけでありますが、その次は、その光の波長をほかの品物、たとえば標準尺のようなものと比較する方法でございますが、その比較する方法の間にまたいろいろと誤差が起こってくるのじゃないかと思いますが、その比較する方法は、どういう方法というよりは、どういう機械を使っているか、それからその機械の正確度というのはどの程度保証される見通しをお持ちになっているか、それをお伺したいと思います。
#21
○説明員(玉野光男君) 確かに光の波長をもとにいたしまして長さをきめます場合には、光の干渉という現象を使って定めるわけでございまして、従いまして、長さとの関係を求めますときは、何らかの形において干渉計を利用するわけでございます。現在新らしい定義に基づきまして、ものさしをそれならば光の干渉によってどういうふうに実現していくかということが問題になるわけでございますが、これにつきましては、日本におきましても、中央計量検定所によってすでに前から研究いたしておりまして、ものさしを光の波長をもとにして直接目定するということが可能になっておりまして、それによりまして得られます精度は、やはり一徳分の一に近い精度で再現ができるということでございます。
#22
○牛田寛君 従来の国際メートル原器のような形の原器と違いまして、光の波長が基準になる場合には、それを比較する今お話のありました干渉計の精度というものは、実用上には非常に大切になってくると思います。光の波長が幾ら正確だとこういいましても、実際にそれと比較する方法を持たなければ、ちょうどめくらが手さぐりしておるようなものでありまして、比較の機械の精度というものは大切です。もちろん今のお話で一億分の一の精度が保証されるということでありますが、そうなりますと、その機械の精度を保証する、あるいは保証するための一つの保管義務というものが必要になるのじゃないかと、こう考えるわけなんです。今までは通産大臣が原器に対する保管義務を負っておられます。その保管の義務がなくなる、そういうことでありますが、今度はそういうふうな比較の精度に対する保証の義務というものをお持ちになる必要はないか、そういうふうに考えるのでありますが、その点についてお伺いしたいと思います。
#23
○説明員(玉野光男君) 特に法律におきましてそういうふうなものを持たねばならぬということをおきめいただきませんでも、通産省あるいは工業技術院の設置法におきまして、中央計量検定所においてすべて計量の標準を維持する、あるいは確立することが任務であるというふうに定められておりますので、その任務の一端としてただいまのことを当然やっていけばよろしいのではないかというふうに考えております。
#24
○牛田寛君 その点ですね。今までのメートル原器と、それからメートル原器にかわる標準の波長を出す光源と、それから比較測定の機械と、この関係が変わってきたわけでありますね。それで今までは原器について保管の責任を持っておったけれども、今度の光の波長をもとにする一つの基準体系というものに対しては、一体どこでその具体的な精度を保証するかということに、われわれしろうととしてはちょっと懸念を持つのでありますが、もちろん通産大臣としての精度の保証の義務がある。これは当然であると思いますが、計量法の立場から、あるいは長さの基準を確保するという立場から、やはりそういう責任を持つ必要はあるのではないかとも考えられますが、長さの基準というものに対する一つの基本的な考え方の上から、今度のような場合にはそういう必要はないということをもう少し詳しく御説明願いたい。ちょっと質問が回りくどくなりますが。
#25
○説明員(玉野光男君) 私は特に法律等でその装置を持つ義務を課すようにしていただかなくても、当然それはやるべき仕事としてやり得るというふうに考えますが、それともう一つは、たとえば何を持たなければならないかということを規定しなければなりませんが、もし規定された場合には、今後どんどん進歩しなければなりません、改善をしていかなければなりませんが、その方法が法律によって規定されることによって、ほんとうはもっといい装置があるのだけれども、法律できめられているのがこの装置だからというようなことも場合によっては起こり得るのではないか、そういうふうな意味から原器を規定いたしますのと、それから装置を規定するのとは多少ニュアンスが違う面がありはしないか、そういうふうな見解からも将来の発展、改良ということを考慮いたしますと、きめていただかない方がむしろ実際的ではないだろうかと、かように考えます。
#26
○牛田寛君 次に、温度の基準の点について一、二点お伺いしたいと思いますが、温度の単位をケルビン度にお変えになるわけでありますが、それに伴って定点を、今までの定点とは異なって絶対零度と、それから水の三重点、これを定点とするわけであります。絶対零度はもちろん具体的に再現できないと思います。水の三重点も今までの定点とは異なって再現しにくい一つの定点じゃないかと私ども考えるのでありますが、なぜそのような再現しにくい定点を定点になさったかということについて伺いたいと思います。
#27
○説明員(玉野光男君) 再現しにくいという意味から申しますれば、水の三重点を作ることが零点を作ることよりもむずかしいことは確かにそうでございますけれども、しかしそれらの定点の再現性ということを考えますと、水の三重点につきましては、千分の一度というような非常に高い、おそらくはかの定点、これにまさる定点とすべき一定の温度のものはないと存じます。それに対しまして水の氷点、つまり氷と水との平衡の温度でございますが、それは一千万分の一ないしは二千万分の一程度の再現性でございますので、従いまして水の三重点を使うということによって定義することが、定義をはっきりさせる意味において優れているものと、こういうふうに考えられているものであります。
#28
○牛田寛君 長さの基準の場合と同じように、三重点を再現する装置ということがやはりおありなんでしょう、特別の装置というものが。
#29
○説明員(玉野光男君) はいございます。しかも日本でも私の方で作りまして、あっちこっちに使っていただいておりますし、また製品として外国で売られているような装置でございます。
#30
○牛田寛君 長さの場合と同じような問題がここに出てくると思うのですが、その三重点の再現の装置の精度というものが、日本でも外国でも同じような精度で作られるような技術に達しているものですか。
#31
○説明員(玉野光男君) その通り、今問題とされております千分の一という程度におきましては、同じようなものが作られる可能性が十分ございます。
#32
○牛田寛君 そういたしますと、やはり定義された水の三重点とは、ある程度の誤差を持って再現される、しかもそれはやはり技術の程度によってその再現性がよくなり悪くもなると、そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
#33
○説明員(玉野光男君) その通りでございます。
#34
○牛田寛君 それからもう一つお伺いしたいのですが、今までは二つの定点の間を百等分する、そういうような定義の仕方であったと思いますが、このたびは定点の一つは具体的に再現できるけれども、もう一つのケルビン度の零度、これは再現できない、従って、その目盛りの方法はどういうふうになるのですか、それを伺いたいと思います。
#35
○説明員(玉野光男君) 今までは二つの点、具体的に申しますれば氷点と水の沸点をもとにいたしましてきめておりましたが、今度は二つの点で、一つは零度でありますし、一つは水の三重点ということでございまして、熱力学的にそれによりまして目盛りを作るということは、絶対零度を一つの基本としてとります場合には、もう一つは――一点あれば十分であるということが証明されておりますし、また、実際にその通りでございますので、一点で絶対温度ということにいたしますれば、温度目盛りということにいたしますれば十分でございます。
#36
○牛田寛君 ちょっと今のお答えでは理解しにくいのですが、このケルビン度の規定されました目盛りを実現する温度計というものは、何か特殊なものでなければならないと、そういうふうになっているのじゃないかと思うのですが、その点についてお答え願いたい。
#37
○説明員(玉野光男君) 熱力学的に温度をきめるということでございます場合には、熱力学的に温度をきめるという場合は何をその物質に使いましても同じ結果が得られるような目盛りが熱力学的の温度目盛りでございますが、そういう意味におきまして水の三重点を使って一方の最低の温度、つまり、達し得る最低の温度を零度――それが熱力学的の一番低い温度でございますが、その間を二七三二六分の一にするということで目盛りが確定するわけでございます。
#38
○牛田寛君 熱力学的の零度というのは、実際にこの世の中に存在しないと思うのです。その存在しないものを定点にして目盛りを作るということが私どもには納得できないのですが、一体、どういう具体的な方法で目盛られるのか、その点を一つはっきりしていただかないとわからないと思います。
#39
○説明員(玉野光男君) どういうふうに御説明申し上げれば熱力学的という温度目盛りをこの席で御説明申し上げることができるか、ちょっと私としましても自信がないのでございますが、もしあれでしたらば、書面ででも説明させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#40
○牛田寛君 その点については後ほど資料もいただきたいと思いますが、なぜ私が根掘り葉掘り伺うかと申しますと、その計量法の改正は、計量の単位の基準を定めるということがもちろん問題でございますが、計量の単位をなぜこのようにやかましく規定し、定義づけ、法律でも規定しなければならぬかということがどうも私たち一般はのみ込めないわけです。それで計量の単位というものに対する考え方を、もう少し私たちの実生活に結びつけて御説明願いたいという気持を持っているわけでございますが、これ以上あまりこまかくなりますと、技術的に走りすぎますので、とめておきたいと思いますが、温度の定義を実際の温度の基準にするにいたしましても、必ず温度計という道具が要ると思います。それでその熱力学的な温度目盛りを実現するためには、これはどういうものが使われるか、私はこまかく存じませんけれども、たとえば水素ガス寒暖計というものが使われるのではないか、その目盛りをもって熱力学的の温度目盛りにするというようなことになるのではないかと思いますが、しかしそのような道具を使いましても、理論的な温度目盛りと多少ズレるのではないか、そのズレが大体どのくらいあるのか、定義された目盛りにはなかなか一致する具体的の方法はないけれども、実用上としてこれくらいの誤差があっても差しつかえないということで使われるのではないかと、こういうふうに私たちは考えているのでございますけれども、その考え方で間違いないかどうか。
#41
○説明員(玉野光男君) その通りでございます。
#42
○牛田寛君 大体これでこのたびの改正案の趣旨は了解できたかと思いますが、もう一つ念を押しておきたいのは、長さの基準にいたしましても、それから温度の基準にいたしましても、従来は定義とそれからその基準というものが一つのものになっていたように思う。長さの定義であれば国際メートル原器がその定義そのものになっている。それがそのまま基準になっている。今度の改正は、定義は理論的に定めて、具体的に完全に一致したものを再現することができないけれども、その定義そのものは、自然界に存在し永久不変である、それにできるだけ近いものを再現した具体的の方法を基準とする、定義と基準というものが別々になったような形に改正されたのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点いかがですか。
#43
○説明員(玉野光男君) お話の通りでございまして、今回の定義におきましては、定義はできるだけ純粋性を持たせ、将来の技術的な発展があっても、それによって定義を変更する必要はないようなふうに定義しておりまして、具体的にはできるだけその時代における最高の技術によって、その定義に近い形で実現していくというやり方でございます。
#44
○牛田寛君 これは少し枝葉の問題になると思いますが、基本単位をケルビン度といたしますと、表示が今までよりも複雑な表示になりやしないかという懸念を持つのであります。たとえば従来の計量法の第五条第十九号の中に、「温度〇度において」云々という条項がございます。これは一つの標準温度を示されたところであろうと思う。今度の改正案によりますと、その「「〇度」を「二七三・一五ケルビン度」に改める。」、こうなっている。このような例はほかにもたくさんあるのではないかと思いますし、また将来もたくさん出てくる可能性があると思います。たとえば長さを測定する場合に、必ず長さを測定する場合の条件、すなわち標準温度というものがございます。たとえば鋼製の標準尺であれば、今までは摂氏十五度が標準温度、あるいはその他の測定でも、標準温度を摂氏零度としておるというように、いろいろと各種の測定の場合の状態を定める場合の標準温度というのがございます。零度とか十五度とか二十度とか、そういうようなものが、いろいろな法律あるいは規則の中に現われてくる場合に、零度とか十五度とか二十度とかいうものを、二七三・一五ケルビン度あるいは二九三・一五ケルビン度あるいは二八八・一五ケルビン度というふうに、一々そういうふうな表示で表示しなければならないとなりますと、非常に繁雑になりまして、間違いを起こすもとになるのじゃないかと、こういう心配があるのでありますが、その表示の方法について、どういうお考えを持っておるか、それを伺いたい。
#45
○政府委員(佐橋滋君) 今度の温度の表示は変更して、ケルビン度が基本計量単位になりますが、従来の摂氏度は、補助単位としてそのまま計量法に残しおりますので、この点については、変更を加える必要がないと、こういうふうに考えております。
#46
○牛田寛君 そうしますと、この計量法の中で、「「〇度」を「二七三・一五ケルビン度」に改める。」となっておりますが、法律の場合はケルビン度表示にして、それからその他の場合は摂氏を用いるというような区別をどこでおつけになるのですか。
#47
○政府委員(佐橋滋君) 摂氏度の零度に並行して、これはカッコ書きにケルビン度二七三・一五度というようなことにするか、その点まだきめておりませんが、法律でそういう場合が出て参りますれば、両方併記するというようなことになるかと、こういうふうに考えております。
#48
○牛田寛君 私が心配するのはその点なんでありまして、この法改正のために、実用上には影響がないという御説明でありましたけれども、この基準単位をケルビン度にするということは、理論的には非常にこれは間違いないので、理想的のように見えますけれども、実際にケルビン度表示と摂氏度表示を両方やらなければならないというような複雑性が現われてくるということは、非常に実用上不便を生じ、間違いを起こすもとになるのじゃないかと、この点は、表示の問題については、できるだけ簡単にする意味で、多くの場合、摂氏度表示を用いた方がいいのではないか、そのように今後おきめ願いたいと私は考えるわけでありますけれども、その点について御意見を伺いたい。
#49
○政府委員(佐橋滋君) 計量の基本法であります計量法では、今申しましたようなケルビン度を基本計量単位にし、摂氏度を補助単位として残す形をとっておりますので、そのほかの法律、今ほかの法律で標準温度をきめたとかいうようなものは心あたりがありませんが、実際にいろいろの計器あるいはものをはかる場合に、いわゆる何といいますか、肩にそういう表示をする必要のあるものが多々出てきますが、その点は先生の御指摘の通り、従来の摂氏度で差しつかえないものは摂氏度でかまわないというふうに考えております。
#50
○牛田寛君 次に仏馬力の単位について一、二お伺いしておきたいと思うのですが、今までの計量法施行法におきましては、仏馬力は昭和三十六年十二月三十一日まで、こういうことになっておりまして、それを今度は当分の間というふうに直される。今まではそのように時日を限って定められた。今度は時日を限らないで、当分の間となさった点についてお伺いしたいわけです。初めに、計量法施行法が定められたときに、三十六年十二月三十一日と日を限られた、その理由をまずお伺いしたいと思います。
#51
○政府委員(佐橋滋君) 計量法自身がメートル法をもって貫いておりますので、できるだけ早い機会にメートル法を、いわゆるMSK法といいますか、計といいますか、メートル計でないものはなるべく早い機会に廃止をしたい、こういうふうに考えて、それぞれ尺貫法につきましても、あるいはヤード、ポンドにつきましても期限をつけたわけでございますが、仏馬力についても、そういう趣旨でメートル法に統一使用に踏み切りましたときに、大体三年なら三年ということで考えたわけでありますが、その後の仏馬力の使用状況が、各国、この前も御説明申し上げましたように、依然として使用されておりますので、日本だけがこの仏馬力を廃止することは、いろいろの意味におきまして、取引上その他で支障が参りますので、世界の各国が仏馬力使用をやめる機会まで、これを延長した方が、いろいろの点でより適切ではないか、こういうふうに考えまして、当分の間と、こういうふうに改めることにいたしたわけであります。
#52
○牛田寛君 それに関連いたしまして、今までは仕事の単位としてキログラムメートルは加えられていなかったと思うのですが、このたびそれが加えられたように承知しておりますが、その理由をお伺いしたい。
#53
○政府委員(佐橋滋君) 仕事の方の関係の単位には、力の単位だとかあるいは仕事の単位、工率の単位というものがあるわけでありまして、これは物理学をわれわれが習いましたので申しますと、力というのは質量と加速度を掛けたものだ、仕事というのはその力と長さを掛けたもの、工率というのはその仕事を時間で割ったものだ、こういうふうにわれわれ教わっているわけでありますが、この単位につきまして、従来絶対計単位と重量計単位と二つの種類がありまして、その絶対汁単位というのはメートルとそれからキログラム秒という現在の基本単位から純粋に組み立てられているものでありまして、いわゆるワット、ジュール、ニュートンというような単位が計量法に規定されております。重力単位計につきましては、キログラム毎秒、いわゆる仕事の関係の単位はありますが、工率の単位はたまたま七十五キログラムメートル毎秒というのが仏馬力一馬力に相当いたしますので、その単位だけが仏馬力が使用されておりました関係上、仏馬力を代用しておったのでありまして、この仏馬力が先ほど説明を申し上げましたように、当分の間ですが、できるだけ早い機会にやめたいというふうに考えておりますので、このいわゆる工率の単位としまして仏馬力一馬力に今まで七十五キログラムメートル毎秒という、キログラムメートル毎秒という単位をこの際つけ加えたいと、こういうふうに考えたわけであります。
#54
○牛田寛君 そうしますと、ちょっと聞き違えかもわかりませんが、キログラムメートルをつけ加えたのは、将来仏馬力を廃止するのが前提だ、仏馬力がなくなった場合に重力体系を残すためにキログラムメートルを加えたと、そういう意味ですか。
#55
○政府委員(佐橋滋君) その通りであります。
#56
○牛田寛君 計量法の理想としては絶対単位計に統一することというふうに承知しておりますが、仏馬力を当分の間使用されるというのはいろいろ理由があると思いますが、それは理想としては廃止した方がいいのじゃないか、こう私は思っておりますが、いろいろな事情でやむを得ないという形であるように伺っておりますが、そうすれば何もわざわざ仏馬力を廃止した後に、絶対単位計を残すためにキログラムメートルを入れるというようなことは無意味ではないか、ちょうど馬力がキログラムメートルに化けたというような形になりはしないかというふうに考える。従ってキログラムメートルを残すということが、あまり意味のないことではないかと思うのですが、その点について。
#57
○政府委員(佐橋滋君) 絶対単位計と、それから重力単位計と二つあると申し上げましたが、このいわゆる重力単位の方をやめてしまおうという気は全然持っておりません。と申しますのは、絶対単位計と申しますのは、地球の重力といいますものを考えてない純粋の単位計でありますので、実際に使用する場合には、いろいろ機械その他を使用します場合には、必ず地球の重力というものを加算していろいろ設計をされておりますので、その場合には重力単位計が用いられますので、単位計と絶対単位計というものは、今後も併存するわけであります。
#58
○牛田寛君 ちょっと今のお答えは理解できにくいのですが、単位と重力そのものは直接関係がないと思うのです。地球の重力がございましても、絶対単位計で定めれば重さも出て参りますれば、力も出てくる、力もはかることができる。ですから地球の重力があるから絶対単位計を残すということは、ちょっと矛盾があるのではないかと思います。私の伺いたいのは、仏馬力がなくなるときの用意にそのキログラムメートルを加えるというお話でございましたので、それなれば、最初からキログラムメートルは加えられてもいいのじゃないか。なぜならば、仏馬力はすでに三十六年十二月で廃止するということがきまっておるわけでございます。それならば、その趣旨で加えられるならば、計量法の初めからキログラムメートルは加えられておってよいはずだ。それが今さらキログラムメートルを加えられたということは、その御答弁ではちょっと納得がいかないと思うのですが。
#59
○政府委員(佐橋滋君) キログラムメートル毎秒というのは、おそらく、まあ計量法改正のときのいきさつは知りませんが、当然車力単位計としてそのときに規定しておくべきであった、こういうふうに私は考えております。
#60
○牛田寛君 そうしますと、重力単位計としてきめておくべきものが漏れておった、完全なものにするという意味で加えられる、そういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
#61
○政府委員(佐橋滋君) その通りであります。
#62
○牛田寛君 馬力の定義でございますが、計量法施行法の第九条に「仏馬力は、七三五・五ワットの工率をいう。」と、こうなっております。で、馬力そのものは重力単位計である、実際に馬力を計算する場合には、キログラムメートルの七十五で割っているわけです。馬力を存続する理由が実用性にある、特に内燃機関系統の工率を表示するために存続するというのであれば、むしろ馬力の定義をキログラムメートルで定義して、七十五キログラムメートルとした方が合理的ではないかと思うのですが、その点について御説明を願いたい。
#63
○説明員(玉野光男君) 計量法におきましては、七三五・五ワットということで仏馬力を定義しておりまして、七十五キログラムメートルというので定義しておりませんが、正確に標準重力の値を入れて計算してみたら、きっちり七三五・五にはならないわけでございますが、それを数字をまるめてそういう格好にしてあるわけでございますが、しかし考え方といたしましては、絶対単位計というものが、何と申しましても標準の単位計であるというふうに考えまして、そういう意味でワットで仏馬力を定義してあったわけでございまして、今後も仏馬力というものが暫定的のものであるという見地から、やはり基本的のワットというもので定義するのが妥当であろうという見解のもとに、今度のようにされているわけでございます。
#64
○牛田寛君 仏馬力の存続は、当分の間となっております。国際的に仏馬力は使われているので、仏馬力を残すということでありますが、計量の単位の統一という上からは、ワットへ統一された方が大へん便利であろうと私は思うのです。七十五で割ったり掛けたりするような繁雑さよりも、むしろ一切の表示がワットになれば別にどこにも支障が起こらない、そうなるわけであります。国際的に仏馬力が残っておるからわが国も仏馬力を残すという、非常に消極的な行き方であるように思うのです。現在計量の単位というものについても、国際的統一という方向に世界中が向かっているわけでありますから、むしろわが国が率先して仏馬力の廃止の方向に、国際機関に働きかけるくらいの積極性を持った行き方でやっていただきたいと、こう私は考えるわけでありますが、その点について御意見を伺いたい。
#65
○政府委員(佐橋滋君) 非常に消極的のようで恐縮でありますが、牛田先生の仰せのように今後努力して参りたいと、このように考えております。
#66
○牛田寛君 その立場で、仏馬力の存続をどの程度に見通しをつけられているか。
#67
○政府委員(佐橋滋君) 当分の間がどのくらいかということでありますが、ただいま先生の言われましたような趣旨で動くといたしまして、世界のまだ大勢がやはり仏馬力を使用している間は、なかなか取引上でも支障が参りますので、まあ日本が積極的に動くといたしまして、その効果を奏しまして、主要な国々がある程度日本に同調し得る大勢になったというときだと、こう考えますので、現在まだその当分の間がどのくらいの実際の具体的な期間かということは、非常に困難でございます。
#68
○牛田寛君 どうも国際会議に出ますと、日本は非常に外国追従になりまして、消極的な行き方になる傾向を見受けられるわけであります。少なくともこういうふうな文化の基本的な問題に対しては、わが国あたりが積極的に提案していくという努力を一つしていただきたい。フランスあたりは、まあ仏馬力廃止の方向に向かっておるように伺っておりますが、そういうふうな国々と提携して、一つ推進していただきたいというふうに希望するわけでありますす。大臣の見解を伺いたいと思います。
#69
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御趣旨のように、努力をいたしたいと思います。
#70
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#71
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、これを本委員長に御一任願いたいと存じます。
  ―――――――――――――
#73
○委員長(剱木亨弘君) 次に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
#74
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま議題となりました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 臨時石炭鉱害復旧法は、十年間の限時法として、昭和二十七年に制定されまして以来、現在までに約九年を経過しているのでありますが、この間に約八十億円に上る石炭鉱業及び亜炭鉱業による鉱害を復旧いたしまして、国土の保全と民生の安定に大いに寄与してきたのであります。
 しかし、昨年、通商産業省におきまして、全国的な鉱害事業量調査を実施いたしましたところ、なお、約二百四十億円に上る安定鉱害が累積して残存しており、そのうち臨時石炭鉱害復旧法による復旧の対象となるものはその六、七割程度に及ぶものと推定されている次第でございます。
 しかるに、同法は昭和三十七年七月三十一日までに廃止すべきものとされておりますので、新たに広範囲、大規模な復旧工事に着手することは困難となっております。このような状況のもとに、鉱害地域住民の間には、同法による鉱害の復旧が、その後中絶されるに至るのではないかとの懸念と不安が高まってきているのであります。
 従いまして、この際、同法の有効期間を延長して、これらの問題を解決し、住民の不安を除去することがぜひとも必要であると考えるのであります。
 なお、衆議院商工委員会におかれても、この点に留意され、去る第三十七回国会において同法律の延長を骨子とする改正法案を、今国会に提案すべきであると決議されたのであります。
 以上の経緯にかんがみまして、同法律の有効期間を、さらに十年間延長しようとするのが、ただいま提案いたしました改正法案の第一の要点でございます。
 改正の第二の要点は、鉱害により緊急の事態が発生しました場合に、応急的に対処し得る体制を作ろうという点にございます。
 鉱害復旧のための基本計画を作成するためには、鉱害の賠償義務を負う者はだれか、また、その責任の範四はどれだけかということを明らかにしなければなりません。
 これが明らかにならない場合には、緊急の事態が発生いたしましても、これに対する措置について、現行法は規定されていなかったのでございますが、このような場合には、国と地方公共団体が費用を支出して応急の工事を行なわせた後に、賠償義務者等を追及して、その者から費用を償還させるという方法によって事態に一応の解決を与えたいと存じております。
 その他昭和三十三年に廃止されました特別鉱害復旧臨時措置法に関する規定及びいわゆる無資力認定に関する規定について、この際、あわせて整備したいと存じます。
 以上が、この法律案の内容及びその提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
#75
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は、後日に譲ります。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#76
○委員長(剱木亨弘君) じゃ速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#77
○委員長(剱木亨弘君) 次に、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、以上三案を、便宜一括議題とし、内容の説明を聴取いたします。
#78
○政府委員(小山雄二君) 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、補足的に説明をいたします。
 中小企業金融公庫は、中小企業者の行なう事業の振興に必要な長期資金であって、一般の金融機関が融通することが困難なものを融通することを目的として、昭和二十八年八月に設立をされたのでありますが、自来、年々貸出資金源を増大し、人員機構も整備拡充して、右の目的達成のため邁進して参ったのであります。
 しかしながら、最近の経済状態においては、特に貿易自由化に備えて、中小企業の経営の合理化、設備の近代化を促進し、もって、中小企業の振興をはかることが急務であり、また、そのために中小企業金融公庫の果たす役割も、いよいよ重要度を増してきております。すなわち、すでにこの一月から貸出金利も年九分に引き下げ、中小企業者の金利負担を軽減し、貸出資金源についても、昭和三十六年度におきましては、公庫に対し、政府資金四百二十五億円を融資することにより、年間貸出規模を八百三十五億円として、その拡大をはかることとしておりますが、なおこの際、中小企業金融公庫法に所要の改正を行ない、もってその機能を拡充強化いたしたいと考えておるわけであります。
 改正の要点は二点でございますが、まず、理事の増員について御説明申し上げます。
 中小企業金融公庫は、創立当初、役職員五十七人、三部六課の簡素な機構で出発したのでありますが、その後各方面の要望にこたえ、貸出規模を拡大し、人員機構も整備拡充いたしまして、貸出残高は、本年一月末で千四百九十三億日余に達し、店舗十一支店、二出張所(昭和三十六年度は十四支店、四出張所)代理店は六百七十六店、取扱店は五千余の多きに達しております。このような事務量の増大に伴い、各理事の担当する業務も過大となって参りましたので、今回、理事二人を増加することといたしました。
 次に、代理人の権限規定の改正についてでありますが、現行法では、中小公庫の代理人は、「公庫の業務の一部に関し」一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有することとなっているため、代理人が公庫の貸付金の担保として徴求した不動産等の登記を地方法務同等に申請いたしました場合、代理人の代理権の範囲が明確でないことを理由として、総裁の代理人に対する当該登記事務に関する委任状の提出を要求される等の事例がございまして、事務が煩雑でございまして、このため公邸業務の遂行に支障を来たすことがあります。従ってこの際、代理人の代理権の範囲を法律上明確化し、「従たる事務所の業務に関し」一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する旨を規定することといたした次第であります。
 以上が、改正の内容の要点でございます。
 次に、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。
 中小企業信用保険公庫は、従来の中小企業信用保険特別会計の業務を承継して昭和三十三年七月設立され、中小企業者に対する事業資金の融通の円滑化をはかるため、信用保証協会の業務上必要な資金を融通する貸付業務と信用保証協会の債務の保証に対する保険を中心とする保険業務、この二つの業務を行なっております。
 同公庫の資本金は、現在百四十七億円でありますが、このうち信用保証協会に対する貸付を行なうための融資基金に充てられている金額は六十八億円であり、同公庫は、この資金をもって信用保証協会に対して、その保証債務の増大に必要な原資となるべき長期資金及び保証債務の履行を円滑にするため必要な短期資金の貸付を行なっており、これにより信用保証協会の保証能力の増強による保証規模の拡大、中小企業者の負担軽減のための保証料率の引き下げ等、種々の面で顕著な効果をおさめている状況にあります。
 しかしながら、最近におきましても、わが国経済の好況を反映して、中小企業の資金需要は依然として旺盛であり、これとともに保証需要も、大幅な増加の傾向にあります。従って、中小企業に対する金融の円滑化をさらに積極的に促進するためには、信用補完制度の第一線業務担当機関である信用保証協会の保証原資及び保証能力を大幅に増大する必要があります。
 そのため、政府は、中小企業信用保険公庫法第四条第一項の資本金に関する規定及び同法第二十二条第二項の融資基金に関する規定を改正し、昭和三十六年度におきまして中小企業信用保険公庫に対し、産業投資特別会計からの出資額を二十億円増額し、これを同公庫の資本金とするとともに、これを融資基金に充て、同公庫から信用保証協会に貸し付けることとした次第であります。この結果、同公庫の資本金は百六十七億円となり、そのうち融資基金は八十八億円となる見込であります。また、融資基金の増加により、三十六年度において、同公庫の信用保証協会に対する新規貸付金額は、本年度計画の四十四億円よりも十六億円増加いたしまして六十億円となる見込みであります。
 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について、補足して御説明申し上げます。
 中小企業に対する金融の円滑化をはかるための施策といたしましては、中小企業専門の政府関係金融機関である中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫に対する財政投融資による貸出資金策の増大をはかるとともに、相互銀行・信用金庫・信用協同組合等の中小企業専門民間金融機関の育成をはかる等、諸種の対策を講じて参っておりますが、中小企業が信用力、物的担保力の不足のため、通常の金融ベースに乗りがたい点から考えますと、中小企業の信用力を補完する制度は、きわめて重要な役割を果たしております。
 この信用補完制度といたしましては、御承知の通り信用保証協会において行なっている信用保証制度と中小企業信用保険公庫による信用保険制度とがありますが、この両制度は、機能及び業務分野において競合重複する面がみられますので、その調整が必要とされており、現在は、これらの問題を審議した昭和三十二年十二月の金融制度調査会の答申に基づき、信用保証協会の機能の拡充強化をはかるとともに、中小企業者に対する信用補完業務は、第一次的には信用保証協会の保証によるものとし、中小企業信用保険公庫による信用保険制度は、信用保証協会の保証債務のすべてについて再保険的機能を営む包括保証保険を中心とするように、そういう方向で運営して参っております。
 明年度からは、このような方向をさらに押し進めて、信用補完制度の整備拡充をはかることとし、中小企業信用保険法の一部を次のように改正することといたしました。
 まず第一は、中小企業信用保険のうち、融資保険及び普通保証保険の制度を廃止して、包括保証保険制度の一本建てに統一したことであります。これは、先ほども申し上げましたように、中小企業信用補完制度の第一線業務は、すべて保証協会によることとし、信用保険は、その再保険的機能を営むこととし、かつ包括保証保険に移行するという信用補完に関する業務分野の調整を行なうためであります。
 第二は、包括保証保険のうち第二種保険の中小企業者一人についての付保限度額を、五百万円から七百万円に引き上げることであります。すなわち、普通保証保険等の廃止に伴い、包括保証保険のみとなるわけでありますが、現行の包括第二種保証保険の中小企業者一人の付保限度額は五百万円であるため、普通保証保険の廃止により五百万円超七百万円までのものについては、本保険制度による信用補完の道を閉ざされることとなるので、このような保険利用に関する既存の便益をそこなうことのないよう限度額を引き上げたいわけであります。
 第三は、信用金庫連合会の中小企業者に対する貸付にかかわる信用保証協会の保証を、新たに中小企業信用保険の対象とすることであります。
 信用金庫連合会は、会員すなわち信用金庫に対する資金の貸付とともに大蔵大臣の認可を受け会員以外の者に対し貸し付けることができることとなっておりますが、最近信用金庫連合会の信用金庫を代理店とする中小企業向け貸付は、近年飛躍的増加を示しているので、その融資をさらに促進するため、本保険制度の対象に加えようとするものであります。
 第四は、改正法の付則において、中小企業信用保険法の改正に伴う中小企業信用保険公庫法の改正を行なうことであります。すなわち、第一において述べました通り、中小企業信用保険の種別を廃止することとなりましたので、中小企業信用保険公庫が、毎事業年度国会の承認を経ることを要する保険価額の総額について、保険種別の区分を廃止する等の整備を行なうことであります。
 なお、三十六年度における包括保証保険の予算上の付保予定額は、三十五年度の千八百億円に対し、二千七百億円を予定しております。
 また、包括第二種保険の拡充に伴い、中小企業者の金利負担を軽減するため、中小企業信用保険法施行令の一部を改正し、その保険料率を現行の年一分一厘よりも一割引き下げ年九厘八毛五糸とすることとしておりますので、このことを付け加えて申し上げます。
 以上が、信用保険法の内容に関する御説明でございます。
#79
○委員長(剱木亨弘君) 引き続いて質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#80
○川上為治君 今回の改正につきましては、中で融資保険の問題――これは保険公庫の問題なんですが、融資保険というのは、従来の経過から言いますというと、だんだん廃止していくと、ちょうど時期が来たということになると思うのですけれども、この制度を廃止したために、非常に中小企業者の中
 で不便に考えるという人がある程度あるのじゃないか。
 たとえば七百万円以上どうしても借りたいというような人たち、これはまあ大体、中堅の中小企業ということになってくると思うのですが、そういうような道を閉ざすというようなことになってきやしないだろうかというような気持がいたすのですが、従来の、融資保険に対する漸減の方針を今までとっておりましたが、その経過、それに対する中小企業界からのいろいろな要望、そういうような問題について、まず伺ってみたいと思います。
#81
○政府委員(小山雄二君) 三十六年度から、信用保険公庫でやっております保険業務のうちで、融資保険、普通保証保険、包括保証保険、三つございますが、融資保険と普通保証保険を廃止することにいたしたいと考えております。
 先ほど申し上げましたように、数年来、そういう段取りで準備をして参って、その準備と申しますことは、一つは、包括保証保険に統一いたしまして、中小企業者直接の資金を借りることに対する保証というものは、信用保証協会が第一次的に全部やる、それを再保険的に国が――信用保険公庫が再保険をするという形にいたすわけでございますが、準備と申しますのは、まずもって、信用保証協会の力をつけていくということで、毎年その努力をやって参ったわけです。
 それで、今の七百万円以上というような融資等の話がございましたが、たとえばその保証限度等につきましても、ここ二年ばかりの間に、信用保証協会の一人当たりの保証限度というものも、平均いたしまして――保証協会によっていろいろ違いますが、大体六百五十万円ぐらいになっております。で、二年ぐらいの間に約二百万円ぐらいふえて、六百五十万円――七百万円近くなっておりますが、五十二ございますが、大体七百万こして、――五百万というのもございます。非常に小さいところでは三百万円というのもございますが、大体のものが、七百万円ぐらいの保証限度に達しておりますし、平均しても六百五十万円ぐらいになっておるわけでございます。そういうように、保証協会が力をつけてきまして、中小企業者が金を借ります場合の第一線的な保証のところを充実して参って、その準備が大まかにできたという見通しをつけておるわけであります。
 それから、融資保険等のこれはワク等も締めて参ってきて、そういう準備をして参ったわけでありますが、実際の付保の状況等も、年々利用率等も下がって参っておりまして、銀行の数等から言いましても、融資保険を利用するパーセント、金融機関の数のパーセントも、割合少ないし、金額等も非常に少ない状況でありまして、大体そういう態勢に逐次移ってきた。こういう面からも、利用状況からいっても、そういうことを考えられますので、この際制度をすっきりする意味におきまして、なおかつ保険基金の総合的、効率的運用といいますか、そういう点から申しまして、制度を統一したいというふうに考えている次第であります。
#82
○川上為治君 保証協会の対象となりますものは、これは大体中小企業のうち比較的零細な小さいもの、こういうのが中心に運営されることは、これは当然のことだと、私は思うのであります。ただ最近、いろいろ中小企業者のうちで比較的大きなもの、中堅のもの、こうした方面から、たとえば中小企業金融公庫に金を借りにいってもワクがないために、なかなか借りることができない、あるいは商工中金に頼みましても、これまたワクのために、なかなか借りることができない、こういう国の機関については、ワクのために縛られまして、なかなか金を借りることができないというような状態で、勢い市中銀行から金を借りたい、ところが市中銀行にいきますと、いろいろ信用の関係から、どうもなかなか金が借りられないというようなことで、保険制度、保証協会に頼らないで、融資保険の制度というものがやはり必要でないかというようなことを言ってくる人たちも、だいぶあるわけなのですが、そういうようないわゆる中堅の、中小企業者の上といいますか、中以上のものに対する金融の欠陥について、別にそういう制度を牛かして置いて、めんどうを見てやるというような、そういうことは考えられないものですか、また、これにかわるべき特別なたとえば新種保険というようなものを中小企業庁では考えていたそうですが、これは大蔵省との関係で、話がなかなかつかなかったというように聞いておりまするが、そういうようなものについて、将来何か補強策を考えておりますか、どうですか、その点を一応伺いたいと思います。
#83
○政府委員(小山雄二君) 信用保険の関係も、御存じのように包括保証保険も二口に分れておりまして、第一種包括保証保険というのは五十万円までの小さなもの、第二種保証保険は五十万円から五百万円までであったのを、今度は七百万円に上げるわけでござい一まず。そしてその割合等からいいましても、零細な、保証の一件当たりの平均もそうでございますし、保険の一件当たりの平均もそうでございますが、割合に零細な中小企業に対する保証であり、保険である、こういうことが一般的に言えると思います。今お話の通りいわゆる中堅企業、ことに設備投資等に関しまして、一件当たりの金額といいますか、割合まとまった、中小企業としては、中小企業の平均からいいますと、金を借りる額からいいますと、割に大きい関係のものが相当出てくる傾向がございます。貿易自由化等を控え、そういう傾向が顕著に見られるわけであります。
 これらに対して何か保険、保証等の突っかい棒ということも別途考えられなければいかぬ問題でありまして、実は今回融資保険、普通保証保険を廃止しますときに、穴が生まれるかどうかという点等も、いろいろ検討いたしまして、長期の、ことに設備資金を中心とした何かそういう突っかい棒というものが、あるいは要るのじゃあるまいかという検討も、いろいろしたわけでございます。ただ、保険制度あるいは保証協会との関連もございますし、なかなかいろいろな段取りもございまして、今回は、その成案を得なかったわけでございますが、これは従来の保証保険とかわるという意味でなくて、新しい意味で大口比較的――中小企業としては大口融資に対する促進剤といいますか、突っかい棒といいますか、そういうことについては、新しい観点から一つ考えてみたいということを考えておりまして、金融制度調査会等にも問題を出しまして、一つ検討を願いたいということで、そういう段取りを進めておるわけであります。権威者、関係者の検討を得まして成案を得ますれば、そういうことを、一つ新しい点等が、やることがあるいは出てくるのではないか、こう考えておるわけであります。
#84
○川上為治君 私は、中小企業の設備近代化というのを、こうやかましく言われながら、また、どうしてもそういうようなふうに持っていかなければならないと思うのですけれども、今の中小企業金融公庫なり、あるいは商工中金なり、あるいは国民金融公庫なり、そうした方面の政府資金というのは、これは決して潤決ではなくして、要求に対して大体三割か四割ぐらいしか融資することができないというような状態で、非常に多くの中小企業者が、設備近代化をしたいと思っていながら、実際はなかなかできない。特にこういう長期資金というのは、一般の市中銀行というものは、なかなか出してくれませんから、どうしても政府資金に頼らざるを得ないのですが、それにはやはり、この保証協会というのは一面においては、そういう人たちを救う一つの制度だと思うのですが、その制度の中から、たとえば普通保証保険とか、あるいは融資保険とか、そういうような制度というのは、全然なくなってしまうというと、非常に不便を感ずる部門が中小企業者の中で出てくるのじゃないかということを実に憂えておるわけなんですが、今お話がありましたように、この問題については、金融制度調査会においていろいろ検討して、その欠陥を補うべく努力をするというような話がありましたが、ぜひそういうようなものについて特別な措置をとるように私の方からも特にお願いをしたいと思います。
 それからもう一つ、包括保証保険の第一種の問題で、これは保険の料率を年七厘三毛ということになっておるのですが、この保険の料率を下げるということは、結局政府の方の投資なり融資なり、そういうものがたくさんなければ下げられないんでありますけれども、特に零細企業、こうした方面では七厘三毛というのが、やはり高過ぎる、こういうようなことも言っておる向きがだいぶあるわけであります。少なくとも五厘程度までは、どうしても下げてほしいと、でないというと、この包括保証保険を利用することも非常に困難だというような話も聞くんですが、そういう点については、今後どういうようなふうにお考えになっておりますか、その点と、それから保証協会の保証料を、今度は大体二厘程度ですか下げられるのじゃないかと思うのですが、二厘程度下げられるというようなことでは、やはり中小企業者が非常に困るのじゃないかというような気がいたすわけであります。保証協会の保証料率をうんと下げるというようなことをいたしませんというと、中小企業者というのは、もうすでに金融機関からの金利は高いし、それに保証料率は高い、それに保険料率も高いというようなことになりますというと、一般の大企業と比べますというと、非常に高い金利を払わなくちゃならない。特に商工中金を経由する場合においては、商工中金の協同組合でやはり手数料を若干取りますから非常に高い金利になりますので、零細企業については、特にこういう包括保証保険制度を利用させるんでしたら、この保険料率の七厘三毛というのももっとこれを下げ、同時にまた保証協会の保証料率というのも、うんと下げるようにしなければならぬと思うんですが、そういうような問題について、今後何か計画的に、こういうふうに持ってゆくんだというような、そういう計画がありますかどうですか、その点を一つ伺っておきたいと思います。
#85
○政府委員(小山雄二君) 保険料と保証料のお話でございます。こういうものは、なるべく下げまして、信用保険公庫をてこにして運用しておるわけでございまして、あらゆる機会に、そこの資金量その他を充実いたしまして、下げてゆきたいというのが一般的な考え方でございます。
 今お話の包括保証保険の第一種――小口の方は、年七厘三毛になっております。これはほかの保険に比べまして、また包括保証保険でも第二種に比べますと、相当政策的に零細保証優遇という観点から、非常に低く定めておるつもりでございます。保険公庫の採算等からいいましても、ここのところは、ちょっと意識的に政策的に低くきめておるわけであります。なお、これも全体のやりくりがつきますれば、なお引き下げたいわけでありますが、意識的に、そこは低くきめておるつもりでありまして、今回は、第二種包括保険の方を約一割方下げる、今までは第二種の大口の方の包括保険は一分一厘でありますが、それを一割見当下げまして、九厘八毛五糸という――大口の方が九厘八毛五糸、小口の方が七厘三毛、こういうことになります。
 そこで、この料率を、たとえば保証協会の方は、どう見ているかという問題から見てゆきまして、小口の方の第一種には五十二ある保証協会が全部入っております。そういう意味からいいますと、第一種の保険料というのは、保証協会の方から見ましても、まあまあというところではあるまいか。第二種の方は、五十二協会のうち、今まで六協会入っております。これを融資保険、普通保証保険がなくなりますとともに、入れて大いに利用してもらいたいわけでありますが、それを誘引するというんですか、奨励する意味をも含めまして、第二極の保険料を今回下げておるわけであります。
 それから保証料の問題でありますが、保証料は、今平均いたしまして、これは保証協会によっていろいろ違いますし、これまた政府資金の融資という道を通じまして保証料の引き下げを指導し、勧奨して参っておりまして、相当程度、年々下がってきていますが、現在のところは、大体五厘五毛平均になっております。これを来年度また二十億の出資をいたしまして、この保証協会を助けてゆくわけでございますが、そういうことをてこにいたしまして、大体五厘程度まで下げて参りたいというもくろみでおります。毎年保証料は融資資金の増額等をてこにして、そういうもくろみで、一割程度ずつ毎年下げてゆくということをもくろんでおります。保険料の方も、保証協会等が全部利用してもらうと、利用者が多いと、それだけまた、相対的に保険料も下がってくることに一般的にはなりますので、まだ二種の包括保証保険に入っておらないものを勧誘するということも含めまして、保険料も、そういうもくろみでやっております。
#86
○川上為治君 私は、この保証協会なり、保険公庫の仕事というのは、零細企業対策として非常に重要な仕事だと思うのです。
 ところが、さっきも話がありましたように、包括保険にしましても、やはり一種の方は七厘三毛という保険料を取る。それからまた二種についても一分一厘、これはやはり高いのです。それから保証協会につきましても、先ほどお話がありましたが、保証料率もやっぱり高い、一般の市中銀行なり、そういう面の金利の高い方にこういうもが、それに上積みしてくるということでありますと、どうしても中小企業者の金利というのは高くなって、大企業と、たとえば設備近代化をするについても、なかなか太刀打ちできないというような状態でありますから、やはり保証協会に対して、政府資金をもっと大きく導入する、あるいは保険公庫に対しまして政府の金をもっと出すということについて、もっと政府全体として、強力に今後進めていただくことを特にお願いを申し上げておきたいと思います。
#87
○委員長(剱木亨弘君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#88
○委員長(剱木亨弘君) 速記始めて下さい。
 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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