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1960/03/30 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第12号
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1960/03/30 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第12号

#1
第038回国会 商工委員会 第12号
昭和三十六年三月三十日(木曜日)
  午後一時五十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員鈴木万平君辞任につき、その
補欠として鍋島直紹君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
   委員
           赤間 文三君
           大川 光三君
           鍋島 直紹君
           山本 利壽君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           中田 吉雄君
           阿部 竹松君
           向井 長年君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
  政府委員
   公正取引委員会
   委員長     佐藤  基君
   通商産業省企業
   局長      松尾 金藏君
   通商産業省重工
   業局長     佐橋  滋君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○機械工業振興臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 委員の異動がありましたので御報告いたします。
 本日鈴木万平君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(剱木亨弘君) まず、機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
#5
○椿繁夫君 今回の機械工業振興臨時措置法の改正のねらいは、貿易自由化に即応して国際競争力の弱い機械工業に対してつけていこうということで、これまでの少量の生産体制と機種などを専門的にして大量生産のできるように助成をしていこうというねらいであるように承知をいたしております。ところが伝えられるところによりますと、当初本法は時限立法にしないで恒久法として、そして大幅のいわゆるカルテル立法に改正しようということで、通産省は当初考えておられたようですが、何か公取との間に意見の対立があったように思うんですが、妥協の産物としてこういうことになったというふうに伝えられておりますが、この経過について通産当局と公取の方から詳細に一つ御説明をいただきたいと思います。
#6
○政府委員(佐橋滋君) 椿先生の御指摘のように、私の方は一番初めは機械工業自身の今後におけるウエートが非常に大きくなります関係上、機械についての基本法ともいうような法律にいたしたいというつもりで折衝をいたしたのでありますが、御承知のように機械工業は、当面の問題はこの自由化に対処して国際競争力をつける、輸入を伸ばすとともに輸出の促進をはからねばならぬという点に差しあたっての重点がありますので、自由化の方向自身、時期といいますか方向自身を考えますと、ここ数年間が山場であるというふうに考えられますので、まず五年間の限時立法にして、そのときの自由化の状況等を見てさらに見直す必要があるんじゃないかということで、公取あるいは税制措置等の特別既定もありますので、大蔵省、公正取引委員会、法制局との間で話がつきまして、五年の時限立法、こういうふうにいたしたわけであります。
#7
○政府委員(佐藤基君) 時限立法としたことにつきましては、ただいま通産当局からお話があった通り、初めは恒久法であったのでありますが、折衝の結果、時限立法にしたのであります。通産当局の言われる通りであります。
#8
○椿繁夫君 私がちょっと伺っておるのは、そういうことじゃないんでして、この改正案が成立いたしますと、規格の統一、それから生産数量の規制というようなことまで通産大臣が指示できるというふうになっておる、こうなりますと独占禁止法の非常な緩和になるのではないかという私は疑いを持っておるのです。そういう問題について公取と通産省との間に相当議論があったはずなんです、なければならぬ、その経過を私伺っておる。
#9
○政府委員(佐橋滋君) 椿先生の御指摘のように、恒久法にいたしますと、永久的に独禁法の緩和になるわけでありまして、その点につきましても、本法自身の重要性といいますか、機械工業を早急に体質改善をしなければならぬという必要性は公取におかれましても十分に認識していただいたわけでありますが、その必要性は承知しながらも、恒久的に独禁法を排除するということが妥当であるかどうかについて、しばしば議論を戦わしたあげく、とりあえず五カ年の時限立法として、そのときに様子を見ようではないかということで時限立法にいたしたわけであります。
#10
○政府委員(佐藤基君) 時限立法にしたことは、ただいま重工業局長の言われた通りであります。その他の点につきましても、私どもといたしましては経済憲法とでも俗にいいます独占禁止法の根本精神の自由公正なる競争を行なわせて、企業の創意を生かし、経済の民主的発展をはかって、消費者の利益に寄与しよう、こういう大きな目的でありますが、その目的はどこまでも原則として持っているのでありまして、しかしながら一方におきまして、機械工業の合理化振興ということも、ことにこの自由化を控えましては非常に重要なことでありまして、その政策と国の方の基本原理とをどう調和させるかという問題になるわけであります。そこで私の方としては、調整に当たりましては、その独禁法の精神をなるべく傷つけないようにという考えから、できるだけ法律の改正の範囲を限定しまして、ことにその法律の改正につきまして通産大臣が処分する場合には、必ず公取委員会の協議を受ける、しかして協議の基準としては、関連産業なり一般消費者の利益を重んずるという規定がありますから、その規定によること。しかしてその規定によっているかどうかにつきましては、両方の意見の調整をはかる、こういうことによりまして、独禁法の最小限度の例外でありますし、またその運用に当たりましては、十分関連産業なり一般消費者の利益を考えようというので、この案に応じたわけであります。
#11
○椿繁夫君 今政府の御説明を伺いますと、恒久法にすると独占禁止法に抵触する疑いもあるので、それで時限立法にしたのだ、こういう説明ではちょっと了解できませんですね。恒久法なら独禁法に抵触する疑いがあるが、五年間の時限立法にしたのだから、これはかまわない。こういう説明ではちょっと納得できませんが、重ねて政府の答弁を求めます。
#12
○政府委員(佐橋滋君) 恒久法にすれば抵触しない云々という答弁をしたとすれば、それは私の言い違いかと思いますが、ただいま申しましたように、機械工業自身現在非常に重要な段階にありますので、機械工業の体質改善をし、急速に合理化を進めるために、きわめて必要最小限度の範囲内において独禁法の適用を排除してもらうということにいたしたわけで、それを五年にいたしましたのは、自由化の時期がここ数年でありますので、その状況とにらみ合わせてこういうことを申し上げたわけであります。
#13
○椿繁夫君 国際競争力を強化するため、この独禁法を緩和するかどうかという問題については、財界でもいろいろ異なった意見があるやに聞いております。経済団体連合会と関西経済連合会などの主張が非常に違っておるように私は思います。経団連では、競争力をつけるには、独禁法を緩和するとか適用除外の単独立法や輸出入取引法の改正などの前提が必要であり、いたずらな自由競争で近代化の芽をつむべきではないと経団連では言っておりますし、それから関経連の場合は、自由化のこのショックをカルテル組織で防ごうとすることは誤りである、自由化の問題は生産者の側からだけでなく、消費者の立場や輸出振興策などとも関連させて考えるべきであると関経連は主張しております。そこでこの問題に対する通産当局の基本的な考え方というものを、大臣がおいでになれば私は聞きたいと思うんですけれども、重工業局長の御所見を聞きたい。
#14
○政府委員(佐橋滋君) 今度新たに追加いたしました点は、いわゆる何といいますか、部品の生産または加工の施設の利用にかかわる共同行為というのを規定いたしましたのと、それから規格制限についての統一命令が出せるという二点が従来より変わった点でありまして、機械工業は御承知のように、ほとんど全部の機械工業について言えることでありますが、日本の機械工業の弱体の一つの大きな理由というのが多品種少量生産だというところに欠陥があるということとはいたるところから指摘されておるところでありまして、部品が非常に少量、いろいろの部品が使われている、それでそのために機械工業自体の発展が阻害をされておる状況にありますので、この部品の単純化ということは機械工業全般のもう宿題であるわけでありまして、そのために行なわれる共同行為及びさらにそれが共同行為によってはどうしてもでき得ない場合、最終的に統一命令が出せる、こういうふうに考えておるわけでございまして、ただいま申しましたように、日本の機械工業の一番の弱点の部品の単純化というところに主眼があるわけで、広く独禁法を排除しようとかいうようなことは毛頭考えておりませんし、それからただいま関経連の意見等がありましたが、私の方が規格の統一を考える場合に、これは部品のメーカーと同町に、それを使う需要者の側との意見一致等々も考えまして、一般の消費者といいますか、あるいは関連産業に影響のないように運用して参りたい、こういうように考えております。
#15
○椿繁夫君 重ねて伺いますが、規格の単純化ということだけですか、そうじゃないでしょう。生産数量の規制等についても大臣の指示ができるという定めはございませんか。
#16
○政府委員(佐橋滋君) 現行法にも品種別の生産数量の制限ということで指示カルテルが結べるようになっておりますが、われわれがこれを予定しておりますのは、たとえばAというメーカーが甲乙丙丁という四種の部品を作っておるという場合に、Aに甲なり乙なりだけの生産を集中しようという場合に、残りの丙丁はほかの業者に集中生産をさせようというような事例があるわけであります。その場合にAに甲乙をやらせ、丙丁については自由に生産をせずに、従来の実績で押えるとかいうようなことをこの共同行為で考えておりまして、いわゆる最終的には、Aは甲乙の品種生産に移行するという過渡的な場合に、丙丁という生産品種について従来よりもふやさないようにしようというような場合を考えておりまして、きわめて限定的にこれを運用して参るつもりであります。
#17
○椿繁夫君 公取委員長、今お聞きのように、規格の単純化だけではなくて、生産数量の制限まで大臣に指示権が与えられておる、これは独禁法の精神に合致するとお考えになりますか。
#18
○政府委員(佐藤基君) 生産数量の制限は一般的に申しますというと、価格の引き上げとか、その他消費者の不利益ということを伴うので、原則としてこれは独禁法では認めておらぬのでありますが、今重工業局長の御説明のように、何といいますか、多品種少量生産という経営的におもしろくない現象を直すという過渡的な方法としてやるならば、しかしてそのやる場合におきまして、われわれが協議を受ける場合には、関連事業者なり一般消費者の利益を十分考慮してゆく、そういう場合ならば、内容によっては協議に応ずる、こういう建前であります。
#19
○椿繁夫君 現行法でこの五年間の間に、わずかに鍛圧機械について品種の制限に関するものが一つだけ……別に独禁法による合理化カルテルとしてベアリングですね、ベアリングに関する品種の制限が認められておるだけでありますが、以上のような五年間の実績でカルテルの効果、それからアウトサイダーに対する影響などはどういうふうに把握しておられますか。
#20
○政府委員(佐橋滋君) ただいま御指摘のように、現行法においてこの条項によりますものは鍛圧機械一件だけであります。今後鍛圧機械につきましては、これはメーカー・サイドも、それからこれを使います消費者の方も、きわめて現在満足な状態で推移いたしております。今後こういった指示カルテルを、指示による共同行為が行なわれる事例があるかどうかという点につきましては、今後はややふえてくるのではないかと考えております。と申しますのは、この過去五年間におきましては、御承知のように機械関係は全部貿易管理令で輸入の許可をいたしておりますので、国内の市場というものは一応日本のメーカーに安定的に確保されておったわけでありますが、今後の事態は、自由化になりますと、何といいますか、海外との競争に熾烈に立ち向かわなければならないということで、この専門家なり単品種の、少量品種の多量生産化ということがより切実な問題になって参りますので、この条項の利用範囲といいますかはふえてくるのではないかと、こういうふうに考えております。
#21
○椿繁夫君 この品種の制限、それから生産数量の制限規制というようなことを、今後どういう業種についてお考えになっていますか。
#22
○政府委員(佐橋滋君) これの御質問にお答えいたします前に、先ほどちょっと説明漏れの点がありますので補足さしていただきますと、この品種別製造数量の制限と申しますのは、いわゆる価格つり上げとかというような意味での製造数量の制限はこれは全然考えておりません。と申しますのは、これは明らかに合理化カルテルでありますので、合理化の目的にかなわないといいますか、その範囲を逸脱するような……一般の不況による生産品種の制限とか、数量制限とかいうことは全然この条項には当てはまらないのでありますので、その点は一つつけ加えさしていただきたいと思います。
 この項目を今後どういうような業種に、という御質問でありますが、これはいろいろの方面でその要請がありますが、私どもが考えておりますのは、工作機械、それからプレス、ベアリングといったようなものがとりあえず問題になるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
#23
○椿繁夫君 この改正案を見ますと、規格の統一を促進するために、特定の条件を備えた場合には、アウトサイダーにも規格制限の指示カルテルに従うように制限命令を出すことができるというのですが、さしあたってどういう機種のものをお考えになっていますか。
#24
○政府委員(佐橋滋君) この規格の制限命令でありますが、その前に役所の指示によります共同行為が行なわれるのでありまして、共同行為が行なわれて、どうしてもいろいろの面で支障を来たすという場合だけに、この制限命令を出すつもりでありますので、これはほとんど発動をする必要もないかと思いますが、その機会が少ないかと思いますが、現在のところただいま申しましたように、現行法でも共同行為をやっておりますのはプレスだけでありまして、その前の段階が現在のところほかにないわけでありますので、現在何を考えているかと申されますと、今のところ、たとえば自動車の部品あたりにはこういう事例が起こるのではないかとは考えておりますが、確たる予定をしておるわけではありません。
#25
○椿繁夫君 自動車の部品ですか。
#26
○政府委員(佐橋滋君) 自動車の部品であります。
#27
○椿繁夫君 ちょっとこれは大臣がおいでにならぬので、こまかいことを先に伺うようなことになって大へん順序が狂うのですが、特定機械の業者間であれば、合理化のためという名目で合併や共同出資などをした場合に、租税特別措置法による、何といいますか、税減免の恩典を与えることになっておる。こうなりますと、小規模業者と言われるアウトサイダーですね。これとの間には格差ができますね。こういう問題についての影響をどういうようにお考えになっていますか。
#28
○政府委員(佐橋滋君) 現在機械工業の共通の欠陥と申します国際競争力の弱いというものの中に、先ほど多品種少量生産というのをあげましたが、同時に何といいますか、規模が小さいという点が指摘されておるわけでありまして、同じような部品を作っておって、ロットに達しないというような場合に、できるだけ生産規模を大きくすることが品質の性能をよくし、同時にコスト・ダウンに大いにあずかって力がある、こういうふうに考えておるわけでありまして、そういうような方向に機械工業の部品業者等を指導したい、こういうふうに考えておりますので、そういうことによって取り残されたという業者があるとすれば、格差が出てくるのは当然であり、それをむしろねらっておる。そこで取り残されたのが、さらにまた別なのと合併なりあるいは共同行為なりをやられて、共同施設なりを持たれて、より性能のいいものが多量にできて、コスト・ダウンをはかることができればどうかと、こういうふうに考えております。
#29
○椿繁夫君 公取の委員長の私の質問はございませんから……。
 この法律について端的な印象を申しますと、二十一業種今日まで指定されている。そこで今後新たに業種指定をお考えになっているようですが、その内容について明らかにしていただけませんか。
#30
○政府委員(佐橋滋君) 現行法におきましては二十一業種指定しておりまして、今度改正になりましたあとでは、三十九業種を予定いたしております。二十一業績の中で所期の目的を達したと考えられます三業種を落としまして、そうすると十八になるわけでありますが、さらに新たに二十一をつけ加えまして三十九と、こういうふうに考えております。もし御必要があれば、業種の名前を申し上げます。現在予定しております三十九業種の名前を申し上げますと、工作機械、ねじ、軸受け、切削工具、研削砥石、風水力機械、時計(クロック)、歯車、粉末冶金、金型鍛圧機械、バルブ、ダイカスト、銑鉄、鋳物、電気熔接器、自動車部品、精密測定器、試験機、鉄道車両部品、農業機械、木工機械、油圧機械、化学機械、プラスチック機械、鉱山土木運搬機械、事務用機械、運搬機械、鋳造機械、鋳鋼鍛鋼、鍛工品、工業窯炉、熱処理陸用内燃機関、自動車機械工具、産業車両、分析機器、工業計器、用計重機、鉄道信号保安機器、以上三十九業種であります。
#31
○椿繁夫君 お聞きしますと、この三十九業種の企業の中で、最も有力なものに開銀の融資をつける、そうすることによって、設備の近代化をはかって、技術的なレベル・アップをやっていく、今までの五年間に開銀融資の総額は、大体百億くらいと伺っておりますが、そんなものでしょうか。
#32
○政府委員(佐橋滋君) 開銀に確保いたしました財政資金の額は、五カ年間に百十二億であります。
#33
○椿繁夫君 それは今後五カ年間に百十二億でございますか。
#34
○政府委員(佐橋滋君) 昭和三十一年から三十五年までの過去五カ年間に、百十二億確保いたしたわけでございます。
#35
○椿繁夫君 具体的に伺いますが、たとえばこの工作機械、あるいは鍛圧機械の業者がそれぞれ五、六十ある。で、その融資を求めます際に、これを推薦されるのは通産省である。これは中小企業金融公庫の場合でも同じことだと思いますが、そういう際の基準を、一体工作機械ならどの程度の設備、どの程度の条件が備われば、融資の対象としての推薦をされるつもりであるか、そういうことについては、まだきまっていないのですか。きまっておれば一つ御説明を聞きたいのです。
#36
○政府委員(佐橋滋君) 御承知のように、従来の点につきましては、二十一業種でありますが、各業種別に合理化基本計画を作りまして、五カ年後のいろいろの性能、品質がどこまで上がったらいいか、どういう施設を備えたらばいいかというような基本計画を、各業種別に全部作るわけでありまして、それをさらに各年ごとに実施計画を作りまして、いろいろ基準を設けておりまして、業界からの申請によりまして、その基準に照らして、従来は開銀に融資あっせんをいたしておったわけであります。
#37
○椿繁夫君 そうすると、その三十九業種の、それぞれ業界の代表なら代表によって、この品種の基本計画というものを立てる、そうして、その際に、この融資の対象となるべき基準なども、その代表者の会議によってきまる、その申請を通産省が受けて、融資のあっせんをやる、こういうふうな運用でありますか。
#38
○政府委員(佐橋滋君) 現在御承知のように機械工業審議会というのがありまして、ここにかけて各業種別の基本計画を作るわけでありまして、その基本計画を審議会にかけます前に、それぞれの業種について、業界の専門家その他が全部入った分科会を持ちまして、ここで結論を得たものを審議会にかけまして、審議会で最終的に承認を得た後に、その基準に照らしまして通産局あるいは業界を通じて全業者に流しまして、そこから申請をとって、その基準に合致したものを資金のワクの中で拾って参る、こういうふうにいたしておるわけであります。
#39
○椿繁夫君 役所の方から、この小規模経営というものでは、これはとてもじゃないが設備の近代化も、従って国際競争力などもついた品種の生産というものは不可能だ、だから一定のその生産規模というものを拡大させる合併などを推奨するというようなことが、この法案の一つのねらいになっておるようですが、これはその企業の統合なら統合が、あくまでも自主的に業界にまかさせておるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#40
○政府委員(佐橋滋君) 現行の法律には、そういった規模の点等についてはありませんが、今度の改正法では、適正な生産規模あるいは加工規模というものを基本計画でうたうようにいたしておるわけでありますが、今後の運用につきましては、椿先生御指摘のように業界の自主的な話し合いで持ってくるというのが絶対でありまして、役所の方が勧奨するということではないわけでございます。
#41
○椿繁夫君 適正な生産規模ということになると、これはだれがきめるのですか。
#42
○政府委員(佐橋滋君) これは各業種によって、それぞれ適正規模というものの状況は、全部違うわけでありますが、部品――この特定機械を例にとりますと、それぞれのものが、大体どういう設備を設けて、どのくらいのロットを生産をすれば、最も安く上がるかということは、これは専門家の間で論議を尽くしていただければ十分出てくるわけでありまして、業種別に適正規模というものをきめて参りたいというふうに考えておるわけであります。
#43
○椿繁夫君 その生産の適正規模を定めるのは、役所の方でこれこれかくかくというなにを出されるのではなくて、業界の代表者の自主的な判断、協議に、適正規模というのをゆだねていくという考えですか。
#44
○政府委員(佐橋滋君) 今度振興基本計画というふうに、名前が改正法では改まるわけでありますが、振興基本計画は通産大臣が定めて、これを一般に公示することになっておるわけであります。その公示をいたします原案を審議会で決定を願うまでに、ただいま先生の御指摘のような点につきましては、関係の専門家が議論を戦わして関係者が十分納得のできる生産規模というものが出てくる、こういうふうに考えております。
#45
○椿繁夫君 昭和十六、七年に戦争経済の要請によって、企業整備というものが役所から出されまして、むりやりに企業の整備統合をやらされた。役所のいうことをきかないと素材の、原材料の配給ももらえないものだから、どうしても役所のいうことをきかなければならぬというので、業界にきゆう然たる役所非難の反対の声があったけれども、ついに押えられてしまって、いわゆる適正規模にまでもっていった。それが戦後自由経済になりましてから、戦争中むりやりに統合させられたものが、ずっとまたもとの通りに解体している多くの業種を、私は機械工業の中で知っておりますので、特に適正規模、しかもこれには百五十億ばかりの金がちゃんとうしろについておるものですから、どうしてもその役所の方で、適正規模というものを定めて、それを業界の代表者が出ておる審議会で、それをのまされるようなことになりはせぬかという心配があるように思いますので、いやそういうことはな
 いのだということを、もう一ぺん一つ、はっきり業界の自主的な判断、協議得心の上で、適正規模というものを定めるのだということを、もう一度明らかにしていただけますか。
#46
○政府委員(佐橋滋君) この基本計画自身は、業界、それぞれの業種の業界が、今後あるべき姿といいますか、そういう指針を示すわけでありまして、この計画にのってこない場合には、いろいろの資金のめんどうなりというような特典がないということでありまして、この基本計画を作ります場合には、ただいま椿先生が御指摘のように、業界のそれぞれの専門家が出まして、十分納得のし得る計画をお立てになる、こういうふうに確信いたしておるわであります。
#47
○椿繁夫君 そこで、このようにして適正規模、業界の方で、役所の御方針に合うようにちゃんと作る。そうして開銀なり中小公庫からのあの資金は、たしか百五十億と、今年度は融資ワクを百五十億程度確保しておられるように伺いましたが、そうでしたかね。
#48
○政府委員(佐橋滋君) 三十六年度は、開銀の資金ワクとして、特定機械を七十億、それから中小企業金融公庫から三十億、合わせて、財政資金からは百億を確保いたしておりまして、そのほかにこれと同一運用をするつもりで考えておりますアメリカの輸銀からの中小企業向けの借款、これが二年間に二千五百万ドル、三十六年から二年間に二千五百万ドル、約九十億あるわけでありまして、これを三十六年度とすれば約五十億で、ただいま先生がおっしゃいましたように、百五十億が近代化のために、機械工業近代化のために、こういうふうに考えておるわけでもあります。
#49
○椿繁夫君 初めに大臣がおいでにならないものだから、いきなり小さい話になってきておるわけですが、これはもう質問の継続でありますから伺いますが、開銀の七十億の金利は、やはりこれまでの通り、六分五厘でしたかね。そういうふうに、六分五厘でいけるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#50
○国務大臣(椎名悦三郎君) 当初は御指摘のように六分五厘でございましたが、大体一分上げの七分五厘か七分六厘くらいのところで話がつきそうで、ただいま大蔵省と折衝中でございます。
#51
○椿繁夫君 これまでは六分五厘だったが、今度は七分五厘に上がるのですか。
#52
○政府委員(佐橋滋君) 従来は御指摘のように六分五厘の政策金利で貸しておるのでありますが、今度資金量が飛躍的にふえましたのと、それからまあ資金コストの面から、貸付金利を基準金利に戻したいという強い大蔵省側の要請がありまして、いろいろ折衝しました結果、ただいま大臣が御答弁されましたように、現在のところでは一分上げの七分五厘程度に落ちつくのではないか、こういうふうに考えております。
#53
○椿繁夫君 そういたしますと、過去五カ年に百十何億というものがすでに融資されておるわけですが、過去の分の金利も、大体こういうふうにかわるのですか。
#54
○政府委員(佐橋滋君) 現行法によって、現在まで貸付を了しておりますものにつきましては、従来通りの金利でございます。
#55
○椿繁夫君 中小企業金融公庫は同じワク、三十億出るわけですか。この方の金利はこれまで九分三厘、今度三厘下げて九分だと、こう承知しておりますが、中小企業金融公庫から出ます三十億も、やはり七分五厘になわけですか。
#56
○政府委員(佐橋滋君) 開銀の方の金利と全く同様になるわけでございます。このやり方自身については、七分五厘という中間金利を置くか、あるいは据え置き期間をおいて六分五厘でみ、それから残余の償還する時期に入ってからの金利を、基準金利の八分七厘にするか、そういう点について、打ち合わせをいたしておりますが、いずれにいたしましても、公庫が貸し出す分については、開銀と全く同様の金利方式でやる。こういうことで了承がついております。
#57
○椿繁夫君 それからアメリカの輸銀から二千五百万ドル、二年間に借りるようですが、この取り扱い銀行、それから金利などはやはり今御説明のように七分五煙で合うことになっておるわけですか。
#58
○政府委員(佐橋滋君) アメリカの方から借ります分は興銀が管理銀行になりまして、興銀を含めまして、十二行から貸出を受けるわけでありますが、この方の金利は六分五厘であります。
#59
○椿繁夫君 どうも私は納得ができませんが、開銀はこれまで六分五厘であった、それからアメリカの輸銀から二千五百万ドル二カ年間に借款をする、この方は六分五厘。で、今度中小公庫の方も九分の分を七分五厘に下げるが、開銀の方は一分引き上げる、これは政府の中小企業対策というのは、なかなか声はでかいんですけれども、この前も申し上げましたように、大臣わざわざ御説明になった法案に一体なんぼ金がついておるかと見ると、たった三億というような、きのう上がりました工場団地の問題などを私見て、非常に少額に過ぎるといううらみを持っておりますが、六分五厘で従来の通り貸出をしていく、金融をしていくという折衝は、通産省としては大蔵省と腹をすえてやられたんですか。
#60
○政府委員(佐橋滋君) これは予算の折衝過程からずっと現在に至るまで、御指摘のように従来通りの金利でやっていただきたいということで、非常に何回も折衝を繰り返しましたあげく、こういうことに大体落ちつきそうだと、こういうことでございます。
#61
○椿繁夫君 これは、私はこの点は不満ですが、ただ輸銀から借ります分が六分五厘、そうして開銀、中小公庫から出ます百億については七分五厘、これは一体どの業種に六分五厘の方を貸し、どの業種に七分五厘の方を貸せると、こういう選択は通算省でおやりになるのでしょうが、どういうふうにお考えになっておられますか。
#62
○政府委員(佐橋滋君) 御承知のように、アメリカから輸銀の借款で入れますものは、工作機械、プレス機械、鋳造機械といったようなものに限定したいと考えておりますが、アメリカのものは比較的国内のものに比べまして値段が高いわけでありまして、ただいま先生の御指摘のアメリカ輸銀の借款分と、これをどういうふうにかみ合わせるかということにつきましては、各業種別にできるだけバランスをとって貸付を実施したいと、こういうふうに考えております。
#63
○椿繁夫君 金利の面から見ましても、安い方を借りられる業種と高い方とでだいぶ格差ができますが、金利とは関係なしに、この融資を受けられる業種と受けられない、同じ業種であって受けられない企業との間の格差が、これはやはりできてくると思います。こういう影響などについてどうお考えでしょうか。
#64
○政府委員(佐橋滋君) 私の方は、本法によりまして基本計画を業種別に立てて、あらゆる生産規模なり備え付けべき設備等の標準を作るわけでありまして、その基準に合致したものに優先的に資金あっせんをいたして参るわけでありまして、アメリカ物云々ということは別にしまして、受け得た企業と受け得なかった企業との間には、当然その点での格差はつく、こういうふうに考えておりますが、それがどの程度の格差であるか。特にアメリカ輸銀のものを入れた場合にどの程度の格差になるかというようなことについては、検討いたしておりません。
#65
○椿繁夫君 これは私は、相当経営上の格差が出てくるのじゃないか。そのことによって経済の二重構造というものが逆に差ができてくるのじゃないかという心配をしているわけですが、そういう点については検討されておりませんか。
#66
○政府委員(佐橋滋君) 本法によりましてあっせんをいたします特定機械で、融資あっせんを受けなかった者等につきましては、中小企業の設備近代化資金の方でめんどうをいただくことになるかと思いまして、その点について、先生御指摘のように、漏れた者も中小企業の設備近代化等でレベル・アップが考えられますので、格差が大幅に拡大していくというようなふうには考えておりません。
#67
○椿繁夫君 大臣に伺いますが、政府の所得倍増計画、機械工業の生産額は、十年間に、説明によりますと、約四倍になり、このうち、機械類の輸出は四・四倍、昭和四十五年度の輸出は四十億ドルになる、こういう内容のようでありますが、対米輸出の停滞ぎみがあるおりからだけに、この膨大な輸出計画というものが私ははたして達成できるだろうかという心配を持ちますが、一体、どういう地域にどのような機種が伸びていくとお考えでしょうか。そのようにして十年後の所得倍増計画というものが達成できるとお考えでしょうか。
#68
○国務大臣(椎名悦三郎君) 機械輸出と一がいに申しましても、その中には船も入っておれば自動車も入っている。それから従来のすでに世界的に優秀な技術を示している紡織機械、そういったようなものも入っている。でありますから、その種類によって向け先がいろいろ違うわけでございますが、プラント輸出のようなものは、比較的低開発国ではないかと思います、従来とも。それから軽機械でございますが、たとえば電機関係、それからラジオであるとか、写真機であるとか、ああいうものは相当一流国にも出ていく。こういうことでいろいろ多種類ございまして、その物々によって向け先が違って参るのでございますけれども、なお、詳細な点につきましては、担当局長から申し上げます。
#69
○政府委員(佐橋滋君) 機械の機種別、仕向け地別の詳細は、まだ検討いたしておりませんが、私の方が大体考えております機種別の伸びを申し上げますと、従来御承知のように、現在三十五年度で十億ドル強の輸出をやっておるわけでございますが、四十五年度には三十八億五千万ドルというのが所得倍増計画で示されております機械の輸出額であります。今後の伸びは、各機種とも、もちろん現状よりは相当大幅に伸びますが、そのうち最も大きな伸びを示しますのは、金属工作機械、それから重電機類、それから家庭用の電気器具、それから乗用車等が大きな倍率を示すものと考えております。仕向け地別に一般的に申し上げますと、先進国に対しましては、耐久消費財系統のもの、特にアメリカなどにつきましては、やはりトランジスター、ミシン、あるいは乗用車といったようなものを考えておるわけであります。そのほか東南アジア、中近東等の後進国につきましては、一般機械、産業機械といったようなものが伸びるのではないか、こういうふうに考えております。
#70
○椿繁夫君 二月の国際経常収支の赤字が九千たしか三百万ドルですか、になっておると、こう思いますが、こういう状態が特殊な事情であれば了承できるのでありますけれども、一般の停滞ぎみだというふうに感ずるのですが、それでもなおやはりこういう計画の達成が私は可能だというふうに考えられないのですが、大臣から一つ。
#71
○国務大臣(椎名悦三郎君) まず経常収支ではしばらく赤字が続くであろう、こういう観測でございまして、その程度はいろいろございますけれども、大体五、六月ごろまで赤字が続いていくのではないか、そして七月以降にだんだん是正されていく、こういう観測でございまして、さて、それが特殊のものであるか、そう心配のないものであるかどうかというのでございますが、ただいまのところは在庫が減っておる、その在庫の補てん、それから設備投資、それに基づく機械、あるいはその他の輸入が相当通常よりもよけい行なわれておる、こういう関係で輸入は、これは、時的なものである、在庫が相当満たされれば、これはもう平常に返る。為替・貿易の自由化を控えての合理化投資、これはまあしばらく続くであろう、こういう見込みでございまして、それに反して、輸出が目標よりもそう減ってはおらぬけれども、とかくどうも停滞がちである。こういう事情から、経常収支の赤字が続いていく、こういう関係、ところがけさも経済閣僚懇談会を開いて、それらに関する愚見の交換が行なわれたのでありますが、ごく最近アメリカの対日輸入等が、こっちからいうと輸出でありますが、対米輸出がちょっと上向いた徴候が認められる。こういうことでございまして、ただいまの国際収支の状況からして、そうこれを悲観する必要はない。やはり従来の所得倍増計画の方針通り変改の必要はごうもない。こういう結論でございます。
#72
○椿繁夫君 国際収支の赤は、五月、六月までは続くだろう、七月になると改善されるだろう――七月というのは、特に何か……。
#73
○国務大臣(椎名悦三郎君) 特に七月という何は、おそらくアメリカの新しい予算時期が七月から開始されます。大体まあ六月くらいになれば、どういう状況であるかということがほぼ的確に見当がついていく月でございますが、そのためばかりとも限らない。とにかく五、六月ごろまでで大体このアメリカにおける景気の動向から察して、下がるカーブが終わるだろう、こういう見当のようでございます。特に七月を強調する理由といたしましては、そんなところではないかと思っておりますが……。
#74
○椿繁夫君 アメリカの新しい予算年度が七月から始まる、そうすると、対米輸出というものの大体の想定がつくということなんでありますが、最近の対米輸出の傾向をずっと見ますと、漸減の傾向にありますので、大へん心配をしてお尋ねをいたしたのでありますが、ちょっと政府の貿易見通しというものは、私少し楽観に過ぎるのじゃないかという気がいたします。しかしこれは議論でありますから省略をいたします。
 そこで佐橋局長に伺いますが、一昨年の三月にプラント類輸出促進臨時措置法が制定されて、また同じ年の四月に軽機械の輸出振興法が制定を見ております。この二つの法律の効果は、簡単に言って、どういうふうに実効が上がっておるかということを伺いたい。
#75
○政府委員(佐橋滋君) プラント類輸出促進臨時措置法は、プラントの輸出に伴いますリスク保証でありますが、これは、法施行後、適用件数がほとんど皆無でありまして、これはいわゆるコマーシャル・ベースでそれぞれ解決をいたしおりまして、本法案を適用するケースは、現在のところありません。しかしプラントの輸出は、その後ブラント協会を中心にいたしまして、いろいろ海外の市場開拓に努めた結果、逐次増加の傾向にあります。軽機械の輸出振興法は、御承知のように、これに適用しておりますのは、ミシンと双眼鏡の二業者でありまして、きわめてメーカー自身が弱体で、しかも数が非常に多いというために、過当競争の弊を起こしまして、特に輸出地域が北米地域でありますので、いわゆる秩序ある輸出を促進させるために作った法律でありますが、現在のところ、ミシンにつきましては効果をあげて、かなり秩序のある輸出が振興いたしておりますが、双眼鏡につきましては、最近売れ行きがきわめて不振でありまして、この善後処置について目下検討を加えておる最中であります。
#76
○椿繁夫君 ただいまの双眼鏡のアメリカ市場での伸び悩みのために、買い取り制に関連して、生産調整が問題になっておるというふうに聞いておりますが、実情はどういうことになっておりますか。
#77
○政府委員(佐橋滋君) 買い取りも、前から業界の間で調整規定を設けて、数量の制限をやっておるわけでありますが、このメーカーの間の数量規制をやって参ったわけでありますが、昨年の十一月以降、きわめて輸出が不振でありますので、この業界の意向によりまして、軽機械輸出振興法に基づきます事業協会で、主要業種についての買い取り制を昨年の暮から実施をいたしておるわけでありますが、最近の情勢を見ますと、いわゆる輸出承認を受けないといいますか、いわゆる密輸出が非常に横行いたしておりますのと、アメリカ域内におきます需要の減少等がありまして、きわめて最近不振な状態でありまして、昨今の業界の総会の結果、買い取りはやめたいという意向のようでありますが、この善後処置については目下検討を加えておる最中であります。
#78
○椿繁夫君 機械工業の輸出振興に関連して、やはりコストの引き下げということが、私は非常に大きな要素になると考えます。そこで、鉄鋼の価格の引き下げというふうなことが、当面輸出振興の見地から非常に大きな問題になると思うのですが、鉄鋼業の第一次、第二次の合理化計画が実施されましてから、どのように鉄鋼価格が下がってきたかということを一つ伺いたいのと、それから世界各国の工業国、鉄鋼の主要な生産国との価格の比、これは第一次、第二次合理化計画実施後、どういうふうになってきておるかということを一つ伺いたいのです。
#79
○政府委員(佐橋滋君) 鉄鋼関係の資料を持って参りませんでしたので、的確な数字については後日、資料をもって先生の手元へお渡しいたしたいと思いますが、御承知のように、日本の鉄鋼業は、原料をほとんど全部海外に依存いたしておりますので、そのときどきの運賃の上下ということで、価格はかなり変動いたすわけでありまして、第一次、第二次合理化計画の結果、設備面におきましては先進国に比していささかもひけをとらない設備に相なっておるわけでありますが、概略を申しますと、物価指数その他の上がり工合もありますが、三十年度ぐらいをとって現在まで参りますと、大体物価の若干の値上がりにもかかわらず、鉄鋼は横ばいの状況で現在に至ってやや安定をして推移しておるわけであります。それで海外の鉄鋼価格との比較でありますが、大体私の方はアメリカ及び欧州の先進諸国との比較をとっておるわけでありますが、それぞれの国での建値に比べますと、アメリカをまず申し上げます。条鋼類はアメリカに比して日本の方がはるかに安いのであります。板類につきましては、アメリカは専門国でありますので、若干日本の方が高い。それから、欧州諸国に比べますとこれは大体西独、ベルギー並みの価格になっておりまして、フランス、イタリアよりは安い。それからイギリスにつきましては、御承知と思いますが、原料の価格統制を政府がやっておりますので、その点については比較にならないと思います。ただ日本経済その他にときどき国際比価が出ますが、これは、ドイツ、ベルギー等につきまして非常に安い価格のものが出ますが、これは御承知と思いますが、西独、ベルギーはトーマス銑というのを主としてふいておりまして、これは非常に隣分の多い鉄鋼でありまして、品質の点につきましても大体非常に劣りますので、普通の鉄鋼の価格に比べますと十ドルないし十五ドル引いて考えるべき筋合いになると思いますのと、それから欧米の方の建値は工場渡し価格、メーカー渡し価格であります。日本の場合は消費者への渡し価格になっておりますので、日経等で出ます国際比価は必ずしも正鵠を射ていないとこういうふうに考えておりますが、概略申しまして、欧米先進国に比して日本の鉄鋼価格は大体高くない、こういうふうに考えております。
#80
○椿繁夫君 この第一次、第二次と鉄鋼業界は合理化計画を進めてきたのですが、ただいま伺いますと、この五年間、物価の値上がりにかかわらず横ばい程度しかなっていないということなんでありますが、この輸出のための原材料については、特殊価格制をとっておりますね。これは今後も継続し、なお、割安で輸出のための原材料は、メーカーに入手できるという政策を継続し強化していく御方針はありませんか。
#81
○政府委員(佐橋滋君) 現在鉄鋼はある品種につきましては公販制度を実施して公販価格というのが出ておるわけでありますが、先生の御指摘のように、輸出用機械につきましては、トン当たり公販価格より二千円引きで配給をいたしております。それからさらにプラントもの等につきまして原材料価格の点で行き悩みがあるというようなものにつきましては、ケース・バイ・ケースでさらに値引きを実行いたしております。今後も機械関係の輸出の振興を大いにはからなければなりませんので、今言ったような輸出用機械についての価格の引き下げということは、さらに強力に押して参りたい、こういうふうに考えております。
#82
○椿繁夫君 政府の御計画では、昭和四十年度つまりその五カ年間に鉄鋼の生産を四千七百万トンでしたかね、四千七百万トンに達するように今計画が進んでいる。なるほど千葉の海岸、大阪湾の南、あるいは名古屋というように鉄鋼の設備の拡張競争が今行なわれておりますが、先ほどの輸出見通しなどと関連いたしまして、過剰設備になるのじゃないかという心配をしているのですが、そういう点については大臣どうお考えですか。
#83
○国務大臣(椎名悦三郎君) 過般重工業局から、鉄鋼メーカーのうちおもなる企業約三十社に対して昭和四十年までの計画を一応出してみろ、こういうことを通達いたしまして、それが出て参ったわけであります。それがそのまま新聞紙等に報ぜられまして、その三十社なるものが、大体業界全体の八五%か、あるいはその九〇%までくらいのカバーをする率なんです。そうすると、あとのものを胸算用で計算すると、四十五年度に到達すべき目標をほとんどもう達成する、あるいはオーバーするくらいだというので、大へんな論議の種になったわけでありますが、もともと四十年度までの計画なるものはみな希望計画でございまして、放っておいても資金その他の関係でなかなか達成率は、そういう工合に参らぬ程度のものなのであります。でありますから、過日国会において、これに関する御質疑もあったのでありますけれども、おのずからこれは単なる希望計画である。それで現実にはしからばどういう状況かというのでありますが、三十六年度の一応計画が出ておりますが、大体これを一つもとにして調整を通産省の方でやってくれということになっておりまして、その了解のもとにただいま重工業局で具体的にこれを検討しておる、こういう状況でありまして、一時伝えられたような大げさな設備拡張競争というものが鉄鋼界において行なわれておるというようなことは、多分にこれは火のないところから煙は立たぬくらいの程度のものでございまして、もともと固まった計画ではない。その点につきましては十分に検討して過当なところに押えて、これを指導して参りたい、こういう考えであります。
#84
○椿繁夫君 設備過剰になりはしないかということを私は心配してお聞きしたのですが、先ほども局長の御答弁にありますように、日本の鉄鋼価格に大きなウエートを占めるものは運賃である。しかもそれは日本の船舶でほとんど輸送ができなくて、外国の貨物船に依存しておるようなことから、それからいま一つは原材料、鉄鉱石などの仕入地が近くにあるのに、近くと取引しないで遠くとやったりするのだから、運賃が高くつく、運賃が高いので、国際的な鉄鋼の比価を見ても、合理化が進んでおるのにかかわらず、あまり引き下げができないというふうに私は思うのです。そこで中国への鉄鋼の輸出、さらに鉄鉱石の輸入というようなことについて、輸出をふやしていくという見地からは、具体的な問題としてこれは取っ組んで参らなければならぬ時期にきているように思うのですが、大臣の御見解を一つ承りたい。
#85
○国務大臣(椎名悦三郎君) 中国におきましては日本に足りないところの原料炭もありますし、それからまた海南島に相当な多量の鉄資源を持っておるのでありますから、これはわが国の鉄鋼生産というものに対してきわめて好望なこれは資源であるということは確かに言えると思う。しかし一面において、これは私は相当高く評価しなければならぬと思いますが、二面において日本の鉄生産というものは非常に昔と違って膨大なものになって、将来ますます伸びるということでございまして、シンガポールからこっちはもう内海といっておるそうでありますが、鉄原料に関する限りはその内海を越して印度洋まで資源を取りに行かなければならぬ、あるいはまた遠く南米の方、それからまた濠州が門戸を閉ざして鉄資源というものを外に出さなかったのでありますが、最近はこれをいよいよ開放するということになりまして、これまた日本の大需要というものにとっては、まことに格好なこれは目標、対象になってきておるわけであります。そういう工合で、とても一カ所、一国との取引によって原料資源というものを充足するということはできないような状況になっておるのであります。でありますから、今日、中国の資源は大へんけっこうだ、けっこうだけれども、これで全部まかなって、遠くの方から運ぶ必要がないかといいますと、もう絶対にそういうことはない、それで最近は鉄鉱石の専用船なんかだんだんできて参りました。いくときは海水を貯めて相当な吃水にして走っていく。それから積み込みの際には、ちょうど炭鉱でホッパーと申しますか、ああいう工合に鉄鉱石の積込機の下に船が入っていく。そうしてボタン一つで大量の鉱石がきわめて短時間に船に満載される。同時に積んだ水が出てしまう。そういうことで距離は長くとも積み込みのための停船時間というものを極端に短縮して、そして遠いところの運賃もそうコストには響かないというような工夫がだんだんされておるような状況でございます。ですから、中国の非常に貴重な原料だけに将来頼るというのには、もうすでに大きな規模になりつつあります。それでこの点は、船の方を整備するということはできまずから、全局にはそう響かない。しかしそれにもかかわらず、この中国との貿易問題につきましては、ただに鉄鋼原料のみならず、いろいろの面ににおきまして中国との貿易というものを促進する必要は多分にあるということは、私は確信しておる次第でございます。
#86
○椿繁夫君 日本の産業を担当されておる大臣だけに、中国の輸出、輸入についての重要性について今お話しになったのですが、きのうも総理大臣、台湾の問題について所見を述べておられますが、こういう機会に通産行政の立場、所得倍増計画を具体的に進行させていくという見地から、中国との貿易の問題について、民間の積み上げ方式というようなことにだけ期待して、手をこまねいておるという態度から、やはり私は政府として何かお考えになる段階にきておるように思うのですが、具体的には先年問題になっておりました通商代表部の交換設置の問題でありますとか、あるいは決済に対する政府の保証の問題でありますとかというふうなことを、国交の問題と切り離して、十分経済的な立場で、そういうことをお考えになれないかどうか、重ねて大臣の御所信を伺いたい。
#87
○国務大臣(椎名悦三郎君) 総理も国会でたびたびお答えしておるように、政府間協定という方式まではどうもいきがたいと思うのであります。政府間協定の協定に至らない段階において、なお政府が考える余地があるかどうかというお話しでございますと、私はいろいろあると思っております。それは今ここでどういう方法ということを申し上げる段階でございませんが、非常にその点はあり得る。全然政府は知らぬ顔して、民間の積み上げ方式だけにゆだねておるというのではなしに、その裏におって、そうしていろいろ政府として指導すべき点、施策すべき点というものは私はあるように思われます。そういう点につきましては、私ども通産省といたしまして、いろいろの角度から研究をしているような状況があります。しかし、そういったようなことは、一人相撲はとれないので、やはり多くの人の了解のもとに進めなければならぬ。ただ考究すべき点は十分に考究しているつもりでございます。
#88
○椿繁夫君 なるほど一人相撲は、これはとれませんが、土俵に上がらなければいかぬ、先に土俵に……。そこで私は先年見本市の交換などもあり、それから通商代表部の交換設置というふうな問題、人員とか、外交官待遇を与えるとかどうとかいうふうな具体的なところまで話が進んでいましたのが、例の長崎の国旗事件で状態がこう悪くなってしまったんですが、本年度の国際政局の見通しなど、ここで話したってしょうがないんですが、中国の国連加盟の問題などは具体的な日程に上ってきているように考えられる。そういう際に政府間協定ということになると、えらい総理大臣こだわっておられますから、いきなりそういうことではなくて、何か具体的に貿易を前進させるような研究を早急に私はやられる必要があると考えている。再三にわたって大臣の御所見を伺ったのでありますが、ちょっと向井委員から関連の御発言があるようでありますから、私の質疑はちょっと留保いたします。
#89
○向井長年君 若干重複する点もあるかと思いますが、この法案は、特に貿易自由化の推進に対処して品種の専門化あるいは大量生産、そうしてコスト・ダウンという形を目途として出されていることはわかるんですが、しからば、先ほど説明のあった品種、三十九品種ですか、これにしたいということですが、これの現在の大企業と中小企業と申しますか、これに対する分布状態はどうですか、現在わが国の……。
#90
○政府委員(佐橋滋君) この三十九業種、企業種別には、これが資料手持ちがありませんが、三十九業種の中小企業の占める比率は大体七〇%であります。
#91
○向井長年君 ほとんどが中小企業である、こういうことでございますね。そこで、特に、そういうことになりますならばですね。中小企業を保護するという立場もあるわけなんですが、第二条二項の第三号で、先ほども椿君の質問でございましたが、適正な生産規模という問題あるいは品種の専門化、こういう問題が出ておりますが、特に適正生産規模という問題については、業界が自主的にきめるのだ、こういうことの先ほど説明がございました。しかし、このきめる基準ですね。基準をどう通産当局は考えているか、いわゆる設備の大小とか、あるいはまた場合によれば資本金とかあるいはまた個々の工場の経営上の問題とか、こういう問題があると思うのですが、こういう点具体的に基準をどう考えておるか。
#92
○政府委員(佐橋滋君) 椿先生の御質問にお答えいたしたのですが、基準を現在役所の方で持っておるわけではございませんので、機械工業審議会に各業種別分科会を作りまして、そこで各業界からの専門家に出ていただきまして、どの程度の規模にすれば最もコストの低下がはかり得るか、どういう機械を備えたらば品質の向上を期し得るかというようなことを御検討願って、そこで基準が出て参りまして、それを審議会にかけまして承認を得たものを通産省としましては一般に告示で公表をする、こういうように考えております。
#93
○向井長年君 そうすると、その基準が業界が参加する審議会できまる。そうすればそれからいろいろな要件があって融資にはずれるという企業が出てくるんじゃないかと思うのです。そういう場合においてはこの企業に対する施策はどう考えておるか。
#94
○政府委員(佐橋滋君) 振興基本計画で業界のよるべき方向といいますか、そういうものを示すわけでありまして、それに乗り得ない場合には、それを放置していいというわけではありませんので、機械工業は御承知のように部品その他が総合的に発展しませんと、機械工業自体の発展を期しがたいのでありまして、そのために基本方針を示すわけでありますが、それに漏れるといいますか、乗り得ないものにつきましては、中小企業の設備近代化資等によりまして、そのレベル・アップをはかって参りたい、こういうように考えておるわけであります。
#95
○向井長年君 最近の情勢は、大体大企業が中小企業の分野に進出するというか、いわゆる多品種小量生産、多数な品種を小量生産していくというきらいが相当多いと思うのです。こういう問題について、特に大企業と中小企業との生産品種に対する分野の競合というものを何とか統制しなければいかんのじゃないかと思いますが、こういう点についていかがですか。
#96
○政府委員(佐橋滋君) 機械工業につきましては、機械工業は大体原則といたしましてアッセンブル工業でありまして、大企業が受け持ちますのは、その最終的のアッセンブルに主力を置くべきであろう、こういうふうに考えておりまして、ただその大企業の最終製品を作るために、その製品がよくなるためあるいはコストを低下させるためには、部品自体がよくなり、安くなることが絶対の条件でありますので、本法案ではそういった共通部品あるいは基礎部品を作る中小企業のレベル・アップということを考えておりまして、大企業が資力にまかせて、こういった部面に進出してくるということは考えていないわけであります。
#97
○向井長年君 考えていないのですか。現状はそういう形において進出してきておるじゃないか。そういう点から考えて、いわゆる産業分野と申しますか、これに対する一つの法律を作って、そうしてそれに対する規制をしなければならない、こういう考え方を持つわけなんですが、特に若干この内容は別といたしまして、あなたは産業分野の確保、こういう形で本国会に法案を出しているのを知っておられますか、これらとの関連ですね。だから、そういうことが必要であるか、必要であるとこう考えられるかどうかという問題ですね。現在実情は進出しておると思うのですよ、多く……。しかも、それは大量な、しかもそれは小量生産である、こういう形のいわゆる進出は非常に多いのじゃないか、この問題については、関連していわゆる産業分野の確保、こういう問題についてどう考えますか。
#98
○政府委員(佐橋滋君) できるだけ産業分野の調整をはかることが専門体制の確立に必要でありますので、そういう必要があろうかと考えておりますが、この本法案におきましては、大メーカーがもしも先生の指摘されるような部面に小量ずつでも進出していくというのは、中小企業が受け持っておりますこういう部品の精度その他があまりかんばしくないというようなことから、自分で手を出そうということかと考えられます。で、私の方が本法で考えておりますのは、そういうことがなくなるように、中小企業自体の製品の性能、品質を高めまして、それを使う方がより便利であるというようなことへ持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#99
○向井長年君 そうすると、やはり産業分野の確保ということは必要であるということですね、その点は……。産業分野の確保は必要である、こういう立場に立たれるわけですね。
#100
○政府委員(佐橋滋君) できるだけ専門家し、多量生産化することが機械工業の伸展にはきわめて重要であるという意味において先生の御質疑の通りだと、こう考えております。
#101
○向井長年君 そこで、そうすると、そういう中で、ここに出ております大きな今度の問題は、共同化という問題ですが、いわゆる共同行為でございますがこの問題は先ほど言われたように、中小企業と並列してやはり大企業も入ってくるわけでしょう。そうすると、いろいろな資本部面とか、そういう立場から考えて、大企業にローラーをかけられるような立場にならないか、この点、そういう憂いはありませんか。
#102
○政府委員(佐橋滋君) われわれが本法で考えておりますのは、中小企業で非常にまあロット生産にも達しないというようなものが相集まって会社を合併するなり、あるいは必要な部面について共同行為をすることによって量産体制を作るように持っていって、大企業と対抗できるといいますか、大企業にそれを使わせるというようなふうにしたいと考えておりますので、大企業にローラーをかけられるというようなことをむしろ防ぎたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#103
○向井長年君 この共同行為の中に、いわゆる中小企業のそういう諸君が集まって一つの会社を作り、一つの品種を多量生産する、こういう形が望まれておると思うのですが、その共同生産、共同行為の中に大企業も加わって、ともにやるという、部分的に、品目によってはこういう形が出てくるのじゃないかというのです。わかりますか。こういうことだと思うのですよ。結局、部品というものは下請けが多いわけです。中小企業はそうすると親会社にほとんどがそれに対するところの資力を持たれるのじゃないか、いわゆる親会社に利用されるという形になってしまうので、中小企業の諸君はこの共同行為に関するいわゆる会社経営に対しても発言権を持たない。資金的にも非常に弱小である、こういう格好になるのじゃないかということです。
#104
○政府委員(佐橋滋君) その大企業が入ってくるかどうかということ、たとえば、この指示カルテルで品種別の生産を制限するというような場合には、大企業の受持つ分野あるいは中小企業が受け持つ分野というような点での共同行為には、大企業が入ると思いますが、われわれが考えております合併だとかあるいは共同施設を作って、それを使うというような共同行為には大企業が入ってこない、こういうふうに考えております。
 それから、特に自動車の部品等につきましては、大企業が力を持っており、この部品を作るのが大体下請企業であります関係上、非常に大企業の圧迫を受けることは現実その通りでありますが、この中小企業の下請企業が部品の規格を制限することによりまして大量生産をする、たとえば現在は、日産なら日産、トヨタならトヨタが同じように車を作りながら、それぞれ社内規格でもってこういうものを作れということで、下請企業を振り回しているわけでありますが、下請企業の量産体制なり専門化なりというものが進めば、ある一つのボルト・ナットならボルト・ナット、バルブならバルブ、歯車なら歯車は、むしろ部品業界が制限をして作るものを、需要業界である親企業の方でも使うようになるということが、製品自体の価格を安くするゆえんになる、こういうふうに私どもは考えているわけであります。
#105
○向井長年君 そのいわゆる中小企業は、非常に資金的には弱小なので一つの部品の会社を持っておっても、ほとんどはこれは大企業に依存というか、下請的な立場をとって、そういう企業を営んでいるわけです。今共同化した場合に、結局その資本ルートというものが、下請だから、親会社から相当大きく入ってくるのじゃないか、こういう点になれば、一つ作っても、大きく親会社の、いわゆる大企業のローラーにかけられるおそれがあるのじゃないか、こういうことを私は指摘しているのです、いかがですか、その点は。
#106
○政府委員(佐橋滋君) 大企業に下請部品業界あたりが圧迫されるというのは、一にかかって下請企業の信用力といいますか、資本力というものが弱いからだと思われるわけでありますので、本法案におきましては、大企業とは別個に中小企業に対して、資金の確保を役所でいたし、同時に今国会に提案いたしております機械の賦払信用保険制度を創設いたしまして、従来中小企業の方々が、新鋭の機械は高価でもありますし、信用力等の点でなかなか入手できなかったのに対して、こういう機械が大企業と同じように入る仕組み、賦払いいわゆる割賦売りをやり、その不払いが生じた場合に、政府が保険をするというような制度を作りまして、従来の中小企業が大企業に圧迫されることなく、設備の近代化をしていけるようにはかっていけるように考えたいと、こう考えております。
#107
○向井長年君 それで、先ほど冒頭に七〇%が中小企業であると、こういうことでございますが、これ、一つ品目別にその七〇%の中小企業あるいは大企業のこれの資料を出していただきたい。
#108
○政府委員(佐橋滋君) 承知いたしました。
#109
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#110
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
 他に御発言がなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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