くにさくロゴ
1960/04/06 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第15号
姉妹サイト
 
1960/04/06 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第15号

#1
第038回国会 商工委員会 第15号
昭和三十六年四月六日(木曜日)
   午前十時五十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月四日委員吉田法晴君辞任につき、
その補欠として千葉信君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           古池 信三君
   委員
           赤間 文三君
           上原 正吉君
           大川 光三君
           山本 利壽君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           中田 吉雄君
           向井 長年君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   通商産業省公益
   事業局長    大堀  弘君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○低開発地域工業開発促進法案(内閣
 送付、予備審査)
○中小企業の産業分野の確保に関する
 法律案(向井長年君外二名発議)
○中小企業団体の組織に関する法律の
 一部を改正する法律案(向井長年君
 外二名発議)
○小売商業調整特別措置法の一部を改
 正する法律案(向井長年君外二名発
 議)
○百貨店法の一部を改正する法律案
 (向井長年君外二名発議)
○電気用品取締法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は、低開発地域工業開発促進法案の提案理由説明を聴取したのち、民主社会党提案にかかる中小企業の産業分野の確保に関する法律案外三件の提案理由説明を聴取し、ついで電気用品取締法案の質疑を行ないたいと存じます。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(剱木亨弘君) 最初に、委員の異動がございましたので御報告いたします。
 一昨日、吉田法晴君が委員を辞任され、その補欠として、千葉信君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(剱木亨弘君) それでは、まず低開発地域工業開発促進法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
#5
○国務大臣(迫水久常君) ただいま議題となりました低開発地域工業開発促進法案の提案理由と、その要旨を御説明申し上げます。
 わが国の経済が、最近めざましい発展を遂げつつあることは、御承知の通りでありますが、他方これを今後も維持し、さらに一そうの均衡ある進展を期するためには、解決すべき幾多の問題があることも事実でありまして、特に、産業の開発の程度が低く、かつ、経済の発展の停滞的な地域、すなわち低開発地域の産業の開発を促進して、地域間における所得格差の是正をはかることは、きわめて緊要のことと考えるのであります。
 政府は、さきに、国民所得倍増計画を決定し、わが国経済の発展の方向と目標を明らかにしたのでありますが、この計画及びこれと同時に決定された同計画の構想におきましても、低開発地域の開発の促進及び所得格差の是正には、重点を置くべきことを明かにしているのであります。
 このためには、今後、国土総合開発法及び各地域の開発促進法に基づいて、開発の促進に努めますほか、低開発地域に工業の開発を促進して、高い生産性の産業を分散させ、また農業等の近代化をはかり、低い生産性の産業自体の生産性を高める必要があります。
 ことに、低開発地域における工業の開発は、地域間の経済格差是正に資するとともに、雇用の増大にも寄与するものでありますので、工業開発のための政府関係金融機関による低利資金の融資額を増額する等の措置を講じて参りましたが、さらに、この促進をはかるために、新たに、低開発地域のうち、特に、税制上の特別措置等を講ずることによって、工業の開発が期待されるような開発の程度の低い地区を対象としまして、工業開発のための所要の措置を講ずることといたしたいのであります。これが、この法律案の提案の理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一点は、内閣総理大臣は、関係都道府県知事の申請に基づき、低開発地域工業開発審議会の議を経て、低開発地域内において、一定の要件を備えている地区を開発地区として指定することができるものとしたことであります。なお、北海道及び首都圏の地域につきましては、申請等に関する手続上の特例を設けることとしたのであります。
 第二点は、内閣総理大臣の諮問に応じ、低開発地域における工業の開発の促進に関する重要事項を調査審議するため、総理府に学識経験者をもって組織する低開発地域工業開発審議会を置くものとしたことであります。
 第三点は、開発地区内に新設され、または増設される工場の機械及び装置並びに工場用の建物については、租税特別措置法の定めるところにより、特別償却を行なうことができるものとしたことであります。
 第四点は、地方公共団体が、開発地区内に工場を新設し、または増設する者に対して事業税、不動産取得税または固定資産税の減免をしたときは、当該地方公共団体に交付される地方交付税の算定の基礎となる基準財政収入額の算定につき特別の措置を講ずるものとしたことであります。
 第五点は、国及び地方公共団体は、開発地区内の工業の開発を促進するため、必要な資金の確保及び産業関連施設等の整備の促進に努め、また、これらの施設の用に供するため必要な土地の取得につきましては、農地法等の規定による処分にあたり特別の配慮をするものとしたことであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は、後日に譲ります。
#7
○中田吉雄君 ちょっとこれとの関連で、資料をお願いしたいのですけれども、企画庁から、国民生活の地域的な分析というのを出しておられるのですが、なかなか今手に入れようと思うのですけれども入らぬので、これと非常に関係がありますのでお願いしたいことと、どの六法を見ましても、地域立法が載っていない。きのうも買ってみたのですが、国土総合開発、東北開発促進法、九州、四国、中国、北陸、首都圏というようなのまで、普通の六法に全然載っていないのですよ。それからとの関連で、どうするかということも、非常に重要だと思うのですけれども、載っていないのです。企画庁にあろうかと思うので、何とか一つお願いしたい。
#8
○国務大臣(迫水久常君) まとめて……。
#9
○中田吉雄君 ええ。その点をお願いいたします。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(剱木亨弘君) 次に、中小企業の産業分野の確保に関する法律案、中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案、小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案、百貨店法の一部を改正する法律案。
 以上、四案を便宜一括議題として、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。
#11
○向井長年君 ただいま議題となりました中小企業の産業分野の確保に関する法律案外三件につきまして、提案理由の説明をいたします。
 まず、中小企業の産業分野の確保に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 昨今、大企業の中小企業産業分野への進出は著しいものがあります。現に、大紡績会社が縫裁部門に進出して、学生服、労働服、ワイシャツなど、二次加工、三次加工の生産部門にまで進出し、製紙工場がノートブックや便せんを製造する等、大企業は利潤を追求して、大資本の持つ高度の合理的生産並びに資本圧力をもって、中小企業を圧迫しているのであります。
 もちろん、憲法は職業選択の自由を認めていますが、この自由は、公共の福祉に反しない限りという前提条件がおかれております。しかるに最近の大企業の進出は、中小企業の過当競争をさらに深刻化しております。このような大企業の動向こそは、まさに公共の福祉に反するものであります。
 従って、憲法並びに独占禁止法が保障する経済活動自由の原則は、公益のために必要なる調整を行なわなければならないのが当然であります。ここに大企業と中小企業の産業分野の分業態勢を作り、これによって中小企業の産業分野を確保し、経済活動の保障を行なわんとするものであります。
 この構想に基づきまして、第一に、製造業、建設業、サービス業に属する業種のうち、その業種の事業者の五分の四以上が中小企業者であって、かつ、その業種の過去一年の生産実績の三分の二以上が中小企業者で占められており、かつまた、経済的にも社会的にも中小企業経営が適切と認められるものを、国が指定して、これを中小企業の専有する業種とするものであります。
 第二に、このような業種指定があった後は、大企業者は、みずからまたは資本的または人間的関係で支配する形で、新たにその業種に進出したり、増設する等の経営拡張はできないことにするものであります。また、指定された業種における大企業活動が、その業種の中小企業活動に重大な悪影響を与えている場合には、国はその大企業者に対して、圧迫を緩和するような措置をとられるようにするものであります。
 第三に、このような業種の指定や、大企業に対する措置をとるについては、中小企業産業分野確保審議会を通商産業省に設置して、大臣はこれの意見を尊重して対処することにするものであります。
 以上、この法律案の趣旨は、中小企業を保護、育成する最小限の措置でありまして、何とぞ慎重審議の上、御賛成あらんことをお願いするものであります。
 次に、中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明をいたします。
 第一に、本法は、第九条で、一定地域の一定業種を営む中小企業者が過当競走に陥った場合のみに商工組合の設立を認めておりますが、大企業の進出並びに全国的な慢性的な過当競走の現状にかんがみて、商工組合の設立要件は、一定業種がそのような状態に陥った場合は、特定された地域を越えて設立できるように改正する必要があります。
 第二に、本法第十七条に規定している価格協定をなし得る場合の制限は、数量または方法等の制限を行わなくとも、当初から価格協定を行ない得るよう強化して、中小企業者の共同行為の範囲を拡大する必要があります、これがためには、第十七条第一項第二号、第四号、第六号を次のように改正する必要があります。
 二 前号に掲げる物の販売価格若しくは加工賃の制限又はその物の原材料の購買価格の制限。ただし、前号に掲げる制限とともにする場合に限る。
 四 前号に掲げる物の販売価格又は購売価格の制限、ただし、前号に掲げる制限とともにする場合に限る。
 六 役務の提供価格の制限。ただし、前号に掲げる制限とともにする場合に限る。
 また、調整事業の範囲に、新たに合理化カルテルにも加えることも必要としておるのであります。
 第三に、本法第五十五条は、商工組合に対して、中小企業者が加入するよう命令をなし得るように規定されておりますが、わが党の案におきましては、商工組合の設立要件から地域制限を撤廃しましたので、このような命令を必要とする事態はなくなりまして、命令による弊害を防止することができるのであります。従って、本法より加入命令に関する条項は削除する必要があります。
 以上のようにわが党改正案の趣旨は、いずれも最小限度必要なる措置のみを含むものなので、何とぞ慎重審議の上、御賛成あらんことを切望いたす次第でございます。
 次に、小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 現行法は、小売商と購買会、並びに小売市場との関係を調整することをもって、小売商の事業活動の機会を適正に確保し、かつ、小売商業の正常な秩序を阻害する要因を除去するという本法目的を遂行するものとしております。しかしながら、本法の小売市場に対する規制は、現状に対してきわめて不十分であります。また、小売商業者と製造業者との調整は、本法第十四条だけでは全く不十分であります。さらに本法には、都道府県知事が、あっせん調停または勧告し得ることになっておりますが、都道府県知事の行為は、単独の判断によってなされるのではなく、国また都道府県別及び特別に必要ありと指定された都市において、民主的な審議会を設置して調整すべき事項について、調整審議し、答申建議せしめる必要があります。
 改正の第一点は、小売市場に関する条項についてであります。最近、小売市場の営業内容が多種多様になり、一般小売商業者との調整を要する件数が増加しているので、新たに小売市場の定義を改めて、十以上の小売店舗を含む建物を小売市場とすることにし、小売市場の開設を許可制にして、小売市場貸付、譲渡等によって営業内容が任意に変化することを防止する必要があります。無許可の開設に対しては、厳重に規制するものといたします。
 第二の改正点は、製造業者または卸売業者と小売業者との間の関係は、本法第十四条で単に製造業者等の小売商業兼業を届出にすればよいと規定しているのを、各業間の業務分野を、商品と地域によって指定して調整し得るように改正する必要があります。これは、製造業者、卸売業者の小売商業兼業は、すべて届出制とし、新たに新増設を禁止し、かつ、兼業している小売商経営が、既存の専業の小売商業者を著しく圧迫する場合は、これに適切な措置をとり得るようにする必要があります。
 第三の改正点は、商業調整審議会を、国、都道府県、指定する都市に設置する件でありますが、この審議会は、本法施行に関する事項をすべて調査審議し得るものとして、審議委員は小売業者、製造業者、卸売業者、消費者、労働者、学識経験者によって構成する必要があります。
 このような改正によって、本法の名称は、当然に商業調整法と改称すべきであります。
 以上、改正案の趣旨であります。何とぞ慎重審議の上、御賛成あらんことを切望いたす次第でございます。
 次に、百貨店法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 昭和三十一年五月に、百貨店法が制定された趣旨は、本法第一条に明らかな通り、百貨店業の事業活動を調整することにより、中小商業の事業活動の機会を確保し、商業の正常な発達をはかり、もって国民経済の健全な進展に資することにあります。
 ところが、現行法がざる法といわれている通り、本法実施の当初より、あるいは公然と、あるいはやみで、本法はじゅうりんされております。本法の目的とする趣旨を確保せんがためには、絶対に本法の改正が必要なのであります。
 改正せんとする点は、第一に、百貨店業の定義そのものを拡大しなければならない点であります。すなわち物品販売業もしくは物品加工修理業のほか、飲食店及び喫茶店営業も含め、かつ規定の営業面積をこえる面積を他の物品販売業等に貸し付ける業をも百貨店という概念規定に入れない限り、中小商業活動を確保できなくなっているのが現状なのであります。
 第二に、百貨店業が、私鉄等の構内や駅建物を利用して経営を行なう現象が著しくなっておりますので、今後は、これを許可しない方針が必要であります。
 第三に、最近は、百貨店業資本につながるスーパー・マーケットが著しく、地域的に見て中小商業との間に紛争を起こしている例が少なくありません。そこで、百貨店業者もしくはこれと資本的、人的につながりのあるいわゆる同一系統資本がスーパー・マーケットその他の形で進出を規制することが必要なのであります。このような認定については、公正取引委員会が独禁法に基づいて指定すべきであります。
 第四に、現行法は、第九条において、通商産業大臣が、百貨店業の営業行為について勧告できることになっておりますが、これは、特定の営業方法を明記して、その内容について、一々許可制とし、百貨店業と仕入先との関係についても、事項を明記して、その内容を許可制とし、百貨店業の行き過ぎを抑制する必要があります。
 第五に、国、地方公共団体、日本専売公社、日本国有鉄道等の国及び公共団体が、百貨店業に対して、特定の便宜を付与するような、土地や施設の提供は、これも百貨店業の行き過ぎを招くおそれが強いので抑制する必要があります。
 第六に、以上のように百貨店業に対する必要な規制を改正するので、これに応じて、現行法第十七条に規定している通商産業大臣の百貨店業に対する報告の徴収を、報告の徴収及び検査にまで拡充する必要があります。
 第七に、以上のように規制事項を増加したので、これに応じて罰則を改正する必要があります。
 以上のように、改正案の趣旨は、いずれも最小限度必要なる措置のみを含むものなので、何とぞ、慎重審議の上、御賛成あらんことを切望いたします。
#12
○委員長(剱木亨弘君) 四案の質疑は、都合により後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(剱木亨弘君) 次に、電気用品取締法案を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#14
○向井長年君 今度出されました電気用品取締法案でございますが、これはさきにありました電気用品取締規則ですか、これが、以前あったのですが、法案にしなければならないという理由は、どこにあるかですね、これをまず、明確にしていただきたい。
#15
○政府委員(大堀弘君) 現在行なわれております電気用品取締規則は、旧電気事業法に根拠を持っておりまして、これは一条、旧電気事業法の規定が残っておりますが、電気用品の保安について必要なことは「命令ヲ以テ之ヲ定ム」というような規定がございますが、それに基づいて、電気用品取締規則というものがお手元に資料としてお配りしてございますが、昭和十年逓信省令として出ております規則がございます。これは、実は戦前の法規でございますので、今日では、当然法律をもって規定しなければならないことを委任命令によっていたしておりますが、今日、ポツダム政令を切りかえます際に、従来やっておりましたものは、従来の例によるという法律が一本出ておりまして、旧電気用品取締規則は、その意味では法律としての効果を持っておりますけれども、結局そこでくぎづけされておるといいますか――フリーズされておりまして、品目も、ここで十一品目ほど指定しておりますけれども、これをふやすということは、現在の規定ではできないわけでございますが、品目を最近追加しなければならない必要があるわけでございます。新たな電気用品等が出て参りまして、取締品目を追加しなければならぬわけでありますが、現在省令をもって品目を追加するということができない、これが第一点でございます。
 それから取り締まりの方法等につきましても、ただいま申し上げましたように、昔の法律に基づいておりますものですから、勝手にいじって、省令でもって新しい方法をとっていくということも非常に支障があるわけでございます。
 そういう意味におきまして、やっぱり新しい法律によって、権限を得て、取り締まりをやっていかなければならないという基本的なことでございます。従来の態勢は、製造業者の取り締まりを中心に置いてございますけれども、不良な製品が、現在やはり一割くらい市場に出回っておるわけでございます。これはちょっとした設備を作って、物を作って、売ってしまったら、どっかに行ってしまうというようなケースもありまして、販売の面が取り締まられておりませんために、結局取り締まりの方法がつかない、どこから出てきたものかわからないというようなことで、非常に目的を達成できないで困っておりますので、今回、販売品につきまして、政府の認可を得たものが、いわゆるテイ・マークをつけたものだけが市場に流通しますように販売規制をいたしておりますが、これが新しい、今までの制度を補完しましてやっていきたい、これが第二点でございます。
 それから第三点といたしまして、従来通産省の電気試験所の中に検査の機関がございますのですが、最近非常に件数がふえて参りまして、これだけでは迅速な処理ができませんので、民間方面の一般の要望もございますので、指定試験機関ということで、民間の一定の資格を持った検査機関の検査を経た場合には、この電気試験所の試験を省略して認可ができるという新しい制度を付加いたしまして、法律の円滑な運用をはかっていきたい、これが第三点でございます。
 大体、以上の点が大きな点でございまして、その他いろいろな点がございますが、大体大きな点としては、以上の三点を考えておるわけであります。
#16
○向井長年君 この要旨を見ますと、大体この法案の目的が、最近においては非常に電気用品等をめぐる問題で事故が多い、言うならば、火災等も非常に件数が年々ふえつつある。従って、これによって電気用品を正確に規制し、いわゆる健全な電気用品の製造あるいは使用等を行なわしめようと、こういうことだと思うのですが、この問題について、電気用品が悪いから、まあ不良であるがために、そういう事故が起きておるのか、あるいはいろいろの取り扱い不十分というか、不なれというか、あるいはその他工事が不的確であったと、こういうところから火災が起きておるのか、こういう点は、十分通産省で調べられたのか。ただ、ここに出ている資料は、火災件数だけを書いてある、あるいは品目だけを書いてある、こういうことで出しておりますけれども、この点は、いわゆる用品が悪いために火災が起きたとか、そういうものだけではないと思うのですよ。
 この点明確に、火災件数あるいは事故件数が出ておりますけれども、これは用品の取り締まり、あるいはまた工事の取り締まり、こういう問題が不十分であったのか、あるいは器具が、そういう不良器具であったのか、こういう点を明確にして説明をしていただきたいと思います。
#17
○政府委員(大堀弘君) 御指摘の通り、実はお手元に参考資料として提出してございます「電気用品による全国出火件数」という資料がございますが、全国の分についてと、東京の消防庁統計と、二つ書かれてございまして、全出火件数の全国では一割見当、東京都におきましては二割くらいになっておりますが、それが、まあ電気による出火として出ておるわけでございます。
 ただこの中で、電気用品が悪かったために火事になったか、あるいは取り扱いが悪いために火事になったか、あるいは工事が悪いために火事が出たか、そういった原因につきましては、実は、私どもも調べておるのでございますが、正確なところは、ちょっとつかみ得ないのが現状でございます。
 それで、まあ私どもとしましては、要するに原因としては、電気に関しては三つある。一つの、工事が悪いために出火になっておるという点については、昨年電気工事士法を御審議いただいて制定いたしまして、その面から不良工事が出ないように、努力をして参るということになっておりますが、今回、まあ電気用品の面で、不良電気用品が出回らないようにしようと、さらに、それをいたしましても、やはり取り扱いの不注意とか、取り扱いがよろしくないために、出火になる場合もあり得るわけでございますので、これにつきましては、やはり行政指導なり、一般のPRによりまして、できるだけこの原因を除くように努力していかなければならぬと考えております。
 ただいま御質問の数字につきましては、実は私どもも、内容を分けておるものを求めたいと思っておるのでございますが、正確なところは、実はつかみ得ないわけでございますので、御了承願いたいと思います。
#18
○中田吉雄君 関連して。「電気用品による全国出火件数」ですね。これは、やはりもう少し――この提案をされた大きな原因だと思うし、昭和三十四年の二月二十六日ですか、参議院の委員会等の議決もあったりですね、私も、まあ消防の問題はだいぶやったのですが、ただ、この全国で一割、東京で二割の電気関係で出火しているというだけでは、やはり……、たとえば電気用品であるスタンドは完全でも、そのスタンドを、ふとんの上にひっくり返して火事が起きたというのは、実は私自身、実際体験しているんですよ。これは、もう少し相当詳しい――これはもう警視庁で、すぐわかるわけですからね。これはどうなんです。
#19
○政府委員(大堀弘君) 非常に、まあ正確にはつかみがたいわけでございますが、「東京都における電気用品による出火件数」という統計の中に、三十二年、三十三年のところへ、件数の中にカッコしてある数字がございますが、カッコ内の数字は、漏電その他スパークとか、絶縁の劣化でありますとか、これはまあ大体構造の不完全によるものじゃないかというふうに推定ができるわけです。
#20
○中田吉雄君 だから、割合に少ないでしょう。
#21
○政府委員(大堀弘君) ですから、大体、その中の半分ぐらい、――電気用品による出火件数――の表に出ていますが、四百八十六件のうち二百四十六件、五百七十二件のうち二百七十二件と、半数ぐらいのものが、用品の原因ではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。
#22
○中田吉雄君 ちょっともう一点。
 ところが、この法律案の概要の中の第一に、「主として一般家庭において使用される」と、そういうものを対象にしているわけですね。じゃ、この出火件数は、工場と家庭別はどうなんです。それもやはり、少し関係あると思うんですが。
#23
○政府委員(大堀弘君) ここにあがっておりますものは、大体まあ家庭で使われるものが主になっておるわけでございます。
#24
○中田吉雄君 そうじゃない。――まああとで。
#25
○向井長年君 今の件数ですがね、大体、今局長から説明があった火災の原因は、やはり工事の不備、あるいは絶縁不良、あるいは器具の不良、こういうことを指摘されておりますが、まあわれわれ、いろいろ常識的に見てみますと、大体絶縁不良で漏電という問題は、これはあり得る問題と思うんですよ。これは、まあ別な形において規制ができると思いますし、あるいは工事不良というものも、これまた工事検査の中で、規格に合った電線なり、いろいろな器具を使ってやれると、こういうことなんですが、器具の不良で火災を起こしたという問題が、ここでは用品ですから、そういう問題が、中心になるんですがね。
 これは不注意で、電熱器をつけっぱなしにしておったとか、アイロンをつけっぱなしにしておったとか、あるいはまた、今中田さんが言われたように、スタンドをひっくり返して、ここから熱がこもったとか、こういうことは、不注意であり得るけれども、現状において、器具が不良で特に火災を起こしたというような件数は、どれだけあるかということですよ。そういう問題は、やっぱり通産省が火災の原因というものを、警視庁なんかも、あるいはまた各警察で、相当原因探索もやる。やった場合においては、これは漏電であった。漏電といえば、非常に、何と申しますか、あるいは安全器の器具が悪かったとか、電線が裸で、すれておったとか、こういう問題になって明確になるし、電熱器をつけっぱなしにしておいて、その上にふとんがかぶさったとか、あるいはこたつをそのままつけっぱなしにしておいて押し入れに入れたとか、いろんなそういうことが、社会にあるわけですよ。そういう問題が明確でなくて、ただ電気関係のいわゆる火災事故である、こういう格好で件数をあげているということは、非常に不明確だと思うんですがね。こういう点はこれは調査すればわかると思うんですよ。特に通産省が管轄ですからね。
 こういう問題をまず明確にすべきじゃないかと思いますが、この点、わからないですか。
#26
○政府委員(大堀弘君) たとえば、電気こんろのようなものは、どうもやはり取り扱いが悪い、つけっぱなしで行ったというケースが非常に多いと思うんです。これは統計の推定の中でも、大体そういう数字が出ております。むしろ電気用品として、配線関係、配線器具、あるいは電線、それからコードあたりになりますと、ほとんどこれは、器具の関係ではないかと推察されるわけでございますが、それからスイッチの関係とか、屋内線、引込線、まあこのあたりのところは、やはりどうも器具の不良ということが原因であるというふうに考えられるわけでございます。これは、もう電気用品として全部入っているわけでございます。配線器具も、電線も全部今回の取り締まりの対象になっておりますから、まあ電気こたつとか、そういった式のものは、あるいは取り扱いの不注意というケースの場合の方が多いかと思いますけれども、全体としますと、まあかなり、やはり用品の不良、これは具体的には、そのつど問題ありまして、横浜のあるところで作った不良なものは、それが原因になって火事が出た。それをつかまえようと思ったところが、どこで作っているかわからぬ。どこかへ逃げてしまったというような場合も現に出ているわけでございまして、やはり器具の不良ということは、相当な原因になるのじゃないかと思うわけでございます。
#27
○向井長年君 非常に、その答弁不明確ですよ。結局、今電気用品も一般家庭で、まあこれは、スタンドとか何とかは別といたしまして、工事の場合は、請負業者がやっております、指定の、大体において。そういうところの業者は、やはりいわゆる規制に合った電線を使う、あるいはまた、その他の器具を使って配線をすると思うんですよ。
 そういうことから考えるならば、こういう器具の不良ということは言えないと思うんですよ。ただ、それが長年たって損傷をする。これは工事の検査、あるいは絶縁施設ですね、こういう検査を中から督励して改修をやらす。こういうことで、これは防止できるわけであります。従って、用品そのものが悪いために火災を起こしたとか、あるいは起こさぬというような形は非常にごく少ないのじゃないか、こう私は思うのですよ。
 そういう点を全部一つにして、用品規定を、この火災の原因に持ってきたということに対しては、私は非常にわからない。特に用品といっても、電線とか、開閉器とかその他の問題は、これは需用家がやるのではなくて、一般大衆がやるのではなくて、これはみな工事者なり、会社がやる、電気事業者がやる、引込線にいたしましても。だから、そういう器具は、今までの規則から考えても規定の規格に合ったやつを使っている。そうでしょう。規格に合ったやつを使う。そうすると、一般のこんろとか、市場に出ているこういう問題は、これは需用家が直接購入する。そうして家庭で使う。こういうことですが、そういう中から考えて、火災の問題を申すならば、器具の問題は、器具が不良であったか、あるいは取り扱いの不注意であったか、こういう問題が起きてくると思うんです。やはりわれわれ考えると、取り扱いの不注意という問題が、各所に出てきて火災を起こしたという原因は各所にあると思います。器具が不良であったからというようなことは、先に覆ったいわゆる工事関係、配線関係、こういう中に含まれるのじゃないか、こう思うわけで、こういう火災を起こすところの問題についての、全部これは一括して書いておりますけれども、これを十分明確に通産当局はすべきじゃないか。これは、今後もあることですから、将来監督していく立場から考えて、やはり明確にしないと、俗に火災が起きた原因が不明確であったら漏電にしようというようなことも、これは、常識にあるわけなんで、そういう点を明確にするためにも、どこに原因があった。こういう問題を、やはり過去の問題を明確にして、器具が不良である。あるいはまた配線工事が不十分である。あるいは非常に老朽な配線を、そのままに置き去りにしておった。こういう問題も、これはまず明確にしなければ、この原因を追及することはできないのじゃないかと思いますが、この点どうですか。
#28
○政府委員(大堀弘君) 確かにこの電気用品による出火件数だけで、この電気用品のことを結論するということは、行き過ぎであるということは御指摘の通りでございますが、ただ火事でございますと、多くの場合、これは漏電だといって、そっちへなすりつける傾向が多いかと思いますけれども、この内容を、まあ分析してみますると、さっき申し上げましたカッコ内のものは、やはり漏電でございますとか、過電流、接触部の過熱とか、絶縁劣化あるいはスパーク、スパーク引火、機器の故障という原因であるというふうに一応推定されておるわけでございますので、これくらいが、やはり電気用品が原因であったというように、まあこの二割なら二割が、全部ではございませんけれども、その一部が、相当の部分が、やはり電気用品が原因であるというふうに考えておるわけでございます。
 今後、この点につきましては、十分原因をはっきりさせるように努力はいたしたいと思います。
#29
○向井長年君 だから、一応この原因の問題については、区分的に明確に一つ資料を作ってもらったらどうかと思いますが、そこで今、大体電気メーカーといいますか、器具メーカーといいますか、これは全国大企業、東芝とかあるいはナショナルとかたくさんあります、その他、日立もありまして、なお中小企業もあると思いますが、これは全国で、電気器具を製造している業者は、大企業あるいは中小企業を含めて、どれくらいあるのですか。
#30
○政府委員(大堀弘君) お手元に、きょう参考資料としてお配りしてございますが、電気用品の製造免許件数としましてお手元にお配りしてございますが、現在、総免許件数として三千六百五十一件ございます。これは、まあ品目ごとに許可をいたしておりますから、そういう関係で出ております総免許件数が三千六百五十一件、そのうちで、従業員が三百人以上または資本金一千万円以上の、つまり大企業に該当するものが、全体で三百七十二件でございまして、まあ大体件数としては一割ぐらいが、今の三百人以上一千万円以上の大企業でございます。件数としては、あるわけでございます。中小企業の数が、非常にまあ件数としては、多く出ておるわけでございます。
#31
○向井長年君 そうすると、今三千六百五十一件ほど大体製造メーカーがあると、やや大企業に属するメーカーが一割程度であると。そうしまして、現在までの取締規則の中で、いろいろ品種は、これはまあ十一ですが、こういう品種を作っておるのは、どれくらいなんですか、その中で。いわゆる標識をつける。三角マークですか、これをつける品種を作っているところは、どういうところですか。
#32
○政府委員(大堀弘君) ただいま申し上げましたところが、それだけが全部。つまり製造免許を受けて統制にかかっておるのが、現在申し上げた数字でございます。
#33
○向井長年君 ああ、今の三千六百五十一件。それで今度、品種を増加するわけなのですが、これが、全部三千六百五十一件の中に、大体そういう品種が、ほとんど製造されるところですか。今度増しますね、増加しますね、品目を。
#34
○政府委員(大堀弘君) 新しい品目につきましては、現在対象になっている以外のメーカーも、相当件数出て参ると思いますが。
#35
○向井長年君 これ以外に。
#36
○政府委員(大堀弘君) はあ、全体といたしましても、やはり自然増として約一割ぐらいずつはふえていく傾向がございますが、件数としては、まだふえていく、これよりふえていくと思います。
#37
○向井長年君 この法案の中で、いわゆる、何といいますか、技術基準と申しますか、通産省で考える技術基準というのは、どういうように考えればいいのですか。
#38
○政府委員(大堀弘君) 技術基準としまして出ておりますのは、まあ二カ所でございますが、一カ所は、登録する場合の一つの技術基準、これが法律の第六条に書いてございますが、指定されました電気用品を作りたいと考えておるメーカーが、これを継続して一定の器具のものを作る能力を持っているかどうかということを定めます基準でございますが、これは一つには製造設備、こういった設備を備えているかどうか、それから第二が、特定の検査設備について一定の技術上の基準に適合するものを備えているかどうか、これが一つの技術基準でございます。それから第二には、型式の認可をいたします場合に、個々の品物についての認可の基準、その場合のやはり技術上の基準、二つございまして、最初の検査設備及び製造設備についての技術上の基準、たとえば各品目ごとに、小型変圧器というようなものでありますと、製造設備としては巻線設備、絶縁処理設備、組立設備、それについて技術士の基準としましては、たとえば巻線設備につきましては手動巻線器もしくは電動巻線器を備えており、巻き線器は、コイルの銅線を均一に巻き線することができるものであることを要する、こういった基準が、それぞれ個々にきめられております。
 検査設備の方は、割合詳細に、性質上きめなければならぬと考えておりまして、現在の法令でやっております場合は、検査設備については、さらにこまかくきまっておりまして、構造及び部品検査設備、鉛管絶縁抵抗試験設備、鉛管絶縁耐圧試験設備、短絡試験設備、温度試験設備、それについて、それぞれのどういう程度まで抵抗に耐えられるかどうかといったような基準がきまっておりまして、これだけの設備を持っておればよろしい、まあ、私どもとしましては、不必要に高い基準は考えておりませんで、安全を保持するに必要な最小限度のものを持っておればよろしいということで、現在免許になっております型は、大体これを持っていると思いまするから、非常にまあきつ過ぎる基準とは考えておりません。最小限度これだけのものを持っていなければ、継続的に安全なものを作ることができない、こういうふうに認定できるのじゃないかと思います。
 それからもう一つ、型式の方につきましては、これはお手元に電気田品旧取締規則の資料がお配りしてございますが、それの十二ページ、十三ページ以下に、現在やっておりますことが明示して書いてございまして、絶縁電線につきましても綿のもの、ゴムのもの、あるいはビニールのもの、分類がございますが、それぞれの型に応じまして、被覆の材料とか構成、導体の材料、たとえば銅を使っているか、アルミニュームを使っているか、導体の単線であるか、より線であるか、こういったような、いろいろ種類に応じまして試験の技術基準がきまって構造試験、導体試験、絶縁抵抗試験、絶縁耐力試験、巻附試験、老化試験、分析試験、その各試験の基準というものが詳細に、こまかい基準が出ておりまして、これらも役所で勝手に、恣意的にきめられる問題じゃございませんで、技術的にかなり客観的な基準が出ているわけでございまするから、その基準によりまして判定をいたすわけでございますが、これは主として電気試験所の、現在は試験所で、申請者が出してきたものを分析いたしまして、この条件に合っているかどうかということを検査いたしまして、合格いたしますと型式の認可を与える、こういうふうに相なるわけでございます。
#39
○向井長年君 従って、大体設備ですね、あらゆる設備、試験設備、こういうものを完備しているということを基準に置く、こういうことであると思いますが、しからば、先ほど報告のあった現在のメーカーですね。三千六百幾つですか、このメーカーは、こういう基準に今まで合っているのか、やはりその中に、こういう設備がないところがあるか、この点どうですか。
#40
○政府委員(大堀弘君) 現在免許している方は、現在の基準に合ったものを持っているわけでございます。
#41
○向井長年君 次に、試験制度ですが、これは、まあ大体民間にやらすということをいっておりますね。この概要は、具体的にどう考えておりますか。一つ説明して下さい。
#42
○政府委員(大堀弘君) 現在、電気試験所でやりますものは、これは全商品をカバーしまして、現在指定されている全電気用品につきまして、検査の能力を持っているわけでございまするが、民間のものは、必ずしもこれは全部を網羅するとは考えておりませんけれども、相当件数がふえて参りますもの等につきましては、民間の試験機関でやっていくということに考えておりますが、現在電気協会が電気計器の検定をやっておりますが、そこの能力を利用いたしまして、電気工業会等メーカー側もこれに協力をして、新しい試験機関を設置しようという動きが現在ございまして、それができました場合、これが、われわれの考えておりまする条件に合致いたしますれば、これを指定したらいかがかと考えております。
#43
○向井長年君 今、直接の電気試験所、いわゆる通産省のそれと、一般民間の場合においては、電気協会にまあ付託したい、こういうことでしょう。
 そうすると電気協会というのは、現在はメーターの検定をやっておりますね。ほかのはやっておりませんね、ほかの試験は現在は。そうすると、そういうところに、そういうものを付託しようとするならば、やはりそれに対する試験の設備なり、あるいはまた人的構成なり、あらゆるものを必要とするわけなんですが、これは現在電気協会があるから、それに付託するというのじゃなくて、別にそういう試験制度の構成を作ろうと考えているのか。現在、もう電気協会だけで足りると、こう考えているのか。また、そういう試験所をどういうところに作ろうとしているのか、この点明確に。
#44
○政府委員(大堀弘君) 多少、今具体的なお話を先に申し上げて恐縮でございますが、私どもとしては、だんだん件数がふえますれば、あるいは一カ所でなくて二カ所ということも考えられますが、当面は、やはり東京地区に一カ所くらい置いたらどうかと考えております。これを処理し狩る能力としましては、まあ建物ではやはり四百坪、人員が約四十人くらい要るのじゃないか。資金的には一億数千万円かかりますが、これは試験手数料の収入と見合いまして、それでベイをしていく、将来は、そういう計算で考えられますが、現実の問題といたしましては、今電気協会は、メーターの検定業務でございまして、直接この電気用品と関係はないのでございますが、ただ類似の仕事でございますので、人員の面、建物の敷地その他の利用につきまして、これを利用できますと、割合に迅速に試験所が作れるんじゃないかという考え方のもとに、民間で電気協会、電気工業会等で相談をしておるわけでございまして、それが的確な計画ができまして、私どもとして試験能力を備えておるという認定ができましたから、これを指定するのがよろしいのじゃないかと思っておるわけでございます。
 まだ、現在できておるわけでは、ございませんので、そういう計画が進んでおるということを申し上げておきます。
#45
○椿繁夫君 ちょっと関連して。今回の、この家庭電気用品の取り締まりの対象になるものは、これまで取り締まり規則で試験をして市販されていたものだと思いますが、これまでの試験機関は、どこでやっておりましたか。
#46
○政府委員(大堀弘君) 通産省の電気試験所の中に、この電気用品の取り締まりの部局が現在あるわけでございます。
#47
○椿繁夫君 そこだけですか。
#48
○政府委員(大堀弘君) 電気試験所だけでございます。
#49
○椿繁夫君 この電気試験所だけで試験をしておられますために、一般の需要に試験がおくれて、応じきれないという声を聞いておりますが、通産省は御存じですか。
#50
○政府委員(大堀弘君) 御指摘の通り、非常に最近件数が急速にふえておりますので、現在の電気試験所の能力だけですと、処理に難渋をいたしまして時間がかかる。ことに夏物、冬物といったような季節的なものにつきましては、非常に短期間に試験を終わりませんと、製作に間に合わないということがございますので、ぜひそれを早くできるように考えてもらいたいというのが、御指摘のように民間の声として出ておることを承知いたしております。
#51
○椿繁夫君 すでに役所にも、この試験機関が通産省の電気試験所に限られておるために、市販の需要に応じ切れないということをよく御存じであるにかかわらず、これから電気工業会等で新たに試験機関を作る御計画がある、それに期待しておられるようですが、他に、こういうものを委嘱する機関はございませんか。たとえば日本機械金属検査協会のごときものも、若干の設備の補充を行なえば、人員等も十分確保しておるのではないかというふうに私は承知しておりますが、これまでの試験所の試験が間に合わないというのに、電気工業会にこれから新たに試験施設を計画してもらうというようなことに頼らないで、現に、検査施設を十分に持っておる民間機関があるのに、それを活用するというようなことはお考えになりませんか。
#52
○政府委員(大堀弘君) これは、技術者の能力とか設備能力とか、各般の面から検討いたしまして、能力がございますれば、これはまた、全品目ということでなく、特定の品目だけということもあり得るわけでございますから、これは、現在ありますもので利用できるものがあれば、これを指定することは一向差しつかえないと考えております。これは今後実施の段階において、十分検討して参りたいと思っております。
#53
○椿繁夫君 私は、その検査施設が需要をまかないきるほどのものはない、その場合、新たなものを計画するということも一つの方法でありますが、一定の技術基準を備えておる民間機関があれば、これを進んで、監督をしながら活用していくという方法をとって、世間の要望にこたえる措置を早急にとられる必要があろうかと思います。重ねて局長の御答弁を求めます。
#54
○政府委員(大堀弘君) 先ほど申しましたことを繰り返すようになりますが、やはり客観的に見て、技術能力、設備能力等において、十分なものがございますれば、実施の面で、御趣旨の点は考えて参りたいと思っております。
#55
○向井長年君 そこで、試験所設置の問題については、今の答弁では、東京に一カ所考えているということですが、地域的に、こういう問題を考えようとしているのか、今のところは、東京一カ所と考えているのか、どっちなんですか。
#56
○政府委員(大堀弘君) 現在、電気試験所一本と申しましたが、電気試験所の中で、東京の試験所、それから大阪の支所、名古屋の支所、それぞれ規模は違いますけれども、実行いたしております。
 民間の機関につきましても、当面、件数を考えまして、東京を中心に一カ所置いたらどうかと思っておりますが、さらに必要がございますれば、地方についても考えていきたいと考えております。
#57
○向井長年君 そうすると、今通産省の試験所は、各所にありますが、結局、民間のやつは、今東京しか考えていない、必要に応じて各地区に考えるということですか。必要に応じて――必要に応じるというのは、現在の状態だったら、こういう規模で、品目をふやして、件数は、ますますふえていく、というのであれば、そういう構想は、今もう考えなければならぬ時期じゃないのですか。
#58
○政府委員(大堀弘君) やはり件数との関係になると思いますが、私どもは当面は、一カ所くらいと思っておりますけれども、さらに実行の段階におきまして、必要がございますれば、やはり、地方の方に考えていきたいと思っております。今すぐに地方というところまで、実は考えていないのでございますけれども、なお実情を調べまして、非常に地方に件数が多い、地方に置いた方が便利であるということがございますれば、その点は、実行段階において十分考えていきたいと思います。
#59
○向井長年君 検討中といって、現在三千六百十一というメーカーがある。しかも、今後ますますふえる要素がある。これは、おそらく地域的にわかっているのでしょう、現在、どういう府県に、またどういう地域に幾つあるということは。そうすると、将来その問題を適宜見て、考えていきたいというよりも、もう明確に、これだけのメーカーが、やはり全国的にあるわけだから、このメーカーのものは、通産省としては東京で検査できるだろう、あるいはこれは、名古屋でできるだろう、あるいはこれは、九州でどうだということが、今明確でなければおかしいんじゃないですか、今後というようなことは。現在が、そうなっているのですからね。
 この点、もう少し、具体的に検討されたのかしないのか。
#60
○政府委員(大堀弘君) さらにこの点につきましては、今後ふえますふえ方について、これは、東京だけふえるということはないと思いますので、大阪、名古屋その他もふえて参るかと思いますが、当面、やはり東京に能力を強化しまして、大阪の試験所、名古屋の試験所もございますので、それを総合的に利用して運用して参りませんと、資金的な問題もございますし、あるいは設備は、あまり重複的に持てないという関係もございますので一いずれ大阪は、近いうちに考えなければならぬ段階になるんじゃないかと思っております。
 要するに、設備をいたします関係で、あるいは人員の関係で、一挙に理想通りいきませんので、逐次やって参りたい、かように考えております。
#61
○向井長年君 そういうことで、不明確なんですが、そうすると、そういう――民間の試験所ですよ、私の言っているのは。民間の試験所を作った場合には、それに対する設備とか人員構成、こういうものが必要なんですが、この人員構成の場合に、特にそういう製造メーカーに対する、言うなれば査察等も行なわなければならぬのですが、検査の、そういう立場から考えて、そういう人たちの任用問題ですね、これは、すべて民間にまかせて、技術があればそれでいいのか。あるいはそういう問題は、通産省は、どういう干渉をするのか。干渉といいますか、それに対する考え方をどうしているのか。あるいはこういう人たちは、まあ三十九条で「公務に従事する職員とみなす」こういうことになっておりますが、その人たちの身分は、どういう形になるか。この点明確にしていただきたい。
#62
○政府委員(大堀弘君) 指定機関全体につきましては、二十九条以下に、相当こまかい条件を規定いたしてございまして、指定機関の欠格条項、指定の基準、これは、設備的にあるいは人的に、試験機関として適格であるかどうかという判断の基準、さらに試験業務以外の業務を行なっている場合に、その業務を行なうことによって、その試験が不公正になるおそれがないかどうかという判断、こういった公正を期する点におきまして、試験機関に対する監督がございます。同時に、業務規定を定めまして、業務規定については、通産大臣の認可を受ける。事業計画につきましても、通産大臣の認可を受ける。それから役員の選任、解任についての権限は通産大臣にございまして、業務規定に違反した等の場合には、解任命令ができる。それから、先ほど御指摘のように、役員、職員の公務に従事する公務員としての取り扱いを規定してございます。また、命令に反した場合には、指定の取り消し等の規定もございまして、かなり厳重な監督をいたして参るというつもりでございます。
#63
○向井長年君 きょうは、これで終わりますが、その厳重な監督だけじゃなくて、その人たちの身分ですよ、言うならば身分保障まで。委託したままでやらすのか、あるいは通産省で、それに対して身分保障の問題を考えるのか、この点なんです。
#64
○政府委員(大堀弘君) 働いております職員の身分の保障についての規定は、現在、法律上の規定を考えておりません。現在電気計器の検定につきましては、電気試験所と電気協会両様でやっておりますが、私ども運用上から参りますと、電気協会に付置して参りますれば、比較的運用上、従来の例もございますので、円滑に持っていけるじゃないかと考えておるわけであります。法律上の規定は考えておりません。
#65
○向井長年君 法律上の規定というよりも、一応、公務に従事するものという格好で見るわけですが、そうした場合に、民間に委託して、民間が自主的に、その人の身分保障をやって、その業務に従事さそう、こういうふうに形としてなるわけですか。
 しかし、少なくとも通産省が委託して、そういう業務をやらしておる。本来ならば、通産省直接やるべきものですね、監督官庁としては。それを委託して民間にやらそう、そのやる人たちの身分の問題については、自主的にその協会なり、あるいは民間団体なりがやるんだ、こういうことなんですが、そこで、こういった、公務員じゃないけれども、公務に従事する者とみなす以上は、通産省として、こういう仕事をやらしておる以上は、それに対して、何らかの身分というものについての指示なり、こういうものがあってしかるべきじゃないかと思うのですが、こういう点は、どうかというわけです。
#66
○政府委員(大堀弘君) 実は、そこまで考えておりませんでしたのですが、お話の通り、ごもっともでございますが、私どもとしまして、どういう方法が可能か、待遇その他の点について、十分検討いたしてみたいと思います。
#67
○椿繁夫君 今の点に関連ですがね。通産省で、役所にかわるべき民間の検査機関というものを、相当数、これは持っておられるのですが、今の従事する人たちの身分の問題ですがね、私の承知しておりますところでは、罰則だけ公務員に準じておる。それで、その待遇とかその他は、民間独自のなににまかせる状態に据え置いて、そして公的な検査などを委託する場合は、罰則だけ公務員に準じてこれを適用しておるというのが現状のように聞いております。
 こういう状態で放置しておくことは、いかがなものであろうか、常々、こう考えておったところなので、十分そういう点については、御検討いただきたいと思います。
#68
○政府委員(大堀弘君) 十分検討いたしたいと思います。
#69
○中田吉雄君 この電気事業法の法律的な失効はいつですか。
#70
○政府委員(大堀弘君) 旧電気事業法は、昭和二十五年に、公益事業令が出ました際に、その大部分の規定は失効したわけでございます。一部の規定が、保安関係等の規定が一部残っておりますが、大部分は、そのときに旧電気事業法は失効したわけです。現在は公益事業令が、――二十五年以降は公益事業令でございますが、昭和二十七年に、電気に関する臨時措置に関する法律が出まして、現在の旧公益事業令及びそれ以前に、それまで働いておりました法律は、そのまま従来の例によって有効とするという経過的な法律が出まして、従いまして、現在はやはり公益事業令が法律としての効力を持って存続しておる、こういうことになるわけでございます。
#71
○中田吉雄君 この衆議院法制局、参議院法制局編集のこれによると、旧電気事業法は、昭和二十七年十月二十四日に効力を失したというふうになっているというのは、これはどういうふうなことですか。ポツダム政令との関係ですね。
#72
○政府委員(大堀弘君) 旧電気事業法と申しますのは、戦前からございました電気事業法でございまして、これが二十五年の十二月から、公益事業令がポツダム政令で施行になりまして、その限りにおいて、旧電気事業法の大部分は、そのときに失効したわけでございます。一部の規定だけが残った、あと保安に関する部分だけが残っておったわけでございます。それが昭和二十七年に、電気に関する臨時措置に関する法律が出まして、そしてここに書いてございますが、「電気事業、電気の供給、電気の使用制限、発電水力、電気用品並びに電気に関する施設に関しては、これらの事項に関して規定する法律が制定施行されるまでの間は、昭和二十七年十月二十四日に効力を有していた旧公益事業令並びに旧電気事業再編成令第六条第二項並びに附則第十二項及び第十六項の規定の例による。但し、他の法令の規定の適用を妨げない。」、これが二十七年に出ました法律でございますが、これによって、旧公益事業令が、そのまま一応新しい法律が出るまでは、従来の例によって法律の効力を持っておる、こういうことになるわけでございます。
#73
○中田吉雄君 それは昭和二十七年の十二月二十七日でしょう。ただいま御説明になりましたのは、法律三百四十一号でしょう。
#74
○政府委員(大堀弘君) 昭和二十七年十二月二十七日でございます。
#75
○中田吉雄君 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律というのによりますと、失効して百八十日以内は、百八十日だけは効力を持っている。ところがそれから二カ月間ブランクがある――その措置が立法されるまで、そうでしょう、その関係は、どうなるのですか。
#76
○政府委員(大堀弘君) 確かに、この間に期間のギャップがあるわけでございますが、法制局の解釈によりまして、従来の古い規定の例によると書いてございますが、規定の例によるということでやれるという解釈になっていると聞いております。
#77
○中田吉雄君 その関係がわからないのですが、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律第二項によりまして、「勅令第五百四十二号に基く命令は、別に法律で廃止又は存続に関する措置がなされない場合においては、この法律施行の日から起算して百八十日に限り、法律としての効力を有するものとする。」これが四月十一日でしょう、ところが、ただいまの御説明の電気に関する臨時措置に関する法律というのは、十二月二十七日です。そうすると二カ月間ブランクなんですが、これはどうなるんですか、その間は、何で取り締まっておったのですか、これはどうなるんですか。
#78
○政府委員(大堀弘君) 私も、実は古いことで存じませんが、その間、確かにブランクがあったことは明らかでございます。
 ただ、この電気に関する臨時措置に関する法律が十二月に出まして、それによりまして、電気に関しては、その前の旧公益事業令の規定の例によるということで、従来の規定が、そのまま適用されるという解釈で、この法律ができているものと考えております。
#79
○中田吉雄君 これはまだ百八十日以内の生きている間なら、私は、そういうことも言えると思うのです。それはもうポツダム政令で、それは廃止になった日から百八十日以内に、別の法律を定めなければ、根こそぎなくなるという規定があるのに、二カ月もおくれて、二十七年十二月の二十七日に出ているわけです。ポ勅の廃止は、二十七年四月十一日です。この六ヵ月以内に、少なくとも措置されねばならないはずだと思うのですが、これはどうですか。
 ところが、その関係ですが、私は少し、これをいろいろ見て、どうもその辺のブランクを、どうしておられるのかと思いますと同時に、そういうポ勅で廃止になったようなもの、例にしたようなものを、これをもとにして作られたものとして、昭和二十九年三月三十一日には、法律工十一号のガス事業法というものがあるのに、この根本になるべき電気事業法というようなものは、やっていない。同じ公益事業ではないかと思うが、この関係は。
#80
○政府委員(大堀弘君) 御指摘の通り、私どもとしましても、電気事業法といいますか、新しい電気の取り締まり監督に関する一般的な法規を出さなければならぬと考えて検討いたしておるわけでございます。
 御承知のように、非常に電気事業のあり方についても、基本的な問題等につきまして、これは基本法でございますので、相当慎重に検討をいたさなければならぬと考えておりまして、ことに、九電力あるいは電発その他広域運営等の方式によって、現在電気事業のあり方について、いろいろ新しい対策を実行段階で検討いたしておるということでございますので、これらの基本的な問題について、もう少し結論を固めました上で法案を出すべきじゃないかと考えまして、できるだけ早くやりたいと思っておりますが、そういった基本的な問題が残っておりますので、また提出できない段階でございます。御了承願います。
#81
○中田吉雄君 時間がありませんので言いませんが、ただいま質問申し上げました、とにかく電気に関する臨時措置に関する法律は、法律三百四十一号で昭和二十七年十二月二十七日で施行になって、しかもこのもとである電気用品取締規則というものは、昭和二十七年四月十一日に出されたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律というので、まあ、六カ月の猶予期間があったんです。二カ月です、きょうそろばんはじいてみると、二カ月間のたしかブランクがあるんです。こういうことのもっと法制的な、国会の審議がおくれたためでしょうかね、私は、その六カ月以内にやるのが順当じゃないかと思うのですが、その辺の関係を、きょうは時間がありませんから、次回に譲りまして、御説明いただきたいと思います。
#82
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑、はございませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト