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1960/04/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第18号
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1960/04/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第18号

#1
第038回国会 商工委員会 第18号
昭和三十六年四月十八日(火曜日)
   午後一時二十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
   委員
           上原 正吉君
           大川 光三君
           岸田 幸雄君
           斎藤  昇君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           中田 吉雄君
           向井 長年君
           加藤 正人君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
  政府委員
   通商産業省重工
   業局長     佐橋  滋君
   中小企業庁長官 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  参考人
   日本航空機製造
   株式会社専務取
   締役      中島 征帆君
   全日本空輸株式
   会社取締役社長 美土路昌一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○航空機工業振興法の一部を改正する
 法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○商工会の組織等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付、予備
 審査)
○産炭地域振興臨時措置法案(内閣送
 付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は航空機工業振興法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について参考人の意見聴取を行ない、質疑ののち、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案及び産炭地域振興臨時措置法案について提案理由の説明を聴取することといたします。
 なお、この際参考人の件について御報告いたします。前会の委員会において参考人の人選について委員長に御一任願いましたので、お手元に配布いたしました名簿の通り二名の方に参考人として御出席を願うことといたしました。
 以上、御了承をお願いいたします。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(剱木亨弘君) まず、航空機工業振興法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより参考人の御意見を伺うのでありますが、初めに一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は御多用のところ当委員会のために御出席を賜わり、まことにありがとうございました。本委員一同にかわりまして厚くお礼を申し上げます。ただいま審議を行なっております議案は、すでに御承知のごとく輸送用航空機の国産化促進のための措置として、その設計、試作、製造等を行なっております日本航空機製造株式会社に対し、YS−11型量産準備のための資金調達に資するため、当分の間会社の債務について政府が保証することができるようにしようとするものであります。当委員会といたしましては、この機会に航空機製造株式会社の実情、その将来並びに量産機の販売の見通し等につきまして、生産者及び需要者の方々から御意見を伺い、今後の審議に資したいと存じ、御出席を願った次第でありますので、忌憚ない御意見をお願いいたします。
 なお、議事の進め方でございますが、最初にお一人大体十五分程度で御意見をお述べ願い、御意見開陳の終わったのち、各委員から質疑を行なうことといたしますので、御了承を願います。
 それでは、初めに日本航空機製造株式会社専務取締役中島征帆君にお願いいたします。
#4
○参考人(中島征帆君) 御指名によりまして、日本航空機製造株式会社の現在の状況を簡単に御説明申し上げます。
 当社は三十四年の六月一日に、航空機工業振興法に基づきまして設立されたのであります。当社の目的は中型輸送機の試作を完成いたしまして、さらにそれの将来に対する製造販売を行なうという趣旨でございます。設立当時の資本金は五億でございましたが、昨年度増資をいたしまして、現在の資本金は十八億五千万、そのうち政府出資が十億五千万、民間出資が八億、かようになっております。本年度さらに、本年度の事業に対しまして充てますために、約これの倍額増資をもくろんでおりますが、そのうち政府出資の分十億だけは、本年度の予算として計上されて、ございます。全体の試作費予算は、四十二億六千五百万というところでスタートいたしておりますが、これは現在の状況からいいまして、実際には若干これを上回る見通しでございます。大体この程度までは全部出資の形で試作費をまかなう、こういう予定になって、おります。
 ねらっております機種は中型輸送機でございまして、全部お客を乗せました全体のトン数が二十二・八トンという、これが中型の一つの特色でございますが、人数にいたしまして標準で五十二人乗りと考えております。これは燃料を操作することによりまして六十名までは乗れます。また足を延ばしますためには、人数を減らして航続距離を延ばすということもできますが、この標準の姿におきましては航続距離が約千キロ――千七十キロでございます。これは大体東京から福岡まで行けるという距離でございますが、六十名乗りました場合には六百十キロでございまして、大阪まで行ってもなおかつ余裕がある、こういうふうなことになります。もしこれを、人数を減らしますと――三十名足らずまでいたしますと、二千三百キロ以上、この標準の二倍以上に航続距離を延ばし得るという性能でございます。それからスピードは、これはジェットによってプロペラを回す、いわゆるジェット・プロップでございまして、三千馬力のエンジン二基を備えておりまして、巡航速度が約四百八十キロでございます。この飛行機の一つの大きな特徴として非常に滑走距離が短くて済むということでありまして、これは比較的に狭い飛行場で飛び上がれるということ、なお操縦の性能が非常にいい、操縦性がよいという特徴を持っております。こういう飛行機をねらいますまでには、いろいろそれまでの実情から調査いたしまして、大体重さ、収容人員、あるいはスピード、距離といったようなものをこの辺が一番よかろうという、いわゆるマーケット・リサーチからいたしまして、結論を出しまして、これをねらったわけでありまして、この数字は当社ができます前にありました輸送機設計研究協会時代におきましても、十分検討を加えて出された結論でありまして、こういう程度の飛行機が今後一番需要を開拓するに適当であろうということから決定したわけであります。なお、この飛行機に備えつけまするエンジンは、これはイギリスのロールス・ロイスのエンジンを使っております。機体その他、一部の計器を除きましては、これは全部国産であります。で、試作いたします飛行機の数は四機でございますが、そのうち二機は実際に飛ばせる飛行機でございまして、二機をもって飛行試験を行ないまして、飛行試験後もこれは実用化し得るものでございます。残りの二機が荷重試験あるいは疲労試験を行ないまして、大体地上でこわれると、こういうことになっております。現在の予定では本年末、三十六年度末まで一応機体の姿を完成いたしまして、来年の春から飛行試験を開始いたします。約一年三カ月ないしあるいは一年半くらいかかりますか、目標といたしまして、昭和三十八年の八月ころには市販機を出せるようにしたいと、こういうふうに考えておるわけであります。現在までの製作状況は、従ってこの日程によりまして設立以来進めておりますが、ほぼこの日程に乗っておりますが、今日まで昨年の終わりごろからことしにかけまして、具体的に製作が一部完成いたしております。また機体の一部もすでに着手いたしておりますし、部分的にでき上がったものもございますが、大体完全な姿ができ上がるような格好になっております。現在の見通しといたしまして、本年度中に一応機体の方はできるということは間違いなく言えるのではないかと思います。
 で、この飛行試験を終わりましてあと市販に移るわけでございますが、本来なれば試験飛行を終わって滞空証明をもらってから注文をとるというのが普通の姿であろうと思いますが、現在の世界の航空機状況から申しまして、できるだけ早くこの飛行機を実際の用に供するために市販機の製作もなるべく急ぎたいというふうに考えまして、本年度あたりから実際の量産機の製作準備にも取りかかって、三十八年度に飛行試験終了後には市販機が出せるという状態にしたい。そういう意味におきまして、量産計画の一部に本年度着手したいという意図を持っております。そうやりましても、三十八年度にでき上がります市販機はせいぜい五機。それから逐次増しまして、普通の状態で参りましたときに、これは二、三年後になりますが、月産二機程度が一応現在考えております製作数量でございまして、従って年間二十四機。やはりもちろん需要がもっと多くなれば、これを倍くらいにすることは不可能ではございませんが、一応その程度に考えております。大体全体といたしまして、昭和四十五年ごろまでに百五十機程度のもを作って売れば、この飛行機は非常に成功したということになると思いますが、その目標に向かって市場開拓等につきましても今努力いたしている次第でございます。
 なお、こういうふうに量産の準備をいたしますためには、もちろんこれに対応する資金が必要でございますが、現在私どもが持っております資本金はこれは試作機あっての資金でございまして、量産機のものは別個の計算になるわけでございます。従って量産資金の調達は資本金と別個に調達しなければならないと思っております。何分にも当会社は自分の設備を持っておりません。工場を持っておりません。で、設計をいたしましたものを既設の各会社に各部分担製作をさせるというやり方をとっておりますので、従って図面以外には担保物権も何もないわけであります。そこで実際の飛行機のはっきりした受注契約がない限りは、普通のペースでは資金を調達することが非常に困難でございます。従って当初スタートいたしますときには、やはりこれに対しましてある程度の政府の裏づけと申しますか、そういう意味で政府保証の形をつけていただくことが必要かと、こう考えまして、昨年来この点につきまして政府関係にお願いをいたしまして、今回提出されておりますような政府保証の法律を作っていただきまして、このスタートをいたしたいというのが私どものお願いでございます。
 なお、それではこの飛行機がはたして需要にマッチするかどうかという点でございますが、先ほど申しましたように、大体海外の実情を一応検討いたしました結果、このねらいが一番的確であろうというところで出された型式でありますし、また現在までに各国にいろいろなアンケートも出し、またその他いろいろと調査をいたしておりますが、その反響等にかんがみましても、かなり諸外国におきまして、この型の飛行機に相当な関心を持っているということも現われてきております。従って予定通りの性能ができ、またその価額が適正であれば、十分に国内はもちろん外国に対する需要も求め得るという確信を私は持っております。従ってある程度早目に量産機の手配をするということも、決して危険なことじゃないというふうに考えている次第であります。
 なお、もちろん外国に出します前に、まず国内市場がそれに先行するということが常識的に必要なわけでありますが、これにつきましては、国内の民間航空会社はもちろんのこと、政府関係におきましてもいろいろな、たとえば運輸省の航空局に使います航空管制用機、あるいは海上保安庁の海上救難機、あるいは気象庁の気象観測機といったような、そういったような需要がございまして、これはもちろん旅客機そのままの姿では使えないかもしれませんが、内部を一部改装することによりまして、十分その目的に合致し得るというふうに考えられております。おそらくだんだんこういうふうな需要が具体的に出てくるのじゃないかと、これはまあ私ども期待しております。こういうところからまず国内需要をつかみまして、その上で輸出、海外市場の開拓ということにつきましても、一そうこれは活発なる努力をしなければならない、かように考えております。
 なお、御参考までに申し上げますけれども、外国に対しましての一つのつかみどころといたしまして、現在いわゆる中距離あるいは短距離に対しまして使われております民間短期航空路の飛行機の中で一番多いのが御承知の通りDC−3機でございますが、この飛行機はすでに製作を中止いたしましてから十七、八年になっております。そういうものがまだ使われておりますが、従って逐次これが新しいものに代替されるという時期になっております。その飛行機の数が約千七百機でございます。従ってこれが全部これにかわるということはもちろん言えないことでございますけれども、そのうちの若干は当然期待できる。そうすると、百機なり百五十機なりという私どものもくろみも全然根拠がない数字ではないのじゃないかというふうに思っております。現在までに当社ができましてからこの飛行機の性能、価格その他につきまして具体的に各国からいろいろな照会が来ております。来ております国だけを申し上げましても、イギリス、ドイツ、パキスタン、ボリビア、インドネシア、ビルマ、ポルトガル、プエルト・リコ、こういったようなところから、各国航空会社ないしは商社等から照会を受けておりまして、今後こういったような方面につきましても、大いに努力すれば私どもの期待通りの市場開拓ができるんじゃないか、こういうふうな確信を持ちまして、本年度の製作を急き、さらに市場開拓に努力したい、こういうふうに思っております。
#5
○委員長(剱木亨弘君) 次に、全日本空輸株式会社取締役社長美土路昌一君にお願いします。
#6
○参考人(美土路昌一君) 私どもは、ただいま国内路線の定期輸送をいたしておりますのですが、最近になりまして、旅客の利用者が非常に激増いたしまして、三十四年、三十五年度におきましては、それぞれの前年度に比較いたしまして、三十四年度は三割以上の増加、三十五年度におきましては四割以上の増加というような状態になっております。しかし、これはきわめて少ない機数でまだやっておりまするので、地方に参りますと、一日一便とかあるいは二便くらいになっておりますような、ほんとうの航空の利便を十分に提供いたしておりません。それで毎年増強いたしまして、本年はバイカウントあるいはフレンド・シップというようなものを初め、コンベアあるいはDC−3を十一機ばかり増強し、明年も新らしい飛行機を六機注文するというような状態になっております。
 ただこの場合に、一番私どもが不便を感じまするのは、いつも国産機がありませんで、外国品を輸入しなければならぬ。外貨を入れまするかわりに、それだけまた外貨を出す。同時にまた、一台の飛行機を買いましても部品までつけて買いまするので、五億の飛行機に対しては必ず三割、それの三割程度の部品を輸入して持って参らなければならない。こういうような状態でありますので、一日も早く国産機のできることを前々から念願いたしておりまして、たまたま今回国産機がで声ますというような場合になりまして、この委員会ができて御研究になりまする冒頭におきまして、私はぜひともこれを一日も早く完成して属内的に使えるようにしていただきたい、こういうように申し上げて参っておるわけであります。
 そうしてこの新しい国産機の特徴が、申し上げますまでもなく、皆さん御承知の通り、ロールス・ロイスの世界で一番優秀な発動機を採用しております。これが私どもに一番の安心感を与えましたことで、これがもしできますならば、やはり私どもがそれ以前に発注いたします飛行機も、それに合ったものを採用いたしまして、国産機のできました折にすぐそのような場合に切りかえのできまするように、パイカウント、フレンド・シップもロールス・ロイスの発動機を使っておりまするので、国産機の御設計になっておりまする通りのものを私の方で選びまして、そうして切りかえますときにも、また併用いたしまするときにも、不便のないようにいたしたいと思って、それを採用したというような状態になっております。従って、これを御製作になりますときに、はなはだ僭越ではありまするけれども、私どもの実用の経験あるいは希望をいれて、そうして製作をしていただくように、私どもの運航整備の専門家をたびたび製作所の方へ伺わせまして、お互いに協力をして、そうしてこれを作るというような状態でございます。
 申し上げるまでもなく、国産機が一つできますということは、私ども航空につきまして非常に利便であり、また、当然さもなければならぬのでありますが、同時に、最先端の航空技術を使いまするので、他の産業にも非常にこれが参考になり刺激になると存じまして、かたがた、どうしても早く国産機を作っていただきたい、かように考えております。従って、私どもも五年計画を最近立てておるのでございますが、その間に、明年度の発注の分はすでに発注をいたしまして、明後年度におきましても、まだ国産機が十分にでき上がってはおりませんので、なお数機は、それぞれの外国品を入れなければなりませんが、国内の支線におきましては、最も適切な飛行機と思いまするので、三十八年以後におきましてはDC−3を増強いたしまするものを全部中止いたしまして、そうして三十九、四十、四十一年度とこの三年度の目標で約二十機以上を国産機を使用いたしたいと、かように考えております。
 なお、そのほかの御質問につきましては、そのつどお答え申し上げますが、大体私どもが今日この国産機に期待しておりまする点は、大体右のような事情でございます。
#7
○委員長(剱木亨弘君) ありがとうございました。
 それでは、これより参考人に対する質疑を行ないます。御意見のある方は順次御発言を願います。
#8
○近藤信一君 まず最初に、私は中島さんに伺いますが、日本の航空工業界を再検討いたしました場合に、おくれて再出発いたしました日本の航空機工業は、技術水準や生産規模などから見ましても、世界的に一体どれくらいの地位にあるかということでございます。そうした立ちおくれたわが国の航空機工業を無理やり振興せんとする経済的、産業的な意味と、それから追い着こうとする目標はどんなところに置かれているかについてお伺いしたいのであります。
#9
○参考人(中島征帆君) 日本の航空機工業の技術水準でございますが、これはお話しのように、戦後数年間のブランクがございまして、戦時中あれほど世界にうたわれました航空機製造技術というものが相当分散してしまったということは、これは否定し得ない。ただ、戦後許されました時期までに存続いたしておりました各航空会社に基幹となるべき航空技術者は残されておりまして、今日まで米軍機あるいは自衛隊用機の製作、あるいは修理というようなことで、その技術の回復、保存、それから向上に努めております。従って戦前の技術は現在におきましては十分回復し、また新しい技術も取り入れているという現状だろうと思います。それにつきまして、特に当社の関係で申し上げますと、この飛行機の設計につきまして、設計の途中に、エンジンの協力をいたしますロールス・ロイスの技術者が参りまして、いろいろと打ち合わせをいたしたのでありますが、当初はそれほど技術が優秀であるとは――戦後のブランクもあると、こういうふうに考えておったようでありますが、いろいろと話しているうちに非常に当方の技術を信頼いたしまして、向こうでも大いにバックするということを言ったわけでありますが、そのときにイギリスの特にロールス・ロイスの会社は、今まで新しいエンジンを開発いたしましたときに、その一番最初の一号機、一号の機械を外国に輸出したことはなくて、すべてイギリスで使っておった。しかし今度は初めてのケースであるけれども、おまえの方の技術ならこれは心配ないから、最初の新しい機械を一つ供給しよう、またそれを備えつけました飛行機の販路につきましても、大いに今後協力するということを言ってきているくらいでありまして、航空界のまず先進国と考えられまするイギリスの一流飛行機工場の技術者がそういうように当社の技術を認めたということは、大いに自信を持っていいんじゃないかと思っております。
 次に、生産規模でありますが、これはもちろんアメリカ、イギリス等ずっと戦前から引き続きまして軍用機なり旅客機なりを大規模に作っております工場から比べますというと、現在は非常に劣っております。また、われわれも一応それと匹敵する程度のものにすぐに仕上げようというふうな考えは持っておりませんが、少なくとも、当社が考えております程度の飛行機を製作するにつきましては、現在私どもがとっておりまする方式、つまり各会社の現状の設備を極力利用し、人員も利用するという形におきまして、各製造会社に分担をさして作るという方式をとりますならば、現状の設備でもって十分われわれの考えております程度の生産ができるというふうに考えております。
 なお、将来どこまで伸びるかということは、これは私どもから申し上げることじゃないかと思いますけれども、まあわが社の立場から申し上げますというと、かりにこの中型輸送機を完成いたしましたら、さらにまたもう少し大きな飛行機、新しい形のものに進みたいと思っておりますが、もちろんこれは技術上の問題もありますので、一足飛びに大型ジェット機までいけますか、あるいは特に最近問題になっておりまする垂直上昇機とか、そういうような新型のものまでいけるかどうかということは、今にわかに申し上げられませんけれども、逐次そういう方向に向かっていって、日本の航空技術を引き上げたい。その理由の一番大きな理由は、やはり造船と並びまして航空機工業というものがいろいろな産業の集約した形であり、技術の粋をいくものであり、また将来性も十分あるという見地から、産業的に見て大いに伸ばさなければ、航空機工業にこの際日本が全然立ちおくれるということは将来に影響する心配もありますので、そういう意味からいきましても、どうしても諸先進国のレベルに達するように今後持っていかなければならない、そういう意味におきまして、最初に手をつけられました国産の中型輸送機の完成につきまして、私ども大いに責任を感じておる次第でございます。
#10
○近藤信一君 特殊会社でありまする日本航空機製造株式会社は、日本航空機工業界においては、いわば頭脳的な立場にあるものと思われますが、お宅の仕事の直接的な対象でない戦闘機の組み立てや、それから修理などを含めて、わが国の航空機工業界においては日本航空機製造株式会社は現在どの程度の技術士で指導的な役割を果たしておられるのか。さらにまた将来量産に入ると言っておられますが、その量産に入った場合に、生産的にはどの程度の地位を占められるというふうなお考え、この点はいかがですか。
#11
○参考人(中島征帆君) 今の点につきましては、いささか消極的なお答えになるのでございますが、現在私どもの方で持っておりまする技術といもうのは、先ほど申し上げましたように、今日まで戦前から日本に温存され、また戦後発展せられました現存の各航空工業会社の持っております技術の一部を引き継いでおるというのが実情でございます。具体的に申し上げますというと、当社で特に盛り立てた技術者というものはもちろんございません。従ってスタートのときから各社から最優秀なる技術を供給してもらって、それで各社の技術の総合的な結集によって新しい飛行機の設計、製造をやるというのがねらいでございます。従ってこの会社が指導的な立場にあるということを申すのはいささかおこがましい次第ではないかと思いますが、少なくともこの中型旅客機につきましては、各社の技術の粋を集めて、日本としてはまず一番最高の技術を集めておるということは、これは言えると思います。
 それから量産につきましても、やはり現状、つまり工場を持たないで設計をしたものを既存の工場に分担させて製作させるということにつきましては、形は変わらないと思います。従ってあくまで実際の現場、工場というものは既存の各航空会社の工場がこれに当たるわけでありまして、そういう意味におきましては、まあ卑近な言葉で言えば、製造問屋的な立場を今後も続けるのではないかと思っております。
#12
○近藤信一君 会社に対する補助金について伺いますが、会社の成立の基盤であった輸送機設計研究協会に対する分を含めてでございますが、現在までに政府及び民間から受けた補助金の総額はどれほどでございますか。
#13
○参考人(中島征帆君) この補助金と申しますか、輸送機設計研究協会時代に民間の拠出金と政府の補助金とで一応の研究をいたしまして、さらに当社になりましてから、その引き継ぎの事業に対して政府から補助金をいただいております。そういう意味で区分して申し上げますというと、研究協会、これは二年ほど続いておりますが、その間に民間から三億五千万、それから政府から一億五千万、それから当会社になりましてから、これは昨年で打ち切られておりますが、六千万の政府の補助を受けております。
#14
○近藤信一君 試作機の今度YS−11ですか、YS−11機は本年度中に完成するということでございますが、その試作機に要した総経費、すなわちコストを内訳すればどんな構成比率になるものでしょうか。
#15
○参考人(中島征帆君) まだ現在進行中でありますが、予算的に申し上げますというと、約四十三億のうちで、三十五、六億が機体その他の形になって残るものであります。残りが人件費、設計その他のものを含めまして実験費、試験飛行費というような大体の区分になっております。
#16
○近藤信一君 ところで会社が三十八年度からいよいよ本式に量産を始めるということですが、この書類の中にもありますように、四十五年度ごろまでに百五十機を作って内外に売り出すということでございますが、まずお伺いしたいことは、その資金計画は、相当要ると思いますが、ほぼどんな工合で予定されておりましょうか。また最需要期には百億円をはるかにこすだろうと伝えられておりますが、そういたしますと、現行法の付則第三条によると、当該会社の試作及び試験が完了した年度の翌年、そうすると三十九年度ということになりますが、三十九年度からは政府は今度は出資しないこういうことになっているが、そうだといたしますると、会社側ではその資金調達について今後どんな方策を持っておられるのか、またどのような見通しをお持ちになっておられますか、この点お尋ねいたします。
#17
○参考人(中島征帆君) 量産の契約を現在私ども考えておりますようなテンポで進めました場合に、先ほど申し上げましたように三十八年度には五機でございますが、翌年には十機、その翌年に十八機、四十一年度からは普通のペースで二十四機というようなテンポで参りまして、資金計画を一応算出いたしますというと、四十年度が資金的に一番のピークになります。この場合に所要資金は年間約百二十億だと思います。その前の三十九年、さっきの完成の翌年には大体百億ぐらい要るのじゃないか、こういうように考えておりますが、これに対しましては、いわゆる出資の形では政府から出るということはないということに、これははっきり申されておりますが、またそうでなくても、これはやはり運転資金の性格でございますので、民間からもこれに対しまして全額を出資願うということは不可能でございます。従ってこれは運転資金の調達という形で、こちらで調達しなければならない金額でございますが、非常に大きな金額でございますけれども、当初三十八年あるいは九年の初めごろまでは、まだいわゆる受注というものが確定いたしておりませんから裏づけが大部分ない。注文に対する裏づけがない。従って金融の道も苦しいということで、政府保証の問題も出てくるわけであります。しかし逐次年月がたつに従いまして、これは十機、二十機という大量の飛行機を当然やみくもに作るというわけにもいきませんから、当然この時分にはある程度受注の形も出て参りますので、それに従って製作をするということでございますので、そのときには資金の必要性に対します需要の裏づけというものは具体的に出てくると思いますので、そうなりますと、当然金融の道もつくはずだ。まただんだん回転いたしますというと、実際使います資金はそれだけにしましても、いわゆる販売費に対します受取金もございますから、それによってまかなえる部分も漸次ふえて参りますので、金額は相当のものに伸びますけれども、二、三年たちますれば、これは十分自力で調達できる姿にならなければならないはずだと思います。
#18
○近藤信一君 この際、どうしても問題に私はなると思うのは、会社が製造目標にしておられるYS−11を百五十機か、はたして先進諸国の航空機いわゆる旅客航空機と競争していく上において性能やタイプや、それから価格、こうしたものから考えまして、あなた方が考えておられるようにはたして買手がうまくついてくるかどうか。こういうことが一つ問題になると私は思うのです。その点もう一度、これは本命でございまするあなた方が言っておられる国内の民間航空会社、またはここにもありますように政府の高官、専用機ということがあるのですが、官庁関係及び東南アジア、あなた方の目標としておられるのは東南アジアへの輸出、こういうことを書っておられるわけですが、そういうところの国が現在はたしてあなた方の意向通りにいくものかどうかという問題が一つ問題になってくると思うのです。
 それから会社は現在市場開拓のためにいろいろとお骨折りしておられると思うのですが、そういう点、おおよそのお得意というふうな見通しなんかも、もうお持ちになっておられると思うのですが、この点いかがですか。
#19
○中田吉雄君 ちょっと関連して。航空機の特色からして、航空機工業では、製品高において、製品の数で絶対偶然の要素に立つことができない。確実な需給の見通しに立たぬと、いろいろな偶然の要素、期待、希望的な観測ではいけないということは、まあこれは欧米の航空事情を見ましても、今近藤委員の質問された絶対的な偶然の要素に頼らずに、確たる需給の見通しを立てることが、資本投下の膨大性、製作が長期の日数を要するというような点から、今われわれも健全な発達をこいねがうために、この需給計画というものは本日いただきましたが、やはり相当これは検討を要するのじゃないか。近藤さんの質問された点も、そういう点じゃないかと思うのですが、そういうことを含めて一つ。
#20
○参考人(中島征帆君) 順序からしまして中田委員の御質問から先にお答えいたしますが、需要はもちろんできるだけ的確につかむべきでありまして、われわれそれをやらなければならぬわけでありますけれども、その前提といたしまして、先ほど申しましたように設計協会時代にその道の専門家も入れまして十分にマーケット、リサーチをやり、仕様の決定をして、このタイプであれば相当需要が期待できるという結論が出されたのであります。それが事前の調査でございまして、しかも当時におきまして、現在でもそうでありますが、当然これにとってかわるべき古い型のDC−3というようなものが手数百機もある。従ってこれに対しましてたとえばその一割くらいを期待することは、それほど過大でないということは言えると思うのであります。ただしこのねらっております飛行機の性能その他が市場にマッチしなければ、これは問題にならぬわけですが、その点につきましては、現在各国で開発をしておりますこれの競争機になり得るような飛行機がわかっておりますが、これはもちろん御承知と思いますけれども、飛行機の新らしい機種の開発には相当な長い年月を要しますので、最後まで隠しておいて、最後に新らしいものがぼっと出るということはあり得ないわけです。従ってここ数年以内に出てきます飛行機の種類というものは大体わかっておりますが、この飛行機に対抗馬となり得るものは、まあ考え方によっては三機とか、五機ございます。まあ数機ございますが、これらのものを見ますというと、いずれも当社のYS−11に比べまして一長一短であります。つまりスピードをねらうか。あるいは有料荷重の大きなものをねらうか。あるいは滑走距離の短いものをねらうか。航空距離の長い方をねらうか。そういったようないろいろなねらいが違うわけでありまして、これは用途によってどれを使うかという問題が出てくると思います。従って競争機を比べます場合に、いろいろ特徴が違いますので、完全にこれと同じベースで競争になるというものはありません。また、どこから見ても、これは優秀であるというものも性能的にはないと思っております。ただ一番私ども心配いたしますのは、価格の点でございます。これは私ども日本で作れば当然安く上がるべきだというところからスタートいたしております。予定通りこれがわれわれが考えております通りの値段ででき上がって売ることができますならば、これは当然に競争できる。これは現在出ておりますこれに類似の飛行機、あるいは将来出ますものの予定価格等を勘案いたしましても、大体この見当ならばいけるだろうという一つの目安を持っております。これは今ここで申し上げた方がいいかどうか疑問がございますので、一応伏せさしていただきますけれども、大体一つの標準がございまして、その程度以下にぜひおさめなければならぬし、またおさめ得ると思っております。その程度であれば、性能的に一長一短はございますけれども、十分にこの飛行機の性能特徴をもっていたしましても、外国の需要に対しまして入り得る余地が十分にあるということは、現在までの実際の各国からの照会その他から考えましても確信を持ち得るのではないかと思っており、なす。
#21
○近藤信一君 それからもう一つは、今計画されて、最後は四十五年ということになっているわけなんですが、特に航空機の進歩というものは私は目ざましいものがあると思うのです。いわゆる軍事用の戦闘機にいたしましても、これは次々と性能は変わってくるわけなんですね。その場合にお宅が発足して数年かかってこれにいくわけですが、そのころには、旅客機もさらに進歩をしていって、今あなたの方で計画しておられる、この旅客機がその当時にはもうだめになってくると、こういう危険も私はあると思うのですが、そういうこともあなたの方では計算に入れて来年の計画はどう、その次はどう、その年次的な計画の変更というようなこともあなたの方はお考えになって、この見通しをつけておられるのかどうか、この点お尋ねをいたします。
#22
○参考人(中島征帆君) その点でございますが、一応そういう御心配もあるわけでございますけれども、航空工業の常識といたしましては、新しい機種を開発しますには、相当な年月が要るということは今申し上げた通りでございまして、従って今後何年かの間に出てくる飛行機の性能その他につきましては、一応わかっていて、今日わかっておらない飛行機で非常に優秀なるものが突然出てくるということは考えられないわけでございます。そうしますというと、この飛行機の寿命というものは、今後かりにそういったようなことを考えましても、五年であるか十年であるかはわかりませんけれども、少なくとも初め予定しております機数を生産する間ぐらいの期間におきまして、全然予期しないような新しい飛行機によってとってかわられるという心配は常識的にはない。またたとえばジェットがうんと進歩いたしまして、さらに長距離、あるいはさらにハイ・スピードのものが出るといたしましても、ここでねらっておりますような中距離あるいは短距離の飛行機に対しましては、現在のところにおきましては、いわゆるピュアー・ジェットよりもターボ・ジェット、ターボ・プロップの方が適当であるという、これも一つの常識でございまして、そういうことから、当分中短距離に対しましてはターボ・プロップ機が使われる、その期間も相当長いということは、一応われわれの間におきましては、まあ常識のあれになっておりまして、従って、急に新しい進歩によってこの飛行機がだめになるということは、ここ数年のうちに起こるということは心配しないでもよろしいというふうに考えております。
#23
○近藤信一君 日本航空機製造株式会社の資産の内容は、一体現在どのようになっておるのか、それから資産内容の項目を一つ簡単でいいですからあげて説明していただくのと、それからもう一つは、特に前渡金や投資関係などに関してその内容ということについて、若干お聞かせ願いたいと思います。
#24
○参考人(中島征帆君) 当社の資産といたしましては、純然たる資産としましては、現在社宅を作っておりましたり、それから木造の設計室の一部を作っておりますが、そういったものがございますが、それ以外には固定資産的なものは工作用の治具がございます。それくらいが今後の資産としては残る。それからもちろん試作機ができますというと、その試作機そのものが資産になりますけれども、そういう意味において現在資産らしい資産はない。まだ途中であるということであります。これが現在までに、十八億五千万円の資本金のうちで、三月末日に本年度に繰り越されましたのが、約六億ございますが、従って十二億ほどのものが使われておりまして、それが設計費を含めて人件費等でなくなっているもの、それから、資材あるいはそういったような形でもって具体的に残っているもの、そういう区分をするわけであります。もし御必要があれば、資料を作りまして、その点はっきり数字を申し上げます。
 それから投資関係は、そういう関係でございますので、たとえば電話線を持つとかというようなもの以外には投資はございません。
#25
○近藤信一君 従来はほとんど研究関係におおよその費用というものは費した、こういうことですか。
#26
○参考人(中島征帆君) 純然たる研究といたしましては、これは設計研究協会でしておるわけでありますが、その引き続いての分と、それから当社の飛行機の型が確定いたしましたときに、それをいろいろ風洞試験等やるわけであります。そういったような試験が一部継続いたしておりまして、そういう試験的なものもございますけれども、一番の大きな試験部門というものは、今後試作機が完成いたしましたあとで、地上試験、飛行試験に費す費用が要る。従って現在までに設計に費されました費用と、それから昨年の夏ごろから今日までかかっております治具あるいは機体の一部の試作、それに対します費用が一部あります。
#27
○近藤信一君 今回の法改正によりまして、結局会社の量産準備資金、これは九億円のうちの三億円について当分の間政府が保証するということになっておるのですが、その三億円の借入金は運転資金でございますか、それとも設備用に使用されるのか。それからまた長期的になるのか短期か、そうした点から、どんな金融機関からあなたの方では借りることを予定しておられるのか、この点いかがですか。
#28
○参考人(中島征帆君) この量産資金は、性質におきましては運転資金でございまして、いわば短期でございます。ただ飛行機の製作が二年余り要しますので、いわゆる普通の短期とは違いますけれども、性質上は流動資産になる。従って設備資金的な融資は受けられませんで、やっぱり性質上は運転資金としての金融を受けるということになるわけです。ですからもしこれが設備資金でありますというと、たとえば開銀資金の貸付に乗るわけでありますが、当社といたしましては、そういう設備は持ちませんので、直接開銀資金が当社にくるということは、今の制度ではむずかしいのでございます。従って一般の市中銀行からのこれはおそらく協調融資の形になろうかと思いますが、そんなような格好でもって当社には貸していただくということになるか、あるいはもう一つの道といたしましては、要するに量産資金と申しますのも、注文を見通しましての金融でございますので、たとえば発注主に対しまして、でき上がりました飛行機は、これは固定資産でございますから、それに対する設備金融の意味で、たとえば開銀が民間航空会社にするということができますならば、そんな形でもってそれを前渡金でもらうということになりますというと、必ずしもこちらで予定しておりました資金の全額を調達する必要もなくなります。その辺の関係がどうなりますか、今後の問題だろうと思います。
#29
○近藤信一君 そういたしますと、政府で保証するという資金は運転資金であり、短期間だ、こういうことになるわけですが、あなたの方では、当分の間政府の保証ということがあるわけですが、当分の間という期間は、一体どれぐらいの期間になるか、大よその見通しについてお尋ねします。
#30
○参考人(中島征帆君) この当分の間の意味は、たとえば三億保証してもらった、その三億の借入金の借り入れ期限という意味でなくて、政府が保証する期間という意味でございますが、具体的に申し上げますと、三十六年−本年度でございますが、本年度三億と申しておりますのは、大体量産機を三十八年度から出すためには、本年度から一部準備をしなければならぬ、たとえばエンジン等はもう本年度内に発注することが必要でありまして、そういったようなことのために、本年度大体九億円ぐらいの金が要るだろう、来年度になりますとさらにそいつがふえるわけでございます。ですから来年度は同じ考えを持ちますというと、当然三億では足りませんので、さらにもう少しふやしてもらわなければならぬという私どもは希望を持っております。また本年度九億ぐらい要るというのに対しまして、本来ならば九億の政府保証がほしかったわけでございますけれども、初年度ではありますし、非常にまた事前の発注をするようなわけでありますので、当初金額も少ないという意味も含めまして、最初の年度におきましてはできるだけこれを発注いたしますメーカー側に、本年度内は何とかやりくりをしてもらうという意味で、三分の二程度はそういう意味で繰り延ばしたいというような格好でございます。従って、それがいつまでもそうできませんので、来年度になりまして、ぎりぎり政府保証をどのくらいまでやってもらわなければならぬかということは、今後の問題でありますが、それと今度は逆に、来年、再来年になるにつれて、今度は需要者側からの発注が確定いたして参りますと、逐次それの裏づけによって保証なしに金融を受ける道も出てくるかと思います。また前渡金などがありましたら、その分だけ負担が軽くなりますので、その辺のかね合いがどうなるかということがこれからの見方になるかと思います。
#31
○近藤信一君 そういたしますと、当分の間といっても、これは今のところは、まあ今年度三億円、来年度は、あなたの方は、まあ実際に仕事にかかって製造をしていくようになりますと、これは金額的にもっとふえてくるのですけれども、年次的にずっとふえてくると思うのですね、金額的に。そうすると今年度、来年度、また次年度と、だんだん金額がふえていけばふえていくほどこれは困難になっくるから、その間はあなた方が一本立ちになるまでこれは政府で保証していかなければならぬ、こういうことに私はなると思うのですが、この点いかがですか。
#32
○参考人(中島征帆君) まあ普通にこれは私の方は仕事が商売上の軌道に乗りますというと、こういう運転資金について政府の保証をしていただくということは、これは行過ぎでありますので、そういうような形でなくて自分でやるべき姿に早くなりたい。ただ当初まだ規模の確定しないときに出発をするというところから始まったわけでありますので、私どもの一応の期待としましては、量産機が完成しましたあと二、三年の間には大体そういう姿になるのじゃないか、つまり量産機が出始めてから二、三年のうちには、十分将来に対する発注の裏づけが出てくるのじゃないか、こういうことを考えておるわけでございます。そうするというと、三年もたてば、必ずしも政府のお世話にならぬでもいいのじゃないかという気がいたしますが、ただかりにそういう姿になった場合にも、金融機関の方でどう申しますか、たとえば相手方の発注者の方の信用等の問題もありましょうし、当社に全然担保物権もないというふうなことを考えた場合に、やはりせっかく政府の保証の制度があるのだから、これをもらわなければ貸さない、こう言われた場合にはまた政府に泣きつかなければならぬ、こういう事態も起こらないとも限りませんけれども、私どもはなるべくそういうことのないように、せめて二、三年たてば普通の商業ベースでいくようにしたい、こういうふうに考えております。
#33
○近藤信一君 そこで、だれもが考えますことは、三億円、との三億円ぐらいの資金というものは、あなたの方の会社の生産態勢の主体である新三菱重工や川崎航空または石川島重工、こういう有力な会社で資金を調達できるのじゃないか、こういうことが考えられるわけなんです。それからまた、需要者側で航空機工業の振興に協力するという意味から、需要者の会社から前渡金というものをあなたの方はいただいて、それによってやりくりしていく、こういうふうなことも考えられるわけなんですが、その点はいかがですか。
#34
○参考人(中島征帆君) それが期待できれば、私ども非常にありがたいのでありますけれども、ただ、たとえば本年度の九億というものの中に、外国に発注しますエンジンの前渡金といったようなものは、これはちょっと払わなければなりませんし、これを機体会社に保証しろというのも無理かと思います。それから同様に、いろいろな機械等で、量産機に対しましては新しく国内で開発しなければならぬようなものもございます。そういうようなものに対しましては、そういう機械のメーカーに、こちらが金融を受けるというような格好でしばらく持ってもらうということも、ちょっと頼みにくい点もありまして、そういうことを大体考えまして、必要と考えましたその限度は大体三億、従って残りの六億は、本年度におきましては飛行機メーカーにしばらく負担してもらうという考え方でございます。将来もその方針をできるだけ続けられればいいのでありますけれども、ただ航空機工業というものが、今、日本ではほかの事業と兼営いたしておりまして、航空機工業部門だけを見ますというと、軍用機の組み立て、修理等がおもでありますが、非常に苦しい経営をいたしております。従って全体としては相当有力な会社といえるとは思いますけれども、どうも会社の経営者としましては、航空機工業に対しましては、航空機工業部門だけのことを考えますと、そう余力がないということは一応言えるわけであります。従って、私どももその点はあまり期待することもできませんので、やはり会社のスタートのときには、今年は三億で、来年は少しふえるかもしれませんけれども、とにかくスムーズにスタートできるように、いましばらく政府に御援助願いたいと思っておるわけでございます。
#35
○近藤信一君 この法律が提案された当時にこれは問題になりましたが、エンジンですね、エンジンはこれは輸入によってなされるわけなんですが、エンジンの製造というふうなことは、今あなたの方はお考えになっておられませんですか。
#36
○参考人(中島征帆君) これは私もちょっとそういう疑問も初め持って、専門家に聞いたことがありますけれども、いわゆるジェット、エンジンを日本で開発するということは、こういうふうな大きな機体に使うものは、できないことはないけれども、非常に時間と金がかかる。いわゆるJ−3という日本ジェット、エンジンで開発したものが一つございますが、これは旅客機には使えませんし、これを大型のものができたからといってすぐにできるものではございませんので、今むしろ初めて日本といたしましては旅客機を出そうという、特に外国まで出そうということでございますので、一番の生命であるエンジンは、世界で一番信用のあるエンジンを使う方が、売れ行きから考えても一番確実ではないか、これははなはだ遺憾なことでありますけれども、そういうふうなことでもって輸入を考えております。将来これができれば大へんけっこうでありますけれども、今のところすぐにこれに、J−3のエンジンにかわるようなものを開発というようなところまで、実はまだ考える余地がない実情でございます。
#37
○近藤信一君 私はそこが問題になるのではないかと思うので、この前いろいろその点で論議されましたが、飛行機の心臓部であるエンジンを輸入で仰いで、他の部品は今度の日本航空機製造株式会社ですか、ここで作ると、これはあなたの方では自信がないと、こういうことになるのではないかというふうにも考えられるのですね。かつては日本も航空機では世界の競争場裏にも出まして、いろいろと争ったような技術まで持っておったのじゃないか、それが今、旅客機はどうもエンジンが日本ではまだできない、こういうことで、実際の航空機製造会社としての実体というもの、それが疑われるのではないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。
#38
○参考人(中島征帆君) その点につきまして一つ申し上げたいことは、外国の例で、はなはだ恐縮でございますけれども、外国の航空機メーカーでも、必ずしもエンジンまで自分のところで作って、それをつけているという例はきわめて少ないのでございまして、同じ国内であることもあり、あるいはまた外国で作られたエンジンを使っている、たとえばアメリカの飛行機にイギリスのエンジンを使い、あるいはフランスのエンジンを使うというようなことは、いろいろ行なわれるわけであります。従って機体メーカーとエンジン・メーカーが必ずしも一緒でなければならぬという点につきましては、その点はそうひけ目を感ずるということはないと思います。しかし、もちろん日本としてはエンジンまで自分で作りたいという希望を持たなければならぬわけでありますけれども、とりあえず、飛行機ということを考えます場合には、まず機体が一つの形でありまして、エンジンがどこのものがついているかということは、これはその機体がどこの製であるかということの基準にはならないわけであります。日本でとにかく日本の飛行機を作るというためには、まず機体を作るということであると思います。あわせてエンジンまでやるということでありますと、やはりこれには相当の金がかかるということと、また三年、五年の年月を要する性質のものだと聞いております。これは別個にやるものであれば非常に望ましいことでありますが、それを今あわせて私の方の会社でやるということは、おそらく現状といたしまして機体で手一ぱいであるのに、そんなことができるかということで許されないのではないか、もし許されれば、さらに別の資金と年月を与えていただけますならば、現在日本にあります技術でもってそういうことが不可能だということは言えないと思います。
#39
○近藤信一君 最後に私は、日本航空機製造株式会社のその下請の下請になっておる末端の工場ですね。あなたのところで直接製造するのじゃないので、みんな下請工場へ出されるわけなんですが、そうした工場は、現在であなたの方の総体的な関係でどれくらいの数にあなたの方で予定しておるのか。また、こうした中小メーカーに、これは中小企業だと思うのですが、中小企業のそうした下請会社に対して、航空機製造株式会社は資金面や、それから特に支払いの条件ですね、それから特に問題になってくるのは中小メーカーでございまするから、技術面の点で相当苦労が要ると思うです。そうした技術面、それから資金面、こういう面であなたの方は援助や指導、こういうようなことはどのようにお考えになっておられますか。
#40
○参考人(中島征帆君) 私どもの方の飛行機の主要部分は機体でございますが、いわゆる機体六社、これは大企業でございます。それで大部分の金額的には仕事がやれるわけでございますけれども、一部の機械、内部の装備品、そういうものにつきましては、特殊の中小メーカーに頼むものもあると思います、しかし、これは金額的にも件数的にも非常に少ない数字でございまして、それでは、いわゆる機体メーカーから下の方にどのくらい回るかということは、これは実は調べればわかりますけれども、手元にございませんけれども、これにつきましては、私どもの方は直接タッチいたしておりません。ただ、こちらからは設計書を渡しまして、機体会社に渡して、機体会社がそのうちの必要なものをさらにその下請に渡す、それは機体会社の責任において下の方と契約するわけでございまして、それに対しましては、私どもの方で特別の注文は原則としてはつけておりませんし、また資金の援助あるいは技術等の援助等につきましては、これは第一次の下請会社にまかしておるというような実情でございます。
#41
○近藤信一君 これは最初は中小メーカーは、戦後はずっと航空部門をやっておりませんから、また研究等についても相当期間がかかる。それから製造、それから技術面のいろいろな点であなたの方に頼るという点が多いんじゃないか、こう私は思うんです。そうした面に、あなたの方でそうした技術面に対する指導、こういうものは完璧を期してやっていけるかどうか、こういうことも私一つ大きな問題になると思うんですが、この点はいかがですか。
#42
○参考人(中島征帆君) 今申し上げましたのは、二つに分けるわけでございますが、第一点の、こちらが直接出します機械、その相手方が中小企業であるというのも一部あるかと思います。そういうものについてはこちらは指導というよりもむしろ注文して、規格通りのものができれば採用するという立場にあります。従って具体的に手をとって教えるというようなそこまでの余力はない。それから、同じように大企業であります機体会社から発注しますものにつきましては、これはすべて大企業が、必要であれば具体的な指導をするということになるんでありまして、その下請の下請まで私どもの方でさらに技術的な援助をやるということは、実は現状といたしましては余裕はないんであります。
#43
○近藤信一君 次に、美土路さんに簡単でよろしいんですが、お伺いしますが、日本航空機工業の現在及び将来に対するあなたの方の、需要者側としてのいろいろ意見があると思うんです。今、全日空なんかもちょいちょいと事故なんかも起こっておるような面があるんですが、こういう点で、あなたの方で製造会社に対する批判とか、また希望、こういうものがあればお聞かせを願いたいと思うんです。
#44
○参考人(美土路昌一君) これは先ほどもちょっと触れましたんですが、ぜひ国産機を作ってもらいたいということでございまして、そのときの条件といたしましては、最も安全なもの、それから第二は、日本の国内航空に適するようなもの、第三は、価格が安いもの、これを一つ条件にしていただきたい。で、外国へ出されるにつきましても、価格が高いものでありましては輸出産業にはむろんならないんでありますから、まず高いものでなしに、できる限りコストを安くしてもらいたいということも申し述べておきました。そういう意味で、私どもでは、先ほど申しましたような諸般の実情から、国産機をぜひとも早く完成していただきたい、かように考えておりまして、従ってそういうものが、ただいま中島さんのおっしゃったように、まだわれわれは内示は受けておりませんけれども、価格も安いということであり、それで優秀なものができますることは、これは、あれだけの知能を集めて設計をおやりになるのでありますから、私どもは安心をいたしておりますけれども、はたして実用になるかならぬかということが、これが一番大事なことでございまするから、それで、先ほど申し上げましたように、設計と実際とがマッチいたしまするように、非常に密接な関係を持って、常に御注文申し上げておるような次第でございます。
 それでありますから、ちょっといたしましたことでも、操縦者の座席と計器との間の距離の、高さとか、あるいはいろいろの操作をいたします便利が、外国人の使いますものと日本人の使いますものと、その身長においてもだいぶ違いますから、そういうような点も、直接自分の方はこういうような工合にしてもらいたいというような、ごく平凡なことに見えますことを実用に適するようにしたい。この点は、何といたしましても、でき上がるものは、みな確信はお持ちになっておるのでしょうけれども、必ずしも十分であるかどうかは、これはどこの会社でもわからぬことでありますが、できます前に、確信の持てるだけの、また私の方も、直接にすぐ引き続いてこれを使えるようにという気持で連絡はいたしております。そういうような意味で、すでに私の方では、三十八年度からの操業計画の一部にはこれを組み入れておりまして、そうして、三十九年度、四十年度、三十九年度は大体五機ぐらい、それからその次にはやはり同じものを七機、その次には十一機というような工合に、ほぼこの通りに参りますかどうかわかりませんけれども、目安をつけておりますわけでございます。
 これで大体私どもの今のお話の中にちょいちょい事故があるということ、これはもうほとんどありませんから御安心を願いたいのですが、それにいたしましても、この前事故がありました3型飛行機というのは、これは安全な飛行機で、今お話のように、世界で千二、三百使っておりますけれども、漸次こういう新しい、疲労度の全然ない飛行機にかえていこうと思っております。そういうようにして、ただいま四十一年度までの航空機の配置は八十ないし九十機を目標にいたしております。そういうような状況で、その間に二十四、五機を割り当てておるという状態でございます。
#45
○近藤信一君 全日空の今後の空路計画、それから今後において、一方、日本航空機製造会社で、これからずっと計画によって飛行機を作っていくわけですが、あなたの方で需要するという予定機数、それからヘリコプターもあるのですね、そのヘリコプターの数、それはどのくらいですか。
#46
○参考人(美土路昌一君) 現在持っております飛行機はまだわずかでございまして、本年度が二十四機でございます。それを御参考までにちょっとくどいかもしれませんけれども申し上げますと、DC−3が十四機、コンベアが四機、それから今度バイカウントが入りまして三機、それからフレンドシップが三機、これはいずれも今度できます国産機と同じ発動機を使いますジェット機でございます。それを入れまして二十四機。ヘリコプターが十機でございます。ヘリコプターは初め国内の、日本のいろいろの飛行場にとることがむずかしいので、ヘリコプターと飛行機とを併用して定期をやるつもりでおりましたところが、ヘリコプターが非常に高いのでございます。それで、今操縦士のほかに二人窮屈に乗るようなベルのヘリコプターでございますが、千五、六百万円かかります。そのくらいの値段を出しますと、飛行機で七、八人運べるので、単価が非常に高うございます。それから保険料が大体原則が二割五分でございます。そうすると、一年に四機持っておりますと、一機ずつなくなったくらいの保険料を取られるのでございます。そういうように保険料は高いし、それから輸送力が非常に飛行機に何するものですから、うまくいかないものですから、輸送の方の併用はやめて、飛行機だけにいたしました。けれども、最近ヘリコプターの需要は非常に多くなりまして、さらにもう数機はこれをふやしていかなければならぬ、そういうような状態でございますが、要するに、定期航空に関しましては、幹線と支線とが、先ほど申し上げましたように、非常に回数が少なうございますから、これをどうしてもほんとうの便利のいいようにいたさなければならぬと思いますが、ちょっと数を申し上げますと、先般経済審議会で国民所得倍増計画の発表のうちに、航空に関する輸送の数字が出ておりましたが、この輸送量は、三十四年度以降四十五年度まで毎年三〇%ずつふえるということが書いてありますけれども、実際におきましては非常な数字でございまして、場所によりましては五割ぐらいな増加をしているようなところもありますし、さらにまた、当分はふえますから、飛行機を相当に増強いたしませんと、ほんとうの利便がないのじゃないか。数字的に申しますと、旅客が三十三年度には五十七万人運んでおります。それから三十四年度は七十八万人、三十五年度は百十一万人というようなふえ方になっておりまして、三十四年度、三十五年度は、この経済審議会の発表をはるかにこして、三七%及び三十五年度は四二%というような増加になっております。それが本年大体十一機ふやしますから、数におきましても百五十万は何する、それでもまだ足りませんので、明年さらに入りまして、そして各線を少なくとも一便程度、幹線は七、八回程度にしたいと、かように考えております。
 そういうような旅客の激増の上からいいましても、将来どうしても大型機を使わなければならぬ場合も出て参りますけれども、御承知のように、日本のこの支線の飛行場は非常に滑走距離が短うございます。それに対して、今度できまする飛行機の滑走距離はきわめて短くて、そのままで利用ができるというような特徴を持っておりますし、先ほどのお話のように、発動機が非常に世界一というりっぱなものでございます。これにまた私の方としては、まあ相当の期待を持っておると、こういうことだけは申し上げて差しつかえないじゃないかと思います。
#47
○近藤信一君 そういたしますると、今いろいろと計画を持っておられるようですが、これに見合うところのパイロットですね、パイロット及びその他の従業員の養成ということが、今度は必要になってくるのですが、この点の方針はいかがですか。
#48
○参考人(美土路昌一君) これを申し上げますと、えらい話がほかの方になるようでありますけれども、御質問でありますので、私どもが非常に平素希望しておるところを申し上げさせていただきたいと思います。
 御指摘のように、日本でパイロットは、飛行機を幾ら金をもって買いましても、増員をいたそうといたしましても、なかなか養成ができませんのです。航空大学はわずかに年度に三十名、その大学で養成されますそれが出て参りましても、あと少なくとも一年半か二年ぐらいいたしませんと、ほんとうの旅客機の機長になれないのであります。で、それまでに使用事業の方をさせますとか、あるいは定期航空の路線の短いところのコ・パイロットにさせますとかというようなことで、養成をして参りますのでございますが、初めのうちは、戦争中に飛行機に乗っておった人が相当量余っておりましたので、もとの空に戻りたいというので操縦士も相当とれましたのですが、最近にはほとんどもうそれが全部ないようになりまして、ただ、この航空大学の卒業生を待つだけでございますが、それにいたしましても、大体年間私の方だけでも五十名前後の人間を養成しなければなりません。日航もやはり非常にたくさんの操縦士を要しまして、現在足りなくて、まだ外人を雇っておるのをやめることができぬという状態でございます。それで非常に困りまして、そうしてやむを得ず、海上保安庁とか、あるいは自衛隊で操縦を習ってやめた人がありますので、そういう人とか、あるいはまたほかの全然しろうととかというような者を募集をしたり、また会社の方へ入りたいという人を養成しておりますが、本年度からは、やむを得ませんから、大学を出ました人の希望者を私の方で自家訓練をするというようなことにいたしております。これにはまあどの民間航空会社も非常な難点を持っておりまして、困っておるのでございます。それで毎年航空大学の拡張ということについては、われわれも政府にお願いをし、ぜひとも拡張していただきたいということでございますが、毎年予算が削られるような状態でございまして、ぜひともこれを拡大して、その正規の操縦士を出していきたい。外国には、アメリカあたりでは御承知のように数十に上る民間の養成学校がございますけれども、日本にはまだ、一つもございません。そういうような状態で、一に、何と申しますか、政府から半数いただきましても十五人の配給があるだけでございます。あと全部そういうふうな工合に……。それでこれがまあ数字を申し上げて失礼ですけれども、一人養成をいたしましても、使用事業に乗せるぐらいまでに六百五十万円くらいかかるのでございます。それをみな自分の方で、無理してやっているような状態で、乗員養成に多額の金と困難と、それから第一、人を集めますことに実に困難がございますので、たまたま御質問を受けましたので、ぐち話をするようでございますが、今後も一つ何とかその点に御配慮を願いたいと、かように考えます。
#49
○近藤信一君 最後に一つだけ中島さんにお尋ねしますが、先ほど美土路さんも御要望の中に言っておられましたように、安全性ということが、第一の問題である。まあ安全性の性能をつけた飛行機、こういうことになるわけですが、あなたのところで、今度YS−11機に重点を置いて製造されるわけですが、このYS−11機は、安全性の点について完璧が期せられるかどうか、こういう点について一点お伺いいたします。
#50
○参考人(中島征帆君) これにつきましては非常なる確信を持っておるのですが、具体的に申し上げますけれども、現在まで飛んでおります古い飛行機は、これの滞空性基準と申しますか、そういう安全性の基準が古いものでございます。それが最近改められまして、新しい基準が出ておりますが、新しい基準でできます飛行機はつい最近のものしかない。で、このYSはその基準にのっとって作られておりまして、従って、従来よりか非常にきびしい要求をされておりまして、それにマッチした飛行機、こういうことになっております。もし古いものでありましたならば、あれだけの馬力あるいはあれだけの重さでもって、もっと何と申しますか、大きな能力が出るわけでありますが、それを安全性の基準がやかましくなりましたために、それと即応いたしまして、むしろその点は内輪目に見ている、こういうのが一つございます。
 それからもう一つは、従来でありますと、実際にそれがはたして予期通りの性能が出るかどうかということは地上試験もそうでありますし、また、実際飛ばしてみないとわからないという事態が非常に多かった。ところが、最近御承知のようにいわゆる電子計算機の発達によりまして、ある程度の、たとえば風洞試験等におきまするデータを入れますというと、それが実際にどうなるかということは、ものができる前に、もうすでに電子計算機等で相当な正確な推定ができる。従って、極端にいいますると、実際に飛ばすのは、電子計算機でできましたその数値が、はたしてどの程度正確なものかどうかということをチェックするぐらいだということがいわれるくらいでありまして、初めにとられます安全性の基準そのものが非常に厳格であるのと、それから、それをあらかじめ計算上、十分チェックするだけの機会があるということ、それに基づいてさらに相当長時間にわたりまして飛行試験するわけでありますから、今後におきましては、新しく出る飛行機というものは、従来とほ格段の安全性を持っているということは言えると思います。
#51
○中田吉雄君 このYS−11機の性能を見ますと、売薬の広告みたいに、もう最高級の優秀さが叫ばれておるのですが、国際的にこれと同じような競争関係にあるといいますか、そういう種類はどんなものですか。
#52
○参考人(中島征帆君) この表に出ておりますが、現在全日空でお使いになっております、最初に入りました一番新しい、コンベアの440というのがあります。これはYS機より少し小型でございますが、これは両方ともピストン・エンジン、従来のジェットを使わないピストン・エンジンでございます。それからターボ・プロップ――ジェットでプロペラを回す飛行機といたしましては、これも全日空でお使いになっておりますが、バイカウント、それから今イギリスが開発しておりまして出初めておりますアブロ748、アブロの方はこれもやはりYSよりは小型でございまして、三十人から四十人ぐらい乗る。それからバイカウントの方は、大体YSと大体同じ五十二、三人というのでございます。大体形としては同じ。そういうものがあります。もう一つ、現在、やはりこれも先ほど、美土路社長からお話ありましたように、今後入ってくる予定のオランダの飛行機、フレンドシップ、これもYSと比べてちょっと小型でございますが、これもターボプロップでありまして、大体これと競争的な立場にあるというような飛行機でございます。これらを比較いたします場合に、たとえばバイカウントあたりがYSと比べまして、スピードは若干早うございます。こちらのやつが四百八十でございますが、バイカウントはたしか五百十キロぐらい。そのかわり滑走距離が長い、それから、その他、これはいろんな使う方のあれによって一長一短ありますが、われわれから見ますと、使いやすいという点から見ますと、むしろYSの方がすぐれているのじゃないか。あとのコンベアの方は、ピストン機の旧型でございますから、スピードにおきましても搭載量におきましても、いろいろな点で、しかも滑走距離もこちらが長いということになっておりまして、これに対しましては、どこから見てもこちらがすぐれていると、むしろ人数の多いのが欠点と言えば言えるかも知れませんが、その程度で、フレンドシップ、アブロというのは、――アブロは小型でございますが、それだけに全般的に性能を比べますと、YSに比べて特に優秀だという点はないわけです。この点は、私どもそういったような外国のことにつきまして詳しく存じませんから、若干間違ってるところがあるかも知れませんが、そういうふうに承知しております。
 それからフレンドシップは、似たようなものでございますが、結局、問題になるのは値段だと思います。コンベア等は、古い型の飛行機でありますので、現在これがどの程度の値段で売られておりますか。全日空などで、これは現在借りてお使いになっておると思いますけれども、中古機等の販売価格、あるいは貸付価格というものは、非常に割安になっております。ですから、それと比べますと幾らか心配ございますけれども、そういうものを常態として比較する必要はないのじゃないか。それからあとのものにつきましては、これはたとえばバイカウント等は、うちのものよりだいぶ高うございます。それからアブロは、これから出る飛行機でございまして、一応雑誌等に載っておりますのは非常に安く言われておりますけれども、はたしてどの程度のものなのか、この値段につきまして、あまり様々に申し上げるのは危険でありますのは、たとえば何億円と申し上げましても、どの程度の差異を持っておるのかということが、具体的にこまかく調べませんと、片一方にあるものが、片一方の飛行機はそれがないのの値段ということがあり得ますので、簡単に判断することもできませんので、一応の宣伝文句通りに考えますと、アブロあたりは値段が安いということが一つの特徴かと思います。しかしそれやこれやでほんとうのものが、全然そっくりのものがございませんから、比較することはむずかしゅうございますけれども、今のような範囲で比べますと、大体いずれもこういった飛行機は、YSとの競争圏内にあるということは言えますが、少なくともこちらが圏外にはずれているということは絶対に言えないと思います。
#53
○中田吉雄君 なるほど現段階の試作、やがて量産に入られるという段階においては、そうかも知れませんが、私、昭和三十四年に欧米を回って非常な顕著なことは、特に軍用機生産において、もう有人機からミサイルに変わって、大へんな変化が起きて航空機工業は、もう一大再編成の時代に直面していまして、特にアメリカでは、私行きましたときには、首切りの最中で、これを輸送機に全面的とは言いませんけれども、大半変えていく。あるいはミサイルをやるか、あるいは他のものに切りかえていくか、非常にまあ大きく変わっていく点と、有人機がミサイルに変わるという点と、そういうことがからんで欧米各国では、国際的な製造の協力といいますか、たとえばイギリスとドイツ、イギリスとフランスというふうな国際的な協力が非常に進んで、そういうことで航空機生産における軍用機の生産の地位が非常にパーセンテージが少なくなって、アメリカではもう半分以下です。ここ数年の間に航空機――軍用機生産が、もう半分以下になっている。それがそのままミサイルに変わっていくというはっきり予算が出ておりますが、そういうことで多くの航空機会社は、輸送機に重点を置いてくる。それから英独、英仏というふうに、特にさっき言われたようなエンジンのすぐれたロールス・ロイスとフランスの会社というのと提携していくというようなことから、十年もかかってやっと百五十台作られる、欧米各国では非常に軍用機をやっておる、戦後の歴史もありまして、非常に量産が優秀な機械ができたりすれば、非常に競争力ができて、今の段階では相当な性能が予想されても、航空機産業の再編成、輸送機に重点を置くというようなことから、かなり国際競争でも苦しい立場に置かれるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
#54
○参考人(中島征帆君) これは先ほど申し上げましたけれども、たとえばミサイルが、そういう方面に使われるかどうか知りませんが、非常に長距離の国際線というものを考えますと、これはスピードができるだけ早い方が、足ができるだけ長い方がいいということになりますと、現在のジェット機でも、さらに優秀なものができれば、それについて考えるということは、これは考えられなければならぬかもしれませんが、少なくともわれわれのねらっております中距離あるいは短距離の場合におきましては、これは、そういったようなハイ・スピードのものは要求する限度がございまして、またスピードが早くなればなるほど、高空に上がらなければならぬということがあって、非常に経済性という点から考えましても、やはりジェット機の入り込む余地が非常に少ない、そういう意味からいいまして、われわれのねらっておりますような用途におきましては、ターボ・プロップが最も適しているということが一つの常識でございまして、しかも、たとえば今お話のありましたように、軍用機等から輸送機の方に転換する、そういうものが出てくるおそれはないかという御趣旨であるかと思いますが、かりにそういうものがございましても、本来初めから、こういうような用途に対して設計されました輸送機というものと、現在の軍用の輸送機、あるいは戦闘機とか、あるいは爆撃機というようなことで設計して、これを転用される、若干設計の変更ということを比べました場合には、どうしても後者に無理がございますから、とうていこれと対抗することはできない。ただ非常に従来の型に近いものが、そこで工夫せられまして、それを大量に輸送機として製造するということになりますと、開発費等につきましては、現在までの軍用機で償却しているという事情がかりにあれば、割合安い値段で供給するということが、これはあるかもしれませんけれども、ただ、現在のような航空運輸事業の実情から見まして、特に中、短距離機に対しまして非常に多量な生産をもって、たとえばわれわれのように、これから出そうという、すでに計画を持っておるような航空機を圧迫するということは、ほかの品物と違って非常にむずかしいのじゃないか。
 やっぱり飛行機につきましては、新しい機種については十分な技術的な裏づけと、それから価格その他信用いろいろございまして、しかも飛行機の寿命というものは、案外長いわけでありますから、現在ありますのが、需要が急速に何十倍というように伸びれば別でありますけれども、現在のように一割とかその程度の伸びでありました場合に、一挙に何百というものを件って、それで安くするからほかのものを排除して世界の市場を席巻するという事態は飛行機については起こり得ない。やはり逐次入り込むというのが普通の姿でありますので、かりに今のような軍用機からの転換が起こったとしましても、すでにもうこういったような専門の飛行機がYSに限らず、すでに着々できかかっておりますから、それを押しのける段階は決してないと思う。こういうふうに考えていいんじゃないかと思います。
#55
○中田吉雄君 私は必ずしも、たとえばこれからほぼ十年に、やっと百五十機作るのです。これは十年といえば大へんなテンポだと思うんですが、特に私、一昨年イギリスのファーンポロウ航空ショーですか、これが二十回の航空ショーで、去年も、大体夏やっておるようですが、滑走路の要らない、中島さんも言われましたように、垂直の上昇機で、これはイギリスにある日本の大使館でも、将来非常に注目すべきものではないか。まあこのYS−11も滑走路が非常に少ない、短くていいというのが特徴ですが、垂直に上昇して、滑走路なしにいけるというのは、これは非常に私は、特に全日空さんなんか、ローカル線を開拓されるのは、これは一番飛行場の問題が大きいんですが、おととしもやり、去年もその世界各国の大・公使館、航空機の需要家、メーカー等を呼んで、垂直上昇機というものを非常に重要視してやっておったりすると、これの速力とか、その他のことは私不案内なんですが、相当、これは大きな影響を持つんじゃないかと思うんですが、これをどう評価されていますか。
 それに関連しましてローカル線を開拓されるのは、飛行場の問題がかなり隘路になっていると思うんですが、そういうものができれば、私はローカル線の非常に開拓する可能性ができると思うんですが、美土路さん、これについて、どうお考えですか。
 中島さん、一つどう評価するか。
#56
○参考人(中島征帆君) 最初の十年間かかって百五十機ということでございますが、これは年間標準二十四機ということで、先ほど申し上げましたが、これは非常に少ないようでございますが、これも私、似たような飛行機の外国の計画を調べましたが、やはり英米におきましても、この型の飛行機で、旅客機部門というものは、三十機からせいぜい五十機ぐらいが標準のようでございます。ですから二十四機というのは、必ずしも少なすぎる生産規模じゃない。それからこれもまあ需要のつき方が、おそらくその程度であろうという内輪目の前提から考えておりますので、もし非常にこの評判がよくて、初めからこれの二倍もの注文がありそうだ、しかも相当時期を急がれるということがはっきりいたしましたならば、これを倍くらいの能力にすることは現在のままでもできます。
 それから垂直上昇機等は、これは、まあ今後大いに発展するだろうと思いますし、これが非常に格安にできれば、当然の脅威でございますが、これは一つの革命的なやっぱり事柄になろうと思います。ただ現在、いろいろ飛んでおりますけれども、これは全日空の方からお答え願った方がいいかもしれませんが、まだ試験時代でございまして、性能は、ある程度できておりますけれども、はたして採算的にどうかという点につきましては、全然問題外であります。これは、現実の例を申し上げましても、たとえばヘリコプターというものは非常に便利でございますけれども、あれも採算という点から考えますと、とうてい飛行機に対抗するようなコースでは使えないというのが一般の考え方でありまして、あれすら、そういう状況でありますから、それよりさらに垂直上昇性と、しかも水平の速度を持ったものを作るということは、非常にまだまだ今後研究の余地が相当ある。ですから、あれが実用化されるまでに、三年か五年で、そういうことができ上がるということは、ちょっとわれわれとしては考えられませんが、しかしこれは、まだ各国とも始めたところでございますから、将来の問題でありますけれども、われわれとしましても、この次の段階あるいは次の次の段階には、これを一つやろうということで、当社の将来の調査項目の一つには持っておるわけであります。少なくともYSに対抗する時期におきまして、こういう垂直上昇機が出るというふうには、実は私ども、甘いとおっしゃるかもしれませんが見ておりません。
#57
○参考人(美土路昌一君) この今のあれですが、これから先の国内航空といたしまして、今使っておりますYS−11のように、ジェット・プロップでやるか、ピュアー・ジェットにするかということと、それから垂直に上昇していくヘリコプターのようなものを使うか、これは非常に大きな課題なんでございますね。
 それで私の方でも垂直ヘリコプターの問題は、相当な関心を持っておりまして、そうして技術委員会の方で、これもフォローしてデータを集めて研究を続けております。それでできましたらば、それの価格の問題と、それから操縦をいたしますのに、どれだけの安全性と、それから速力が出るかをよく確かめまして、飛行場のむしろないところに――都心と都心を結ぶというようなところには、そういうものが非常にいいんじゃないかという気持はして、この研究はずっと続けておりますのですが、まだ中島さんのおっしゃったように、ちょっと、実用のところまでいきにくいんじゃないかと思っておりまして、先般来向こうへ、私の方の飛行機を受け取りに整備員等、操縦士を出しましたので、それらにも、もし見れるなら見るようにして、材料を整えて研究をいたさせておりますのですが、これは、今後の大きな課題の一つにはなると思います。お話のように国内でどのくらいピュアー・ジェットを使うかという問題が相当ありますけれども、これは幹線か、あるいは近距離国際線をやりますときには、必ずジェットの時代もくるだろうと思いますが、大体一般の国内航空ではターボ・プロップぐらいが一番当面は適切じゃないかと、こういうように考えております。
#58
○中田吉雄君 先にも申し上げましたように、最近航空機製造工業の国際的な協力関係というものが非常に進んでいますが、日本のは中島さんの日本航空機製造株式会社というものが、イギリスのエンジンのロールス・ロイスだけを入れ、その他もあるかもしれませんが、そうして日本の各航空機工業を集大成するという協力関係なんですがね、この戦後の非常なおくれを取り戻すために、あまり外国の資本やいろいろな技術を入れることを云々せずに、ドイツ、フランス等がイギリスと結んでやっているような形にやれば、もっとスピードアップして、七年とか八年、十年おくれてブランクがあるというようなことを、急速に取り戻すことはできないものか。その点。
#59
○参考人(中島征帆君) ピュアー・ジェットというような問題になりますと、あるいはそういうようなことを考える余地があるかもしれませんが、この程度の型の飛行機でありましたら、十分少なくとも設計程度までは日本でやる実力がございますし、設計面で特に外国の協力を得なければならぬというまだそういう事態はちょっと考えられない。ただ実際の製作に入った場合には、たとえば非常に需要がついてきた場合に、日本国内だけで生産をしないで外国の優秀な設備というものと提携しまして、ちょうどフレンドシップがカナダと提携いたしましたが、ああいうような式で向こうの型をこちらで作るというようなことは、これは将来考えられないことはないかと思います。そういう形の協力はできると思いますけれども、たとえばこういった型の程度の飛行機につきまして技術提携をしたために、はたしてこれがもっと早くもっとうまくいったかということは、ちょっと疑問ではないかと思います。
 ただ、今問題になりましたような垂直上昇機とか何とかいうような問題になりましたならば、これはお話のように、外国の技術も取り入れるという余地はあると思っております。
#60
○中田吉雄君 この一台分のロールス・ロイスのエンジンというのは幾らぐらいのものですか。その点が一つと、――中島さんにはそれだけでけっこうです。あと美土路さんにお伺いするのですがね、国民所得倍増計画にからんで航空輸送のことを申されたのですが、私はあれよりかもっと航空輸送の増加率は多いのじゃないかと思っております。これはまあわれわれが国会で外国に行かしていただいて、地球を一回りするよりか五千キロぐらい……、全然汽車に乗らずに飛行機で行って、もうアメリカ等では汽車はアフタヌーン・インダストリー、斜陽産業、もうロスアンゼルスの飛行場では三分置きくらいです。特に日本のように道路をつけるような余地のない国では、飛行場あるいは垂直上昇機ができれば、私は、もっと、主要幹線だけでなしにローカル線等予想以上に伸びるというふうに見ているのですが、そういう一番隘路は何ですか。日航等の競争関係ですか、ローカル線ばっかり不採算路線をもらうという問題ですか、乗員の問題ですか、新しい分野だからですか。そういう飛躍的に伸びることが予想されることに対処して、その隘路といいますかそういう点と、それから局長、佐橋さんにお伺いしたいのですが、四十五年のああいう航空輸送のなにが、一体それは乗員はどれぐらい要ることになっておりますか。そういうことを一つ。それだけです。
#61
○参考人(中島征帆君) 簡単にお答えいたします。ロールス・ロイスのエンジンは、これは最初の試作第一号、第二号機の場合と、それから少し大量に注文した場合はだんだん低くなります。最初買いますのは約一台が五千五百万円でございます。それから将来私ども量産にかかりますときには、一台二千六百万円ぐらいでございます、将来は二千六百万円ぐらいまで下がると思っております。
#62
○参考人(美土路昌一君) 私の申し上げました経済審議会の発表といいますのは、言葉が足りませなんだのですが、あれに載っております基準に比べましてという意味でございまして、お話のように利用者が非常に激増いたします。それで私の方といたしましては、明年度の春ころに作りますダイヤは、大阪では十五分置きに飛行機が出るという、私のところのだけがという計画になるほど旅客は激増いたします。そこでこれにいろいろの隘路がございますのですが、操縦士の方は何といたしましても十分確信の持てる訓練をしたものでないと操縦士には使えませんし、航空局においても免状がもらえませんのですから、無理々々をしながらも増員をいたしますだけの操縦士は今日まで作り、すでに明年度の操縦士も準備をいたしております。しかし困難な程度においては、今後の発展にはまだ相当の困難があるということは、先ほど申し上げた通りでございます。
 それともう一つは、この飛行場が非常に不備でございまして、どこの飛行場でもほとんど全天候に飛べるというようなところがきわめて少のうございます。従ってダイヤを組みます上においても、夜の時間がほとんど使えないというような飛行場がたくさんございまして、極端なのは日没過ぎればすぐだめになるし、あるいは視界が狭ければ飛べませんものですから、飛行機を増強いたしましても、ダイヤで十分に便利になるようなダイヤが組めないということでございます。
 それから国内線について、幹線が日航と私の方と両方でやっておりますという点について、これは相当の不便があります。たとえて申しますれば、悪い例でございますけれども、鉄道の一番もうかる幹線が共通になっておりまして、赤字路線が全部私の方へあるというような状態でございまして、この点ではきわめて不利な状態に私は置かれておると思います。
 で、今言うような飛行場の設備の悪いところがありまするしいたしまして、これはまあ私の方の会社の責任は全部たなに上げてしまうことでありますが、なかなかダイヤ通りにいかない点がありますし、それからまた、飛行場ができただけですぐ飛べと言われ、また飛ぶものですから、不採算路線というものが相当あります。しかしこれは会社の公益性というものにかんがみまして、私はとにかくまず何としても飛んで、そうして漸次になにをすべきものであるということで、開始以来今なお続いておる不採算路線というものを相当持っておりますけれども、これは国とあわせて考えるべきことでありまして、国でそういう飛行場の設備が十分してもらえるようになれば飛べるのではないか。また私の方でも飛行機だけ増強いたしまして便利のいいようにする。両方がどっちも足りない点が相当あるようでございます。明年度におきましては先ほど申しますように相当量ふえますから、少なくとも各地に二便以上、三便、あるいは遠いところでは五便くらいでも出したいと思っております。今の旅客数の激増というものは非常なものでございまして、あるいはそういうように増強いたしますならば、ある線によりましては五割以上のあるいは倍数になっておる路線もございますから、一時北海道の方は前年度より倍増した乗客を運んでおるというような状態でございまして、この旅客の激増にどうして対処するかということが今問題で、私ども頭痛の種でございますが、これはまあ順次いろいろの隘路をうんと通っていきまして、気長くやっていかなければならぬのじゃないかと思います。
#63
○政府委員(佐橋滋君) 四十五年度の増員のあれでありますがこれは、運輸省の航空局の所管でありますので、工業では……。
#64
○中田吉雄君 中島さんにお尋ねしますが、ずっと計画をやって量産をやられて、その終局には日本航空機製造株式会社というものはとうなるんでしょうか。発展的な解消をするのですか、それはどうなんですか。
#65
○参考人(中島征帆君) この飛行機だけでありましたら解消になると思います。ただ私どもはやはりこれが完成しましたら量産はある期間続けなければなりませんし、それから次にやはりさらに新型のものを、どういう格好になりますか、それをまた続けてやりたいという希望を持っております。
#66
○中田吉雄君 それからもう一つ美土路さんにお伺いしますが、旅客の輸送と貨物輸送と伸びるのはどっちが伸びるのですか。
#67
○参考人(美土路昌一君) 貨物が相当に伸びまして、今旅客とほとんど並行して伸びておりますが、非常に伸びますのが、貨物は従来飛行機は少のうございましたから、貨物の取り扱いを控えておりましたのですが、最近は前年度に比較いたしまして倍数で申しますと二倍になっております。それから郵便物が三割ふえております。そういうような状態で最近は貨物便がふえますので、DC3型を三機郵便専用、貨物専用に当てることにいたしまして、それを本年アメリカから入荷いたしましたわけで、そのうち一機はすでに普通に飛んでおるようなわけであります。これも貨物の激増は今後受け入れる態勢さえよければ非常に伸びるのではないか、かように考えておりますが、今申したように倍増しておるようなわけであります。
#68
○阿具根登君 時間がずいぶん過ぎましたから一点だけ中島さんに御質問申し上げますが、いろいろ御説明をお伺いしてもわかりますが、日本航空は職員全部で百二十三名ですね、ただいまいただいた資料では。またこの性質からいっても、これはほとんど組み立てか、研究その他くらいのものですね。これは実際に作るのは三菱重工業かあるいは川崎なんですね、そういうととろだけ作っておると思うのですよ。またそういう方々の重役の方々が日本航空機の重役にほとんどなっておられる。今度通産省とこういうことになっておるわけですね。研究機関で最高のスタッフだからやむを得ぬとは思いますが、たとえば三菱重工業でジェット機を作っていますね。ジェット機を作っておるのに、この百五十機というのがまかなえるほど豊富な人材となにを持っておられるのか。もしそうであったならば、これがうまくいかなかった場合には一体工事はどうなるか、あるいはジェット機がちょうどなくなるころ、この百五十機がいくのかどうか、またこの百五十機が今度それ以上にどんどん伸びていくのかどうか。伸びなかった場合どうかと、不安定であるようであるし、安定であるとするならば相当余剰の職員と施設を持っておると、そんなに余剰があるようだったらば、そういうところで研究やってもらってもけっこうだと、国からたくさんの金出さぬでも当分そのあとは相当な黒字になるのだから。一体どういうお考えですか、簡単でけっこうですから……。
#69
○参考人(中島征帆君) 現在の状況ではそれほどめちゃくちゃな余裕があるわけではございません。ただお話のように、当然に今やっております軍用機関係あるいは104というようなものはいずれなくなると、将来やはりこういうようなものに転換しなければならないのでございますけれども、そういう意味でどうしてもやらなくてはならない。しかし現在とにかく仕事がございますので、私どもの方の要求と技術要員等におきましても競合するわけでございます。それをまあ無理にとにかく一番優秀な人をよこせ、また技術要員も所定のものをよこせということで、かなり私ども無理を通してやっておるわけでございまして、実際向こうは人間が多うございますから、ある程度融通がつきますけれども、何とかやっている。いずれは製作が始まりますと、104等との競合関係が起こる心配がございまして、いつごろになりますか、まだ試作期間中に、そういう時期がちょっと起こる心配がございますけれども、これも何とかそこは乗り切れるのではないか、最後まで乗り切れなかった場合はどうなるかと、これは結局期間が少し延びることになります。期間はどうしても続けてやりたいと思うから、何とかしてこれは両方の調整をとって、乗り切りたいと思っております。それが過ぎますと、向こうの方は機数がきまっておりますから手がすきますから、十分にこちらに協力できるとは思いますけれども、最初からそれだけ余裕があるわけではありませんから、最初から傍系会社にこれを全部やらせるといってもできない状況だったわけであります。
#70
○阿具根登君 百二十三名というのは大体三菱系、川崎、昔の中島系、こういうところから集めておりましたのですか。
#71
○参考人(中島征帆君) 百二十人のうちでいわゆる機体会社からの出向人員は半分足らず、五十数名でございます。あとは当会社で集めました。これは官庁その他から来ましたのもおりますけれども、新しく当会社でやりましたのを含めまして百二十人、こういうことであります。
#72
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。
 参考人の方々に一言お礼を申し上げます。
 本日は長時間にわたり貴重な御意見を拝聴し、まことにありがとうございました。当委員会といたしましては、本日の御意見を十分参考として今後の審議を進める所存でございます。どうもありがとうございました。
 ちょっと速記とめて下さい。
  〔速記中止〕
#73
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
 本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#74
○委員長(剱木亨弘君) 次に商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、以上二案を便宜一括議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
#75
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま御提案になりました商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案について提案理由を御説明いたします。
 中小企業問題につきましては、かねてから諸般の施策を講じて参ったところでありますが、従来各種の施策に均霑するところの薄かった小規模事業者に対して特に施策の手を差し伸べるために、主として郡部の町村単位に、その地域の商工業の総合的な改善発達をはかるための組織として商工会を設立し、この商工会とすでに都市部にできている商工会議所との行なう小規模事業者のための事業活動に対し、助成措置を講ずることができるように、商工会の組織等に関する法律が第三十四国会において成立し、約四億円の国庫補助額を計上し、昨年六月十日に施行されましたことはすでにご承知の通りであります。
 この法律の施行後本年二月末までにすでに全国で千六直五十四の商工会が設立され、昭和三十六年度中にはその数は約二千三百に達する予定でありますが、これらの商工会は比較的単位が小さく、その組織もいまだ強固なものとはいえず、期待されている事業の円滑なる実施と事業内容の一そうの充実をはかるために、これらの指導連絡に当たる組織を確立する必要性が痛感されて来たととろであります。
 右のような必要性から、すでに全国四十二の都道府県商工会連合会及びその上部組織としての全国商工会連合会が、任意団体または社団法人の形で誕生しておりますので、これを法制化し、その組織及び運営について定めるとともに、これが事業活動についての助成措置を講ずる必要があるわけでありまして、すでに昨年四月、現行法が衆議院において可決されました際、附帯決議として、商工会の連合会組織の法制化をすみやかに実現するよう要請されていたところであります。
 このような事情から今回本改正法律案を提案することといたした次第でありますが、その内容の概要について以下ご説明いたします。
 この法律案の骨子は、都道府県商工会連合会及び全国商工会連合会の組織について定めるとともに、これらの連合会の行なう指導事業の一部について国の助成措置を規定するものであります。
 第一に、都道府県商工会連合会は、都道府県ごとに一個とし、その会員たる資格を有する者は、当該都道府県の地区内に主たる事務所を有する商工会としております。また、全国商工会連合会は全国を通じて一個とし、その会員たる資格を有する者は都道府県商工会連合会としております。
 第二に、商工会連合会の事業については、商工会の組織または事業についての指導連絡、商工業に関する情報または資料の収集及び提供、商工業に関する調査研究、展示会等の開催またはそのあっせん、技能または技術の普及または検定、関係経済団体との提携または連絡、意見の具申または建議、その他商工会の健全な発達をはかるために必要な事業を行なうこととなっております。
 第三に、商工会の都道府県商工会連合会への加入脱退は任意でありますが、都道府県商工会連合会は全国商工会連合会へ当然加入することとなっております。
 第四に、都道府県商工会連合会は、地底内の商工会の二分の一以上が加入し、全国商工会連合会は二十五以上の都道府県商工会連合会が加入するものであれば、通商産業大臣の認可を受けて設立することができることと定めてあり、その管理、運営等についても所要の規定が置かれております。また、連合会の公共的性格にかんがみまして通商産業大臣の所要の監督規定も設けられております。
 第五に、商工会連合会の商工会に対する指導に要する経費の一部について国が助成できるように定めておりますが、この国の助成を行なうための予算措置といたしましては、三十六年度において約二千三百万円を計上いたしておる次第であります。また、このほかにも商工会または商工会議所に対する補助として七億六千五百万円が計上され、その他を含めて総額八億二千五百万円の予算をもちまして、小規模事業者のための対策の拡充強化を期している次第であります。
 以上本法律案の提案理由及びその内容の概略を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
 次に産炭地域振興臨時措置法案につきまして、その提案理由及び法律案の要旨について御説明を申し上げます。
 産炭地域の経済は御承知の通り全面的に石炭鉱業に依存しているところが多く、石炭鉱業の盛衰がその地方の経済に及ぼす影響はきわめて著しいものがあるのであります。一般産業界の好況にもかかわらず、石炭鉱業の構造的不況はこれらの地方の経済に大きな打撃を与えているのでありまして、炭鉱失業者は雇用機会のないまま産炭地域に滞留し、鉱害その他の産炭地域特有の事情と相まって社会不安の原因となり、産炭地域は甚だしい疲弊にあえいでいるのであります。
 このような状況を反映して地方財政もまたますます逼迫の度を高めつつあるのでありまして、石炭鉱業の合理化そのものも次第に困難となってきているのであります。
 これらの複雑かつ困難な諸問題の解決のため、政府は従来とも離職者対策その他の施策を推進してきたのでありますが、御承知のように、炭鉱失業はややもすると集中的かつ大量に発生するおそれがあるのみならず、その地域全体が失業するという事態の発生する危険が少なくないのであります。さらに失業者の過去の生活環境、年令構成、技能程度から見て、これを労働に対する需要の大きな地方へ移動せしめるという対策には、重大な限界があることを認めざるを得ないのでありまして、そのためにはどうしても現地において雇用の機会を創造し、増加させていくという施策が必要になるのであります。
 また石炭は、産炭地域においては、今日でもなお競合エネルギーに対し経済的優位を保っているのでありまして、今後の石炭政策という見地からも石炭需要を産炭地域において極力確保するため、産炭地発電の推進、その他の対策を進めてゆく必要があるものと考えるのであります。
 このためには、単一経済地帯である現在の産炭地域に新しい産業を導入し、育成し、多角的な産業地帯を作り出してゆくという方向が選ばれなければならないのでありまして、これはひとりわが国に特有の事情ではなく西欧諸国においても産炭地域の振興には、特に力をいたしているのであります。
 この法律案は、このような考え方のもとに産炭地域を振興するための基本的方向と具体的計画を定め、国の施策を統一的かつ集中的に進めてゆくことを企図しているものでありまして、これがこの法律案の内容の第一の点であります。このため、通商産業大臣は、産炭地域振興基本計画と同実施計画を定めることといたしておりますが、この基本計画には国民経済的観点または実施計画相互の関連等の観点から実施計画策定の基本となる事項について、また実施計画には各地域の特殊性をも十分考慮に入れた具体的事項について計画を定めることといたしております。なおこれらの計画の策定にあたっては、産炭地域振興審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関と十分協議をする建前をとっており、また実施計画は、その緊急性にかんがみ、法律の施行後二年以内に定めることといたしました。
 内容の第二点は、通商産業大臣は、これらの計画を策定するために必要な調査を行なうこととしたことでありますが、本年度の調査のため三千万円の調査費が予算に計上されております。この種の計画を定めるためには、事前に十分調査をし、真に実効性のあるものとする必要があるので、調査地域、調査方法等についても審議会の意見をきくことといたしたのであります。
 第三点は、国の助成措置に関する規定であります。産炭地域振興のための具体的な事業およびその推進の方法については、今後の調査と、これに基づく計画によりきめられるわけでありますが、この法律案におきましては、地方税の減免に伴う措置、減価償却の特例その他一般的な措置として当面必要と考えられるものにつきまして規定いたしました。
 なおこの法律は、産炭地域振興の緊急性にかんがみ、有効期間を五年とする臨時措置法とすることといたしました。
 以上簡単でございましたが、との法律案の提案理由およびその要旨について御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことを切望する次第であります。
#76
○委員長(剱木亨弘君) 両案の質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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