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1960/06/02 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第28号
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1960/06/02 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 商工委員会 第28号

#1
第038回国会 商工委員会 第28号
昭和三十六年六月二日(金曜日)
   午後一時三十八分開会
  ―――――――――――――
五月三十日委員横山フク君辞任につ
き、その補欠として大泉寛三君を議長
において指名した。
五月三十一日委員阿具根登君辞任につ
き、その補欠として相澤重明君を議長
において指名した。
六月一日委員相澤重明君辞任につき、
その補欠として阿具根登君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
           椿  繁夫君
           牛田  寛君
   委員
           赤間 文三君
           大泉 寛三君
           大川 光三君
           岸田 幸雄君
           小林 英三君
           斎藤  昇君
           鈴木 万平君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           岡  三郎君
           近藤 信一君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
           向井 長年君
           加藤 正人君
  衆議院議員
           岡本  茂君
           中村 重光君
  国務大臣
   国務大臣    池田正之輔君
  政府委員
   科学技術庁長官
   官房長     島村 武久君
   科学技術庁原子
   力局長     杠  文吉君
   通商産業政務次
   官       始関 伊平君
   通商産業省企業
   局長      松尾 金蔵君
   労働政務次官  柴田  栄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   労働省労働基準
   局労災補償部長 村上 茂利君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○割賦販売法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○原子力損害の賠償に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○原子力損害賠償補償契約に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は、割賦販売法案、原子力損害の賠償に関する法律案及び原子力損害賠償補償契約に関する法律案の審査を行ないます。
 最初に、割賦販売法案を議題といたします。これより補足説明を聴取するのでありますが、本案は、衆議院において修正されておりますので、初めに内閣提出案について政府側より説明を聴取し、引き続いて衆議院の修正点について、衆議院における修正案提出者から説明を願うことといたします。
 それではまず政府側の説明を聴取することといたします。
#3
○政府委員(松尾金蔵君) 割賦販売法案の大綱につきましては、前に提案理由のときに御説明をいたしておりますが、なお若干の補足説明をさせていただきたいと思います。
 この法律の目的は、第一条に掲げておりますが、これを要約いたしますと、割賦販売につきまして、その健全な発達をはかるということを主眼点といたした法律であります。しかし、この第一条の点につきましては、衆議院におきまして、この目的のほかに、運用上の配慮として、中小商業者について十分配慮をするようにという点が修正で加えられております。
 第二条におきまして、この法律の運用の際の定義が下されておるのでありますが、まず第一に、割賦販売という内容につきましては、第二条の一項におきまして、現在行なわれております割賦販売につきまして、いわば最大公約数的な意味の定義を下しております。
 なお、この法律において、割賦販売につきましては、その商品につきましては耐久性を有し、かつ、定型的な条件で販売する商品を別途政令で指定をいたす予定に相なっております。
 次に、第二条の第三項に掲げております割賦購入あっせんと申しますのは、御承知のように、現在チケット販売と称せられておりますものであります。チケットの発行をする者と、そのチケットをもって商品を購入する、いわゆる消費者と、また、そのチケットによって物を販売する、いわゆる加盟商店、この三つの関係におきまして、いわゆるチケットによる割賦販売が行なわれておるのでありますが、その内容のものを、ここにおきまして、割賦購入あっせんということで定義をいたしております。
 第二章は、割賦販売に関しまして、まず総括的なことを規定いたしておるのでありますが、第三条と第四条は、主として消費者のために規定せられた内容のものであります。御承知のように、割賦販売は普通の現金売りの場合と違いまして、その販売条件が違っておりますし、また、その割賦販売契約は、相当長期にわたる契約でございます。そういう意味から第三条におきまして、割賦販売条件を明示をすること。また、割賦販売業者は、割賦販売の契約につきまして書面を交付すること。いずれもこれは割賦販売に関するトラブルをできるだけ少なくするようにということを趣旨といたしまして、このような規定を設けております。しかし、この両規定は、いずれも罰則を伴わない訓示規定でございます。
 なお、第四条につきましては、あとで出て参ります第七条の所有権に関する推定規定等の関係がございまして、衆議院の修正におきまして、もし割賦販売業者が所有権の問題につきまして、特別の約束をしております場合には、書面交付の際に、その書面の中に書き込むようにという修正が衆議院で行なわれました。
 次に、第五条と第六条でございますが、この二つの規定は、いずれもやはり消費者保護を中心とした内容の規定でございます。
 まず、第五条におきましては、現在行なわれております割賦販売におきましては、民法の一般規定の適用を受けます関係から、また、ある場合には、割賦販売業者がいわゆる特約約款によりまして、割賦販売の際の購入者が賦払い金の支払いを怠りますと、即日、あるいは非常に短期間の間に契約解除ができるような仕組みになっております。しかし、それでは、消費者の保護に欠くるところがあると思われますので、第五条におきまして、特に書面をもって十五日以上の催告期間を置いて、しかも、なお義務が履行されないときでなければ契約解除ができないというふうに、契約解除の制限をいたしております。
 さらに、第六条におきまして、そのような手続を経て契約解除が行なわれました場合におきまして、損害賠償の問題が起きてくるわけでございますが、現在いろいろな約款におきまして、しばしば購入者のために不利な約款が行なわれておるようでございますので、第六条におきまして、契約解除の場合の損害賠償の請求し得る限度を消費者のために設けております。
 なお、この第五条、第六条の規定は、いずれもいわゆる強行規定でございまして、これらに反する特約等はいずれも無効になります。第五条、第六条の規定内容が、契約内容として強行される仕組みになっております。
 なお、第五条につきまして、衆議院の修正におきまして、先ほど申しました催告期間十五日以上という原案に対しまして、二十日以上というふうに修正をされております。
 なお、第五条の初めの方にございます「(購入者のために商行為となる契約を除く。)」というカッコ書きがございますが、これはいわゆる商人同士の割賦購入契約の場合には、商人同士のことでございますから、一般消費者のような特別の保護規定を必要としないという意味で除かれているのでございますが、その趣旨においては変わりはございませんけれども、衆議院の修正におきまして、これを第三項に持っていきまして、読みやすくするような表現上の修正がなされております。
 次に、第七条でございますが、第七条は、先ほど第四条に関連して申し上げましたけれども、現在、割賦販売が行なわれております際に、その所有権の移転の時期がいつであるかという点は、大部分の場合には、約款によりまして、いわゆる賦払い金の全部の支払いが済むまでは所有権の移転はしないというふうに書かれておるのが多いようでございますけれども、そうでない場合、また、その場合に関する法律上の解釈には、若干の疑義があるようであります。そのような疑義があることによって、割賦販売に対するトラブルが起こりやすいということもありましょうし、また、現実に賦払い代金の済まないうちに、かりに購入者の方が、これに対して不当な処分をしたり、あるいは第三者がその割賦販売商品について、何らかの理由で、これに対する法律的な攻撃をかけてきたような場合におきまして、割賦販売業者の方に対して、賦払い代金の済むまでは、やはり所有権の留保という推定規定を置いて保護する必要がある。この意味におきましては、第七条は販売業者の保護を中心とした規定でございます。もちろん、これは特約がございますれば、その特約に従いますし、何らそういうものがない場合に対する推定規定にとどまっております。
 次に、第八条でございますが、これはここに掲げておりますような場合は、いずれも、いわゆる割賦販売業者とその購入者との間の利害が相反しないような場合、あるいは全体のこの法律の仕組みにおきまして、割賦販売に対して購入者と販売業者との間の秩序維持、その利害調整の規定が、ここに掲げておりますような場合には、あるいは必要ではないか、あるいはそのまま適用することが適当でないというような場合を列挙いたしまして、この法律のこの本章の規定を適用除外いたしておるのであります。
 次に、第九条と第十条でございますが、これは割賦販売に関しまして、割賦販売が健全な発達を遂げます際には、その割賦販売の条件につきまして、いわゆる行き過ぎがある、たとえば割賦販売に関する非常な過当な競争が行なわれるために割賦販売そのものも、不健全な形に追い込むような危険がある。そういう場合につきまして、第九条におきましては、標準条件を公示をいたしました。もちろんこれは標準的なものでございますから、ある一定の幅を持った標準的なものを示して、健全な割賦販売のよるべき基準を示しておきました。もちろんこれ自体には強行するような、強行規定ではございませんが、そういうよるべき条件を示すというふうにとどまっております。また、そのような条件が示されたにもかかわらず、なかなかそれが行なわれにくい、そのために割賦販売の健全な発達に重大な支障を来たすというような場合には、さらに、これも強制力はないのでありますけれども、勧告をすることができるようにいたしております。なお、この第九条におきまして、このような標準条件の公示をいたします際に公聴会の制度によりまして一般の意見を聞くことに原案は相なっておったのでありますが、この法律案全体の運用に際しまして、やはり審議会を必要とするであろうということもございました。また審議会を作りますれば、この第九条の第二項の公聴会にかえて審議会の意見を聞いて運用をすればよろしいということに相なりました。その意味から、第九条の第二項の公聴会は削除をいたし、終わりの方で審議会の設置の規定が加えられるように相なりました。
 次は、第十一条以下は、前払式割賦販売といわれるものに関する規定でございますが、御承知のように、現在、前払式割賦販売として行なわれておりますのは、ミシン及び毛糸手編み機につきまして、代金の全部を分割払いで割賦販売業者が預かりまして、その代金の全額の積み立てが終わってから商品を渡すというものが行なわれております。この場合には、前払式割賦販売業者は、購入者からあらかじめ代金を預かり、また購入者の方は商品を受け取らない状態で代金を預ける状態に相なりまするので、この場合の購入者保護のために、前払式割賦販売業者の資力、信用等に瑕疵のないことを努めなければならないわけでありますが、そういう趣旨のもとに第十一条におきまして、これを登録をするようにいたしております。またその登録につきましては、第十五条におきましていわゆる制限登録をするようにいたしております。
 さらに、その後におきまして、その資産内容等につきまして、純資産が非常に減少いたしまして、先ほど申しましたような保護に欠くるところが招来するような場合には、この第三節の規定によりまして、それぞれかなり詳細な監督規定を設けております。
 この前払式割賦販売につきまして、衆議院の修正といたしまして、この修正の第一点は、前払式割賦販売の登録につきまして、今申しましたようなむしろ資産、信用を中心に制限登録をいたすのでありますけれども、中小商業者等の保護のために登録を拒否し得る場合として、第十五条の第三項といたしまして、いわゆる百貨店業者、その他いわゆる資本の大きなものが、あまり大幅に前払式割賦販売に進出をして、前払式割賦販売をやっております中小商業者の圧迫にならないようにという配慮の規定が加えられております。
 また十七条におきまして、営業保証金の規定がございますが、これも購入者の預けております金に対する保証のために供託をしてもらう営業保証金でありますが、その最高額につきまして、十七条では五十万円と相なっておりますが、これを百万円に修正されております。
 次に第三章第三十条以下の規定におきまして、先ほど申しました割賦購入あっせんに関する規定の条章が設けられております。いわゆるチケット販売に関する規定でございますが、まず、その第三十条におきまして、チケットの譲り受け等の禁止の規定を設けております。御承知のように、チケット販売におけるチケットは、文字通り物を買うためのチケットなんでございまして、これは当然当人の記名、捺印によって、物を買い得る一つの証拠書類でしかないのでございますが、現在一部に、その証票のチケットに対しまして、いわゆるチケット金融が行なわれているようでありますが、これも割賦販売の健全な発達上、重大な支障がある、またその態様いかんによっては、類似証券取り締まりの規定にも触れるという関係もございまして、この第三十条で、この禁止の規定を設けております。
 また三十一条以下に割賦購入あっせん業者につきましても、登録制度をしき、またその資産、信用等について監督の規定が設けられておりますが、この趣旨とするところは、前の前払い式割賦販売の場合には、先ほど申しましたように購入者に対する保護の趣旨でございますけれども、この割賦購入あっせんの場合におきましては、割賦購入あっせん業者と契約を結んでいる、いわゆる加盟商店に対する保護をねらいといたすものであります。この場合の仕組みは、チケットによって、物を売った加盟店は、そのチケットをもって割賦購入あっせん業者から代金の支払いを受けることに相なっているわけであります。でありますから、その場合に、割賦購入あっせん業者の資力、信用等に瑕疵がありますと、いわゆる加盟商店が不測の損害をこうむるおそれがある。それに対する保護という意味で割賦購入あっせん業者の資力、信用等につきまして、登録その他の制限、監督規定を設けているわけであります。
 あと雑則、あるいは罰則、この辺は、特別に御説明を申し上げる必要はないと思いますが、最後の附則のところにおきまして、この法律は、公布の日から起算して六カ月をこえない期間に法律施行をするように相なっております。この点につきまして、先ほど申しましたチケット金融の禁止、この第三十条の規定との関連におきまして、これもこの附則第一項の原則で申しますと六カ月をこえない期間に、この法律が施行されますと、その日からチケット金融は禁止をされるわけであります。しかし現在すでにチケット金融を行なっております若干の業者につきまして、その整理等の問題もあるでございましょうから、この点につきましては、一年という別の修正が衆議院で設けられたのであります。
 以上が、本法案の大要と修正個所の御説明をいたしたものであります。
#4
○委員長(剱木亨弘君) 次に、衆議院の修正点について説明を聴取いたします。
#5
○衆議院議員(岡本茂君) 割賦販売法案は、割賦販売の健全かつ合理的な発達をはかるため、その取引秩序を整備することが目的でありますが、割賦販売は事業の性質上、割賦販売事業者と購入者との間に紛争を生じやすいので、その紛争を除くため十分の配慮を払う必要があるのであります。他面一般消費者及び中小商業者の現状は、なおその利益を擁護する必要があるのであります。よってこれらの観点から、本法の運用にあたって配慮すべき事項、書面の記載事項、登録の拒否、割賦販売審議会及び施行期日等について、所要の修正を行なう必要があると考え、修正案を提出した次第であります。
 おもな修正点について申し上げますと、第一に、目的に、運用上の配慮を加えて、この法律の運用にあたっては、割賦販売を行なう中小商業者の事業の安定及び振興に留意しなければならないこととする。
 第二に、割賦販売業者が購入者に交付する書面の記載事項として、所有権の移転に関する定めがあるときは、その内容を記載すべきこととする。
 第三に、登録の拒否事項を追加して、通商産業大臣は、百貨店業者(百貨店法第三条の許可を受けた者)または指定商品の製造業者が登録業者となることが、中小商業者の利益を著しく害するおそれがあると認めるときは、その登録を拒否することができることとする。
 第四に、新たに割賦販売審議会の章条を設け、その設置、所掌事務、組織等について所要の規定を設ける。
 また審議会を設置することとしたため、公聴会の規定は削除する。
 第五に、施行期日は、割賦販売審議会の規定は公布の日から、証票の譲り受け等の禁止の規定は公布の日から起算して一年を経過した日から施行することとする。
 等であります。
 何とぞ御審議の上、御賛同下さいますよう御願い申し上げます。
#6
○委員長(剱木亨弘君) 以上で、本案の補足説明を終わったわけでありますが、議事の都合により、衆議院の修正案提出者に対する質疑があれば、この際行なうことといたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#7
○近藤信一君 御修正の理由は、御説明によってよくわかりましたが、なお、若干の点についてお考えを承っておきたいと思います。
 まず、この修正案の第四案の中に「所有権の移転に関する定めがあるときは、その内容」を加えると、こうございますが、私は、従来この点が、一つの問題であっただろうと思うのであります。それはなぜかと申しますると、往々にして、割賦販売をやる場合に、契約書を取りかわす。その契約書の内容を購入者の方が十分に見ることなく、捺印して契約書をかわす場合が、従来の問題が起こった一つの点であろうと思うのであります。そういう点で、ここに「その内容」を加えるということをお入れになったのは、そういうふうなことを御心配されまして、そうしてその内容は、こまごまと、購入者が読んでもちょっと判断のつかないようなことが、従来しばしばあったわけでございますが、簡潔に、明瞭に、わかるように業者が内容を明らかにした契約書というものが、今後の割賦販売については重要ではないかと、こう私は思うのですが、そういう点いかがですか。
#8
○衆議院議員(岡本茂君) 大体おっしゃる通りでございます。四条の記載事項全体が、今おっしゃる意味でできているわけでございます。しかも、原案では重要な事項である所有権の移転に関することが入っておらない。これは七条の留保の規定もあるわけですが、非常に重要なことでございますので、これを挿入しなければならぬ、こういうことで修正いたしまして、挿入いたした次第であります。
#9
○衆議院議員(中村重光君) 私から補足して御説明申し上げます。
 修正案は、共同修正でございますが、この項に関しましては、社会党の修正案でございましたので、簡単に御説明申し上げますが、第七条に御承知の通り所有権の留保推定というのがあるわけでございます。所有権等の推定ということは、私が申し上げるまでもなく、割賦販売によって、当該物品を手取りましたが、代金完済までは販売業者の所有であって、ただ購入者は、占有権を持つに過ぎない、こういうことでありますが、実際問題といたしましては、その品物を買った、そのときは、自分のものであるという意識を持つことは当然であります。しかしながら、そのことは、この法律の第七条において、これを書いておるというだけであって、購入者は、その法律をよく承知いたしておりません。また販売者側は、そうした内容を購入者に説明をするということは、まれであろうかと思うのであります。
 従いまして、第四条によりましてその販売契約が成立をいたしましたときに、書面を交付する、その書面の中に、第七条による所有権留保の推定がありますならば、当然そのことを、ここへ明記するということが将来において間違いを起こさない道である、このように考えたのであります。私どもは、第七条の所有権留保の推定は、これを抹殺すべし、このことは、販売者側にとって、これがあるということによって有利であるのではなかろうか、販売者の立場も考え、購入者の立場も考え、将来トラブルが起こらないようにという点から、るる主張いたしましたが、社会党において協議をいたしました結果は、所有権留保の推定はそのままとし、第四条による書面交付の際に、その内容を明かにする、こういうことに落ちつきましたので、こういうことにいたしました。
#10
○近藤信一君 次に、第十五条の第三項をつけ加えられましたことでありますが、これによりまして百貨店またはメーカーが前払式の割賦販売をしようとする場合に、それが中小商業者の前払式割賦販売に不利益を及ぼしそうなときには、その登録を拒否することができるのであります。これは、現在百貨店やメーカーの前払式割賦販売が、中小商業者に不利益を与えているのでございましょうか。それとも、将来、そのような事態を生ずるおそれがあるために挿入されたものと思いますが、あるいは現在そのような弊害が起こっているために、挿入したものであるかどうかということでございます。
 それと申しますのは、現在前払式の割賦販売を行なっておる百貨店やメーカーについて、原則として登録申請があれば、すべてこれを登録してよろしいとお考えになっているかどうか、このことをお伺いいたします。
#11
○衆議院議員(岡本茂君) この規定を設けた趣旨は、今お読み上げになりましたように、百貨店あるいは製造業者の行なう前払式割賦販売によるところの事業活動が、中小商業者の利益を著しく害するおそれがあるとき、これを防止する、こういう意味でございます。今お話の、現在やっておるもの云々ということでございますが、百貨店は、現在その実例がないということを聞いております。製造業者の方は、先ほど企業局長から説明がございましたように、手編み機あるいはミシンというようなものに、実例があるのであります。しかし、現状においては、著しく中小商業者の利益を害するという段階には達していないというふうに考えておるわけでございます。むしろ将来、そういうおそれのあるということを考えて、この規定を挿入することにした次第でございます。
#12
○衆議院議員(中村重光君) このことに対しまして、簡単に御説明申し上げますが、前払式割賦販売というのは、御承知の通りミシン並びに手編み機械程度であります。しかし個別割賦販売におきましては、電気メーカー等を中心といたしまして、最近の割賦販売の動きは、主として大企業が大資本を利用いたしまして、大規模な割賦販売を営んでおるということが、伸びているところの最大の原因になっておるわけであります。この前払式割賦販売を行ないます場合においては、これが登録制度になって参ります。なおまた、この登録制度は、この業務を見ましても明らかなように、法人でなければならないということ、それから前払式は金を預かる関係上、その依頼者に対して、購入者に損害を与えないというような点から、相当信用度の調査ということが行なわれ、その上に立って登録を認める、こういうことになって参ります。従いまして、現在行なっていない大企業の業者といたしましても、あるいは百貨店といたしましても、将来この登録制を利用しないという保証はございません。私どもが、この案を審議いたしました際にも、相当各方面から陳情等がございますが、百貨店も、将来そのような考えがあるように漏れ承りましたし、また製造業者、特に大資本を有するところの製造業者は、この前払式割賦販売を大いに利用しようというような動きがあるというようなことも承知いたしておるのであります。そのようなことを考えてみるとき、この登録制を利用して、他を排除するという形によって独占的な経営を行なって参りますならば、個別割賦販売そのものが非常に圧迫されてくる。そのことは、中小企業の圧迫ということにつながって参ります。
 従いまして、私どもは原則的には、百貨店並びに全国的に網の目のように代理店その他販売店を有するような製造業者は、前払式割賦販売を行なわしめるべきでないというような考え方も持つのでありますけれども、この前払式の制度そのものは、ただいま私が申し上げましたように、その前払業者の信用度ということが重点となって参りますので、この大資本を持っているところの製造業者を前払式の割賦販売からはずす、これを認めないということを打ち出して参りますことは、法体系からいたしまして矛盾をするというような点になって参るわけであります。そのようなことからいたしまして、この修正案に書いておりますように、百貨店並びに製造業者の登録を認めることによって、中小企業の圧迫になる、その利益を著しくそこなうというようなことがあると認められるならば、審議会に諮って、これを拒否するというような道を開いておく必要があるのではなかろうか、こういうようなことで、このような修正になって参ったのであります。
#13
○近藤信一君 百貨店や製造業者が、この前払式割賦販売の登録を申請してやる。そこで特に「中小商業者の前払式割賦販売の事業活動に影響を及ぼし、その利益を著しく害するおそれがあると……」こう修正されておるのですが、この「著しく害するおそれ」というものを、どの程度で判断をし、どこに基準を置かれた場合に、その登録を拒否することができるかどうか、この点いかがですか。
#14
○衆議院議員(岡本茂君) お答えいたしますが、著しく利益を害するということは、非常に困難なことでございまして、最終的には、具体的に申請が出た場合に、これを審査して決定するということになろうと思います。基準をどこに置くかということでございますが、一応、まあ抽象的にならざるを得ないのじゃないかと思いますが、中小商業者の事業と、はなはだしく競合するというような場合、大体百貨店法に規定のございますような趣旨でございますが、そういう場合には、利益を著しく害するのじゃないか、かように考えるわけでございます。
#15
○近藤信一君 私はね、従来法律の中では、字句の書きようがあまり明確なことを書くことを避けておられるが、特に問題は、百貨店それから中小商業者との関係に立って、こういう第三項が入れられたわけなんで、やはりこれは中小商業者の保護規定というふうにこれは考えられるわけなんで、ところが、やはり字句の上では「著しく」と判断しているけれども、実際の判断ということになると、大へんにこれはなかなかむずかしい問題だと私は思うのです。
 そこで、やはり中小商業者の立場からいけば、この利益というものは非常に少ないから、若干のことでも大きな影響を与える場合があると思うのです。そういう場合の判定というものが非常に困難じゃないかと思いますが、中村さん、この点いかがですか。
#16
○衆議院議員(中村重光君) おっしゃる通りでございます。そこで私どもは、当初は百貨店並びに製造業者につきまして、製造業者並びにその人的、資本的支配を有する販売業者、いわゆる小売業者ですね、これも前払式の割賦販売から、はずすべしという修正案を出したのであります。しかし先ほど私が申し上げましたように、この前払式割賦販売というのは、信用のある業者を登録するのだ、登録業者というのは、そういうものであるが、これが法の体系になっております。
 従いまして、大資本であるからということで、この前払式割賦販売をやらせないということになって参りますと、信用力の弱い業者を前払式登録業者に指定しなければならないということで、法体系に矛盾してくるわけであります。そういうことからいたしまして、その法体系を乱さないというような形になって参りますれば、このような条文にならざるを得なかったのであります。
 ただいま私が申し上げましたようなことで、原則としては、そういうような非常に中小企業を圧迫する、流通秩序というものをそこなってくるというような形は好ましくないのじゃないか、こういうことで、実は議論を続けて参りましたが、法体系として、こういうことにする以外にない。従いまして、私どもは私どもの理想としては、ただいま申し上げましたように、中小企業を守っていかなければならないのじゃないか、これは消費者と販売業者だけの立場を考える、そういうことが流通秩序をほんとうに健全にしていくということにはならないのじゃないか、大企業と中小企業との関係、これは政策的にはなりますが、やはりそうした関係等も十分勘案して、法を運営していくということが、流通秩序を健全にしていくという形になるのじゃないか、もろもろの点を社会政策的な立場等から、いろいろ検討いたしまして、そこで、あげて審議会にゆだねて、審議会が、あらゆる角度から検討して、これは認める、これは認めるべきでない、こういうことで、その審議会において、これを決定をしていく、こういうようなことにする以外には、これは、どうにもやり方がないのじゃなかろうか。こういうことで、実はこのような非常に疑問を持たれたのでありますが、確かにこの条文からいたしますれば、「著しく」といったような点等は問題でありますけれども、要は、あらゆる角度から、これを検討して審議会において判断をしていくということ以外にはない、このように実は考えた次第であります。
#17
○川上為治君 関連して、今のお話で大企業である百貨店であるとか、あるいは大メーカー、これはよくわかるのですが、ここに書いてある指定商品の製造業者ということになりますと、製造業者の中には、大企業もあれば中小企業もあるのですが、この中小企業の方は、中小商業者と同じような関係なんでございますから、これまで規制するというのは、ちょっとよくわからないのですが、そこは、どういうわけですか、中小メーカーについては、大体そういうあれはないということですか、それとも、中小企業メーカーまで加えてあるのは、何か特別の理由があるのですか。
#18
○衆議院議員(岡本茂君) 大体、流通体系といたしましては、メーカーから卸、卸から小売というふうにいくのが普通だろうと思います。そういう観念から、一般的に製造業者と書いてあるわけであります。精神はおっしゃるようなことで、それ自体が中小製造メーカーであれば、その相手の、つまり圧迫されるべき側の中小業者と、これは同じような立場に立つわけですから、問題は起こらないわけです。拒否するという事態は生じないと思います。
#19
○川上為治君 そうしますと、何かこの審議会で、そういう審議をするときの基準として、そういうものはやはり除くというような運営のやり方をやるというようなことになりますか。
#20
○衆議院議員(岡本茂君) それは、ただいま考えておりませんけれども、審議会を運営するにあたりましては、この法律で審議会の審議事項として掲げている事項のほかに、今、中村議員からもお答えいたしましたように、これの条件とか基準とかというようなことをあわせて考えるべきだと考えております。
#21
○川上為治君 私は、これは中小の製造業者という――特にまあ中小の中でも比較的小の部類に属するようなもので、こういう仕事をするものは、あまりないとは思いますけれども、しかしやはり、この中小商業者とそれから中小のメーカーというものは同じようなものだと思いますから、これは審議会あたりで審議基準を作って、それを運用する場合においては、その点を一つ、十分気をつけるというようなやり方をとってもらわなくちゃいかぬだろう、こういうふうに考えているわけなんですが……。
#22
○衆議院議員(中村重光君) ただいまの御質問の点が、実はこの条項にぴったりするというように御判断願えればいいんじゃなかろうかと思うのです。初めは大規模製造業者ということを一応書いてみたのであります。しかしそういうことも適当ではない。そこで私どもは、この小さい製造業者、これに前払式割賦販売をかりに認めるということになりました場合に、いわゆる著しく小売商に対して影響を与えるということにはならないのじゃないか、こういうことで、一つ御判断願えれば、おのずから審議会の、この問題に対する運営というものは答えが出てくるだろう、このように考えるものであります。
#23
○川上為治君 了解しました。
#24
○近藤信一君 もう一つ、このいただきました第四に、新たに割賦販売審議会の章条を設けることになったわけです。そこで、ここに書いてありますのは、その設置、所掌事務、組織、任期、勤務、これは省令への委任に関する規定を設けると、こうありますけれども、この割賦販売審議会の構成ということについては触れてないのですが、それはどういうところでおきめになりますか。この点伺っておきます、審議会の構成です。
#25
○衆議院議員(岡本茂君) 審議会の構成でございますが、大体割賦販売業者とあっせん業者、それに消費者、学識経験者、これらのうちから適任者を選定する、その人員の配分等につきましては全体のバランスを考えて公正を期する、こういう考えでいるわけであります。
#26
○近藤信一君 次に、第三十条の証票、すなわちチケットによる金融、これは原案では六カ月の猶予期間をもって禁止することになっておりましたが、これを一年の猶予期間ということに修正されましたが、チケット金融禁止については、いろいろと賛否両論が今まであったと思うのです。そこで相当問題にされたと思うのですが、この六カ月を一年間の猶予期間ということにされました理由、これはただ短かいからまあ半年くらい長くすればいいんじゃないか、こういうふうな簡単な理由であるか。それとも、まだほかに何かの理由があって、この半年間ということを延ばして修正されましたのかどうか、この点伺いたいと思います。
#27
○衆議院議員(岡本茂君) このチケット金融業者というのは、現在東京、大阪で八百数十名ありまして、その融資の額は七億ぐらいに達しておるのでございます。従って、これを一時に禁止するというようなことになりますと、影響するところは、すこぶる大きいのでございまして、これは大部分は回収不能に陥らざるを得ないのじゃないか、かように考えるわけでございます。
 従って、これは相当整理期間をおいてやらなければいかぬだろう、その整理期間は半年がいいか一年がいいかという問題でございますが、大体チケットをカタにとっての金融でございますから、実質的な担保もない。従って、短期の間に回収することは容易でない。何回もころがしていかなければ回収を完了しないのじゃないか、それにはまあ一年ぐらいの期間を見なければいかぬのじゃないかということで、こういう修正を加えたわけでございます。
#28
○近藤信一君 私はただ、この三十条のところのチケットの問題で、この期間だけを延ばしたということでなくして、これは中村さんもよく御存じだと思うのですが、信販とチケット業者との両者の問題は、いろいろとあって、両方からも、いろいろと私は陳情があったと思うのです。
 そこで、この三十条の問題については、特にチケット業者は、強く修正を要求されておったと思うのですが、この点に触れられていないということは、何かそこに問題がありましたですか。この修正を触れなかった、他面修正はされましたが、この点については、修正はされなかったという点でございます。
#29
○衆議院議員(中村重光君) やはりチケットを質入れをする、まあこれを担保にして金を借り入れるというふうなことは、これは正しくない。やはりこれは原案を認めなければならぬと私どもは考えます。しかし現にチケットを質入れをしている、これを担保にして金を貸しているという金融業者がおるわけでございます。これに対しましては盆、正月といった月給取りのボーナスの期間ということもあるわけですから、そういったような点と、これから商売をやらないその整理期間という形で、どうしても二回ぐらいのボーナスの期間というものがかかるようにしてもらわなければならぬといったような、もろもろの陳情があったわけなんです。その陳情によって動かされたというわけではないのでありますが、これから新しい営業をやらない、単に整理をするということだけであるから、これは半年を一年に延ばすということは、この法そのものを乱すことにはならないのじゃなかろうか、整理期間として、それだけの余裕を与えるということは差しつかえないのではないか、こういう結論に達しまして、半年を一年に延ばしたということでございます。
#30
○近藤信一君 最後に、これは修正と、あまり関係ない問題でございますが、付帯決議について、信用保険のことがありますので、これは一体、どういう形のものをお考えになっておられるか、ついでに教えていただきたいと思うのですが。
#31
○衆議院議員(岡本茂君) 割賦販売業者が貸し倒れ等のために損害をこうむるという場合に、これの損失を補てんする道を講ずる必要があるわけです。これは割賦販売の健全なる発達をはかるためには必要だと思うわけであります。
 そこでまず、その補てん制度でございまするが、先ごろ衆議院を通過いたしました機械類の賦払信用保険制度というものがございますが、大体まあ、あれに類似したような方式の保険制度ということをわれわれは考えておるわけなんです。
#32
○椿繁夫君 近藤委員もお触れになりましたが、一点だけお尋ねをいたします。
 この法律は、原案では流通秩序の円滑化と健全化ということだけがうたってありましたものを、衆議院の方で修正を願いまして、第一条の二項として、「この法律の運用にあたっては、割賦販売を行なう中小商業者の事業の安定及び振興に留意しなければならない。」ということが追加せられ、そしてこの審議会の制度ということが追加されたのでありますが、従って、私は、審議会の構成、その委員は、通産大臣が任命をし十人となっておりますが、付帯決議の中で、一般小売商業者並びに消費者の代表をそれぞれ任命することとございます。この十名のうち、小売商業者並びに消費者の代表を、どういう比率でお選びになる腹案ですか。相当数入れなければ――せっかく第一条に、原案になかった点を御心配になって、中小商業者の事業の安定と振興ということに留意をするようにということを追加された修正の御趣旨は、私も賛成であります。そうなりますと、この多くの部分が政令にまかされ、あるいは審議会の今後の答申にかかるわけであります。その際に審議会の構成ですね、小売商業者の代表、消費者の代表を入れるようにせよということはございますけれども、十名のうち、どのくらいお考えになっておりますか。
#33
○衆議院議員(岡本茂君) その点は、先ほど近藤委員の御質問に対してお答えしたときに申し上げたように、この委員といたしましては、販売業者、それにあっせん業者、それから消費者、なお学識経験者を加えると、こういうことでございますが、どの部門から何名ということは、まだきまっていないわけでございまして、大体、全体のバランスを見て適正なる配分を行なうべきものと、かように考えておるわけです。具体的にどんな比率ということまでは決定していない。
#34
○衆議院議員(中村重光君) 当初私どもの修正案には、人数を書きました。大体消費者、販売者が同数、学識経験者、こういう形で実は修正案を出したわけであります。この種の審議会を法文化する場合に、そういう区別を書くということが、実は例がないのだというような説明等もございました。いろいろ注文もつきました。たとえば消費者代表としては、消費生活協同組合の代表である、あるいは婦人団体である、そういうもの、販売業者といたしましては、チケット業者である、あるいは専門店会も入るわけでありますが、中小企業の個別割賦である、そのような人たちに入ってもらう。全体のバランスをとって、この委員の任命をしてもらう、こういうことを強く注文をいたしました。それで、この中では何名というようなことにいたさなかったのであります。
 質疑の過程におきましては、そのような内容でありましたので御了承を願いたいと思います。
#35
○椿繁夫君 なるほど法律に学識経験者何名、商業者何名、消費者代表何名を合わせて十名、こういう法律はなかなか、それはできにくいだろうと思いますけれども、せっかく衆議院で御修正になり、しかも、一条を設けて審議会の制度を作って公聴会をはずす、こういうことになれば、その消費者の意向をこの運用にあたっては、やはり十分取り入れる、小さい業者の意向も十分にくみ入れなければならぬ、そういうことから一条に対する二項の追加があり、さらに今度の審議会の構成などが行なわれたのでありますから、法律の条文の中に人数を入れることは、あるいは立法技術上できないかもわかりませんけれども、そういうお話はあってしかるべきだと思うし、また、御相談もあったのだろうと思います。
 そういたしませんと、近時、審議会の委員の任命にあたって、当然入れなければならぬ人を入れてなかったり、また、従来入っていた者が削られて、だんだん御用的な内容に変わってきつつある傾向を見ておりますから、よほどバランスのとれた審議会構成にしなければならぬということを考えますので、これを重ねてお尋ねするわけであります。
#36
○衆議院議員(中村重光君) 先ほど私が答弁をいたしました通りでありますが、質疑の過程におきましては、そういうことが論議されたし、なお、それだけでは足りないということで、付帯決議の中に、特にこのことに対しましては触れたわけであります。
#37
○椿繁夫君 政府はちょっと、おられますが、今の問題、これは、あとでもいいようなものですけれども、話のついででありますから、この機会に、こういう衆議院の修正並びに条文について、どういうふうな審議会の構成にしなければならぬとお考えになりますか。
#38
○政府委員(松尾金蔵君) 衆議院におきましての付帯決議の趣旨は、もちろん十分尊重いたしまして、運用する場合に考えていきたいと思います。また、事実問題といたしまして、このような法律の運用にあたりましては、当然消費者代表、また割賦販売に関係の小売商の代表、その意見を十分取り入れなければならぬことは、いわば当然のことでございます。私どもも、特にそのような御発言を待たずして、当然そういうつもりでおります。消費者代表、小売商代表、あるバランスをとって入れるつもりでございます。
#39
○吉田法晴君 一点だけお尋ねしておきたい。
 衆議院の修正をしていただきました委員の方、おいでいただくのもこの機会しかないと思いますから、一点だけお伺いいたします。
 それは、前払い式月割賦販売の場合、動産といいますか、品物が消費者に渡される前に全部払ってしまわなければ、所有権を移転しない、こういうような規定になっておって、民法の動産の即時取得の重大な例外になっている。そういう点では、法理的にも問題がある。それからほかの商慣習を見ておりますと、大体半分ぐらい払えば、所有権を移転するというのが実情じゃないかと思います。これを詳しく述べるひまはありませんが、それを、全部払わなければ所有権を移転しないというのは、私は特例中の特例と思う。その点についての御論議があったようですが、この点は修正されないで、前のままになっているのは、どういう理由であったのか、そうして修正された中村さんに、その点一つ御説明いただきたい。
#40
○衆議院議員(中村重光君) 御質問の点は、前払式割賦販売ということよりも、むしろ個別割賦販売の第七条の所有権移転の留保ですね、これの推定ということに、むしろ問題がある、このように考えるわけであります。
 前払式割賦販売ということになりますれば、両者がこれを契約いたしまして、代金の全部または一部というのを前払いするわけであります。現在の割賦販売が伸びておるという状態の中で、よほど購入者に好条件がない限り、品物を引き取る前に、わざわざ代金の全部または一部を払い込み、あとで品物をもらうという購入者はほとんどないと思います。私たちが前払式割賦販売を特に問題にいたしましたのは、この大企業のいわゆる系列下の業者というものが、好条件をもって消費者に、中間経費を除いて消費者に安く品物を売る。消費者は、なるほどこれは安いものが入りますので非常に喜ぶわけでありますけれども、個別割賦販売の中小業者というものが、そのために痛めつけられるということで、前払式割賦販売の場合を心配をいたしまして、先ほどの修正に触れたのでございます。所有権の問題は、前払い式割賦販売は、そのような前提条件がございますので、私どもは大して問題にしませんでした。むしろ第七条の所有権の留保の推定というのは、御指摘の通り、私どもそのように考えるわけでございます。まあ判例からいたしましても、まだはっきりした所有権留保の推定が、これが正しいというような的確な判例が出ておりません。また学説も二分いたしておるのでございます。従いまして、特にこの条項では、所有権留保の推定ということが書かれております。このことを私どもが翫味いたします場合に、やはりここで販売契約が成立をした、その金は、あとで払うか、金はどういう形で払っていくかという、そういうことは方法論の問題であって、すでに販売契約が成立したときに、所有権自体は購入者の方に移るということに見なすことが正しいという議論が行なわれる。いや、そうではなく、やはり金を払ってしまわないのだから、その品物を購入者の方に移してしまうというのは、これは途中であるとか、あるいは代金完済後であることの方が正しいのではないかというような、もろもろの議論がされたわけでございます。しかしながら、あらゆる角度から検討いたしまして、所有権留保の推定は、原案の通りこれを認め、行政指導等において、十分この点に問題が起こらないようにやってもらう。こういうことで、先ほど申し上げました第四条の書面の交付の中において、これを明確にしておる、こういうことで、トラブルを起こさないようにしていくということがよろしいのではなかろうかと、こういうことで、実は落ち着いたのであります。
#41
○委員長(剱木亨弘君) 別に御発言もなければ、衆議院の修正案提出者に対する質疑は、これにてとどめます。本案の質疑は、次回に譲ります。
  ―――――――――――――
#42
○委員長(剱木亨弘君) 次に、原子力損害の賠償に関する法律案、原子力損害賠償補償契約に関する法律案、以上二案を一括議題とし質疑を行ないます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#43
○吉田法晴君 時間が十分ございませんので、要領よく答弁をしていただきたいと思います。
 問題の第一は、この前参考人、来ていただきましたときの問題になった原子力災害の範囲の問題に対して、アイソトープによる災害については、この法律の範囲外だと、こういう御答弁があったわけです。これについて、どういう手当をされるつもりであるのかまず伺いたい。
#44
○政府委員(杠文吉君) アイソトープにおきまして、はずしましたと申し上げましたのは、まだ第三者損害というものが考えられない国内における使用状況でございますので、そこではずしたわけでございまして、そのときのいろいろ損害につきましては、普通のやはり民法上の不法行為等の場合ならば、もちろんその通りでございますし、民法上の適用でいくということに相なると考えております。
#45
○吉田法晴君 これは後発性の症状、それからいわゆる遺伝的なもの、それからこの前の一柳参考人の言われた土地建物の汚染等、そのときに事故が起こったけれども、被災の状況が表に出ないもの、こういうものと関連をいたしますからお尋ねをしたわけであります。たとえば白血病なら白血病になるということであれば、これはあとからおくれても、そのときに、とにかく発見されたということで問題になると思うのですけれども、そういう現われにくいところの、あるいはずっと後になって現われる、あるいは被災は十二レム前後である。そういうものを、災害として認めるかどうか、こういう問題と関連をいたしますので、それらを含むという点は、これは直接損害であろうと、間接損害であろうと、全部みるということですから、その抽象的表現では差しつかえはないわけですが、それらを、それは損害の範囲に入れるのだ、問題のありますところを入れるのだという点を解釈法規と申しますか、あるいは政令で入れるとか、疑いないようにしておかなければならぬと思いますが、そういう措置については、どういう工合に考えておられるか。
#46
○政府委員(杠文吉君) ただいま、いろいろ例をおあげになりましたのでございますが、それらの場合等、確かに原子力災害の範囲として考えなければならない例ばかりでございます。今後原子力災害の種類あるいはその評価等をいたしますために、原子力委員会におきまして、現に発足しております原子力災害補償部会というのがございまして、その補償部会の議題といたしまして、十分に検討して参りたいというふうに考えております。
 そして、もしもその検討の結果、おそらくはその範囲として入るとは予想されますが、入るということでございましたならば、その際に、はっきりと解釈を確立するような措置を講じたいと考えております。
#47
○吉田法晴君 その措置は、どういう方法でおやりになるかということを最後にお尋ねをしたいのですが。
#48
○政府委員(杠文吉君) その措置につきましては、本法を施行するにあたりまして、施行のための政令を出さなければならないというのが、第一の問題でございますが、その施行政令の中に載せるとか、あるいは、この施行のための規則を詳細にわたって規定しなければなりません問題がございまするから、その規則の中に載せるというような方法を取りたいと考えております。
#49
○吉田法晴君 第二の問題は、因果関係の問題ですが、事故があった場合、あるいは事故その他のとにかくオッカランスといわれるような事態があり、それから今問題にいたしました広範囲の災害があった場合に、その原因と事故、それから事態を含みまして、原因と結果との間には、因果関係の推定がなかなか困難だと言われましたけれども、これを法上推定をするなり、あるいは擬制をするなりということが必要だと思うのですが、その推定なり擬制の措置は、どこではっきりせられますか。今のような、あるいは政令なり規則でやられますか、その点が無過失賠償責任の中の重要な要素だと思うのですが、その因果関係の推定なり擬制をどういう方法で法上はっきりされるかという点を承りたい。
#50
○政府委員(杠文吉君) たとえば放射線の障害でございますから、これは放射線を何レム以上受けた場合には、そのための損害として、症状には現われなくても、当然に後発あるいは続発等において、そのような症状が現われるということは考えられますので、たとえば何レム以上受けたものにつきましては、当然にその間に因果関係があり得る、その後病気をしたというようなことがございましたら、当然に、その何レム以上受けたことによるのだというような推定を立てるというような方法を取りたい。それは同じく規則等において、当然うたわなければ、客観的なことに相なりませんので、そのような措置はとるということをお答え申し上げておきます。
#51
○吉田法晴君 先ほどあげました中で、この前の参考人の口述の中にも出て参りましたけれども、土地、建物の汚染等は、これは含まれるわけですね。
#52
○政府委員(杠文吉君) もちろん含まれると考えます。人的のみならず、物的ということも考えております。
#53
○吉田法晴君 第三の問題は、補償の第一が責任保険、そうして保険でカバーできない理由に基づくもの、あるいは事案については補償をすると、こういうことですが、自動車損害賠償保険等を見ますと、保険会社が、これは国内のもの、あるいは再保険を含みまして、保険でやはり一応損をしないように査定をすると申しますか、原因、それから因果関係、それから責任の範囲、こういうものを一応査定をするんだ、そのことが、国の補償も、いわば責任保険を補償するような直接の形になっているだけに、それが国の補償に影響をしやしないかということが心配されるわけです。そういう心配はないとおっしゃられますか。あるいはその範囲等について、政府の補償が万全を期せられるように、どういう工合に補償の完全についてされますか、承っておきたい。
#54
○政府委員(杠文吉君) ただいま御質問の要旨は、補償と保険との関係というふうに受け取ってよろしゅうございますか。――もちろん補償と保険というものは、相関関係は十分にございます、ございますけれども、補償ということを考えましたのは、保険の穴埋めということでございますから、たとえば地震、噴火等によるところの原子力損害、あるいは正常運転によるところの原子力損害等でございまして、いわゆる保険の対象外にされているものについてのみ考えます。しかしながら、その間の相関関係と申し上げましたのは、保険の関係におきまして、いろいろの要素を取り上げております。そうして、この要素については、これは会社内の秘密事項に属するようでございますけれども、この要素については何点与え、この要素については何点与える、従って、このような保険料というものがかけられる、ということに相なっておりますから、その要素に当たるものにつきましては、また従って保険金額の支払いというものは当然になされるというふうに考えられます。それと同じような要素について、やはり補償料においても取り上げていくというふうに考えております。
 従いまして、相関関係であると同時に、それは補完の関係に相なるというふうに考えております。
#55
○吉田法晴君 一般的な問題じゃなくて、保険が免責事由とした後発性障害であるとか、正常運転であるとか、そういうものを国が補償するというのはわかっているのです。そうじゃなくて、保険が一々査定をいたします。あるいは因果関係とか、責任の範囲について、保険がかりに査定をして打ち切ったとしても、政府は、その保険が全部カバーできないものは独自に調査をする。そうして、その全損害について補償をするという責任をはっきり負うか、こういうことです。
#56
○政府委員(杠文吉君) これはどうも、私の受け取り方が少し足りませんで相済みませんのでございますが、やはり保険会社にまかせる――査定はすべてまかせるということはいたしませんで、原子力委員会の損害補償部会におきましても、平素からいろいろな要素を取り上げまして、その評価等を行なっておく、そうして万一の場合に備えるという措置を講じます。同時に独自の調査をいたすこともいたしますし、またこの場合に、紛争等が起こりましたときには、この法律の規定しておりますように、紛争審議会なるものも設けまして、そこに特別委員等も任命いたしまして、災害の査定等をいたすということに相なっております。
 従いまして、保険会社にまかせっきりというようなことはいたさない。だがしかし、あくまでも、それは保険会社に、政府側から要求をして出させるというような措置は、第一次的には講じますが、どうしても保険のみるものでない、その境界線であって、見るべきものでないというような場合におきましては、やはり補完的関係にあるところの補償契約によってみる、国がみるというようなことにいたします。
#57
○吉田法晴君 そういたしますと、今の場合には、保険でも、保険の対象になるものについては、範囲その他についても完全を期させるが、――それが第一。もし保険で全部カバーできなければ、独自調査した範囲について、政府が補償するということですね。
#58
○政府委員(杠文吉君) その通りでございます。
#59
○吉田法晴君 次の問題は、補償の基礎です。補償料の算定については、全然規定なりが今まで述べられたこともございませんが、どういうふうに計算をされ、そうして補償に万全を期せられるか。
#60
○政府委員(杠文吉君) 補償料の算定基礎といたしましては、まず第一に問題になりますのは、原子炉の型式でございます――形式でございます。それと熱出力、またその用途、たとえば研究用であるか、発電用であるかというような用途、あるいは核燃料を、いろいろな燃料を用いますので、天燃ウランの燃料であるか、あるいは濃縮ウランの燃料であるか、あるいは炉の核的な、あるいは熱的な特性ということがございます。その特性、あるいはその施設の総体的な危険度ということを考えます。また次には周辺人口の密度、動産、不動産の価格、あるいはその気象条件、河川、湖沼、地下水など、その施設のいわゆる立地条件、また三番目には、運転及び保安に関する事項、これは保安規定等を設けておりますけれども、その保安規定の内容等につきまして、また廃棄物処理の方式、廃棄物はどのような処理の仕方をするかというようなことを要素として取り上げまして、保険の料率とも十分に相関関係を持たしつつ決定していくということでございます。
#61
○吉田法晴君 そうすると、問題は補償の性格にもなりますが、補償料をとって、いわば国がやるけれども、保険的な性格なのか、それとも、補償料は手数料みたようなもので、それで填補すべきものは、補償料のいかんにかかわらず填補すべきものか、本質は、国の費用で損害の全部をまかなう、こういう、補償の性格とも関連をいたしますが、その点はどういう工合に考えますか。
#62
○政府委員(杠文吉君) これは国家保険的というふうに御理解いただけばいいかと思います。と申しますのは、先ほど申し上げておりますように、保険の補完でございますから、保険と全然離れたところの制度としては考えておりません。従いまして、私企業によるところの保険、それから国家によるところの保険というふうに取り扱っていきたいということでございます。
#63
○吉田法晴君 そういたしますと、これはまあ事故が起こらないことに、災害が起こらないことに最善の努力をする。そのための措置、体制等について最善を期していただくように、この問題については一番最初にもやったわけですけれども、万一あるいはその確率が一千万分の一であろうと何百万分の一であろうと、その場合にも心配はないのだ、完全な補償をするのだ、こういうことで、事故が起こらないようにという体制として損害賠償制度ができておるわけですが、ところがその様相を考えますと、深刻にして広範、それから直接間接損害、あるいは間接損害の中の精神的損害もあり、あるいは一番最初に申し上げました遺伝的なもの、後発的なもの、あるいは人間あるいは物を含めて相当潜在的なあれもあり、それから給付金についても、一時金で済ませられるようなものでもない。そうすると、保険、補償を一本にして、保険は民間が補償する、あるいは補償関係は国がやる、こういうことでなしに、一本で、あるいは公団でやるのか事業団でやるのかわかりませんが、国が全責任を負うという体制で、しかもあるいは五十億をこすかもしらん、可能性については、一兆円もこすという確率も例としては出ているわけですし、それからそれを長期にわたって給付しなければならぬものもあるということになれば、民間保険、あるいは国の補償というものも保険的な性格を持っておるというならば、一本にして、補償体制の万全を期するということが私は当然出てくる構想だと思うのですが、いかように考えられますか。
#64
○政府委員(杠文吉君) 確かにお説のように、なるべく補償体制は単一化するということは当然のことでございますけれども、ただいまのところ、日本におきますところの保険の能力というものが限度がございまして、興国の方へ大部分再保険せざるを得ないというような状況にございますので、そこで英国の保険事業としましては、やはり私企業の体制でございますから、日本における保険会社との結びつきということを考えておりまして、その保険がどうしても英国の保険においても見ませんものにつきましては、やむを得ず、今の国家保険的な補償契約を結び、それによって完全賠償を行なおうということでございます。
#65
○吉田法晴君 法案の制度を、完全なものでないということはお認めになったようですが、この点については池田大臣、担当大臣、これはだれが考えてみても、これで万全だとは言えないのですから、今後の体制、制度の問題については検討をする用意があるかどうかお答えいただきたい。
#66
○国務大臣(池田正之輔君) 御承知のように、放射線障害につきましては、これはいろいろな場合がございますし、また先般来しばしば問題になりましたように後発性の障害でありますとか、それから病気の多様性でありますとか、それから遺伝というような影響等、そういう特殊性があり、また放射線障害を業務上生じたものであろうというようなことや、それから放射線の被曝によって起こったものであるかどうかということも、その関係の程度や療養を要するものかどうかというようなことにつきまして、認定上かなり困難な問題があるわけでございます。これらの特典性に対処するためには、これは当然放射線障害の認定権者の補佐機関につきまして、医学的な診断のほかに健康物理学でありますとか、あるいは放射線衛生医学でございますとか、そういう総合的判断を可能とするように配慮することが当然でございまして、それに従って従業員の身体状態、つまり健康状態等に関する過去のいろいろなデータですね、これを記録いたしまして、被爆量と、これを関連して、そういう資料を常に用意していくということが非常に大事なことだと思います。従って認定基準の具体化については十分これは検討し、これからも努力したい、こう考えております。
#67
○吉田法晴君 読み上げる資料が違っておりますよ。
#68
○国務大臣(池田正之輔君) それから国際条約につきましても、先般来、この間も国際条約についての会議がございましたが、これはこれからしばしば開かれるであろうところの会議におきまして、各国がこれを鋭意研究を進めておりますので、十分わが国といたしましても考慮し、これに対応していくという体制はとっていきたいと、かように考えております。
#69
○吉田法晴君 これは保険とそれから保険でカバーできないものは国が補償するということになっているが、範囲は広範囲にして深刻、しかもそれを国が全部見る、しかし第一次は保険が見るということになっているならば、民間の保険と国の補償制度とを一本にして、一時金でなくて長期給付等も必要であるから、この制度については一応これはこれで認めるけれども、今後補償制度の点については、金額もありますが、さらに万全を期するために検討を加える用意があるかどうかということを聞いているのであります。
#70
○国務大臣(池田正之輔君) 御承知のように世界各国におきましても、また日本におきましても、特に民間保険を大体主体としてやっており、また考えているわけであります。それでなおかつ足りない部分については国家がこれに対して当然できる限りの補償ないしは援助をするという考え方でございます。
#71
○吉田法晴君 原子力局長なり政策課長なり、あなたのスタッフは、足らぬところがあって、もっと改善すべきであると言われるのだから、それを認めて鋭意研究努力すると言われれば、これはあなたの答弁にはなるが、(笑声)質問と答弁が一緒にならないのですが……。
 次の問題は、いわゆる延長の制度によってカバーすべき部分ですが、巨大な地震、噴火等自然災害、あるいは動乱に対しては、これは免責条項になっておりますから、原子力事業者の責任は問わぬ、これは国も保険もカバーしない、補償しないということになっておりますが、ただ災害の拡大の防止に努力するとか、あるいは救助について努力をするということは、これは天災の場合の災害救助と本質的には法的な性格も変わらないし、それから措置についても、今までのようなあるいは毛布を支給するとかバラックの建物を建てるとかというような従来の救助措置ではいかぬ部分が相当にあると思われるが、この救助なり災害防止の方法については、どういうふうに今後考え、あるいは法的な措置をされていこうとしているのか、その点をお伺いしたい。
#72
○政府委員(杠文吉君) ただいまの御質問は第十七条と第三条との関係が一つございます。そういう場合はもちろん災害救助法の御指摘の通り発動がございます。普通の災害と違いまして、相当に災害が長期化して参ることもございますので、そのような場合には単に一時的に金を、一時金を渡すとか、あるいは毛布等その他とりあえずの物品を被害者に対して与えるというようなだけでは参りませんので、やはりその長期にわたるところの療養等は十分に見ていくというふうにいたす考えでございます。
#73
○吉田法晴君 長期療養を含んで災害救助法といわれますが、それはたとえば災害救助法の特例でいかれるのか、あるいは原子力損害賠償法の中に規定せられぬとすると、どこでとにかくそういう具体的な措置をきめていかれるのか、あるいは書いていかれるのかということをお尋ねしたい。
#74
○政府委員(杠文吉君) やはり災害救助法の発動においても足りない、また長期療養の措置等をいろいろ考えて参りたいと申し上げたのでございますが、それらの補償といたしまして、やはり特別の立法が必要であるというようなことにも相なろうかと思いまして、そのような際にはやはり当然にまた立法措置を講じまして国会の御賛成を得なければならぬというふうに考えております。
#75
○吉田法晴君 そしてその精神は少なくとも国の補償と同じ程度にはやりたい――これはこの原子力損害の対象である国民、それから原因については、この異常な云々というのですけれども、やっぱり法の目的云々の点からいけば同じでありますが、その内容については、補償といいますか、国が起こった事態についての救助あるいは災害の防止について最善を尽くし、心配をかけないという精神からいえば、補償とこれは近いものになるだろうと思うのですが、その点はどうですか。
#76
○国務大臣(池田正之輔君) この補償の問題は御承知のように、先ほども申し上げましたように、国際的にもまだ意見がまとまっておりません。ついこの間ジュネーブで開かれた会議においても、結論が出ないままに実は帰ってきているような状態でございます。しかし、だからといって、こういう法律案を皆さんに御審議を願う場合に、われわれの態度といたしましては、当然にこれはあらゆる場合を想定して実態に即して、今後も、不備な面もあるかもしれませんけれども、そういうような血はどんどん御指摘願えれば、これをどんどん修正し、つまり実態に即した賠償、そうして一人の被害者もなくする、つまり、泣き寝入りをなくする、国家が救助の手を差しのべるというのがこの精神でございます。
#77
○政府委員(杠文吉君) ただいま精神について大臣からいろいろ申し上げましたのでございますが、吉田先生の御指摘になりましたように、やはり異常、巨大なる災害の場合におきましても、国は特別立法等をする際には、当然にこのただいま御審議願っておりますところの損害賠償法と同様の立法をいたすべきだと考えております。
#78
○吉田法晴君 次の問題は紛争審査会ですが、紛争審査会の構成なり機能、それらの点について構想、考え方があるならば承りたい。
#79
○政府委員(杠文吉君) 各界におけるところの権威者、すなわちたとえば医学界から、あるいは保健物理学界から、あるいは原子炉の権威者、それからあるいは法律問題もございますので、法律学者であるとか、いろいろな方々に審査員をお願いいたしまして、そうしてこの法律に書いてございますように、原子力損害の賠償に関する紛争についての和解の仲介、あるいは必要な原子力損害の調査、評価等を公正、妥当にやってもらうという考えでございます。
#80
○吉田法晴君 最後に、一番問題の賠償の補償とそれから労災の問題です。従業員の災害の問題です。――いや補償じゃない、援助の問題について、援助の性格は、参考人に伺いましたときに明らかになりましたように、これは法的な責任ではないわけです。そうすると、法的には救助と大して変わらぬ性格を持っておるのですが、それを先ほど長官から言われたように泣き寝入りをさせないように、完全に補償をしたものと近からしめる、こういうことになりますと、言明だけでなくて、実際にそれが完全に補償されるに近い具体的な体系を作っておかなければならぬと思うのです。一番いい方法は修正をすることでありますけれども、修正ができないとすれば、修正が間に合わぬとすればそれにかわるべき制度をちゃんと作っておかなければならぬと思う。補償部会のところでありますとか、あるいは法案を推進してこられたところでは、国の補償とすべきであったのですが、五十億で補償が切られた。そこで国会の議決と、それからその議決によって権限を与えられた政府が法律の目的を達成するため必要があると認めたときは、その権限の範囲内で行なうものとする、こういうことになっておる。それでもなお足りない心配があるから、委員会から意見書を出すことができる、こういうことになっておるわけでありますが、しかしその意見書というものも、これは法律的な拘束はない。あるいは制度的な拘束はない。そうすると損害の全額について、あるいは賠償の支払い計画について、その他損害の全部が補償を支払われるに近いように態勢を整えておかなければならぬと思うのですが、これは最初からの課題でありますが、どういうように考えてこられたか、承りたい。
#81
○国務大臣(池田正之輔君) 吉田委員の御心配になることは、これは当然でございまして、ただいまの御趣旨を体しまして、十分に施行、政令等に盛り込んでいきたいと、かように考えております。
#82
○吉田法晴君 具体的に政令に盛り込む内容はどういうように考えておりますか。
#83
○政府委員(杠文吉君) やはり意見書につきまして、たとえば被害の総額でございますとか、あるいは災害の状況についての明細な事項等につきまして当然に盛らなければならぬ、その意見書には一切書かれなければならぬというような規定の仕方をしたいというふうに考えております。
#84
○吉田法晴君 この総額については、おそらく項目別に出されるだろうと思うのですが、その賠償の支払い計画についてはどうですか。
#85
○政府委員(杠文吉君) 支払い計画につきましても、今後やはり検討をしていき、具体的にしておきたいという考えです。
#86
○吉田法晴君 法案審議を始める前に伺いましたところによると、国会の議決によって政府に属される権限の範囲内で具体的になされる財政的な措置とはどういうものかということを、これは私、尋ねましたところが、予算措置、あるいは財政投融資、あるいは一般市中銀行の金融あっせんと、こういうまあ説明を聞いた。これは衆議院段階で説明をされたわけですが、財政的な融資だとか、あるいは一般的市中銀行の金融あっせんとかいうものは、これは借りる金をあっせんする、国が責任をもって出すというわけでありません。それはまあその例として、一億を越した場合とか、あるいは万を越した場合に云々という話がありましたが、それは原子力事業者が保険の担保を含めて事業主が支払い得る範囲内であればそうかもしれない。しかし、問題になりますのは、その支払い能力あるいは担保能力を越す、あるいは補償を越した分でありますから、当然にこれは予算措置でなければならないと思う。その予算措置がどれだけの災害に対してこれだけの金額になる。その支払い方法はこうこうだ、こういう明細がはっきりしてなければならぬと思うのですが、それは予算措置のみを中心にして今のような支払い方法が意見書に出、それが国会の議決になるだろう、それから政府の予算になるだろう、こういうように考えられておりますかどうか、どうですか。
#87
○政府委員(杠文吉君) その通りでございます。
#88
○吉田法晴君 最後に、労働者の災害補償問題ですが、この法律によって労災にまかされておる。で、労災でまかなえないだろうということは、これは科学技術庁も、それから労働省も、これはお認めになったところです。で、問題点は認定の基準の問題、それから因果関係の推定あるいは擬制の問題、それから予防を含めて治療、療養の内容、その療養について万全を期するための態勢、態勢については若干この間触れました。特に放射線障害を含んで原子力災害を職業病の中に入れるかどうか、その職業病の中に入れる範囲、それからその補償の問題、これは労災補償保険に関連があると思うのでありますが、それの問題、特に後発性の障害、あるいは無精子になるとか、あるいは奇形児が出るとか、こういう問題については、今の労災ではもちろんまかなえません。それらの点をどういう工夫にするか、ここで具体的な問題点と、問題点解決の方法を明らかにしていただかなければ、私どもはにわかにこの法律に賛成しがたいということも申し上げてきたわけであります。打ち合わせられての結果を一つ御発表願いたい。
#89
○政府委員(杠文吉君) 労働省の方から次官もお見えになっておりますことでございますから、お答えを願うのが本筋だろうと思うのでございます。あとでお答えをいただこうかと思っておりますが、私の方といたしましては、やはりただいまおあげになりましたような遺伝的影響等につきましては、現行の労災において取り上げることはできませんので、そのような点につきましては、今後いかように扱うかということにつきまして、十分に労働省との間に打ち合わせを遂げて、そうしてそのような災害につきましても、従業員災害につきましても救済し得るような措置を検討して参りたいというふうに考えております。
#90
○説明員(村上茂利君) 私ちょっと御質問を拝聴しておりませんので、的違いの答弁になるかとも存じますが、労災保険ではいわば労働者のこうむりました所得能力の損失を填補するという制度でございます。従いまして、労働者が被曝いたしまして、業務上の疾病等と解せられるような状態になりました場合には、労災保険によりますところの療養補償を行なう、で、なおるまで長期にわたって給付をするということになりますが、遺伝とか、胎児とかというお話があったようでございますが、この問題につきましては、当人の労働者自体のこうむりました労働能力の喪失度合いに応じました所得能力の減少しました部分を填補する、こういう制度でございますから、この何と申しますか、生殖能力の減耗であるとか、胎児の問題が所得能力にどのように影響したかということは、労災保険法の建前から申しまして、にわかにこれを採用するということには、理論的にも非常な困難があると思います。
#91
○吉田法晴君 労災に関連いたします問題に入る前に、労災と認められない被曝の何といいますか、三レム以上でしたか、被曝について、これは団体交渉の範囲内ですが、合意に達し、理事長に提出をしてあるという問題、それから今のこれは無精子云々という点は労災に関連をいたしますが、これはあとでやりますが、労災ではまかなえないものがあるだろうという点は、この前の参考人のあれからいっても、それから今の労災補償部長の話からいっても、あれでありますが、それらの点についてはどういう手当をするつもりなのか、労災に関連する以前のもの、あるいはその以外のものについて伺いたい。
#92
○政府委員(杠文吉君) ただいまおあげになりました三レム以上被曝したものにつきまして、どのような措置をとるかというようなことでございますが、これは日本原子力研究所におきまして、そのための研究の会合を持っております。その会合を持っておりますが、まだ正式に日本原子力研究所の方から私の方へ連絡はございません。しかしながら、組合等その他から聞くところによりますと、そのような際には、やはり予防措置として金銭の給付等を必要とするのではないかというようなことでございますが、これは今後とも検討していくべき問題であろうというふうに考えております。
#93
○吉田法晴君 一つ答弁を落としましたのは、無精子、あるいは胎児、あるいは子供等の奇形云々という点は、これは労災の範囲に入りにくいところ、あるいは越すところ、それについてはどういう態度でありますか。
#94
○政府委員(杠文吉君) ただいま御指摘になりましたところの点につきましては、今後十分に検討はいたして参りますけれども、ただいま具体的措置としてどのような措置を講ずるか、また講ずる考えであるかということでございますけれども、残念ながらこのようにするのだということをお答えするまでに至っておりません。
#95
○吉田法晴君 それは従業員の原子力の災害補償について今後検討するということでそれは了承いたします。
 労災法に関連する部分でありますが、問題はこの前、あるいは参考人に来ていただいて論議をいたしましたところ、大体労働省も御承知だということです。大綱については打ち合わせられた上で、こういう点に問題がある、それから大体こういう方向でいこうという点については、科学技術庁と労働省とで相談になって、大体合意に達したと、こういうふうに聞いておる。文書は、「原子力関係従業員災害補償についての問題点」というものでいただいております。それで、これらの点については、少なくとも、ここまでは遺伝的な影響、胎児に対する影響等を含んで相談をされたと私は思うのです。だから少し今の労災補償部長の答弁は、これらの点について打ち合わせられた云々という点からいえば、不満足のようであったのでありますが、これは後刻相談をしていくということで了承をいたします。
 労災に直接関連をいたします部分は、職業病の範囲あるいは労災の範囲、それと放射能といいますか、あるいは原子力災害との関係、これはその範囲として塵肺とも関連がございます。労災の範囲をどこまで広げるかという問題が一つ、それからその点について職業病として、あるいは労災として範囲を拡大をしなければならぬという点はお認めいただいておるのだと思うのです。そうしますと、あとの因果関係の推定について、この間お話が出ておりましたのは、事故あるいは放射能の放出等があれば、平生記録をしておって、その放射能なり事故あるいは事態、こういうものと災害との間には、因果関係論証の方法が困難であっても、それは因果関係があるものと推定をしなければならぬ、あるいは法律上認定をしなければならぬ、こういう問題があるわけです。それを法上はっきりするということが一つ。
 それからもう一つは、療養と休業補償といいますか、生活の保障について、これは職業病あるいは塵肺その他についても、労災部長は、これは個人の意見かもしれませんけれども、足りない点が特にあるんじゃなかろうかという疑問は、この前御表明をいただいております。労災補償保険制度との関連もありますが、後発性あるいはその深刻さ、それから長期療養を要する。療養の方法にしても、今まで通りの療養であってはいかぬ。これはほかの職業病あるいは塵肺等にもあるかもしれませんけれども、きまっておる。栄養だけをやっておるというだけでは工合が悪い、あるいは輸血をしなければならぬといったような事態もある。そしてしかも、それが範囲が今までよりも広くなるのが考えられると一緒に長期的になる。それから本人、家族を含めて生活の保障問題について、もっと万全を期さなければならぬ、こういう問題があると思うのですが、それらの点について、認定基準の問題であります。どういうふうに検討をし、それから万全を期する御決意であるか、御用意であるか、それを承りたい。
#96
○説明員(村上茂利君) 幾つかの点がございましたが、まず第一に、職業病としての範囲という点からの御質問がまず第一でございます。職業病と申しますのは、法律用語としてははっきりいたしておりません。従来業務上の疾病の中で災害性の、突然の災害によりまして病気になるという災害性の疾病に対しまして、長期間特定の有害な職場で働くことによって生じますところの業務上の疾病を職業病と言いならわしておるのでありますが、現在の労働基準法上の建前から申しますと、労働基準法の施行規則の第三十五条に、第一号から第三十八号までの疾病名を掲げておりまして、将来新しい職業病が起こりましても、全部これを網羅できるような形になっております。従いまして、日本の場合は職業病の範囲が狭いじゃないかというのは、これは誤解でありまして、むしろイギリスとかドイツとかフランスの場合は、職業病を法律上限定列挙しておりまして、しかも、その疾病名と発生場所、特定の職場といったようなものを限定的に列挙しておりますので、新しい職業病が起きた場合に、そのつど法律を改正しなければならぬ。非常に手続上困難が生ずるわけでありますが、日本の場合は、労働基準法施行規則の第三十五条に網羅しておりますので、新しい職業病と考えられるものが発生いたしましても、この規定によりまして処理することができるわけであります。すでに原子力災害につきましても、労働基準法施行規則の第三十五条第四号の規定によりまして、「ラヂウム放射線、紫外線、エックス線及びその他の有害放射線に因る疾病」という疾病が業務上の疾病になるということを掲げておりますので、当然業務上の疾病として災害補償を受けることができるわけであります。ただ問題は、その場合に業務上であるかどうかという因果関係の判断の仕方でございます。原子力のみならず、職業病につきましては、その因果関係が非常に困難なるものが数多くあります。先生御承知のようなけい肺などもその一つでありますが、漸次、専門医師の協力を得まして、その医学的な因果関係を明らかにしたい、こういうことで努力しておるような次第でございまして、この原子力災害につきましても、今回の法案の成立を機といたしまして、われわれといたしましては、さらに業務上の認定基準をより明確なるものにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
 次に、御指摘の点では、補償の程度が足らぬのじゃないかという意味のお話がございましたが、私どもとしましては、疾病にかかった場合の療養補償の問題につきましては、これは各国と比較いたしまして、何ら遜色はないのでありまして、必要な療養をなおるまで継続して行なうという態勢は労災保険法でできておりますので、これは各国に比較いたしまして、いささかも劣るものではありません。
 それから休業補償の内容が低いのじゃないかという意味の御指摘がありましたけれども、これもドイツやフランスその他と比較いたしまして、また、ILOの条約の基準と比較いたしましても、これは決して劣るものではございません。
 ただ問題は、遺族補償につきまして、一時金制度が多少問題になるということをこの前の機会に申し上げたのでございますが、しかし、その問題は、原子力災害のみならず、全産業、すべての産業において問題になることでございますので、先般来先生が御指摘なさっておりますことは、私どもも十分了察できるのでありますが、事柄は全産業に関連する非常に重大な問題でございますので、この際、十分慎重に検討さしていただきたい、かような趣旨をこの前も申し上げたような次第でございまして、今後、われわれといたしましても、外国の法制等を参考にいたしまして、かつまた、経費を負担いたしますところの事業主の経済的負担能力なども総合的に勘案いたしまして検討を進めて参りたい、かように考えておる次第であります。
#97
○吉田法晴君 最後に、次官においでいただいておりますから、その件についてお伺いいたします。今の労災部長の答弁の中には、療養補償についてもあるいは休業補償についても、外国あるいはILO条約に比べてそう遜色はない、こういうお話ですが、この前参考人に来ていただきましたときに、原子力従業員の災害補償を含めて詳しい金沢さん、それからこれはけい肺の方の専門ですから日本の労災補償制度についてもよく御存じで、あるいは国外の制度についても御存じで、その金沢さん等もはっきり日本の療養補償、休業補償の態勢が労働基準法あるいは労災補償法で十分であれば労災法にまかしていいんだけれども、不十分だから云々というお話がございました。そこで、補償部会の答申の中にも、やはり今までの労災では不十分だとはっきり書いてある。そこで原子力災害なりあるいは労災補償制度全般について、これは再検討をし、完全なものにし、あるいはさらに万全を期するいい機会だと思います。私どももあとで決議をいたしたいと思いますが、労働省として、この原子力災害なりあるいは一般的な労災補償制度の万全を期するために検討をする用意があるかどうか承りたい。
#98
○政府委員(柴田栄君) ご指摘の点に関しましては、一応現状におきましてやや満足すべきであるという考え方も当局としては持っておるわけでございますが、いろいろ産業の伸展に伴いまする災害に伴う補償の実情等からいたしまして、御指摘のような点は、さらに検討を要する点があるかと、われわれも認めざるを得ないのでございます。特に長期給付あるいは遺族対策等も含めまして、安心して産業に従事していただくような規定を持つということはもとより当然でございます。労働省といたしましても、積極的に検討を続ける覚悟があることだけを申し上げておきたいと思っております。なお、原子力関係の事業に関しましては、まあ今後非常に急速に発展してくる産業分野と考えまするだけに、これに対しまする対策としては、できるだけ早期に的確な資料を整備して、対策に遺憾のないような進め方をいたしたいと、かように考えております。
#99
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか――他に御発言がなければ、両案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#100
○椿繁夫君 私は日本社会党を代表し、先日来の審議の経過にかんがみまして、次のような付帯決議を付して両案に賛成いたします。
    附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当り、左の諸点の実現に努力すべきである。
 一、本法の適用除外になっている原子力事業の従業員災害については立法その他の措置により被害者の保護に万全を期すること。
 二、賠償措置額をこえた原子力損害に対する国の措置については、被害者を全面的に救済保護できるよう遺憾なきを期し、特に原子力委員会が損害の処理・防止等に関し国会に提出する意見書については、被害総額は勿論災害状況を明細にすると共に、原子力委員会の意志を具体的に表示し、以って国会の審議に資するよう措置すること。
 以上を付帯決議として本法に賛成いたしたいと思います。皆さんの御賛成をお願いいたします。
#101
○川上為治君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま椿委員より提案の付帯決議案も含めまして本法律案に賛成いたします。
#102
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 原子力損害の賠償に関する法律案、原子力損害賠償補償契約に関する法律案、以上二葉全部を問題に供します。両案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって両案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました椿委員提出の原子力損害の賠償に関する法律案付帯決議案について採決いたします。
 木付帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって本付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、ただいま議決いたしました二案について議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じます。
 先刻の決議に対し池田科学技術庁長官から御発言を求められましたので、これを許します。
#105
○国務大臣(池田正之輔君) ただいま御決議になられましたこの付帯決議の趣旨につきましては当然、ことにこの第一の問題、これは衆議院においても同様の趣旨の付帯決議がございましたし、私もこれは当然だと思っております。
 それからまた第二の点につきましても、これまたきわめて重要なことでありまして、これは先ほど質疑応答の際に申し上げましたように、施行、政令等において十分に検討し、これを万遺漏なきことを期したい、かように考えております。
#106
○委員長(剱木亨弘君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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