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1960/03/16 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第12号
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1960/03/16 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第12号

#1
第038回国会 社会労働委員会 第12号
昭和三十六年三月十六日(木曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員坂本昭君辞任につき、その補
欠として鈴木強君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉武 恵市君
   理事
           加藤 武徳君
           藤田藤太郎君
   委員
           鹿島 俊雄君
           勝俣  稔君
           紅露 みつ君
           谷口弥三郎君
           山本  杉君
           久保  等君
           小柳  勇君
           鈴木  強君
           藤原 道子君
           村尾 重雄君
  政府委員
   通商産業省鉱山
   保安局長    小岩井康朔君
   労働政務次官  柴田  栄君
   労働省労政局長 冨樫 総一君
   労働省労働基準
   局長      大島  靖君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   労働省労働基準
   局労災補償部長 村上 茂利君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働情勢に関する調査
 (ニトログリコールによる職業病に
 関する件)
 (炭鉱災害に関する件)
○中小企業退職金共済法の一部を改正
 する法律案(内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉武恵市君) それでは、ただいまより社会労働委員会を開きます。
 まず、委員の異動を報告いたします。
 三月十六日付をもって坂本昭君が辞任し、その補欠として鈴木強君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(吉武恵市君) 労働情勢に関する調査の一環として、一般労働情勢に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○藤田藤太郎君 私は、問題点としてはたくさんあるのですけれども、きょうは職安局長見えていないのですか。
#5
○委員長(吉武恵市君) 呼んでおります。
#6
○藤田藤太郎君 それでは三つ問題をきょうはお聞きしておきます。ニトログリコールの問題と、それから炭鉱災害――炭鉱災害はあとでやりますから、その前に労災の打ち切り補償の問題と、それからあとは失対賃金の問題とを少し聞きたいと思います。職安局長お見えになっておられませんから、ニトログリコールのあれは、基準局ですね。それでは、基準局長にニトログリコールの理解というのは、今の学問的にはどういう工合に考えておられるのですか。まずそこから始めていただきたい。
#7
○政府委員(大島靖君) 火薬製造におけるニトログリコールの中毒問題は、一昨年来問題となって参りました。ことに昨年の夏あたりから問題が激しくなって参りました。自来私どもの方では、労働基準審議会の衛生部会及び安全部会、この部会において、ニトログリコールの中毒に関する予防、あるいは治療、そういった問題について専門的に御研究を願っておったのであります。で、安全、衛生部会としては、さらに専門委員会を設けまして、各方面の専門家――これは衛生関係の専門家、安全関係の専門家の両方でありますが、御検討を願いまして、対策を昨年来練っておったのであります。ニトログリコールを使用いたしておりますのは、現在日本油脂と旭化成、それから日本火薬、この三社で、四工場でございます。四工場の実地の視察もされまして、検討しておったのであります。基本的にやはりこの施設の改善と申しますか、通風、換気、こういった問題が基本的な問題なんであります。従って、この三社に対しまして、施設の改善をとりあえず、昨年、私どもの方で指示いたしまして、基本的な問題の解決を大体四月までに完了するようにいたしております。現在各社におきましては、この基本的な施設の改善を実施いたしておりまして、大体四月には完了する予定になっております。ただ、その間施設の改善に至りますまでの間、これも放置を許しませんので、その間における三月末までの緊急措置、緊急対策というものを、これまた安全、衛生両部会、及び専門委員会で検討していただきまして、昨年の暮れの二十八日に緊急対策の結論を出していただきまして、これをまた三社に対して指示いたしまして、現在実施いたしております。四月にこの環境の大改善が行なわれました上で、さらに本格的に中毒対策を専門家に御検討願うことになっておりますが、一応現在の状況は、そういうふうになっております。
#8
○藤田藤太郎君 これは非常にニトログリコールというのは、費用が安くてうまくいくというので使われているようですけれども、なんか病気になった、ニトログリコールによってこういう工合に反応が出たということは、的確につかんでおられるのですか。
#9
○政府委員(大島靖君) ニトログリコール中毒の症状は、ニトログリコールを呼吸器から吸いますとか、あるいは手その他の皮膚から経由いたしますということで起こります症状でありますが、一番最初は目まい、吐き気、頭痛、こういった症状が出て参りまして、さらに進みますと、血圧障害が起こって参ります。それからさらに進みますと、あるいは死に至る、こういうような中毒症状のようであります。そこで現実にただ何と申しますか、そういった症状の現われ方が、健康診断がむずかしい点があるようです。ことにそのニトログリコールに触れております間は、むしろ異常はないけれども、土曜、日曜と休みますと、一種の禁断症状のようなものになってきまして、月曜日にそういう症状が起こるというような形でありまして、非常に健康診断はむずかしいようでありますが、大体においてやはり業務上そういった中毒が起こるのではないかと思います。なお今値段の問題がございましたが、ニトログリコールが火薬製造に日本において使われ出しましたのが数年前からでありまして、その点は確かにニトログリコールの方が安いという関係はございますようです。ただ現在こういう問題が起こりまして、ニトログリコールの混合率が一つの問題になっております。ただこれをあまり下げますと、今度は薬を過熱しなければならない。薬温が上がる、薬温が上がりますと、従って蒸発が多くなる。従って、かえって有毒分子が多くなるという関係で、このニトログリコールの混合率は、非常に専門的にむずかしい、衛生と関連がありまして、非常にむずかしい問題のようでありますが、なお、専門家の検討を願っております。
#10
○藤田藤太郎君 その混合率に対して、グリセリンですか、とニトログリゴールの混合率は、何か労働省は三〇%という基準をきめて指示しておられるようですけれども、それはもちろんいいんだが、問題になっておるのは、私聞いたのですけれども、その工場医の診断は、どうも診断がなれ合いということで、そこで働いておる人の八〇%は何らかの症状がある。しかし、工場における専門医から見れば、別に大したことはないのだということで終わってしまうということがあるので、だから、むしろ会社の営業と到害関係のないという立場、そのお医者さんが会社の営業上の制約を受けるというような格好で診察をするというような格好でなしに、利害関係のないお医者さんによって、やはり定期的に診察するという必要があるのじゃないかということが一つです。
 それからもう一つは、昔火薬製造は夜間製造を禁止したが、今は平気でやっておる。だから、どうしても時間外労働をやって製造するようなシステムになっておる。そういうものからきて、やはり特別な労働省の安全衛生、それから健康保持の立場から、そうしたことにもっと力をお入れにならなければいかぬのじゃないかと思うのです。今の診察の問題や、夜間就業の問題や、それからもっと積極的な対策をお立てになる必要があるのじゃないかということを考えるのですが、どうですか。
#11
○政府委員(大島靖君) その健康診断、実は、昨年来この問題が起こりまして、私どもの方へ会社の責任者を招致いたしまして、この対策についての所見をいろいろ聞いたのであります。それからその後も、工場に再三私どもの専門家あるいは衛生研究所の技術者を派遣いたしたのでありますが、その後の会社の態度は、私どもの承知いたしておりますのでは、何か、そういう中毒症状が出ておるのを隠すとか、ないしはこれに労災を適用することをいやがるとか、そういう気持は私の方は感じられないのです。むしろ、今申しましたように、数年前から使い出して、この症状が一昨年あたりから問題になり出しまして、むしろ会社としては非常に一大事と考えておって、これは人命の問題であるので、何とかしなくちゃいかぬということで、現在でも、私どもで指示いたしました施設には、約数千万円かけておる模様でございますが、そういう経費についてという気配はないようでございます。ただ、さき申しましたように、健康診断をするにいたしましても、一体どういう健康診断をしていいかということがまだ確立されない。従って、昨年来衛研の技術者を中心にいたしまして検討さしているのは、まず、施設の方の面と、それから症状をとらえる健康診断の問題、この健康診断の点につきまして、昨年来専門家が研究を重ねまして、現在、さき申しました昨年暮れにできました緊急対策では、一月と三月に健康診断を全面的に実施さすことにいたしております。従って、今先生が御指摘になりましたように、工場医がなれ合いで云々ということよりも、むしろ健康診断の方法自体を確立することがまず先決であろうと、とりあえず緊急対策として一月、三月の健康診断をさせますと同時に、引さ続き的確な健康診断の方法ということを考えていかなくちゃいかぬ。
 なお、その他の労働条件との関連でございますが、この点私どもの方で調べましたところでは、必ずしも、たとえば長時間労働とか低賃金とか、そういったことが影響しているということは見当たらないように感じられるであります。それよりも、むしろ、たとえば日本油脂の美唄工場には比較的異常所見者が発見が少ないのであります。その理由を考えてみますと、あそこはかなりひんぱんに交代しているわけであります。交代といいますが、炭鉱の子供さんたちが来るものですから、比較的早くやめていくということ、あるいはこういう関係もあったかもしれぬということも考えられます。しかし、今御指摘の点は重要問題でありますので、私どもの方でもそれらの点については十分気をつけて、重視して参りたいと思います。
#12
○藤田藤太郎君 その労働者の皆さんの私たちに言う意見を聞くと、今の工場医に対して立ち会い医を一つ法律で作ってくれというわけですね。そんな、お医者さんの良心からいって、一人のお医者さんが見ているやつに、次のお医者さんが的確に診察するかどうか、立ち会うといったようなことは、これはもう今の医学からいってもできない。そんなことはできることではないから、それではそのお医者さんの立ち合いということではなしに、あなた方が信頼できると思うお医者さんに見てもらえばいいじゃないか、そういう話になっていったわけですけれども、しかし、問題は、たとえば八〇%、何らかの、今の摘出されている問題から見て、従業員の中で八〇%、何らかの症状があるというのです。会社にしたら、ちょっと悪いから休めということで休ましてしまえば仕事ができませんから、生産ができぬのだから、そこらの関係がどうしても工場専門医ということになると生まれてくるような疑念が起きる、疑いであるかもわかりませんけれども、そういうことが起きるから、もう少し的確にやってもらいたい。自覚的には八〇%何かの症状がある、こういうことでした。
 それからもう一つは、やはりそういう空気の中に長く時間をかけて多くいるということは、それだけ感染率が多いということしか判断できないので、目に見えて物体が当たるとか何とかいうのではないので、大気中の問題ですね。だからそういう点からいって、相当労働時間の規制というものをやらなければいかぬのじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
#13
○政府委員(大島靖君) 今御指摘のありました前段の問題、健康診断に対する労働者の不安という点、この点は、今申しましたように、私どもの感じとしましては、工場医の方に特にどうこうするという気持はないと思うのであります。ただ現実にそういうふうな危際を予測する、労働者としてそういう不安を持つということも、これはまたうなずける点なのでありまして、さっそく私ども工場の方へ言いまして、労使協議して、この問題を十分話し合うようにいたしたいと思いますし、また、もしどうしても必要があれば、別に数もさして多くもない問題ですから、私どもの方の技師なり衛研の技師よりも労働者の不安を取り除くことが大事だと思いますから、その点は御指摘の点さらに努力をいたしたいと思います。
 なお、労働条件の問題については、御指摘の点も、私どもの現在までの調査では、さっき申したようなことでありますが、なお、私どもの方でこれもさっそく重要問題でありますから、調べまして、必要な措置は考え、かつ、とらしめたいと思っております。
#14
○藤田藤太郎君 それで、私たちとしましては、一つ社会労働委員会の皆さんや労働省の御協力を得て、そう一ぺんに時間短縮もできませんけれども、せめて残業のないように、そして今の、大体七時間ぐらいになってるようですけれども、これを七時間ぐらいの勤務にここを何とか変えてやらなければいかぬと思ってるのです。これはいずれあとで御相談したいと思ってるのですけれども。それからこれは職業病としてきちっと定義づけられておりますか。
#15
○政府委員(大島靖君) 職業病としてと申しますのは、その職業病自体が何と何であるかということは別にまだしてないのです。ただ、非常に職業病的なものとして注目を浴びてきておりますし、ことに今後労災関係の問題があると思うので、従って、私どもの方としましては、もちろん大体業務上の問題だと思っておりますが、ただ、今申しますように、症状の現われ方が非常に複雑で判断がしにくいものでございますから、どこまでいったらどうなるのかということを、現在労災の方で専門家を委嘱しまして、労災業務上の認定基準をなるべく早く作るようにいたしたいと思って努力をしております。
#16
○藤田藤太郎君 いつごろできますか。
#17
○政府委員(大島靖君) ちょっと期日は申し上げにくいのですが、なるべく早急にいたすように、今年のたしか一月からかかったと思いますが、大体七月ごろにはでき上がる模様でございます。
#18
○藤田藤太郎君 そうすると、現在は業務上の疾病として取り扱ってるわけですか。これは死亡したような場合には、ここからきた病気だという診断になってないのですね。何かほかの病名が、お医者さんも専門的なあれですからそういう的確な、これから出てきた死亡という格好になってないところに問題があるようですから、至急に医学的にも研究をしていただいて、そして的確に、今は、もうぼうっとしたものが、労働者はニトログリコールの中毒だと思ってるのだけれども、診察の結果というものは心臓がどうとか、何がどうとかいって結論がついているから、結局そこで議論になる。業務上の云々という議論が出てくるわけですから、そこらあたりは幅広く、七月に結着つくまでは幅広く扱ってもらうようにしないと非常に気の気だと思います。
#19
○説明員(村上茂利君) お尋ねの点、ニトログリコール関係の症状は、労働基準法施行規則第三十五条の第二十七号によりまして、ニトロの誘導体による中毒並びにその続発症、これは業務上の疾病ということにされております。ただ問題は、先ほど来お話のございましたように、どの程度の段階に達したものを業務上のニトロ中毒とするかどうかという医学的な判断が非常に困難なものでありまして、先ほど来お話ありました四工場の患者の例を集めまして、数回会合を重ねて分析検討しておるような次第でありまして、できるだけ近い機会に業務上疾病の認定基準を作成しましてはっきりさせたい。かように考える次第でございます。
#20
○藤田藤太郎君 わかりました。それじゃこの問題はこれ切りにしておきます。
#21
○委員長(吉武恵市君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#22
○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。
  ―――――――――――――
#23
○小柳勇君 私は、三十六年三月九日に発生いたしました福岡県上清炭鉱の災害事故について質問をいたします。まず、鉱山保安局長に事件の概要について御報告を願いたいと思います。
#24
○政府委員(小岩井康朔君) 上清炭鉱は、本月の九日ちょうどお昼前後でありますが、坑口から四百数十メートルのところにありますコンプレッサーを置いてありますコンプレッサー室、ここから火災を起こしまして、当時入坑いたしておりました九十五名のうちで脱出いたしました者が二十四名、残り七十一名が犠牲者となったわけでございます。
 災害の原因につきましては、直ちに現地の鉱山保安監督部各監督官が調査に当たっておりますが、目下のところほぼ原因は突きとめておりますが、証拠固め、その他検察側の指揮によりましていまだ公表する段階に至っておりません。当初考えられておりましたコンプレッサーの過熱、機械そのものの過熱から火を発したものであるという私どもが東京を立ちます前の報告は、その後の警察側の九大での調査によりまして、機械そのものには発火した原因はないという断定が一応下されておりますので、私どもも当初の考えは間違っておる。私が現地に参りまして直ちに監督官に状況を聞きました当時も、機械そのものには発火したと考えられる点はないと言っておりましたが、その点九大の鑑定と一致をいたしたわけでございます。私特にこの災害で、豊州炭鉱で大災害を起こしました直後でありますので、今回の原因だけは明瞭に一つきわめざるを得ない、また、当然どんな苦労をしても原因の究明に当たるべきだという観点から、国際会議も投げ出しまして、現地に飛びまして現地の監督官を督励いたしましたが、ごく最近の連絡でほぼ原因を固められたということで、ごく近いうちに大体の概貌がはっきりわかる、かようにまあ考えております。
 ただその間、安保管理者あるいは係員、そういった坑内外の責任者がはたして十分災害に対する責任を果たしたかどうかという点につきましては、目下現地で詳細に調査いたしておりますので、それらの責任の帰趨につきましては、この際言明を避けたい、かように考えております。
 なお、上清炭鉱は、大体坑内の採掘を一応終了いたした状態になっておりまして、先生方ごらんの通り、鉱区外に侵掘という状態で、隣鉱区の三井炭鉱の坑内に切羽ができておる。しかし、通産局監督部では、災害の数日前にももちろん話し合いがついて正式の書類は提出されておったと、こう申しておりますが、現状ではもちろん施業案によらずに稼行しておったということは事実でございます。出炭は月に三千トン余り、労務者は三百数十名、大体こんな内容で操業をいたしておるわけであります。
 災害のごく概況を申し上げまして、なお質問がございましたら、お答え申し上げます。
#25
○小柳勇君 原因については、いつになったら明らかになりますか。
#26
○政府委員(小岩井康朔君) ただいま申し上げましたように、何日ということは、私の方でちょっと申し上げかねますが、そう長くかからないということだけ申し上げてお許しを得たいと思っております。
#27
○小柳勇君 当院並びに衆議院でも炭鉱災害防止に関する決議案などの案文を練っているところでありまするので、委員会で発表ができないようならば、秘密会あるいは文書ででもお教え願いまして、今後の対策について万全の措置をとって参りたいと考えておりますが、この点いかがですか。
#28
○政府委員(小岩井康朔君) 私どもも一刻も早く原因を把握して、そしてお知らせいたしたいという気持は全く同感でございます。検察側の指揮によって一応やっておりますし、私どもの見通しといたしましても、決して長くかからない。
 なお、今後の対策につきましては、実はけさほども大辻炭鉱で大きい災害をやっておるわけであります。これらの一連の災害の原因は那辺にあるかということは、なかなか私どもの従来考えておりました点に増してむずかしい事態も考えられるのではないかということで、明日、通産省、労働省、大蔵省、三省の連絡会議を開きます。続きまして十八日には、中央鉱山保安協議会を開催いたしまして、直ちにこの問題を取り上げまして、一体どういう対策をとるべきかという点につきましても、詳細に皆さんの御意見を聞いた上で、通産省の方針をはっきり立ててもらいたい、かように考えておりますので、今ここで申し上げることはできませんけれども、ごく近いうちに総合的な対策を発表できるのじゃないか、かように考えております。
#29
○小柳勇君 原因については、あとで発表になりまして、なお私いろいろ問題がありまするが、当面の問題として質問いたしておきます。
 第一は、谷課長補佐が十一日に自殺されましたこの問題について、この事件と災害と直接の関係があって発表できない面もあるかと存じまするが、当委員会各位とも心配いたしておりまするので、できるだけ詳細にお答え願いたいと思います。
#30
○政府委員(小岩井康朔君) 私どもの部下であります谷君の自害につきましては、その後現地でも詳細に調べていただいております。私も当時現地におりました関係で、でき得る限りの実情を聞いたわけでございますが、私が聞き及びました範囲内におきましては、谷君というのは、当時鉱山保安監督部の最古参の機械電気、機電を担当します機電課に長い間所属しておりまして、その後、当時は管理課に移っておりましたが、本人は機械電気特に機械の非常に詳しい専門家でありまして、たまたま本人が上清炭鉱の災害直前の巡回監督者であったという点が一つと、それから今申し上げました本人自身が監督部の最古参であった、しかも機電のエキスパートである、こういう点で自分の監督に参りましたときに……、その前にちょっとこの点をお話をしないとわかりにくいと思いますが、大手の炭鉱におきましては、機電関係と採炭関係というものを大きく分けております。従って、採炭関係の、いわゆる採鉱出身の技術官と機電関係の技術官、この両方を大手では必ず別々に回しておるのであります。しかし、少し離れた中小の山に一々これを分けて監督官を回すという余裕がございませんので、また、それだけの内容も持っていない場合がほとんどでございますので、中小の山に参りますときには、機電の者も、採鉱関係の概略は私どもの方の教育によって監督ができるようにいたしております。それから採鉱の関係の者も、機電の知識の概況を与えておきまして、両方監督ができるという建前にいたしておりまして、中小炭鉱の監督の場合には、どちらのサイドに帰属する人間であっても両方を見てくれという建前になっておるわけであります。そこで谷君は、上清炭鉱に参りまして、本人機電の専門家でありまするけれども、当然坑内全般の、採炭関係も特に重点を置いて見るという立場に置かれたわけであります。で、本人の話では、自殺する前に語ったところによりますと、本人まあ監督に参りまして、もちろんその山の者と一緒に坑内に下がり、ちょうどあの災害を起こしましま五十馬力のコンプレッサーのところを通って本人が中へ入ったと、こう申しております。入りましたけれども、山の案内人が少し急いで坑内の方に進んだので、自分もまあよくわかるし、ざっと見て、まず大切な切羽の方を十分に監督したいというつもりで入念には見なかったということを本人は課長には語ったようであります。それから自殺いたしました前日、参院の団長に呼ばれまして、一番新しい最後の巡回者であるから、直接谷君からお話を聞きたいという御希望で、第一課長から団長さんに御説明するようにということで本人に伝えたそうでありますが、本人朝御説明に上がる前に第一課長のところに寄りまして、自分は専門でありながら十二分には見ていなかったので、どの程度にお答えをすべきかという御相談があったのでありますが、第一課長としては、あなたの見た通りをそのまま淡々とお話しなさい、こういうことで帰ったと、まあそういうことかあったということは、私ども直接第一課長から聞いてあるのであります。で、私が想像いたしますのは、本人かなり内気な方の、あまりごく明朗の方だという性格でございませんので、本人が最古参でもあり、特に自分の一番専門である機電の関係から災害が起こっておる、しかもなお、自分が一番災害の直前の最後の坑内の巡回監督者であったしかもなお自分が思うようには見ていなかったという点を非常に気にしておったように私どもにはとれるのであります。で、先ほどもちょっと触れましたように、本人ずっと機電課所属で数十年おりましたが、ここ一、二年、割合に最近なんでありますが、その機電を離れまして管理課の課長補佐をやっておったのであります。特に現地の監督部長の話といたしましては、もうすでにずっと管理課に移ってしまって、管理課の課長補佐をやっておるので、管理課としましては、性格としましては庶務的なものを大体取り扱う課でございますから、端的に申し上げますと、第一線の監督からは引いておったような形になっておったわけであります。ただ非常に仕事に忙しい関係で、第一課の要望によりまして上清炭鉱を巡回監督するに至ったと、こう申しておりますが、そういうような関係で、特に谷君に対してはもちろん会社側の方も何らかの誘惑をするというようなことはもう全然考えられないし、いろいろな点から総合して、上清炭鉱のあの災害のことだけが中心になって本人が自責の念から決意するに至ったんではないかと、かように私ども考えております。なお、詳細な内容につきましては、現地の組合関係、私どもの方もいろいろ情報を集めておりますので、さらに一そう内容がわかるんではないかと思っておりますが、現在のところでは、そのほかに原因があるというような点がほとんど見られないという状態でございます。
#31
○小柳勇君 十日の夜、私ども、晩の十時半ごろから今の石炭第一課長の末吉さんの説明を受けたんです。その席に谷さんもすわっておられました。私どもが受けました印象、谷さんはあまりよく語られませんでしたが、末吉第一課長の説明で私が不審に思いましたのは、国会議員に対する報告が非常に重い。もう少しこれを悪く言いますならば、会社側の立場を擁護するかのようにとれる説明があった。監督官でありますから、これは政府の代表者であります。しかも、国会議員が心配して調査団を派遣して行っておる団員に対する政府の役人の説明としては、われわれはまことに不満に思ったわけですが、その印象。それから谷さんの口ぶりなど考えまして、保安監督行政に対する非常な危惧の念を持ったわけですが、その問題についてはあとでまた質問いたしますけれども、谷さんの問題については、なお今後御調査を願いまして、保安監督員の苦しみ、板ばさみというか、そういうもので自殺されたとすれば、根本的にこの際検討されるように希望しておきたいと思います。
 次に……。
#32
○藤田藤太郎君 ちょっと関連。今の谷さんの遺書があったというお話ですけれども、遺書は発表されてないんでか。発表されているとすれば、どすういうことが書いてありますか。
#33
○政府委員(小岩井康朔君) 私、直接には遺書を拝見しておりませんが、現地の監督部長がすぐ参りまして見ております。その概略は、ごく簡単な、手帳にメモ式に書かれたものでございまして、家族に対するごく簡単なあいさつめいたもの、それから、すぐページをくくりまして、ただ局長、部長、課長に申しわけないと、ごく簡単な内容の、短時間に本人がしたためたという程度のものでありまして、現地ではいろいろ報道関係で問題があったようでありますが、監督部長自身見ておりますし、この遺書の内容も新聞に発表されておりますし、絶対に間違いないものだと、かように考えております。
#34
○小柳勇君 次の問題は、火災の原因については、今究明中であるそうですから、これ以上追及いたしませんが、七十一名の直接の死亡の原因は窒息死だと判定されております。その窒息するに至りました原因は、火災が出たものですから、その火を中に入れないために、山の爆発を防ぐために、通風をショート・カットいたしまして、中の方に空気を扇風機で送らなかった。そのために、逃げようとして待避した七十一名の人が、全部火災によらずして窒息死をいたしておる。従って、私今質問するのは、救援活動に対しては直接監督部の派遣員が指導しておったようであるが、そのような者の責任についてはどのように考えておられるか。
#35
○政府委員(小岩井康朔君) なぜ上清炭鉱の火災事故が、あれだけ大ぜいの犠牲者を出さなけりゃならなかったか、特にその間に保安の責任者あるいは私どもの関係の監督官に手落ちがなかったかという御質問でありますが、私ども時間がなかなか正確にわかりませんで、聞き取りを入念にいたしておりますが、やはり順次にその内容がまた飜されまして、まだなかなかそれを総合するには至っておりませんけれども、調査ができ上がっております範囲内で申し上げますと、ちょうど沖島という係員がたまたま偶然にニッパが済んで昇坑中に何か煙を見たと。これは本人も述べておりますし、間違いないと思っておりますが、その昇坑中に煙を見まして、またいつものハッパの煙ぐらいに本人は考えておったようでありますが、どうも煙の量や来方が違う。そこで、すぐ火災だなということが本人は直ちにわかったという陳述をいたしておるのでありますがそこで、ちょうどまたそのときに炭車が下から上がってきたので、これ幸いとその炭車に乗りまして自分が上に上がった。そうしたところが、五十馬力のコンプレッサーの部屋の中が燃えておった。そこで、いろいろ実際に本人がどう考えてどう処置をつけたかという点についてはなかなかほんとうのところがわかりにくいのでありますが、本人の話では、まず消火をやったようであります。この辺のいろいろの技術的な問題あるいは環境の判断、そういった点は、批判しますとなかなかむずかしい点が出てくると思いますけれども、一応本人としては消せるのではないかという断定で消火をしたようでありますが、これもなかなかうまくいかないで、坑外の保安管理者に連絡をとっておるようであります。保安管理者も直ちに現場に入って指揮はとったようでありますが、私どもの方の保安の責任系統としては、一応炭鉱の保安の責任者というものは保安管理者にまかしてございます。保安管理者の一切の責任において指揮をとると、まあこういうふうになっておるわけでありまして、これは、炭鉱の災害その他保安に関するものは非常に緊急な場合ですぐ手を打たなきゃならぬという場合がございますので保安管理者に一切の責任をまかしてあると、まあこういうような形でありますが、山の大きいところは、一つの保安の系列の外にまた監督員というものを置かせまして二重に監督をするという形をとっております。しかし、これは労務者千名以上の山でありますから、普通の山では保安管理者が一切の責任でやっておる、こういうことになっているわけであります。あの場合の保安管理者の指揮の仕方、あるいは災害に対するとった処置のよしあし、こういうような点にはかなり批判の点があると思いますが、もちろん保安管理者としては、最善の自分の努力判断で事に当たっておると、かように見ざるを得ないのでありまして、内容を今つぶさに検討いたしておりまして、その一々の保安管理者、係員の処置のよしあしについてはかなり批判の余地もあるのではないかというふうに考えておりますが、それらの批判につきましては現地の調査の結果に待ちたいと、かように考えております。
#36
○小柳勇君 中に入っておった人たちは九十数名、全体の鉱員の数は三百数十名です。火災が起こりまして一時間半、救援活動がどうあったかということか不明でありまするが、その間にたとえばかねをたたくなり、平素救援活動を訓練いたしておれば、その山自体でも相当の消火活動なり救援活動ができたとわれわれは理解するわけです。そのような平素の消火活動なり救援活動に対して、保安監督部としてはどのような監察なり指導をしておられたのであるか、そのことをお聞きしておきたい。
#37
○政府委員(小岩井康朔君) 警報関係は私ども常に頭を痛めておる点なんでありますが、現在では特に警報に対して強く規則その他で要望いたしておりますのは、特定の指定された炭鉱、たとえて申し上げますと、海底炭鉱あるいは出水の非常におそれのある炭鉱、そういった特殊な炭鉱につきましては警報の装置を非常にやかましくやっております。しかし、そういった懸念のない炭鉱につきましては、現在の法制上では強制する条項はございません。いろいろ災害の実例から私どもはできる限りりっぱなものを作りたいというつもりで、実はもう数年前から、私の記憶でももう三年余り前に、私の方の機電係に命じまして、坑内の警報の伝達のもう少し近代的なものをぜひすぐ作って、場合によっては規則の改正をやっても、必要なところに強制設置できるようにしたいというつもりで検討させておったのであります。これはのろいじゃないかというお話がすぐ出るのでありますが、炭鉱の警報は、坑外から危険を感じて一斉待避をしろという、それだけなら比較的簡単にできるのであります。しかし、私どもがいつも大手炭鉱あたりで非常に困ります点は、ガス吐出などの場合は、そこで働いている人間三人なり五人なりはすぐ埋まってなくなってしまう場合もあります。それから逃げ出す場合もあるし、そのうちの何名かが犠牲になるというケースもございます。そのガス吐出などは、一つのA区域から出ますと、そこの人間は別にしましても、そのガスがどんどん流れて参りますから、全然ほかの、知らない個所でまたさらに続いて犠牲者が出るというために、一つの個所からほかの作業個所にまた連絡をとる必要性が当然出てくる。従って、理想的に申し上げますと、どこからでも各作業個所に連絡ができる、また、その作業個所から逆にほかの作業個所に連絡をしなければならぬ、こういうものでないと完全なものにならない関係で、少し長くつい日にちがかかってしまって、もしこういったものができておれば、もちろんもう少し早く連絡ができて助かったのじゃないかと私どももちろん考えております。豊州炭鉱もしかり、今回の場合でも連絡が万全であったと決して考えておりません。こういう災害の前にも、私どもはずっと前々からやりまして、ほぼ見通しがつきかかっておるのでありますが、こういう事態になりまして、とてもそこまで待っておれぬという感じもいたしますので、一応片側だけでもいいから、各作業個所に連絡のつく方法を講じて、そうして連絡がありましたら一斉待避をする。片側システムでもやむを得ぬじゃないかという気持に現在なっておるわけであります。
 なおつけ加えて申し上げたいのは、とれるところはとっておるのでありますが、それは坑内に電灯を持っておりますところは点滅方法でもわかるのであります。たとえば、点滅をやるとかいう場合には、非常事態だからすぐ待避しろ、こういうこともできるのでありますが、電灯というのは必ずしも各炭鉱作業まで行っておりません。また、作業場まで行っていないのが建前でありますので、電灯だけで完全に目的を達するということもできません。
  〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕
それから大手では、特に住友関係あたりでは特殊なにおいのするものを通気の中に出しまして、そのガスに乗って各作業個所に流れるという方法も現在やっておりますが、中小炭鉱はなかなか通気が十分に取れない場合が多いので、その薬品の扱いその他で、またそこまで必要性というものも全般的には私ども痛感していなかったという形で、まだそこまでの新しい方法は、特殊の炭鉱――大手の中でも特殊炭鉱しか実施しておりませんので、そういった一連の事態につきましては今後至急に検討いたしまして、多少強制的になりましても、場合によっては規則を直してもそういった方法をとってみたい、かように考えております。
#38
○小柳勇君 局長、私の聞くことだけお答え願いたい、たくさん問題がありますから……。
 あなたの今言っているような抽象論だけでは問題は解決しないわけです。私が言っているのは、十二時十分に藤中君、吉松君が係員に火災の連絡をしているわけです、火事の連絡を。十二時に火災が発生して、十分で外に連絡しておるので、外でわかっているわけですよ。そうしてあと救援活動に、救援隊が到着してきたのが午後一時三十分なんです。その間の一時間半はどうしても私どもとしてはげせない。その間どういう活動をしたのかといってもわからぬのですよ。もう一つは、この労働基準監督局長から、三十五年十一月二十五日に、あなたの方に通牒が行っておりますが、一番最後の四項に緊急時における対策に関する事項といって、四項のものがあなたの方にちゃんと通牒が行っております。これには緊急時におけるすみやかな連絡合図により退避の方法の周知徹底ということを書いてあるわけですよ。このようなことがただ文書にあるが、あなたはここで、国会で答弁して、どんなにきれいなことを申しましても、この委員会は済みますけれども、実際七十名なり数十名の死亡者を救うという道にはならぬわけです。私の聞いておるのは、十二時十分に藤中君、吉松君が身を挺して連絡をしたのだから、すぐ半鐘を打つなり非常招集すれば、三百数十名の鉱員の中で、九十名しか中におらぬのだから、すぐ外で集って救援隊ができたのではないか。なぜそういうことがやれないか。それは平素の訓練がしておらぬのではないか。そういう訓練は、あなたの方の保安監督部が平素見なければ、山自体としてはなかなかやらぬのではないか。そういう訓練を見たことがあるのかないのか、それを聞いておるのです。もう一回御答弁願いたい。
#39
○政府委員(小岩井康朔君) 現状では、特殊の炭鉱以外の炭鉱につきましては、訓練というものは、いたしておりません。
#40
○小柳勇君 そうしますと、あそこの警報装置について、非常ベルなどの検討がなされていない。あったか、なかったか、そういうものについては、
  〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕
保安監督部としてはわかっておったのでございますか。
#41
○政府委員(小岩井康朔君) もちろん上清炭鉱の場合は、特に規則できめた範囲内の警報装置を備えつけるという山にはなっておりませんでした。
#42
○小柳勇君 そういうものがないとすると、あとでまたこれは根本的な問題の中で質問しなければなりませんが、さっきの質問に返りまして、窒息死をいたしましたその原因についても、取り調べを進められておるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#43
○政府委員(小岩井康朔君) もちろん現在警察と協力いたしまして、各責任者の係員初め、関係のある労務者の聞き取りを目下取り進めております。
#44
○小柳勇君 それからさっき私が発言いたしましたように、末吉課長の発言すら、非常に慎重に発言があっておりましたが、保安監督官が一人で山に入りまして、保安監督官が十分にそういう小山を監督し、指導し、中で点検などができるような情勢にあるかないか、そのことが一番問題であると思いますが、どうでございましょうか。
#45
○政府委員(小岩井康朔君) もちろん全般的には十分な監督ができる体制にあるとお答えいたします。ただし、特殊の炭鉱におきましては、わずかな炭鉱でありますが、新聞にも出ておりますように、わずかな炭鉱の、わずかな特定の人員を持っております山、こういうところでは、従来監督官が威圧されたり、あるいは監督を拒否されたりした例がございます。しかし、これらの場合でも、内容は結局はいやがらせでありまして、内面的に威圧をかけるというところに目的を置いておるように見えまして、話し合いで、監督官が拒否されても、現場で話し合いをつけて、もちろん入坑して所期の目的を達成しておる場合もございますし、また、ケースによりましては、全然監督できずに一たんは引き上げておるというケースもございます。しかし、これらの場合には、もちろん監督部長の方から行政的に連絡をとりまして、そうして結局、他日監督をまたやっておるということで、もちろん円滑な監督はできないケースがごくわずかありますけれども、全般の炭鉱の問題として、私どもの監督官の巡回監督が、そういった暴力や威圧によって大きく動かされている、そういうことは決してございません。
#46
○小柳勇君 そうしますというと、現在とっておられる保安監督のあり方、あるいは人員の問題なり監督官の一人入る、二人入るような、そういうふうな体制で、今後事故を防ぎ得るというようなお考えですか。
#47
○政府委員(小岩井康朔君) 現在の監督官の能力数、そういった点につきましては、私ども決して十分だと思っておりません。従いまして、現在通産省としましても目下協議中でありまして、あすの三省連絡会議にも当然監督官の増員問題を出す予定にいたしております。ただ、まあ頭数だけ増員しましても、なかなか十分な成果はできませんので、増員しますと同時に、まあ監督官の研修の面も十分にいたしまして、将来の監督の増強をぜひ実現したい、かように考えます。
#48
○小柳勇君 話の中にこういうのを聞いておるわけですが、保安監督官が中に入りますというと、何か不備な点がありますと、入口にボタなど山を築いてあって、壁を作ってあって、入るなら入りなさいというようなことを言われると、なかなか入れないそういうような面もあるとか、まあ例はたくさんありますが、今度は保安監督官の待遇の問題になりますというと、生産の面における監督官といいますか、生産の局の人はいいけれども、監督の方におるとなかなか精神的にも苦労が多い。従って、生産面には喜んで行くが監督面の方にはなかなか役人も行きたがらないというような話を聞くが、そういうことは非常に気苦労があって、しかも将来についても、山からのいろいろの援助もない。あるいは協力もない。そういうような悩みだろうと思うが、やはり人間生活でありますから、監督官は役人と言いながらやはり人間でありますから、そういう面も配慮してやりませんと完全な監督はできないのではないかと調査団は話しているところです。
 そういう問題についても、もう少し、ただきちょうめんな表面的な答弁だけでなくて、こういうような苦労もあるし、非常に問題があるから、こうしてくれというような点がないもんでしょうか。
#49
○藤田藤太郎君 ちょっと関連して。
 今、小柳委員の言われていることは私たちもたくさん聞いておる、いろいろなことを、だから、速記はいけなければ、速記をとめてでも一つざっくばらんに話していただかなければ、問題は解決しないと思う。どうですか。
#50
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#51
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて下さい。
#52
○政府委員(小岩井康朔君) もちろん、私どもも長く監督官をやっておりまして、まあ現在も監督官になっておるのでありますが、監督官の職責というものは非常に私どももつらいものであり、また、むずかしいものであって、あまり人が歓迎しないということはもちろん事実であります。ただ、まあそれだからといって、監督官が素質が悪くなったりあるいは勝手なことをやるということはもう絶対にございませんが、むしろ、私は監督官の仕事の内容から見まして、現在、山に参りますとずっと坑内全般を見まして必ず批評することになっておるのです、自分の見て来た内容を。従いまして、監督官自身もその山の保安に対して一つの批評を述べるのでありますから、もういいかげんな監督をしていられないのであります。非常につらい責任をそれだけでも課せられておる。そこへもってきて、坑内をずっと長く見ましても、坑内を歩いて来るだけでも普通の人ですとへとへとになってしまいますので、その上にいろんな事態を監察してくるわけでありますから、非常に重い仕事で、中には技官から監督官にする場合にもなりたくないと言って断わる技官もございました。そのくらいに好ましい職業でないくらいでありますので、まあ私どももできる限り監督官自体でずっと上に進める制度がほしいということで、一時は昭和十二年に支所というものができたのでありまするけれども、これも直ちにまた戦時中に入りましてこれがだんだんだんだん大きくなって、まあ支局みたいになって、今度は戦争が済んで、終わりましたときにはもう支所がなくなってしまうというような、非常におもしろい事態も出てきまして、現在では私どもは直ちに、今派遣班という名前をつけておりますが、これをでき得れば監督署と言ったものではっきり設置法の中に入れて、そうして人間をつけるといった構想で明日も話し合いをつけるつもりでおりますし、なお、今、先生の触れられました監督官の坑内入坑の手当、これは一時間に現在は八円でありますが、特に災害の起こりましたときの調査は危険でございますから、一時間二十四円という、非常にわずかな金額でありますけれども、これもようやくにして私どもとしましては橋頭堡を得たというような感じでございまして、できますことなら、これらの待遇につきましても、一挙に一つ大幅の増額をいたしたいという考え方で、明日もその内容で会議に臨むつもりでおります。
#53
○小柳勇君 それから、一人で中に入るあるいは二人ぐらいで入るよりも、五名なり十名なり、保安隊、監督隊的なものが、少くとも年に一回ぐらいは入って監督しなければならぬ、本署から直接行って。監督隊というようなものの必要すらわれわれ今感じておるか、その点についていかがでしょう。
#54
○政府委員(小岩井康朔君) 従来も、山の内容によりましては、監督部長の判断によりまして三人、五人、ひどいときには八人ぐらい参った例もございます。先ほどもちょっと話に触れましたような少し威嚇される懸念のあるような山には、単独ではもちろん本人も非常に望みませんので、数人ないし一番多いので八人も一緒に監督をした、こういうケースもございます。しかし、予算その他の関係で、いつもそういうことをやるということができませんので、普通の原則としては一人あるいは二人で参りますが、特定の場合には五人とか八人とかいうケースももちろんございます。
#55
○小柳勇君 それから、今、石炭鉱業合理化臨時措置法という法律がございまして、もうこの山はあまり出ないということになりますと、これを政府が買い上げることになっております。たまたま、これは偶然の一致であるかわかりませんが、豊州炭鉱も、昨年事故の発生する前にもう売りに出たという話であります。今回のこの山も、さっき局長の発言がありましたように、もうほとんど中の方には炭がないという、こういうふうな実情です。この石炭鉱業合理化臨時措置法というものがあるために、もうやがて政府が買い上げてくれるだろうということで、表面だけは政府の価格に沿うような体裁をしているが、実質上、特に保安設備などについては、もうその山の主がこれを売ろうと腹をきめたときに、保安設備投資などを削減して、そういう保安の危険な状態が出るというようなことを、これは邪推であれば幸いであると考えるわけでありますけれども、専門家である保安局長は、この石炭鉱業合理化臨時措置法に対するそういう矛盾をお感じにならないかどうか、聞いておきたいと思います。
#56
○政府委員(小岩井康朔君) 私どもも直接の責任者といたしまして、豊州炭鉱も上清炭鉱も、これはもう坑内の採炭が済んで、事業団に売りにかかっておったという事実のある山でございまして、私どもの責任を持った保安の担当者といたしましては、この売りに出ましてから実際に買うまでの間に、一年半から、長いのは二年以上もかかる、あるいはそれ以上かかるという山があるわけであります。そうしますと、鉱業権者としましては、もう実際に売るつもりになっている山でありますから、私どもが指示をいたしましてもなかなか思うようには実現しにくいという点は私どもも認めております。従いまして、この関係は石炭局の方でやっておる関係で、私ども、法そのものをどうということは申しませんけれども、まあ買い上げの関係が保安に影響を大きく持っておるという点は、買い上げを申し入れてから実際に買うまでの間の期間というものが保安の低下を来たす、こういう点につきましては私ども十分に承知いたしております。
#57
○小柳勇君 そのことを、今回の事故によって、直接その関係であるとは、私は申しません。しかし、私どもがこの石炭鉱業合理化臨時措置法の措置されたものをここでずっと統計的に見て参りましてそういうものを感じますので、明日会議がありますならば、この点も十分御検討願いたいと思います。同時に鉱山保安法、それから鉱業法についても抜本的に御検討願って、先日山で十分出ないものはもう鉱業権を取り上げようと、このような決定がなされたようでございますが、その辺を一つ御説明願いたいと思います。
#58
○政府委員(小岩井康朔君) 現在の保安法ももちろん私ども完璧なものであるとは考えておりません。従いまして、数年前にもいろんな事故の関係で臨機に一部改正をいたしました。しかし、目下鉱業法を根本的に改正を準備をいたしておりますので、鉱業法が変わりますと、当然保安法もともに変えなければならぬということは当然覚悟いたしておりますので、鉱業法と並行しまして大きく改正を試みたい。なおそれまでに、あるいはまた、期間が延びるような場合がございますれば、その間に緊急事態として一部改正をしなければならぬような問題がございますれば、続いて十八日にも中央保安協議会でいろいろ問題が出ることと思いますので、そういった点ともあわせ考えまして改正には決してやぶさかではございません。
#59
○小柳勇君 ほかの委員もありますから、次には、遺族の補償の問題でありますが、労災保険の納入その他について遺族の救援に対して心配な点がないかどうか、労働基準局長から。
#60
○政府委員(大島靖君) 労災保険の支給につきましては、調べましたところ、保険料の納付はいたしておるようでございます。従って、私どもの方としましては、遺族に対する補償についてはできるだけ早く措置したいと思います。ただ使用者責任の問題もございますので、その究明を待たなくてはいけませんが、とりあえず五〇%分は即時支払えるように現地の監督署に措置いたしまして、何どきでも支払えるような態勢にいたしたいと考えます。
#61
○小柳勇君 遺家族の救援態勢については、現在の労災保険の救援態勢でも不十分ではないかという考えもありますので、院の決議をいただいて、補償、援護制度の充実についてなお検討願いたいと思っておりまするので、基準局長もそういう点で御検討願いたいと思います。
 次に、豊州炭鉱の問題について一、二聞いておきたいと思いますが、聞くところによりますと、豊州炭鉱についてはもうすでに死体搬出をやめるということを通産省でも決定しておると承っておりまするが、事実でございますか。
#62
○政府委員(小岩井康朔君) 豊州炭鉱のその後の内容につきましては、いろいろ事情がございまして調査団を派遣いたしました。私どもの方は、当時現地の監督部長も現在の坑内の作業の取り明けは完全にできるという認定をいたしておりました。しかるところ、二月七日から現地の山の組合が、危険状態であって仕事ができないということで作業をやめてしまっておりますので、いろいろその間に考え方の食い違いもございまして種々めんどうな点もございましたので、いろいろ調査団を派遣いたしまして実情を調査していただくという関係で、九大の山田総長を団長といたしまして、東大の伊木教授、熊大の兼重教授、それに水害の非常に大きい経験を持っております児山という、現地の長いこと石炭に関係しておった方々、それに私と現地の部長が入りまして調査団を編成しまして現地調査をいたしたわけであります。その結論が、話が長くなりますから結論だけ申し上げますと、いろいろな点を総合しまして、今後も操業を続行することは困難である。こういう結論か調査団として出たわけであります。そこで通産省としましては、その調査団の報告を得まして、一体どうするかという首脳部会議をいたしまして、一つの方向を出すために、その事前に鉱業権者、それから現地の組合あるいは遺族の気持、こういったものにつきましてもぜひ事情を十分に聴取する必要がある。そういう観点から、過日大臣が特に鉱業権者と面接をいたしたようであります。さらに私どもの気持としましては、場合によりましては、現地に行って組合なり遺族の方なりの御意向も十分にお聞きするという計画で、事前にそういった三者の意向を十分に聞きまして、調査団の結論に対して最後の通産省としての判断を下したいと、かような状態で現在進めておるようなわけであります。
#63
○小柳勇君 調査団の結論が出た日というのはいつごろなんですか。
#64
○政府委員(小岩井康朔君) 調査団が実際に調査しましたのは、一日に現地に集まりまして、二日に現場に入ったと思います。そうして直ちに協議をいたしまして、私はもちろん先に帰りましたので、それから翌々日四日に報告を正式に私どもの方の課長が持参して参りましたので、正式の報告を受けたわけであります。その報告に従って省で態度をきめよう、こういうわけであります。
#65
○小柳勇君 その現地の労働組合が死体搬出の作業をやめた日はいつごろなんですか。
#66
○政府委員(小岩井康朔君) 二月七日であります。
#67
○小柳勇君 そのことは局長から通産大臣及び総理大臣には報告があっておるのですか。
#68
○政府委員(小岩井康朔君) 現地の組合が操業をやめたということですが、操業をやめたということは、私の方からはもう連絡をいたしておりません。
#69
○小柳勇君 二月七日といいますともう一カ月余りたっておるのですが、昨年以来この豊州炭鉱の事故について再三局長にわれわれ意見を聞いております。われわれとしては、今日なお死体搬出のために作業が続けられておるものと理解をいたしておるわけであります。しかも三月十日の本会議における内閣総理大臣の御答弁は、豊州炭鉱の死体搬出についても今後ともなお最善の努力をいたして早急に死体を搬出したい、こういう言明をいたしております。その一ヵ月余りの期間の間死体搬出の作業がとまっておるのに、内閣総理大臣が本会議でそういう答弁をするほど通産省と政府との間には連絡がないのですか。その点お聞きしておきたいと思います。
#70
○政府委員(小岩井康朔君) 先ほどもちょっと触れましたように、私どもの方としましては、二月七日に現地の山の組合が危険で仕事ができないということでやめておりますので、特に現地の監督部長を現場に呼びまして、現状では操業ができるからぜひ仕事をしてほしいということで話し合いをつけるようにいたしましたが、十分な理解が得られませずにそのまま休業状態になっておる。私もその間に各方面から実情を訴えられましたが、私としても現地の部長の言う通り、現状では仕事ができるのではないか、ただあのままでこの雨季をこえるというのはかなり私どもも懸念を持っておりましたけれども、雨季までは仕事を続行することができるという方向で、私も現地の監督部長もその方向でぜひとも作業を続行するようにということに努力を続けておったわけでございます。
#71
○小柳勇君 言葉じりをとって済みませんけれども、この前の局長の答弁は、搬出を終わるまでには少なくとも一年半ぐらい年期がかかるのでしょうという答弁でございました。雨季まで作業を続けていくということはどういうことか、実は私はわからぬのですが、それからその前に、九大の学者と熊大の学者を現地に派遣されたようでありますが、それはどこのお考えですか。
#72
○政府委員(小岩井康朔君) 委員の選定につきましては、私の手元で選定いたしました。これは現地の問題でありますし、現地の最高の、だれもこの人ならというふうに認められておる方、九大の総長が非常に炭鉱の実際にも、炭鉱会社におりましたし、現在は九大の総長という地位におりまして、絶えず九州の地元の問題につきましては陰に陽に関連をもっておりますし、たまたま豊州炭鉱の消火対策委員長も九大の総長の山田先生が兼ねておりますので、それらを勘案いたしまして、九大の総長に団長をお願いしたわけであります。それからなお、東京の伊木先生をお願いしましたのは、伊木先生は東大の鉱山関係の石炭を担当しておられる最高の教授でございます。そこで東京を代表しまして、伊木先生、それからまあ現地の兼重先生は、この方も九州の問題には絶えず通産局あるいは監督部のいろいろな問題に関連をしておりますので、地元の詳しい先生として山田団長のもとに兼重先生を選んだわけであります。学校の先生方だけでも不十分であるという観点から、実際に九州でいろいろ仕事をしておった十分な経験を持っておる方ということで、元大正鉱業の重役をしておりました児山という方にお願いをしましたのは、大正鉱業が戦時中にやはり隣鉱区の隣の小炭鉱の水没のために古洞を通って自分の山が全部水没した経験を持っておるわけであります。それになおかつあそこの筑豊の排水組合の組合長を長くやっておりましたので、現地としては出水関係の経験者としましてはこの方以外にないという私の断定から選定をいたしたわけございます。
#73
○小柳勇君 それから結論については四日に出ているようでありますが、どういう結論が出ているのですか。
#74
○政府委員(小岩井康朔君) 少し時間がいただけますならば少し詳しく…。
#75
○小柳勇君 要点を言って下さい。
#76
○政府委員(小岩井康朔君) ごく要点を申し上げますと、坑内の状態としては非常によく取り明けをやっておる、坑内だけの状態としては取り明けばもちろん続行可能であるという見方をいたしております。しかし、坑外の川底の陥没した個所を見てもらいましたところ、陥没した個所については、建設省の指揮によりまして現地の県の土木部が工事をやっておりますので、あの陥没しました工事については、これはもう大丈夫である。しかし、その工事の周辺、すぐ隣にほとんど全部古洞になっておりまして、この古洞の状態も、皆さん全部入ってつぶさに見ていただきましたが、これは、あぶないところは現地でもボーリングによって一部調査をしてきてはおりますが、かなり、浅いところがございまして、それが発見できなくても、調査団としましてはまた落ちる可能性というものは当然考えられるので、特に雨季になって、非常に長期の雨が降ったり、あるいは豪雨があったり、あるいはあそこに特別なダムの関係がありまして、あそこに水をためることになっておりますので、また、その水を十分にためたりした場合には、これなかなか請け負えない。それからもう一つは、坑道のすぐ上に陥没しておったところがあるのであります。斜坑の坑道の上が落ちまして家が数軒埋没しまして、この家は現在取り払ってしまっておりますが、あの上が落ちたために、現在坑内は直しておりまするけれども、もう水滴が非常にその個所に多い。そこで山田学長の意見でありましたけれども、まあこの陥没した個所については、どうしても防ぐには全部表土をはいで、良質の粘土を相当な厚みで全部カバーをしなければ、この水を満足に防ぐことができない、こういうような観点から、要するに結論としましては、今の進め方、排水のやり方はこれはもうフルである。四交代でやっておりますので。それが一日に三メーター半か四メーター近いこともありますが、大体三、四メーターということでありますので、残る距離を計算しますとさらに四百日くらいかかる。で、この四百日も坑内の今の詰めの状態というものは、非常に悪いために、これから深くなればますます状態が悪くなるだろう。従って、一応計算では四百日と言うけれども、実際にはそれ以上出ることは当然考えなければならない。片方陥没の個所の近辺の古洞状態が非常に悪くて、これはもう確信が持てぬという点と、それから坑道の上の陥没の防止にも相当広範囲に表土をはいで、良質の粘土をかなりの厚みにこれを押えなければならないという点で、技術的にはこれを防止する方法というものは考えられるけれども、非常に工事そのものにも長期の期間を要して、しかも多額の金が要る。こういうような実態から、私も総合判断をいたしまして、現状の取り明けを続けることはむずかしい。こういう意味の結論であります。これは報告書がございますから、報告書をまた場合によっては見ていただいてもちろんけっこうでございますが、この報告書のごく概略、骨組みを申し上げますと以上の通りでございます。
#77
○小柳勇君 報告書については御提出願いたいと思います。それからそのような結論が出ておるのに、三者を大臣がお呼びになったそうでありますが、どういう意味でしょうか、それは。
#78
○政府委員(小岩井康朔君) もちろん調査団の結論としては、以上申し上げましたような方向が出ておるんでありますが、通産省としましては、もしその方向を全面的に取り上げるべきか、あるいはどういうふうに取り上げるべきか。その辺よく相談をいたしまして、その取り上げる場合に起りますいろいろの問題が付随して考えられますので、まずそれらの関係者の意向も事前に十分に確かめたい。かような観点からまだ省としての結論は出さずに、まず一番関係を持っておる鉱業権者あるいは現地の組合員、それから遺族、そういう方々にこちらへ来ていただいたり、現地に出向いたりしまして、十二分に事前に考え方をお聞きしたい。かようなつもりで時日をかけておるわけであります。
#79
○小柳勇君 私はこの前質問いたしましたときに、そのことをまあ予想まではいたしておりませんでしたが、そういうことになるのではないかと思って、第一に事業主に全額負担をかけて二カ年間も搬出作業をやらせることは政府としてどうか。この点も質問いたしました。それからその作業についても、陥没したあとの困難性についても質問したつもりでありますけれども、今聞いていますと、そういうようなことは専門家としてはまあ大体推察されることではなかろうかと思うし、六十七名のこの死体の搬出について事業主自身の資本で、今から一年半も続けてやるということは、なかなかそれは困難でありましょう。しかし、遺族の身になりますとそれは耐えられないことであろうと思います。労働組合の方は自分たちで作業をやれば、なかなか危険であって、またこのような事故を起す危険もある。そういう心配もありますから、事業主も労働組合ももしこの遺族の方が許してくれるならば、この際この作業を中止したいという気持もありましょう。遺族の人にとってはこれは耐えられないことでありましょう。しかし、南方の方で戦死した遺骨を今収集するために、相当活動をいたしておりますけれども、地下千メーター余りのところで六十七名の遺骨があるのですから、そのようなことを思いますると耐えられないことでございまするが、それをまあ慎重にはやっておられるようではありますが、私はその遺族の身になってもう一つ再検討していただくということが一つです。それからその周辺に今後はもう一切炭鉱、鉱業権を与えない。発掘はできないということが今の調査団の結論によって考えられまするが、そのことはお約束できるのですか。
#80
○政府委員(小岩井康朔君) 私もこの事態は非常に重大事態として考えておりますので、今後は豊州炭鉱の近辺には、特災指定の区域として大臣に指定していただくということももちろん考えておりますので、この辺の事情につきましてはもう少し検討さしていただきたいと考えております。
#81
○小柳勇君 それは性質は両方関連があるのです。死体搬出はできないけれども、炭鉱は新しくできたでは、これはもうその遺族の人たちは生涯浮かばれないと思う。従って、その点については、十分御検討なさることを希望いたします。と同時に、もし最悪の場合、遺体搬出ということが不可能になった場合、その作業を打ち切る場合、遺族に対する補償については格段の御配慮を願わなければなりませんが、その点についての決意を聞いておきたいと思います。
#82
○政府委員(小岩井康朔君) 先ほども触れましたように、まだ省としては最終の決定にはなっておりませんので、ちょっと仮定のお話になりますが、もしそういった場合がありますれば、当然私としては、一連のそういった事態について、十二分に考える心組みを持っております。
#83
○小柳勇君 それからさっきちょっと発言されました大辻炭鉱の事故について、概略の説明を伺いたいと思います。
#84
○政府委員(小岩井康朔君) けさ八時半に、現地の監督部長から、ごく概略の報告がございましたが、事情があまり詳細に判明しませんで、その後何回も変わっておりますので、途中を抜きまして、一番新しい報告としましては、私がこちらへ来る前に受けました報告では、当時入坑しておった者は何名かわわりませんけれども……。
#85
○藤田藤太郎君 炭鉱の名前から始めて下さい。
#86
○政府委員(小岩井康朔君) 場所は福岡県八幡市香月町大辻炭鉱株式会社の新大辻坑という工事個所でございます。これは大辻炭鉱としては労務者が千四百名で、出炭が一万八千トンばかり月産出しております。ただ、そのうちの一つの工事個所であろうと思いますが、大辻炭鉱の中の新大辻坑というところで火災を起こしたわけでありまして、やはりこれもコンプレッサー室の火災というふうに一応報告を受けてあります。当時入坑しておった者は一応脱出して、現在罹災しておりますのは、あとから消火に入った者が一部罹災いたしまして、現在判明いたしておりますのは、ガス中毒で十名が重症、残り二十六名が、所長以下二十六名が消火作業に入りまして、現在不明という状態になっております。現在わかっております現地からの報告は、以上の通りでございます。
#87
○小柳勇君 今起こっただけでありますから、この問題もあれですが、直ちに上清炭鉱と同じように、保安局としても最善の努力をして、原因を調査していただきたいと思います。
 最後に、一括いたしまして、この労働基準監督局と保安局との関連について質問いたしておきますが、この労働基準監督局から保安局長に出された、昭和三十一年の二月二十四日付の基発第九十四号という書面、それから昭和三十五年の十一月二十五日付基発第九百九十四号という書類がございます。いずれもこれは労働省から通産省に対する、この種事故の防止に対する勧告でありますけれども、この勧告がただやり放しで放置されておるのではないかという気がいたしますので、通産省から労働省の方は、対策なり返事をどのように受け取っておられるか、基準局長からお聞きしておきたいと思います。
#88
○政府委員(大島靖君) 昨年豊州炭鉱の事故が起こりまして、私どもの方といたしましては、労働者保護の見地ないしは産業災害防止全般の見地から、ただいま御指摘のような勧告を申し上げたのであります。その事前事後におきましても、鉱山保安局と私どもの方と、詳細な点について各種の打ち合わせをやっております。この勧告の実施につきましては、鉱山保安局の方でも、ほんとうに真剣に考えていただきまして、ことに基本的に鉱山保安規則を、かなり大幅に再検討いたして、改定したい。こういうことで、それにはかなり、若干の期日がかかるであろうということは予測されておったのでありますが、そういう点で、この勧告の趣旨を取り入れまして、保安規則の全面的な改正、大幅な改正をやりたいという意向であります。さらに私どもといたしましては、こういうふうな勧告もさることながら、現実における、ことに現地における両当局の連絡の緊密化ということが最も肝要だと思いまして、鉱山保安局とも打ち合わせまして、現地の九州におきまして、豊州炭鉱の事故発生以来、約七回ばかり、連絡の会合を持っております。さらに福岡の基準局管内四所におきましては、鉱山保安局、石炭事務所、基準局、それぞれ数名ずつ出ましての連絡会議を持っております。今後とも両当局の連絡の緊密化は、両者相寄って努力して参りたいと思います。
#89
○小柳勇君 保安局長に質問いたしますけれども、この書面後の、通産省における具体的な措置と、それから鉱山保安法というのは、通産省の所管よりも労働省所管の方がいいのではないか、監督しやすいのではないかという見解を私は持っておるのでありますが、この点について御意見を聞いておきたい。
#90
○政府委員(小岩井康朔君) これはもう大きい問題でありまして、私一人でどうこうということはできませんけれども、私自身の考え方としましては、やはりこれは生産と保安というのを一緒にやっておりまして、たとえば一つの施業案につきましても、現在では両方密接に協議しながら認可に至るというふうに、生産、保安一体で離せないという感じから、いつもこの問題が出るのでありますけれども、通産省としては一本でいきたいという強い希望を、考え方を持っておるのですが、私どもも労働省に移してはたして保安が向上できるかという点については、いろいろ考えさせられるところもございます。しかし、労働省に移したからすぐに保安がずっと向上されていくのだというふうには、なかなか簡単には理解しにくいので、従来長い経験を持っておりますし、従来も生産保安不可分という観点から、ずっと長い歴史をたどってやってきておりますので、現状悪い点を是正していくという方向が、一応本筋ではないかというふうに、私自身も考えております。
#91
○小柳勇君 ほかの委員もおられますから、私はこれで質問終わりますけれども、要望を申し上げたいのは、明日そういう保安局の会議がございますならば、緊急的に具体的な措置をやってもらいたいと思います。恒久的な措置はまた根本的に検討いたしますが、緊急的な、具体的な措置を要望しておきたい。
 それから遺家族に対する援護態勢について格段の御配慮をお願いしたい。これは通産省も労働省もでございますが、以上二点お願いいたしまして、私の質問を終わります。
#92
○鹿島俊雄君 保安局長に、上清炭鉱の出火原因につきましては後に譲りまして、保安施設に関して二、三お伺いしたいと思います。
 第一点は機械室の保安施設でありまするが、私は現場を視察いたしまして、もしあの機械室の周辺の保安施設が完備しておればああいった事故が起こらなかったのじゃないか、言いかえますと、コンクリート等によって外壁を舗装しておればああいうことが起こらなかったのじゃないかと思うのであります。こういうことの指示、施設の義務というようなことはどうなっておるか、どのような措置を考えておるか、指示をされておるか、お伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(小岩井康朔君) 私どもまあ先生方と御一緒に入坑いたしまして現場を拝見いたしましたのでありますが、私自身の感じといたしまして、また規則に違反している状態ではないかというふうに私自身考えました。と申しますのは、規則の二百八十八条、八十九条の辺でコンプレッサー室としてはトタン板とかモルタル、そういったもので一応防火構造にしなければならぬということになっておりますので、ごらんの通りにまあほとんど坑木がそのままずっと受けておりまして、そのすぐ下にまあ機械があるといった状態で、あの状態が正しい状態だとは私考えておりませんし、現地で長くまあ監督官が二月に一回くらいずつ現地の監督をやっておりますから、その監督の結果を見ますと、コンプレッサー室についての指示はございません。まあ坑道がいかんせん御存じのように、非常に狭いところがありますので、坑道を切り広げ、その他電気関係には一部何回も重ねて監督官が指摘いたしておりますが、まあ不幸にしてあのコンプレッサーの点については巡回の監督者としての特別の指示が載っておりません。まあその辺につきましては現地の部長も責任を持って、またその間の実情を調べておると思いますが、そういった責任の帰趨については後日に待ちたいと思いますが、私自身の考え方としましては、あの状態は好ましい状態ではなかったのではないか、それからまあ従来監督官もその点を指摘していなかったという点も私自身まあ満足いたしておりません。
#94
○鹿島俊雄君 ただいまの御答弁については、これを端的に申して監督上のどうも御指示について欠けるところがあるように思われるのであります。今朝の大辻炭鉱の場合におきましても、やはりコンプレッサー室の発火といわれておりまするので、同じような状態じゃないかと想像されます。従って、早急に、どのような状況にあろうとも、モーター室、コンプレッサー室のようなところの十分なる保安施設の指示を行ないませんと、再び災害を繰り返すと思うのであります。従って、局長から万全の緊急措置の指示を講じていただきたい、かように考えます。
 それから第二に、機械室の係員の配置でありまするが、当時津川係員が十時三十分ごろに入坑して五十馬力コンプレッサー室は見た。その後十二時ごろまで他の場所におった、その間に火災が発生しております。もしそこに係員がおればあのような程度のものであれば完全にこれは、防止し得た、その備え付けの簡単な消火器で消火し得たと思うのでございます。従って、係員の配置の問題でありますが現場の調査によりますと、百馬力、五十馬力両機械室を一人で操作をしておるということを聞いておりますが、こういったことが一体違法であるか、妥当なのか、この点について承っておきたい。
#95
○政府委員(小岩井康朔君) 簡単に申し上げますと、コンプレッサーの五十馬力以下は、これはもちろん届出は何も要らない、端的に申し上げますと、自由に山側でできるということになっております。私どもの方に届出のあるのは百馬力以上のものでありまして、こういうものは届け出ることになっております。そういった関係で、現地の従来のやり方としましては、正規に届出のあるものは百馬力でありますし、その隣に五十馬力がございますけれども、ごく近いところにごらんのようにありますので、おそらく一人の係員で十分に見られるという断定で監督官もおったものと、かように考えておりますが、その辺の従来とっておったやり方、それから九州の実情、そういうものをよく聞きまして、今後そういった程度では十分に見きわめつかぬというような状態ならぜひ一つあと考えたい。百と五十すぐそばにございますので、おそらく一人で、あれに二人つけるということは、従来の考え方では全然やる必要はないという見方をしておったのではないか、私どもも当然そういう方向で従来はやっておったように考えられるような実情でございます。
#96
○鹿島俊雄君 次に、現場を見ますと、五十馬力と百馬力の機械室の距離わずかに十メートル未満です。百馬力の方に係員がおったというのですが、もしああいう状況でいたといたしますと、あの程度になるまでどうして気がつかなかったという点がどうも了解に苦しむのです。従って、これは私の思い過ごしかもしれませんが、あるいはその時間中百馬力の機械室に係員がおらなかったのではないかという疑いがあるのです。この点についてはっきりとお伺いしたいと思います。私の考えるごとく、おらなかったのではないか、距離的に見てどうもそれに気がつかぬという状況にないように思われますが、その点どうですか。
#97
○政府委員(小岩井康朔君) ごらんのように、室内の空気は、室内の一部からほかの排気の方に抜けるようになってございます、構造自体が。それで本人は百馬力の方におったようでありますので、坑内でかなり燃えましても、煙はあのままですと坑内から排気の方に別道から抜けますので、おそらく百馬力のコンプレッサーの方の側に煙はあまり出てこなかったのではないか、そこで発見がかなりおくれているという点がはっきり考えられるような気がいたします。
#98
○鹿島俊雄君 原因の追及については発火原因が明らかでないようでありますからこれ以上質問いたしませんが、とにかく五十馬力以下のものは届出の必要はないといいましても、やはり百馬力、五十馬力を問わず、発火の原因になる危険性のあるものについては特殊な炭鉱の状態においてははなはだ不適当ではないか、かりに十馬力であっても周到な配慮が当然あるべきであると思います。従って、こういう点は画一的ではなく、坑内の特別な実態からして早急に何らか措置を改むべきものと思いますが、この点について特にお伺いをしておきたいと思います。
#99
○政府委員(小岩井康朔君) もちろん私どもの方でも十二分に検討して対処したいという考えでおります。
#100
○鹿島俊雄君 次に、火災発生後の措置でありますが、先ほど他の委員から御発言があったと思いますが、通風カットの問題であります。あの火災現場を見ますと、私どもは意外に火災の状況が小さい、すぐ操業ができるような状況にすら思われます。従って、あの際に通風のカットを判断した当事者の考え方については、ここで議論をいたしても仕方がないと思いますが、あるいは冷静に考えた場合に通風カットを行なわないで、換気が行なわれておった場合においては、あのような事故が起こらなかったのではないかというような感じがするわけであります。従って、そういうような判断をする訓練か何か特別な方法が日ごろ行なわれておりませんと、再びああいうふうな問題を繰り返す、結局通風を行なうことによって火災を激しくさせるということで生命の危殆が考えられる場合、通風カットをしたということになりますと、それでは何か水かけ論のような議論になってしまうことになりますが、しかし、当時は監督官も現場にかけつけて、監督官の指示によって通風をとめたと言っておりますが、これは事実かどうか、この点について承っておきます。
#101
○政府委員(小岩井康朔君) 災害後監督官が参りまして、監督官の指揮で扇風機をどうこうしたという点は私の方には入っておりません。ただ、報告で、最初扇風機をとめまして、その後五分置きに断続してとめたり入れたり、とめたり入れたりして最後までやっております事実を見ますと、保安管理者としては非常に現場をいろいろ苦心して方途を講じたという跡が見られます。こういったこまかい点は非常にむずかしい問題で、私どもよけいなことをしますと、かえって大きく誤りますので、こういう災害が起こりましたときは保安管理者は最高の責任者であります。保安管理者はそういう場合には、冷静な指揮ができるように私どもはいつもやらしておるわけであります。特に、爆発などは、場所によりましては扇風機を逆転して数の少ない方を殺す。端的に言いますと、犠牲をさせるという方法を管理者自身がとらなければなりませんので、鉱山の一部でありますと、排気側の人数が多く、反対側の人数が少なければ扇風機を逆に回して少ない方の人数を殺す。従って、管理者といたしましては、当然承知して自分の部下の一部を殺すわけでありますから、その断定を下す責任を持っております保安管理者は、普通大ていぽおっとなってしまうわけであります。そこでああいう爆発とか火災の場合にはすぐ扇風機の処置の責任が管理者にありますので、私どもの方で側面的によけいなことを言いますと、一番実情を知っておる、一番大事な措置をとるべき責任を持っておる管理者の意思を勝手に動かすということになりますので、原則としてはあまり口出しをしないという方向をとっておるのであります。管理者がぽおっとして役に立たないような場合は、かわりまして側面的に応援をいたしますが、原則として管理者にまかせておるという現状でございます。
#102
○鹿島俊雄君 これは現場における当時の判断によるということになりますが、しかし、山の構造であるとか、そういうものはやはり監督官においても常に頭に入れておくことは当然である。一部鉱山管理者が他の坑内にいる者を救うために一部犠牲にするということはあり得ると思いますが、しかし、結果において山自体を助けるということで人命を犠牲にするというようなことが起こり得る場合もあるし、また、そういうような状況になるということは、これは、人道上重大な問題だと思うのであります。私どもといたしましては、当日調査の結果受けた印象は、どうもこの通風カットの措置については適切を欠いたのではないかというような気がするわけです。そのときに、私どもの質問に対して、鉱山側の意見、答弁は、たまたま火災発生後短時間のうちに監督官が来た。従って、その指示を受けて通風のコントロールをしたと言っておりますが、それをお伺いしたわけです。その点はなお調査の必要があるようですが、十分に調査してまた御報告を願いたいと思い一まず。
 それからもう一点、豊州炭鉱について承っておきたいと思いますが、先日、主目的以外でありましたが、要請がありましたので、劔木委員と陥没現場を見て参りました。労働組合、炭鉱主あるいは監督部長ともに参りました。その現場によると、陥没現場の提外に大きな坑道の落ち口がございまして、その一部の、坑道の上部の部分から相当燃焼している現場を見て参りました。また、監視縦坑の中にぜひ入ってみてくれという労働組合からの要求がありましたが、とうてい私どもは入る状況にも、また、時間もありませんからお断わりをいたしましたが、縦坑にあります煙突からも黄色の発煙が相当あって、相当の内部燃焼が認められました。その坑内を撮影いたしました写真も拝見いたしました。相当高度の燃焼写真が示された。この坑内消火については田川市が引き受けてやっておるのであるが予算その他の関係で、とうていこれ以上消火作業が続けられない。何か化学薬品を使って消火作業をやったということでありますが、消火後約二、三時間後にまた現状のように発火をしている。従って、とうてい今のような状態では消火不可能だというようなことであった。その結果、今度は鉱山労働組合側に消火の協力を要請されてきた。ところが、労働組合側の言い分によりますと、現在非常に危険な状態にあり、坑内は高温の上に一酸化炭素が〇・六%程度発生しておるために、とうしい危険で発火点に近寄れない。しかもその消火の措置を要請しておるが、他方坑道の上部を掘さくしてそのためそこから空気を送っておる形であり、従って、これではとうてい消火できない。このままでおくと、二、三日うちに一部の坑道の上部が乾燥いたしまして、これまた崩落する原因になる。再び中元寺河床の陥没を来たす状態だということを盛んに訴えられました。その火災の消火に関する責任というのが、どうもはっきりしない。また、監督部長の話を聞いてみますと、非公式の話でありましたが、市の消防陸であれば、こんなものは簡単に消せるというようなことを言っておる、にもかかわらず、労働組合側では消火を拒否しているというようなことを言っておる。しかし、お互いに今こういうことを言っておる時期ではないと思う。どういう形で一体あの坑内の火災の始末をつけるのか。また、たまたまその現場が河川の上にまたがっておりますので、建設省の方にも相当の関係があるかと思います。一体消火の主体をどこに持っていくか、監督部長の話を伺うと、田川市の責任で、監督部は責任のないような話になってくる。こういったことが現地が重大な問題になっておるのでありますから、この点について承りたいと思います。
#103
○政府委員(小岩井康朔君) これは私どもの方にも連絡は受けておりますし、私がまた最近現地に参りましたときにもお話は受けております。私、なぜその火が消せないのかという質問を逆に今監督部長に言っておるのでありますが、監督部長としましては、そこに、御承知のように、消火対策委員会というものがわざわざ現地に設置されまして、一連の火災の消火の委員会が設置されておりますから、監督部長としても委員会の意向にかなり左右されておるような感じもあります。それから特に私も全然理解ができないのですが、現地の組合側がその消火をさせないというふうに監督部長から報告を受けておるわけです。何でそんなばかなことになっておるのかという点が私どももわかりませんけれども、それはまあ組合がそういう意向を持っておっても、保安の点が悪いならそこでまた断を下すべきじゃないかというふうに私どもは言っておりますが、もう問題はごく簡単な問題で、現地でやろうと思えばいつでもできる問題でありますので、私どもの方からわざわざその問題に入る必要全然ございませんし、現地には通産局長、監督部長というものがおりまして、しかもなおその機構の中に一連の消火対策委員会というものも特別に設けられて、もう各般のエキスパートがみなそろっておりますから、その火災をどうすべきかということを今さら私の方で何か指示をする必要はないというふうに私自身考えておりましたが、ただ、当面非常に懸念いたしておりますのは、それを消したらいいじゃないかというのがなかなか消せない。その理由が、組合が反対しておるとか、どうも理解のしにくい点がありますので、私が一応ここで多少懸念しておりますのは、あの坑道は陥没しましたところのダムの工事の漏水を監視するために何か作っておるんだ、おそらく現地でそういう説明をお聞きになったと思うのですが、縦坑から坑道ができておるのですが、あの坑道は、私はあんなもの埋めてしまえとこう言っておるのですが、組合の強い意向に従ってあの縦坑から坑道を、ダムのふけ側と申しまして、傾斜の深い方の側にわざわざ掘っておりますのは、そのダムの工事がもし不完全な場合に漏水するだろうから、その漏水のいかんによってはまたその坑内に影響がくるから、漏水の状態をこの坑道によって検査をするんだというふうに聞いております。で、そこでその坑道にどうして火災が起こったか、この点も私わかりません。しかし、まあ原因は何にせい、あそこで火災が起こったということならお消しなさいと、こう言っておるのですが、現地では、いまだに消してないようであります。ただ、私がここで懸念しますのは、あの坑道が施業条に基づいてやっておる坑道でも何でもございませんし、鉱業という範疇に入るものかどうかもわかりません。要するに、ダムの工事の監視の坑道ということでありますから、そういったいろんな点をただいたずらに法的に悩んでできないんではないかというふうに一応推定しております。しかし、まあ現地にはそれだけの機構が整備されておりますから、いずれまた手を打つんではないかと、私どもはとうに当然消すべきであるということは十二分に伝えてあります。あとは現地にまかしてございます。
#104
○鹿島俊雄君 ただいま局長の答弁によると、地元の労働組合側で反対だというが、必ずしもそうでないようであります。結局両者の言い分を聞いてみますと、労働組合側においてはその消火もいい、粘土を塗って閉塞する方法もいい、しかしながら、非常にガスの発生状態が強いし、温度も非常に上がっておるのでとても近寄れない。従って、消火が不能であり、それをわれわれに確認してほしいということなんです。実際に見てその言い分が正しいか間違っておるか見ろというようになってきておるわけなんです。従って、消せるものを消せぬと言うのではないと思われますが、また一面に、監督部長の話によると、労働側はその消火に対して注水を行なってはいけない、使うとまた坑内の増水をしてまずいということであったわけですが、火災を消す程度の注水を反対する理由はないんじゃないかと思う。従って、判断の上強行したらよかろうと思う。
 もう一つは、監督部の方では、消火の責任はないのだ、すでに田川市に責任が移っておるというような水かけ論をする前に、何らか官公庁間の連絡によって田川市の消防隊が消せるものならば消してしまうべきであると思う。そこまで積極的に問題について話し合いしませんと、土地の住民の代表からも非常にこの点は不満と不安を持って陳情がございました。この点は重ねて早急に現地の監督部長について事情を究明して処置をしていただきたい。私どもといたしましては、現実にそのような状態を見てきておるのでありますから、一応消火をするべきであり、そうでありませんと、現在河川についても、いつ増水によってまた再び河床隔没が起こるかもわからぬという状況であります。この点ははっきり御指示願いたいと思います。
#105
○村尾重雄君 私は、鹿島、小柳両委員から大体今のところ一応の質問はされておりますので、時間的な関係もございますので、ごく簡単に二点ばかり局長にお伺いしたいと存じます。
 御承知のように、上清炭鉱災害に関して本院から派遣された委員の方と御一緒に私現地に参ったのでありますが、そのとき私、現地を見てまず感じたことは、こうした炭鉱災害は今までたびたび起こっています。私の知っている範囲において、また聞いている範囲において、その災害の原因ですね、それから災害後の救助作業等の処置等が適正に行なわれたかどうかというようなことについて、とかく原因が不明になっているという点なんです。今まで相当原因をば炭鉱のことですから、非常に不可抗力であるとか、むずかしいことであるとかというようなことが、まず条件等もありましょうが、とかく炭鉱災害の起こった原因及びその後の処置等について非常にあいまいに今日まで過ごされていたことが多いと思います。そういう点では、今度は局長にわずかな時間お目にかかったときの御意見等を伺っても、今度は非常に災害が大きいが、しかし、この原因なりその処置等については解明できるというような自信を持っておられるほどをうかがえるのでありますが、私は、その点で今度のことについては原因なり及びその救助処置等について十分に適正であったかどうかということの究明ができると御確信を持っておられるかどうか、承っておきたいと思います。
#106
○政府委員(小岩井康朔君) 私たびたび申し上げておりますように、とかく大災害になりますと、原因がなかなかわからないのが、これが従来の実情であります。しかし、豊州炭鉱も不幸にしてああいう炭鉱のいわゆる炭鉱作業そのものからではなしに、三百メートルも離れた昔の古洞にもとを発して起こりました関係で、なかなかいろいろの関連が十二分にわからないという事態がございまして、現在のところはもう不可抗力に近いというような状態になってしまっておるわけであります。これは私といたしましても、現地を責めてもいたし方ございませんし、続きまして上清炭鉱の災害を起こしておるのでありますが、これがまた原因がわからないというような事態になりましては、私自身としてもまことに申しわけもないし、また、そんなのんきなことも言っておられぬという感じから、国際会議を捨てまして現地に飛んだわけでございます。従って、私の調査の重点は、原因究明ということに終始しておるのであります。現地を益んに督励をしておりますが、これもなかなかむずかしい点ももちろんございますが、今回の場合は、原因をほぼつかんでおりまして、目下その証拠固めに奔命でありますので、私どもとしても原因究明とともに、諸般の関係者の責任の帰趨ももちろん従来にも増してはるかにはっきりした状態で皆様に見ていただきたい、こういうつもりで現在おるのでございます。
#107
○村尾重雄君 先ほどからいろいろとお話があったように、私も御一行と一緒に、いわゆる問題となった五十馬力のコンプレッサー室をば拝見したのでありますが、その前に経営者である上田清次郎氏が私たちにこう語っているのであります。
 それは、火のけのないところに、火災の起こる原因のないところに火災が起こった。だからあなたがたは一つ私の言い分も、失礼かもわかりませんが、十分に原因を調べてもらいたい、こういうお話だったのであります。われわれ先入観としてはコンプレッサーの加熱によるとか、あるいはこの五十馬力の過熱によるとか、いろいろ先入観を持ってわれわれ入ったのですが、さてわれわれしろうとが見ても、また現場でいろいろとコイルの燃えていない点とか、あるいはスイッチを切った時間等々の話を現場の案内者に伺ったときに、大体五十馬力が原因でないのではないか、コンプレッサー過熱ということにも一つわれわれ疑点を持たなければならぬ。ただしこの抵抗器だとか、あるいは閉塞器だとか、電気設備等についてまあこれに、何か専門家が見ればこういうところに疑点がないかという感もいたしました。しかし、さて五十馬力の機械室の周囲の岩壁等を見ますると、やはり失火を、そうたやすく火の出るようなところでないということをば深く感じたのであります。そういうような点と、ただし先ほどからいろいろと鹿島議員がお尋ねになったように、この五十馬力の部屋と百馬力の機械室との間、さき七メートルとおっしゃっておられましたが、私たち現地に見て大体五メートル程度のところだと思いますが、あの近くに二つの部屋があって、そこから失火ということについては相当これは簡単にやはり原因というものが解明できないのじゃないかと、こう思います。こういうような点で私は、この五十馬力のある部屋から火が出たということ、これは間違いないと思うのですが、その原因究明については鋭意究明を願って、やはり結果というものをばぜひとも解明していただきたいと、こう思うのであります。私は失火の原因などについては、われわれとうていこれは調査したってわかるものじゃございません。当局及び関係者の失火の原因の解明をば、結局待つのでありますが、ただ火災が起ってから七十一名の坑内に――それ以上おられたのでしょうが、犠牲者を出したが、その救出作業というものが相当長時間においてこれが放任されておった。なぜ火災が起こってから坑内に働いている人の待避ということがもっとすみやかに行なわれなかったかということは、局長自身も十分にこれはお感じになっておったことだと思うのです。また、われわれも深くそれを感じるのですが、そこで私は、この坑内の電気室の失火の原因をなぜもっと早くこれを知ることができなかったかという点で、私、ただ一つだけの疑問を出したいのです。この点は十分今後の調査を待ちたいのですが、たとえば電気室におられた津川さんとかいう六十年配の方が、百馬力と五十馬力の両方の管理をされておった、当然五十馬力と百馬力、現地でいろいろ伺いますと、一人で二つを大体操作しているということは、これはもうあたりまえのことだそうです。その点は一人々々置かれることは非常に完全なんですけれども、一人でも十分できる仕事だということはわれわれ了解し得たのですが、ちょうど発見された人が、今話を伺っていますと、沖島という人だそうでありますが、坑内で働いておって煙が浸透してきたので、自分は感じて上がっていって火事を発見したというお話がありましたが、向こうで、現地で聞いたときは、津川その他何がしという二人ほどの人が十二時の食事を百馬力の部屋の近所でしておって、非常に焦げくさいにおいがしたから、何だと思って五十馬力の機械室に行ったところが、すでに煙がもうもうとして判別することができなかったということを、その人直接じゃなしに間接に伺ったわけであります。私実はその炭鉱に幸い偶然ですが、知った人がおったものですから、その人等にもいろいろ事情を伺ったのですが、その話を私に知らすために言ったのではないと思うのですが、その話のあやからいきますと、津川が、また電気係というようなものは四百メートルといいますが、炭鉱坑口に出ることがたやすいそうですが、昼の時間だから昼飯を食いに行っておったのではなかろうか、こういうお話も伺ったわけです。私はその電気係と申しますか、そういうことが、本人を責める意味じゃないが、事実とすれば、これは相当やはり今後重大なことになるのではないかと思うのです。この点お気づきになっておるかどうか知りませんが、百馬力の部屋に食事しながらそこにおった場合、あの離れ方では、五十馬力の部屋で火事が起こったときにもっと早期に私は発見できたのだと思うのです。そういうような点で十分こういうような点についての調査を御依頼申し上げたいと思うのです。それと私が話をし過ぎるのですが、時間の関係上まとめてお尋ねしたいのですけれども、また、私の言いたいことも向こうを見てきた立場から一気に申し上げたいと思うのですが、私しろうとが感じたことは非常ベルの問題です。火災が起こった場合、発見が少々おくれても非常ベルの装置があれば助かるのではないか、こう思ったのですが、大体中小炭鉱では非常ベルがないのが今日の現状だそうです。これが事実だと思います。だがあの炭鉱で何か奥で作業をしている人たちに災害を知らす方法がないのかと言ったら、外からは電話がある。なぜ電話をかけなかったのだと言えば、火災がわかってこれを坑内の奥の方に知らそうと、何片々々と言っておりましたが、知らそうとして電話をかけたのだが応答がなかった、こう言っています。非常に坑内では災害を知って右往左往しておりますから、詰所に人がおらなかったんだとは思います。それ以外に何かないのかといいますと、こういうものがあるのだといって私見せられたのですが、鈴ですが、これは何に使うのだといったら、炭車のストップ、発車等の合図に使う鈴がある。これはどうして鳴るのだといったら、坑外から何か電気の陰と陽との接触によってその鈴が鳴るようになっておるのだというような話を伺ったのですが、そういうことはあの坑内に置かれておることが事実なのかどうかお伺いしておきたい。そういうような点についての、あなたはいろいろと保安関係上坑内の事情をお聞きになったときに感じられておったかどうか、お伺いしたいと思います。
#108
○政府委員(小岩井康朔君) 大体今のお話の中で、かなり私大半のものは前にお話申し上げたような感じがいたすのでありますが、最後の点はちょっとわかりかねましたが、坑外から何か操作しますと中で鳴るように……。
#109
○村尾重雄君 炭車の合図……。
#110
○政府委員(小岩井康朔君) それは逆であって、よく炭車の車両にこういうものがついております。あれは炭車に乗っている人間が操作しまして外に連絡をするものでありまして、おそらく逆のものじゃないかと思いますが、外からで中にベルの鳴るようなものは私どもは現在存じておりません。それから話の中で、私ももう非常に強く感じておるのですが、なぜあれだけ多くの人を殺してしまったかという点については、それぞれの管理者とか、係員の処置になってくるわけですが、これらの詳細がわかりませんものですから、まだこういう事態ならこういう点が悪かったんじゃないかという点が明確に申し上げられないのが残念でありますが、私自身もあれだけ大ぜいの犠牲者を出さぬでも方法があったのではないかという感じはもちろんいたしております。それからこういう災害の事態にかんがみまして先ほどもちょっと触れましたように、やはり連絡の装置というものを従来電話だけでやっておりましたが、これではとても満足に参りませんし、また、中小炭鉱には、あまり大手で使うような種類のものも、実際にはやはり使いにくいですから比較的簡単なもので、片側操作でもいいから一斉退避のできるものだけは、必要炭鉱には全部つけることのできますように、指導でなければ、法的な措置をぜひとりたい、かように考えております。
#111
○村尾重雄君 私先ほどから申し上げておりますように、災害の原因及び災害が起こった後の処置等について、今後の所信としてやはり十分に検討されんことを望んでおきます。
 それといま一つ、これは新聞で拝見したのですが、先ほど小柳君からいろいろとお尋ねがあったように、九州における、特に中小炭鉱――局長のお話では、特殊炭鉱という言葉をお使いになっておりましたが、監督官の行政が、暴力とかまた阻害等によって十分に行なわれない、これに対して九州警察管区が、何か特例のこうした監督官行政がすみやかに行なわれない原因等を追求するために一つの指令が出されたということを伺っておりますが、特殊炭鉱という範囲をこえた炭鉱においては、十分に監督官行政というものは行なわれていると、そう了解してよろしいのですか、どうですか。
#112
○政府委員(小岩井康朔君) 先ほども触れたつもりでおりますが、全般の炭鉱としては、現在監督官が坑内巡視をいたします場合に、支障を来たすということはないのでございます。昨年の統計では八件ということが出ておりますが、ただ特別のごく数人の人間の所有する炭鉱に参りました場合に、巡回監督を拒否されたり、あるいは下がるのに、話し合いをつけなければすぐには下がれなかったというようなケースが出ておるのでありまして、まあこれらも、監督がどうしてもできぬという事態に立ち至った場合はございません。おそらく監督官が回りますと、いいことはもちろん申しませんから、いずれも経営者側には気に入らぬことばかり申すのが監督官の仕事である関係上、お前たちが来るとうるさいという感じが、しょっちゅう小炭鉱の経営者にはございますものですから、いやがらせといった程度でそういった姿になってくるのじゃないかと思います。実質的に監督が、ほんとうに困ってできないという場合は、現在までにもないのでございます。ただ手数がかかるという事例として、新聞にも数件出ておったように思いますが……。
#113
○村尾重雄君 もう一点。ただいまのことにつきましては、局長の今のお話で私一応了解いたしまして、そういう点については、今後、あなたのおっしゃるように、監督行政というものが炭鉱内ですみやかに円滑に行なわれるように、鋭意努力されるように一つお願いしておきます。
 いま一つ要望しておきたい問題は、実は私たち一行が参りました日に、先ほどお話のあった、谷監督官にお目にかかったんです。そうしてつぶさに私いろいろとお話を伺った等の関係で、実はあの監督官が責任を感じて自殺をなすったという報道を衆議院の方々が福岡で集まっていろいろと関係者から事情を聴取する事前にお話を伺って、非常に衝動を感じたのですが、その後の新聞、特に朝日新聞等の報道を見ますると、何か、監督官の死ということが、責任を感じての自殺ということが、山の関係者との間に何か問題があって自殺をしたのではないかという疑惑を持たれるというようなことの報道が、盛んに新聞によって報ぜられていることなんであります。特に上清炭鉱の組合長のお話も載っておりました。また、それぞれ、関係者の監督官の責任を感じての自殺ということは、何か割り切れないものを上清炭鉱の災害で感じるというようなことが書かれております。私はこういうようなことはあり得ることと思いません。しかし、新聞でそう報じ、また、現地の方々も、そうした疑惑を持たれておることも、これは当然のことだと思いますので、そういう点等についても、やはりなくなられた谷監督官の霊に対してでも、そういうことの全然ないように、上清炭鉱災害については調査を十分にされて、そういう疑いを十分払拭するように処置せられることを要望して、私の質問を終わります。
#114
○藤田藤太郎君 私も一言申し上げておきたいのですが、今までのお話を聞いて、問題は、どうして火災が起こったかという問題になってくると、オーバーロード・リレスというものが、モーターには必ずついているはずだと思うのです。だから、オーバーロード・リレーのところでストップして、電気がモーターやコンプレッサーに流れないという個々の防衛的な機械装置というものは必ずあると思うのです。だからだんだん話を聞いていると、モーターやコンプレッサーが焼けてない。結局どこから火が出たかというと、オーバーロード・リレーとその前のヒューズ・スイッチというところなんじゃないかと想像する。私は現地を見ていませんが……。そうすると、そこらあたりに導体が――導体といいますと、鉄とかそういう電気が通ずるようなものがどこかにひっかかったか、または碍子その他の水が入ったか、あるいはごみがたまって、そこでショートを起こしたかということしか考えられないです。だからもう原因が明らかになっているのじゃないか。今度も大辻炭鉱にコンプレッサーの火事が出ているのですけれども、私は同じようなケースじゃないかと思う。炭塵が多くて、そこに絶縁体の役割を果たさず、ショートの障害が起きるとか、そういう障害が技術的な問題として起きているというのが、火事の原因じゃなかろうか。他から手を加える場合もあるかもわかりませんが、そんなことは、まず想像されないとすれば、そこらへんじゃないか。そこらあたりが、行かれた人に聞いてみると、装置ははずして持っていってしまって、ないというのです、モーターが焼けてないというのです。これは今後の問題もありますから、やはり隠蔽、囲いをして、絶縁体が完全に絶縁体の役割を果たすように、オーバーロード・リレーが十分な役割を果たすようにこの種の処置をしておけば、火事は免れたのじゃないかという気がするのです。
 それからあとの方の問題は、処置の問題で、いろいろ疑問点をたくさん残しています。救援作業をやるまでの時間その他を見ると、小柳委員が申しておりますようにいろいろ問題点を残しておると思いますので、これは厳格に一つ処置をしていただきたいということを強く要望しておきたい。
 で、監督行政について、一人じゃ行けない、なかなか入れない、集団して行かなければ、監督行政ができないという状態だと聞いておる。小岩井局長のお話とだいぶ違うのだけれども、実態に触れて監督行政を今後明らかにしていただきたいということをお願いしておきたいと思う。
 それからいま一つの問題は、豊州炭鉱です。非常に重要な問題で、内容は大体わかりました。しかし、その最後の問題で結論をつける前には、やはり社労委員会としても、これは何とかもう一度われわれが見て、衆参両院の社会労働委員会が、通産省が決定する前に、何かわれわれの意見、われわれの判断も、人命尊重の意味からやらなければならぬという感じを強く持ちます。これはあとで、理事会その他で委員長にお願いして相談したいと思うのです。
 それからもう一つは、労災の問題です。労災は御存じの通り、業務上の災害ということで使用者が補償すべき業務上の故障、疾病に対して、補償すべきものを労災保険という形で労働省が管理して、全国統一、徹底的におやりになっているのですから、いい方法だと思うのです。しかし、今の状態で一括して一つの問題点は、明らかな事故があって、またけがをするとか、裁判論争があるというならともかくとして、本人は業務上死んでしまっている問題には五〇%だけ金を渡す準備をしたとか、渡すとかいうことで、その長い間の解決をしてからあとの半分を出すということは、これはちょっと実態に沿わないと私は思う。炭鉱の中で業務上死んでしまっているのに、まだ裁判の結論がつかないので五〇%出すなんていうようなことでは、これは実態に合わないと僕は思う。これはもうほんとうに根本的に考えてもらいたい。基準局労災保険……。
 それからもう一つは今度の遺族補償が千日分ですから大体計算をしてみますと、六十万円ぐらいにしかならぬ。子供がたくさんある人に今日六十万円の遺族補償じゃ少し私は酷だと思うのです。自分がある程度、自分の責任がたとえ一%、二%あるような格好で命を断たれたというなら私は理屈があると思いますけれども、今のような状態で、全然自分の不始末でない、そういうものが炭鉱の事故なんかに多いです。全然他意的な力によって自分の命が滅せられるという場合に、これは標準賃金報酬にかけるというのだけれども、しかし、六十万円じゃ少し私は遺族の生活を保障することはできないと思う。だからこの二つを考えていただきたい。まあ全体の問題として、それならそういうことになると、療養補償の問題や、給付の問題、その他いろいろの問題が労災保険としては関係してきます。しかし、関係してきましても、私はやっぱしこのような問題は、摘出してでも社会保障の問題というものはもっと真剣に考えてあげなければいかぬのじゃないかということを特に申し上げておきたいのです。時間がありませんから、これでやめますから、御所見があったら一つ両方とも承っておきたい。
#115
○政府委員(大島靖君) 労災保険金の支給の時期の問題につきましては、実は豊州炭鉱の点につきまして、昨年の暮れも準備をいたしましたのでありますが、遺族の方々の方に各種の御事情もございましたようで、まだ申請が出て参りませんので、そういう事情もありますことを一つ御了承いただきたいと思います。
 なお、保険制度全般の問題につきましては、いろいろまだ十分でない点もございますから、現在におきましてもそれ以上の措置を労使協定においておやりいただいておるところも多いのでありますが、なお、全般の問題につきましては、また、社会保障制度全般の問題等とも関連いたしまして、将来においては検討を進めて参りたいと思っております。
#116
○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。
   〔速記中止〕
#117
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
 それでは暫時休憩をいたします。午後は二時半より再開をいたします。
 午後一時三十四分休憩
   ――――・――――
 午後二時五十五分 開会
#118
○委員長(吉武恵市君) 午前に引き続き会議を開きます。
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#119
○村尾重雄君 このたび出されましたこの改正案は、それぞれこの法案が当初作られたときに、いろいろとこの法案を実現することに取り上げられることのできなかった意見とか、あるいは労働省からこの法案改正に関して中小企業退職共済審議会というのですか名前は違っているか知りませんが、その審議会にも改正に関して要請された模様であります。そうした審議会の審議された結果、どうもおおむねこの改正案は取り上げられているというようなことを伺っておりますが、それはそう解してよろしいですか。
#120
○政府委員(冨樫総一君) その通りでございます。
#121
○村尾重雄君 そこで、私まず取り上げられた第一点の常用従業員数百人、製造業、商業またはサービス業三十人以下とあるものをば、五十人、また二百人にと拡大された、非常に私はけっこうなことだと思うのでありますが、商業またはサービス業の三十人以下を五十人にまで拡大されたということ、これは組も賛意を表してよくわかるのですが、百人を二百人になすったということ、少し私なりに疑問があるのです。というのは、今私知る範囲内において、もし統計があればお伺いしたいのですが、現在退職手当制度の存在している製造業、労使間の退職手当制度というものは、百人以上の製造業では、事業所では、大体存在しているのではないか、大体という言葉は九〇%以上、これはすでに制度は作られているのではないか、こう思います。むしろこうした共済退職制度の必要な部分というものは非常に数少ない、十人また十人に満たない工場に必要ではないか、こう思うのですが、その点百人以上の事業所を二百人に拡大されたおもな理由があれば伺いたいのです。
#122
○政府委員(冨樫総一君) 私どもも、先生のおっしゃいました観点につきまして、基本的には同じような感じを持っております。ただこの際に、法律で申しまする百人とか二百人という意味は一事業所における百人、二百人という意味でございませんで、一企業としての百人、二百人という扱いになっております。従いまして、一企業所単位ということになりますと、統計的に百人から二百人までの間に、自前で退職制度を持っているものは四七%、つまり半分ちょっと欠けるのでございまするけれども、自前の退職制度を持っているものは半分に足りない。従いまして、この面につきまして、この制度に加入する道を開く、こういうことに審議会の方々もわれわれもそういう考えをもちまして、こういう提案をいたしたわけでございます。
#123
○村尾重雄君 ただいまの企業及び製造業といいますか、そうした言葉はこう解していいのですか、基準法でいわれている企業、それから事業所、こう解していいのですか。なお、企業と言われておるあり方、実態、どう解釈していいのか教えて下さい。
#124
○政府委員(冨樫総一君) 組合法のたとえば十七条でございますが、一の事業所において全従業員の四分の三とか、あるいは基準法におきまして一の事業所において従業員十人以上という場合は個々の事業所の規模、こういうことになってございます。ただ今回のこの法律におきましては、一の企業、従いまして、第一工場、第二工場、支店を合わせた全体の規模、こういうことになっております。
#125
○村尾重雄君 そこで、今百人以上の企業なり、事業所で退職手当制度の存在するのは四八%程度だと……。
#126
○政府委員(冨樫総一君) 四七%。
#127
○村尾重雄君 四七%程度であるということは、それは確かかどうか、一つ統計でもあればそれに基づいて教えていただきたい。
#128
○政府委員(冨樫総一君) この根拠は、通産省において調査いたしました昭和三十二年十二月調査の中小企業総合基本調査、これは非常に複雑な調査でございまして、結果が出たのはだいぶその後で、去年くらいに結果が出たはずでございます。従いまして、本法制定当時には、こういう確実な資料がなかったということでございます。
#129
○村尾重雄君 そこで、私が最初から持っておる疑問が出てくるわけなんです。たとえば労働省で何かの調査で三十一年の退職手当の存置する、在置しないの統計はたしか何かで見たことがあるのです。
 それから今三十二年の通産省の調査の結果だというお話なんですが、御承知のように、最近非常に日本の経済が好況になっております。その好況になった日本で、また組織が、それぞれ全国的な労働組合組織も従来怠りがちであった中小企業面、特に商業、サービス面に非常に組織の力を集中しております。その結果、たとえば最低賃金の問題にしても、また、この賃金ベースの引き上げにしても、特にこの退職手当制度の設置ということについては非常に努力をして、最近非常に私の知っておる範囲内においては、もう百人以上の事業所なり、企業というものを対象にしてもう九〇%、これが制度が作られているものと非常にずざんな見方ですが、解しているのです。そういう点で三十二年特に通産省の調査、これを信用するとか、しないとかは別ですが、私は労働省が見られ、また、あなたが労政業務をやっておられて百人以上の工場、事業所なり、企業においては、もう退職手当制度というものは私が申し上げるように九〇%までできておるものと大体解されますかどうか、一つあなたの御意見なり、実地に基づいての考え方を教えていただきたい。
#130
○政府委員(冨樫総一君) この三十二年はいわゆる神武景気、その後ちょっと谷底になりましてまた岩戸景気ということになりまして、われわれの雇用面、現実に見た雇用面におきましては、ことしあたりは新規卒業者などは中小企業の方でむしろ求人難ということで、そのために大企業並みとまで行かぬにしてもそれに近い労働条件を設定いたさなければ来手がないということで、先生のおっしゃいましたように、退職手当制度につきましてもできるだけ自前の制度を相当作ったと、であろうということも、そう間違いのない傾向であると私どもも考えます。ただ一方におましては、こういう中小企業の御主人と申しまするのは、企業の計算においてこういう退職金を支払う、あるいは積み立てをするということについての財政上の余裕がありましても、実は労務課があるわけじゃない、労務係があるわけじゃない。従って、おやじさんが一人で金融の差し繰りもやれば、お得意回りもする、職工長も勤めるということで、一つの国の作っているこういう制度に加入申し込みをして、毎月銀行の窓口できまった銭を納めればこういう制度に均霑できるということであればすぐ入ろうと、しかし、なかなか民間の自前の制度と申しまして、退職金制度を作って、事故退職のときはどうだ、何がどうだといったようなめんどうくさいものを作るほど一方御主人にとっては余裕がないと、こういうことで、統計上三十二年の四七%をかりに相当上回っておりましても、一方こういう加入の門戸を開くということの意義というものは必ずしも滅却されることはあるまいという感覚で審議会も御答申になり、われわれもけっこうだということでこういう原案を御提示したわけでございます。
#131
○村尾重雄君 私がこの問題に少しこだわっているようですが、なぜこれを申し上げるかと申しますと、御承知のように、最初これが発足した当時、加入者が思わしくなかったという言葉は誤弊ありまするが、そう進捗したものとは思われませんでした。それが急速に伸びて参った模様でああます。特に最近の雇用の関係、特に中小企業の置かれた関係と零細企業の今日の状態から、求人難からこの制度は非常に積極的に業者間から支持されている傾向で伸びてきた模様であります。この提案理由説明の中にも、三十六年一月末で企業数二万二千六百九十七、従業員数二十七万八千百二十一人という実績を上げられておりますが、これ以上の私は今日加入者を、成績をあげておられるものと思います。そこで私がなぜこれをこだわって申すかと申しますと、百人の事業所を二百人にされることは非常にけっこうなんです。しかし、百人が二百人に拡大されることよりも実際面は非常に少ない事業所なり企業特に商業とかサービス業の三十人と限られている以外に、製造業なりこれらの企業において二十人、十人、五人という少数の事業所の組織が、私はこの制度は実績が十分に上がっていないと思うのです。従って、これらの少数の事業所なり、少人数の企業なりにもつと重点を入れてもらって、百人以上の工場、事業所にこの制度を拡大されること自身は、私は少し保険経済から、まあ最近大きなところなら割合に楽にやはり実績を上げていけることができるから、そういう方面に比べてきわめて成績を上げることの方に意を用いられて、実際必要な小事業所に対しての私はPRとか実績を積極的に活動するということの方を、おろそかにされているとは思わないですけれども、そういう感じを受けてしようがないのですな。その点少数工場に対しての現状はどういう調子になっておりますか、おわかりであればお知らせ願いたい。
#132
○政府委員(冨樫総一君) 仰せの通り、この制度ができた趣旨は、よかれあしかれ、大企業あるいはそれに準ずる企業に自前の退職金制度がある。それに対して、中小零細企業はそういう制度がない。従って、公共的サービスとして、入りやすい、かつ魅力のある国家的サービス行政として、こういう制度を作って、大企業との実質的労働条件の格差の圧縮をはかるというところに目的があるわけでございます。従って、自前で作り得るところを役人が、あるいはこれらの主体である事業団が手柄顔に、加入員をふやすということをもって功成れりということはいけないということで、これはもう重々戒めて参ったところでございます。で、今回の改正におきましても、先ほど申しましたように、百人から二百人に門戸を開放いたしましたけれども、一方におきまして、改正の重点は、提案理由に申し上げておりまするように、元本保証の期限を勤続三年半から二年と、あるいは国庫補助の勤続年限要件を五年から三年に引き下げたということは、ある程度短期勤続者に対する給付の改善、従いまして、短期勤続者は中小企業よりも小企業、さらに零細企業の方に多いという意味合いにおきまして、小ないし零細企業に加入しやすいという道を実質的に開いたということも、今申し上げました趣旨にのっとっておるわけでございます。
 なお、その意味合いで従来とも努力して参りましたが、その成果といたしまして、今日、企業所で二万二千何百というものが加入しておりますが、そのうちの約八割方は二十人未満の企業所でございます。その意味合いにおきまして、今後とも、その方に積極的なPR、加入についての努力を傾注いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#133
○村尾重雄君 今のこの二十人以下の企業所八〇%でしたか。
#134
○政府委員(冨樫総一君) 正確に申しますと、七九%。
#135
○村尾重雄君 七九%でございますか。それの十人以下の、零細企業と…。
#136
○政府委員(冨樫総一君) 内訳を申しますと、一人から四人までのところが二九・五、この分野は社会保険でもなかなか適用しにくい厄介なところでございますけれども、ともかく商店街その他を統合いたしましてここまで入れておるところは、われわれのしがない努力の成果もあるというふうに思っておるのでございますが、次に、五人から九人までは二五・九%、次に、十人から十九人までが二三・六%でございます。
#137
○村尾重雄君 今お知らせ願った数字から見ても、非常に小人数の事業所なりにおいては、こうした退職金共済制度というものの徹底仕方は、現状においてはまだまだ私は御努力なさる範囲があるのじゃないかと、こう思うのでありますが、そういう点から、私は百人以上に拡大されたこと、必ずしもこれは反対するものではないのですが、こうした小人数の、しかも自前で退職手当制度というものを持つことの、非常に周囲の事情あるいは実際の経済事情が困難な職場等について十分にPRといいますか、労政関係の方々の努力を待たなくてはならないことですからして、こうした面にうんと組織の必要性、この法の精神から言っても、努力をなお一そう重ねて、この法案の成果が十分に小工場、小さな作業場等においても受け入れられるように御努力を願い、実績を上げていただくように御努力を願いたいと、こう思います。
 それから、私次に、ただいまの局長のお話の中にもありましたが、第二点でありますところの、現行制度では掛金納付月数が三年半に達しないと掛金相当額とならないのを、納付月数といいますか、二年から掛金相当額として、まあ掛金納付月数五年から五%の国庫補助を行なうこととなっているのを、三年から五%の国庫補助を行なうことにいたしたということでありますが、国庫補助の問題は、これはまあ一つおきまして、三年半を二年に、短い勤務の方に相当額の退職金をば給与できるようなふうに下げたということでありますが、私はこの二年というやつを、いま少し短い一年にできなかったのかどうかということ、これをお伺いしたいのです。
#138
○政府委員(冨樫総一君) ここら辺のところは、数学的にきちんと出るという性格の問題でもございませんで、退職金共済審議会でも、特に数学的方程式で、きちんといった数学の根拠に基づく答申ではございませんが、数字的なそういう気持になりました基礎として一つ一つの数字を申し上げてみますと、大体こういう中小企業の平均勤続年数は四・一年となっておるわけでございます。四・一年。そうしますと、これだけから見ますると、従来の三・五年という期限というものは、それほど無理でもないように考えるのでありますが、実際の統計から見ますと、四、五年たったものは自今相当継続するのでありますが、一方においては短期退職者はぐるぐるぐる回転するということで、別の統計によりますと、二年未満の離職者というのが実は六八%、平均すると四・一年なんですけれども、個々人について見ますと、二年未満の者が六八%まで離職するという統計が、別途昨年になりまして明らかになったわけでございます。従いまして、その面から申しますと、先生のおっしゃいますように、一年ぐらいのものに短期給付を改善するということの感じが出てくるのでございます。実際の面から見ますと、特殊の企業を別といたしまして、一年や一年半のものよりも、せめて二年以上ぐらいの定着性がほしいという感じ、この退職金制度というものの一つの目的は定着を期待するということにありまするので、そういう観点からして、せめて二年ぐらいまで以上は定着していただきたい。それから一方現行通り三・五年ということじゃ、初めからうちはもう短期退職者が多いのだからだめだといって加入を断念すると、そこら辺の相かねたところで、一応二年というふうに短期給付の改善をはかり加入について初めから断念しないで加入の意欲を期待すると、こういうことにしたわけでございます。
#139
○村尾重雄君 まあ退職手当制度の本質からいって、長期定着するということ、これは一つのやはり見どころであります。ところが、今日置かれている中小企業、特に零細企業、ことに商業、サービス業という面において、私は短期給付制度はあるかないかということがやはり非常に一つの魅力じゃないか、また、これがないことが一つの欠点じゃないかと、こう思うのであります。というのは、最近非常に好況を反映して求人難です。特にこの求人難のときにおいても、短期給付の面をこれはやはり共済制度という一つの精神からいっても、また、政府がこれに非常に力を入れられた中小企業、そうした零細企業に対する援助の一つの行き方からいっても、政府の一つの助成においてやはりこうした中小企業だとか零細企業だとかには、退職手当制度を自前でよう持ち得ないところでは、やはり短期給付ができるという道を開いてやるべきでないかと、こう思うのです。その点でこの問題はどうでしょう。今後とも短期給付にたとえば余裕金といったら語弊がありますが、加入者から積立金がふえてきた場合、成績が上がってきた場合とか、なお、政府から助成金をうんと出してこの面を引き下げようという考え方はないですか。あなたのお考えを一つ……。
#140
○政府委員(冨樫総一君) この制度を基本的に労働条件、そのうちの一番大事な賃金という観点から考えますると、先生のおっしゃいましたように、非常に日本の賃金の体系といったものの基本的なものに直面せざるを得ないと存じます。つまり、ただいま申しました先生のおっしゃることをわれわれの立場からいろいろ考えてみますると、いわば一種の終身雇用制、それに対する年功序列賃金――同じように働いておっても若い者の賃金は高くて、そうして年令がたつに従って、賃金が上がると、こういうことで基本的には年寄りであろうが、若い者であろうが、勤続年限にかかわりなく、若い者でも若い者なりの新知識とエネルギーによって高い賃金をもらうということが基本問題で、その方向にいかに移行するかということが日本の特殊な労働条件、賃金体系の改善の基本的動向だと考えるわけでございます。ただ、この制度を一般的な基本動向と切り離して申しますと何でございまするけれども、これだけについて、そういう理念に燃え過ぎて行き過ぎるということはいかがかと考えるわけでございます。で、欧米におきましてこういう何と申しますか、日本におきまする最近の考え方におきましては、退職金は賃金のあと払いといったような感じが強いのでありますが、欧米におきましては、若い者でも、年とった者でもそれなりの賃金をもらって、それなりのうちから貯金をして老後に備える、あるいは社会保障があるというふうにドライに割り切っておれば頭から、こういう退職金という制度はないし、また、こういう法的制度も、私寡聞でございますが、世界各国にないと思う。この制度というものは現実に民間に存在する年功序列賃金、終身雇用制、それに基づく大企業における自前の退職金制度というものがあると、これを補完する意味においてそれに準じた制度を零細企業でも作りやすいという補完的な意味において作っておるわけでございます。基本的に先生のおっしゃいまする勤続年限の若い者でも、労働能率に応じた賃金を払うといったような動向は、これも含めて全体の問題として処理し、考えていくという必要があるのではなかろうか、その意味におきまして、これをも含めましてわれわれにとって一種の行政上の宿題でもあると、こういうふうに考えておるわけでございます。
#141
○村尾重雄君 私はこの法案が作られた日本の中小企業の、また、零細企業のあり方等を論じてきょうここであなたにいろいろな意見を伺おうとは思っておりません。ただ、日本の現状の商業及びサービス面、それから中小企業、零細企業というものは、やはりどうしても短期にそれぞれ職場を移動する、また、職場をかわるというようなことは、私からいろいろと申し上げなくとも、十分御了承願えると、こう思うのであります。そういうような意味合いで、どうしても私は許せるならば――許せるならばというのは、できるならばやはり短期給付の面においてこの二年を一年に一つ下げるということには格段の努力を願わなければならぬと、こう思うのです。この点たとえば国庫補助の点で御考慮願えればできるのじゃないですか。
#142
○政府委員(冨樫総一君) この国庫補助の方は、今度五年以上勤続者につけるのを三年に下げる、それから今の問題は、掛金の元本保証という時点を三年半から二年に下げた、その意味合いにおきましては、国の補助金と関係なく、保険経済全体として、自前の保険経済全体としていわゆる退職金のカーブがこれでまかなえるかどうかという一種の保険計算のワク内において考慮される、まあ今先生のおっしゃいましたように、一年に下げるかどうか、一年半にするかどうかということにつきまして、決定的なものは率直に申しましてございません。ただ、感じといたしまして、従来三年半であったものがまあ三年までにいけばいいところだろうと、一年になると、あまりに短期移動というものにマッチし過ぎると、もう少し勤続がほしいというところでまずまず二年というところに落ちついたと、こういう気持でございます。
#143
○村尾重雄君 そこで今退職金のカーブのようなことについて論及があったのですが、この補助が五年のやつが三年から五%の補助を行なうことにしたという点ですが、この額をふやすことができないかどうか。この額をふやすことを、今日のこの制度を十分に中小企業従事者に対して零細企業、商業サービス業の従事者に対して、もっと魅力を持たすために、また、現実にいいものを作るために、この政府の補助をもっと増額して、十分なものを作るということに、まあ努力なさる意思を今まで持たれたか、もうこれで十分今日のこの補助金によって、この制度は十分だというようにお考えになっているのかどうか、そういう点ちょっと伺いたいのですが、補助金をふやすことについて……。
#144
○政府委員(冨樫総一君) その点は非常に微妙なところなんですが、この制度がもともと民間の大企業、中企業において自前の制度でできている。従って、それ以下のところにおいては手数がかかるので、自前で作り切れない。それから多少の魅力を持たして、加入の意欲をもたらすということが二本柱になっているわけでございます。しかし一方、国が、零細企業に国が何でもかんでも補助することによって、自前の労働条件としては劣悪であるけれども、国のささえによって、従業員を雇うという、他人に寄りかかって、国に寄りかかって中小企業が存続するということを助成するという趣旨になり過ぎてはいけない。やはり中小零細企業といえども、まともな人間を雇うには、まともな労働条件でなきゃいけないという建前も持っておらなければいけない。そこで、零細企業は赤ん坊にしてもだんだん鍛えたりして一本立ちにさせなければいけない。そこで、国の補助金五%、一〇%の補助金を多々ますます弁ずるという観点は、軽々にとってはならないので、この五%、一〇%の補助金が付与されたその当時の経過から見ましても、理論的に必ずしも当然に出してきた補助金制度でなくて、まずこういうところに加入させるという魅力を、ある程度持たせようという、政治的な配慮からなされたというふうに私ども理解しているわけでございます。従いまして、今回、今の短期勤続者に対して、初めから断念するということでなく、二年半を二年に減らし、国庫補助金の時点を五年から三年に繰り下げるというところが、今回の改正としてはまずまずのところではなかろうかというところでございます。一方におきまして、決してそのお気持はわからぬことはございませんけれども、国庫補助金が中小企業の振興政策として、国から銭を出すことも多々ますます弁ずるという建前でもないというところを一つ御了承いただきたいと思います。
#145
○村尾重雄君 私はこの法律が作られた当時知りません。この法律は社会保障制度の意味を加味しているのではないでしょうか。
#146
○政府委員(冨樫総一君) この法律の趣旨は、大企業と小企業との労働条件の格差を埋めるという趣旨の一環としてなされた。これによって全部格差が補充されるわけじゃございません。最低賃金とかいろいろな制度が別途あるわけでございます。その一環としてなされておる。従って、個々の企業におきまして自前の制度を持っておる、それが持ちにくいところに対して類似の制度を持ち得る、持ちやすいという意味において加入しやすい、加入する魅力を持たせるという意味におきまして社会保障とは性格が違います。ただ、法律に共済という字句が使われている意味は、一般の大企業におきまして、いわゆる退職金カーブ、短期勤続者側には退職支給率が低くて、勤続年限の長い者は給付率が高い、これが大きな企業におきましては全体としてバランスがとれておる。ところが、中小零細企業におきまして、一つの企業で短期勤続者と長期勤続者のバランスはとりにくいから、零細企業全体としてそのバランスをとろうという意味で短期勤続者、長期勤続者の給付率のバランスを、この制度に加入した者相互間においてとろうという意味におきまして、共済制度、こうなっておるわけであります。
#147
○村尾重雄君 まあ大体私と、その見方でけっこうなんです。そこでいま一点お尋ねしたいのは、これは業者間の共済制度という意味が私は非常に多いのかと、こう考えておりましたが、今局長の意見からいけば、労使間の共済の意味も十分に込めていると、こう解していいのだと思うのです。そこで私伺いたいのですが、当然私、この法案をちょっと、こういうものか出たと伺ったときに、従業員にも私は退職金積立に一つの、たとえば業者三分の二なら三分の二、従業員では三分の一なら三分の一を拠出させるものだと、こう解しておったのです。ところが、さて出た法案を見ますというと、業者間の共済制度のような形になっています。そういう点で従業員の、この共済制度に含まれているものだとこう解してもいいのですかどうですか、それをちょっと……。
#148
○政府委員(冨樫総一君) 率直に申しまして、私どもあとから聞いたのでありますが、当時労働省が立案した過程におきましては、労使が双方が負担して積み立てるという段階があったということは事実のようでございます。ただ、その後、最終結論に到達する過程におきまして、いろいろな意見があったようでございまするがおそらくはわれわれ役人でもそうでございますが、われわれは退職年金と退職金と両方もらうわけなんですが、退職年金の方は労使で負担し合う、退職金というのは使用者側が払う。民間におきましてもほぼそういうようなことになっている。それから中小零細企業におきまして、若い従業員が自分の月給から百円とか二百円払うといっても、出るところは結局御主人から回り回って出ているのだ、それであればドライに使用者側がきちんと出す、これでいいのじゃないかということに落ちついたのではないかというふうに想像いたしましす。
#149
○村尾重雄君 私、最後に要望の項が入るか知りませんが、もう一つお聞きしたいことは、この制度は共済の一つの制度であるということで、この改正案を見ても、全体の法律を見ても、加入する従業員の意思といいますか、従業員の立場というものは、どの程度尊重されているかどうかということに非常に疑問を持つのです。これは金を出すも出さないも、やはり一つの共済制度として、政府がこれにタッチして、退職手当共済組合というものをば、こうして作られている以上は、やはり加入の対象となっている従業員の意思というものをば、十分尊重する一つの道というものをば、どこかに開かなければならないと思う。この二百円の掛金にしても、百円ずつの段階があって、千円の掛金という一つのあれもありますが、従業員の意思を無視して、二百円であるとか、やれ三百円であるとか、五百円、千円という掛金に、どれを取り上げるかということなどを、将来長期にわたっての労働の対策として退職金を受けるについては、非常に重要なことだと思う。業者の意思によって、たとえば二百円なら二百円と低位に掛金がきめられるということ、また、従業員の意思を無視して、低い掛金によってきめられるというようなことでは、私は共済組合だということだけで、従業員の意思を、立場を無視することであってはならないと、こう思うんです。そういう点で、もっとこの運営にあたっては、従業員の意思を十分に尊重する立場をもって運営してもらいたいとこう思うんですが、そういう面では、現在までの労政の運営ですか、どういう工合に従業員の意思というものをば、たとえば経営者側に尊重さすような方向を指導しているかどうか伺って、質問を終わりたいと思います。
#150
○政府委員(冨樫総一君) その点はまことに近代的な、中小零細企業の労使関係を近代化していく面におきまして、基本的な問題であると考えております。従いまして、たとえば組合組織を持っておるというものは、その組織を通じまして、労使の自主的対等原理が実現される。組織のない場合には、たとえば基準法におきまして三六協定にいたしましても何にいたしましても、従業員の過半数を代表するものの意見を聞くというふうに、組織がなければないなりに対等原理に接近しようというのが、われわれの基本的な労働行政の方向でなければならない。従いまして、この制度におきましても、加入につきましては、個々の従業員の意見を聞いてやらなければいけないということを書いてございます。ただ、おざなりに聞いたか、ほんとうに聞いたかといったような問題になりますと、これは法律の条文の面からまで掘り下げる性格よりも、外に参るということになりがちでございます。従いまして、その面につきましては、労働省の出先機関に、労働基準局とか何とかいう強権を背景に持った出先機関もございまするけれども、一番じっくりとした話を聞いて、じっくりと話をまとめるという出先機関である労政課、労政事務所が、その掌に当たって、具体的妥当性をはかるということに、少なくとも意あって、力及ばずの面もあるかも存じませんけれども、そういうことで先生の御意思と同じ方向に努力しておるわけであります。
#151
○藤田藤太郎君 私は冨樫さん、新しい法律改正をしようということでお出しになっているのですけれども、これは法律ができてからちょうど満二年ですかね。そうですね。その後の実態というものがどうなっているか。だから、この実態の上に立ってこうするのだという資料が出てあたりまえだと思うのだけれども、そういうものを何も出さぬでこの法律をぽいっと出してくるというと、どういう考えか知らないけれども、私たちが審議するのに非常に不親切だね、第一。これが第一ですね。
 それから二番目には、実態調査の片鱗を今伺ったのだけれども、二十人未満のが大体八〇%だと、こう言う。そうして退職金全体が四六%だ。これは企業数で言われているのだと思うけれども、そこで二十人未満の企業が八〇%だというのに、その実態をどいう工合に把握しておられるのか。商業行為で五十人といったら、もう大事業です。工業行為なら二百人というのは大事業とは言えませんけれども。しかし、いずれにしても、中小企業退職金共済法を作ろうとした趣旨は、私たちは、もう少したくさんの意見を持っておりました。持っておりましたけれども、趣旨は、零細企業の労働者が、本来の姿というのは、先ほどあなたヨーロッパとか何とか言っておられたけれども、今日の賃金が安くて、それだけ余裕がないからやむを得ずこういう便法をとられて、本来ならば年金とか、一人前に生活できるというのが、そういう給与形態を作るのが本来の姿たけれども、それができてないからやむを得ずこういうものを作ろう、その中で零細企業の方々に退職金の幾らかでも援助措置をしようじゃないか。その気持はわれわれも非常に賛成なんです。その趣旨は賛成なんで、問題は内容であったと思うのです。それで、内容で私たち議論をいたしました。私たち社会党といいますか、社会党といたしましては、そういう趣旨である限りにおいては、もっと実際に零細企業の企業がみな退職金制度に入れるというかまえにして上げなければいかぬのじゃないか。経済的な企業に対する援護措置というものも一つありましょう、経済行為が。しかし、実際の賃金の退職金を作って上げるには、そういうことをしてやらなければいかぬのじゃないか。そういう意味で、この法律のときに非常に私たちは議論をしたと思うのです。それに二十人以下の企業が八〇%もあるのに、何が悲しくて、商業行為の三十人以上の企業に、今度は三年以上が五%、十年以上が一〇%という補助金を出さなければならぬか、私は不思議でしょうがないのです。むしろ十人くらいまでの企業、せいぜい二十人くらいまでのところにこの退職金法案が実施できるように保護の手を加えるというところに、実態の調査からしても、理屈はそこに立つのじゃないですか。私は不思議でしょうがない。あなたのさっきからの議論を聞いていると、どうも統計実態からくるものと趣旨と、まるっきり逆な法案の形が出てきているような気がするのです。平面的にここで、三年半が二年になります。それから補助金が三年からやりますというのですから、この法案だけから見ると、何も私がここで文句言うような筋合いではないように思います。しかし私は、この法案を作った趣旨というものから、この法律自身が、勝手に歩いていくやつをむしろ補助している、援護しているという格好で、本来のこの法の建前というものからはずれてきたんじゃないですか。早く通せということを言われるんで、私らも早く通したいよ、そう思っていますけれども、本来の趣旨からはずれてきたのを、こんなのでいいかなあという考え方を持っているんです。そこらあたりを、実態調査もなければ何もないと、それで片鱗だけ聞いても、二十人以下の八〇%だという、非常に努力されていると思うんですよ。上の方は大てい――私は大ていという言い方はいかぬけれども、日本の全企業数からいって四六%というのは、大体百人やそこらから上のところは大体退職金があると推定できる数字ですね。これ。そうでしょう。――だから、その辺と考えあわして、少し趣旨が違やせぬかという気がするんです。ちょっと富樫さん、意見を聞かして下さい。
#152
○政府委員(冨樫総一君) 本法施行後一年数カ月でこういう改正案を御提案申し上げたということは、一般的に考えまして、ことに先生からも申された役人かたぎから申しましても、いかにも不見識なという感じになることは、私どももそう存じます。ただ、この場合について申し上げますと、一方におきまして、この法律というものは基本的にはサービス法律であって、別段積極的にある種のことを強制し、ある種の義務を追加するという性格の法律ではございません。従いまして、つまり役人の見識においてプライドを害するとかなんとかいうことを除きますれば、当時の感じよりも、一年ぐらいでもやってみて――今まで空白のところに実施したわけでございまするから、やってみて、さらにこの程度のサービスの拡大、法律上の門戸を拡大するということがいいと思ったら、われわれはそういうことにこだわらずにやってよろしいのではなかろうかということが一つ。それから第二点として、相対的に大企業にまで門戸を拡大したということにつきましては、基本的に考え方を非常に神経質に考えると問題がございまするが、法施行後に行なわれた統計によりますれば、ともかく過半数自前の退職金を持っていない分野として百人から二百人があるということでございまするので、ここまで門戸を解放してそうおかしくはないのではなかろうか。一方、一番問題になっておりまする中小零細企業に一段と御加入を願うというために、その分野におきましては、先ほど村尾先生からお話がありましたように、短期勤続者が非常に多いと、その人たちに初めから、うちはどんどこどんどこ入れかわるんだからというて断念しないようにということで、短期給付の改善ということに、実質的な力点をより多く範囲拡大よりも置いておるという面におきまして、中小零細企業の方の加入を促進するというふうに配慮した。で、このことは、弁解じみてなんでございまするけれども、労使、学識経験者一体となりました退職共済審議会の満場一致の答申でもあるということで、まあこの程度ならば国会の御了承が得られるのではなかろうかということで御提案申し上げた次第でございます。
#153
○藤田藤太郎君 今お話を聞いていると、百人から二百人までの半分が退職金がないということをおっしゃったんですけれども、私たちはそういうつかみ方をしょうがないんですね。そうでしょう。だから、それがまあ一つですよ。
 それから、審議会の委員はどういう人が出ておるんですか。
#154
○政府委員(冨樫総一君) さっき村尾先生にも申し上げたつもりでございましたが、百人から二百人までの間につきまして、最近公表されました統計によりますと、自前の退職金制度を持っているのが四七%。――その意味で、それならば百五十人にするかというような議論もあり得るかと思いますけれども、今の共済退職金審議会におきまして、四七%、まあそこまで門戸を解放していいのじゃないか――三百人という意見もあったようでございます。まずほどほどと。
 それから退職金審議会の構成メンバーでございますが、これは十五人ということになっておりまして、これは労働委員会みたいに学識経験者、労使おのおの五人といったようにドライな作り方にはなっておりません。ですけれども、労働者といたしましてはできるだけそういう憶成にしたいということで、私の記憶によりますと、ほぼ労働側と認められる方々といたしまして、総評の常任幹事の柳本さん、それから新産別の落合書記長、それから今度議員に当選されたために辞職されました井堀繁雄さん、全労会議の浜野数さん、それからフェビアン研究所の安井さんといった方々が入っておられます。この問題の性格から申しましても、むろんさようでございまするが、少数意見、多数意見の衝突ということでなく、満場一致で決定答申されている、こういうことになっております。
#155
○藤田藤太郎君 私きょう忘れてきたのですが、現在の企業別のデータがありますね。一人から四人まで、五人から九人までと、全企業数の百人までのがわかりますか。そこにありますか。
#156
○政府委員(冨樫総一君) 先ほど申し上げました二十人未満が八〇%と申上げました趣旨は、これは何も詐欺で申し上げたわけではございませんが、加入している事業所のうち二十人未満のものが七九%、こういう意味でございまして、現実に存在する二十人未満の事業所に対する比率といたしましては、おそらく二%か三%くらいであります。全体として現在存在する適用事業所の加入率といたしまして一、五%くらいというように、加入対象との比率におきましては、今日までまだ一年四カ月の現段階におきましては、非常に微々たるものである。現在二十七万人加入しておりますが、今後年々二十万人あまりの加入を期待している、こういうことでございます。
#157
○藤田藤太郎君 それは理解しているのですよ。二十人未満の企業がそんなものだとは思っておりません。入った中の八〇%がそうだといっているくらいに……。昨年から今年にかけては非常にそういうところが労働力不足で、退職金制度を急速にやらなければ人が集まらないという状態です。だから、そういう意味では退職金制度を作りたいけれども作ることができぬと言って困っておるのは、私は、十人かせいぜい二十人くらいまでのところじゃなかろうか。それを大ざっぱに言って、企業の数から言って、その辺が日本の企業の、企業という名前のつく中の九〇何%を占めているのじゃないかと私は思うのです。そういう工合な状態の中で、五%と一〇%の補助金を出すということは、私たちはその面ではもっと少ないのじゃないかと言いましたけれども、われわれも共済法案ができることを期待したわけです、事際ざっくばらんに言いまして。そうでしょう。それにむしろ今の状態なら、ちょっとでも下の方にあたたかい手を伸ばして上げて、たくさんの中小企業で働いている退職金制度のない人にこの恩恵を……。それだけに、命令で云々することじゃないけれども、それは命令の問題じゃないけれども、そういう実体的な効果を上げるためには、そこらに力を入れるべきがこの法律の趣旨じゃなかったかと私は思っているのです。それが、何か知らぬけれども、商業規模が五十人とか、二百人というようなところに延ばしていかれるということがわからぬから、ちょっと一番最初にすっぱりと私はものを言ったわけですけれども。私は、だから、そういう意味で、これはそういうところを何とかするというお考えがなかったかということを聞いている。その当時参加された委員の方はみんなそういう気持じゃなかったかと私は思うのですよ。この法律を歩き出させようとする趣旨はそういうことじゃなかったかと思うのです。それからまた、特に現状は、中小企業というより零細企業が人が集まらない。賃金が払えない。これは経済行為として国が補助する義務があります。これを議論すると議論が長くなりますからやめますけれども、そういうものとの関連において困っている。だから、これを何とかして上げなければいかぬというのが中小企業に対する共済法案だと私は思うのです。そこがどういう工合に議論をされたか、私は、労働組合の人も入っておられるし、名前も聞きましたけれども、満場一致だというお話を聞いて、どうも労働者の人が出てこられると私は文句をよう言いませんけれども、その審議会に対してあまり文句は言いませんけれども、この法律の趣旨と少し違う方向に来ているのじゃないかという気がするのですが、それを一つ。
#158
○政府委員(冨樫総一君) われわれが提案するに際しての事務当局でございますので、小意地にがんばる意味じゃございませんが、聞きましたところによりますと、今の審議会が答申に至る経過におきましては、やはりいい制度だからできるだけ門戸を開放したいという気分がまず出て、そこで最初に三百人くらいどうだと、いわゆる通産省あたりで中小企業対策というふうに考えておられるときの、資本金一千万円、従業員三百人というふうな概念がございまするので、そういう意見も出たようでございます。率直に申しまして、労働側委員から、三百人に百人から一挙に上げるのはいかがだろうかという議論も出まして、二百人じゃどうだ、いいところだというところで、統計を見たら、ちょうど過半数に足りなかったということで、円満にそこに落ちついた。一方、今、先生がおっしゃいましたように、拡大々々が本法の改正の主たる眼目でございませんで、中小零細企業におきまする短期勤続者に入りやすいように、かつ実益もありますようにという意味合いにおきまして――短期勤続者というのは小零細企業に多いわけです。従いまして、今回国庫補助金の時点を勤続五年から三年に引き下げる、一方、三年半を二年に引き下げたというふうに、そういうところは審議会の先生方もそつなくお考えになったものと……。
#159
○藤田藤太郎君 そこのところは非常にけっこうだと思います。もっと努力をしてほしいくらいですが、そうあまり言いませんけれども、大体その辺はけっこうだと思います。しかし、どうですか、これは水かけ論になりますから、一つ実態調査の数字を一ぺん出してもらって、それから議論しましょうや。
#160
○委員長(吉武恵市君) どうですか、よろしゅうございますか。
#161
○鈴木強君 ちょっと一つだけ。今、労政局長のお話の中で、一つお聞きしておきたいと思いますのは、この法律が施行されて、二年ぐらいしかたっておらないわけですが、この間、ここに、資料の中にありますように、二十七万程度の人が加入されておるのですが、お話によると、まだ百人未満ないしは三十人未満という中小企業の、零細企業の人たちのほとんど多くが加入をされていないと思うのですが、ですから、こういう改正をしていただくことも、私も趣旨としてはけっこうだと思いますが、問題はこの法律制定の趣旨からかんがみて、少なくとも強制適用でなくても、行政指導の面でできるだけ指導してやるという、そういう努力はどうなっておるのでございましょうか。
#162
○政府委員(冨樫総一君) 現行法の規模百人以下の対象従業員が、法律制定当時の統計でございますが、約八百万に対して二十七万ということで、その意味におきましては、今後拡大される分野が洋々として存在しておる。ただ先ほど申し上げましたように、小企業零細企業の御主人がいろいろ、あっちこっちなにして、こういうことにりちぎにおっくうがらずにやるということを、つい怠りがちであります。それでわれわれの方で積極的に、こういう制度がございますというふうに御理解いただいて加入していただきたい……その意味で、いわゆるPRでございます。このPRの仕方につきましては、金の面から申しますと、各都道府県の労政系統つまり基準系統が一番近いといえば近いのですけれども、基準系統を通じますと、基準監督官の権力を背景にして――背景にしなくても、相手がそれを感じて、何となく強制的な重苦しい気分を受けますので、この末端機関としては労政機関を使っておるのですが、この労政機関に、微々たる金ではございますけれども、年に一千万円の加入勧誘と申しますか、そういう経費を流してございます。それから退職共済事業団のPR経費として、いろいろなパンフレット、リーフレット――各種の中小企業団体を中心とする講習会とか何とかにこのテーマを一つ加えまして、ついでに配るといったような経費として約九百万円。その意味におきましては、最近銀行の預金勧誘とか、証券会社の公募に比べては非常に微々たるものだと思いますけれども、しかし、この手合いで、役所仕事としては、この程度のPR経費は組んでおるという以上は、われわれとしてこれをできるだけ有効に使いたいという意味で努力しておるわけでございます。
#163
○鈴木強君 いろいろと御苦労されておることは、冨樫局長のお話でわかりましたが、予算的に一千八百万円程度の金でいいのか、どうなのか、これは論議があると思います。しかし、今この法律案を提案するに際して、われわれが指摘をしようとする、これらの適用団体、従業員に対するPRをなさって、どういう理由でおやりにならないのか、そういう根拠はおつかみになっておると思うのですよ。その上に立って、もしどうしてもその経営者が何が何でもだめというのか、こういう点をこうしてくれたらいいというのか、そういった御意見も出てきていると思うのです。そういうものをやはり一つ整理しまして、そうして、そのもとをだんだん大きくしていってさらにその上に中小企業の振興のために政府があたたかい手を差し伸べるというのが筋ではないかと私は思うのですね。そういう問題点として、現在把握されている点がありましたら、私は関連でありますから、そう長くできませんけれども、お話しいただきたいと思います。
#164
○政府委員(冨樫総一君) 積極的にわれわれの下部機関がPRして歩いて、こういう制度に対して白と黒との立場で反駁をするという事態を聞いたことはございません。ある意味におきましては、中小零細企業というものが日本の全分野にわたって広範に存在して、現在われわれのPRの及んでいるところは、まず効率的な商店街とかあるいは企業地とかという集団的なところに手が及んでおるから、そういうところからいくということで、まだ大部分のところに、パンフレットとかリーフレットが配られているか、配られていないか――われわれのところにもいろいろな百貨店からいろいろなものが来ますけれども、ついおやじは見ないということで、相当手をとって、これを申し込めば、あと毎月簡単に金を納めればいいんだといって、腰を持ち上げるというのが一番大事なことだと思うのです。ただ、これに加味いたしまして、先生のおっしゃいましたように、今の退職金共済審議会でこの問題を討議する資料といたしまして、各おもな地方の中小企業団体その他からいろいろな意見具申がございます。その一番重要な点といたしまして、短期勤続者が多い、ついては、三年以上でなければ元本が保証されない、五年以上たたぬと国の補助がないということで、少し魅力が現実より離れ過ぎているという意見が圧倒的に多いのでございまして、それにこたえるという意味合いが、この答申及びこの原案に圧倒的に盛り込まれておるということになっておるわけでございます。
#165
○鈴木強君 大へん御苦労をいただいていることは、私も深く感謝いたします。ただ、当初の法律案をここで改正しようというのですし、しかも、お話によりますと、今まで入りにくかったいろいろな点を是正してやれば入りよくなる、これもわかりました。しからば、これは今後のことですから、冨樫さんの言質をここでとろうというようなことではないのですけれども、今までの実績――まあ短いから無理もないと思いますけれども、非常にそれにしてもパーセンテージが少ないわけですから、これを改正した場合に、今まであなた方が二年間PRしていただいて、どの程度今までの加入者がこれによって入ってくると想定されておるかどうか。それからまた、千八百万のこのPR費というものが、私は少ないように思うのですよ。どういう周知宣伝をされているか。パンフレット、リーフレットを作って、集まったときに読んで下さいという程度のものか、もう少し関係者を集めて、そこで半日でも時間をつぶすことは御迷惑かもしれませんけれども、まあしかし、みんなのことですからがまんしていただいて、十分に政府の趣旨を行政指導の面で納得せしめる努力をするのには、まあお茶一ぱいというわけにはいかぬでしょうし、多少の茶菓子くらいは必要だろうと思います。そういう必要な経費は、私は大いに使ってもいいと思うのですよ。国の予算を見てごらんなさい、むだな金がたくさんある。そういう使うべきところに、もし予算が少なかったら取っていただいて、この法律案改正後にほんとうに実を結ぶような自信を労働省当局がお持ちになっていると私は確信しますけれども、一応経緯がありますから、冨樫さんどの程度に自信を持っておられるのか、ちょっと伺っておきたいのです。
#166
○政府委員(冨樫総一君) 卒直に申しまして、われわれの出先がこの仕事を始めるに際しまして、結局、何と申しますか、耕しやすいところから耕したと思うのです。つまり、商店街とか、零細企業の集中地とか。従って、漸次分散されておる分野に広がりますから、その意味合いにおきましては、だんだん耕しにくいという面も出ると思います。しかしながら、一方全般的な浸透の工合も一方出てくるということで、今までのところ毎月二万人弱という実績を持っておりますが、今後もプラス、マイナスの要因を加味して二万人近いものを保持したい。最初の計画におきましては、現行法のままでやれば、法施行後十年ころ、つまり昭和四十三年現在で約百五十万ということを計画したようでございますが、この改正によりまして、範囲拡大だけでなく、短期勤続者に対する魅力も出たということで、百五十万目途を百九十万目途から二百万目途ということでこれからやっていきたいと、こう考てております。
#167
○鈴木強君 そうすると、この法律案の改正によって約五十万程度の人が過去の実績から見るとふえるだろうということですが、それにしても、現在八百万のうち二十七万ということですね。ですから、絶対数から言うと、八百万のうち二百万が入ったとしても四分の一でしょう。そうすると、四分の三というものは依然として陥没地域の中に入る勘定になるでしょう。それをどう克服しようとするのですか。そんな自信のないようなことでは、多少よくなったって、それは問題がありますよ。
#168
○政府委員(冨樫総一君) この制度は、一面におきまして自前の制度ができるということを期待してございます。われわれの方でこう申しましたのを、投げやりのように受け取られると、非常に心外なのでございますが、中小零細企業と申しましても、本来中小企業性の業種というものと、大企業性の企業を小規模でやっているというようなところで、 いわゆる生産性といったような見地において違うところがあると思います。元来大規模でやるべきものを小規模でやっておるからその能率が上がらないというところと、元来大企業で洗たく屋とかパン屋とかいうわけにはいかないという、そういうものは、中小零細企業で十分利益が上がるといったようなものと、いろいろからんでおると思います。従いまして、自前でやれるものもこの適用範囲の中に相当あるということと、それから本質的にこの制度は勧奨することが限界であって、強制ということにはなっていないという、安全率を見まして、ただいま言った十年後の限界線を考えているのですけれども、これだけの制度のワク内で考えますとそうなりますけれども、経済的に全般の形勢から考えまして、役所の勧奨とか何とかにかかわらず、求人難とか、そういった社会的な環境のもとにおいて、何かこういう制度に加入しておらなければもう世間が通用しないという事態に至りますれば、ほとんど役人の努力も要せずして、自前のものを持つか、これに入るかしなければ、世間が通らない。一人でも求人ができないという事態にもなり得るんではなかろうか、で、われわれの今日の一年間の実績から見まして、今言った計数上の目途を立てておりますけれども、そういった事態に、所得倍増計画とか、あるいは潜在失業者がだんだん少なくなってくる、求人難とかいう、そういう社会経済的要因を含めますれば大きな観点から見ますれば、今のわれわれの言った目途というものががらりと変わってくる。そうでなく、今までのような条件のまんまであって、事業主の積極的理解と役人の啓蒙というところに主として依存してこの制度が拡大するということであれば、いいところ今申し上げました数字と、こういうことになるわけであります。
#169
○鈴木強君 それは役人さんというのは大へんうまいことを言われるので、理屈はいろいろつけようがあると思うのでね、冨樫さんなかなかの雄弁家だから。今後の社会経済の変革というのは、これは当然あるでしょう。あるでしょうがそういう私は未来永劫にわたってのことも一つの見通しではあると思いますけれども、しかし、そういうものを抜きにして、とにかく法律を制定して、義務制でないとしても、政府があたたかい手を打とうという趣旨によって作った法律案ですから、できるだけ相手方が自発的にみずから進んでこの法律案を活用しようという気持を持つことが一つ。これは国民、業者側の相手方の私は責件だと思います。しかし、そうは言ってもやはり特に勧奨的な立場に立ってる法律案ですから、できるだけその趣旨を理解させるような努力をしていただくということは、これはやはりあなたの責務だと思いますよ。ですからそういう意味において、予算が足りなければやっぱり予算を獲得をして十分の一つ趣旨を達成できるように政府が一つ努力してもらいたい。すべての法律案がそうですよ。やっぱり国民がもっとほんとうにまじめになって、正直になってくれば法律なんかなくたっていいんです。世の中は通用しますよ。しかし、そうでないんですから、法律があったって悪いことをしようというのが多いんだから、だからそういう努力を、やはり行政府は行政指導の面としてやるべきじゃないか。そういう努力をもっともっと私はして、そして二百万が二百五十万になり、三百万になっていくような努力をするということも、僕はあなたに答弁を期待したかった。そのためには予算的に足りませんから、一つ国会でももう一つめんどう見て下さいとか、いろんな指導をして下さいとか、そういうことならわかるけれども、経済的な変動に便乗して、私の聞こうとする趣旨を取っ違えるようなことを言われるとちょっと私も困るわけですから、私は善意を持って、別にけちをつけようというわけじゃない。むしろこの法律案を生かし、労働省がその任に当たるべきですから、よくやってくれたというふうに国民に喜ばれ、皆に感謝されるという政治的な手腕を、行政的な手腕を私は冨樫さんに、労政関係をやっているようだから期待して、鞭撻する意味において、激励する意味において私は申し上げているのですから、そういう意味で一つぜひさらに万全の努力をして、できるだけ趣旨徹底をはかって、この法律がほんとうに生きていくようにしていただきたい、こういう趣旨でございますので、きょうは私は関連ですからこの程度で要望して終わります。
#170
○政府委員(冨樫総一君) 御趣旨に沿いまして、衷心からできるだけのことをいたしたいと思います。
#171
○委員長(吉武恵市君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#172
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#173
○政府委員(柴田栄君) 先刻来、非常に適切な啓蒙、御指摘をいただきまして、まず当面運営にあたりましても、われわれはもっと真剣に零細中小企業の現状に即応してこの制度を活用するという趣旨を生かさなければならぬと痛切に感じておる次第でございます。特に今回の改正点につきまして、雇用数の幅を拡大いたしましたということも、必ずしも、この面に力を入れるという考えではないのでございまするが、一面において二百名未満の製造業者等においてさえ、本来ならば自己による積立金制度、退職金制度というものは、当然持たれなければならない分野でさえないのだというのが半分以上もあるのだ。この面も一応促進する意味において加えていただきたいという皆さんの一致の御意見ということで、その中でもその点はサービス業、商業等においても同じ趣旨だと私は了解いたしておりまするが、あくまでもやはり二十人未満前後というところが中心でなければならないと存じております。この面におきまして、わずかな期間の実施ではございましたが、まことに実情に沿わない、中小企業就業者の実態といたしまして、きわめて勤続期間が短い、非常に移動性が強い、これを少しでも安定していただくというためのこの制度を考えますると、従来の措置では、たとえばかけ捨てになるような面が多過ぎる、また、通算等によって有利に利用していただくこともむずかしい、さらに国家の財政的措置においてももう少し考えるべきだということで改正をお願いしておるわけでございますが、あくまでも趣旨は先刻申し上げた通りでございます。これを徹底させるために、まことに御指摘の通りこれるPRし、了解を求めて活用していただくというのには、非常に不足である。足らないということは痛切に考えられるわけでございまして、全力を尽くしてその方面には予算の獲得あるいはPRの徹底ということについては、責任を持って努力をいたすということを、ここで私からもはっきりと申し上げておきたいと、かように存じます。御了承をお願いいたします。
#174
○委員長(吉武恵市君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 本日は、これにて散会をいたします。
   午後四時二十八分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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