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1960/03/22 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第13号
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1960/03/22 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第13号

#1
第038回国会 社会労働委員会 第13号
昭和三十六年三月二十二日(木曜日)
   午後二時五十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月十七日委員久保等君辞任につき、
その補欠として阿部竹松君を議長にお
いて指名した。
本日委員鈴木強君辞任につき、その補
欠として坂本昭君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉武 恵市君
   理事
           加藤 武徳君
           高野 一夫君
           藤田藤太郎君
   委員
           鹿島 俊雄君
           勝俣  稔君
           徳永 正利君
           山本  杉君
           横山 フク君
           小柳  勇君
           藤原 道子君
           村尾 重雄君
           竹中 恒夫君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
  政府委員
   厚生省公衆衛生
   局長      尾村 偉久君
   厚生省医務局長
  事務局側     川上 六馬君
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   厚生省医務局次
   長       黒木 利克君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査
 (一般厚生行政に関する件)
○予防接種法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉武恵市君) それでは、ただいまから社会労働委員会を開きます。
 委員の異動を報告いたします。三月十七日付をもって久保寺君が辞任し、その補欠として阿部竹松君が選任されました。三月二十二日付をもって鈴木強君が辞任し、その補欠として坂本昭君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(吉武恵市君) それでは、社会保障制度に関する調査の一環として、医療一般についての質疑に入りたいと思います。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○小柳勇君 国立病院における看護婦の労働条件について質問をいたします。その中で特に労働時間の問題を中心に、定員と労働時間との関連、そういうものを質問して参りますが、第一に、今度の予算案を見ますというと、四十八時間制であった看護婦の勤務時間を四十四時間にしようという努力がなされておりますが、その点について医務局長の御答弁を願いたいと思います。なお、医務局長の答弁を求める前に、大臣が見えましたので、看護婦の勤務体制について大臣の御決意をお聞きいたします。
#5
○国務大臣(古井喜實君) 今もお話のように、看護婦の勤務体制はなかなか、何というか、ひどいというか、負担が重い姿になっておるようでありまして、勤務時間の問題のみならずいろいろ問題がたくさんあるようでありまして、きょうまで少しほったらかしになり過ぎておったようなうらみがあるのでありますけれども、それでも、おくれながらでもこれからかけ足で改善する努力をしたいと、こういうふうに思っておるところであります。
#6
○政府委員(川上六馬君) 看護婦には、御承知のように、従来四十八時間制をとっておったわけでありますが、この四月一日から、できれば四十四時間にしたいと思いまして、現在いろいろ検討いたしているわけであります。そのために増員をいたしましたり、それから看護用品を整備いたしましたり、それからなお足らないような場合におきましては超勤等をつけまして、四十四時間制に切りかえたいと思います。
#7
○小柳勇君 現在の定員、それから欠員、それから今回新たに四十四時間制になるための増員、この人員を発表願います。
#8
○政府委員(川上六馬君) 看護婦の定員は、病院におきましては六千二百六十九名、現員が六千二百六十三名、欠員が六名。結核療養所におきましては定員が一万百八十人、現員が一万二十七人です。欠員が百五十三名になっております。それから看護婦の増員は、国立病院におきましては二百十名、それから療養所におきましては九十七名、合計三百七名でございます。
#9
○小柳勇君 総員は一万六千四百ですか。幾らですか、合計は。医務局長、看護婦の、病院と療養所の合計は。
#10
○政府委員(川上六馬君) 看護婦の方を、病院、療養所を合計いたしますと、定員としましては一万六千四百四十九名になります。それから現員を合計いたしますと一万六千二百九十名でございます。
#11
○小柳勇君 そうしますと、四十八時間制を四十四時間にすると幾らになるんですか。総員幾らあったらいいんですか。
#12
○政府委員(川上六馬君) 四十四時間と四十八時間との比率で計算いたしますと、八%ぐらいになるわけです。
#13
○小柳勇君 八%の比率だけでは定員は出ないでしょう。四十八時間を四十四時間にするためには、四十八時間であれば三交代でずっとやっていけるでしょう。そういう余分の補充人員がなければ四十四時間勤務制というものを完全にとれないのではないですか。
#14
○政府委員(川上六馬君) 実は今健康保険の基準看護の範囲で四十四時間制をやっておるところも少なくないわけであります。従いまして、国病、国療とも、大体基準看護の線は守られております。あるいは基準看護以上に看護婦さんを持っておるところもあるわけでございます。それでやっていっているところもあるわけでありますから、必ずしも増員をしなければできないということを強く言えないと思うわけでありますけれども、しかし、患者のサービスを私の方としては落としたくないということ、それから看護婦の労働を加重にしたくないということから、相当の増員の要求をいたしたわけでありますけれども、今申しましたように、三百七名の増員、それから従来この療養所などでいろいろ検討をいたしておったわけでありますが、たとえば湯たんぽを電気の湯たんぽにするとか、あるいは移動用の清拭車ですね、からだをふく、そういうような機械装備などをいたしますというと、それによって看護の能率などもだいぶよくなるというような検討をいたしておるわけでありますが、そういうようなことで相当看護婦さんの手が省けるというようなことを考えています。それから現在療養所などは相当の欠員があるわけであります。これはもう定床などに比べますと実員の患者がだいぶ減っておる。そういうような点から、比較的看護力の余裕があるというようなところも相当ございますので、あるいは先ほど申しましたような欠員を補充するというような方法、そういう方法を用いて参りますというと、大体今申しましたような増員でもって四十四時間に切りかえることが可能であるという考えに立っておるわけであります。
#15
○小柳勇君 定員が一万六千四百四十九人、率にして八%でいきますというと、千三百十六人ですね。六%増にいたしますと千三百十六人ふえなければならないのに、増員三百七名ということです。それでなお、患者のベッドがあいているところもあるから看護婦は仕事がまだできるというようなことでありまするが、病人というのはいつ出るかわかりませんし、普通の作業と違いまして、病人があいているから、看護婦は欠員でよろしいということにならぬのですが、四十八時間から四十四時間にするために、厚生省としては当初どのくらいの増員をお考えになったのですか。
#16
○政府委員(川上六馬君) 今おっしゃったような千人余りの要求をいたしておりました。
#17
○小柳勇君 予算について、金額においてどのくらいの要求があったわけですか。
#18
○政府委員(川上六馬君) ちょっと今要求予算を持ってきておりませんのですが……。
#19
○小柳勇君 詳細な数字については、課長、御答弁願ってもけっこうですし、具体的に少し論議しておきませんと、抽象的な論議では論議になりませんから、もし課長が数字担当であったら、課長から説明していただいてけっこうでありますから……。
#20
○説明員(黒木利克君) 補足して御説明申し上げますが、実は四十八時間制を四十四時間制に切りかえるために、各施設における年間の患者の平均の数から現在おりまする看護婦なり、准看護婦なり、看護助手の数というものを医療法の基準に基づきまして計算をいたしまして、しかもその上に、従来超勤でこれらの看護婦の足りない点を補っておりまするので、そういう点を考慮いたしまして、積み上げ計算をいたしたわけでございます。そこで、大体の大蔵省との折衝の経過では、必要な看護婦の増員数のうちの二分の一を実際の定員増で解決をする、残りの二分の一の増員に相当する看護力というものを、看護用のいろいろな器具、機械を合理化することによりましてそれの穴を埋める、と同時に、超勤の予算化を――まあ三時間ほど超勤予算が新しくつきました。従来超勤が一時間の予算化ができておりましたので、合わせて四時間分のそれに見合う超勤の予算化をはかるというようなことで、四十四時間制に切りかえるという予算措置が話がついたという経緯でございます。
#21
○小柳勇君 そうしますと、どうですか。今までの定員についても相当の苦しい仕事をしておったようですが、今回三百七人で、あと機械器具のその充当分としての予算がどのくらい充当されておりますか。
#22
○政府委員(川上六馬君) 国立病院におきましては三千七十八万一千円でございまして、それから療養所関係におきましては五千三百九十七万六千円でございます。
#23
○小柳勇君 厚生大臣、いかがでしょう。今のような考え方、今までの超過勤務の一時間についても、非常に大へんだったと思うのだけれども、今度は定員は二分の一、必要人員の二分の一しかふやさないで、二分の一はこれから購入するであろう機械器具で充当する、その余分のものは超過勤務の予算を三倍もふやして、肉体的な超過労働によってこれを補おうとするような看護のあり方についていかがでしょうか、厚生大臣、考えをお聞きしたい。
#24
○国務大臣(古井喜實君) ただいまの点は、衆議院の委員会でもだいぶ御議論があったのでありまして、実際これで、まあ超勤は出しても、超過勤務の方は金を出しても、しかし、働く負担の方は同じことでありますから、機械器具が実際どれだけ労働を軽減するか、この辺もありまして、こういうふうに計画をしたものでありますから、今度はこれでとにかく最善を期するようにやってみるほかございませんが、しかし、無理があるいはあるかもしれません、起こるかもしれませんが、やってみますればですね。ここは一応今のようなわけで、機械器具を使って合理化していくとかありますけれども、やってみまして無理がやっぱり残るようなら、またそれはそれで研究してみなければならぬと思うのでありまして、一つの問題点ではないかというふうな感じをもっておるところであります。
#25
○小柳勇君 人間の勤務時間というものはもう計算でずっと出てくるわけです。何万人おりましょうともちゃんと勤務表を作りますと、それによって定員何名不足ということが出てくる。今大臣の答弁を聞きますというと、まあこういうことでやってみてというようなことで、人間の疲労度合いというものは表には出て参りません。勤務時間何時間やったということがその人の疲労度合いであるし、労働量というのですね。それをやってみて模様を見てみるということで四十四時間制がなされるということは、これは少し考え違いではないかと思います。もう少し突っ込んで、これだけの三百七人で実際四十四時間で、超過労働というものは、特殊の場合、労働者の承認を得なければできないはずですね。初めから超過労働三時間でこれは勤務時間だと、それなら四十四時間制でなくて四十七時間制になってしまいますね。そういうことでありますから、これは平均でありましょうから、四十七時間にはなりませんでも四十四時間制じゃないわけです。そういうごまかしのことじゃなくて、大蔵省との折衝の過程においていろいろ努力された点もあるようですが、根本的にこういうふうな労働時間の改正をなされる時期でありますから、もう少し数字的に御説明願いたいと思います。
#26
○国務大臣(古井喜實君) これはもっときちんとした数字の根拠で事務当局から説明いたしますが、とにもかくにも当初厚生省でかつぎ出しておったものをいろいろ論議をしたあげく、こういう形にして実行できるのだ、こういう一応計画を立てることになったものでありますが、その辺の根拠的な、数字的なことは御説明申し上げますが、それにつきまして、一応これでやれるということにはなっておりますけれども、無理がそう言っても出やしないかということを私が心配しておるのであります。それで、はたしてどうも無理な結果が起こるようなら、そう言ったって、これは考え直してみなければいかぬ。一応はしかしこれでまあしのげるというのか、やっていけるということにはきておるのでありますけれども、その辺にはたしてどうかなという心配は正直に言って私がもっておるということを申し上げたのであります。今の数字的なことを御説明申し上げますから、お聞き取り願いたいと思います。
#27
○説明員(黒木利克君) 実は予算の折衝の過程におきまして、国立病院なり特に国立療養所の患者の数字をどう押えるかということでいろいろいきさつがあったのでございますが、御承知のように、患者は国立療養所におきましては現実には大いに減りつつあるわけでありますが、私の方は、しかし、これは一時的な減少であって、今回の措置の結核対策の強化によってこの患者の減少というものはある程度この傾向は食いとめ得るというようなことでこれは水かけ論でありましたが、ようやくその基礎になる数字の患者数というものを実際の現実の数字より多目に見て、従って、看護婦の必要数というものも大蔵省から見ると相当多目に、数百名多目に実は認めさせたわけでございます。そういういきさつがありましたのに、文部省のやっておりまする四十四時間制は、すべてこれは超勤でやっております。現実の増員はやっていない。こういうような過去の実績がございまして、それをたてにとられまして、非常に折衝の過程において厚生省困ったのでありますが、しかし、国立病院なり療養所の現状なり、特殊の事情から、やはり増員なしにこの四十四時間制の切りかえはできないというような主張で、先ほど申しましたような結果になったような次第でございます。
#28
○藤原道子君 私は関連してちょっと伺いたいのですが、先ほど来の大臣初め局長その他の御答弁が、どうもあまりにも自信のない御答弁だ。そんなことでは私たちは納得できない。ほんとうに正直に言ってもらいたい。日本の医療はあなた方の肩にかかっているのですよ。それで大臣は、最初に何とおっしゃいました、今まで看護婦の負担がずいぶん重過ぎた、無理をさせ過ぎた、これからそれを解消していきたいと思う。そう言った口の下から今の御答弁なんです。私は伺いたいのは、超勤をこれ以上ふやして、看護婦のからだが持つのですか。日本の医療はほんとうに運営していけるという確信がおありになるのでしょうか。大体医療法の制定されるときに、看護婦の定員をきめるときに、看護婦の数が足りないからというようなことで、たしか四人に一人ということがきめられた。そのときでも、厚生省では二・八人に対して一人くらいが妥当だという考えをもっていたはずなんです。看護婦が足りないから四人に一人ときめた。ところが、今では予算に縛られているのだか何だか知らないけれども、五三二の比率だなんて正看護婦の数を減らして、そうして今度は四四二ですか、こういうことを暫定的だとやっている。それで、看護婦の資格も何も持っていない人が、看護要員として患者四人に対して一人という割合で今の医療が行なわれている、看護業務が行なわれているのですよ。だから、現実に手が足りなくて、私もからだが悪くてときどき入院しますけれども、みんなつき添いつけているじゃないですか。つき添いをつけちゃいけないということになっているはずなんです。だけれども、ほとんどつき添いをつけている。つき添いをつけたときには、完全看護の建前からいって入院料を減らす。入院料はそのままとっている。それでつき添いつけなければ、現在すら看護婦の手は足りないのでございますよ。それなのに、患者が、空床があるのだとかやれなんだとか、機械化していけば何とかなるでしょう、こういう答弁では、国民一人として納得いけないと思う。一体四十八時間制を四十四時間制に切りかえるのにどういう方法で切りかえようとしていらっしゃいますか。まさか三百七名の増員でやっていけるなんということは絶対に私はできない。もっと確信のある、ことに国民に対して親切な答弁をしてもらいたい。私はこの点を重ねてお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(古井喜實君) 藤原さんお尋ねの意味はわかりますが、私が申しましたのは、切り口上でこれでもう全く心配ない、完全無欠でありますよとは私は良心的によう言わぬのであります。正直なことを私ども言っている、ほんとうは。それで、しかし、これにはとにかくこういう方法で、増員は三百七名ですけれども、こういう方法でやればやれやしないかという、一応ここに根拠をもってこういうふうにしたものですから、まあやれる、こういうとでありますから、それは御説明を事務当局がしているのでありますが、しかし、私もくろうとでないから確信をもって、それはやれないとか申しませんけれども、ほんとうにそれで十分うまくいくだろうかということに若干心配を持っておりますので、そこでいよいよ何とかこれはやってみても無理だ、こうなればまた考えなければなりませんよ。そういう気持を私は実は言ったのです。ただし、やっていけるという道を一応考えてこの案にしたのでありますから、なおまた、重ねてこの立て方というか、行き方につきまして御説明を一つ聞いていただきたいと思うのであります。
#30
○藤原道子君 その点について、私は、物事は出発が大事だと思うのですよ。今新しく改正していこうとする切りかえのときに、大臣がもう少ししっかりしてもらわなければ、やれるだろうというようなことでは私は納得できないのです。御説明をお伺いいたしましよう。
#31
○説明員(黒木利克君) 実は、お説のような問題で、大いに悩んだわけであります。四十八時間を四十四時間に切りかえるというようなことの方が、むしろこの際は大事ではないか。こちらの要求のように、この四時間の差を、看護婦の増員をしてくれなければ、四十四時間に踏み切らないのだというようなことまではやはり主張すべきでないのではないか、四十四時間に切りかえるということが大事であって、第一歩としてこの程度ではやむを得ないということで、不満ながら予算の査定に服したわけでございまして、ただいま大臣から申されましたように、これでやってみまして、非常に無理があるというような現実の事態がありましたならば、そのときにまた十分検討したい。しかし、四十四時間に切りかえるということが看護婦の御要望でもあり、また、労務をそれだけ軽くする。給与には変わりがないわけでございますから、給与に影響を与えないで、四十四時間制に踏み切るということに一つ第一の目標を置いたというようないきさつでございます。
#32
○小柳勇君 これからの発足でございますが、現在までのところ、基礎でありますから、今までのいきさつを聞いておいて、それからさらに質問を続けて参りますが、現在厚生省訓令第一号というのが昭和二十五年に出ておりまして、半ドンなどはいつやってもよろしい、週のどこでもよろしいという問題、それから一日に七時間二十分、六日の勤務としてもよいというような訓令が出ております。こういうのはこれは看護婦の特例でありまして、ほかの役所などでは土曜半ドン、翌日は日曜ときまっておりますが、こういう厚生省訓令第一号などというものをこの際改正されて、勤務を正常にして、その上に四十四時間というお考えになっておるのかどうか。
#33
○政府委員(川上六馬君) 日曜は一般に休むので、その前の土曜も休むようにしたいということは考えてみるわけでございますけれども、しかし、御承知のように病人には土曜も日曜もないわけでございますので、なかなかそういうわけに実は参らぬ次第でございまして、今なるべく看護婦さんに都合のいいような四十四時間制に切りかえるために今検討いたしておるわけでございます。
#34
○小柳勇君 休みの前の半ドンというのが労働者としては一番うれしいわけであります。国鉄なども非常に不規則の勤務であるし、その他これに似た職種はたくさんあります。そういうところでも大体日曜の前が半ドン、四十四時間勤務であれば、そういうことが労働者としては一番大切なことですが、この際厚生省訓令第一号というものを廃止する決意を厚生大臣がしてもらいたいと思います。いかがですか。
#35
○国務大臣(古井喜實君) ただいまの点は、今のお話し、土曜日、日曜日と、こういうふうに続くように実際運用ができるかできぬか、実際問題もありますが、週の途中でなければ成り立たぬようになるか、そういう問題も、いろいろ苦心の点も実際の運営としてはあるわけでありますが、私も今訓令を改訂するかどうか、ここに考えを持ち合わせておりませんけれども、よく検討しまして、そうしてどうするかきめたいと思いますが、今ここですぐ即答できるような結論を持っておりませんから、検討さしていただきたいと思います。
#36
○小柳勇君 わかりました。大臣のそのお言葉を私も信頼いたしまして、資料要求としてお願いしておきますのは、四十八時間から四十四時間になりますと、各病院が勤務表を作らなければなりません。その場合、日曜の前日、日曜が休みになるかどうかわかりませんが、あるいは土曜に休んで金曜が半ドンの人もあるでしょう。若干、ダブらなければならぬ、そういうふうな仕事の関係上、なかなかできないところがありますから、ただし、休みの前は半ドンというような勤務体制を各病院に諮問していただいて、早急に返事を待ってまとめてもらいたい、これは一つ厚生省に要求しておきたいと思う。そうして、今大臣が言われたように、厚生省訓令第一号については、廃止の方向で検討する、こういうことをこの際お約束していただきたいと思いますが、いかがですか。
#37
○国務大臣(古井喜實君) よく検討してみたいと思います。
#38
○小柳勇君 その次には、一人勤務というのを今までやっているわけですね。当直でもそうでありますが、夜なんか看護婦さんが一人でいる場合がたくさんあるようです。この前も大へん問題になっておりますが、看護婦のような仕事で当直というのが一人勤務というのは、非常に危険ではないかと思いまするが、この一人勤務制について病院で検討するあるいは厚生省で検討するという態勢にあるかどうかお聞きいたします。
#39
○政府委員(川上六馬君) 今のお話は深夜の場合だと思うんですが、深夜の場合には、看護婦一人の病棟が相当あるわけでございます。しかし、その場合におきましても別に当直がおりまして、その者が連絡をとるとか、隣の病棟の応援を求めるとかいうようなことはできるわけでございます。しかし、それにしても一人では非常に心細いということが考えられるわけでありますので、非常に無理なような病棟につきましては、今後考えていかなければならぬと考えているわけでございます。
#40
○小柳勇君 今の問題も、この際勤務時間の変更のときでありますから、非常に大事な問題でございますので、緊急事態に即応する体制をとっていただくということで御検討願いたいと思いますが、第三点は、現在の医療法で、たとえば入院患者四人に対して一人ですか、看護婦さん、そういうふうな基準でやっているけれども、非常にまだ批判があるようでして、きのう、きょうの新聞などを見ましても、外国の医療機間と比べて日本の医療機関は非常にお粗末だということが書かれているようでございますが、現在の医療法で看護婦の定員というものをどういうふうにお考えになっているか、もちろん多いにこしたことはないが、もう少し四人に一人などというような基準についてどう考えるかということと、そういうふうに医療法がきまっておりながら、たとえば大阪の国立病院と虎の門の共済病院を比較いたしまして、病理検査の人員だけをとってみましても、大阪の国立病院を初め虎の門の共済病院は四十五名、こういうような、この現ナマの人員の差があるようです。そういうように、国立病院でありながら病理検査などについてはあまり意を用いていないのではないかということがいわれておるわけですね。そういうような面で、現在の医療法にきめられておるにかかわらず、国立病院でありながら、それだけの医療法すら守られていなかったという事実について、当局はどういうふうなお考えを持っておられるか。
#41
○政府委員(川上六馬君) 四対一の看護婦の標準はどうかということであります。これはその標準の制定当時の事情を聞いてみますというと、当時、運営のすぐれた病院を相当数選んで、そうしてその実情を調べて、しかもそれより少し上回ったようなところで標準をきめたということを聞いておるわけですが、そういうせいか、私は四対一という標準は、一応標準としては大体そう無理のない標準じゃあるまいかというように考えるのであります。しかしまあこれは、そういいましても、その病院とか療養所の状態――非常に重症患者が多いとか、あるいは手術患者が多いというようなところにおきましては、とてもまた四対一では足りないわけでありまして、そういうところにはもう少し看護婦をふやしていかなければならぬということは当然であります。また、全体といたしまして、この四対一の中の操作でまずまず普通の看護を続けていっておるという状態であります。従いまして、医療法でも、ただ標準と言っているわけでありまして、国立病院にいたしましても、手術患者、重症患者あるいは小児患者等の多い病棟で、特に看護の不足なところにおきましては、それに従ってまた看護婦を増しておるわけでございますから、そういう考え方でもって今後病人に処してもらえれば、特に四対一の標準をすぐ直さなければ困るというような場合は比較的少ないのであるまいかと考えておるわけであります。たびたび申すことでありますけれども、現在きめておりますところの基準看護四四二という基準がまだ守られておらない病院が多いわけでありますから、まずそれを一つ守ってもらうことに十分指導をしていきたい。むろん、その看護婦の手が多いほど看護が行き届くわけでありますが、だんだんその内容を改善していきたい。まず四対一を守らせることの方が現状としては先決のように考えておるのであります。
 それから現在、臨床検査の人員などにつきましては、これは別に医療法上の標準というものはないわけでございますけれども、病院におきますところの臨床検査というものはきわめて重要な部門でございまして、ことに医療が高度になるほど、これが重視されなければならぬわけでございますから、国立病院などにおきましても、特に基幹病院におきましては、検査施設を充実することに三十六年度の予算でもいたしております。まだそういう面で人員の不足している実情もございますので、今後、そういう点は一そう努力をしていきたいと考えております。
#42
○横山フク君 今、まあ局長に反対のことを言っちゃ悪いとは思うのですけれども、四対一をきめた当時の事情ですね。それに当たった人、これははっきりしているのですけれども、その人の言葉によりますと、四対一にきめた、これは割合に病院看護管理のよくいっているところ、これが四対一の割合になっていたからというので、四対一をとったのですね。しかし、そこではつき添い看護婦があったのです。その病院では、つき添いの看護婦がいたんです。つき添いの人も認めて、四対一が妥当だということだったのです。それははっきりしいる。ところが、その後に、四対一の割合でもって、看護婦のいるところはこれは完全看護だということでつき添いをとってしまったのですね。ですから、つき添いを完全看護だということでとってしまうなら、保険の方でですね、これは四対一じゃいかないですよ。それぞれの入院患者につき添いがあることを前提にして四対一が妥当だった。ところが、つき添いをとってしまえば四対一では、看護ということが、看護力においては不足を来たすというか、あるいは看護婦その人に対しては過重なものになっているわけなんですね。そこに一つ無理があると思うのです。それからもう一つは、四四二という形、これは二というものは、前に雑役として定員外だったわけです。これを四対一の中にその雑役も入れてしまったのですから、ここでも四対一というのは、表向きには四対一ですけれども、実際には四五か、五一か六一になっているということが言えますね。個人の入院患者のベッドに対しての個人のつき添いですね、これはやめてしまった。しかも雑役でいるのをその定員に入れてしまった。この二つからいきますと、今四対一になっているというところでも、昔の四対一と今の四対一とでは、四対一の内容が違っているわけですよ。だから、今の四対一が妥当だというお言葉は私は違っていると思う。それが一つ。
 もう一つは、今の局長のお話ですけれども、まだこれさえも守られていないところがある、それを守らせることが先だとおっしゃる。それは私もそう思います。しかし、それならば、守られていないことを守らせるためにどれだけの力が厚生省におありになるかということです。私は、国立の病院の看護力が足りない。これは足りなければいけません。しかし、それなら、都道府県立はどうなっておるか、あるいは赤十字はどうなっておるか。これらもみんな足りないのです。ですから、これを守らせることが前提だ、前提だというだけで、問題は四対一をそのまま置いておいたのでは、やはり医務局にそれだけの力がないのですから、これが三対一になりあるいは二対一の正しい姿に戻せば、その差がひど過ぎるということでもって、向こうも直すことに努力するでしょうけれども、相変わらず四対一ということが過重なんです。そのまま置いておいて、それだけの規制力のないものが、監督力というか、そういう厚生省でそう直させる力がないだろうと思うのですが、いかがでございましょう。私の言うの、違っているかしら。
#43
○政府委員(川上六馬君) 確かに今お話のように、まあ国立の方は、四対一の一は全部看護婦だ。都道府県の方は基準は二だ、四四二。二割だけは看護婦無資格者を入れておるのだからということは、その通りでございまして、だんだんそういう点にこれから近づけていかなければならぬと思う。厚生省に力がないというお話でありますけれども、これは毎年やっております分類調査なんかをずっと見てみますと、やはりこれはだんだんよくなっておる。(「よくなっていませんよ。」と呼ぶ者あり)いやいやそれは事実をもって証明をしてもいいのですけれども、やはりずいぶんと昔から見ますというと、(「もっとはっきり言って下さい。」と呼ぶ者あり)前から見ますと、だいぶん改善をされております。
#44
○藤田藤太郎君 私も一言言いたい。厚生省は非常に力があるのです、大臣が。日本の厚生行政、保健行政には私はもっともっと熱意を入れたら、今ここでうかうかとようわからぬような返事になるけれども、もっと的確にぴしゃぴしゃと僕は返事ができると思う。どこで遠慮してそんな医療行政について監督的といいますか、国民保険を守るために、雑な言葉で言うとサボっておられるかと私は言いたくなる。一番何じゃないですか、大蔵省に予算を要求されるときの熱意と、そしてそれが予算で削られたらいかにもそれが合理的なような説明をされるけれども、私は、もっと正直に厚生省の熱意はこうなんだ、こういうつもりでやっているのだけれども、残念ながらこうなったというところから、このような小柳委員の質疑に対して始めてもらわなければ、私は厚生省は何をつかんでどうやろうとしておられるのか、だんだんよくなっているのだなどとそんな話じゃ私はないと思うのです。民間の病院なんかに行きますと、いろいろ非常にひどいところがたくさんあるわけです。それを正しい現在の姿に、医療のあり方というのは国立病院や療養所で始めて、こういうものが正しい姿ですよと、こうでなければ国民の医療は守られませんよということを的確にぴしゃっとお出しにならなければ、全国的に医療行為をやったところで、そういうよい医療行為というものにどうして発展していきますか。そこを私は言いたいわけです。だから、国立病院の医療行為こそほんとうに……、外国の例を見てみなさい。今の看護婦の定員なんかを、私ちょうどきょう書類を忘てきましたが、この前坂本委員が指摘しておりましたように、四人というようなところはありませんよ。もっと完全看護の国がたくさんあります。それは病科によって違いますけれども、だから私は、やはり自信を持って国立病院はこれだということをはっきり出してもらわなければ、その国立病院、療養所以外のところはどうなるのですか。私は、先日日赤の中央病院に行ってきました。たくさんあいています。なぜこの病室、病棟があいているかということを、たくさんの患者がおられてなぜ探求されないか。この前もここで十仁病院のことを言いました。十仁病院の現状がこうだから、何とか医療行政、監督行政で何とかしてもらいたいということを言いましたところが、どうもそれに手が差し伸べられておりません。民間にはおつかなくて、医療行政、厚生行政が差し伸べられないのだと言いわけされるかもしれませんけれども、それならそれで国立病院や療養所をほんとうにガラス張りの中でこういうあり方は、日本は近代化、機械化、こういう医療行為をやるのがいいのだということをはっきりもっと明確に自信を持ってこれにならいなさいということで、他の一般医療行為をそこへよいものを作ってならいなさいという自信を持ってやらない限りは、いつまでたってもよくならない。ここに皆さんが疑問を持っておられると思うのです。私もそうなんです。四十四時間にすると定員は半分だけで、あとは機械化と超勤だと、そんなことで、現在ですら非常に苦しい勤務をされて、完全看護ができてないという状態の中で、そんなものをおっかぶせてまたまた正しい医療行為と違った行為を他のところに宣伝するような格好になるんじゃないですか。四十四時間にしてもらいたいということは、私はその通りでございますけれども、もっと自信を持って一つ言って下さい。厚生大臣は、専門家がおりますから専門家に聞いてもらわないと、私は心配をしておりますと、こういう工合に大臣が心配しておられる。だからあなた方専門家の立場からもっとはっきりしてもらいたい。
#45
○小柳勇君 大臣は予算委員会の方の時間が迫っておるようですから、関係の問題を今から羅列しまして、あと残りましたのは予算分科会で大臣の意向を聞きたいと思いますが、第一の問題は、今の藤田委員の発言に続きまして、今までの定員と今までの仕事はひどい。これに四十八時間制が四十四時間制になりまして、わずか三百七名の増員ではいかんともしがたいではないか。数字からはじいていっても千三百六十人くらいの増員をしなければ、四十八から四十四には移行できないわけです。わずか四分の一くらいの人間でこれから発足するということは、まことにこれは言語道断であるということが一つ。それから超過勤務予算及び機械器具の充当の予算があるならば、これを人件費に回して、できるだけ看護婦の定員をふやすべく努力されるのが至当ではないか、これが増員に対する私の質問の要点です。それが第一。
 それから第二の問題は、病院や結核療養所などの統合及び廃止の問題があります。あるいは療養所から病院に移管する問題があります。この問題は再三質問されておりますし、衆議院でも最近質問されたそうでありますから、あと私は医務局長に質問いたしますけれども、この問題についての大臣の基本的なお考え方を発表してもらいたいと思います。
 それから第三番目は、岐阜市の日野荘という精神病院及び結核療養所のところで自衛隊の射撃訓練をやろうとした、これは先日内閣委員会で問題になったようでございますけれども、この射撃場を再開することを今阻止した情勢にあります。このことについて、あとで医務局長から一つ意見を聞きますけれども、精神病院と療養所があるところの千メーター先のところに的を作って自衛隊が射撃訓練をするというようなことは、まことにこれは許しがたいことであるので、この点についての大臣の見解をお聞きしたい。
 それから最後は、第四番目は、現在医療労働者の団体があります。全医労という団体がございますが、この団体と大臣は交渉を持っておられないようです。それが一番この問題の紛糾している原因のようでありますが、現在まではやってきたのに、公務員である組合が違法行為をあえてしょうとしているから、私は会わないのだということで団体交渉をしておられないような、そういうことではほんとうの医療行政というものはできないと思うが、この点について、医療労働者の代表と会ってお話しされるお考えがあるのかどうか。この四つの問題を大臣から御意見を聞きまして、大臣は予算委員会に行っていただきたいと思います。
#46
○国務大臣(古井喜實君) 一番初めの問題は、先ほど来の看護婦の勤務時間その他の問題であったと思いますが、これはさっきも次長から申しましたように、四十八時間勤務を四十四時間にしたいと、このまあ大原則を採用したいというところが今度の問題であったのでありますから、それに対応するあらゆる点が完全に整ってからそれじゃ切りかえるかと、そういう行き方をするか、それともしゃにむに四十四時間制に持っていってそっちに合わせるようにやっていく、もし万が一不十分な点があればそれを整えていくと、四十四時間制をもとにして。こういうところに一つの問題があったように思うのであります。やっぱり四十四時間制は非常に重要なことでありますから、そこを中心にして考えてみると、今度やったような計画が無理があるかないかという点が残るのでありますから、これは四十四時間制実施ということを基本にして、それに十分対応できるようなふうにいろいろな点を整備するということに考えていきたいものだと思うのであります。
 それから病院、診療所の統廃合の問題、これは病院の全国的な整備計画というものを従来も持っておりますけれども、さらに再検討して確立したいという考えを持っておるのであります。そうしてそれをもとにして足らないところには設置する、新しく設けるというふうな方法でもって、全国的に整備をやっていきたいと思いますことと、それから病院には病院の使命がございますから、やはりむずかしい事情、あるいは医療の進歩を病院としてはやはり受け持たなければならぬ面もありますし、公的な使命もいろいろありますからして、そこらも発揮できるようにしたい。機能の点、それから配置の点を考えてやっていきたいものだと思って、当局の方にも調査や準備を言いつけているところであるのであります。具体的の問題になりますというと、そこはそこなりの事情も、わけもあったりしますので、これは具体問題としても検討したいと思います。全体としては今申しましたようなことを考えておるのであります。
 それから岐阜の日野荘の問題でありますが、なるほど精神病院あるいは結核の療養所がある近辺で、これに差しさわりのあるような演習をやられてはかなわぬのであります。実情がほんとうにそうでありますれば、これはぜひ適当な解決をしなければならぬものだと思うのであります。これは防衛庁の方とも話し合ってみまして、実際支障がある、困ったという事情ならば、それはそれなりに適当に解決をやるように努力したいと思います。
 それから全医労の方と会って話したらどうだというお話であります。私は、今日でも、どなたにでもお目にかかることを一つもちゅうちょも避けることもいたしません。で、そういう気持でおりますが、今若干私がこっちから進んでまでお目にかかるようにしていないのは、いろいろ今病院ストのさなかでもありますから、それがよい意味にせよ、悪い意味にせよ、くちばしを入れる、容喙、干渉というようなことになるのだったら、労働運動の立場からいってもおもしろくないと、こういうふうに思いますので、こちらからお目にかかりたいということまでは言っていないのでありますけれども、必要があればお目にかかりたいと思いますし、それから事務当局の方でもだんだんお目にかかってお話を伺ったりする考えもありますからして、今はそういう考えでおる、このことだけを御了承願っておきます。
#47
○小柳勇君 もう二つだけ残りました。一つは、お医者の増員の問題です。看護婦と同時に医師の増員の問題について、大臣のお考えを聞いておかなければならぬのが一つ。
 それから富山県の古里扶養園が焼けまして、その実情を大臣は御存じであるのかどうか知らぬが、富山県の古里扶養園が焼けまして、その損害賠償、衣類全部を患者さんが焼いてしまって、金額としては二百三十万ぐらいでございますが、これを東海、北陸の関係職員が一人十円ずつ金を集めて資金としようとしておるようでありますが、こういうものは、国家賠償法で、国が補償してやるのが当然だと思うが、大臣まだ具体的に報告がなされておらなければ、あとで事務当局から聞きましょう。
 その前の医者の定員増の問題についてはどういうことであるか。特にらい療養所とか結核療養所などに医者が入りたがらぬ。極端なところでは一人しか医者がおらぬようならい療養所もあるようでして、先般離島振興法の現地視察で天草などずっと見て歩きましたけれども、長崎県庁も非常に困っております。離島などにも医者が行きたがらぬわけです。そういうような医師の定員が実際五人おらなければならぬところに一人しかおらぬようなところは、早急に解決しなければならぬが、要するに、定員関係と欠員補充の問題についてどれだけの熱意を持っておられるか。この問題はどうしても大臣から聞いておかなければなりません。
#48
○国務大臣(古井喜實君) そういたしますと、片方の富山の病院にあった問題は、私もまだ事情をよく承知しておりませんから、事務当局の方からあとでお答え申し上げます。
 それから病院、療養所のお医者の定員ないし欠員の問題でありますが、定員ははたして足らぬということがあるのか、私もそこは事情をつまびらかにはいたしませんが、これは実際必要な定員が少ないのか、どうかよく事務当局において研究してみたいと思います。欠員の問題は、これは特殊ならいの療養所とか、今の不便な場所の病院については、これはややあるようであります。これは他の場所でも、そういう問題についての御意見なども伺ったこともありますが、事柄は欠員が起こるだけあって、実際問題でむずかしい問題があるわけかもしれませんが、要は、十分今後極力これは欠員を埋めるような努力をしたいものだというふうに強く思っているのであります。
#49
○小柳勇君 私は大臣の質問は終わりまして、医務局長に質問いたします。
 埴正の療養所を廃止して地方に移譲する問題の現状を御報告願いたいと思います。
#50
○政府委員(川上六馬君) 埴生の療養所は、現在一応廃止をいたしまして、そうしてその施設を地元の山陽町に移譲するよう交渉いたしております。山陽町といたしましても、先月の十七日だったと思いますけれども、これを引き受けるようにきめておりまして、近いうちに移譲ができると思っております。むろん患者さんはもういないわけでありますが、職員につきましても一部――十名程度と思いますが、山陽町の方に移って、山陽町でその施設を利用しまして、療養所を開く予定でありますが、そこの職員になることになっております。
#51
○小柳勇君 あとの残っております職員の身分については、厚生省として完全に保障しておりますね。
#52
○政府委員(川上六馬君) 残りたい人があったら残します。
#53
○小柳勇君 転勤希望者は転勤させるのですか。
#54
○政府委員(川上六馬君) 転勤先の都合なんかもありますが、なるべく希望通りして上げたいと思います。
#55
○小柳勇君 第二の問題は、和歌山病院の廃止の問題ですが、三月末に廃止の予定だという書面が出ているようですが、医療保護の人たちのあとの問題があるようですが、その現状について御報告願いたい。
#56
○政府委員(川上六馬君) 患者さんは二十四名だと思っておりますが、近々さらに二、三名退院されるというふうに聞いております。今月の終わりで私の方は一応和歌山病院は閉鎖したいという考え方で、患者あるいは職員の人人とよく納得のいくように説得を今いたしておるわけであります。なるべくこれも患者さんあるいは職員の希望をよく聞きまして、その始末をよくしたいと思います。
#57
○小柳勇君 これは前にも国会で問題になっているのですが、患者や職員に対しては完全に納得してもらうというようなことであるようだけれども、交渉の途中などでそれは了解をしてもらう、了解のないときは、廃止しないとは言っておらぬ、とにかくやめるのだからということを一方的に説得してあるようであるけれども、そういう患者さんなどは特に自分の生活の不安もございましょうし、あるいは職員にいたしましても、身分保障の問題については神経質に非常に慎重に考えなければなりませんので、納得するということを前提として処置してもらいたいと思いますが、その点いかがですか。
#58
○政府委員(川上六馬君) 極力その考え方で現在折衝いたしておるわけです。病気が重くて他の療養所に移れないという患者をむろん移すという考えはございません。ただ、何でもかんでも反対だという考え方だとこちらも困るわけでございますけれども、現在までは大体こちらの考えにだいぶ納得をしてもらっているような状況に聞いておるわけでございます。
#59
○小柳勇君 医務局長自信がないもので、――私もきょう午前中に朝いただけでして、十分現地との連絡もとれていないので――答弁にも自信がないようです。私の方もこれは連絡不十分で申しわけないのだけれども、こういうような医療労働者として問題になっているのはしょっちゅう連絡をとって自信のある答弁をしていただかぬと、今国会会期中ですから、これは参議院だけではない、衆議院でも質問しますし、予算委員会でも分科会なんかに出るかもわかりませんから、しょっちゅう連絡をとってもらって的確に情勢を把握してもらいたいということが一つ。
 それからもう一つは、この国会などで答弁せられるのは、非常にやわらかに答弁されるけれども、現地で患者や職員に言われるときは頭から押しつけて、三月一ぱいでやめるのだ、もしこれを聞かなければやめてくれ、職員には。患者さんにはもうそれは政府の方針だから、何としてもこれは廃止するのだから、あなた一つどっかへ行ってくれぬか、こういうようなおどし的なことがやられておるようです。それが一番問題であって、結果は同じにしても、納得して、政府としてもこういう考えでこうするのだから、あなたの方の希望はどうかとか、そのくらい思いやりのある処置をとってもらいたいということが、私、きょう、今問題として取り上げている根本的なものですから、その点は十分に考えてもらって、おどしで職員をお前どこかへ転勤せいというようなことのないように、あるいは患者さんに対してもっと思いやりのある処置をとってもらいたいということであります。
 それから次の問題は、東京、福岡に療養所を統合して基幹療養所を作るのですね。これで、東京の場合は東京療養所と清瀬療養所が一体、福岡の場合は福岡療養所と清光園と福寿園が一体となって二千床くらいの施設になるようでありますけれども、このような基幹療養所設置の根本的なねらいが那辺にあるか、お聞きしたいと思います。
#60
○政府委員(川上六馬君) 御承知のように、療養所は現在百八十も全国にあるわけでございます。結局結核の趨勢に見合って考えなければならぬ問題でございますけれども、大体私の方の考えとしては、各ブロックに基幹的な療養所を作っていく必要がある。治療に研究に最も権威のあるような基幹的な療養所を置く必要があるということを考えております。その他の療養所はやはりそれぞれの地方におきますところの結核の医療の需給の状態を考えて、そしてことに特徴を持たせる必要もあると思います。たとえばその地方の小児カリエスの病棟がないとか、あるいは小児結核の病棟がないとか、あるいはリハビリテーションの施設がないとかいえば、そういうような点も国立は考えて、それぞれの地方の結核のいろんな治療に欠けるところのないような役目をしていかなければならぬと考えておるわけですが、そういう大体の方針に基づきまして今の福岡の古賀というところに療養所が三つ、ちょうど同じところに相当大きい規模のものがあるわけです。それがいずれもかなり老朽化しております。それを将来はやはり一つにまとめたいという方針を持っておるわけでありますが、その福岡の療養所に一つの恒久的な耐火構造で、総合的規模の基幹的なものを作っていきたい。東京、清瀬にそれぞれ大きなものがありますが、これも将来は方針として一つにして、そして東京の基幹療養所にしていきたいということで、東療の方に耐火構造の大きな規模の療養所を作っていく、こういう考え方をいたしております。本年度の予算といたしましては、東京の方は治療棟とし二百五十床の病棟、福岡の方は治療棟として二百床の病棟を作っていきたいと考えておるのであります。
#61
○小柳勇君 これ、東京の方が二百床くらい、福岡の方が約千七百床くらいに統合されて参りますが、こんなに二千床の病人を医者が完全に知ることができるとお思いですか、病状など。治療というものはただ機械的に合理化するだけではなかなか療養の効果は上がらぬと思うけれども、たくさん集めて統合するということは、結局どっかに無理がくるのではないか、悪くいえば、経営合理化によって経費を節約することにのみ考えを持っておられるのではないかという気がするのが一つ。今おっしゃった東京を二百五十床、福岡では二百床の治療をしようというのはどういうことですか。
#62
○政府委員(川上六馬君) 今すぐそれを合わせて一緒にするという考え方を定めてはおらないのであります。現在のところ、病床を減すという考え方はないわけであります。しかし、今のベッドを全部将来必要だというようには考えておりまして、たとえば東京なら東京で、まだ最後に幾つにするということはきめておりませんけれども、たとえば千床なら千床という程度の基幹療養所を年次計画でもって作って参りたい。今度は二百五十床でありますけれども、次は二百五十床というような工合にだんだん恒久建築の基幹療養所を作っていきたい、その場合一ぺんにそれに入れないなら、片方の施設は残すのです。あまり無理のないように措置したい。結核もだんだん将来は減るわけです、自然にそれに統合できるようなものは統合する、決してベッドをすぐ減らすとかあるいは片方の施設を廃止するというようなことを考えてないわけです。
#63
○小柳勇君 福岡療養所と清光園と福寿園が近所にありますね、古賀に。それが合計いたしまして現在千七百床くらいあるとする、そのほかに二百床を作るという意味でございますか。
#64
○政府委員(川上六馬君) 三つのうちどこへ作るかまだきめておりませんが、その一部に作るわけでございます。そうすると、一部に治療棟を作ります。それから二百床のコンクリートのベッドを作るわけであります。そして年次計画で耐火構造のベッドをだんだんふやしていくわけであります。治療棟のりっぱなのができますと、たとえば外科なんかはそこで手術をした方がいいということになれば、共通にそれを使う。あるいは病棟は外科病棟として患者をここへ集めた方が治療上いいということになりますれば、その三園から患者をそこに集めることになりましょう。そういうふうな総合的な利用の方法もあるかと思いますけれども、今後そういう点は十分検討していきたいと思います。
#65
○小柳勇君 ことしの予算で二百床、東京では二百五十床ですが、新設きまったようですが、五年間の間の一つ移り変わりを少し具体的に話して下さい。五年間に期間を切って、ことしは二百五十床作った、東京の場合は東京療養所と清瀬、福岡の場合は清光園と福寿園――福岡でよろしゅうございますから例をとって、ことし二百床ばかり作った、来年から一つ、これから五年間の青写真を一つ話して下さい。
#66
○政府委員(川上六馬君) 五年間の青写真を今はっきりここで描いておるわけじゃありませんけれども、考え方といたしましては、今申しましたように、三つのうちどこか適当なところに、さしあたりことしは治療棟と病床を作っていこう、そうして病床をだんだんふやしていって、ある一定の規模のものにしていく、それは今から三つがそれをどういうように将来統合していくかというようなことは、三園の話し合いによって円満にやっていきたいと考えております。
#67
○小柳勇君 どうも医務局長の話を聞いておりましても、何か雲をつかむような話でありまして、それじゃ大蔵省に行って予算なかなか通らぬじゃないですか。青写真をしっかり書いておいて、ぴしゃっとことしはこれだけいきます、こうしなければ結核対策できませんと言わなければ、それは大蔵省だってなかなか予算やらないでしょう。私今聞きましても、基幹療養所と名前ありまして、方向はきまっておるようでありますけれども、今年度は二百床の予算はここにあがっておるようでありますけれども、それはどこに作るかわかりませんじゃ、それはちょっとわれわれとしてもたよりないですがね、医務局長。もう少し青写真をしっかりしてもらわないと、これは話になりませんよ。
#68
○説明員(黒木利克君) 私から補足説明いたしますが、実は御承知のように、百八十の結核療養所はほとんど木造で、しかも耐用年数をすでに経たものが多いのでありますが、これをできるだけ急速に近代建築にしたいという要求が一つ。もう一つは結核の専門医というものが大学で養成してくれませんで、結核の医療をやりますための必要な結核医要員の確保というものが差し迫った焦眉のこれは大問題でございます。そこでそういう結核医を確保しかつ養成をしていく。それから木造を近代的な病院に切りかえていくというような必要が差し迫ってあったわけであります。ところが、財務当局の方では百八十のすべての療養所というものをそうするわけにいかぬというようなことで、ある程度合理化という線を出してきたわけでございます。その一つの現われが、先ほど問題になりました埴生の療養所のような廃止をして統合をしてしまうというような線でございます。しかし、埴生のいろいろないきさつから見まして、そういう消極的なことでなしに、とにかく近代的な結核の病院を作る。そして結核の医者に対して光明をここで見出ださして、逃げないように、少なくとも結核の医者を確保できるというような積極的な面を予算要求いたしまして、実は、東京と福岡にとりあえずそういうものを認めるということで、これはどの病院を、療養所を廃止するという条件を全然つけませんで、とにかく近代的な結核病院というものを各ブロックに作るが、とりあえず九州と東京に作る、こういう積極的な意味の予算化に一応踏み切ったので、従いまして、従来考えられておりますように、どの療養所を廃止するかわりに、近代的な病院を作るのだというのでなしに、とにかく積極的な意味で近代的な結核の病院というものを二カ所作るということが眼目でございます。具体的な方法としては、とにかくこの古賀にあるような三カ所の病院のどれをつぶしてということを今急に解決するのでなしに、この三つの施設が共通に必要とするような治療棟とでも申しますか、あるいはそれに付帯した病室というものを、最小限度三つの療養所が共同に利用できるようなものをとにかく作ろうというようなことで話し合いがついたわけでございます。従って、従来言われておりますように、三つをやめるかわりに一つ作るというのじゃなしに、三つが共同でもっと利用できるような治療棟というようなものを近代的なものにする。こういうことが眼目でございます。
#69
○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#70
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#71
○小柳勇君 この結核対策を聞きますと、大事な問題をたくさん含んでおるようでありますし、あとは国立結核療養所を病院に転換する問題があります。これも結核対策の基本的な問題が含まれております。そういうことでありますから、私は、今質問はここで一応中止いたしまして、次の機会に保留いたします。予算の分科会もあるようでございますから、次の機会まで保留することにいたします。
#72
○藤原道子君 この問題は非常に重要で、私聞きたいことがたくさんありますので、日をあらためて、なるべく早くこの問題と取っ組んでもらいたい。
#73
○小柳勇君 そのかわりですね、今の問題について、もう少し、私は次には突っ込んで結核対策について質問いたしますから、具体的に現在の病床の使用状況とか、病院の情勢などについても聞きますし、それから結核療養所の病院転換の問題についても具体的に突っ込んで質問いたしますから、医務局長、担当者は御検討願っておいていただきたいと思います。もう一つは、青森療養所の病棟の取りこわしの問題がございますね。この問題も質問いたします。それから無料宿舎を有料化にする問題がございます。これは大蔵省の主計局の方で反対しておるようでございますけれども……、従って、今申し上げましたような問題、さっき大臣に質問いたしました日野荘の射撃場廃止の問題、再開阻止の問題ですね。この問題も質問いたしますから、この次にもう少し具体的に御調査願って御答弁願いたいと思います。きょうは保留いたします。
#74
○藤田藤太郎君 それまで、私も一言だけ、宿題ですが、これはお医者さんがおられるので、非常にむずかしい問題だけれども、病院の医師が大学の教室につながっておって、大学の教室から医師引き揚げてこいというようなことになると、その病院の運営はとにかくとして、引き揚げられていくという例がここ一、二出ているようですが、こういう対策にしても、的確にどうされたかということを、 この次までにはっきりしておいてもらいたい。
#75
○委員長(吉武恵市君) 速記をちょっとやめて下さい。
  〔速記中止〕
#76
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#77
○委員長(吉武恵市君) 予防接種法の一部を改正する法律案を議題というします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。――別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 なお、修正意見等のおありのときは討論中にお述べを願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより予防接種法の一部を改正する法律案について採決をいたします。本案を原案通り可決することに賛成のお方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(吉武恵市君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
#81
○高野一夫君 私はただいま議決せられました法案に対して附帯決議を付することの動議を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   予防接種法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
  政府は本改正法の実施に当り、次の対策を強力に進めることを要望する。
 一、脊髄性小児マヒの予防に使用する生ワクチンを含む各種ワクチン類については、更に応用上の研究と検定に十分合格し且つ低廉なる価格となるような製品の生産研究に対し、政府は十分の指導と監督をなすべきである。
 二、ポリオビールスの感染経路の探求のために、政府は政府の機関において研究を進めると共に、その他の官公私立機関におけるその研究を助成する対策を講ずべきである。
 以上であります。
#82
○委員長(吉武恵市君) ただいま高野委員提出の動議を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。これより高野委員提出の附帯決議案を議題といたします。提案の理由を御説明願います。
#84
○高野一夫君 ただいま朗読した通りでございまして、これ以上の説明を要しないと思いまするが、第一のところで生ワクチンを含む各種ワクチン類については、さらに応用上の研究の必要があるということは、生ワクチンを使用した場合の副作用の除去と、こういうような問題についての臨床上の研究を含むほか、さらに排便になりました場合に日本の農村におけるかのごとき、その排便を肥料に利用する現段階において、その利用についての適否の問題、もしも不可だとするならば、それをいかにして感染その他の防止をさせるために、いかなる措置を講ずべきかということについては、これは政府に対する要求でございますから、あえて厚生省に限らず、農政関係方面とも十分連絡されて、そういう方面の臨床上の方の面についての、使用後の面についての研究もあわせて進めていただきたい、こういう意味でございます。
 あとは先般新聞にも報道されておりました通りに、ほとんど過半が検定に不合格であるというようなことが出まするというと、経済的にも、その他の点においても、非常に影響が大きいことでありますから、さらに生産研究に一段の督励をしていただいて、あげて検定に合格するような製品、しかも価格の、低廉に入手のできるような製品が得られるような生産研究を督励指導をしていただきたいということでございます。
 二は、もう読んでこの通りでございまして、感染経路についての研究がまだ不十分であるやのいろんな説明もございましたので、政府並びにその他の機関において十分研究助成、政府はできるならばその研究に予算をもって助成する方法も講じてもらいたいという意味を含めましての要望で、ございます。
#85
○委員長(吉武恵市君) ただいまの決議案に対し、御質疑おありの方は、順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、これより本案を採決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決をいたします。
 高野委員提出の附帯決議案を、本委員会の決議として、ただいま議決いたしました法案に付することに賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(吉武恵市君) 全会一致でございます。よって高野委員提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議として、ただいま議決いたしました法案に付することに決定いたしました。
 この際、古井厚生大臣から発言を求められております。これを許可いたします。
#88
○国務大臣(古井喜實君) ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処いたしたいと存じます。
 以上でございます。
#89
○委員長(吉武恵市君) なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#91
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#92
○委員長(吉武恵市君) それでは質疑を続行いたします。
  〔委員長退席、理事高野一夫君着
  席〕
#93
○理事(高野一夫君) ただいま厚生省から提出されております資料についての審議を進めたいと思います。
 まず、説明を願います。
#94
○政府委員(尾村偉久君) 先般の当委員会から御要望がありました資料を提出いたしましたので、かいつまんで要点だけを御説明申し上げます。
 そこにお配りいたしましたように、急性灰白髄炎の疫学的な現象は従来どうであったかということに対する、一般的な学説をかいつまみまして集めたものでございます。ことに環境衛生等が日本より進んでいる英米等のような国が、逆に従来日本よりもこの急性灰白髄炎の患者の発生数が著しく多かった、それに対する学問的な要するに見解が、一般的にどうなっておったか、こういうことでございます。
 第一の点は、そこの冒頭に書いてありますように、ワクチンの接種開始前の、いわゆる手放しでこれに対して対処してきた場合に、アメリカが日本よりも多かったという基本は、疫学的に見ますと、この病菌の浸染度等と逆比例をしておる、こういうことでございます。逆比例といいますのは、日本のように環境衛生等が不十分であるために非常にこの菌がびまんしておるところの方が、臨床に現われるようなほんとの顕性患者の数の発生は少なくて、むしろアメリカのようにばい菌が日本ほど散布びまんしないと思われる方が実際の顕性患者は多いと、こういうことでございます。それがその四枚目にあります図面で、この前御説明した図面と同じものでございますが、そこにあります通り、日本がこの年令別のカーブが実線で一番下に出ておりますが、年令別では日本のようなところは五才以下、ことに一才、二才のところが非常に多いんでございますけれども、この全体を、国民全体に対する死亡率でありますと、このアメリカの五七年、五八年、五九年というようなところを比べますと非常な患者数の差が出ている、こういうことでございます。
 それから次の問題は、以上のようなことを、国が違っておるものでございますから地域が違っておる。ところが、これを、一ページ目のまん中にありますように、同じ地域で浸淫度が同じになっているところにおりながら、日本駐留の米国兵の場合には十万人に対しまして二十六人も発生罹患を持っておるのに、日本人は御承知のように、せいぜい過去において一・二から三・一と、昨年の多発の年でも六というようなことでございまして、同じ日本国内におりましても、この米国兵の方が非常に高率に発病率を持っておる、こういうことでございます。これはすなわち日本に来た米国兵がかねて薄い感染のために、自然免疫を持っておらなかったというために、日本の濃厚な浸淫のところに入りますと爆発的に大きくかかると、こういうことを述べてあるわけでございます。これはまた、マルタ島における問題あるいはフィリピンにおける問題等と同様な例でございます。同じようにマルタ島におきましても、英人の兵隊はかかるけれども、マルタ兵からは出ないというようなこと、大体日本と米国との関連と同じような問題でございます。
 そこでずっと飛びまして、二枚目の裏でございますが、欧米と日本の罹患年令の分布の相違を書いてありますけれども、ただいま言いましたことから敷衍いたしますと、日本の場合には菌が充満しておるので、母親から生まれまして大体半年たちますと親譲りの免疫がなくなって、みんなが感染し得る状況にある。このときにほとんどその年令層の百六十万人の者は一応全部浴びる。浴びても本来この菌の性格といたしまして、五百人が浴びて大体一人くらい、ないし千人が浴びて一人くらいの麻痺性の発症の性質を持っておる。あとの四百九十九人とか、九百九十九人はごく軽い、いわゆる障害を起こさぬ程度の病変によりまして、発熱をしたり、あるいは発熱さえしないで経過してしまう、いわゆるごく軽いかぜの症状、ないしは、きげんが悪い程度で経過してしまう。しかし、免疫はそれで十分でき上がる、こういうことでございますので、従って、第二年、三年となりますと、たとえ菌が充満しておっても、もう発病の余地がない、受けても免疫ができておる、こういうことでございます。ところが、アメリカのような場合には、一才、二才のころにこの感染の機会は日本の何十分の一というくらい環境衛生が完備しておって少ない。従って、その年令で発病する者も少ないかわりに、それが次次と経年変化とともに各年令層に感染すれば発病し得る人口というものはどんどんたまっている。従って、この感染し得る総人口というものが日本の場合と比べまして、日本は大体下の方の一才、二才、三才くらいまでのところの人口、アメリカの場合には十五才、二十才くらいまでに至る総人口の相当程度のパーセンテージがそれぞれ持っておるということでございますから、感染し得る総人口は何倍とある、こういうことでございまして、そこに小地域的あるいは広範な地域的に菌がとにかく入るという場合に、これは爆発的に起こる、これを年々繰り返している、こういうことでございまして、従って、現在のところ、環境衛生が現在考えておる程度の人間のやり工合ではこの菌を百パーセント絶滅できないということでございまして、どうしても相当程度は残るというのは、たとえば下水、水道その他が非常に完備した標準的な都合でありましても、最近学説として非常に強くなりましたのは、のどから直接、結核とかあるいはインフルエンザのごとく、いわゆる飛沫感染があるという学説が非常に強くなって参りました。それがもし真だといたしますると、環境衛生の完備によりましてこの菌の濃厚性はある程度押えられますので、感染を早くやるものを遅延はできますけれども、完全に押え切れないということで、それがこのワクチンによる人工免疫の付与ということに非常に莫大な金をかけまして、非常に要望が強くてここまで進歩してきた、こういうことでございます。もしこれが環境衛生の整備等でできるものなら、それで行なわれたと思うのでございますが、もちろん大体学者の意見としては、これだけでは将来にわたっても完備はできぬであろうという見解に立ってやったわけでございます。
 その点をごくわかりやすく図表でごらん願いますと、そこに図表が幾つかございます。半ぺらのグラフの図が出ております。これがそれの模縮図でございます。ちょうどこの中におけるBという曲線、これがアメリカ型あるいは英国型ということで、この曲線から上にありますものが年令を追うに従ってのまだ自然免疫を受けておらぬ人口でございます。上に100とあります。この四角いますをその国の全人口といたしますと、そういたしますと、アメリカのB型の場合には斜線の上の人口が全部もし菌が相当入るとすればかかり得る基礎人口になるわけです。それから日本のような場合には、A人口でございまして、これは大体生まれたときはまだでありますが、これは低年令層のうちに全部自然免疾を受けまして、運の悪い者だけがこのうち発病する。従って、入口から見ますと、クロスした上の網の目のところだけが感染を受け得る人口ということになりますので、その総人口の中で感染を受け得る人口のパーセンテージは、B型と比べまして非常に少数であるということになりますので、同じ条件でここに菌が入りますと、これに対して五百分の一とか千分の一というものが発症する、こういうことになるので、日本と比べて英米が過去において五倍とか十倍という発病率を持っておる、こういうことになるわけであります。
 以上、かいつまんで申し上げましたが、従来言われておる学説の御紹介でございます。
#95
○理事(高野一夫君) 何か御質問ございましょうか。
#96
○藤田藤太郎君 この前のお話の続きになるわけですが、その急性灰白髄炎の病源を絶滅するということ、こういう格好の御処置予防ということになるわけですね。どうも環境衛生のところが、ヴィールスが少ないところに抵抗力がないから年のいった人に感染しやすいという理屈がどうもしろうとではよくわからぬのです。そこらあたりの説明をしていただこうということで、あとで一ぺん読ましてもらいますけれども、どうもそこらあたりがよくわからぬので、本来いえば、たとえば今日の病気であれば個人の注意によって何割か防ぐことができる。この病源は個人の注意というものをどうすればよいかということがわからぬところに問題がある。そこのところを附帯決議でも突き詰めてもらいたいと思って、私は附帯決議をそう的確に書いてありませんけれども、そういうところに問題があると思っておるのです。だから私はやはりその点は十分な処置をとってもらわないと、小児麻痺というものが何やわからぬ、衛生のいいところは年がいっても出る、衛生の悪いところは小さいところだけが出る。まことにもって理屈に合わぬ理屈が、この小児麻痺に対する常識として頭の中に入れるには少し無理があるのではないかと私はそう思っているので、だからいろいろとこれ、あと見せていただきまするが、厚生省はこの点は非常に努力していただきたい。
 それからまあ国民全部に生ワクチンを何ですか、ドロップか何かでやるという工合に免疫性をどんどん高めていく、このヴィールスに打ち勝つということが今のところ非常に重要なんでしょうから、そういう点については附帯決議にもつけましたように、早くそういう今の予防接種法によって、種痘の接種と同じような形でソークワクチンをおやりになるのでしょうから、そうじゃなしに、ほんとうにドロップで、皆が食べて免疫を国民一人残らず作っていこうじゃないかという態勢を早く作っていただきたい、これが第二の問題です。
 それから第一の問題は、われわれしろうとでも理屈に合ったような説明が、よそから見れば社会労働委員会はこれをやはり専門に、立法府として研究しておる機関の議員が人に説明ができぬというような、こういうのは困るのですよ、実際。だから大ざっぱにでも説明ができるような条件を早く作ってもらいたい。ただ図によって、斜線と四角になった欧米と日本との図がありますけれども、なぜこうなるのかということが説明ができない、残念ながら。だから一つできる限り、これは非常にこの前から、いつも資料というとなかなか出してもらえぬのだけど、これは早く出てきたわけですが、どんどん一つこういう解説資料を、まことにこういうものかということがわかるように一つしていただきたい、努力してもらいたいということをお願いしておきます。
#97
○政府委員(尾村偉久君) 御承知の通り、われわれとしても附帯決議はもとより、ただいまの御意見通りぜひこの研究問題を進めるように努力いたしたいと存じます。
#98
○理事(高野一夫君) 別に御発言ございませんか。
 本件に対する本日の質疑は、この程度で終わりたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○理事(高野一夫君) 御異議ないと認めます。本日はこれで散会いたします。
   午後四時四十四分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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