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1960/04/04 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第18号
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1960/04/04 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第18号

#1
第038回国会 社会労働委員会 第18号
昭和三十六年四月四日(火曜日)
  午前十時五十九分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     吉武 恵市君
   理事
           加藤 武徳君
           高野 一夫君
           坂本  昭君
           藤田藤太郎君
   委員
           鹿島 俊雄君
           紅露 みつ君
           佐藤 芳男君
           谷口弥三郎君
           徳永 正利君
           山本  杉君
           横山 フク君
           久保  等君
           小柳  勇君
           藤原 道子君
           相馬 助治君
           村尾 重雄君
           竹中 恒夫君
  国務大臣
     厚生大臣  古井 喜實君
  政府委員
   厚生大臣官房長 高田 浩運君
     厚生省公衆
     衛生局長  尾村 偉久君
   厚生省薬務局長 牛丸 義留君
   厚生省児童局長 大山  正君
   厚生省保険局長 森本  潔君
     厚生省引揚
     援護局長  畠中 順一君
  事務局側
      常任委員
      会専門員 増本 甲吉君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民健康保険法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○健康保険法及び船員保険法の一部を
 改正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○児童福祉法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部
 を改正する法律案(内閣送付、予備
 審査)
○年金福祉事業団法案(内閣送付、予
 備審査)
○児童扶養手当法案(内閣送付、予備
 審査)
○社会保障制度に関する調査
 (一般厚生行政に関する件)
   ――――――――――
#2
○委員長(吉武恵市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 国民健康保険法の一部を改正する法律案(閣法第八四号)、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案(閣法第八五号)、児童福祉法の一部を改正する法律案(閣法第九七号)、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案(閣法第一三二号)、年金福祉事業団法案(閣法第一三三号)、児童扶養手当法案(閣法第一三九号)、以上六案を一括して議題といたします。
 提案理由の説明を願います。
#3
○国務大臣(古井喜實君) ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 国民健康保険の給付内容につきましては、国民皆保険体制の進展とともに全般的に逐次向上して参りましたが、国民健康保険における現行の一部負担率では、世帯の生計中心者が長期疾病にかかった場合には、その一都負担金が大きな負担となりまして、これがために十分な医療を受けられない場合が少なくない実情であります。
 また一方、保険者にとりましては、一挙に一都負担率を引き下げることは、保険財政の上から容易でない現状でありますので、今回、世帯主である被保険者が結核性疾病または精神障害にかかった場合の医療費負担の軽減をはかるために、これに関する一部負担率を引き下げるとともに、これによって保険財政の健全性をそこなうことのないよう、財政上の措置を講じ、もって、給付内容の一層の改善を期すべく、ここに、この法律、案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の内容について御説明いたします。
 まず、第一に世帯主である被保険者が結核性疾病または精神障害に関して、療養の給付を受ける場合の一部負担金の割合を、十分の五から十分の三に引き下げることといたしました。
 次に、国は、保険者に対して、この引き下げに伴って保険者が必要とする療養の給付及び療養費の支給に要する費用を負担し、または補助することといたしました。
 なお、本改正は十月一日から実施するものであります。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
   ――――――――――
 次に、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 健康保険及び船員保険におきましては、被保険及び被扶養者の分べんに関して給付を行なうこととしているところでありますが、その内容を改善することとしたのであります。
 これが、この法律案を提出いたしました理由でありますが、以下その概要を御説明いたします。
 第一に、健康保険の分べん費についてであります。健康保険におきましては、被保険者の分べんに対しましては、分べん費として被保険者の標準報酬月額の半額が支給されることとなっておりますが、最近における分べんの所要経費等を勘案いたし、最低額について六千円まで引き上げることとするものであります。また、これにあわせて、配偶者分べん費の額も、現行の千円を三千円に引き上げるものであります。
 第二に、健康保険の育児手当金についてであります。被保険者及びその被扶養者である配偶者の出産につきましては、現行制度では哺育手当金として生後六カ月間に毎月二百円ずつ支給されることになっておりますが、これを一時に二千円支給することとし、また、その名称を育児手当金に改めようとするものであります。
 第三に、船員保険におきまして、分べん費及び育児手当金について、健康保険におけると同様の改正を行なおうとするものであります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由及び法律案の要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
   ――――――――――
 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案について、その要旨及び提案の理由を御説明申し上げます。
 改正の第一点は、三才の幼児に対して、都道府県知事が健康診査を行なうことといたしたのであります。現在幼児に対する保健指導が十分でなく、その死亡率も欧米諸国に比べてきわめて高く、かつ、幼児期の種々の障害は、後年に至るまで影響を及ぼすことが大きいと考えられますので、三才の児童に対して精神衛生面をも含めた健康診査を行ない、これにより発見されました要保護児童につきまして、早期のうちに指導、治療その他の措置を講じようとするものであります。
 改正の第二は、新生児に対して保健指導を行なうことといたしたことであります。新生児の死亡は乳児死亡の約六割を占め、死亡率も欧米諸国に比較して高い現状であることにかんがみ、新たに新生児に対して保健所の医師あるいは助産婦等が訪問指導を行なう制度を設けようとするものであります。
 第三は、現在骨関節結核にかかっている児童に対して行なわれております療育の給付を、その他の結核にかかっている児童にまで及ぼそうとすることであります。
 結核については一般に、長期間にわたる療養を必要とするのでありますが、特に児童につきましては心身の発育の途上にあることにかんがみ、適当な生活指導のもとに医療と教育をあわせて行なうことが適当である場合が多い実情でありますので、療育の給付の対象となる範囲を、その他結核児童にまで拡大しようとするものであります。
 第四は、新たに児童福祉施設の一つとしまして、情緒障害児短期治療施設を設けることであります。
 最近、少年非行、特に年少者の非行の増加の傾向は、著しいものがありますので、軽度の非行児等の情緒障害児で、おおむね十二才未満の児童を短期間収容し、または通わせて、その障害をなおすための施設を設けようとするものであります。
 第五は、児童相談所の機能の強化、保護者が児童の監護を怠った場合等における措置の強化その他につきまして、所要の改正を行なおうとするものであります。
 以上がこの法律案の要旨及びその提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
   ――――――――――
 次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 戦傷病者及び戦没者遺族等の援護に関しましては、御承知の通り、昭和二十七年に戦傷病者戦没者遺族等援護法が制定されて障害年金、遺族年金等の支給の道が開かれ、続いて翌二十八年には恩給法の一部改正により旧軍人にかかわる公務扶助料等が支給されることとなり、さらにその後数次の改正により、援護の充実及び受給者相互間の衡平がはかられて参ったのであります。しかしながら、これらの援護の措置については、なお、若干の不均衡もあるように考えられますので種々検討を重ねました結果、別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案と関連してこの法律案を提案する運びとなった次第であります。以下、この法律案の概要につきまして御説明いたします。
 まず、改正の第一点は、旧国家総動員法により徴用された者等が、元の陸海軍の有給軍属として戦地または事変地以外の地域で勤務している間に業務上戦時災害を受けて不具廃疾となり、または死亡した場合において、その者を準軍属として取り扱い、その者またはその者の遺族に障害年金または遺族給与金を支給することとしたことであります。
 すなわち、これらの者は、現在、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法により措置される建前となっているのでありますが、支給要件等の関係上、同法による措置を受けられない場合があるのであります。このため、同じ被徴用者等であって戦傷病者戦没者遺族等援護法の準軍属として処遇されている者すなわち被徴用者等であって有給軍属とならずに一般工場に勤務していた者と比べて均衡を欠く場合が生じているので、被徴用者等である非戦地勤務の有給軍属を準軍属とし、その者またはその遺族が旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法による年金を受けられない場合には障害年金または遺族給与金を支給することとしたのであります。
 改正の第二点は、死亡した軍人軍属等が旧民法にいう入夫であった場合、その者の妻の父母を遺族年金または遺族給与金の支給を受け得べき遺族の範囲に加えたことであります。
 旧民法による入夫婚姻により入夫となった者とその妻の父母との間には、法律上の親子関係はないのでありますが、生活の実態としましては、婿養子と同じような関係にあり、これを遺族の範囲から除外しておくことは法の趣旨から見まして妥当でないと考えられるのであります。
 改正の第三点は、第四項症以下の障害年金等を増額したことであります。
 これは、別途本国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による傷病恩給の増額との均衡をはかるものであります。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかにご可決あらんことをお願い申し上げます。
   ――――――――――
 次に、年金福祉事業団法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 御承知のように、本年四月から拠出制の国民年金が発足することにより、国民皆年金がようやく実現の運びとなりましたが、その主柱をなす厚生年金や国民年金の積立金につきましては、厚生年金においては昭和三十六年度分のみでも一千四十億円の増となり、また、国民年金においても初年度三百億円に達すると推定されております。この両年金の積立金の運用をどのように行なっていくかは年金制度の今後の発展にきわめて密接な関係を有する問題であり、また、国民がつとに重大な関心を寄せているところであると存ずるのであります。
 政府といたしましては、これらの積立金が被保険者や事業主から集められた零細な保険料の集積である点にかんがみまして、かねてからその性格にふさわしい運用の方法を種々検討いたし、また、資金運用部資金運用審議会、社会保障制度審議会、国民年金審議会などの各種審議会の御意見もあり、昭和三十六年度におきましては、積立金を被保険者の福祉の増進のために運用する一つの方法として従前から行なわれている厚生年金の還元融資と、さらにこれとほぼ同様の性格において新規に開始いたします国民年金の特別融資とのワクを、積立金の増加額の二五%、すなわち厚生年金と国民年金を合わせて三百三十五億円に増額いたしたのであります。
 しかしながら、従来から行なわれております厚生年金の還元融資のうち地方公共団体を通じて民間に転貸される部分は、この転貸という方式に伴い融資先等におのずから制約がある等種々の不合理な点があるのであります。これを改善し、還元融資及び特別融資を円滑に実施するため年金福祉事業団を設置せんとするものであります。すなわち資金運用部から資金を借り入れて、これを直接厚生年金、国民年金及び船員保険の被保険者の福祉増進に必要な施設を設置または整備しようとするものに貸し付ける特別の法人を設置せんとするのでありまして、明年度におきましては、厚生年金と国民年金の還元融資の総ワク三百三十五億円のうちから地方公共団体以外のものに直接貸し付ける分として五十億円がこれに充てられることとしております。
 なお、本事業団は、当面、右の融資を行なうことを主たる事業とすることといたしておりますが、厚生年金、国民年金、船員保険の各法に基づく福祉施設を設置または運営する道をも開くことといたしているのであります。
 本法案は、このような事業団設立の趣旨に基づいて事業団の目的、融資の相手方や融資の対象となる事業等の業務の範囲を定めるとともに、役職員の任命など事業団の組織に関すること、予算決算その他会計の方法、事業団の業務についての厚生大臣の監督等について規定しているものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
   ――――――――――
 次に、児童扶養手当法案について、その提案の理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
 政府は、かねて児童の福祉対策の充実に努めて参ったのでありますが、父母の離婚後父と生計を異にしている児童、父と死別した児童、父が廃疾である児童等については、社会的経済的に多くの困難があり、これら児童を育てる家庭の所得水準は、一般的にいって低い場合が多く、児童の扶養の資に困難を見る事例が見られるのであります。
 政府といたしましては、このような事情に対しまして、社会保障制度の一環として、母子家庭の児童及びこれに準ずる状態にある児童について一定の手当を支給する制度を設け、これによって児童の福祉の増進をはかりたいと存じ、この法案を提出した次第であります。
 次に、児童扶養手当法案の内容についてその概略を御説明申し上げます。
 第一に、支給の範囲でありますが、この手当は、父母の離婚、父の死亡等の理由で義務教育終了前の児童を母が監護している場合及び父母のない義務教育終了前の児童を父母以外の者が養育している場合に支給することといたしております。ただし、すでに公的年金制度による年金を受けている場合または一定程度以上の所得のある場合等には支給しないことといたしております。
 第二に、児童扶養手当の額でありますが、児童が一人の場合は八百円、二人の場合は千二百円、三人以上の場合は千二百円に三人以上の一人につき二百円を加算した額を支給することといたしております。
 第三に、児童扶養手当に関する費用でありますが、給付費及び事務費とも全額国庫で負担することといたしております。
 第四に、施行期日でありますが、昭和三十七年一月一日から施行いたすことといたしております。
 以上が児童扶養手当法案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(吉武恵市君) 次いで政府委員から細部についての説明を願います。
#5
○政府委員(森本潔君) 最初に国民健康保険法の一部改正の要綱につきまして御説明いたします。
 お手元の資料の……。
#6
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(吉武恵市君) 速記をつけて。
   ――――――――――
#8
○委員長(吉武恵市君) それでは次に、社会保障制度に関する調査の一環として、一般厚生行政に関する件をあわせ議題といたします。
#9
○藤田藤太郎君 公衆衛生局長はまだ来ていないのですが、大臣に決意のほどだけを一つ聞いておいて、あとから衛生局長にお聞きしたいと思うのです。
 小児麻痺の対策として、国内でワクチンを製造されて、ことしの計画は一人残らず手当をしようということで出発されたと思うのです。ところが、なかなか、いろいろの面から聞くと、たとえば注射液が間に合わぬ。そのために輸入の問題が新聞あたりにちょこちょこ出る。だから、私は詳しいことは局長に聞きますけれども、今皆さんの陳情や、国民の各所で起きてくる対策として、いろいろワクの問題は今後議論になりますが、とにかく厚生省としては、薬が間に合わぬから、あとにこの問題は延ばす、やむを得ぬというようなことであっては私は困ると思う。だから、国内で調達できなければ、早急に輸入して処理するとか、そういう万全を期する決意が大臣にあるかどうか。これだけ一つ大臣に聞いておきます。
#10
○国務大臣(古井喜實君) 小児麻痺は去年より少しきょうまでの発生の状況が上回っているようなふうにも思われますので、私どもも大へんこれは心配をしておるのでありまして、それで、あらゆる、やれることはやってみたい、こういう気持でかかっておるところであります。で、ワクチンの供給の問題、国内で間に合わぬところは必要なだけは輸入をする。そのほか、ついででありますけれども、少しワクチンの値段も下げてみたいというようなこともやってみましたり、そのほか、できることはもう何でもやってみたい、こういう気持でかかっておりますので、また、お気づきの点等がありましたら御注意も願いたいと思いますが、まああとでこれはどうも気残りだというようなことのないように、やれるだけのことは一つぜひやりたい、こういう考えでおります。お話のように、具体的ないろいろいろな問題については主管の局長がまた詳しく御説明をすると思いますが、考え方だけここで申し上げておきたいと思っておるのであります。
#11
○藤田藤太郎君 新聞で見ると、値段を下げるとか、いろいろ配慮をされておるように新聞には見えている。しかし、重大なことは、輸入はするのだけれども、もう四月には間に合わぬということが非常に簡単に書かれているわけです。五月以後になるであろうということですね。私は、こんなことじゃ万全を期していることにはならないと思うのです。輸入するなら、なぜまだ……あの新聞が出たのは三月三十一日だったと記憶するけれども、そんな、昔のように船で運んで来るのじゃなくて、飛行機で運んでくれば、どこから来ても一日か一日半で届くのですから、そういうことを……今の大臣のお気持と事務的な面との関係が非常にズレがあると私は思う。今緊急に必要としているのがワクチンだ、それがどうもお気持はよくわかりましたけれども、それと実際の具体的な施行をする輸入の手続その他の面では非常に大きな幅があるように私は思うので、そういうところを中心にして、私は気持をもう一度はっきり伺いたいと思うのです。
#12
○国務大臣(古井喜實君) ここで実際をどういうふうに扱っておるかという点は、また主管局長が来ましてからよく御説明申し上げたいと思いますが、これも技術的に事務的にできるだけの措置は講じておるはずであります。ときおり新聞などに書いてあることも、必ずしもその通りじゃない場合もありますし、また、やむを得ない事情のある――どうにも検定などの手続など、やむを得ない場合もありますし、そういう辺を一つ局長からでもお聞き下さって御批判を請いたいと思っておりますが、とにかく最大限度できるだけのことをぜひやりたい、こういう考えでかかっておるわけであります。この点は御了解願いたいと思います。
#13
○坂本昭君 関連して。ただいまの大臣の決意のほどはよくわかりました。ただ昨年の同期よりふえておるということは事実で、昨年五千名をはるかに上回って、終戦前並びに後、最も大きな流行を見て、国内のすべてのお母さんの方たちが非常な不安な状態になったということは御承知の通りです。私は昨年よりふえておるということは、これは一つの責任問題だと思います。私は今後――本年度の予算の編成のときから、もし今度も同じような流行、あるいはさらに大きい流行が起こったときには、責任を追求する、私ははっきりこう申し上げてきたのです。その責任の問題と関連して、私は二つ考え方があると思うのです。一つは技術的な問題、一つは予算上の問題。予算が足りなかったから結局流行がふえた、こうなれば私は大蔵大臣並びに主計関係の責任だと思います。ところが、もう一つ、技術的な問題があるとすれば、これは厚生関係の責任だと思うのです。従って、できることは何でもやるということをおっしゃっておるけれども、それはずいぶん無責任な言い方だと思います。だから、もっと私はこまかいことについては局長から聞きますが、一体技術的な点に欠陥があってすでにこうした大流行の前兆を見ようとしておるのか、それとも予算的な面で足りなくてこうなったのか、その点ぐらいはまず第一に明らかにしていただきたい。
#14
○国務大臣(古井喜實君) 今日の流行のきざしというか、状況でありますけれども、これは予算が足りないために、あるいは技術上非常に手落ちがあったとかいうほどには私は思っておりません。まあしかし、万全を期します上で、また、こういう点、ああいう点というような点もありますれば、これはもう幾らでも補う点は補わなければなりませんし、考えるべき点は考えてみなければなりませんから……私はまあ多少これはしろうとでありますけれども――多少じゃない、全くしろうとのようなものでありますけれども、そう大きな手落ちや欠陥があったとは感じておりません。国産のワクチンが思う通りに検定を通るまでにいかなかったという事情はございます。その辺にこれは少し残念だったと思っておる点はございます。ただ、それに対応して、また輸入の方をふやしますとか、さっそくにも時間を置かないで手当をするというようなことも考えておるようなことでありまして、技術的にはよく自分にはわかりませんが、考えるだけは考えているつもりでありますから、大きく、どうもこういう欠陥とかというほどには私はまだ感じておりません。また、御意見も伺ってみてと思いますが、また、いろいろ御意見を伺いたいと思います。
#15
○坂本昭君 政治はごまかしがきくかもしれませんが、病気が出る、ことにこういう指定された流行病の発生いかんということは、これはごまかしがきかないんですよ。ですから、今のような大臣いいかげんな御答弁では、これは言いのがれができない。はっきりした数字で出てきますから、数がふえてくれば、これはどこかに行政上の欠陥があったということは、これは何人といえども否定できない。今の大臣の御説明を伺っていると、たとえしろうとであろうとも、小児麻痺がすでに大流行の兆が見えつつある、この理由はソークのワクチンの不足によるものと思われる、そういうふうな私は大臣の御見解だと思うのです。そしてそのソークのワクチンの不足ということは、国内生産が十分でなかった、十分でなかったということは、数はできたが、どうも検定に合格しないようなものができたということになれば、明らかにこれは国内生産を指導してきた人たちの責任問題であり、しかも国内生産は非常に高い。高いものを無理に国民に注射して、そうして安い輸入品を押えてきたとすれば、これは私は薬務局長の責任だと思うのです。はっきりしたこうした責任が出てくる段階だと思うのです。この点については、後刻公衆衛生局長だけではありません、今大臣の御説明を聞くと、薬務局長の出席も求めて、そうして今の大臣の説明に対する裏づけを十分にお尋ねしたい。
 それからさらに、ソーク・ワクチンの問題に関連して、従来も非常に国民の側から出ておる生ワクチンの問題が、こうなってくると非常に重要性を持ってくると思うのです。大臣はできるだけ何でもやる、そうなれば一体この生ワクチンの扱いについて、こういう危険な兆が見えてきた場合には、一体どういう措置をとられるか、この点について一つ大臣の御見解をこの際承っておきたい。
#16
○国務大臣(古井喜實君) 生ワクチンの問題につきましても、使って差しつかえない、また、効果があるということが専門的な実験の結果わかりさえすれば、幾らでも使いたいと思うのです。今日までのところでは、小児麻痺そのものに効果があるということはまだ実験の結果では確認されないのであります。ただし、小児麻痺に伴って起こる神経麻痺と申しますか――失礼しました、ガランタミンの話でした。ガランタミンの方は、もう御承知のように、そういうわけで害はないし、伴う神経麻痺に役に立つから使うことにしよう、こういうことにはいたしましたが、生ワクチンの方は、何と申しましてもこれは実験の結果差しつかえないということが出ませんものには、お使いなさい、使って差しつかえないというわけにはいきませんから、待ち遠しいようでありましても、どうしてもこれは実験の結果をやはり得ませんと、使ってよいというわけにはいかぬのであります。問題は実験を、できるだけ早く結果を得るということにかかってくるのでありますが、これはもうすでに御承知のような実験態勢をとって、実験に手をつけているわけでありますから、これはどうしても結果が出ませんと、使ってみたがやりそこなったでは、これはどうにもなりません。これも他の国でこういう成績だったと、いろいろありますけれども、日本として、日本の実情、生活環境などからいってやはり差しつかえないというところをつかんで、そうだったら使う、これしかもう今のところ考えようはありませんので、そういう考え方でこれはきておるのであります。ですから、できない、責任を持ってやって差しつかえないということが言えないということは仕方ありません。そのためにしくじってはいけませんから、差しつかえないということであったなら、できるだけのことをやりたい、こう考えておるので、それ以上は、それ以外の考え方はないのでありまして、そういう状況であります。
#17
○坂本昭君 今の大臣のお考え方には基本的には私賛成です。特に私自身医者ですから、そういう点については同じでありますが、医者から見るというと、アメリカ人も、ソ連人も、日本人も、ホモ・サピエンスとしては同じなんです。そうしてすでにソ連で一九五六年以来実験を繰り返してきて、昨年度は八千五百万人の人たちが生ワクチンの使用をやっている。また、今回東南アジアに私参りまして、マラヤの厚生大臣から、日本の厚生行政のいろいろな点を聞かれました。ところが、マラヤのクアラルンプールにある医学研究所では、やはりすでにこの生ワクチンの問題を扱いかけております。もちろんこの国の厚生行政は、日本よりもずっと実際のところ落ちております。落ちておりますが、すでにこの問題はマラヤのような非常に厚生行政のおくれたところでも取り上げつつあり、また、去年は、日本のこの道の専門家である北岡博士が、その医学研究所で百人以上を集めて講義をやっているのであります。そうした中で、私はなるほど日本の衛生環境が諸外国と違うことを認めます。認めるけれども、人間として、日本の子供が、ソ連の子供やアメリカの子供と一体どこが違うのだ、そういう点で言葉をごまかされてははなはだ迷惑だと思う。もちろん日本の場合、急遽たとえば米を主食とする日本の場合に、どういう腸内の細菌の変化が起こるか、そういうことを確かめることは必要だと思う。これらを確かめるためには非常に急いでもらいたい。私は、今まで大臣と同じ見解をもって、ことし流行の兆がなければ、大体大臣の方針に従ってやってもよろしいと思っていたのです。ところが、去年をこえるどうも大流行の兆がある、そうした場合に、今までのようななまぬるいことをもって臨んでおったのでは、私は日本の母親たちが、母親だけではありません、国民が承知しないと思う。それだけのことを実際にやっておるかどうか。たとえば私ども旅行の留守の間に、この委員会で議論されたようでありますが、たとえば多ヶ谷博士、あるいは江頭博士、アメリカやヨーロッパに行った人たちをモスクワの研究所に行かせて、そうして緊急にそういうものを調査してくる。あるいは研究団を派遣して緊急に見てくる、そういうもっと緊急事態に応じた処置をとられながら、なおかつ今のような、できることは何でもやるということを大臣が言われるならば、私も納得しますが、そういうことをやられないでおきながら、何事もやると言ったのでは、これは何事もやっていないことになります。私は、この点について、大臣として、何も国民の一部の人が特に強調していることをこの際大臣に押しつけようというのではありませんよ、ありませんが、今のような態度で、この流行が去年よりももっとふえている増合、この場合、私は責任をとっていただきたいと思う。その責任をとっていただくためにも、まあそういう責任を最後にとらなければならぬようなところまで、われわれとしても追い込みたくないので、これに応ずるだけの処置を緊急にしていただきたい。どうもそういう点の緊迫感を大臣は持っておられないじゃないか。去年よりもふえた場合、私は明らかにここで申し上げておきたいと思いますが、責任をとっていただきたい。そうしてそれにはどこが悪かったか、だれが悪かったかということもはっきりしてもらいたい。少なくとも今生ワクチンの問題は、大臣がこの一月から答弁しておられたことから少しも出ていない。この際もっと明確にしておいていただきたい。
#18
○国務大臣(古井喜實君) あなたのおっしゃる気持はよくわかる。わかりますけれども、さらばといって、実験もしないで、というわけにはいかぬことは、あなたが一番よく御承知だ。日本としても実験をしなければならぬ。ソ連でよかったかもしれぬけれども、日本で実験をしなければ、食生活も日本は特殊なものがあるし、また、下水とか屎尿処理の仕方も御存じの通りでありますから、実験の結果を見ないことには急いでもしようがない。あなたはことさら使いたくないように私が思っておるようなふうに思っておるかも知らぬが、そんな気はありませんよ。だから、できるだけのことをやって、急いで結果を得たいということであって、これ以上何かことさら使うまいとしておるかのようにお考えじゃなかろうけれども、そういうことだったら決してそういう意味じゃないですから、誤解しないように一つお願いしたい。
#19
○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#20
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
   ――――――――――
#21
○委員長(吉武恵市君) それでは先ほど提案の説明がありました六法案について、政府委員から順次細部についての説明を願います。
#22
○政府委員(森本潔君) お手元に配付しております国民健康保険法の一部を改正する法律案参考資料の三ページをお開き願いたいと思います。
 三ページに法律案の要綱がございます。第一の改正の目的でございますが、これは先ほど提案理由で詳細に説明された通りでございます。
 第二の改正の要点。1といたしまして、「世帯主の結核性疾病及び精神障害に係る療養の給付について一部負担金の割合を十分の五から十分の三に減ずること。」一部負担の五割を三割にいたしまして、逆に申し上げますと、給付率を五割を七割に引き上げるということであります。すなわち世帯主の結核性疾病につきましては最低限七割の給付を義務づけるわけでございます。
 第二項といたしまして、「国は、保険者に対して、この一部負担金の割合の引下げに伴い保険者が必要とする療養の給付及び療養費の支給に要する費用を負担し、又は補助することができることとすること。」五割の給付率を七割に引き上げますと、医療費の総額の二割が加重されるわけでございます。多くなるわけでございます。この多くなる二割相当分を全部国が持つわけでございます。市町村につきましては、この費用を負担するという形になります。それから国保組合につきましては二割を補助するという形になるわけでございます。所要経費は、昭和三十六年におきまして、半年分でございますが、約四億でございます。平年度にいたしますと、この倍の約八億になります。
 第三の施行期日。昭和三十六年十月一日から施行を予定しております。
 以上が概要でございまして、なおこまかい資料等は、この参考資料の三十一ページに詳細に書いてございますので、後ほどごらん願います。
 それからなお、この機会に御報告申し上げておきたいと思うのでございますが、昭和三十六年四月をもちまして国民皆保険が達成されたわけでございます。その状況でございますが、全国の市町村の数、三千五百十三でございまして、そのうちで五村残しました三千五百八の市町村において全部国民保険を実施することになりました。その被保険者概数でございますが、四千九百万でございます。これは日本の総人口の約五二%に該当いたします。それからこの四千九百万のうちの百六十万の被保険者は、国保組合と申しますのは、百六十二ございまして、その国保組合の被保険者という形でございます。残りはいずれも市町村の国保の被保険者でございます。それから五カ村は実施しないと申しましたが、これは鹿児島県の奄美大島の五つの村でございまして、いろいろ調査をしてみますと、御存じのように、ここは非常に交通不便でございまして、該当の五カ村いずれも無医地区でございますので、容易に実施できないという状況でございます。なるべくすみやかに所要の措置を講じまして、この五カ村に対しまして国保を実施するように指導したいと思いますが、四月一日に間に合いかねます。従いまして、この五カ村に対して実施延期の、厚生大臣が承認を与えておるところでございます。その他の市町村におきましては、今申し上げましたように、全部実施することになりました。
 以上御報告申し上げます。
 なお、国保は御存じのように、市町村が国保をやるわけでございます。それから例外的に国保組合というものをやってもいいことになっております。同種同業者が集まりまして、国保組合というものを作ってもいいことになっております。その国保組合を作っておりますのが百六十二の組合でございます。その被保険者数が約百六十万でございます。それから全部の被保険者総数の概数が四千九百万あるわけでございまして、従いまして、四千九百万から百六十万を引いた四千七百四十万というのが市町村の被保険者でございます。
#23
○藤田藤太郎君 だからそこまで現状の説明を詳しくしてもらってけっこうだが、質疑のときにもつと深めていきたいと思うのですが、四月一日に出発して皆保険になったのだが、その中の給付は非常にまちまちできているんだから、ついでにそのことを言うておいて下さい、おおまかなことだけ。
#24
○政府委員(森本潔君) それでは申し上げます。給付内容でございますが、四月一日におきますところの給付の状況は、最低は御存じのように、五割給付でございます。これが大部分でございまして、中には非常に少ないのでございますが五割以上の給付をいたしております。おもな例を申し上げますと、東京、神戸、横浜、これは世帯主が七割で家族が五割ということになります。それから名古屋、大阪、ここにおきましては世帯主が八割、それから家族が五割、それから特殊な形といたしまして、京都におきましては世帯主並びに家族を一律に六割という給付をとっております。これが特殊な形で、ございまして、五割以上の給付をやっておるところは現在のところあまり多うございません。今申し上げました五大市並びに若干のところが五割以上というのがございます。大部分が五割でございます。
#25
○横山フク君 今百六十二組合ですね。警察官の家族とか消防署の家族とか、ああいう人たちの組合はここに入っておるんですか。ああいう特殊なものは入ってないんですか。
#26
○政府委員(森本潔君) 特別国保のおもなものは、医師の特別国保の組合、それから歯科医師、薬剤師の特別組合がございまして、今御指摘の消防、警察の家族の組合、こういうのが若干ございます。これは府県によりまして、作っておるところと作ってないところがありますが、府県によりまして消防、警察の家族の国保組合というのが若干あるように記憶いたしております。
#27
○横山フク君 私の伺うのは、それは百六十万の中に入っておるか入ってないかということを伺っておるんです。
#28
○政府委員(森本潔君) 従いまして、もちろん入っております。
#29
○横山フク君 そうすると、それは健康保険の家族の方には入っていないのですか。健康保険の家族の方に入っているわけでしょう。
#30
○政府委員(森本潔君) 恐縮でございますが、訂正をさせていただきます。消防職員の家族は、これまでは特別国保に入っておりましたが、四月一日新法の規定によりまして二重加入は認めなくなりましたので、四月一日以降は一般の健康保険に入るわけでございます。
#31
○横山フク君 消防だけでなくて、警察官も全部でございましょう。
#32
○政府委員(森本潔君) 本人が世帯主と申しますか、本人が国保以外の他の健康保険に入っております場合は、その家族も当然その本人と同じ保険に入りまして、国保の二重加入は禁止されるわけでございます。
#33
○横山フク君 それは解散するわけですね、すでにできているのは。
#34
○政府委員(森本潔君) その通りでございます。
 次に、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に関する参考資料の三ページをお開き願います。ここに法律案要綱がございます。これによって御説明申し上げます。
 第一の改正の目的、これは先ほど提案理由で詳細に説明があった通りでございます。
 第二の改正の要点、「一 健康保険、(一)被保険者が出産した場合において支給する分べん費の額を標準報酬月額の半額が六千円に満たない被保険者につき六千円に引き上げること。」これは現行法におきましては、被保険者本人については、標準報酬月額の半分を分べん費として支給をいたしております。実績は大体平均いたしまして三千八百円程度でございます。でありますのを最低限六千円までを保障しようというわけでございます。従いまして、かりに標準報酬月額が二万円でありましたとしますと、その人につきましては、その半額の一万円を支給する、半額が六千円に満たない人については、六千円まで引き上げる、こういう建前でございます。それから六千円の根拠でございますが、いろいろ調査をいたしてみますと、病院における出産、それから診療所における出産、それから助産所における出産、家庭における出産、それぞれ経費が異なっておるようでございまして、病院におきましては、大体平均的に申しますと、八千円、それから診療所におきましては七千円、それから助産所におきましては六千円、それから自宅におきましては五千円程度の出産の費用を出しておるようでございます。一応これらの経費をもとにいたしまして、平均的の数字を求めてみますと、約六千円という数字が出ましたので、今回一応この六千円という数字を用いまして、この額まで引き上げることにいたしました。
 それから二番目の被扶養者でございますが、「被扶養者である配偶者が出産した場合において支給する配偶者分べん費の額を三千円(現行千円)に引き上げること。」現行におきましては、家族が出産しました場合は、千円の分べん費を出しておりますが、これを大体六千円の半額という気持で三千円という数字にしたわけでございます。
 それから次の三番目、「被保険者又は被扶養者である配偶者の出産について支給する育児手当金の額を二千円(現行一カ月二百円、六カ月まで)に引き上げること。」これは、現在におきましては、哺育手当金という名称で一カ月間に二百円づつ六カ月間、合計いたしまして千二百円出しているわけでございますが、この額を引き上げようということが一つございます。千二百円を二千円に引き上げる。従来はひと月ごとに二百円出しておりましたが、これは出す方も受け取る方も不便でございますので、出産をして、その後保育するという事実があります限り、一回に二千円渡してしまう、こういうようにいたしたわけでございます。
 以上が健康保険でございますが、この船員保険におきましては、健康保険と同様な改正をいたすわけでございます。
 それから第三の施行の期日は公布の日から施行することを予定しております。
 なお、これに要しまする経費でございますが、ちょっと口で申し上げます。健康保険の政府管掌では分べん費の増加額が約七億円、それから育児手当金の増加分が約四億円でございます。それから健康保険の組合管掌でありますが、この組合管掌におきましては、大体現実に付加給付として相当の額を出しておりますので、こういう改正をいたしましても、実際はすでにこういう給付をしておったという状況でございますから、財政上の負担はあまりなかろうと考えております。
 それから船員保険でございますが、分べん費の増額約三千四百万円、それから育児手当金の増加分約二千万円という経費でございます。
 以上簡単でございますが、説明を終わります。
#35
○横山フク君 いずれこれは審議のときにいろいろ伺わせていただこうと思うんですが、今の分べん費が病院八千円、診療所七千円、助産所で六千円、自宅は五千円、中をとって六千円ということですか。これは六千円というのは分べん費そのものと解釈してよろしいんですか。
#36
○政府委員(森本潔君) 先ほど数字を例示いたしましたが、六千円というのは、これは中をとったわけじゃなくして、それぞれの施設におきますところの分べん件数を加重平均して出したものでございます。ちょっと意味が違います。それからこの六千円の中身は、通常この出産前には健康診断を受けるというようなこと、それから週に何回か診察をしてもらうわけでございますが、そういうこと、それから出産してとり上げてもらう経費、それからいろいろ検査してもらうことがございますが、そういう経費、それから出産後におきまして、これもやはり数回診療をしてもらったり、そういう経費というものを考えております。
#37
○横山フク君 そうすると、直接医師なり、助産婦、病院、診療所、とにかくそういうところに払う経費として解釈してよろしいですね。
#38
○政府委員(森本潔君) そうでございます。
#39
○横山フク君 私は、そこで資料としてお願いしたいと思うんですけれども、健康保険の被保険者なり被扶養者なりの分べんの実数ですね。それからそういうことに関連した資料をいただきたいと思うんですが、私はあると思うけれども、いただいた方がいいと思う。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#40
○政府委員(森本潔君) 簡単でございますから申し上げます。
#41
○横山フク君 いや、簡単じゃないはずです。二、三十枚にもなるはずです。足りなかったら私の方から追加いたします。
#42
○政府委員(森本潔君) 次に、年金福祉事業団の御説明をいたします。参考資料の九ページでございます。
 年金福祉事業団法案関係参考資料というのをお配りしていると思いますが、この年金福祉事業団法案関係参考資料、これの九ページをお開き願います。要綱によって御説明申し上げます。
 第一の目的。これは先ほど提案理由で詳細御説明がございましたように、厚生年金、船員保険及び国民年金の福祉施設を設置整備することが一つ、それからもう一つは被保険者のための福祉増進施設について金融をするということ、この二つの目的を持っておるわけであります。
 第二の総則でございますが、これは事業団におきますところの例文的なものであります。
 その一は「事業団は、法人とし、主たる事務所を東京都に置く」。二といたしましては、「事業団の登記、名称の使用制限」、これは事業団でないものは事業団という名称を使ってはいかぬという名称の使用制限、それから「住所及び不法行為能力」、これは民法の規定を準用いたしておりますが、こういう規定でございます。
 それから第三としまして、役員及び職員。「事業団に、役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事一人を置き、理事長及び監事は厚生大臣が、理事は厚生大臣の認可を受けて理事長が任命するものとすること。」それから二番目の「役員の欠格条項、兼職禁止、職務権限、任期及び代表権の制限について規定するものとすること。」を規定いたしております。役員の欠格条項と申しますと、国家公務員、地方公務員あるいは議会の議員というものは役員になれない。それから兼職禁止と申しますのは営利を目的とした事業をやってはならぬ、役員は営利事業をやってならぬという兼職禁止の規定でございます。それから職務権限というのは、これは普通ございまするように、理事長は事業団を代表するということ。それから任期は四年でございます。それから代表権の制限と申しますのは、これは理事長は自分と利害関係のあることについて事業団と契約等を結んではならぬというような制限でございます。三番目に「事業団の職員の任命並びに役員及び職員の公務員たる性質について規定するものとすること。」これは事業団の職員の任命は理事長が任命いたします。それから役員及び職員は、刑法と罰則規定の適用につきましては、公務員とみなされるわけでございます。
 次の第四でございます業務。一、「事業団は、その目的を達成するため、次の業務を行なうものとすること。」。イといたしまして、「厚生年金保険法、船員保険法及び国民年金法による福祉施設のうち、老人福祉施設、療養施設その他の施設で政令で定めるものの設置及び運営を行なうこと。」これは事業団がみずから設置するわけでございますが、これを設置します場合には、ここにございます三つの法律の福祉施設としてやるわけでございます。どういう施設をするかということにつきましては、ここに老人福祉施設、あるいは療養施設という例示をしておりますが、政令で具体的に適当なものをきめていきたいと考えております。それから次に口は、「次に掲げる者に対し、被保険者等の福祉を増進するため必要な老人福祉施設、療養施設その他の施設で政令で定めるものの設置又は整備に要する資金の貸付けを行なうこと。」
 (1)といたしまして、「事業主又は船舶所有者」ということ。
 (2)、「(1)の事業主で組織された事業協同組合その他の法人又はこれらの連合体で政令で定めるもの」
 「(3)被保険者等で組織された農業協同組合その他の法人又はこれらの連合体で政令で定めるもの」
 「(4)前三者以外の被保険者等の福祉の増進に必要な業務を行なう法人で政令で定めるもの」ということでございまして、口におきましてはここに書いてあります融資の対象を、四つございますが、融資の相手方、それからどういう施設に融資をするかということを書いてあるわけでございます。融資をする施設は老人福祉施設、それから療養所その他の施設で政令で定めるものということで、細部につきましては政令で考えようかと思っております。
 それから融資をする相手方でございますが、「(1)事業主又は船舶所有者」、これは厚生年金で保険料を出します事業主または船舶所有者でございます。これは単独でも入れるわけでございます。
 それから(2)におきましては第(1)に書いております事業主または船舶所有者の団体でございまして、これらが集まって組織した事業協同組合であるとか、あるいはこれらの人が集まって法人を作る、あるいはこれらの協同組合または法人の連合体というもの、これも融資の相手にするわけでございます。
 それから三番目は被保険者等で組織された団体でございまして、例示といたしまして、これは国民年金の関係がございますので、農業協同組合というものを例示いたしておりますが、その他適当な法人あるいはこれらの連合体ということで、被保険者の団体にも対象にしようというわけでございます。
 それから四項の「前三者以外の被保険者等の福祉増進に必要な業務を行なう」と申しますのは、従来から厚生年金の還元融資の相手方にいたしておりました日赤でございますとか、あるいは済生会というようなものを一応予定しているわけでございます。これらの細部につきましては、各施設あるいは融資の相手方につきましては、いずれ政令の段階におきまして具体的に列挙する予定でございます。
 その次の二、「事業団は、厚生大臣の認可を受けて、金融機関に対し、その業務の一部を委託することができるものとすること。」、事業団におきましてはこの金融業務を全部やることはほとんど不可能でございますので、金融機関を指定いたしまして貸出業務を委託するわけでございます。医療金融公庫と実質上同様な方法でございます。大体この場合におきましては委託手数料といたしまして、実収利息の二割程度を交付する予定でございます。
 それから第三番目、「事業団は、業務開始の際、業務方法書を作成し、厚生大臣の認可を受けることとし、これを変更しようとする場合も、また同様とすること。」、業務を行ないます場合には業務方法書というものを作成いたします。これの作成、変更について厚生大臣の認可にかかわらせるわけでございます。
 「四 事業団は、四半期ごとに、事業計画及び資金計画を作成し、厚生大臣の認可を受けるものとすること。」、事業計画と資金計画を四半期ごとに作成して認可を受けるわけであります。
 「第五 財務及び会計
 一 事業団は、毎事業年度毎に予算及び財務諸表を作成し厚生大臣の認可を受けるものとすること。
 二 利益及び損失の処理について規定すること。
 三 事業団は、厚生大臣の認可を受けて長期及び短期の借入金をすることができるものとすること。」、長期の借入金は昭和三十六年度におきましては五十億を予定いたしております。これが貸付の原資になるわけでございます。
 「四 債券発行について規定すること。」年金福祉債券を発行いたしまして原資を求めるわけでございますが、三十六年度におきましては具体的な発行はまだ予定いたしておりません。
 五番目、「政府は、予算の範囲内において、事業団に対しその業務に要する費用を交付することができるものとすること。」、この事業団におきましては、政府の出資金というものは予定いたしておりません。事業実施のための原資はすべて還元融資の金でやることにいたしておりまして、ただ事業の執行に要しまする費用を厚生保険特別会計、それから船員保険特別会計、国民年金特別会計から交付することにいたしております。昭和三十六年度におきますところの業務に要する費用の交付金は七千九百万を予定いたしております。
 「六 余裕金の運用方法及び財産の処分等の制限等について規定するものとすること。
 七 その他事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生省令で定めることとする。
 第六 監督
 一 事業団は、厚生大臣が監督するものとすること。
 二 厚生大臣が事業団もしくは受託金融機関に対して行なう報告の要求及び立入検査について規定するものとすること。
 第七 協議
 事業計画及び資金計画、業務方法書、業務の委託又は予算等の認可について大蔵大臣との協議規定を設けるものとすること。」
 第六におきまして厚生大臣が主管官庁になっておるのでございますが、この実施につきましては、第七にありますように、大蔵大臣と協議をして実施することにいたしております。
 「第八 罰則
 事業団の役職員が、この法律に規定する厚生大臣の認可又は承認を受けなかったとき、法律に規定する業務以外の業務を行なったとき等の場合について、所要の罰則を設けることとすること。
 第九 その他
 一 この法律は、公布の日から施行すること。
 二 事業団設立の手続等について規定すること。
 三 登録税法等の一部を改正すること。」第九のこの「その他」でありますが、一応この事業団の発足は七月一日というつもりで準備を進めて参っております。
 以上が概要でございまして、なおこの資料の五十九ページをお開き願います。五十九ページに「昭和三十六年度事業計画(案)」というのがございます。ここにございますように、昭和三十六年度におきましては、資金運用部資金の借入金五十億円を原資とし、同額の貸付を実施する予定である。この五十億円のうち四十億円は昭和三十六年度財政投融資計画による厚生年金還元融資二百六十億円のうちから出します。それから残りの十億円は同じく国民年金還元融資七十五億円のうちから充当することにいたします。なお、このほか先ほど申しましたように、政府交付金七千九百万円をもって事業団の業務の執行に充てるわけであります。
 それから二番目に書いてありますところの貸付対象の施設の一応の計画でございますが、一応計画としましては次のペジーにございますように、厚生福祉施設に対しまして三十三億、この厚生福祉施設には二種類考えておりまして、右の行にございます休養施設、共同給食施設、体育館、会館等というのを一応これを第一種の厚生福祉施設と考えております。それから二行目の方は、老人ホーム、保育施設、児童厚生施設、母子ホーム等、これを第二種の福祉施設と考えております。と申しますのは、この貸付の条件でありますが、貸付利率第一種につきましては六分五厘、第二種につきましては六分五厘をやや下回った利率にしたいという気持でございます。具体的の数字はまだきめておりませんが、この第二種の方につきましては収益といいますか、金を上げることがむずかしいという事情がございますので、利率を少し下げたいと思っております。第一種につきましては金額は二十三億円、第二種につきましては十億円予定いたしております。
 それからその次の「病院および診療所」、これに十七億予定しております。合計で五十億を予定いたしておるわけでございます。
 それから次の六十一ページ、これは先ほど申しましたこの「融資の相手方および融資対象事業」でございますが、先ほど申しましたような、説明したようなことを一応ここに文章で書いたものでございます。
 以上簡単でございますが、概略御説明いたしました。
#43
○坂本昭君 次の審議の機会に、今かなり予算の内容など出ておりますから、次の機会にはこの法律に関係のある政令ですね、政令の内容、政令も一つつけて出していただきたい。資料として。
#44
○政府委員(森本潔君) 政令の案でございますが、ただいまのところ法律を進める段階でございまして、まだ具体的にこの政令案の内容を関係各省と詰め切っておりません。先ほど申しましたように、実施が七月一日の予定でございますので、まあできるだけ早くこれは整備しなければいかぬと思っておりますが、この政令案の内容等がまとまりますれば提出いたすつもりでございますが、ただいまのところ、目下関係各省と検討中の段階でございまして、でき上がりましたら提出いたしたい、こういうことにいたします。
#45
○坂本昭君 それは、今の事業計画の内容もあれば融資対象の事業の内容もかなりここに明記されている上は、政令の原案という程度はこれは非常に必要でありますから、詰めたものでなくても原案程度は資料として出して下さい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#46
○藤田藤太郎君 それからこの一種、二種それから病院、診療所というのは、ことしの五十億のうちで、これでやる計画ですね。間違いはないですね。
#47
○政府委員(森本潔君) 一応こういうように計画いたしておりますが、これも実施をしてみますとあるいは五十億のワクは変更はこないのでございますが、五十億の総ワクはその場合においての入れかえは実施の様子を見ましてあるいは若干考慮しなければならぬ、変更しなければならぬ事情があるかと思っております。一応のめどでございます。
#48
○藤田藤太郎君 私は審議するためにちょっと聞いておかなければいかぬのだが、福祉施設に貸す金はことしないのだということがわれわれの耳に入っている、ここにこう出てきたものが、これはだいぶ違うのだ、そういうこととの関係を明らかにしておいてもらわないとわれわれは審議できない。
#49
○政府委員(森本潔君) 私はそういうような話を聞いておりませんし、また考えておりません。ただいますでに申し上げた通りでございます。
#50
○藤田藤太郎君 それならよろしい。
   ――――――――――
#51
○政府委員(大山正君) 児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。
 児童福祉法の一部を改正する法律案参考資料の五ページに要綱がございますので、要綱について御説明申し上げます。「第一 新たに、三歳児に対して、毎年、健康診査を行ない及び新生児の保護者に対して、訪問指導を行なうこと。」幼児期の保健指導が現在のところほとんど行なわれておりませんので、最も大事な時期であると考えます三才児につきまして、毎年一斉健康診査を行なうということにいたしたいと考えております。
 それから新生児はこの法律では、生後二十八日までの乳児をいうということにいたしておりますが、その新生児の死亡率が非常に高いので、これにつきましては一カ所に集めることができませんので、家庭訪問を行なって保健上の指導を行なうということにいたしたいと考えております。新生児につきましては、一人の新生児に対して二回の指導を行なうことにいたしたいと、かように考えております。
 次に「第二 骨関節結核児童に対する療育の給付をその他の結核児童に及ぼすこと。」この点につきましてはカリエスについての制度が制定されました際に、当委員会におきましても附帯決議がありました点でございまして、それを一般結核に及ぼすということにいたしたいと考えております。
 なお、療育の給付の内容といたしまして、従来医療給付、それから学習に必要な物品の支給、その二つを行なったのでありますが、今回新たにそのほかに療養生活に必要な物品の支給というものもあわせてカリエスその他の一般結核の児童に行ないたい、かように考えております。
 「第三 情緒障害児に対する児童福祉施設として、新たに情緒障害児短期治療施設を加えること。」この情緒障害と申しますのは、愛情の不満でありますとか、あるいは劣等感等からいたしまして、子供が正常なる感情生活に支障を来たしまして情緒の不安定を来たしているような児童を言うわけでございますが、反社会的な行動をとる場合が多いのでありまして、いわゆる低年令層非行、軽い程度の初期の非行児童はおおむねこの情緒障害を来たしておるのでございまして、このような児童を早期に発見いたしまして、施設に収容して短期に治療するという施設を作りたい、かように考えておるのでございます。平均三カ月以内ぐらいの治療によりまして大体軽度の情緒障害は治療することが――心理療法によりましてなおすことができるというように考えられるのであります。
 「第四第一の健康診査に要する費用の三分の一を国庫が負担すること。」負担規定を改正します。
 「第五 その他条文の整理を行なうこと。」提案理由説明にございましたように、この条文の整理といたしましては、児童相談所の機能を明確にする点、あるいは保護者が児童の監護を行なった場合等の措置を強化する点、そのほか母子手帳に関する国庫負担の規定が現在動いておりませんので、これを整備する点、その他字句の整理等を行なうものでございます。
 第六といたしまして、「この法律は、公布の日から施行すること。」資料といたしまして、法律案あるいは新旧条文の対照表でございまして、三十九ページ以下に関係の統計資料があり、児童相談所の関係、あるいは母子衛生の関係、結核児童の関係等の資料を添付いたしておりますので、御参照いただきたいと思います。
#52
○横山フク君 簡単なところだけ伺うのですが、先ほどの提案理由の説明に「新たに新生児に対して保健所の医師あるいは助産婦」と書いてありますように、これは保健所の医師あるいは助産婦なんですか。
#53
○政府委員(大山正君) この新生児の訪問指導につきましては、保健所が中心になるわけでございまして、保健所の職員が原則として参るわけでございますが、ただ実際問題といたしまして、現在の保健所の職員の能力といたしまして、十分手が回りかねると考えますので、開業の一般の医師あるいは一般の助産婦の方々等を保健所に委嘱いたしまして訪問指導を行なっていただくというような態勢をとることを目下考えております。
#54
○横山フク君 それから費用の三分の一は国庫負担ですが、あとの三分の二ですね、これは都道府県と市町村におろすのですか、おろさないのですか。
#55
○政府委員(大山正君) 三分の一都道府県、三分の一市町村というように考えております。
#56
○横山フク君 ここでまた資料をお願いしたいのですけれども、保健所の保健婦の現員、それから保健所の基準は人口十万――これは保健所の課長なりあるいは公衆衛生局長の方になるのでしょうけれども、保健所の基準は人口十万単位ですけれども、実際に平均どれくらいになっておるか、これがほしいと思うのです。それから従って基準の定員というのは出てくるわけです、保健婦の。それから現在の保健婦の数でございます。それから保健所の保健婦に割り当てられた仕事ですね。非常に仕事が多いのです。今度三才児もするとなると、三才児の数からいっても三人くらいかかり切りでなければ、この三才児の指導はできないと思うのです。三才児は助産婦は職務圏外ですから、そういうのからして、現在の保健婦の現員と、その保健婦に割り当てられた仕事の内容、これの実績ですね。そういうのを資料として出していただきたいと思います。それから三才児は出生率から死亡率でもって割り出していけば実数は出てくるわけですけれども、三才児を指導するためにかかる実務労働時間という格好になりましょうかね、そういうのも出していただきたいと思うのです。
 なおこの際、関連してですが、未熟児ですね、未熟児を保健所の保健婦さんがしていらっしゃる。この未熟児にかかっておる時間ですね。どれくらいかかっているか。それから未熟児がそうした指導をした結果、どういう経過を通ったか。現在も予算も相当とれて、二年か三年になりますね、その結果が出ておると思うのです。ですから、そういうのも出してほしい。もちろん今保健婦と申し上げたけれども、助産婦も百何十人かいますが、その助産婦の実態も出していただきたいと思います。それがないと、これが保健婦に対してどのくらいの過重労働になるか、定員をどうするかということになってくる。
 関連したことですけれども、保健所の保健婦さんの仕事は年々ふえておるけれども、基準は一向変わっていないというのがありますからそういうための資料ですから、出していただきたいと思います。
#57
○政府委員(大山正君) 関係局とも打ち合わせまして資料を提出することにいたします。
   ――――――――――
 次に、児童扶養手当法案につきまして補足説明を申し上げます。
 児童扶養手当法案の参考資料の五ページに要綱がございます。
 第一制定の目的、母子家庭等が置かれている経済的、社会的状況にかんがみ、父と生計を異にしている児童を監護している母等に対して児童扶養手当を支給し、児童の福祉の増進をはかることを目的としたものであります。
 第二内容の要点、一支給要件「(1)父母が婚姻を解消した後、父と生計を異にする児童」離婚後父方に引き取られた子供につきましては、これはここでは対象にいたしておりません。母方に引き取られた児童に対しては対象とするわけでございます。次に、「父が死亡した児童」父が死亡した場合は原則として国民年金が支給されるわけでございまして、国民年金が支給されるものにつきましては本制度の対象にしないわけでございますが、例外的に国民年金制度の対象にならない場合がございますので、そのような場合は本制度の手当を支給することにしたいという考え方でございます。「父が廃疾である児童等」、父が廃疾あるいは生死不明等で実際問題として生別、あるいは死別に準ずるような児童、そのような児童であって、義務教育終了前の者を母が監護している場合には母に支給します。母がないためその他の者が養育している場合には、その養育している者に支給するということに考えております。
 「(2)母若しくはその他の受給資格者又は児童が公的年金を受けているときは支給しないこと。」支給制限の一つの点でございます。
 「(3)母又はその他の受給資格者が、前年において十三万円(児童一人につき一万五千円を加算する。)をこえる所得を有したときは支給しないこと。」所得制限の点、国民年金の福祉年金とあわせております。
 「(4)母又はその他の受給資格者の扶養義務者が、前年において、標準世帯にして五十万円程度以上の所得があったときは支給しないこと。」これもおおむね国民年金の制度に準じたものでございます。
 次に、二手当額「児童扶養手当の額は、児童一人の場合は月八百円、二人の場合は千二百円、三人以上の場合は、千二百円に三人以上の一人につき二百円を加算した額とすること。」八百円、四百円、二百円というような形にいたしております。
 三支払期日、児童扶養手当の支払いは三月、七月及び十一月の三回に分けて支払うようにいたしております。
 四不服の申し立て、児童扶養手当の支給に関する処分に不服がある者は、都道府県知事に異議の申し立てをし、さらに不服がある者は厚生大臣に審査の請求をすることができるようにいたしております。
 五費用「児童扶養手当の支給に要する費用及び事務の執行に要する費用は国が負担すること。」
 第三施行期日、施行期日は、昭和三十七年一月一日といたしております。
 予算といたしましては、三カ月分といたしまして、事務費が千百七十六万二千円、給付費が二億三千三十九万八千円、二億三千三十九万八千円の予算を本年度計上いたしております。以下資料といたしまして関係の法律条文等を掲載してございますので、御参照願います。
   ――――――――――
#58
○政府委員(畠中順一君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げますが、その参考資料、お手元に御提出してございます参考資料の六ページにございます法律案要綱に従いまして、御説明申し上げます。
 改正の要点は三点ございまして、第一点と第二点は、この前の国会で議員提案になりまして審議未了になったものそのままでございます。第三点は、これは別途提案されております恩給法の傷病恩給が増額になりますので、それに均衡をとった増額の改正でございます。
 そこで第一点でございますが、それは旧国家総動員法による被徴用者等である非戦地勤務の有給軍属と申しますと、簡単に例をあげますと、内地の陸海軍の工廠、海軍の工廠とか陸軍工廠に徴用されていた者でございまするが、こういう人々は現在のところでは、いわゆる援護法の対象になっておりませんで、別の法律によって処遇されているわけでございます。その法律はそこに書いてございますように、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、こういう法律がございまして、この法律によって措置されているのでございますが、この法律の支給要件によりまして、ただいま申し上げましたような徴用工が公務上不具、廃疾となったりあるいは死亡したような場合におきまして、年金を支給されない場合もあるわけでございます。たとえて申しますと、そういった徴用工が長男である場合はよろしいのですが、二男、三男であるというような場合には、この特別措置法による年金は受けられないというところに、現行法では穴があいているわけでございまして、従いまして、法律を改正いたしまして、こういった徴用工を、援護法上の準軍属という扱いをいたしまして、ただいま申し上げました特別措置法によって、年金を受けられない場合におきまして、これらの者あるいはその遺族に障害年金とかあるいは遺族給与金が支給されるようにしていく、こういうのが第一点の改正でございます。
 第二点は、旧民法にいう入夫婚姻をした者でございますが、この入夫婚姻をした入夫が軍人軍属でありまして、たとえば戦死をしたような場合におきましては、御承知のように、入夫婚姻の場合において、その入夫の妻の父及び母というものは、入夫との間においては親子の関係が法律上はないわけでございます。従いまして、援護法によってはその入夫がたとえば戦死をしたという場合におきまして、その妻の父母に対しては、遺族年金とかあるいは遺族給与金というものが支給できないわけでございますが、入夫婚姻は親子関係はないにいたしましても、婿養子縁組みに非常に似ておりますので、大体同じような扱いをすることにいたしまして、入夫がそういった死亡した、公務上死亡したような場合に、その入夫の妻の父及び母を遺族年金または遺族給与金の支給を受ける遺族の範囲に加えていくというように改正をする点でございます。
 それから第三点は、ただいま申し上げましたように、別途提案されております恩給法の一部改正によりまして傷病恩給が第四項症以下がそれぞれ症状によりまして二千円ないし八千円の増額がなされておりますので、それと同じ症状につきまして援護法におきましてもその年金を増額したというのが趣旨でございます。
 それから御参考までに申し上げますと、対象と予算額でございますが、平年度におきましては、今言った改正の対象人員が九千六百十六名に大体予想されまして、これに要する金額が約一億五千万円でございます。三十六年度は、この法律が十月一日の施行でございますので、対象が二千九百十七人で、金額で八百七十八万七千円というのが予算に計上されております。
 以上、簡単でございますが、御説明を終わります。
#59
○藤田藤太郎君 ちょっと数字で、今の平年度と三十六年度の人員と、予算との関係、ちょっともう一度言って下さい。ちょっと何か言い間違いじゃないですか。
#60
○政府委員(畠中順一君) 平年度におきましては、人員が九千六百十六人で、金額一億五千万でございます。三十六年度におきましては、二千九百十七人で、八百七十八万七千円でございます。そこで人員に比例して非常に違っておりますが、これは障害年金等の、あるいは遣族年金等の支給時期が異なっておりますので、平年度に直しますとかような工合になるのでございます。
#61
○藤田藤太郎君 ちょっとおかしいな……。実はこれ、人員は同じになるのだけれども、予算の金額が少ないのはこれはよくわかるけれども、人員が少なくなるのはちょっとおかしいのだが、これだけの、九千六百十六人が対象者であるということを打ち出して、そして三十六年度は、対象者は二千九百十七人だというのだから、その説明を……。
#62
○政府委員(畠中順一君) ちょっと説明が不完全でございましたが、三十六年度の支給する金額の対象になっておる人員がそれだけでございます。
#63
○藤田藤太郎君 いや、それがわからぬ、それがわかれば……。
#64
○坂本昭君 資料百二ページを説明してくれたらわかるのじゃないですか、資料百二ページに内容が書いてある。
#65
○政府委員(畠中順一君) 支給する年金の種類が、遣族年金とか障害年金それから遺族給付金というように区別されておりまして、それぞれ支給する期月が違っておるわけでございます。そこで、三十六年度におきましては、たとえば遺族年金は支給期が三月になりますので五カ月分計上しております。それから障害年金が一月が支給期で五カ月分だ、それから遺族給付金につきましては……。
#66
○藤田藤太郎君 それは何ページ……。
#67
○政府委員(畠中順一君) ございませんが、四月と十月が支給期になっておりますので、三十六年度の予算には遺族給付金が計上されてない、従って、その対象はここに数に上ってない、来年度の、来年の四月に初めて給付されますので、その対象が落ちております。そういう関係で食い違うのです。
#68
○藤田藤太郎君 それを言わなければわからぬ。入夫してそこで世帯を持ってそれで奥さんと結婚関係ができて、それを夫の関係からいうと義父母ですね、その人が落ちていたという理由がどうもわからないのですが、どうですか、当然のことです。私も不勉強ですか……。
#69
○政府委員(畠中順一君) その関係が法律的には親子の関係でないわけでございますので、それで死亡者の父または母というのが遺族に入っておりますが、父、母というものに法律的には該当しなかったわけでございます。そこでそれは不合理であるというので今回改正しようというわけでございます。
#70
○委員長(吉武恵市君) 別に御発言ございませんか。――それでは各法案に対する質疑は、次回以後にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
   ――――――――――
#72
○委員長(吉武恵市君) 次に、精神衛生法の一部を改正する法律案(閣法第五五号)、結核予防法の一都を改正する法律案(閣法第五六号)右両案を議題といたします。
 政府委員から補足説明を聴取いたします。
#73
○藤田藤太郎君 これは新しいあれだけじゃなしに、新しい資料をもって説明する分があったらして下さいと言ったのだけれども、それによって説明するというなら……、それならこの次でいいです。
#74
○委員長(吉武恵市君) この次にしましようか。――それでは右両案に対する質疑は次回にいたしたいと思います。
   ――――――――――
#75
○委員長(吉武恵市君) それでは先ほど質疑のございましたポリオに関する質疑を続行いたします。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#76
○藤田藤太郎君 小児麻痺の、先ほど大臣にも少しお尋ねし、決意だけ聞いておいたのですが、どうも製造、検査に間に合わないから云々ということが新聞に出てくる、まあ非常に努力されたことはわかるのですけれども、ことしの計画ですね、
  〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕
国内の薬品でどうし、足らないものは外国から輸入してどうするかという問題の、今現在計画が立っておる具体的なやつを説明して下さい。新聞じゃたよりない。
#77
○政府委員(牛丸義留君) 現在までの輸入並びに生産の状況でございますか……。
#78
○藤田藤太郎君 計画も一緒に……。
#79
○政府委員(牛丸義留君) 計画全体の、年間の需給というものの需要の計画はことしの一月から来年の三月まで、三十六年、三十七年の一年を通じまして所要量が大体一万五千リッターの所要量として考えております。それに対しまして供給の計画は国産、輸入品と両方でそれの利用に満たす、そういう計画で、各大体接種の時期別にこれを見てみますと、三十六年の一月から三月までの所要量が三千三百十リッターの所要量でございます。これは〇・五才から一才半までの強制分と、それから三回目、昨年すでに実施をして三回として持ち越した分、そういうふうなもの、それから追加というようなものを勘案して、所要量が三千三百十リッター、それに対して一月から三月までの供給の面は、輸入が三千四百リッター、それから国産品が四百リッター、大体三千八百リッターのものが供給が可能でございます。これはもうすでに時期は済んでおるわけでございます。四月以降の供給ば、需要量が定期の分と、それから三才までの分を合わせまして四月、五月に、一回、二回として約千六百リッターほどのものが二カ月にそれぞれ必要なわけでございます。それに対しまして供給は輸入品と、それから国内の生産を合わせまして千四百七十リッターと千八百リッター、三千二百リッター程度のものが供給として可能でございますので、所要三千百リッターに対してこれも十分な供給量でございます。それから六月、七月、八月というふうに所要の、七月の所要は大体千三百五十リッター、八月も同じく千三百五十リッターで、二千七百リッター程度のものが七月、八月に必要でございますが、それに対して六月、七月、八月の供給見込みが輸入のものと、それから国産のものと合わせまして三千百リッター程度のものが供給が可能でございますので、それを需要に応じて供給をする。それから十月以降はただいま申し上げましたものの三回分が所要になりますが、それは主として国産品によってそれぞれ十月に約二千リッター、十一月に七百七十リッター、十二月千六百リッター程度のものがそれぞれ需要として必要でございますが、それに応ずる供給は国産品によってまかなう見込みが立っておるわけでございます。年間のそういう計算で三十六年一月から三十七年三月の一年と三カ月、十五カ月で所要が一万五千、それに対しまして供給が約一万八千リッターというような見込みを持っておるわけでございます。
#80
○藤田藤太郎君 一月から三月が三千三百十リッターで、輸入が三千八百リッターですね、供給の方からいうと。そうすると前の分を含んで一月−三月は間に合ったと、ところが四、五は千六百リッターで輸入と国産で三千二百七十リッター、それじゃこの一月−三月やったの二回目をやらなきゃならぬでしょう、ここんところで足らないという問題が出てきやしませんか。
#81
○政府委員(牛丸義留君) 一月−三月で一回、二回が昨年の緊急対策で実施されましたし、それから今度の法律に基づいて四月−五月が一回、二回実施されるわけでございますので、先ほど私が申し上げましたように、一月−三月で前年度の緊急対策分としての一回、二回、それから本年度の予防接種の改正に基づきます一回、二回というものが、私が先ほど申し上げました供給量で十分間に合うという計算でございます。
#82
○藤田藤太郎君 それではこれだけを施行されて、大体対象人員の何%になるかということが一つです。
 それから値段を下げるというのですが、どういう方法で下げるか、これが一つ。
 それから四−五の需給について生産と輸入との面で、私は新聞だけしか見てないんだが、結局四月に入らないで五月になるということでは、予防からいって支障を来たさないか、この三つをお伺いします。
#83
○政府委員(尾村偉久君) ただいまの一月から三月までのまず〇・五才から一・五才まででございますが、これは今度の計画によりますと、一回分にいたしまして百三十万人、この年令層――一年令層でございますが、百三十万人で二回分で二百六十七万回ということになっておりますので、この推定人口から見まして八割が可能、実施済み、こういうことでございます。それから四月から拡大になります一・五才から三才までの一・五年令層の者でございますが、これは一応の今の需給計画では百二十七万人、それの二回と従って二百五十四万回ということにいたしておりますが、これはこの年令層に対しまして約六〇%という実施率を見込んでおります。ただしこれは一・五才から三才までの者は前年度からやっておりました者が相当含まれますので、実際の推計年令数からでございますと六〇%ございますが、実際にはもうすでに既済の者が一〇%ございますので、七〇%、こういう見込みにいたしているわけでございます。
 それからついでに第三番目の方の、時期が間に合うかという問題でございます。今の三才までの一番危険年令層は五月までに大体今のような工合で終了いたしますので、これはこの年令層に対しては間に合う、ただ三才以上のいわゆる任意でやる分でございますが、これの今の計画では七月−八月を一応実施時期として予定しておるのでございますが、これは先ほど薬務局長から説明のありました輸入分が五月−六月に二千リットル輸入されまして、これを予研の方の検定も極力最大に急ぎまして、できればこれを六月からに繰り上げますと、なお確実性が増す、こういうことで時期の繰り上げを今一番検討中でございまして、おそらくこれは繰り上げ実施ができるのではないか、といいますのは、五月までの今の需要と供給量の余剰量が出ますので、これを少しでも早く任意接種の方にも回す、こういうことにいたしたい、すでに三月までにも三百リットルは任意分に回したわけでございまして、これはある程度今の法律対象外にもこれは使われておる、これを極力時期を早めて実施したい、これによって万全を期したい、こう思っておるわけであります。
#84
○政府委員(牛丸義留君) 第二の価格の点でございますが、これはちょうど今、年度が変わりますので、四月以降の定期接種の分に対しまして値段を調整するということは、一番時期的に容易だというふうに私ども考えますので、ただいま作業中でございますのが、新聞でも報道されておりましたように、大体二割程度の値下げができるのじゃないか。これはどういう理由からかと思しますと、最初昨年の第一回の実施のときの輸入量と国産品の年間の見込み数というものを、七対二の比率というふうに私どもは踏んで、その程度で足りるというふうにその当時私ども価格を形成をしたのでございますが、しかし、実施率の向上その他によって所要量が全体としてふえていき、また、それに応じて、国産品の製造の見込みとの関係で、輸入の比率をもっと予定するということが必要になってきますので、大体十一対七の比率ぐらいになりますので、それだけの価格が低下するわけでございます。それによって、今の値段のさらに二割強の値下げが実現できるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。それをできれば新年度分から実施していきたいというふうに考えております。
#85
○藤田藤太郎君 いずれ坂本君から詳しく御質問あると思いますが、国内産の――私ら聞いていると採算のとれるようなワクチンができておるというようなことが言われておるのですが、それが真実かどうか。それから国内産の生産というものが、今後正常な形で生産されるには、どれだけの能力を持っているか、それから生ワクチンを、この前の答弁では五月から三人ですか、それから協議会からまた別に派遣するという格好で研究をされるわけですが、生ワクチンが予研で検査されているのが、大体四月の末にはもう検査が出るわけだと思うのですが、その生ワクチンを、その値段の上からもまた大量に接種する上からも非常に重要なことだと思うのだが、その点をいつ時分から生ワクチンに具体的に取りかかるか、日本の生産の予想と輸入との関係、ここらあたりを聞かしていただきたい。
#86
○政府委員(牛丸義留君) 国内製品の製造状況でございますが、これは現在三社の製品が検定を了し、または現在検定中でございまして、この最初のものが、力価が少し不足でございまして不合格であったようでございますが、二回以後の分は検定に合格しております。非常に二回目の製品は力価の点も輸入品よりもよりいいというような評価をなされているような状態でございまして、その中で一部基準には合格しておりましたけれども、他の物質が混入しておるということで、念を入れまして現在それのさらに、基準以外ではございますけれども、安全の試験をやっているような状況でございますが、しかし、製造は二回以降順調に進んでいるわけでございまして、今日これが出回っていないという印象を受けますのは、むしろメーカーの製品はもう検定を待っているわけでございますが、検定能力が三月まで四ロットの検定能力しかない、四月以降さらに二ロットの検定施設の増加を今やっているわけでございますけれども、そういう検定能力の関係で、現在できているものを検定を待っている。それは緊急に今要るという大きなロットとしてはどうしても今即応的なものとして輸入を実施したわけでございますので、その緊急輸入分の検定に実は順番を狂わして回したその間、順を待っているような状況でございますので、実際に国内品はできてはおりますけれども、検定でまだ使用に資しないものがその他のメーカーのものにあるという状況でございまして、しかし、これは今度の輸入を過ぎますと、それから生ワクの検定も大体四月で終わりになりますので、そうしますと、またもとに返って国産品の検定に、ロットの検定に振り向けることができるわけでございますが、六月以降になりましたら大体順調に検定が可能になるんじゃないか。その生産の状況は年間の総需要量一万五千のうち一万一千リッターは供給できるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#87
○政府委員(尾村偉久君) 生ワクの問題でございますが、四月の下旬までには予研における独力検査が終わりまして、直ちに全国における一班五十名当ての対象に対しまして、大体今のところ十五班でございますが、大体二十班になるかと思いますが、そういたしますと千名、十五班の場合には七百五十名、この対象に対しまして非常に精密な試験を伴います実際の投用検査が五月以降続くわけでございます。それも段階がございまして、総合的な計画は年度一ぱいかかるという見込みでございますが、まあある程度の中間で相当程度のことはわかると思います。それを実は中間報告的な締めくくりを二度ほど期待しているわけでございます。おそらく夏の流行期が過ぎたときと、それから十二月ごろ――年末、それから年度末一ぱい、予算の組み方もそういうふうなことにいたしておりまして研究計画を進めているわけでございます。従いまして、その結果によりまして、もしこの実験結果、日本におきましても現在の生ワクをまず使用して差しつかえないと、また使用した方がいいという結論が出ますれば、まず生ワクの使用をするわけでございます。その場合には、ソーク・ワクチンの場合も最初輸入から始まって、それと並行して生ワクの生産計画できたわけでございますが、最初は、おそらくもし来年からこれを合わしてさしあたり使うというような結論が出ますれば、当初は輸入によらざるを得ないと、こう思います。それと並行いたしまして今度の研究計画でわかりました検定基準の策定、それから製造のいろいろな基準の策定とか、これが間に合いますれば、それに応じて国内生産も軌道に乗せる、こういうことになるかと思います。
 それからもう一つは、ソーク・ワクチンをある時期に一ぺんにやめてしまって、一ぺんに全部生ワクチンに切りかえるかということでございますが、従来のほかの国々の例を見ますと、必ずしもそうでなくて、いいものを並行して使っている、ある部分切りかえている、さらに最近の議論では、むしろ両方を合わせて使った方がいろいろの観点では一そういいのではないか、こういう議論もございますので、切りかえの問題につきましては今研究協議会の研究結果をも尊重いたしまして、その上で取り扱いは考えたい、こう存じております。
#88
○坂本昭君 簡単に御説明いただきたいのですが、まずポリオの発生の一番近い実況、特に現在九州地区にかなり去年よりふえております。その九州の流行地域の予防接種の実況、さらに流行の見通し、その三つについて簡単に御説明いただきたいと思います。
#89
○政府委員(尾村偉久君) 私の方で全国からとりました週報は、今年の一月以降の第一週目三月十八日に全国的な集計をいたしましたので、それに基づいて申し上げますと、急性灰白髄炎は昨年の三月十八日までの累計が二百九十六名の患者発生数に対しまして本年は三百五十二名、約二割の、約三カ月間の増加でございます。それから死者は前年の二十六名に対しまして三十五名、ほぼ患者と比例しております。それから、ただしその発生の状況でございますが、ただいまお話のように、一番激しいのは九州の熊本県でございまして、これが格段に目立っておりまして、昨年のこの同時期に十二名でありましたのが、ことしは七十八名という、実に数倍以上の発生数でございます。昨年、一昨年は非常に全国平均少ない、いわゆる未流行地が、ことしは、今度は昨年の暮れからことしにかけて発生いたしたわけであります。それから、大きくふえておりますのは、そのほかに九州の大分が昨年の五名に対しまして二十名と、四倍、それから宮崎県が昨年はほとんど皆無に近かった一名がことしは十八名、それから山口県は三名が十五名、こういう状況で、北海道はほとんど前年と同様、こういうことでございまして、逆に昨年二十四名出しておった広島がことしは三名であるとか、あるいは兵庫のように十三名であったのが五名というふうに、逆に非常にことしは出方が減った、こういう県と両方ございます。そこで、私の方では、いわゆる前年、前前年の未流行地にことしは逆に多発するのではないか、こういう推定を立てまして、現在駐在官を、防疫官を現地に二週間前からこれをキャッチしまして派遣いたしまして、明日全部取り調べて帰って参りますが、従って、年令別並びに接種状況と、発生率、患者との関係がまだ正確に今日のところまだ集計してございませんので残念なのでございますが、明日全部調べました資料を集めて帰って参りますので、具体的なものが個々にわかりますので、その点御了承をお願いしたいと思います。
#90
○坂本昭君 流行地の予防接種の状況。
#91
○政府委員(尾村偉久君) 予防接種の問題は、今のようにことしの一月から三月までの予防接種も、この北九州はある程度この傾向をキャッチいたしまして、他の地区よりも集中的に予防接種のワクチンも増配いたしてやっておりますが、現在まで入りましたニュースでは、大分とかあるいは熊本、宮崎のような非常な多発地帯が非常にこのワクチンの予防に対する関心が今までのところ思ったよりも薄うございまして、実施率が非常に、むしろ上から盛んにハッパをかけないと進まないというような状況にあったのでございます。そこで今極力督励をいたしておるわけでございまして、実施率は、全国の二月までに終わりました全国平均七七%の実施率とほとんど差がない、よけいにやっておらぬということで、ここには一そう今後督励をいたしまして実施率を上げる、これが非常に大事だ、こういうふうに努力しているわけでございます。
#92
○坂本昭君 まだ私の質問の一番大事な点が落ちておりますが、もう一ぺん繰り返してお尋ねしておきますが、もう、ことし北海道は流行が起こらぬということは、これはだれしも大体考えておったところだろうし、厚生省当局として初めから当然予期しておられたことと思います。従って、今度は北海道から離れたところと言えば四国とか九州、もう大体予期せられておったところであります。そういうところの実施率が低いというのはこれは行政指導が悪いのか、どういう理由があるのか、その点を明らかにしていただきたいことと、その行政指導が悪ければことしは流行がふえてきます。去年よりももっとふえてくる。そうすれば今後の見通しはどうなるか。そうすれば、一体、責任はどこにあるか。大蔵省の予算は十分あった。十分もらったけれども、その注射ができなかった。そういう行政指導が悪いのか。あるいは国内製品が粗悪品のために免疫ができなくて流行が去年よりもしょうけつをきわめるのか。その理由を、一つ、明らかにしておく必要があると思う。そうしてその時期はもう今以外にないですよ、四月以外に。流行期というのは大体五月、六月なんですから、今そのめどを立てて、私は、責任所在を明らかにしてもらいたい。金がないならば、来年度は金をたくさんとるようにするし、あるいは国内製品の力価が弱ければ、国内製品をやめてもらう。あるいは、行政指導が悪くて予防接種の数が少ないとするならば、それは各都道府県が悪いのです。あるいは、厚生省の指導が悪く、せっかく予防接種法も、一部改正まで行なったにかかわらず、実をあげることができなかったとするならば、これは一体何のための厚生行政かということになります。その点を一つ明らかにしていただきたい。特に流行の見通しについて責任のある御答弁をいただきたい。
#93
○政府委員(尾村偉久君) この四月から法律が改正になるわけでございますが、一月からは、たしかこれに準じて、一才半までの者には勧奨接種の予備費をとりまして、これでやっておったわけでございます。従いまして、あの北九州ないしは中央九州方面の流行予測は、実は一月からわれわれの方はある程度危惧をいたしまして、立てまして、二月上旬の衛生部長会議にもこれを予告して、勧奨注射ではあるけれども、流行の可能性の強いところは極力接種率を高める、こういうことにいたしておったわけでございます。従って、結果から言いますと、やはり三月までの接種率が低かったことは、私どものそういう警告の仕方が弱かったせいかもわかりませんが、要するに、現地におけるPRも含めまして、この予防接種に対する意欲、実施の状況等が確かに低かったわけでございます。危惧をした割りに非常に他よりも促進されなかったという事情でございますので、これ遺憾なことでありますので、今言いましたように、督励班を出しまして、今後こういうことのないように、しかも今度は法律が成立いたしましたので、あくまでも強制もできるわけでございますので、これを徹底して完全にやる。これによって今後の流行を、これ以上ふえないようにする。いわゆる該当者にくまなく予防接種を早くやる。こういうことで流行をぜひ防止したい、こう思っておるわけでございます。
#94
○坂本昭君 その督励班のあした帰ってきた結果については、これはもう委員会のあれを待たずして一つわれわれに説明をいただきたい。特に一番心配するのは、国産品による接種の結果が、従来までもソーク・ワクチン二回接種してもかなりな発病率――二割くらいは発病すると言われている。そのことが、国産品による接種の場合に、せっかく流行地域に接種はしたが、依然としてかなり高い罹病率がある。これはもう当然公衆衛生の面から言って非常に重要な点であるので、この点はとくと、私は、研究的な成果を明らかにしていただきたい。
 さらに私は、これに関連して、先ほど大臣は、あなた方局長の来られる前に、国産品の不良ということを大臣はあげておられたのです。私はこれは非常に重大な点であって、そして大臣としては、できることは何でもやると明言をせられた。しかし、これは大臣はしろうとであって、学者の正しい意見に従って何でもやると言っておられましたが、国産品が不良であるという、そういう懸念があるとするならば、さらに来年は私はおそらく生ワクを使う時代に来ていると思うのです。先ほど厚生大臣に申し上げたのですが、三月の中旬から私は東南アジアに行っておって、マラヤのクアラルンプールの研究所に行きました。ここでも生ワクの問題は取り上げられつつあります。そこで北岡博士がレクチュアをやったことも、あそこでビールス担当の――これはアメリカ人の医者です。その医者から私に説明もあったのです。すでに、もう世界の状況が生ワクに移りつつある、その過程において、生ワクとそのソーク・ワクチンとを併用して行うかどうかは別として、生ワクの製造の準備段階に入っておる。場合によれば、補正予算を組むなりして、この年内に緊急に対策を講じて、そうして将来身体障害者というものを作らないために全力をあげるべきだと思います。その際に、この前、予研の柳沢博士も指摘しておった通り、この製造機関というものは何カ所も要らない。天変地異に対処して予備的なところを一カ所ぐらい置けば、まあ二カ所でよろしいのではないかというふうに当委員会としては考えを持っておる。ことに今までのソーク・ワチンの実績からいって、私は民間に六社も七社も作るということは不当だと思う。それよりも国が責任をもって一カ所、それと民間で一カ所ぐらい。これはその内容については詳しいことは申し上げません。が、少なくとも、薬務局長のお話によると、検定の能力の低いということを指摘されておりましたが、国がこれは責任をもって検定能力を高めて、また、その次の生ワクの製造についても、もうすでに今は準備段階に入っておると思いますから、場合によれば補正予算なりしてでも、来年度に対するすみやかな対策を講じてもらいたい。ことにこの小児麻痺ワクチンの問題については民間において非常にいろいろ言われておる。特に輸入は安いのにかかわらず、注射が非常に高い。その高いためにこの接種を受けることができなくて、そのために発病しておる人もたくさんある。私はそういう点で、この生ワクの製造機関の問題は非常に深刻な問題であるので、慎重に検討せられて、特に今まさに去年の成績からみますというと、もうすでに二割も罹病率がふえておるということは非常に私はおそるべき結果をもたらすのではないかということを心配する。先ほど大臣は責任の所在については明らかにしませんでしたが、この患者の発生だけはごまかすことはできません。でありますから、私は、何人以上出たら厚生当局の責任を問う、そういうようなことは申しませんが、私は全力をあげてやれば、やっただけの結果の現われるのが、これがつまり予防衛生であり公衆衛生の一番、何といいますか、科学的なゆえんなんですから、ただいまの局長の御答弁では、非常にしろうとだましにはいいかもしらぬが、そういうことでは、この重要なポリオ対策として納得できない。従って、明日帰られる方の成績の結果については迅速にひとまず御報告をいただきまして、皆さんとともに緊急対策を講じていきたい。どうか今の点について皆さん方で御見解があれば、この際承っておきたいと思います。
#95
○政府委員(尾村偉久君) 最初の、この、ことしになってからの多発と国産品のワクチンによる予防注射との成績の問題でございますが、国産品はまだごく最近第一回目が出ただけでございまして、今までのところ、地方で国産品による実績というものはなくて、全部今までは輸入品の成績でございますので、この比較はできません。
 それからただいまの最後の、おしかりをいただいたわけでございますが、確かに今の三百五十二名が第十一週目まで出ております。最近の週の発生は三十名でございます。一番最初、従ってむしろ最初の一月下旬、二月の早々の方が週間発生が多かった、しかし下がりつつある。そこで今度は一回目、二回目の予防接種のやり方を見ますと、一月中には非常にわずかしかやらなかった。二月になりまして、ワクチンが現地到達をいたしまして二月中に一回を終わり、ちょうど三月中に二回目が週末になってやっと終わるということでございまして、この三月の十一週までの発生には、昨年、臨時に一部任意でやりましたものの影響はございますけれども、全く今度の予防接種計画が少しもまだ影響を与えておらぬと、こう推定される実績でございますので、従って、われわれは、そこにまだこれから希望を持っておるのでございます。いよいよ始めた今度の全国の予防接種がよく行き渡れば、この傾向を抑制できるであろうと、こう思っておりますので、極力努力いたしたいと思います。
#96
○政府委員(牛丸義留君) 生ワクの研究の結果が、早急に生産の段階に入るということになりますならば、私どもとしてもその点は早急に準備もございますし、いかなる方法なりでやっていった方が最も日本の現状に適するかということは、よく私どもも研究いたしまして、善処いたしたいと思います。
#97
○理事(加藤武徳君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#98
○理事(加藤武徳君) 速記を始めて。
 調査案件に対する本日の質疑は、この程度にしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○理事(加藤武徳君) 御異議ないと認めます。
 それではきょうはこれで散会いたします。
   午後一時二十四分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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