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1960/04/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第22号
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1960/04/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第22号

#1
第038回国会 社会労働委員会 第22号
昭和三十六年四月十八日(火曜日)
   午前十一時五分開会
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
  委員長      吉武 恵市君
  理 事
           加藤 武徳君
           高野 一夫君
           藤田藤太郎君
  委 員
           鹿島 俊雄君
           紅露 みつ君
           谷口弥三郎君
           徳永 正利君
           山本  杉君
           横山 フク君
           久保  等君
           藤原 道子君
           相馬 助治君
           村尾 重雄君
           竹中 恒夫君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
  政府委員
   厚生大臣官房長 高田 浩運君
   厚生省公衆
   衛生局長    尾村 偉久君
   厚生省社会局長 太宰 博邦君
  事務局側
   常任委員
   会専門員    増本 甲吉君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会開会に関する件
○社会福祉施設職員退職手当共済法案
(内閣提出)
○結核予防法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
   ―――――――――――
#2
○委員長(吉武恵市君) それでは、ただいまより社会労働委員会を開きます。
 まず、最初に、連合審査会に関する件についてお諮りをいたします。
 本院規則第三十六条に基づいて、酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律案について地方行政委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 なお、審査会の開会日時等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
 ただいまの決議に基づき、委員長は、地方行政委員会と協議することといたします。
   ―――――――――――
#5
○委員長(吉武恵市君) それでは、次に、社会福祉施設職員退職手当共済法案を議題といたします。
 まず、提案理由の御説明を願います。
#6
○国務大臣(古井喜實君) ただいま議題となりました社会福祉施設職員退職手当共済法案について、その提案の理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、民間の社会福祉施設は、国または地方公共団体の経営する社会福祉施設とともに、社会福祉事業の一翼を担っているのでありまして、政府といたしましては、かねてこれら職員の待遇改善について努力して参ったのでありますが、給与につきましては、昭和三十五年度補正予算並びに昭和三十六年度予算におきまして、約二〇%のベース・アップを行なったのであります。さらに退職手当につきましても、これら職員に対する待遇改善の一環といたしましてこれを支給する制度を設け、これによってこれら職員の身分の安定をはかり、もって社会福祉事業の振興に寄与いたしたいと存じまして、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
 第一に、この制度の実施主体である社会福祉事業振興会と退職手当共済契約を締結できる経営者の範囲を、都道府県知事または市町村長から援護、育成または更生の措置の委託を受ける生活保護施設、児童福祉施設、身体障害者更生援護施設、精神薄弱者援護施設その他これらに準ずる施設を経営する社会福祉法人等といたしております。なお、退職手当共済契約の締結につきましては任意といたしております。
 第二に、退職手当金は、退職手当共済契約を締結している社会福祉施設の経営者に使用される職員が、その施設に一年以上在職して退職したときに、振興会が直接退職した職員に対し支給することといたしております。
 第三に、退職手当金の額は、退職した職員の勤務年数及び退職理由に応じて定めることといたしております。
 第四に、この制度運営の費用についてでありますが、退職手当金の支給に要する費用につきましては、経営者は掛金を振興会に納付し、国と都道府県は振興会に対して高率の補助を行なうことといたしております。なお、振興会の事務に要する費用につきましては、国が補助することといたしております。
 第五に、この制度の実施主体につきましては、制度の永続性、退職手当金の確実な支給を保障するため、特殊法人である社会福祉事業振興会に行なわせることとし、社会福祉事業振興会法につき所要の改正を行なうことといたしております。
 第六に、施行期日でありますが、昭和三十六年十月一日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由並びにその概要でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(吉武恵市君) 次に、政府委員から細部についての説明を聴取いたします。
#8
○政府委員(太宰博邦君) 補足説明を若干いたさせていただきたいと思います。
 お手元にお配りしました法案参考資料の七ページにこの法案の要綱がございますので、便宜この要綱に基づきまして申し上げることといたします。
 先ほど提案理由で申しましたように、これは社会福祉施設に従事します職員の処遇改善の一つとして、退職手当について新しい制度を設けたわけでございます。現在民間の社会福祉施設におきましては、退職手当をもらいます者は非常に少ないようでございまして、かりにもらいましてもその額もまた非常に少ない、こういうような状態でございますので、これをこの制度によりまして改善いたしたいと考えておる次第であります。
 第一の、法律の目的のところにおきまして「施設を経営する社会福祉法人その他の者」とございますが、これは民法の法人あるいは宗教法人その他保育所等につきましては、個人経営のものも含めまして、国、公共団体以外のものをさすのでございます。そこの施設の経営者がその職員について退職手当を出しますにつきまして共済制度を設けてこれをまかなう、こういう趣旨でございます。
 内容の要点につきましては、まず第一に退職手当共済契約でございますが、この施設の経営者、それから一方におきましては社会福祉事業振興会との間に退職手当共済契約を結ぶのでございます。施設の経営者につきましては、そこに書いてございますごとく、生活保護施設、児童福祉施設、身体障害者更生援護施設、精神薄弱者援護施設、その他これに準ずる施設というのは、婦人保護施設、結核後保護施設等を予定いたしておりますが、これらの施設の中で都道府県知事または市町村長から援護、育成、更生の措置の委託を受けるものでございます。これはこれらの施設は本来公の責任で措置すべきものでございますが、それを民間の施設に委託しておる、そういう関係から、そこに従事いたしまする職員に公の施設の従事員と同じ並みの退職金を支給したい、こういう趣旨からそういうふうに限定いたしておるのであります。従いまして、たとえば児童福祉施設の中でも、児童遊園地その他児童厚生施設あるいは身体障害者更生援護施設の中でも点字図書館あるいは補装具施設というようなものはこれから除くことといたしております。それの対象の施設はあとの方に資料にございまするが、大体職員の数が三十五年の四月三十日現在で約三万六千でございます。その後の増をみまして、この資料におきましては一応約四万人というものを基礎にして計算を始めております。それから一方の契約の当事者、相手になります社会福祉事業振興会は、この制度を長期にわたり、また、その支払いが確実を期するために、特殊法人でありまする社会福祉事業振興会を適当と考えた次第であります。その両者の間に、退職手当共済契約を締結することができる、従って、任意加入制度といたしました次第であります。
 それから退職手当金の支給でございますが、これはその施設に常時働いておりまする職員が、退職あるいは死亡したという場合に、その遺族に対しまして退職手当金を支給いたします。その額は大体国家公務員等退職手当法に定めておりまするところを参考にいたしまして、国家公務員並みに支給いたしたいと考えておるものでございますが、ただ、国家公務員の場合におきましては、給与体系等が確立いたしておりまするので、最終俸給というものが基礎単価になっておりますが、民間の社会事業施設におきましては、その点がまだ確立いたしておりませんので、退職手当金の額は政令で定めることといたしました。
 それから掛金でございますが、大体年間に必要とする退職手当金の額を出しまして、それを当該年度の、退職手当金の額を、施設及び国、都道府県においてこれを分担するということにいたしまして、一応賦課方式をとりました。その場合におきまして、こういう民間社会福祉施設でございまするので、法的な補助を要するものと考えまして、施設において分担いたしますのは三分一、国及び都道府県においてそれぞれ三分の一で、計三分の二の補助をいたすことといたしたわけでございます。このほかに国におきましては振興会の事務に要する費用の全額を補助することといたした次第でございます。
 第三に施行の期日でございますが、これは今年の十月一日から施行いたします。ただし、支給は一年を経過した職員が退職した場合に支給いたしまするので、三十七年度の十月から施行することとなりまするので、掛金に関しまする部分は三十七年度の四月一日から施行するものといたした次第でございます。
 以上簡単でございますが、補足して御説明申し上げます。
#9
○委員長(吉武恵市君) 右法案に対する質疑は、次回以降にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕
#10
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
   ―――――――――――
#11
○委員長(吉武恵市君) それでは、次に、結核予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#12
○徳永正利君 この法律で見ますと、「登録患者等」というような言葉が使ってあるのですが、この「登録患者等」というのは、どういうことを意味しているのですか。
#13
○政府委員(尾村偉久君) これは今の患者の管理を厳重にするために登録患者に関することと、それからその登録患者をめぐりまして、家族その他結核の患者の管理に必要な、周辺をめぐる管理内容をいろいろ今度改正いたしましたので、そういうような意味でございまして、従って、場合によっては家族も精密検査を行なう、こういう意味でございます。
#14
○徳永正利君 現在登録患者というものが日本に何人ぐらい登録しておるのか。
 それから、この登録患者という手続、どういうような手続によって登録されるのか、その辺を一つ御説明願いたい。
#15
○政府委員(尾村偉久君) 現在登録してありますのは、お手元にございます法律案関係資料の一番最後の資料編、数字をいろいろと入れております資料編の、四ページにございますが、四ページの(B)の「保健所において把握している患者数」、これが登録患者数でございまして、三十年以降、ほぼ五十万人ずつ新たに届け出られまして、これを、もちろんできる限り転出、死亡その他の処理をいたしておりますが、それが不十分でございますので、ほとんどこれが累積したような数で二百五十七万七千人が、三十四年度末におきまして登録済みになっておるわけでございます。しかし、これは非常に整理が十分行き届いておりませんでしたので、これを整理いたしまして、三十四年から一部始めました保健所ごとの整理の結果によりますと、その次のページ、裏側にございますが、五ページにございますように、これは全国におきまして、約半数の保健所で完全な登録整理をやった。その結果を、その他の保健所も、この十月までに同じことをやって完備することになっておりますが、その過去の実績を全国に引き延ばしますと、この二百五十七万人が百五十五万人になると、すなわちその差である百二十万人ほどが、もうすでに治癒あるいは転出で、ダブル登録が行なわれておるとか、あるいは死亡というようなことで整理される見込みでございまして、さような結果、本年の九月末現在で、百五十五万人になるという見込みになるわけでございます。
 それからこれの手続は、ほとんど登録患者のうちの八割までが開業医師、これは病院等も含みますが、一般の医師による医療でございまして、結核と診定された、それが結核予防法の二十二条と二十三条の両方の条項に規定してございますが、必ず保健所長に届け出なければならぬ。それで登録を受けなければならぬということになっており、これに基づいて手続して登録が行なわれるわけでございます。もちろん全国の集団検診の結果、保健所みずからも発見いたしますが、これも当然なことでございますが、みずからも登録いたします。かような手続でこれが行なわれておるわけでございます。
#16
○委員長(吉武恵市君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#17
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#18
○徳永正利君 ここで問題になりますのは、強制入所ということが私はこの法案では山だろうと思いますが、その前に、結核予防法、これはあくまで病気というのは予防が問題なのでしょうが、現在厚生省で考えており、しかも、対策としてやっている予防、現実にどういうような予防をやっているか、その辺を一つお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(尾村偉久君) 結核予防対策としてやっておりますものは、大きく分けますと三つに分かれるわけでございまして、一つは、患者の発見と、それから非患者の新たな感染発病を防ぐことと兼ねました一つの分類がございます。これは、この予防法の中にございますように、国民に全部健康診断の受診の義務を課しておりまして、これは、結核検診でございますが、これによりまして、一方では自覚しておらぬ患者を発見する、集団検診、あるいは定期的に事業所、学校その他のようなところ、あるいは町村が行ないます健康診断、いろいろな手段方法は分かれておりますが、これによりまして患者を発見する。これによりまして現在
 九千三百万の国民のうちほぼ四千万人が毎年診断を受けているという実績でございます。その中から、一般検診で発見されますものが、ほぼ十万ないし十五万人の要医療患者を発見いたしまして処置をするというようなことになっております。それから非患者と決定いたしまして、その中で特にツベルクリン検査を全面的に行ないますが、この結果、陰性であった者は、免疫がまだできておらぬので、感染の可能性があるわけでございますので、これにはBCGの注射、予防接種をする。これをまた非常に広くやっているわけでございます。これが、ほぼ毎年健康診断の結果発見されます陰性者が約八百五十万人ございますが、そのうち八割である六百五十万人ぐらいまでに毎年BCGの予防接種が行なわれている。こういうことでございます。
 それから第二の予防対策の大きい分類といたしましては、今の発見いたしました患者並びに先ほど申し上げました医師から届け出られた登録患者、これらの管理を厳重にするということでございまして、これは第一は、この登録患者がございますと保健婦が家庭の訪問をいたします。で、それによりましてどういう治療状況にあるか、治療状況が悪ければ治療を進める。それから登録のまま何にもしないでおった場合には、今回の法律改正でも強化するわけでございますが、精密検査を行ないまして、さらに現在の病状を正確に把握してその後の処置をする、いわゆる管理方式でございますが、これにはもちろん家族の問題を含みます。家族は、一般の住民よりも開放性の患者の家族は大体十倍の患者率を持っておりますので、これは特に重要でございますので、この家族の管理をする、こういうのをひっくるめまして、第二分類がいわゆる患者をめぐる管理の強化、これが対策の第二でございます。
 第三が、今度非常に強化されますこの医療対策でございます。見つけられました患者に対しては、各種の社会保険その他の保護も受けますが、一方では化学療法等の指定いたします治療に対しては、二分の一を公費で見るというのが三十四条で従来行なわれておりますが、これによりまして、年々ほぼ八十万件のこの公費の補助による治療が加えられている。さらにそのほかに、今回五万四千件をこの十月から非常に強い医療保障といいますか、公費保障によってやっておりますが、前年度に対するものは年間一万一千件でございます。こういうような形で、第三分類である結核の医療保障を推進する、この三つによりまして結核対策を進めておる、こういう現状でございます。
#20
○徳永正利君 九千三百万の国民に検診の義務がある。で、毎年四千万ぐらいを検診しておるということであったのですが、そのあとの五千三百万というものがどういう状態に現在放置されておるのか。あるいはそれに対して厚生省としてはどういうような都道府県なり市町村なり等に検診の徹底をはかられておるのか。現実の問題として私はやっていないと思うのですよ、家庭の方々は。今後それに対してどういうふうな対策を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
#21
○政府委員(尾村偉久君) お話の通り、確かに半分以下しかこの法律で義務づけておりながら受診をしておらない。これは非常に大きな盲点になっておると思うのです。そこで、幸いにいたしまして、ここ三十四年と昨年三十五年と比べますと、約二百万人の受診の増加がございまして、逐次受診率は向上はいたしておるのでございますが、たとえば十年前の昭和二十六年には一千七百万であった。それがただいま申し上げましたように、ほぼ四千万の線にきたということでございますので、二倍をこすような受診率にはなってきておるのでございますが、それにいたしましても、九千万ということから考えますと非常に少ない。で、このうち一番受診率のいいのは学校でございまして、小中学校の学童はほぼ九〇%に近い受診率を持っておる。一番悪いのが市町村に住んでおります、しかも世帯主等は、勤務先で受けておるいわゆる企業体において行なわれる受診は比較的率がいいのでございますが、主婦あるいはその他の家庭人、これが非常に受診率が低いのでございます。ここに一番のやはり盲点が集約されておる。しかもこれの中からの発見率は家族についでやはり多くて潜在しておると、こういうことでございます。従って、これらの点に一番受診の手が伸びるようにすることは、どうしても家庭人としてなかなか受診に出にくいという社会的な事情が一番障害しておるわけでございます。もちろんそのほかにもし発見されて結核になったらどうしようかというおそれから、最初から受けたがらないという地方も、もちろんいなかに行きますとたくさんありますが、それはPRで、むしろ今では結核が発見されれば、早く治療を受ければ簡単になおるという面で改善できるわけでございますが、実際に家庭をあけられない、受診の時間にどうしても行けないとか留守にできないとか、あるいは実際にはそういうようなところに時間的にも出かけていけない、こういうような事情が一番多いようでございますので、これの対策といたしましては、今レントゲン自動車をくまなく、かなり部落小単位にまでこちらが出かけていく。そこでわずかな時間で、しかも最近の機械は着物を着たままそのまま撮影ができますので、こういうような形でとにかくほかの事情で受けられないということを減していかなければいけない、こういうことでございますので、今大体レントゲン自動車は国が管理して配給しているものは年々約六十台、これを毎年つけ加えて各府県に配給しておるわけでございます。これによりまして、一台のレントゲン自動車の年間稼動率は、大体最低六万人分でございますので、これをどんどんとつけ加えていくという形を一つといたしまして、第二の問題は、やはりそういう地域でございますと、その地域住民がこぞってみんなで連なって受診を完全に受けようという機運が非常に大事でございます。そのためにはどうしても地区の衛生組織、これを結核受診ということにも大いに活躍してもらう、受け入れ態勢を完備する、この二つを一番の重点といたしまして、すなわち手段の改善とそれから受け入れ側のPRも含めた地区組織による総受診態勢、この二つに力を入れてやっておるわけでございます。もちろんこの受診につきましては公費ということになっておりますので、いわゆる経済的な負担があるから受診をしないということは現在ないわけでございます。もしあるとすれば、それは町村が渋っておれば別でございますが、これには国も補助を出しておるわけでございます。そういうことは個人についてはない。それからいま一つの問題は、小企業、法律的には非常に少数を雇っておる企業体でも、これは企業者のいわゆる経営主の義務になっておるわけであります。その雇い人について毎年結核の受診をさせる。ところが、これが案外励行されないのでございます。企業主自身も含めまして、そういう小企業については行なわれがたいということでございますので、私どもの方としては、法的にはそうなっておりますが、実際に受診をさせるのがねらいでございますので、これは町村長の責任でやります一般住民検診のときに、そういうようなわざとなまけてやらないというような企業主は、これは大いに激励してぜひやらせなければいけませんが、いろいろな事情を聞いてみますと、なかなか不可能なことが多いというような場合には、今のレントゲン自動車等が回っていったり、あるいは保健所で行なう健康診断等には町村民と同じように扱ってやる、こういうような行政指導をいたしまして、この方も逐次改善はいたしております。これが一つの大きな盲点でございます。これらが合わさりまして、結局現在の全国の励行率が非常に悪い、こういうことになっております。もちろん生まれて間もなくの六才未満の乳児につきましては、これはツベルクリン反応だけを法的にもやればいいということになっておりますが、この乳幼児の場合には、幼稚園とか保育所にいきますと割合と受けやすいのでございますが、先ほどの主婦と同じように、この受診率も非常に悪い。これは従って母親ぐるみ簡単に受けられるようにしていかなければいけない、こういうような形になっております。
#22
○徳永正利君 実際地方のいなかに行ってみますと、レントゲンなんというのを持ったお医者さんはまずへんぴないなかでは少ないだろう、ここからいろいろ話をしていくと、無医村の解消とかいろいろなことに発展するだろうと思うのですが、それはさておきまして、現在保健所が何カ所全国にあるか。しかもそれにレントゲン自動車を持っておるところ、あるいは持ってないところがどのぐらいあるかお伺いしたい。
#23
○政府委員(尾村偉久君) 保健所は三十五年末で七百九十四カ所、それに五カ所新設が認められましたので現在七百九十九カ所、こういうことになっております。ただし、これは支所は含みません。支所は表向きにはなっておりませんが、支所を入れますと、これに五十カ所加えるということになりまして、合わせて約八百五十カ所ということになります。この八百五十カ所の保健所の支所のうちレントゲン自動車を持っておりますものが約三分の一でございます。これが保健所受診に配給を受けておるレントゲン自動車でございます。ただし、これはあくまで正式のものでございまして、このほかにいわゆるトラック式の、小型のトラックに携帯用の積み込むレントゲン、これは残りの保健所もほとんど全部備えておりまして、これによりましてやっておりますが、これはもう旧式でございまして、非常に能率が悪いという形で今整備をしておる。このほかに国が世話しております中に、いわゆる競輪の配給による結核予防会の競輪レントゲン・カーという自動車が、もうすでに三年間毎年二十台ずつこれを配給いたしまして、これは県庁に置きます。これを今のような県庁自身でやるわけでなくて、所属は県庁に置いてありますが、これに検診班を乗せまして県内くまなく、今の行き渡らないところに、これが保健所に応援に繰り出す。これはもう年間必らずどこかの保健所で使っておる、こういう形でございます。これはもう最新式の非常に高級なものでございます。それから保健所に三分の一ほど持っておりますと申し上げましたのも、これは高級な最新式の、いわゆるレントゲン・カー、正式のものでございます。
#24
○徳永正利君 保健所を設置しておる市、いわゆる政令市とこう言っておられるようですが、政令市というのは全国で何カ所ございますか。
#25
○政府委員(尾村偉久君) 現在三十都市でございまして、そのうちの六都市、大都市のうちの一都市は東京都という政令市、指定都市といいますか、府県の性格と同時に市としての性格もあわせ持っておる都市でございますが、その他の五大市は政令市であり、同時にその中に特別な権限を付与された指定都市、こういうことになっております。全部を合計いたしまして三十都市でございます。
#26
○徳永正利君 この精密検査を登録患者に対して保健所長は必要があると認めたときには精密検査を行なうものとするということなんですが、保健所長は精密検査を行なう強制力を持っているのですか、あるいはどうなんですか。
#27
○政府委員(尾村偉久君) これはこの精密検査そのものについては、今度は特別な強制の裏づけ、たとえば受けなければ罰則を加えるとか、そういうようなことにはいたしてなくて、あくまで勧奨という形でございますけれども、ただこの健康診断全体につきまして、現行法で強制できるようになっております。強制力を持っておる。ただし、それは即時強制といういわゆる来なければ身柄を引っぱってくるという式の強制の裏づけはございませんが、これは義務づけになる。そういう意味では強制と言えるわけでございます。その方の一環としての精密検査もやはり強制、こういうことが言えるわけでございます。
#28
○徳永正利君 命令入所なんですが、命令入所をさせた患者、あるいは命令入所を希望する患者もあるだろう。その辺の取り扱いはどうなっておりますか。
#29
○政府委員(尾村偉久君) これは希望する患者が当分は相当多いかと思っております。今度の場合は非常に多いのではないか。というよりも大部分が、結核に関する限りは希望してくるのではないか。といいますのは、命令入所が前提になりまして全額ほぼ公費というふうな医療費的な保障の裏づけがございますから、これは非常に希望する、こう思われるわけでございます。その場合に希望した者を全部というわけにいきませんので、そこで今度は、希望はいたしましても、必ず開放性であり、それから環境上周辺に伝染のおそれ等のある、いわゆる周辺に公衆衛生上の危険があるというような条件でこれをしぼりまして、一定の線を引いて、それに当たるものはこの予算のある限り、またこれは同時に、義務費になっておりますので、入所命令を出した以上は県と国が必ず見る、こういう建前で保護することになっております。
 それからごくまれに、本人は一向希望しない、しかも病状上は入所させなければ周辺に危害の及ぶおそれがあるというような場合はこれを強制して入所命令を出すわけでございますが、こういうのがごくまれにある。ただし、従来の実績ではほとんどこの入所命令を、本人といざこざを起こして何としても入れるというような形で出した例数はまずまず希有でございます。むしろ従業禁止の方は、これはちょいちょいございます。ことに接客業の場合に、従業にそのまま携わってもらっては困るというような場合には従業禁止をかけることは、これは例数が相当ございます。
#30
○徳永正利君 これは入所というわけなんですが、これは地方へ行きますと、いなかでは非常に避病院というようなものもあるわけです。こういうものもやはりここに入所させる、避病院に入れるというようなことも、そういうところに強制入所ということもあり得るわけですか。
#31
○政府委員(尾村偉久君) これはこの法律にずっとありますように、結核の指定医療機関というのを知事が全部指定することになっておりまして、全国多数指定になっております。そこに入れるということでございまして、一般の結核を扱っておらない避病院に入れることは全然入っておりません。療養所だけでなくて国立病院、私立の病院でありましても、指定医療機関になっております結核の治療能力を持っておるものはむろん対象にいたします。これは平等でございます。
#32
○徳永正利君 そこで問題になってくるのは病床なんですが、国立あるいは私立を問わず、今の結核病床というのはどのくらいございますか。
#33
○政府委員(尾村偉久君) 現在、端数はございますが、二十六万ベッドでございます。これは結核病床といたしまして医療法で結核に使ってよろしいと指定されておる病床が二十六万ベッド。それに対しましてこの病床に入っておる患者が約二十万九千人でございまして、ほぼ利用率は七九%、従って二一%は空床である、こういうことでございます。このほかに一般の内科それから外科の病床に、病気そのものは結核性の疾患でございますが、むしろそちらの方が適当として入れておる患者が約三万人ございます。合わせまして従って入院中の結核患者は二十四万程度、ただし、これは二十六万ベッドのほかに病床に三万ベッド入っておりますから、結核の空床率はあくまで二一%これはあいておる、こういうことでございます。
#34
○藤田藤太郎君 今の命令入所治療、それから費用の関連、今のお話の少し前のですがね、今度の三十五条の条文を読んでみますと、前段はまずまずなんですが、二項に行きますと、「民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者が前項の費用の全部若しくは一部を負担することができると認められるときは、同項の規定にかかわらず、その限度において、同項の規定による負担をすることを要しない。」片一方では命令をしておいて、命令、強制入所をやっておいて、そうして扶養義務者が「全部若しくは一部を負担すること」云々と。全額負担資力があれば、負担さして、国は何にも見ないのだというところあたりの関係は、どうなるのですかね。これは少し問題がありはしませんかね。
#35
○政府委員(尾村偉久君) これは、確かに、もし三十五条による公費入院が、命令をした、いわゆる国なり、実際には都道府県知事でございますが、これが、本人に対して強権を発動してやった代償として費用を全額持つのだということになりますと、当然これはおかしいわけでございます。資力の有無に関せず、命令した以上は、それはもう保障するのだ、こういうことになりますが、現在の結核予防法の中における三十五条、いわゆる命令入所に対する医療費の問題は、それだけでなくて、むしろ環境上の条件がそろっておって、命令は下すけれども、実際には本来は本人が入りたいのだ、結核の今の命令を受けておる実情から言いますと、もうほとんど全部が、入りたいが医療費がないという形でございますので、むしろその意味を保障する、援護する、こういうような思想を十分入れましてやったものでございますので、従って、環境衛生上命令を、どうしても本人ががえんじないため、周辺の迷惑にかわって強権を発動して命令した場合には、そういうような場合には、十分資力があって、経済的な理由で入らなかったのでなくて、いわゆる意固地であったり、周辺の迷惑をかまわずにやっておった者に発動した場合は、これは、命令は命令、それで資力に応じて、費用はこれはそれだけは見ない。まあこういうような思想で、今度の改正、それから従来の取り扱い方もそういうことできておったわけで、かような条項が入っておるわけであります。従いまして、この条項を発動する場合は非常に希有な場合、たとえば相当な資力がある、たとえば、五人家族で三万円以上の資力があって、元来入れるものが入らなくて、意固地で入らなかったというそういうような場合に、この二十九条の命令を使う、まあこういうような形な残しておきたい、こういうことでございまして、従って、今度の五万四千ぐらいの予算をとりましたものの対象中に、この三十五条の二項を相当使って相当額の徴収をするというようなことは、あまり予定しておらぬのでございます。今のようなものに残しておくといいましょうか、こういうような心組みでございます。
#36
○藤田藤太郎君 ここのところだけが少し……。あなた今、公衆衛生局長簡単に言われましたが、五人世帯で三万円あったら入所しても負担をさすなんと言われたけれども、一人が入院したら、どんな最低見たって一万やそこらじゃ済まぬでしょう。精神病患者でも、生活保護法のなにでも一万五千円の費用が出ているじゃないですか。それで、五人家族で三万円くらいのところを基準に、意識しておられて言われたことか何か知らぬが、そんなことでやられたら、あとの四人の生活をどうするのですか。だから、そんな軽々にものを言うてもろうたら困る。資力があるとか何とかいうのは、やっぱり相当な余裕財産のあるとか何とかいうことをその標準に判定をしないと、片一方では、公共福祉の立場から命令入所をさすのだというなら、やっぱし、その患者が入っても他の生活に影響をもたらさないというようなところに限度を置いてこの民法第八百七十七条を発動してもらわないと、片一方では命令入所、国が持つのだ持つのだという宣伝だけしておいて――宣伝だけという言葉がいけなければ、取り消しますけれども、そういう言い方をしておいて、そうしてここではきびしく言われた。そうして内容を軽々に、取り消されると私は思うけれども、五人世帯の三万円の人だったら出してもらわなければならぬというのだったら、あとの人の生活はどうするのですか。私はやはり気をつけてものを言ってもらいたいし、実際に五人世帯で十万円以上も収入があるような人なら、それは私はそういう議論が公共の福祉の立場から出てくると思いますけれども、そこのところあたりは、ここのところで、この三十五条の二項で非常にいいことをやりながら、全部具体的な命令入所のときに、せっかく肺結核をなくしようという思想を、これで結局収入の少ない人の生活をいためて、入るにも入れぬという抵抗が起きるというようになったら大へんですよということを私は言いたいのです。
#37
○政府委員(尾村偉久君) 私の御説明の仕方が悪くて、意図するところと違ったお受け取りをいただいて恐縮なんでございますが、今三万円五人と言いましたのは、ごく一例に言いまして、むしろこれは、今後もし一部でも取るとすればどのくらいの線を引くか。たとえば所得税の国税を納めている以上の者は一応若干有料的にするという線を引くか、従って、それ以下はもう最初から全額無料、まあこういうような線を今審議しておるのでございますが、まだ決定いたしておりませんが、そういうような線で幅の最低をちょっと申し上げたのでございますが、実際にはこれを発動するには、環境上の問題といいますと、たとえば菌が出ておる、それから、家族に感染のおそれのある家族が含まれておる、それから家の間取りその他が非常に、別室を作れないとかいうような、環境上の条件で、――入所命令というものは一種の人権拘束になりますから、発動するものでございますから、従って、この入所命令を発動した者からは原則として取らぬ。予算上では五%だけ援護率がかかっておりますけれども、九五%が国費で、五%は取り得るという予算になっておりますが、それで今度の五万四千件のうちの一万八千件に対してでございまして、三万六千件に対してはそれもかかっておらないということでございますので、全体から見ますと二%程度、それは先ほど言いましたような、ほんとうの資力のある者にやむを得ず命令を出したという例外の場合を考えて、入所命令を出すのは今のような諸条件がそろっておるということになりますと、これはもうそう収入の多い階級でなくて、下の階級で、大体今の実態の点から言いますと、これでも一ぱいになる。また、実際の予防対策上はそこが一番必要だ、こういうことでございますので、今のお話の通り、三万以上あったら一万円金が取れるというようなことは毛頭考えておりません。もしそれ以上の者にやった場合には、三万円まではただでございますから、それ以上の者については、たとえば千円だけは一部負担してもらう、あるいは三万二千円なら二千円負担してもらう。そういうように、どうせやるにいたしましても全額か零かという考えでなくて、万一やむを得ず強制をそういう者にした場合にも、もちろんこの援護率というものはごく低く見積もっていく、こういうつもりでございます。実際には、本年度については、もうほとんど援護徴収の差額である徴収率は実際には考えない、こういうことですべてを考えておるわけでございます。
#38
○藤田藤太郎君 だから、一言だけ言うけれども、公共福祉や環境衛生の立場から、結核は私は専門家じゃありませんけれども、たとえば今の感染する人は全部入所隔離をする、そうして伝染性のない人でも、一定の保護によって機会を与えれば、三年すれば結核はなくなる、こういうことを言われている、伝染病として。そういうことですから、公共福祉の立場から効果を上げてもらわなければなりませんけれども、こういう法文がついておって、ちょうどざるで水をすくうようなことにならないようにしてもらわないと、ざるに水を入れて全部漏ってしまったということにならぬようにしてもらわないと、私はやはり問題があると思うのですよ。だから、そういう、今おっしゃったようなことは、もう少し具体的にして、他の人がやはり生活できるという基礎を自然と見てあげて、公共福祉の問題をその立場から、強制命令入所という問題を一つ考えてもらいたい。そのためには、どうかそこらの基準も、一つ委員会に出してもらいたいと私は思うのです。
#39
○藤原道子君 ちょっと関連。この点は明確にしておいてほしいのです。今の一部負担という一般のきびしさといったら、目をおおうものがあるのです。実にひどい。強制入所命令出しますね。今一部で心配されておるのは、菌が出るから収容する。そのかわり一部生活保護なんかで入っている人は、菌が出なくなったという理由でどんどん退院さしている傾向がある。空床があるあるというけれども、もう少し置いてくれというにもかかわらず、菌がなくなったからというので出している。そしてまた悪くなる。こういう愚かなことを繰り返しているのですよ。法律ができると、これはもうすぐ効力を発するわけでございますから、そういう場合に、こういう点について、医務局等々は、十分の打ち合わせができているでしょうね。一部負担というやり方のきびしさを考えるときに、今の局長の御説明では、私たちまだ納得できない。だから命令入所した場合に、菌がある間は見るけれども、菌がなくなったら、これは強制入院は解くのですか、どうなんですか。
#40
○政府委員(尾村偉久君) 第一段の、今までの考え方の、一部負担の適用の仕方でございますが、今度は全然あれと趣を異にいたしまして、これは今度の三万六千件を、十月一日に、生活保護の一部負担のあるこの結核患者――在院中の――これを切りかえますが、これは全部無料でございます。三万六千人は何らかの一部負担をされておるのでございます。これは全部無料。それから国保の患者で結核で入っておられた方は、大部分が低所得であります。しかもそれが半分も、一部負担を五割もしておる。これが、今度の命令入所の対象になる患者に関する限りは、ほとんどこれを、ほとんどというよりも、おそらく近く、この法律が御審議終わりましてから条件を作るわけでございますが、それではほとんどが無料になるかと、こう存じておりますが、従いまして、入るときはさような形で入れます。もし菌がなくなってきた場合、入院治療はまだ継続の必要がある。しかし、菌だけは、治療が成功して、けっこうなことなんでございますが、なくなった場合に、これは周辺に一体迷惑が及ぶのか及ばぬのか、理論的には、そういう場合には、命令入所という拘束を課する基礎がなくなるわけでございますが、ただこれは扱いといたしましては、結核というものが同一人の病気の場合には、菌が外に出るか出ないかでなくて、病気が継続しておるものですから、従いましてむしろこれを私はこの対象からはずした場合に、スムーズに入院治療が、ほかの、たとえば社会保険なんかで続けられればそれはいいわけでございますが、そうでなくて、退院するとなりますと、せっかく公衆に迷惑を及ぼさないためにやったのがむだになる。再発する。それから家庭に帰れば、おそらく同条件が続いておるわけでありますから、前と同じ。そういう関係では悪いというわけで、われわれの方では、大体入院の必要な間は、今のこの命令を出して入れた以上は、入院必要期間はこれによって扱いたい。ただし、それは、あくまで理論的には少し工合が悪い点がございますので、他の従来の、本来権利を持っている法律で切りかえられるものは、それに切りかえていく。そうでないものはこれでいく。そういうことになりますと、おそらく一番の対象になりますのが生活保護、これはまあこれで引き受けていく。入院必要期間は引き受けていく。それから入院治療が完成する、あとは自宅でいいという場合は、これはいかなる場合も自宅で治療をされていいわけであります。そういうふうなつもりで、また、現実に今度の法律を作る場合には、結核予防審議会その他と御相談いたしましたときも、大体そういうような方向で、こういうふうな法律改正を作り上げた、こういういきさつであります。
#41
○藤原道子君 それがあなたの言う通りにいけばいい。実際はもうこのごろのやり方は、そうでないのですよ。強制入所だから、やむを得ずやるでしょう。ところが、菌が出なくなったあとが一番心配なんです。帰るとまた菌が出るようになっている例が幾らもあるのだから。そうすると国の大事な予算をかけて、そうしてそこまである程度いったものを、また悪くしちゃう。また収容する。こういう愚かなことはしないで、やはりその必要ありとして入院をさした。これは普通ならば、もっと自発的に入院できる人が、できなかったわけですから、帰って来れば、また無理が続くのですよ。だからそういうことがないように、私は十分法の精神を生かして、理論的にどうだこうだと言ったって、実際ということを考えて、運営してもらわなければ困る。
#42
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#43
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#44
○徳永正利君 五万四千件を今度予定しているということなんですが、これは先ほど藤田委員の御質問に対して、九五%までは自己負担をかけないのだというようなお話だったのですが、大体件数からいきますと、五万四千のうち、自己負担になる可能性のあるものというのは、何件ぐらい見込んでおられますか。
#45
○政府委員(尾村偉久君) 先ほど申し上げました五万四千件のうちの三万六千件で、これはもう全然全額公費、こういうふうに考えます。従いまして、一万八千件の五%、九五%という援護率になっておりますので、これの五%でございますので、大体九百名ということになる。この九百名に対して、一部負担がかかるという、この予算上の積算にはしたわけでございます。しかし、現実には、先ほどから御意見もございますし、私どもの方も、これにはこだわらず、できるだけ合理的な基準をきめたならば、その範囲で、できればこの五万四千件と空床の率等もにらみ合わせまして、これはもうできるだけ有利に使っていきたい。一番必要なものは、経済的なそういうようなもので障害があるならば、それにこだわらずに全部公費でやりたい、こういう方針で考えているわけでございます。
#46
○徳永正利君 病床は二十六万、今まで入っているのが二十一万、さらに百五十五万の登録患者が現在いると推定される。ところで、その百五十五万の中で、感染源患者というものが、どのくらいいると推定されますか。
#47
○政府委員(尾村偉久君) これは先ほど五十五万という登録患者数を申し上げました、グラフになっております資料でございますが、一番最後の統計資料の五ページ、裏側になっているそこにございますように、今の十月までに整理を終わりますと、登録患者の予定数目五十五万、そのうちの活動性というのが、一番上にございます。いわゆる病気が進行中であるというものが九十万、そのうちの感染性が肺結核のうちで上にございます二十四万人、これが感染性でございます。これが登録患者のうちの見込み。そのうち十月一日現在で入院している者――今も継続しておる者でございます。出入りは若干ございますが、十月一日現在で十万人が現に入院中の者、それから在宅治療のうちに十一万人感染性の者がある。それから在宅治療さえもしないで、治療はしておらない、大部分無自覚の者――いろいろな負担その他で治療を受けておらぬ方もございましょうが、そういう者が二万、こういう予定でございます。問題になりますのが、この十一万と二万の、十三万人。入院中の者はこれは入っておるわけでございますから問題はありませんが、それと、それから一番下の活動性が未確定の者、これはやはり確定するまでに一定の時間がかかるわけでございます、入院してから。それをある時限で押えますので、いつも三十五万ぐらいの者が入れかわり立ちかわり次々に確定していくわけでございます。そのうちの入院中が三万、在宅治療が六万、こういうような見込みでございまして、これらを合わせたものが今回の対象にまずなる総ワクでございます。この中で在宅治療の十一万とか、治療せずの二万の中で強制命令をしなければならぬという者が、この中でしぼれるわけでございます。それらを予定いたしまして、この算出をしておるわけでございます。ただし、この場合に十一万と二万だけで、十三万だけでも現在入っておるほかにプラスになるとすれば、空床から見ましても、それから予算から見ましても、全然足らぬような形に一見受け取られるわけでございますが、そこが先ほども申し上げましたような公衆衛生上の線で必要なものを引く、この内訳で引くと、こういうことになっておるわけでございます。
#48
○山本杉君 関連して。今の御説明の不活動性の中の在宅治療六万人のうちのどのくらいが活動性の在宅治療に加わるお見込みですか。
#49
○政府委員(尾村偉久君) これは私の方で最近年々登録患者、新登録患者について調べておるわけでございますが、たとえば昨年約二百保健所で一月から十二月まで一カ年間に正確に新規登録されました者につきまして、詳しくその内容を調べましたところ、全体の新規登録患者のうち活動性の感染性患者というものが二五%、四分の一ということでございます。大体それに近い数は、すなわち二〇%が、従ってこの二五%のうちのほぼ八割までが空洞があっての感染性、活動性、感染性でございます。あとの二割程度が空洞は発見されない、こういうことになりますが、大体四分の一が活動性の感染性で、その他の者はそうでない、いわゆる活動性ではあるけれども非感染、こういうことでございます。従って、この非活動性の者の中には、まずまず菌の排出あるいは空洞、そういうものはむろんない、そういうふうに分けておりますが、そういうふうな見込みでございます。
#50
○徳永正利君 今の説明で私はわからないのですが、活動性の者で感染性の者で在宅治療が十一万おる。それから治療せぬでおられる人が二万人おる。ここだけでも十三万人おるわけです。入院もできないという原因が、どこにあるか。局長の説明を開きますと、公衆衛生上の見地からこれを五万四千にしぼれるのだというようなお話なんですが、どうもその辺が私は家庭の生活が貧しくて、とても入院なんかできない、あるいはまた、この人間が在宅しておらなければ、諸事生活に支障を来たすというような人がこれは大半だろうというように考えられるわけですが、その辺を一つどういうふうにお考えか御説明願いたい。
#51
○政府委員(尾村偉久君) これは私どもの方で二十八年それから三十三年に全国一斉に実態調査をやり、さらに三十四年には要入院と判定されながら、その後一カ年間にいかなる処置をされたか、こういうような調査をいたしました。これとは別個に全国的に入院をしなかった理由というものを調査したのでございますが、それによりますと、入院を要する者で入院をしないといううちの三二%が経済的、社会的理由、こういうことになっております。ほぼ三分の一が経済的、社会的理由、その他はその理由でなくて、医師が入院の必要がないと言ったとか、あるいは自分でどうしても入院はいやだ、経済的理由等を離れまして入院治療をするのはいやだというようなことが幾つかございます。さような理由でございましたので、現実には経済的な面の保障を主として今度全額公費という線でやる対象は、まず第一次の対象は三二%のこの患者になる、こういう見込みでございます。
#52
○徳永正利君 そこで五万四千件に対する国庫の予算措置、これはどのくらい見積もっておられますか。
#53
○政府委員(尾村偉久君) いわゆるこれは半年分でございますので、下半期につきましては四十六億――十月一日以降の分で四十六億を見積もり、それから上半期の分につきましては四億一千万円ということでございまして、合わせまして約五十億が命令入院患者の今年度予算、これに対比いたしますと、昨年度は上半期、下半期それぞれ約三億、合わせて約六億でございます。従って、それで五十億になり、ことに下半期は、三億が四十六億になる、これが来年度以降、こういうような対比で今度通年化していく、すなわちこの数だけでも倍になるわけであります。さような予算の編成でございます。
#54
○徳永正利君 この三十五条の中に、前の条文を読みますと、「当該患者が、未帰還者留守家族等援護法の規定によって医療を受けることができる者であるときは、この限りでない。」という条文がありますが、今度これを改正するわけですが、この援護法の規定によって療養を受ける患者というのは、今度どういうふうになりますか。
#55
○政府委員(尾村偉久君) これは従来と同様でございまして、今度の改正案でも三十五条の二項にございますように、従来もさような形になっておったのでございますが、今後もこの未帰還者留守家族等援護法はこれが優先していきますので、結核がこれを打ち消して優先しない、従来通り踏襲をしておるわけでございます。
#56
○徳永正利君 最後に一つ希望を申し上げておきますが、いなかに行きますと、レントゲンの検査をやるというようなことが全然行なわれていないわけなんです。しかも結核患者はおるわけであります。入院するというと百姓ができない。だから入院するわけにはいかぬ。医者はただポンポンと胸をたたいて、このくらいならばある程度働いて、あまり過度のあれをしなければよかろう。しかも、それは開放性であり活動性であるということすら検討されていないのが僻地の現状なんですね。しかも今お聞きしますと、レントゲン自動車を持って走り回るという御説明ですけれども、保健所の三分の一にしかレントゲン自動車がない、あとの三分の二の保健所は、保健所にはレントゲンを持っておられるでしょうけれども、まあ私が局長に説明するまでもなく、保健所というのはいなかに行きますと、弁当持って一日がかりで行かなければ届かぬようなところにあるのです。これで結核対策をやろうというのだからこれは大へんなことだと思うのですが、この辺をよく御検討になって、先ほどお話があったように、命令入所をやってその費用は自己負担というのはわずかだというようなことで全きを期するのじゃなくて、いささかこれをうがって読みますと、これは羊頭を掲げて狗肉を売るような感もないではない、しかし、これは一つの進歩だろうとは思いますが、なおこの点については、特に農山漁村僻地の結核対策については格段の一つ努力をされるようにお願いをしておきます。
#57
○山本杉君 大へん大ざっぱな質問でございますけれども、今度結核予防法の一部が改正されて、命令入所に今お話の通り五十億もの予算をとっていただいて大へん私どもは喜んでいるわけでございます。十年後こういう調子だったら結核を撲滅することができるであろうというようなことをある方から伺いましたけれども、まあ今御説明によりますと、二百五十七万人もまだ登録患者があるというようなわけでございまして、そしてまあ話が飛びますが、一般階層よりも要保護階層の罹病率が一三%も高いというような説明を伺っておるわけでございますけれども、そしてさらに受診外にいる日本の人たちがこれは五千三百万人もあるわけですが、その中に潜在患者というような、まだ発見されない患者というのがどのぐらいあるものでございましょうか、一般階層の中で。これに対して厚生省は今のような改正の面からいってはたして十年後にすっかり撲滅できるものかどうか、どういうお見通しをお持ちでございますか、それを伺いたいと思います。
#58
○政府委員(尾村偉久君) この全国民の中の推定患者、これは実態調査の結果は、三十三年現在におきまして三百四万、これが要医療患者、ただし、そのうちの要入院患者は八十六万という推計でございます。ただし、これは患者の推計でございまして、全部どこのだれかということはつかんでおらぬわけでございます。あくまでサンプル調査を、大体百分の一の任意抽出地域を精細にやりましてそれを人口に広げた数でございます。それに対しましてこれに対比できますのがただいま申し上げましたような登録患者でございます。これが百五十五万というのがことしの九月現在でどこのだれということがつかめるという数でございます。従って、その差である約百五十万という者が今のように行政的にも、また、医療機関でもつかめておらない要医療患者がある、もっともこのうちの要入院患者の八十六万人のうちつかめる患者というのは、ただいまの資料でもおわかりのように、要入院というのは、すなわちこの中の感染性とか活動性の中で進行中のものとかこういうものにわたるわけで、これの把握率は全体よりは高いわけでございます。いわゆる自覚率も高うございますからそれは高いわけでございますが、なおかつ、しかし、全国の中にはそれだけの、本人も自覚しない、また、つかむチャンスがないままにということでございます。これは完全な健康診断を一斉に行なう以外にひっかかりどころはまずない。従って、先ほど申し上げましたやはり一般の集団検診等の健康診断をより多数に行なう、今まで全然見てもらおうともしないし、見てもらわなかったものが、一回でもやりますと、そこからある数が発見される、これを強化する以外に潜在患者を発見する方法がない。これはPRとか先ほどからの検診手段、これを非常に便利にして、受けやすくする、これでいかざるを得ない、こう思っているわけでございます。その場合に、今後こういうような潜在患者を残したままという前提で患者がどの程度に減るかということでございますが、現在より悪い状況で昭和二十八年とそれから三十三年の間におきまして、入院患者に関する限り、百三十四万が八十六万にこの五年間のいろいろな方法によりまして減少したわけであります。ただし、要医療患者全部、すなわち入院を除いたその他の患者については減らない、減っておらない、三百万と大体固定しているわけでございます。従いまして、入院患者の方は今まででもそうでございましたから、今度のようなこういうふうな措置をいたしますと、死亡率自身は非常に減少しているわけでございます、年々三万程度になりましたので。従って、これはかなり改善が一そうされるというわけでございます。その他の要医療患者につきましてはどこまで減るかということは非常にむずかしいのでございます。次々と年々こういう新発生がございます。これを押えることによっていくわけでございます。ちょっと十年後に幾らになる、五年後にもう結核の要医療患者が半分になるとか、三分の一になるとか言いたいところなんでございますけれども、これはほんとうの正しい基礎はないわけでございまして、やはり今後の今の検診の進め方その他によって総合結果としてこれは言えるわけでございます。これは危険だと思います。要入院患者は今までの実績がございますから、これは相当なスピードで減らし得る、こう考えているわけでございます。
#59
○委員長(吉武恵市君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#61
○山本杉君 ただいまの御説明で、また徳永さんがさつき希望として述べられたのでございますけれども、山間僻地にはまだ相当に全然手のつかないような患者がいるはずだというようなお話でございましたが、厚生省として全国に実態調査をなさるときに、ある指定地区をきめてされていらっしゃるような御説明でございますが、全居住者がみんな登録ということになりませんが、役場に戸籍を持っているような形でレントゲン写真があるとか、あるいは今までの経過をずっと掌握されているとかというようなそういうようなモデル地区はおありでございましょうか。
#62
○政府委員(尾村偉久君) 大体今まで全国の二分の一の保健所がいわゆるモデル推進地区といたしまして特別な補助もいたしましてここ二年間やってきたわけでございます。ここにおきましては、健康診断も必ずその目標を地区内におきまして五〇%以上は必ずやるというのを最初からの目標にいたしております。従って、一年目に五〇%のものは二年目には七〇%、八〇%多数出ております。そういうところではもちろん間接撮影フイルムは保存してありますので、受けた全住民の記録はここで残っているわけでございます。そのうちから病状のあるものが登録患者として登録票にも整備される、こういう形になる、従って、今年の九月までに全保健所施設を終わりますと、少なくとも検診を、毎年の検診は四千万人でございますけれども、二年前、一年前に受けた者が今年は受けないけれども、過去の記録があるというものを、これを実数的にやりますとこれはずっと多くなるわけでございます。その意味でも保健所における登録票を中心とする検診の記録整備ということで非常に内容が明確になっているわけでございます。こう思っているわけでございます。従って、今度は全保健所が今の推進保健所にことし中になる、こういうことでございます。
#63
○山本杉君 さっき尾村局長の御説明の中に、地域の住民がこぞって受診するためには地域の衛生組織を作って受け入れ態勢を完備しなければいけないというお話がございましたが、その受け入れ態勢を作りますためには、どうしても結核に対する教育というものが必要だと思うのですけれども、どうも結核予防会ができまして以来今日までこの点はまだまだ私は手ぬるいと思う節がたくさんにございます。
 それからまた、その衛生組織というような面で、もう少し私は婦人会などしっかり把握すれば、家庭にいる主婦やあるいは組織化された職場などにいない人たちの受診というものをもっとしっかりできるのじゃないかと思いますが、その点一つお伺いしたいと思います。
#64
○政府委員(尾村偉久君) 確かに先ほどから委員の先生方から御指摘がございますように、特にいなかになりますと一そう悪い、いなかの山間僻地の山奥で手が出なくて悪いのと同時に都会がまた悪い。大都会の中での受診率が非常に悪いということでございます。大都会の場合の受診率は知識があながちないよりは、むしろいろいろなことがありまして、お上のやるああいうふうな呼び集められて出頭させられてやるのなんかいやだというような感じの場合が非常に多い。これに対しては別な意味で結核の知識啓蒙というよりも、恥かしがらずにお互いに出るという意味で、こういうことは組織がまた必要だ。それからいなかの方は家庭から離れられないとか、野らが忙しくて、出ていくことが具体的に出られないことが多い、それはそういう意味で手助けをして、かわって交代で出るとか、そういうような意味で地区組織は必要でございます。長野県などは現在結核予防婦人会が相当組織されまして、結核専門に活動をやっておりますが、これは諸地区にございますが、全国的に結核と銘打ってこれだけの組織を作ることは無理だ。全国に地区組織ができなければ、蚊とハエの駆除を中心として環境衛生地区の組織、これが蚊とハエの予防も軌道に乗っておって、あとは機械的に毎年駆除という作業をやるという場合に、この組織を解体しないでやる、こういうような結核の衛生対策の方の活動に事業内容をかえていく、こういうような形が一番実態に合って進むようでございます。そういうような意味で公衆衛生に関連のあること、さらに社会福祉、全社協の末端機関が相当あるわけでございます。こういうものの活動内容をこの結核対策の組織活動に切りかわってもらってこれをやってもらう、こういう形で進めていったらと思います。それを今打ち出して進めております。まだ実績は十分にはいっておりませんが、これはぜひ必要だ、こう思っております。
#65
○山本杉君 これはあれですけれども、とにかくまだ相談なんかに出て参ります内容の中に、結核を遺伝病だと思っておる相談がまだたくさんございます。そういう点から考えてみてもまだまだその啓蒙が足らないと思いますから、どうかその点一つ婦人を対象にお進めになるようにお考えいただきたいと思います。
 最後に、結核の専門的な質問でちょっと恐縮なんでございますけれども、ツベルクリン反応の判定でございますけれども、あれは、やはりもとのままの規定でやっていらっしゃるのでしょうか。相当これには私は疑問を持っておりますが。
#66
○政府委員(尾村偉久君) これは結核予防審議会に、三年間になりますが、長いことかかりまして、専門家が幾人か分担して、判定基準を再検討してもらっております。一番問題になる擬陽性の判定をどうするかという問題でございます。先生のおっしゃるのはいつのあれか、私もちょっと、どれかと思いますけれども、現在のところは、三年ほど前にそこで承認を得ました線で今一律にやっており、あまり最近はそれほど疑問は出ていないと存じております。しかし、これはまだBCGによる陽転と自然感染陽転の問題が、最近BCGの接種率が高まって参りましたので、この問題をある程度解明をいたしませんと、非常に能率が悪いということでございます。その点はまだ結論を得ておりません。いい手段方法もまだ見つけられておらないので、今後の問題だと思っております。
#67
○山本杉君 なぜこういうことを私が御質問したかといいますと、最近小学校の生徒で、学校の先生がこれは陽性だと言ったとか、陰性だと言ったとか、お医者さんが判定したのかと言ったらそうじゃないというのです。それではちょっと私は困ったものだと思ったものですから伺ったのです。
#68
○政府委員(尾村偉久君) これはもう、もし、しろうとでこれを判定をしてしまって、それで決定してしまって、それによってもし陰性であるべきものがわずかな皮膚のちょっとした反応で陽性であるからというので安心しておりますと、大へんなことが起こりますから、もう陽性だから大丈夫だと言ったりあるいは陰性であるべきが陽性として体操を休ませたりしますと、これは問題でございますので、この点は正規に定められました学校医なりあるいは保健所の医師なりということで、これは医師がやる。少なくとも保健婦が、医師の監督下でやる。定められた監督下でやる。そういうふうにいたしたいと思います。そういうことのないように、これは学校でございますので、教育委員会の方のもし方針がそうなっているといけませんから、文部省とも十分連絡をとりたいと思います。
#69
○委員長(吉武恵市君) 午後は一時半から再開することにして、暫時休憩をいたします。午後零時三十七分休憩
   ――――・――――
#70
○委員長(吉武恵市君) 午後は一時半から再開することにして、暫時休憩をいたします。午後零時三十七分休憩
   午後二時一分開会
#71
○委員長(吉武恵市君) それでは、午前に引き続き会議を開きます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#72
○藤田藤太郎君 午前中私は三十五条の関係を少し申し上げておったんですが、ちょっと調べてみると、尾村さん、もっと内容を私は言ってほしいと思うんです。三十七条の二項との関係ですね。私の調べたものでは、たとえば月三万円の基準のところでは、これは標準家族だと思うんですが、生活費が一万二千円、医療費が一万八千円、合計三万円という計算になっておる。これは、一万二千円であと四人生活せいということですか、どういうことですか。どういう意味ですか。これはよくわからぬ。
#73
○政府委員(尾村偉久君) 別にそういう線できめたわけではこの予防法に関してはないんでございますが、一つのもし将来引く場合の参考になるいろいろなよりどころを探しますと、現在の生保の一部負担がかかっておるものはどういう工合にかかっているかといいますと、東京で五人世帯のものが、一万二千円は生活扶助費としてこれは控除される。それからさらに、それから上の場合には、平均いたしまして一万七千円ないし一万八千円入院結核医療費がかかるわけでございます、一人入院いたしますと、そういたしますと、その部分につきましては、ほんとは生活の最低を食べたほかにそれだけの収入がないと、まるまる自分で負担しては入院できないわけでございます。従いまして、その一万二千円をこえる部分について生活保護費の単給患者として五割かけたりあるいは三割かけたり、そこから上の収入の部分との差を生活保護法の方で見ているのが現状でございます。これがいわゆる一部負担患者になっておるわけでございます。その場合に、一万二千円から上に全部かけているかといいますと、実際の運用としては、大体五割、すなわち一万六千円から七千円ぐらいのところまでは単給はする。生活扶助はいたしませんが、入院の単給はするということで、そこから上の収入がありますと、その部分だけを一部負担としてかけておる、これが実情でございます。そこで、せっかく今度やる場合に、少なくとも生保の患者をこちらが引き取る場合に、今のまるまる入院費をこれで見ようということになりますと、生活費である一万二千円プラス一万八千円で大体三万円の収入までは、生活保護ならば何千円かそのうちから払わされておったものを、払わさぬ線にしよう、こういうことなんでございます。従って、従来の生活保護の一部負担である三万四千人というものは、相当な巨額な自己負担を今やっておるわけでございますが、これが前提としてまるまるただになるというような線がまず最低が考えられる。こういうことで、先ほどちょっと三万円と口をすべらしたような形になりましたが、まず、それが最低の線として想定せられる。それから上をどこまで伸ばすかと。そういたしますと、こういうことになるわけでございます。生活費に必要な一万二千円はもちろんそれで確保される。それから一万八千円、これは最低生活費プラス自分で使えるわけです。患者が出ますと、一万八千円はこっちで見ますから、三万円は逆にまるまる使えるようになる。従来は一部負担さえかかっておった。それから、本人は御飯を食べなくなります、入院してしまいますから。にもかかわらず、逆にまるまる見ますと、従来と比べますと、結果においては収入増みたいな形になる。ただし、それが世帯主で勤労者である場合には、従来三万円であった場合には、働けなくなれば当然落ちますから、それはまたそれに応じた算定に当然すべきでありますが、もし自営業等で家族ぐるみみんなで営業しておって三万円であったという場合に、その家族が一人入れば、結果的には本人の御飯代は助かる。しかし、それは雑費その他でどうせ要るようになるから、だから最低限度そこらまでの線は見なきゃいかぬということでございます。その上の問題は、まあこれから妥当な線を見ていかなきゃいかぬと、こういうようなつもりでございます。
#74
○藤田藤太郎君 私の午前中心配していたのはそこなんですよ。生活保護法の――東京でしょう、五人世帯一万二千円、まあ四人世帯ですね、という生活を基準にして、医療費がこれだけ公費で見るやつがかかります。合わせて三万円だと。ここはそういうことでいいでしょう。たとえば国保や健保やその他の閣係の方々もこれで見るというんだから、それは保護基準が上がらぬ限りはやむを得ないと私は思うんです。しかし、勤労をして収入を得て、命令入所ということになった人が、この基準だから生活保護法の生活水準に押えてあと取っていくということでは大へんだ、それを言っているわけです。国でも五人標準家族三万円までは免税でしょう、今年から。だから、その三万円というものが免税措置等を取られておる中で、生活保護費は一万二千円ぐらいですね。それだけの幅が非常にたくさんあるわけですけれども、これは基準を上げなきゃ仕方がないけれども、生活保護法からちょっと上がった三万円かそこらあたりのところに入院をさせない患者をかかえているというのが現実じゃないかと私は思う。そういうところにせっかく生活意欲を持って働いている人に、この上比率で、今おっしゃった一万七千円以上は五割とか何とかいうお話がありましたが、そういうふうに機械的に取っていったら、世帯そのものがつぶれてしまいますよ。だから、そこのところあたりは、私はもう午前中言うたから午後は言うまいと思ったけれども、こういう表を見ましたから、これは大へんだと。だから、やっぱしそこのところは、政令でお出しになるのでしょうから、政令の内容は一つ当委員会へお示しになって少しわれわれの意見も入れておいてもらわないと、せっかく働いて生活保護から脱して勤労して生活していこうという意欲が、この基準を機械的にものさしを当てられていったら、私は生活保護にみんな追いやってしまうのじゃないかという気がするわけです。
 それから、九五%は国費で見る患者負担は五%だけだとおっしゃったわけです。ところが、問題は、先ほどのお話のように、この三ページの肺結核が要入院患者が八十四万おる。それから五ページに入りまして実際の感染性のある、活動性のあるものをずっと、ざっとやってみると、未確定の部分が三十五万、それから確定のものが二十四万ということになるわけですね。その中で入院患者が、未確定の分が三万と推定し、それから確定の分が十万人と推定されているわけです。総ベッド数二十五万の中に二十一万と、それだけの結核患者が入っている、こういうことになっている。あと残るたとえば確定の十一万と二万ですから十三万。それから未確定の六万と十五万、不明が十一万というような格好で、未確定の要素が非常に多いということ、これはどこにあるかというと、私は生活保護法じゃなくて、その上のクラスにあるんじゃないか、ボーダー・ラインからちょっと上がったか、ボーダー・ラインというところに、入院さしては家族が食っていけないというので、自然残念ながら衰えるのを待つという私は状態におられるんじゃないか、お気の毒な状態じゃないかと私は思うのです。それは、住居その他の環境衛生の面からもきてなかなかなおらないという、非常に気の毒なところにおられるのがこういうことになっている。だから届出をしてどうこうするという意欲すらもうない人じゃないか、未確定の分は。だからそういうたくさんの患者をかかえながら、今度の処置で強制入所が五万四千だけはことしやろうということで、意欲的には、来年はどうやられるか知らないけれども、倍加していく、何割増ししていくという予算措置が講ぜられるものと、思想としてはそう思う。しかし、実際の八十四万の要入院の中で、今やろうというのが大体十五万、ほかに五万四千というと、まあ大体二十万ですね。あとの六十万くらいは結局まだ手が尽くせないという状態にあるのじゃないかということ。そこの関係と、先ほどの関係が非常に密接な関係が出てくるわけです。施策としては、私は非常にこれだけを見るとけっこうだと私どもは思っている。だからこれだけを見て反対とか何とかいうのじゃないんですが、しかし、それじゃ保護が受けられるからということで、府県もできるだけやろうと意欲が燃えてきたところで、結局財源がない、財源がなければいいかげんなところになってしまうということなのか。もう一つ、知事が積極的にこの方策をやって、できるだけ感染するようなものを防ぐために入所をさせようとするため、財源がないために、結局三十五条の二項でびしびし取り上げて、結核の患者だけにピントを合わせて強力にやることによって、他の人まで結核を受けるような、病弱者とか、何というんですか、身体の健康が維持できないような栄養状態にあるような方々も、また反対にそこに追いやっていくという危険が私はあるという心配をこの件についてはしているわけです。その点は私は十分に配慮してもらわないと、せっかくおやりになったことが、一面そろばん勘定の上では合いますけれども、しかし、実質的には合わない結果が生まれやせぬかという心配をしているわけでして、そこらあたりはやっぱりあなたのこれからきめていくんだという要素の中に、一ぺんに各県全部やれなければ、私はそんなことを言って怒られるかもしれませんけれども、集中的に何かやる手がないかなという気がするんですが、そうでしょう。だからそこらあたりを十分に一つ考えてもらいたいということを強く私は申し上げたいのです。
#75
○政府委員(尾村偉久君) 確かに藤田委員のお話の通り、これは純粋の公衆衛生対策のほかに、公衆衛生対策を進める背景になっております、いわゆる所得の不十分なために受けたい治療を受けたくても受けられない。その結果として本人も不幸でありますし、周辺にも衛生上非常な迷惑を及ぼす。ここに重点を入れましてやろうということでございますので、従って、お話の通り、一番対象になりますのが、ほかに法規上一部負担をどうしてもかけられてしまうというようなボーダー・ライン層、これ負担しないで済むようにというようにするのが一番の大事なことだろうと、われわれも今度の法律の施行にあたりまして、その点を十分注意いたしまして、従って、今度も法律の中に、今の命令入所をかける対象をあまりしぼったりなんかしませんで、この点に触れなかったわけです。むしろ、むろん財政の問題も府県と国と両方ございますが、これらもありますけれども、できるだけ必要なものは拡大していきたい。その意味で、動かし得る政令以下でむしろその条件をきめていく、こういうような了解で、予算もそれから今度の法律の策定にも関係当局とは当たったわけでございまして、さような意味で、将来もその点ではできるだけときに応じてやっていく、こういうようなつもりでおります。
 それからもう一つは、今の数との問題でございまして、確かに八十六万、つかんでおればいいのでございますが、先ほど申しましたように、推計数でございます。このうち、つかんでおりますのは約半数、この表にある通りでございます。これだけは要入院患者がつかめる、こういうことでございますので、一つには潜在患者、だれもが知らない、本人も知っておらないと思われる、これを確認する施策がどうしても必要だ。それによりまして患者はまたふえるわけです。そうなりますと、当然一応算定したこの五万四千では足らなくなる、こう思われますので、そのときにも新たに今度潜在しておった患者が、低所得の方がより率が多いか、案外上の方が多いか、これは発見してみなければわからない。それで模様も変わってくる。それに応じてまたこの対象の線を引く部分も十分実情に合ったように変えていく、こういうようなつもりでおりますが、もちろん政令でいよいよこの法律が通りまして策定する場合には、こちらにもぜひともお目にかけたい。ただ、今のところ話し合っておりますのは、政令でさえあまりこまかいことは書かぬ方がいい。政令では大蔵大臣並びに自治省大臣と協議をするというようなことに書いておいて、さらにその所得税を納め得ない者は公費全額だというようなことは、むしろ各省との間の協議の線、すなわち厚生大臣の告示なりそういうような線でやった方が一そういつでも実情に合ったように変えられるのじゃないか、こういうような今折衝をいたしております。たぶんそういうふうに、ぜひ実現したいと、こう思っておりますので、御了承お願いしたいと思います。
#76
○藤田藤太郎君 そこでもう一つお願いしておきたいことは、さっき二つの段階があると言いました。予算で縛られてもう消極的になる、それからそうじゃなしに、公共福祉の立場から積極的にやろうという、知事の立場も二つある。二つあった場合の問題があるわけです。そういう場合を私は想像できると思いますから、やはり潜在化しているやつを顕在化していくということも必要でありましょう。それからやはり処置としても、ここでこういう議論をして、何とかできるだけやっていこうというのだから、いつでも変えられるという行政のうま味が下まで続けばいいのだけれども、地方にいる人は、もう基準になるものがないから、ちょっとして出た者があると、もうきびしゅうやろうときびしゅうなくともそれをものさしにしなければできないという、また、個人の個々の判断で自由にやれるようなことになれば、二つの要素をどうするかという、たとえば後段の要素を知事がとるとしたならば、やはりできるだけその予算措置の中に入れようとすればまた財源上の問題が出てくるということになりますから、そこらあたりの問題はいつでも変えられるという理屈が合うかどうか知りませんが、私はこの前も申し上げたように、水害のときの基準の問題で、実際水害を受けた人たちは一つも救われていない。ここではりっぱなことをちゃんと約束しておきながら、してないという例をこの前委員会で私は申し上げたと思うのです。そういうことのないように、一つぜひ特別の配慮をしておいていただきたいということなんです。
 それからもう一つここでお聞きしておきたいのは、組合健保とか共済健保では、籍のある人はおそらく――健康保険で期限が切れてしまうというようなことになれば、これは別ですけれども、ほとんどこれに適用する必要はないのじゃないかという気がするのです。ただしかし、健保と国保の財源が、これをやってどれだけプラスになるのかどうか、予算上の、そこらあたりをちょっと聞かしていただきたい。
#77
○政府委員(尾村偉久君) 健保の方の場合には、被保険者本人は現在でも全額その保険で見ておられますので、これは今度の命令ではなるべく出さない、というのは別にプラスの線がありませんから、そちらの自由にできるわけであります。なるべくこの財源は、それ以外の一部負担にかかるものにまるまる使いたい、こういうことでございます。従って、今度の場合には五割でございますから、これを振りかえる面があるわけであります。それで今この保険の方と私の方とで独自に、別々に算定してしまいますと、今度私の方では従来の命令入所に伴ういろいろな治療内容その他からの実績から算定する場合と、それから保険が一般の結核医療として算定する場合と少し単価が狂うわけでございますが、しかし、やはりこれは私の方と合わせましてそれで計算したところによりますと、保険財政のこの十月からの半年分の軽減高、これが国保の場合に約五億、それから政府管掌で七千八百万円、組合健保で四千百九十万、日雇健保が七百五十一万、船員保険が百六十五万、合計いたしますと六億三千八百五十万、端数はちょっと正確に言いませんでしたが、千円単位でございますから。ほぼ六億三千八百万円が保険の方では倹約になる、こちらの方では約四十六億七千万円の後半期の国費の所要額として、このほかに二割保険の実額が加わりますから、合わせますとこの事業費は約六十億近くになるわけでございます。こちらの予算で組みましたのは国費分だけでございます。ところが、健康保険の方は別に公共団体と国という関係でなく、保険が全額でございますから、従って、それがすぐ右左になるわけでなくて、国費にはね返る分はこれの十分の八ということでございます。残りの十分の二は府県の方の負担になる、こういう差はございますけれども、そういうようなからみ合いになっております。
#78
○藤田藤太郎君 そうすると、これによってたとえば政府管掌の健康保険の財源がよくなるというような数字は出てきませんね。
#79
○政府委員(尾村偉久君) これはこれだけ七千八百万円ほど要らなくなるわけであります。従来政府管掌で、国の方で今度発動する対象患者を、管掌で見ておったであろうという額はこれだけでございますが、これは国の方で引き取りますと、これだけ倹約になる、こういうことでございます。
#80
○藤田藤太郎君 それから死亡の表のところに出ておりましたね、何ページでしたかね……。ここで死亡の率が出ておりますけれども、三十年は五二・三%、三十四年が三五・四%という数字が出ているのですね、これは元の数字は何なんですかね、結核の三百万という数字になるのか、どういうことになるのですか。
#81
○政府委員(尾村偉久君) これは国民の人口十万に対して五二・三人その年間に死んだという、いわゆる人口十万対死亡率であります。これは国際的にこういう死亡率を、全部そういうように計算することになっております。従って、今の三百四万とかそういうような結核患者数とは一応直接の関係ございません。国民の中からその年間に結核で死亡した者、その率でございます。それからあわせまして、その上にございますのが、日本全体で一年間に死亡しましたこれは実数でございます。三十年四万六千人というのが実数でございます。
#82
○藤田藤太郎君 ちょっと速記をとめて下さい。
#83
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#84
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#85
○藤田藤太郎君 そこで、そうすると、この比率は非常に低くなっておるということですが、低くなって三十年から三十四年の間でこれだけ低く率がなったということは医学の技術、薬並びに医療方法というものが向上したということになると思うのですね。今の死亡統計を見ますと、結核の順位は低いところにあって、ガンなんかが非常に高くなっておる、こういうことになっておる。これを厚生省のあなたの局ではどういう工合につかんでおられるか、この死亡率の非常に少くなったやつは。
#86
○政府委員(尾村偉久君) 病気の中で死亡というものがいかなる原因によりましても、最後の帰結は一番不幸なことであります。これが年々減ったということは非常にいいことだと思います。ただ、その減ったなりに、病気の罹患者数、あるいは死亡に至る重症患者数、これも並行して減ってきたなら最もいいわけであります。問題は、結核の現在の死亡数は減りましたけれども、死亡はしないけれども、完全に健康に回復しない。従来一、二年早く死んでおった者がそういうふうに早く死ななくなって四年春五年も、さらに十年持つというような、死なないというだけの延長が相当数あるわけであります。そのために蓄積をする、そして長期在院患者というものは若干ふえておる。従いまして、私どもとしては結核はまだ死亡率の減少が結核の改善を示しておらない、こういう見解でございます。今後は死亡率はますます減らさなければならないと思います。また、そこにございますように、日本は高い方から左の方によっておりますから、これもまだまだ西欧諸国のように死亡率それ自体を減らす活動だけでなく、これと並行して患者それ自体を減らす、あるいは発生させないということが非常に必要である。それも大正から昭和の中ごろにかけまして十万に対する死亡率が最高三百まであったわけです。今の三十五に対して。こういう時期には、死亡はおろか、患者も何も手がつかないくらいの状況であったわけです。今このようないい傾向がきたときに、かなり力を入れて追い打ちをかけるといいますか、患者発生を含めた逓減を、死亡率の低下と並行させることが一番大事な時期だと思います。従いまして、ガンなんかの死亡率が非常に高いことは事実でございます。これも高くていいわけではございませんで、もちろん減らなければなりませんが、結核の死亡率は第七位になっておるということで、力をそれだけ比較して落とすというようなことは全然ない、こういうふうに把握しておるわけであります。
#87
○藤田藤太郎君 そういう病源の治療というつかみ方が今お答えの主点になっておりますが、人間の摂取する栄養素というような問題、それから環境衛生というような清潔の度合い、こういう問題の関係はどうかということなんです、私の聞きたいところは。だから今は生活保護法の水準が少なくて、体力のない人がおられますけれども、厚生省その他の統計を見ますと、戦前は五十才と四八・八才ですが、それが合わせて六十五才になってきたという、平均寿命になってきたという事態は何が起因しておるか、ですから病気に対する抵抗という形で薬も治療も十分必要だが、そういうものが要素になっていないのかどうかということを聞きたいのです。
#88
○政府委員(尾村偉久君) 第一に、平均寿命が過去二十年間ほぼ二十年延びて、人生五十年が今は七十年になったわけでありますが、これの原因につきましては栄養面も関係があります。と言いますのは、一般的に各疾患になりましても死なない、ある程度抵抗があって死に方が少ないという影響がございますが、現在のところ、二十年も平均寿命を延長さした主要原因の一番大きいのは、第一は乳幼児の死亡率の減少でございます。肺炎、それから消化器伝染病、菌によるものが多いわけでございます。これを低下させますと、一才で従来死んでおったものを、二人死んでおったものを一人にしますと、これは平均寿命五十人分を延ばす。平均の五十に対して五十分の一にしてしまう。一人延ばしますから。このいわゆる乳幼児の伝染性疾患を中心とした死亡率の非常な減少、それから青少年の、いわゆる十四、五才から二十才程度の結核死亡率の大激減、この二つが一番国民全体の平均寿命を延ばした。従って、四十五才以上の年令を区切って昔と比べるとあまり延びていない。この部分は昔よりガン、高血圧の死亡率はむしろ高まっておりますから、従って、二十年延びたからといって、現在、生き延びておる四十五才以上の人がそれに比例して延びておるものと思ったら大間違いで、全体をひっくるめて延長したのでございますから、従って、最近のように、ガンや高血圧のような成人病がふえ、青少年の結核や乳幼児の死亡率が減りまして、成人病のものは一向減らないという、いわゆる上の方には改善されておらないということが非常に大事なことでございます。平均寿命の延長には、大事な疾病対策は一向好影響を受けておらないと思われる。もちろん栄養の回復は、ことに老人とか中年以上は別といたしまして、大体三十才までのところは、終戦後がた落ちしまして、死亡率が一ぺん非常に高まったものが最近ぐっと減ったその原因としては、三十才未満の者の栄養の改善というものが非常に影響している。非常によくなっている。しかし、これが成人病の方は、中年以上の者については、それほど栄養の影響というものは、ことに低所得層ですと栄養不良、栄養不足という面の点が少しでも直りますとこれは影響いたしますが、普通の階層以上でありますと、中年以上には必ずしも好影響は与えていないというのが、成人病のうちの高血圧とか循環器機能の疾患、糖尿病等がふえておりますけれども、これは必ずしも栄養状況の改善とは無関係、むしろ場合によりますと、いわゆる金をかけてぜいたくであって、偏食のためにこの病気の因子はかえって悪化しているという点もございます。従って、(藤田藤太郎君「結核の場合を」と述ぶ)……結核の場合には、死亡率の減少には、大いに好影響があるかという点でございますが、入院しておりまして、一方で化学療法がなかった、そこへもってきて、栄養が終戦後非常に悪いために、二年持つものが一年で栄養不足で死んだというものが相当あったわけでございます。これは実績もございます。ところが、最近はやはりこれなどは今言いましたように、全般的には家庭におきましても、病院におきましても、前よりはよくなっておりますから、それは確かに死亡率を低下させる好影響を与えておると思います。
#89
○藤田藤太郎君 どうもしろうとのような質問をして恐縮なんでございますが、私はやはりそういう影響が相当あるのじゃないか。特にそれはガンとか高血圧とか、糖尿病というのは別ですけれども、しかし、結核においてはそういうものが非常に影響しているのではないかという気がする。戦前の当時ですと、いかにして動物性蛋白質を食わすかによって、化学薬や化学治療がないときには、むしろ少々の病源を体力によって克服するというようなことが言われておったのですが、これだけ科学も医学も発達して参りまして、寿命の延びたのも、あなたの話ではどうもそういうお話がありましたけれども、結核に対しては私はそういうことが非常にあるのじゃないか。そういう意味において、スラム街その他のやはり生活保護対象者なんかの生活水準の向上というものが、こういう結核患者の撲滅とはいかないまでも、非常な罹病を防ぐというウエートになるのじゃないかという、私はしろうとながらのとらえ方をしておるのですけれども、あなたの方から言うと、どうもそうでもないようなお話がありましたが、そこらあたりはどうなのか。それは死亡率の問題にも関係するし、罹病率の問題にも関係してきていやしませんかということを尋ねたのですがね。
#90
○政府委員(尾村偉久君) 確かに昔ほどは栄養が結核療法の主体ではなくなって参りましたのは、これは一定の必要量以上はという前提でございまして、これは足らなければ、逆にいい化学療法剤を飲ましても、その効果を発揮しないということで、一定水準以上は必要でございます。ただ、昔ほど、最近は、常人の倍も脂肪療法として脂肪だけを多量に食べさせればいいとか、あるいは肉類等を多量に食べさせればそれで治療の目的は達するというような説は少なくなりまして、必要量は食べさせるが、最近はむしろ、化学療法がそれを上回りましてどんどんきくものでございますから、その点が少し違っておりますが、しかし、最低の必要量はぜひ必要であるということはデータ的にも出ておりまして、同じ程度の患者が在宅で同じ化学療法を受けた場合と、それから入院をいたしまして、一応規格された食料を食べ、それから病院の生活をしながら、同じ化学療法で、同じ量の薬を飲んだ場合と、これは治療期間が入院した場合には短い。同じような回復する線に達するにはやはり入院の方が早いということは、今の栄養がそういうものにあわせて関係いたします。従って、今度の方策でやむなく在宅でやっている者は、これによって治療の道を得るほかに、治療内容も従って同じような薬を飲んでいるよりもはるかに改善される、こういう効果は十分ございますから、従って、栄養も結核治療にはやはり依然として大事なことは間違いないわけでございまして、そうまたわれわれの方もとっております。
#91
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて、
  〔速記中止〕
#92
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#93
○藤田藤太郎君 もう一つお聞きしたいのは、国立療養所や何かで長期療養をされておる方があるわけです。藤原先生からもさっきちょっとお話があったのですが、これは要するに、国が菌が外へ出るという人だけは何とかしてまず防ごうということかもわかりませんけれども、一応そういうところに踏み切ってやっておるわけです。ところが、体力がなくて、長期療養をして菌はようやく外へ出ないようになったけれども、アフター・ケアとか作業療養にも行けないで、長期療養で生活保護という人もあるでしょう、それからその他の保険制度の人もあるでしょう、菌が出るからそういう人を命令入所させるのだということで、菌が外へ出ないということにあまり限界を置き過ぎて、現在体力も何もない人を一応病院からほうり出すということに、命令入所ということに力を入れ過ぎてそういうことになりやせぬかという気がして、私は心配するのですが、それはどうですか。
#94
○政府委員(尾村偉久君) これは確かに、将来運用上一番問題になるわけでございまして、最初は当然菌が出ておるということで命令入所をかけておる。かけたのは、治療をするためにかけたのですから、治療が成功すればするほど、それで菌は出なくなる。そうすると、命令入所をかける一番基礎条件をはずれてしまう。ただし、まだ入院治療が必要だと、こういうことが起こるわけです。ですから、その場合には、先ほども申し上げましたように、ほかの道がある、入院治療を必ず続けられる道があるという方は、それに切りかえてもらうというのが至当でありますけれども、これは被保険者本人、いわゆるほかに道のある人にはなるたけかけないようにしておりますから、従って、実際問題として、あまり移行できる人はないわけです。従って、この命令入所は、法律の建前では、公衆衛生上伝播の危険ということにはなっておりますけれども、その条件で入れたら、あとはいつまで治療するかというのは、むしろ運用上少しワクをはみ出して、入院の必要な間は、一ぺんかけた人はそこまで見ていく。入院が必要でなくなれば――下宿屋がわりにおるというような場合には、これは論外でありますけれども、医学的に入院が必要な場合には、なるたけ転帰までみたいと、そういうようなつもりにしておるのであります。ただ、法の建前にそういうことを明記いたしますと、いわゆる予防法に基づく命令入所という線があいまいになってしまうわけでありますので、形はこういうふうにいたしておりますが、運用上でこれはやっていくと、こういう考えでおりますが、ただその場合に、最後に問題になりますのが、今全国である数おりますが、アフター・ケア施設に当然入る、いわゆる入院治療ではなくて、特殊な施設に収容をして作業を覚えさすとか、それが再び職業に立った場合に再発しないために必要だというグループがある。これをはたして入院命令の公費負担でその先々まで見るかという問題になりますと、これは非常に微妙になりまして、これは現在のほかの医療の場合でも、そういうものは別な施設なりで、職業補導なりコロニーなりを作るというような筋にだんだんなってきております。療養所や病院でやりますのはせいぜい作業療法、ある時間までの作業療法が精一ぱいだ。入院に必要なのは、それもその施設のあるところであって、ないところでただ漫然とかかえておってもこれは無効だ。こういうこともございますので、これはその場その場によりまして、実例を出していく、こういうふうに将来せざるを得ないのではないか。今からこれはいけないとか、こういうようなグループは将来全部見ないとかというのはちょっと無理がある。個々にケースで積み上げていく。こういうような方針でおるわけでございます。
#95
○藤原道子君 そこが問題なところなのよ。そこが一番問題なところです。今現に、強制入院をさせるということができたでしょう、法律で。これがまだでき上がらないうちに、今、現在入院している者に菌が出なくなったのだからといってどんどん追い出しているケースがあるのですよ。それからもう一つ、今言う、ほかに費用の出る人は別としてと、こうおっしゃる。出ない人は見てやる。ところが、今の民法の規定からいっても、扶養義務者というものがあるのですね。今の厚生省のやり方は、さっきあなたが一世帯三万円くらいをめどとしてとおっしゃったけれども、扶養義務者のところへまでこれが伸びていくのですよ。兄弟がこれだけの仕事をしているからここから金を出してもらいなさい。ところが、あなただって、局長自身だって御兄弟が入院している費用まで見てやるということは困難だと思う。ましてや一般の生活者に、これは現在強要している実例がたくさんあるのです。重箱のすみを突っつくようなことをして過酷な取り立てをしておる現状なんでございます。そこで今度強制入院ですか、これをさした場合に、環境衛生の立場からとか何とかといっても、肺病そのものをなおそうというのが目的なんでしょう。菌がなくなったら、ほかの方法ならばほかの方法でやりたい、できないなら、できないときには何とかしてやるということでは私たち納得がいかないのです。ですから、きょうは社会局も来ておりませんし、あるいはまた、医務局も来ておりませんので、そこまで、納得いくまでの御返答は得られないと思うけれども、そういう中で、どうぞして結核をなくそうと思ってあなた方がほんとうに苦労してくれておるのならば、よっぽどしっかりした御決意をいただかなければこの法律は生かされないと思う。菌がなくなったからといってなおったわけではないのですから、少し無理をすればまた出るかもわからぬ。この点に対して、局長の今の御答弁じゃ私どうしても納得いかないのですが、そういう点に対してはどういうように考えていますか。
#96
○政府委員(尾村偉久君) 現在まで退院を強制するとか、今までの生活保護法とか、ほかの三年で切れてしまう各種の社会保険の場合等にそういうことが今までは起こっていたわけでございます。今後も起こるかもわかりません、そちらでは。これはそういう制度の建前がそういうような形になっております。
 そこで今度の法律は、公衆衛生上ということは、公衆衛生の法律なものでございますからそういうことは法文にはうたっておりますけれども、そのための欠陥をできるだけこれで救うために今のような拡大解釈といいますか、運用上はできるだけそういうものが少しでもこれで救われるようにというのが一番のねらいでございますので、われわれの運用方針としては先生のおっしゃる通りの運用方針でいく、こういうことなんでございます。ただ、まあその場合に、これで全部従来の日本の入院結核をこの法律で扱うなら別でございますが、また、そこには一部を扱うようになっておる、この法律で。で、先ほども言いますように、生活保護の併給患者あるいは被保険者本人というのは従来の法でやっていくわけでございますから、その間に、違った制度の間にどうしても今のような運営の差は、これはそれぞれの経過があるものでございますから、起こり得ると思うわけでございます。それをまあできるだけこれで埋めていきたい。そのためにこれを優先にするような今度法律改正をしたわけでございます。従来はあと埋めになっておる。今度はこれに優先してしまうということにしたゆえんは、やはりそういうような欠陥をこれで埋められるだけ埋めていこうという趣旨でございますから、できるだけそういうふうな方針で運営はしていきたい、こう思っておるわけでございます。
#97
○藤原道子君 そこのところ、さっき午前中の御答弁のときに、大体三万円くらいの収入まではということでしたね、一世帯。ところが、今のように菌が出なくなったという場合に、これを切りかえる場合にはやはり世帯単位だけでというわけにいかないのですね、この法律だけでは。ほかの生活保護の場合には同一世帯でなくとも収入のある親戚があればそこから一部負担を取り上げているのですよ。やっぱりこの法律の運用にあたってもこの適用と同じような方法でやはりするものでしょうね。そこが心配なんです。
#98
○政府委員(尾村偉久君) 近くきめたいと思っておりますものには、そういうような従来のにはこだわらずに、しかもこれは厳重なことをやりますと保健所で扱えなくなる。いわゆるミーンズ・テスト式のものは不可能になる。それに全部事務の手を取られてしまいますので、そこでごくあっさりとその世帯のその年度の――まあその年度が骨ならば前年度の所得税を納めておらなかったという証明によってこいつを公費でまず原則としてかける条件にしてしまおう、大体それならば可能だということでやっておりますので、従来よりははるかにこれは拡大もされ、また、非常に手続もいやな思いをしないで済むはずであろう、こう思っております。
#99
○山本杉君 今の御質問に関連してちょっと伺いたいのですが、午前中から、菌がなくなったらば命令入所をさせておく根底がなくなるということを局長はおっしゃった。それからあちらの方の社会党さんの方の御質問は、一たんなくなったものがまた出るかもしれないじゃないか。そのあとが問題なんだと、こう言っていらっしゃる。私どもが医者の立場から考えますのに、そう簡単に菌はなくならなかったのですが、今度は外科手術だとかいろいろな方法が発達いたしまして菌が出なくなったら結核がなおるということになったのでございますが、そこの点をもう少しはっきり御説明を願いたいと思います。
#100
○政府委員(尾村偉久君) 実はこの二十九条がこの入所命令を選ぶ条件になっておるわけでございます。それもあくまで「結核患者がその同居者に結核を伝染させるおそれがある場合」というふうに、非常にこの本人の病状よりも周辺に感染のおそれがあるということにしぼってあるのであります。そこで、そうなりますと、入院中まあ治療が成功して現にそういう可能性がなければ、将来いつ起こるかわからぬものまでほんとうをいいますとこの中に拡張解釈してやるわけにほんとうはいかない。ほんとうをいえば菌が出たときにまた再収容すればいいということになりまして、二十九条の入所命令の考え方そのものからは、再びまた家に帰せば起こるからいかぬということは、真っ向からいきますと出てこない。しかし、今の結核医療の建前からいいますと、菌が出なくなってから一定の要件の治療とそれから訓練といいますか、ある程度の条件を課した上でなお出ないというので初めてまあ安定するわけでございますから、そこまでまあ拡張して考えていきたいと考えておる次第でございます。そういうようなつもりでございます。
#101
○藤田藤太郎君 今、尾村さんの気持はよくわかったわけです。それで、だからこの今の気持が実際の面に現われてきたら、まあ相当いい条件というものが私は生まれてくるじゃないかと、こう思うのです。
 そこでもっと具体的なことを聞きますがね。結局段階としては今これで私たちが考えてみますと、命令入所という問題がまず起きる。菌が出なくなった、しかし、からだが回復していないからまずそこで作業療法という一定の期間を経る。それからもう一つ、設備のある条件がそろえばアフター・ケアへ移っていく。こういう結果になると思うのです。しかし、アフター・ケアの数も少ないし、作業療法の数も少ない。そういう設備のあるところも少ないということになると、藤原さんが言われたようなことで、お前はとにかく出てもらう。また菌が出たら命令入所させますということで、その間の補給は何かというと、結局栄養によって体位を高める以外にないのですよ。体位を高めて抵抗力をつければもう次には菌が出ない。そこで就業の問題に関係をしてくるわけで、だからこれは順番にそういう工合に並べていくと、そういう問題が出てくるわけです。ですから、私はやはりその運営でやるということをやってもらいたいわけなんだが、少なくとも国立ですね、それから公的病院ですね、ここらあたりは私はやはり作業療法の段階の設備ですね、そういう処置を少なくともそこらあたりはすると、そういうことをする。こういうことが私はやはりここで考えなければならぬ問題じゃないかという気がするのです。現実にもう今この法律が通らぬ前に、もう菌が出ていないから一つ今度出てもらいたいというようなことがここにあるということじゃ、今藤原先生がおっしゃったのですが、事実私はそういう法の精神がそういうところに力が入り過ぎて、はしりがそこに現われてきているという、これはまことに私は問題だと思うのです。尾村さん、そこらあたりは、私はやはり作業療法の段階ということで、栄養を含めてそしこアフター・ケアにいくか、その他安易な、軽易な労働につくか、そこらあたりまでのめんどうを私は見てあげてほしいと思うのです。それは全体の数からいって八十四万全部というわけにもいかぬけれども、少なくとも今日入院している人、今後命令入所する人にはそれくらいの処置は講ずるということを私はやってもらわなければ、来年度は予算を拡大してもっと幅を広げて命令入所の人をふやしていただかなければなりませんけれども、少なくとも現在入院している人、それから今度命令入所する人はそれだけの処置は講じなければならぬ。保険で三年たって切れた――その命令入所に力が入り過ぎて、お前は作業療法の設備もないからもう出てもらいましょう。今度また菌が出てきたら入院さしてあげますというようなことになれば、私はこれは大へんだと思うのです。せっかくこれで行政のうまみというものがここへ出てきたんなら――ちょっとでも出てきたのですから、それはやはり生かしてもらわなければこの実効が上がらない、こう思うのです。そこらあたりの、少なくとも公的病院ぐらいまでは、そういう作業療法の段階を作る設備がなければ、似たような指導や処置をそこの医師、医者がする。これくらいのことをやはりやってもらわなければ私はいかぬと思うのですがね。
#102
○政府委員(尾村偉久君) これは実を申しますと、ただいまのお話、この命令入所制度、これは今言いました五万四千となりますと、全国のベッドの中におる四分の一、これは少しふえましても三分の一ぐらいの患者をおおうのだと思います。ほんとうの意味の入院、退院の時期をいつにするかとなりすと、この制度だけじゃだめなんでありまして、いわゆるこの医療保障による入院と、入院を切って在宅、この限界、生保が一番数が多いわけでございます。十万をこしているわけです。この問題と一本の問題になる。この入所命令を出した者だけについては完全な――菌が出なくなったらそれから先のいわゆる今望ましい理想とされておる完全な仕上げまでやる。その他の三分の二を占めておる生保患者、これによらない生保患者、保険患者、自費患者多数あるわけでございますから、これは放置しておくとこれは一番むずかしいかと思います。結局結核の入院医療というものの保障による限界ということでいかなきゃいけませんので、私の方の所管しておりますこの部分だけでやるということはちょっと簡単には、これ非常に申し上げかねる点がございます。やはり併給患者の生保患者が一体それならばどうなるか、家族は偶然これにがかったからこれは保護される。併給の家族はやっぱし従来通り、先ほどから御指摘のあるのは大部分生保じゃないかと思いますが、従来通りで変わらぬというと、これは妙なことになりますし、国保でも同様であろう、やはりこれは今後の日本で空床をかかえておる結核療養所なり結核病院のベッドを保障によって十分に入院期間を与えるという線の改変になるだろうと、そういうような意味では、これは省内全部関係の方であわせてお答えいたしませんと、この部分だけを作業療法までやるということを言いましたところが、これが療養所でやる一部の患者で、並行して、多数の患者が並んでおるわけでございますから、そのような程度で私どもとしては余裕がある限り、ベッドがあり、それから費用も逐次ふえていけば全面的にいろいろな種目で、結核だけでもここ何年聞かにまず先に片づけるということからいえば、そういうこともいいのじゃないかと思っておりますが、しかし、これは私だけで申し上げても結論がつきませんから御了承をお願いしたいと思います。
#103
○山本杉君 ちょっと一言だけなにですが、今入院医療患者の保障の限界ということをおっしゃったのですが、さっきから藤田さんのお話の中に出てくる菌が出なくなった患者のあとの問題がアフター・ケアと、それから栄養の問題、そういうことにあるのだとおっしゃったのですが、菌が出る出ないということと栄養問題とは別個の問題、もとが違うのでございますから、そこのところははっきりさせて議論をしていただかないと、今尾村さんのおっしゃるようにこの問題ちょっと解決つかないのじゃないかと思います。
#104
○政府委員(尾村偉久君) 今山本委員からお話がございましたが、要するに、うちへ帰った場合に非常に栄養状況が悪い家庭、要するに貧乏な家庭、こういうところでやはり一定の水準以下になりますればやはり再発――再発も菌が出る再発もあれば出なくても活動性になる場合もございます。それは確かに栄養問題が大いに関係がある。
 一定水準以上の場合には完全に外科手術で病巣取ってしまったりしましたような場合は、これは違いまして、一般的な抵抗力が弱いということで、全身的な虚弱とか悪化するということは、結核そのものの再発とは関係がない場合もある。そういう意味でちょうど両方の見方であろうと思います。従って、この栄養問題に考えあわせますと、入所命令の発動というものがやはり家庭で医療費だけは納められても、その基本要件として親兄弟が一緒だと、病人だけよく十分食べられないという、基礎条件がそろわぬ者は、やはりこの入院によりましてそちらを埋め合わせないと、この条件が非常にあるのでございます。さような意味で運用したい。この点は確かに医学的に山本先生の言われたこと正しいわけでございますが、さようなふうな運用をしたいと思っております。
#105
○委員長(吉武恵市君) 速記をちょっとやめて下さい。
  〔速記中止〕
#106
○委員長(吉武恵市君) 速記を始め
  て。
#107
○藤田藤太郎君 そこでまあ山本先生の言われることはよくわかるのです。わかるのだけれども、そういう実態に、その日の食べものもないというような状態に追い込んでおけば、からだの衰弱その他で参ってしまう、また、病気が、抵抗力が全然ないものだから。そういう危険があるのじゃないかというふうに私は申し上げたので、それはいいですが、そこでどうなんでしょうかね、今、尾村さんの言われた他の局、他の分野の人と一緒にならなければ返事ができないということは、まことにその通りだと私も思うのだけれども、しかし、そういう解決がつかなければ私は何も永久に病院におって、そして温存さしておいたらいいということを申し上げておるわけじゃなくて、少なくとも作業療法を終わってアフター・ケアとか他の軽職につくような状態にまで今入院をしておる人をおいてやらないと、今命令入所の問題が出てきたから、命令入所の五万四千人はあとまでめんどうを見るけれども、その他のことはこれから相談をしていい方向にやっていかなければならぬけれども、現実そこいらあたりで今のお話で区切りをつけておきますと、たくさんの人がこれの法律が通って実施されて、たくさんの人が追い出される、生活手段を持たない人がね、そういう私は心配をしておるわけです。今日もちょいちょいそういうはしりが次々とあちこちに出てきておるわけです。至急にこれは一つ相談をしていただいて、あなたの言われる運用のうま味といいますか、このうま味で今入院をしておる人の永久にめんどうを見ろということは言いませんが、少なくとも軽職、軽位な仕事につける、アフター・ケアの段階を経て転職につけるというようなところまで今入院をしておる人についての処置を私は大臣がおいでになりませんから、あなたに宿題を一つ託しておきますから、至急に一つ研究をしていただいて処置をしてほしいということだけをお願いをしておきます。
#108
○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#110
○藤原道子君 私は、局長の権限で御答弁の願える点だけを御質問申し上げます。私は、入所命令にしても何にしても、やはり結核を撲滅するということが前提になっておると思うのです。これは大前提だと思います。死亡率減った、減ったというけれども、ベスト・テンに入っておるのですよ。あまり名誉じゃないと思うのですよ。それで、それが前提にあるならば、やはり菌が出る、出ないにかかわらず、やはり安心のいくまでは見てやるということでなければ意味をなさないと思いますので、この点は十分一つお考えになって、各省間でも、各局間ですか、連絡をとって、がっちりした結核対策をしてもらいたいということを御要望申し上げておきます。
 それから午前中のほかの委員の御質問にございましたけれども、まあ僻地とか何とかいうところにずいぶん医療が回らないというところがございますね。今度これでいくと、ずいぶん保健所の任務が重くなってくるわけですね。そこで保健所の機能の実情というか、実態というか、これをちょっと伺いたい。
#111
○政府委員(尾村偉久君) 保健所のまず職員の問題でございますが、これが現在二万一千人おるわけでございます。今回この精神と、それから結核の強化につきまして二百七十二名増員をする、この関連で予算が通過いたしております。まだ不足でございますけれども、この実情と、それからあわせて先ほどから申し上げましたように、一番大事なのはやはり機動力を持たすという意味でレントゲン自動車を年々六十台ずつ国の国費補助並びに競輪のあっせん、これはまるまる支給でございますが、これで合わせて六十台ずつ全国に増配を毎年つけ加えておるわけでございます。これによっても相当置きかえられる点もあるかと思いますが、しかし、全般としての保健所の仕事量を、これはいろんな測定の仕方がございますが、結核にさいておりますのは約二五%、四分の一の事業量をあげて大体結核に使うということ、そこで今われわれ保健所に課されておりますかなり義務的の負担になりますのが監視業務、環境衛生の事業等がございます。これの方に結局しわ寄せが行っておるわけであります。まあ食中毒とか、ああいうのが起こりますと、どうもおしかりをこうむるわけでございます。確かにこれは政令で規定しております食品営業者だけでも戸数十件あるわけでございますが、これに対して大体二割程度しか規定の巡回監視はできないと、こういう実情で、むしろ保健所の事業の中ではまだ結核や何かの方が必要な事業量の遂行率はごくいい方です。そういうふうに片寄っております。従いまして、保健所全体としては確かに不足なことは間違いないのです。しかし、これはいずれも大事な仕事でございますから、これをあげるためには、第一には中心になる専門家の獲得ということが第一です。ところが、今もう医師の保健所に月給もらって専門で従事するという人を得ることはほとんど不可能に近いのでございます。根本的に画期的な大きな待遇改善でも行なわれれば別でございますが、これは公務員としてですから限度がある。そこでことしは今度の計画にはだいぶ入れてありますが、保健所でパート・タイムのそういう専門の職員を相当数委嘱をしまして、いわゆる日当払いという形でレントゲン自動車にも可能な範囲、たとえば一週の一日とか二日の契約で乗ってもらう、専門家に。こういう形で母子衛生その他も全部そういう形で、クリニックの関係は大体そういう形で増強しよう。それで人件費、予算では人員は先ほど言ったように二百七十二名でございますが、いわゆる雇い上げ費というのを非常に増加した、補足的ではございますが、さしあたり今度の対策としては。それと今言いました機械化、機動化と、こういう方面でできるだけカバーしていこう、こういう計画でございます。
#112
○藤原道子君 今のお医者さんと保健婦さんの充足率はどの程度でございますか。
#113
○政府委員(尾村偉久君) これは一昨年保健所機能別によりまして四型に画期的な分類の仕方をしたわけです。農村型と都市型と、あの新しい新定員によりますと、医師が歯科医師を入れまして二千名でございますが、これは充足率は約五〇%でございます。専任でかかえなければいけないという数からいいますと約五〇%、それから保健婦が約六〇%、八千名かかえるべきところが今五千名ということでございます。これはただいま申し上げましたように、非常に現実の専門家が得られない。これは府県も決して予算を組まぬわけではなくて、いつでもありさえすれば組むという建前で、補助予算も実績に応じて大蔵省もこれは組んでくれるわけです。ただ、現実に得られない。せいぜい年に両者を通じまして百人そこそこしか純増がない。やめていく者が多いもんですから、二百人ふえても必ず百人はやめてしまう、こういうような実情であります。
#114
○藤原道子君 やめていく原因はどこにあるのですか。
#115
○政府委員(尾村偉久君) 医師、歯科医師の場合には、これはもう一定の年数が来て、子供の教育に金がかかり出しますと、自分の同級生等の民間におる一般の人と比べて非常に悪い。それでとてもやっていけぬという形で都会に移るという問題もございますけれども、そういうような事情でやめる方が多い。それからもう一つは先の楽しみがない。保健所におりましても保健所長に何人かに一人がなれる。そこから先保健所で二十年、三十年いてもそれは恩給をもらうだけがプラスであって、あと腕も何もなくなってしまって時期を失する、今の間に開業の場所を占めるなり、あるいはずっと上がっていける病院の位置を占めるなりという不安感もありまして、そういうような関係でやめていく人が多い。それからごく若い人では、今までは学位制度の問題がありまして、保健所へ最初は金がないので一時来ますけれども、あと一定の日がたちますと、学位をとるために教室に帰るには保健所にいたのでは学位がとれないということで、昨年まではかなりの退職者がいる。保健婦さんの場合には、幾分多いのは結婚で家庭に入る、いつまでも独身でないということでいくのと、最初からああいう女の方でございますから、あいておるところはいなかの保健所で、都会は割合と充足しておるという、こういうことでございますので非常にいにくい。一たん入りましたのが主として結婚問題が中心でやめるような状態であります。
#116
○藤原道子君 そこで理由はわかったとしても、今後充足するのにはどういう対策を持っておりますか。
#117
○政府委員(尾村偉久君) 結局医師については今の公務員の給与ベース、これがことしから医療職を適用しておりますが、これを全部国家公務員に右へならえするわけでございまして、今度初任給は四年間だけ普通の公務員よりさらに手当がつくようになりました。それから医療職手当そのものが、昨年一二%平均に対して二五%程度上がるような措置が講ぜられた。これはやはりある程度他の職種と比べてはよくなった。しかし、これは民間と比べますと物の数ではないのであります。私どもの方では従って給与表とは別個に研究手当というものを保健所だけには出しております。これを従来年間約三万円でありましたのを、ことしは一挙に倍額に引き上げまして六万円にいたしました。従って、月平均五千円は普通の給与ベースのほかに出せる、こういう方法を講じたわけであります。今後もこれをせめて月一万円に早くしたい、こう思っておるわけでございます。ことしもそれで要求したのでございますが、一挙にあまり三倍というのは無理なことでございますから、まあ一応二倍ならばということで五千円は確保したわけでございます。大体医師につきましては、何といいましても給与の問題と、それからあとは子弟の養育の場合に、実質的に都会で預かって安く教育ができるとなりますと、地方に行ってくれる率が多いものですから、これはできるだけそういうような育英宿舎的なもののあっせんをこれはやはり熱心にやらないと、やめる方の足どめにならぬ、こういうようなことをやっていきたいと、こう思っております。もちろん宿舎の建設、これが必要でございます。これは府県でございますので、府県でも相当配慮してやってくれておりますが、これも国でできれば一部は補助を出す、こういう方策を講じておる。それから保健婦さんの問題は、これは非常にむずかしいのでございまして、結局は養成からかからないと絶対数が足りない。次々と若い人を出しませんと結婚してしまって、子供ができた人はなかなか地方でそう働きませんから、これは絶対数が足りないので、これは医務局にお願いしてありますが、保健所にやはり、卒業生の数を、できるだけ施設をふやして、あるいは定員をふやして、増加させていただきたい。そうなりますと基盤になります正看護婦、あれ正看護婦を取ってからでないと保健所に入れませんから、そこでやはり需給を考えていきたい、これお願いしております。
#118
○横山フク君 私、この間あれは児童福祉法の改正でしたか、新生児、三才児あれの提案理由の説明がありましたときに、あなたもそこにおられたのですが、この保健所の充足率、あるいは業務の量、動作量ですね、そういうものに対して資料をほしいとお願いしたのです。だけれどきょう藤原さんの御質問でそういう資料があったならばもっとはっきりわかるのですね。口でお話になっても、前後、横の連関がわからないのですよ。一目瞭然の資料ならばわかるが、そこのところがついていくことができるのですが、きょうまで資料が出ないということはいけないと思うのです。全体で八千人だけれどもそれが五千人であって充足率は六〇%なのだと言うのですが、それから地域的な問題もあります。同時に都会なら充足率はいいと言うが、都会は充足率悪いのですよ。そういう資料もいただくとはっきりわかる。そういう資料を出すべきものをお出しにならないで、質問という形で断片的な答弁になると全体がわかりませんから、これは資料早急に出していただきたい。それが一つ。それからどのくらいの充足率、結核が二五%、二五%を割るものはどれとどれの量があるか、どのくらいあるか。あるいはパート・タイムにするというが、そのパート・タイムは、それを監督するものはやはり保健所でする、全然民間に移すわけのものではないのですから、そういうものを動作量でいったら幾ら、どれだけの医師にかかるか、あるいは保健所にかかるか、それが資料が出ているはずですから、それを出してくれませんか。出ないと論議できないと思う。
 それからもう一つの、今の藤原委員の御質問に対して、医療職が二五%上がった、二五%上がったと言うけれども、これは数字の偽りです。公務員は一二%、医療職は二五%、研究職が二二%上がったと言うけれども、公務員には八等級あるのです。医療職には八等級ありません。五等級ですから、大学を出ているのですから。ところが、一般行政職の人、一般職の人は八等級、高等学校を出ておる。ですから一等級をずっと横に並べてごらんなさい。率が上がっていない。医療職が上がったということは下がないから平均になっているのであって、下があるはずがない、医者というのは。ですから大学出をずっと並べてごらんなさい・ちっとも上がっていない。行政職の人と同じ率ですよ。二五%上がったというのはそれはうそなんだ。そこのところをもう少し解明して……、私もそこのところでそういう問題が出ると思わないからその資料を持ってこなかったのですが、だから医者がないというのは、二五%上がったから今度は充足できるということはこれはうそだと思う。どうもそこのところを国会答弁では二五%上がりましたから充足できますと言うけれども、そんな医者はない。高等学校出た医者というものはないのですから、七年の学校を出ているのだから、その七年の学校を出た人たちを横に並べてみると、行政職の人と何ら変わっていない。そこのところはうそです。研究職手当の五千円上げる、この五千円を一万円にするということはこれは努力しなければならぬし、すべきだと思いますけれども、それだけでは解決できないと私は思う、今の答弁で。
 それから四年間ということはあれは三年でしょう。三年でもって最初初任給二千円上げて三年でもってスライドするのではないですか。私はそう思っていますよ。それはやっぱり人事課長でなくて局長が御答弁になるのだから、多少それは違うところがあるのは無理ないと思うけれども、あれは三年で二千円を七百円順々に返していく。そうすると三年になりましょう。ところが減らされていくから三年になったときには最初上がった人と変わらなくなる。最初二千円多いでしょう。次に七百円返していくから千四百円多い。その次には七百円だけプラスになる。その次には今度はゼロになりますから、一般の人と、上がったのと同じになってしまうのです。むしろ百円程度下がる形にもなるわけで、最初初任給が二千円多いからということで来て一ぺん入ってしまったのだからということであきらめている人がいるでしょうが、二千円上がったから、初任給が高くなったから、それで医療職の人は解決できたという考えはいけないので、初任給が二千円高かったらずっと高ければいい。順々に並べていく、そこのところに問題があると思う。これは厚生省の問題よりも人事院の問題になると思うという御答弁があったので、ちょっと私違っているように思うし、違ってはいないけれども数字的なマジックのところがあるように思うので、ちょっと申し上げるのですけれども、いずれにいたしましてもあの資料を出していただいて、そうして詰めるべきところは詰めていきたいし、大蔵省にも、詰めていかなければならないところは厚生省だけじゃないので、至急に資料を出していただきたいと思います。
#119
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#120
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#121
○藤原道子君 そこで保健婦さんの問題にしても、お医者さんの問題にしても、あなたが考えているような簡単なことでは充足できないと思う。これは真剣にやる意思があるかどうか疑わざるを得ないような状態なんです。大体が保健婦の場合にしても、あなたがおっしゃる高校を出て看護学校を三年ですよ。それからさらに二年の保健婦として……。
#122
○横山フク君 半年、六カ月ですよ。
#123
○藤原道子君 それだけをやらなければならぬ。それでもって初めて保健婦の資格を得るわけです。それだけの努力に対する正当な待遇でないのです、今の状態は。そこに問題が一つある。それからさらに、結婚してやめていく人があるというのだけれども、保健婦さんたちの場合に、優秀な保健婦さんたちはやたらそうはないのです。だからお産のときの代替、こういうものも府県でプールしておいて、お産のときには休ませる、産前産後の休暇を与える。そうでなければ保健婦の仕事は、机の上の仕事ではなくて、ことに結核の場合なんかは訪問指導をするでしょう。その保健婦さんたちの労苦というものは、とても局長なんかにはわかっていないと思うのです。そうした仕事の上の労苦に対する報いというものが何もないのですよ。それからもう一つ、保健婦さんたちの不満をよく聞くのですけれども、それでも熱意をもって仕事をしたいと思っても、事務的な、つまり保健業務以外の仕事がたくさんある。本来の自分がやらなければならない仕事があと回しになる。こういうことで夢を失っちゃうのです。そういう点もあるのですよ。こういう点に対して保健婦の待遇は根本的に考えなければ私は充足できないと思います。だけれども、あなた方の方ではいつもいやどうだこうだと言っていらっしゃるが、充足しようとする熱意が私はどうかしらと疑わざるを得ない。けれども保健婦がなければ保健所業務というものを推進していくことができない。それで局長は保健婦の充足についてどういう考えを持っていらっしゃるか。ただ、結婚してやめていく人が多いとか、いなかだからどうだとか、保健婦でいなかへ行くのをいやがる人はそうはないですよ、ほんとうに高等学校を出て三年も学校へ行って、半年も勉強して希望に燃えて巣立って行くわけですから。ところがいなかへ行ってみると、自分の夢とはあまりに違うのです。ここに大きな一つの原因があるということを考える。
 時間がないので重ねてもう一つ聞きますが、保健所は人口十万単位に一カ所ですが、発足のときには……。そういうようだった。今はどのくらいな人口を一つの保健所が受け持っているか、この点にも問題があるように思うのであります。
#124
○政府委員(尾村偉久君) 平均いたしますと十一万七千人、一カ所の割合になっております、現在の人口から見まして……。
#125
○藤原道子君 平均でしょう。
#126
○政府委員(尾村偉久君) 全国平均でございます。ところが、今の御指摘のように、たとえば、東京都のような場合でございますと、密集して地域が非常に狭いのでございますが、一カ所で二十万以上を預かっておる保健所が百カ所近くという工合で、それから少ない保健所は十万どころか、三万か四万しか、人口がどんどん減ったところもございますし、それから最初予定しておったところが地域が非常に活動に不便で二カ所に分けたというためにはんぱになりまして、三万、四万の小保健所もございます。さような工合で非常に度数分布が、所管人口の度数分布が非常に雑多になっております。従って、先般分類をいたしまして、さらに中で、一型から五型まで人口の数に応じこの型別をいたしまして、定員の再配分を、既定定員の中で再配分したわけでございますので、全部が合理的じゃございません。それにしても、それに応じたような定員の再配分をやったわけでございます。ただし、これには強制的に職場の転換ということが一挙にはできませんので、従って、現実にいる人に人口が少ないので定員が五名減ったからふえた方へ行けと言うことは不可能です。まず到達目標を示しまして、逐次欠員ができた場合に一方でとる、こういうような無理のないようなことをいたしております。できるだけその中で再配分を考えたわけでございます。
#127
○藤原道子君 保健婦さんたちの充足に対する方針を聞かしてほしいのです。
#128
○政府委員(尾村偉久君) これは何といいましても、今の保健婦さんがおりますのが約五千名が保健所で、府県政令市の公吏である保健婦、それと約同数が国保の保健婦、こういうことになっております。同数です、国保の保健婦は……。また、待遇が、保健所の保健婦の三十四年の平均年収二十万円に対しまして、たしか十四万か三万かであろうと思います、これの単価は……。そこでまずそこらを保健婦全体といたしますと、われわれの方では、国保の保健婦さんも同じ公衆衛生活動で全体の充足を一本で考えておるわけであります。まずこれだけでも今の保健所並みにしてもらいたいということで、われわれの方も協力いたしまして、保険局の方の単価がやや上がりましたが、まだわれわれの方には追っついておらないというような状況でございます。これらをベースを上げていくということがやはり必要であろうとこう思われまして、あとは結局一万人の方を定員はとれるのでございますから、結局こういう、現実に保健所事業あるいは国保の保健施設活動に来てもらう方をふやさなければならぬということでございますので、これはやはり若い人の養成、これを医務局にお願いして、とにかくはかってもらうより手がないわけでございます。絶対の供給量をまずふやしてもらうことが非常に大事なことである。出た者が保健活動にすぐにほかの仕事に並んで働いてもらうために、今の待遇を初め、条件の改善、こういうふうにする必要がある、こう思っておりまして、で、私どもの方では、今の保健所の職員の待遇改善は、ことしは割合と、従来より二万円上がったわけでございますが、しかし、これも私どもの方だけでもうそういう方針は立てているのでございますが、一挙にこれを希望だけんぼんと上げてくれといいましても、実現しないわけでございまして、努力は極力続けるつもりでございます。
 産休は、一昨年療養所や病院が問題になりましたときに、あわせて私の方もこれは研究いたしまして、で、府県に対しましては、産休職員は、産休の場合に、正規に休ませて、必要なものはもちろん、定員が今申し上げましたように余っているわけでございますから、これはむろん使ってよろしい、そうでない場合も保健所の補助費の対象にする、それに使った公費に対してはこういう方針を示しましてこれは実現をしたわけでございます。それを使えるようにいたしております。
#129
○藤原道子君 いずれ私は資料が出てからさらに御質問したいと思いますが、問題は、考えて下さい今年は中学新卒で民間会社では一万幾ら出しておりますよ、中学卒業でも、そういうときにこれだけ教育を受けてきた人が、保健所が平均して二十万円、国保の方が十三万円というのですよ、そんなばかげたことで充足できませんよ今の社会で、これはほんとうに考えて保健所業務が重大であるということを認識していらっしゃるならば、熱意を持ってやっているけれどもできないのだと逃げないで、私たちもそれに対しては御協力申し上げますので、実現方に特段の私は努力を御要望申し上げます。この次の質問にしまして、きょうはこの程度にしておきます。
#130
○竹中恒夫君 関連して局長にお聞きするのですが、今の医師の充足率が全国平均五〇%と承ったけれども、私が調べたのは去年の予算のときだったと思うので、少し古いのですが、山梨県あたりは一六%という数字が当時出てきたことを記憶していて今思い出したわけです。十数カ所の保健所の中で五カ所しか所長である医師がおらないというような状況で山梨県があったわけです。で、なぜ医者が足らないかということは、今局長の御答弁の通りであって、前途に楽しみがない、あるいは子供の教育上非常に困る、刺激がない、臨床経験も医者らしい仕事をしているわけではないので、保健所長という仕事が……だから医者らしい仕事がないので、充足がしにくいという感じを持つわけですが、そこでお聞きしたいのは、修学資金貸与法によって充足率を高めようということで御苦心なさって、二、三年前にあの制度ができました、その効果がどういうことであるかということと、医者に対するそういう修学資金貸与と同じように、保健婦に対してもやはり修学資金の貸与法的な考え方を対策の一つとして取り上げるということが考えられるのじゃないかという点の御意見と、それからもう一つは、保健所長というものが今の法律では医師に限っておるようですが、医者らしくない仕事を仰せつける、所長が医師でなければならぬという法律では、実際において充足はしにくいと思うのであります。なるほど環境衛生、予防医学という見地からいうと、医者でなければならぬということはわかりますが、同時に、そういう知識のある歯科医師、薬剤師というものが――どうしても充足できないというような、いつまでたってもこういう現状がある限りはこれも一つの考え方として、役所あたりでも工科系の人がそういう局長なり、そういう人がそういう仕事をする場合もあるわけであります。一つ法律の改正というところまで抜本的に考えたらどうかという気がするわけです。こうした点についてのお考えを聞きたいわけです。
#131
○政府委員(尾村偉久君) 修学資金による医師、歯科医師の貸与状況、これは毎年八十名採用できるような予算を組んでおります。従って、四年間で三百名ほどこれが常時貸し付けられる形でこれを逐次見ております。卒業生は最初採用が少なかったものでございますから、三べん出まして、最初の卒業生が現在残っておりますのが六割、あとの四割がその金を返してもう転職したということで、本年の卒業生はこれから公衆衛生院の教育を、今度は地方に配置はいたしましたが、受けにきて、三カ月教育を受けていよいよ安定するわけでございますから、これは今全部いるわけです。昨年にはすでに二割金を返して出ております。ところが、これは防衛庁その他の委託学生から比べますとまだいい方であります。われわれの方はまだ最高の残存率を持っているわけであります。これをぜひむだのないように全部残ってもらうように、いろいろな希望を講じてやりたい、今後これを強化していきたい。それから保健婦にもこういうような修学資金の貸与法を講ずるかということになりますと、これは現在のところ考えておらぬわけでございます。これをやりまして、今の医師、歯科医師で八十人ぐらい、こういう形をはたして看護婦の三年間済んでさらに一年保健婦、これをやってほんとうの意味の充足の効果が上がるかということを考えますと、必ずしも今のところは必要ない、こう考えております。むしろ保健婦については別な方法で各保健所の欠員のところに入ってもらう、それぞれの事情に応じた方法を講じた方がいい、こう思っております。それから保健所長が確かに二、三年前までごくいなかの、県によりましては所長すらない。すなわち医師が一人も専門の者が置けない事情もございまして、衛生部長が兼ねたところもございます。現在はそういうところを解消しようということで、ほとんどなくなっております。逐次埋められているので、これとは別途に歯科医師あるいは薬剤師の保健所職員を将来保健所長にするかという問題でございます。この点については、現在公衆衛生の従事者のいろいろな規格をきめるために教育制度の委員を昨年から任命いたしまして、この委員さん方十数名ございますが、これで今いろいろ詮議をしていただいておりますが、その論議を通じまして、まだ結論は出ませんけれども、やはり保健所長というのは、現実の仕事は必ずしも聴診器を使ったりいわゆる臨床医学を行なうわけではないけれども、保健所の仕事それ自身は所管の地区の保健の全般を握って企画立案するそのかなめであるから、その長である者はやはり医師がいいであろう、こういうような今のところは大体結論に向いておりまして、いよいよどうしても医師でない場合が――絶対に保健所長が得られなくなるというような場合には考慮すべきでありましょうけれども、今のところは、やはり適当であるのは医師がいい、こういうようなことで進めておるわけでございます。従って、早急にこれを改正するということは、今の段階ではまだ考えておらない、こういう状況でございます。
#132
○竹中恒夫君 今の最後の問題ですが、なるほど地区の保健衛生全般をつかさどるという責任があるわけです。当然筋道としてそれでいいと思うのです。ただ、どうしても医者が充足できぬということ、現実の姿を見る場合、同時に、歯科医師、薬剤士の今日の大学の教育課程というものは、公衆衛生、環境衛生を必須課目として医師と同様の教育を受けておるわけです。最近の教育は、昔のと違いまして。だから、その学問的な知識の上においては何ら遜色がないわけです。ただ、従来からの慣習上お医者さんだけしか知らないというように、しろうとの方で考えておられる向きがあるので、そういう点もよくお考え合わせの上で、そういう論議が出る場合は、局長としてもそういう間違った観念だけは是正するような発言をしてもらって、その結果こうだということであれば得心いくのです。間違った認識のもとに、しょっちゅうお医者さんでなければならぬ、むしろ私は法科を出た人でもある意味においてはいいと思う、場合によっては。そういうように広く広げるということでなければ、いつまでたっても所長というものは充足できぬということでは困ると、そういう意味で申し上げているのです。どうかさようお考えおき願いたいと思います。
#133
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて。
  〔速記中止〕
#134
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
 本案に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 それではこれをもって散会をいたします。
   午後三時五十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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