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1960/05/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第29号
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1960/05/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第29号

#1
第038回国会 社会労働委員会 第29号
昭和三十六年五月十八日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
本日委員相澤重明君辞任につき、その
補欠として阿具根登君を議長において
指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
  委員長      吉武 恵市君

  理 事      加藤 武徳君
           高野 一夫君
           坂本  昭君
           藤田藤太郎君
  委 員
           鹿島 俊雄君
           勝俣  稔君
           紅露 みつ君
           佐藤 芳男君
           谷口弥三郎君
           徳永 正利君
           山本  杉君
           横山 フク君
           阿具根 登君
           小柳  勇君
           相馬 助治君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
  政府委員
   厚生政務次官  安藤  覺君
   厚生大臣官房長 高田 浩運君
   厚生省医務局長 川上 六馬君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   警察庁保安局保
   安課長     小野沢知雄君
   文部省初等中等
   教育局特殊   辻村 泰男君
   教育主任官厚生
   省医務局次
   長       黒木 利克君

   労働省職業安定
   局雇用安定課長 木村 四郎君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○あん摩師、はり師、きゅう師及び柔
 道整復師法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
   ―――――――――――
#2
○委員長(吉武恵市君) それではただいまより社会労働委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告をいたします。本日付をもって相澤重明君が辞任せられ、阿具根登君が選任されました。以上御報告申し上げます。
   ―――――――――――
#3
○委員長(吉武恵市君) それでは、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
 本日の政府側から御出席になりますのは安藤厚生政務次官、川上医務局長、黒木医務局次長、小野沢警察庁保安局保安課長、辻村文部省初等中等教育局特殊教育主任官、堀職業安定局長、木村職業安定局雇用安定課長の方々であります。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
#5
○藤田藤太郎君 このあん摩師、はり師、きゅう師、柔道整復師のこの法案を読んでみますと、医業類似行為の療術師といわれている人をこの前、三年前に延長をしたわけです。この審議のときを振り返ってみますと、私は、昭和二十三年登録してこの類似行為の中に行なわれておるのですが、この四つの試験を受けてという導きにはなっている。しかし、まあ相当な技術を持ってやっておられるので、三年間延長しようという、しかし、ここでやはり一応問題になったのは、私はあん摩とか営業をやっている方々がたくさんの人をかかえて、免許のない人の方がむしろ営業量は多いんじゃないか、これを取り締まるという厚生省は約束をあのときに明確に、なくなられた野沢君が提案者でそういうことがありました。片一方でそういう行為を認めておいて、療術師だけちょん切ってしまうというようなことはやはり問題がある。むしろ療術師の医業類似行為をやっておる方が、需要と供給からいったら、これはやはり需要があってもちろん喜ばれてやっていることだから延長しようじゃないか、今度も三年間延長ということになってきております。私たちは何とかこれを守ってあげなければならぬ。だから私のお尋ねしたいことは、あん摩師とそれからあん摩という名前で働いている、まあ要するに無免許の人です。どういう状態にあるか、この表を見ても一千何百人というものが毎年試験を受けておられるようですけれども、それ以上に免許のない人が多いということ、これをどういう取り締まりをしているか、これ一番問題点じゃなかろうかと思うのです。これが一点です。
 それからやはり盲人ですね。身体障害者雇用促進法ができましたけれども、実際問題としては盲人の方が学校卒業者といいますか、盲人の学校というのは国立か公立なんですね。それから目あきの方は私立なんです。それでもう絶対数も問題にならぬ。こちらの盲人の方に厳格に五年制をしいて教育をして、そして目あきの方は二年制で一人前のあん摩として免許を与えている、これは非常に私は不合理じゃないか、だから盲人の方が職場を圧迫されて、そして職場はだんだん減ってきている、だからこういうところにあの身体障害者雇用促進という建前からいっても、私は相当思い切った処置をせねばいかぬのじゃないかとこう思う。この二点につきましてまず聞きたい。
#6
○政府委員(川上六馬君) 今お話ございましたように、昭和三十年でございましたか、附帯決議もございまして、無免許あん摩の取り締まりをやれということを指示されておるわけでございます、それに従いまして厚生省といたしましては、昭和三十二年の十一月に各都道府県知事宛に通牒を出しまして、そして特に警察と密接に連絡をとって各府県の衛生部が無免許あん摩の取り締まりをやるように、特に温泉地、観光地その他特に無免許あん摩の多いところにおきましては、警察当局と協力して厳重な取り締まりをやるように通牒を出しておるわけでございますが、ただいま御指摘がありました免許を有しない若い婦女子を雇用しまして、そしてそれを旅館とか、料亭等に出張いたさせて施術を行なわせて、その報酬を分配しておるような業者に対しましては、その無免許あん摩との共犯として告発し、業務の停止や免許の取り消しするように指示いたしておるわけです。また、学校の生徒が、つまり免許を得ない生徒が施術をやるという場合もありますので、そういうことにつきましては、施設の長に対しましてもそういうことのないように指導するように申しておるわけでございます。その後、警察におきましても同じ年の十二月に、やはり無免許あん摩の取り締まりにつきまして通牒を出しておられ、また、三十四年の六月に警察庁から行政法違反の取り締まりについて厚生省に照会がありましたときにも、特に無免許あん摩の取り締まりを厳重にやっていただきますように警察庁の方にお願いしてあるわけでありまして、警察庁はまたそれによりまして無免許あん摩の取り締まりの資料などを地方に送られまして取り締まりをやるように指示されておるわけでございます。それから昨年の一月に最高裁の医業類似行為に対しまするところの裁判がございまして、実際に人の健康に害のない医業類似行為に対しましては、これを取り締まりの対象にしないということになりましたので、一時はあん摩の方もそうした趣旨によりまして無免許あん摩の取り締まりがなされなくなるのではないかというように心配する向きもありましたので、免許制になっておるあん摩に関してはさようなことはない、従来通り無免許のあん摩を取り締まることに変わりはないことを申し送っているような実情であります。そういうようなことで、警察庁と協力をいたしまして取り締まりを年々やっておる次第でございます。
 それからもう一つのお尋ねの盲人あん摩について職場を確保する必要があるということの御意見でございますが、私たちとしても盲人の福祉のためにもできるだけそういう職場を確保してあげたいという考え方でおるわけであります。しかし、この盲人の人たちにあん摩を専業にするとかあるいは免許を優先するというようなことも、なかなか職業の選択の自由という面もあってむずかしゅうございますが、この点は十分検討いたしますが、盲人の職場を確保するというようなことにつきましては、身体障害者の雇用促進に協力をしたいということ、それから晴眼のあん摩さんの養成施設というようなものは行政指導でなるべくふやさないような考え方を持っておるわけでございます。
 それからお尋ねの数は、晴眼者の方のあん摩さんの数は一万七千五百六十六人でございまして、それから……。
#7
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて。
  〔速記中止〕
#8
○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。
#9
○藤田藤太郎君 あんたね、厚生省は……、この前の法案が通ったのは三十三年ですよ。あのときに提案者衆議院議員野澤君がここで約束し、厚生省も約束したじゃないか。今あなた府県に指示した、警察にも指示したというのは、厚生省が三十二年の十一月、警察がその年の十二月、あれだけここで約束したことを何にもしていない、それで最高裁の裁判があって職業選択の自由が云々というようなことで、それで雇用を盲人のあん摩については促進をしたいと思うが職業選択の自由がある、そんなことであなたどうなるんですか。もっと、あなたの方が行政を担当しておられる省なんでしょう、私の尋ねているのは無免許の晴眼のあん摩が何人おるかということを尋ねておるのだ。ここにあなた方免許を持っておるあん摩さんの数ちゃんと出ていますが、私が尋ねなくても。そうでしょう。そうじゃないのです。免許を持った人がたくさんの無免許のあん摩を使うてやっておるのが何人おるか、この無免許あん摩の人があなた方一つも取り締まりしていない、国会で約束してもほったらかしじゃないか、それから盲人のあん摩の雇用促進は必要だとおっしゃるけれども、具体的にどういう工合にしたら盲人のあん摩さんの職場が確保できるか、盲人という人は本来いえば社会が救って、身体障害者だから社会が憲法に基づいて生活を保障するというのが建前になっているのだ。だけれども、何といってもこの盲人の方々が一つは十分に救えない面がある、一つは自分の能力を生かして社会に貢献しようという熱情を持っているのです。そうです。その熱情を持っている盲人をなぜ社会に生かすようにしないか、この問題ですよ、私の質問しているのは。そういう点が一つもあなたのさっきからの答弁聞いているというと、どっちに船が着くかわからぬような答弁をされておる。もっと明確に厚生省はこのようなものについてはこう考えているということをはっきり言って下さいよ。
#10
○説明員(黒木利克君) 補足的に申し上げますが、実は視覚障害者の盲人の対策につきましては、主として社会局の方面でやっておりまして、視覚障害者のうちのあん摩、はり、きゅう、マッサージ師の問題だけを医務局でやっておりますので、局長の答弁も後段の方に限ったわけでございます。ただ、私の方で社会局と連絡をいたしましていただいております社会局の調査がございますから御披露さしていただきたいと思いますが、三十五年の七月に身体障害者のいろいろな調査をいたしまして、どういうような職業についておって、どういう保護をされておるか、また、今後どうしたらいいかということの基礎的な資料でございます。それによりますと、盲人の大体総数は推計が二十二万でございます。そのうち十八才未満の者が一万八千、十八才以上が二十万二千でございます。主として職業の問題がありますのは十八才以上でございますが、その内訳を申しますと、この抽出調査の対象になりました盲人が、無職の者が千三百二十五、職業についております者が六百四十九でございます。そのうち、職業の内訳でございますが、あん摩師が二百四十八でございます。なお、あん摩を含めましたサービス業が二百六十六、それから技能工、何らかの技能が身についておる人たちが八十一、それから通信関係が三、採鉱、鉱石を掘る、これが五、農林漁業が二百十五、販売業が五十二、事務職員が六、管理的な職業というのが三、専門技術職業が十六ということでございまして、全体のうちであん摩の比率というものがそう大きくはないということでございます。御承知のように、あん摩につきましては、この養成は、主として生まれつきの視覚障害者につきましては、文部省系統の養成施設で、学校でやっております。私の方は光明寮で、中途失明者の関係の施設で養成をやっておるということでございまして、この厚生省関係の施設の定員をふやしたり、個所数をふやしたりということで、盲人のあん摩師をふやしていくということと、それから先ほど申されました雇用促進法等におきまして、こういう盲人を雇用する職場におきましては、七〇%を目途にして職業の開拓を、確保を進めておるというようなことでございます。今のところは私の方で行政措置といたしましては、先ほど局長の申されましたように、晴眼者のあん摩師等の養成を、行政措置として養成施設のある程度の抑制をするなり、あるいはもぐりの定員を取り締まるなり、あるいは定員というものをできるだけふやさぬようにするというようなことで、このお手元に差し上げてあります資料にありますように、盲人と晴眼者の比率も大体おっつかっつでございまして、従来は盲人の方が多いのでございますが、だんだん現在の定員から申しますというと、晴眼者の方がふえるという傾向がございますから、晴眼者のそういうような定員をふやすことについて行政措置で手心を加えるということを意識してやっておるわけでございます。ただ盲人だけを特別扱いをするということは、医療法規におきましてはいろいろ憲法上の問題がありまして、従来の伝統もありますから、何とか考慮いたしたいと思っておりますが、今のところ法制局とは話し合いがついていない、従って、消極的でありますが、晴眼者の方をある程度遠慮してもらうという行政措置をとっておる次第でございます。
#11
○藤田藤太郎君 何人おられるのですか、無免許晴眼者のあん摩。
#12
○説明員(黒木利克君) 晴眼者のあん摩のうちで問題になりますのは、いわゆる売春を伴う、
  〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕こういうような人たちでございますが、この数字につきましても売春婦の推計も一応ございますが、そのうちマッサージ的なことをやっております者がどのくらいかは、いろいろ警察庁にも問うておるのでありますが、はっきりした数字がわかりません。ただ売春の関係の女性の数の推定は、警察庁でお持ちのようでございます。なお、その他の晴眼者の無免許の者につきましては、私の方の取り締まりの対象にいたしております数につきましては、残念ながら推計がないのでございます。
#13
○藤田藤太郎君 無免許のあん摩が売春だというような認定で言うなんというのは、どうもちょっと間違えていませんか。無免許であん摩をしている人が幾らおるかということを聞いておるので、よくパンマとか何とか言われるけれども、事実問題として、これは警察が取り締まられる問題で、あん摩をしておるとかせぬとかいうことで問題が起きているのじゃないので、無免許のあん摩がどれだけおるか、これぐらいの捕捉は、私はしておくべきだと思うのです。これは三十三年の法改正のときの約束なんですよ。あなた方おいでになったら何ですけれども、あの当時の議事録を調べてもらってもわかりますように、きちっと約束がされておる。そういうことをどうですかと聞いておるのです。まあ厚生省はそれをつかんでおられないそうですから、警察の方で一つどういう状態にあるかお答え願いたい。
#14
○説明員(小野沢知雄君) 私どもの方といたしましても、厚生省と緊密な連絡をとりまして、力の及ぶ限りやっておるわけでございますが、大へん御希望に沿えないような数字が出ておりますので、恐縮でございます。
#15
○藤田藤太郎君 その数字というのはどんなんですか。
#16
○説明員(小野沢知雄君) 昭和三十三年におきまして、無免許あん摩の件数が二百二十一件、人員が二百三十名、それから昭和三十四年におきましては、件数が百三十件で、人員が百二十六名、三十五年が八十件ございまして、人員が八十三名というふうに出ておるわけでございます。
#17
○藤田藤太郎君 これは、今次長が言われた売春云々というところにつながっているのが取り締まりの対象になったような感じがするのですが、これは警察の立場だから何ですけれども、私は厚生省が――私たちの住んでいる東京でも堂々と行なわれているわけですよ、こういうことをどういう工合に見ておられるかということ。まず第一は観光地ですよ。その次が大都会です。このごろは中都市まで全部です。晴眼のあん摩の見習いといいますか、それが入ってきて、三月目から仕事について、それから学校に行かれて、行かれぬ人もあるけれども、そういう格好で、免許を取るまで――何年かかかってようやく免許を取る、その間の何年かというものは膨大な人がおられるということ、あなた方はこれは私が申し上げぬでもそんなことはわかっておると思うのです。そんなことがわからぬのですかね。この三十三年のときに、非常にこれが問題になって、ここで厚生省は、それをつまびらかにしてやるということを約束されたはずですが、全然処置をされていないわけですね。
  〔理事高野一夫君退席、委員長着
  席〕
#18
○政府委員(川上六馬君) 全然処置をしないということはむろんないのでございまして、先ほど申しましたように、いろいろこまかい指示をいたして、無免許あん摩の取り締まりをやっております。これによって、地方では警察と協力して、ただいま申し上げましたように、無免許あん摩全体の数はなかなかわかりませんけれども、今お話があったのは、検挙件数だけでございますから、これより実際はずっと多いわけで、この取り締まりはなかなかむずかしい次第です。この間も静岡の衛生部長に熱海の無免許あん摩の問題についていろいろ事情を聞いて、取り締まり督促もいたしたわけでございますけれども、やはり旅館等に出入りしておるあん摩を出口で調べてみると、免許を持っていない者の方が多かったと聞いています。そういう観光地、特に利用の多い都市なんかには相当あると思いますので、今後その取り締まりを厳重にしなければならぬと思っております。
#19
○藤田藤太郎君 相当あるようでありますなんと言って、これは環境衛生の立場から、あなたの方の行政監督下ではないのですか。まるであなたはよその行政でもあるように、思われますなんということで取り締まっておられて、それでこの表を見ても、晴眼の厚生省認定が千五百四十人で、盲人が八百七十六人だ。盲人の学校は五年制で、政府の認定するのは二年制ですよ。それでどんどんあん摩師を作っておられるのではないですか。片方ではそういうことをやり、それにプラス・アルファとして無免許あん摩が集団でおる。こういうところについて、免許のある人が届出をしない限りは、その無免許あん摩もそこに仕事をする根拠がないわけでしょう。だから、免許を持っておるあん摩営業を調べてみれば、直ちにこれはわかる問題ではないですか。免許を持って届けてあん摩営業をやっておるところに、何人無免許の人がおるか、免許の人が何人おるかということは、直ちにこれはわかることではないですか。そんな免許も何も持っていないであん摩の看板を掲げるわけにはいかぬでしょう、あん摩の法律によって。私はそういう例を見ない。やはりあん摩の営業をやっておる看板に基づいて、そこで無免許あん摩が仕事をしておるという現実ではないですか。そのほかにはない。そんなことは、あなたすぐ調べられるじゃないですか。それをよそのことのようにあなた方言っていていいのですか。これが問題点の一つですよ。まああなたの方は、今までやっていないし、わからぬというのだから、他の委員からもこの問題については御質疑があると思います。
 それからもう一つの問題は、私は何といっても、今規制するとおっしゃったけれども、この数字を見ても、三十一カ所ですか、三十何カ所あるわけでしょう。この晴眼のあん摩講習所、厚生省の認定のはふやさない、押えるとおっしゃいますけれども、こんなことをしていて、それであなたは身体障害者の雇用促進、あん摩の職場確保ということが実際にできるのですか、そこを聞いているのです。身体障害者の盲人のあん摩に五年かけるなら、晴眼の人には七年くらい勉強さして、それでりっぱに晴眼の人を治療の立場に当たらすというようなことは、これは常識じゃないですか。盲人の方は五年制で国立、公立で、無免許の晴眼の方は二年で免許を与える、これは何を意味しておるのですかね。これはこの前のときも大いに議論をされたところだと私は思うのですがね。それで盲人の職場確保ということが実際できるのですかね。これは次官にも御意見を承りたいと思っております。
#20
○説明員(黒木利克君) 先ほど盲人のあん摩師の養成年数の御質問がございましたが、実は行政機関におきましては、文部省も、厚生省も、あん摩の養成については、期間中、中学卒業は二年、高等卒業は二年ということで、差異はないのでございます。ただ義務教育とかその他の教育課程がそれぞれ文部省関係ではございますのでそういうことになっておりますが、あん摩については両方とも二年でございます。それからはり師とかきゅう師の免許を得るためには、中学を卒業した者は五年、高等学校を卒業した者は三年、これも同様でございます。
#21
○阿具根登君 先ほどの答弁の中に、医療法との関係もあり特別な処置はとられない、こういう答弁があったと思うのです。それはどういうことか一つ説明していただきたい。
#22
○説明員(黒木利克君) 私の発言の内容につきまして誤解があるといけませんので、繰り返して申し上げますが、実は盲人に関する立法につきましては、御承知のように、医療法規の関係と身体障害者の福祉立法の関係があるのでございます。医療法規の関係におきましては、盲人と晴眼者につきましていろいろ資格なりその他免許上の問題につきましてそういうような差をつけるというような方針は従来とっていない。むしろ福祉立法の方で、盲人の福祉という面からそういう問題を従来取り扱っていくというような建前になっておるのでございます。ただ、いろいろ従来御希望がございますので、この医療法規におきまして、職業の選択の自由というようなことと、盲人のあん摩師の保護ということをどのように両立させたらいいかということを法律的にいろいろ検討いたしておりますが、なかなか十分な結論にまだ達していないということを申し上げたのでございます。
#23
○阿具根登君 八年、三年、三年とのんできて、まだ結論が出ないということは、医業類似行為であるから、医療法との関係で困るというのでしょう。それでは、社会福祉なら社会福祉にこれを割り切るなら、そういうものは関係ないようになってくるでしょう。盲人だけに対して、たとえば極端に言えば、あん摩というものは、日本古来から考えてみれば、これは盲人のためにできた職業なんですね、そうでしょう。そうすると、今の憲法で職業の選択の自由があるからそれでできないとするならば、社会福祉としてこれを認めるとするならば、それではめくらでなければあん摩はできないと、こういうことになるはずでしょう。それをあなた方は、医業類似行為の中にどうしてもこれを入れなければいけないという考えがあるから、認めない、こういうことになるでしょう、どっちですか。
#24
○説明員(黒木利克君) 御質問のことをちょっと読みかねるのでございますが、私の方で申し上げましたのは、職業の選択の自由という見地から盲人にだけあん摩というものを独占させるということが今のところ非常に解釈上は困難である。しかし、盲人の職場というものは非常に限定されておりますから、何とかして職場を確保する、開拓をするという意味で、福祉立法的な措置でいろいろ保護をするということが可能だ。たとえば、現在都市におきまする盲人のあん摩は晴眼者に比べましていろいろ交通上その他についてハンデがございますから、そのハンデを埋めてあげる、つまり晴眼者との少なくともハンデを除くようなことをする、これは福祉立法において可能でございますから、あるいはさらに晴眼者よりももっと活動のしやすいような保護の立法というものもあるいは考えられるかもわかりませんが、そういう方向で考えることは可能であろう、こういうことを申し上げたのであります。
#25
○阿具根登君 医業類似行為だからそうなんでしょう。これを医業類似行為ではないとしてですね、いわゆる社会福祉事業だ、社会福祉という観点からいくならば、盲人でなければあん摩をすることができないということができるのじゃないですか。医業類似行為であるから、職業の選択の自由でひっかかっているのでしょう。だから、これは社会福祉事業だ、こういう考え方でこれを持っていくことはどうか。
#26
○説明員(黒木利克君) 憲法上の解釈では、医療法規であろうと、社会福祉法規であろうと、職業上の選択の自由というものはございますから、そういう面からは、私は福祉立法で盲人のあん摩業というものを独占させるということもやはり憲法上疑義があるのではなかろうかと存じます。
#27
○阿具根登君 それでは、ちょっと話題をかえて別の方からいってみましょう。
 今度の最高裁の判決はどういうものであったか、はっきりして下さい。
#28
○説明員(黒木利克君) 法律的な問題ですから、私が御説明いたしますが、昭和三十五年の一月に最高裁の判決がございました。これは昭和二十九年の仙台の高等裁判所の言い渡した判決に対する上告の申し立てに基づきまして原判決を破棄したのでございますが、この原判決は次の通りでございます。HS式という無熱高周波療法というものが、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法にいう医業類似行為として同法の適用を受けて禁止さるべきものだ、こういうようなことは憲法の二十二条に違反するから無効だ、従って、仙台の高等裁判所の判決は憲法に違反しているから被告人の所為は罪とならない、こういうことでございます。これに対して最高裁の判決は、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するならば、これは当然処罰をしてもよろしいが、しかし、公共の福祉に反するというのはかかる業務の行為が人の健康に害を及ぼすおそれがあるからだ、ところが、この高周波療法というものについては人体に危害を与えるか、また、保健衛生上も何ら悪影響があるかどうかわかっていない、従って、直ちにこの公共の福祉に反するわけではない、だから、原判決というものは、こういうような人体に影響があるかないかということについては何ら判示することなくして、単にこの高周波療法というものがあん摩師法等の十二条に違反するという理由だけで判決を下したことは法律の解釈を誤ったものである、従って、原判決を破棄する、こういうことでございます。要するに、医業類似行為というものは、人の健康に悪影響があるというようなことがはっきりしなければ処罰ができない、こういう内容のものでございます。
#29
○阿具根登君 そうしますと、今われわれが審議しておるこの法律案も、これは憲法違反になりはしませんか。たとえば、今のあん摩の問題でも、医業類似行為であるからこれは憲法に違反する、社会福祉として見るなら、これは一定の職業ということでなくて、特に身体障害者のために職業の一端としての作業だとして認めるならば私は憲法違反にならないのだというような解釈からあなたに質問したところが、これも憲法違反になるというのだ。そうすれば、この三十五年の一月二十七日の最高裁の判決は、これはわれわれがきめたこの法律によって登録しておらない業者がその業務をやったからあなた方は告訴した、それが最高裁では、人体に影響を与えないからこれはやってよろしい、こういうことになったわけなんだな。そうすれば、こういう法律は、審議するところは何もないじゃないですか。
#30
○説明員(黒木利克君) 先生の御質問のような解釈も、実は私たちの方もできるのではないかと、この判決につきまして実は非常な疑問を持ちまして、最高裁の事務当局に照会をいたしまして、次のようにはっきりいたしたのでございます。ここでいう医業類似行為というものは、あん摩とか、はりとか、きゅうとか、そういうようなものを含まないで、これは免許制度で、あん摩とかはりとかきゅうとかいう特殊の身分制度がございまして、これはやはり一つの身分制度が確立しておるから、これについてもぐりは従来通り厳重に取り締まるのだ。ただ、この判決にいう医業類似行為というものは、あん摩、はり、きゅうとか、それ以外のいわゆる届出医業類似行為である。つまり従来医業類似行為については広い意味と狭い意味の解釈がございまして、医者のやる医療行為以外のものを医業類似行為といっておったのですが、しかし、もう一つ狭い意味では、医業類似行為というものが禁止されておる、しかし、ただし書きとして、既得権を擁護する意味で三年間認めたわけですね。それを今回また三カ年間既得権を認めていこうということなんです。その認めていく対象になる医業類似行為だけをこの最高裁判決では医業類似行為だとしておるんだ。従って、この判決により従来のようなあん摩師、はり師の問題には全然これは関係ない。ですから、無免許あん摩というものは、従来通り、これは人体に危害があろうとなかろうと、これは無免許でやった場合には厳重に取り締まるのだ。しかし届出医業類似行為、それのまがいのことをやっておれば、人体に影響があったという場合しか処罰できない、こういうふうに解釈がはっきりしてきたわけでございます。
#31
○阿具根登君 そうすると二つの疑問が起こってくるわけだ。これはことし一ぱいで切れるから三年間延長する法律案なんだな。ところが、切れても今日まで届け出してやってきた既得権を持っておるその人がやる場合には処罰の方法はない。ただあん摩業をやった場合にのみ処罰の対象になっておる。今日まで無免許であん摩業をやって処罰を受けた者が二、三人おると思う。かりにその人が、私あん摩やっておりません、私は指圧師、マッサージ師です、こういうことを言ったならば、処罰の対象にその人はならない。そうでしょう。それが一点。それからじゃあん摩とかはりとかきゅうとか――まあはりはわかりませんよ、僕は専門家じゃないから。今の針をぶち込まれたら人体に危害を与えるかもしれませんけれども、あん摩とか指圧とかマッサージ師というものは人体に危害を加えないということはわかっているんだから、それならなぜこういう法律を作らなければならないか、憲法で認めておるなら。こういう人体に危害を加えないということ、これは日本古来からやっていることなんですからね、わざわざ作る必要はない。そうすると、無制限にこういうものができてくるわけなんです。だからそれを整理するためにこういうのを作っている。そうするならあなた方が八年、三年、三年と十四年もかかってできないという理由はどこにあるのですか。しないからできないのですよ。憲法論からいうなら、今のようなこういう法律案はだめなんです。ただ際限なく広がったら、どうもこうもできないから、これを統制するために一つの資格を与えておるわけです。それでなければなぜ単独立法ができないんです。できるはずです。それをあなた方はやっておらないじゃないですか。憲法論議でいうならこれは無効でしょう。ただそういうことになってくれば、これは裁判所できまったやつは、すべての法律は無効になるというやつができてくるから、だからこの法律に合わせたんですよ。登録しておるということは許可しておるんです、政府が。その人がやることは、それはやってよろしいと。あなた方はここで禁止しておる。われわれはそれを知らずに禁止した。最高裁でこれは無罪になっておる。やってよろしいというんだ。ただそれが人体に危害を加えるか加えないかという問題が残っておるだけなんです。だから電波を、どのくらいのやつは人体に危害を加える、あるいは光線はどのくらいだったら人体に危害を加えないとか、そういうものさえはっきりすればだれでもやれるということになるわけですよ、だれでも。そうでしょう。で、どうしてこれができないかというわけなんですよ。
#32
○説明員(黒木利克君) 先生の御質疑もごもっともでございますが、実は説明が足りませんでしたが、御質問の中にありました指圧というものは、従前は先ほど申しました狭い意味の医業類似行為として、届けておれば継続してやれておったわでけございますが、いろいろ医学的な検討を遂げまして、この経過期間中に指圧は、一つ身分制度に、上に引き上げよう、指圧は引き上げようということになりまして、あん摩として、カッコして指圧を含むというふうにして、新しいそういうような身分制度にして、上に引き上げたいというような法律の改正がなされておるわけでございます。従いまして、指圧はあん摩師として、これは身分免許が持たされておるわけでございます。従って、もぐりで指圧をやります場合には問題が二つに分かれます。届出類似行為の中で指圧的な方法で、――指圧となればあん摩の中に含まれてあん摩師のこれは業務になりますが、指圧療法で届出類似行為のものは、この法律の延長によりまして、あと三年までまだ継続できる。しかし、届け出ていない指圧的な療法をやる人たちは、これは法律上違反になるわけです。
#33
○阿具根登君 あなたがそういう答弁をするから、そういう思想だからこうなってくるんですよ。指圧を引き上げたとは何です。指圧の身分を引き上げた。あなた方の物の考え方は――僕はこれを作ったとき委員長だったからよく知っているんですよ。あなたより古いよ、僕は。これは知っているんですよ。たたき、押し、さする等、こういう定義があるんだ、あん摩には。その中の一つの押すやつが指圧なんです。そういう思想だから試験を受けない、だれでも。だから参議院の議員会館へ行ってごらんなさい。衆議院の議員会館へ行ってごらんなさい。あん摩師がだれかおりますか、指圧師が常駐して、そうして議員全部――全部じゃないですけれども、その療法を受けておる。議会の中に公然と許されて指圧師はやっているんですよ。全部あん摩さんじゃないですよ。あなたの頭は、指圧を引き上げた、あん摩に入れてやったと、そういう感覚だから、これはこういうことになってくるんですよ。それはどうですか、今でもそういうふうに考えておるんですか。
#34
○説明員(黒木利克君) 実は終戦後におきまして、従来のあん摩、はり、きゅう、柔道整復師等の処遇につきまして、あるいは身分につきまして、いろいろ論議がございまして、昭和二十二年に医療制度審議会というものが設けられました機会に、厚生大臣が諮問をいたしまして、今後これをどうしたらいいかというようなことになったのでございますが、その結論の第一が、きゅうとかあるいははりとかあん摩とかマッサージとか柔道整復の営業者というものは、すべて医師の指導のもとにするのでなければ、患者に対してその施術を行なわしめてはならない。それからいわゆる医業類似行為というものはすべてこれを禁止する。こういう答申がございまして、この答申のそのままの実現は見なかったのでございますが、従来営業免許であったものを、このマッサージとか、あるいはあん摩とか柔道整復とか、はり師とか、こういうものを身分免許にいたしまして、その他の医業類似行為というものは禁止をする。ただし従来やっておる者は三年間だけこれを経過的に認める。こういうような法律ができまして、その後この経過期間がたびたび延長になりまして今日に至っておるような次第でございます。従って、上に上げると私が申しましたのは言い過ぎでございますが、この医業類似行為のうちで身分免許にする必要のあるものは身分免許にすると、その中で指圧が身分免許に取り上げられた、こういう経過でございます。
#35
○相馬助治君 この阿具根委員の質問と藤田委員の質問の答弁の態度に現われておるように、厚生省は、この法律の、前に通過したときの立法、改正精神、並びにこれに附帯決議として乗っていたものの精神を体して努力を何にもしていないということを、ここにみごとに暴露しているのです。今申したこの指圧が入った歴史というのは、あん摩というものの概念は、押す、さする、なでる、たたくだと、それに押すがないなら指圧は入れることが当然で、療術師の問題とは切り離して、あん摩師というならば指圧は入れることが当然なんだというので入れたので、何も指圧の人を、療術師の中で特にすぐれたものだから指圧の者だけ身分を引き上げて入れたのでは全くない。あん摩師だから、当然入れるべきものを入れておかなかったから、その入れておくべき筋のものを入れたにとどまって、そのときの了解事項は、療術師に対しては抜本的に研究をして、単独立法をするなり、それから、再延長などということをしないで済むだけの措置を講ずるということが一つと、それから、藤田委員が指摘したように、無免許のあん摩の問題があるから、これの問題について、その身分規制をすると同時に、取り締まりを厳重にするという了解で、延期されたのです。従って、筋から言うと、今度のこの延長法案などということは、あり得ないはずなんです。すなわち、ここで単独立法を出して、療術師法というものを出して、療術師というものの中に、あん摩師から何から入れて、単独立法でこれを律して、その身分を確定するか、また、別に、療術師なるものを、厚生省の頑迷な――あえて頑迷と言うのです、一部でしょうが、頑迷な官僚意識で、療術師というものはつぶすのだという頭のもので、そしてその通りの筋ならば、私は反対だけれども、療術師というものは禁止するのだ、これは大社会問題になりますよ、そして私は反対ですよ。しかし、そういうふうな段階なんです。研究だ研究だといって、また三年延ばすのでしょう。三年後にまた同じ問題が起きる。従って、ここらで、ほんとうならば、厚生省が責任を感じているならば、三年といわずして、当分というふうにして延ばすべきだ。そして、その当分のうちに、厚生省が責任をもって療術師の問題を解決する単独法案なり何なりを、みずからの力でやるべきなんだ。療術師自身も、非常に謙虚な態度でこれに臨んでいる。われわれの仲間で、新興宗教とくっついて、何かわからぬような、目の前で手をちらつかして、それで療術師ですと言っているような者については、禁止して下さい。それから、電気を使ったりなんかするものについて、電気の知識の不足な者もあるから、厳重な再教育の場を作って下さい。われわれはその講習に出します。それから、知らないがために届出を怠って、そして療術師の仲間にも入れない者もあるから、こういう問題も一つ再吟味をして、この中に入れて下さい。そして、今後、療術師の免許をするについては相当厳重な資格要件をやって下さいということを、われわれに訴えているのだから、厚生省に訴えないはずがない。従って、今阿具根委員が指摘したような問題は、こういうなまはんかな、わけのわからない延期法案を出すというと、またまた問題は私は紛糾してくると思うのです。従って、私は、阿具根委員の関連質問で一問だけ聞いているのだが、療術師というものは、将来どうするのですか。厚生省は、これはみな殺すというのですか。それとも、指導によって、こういう人たちを、こういう行為をやってもらうというふうにするための単独法をやるというのですか。ここを一つはっきりして下さい。
#36
○政府委員(川上六馬君) ただいま御質問の、療術というものの将来の取り扱いのことでございますが、実はこの前の附帯決議もございまして、厚生省といたしましては、昭和二十四年から二十八年の間におきまして、医学者あるいは機械、電気などの学者にいろいろ研究をしてもらったわけでございます。もちろん御承知のように、何百種というほどの療術行為があるわけでありますが、比較的よく行なわれているもの、あるいは医療上、影響の大きいものを取り上げまして研究してもらったわけでありますが、その結果、概括的に申し上げますと、有害なもの、あるいは害もないが益もない、あるいは医者なり、相当の知識や医学的な素養があれば害より益が多いだろうというもの、あるいはしろうとがやってもまず心配ないだろうというような、いろいろな種類のものがございます。しかし、そのしろうとがやっても害はないだろうというように言われたものも、ある学者は医者が指導しなければいけない。ことに疾病や、症状によっては診断を要するものもある。あるいは禁忌といいまして、やってはならない場合もあるわけであります。従って、一がいに医業類似行為といいましても、患者の症状、やり方等でいろいろと影響が違うのでありまして、これを体系的に取捨選択をして、こういう体系に属するものはこれを認めて、免許制度にしていこうというような考え方はまだ持っていないわけであります。ただ、先ほども次長から申しましたように、手技の中の指圧の方はあんま摩の中に取り入れたわけでございます。その他の医業類似行為につきましては、今後三年間の間に研究さしていただきたいと思います。
#37
○阿具根登君 あなたの言うこと、抽象的でさっぱりわからぬ。何もしていないからそういうことを言う。何を許すとか何を許さぬとか、ぴしゃっと出てこなければならぬ。何を言っていますか。さっきから言われる通り、これが一番最初出たときは、めくらさんが笛を吹いて、あん摩の呼び声を流す。外人が見て、日本という国は何という国じゃ、目の見えない人に夜の夜中まで笛吹かせて仕事さしておる、何とかせぬかいというのがきっかけなんです。そうすると、あなた方の話を聞いておると、指圧を、あん摩の名前をくれて指圧を昇格さしたと言っているけれども、結局、あなたは、宿屋へ泊まったら、めくらのあん摩さんにもんでもらいますか、目あきのあん摩さんにもんでもらいますか。目あきでしょう、目あきさんです。あん摩呼んで下さいと言うと、宿屋の女中さんはみんな呼んできますよ、目あきさんばかり。あなた方が昇格さして、めくらさんを追い出しているじゃないですか。だからわれわれは、あん摩さんは別個にしなさい。めくらじゃなければできないんだ、こうしなさいと言っている。そうしなければ、あなた方は、昇格さしたなんか言っているけれども、あん摩さん自体あん摩の職業なくなりますよ。熱海へ行ってみなさい。熱海の旅館に泊まってみなさい。めくらのあん摩さんが来るか来ないか。みんな若いあん摩さんでしょうが。しかも、何か聞いてみると、売春までやっているとあなた方自身が言っているじゃないか。それだから、あん摩追放してしまうのでしょう。だからこういうことになってくるのだ。
 で、これは三年という延期になっておりますが、また三年後こういう論争しますか、私らと。いつきめますか。あなたおらぬかもしれぬけれども、また、三年後こういう論争をやりますか。一体、国会何の権威があってこういうことをやります。いつまでたっても三年延期、三年延期。厚生省は何一つ具体案出しておらぬじゃないですか。何年たてば具体案が出てきますか、次長。われわれが出す具体案は認められますか。われわれは、さっそくでも出して見せますよ。いつやりますか。三年便々と待っていますか。そうしてまた三年たって、三年延長しますか。だれが信頼しますか、そんなことをして。それをはっきりして下さいよ。
#38
○政府委員(川上六馬君) ただいまのお話のうち、あん摩は通常医業類似行為として扱っていないわけであります。今のお話は、盲人にあん摩を専業させたらという御意見のように聞きますが、これはやはり先ほど申しましたように、なかなかむずかしいだろうと思います。
#39
○阿具根登君 それじゃ憲法論議になるでしょう。憲法論議だったらこれは無効だと言っているのですよ。そういうことをはっきりしなさい。
#40
○政府委員(川上六馬君) 先ほど先生がおしゃった最高裁の裁判の解釈については、少し誤解があるのじゃないかと思いますが、最高裁の裁判は、無届で医業類似行為をやった場合、ただ、法律に反するからということで処罰はできない、処罰するのなら、そのやっておる行為が医学的に見て害があるということでなければ処罰をできないということを言っておるわけでありまして、無届で医業類似行為をやってもよいということじゃないのです。
#41
○阿具根登君 あなた登録して、許可しておる人がやった行為じゃないのですよ。登録をしていない人がやったのですよ。それを最高裁はよろしいと言っておる、職業自由の選択によって。しかし、やった行為が人体に損害を与えるか与えないかという問題なんです。そのことが問題だと言っておる。それなら指圧とかあん摩とかというのが人体に障害を与えますか。指圧とか、あん摩とかというのが人体に危害を与えますか。与えるのなら許可されていないはずですよ。そういうことまで許可しなければいかぬでしょう。ところが、光線を扱っている人が無免許で、この人はまた登録もしていない。だからあなた方は告発した。それが最高裁でそれでも職業の自由の選択でよろしい、人間のからだに危害さえ与えなければよろしい、こういうことになっておる。だから危害を与えるか与えないかは今後学者の研究を待たなければならないが、光線だったらどのくらい、電気だったらどのくらい人体に与えるか、あるいはどういう病状のときにどういう光線を与えたらよいかということは今後の問題です。私の言っておるのは、今後の問題はおいて、登録をしていない人がやってもいいということになっておる。それなら電気とか光線を扱ったり、あん摩とか指圧とかいうものを使いたいというのがいるでしょう。その人はなぜこういうワクをしなければならないかということですよ。というとこのままではだれでもやっていいということになり、無制限になるから一つの統制を加えて身分をつけてやったんですよ。そうでしょう。憲法論議でいくならこれを作る必要はない。憲法論でいくならば。人間に危害を与えない、公共の福祉を損じない、そうするならそれはだれでもやってよろしい。職業の自由の選択というのならばこんな法律あっても何にもならぬですよ。そうやっておるのだから。その身分をきめる場合にこうしなければならぬということをわれわれは今日まで言っておる。だからそれを三年間あなた方はまた研究せねばできないというなら、われわれが研究して差し上げます。今まであなた方は十何年間も研究してきて、まだ具体案も何もない。そのまま延長々々、しかも指圧その他はつぶそうとしておる。そうじゃなくてもあん摩をつぶそうとしておる。あん摩がなくなりますよ。あなた方どこまでいってもそうでしょう。わかっていますか。(相馬助治君「阿具根委員の言っていることがわかっていない。ちょっと速記をとめて……」と述ぶ)
#42
○坂本昭君 確かにわれわれの言っていることを厚生省はよく理解してない。理解してないというよりも理解するとあとがめんどうくさいものだから避けているのじゃないかとさえ思う。
 私は問題点は二つあると思うのです。一つはあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師、そういう言葉で表わされている医業類似行為、これを一体厚生省としてはどういう考えで将来律していこうか。そういう点についての基本的な考え方ができていない。
 それからもう一つは、身体障害者の生存権、生活権、労働権、こういうものに対する理解が十分でない。それから問題は、私は、このいわゆる医業類似行為の私は正当に医療補助の一つの技術として検討を加える。そしてその中から正確に医療行政、厚生行政の中から悪いものは悪いとか、いいものはいいとか。そういう態度をとっていけば私はおのずから生まれてくると思う。で、たとえば「諸外国における医業以外の医療従事者を規制する立法例及びその概要」、これは国立国会図書館の調査立法考査局で出しております。もうすでに二年ほど前に出している。こういうものを見ますというと、明らかに全般を通じてわかっているのは、これはオーストラリア、アルゼンチン、ドイツ、エジプト、フランス、アメリカ、イギリスとたくさん出ておりますけれども、医療補助者としての考え、たとえばイギリスの立法など見るというと、医療補助者、国民保健事業の医療補助者に関する施行規則として、医療補助者という概念で、この中には栄養士、眼鑑調整師、それから物理療法師、足療術師ですか、こうした概念で医療補助者としての明確な資格並びにそれに必要な訓練教育をやっている。そしてちゃんと正しく指導しているわけです。それからまた、身体障害者に対しては、これはイギリス、あるいは西ドイツではこの身体障害者雇用促進法というものの中で、日本の憲法二十二条のような職業選択の自由がどうこうということをこえて、たとえばイギリスではエレベーターを扱う人、あるいは自動車駐車場の番人は身体障害者でなければならないという特殊の留保をしている。こういうように非常に身体障害者に対する扱いも明確である。さらに医療補助技術者としての扱いも明確です。そういう点が非常に不明確にぼかされているために私は問題がいつまでたっても済まないと思う。だからその辺について一体あなた方はどう思っているのか。この身体障害者を見るということは、これは厚生行政の大事な点ですよ。同時にまた、労働省――きょう労働省来ておりますか。局長来ておらぬですね。――大体労働省も非常にあれなんですよ。ふまじめなんですよ。あまり一生懸命やらなかったものだから、やっと身体障害者雇用促進法を去年制定した。でありますから、私はこの二つに分けて考えているのであって、今取り上げているのは主として第一の医療補助として一体立法をどうするか。三年心々といつまで立法を延ばしてどうするかということを今追求しているわけです。だからこれを厚生当局としては私は明確な答えが出るはずだと思う。次官一つ答弁して下さい。
#43
○政府委員(川上六馬君) 今二つの問題を指摘されたわけですが、坂本先生のおっしゃった最初の問題は私たちも考えているわけです。それは学界の方からも理学的療法師や職能療法師というようなものを養成してくれと要望されています。これは病院などの物療の方に医療補助者として使いたいということであります。従って、医業類似行為をこれとの関連においても考えなければならぬと思います。今外国の例があげられましたけれども、それもそういうような種類の医療補助者のことではないかと存じます。次に、あとの問題は直接私どもの所管でありませんけれども、先ほど申しましたように、たとえば病院でマッサージ師を使う場合、なるべく盲人の人を使っていこうというようなふうに私ども考えているわけです。
#44
○相馬助治君 私は、この法律案に関して基本的なことを聞いておきたいと思うのですが、現実に電気その他をもっておやりになっているこの療術師の医療効果というものは公共の福祉に反しないとかなんとかいうようなことで政府当局も見、療術師自身も部外だからなどといって遠慮をしておるけれども、現実にはこういう業が成り立って、こういうものによって病気がなおっている人があって、公共的に認められていると思います、現実に。それででたらめな療術師は社会において没落していっています。あれにかかったらだめだ、むしろ悪くなってしまったというので次から次へと宣伝するからこれは没落していくのです。こういう現実に立って私はものを聞くのだが、一体療術師というものを、今審議しておるこの法律で措置していくということに無理を感じていますか、いませんか。今までの経過上やむを得ずこれで律しているのだが、無理だというふうにお考えですか、どっちですか、厚生省当局。
#45
○説明員(黒木利克君) 療術師の方はいわゆるここでいう届出医業類似行為業者でございます。これは経過期間の間で認めておりまして、この経過期間の間にできるならあん摩師、はり師、きゅう師という方に職業の転換をしていただきたい、そのためのいろいろな講習なりあるいはあんま摩師の特例試験制度というものがとの法律に基づいてできておるわけでございます。そこでこういう方たちは、そういう職業転換もさることながら、現在の届出医業類似行為というものを将来とも公認をしてもらいたい、できるなら療術師という身分法規を作っていただきたい、こういうような御要望をかねてから伺っておるのでございます。ところが一方、医学の見地から、あるいは医界の方のいろいろな団体からは、先ほど医療制度審議会の答申にありましたように、あん摩とか、はりとか、きゅう師とか柔道整復師法とかそういう法律で身分的に確定をしたもの以外の、いわゆる狭い意味の医業類似行為というものは、これは禁止してもらいたい、こういう御要望がございまして、その調節に今まで苦慮して参ったのでございます。しかし、法律の趣旨は、狭い意味の医業類似行為というものはやはり経過的にしか認めないということで、三年、三年の期間延長をしてきたというような経過もございまして、狭い意味の医業類似行為というものは、いずれこれは禁止するというふうな運命にあるというふうに判断をせざるを得ないのでございますが、そのうちで人体に有益なもの、あるいは坂本先生が先ほどおっしゃいましたように、医療の補助者として何らか取り上げてしかるべきものは取り上げていこう、こういうことでいろいろ学者にお願いをして検討してもらったのでございますが、どうもこのあん摩、はり、きゅう師のような身分法規を作るには適当なものがまだ見つからない、こういうような実は段階でございます。
#46
○相馬助治君 もう実に筋の通ったような話をしながら無責任きわまるので、ここに、委員にはお医者さんがたくさんいらっしゃいまして、私はそのお医者さんには若干失礼な言葉になるかもしらないけれども、このお医者さんの立場からいえば、この療術師のような方がふえることはこれは必ずしも好ましくないと思うのです。もっと卑近な言葉をもって言えば、失礼ですけれども、医師の療養の範囲を荒される、端的にいえば商売がたきのような存在にもなり得る性格を持っていると思うのです。従って、お医者さんの方に聞けばそれは悪いと言うか、そうでなければ一歩を譲ってくると、坂本先生がおっしゃるように、医療補助者としてこれを認めたらどうかということが問題になってきます。それも一つの方法でしょう。とにかくこの療術師の療治決定については、お医者さんの意見を聞くということもある場合必要であろうとは思いますが、療術師はそれぞれの伝統と研究の上に立って自信を持って治療に当たっているのですから、これを一律に医者の補助者と見ることには賛成しかねます。ただ事実問題として医者と協力することはよいことでしょう。実際医療行為をやるのに、こういう療術師がいて、こういうことをやることはとっても大へんな、科学的な証明のつくことでこれはまずいのだということについては、その実例によって私は判断していくべきだ。それから坂本先生のおっしゃったように、このことをやることによって本来やっている医療行為を助け治癒を早めるというものについては、医療補助としてそれを認めていくべきである。それから単独にやはり療術の技術として生きて、そして人体に無害どころか効果のあることもあると思う、だから私はここで指摘したいのは、今のいう療術師を何もかも無条件で認めて、今後試験要件も今のようにやれと言っているのではない、ある電気についてどうしてもこれは何ボルト以上のものは危険が伴う、こういうことならばお医者さんなりあるいは電気の技術者なりの意見を聞いて、こういう例は禁止すると、したらいいと思う。そうでないものについては、無害どころかこの効果のあるものについては、私は療術師法という法律を単独に作って、試験要件を確認して、相当厳重にして、そしてお医者さんなんかの医療行為と逆行しないように、そういうようなことをやるべきだと思う。ただ野放しでお医者さんがどうだといえば、一般論としては危険が伴う、私お医者さんが悪いと思わない、そういうふうに聞かれれば医者の良心として危険があり得るのです。どうも思わしくありませんと、一般論として言わざるを得ないのです。そういうことをやらないことが厚生省の怠慢だ、療術師にはいろんな種類がある、この種類はいい、この種類は悪い、この種類は研究を要すると出てくるはずだ、こんなに時間がたったから私はこれを聞いている。そうするとかりにわれわれがこの法律に協力して、三年間に成立した場合にあれですか、厚生省はそれらの従前の人を全部何とかで生かす方法がありますか、それとも三カ年延長してやるが、その間に転業しない者はお前ら悪いからと全国の療術師を殺しちゃうと言うのですか、どっちですか、端的に聞くんです。政答えることではない、人道問題だ。
#47
○政府委員(安藤覺君) お答え申します。先ほど来諸先生方のだんだんの御高見を拝聴いたしまして、かつまた、厚生省に対するおしかり御鞭撻等も承りました。しろうとの私にも諸先生方の御主張になっておられることがほぼのみ込めたのでございます。なるほど古い言葉に、石の上にも三年という言葉がございます。三年が三年、三年と、九年も続いたんでは、このお言葉も出ることはやむを得ないことであろうと存じ反省するわけであります。そこで坂本先生も問題を二つにお分けになりましたが、私もまた観点を異にしまして二つに分けて考えておったわけであります。それは一つには、先ほど来の御質疑、御高見の中にくみ取れますものは、盲人としてのあん摩さん方の、いわゆるあん摩としての職業を専有もしくは確保せよ、こういうお言葉であろうかと思います。まずこれにつきましては、私も幾たびかあん摩、はり、きゅう等の組合の方々から陳情をいただいておりまして、そのつど事務当局にこういう陳情があったが、これに対してはどういうふうなことをしておるのか、また、将来どうするのかというようなことを質問もし、刺激も与えてきたわけであります。聞きますれば、今論議も出ましたような憲法論もありまするししますので、積極的にあん摩は盲人にのみ許すという行き方はできません。そこで消極的ではありますけれども、目あきのあん摩さん方の学校を制限するとか、あるいは定員を制限するとかいうきわめて消極的な方法しかありませんというふうなことでございまして、さらにまた、この無免許のあん摩を極力取り締まっていこうと、こういうようなことも申しております。いろいろ検挙された表などを拝見いたしますと、男女別に見ますと、やはり無免許で男の方の方が検挙されておるのが多いようであります。男の方が売春するというようなことも、たまにはあるかもしれませんが、あまりないのだろうと思います。こういうことでありますると、やはり相当に無免許のあん摩さんが横行しておるということは、否定できない事実だろうと思います。これについては、一そうの厳重な取り締まり方をせねばならぬだろうと、かように思っております。
 さらにもう一つの問題は、類似行為に対する規制を何とかせよというただいまの御要望でございます。これにつきましても、すでにあん摩、はり、きゅう、柔道整復師というような方は、坂本先生もおっしゃいましたように、むしろそういう制度ができるならば、補助者としての制度の中に当然加わるべきものだろうと思いますが、そのほかに、いろいろあげられておるように、電気によるさまざまな方法、これは手わざと読むのですか、手技と読むのですか、テクニックは存じませんが、手技、温熱、電気、光線刺激というようなものの中には、何百種類とあるということだそうでありますが、これらについても、やはり先ほど来御論議のありましたように、直接人体に影響がある、よき影響のあるものももとよりございますが、悪き影響のあるものもありますし、いろいろいたしますが、いずれにいたしましても、このままに放置するということは許されない状況にあるように感得されます。ぜひ、この三年間においては、今度こそは石の上にも三年ということのないように、諸先生方の御意見、及び一般組合その他からの御陳情も体しまして、今度こそは、この三年間に、一応の方向をつけるように、私自身努力いたしますとともに、このことを、この場の空気を大臣にもお伝えしまして、さらに事務当局にも御勉強願いまして、一つ皆様方にお目見えしたい、かように考えておるわけであります。
#48
○谷口弥三郎君 関連して。今回の問題について、いろいろ皆さんの御意見も聞きましたが、まず第一番に、先刻のお話のうちに、療術医療行為者、療術行為をやっておる方に対しての、医者の中では、すぐそれをいかぬと言って、反対する人がかなりいわしないかというようなお話もあったようですが、事実は、われわれといたしましては、全部の方を、療術行為を否定しているわけじゃありません。まず第一番に、やはり医学的によく診察して、そしてよく見てみないというと、案外何でもないと思ってあん摩をしてもらっておったり、あるいは指圧してもらっておった方が、案外ひどい大きな重症を中に持っておって、その後発見されたときには、手術の時期を逸してしまうという場合があるから、それで反対ではなしに、ある場合には、それをすぐそのまま認めてはならぬというようなことを言っておるだけで、絶対に反対しておるわけじゃないのであります。
 私が、ただいま立ちまして、一つ申し上げてみたいと思いますのは、このあん摩、はり、きゅう、柔道整復師問題が出まして以来、私もいつもこの席におって、いろいろそれに参加しているのですが、ことに今回三年間延長されたにかかわらず、聞くところによると、なお徹底的にすべての方面にお調べができなかったり、あるいは特例試験にいたしましても、十分それが行なわれておらなかったために、今でも無免許とかあるいは無届けの者がたくさんいる。しかも、だんだんと無届けの者がふえているというようなうわさも聞きますので、今回こそ、今政務次官が言われたように、石の上にも三年というのですが、今度のときこそ、実際にこの三年間においていろいろと研究をされ、あるいは療術行為の方もどういう場合にはいかぬとかいうこともきめまして、ことに指圧の方面とかいうのには、これを、この前も少し教育をいたしまして、講習をして、いわゆるあん摩の方に進めていく、あん摩という業態の身分を持ってもらえば、その仕事ができるのですから、やってもらいたい。聞くところによると、まだ四、五千ぐらいの方が免状もとらずにやっているのですから、この機会に一つぜひ厚生省としても大いに特例試験をやるとか、あるいは講習をするとかいうような方面に御尽力を願えれば、この三年間というのを延ばしてもよくはないかと思っております。
#49
○阿具根登君 関連して、次官に一点だけ聞いておきますが、今デパートヘお行きになると、五千円か、たしか五千五百円という電気の機械があります。一般の人はそういうものは買えない。買える人が自分で買って、そうして買えない人に百円なら百円で治療していいかどうか、ちょっと聞いておきます。憲法論からやって下さい。いいかどうか、できないならどういう理由でできないか。
#50
○説明員(黒木利克君) 先生方のいろいろの御意見ごもっともだと思います。実は、最高裁の判決につきましても、多数意見と少数意見がございまして、当時の裁判長の田中耕太郎という裁判官は、この判決については反対だということを漏らされているような次第でございます。従って、いろいろ問題がありますが、一応多数意見ということで、われわれも判決に従わざるを得ないというふうに考えておりますが、先ほど申されましたデパートのあん摩器具といいますか、これは、それを反復、業とする場合に届け出をしてなければ、これは届出医業類似行為の違反でございますから、今までは法律上は処罰の対象になるのでありますが、しかし、人体に危害を及ぼすおそれがあるという場合しか処罰ができないという判決でございます。
#51
○阿具根登君 最高裁の判決はそれをいってない。だれでもできるのです。だから何もならぬというのです。
#52
○説明員(黒木利克君) 説明が足りませんでしたが、先ほど申しましたように、医業類似行為を二つに分けまして、あん摩とかはり師とかきゅう師とかいう人たちのやるものも、広い意味の医業類似行為でございますが、判決のいっている医業類似行為というのは、そういうものではなしに、届出医業類似行為を経過的にだけ認めている。医業類似行為というのが判決の対象になっているのであります。従って、いわゆる届出医業類似行為の違反につきまして、人体に危害のない場合は処罰ができない、こういうことでありまして、あんま摩、はり師、きゅう師の方はしっかりした身分法規がございまして、これの違反はもぐりとして処罰される、これは従来通り変わりはないのであります。
#53
○阿具根登君 それは聞いてない。そういうと、さっきの蒸し返しになって、憲法論から離れているということです。
#54
○小柳勇君 今のに関連した問題から先に質問いたしますが、昨年の三月二十九日のこの委員会で、私、坂本委員、高野委員などの質問がありまして、そのときに、江間医事課長が、最高裁の判決の問題が出た直後でありましたので、こういう答弁をしております。「最近これらの者の取り締まりにつきまして、最高裁判所から非常に従来と違った種類の判例が出されまして、かいつまんで申し上げますと、医療類似行為については、何人もやってならないわけでございますが、これを無届けの者がやりました場合には、無届けというだけで処罰されていたのが従来の慣行だったのでございますが、今度の最高裁の判例によりますと、身体に有害のおそれがなければ、無届けの医療類似行為をやっても処罰できないというような新しい判例が出て参りました。」と、こう書いてある。これは今はっきりあなたは二つ分けて言いましたけれども、この方がすっきりしているわけですね。従って、こういうものであるならば、法律を作っても取り締まりができないではないかと論争いたしました。そこで盛んに論争いたしました結論として、高野委員が、そのような判例が出て、厚生省は今後一体どうするのか、その問題については国会で作られた法律を、最高裁が判決を出したからといって、行政当局が取り締まりができないようではしょうがないから、早急に社会労働委員会、法務委員会など合同委員会を開いて、最高裁からも呼んで意見を聞いて、何らかの処置をしたいと。そうして当時の加藤委員長がこれを確認されておるわけです。従って、私は今まで答弁を聞いておりますと、最高裁の事務局から厚生省に回答があったようでして、その回答の扱いをどうしたか。たとえば国会に報告されたか、あるいはそれを下級機関に、あなた方の出先機関に通達して、最高裁の真意はこうだ、従ってこうしろというような示達をして取り締まりをされておるのかどうか、具体的に御答弁を願いたいと思います。
#55
○説明員(黒木利克君) 先ほど申しましたように、三十五年の一月に最高裁の判決がありまして、私の方も最初の感じでは医業類似行為というのは非常に広い意味に解しているらしい、そうすると無免許あん摩の取り締まりも、人体に危害がない限りはできないんだという解釈もされて、これでは大へんだということで、最高裁に確かめに行ったわけであります。その結果、ここでいう医業類似行為は、あん摩とか、はり師とか、きゅう師の行為は入らない。これはいわゆる医業類似行為であって、狭い意味の届出の医業類似行為に限るのだというような回答でございました。従いまして、それに基づきまして同年の三月三十一日付で医務局長から知事あてに通知をいたしまして、そういう誤解があるけれども、その誤解は最高裁のこういうような事務当局の解釈ではっきりした、従って、これはあん摩とかはり師とかという従来の無免許のこういうものの取り締まりの方針に何ら関係がない、これは従来通り無免許あん摩の取り締まりは厳重にやるのだから、やるようにと。それからもう一つ、医業類似行為の、それでは実際に届出をしておるものに何らの意味がないではないかというような考え方がございますが、ただこの判決がありましたけれども、やはり人体に危害があるおそれがある場合がありますから、予防的な施策をやらなくてはなりませんから、保健所におきましてはこういうような無届の医業類似行為業者に対してもたえず監視をしなければなりません。従いまして、そういう意味の監視はいたすわけでございますから、もし届出医業類似行為業者がこの判決によって何ら自分たちに身分の保障の意味がないんだというような誤解につきましては、それを今のような私たちの解釈で、この通知によって誤解を解こうという努力をいたしたわけでございます。
#56
○小柳勇君 知事には昨年の三月三十一日に通知を出されたようでありますが、保健所長などに意見を聞いてみますと、最高裁の判決が出ましたので、取り締まりもできません、こう漏らしておるのが実情ですが、その後知事から何か回答があったか、あるいはそういうものに将来あなた方はどう対処していかれるか聞いておきたいと思います。
#57
○説明員(黒木利克君) 問題は人体に危害があるかないかという判定の問題になりますが、保健所におきましては、人体に危害が確実にありそうだという場合におきましては、予防的な意味で注意をしたり、そうすることは行政措置としてできるわけでございますから、そういうことを指導しておるわけでございます。従って、無届の医業類似行為業者は、保健所なり、あるいは警察署長から、いつ、どのような措置を受けるかもわからぬというような心理的な不安はあるわけでございまして、届出医業類似行為業者はそういう不安はないわけでございます。ただ、この判定を一体だれが、どこで、どうするかというような問題がございますので、これは今後いろいろ検討しなければならぬ、現に検討いたしておるわけでございますが、しかし歴然と人体に危害がありそうだというような場合には、予防的な意味でいろいろ指導をするということは当然行政当局としてできるわけでございますから、そういう点を励行さして参りたい、かように考えております。
#58
○小柳勇君 今の点、次長の答弁だけでなくてわれわれも現地の意見を聞きますので、善処してもらいたいと思います。
 次に、関連いたしまして、さっき医務局長が答弁されました中で、静岡県衛生部長が無免許あん摩の取り締まりをやってみたところが、その七割ぐらいは免許を持っていなかった、旅館に出入りする者が。そういうような答弁がございました。旅館に出入りする者のうちで、七割も免許を持っておらなかった、そのおらなかった者については、どのような処置をなされているか。また、たとえば親方制度などで、親方だけ免許を持って、見習いというようなことで、免許を持たない者も多数あると聞いておりますが、そういう者の処置、取り締まりについて、どういうような対策を持っているか。
#59
○説明員(黒木利克君) 先ほど申し上げましたように、通知の中には、こういうような、いわばあん摩師の紹介をする旅館業者、あるいは料理屋の業者、そういうものの協力を得なくてはなりませんので、衛生部局を初め、こういうような接客業者に対して十分協力を求め、こういうような無免許あん摩を紹介しないようにということを指示いたしておるわけでございます。こういうような場合に、無免許の人たちを雇い入れて、そうして業をしておる者は、実は私の方では、このあん摩師法によりまして、指定の取り消しとかいうような行政措置もできますから、悪性なものにつきましては、そういうような行政措置をとって参りたい、かように考えております。
#60
○小柳勇君 悪性であるなしということは、免許を持っておるかおらないかで簡単に判断できると思うのだが、そのような旅館に出入りするものの中で、いってみて、免許を持っているか、あんた持っておりますか、と聞いて、持っていないといえば――それは善性とか悪性とかという問題でないと思うのだが、どうですか。
#61
○説明員(黒木利克君) 養成施設とか、そういうようなところで、いわば見習い的な、一つの教育訓練の過程としてやっているものがございますので、しかし、そういうものを故意に、意識して、一人前の業者として治療に当たらせ、あるいは料金を取るというようなことは、法律に違返するわけですから、厳重に取り締まってしかるべきでありますが、しかし従来そういう点が手ぬるいというおしかりでございますから、こういう場合には警察に対して通告をいたしまして、警察の方で厳重に措置をしていただくということを今後やらして参りたいと思っております。
#62
○小柳勇君 警察庁の保安課長。昭和三十四年に、あん摩師法違反百三十件、男六十七名、女五十九名、計百二十六名が統計として出ているようです。その後の発生件数、取り締まり方法、それからただいま医務局次長が答弁いたしましたように、旅館に無免許で出入りしておる人たちに対する処置、その三点を質問いたします。
#63
○説明員(小野沢知雄君) 第一点の、三十五年の件数でございますが、先ほど申し上げました通り、件数が八十件で、人員が八十三名になっております。この点は私どもも万全の措置を、できるだけのことをやっているわけでございます。かつまた、措置につきましては、独走しないで、十分に保健所あるいは衛生部の方とも相談いたしまして、適切な措置をしておるわけでございます。
#64
○小柳勇君 もう少し具体的に処分の方法、それから三十四年は百三十件、三十五年は八十件、五十件減ったのはけっこうですが、ただいまの各委員の質問の中でもあるように、無免許あん摩というものは非常にふえておるというのがなお一般の考え方であるが、どんな取り締まりをやっておるのか。一斉取り調べをやったことがあるのかどうか。もう少し具体的に御説明願います。
#65
○説明員(小野沢知雄君) 今の一斉取り締まりでございますけれども、特にその県の衛生部の方からあるいは保健所の方から連絡がございまして、一斉取り締まりをやろうということになるとやるわけでございます。先ほど熱海の話もございましたけれども、これはやはり一斉取り締まりの結果でございまして、その結果は大体説諭処分で済ましております。
#66
○小柳勇君 全部説諭ですか。法律上の違反については罰金刑になっておるようだけれども、まあ私ちょっと見ただけですけれども、ほかにいろいろ情状があろうけれども、罰金五千円ぐらいに量刑されておったようだけれども、全部説諭ですか。
#67
○説明員(小野沢知雄君) ただいまのところ全部説諭で済んでおるように聞いております。
#68
○小柳勇君 何名ぐらいですか。
#69
○説明員(小野沢知雄君) その数は、今、確実につかんでおりません。
#70
○小柳勇君 これは静岡県だけでなくて全国的にそういうものがあって、それぞれの会からわれわれも陳情を受けたり、苦情を受けたりしておるが、警察庁として具体的に今後どのような措置をしようとしておるか。御答弁願います。
#71
○説明員(小野沢知雄君) これはやはりこれまでと同じ態勢でございまして、十分主管官庁でございまする厚生省あるいはまた出先の衛生部あるいは保健所等と連絡いたしまして、この協調のもとに必要の取り締まりを続けて参りたいと思います。
#72
○坂本昭君 今の昭和三十三年二百二十一件、それがだんだん減ってきて三十五年八十一件ですか、これは起訴処分になった分でしょう。で、その結果は一体どうなっておるか。最高どの程度の処罰を受け、最低どの程度の処罰を受けたか。その内容と件数も明らかにしていただきたい。
#73
○説明員(小野沢知雄君) 実はこの数字は検挙されまして送致になった分だけでございまして、その結果がどのようになりましたかは、ただいま数字持っておりません。
#74
○坂本昭君 それでは困るな。それは、ただ厚生省からやかましくいったからそのときだけ一斉検挙をやって、あと何もしないということでは困る。これは当委員会の今までの審議を通してもわかるように、こういう無免許違反についてはこの際特に厳格な取り締まりをやっていただきたいというのが全委員のこれは共通の意思であります。だから今の二百二十一件についても、これは調べていただいて御報告いただきたい、どの程度の処分に付しておられるか。それからまた、今後一体こういう際に、だんだんだんだん送検した件数だって減ってきている。実際は無免許の数というものは多かるべきであります。だからそういうことについても警察当局の行政方針が私はいささか少し寛大すぎてやしないか、そういう印象を受けますから、今の処分の内容についてあらためて御報告いただきたい。
#75
○小柳勇君 それで、今の無免許あん摩については、やはり生活権の問題がありますから取り締まりを厳にすると同時に、これは救済の方法を考えなければならないのですが、無免許あん摩に対して免許を与えるための具体的な方法、現在厚生省がとっておる方法、考えておる方法を御説明願います。
#76
○説明員(黒木利克君) そのあん摩師の免許を与える過程におきましては、文部省の関係と厚生省の関係で養成施設がございまして違うのでございますが、文部省の方では御承知のように、盲ろうあの学校がございまして、あん摩になる生徒に対しましてはこの方面の専門の教育を二カ年間、高等学校なり中学を出た者に対してやる。それから厚生省の方としては中途失明者に対しまして、国立光明寮というものを作りまして、いろいろな要件をつけてはございますが、一応ここでもあん摩とか――あん摩の訓練におきましては二年の過程を必須の年限にいたしておるのでございます。なお、鍼灸の関係につきましては、この年限を先ほど申しましたように少し長くしておる。そのあとで試験をするわけでございます。これは都道府県にまかしてありますが、試験に合格した者に免許を与える、こういうことでございます。
#77
○小柳勇君 そういうことを聞いておるわけじゃないんです。そういう今までやっておるようなあたりまえのことは聞いておらぬわけですよ。無免許あん摩といって、旅館に出入りするのがたくさんおると言われるでしょう。そういう人をただ取り締まるだけではなくて、教育したり、あるいは免状を与える講習会をやらなければならぬ。そういうことをやらないで取り締まるだけではこれは下の下です、行政措置としても。従って、そういう具体的に無免許あん摩がある場合に、その人がたとえばさっきちょっと言われたけれども、売春行為を目的とするような者は厳重に取り締まって、そういう者には免許を与えてもらいたくないが、たとえば盲人などで、あるいは弱視の人で親方について実習という名目でやっておる方もあるかもしれぬ。それは公立の学校に行ってもらうとか、あるいは厚生省の免状を与える施設に行ってもらうとかいうことを、予算を組んで具体的にやらなければ救えないということですよ。そのようなことを聞いているんです。そのような具体的な措置がなければ、あなた方今までほんとうに何をやっておるかということになりますから、そのことを……。
#78
○説明員(黒木利克君) 勘違いしまして恐縮いたしましたが、実は先ほど警察庁からお話がありましたように、無免許のあん摩を検挙いたした場合には、一応、免許を受けてやりなさいということで説諭して帰す。そういう人たちは、いわゆる厚生大臣の指定する養成施設で訓練をして資格を与えるようにしたいわけでございますが、先ほども御意見がありましたように、この厚生大臣の指定の施設は主として晴眼者でございますので、晴眼者の施設をふやしたり、あるいは定員をふやすということにつきましては、また、視覚障害者、あん摩師の方の職業を圧迫するということで、非常に調整に苦慮いたしておるのでございます。しかし、晴眼者のそういうような無免許のあん摩も、やはり生活のためにやっておられるんでございますから、何らか他の適当な職業等に福祉措置としてお世話をするというようなことを、福祉事務所でも十分に今後留意して相談にあずかってしかるべきだと考えておりますから、そのようなことで措置は講じて参りたいと思います。ただ、文部省の方の認定施設が現在六十二ございます。それから厚生大臣の認定した養成施設が三十八でございます。この辺の比率を、あるいは定員をどうするかというような問題が、盲人のあん摩師の職域の確保についていろいろ今後問題になるというふうに考えますが、先ほどこの資料で申し上げましたように、文部大臣の認定の学校では毎年八百七十六名でございます。厚生大臣の方がただいま申しました中途の失明者百八十名を除きますと、晴眼者が千三百六十名、こういう比率で、今後晴眼者と盲人があん摩師になって参るわけですから、こういう程度の比率なら需給関係からいってそう無理ではないと思うのでございますが、この辺のしかし今後の調整をどうするか、これはいろいろ先生方の御意見を聞いて、行政措置として適当な措置をとって参りたいと思っております。
#79
○小柳勇君 政務次官に質問いたしますが、これは政治的な問題になりますから。ただいま次長の話を聞きましても、具体性はあまり私は信頼できません。今具体的に私は申しますと、たとえば盲人ホームを設置するといたしますと、国からの補助金あるいは県などの補助金で建坪二十坪について約七十五万円ばかりの補助金が出してもらえる。しかし、これは土地代金は含まれておらぬわけですね。あるいは授産条例によりますと五万くらいの貸付が現在できることになります。厚生省で盲人にあん摩の免許を与えるということについても十分でない。ところが、その上になお年をとってめくらになってあん摩を習おうという方もたくさんあるわけであります。そういう人は今親方のところに行って実習をしているかもわからぬ。たとえばあん摩治療センターを設置するというような篤志家が出た場合に、そしてこの親方制度のあん摩さんを集めて治療センターを作ってそして免許を与える、講習もやろうし、あるいは生活の援護をやろうというような考えが出た場合に、国として何らかの補助をして、あるいはこれを完全に守ってやって、国が出資をやってそういうものを一つ作って免許あん摩でも救おうと、盲人を救おうというような具体的な案が出た場合に、厚生省としてはこれをどのようにはかられるか。即答は私も今完全なものは求めませんけれども、次官が厚生省を代表して御答弁願っておきたいと思います。
#80
○政府委員(安藤覺君) お答え申し上げます。ただいまの御質問でございますが、私は先ほど来先生からもお話のありました、いわゆる検挙だけをして、その職業を――職業とは言えないかもしれませんけれども、もぐりですから言えないかもしれませんけれども、生活を不安に陥れっぱなしでおっては行政としても、政治としても下の下だとおっしゃいました言葉はその通りだと思います。ただ、ここに検挙数が出ておりますが、その中の男女のうちにおいて晴眼者が何人、盲人が何人検挙されているのかが出ておりませんので、その点はっきり認識はできませんけれども、いずれはこの中にも盲人の方もおられようかと思います。こういったことからも考え及ぼしまして、ただいまの先生のような御意見また具体的な発案がございました場合におきましては、私としましてはできるだけ大臣を補佐し、かつ、行政当局に対しましても極力努力、推進いたしまして、その案を取り上げて、国家がこれに臨んでいけるようにいたしたいと考えております。ただ、その場合において、具体案を拝見しなければ、はたして他の法規等の関係等においてどれだけのことができるかはわかりませんけれども、アイデアとしては私としては全的に喜ばしいことだと、かように考えます。
#81
○小柳勇君 あと二問ありますので、一つは雇用の問題、それから一つは盲人教育の問題、二問だけ一つ質問を許してもらいたいと思うのですが、重度障害者の雇用について身体障害者雇用法ができまして、約七〇%の雇用率をきめてありますが、現在どのように雇用が進んでおるか。この前聞いたところでは病院関係で四四・三%、施術所で六九・四%という答弁がございました。昨今の重度障害者、特に視覚障害者の雇用状況について答弁を求めると同時に、あん摩の免許を取られた方及び盲人学校を出られた卒業生もことしあったと思いまするが、そういう人の就職状況について答弁願います。
#82
○説明員(木村四郎君) お答えいたします。重度障害者といたしまして盲人に対するあん摩師を指定いたしたわけでございますが、この雇用促進につきましては、まず国等における採用計画、これを作らなければならないことになっております。この点につきましては国等におきまするこのあん摩を採用しているととろは、御承知の通り、病院、診療所等でございまするが、それは厚生省関係の国立病院、逓信病院、自衛隊病院、鉄道病院及び診療所というふうに限られた範囲の個所数でございます。それらのものにつきましては、労働省と協議いたしまして採用計画を作成するわけでございまするが、あん摩師等が病院等においてその業務を行なっている実態を職務分析いたすというふうな必要も生じました関係もございまして、この採用計画がややおくれておりまして、目下これらの諸機関と協議いたしておりまして、間もなくこの採用計画ができる予定になっております。それから民間の施術所等につきましては、これは地方の公共職業安定所におきまして個別的に事業所台帳を作成する等の方途を講じまして、まず現状を把握し、雇用率に達していないところにつきましては雇用を促進するというふうな指導を加えておりまして、これが報告等も何人就職したかという数字につきましては、毎月、月報をもって報告されることになっておりまするが、それは少しおくれておりますので、はなはだ遺憾でございますが、六月から報告を求めることになっております。
#83
○小柳勇君 今の盲人の就職状況ですね、そういうものも――盲学校も三月には卒業式があったわけですから、当然きょう質問するのはきのうからわかっておりますし――わかっているはずと思うのですが、就職状況はどうですか。労働省、わからぬですか。
#84
○説明員(木村四郎君) 盲人の学校の卒業生につきましては、本年三月終了した者の就職の数字は今手元にちょっとありませんので、すぐ調査いたしたいと思いますが、昨年度の就職状況はわれわれの方で手元にございます。
#85
○小柳勇君 昨年度の就職状況をちょっと説明して下さい。
#86
○説明員(木村四郎君) ちょっと今探しておりますので、もうしばらく御猶予願いたいと思います。(「文部省の方の統計を……」と呼ぶ者あり)
#87
○説明員(辻村泰男君) ただいまの盲学校の卒業生の就職状況でございますが、本年度の分につきましては、私の方の手元にもまだ集まっておりません。従来の経過を見ますと、大体就職と申しまして雇用関係に入ります者はきわめて少のうございます。全体の大体年間人数で、ごく大ざっぱに申しますと、年間盲学校から卒業生が大体四、五百名は出るわけでございますが、それで雇用関係に入ります者は、そのうちの一割に満たないわけでございます。それで、それも主としてあん摩業の施術者のもとに就職と申しますか、そこで業をやるというような関係でございます。その他につきましては、いわゆる自営業のものでございます。なお、自営もしないで雇用関係にも入らないというものも相当数おるような概況でございます。
#88
○小柳勇君 今の自営業についても、盲学校の卒業生についても正確な数字はありませんか。卒業生それからその後の状況についてはもう少し把握して、自営業についてどういう情勢であるか、わかっているだけ……。
#89
○説明員(辻村泰男君) 今手元には卒業者の明確な数字がございませんが、これは調べればすぐわかります。後ほど正確な数字を申し上げたいと思いますが、自営業の中身もこれは大部分はあん摩業、はり、きゅうの自家営業、そのくらいの概況であります。
#90
○坂本昭君 関連して。辻村さんは文部省の特殊なところを担当しておられるからよく御存じのはずだと思うのですね。私たちも盲ろうあの学校に行きました。そうしますと、一番こんなに教育で困難なところ、うるさい困難な学校はないのですよ。そしてしかも、そこを出た、たとえば盲学校を卒業した卒業生がどういうふうな就職あるいは人生の航路をとるか。これは盲学校の先生方は実に一生懸命真剣になっている。ところが、現実は出ていっても、あん摩業は晴眼者に圧迫されて就職できない。就職というよりも仕事ができない。それで非常な問題となってわれわれに訴えてきておられる。ところが、今あなたの方では、この厚生省の統計では八百七十六の卒業があるのに、あなたたちのところではたった四、五百名と言っておられる。そういうところにも大きな食い違いがあるし、さらに一〇%以下しかあん摩業としては立っていない。それで実際こういう学校を出た人がすぐ自営できるはずなんかないじゃありませんか。そうすると、あなたたちはこういう教育者として一番むずかしい困難な仕事をやっておきながら、あとほったらかしにしておく。文部省は実に冷淡きわまりない。今あなたがはっきりした数がわからぬというのならば、正確な数を出して一つわれわれに見せていただきたいが、その前に、これは盲だけでもありません。ろう、あ、その他身体障害の子供に対する教育には教育者としても、文部省としても非常な負担をかけているので、こういう人たちが社会人として働く権利、生きる権利があるのですからね。そういう人たちがどういうふうにこの生きる権利や働く権利が守られているかということは、それは文部省としても管轄外かもしれないが、せっかくそこまで訓練をし教育してきているのでしょう。一体あなた方としてはどういう基本的な考えを持っておられますか、まずそのことから説明して下さい。
#91
○説明員(辻村泰男君) 大へんごもっともな御意見でございます。私どもも実はその点は特殊教育の最後のねらいは就職と申しますか、職業につくのが問題だという点はまさにその通りに考えております。実は昨年でございましたか、当委員会で盲人の職業問題について御質問がございまして、その際に盲学校を卒業してもみんなあん摩、はりだけに行ってしまうじゃないか、これについて新しい手を打て、かような御意見も出たのであります。そこで、私どもといたしましては、従来伝統的に盲学校を出ますと、あん摩、はり、きゅうという関係のいわゆる医療関係の仕事についておられる一つの伝統的な地盤がございます。これはこれとして、もちろん確保したい。しかしながら、現実の問題として御指摘の通り、晴眼者によって盲関係の仕事が圧迫されると申しますか、侵食されている。そこで、盲学校及びろう学校の卒業生に対する新職業の開拓という問題も実は考えておりまして、本年度の予算におきまして、ごくわずかではございますが、総額では五百八十万円、これは国の補助金で五百八十万円あまりでございますが、これを盲学校、ろう学校それぞれ五校、全国指定をいたしまして、新しい職業へ盲学校、ろう学校の卒業生が進出できるような研究と申しますか、研究と申しますのは、机の上の研究ではなしに、具体的にそういうものの希望のあるものについては現場と現場の工場、事業場と連絡をとってそこの人を非常勤講師に頼んで学校内で訓練し、卒業期が近づいたならば在籍のまま工場の中に通って現場で習う、そうしてでき得べくんばその工場に就職する、かような方向で新職業の開拓等も考えております。これにつきましては、本年度予算もわずかではありますが、先ほど申しましたように、五百八十万ばかり取れましたので、各都道府県の教育委員会と連絡をいたしまして、希望を募りましたところが、非常に学校側も積極的な希望を申し出て参っております。従いまして、新事業の開拓と一口に申しましても、非常に実際は困難だと思いますけれども、従って、当初は人数は少ないとは思いますけれども、大体盲五校、ろう十校を選んでそれぞれ十名ぐらいずつ新しい職業への進出をはかろうと、こういうことを考えておるわけでございます。
#92
○小柳勇君 盲人教育の問題について一問一答したいのですが、他の委員の質問も待っておりますし、時間も非常におそくなりましたから、私は一括して申しますから、問題点を要領よく答弁願いたいと思います。
 一番大きな問題は、ただいま坂本委員の発言されましたように、われわれが山間に参りましても、まことに胸のふさがる思いで、盲学校の教育、あるいはろうあについてもそうでありますが、特殊教育についてはいま少し思いやりのある、しかも予算をかけた、設備を充実した教育がなされなければならぬのじゃないか、あまりにも恩恵的な、恵みをたれるんだというような教育しか現在の日本ではやっていないのではないかという気がしてならない。この点についての、まずこれは基本的な問題でありますが、第一点であります。
 第二点は、小学部、中学部については義務教育との関連で国民としての常識あるいは一般教育ということで課程も組まれておるようであります。高等部に参りますと、今も答弁がありましたように、あん摩を習うのだ、あん摩、はり、きゅうを教えるのだということが主たる任務にあるように思えてなりません。普通の高等学校のように、国民としての常識なりあるいは知識、高等学校程度の知識を与える学校教育法の基本に沿って、特殊教育じゃない学校の高等部というものが作れないものであろうか、そうしてあん摩は盲人の優先業務とわれわれも考えておりますが、そうであるならば、そういうあん摩の特別な教育を施す学校をその学校の高等部と別に作ってもよいのではないか、そういう気がしてならぬのであります。そうしませんと、盲人はあん摩だけしか仕事がないもんだというような先入感が本人も国民もしがちである。音楽的な天才の方もあろう、あるいはその他特別な才能のある方もありましょうが、そういう人が教育施設がないために埋もれてしまう。従って、盲学校の高等部以上の教育については、一般国民としての教養、そういうものも勘案して、学校教育法の線に沿ってあらためて一つ検討し直していただきたい、これが第二点であります。
 それから第三点は、盲学校といいましても、純粋なる盲人と、それから弱視者とが一緒に学校編成されて教育されているようであります。そうしますと、弱視者の方はおぼろげながら字が見える。そこで、まあ点字よりももう字で勉強するのが早いというような方もある。それは盲学校に入ってあん摩を勉強するんだということで盲学校に入る方もあるようであります。そうしますと、教職員も困りますし、本人たちも純粋な盲人と弱視の方では相当感覚的にも違いますから、その学校内における教育の効果も非常に違って参ります。従いまして、盲学校の視力の限界を一体どの辺に置くのか、どのようなところに限界を置いて教育課程を考えておられるのか。この点を第三点に聞いておきたいと思います。
 それから第四点は、寮との関係でありますが、盲学校には寮も併設されてあります。ところが、その寮生活と学校教育というものは一体であっていいものであろうかという問題も私は考えておる。もう少し盲人の生活保護の問題といわゆる盲人の教育の問題というものは区別しながら教育しなければならぬのではないか。生活保護の問題あるいは社会福祉の問題と盲人教育の問題とは截然と区別して考えるべきではないか、こういう気がするわけです。
 盲学校の教育について、私もまだ十分の勉強をいたしておりませんので、特殊教育主任官から意見を聞いておきたいと思いますが、最後に、ただいまちょっと触れました卒業者が自家営業する、今自家営業すると言われましたけれども、自家営業するといたしましても、盲学校教育を受けた方で家庭が裕福で十分な資金があるという方は非常に少ない。従いまして、就職の機会も非常に少ない。あるいは、身体障害者雇用促進法ができましたけれども、さっきの労働省の答弁の通りでありまして十分把握できないほどのことでございます。従って、学校を卒業する場合、自営業を申し出たような青年諸君には国家が率先して融資するぐらいの制度ができないものであろうか。昨年医療金融公庫法ができましたけれども、これは医者、薬剤師などには適用されまするが、まだこのあん摩、はり、きゅう、あるいは指圧などの方には、医療金融公庫法の適用はないようであります。そういうような制度の創設について、これは、文部省だけではございません、必要があれば厚生省からも御答弁願いまするが、文部省として卒業生の将来についてどのような考えを持っておられるか。
 たくさんございますけれども、以上五つの点について答弁願いたいと思うのです。
#93
○説明員(辻村泰男君) 第一の、特殊教育を大いに重要視しろという御意見でございますが、私どもも全く同感でございます。大へん微力ながら年々努力をいたして参りまして、特に特殊教育の分野でおくれております精神薄弱とか、肢体不自由関係の教育は盲ろうに比べますと――盲ろうももちろん十分ではございませんが、最近数年間にかなりめざましい発達を遂げてきたわけでございます。予算的な面につきましても皆様方のお力添えで年々増加いたして参りまして、まあどうやら就学率を上げるための何と申しますか、いれ物及びその経済的援助というような面についての手は打たれて参ったわけでございます。しかしながら、もちろんまだ十分ではございませんので、今後ともこれにつきましてはできるだけの努力をいたして特殊教育の振興をはかって参る覚悟でございます。
 それから第二点の、盲学校等の小中学部は義制務であるけれども、高等部については何と申しますか、職業教育的な面にあまりとらわれ過ぎて、一般教養、社会人、文化人としての教養に欠けておりはしないか、従って、一般の高等学校ないしは大学の方にも進む方向を考える、まあかような御意見でございますが、この点につきましても実は私ども特殊教育の最終的なねらいは職業的に自立させることである、こういうことは一面考えております。しかしながら、職業的に自立するということは、十分な教養を持たずに食えればいいという意味ではもちろんございません。この点で両者のかね合い、しかも一般の義務教育年限ないし一般の学制と申しますか、たとえば高等学校三年、大学四年という、こういった範囲内で両者の要求を満たすということは非常に困難ではございますけれども、私どももまさにその通りの気持で実は昨年度におきまして盲学校、ろう学校の学習指導要領の改訂等も行なったわけでございます。なお、現在の制度におきましても、義務教育を終わったつまり盲学校の中学部を終わりました者が高等学校に行く道が全然ふさがれておるというわけではございません。しかしながら、盲の場合には、ことに学習に点字を必要とする。盲の場合には実際問題といたしましては一般の高等学校の中に点字のわかる先生がおりません。全部の高等学校の先生に点字を必修として教えるというわけにもとても参りませんので、盲の場合にはこれは非常に実際問題としては困難でございます。そこで、高等部を出まして大学に進むという盲人は、これは年々全国で一人か二人でございますけれども、今でもあるわけでございます。それからろうの方では、少しわき道にそれますが、ろうの方では、これは口話法が十分できるようになれば高等学校に行っておる者も、ごくこれも数は少のうございますがございます。そういう道が今細々と開けておりますので、これはこれとして今後職業教育と並んで十分その道を広げていくというような努力もいたしたいと考えております。
 その次に第三点の、盲学校には盲と弱視と両方入っておるが、その普通の一般教育と盲学校の教育との視力上の境目はどうかと、こういう点でございますが、原則的には盲学校は点字を必要とする者だけに実は限りたいわけでございます。しかしながら、そこで境をいたしますと、しからざる者がすべて小中学校に行かなければならぬと、こういうことになりまして、強度の弱視者につきましては、たとえば一番前に席を置きましても黒板の字が十分に読めないというようなことになりますので、どうしても弱視対策といたしましては、やはり盲学校の中に強度の弱視は入れていくという方向をとらざるを得ないわけでございますが、これは規模の大きな盲学校におきましては、弱視とそれから盲ないし点字を必要とする程度の弱視と申しますか、ほとんど見えない、明暗だけわかるというような盲に近いようなもの、これは点字を必要といたしますが、点字を必要とするものと、しからざる墨字で拡大鏡等を用いて教育を受ける者、この学級の編成を別にするという方向に進むように今努力しております。これはすべての盲学校がそうではございません。規模の小さなところは職員の定員等でとうていそういうことはできませんけれども、御指摘の通りこれは分けていかなければならぬというふうに考えております。
 それから次に、寮生活と教育との問題でございますが、現在の学校教育法によります寄宿舎、これは教育のいわば一環と申しますか、全体的な教育の一部として実施をいたす形になっております。しかしながら、もちろんいわゆる全寮制ではございませんから、学校のそばの者は家から通うわけでございます。寮におきましては、ただ小学部の低学年の子供等になりますと、いわば母がわりになって世話をする人がぜひ必要でございますし、その世話をいたす者もただ衣食住のめんどうを見るだけではなしに、教育的な配慮がぜひ必要だというような観点で、現に寮母の職務の中にも世話及び教育に当たるというような書き方をいたしております。寮におる者についてはいわば二十四時間教育的な配慮のもとにこれを実施するというような考えで今やっておるわけでございます。
 それから最後の卒業生の自営業者になる場合でございます。これも御指摘の通り、すべての家庭が決して裕福ではございませんので、自営が困難である場合が非常に多うございます。そういう者が主として雇用関係に入ることを希望し、そちらに努力をいたすわけでございますが、これの自営の援助、まあ生業援助のような方法につきましては今後厚生省とも御相談をいたしまして、研究し、それが実現するように努力をいたしたいと考えております。
#94
○坂本昭君 今の文部省との関連のことでちょっと聞きたいのですが、身体障害者に対する教育が特に職業的な自立ということ、いわば生活能力を持たせるということに非常な重点を置かなければならぬ、これは当然のことであります。そこであん摩師以外にいろいろと新しい道を開拓しようと努力しておられる、これは非常にけっこうなことで、予算的な措置としてわれわれももっともっとふやしていきたいという考えを持つものです。そこで一つ身体障害者雇用促進法という法律が昨年できたのです。これは昨年の安保でごたごたしているときに十分な審議をしないでいつの間にか通してしまったので、私としては非常に不満があるのです。というのは、何が不満かというと、第一、身体障害者雇用審議会がもうできて一年になっているのに何回やっているかというのですよ。そしてまだ内容的にほとんど進んでいない。これは任期二年なんですよ。任期二年のうち一年済んでおってまだ何もできていない。こういう怠慢は私は労働省に対して責任を問います。同時に、文部省としてはせっかくとういう身体障害者の雇用促進法ができて、そうして特定職種の指定もできた今日ですから、あなた方の方ではこういう卒業生をそれぞれの職場へ積極的に労働省に働きかけて送り出していただきたい。私が今お尋ねしたいことは、そういう努力を文部省としては、特にこういう盲学校をかかえておられる皆さんとして積極的に具体的にやっていただけるかどうか一つ文部省にお聞きしたい。
 さらに労働省には、この今の雇用審議会、非常におくれているのですよ。これは審議委員の人からも聞いております。たとえば内臓疾患についての小委員会だってまだできていない、こういうことは全く怠慢そのものですよ。だからこれについてあなたの方の弁解を求めたい。さらに私は、何もあん摩を業とする施術者だけではない。ほかにこういう盲の人に対する職場を開拓し、広げていく道は幾つもある、たとえば労働省はたしか神奈川県ですか、神奈川県のいろんな工場で、何といいますか、肉体労働したあとであん摩をしてもらう、そういうふうなことをたしか神奈川県全体として推進しておったように聞いている、こういう職場は厚生省の中にもあるのです。これは次官一つ覚えておって下さい。高井戸にある年金業務室、ここにはパンチャーといいまして、ぽんぽんぽんと一千万以上の年金加入者の統計をとるためにパンチャーというのを使うのです。これは激しくやりますから腱鞘炎を起こしたり、それから特殊な職業病を起こすのです。そのために何といいますか、配置転換のときに、ああいう所へ行くのはいやだと言って拒んでいる事件があって、今これは厚生省の組合の中の一つの問題になっております。私はああいう所には、あん摩師を入れて七時間働いたあとはあん摩をして、そういう職業病を起こさないように、そういう所にはこれこそ指定してあん摩師を入れていく、そういうようなことをやればまだまだ盲の人の働く職場というのはたくさんあるのですよ。要はこういう人を救うか救わぬかという熱意いかんなんですね。そういう点で私は厚生省自体もずいぶん不熱心だと思う。今の点については一応そういうことがあることだけを注意を喚起しておきまして、文部省当局とそれから労働省に対して今の身体障害者雇用審議会の問題ですが、今のようなことでは私たちは納得できません。一つその弁解を求めたい。
#95
○説明員(辻村泰男君) 身体障害者雇用促進法ができまして、特殊教育関係の卒業生が雇用関係に入りやすくなったということは大へん私どもの仕事にとってもありがたいことでございますので、実はその後のあの法律が成立いたしまして以後の全国の盲学校長会、ろう学校長会等の席上で、こういう法律ができた、こういう趣旨でこういうことがやれるようになったんだから、一つ十分承知して職業安定所とも連絡をとってくれ、この程度のことは今まで申しました。それからなお具体的に、盲学校、ろう学校で職業教科を担当いたしております教員の講習会をやったのでございます。この際には労働省の方からおいでを願って、促進法の説明、具体的な手続等についても御説明を願うというようなことはやったわけでございますが、まだもちろんそれだけでは十分でございませんので、今後は一そう労働省とも連絡をとりまして、ただいまの御意見の通り、学校の方から積極的に安定所と一つ一つのケースについて相談をするというような方向に進めたいと考えております。
#96
○説明員(木村四郎君) 身体障害者雇用促進法ができましてから、その法律に基づきますところの身体障害者雇用審議会、この開催につきましては、昨年度に、今正確な記憶はありませんが、六回程度開きまして、そうして政令並びに省令というふうな制定の問題について非常に御熱心な討議を受けたわけでございます。それは各委員に聞いていただいてもおそらく私の言うたことに間違いないと思います。この委員の先生方とわれわれがもう一緒になりまして、非常に熱心にやりまして、やっと政令、省令ができまして、十二月一日に公布の運びに相成なりました。それからわれわれといたしましては、初めての法律でもありますので、具体的にどういうふうに進むべきかというふうなこまかい事務手続についていろいろ検討いたしまして、それから局長からも御答弁申し上げたと思いますが、ブロック会議等を本年の一月に入りまして各方面で開きまして、また、都道府県及び安定所においては雇用主懇談会等を開きまして、リーフレットを作りまして、そうしてPR及びその指導をいたしまして、そうして今まで進んで参ったわけでございます。しかしながら、附帯決議にありまするような今後の問題といたしましての重度の身体障害者、これはもちろん盲人も含めたところの重度の身体障害者関係、それから胸腹部臓器関係の身体障害者関係、それから精神薄弱関係の身体障害者関係、これらの三つの障害者については、非常に就職が困難でございます。これらにつきましては一体どういうふうに進めたら今後いいか。ただいたずらに雇用率があるからというようなことで、その上にあぐらをかいて、雇用主の責任だといってしりをたたいてみたところでうまくいかぬじゃないか。こういうふうな大きな障害を持っておる者にどういう方法を講じたら雇用促進ができ得るかということにつきまして、本年に入りまして審議会を開いたわけでございます。そしてこの三つの障害者についての雇用促進の方法いかんというふうなことを、労働大臣から諮問いたしたわけでございます。そのときにいろいろ意見もありましたが、ともかくこういった三つの問題でもあり、また、これを審議するには、この審議会ではなかなか大へんだから、専門部会を設けて、そうしてやった方がいいんじゃないかというふうなことで、その審議会において、専門部会設置が決定されたわけでございます。それでわれわれといたしましては、重度の身体障害者の専門部会、それから胸腹部臓器の障害者の専門部会、精神薄弱者関係の専門部会、この三つの部会を設置することにいたしまして、その人選も完了いたしまして、今秘書課から、この二、三日のうちに発令手続がなされるところでございます。もし二、三日後に質問を受ければ、私も大へんよかったのでありますが、発令の一歩前になっております。それでわれわれといたしましては、今後この三つの部会を精力的に、毎週一回ずつ開いても、一ヵ月のうちに三回開かなければならないということで、精力的に部会を開催し、運営していかなければならない、かように考えております。決して法律を作ったから、あとはもうどうでもいいというふうな考えは私は毛頭持っておりませんので、もうちょっとおひまをかしていただければ、何とかその成果が発表できるかと思いますので、もうしばらくの間、指導していただきたいと考える次第でございます。
 それから盲人の就職確保の問題でございますが、これはあん摩師というふうなものを指定いたしまして、七〇%というふうな高率の雇用率を課しております。しかしながら、何分にもこの雇用率だけでは、事業所もそう多くもございませんし、また、盲人に対するあん摩というふうな限定された職種だけでは、とても盲人の職場が狭まっておりますので、あん摩師以外に、何か適職がないかというふうな点につきまして、大いに今後検討していかなければならない。そのためにも、この専門部会というものを有効に一つ開いて、そして御意見を承って、新しい盲人のための職場開拓について努力していかなければならない、かように考えております。
 なお、先ほど小柳先生から御質問のありました特殊学校卒業者の就職者の状況でございまするが、手元にあります資料は少し古いのでございますけれども、これは三十二年に調査しましたのでございまするが、盲学校の高等部卒業生の就職状況でございまするが、五十四校について調査いたしました結果、卒業生総数が千百六十八名、そのうち就職者が三百四十七名で、二九・八%、それからいろいろ問題もあります自宅開業というものが三百十八名、二七・二%、それから進学、これが四百六十三名で三九・六%、その他が四十名で、三・四%というふうな資料が手元にございまするので、御答弁いたします。そのような状況でございまするが、一般の雇用率、採用計画等の作成等につきましても、精力的に今事務を進めておりまするので、もうちょっとの間おひまをかしていただきまして、そして御指導いただきたい、かようにお願いする次第でございます。
#97
○高野一夫君 私は厚生省の事務当局に法律論の解釈をただしておきたいのでありますが、盲人その他の身体障害者に優先的に、それも抽象論でなくて、具体的の事項をあげて、優先的にあん摩師にするという問題、さらに突っ込んであん摩師になるのには盲人その他身体障害者でなければならないように法律上でするという場合を考えてみた場合に、それが憲法違反と考えられるか。そう考える必要がないと思われるが、いずれにしてもその理由を簡単に一つただしておきたい。時間がないですから簡潔に。
#98
○説明員(黒木利克君) 法制局ともいろいろ今まで研究をいたしたのでございますが、ただ憲法の二十二条の解釈からは、あん摩業というものを盲人だけに独占させるということは、やはり疑義があるということでございます。それと私の方では、あん摩業でもやはり身体に危害を及ぼすおそれがある。これは禁忌症がございますので、やはり一定の資格が必要である。従って、そういう身分法規ができているんですが、この身分法規におきまして、あん摩だけを独占させるということにもやはり問題があるという二つの面から、今のところそういうような単独立法につきましては立案ができかねるという状況でございます。
#99
○高野一夫君 盲人があん摩業をやる場合に危険を伴う場合があるなしは別問題に考えて、一、二の今後の論議の基点にするために法律論をただしたいわけです。なぜ二十二条の職業選択の自由ということがあるということでもって、そういうことが憲法違反の疑義があると考えられるかどうか。医師会にしてしかり、歯科医師法にしてしかり、薬剤師法、弁護士法、弁理士法、古物営業法、質屋営業法、ことごとく一定の条件がそろわないものには職業を認めません。職業選択の自由についてある程度の制約、あるいは免許許可事項等を置いて、法律で制約することが憲法二十二条の違反であるかどうかということは、すでに数例最高裁の判例があるはずだ。その多くの最高裁の判例は、そういう場合に、二十二条違反と考える必要はないという判例が出ていると思う。そうすると、こういうような場合においても、一つの条件をここに置いて、その条件に合致しない場合はあん摩業は許さない。こういうようなことを言えば、それは従来の最高裁の幾つかの判例が示している通りに、憲法二十二条違反と考える必要はない。こう私は思うのですよ。だから単に疑義があるとか何とかいうことでなくして、従来二十二条に対する職業選択の自由に関する判例が幾つかあるのだから、あの最高裁の判例をもとにするならば、その判例から考えて、一定の方に制約を置いて、その制約にかかわるものでなければ、この仕事は、あん摩業は許さぬ、こうやって何も私は直ちに二十二条違反と考えなければならぬ、そういうことは私は考える必要はないのじゃないか。こう私は考えている。きょうは時間がありませんから、この点について判例をあげて論争をする余裕がありませんけれども、これは厚生省がこういうような問題はそのほかにもいろいろあるわけですから、この点についてはいずれあとでまあ何か討論に入った場合にお話も出ようかと思うのでありますが、盲人その他の身体障害者に優先的にあん摩業を許す場合、あるいは独占させる場合、これが憲法問題にひっかかるかひっかからないかという問題をもう少し突っ込んで私は研究してもらいたい。私はひっかからぬと思う。それがいいかどうかは別問題ですよ。それはもう少し研究する必要があるが、もしもいいとなった場合には、違憲と考えるべきでない。従来の最高裁の幾つかの判例を見ましても私はそう思う。ここではっきり私の見解を申し上げておきます。従って、これは政務次官にもお願いしておきますから、厚生省関係のこういうような法律問題で、二十二条問題にひっかかって疑義があるとされている点について、ほかにも幾つかあるわけです。ひっかかっておりますその点について、速急に研究を進められていただきたい。これはこの法律を離れまして、また別個の機会に十分時間をかけてまたお伺いする機会もあろうかと思いますので、その点だけ一つお願いを申し上げておきます。
#100
○相馬助治君 この法改正はことしの十二月末日になると、その身分が法律的に守られなくなって危機にさらされる、いわゆる療術師を救済するという意味で改正案の趣旨には私は賛成なんです。ところが、その内容とするところと、それからこの法律を出す厚生省の基本的態度については、幾つかの疑義と不満をもつわけなんです。時間もありませんから、私は二点だけお尋ねしたい、一つは医務局長に、一つは次官に。
 まず医務局長にお尋ねしたいことは、三十五年の一月二十七日の最高裁の判決によって、無害な治療行為はだれでも業とすることができる、これは見方によってはこういう積極的解釈のできるような判例が出てしまった、そういたしますると、現在届出制によってやっておる療術師の中の届出を認められなかった者も勝手にやるとすれば、これは何でもやれるということになってしまう。そこで本法改正のこの際に、何かの特殊な事由で失格した者、具体的に言えば、法律の遡及によって失格した者もあろう、戦後の混乱で届出の制度を知らないでうかつにも失格した者もあろう、それから助手をしていて親方だけが届け出たから自分はよろしいと思って届出をしなかった者もあろう、外国からの引き揚げによって、その届出をしたくも時期を失した者もあろう、こういうような者をこの際救済すべきだと私は思う。具体的に登録してやるべきだと思うが、本法改正に伴って医務局長どう考えておるか、これが質問の第一点。
 それから第二点は、政務次官聞いて下さい。私の見解はということを聞いていないんです、私は政府当局の見解をお尋ねしたいと思うのです。それは先ほど申しましたように、最高裁の判決が出た、これについては私どももいろいろ意見があります。そしてまた疑義も率直に申して私はあります。しかし、法治国家として悪法も法なんです。しかも最高裁がこういう判例を出したというこの厳たる事実の上に立って考えると、従前登録されて療術行為を行なっていた者を、このたびまた三年間延期して、何とかその間だけは認めてやろうなどというような、こういう態度をやることは、著しく私は最高裁の判決の趣旨にも反するし、それから法の均衡も失するし、こういう腰だめの延長ということは、やがて療術師を殺してしまうという政府当局の意図の表われであると誤解もされるし、国民の求める健康保持の選択権をも奪うし、それから療術師の社会的な経済的な地位も不安にするのであるから、私はきわめてこれは重大な社会問題であろうと、かように考えるわけなんです。
 そこでお尋ねしたいことは、先ほど次官は三年間で今度こそやりますとこう申しております。私は信じたいと思うのです。しかし、残念ながらこの前の法改正のときにも、政府当局はくしくも政務次官が言ったことと表現も同じくそういうような発言をしておる。そこで私は、三年かからないで一年で基本的態度ができるかもしれないし、十年かかるかもわからないし、あるいはやる気がないかもわからないから、この際むしろこういう法律を出して、せっかく積極的に所信を示された政府は、むしろこの法律を一たん引っ込めて、三年というところを当分として、そうしてこの国会答弁においては、この当分という間にわれわれは鋭意努力いたしますという、そういう方が私は筋が通るように思うのです。従って、三年延長というこの法律に私は反対ではないのです。出さなかったら大へんなんだから、ないよりは出てきたことを喜んでおりますけれども、むしろこの際積極的に三年などと言わずに、問題解決まで法律上の用語に従えば当分の間、こういうふうにして厚生当局の親心を示すべきではないか、かように次官に尋ねます。第二点で私の質問を終わります。
#101
○政府委員(川上六馬君) ただいまの私に対するお尋ねでございますが、何かの事情で、当時の届出期間の間に届け出ておれば、これが当然届出業者として認められたのに、その手続を怠ったために認められていないという者に対しましては、もう相当長くなっておりますので、今さらこれを認めるということは考えておりません。それというのも、現在の法律が、御承知のように、今届け出ている以外の者は、禁止をする建前で、現在の制度ができているからです。
#102
○相馬助治君 その点を医務局長よく考えて下さい。今までだとそれでも答弁になっていたんだが、最高裁がこういう判決を出したんでしょう。極端な裏話をしますと、厚生省が届出を認めなくても私はかまわぬ、わしはやる、無害であればもう大丈夫だといって、めちゃめちゃにやられると、そうすると三段階あるわけです、あん摩師、はり師、きゅう師――この法律で実施されているものと、届出業者でこの法律に準じて期間を延長されて、今一応守られている者と、守られていない者とある。守られていなかった者、届け出をしなかった者は、今までは登録してなかったじゃないかと言えるきめ手があった。取り締まりのときには方法があった。ところが、その後取り締まりの方法を示そうとすると、最高裁に訴えられて、みごとにあなた方は負けてしまった。無害でなかったら悪くないと最高裁が言ったから、届出を許可して下さいとお願いをしたけれども、厚生省は認められないといった、わしは勝手にやるというならばこれは取り締まりようがない。だから私は最高裁の判例が出たこの際には、厚生省は態度を改めて、届出するものはしろと、そうして届出さして、そうして最高裁の判決に不満だったら戦ったらいい。そうしてこの際とにかく届出を全部さしてやるということが、親心とか何とかでなくて、法治国家の行政官としての私は義務だと言っている、最高裁がああいう判決を出したのだから……。いいですか、極言をすると、三年間の延長をして、その後療術師を野放しにして認めないと言っても、この最高裁のが生きてくると、療術師の人はそれは望まないだろうけれども、われわれは必死に国会にも頼んだり、政府にも頼んだが、単独立法で入れてくれない、そんならいいわ、わしらはやると言って、問題をやられるたびに裁判所に訴える、最高裁のそういう判例があるから療術師の人が勝つ、どういうことになりますか、これは。だから私はこういう最高裁の判決が出たんだ、これは厳粛に守られなきゃならない、この段階では。だからこの際届出をミスして失格になっていた者を救済してやる根拠があるじゃないかということを医務局長に聞いている。しっかり答えなさい。
#103
○政府委員(川上六馬君) 最高裁の判決は、先ほども申しましたように、無届で医業類似行為をやっても実際に害がないというものに対しては処罰できない。つまりただ法に違反しておるということだけで取り締まるべきでないということであって、だれでも無届でやってもよいということではないのです。ことに現在の法律が無届の療術行為を禁じているのです。
#104
○相馬助治君 それじゃこの法律なんか作る必要ないよ。大へんな答弁だ、それは。
#105
○委員長(吉武恵市君) 速記やめて。
  〔速記中止〕
#106
○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。
#107
○説明員(黒木利克君) 先生のようなお考えも一つの解決の方法でございますが、ただこのあん摩師等の今までの立法の経過から申しますと、届出医業類似行為というものは禁止をしてしまうんだ、ただ従来既得権者というものはある経過期間を認めるんだという建前になっております。従って、それが政府の方針になっておりますから、こういう最高裁の判決がありましたけれども、この方針に、政府の方針に変更を私は与えるものではないと思うのであります。つまり届出医業類似行為につきましては、その中で何か身分として取り上げてしかるべきものは、たとえば指圧のように取り上げる、その他のものは経過期間を認めて既得権者だけを保護する、新しいものは認めない、こういう政府の方針には変わりはないわけでございます。ただ、この判決によりまして、現在届出行為者というものが何らじゃあ特典がないじゃないかというような御疑問がおありと思いますが、しかし、無届出の類似行為につきましては、人体内に少なくとも危険があったら、これは取り締まるようになりますから、絶えず心理的に保健所なり警察当局の監視のもとにあるわけでございますから、一方の届出業者は法律によって身分が一応安定をしておるわけでございますから、そういう歴然たる差がある、こういうことを申し上げたのでございます。
#108
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。
#110
○相馬助治君 三十五年一月二十七日に最高裁の判決によって、公衆に対し無害であれば治療行為はだれにでもできるという積極的な判断もし得ることになりますが、これについての当否は問題があろうと思いまするが、これに比べて今日まで無害で、しかも社会通念上治療行為があると認められてまじめに研究をしてきた療術師、中には不心得者もありましょう、中には治療上遺憾の点があった者もありましょうけれども、そういう特別な例は別として、大部分の者がまじめにやってきたというそれらの者に、年ぎめで一年だ、二年だ、これはお前たちは将来つぶすのだけれども、それだけれどもまあ当分認めているのだという、こういうことは具体的に私はもう許されない段階が来ている、こういうことを申したのです。先ほど坂本委員からは、ものによっては医療補助者としてこれを採用することもできるじゃないかということをお話になった。私なんかそうだと思うのです。ものによると思う。それで、その際この療術師をどうするかということを政府はどう考えるのだ・こう申したところが、安藤次官が、三年間の延長をここでお認めいただいて、その間において鋭意研究をして善処します、という意味の答弁がなされたのです。それが政府当局の本音であるとするならば、私はこの際三年かからないでその基礎的な態度ができるかもしれないし、あるいは三年以上かかるかもしれないから、むしろ三年と年限を切らずに、当分として、その当分の間にこと療術師だけではなくて、先ほどから問題になっている盲人のあん摩業の独占の問題、その他これら医業類似行為全般、それを律するところの単独立法をしてこの業界の姿勢を正すべき段階が来ていると思うので、三年をむしろ当分とする意思はないかということをお尋ねしている。
#111
○国務大臣(古井喜實君) 医業類似行為の問題としまして、実際これは差しつかえないのがあるのかもしらぬ、また、害があるのがあるのかもしらぬ、また、そうでないのがあるのかもしらぬ、まあそういう状況が問題だと思うのであります。これはしっかりこういう療術行為がいい悪いということが簡単にきまるものなら今までとても振り分けをして、認めるものは認めるということであったと思います。そこが今まできまらないためにひっくるめてぼんやりととにかく新しいものはだめだ、今までのものは当分期限を切って認める、こういうことにそこは大ざっぱに言っていると思うので、精密に研究し、調査し、振り分けをしてみるとあるいは右と左になるかもしらぬと思うのであります。その問題については、よいものならこれは認めたらいいわけでありますが、しかし、その何の学術的な医学、医術というような見地からいろいろそこは研究しなければならぬものが相当あると思うのであります。ただ、われわれのしろうと論でもいかぬ点があると思うのです。そこで、今後の問題としては、そこは一ぺん研究してみる必要が重々あると思うのです。そのためにただそこはおっしゃるように、研究してみてどうするかといったような恒久的な扱いとしてどうするかということを研究してみる必要があると実は思うのであります。そこでそのために、それではここで三年延ばすというのを当分としておくかどうかという点は、これはもうこの暮れで切れてしまうというのでありますし、今まで期限を切ってきている行き方もとにもかくにもあるのですから、あと三年の余裕があればその間にはもっと早く結論も出るかもしらぬし、出ればけっこうであります。出さえすれば早い方がいいでしょう、あまりだらだら延ばすということよりも、どっちにせよ勝負はこのあと、この暮れから三年という時間があればその間に勝負をつけてしまう、研究の結論を出すということにやはりしていただく意味で、まあこれは根本の前提の問題は今お話しの趣旨に、詳しく伺いませんでしたけれども、多分私が推察するところでは御趣旨の方に同感に思うのでありますが、さればこの法案のいうところは、三年のうちに  できれば三年とも言わずに結論を出して、右か左かということにきまりをつけるということで、まあ法案は法案で必ずしも矛盾するとも思いませんから、お認め願ったら大へんしあわせではないかと、まあこういうふうに思うのであります。
#112
○相馬助治君 大臣の答弁はわかりました。三年でもよろしい。ないよりよろしい。そして三年かからずに結論が出る場合には出して、姿勢を正すということの言明を私は信じて、そして、まあ何も法案に賛否の態度を今明らかにする必要はないが、今後この問題をより慎重に研究していくつもりです。
#113
○藤田藤太郎君 どうも、今、大臣今までの審議の経過を十分に把握しないで御発言されたように、私は言葉が少し足らぬのではないかと思うのです。
 それで、問題は、昭和三十三年にこの法律を作るときに非常に論議がなされた。その論議の問題点の一つは、療術師の立法をするということ、それからもう一つは、無免許あん摩をなくするということ、これがここで明確に約束をされて、そこでこの三年という期限がつけられ、われわれ賛成した。今までこの三年をずっと延長々々で来ているわけですから、また三年のうちに何とかするんだということでは、少しその発言は私は困ると思います。
 で、その前段の療術の問題については、これはやっぱし明確に、すみやかにとは何をさしているのだということを、いつ、根本的な改正法律を作るんだということを、私は一つここで明確にしてもらいたい、こう思います。
 それからもう一つの問題は、これは無免許あん摩とそれから身体障害者、特に盲人との関係の職場確保、確立の問題に関係をしているわけです。これはもう理屈を言う問題ではなしに、そういう問題なんです。ところが、その無免許あん摩のお話しをここでしておりますと、私の誤解かしれませんけれども、どうも無免許あん摩というものが売春行為の対象になっている者だけを取り締まる、こういう発言が出てくるわけです。売春行為というものはあん摩と何らの関係のないものである。明確に、無免許あん摩は取り締まる。それは今後やりますということでなしに、あん摩の免許を持っている人が営業の認可を受けて、それを拠点にして無免許あん摩が動いているということは、厚生省は調べようと思えばこれは短時日の間に全国調べることができる。その上に立って無免許あん摩をどう取り締まるかという、そういうやっぱり基礎調査の上に立ってやらない限り、ただ現象面だけで検挙、起訴された者はこれだけですというようなことで、あとは説諭で問題を処理しておったらいつまでたったってこの問題は処理ができぬ。だから売春云々ということを切り離して、無免許あん摩の取り締まりというものをそういう基礎の上にやってもらいたい。そして次の問題は、この身体障害者、特に盲人の職場確保というものを具体的な処置として私は一つやってもらいたいということを、もう今まで質疑をやりましたからこれ以上申し上げませんが、そういうことを明確にしてもらって、それでこの療術師の身分の保護の問題と、全体の目あきと盲人との関係のあん摩、マッサージ、指圧、その他たくさんあるわけですから、そういう基本的な問題をすみやかな形のうちでこれは立法化するということですが、そのすみやかというのを一つ明確に、いつやるのだということを大臣から明確にしていただかなければ、三年のうちに努力しますということではまた繰り返すことになりますから、それは明確にしておいてもらいたい。
#114
○国務大臣(古井喜實君) すみやかにというぼんやりした言葉でなしに、いつまでと言えと、こういうお話のようでありますが、これは私自身もちょっと実は何日までという見当が正直なところつきませんので。ごく率直な話です。で、心持はあいまいのままにおいておくということがよくないことだ、きまりをつけなければいけないことだというふうに思いますからして、できるだけ早くと思いますが、そんならいつまでということをここで軽率に言ってしまうわけにもいきませんし、そういう考えでまあできるだけ誠意を持って、早い時期に結末をつけるということ以上には、私は良心的にここでちょっと申し上げかねますので、そういう趣旨に一つ御了解を願いたいと思うわけであります。
#115
○藤田藤太郎君 私は、前段の無免許あん摩の認識を明らかにしておいてもらいたいと思うのですよ。それも明確にですよ。それから、あん摩の雇用の処置についてですね、どうやっていくのだということをもっと明確にしてもらわないと――質疑はありました、しかし、無免許あん摩のことについてはどうもあとからの話を聞いていると、今やっている人はなかなか職場の関係でもって、保健所長が相談に乗って云々ということで、ピントを売春の問題に合わしてものを言うのじゃ私は根本的に間違っていると思う。
#116
○政府委員(川上六馬君) 先ほど黒木次長も申しました売淫者との関係は別だと思います。これは無免許あん摩として御意見のように、その取り締まりを強化することにいたします。
#117
○委員長(吉武恵市君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#118
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。ほかに御質疑はございませんか。――御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 なお、修正意見のおありの方は、討論中にお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#121
○委員長(吉武恵市君) 全会一致でございます。よってあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
#122
○加藤武徳君 私はこの際、ただいま可決されました法律案につきまして附帯決議の動議を提出いたします。
#123
○委員長(吉武恵市君) ただいま加藤委員提出の動議を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。
 それでは加藤委員提出の附帯決議案を議題といたします。加藤武徳君。
#125
○加藤武徳君 それではただいま提出をいたしました附帯決議案の案文をまず朗読いたします。
    附帯決議(案)
  医業類似行為に関し、慢然と就業年限の延長を図るのみでは、その業に従う者の社会的経済的地位を不安定なものにし、かつ国民保健の上からも問題があると思われるので、政府は速かに左記について検討を加え必要な措置を講ずべきである。
     記
 一、医業類似行為業者の処遇に関する方針を確立すること。
 二、身体障害者であるあん摩師の職域優先確保の特別措置を速かにとること。
 三、無免許あん摩師その他これに類する者に対する取締りを強化すること。
 右決議する。
#126
○委員長(吉武恵市君) ただいまの附帯決議案についての提案理由の説明を願います。加藤武徳君。
#127
○加藤武徳君 ただいま案文を朗読いたしました附帯決議案は、当委員会の各党会派一致いたしましての発議なんでございます。
 提案理由の趣旨は、ただいま朗読の案文で大部分が尽きておるのでございますが、若干補足いたしたいと思うのでございます。
 まず第一に、医業類似行為業者の処遇に関する方針の確立でございますが、御承知の通り、医業類似業者には、法定されましたあん摩師、はり師、きゅう師、柔道整復師、かような法定の者外のいわゆる届出をいたしております医業類似行為者、並びに届出をしておらない者、かような三つに分けることができると思うのでございますが、第二、第三の届出を行なっております者並びに届出を行なわずして――これが違反行為であるかは大いに議論のあるところでございますが、かような二つのグループに関しましての政府の方針は遺憾ながら確立されておると私はかようには考えないのでありまして、この点についてすみやかに処遇に関する方針を確立願いたい、かように考えるわけでございます。
 なお、指圧等につきましては、法定外の類似業者につきましては、昭和二十三年当時登録を受けました者が一万四千数百名、かような数字になっておるのでございますが、その後、あん摩師として免許を受けた者の数はきわめて少なく、今日なお九千数百名の者がいわゆる届出業者として放置されておるのでございまして、今回の三カ年間の延長のみではとうてい救い得ないのであります。従って、かような届出業者並びに届出を行なっておらない者に対しまするすみやかなる方針を確立願いたい。これが第一の点でございます。
 第二は身体障害者、なかんずく盲人、弱視者に対しまするあん摩師としての職域確保の問題でございます。本朝来質疑が繰り返されましたように、盲人の職域はあん摩師等に限られておるのでございまして、それが逐次狭まっておるという遺憾ながら状況でございます。これを数で簡単に申しますと、昭和二十二年当時、現行法を審議いたしました当時のあん摩師としての盲人は約一万八千名、晴眼者が七千名、従って当時の比率は盲人が七二%、晴眼者が二八%、かような比率であったのでございます。ところが、逐次盲人と晴眼者の比率が変わってきておるのでございまして、昭和三十五年三月現在の比率を見ますると、盲人が約三万名で六二%、晴眼者が一万七千名で三八%、かように盲人の占めます率が次第に減少しておる、かような事実は見のがせないのでございまして、従って、盲人の方で国立並びに公立の盲あ学校あるいは養成施設等で勉強しておりまする諸君が今後の就職に関しまして非常に不安を持っておる、これはおおえない事実であろうと思います。そこで先ほどからも指摘されましたように、昨年身体障害者雇用促進法が制定され、あん摩師は盲人の唯一の特定職種として指定されて七〇%の高い雇用率を決定された。しかし、あん摩師の実情は雇用関係にありまする者はごくわずかでありまして、九〇%以上の者はいわゆる自営なんでありまして、従って、雇用促進法によりましては盲人をあん摩師として高い雇用率を確保するということは期待し得ない、かような状況でもございますので、ぜひ職域の確保に関しまして特別の措置をすみやかにとっていただきたい。これが第二点でございます。
 第三点は、無免許あん摩師、その他これに類似する者の取り締まりがどうも手ぬるい。これも今朝から議論のあったところでありまして、特に温泉地帯におきましては、いわゆる親方なるものがおりまして、あん摩の実習生と称して、免許を持たざる者を旅館等に派遣をしておる。かような事実はずいぶんあるのでありまして、かようなところから風紀犯罪等がかもされておるのでありまして、警察、保健所等と緊密な連携のもとに十分な取り締まりをやっていただきたい。これが第三の点であります。
 そこで先ほども議論のありましたように、政府はこの三項目につきまして、すみやかに検討を加えていただきたいのございますが、発議者の間で「速やか」という表現に関しまして大いに議論があったのでございますが、大方の委員の意見は、「速やか」とは次期通常国会を目途に、かような意味を含めた「速やか」である、かような表現でございますので、この点におきましても、ぜひ政府におかれまして意を体して善処されるようお願いする次第であります。
#128
○委員長(吉武恵市君) ただいまの決議案に対して御質疑のある方は、順次御発言を願います。――別に御発言もないようでありますから、これより本案について採決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(吉武恵市君) 御異議なしと認めます。
 それではこれより採決をいたします。
 加藤委員提出の附帯決議案を本委員会の決議として、ただいま議決いたしました法案にこれを付することに賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(吉武恵市君) 全員一致でございます。よって加藤委員提出の決議案は、全会一致をもって本委員会の附帯決議として、ただいま議決いたしました法律案にこれを付することに決定いたしました。
 この際、古井厚生大臣より発言を求められております。これを許可いたします。
#131
○国務大臣(古井喜實君) ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、誠意を持って善処したいと考えております。
 なお、立法措置を要するものにつきましてでき得る限り努力を尽くしまして、相なるべくはできるものは、この次の通常国会に運び出すように最善の努力をしたいと考えております。
#132
○委員長(吉武恵市君) なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 それでは、午前中はこれにて終了し、午後は三時から再開をいたします。
   午後二時一分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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