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1960/03/02 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第10号
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1960/03/02 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第10号

#1
第038回国会 建設委員会 第10号
昭和三十六年三月二日(木曜日)
   午前十時三十三分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     稲浦 鹿藏君
   理 事
           田中 清一君
           松野 孝一君
           武藤 常介君
           内村 清次君
   委 員
           小沢久太郎君
           太田 正孝君
           小山邦太郎君
           村松 久義君
           米田 正文君
           木下 友敬君
           田中  一君
           武内 五郎君
           藤田  進君
           田上 松衞君
           小平 芳平君
           村上 義一君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
  政府委員
   建設省計画局長 関盛 吉雄君
   建設省道路局長 高野  務君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  参考人
   日本住宅公団総
   裁       挾間  茂君
   日本住宅公団副
   総裁      渡辺喜久造君
   日本住宅公団理
   事       渋江 操一君
   東京都立大学教
   授       磯村 英一君
   公団住宅自治会
   協議会     小沢 行雄君
  事務局長
   公団住宅自治会
   協議会事務局渉
   外部長     可児 栄重君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本住宅公団法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○道路整備緊急措置法等の一部を改正
 する法律案(内閣送付、予備審査)
○住宅金融公庫法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公共施設の整備に関連する市街地の
 改造に関する法律案(内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず先刻の委員長及び理事打合会について協議した結果を報告いたします。初めに参考人の出席要求についてお諮りいたします。日本住宅公団法の一部を改正する法律案について、施設付住宅の建設及び施設の建設管理を行なう新たな事業主体への投資及び融資問題をめぐる公団事業のあり方等につきまして、さらに慎重なる審査を行なうために東京都立大学教授磯村英一君、住宅公団自治会協議会事務局長小沢行雄君、公団住宅自治会協議会渉外部長可児栄重君の三君から参考人として意見を聴取することにいたしたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議はないと認めます。
 それから本日の委員会の審査を正午後も続行して行なうことに理事会において申し合わせいたしましたので、あらかじめ御承知願います。なお午後の審議の順序は、まず道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案について提案理由の説明を建設大臣から聞きます。それが済んだあとで市街住宅法の逐条説明を、もし時間があれば住宅金融公庫法等の一部を改正の逐条説明を聞くことにいたしまして、そしてその次に質疑に移りたい、かように思います。
   ――――――――――
#4
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは本日の質疑に入ります。日本住宅公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。初めに参考人の方から御意見を伺いたいと存じますが、団地の施設の建設維持管理問題、施設付住宅の建設問題新たな事業主体への投融資問題等の諸問題をめぐる公団事業のあり方について、それぞれのお立場から御自由に御意見を伺いたいと存じます。
 参考人の方におかれましては本委員会の急な御依頼にもかかわりませず、御多忙中御出席をいただきましてまことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。それではこれから御意見を伺いたいと思いますが、時間の関係上お一人大体十五分程度にお願いいたしたいと存じます。それでは初めに小沢参考人。
#5
○参考人(小沢行雄君) 自治会協議会の事務局を預かっております小沢でございます。公団法の一部改正案につきまして私ども公団住宅の居住者の立場といたしまして、意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 私どもの協議会と申しますのは公団の各団地に町会に類似するような自治会というものがございまして、その連合体として協議会というものが存在しております。現在のところその組織率は関東周辺三十五団地二万戸でございまして、全戸数の約五〇%に該当しております。しかし大体その団地に住む人間の意見というものはそれほど変わっておりませんから、これから私が集約して申し上げます居住者の意見というものは、大部分の団地居住者の意見というものを代表しているものとお考えになって差しつかえなかろうかと存じます。
 私ども主として郊外の団地に居住しております君たちの、このたびの改正案につきまして最も関心の強いところは第三十二条二項の追加でございまして、そこに「公団は、建設大臣の認可を受けて、公団の管理に係る住宅の存する団地の居住者の利便に供する施設で政令で定めるもの」云々「事業に投資(融資を含む。)をすることができる。」という条項でございます。これは別に、公団の第二会社法とかいうように私どもは呼んでおりますが、いろいろな問題を含んでおるわけでございまして、以下私はこの第三十二条の二項の追加について意見を申し述べたいと思います。現在私どもの組織、自治協議会としてまとまった正式の見解というものはございません。現在審議中でございまして、従ってこれから申し上げますことは、代表的な意見をピックアップいたしまして集約していきたいと、こういうように考えます。
 大体二つの代表的な意見があるのでございますが、まず第一にここで考えておるようなサービス事業というものは、元来が非営利的でありますから、従って公団の管理業務のうちに包括する方がよろしい、本質的には営利団体になるような、このような事業会社というものを設立して、そこにゆだねるべきではないという意見が一部にございます。しかしながら、これと対照的に第二の意見といたしましては、現実に新設を予定しておりますサービス事業会社、これが実際に行なおうとしている事業内容というものを見ますと、この改正案並びに説明書にはごく簡単にしか触れられていないようでありますが、現在私ども公団住宅に居住している人間の最も切実に希望している事項、たとえば託児所の建設であるとか、あるいは貸し倉庫の建設であるとか、その他集団電話の建設であるとか、そういったことを予定しておるようでございますので、これは居住者といたしまして、一日も早くそういった施設を作ってほしいと、これは共通の願いでございます。従って現在の公団の立場というもの、これはともかくも住宅事情を幾らかでも緩和するために、建設事業を急ぐというような立場から、なかなか実際にでき上がってしまった団地の居住者の利便を供するという面には、第一義的には事業として回ってこないというような現状がございますので、そういうサービス事業というものを別建ての組織として、運営するということもこれはやむを得ないのではないか、こういうような考えであります。従いまして、本質的に云々というようなこともありますけれども、ともかくもそういう事業をしてくれるような事業体というものができるということは望ましいことであるし、またどうせできるならば一日も早くそういった事業体を設立していただいて、早くその実際の仕事にかかっていただきたい、こういうような考え方が第二の代表的な意見でございます。しかしそういった事業会社を設立してもらいたいという意見、これは無条件ではございませんで、居住者の立場といたしましては、設立するにあたっては、少なくとも以下私の述べますよuな三つの条件というよuなものを1具体的な条件について具体的な処置をとってもらいたいというように考えているわけであります。その三つの条件というものは何であるかと申しますと、大体私どもが公団の理事者からお聞きするところによりますと、この投資の財源というものは、私たち居住者が拠出しております家賃のいわば敷金に当たるわけですが、その利息分から出すのであるというようなことを聞いております。まあ別に投資の資源が何であろうと本質的には変わらないわけでございますが、ことさらその原資というものが居住者の敷金の利息相当分であるとするならば、重大な関心をもたざるを得ないわけでございまして、まず第一にあくまでも居住者の利便を本旨とした事業であること。これは法の改正の趣旨にもなっておりますので、言うまでもないことであると思いますが、念には念を入れてこのサービス会社というものが、あくまでもその居住者の利便というものから逸脱した事業を行なうということがないように希望するわけであります。これが第一点。
 それから第二点といたしましては、経営陣というものが、常に居住者の立場を理解いたしまして、公益ということを強く念願としている優秀な人間に当たっていただきたいということであります。とかく第二会社というようなことになりますと、そのようなことはないかとも思いますが、第二流の人物がこれに当てられるというようなことが、まま多いのでございまして、そのようなことは断じて避けていただきたい、これが第二点でございます。
 それから第三点といたしましては、そういった事業体の運営にあたっては、居住者の代表の意見を絶えず取り入れていただきたいということ。その具体的な方法としてはいろいろ考えられると思うのでございますが、事業体の代表者、居住者代表、端的に言うならばわれわれの協議会の代表との間に意思の疎通をはかるような、何らかの機関を設けるということも一つの方法でございましょうし、あるいは事業体の最高幹部の中に、居住者代表を入れるというようなことも一つの方法であろうかと存じますが、具体的な方法はともかくといたしまして、何らかの形で居住者代表の意見を、事業体の運営に絶えず取り入れて、居住者の意見とあまり背反しないような事業の運営をしていただきたい、これが第三点でございます。
 この三つの条件に対しまして、具体的な処置というものがとられるならば、私ども居住者といたしましては、この法案の一日も早い通過を願っている次第でございます。以上大体居住者の代表といたしまして意見を開陳いたしました。
#6
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。
#8
○田中一君 ちょっと大へん失礼なんですけれども、小沢さん、それから可児さんに、これは失礼なんですよ、しかしながら御発言に対して私どもの受け取り方があるものだから、ちょっと伺っておきます。お仕事は何ですか。
#9
○参考人(小沢行雄君) 本職でございますか。
#10
○田中一君 そうです。
#11
○参考人(小沢行雄君) 私は農林省の農業技術研究所で、農業気象の研究をやっております。
#12
○参考人(可児栄重君) 私は在外公館に勤めております。
#13
○田中一君 今、小沢さんから陳述のあった問題なんですが、今回この法律の制定にあたってのわれわれの疑問なわけなんです。それで今のお話をずっと伺ってこれは要約してみますと、集約した御意見としての第一点は、当然非営利事業であるから公団が直営してやるということが第一点。それから第二点は公団がうたっているところの事業というのは、何といっても今日の居住者が切実に求めているものである。公団の実力からいってもなかなか第一点の、前段の要求が通らない場合もあろうと思われるから、場合によれば公団の言っているような考え方がやむを得ない場合もある。その場合にはこの三点、イ・ロ・ハというものをまず守ってほしいということなんですね。
 そこで、そのうちの第一の問題は、これは公団がやるべきだ。この意見に対して、できない場合には、ということで具体的な陳述がございましたから伺うのですが、このあなた方の敷金の一部分を流用するんだ−敷金そのものを使うのか、あるいは敷金の利子に見合う一部分を使うのか。この点は御承知のように、公団の資金というものは、国家の財政投融資と、民間資金との構成によってできているわけです。従って、今度の事業というものは、それらの中からは使わないんだ。居住者の敷金、これは十数億あるいは二十億くらいあるかもしれませんけれども、その中の一部の利子に見合うものと言っておりますが、利子そのものか利子に見合うものか、その点に対するあなた方の御見解というものは、どちらがいいのだというお考えに立っているのですか。公団では、ある場合には利子だと言い、まあ説明が不十分ですけれども、ある場合にはその利子に見合う資金だと言っているのですが、おそらく十分御検討なさっておると思うのですが、どちらに対するどういう御意見を持っているのですか、伺いたいのです。
#14
○参考人(小沢行雄君) 御質問の要旨がよくわかりかねるのですけれども、私どもが聞いておる範囲内では、その敷金の利息に見合う額の一部分だと、こういうふうに承っているわけでございまして、利息そのものあるいは利息に見合う額、それがどういうふうに違うのか、私どもしろうとにはよくわからないのでございますが、そういった問題もあるかとも思いますが、それは問題の本質にはならないじゃないかというように私どもは理解しておるわけです。
#15
○田中一君 私どもとしては、その問題は大へん重要な問題なんですよ。財源というものはどこから求めるのかということが一番重要な問題になるわけですよ。わかりました。
 そこで、この公益性のことをずいぶん主張しておられます。それから、とにかく全部が公団居住者のためのものでなくてはならないという点も十分に主張なさっておられますが、今のように、これがあなた方の積み立てておるところの、敷金として向こうへ預けておるところの金なら、この利子というものはあなた方が還元してもらって、あなた方自身が仕事をすることもできるのです。前々回の委員会では、公団は二分程度の資金に対する金利は払いたい−払っているのか、その点もちょっと私は記憶にないけれども、これは渡辺君、どういう答弁をしておりましたかな。敷金に対する−・…。
#16
○参考人(渡辺喜久造君) 公団と入居者との関係の契約では、敷金について利子をつけるという契約はありません。ただ、まあ公団としましては、一応敷金のお金を預かっておりますし、これを無利子で寝かしておるわけでもございませんから、従って六分相当額くらいのものを一応現在におきましては、環境整備費という科目をもちまして、一応家賃計算の基礎になっておる土地代、建築費あるいは一番最初にした舗装関係とか、植樹関係とか、それらはまだ不十分な所が相当ございますので、さらに植樹をふやすとか、特に初期のものにつきましては舗装などが不十分でございますので、これを追いかけて舗装をするといった環境整備に使う、こういうことを従来はやって参りました。
#17
○田中一君 そこで利子に対してはそういう環境整備に使っているから、居住者に対しては利子は払わないということになったのですか。
#18
○参考人(渡辺喜久造君) 契約の上で、敷金について利子を払うという契約になっておりませんので、敷金についての利子を払うということは公団としては考えておらないわけです。ただ、今言ったようなこともございまするので、環境整備費の科目で、これは他のいろんな経費としては出ておりません。家賃の方からも入っていないというそうした環境整備の方に使っている、こういうわけです。
#19
○田中一君 そこで小沢さん、今言う通り、もしこれがあなたの預けてある敷金の利子ならば、あなた方自身が、自治会でその利子をもらって、そして自治会が運営することも可能であるというお考えには立ちませんか、そういう考え方もあるということにお気づきになりませんか。その資金源の問題が非常に重要になってくるわけですよ。財政投融資でこれをやるのだということになりますと、これはもう国民の資金ですから、これを自治会で運営するということはできませんけれども、もしもあなた方の預けている敷金の金利ならば、そういうこともあり得るのではないかというお考えを持ちませんかということを伺っている。
#20
○参考人(小沢行雄君) 確かに、おっしゃるように利息そのものが原資になるならば、そういったような考え方というものは成り立ち得る余地もあるかと存じますが、しかし現在まで私どもが考えておったところでは、何と申しますか契約によって敷金に対しては利息がつかないということになっておりますし、そういうように居住者の立場としては了解しておったわけでございます。それで、まあそのような考え方は指摘されれば確かに成り立ち得ると思いますが、現在まで私どもはそういった点について十分に考慮したことはございません。
#21
○田中一君 そこで、さっき言ったような原資の性格が非常に問題になってくるわけなんですよ。そこで、今も公団の副総裁が述べられているように、環境整備のために使っているのだということでございますが、環境整備のためにその六分の利子そのものを全部環境整備に完全に使っているのだ、現在ではそれで満足なんだというお考えに立っているのか。それが不十分である、しかし今度はその一部を使って、なおかつ民間資金を導入して居住者のために十分な施設をしようというのだから、それならばよろしいのだというお考えに立っておられるのか、利子だけでできるならば利子だけでやったっていいではないかというようなお考えに立つか、その点の御意見はどうですか。
#22
○参考人(小沢行雄君) 現在、環境整備費というものが支出されておりまして、いろいろな団地の環境の整備に当たっておることは確かでございます。しかしその環境整備の現状というものが満足であるというように私どもは考えておりません。そのために公団の本所と私どもの会との間で毎月定例的な懇談会を開いて、われわれの要望というものはそのつど意見を申し上げているわけでございますが、なおかつ現状が満足であるというようには考えておりません。
 で、六分に相当する何というのですか利息相当分というものが、全部環境整備費に使われておるかどうかということについても、具体的なデータを持っておりませんから私どもは全然わからないわけであります。現在でも不十分な環境整備費のうちから一部分がこういったサービス会社に投資されるということになると、残った環境整備費というのは現状より少なくなるわけでございまして、その点は非常に憂慮しているわけですが、民間資金の導入というようなことによってそれをなお補い得るような事業ができるならば、それも一つの方法ではないかというように了承しておったわけでございます。
#23
○田中一君 民間資金の導入というものがどういう性格のものでどこからくるかということは、公団の方にお問いただしになったことはございますか。
#24
○参考人(小沢行雄君) その点は問いただしたことはございますが、明確な回答はまだ得ておりません。しかし、それが非常に非営利的な事業というような事業の本質から考えて、民間の資金の導入ということがどの程度可能なのか、居住者としては若干の疑問もいだいているわけであります。
#25
○田中一君 この非営利的な事業、事業そのものはどうあろうとも非営利的に運営することもできるのです。運営の面ではどこまでも非営利的なものにしたいというような要求がきておりますからそれはいいのですが、そうすると第二の問題は、どういう人が運営したならばいいとお考えですか。結局今経営担当者が団地に居住することが第一、そして公益的な運営をする者を選任してくれ、選定してくれという御意向があるようですから、どういう形の方、そういうあなた方の希望されるような運営責任者という者はどういう立場、たとえば一例をあげると、公団で六年、七年と働いた人のうちから、公団に対するところのあらゆる認識というものを備えた人がやってくれれば一番いいとか、あるいは建設省の相当な人がやはり経験者として入ってくれればいいとか、あるいは学校経営者のうち、託児所なんというものは幼稚園を経験した者が入ってくれればいいとか、結局資金の最高の指揮者というものと、それからその事業の部面の担当者というものと、どちらにどういうものをいいとお考えか伺いたい。非常にむずかしい問題です。
#26
○参考人(小沢行雄君) ちょっと私の先ほど申し述べたことに若干の誤解がございますので、まずそれを解いておきたいと思うのですが。経営陣が団地に居住することが望ましいというようなことは私は申さなかったわけでございます。経営陣にどういう人が望ましいかという御質問でございますが、具体的にこういった種類の方ということはなかなか申し述べにくいのでございますが、ただ何と申しますか、こういった方は望ましくないという方から申し上げますと、まあ世間ままあるように、とかく外郭団体というものはその団体の人事のうば捨て山的な存在になりがちである、非常に失礼な言い分かもしれませんが。それは確かにそういうことはあるのでございますから、そういった公団人事の運営の何というのですか、一つのたまり場としてこの事業体の最高人事を利用してもらいたくない。これだけははっきり申し上げることができるかと思いますが、具体的にどうこうということは今直ちに申し上げることはちょっとできない現状にございます。
#27
○田中一君 第三の問題としてお話の、運営は居住者の意見を聞いてくれと、そのためには運営担当者と、運営といいますか経営担当者と、自治会との話し合うような協議会的な機関のものがほしい場合もあるし、また場合によれば経営参加もしたいというような御意見のようですが、これに対しては従来いろいろ各自治会がいろいろな地域的な条件を公団に持ち込んでいろいろな協議をしていると思うのです。それらの形がどういう工合の構成で週期的にそれが持たれているものなのか、あるいは問題ごとに、団地ごとにやっているのか、あるいは全体問題はこの協議会として行なっているのか、いろいろな今までの例を一、二説明をしてもらえませんか。
#28
○参考人(小沢行雄君) 協議の形にはいろいろな形がございます。もちろん私どもの協議会というのも、あるいは協議会の基本になります自治会そのものも任意団体でございますから、公的な交渉権とかそういったものは持ち合わせのないことはもちろんでございます。しかし具体的にどういうことをやっておるかと申しますと、協議会のまあ最高役員と公団の本所との間で、原則として月に一回の定例懇談会を持っております。それから東京周辺では御承知のように公団には東京支所というのと関東支所というものがございます。その支所ごとに協議会の幹部が世話役になりまして、関東支所に属している団地の自治会の代表者、東京支所に属しておる団地の自治会の代表者を集めまして、その支所ことの懇談会というものを、これも毎月、原則といたしまして月に一回開くことになっておりまして、今までそのように運営されております。それからそれらの本所並びに両支所との懇談会で問題になります議題というものは、比較的各団地に共通した問題ということを本旨としてやっておりますが、そういうものに属さないでなおかつ一つの団地にとっては、あるいは二つの団地にとっては非常に切実な問題がある。そういったものにつきましては、団地の自治会が、支所なりあるいは関東支所の場合でございますと営業所というものがございますが、営業所との間に順次懇談会を開いて問題の解決に当たっている、こういったところが現状でございます。
#29
○田中一君 もう一つだけ伺っておきますが、そこでもし原資の利息であるならば、当然われわれもこの経営体に参加させろということはその理由になると思う。従って、どちらを強く求めていらっしゃるか。かりに、私が申し上げるように、原資があなた方の預託した金の利子で運営されるというならば、当然経営に参加さしてくれという方法をとられるのか。あるいはあいまいでありますけれども、利子そのものではないのだと、しかし利子に見合う環境整備費のうちから何分かの、何割かの、何パーセントかの資金を財政投融資から持ってきてやるという場合にも、自分を経営に参加させろ、あるいはその場合には経営参加しないでも協議会を開いてそうして、もちろんそういう形でも運営に参加させろ、こういう形か、その点一つ。
#30
○参考人(小沢行雄君) その運営に参加する具体的な方法として私は二つのやり方というものを先ほど申し述べたわけでございますが、そういったもののどちらがいいかというようなことについては、組織のさらに統一した見解というものが必要であろうかと思うのでございますので、現在のところは私個人の見解しか申し述べられないわけでございますが、経営参加ということは非常に望ましいことだというように考えております。しかし経営に参加しても会社の代表と居住者の代表との意思の疏通をはかる、何らかの機関を作るということは、それとは別に考えられるというように考えます。敷金の利子そのものであれば経営に参加できる、利息相当分であるならばできないというようなことについては、どちらであるか私どもよくわからないのでございますが、とにかく経営に居住者を代表して何人かの人間が参加するということは非常に望ましい形である、こういうように考えます。
#31
○田中一君 そうすると、かりにこれが利子そのものではないのだということになった場合、団地のあなた方がこれを持ち寄れば、当然民間の資金を導入して経営しようというのですから、あなた方が出資者になることもあり得るのです。それこそあなた方が百円ずつやっても二万いるのですから二百万円です、二百万円になるでしょう。もし千万程度の資金を民間から導入して経営するんだということならば、あなた方御自身が御自分の環境をよくするためには皆で百円出そうじゃないか、二百万円集まるから二百万出資しようじゃないかということもあり得ると思うのです。そういうような経営参加をする場合には、具体的な根拠がなくちゃならぬと思うのです。
 従ってもう一つの場合は、じゃ利子は返して下さい、私どもは自治会でその環境整備のためには、むろん法律によるところの数々の制約というものを守りながら、環境整備はわれわれがいたしますということも一つの方法だと思うのですよ。それらのものはもはや六年たっている公団としては、そういうものは当然居住者との間には新しい展開が持たれなきゃならぬと思うのです、具体的に。そういう点等を考えて、一つ今後この法律がどうなろうとも、あなたたち自身があなたたちの生活を楽しくする、これは当然憲法に保障されている権利でありますから、お考えおき願いたいと思うのですが、そういう面についての何か御感想がありましたらば、伺っておきたいと思うのです。
#32
○参考人(可児栄重君) 先ほどこちらの委員の方のおっしゃった、お金を自治会なら自治会でよりうまく運営したらどうか、こういうふうな御意見がございました。もちろんそれはけっこうでございまして、したいのでございますが、私ども団地におります者はそれぞれ職業を持っておりまして、そうして夜間のわずかな時間をさいて自治会等で活動しているのが現状でございます。従いましてそうした貴重なお金は優秀な公共性を持ったりっぱな専門的な方にお願いして、そうしてそのうまい上手な運営において還元していただこう、こういうのが私ども団地族の気持じゃないかと思います。
#33
○田中一君 そうなりますと、全部信頼してお預けいたしますという一語に尽きるわけですね。何も言いません、私どもの希望を十分尽くして下さいということに尽きるわけですね。それは代表意見として伺っておいていいですね。
#34
○参考人(小沢行雄君) 信頼してすべてをおまかせいたしますというふうには、可児さんの意見もそこまで踏み切ったものであるというふうには私考えていないわけですが、先ほど私も申し上げましたように、いろいろな条件はわれわれとしてはつけたいのだ。しかし可児さんも言いましたように、たとえば敷金の利息というものをわれわれに返してくれ、われわれ自体の手でそれを運営して環境整備を遂行していくというような考えが成り立ち得るではないかというような御指摘でございましたが、それに対しましては、現状では自治会なりあるいは自治会協議会といったものはそれほどの実力を持ち合わせていないというのが現状でございまして、もしそういったものをやるとしても、自治会そのものあるいは協議会そのものがやるのではなくて、それが主体となって、別にここで公団が第二会社というものを作ろうとしておりますが、それと同じような形で居住者の方で作る第二会社と申しますか、そういったものを作ってやるというならば、これは可能かと思うのですが、その際、可児さんの言ったように優秀な営業マンというものをそこへ結集して、そこへわれわれの希望を信託するというような格好でならば、これは成り立ち得ると思うんですが、自治会あるいは自治会協議会が直営するというようなことは、現状では、あるいは現状でなくても近い将来、かなり遠い見通しを持っても自治会なり自治会協議会というものは、そういう事業体まで進展するという余地というものはございませんし、またそういった協議会の運営をしていこうという意思も現在のところ私どもにはございません。
#35
○田中一君 集約しますと、結局現状では自治会なり協議会も、もしやるとするならば、今公団の考えておるような会社にしても何にしても、団体が経営をしていくということになるのだ、現象としては同じだということですね。ただ自分たちの言い分を十分に聞いてくれ、こういうところに重点があるわけですね。また運営についても参加させてくれれば一番いいし、それが参加できないとしても、あなた方居住者の意思が全部通るような形のものにしてくれ、こういうわけですね。
#36
○参考人(小沢行雄君) 大体その御意見に尽きるかと思いますが、これは蛇足になるわけですが、われわれの意見を全部通してくれというようなところまでは極端には考えていないわけでございまして、われわれの意見といっても悪い意見もございますでしょうし、これは当然のことでございますが、その辺の取捨選択というものはもちろんおまかせしますが、ただし居住者の利便に反するような本質的な問題で、われわれの意見を聞いてくれなければ、これは困る、これだけははっきり申し上げたいと思います。
#37
○藤田進君 もし小沢さん、可児さん等の時間的なお許しができれば、この際、磯村先生の御公述もお願いしまして、あとで質疑をいたしたいと思います。
#38
○参考人(可児栄重君) 私は協議会の渉外部長として、東京支所あるいは関東支所管区のいろいろな団地に出向いて参りまして、役員の方々と懇談する機会が多うございますけれども、そのうち公団に強くお願いしたい団地族の、団地に住んでこれだけはお願いしたいという要望が幾つかございますが、その中でやはり一番パーセンテージを多く示しておるのは保育所の設置の問題でございます。その次には、特にへんぴの団地におきましては交通事情も悪うございまして、自転車で通学しまた通勤する方も多うございますが、自転車の置き場所がなかなかない。特にテラス・ハウスはともかく、中層になりますと一々三階や四階まで持っていくことはなかなか困難でございまして、自転車はほしいけれどもなかなかそういう場所がない。こういうようなことも聞きますし、それから分譲団地になりますと、敷地は入居者の方々のものでございますが、その上にガレージを作って盗難の予防を考えたいけれども、その資金面に困った、そういうことも聞きますし、それから奥様方からよく聞きますのは、公団のアパートヘデパートやあるいは家具店から買ったものをそのまま取りつけるとどうも狭くなるから、そうした場合、公団のアパートの間取りにマッチするような家具なんかを作るような会社がほしいし、それも高いものでなくほんとうの実費で作ってくれるような会社があればと、そういうような御要望をときどき聞くわけでございます。現在の住宅公団でそうした御要望がなかなかできないならば、もし第二会社というものができた場合には、そうした業務もぜひ扱っていただきたい、こう思うのでございます。
#39
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは磯村参考人がお見えになりましたので、これから御意見を聞きたいと思います。
 磯村さんには大へん急な御依頼にかかわらず、御多忙中をおいでいただきましてありがとうございました。御意見を承りたい問題は、団地の施設の建設、維持管理問題、施設付き住宅の建設問題、新たな事業主体に対する投融資問題等の諸問題をめぐる公団業務のあり方について、御意見を伺っておきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。磯村参考人。
#40
○参考人(磯村英一君) 今委員長のお話がございましたように、全く急なお話でございましたので、十分準備もいたしませんので、私が平素大体こういう住宅のあり方につきまして勉強しておりまする立場から、自分の専門の分野に比較的近いことだけを申し上げましてお許しいただきたいと思います。
 第一の問題は、この問題に関連しまして、住宅公団ばかりじゃございませんで、最近地方自治体の中で公団形式というものが非常に多くなってきている、というこの傾向の中からやはりこの問題を考えるべきだろう、こういうふうに考えます。この問題につきましては、一体地方自治体の経営能率と申しますか、あるいは運営の限度といったようなものから、こういう公団形式というものが生まれているので、こういう形式というものが住民の福祉というものを三権分立の上から考えた場合におきまして、運営する方法として、一体行政の能率自体においてある程度の限界がきているから、こういったような問題が起こるのではないか、というきわめて原則的な問題が私はあると思います。これは必ずしも今度の住宅公団のこの問題に当てはめる問題ではございませんけれども、やはり一つの流れとして、行政のあり方につきましての問題として指摘さるべき問題だと思いますので、もし公団形式に地方自治体のいろんな仕事というものが移行しまするのが行政能率の低下であるとか、あるいは資金運用の不便であるとか、そういう消極的な面と申しますか、あるいはきわめて経営の一部的な面であればよろしいのでございますけれども、もしこれが政治といったようなもののいわゆる民主主義の中におきましてのいろいろな手続、あるいはその他についての障害という問題から、こういう公団形式というものをとるとなりますと、かなりこれは根本的な問題になって参ると思うのであります。しかし現状におきまして、この形式というものを住宅公団に当てはめることになりますと、これはもう一つ考うべき点があると思うのでありますが、それは現地の地方自治体というものの地域というものが、その中で運営しまするいろんな仕事の上におきましては、それ自体が非常に障害になっているということであると思います。
 東京都に例をとりましても、東京都は低家賃の住宅につきましては、自分の地域内でいろんな住宅政策をやりますけれども、さらにあるいは下層あるいは中間階層の住宅政策となりますと、東京都の地域内においてその仕事ができない。できなくなりますると、勢いこれは公団形式という形におきまして広域行政をしなければならないという、こういう問題の中で現在公団形式というものがかなり多く地方自治行政の中で生まれてきている。これは私は日本の地方行政の中におきまする一つの特異的な現象ではないか、こういうふうに思うのであります。従ってこういう状態からしますと、住宅公団というものが現在果たしております役割については、これは非常に広域的な役割を果たしております。宅地造成であるとか、あるいは土地を取得するということが、一つの地域内だけに限られることが非常に困難な状態におきましては、住宅公団形式というものは、これは一応存在する当然の理由があってあるものと私はこう認めたいと思うのでございます。
 それでは今度は問題を限定いたしまして、そこの地域内において造成された団地なり、あるいはそういったようなアパート群の中におけるメインテナンスと申しますか、サービス業務、一体それを住宅公団は直営でやるかやらないか、こういうような問題になりますと、今申し上げましたような原則からすれば、この行政能率というものが確保されるという前提であれば、一応これは直営方式でやれるということが考えられてよろしいと思うわけであります。しかし現実に住宅公団がやっておりまする現在の状態を見ますると、非常に住宅不足に対する応急な建設の段階、それから住宅の基本的な形を整備する段階、それからこういったような基礎的な面に重点が置かれておりまして、率直なことを申し上げますと、メインテナンスの面におきましては、全く行政が行き届いていないということは言えるんじゃないかと思うのであります。
 昨年の八月に国連の調査団が日本に参りまして、住宅公団のこういう設備を見ましたときにも、これを一番指摘しましたのは、これは必ずしも住宅公団ばかりではありません、特に公共団体の経営しておりましたこの住宅というものは、スラムを作っているんじゃないかという極端な批評までもしておりまして、いかにその作りましたあとの維持管理というものが不適当であるかということを示して、極端なことを言いますとそういう批評もしておりましたわけであります。
 従いましてこの例外的な立場に立ちまするところの維持管理というものを、どういう形態にするかということにつきましては、直営でやるかあるいはこの今お話を途中から承りましたのですが、その地域社会の方が御自分でやられるか、あるいはこれを委託するかという三つの形式になると思うのであります。その場合におきまして、このいわゆるその地域社会の方の御自分でやられるということにつきましては、今の御発言もございましたように、日本の地方の小さなこの地域団体、これがお互いが町を作って、あるいは小さなグループを作っておりましても、なかなかこういう形が、いわゆる町会とかそういう形におきましても、そのメインテナンスをお互いにやるということにつきましては、かなり現在においても能率がいいとは言えない。それを現在の住宅公団の団地やなんかに入っておられる方は、かなり移動性が強いわけであります。私はもう少し現在の居住者というものが長くそこにおられるような形態であれば、望ましい形というのは地域の方々が自主的にこういったようなサービス機関をお持ちになって、運営するということが望ましい姿と思うのでありますが、これについてはかなりやはり問題があると思います。
 その例は実は一昨年から昨年にわたりまして、ドイツで経験して参りましたんですが、ドイツのこの住宅団地の中におきましての夜警につきましては、これは夜警の会社がございまして、鍵、盗難その他については、夜警の会社で団地の夜警をやっております。これは私は非常に奇異に感じて参りましたのでございますけれども、それの方が責任の所在がはっきりするうということで、夜警を会社でいたしております。それからこれも外国の例でございますけれども、ボストンの団地におきましては、そこの集会所と申しますか、そういったようなものを保険会社に委託をしてやっております。こういう形態がございます。これは何もそういう意味で申し上げるわけじゃございませんですけれども、そういう例もあるということを御参考に申し上げます。
 従いまして自営ということが困難になりますると、次に望ましい考えとしては、その自営というものが、なんか公団の今度出資というふうにここに書いてございますが、それを出資しました形においての財団法人形式というものは考えられると思うのです。しかしこの財団法人形式というものは責任のあるような形でございますけれども、責任のあり方につきましては、その理事機関というものが、自分の経験からいたしましても、必ずしも十分じゃないということが考えられるのでございますので、究極におきましては、住宅公団自体というものがこれを直営なさるか、あるいは全然反対にこれを民間に移すかという二つの道が私はとらるべきじゃないかというふうに思いまして、まあここに居住者の方がおられるかもしれませんですけれども、私はその中間的な自営、あるいは財団形式というものについての能率からいたしましても、この方法はとらない方がよいのではないかという意見でございます。従ってこれを住宅公団が直営でやるかやらないか、あるいは民間に委託するかということでございまするが、これが私は最終的に申し上げました冒頭に、一体こういう、行政官庁自体、あるいは住宅公団というものはかなり行政官庁に似た組織でございまするが、そういったものが末端のこういうサービスまで一体サービスが行き届くかどうかという問題で決定さるべき問題でございまして、その点について民間を利用するしないという問題は、もっと大きないわゆる公団形式というようなものをとるかとらないかという、そこで論議さるべき問題でございまして、末端の問題というものは、そこの一体サービスがほんとうに行き届くか届かないかという面で判断をされた方がよろしいのではないか。従って、ところによりまして、事情によっては、ある地区は公団がすでに建設事業というものをほとんど完成されまして、その地域の社会というものへの住宅の供給なり、あるいは住宅の維持管理について十分の御自信があれば、私は公団自身がやるということは、これはこういう公共的な、税金を利用するという建前からいえば望ましい姿と思うのでございまするが、現状のような状態からしますると、大多数の地区におきましては、先ほどのドイツやそれからアメリカの例なんかに見ましたようなことで、民間のサービスをこれに利用するということは必ずしも不当ではないと、こういうふうに私は考えております。
#41
○委員長(稲浦鹿藏君) ありがとうございました。それでは御質問を願います。
#42
○藤田進君 ちょっとその前に、皆さんのお時間どうでございましょうか。
#43
○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#44
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を始めて。
#45
○藤田進君 磯村先生にお伺いしたいのですが、今ここで問題になっている点は、広範な問題もございますが、当面この改正案に対して煮詰めたところは、直営なのか、あるいはこういう形なのか、あるいは第三のこういった法人的なものにすべきか。まあ従来審議を続けました限りは、公団は総裁以下、あるいは建設省も、かなり託児所あるいは自転車その他の倉庫とか、これはぜひ要望も強いので作りたいという非常な熱意のあることは疑わないのであります。ただ問題は、触れられましたように、方法手段としていかなるものが適当であるか。現状は第二会社、法人を作っていこう、この資金は主として今ほど来、言われた敷金の利子をこれに充て、かつ借入金、民間投資等というような構成のようであります。そこで、もし第二会社ということになりますれば、わが国にも民間の会社の子会社というものは最近特に多いわけです。これはいろいろな設立の動機はあるわけで、人的関係からもきているものもかなりあります。それから特殊な技術等からというものもございますが、これらの弊害を匡救するためには、民間に第二会社として委ねた場合にどういうことがあるか、あるいはあまりにも営利万能主義になっても、サービスの低下から困るのじゃないか、それから直営と第二会社との比較を人的あるいはいわゆる管理費面から見ても、少し問題が屋上屋になる関係もないではないのではないか。公団自体が建設大臣の制約を受ける、第二会社は当然小会社として、公団と建設大臣の監督も受けるというようなことで、たとえば民間会社にした場合に、配当は予定されるように思われるのでありますが、配当の制限をどういうふうにすべきか、すべきでないかといったような点、これらを検討してみると、もとに返ってこの程度ならば従来もおやりになっておるのであるから、公団自体も大きな意味ではサービスを本体にさるべき性格のものであるし、従って直営でやっても人的に不足してオーバーワークになれば、これは人の補充、あるいは理事なりその他所要の補充をされてもいいのじゃないか。しかもこれは恒久的なものであるというようなことで皆さんの御意見を伺いたいということになったのであります。従って今お説の二者択一という関係でございますが、改善はせられるとしても熱意のあるところ、現在の公団ではどうも非能率であるとかいったような点を改善されるとすれば、公団直営ということでやれるのではないだろうかという気持ちもいたしますが、磯村参考人のおっしゃる二者択一で必ずしもどちらにすべきだ、という明確な点はお述べになっていないとも考えられるわけでありますが、どちらかと言えば民間委託の方がいいのじゃないかというふうにもニューアンスはとれるわけです。今の公団におきましては直営は少し無理だともしされるならば、その点を具体的に御指摘を賜わりたいのであります。
#46
○参考人(磯村英一君) お話よく私はわかりますのでありますが、ただ今度ここに出ました法案の説明の内容によりますると、今度かりにこれを民間の会社と申しますか、そういうものでいたしましても、私の一つの疑問は、これで一体採算がとれるかどうかということでございます。これでまあ採算がとれるといたしまするのですけれども、私はこれだけのサービスで地域社会のこういったような公団の中は、まだこれ以外にいろいろなものが出てくるのじゃないかということが考えられます。従いまして清掃とか塵芥処理とか植木、芝生の手入れ、この程度でございましたならば、私は公団御自身がやられましても何ら差しつかえないのじゃないかと思いますが、しかしそれでも正直のことを申し上げまして、昨年の八月実はそういうものの一つをわれわれが視察をいたしましたときにおきましては、ペンキの塗り方、そういったようなものまで、これは今度の第二会社には入りませんですけれども、公団の方おられたら失礼でありますけれども、当然やるべき公団のお仕事自体に私はサービスが行き届いていないのじゃないかと思うのであります。そこへもってきまして塵芥処理、これに加えまして託児だとかそういったようないろいろなものが加わりました場合に、果して今の公団でそこまでおやりになるかどうかということにつきましては、はなはだ失礼でございますけれども、私はこれは若干疑問を持ちます。それですから、それじゃ一体第二会社、民間がいいかということになりますが、その民間ということにおきまして、私は必ずしも、これは営利いうことから考えますと、その民間の会社というものを、いわゆる利益を追及する民間の会社というだけには私はあまりとりたくないのでございまして、もちろん民間会社でございますから配当か何かあると思いますけれども、私はここでお話いたしますのは、営利という点からいきましたならば、おそらく採算ぎりぎりのものではないかということを考えますると、今委員の御質問でございますけれども、私は、現状では例外的に一応これは民間にやらしてみるべきじゃないか、という結論が出てくるわけなんでございます。二者択一を考えるんでございますけれども、公団の現状のメインテナンスから考えますと、やはりまだやるべきものが非常にたくさんあるにもかかわらず、こういうものをおやりになって、はたしてフルなサービスが一体可能であるかどうかという疑問を持っておりますので、そういう結論になって参ります。
#47
○藤田進君 そういうわけで、民間にこれを委託して第二会社の経営としてやらせる場合には、私どもとしても、かりに保育所に例をとってみても、月四千円前後ではないだろうかと試算をされるようでありますが、しかし、これには設備なりその他保母さんなりといったようなことも関連して、事実上いざこざがあって利用者が少ないということになれば、ますます経営はむずかしくなる。かりに通常に運営されるとしても、そういった運営の困難というその会社の経理的な面等から制約をされてくるとすれば、営利というものがそう期待できないということになれば、そのしわ寄せが結局サービスを落とすということになってきたのでは、悪循環を経営自体がするというような点からみると、あるいは公団自営の付帯事業としてなさる方が、資金的にもあるいはそれだけの融通性、人的な面等からも案外この点のそういった点が補われるのではないだろうか、というふうにも考えられるわけですね。問題はやっぱりサービスがどの程度地域居住者にとって恩恵を与えるものとなるかならないかということが、私どもの関心事なんです。お説のような採算自体を度外視して第二会社がやれるかといえば、実際問題としてはできない。それはサービス低下になる。繰り返せばそういうような悪循環になる。不評を買う。利用者が少なくなってくる。自転車置き場程度はどうかしりませんけれども、いやしくも子供を預けるといったようなものにつきましては、そう思われる点が私ども問題点として一つあるわけです。こういう点についてはいかがお考えでございましょうか。
#48
○参考人(磯村英一君) このサービスの低下のおそれということは、今御指摘がございましたように、これが必ずしもこういったような新しくできるこの法案で、予見している事業体の収益が期待できないとなるおそれは確かにございます。その場合のその責任を感ずる度合いと、公団が直営をしてもやはりサービスは低下すると思うのです、同じ資金であれば。その場合においての責任の感覚から申しますと、私は民間の方がその責任を現状では感じてくれるんじゃないかというふうに思うのでございますが、これは私の感じでございまして……と申しますのは、公団御自身が同じ資金で何かをおやりになりまして、その能率と、民間というものを考えますと、遺憾ながらこの程度のメインテナンスの問題につきましては、どうもやはり行政単位のそういう能率というものに対しては、どうも私は信用が持てない。と申しますのは、官庁の建物のメインテナンスを、これを民間でやりました場合と、それから自身でやった場合、大へん悪い例を申し上げるようでございますが、電電公社の東京電気通信局という建物が大手町にございます。あそこのエレベーターは、半分は会社がやり、半分は公社がやっておるんです。サービスがほんとに違います。同じことでやっておりますのですが、それが非常に違います。その一例をもって私は律するわけじゃございませんけれども、私の今まで公団のそういう設備を拝見しました場合におきましては、まあ公団のほかのお仕事がお忙しいからだというふうに善意に理解はいたしますけれども、サービスにつきましては、公団に期待は私はあまり持てませんので、そういう結論になります。
#49
○藤田進君 まあ第二会社をつくれば、会社としての人的なやはり形態を整えられるということになれば、少なくともそのポストにおいて、大小は別として、まあこれはあまり大きな第二会社にはなりませんと思うですね。しかし、社長さん以下のそれぞれのポストをお置きにならなきゃならぬ。第二会社の事務所の施設も必要でしょう。通信費その他ももちろん新設されることになりましょう。そういった会社自体の運営機構等に関する経費というものは当然従来よりもかさんでくると思うんです。そこで、直営の場合は、ある程度、総裁を二人置く必要はありませんから少なくて済むでしょうし、以下かなり人的経済ということも言える。しかし、その間接費に関するいろいろな余分のものを能率でどうカバーしていくかということになろうかと思う。私は、そのサービスなり能率といったようなものは、担務者のそれぞれの心がまえに帰するのじゃないかと思う。そういうことに考えるならば、結局、たとえば人件費等について公団よりも第二会社の方がさらに低労働コストで使うとか、そういったようなところに問題はやはり解決点を求められることになるのじゃないか。しかし、これも、保育所、託児所等における一般地域社会のある程度の標準もありますし、必ずしも無制限にこれが雇用関係においてたくさんの節約ができるかといえば、必ずしもそうはいかないでしょう。また、当該第二会社にはあるいは自衛のための組合ができるかもしれませんね。というようなことで、会社運営経理上から見ても即サービスにも影響を持つわけで、直営あるいは第二会社という関連において、究極的にサービスというものは、必ずしも第二会社が営利中心とはいわないまでも、維持していこうとすればかなりの困難性が出る。そこで比較されましての御議論ですが、第二会社の場合は一体どういうところに経理的にもそろばんがはじけてくるかというポイントですね。雇用関係ということになるのか。これはまあむろん一切の労働条件等も含めてです。設備資金もまあ直営であろうが民間第二会社であろうが、設備資金についてはそんなに大きな開きは、やり方ではないと思います。問題は管理運営費というものになるだろうと、こう考えるときに、どういうもの、だろうかと思われるのです。これらの意見に対しての御所見を承りたいと思います。
#50
○参考人(磯村英一君) お話の点につきまして、お話よくわかりますんですが、一つだけ、資金の面につきましては、直営の場合におきましては、私、これはさっきも読んだだけでございまして、もし間違いでしたら訂正をいたしますんですが、資金の面につきましては、直営の場合におきましては敷金の利子の限度に限られる。こういうふうに承知いたすのでございますが、それ以外に借入金というものが公団の場合できることになるかどうか。そうすると資金の面ではちょっと違ってくるのじゃないか。民間会社の場合におきましては、借入金なり民間の出資というものがあれば、それの設備の充実ということが、資金の面では直営とそれから民間会社ではこれは違うのじゃないかというふうに考えます。
 それからもう一つの面は、こういう公団ができますると、これは私も他に書いたものがございまして、一番考えなきゃなりませんのは、いわゆる職員といいますか、そういう事務スタッフが結局ふえるということでございます。こういうことは、公団御自身が直営でおとりになろうとそれから民間の組織でなさろうと、一応これは公団の関係の形でできるのでございますから、その場合においては、経営という面からどの程度のスタッフがどの程度の効率を上げる、ということのそういう計画というものは当然比較検討されて、少なくとも直営よりかよろしいという自信あればこそ、私は、こういう案が政府からも出されてきているのじゃないかというふうに思うのでございます。
 従いまして、その結果、まあ大へん悪いことでございますけれども、いわゆる公団ができますと、よく役人が定年かなんかといって、そっちへ行ったというような、そういう非能率的な形でもって、もしこういうものが出るとすれば、それは内容的な問題でございますので、はなはだ言いにくうございますけれども、そういう面の非能率化というものは、これは私は厳に避くべき問題でございますし、いわんや、公団というものが、直接の行政体からは一応、国民に対するサービス機関として出発し、それがさらに、民間を通じてのサービス機関になるという意味におきましては、そういう面は、厳に規制さるべき問題じゃないかというふうに思います。
#51
○藤田進君 ですけど、まあ通例、民間にいたしましても、あるいは官庁においても、傍系とか関連する事業体は、現にこの日本住宅公団自身が、先般資料として、要求し提出されましたものを見ても、そのスタッフは、およそ建設省の卒業された方、それから大蔵省の卒業なされた方々、これが百パーセント近くといっていい状態ですね。これは、もうこの住宅公団だけが例外じゃないです。国鉄においても、あるいは郵政関係、およそそういう関係が強いです。それから民間の諸般の、そういったものを見ても、同様になっております。最近では、たとえば行政機構の中においても、本省の方々が、まあ戦前と憲法も相当違いますので、そういう関係もありましょうが、県府から、今ではもう市役所に至るまで、役付といいますと、もう建設省あたりから土木の課長が来たとか、およそはえ抜きで、こつこつとやってきた人たちは、もうそのチャンスがないという不満が出ているのです、現在。
 ですから、これは何も住宅公団の特殊事情じゃございませんけれども、しかし、少なくとも第二会社、一名、子会社ということになりますと、これはどうしても、そういう傾向は、そういうことは意図していないという御答弁では総裁もございましたが、これは自然、そうなるでしょう。総裁とされても、安心してまかせるという善意に基づいてみても、そういうことになる可能性があるでございましょう。百貨店にも今、銀行から派遣した重役というようなものが入ってきますね。やはりそういう点はあると思うのです。
 ですから、この点等も触れられましたから申し上げるわけですが、建設省あるいは大蔵省を御卒業になった方が日本住宅公団、日本住宅公団をさらに御卒業になる方々が、今度の第二会社と、こういうようなことは、これは、まあ法律が通ってしまうと、なかなか言うべくして、人のことでもありますし、かといって、他からそれほどいい人もないというようなことになりますと、うまくいかないでしょう。かりに幼稚園の保母さんが、住宅公団の卒業生というわけには簡単にいかないと思う。しかし、企画立案の中枢は、やはりそういうことになる感が強いのじゃないか。そうなってくると、結局は今申された諸般の問題点は、その人たちの勤務気分の切りかえといったようなことに期待する以外にはなくなるのじゃないか、ということで、私の疑問点は、先ほど若干触れられましたけれども、直営と、それから子会社という点について、管理運営等の間接費がどういう点で助かるのかと。これは公団側にも、私はまだそこまで質問いたしておりませんので、こまかくそろばんではじいた数字的なものを出されるということも無理でしょうけれども、それにしても、管理費等は必ずしも子会社よりは、直営の方が少なくて済むと……。これは、私もこういう関係については、国会でもだいぶ今まで第二会社等について聞きましたけれども、特殊な技能ということよりも、この経営は、何といってもいわゆる経営陣の腕に相当かかる、あとは、資金関係も、その経営能力の中に入りますが、法律の所要の改正があれば、それはしてよろしいのですが、今出されているものの修正もできないこともない。ですから、資金面において千八百万円利子相当額あるいは借入金が千八百万円ですか、それに民間の投資、主として保険会社から、これを期待するかのように思われるので、そういうものは、現在の直営方式においてもなし得る、所要改正をすべきものはしてよろしい、こういう立場に立ちますと、資金面では、それほどそれの可否に関係がなくなるような気がする。従って帰するところは、今後のサービスの強化というものが、結局第二会社は、とにかくお前たちが独立採算でやれということに絶対なるし、これはならざるを得ない。
 そうなれば、サービスの低下にしわ寄せがくるに違いない。そうすると、子供も預けずに置こうということになれば、その企業自体が悪循環を起こしはしないだろうか、こういう例は、ほかにも実はありますので、私どもは、今こういうものを作って託児所、自転車置場をやるべきでないというのではない。総裁以下熱心であるのに負けないように、これは何とかしなければならない。しかし作ったあと心配があるから、慎重に検討した上で原案通りになるか、これは修正すべきかという関頭に実は立っているわけであります。
 さらに、もし御意見がございますれば、以上、申し上げたことについて触れていただきたいと思います。
#52
○参考人(磯村英一君) 一点だけ私の考えを申し上げますか、実は私の専門に関連いたしまして、行政官庁の末端の国民に対するサービスヘのつながりということを、実は調査をいたしましたことがございます。
 それは警察署、郵便局、それから清掃出張事務所、電灯会社、ガス会社、こういうものを十四選びまして、それに対して学生、最近は学生にも男女がありますので、これにいろいろな質問事項を持たせまして、その所に行きまして、そしてそのサービスに対する採点をしたことがございます。その場合におきまして、結果として出ましたものは、その事項によりまして非常に違いますのでございますけれども、結果としては、やはり役所の末端機関としての営業所、そういうものに対する一般の学生が受けました印象と、それから民間のいわば電灯会社、ガス会社、そういったようなもののいろいろ事件を持ちまして行って、それに対する返答を受けましたその態度、それに対する同時にサービスの採点をいたしますと、何と申しましても、役所の末端ということになりますると、権威的な態度というものが、どうしても出て参ります。この点の私は根拠がございますので、今いろいろ御意見を受けましたのでございますけれども、一体末端行政として、こういうもののサービスをやるべきものか、それともその団地なら団地の、団地の意思をもっとバックした、いわゆるそれが民間の営利ということになると、はなはだ問題になりますのですが、そのサービスを念とした民間的の組織であるということになりますると、私のそういった今までの簡単な調査なり、経験からいたしますると、民間という声を聞きました方が、そういう窓口行政と申しますか、そういうものからいたしますると、遺憾ながら行政の末端組織というものは、学生を通じた一つの態度調査でございますけれども、そこに現われましたものは、やはり民間的のものの方がサービスがよろしい、こういうことになります。
 これは採算という問題とは、一応離れまして、サービスだけの比較でございますから、そういうことを申し上げるのでございますけれども、現状におきましては、末端行政として直営でやるということは、もっと公団自体が、サービス行政に徹せられる時代がくればけっこうでございますけれども、現状では、やはり私が申し上げますのは、そういう今までのような意見になるわけでございます。
#53
○藤田進君 その点は、私も実態に触れてみまして、公団自身については、もっとサービスに徹しられる必要があるということは、重々私も感じておるのです。きょうの新聞を見ると、窓口もだいぶふやされて昨日、何か受け付けされたようで、よくなったようでありますが、今までは、大ぜい遊んでいるような格好で、われわれが行きますと、ぐたぐただべっているのに、窓口は一つだけで長い行列を作らして――たとえばの話ですが。けさの新聞写真を見ますと、だいぶ窓口がふえているというような感じがいたしましたけれども、次の受付はどうですかということを聞きましたら、おれらにはわからないということでしたが、これは一例で、いかに旧内務省とか大蔵省は、現状でもそういう観念が、そのまま卒業生に入って受け継がれているような感じがいたしますが、それはそれとして、そういう意味では、確かに民間の方が、高姿勢、低姿勢から見ても、よくわかるわけです。
 しかしこの問題は、単に口先だけではない、結局は資金面じゃないかという気がいたすのであります。
 そこで、他の委員も質問がありましょうから、二点だけお伺いいたしますが、民間会社で結局資金を、特に民間投資等を誘発するためには、やっぱりある程度の利潤ということは、銀行利子を下げるといいながら、なかなか下がりませんし、そうなれば、あるいは民間投資分に対するものだけにするか、全体の配当制限というようなものをつけるべきかどうか。なるほど利益はないということはございましょうが、しかし独立採算制で、一応会社として出発すれば、経営者としては、能率を上げると同時に、やはり利益を上げていくということは、これはまあ、あるいはその限りにおいては当然でありましょうし、といったようなことで、何かそこにそういったいわば弊害の歯どめをなすべきかどうか。こういう民間会社の場合における人的な問題も触れられましたが、その他の所要の、これが欠点等を救うものが必要ではないだろうかどうだろうかという点をお伺いしたい。
#54
○参考人(磯村英一君) その点につきましては、私は同感の意を表したいと思います。私自体も、これを読みまして、必ずしもこれがほんとうに、どの程度の営利があるかということは疑問に思われるような一応事業内容でございます。
 従いまして、このままでも、どれだけの配当が期待できるかということにつきまして、このままでもまあ疑問を持てるわけなのでございますが、しかし民間の事業というものは、できればよい配当をしたいというのは自然の傾向なんです。従ってこういう結果として、一つの地域社会の中のサービス行政であるといいながら、そのサービスの中に利潤的な傾向が出たり、非常に強くなりましたり、そのためにサービスが低下するとか、あるいは、もちろんこれは法律によって規定されておりまするから、これに関連して何か利益になるような仕事を間接とか何か、そういうことで営むようなことがございますということは、これは非常に注意しなければなりませんことなのでございますので、従って、これは一応、民間の何であるかもしれぬけれども、そういう面につきましての、ある程度の制限と申しますか、あるいは何かの条件がかわるということは、これは私は考えてもよろしいのではないか、こういうふうに思います。
#55
○藤田進君 それから、かりに人的構成等から考えてみても、子会社ということになると、勢い今の親会社ともいうべき公団との関係の深い人が就任をされるということにもなるかもしれない。資金的には、御承知の通りということであり、民間会社で諸般の制約を加えるということになれば、あっさりと、公益法人を今は御賛成でないようでありますが、そういうものも考えられるのではないか――これは第三のですね。こういう議論も、実は委員会にもあるわけです。そういう公益法人――これは社団法人その他を含めた、そういったものが、よりベターではないだろうかという意見もあるわけです。先生のおっしゃる、公益法人としては賛成しがたいとおっしゃる点を、さらに具体的に御指摘をいただきたい。
#56
○参考人(磯村英一君) 公益法人になりますると、在来のわれわれが経験しておりまする公益法人になりますると、おそらくその場合におきましては、大へん言いにくいことでございますけれども、その場合の公益法人というような場合におきましては、先ほど卒業という言葉をお使いでございますけれども、むしろそういう場合におきましては、そういう型のかたまりというのが、私はかえってよけいになるのじゃないかと思います。しかも、もう卒業されておりまするから、仕事に対する、申しわけございませんけれども意欲というようなものが、ある程度の限度にきておられるような方がその一団を作りましておやりになるよりか、私はむしろ、なぜこういうサービス行政について、民間のサービスが入るということにつきまして、若干今御発言の方と意見があるいは違うかもしれませんけれども、私は、民間の創意工夫でやっている努力というものは、いかなる社会におきましても、これはもう少し尊重されていいのじゃないか。
 その点におきましては、同じ卒業の場合におきましても、民間でまだ中途の人でありましても、あるいは民間で卒業している――これはまあ、あまり卒業は、何でございますけれども、そういう創意工夫の熱意に燃える者が入るものとしましたならば、私は財団法人の形あるいは社団法人の形よりも、むしろ民間の創意を入れ得るという形の方がいいのじゃないか。財団法人の場合におきましては、いわゆるそういう官庁側の卒業生ばかりでなくて、民間の方も卒業生が入ってきてしまって、結局運営するのに非常に能率が低い、いわゆるスタッフでやるというような結果になるのじゃないか。むしろ民間で、ある程度のマネージド・スタッフというものを持った方が、サービス機関としては、非常にむずかしいものをやる上におきましては、その方が能率が上がるのじゃないかというふうで、この場合におきましては再び第三の財団あるいは社団法人につきましては、直営よりも、私はむしろとらないという考えでございます。
#57
○藤田進君 これは第二会社、民間経営にいたしましても、超然として自主性をもってやる株式会社の社長なり、あるいは設立委員ができれば、これは截然と公益法人よりも、人的構成から変わってくるということは、先生のお説の通り肯定したいのであります。
 しかし従来見ますと、これが民間会社でありましても、大きいところでは電源開発株式会社なんて一千億の原資を持ってやっておりますが、常に政界にほんろうされているような、政界と言っちゃ語弊がありますが、一部政界の――というようなことがあるわけです。それは社団法人その他財団法人、いわゆる公益法人の場合と民間にした場合との違いというものは、私どもはそれほど分けて考えにくいのが現状ではないだろうか、これは、まあその点は、いずれ民間会社になろうと、直営であろうと、公益法人であろうと、委員会審議を続けますから、建設省所管大臣並びに日本住宅公団の総裁の方からも、はっきりしたものは、とっておきたいともちろん思いますけれども、しかし先生の期待されるようなふうに、なかなか世の中というものは、すなおにいっていないのじゃないだろうかという点を疑問か持っているわけであります。もし、しかし民間になれば、それが機能的にもなし得る、社団、財団法人等公益法人ならば、それができないと、いう点の違いですね。やりにくい卒業生なり何なり、非能率な人は入れがたいという点の、いい知恵がありましたら、一つお教え願いたいと思います。
#58
○参考人(磯村英一君) 一言だけ、お答えいたしますのですが、私は社団法人とか財団法人というのは、自分も何回か経験しておりますけれども、社会的な、形式的な評価はよろしいのでございますが、実質的におきましては、私は、非常に責任の所在が、はっきりしない存在ではないかということを考えますので、それで過去に、そういう経験を何回か持っておりまするので、こういう結論を私は出しているわけなんでございます。
 形式的には、確かに民営の会社よりか、特に公団付属のこういう問題になりますと、だれしもが直営にして、一応そういう財団形式ということになるのでございまするが、私がこれを拝見いたしまして、ほんとうのサービスに徹するものができるならば、私は、これはテスト・ケースとしても、むしろ民間でやらしてみた方が、日本の、こういうサービス機関の中における、公益性を持ったサービス機関というものが、はたして営利企業でもって成立するかしないかというテスト・ケースというふうに考えましても、私は財団方式よりか、この方がよろしい、こういうふうに思います。
#59
○藤田進君 少し発展いたしますが、先生の所論は、実体的に考えられまして、公団とか、公社とか、官庁はもちろんのこと、どうもサービスとか、あるいは能率とかいう面については、若干やはり民営よりも落ちるという御主張のようにもうかがえるわけです。
 それでお聞きいたしまして、そのカテゴリーを考えるならば、そうすれば、あっさり公団自体も、そろそろこの辺で抜本的に――財政資金投融資等はなし得るわけですから、案外、一歩進めて、それ自体から――というような感じも受けるのですが、いかがですか。
#60
○参考人(磯村英一君) だんだんと問題が大きくなりますので、本日お答えする限界をこえるかと思いますが、一応お許しを願いまして……。
 それでは公団自身を建設省が直営なさる場合と、民間で運営なさる場合の調査を、どこかでなされました上で、私はこれを議論いたしたいと思うのでございます。私は必ずしも、すべての民間企業がいいという立場をとっておるわけではございません。公営企業というもの、公営事業というものの、いわゆる能率と申しますか、それの運営というものにつきましては、今後の日本の社会の発展のために非常に大きな内容を持っていると思います。
 従いまして、大へん私は勝手なことを申し上げますけれども、それにお答えする前に、もしそういう調査が許されるならば、公団のお仕事を、全部国が直営にした場合と、これを全部民間にやった場合というものの、一応見本的な事情のもとにおいて、それをテストいたしましてからお答えをさせていただきたいと思いますので、お許しいただきたいと思います。
#61
○藤田進君 他の委員の質疑がありましょうから、それでは小沢さんの方に、若干お伺いしたいと思います……
#62
○田中一君 ちょっと伺っておきますが、よく家主が敷金というものを、これは保証の意味で、家賃を払う払わぬは別として、保証の意味でとっておるのですから、金利くらいは返してやるのが――普通われわれの社会だったら、敷金はとりますけれども、一応利子くらいは返してやる。今までの封建時代からの慣例として、家主は、住宅公団という家主ば敷金を、家賃の二、三カ月分に見合う敷金を預かっておいて、その利子は環境の整備のために使っているのだということになっているわけです。もし、もっといい社会を作ろうとするならば、敷金の利子くらいは、還元というか、返してやった方がいいではないか。それはもう当然とるべきだ、公団が自由に使うべきだというふうにお考えか、その点、一つ聞いておきたいのですよ。
 御承知のように、住宅公団法は、目的が明らかになっているわけです。自分でお金がなくて建てられない人のために、いわゆる低収入者のために提供するのだという建前になっておりますから、その点、一つ伺っておきたいのです。
#63
○参考人(磯村英一君) そういう面は、必ずしも専門じゃございませんので、どうお答えしてよいかわからないのでございますが、ただ、公団の現在のあり方が、今おっしゃるように、中以下の低所得階層を対象にするといたしましたならば、そうい敷金もとらないで入居できるというようなことは、これはもう主義主張のいかんは別といたしまして、望ましい形態でございますというふうにお答えいたします。
#64
○田中一君 そこで現在は、今回のサービス機関というものは、その利子に見合う何パーセントかをこれに出資するのだということになっているのですよ。そういう形になっているわけです。
 それで、はっきりと利子というもの――今までの敷金の利子というものは、公団の目的以外の、居住者が当然負担すべき環境整備のために、共通の環境整備のために使っておるのだということが、今までのキャッチ・フレーズなんです、公団としては。今度は、それでは不足だから、そのうちの一部をさいて、そうして民間投資と合わせて、このサービス機関を作るのだ、これが資金構成なわけなんです。
 今お話のように、何主義何党にかかわらず、敷金を取らない貸し家業というものが望ましいのですけれども、現在取っておる。取っておって、そのうちの大部分のものは環境整備に使っておる――まあ全部ですね。そのうちから、今度この会社に投資をするのだということになりますと、まあ利子は預託した居住者のものであるということが、もう前段ではっきり意思表示をしておるというように私どもはとっておるわけなんです。従ってこれは居住者の敷金であるというような……多少飛躍はあるかもしれませんよ、今の慣行からいって。――そういう見方をすることはできないか、こういうように伺っておるわけです。
#65
○参考人(磯村英一君) お説のように考えて参りますれば、その敷金に対して居住者が、どの程度の発言権を持つか持たぬかは、また別問題として、それは居住者のものである、居住者の一応預託という形のものであるから、これは当然敷金でございますから、返ってくるということを前提にいたしますれば、お説のようなことは成立する、そういうふうに思います。
#66
○田中一君 そうすると、住宅公団の経営その面だけは、封建的な悪家主のなごりをとどめているということを言わなければなりませんでしょうね、慣行というものは無論ございましょうけれども。純粋な理論から言えば、これは当然供託しておるものじゃないかということになりますと、これはまあ――自白といっては語弊があるけれども――そのまま率直に公団は述べておるわけなんです。公団の主目的以外の居住者の環境整備のために、これを使っておるのだということが、今までの言い分なんですから、これはもう居住者のものでございますということを、はっきり言っておるわけなんです。
 それで、そういう前提からいうと、公団のあり方が、相当検討されなければならぬというように考えられませんか。
#67
○参考人(磯村英一君) いかがでございましょうかしら……。住宅公団の現在の目的が、一応低所得階層に対する住宅の供給ということでございまするが、もしその場合におきまして、大体敷金を払うということが、今お説の通りに、日本の社会の一つの慣行になっておるわけです。その場合におきまして、公団に入りまする現在におきましても、非常に入るということが困難である。その場合におきまして、かりに抽せんに当たった人が、それじゃ公団に入れば敷金なしでいける、こういうことまで――その一つは慣行という問題がございまするし、それから一応現在の公団に入るということは、社会的な特権と言っては問題がございますが、そういうことがある。それにもかかわらず、さらに敷金まで要らないということが、はたして現在ある程度公平であるべき社会福祉の考えからいきまして、少し過当のサービスになるではないかという心配をいたしますが、いかがでございますか。
#68
○田中一君 この公団の居住者の敷金というものは、これは特権と申しますか、今、先生がおっしゃったように、何万人のうちから、いち早く自分が選ばれたという特権というように――それが特権とするならば。この十億か二十億の資金が、あとに続くもののための建設資金に、それが利用されるならば、これは十分に納得されるのです。特権が、これで相殺されるという考え方が持てると思うのですが、それはそうじゃないのです。そのまま積み立てられるのです。そうして年六分の利子相当額というものが、それを環境整備に使っておるのです。
 これはりっぱな新家主の形体というか、こういうりっぱな公団の精神というものは、明らかになっておるわけなんです。これは運用が間違っているのじゃないかと思います。それならば――特権的なものということを考えるならば、十億、二十億の敷金というものは流用する、そうして、二月でも余分に作って、あとからくる者のために供給する。しかしながら、その補償というものは、流用に対する補償、居住者に対するところの補償というものを公団がするのだという形になれば、よりよいものだとお考えになりませんか。
#69
○参考人(磯村英一君) それについて、お答えするだけの現在勉強をしておりませんので、そこまで考えて、きょう出てきたわけじゃございませんので、かなり重要な御意見と思いますので、お考えとしては、私自身も、一応ここでは考えられる筋とは思います。
 ただ、それが非常に、基本的人権と申しますか、あるいは個人の権利が非常に強い場合におきまして、あとで流用するということの補償をすればよいじゃないかと、こういう御意見でありますが、公団でございますし、公団の背後には、国というものがございますから、それはよろしいかと思いますけれども、一応その場合におきましては、やはり居住者の同意とか、何か、そういう形式によりまして措置さるべきではないかというふうに、その程度しかお答えできません。
#70
○田中一君 これは実態として、たとえば郵便貯金、年金、簡易保険等々が、おそらく約款その他にも、そう書いてあると思うのです。この金は、政府が自由に使うということは、どっかにあると思うのです。私も簡易保険をかけておりますけれども、ちょっと内容はわからないです。しかし、これは国家を信用してやっているわけです。これは、御承知のように、預金部資金というところに入れられて、おそらく被保険者が好まない方向に、どんどん使っていることは事実なんです。三分の一というものは、やはりわれわれの社会党を支持しておりますから、これらの人たちは、戦争目的のために使ってくれるなと言っておっても、使われておるというのが、現状なんです。
 従って、これは国家という形態から見ると、先生のお話は、それは信頼してまかせた以上いいんだというふうに考えて、あとは預金部資金と同じように、公団が、あとから来る不幸な人たちのために、一戸でもよけいに作るということができると思うのです。これはさておいて、現行では、これは別ワクとなって積み立てられるということなんです。
 そこで、先ほど小沢さん、それから可児さんのお話があったのですが、自分たちが、この経営に参加したい――これに参加できなければ、この居住者の意思というものが、十分に通るような方々の運営によって、やってほしいというのが次善の策なんです。
 第一の問題は、どうしても参加させていただきたいという希望があったのですが、こういう形は、一体どうなんですか、そういうものが望ましいとお考えになりますか、そういうものは必要はないと、信用してまかしたらいいじゃないか、たとえば受託者を信用してまかしたらいいじゃないかというお考えですか、運営の面についてですよ。それとも、そういう敷金の性格であるから、居住者の代表が、当然経営に参加するのが正しいというようなお考えですか、ちょっと伺ってみたい。
#71
○参考人(磯村英一君) 最初にお話がございました年金関係の資金問題につきましては、私自身が、国民年金の審議会の委員をしております。従いまして、その中で、私は国民年金の資金というものは、これは社会保障に集中して、これを還元融資すべきだという主張をしておりますので、その点は、私の立場をはっきりいたしておきますが、そういった考え方からいたしますると、今のお説のように、これは一応敷金という形でございますけれども、これは居住者のものであるということになりますと、居住者の福祉のために、これを還元利用するという理論は、私やっぱり、そこで立っていいんじゃないか。
 しかし、それが居住者の同意があれば、流用いたしましてもということは、そういう条件をつけまして申し上げたのでございまするが、今度は、こういう事業体の経営に参加するかどうかということは、私は、そういう民間会社1これは原案は、民間会社で、ございますが、そういう場合におきまして、たとえば、法律に規定するかどうかは別問題といたしまして、何しろ居住者の協力がなければ、この会社は成立しないのでありますから、何らかの形におきまして、それが経営参加という形をとりますか、形式的な問題は別問題としまして、居住者の意向を反映するような措置をとるということにつきましては、同感であります。
#72
○田中一君 それは、御承知のように、三十一条の改正が、ここにうたっております。この日本住宅公団は集合住宅というものの建設が原則となっているわけです。それを今度、既成都市内における併用施設にも建設できるのだというように法律改正されておるわけです。
 これは、あなたは東京都にもおられて、十分に行政の実態、都政の実態を御承知だから、伺うのですが、こういう形の改正と、集団的に遠くへ遠くへと団地を形成していくというのと、政策的な面ですけれども、どちらをおとりになりますか。
#73
○参考人(磯村英一君) 私は、自分の現在の専門から申しまして、日本の市街地の形成の利用というものが、非常に非能率的だろうと思うのです。
 これはまあ、意見になりまして恐縮でございますけれども、空間地の利用というものが、かなり個人の恣意にまかされ過ぎておるのではないか。かつて広い土地を持っておりました人が、庭園に対して課税されたのです。同じように、市街地の非常に能率のよいところに、まるで小さな、ただ一階だけを作っておるというような形というものは、これは東京のような非常に人口が集中しておりますところの、いわゆる空間地の利用という問題につきましては、非常に非能率になるわけで、これは私見でございますけれども、ある一定の高さの建築物を作って、もしそれを利用しない場合には、空間地の不利用税というような税金を作って、少し高さを、ある程度の高さまで、市街地を作るべきではないか。私はこの法律まだ具体的に説明を聞いておりませんけれども、そういう面で役立つならば、市街地の開発という点に、もっと力を入れるべきじゃないか。なぜ、ただ土地の安いところだけにああいう形でもっていくということは、これは一応、現状ではやむを得ない状態かもしれませんけれども、これにはおのずから限度がございまして、これが結局、東京というものの将来の地詰まりを来たしてしまうということでございますので、もう少し都心に対しての政策に重点を置くということは、私は、そういう点については同感でございます。
#74
○田中一君 従って、私どもは長い間、政府にもそれを追及してきたわけです。同時にまた、公団でもこの辺で、もう考えなければならぬのではないか。
 たとえば小さな都市ですね。三万、五方の都市に、ぽこっと一万人収容の集団地を――もちろんこの法律は、どっちみち地方行政機関の長とは相談しなければならなくなっておりますけれども、まあ一面、自分の方に固定資産税の四割か六割かが入ってくると思って喜ぶでしょうけれども、これに追っかけて、公共施設が伴わない財政状態の町が多いわけなんですよ、未開発の土地に必ず行くわけなんですから、経済的な力のないところに集中される。そうして、その市なら市といたしましても、町といたしましても、公共施設ができないというところが多いわけなんです。こういうものよりも、完全に公共施設ができているところの――まあ水の問題だけが、既成都市においては非常に問題になっておりますけれども、今のお説の高度利用ということが、日本住宅公団の今後の事業の主体であるというような見方を私はしたいと思うのです。本年度は三千六百だけは市街地に建設しようということを明らかにしております。
 だからといって、これは、副総裁のお言葉なんですけれども、どうも市街地は、家賃が高いのですということを言っておるのです。私は、高いとは思いません。高いはずがないです。きっと年次計画の仕事をするのに、どうも今の段階では、仕越しというのか、仕残りがするから、だから、これに求めないということだと思うのです。三鷹に作ります建築費も、銀座へ作ります建築費も、建築費に変わりございません。まあ環境が違うから、多少高いことになるかもしらぬけれども、大して変わりございません。用地の問題だけなんです。その用地を、今お説のように遊ばしてるという現状から見て、住宅公団は、こういうだれも今まで手をつけなかった既成市街地における高度利用の面を集中的に主目的にして建つべきであるというような意見を持ってるわけなんですが、先生、今のお話ですと、全く私ども同感するわけなんですが、そういうような法律を改正して、そこに目的を置いた方がいいんではないかというような考え方に対しては、御意見どうでございますか。
#75
○参考人(磯村英一君) 先ほど申し上げましたように、今日までは、いわゆる応急に住宅不足という意味でもって、公団が果たされました役割については、われわれ一応の納得はするけれども、今後の方針としましては、御発言に私は全面的に同感で、ございます。
#76
○田上松衞君 たくさん聞きたいことがあったのですけれども、当初言われたように、磯村さんが、何か試験等の関係で非常に時間をお急ぎになっておる。多く御迷惑をかけるに忍びませんから、さらにいろいろ細部にわたって聞きたいことは、主として藤田委員の質疑の中で、あるいは今、田中委員の質疑の中で大体、まあこれをあとで、よく自分で消化してお気持を理解してみたいと、こう考えておるわけなんです。
 ところで、総括して申し上げまするが、磯村さんのお話を要約いたしますると、地方行政能力の低下あるいは資金の不足、こういうようなことから、こうした大きな公益性を持ちまする公団形式というものは、時の流れでもあるんだし、住宅公団に対しても、そうした意味からして、この公団の存在価値というものは認めたいんだと、これを前提とされているけれども、しかしながら現実の住宅公団のやっておる一つの姿から見てみると、地域社会の求むるところのサービスの徹底等については、大きな期待ができないので、つまりそこに、一つの悩みがあるということ及び今日の場合では、今出されておるこの一部改正案、これだけを対象として、いろいろ検討してみた、その結果二者択一みたいなものになってきて、言うなれば、民間に委託した方がいいのじゃないかという結論が生まれてくるわけだと、大体、そういう工合に感じ取ったわけでございます。
 そこで、そういうことからやってみますると、私はこれはやむを得ないということになるかと考えるわけです。もっと理想としては、前段に申された御意見の通りに、公団に、もう少し大きく期待をかけるようなふうに考えることが必要じゃないのかと思うわけなんです。御承知の通り、今住宅公団は六十億を資本としてやっておるけれども、必要な場合には、建設大臣の認可を得て、幾らでも増資できるわけなんですね。それだけではないわけなんです。現在の六十億は、国が出資していても、地方自治体も国と一緒にできるということになっておるわけです。しかも公団の目的は、これはもう言うほどやぼなわけで、あくまで国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するために作られているわけですから、やはり本来の性格に返って、少なくとも資金面においては、そういうような方向は可能であるはずであるから、そこへ一つ持っていけるように、お互いに心がけていくことが必要じゃないのか。今たまたま出されたけれども、ここを、こういう問題に突っ込んでしまうと、これはもう、さかのぼって本来の姿に戻すようなことは、かえってどうだろうかと思うのですが、この点については、どうなんですか。
#77
○参考人(磯村英一君) 御質問の趣旨を、私は十分取れなかったかもしれませんけれども、私は、藤田委員の御質問の冒頭に御返事申し上げましたように、私自身が、この地方行政に若干の経験を持ちました立場から申しまして、今日のように、公団形式というものが非常にふえてくるということ、その実態については、これはかなり疑問と申しますか、あるいはそれのあり方につきましては、相当これは反省しなければならぬ問題だと思います。その点につきましては、ただいまの御質問が、もしそういう面について反省する余地があるのじゃないかという御質問でありますれば、私は、その点では同感でございます、こういうふうにお答え申し上げたいと思います。
 従って、本日のこの議題につきましては、ああいう考え方を一応申し上げましたけれども、本来、必ずしも住宅公団に限らない、その他にも公団形式が、各府県、東京都なんかでも、次々に出ております。この問題については、根本問題として検討をするということにつきましては、同意見であります。
#78
○田上松衞君 今度出された法案で、今度は当然、これに基づいて公団法の施行令を改正する案が出ているわけなんですが、これによりますと、「法第三十二条の二に規定する施設で政令で定めるものは、託児所、倉庫、車庫及び集団住宅電話施設(集団住宅電話の用に供する建築物に限る。)」まあこういう工合になっていて、いかにもこの範囲は小さいのです。とりあえず今打ち出すのは、そういうことの範囲でいくわけです。いろいろさっきから質疑応答の中でうかがえる点については、将来の問題と、今出発しようとする問題の中には、大きな開きが出てくることがあります、磯村さんの理想とされる点は、私どもも全く同感なんです。こういうような面、こういうような検討しなければならぬというような点については、もっともだと思いますけれども、今出発しまするものは、こういうことで、少なくとも施設に限っては、この程度でやっていこうとする中途半端なものです。ただ、これをこのまま出発さしてしまって、形の上で、そうした民間会社を作ってしまうということになりますと、さっき申し上げたように、その後、またこれを逆戻ししていくというようなことが困難になりはしないか。
 そこで、これをそうした危険のないように食いとめるような方法は取れないものだろうかと考えるのですが、御感想どうですか。
#79
○参考人(磯村英一君) 私は先ほど、こちらの委員の御質問がございましたときに、私は、何しろそういったサービスというものは、ほかの地域社会に広がるのではなくて、団地の中でございますから、居住者の協力形態ということにつきましては、何らかの方法で、法律が規定するしないにかかわらず、これは重要であるということは申し上げました。
 それでは、こういう形態というものが、将来若干問題があった場合に、それを何か戻すか、何かほかの形態に変えるような措置を今ここで、これ自体は別問題として考えるかと申しますことは、そういうことは民間企業の資本のあり方ということに入ってくるわけなんですが、半分以上の資本というものを公団がお持ちになっている場合におきましても、やはりそういった心配を、そういう面で何とか規制するというようなことができるかどうかということでございます。
 たとえば、これを何年を限って云々というようなことでは、やはりこれはちょっと成立しない。そういうことは成立しがたいのではないか。お気持としましては、私も、若干その懸念を持ちます。なぜと申しまするのに、仕事自体が、ほとんど営利の対象にならないような仕事であり、従って先ほど藤田委員の御質問にもございましたように、サービスの低下というようなことが起きた場合に、一体、これをもとに返せるかというような懸念も、若干これはございますのですけれども、法律のあり方としまして、そういうことが、一体規定できるかどうかということにつきましては、私、ここでは、ちょっとお答えしがたい。お気持はわかりますのでございますけれども、どういうふうにという御質問に対しては、私、お答えする内容を持っておりません。
#80
○内村清次君 磯村さんに、ちょっとお尋ねいたします。
 先ほどの公述の要点といたしまして、この委託方式の中に、あなたの御説では公益法人の、あるいはまた公益財団ですね、こういうような法人形態は、どうも自分の経験からしてと、さらに人的な問題もあって、あまりよくない。だから営利関係でも、結局、民間の方に全部一つやらせた方がいいじゃないか、それは一つのテスト・ケースとしてやらした方がいいじゃないか、こういう御説のようでございます。
 そこで、私はこの公益法人関係で、ただ経験上、あるいはまた、その人的の問題というようなことを除いたほかに、何かこの公益財団法人というような組織ではいかないという確固たる法的な根拠があるかどうか。法的な。
 そこで、問題は、まあ先ほど来改正の内容から、また、維持管理上のサービス面に対する今回の投資の対象という資金源が、居住者の敷金の、しかもその敷金の利子の一部をさいてやるということが、この資金源になるわけでございますから、そうしてくると、やはりその利益というものは、すべてサービスの面でも、その利便というものは全部居住者に返って来なくちゃならない。それによって、ただ、不当――不当という言葉はまだ使いたくございませんけれども、営利目的で、利益を得る形態というものは、住宅公団の設立の大目的からしましても、これは少し一足飛びになり過ぎはしないか。もしこういう形態、すなわち民営形態、営利形態というものを許したとすれば、これは国の機関としての他のいろいろな公団に対しましても、こういう形態というものが移行してくる。また、現在も、鉄道その他にも、そういったまぎらわしいところの形態もありますけれども、そういったことが移行してくるというような形になりはしないかという点に、一つの今回の法案に対する大きな分岐点の基本点というものがあるわけですね。
 それからもう一つは、やはり居住者の敷金というものは、これは施行規則の十一条ですか、まあ三ヵ月にするかどうかは、これは別といたしまして、とにかく敷金の制度というものは、この施行規則の中にもあります。だから、これを存続するというようなことは、あるいはしないというようなことは、これはまた別の機会の問題であります。しかし、先ほど公団住宅の居住者の自治会から聞いてみますると、利子が一体、どれくらいの額になるかというような点については、これはやっぱりつまびらかによく納得しておられないのです。
 しかし国会の方の資料を見てみますると、これは敷金も、そうでしょうが、利子も、やっぱり公正な運営をやっておられる関係で、逐年増加の傾向にある。敷金あたりは、これは相当――たとえば今後、公団か住宅を建てれば建てるほど、入居者が多いのです、つかえておりますから。結局、相当敷金というものは多くなってくる。それに対する運用によって利子というものも、やはり逐年多くなってくる。現在でも、三十六年では資料によりますと、大体八千六百万円くらいの利子があるというような状態でございまするから、今回の、たとえば倉庫の問題にしましても、あるいはまた託児所の問題にいたしましても、公団が出資しようとするのは千八百万円程度である。こういったことを考え合わせてみますと、何か利益をとらない剰余金が、あるいは国に返るか、あるいはその居住者自体の積立金になるか、利子になるか、こういう形態で利便が居住者にはね返るような方式というものがないかというところにみんな苦心しているわけですが、そういたしますると、法律上に公団の公益法人として、また公益財団法人として、ちょっと利子そのものを公団が手放す場合に、あるいは寄付する場合に、何か法律的な困難があるのだというような根拠があるかどうか。その点につきまして、御研究なさっておられますなら、一つ公述していただきたいと思います。
#81
○参考人(磯村英一君) 先ほど藤田委員でございますかのときにお答え申し上げましたように、私は、こういったような形というものが、非常に多数ございまする公団、あるいは公社、そういったようなものに関しまする一つのテスト・ケースになりますものでございますから、従って、そういう意味では、かなり慎重に考えなければならぬということは、テスト・ケースという言葉の中で、私は申し上げておると思うわけなんでありますが、それならば、御質問のように、結局居住者の利益あるいはその拠出しました金の運用に対する参加というようなことを考えて参りますると、場合によっては、やはりまた第三の法人形式というものに、もう一回返ってくるわけなんであります。
 ところが、その問題につきまして、別に法人形式ではいけないというような法的な根拠は、私はないと思います。形の上におきましては、これはいわゆる先ほども、形式的にと申し上げましたのですが、これは、一応納得し得る形式と思うのです。
 しかし、一体、そういう形式をとりますか、それともほんとうに住民のサービスといったようなものの効率というものに重点を置くかということになって参りますると、私は、従いまして、法人形式よりかこの方が、いわゆる原案の方が、サービスに徹底されるのじゃないかという意味において、私は、このサービス主義の方をとりましたわけなんでありまして、お説のように、私が経験とそれから云々でもって法人形式云々と申しますけれども、これは社団法人というものは、その中にいろいろな題目を考えておりまするけれども、実質においては、非常にいい題目を掲げながら、その内容を実施しないとか、あるいは現実において、社団法人の中においてゆがめられた形、例をあげては大へん申しわけないのですけれども、社会福祉法人とか、そういったような面の中におきましても、やはり社会福祉なんというのは、当然一般の福祉のためにも、ほとんどそういったような利益や何かといったようなものをみないでやる立場でございますけれども、案外その中に、われわれの納得しないような面が出ているものでございますから、そういう面では、むしろ利益を追求していくということを、むしろ社会的にはっきりさせられるようなものの中で運営した方が、あとの白、黒を判断いたします、テスト・ケースとして判断いたします意味においても、この方がよろしいのではないか、こういうふうに考えておる程度でございます。
#82
○内村清次君 これは実は、御承知と存じますが、民法上の公益法人の設立の項に、民法第三十四条は、「祭祀、宗教、慈善、學術、技藝其他公益二關スル社團又ハ財團ニシテ營利ヲ目的トセサルモノハ主務官廳ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト爲スコトヲ得」、これが一つでございますね。それからさらに、民法上の公益法人における剰余金の配当ですね。これは民法上の公益法人、すなわち公益社団法人及び公益財団法人は、非営利性をその特色とするものであるから、剰余金を配当することは法的に許されない、従って剰余金は、積立金として積み立てられるか、または基本財産の中に組み入れられるのが通例である、このことは株式会社が剰余金を株主に配当することができるのとは趣を異にする、ここに民法上の公益法人の特色が認められてある、こうやった解釈項目がありますですね。
 そうしますと、この中にあるように、先ほど私が冒頭に申しましたように、ともかく利子である、敷金の利子である、利子を運用するのであるから、もしそれによって剰余金、たとえば人件費の、――施設は、その中から公団が建ててやるにしても、人件費の問題、それから、それに対するところの設備の問題については、利益を目的としない、しかしやはり人件費の向上その他もありますから、幾らかの、そこにはやはりまた赤字的な問題も出てくるから、これを補った後の剰余金は、積立金としておいて、その利子を拡大していく、そうしてそれをやはりみんな入居人の方にリベートとして差し上げるというような形の方が、公団の行き方としては正しいのじゃないか。やはり営利目的をして配当制限はする、監督は厳重にするとはいいながらも、やはり営利目的であるから、そこにやはり、どうしてもいろいろな形の営利形態というものが生まれてきはしないかという点に問題の焦点というものがあるわけですわね。
 この点に対してはどういうふうにお考えですか。
#83
○参考人(磯村英一君) 再三繰り返すようでございますが、私は、これをテスト・ケースとして、それでお説のように、営利を前提として一体サービスを買うか、形式的に、おっしゃいますような、いわゆる法人形式ということは、公団に関しまする限りにおいては、望ましい形式であるということは私十分わかりますけれども、今回は、こういったようなむしろ営利ということによりまして、サービスということがどれだけ期待できるかということに、今回は私はその方面に重点を置いて、きょう勉強して参りましたものですから、そのようにお答えいたしたいと思います。
#84
○木下友敬君 ただ一つお尋ねしておきますが、先生は公団というようなものの末端のサービスということには、大体見切りをつけておられる、そういうように受け取れるのです。要求してもだめだから、ほんとうは望ましくないけれども、この場合は、民間にやらした方がいいのではないかというふうに私は受け取ったのです。
 その点で、私は非常に、大体公団のもとに、第二会社を作るということは反対だという意見で、この間も質問しているのですけれども、先生の言うように、官庁あるいは公団などのサービスが悪いということに見切りをつけて解釈されておると言われたことには、一応の敬意を表する。ただ一つ私はお聞きしたいのは、公団は、これはいろいろの意味で国家に責任を持ちます。ところが、第二会社を作った場合に、その第二会社が国家に、その運営とかあるいは経理とか業務とかということについて責任号持つものであろうかどうであろうか。この法理論的なことを、それだけ一つ教えておいていただきたい。
#85
○参考人(磯村英一君) やはりこの民間の営利事業、営利企業体となりますと、それがそのままでございますね、そのまま、私は今すぐに、これを法理論的に十分お答えする準備をしておりませんですけれども、私の現在の知識では、その点については若干問題があると思います。その営利会社の責任自体というものが、そのまま国家に直接参るということは、これは疑問じゃないか。そこの点は、若干疑問があると思います。そういうふうにお答えいたしておきます。
#86
○木下友敬君 わかりました。
#87
○委員長(稲浦鹿藏君) じゃ磯村参考人に対する質問は、これにてやめますか。――どうもありがとうございました。
#88
○藤田進君 小沢さんにお伺いしたい点は、今まで若干の点は、サービス的な業務を公団でおやりになっていると聞いておるわけですがね。やっぱり実際皆さんが、そのサービスを受ける折衝をされて、現実の日本住宅公団よりも、民間会社の方がいいんだろうというような点に触れられました。
 とにかく議論は別として、たちまちもう諸般の、今出されている保育所、自転車置場その他ですね、これをまあ早くやってもらいたいという意味で、公団直営論と、あるいはその手段方法は、まああまりやかましく言うまいと、第二会社でもよいという意見に、若干分かれているように、この理由では聞きましたがですね。実際問題として、公団にやらせると、官僚的になって、これでは、実際は、そうであっては困るという意見も、私はあるのかもしれないと思うのですけれども、もしそういう事例があれば、お聞かせいただきたい。
#89
○参考人(小沢行雄君) そういう事例があればということでございますが、具体的に、どういうことをお答えしていいか、私思い当たらないのでございますが……。
 その前段の方で若干補足させていただきたいと思いますが、私どもは、公団が直営でした場合に、そのサービスが行き届かない。そこへ見切りをつけるということではないのであります。見切りをつけられては、私どもは困るのでございまして、その点につきましては、第二会社ができても、公団で管理すべき業務というもの、あるいはサービス的に管理すべき業務というものは、まだたくさん残っておるのでございまして、この点については、今後もなお機会の許す限り、公団当局とは折衝していきたいと、こういうように考えております。
 ただ、先ほど御意見のございましたように、現状では、非常にその居住者の皆さんから切実に要求されている問題が、どうしてもそのけりがつかない。何とか早く託児所であるとか自転車置場であるとか倉庫であるとかというような問題を進展させたいという気持が、まあ非常に強いものですから、その形式はともかくといたしまして、われわれの条件のいれられるようなものであるならばけっこうではないかと、まあいわば次善のものとして、けっこうではないかと、こういうような考え方の方が、私どもの中では一応支配的であるというように考えてよろしいのじゃないかと思っております。
#90
○藤田進君 かりに、まあ会社で出発したという場合に、まだ固定してはいないように公団側から聞くのですが、会社としては、まあ取りあえず日本を二つに分けて、東と西とかというふうに、二つの会社あたりで出発をしたいようにも聞いておるわけです。
 会社でいくということになれば、あるいは公団直営論の一つの理由等から見ても、あるいはそういうこま切れ的なものでなくて、全日本の公団の関係に関する限りは、一つの会社で運営された方が、有無相通じていいんじゃないかとも考えられるのです。御議論があったかないか知りませんが、もし現行法の改正案に出ているものの会社でいくとすれば、今後の機構なりあるいは皆さんの言われる居住者の意思が反映されるという方法等、会社のいわゆる形態、それから機構、この中には、居住者の意見が反映できるというシステムとしては、どういうものが考えられますか。
#91
○参考人(小沢行雄君) 二つ問題があるかと思うのですが、一つは、全国一本の会社というようなものにした方がいいか、東、西日本というふうに分けた方がいいかということ、これにつきましては、一がいに、どちらがいいとも言いきれない面が、現実の問題としてあると思うのでございます。それは
 一本にした方がいい場合もあるでしょうし、画一的になることを避けるためには、二本の方がいいという見解もあろうかと思います。
 その点につきまして、私どもの方では、まだ論議をしたことがございませんので、ここでお答えする段階には至っていないと存じます。
 それからもう一つは、主題は、何でございましたか。
#92
○藤田進君 居住者の意思を反映してくれということでした。
#93
○参考人(小沢行雄君) その具体的な形態でございますが、具体的な形態については、これは統一された見解というものはございませんが、今までの討論の過程で出ましたものが、私が最初に申し上げました会社の、あるいはその事業体の代表者と、居住者の代表者との意思を交換する機関といったようなものを作っていくということが一つ。それから経営に参加するということも一つ考えられる。
 経営に参加するということについては、いろいろこれは議論があるわけでございまして、参加した方がいいという結論はまだ出しておりません。経営に参加しても、はたしてほんとうの居住者の意向というものを十分に代表できるかどうかという点についても、いろいろ疑問もございますし、しかし、少なくともあの事業体の代表者と居住者の代表者との間で、意思の疎通機関というものを設けるということ、これだけは、どのような形になっても、ぜひ実現したい。
 そういったものがなければ、いかに団地に精通した人が経営されるにしても、現実の団地の環境というものとは、だんだんと離れていくのが、これはもう疑えない事実だと思うのでありますので、絶えず団地に居住している居住者の代表者との接触機関を作り、そこでその接触を保っていくということは、これはもう不可欠な要件ではないだろうかというように考えております。
#94
○藤田進君 現在の公団との関係では、おりに触れて折衝されていくという御説明ですが、これは従来通りで、何とかやっていけそうですが。
#95
○参考人(小沢行雄君) それは、今後も継続していくつもりでございます。
#96
○藤田進君 それはある程度は、成果を上げているのですか、皆さんの側から言うと。
#97
○参考人(小沢行雄君) いろいろな具体的な形となって、成果も出ておりますし、これは有形無形に、非常に大きな利益を居住者にもたらしておるというように、私ども協議会の代表は自負しております。
#98
○木下友敬君 関連して。その、あなた方の自治会の方が、これは、そこから聞いていかにゃいけませんが、自治会の協議会というのの役員の構成は、どうなっておりますか。
#99
○参考人(小沢行雄君) 私ども、協議会に参加しております団体、これは単位自治会と呼んでおりますが、これは団地の自治会でございます。そこから各一名ずつの第二決議機関の委員というものが選ばれまして、その委員が中心になって、居住者の中から常任委員というものを選んでおります。
 従いまして、役員はすべて居住者でございます。しかも、単位自治会の役に、現在もしくは過去において何らかの意味でつながりのあった人間が、協議会の役員をしております。
#100
○木下友敬君 その役員の数と、もっと詳しくいけば、一つの団地における役員の数、それから、職名、たとえば渉外部長さんというのが来られましたが、そういうようなものを、ちょっと教えていただきたい。
#101
○参考人(小沢行雄君) 役員の名称並びに数を一括して申し上げますと、協議会の役員には、代表者として会長が一名おります、副会長が二名、事務局長が一名、常任委員が、規定では若干名になっておりますが、現在は十三名、この中に会計が含まれております。その常任委員十三名のうら、専門部がございまして、専門部担当の常任委員が五名おります。その五名は、渉外部長、文化部長、厚生部長、情報宣伝部長、調査部長でございます。
#102
○木下友敬君 この協議会に居住者の意思を反映させる方法は、どういう方法でございますか。
#103
○参考人(小沢行雄君) 幾通りかの方法がございまして、常任委員会の構成役員が、先ほども申しましたように、団地に居住しておりまして、何らかの意味で、団地の自治会とつながっておりますから、常任委員会の席上でも、かなり居住者の意思というものは反映されます。それが第一。それから、委員会というものを定期的に開いております。この委員会は先ほど申しましたように、委員が各団地の代表者でございますから、ここでは常任委員会よりもさらに広い層の意見が反映されます。そのほかに適宜に団地代表者会議、会則の正式な機関ではございませんが、団地代表者会議というのを、問題のあるたびに招集いたしておりまして、個々の問題、あるいは二、三の問題について、常任委員会は団地代表者会議の意見を聴取しております。
 そのほか総会というものがございまして、団地の居住者の数で比例的に選ばれる代議員によって構成されるわけでございますが、そこで最高の意思を決定する。こういう仕組みになっております。
#104
○木下友敬君 大体、きょうあなたからお聞きしましたお話の内容は、大体において、その常任委員会あたりでの話の要約だと考えてよろしゅうございますか。
#105
○参考人(小沢行雄君) そのように御了承いただいて、けっこうだと存じます。
#106
○木下友敬君 この自治協議会は、公団側と月一回分懇談会を持っておられるようでございますが、そこに出席される方は自治会の方からはどういう方が行かれるか、また公団側からはどういう方が通常出ておられるかということと、そういう会合は定期的に、月曜日とか火曜日とか、第何月曜ときめてやっておられるか。あるいは毎月適当なときを話し合いでその月にきめてやっておられるか、場所をどこにしておられるか、何時間ぐらいな、何時ごろから何時までぐらいその話をやっておられるかというようなことを一つ。
#107
○参考人(小沢行雄君) 先ほど申し上げましたように定期的に開かれる協議会と公団当局との会合というものは三つございます。一つは公団の本所と協議会との会談、これは協議会側といたしましては常任委員が出席いたします。特に問題のある場合は、団地代表者の出席を求めます。大体今までの人数を申し上げますと、平均して協議会側からは八名ないし十名程度。それからその席に出席いたします公団当局者の方は、管理を担当されております武藤理事、それから本所の管理部長、管理部の管理課、保全課両課長並びに管理課、保全課の係員の方、やはり八名ないし十名程度でございます。それから関東並びに東京支所との会談におきましては、協議会の方といたしましては常任委員の代表者二、三名、それに関東支所の場合は関東支所管下の団地の自治会の代表者五、六名、ないし多い場合は十名ぐらいに及ぶこともございますが、その程度、東京の場合も同様でございます。現在の東京、関東支所からの出席者は、大体両支所の管理部長が中心になりまして、管理部関係の課長、職員の方が御出席になります。関東支所の場合は、次長が御出席になる回数が多かったように記憶しております。場所は、すべて公団の建物の中で行なわれます。時間は三時から五時までの二時間というのが原則になっておりまして、会議の開催の方式でございますが、これは本所との間では、大体第四金曜日ということになっております。ただ両方の都合によって、それが変更になることもございますが、月の第四金曜日ということを開催の原則にしております。
#108
○木下友敬君 経営に参加するということがありとすれば、どういう人を新しい会社に送るということについてお考えでございますか。
#109
○参考人(小沢行雄君) どういう人を送るかということについて、具体的に会としてまだ論議したことがございませんので、現在お答えできる段階にないのが残念でございます。
#110
○木下友敬君 たとえば、そういうことは論議していないけれども、今の協議会の中の委員の方の、あるいは会長とか副会長とか、そういう方が新しい会社の役員として行かれるような公算があるかないか、そういう人は実際は経営参加といっても、みな職業を持っておられますし、なかなか困難なこともありはしないかと思うが、経営参加ということは言うだけであって、実際は、そんなら自分がそこの役員として出ていこうというような方が得られる見込みがあるだろうか、現役員の中であるだろうかというようなことを……。
#111
○参考人(小沢行雄君) 現実の役員の中であるかないかということになると、かなりむずかしいのでございますが、その公算というものは、皆無ではないということは申し上げられるかと存じます。
#112
○藤田進君 今のことに関連いたしまして。当初申された点で、協議会に参加しているメンバーの全体、居住者の、これは戸主というか、家族全体ではないと思いますが、約五〇%程度と言われたのですが、百パーセントのものもありましょうけれども、また皆さんもこれに専従できないわけですから、非常に困難だと思うわけですが、それにしても、ちょっと五〇%ということは少ないように思われるのです。どんどんカーブが上がりつつある過程なのか、大体五〇%が、従来の御努力の結果から限度のように思われるのか、参考までに一つ。
#113
○参考人(小沢行雄君) 会員は各自治会とも個人加入という形式をとっておりませんで、世帯加入という形式をとっておるところが多いのでございます。で、現在私どもの会の影響下にありますのが大体五〇%ということでございますが、町会に類似したような、団地ごとに自治会がまだ設立されていないところも、ございますので、なかなかその組織率を伸ばしていくというのも困難なのでございますが、一年前に発足したときは、二〇%足らずのところから発足いたしまして、一年間でどうやら五〇%近くまでなったという実績がございますし、今まで私どもの協議会のあげてきた実績から考えて、逐次その末組織の団地も漸次私どもの会と連絡をとりながら組織化されているという現状下でございますので、この組織率を七〇%ないし八〇%ぐらいまでは高めることは、われわれの努力次第では不可能ではない。こういうふうに考えております。
#114
○藤田進君 現在のところ、別派ができてという、芽ばえとか、そういう現実はないわけですか。
#115
○参考人(小沢行雄君) そのような芽ばえは現在のところございません。
#116
○藤田進君 各団地別の解約なり異動状況という資料を私ども本日もらったわけですが、これを見るとかなり格差があります。遠隔の団地はどうも不便だからなんだろうと思って見ると、三十キロないし二十キロといったようなかなり遠いところ、それで三十キロ、四十キロといったような比較から見ても、必ずしもそう言い切れない。私は正確に読み切れませんが、たとえば一番大きいのが十キロ圏内で、本芝というのですか、ここらは年間三八・九%、約四〇%近い解約率になっているのです。これはやはり施設の関係なのか、入っておられる人たちの自主的な、職業的な事情なのか、何か運営上に問題があるのかどうか、この際お伺いしたい。
#117
○参考人(小沢行雄君) 解約と申しますのは、公団との契約の解約ということでございますが、その原因、いろいろあろうかと思います。一つは、先ほど申されましたような職種の関係というのも多分にあると思います。それからもう一つは、遠隔地、これも結局職種に関係することでございますが、遠隔地で困るというような場合もございますが、しかし、最近は遠隔地といっても交通事情が、いろいろな努力によりましてかなり好転して参りましたので、むしろその団地の住み心地のよさ悪さというようなことが、かなり心理的に影響しているんじゃないだろうか、そういう要素もかなり多いんだろうと、われわれは考えております。たとえば、私埼玉県の大宮に現在いるんでございますが、公団住宅としては最も古い団地で、最初一、二年の間は非常に異動率が激しかったのですが、ここ一、二年、団地が落ちついて参りました関係か、年間を通じておそらく数パーセントの異動率しか示さなくなっているというように承知しておるのでございますが、そういうように、団地ができることによって交通事情もだんだん開発されてよくなり、住み心地もだんだんよくなるというようなことで、その異動ということをだいぶ左右するんじゃないだろうかというように考えております。そういった心理的な面も決して看過できないのではないかというようにわれわれ考えております。
#118
○参考人(可児栄重君) ただいまの小沢事務局長の説明にちょっと補足申し上げますと、比較的異動があるといいますのは、私ども団地族が、大体入居者の世帯を見ますと、三十代の者が相当数おるわけでございます。私の記憶では、四六、七%住んでいると思いますが、こういう人々は、会社におきましても大体中堅あるいはそれ以下のところでございまして、比較的その会社の各支店へ転勤しやすいような環境にあるんではないかなと、こう思うわけでございます。これも一つの異動の多い点ではないかと思います。
#119
○藤田進君 まあ本件と直接関係はございませんが、だんだんとささやかでも自分で土地とか建物を持ちたいという傾向が強いようですが、なかなかそういう状況はないですか。
#120
○参考人(小沢行雄君) 同じく団地と申しましても、賃貸の団地と、それから分譲の団地とございまして、今御質問の対象は賃貸の団地になると思うのでございますが、自分で土地を買い、住宅金融公庫から融資を受けてうちを建てるという率は、それほど多くないというふうに考えております。
#121
○藤田進君 まあ、当初畑の中に建てた場合におきましては、比較的出ないでしょうが、しかしだんだん年を取るに従って付近に他の住宅もできる、あるいは私設の住宅がある。こういう団地外の地域住民とのなじみ、そういう点が若干――特に今度の保育園託児所といったようなものを設けると、団地モンローのような形になりはしないだろうか、どうだろうかという心配が一つある。それから、もう一つは、これは公団なのか居住者の意思なのか、具体的に場所は言いませんが、いわゆる畑のあぜ道というか。そういったようなところを通行していたが、団地住宅ができたために、それが遮断をされ、城壁が作られる――城壁ほどでもないが、さくをめぐらす、すぐ近くまでは自動車道路があって団地へ自動車が入ってくるし、にぎやかになったけれども、少しさくをとって、一般地域まで、自動車も非常に簡単に入るんだから入れたいなというようなことを、とにかく聞くことがある。そういう場合はむしろ、それは盗難その他、いろいろ複雑な問題があるでしょうけれども、できるだけ地域とのなじみを深めていく方向の方が、私ども客観的に見ていいように思われるんですが、これらについてはどういうお考えですか。
#122
○参考人(小沢行雄君) お説の通りでございまして、私たち協議会といたしましても、団地というものは、そこの一つの地域社会の構成員でありまして、そういったまわりの社会と遮断して存在していいというようには毛頭考えておりませんし、むしろ現状のムードとしては何かモンロー的なあれが強いことは、否定できないのでございますが、協議会の方針としては、地元の社会と融和するような、そういった行き方をとってほしいというように、いろいろな機会を通じて、指導という言葉は語弊がございますが、指導しているつもりでございます。
#123
○武内五郎君 先ほど木下委員からのお話の中でも、大体公団と自治協議会との話し合いがなされているということですが、その懇談会の中心は、住みいい団地にしたいということが中心だと思うのですが、大体今までどの程度まで要請されている事項が通っておるんですか。
#124
○参考人(小沢行雄君) まあ、いろいろな具体的な問題があるわけでございまして、昭和三十五年度で一例を申し上、げますと、たとえば公団の団地といいますと、一般的な印象は、たとえばひばりケ丘とか多摩平というような大きな団地に代表されるように、何かニュー・タウン方式、あれが連想されるわけでございますが、今後の郊外団地の発展の仕方としては、私どももその方がよろしいと思いますが、現実には百戸とか二百戸というような小さな団地がたくさんあるわけでございます。そういったところでいろいろな居住者の生活上の問題あるいは文化上の問題で、集会をする場所がなかった団地が多々あるのでございますが、これを設置してほしいというようなこと、これは年次計画で、今までなかったそういう小団地について集会所を設置することにした。こういったことが一つの話し合いの結果として、居住者に非常に喜ばれておる事例の一つでございますが、そういった問題、すでに解決を見た問題がございますが、非常に居住者の要望が強いにもかかわらず、現在までにどうしてもできなかったというのに、託児所の建設であるとか、何回も出ておりますように倉庫とか自転車置場とかいうような問題が残っておるわけでございます。そのほかまだまだいろいろございますが……。
#125
○武内五郎君 団地の中で店舗なんかがほとんどなかったというような団地があるように見受けたんですが、まだそういうような状態ですか。
#126
○参考人(小沢行雄君) 私が先ほど申しましたように、百戸、二百戸というような団地には全然ございません。ただし、それくらいの規模の団地でございましても、百戸ぐらいの場合がほとんど問題ございませんが、二百戸をこしますと、その周辺に商店が形成されてくる。で、大体その日常生活には不便を来たさない程度の買い物ができるというふうになっておるのが実情でございます。しかし、中にはそういった小さな団地には商店街とか、あるいはそれに類似したような施設というものが全然ございません。
#127
○参考人(可児栄重君) ちょっと補足申し上げますと、団地の入居者のほとんどが勤務先が東京都内の、都心の方が多うございまして、大きな買い物は大ていの場合は御主人と申しますか、戸主が都内で買ってくるのが大体の実情のように思います。従いまして、小さないわゆる食料品、小間物等は団地近辺のお店で買う、これが大体通例のようでございます。
#128
○武内五郎君 そこで、今回のサービス機関を設けようということになって参りますると、最も切実に要求されておるサービスの部門というのは、どれなんですか。
#129
○参考人(小沢行雄君) 法案の説明にも書かれてありまするような託児所、これはもちろん、それを利用するのはごく少数に限られるわけですが、現在の団地の居住者の構成状況から考えまして、先ほど可児君が申し上げましたように、世帯に若い層が多いので、共かせぎという事態が非常に多くて、そういった人たちには切実な問題になっております。それから、自転車置き場、貸し倉庫と、だんだん団地に入るに従って一つの世帯の構成員が急激に多くなってくるわけでございます。今まで子供さんのなかった世帯も、団地に入ることによって続々と生まれてくるというような現状でございまして、従って、うちの間取りが非常に狭いものですから、うらの中へ置き切れなくなって、ぜひその倉庫などへ預けたいという、世帯道具などが非常にふえておることも確かでございます。従って貸し倉庫の設立ということも非常に要望がございます。それから、ここには書かれておりませんですが、郊外の団地が多いもので、東京との連絡その他で電話の利用が非常にできかねているので、集団電話というようなものが現在生まれておりますが、それはまあ何もこの会社によらなくてもできるわけでございますが、そういったところで一括して世話をしていただけるならば非常に幸いだというように考えます。まあ思い浮かべるままにあげますと、大体そういったところがあげられるのじゃないかと存じます。
#130
○参考人(可児栄重君) 補足申し上げます。かりに代理会社ができた場合に、託児所というものが大きな問題になるわけでございますが、現在その会社がないから、託児所あるいは保育所というものがないかといいますと、そうでないのでございまして、現在、青戸団地では集会所というものを託児所にかえて使っているわけでございますが、これは利用者にとりまして大へん好都合でございますけれども、その団地に住んでおります入居者全体にとりましては、見方によっては集会所を取られたと、こういうような格好になっております。それからもう一つ、ある団地ではお寺を利用してやっておりますが、これも建物の関係上大へん冬季は寒くて、それから場合によっては不衛生でもある。それからもう一つの例は、ある四階建の建物の四階で免状を持った奥さんが、ほぼ内職というような格好でおやりになっておりますけれども、これも衛生上の問題、あるいは四階という高いところでそうした乳飲み子を扱っておいでになります。これも託児所のない現在としてはやむを得ないことだと思いますけれども、やはり必要に迫られて、そういう危険な場所であるけれども、やっているという事情をよく御理解願いたいと思います。
#131
○田上松衞君 さっきからいろいろ聞いておりますというと、主として今度計画に入っておるものを中心として、今切実な希望だという工合にとれるのですが、私はこれを聞きだす前に、あなた方のやっておられるところの自治会、協議会というものは、何人かまかされたところの役員といいますか、そういう人々にもろもろの協議すべき事項を一任されてあるものか、それとも、できるだけ入居者全体の意思を、たまには、どういうことをこまかく考えておるかというふうなことを聴取されるような形になっているのか、どうなんですか。
#132
○参考人(小沢行雄君) 先ほども申し上げました通り、私どもは常任委員会という執行機関でもってすべて運営しているわけではございませんで、委員会、あるいは適宜代表者会議というようなものを開いて、常に居住者のなまの声を常任委員会の運営に摂取しているつもりでございます。
#133
○田上松衞君 一つの例を申し上げまするが、たとえば託児所の問題、託児していかれる家庭、それらのまあ職業といいますか、あるいは託児の必要というか、そういう点等をこまかにお調べになったことありますか。
#134
○参考人(小沢行雄君) 私どもの機関で独自の調査をしたことはございませんが、託児所の運営につきましては、現在、先ほど可児君の方から申しましたように、必要に迫られていろいろな形で数カ所の団地で託児所をやっております。その人たちの手で、公団住宅託児所協議会という別の機関ができておりまして、この機関でかなり詳細な調査をしております。その機関と私たちの間では、絶えず接触をとって、託児所の問題につきましては研究を進めておるというようなつもりでございます。
#135
○田上松衞君 ちょっと私の聞くのが悪かったのでしょうけれども、ピントが違っているわけです。小沢さんとか可児さんとかというような、まあ、いえば適切でないかもしらぬけれども、家族の人々までが仕事をしないでも済むお立場の人々、多くの役員たちはそういうような人々が選ばれがちだと実は考えておるわけなんですよ、掘り下げての話になりますが。そこで子供を託していきまする家庭の実情というものの、ともすると実態がつかみにくい場合が出てくるだろうと思うのです。私が申し上げる気持を先に言いますると、託児所を必要とする人々は、御主人だけでなくして、家族もともに何か収入の道をはかりたい、働きたいという人々が大部分のはずだと思うわけなんです。私、住宅公団の内容についてはまだ当たっていませんけれども、地方自治体等がやっております問題は、長い間こまかにこれを調べてみたのですが、ほとんど大部分がそうした家族が仕事をしたいことのために頼んでおくということなのです。ただ、よそへ買い物に行くとか、出ばって用足しに行くとかいう程度のものでは実際ふさわしくないわけです。そういう者の子供は親がついていかないと安心ができないわけです。そういう観点に立ってみますと、託児所を要求される人々は、いろいろ世間体もありまして、口には出さぬとしても、できるならば団地の中に働ける場所、すなわち、だれにもできるような簡単な授産場等がむしろその底にあるのだということだと、われわれはこう感じておるわけなのですが、そういうようなことは看取されませんか、どうですか。
#136
○参考人(小沢行雄君) お説の通りだと存じます。ただ必ずしも画一的にそういう方たちばかりであるということは、これは言えないのじゃないかと思うのですが、それは何と申しますか、すでに奥さんになられる方が、一個の社会的に有意義な職業をお待ちになっていて、そういったプロセスで結婚して団地へ住まれるという方も、率としてかなり多いのでございまして、団地の中に授産場のようなものがあれば、それによって浮かび上がってくる人というのが非常に多いだろうということは、お説の通りであろうと思いますが、そういった人たちだけが託児所を希望しているというようなものでもないだろうというように感じております。
#137
○田上松衞君 だから、前もってお断わりしてあったのですが、あなた方よりずっと生活を、何とか切り詰めていかなければならぬというように考えておる人々の気持を、十分一つもっと掘り下げて考えていただきたい。これはまあ希望として申し上げておきますけれもど、私がかく申し上げることは、中に切実に要望されるような事項は、さっきからお話があるようにいろいろあろうと思うのです。たとえば純粋な幼稚園というようなものが考えられますが、これもあるわけなのです。ところが幼稚園と、この場合、私が申し上げる託児所とは少し性質が違うわけなのです、幼稚園を要望されるものと、託児所を要望されるものとの間では。私どもはより下のもののことのために考えていったらどうかということ、そしてそのことは、内部に平易な授産場等がありますれば、だんだんやって、もう見栄やなんかでなくして、おのおのが家庭生活を充実させることのために、しまいには誇りを持つようになって、こぞってするようになるだろう。ただ、あてがわれたものだけにじっとしているというよりか、お互いこういう中で一つ生み出していくようなふうに指導されることも、また自治会のやはり一つのねらいの中に入れてもいいのじゃないかということを考えるわけなのです。私がどうも変に考えておりますることは、さっきお話の中にガレージ等の問題が出てきました。それこそ一部の人々の話じゃないかと思う。あるいは電話の問題、これももちろん必要であることはよくわかりまするけれども、むしろ、ああしたところにやっておるものからしますならば、それよりかもっとそういう内容を高めるべきものがあるのじゃないか、まあこんなこと。及び、それから、あなた方に要望申し上げることは、ちょっと変なようですけれども、今のところじゃ三十台の、会社等において中堅をなしておる人々、そういう程度であれば、まあたくさんの子供もないわけでしょうけれども、しかし、これから先にどんどんその人々が一年たち、二年たち、三年たち、五年たつ間には、やはり子供もこれはいやおうなしに生まれてくるわけなんで、そういうようなことに備えるために、産院等のことも、他の施設から見ますと優先的に要望される事項ではないのか。いろいろこれには厄介な問題を含んでおりますけれども、それはそれとして、そういうようなものもあるのじゃないか、こう考えるわけなんです。さっきからいろいろお聞きしている中で、それにはどうも自治会と公団との間が、ただとりあえずがこの程度たということで相談し合って、これに協力しようじゃないか、やっていこうじゃないか、それでけっこうだというような程度にお考えになって、根本的に十分入居者の意見を反映せしめるようなことに将来の運営をやってもらいたいという本質的な問題、その根底についてもう少しお考えになるような点があるのじゃないのか。
 結論から申し上げますならば、私ども必ずしも今の段階になってしまうと、あまり理想的なことばかり言っておったら、結局あぶはちとらずになったら大へんだと思いますので、大体において、これは言い過ぎになりますけれども、結局この案に賛成していくような形になるんでしょうが、だが、しかし、その中にはいろいろなわれわれの希望――そのことは入居者の意思、希望等を十分くみ入れての上に立って考えるべきが適切ではないか、こういう感じがしているようなわけです。先を急いで済みませんけれども、そうすることによって、より一段とあなた方の一つのそうした根底からのあれを、研究といいますか、そういうようなものも一つ望ましい、このことについては別にお答え要りませんけれども、希望として申し上げておきたいと思います。
#138
○参考人(小沢行雄君) ただいまの御注意と申しますか、大へんありがとうございます。もちろん、私どもも、ただいま御発言にあるような内容を全く考えておらなかったわけではないのでございますが、希望を申し述べさせていただくならば、産院ということもございましたが、医療施設とか授産場とかいうことは、これは私どもの生活に直結する問題でございますから、それは声を大きくして言いたかったところなんでございますが、別に、これは純粋に居住者の組織でございまして、公団等の制約は全然受けておりません。この点は誤解ないように一つおくみ取りいただきたいと思うのでございますが、ただいま御注意のありましたようなこと、一々私ども今後の運動方針の参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#139
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに参考人に対する御質疑はございませんですか。――ほかに御発言もなければ、本案についての本日の審査はこの程度でやめます。
 参考人の方々に対しては、大へん長い間御意見を賜わりましてありがとうございました。御礼を申し上げます。
 それでは、午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後一時四十八分休憩
   ――――・――――
   午後二時五十一分開会
#140
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を願います。
#141
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま議題となりました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、現行の道路整備緊急措置法に基づき昭和三十三年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定し、これに基づき道路整備事業を推進いたして参ったのでありますが、最近の目ざましい経済の成長に伴いまして、道路輸送需要は、計画策定当時の予想をはるかに上回って著しく増大しつつあり、これが対策として道路整備の拡充強化が強く要望されている次第であります。
 一方、政府は、昨年十二月、国民所得倍増計画を決定いたしましたが、この計画を達成するためには、今後の経済の成長に対応した道路整備計画を策定して、道路の改良と近代化を促進し、輸送隘路を打開するとともに、先行的道路投資を行ない、産業経済の基盤を強化し、国民生活の向上に資する必要があります。
 このため、現行の道路整備五カ年計画を改定拡充して、昭和三十六年度を初年度とする新道路整備五カ年計画を樹立し、急速に道路の整備を促進することとし、ここに計画策定の根拠法である道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 改正の第一点といたしましては、ただいま申し上げました通り、現在実施中の道路整備五カ年計画を改定して、新たに昭和三十六年度を初年度とする新道路整備五カ年計画を策定することといたしたことであります。
 第二点といたしましては、建設大臣が、道路整備五カ年計画の案を作成しようといたしますときには、道路整備五カ年計画と長期経済計画との調整をはかるため、あらかじめ、経済企画庁長官に協議することといたしたことであります。
 第三点といたしましては、道路整備計画の一環として実施しております積雪寒冷特別地域の道路交通確保に関する計画につきまして、新道路整備五カ年計画と計画期間の調整をはかるため、昭和三十六年度以降の毎五カ年を各一期とする積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画を策定することといたしたことであります。
 その他これに関連いたしまして、関係規定の整備を行なうことといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
#142
○委員長(稲浦鹿藏君) 本案の質疑は次回に譲ります。
   ――――――――――
#143
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回提案理由の説明を聴取いたしておりますので、逐条的に補足説明を願います。
#144
○政府委員(稗田治君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につき、逐条的に御説明を申し上げます。
 この法律案は、住宅金融公庫法におきましては、住宅用地の取得造成について住宅金融公庫が貸付を行なう範囲を拡大し、土地の取得造成及び中高層耐火建築物等の建設にかかわる貸付金の利率を変更し、並びに住宅金融公庫の理事を一名増員することといたしております。また、産業労働者住宅資金融通法及び北海道防寒住宅建設等促進法におきましては、産業労働者住宅の一部にかかわる貸付金の利率を変更することといたしております。
 まず、住宅金融公庫法第一条につきましては、住宅金融公庫の貸付の対象となる住宅の建設資金の中に、住宅の用に供する土地の取得及び造成に要する資金を含むことを明らかにいたしました。
 同法第九条の改正は、住宅金融公庫の理事の定数を、四人以内から五人以内に増加したものであります。
 同法第十七条の改正は、資金の貸付を行なうことのできる宅地造成の範囲を拡大し、主として公庫の貸付にかかわる住宅に限らず、一般に住宅の用に供する土地の取得造成について貸付を行うことができることといたしますとともに、当該土地の造成とあわせて居住者の利便に供する施設の用に供する土地を造成することが適当である場合には、その施設の用に供する土地の取得造成に必要な資金をあわせて貸し付けることができることを明らかにしたものであります。
 同法第二十一条第二項の改正は、土地の取得造成にかかわる貸付金の利率について、現行年六分五厘を年七分五厘に改めたものであり、同条第五項の改正は、中高層耐火建築物等の建設にかかわる貸付金の利率について、現行年六分五厘を、住宅部分については年七分、住宅部分以外の部分については年七分五厘に改めたものであります。
 同法第三十五条の二の改正は、さきに述べました同法第十七条の改正に伴い、貸付金にかかわる土地の譲渡に関する規定を整備したものであります。
 次に、産業労働者住宅資金融通法第九条の改正は、産業労働者住宅の建設及びこれに付随して必要とされる土地の取得に必要な貸付金の利率について、現行年六分五厘を、主務大臣の定める中小規模の事業または主務大臣の定める業種の事業にかかわるものについてはそのままとし、その他のものについては年七分に改めたものであります。
 次に、北海道防寒住宅建設等促進法第九条の改正は、北海道の区域内に建設される産業労働者住宅の建設資金の融資について、産業労働者住宅資金融通法の改正と同趣旨の改正を行なったものであります。
 次に、付則について御説明申し上げます。
 付則第一項は、この改正法の施行期日を昭和三十六年四月一日としたものであります。
 付則第二項は、住宅金融公庫が昭和三十五年度以前の事業計画にかかわる資金の貸付の申し込みを受理したものについては、貸付金の利率は、なお改正前の規定によることとしたものであります。
 以上この法律案について逐条的な御説明をいたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いする次第であります。
#145
○委員長(稲浦鹿藏君) 本案の質疑は次回に譲ります。
   ――――――――――
#146
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案を議題といたします。
 前回提案理由の説明を聴取しておりますので、逐条的に補足説明を願います。
#147
○政府委員(関盛吉雄君) ただいま議題となりました公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案につきまして、逐条説明を申し上げます。
 第一章、総則でございますが、第一条は、この法律の目的を定めたものでございます。公共施設の整備に関連する市街地の改造に関し所要の事項を規定することによりまして、道路、広場、その他の都市公共施設を整備いたしまするとともに、都市生活を快適ならしめますため、環境の整備を行ないまして、都市の機能を維持増進し、公共施設の整備との関連において、これに隣接する市街地の不燃化、高層化を行いますことによって、市街地における狭隘な土地の合理的利用をはかりまして、あわせて公共施設用地を合理的に確保することを目的といたしております。
 第二条は、この法律において用いておりまする特別の用語の意義を定めたものでございます。
 第一号は、市街地改造事業について定めたものでありまして、その内容は、道路、広場等の公共施設の用に供せられる土地及びその付近地におけるこれらの公共施設の整備と建築物及び建築敷地の整備とに関する事業並びにこれに付帯する区画街路等の整備その他の事業を含んでいるものであります。
 第二号は、建築施設整備事業について定めたものでありまして、市街地改造事業のうち、建築物及び建築敷地の整備に関する事業をさすものでありますが、建築敷地用地の取得は、公共施設用地の取得とあわせて行なうことが適当でありますので、これを建築施設整備事業の内容から除外いたしております。
 第四号は飛ばしまして、第五号は、公共施設について定めたものでありまして、その具体的な範囲につきましては政令で定めることといたしております。
 第九号及び第十号は、それぞれ借地権、借家権について定めたものでありまして、借地法、借家法の適用される範囲と同一のものといたしております。
 第三条は、市街地の改造に関する都市計画を決定する場合における地区の要件を定めたものでありまして、第一号は、公共施設の整備が要請されていることを、第二号は、都市計画上用途地域制の確立されている地区であることを、第三号は、土地の高度利用化、都市の不燃化を要請されている地区であることを、第四号は、土地の大部分が二階以下の木造建築物によって利用されている現況にある地区であることを、第五号は、公共施設の整備に伴い不整形残地または過小残地を生じ、市街地の環境が著しくそこなわれるおそれがある地区であることを、第六号は、土地区画整理のみによっては土地の合理的利用の増進をはかることが困難である地区であることを、それぞれ要件として規定しているのであります。
 第四条は、市街地の改造に関する都市計画の内容の基準を定めたものでありまして、第一号は、公共施設の整備に関しましては、既存の都市計画の内容に従うべきことを、第二号は、建築物の整備に関しては、公共施設の整備によって生ずる空間の有効利用と建築物の隣棟間隔を確保することを考慮いたしまして、健全な高度利用形態となるべきことを、第三号は、建築敷地の整備に関しましては、建築物の健全な高度利用形態と適合した街区が形成されるべきことを、それぞれ基準として規定しているものであります。
 第五条は、市街地改造事業は、総合的な都市計画の見地から施行されますることが必要でありますので、都市計画事業として施行する旨を規定したものであります。
 第六条は、市街地改造事業の施行者について規定したものでございます。第一項は、市街地改造事業は、ただいま申し上げました通り、都市計画事業として施行することにいたしておりますが、その施行者は、従来の都市計画事業の施行者について規定しておりまする都市計画法第五条の規定の適用を排除いたしまして、本条の第二項及び第三項の定めるところによることとしたのであります。まず、第二項におきまして、公共施設の管理者である、または管理者となるべき建設大臣、都道府県知事または市町村長あるいは公共施設の管理者である、または管理者となるべき都道府県または市町村で、建設大臣に市街地改造事業を施行することを申し出たものが施行することといたしまして、第三項におきましては、第二項第一号の行政庁である施行者が施行する場合におきまして、その事業のうち、建築施設整備事業につきまして、一定の場合にその行政庁の統轄する都道府県または市町村が申し出により施行することができることといたしております。
 次は第二章、市街地改造事業、第一節、測量、調査及び土地の収用等の規定でございますが、第七条は、市街地改造事業の施行の準備またはその施行のため測量または調査を行なう必要がある場合における他人の占有する土地への立ち入り等について定めてございます。
 第八条は、他人の占有する土地に立ち入って測量または調査を行なうにあたって必要な障害物の伐除及び試掘等について定めてございます。
 第九条は、ただいま申し上げました土地の立ち入り等を行なうにあたって携帯すべき証明書等について定めてございます。
 第十条は、土地の立ち入り及び試掘等に伴う損失の補償について定めてございます。
 第十一条は、測量のための標識の設置について定めてございます。
 第十二条は、市街地改造事業の施行の準備または施行のための便宜を施行者及び施行者となろうとする者に与えるために、登記簿等の関係簿書の無償閲覧等について定めてございます。
 第十三条は、市街地改造事業を施行すべき土地の区域内における建築行為等の制限について定めたものでありまして、市街地改造事業の円滑な施行をはかるため、建築物の新築等、一定の行為について都道府県知事または建設大臣の許可を受けることを要することとし、第四項以下におきまして、建築行為等の制限に違反した行為に対する是正措置及びその手続等について定めてございます。
 第十四条は、市街地改造事業のための土地等の収用について定めておりますが、第一項では、市街地改造事業の公共性にかんがみ、施行者は、その施行する事業のため必要な土地及び権利を収用することができることといたしております。第二項は、市街地改造事業が地元関係者を従前の居住地の付近地において再び居住させることにより、地元関係者の権利を保護することをも意図しているものである関係等からいたしまして、土地収用法において被収用者等から建築物の収用請求ができる場合の要件を緩和して、第一項の規定により土地または権利が収用される場合において、その土地またはその権利の目的である土地に建築物を所有する者は、一般にその建築物の収用を請求することができることとし、土地収用法の特例を定めております。
 第十五条は、市街地改造事業の施行の円滑をはかるため、建築物等の所有者で、その建築物等の存する土地について施行者に対抗することができる権利を有しない者に対し、施行者がその建築物等の移転を命ずること及び建築物等の占有者で、その建築物等に関し所有者に対抗することができる権利を有しない者に対して、施行者がその建築物を所有者に引き渡すことを命ずることができる旨を定めております。
 第十六条は、一時収容施設等の設置のための土地等の使用について定めてございます。
 第十七条は、市街地改造事業のための土地等の収用及び一時収用施設等の設置のための土地等の使用については、この法律に特別の規定がある場合のほか土地収用法の規定を適用すること及び都市計画事業にかかる収用に関し特例を定めた都市計画法の規定が準用されること等が定めてございます。
 第二節の事業計画及び管理処分計画についてでありますが、第十八条は、施行者は事業計画を定めるべきことを定めております。
 第十九条は、事業計画においては、施行地区、設計及び資金計画を定めることといたしております。
 第二十条は、事業計画の公告について定めております。
 第二十一条は、施行地区内の土地の所有者、借地権者及び建築物の所有者が施行者が整備する施設建築物の一部の譲り受け希望の申し出をし、並びに借家権者が賃借り希望の申し出をすることができる旨を規定し、それらの申し出に伴う必要な手続について定めてございます。
 第二十二条は、施行者が審査委員の過半数の同意を得て管理処分計画を定めるべきこと及びその認可について定めてございます。
 第二十三条は、管理処分計画において定めるべき一事項を列挙してございます。
 第二十四条から第二十八条までは管理処分計画策定の基準を定めております。
 すなわち、第二十四条は、居住条件を改善し、建築施設の合理的利用をはかるように定めるべきことを規定し、第二十五条は、第一項において、原則として、譲り受け希望の申し出をした者には譲り渡し、賃借り希望の申し出をした者は賃借りすることができるように定めるべきことを、第二項において、これら関係者相互間に不均衡を生じないように定めるべきことを、第三項において、一定の場合に床面積を増減することができることを、第五項において、特定の場合に譲り受け、または賃借りすることができないこととなるように定めることができることを定め、第二十六条は、施設建築物の共用部分の共有持ち分及び施設建築敷地の共有持ち分の割合について規定し、第二十七条は、譲渡価額及び標準家賃の算定の基準に関し定め、第二十八条は、譲り受け希望の申し出、または賃借り希望の申し出をした者に譲り渡し、または賃借ししない部分、いわゆる保留部分は、原則として、公募により譲渡または賃貸を行なうようにすることを規定しております。
 第二十九条は、管理処分計画の縦覧及びそれに伴う必要な手続について定めてございます。
 第三十条は、管理処分計画の決定もしくは変更またはそれらの認可があったときの公告及び通知について定めております。
 第三節の建築施設の部分による対償の給付でありますが、第三十一条は、管理処分計画において建築施設の部分を譲り受ける者として定められた者――以下建築施設の部分の譲り受け予定者と申し上げます。それの土地、借地権または建築物が市街地改造事業のために買収され、または収用されるときは、その買収代金または補償金等の対償にかえて、市街地改造事業によって整備される建築施設の部分が給付されるという建前について定めております。第二項は、前項の建前をとる以上、収用の時期までに補償金の払い渡し等をしないときは収用の裁決が失効するという土地収用法の規定を適用しない旨を定めております。第三項は、建築施設の部分の譲り受け予定者の土地等が施行者に買収されたときは、その土地等の上に存する先取特権、質権または抵当権は、法律上当然に消滅することを定め、自後、これらの担保物権は、次条の規定により物上代位することとしております。
 第三十二条は、前条の土地等が担保物権の目的である場合においては、担保物権は、建築施設の部分の給付を受ける権利及び土地等の対償の供託金に対して物上代位できる旨を定めております。
 第三十三条は、土地等が担保物権の目的である場合には、その対償の額が管理処分計画において定める建築施設の部分の価額をこえるときは、その差額を払い渡しにかえて供託すべき旨を定めております。
 第三十四条は、第三十一条の規定の建前上、土地等の対償にかわるべき建築施設の部分の給付を受ける権利の内容が管理処分計画において明らかにされた後でなければ、施行者において譲り受け希望の申し出をした者の土地の取得等ができない旨を定めております。
 第三十五条は、管理処分計画において譲り受けることと定められた建築施設の部分の価額の概算額が土地等の対償の額をこえる場合には、建築施設の部分の譲り受け予定者は、その譲り受け希望の申し出を撤回することができる旨を定めております。
 第三十六条は、管理処分計画の変更をした場合における建築施設の部分の譲り受け予定者に対する土地等の対償の未払い部分の金額の払い渡しについて定めております。
 第三十七条は、施行者は、建築施設の部分の譲り受け予定者の土地等の対償の未払い部分について、利息相当額を払い渡すべきことを定めております。
 第三十八条は、土地等が担保物権の目的であった場合における前二条の規定による金額の供託について定めております。
 第三十九条は、建築施設の部分の給付を受ける権利の譲渡その他の処分の対抗要件について定めております。
 第四節の建築施設に関する権利関係の確定等でございますが、第四十条は、建築施設整備事業に関する工事が完了した場合におけるその公告及び通知について定めております。
 第四十一条は、建築施設の部分の譲り受け予定者及び管理処分計画において施設建築物の一部を賃借りすることができる者として定められた者は、前条の工事の完了の公告の日の翌日においてそれぞれ、建築施設の部分を取得し、または施設建築物の一部について賃借権を取得する旨を定めております。
 第二項から第五項までは、建築施設の部分の譲り受け予定者の土地等が担保物権の目的であった場合の調整措置に関する規定であります。
 第四十二条は、前条の規定による建築施設の部分の所有権の取得に伴う登記の嘱託に関する規定であります。
 第四十三条は、建築施設の部分の譲り受け予定者と、管理処分計画においてその者から施設建築物の一部を賃借りすることができる者として定められた者とは、家賃その他の借家条件について協議すべき旨を定めております。
 第四十四条は、前条の借家条件についての協議が成立しない場合においては、施行者が、審査委員の同意を得て、諸般の事情を考慮の上、裁定を行なうべきことを定めております。
 第四十五条は、前条の裁定の効果に関する規定であります。
 第四十六条は施行者は、事業費を確定するとともに事業費及び近傍類似の土地、建築物の価額を基準として、譲渡価額及び家賃の額を確定すべき旨を定めております。
 第四十七条は、前条の規定により確定した譲渡価額と土地等の対償の未払い部分の金額とに差額がある場合における清算及びこれに伴う滞納処分等について定めております。
 第四十八条は、前条の清算金等を徴収する権利の消滅時効について定めております。
 第四十九条は、清算金を徴収する権利に関する先取特権について定めております。
 第五十条は、建築施設のうち施行者が取得する保留部分の管理処分について定めております。
 第五節、費用の負担等でありますが、第五十一条及び第五十二条は、市街地改造事業によって整備される公共施設、建築物等の整備に要する費用の負担または補助に関して、都市計画法を除く他の法令に特別の規定があるときは、それらの規定の適用がある旨を定めております。
 第三章、雑則でありますが、第五十三条は、市街地改造事業の適正な施行をはかるための規定でありまして、譲り受け希望の申し出をした者及び賃借り希望の申し出をした者の半数以上の賛成を得て、施行者が審査委員を三名以上選任して、それらの者を事業に関与せしめて、市街地改造事業の円滑な進捗を期そうとするものであります。
 第五十四条は、施行地区内の関係権利者が権利の譲渡、相続その他の事由で変更した場合等に、あらためて手続を更新するわずらわしさを避け、本事業の諸手続の円滑な進捗をはかる目的からして、施行者、関係権利者、いずれに変更あった場合でも、両者の間の関係は、変更後の当事者間に当然に承継されるようにいたしておるのであります。
 第五十五条は、本事業によって整備された土地、建築物等の登記について、その手続の簡略化をはかるため、一括申請その他について不動産登記法の特例を定めることができることとし、その具体的な内容については政令で定めることとしております。
 第五十六条は、建築施設については、この事業の特殊性に基づく管理処分の方法を講ずる必要がありますので、建築施設に関しましては、地方公共団体の財産の管理処分についての法令の規定を適用しないことといたしておるのであります。
 第五十七条は、市街地改造事業に関する簿書の備え付け及び利害関係人の請求があった場合におけるこれを閲覧させる義務について定めております。
 第五十八条は、書類の送付にかわる公告について定めております。
 第五十九条は、意見書等の提出の期間の計算等について定めております。
 第六十条は、市街地改造事業の円滑な施行をはかるために、施行者が建設大臣等に対して技術的援助を請求することができることといたしております。
 第六十一条は、市街地改造事業の適正な施行を確保するために必要な建設大臣の監督処分権限について定めてございます。
 第六十二条は、市街地改造事業の施行を促進し、または建築施設の適正な管理処分を確保するため必要な建設大臣または都道府県知事の報告の徴収、勧告、助言等について定めてございます。
 第六十三条は、第十三条の規定に違反した建築物の移転命令または第四十四条の規定による借家条件の裁定等に不服ある場合の関係権利者の異議の申し立て及び訴願等について定めてございます。
 第六十四条は、建築施設整備事業のみの施行者がある場合における施行者についての技術的読みかえについて規定したものでございます。
 第六十五条は、建設大臣に属する権限の一部を都道府県知事に委任しようとする規定であります。
 第六十六条は、地方自治法に規定する指定都市について都道府県と同様の取り扱いをする旨の規定であります。
 第六十七条は、この法律の実施に必要な事項を政令に委任する規定であります。
 第四章、罰則は、第六十八条、第六十九条及び第七十条について罰則の規定を定めております。
 次は附則でございまして、第一項は、この法律の施行の日について定めてございます。
 第二項は、不動産登記法の一部を改正する等の法律の施行に伴う必要な経過措置を定めたものであります。
 第三項は、登録税法の一部改正を定めたものでございまして、市街地改造事業の施行のため必要な土地または建物に関する登記で施行者が嘱託するものについて登録税を課さないことを定めたものでございます。
 第四項は、市街地改造事業のうち、建築敷地の整備に関する事業は、都市計画法第十六条第二項の建築敷地造成に関する事業に該当するものでありますので、この法律に関連して都市計画法の一部を改正するものでございます。
 第五項は、この法律の施行に伴う建設省設置法の一部改正でございます。
 第六項は、地方税法の一部を改正して、譲り受け予定者が建築施設の部分を取得した場合における不動産取得税について、その減免の措置を講じようとする規定でございます。
 第七項は、租税特別措置法の一部を改正して、土地収用法等による収用等の場合の譲渡所得等に対する所得税または法人税の賦課の特例を市街地改造法による収用等の場合についても認めようとするものであります。
 第八項は、首都高速道路公団が委託を受けて市街地改造事業を施行することができるように首都高速道路公団法の一部を改正する規定であります。
 以上で逐条の概要の説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#148
○委員長(稲浦鹿藏君) 質疑は次回に譲ります。次回は三月九日開催いたしまして、ただいま説明を聴取しました三案並びに日本住宅公団法の一部改正案を続いて議題といたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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