くにさくロゴ
1960/03/30 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第16号
姉妹サイト
 
1960/03/30 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第16号

#1
第038回国会 建設委員会 第16号
昭和三十六年三月三十日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
   ――――――――――
  委員の異動
本日委員小山邦太郎君、西田隆男君及
び武藤常介君辞任につき、その補欠と
して後藤義隆君、青柳秀夫君及び井川
伊平君を議長において指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     稲浦 鹿藏君
   理事
           田中 清一君
           松野 孝一君
           内村 清次君
   委員
           青柳 秀夫君
           井川 伊平君
           岩沢 忠恭君
           小沢久太郎君
           後藤 義隆君
           村松 久義君
           米田 正文君
           田中  一君
           武内 五郎君
           藤田  進君
           田上 松衞君
           小平 芳平君
           村上 義一君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
  政府委員
   建設省道路局長 高野  務君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第二課長   志場喜徳郎君
   厚生省児童局母
   子福祉課長   植山 つる君
   厚生省保険局
   厚生年金保険
   課長      加藤 威二君
   厚生省引揚援護
   局庶務課長   福田 芳助君
   自治省財政局理
   財課長    佐々木喜久治君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路整備緊急措置法等の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○公営住宅法第六条第三項の規定に基
 づき、承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
   ――――――――――
#2
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 初めに道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
#3
○小平芳平君 道路が非常に悪くて、日本の国では特に大都市も悪いし、いなかも悪いし、非常に道路が悪い。満足な高速道路も一本もいまだにない。いろいろ原因はあったことと思いますが、どうしてもこの際道路を緊急に整備しなければならないという段階であることは、国民ひとしく待望している点でありますし、今回の道路整備緊急措置法を改正して大々的に道路を整備しようというこの案に対しては、だれしも大きな期待を持っているところと思います。ところで一番この際不安に思うことは、そういう五年間二兆一千億というような大きな将来の事業をここで策定していこうというときに、経済の見通しでありますね、いろいろ経済の長期見通しについて議論が分かれるわけであります。それは経済企画庁の方でいろいろ作業をなさっていらっしゃることだし、池田内閣としても所得倍増計画という昨年の夏以来ですか一つの見通しをもって推進してこられたわけですが、ところでどうも最近の傾向としては、所得倍増計画の内容についても、いろいろ総理大臣あるいは企画庁その他の大臣から御説明があって、大体内容がはっきりしてきたわけですが、どうも経済の見通しとしては必ずしもそのような高度成長をとげることができるかどうか危ぶまれきてているのではないか、あるいは設備投資の過剰とかあるいは物価がかえって上がって、所得倍増よりも物価倍増が先ではないかとか、いろいろそういうような不安も相当起きてきているのは事実だと思います。ところで建設省としては、今後経済界がどの程度変動した場合にこの計画が危くなるかどうか、あるいはどの程度の経済界の変動ならばこの程度の計画は十分遂行できるか、そういうような点についてお伺いしたい。
#4
○国務大臣(中村梅吉君) ただいまお尋ねのございました点は、私どもといたしましては、大体道路の財源の大部分がガソリン税収入でございまして、若干経済には見通し通りにいかない場合が起き、若干の変動がないとは言いきれないと思いますけれども、しかし自動車の増勢というものは、また同時にガソリンの需要というものは、時代の趨勢で多少の経済界の変動がありましても、さして増勢がとまってしまうということはあり得ないと思うのであります。今度の五カ年計画におきましては一般財源からの繰り込みは五カ年で八百数十億という見通しでございまして、万一、国家財政に多少異同があるといたしましても、そういう過程を考えてみるにいたしましても、私はこの道路整備五カ年計画は遂行できる、そのくらいのことは一般財政源で補なつていくということは可能であると、こう思っております。従いまして私どもといたしましては、この道路整備五カ年計画は日本の道路事情にかんがみまして、なし遂げなければならない最低の線と心得て、是が非でも実行に移して参りたい、かように考えている次第であります。
#5
○小平芳平君 そうしますと、経済界が多少変動しても、この程度の計画は最低限の計画としてなし遂げられるという大臣の御答弁でありますからそれでけっこうだと思います。ところで、今後問題になるとすれば設備投資の過剰とか、そうなると公共投資というものが当然一つの問題にあげられる可能性が大いにあるわけであります。それで公共投資あるいは設備投資というものが相当問題になっても大丈夫だという見通しがあるでしょうか。
#6
○国務大臣(中村梅吉君) 十分私どはは専門の知識がございませんから何でありますが、設備投資の過剰ということは、今の、ことに政府の所得倍増計画等について民間の一般が非常な関心を持ち強く受け取っておりますので、現在設備投資がどうも過剰傾向にあるようにうかがえるのでございますが、これらは民間の人たちにいたしましても無方針で設備投資をしたり、あるいはやってみたが、ここらが限度と思えば差し控えるという経済界の人たちには良識もそろばんもあると思いますので、またこれがどうしても行き過ぎの状態であるとすれば政府としてもそれに多少の、前の石橋内閣の後に行ないましたような方法等によりまして、設備投資を抑制する道もありますから、政府部内の国家財政及び産業経済を担当いたしておりまする大蔵省とか経済企画庁、通産省等におきまして、それぞれ所要の措置を講ずれば、私は日本経済がこの計画されておる道路整備もできないようなことは絶対にあり得ない、またあってはならない、こう思っておるわけです。
#7
○小平芳平君 ガソリン税収入が大部分になるわけですが、世銀からの借款はどのくらい予定されておるわけですか。
#8
○国務大臣(中村梅吉君) 今のところ実は日本道路公団が四千万ドル借り入れることになっておりますが、その後、引き続きまだ交渉は続けるつもりでございますが、現在のところ見通しが確立いたしておりますのは四千万ドルでございます。前に四千万ドル借りまして、合わせて八千万ドルということでございます。ほかとのつり合い上、この程度が限度であるということを言われておるようでございます。なお、この借り入れをいたしました高速道路の整備をいたす交渉は続けていく考えでおるわけでございます。
#9
○小平芳平君 世銀借款は名神国道に投入されておるわけだと思いますか、その名神国道と世銀借款の比率は大体どのくらい。それから今後、もし世銀から借りてやるとすれば、どの辺が予定されておるか。今そういう予定がありましたらお聞きしたい。
#10
○国務大臣(中村梅吉君) 名神国道の総投資額と世銀借款との比率、今算出いたしまして申し上げることにいたします。あと引き続き交渉をしてみたいと考えておりまするのも名神高速道路でございます。他の部分につきましては、まだこのような想定をいたしておるような部分はないわけでございます。
#11
○政府委員(高野務君) 世銀の借款につきましては、名神高速道路に対しまして四千万ドルの契約ができております。さらにこれを追加しようとしておるわけでございまして、今大臣がお話になりましたごとく、あとだ四千万ドルが借りられまして八千万ドルになりますと、総額に対して三割程度でございます。
#12
○小平芳平君 高速道路の東海道、それから中央道、それから首都高速道路と、今建設を進めようとしておるわけです。その部分についての借り入れについての検討はなされていないのですか。
#13
○政府委員(高野務君) 首都高速道路につきましては、ただいま計画でやっている中では、東京都の出資金はございますが、世銀の借り入れ等は考えておりません。また、中央道、東海道につきましては、今後の問題でございまして、現在のところ借款というような問題については考えられておりません。
#14
○田上松衞君 ちょっと関連して。昨年、岸日本道路公団総裁が世銀と交渉して内諾を得たといわれた数字は、たしか六千万ドルと承知しておるわけです。ところが、これが先般四千万ドルに減額された。そして日本政府もそれを了承し、道路交団もそれを了承したようなふうに承っております。どういう関係においてこういうことになったかということをお聞きであれば、この際一つお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(中村梅吉君) これは当初一億ドル借り入れの計画を立てまして、うち四千万ドルが契約ができまして、残りの六千万ドルについて折衝中であったわけでございます。で、世銀側の言い分、先だってうち世銀副総裁や何かが見えましての話の様子によりますと、日本経済も相当に成長して、あるいは世銀としても後進地域の開発に相当力を入れなければならない。日本経済の現状はむしろその方を手伝ってもらってもしかるべき段階まで成長しているんじゃないかというような意向と、もう一つは、ほかの、電力借款ですか、八千万ドルに達したものがあるのでありますが、そのほかの事業との関連からいっても、今のところもう四千万ドルをきめて、そうして八千万ドルでその方との均衡も保ちたいというような意向で、目下のところ四千万ドルの傾向が強くなって、いま四千万ドルとりあえず借りることにしようという段階にございますわけであります。
#16
○田上松衞君 お聞きいたしたい要点は、日本道路公団なりあるいは建設省なりの事業計画の内容について、検討を加えられた結果に基づくのではないかどうか、その点なんです。
#17
○国務大臣(中村梅吉君) そうではございません。
#18
○小平芳平君 そうしますと、まあ本来から言えば国力で道路は作るべきもので、外国から金を借りて作るとか、あるいは道路は採算が合うから作るとか、採算が合わないから作れないとかいう趣旨のものではないと思うのですが、ところで今後のそういう財政上の見通しについて、大蔵省から来ていられるそうですが、今後の見通しとしてガソリン税と一般会計でやっていかれる予定ですか、その点について見通しをお尋ねしたい。
#19
○説明員(志場喜徳郎君) 私主税局でございますので、予算全般の、主計局としての立場からとしてのお話は申し上げかねるわけなんでございますけれども、ガソリン税及び地方道路税に対してのみ申し上げますと、先日も申し上げました通り、今回の二兆一千億円計画の中において揮発油税、地方道路税及び軽油引取税という三税と申しますか、この三税が占めておる割合は、前回の、現行の一兆円計画における六二%とほぼ同じ割合の六二・四%になっております。まあ、今後国民経済、また国民所得が年々増加するというこのことを考えますると、この程度の比率で税収を期待するということにはさしたる無理はないんじゃないかと思います。しかも、これら三税につきましては、従来のガソリン等の使用の増加の割合及び将来の所得倍増計画に基づきますところの昭和四十五年度における需要見込み、これも仄聞するところによりますと、あるいは若干過小見積もりではないかというような意見も一部にあったという声も聞いておりますけれども、それと結び合わせまして、現在が大体二〇%の前年に対する増加を示しておりますものを、五年のちには対前年一割一分程度の増加というふうに、なだらかにもとが大きくなる関係もありまして、なだらかに率が逓減しておりますけれども、そのような見方からいたしましても、この税収の見方につきましては無理はない、こういうふうに考えておるのでございます。なお、国の一般財源も、現行の一兆円計画のもとにおきましては、三百十七億円となっておりまして三・二%でございましたけれども、今回の二兆一千億計画では八百五十九億円、四・一%、若干率はふえておりますけれども、しかし、五年間でとにかく総額として八百五十九億円でございます。今後の国民経済の成長に伴う租税全体の自然増収ということを考えまするならば、この程度の見込みにつきましては決して無理はないものと、こういうふうに考えておる次第であります。
#20
○小平芳平君 道路局の方ではこの法律案が通り次第、計画にさっそく入ると思いますが、今この程度の抽象的なことしかわからないわけですか、道路整備五カ年計画の構想について、これ以上のもうちょっと詳しいことは資料として何も出てないようですが、いかがでしょうか。
#21
○政府委員(高野務君) お手元に提出しております、新しい五カ年計画の構想について、というものがございますが、五カ年計画につきましては、昨年来五カ年計画の作業を、総投資あるいは積み上げという点から、いろいろな点を検討しておるのでございますが、各県、各地建につきまして、路線ごと、個所ごとの資料の積み上げもしているのであります。しかしながら、さらにこれは道路整備緊急措置法を通していただきまして、その上で各省各庁とさらに協議をいたしまして、細部的な確定をする必要があると思います。従いまして、ただいまのところ、まだ細部にわたる資料を提出するまでの段階になっていないのでございます。
#22
○小平芳平君 ただいまこの高速自動車国道については、名神高速自動車国道、小牧――西宮間の建設を完了するとともに、東海道幹線自動車国道及び国土開発縦貫自動車道中央自動車道については、緊急を要する区間の建設に着手する、こういう表現になっておりますね。ところでこの緊急を要する区間というところですが、これはたとえばどの辺が予想されるのか、あるいは全体として何パーセントぐらいが予想されるとかというようなことはわからないでしょうか。
 それからもう一つお尋ねしたいのは、東北自動車道、東北高速自動車道、これについての一応の調査ができたということを新聞でちょっと読んだのですが、その点についてはいかがでしょうか。
#23
○政府委員(高野務君) 高速自動車国道につきましては、名神高速自動車国道を昭和三十八年度までに終わらせてしまいたいと思います。また、国土開発縦貫自動車道中央自動車道、それから東海道幹線自動車国道、これはいずれもそれぞれの法律を通していただいておりますので、また調査も進んでおりますので、この五カ年間にできるだけ事業費も入れまして、緊急を要する区間の建設をいたして参りたいと思っておるわけでございます。それで、ただいま五カ年計画の作業をしておるわけでございますが、この中央道にあるいは東海道にどれだけの費用を入れて、どういうような区間を建設するかということは、最後的に今検討中でございます。またその上で建設省で案を作りまして、また各省にも協議して閣議決定に持ち込むという段階になっております。それから東北自動車道につきましては、三十五年度に百五十万の調査費をいただきまして調査を始めたのでございますが、三十六年度は四百五十万の調査費を計上いたしまして、さらにこの調査を進めて参りたいと考えます。またその他の縦貫自動車道につきましては、中国自動車道に二百五十万、九州自動車道に百五十万の調査費が計上されておりますので、私どもといたしましては全国の縦貫自動車道の網につきまして調査をいたしまして、網の計画の確定をはかりたいと思っております。
#24
○委員長(稲浦鹿藏君) 小平君、いいですか。――ほかに御質疑の方はございませんですか。――ほかに御発言もなければ、質疑は終了したものと認め、これより本案について討論を行ないます。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#25
○内村清次君 私は日本社会党を代表して、本案に対し、次の諸点を前提といたしまして賛成をいたします。
 道路の整備が緊急に実施されますることは、今日国民のだれもが熱望していることは疑いないところでございますが、総額二兆一千億円に達する新道路整備五カ年計画を策定するための根拠法である本案の審議にあたりまして、なお次のような点に心配が残りますので、これらの点を十分善処せられますることを要望する次第であります。
 すなわち、一つ、従来の五カ年計画の経過を見ましても、その期間中に完遂を見ることなく、途中でしばしば改定せられておるので、今回の五カ年計画については最後まで変更することなく完全に実施することを要望いたします。
 二つ、五カ年計画の内容には整備目標、事業量を定め、目標には総投資額を定めておりまするが、物価上昇等にかかわる単価の増加等に対しましても、計画事業量は完全に実施することを要望いたします。
 三つ、五カ年計画の財源となる揮発油税、地方道路税、軽油引取税等については今回の増税は不満であり、もはや限度にてきいると見られるので、将来これ以上には増税しないことを要望いたします、等であります。
 道路の整備は今日最も急を要する問題でありまするから政府はこれらの点に意を用い、全力をあげて五カ年計画を完全に実施するよう要望いたしまして、本案に賛成する次第であります。
#26
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかにございませんか。
#27
○田上松衞君 民主社会党を代表いたしまして希望を付して賛成いたしたいと思うわけですが、希望の内容、今、社会党の方から出された三つの事項ことごとく私ども考えていることと一致しているわけであります。従って、今さらこれを繰り返さないでそのままの希望と御承知願いたい。内村さんから言われたように、国民の期待というものはむしろ計画された側よりも、もっと強いものがあろうかと考えるのであります。どうぞ期間内にこれが完遂してみごとに有終の美をなすように希望しまして賛成いたします。
#28
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかにございませんか。ほかに御発言もなければ討論は終結したものと認め、これより本案の採決を行ないます。道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案全部を問題にいたします。本案を原案通り可決することに御賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#29
○委員長(稲浦鹿藏君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。なお、審査報告書につきましては委員長に御一任願います。
 本会議が始まりますから休憩いたします。
   午前十一時十三分休憩
   ――――・――――
   午前十一時五十五分開会
#30
○委員長(稲浦鹿藏君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 前回、説明を聴取しておりますので、これより質疑に入りたいと思います。質疑のおありの方は順次御発言願います。
#31
○田中一君 とりあえず提出された資料について説明を願います。
#32
○政府委員(稗田治君) お手元にお配りしてございますが、「公営住宅建設三カ年計画の年度割戸数」でございます。一応三カ年計画といたしましては十七万一千戸。第一極公営住宅が六万六千戸、第二種公営住宅が十万五千戸。これが御承認を求めております内容でございますが、その年度割りは、大体建設省としましてどういうように考えているかと申しますと、三十六年度は予算にもございますように五万二千戸でございまして、三十五年度に比べますと、備考の欄にございますように四万九千戸から三千戸ふえておるわけでございます。三十七、三十八と五千戸ずつ伸ばして五万七千戸、六万二千戸というように考えておるわけでございます。
 なお第一種、第二種の内訳の戸数は、三十六年度は第一種が二万一千、第二種が三万一千、三十七年度は第一極が二万二千、第二種が三万五千、三十八年度は第一極が二万三千、第二種が三万九千というように、三十七、三十八と第一種公営住宅には千戸増、第二種公営住宅は四千戸増というような戸数で一応の考え方を立てておるわけであります。
#33
○田中一君 この第四次の一二カ年計画の不燃率を戸数で示して下さい。
#34
○政府委員(稗田治君) 第四次の不燃率の問題でございますが、原則といたしましては承認を求めております内容にございますように、その大半を不燃堅牢構造とし、建築の立体化と規模の引き上げをはかるという精神を貫いていくわけでございます。
 第一年度の三十六年度予算におきましては、不燃率は五五%でございます。三十七、三十八につきましては、これは三十七年度予算、三十八年度予算の具体的な予算折衝できまることになるわけでございます。建設省といたしましては、三十六年度はすでに政府部内としましては五五%の不燃率できまったのでございますけれども、三十七年度、三十八年度には不燃率は飛躍的に増進したいというように考えておるわけでございまして、この計画の中に不燃率全体で幾らというのは、実際のこれから先の予算折衝のときに、その年その年できまる、こういうわけでございます。
#35
○田中一君 では、三十六年度の第一種、第二極の不燃率を分けて説明して下さい。
#36
○政府委員(稗田治君) 三十六年度におきまして、第一種の不燃率は六一・二%、第二種の不燃率が五一・三%で、ございます。
#37
○田中一君 では、あとから来た資料の説明を願います。
#38
○政府委員(稗田治君) 第一期から第三期までの公営住宅建設三カ年計画と実績でございます。ごらんのように第一期は計画戸数は十八万戸でございまして、実績は十二万四千二十戸でございます。第二期は十五万五千戸でございまして、実績の総計が十四万二千百九十五戸でございます。第三期は十五万七千戸の計画でございまして、十四万四千百二十戸でございます。ただ第三期におきましては、その年に初めて不良住宅地区改良住宅の戸数を相当に、二千戸ほど出したわけでございます。それを合計いたしますれば、カッコ書きにございますように、十四万六千百二十戸ということに相なるわけでございます。
#39
○田中一君 なぜ実績が計画よりも下回っておるかという点ですけれども、これ各一期ごとにたとえば財政上の理由とか何とかかんとかあるでしょうけれども、これ率直に言っていただきたいと思うのです。
#40
○政府委員(稗田治君) 公営住宅法について法律上の見解を申しますと、第六条の六項でございますが、内閣は、昭和二十七年度以降毎年度、国の財政の許す範囲内において、第三項の規定により国会の承認のあった公営住宅建設三箇年計画を実施するために必要な経費を予算に計上しなければならない。」という項目があるわけでございます。で、「財政の許す範囲内において」ということでございまして、一応その年の国の全体の予算の範囲内において最大の努力をしたということでございまして、大体はまあ国の財政の結果ということに相なるわけでございますが、第一期について申し上げますと、十八万戸というように、平均にしますと年六万戸というような計画でございますが、これは昭和二十六年までは公営住宅は単年度にその半分くらい、三万くらいの戸数で来たのでございます。それで倍以上に第一期で伸ばして計画したわけでございますが、なかなか地方公共団体の受け入れ体制というものもございまして、急激な伸び方が消化困難であったというような事情もございます。従いまして、第二期におきましては十五万五千戸というように計画が縮小しまして、そのかわり公営住宅だけではなかなか住宅難の解消は困難であるというので、三十年度に公団が発足したというような事情がございます。第二期、第三期等におきまして戸数が若干下回っておりますのはもちろん財政上の理由もございます。なお若干ずつ不燃率等を高めていきたい、戸数だけでなしに、やはり耐久性のある、富の蓄積となるような形の公営住宅を徐々にふやしていくべきだというような考えも加わりまして、戸数としては下回ったわけでございます。
#41
○田中一君 第二期の第二種が計画よりも上回っているというのはどういう理由でしたか。
#42
○政府委員(稗田治君) 第二期等におきまして、第二種公営住宅の計画戸数が上回っておりますのは、公団住宅でございますとか、あるいは住宅金融公庫の融資を受けるところの地方公共団体の出資しました協会等の住宅、そういうようなものが第一種につきましてはかなり同じような階層につきまして供給される向きもございます。そこで低額所得者のうちでも一万六千円以下の低額所得者の方により住宅難救済の手を手厚く差し延べようというわけで、こういうような結果になったわけでございます。
#43
○田中一君 厚生省の福祉課来ているようですから、ちょっと出て下さい。
#44
○委員長(稲浦鹿藏君) 厚生省より引揚援護局庶務課長福田君が見えております。それから厚生省の保険局厚生年金保険課長加藤君、厚生省の児童局母子福祉課長植山君、三人が出席しております。
#45
○田中一君 最初に福田さんに伺いますが、第一期、第二期、第三期の公営住宅計画と並行して、引揚援護費の余った分を引揚者住宅として住宅建設をやってきた、この戸数はどれくらいになりますか、年次別に。
#46
○説明員(福田芳助君) 年度別をちょっと今、持ち合わせておりませんが、実は引揚者住宅につきましては、昭和二十九年度から建設省が担当していただくということになっておるわけであります。そこでその一期、二期、三期に相当しますところのうち二十七年、八年につきましては厚生省単独でやりましたので、まずそれを申し上げますと、集団施設につきましては二十七年には十二施設の八百二十四世帯を入れております。二十八年度は四十四施設、約二千世帯、一方集団でない方の個別の新規住宅は、二十七年度は四千戸、二十八年度は約三千戸ということになっております。その次の二十九年度からは建設省の計画ワク内のものでありますが、二十九年度から三十四年度までの実績によりますと、集団関係は五千五百戸、個別の住宅は約四千戸ということになっております。
#47
○田中一君 これはこの公営住宅の三カ年計画のほかのものですね。
#48
○説明員(福田芳助君) 二十九年度からは、つまり建設省に移しましてからは公営住宅の範囲内、そのワク内のものであります。
#49
○田中一君 住宅局長、そうかい。
#50
○政府委員(稗田治君) 引揚者の住宅につきましては、公営住宅の中に取り入れてあるわけでございます。
#51
○田中一君 これの一種、二種の関係は。――全部二種ですか。
#52
○政府委員(稗田治君) 引揚者の対策といたしまして、新規に引き揚げてくる引揚者につきまして、定着地がきまり次第建設するものがございますが、これは第二種公営住宅でございます。それからすでに応急的に引揚者を収容しておる施設でございまして、これをその老朽度合いに応じまして別なところに住宅を建てまして移しかえをする、という引揚疎開住宅というのがございますが、これも第二種公営住宅を使ってやっておるわけでございます。で、なお一般の散在しております引揚者につきまして、できるだけこの住宅を与えようというので、住宅の困窮度合い等に応じまして、ある程度の優先的な入居の方式をとっておるわけでございますが、これにつきましてはその方々の所得に応じまして第一種の場合も、第二種の場合もあるわけでございます。
#53
○田中一君 この集団施設は五千五百戸といっておるけれども、規模はどういうものですか、一戸当たりの規模というものは。
#54
○政府委員(稗田治君) 引揚者の集団施設につきましては、もとの兵舎等を使っておるのもありますし、工員住宅の寮などを当てておるものもございまするが、なお厚生省におきまして一応、応急的な収容施設として建設しましたものにつきましては、厚生省の方からお聞き取り願いたいと思います。
#55
○田中一君 そうすると、この二十九年から三十四年までで、この集団分の今説明があったような兵舎を使っておるとか何とかというものは、その戸数というものはやっぱりこの三カ年計画のワク内に入っておるのですか。
#56
○政府委員(稗田治君) 三カ年計画の中に入って参りまするのは、新規引揚でございますとか、それから集団収容施設を疎開するために公営住宅を建てて収容する、そういうものでございます。
#57
○田中一君 それじゃ、引揚援護局の庶務課長の福田さんに。規模はどんなものです。引揚者住宅として見ているものの個人の分はどこでも第二種の規模でやっておりますか。それから集団の方は、今住宅局長が言っているように、集団、今まであった応急住宅の中に入っておるものを、その施設を取りこわすとか、あるいはだめになったからだから与えるというものは、これはまあ従来の第二種住宅だと思いますけれども、この厚生省の二十七年、二十八年にやっている分は相当小さなものだと私記憶しているのですが、規模はどんなものですか。
#58
○説明員(福田芳助君) 二十七年、八年、あるいはそれ以前のものにつきましては規模が非常にまちまちでありまして、もちろん集団につきましては先ほども答弁ありましたように、兵舎の大集団もあり、工員程度の宿舎といった、まちまちな状況でありますが、個別の住宅につきましては大体現在の建設省の計画に近い、大体同様なものを当時も建設しておったわけであります。
#59
○田中一君 母子福祉課長に伺いますがね。あなたの方のやつはどういう施設でどういう実績になっておりますか。
#60
○説明員(植山つる君) 母子世帯向きの住宅の対策といたしましては、三十年度から第二種公営住宅に母子世帯を優先的に入居させますところの行政措置がとられて参りましたが、これを一段と強化いたすために昭和三十四年度からは、第二種公営住宅の建設戸数の中に一定のワクを設けまして、これを母子世帯向け住宅というようにして建設していただいて今日までそれに当てて参りましたようなわけでございます。この三十年度からの母子住宅につきましては、三十年度は四千百五十九戸、三十一年度は千三百八十一戸、三十二年度は千百二十三戸、三十三年度は千四百九十二戸、三十四年度は九百七十五戸、三十五年度は千二百二十四戸の母子住宅が建設されて当てられております。
#61
○田中一君 これはそうすると公営住宅の第二種の規模ですね、住宅局長。
#62
○政府委員(稗田治君) 母子世帯向けの住宅としまして、厚生省と協議して、地方公共団体の需要に応じて建設いたしておりますのは第二種公営住宅でございます。
#63
○田中一君 この建設は補助工事として地方公共団体にやってもらっているのですか。この引揚者住宅も母子施設も両方ともどういう形をとっておりますか。
#64
○政府委員(稗田治君) 引揚者住宅も母子世帯の対策のための住宅も公営住宅として建設しておりまして、その入居の目的を明確にしておるという扱いでございますので、公営住宅と全然一緒でございまして補助事業でございます。
#65
○田中一君 年金住宅、その次に伺いたいのですが、これはやはりそのワク内でやっておるのですか。それとも別ワクでやっておるのですか。
#66
○説明員(加藤威二君) 厚生年金の還元融資住宅はこの公営住宅とは別ワクでございます。
#67
○田中一君 年次別の戸数を知らして下さい。
#68
○説明員(加藤威二君) 二十七年度から申し上げますならば、二十七年度は二千五百九十八戸、二十八年度が四千百三十二戸、二十九年度が三千七百四十戸、三十年度が四千四百二戸、三十年度はそのほかに独身者用としまして二百五十五人分の独身寮を建てております。三十一年度が四千七百九戸、そのほかに独身寮といたしまして八百十八人分でございます。三十二年度が四千七百二十一戸、独身寮が二千四百四十七人分。三十三年度が少し少なくなりまして、三千十六戸、独身寮が二千三百七十三。三十四年度が三千七百四戸、独身寮が二千六百六十六人分。それから三十五年度が三千七百三十七戸、独身寮が三千五百三十四人でございます。
#69
○委員長(稲浦鹿藏君) この際、委員の異動について御報告いたします。三月三十日付、西田隆男君、小山邦太郎君、武藤常介君が辞任され、青柳秀夫君、後藤義隆君、井川伊平君が選任されました。御報告いたします。
   ――――――――――
#70
○田中一君 厚生年金住宅は全部不燃住宅でしたね。
#71
○説明員(加藤威二君) 大体不燃住宅でございますが、たとえば炭鉱の近くの住宅、炭鉱の住宅、それからしばらくするとまた移転する可能性があるというようなものについては木造もある程度ございます。
#72
○田中一君 不燃率はどのくらいになっておりますか。
#73
○説明員(加藤威二君) 今不燃率の的確な数字を持ち合わせておりませんが、少なくとも八割ぐらいはあると思います。
#74
○田中一君 この厚生省が扱っております三つの別ワクの住宅対策費ですが、厚生年金のやつはこれは地方公共団体に一定の何といいますか、期間と金利によって融資をしております。融資をするときも各産業別に融資をしている。それから母子寮、母子施設並びに引揚者の分のあたりは各都道府県ともどういう形でやっておりますか。公営住宅と同じように、その担当の部局でやっておるわけですが、その以前の二十七年、二十八年分はどうなっておりますか。
#75
○政府委員(稗田治君) 公営住宅法の付則にあると思いますが、一戸、一戸引揚者住宅として建設いたしました、もとの厚生省が所管しまして建てました引揚者住宅は、第二種公営住宅として公営住宅法の適用を受けることになっております。従いまして地方公共団体におきましては、公営住宅を担当しておる所管のところになっておるわけでございます。
#76
○田中一君 そこでその引揚者のことを聞きますが、もう相当スラム化しておるでしょう、全部。土地等も最初に作った、ことに二十七年前に作ったものはおおむね便利のいいところに作っているのですよ、割合に。しかし、そういうところ相当スラム化しておると思うのですよ。これは当然賃貸住宅になっておるわけでしょう。分譲はしておりませんね。どうですか。公営住宅法によりますと、耐用年限の四分の一経過した場合には、払い下げもできるのだということになっておるでしょう。しかし、これはおそらく引揚者の定着した連中から、どうしても自分に買いたいからというような申し出も相当あると思うのですよ。しかし、現在はどうなっておるのですか。全部都道府県が持っておって、払い下げをしておりませんか。
#77
○説明員(福田芳助君) 引揚者住宅のうち相当数はその住居者の希望もありまして払い下げを行なっております。つまりその希望は性質上集団住宅にはこれはほとんどないわけでありますけれども、個別の住宅も数多くありますので、それについては一定の年限も過ぎておりますので、払い下げを行なっております。
#78
○田中一君 これは一つ大体どの地区でどのくらい払い下げをしておる、現在どのくらい残っておると、たとえば公営住宅に移る前の施設について一つ資料として出していただきたい。というのは御承知のように平面的なそれこそ当時はマッチ箱のような、マッチ箱よりももっと小さいようなうちを作って、それが相当今日では高価に、値上がりが相当しておるような土地に多いのですよ。これはちょうど二十八年か二十九年だかに住宅局長通達か何かでもって一応とめましたね、払い下げというものを、個人の土地はおそらく売っておるのじゃないでしょう、今の引揚者住宅は。
#79
○説明員(福田芳助君) 過去三年間の払い下げの、譲渡の状況を見ますと、土地も県有地等であれば払い下げをしておるものが多いわけでございます。私の方の指導としましても土地と住宅を切り離すことなしに、できれば土地とともに払い下げるように、つまりあとに問題が残らないように希望して処理しておりますが三年間の実績を申し上げますと、昭和三十三年には千九十三戸譲渡し、三十四年度は五百九十九戸、三十五年度は四百四十三戸、以上の戸数を地方公共団体において譲渡しております。
#80
○田中一君 これは住宅局長、今厚生省が同じ公営住宅のワク内にあるものを片一方はどんどん払い下げをして、土地まで払い下げをしておる。また払い下げせよというような指令を出したに違いない。これは宅地政策、住宅政策全般を見た場合には、相当考慮しなければならぬと思うのですよ。むろん全然払い下げしてはならなぬというわけじゃございません。法律にははっきりそうなっておる。これはその場合には建設大臣に協議をしてそういう方向をとっておるのですか。住宅局長、どうでしょう。
#81
○政府委員(稗田治君) ただいま厚生省の方からお述べになりましたのは、公営住宅として移しかえをしていない分についてのことだと思うのでございます。すでに厚生省が当初に建てましたものでございましても、公営住宅法の付則によりまして第二種公営住宅の取扱りいを受けておる分につきましては、譲渡処分の申請等は全部建設省に申請が出てくるわけでございます。御指摘のように宅地事情が非常に逼迫しておりますから、建てかえによってもっと高度利用ができるというような都市計画上の観点からいろいろ検討を加えておりますが、そういう再利用した方がむしろ有利であるという土地につきましては、承認をいたしておらないわけでございます。
#82
○田中一君 そこで再利用し得ない土地という認定のもとに払い下げられる条件というものは何かきめておりますか。
#83
○政府委員(稗田治君) 先ほど御意見の中にもございましたように、年次ははっきり覚えておりませんけれども、前に住宅局長の名前で公営住宅の譲渡処分につきまして、二十四年度以後のものであったかと思いましたけれども、ストップの通知を出したわけでございます。その後三十三年でございましたか、前の通牒を廃止いたしまして、新たな譲渡処分につきましての取り扱いの内容をきめまして通牒を出しておるわけでございます。その内容を簡単に申しますと、公営住宅が災害等によってはなはだしく老朽している場合であって、かつ住宅が数戸の小団地として散在しているために管理に支障のある場合、また住宅の敷地の規模、地形等の関係から中高層の住宅に建てかえることが著しく困難であって、当該住宅を譲渡しても将来都市計画上支障を生ずるおそれのない場合等におきまして、入居者が譲渡を強く希望し、かつ譲渡の対価の支払い能力のある者につきましては、それが住宅政策上支障のないということを確認した上で譲渡を認めるというので、出し直しをしておるわけでございます。
#84
○田中一君 いつですか。
#85
○政府委員(稗田治君) 三十三年のたぶん八月ごろかと記憶いたしております。
#86
○田中一君 それは今住宅局長が述べたような局長通牒は、厚生省の援護局の方では知っておりますか。
#87
○説明員(福田芳助君) 連絡を受けまして承知しております。
#88
○田中一君 そうすると、今あなたのお述べになった先ほどの戸数というものは、今の住宅局長通牒に合致しているから払い下げたということなのですか。
#89
○説明員(福田芳助君) 実は先ほど申し上げました譲渡の戸数も、その対象の物件は昭和二十二年、三年、四年ごろのごく初期の全く貧弱なものでありまして、公営住宅法の適用を受けないグループであるわけなのであります。ですから法規的には厚生省単独の監督のものといってもいいわけでありますが、住宅行政の関係もあり、建設省の方針にできるだけ沿った取り扱いをいたしております。
#90
○田中一君 母子施設は払い下げ等のことはありませんね。
#91
○説明員(植山つる君) 払い下げはございません。
#92
○田中一君 そうすると、今の住宅局長の言った基準というもの、これは相当地方から要求が強いわけなんですよ、ことに最近。その最近払い下げの要求が強いということがどこにあるかつかまえるのにいろいろ問題があると思うのですが、第一に地価が上がったということです。どっちみち国の持っているものじゃない、公共団体が持っているものですから、とにかく上がろうが下がろうがどうこうないと思うのです。ただ管財局が扱っている国の所有する土地の払い下げというものは、今時価払い下げとなっておるはずです。地方等でどういう形で払い下げておるか実情はわからぬけれども、払い下げてもらった、それをさっそくもう非常に十年前のああいうバラックですと、資材もよくない。ですからもうとても耐用年限をとっくにこえているようなものもある。そうすると払い下げてもらって土地を売っていいところにまた新しく買って、それで建てた方がいいというようなこともすると思うのですよ。そういう点に対する認識ですね、どういうものを持っておるか、一番方向としてはどういう方向に進もうとするか、一つ住宅局長から話していただいて大臣から大体の態度を答弁願いたいと思うのです。で、私は何も払い下げちゃいかぬということを強く言おうとするものじゃないのです。これはたとえば最近の町村合併によって相当な大きな区域にわたる、それこそ相当な山も含んだような市がございます。こういうものに対しては用地が相当あるということなんです。これはまた別の問題ですけれども、既成市街地的な形態をなしておるところのものをどうするか、古いものほどそういうところにある。一番便利なところに応急の住宅を作ったものですから、そういうものに対してどういう態度で臨むか、一つ表明してほしいと思うのです。問題はそれが社会生活に不公平な感じ方を国民全体に与えないような方法でやるならやってほしいということなんです。
#93
○政府委員(稗田治君) 三十四年度の国会におきまして公営住宅法の一部改正を御審議願いまして、成立したわけでございますが、その際に公営住宅の譲渡処分等につきましても、従来と若干違ったような計算をするように政令等できめたわけでございます。以前におきましては、土地等につきましては補助金を差し引いて譲渡するようになっておったわけでございますが、その三十四年度の改正に伴いまして、政令、省令等を整備いたしまして、土地につきましては、時価で売るというようなことに書きかえたわけでございます。従いまして、土地の購入等につきましては、そう入居者が不当に利益を受けるというようなことは制度としてはなくなったわけでございます。今後ますます低額所得者のために大量に公営住宅を供給をしていかなければなりませんし、また都市の近代化、立体化、機能的な都市建設というような面もございますので、それらに用いられる旧来の公営住宅の土地というものは、今後の利用を十分考えて処分しなければならないと考えております。従いまして、高度利用のできるような宅地につきましては、できるだけ地方公共団体の方におきましても、建てかえ計画等をただいま策定中でございますので、そういうような方針にのっとりまして、健全な市街地が建設されるように指導して参りたいと思っております。
#94
○田中一君 大臣の答弁をあとで聞きます。引揚援護局の方ですが、まだ公営住宅のワクの中に入っていない分は何戸ぐらいに残っていますか、集団は二十八年以前のものですね、なお、二十七年以前の分ですね。
#95
○説明員(福田芳助君) 概数でありまして正確ではありませんが、戸別のものにつきましては約三万戸ぐらいではないかと思っております。
#96
○田中一君 集団は逐次これを切りかえる、新しい二種住宅、一種住宅の方に移しているのでしょうね。
#97
○説明員(福田芳助君) はい、そうです。
#98
○田中一君 そうすると、これは公営住宅法のワク外だから勝手にしてもいいのだということで三万戸の将来を考えておるのですか、それともあるいは今住宅局長が言っているように宅地の事情というもの、あるいは高度の利用、いろいろな点で平面的なそういうスラム化した――おそらくスラム化していると思うのです、そういうところの住宅というものは払い下げを必ずしようという考えですか、したくないという考えですか。
#99
○説明員(福田芳助君) その点につきましてはすべて建設省の総括的な住宅政策に従っていきたい、こう思っております。
#100
○田中一君 それは住宅局長いいですね。援護局が所管しておったところの公営住宅法以前の住宅も、現在建設省の持っているところの宅地政策、住宅政策にもっていきたいという意思表示ですけれども、いいのでしょうね。
#101
○政府委員(稗田治君) さようでございます。
#102
○田中一君 こういう場合どうですか、地主が土地を提供してそうして一種、二極の住宅を作った。その地主が上にある物をそのままで居住者に売ってやってくれ、上物ですね、土地は貸しておく、住宅だけは売ってやってくれ、こういう申請はおのずから違ったケースになると思うが、その場合にはどういう指導をするつもりですか。
#103
○政府委員(稗田治君) 公営住宅も御承知のように用地取得等に補助金の出なかったような時代もございますので、借地で建設されておるものもございます。ただまあ地主の協力の仕方でございますが、いろいろ個々的に違うのじゃないかと思っております。できれば地主が相当協力願えるというふうであれば、そういうような所でも公営住宅の建てかえをしまして健全な市街地が形成されるようにできれば、指導していきたいというふうに考えておりますけれども、そのときの折衝等によりましていろいろ条件等もございますので、具体的な事例々々にかんがみましてこの対策をきめたいと思っております。
#104
○田上松衞君 簡単なことなんですが、住宅対策審議会の機構、組織といいますか、大体、法では三十五人以内をもって構成するとなっておるし、それの内容は関係行政機関の職員、及び学識経験者をもって作るということになっておるわけです。現在総数幾らでそれで行政機関の職員と学識経験者の数はどういう比率になっておるのですか。個人の名前は要りません。ただその数だけです。
#105
○政府委員(稗田治君) 総数は三十五名でございまして、関係官庁といたしましては大蔵、厚生、自治、経済企画庁、四人でございます。
#106
○田上松衞君 四人、残り三十一名は学識経験者ですか。
#107
○政府委員(稗田治君) 学識経験者でございます。
#108
○田上松衞君 こまかいことは要らないのですが、その運営の概要ですね、規則でいきますと、議事手続あるいは審議会の運営に関して必要な事項は、互選されて就任した会長が定めるというだけのことになっておるわけですが、これだけではちょっとわかりにくいのですけれども、現実にどういう運営をやっておられるか、要点だけ。
#109
○政府委員(稗田治君) 住宅対策審議会につきましては、住宅政策の重要な事項につきまして建設大臣が諮問をしまして、その諮問に応じまして審議した結果を答申するわけでございますが、いろいろ住宅問題につきましては分野が広いものでございますから、必要に応じて部会等を設けまして、部会の審議の結果を総会に報告する、それで総会から建設大臣に答申をするというようなことをいたしておるわけでございます。部会の名前といたしましては、ただいま設けられてございますのは経済部会、宅地部会、建設部会、それから全般的な問題としまして総合部会というものがございます。なお必要に応じまして、たとえば三十四年度の公営住宅法の一部改正の場合などは、そのときの専門の部会を編成したわけでございます。
#110
○田上松衞君 そのこまかい内容まで要らないのですよ。お聞きしたいことは、この計画案の諮問に応じて、たとえば審議をされた機関はそうした部会でなくして、全体のこの審議会自体であるかどうか。
#111
○政府委員(稗田治君) 昨年の八月二十九日にこの三カ年計画について諮問を行なったのでございます。これにつきまして八月三十一日に総会が開かれまして、この総会で総合部会に付記されたわけでございます。ついで九月の二十六日に総合部会が開かれまして第一回の審議が行なわれたわけでございますが、今年の三月二日再び総合部会を開きまして三カ年間で十七万一千戸を建設するという計画を定めることが適当であるという決定が行なわれまして、同日に開かれました総合でこれが可決されて答申を受けたというわけでございます。
#112
○田上松衞君 こう承知すればいいわけですね、この案を調査審議した回数は二回だけであると、こういう工合に承知すればいいわけですね。
#113
○政府委員(稗田治君) 総合部会としては二回実質審議を行なったわけでございます。
#114
○田上松衞君 結局、答申した内容というものは、建設大臣が諮問を発したそのままであるのか。わかりやすく言うならば、調査審議の過程において何か特別の意見はなかったのか。さらに言いかえるならば計画案をそのままうのみにしただけであったのか、それとも別に格別の建議はなかったかどうか。
#115
○政府委員(稗田治君) 建設大臣より諮問いたす場合の形式でございますが、三カ年計画をいかように定めるべきかという諮問でございまして、諮問そのものは十七万一千戸という案を提示してはいないわけでございます。総合部会等におきまして、いろいろ事務局側としまして、もちろん、われわれも参画するわけでございますが、御相談しまして、十七万一千戸というのを事務局側の案として出すわけでございます。
#116
○田上松衞君 いわゆる第四期計画ということになるわけですね一この個々の内容については、主として審議会の立案、あるいは意見、これに基づくものであるか。さっきのお話によりますると、ただ十七万一千戸という大づかみの数字を出して、これをどういう工合にするかというようなことで意見を徴されたようにしか受け取れないのですが、それはどうなんですか。
#117
○政府委員(稗田治君) 先ほどお答えいたしましたように三カ年計画をいかように定めるべきかというのが諮問の形式でございまして、形式のことを申しますると、十七万一千戸というのは、住宅対策審議会の方で自主的にきめた戸数でございます。ただし、幹事役というような形で事務局側に住宅局の人間も入っておりますので、事、政府予算に関係のあることでございますから、今年度の公営住宅のすでに政府部内としてきまっておりました予算額、さようなものも当然自主的にきめる戸数の中にも勘案されまして決定されたわけでございます。
#118
○田上松衞君 少し逆戻りするようですけれども、ここに盛られた案以外に何か格別な建議というものはなかったのか。
#119
○政府委員(稗田治君) 別にございません。
#120
○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#121
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を起こして下さい。
#122
○田中一君 実際言いますと、地方公共団体は、住宅公団あるいは住宅金融公庫の施策よりも、この公営住宅を熾烈に要求しておるのです。これは、自治省の方はそういうことをお聞きになっておりませんか。
#123
○説明員(佐々木喜久治君) 私どももさような地方団体側からの意見があるということは承知いたしております。
#124
○田中一君 建設大臣に総括的に伺いますが、国会が始まると、私どもに、全国の知事から、何とか公営住宅を増加してもらいたいという要求が強いのです。それが、今回の第四期の計画を見ると、これではだんだん漸減していくのじゃないかというような気持がするわけなんです。一番問題は、所得倍増十カ年計画というものの中には、この住宅政策というものは相当大きなウエートを占めて計画されておるわけです。しかし実態としては下がってきておりますね。ほんとうならば他の事業から比較するならば、むろん住宅金融公庫へ住宅公団等の施策もありますけれども、もっと伸びを示さなければならぬと思うのです一住宅局長も腹の中では何とも不満でたまらぬような気持があろうかと思うのです。従って、今回この三カ年計画をお出しになりましたけれども、やはり、大臣がやたらにかわるものだから、あなたからの答弁でそれがいいかどうかわからぬけれども、実際にあなた自身で東京にお住みになっていらっしゃるのですけれども、どうお考えになっているか。住宅公団の住宅というものは中小都市には、いかないのです。ずいぶん勧めてどうかと言っても行かないのです。住宅金融公庫の資金も大体において大都市中心になっているわけですね。地方の低開発地域の住宅対策というものは公営住宅に尽きるわけなんです。この配分に問題ですよ。この計画ができ上がった配分の問題、もうおそらく住宅局長の手元に大体の配分の構想はできていると思いますけれども、中小都市の国の施策が及ばない地域に対しては優先的に配分をしなければならぬのではないかと私は考えているのですよ。住宅公団は小さい中小都市に持って行かないのですよ。なぜかというと集金、管理等ができませんというのです。やはり相当集団的なものでなければならぬという原則のもとに計画が作られておりますから、この点建設大臣どうお考えになるか。今度の計画の各府県に対する配分というものを、大臣に伺う前に住宅局長に一ぺん聞いておきましょう。
#125
○政府委員(稗田治君) この三カ年計画の原案作成にあたりましては、都道府県から三カ年の計画戸数というものを取り寄せまして、その戸数をいろいろ検討いたしまして総戸数十七万一千戸というものを定めたわけでございます。それでこの計画が御承認いただけますると、さらにこれを都道府県のワクといたしまして計画を内示いたしまして、都道府県知事は所轄範囲の地方公共団体の長と折衝をいたしまして、地方公共団体ごとの建設戸数というものを立案しまして建設大臣の承認を求めるわけでございます。従いまして、最終的な事業主体としての建設戸数というのは、この計画が承認になれば、それから都道府県知事が所轄の地方公共団体の長と相談をしてきめるということになるわけでございます。ただ、この全体の計画を策定するにあたりまして、地方公共団体の建設計画戸数を取り寄せておりますが、それを拝見いたしますると、すでにただいま御指摘のありましたような、地方の人口移動というものがかなり顕著に出て参りまして、ある県におきましてはすでに人口がどんどん減っていくというふうなことで、建設戸数が前期の計画よりも減るような戸数のところもございます。いずれにいたしましても、そういった実際の需要に応じまして、なお今後の地域開発というようなことも十分考慮しまして配分計画を定めるつもりでございます。
#126
○田中一君 国民所得倍増計画では、今後低開発に対する格差をなくそうという政策がとられております。そうすると、これに並行して住宅政策もいかなければならないものだし、おそらく、今は人口が少ない、しかしながら、新しい工業地帯としてこれから伸びようという計画は、やはり企画庁として持っているはずです。従ってそういうものを十分配慮した上の政策をしなければならぬと思うのです。今、田上委員からの質問に答えて、総合部会が何ら十七万一千戸という戸数を示さなかったという答弁をちょっとしておりますね、住宅局長は。そうじゃなかったですか。
#127
○政府委員(稗田治君) 総合部会におきまして十七万一千戸という戸数は、建設省が示してきめたんでなしに、形式上のことを申し上げますと、総合部会が独自に自主的な立場で戸数を策定したと、こういうわけでございます。必要な関係資料は建設省から全部取り寄せて調査をいたしております。
#128
○田中一君 そこで、地方から要求されてきたその数字というものと十七万
 一千戸は同じですか。
#129
○政府委員(稗田治君) 若干開きがございます。もちろん計画戸数よりも若干下回っておるわけでございます。
#130
○田中一君 そうすると、十七万一千戸よりも下回っているということなんですか。
#131
○政府委員(稗田治君) いや、地方の要望そのままをただ算術計算いたしますと十七万一千戸よりも多くなるわけでございます。
#132
○田中一君 どのくらいになっておりますか、要求は。
#133
○政府委員(稗田治君) 二十一万程度になっております。
#134
○田中一君 そこで、もとに戻るのですが、配分の問題に対して、今、あなたの言っている地方の意見を聞いてそうして配分しようということなんですけれども、それじゃ二十一万の要求に対する十七万一千戸を三カ年で配分するということであって、そんなものは政治でも何でもないのですよ。ここに国民所得倍増論というものが出て、そうしてこれに合わせなければならないということは、これは答申案も、政府も、総理大臣もそれを言っております。むろん住宅建設の計画もこれは織り込んであるんだということになっておるのです。そういう面になると住宅局長でなくて、大臣に伺いますが、そういうものを考慮されてなさるつもりなのか。そうしてまた地方の要求が二十一万戸である、それが十七万一千戸と縮まっておるわけです。それらをどういう工合に配分しようとしていくか、大臣に一つ。
#135
○国務大臣(中村梅吉君) お話のように、大体の配分の考え方としましては、地方の各都道府県の要望及び需要状況を勘案いたしましてやって参る考え方でございますが、同時に、この所得倍増計画に伴う地方開発等と今後にらみ合わせていかなければならないことは、御指摘の通りだと思います。そこで、配分をいたしていきますのは三カ年として十七万一千戸の総ワクを御決定いただきますが、さしあたり配分をいたしますのは三十六年度分でございます。三十七年度は三十七年度として配分計画を立てるつもりでございますから、従って今後地方開発計画、工業の分散等が進行するに伴いまして、それと見合った配分計画というものも、一つの要素として考えていくように指導して参りたいと思っております。
#136
○田中一君 もう一点。常に三カ年計画が計画よりも実績が下回っておるのです。今回のこの第四期は完遂するように一つしていただきたいと思うのです。
#137
○国務大臣(中村梅吉君) 御指摘の点は確かに非常に重要な第一種、第二種の公営住宅が、過去の実績におきましては計画よりも下回ってきておりますので、まことにこの点私、遺憾に存ずる次第で、今回の三カ年計画にあたりましては、私どもの立場といたしましては、従来のようなことでなしに完遂いたしまするように、予算措置あるいは行政指導等の面におきまして、万全を期して完遂をするようにいたしたいと思います。
#138
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はございませんか。――他に御発言もなければ、質疑は終了したものと認め、これより本承認案件について討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#139
○田中一君 私は日本社会党を代表して本案に反対するものであります。以下その理由を申し上げます。
 現在の住宅事情は政府の資料によりましても不足数二百数十万戸といわれております。しかもこれら住宅難世帯は勤労低収入階層に圧倒的に多いことは、これまた数次の調査で明らかであり、世論調査におきましても公営住宅の建設を望む声が非常に多いのであります。政府は国民所得倍増計画に乗って、住宅建設についても新十カ年計画を立て、住宅難の解消、居住水準の向上を言っておりますが、所得格差をますます増大してきている現状に見て、はたして政府の施策をもって住宅困窮者を救済することができるかどうか危ぶむものであります。すなわち、公営住宅のこれまでの計画と実績を見ますと、第二期、第三期と、政府施策住宅の中に占める割合はむしろ低下してきております。さらにわれわれが検討したところでは、今回提案の第四期計画においても、政府みずから立てておる五カ年間四百万戸の計画に対比してみるとき、政府施策住宅中に占める公営住宅建設の比率はさらに低下していることは明らかであります。このような低家賃住宅供給に対する施策の軽視は、地方公共団体の熾烈な要望を無視するものでもあり、われわれとしてはとうてい容認しがたいところであります。特にわが党は三十六年度予算案に対して、第二種公営住宅五万戸の増加、従って、増額の組みかえ要求をしているわけであり、遺憾ながら本案に反対する次第であります。
#140
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかにございませんか。御発言もないようでございますから討論は終局したものと認め、これより本件について採決いたします。公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(稲浦鹿藏君) 多数と認めます。よって本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書につきましては委員長に御一任願います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト