くにさくロゴ
1960/04/11 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第19号
姉妹サイト
 
1960/04/11 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第19号

#1
第038回国会 建設委員会 第19号
昭和三十六年四月十一日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
   ――――――――――
  委員の異動
四月六日委員米田正文君辞任につき、
その補欠として二見甚郷君を議長にお
いて指名した。
四月七日委員二見甚郷君辞任につき、
その補欠として米田正文君を議長にお
いて指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     稲浦 鹿藏君
   理事
           田中 清一君
           武藤 常介君
           内村 清次君
   委員
           岩沢 忠恭君
           小沢久太郎君
           小山邦太郎君
           米田 正文君
           武内 五郎君
           田上 松衞君
           小平 芳平君
           村上 義一君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
  政府委員
   建設省計画局長 関盛 吉雄君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   建設省計画局都
   市計画課建設事
   務官      久保田誠三君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会開会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○公共施設の整備に関連する市街地の
 改造に関する法律案(内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 初めに報告事項がございますので、これを報告いたします。東北、北陸地方の雪害対策に関する調査のため、関係委員会に対し連合審査会開会申し入れの件につきましては、去る三月十六日の委員会において委員長にその取り扱いを御一任願っておったのでありますが、関係委員長と協議の結果、明十二日、大蔵、農林水産、運輸、建設の四連合審査会を開会することとし、本日関係委員会においてそれぞれその旨決議することになっておりますので、この際御報告しておきます。なお開会の時間につきましては、決定次第お知らせいたします。
   ――――――――――
#3
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に先刻の委員長及び理事打合会におきましても御協議願ったのでありますが、来たる四月十三日の市街地の改造に関する法律案についての出席要求の参考人につきましては、前回の委員会において決議をいたしておりますが、東京都首都整備局長の山田正男君が当日十一時までに退席いたしたいとのことでありますので、東京都の首都整備局都市計画部長大河原春雄君に対しても、追加して出席要求することにいたしたいと思いますが、さよう決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議ないと認めます。
 それから次回の十三日は、午後も委員会を続行することに申し合わせをいたしましたので、さよう御承知願います。
   ――――――――――
#5
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは本日の審査を行ないます。
 公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案を議題といたします。
 章節別の質疑を続けますが、初めに要求資料について説明願います。
#6
○政府委員(関盛吉雄君) 前回の委員会におきまして施設建築物の共有持ち分の定め方について、図表を持って御説明するようにというお話がございましたので、資料といたしまして共有持ち分の定め方という印刷物をお手元に差し上げてございます。まずその部分から御説明を申し上げたいと思います。
 この共有持ち分の定め方は、前回御説明申し上げましたように、建物の共用部分の共有持ち分の問題と、敷地の共有持ち分の問題とこの二つに分かれるわけでございます。従って、まず第一は、建物の共用部分の共有持ち分の割合について申し上げたいと思います。それが(1)でございます。ここに建物の図面を掲げてございますが、住宅A坪、住宅B坪というのは、その例に従いまして掲げてある、前回申し上げました説明では専用室という部分になるわけでございます。で、ここの表であります廊下、階段というものが、いわゆる建物の共用部分ということになるわけでございまして、従って、建物の共用部分の廊下、階段等のものの共有持ち分の割合というものを出すのには、専用室ABCDというもののつまり面積、これを分母といたしまして、そして個人の専用室の面積、これを分子といたしまして、それが廊下、階段というものが共用部分でありますれば、それの何割ということで表示をされるのでございますので、ここではかりに十分の二、この十分の二という割合が法律で、つまり政令事項に掲げてある、二十六条の法律の政令事項になっている、こういう表示で表わされる、こういう意味でございます。これがまあ原則的なことを掲げたのでございまして、これに対して前回御説明を細部にわたりますので触れませんでしたけれども、この機会に重要な部分でございますので追加して申し上げますが、注1と書いてあります部分がございます。これはたとえば映画館でありますとかいうふうな建物が、この共同ビルの中に作られました場合におきましては、床面積のみで計算をいたしますと、これは適当ではないと思うのでございます。というのは、天井の高さが非常に高いわけでございますからして、こういうものにつきましては著しく容積が大きいという、たとえば映画館でありますとか、こういったふうなものにつきましては、床面積につきまして補正をしなければならない、容積補正をいたさなければならないということがまず第一点でございます。
 それから注の2として掲げてございますのは、特定の階または特定の部分のみの用に供する共用部分、たとえば三階以上の部分だけが使う非常階段、避難階段、こういうような特定の階のみの用に供する共用部分、そういう部分がありますときには、その特定の階の部分のみで共用すると、こういう立て方になろうと思います。従って、こういう特定の部分とそれから容積の著しく大きなもの、これにつきましては、前段の原則的な床面積の割合による算出の仕方に対して、補正をするという形の内容のものを規定することになるわけでございまして、前回御説明申し上げました内容の実質的な追加を説明をいたしまして、要綱の修正にかえまして御説明申し上げる次第でございます。
 それから敷地の部分につきましては、これは施設建築敷地の共有持ち分の割合ということで、ここに地下一階から地上四階の建物を一応図で表わしたつもりでございます。そしてこの場合の建物の利用状況は、一階が店舗等でございまして、二階以上が住宅と、こういうことになっておりまして、地下が倉庫というふうな利用の仕方の表示でございます。それで、ここで意味のありますのは、一階の店舗に相当する部分のところから住宅のところにつきまして一・〇とか〇・三とかいうふうに数字を入れてございます。この数字は一等最初に、一番上欄にありますように、分担率という言葉で表現されるわけでございまして、この分担率は(3)のところにその分担率の算定の基礎的一例といたしまして述べてございます。これは一口に申しますと、これらの建物の中におけるところの部屋の質、つまり経済的な利便、そのものの持っておるところの面積的な量の価ではなくて、質的な要素、経済的価値、質的な要素をまあ意味する言葉として、分担率という比率で示しておるわけでございます。従って、その右の欄の数字を書きました部分の意味は、AならAという四階の住宅部分の人の持っておる敷地の共有持ち分の割合というものは、〇・一Aというのはそれぞれのつまり各階層別の建物の質とそれから建物の広がり、この両方をかけ合わせたもの、それを各部屋ごとにずっとプラスをいたしましたものを分母といたしまして、それに対して当該専用部分のいわゆる面積と質、分担率をかけましたものを分子としたもの、これがAならAというものの建物の敷地に対する共有持ち分の割合を現わす形になる。こういう意味でございまして、たとえば登記所に参りました場合には、敷地が何町目何番地の敷地百五十坪という所有権が表示されておりまして、その所有権の百五十坪に対して敷地の共有持ち分の割合というものを、この得たる数字がかりに十分の一ということでありますれば、十分の一という不動産登記の表示をする、こういう結論になるわけでございます。この持ち分の割合は、いわゆる管理処分計画、あるいは最終的な工事完了後における評価の場合における基準になるのでございますので、最終的には権利の登記の関係におきましては十分の一と、敷地に対して十分の一と、地番地籍の表示と合わせてこういう表示になるわけであります。ここでは特にお断わり申し上げておきますが、〇・一とか〇・二というのは必ず四階が〇・一になるという意味ではございませんで、一つの算出の過程におきまして、こういうふうな傾向をたどることになる一つの例を上げたわけであります。
 そこで、分担率の算出の仕方につきましては、(3)のところにございまして、「各階の分担率はその部分の経済的利用可能性により、現在する建築物の実例(家賃、権利金、売上高等)を勘案して決定する。」これは現実にこのような建造物ができ上がっておる例もございますし、また理論的な数値というものを算出しながら、実例に即してこういうふうな表式の例になることを申し上げておるのでございまして、その要素といたしましては、たとえば建築物の家賃でありますとか権利金とかあるいは場所々々による、商店なら一階の売上高と三階の売上高の違いといったような事柄も、二階、三階、一階というものの持つ床面積の質の価値の影響に与えるものであるという意味でございます。
 それで裏をめくっていただきまして、第一例、第二例、第三例というものがございます。ここでも一つのサンプルといたしまして、第一例は表通りの道路に面する商店街に住宅と店舗と並存いたしました場合のいわゆるビルディングを示しておるわけでございまして、一階が店舗、斜線部分に相当するところが店舗を意味しております。それから斜線のない階層の部分は住宅部分を意味しております。それを土地の各階層別の共有持ち分の分担率、それを実例で表わしましたのが、第一階の店舗は一、二階部分が〇・三、三階が〇・二、それから四階以上になりますと逓減率というものが同じような比率をたどっていく、減らない。同じような状態で、四階、五階、六階というものがあり得るのが多いのであります一一等上の階層がまたちょっと分担率が高くなっておりますが、これはやはりこういう建物の場合ですと需給関係、住宅として住むならば一番上の方に住みたいという、こういう需給関係の実情も示しておるのであります。
 それで第二例の場合ですとこれは住宅地区内の高層アパートのモデルでございまして、実例を参考といたしたのでございますが、これも住宅のみでございます。この場合におきましては、三階までの部分が分担率は同じような一階なみというふうな形になっておる例が、また実際的にも理論的にも多いのでございます。そうしてそれ以上の、四階以上の分担率の逓減の割合というものは、前の商店街の場合よりは逓減する率が著しくはないという傾向をたどっております。
 それから商店街の商店ビルというのが第三例にございまして、これは一階と二階との間におきましては、同じ店舗の場合におきましてはかなりの、同じ用途に使われている全体のビルディングではございますけれども、分担率における開きが、そのような図のようになるという例でございます。
 従って、こういうふうなことが第一例の説明になっているわけでございまして、説明の第一は、第一例の場合につきまして、二階の分担率が〇・三であります。これは第三例の商店街の二階の〇・四八に比べて〇・三で小さいのは、第三例の二階が店舗そのものに対しまして、第一例の二階が住宅となっているから、住宅の場合におきましては、店舗より分担率は下がるという意味でございます。
 それから第二は、三階の分担率の二階の分担率に対する逓減状態、これは〇・三それから〇・二と、こういうふうに第一例はなっていっておりますが、それは第二例に比べて大きいのでございます。ところが第二例は、これはいわゆる土地柄が住宅ということに向いているところでございまして、第一例の場合でございますと、これは将来二階が店舗に変更される可能性があるというふうなことのために、こういうふうな土地柄による分担率の、必ずしも二階だからこうなるというわけじゃなくて、やはり用途変更の可能性のある場所という事柄も、この分担率のきめ方に影響するという意味でございます。
 それから第三は、四階以上の逓減率、これは全体といたしまして、第一例のところは四階以上の逓減率、逓減状態が第二例とほぼ似ているというのは、これは高層化に伴いまして住居環境というものの階層別変化が第二例とほぼ同様である、こういうことから、階層四階以上はほぼその逓減状態が変わらない形になった数値が出る、こういう意味でございまして、これはその結果として二、三の例として、実在しております例とそれからいろいろ理論的な検討を加えました結果で現われている例を、実例として参考のために申し上げたわけでございまして、いずれにいたしましても施設、建築敷地の共有持ち分の割合は、数量的な面積につきましては第一の建物の計算で広がりをもちまして、そうして廊下、階段等の共用部分は、もう敷地の分担の場合におきましては専用の部屋の付属物という考え方で、分担率の計算の中に加味されたものとして、実際的計算をするのが適当であるという立場で計算ができております。
 従って、実情に即応いたしますと、このような形になりますので、前回お手元にお配りいたしました政令の要綱案の内容につきましては、かなり分析的すぎるきらいがございましたから、これはあとで訂正いたしまして、この次の委員会までに正式に近い案を差し上げたい、こういうふうに考えております。
 以上で、前回までの共有持ち分の定め方についての御説明を終わりました。
 いま一つお手元に藤田委員から御質問のありました、建物の地下を利用した場合にどのような形のものにコストがなるであろうかというととでございます。ここでは日本住宅公団の市街地アパートの資金のもので建てるという場合における例を引用してあるのでございまして、これは具体の例というわけではございませんが、一般論としてこういう傾向が出るということとして御理解をいただきたいと思います。
 第一例の場合は、これは五階建の形態で地上に建てます場合の平米当たりの建築費を掲げてございまして、それが一万九千四百円、それから第二例におきましては、もう一階積み上げる場合に、それを地上で積み上げた場合に、五階の場合の平米当たりの建設費と、六階にした場合の建設費の違いはどうなるかというのを掲げてございまして、第三例はその部分を地上五階、地下一階、こうした場合の建設費の状況を示しておるわけでございます。その結果、一階部分を増加することによって、地上に上げます場合におきましては、一万九千八百円、従って、第一例との関係におきましては、平米当たり四百円の増になる、それから、地下に五階の部分にプラスするものを作りました場合におきましては、これは八百三十三円の第一例に対する増加になる、こういう意味でございます。
 そこで、この管理処分計画で、従前の権利者に地下の部分を提供するということは、これはことに道路沿いのところがそういう商店を設置するのに適当であるというものが多いわけでございますからして、関係権利者に対しまして給付する場合におきましては、このコストの関係等をにらみ合わせまして考えなければならぬ要素が、この設例では出てくるのではないかということと、それから全体におきまして、法律上も地下に関係権利者の部分を作るということは禁止しているわけではございませんから、これは必要があるところについては、地下にスーパーマーケット構造のものを作るということも適当であろうと思います。ここではただ単に、この建設費の過程で見ますと、地上に作った場合と、地下に作った場合におきましては、関係権利者に給付されるべき建築費の部分が若干割高になる、こういう意味で御理解をお願いするという意味の参考と、こういうことで、御説明申し上げた次第でございます。
#7
○小平芳平君 ただいまの説明で大体御説明なさいました部分はわかりましたのですが、(2)の施設建築敷地の共有持分の割合という項目ですが、この場合に、ある人が百五十坪の土地を持っていた、そこへこういうような地下一階、地上四階の建物ができた、そうしてこの建築された部分は譲り受け希望者にそれぞれ売り渡された、百五十坪の土地はまたもとの地主が譲り受ける、こういうことですか。
#8
○政府委員(関盛吉雄君) この法律は、建物とそれから土地と一括して譲り受け権利者が譲り受ける、こういう形になっております。従って、百五十坪なら百五十坪の敷地に五階なら五階というものの建物が建ったといたします。そういたしますと、その建物を持っておる権利者がその敷地を共有するという形になるわけでございます。しからば、その建築物を持っておる人がどのような割合で敷地を共有するかということについての問題が、共有持分の割合ということで財産配分、民法上の登記その他の関係を規律することになりますので、その意味で、法律も共有持分の割合を、施設建築物の位置とか床面積を勘案して定める、こうなっておりますので、その部分に関する政令で定めるべき内容のことを御説明申し上げた、こういうわけでございます。
#9
○小平芳平君 そうすると、この百五十坪分の地代をどのように分担するかというような問題は起きないわけですね。たとえば、この四階建の中の一人がその土地を持っているような場合――ここにA、B、C、Dという四人の人が住んでいるとしますね、その中の一人がその土地を持っているというような場合に、その人に対して将来ほかの三人が地代を払うというようなことはないのですね。
#10
○政府委員(関盛吉雄君) この法律では、A、B、C、Dという者がそれぞれ建物の所有者でありますれば、これは全部下の土地も持っているということになりますので、ただいまのような特定の個人だけが土地を持っておって、そうしてB、C、Dが地代を払うということはないわけでございます。家賃という形のものはありますけれども、地代というものはないと、こういうことでございます。
#11
○小平芳平君 もう一つ、この(3)ですね、経済的利用の可能性、これは施行者がきめて売り渡すわけですね。
#12
○政府委員(関盛吉雄君) ただいまの分担率等の内容につきましては、施行者が案を作りまして、そうして審査委員の過半数の同意を得て、管理処分計画において定めると、こういうことになるわけでございます。
#13
○田上松衞君 今のに関連して一つお伺いしておきたいのですが、今の(2)の問題ですが、この場合の事例は、地階を倉庫等ということにしておるわけですね。これがその後においてたとえば映画館等に内容が変わった、という場合においてはどうなるのか、これが一点。
 それから、もう一つついでですから、これはずっと将来の問題にわたるだろうけれども、今日のようないろいろな土地の高度利用等の問題から予想される問題は、地階が三階にも四階にもなってくるという時代が来るのではないだろうか。こういう場合における分担率の算定というものはどういう工合になっていくだろうか、この二点について伺います。
#14
○政府委員(関盛吉雄君) なかなかむずかしい問題でございますけれども、この法律が想定いたしております分担率の定め方というものは、あくまでも当該土地の利用の客観的な可能性ということを中心に規律することより、妥当な、公正な考え方はないのではないかと思っております。従って、ただいま先生の御質問にありましたように、当該建築物の所有者となった者が、いわゆるそれに相当する他の用途のものを作るという場合は、こういう土地柄ではこういろ部屋は何に使えるかということを客観的に判断いたしまして、分担率を定める。こういうふうにいくべきなのが、この法律を提案した法律内容から、管理処分計画審査委員が定めます一つの基準だと、こういうふうに考えております。従って、今直ちに具体の例としてあげられました、この図面で表わされておる倉庫、これは確かに場所によりましては天井高とか何とかゆとりのあるとり方をすれば、映画館とか、もっと他の収益性のある用途にも転換できると思いますが、それらのことを含めまして、やはり管理処分計画の分担率を定めるべきだと、こういうふうに考えております。
 それから、ただいまの地下の高度利用、これは時期的な問題も一つございます。この事業が実施せられましてから、関係権利者に権利が帰属いたしまして以後につきましては、これは当該土地の所有権というものは共有でございますからして、従って、土地の改造その他の問題は、各権利者の民法に定めます権利の行使の仕方によりまして、特約のない限りは行なう。こういうことになりますので、事後におきましての措置は、民法上の問題として解決せらるべき御質問かと思っております。
#15
○田上松衞君 私がお聞きしておる第二の点の問題は、その事後の問題でなくて、当初からこういうことにふさわしい土地である場合に、二階、三階等を計画する場合があるだろう。その場合にはここに出されているところの事例、すなわち倉庫等の場合が〇・三、店舗の場合が一、住宅の場合Cが〇・三、Bが〇・二、Aが〇・一、こういう割合はおのずから変わってくることなのかどうか。そのことをお聞きしておるわけです。
#16
○政府委員(関盛吉雄君) 今ここではほんとうに一階の場合だけを申し上げまして、変わるということの、一階との比較の一つの関係を明らかに御理解していただくためにこの数字を入れたわけでございますが、御承知の通りに大阪のような場合でございますと、あの場所柄等といい、地下一階にとどまらないで、かなりの根本的な工事をやりまして、二階というものに最少限度するという考え方になります。しかし全体としてそういう場合には、さっき御説明申し上げましたように、建設費の単価が相当、地上に伸びるよりは地下に伸びた方が高くなるので、その高いものに相応する用途に使わなければならぬと思います。従って関係権利者に当てるべき部分として、必ずしも予定するのはコストの関係で適当でない場合があろうと思いますが、かりにそういう場合に、地下二階とか三階とかいうものに利用するという場合におきましても、この分担率は地下一階、地下二階というふうになるに従ってやはり逓減をする。こういう形のものになろうと思います。
#17
○田上松衞君 そうすると、法律にかかる問題管理処分等については、今の場合は地下利用は一階だけだという構想でこれはきめられておるのじゃないかと、こういう感じがいたしますので、そういう場合に、将来に処する問題はどこで一体そういう余裕を残しておくと言いますか、考えておるのか。
#18
○政府委員(関盛吉雄君) この法律は、ただいまのお尋ねではございますが、ただ図面で地下一階を表わしたわけでございまして、この法律自身は地下一階を原則とするということにはこだわっておりません。先ほど申しましたように、その意味は当該土地の客観的な高度利用としては、上にも下にもということでございます。従ってこれはそういう一階にこだわらないということで御理解願いたいと思います。法律には何もそういう制限はいたしておりません。そこで、そのような利用の仕方を高度にとられた場合における分担率のきめ方というものは、これは法律上明らかにして保証しております点は、審査委員会におきましてこの分担率を定めまして、そうして管理処分計画において確実に工事する、こういうやり方をとっております。
#19
○田上松衞君 後段の点大体了解できましたが、その前段の場合の点、さっきお話になりましたのは、いろいろ土地柄等を考えて、これは倉庫に適するとか、これは何々に適するとかいうようなことをいろいろ勘案いたしまして、そうしてまあこういうものができ上がると、ここに例として出される、こういう格好のものが。そこでこういう場合が出てくる。こういうことなんですが、私がさっきお伺いしたのは、当初倉庫だということでいって〇・三の割合を出しておいたけれども、あとで何年かたって土地柄がいろいろ変化して参りまして、そうしてもっと利用度の高いもの、映画館等にこれが変わっていったという場合においては、おのずからこの割合はまた変えられていくのかどうか。その点については、これはそれにとらわれずして地下以上というものはこの割合、〇・一とか〇・二とか〇・三とかいうような割合に、一たんきめられたこれはそのままで動かさないでいて、その下だけがふえていくのか。そうすると勘定が合わなくなってくるということがちょっと気になるんですが、そのつどそれが変えられていくかどうかということです。
#20
○政府委員(関盛吉雄君) これは管理処分計画を定めます際の一つの単なるサンプルでございまして、お話のように、管理処分計画が工事完了後において、その通りに、関係権利者に、従前の補償金にかえまして、現物給付されました事後における権利関係は、一等最初に申し上げました通り、これはもう関係権利者が構造物の大改修を、鉄筋コンクリートでできましたものを、そう容易に事後のもくろまれた用途に構造変えをするということができれば、お話のような問題もそのこととして解決をするわけでございます。その場合におきましては、これは民法の共有関係に入っております法律関係として律していく、こういう形になります。ここで問題になりますのは、お尋ねのように、この部分は倉庫という表示をしてございますけれども、倉庫も、倉庫にのみ適したような構造を管理処分計画においてとられたのであります。また倉庫に適するということで表示してきめられた場合の、ごく限られた例を申し上げたのでございまして、従って、管理処分計画として定めるべき内容というものは、やはり当該土地柄に即した客観性によって、分担率というものもまたきめらるべきものだというのが一般論でございます。ただ、構造が鉄筋コンクリートでできておりますから、従って容易に普通の倉庫が簡単に映画館に転用できるかどうか、その現実問題は、これはまたその場所、その場所によって判断をしなけりゃならぬと思いますが、そういうわけでございます。
#21
○田上松衞君 私は実際問題を考えてお伺いしておるわけなんですよ。初め事例に出されたこういうようなものは倉庫として適当じゃないか、この事例を出されたけれども、ここで土地を選んで、そしてこういうものにしようじゃないかというようなことになりますると、万一倉庫等が不用になった場合には、こういうようなものに転換するようなこともあろうじゃないかという一つのあれをもって、必ずしもあとで大改造をするというような、そういうものじゃなくして、おそらく何でも使えるようなものを考えて建てる場合が多いのじゃないのかと思うのです、実際問題として。
 そこで逆にお聞きしますが、(3)に示されたところの分担率算定の基礎的な一例としてあるこの中に書かれてある事項、これは大体建築物のことが主になっておるかと思うわけですけれども、こういう(3)の規定は(1)にも(2)にも関連する問題でしょう、どうなんですか。分担率算定の基礎的な一例として書いてある、これはいわゆる質の問題になるわけですね。あんたらの説明される質の問題になるわけですが、そうなりますと、ここに示されておるところの売上高等というような問題、結局経済的な利用価値というものがここに書かれていると思うのですが、こういう場合は、そうしたさっき申し上げたような変化があったときにも、こういうものが適用といいますか、言葉はちょっとむずかしいけれども、こういうものはそういう場合にも勘案してきめ方をやり直していく、変更があると、こう理解していいかどうか、ちょっと。
#22
○政府委員(関盛吉雄君) もう何べんも繰り返して申しますが、管理処分計画によって関係権利者に建物が帰属するというときには、申し上げております。こういう算定方式で、権利の内容というものを確定する必要がございます。従ってそれが譲り渡された後における各権利者相互間の、また建物がかりに従前の用途と違った形になってくるというようなことがありますと、それはそのときに、自後において民法の規定によって定めなければならないことが発生すれば定める、こういうことになるわけでございます。
 それからお尋ねの質的な要素が(1)の場合、いわゆる床面積に相当する部分には、この質的な要素が加味されないで、共用部分の共有持分を算定しているわけでございます。
#23
○委員長(稲浦鹿藏君) いいですか。
#24
○田上松衞君 むずかしい問題だから、また追ってお伺いいたします。
#25
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは本日は第二章第三節から審議を続けます。まず三十一条から第三十九条までの説明を願います。
#26
○政府委員(関盛吉雄君) 第三節の建築施設の部分に対する対償の給付でございますが、この三十一条につきましては、いわゆる市街地改造事業の管理処分計画におきまして、譲り受け予定者、この人が代物弁済として、いわゆる従前の補償金、または補償金にかえて法律の定めるところによって、第一項に書いてございますように「建築施設の部分が給付される」、こういう形になっております。すなわちこの規定によりまして、従前の権利者は建築物に入れる、建築物を譲り受けることができるということの一つの権利を取得しておるわけで、補償をもらうわけでございます。それからまたこのような方式をとりますことによって、従前の権利者に直ちに補償金を払わないで、譲り受けを希望する人に対しましては、給付権を与えることによって、多額の資金調達をする必要がない。こういうことにもなりますので、このような形をとるわけでございます。従ってこの第二項におきましては、土地収用法第百条の規定は、収用の時期までに補償金を払い渡すべきことを規定いたしておるわけでございまして、今回のこの法律によりますれば補償金の支払いにかえて建築施設の部分を給付されるわけでございますから、いわゆる土地収用法の百条の規定は適用されないということを規定したわけでございます。
 それから第三項におきましては、従前の土山や建物等にあります権利に対しまして、担保物権が設定されておる場合の扱い方を規定したのでございます。この規定によりまして、それらの担保物権は、施行者に従前の権利が取得されたときには、消滅をするということを規定いたしたのでございまして、この場合は特に、その権利の取得は契約によって消滅されたという場合の規定を挿入することによって解釈をするわけでございます。土地収用の場合におきましては、土地収用法にそのような消滅をするということの規定がありまして、その消滅をした場合において土地収用法にも次の物上代位に関する規定がございますから、この法律におきましては契約による場合を規定すればできると、こういうことになるわけでございます。そのようにいたしまして担保物権が消滅をいたします場合におきましては、次には三十二条の規定におきまして、その担保物権の権利者が、その建物を譲り受ける譲り受け権に物上代位していくという規定が三十二条の規定でございます。しかもその三十二条におきましては民法の特例を開きまして、物上代位は差し押えをすることをしなかったならば、第三者に対抗できないことになっておりますが、これは法律上差し押えの必要がないということを規定することになっておるわけでございます。それから三十二条の第二項におきましては、そのような市街地改造地域内における一つの建築施設の部分に、従前の権利によって二以上の、つまり債権のために抵当権その他の担保物権が設定された、こういう場合におきまして、二以上の従前の権利に対しまして、一つの建物の建築施設の部分が給付された、こういう場合におきましてはその担保物権の優先弁済を受けることができる範囲は、従前の対償の額に応じて按分して、一つの施設建築物に対して行使ができるということを規定したわけでございます。
 三十三条は「(土地等の取得又は消滅の際における対償の払渡しに代えての供述)」に関する規定でございます。
 それから三十四条におきましては、その管理処分計画の公告の日まではもとより、管理処分計画の公告の日から起算して二週間の間におきましては、施行者が従前の地域内における権利の取得、または消滅ができないということを規定いたしておるわけでございます。つまり用地取得の効果をこの期間が経過しなければ発生せしめないというふうに規定いたしておるわけでございます。で、この期間が経過いたしますれば、従前の地域内における権利は、施行者が契約または収用の仕方によって消滅をさせられる、こういうわけでございます。
 三十五条の規定は譲り受け希望を申し出た人が、申し出た後におきまして、いつまで申し出の撤回ができるかということを規定いたしたのでございまして、この条文に掲げてありますことを簡単に申し上げますと、第一項の規定は、管理処分計画の公告の前日までの場合のことでございまして、第二項は管理処分計画の内容の確定後における取り扱いを定めておるのでございます。すなわち管理処分計画の縦覧期間が経過いたしまして、そうして公告の日の前日までに話し合いがついた、こういう人々につきましては、今度譲り受けますところの建築物の価額か対債の額をオーバーしておる、越えておるという場合に限り申し出の撤回ができるということを規定いたしておりまして、第二項におきましては、管理処分計画の公告後に話し合いで権利を取得する、あるいはまた土地収用法の裁決を受けたという場合におきましては、定められた日にそれぞれの権利が施行者に帰属するわけでございますが、その場合におきましては前同様辞退できるのは、譲り受ける建物のでき上がった部分が補償金の額をこえておるという場合におきましては、その権利の消滅の時期までに申し出の撤回ができる、こういうことで管理処分計画の一面においては確定をはかりますと同時に、また関係権利者に対しまして、その譲り受けることについての意向を尊重するということに努めたのでございます。
 それから三十六条におきましては、管理処分計画の変更に伴います対償の払い渡しに関する規定でございまして、これは特に御説明申し上げる必要はないと思います。
 それから三十七条におきましては、施行者が関係権利者に対する対償のうち、払い渡しをしていない金額につきましては利息をつけて「利息に相当する金額を払い渡さなければならない。」こういうことでございまして、これは土地等が施行者に取得された日の翌日から現実に建物が給付されるのは取得よりかなりあとになりますので、この利息相当額は施行者に取得された日から利息をつける、こういうことになるわけでございます。
 それから第三十八条は担保物権者に対する保護規定でございまして、そのような従前の権利者の物権等に担保物権が設定されておりましたときにおきましては、三十六条並びに三十七条における対償の払い渡しまたは利息の払い渡しにつきましては、施行者は供託をする、こういう規定でございます。
 それから三十九条は、この建築物の部分の給付を受ける権利は債権でございますので、いわゆる指名債権に関する民法の規定で、譲渡または質権の設定ができるわけでございますが、その場合において施行者及び第三者を保護するために、そのような行為につきましては通知を施行着その他の第三者についてしなければ、譲渡の対抗要件を具備することができないという規定をいたしたわけでございます。
 これで第三節の説明を終わりますが、この機会にちょっとお断り申しておきますが、先ほど田上先生からも御質問も出ておりました共有持ち分の政令の内容につきましては、前回お手元にお配りいたしておりますものと若干違っておりますので、これは調整をいたしまして、この次までに政令案要旨を取りかえて差し上げることに今準備をいたしておりますので、きょう御説明申し上げましたのは、その差しかえるべき内容に従って御説明申し上げましたので御了承いただきたいと思います。
#27
○岩沢忠恭君 三十一条の二項をもう一ぺん一つ具体的に説明してもらいたい。
#28
○政府委員(関盛吉雄君) 三十一条の二項は土地収用法の百条の規定に対する特例といいますか、百条の規定を適用しないことをまず規定したのでございます。その目的は、今回の事業によりまして、従前の権利者で新しくでき上がる建物の部分を譲り受ける人、つまり譲受け予定者、この人には第一項によりまして譲受け権というものがつまり設定されるわけでございます。従ってこれは直ちに現金で補償金の払い渡しがまだ美は終わっておらないわけでございますけれども、建物ができたときにはその建物を取得する、または入居する、こういう権利を取得するわけでございます。従って収用の時期までに補償金の払い渡しをすべきことを規定した、土地収用法百条の規定は適用しない、こういうふうにしておかない、まだ補償金に相当する金をこの施行者が土地の権利を取得するまでには、払い渡してないわけでございますので、その意味の規定でございます。
#29
○田上松衞君 議事進行ですが、大体三節はほぼわかったのですが、特に御質問もないようでしたらば第四節に進んだらどうでしょうか。
#30
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑ございませんか――質疑がないようでございますので今度は四節に移ります、四十条から五十条まで御説明を願います。
#31
○政府委員(関盛吉雄君) 第四節の部分は建築施設に関する権利関係の確定等でございまして、これでまあ建物ができ上がるわけでございます。それから事後の手続を規定いたしたわけでございまして、第四十条は、施行者は、建築施設整備事業に関する工事が完了いたしましたときにはこれを公告をする、そしてまた建物の部分の譲受け予定者、それからまた賃借りすることができる者と定められた者に通知をするということでございます。
 第四十一条は、そのような権利者は、ただいまの四十条の公告の日の翌日におきまして権利を取得する、その権利の内容といたしましては、管理処分計画において定められた建築施設の部分の所有権を取得しておりまして、また賃借りをできる人にとってはその賃借権の取得をするということでございます。
 四十一条の第二項は、先ほど担保物件が従前の土地建物等に存しておった場合において、その担保物権は従前の担保物権としては消滅して、新たに譲受け権に物上代位していくという形の条項の際に申し上げましたが、そのような物上代位いたしました担保物権につきましては、いわゆる担保物権者とそれから債務者である譲受け予定者、この間におきまして物上代位した担保物権の消滅に関する合意を行なうことをまず前提といたしまして、その消滅に関する合意が成立した場合におきまして、今度は従前の権利者は新しい建物を取得するし、また担保物権者と債務者である譲受け予定者の間には新しい建物について担保物権が設定されるということになるわけでございます。それでこの条文は、物上代位に関する担保物権の消滅の合意が成立いたさないときには、譲受け予定者は希望の申し出を撤回したものとするという取り扱いを規定いたしました。そういう場合におきましては、施行者はその対償の額を供託をするということになるわけでございます。それから合意が成立いたしました場合におきましては、第二項の規定で、所要の届出をするということを規定いたしておりまして、第五項におきまして、「第一項の賃借権は、次条第二項の質権又は抵当権に対抗することができない。」という規定をおいております意味は、これは担保物権と賃借権との関係についての対抗要件の問題を規定したのでございまして、賃借権につきましては、借家法によりまして対抗要件は建物の引き渡しによって生ずることになるわけでございます。ところが、担保物権につきましては、新たに設定されるのは建築物ができ上がりまして合意が成立いたしまして、新担保物権が四十二条の規定の嘱託による施行者の登記によりまして、担保物権の対抗要件が備わりますので、従って賃借権とこの抵当権、質権等につきましての優先対抗要件の問題は、法律としてどのように解決するかということが一つの大きな政策の問題でありますが、この点につきましては法務省の意見がこのようになりましたので、要するに賃借権は担保物権との関係におきましては、対抗要件として担保物権の方がまさる、こういう形の結論でございます。ただしこれは必ずしも賃借人が建物の中に入れないということを意味するわけでございませんので、要するに新しい建物に担保物権が設定された場合におきまして、その担保物権の行使のために、その建物がその後におきまして、債権者に取得せられたという場合には対抗できない、こういう形になるわけでございます。賃借人そのものがこれによってどうということは直ちにはならないわけでございます。
 それから第四十二条は登記に関する規定でございまして、これは施行者が遅滞なく登記所に嘱託登記をいたす。当事者の請求によらないで施行者が直ちに登記をしなければならない、こういうことでございます。
 それから第四十三条の規定は借家条件の協議ということでございまして、賃借人は、管理処分計画の段階から、新しくできる建物の一部を賃借することができる地位を取得いたしておりますので、工事完了後、先ほど申しました規定によりまして法律上当然新しい建物に賃借権を取得する、こういうことになるわけでございます。ただここでは家賃その他の借家条件について協議をするということになります。
 で、この協議は、四十四条の規定によりまして協議が成立しないという場合におきましては、施行者は審査委員の過半数の同意を得まして借家条件について裁定をする。この裁定に関する規定の条項が四十四条の規定でございます。
 四十五条は、その裁定がありましたときには当事者間における協議が成立したものとみなしておりますので、借家契約が成立をすると、こういうことになるわけでございます。
 それから四十六条は、建築施設の部分の価額等の今度は確定の問題でございます。管理処分計画の内容等につきましては、事業の実施の推移に応じました実態に適応するように変更しながら進めていきますので、その段階において、概算額とこの確定額との間におきましては、若干の開きを生じますことは不可避でございます。従って、この四十六条におきましては、施行者が、建築施設整備事業に関する工事が完了いたしましたときには、すみやかに事業に要した費用の額を確定いたしますとともに、譲受け人の建物の部分の価額と、それから賃借人の施行者から賃借りを受ける家賃の額を個別に確定すると、こういうことをしなければならないことといたしております。
 そして、四十七条におきまして、従前の権利者に支払うべき対償の額と確定額との間における差がありますときには、それらの差額に相当する金額を徴収または施行者が交付するという場合もありますので、その規定が四十七条の清算に関する規定として掲げておるわけでございます。特にこの条項では、その第三項におきまして、清算金を関係権利者からとります場合におきましては、「政令で定めるところにより、利子を附して分割して徴収することができる。」、この条文の分割納付は、譲受け人が従前予定しておった補償金の額よりは高いものになったという場合においては、その差額を徴収しなければなりません。従ってそれは分割納付もできるということの規定でございます。その他、一般の清算金徴収督励等に関する督促等は、他の法令の例文規定でございます。
 それから四十八条は、清算金あるいは延滞金の徴収に関する権利、これは公法上の債権でございますので、公法上の債権の消滅時効に関する期間五年というための規定でございます。
 それから四十九条は、先取特権に関する規定でございますが、この理由は、施行者が清算金を徴収いたします場合は、従前の財産価値以上のものを関係権利者に給付いたしたから生ずるわけでございまして、その場合における徴収する権利を有する施行者は、先取特権として民法にあります従前の先取特権の中で、不動産工事の先取特権というものを、新しくできます建物の上に取得をするということに関する規定でございます。
 それから五十条におきましては、施行者が、従前の関係権利者でない人に譲り渡したり、または賃貸しすることができる部分を、管理処分計画の中において高度利用のために実施することができることは、御説明申し上げました通りでございまして、いわゆる保留床につきましては、施行者は、管理処分計画で定めるところにより管理し、処分しなければならないということで、工事ができ上がりまして、建物ができ上がりまして権利確定する段階の手続関係が、ただいま御説明申し上げました第四節になっておる次第でございます。
#32
○委員長(稲浦鹿藏君) ついでに五節も御説明願います。五十一条、五十二条。
#33
○政府委員(関盛吉雄君) 第五節は、費用の負担等に関する規定として掲げてございますが、第五十一条は、この市街地改造法の第六条の規定におきまして、都市計画法の第五条、施行者関係の規定を除外いたしました。従って、これとの関係におきまして、都市計画法のそれに関係いたします条項は、これは市街地改造事業に適用しないということになりますので、五十一条の規定を掲げたわけでございます。費用負担の部分に関するところでございます。
 それから第五十二条は、この事業によって整備されます公共施設、その他の施設の整備に要する費用に関しましては、施行者以外の者の費用の負担または補助に関する特別の規定がある場合におきましては、「それからの規定の適用があるものとする。」といたしましたのは、施行者以外の者の費用の負担でございますからして、国等の費用の負担あるいは補助、あるいは地方の負担、あるいは受益者負担等がまあこの内容のものになるわけでございますが、それはこの事業のその部分について特別の規定がある場合におきましては、その規定の適用があるということで、市街地改造事業によって整備されます公共施設の根幹的なものは道路でございますが、この市街地改造事業は道路と建築物とを一体として整備する事業でありまして、新しくそれを市街地改造事業と呼んでおりますけれども、この条文によりまして、公共施設の整備に関する道路法等に関する補助負担に関する規定の適用があるということで、そちらの方の補助適用の事業に対する実施ができる、こういう意味の規定でございます。
#34
○委員長(稲浦鹿藏君) 第四節、第五節について御質疑の方は、順次御発言
 願います。
#35
○田上松衞君 建設の部分の取得の中の第四十一条の第五項ですが、「賃借権は、次条第二項の質権又は抵当権に対抗することができない。」と、こう規定されておるわけなんです。そこで、こういう問題はたくさん起こることだと考えるんですが、この場合において、賃借権者を何かほかの方法で救済するようなことはありませんか。
#36
○政府委員(関盛吉雄君) この四十一条第五項の規定は、もっぱら担保物権と賃借権との関係のみについて規定したわけでございまして、この規定によりまして直ちに入居しておる賃借人がどうなるというわけではないのでございます。で、この規定の趣旨は、先ほど申し上げましたが、賃借権も担保物権も、新しき建物につきましては、法律的には従前のものとは別個な新しい賃借権、担保物権でありますからして、双方ともニュー・フェースであるということについては同じでございます。そこでこの何らかこのような規定を置きませんと、物上代位いたしました担保物権を有する担保物権者は、新しい建物の部分について、そのもののために設定されます質権、抵当権と、これらの目的である建築物の賃借権との間に、対抗力の優劣の不明確を来たすわけでございます。それからまた物上代位をする場合に、賃借人の意思にかかわらしめるということも実情に合いませんので、こういう規定を置かざるを得なくなったわけでございます。これは担保物権が賃借権に対抗要件上優位な地位に立つと、こういう規定でございまして、直ちにそのことによって賃借人の地位が剥奪されるということにはならないわけでございます。
#37
○田上松衞君 非常にこの点は、まあ楽観しておられるようですけれども、自体こういう種類のものに質権あるいは抵当権を設定するというようなものの側では、なかなかその法務局に登記をされたこの事実をもって、いわゆる賃借人等を痛めつけているという、まあ言葉が悪いけれども、という事例が多いわけなんですよ。これは実際上の問題なんです。これは建設大臣が法律家ですから、かつてこういうことはいやというほど御体験なさっておるはずだと私は想像するわけなんです。実際上この問題は起こるわけなんですよ。観念の上でただどちらが優先するかというようなことをここで規定しておく、そういう簡単なものではなくて、あとで起り得る紛争はこの点が一番多いのじゃないかと、こう考えるわけなんですね。非常にこれは重要な事項だろうと思う。そこでこういう場合において何か別に救済の方法を考慮されなければならぬのじゃないか、と考えるからお聞きしておるわけなんですが、この場合、建設大臣の一つ御所感をこの点についてお聞きしておきたいと考えます。
#38
○政府委員(関盛吉雄君) この規定の理由につきまして、もう少し言い足りませんので御理解をいただくために申し上げたいと思いますが、これは先ほど申しましたように、従前の担保物権者とそれから譲受け予定者である債務者との間において、物上代位いたしました担保権の消滅に関しまして、合意があればその譲受け予定者が新たな建築物を取得するわけでございます。それでその際に、この担保権者のために、新たな建築物等に新たな質権または抵当権を設定することを条件として、物上代位した担保物権の消滅に合意して、その旨を施行者に届け出ましたときに、施行者が、この従前の担保権者のために、新しい担保物権の設定の登記を嘱託する義務があるわけでございます。そこでこの担保物権と賃借権との関係の問題が出てくるわけでして、やはり担保物権者との合意が成立するということのためには、建築物の賃借権との関係の対抗力の優劣が不明確でありますと、物上代位した担保物権の消滅に関する合意というものが、合意に至たらないということを来たすおそれが非常に多いと思うのでございます。従って、そのために従前の譲受け予定者が、みすみすでき上る建物を目の前にして譲受け人としての地位を失格すると、こういうことになっては、これはこの事業が、従前の土地物件を持っておる人に対する現物による対償として給付するという形をとりますので、やはり合意に至ることができる要素というものが一番大事であるということから、この規定が必要であるわけでございまして、万が一従前の建物の抵当権の、新しい建物に抵当権の効力として、その債権が執行された結果、賃借人が第三者として対抗できないと、こういう場合が生じましたときには、これは一般の建物もそうでございますが、この法律独得の問題ではございませんで、これは賃借人としては、その関係においては、その部分について賃借権を対抗要件として主張することは不可能である、こういうことになるわけでございます。
#39
○田上松衞君 御説明のようなことになるから、別個に救済の道が考慮されなければならぬのじゃないのかということなんですよ。くどいようですけれども、合意が成立する場合とは、一体どういうところであるかというと、これは三十二条の一項の場合ですよ。
 それが合意が成立しなかった場合は、これはあとで、もう一つ質問したい問題なんですが、これはあとで、譲り受けの希望の申し出を撤回したものとみなしていく。そうして施行者は、この対償のうら払い渡しをしていない部分の金額を払い渡しにかえて供託していくと、こういうだけでとどめてある。そうして、あとで、こういう裁定、登記の問題が考えられてくるわけです。
 私は、さっき御説明になったような点をわかっているだけに、何とかここへ、一般の問題と同じように、これはしていくよりしようがないということであれば、具体的には裁判所に訴えを出すということにしかならなくなるでしょう。話し合いができなければ、そうなるのです、結局。そこでそうしなくて済むような方法はないのだろうか。
 もう少し私の意見をこの場合加えますならば、むしろ四十三条であるとか、四十四条であるとかいうような、この種の条件の協議あるいは条件の裁定、こういうような問題については、一々政令でああだこうだというよりも、裁判所にあるところの民事調停法等を、あの機関を活用された方が一番適切でないか。納得しなかったものも、頭づけで、こうきまっておるのだということを押しつけるよりか、十分意思を出し合って、調停させた方がいいのじゃないか、これは私のただ感じです。ところが、この場合においては、逆になりましているだけで、そういう問題は、政令等でこうずっと縛っていく、そして四十一条の五項と関連しまする四十二条の二項、この場合においては、これはどうにもこの場合では、一般のようなことと同じような手段をとるしかしようがあるまいということでは、どうもそこが、実際は危険だ。そして紛争が起こりやすいと、こう考えるわけです。
 さっきお願いしましたように、概念でいいのですが、この場合については、大臣の御所見をお聞かせいただければと思うのですけれども……。わかりやすくお聞きしますと、四十一条の五項は、特にそういうものを設けなくても、言えばいいのじゃないか。なまじっかここで、賃借権が質権または抵当権に対抗することができないと、ここでこうした、何といいますか裁判所で扱うような、裁判官が判定するような、こういう問題を、この種のものにぶち込んでくるから、かえって物議をかもすことになるのじゃないか。気持は、そこからくるわけですよ。そうしまするならば、適当にこの種の紛争があった場合には、いろいろお互いの権利義務等について、民事調停等に持ち込む手段もあるだろうから、むしろその方が危険を避けることになるのじゃないか、こういう気持でお伺いしているわけなんです。むしろない方が安全じゃないか。
#40
○政府委員(関盛吉雄君) これは立法的にも、こういう考え方で規律をした条文がありませんと、物上代位した担保物権の消滅の合意の成立という過程におきまして紛争を生ずるおそれが非常に多いのでございます。先ほども御説明申し上げましたように、要するに新しい建物に新しい権利が設定されるわけでございますが、その新しい建物に従前の債務者が設定されておりますところの担保権、それを、乗り移って新しいつまり新担保権が設定される、こういうことを規律をいたすことをストレートにやりませんと、従前の権利者といたしましては、債権者といたしましては、その債権の目的が、全然変わりますので、担保権の目的物が変わりますので、従って、従前のこの譲り受け予定者の地位というものが、非常に薄弱なものになるわけでございます。従って、この合意の過程に、かりに賃借人の意思というものを入れるという立法論をとる場合におきましては、賃借人が絶えず優先をしていくというふうなことになりましても、債権者と、それから従前の権利者との間における地位というものを論ずるときには適切ではないと思うのでございます。従って、これは調停問題ではございませんで、法律紛争を巻き起こさないようにするということを、立法論的にもぜひ解決しなければならぬ。そこで万が一、担保権の実施の結果、賃借人が、この建物に入居しておるということができなくなった、こういうふうな事態につきましては、あっせんの方法によりまして、他の入居することができる建物に、賃借人の人たちをお世話をする。こういう法律外の問題として、一般的な措置をする、こういうのが適当だと考えておる次第でございます。
#41
○田上松衞君 そこまでに、賃借人のために考慮が払われておるとするならば、むしろこの問題は、質権者または抵当権者は、この地位を、私の考えでは逆にしちゃって、賃借人の何といいますか、この権利を無視してはならぬとか何とかいうような、そういう意味のことが、かえって紛争を避けるためにいいのではないかと思う。
 もっと突っ込んで話をしますが、四十二条の2の場合で、こうした設定の登記をするということについては、これはこれでやっていいと思うのです。登記をすることによって、質権者または抵当権者というものの権利といいますか、これはもうそこで確保されるわけでありますから、それはそれでいいのですけれども、そのことを逆用して、それで賃借人をいじめるというところに問題があるわけなんですからね。登記はするけれども、してはいくけれども、しかし以前からきているところの賃借人の権利というものは、決して無視してはならぬということにきめつける方が、むしろいいのではないかと、こう考えるわけであります。
#42
○国務大臣(中村梅吉君) こう考える方がいいのじゃないかと私は思うのです、これは非常にややこしい法律ですからね、この市街地改造事業をやります前に、建物なら建物に抵当権がついておったと、それが市街地改造事業に該当しまして建物がこわされた。で、新しいものができました。で、できたのに対して、元の所有者は、やはりできた部分の自分の所有分の譲り受け権があるわけです。譲り受けの権利はあるわけですけれども、その権利には、抵当権という負担がついてきておるわけですね。そこで抵当権者と譲り受け権利者――譲り受ける人との間の調整が協議によって整いますと、そうすると、前の権利はもうこわされた建物の権利は消滅して、新しい建物に新しい抵当権がつくわけです。そこで賃借人は借りる権利はあるわけで、やはり借りて入るわけですが、賃借権の対抗力というのは、賃借人が借りて入って居住しておれば、第三者に対抗力があるわけです。その人が先に入ってしまって、あとから嘱託登記で、抵当権の登記をいたしますから、抵当権の方があとになる場合が起きてくるわけです。ですから、そのあとになっても、それには対抗できないのだという規定を、ここに置くことによって、従前と同様の状態が成立する。
 従前も家主があり、抵当権者があり、その抵当権のついた建物を借りて入っておった人ですね、それから今度も同じように、たとえば先に賃借権者が、その賃借権の部分を借りる、当然の仕組によって借りて入っておったにしても、その後に、この手続が行なわれたにしても、前と同じようにやはり譲り受け権利者は所有権があり、抵当権者は抵当権がつき、それに賃借権者は賃借権がついて入っておる、従前と同じ状態なんだぞ、先に入って、あとから抵当権がついたから、お前の抵当権はあとからついたのだという対抗はできないということを、ここで明らかにさせておくという趣旨だと思うのですがね。
 ですから、結果から言えば、従前の市街地改造に引っかかった建物の所有権者と抵当権者と賃借権者との間の同じ関係を、ここに維持していこうというかまえの条文だと私は思うのですがね。
#43
○田上松衞君 そうあるべきものだと、こっちも理解し、それで、全般的にこれは実にいい法案だと考えて、私どもも心からのこれには賛意を表しているのです。この前提に立って、考えてずっといっておったのですが、ここにやってきますと、第一項の賃借権、すなわち四十一条の賃借権というものは、ここで「取得する。」と――「その施設建築物の一部について賃借権を取得する。」とあって、これでよかったと考えておったところが、次のとこになってどっこい五項へ持ってきて、「第一項の賃借権は、次条第二項の質権又は抵当権に対抗することができない。」これは何か、その誤解を解くような文句が欠けておるかどうかですね。
#44
○国務大臣(中村梅吉君) そこで条文は、条文ですから書きっ放しする以外にないのですが、説明として付加いたしますと、前の、それでは市街地改造に着手する前の状態はどうかと言いますと、建物所有者があり、賃借人があり、それには抵当権がついておる、抵当権付の建物に自分が賃借をして入っておったのだ、だからやはり賃借人が、もう当然の居住権があって、新規の市街地改造建築物に入りましても、入ってから後の、登記を付けかえになりますから、付けかえになって、あとから登記が行われても、それは対抗できない。やはり譲り受け権者の所有権、抵当権者の抵当権、それに賃借権、こう折り重なるのだという、意味をこまかく説明すると、そういう趣旨を表現するための条文だと思うのですが、ちょっとあなたのおっしゃるような誤解の起きそうな条文だと、私もそう思うのですけれどもね、状態を変更しまいという趣旨の法律だと、そういうふうに私ども考えるのですが。
#45
○田上松衞君 それじゃその通りに理解すること、了解いたします。
#46
○委員長(稲浦鹿藏君) それでは、次に第三章の雑則、五十三条から六十七条まで説明願います。
#47
○政府委員(関盛吉雄君) 第三章の雑則に関する規定でございますが、五十三条は審査委員に関する規定でございまして、この審査委員は、だんだんにお話を申し上げました通りに、市街地改造事業を実施する地区に三名以上の人を施行者が選任をいたします。そしてその選任に当たりましては、譲り受け希望の申し出をした者及び賃借希望の申し出をした者の二分の一をこえる反対のない人でなければならないということでございまして、これは非常に重要な権利関係の調整の仕事を担当されるわけでございますので、土地建物の評価について経験のある公正な判断をすることができる人、いわば土地区画整理法の評価員の制度にも匹敵するような方々を、この市街地改造事業の審査委員として選任をして、その事務に携わっているわけであります。こういう考え方でございます。
 五十四条の規定は、市街地改造事業の公益性なり、あるいはまた管理処分計画というものが、画一性をもって行なわれるように、その地区内の関係の権利の処分、または手続の効力に関しまして、施行者または地区内関係権利者の変更のために、手続の更新を必要としないということを規定いたしたわけでございます。
 それから五十五条は、土地区画整理事業の例にならいまして、不動産登記法の代位登記もしくは一括登記の特例を開きまして、事務の簡素化をはかる趣旨でございます。それから五十六条の規定は、この事業の特殊性と、施行の迅速化をはかりますために、財産の管理に関する特例といたしまして、区画整理法にもございますが、建築施設を管理し、または処分をする場合におきまして、施行者は財産の処分に関する法令の規定の適用がないということを規定いたしたわけでございまして、都道府県の議会の同意でありますとか、あるいはこの事業の性質上、そういう種類の都道府県、市町村、公共団体の財産の管理処分に関する法令の適用は行なわれないという意味でございます。
 それから五十七条は、関係の簿書の備付の関係の規定でございます。
 その他書類の送付にかわる公告の手続五十八条。それから五十九条の意見書等の提出の期間の計算等。あるいはまた六十条の、この事業に関する技術的援助の請求等は、これは他の類似の規定の例文でございます。
 それから六十一条に参りまして、監督に関する規定を掲げてございますが、これも同様でございます。
 それから六十二条は、この事業の施行に関する報告、あるいは勧告に関する規定でございます。
 それから六十三条は、異議の申し立て、訴願及び訴訟に関する規定でございまして、建築物の制限に対する違反、あるいは物件の移転命令、あるいは借家条件の裁定等に対しまして、不服のある人々が異議の申し立てをする道を開いておるわけでございます。その他、その所要の手続を経まして、行政訴訟を提起することができることを規定いたしておりますし、また訴願法の訴願に関する道も開いておるわけでございます。
 それから六十四条は、この事業の施行者とある場合の法律の技術的読みかえの規定でございまして、御説明を申し上げるまでもないと思います。
 それから第六十五条は、この法律に基づく大臣の権限を知事に委任することができる旨の規定でございます。
 第六十六条は、大都市の特例に関する規定でございまして、現在の都市計画法におきましても、そのような五大市につきまして指定市と申しておりますが、五大市の区域につきまして、こういう特例の道を開いておりますので、市街地改造事業として行なわれることになりました事務につきましては、指定市の長が行なうということに関する規定でございます。
 それから第六十七条は、法律の実施に関する政令への委任の規定でございます。
#48
○委員長(稲浦鹿藏君) 第四章も続けてやって下さい。
#49
○政府委員(関盛吉雄君) 第四章は、所要の事項に関する罰則の規定でございまして、特に御説明を申し上げることはないと思います。これは例文といたしましては、区画整理法と、この罰則の規定は平仄を合わしておる次第でございます。
#50
○田上松衞君 審査委員に関する事項ですが、五十三条の二項、ここでこういう規定をし、そうして三項でもって、「前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。」そこでその政令の中の第十七、先般田中委員から意見が述べられておったはずだと考えるわけですが、その中で、十七の第三の施行者が不適格者だと考えられる場合における審査委員の解任に関する問題、このことは、むしろ不必要な問題と考えるわけですが、これについて計画局長、この前の田中委員に対してのお言葉の中では、何とか、これは少し考え直してみようというようなふうに私は受け取ったわけなんです。その点について、一つ御説明願います。
#51
○政府委員(関盛吉雄君) お答え申し上げます。
 審査委員の解任につきましては、施行者が一存でできるということにつきましては、必ずしも全面的に適当ではないと思っております。従いまして、関係権利者に諮らなくても解任できるような場合と、関係権利者にやはり諮らなければ解任できないというふうに、この場合を分けて区分をすることが適当ではないか。
 たとえば、そこに掲げてありますようなものは別といたしまして、他の法令等に毛ありますように、禁治産者であるとか、あるいは準禁治産者になった、あるいは一定の刑に処せられその執行を終わるまで、またはその執行を受けることがなくなるまでのもの、これらのものにつきましては、施行者はその事実が明らかになったならば、解任というふうなことは適当であろうということを考えておりますが、ここに掲げてございましたような、今お尋ねにありましたような問題の件につきましては、関係権利者のやはり賛否を求めまして、二分の一以上の反対があれば解任できないという形の政令内容にすべきだと、そういうふうにした方が適当であろうというふうに考えまして、次回にその考え方を織り込んだものを、大臣にも御相談をいたしまして差し上げようと、こういうふうに目下、今準備をいたしております。
#52
○田上松衞君 そうすると、まだきょうの段階では、具体的にこういう政令を、こういう条項にしたいというお考えはまだないわけですね。
#53
○政府委員(関盛吉雄君) ただいま申し上げました内容につきましては、法制局とも若干打ち合わせをいたしましたので、お尋ねのように、大臣も適当だというお話でございますので、実質ただいま申し上げました通りに規定をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#54
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかにございませんですか。――それでは、最後に、附則の説明を願います。
#55
○政府委員(関盛吉雄君) まず、附則は、第一項は、この法律の施行のことでございまして、「公付の日から施行する。」ということでございます。
 第二項は、不動産登記法が先般改正されたのでございますが、この改正不動産登記法の全面実施までの期間におきましては、暫定処置といたしまして、土地台帳法それから家屋台帳法が適用になりますので、家屋台帳、土地台帳にも登録することが必要であります。従って、この新不動産登記法の規定による一元化措置につきましては、なお時日を要しますので、各登記所ごとに、法務大臣が指定する期日までに、従来通りの不動産登記法と廃止前の土地台帳法それから家屋台帳法の二本建とすることになっておりますので、この法律による不動産登記等に関する事項につきましても、まあこれにならうということにいたしたためのものでございます。
 それから、第三項は、登録税法の一部改正でございまして、これは、この規定を入れますことによりまして、土地または建物に関する登記に対する登録税を免除することになるわけでござ
 います。
 それから、第四項でございますが、これは、この事業ができますことによりまして、都市計画法の一部の改正でございます。都市計画法の「十一条ノ二」の規定の市街地改造事業の区域内における建築物に関する制限の必要性にかんがみまして、十二条の現にあります規定の「土地区画整理事業」の下に、市街地改造事業のうちの付近地の部分についての「建築敷地造成ニ関スル事業」を加えることといたしておるわけでございます。それから、「第十六条第二項中「政令」を「法律」に改める。」というのは、都市計画法の第十六条の第二項は、いっとう最初に申し上げましたように、いわゆる超過収用の規定でございまして、建築敷地造成に必要なる超過収用の条項でございます。この条項でごらんの通りに、都市計画法の現行規定におきましては、「建築敷地造成ニ必要ナルモノハ政令ノ定ムル所ニ依り之ヲ収用又ハ使用スルコトヲ得」と、こういたして、政令事項になっておるのでございますが、この内容は、政令事項としては不適当でございますので、都市計画法の「政令」を、この種の事項を決定することは、「法律」そのもので行なうべきものである、こういうふうに直しました。従って、この「法律」の第一号が市街地改造法である、こういうことになるわけでございます。従前は「政令」ということになっておりまして、これは、その政令事項は、土地区画整理法が制定されますときに、政令として定められておりました内容のものが廃止されておりますので、今回新たに、実際に即応するように、また理論的に、これを「法律」というふうに改めることといたしたのでございます。それから第二十一条の中の「第十六条第二項ノ規定ニ依リ収用シタル土地」というのを削りました。これは第二十一条は、都市計画法では、土地の管理または処分に関する規定でございます。必要がないので削ることといたしたのでございます。
 それから建設省の設置法の一部改正は、この法律の実施に伴いまして加える必要があるわけでございます。
 それから、以下地方税法の一部改正につきましては、別に規定することによりまして、不動産の取得税というものの税の軽減に関する規定を入れておるわけでございます。
 それから、租税特別措置法の一部改正といたしまして、第七項に掲げておりますのは、これは所得税と法人税に関係するわけでございまして、この事業によってもらった補償金を使って代替資産を購入した場合におきましては、補償金の限度において税を免除するという規定でございます。それは、第七項の一項のところに掲げてありますのは、現金でもらう場合のことでございまして、それからその次に二項に書いてありますのは、譲り受け権をもらう場合の事柄でございます。対償の範囲内で譲り受け権につきましては、租税特別措置法上の譲渡がなかったということに扱う規定でございます。
 それから最後に、首都高速道路公団法の一部改正が出ておりますが、この一部改正は、首都高速道路公団が市街地改造事業を実施する場合は、いっとう最初の条項で申し上げましたが、首都高速道路公団は高速道路そのものをもとより造る権限を持っておりますが、公団の道路が建設されるいわゆる平面街路につきまして、これを関連街路と申しておりますが、その関連する関連街路の整備事業を施行者から受託を受けることができるという趣旨の規定を入れますことによりまして、現実に首都高速道路公団が現在の規定におきまして、関連街路につきましては、公共事業の受託を受けて実施いたしておりますので、その関連街路につきまして、この市街地改造事業を受託も受け得るということに関する規定を入れたのでございます。
#56
○委員長(稲浦鹿藏君) これについて質疑は……。
#57
○田上松衞君 一番最後の首都高速道路公団法の一部改正ですが、「新設又は改築」というのと、「新設若しくは改築」というのと、これは、どういう違いがあるわけなんですか。
#58
○説明員(久保田誠三君) お手元に差し上げてあります新旧対照表の十八ページ、一番最後のページでございます。それでごらんいただきますとわかるかと存じますが、首都高速道路公団法の二十九条の業務の欄でございます。業務のところの第三号で、「国又は地方公共団体の委託に基づき、第一号の自動車専用道路」――ここでは、俗に首都高速道路と申しておりますが、「専用道路の新設又は改築」とあるわけです。「と工事施行上密接な関連のある道路の新設」いわゆる関連街路の新設。――「又は改築で都市計画として決定された道路に係るものを行うこと。」とあったわけです。そこで「若しくは」にしたのは、あとに「又は」というのが入った関係で、技術的に、うしろに「又は」と入れたので、前は「若しくは」にならざるを得なかったわけです。
#59
○田上松衞君 それだけのことなんですか。
#60
○説明員(久保田誠三君) そういうわけです。
#61
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はございませんか。――以上をもちまして、章節別の質疑は終了いたしました。次回は、先ほど申しましたように、十三日に続行いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十三分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト