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1960/05/02 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第25号
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1960/05/02 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第25号

#1
第038回国会 建設委員会 第25号
昭和三十六年五月二日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十七日委員小沢久太郎君辞任に
つき、その補欠として杉原荒太君を議
長において指名した。
四月二十八日委員杉原荒太君辞任につ
き、その補欠として小沢久太郎君を議
長において指名した。
 出席者は左の通り。
    ―――――――――――――
   委員長     稲浦 鹿藏君
   理 事
           松野 孝一君
           武藤 常介君
           内村 清次君
   委 員
           小沢久太郎君
           太田 正孝君
           小山邦太郎君
           村松 久義君
           米田 正文君
           木下 友敬君
           田中  一君
           田上 松衞君
           村上 義一君
  衆議院議員    瀬戸山三男君
  国務大臣
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
  政府委員
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   建設大臣官房長 鬼丸 勝之君
   建設大臣官房参
   事官      高田 賢造君
   建設省計画局長 関盛 吉雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   法制局第二部法
   制局参事官   林  信一君
   法務省民事局第
   三課長     香川 保一君
   農林省農地局建
   設部長     小林 国司君
   運輸省自動車局
   参事官     坪井 為次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設業法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○特殊土じよう地帯災害防除及び振興
 臨時措置法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(稲浦鹿藏君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 本日は建設業法の一部を改正する法律案、これの質疑をいたしまして、できれば討論採決までいきたいと思います。それからその次に特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案、これも同じようにいたしたいと思います。その次に防災建築街区造成法案がまだ衆議院から上がってきておりませんので、これはやめまして、公共用地の取得に関する特別措置法案の提案理由の説明を聞くことにいたしまして、それが済んで時間が許せば、建築基準法の一部を改正する法律案の質疑に入りたい、かように思っておりますからよろしくお願いいたします。
 初めに、建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないたいと存じます。なお、鬼丸官房長、それから林内閣法制局参事官、香川法務省民事局第三課長が今見えております。運輸省の自動車局はまだ見えておりません。質疑の方は御発言を願います。
#3
○田中一君 では、法制局と法務省の方に伺いますが、この法律で一番問題になる点は、団体に対する明記なんですが、ここで持とうという団体は、大体において今存立しているものというのは、七万五千九百三十五名という登録業者のうちの一万八千名が組織しておるところの、全国建設業協会というものが対象になるように考えられておるのです。非常に私疑問に思うのは、この七万五千九百三十五名のうちの一万八千名、そして一万八千名のうち、地方の建設業協会等の組織の中には零細な業者が入っておりますけれども、そのうちの大業者というものは六十名、また別の組織のメンバーになっているのです。都道府県の一府県ごとにあるところの団体が四十六集まって、全国の建設業者協会を組織しておるのではなくて、むろんそれらを含めたもののうち大業者、いわゆる清水、大林をはじめとする大業者六十名がこれに参画して作っているという組織なんです。そこで、むろん民法の財団法人あるいは社団法人、これは当然ですが、あるいはほかの任意団体等も含まれるというように政府は答弁しておりますけれども、的確に政府としてつかんでおる団体というものは、この一万八千名にすぎないわけなんですよ。従って、これに対して建設業の健全な発展をはかるために必要な指導、助言及び勧告を行なうということ、それからもう一つは報告義務、この団体から報告を求めることができるということになっております。それからもう一つはこの団体の届出制、この三つがその内容になっておりますが、七万名をこえる業者の中の一万八千名が、果してその代表権的な、むろん法文上ございませんけれども、通念として持たれると思うのです。私が一番初めに聞きたいのは、こういう団体を明記して、団体に対するところの三つの権利と義務というものが法律で付与せられるわけですが、これはむろん精神規定だといえばそれまでですけれども、少なくとも義務づけられる点があると思うのです。他にもこういう類似の法律があるそうでありますけれども、まずこれに賛成した法制局の態度を伺っておきたいと思う。そうしてこれと同じようなものがあるならば、それは何という法律のどこにあるかということを示していただきたい。
#4
○説明員(林信一君) ただいま御質問の点でございますが、この業者団体に対する法律の規制という例を二、三調べてみたところ、それぞれ業種、業態、あるいは規制の趣旨、目的等によって、若干のニュアンスの差があるということで、必ずしも一様でない、一律でないというのが実情でございます。今回御審議願っておりますこの建設業法の二十七条の六以下の、建設業者団体の規定に比較的近い類似のものとしては、道路運送法の百二十五条という規定が、まずあげられるのではないかと考えます。この内容は、道路運送事業者その他の自動車を使用している者、こういうもので、団体の構成員に対しまして、調査とか指導とか研究というような事業を目的にいたします団体に対し、届出義務を課しまして、さらにそれらの団体を含めまして、報告義務の規定を置いております。これが、例としては一番近いのではないかというふうに考えております。
#5
○田中一君 だからこれに似ている法律案があるから、これでもいいのだというわけですね。
#6
○説明員(林信一君) ただいま申し上げましたように、それぞれの業種業態に応じまして、必ずしも一様の規定ができない。そこで私実は建設業の実態を正確に把握しておるわけではございませんけれども、現在建設省におきましては、大体この程度の規定で足りるというふうにお考えになったという前提に立ちまして、認めたわけでございます。
#7
○田中一君 これは香川君に伺いますが、一体七万五千人の業者に対して一万人千人で構成している団体が、その総意という認め方をいえるかどうか。
#8
○説明員(香川保一君) 七万余の業者があり、団体を構成しているものが一万八千人の場合に、団体を通じて建設大臣なり都道府県知事が指導すると申します場合には、七万有余の全部について指導することが十分でないことはお説の通りだと思うのですけれども、おそらくかような団体を規制し、それを通じて指導しようというような考え方の趣旨は、漸進的にと申しますか、ばらばらになっております、団体にも入っていない建設業者を指導するということは、いろいろの今後検討しなければならぬ問題もあろうかと思うのであります。さしあたり団体を構成しておる建設業者だけでも、まず指導育成していくというような考え方で、かような改正案が考えられているのではないかというふうに考えております。
#9
○田中一君 香川さん、あなたが所管しておるところの司法書士法、それから土地家屋調査士法、この二つの法律の内容というものがまあ大体同じだと思いましたけれども、立て方が同じだと思うのです、これを一つ説明していただきたいのですよ。そうしてこの間も建設省の方でこれらのものは強制加入的性格を持っておるかというとそうではないということを言っておるのです、法文の上からいえば。しかし実体はそういう形の運用になっておると思うのですが、どういう法律の内容であって、実際の運営はどうしておるかという点を一つ説明して下さい。
#10
○説明員(香川保一君) 司法書士法と土地家屋調査士法がさしあたり私どもの所管の法律でございますが、お説の通り中身は全く似ておりますので、土地家屋調査士法の例をとりまして御説明申し上げますと、土地家屋調査士になるためには一定の資格を必要としまして、場合によりますれば国家試験があるわけであります。その試験を通り資格を得た者が地方法務局の調査士となるための登録をいたしまして、この登録を受けたことによって調査士になるわけでございます。しかしその段階ではまだ調査士業務が営めないのでありまして、各都道府県ごとに組織されております土地家屋調査士会に入会いたしまして、その会員になって初めて調査士業務が行なえるということになっておるわけでございます。これがまあ強制設立と強制加入の制度というふうにいわれておる一例でございます。そうしてかような形にいたしておりますのは、土地家屋調査士はもちろん個人でありまして、これを十分土地家屋調査士法の趣旨に従って業務が適正迅速にされるためには、いかにすればいいかという一つの、しかも的確な方法としまして、調査士会に強制的に加入せしめて調査士会で自主的に会員の指導育成をはかっていく、かような趣旨に出たものなのであります。この地方の調査士会がさらに全国一木の土地家屋調査士会連合会というものを結成いたしまして、各地方会に対しましてはこの土地家屋調査士連合会がそれぞれ会員の指導育成のための方策をいろいろ助言すると申しますか、従いまして、調査士会連合会が全国的な統一のもとに各地方会を指導いたしまして、各地方会は所属の会員を指導する、かような形になっておるのであります。これは現在のところかような制度になりましてからまだ四年余りでございますので、今後の見通しは今直ちにここで申し上げかねますけれども、現在までのところ私どもといたしましては、かような制度は非常に効果的なものだというふうに考えております。しかし、これは先ほど法制局からお答えがありましたように、各それぞれの業務内容なり、その仕事をする人たちの資格等を考えますと、あらゆる業態、業種について同一の規制をすることはいかがかと思われるのであります。建設業者に対する指導ということも、今直ちに土地家屋調査士制度と同じような形をとることがいいかどうか、別途の問題として、実態に応じて検討しなければならないのではないかというふうに考えるのであります。
#11
○田中一君 法制局では今の香川第三課長が説明しておるように、土地家屋調査士会、調査士法または司法書士法に織り込まれてある法文をお調べになりましたか。
#12
○説明員(林信一君) 実は私法務省の民事局の方も担当しておりまして、大体その内容は承知しております。今問題になりました土地家屋調査士、あるいは司法書士の場合におきましては、本来役所の窓口に提出する書類につきまして、いろいろな事務をやるという面におきまして、非常に何といいますか、公的な関係、性格の強い仕事であるという面におきまして、必ずしもこの建設業者の団体の方とは軌を一にしないのではないかというふうに考えます。
#13
○田中一君 陸運局は来ませんか。
#14
○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記をつけて。
#16
○田中一君 政府では一体団体がどのくらいあるというように推定しておるのですか。どうも私は全国建設業協会という団体は、常に大業者中心の運営をやっておりますから、大臣が御就任になると必ずその団体は大臣を呼び、前大臣とともに歓送迎会を持っておるというしきたりがあるようでありまするが、従ってどうも全国建設業協会中心の考え方を立てておるのか、あるいはその他に団体として存在する全国のものがどれくらいあるかということ等も全部把握して、との団体を考えておるのか、その点を明らかにしていただきたいと思うのです。これが成立いたしますと、当然団体というものがたくさんできるかもわからぬのです。それからあるいはできないかもわからぬ。できない場合には少なくとも指導、助言、勧告等は業者には徹底しないことになるのです。団体を通じて徹底させようなんということは政治のよいあり方ではないのです。もしも実際に国民の権利等が侵される危険があるならば、今法務省が所管するところの司法書士なり、あるいは土地家屋調査士なりの制度をとるべきである。一面道路運送法で自動車業者等も同じような形でやっておるという法制局の作例から、法制局はそれに同意を示したというふうに受け取りましたけれども、今運輸省の自動車局の参事官坪井君というのが来るそうですからよくその実態を伺いますけれども、どのくらいの団体が現在ありますか、これはむろん届け出る必要もないからおそらく握っておりませんと言うかもわかりませんが、大体現在あなたの方でわかっている範囲の数字を示して下さい。
#17
○政府委員(鬼丸勝之君) 現在あります建設業者の団体につきましては、全国的な規模でその業務を全国的にやっておる団体といたしましては九つございます。全国建設業協会を初め土木工業協会、建築業協会、そのほか職種別の専門業種ごとの団体、これらが九つございます。その地方的なものといたしましては、これらの全国的な規模の団体の傘下の団体が各都道府県に相当ございますが、先ほど来田中先生のおっしゃっておりまする一万八千というのは、これは全県の傘下の都道府県の協会等に入っておる業者でございますから、そのほかに職別関係の都道府県の区域の団体というものが相当数ございます。これらにつきましては現在正確に把握いたしておりません。実はこの辺が今回法律で規制されることになりますると、はっきり都道府県知事にも把握されてくるものでございまして、今のところははっきりしたことは申し上げられない状況でございます。
#18
○田中一君 全国的な団体九つというものはおそらく全部全国建設業協会に入っておると思うのです。入っていないものがあるならばそれを抜き出して説明して下さい。
#19
○政府委員(鬼丸勝之君) 現在全国建設業協会に間接的にも入ってないと考えられるものは、たとえば左官の関係の全国団体、それから塗装関係の全国団体がございます。それから管工事につきましても全国の傘下には……
#20
○田中一君 かんこう……
#21
○政府委員(鬼丸勝之君) パイプの管です。管工事の団体。これらはむしろそれぞれの専門業種ごとに地方組織がまたできておると、こういうふうに承知いたしております。
#22
○田中一君 法制局に聞きますがね。むろん強制加入、団体の強制加入ということは憲法違反のにおいがするものだからなかなか踏み切れぬということもあると思います。そこで土地家屋調査士法または司法書士法が、議員提案で国会で審議されて通過しているという実情は、法制局ではどういう考えを持っておりますか、そのことに対しては。
#23
○説明員(林信一君) 議員提案であるから、あるいは政府提案であるからということで私ども差別は別に考えておりませんのでございますが、先ほど申し上げましたように司法書士あるいは土地家屋調査士の仕事を考えますと、登記所その他の役所におきます公文書作成のもとになりますものを作成する、という非常に重要な仕事をしております関係から、これはこういう規制をされたことであろうということを推測いたしております。
#24
○田中一君 あなた法制局に来て何年になります。
#25
○説明員(林信一君) 十年ちょっとになります。
#26
○田中一君 十年。それじゃこの今の前に述べた二つの法律案が一応これは法制局にも話があったはずであります。あなたの方でそれに対してはあまり賛意を表さなかったことを私は知っております。やむを得ず議員提案という形でこの法律案を提案した。あなたは今議員提案であろうと政府提案であろうと云々、議員提案と政府提案というものの――あろうということじゃなくて――違いがあるわけなんですよ。十年もおればあなたおそらくこれに参加したと思うのだ、この立法の手続としても立案としても。あなたが今そういった、直接国がすべき書類を民間に委任しているのだからそのくらいの規制はやむを得ぬじゃないかということを言っておるけれども、今後ともそういう形が政府提案として出た場合には法制局反対しないのだな、それじゃ。たくさんありますよ、まだ。
#27
○説明員(林信一君) 御説のように強制加入のものも相当あると思います。しかしそれぞれ一応の理由がありましてなったことでございまして、しかもこの点につきましては必ずしも各人の判断が一様ではない、主観的な相違もあると思います。で、私先ほど申し上げましたのは、でき上がりました法律につきましては、これは議員提案であろうと政府提案であろうと区別する理由はないということを申し上げた趣旨でございます。で、私どもの立場といたしましては、まあ強制加入というようなことはなるべくならば避けたいという気持は持っております。それば間違いございません。
#28
○田中一君 それでは現在ある法律のうち、強制加入的な性格を持っている業法というものを一ぺんあげて下さい。
#29
○説明員(林信一君) 私もたくさんは存じておりませんが。
#30
○田中一君 みなあげて下さい。
#31
○説明員(林信一君) いやそれはこの席ではちょっと、私覚えておりませんからお答えいたしかねますが、後刻調査いたしませんと全部あげるというわけには参りません。しかしおそらくそれぞれ何か理由があってそうなっておるというふうに考えております。
#32
○田中一君 あなた先ほど、その業の実体は知らぬけれどもと言っておりますけれどもね。法律というものは業の実体を知らなければ作るべきものじゃないですよ、実際。法理論的な点は別です。検討はいいでしょうけれども、業の実体知らないでやたらに法律、書かれちゃかなわぬですよ。おそらく建設省はこの業の実体を知ってこれを作ろう、あるいは業の実体を知りたいために作ろうという観念。これは私はこのあとにくる、非常な危険を感ずるのです、あとにくるものに。何の実効があるかということなんですね、第一。何を求めておるか。法律をやたらに学者が作るべきじゃないですよ。政治家というものがいるのですよ。政治家というものがやはり社会全般の問題に対するいろいろな角度からこれを自分の肌にじかに知って、そうしてこれは考えるべきだということを立案し、そうしてあなた方のような法律家諸君にこれに対する検討なりみがき上げをお願いするわけなんですよ。実体を知らない者が法律を作るなんて、そんな危険なことはないですよ。かつての権力政治になってしまうのです。法律というものはわれわれの生活なんです。あなたが不用意に言った言葉か知らぬけれども、実体を知らない者が建設省のこうした立案に対して、知らぬけれどもこれに対しては道路運送法という一つの作例があるから、これに見合って承認したというような形の発言をしておりましたけれども、これは危険きわまりないのです。といってあなたを責めたってしょうがないけれどもね、それは。しかしそれは非常に危険です。私は今運輸省の自動車局呼んでいるのも、これももうずいぶん古い法律ですが、専門じゃないからわかりませんが、いつできたものか知らぬけれども、どういう運用をしているかということを知りたいわけなんです。なるほど自動車運送等、他の運送という業務ばかりじゃなく、最近の自動車の交通によるところの国民の受けておる被害というものは大きなものですから、これはいろいろ問題になる。建設業だって同じです。ましてや自動車運送というものは一台の自動車持てば業者になれるのです。建設業者というものは、清水建設のように一年に五百億も仕事を消化する業者もあれば、一日に千円の手間をもらって生活する業者もいるのです。これ業者なんですよ。そうして今申し上げたように、大臣登録が三千二百十七、知事登録地方業者が七万二千七百十六という数字に上っておるのです。何をねらっておるのかということが私非常に心配なんです。一体こうして団体を明文化して、そうしてむろん必要な指導とか助言とか勧告というものは、これは強制さるべきものではない。しかしながらその勧告をきかなかった業者は、知らなかったからきかないのです。業者は、お前はなんだ、政府はこういうふうに指導している、その指導に従わないじゃないかと言った場合には、それはマイナスになるのです。この法律をあなたごらんになったでしょう、審議したのですから。全部に格づけしようというのが、業者の格づけをしよう、客観的な条件、主観的な条件というものは、発注者が持ってる――発注者というより、国が行なうところの、国が指導しているのです。全国の発注者に対する指導は、少なくとも公共工事に関する点は、勧告助言に従わなかったという理由で、主観的な判断のマイナス面が相当出てくる部面があり得るということなんです。これは感じにならなかったですか、法制局としては、そういう点を。
#33
○説明員(林信一君) 先ほどまあ不用意な発言をいたしまして、おわび申し上げておきます。建設省を担当しております以上は、建設業の実態を全然知らぬわけではありませんが、ほかならぬ田中先生の前で建設業を知っているということはとても申し上げられませんので、そう申し上げたわけです。御心配の点はまことにごもっともなことと存じます。しかしながら、今回の「第四章の三」にございます「建設業者団体」の規定は、全体といたしまして、非常に、いわばゆるやかな、いわば法律効果もほとんどないじゃないかと言われるような規定になっております。あるいは事実上の問題といたしまして、勧告なんか出ました場合に、危険があるじゃないかということになりますと、これは一般的な問題でございますが、この建設業者団体に関しましては、そもそも届出義務自体についてまず罰則を規定してございません。団体の方の意向にまかせてあるか、あるいは誠意にまかせてあるという態勢になっておりまして、非常にルーズな規定でございますが、この程度におきまして、現在の建設業界の実態を拝見いたしまして、できるだけ指導的な行政をしていきたいというのが建設省の御真意ではないか、というように推測いたしたわけでございます。
#34
○田中一君 この仕事は公共事業に限ってるのですよ。民間が前科十犯の人間に諸負をさせて、現場でずいぶん安全管理の悪いやつでも、お互いに理解すれば仕事はできるのです。ところが、主観的要素というか、発注者に対して、かくかくの者はかくかくのマイナスの面があるぞと言った場合には、発注者がその人間に仕事をやろうとしないのです。別に会計法の法律の改正がありますから、これは全部関係しているのですが、関係がないことはないのです。そういう危険な者、弱い者、わからない者、字が読めない者もいるのです、業者の中には。私は、なぜ、何のために、何を目的にして効果をねらっているのかわからないのです。わかるのは、権力的な行政指導というものを押しつけようということです。
 もう一つ、心配するのは、こんな団体をはっきりさして選挙に利用されちゃえらい迷惑ですよ。あり得るのです、こんなことは。今度建設省からもう二人ばかり出る。稲浦君は現議員ですが、ほかにまた出るそうですが、そんなものに対する危険を多分に感ずるのです。こういう点を、何のためにやるのかということです。これはまあ耳の痛い方には申しわけないと思うのだが、こういうことはあり得るんです。これは建設大臣に伺いますが、一体何をねらっておるのか。何がほしいんです。建設省では今日まで御自分のこと以外の指導はしないが、御自分に都合のいい指導はする。たとえば職業訓練法、三年前にできた、ところがこれに対して建設技能者、建設技術の向上に対する熱意というようなものは、建設大臣は、歴代の大臣は持っておらなかったんですよ。何をしようとするのか。何を指導しようとするのか。数年来歴代の建設大臣に対して、このままでいけば日本の建設技術というものはなくなってしまいますよ。大学を出ても、のこぎりは取れないんですよ。かんなが使えないんですよ。こういってなめられてきている。何を指導しようとするのか。何を助言しようとするのか。なるほどこの法文を見ますと、はっきりと建設業者の経営規模その他経営に関する客観的事項の審査をするということになっている。建設大臣はそういうものをねらう必要はないんです。役所の仕事を何もしないでも、りっぱな業績とそれから建設をしているところの竹中工務店という、りっぱなところもあるんです。民間でも小さな地方のやつがたくさんあります。歴史に残るいい建築をしている業者もいるんです。これは自分の都合だけを押しつけようというにおいが多分にするんです。そうして公共工事を行なう業者というものの育成なんか何もしていない。建設大臣一つねらっておるのは何かということを説明して下さい。
#35
○国務大臣(中村梅吉君) まず第一には、この団体に届出をしてもらいまして、団体及び業界の実態を知るということが、建設行政を担当している建設省として非常に大事だと思うのです。従いまして、二十七条の七でいろいろな事項について報告をしてもらう。この報告によっていろいろな統計の基礎もできますし、業界の実態はわかりますし、この実態の上に立って適切な指導をし、あるいはまた自主的に団体で建設業の進歩発達、適正な工事の確保、こういうことについて研究もしてもらい、また役所としても必要な事項について団体を通して各業界に浸透するように、指示といいますと語弊があるかもしれませんが、できるだけ政府の考え方を浸透さしてもらうというようなことをねらっておるわけでございます。もちろん先ほど法制局からもお答えがありましたように、強制加入でございませんし、罰則もございませんしいたしますから、強度の統制とか、あるいは強度の政府の意思を押しつけるというようなことは毛頭考えておりませんが、そういうような相互の連絡によりまして、建設業の適正な発達をはかっていきたい。また時代に即した機械化等を進める上におきましても実態をよく知って、そうしてそれに対する推進をはかる、あるいはそれに対する所要の資金措置を考えるとかいうようなことも、そういう基礎がなければうまく参りませんので、まあいずれにいたしましても全体としては建設業の健全な発達をはかり、工業の適正を期していこうというわけでございます。
#36
○田中一君 今大臣の説明、答弁は、全部現在やっておるんです。政府は何もしないでも、借金しても機械を買わなければならない場合は機械等を買っている。今、佐藤工業という会社は、今から七、八年前に苦しい中に二億円ばかり建設用重機械を買ってそして持っていなければ電発、電力会社が仕事をくれない。今日ではもう十倍も十五倍もするような株価になってなかなか景気がいいのです。これは何も政府の育成じゃないのです。政府の育成指導という今までの面は、いわゆる建設機械の抵当法とかなんとかいう金融措置をとって中小企業者のためにやっているといっても、全然中小業者のためにやっていない。みんな大業者のためにやっている。なるほど日本の建設力、消化力というものは、これは大業者に依存しているのは当然です、今までの経過からいっても。だからといって弱小な業者をもう少し積極的にする方途を持っておらないじゃないですか。今の建設大臣の答弁は全部現在建設省がやっていることです。実際やっているのです。これはこれ以上建設大臣を責めたってしょうがないから言いませんけれども。
#37
○委員長(稲浦鹿藏君) 運輸省の自動車局、坪井参事官、蜂須賀総務課長が出席されました。
#38
○田中一君 坪井参事官に伺いますが、道路運送法の中に、私ちょっと今法文を持っておらんのですが、業者の届出……、それからちょっと建設業法――今提案されている法律案見てくれないかなあ、要綱でいいから。要綱の第四というやつを今質疑しているのです。ちょっと読んでみて下さい。法制局では、道路運送法に同じような例文があるから、それで建設省の要求に対して賛成したということを言っているのですがね。そこで、あなたの方にもあるそうです。その実体を全部説明して下さい。
#39
○説明員(坪井為次君) 今、運輸省の道路運送事業、あるいは道路運送法に基づく団体としましては、バスの関係、トラックの関係、通運事業者の関係、それから自家用使用者の団体、そういった団体がございます。それはまあ組織的には府県単位に組織されているものが多くて、全国的には連合会組織のものが多い、そういう状態でございます。
#40
○田中一君 もっと詳しく説明して下さい。何と何と何があって、こういう場合に、現在、業者としては、あるいは自家用の場合でも、何台くらいあってそれが府県単位のものにはどれくらい入っているとか、そうしてそれらの団体、あるいは連合会と陸運局との関係は、こうしてこうして指導してこうしている。こういう問題をこうしているというふうに具体的に説明して下さい。
#41
○説明員(坪井為次君) 運送事業者としましては、道路運送法上いろいろの指導監督の面が強いものですから、事業者に対していろいろの通牒なりあるいは指導について、大体協会を通じて周知徹底をはかり、また協会は、そういった会合によってわれわれに対していろいろ陳情なりそういったものを、協会を通じて持ってくる、そういった関係になっておりまして、大体組合としましては、各事業者組合については全業者参加しております。
#42
○田中一君 どうもあなた国会答弁なれないらしいから、ちょっと具体的に伺いますが、バス業者はこれは許可営業ですが、全国で何業者おりますか。それからトラック、それから通運事業――自家用は別にして――タクシー、ハイヤーはどれくらいありますか。そうしてそれが府県単位にわかれば知りたいのです。それでそれが全部府県単位の組合に加入しているかどうか。組合の性格は何か。組合が任意組合か、あるいは社団法人になっておるのか。あるいは企業組合になっているのか。そしてその一府県単位の組合には許可を受けたもののうちの何人が入っておるか、何人が入っておらないかということを一つ説明して下さい。
#43
○説明員(坪井為次君) 資料をきょう手元に十分整えて参りませんでしたのであれですが、乗合バスにつきましては、事業者数が全国で三百四十六、貸し切りバスが四百二十七、ハイヤー・タクシーが四千七百九、特定事業としては二十四、トラック関係につきましては、路線事業者が五百四十九、区域事業者が六千四百七十一、小型事業者が六千百二十八、霊枢自動車が五百十六、それから特定事業が七百四十一、合計一万四千三百二……
#44
○田中一君 今のトラックのうち五百四十九というのは何ですか。
#45
○説明員(坪井為次君) 五百四十九というのは路線事業といいまして、積み合わせ事業をやっております。
#46
○田中一君 六千四百七十一というのは。
#47
○説明員(坪井為次君) 六千四百七十一というのは地域事業で、いわゆる地場営業です。路線を定めないで貸し切りでやっているトラック事業です。
#48
○田中一君 小型六千百二十八で霊枢が五百十六、一万以上もっとあるでしょう。二万以上あるでしょう。
#49
○説明員(坪井為次君) 一万四千三百二。
#50
○田中一君 一万幾らです。
#51
○説明員(坪井為次君) 一万四千三百二。
#52
○田中一君 じゃあ、トラックでいきましょう。この路線営業の分五百四十九は組合を作っておりますか。
#53
○説明員(坪井為次君) これはトラックにつきましては、路線と区域と一しょになっております、トラック協会として。
#54
○田中一君 貸し切りの六千四百七十一は組合を作っておりますか。
#55
○説明員(坪井為次君) 路線と一しょの団体で作っております。
#56
○田中一君 そうすると、一万四千三百二というこの業者は一つの団体になっているのですか。
#57
○説明員(坪井為次君) いや、分かれておりますが、霊枢は独立しております。別の組織を作っております。それから小型につきましては、一部はトラック協会の方に入っておりますし、別に作っておるものもあります。
#58
○田中一君 そうすると、トラック運送業を営んでおる者は、全部それぞれの組合に加入していると、こういうのが実体ですか。
#59
○説明員(坪井為次君) 大体入っております。
#60
○田中一君 法律はどうなっておりますか、法文では。
#61
○説明員(坪井為次君) 法文では、道路運送事業者はその道路運送事業者が「左に掲げる事業の全部又は一部を行うことを目的として組織する団体」で、団体は運輸大臣に届け出なければならない、そういう格好になっておりまして、そういう指導の内容としましては「一 構成員の行う道路運送に関する指導、調査及び研究 二 構成員の行う道路運送に必要な物資の共同購入、共同設備の設置その他構成員の行う道路運送に関する共同施設 三 構成員に対する道路運送に関し必要な資金の貸付及び構成員のためにするその借入 四 構成員の道路運送に関する債務の保証 五 構成員の行う道路運送に関し必要な資金の融通のあっ旋
 構成員の行う道路運送の用に供する物資の購入のあっ旋 七 団体としての意見の公表又は適当な行政庁に対する申出」。
#62
○田中一君 わかりました。これはいつこの法文は成立したのですか、実施したのですか。
#63
○説明員(坪井為次君) 現在の道路運送法は二十六年に制定されましたが、その前にも同じ法律がありまして、その中に団体の規定があったかどうか、ちょっと記憶しておりませんが、この現行法ができましたのは二十六年です。
#64
○田中一君 二十六年というと林参事官はおったわけですね、法制局に。そうすると、これはどういうことから今言ったような組合を設置しなければならぬということになったか。むろんこれにはそうしなければならなかったという理由があったと思うのです。あなた知っておられたら説明して下さい。
#65
○説明員(林信一君) 二十六年当時は、現在の法制局の前身であります、法務府の法制意見第四局というところにおりまして、法制に関する事務は担当しておりませんので承知しておりません。
#66
○田中一君 坪井参事官、今のような形の法文が入ったという理由は。
#67
○説明員(坪井為次君) 私も立法当時の事情はよく存じておりませんが、前からそういった事業者についての組織体はありまして、法文の上で特に積極的にめんどうをみるという気持があったのじゃないかと思います。
#68
○田中一君 今のトラックの例の中で、これに入らないものに対する行政指導はどういうことを行なっておりますか。
 また、あなたの方で、そういう何か内規のようなものを、指導要綱みたいなものをお持ちならば、一つ資料で出していただきたいと思います。
#69
○説明員(坪井為次君) 任意団体でありますので、強制的に入れることはできませんので、行政指導で、できるだけ共同の利益のために組織した方がいいだろうという指導はしております。
 それから特別なそういった内規のようなものはございません。
#70
○田中一君 むろん運転手の、従業員の福利厚生とかいろいろな問題、多々あろうと思うのです。自動車の場合には、これは何というか共通なものですからね。おそらく規模の大小はあるとしても共通なんです。機械としても自動車一台、トラック一台持てばいいのだから。それで未加入、組合に加入しない業者がおりますか。
#71
○説明員(坪井為次君) 自家用組合につきましては、未加入の者が相当多いし組織も弱いですが、事業者団体につきましては、ほとんど入っているとわれわれは思っております。
#72
○田中一君 知りたいのは、昭和二十六年にこの道路運送法ができるとき、その以前の法律等にやはりそういうものがあったかということですね。だからこの道路運送法ができると同時に、同じような形の行政指導をして、大体漏れなく組合に加入しているということになりますね。私は今伺っているのは、法制局が、道路運送法の例によって、建設省の要求に対しては賛成したということを言っているのです。そうすると、建設省は一体今の道路運送法によるところのトラック業者の実情、こうしたものにまで持っていこうというねらいを持っておるのか、どうなんです。むろんトラック事業を行なっている業者と建設業の実情、実体というものとはおよそ雲泥の差があります。トラックの場合と違って、トラックは今言った通り、日通はこれは別の形になっているけれども、独占企業的な形態を持っているけれども、究極どういうものをねらおうとしているのか。どうも文書の上にある美辞麗句だけを建設大臣が述べて、鬼丸官房長が書いたものを説明するのじゃ困るのですよ。それはわかっているのです、ここに書いてありますから。何をねらっているのか、ということです。もう一ぺんくどく言いますと、どこに持っていこうとするのか。そうして全国建設業協会に加入している六十の大業者と地方の業者とは、おのずから違うのです。これはとうてい比較にならないのです。トラック業者の場合は一台持っておってもトラック業を営めますし、何も百台まとまって運送しなければならぬということはないのだから、百台。パレードを作らなければ業者はやれないということはない、一台だけでも動ける。建設業の場合は違うのです。さっきも言っているように、日に千円の手間をもらって行なっている業者があるということですね。逃げるところはいつもこれは強制加入じゃありませんと逃げておりますけれども、強力な行政指導というものは、建設業の契約行為で一番明らかになっているのです。物価が値上がりになっている、当然予算が二割も低い、事業者の肩を叩いて、何とか今度してくれぬかといって肩を叩くと、へっと聞いてしまうのですよ。それがまた下請に出すと、また下請もへっと聞くのです。それも末端の労働者が労働強化となり、十時間働くところを十五時間働くとか、あるいは適当に仕事をごまかしていくとか何とかいうことをしなければ、できるはずのものじゃないんですよ、末端の労働者というものはね。そこに非常に業態が違うものですから、それを一緒にして、結局弱い者、資本のない者が圧迫を受けるわけです。何をねらおうとするのか。この労働組合の団体です。その中に業ではないけれども、これは業法であるから業でなくてはなりませんということを、おそらく官房長や高田参事官は言うに違いない。業者でおやりなさいと言っても、一人親方というのは別のもので事業税の免除を受けておりますけれども、業には違いないんです、実体というものは。業者の登録をしていないのですから、それは業者でないと言って逃げるかもしれないけれども、しわ寄せがそこにくるのです、大きな規模の人たちがものをきめれば、あるいは方針をきめれば。組合員になっておれば下までくるのだから、労働組合にも同じような形の、ここにあるような美しい言葉、美しい目的の条文を入れれば労働組合に対しても、これは団体として認めるかどうか。もう少し僕は道路運送法の中に、今伺ってみると、なるほどいろんな問題が道路運送法にはあると思うのです。建設業の場合でも必要ならば必要だということを、もう少し内容を明らかにして、どういう行政指導をしようとするのか、何をねらおうとしているのか知りたいわけなんですよ。たとえば建設業法の中にも、これは三十一年に公布された政令の中にも、建設業法第三条の「軽微な工事」といって除外例もある。これは建設業者のやる仕事であるけれども、建設業としては、事業としては認めないということも言っているわけです。だから実際にこれによってどういう方向、どういうものを求めようとしているのかということがもう少し私には納得されなければ困る。そうして現在七万のうちの二万名足らずのものが団体を組織しておりますけれども、これでは総意とは認められない。どういう行政指導をしてこれらの連中をどこに持っていこうとするのか。さっき言ったように、これをまた選挙に使おうとは思っておりません。しかし自分の都合のいいように振り回そうという気持は多分にあると思うのです。私はそういう団体がたくさんできるのはいいと思います。おそらく全国建設業協会で毛心配していると思うのですが、同じような業態、同じような建設業法で規制される業者のうち、大小さまざまの団体がこれからできると思う。また当然そういう方向に、利害が一致しませんから、そういう方向に来るのではないかと思うのです。そういうものを望んでいるのか。下請制度というものがございます、この建設業には。下請は下請の団体を持たせようとするのか。一人親方といって業者であり、かつまた日雇い的な労働者であるというものがいるわけだ。いろいろです。職種も今度は二十五か六になりますね。二十四になるのですが、これがその職種の中にも階級がある。それらの階級を使うということは公共事業の場合には発注者の権限なんですよ。結局そこに来るわけですね、機会というものが。主観的な要素というものが織り込まれてくるのです。一番これは強い要素です。勧告を聞かない、助言に対しても耳をかさないという業者はこれは認めにくいというのはこれは当然ですよ。もう少しねらっているものを、今の建設大臣が言っているようなそういう美しい言葉でなくて、実体はどうなんだということをあなたよく知っているはずですよ。大臣は東京におってそういう人たちの弁護もしているでしょうから。私はこの法律案にいたずらに反対するのではないのですよ。どこに押し込んでいこうとするのか、危険を感ずるのです。行政指導はどこまでも行政指導であって、何も権力は持っておりませんけれども、法律的な。もう少し明らかにこういう方向に持っていくのだということを説明してもらうと同時に、内容を文書で作って提出していただきたい、限界を。たとえばトラック業者のように全部を網羅するような指導をしようとするのか、どこに持っていこうとするのか、何といっても御承知のように、全国建設業協会というのは力もありまた統制もとれ、またりっぱな団体です。またああいう団体があってこそ、建設業も零細な者の意思も代弁することができると思います。何も競争して今仕事をほしいために競争をするような今の段階でない。もう手持ちの仕事はだれかがやってくれればいいという気持を持っているでしょう。そのくらいに繁栄企業です。それだけに反面脱落する業者がたくさんいるのです。きょう何かの新聞を見ると、前払い保証会社の成績としては今までにない悪い傾向になっていると、うたっております。これだけたくさん仕事がありながら、中小業者はつぶれていっておる。その中で何を求めようとするのか。僕にはどうも納得できない。それは明らかにこういう方向に持っていくのだ。法制局では道路運送法によるところのこういう業種を例にとって言っておりますから、そのどの辺まで持っていこうとするのだということを説明してほしいと思う。
#73
○国務大臣(中村梅吉君) 大体考え方としましては、監督面と申しますよりはむしろ助長面の方面に、この団体の届出を受けて指導をしていきたいという考え方に立っておりまするわけで、事例を二、三あげますと、たとえば経理指導のようなことが現在の状態から見て非常に大事だと思うのです。これらにつきましても団体にある程度助言をしまして、団体で経理指導に関する講習会をやってもらいますとか、あるいはまた建設災害というものは相当多いわけで、災害を防止するのにはどうすればいいか、というようなことを業者団体でできるだけ研究をし、そして推進をしてもらいますとか、あるいはまた労務者の確保に関する問題等も、これからだんだん深刻になってくると思うのです。従って業者団体で相談をして、最低賃金をどうするとかいう問題もありましょうし、あるいはまた従業員の待遇の問題もありましょうし、さらに進んではできれば強力な団体には技能者の養成なども、これは政府ももちろんやりますが、民間団体にも一つ組織を作って、技能者の養成のようなことも力を入れてやってもらいますとか、あるいはまた資金の面等におきましても、建設業保証会社の制度ができておりますが、この保証の制度の普及、活用等がまだ小さい業者などには徹底していない向きもありますから、こういうものを普及徹底させますとか、いろいろそういう助長面についてはかなり考えられることがたくさんあると思うのです。
 それともう一つ、付け加えておきますことは、建設業関係の団体は先ほどお話が出ました、道路運送法による運送業者の団体のような工合に、一本にということはなかなかむずかしいと思うのです。自動車業者の場合で言いますと、自動車の免許権は陸運局が持っておりますし、あるいは営業台数を増車する場合に、どう割り当てるかということも団体に関係がありますから、従って一本の団体が非常に可能だと思うのですが、建設業の場合はそれぞれ業態も違いますし、あるいは状況も違いますから、従って幾つかの団体がそれぞれの立場なり業態なりに応じてできてくるのが、私はむしろ当然なんで、これを自動車の場合のように一本にするとか、あるいは建設業協会のような大きなものを一本にまとめていくということは非常にむずかしいので、幾つできてもよろしいが、そのできた場合には登録してもらって、その登録団体に対して適当の助言を行ない、あるいは指導をし、できるだけ建設業全体としての健全な発達をはかるようにしていきたいというように考えておるわけで、その他にも考えれば今後の運営でいろいろ出てくると思うのでありますが、従って一本の団体にして政府の意思を押しつけるとか、監督面を強化するような意思は毛頭ないわけでございます。そういう意味において一つ御理解をいただきたいと思うのです。
#74
○田中一君 建設大臣にもう一ぺん伺いますが、一番危険なのは、一人親方というような小請負人が非常に多数あるのですよ。大体大きな企業に直用の形で下請から供給されている技能者というものは、家へ帰ればこれはもう親方になるのです。大体そうなんですよ。それで飯場を渡り歩くという人はむろんあります、それぞれ専門がありますから。町の職人は一体どうするかということが一番大きな問題なんですよ。大体において一種の修繕業の仕事です。従ってたくさんの団体ができて、それがその団体の中で勝手気ままの団体では困ると思うのですよ。団体なら何でもいいということではないと思うのです。何かねらっているものがあると思うのですよ。ここには財団法人とか社団法人とかいっておりますが、その場合にそういうめんどうくさいものじゃなくて、任意な地域的の大工の組合もあれば、地域的ブリキ屋の組合もあるのですよ。まあ私は社会党に属しているから、はっきりと労働者という見方をするんですが、あなたの方では、あなたの方というとおかしいですけれども、自民党の方では業者という見方をして、どこまでも業者々々としようとするんです。全然性格が違うんです。実際は業者じゃないんですよ。零細な、たとえば今施行令では五十万円以下の請負ですね、請負というこれは慣行なんです。請負以外にはないわけなんです。公共事業は全部請負、だもんだから、民間で直接工事をやったって請負という形式をとっている、それで税金がかかってくるというはなはだ実体にそぐわないことをやっているんです。五十万円以下のものは一応請負というワクからはずしておりますけれどもね。これは百万円くらいにしなさい、この機会に。これは建設大臣が省議でおきめになればできるわけですから、当然そうしないといかぬです。百万円程度の仕事は大したものじゃないんですよ。大工一人ででき上がっちゃうんです。ブリキ屋が二、三時間で、樋とか屋根ふきというようなものは一日もかかりはしませんよ。かわらだって一日の手間になりはしません、そういう業種というものはやはり別に残す、請負事業の対象外にしない、百万円以下のものはですね。これは歴代の大臣が私どもに何とか善処しようと約束しながら実行しなかったんです。実体というのは、百万円程度の仕事というのは一人の大工さんでできるんです。建前にはトビがちょっとくればいいんです。それも一日もかかりはしません。二、三時間あったらすべて建ち上がっちゃうんです。その程度の仕事も最初から全部請負という形で契約しているんですから請負ということになってくるんです。随意契約工事というのは、役所で違うでしょうけれども、大体百万円以下のものは随意契約でやっておりますよ。従って、その事業という対象じゃないんです。どうです、建設大臣。この際百万円に伸ばすような決意をお示し下さい。あなたが決意さえすれば、もうおそらく鬼丸君なんか賛成すると思うんだ。そういうことが実現しなければ、私はどうももう少し審議をしてもらわなければなりません。
#75
○国務大臣(中村梅吉君) 御指摘の点は私としても一つ慎重に検討いたしますが、実は率直に申し上げますと、この建設業法の改正問題等を通して、建設業審議会でいろいろ問題を御審議願ったわけでありますが、その建設業審議会の結論といたしましては、やはり現在の一般市民の保護の上からも、五十万円程度の水準がよろしい、こういう実は結論が建設業審議会の審議の結果では出ているわけでございます。従って、これも私としては、せっかく建設業審議会で論議の結果出た結論でございますから、無視するわけにも参りませんし、しかし御指摘の点につきましては、一つ十分研究をしてみたいと思います。
#76
○田中一君 中央建設業審議会では、多数の意見がそれであったというにすぎないのであって、何もそれが結論じゃない。審議会の結論というものはありっこないんですから、それは大臣が自由に判断すればいいんです。建設業審議会のメンバーにはそれに該当する者は入っておらぬということですよ。全国建設業協会もその点は再三陳情しているはずです。一体住宅建設の促進の役目を持っている建設大臣なんですから、それを事業税の対象として安い単価でもって税金まで払わすなんという考え方を持っちゃだめです。一応考えるんじゃない、長年の問題です。これは鬼丸君あたりがじゃまになっているのかな。歴代の三代か五代ぐらいの大臣が考慮しますと言っていながら実現されないんですよ。三十万円がなぜ五十万円になったかということは御存じのはずです。当初三十万円ですよ、建設業法ができたときは。それが五十万円になった。物価がどれくらい上がっているか。これは三十一年です。三十一年、前から五十万円のはずだと思いますよ。これは、官房長、いつだったかな、三十万円から五十万円になったのは。
#77
○政府委員(鬼丸勝之君) 建設業法制定当初は三十万円でございましたが、それが三十一年に五十万円に限度を引き上げたということでございます。
#78
○田中一君 鬼丸君、三十一年から今日まで、建築費の指数というものはどうなっておるか出してくれぬか。
#79
○政府委員(鬼丸勝之君) 住宅の木造の構造のものの標準の建築費の指数で申し上げますと、庶民住宅につきましては、三十一年の六月を一〇〇といたしまして、三十五年の六月が一一七・六と、まあ一七%強の値上がりになっております。それから中流住宅でございますが、これも木造の平屋建の場合でございますが、三十一年の六月を一〇〇といたしまして、三十五年六月には一一九・二と、まあ約二〇%近くの指数の推移になっております。まあ問題は木造住宅の建築費が一番典型的な要素になりますので、一応これにつきまして調査した結果を御披露申し上げる次第でございます。
#80
○田中一君 おそらくことしの六月にはこんなものじゃないです。おそらくそんなものじゃない。こうして、官庁営繕でさえ何百億というものを出している。ほかのものは割合に――相当上がっておりますよ、木材は。手間も上がっております。おそらくそんなものじゃない。建設大臣、あなたの任期中にこれを改定する用意がありますね。そういう工合にやっていただけるという約束を一つしてほしい。現に指数だって上がっているじゃないですか。
#81
○国務大臣(中村梅吉君) 先ほど税金の話も出ましたが、これは税金は別の問題じゃないかと思っているんです。ただ、建設業者として登録をする標準になっておるように思いますんでありますが、確かに物価指数も上がっていきますしいたしますから、この点は研究をして一つ善処いたしたいと思います。今、田中さんの御意見では、間違いなく改定するという言明ができるかというお話でございますが、私もまだ十分にこういう問題について研究をする機会を得ておりませんので、一つ今後の課題にしていただきたいと思っております。
#82
○田中一君 これは税金の対象にならないんですよ、事業税の。これはこうきめたものですから。それで国税庁の方はそういう措置をとっているんです。それから私はまだ研究が足りない。あまり大臣が早くかわるからなんですよ。半年か一年でかわったんじゃ研究どころの騒ぎじゃない、もっと大きな問題があるでしょうから。こういうものこそいち早く補佐の責任ある官房長あたりが知らせなければならない。おかしいよ。これは税金の関係ないんですよ。
 どうもまだ私が満足するような答弁を得られませんが、田上君が何か質問するそうですから田上君の方に回しますが、そこで香川さん、法制局、それから坪井さん等、連休のところおいでになったんで、はなはだ申しわけないと思いますが、連休のところ予定があったと思うが、そこで私は、団体の問題もどうも道路運送法の場合にははっきりしますが、建設省はまだどういう方向にこれを持っていこうとするか、多種多様の組合を作るというけれども実体は労働者なんです。日雇い労働者なんです。日雇い労働者を職別的な業者団体に持っていこうということになりますと、これは大きな問題がございます。従って最後に香川さんに聞いておくけれども、私日本のあらゆる数々の法律の中で、そういう方向でいいのかどうかという問題を、これは一つ香川さんに聞いた方がいいと思うけれども、どうあなたは考えられますか。どっちみちやるならはっきりと、調査士なり司法書士なりの形でもっていった方がいいと思うんです。
#83
○説明員(香川保一君) いろいろの業法でそれぞれの特質なり差異がございますので、一がいには申せないと思いますけれども、私どもの直接関係の土地家屋調査士なりあるいは司法書士が、ああいった強制加入の制度をとっておりますのは、やはりいきさつを申し上げればよくおわかり願えるかと思うのでありますが、従来は裁判所の監督のもとで地方裁判所長が強い監督権を持っておったのでございます。それが新憲法下で昭和二十五年に全く国が監督しない形になりまして、さればといって、当時も司法書士会なり調査士会なり任意の団体としてあったんでございますけれども、その団体を通じて指導育成するというふうなことも直接問題になっていなかったのでございますが、二十五年から約五年間ばかりの実績に徴しまして、非常に、国民の権利義務に直接関係のある重要な業務でございますので、自主的にいわば新憲法下の民主主義の原則にのっとりまして、自主的な規制をしていくという方向が最も妥当であろうということから、強制加入の制度を設けまして、会自体が会員の規制をしていくという方向になったのだろうと思うのであります。そういった考え方自体は、やはりそれぞれ差異は、各業法ごとにあろうかと思いますけれども、方向としては望ましいことではないかというふうに考えております。
#84
○田中一君 それじゃ私は、法制局、法務省、運輸省の方はいいです。私はここであと質疑を保留しておきます。
#85
○田上松衞君 相当時間も経過しておるし、何でも大体の意向としては、きょう上げたいという御希望のようで、幾多の疑義もあったのですけれども、大体要点がわかったようなわからないようなことで、繰り返してお尋ねするようですが、この際鬼丸官房長に御答弁願いたいと思います。第一点は、私の認識と理解を確実にしたいということの立場からと、あと一、二点若干の疑義についてお伺いをいたします。
 まず、現在の登録数は、この前からお聞きしておるように、大体大臣認可のものが三千何がし、知事認可のものが七万二千何がし、大よそ七万五千余ということだと承知しておるわけですが、それでいいわけですね――そこで、この改正によりまして、今までの登録者のうちで、脱落といいますか、失格といいますか、そういうような者をどのくらい見込んでおられるか、伺いたいと思います。
#86
○政府委員(鬼丸勝之君) 今回の改正によりまして、登録要件が若干強化――強化というよりも整備されたという方が適当かと思いますが、その結果、どの程度の脱落者、つまり欠格に該当する者が出るかということでございますが、これは私ども調査いたしました結果では、約二百七十くらいの業者の数になると推定されます。で、これも、この改正案の経過規定におきまして、すでに登録を受けております者は、その残余の登録の有効期間中は、従来通りの要件で差しつかえないということになっております。それからなお、この施行の日につきましては、この法律が成立いたしまして、公布されましてから六月をこえてから施行するということになっておりますし、従いまして相当の猶予期間がある、少なくとも最低六月、最大は二年以上の猶予期間がございますから、その間に主として請け負う建設工事ごとの技術者を一名充足すれば、改正法による正規の登録業者になれるわけでございまして、この二百七十の業者の方々もこれらの猶予期間中に整備されれば、まず結果的にはほとんど脱落しないでやっていける、こういうふうに考えております。
#87
○田上松衞君 第二点の約款の疑義に移りますが、中央建設業審議会の、この間もちょっとお聞きしたのですけれども、的確に構成メンバーをですね、業界が幾らで、発注者の方が幾らで、学識経験者の方が幾人でという数を、これは中央だけでけっこうですから。
#88
○政府委員(鬼丸勝之君) 中央建設業審議会の組織の委員は三十人になっておりまして、この三十人の委員の中で、建設工事の需要者、つまり発注者でございます、それから建設業者のうちから任命する委員は同数ということになっております。で、しかも、発注者、注文者と、業者代表と申しまするか業者側から出ておる委員の数が、合わせまして総数の三分の二以上になってはいけない、従いまして現在は委員三十人おりますが、このうち発注者側の委員が九名、それから建設業者側からの委員が九名、で、あと十二名は学識経験者と関係各庁の職員ということに構成されております。
#89
○田上松衞君 今度の改正の中で、現行の建設業審議会だけでは何かしらんその運営の上から、不十分といいますか不都合というか、不適当というかそういうことがあったために、これを手入れをしなければいけないというふうにうかがえるわけですが、それらを率直にどの点がそんなにまずかったとか、書かれてある文章の中では、今までこうこうやるというようなことよりも、むしろこうした方が的確妥当であろうからこうするのだという文章になっておるわけです。今までまずかった点について一、二の例をあげて、比較して御説明を願いたいと思います。
#90
○政府委員(鬼丸勝之君) 現在の中央建設業審議会は、今回の改正案の立案のもとになりました事柄を調査審議することにも相当の時日を費やしまして、そのほか法律上の問題だけでなく、行政措置として種々措置すべき事柄につきましても、現在中央建設業審議会で審議いたしております。しかしこの審議の経過から考えまして、まずいということよりも、どうも三十人の委員さん方だけでは専門的なことについて掘り下げて検討するのに不十分である、こういう結果がしばしば私ども痛感いたされまして、そこでこの正規の委員のほかに専門委員を新たに置くということが、今後の建設業行政上の諸問題を具体的に掘り下げていくために必要である。どういう問題かと申しますると、特に二、三の例を申しますると、今回の改正法に規定されておりまする、建設業者の経営に関する客観的事項の審査の基準でありますとか、あるいは請負工事の標準約款の改定、あるいはこの予定価格の構成要素になっておりまする諸経費の問題につきまして、特にその具体的な基準、こういう事柄につきましては、やはりその道の専門家の方に一応掘り下げた検討をしてもらって、それをさらに審議会の総会なり部会で審議会の委員の方に御検討いただく、こういうことが適切な措置を立案する上に必要であると、こういうふうに考えられて今回の専門委員制度がこの案に規定されたようなわけであります。
#91
○田上松衞君 今、官房長が説明された点については私も、つとによく理解し了解し、かくあるべきだとしておるわけなのです。ただそれでなしに、もう一つその前の問題ですよ。建設大臣が取り上げてしまっておる部分なんですね。これのことをお聞きしておるわけなんですよ。公共性のある施設または工作物に関する建設工事の入札に参加しようとする建設業者に対しては、建設大臣または都道府県知事が、その申し出によって経営規模その他経営に関する客観的事項の審査を行なうことができるように改めたわけでしょう、これは。これが今までは審議会の持つところのあの権限でなかったかと思うのです。中央審議会の権限の中にありまする、建設事業に基づく権限を行なうというような広い意味に書いてありまするけれども、それはここに説明されてあるように、今まではこうこうということが通例だったのだと、こうだったのだけれども、今度はこういうことが適当だと思うから、大臣、知事がこれを取り上げたのだと――取り上げたとは書いてないけれども、結局そういうことなんですね、これは。この点をお聞きしておるわけなんです。これに関して何か不都合なことがあったろうかどうだろうかというような疑念が出てくるし、こういう点についての御意見を率直にお聞かせ願いたい。
#92
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘のように、今回の改正案に規定されておりまする経営に関する事項の審査の制度につきましては、その一部が現行規定の第三十四条の中央建設業審議会の勧告事項の内容になっておるというふうに考えられます。先生も御承知のようにこの勧告事項といたしまして、「入札の参加者の資格に関する基準」というのがございますが、これの内容の一部として、従来建設大臣登録の業者につきまして、希望した者についてだけ客観的事項の審査をいたして勧告してきておったのでございまするが、これをもっとフェアに正式にこういう事項の審査をするということにした方がいいんじゃないかという、と申しますのは、さらに合理的にこれを審査して、その審査した結果に客観的な信憑性と申しますか、権威も持たせるというためには、今回のような法律上の規定を設けまして、大臣なり知事が責任を持つ。ただ、もちろんその場合にも審査の項目とか基準は、審議会の意見を聞いてきめるということは、従来の経過から見ましても当然必要だと思いますし、それからもう一つは、審査の結果につきまして異議のある業者につきましては再審査の道を開く、こういうことによりまして審査の結果がさらに合理的になる、また従って客観的な権威も持ってくると、こういうふうに考えたのでございます。もう一つは審査を行なう範囲でございますが、従来のように、単に建設大臣の登録業者のうちから、希望する者だけについて行なういうことでは狭いのではないか。公共性のある工作物なり施設につきましては、先生ももう御承知のように、都道府県知事の登録業者も相当数の工事をやっているわけでございますから、知事登録につきましては、知事に責任を持ってこの審査をやっていただくということが必要であろう。中央建設業審議会で従来やっておりますのは、とても知事登録の業者にまでは手が回りかねるものですから、大臣登録だけに限っているわけでございます。そういうことで範囲を広げるということで、今回の法の制度の改正ということになったような次第でございます。
#93
○田上松衞君 どうもほかの人に時間的に御迷惑だろうと思うから、ずばりとあと一つだけ法の適用の関係ですが、「公布の日から起算して六月をこえ一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」と、こううたってあるわけです。そこでこの法案は、今までに行なわれた事業等については、着手して未完成であるというようなことについての場合ですね、これは適用されますか、されませんか。そこでずばり申し上げると言っておいたわけですから、せんだって私お伺いした横浜市の文化体育館のあの不始末、あれは取りかえなければならぬことになってしまったのですよ。ほどいてしまって、これからまたやりかえるということになるのです。こういうものについては、建設大臣もしくは都道府県知事が、これに対して何か指導監督あるいは内容等について発言される権限があるようになるのかならぬのか。抽象的になるのですが、ずばりと一つ答えて下さい。
#94
○政府委員(鬼丸勝之君) お尋ねの御趣旨はちょっと十分のみ込めないのでございますが、この前お尋ねの横浜市の文化体育館につきましては、先般申し上げました通り、現在市においても調査をいたしておりますので、なるべく早く調査結果が出るように督促をいたしまして、調査結果によりまして、現行建設業法あるいは建築士法による適正な厳正な処置を講じて参りたいと、こういうふうに考えているわけでございまして、今回の改正法によりまして直接この実際の処置には影響はないというふうに考えております。
#95
○田上松衞君 なかなか厄介な内容のことですが、基本的な考えとして聞いておきたいことは、これで見ますると、今後公共性のある施設あるいは工作物に関する建設工事の入札に参加しようとする建設業者についてこれこれができると、こうしてある。そこでお伺いしておきたいのは、大林組がやっているのだけれども、まあ初めからやりかえなければならぬと思う。もちろん事件自体はそれぞれの間においていろいろするでしょうけれども、もう一つ突っ込んでこれを作る、こういうふうに解釈して、それらの内容等について何か強い発言をされるようなことができぬのだろうか、こういうことなのですよ。
#96
○政府委員(鬼丸勝之君) 建設業法による処分といたしましては、先生も御案内のように、建設業者が故意または過失によって施工を粗雑にしたと、そのために公衆に危害を及ぼすおそれが大であるというようなことが判明いたしますると、必要な指示をその当該業者にする、あるいはこういう措置を講じなさいということを勧告するということが一つ。それから情状によりまして営業の停止、取り消しという処分を行なうわけでございますが、そこで、ただいまお尋ねの、そういう処分を、今回の改正によりまする経営に関する事項の審査の制度との関係でございまするが、この経営に関する事項の審査につきましては、さきの委員会でも申し上げましたように、客観的事項に関する審査でございますので、この審査結果に、たとえば某建設会社のそういう不始末と申しますか、工事粗漏による事故というようなことをうたうというわけには参らないと考えております。そこで、これは発注者におきまして、主観的要素の審査の内容として、発注者側、注文者側でそれを取り上げていく、発注者側におきましては、この経営事項に関する客観的要素の審査結果と自分で判断する主観的要素、つまり、これは工事のできばえ、でき、ふできは当然入りますから、そういうものを審査検討した結果をあわせまして、いわゆる格づけを行なうわけでございます。こういう建前になりまするが、御懸念の点で、私どもといたしましては、法律上はそういう建前になっておりますけれども、業者のそういう重大な、あるいは珍しいと申しますか、珍しい重大な事故等につきましては、一般的に行政指導といたしまして、当該業者に対しましても十分注意し、今回の改正規定によりまして、勧告も積極的にできますから勧告もいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#97
○田上松衞君 せんだってのお言葉を繰り返すようなことになってしまうわけなのですけれども、私は少なくとも需要者側、いわゆる大部分の国民の立場に立って考えるときに、法律が文章の上でどう書かれようとも、そのことが直接需要者の希望、要求、的確に言うならば、安心してやる事業の行き方に持っていかない限りは何にもならないと思うのですよ。法律学者が解釈をどうするかなんというようなことを研究することとは違いまして、国民は、多少場合によっては個人の権利が侵されるような場合があるといたしましても、しかしそれがほんとうに安心させてやるのだというようなことに適用されるならば、そういうものをこいねがうわけなんですね。一部改正して、ある一部でこういじくりして、これはこの意味だ、あの意味だなんと言うたところで、国民はそんなことはどちらだっても聞きたくもないということなんですよ。一つのものであっても、魂の入っておるものであるならば、それを歓迎するだろう。それで今のようなこの改正案というものは適切じゃないと、この条項はそういう意味ではないとかというようなことをもてあそんでいるようなことではいけないと思うのです。横浜市民の立場になって考えてみると、今でも建設業法の一部を改正するというようなことがいろいろ出ておるらしいのだが、何とかみんなが、三千万や五千万の仕事ならどうでもいいんですが、幾億かという大きな利害に関するような問題が、せっかく、たまたまこういう論議をやる中でも何にも出てこないような結果に陥るようであれば、がっかりしてしまうわけなんですよ。私は、だから、まあしかし、これをそれのためにどうこうするということは無理ですけれども、広義に解釈して、できるだけのこの活用をですね、若干の無理があってもそうしていただきたい。結局それは、この前も申し上げましたように、業者のためにやるのではなくして、国民のためにやるのだ、需要者のためにやるのだということを、こういう問題を通して知らせ、もろもろの事実関係というものが国民に、さすがに日本の国家はありがたいという観念を植えつけさすように一つ努力していただきたい。答弁を求めることは無理だと思いますから、重ねてこのことを大臣に対してお願いをしておきたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#98
○田中一君 できるだけ早くやってくれという要求があるので、最後に念を押しておきますがね。軽微な工事というものは五十万円だ、これをもっと引き上げなさいという要求を先ほどから申し上げておる。そこで軽微な含みとして、町場の職人です。これを業者とみなすということは間違いなんですよ。この工事の完成契約というものは、大体請負形態をとっておるのが慣習なわけですよ、御承知のようにですね。しかしほんとうの仕事というものは、百万でも二百万の仕事をやっても、これらのものは請負という形ではないのです。手間です。材料はめんどくさいから大工さんが持ってきて下さいよというようなことで、大工さんが持ってくるわけですよ。町場の大工は手間請負なんですよね、一種の。そいつを事業と認めようとするところに無理があるのです。これは私の場合ではございません。ここにほかの各地方から来ておる地方選出の議員もたくさんいますから、おのずから自分のところの職人、大工が何をしておるかということはわかっておる。材料持ちになる、どうしても。ブリキ屋だってブリキの仕事の手間なんですよ。ブリキ屋に、自分が買いに行くのがめんどうだから、ブリキ屋さん頼みますよと言われて持ってくる。だから請負だ。材料持ってくるということになる。それと今ここで考えられておる請負業というものは絶対に違うのです。建設業というものは違うんです。それを一つでもって処理しようというところに無理があるのです。法文からいけば、五十万円以上の請負工事をしたものは全部これに登録しなければならぬということになる、そこに無理がある。といってその場合にはこうせい、ああせいというような、これを緩和するような扱い方をあなた方がとるというならこれは別問題である。百万、二百万の工事をやっても、これは実際の形式は請負工事をしたけれども、それじゃ困るのです。たとえばこういう例があるのです。四日市で災害でもって石原産業の住宅が全部つぶれた。そこは財団法人日本労働者住宅協会というものができておりまして、そうしてこれに住宅金融公庫が融資をして、それで建売住宅というものを供給しておるのです。これは労働組合にまかしたのです。仕事は全部労働組合がやっておるのであります。ところが、どうしても請負じゃなければ困りますという、国の資金が出ませんから請負にして下さいと言う。この労働組合は各職場が集まっておりますから約一億円くらいになっておりますよ、ずっと継続してやっておりますから。一億円といってびっくりしてしまう、税務署でも何でも。そうでない、十三坪から十五坪程度の住宅をこつこつと作っておるわけなんですよ。請負でも何でもない、こいつは大工さんが行ってやっておるのですから。そうすると業者じゃなくちゃだめだと。労働金庫は、これは契約のみの担当者、契約事務を扱っておりますから、日本労働者住宅協会が契約者なんです、請負の。どこでも請負契約なんです。手間と材料が上がったものなんですよ。しかし、どうしても請負じゃなければ困りますと、こういうわけなんだ。国の場合には請負契約となっておりますからね。制度が悪い。五百万、千万のものでも、現在あるところのいわゆる建設業に登録される業者というものは、やっぱり請負契約そのまました方がいいからしておりますが、町場の職人はそうじゃないのです。これ一体どういう工合にそれを規制しようとするのか、これをはっきり聞いておきたいのです。
 そうして最近の例としては、そんなちっぽけなものは請負にしないのです。今まで支店、出張所みたいなところがやったものです。今はしないのです。しないから、どうしても町場の職人のところに来るのです。やってやると、請負だ、登録しろ、業者の登録をしなければいかぬぞと、こう強要されるわけなんです。手間請負でありながら額が大きいから、一千万でも二千万でも手間請負でできるのです。手間をもらう切りです。それでも契約請負だ、契約しなければならぬと、こうくる。制度が悪いのです。実態を知らない制度が悪いのです。これをどうするかというのです。登録するためには五千円の金が要るのです。二年か三年で更改登録をしなければならないのです。そんな負担にたえられる職人じゃないのです。このままでいけばそれらも全部この範疇に入るのです。二級建築士の資格をやりました。その二級建築が大工さんですよ。自分で仕事を頼まれるから自分で設計する。お前は人の委託を受けて仕事をしておるのじゃないか、建築士の登録をしろ、自分の仕事、自分の好きでやる仕事なんか登録することも何もないですよ。それが町場の各町内なら町内、自分の区域の木造住宅の維持、補修をする人たちの実態でなくちゃならないのです、こいつは。これらのものまでがそれに入った場合には、これは大へんなことになりますよ。どういう行政指導をしようとするのか、そういう層の人たちを指導しようとするのか。材料持ち込みだから請負というのではないのですよ。いやおうなしに材料を買わされるのですよ、慣習として。われわれがものを頼んでも手間八百円、手間千円ですと言って頼むのです。契約は請負でしょう。契約の形はどうします、そういう人たちの層を。それも今度業種としての立場で、それだけの大工組合を作らせて、それは団体だという形でもって持ってこようとするのかですね。その点は非常にあいまいなんですよ。
#99
○政府委員(高田賢造君) ただいま田中先生から町場職人の建設業法を適用する場合の条件についていろいろ御質問がございました。現状について申し上げますと、町場職人の中にはお話の大工等もございますが、そのほかに相当、塗装であるとか、あるいは各種の職別業者というものがあるわけです。現行の登録制度の実際の適用について御参考までに申し上げますと、いわゆる町場職人に当たりますものは、建設業法上、従来の現行法でいう職別業者に当たっております。これが今度は専門というような名前に変わりまして、実態は従前の職別業者であります。職別業者の登録状況を念のため御参考までに申し上げますと、ある程度業種の実態がおわかりいただけるかと思いますが、関東近辺で多少一、二の例を申し上げますと、山梨県の場合を一番近うございますから申し上げますと、おおむねこれは知事登録について申し上げた方がよかろうと思います。知事登録でございますと、職別の業者は四十八名でございます。そのほか広い東京を例にとりましても二千八百十一名しか登録しておりません。大部分はいわゆる建設業法上いう職別業者ではなくて、そして登録しているわけです。いわゆる請負でなく仕事を手間としてやっておるというのが実態じゃなかろうかと思います。現状は、現在の登録の数等から実際について申し上げたことになっております。
#100
○田中一君 今のそれは、現在まであなた方調べた範囲ならそうなっているという報告にすぎませんが、事実において一割七分なり一割九分というものが上がっているわけですよ。今まで五十万円未満の軽微な工事として、業者の扱いを受けていなかったという場合ですよ。それが一割九分なら一割九分ふえれば四十八万円のものが五十万円こえるのですよ。その場合どうするのですか、そういうものを地方自治体は登録せよと強要するのです。
#101
○政府委員(高田賢造君) なお追加して御説明申し上げたいと思いますが、五十万円工事とございますが、これも田中先生御承知の通り、職別業者の大体の実態は、ある建設工事におきまして、一件において受けます工事というものは、これは大体わかり切ったことを申し上げて恐縮でございますけれども、おおむね非常に金額が少なうございます。従いまして、識別業者でそういうごく部分的な仕事を下請でやっておるという場合はいわゆる手間、あるいはかりに手間ならもちろん五十万円こえてもよろしいわけでございますし、かりに請負といたしましてもおおむね五十万円以下であるということの結果、現在の知事登録の実態、先ほど申し上げましたような状況で、いわゆる町場職人が建設業法の適用を受けているということはごくむしろ例外的であるというふうに、私ども数字の上で申し上げておきます。
#102
○田中一君 御承知のように、十五坪のうちを作るにも棟梁なりトビなりが形式的には請け負ってやるのです。そんなブリキ屋なんか云々しているのではないのです。棟梁と称している連中、親方という連中が請け負ってやっているのです。今まで四十八万円でやった、総合請負なんです。決して部分じゃないのです。大工さんがやっている。総合なんです。土方も使えば配管工も使えばするのですよ。棟梁という者がいるのですよ。これはトビもやっていますし、ブロック業者なんかもやっています。むろん大工はやっております。ある場合にはブリキ屋も請ける場合もある、総合的なものを。これは何でもない。ブリキ屋だって大工呼んでやればいいのです。そういう場合に、今言う通り、法律並びに、政令、規則等で、この法律を通して見た場合には、現実に昨年の場合でも一割九分なり一割七分なり上がっているのですよ。ことしはおそらく二割五分から三割くらい上がっているでしょう。その場合に、今まで四十万円で、これはなんでしょう、さっき大臣は税金に関係ないと――事業税に関係があるのです。五十万円以下の毛のは免税措置をとっている。所得税はとられますよ。事業税は対象になっておらないわけですよ。軽微な工事として、請負工事としてはなっていないのです。これは官房長が耳打ちしたので、官房長がそれを知らぬなんてとんでもない。官房長ですよ。そのくらい調べなさい。免税点になっているのですよ、五十万円はね。軽微なものとして請負と認めない。請負なら事業税の対象になるのですよ。それがなっていないのですよ。今度物価が上がったのですよ。今まで四十五万円のものが五十万円をこえた場合には、税務署は得たり賢しと来ますよ。だから軽微な工事の額を上げなさいと言っているのですよ。もしもそうじゃないとするならば、私、今国税庁からだれか呼びます。私の言葉うそなら呼びます。呼んではっきりしましょう、大臣がそういう間違いをしておるなら。私はそういう工合に承知しておるのです。事業税の対象にしていないのです、五十万円以下の工事というものは。むろん所得税は当然かかってくる。だからこの額は、こうして団体等でもって相当な指導、助言、勧告等が行なわれる場合には、それらを含めるということに地方の自治体はならざるを得ないのですよ。この際に、今まで何でもないものが今度は登録をしなければならぬじゃないかといって、強要されるのですよ。それはどうするかと言うのです。それじゃ当然軽微な工事というものを、額を上げる以外にないのですよ。中央建設業審議会だって、何もこんな結論が出ないといって、反対だといっていやしませんよ。どういう答申を求めたか、原案を一つ知らして下さい、官房長。中央建設業審議会に提案した原案はどういうことになっておりますか。庶民住宅を促進してたくさんふやそうという建設大臣が、いいですか、それらを作るところの職人に余分な負担をかけるということは、いい政治じゃございません。
#103
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいまお尋ねの、建設業法の適用除外の工事規模の限度額の改正につきまして、中央建設業審議会に大臣から諮問をしていただいたのが昨年の十二月でございました。そこで一応審議会の総会におきまして、これを部会の方におろすということになりまして、ただ、部会でいきなりこれを審議いたしまして、小委員の間だけで結論を出すのは穏当を欠くおそれがありますので、部会を開きます前に、関係団体からそれぞれ代表の方に参考人として来ていただきまして、懇談会の形式で審議をいたしました。そのときに実質的な意見がいろいろ出てきましたが、その当時参加いたしました団体といたしましては、全国建設業協会、日本塗装工業会、日本電設工業会、日本左官業組合連合会、日本管工事工業協会、東京都建築業組合連合会、それから全国建設労働組合総連合、こういう団体の代表者の方に特においでをいただいて、忌憚のない懇談、御意見の開陳を願ったわけでございますが、その結果は、大体大勢としまして二通りの意見に分かれまして、現行の五十万円の基準をむしろ撤廃するか、あるいは引き下げるべきであると、こういう意見が一つと、それからもう一つは、現行の基準を百万円ないしは百五十万円に引き上げるべきであると、二通りの意見に分かれたわけでございます。私どもといたしましては、むしろ事務局の立場で、これはもう虚心たんかいに参考人の方の意見も伺い、各委員のざっくばらんな御発言も願ったわけでございます。その結果こういう二通りの意見に分かれまして、その引き上げるべきであるという意見は全建総連の方でございます。それから撤廃するか引き下げるべきであるという御意見には、管工事の協会とか、電設工業会、左官業組合連合会、東京都の建築業組合連合会、それから東大の川島教授という方々でありまして、そのほか検討の過程におきましては、全国建設業協会あたりが、今回の登録制度の整備に関連いたしまして、総合工事業の方の登録制度をとるというようなことと関連をして、いろいろ意見が審議の過程においては出ましたが、全国建設業協会も、結局現状据え置きが無難ではないかという意見が最終的には出ました。そこで大多数は、むしろ引き下げるというのもいかがなものであろうかと、結局現状据え置きと、ただ将来の問題として、物価趨勢等がよほど変わって、しかも建築費も上がってきたというような事態になれば、そのときにまたあらためて検討したらどうかという、まあ希望意見が出まして、答申は、現行の五十万円を据え貫くことが相当であるという内容の答申に相なった次第でございます。
#104
○田中一君 建設大臣、三十一年から今日まで、三十五年、昨年まで一割七分ないし一割九分上がっているでしょう。それどうしますか。これは軽微な値上がりだから、そんなものは事業税払ったっていいじゃないかというお考えですか。そういう昨年十二月の答申に基づいて考えた場合、おそらく一七ないし一九%というのは、昨年の、三十五年十二月の中央建設業審議会に付議された場合の指数だと思うのです。それが一九%ないし一七%上がっているにもかかわらず、そのまま据え置きが妥当だという論拠がわかりません、僕には。それはやはり五十万円という一つの線があるのです。これは当然四十八万円の場合をこえるわけですよ。その分だけ負担が余分にかかるわけです。公共工事の単価というものは上がっておらないのですよ、予算上の単価というものは。そんなものは大工さんでも棟梁でも税金払ったらいいじゃないかというお考えですか。
#105
○国務大臣(中村梅吉君) 建設業協会の、ただいま官房長から申し上げました建設業審議会の結論が出ましたころには、まだ物価指数等も、なるほど変動はいたしておりますが、この程度ならばこのまま据え置くのが妥当だろうという結論であったと私は思うのであります。そこで問題は、先ほど御指摘のありましたこの市町村工事等でありますと、公共団体でありますから、請負でなければ困るということになるかもしれませんが、大体個人の工事と――私ともも農村の出身で、農家の住宅を建てかえるとかいうような場合を見ておりますと、やはり大工さんは手間が幾ら、材料が幾らという大体の目標額を出しまして、そして材料を買ってきますと、材料の受取書を建主の方へ出してやっておるように私どもも見ておるのであります。従って、そういう場合には、純然たる大工さんのやりますることは、俗にいう棟梁のやりますることは手間工事でありまして、たとえ材料その他入れますと五十万円こえる場合でも、やはり五十万円以下の工事として扱われてしかるべきじゃないかと私も考えておるわけでございます。まあそういうような点につきましては、今後もいろいろ一つ検討しまして、できるだけ零細業者といいますか、俗に申します大工さんの人たちに迷惑のかからないように一つ配慮していきたいと思うんです。
 それから、先ほど実は私も十分に知識がありませんで、所得税については、所得があれば所得税は、たとえ五十万円以上であろうが以下であろうが、累算をして所得税をかけられるんだと思っておったのでありますが、そのほかに、なるほど御指摘のように、事業税という問題があります。これは確かに業者として業法による登録を受けていない者は事業税は賦課されないと思いますから、従ってその点の差異はもちろんあると思います。その点私の先ほどの言葉は、所得税を中心に考えておりましたものですから、訂正をさしていただきたいと思います。
#106
○田中一君 それじゃ、国税庁に対して、約二割値上がりになっているから、二割分だけのものは免税点にしてくれという大臣からの要望をいたしますか、具体的な施策というのはそういうことなんです。そんな川島武宜さんなんかは大工の実態なんかわかりゃしません。まして官房長やその他の人たちにはわかりません。大工さん呼んで下さい、どうなっていますか。税金は、査定には認定査定というのがあるのです。私ども常にそういう連中から陳情を受けているのです。税務署へ交渉に行っているんです。内容がほんとうに、大臣が言っているように手間請負でありながら、冗談言ってはいけません、これは二百万かかっているじゃありませんか、そんなばかなことありませんよと言って、認定して徴税しているのが実態なんです。知らな過ぎるのです、あまりに。そのためにもう三月末の申告の、これにはいろいろ相談にくるのです。事実そうなっておったって、それはそんなこと、形式を――これは二百万円の工事じゃないか、こうやられるわけです。認定されてくるのです。ずばっと税金かかってくるのです。事業税かかってくるのです。そうなると、建設業法を委任されている地方の係官は、これはもう早く登録せよ登録せよ、違反だ、こういって強制してくるのです。こういうことを官房長、知らないのじゃないかな。その二つの問題に対してどういう措置をとるか、それを伺っておきます。二割上がっているということと、これに対しては、事業税の決定については、大蔵大臣の方にどういう申し入れを建設省としてしようとするか。それから地方の県庁等で、都道府県で登録をせよ登録をせよということをやかましく言ってくるけれども、それに対してはどういう態度をとろうとするか。たかだか一万円か二万円、三万円、四万円の違いでもって、法律上登録しなければならなくなってくるのです。そういうことを登録せよといって要求するのは当然なんです。暫定的にどういう措置をとろうとするか。その二つの問題で納得できればけっこうです。その点を明らかにして下さい。
#107
○政府委員(鬼丸勝之君) お尋ねのうち、最初の建築費が二割近く上がったことから、一件当たりの工事金額を二割増しにして、それを事業税の対象からはずすように申し入れをせよという御意向のようですが、この問題は、ただ建築費と工事費にスライドして、事業税の査定といいますか、賦課するかどうかということをきめるということは、今の税法上の建前から申しまして、ちょっと、申し入れましても効果がないんじゃないか。私どもとしましては、審議会でもなお検討する事項になっておりますのは、零細業者について不当課税が行なわれてはいないかということが一つと、それから一面零細業者の方がきちっと、もっと合理的な経理をやりまして、資料もちゃんとするということによって、税金が適正に課せられる、あるいは課税をされる必要がなくなる、そういう両面の措置を考えていかなければいかぬ。そこで審議会におきましても、そういう零細業者の実際の経理状態などを、実際をもっと検討いたしまして、そういう実情に即して、その結果国税庁側でも考え直してもらいたいという意見を、具体的な意見を出しまして申し入れるという、一応そういうふうに考えております。
 それから、次の一件当たり五十万円が、二万、三万はみ出したというために、未登録の烙印を押されまして、登録をやかましくいわれるという事例を私どももまま聞いております。私どもといたしましては、そう厳密に、しゃくし定木に、大体一件当たりの工事の評価自体もこれは問題ですから、五十万円が五十一万円になったのが、ほんとうに客観的に妥当なものであるかどうかという問題もあります。そういう一、二万円のふえたということで役所側がいきなりやかましく登録をいうという、まあ、しゃくし定木な監督といいますか、指導をしないようにむしろ注意してもらいたい。もう一つは、いわゆる下町職人の手間仕事につきましては、一体現行法の建設工事の完成を請け負う営業であるかどうか、この実態の認定の問題が出てくると思うのです。まあ私どもとしましては、そういう町場職人のいわゆる手間仕事につきましては、ほんとうは建設工事の完成を請け負う建設業というものとは本質が違うのじゃないかというふうに考えておりますから、その実態が建設工事の完成を請け負う営業でない限りにおきましては、これは五十万円の制限の問題にもならないわけでございまして、いわゆる職人の手間仕事ということで、業法とは関係がない、そういうことをもう少し府県の担当の部課に趣旨を徹底いたして参りたいというふうに考えております。
#108
○田中一君 その答弁のうち、たとえば畳屋は製造業になっちゃうのですよ。加工業になっちゃうのですよ。畳の張りかえとか、裏返しとか何とか、これは手間でいい。そういうものがたくさんあるのですよ、微妙なものがある。建設業というのは、総合組み立て業ですから、建設業というのは製造業とも見られる。畳の場合は、畳という一つの商品を作っているものと見られる。ましてや、自分のところに上聞二坪か三坪あれば製造できるから、畳というものはそうでしょう。これも一時はえらい問題になったことがある、名古屋方面で。そうすると事業者の立場、そうならざるを得ないのです。そういう点で非常にあいまいなものがあるのです、実際に。建設業の各省の部門にも、ただ単に手間々々といって、五十万円未満だからいいじゃないかというものじゃない。
 そこで僕は言うのですがね、そういうものをもっとはっきりしなければいかぬと言うのです。特に請負工事というものは内容は問題ない。内容は何をやってもかまわない。金額で押えているのがこの施行令です。金額は、施行令で内容は押えている。そういう多種多様なものです。製造業も入っていれば、いろいろなものが入っています。だから請負業として金額で押えようという考え方なんです。五十万円で押えられておる。一万円のもの、二万円のものというのじゃなくて、現在のありのままのことをどうするかということを言っている。だから税金の問題、できなかったら、これを待ちなさい、六十万円でも、七十万円でもふやすべきです。物価が上がっている以上、免税点を上げてくれという要求ができないとするならば、これをやるわけです。こう上がりました、こういう工合になりましたから、当然免税になりますということを意思表示すればいいのです。
 もう一つの、地方に対する指導はあたりまえのことなんです。それは通牒を出しますか。一万円とか、五万円とかという金額を入れずに、物価も上がっているから、そのような指導をせよ、そのようにせよという指導をしますか、行政指導……、それは議事録に残して下さい。
#109
○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほどお答え申し上げましたような趣旨で地方に対して通達を出しまして、行政指導に遺憾なきを期したいと思っております。
#110
○田中一君 もう一つの軽微な工事というものは、中央建設業審議会で、そういう結論が出ない。現状のままだという結論は出ているけれども、事実において政府の答弁の資料の中にある通り、二割程度も上がっている。二割程度、直ちに大臣の権限で上げて下さい、ちょうど六十万円ですから、とりあえず六十万円をそうせぬと、税がかかるわけです。これはほんとうに、もうそれこそそんなことは建設業審議会に審議する必要は何もない。物価にスライドすればいいのです、余分に負担させるのじゃないですか、それは五十万円程度のものは、庶民住民ですよ。小規模の店舗ですよ。そういうものを促進する建設大臣が、それを一つ答弁して下さい。それが今言う通り、私が申し上げている通り、それが筋の通った答弁じゃないと、どうもきょう、だいぶ皆さんおなかがすいたらしいけれども、まだ質問を保留しなければならぬ。
#111
○国務大臣(中村梅吉君) 私も、先ほど来考えておったんですが、施行令で五十万円に満たないということを書いてあるのですが、金額を田中さんの御指摘のように上げるのがいいのか、あるいは金額の問題でなしに、金額は五十万円にしておいても、内容において、たとえばもっぱら手間で、賃金で働く場合にはどうとかという、内容の説明をさらに施行令に付加するのがいいのか、これらの点につきましては、もう一度、一つ建設業審議会に私ども諮りまして、専門の人たちの意見も十分聞いて、結果的には一つ田中さんの御趣意に沿うような方向に進めたいとも思いますが、とにかく建設業審議会にお諮りをして、そうして十分検討をした上の一つ結論にいたしたいと思っております。
#112
○田中一君 請負工事というものは、政府が行なっているものも一枚の紙なんです。内容は何もないのです。何にもない、内容が……。この家はかくかくの材料を使って、こうなってこうできるのだという内容は何もないのです。紙一枚でできるのです。これが八十六万なら八十六万の契約なんです。これが慣行なんです。帳面があろうがなかろうが、そんなことは、契約には何も相手方が文句を言うべきものじゃないのです。もしもほんとうに内容が、手間が幾ら、材料が幾らというならば、契約の最初からそういうものを求めなさい。経験でものを言っているのです、小さい場合……。一坪六万円でできている公団住宅もある。隣にできている六万円なら六万円で妥当なものだというなら、この六万円の紙一枚、金額を書いて出せばいいのです。これによって契約するのです。だから、そんな官房長が言っているように、内容がどれか手間がどれか、材料が云々ということを調べることは請負工事にならないのです。実費精算の工事なんですよ。かかったもの次第なんですね、一割の利益を上げます、手間を上げますというような、そんなものじゃないのです、今の契約方式というものは、内容は何であってもいいのです。鉄材が予定よりも二割高くてもいいのです。そのかわりセメントが三割安ければいい。請負工事の契約になるのですよ。内容の問題じゃないのです。安い材料を買うときもあれば、高い材料を買うときもあるのです。手間云々の問題ではなくて、請負工事というものは、そういうものなんです。それを帳面とか何とかでもって、内容でもって規制しようということを大臣はおっしゃっておるけれども、そんなものは何にもならない。そういうものは義務づけられないのです。
 そこで今建設大臣、いつまでに、そういう内容をよく調べて、いつまでにそういう審議会で、そういう結論を出そうとするのか、それを伺っておきます。今ここでもって、大臣にすぐこうせいと言っても無理だろうと思うから、早い機会というのは、今度いつ中央建設業審議会があって、それに対して具体的に、ただ単に、そういうものじゃなくて、軽微な請負工事というものがあるのですから、それによって、いつごろまでに結論を出すという一つ言明をして下さい。それでやめます。それでいいです、言明をしてもらえれば。
#113
○国務大臣(中村梅吉君) 努めて最近のうちに諮問をいたしたいと思います。ただ、これだけを諮問するのもどうかとも思いますから、いずれ他の事項についても、建設業審議会の御審議をいただかなければならない事項が現に出ておりますから、これらと一緒にいたしまして、できるだけ近い機会に諮問の手続をとりたいと思っております。
#114
○田中一君 念を押しておきますが、あなたはやめちゃ困りますよ。七月に改造があるなんて言っております。そうしたら私は知りませんでは困りますよ。少なくとも、あなたの任期中に結論を出して下さい。
#115
○米田正文君 時間がないので、私はたった一点だけお伺いしますが、もう私から申し上げるまでもなく、池田内閣の所得倍増計画では、この十年間で公共事業だけで十六兆一千万と言っているのですが、民間事業を含めたら大へんな事業量になるのですが、それを今の七万五千の建設業者で、ほとんど施工していかなければならぬというので、私どもも、はたしてこれからの、こういう土木建築事業をこなしていく、この十年間を見通してこなしていく能力がありやいなやという点についても、だいぶ心配をしたものの一人ですが、この点について、大臣としては今の建設業者の能力として十分なりという御判断でしょうか、あるいは十分でないという御判断でしょうか、その点を一点お伺いいたします。
#116
○国務大臣(中村梅吉君) ただいまの御指摘の点は、私どもも同じような心配をいたしておるわけでございますが、まあさような観点から、今回の業法改正もお願いをいたしまして、努めて建設能力の増強に向かいまして、適当な行政指導を行ない、建設能力を強めていきたいと思っておりますようなわけでございます。この目標だけは、何としても達成しなければならないと思っておりますので、法律の運用を初め、その他あらゆる角度から、建設能力の増強に努めて、目的の達成を期したいと思います。
#117
○米田正文君 私は、そういう観点から見て、今の業者の建設力では十分でないという点については、もう大臣と同じ感じをいたしておるわけでございます。
 そこで、これからの業者にこの大事業を消化していく能力を与えるために、いろいろな施策をしていかなければならぬ、そういう趣旨からいうと、今度のこの改正は、私は不十分だとこう思うのですが、不十分であり、早急に、ほんとうにこの所得倍増計画に対処する根本的な改正をする必要があると思うのですが、大臣、どういうお考えでございますか。
#118
○国務大臣(中村梅吉君) まあいろいろ考える余地はございますが、実は、この建設業法の改正に際しまして、中央建設業審議会の方々にも十分論議をしていただきまして、今回は、とにかくこの程度が妥当であろうという結論をしぼれて、提案の運びにいたしたような次第でございます。
 なお、御指摘のように建設能力を強めて参りますのには、技能者の養成ということも非常に大事でありますので、労働省と連携をいたしまして、技能者の職業訓練を大いにやっていただく、できるだけ力を注いでやっていただく。なお、できますことならば、この建設業団体の登録等の手続を終え、この改正案による組織化をはかりまして、団体の方でも、これはなかなかむずかしい問題と思うのですが、一つ知恵を動員して技能者の養成をやってもらいたい。また団体を通して、適当な行政指導を行ない、あるいは金融措置等につきましても、政府として努力をしまして、建設の機械化を大いに促進をいたしまして、これでも、できるだけ一つの能力の増強をはかっていきたいというように考えておりまする次第であります。
 なお、そのほかにも、今後一つあらゆる角度から建設業審議会等の方々の御審議もいただき、知恵も拝借いたしまして、建設省といたしましては、極力建設能力の増強に努めていきたいと考えております。
#119
○米田正文君 今お話のような点で、業者の向上をはかっていかれること、これは、もう絶対に私も必要だと思います。そのほかに、やはり何といっても発注者が安心して仕事をしてもらえるということが根本ですから、先ほどもちょっと、そういうお話がありましたが、何といっても注文をする人の立場が、これはもう根本ですから、その人が安心してまかせられる、安心して仕事をしてもらえるという態勢を作ることが根本だと思う。
 で、そういうためには、やはりまあいろいろな問題がありますが、許可制、登録制の根本問題もあり、それから能力判定、能力の講評というような問題もあり、それから今度は業界内部については、大業者と中小業者との間の工事の適正配分の問題があり、まあいろいろ私は重大問題があると思う。それからやはりこの資金的な助成をしてやらないと、かけ声ばかりでも、なかなかうまくいかぬと思うのですね。
 だから、資金の足らないところは、資金のめんどうを見てやるような方策を、もう少し強力にやらないといかぬのじゃないかというような、いろいろな問題があるのですが、きょうはもう言いませんが、まあ結局私は、そういうものをやっていくのに、この建設業法の改正だけでもいかぬと、やはり公共事業施行法というようなものを一つやったらどうか、これが今、入札制度等についても、会計法の改正等も行なわれんとしておりますけれども、まあああいう会計法というものは、一般の会計の規制をやるのが目的であって、そういう膨大な事業量が行なわれんとするこの時期において、公共事業に関して施行する法律というものが要るのじゃないかと、内容的には、いろいろ問題ございましょう。が、そういう公共事業施行法というようなものの御検討を早急にお願いをいたしたいと思うのですが、それについてのお答えをいただきたいと思う。
#120
○国務大臣(中村梅吉君) 大へん重要な示唆をいただきまして感謝いたしますが、ただいまのお話の点につきましては、十分研究をいたしたいと思います。
#121
○田中一君 そういう調査案件の質問を続けるなら、もう少し続けます。
 問題は、単価を上げることなんです。正しい単価をお出しになることなんです。何も業者は悪い工事をしたくない、労働者を泣かしたくない、適正なる単価を予算化することなんです。これが足りないことは、建設大臣も先だっての予算委員会でも明らかに言っておりました。昨年度の単価でいいという考え方を……、あなたの要求は通らないで、昨年度と同じ単価になっておる、それじゃ、合理化しようが何しようが、だれかが出血するのです。業者は、なかなか出血しません、いろいろ経験を持っているし……。末端の労働者が結局低賃金になる。妥当なる単価をお出しになることなんです。これは不正工事というものをなくすることです。あらゆる面において適正なる単価をお出しにならなければ、いい仕事ができないのです。赤字の工事に対しては、銀行は金融いたしません。とんとんにいくという、損がないという工事ならば、今日の建設業に対しては、銀行その他の金融機関は融資をいたします。正しくない単価だから融資をしないのです。
 この点について建設大臣、そのいろんな方法があるだろうけれども、これはまあ私は予算委員会で、ずいぶんあなたをとっちめたのだから、これ以上聞きたくないけれども、調査案件とか、法律に関係ない問題ならば、まだまだたくさん問題がある。従って単価を、正しい単価をお出しにならないところに問題がある。現に昨年の場合でも、一九%上がっているのです。これ以上、もっと上がるのはあたりまえなんです。そういう単価をお出しにならないから、業者の方にも、いろいろな問題が起きてくるのです。金融措置なんというものは、もうかる仕事には喜んで銀行はひもつきで出します、金は余っているんですから。出血受注を余儀なくされるから、金融界からの融資もなくなってくる。これを一つ、単価を上げるということに対しては、弔うこの国会が終われば、直ちにあなたの方で、予算を、なるべくあなたの手でやって下さい。あなたの手でもって、三十七年度の予算の編成をしなければならないと思うのです。
 この場合には、一番問題は単価です。それが前年度、三十五年度と同じものであるところに問題があるのです。これは一つ建設大臣、そういう、この法律案に関係なしに、そういう調査案件に触れるなら、伺っておきます。どういう心がまえでやるか。
#122
○国務大臣(中村梅吉君) 確かに事業量を完遂いたしますのには、単価の問題、非常に重要な問題だと思います。
 そこで、三十六年度につきましても、御承知の通り、補助単価に関することは、どうしても大蔵省の了解が得られませんで、予算編成段階から努力をしたのでありますが、うまくいきませんでしたが、各事業の実施単価につきましては、若干の是正がみられましたが、しかしこれも、もちろん十分ではございません。従いまして、事業の実施上、今後いろいろ考慮して進めるべき問題もあると思います。
 なお、三十七年度の予算編成の問題につきましては、もう国会が終わりましたら、着々準備を進めなければならない時期でもありますから、三十七年度のこの単価の問題につきましては、私ども特段の力を注ぎたいと考えております。
#123
○田中一君 三十六年度の予算を、何か実施単価でもって是正しようという考え方がおありならば、これはこのままで参りますと、おそらく六月、七月になると、相当単価が上がると思うのです。公共料金もぼつぼつ上がってきますから、運賃等が上がって参りますから、当然そうなると思うのです。ガソリン税も上がっております。
 そこで、あなたに予算の補正をせよということを要求してもどうかと思うけれども、ほんとうに業者が受注をしないというのは、落札がだんだんみられなくなるという、減少になると思うのです。その際には、相当な決意がなくては、それこそできっこないのです。これはるるあなたに、予算委員会でも申し上げているから、何にも言いませんけれども、その場合には、予算の補正を要求しようというような、心がまえありますか。
#124
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#125
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記始めて。
#126
○国務大臣(中村梅吉君) 補助事業につきましては、実はこれは、実際どうしようもないものだと思うのですが、建設省で直轄で行ないます事業等につきましては、できるだけ事業の遂行をできるような具体的な配慮をいたしまして、検討して進めていきたいと思います。まだ実は――なるほど予算補正をして単価是正ができれば、非常にけっこうだと思いますけれども、これは三十六年度予算編成の際でさえ、最善の努力をいたしまして、この状態で、この結論を得たわけでございますから、予算補正ということは不可能だと思っております。ただ次年度からは一つ、もっと当初から改善のできますように、微力の限りを尽したいと思っております。
#127
○田中一君 あなた、要求大臣なんですよ。補正予算組んだりする権限は、あなたはないのです。あなたはとにかく、これでは仕事の請け手がないから、何とかして単価を上げるように、要求する大臣なんです。建設大臣から、補正する意思はございませんなんて言葉は、私は聞きたくない。あなたが要求するかどうかを伺っているのです。いよいよ受注者がなくなって、契約する者がなくなった場合には、この実態を調査して、要求するかどうかということを伺っているのです。そういうことに、また現実にぶつかった場合には、当然予算の補正を要求しなければなりませんという答弁ならばいいのです。
#128
○国務大臣(中村梅吉君) 今の段階としましては、極力適当な工夫をしまして、この予算の実行のできるように、努力して参りたいと思っております。
#129
○委員長(稲浦鹿藏君) 質疑は終了したものと認めて、これより本案の討論を行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明かにして、お述べを願います。
  〔「省略省略」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(稲浦鹿藏君) 討論を省略いたしまして、これより本案の採決をいたします。
 建設業法の一部を改正する法律案、全部を問題にいたします。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(稲浦鹿藏君) 全会一致であります。
 よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審議報告につきましては、委員長に御一任願います。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#132
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を始めて。
    ―――――――――――――
#133
○委員長(稲浦鹿藏君) 次に、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
 なお、出席者は瀬戸山提出者代理、衆議院建設委員会理事、曾田経済企画庁総合開発局長、小林農林省農地局建設部長、古西農林省振興課長、荒尾建設省砂防課長が出席しております。
#134
○田中一君 特殊土じょう対策促進協議会から報告されている現状と、それからこの概況等は、建設大臣並びに建設省並びに農林省等では、この通り間違いないというような見方をしているのですか。経済企画庁でも同じことです。もしもそういうことならば、これはもうむろん、われわれが超党派で提案し、かつ通った法律でありますから、この実情がそうであるならば、この今回の趣旨であるところの、五カ年間ですか、この法律を延ばすということについては、異議がないわけですけれども、それを各省から、一つ説明を願いたいと思います。
#135
○政府委員(曾田忠君) 特殊土じょう地帯対策事業の計画と、それから進捗状況でございますが、これは先般の審議会で、各省からのいろいろな資料をとりまとめまして、企画庁でまとめたものを審議会に報告しておるのでございますが、その内容は別に資料がございますが、大体の進捗状況を申し上げますと……。
#136
○田中一君 別の資料って何。別の資料なんてないよ。
#137
○委員長(稲浦鹿藏君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#138
○委員長(稲浦鹿藏君) 速記を始めて。
#139
○政府委員(曾田忠君) 今お尋ねのものは、お手元の資料の二十三ページの表かと思いますが。
#140
○田中一君 私は、特殊土じょう対策促進協議会から資料として出たものについての内容については、間違いはないかということを言っておる。
#141
○政府委員(曾田忠君) わかりました。ただいまの「特殊土じょう地帯の概要」というパンフレットがございますが、それの二十三ページの資料だと思いますが、ここに書いてありますように、全体計画といたしまして、三十二年度から三十六年度までが――一番下の合計欄にございますが、四百六億円何がし、実績といたしまして三十二年度から三十五年度まで二百三十億円何がし、端数はちょっとありますけれども、この資料は間違いございません。
#142
○米田正文君 今の二十三ページの表を見ますと、進捗率が五六%になっておりますね。これは三十五年度までですね。
 そこで、これだけのことで、今後五カ年これを伸ばして、五カ年間には、これは必らずやれる見込みがありますか、どうですか。
#143
○政府委員(曾田忠君) この資料は、三十二年度から三十五年度までと、あと三十六年度一カ年間の期間は残っておるわけでございまして、ここに書いてありますように、たとえば上から申し上げますと、治山、それから砂防、河川、道路防災といいますものは、これは三十六年度の事業を考えますと、ほとんど全体計画に近い数字のものが完了されるのじゃないかと考えております。残っております大きな問題は、農地保全あるいは農地改良関係の事業でございまして、これは農林省から、いろいろお話があるかと思いますが、相当進捗率はおくれておりますけれども、もちろん今後延期されます五カ年間におきましては、当然この事業、あるいはこれにプラスされました事業計画を作りまして進捗をはかるべきではないかと考えております。
#144
○米田正文君 もう五カ年計画を二度やって、十年やったわけですが、だから特殊土じょう地帯は、これは当初、こういう雨が降ればすぐ流れるような土質のところであって、防災上特に緊急な地域であるから、特別法を作って、早くこれらの地域の防災事業を完成したいというのが、これのもともとの趣旨なんですが、実績がここでみると、あまりよくないようにも思うのです。一つ、この次の五カ年計画には、政府全体で協力されて、これを五カ年で全部今度は完成するというような意気込みでやってもらいたいと思う。それで一つ、それの御決意を聞いて、私は質問を終わりたいと思います。
#145
○国務大臣(中村梅吉君) 今度の五カ年計画は、間違いなく完成するようにいたす考えでございます。
#146
○内村清次君 今の、間違いなく完成するとおっしゃるのですけれども、今の質問の要点は、四十一年度までにあとの残りは全部やってしまうかという質問です。だから、四十一年度までに間違いなくやるという御決意ですか。それといま一つ、大臣にちょっと代表しておられるから聞きますが、こういうことですよ――今日まで第一次五カ年計画が五百六十七億を計画されている。それに実績は二百十九億、それから第二次五カ年計画では四百六億を計画をされて、そして二百三十億の、これは三十五年までです。先ほど開発局長が言われたように、第二次の五カ年計画は、まだ三十六年度の末まであるわけです。それが、今二百三十億だけ使っている。ところが今度の第三次の、今回の延長のやつは六百九十六億を計画されたわけです。で、この比率からみましても、実績からみましても、非常に予算の額というものが少ないのですね。それに今、大臣はうかうかと答弁を、代表答弁をされましたけれども、六百九十六億という第三次計画の五カ年計画でも、はたしてこれだけの予算が出るかどうかというさえも、過去の二回にわたっても疑問なんです。だからほんとうの固い決意をおっしゃるなら、この予算額が今まで不足しておりまするからして、予算額を十分政府としてはお考えになって、そして第三次では、少なくともこの特殊土じょう地帯に災害がないような実施計画を、はっきりやっていきたい、完遂していくという御決意を言っていただかないと、ちょっと今の答弁では、私は物足らないと思うのです。
#147
○国務大臣(中村梅吉君) 実は私、今申し上げましたのは、今度の五カ年計画、二十九ページのところに表がございまして、今御指摘の金額でございますが、これは完遂をしていくようにという意味で申し上げたのでございます。ことに建設省所管関係といたしましては、治水五カ年計画もできまして、御承認をいただいて進めておりまするわけで、この治水五カ年計画と見合って、ここにあげてあります新しい五カ年計画は、計上いたしておりますので、必ず建設省関係に関する限りは完全に実行できると、こう思っておるわけでございます。
#148
○田上松衞君 建設大臣が、建設省に関する限りはと、こう言われたから、それだけ聞けばいいんですけれども、まあこれをやると、あなたの方で言われるのだが、農地保全の中の防災ため池――これは字が間違っているけれども――たった〇・四%しかやっていないのですね。これを、必ずこの間にはなしとげるなんということが、一体まともに聞ける話なんですか。それは、どうなんですか。これを含んで必ずやるということなんですか。二十三ページのところの今指摘をされた……。
#149
○説明員(小林国司君) ただいま、防災ため池が〇・四%しかできていないのでございますが、これはまだ始まったばかりでございまして、この事業、三十二年から五カ年計画が始まった当初には、これは入っておりませんでした。非常にこれはおくれて一おりますが、これからの事業でございます。
 それから農林省関係の事業のパーセンテージがかなりおくれておりますけれども、三十六年度でかなり事業を進める予定になっておりまして、これは三十五年度までの進捗率でございます。これに三十六年度を加えまして、さらに五カ年間延長していただきましたならば、残事業については、全部できると思っているわけでございます。
#150
○内村清次君 もう一点。これは大事なことですから、申し上げておきますが、この資料を見てみますると、先ほど言われたように、建設省関係、それから農林省関係、こういった関係官庁の事業の進捗率というものが非常にまちまちです。これを調整するのが、企画庁の方で調整しておるだろうと思いますけれども、企画庁の方では、進捗率の調整というものを、これはやはりしていかなくちゃ、ことしは調整費用といたしまして十億円くらい出しておりますけれども、もちろんこういった調整費用を十分生かして、事業の進捗をやらないと、先ほど代表で御答弁になりましたように、四十一年度までに、次の五カ年計画で、事業の完遂というものはとうてい――ある省は完遂した。今、建設大臣が言われたように、つまり建設省に限っては、必ずやります、農林省の方は、おくれておる、こういったこととでは、せっかくの災害防除ができないと思いますから、この調整を十分していくように、一つ政府の方では考えていただきたいと思うのですが、この点につきまして、総括的に一つ御答弁をお願いしておきたいと思います。
#151
○衆議院議員(瀬戸山三男君) その前に一つ。
 これの提案者側の代表として、一言今の問題に触れまして、この資料に詳細に申し上げておるわけでありますが、この特殊土じょう地帯のこういう特殊な土じょう、それからその他気象状況、こういうものを勘案いたしますと、この事業計画を進めるについては、ある程度やはり、まあ順序と申しますか、それを考えなければならない。この地方が、非常にこういう侵食性の強い土壌であり、それがもとになって、災害が非常に多い。反面においては生産力が非常に低い。これを何とか処置をしよう、これが法律の目的になっておるわけで、そこで今問題になりました第二次五カ年計画の、二十三ページの表をごらんになってもわかるわけでありますが、建設省関係が非常に進んでおって、農林省関係がおくれておる。全体的にいって、私どもこの法律の提案をいたしました者といたしましては、計画が、計画通りいっておらないということは不満であります。これは国家財政等の事情によるということで、一応はやむを得ないということも考えておりますが、全体的にここに、昭和三十五年まで約六〇%ということは、政府が計画をして、事業がおくれておるということは困るのでありますが、この細部にわたりましてごらんの通り、治山あるいは砂防、河川、道路、防災、こういういわゆる建設省関係の仕事が相当程度に進んでおる。これは、こういうところを早く処置をしなければ、その下流あるいは末端あるいはその近傍にある農地関係の仕事が、先にやっても、さらにまた災害を受ける、こういうふうな事情になっておりますので、仕事の順序といたしましては、やはりそういう面を先に処置をしなければ、他の、たんぼや畑というものが困るのだ、こういう状況になっておりますから、こういう跛行的な進み方になっておると思います。
 その中で、ごらんになってもわかりますけれども、農林省関係で農地保全事業のうちで、シラス対策というのが三十五年まで五〇%、やはりこれは、この地方の土壌の関係で、これを優先的と申しますか、先にやらないと、そのほかの事業は、せっかく金を注ぎ込んでも再び災害を受ける、こういう事情でありますから、おくれておる中でも、シラス対策というものが非常に進んでおるのは、この地方の土壌の特性に基づく、こういう事情であります。
 でありますから、先ほど農林省からお話もありましたが、今後は、今までおくれておりましたものも進めますという話は、大体その地方の重要なる部面を建設省関係でやって、それに応じて、あとをやるという仕事の段取りと申しますか、こういう事情になっておることを、どうか一つ御了解を願いたいと思います。
#152
○委員長(稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はございませんか。――ほかに御質疑もないようでございますから質疑は終了したものと認め、討論を省略して、直ちに採決を行ないたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(稲浦鹿藏君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案、全部を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(稲浦鹿藏君) 全会一致であります。
 よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお審査報告書につきましては、委員長に御一任を願います。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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