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1960/02/13 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第4号
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1960/02/13 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第4号

#1
第038回国会 決算委員会 第4号
昭和三十六年二月十三日(月曜日)
   午前十時三十三分開会
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           北村  暢君
   委 員
           上原 正吉君
           田中 清一君
           仲原 善一君
           野上  進君
           増原 恵吉君
           林田 正治君
           阿部 竹松君
           大倉 精一君
           木下 友敬君
           武内 五郎君
           千葉千代世君
           常岡 一郎君
  政府委員
   大蔵政務次
   官       田中 茂穂君
   大蔵大臣官房会
   計課長     磯江 重泰君
   大蔵省主計局司
   計課長     末廣 義一君
   大蔵省管財局長 山下 武利君
   国税庁長官   原  純夫君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第一局長  秋山 昌平君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国有財産増減及び現
 在額総計算書(第三十四回国会内閣
 提出)
○昭和三十三年度国有財産無償貸付状
 況総計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度物品増減及び現在額
 総計算書(第三十四回国会内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 昭和三十三年度決算、並びに昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書を一括して議題といたします。
 本日は大蔵省の部の審査を進めます。念のために申し上げますが、大蔵省関係の批難事項は検査報告第十三号から第百七十五号まででございます。まず会計検査院から説明を求めます。
#3
○説明員(秋山昌平君) それでは昭和三十三年度の決算検査報告の大蔵省関係について御説明申し上げます。
 まず租税についてでありますが、租税の収納状況は、徴収決定済額に対しまして九七%に当たっております。この割合は前年度とほぼ同様でございます。租税につきまして不当事項としてこの報告に掲記いたしましたのは、四十二ページの職員の不正行為により国に損害を与えたもの二事項でございます。昭和二十四、五年度ごろの不正行為の数十件に上った事例がら見ますとわずかに二事項でございますが、現金を不正に領得するといったようなことは絶無であってほしいと思います。
 次に租税の徴収過不足を是正させたものといたしまして四十三ページに掲記してございます。徴収不足額が四億五千三百万円、徴収過が五百余万円、こうなっております。この原因は法令の適用を誤ったという担当者の過誤に基くもの、それから所得内容、所得計算における誤り、これは主として税務部内におきまして他係、あるいは他税務署等との連絡が不十分なためにこうした過誤が起こってきたと思います。
 次に国有財産関係について申し上げます。
 国有財産の収納未済の割合は三・九%でございまして、三十二年度の七%に比べますと低くなっております。なお普通財産の管理につきましては国有財産の台帳整理、こういったものがおくれております。それから、実態調査をやっておるのでありますが、その結果の事後処理がやはりおくれておりますので、敏速的確な処理が望ましいと思います。
 なお、国有財産につきまして、不当事項として一件四十一ページに掲記してございます。これは起重機をくず化する条件で売り払いました際、その予定価格を積算する場合にまず鋼くずなどの予定数量を算定しまして、その価格を千四百余万円と算定し、それからそれを解体運搬する経費として二百三十六万円、その他砕断費等の経費を控除して予定価格を作ったのでありますが、実際にはこの起重機は売り渡しの前に取り除く必要がございまして、あらかじめ他の会社に入札してすでに撤去させてございました。その解体運搬の経費は百四十六万七千円と、こうきまっておったのでございます。ところが予定価格を積算する際に二百三十六万三千円余りと計算をいたしまして、鋸くずの発生量から控除する際、自分で計算をした二百三十六万円余りというものを控除しましたが、実際にはもう百四十六万七千円を払えば足りるのでありますから、その金額を控除すべきであってこれは係の連格が悪かった、あるいはこの予定価格積算の時期が近かったというふうな点が原因じゃないかと思いますが、契約の担当者といたしましてはこういった点確実な数字がわかっておるのであればそれを採用すべきではないか、こういうのが批難の要点になっております。
 その他細目につきましては御質問に応じてお答えすることといたしまして説明を終わります。
#4
○委員長(佐藤芳男君) 次に大蔵省より説明を願います。
#5
○政府委員(田中茂穂君) 昭和三十三年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、一般会計の歳入決算額は一兆三千八百六十五億三千八百万円余でありまして、これを歳入予算額一兆二千六百五十七億七千三百万円余に比較いたしますと千二百七億六千五百万円余の増加となっております。
 以下各部について簡単に申し上げますと、第一に、租税及び印紙収入の決算額は一兆三億七千四百万円余でありまして、これを予算額に比較いたしますと、三千三百万円余の増加となっております。この増加の理由は、法人税において経済界の不況により所得が減少したこと、砂糖消費税において課税数量が予定より少なかったこと、印紙収入において現金納付による印紙収入が予定より少なかったこと等により二百四十一億四千二百万円余を減少したのでありますが、申告所得税において配当、不動産等の所得が予定より増加したこと、揮発油税及び物品税において課税数量及び価額が予定より増加したこと、関税において原糖等の有税品の輸入が予定より増加したこと等により二百四十一億七千六百万円余を増加したためであります。
 租税及び印紙収入のうち、主要税目の内訳について申し上げますと、所得税二千五百九十三億一千万円余、法人税三千八十三億一千九百万円余、酒税千九百五十五億八千百万円余となっております。
 第二に、専売納付金について申し上げますと、日本専売公社納付金の決算額は千二百五十九億八千二百万円余でありまして、これを予算額に比較いたしますと、六十二億三千二百万円余の増加となっております。この増加の理由は、たばこ販売促進のための諸施策の推進等により、販売数量の増加、上級品への消費移行があったため、たばこ事業の純利益が増加したためであります。
 第三に、官業益金及び官業収入について申し上げますと、印刷局特別会計受入金の決算額は、六億九千二百万円余でありまして、これを予算額に比較いたしますと二億二千八百万円余の増加となっております。この増加の理由は、前年度からの未納付益金を受け入れたことと、損益計算上の利益が予定より多かったためであります。
 第四に、政府資産整理収入の決算額は百億六千二百万円余でありまして、これを予算額に比較いたしますと千三百万円余の減少となっております。この理由は、国有財産の売払収入が予定より多かったこと等により八億四千三百万円余を増加いたしましたが、道路整備特別会計の新設に伴い、道路整備事業により納付された地方債証券を同会計に引き継いだこと等により八億五千六百万円余を減少したためであります。
 政府資産整理収入のおもなるものについて申し上げますと、国有財産売払収入六十億四千四百万円余、地方債証券償還収入三十七億九千五百万円余等となっております。
 第五に、雑収入の決算額は三百七十二億四千四百万円余でありまして、これを予算額に比較いたしますと二十二億七千九百万円余の増加となっております。この理由は、特別会計受入金において自作農創設特別措置特別会計よりの受入金が予定より少なかったこと等により四億三千六百万円余を減少いたしましたが、国有財産貸付収入、共有船舶利用収入、金融機関調整勘定利益返還金等の収入が予定より多かったことにより二十七億一千六百万円余を増加したためであります。
 雑収入のおもなるものについて申し上げますと、国有財産貸付収入十八億六千万円余、共有船舶利用収入十六億四千三百万円余、利子収入十一億九千七百万円余、日本銀行納付金百八十九億九千三百万円余、恩給法納金及文官恩給費特別会計等負担金六十六億六千九百万円余等となっております。
 第六に、前年度剰余金受入の決算額は二千百二十一億八千二百万円余でありまして、これは予算額に対して千百二十億五百万円余上回っております。この理由は、例年の方式により、昭和三十三年度予算に計上された額が、昭和三十一年度の決算によって生じた純剰余金のうち、財政法第六条の規定による公債償還の財源に充てる額及び一般財源に充てる額のみにとどめ、昭和三十二年度に生じた剰余金を全額計上していなかったためであり、決算上においてはこれが含まれるため増加したものであります。
 次に、一般会計歳出決算について御説明いたしますと、本年度大蔵省所管の歳出予算現額は、千九百四十四億六千七百万円余でありまして、これを歳出予算額二千六十一億七千八百万円余に比較いたしますと百十七億一千万円余歳出予算額が減少いたしております。
 この減少額の内訳は、昭和三十三年度一般会計予算総則第二十一条、第二十八条及び第二十九条により防衛支出金等を、他の各省各庁へ移しかえたもの七十一億八千八百万円余、予備費使用決定減少額八十九億九千七百万円余、計百六十一億八千五百万円余が減少し、予備費使用額六億七千二百万円余、前年度からの繰越額三十六億七千百万円余、昭和三十三年度一般会計予算総則第二十三条に基づく移用増加額一億三千万円余、計四十四億七千五百万円余が増加いたしましたので、差引百十七億一千万円余の減少となったものであります。
 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は千九百億一千万円余、翌年度繰越額は三十六億三百万円余でありまして、差引八億五千三百万円余が不用となったものであります。
 以下、この予算の執行につきましてその大要を申し述べます。
 まず、支出済み歳出額について御説明いたしますと、その内訳のおもなものは、国債費、政府出資金、経済基盤強化資金、防衛支出金、賠償等特殊債務処理費、旧令共済組合等の年金交付経費、国庫受入預託金利子、公務員宿舎施設費、租税還付加算金及び大蔵省所管の一般行政経費等でありまして、このおもな経費の支出概要は次の通りであります。
 国債費におきましては、一般会計負担に属する国債の償還及び利子の支払いに充てるための財源並びにそれらの事務取り扱い費を国債整理基金特別会計へ繰り入れるため、国債費の項から六百六十五億八千八百万円余を支出いたしましたが、国債償還財源につきましては、昭和二十八年度から昭和三十三年度まで各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律に基づき、財政法第六条の規定による昭和三十一年度決算剰余金の二分の一相当額を、また、国債利子及び国債事務取り扱い費につきましては、本年度の所要額を繰り入れしたものであります。
 政府出資金及び経済基盤強化資金におきましては、科学振興のため理化学研究所法に基づいて設立された同研究所に対して、国が出資するための経費として、政府出資金の項から三億三千万円、中小企業信用保険公庫法に基づいて、本年度新たに設置された同公庫が、信用保証協会へ貸し付けるため必要な資金を、同公庫に対して、国が出資するための経費として、政府出資金の項から二十億円、また、そのほかに、昭和三十三年法律第百六十九号による経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律に基づきまして、一般会計に経済基盤強化資金が設けられ、これに必要な資金の繰り入れ及び特別の五法人の基金に充てるための出資といたしまして、日本輸出入銀行へ東南アジア開発協力基金として五十億円、中小企業信用保険公庫へ同公庫の保険準備基金として六十五億円、日本貿易振興会へ同会の事業運営基金として二十億円、農林漁業金融公庫へ非補助小団地等土地改良助成基金として六十五億円日本労働協会へ同会の事業運営基金として十五億円、計二百十五億円を政府出資金の項から、また、二百二十一億三千万円を経済基盤強化資金へ繰入の項から支出いたしました。
 防衛支出金におきましては、日米安全保障条約に基づく行政協定第二十五条第二項(b)による合衆国軍交付金、及び日米相互防衛援助協定第七条に基づく合衆国軍事援助顧問団経費として防衛支出金の項から百九十億八千七百万円余。
 賠償等特殊債務処理費におきましては賠償等特殊債務処理特別会計法に基づいて、旧連合国に対する賠償の支払い、旧連合国もしくは旧連合国人の本邦内財産の戦争損害の補償、その他戦争の遂行もしくは連合国の軍隊による占領の結果または、これらに関連して負担する対外債務の処理に充てる経費として、同会計へ繰り入れるため、賠償等特殊債務処理特別会計へ繰入の項から二百六十一億九千三百万円。
 旧令共済組合等の年金交付経費におきましては「旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法」に基づく年金の支払いと、これに伴う事務費を、非現業共済組合連合会及び日本製鉄八幡共済組合に交付するため、非現業共済組合連合会等補助及交付金の項から十七億二千七百万円余。
 国庫受入預託金利子におきましては、日本国有鉄道、日本電信電話公社及び資金運用部特別会計へ、その国庫預託金に対する利子として、国庫受入預託金利子の項から六億一千四百万円余を支出し、公務員宿舎施設費におきましては、国家公務員のための国設宿舎を設置するための経費として、公務員宿舎施設費の項から十三億二千九百万円余を支出し、これによって三千二百十五戸を設置いたしました。
 また、租税還付加算金におきましては、内国税の過誤納金の払い戻し及び青色申告制度に基づく還付金に対する加算金として租税還付加算金の項から九億二千万円を支出いたしました。
 大蔵省所管の一般行政経費等におきましては、大蔵省設置法に定める本省内部部局及びその地方支分部局である財務局、税関の一般事務を処理する等のための経費並びに国税庁における徴税費として、大蔵本省の項から十二億七千四百万円余、財務局の項から二十六億四千万円余、税関の項から十七億六千三百万円余、税関派出諸費の項から三億九千四百万円余、徴税費として二百十億八千万円余。その内訳は、税務官署の項から二百三億五千二百万円余、税務職員養成訓練費の項から二億二千三百万円余、滞納整理費の項から五億四百万円余を支出いたしましたが、この経費のおもなものは人件費事務費等でありまして、このうち徴税費を本年度国税庁において取り扱った租税及び印紙収入九千六百三億二千百万円余と比較いたしますと、徴税費コストは二・一九%となっております。
 次に、翌年度繰越額について御説明いたしますと、公務員宿舎施設費において、宿舎の建設が、敷地の選定等に不測の日数を要したため年度内に支出を終わらなかったもの二億二千八百万円余、防衛支出金において、アメリカ合衆国軍との交渉に不測の日数を要したこと及び気象の関係、設計変更等により工事の施行に不測の日数を要したため年度内に支出が終わらなかったもの三十三億七千四百万円余、計三十六億三百万円余を翌年度に繰り越したものでありまして、この繰越額はいずれも財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ、国会の議決を経た明許繰り越しのものであります。
 次に不用額でありますが、その内訳のおもなものは、国債費において本年度大蔵省証券を発行するに至らなかったため割引料を要しなかったこと、及び国債利子の支払いが予定に達しなかったこと等により不用となったもの六億一千二百万円余、徴税費において、掛金率の改定等により国家公務員共済組合負担金を要することが少なかったこと等により不用となったもの一億五千五百万円余であります。
 次に各特別会計歳入歳出決算について御説明いたします。
 造幣局特別会計におきましては収納済歳入額は二十九億八千二百万円余、支出済歳出額は二十九億八千四百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し一億九千万円余を減少し、歳出予算現額に対し二億七百万円余の差額を生じましたが、この差額のうち千六百万円余を造幣局特別会計法第三十三条第一項の規定により翌年度へ繰り越しましたので、差引一億九千万円余が不用となったものであります。
 歳入において減少いたしましたおもな理由は、製造経費を予定まで要しなかったので貨幣回収準備資金からの受け入れが少なかったためであり、歳出において不用を生じたのは、原材料費等を要することが少なかったこと及び予備費を使用するに至らなかったためであります。
 なお、この会計の損益計算上における利益二百万円余は、造幣局特別会計法第二十七条の規定により翌年度へ繰り越すことといたしました。印刷局特別会計におきましては、収納済歳入額は五十七億四千五百万円余、支出済歳出額は五十一億一千五百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し九百万円余を増加し歳出予算現額に対し二億五千万円余の差額を生じましたが、この差額のうち九千九百万円余を印刷局特別会計法第十四条第一項及び財政法第四十二条ただし書の規定により翌年度へ繰り越しましたので、差引一億五千万円余が不用となったものであります。
 歳入において増加いたしましたおもな理由は雑収入が多かったためであり、歳出において不用を生じたのは、原材料費等を要することが少なかったこと及び予備費を使用するに至らなかったためであります。
 なお、この会計の損益計算上における利益は九億六千百万円余でありますが、このうち二億五千八百万円余は、印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律第一条の規定により固有資本の増加に充て、残額七億二百万円余は本年度の一般会計の歳入に納付することとなるのでありますが、歳入の収納済額から歳出の支出済額を控除した金額が納付すべき額に達しないので、六億三千万円余を同法第二条第一項の規定により本年度の一般会計の歳入に納付し、残額七千二百万円余は、同条第二項の規定により翌年度以降において一般会計の歳入に納付することといたしております。
 資金運用部特別会計においては、収納済歳入額は八百九十二億五千九百万円余、支出済歳出額は八百五十四億八千五百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し二十八億五千四百万円余を増加し、歳出予算現額に対し九億一千九百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 歳入において増加いたしましたおもな理由は、金融債政府関係機関貸付金の利子収入が多かったためであり、歳出において不用を生じたおもな理由は、預託金の増加が予定より少なかったことにより預託金利子の支払いを要することが少なかったためであります。
 なお、この会計における本年度の決算上の剰余金三十七億七千三百万円余は、資金運用部特別会計法第八条の規定により全額積立金として積み立てることといたしました。
 国債整理基金特別会計においては、収納済歳入額は四千二百五十二億九千二百万円余、支出済歳出額は三千八百七十五億一千八百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと歳入予算額に対し四十八億六千七百万円余を減少し、歳出予算現額に対し五百九十八億四千三百万円余の差額を生じましたが、この差額のうち三百六十四億一千七百万円余を国債整理基金特別会計法第八条第二項の規定により翌年度へ繰り越しましたので、差引二百三十四億二千五百万円余が不用となったものであります。
 歳入において減少いたしました内訳は、食糧管理特別会計において、前年度における食糧証券の発行が少なかったこと、厚生保険特別会計において借入金の返償が少なかったこと並びこ産業投資特別会計の借入金の借換返償がなかったこと等により、他会計からの受け入れ及び公債金の収入において、二百三十四億円余を減少いたしましたが、前年度剰余金受け入れ及び雑収入において百八十五億円余が増加いたしましたので、差引四十八億円余の減少となったものであります。
 また、歳出において二百三十四億円余の不用額を生じましたのは、さきに歳入の減少理由につきまして御説明いたしました理由と同様であります。
 貴金属特別会計におきましては、収納済歳入額は十六億八千万円余、支出済歳出額は十四億五千百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し二億二千七百万円余を増加し歳出予算現額に対し百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 歳入において増加いたしましたおもな理由は、銀の売り払いが予定より多かったためであります。
 なお、歳入歳出差引二億二千九百万円余の剰余金は、貴金属特別会計法第十二条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることにいたしました。
 外国為替資金特別会計におきましては、収納済歳入額は七十五億八千四百万円余、支出済歳出額は七十六億八千七百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し二億七千五百万円余を減少し、歳出予算現額に対し三億七千三百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 歳入において減少いたしましたおもな理由は、外国為替公認銀行のこの特別会計に対する外貨の売買が減少したこと等により外国為替売買差益が減少したたためであり、歳出において不用を生じましたおもな理由は、国際通貨基金から借り入れた外貨を、国際収支の好調により返済を繰り上げて実施したため利子の支払いを予定まで要しなかったためであります。
 なお歳入歳出差引一億二百万円余の不足金につきましては外国為替資金特別会計法第十四条の規定によりまして、積立金から補足することといたしました。
 産業投資特別会計におきましては、収納済歳入額は四百七十三億一千五百万円余、支出済歳出額は四百二十四億五千八百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し三十一億二千百万円余を増加し歳出予算現額に対し十七億三千五百万円余の差額を生じましたが、この差額のうち十億一千六百万円余を産業投資特別会計法第十五条第一項の規定により翌年度へ繰り越しましたので、差引七億一千八百万円余が不用となったものであります。
 歳入において増加いたしましたおもな理由は、日本開発銀行からの納付金が予定額を上回ったためであり、歳出において不用を生じたおもな理由は、一時借入金及び外貨借入金の借り入れを行なわなかったため、これに対する利子の支払いを要しなかったことによるものであります。
 なお、歳入歳出差引四十八億五千六百万円余の剰余金は産業投資特別会計法第九条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとし、またこの会話の損益計算上における利益百六十五億五千五百万円余は、同法第八条の規定により積立金に組み入れることといたしました。
 経済援助資金特別会計におきましては、収納済歳入額は十八億二千三百万円余、支出済歳出額は八億三千万円でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し十億三千九百万円余を増加し、歳出予算現額に対し八億八千三百万円余の差額を生じましたが、この差額のうち八億八千万円を経済援助資金特別会計法第十二条第一項の規定により翌年度へ繰り越しましたので、差引三百万円余が不用となったものであります。
 歳入において増加いたしましたおもな理由は、前年度剰余金の受け入れが予定より多かったためであり、歳出において不用を生じましたのは予備費を使用するに至らなかったためであります。
 なお、歳入歳出差引九億九千三百万円余の剰余金は、経済援助資金特別会計法第九条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。
 余剰農産物資金融通特別会計におきましては、収納済歳入額は三十六億六千三百万円余、支出済歳出額は十六億九千四百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し四億一千五百万円余を減少し、歳出予算現額に対し二十七億八千二百万円余の差額を生じましたが、この差額のうち九千九百万円を余剰農産物資金融通特別会計法第十五条第一項の規定により翌年度へ繰り越しましたので、差引二十六億八千二百万円余が不用となったものであります。
 歳入において減少いたしましたおもな理由は、アメリカ合衆国政府からの余剰農産物の買付がおくれていることにより資金の借り入れが予定より少なかったためであり、歳出において不用を生じましたおもな理由は、借入資金の減少により貸付が行なわれなかったこと及び予備費を使用するに至らなかったためであります。
 なお、歳入歳出差引十九億六千八百万円余の剰余金は、余剰農産物資金融通特別会計法第八条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。
 賠償等特殊債務処理特別会計におきましては、収納済歳入額は三百七億四千六百万円余、支出済歳出額は二百五十億八千九百万円余でありまして、これを歳入予算額及び歳出予算現額に比較いたしますと、歳入予算額に対し十二億九千四百万円余を増加し歳出予算現額に対し五十五億円余の差額を生じましたが、この差額のうち二十八億円余を賠償等特殊債務処理特別会計法第十一条第一項の規定により翌年度へ繰り越しましたので差引二十七億円余が不用となったものであります。
 歳入において増加いたしましたおもな理由は、前年度剰余金の受け入れが予定より増加したためであり、歳出において不用を生じましたおもな理由は、予備費を使用するに至らなかったためであります。
 なお、歳入歳出差引五十六億六千七百万円余の剰余金は、賠償等特殊債務処理特別会計法第八条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。
 国有村童特殊整理資金特別会計におきましては、収納済歳入額は二億五百万円余でありまして、これを歳入予算額に比較いたしますと、千三百万円余の減少となっております。減少いたしましたおもな理由は前年度剰余金の受け入れが予定より減少したためであります。
 なお、歳出におきましては、予算額がありませんので支出済歳出額は皆無であります。従って二億五百万円余の剰余金は、国有財産特殊整理資金特別会計法第十条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。
 最後に大蔵省関係の政府関係機関収入支出決算について御説明いたします。
 国民金融公庫におきましては収入済額は七十二億八千三百万円余、支出済額は五十八億二千二百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと収入予算額に対し四億九千四百万円余を増加し、支出予算現額に対し四億六千万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして増加いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が多かったためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は借入金利息を要することが少なかったためであります。
 なお、この公庫の損益計算上における利益は六千五百万円余であり、この利益は国民金融公庫法第二十二条第一項の規定により国庫に納付することといたしました。
 住宅金融公庫におきましては、収入済額は七十八億八千六百万円余、支出済額は七十四億八千三百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対し二億三千四百万円余を減少し、支出予算現額に対し四億六千九百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして減少いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が減少いたしましたためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は、借入金利息を要することが少なかったためであります。
 なお、この公庫の損益計算上における利益は、三百万円余であり、この利益は住宅融資保険特別勘定の利益でありますので、住宅金融公庫法第二十六条の二第三項の規定により住宅融資保険特別勘定の積立金として積み立てることといたしました。
 農林漁業金融公庫におきましては、収入済額は七十七億八百万円余、支出済額は六十八億八千六百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対し二億九千七百万円余を増加し、支出予算現額に対し二億四千六百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして増加いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が多かったためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は、借入金利息及び金融機関等委託費を要することが少なかったためであります。
 中小企業金融公庫におきましては、収入済額は九十一億三千万円余、支出済額は七十六億九千七百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対して五千百万円余を増加し、支出予算現額に対して一億六千六百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして増加いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が多かったためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は予備費を使用することが少なかったためであります。
 北海道東北開発公庫におきましては、収入済額は十九億八千二百万円余支出済額は十四億六千九百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対して五千五百万円余を増加し、支出予算現額に対して一億七千万円余の差額を生じましたが、これは全一額不用となったものであります。
 収入におきまして増加いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が多かったためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は、借入金利息及び債券利子を要することが少なかったためであります。
 公営企業金融公庫におきましては、収入済額は八億三千九百万円余、支出済額は八億五千五百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対して一千二百万円余、支出予算現額に対して一千四百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして減少いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が減少したためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は、債券利子を要することが少なかったためであります。
 なお、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫及び公営企業金融公庫におきましては、損益計算上における損益はありませんでした。
 中小企業信用保険公庫におきましては、収入済額は八億四千四百万円余、支出済額は七億九千九百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対して四億八百万円余を減少し、支出予算現額に対して四億一千二百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして減少いたしましたおもな理由は、保険料収入が少なかったためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は保険金の支払が少なかったためであります。
 また、この公庫の損益計算上における損失は一億九千八百万円余であり、この損失は中小企業信用保険公庫法第二十三条第二項及び中小企業信用保険公庫法施行令第十二条第三項第一号の規定により、取りくずすべき積立金がないので保険準備基金を減額して整理することといたしました。
 日本開発銀行におきましては、収入決定済額は三百十三億二千九百万円余、支出決定済額は百三十二億九千五百万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、収入予算額に対して十億四千百万円余を減少し、支出予算現額に対して九億三千五百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 収入におきまして減少いたしましたおもな理由は、貸付金利息が減少したためであり、支出におきまして不用を生じましたおもな理由は、借入金利息を要することが少なかったためであります。
 また、この銀行の損益計算上における利益は百六十億三千六百万円余であり、この利益は日本開発銀行法第三十六条第一項の規定により三十五億七千六百万円余を準備金として積み立て、残額の百二十四億五千九百万円余を同条第三項の規定により国庫に納付することといたしました。
 日本輸出入銀行におきましては、一般勘定におきまして収入決定済額は二十八億二千六百万円余、支出決定済額は十九億二千二百万円余であり、東南アジア開発協力基金勘定におきまして収入決定済額は七千万円余でありまして、これを収入予算額及び支出予算現額に比較いたしますと、一般勘定の収入予算額に対して六億九千五百万円余を減少し支出予算現額に対して十一億八千二百万円余の差額を生じましたが、これは全額不用となったものであります。
 また、東南アジア開発協力基金勘定の収入予算額に対しては八千九百万円余を減少いたしました。
 一般勘定の収入におきまして減少いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が減少したためであり、一般勘定の支出におきまして不用を生じましたおもな理由は、借入金利息を要することが少なかったためであり、東南アジア開発協力基金勘定の収入が減少いたしましたのは、基金の受け入れがずれたためこの預託金利子収入が予定に達しなかったためであります。
 なお、この銀行の一般勘定の損益計算上における利益は二億四千万円余であり、この利益は日本輸出入銀行法第三十八条第一項の規定により、その全額をこの勘定の準備金として積み立てることとし、東南アジア開発協力基金勘定の損益計算上における利益は七千万円余であり、この利益は経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律第十四条第一項の規定により、その全額をこの勘定の積立金として積み立てることといたしました。
 以上、昭和三十三年度大蔵省主管の一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたしました。
 なお、昭和三十三年度の大蔵省所管の決算につきまして、会計検査院から、不当事項一件、不正事項一件及び是正事項二八一件の御指摘を受けましたことは、逐年指摘件数は減少いたしておりますが、まことに遺憾にたえないところであります。
 これにつきましては、今後一そう不正行為防止対策を講ずるとともに事務の合理化をはかり、改善に努力を傾注いたしたい所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願いいたします。
#6
○委員長(佐藤芳男君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
#7
○北村暢君 きょうは決算全般について御説明があったわけですが、これは大蔵省所管の中でも細部にわたって今後詳しく審議されますから、その点はきょうは一切質疑を省略いたしたいと思います。
 なお、大蔵関係は私どもの都合で恐縮ですが、阿部委員が担当することになっておりましたのですが、きょう都合でどうしても出れないということでございまするので、後ほどまた阿部委員からも質問あるかと思いますので、これについてはあらかじめお断わりをしておいて質問をいたしたいと思います。
 まず租税関係についてお伺いいたしますが、三十三年度の租税の状況を見ますと歳入予算収入決定済額、収入済歳入額、これらを見ますと大体予定通りいっているようでございますが、三十年度から三十五年度までの税の自然増収というのは、一体どういうふうになっているのか一つお示し願いたいと思います。
#8
○政府委員(原純夫君) 突然のお尋ねで今すぐに資料は出て参りませんので、おしまいの方から申し上げて参ります。三十六年度自然増収を決算上のだけでなくて予算上のも入れて申し上げます。三十六年度で入れております自然増収額は三千九百三十億というものを見込んでおります。これは基礎は三十五年度の当初予算の金額に対しまして、三千九百三十億の増を見ておるということでございます。
 次に三十五年度の予算でありますが、三十五年度の予算は当初予算に対しまして二千九十六億円、三十五年度の予算におきましては三十四年度の当初予算に対して二千九十六億円の増収を見込んでおります。これら二つの数字はいずれも前年度の当初予算に対する増の見込みであります。
 三十四年度は決算額におきまして出ました自然増収は、千八百六億円というのが三十四年度の決算で出ております。これはもう決算でありますので、三十三年度の決算額に対しての数字を申し上げておるわけでございます。次にさらにさかのぼりまして、三十三年度におきましては、対前年度決算額に対し百八十一億円の減少を生じております。さらに、その前の三十二年度は、同様の数字が九百九十七億円の増収。三十一年度は千五百四十二億円の増収。その前三十年度は二十四億円の減収ということに相なっております。これらの数字は、いずれも租税及び印紙収入の一般会計分でございます。地方に参ります地方道路税、入場税というような分は除いて、一般会計の分だけを申し上げておるわけでございます。
 以上でございます。
#9
○北村暢君 ただいまの説明で三十三年度は税が減収になっているようでございますが、これは減税によるものだと思うのですが、さらに三十四年度の自然増が急にふくれてきているのですが、この問題の一つ説明を内容的にしていただきたいと思います。
#10
○政府委員(原純夫君) ただいま申し上げました三十三年度の減収、対前年度決算額に対します減収百八十一億円と申し上げましたが、減税関係はどうなっているかというお尋ねでございますが、その年の減税では合計二百六十億円あまりを当初予算において減収の予定にいたしております。決算に現われた数字が、この通りの額が決算に現われているということはちょっと申せません。その分析はできておりませんが、一応まずこの程度のものが税制改正のために減収になったということを考えますると、ただいまの百八十一億円を二百六十一億円からさっ引きますと、八十億円ばかりは、税制改正がなければその程度は増収になったであろうかというような推測がつく数字でございます。
#11
○北村暢君 それで税の負担率でございますが、三十一年度が国税地方税を含めて二〇・四、三十二年度が二一・二、三十三年度が二〇・五、三十四年度が一九・九、三十五年度が二〇・五、こういうふうになっているわけですが、三十五年度はまあ減税というものをやらなかったというのでございますが、この税の負担率について、税制調査会の答申によると二〇%をこえる部分は減税に充てるべきである。今後は二〇%以下にとどめるのが適当である、こういうふうに言われているのですが、せっかく三十四年度で二〇%を割った、三十四年度で初めて二〇%を割ったわけですが、これが三十五年度になると、さらに二〇・五%とこういうふうに負担率が多くなってきているわけです。さらに今年度においても、来年度予算においても税負担は過重になる。こういうふうになっていると思うのですが、一体税制調査会の答申案に対する大蔵省の考え、政府の減税というものに対する考え方、こういうものについてどういう考え方をとっているか。
#12
○政府委員(田中茂穂君) 今のお尋ねでございますが、税制調査会はもうすでに御承知のように、国民所得に対する租税負担率は、国民所得の水準や歳出の構成等によって、負担の質的内容が異なってきますので、必ずしも国民所得の何パーセントというように形式的に一定の基準があるわけではないのでありますが、わが国の税負担が国民所得水準の低い割合にはまだ相当に重いということで、少なくともここ当分の間は、負担率を一応三十五年度当初予算当時の二〇%程度の現在の負担の線に押さえることを、減税の基本的なめどとしておるわけでございます。その線に沿って大蔵省といたしましても、できるだけ国民の実情を見ながら二〇%程度にいたしたいと、このように考えておる次男であります。
#13
○北村暢君 今の二〇%程度といいますけれども、税制調査会の中間報告では、程度、というようなばく然たる形で答申、報告になっておるのですか。その点はっきりさして下さい。これは二〇%をこえるかこえないかということは大へん重要なことなんですよ。二〇%程度ということだと二〇・五%も程度の中に入っちゃう。そういうあいまいなことには中間報告はなっていないはずなんでございますが、その点どうなっておりますか。
#14
○政府委員(田中茂穂君) お言葉ではございまするけれども、今日まで税制調査会が出しております中間報告の中に、「税負担の割合を20%程度の現在の負担の線で押えることを基本的な目標とし」と、こういうふうに中間的な報告の中で出しておるわけでございます。われわれといたしましても、二〇%程度を目標とするということで検討をいたしておるわけであります。
#15
○北村暢君 そこで、税の自然増収と減税との関係は、今これは非常にむずかしい問題になっておりますけれども、三十四年度、三十五年度、三十六年度は今申されたように自然増収というものが相当ふえてきているわけです。従って自然増収というのは、私どもは税の取り過ぎだと、こう思っている。しかも当初において租税収入の見積もりというものについて相当厳格にやれば、こういう自然増収というものは出てくるはずはないわけなんですが、しかしまあこの自然増収というものを固定化して収入として入れるということについては、これはやはり経済情勢が非常に不均等になっておるので、これがずっと続くとなれば、これは収入に入れていいのでしょうけれども、そういう配慮で大蔵省当局なり、政府なりは自然増収というものを税収入としての見積もりの中に確実に入れない、こういうことだと思うんですが、そういう考え方にしても、この自然増収というものは、私どもはやはり取り過ぎであるから当然これは納税者に対して返すべきものである、こういう考え方に立つわけです。従って三十四年度、五年度、六年度のこの自然増収が相当額あるのに対して、減税がそれほどいかないというととろに非常に疑問を持っておりますし、また国民一般からいってもこれは納得しないものじゃないかと思うんですが、特に三十五年度は伊勢湾台風の跡処理という関係から減税をやっておらない。こういうことは三十三年当時政府与党は減税ということを公約をいたしております。平年度七百億やるという公約をしていながら三十五年度減税をやっておらない。三十六年度においても今予算審議でやっておるところですが、私どもは徹底した減税がなされていない、こういうふうに思うんですが、この自然増収に対する減税の私どもの考え方というものは今申した通りですか、政府は一体どのように自然増収というものに対して考えておるか、この際伺っておきたい。
#16
○政府委員(原純夫君) 御参考に毎年度の自然増収額とその年度に税制改正で減税をした額との関係をちょっと申し上げますと、三十六年度分につきましては三千九百三十億の自然増収に対しまして、減税は、差っ引きいたしまして六百四十八億、二八・五%ということになっております。前の年度におきましては、三十五年度はただいま北村委員お話の通り、税制改正はなかったので略しますと、三十四年度が一二・二%、三十三年度は二四・八、三十二年度は三七・五、三十一年度は税制改正ございませんのでゼロ、こういうような数字に相なっております。これをどの程度のものとするかということは考えの筋道といたしましては、自然増収がある。そういたしますと、そのもととなった財源総額――他の財源とも合わせてでありますが――総額によりまして、国のもろもろの財政需要をまかなって参るし、あわせて国民の税負担を軽減、合理化するという大きな問題があるわけで、それらの筋合いによりましてその財政需要の負担の面で、三十六年度でいいますれば社会保障、それから公共事業というようなもの、あるいはその他いろいろな項目がございます。そういうものの必要な度合いと、それから減税の必要な度合いというようなものを総合的に勘案してきまるということでありますので、一がいに自然増収の何割を充てるというのはなかなかお答えしにくいところではないか、やはり税の額といたしましては、先ほど来お話のありましたような、国民所得に対しまする税負担の総額の割合というようなものが、やはり一つの大きな目安にはなりまするが、これにいたしましても確固不動、もう二〇という線を絶対にこえてはいかぬということかどうかということになりますると、だんだん国民所得がふえて、たとえば所得が何年か先に非常に大きくなって倍になった、というような時期におきまする負担割合のことを考えますると、その場合にも二割でいくか、あるいはもうその時分には若干負担率がふえてもいいという議論が出るか、その辺は相当問題のところであろうと思いまするし、それはそのときそのときの非常に強い財政需要があるというときには、やはり税負担の方は我慢するというようなことにもなりまするし、幸い戦後、特に最近の状況は国民経済も相当なスピードで伸びて参る。諸般の関係が割合に順調に行っていると思われますので、減税の方も今もお話の出ておりますような二〇%程度というようなところを一応押さえてこれでやっていきたい。かなり減税に対して力を注いだ形の態勢になっておるというふうに考えておる次第でございます。大へん抽象的で申しわけございませんが、それが一応……。
#17
○北村暢君 この問題は、局長とやっていても始まらないので、この辺で終ります。
 そこでお伺いしたいのは、租税のうちで源泉所得税、申告所得税、法人税、ここか非常に大きな殺害を示しているのですが、三十三年度の決算によりますと、大きな部分として歳入予算額に対する収納済額の差額、これが源泉所得ではごく少ない、マイナスですが、申告所得税については百四十六億のプラス、それから法人税については二百二十七億のマイナスになっている。収納済歳入額との割合でいくと、申告所得税の方は一二八・七%、法人税の方は九三・一%、こういうふうになっておるわけです。この点についてちょっとお伺いいたしたいのですが、どちらかといえば源泉所得の方はこれはもうほとんど半強制的に確実に収納できるということのようでありますが、申告所得についてのプラスがこういう大きなものに出てきているのと、それから法人税が非常に大きなマイナスで出てきているのと、この点についてどうしてこういうふうなことになるのか、その理由を一つお聞かせ願いたい。
#18
○政府委員(原純夫君) この年の決算での一番の特徴は、法人税で減収は二百二十七億円出ているというところでございます。申告所得税の増は法人税と同様な減の事情もあるのでありますけれども、若干期間計算と申しまするか、課税の対象となります期間の関係が法人税とだいぶ違っておりますという関係その他があって、相当な増になっておりますが、この年の決算で一番特徴的なのは法人税の減収、その結果三十三年度はその前後の年度には例のない予算額に対して赤字が出た、最終補正予算額に対して二十一億の赤字が出たというようなことになっております。これは法人税というものが景気の波動に対して非常に敏感であるということの現われでありまして、景気が上り坂になりますると企業は売上げがどんどんふえて参ります。参りますと、御案内の通り、固定費の割り掛けというようなものが減るといいますか、同じ設備、それから労務者の数も、売上げが一割ふえたから一割人数ふやすというのじゃなくて、どうしても能率を上げる期間をふやすということでやって参る、そうすると費用が安くなって、もうけが多くなる、その上、景気が上り坂のときはどうしても物価も強調と申しますか、物価は下がるというよりも、若干でも上がることが多い。上りますと、すべて原材料を仕入れたときよりも、上がった値段で売ることになりますから、通常の利益率よりも相当大きい利益が出て参ります。これはその割合が相当顕著のもので、それが三十四年、三十五年度というあたりの、いわゆる岩戸景気といわれます時期における増収の顕著になりました大きな理由、大部分の理由といってもいいくらいであります。そういう事情は、景気のいいときは非常に伸びるのでありますが、景気のよさが減ってくると、いわんや少しスランプだというような時期になりますと、非常に顕著に落ちて参ります。その落ちが実は、今申しましたような、三十三年度におきましては、補正予算のときというのは相当年度も終わりに近いので、かなりこれは大丈夫だというつもりで組んだものがなおかつ赤字になる、そういうことを大きく申すのは大へん申しわけないのでありますけれども、それほど顕著に落ちて参るのであります。要しまするに、そういう法人税というものか景気の激動に対して一番弾力性が強くて、その弾力性の幅というものが相当大きいということの表現であります、というふうに御了解願いたいと思います。申告所得税は法人税に比べますと一年の勝負であります。御案内の通り、前の年の所得を元にいたしまして翌年の三月十五日に何するということになりますので、今の波動の関係が大きな期間でなしに、法人は六カ月、六カ月の法人が多いので、割合に早く出て参るのでありますが、そういう点でかなり違いがある。その上、この時期の特徴といたしまして、一つには配当所得その他給与以外の、何と申しますか、われわれ、その他所得と呼んでおりますが、総合所得税の給与以外のその他の所得が相当大きく伸びて参りまして、これは御案内でありましょうが、神武景気あるいは岩戸景気ときたのでありますが、神武景気のころを通しまして、相当個人の配当所得がふえたということは現実の事実で、当時もちろんある限りの資料で見込みは立てたのでありますが、それが実績に見ますると案外に伸びておって、そうして資料総合をやってみますと、その分の税金をいただかなければならぬというものが相当出てくるというようなことが、大きな、顕著な二、三年その時期に続きました特徴でございます。なお、三十三年は農業の関係においても相当な豊作であったというようなこと、近ごろは毎年豊作なので、予算ベースもそれに合わせるような態度がだんだん入ってきておりますけれども、当時はまだいわゆる平年作ベースの見込みというようなことをいたしておりますので、この辺も割合に大きな違いになったというようなところ、それらが申告所得税における割合に増収を見た事情と相なっております。
#19
○北村暢君 ちょっと私の理解が悪いのかわからないのですが、三十三年度の法人税の歳入予算額に比較して、収納済歳入額との差が比較的大きくなっている。二百二十七億という大きな額になっているのは、これは景気に非常に左右されるといわれるのだが、その景気がよくなれば、私どもの常識として法人税の収入というものがよけい上がって、プラスになってくるのじゃないかというような感じがするんですよ。それが二百二十七億マイナスになって出てきているということは、ちょっと理解できないんです。その点もうちょっと御説明願いたい。
#20
○政府委員(原純夫君) 言葉が足りませんので申しわけございませんでしたが、ただいま申し上げましたのは、法人税というのは景気に対して相当弾力的である。いいときはぐんと伸びます。ところが景気がスランプになるとぐんと減るのです。それから前年に比べて伸び方が落ちたというだけでも相当この税収に減の影響があるのです。三十三年度はこの神武景気が鎮静いたしまして落ちた時期、今申したように絶対的には税収もちょうど横ばいくらいですから落ちたとはいえないのでありますけれども、伸びの率が前年に対して相当落ちた時期なんでございます。そういうことになりますると、今申しましたように、この売り上げがあんまり伸びないものですから、いろいろ固定費の割り掛けあたりも総体的にふえてくる。それから物価の値上がりもないというようなところから、その前の年には相当神武景気の余波を受けて、相当この景気のいいときの特別の利潤が入っておったわけです。それがもとになって、まあやはり影響されて予算に見込まれておる。ところが、それが鎮静してその伸びが悪くなった。もちろん予算もそれらを見込んでおるわけですが、見込みが実績においてはなおさらこの今の鎮静的な――鎮静的なという意味でマイナス的な要素が強く出て参ったということでありまして、この前後の年が相当いい年でありましたので、この年はまことに形として二百二十七億も補正後の予算に対して減っておるのでございますから、非常に顕著なことでありまするが、法人税というものにはそういう性格があるということを一つ、プラス、マイナス両面で強い性格があるということを一つ御了承いただきたいと、こう思うのでございます。
#21
○北村暢君 そこでこの法人税に関連をいたしまして、今税制調査会の答申案並びにこの税制調査会の問題点として取り上げられておる問題で、企業課税のあり方の問題について問題になっているようなんですが、企業の体質改善のための自己資金の充実をはかる、自己資本の充実をはかるという点からいって、法人税のあり方について検討が加えられている。これはまあ非常に重要な問題だと思うのですが、これについて一体今どんなような方針で対処しようとしているのか、この点についてちょっとお伺いいたしたいと思います。
#22
○政府委員(原純夫君) 実は私ただいまの職分といたしましては、国税庁で税務行政の方を見ておりますので、正面の所管といたしましては、税制改正問題は主税局長の所管でございますけれども、もしお許し願えますならば、昨年四月まで私主税局におりました関係で、その後もその事柄にはずっとタッチしておりますので、それでよろしければ、そういう地位における私の気持ちとして申し上げたいと思います。
#23
○北村暢君 方向だけでいいです。
#24
○政府委員(原純夫君) 方向でございますか。企業課税問題は、広く言いますれば企業の負担する税、あるいは広く言えば企業の関係からする税というようなものについて全般的に検討をして、そして国民経済における企業というものがまあ非常に経済的に大きな地位を持っておるわけでありますから、それの能率、それの動きというものを最も能率的に円滑にする。そして国民の経済活動を促進するというような気持ちで税制自体も考えたらどうであろうということで、一昨年の五月設けられました税制調査会に諮問して以来、鋭意検討が続けられておるわけであります。従いまして、広く言いますと、このよくいわれております資本充実関係の措置のほか、今回措置いたしております耐用年数の問題、その他償却の問題一般、あるいはその他におきましても、収入、支出、益金、損金の全般にわたり、あるいは開接税関係にもわたって広い問題になりまするが、当面一番の強い光を浴びておりますのは、何と申しましても、企業の資本充実のために税制上措置し得る事項はないであろうかというような角度が強く出てきております。その資本充実といたしましても、たとえば法人税負担が全般的に低い、税金が安ければもうかったものの大部分が企業に残って再生産に使われるという関係がございますが、一番それをしぼって参りまして強く議論されましたのがこの配当課税の問題でございます。これは長年の間日本の企業の、特に法人形態の企業の自己資本比率というものが戦前は総体を一〇〇としまして六〇か七〇はあったと、それが今や三〇ちょっとになってきている。つまり、戦前は一対二の割合で二が自己資本の率でありましたのが、今や逆に一の方が自己資本の率になって、その一もだんだん危なくなって〇・幾らということになりかけておる。これではいかぬという角度から税制をながめてみますと、こういう声が出てきたわけであります。企業は、資金を自己資本のほか他人資本を合わせて企業を経営する。他人資本といいますのは、端的に言いますと借金であります。借金で経営するか、あるいは株を発行してその資金で経営するか、もう一つは利益を上げてそれで税を払った残りを蓄積して使っていく。このあとの二者はいずれも自己資本になるわけでありますが、その際もうけの方はとにかくもうかるだけなるべくためていく。配当した分を除いてはためていくということになりますが、借金で使う金とそれから株を出して集めて使う金とは、そのお礼として払う借金の場合は利子、それから株の場合は配当、それから払う利子と配当との計算上、税の角度から見ると、この計算のシステムがまるきり違う。つまり利子はまるまる損金に見られるから、その分は全然税金がかからぬと、ところが、配当の方は利益というものの中から払うから、利益総額に対して法人税そのものがかかってくる。一度税金を納めて、その残りから払うというような点で相当違いがある。この配当も損金と見てくれれば非常に都合がいいなという声が、これはもうだいぶ前からそういうような声がございましたが、なかなかこの税制としても非常に重大な問題でありますので、そう簡単に踏み切るわけにもいかぬ。世界各国でもそれを思い切ってやっておるという国はちょっとすぐには見当たらぬというようなことで、しかし、一つそういうような問題が非常に大切な問題であるならば、税制の側でも検討しようじゃないかということで、一昨年以来検討が始まり、今回の税制改正案では、その御要求にとたえるために、一部中間的に答えると申しますか、中等程度のところでそれにこたえる案が入っております。大体今法人税が三八%というのが基本税率でありますが、この三八%を、配当部分につきましては一〇%減らして、二八%にしましょうというととが、今回の税制改正の要綱に入っております。で、これは配当する分は全然法人の方ではかけない。つまりそれは損金と同様に見るというような局限的な形があるのでありますが、そう一気に踏み切るわけにもいかぬし、そこまでいくかどうかということについては、なお検討が要るというので、約四分の一程度をこの配当分について課税をはずすという御提案が行なわれておるわけであります。法人の方でそういうことにいたしますと、この受け取る方の側の課税の制度が変わらなければならないのでありますが、借金の利息を払う方は損金でありますが、受け取る方はまるまる益金として、それを所得に合算して課税の対象といたしております。で、配当も法人の方でかけないということになりますれば、受け取る方でかける。今まではこの配当は、法人の方で法人税その他をいただくかわりに、受け取る方の側はその分はかけませんという前提で、法人、個人、程度は違いますが、そういうようなシステムになっておりますのが、ただいま申しました約四分の一だけは、そういう受け取る方でかけませんという部分を、四分の一程度減らすということに相なっております。配当関係で今回御提案申し上げているのは、それが概略のことであります。
 そのほか耐用年数の改訂、耐用年数の短縮を中心といたしまして、減価償却関係のいろいろな制度、特別償却制度の改正というのがございますが、耐用年数を縮めますと、償却し得る範囲額が相当ふえます。それがふえるということは、結局、企業が資金があると、その資金を償却のために、あるいは償却の準備のためにといいまするか、持っておけるということになりますので、それだけ自己資金が強化するわけであります。それは税務の統計の上では損金に立ってしまいますが、実際には機械を買いかえる時期はもっと先でよろしいというようなことから、それがやはり実質上自己資本の強化になります。
 それから第三には、同族会社の留保所得課税というのがございますが、同族会社はもうけがありましても、非同族の場合のように配当されることが非常に少ない。配当されますれば、それに対して総合されて、ただいま申しました控除はありますが、やはり高い所得の人は高い税金を納めるということが最終的に関係するのですが、企業にいつまでも残っておりますと、法人税が最高三八%、それから事業税というようなものもかかりまするが、その残りはいつまでもそれだけで残っておるということで、この関係を調節いたしますために、留保所得については特定の限度をこえる額について一割の特別な課税をいたしておるのでありますが、これについて若干改善、合理化をはかって、留保がよりよけいできるような改正を考えております。
 そのほかいろいろこまかい点はございますが、今回御提案申し上げているうちの大きなものはそういうようなところで、なおこの自己資本充実関係の税制改正といたしましても、税制調査会はもう一年度期間をいただいておりますので、その間になお十分御検討を願い、事務当局としても各界の意見を伺って十分勉強いたしました上で、三十七年度の税制改正の際には、それらの結論を考慮いたしまして、さらにこれについて突っ込んだ態度をとるということになるのではなかろうかと考えております。以上でございます。
#25
○北村暢君 もう一つの問題、国税と地方税との関係の問題で、きょうの新聞にも出ておりますが、遊興飲食税のことが今、だいぶ問題になっておるようでございますが、その内容をちょっと簡単に御説明願いたいのと、それに対する政府の態度を御説明願いたい。
#26
○政府委員(原純夫君) ただいま主税局の方へ連絡いたしておりましたが、今、財務調査官泉君が来ておりますので、税制問題がなおございますれば、泉君からお願いできれば非常にけっこうだと思いまするが、ただいまお尋ねの遊興飲食税問題は、地方税でございますので、これはまた主管の省を異にすることになるのでございますが、これも私承知しているところだけで申し上げますと、これは二、三年前から議論がありまして、たしか宿泊の際の課税のやり方、現行法では五百円は基礎控除みたいに引きます。それから八百円というのが免税点になっておりまして、宿泊料八百円までならばかかりません。ところがまた、かりに九百円という宿泊料がありますと、免税点をこえてしまいますから、五百円以上の免税の部分はすっ飛んでしまって、それはかかる。しかし五百円までは基礎控除ですから引きましょう。で五百円を引いて残り四百円に対して税率が一割ということでかかるということに相なっております。それを今回は免税点の八百円を千円にしたいというような議論が出ておるというふうに伺っております。
#27
○北村暢君 今のこの問題は、伺っていますじゃなくて、今問題になっているのだから、政府としてきまっているのか、きまっていないのか、その点を政務次官もおられるんですから、ちょっとお伺いしておきたい。
#28
○政府委員(田中茂穂君) 遊興飲食税の内容につきましては、今、国税庁長官がお答えした通りでございますが、これをやるかやらないかにつきましては、まだ政府といたしましてもきめておりません。要するに問題は、これは自治省に関係する所管でございまするので、大蔵省といたしましては、これには直接タッチいたしておりませんが、せっかくのお尋ねでございますので一言申し上げますと、わが党といたしましては、目下、政務調査会の部会は、一応改正すべきであるという意向が強いようでありますが、まだ最高のところで目下検討中でございますので、いずれともまだわかりません。
#29
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、申告所得の中の農業所得者の税の負担の問題ですが、農業所得者の税負担はずっと減少して参りまして、三十五年度で、この統計によりますというと、一・四%と非常に税負担の率が低下しているわけでございますが、従来農業所得に対する専従者控除というものが非常に問題になっておりましたし、それが取り上げられるようになってきたわけです。これは白色申告の場合の専従者控除の問題が問題になっておったわけですが、これについて農業所得者の税負担の傾向と、それから青色申告の進度の状況等についてちょっと御説明願いたいと思います。
#30
○政府委員(原純夫君) 農業所得者の負担はおっしゃる通り近年、いや、近年というよりも、戦後一時相当負担を願ったことはありますが、この十年間は非常に減ってきております。私の記憶でありますが、たしか二十四年分の農業関係の所得税は四百二十億前後の課税をいたしたと思います。これは完全に納まってはいないと思います。相当滞納やなんかありまして、苦労いたした記憶がありますのですが、それが最近におきましては、三十六年度の見込みで、農業の面でお納め願う税額は六億五千万というようなのが、三十六年分の課税見込み額というようなことになっております。
 ただいまお話のこの所得に対しまする負担割合も非常に減って参っております。もしその辺の数字が御必要でございましたら、所管の課長が来ておりますから、数字を言うてもらいますが、いかがいたしましょうか。先ほど申しました四百三十億がまあ六億に下がるというようなことで、特に三十六年分は、お話のありました専従者控除の創設による減収というものは非常に大きいのでありまして、三十五年分はたしかこれがやはり相当多くて、予算におきまして、農業課税額は十七億程度というふうに考えておったように記憶いたしております。
 以上でございます。
#31
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、租税の徴集過不足を是正する問題についてでございますが、個人の取引関係等の調査が不十分なものというところで、一件百万以上の過不足の問題が十件くらいあります。これはこの資料によりまして、そのようにあるようでありますが、またこの法人税の方については、百万円以上のものは四十七、八件あるんじゃないかと思います。このように出ているわけでございます。これは一個人で百万以上の租税の過不足があるということは、企業にとっては相当大へんなことだろうと思うのですが、それについて一つ御説明いただきたいと思うし、それでだんだん租税の過不足の是正の問題は減少しつつあるようでありますけれども、件数においては今年度は逆にふえておるような点もうかがわれるわけです。従って、まあお伺いいたしたいのは、百万円以上の問題が相当ありますし、特に五百万円以上というのが四件か五件あるわけです。これは五百万円以上の過不足ということになるというと、その査定の仕方が、担当者においても、これは税の査定の上において非常に権威の問題にも関係してくるのではないかと、このように思われるのでございますが、これに対する所見を一つお伺いしておきたい。
 なおこの問題に対しては、担当者の措置については、見せ七いただきますというと、厳重注意程度で終わっておるようでございますが、それについてもいかなる処置をとっておられるか、この点お伺いをいたしたいと思います。
#32
○政府委員(原純夫君) 毎年のようにこの租税の徴収過不足につきまして、多数の御指摘がありまして、あとから追っかけ是正をするということをいたしておるのは、大へん申しわけないことだと思っております。件数、金額はこの報告書にございます通りでありまして、繰り返しませんですが、三十三年分件数は、この五十万円以上の分でいきますと、三十二年の二百十三件に対しまして百六十一件、金額は、二億五千九百万円に対しまして二億三千九百万円になってきております。若干減り気味でありますが、なおあとを断たないというのは、大へん申しわけない次第に思っております。これらの事由といたしましては、個人の所得の関係におきましては、特に多いのはこの譲渡所得が漏れておるというのが一つ。それから不動産所得、それから認定賞与というような、これは何と申しますか、課税のいろいろな資料の、課及び係の間における交換が十分でないために漏れるというようなものが多いのでありますが、そういうような御指摘が多いわけであります。三十三年度分の五十万円以上の件数のうち、総体六十三件のうち半分以上の三十六件が、譲渡所得の更正決定漏れで御指摘になっておりまするし、不動産所得の漏れが八件、認定賞与の漏れが七件というふうに相なっております。法人関係におきましては圧倒的に多いのは、実は交際費の損金算入限度額をこえる分をこの益金に算入しなかったというのが圧倒的に多いというようなことに相なっております。非常に数の多い税務行政事案でありますので、ある程度の間違いは、どうしても漏れる向きがあると思いますが、やはり御指摘いただいておるものに対して、われわれがいろいろな角度から努力をして改めていかなければならぬというふうに思いまして、まず個人の譲渡所得関係につきましては、実は昨年以来特に力を入れまして、譲渡所得の漏れがないように、まあ一番譲渡所得で世間の目につきまするのは、やはり都市近郊の土地の売却による譲渡所得でありますが、これらにつきまして、実は昨年夏から秋にかけまして、相当担当の係官を全国で動員いたしまして調べをいたしました。その結果、相当額の不動産が出ております。大体私の記憶では、譲渡所得金額で総計百億円程度のものがその調査によって出ておるというようなことがございます。これなどは検査報告と関連しての手当のうち非常に大きなものではなかろうかと思っております。
 次に、不動産所得の更正決定漏れの問題は、不動産所得というのは、要するに貸地、貸家の家賃、地代であります。これの資半を値とかいただけぬものかというふうに思いまして、これはたしか三十三年でありましたか、税法上資料をいただけるように、しかし個人の借りておるその分を資料をくれと言うのも何でありますから、法人については資料を出して下さいというような制度の改正をお願いいたしまして、これをお認め願っておりますので、これは法律的にある程度手ができておると思っております。なお、個人の分がございますから完全ではございませんが、さような状況でございます。
 認定賞与の徴収漏れ等の、その他の資料の交換の不足につきましては、部内で関係係官の調査連絡要領というようなものを作っておりまして、戒めておるのでありますが、なお跡を断たぬということ、これはもうこの資料の連絡をなおがんばってするということを努力して続けて参りたいというふうに思っております。
 交際費の損金不算入額の問題は、これは実は大へんな何でありますが、昭和三十二年の税制改正で、交際費をどこまでも野放図に出しちゃ困るというのを、税法上限度額でしばっておりますのを、制度を若干変えまして、中小企業については、まあ中小企業はやはり柄の割に案外交際費が要るというようなことを考えて、資本金額千万円以下のものにつきましてはこの制限をしないというように改めたのでございます。どうもこの御指摘をいただいておりますのは、三十二年の改正で、三十二年度、三年度という時期は、その関係でのものが相当多いようであります。ただ御案内の通り、千万以上の法人は調査課所管ということになっております。小さいのは税務署が所管する。そうしますと、旧制では小さい法人も交際費の制限があったので、調査課も税務署も全部交際費の握りということについては一々当たっておった。ところが三十二年からは税務署の方は、もう自分の方は千万円以下のものであって、それは交際費の何がないからというようなことをちょっと考えたのではなかろうかと思います。その結果、その年度の推移の時分に、調査課と税務署との所管が旧法の時代のものである。旧法の時代のものは、なお税務署は当然気を配らなければならぬのを配り切らぬというふうのものが相当に出てきたというふうに見ております。その後、累次の会議において注意をいたしておりますので、だんだん直ってきていると思いますが、そういうような事情で大へん申しわけないことに相なっておる。なお今後努力して参りたいと思っております。
 担当いたしました職員につきましては、いずれも厳重に注意をいたし、かつ、ただいま申しましたように、制度の改正による一種の盲点的な事情があったというようなものについては、担当の職員だけでなく、各局の幹部にも、こういう改正があって、過渡的に、税務署がもう新法になったから交際費はいいというようなことに思ってはいかぬぞというようなことを会議ではっきりいたして何するというようなこともいたしておる次第でございます。
 中で多額のもの、五百万以上のものが相当あるというお話、まことに痛み入るわけでありますが、このうち二件は、ただいま申し上げました資産の譲渡による所得でございます。それから一件が、たしか増資の際の株の取得価格のつけ方に間違いがあったというようなこと。それから一件は、期末において例のリベートを払う債務が、個々の払い先について払い先の名前と金額が確定しているのでなければ損金に見てはいけないとなっておりますのを、まあ見ておったというようなところでありまして、まことに申しわけない次第だと思っております。
 以上でございます。
#33
○北村暢君 別表の一一四号ですがね、これは交際費の損金不算入額、これが二千百四十五万三千何がしとなっていますがね。大体ずっと見ますというと、それは二、三百万のようですがね。これ一つがべらぼうに二千百四十五万ということになっているようです。これ私しろうとでわからないわけなんですが、ちょっとこういうことあり得るのかどうかお伺いいたしたいのですが。
#34
○政府委員(原純夫君) 件別の調書も携えておるのでございますけれども、一応その調書で申し上げられるだけのことを申し上げまして、なお不十分と思われる向きは後ほど補足させていただきたいと思います。
 この村田繊維機械というのは、割合に中小の企業としては所得額の大きい企業でありまして、この企業におきましても相当額の課税が行なわれております。一億近いものになっております。まあその一億近い額にこの二千百万円程度が交際費の損金否認の結果加えられまして、その結果ちょうど一億くらいというところでございますけれども、まあこれがどうして大きいかなんでございますか、所得というのは、御案内の通り取引総額からしますと、これは製造業のようでありますから、やはりいいところは七、八%もいきますけれども、やはり普通は三、四%、四、五%というようなところがこの売上高利益率、製造業の売上高利益率としてはそのようなところ、せいぜい六%というようなところでありますから、その辺考えますと、一億の利益があるということは相当額の、何億になりますか、二、三十億の取引はあるかもしれないと思います。それは私推測でありますが、そういう場合にこの二千万程度の否認が出ると、この否認もこのもとが幾らというのがちょっとここに出ておりませんのでなんでありますが、おそらく、限度高が相当多いだろうと思います。ですから総額にはこれにある程度足したところが総額交際費ということになりますと、まあ交際費額としてそう異例になるかどうか、もちろん相当多いとは思います。やはり三十億としましても三千万の交際費だとすれば一%になりますから、一%というのが多いとは思いまするけれども、しかしもうとうてい考えられぬというほどでもないと思います。
 大へんばく然としたお答えで恐縮でありますが、なお詳細わかりましたら後ほど申し上げるようにいたします。
#35
○大倉精一君 ちょっと一点だけよくわからぬところがあるのでお尋ねしたいのですけれども、在日米軍の使用する施設区域等について行政協定に基づく日米合同委員会においてその提供を決定する、これに対する予算を計上する、こういった場合に、大蔵省はその決定なりあるいはその内容なりについて調査されるか、あるいはまた承知をされた上において予算計上なり何なりをおやりになるのか。これはあるいは無条件でもって、もう決定したものは予算の計上ということになるのか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。
#36
○政府委員(山下武利君) 突然のお尋ねで私ちょっと手元に資料を準備しておりませんですが、私の知っておるところで申し上げまするというと、米軍の方から提供財産につきまして要望のありました場合には、日米合同委員会の施設委員会というのがございます。そこで両者が相談をすることになるわけであります。もちろん、日本政府としまして、提供上すでに支障があるという場合には、その事情を申し述べまして米軍に再考を求めるということを現在いたしておるわけでございます。日本側として特に支障がないという場合には、その委員会でもって両者合意の上で提供する、かようなことに聞いておりますが。
#37
○大倉精一君 私のお尋ねしておるのは、合同委員会において協議の結果、提供するように決定した場合に、必要予算を計上しなければならぬということになる、必要予算をですね。その場合に、大蔵省としては提供する施設の内容なり、あるいはその他の内容の問題点については承知の上で、予算計上なり何なりおやりになるのか、あるいはそれとも、決定すれば、大蔵省としては無条件に、機械的に予算を計上するのか、こういうことをお尋ねしておるわけです。
#38
○政府委員(山下武利君) ただいまのお尋ねで、予算を計上すると言われますことが私はよくわかりませんのですが。
#39
○大倉精一君 私は実はしろうとでわからぬのですけれども、たとえば施設あるいは区域、その他のものをアメリカ軍の使用に提供すると、こういった場合に、やはり予算を伴うということになるのですね、なりませんか。だから、そういう、予算の伴わない場合もあるかもしれませんが、伴うといったような場合には、大蔵省として内容についてやはり検討されるのかどうかということですね。予算の計上をする……。おわかりにならなければ、それ自体がちょっとわからぬので、説明してもらいたいと思います。
#40
○政府委員(山下武利君) 大蔵省といたしまして、提供財産について予算を伴うということは現在のところございません。提供財産につきまして、あるいは施設提供諸費として、調達庁所管の予算に組まれる場合があることはあると思います。現実問題といたしまして、提供施設の維持、運営、管理は米軍が自分の費用でもってやるわけでございます。日本側としては、原則としてそれは負担をしないということになっておると思います。
#41
○大倉精一君 こういうお尋ねをするのは、実は三十三年度の歳入決算明細書というものを拝見しておりますと、大蔵省の方で防衛支出金というのがありますね。その中で、防衛庁の施設費から一億三千万円流用をされておる。その説明によりますと、「日米行政協定第二十五条第二項(a)により在日米軍に提供する不動産を購入する必要があり経費に不足を生じたため」、こういう場合に流用したのだと、こうなっておる。ですから予算の計上必要ないという、それはちょっとしろうとにはわからぬのですが、どういうことですか。――どうもよくしろうとの質問がおわかりにならぬようですけれども、私の疑問に思ったのは、ここでもって一億何千万円というものを防衛庁の施設費から流用しておる。それだけ防衛庁の予定した施設が不用になったのか、あるいは予定が変更になったのか、こういうことになるわけですね。そういう内容について大蔵省は関与されておるのかどうか、こういうことなんですよ。
#42
○政府委員(末廣義一君) 防衛支出金におきまして不用を生じたためと書いてありますが、これは流用等増減額の一億三千九十五万四千円という金が、在日米軍に施設を提供するために不動産を購入する経費がそれだけ不足であったために、これだけを総理府の所管の防衛庁から移用をいたしまして、この経費を負担しておるわけであります。それは実は予算の総則の条文によりまして、在日米軍に対する施設等のために必要な経費のためには、大蔵省所管に計上してある防衛支出金に対して、総理府所管の防衛庁の施設費を移用することができるという総則の規定によりまして適用をしたというのが、形式的には申し上げられるわけでありますが、施設を提供いたしますにつきまして、やはり不動産等を購入する場合には、予算が必要なわけでありまして、この場合におきます予算の積算等につきましては、大蔵省並びに防衛、調達庁関係官が、十分予算の購入単価その他につきまして協議をいたしまして、適正な単価で購入をするというふうな措置をとりまして、従って予算的措置もそれに応じて出すというふうになっておるわけであります。
#43
○大倉精一君 まあ、それで予算が伴うということがわかったわけなんですけれども、そこでお尋ねしたいのは、内訳は書いてないからわかりませんが、確かにあなたの今の説明は、法律上は間違っていませんが、防衛庁の支出のどういうものを削ったのかということを知りたいのですが、何を削ったのか、防衛庁施設の――あるいは削ったのか、あるいはアメリカ軍に予定したものを、提供するように変更したのか、これがあると思うのですが、どういうものですか、内容は。
#44
○政府委員(末廣義一君) 実は、ちょっと手元に資料がありませんので、詳細なことを申し上げかねますが、想像をいたしますと、在日米軍に対する提供施設というものは、防衛庁も、やはりその施設を使う、使わしてもらうという場合が多々あるのでありまして、そういう関係で、防衛支出金で出す分と、防衛庁の方から出す分と、両者の中に予算がいろいろ予定して計上してあるわけでありますが、その中で、不動産の購入等につきましては、いろいろ土地補償の問題その他で全国的には解決のつかないものもあったりいたしますと、その年度といたしましては一応解決がつくものとして予算化をいたしておりましたものが、甲の地点では解決がつかない、乙の地点では解決がついた、こういうことがある場合がたまたまありますので、解決のついた分から実行上、予算をつけて購入をしていくということが、しばしば行なわれるわけでありまして、おそらく防衛庁の施設費の中で、そういう関係のものを移用いたしまして米軍の提供施設に予算を使う、こういう状況だと考えるわけであります。詳細につきましては、なお取り調べまして御説明をいたしたいと思います。
#45
○大倉精一君 これは防衛庁に限らず、どこの省庁におきましても、予算編成の場合には、いろいろな要求がある。それを、はたしてこれは必要な施設であるかどうか、あるいは緊急性があるかどうかということを大蔵省で査定されると思うのです。そういう面から考えまして、一億何千万円という防衛庁の施設というものが、予定が変更になる。これは施設ばかりじゃなくて、艦船の建造にも、いろいろ防衛庁の予算のときにはあったんですけれども、そういうものは緊急必要でないというようなものを査定されるという結果になると私は思うのですよ、しろうと考えからいくと。ですから一億何千万円という施設は、これは防衛庁にとって必要な経費である。特に国土防衛上必要だと、こういうのですね、防衛庁の経費は。
 ところが、これを今度、アメリカ軍が共同使用するということになれば、何も予定経費でもって、予定の通りに施設の購入なり、あるいは建設なりでアメリカ軍に使ってもらう、こういうふうにも考えられるのですね。しかし合同委員会において、アメリカ軍のためによこせ、必要があれば防衛庁にも使わしてやろう、こうなってしまえばやむを得ないかもしれませんが、何かしろうと考えとして、相当大きな金額が防衛庁の方で計画計上してあって、しかも、これが繰り越しになってみたり、不用額になってみたり、あるいは流用されてみたり、こうなって、予算委員会のときに審議した金額から、ずいぶん違ってくるのですね、これは。こういうことは、一体どういうことなんですかね、これは。
#46
○政府委員(末廣義一君) 実は防衛支出金とか、防衛庁の施設費関係の予算につきましては、対米関係が非常にたくさんな要素を占めておるわけでございまして、お尋ねの、実は一億三千九百万円移用した、このことにつきましても、最初は防衛庁で取得する予定であったわけの不動産を、合衆国軍に引き続きまして提供するというような話し合いになりましたものでございますから、そういう関係で、防衛庁に計上した経費を防衛支出金の方へ移用したという実情であります。
 なお、防衛庁の全般的な経費については、実は私は、予算の方を直接担当いたしていないのでありますが、その年度におきまして必ず支出を予定された経費を計上しているわけでありますけれども、いろいろな米国の事情その他によりまして、この例にもありますごとく、実行の上になりますと、相当変化をきたさせられる要素も非常にあります。また特に、不動産購入は、先ほど申し上げましたように、いろいろな補償関係、あるいはまた計画の変更、また、施設につきましては、特に天候に左右されるというような問題がありまして、施設関係の経費は、防衛庁に限らず、公共事業その他のものにつきましても、たとえば道路を作るにいたしましても、一番隘路になるのは、土地購入の補償費関係であるというように問題が多々あるのでちりまして、施設関係経費につきましては、非常に実行上、予定のごとく進まぬ場合が、予算にはたびたびあるというような事情も想像されるわけでありますので、近来防衛庁の予算につきましては、大蔵省におきましても、たびたび当決算委員会で、繰り越しが多い、あるいは不用が多い、防衛庁の予算はずさんではないかというお声も聞きましたので、予算を、特に厳密に、実行可能なもののみを計上するという建前で予算を編成しているものと思いますが、不用額、あるいは繰り越し等につきましても、過去数カ年来、だんだん減って参っておるような次第でありまして、なお、三十二年度におきましても、当決算委員会で御指摘もありましたのでありますが、経費の改善には、十分政府においても意を尽くして参っておるというのが実情でありますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
#47
○大倉精一君 何か今の説明を聞いておりますとね、防衛庁は対米関係がありますので、という言葉がしばしば入ってくるのです。というものであるから、防衛庁の予算は、これは日本じゃ仕方がないというような印象があるのですね、今の答弁から受け取るにはですね。私は、確かにそれは施設関係は、いろいろな条件から、あるいは事情から、その年度内に計上予算が全部使われないという事情は、これはわかりますよ。わかりますが、であるから、法的にこうであるから、法的には違法ではないからと言って、そういうふうにずさんに計上してもいいということはないのですよ、これは。それは、法律的に言ったら、幾ら大きく残っても、法律に従ってまた翌年度云々ということになれば、法律的に違法ではない。違法ではないが、しかし不当である。不当であると私は思うのですよ。
 で、特に防衛庁の場合、確かにこの前の決算委員会におきまして、防衛庁関係をやったのですけれども、長官の説明の中には、実行可能なものを云々というお言葉があったのですけれども、必ずしも内容はそうじゃないわけです。特に今度の場合、防衛庁が使用する予定をしておった、あるいは収得をする予定をしておった不動産ですか――内容は何かわかりませんけれども、これを引き続いてアメリカ軍に使用させるようになった、こうなんですけれども、そうしますと、収得する予定であった不動産は、別の方法なり、別の場所でもって収得をしないというと、防衛庁の活動自体に支障を起とすんじゃないかと思うのです。不動産を収得しなければならぬという、そういう必要性をあなたの方はお認めになって、この予算要求を御承認になったと思いますが、それをアメリカ軍に移して、あとはどうなるのですか。これはまた、別に大して必要なものじゃなかったというわけなんですか、収得する予定であった不動産というのは。
#48
○政府委員(山下武利君) 私からお答えするのは、はなはだ何かと思いますけれども、私前に防衛庁に関係をしておりました関係から、本件につきまして記憶を思い出しましましてお答えをいたしたいと思います。
 本件は、米軍と事実上の共同使用をいたしておりますレーダー・サイト、その他数個所の地点につきまして、これは民有地を借り上げておったわけでございますが、それを政府の財産に取得したいという経費であったわけであります。あるいは間違っておるかもしれませんが、その点は古いことでございますから、御了承願いたいと思います。それで事実は、米軍が使っておりまして、そこに自衛隊が共同使用の形で入っておったのでございます。間もなくそれは解除になるであろうという想定のもとに、解除になりましたならば、それは引き続き自衛隊が使わしてもらうということで、民間から買収をしたいということで、解除を予定しまして、その施設費を防衛庁の施設費に組んであったのでございます。若干その解除がおくれまして、年度内には防衛庁の方に取得することができませんので、一方民有地の方からも買い上げてもらいたいという要望がありましたので、これを予算総則の規定に基づきまして調達庁の経費に移しかえをいたしまして、調達庁の方で買収をしてもらうというようなことでございまして、やはり米軍に提供中でありましても、自衛隊がそれを共同使用をしておるという関係は、いわゆる事実関係は全く変わりはなかったということでございます。予算上は、そういうふうな処置をしたということで御了承願いたいと思います。
#49
○大倉精一君 そうしますと、民間から借り上げておる土地その他を、政府の財産として収得する、こういうことをやるには相当手間がかかるのですか、長時日を要するわけですか、そういう手続をするのに。
#50
○政府委員(山下武利君) これは具体的な事例によりまして、手間を要する場合とそうでない場合と、いろいろあるわけでございます。また収得しようと思っても、売らない、ただ貸しておくということで、借り上げ関係の続いておるものもたくさんございます。借り上げておこうと思っても、ぜひ自分の資金の都合上買ってもらわなければ困るというような申し出のあるものもあります。本件は、そういうふうな、おもに地主側の要望に基づきまして、今度の予算を計上したものであると記憶いたしております。
#51
○大倉精一君 そうすれば、地主側の要望に基づいたものならば、簡単に買う手続はできるはずです。今説明書を見ますと、明細書を見ると、全額が翌年度に繰り越しになって、これは相当、年度内に処理できなかったという理由は、別途にあるのですか。
#52
○政府委員(山下武利君) これも防衛庁の、あるいは調達庁の担当官に伺わないと、私から想像で申し上げるのは、はなはだ穏当を欠くと思いますけれども、こういうふうなケースにつきましては、値段の交渉とかその他のことで相当時日を要することが多かったのでございまして、おそらく本件も、そういうことでもって、年度内に契約ができなかったのではないかと想像いたします。
#53
○大倉精一君 これは、どうも想像だけで、どうもしろうとには、ますますわからぬことになるのですけれども、数字だけを見ますというと、こういう一文も使わないものを、やむを得ない事情があればともかくとして、貴重な予算の数字を、こういうふうに計上する必要はないと思うのです。
 しかも、今お伺いするというと、地主の方から買ってくれ、こう言うのですから、それじゃ買いましょうというのですから、これはもうあと問題に残るのは、幾らで買うかという単価の問題だけだと思うのですよ。いずれにしても、先ほどからの御答弁をずっと聞いておりますと、何か防衛庁関係の予算は、特殊な取り扱いのような格好に受け取れるのですね。どうもアメリカ軍がおりますから、アメリカがおりますからというようなことで。でありますから、私がお伺いしたいのは、日米合同委員会において、不動産なり、あるいはその他施設、区域等を提供するということを決定した。これに基づいて予算を計上しなければならぬという事態、こういう場合には、大蔵省としては、その内容について、やはり立ち入った関心を持たなければならぬと私は思っておったのですけれども、どうもその点がまだまだぴんとこない。法律がこうだから、あれがこうだからということで、事、防衛庁に関しては、いろいろな数字上の問題があっても、まあややこしくなるというと、何分にもアメリカ軍がおりまして、アメリカがおりましてということで、何か、日本が独立国で自分でもって、予算を計上するのかどうかというような、そういう変な気持がするのですね、今の答弁を聞いておりますと……。防衛庁もそうであったのですよ。防衛庁の予算をお尋ねするときも、やっぱりそうだった。相手がありますということで、いろいろ出てきた。
 これは一つ、どういう施設であったか、大体、施設のことはわかりましたが、どういうわけで繰り越しになったのか、この席ではわかりませんか。
#54
○政府委員(末廣義一君) 防衛庁の繰り越しが三十三億、目未定であります関係上、ただいまおっしゃいました一億三千万円を移用して、不動産を購入した経費が、やはり繰り越しになっておるというようなふうにお取りになる面もあるやに想像されるわけでありますが、実は一億三千万円移用した分については、全額支出済みでございまして、この三十三億は、それ以外のものにつきまして繰り越しをいたしたというような実情でありますので、その点は、一つ御了解をお願いしたいと思います。
#55
○大倉精一君 一億三千万円は支出済みですか。
#56
○政府委員(末廣義一君) さようでございます。一億三千万円は、この目未定において、支出済歳出額〇となっておりますが、実はこの一億三千万円を含めましたものは、もう一度総理府所管の調達庁のところに出て参ります。これは移用をして、さらにこれを、三十三億七千四百五十六万八千円という予算現額になっておりますが、この現額からさらに予算を移しかえいたしますと、その分につきましては、ここの歳出の支出済み額には載ってこないようなことになっておるわけであります。決算書が目未定と書いてありまして、ちょっと数字が御理解しにくいようにできております関係上、はなはだ申しわけないのでございますが、実はこの経費は、さらに総理府から一応大蔵省に持って参りまして、それからさらにまた、これを調達庁の方に移しかえをいたしておるわけでございまして、そうして調達庁から支出済みになっておるわけでございますので、はなはだ申しわけないのでございますが、御了承願いたいと思います。
#57
○大倉精一君 それで、この件はわかりましたが、まあ私が、これに目をつけたということは、最初申し上げた通りに、この前の防衛庁の決算の委員会での審議の際に、たくさんに不用額あるいは流用額あるいは繰越額があるわけです。ですからこのときも、まだ防衛庁についてはいたしますけれども、ほかの省庁の場合は、要求額に対して相当きびしい査定があって、そうしてやりたい施設もやれないという省庁がたくさんあるわけですよ。特に私は運輸関係を前にやって――今までもやったのですけれども、たとえば気象庁関係の問題につきましても、これはもう暴風雨が来ると、必ず気象が重点になっているけれども、ところが暴風雨態勢がなくなってしまうと、ほとんど予算編成についても気象庁の方は冷飯を食っている。一例を言うならば、北方定点観測が廃止になったとき、定点観測をやりたいのであるから、船の建造で十八億計上した。何べんやっても削られてしまう、わずか十八億ぐらいのもので、毎年やってくる暴風雨というものに向かって防衛しようという、この十八億の予算は、きびしく削られているにかかわらず、一方において、こういう不用額、繰越額、流用額というものを防衛庁の場合においては、どんどん出しておる。こういうところに、何か割り切れないものがあるから聞いているわけです。
 でありますから、私は要望しておきたいのですけれども、大臣がおいでにならぬと工合悪いが、次官一つこういう点について、十分厳格に大事な予算であるからして、法律がこうだからといって、であるからずさんな数字を計上していいということにはならぬのですから、この点は、特に御注意願いたい。特に防衛庁は、さっきからお話のように対米関係もございますのでと、こういうことで逃げるということは、これはいかぬと思います。でありますから、ぜひこういうことについて防衛庁について、また続いてやりますから、長官にも、いろいろ注文もつけたいと思いますから、ぜひ大蔵省においても、この予算編成について格段の御留意を願いたいと思います。次官一つ、御所見を伺いたい。
#58
○政府委員(田中茂穂君) 先ほど来の防衛庁支出に対する大倉委員の御意見に対しましては、十分拝聴いたしましたので、中には、ごもっともな点もあろうと思いますので、大臣にも申し上げ、今後の予算編成におきまして、十分慎重に善処いたしたいと思います。
#59
○武内五郎君 ちょっと大蔵省にお伺いしたいのですが、決算の大蔵省所管の関係では、税徴収に重点が置かれるようですが、監査業務ですか、監査については、業務監査と会計監査、それから何か国民監査ですか――こういうようなのがあるようですが、それはその各種監査の取り扱い内容をちょっと……。
#60
○政府委員(原純夫君) ただいまお話の税務行政における監査でございますが、これは非常に広い問題だと思います。税務行政は国税庁のもとに十一局、五百四署置いて、法律で定められたところに従って税務をやっているわけでございますが、その仕事について会計検査院は検査院法の建前から会計検査をなさる。その前にもちろんこの税務行政の本来の仕事の一部として、所管体の仕事が適正に行なわれますように日常心を尽くしてやっておるつもりでございます。大きく言いますれば、毎年度計画を立て、本年度はこういう計画でおやりなさい、で、所得税は、こういうような点に注意してというような計画段階から、すでにそういう監査的な観念と申しますか、そういうものがしょっちゅうあって、特にわかりやすい例で申しますれば、税金を納めていただくのに郵便局、銀行に納めていただく場合には、税務官吏は、じかには接触いたしません。そして税務官吏が出て参りまして納めていただくというような場合には、今回も、この不正事項として指摘がございますが、生の現金をいただいて参るというようなことがございますから、そういうようなのが間違いなく国庫に入るということにつきましては、毎日のそういうやり方自体の中に監査が入ってくるわけであります。それには、金が入ったならばその分は係長がここに割印をおしなさいというような規定が――これはただいまの場合で言いますと、管理事務の事務提要というようなものがありまして、それで署員をずっと縛っておると申しますか、規律を定めてあるわけでありますが、その他各税の調査につきましても――ただいまのは、お金の面で不正がないようにということでありますけれども、各税の調査につきましても、注意すべき点がいろいろあるわけで、たとえば不当事項、是正事項として言われております、先ほどの交際費ということになりますれば、それを会議形態、あるいは通達形態で、こういう点が間違いが多いから直せ、あるいは気をつけろということを言ってやります。ですから、もう事務の計画をし、そしてその計画に基づいて仕事を与えて署員を動かすという段階に、初めから適正にいくようにという配意が、もう全税務行政にわたって張り広げられなくてはならないというふうに思っております。
 この面の仕事は、戦後非常に混乱しました二十四、五年ごろまでは、ほんとうにもうその日暮しのようなところが率直に言ってございましたが、その後事務の定型化ということを進めまして、個々の担当官が仕事をやる場合に、こういう点に注意するというようなことを、ずっと定型的に教え込むようにいたしております。それが大前提でありますが、やはりやった仕事を、あらためて見て監査するということは、これまたいわばそういう意味では、狭い意味と申しますか、本来の意味になるかもしれません。監査事務というものを、やはり一つの組織的な仕事の流れとしてやっております。その監査には、税務署でありますれば、署長以下が署員の仕事の監査をするということはございます。たとえば所得税、法人税というようなものでありますれば、よく申しますのは、署長がめくら判を押しておるというだけではいかぬ、やはり年に何回かは署長、課長が出て、そして管内のおもな納税者と申しますが、あるいはサンプルで納税者を見て、そうしてやはり係員の調査はどうかというようなことを、生の現実から判断すると申しますか、そういうようなことをおやりなさい。これらは署長の本来の任務に非常に近い形の監査でありますが、だんだんこまかくなりまして、毎日あるいは毎月の賦課徴収関係のケースを追ってにらむという段階があります。これは署内で行なわれておる監査的なものでありますが、さらに局は、各部課それぞれの系統におきまして署に出向きまして、署のやっておる仕事について監査をする。それには事務別の仕事の中身が適正であるかどうか、さらに仕事の進度、能率がどうであるかというような点を監査をし、同時に監査というのは、非違があってはいかぬというだけではなくて、やはり監査をします間に、よりよいものへの、何と申しますか、検討というか、そういうような態度も入れて、いろいろな数の多い署、また職員の中には、いろいろ工夫してやっている者もありますから、そういうのをとって、新しい全般的な通達を流すというようなことも考えながら、監査をいたしております各部課の監査というものがございます。
 なお、長官直属で、監督官、監察官というものを持っておりまして、監督官、監察官、それぞれ本庁のほか、各国税局に数名ずつ派遣しておりまして、これらが、やはり毎年各税務署、また国税局について、監督監察をやっております。監督の方は、事務全般について、今申しました広い意味の監査をやっておるのでありまするが、具体的には、署務視閲と申しまして、年におそらく、今の局では百数署だったと思います、百署あまりを毎年回って見るというふうなことをいたしております。なお、国税局を観閲するということも、本庁の部課長あたりが出て視閲するということを、順次いたしておりますほか、毎年二局ないし多い年で三局くらい選びまして、事務の総合視閲ということで、本庁から各部課の相当な人をそろえていって、全般的に査察をして参るというような監査もいたしております。
 監察官のいたしておりますのは、これは人事的な角度から、不正がないように、また不正がある場合は、これをすみやかに改ため、また不正があったものについては処分をするというようなことで、やはりこれも本庁及び各国税局に人を置いてやっておるというようなのが、大体お話の監査、監察についての私どもがやっておりまするところのごく概略でございます。
#61
○武内五郎君 今承ると、大体監査の遂行上のいろいろななにがあるわけでありますが、概括して、業務が適正にして、しかも敏速に行なわれているかどうか。そしてそれが制度上、機構上妥当なものであるかどうか、しかもその制度、機構が、改正を要する点はどこにあるのかというような点が出てくると思う。
 そこで、その業務監査にあたりまして、私ども今ここで扱っているのは、業務上のいろいろな不当事項等にわたっておるわけなんですが、業務が適正にしてしかも敏速に行なわれ、その担当者が精励恪勤で、きわめて成績がよく、優秀な業務の遂行をやっているというような者についての賞の方ですね、そういう方面が、ここにはもちろん出ないわけでありますが、やはりあるのですか。そういうふうな、大へんよく成績が上がったぞといって、おほめをいただいたり何かする職員なんかがあるのですか。
#62
○政府委員(原純夫君) 職員に対しまする信賞の問題でありまするが、これは非常に重要な事柄と思っておりまするが、率直に申しまして、戦後、近ごろまでの間におきまして、信賞の処置が、制度的に、また運用面で非常に完備しておったとか、活発であったというようなことは申せないと私は思います。しかし非常に大事なことだと思います。幸い今回は、人事院の方も踏み切られまして、また政府部内の所管関係の方も踏み切られまして、特別昇給も三十五年度から、かなりの幅で運営されることに相なりました。毎年度定員数の一割までの人数について、特別昇給をしてよろしいというようなことができまして、これはただいまお話の、ごほうびという意味においては、人数も相当になりまするし、かなりな――かなりといいますか、非常に影響力の強い信賞措置だと思っております。
 ただいまの信賞の措置といたしまして、一番顕著なのはそのことでありまして、そのほか制度的には、あまり信賞というような形での制度にはなっておりませんが、やはり署、局において、人を任用いたします場合に、重要な職につけるということが、信賞というようなことの意味を持つことになります。そういうような意味で、人事運用上、やはりこの、ところてん式とか温情式というようなことはなるべく避けて、あるいはやるにしても必要最小限にとどめて、ほんとうに人の適正な敏速な公務員サービスとしての点数によって任用をやっていくということが必要であろうと思います。
 なお、事務全般について、やはり励ましをつけるということは非常に必要であると思って、私、今、いろいろそういう面は、なお、もっとないものかと思って、考えておりますが、ただいまのところでは、主たるものは、大体そういうことだというふうに思ってやっております。もちろん社会的に善行があったと、これは仕事と離れますが、たとえばおぼれる子供を、職員が調査に出かけている間であったが、水に飛び込んで助けたとか、山奥の学校に書籍を毎月々々寄付を続けておったが、事あって現われて、感謝されたというようなことがありますれば、それはそれで、もちろん表彰と申しますかというようなこともいたしておりますが、大体現状は、そういうようなことに相なっております。私ども、気持としては、そういうことでございます。
#63
○武内五郎君 それで、実は私、簡単に質問したいのです。それから簡単に御答弁願いたいのですが、御承知の通り、政治のよしあしというのは、一般国民は、課税、その徴収の態度で判断される。そこで、しかも私は、民主政治というものは、特にそういう点に親切で正しい民意が反映された税の徴収が必要であると、こう考えます。
 そこでお尋ねしたいのは、こういういろいろな不当事項が掲げられております。この大きな数項にわたるいろいろな不当の税徴収上の問題ですが、徴収不足とかいろいろなものが出ています。そこで、これらのものの対象になっているものというのは、御承知の通りきわめて零細な商社であるとか、いろいろな団体であるとかいうのがあがっておるわけなんですが、どうも不思議に考えられることは、大きな財閥であるとか、大きな商社が対象になつていない。それらはまあその大きな商社、財閥の業務上の組織がきわめて完備している関係から、また法令あるいは会計上の業務がきわめて完全にできておる関係から、そういうものがあがってこなかったというふうに考えられる。ほとんど全部これは小さいものです。
 で、今まで一般の国民から、税徴収について、この会社の業務について税務署から査定等に参ったり、あるいはその税徴収の態度等について、一般国民は、とにかく苛斂誅求な収税――悪い言葉ですが、昔の収税的な態度で臨まれてくるのが相当多かったのでありますので、そういう態度で、こういう小さいのがあがっておるのかどうか。で、業務上適正にして敏速に行なわれていて、しかもその担当官が精励恪勤で、有能な人である。そうして、それが信賞の対象に監査上なってくるとするならば、そういう小さいものに対するきわめて過酷なる態度が、そういう信賞の対象になるとすれば、これは、とんでもないことだと思うが、その点についてどう考えられるか。
#64
○政府委員(原純夫君) 大へん重要な点でございますが、私はむしろ、そういうようなことがないように、過酷なことがないようにというととを、実は口幅ったいわけでありますが、昨年四月に長官を拝命いたしまして以来、どういうふうに職員を導こうかと、まあ長年の伝統により、先ほど申したような各般の部内の規律によってきておりますので、一朝にしてどうということもいかがかと思いますが、そのとき私、考えました三つの柱というものがございます。
 それは、第一には、税務署はとかく納税者には近づきにくいところだと。だから、税務署の敷居を一寸でも一分でも低くして納税者に接するように。特にその必要は、大会社等よりも、個人または中小の会社、要するに税務署になじみの薄い人たちは、税務署の呼び出し一つで非常に心配される。で、何か口を開けば不利にとられるのではないかと心配される。そういうようなことを考えて、一寸でも一分でも敷居を低くして接するようにということを、これはもう部内おそらく五万人の職員がみんな私は知っておると思います。そういうことでいっております。
 それから第二としては、仕事は適正に、といっておりますが、その適正にという際にも、これは、とれとれというのではないぞと。もし不当に徴収している、賦課しているということがあっては、これは非常に申しわけないことだから、思い切って返しなさいと、そういうときには。それで、たとえば一億円総計返したということは、結局国民のそういう気持に対しては、十倍二十倍の税務の信用として返ってくるということまで申してやっております。
 第三に、税務は規律が大事であるというて、税務部内の規律をしっかりするようにということをいうておりますが、なかなか私は言いながらして、完全にできているとは思いません。お話のような点が多々あると思いますが、気持として、そういう心がまえでおるということを第一に申し上げたい。
 それから第二に、大会社等につきましては、なるほど検査報告では出ておりませんが、これは私は、やはり検査院の検査が、納税者まで調くるということはほとんどなくて、局署でお調べになるということからくる結果ではなかろうか。つまり小さいケースは、割合簡単に全貌が出るわけです。ところが大きな企業になりますと、たなおろしから諸般の受け入れ、払い出しからというものが、きわめてこまかくかみ合わさっておりますので、それらを一望達観して、どこに疑義があるということは、なかなかむずかしいのであります。検査院としては、そこまでなかなか手がお回わりにならぬということがおありになるのではないかと思います。反面、表づらに出る仕事は、御案内の調査官という制度をとりまして、調査官が割合に時間もかけて、大法人についてはやっておりますから、表づらは、そこでもって間違っておる、交際費の限度超過だというようなのが出るのはやはり少ないのじゃないか。一部は中にありますが、やはりそういう傾向がありはしないか。
 そこで、私ども税務行政の態勢としては、今申しましたように大きな法人の方は調査課で扱って、そうして経験のより豊富な、そうして高度の知識を持っておる人をあてる。日数もよけいかける。なおその法人の中で、大きくなればなるほど、どうしても日数がよけいかかる。深度が、調査も深く調べるということになります。その最も象徴的な制度は、昭和三十五年度から予算をいただいてやっておりますところの国税特別調査官制度というものがあります。これは調査課の課長クラスでも、最もばりっとした人を特別調査官として、それにりっぱなスタッフを六、七名づけまして、いわゆるマンモス法人の調査をやる。これは相当な延べ日数を要してやっております。三十五年度から初めてやっておりますが、これらはまさに私どもは、そういう超大法人について、おっしゃるような適正な、その意味で公平な調査をしなければならぬと思って努力しておる一つでありまして、この努力は、さらに末広がりにいたしたいと思いまして、三十六年度予算においてもお願いして、人数を倍加するということをお願いしております。
 それはたまたま超大法人というところでありますが、だんだん小さくなるに応じまして、やはり事務計画上、日数のかけ方、仕事の突っ込み方、またそれにあてがう人間の力というようなものをよく見まして、やっておりますので、せいぜい私どもとしては努力いたしておるつもりであります。もちろんこれは、もうそれを努力しながらおっしゃるような非難が出るというのが税務行政というものの、おそらく歴史的にぬぐい得ないなんだと思いますので、私は決して行きどまりはないと思いますが……。
#65
○委員長(佐藤芳男君) 簡単に願います。
#66
○政府委員(原純夫君) どうぞ、御了承を願います。
#67
○武内五郎君 そういうマンモス会社等の調査は、三十六年度予算以降に適正にやっていくための制度を作る、こういうことなんですね。それで三十五年度税……、特に今われわれが扱っております三十三年度、その他のものは、調査が不十分、十分でなかった、あるいは発見できなかったということなんですか、その点と、さらに私は話を簡潔にするために、ここで検査院にも伺いたい。検査院が、これらの事項を調査するにあたりまして、そういう大会社、マンモス商社等の不当事項が発見できなかったかどうか、それをお伺いしたいと思う。
 それから、常に検査院はマンモス商社、大会社等の調査にあたっての態度を承わりたい。
#68
○説明員(秋山昌平君) 会計検査院といたしましては、納税者の大小ということを区別して考えることはございません。ただ、できるだけ大きい徴収漏れがないかということは、常に重点として考えております。お話のございました大会社につきましても、十分検査をいたしているつもりでございます。ただ、問題として出たのがどうかということに相なりますと、大会社につきましては、税務当局におかれましても、非常に細心の注意を払って、調査をしておられる。また所得の調査だけでなく、税務処理でも細心の注意を払ってやっておられまして、私どもから指摘したのは、皆無とは申しませんけれども、非常に少ないのは事実でございます。ただ、小さいものについて検査をしているというふうに伺いましたけれども、私どもといたしましても、零細なものを特に取り上げるという態度は、必ずしもとっておりませんで、ここで集計いたしましたものは、税額におきまして十万円以上でございます。所得税の全国の平均を見ましても、十万円という税額は、必ずしも過少ではない、こういう観点から、一応十万円以上の税額――税額においてであります――その徴収不足といったものについて、検査いたすという態度をとつておりまして、御指摘のございました六法人につきましては、まず第一に重点を置いて検査をいたしております。簡単でありますが、これでお答えといたします。
#69
○武内五郎君 大蔵省、どうです。
#70
○委員長(佐藤芳男君) 原長官、簡潔にお願いいたします。
#71
○政府委員(原純夫君) はい。大法人のなには、今の特別調査官の、なんでも相当、突込んだ内容をやっておりますが、通常は、なかなか大法人になりますと、いわゆるオートメーションといわれるように、経理あたりも、かなり機械的になりますので、割合にごっそり抜けるというような非違は、脱税は少ないということがよくいわれます。が、やはり諸般の点で、評価あるいは出し入れの目のつけ方というような問題がありますので、それをやるとなりますと、相当手数を要する、手数をいとわずやろうというようなことは、ただいま申し上げましたようなことでいたしておりますので、だんだんそういうようなことの例も申し上げ得るようになるかと思いますが、十分努力して改善をはかっていきたいと思っております。
#72
○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もございませんので、大蔵省関係の質疑は、一応この程度にとどめます。
 なお、阿部委員より質疑の通告がございますので、後日、取り上げることといたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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