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1960/03/01 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第9号
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1960/03/01 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第9号

#1
第038回国会 決算委員会 第9号
昭和三十六年三月一日(水曜日)
   午後二時十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理事
           谷口 慶吉君
           仲原 善一君
           野上  進君
           北村  暢君
           石田 次男君
   委員
           上原 正吉君
           川上 為治君
           田中 清一君
           野本 品吉君
           相澤 重明君
           阿部 竹松君
           木下 友敬君
           武内 五郎君
           山田 節男君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       始関 伊平君
   通商産業大臣
   官房会計課長  井上  猛君
   通商産業省繊維
   局長      松村 敬一君
   通商産業省鉱山
   局長      伊藤 繁樹君
  説明員
   通商産業省通商
   局次長     山本 重備君
   通商産業省通商
   局振興部長   生駒  勇君
   会計検査院事務
   総局第四局長  宇ノ沢智雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。本日は通商産業省の部の審査を行ないます。念のため申し上げますが、通産省関係の不当事項は、検査報告第二百七十四号から第二百八十号までございます。それでは、まず会計検査院から説明を求めます。
#3
○説明員(宇ノ沢智雄君) 昭和三十三年度の通商産業省所管の一般及び各特別会計に関しまして検査いたしました結果は、ただいま委員長からお示しの三十三年度検査報告の七十三ページから以下に掲げてございまする、二百七十四号から二百八十号までの補助金に関する件についてだけでございまして、本件について御説明申し上げます。
 この補助金は、中小企業の設備の近代化等をはかる目的で、中小企業者にそのための必要な資金の貸付事業を行ないまする道府県に対して交付いたしますものでございますが、三十三年度中、道府県におきまして自己資金七億一千余万円、それから国庫補助金七億、それに償還金五億七千八百余万円合わせて十九億八千八百余万円をもちまして、二千七百四十五事項金額にいたしまして十八億二千二百余万円の貸付を行なったわけでございますが、本院におきましては、三十四年中そのうちの四百八十一事項、金額にいたしまして四億九千二百余万円について、その貸付の当否及び貸付金の使用状況を調査いたしましたところ、本件に掲げてございますような、貸付の対象にならない企業者に貸し付けておりましたり、あるいは計画通りの設備を設置していない者に貸し付けていたりしているなど、資金の使用が当を得ないものがあったわけでございます。
 簡単でございますが御説明いたしました。
#4
○委員長(佐藤芳男君) 次に通商産業省より説明を求めます。
#5
○政府委員(始関伊平君) ただいま議題となっております通商産業省所管経費決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳出決算について御説明いたします。
 昭和三十三年度歳出予算現額は百二十三億九千九百万円余でありまして、これを歳出予算額百八億三千七百万円余と比較いたしますと十五億六千二百万円余の増加となっておりますが、これは総理府所管よりの移しかえ額三億九千三百万円余、予備費使用額六億四千三百万円余、前年度よりの繰越額五億二千五百万円余による増加であります。歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額は百十二億五千万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は八億二千八百万円余、不用となりました金額は三億二千万円と相なって おります。
 以下、三十三年度におけるこの経費の執行につきまして、そのおもなる事項の大要を御説明いたします。
 第一に貿易振興及び経済協力費でありますが、歳出予算額は十七億三百万円余でありまして、これに前年度よりの繰越額一億三千九百万円余及び予備費支出額四千百万円余を加えまして、歳出予算現額は十八億八千四百万円余となっております。これに対しまして支出済み歳出額は十五億七千九百万円余、翌印度繰越額は一億九千四百万円余、不用額は一億一千万円余となっております。
 貿易振興の施策といたしましては、海外市場の開拓と販路の拡張をはかりますため、海外広報宣伝事業の拡充強化、市場調査の充実及び貿易あっせんのための在外機関の整備拡充を行ないますとともに、国際見本市等への参加、輸出品意匠の改善、輸出検査の整備等を積極的に推進いたしましたが、特に貿易振興の中核体を確立して輸出の振興をはかりますため、別途経済其盤強化資金より二十億円の政府出資か行ないまして、特殊法人日本貿易振興会を三十三年七月に設立いたしました。またブラッセルの万国博覧会に参加し、わが国の伝統的手工芸品と、近代産業製品の展示宣伝を行ないましたほか、中南米十一カ国に巡航見本市船を派遣いたしまして、中南米市場に日本商品の紹介宣伝を行ない、多大の効果をおさめたのであります。
 第二は中小企業対策費でありますが、歳出予算額は十一億四千五百万円余でありまして、これに前年度よりの繰越額九千六百万円余及び予備費支出額五億八千万円を加えまして、歳出予算現額は十八億二千百万円余となっております。これに対しまして支出済み歳出額は十五億八百万円余翌年度繰越額は三億一千万円余、不用額は百万円余となっております。
 中小企業対策費のおもなる項目の支出につきまして御説明いたします。
 まず、中小企業設備近代化等補助金でございますが、この経費は中小企業振興資金助成法に基づいて、中小企業経営の合理化のための設備と、中小企業等協同組合の共同施設の設置に必要な資金の貸付を行なう地方公共団体に対して補助を行ないますためのものでありますが、三十三年度における支出は七億円となっております。
 この制度によりまして、中小企業設備近代化のために、総額十四億七千九百万円余の貸付が二千四百企業に対して行なわれ、中小企業の合理化、近代化に寄与いたしたのであります。また中小企業等協同組合の共同施設につきましても、総額三億四千百万円が三百二十三組合に対しまして貸し付けられ、これにより品質の向上、コストの引き下げ等、組合員の事業の合理化を促進いたしました。
 次に中小企業団体中央会補助金でございますが、この経費は、中小企業等協同組合法に基づいて設立されました全国中小企業団体中央会及び四十六の都道府県中小企業団体中央会が行ないます事業の補助でありまして、三十三年度におきましては、五千万円の支出を行ないまして組合事業の活応化をはかり、組織による中小企業の合理化の安定化に多大の効果を上げたのであります。
 次に中小企業診断指導費補助金でありますが、この経費は地方公共団体の行ないます中小企業診断事業に対しまして交付いたしました補助金であります。三十三年度に九千万円余の支出を行ないまして、工場診断、商店診断、産地診断等を実施し、中小企業の経営の合理化、技術の向上等に大きな効果をあげたのであります。
 次は中小繊維工業設備調整補助金であります。
 この経費は繊維工業設備臨時措置法に基づいて行なわれます過剰綿スフ、及び絹人絹織機の処理に要する経費の一部補助でありまして、当初一億二千万円の予算を計上いたしまして、処理する計画でございましたが、前年度から引き続きました繊維不況の深刻化に伴い、昭和三十三年八月の閣議決定による繊維不況打開のための施策の一環として過剰織機の繰り上げ処理を行なうこととなりまして、このため五億八千万円の予備費支出を行ないまして、合計七億円の予算をもちまして広幅換算二万六千台を処理いたしまして、その後の織布業者の立ち直りに貢献したのであります。支出につきましては、処理手続未済が一部でございましたため、支出済み額は、前年度繰越額九千六百万円余を含め四億八千五百万円となり、三億一千万円余は翌年度への繰り越しとなっております。
 第三に科学技術振興費関係でありますが、歳出予算額は三十四億六千万円余でありまして、これに前年度よりの繰越額二億二百万円余および総理府所管よりの移しかえ額三億八千二百万円余を加えまして、歳出予算現額は四十億四千五百万円余となっております。これに対しまして支出済歳出額は三十八億一千百万円余、翌年度繰越額は二億円余、不用額は三千二百万円余となっております。
 科学技術の振興がわが国経済発展のための基本的問題であることにかんがみまして、通商産業省の十一の試験研究所に対しまして、民間の試験研究機関では行ないがたい基礎的、総合的な試験研究を行ないますための特別研究費を支出いたしましたほか、科学技術の急速な進歩に伴いましてこれら試験研究所の設備を整備し、近代化いたしますための経費を支出いたしました。
 また、わが国の鉱工業技術の向上に寄与すると認められる民間の応用研究、工業化試験を積極的に助成いたしますために、鉱工業技術研究費補助金五億二千三百万円余を、件数にいたしまして百四十一件に対して交付いたしました。
 第四に公共事業関係費でありますが、通商産業省所管の公共事業関係費としましては、工業用水道事業費と鉱害復旧事業費がございますので、それについて御説明申し上げます。
 まず工業用水道事業費でございますが、この経費は、工業地帯における地下水のくみ上げによる地盤沈下の防止と、工業立地条件の改善とを目的として布設されます工業用水道の事業費の一部を補助するための経費でありまして、歳出予算額は五億円でありまして、これを前年度よりの繰越額四千万円を加えまして歳出予算現額は五億四千万円となっております。これに対しまして支出済歳出額は四億三千四百万円余、翌年度への繰越額は一億二百万円余となっております。
 三十三年度の事業実績といたしましては、北伊勢第一期及び尼崎第一期の繰越事業を完成いたしますとともに、大阪市、横浜市、北九州の三カ所の継続事業と、仙塩、愛知県営、北伊勢第二期、磐城、徳山南陽地区の五カ所の新規事業を実施いたしました。
 次に鉱害復旧事業費でございますが、この経費は臨時石炭鉱害復旧法に基づいて行なわれます鉱害復旧費の一部を補助するための経費でございまして、通商産業省所管といたしましては、公用公共用建物と家屋の復旧費があります。三十三年度におきましては七千八百万円余の支出を行ないまして、七百四十八戸の家屋と十九件の公用公共用建物を復旧いたしました。
 以上をもちまして、通商産業省所管の一般歳出決算に関する御説明を終わりまして、次に当省所管の各特別会計の決算について御説明申し上げます。
 第一にアルコール専売事業特別会計でございます。この会計はアルコール専売法に基づいてアルコールの製造、収納販売等の事業を企業的に運営するために設けられましたものでありまして、三十三年度収納済歳入額は三十一億一千八百万円余、支出済歳出額は二十七億九千七百万円余でありまして、従って歳入が歳出を超過すること三億二千万円余であります。またこの会計の損益計算上にたける利益は五億三千万円余でありまして、この利益のうち一億八百万円余は固有資本の増加に充てることとし、残余の四億二千百万円余は一般会計へ納付いたしまして決算を結了いたしました。
 第二に輸出保険特別会計でございます。この会計は輸出保険法に基づいて政府の行なう輸出保険事業の経理を明らかにするため、昭和二十五年度に設置されたものでありまして、三十三年度収納済歳入額は六十億二千五百万円余、支出済歳出額は五億七千二百万円余であります。三十三年度における保険引受件数は二十万七千件でありまして、前年度の一六%の増加、また保険金額は千六百七十六億円で前年度の三七%の増加となっております。
 第三に中小企業信用保険特別会計でございます。この会計は中小企業者に対する信用補完制度として昭和二十五年十二月発足したものでありますが、三十三年度においてこの会計を発展的に解消して、新たに設立されました中小企業信用保険公庫にその業務を引き継ぐことになりました。従いまして、この会計の事業活動期間は四月から六月までの三カ月間であります。三十三年度収納済歳入額は二十四億八千百万円余、支出済歳出額は五億九百万円余であります。
 第四に特別鉱害復旧特別会計でございます。この会計はいわゆる特別鉱害物件を急速かつ計画的に復旧するために、特別鉱害復旧臨時措置法に基づいて昭和二十五年度に設置されたものであります。この復旧事業は三十二年度をもっておおむね完了いたしましたが、未払金等の処理を行なうため三十三年度まで存置することといたしましたものでありまして、三十三年度収納済歳入額は九千五百万円余、支出済歳出額は二千六百万円余であります。
 第五に特定物資納付金処理特別会計でございます。
 この会計は特定物資輸入臨時措置法に基づいて、国庫に納入される特別輸入利益金の受け入れと、これを財政投融資の財源に充てるため、産業投資特別会計へ繰り入れに関する経理を明らかにするため設けられたものでありまして、三十三年度収納済歳入額は二十五億五千四百万円余、支出済歳出額は二十四億六千八百万円余でありまして、この支出額のうち産業投資特別会計への繰入額は二十四億六千五百万円であります。
 以上をもちまして通商産業省所管の特別会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。
 最後に、本決算につきまして会計検査院より不当事項として指摘を受けました点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。今回指摘を受けましたものは、中小企業設備近代化等補助金を財源とする府県の貸付金の運営に当を得ないもの七件で、国庫補助金相当額にして四百万円余であります。指摘金額全額を県の特別会計に返還を命じ、現在全額収納済みとなっておりますが、今後はさらに事前調査及び完了検査等の徹底、貸付事務の実施体制の充実等につきまして、より一そうの指導監督を行ないましてかかる事例の絶滅に努力する所存であります。
 以上をもちまして通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算の御説明を終わりますが、なお御質問に応じて詳細に御説明申し上げたいと存じます。何とぞよろしく御審議の程をお願いいたします。
#6
○委員長(佐藤芳男君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○阿部竹松君 ただいまのお二人の御報告に基づいてお尋ねする前に、私、決算委員になったのは初めてですから、その運営について二、三承っておきたいと思います。
 そこで、まあずっと古くからの決算委員会の記録を調べておりませんが、近い例をとってみましても、決算委員会で論議されることが議案なりや、あるいは報告なりやということが論議をされておるわけです、第一回国会以来。ですからそういうことで今申し上げました通り、議案であるという立場をとって論議する場合と、単なる報告書であるという立場をとってお尋ねする場合と、これは非常に相違があると思うのです。しかしこういうことについて今まで論議を何回も重ねられたようですから、その点私結論的にどうのこうの申しません。ただ委員長としての心がまえを承っておきたいと思います。
#8
○委員長(佐藤芳男君) お答えをいたします。決算書が従来ずっと報告となって提案をされておりますことは御承知の通りでございます。これを議案として取り扱うべきやどうかということにつきましては、ずっと以前から議論のあるところでございます。従いまして、本委員会といたしましては、本問題はきわめて重大な問題であり、一度は解決をしておかねばならない問題と考えまして、私、委員長に就任草々本委員会にお諮りをいたしまして、適当の機会において小委員会を設けて学識経験者等の意見も徴して、結論を生むことに努力したいという発言をいたしたことをただいま思い出すのでございます。私はそういうように取り計らっていきたいと思うのでありますが、現在は報告となって提案をいたしまするから、原則といたしましては、もちろん報告として審議を進めていかねばならぬと思います。ただし実際の審議にあたりましては、原則はそうでございますが、報告案件以外の問題等につきましても、緊急を要する問題、重要な問題等につきましては、逐次これを審議していくということは申すまでもないところでございます。
#9
○阿部竹松君 私、憲法学者でないからわかりませんけれども、わが国の憲法の八十三条の中に「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて」やらなければならないと書いてある、財政を処理するには。そうするともちろん予算の場合にも処理する中に大きくウエートを占めるけれども、ただ聞きっぱなしであとどうなったかということも八十三条の中に僕は入るものだと思うわけです。そこで、別に私は委員長に議論をふっかけようと思いませんけれども、そこらあたりを一番先にすっきりして、これを論議せずして、論議はどんどん進んでいって、あとで結論を出そうというのは、どうも私、初めてですからよくわかりませんが、筋が通らぬような気がする。八十三条の解釈は委員長いかがですか。
#10
○委員長(佐藤芳男君) お答え申し上げます。私といたしましては、八十三条の解釈は阿部委員と同様の解釈をとっているのでございます。しかし、今日まで長い間これを報告として取り計らっておりますので、これを本委員会で直ちに八十三条に基づいて、そうして審議を進めていくことは適当にあらず、従って、小委員会を設けて十分研究をいたして、できる限りすみやかに結論を得たい、かように考えまして小委員会の設置を提唱した次第でございます。さように御了承願います。
 ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(佐藤芳男君) 速記を起こして下さい。
#12
○阿部竹松君 地方自治法の第二百四十二条ですか、これについても、地方自治体の予算決算のあり方はどうしなければならぬということは、一項目から四項目にわたって明確になっているわけですよね。ですからそれとこれと右へならへしないとか、報告あるいは議案とか、これは論争は別の場所でおやりになるそうですから、僕はここで言いませんけれども、それをあいまいもことしてここでおやりになったのではこれは問題にならぬ。国会法に基づけば、あらゆる案件は両院同時に議決してはならないという規約になっているのですから、これは純然たる報告事項だと認定をした上のわれわれは審議を進めるということになる、そうなりましよう。あなたは私と八十三条について憲法上の解釈は同じだとおっしゃるが、それは同じだったら、僕はどうも納得いかないのですが、しかし、委員長としてそれを今話があったように、早急にきめるというお話であればよろしゅうございますが、その点、委員長、明確に委員長の見解として御答弁願います。
#13
○委員長(佐藤芳男君) 先ほど申し上げましたように、これを報告とすべきや、議案とすべきや、この形式の問題につきましては前の委員会の決定に従いまして、小委員会において急速に結論を出すべく検討を進めていきたいと考えております。
#14
○阿部竹松君 では次にもう一点だけ大へん恐縮ですがお尋ねいたしますが、会計検査院からおいでになっておる方はどういう資格の方かわかりませんけれども、わが国の憲法ができるとき、昭和二十一年九月の二十五日、帝国憲法改正特別委員会議事録ですね、これに当時の金森先生が、会計検査と国会のあり方についてこういう御答弁をなすって了解しておるわけですね。いろいろまあお話しておられますが、それを直接関係ないことは省きます。そうして国会に対し決算の報告書を出すものでありまして、幾分国会の独自性を保つべき立場におります。また、内閣とも独立性を持つべき立場にありまず、云々と言って、会計検査院とこの国会のあり方について明確に金森徳次郎先生がおっしゃっておる。ところが、それはそれでわれわれよろしいとして、国会の前総長たる者が会計検査院の検査官になり、それから会計検査院からわが参議院の調査室に来ておる、たらい回しですね。しかし、そこに問題がある。それはやめてしまったから一個人ということになりましょう。僕は、法的根拠を言うておるのじゃない。参議院からも会計検査院へ行き、会計検査院からも私どもの方の調査室に来ておる。こういうことは、僕は行政上のミスがあるのじゃないかという見解を持っております。委員長いかがですか。
#15
○委員長(佐藤芳男君) おっしゃる通り、この問題は十分戒慎をせなければならぬ問題と考えております。元会計検査院の職員で議長の同意及び議院運営某女員会の承認を得て、事務総長から本委員会に配属をされておりますのは、現在、専門員が一名と調査員一名がおります。なお、元会計検査院の職員で、本委員会に配属されておる者を含めて、本委員会の専門員や調査員が会計検査院に転じた者は一人もいないのであります。従って、人事交流の事実は現状においてはない、交流はない、かように見ております。なお、元会計検査院職員が本委員会に配属されておる可否につきましては、十分研究に値いし、戒慎せなければならぬ問題と考えております。
#16
○阿部竹松君 そこで、案件に入らぬ前にあまり時間を費やしては恐縮ですが、もう一ぺんでやめますが、委員長のお話の通りになっておらぬ。昔の国会でありますと、つまり、当時の書記官長、今の総長以下全部ここの職員を内閣が任命した。今度は、衆参両院の議長が任命する。しかし、調査室だけは別個なんです。委員長の申立によって、とちゃんと国会法になっておる。総長が勝手に、あんたのところにこの人を使ってくれと言ったのじゃない。あなたの委員長の時代にやられたかどうか僕はわかりませんが、しかし、委員長が申立して、それを議長がとにかく最終的に決定するのですが、そこに普通の国会議員と専門調査室におる人と違うわけです。その専門調査室におる人が会計検査院から来ておる。まるでたらい回しであるということについて、私は若干疑義を持っているわけです。しかしこれ以上申し上げませんけれども、委員長の見解承っておきたいと思います。
#17
○委員長(佐藤芳男君) 先ほど申し上げた通りでありますが、もちろん議長が本本委員会に配属をいたしまする場合には、法規に従いますれば、決算委員長の推薦によって、ということはおっしゃる通りでございます。ただ、本委員会の専門員や調査員というものが会計検査院に転じたのは全然見受けられないのでございます。
#18
○阿部竹松君 私は、会計検査院からこちらへ来た――速記録をごらんになったらわかるけれども、こちらへ来たと言っているんですよ、私、行ったと言っておらぬのですから、そこを誤解のないように。
#19
○委員長(佐藤芳男君) 交流とおっしゃったからかように申し上げたのでありますが、ただいま御指摘の通り、会計検査院から参りました者は専門員一名、調査員一名がおることは事実でございます。こういう問題は十分心せなきゃならぬ問題であると、委員長、かように考えておる次第でございます。
#20
○阿部竹松君 ただいまの御両所の報告についてお尋ねいたしますが、その前に、本年度ソ連の見本市がわが国において行なわれる。これは実行されるか、うわさかわかりませんけれども、大体見本市が七月か八月ころ開かれる、こういうことを聞いておるわけですが、それに関連して、昨年モスクワで開いたわが国の見本市、これを新聞等あるいはいろいろな経済雑誌等で見ると、膨大な損失を生じたということを聞いているわけなんですがね。そこで、第一番、その経過を若干お聞きしたいと思うわけです。
#21
○政府委員(始関伊平君) 昨年の八月から九月にかけましてモスクワで開かれました見本市の経過でございますが、これは三十三年の十月ごろから、わが国の関係業界からぜひソ連で見本市を開催しようじゃないかという望要がございまして、その後関係各省でいろいろ相談をいたしまして、日ソ貿易の拡大をはかりますために見本市の開催が有意義である、こういう結論に達しまして、一昨年の七月十日の閣議におきまして、この見本市を開催するということが閣議了解になりました次第でございます。その後、三十四年の八月末に、日本から長村日本貿易振興会副理事長が団長になりまして、北村徳太郎さんなどが顧問になりまして、通産省、外務省、商社、メーカーの代表などで構成されます調査団が派遣されまして、約一カ月間ソ連側といろいろ交渉並びに現地調査をいたしました。その後三十四年の十一月に、貿易振興会と、ソ連側の見本市の受け入れ機関でございます全連邦商業会議所との間で、開催に関するいろいろな実施取りきめをいたしました。こういったようなことであの見本市が開催された、こういうような経過でございます。
#22
○阿部竹松君 ただいま次官からお聞きいたしました、石井さん、北村徳太郎さん、これは自民党さんの大物であるということは認めるわけですが、この種の仕事にあまりたんのうではない。これは次官はそうですと言われぬでしょうけれども、私どもは一般にそういうように認めている。この人が行ってジェトロを中心としてやったんですが、ジェトロは、御承知のように、二十億の資金でその金利で大体仕事をなさっておるというのがジェトロの実体だと思うわけです。このジェトロが中心でやったんですから、二十億の資金はこれは食い込むわけにいかない。こういうことで、一般の寄付その他いろいろ画策したようですが、そういう力のないジェトロがやったというところに問題がある。というのも要素の一つであるというように聞いておるわけですが、この点は、次官、いかがですか。
#23
○政府委員(始関伊平君) 実はお話のように資金二十億でございますが、そのほかに毎年十数億のいろいろな事業に対する補助金がございます。それでこの問題のモスクワ見本市につきましても、予算額で申しますと大体四億一千七百万円程度の予算でできたのでございますが、そのうちの二億六千万円程度を政府が補助するということで実行いたした次第でございまして、私どもといたしましては、ジェトロが人材構成なりあるいは資金的な力なりで、この見本市を開催するのに不適当であったというふうには考えておらない次第でございます。
#24
○阿部竹松君 成果はどう判断なすっているんですか。
#25
○政府委員(始関伊平君) 三週間の開催期間中に百万人をこす入場者がございまして、出品いたしましたものの八五%売却ができた。なおこの期間に千五百万ドル程度の契約もでき上がった次第でございまして、この日ソ間の貿易振興拡大、それから日ソ間の友好を進めるという意味におきまして、相当に効果が上がったものというふうに考えております。なお見本市の開催の前でございましたが、日ソ間に通商協定が行なわれまして、この二つの要素が相待ちまして、三十四年度に比べまして三十五年度は日ソ間の貿易額が行き帰りともほとんど倍近くにふえているというようなことからいたしましても、相当な効果をおさめたものと考えている次第でございます。
#26
○阿部竹松君 そうしますと、日ソ間の貿易の増加した分はモスクワで開かれた見本市のおかげである、このように判断されているわけですか。
#27
○政府委員(始関伊平君) 従来日本の業界では御承知のように日ソ貿易に対して消極的な気分も一部にあったようでございますが、この見本市の開催を契機といたしまして、日本側の商社なりメーカーなりの日ソ貿易に対する態度がだいぶ変わってきたということと、それから向こう側が日本の製品などに対する認識を深めたということ。もう一つは今申し上げました日ソ間の通商協定がその前にできたわけでございますが、こういう要素が加わって一番日ソ間の貿易のふえた大きな原因になっている、かように考えている次第でございます。
#28
○阿部竹松君 次官の説明をお伺いすると、わからぬでもない、理解できる点もたくさんあるわけですが、貿易の増加したのは必ずしも見本市に陳列した品物のためじゃないのですね、これはちゃんと計数に出ているんですからね。見本市に三百何点ですか出した。これはその出したその物が、ずっと増加したのであれば、なるほど次官のおっしゃる通りこれは大へんな成果だ。こちらで何億円かの赤字を出しても、こちらでそれだけ売れたんだから、結局は国内にルーブルですか、ドルですか入るということになるからいいわけですが、どうも私の調べたところでは、見本市に陳列した品物が必ずしも拡大しとたいうように解釈しておられぬわけで、その辺をちょっとお伺いしたい上のと。
 もう一つ新聞にいろいろうわさされているんですが、どのくらいざっくばらんに申し上げて赤字が出たたわけですか。
#29
○政府委員(始関伊平君) モスクワの見本市の開催が、日ソ間の貿易の拡大をもたらした大きな契機になっているうといふうに私考えている次第でございます。
 それから赤字の問題でございますが、これは当初予算が四億一千七百九十一万四千円でございまして、実際にかかりましたものは五億六千二百六十五円四千円、差し引いたしまして当時の赤字が一億四千四百七十四万円ということになっております。しかしながら入場者が多かったというような関係その他からいたしまして収入の増が四千四百万ばかりございますので、全体の収支を通じましての赤字は一億円ということに相なっております。
#30
○阿部竹松君 それは次官、どこでその穴埋めをされたわけですか。どこから流用して穴埋めされたわけですか。
#31
○政府委員(始関伊平君) これは貿易振興会の中にいろんな経費がございますが、振興会の目的からいたしましてまあ支障のないと申しますか、比較的少ないような経費を節約をいたしまして、その方面から七千六百万円、それからこの年度に中共見本市を開催するためにそれに予算がとってございましたのですが、その中から中共見本市は御承知のような事情で開催できないことがはっきりいたしましたので、そちらから二千四百万円、二方面から流用いたしまして穴を埋めるということをいたしました。
#32
○阿部竹松君 そこで次官、お尋ねしたいのですがね。最前も若干触れましたが、ジェトロは三年前に改組になりまして、政府出資と、大阪が中心になるかどうかわかりませんけれども、それぞれ関係団体から何がしかの補助金等をいただいて運営しておるわけです。しかしジェトロの、その二十億かける金利ですからこれは二億にも満たない金です。そのうちから七千万円も出すということになればこれは大へんな問題で、当たりまえにやるならば職員の給料も払えないという実態になるということになると思うのです。ということは、サンフランシスコでもロンドンでもコペンハーゲンでも、さらにはブラッセルでもジェトロの支店がたくさんある。これらの運営費がかかるわけですね。実際ジェトロではりっぱな海外貿易振興、こういうあれでこれこれの、あなたの報告書の中でも、こうやりましたと書いてある。そのわずかな金額でやられるということはりっぱだけれども、その中から七千万円そっちへ持っていって、どうも成り立たん、話のつじつまが合わぬような気がするのですが、そこをもう少し詳しく御説明願いたいのですが。
#33
○政府委員(始関伊平君) 阿部先生、ちょっと思い違いしておられると思うのですが、出資金二十億から参ります利子はこれはもちろんジェトロの経費に当てられますけれども、これはきわめて一部分でございまして、ジェトロの予算総額は大体二十二、三億になっておるわけでございます。そのうちで出資金に対する利子収入のほか、政府からのいろんな意味でのいろんな項目につきましてのジェトロに対する補助金が、大体十四、五億程度でございます。今お話のように民間の各方面から参ります、政府等からも参りますが、世帯の全体が二十二、三億でございますから、七千万円出しても、もちろん若干の支障はございましょうけれども、それほどのことはないというふうに御了承いただきたいと思います。
#34
○阿部竹松君 誤解じゃないのです。僕はジェトロを改組するときに、今の杉さんがこれは選任になるかならんかということで大いにもめたのです。しかし大阪の諸君が一番先にこういうことを始めたのであるし、あるいはまた貿易の中小企業を中心とした発展地も大阪だということでいろいろな経緯があって問題がきまったけれども、こういう金ではだめだということになって二十億使うようにせぬかと、そうでなかったら寄付金ばかり、補助金ばかりもらうようになる。こういう話をしたところがあまりもらいませんという政府の答弁なんです。ですからもらわぬということがこれは原則だ。あなたのお話を承っていると、三年間たったら話がこれは全部ひっくりかえってもいいということにならぬでしょう。当時の速記録を読んでみればよくわかる。三年前の話と今の話と全然違う。阿部先生勘違いじゃないですかとこうおっしゃるが、僕は、次官は前の経緯を何も知りませんねと言いたいほどですよ、そうじゃなかったら、当時の通産省の関係した人はここにおりませんが、お聞きになったらわかる。趣旨が全然違う。ですから、何といってもジェトロの出発は二十億円という金には手をつけちやいけませんよ、この利子で一切やりなさいということが趣旨なんです。今のあなたのお話ですと、おもやは小さくて大きな団体ができてしまって、そちらの方の金で払うから何ともございませんよという、当時の精神と全く本来転倒になっている。いつ通産省でそういう政策変更やったのですか。
#35
○政府委員(始関伊平君) 二十億の利子だけではこういう大きい団体が運営できるはずばないと思うのでありまして、出資二十億のほかに政府からの今申しましたジェトロに対する補助金が相当ございます。それからおそらくその当時民間から出さないということだったかと思いますが、政府補助以外の経費につきましては部長が参っておりますから、部長からちょっと御説明いたさせます。
#36
○説明員(生駒勇君) ただいま政務次官から申し上げました点、敷衍して申し上げますが、阿部先生おっしゃるようにやはり二十億出資でございまして、その利息だけでは運営されておりません。従いまして、たとえば三十五年度を例にとってみますと、十三億六千万円の補助金が出ているわけでございます。二十億の利子のほかに十三億六千万円、さらにそのほか地方公共団体あるいは賛助会という、いわゆる賛助会制度をとっておりますので、それの収入あるいは出版物その他売却いたしました収入その他を入れまして、先ほど政務次官から御説明申し上げましたような二十二、三億、さらにそれに委託事業がございます。機械センターでありますとか、あるいはそういうようなものをひっくるめまして、大体二十五、六億の規模で運営しているわけでございます。この基金の利子、補助金以外の賛助会費あるいは地方団体の補助金というものを、一刻も早くなくすべきであるというようなお話のように承りましたわけでございますが、やはりいろいろな関係がございまして、補助金その他が地方公共団体との関係を円滑にするという効果もございますし、またサービス機関といたしまして、賛助者に対しまして特定のサービスをするように、需要者との関係の意思の疎通をはかるという紐帯となるというような関係からいたしまして、この点はなお残っているように私ども聞いているわけでございます。
#37
○阿部竹松君 これは内部の問題ですが、その次の質問の御考までにお尋ねしておきたいのですが、出品された商社は初めの予想よりもきわめて多くなって、そのためにやはり七千万に該当する、金額とはいかぬでしょうけれども、それに該当する部分の要素を占めたとか、あるいはいろいろソ連と話し合って、なかなか話が進まぬというようなことで赤字がずんずんとふえていったというようなことも聞いておるわけですが、その点はどういうことなんですか。
#38
○説明員(生駒勇君) 今、阿部先生のお話の通りに私どもも承知しているわけでございます。まず一番最初に先ほど政務次官から御説明いたしたように一億ばかりの赤字が出たわけでございますが、このほとんど大部分が現地におきますところのそういう施設費、装飾費そういうものに使われているわけでございます。これの見込みが非常に多くなった。その理由は先生の御指摘ございましたように非常に出品物が多くて展示場を建増さなければならなかった、あるいは、それを工事いたします現地の人間の労賃が最初の調査のときにくらべまして非常に高くなっていった。だんだん交渉いたしておりまするうちに、一例でございまするけれども、ソビエトの仕事をするならば、保険費あるいは厚生費その他は国が持っていいが、外国人の仕事をするためにはそういう保険費、厚生費も労賃に加算して、支払うべきだというような話が出て参りました。こういうような事情がいろいろたびたび重なって参りまして、ついに一億円の赤字になった。さらに先生御指摘のように、非常にあの当時のソビエトの見本市へ出品したいという商社側の意欲、これは先ほど政務次官から御答弁申し上げましたように、当時としてはソビエトに正式に出ていくという一つの機会だったわけでございます。非常に予定以上、三百何個もという申し込みが多かった。そのために設備そのものも増さなければならなかった。設備そのものも増さなければならず、また設備を作るための単価も今申し上げましたようなことで非常に高くなった。従って一億円の赤字は対外費でほとんど費消されているという事情でございます。
#39
○阿部竹松君 その次にお尋ねするのは、通産省として一応監督しなければならぬお立場にあるわけですね、法文の内容から言いまして。結局どういう処置をとられたかということなんですが、具体的にただこれはしようありませんということになっているものか。これは今後こうこうしなければならぬというルールをきめてあげているものか。これはただ全くけしからぬというおしかりの言葉で終わっているのか。やはり何らかの処置をとられて、将来のために備えられているものと思うわけですが、その点はいかがですか。
#40
○説明員(生駒勇君) この結果がわかりましたあとにおきましていろいろ事情を調査いたしたわけでございまして、その結果八月から三週間の展覧会が終わりましたあと、十一月の半ばごろになりまして、通産省といたしましてはジェトロの理事長に対しまして文書をもって注意を促したのでございます。それは一つはまあこれからの見本市に対しましては、臨時に部局を作るということをやらずに、まあ恒久的な部局でやった方がいいだろうということでございます。それから第二は、調査というのは非常にこれはむずかしかったと思うけれども、これから調査をもっと厳密にやってほしい、こういうような点を主にいたしました文書をもって注意を喚起したという事実はございます。そしてそれに基づきまして、ジェトロからやはり今後こういう見本市を開催するにあたりましては、そういうふうにしたいということを、口頭でもって返答を私どもの方に取ったわけでございます。まあただそのあとこういう大がかりの見本市はまだございませんので、今後こういうことの再び起こりませんよう、私どももちろんでございますが、ジェトロ自体も戒心いたしまして、こういう例を再び繰り返さないようにして参りたいと考えて、る次第でございます。
#41
○阿部竹松君 ジェトロに改めていただくということはよくわかるわけですが、とにかく日本人は外国の言葉がきわめてできないのであって、まあまあ英語、フランス語であれば何人かいるにしても、ソビエトへ行って言葉がなかなか通ぜぬというところにも、やはり責められない日本人の欠陥もあったと思うわけですが、そういうこととか、小さい問題ですが、どうもジェトロにはお役人の古い人ばかり集まっているとか、どうもサービスが悪かったとか、こういういろいろのことがあるわけですね。それが積りつもってこういうことになりましたというように評論されている方もあるわけですよ。ですから過ぎ去ったことはまあやむを得ないとして、改定にあたって、やはり今のような機構でずっといくのか、それと同時におもにお役人の方といっても通産省から派遣されている人が多いと思うのですが、大体一般からやはり採用されている方もあるのですね。それから貿易商社から転じてこられた方もあるわけです。そういうふうな比率は振興部長にお聞きするのはおわかりにくいかもしれませんが、指導の立場にあるからあるいはおわかりになっておればお聞きしたいのですが、そういうことはわかりませんか。
#42
○説明員(生駒勇君) 今御指摘の通り、確かにジェトロは役人出身の幹部が多いということは事実でございます。ただし先生のお話、これは数字が申しますと、国内に総員二百九十五名がおるわけでございますが、そのうちの大部分は民間出身の人でございます。官吏の経歴を持っておる者は三十名程度というふうに私ども承知しております。それから海外がやはり九十名程度出ておるわけでございますが、そのうちやはり官歴を持つ者が二十数名というふうに私ども承知しておるわけでございます。数字の上ではそういう数字が出ているわけでございます。それから今の機構でいいかどうかということになりますと、これはいろいろ御批判もあると思うわけでございますが、確かにああいう組織はややもいたしますと、まあ私どもが申し上げるのは恐縮でございますが、官僚化のおそれがなしとはいたしませんわけでございます。従いまして、運営委員会というものを作りまし、これは純粋に民間の方ばかりからできておるわけでございます。これが毎月ほとんど大部分の方が欠席なしに、ほとんど八割方全部御出席になるわけでございます。たとえば、ただいまでは倉田日立製作所社長が運営委員会の委員長になっておられるはずでございますが海月この運営委員会を開きまして、いろいろな批判その他をなさるということになっておりまして、それには理事全員出席いたしましていろいろ御指示を受けるというような格好にしておるわけでございます。それからさらにまた貿易相談所というのを本年度は設けまして、今までのようなつまり調査その他をただ持っておるということではなくして、これをいわばひざを突き合わせて地方の中小企業なり商社の方々とお話して意見を交換しいというふうな建前から申しまして、今持っております調査というものを地方に浸透させるということで、従来十一カ所でござまいすが、それに七カ所の新しい相談所を増設したいというふうに考えておるわけでございます。
#43
○阿部竹松君 今部長のお話を聞くと、なるほど職員の比率は官僚が少ない。しかしそのえらいところに官歴を持った人がおるのですからね。一人で十人分ぐらいのところに官僚の人がおれば、下の方に何十人おろうとこれは官僚がけしからぬということになりはせぬかという心配があるわけですが、まあそこはいいでしょう。
 そこで次官にお尋ねいたしますが、海外へ参りますと、ジェトロの駐剳所というんですか、出張所というんですか、支店というか、外国の名称はわかりませんけれども、貿易港とかあるいはそういうところにジェトロの出店があるわけですね。そうするとそこに第一物産でも丸紅でも大会社の駐在員が必ずおるわけですよ。二重にやっておるわけですね。二重に金を使っておる。それも個人商社ですからこれはけしかる、けしからぬとかいうことは、これはわれわれの言わんとする範疇外ですから、海外商社があってもこれは何とも言えぬのですが、必ずジェトロのあるところにそういうことをして二重に金を使っている。どこの商社が使うにしてもドルを使うことには変わりはない。これはまことにむだなことをやっているというふうに私どもは考えるわけですが、これに対して強権をもって、通産省の政策の一環として、丸紅さん、やめなさいと言うわけにいかぬでしょう。しかし、こういうことについて、あなた方の御指導される中で何とかならぬものかということなんですね。ドルをダブって使うことを是正できぬものか。
 それからもう一つは、ジェトロの問題について、次官の報告書の中にもございましたが、これからだんだん発展していかなければならぬ、こういうことがありました。こういうときに、とにかく池田さんのお話をお伺いしても、どんどん生産して、外国に買ってもらってやはり日本人は生きていかなければならぬということにになると、ジエトロあたりが、半官半民のようですが、中心になっておるということになると――今の杉さんはりっぱな人物であると認めるわけです。大阪に席は置いてあるけれども、熱心な方ですから、片手間という言葉は私は使いません。しかし、重職を二つも三つも持っておって、そうしてこちらに来るということになると、何ぼ優秀な人でも、これは若干熱の入れ方が、十入れたところで三・三しか活用できないということになるので、これについての御見解はいかがでしょうか、承っておきたいと思います。
#44
○政府委員(始関伊平君) 最初の問題でございますが、海外の主要な市場にジェトロの出張所なり、あるいは人が行っている。そこに大きな商社の駐在員も行っている。これはむだなことではないかというお話でございますが、大きな商社が自分で駐在員を出すということについて、これをよせという手はないだろうと思いますが、従いまして、ジェトロの貿易あっせんあるいは市場調査の効果を十分に使う、こういうような意味からいたしますと、やはり重点は中小企業関係ということになるわけだと思うのでございまして、従いまして、海外での市場の調査、商品の宣伝あるいは貿易あっせんというようなことは、中小企業に限るわけではございませんが、中小企業を重点にやって参るということが、私はジェトロの大きな使命だと存じております。従いまして、そのような意味合いからいたしまして、先ほど振興部長が申しましたように、中小企業者に直結いたしますように、主要な地点にジェトロの国内の指導所としますか、あっせん所を置くというようなことにいたしているわけでございます。
 第二の点でございますが、ジェトロの会長といたしましては、御指摘のように、専任もしくは専任に近い方であって、この仕事に十分な時間とエネルギーを傾け得る人が適当だと思うのでございますが、ただいま会長は、先般、御承知のように会議所会頭をやめまして、あとほとんど時間をつぶすような地位はお持ちにならぬようでございまして、おまけにジェトロの仕事に非常な興味と熱意を持ってやられているわけでございます。それからこれは、産業界なりあるいは中小企業界なりの実情に通じた人であって、またその方面からの信望が高い、あるいは識見なり力量なりに対する信用があるというようなことが必要あると思うのでございまして、なかなか適当な人を得るのはむずかしい次第でございますが、杉さんは今申しましたような意味で、いろいろな点から申しまして総合点が相当高いのではないかと私どもは考えている次第でございます。
#45
○阿部竹松君 杉さんという人は、手腕、力量のあるということは認めますと、こう言っているのです。しかし、能力にはお互いに限度がある。杉さんだからといって重要な仕事を三つもやれるわけではない、大阪と東京で。これは通産省の政務次官は御多忙だから二人いる。――別に皮肉を言うわけじゃないが、通産省は大へんな仕事だから次官が二人いる。だから、そういうようなことでは僕は割り切れないのですが、杉さんが悪いというのではなくて、もう少し、あなたたちしっかりやるというのだったら、再任の会長なり、会頭を設けておやりになればどうですか。そのくらいの熱意があるのでしょうか、どうですかということをお尋ねしているわけです。通産省だって次官一人いるよりか二人おった方が能率が上がるでしょう、これはどうですか。
#46
○政府委員(始関伊平君) ごもっともでございますが、今申し上げましたように、ほとんど専任に近い状態でただいまジェトロの仕事をやっていただいておるということと、大阪にはいらっしゃるのでございますが、大阪の方には大体毎日出ておられるというような状況でございますので、大体あなたの御要望に近い線でおやりいただいておる、このように考えておる次第でございます。
#47
○相澤重明君 先ほど阿部委員の質問に次官から、ジェトロの海外出張所について、中小企業のあっせんが中心だから、といって民間の大商社、大企業の出店について制限をすることもできないし、なかなかむずかしいというような御答弁だった。これは非常に実は問題なんですね。今阿部議員も言っているように、私どもも海外の現地調査をして、ここにおられる野本さんとも一緒に東南アジアを調べた。やっぱり現地で一番問題は、ジェトロは一体何をやるか、いわゆる大きな商社の人たちが駐在をしておる、単に屋上屋を重ねるだけで、いわゆる縄張り争いというか、また国家資金というものを使う道だけを考えておって、実際に効果はあがらぬじゃないか、こういうようなことで、私どももずいぶんいろいろと各所で意見を聞きながら考えさせられた点がある。
 それといま一つは、この二十億の出資金というのは、出発当時と今日とではだいぶ事情が違う、こういう点についても、もっと日本の国会なり政府が考えるべきではないか、というような批判をいろいろ受けたのだけれども、まず第一に私は政務次官に聞いておかなければならぬと思うのは、中小企業のあっせんが主体だと言うても、これは一体大商社の人たちの海外駐在の関係というものとどういう調節をやっておるか。これは現地に行ってみると、きわめてもう私どもが理解のできないような問題がたくさん生まれているわけですよ、これは。ですから、国内の中小企業の人たちは、やはり外国商社のバイヤーなり、あるいは日本の大きな商社の人たちが外地に出張所を持つような場合には、そういう人に依頼するという場合もきわめて多いわけです。だから、政府出資ということで一つジェトロがぐんと出してしまって、これはおれの縄張りだというようなことであっては、これはほんとうの貿易振興にはならぬ。こういう点は一体政府はどう考えておるか。
 それからいま一つは、やはり外貨というものの使い方ですね。外貨の使い方。これは大商社であるとか大企業であるから、これはもう民間人であるから自由ございますというわけには私は参らぬと思う。これはやっぱり外貨というものは、日本政府が全体のにらみ合わせをしなければ外貨の使途というものはきめられるものではないわけです。そのうちで、政府関係のものはどのくらい、民間関係のものはどのくらい、というふうにやはり考えていかなければならぬ。私は、阿部委員の質問の終わったあとで、政府に、石油の問題であなたに聞きたい問題がある。あるけれども、今のジェトロの問題について、そうしていわゆる民間の会社が外地へ行っておるのだから、これはどうにも押さえがたいというだけでは、ほんとうに貿易振興について政府の考えておることは私は熱心とは言えないと思う。そういう点について、外貨の使い方については、これはもうアメリカのケネディも全く今真剣になってやっておるのですよ。だから、政府自身ももっと……、経済成長率を高度化するのだと言いながら、実際には私はそういうところに盲点があるじゃないかと思う、盲点が。だから、そういう点をやはり、外務省との関係もあるかもしらぬが、事いわゆる貿易関係については、一番、通産省が主体的な条件というものを立てていかなければ、ほんとうの日本の貿易振興にはならぬだろう、こういうふうに考えるのだが、そういう点について一体どうするか。
 それからついでだからいま一つ聞いておきたい。それは今は総理大臣になったけれども、池田さんが通産大臣のときに、運輸省との中でいろいろ意見のやりとりがあった。そこでこの貿易振興については、先ほどのモスクワなり、あるいは他の地域においても、世界各国でやっております。確かに見本市を開催しておるけれども、そればかりでなくて、巡航船の問題をどうするか、見本市船をどうするか、こういう問題について運輸省、通産省のなわ縄り争いじゃないだろうと思うけれども、なかなか意見がまとまらなかった。こういう経緯があって、私はこの見本市船というものも、中南米あるいは東南アジア等の地域を含んで考えていく場合には、やはり重要なこれからの貿易振興の要素を持つのじゃないか。こういう点も持っておるのだが、一体池田さんは総理大臣になってしまってから、今あまり強く主張しておらないのだが、通産大臣は一体どうなのか。私はこの三つ点について御所見を承っておきたい。
#48
○政府委員(始関伊平君) ジェトロの持っております海外の機関と、それから商社の派遣いたしております人間あるいは支店、出張所と申しますか、そういうものとは本質的に役割が違うわけでございまして、その間になわ張り争いとか何とかということは私はあり得ないはずだと考えております。と申しますのは、片方は公共的な機関で、貿易全体の振興という目的からいたしまして、御承知のように、市場の調査、日本商社の一般的な意味での宣伝、見本市の開催あるいは商取引のあっせん、こういうような事柄をいたすわけでございまして、商取引それ自体を目的として参っております各商社の派遣員などとは本質的に役割が違うわけでございます。もしダブる点があるといたしますれば、貿易のあっせんというところであろうと思いますので、この点につきましては、さっき申し上げましたように中小企業関係のものが主になるであろう、こう申したわけでありまして、もちろん貿易のあっせんは、これはジェトロの海外における活動の一部であるというふうに申し上げたいのでございます。
 それから外貨資金の問題でございますが、貿易為替の自由化というような点から申しまして、海外渡航等もだんだんゆるやかな扱いになって参っておると思うのでございまして、今後も大体そういう方向に前進するだろうと考えております。従いまして、御指摘のように官民を問わず必要なものは海外に出て活躍してもらって差しつかえないような、そういう態勢になりつつあるものと考えておる次第でございます。
 第三の見本市船でございますが、これは東南アジアあるいは中南米その他におきまして非常な歓迎も受け、日本の貿易の振興上あるいは友好関係の促進に大きな寄与をいたしておるということは御指摘の通りでありまして、私どもといたしましては、今日まで二年に一ぺんぐらいでございますが、派遣のつど一般の貨物船を改造いたして参っておりますので、今後はこれを専用船を作ろうということで、大体金の目安もつきまして、専用船ができますと、もっと回数を多く、一年半に一ぺというふうに回しまして、貿易促進上効果を上げて参りたい、こういうふうに思っておる次第でございます、金の見当もついたわけでございますので。この点については運輸省その他から横やりが入ると申しますか、支障が出ておるという事実はございません。外務省その他みんな協力してやってもらっておりまして、ある程度相当な効果を上げていると考えておる次第でございます。
#49
○阿部竹松君 さいぜんの赤字の話ですね。あれは一億円赤字になったから、そちらの方で、政府の補助金なり、あるいは財界からカンパした金額で簡単に埋めることができるかどうか、簡単にそういうことができるかどうかということをお尋ねしたいわけですが、これはジェトロの方の仕事ですが、あなたの方で、法律が相当やかましくなっている、やかましくできているわけですね。ですからその赤字になったからぽんと持ってきて、そちらでやむを得ませんということで埋める、そういうように簡単な会計になっているかどうか、それを伺いたいのと、もう一つ第一物産、三菱商事、丸紅というようにたくさんの貿易商社があって、三千ほどあるそうですが、そういう全国の商社の総体的な貿易の中で、ジェトロは、これは直接自分がやるのではなくて、あっせんなどをやっているわけですが、この商社派遣員とジェトロのあっせんする率は、大体日本の総貿易の中で何。パーセントくらいを占めているかどうか。それはおわかりにならなければ、やむを得ませんけれども、おわかりになれば承っておきたいわけですが。
#50
○説明員(生駒勇君) 一番最初のお話でございますが、これはもうお話のように、勝手に右左流用することができるというものではございません。これはもうすべてその予算は、民間の賛助会費であろうと、地方団体からの拠出金でございます金額であろうと、これはすべて会計検査の対象になるのでございまして、決して右左に自由にできるというものではございません。従いまして、これを流用いたしますにつきましては、私どもはむろんでございますが、大蔵当局にも相談をいたしてやらなければ、ならないものでございます。
 それから二番目の貿易商社の総取引高のうち、あっせんの率はどのくらいかと、こういうお話でございますが、ちょっと今手元に資料がございませんので、はっきりしたことは申し上げかねるわけでございますが、大体大ざっぱな傾向といたしまして、あっせんを頼んで参りますところは、貿易あっせん所なり各所の調査員にあっせんを頼んで参りますところは、おおむね金額の小さい、そうして、また、どちらかと申しますと、産品といたしましては一般的でない地方産品式のものが多いわけでございます。中には大企業の製品なり、あるいはそういう高級な高度化した輸出品というようなものもございますけれども、おおむれ非常に金額も小さく、それからまた、どちらかと申しますと、特殊なものが多いわけでございまして、従って今ここに資料がございませんが、総取引の中でどのくらいということになりまますと、額といたしましては小さいものではなかろうかというように考えておるわけでございます。
#51
○阿部竹松君 貿易の自由化になりますと、これはますますジェトロがウェートを大きく占めるような気もしますが、しかし強い者勝ちでぶんどり合戦になるというような、懸念もあるやに貿易商社に承っている。ですから、指導される場合の対策としてどういう御見解を持っておられるか、お尋ねしたいと思います。なお委員長、私はジェトロの問題はこれでよろしゆうございます。もし関連で質問される方があれば質問されていただいても、もし、なければ、次の質問をさせていただきたい。
#52
○説明員(生駒勇君) お話の通りでございまして、私どもも自由化が進んで参りますと、どうしても、こういう中立的な組織を使いまして、中小企業の貿易自由化への態勢を整えていかなければならないということは、全く御指摘の通りに考えております。今後、従いまして、来年度の予算その他におきましても、外国におきまするところのあっせん所、調査員、そういうようなものをことしよりもふやしておるわけでございます。さらに、こういう点を努力することはもちろんでございますが、同時に、先ほどちょっと触れましたように、国内におきますところの貿易相談所、先ほど御説明いたしましたのは海外におきますあっせん所でございますが、そのほかに国内におきますところの貿易相談所というようなものを設けまして、この輸出意欲と申しますか、エキスポート、マインドと申しますか、そういうものを中小企業、ことにメーカーの方々へ浸透させる義務があるというふうに私ども考えておるわけでございます。国外、国内ともども、そういう点でさらに一そうの努力をして参りたいと考えておるわけでございます。
#53
○山田節男君 ただいまの阿部委員の質問に関連して私も若干質問いたしたいと思いますが、まず第一に、通産省は通商貿易の調査あるいはその振興のために、これは主として情報収集ということになるかもしれませんが、在外公館――大公使館、領事館等に通産省の事務官あるいは技官等が何名合計出ておるか、これをまずお伺いしたい。たとえばリオデジャネイロのブラジル大使館には通商関係の参事官が何名おるのですか、配置の国だけでもよろしゅうございます。
#54
○政府委員(始関伊平君) ただいま通産省から外務省に派遣されております者は三十九名でございまして、そのうちの大部分が在外公館勤務と存じております。それでなお派遣の場所は、ちょっと今資料がございませんので、後ほど調べてお答えいたします。
#55
○山田節男君 この従来あった海外貿易振興会を解消して、一昨々年ですか、日本貿易振興会ができたわけですけれども、先ほど来阿部委員からの質問並びに政府当局の答弁を見ますと、どうも日本のような、生きるためにはもう貿易に依存せざるを得ないという宿命的な国柄として、貿易というものに対して、一体現在のようなやり方でいいのかどうかという問題ですが、たとえば東京におけるドイツあるいはアメリカ、あるいはソ連の大使館等を見ましても、これは必ず通商関係の参事官というものが、常駐しておりまして、そしてその駐在する国の製品、生産品、ことに特産品あるいは価格あるいは海外に出ておる市場、こういうものに対して非常な精密な調査をしておる。これはもうすでに、たしか六年か七年前だと思いますが、通産委員会でも問題になったことは、ドイツが非常に計画的な貿易をやっておる。他国と激烈な競争をするようなものは控えて、むしろ西ドイツとしては、もう外国のまねのできないようなものに重点的に貿易産業を奨励してやっておる。それと同時に、海外における市場調査、これも一当時ドイツの大使館には二名、通商参事官、事務官がおりましたけれども、北は北海道から南は九州の鹿児島まで行って、非常に詳細な生産並びに商品に関するまでの調査をやっておる。こういうようなやり方は、今日の通産省の、これは外務省でも一部やっておるかもしれませんが、通産省の外国貿易振興というものに対しての現在の機構なりあるいは建前というものは、はたしていいのかどうかという、私は非常にこの点について疑問を抱いているのであります。現在の機構なり、こういうジェトロのような外国団体、これでやっていけるというように自信を持っていらっしゃるのですか、これは政治的でなく事務的にどういうようにお考えになっているかお伺いしたい。
#56
○政府委員(始関伊平君) ただいまの御意見でございますが、通産省といたしましては、ジェトロという機関のほかに、いわゆるプラント輸出につきましては、プラント協会というものがございまして、これはプラント輸出の面で相当大きな効果を上げておりますことは、プラント輸出の額がだんだんふえているという事柄からいってもわかると思います。この二つの半官半民の機関のほかに、ただいま御指摘のように在外公館等に経済あるいは通商担当の人間を配置するということがきわめて必要でありまして、この点につきましては、外務省との完全な了解のもとに、ただいま申し上げましたように三十数名の者がそれぞれ重要な地点に参りまして、市場なり商品の調査、あるいは経済外交といったような事柄を担当いたしておるわけでございます。ただいまのお話の中にございましたように、国内の産業構造の高度化といいますか、そういったような国内での産業政策のほかに、直接輸出部面における対策といたしまして、ジェトロの強化、あるいはプラント協会の強化、それから在外公館における経済スタッフの強化、その他輸出保険制度とか、輸出振興のための措置はございますが、こういったような今までしいてございます線をもっと強化いたしまして、さらにまた、これは非常にむずかしいことでございますが、輸出の過当競争というような問題につきましては、輸出入取引法の改正というような施策とあわせまして、御指摘のように非常に重要な輸出貿易の振興に遺憾なきを期して参りたいと、このように存じている次第でございます。
#57
○山田節男君 これは政務次官は就任されて間もないことであるし、これははなはだ失礼ですが、たとえば振興部長なりその他の……。根本的に日本の唯一に頼る海外貿易の振興について、現在の機構ではやっていけないということは事実でございます。先ほど申し上げたように、ドイツの戦後における外国貿易に対する非常な計画的なやり方をしているのを見るにつけて、日本はドイツと同じように輸出に対する依存度の非常に大きな国柄として、どうもやり方というものが、今日までの十何年から見ても、いろいろな弊害が出ておりますが、その根本的な抜本的な計画というものを何か考えていらっしゃるかどうか、これは一つ事務的な方の専門家からお聞きしたいと思います。
#58
○説明員(山本重備君) お答えになるかどうかわかりませんですけれも、今後の日本の通商のあり方を見通しながら通商政策通商行政をどういうふうにやるかということにつきまして、私たち事務的に検討いたしておりまして、二、三特に気づいた点を申し上げますと、一つは、自由化が進みますと、日本の通商行政の従来の管理統制をてこにする行政から、各市場ごとの対策に重点を移していかなければならない、そういう意味では、ただいま山田先生のおっしゃいましたような海外活動を従来にも増して活発化していかなければならないということを痛感いたしているわけでございます。ただいまのところ、まだそれに関連して通産省の機構あるいは通商局の機構をどういうふうにするかということについての最終的な成案は得ておりませんけれども、何か自由化に即応いたしまして、今申し上げましたようなところに重点を置いて運営していかなければならないというふうに考えているわけでございます。
 それからもう一つは、市場対策の重点でございますが、従来は輸出ということに非常に力を入れておった、最近は自由化の進展に伴いまして、輸出をするためには輸入をしなければならない、計画的な輸入を同時に考えていかなければいけないという事態が方々に出て参っております。特に中近東、東南アジア、アフリカというようなところがそうでございますが、日本の一方的な輸出が伸びまして、相手から買うものがない。そのために相手の国から日本品のボイコットというような事態が起こりそうな気配が一時あったのであります。そうした事態を、これから克服して参りますためには、市場調査というのも、輸出のための販路拡張の調査と同時に、それと並行して、日本が買い付けるものの調査というところにも重点をおいていかなければなりませんということを痛感いたしておるわけでございます。
 そうした事業をやって参りますためには、これまた制度のしでもいろいろな工夫が必要でございまして、いわゆる後進国の一次産品買付促進のための調査、あるいは現実における技術指導というようなところに重点をおいた施策を進めていかなければならないのではないかというふうに考えておる次第であります。
#59
○山田節男君 貿易国策の根本として、やはりただ安いというだけじゃいけないので安かろう悪かろうというのが、従来の日本の貿易の代名詞にもなっておった。
 で、これはもう一つ具体的にお伺いしますけれども、一昨年ブラジルのサンパウロに行ったときにあそこにトヨタ自動車が進出してくるというので、ブラジル政府は非常に厚意をもって、あらゆる便宜を与える用意をしておったところが、予期に反して、ちっぽけなものを持ってきてしまった。それがために、ブラジル政府は、日本のプラント輸出ということに対しての信用が全くなくなってしまった。ちょうど私が参りましたときには、すでにドイツのフォルクスワーゲン、フランスのシムカ、それからドイツのベンツ、こういうような工場が、大きなのができまして、ほとんど今日ブラジルのトラック、バスの八割ないし九割はベンツが占めました。そうして乗用車もアメリカの自動車は駆逐されて、シムカあるいはフォルクスワーゲンが、ブラジル国産のものがどんどん出ておる。こういう状況を見て、現地の在留邦人はもとよりのことと、出先の関係も、一体日本は貿易にたよるといいながらも、こういうブラント輸出を見て、全く信義を裏切ったというようなことをいわれている。これがためにブラジル政府も、日本に対する信用がなくなってしまっておる。現地の者が一様に、この点に対して批判をしておる。それから、これは昨年でございますが、香港で三十数年間日本とほし魚のスルメだとか、ナマコのほしたのを扱っておる華僑にも私は会いました。一昨年日本にきて、そのほした魚の輸出商と、いろいろ従来知っておる関係もあるので、値段を契約して帰った。ところが自分のところに商品がそれから三カ月して着いた。着く前に、もう約一カ月前に日本のある大商社が、同じたとえばスルメとかあるいはナマコのほしたものを一割五分ないし二割安く売り出した。自分は三十数年間、日本のお得意として今日までやってきたにかかわらず、自分が今度仕入れたものを、日本の商社が二割も安く市場に出しておる、こういうことでは、一体私は日本と三十数年やっているけれども、こういうことになったのでは、日本の輸出商というものは信用できないと、これまた日本に対する非常な不信の感これは、私の会ったのは一人でありますけれども、こういうことがよくあるのです。
 さらにバンコック、それからカラチ、ラングーン、こういうところへ行きますると、先ほど相沢委員が言われたように、四十社近くのものが、そこに駐在員がおって、ことにバンコック等におきまする状況を見まするというと、全く血で血を洗うような日本商社同士が激甚な競争をしている、こうしてなるべく安く売るというようなことを、日本人同士が競争している。こういう状態を見ましても、これは現地の商社自体が非常に困っておる。
 こういうようなことで、一体日本の輸出貿易というものが、先ほど申し上げましたように、ドイツのように、あくまで規格性を持たして、これはいい意味の統制といいますか、あるいは商社の道義的な高揚、道義性の高揚というものに差があるからかもしれませんけれども、とにかく通産省として、こういう点にもっと、私はこれを改めるような、自主的に改めるか、あるいは法律によってこれを改めるとは言いませんけれども、こんなことでは、日本の海外貿易の信用というものは全くゼロになってしまう。ことに為替の自由化を今後ますます拡大されるという日本の海外貿易の状況を考えますと、そういう根本のものを通産省、これは監督官庁として、何かの手を打たなくちゃいけないと思うのですが、ただいまの御答弁のようなことでは、とてもそういうようなことでは抜本的な対策はできないと思う。これは大臣はおられないけれども、この点について一つ政務次官、大臣の代理ですから、一体もう少し誠意のある私はやり方があるのじゃないかと思うのですが、この点について、研究したことがあるのかどうか。
 もちろん通産省として、この事態は、われわれよりもよく知っているに違いないと思う、これに対する対策が、全然行なわれていない。こういう点に対する政府の対策は一体どういうものを持っておられるのか。一つ、具体的に承りたい。
#60
○政府委員(始関伊平君) ただいま御指摘の点は、日本の産業なり貿易なりの一つの本質的な欠陥でございまして、これにつきましては業界の自主的な自覚あるいは共同的な行為などによりまして、改善をはかる必要があると思うのでございますが、この点につきまして、ただいま当局といたしましては、輸出商品別にお話のような過当競争がございます場合には一種の協定、輸出協定を行なわせまして、必要がある場合には、アウトサイダー規制令を出すといったような法律があるわけでございますが、これは輸出入取引法でございますが、こういったような方法と業界の自覚と相待ちまして、こういう事態を改善して参る、こう思っておる次第でございます。
 何分にも、これは日本の根本的な本質的な欠陥でございますので困難でございますが、こういう点が貿易振興上の一つの根本的な問題であることは御指摘の通りでございますので、今申しましたような考え方で、今後ともできるだけ対策を進めて参りたいと、このように存じておる次第であります。
#61
○山田節男君 先ほど阿部委員のモスクワにおける日本の見本市の経過並びに結末について並びにジェトロの問題の何といいますか、存在価値といいますか、それから現在の機構、こういうものについて、私重ねて一つお伺いしたいのですけれども、モスクワにおける日本の見本市の問題については、新聞社がとかくの批判をしたこれに対する通産省の弁明も文書で伺っておるわけでありますが、これは、ちょうど私がきわめて親しい友人が向こうへずっとおりまして、そうしてそのモスクワの見本市の経過を、これは別は聞いておりますが、これはいかに政務次官が言われようと、ジェトロが主としてやったこのモスクワの見本市というものは非常に不用意であった、準備不足であった、現地の認識が不足であった。さっきも言っておられるように現地の認識を誤ったがために一億何千万の損失を来たしておる。これは非常に結果的にいいと言われますけれども、しかし数字的には、それはよかったかも知れません。貿易の契約がふえたと言われまするけれども、そのやり方が、きわめて拙劣であったということは、これはもう争うべからざる事実です。
 これは幾らでも例をあげますが、これは別の問題になりますが、一昨年メキシコに行きましたときに、十月の下旬から、あそこのスポーツ会館でソビエトの見本市が開かれました。私これに出席しましたが、これはミコヤン副首相が来て非常に盛大であり、またその設備が非常にりっぱなものでした。宣伝も大したものだ。これは私ジェトロが、人材が不足だとかいうようなことじゃなくて、少なくともこういう海外貿易の振興のために、これは存在しておる団体ですから、そうとするならば通産省じゃ貿易関係の多年たんのうの方が多いのだろうと思いますけれども、センスが違う。こういう点が少なくともジェトロに膨大な補助金を出して、そして海外貿易の市場の拡張あるいは調査、あっせんということをやるにつきましては、やはり私ども今日のような、こういう陣容でもってしては、伸縮性を持った現地の、世界各地みな違うのですから、そういうところを詳細に、もう常にそのマップというものを、ジェトロの本部であるというようなところでやらなければ、もう全くモスコーのことをどう弁解されても、実に見ていて歯がゆいというか、不準備な不用意なやり方だということは、争うべからざる事実です。もっとよくできたはずなんです。
 その根本は、どこにあるかと言えば、先ほど申し上げましたように、やはりジェトロそのものに欠陥があると私は思うわけです。そう断ぜざるを得ないのです。ですから、今後もこれは海外貿易振興協会にかわりてのジェトロを、単なる通産省の外郭機関というものにしないで、やるならばあくまでフリーハンドを与えて、そして金はもちろんやるにしても、もう少しこの理事、幹部級に、ほんとうに外国の事情に通じておるもの。あるいはそれをキャッチして一つの予想を立てるもの、計画を立てるものというようなセンスの、もう少し鋭敏な人を入れるということが、私は絶対に必要でないかと思う。
 ですから先ほど来ジェトロの問題ばかりになっておりまするけれども、しかし、これは日本としてはジェトロのような機関が最も必要なんです。必要なだけに、今日過去三年間の実績で云々ということは、少し無理かもしれませんけれども、しかし為替の自由化というものを目の前に控えて、従来のようなイージー・ゴーイングではいけない。ドイツがやっているように、そこに数年間直結した情報というものを、こっちに持ってくるようにしておきまして、刻々と世界の事情がわかるように、一つの参謀本部的なものにしておきませんと、せっかく多大な国家から補助金を出しておっても、その効率の点において、遺憾な点があるのではないかと思うわけです。ですから、これは私はあらためて質問ではありませんが、こういうジェトロのような団体は、現在のようなものでなくて、もっと強力な、もっと今日の日本の海外貿易にミートするようにお作りになるということが必要じゃないかと思うのですが、その点に対する御意見を承おりたい。
#62
○政府委員(始関伊平君) ただいまモスコー見本市の問題に関連をいたしまして、ジェトロの強化の問題について御意見を拝聴いたしました。お説の通り、モスコー市場には初めて参りましたので、準備の不足、あるいは認識の不足ということがあったかと存じます。それと、そういうような客観的な一つの要素と、今御指摘のジェトロ自体の問題と両方合わさりまして、ただいま御意見にもございましたような批判もあったわけだと思うのでございますが、この経験にもかんがみまして、今後、よりよき効果を上げるように努力して参りたいと存じている次第でございます。
 ジェトロの根本的な問題といたしましては、幹部の人選の問題並びに政府で金は出すけれども、あまりやかましい監督はせん方がいいのではないかという御意見でございますが、これらの点は、十分に検討させていただきまして、善処して参りたい。このように考えております。
#63
○山田節男君 この問題は、また他の機会にいたしまして、これで打ち切ります。
#64
○相澤重明君 輸出関係のこともありますので、お尋ねいたしておきたいと思うのですが、政府の、先ほど次官から報告された中の繊維工業設備臨時措置法に基づく過剰綿スフ及び絹人絹繊維の処理、この補助について、先ほど御説明をいただいたわけです。
 そこで、中小企業なり、あるいは繊維工業の問題は、これは日本の産業についても、非常に重要な問題を投げかけいるわけです。話に私は聞いたのでありますが、今年度政府として、綿なり、あるいはスフ、人絹、毛等についての操短を決定をさはたということを聞いているわけです。国内の一体需要というものは、どういうふうに見込んでいるのか、そうして輸出は、そのうちの何パーセントを見込んでいるのか、つまり繊維の操短というものを、もし政府が過度に行なった場合には、これは国内需要というものは、池田内閣がいかに物価が上がらないと言っても、これは上がる可能性が出てくる、反面、また物価が高くなれば、輸出というものに対しては非常な制限、こういう問題が、私は出てくるだろうと思う。
 この御報告の中にも、昭和三十年三八月の閣議決定による繊維不況打開のための施策の一環として、先ほどもお述べになっている一わけです。今年度も、これに関連して、今年度一体通商産業省として、どういう対策というものを立てたのか、そういう点を、すでに政府はきめたというふうに私は聞いているのだが、一つ御説明をいただきたいと思います。
#65
○政府委員(松村敬一君) ただいまの繊維の国内と輸出との関係、特に輸出を伸ばすのについて、国内の操短等によって、十分伸びないおそれがないかという趣旨と拝聴をしたわけでございますが、現在操短を過去数年来ずっとやっておりますが、その操短のやり方といたしまして、一昨年御審議をいただきました繊維の関係の設備臨時措置法によりまして、操短を、いわゆる自主的な操短から、法律に基づきましてで共同行為を行なう。そういう形に変更されたわけでございますが、実質的に、今御指摘の生産に関します調整手段といたしましては、効果は同じ形でございまして、そういう意味におきましては、過去長い間にわたって、同じような形の操短を実施してきた次第でございます。
 操短をきめます場合には、国内の出産と輸出の見通しということについて、短期の見通し及び長期の見通し々十分立てて、それを基準にいたしましてやる次第でございますが、最近の問題といたしましては、現在ちょうど四月から原綿、原毛の自由化になりますので、それ繊維の将来の生産、あるいは生産秩序と申しますか、それにどういう影響を與えていくかというこは、もう少し様子を見ないとわからない次第でございますが、一応、その四月からの自由化が業界の方、業界と申しますか、繊維の生産、輸出、そういうことの関連では、自由化がきまりますと同時に、ある程度それが織り込み済みのような形になりまして現在動いておりますわけで、従って現在の操短につきまして、これは四月から、今までは三カ月置きに需給の見通しを立てまして、それに基づいてやっておりまして、今度四月からの分を、どういうふうにいたすかということを近くきめる段階にあるわけでございますが、現在繊維の価格は、大体において安定をしておりまして、生産が足りないために価格が上がっておるという事実は、現在のところではないと考えております。
 それから同町に輸出の方面におきましても、これは現在さしあたり一番問題なのは対米輸出の関係で、これは御承知のように一九五七年に作られました五カ年間の協定によりまして、毎年いわゆる自主規制をやって参っておるのでございますが、本年が、ちょうどその第五年目になるわけでございまして、この五年目を、どういうふうな形で先方と交渉して、もっと日本の輸出のワクを大きくするか。同時に来年以降につきまして、一体アメリカ政府とも合議をいたしました自主調整、そういうふうなものを、そのままやって参ることがこちらとして適当であるかどうか。あるいは新政権が、それをどういうふうに考えるかということによって、来年度以降の対米繊維の輸出のやり方が変わってくるわけでございます。
 そういう当面幾つか今後折衝をいたさなければならないむずかしい問題が控えておりますけれども、現在の生産態勢といたしましては、輸出の需要に十分見合う生産は行なわれておりますので、むしろどうして現在のものを、もっと世界市場により多く輸出するかということに、アメリカばかりではございません、あらゆる方面に努力を傾けなければいけない状態だと思っております。
#66
○相澤重明君 抽象的な言葉を言ったってわからぬよ。そんなことを言ったって。この政務次官の報告は、三十三年の繊維工業設備臨時措置法に基づいて過剰綿スフ及び絹人絹織機の整理をして当初一億二千万円の予算を計上したけれども足りなくて、そうして八月の閣議決定によって五億八千万円の予備費の支出をしたと言っているのじゃないか。そうでしょう。そういうことを、当初の見込みというものが、いかに食い違ったかということを、これは言っているわけだ。だから今年度は一体どうなるのだ。だから今君の言うように、原綿は何十パーセント操短するのか、原毛は何十パーセント操短するのか。それについては、政府はどうするのか。こういうことを説明をしなければ説明にならぬじゃないか。こういう報告をしておるから、僕は特に聞いておるんだよ。それくらいの説明ができなくてどうするのだ。もう一回説明し直して下さい。
#67
○政府委員(松村敬一君) 今のお尋ねで、初め私御質問を若干違うように解釈いたしまして、大へん申しわけない次第でございますが、ここの決算報告に出ておりますのは、これは当初の予定から、ここに書いてございますように、五億八千万円の予備費の支出を行なっていただきまして、結局この全体で七億円の予算をもちまして二万六千台の処理ができましたわけで、その結果織布業の立ち直りに貢献した、こういうことでございます。
 今のお尋ねは、それに従ってある程度数が減って、生産態勢ができたじゃないか。それをどのくらいの割合で操短をやっておるのか、こういうお尋ねでございます。現在大体綿業の関係では約一六%くらいの率で操短をいたしております。くらいと申し上げますのは、いろいろこまかい基準がございまして、全体は一六%でも、幾らか例外を設けて、どうするという、そういう形になっておりますので、全体の結果が、そういう形になっておりまして、毛の方でも、約四〇%の操短をいたしております。それからスフ関係では、これは非常にいろいろ複雑な数字もございますのですが、大体二割強――二十数パーセントの程度の操短ございます。
#68
○相澤重明君 そこで、やや数字がはっきりしてきましたが、そういたしますというと、三十三年のこの決算の報告の中で、見通しが若干誤ったために追加をして処理をして、とにもかくにも立ち直らせることができた。
 そこで三十四年、三十五年については、とにかく政府の大体施策というものは、曲がりなりにもよく立ち直ってきておる。こうこの文では言っておるわけだ、実際は。ところが、今年度原綿で一六%あるいは一六・五%の操短をしておる。原毛で四〇%の操短をしておる。あるいはスフが幾ら。こういうことになったら、一体、それでは今度のこの操短による関係の従業員は、どのくらい一時休業をしてもらわなければならぬのですか。
  〔委員長退席、理事野上進君着席〕
#69
○政府委員(松村敬一君) 先ほども申し上げましたように、操短自身といたしましては、法律に基づきまして、やり方が違って参りましたけれども、操短率自身は、従来と大差なくやっておるわけでございまして、その結果、今御質問の、そのままの数字を私は持ち合わせておりませが、その結果幾ら従業員が減ったかというような、そういう形ではなく、そのままの大体従業員で操短しつつ、生産力の方は維持してやっておるような実情でございます。
 その結果、どう人間が減ったかということは、統計もございませんが、事実もあまりないと存じます。
#70
○相澤重明君 ちょっと納得できないのだな、数字が変わらないとか、事実がないということは。これはつまり今まで三十三年度にやったことは、既定の事実でわかっておるでしょう、通産省は。統計上も明らかになっておる。明らかになっておって、その上に、今年度の方針というものを通産省が出せば、当然その方針に基づいた何人というものは、そこにいわゆるはみ出すものが出るとか、あるいはそれを短時間労働させるから、これでまかなえるとか、こういう方針がなくてはならぬはずだ。それが一つの、この四月から自由化に伴って、そのときを一つの基礎としてやると言えば、先のことだからまだわからぬと、こうも言えるが、私の大体聞いておるところによれば、通産省は、すでに今年度、三十五年度の中で、もっと簡単にいえば、この二月あたりに、そういうことは、今あなたの指摘されたようなことはきめられている。きめるのに、その算出基礎がなくてきめるということは、おかしいじゃないですか。これはせっかくのあなたの答弁だけれども、やっぱり政務次官聞いておるのだから、こういう点は、あとで数字で関係の繊維業界の従業員というものは幾人、この一六%なり、四〇%の操短をした場合には、幾人どうなるのだ、こういうことを一つ報告してもらいたい、これが一つ。
 それからいま一つは、三十三年に当初一億二千万円が五億八千万の補正、つまり予備費を繰り入れて、そうして七億の予算ということで、当時の苦境を切り抜けたわけだ。今年度は、そういう一六%なり、原毛四〇%の操短をする場合に、政府は、どういうふうに金を捻出するか、予算を組むか、こういうことは、きわめて私は重要な問題だと思う。そういう点について、あわせて一つ、御答弁をいただきたいと思うのです。
#71
○政府委員(松村敬一君) 先ほど私、言葉が十分尽くしませんのでございましたけれども、現在繊維工業設備臨時措置法に基づきまして、共同行為をするように通産大臣から指示をするわけでございますが、その指示をいたします場合に、その条件の一つに、事業者は登録精紡機の処理をすることを理由といたしまして、今の操短をすることを理由といたしまして、その従業員を解雇したり、その従業員の労働条件を著しく低下させたり、または労働組合と協議を行なわないで、その従業員の勤務地を変更しないこと、こういう一条を入れまして、共同行為の指示をしておりますので、従って、政策といたしましても、はっきりその操短の結果、従業員が減ってくる、そういう場合、労働条件が悪化しない、こういう形になっておる次第でございます。
 従って、先ほど申し上げましたように、そういうことによる何人減ったかというのは、本来ないはずでございますし、またこちらの持っております数字もございません次第でございます。
  〔理事野上進君退席、委員長着席〕
#72
○相澤重明君 予算は。
#73
○政府委員(松村敬一君) 予算の点は、これは今御指摘の七億円の予算をもちまして二万六千台の処理ができまして、その結果、現在一応繊維の業界の態勢が整っておる次第でございまして、従って今後、また原綿、原毛の自由化によりまして、相当一年なり二年なりの間に、繊維の業態が変ってくるのではないかと存じますが、現在、すぐに予想されます範囲におきましては、あらためて国庫の支出によって買い上げを行なう、そういう計画はございません。
 従いまして、今年度に買い上げという形のことは現在は全然考えておりません。
#74
○相澤重明君 今の答弁では、政府の法律的の種々の条件がそのまま満たされれば、これは問題はないわけです。だがそれが、はたして政府の現在の見通しそのものが、うまくいくかどうかという問題があとに残るわけです。
 私としては非常に心配するのは、私は横浜に居住しておるので、輸出関係というものは非常に多く見ているわけです。その輸出関係を見ておると、実は業界の人が非常に苦悩しておる。いろいろの相談をわれわれも受けるわけです。そういう点からいうと、政府が今言ったようなことを、また三十三年のようなことが行なわれるのではないかという心配を実は持つわけなんです。それであっては困るから、私は実は聞いておったわけです。
 そこで、中小企業対策についても、輸出振興という面で、政府も相当努力をされておるようでありますが、この点については、特に私は政府の積極的の施策を望んでおきたいと思うのです。これはいずれまた、今の議論が、はたして政府の言う通りになるのか、それとも私の心配が思い過ごしであるかどうかということは、後刻のことだと思うのですが、私は、国民生活というものは、やはりそういう大事な点を十分に考慮しておかないと、実は操短をして、従業員は一人も休みがなかったつもりだけれども、実は、労働条件が悪化してきた。反面において輸出は振興しなかった。こういうことであっては私はならないと思う。そういう点で、特に通商産業省が、今次のこの操短を行なうにあたっては、十分一つ関係方面の意見を聞いて、特に中小企業の輸出振興については対策を樹立してほしい、この点は私は要望しておきます。具体的な例を申し上げると、時間が長くなるから、その程度にとどめておきますが、二つ目の点でお尋ねをしておきたいと思うのは、石油あるいは原油の輸入の問題であります。
 この点については、最近わが国でも自動車、ディーゼル等が非常にふえまして、ガソリンあるいは揮発油の使用量が非常に増大をしているわけですね。そこで、元外務大臣であった岡崎君も、山下太郎君と一緒になって、アラビアの原油の噴出にはだいぶ力を入れているようでありますが、一体この政府は、各国から輸入をすることと、国内で一体石油を作るのに、その施設が間に合うのか、間に合わないのか。私も、実は昨年紀州の方に調査に一時出かけましたけれども、どうもまだまだ国内の設備というものが足りないように思うんです。つまり原油を精製するのに、まだ、それだけの準備ができないように思うのだけれども、そういう点について、通商産業省としても、国内のそういう面に力を入れることが必要ではないかという点と、いま一つは、たとえば民族資本といいますか、日本の国民が資本を投下したそのアラビア石油が、いわゆる原油を日本に搬入をするのに、シェルとか、スタンダードとの関係において、どういう一体、政府は、輸入をお考えになっているのか。これは、やはり話に聞くと、すでに何か、どっかの局長さんがどうとか、こうとかいうことも聞いているので、一体正式には、どうなっているのか、こういう点を少し、これは国内需要問題に関係することでありますから、いわゆるガソリン税の徴収にも非常に関係するでしょう。あるいは自動車業界を初めとして、重要な国民生活に影響を与える問題ですから、原油の輸入についての一つ基本的態度、今年度は、一体どういうふうに、どのくらい通商産業省としては入れるつもりなのか、こういう点を、大まかでけっこうですから、一つおきめになったようでありますから、御発表いただきたい。
#75
○政府委員(始関伊平君) 石油製品の需要が、産業用、輸送用の関係、それからもう一つ、石油化学が非常な勢いで伸展して参っておりますので、ただいまお話しのように、需要が非常に伸びて参っております。一年か一年半前までは、石油の精製工場の操業率は五〇%、六〇%という程度でございましたのですが、ただいまのところでは、フル操業になっている、こういうことでございますので、新規に精製設備を作り、それに対しまして、政府でもできるだけの助成をするということがただいまの急務でございまして、この点は、御指摘の通りだと存じますが、石油精製の会社は、だいぶふえまして、ただいまでは大小取りまぜて十七社ございますが、それぞれの立場で、精製設備の拡張を計画いたしておりますので、この計画を助成いたしまして、石油精製の設備が不足になるという事態がないように善処して参りたいと存じております。
 石油の輸入につきましては、これは自由化は、いろんな関係であと回しということになっている次第でございますが、しかし需要にマッチさせますために、いわゆるたっぷり外貨と申しますか、実際の輸入の割当量をふやすということによりやして、しばらくは善処して参りたい、こう存じておる次第であります。
 それからアラビアの問題でございますが、アラビア石油を持って参りますことも、これは一つの輸入でございまして、ただいま問題になっております点は、これを、まあ輸入は輸入だが、輸入為替――為替の輸入でいくか、あるいは無為替の輸入でいくかというふうな点が問題になっておるのでございますが、しかしながらこの問題を考えるにあたりましての根本的な問題は、実は、もっとほかの点にございまして、さっき申し上げましたように精製工場が、ほとんどフル操業である、そういう状況でございますので、やはりアラビア石油を国内にある精製工場に、使わすと申しますか、使ってもらうと申しますか、そういうことが根本的な問題である。なおまた、もう一つ、ご承知の通り原油につきましては、大体いろんな関係で、七種類か八種類のものを混合して使うというのが例でございまして、アラビア石油につきましても、サルファーの分量が比較的多いというような点がございますので、これはできるだけいろんなところに分けて使ってもらうというようなことが必要になるわけでございますので、そういう立場から、せっかく生産のできましたアラビア石油が、国内の精製工場でなるべく広く使われるようにという、そういう立場から、ただいまこの問題を検討し、また折衝をいたしておる次第でございます。
 なお、最近きめました原油輸入量等
 につきましては、局長が参っておりますので、局長からお答え申し上げたいと思います。
#76
○政府委員(伊藤繁樹君) 原油の輸入量は、昭和三十五年度におきましては三千九十六万キロぐらいに達する予定でございます。ただいま申し上げましたのは三十五年度でございまして、三十六年度に要輸入量が幾らになりますかは、目下外貨予算の編成とからみ合わせまして作業中でございます。従って的確に申し上げられませんけれども、大体三千六、七百万キロの要輸入量になるのじゃないかというふうに考えております。
#77
○相澤重明君 まあ、私は阿部委員の質問が残っておりますので、これで終わるわけですが、そこが非常に今の政務次官の説明したところが、実は問題が今後に残されると思うんです。
 ということは、私も昨年この運輸建設の連合審査の際にも、ガソリン消費の問題でやはり議論もありましたし、いま一つは国際カルテルの問題にも関係する、いわゆる独占禁止法の問題にも関係してくる。いわゆるガソリンをいかに安く消費者に与えるかということは、日本政府としては重要な問題だと思うんです。ところが、一方においては外資系の方は、なかなかそういったことで、日本に安く入れるということは、なかなかこれは快くは思わんだろう。競争率が激しくても、やはりそういうもうけなければいけないという独占資本というものは、やはり相当抵抗力があると私は思う。で、最も私がこの前公正取引委員長に強く要望したのは、末端のいわゆるガソリン給油所ですね、スタンド、こういうところが取りきめをしてガソリンを入れる場合、価格協定というものを行なうおそれがある、各社が。だから、明らかに公正取引委員会のいわゆる私は問題になると思う。けれども、それは合法的にやりますから、なかなか通産省でも調べるのは大へんだと思う。しかしこれは独占禁止法としては、やはりやらなければならない問題であるけれども、やはりまあカルテックスなり、あるいはスタンダードなり、シェルなり、いろいろな外資の関係のものについては、私は、日本があまりたくさん、自由に持てるというような形を好まない傾向があるんじゃないか。だから、あなたの今言うアラビア石油の問題が、無為替になるか為替輸入にするかということは、重大な私はポイントになると思う。これは私のひがみかどうかわかりませんよ。私は別に、アラビア太郎からもらったわけではないんですが、自由な立場で、日本の将来の問題を心乱しておるわけです。
 そういう点が一体通産省の考えておることに、はたしてあやまちがあるのかないのか、そういう点は、今後の問題として非常に私は重要なポイントになると思う。
 いま一つは、あなたのお話になった硫黄分が多いとか少ないとかいう問題もありますがね、それから各種混合する、どうしたら最もいいものができるのか、こういう点も、かなり技術的に進歩しております。それも、私どもは認めておりますが、そういう点についてもやはりまだまだ研究の余地があるのではないか。
 そうしていま一つは、中南米を含んで、今の日本の輸入の状況ですね、アジア地帯あるいはアメリカ地帯との、そういう輸入のバランスというようなものから考えても、私はいま少し、アラビア石油の問題については考慮する必要があるのではないか。で、もっと小さく言えば、秋田等に出ておるものの開発も、もっと積極的にやるべきじゃないのか。こういうふうにして総合的に、いわゆる石油対策というようなものを考えていく段階に今や日本はきつつあるのではないか、こう思うんだが、あなたの為替あるいは無為替の輸入の問題だけにしぼられてですね、どうも通産省がきめられるような印象が、私には強いんですよ。
 そういう点を、いま少し国内需要というものと、そうして今の、たとえばガソリンにおいては、今よりは個を上げない――ガソリンを上げることは、それだけ消費者に多くの負担をかけるんだということは、はっきりしておるんですから、そういう点を一つ、お考えになっておるのかどうか。この点は非常に徴妙な問題だと思うけれども、いま一つ、政務次官からお答えを願いたい。
#78
○政府委員(始関伊平君) アラビア石油は、これは日本人の手によりまして、初めて海外で発掘いたしました大きな油田でございますから、根本の気持といたしまして、これを今、尊重と申しますか、そういう点におきましては、私ども全く同感でございます。
 ただ話が、いろいろややこしくなりますが、無為替で認めるか、輸入為替で認めるかという問題は、これは一つの形式論でございまして、輸入為替のワク内で認めましても、アラビア石油につきましては、これを受け取るものが山下さんの会社でございますから、実際上は、外貨が外国に流れて参るわけではございませんで、その点では、国家的に見れば輸入為替の場合と無為替の場合と同じであると、こういうふうな考え方になるわけでございます。
 しからばアラビア石油会社といたしまして、無為替輸入で日本に持ってくるといった場合に、会社自体といたしまして、何らかの得があるのかどうかという問題になりますと、さっき申し上げましたように、一年か一年半前で石油精製工場の操業率の低い時代ならばいざ知らずでございますが、今日では、やはり何と申しましても、引き取らすというところに要点があるわけでございまして、そういったような点から、あまり無為替にこだわりますことは、何と申しますか、労多くして効が少ないのではなかろうかというふうな気持で、私どもおる次第でございますが、御指摘の通りこれは非常に重要な問題でございますので、慎重にいたしたいと考えておる次第でございます。
 それから価格の問題でございますが、これはまた、はなはだ遺憾なことでございますが、国際的に原油がダブつきぎみでございますので、原油は七千円から最近では五千五百円ぐらいにまで下がって参っておる。そういうことになりますと、アラビア石油の輸入につきましては、価格の点でも、まあ問題がある。つまりは折衝を要する点があるわけでございまして、そういう点をも、十分総合的に勘案の上で、これは善処したい、こういうふうに存じておる次第でございます。
 それから、ガソリンその他の国内における販売価格が上がってはおもしろくない、これはもう御指摘の通りでございまして、もしカルテル類の声がございますれば、これは公取の問題でございますが、通産省といたしましても、自由市場の建前のもとに、一つの秩序が確立されて参りますように、十分まあ注意を払いまして、御趣旨に沿うようにやって参っておりますし、また、今後もやって参りたいと存じておる次第でございます。
#79
○阿部竹松君 通商局長さんいらっしゃいますか。
#80
○委員長(佐藤芳男君) 予算委員会に行っておりますので、次長がお見えになっております。
#81
○阿部竹松君 それでは次長さんにお尋ねしますが、実は、外貨の割当ですね。これは、まあ貿易と切っても切り離すことのできない問題で、いろいろ皆さん方もお聞きになるかもわかりませんけれども、ああでもない、こうでもないというニュースが流れているわけであります。そこで私は五時までですから、たくさんのことを短い時間でお聞きした、と思いますので、バナナにしぼってお尋ねいたします。
 実は三十三年の決算ですから、三十三年当時の話になるわけですが、今と比例して御答弁願いたいと思うのです。当時は、日本にバナナが入ってきますと、大体、今は一かごどれだけ入っておるかわかりませんけれども、大体一かご百ポンドですね、十二貫目、これが横浜へ着いて二千七百円になる。それでわれわれが食べるときは一万二、三千円する。つまり横浜港に着いてから、われわれの口に入るまで一万円の差ができておった。今もあまり違わぬと思うのですがね。そういうことなものですから、政府が六百円か六百五十円かの差益を取って、これは財政投融資か何か、政府の一般会計に入れたでしょう。しかし、その間、運賃もかかれば、工賃も一かかったと思いますが、一万円の差額が生ずるために、一人で、私二万円もうけたとかなんとかいうことは申しませんけれども、とにかく外貨の割当をめぐって、バナナの輸入許可をもらうために、通商産業省の通商局を中心として相当問題があったわけであります。ですから、当時の人は今お聞きすると、あまり通商局におらぬらしいですが、そういう問題をめぐってある議員は、大体銀座の高級バーで飲んでいるのは、通産省のお役人だけであると、これは正式の委員会できめつけたことがある。そういうような問題を、外貨の割当問題をめぐってまあ当時、次長は通産省のどこにおられたかわかりませんけれども、そこで、ただいま問題としていろいろ諸説ふんぷんとして臭気が漂っておる。こういうようなことで、外貨の割当が、どのように行なわれておるのか、だれが現在割り当てておるか、だれがどれだけもらっておるかということと、名もない貿易商社が看板を掲げて、割当を受けて、それをバナナを持ってきて、バナナを転売して収益するのならよろしいけれども、ただ通産省の一片の許可証だけで数十万金、数千万金になるということです。よもや知らぬはずがない。その点について、まずお尋ねします。
#82
○説明員(山本重備君) バナナにつきましては、かねてから輸入数量が制限されておりますために、膨大な輸入差益が出るということで問題になって参っておるわけでありますが、御存じのように、政府としましては、輸入をしぼったことによって出てくる利益は、それが異常である場合には、特定物資として指定をいたしまして、国に吸い上げるということになりまして、そのための特別の法律ができ、その仕組みができまして吸収いたしておるわけであります。まあ大体年間三十億程度の金がバナナの輸入差益として国に納付されております。
 この割当のやり方につきましては、輸入の割当方式はその数量が限られて参ります場合に、なかなかむずかしいのでありますが、現在バナナにつきましては、台湾から入れるバナナと、それから台湾を除きますその他地区から入れるバナナ等で、割当方式を若干変えたのであります。台湾バナナにつきましては、従来からの実績がございますので、従来の実績を踏襲しまして、一定の率で割当をする。ただいま御指摘がありましたように、割当の権利だけもらって、そしてそれをたとえば転売するとか、譲って不当な差益を取ると、こういうような話も耳にいたすのでございますが、現在の割当方式のもとにおきましては、はたしてそういうことが行なわれるかどうかを、チェックする方法がございませんので、一部の物資については、そういうことがあろうかと思いますけれども、できるだけ公平に、従来の実績を踏襲してやるということでやって参っておるのであります。
 それからグローバルのバナナを、ことしは台湾が台風等のために作が非常に悪くて、予定の入荷ができませんでしたので、それを補う意味で、台湾を除く地域からの輸入をいたしたのでありますが、そのときは、輸入申請が非常に多かったんでありますが、今のように、架空の申請者で権利だけ目当てにするような人を排除するという目的をもちまして、申請垣通りの内示をやってみたんであります。そうしましたところが、やはり中には架空の申請であったために、実際に担保を出す段階になって出さない人があって、かなり事実上整理をされまして、半分以下の数量に落ちつきましたので、実際に担保を提供した者に全額を割り当てるということで、これは非常にうまくいったと思っております。
 今のところ、バナナの輸入につきましては、そういう方法をとっております。
#83
○阿部竹松君 よく了解できかねるのですが、実績ということはね、次長、何を指してその実績というわけですか。今より三年くらい前に、広島県選出の中川代議士が通産省の政務次官をやったことがある。そのときに、実績とは中川さん、何ですかというように聞いたら、中川さんいわく、私も通商産業省の実績というのには、きわめて疑問を持っておると、われわれ政務次官には何も教えないで、局長からまっすぐに大臣の方へ行って、そしてわれわれはつんぼさじきだと、そして国会に引っぱり出されていじめられるのはわれわれの役目であって、まことにつまらぬ商売である、中川さんが、こうおっしゃった。今の次官は、これは実力があるから、つんぼさじきに置かれるかどうかわかりませんけれどもね、そういう答弁をしたことがある。そこで中川次官いわく、実績というのは、神武天皇以来の実績だと。僕はこれは、とほうもない次官が現われたというようにびっくりしてしまって、質問できなくなったわけですが、今あなたのおっしゃる実績というのは、何を指して実績というのですか。今まで業者は百万かご入れておったから、その業者を百万かご既得権があるということになると、一生その人以外にドルを使えぬということになるでしょう。新しい人が申請しても、その人は、実績ありませんよと言ったら、日本の国のドルは、一定の特定業者しか使えぬということになる。通産省は、ドルの割当の絶対権限を持っておるから、通産省の役人は、神様のようにあがめ奉られる。実績とは、何を言うのですか。
#84
○説明員(山本重備君) 輸入の数量が限られております場合には、何かの基準で割当をしなければなりませんので、従来、これはバナナに限りません。ほかの物資につきましても、過去の一定の期間をとりまして、その間の実績というものをベースにして計算をいたしております。しかし、考え方といたしましては、今後自由化の方向に進んで参りますし、それから輸入のワクもだんだんふえるという情勢に参っておまりすので、物資ごとにそのときの情勢を判断いたしまして、従来よりも相当に数量をふやしても大丈夫である、こういうような情勢になりました場合には、新規業者も適当に参加するようなチャンスをできるだけ作っていくという方針で輸入をいたしておるわけであります。やはり取引になりますと、おのずから一定の取引単位というものが必要でございますので、限られた総量の場合に、あまりその割当の対象をふやしますと、場合によると取引単位に達しないというような場合も出て参りますので、できるだけ、ワクがふえるようなチャンスに新規業者を適当な方法で参加させるという考え方でやっております。
#85
○阿部竹松君 今おっしゃる自由化になれば、何もあなたのところに頼んでいく人はないでしょう。今、狭いワクですから、狭いワクに入ろうとするところに問題があるわけですよ。ですから、その狭いワクを広げるといったって、やはり限度があるわけでしょう。そうすると、ワクの中に入ろうとする人は、今までの実績ということになると、専売特許を取ったようなことになって、それで永久によその人は、なんぼあなたのところに許可申請をしても、ドルを使うことができないというワク外者になってしまうじゃございませんかということを言っておるわけです。そうなりませんか。今までそういう方式で昭和三十一年から今日にまで至っておるじゃないですか。ですから、これが基準で、あとはその基準に該当する人は抽せんで与えましょうというなら話はわかりますよ。そういうことはないのでしょう、不公平じゃないですか。僕はどうも不公平だと思うのですよ。
#86
○政府委員(始関伊平君) 実績とは何かというお話でございますが、これはバナナにつきまして差益をとっております根拠法規の為定物資輸入臨時措置法という法律が、たしか三十一年ころできたと思いますが、そのできます前に、つまり優先外貨――輸出をした者に対して三%なり何%かの外貨をやる、こういう制度がございました時代に、その優先外貨を非常に高い金を出して買い集めまして、そうしてバナナを輸入したという実績の者がございます。その実績を尊重いたしまして、それが基礎になって、この輸入割当が実際に行なわれる、こういうわけでございまして当時相当骨を折って輸入の実績を作った者が、ずっとその権利を引き継いでおる、こういう格好でございます。しかしながら、このやり方によりましたのでは、新規の者はいつまでたっても割当がもらえないという弊害があるわけでございまして、もし新規に権利を割り当てようといたしますと、基準がございませんので、非常な混乱を来たすわけでございます。従いまして、この制度が続きます以上は、実は新規の者を新たに認めるという方法、あるいはそれをやるについての適切な基準というものが私はなかろうと考えておる次第でございまして、特定物資というものも、これはできるだけ早くやめていかなけりゃいかぬわけでございます。で、通産省といたしましては、こういうものをできるだけ早くやめて参りたい考えでございまして、現に特定物資の中の時計につきまして、この十月限りでこれはやめよう、自由化に踏み切ろうという方針をきめておる次第でございますが、バナナにつきましては、国内の果樹生産保護という立場から、農林省の方がうんと言いませんので、この点はできないのでございますが、御指摘のように、私も非常に不自然な不合理な制度だと思っておりますけれども、こういう考え方を前提にする限りにおきましては、新規な者を公平に入れていくという方法は実はないのでございます。従いまして、できるだけこの制度をやめて自由化に踏み切った方がいいのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。その点申し上げておきます。
#87
○阿部竹松君 ただいまの次官の答弁は、僕は理解し納得することができません。当時、輸入に非常に苦労をなさった方々をまず優先的にとおっしゃるけれども、向こうから押し売りのようにバナナは来ちゃったのですから…。ということは、日本へ来ると、今言ったように二千七百円のバナナが一万三千円もするから、日本にとっては貴重品なんでしょうが、台湾あたりへ行くと、日本のサツマイモのようにごろごろ投げているのですから、その許可割当にあたって、てんやわんやになって、弱肉強食のぶんどり合戦という戦国時代のような騒ぎになったから、河野一郎さんあたりが動いてあの法律を作ったわけだが、その割当をめぐって問題になった。そういうようなこともありますので、今おっしゃったように輸入に苦労された方が優先的になどという理屈は、これは三年前あるいは四年前の当時を振り返ってみると御答弁にならぬ。
 それからもう一つは、特に台湾で買うてくれということで、海南島で安いバナナが百万かごも二百万かごもあるのにかかわらず、台湾から買ったりしたことがあるわけです。それはけしからぬじゃないかと言ったところが、蒋介石さんとの話し合いで、日本の物も買ってもらわなければならぬので、高いバナナでがまんしてくれというのが、当時の通産省の言い分です。そういうこともあるから、あなたのような御答弁ではとても理解できない。だから、そこで、今申し上げました通り、二千七百円のバナナを百ポンド一万三千円で食べなければならぬという理由、政府が差益をとっておるのですから、大体幾らで入ってきて、幾らで港から上がって、室に入れて……、これは中身がどういうことになっているかおわかりでしょうね。これは差益をとっておる以上は、政府も知っておるはずだ。
#88
○政府委員(始関伊平君) 輸入に苦労したと申します意味は、物をとるための前提といたしましての外貨資金の獲得について苦労したという事実を申し、上げておるのでございまして、当時、たとえば五千ドルの外貨を集めるという場合には、さっき申しました優先外貨を持っております者から、一割五分とか二割とかいうプレミアムをつけて、それを買いまして、かりに五千ドルで申し込みましても、申込者が非常に多いと、その一〇%当たるか五%当たるかわからない。そういうような意味でのめんどうと申しますか、苦労があったという意味のことを申し上げた次第であります。
 それからもう一つ、輸入差益というものをとっておるわけでございますが、これは輸入いたしましたコストとCIF価格と、それから輸入業者が売り渡す価格との差額を見まして、そこに過剰な利益と認められておるものを政府が取り上げる、こういうシステムになっておるわけでございまして、大体差益の率は七割とか八割とか九割とかいう程度でございまして、それを考慮していきますと、輸入業者が過当にもうけ過ぎておるのじゃないか、過当な利益というものを吸い上げておるのだということで理屈がはっきりいたす、こういうことになると思います。
#89
○説明員(山本重備君) 差益の率をきめますやり方でございますが、毎年輸入価格、それから入れましたあとの浜相場を想定いたしまして――これは予想でございますので、当たる場合もありますし、若干はずれる場合もございますが、一定の浜相場を想定いたしまして、それを基準にして適正なマージンを見まして、その計算の結果、差益率をきめておるわけでございます。三十三年当時は、当初は七三%強、それから下期には二七%、それから最近では三十五年度の上期九七%という率がその結果出て参っておるわけであります。その当時の計算の基礎になっております浜相場は六千円をちょっとこえる程度のところを見ております。これは輸入価格に今の差益を足しまして、その結果が大体その浜相場になるということで計算しておるわけであります。それからこれが実際に町に出ます場合には、色づけ、加工、その他の加工をいたします。また、そのときの入荷の状況その他で若干国内の卸価格から小売り価格は変動があるわけでありますが、大体そんな見当で計算しております。
#90
○阿部竹松君 予想でなく、将来どうするかということについては、僕は商工委員会でやればいいことであって、決算委員会でやる筋合いのものではない。ただ三十三年度の実績が、差益があなた方で幾らをとって入れたのですか。これは百ポンド、十二貫目、今はキロでいっているかもしれませんが、十二貫目というのは四十キロくらいと思いますが、四十キロのバナナが横浜の港に、僕の言っておるのは、二千七百円で着くというのですから、それがうそだったら、これは三千円しますよ、差益金が幾らですよ、それから加工というのは室に入れることだと思うのですが、これがこれこれですよ、卸においては何ぼですということがわかっているはずですよ。あなたの方で。差益金をとるのですから。何もわからぬで関税かけるのと差益金は違うのですから、筋が。とった金は同じかもしらぬが、筋が違うのですよ。差益金とるなというのじゃないのですよ。通産省の方の理由があるのですからと、そこを懇切丁寧に言っていただければ、一ぺんに理解できるのです。それで、財政投融資に繰り入れたのは何億何千万円ですよと言ってくれれば、全く一言で了解する。
#91
○説明員(山本重備君) 実際の数字を申し上げますと、たとえば三十五年度の上期に入れました数量は……。(「いや、輸入価格だよ」「輸入価格、数量、差益金幾らだとはっきり言いたまえ、そんなことがわからないんでどうするのだ」と呼ぶ者あり)三十四年度の下期、三十五年度の上期と、これを申し上げますと、三十四年度の下期は割当額が三百二十四万九千ドルでございまして、その当時の差益率は一二五%と計算いたしております。その結果輸入差益の金額が十四億六千二百万円になっております。その当時の価格の想定は、想定浜相場が六千七百七十六円でございまして、実際に入れましたあとの実績は七千七十四万円想定価格よりもちょっと高かったわけであります。それから三十五年度の上期の第一回分でありますが、これは数量はわずかでございましたが、二万九千ドル割り当てをしまして、そのときの差益率も同じように一二五%、差益輸入利益額は千三百万円、その当時の想定浜相場が前回と同じように六千七百七十六円であります。それから三十五年度の上期でございますが、割当額が三百九十九万九千ドルでございまして、差益率は九七%でございます。輸入利益額は十三億九千六百万円でございます。それで想定浜相場は、前回の実績から見ますと、実際が非常に低くなりましたので、前回よりやや離しまして、六千七十四円という想定をいたしました。
 それから、以上は台湾関係でありますが、先ほどちょっと申し上げましたように、台湾の風水害の関係で現物の入手がおくれましたので、それを補う意味で台湾以外の地区からグローバルで入れまして、その割当額が七十六万ドルでございまして、差益率は九七%、同じ率を採用いたしております。差益額は二億千二百万円であります。で、その計算の基礎の浜相場は、同じく六千七十四円でございます。
#92
○阿部竹松君 次長さんね、浜相場というバナナ屋の口調なんか使われて、浜相場というのがわからぬわけですね。どこにあったときの相場をさしているのか、浜相場というのは、あなたとバナナ屋はおわかりかもしれないが、浜相場という相場がどこへ、横浜へ着いたときの相場か、台湾にあったときの相場か、それとも卸業者の市場に入ったときの相場かわからぬわけですよ。それと同時に単位が、六千円という単位は幾らで六千円かということをお聞かせ願わぬと、六千円と言ってあなたは理解できるかもしらぬが、僕らは理解できないのです。六千円が一トンの単価か、それとも百キロの単価か。
#93
○説明員(山本重備君) 今申し上げました値段は一かご、百キロの値段でございます。
#94
○阿部竹松君 どこに来たときですか。一かごというのは百ポンドのことですか、重量は。容積ですか、重量ですか。
#95
○説明員(山本重備君) さようでございます。百ポンドであります。
#96
○阿部竹松君 それで浜相場というのはどこです。
#97
○説明員(山本重備君) 浜相場と申しますのは、輸入業者が国内の業者に売る値段であります。
#98
○阿部竹松君 そうすると、輸入業者から入って、つまりあれですね、一万三千円ぐらいで今市販されているのですから、これはもう膨大な利潤が、まあ一人で取っているわけじゃないでしょうけれども、利潤がそこに生ずるので、既得権ということで醜い争いが起きるという堂々めぐりの話ですが、そうなりますね。
#99
○政府委員(始関伊平君) 私ちょっと申し上げておきたいのですが、この法律で吸収いたします差益は、輸入業者が買っているCIF価格と、輸入業者が国内へ一いろいろ取引の段階がございますが、輸入業者に直結する販売業者に売る相場との差額の中で過剰な利潤とみなされるものを吸い上げるという建前でございます。ところで今お話の一万三千円というのは、私ども十分な調査はございませんが、要するに、申し上げることは、輸入業者が輸入した価格と国内で販売する価格との中で、その段階における過剰利潤というものを吸い上げて、そのあとに卸売とか仲買とか、色づけ業者とか、小売りとかいったような取引の段階が三つか四つございまして、おまけに色づけと申しますか、工場みたいなものを通るのございますので、最終価格は今お話のようなことになるのでございますが、これは取引の段階がたくさんあるのだということを一つ御承知置き願いたいと思います。
#100
○阿部竹松君 ただいま次官のお話のあったような点は、僕はもう十分わかっているわけです。それをわかっているゆえに理解ができない点がたくさんあるわけです。ただ時間もだいぶ経過しましたしですね、十分私の方で連絡しておいたつもりですが、もう詳細に連絡しておかなかったために、準備しておられなかったんだろうと思うので、一問一答をやっておっても時間だけ多くかかって一つも効果が上がらないということですから、次回にまた機会があるようですから、本日の質問はこれで打ち切ります。
#101
○野本品吉君 僕は一つだけ。御説明を伺っておりまして、中小企業に対するいろいろな政治的な配慮から各種の補助金が出ているわけですね。中小企業設備近代化等補助金、中小企業団体中央会補助金、中小企業診断指導費補助金、中小繊維工業設備調整補助金、いろいろな補助金が出る。ここで私が特にお聞きしたいと思うことは、実は決算委員会で年来一番問題になりますものは、零細補助金が適正に交付され、それから効率的に利用されておるかどうかということに非常に問題があった。で、私が言うまでもなしに、本年度の会計検査院のこの報告を見ましても、従来一番補助金で問題になりましたのは農林関係の補助金なんであります。御承知の通り、たとえば小団地開発整備事業の補助であるとか、農業共同組合等に交付された災害融資金に対する利子補給補助金であるとか、あるいは農山漁村建設総合施設事業の補助金であるとか、それからして漁業災害融資金に対する利子補給補助金、農林関係の補助金が一番問題になったというのは、どこからくるかといえば、零細補助で対象が非常に多いというわけですね。そのために補助金が適正に交付されず、また効率をあげることができなかった。
 従来、私の言い方から申しますと、通産省というのは、比較的大きな金を従来扱っておったと思うのです。そこで、中小企業の補助の方法として各種のいろいろな補助金という小金を扱う、小額の補助という仕事というものは、従来の通産省ではあまりおやりにならなくて、最近になってだんだんふえてきたと思うのですね。そうしますというと、通産省の補助金が、ややもしますというと、従来農林関係の零細補助に見られるような欠陥と申しますか、いろいろな手落ちができてくるんじゃないか、こういうふうに私は見るのですが、これはどうですか。私のその考え方は、どうお考えになりますか。
#102
○政府委員(始関伊平君) 中小企業の関係を主といたしまして、零細な補助金が多いということは、御指摘の通りでございます。ただ、補助と申しますのは、実はこれは県に対する補助でございまして、その場合には、比較的大きな額であるわけでございますが、県に参りましたものに対して、さらに府県が同額を出しまして、あと一件々々貸し付ける場合には、平均百万円以下のものを貸し付けるというわけでございまして、その意味におきましては零細な、これは補助ではございませんで、最終の段階では無利子の貸し付けでございますが、そういうことになるわけでございます。しかしながら、額がこまかくなりますと、いろんな問題が起こりがちでございまして、今度検査院の方から御指摘を受けましたものも、法規の誤解なんかに基づくものもございますが、明白に昨年買ったものをことし買ったと言ったり、あるいはもとからあったものを買ったようなことにしたりということも二件ばかり見つかっておるわけでございますが、こういったことがありましても困りますので、十分に一つ府県を督励いたしまして、間違いのないように一つやって参りたい、このように存じておるわけでございます。
#103
○野本品吉君 そこで今こちらでも調べたものによりましても、法律の趣旨が正しく理解されておらない。法律の趣旨が正しく理解されておらないために、その県からの融資その他においていろいろ問題があるように思うので、今後この点については私は再びこの農林関係の補助金に向けられたような批判が起こるようなそういう事態の起こらないように、通産省としてはあらかじめ十分こまかい点まで御検討と御配慮をお願いしたいと思う。で、これが手落ちがありますというと、せっかくの補助金というものが死んで参りますし、また、適用を誤りまして、県が県の段階において貸し付けをしなくてもよいところに貸すということは、貸し付けを必要とするところにそれだけ金がいかないということになるのですから、最も必要なところにいかないで、この指摘された事項に――私は現場を見ておるんです、実は、必要とするところにいかないで、あまり必要でないところにいっておるわけなんですね。従って、業務がこまかくなければなるほどめんどうでありますけれども、ほんとうに救わなければならない、この力を貸してやらなければならない零細業者に、せっかくの国からの補助金、県からの貸し付けが十分生かされるような手続上の、事務上の配意というものが、私は特に必要だと思うのでこう申し上げたわけで、十分御警戒のほど希望いたします。それだけです。
#104
○相澤重明君 最後に一つ資料要求をしておきたいと思うのです。先ほど御質問いたしましたが、その中でやはりまだ少し明らかになっていないので、まずこの現在の繊維業界の中で、いいですか、資本金一千万円以上の業者はどのくらいおるのか、資本金一千万円以下、いわゆる中小企業といわれるものは、通産省の統計でどのぐらいか、それから関係の従業員は幾人か。それからその中でいわゆる原綿を、先ほど一六%といわれたが、一六%なのか一六・五%なのか、政府がきめたのは。そういうことも一つ明確に原綿、原毛、スフ、人絹等に分けて示してもらいたい。それから特に貿易関係が、やはり通産省に大きな問題ですから、輸出関係については当面どうするのか。こういう輸出の生産状況についての考え方を、その中で明らかにしてもらいたい。
 その次には石油の問題ですが、先ほどもまあ今年度約三千六百万キロくらいのことをお話しになりましたが、輸入の相手国、これはすぐわかりますね、輸入のその相手国から幾らずつ輸入をする計画なのか、パーセンテージにしたらどのくらいなのか、それと加えて、その日本国における民族資本といいますか、今国内で秋田等でもやっておりますが、そういうものを含んで、それからアラビアのものも一つ、無為替か為替か知らぬが、ともかく、そういうものも明らかにして出してもらいたい。
 それからいま一つは、先ほど阿部委員の御質問にあったけれども、どうも時間がないので要領を得なかったけれども、バナナの輸入について、南米とか東南アジアとか、いろいろあるでしょう。安いのをできるだけ多く食いたいというのもあるわけですから、この輸入の相手国、輸入量、それから輸入業者、一体何業者くらいが扱っておるのか、これはすぐわかるのですから、そして先ほどの価格の問題ですね、これは浜相場と言われたけれども、実際なかなかこれは専門語じゃわからぬ。そういうことでわかるように、大体この輸入価格とそれから消費者価格と、それからその間における、次官がおっしゃった三段階とか四段階とかあるのでしょうから、そういうようなものも一つ例示して、そういう資料を御提出いただきたい。
#105
○政府委員(始関伊平君) 承知いたしました。
#106
○委員長(佐藤芳男君) ただいま相澤君より資料の請求がありました繊維関係、石油関係、それからバナナ関係等の資料をできる限りすみやかに提出されんことを望みます。
 ほかに御質疑はございませんか。別に御発言もございませんか。――それでは昭和三十三年度決算中通産省関係についての質疑はこれをもって終了いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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