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1960/03/22 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第12号
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1960/03/22 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第12号

#1
第038回国会 決算委員会 第12号
昭和三十六年三月二十二日(水曜日)
   午後二時二分開会
   ――――――――――
  委員の異動
本日委員白井勇君及び阿部竹松君辞任
につき、その補欠として大谷贇雄君及
び小酒井義男君を議長において指名し
た。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           谷口 慶吉君
           仲原 善一君
           野上  進君
           相澤 重明君
   委 員
           川上 為治君
           木内 四郎君
           高野 一夫君
           鳥畠徳次郎君
           野本 品吉君
           谷村 貞治君
           大倉 精一君
           大森 創造君
           木下 友敬君
           武内 五郎君
           山田 節男君
  国務大臣
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
  政府委員
   法務臣官房経
   理部長     近藤 忠雄君
   法務省人権擁
   護局長     鈴木 才藏君
  説明員
   法務大臣官房主
   計課長     勝尾 鐐三君
   大蔵省主計局主
   計官補佐    杉山 克己君
   会計検査院事務
   総局第二局長  保岡  豊君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 委員の変更について報告いたします。三月二十日に北村暢君が辞任され、その補欠として椿繁夫君が、また本日白井勇君、阿部竹松君が辞任され、その補欠として大谷贇雄君、小酒井義男君がそれぞれ選任されました。
   ――――――――――
#3
○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。本日は法務省の部を審査いたします。念のため申し上げますが、法務省関係の不当事項は、検査報告第十号より第十二号まででございます。
 まず会計検査院より説明を求めます。
#4
○説明員(保岡豊君) 検査報告の第三十八ページに記述してございますが、十号は地方法務局小田原支局で、収入印紙で納付することになっておる登録税に対しまして、収入印紙にかえて現金を受領しこれを領得したものであります。次の十一号も岡山地方法務局出張所で同様の事態が起こったものであります。ことに十号は十年以上にわたって不正行為が行なわれておりましたことは、はなはだ遺憾に存じます。十二号は、保管金を現金化して領得したものでありまして、提出された書類の検査におきまして疑わしいので、実地検査で確かめようとしておりましたその実地検査の直前に法務省の監査で発見されたわけであります。
 以上で終わります。
#5
○委員長(佐藤芳男君) 次に法務省より説明を求めます。
#6
○国務大臣(植木庚子郎君) 昭和三十三年度法務省所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。
 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額四十九億一千百四十一万八千円に対しまして収納済み額五十五億五千七百五十六万一千三円であり、差引六億四千六百十四万三千三円の増加となっております。収納済み額の増加のおもなものは罰金及び没収金の五億四千六百二十九万六千九百円であります。
 次に法務省所管の歳出につきましては、予算額二百四十四億五千二百五十五万五千円に前年度からの繰越額二億二千百四十一万一千円と、予備費使用額一億七千八十万三千円を加えました予算現額二百四十八億四千四百七十六万九千円に対しまして、支出済み額は二百四十三億一千二百三十九万六千四百十三円であり、その差額は五億三千二百三十七万二千五百八十七円となっております。この差額のうち翌年度に繰り越した額は一億三千四十四万二千八百六十三円で、不用額は四億百九十二万九千七百二十四円であります。支出済み額のうち、おもなものは登記及び土地家屋台帳事務等処理経費として四億四千四百七十六万八千円、検察事務処理経費として五億三千五百六十七万三千円、矯正施設における収容者の収容経費として四十五億九千九百三十万二千円、補導援護経費として三億二千八十一万二千円、公安調査庁における破壊活動防止の調査活動経費として四億八千百二十六万三千円、施設費として九億六千五百九万一千円となっております。
 詳細につきましては、お手元に提出しております昭和三十三年度決算についてに記述しておりますので、御承知願いたいと存じます。
 最後に昭和三十三年度決算検査の結果、会計検査院より不正行為として批難をうけた事項につきましては、いずれも御指摘の通りでありまして、まことに遺憾とするところであります。
 これらの事故に対しましては、その発生原因を究明いたしまして、それぞれ是正の方途を講じましたことはもちろんでありますが、さらに進んで抜本的な防止対策についても十分な検討を加え、効果的な方法によって逐次実施いたしております。
 特にここ数年事故の絶滅を期して最善の努力をいたして参りまして、三十二年度と三十四年度におきましては、批難事項は一件もなかったのでございますが、三十三年度におきまして法務局と入国管理事務所で、期待に反した結果を見るに至りましたことははなはだ意外とするところでありますとともに、重ね重ね残念に存ずる次第であります。
 この際、さらに思いを新たにし、一層の努力を払って事故の絶滅に邁進いたしたい所存でございます。何とぞ慎重御審議を賜わりますよう特にお願い申し上げます。
#7
○委員長(佐藤芳男君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#8
○相澤重明君 法務大臣にお尋ねしたいと思うんですが、この今御説明をいただきましたうち、第一の法務省主管の歳入についての項の、罰金及び没収金の収納額の増加におけるこの五億四千六百二十九万六千九百円と、こうなっておりますが、この内訳ですね、これを一つ御説明いただきたいと思うんですが。
#9
○国務大臣(植木庚子郎君) 恐縮でございますが、事務当局に説明をいたさせます。
#10
○政府委員(近藤忠雄君) 罰金及び科料の額は二十五億五千八百十五万三千七円でございまして、これを前年度に比較いたしまして五億四千四十二万五千七円だけふえております。これが主たるものでございますが、内容的にその後こまかなものもございますが、御説明申し上げます前に、罰金及び科料の増加率が非常に高くなりますのは、これは主として件数の増加によるのが主たる原因でございます。これを数字で申し上げますと、道路交通取締法違反による罰金の収入がほとんど大きな原因をなしておるのでございますが、参考までにその違反件数の過去三カ年の検察庁の受理人員を御説明申し上げます。昭和三十年度におきましては百八十七万四千七十三名でございました。昭和三十一年度には二百一万九千五百八十名でございました。昭和三十二年度におきましては二百四十万九千二百三十三名でございます。三十三年度になりますと二百五十万六千百四十一名となって、逐次増加いたしておる次第でございます。それが主たる原因でございます。
#11
○相澤重明君 説明が足りない。それは罰金、科料の話だ。没収金というものの内容を。
#12
○政府委員(近藤忠雄君) 没収金の額につきましては二億二千四百二十五万九千四百九十二円でございまして、この額は歳入予算額に対比いたしますと、千百十二万六千五百八円の減収になっております。
 その次は科料でございますが、科料は徴収決定済み額が三千百七十七万八千四百一円でございますが、これの歳入予算額に対比いたしますと、千六百九十九万八千四百一円の増加になっております。この増加の原因は、商法及び戸籍法等の違反による科料収入が多かったためでございます。それが主たる原因でございます。
#13
○相澤重明君 没収金の減収ということは、結局違反というものが少なくなった、こういうことですか。それとも該当額が少ないので総額が減少した、つまり没収される金額が大きいのが少ない、こういう意味ですか。その内容をいま少しく説明いただきたい。減収の理由というものは何であるか。
#14
○政府委員(近藤忠雄君) 一件当たりの金額が少なくなったのが主たる原因のように解釈いたしております。
#15
○相澤重明君 次に、この不用額の四億百九十二万九千七百二十四円はその後どういうふうに処置をされておるのか。その点を御説明いただきたい。第二項の歳出の予算額並びにこの支出済み額を先ほど法務大臣から説明をした中で、翌年度に繰り越した額は一億三千四十四万二千八百六十三円、不用額は四億百九十二万九千七百二十四円という説明をしておる。その不用額はどうしたか。
#16
○政府委員(近藤忠雄君) その額は国庫に返納いたしておるわけでございます。
#17
○相澤重明君 いや、そういうことはわかっておるのだよ。当然返納しなかったらおかしいじゃないか。そういうことを言っておるんではない。不用額というものはどういう理由でそういう形になったかということを私は言外に含めておる。なぜ不用額がそうなったか。
#18
○政府委員(近藤忠雄君) 不用額のおもなものは、第一は人件費でございまして、人件費の一億三千百万五千円が不用額に相なったわけでございますが、これは欠員の補欠が予定通り行かなかったことによりまして、俸給等に要する費用が結局支払う必要がなくなったということに相なったわけでございます。
#19
○相澤重明君 次に、公安調査庁における破壊活動防止の調査活動経費として、四億八千百二十六万三千円が支出済み額のおもなものになっておるわけですが、その大きな項目だけでも御説明いただきたいんですがね。調査活動経費として使った四億八千百数十万円のうちの大きな項目だけでも御説明いただきたい。
#20
○政府委員(近藤忠雄君) 決算の面から申し上げますと公安調査官の調査活動費が四億二十万円でございまして、それと団体等の調査旅費でございますが、これはその旅費が五千百五十九万八千円でございます。以上の点によって御了解をお願いいたしたいと思います。
#21
○相澤重明君 そこで私は法務大臣にちょっと法務省の機構上の問題の中で、一つお尋ねをしておきたいんですが、それはこの法務省の設置法並びに法務省の組織令の中で、特に私は人権擁護局について一つお尋ねをしておきたいと思うのです。人権擁護局長も御出席で御説明いただけると思うのですが、まず第一には、概念として、御承知のように人権擁護についても、一昨年か十周年の切手等のPRを行なったわけですが、一体法務省が、法務省令や組織令に基づいて人権擁護というものを積極的に進めておるかどうかという点が、私は案外なおざりになっておるのじゃないかという気がする。しかし私の言うのは、もしそうでなければ問題はありませんけれども。そこでこの組織令によるところの人権擁護局長のもとにおける二課、一管理官、こういうだけで実際現地の日本の民主化を進めるのに、はたして適切であるかどうか、こういう点を私は実は非常に疑問に思うのです。あとで具体的な事例では私はまあ法務大臣にもまた局長にも聞いてもらおうと思っておるのだけれども、まず法務大臣には概念として、あなたが法務大臣になられて、そしてこの法務省の組織の中で、この人権擁護局というものはこれでいいのか、こういう点をあなたはどうお考えになっておるのか、一つお聞かせいただきたいわけです。これは大臣でないと説明の意味がないからね。
#22
○国務大臣(植木庚子郎君) 人権擁護局関係におきましての活動の状況その他に遺憾の点がありゃしないか、予算が少な過ぎやしないかというような御配慮のもとの御質問でございますが、御承知の通り私も就任いたしましてなお日も浅いことでありまして、深いことは実は承知いたしておらないのでございます。しかし事務引き継ぎの際以来、さらに所管事項の説明等を当局からいろいろ聞きましたが、その後聞きました中では、大体においてこの仕事も小部局ではあるけれども非常に大切な仕事であるから、手不足ながらも張り切ってやっておる、しかしながら、法務省全体として御承知のように非常に人件費が多い役所でございますから、なかなか予算の要求することも骨が折れますし、またそれを認めてもらうこともなかなかむずかしいような状況でございますので、本年度も三十六年度の概算要求にあたりまして、当初はいろいろ部内でも希望を持っておったようでございますけれども、遺憾ながらこれを増額実現することはできなかったような始末でございます。民主政治の発達のためにもなかなか世上一般に実情を考えてみますと、時あってか非常に気の毒な場合もわれわれも時に耳にすることがございますので、今後とも十分注意をいたして参りたいと思いますが、ただいまの仰せのような事態につきまして、ぜひまたいろいろと御指摘をいただいて、われわれの反省研究の材料にさしていただきたいと存ずる次第でございます。
#23
○相澤重明君 局長から四十二条に基づく総務課、調査課、管理官、この内訳を現在の人員構成、それからその四十三条による、たとえば総務課ならば総務課の企画、運動の助長、あるいは人権擁護委員に対する問題、その他一般の問題について、この四十三条の問題について少し御説明して下さい。そうすれば大臣も私もかなりやはり頭を新しくすると思うのだな。これはやはりそういうことをあなた方がこの委員会でやはりPRしておらんから、実はあまり調べておらぬ。だからそういうところに、定員の問題や予算の問題、それから実際の仕事ができないということになってきておる。一つこの関係の四十二条、四十三条を、少しこまかく説明して下さい。
#24
○政府委員(鈴木才藏君) 非常に御支援的な御質問をいただいてありがとうございます。現在法務省の人権擁護局の定員は昨年ようやく十三名から十六名にふえました。そのうち局長一、総務課長一、調査課長一、人権擁護管理官――これはもとの縮小前の第三課の身がわりであります。現在は適当な管理官が見当たりませんので、総務課長の兼任となっております。それから総務課と調査課は大体定員十六名の半数を占めております。そのほかに毎年上級試験を通りまして法務局に採用されました者が大体三名づつ、民事、訟務、人権と、こう順繰りに見習いに回りまして、大体三名から四名程度、毎年定員外の人数を抱えておりまして、この方たちは法律も勉強いたしておりますので、手不足なわれわれの役所におきましては、相当大きな効果を上げていただいておるのであります。本省の定員が十六名程度でございまして、しかもいわゆる司法科試験を通りましたいわゆる法律家と申しますか、そういう方が私を入れまして三名、そのような程度でございます。ところが取り扱います仕事は最近は特に法律上いろいろ複雑な問題を生じまして、私の考えでは人権擁護局本省にはもう少しローヤーがほしいような感じがいたすのであります。ただし本省以外に地方、いわゆるローカル・オフィスと申しますか、われわれの下部機関といたしましては、八カ所の法務局に人権擁護部がございまして、四十一カ所の地方法務局にも人権擁護課がございまして、大体この人権問題につきまして専従いたしておる職員が約二百名ほどございます。人権問題につきまして調査をいたす件数は約一万件以内ではございますが、大体今のところ都市に事件が集中をいたしております。東京はもちろんでありますが、大阪、名古屋、九州、福岡、まあそこらあたりが相当手不足のように感じられるのであります。
 それから……、この程度でよろしいのですか。予算についても申しますか。
#25
○相澤重明君 ええ。予算の点もあわせて……。
#26
○政府委員(鈴木才藏君) 予算は従来二千万円程度でございまして、二年ほど前に、日本弁護士連合会の外郭団体でございます法律扶助協会に対する国の補助金が、約一千万円ほど加わりましてようやく三千万円となりました。その後少しずつ予算はふえて参りまして、昭和三十六年度では大体四千万円の程度に達した状況でございます。このうち最も不足を感じられますのが、法務大臣から委嘱をいたします人権擁護委員関係の国家予算でございます。現在八千名の委員が法務大臣から委嘱をいたされます。各市町村にほとんど漏れなく配置をされておりますが、八千名の人権擁護委員に関する国家予算は、ここ三年間千五百万円程度でございまして、一人当たりに割りますと、まことに僅少な額でありまして、ここに委員からの大きな不満が出ておりましたことは事実でございます。この人権擁護委員の予算の内訳は、大体委員が協議会に集まります旅費でございます。そのほかにいわゆる実費弁償金というものであります。この人権擁護委員は全くの無報酬でありまして、委員活動に要した実費を予算の範囲内で弁償するという規定になっております。一人当たり従来は年間二千円にもつかない費用でございます、実費弁償金を合わせまして。こういう点にいろいろと委員活動の不活発な原因があったとも見られるのであります。ただ問題は、この人権擁護委員は、各市町村長がその地区の住民のうちから適格者を選びまして、そして議会の意見を聞いて候補者として法務大臣の方に推薦して参ります。こういう関係で、この人権擁護委員と各市町村との関係は、その選任手続におきまして、また、その仕事をいたします区域が、推薦を受けました市町村と密接な関係がございますので、従来国家予算の不足と申しますか、不足を補うという意味よりも、その選ばれた市町村区域における住民の人権擁護をいたします関係で、また各市町村の理事者と密接な関係がございますので、従来いろいろな名目において各推薦母体である市町村から別の意味の援助をいたされておりまして、どうにか人権擁護委員のその地区における活動につきましては、ある程度まかなって参りました。ただ問題は、現在八千名の人権擁護委員がおいでになりますけれども、全部の方が、日々その地区住民の人権擁護のために活動しておられるとは残念ながらはっきり申し上げかねるのであります。私の考えでは、むしろこの人権擁護委員の大きな力というものは、人権擁護委員が万一事あればその地区におられるということだけで相当の効果を上げているように存じております。
 今大臣からいろいろと御説明もございました。私も四年間少し人権擁護局長の仕事をさせていただいておりました。その間感じましたことでありますが、この法務省の人権擁護局、本省の規模あるいはその下部組織である地方法務局、あるいは法務局の人権擁護関係の人員あるいはその活動費、そういうものは確かに法務省全体の予算からみますると、全く問題にならない少額でありますけれども、私の考えではこの人権擁護に関する政府機関の規模というものは、はたしてどの程度まで大きくすることによってほんとうの政府機関としての指導が十分になされ得るやいなや。これは私も今はっきりつかみ得ないのでありますけれども、今後におけるこの人権擁護活動というものは、あくまでも人権擁護委員、いわゆる法務省の人権擁護委員の組織をもう少し充実をして、法務省の人権擁護局あるいは各地方の法務局の人権擁護関係の者は、むしろお手伝いをする程度の方がいいのではないかという感じも受けるのであります。ところが人権擁護委員法には、人権擁護委員の協議会あるいは県単位の連合会、全国の連合会のりっぱな組織はあるのでありますが、事務局費というのは全然予算上ございませんので、全国連合会の事務局あるいは各都道府県の連合会、あるいは協議会の事務局というものは、私の方、本省あるいは法務局、司法法務局の人権擁護関係が兼ねている。兼ねているというと語弊がございますが、そういう仕事をいたしておる程度でございます。組織は法律上ありますが、あまり実態はないということははっきり申し上げていいと思うのであります。大体以上のところであります。
#27
○相澤重明君 そこで法務大臣もお聞きの通り、これはまことに涙ぐましい人権擁護局長の切々たる説明だと思います。法務大臣、しかるにこの不要額の中の最も大きな額は人権費、人を補充できなかったということだな。一億一千万円も、欠員補助ができないために人権費というものは不用額になっておる。そして今人権擁護局長の説明を聞いていると、いわゆる組織令四十二条できめられておる管理官というものを、いわゆる総務課長が兼任をするということだ。これは一体どうういうことなんだ。法務省令で、こういう人権擁護に関するところの具体的な事項というものをやらなければ日本の民主主義というものは育たない。そして法務省の組織令というものが出されて、具体的に四十二条というものはこういう課、あるいは管理官を置きなさいということだ。最高のスタッフをそろえるのに最高のスタッフがそろわない。人がいないのかどうかということは、先ほど人がいないと言っておるが、人がいないというのは言いのがれだ。しかも一方においては人権費というものは余しておる。こういう点を法務大臣はどうお感じになりましたか。もしあなたが、これはどうも自分の組織の中でそこまで十分でなかったということならば、今度はその管理官制度というものをやはり活用する、充足をしていくということや、あるいはもっと定員というものを考えていかなければ、ほんとうに法務大臣が、単にこの自分の組織の中においての人権擁護ということは、うたい文句にすぎない、こういうことに私はなるおそれが多分に見られる。そういう点で法務大臣の一つ見解を示していただきたいと思うのです。法務大臣、わかったか……。
#28
○国務大臣(植木庚子郎君) お答えいたします。法務省のような窮屈な予算のところで、しかも四億数千万円の不用額が出て、その中には一億三千万円からの人件費が組まれておるということは、先ほども経理部長からもちょっと申し上げましたように、人の補充が十分につかなかったということが主たる原因のようでございます。そうしてしかもその中にただいま御指摘の人権擁護関係においても人件費の不用を残念ながら一部出しているようでありますが、それにつきましては、人選その他におきましてもいろいろ事情があったようでございまして、その詳しいことは今局長からさらに説明させますが、はなはだ私といたしましては遺憾に存ぜざるを得ないことでございます。
#29
○相澤重明君 説明して下さい。
#30
○政府委員(鈴木才藏君) 管理官を兼任にいたしておりますのはあくまで私の責任でありまして、実はこの管理官の仕事と申しますのは、設置法の規定によりますと、もとの先ほど申しましたように、第三課の変わったものでございます。外部に出ましていろいろ人権擁護活動と申しますか、あるいは人権思想の普及活動、そういうものを講演して参りましたり、またそういう人権擁護関係の資料なんかを作る、そういうのが主たる任務と私は了解いたしておるのであります。私自身弁護士から参りまして初めてこの役になったのでありまして、この人権擁護管理官の人選を誤りますといろいろと外部との折衝もございますので、なかなか私の考えで、現在の法務局の登記とかそういう戸籍をやりました人たちを吸い上げましても、ただ人を置くだけでございまして、なかなか本来の仕事はできそうにないという感じで、実際現在は人権擁護管理官の仕事は私自身がやっておるというような程度でございます。決して人が足りないのにあけておくという意味ではございません。私自身がそういうふうな感じを持ちまして、私のおる限り当分少し適当な、たとえば新聞人の相当なれた人とか、そういう人がありましたら一つ補充したいという感じでございます。そういう意味でございます。
#31
○相澤重明君 局長は、この法律、君はよく読んでいるか。
#32
○政府委員(鈴木才藏君) 読んでおります。
#33
○相澤重明君 今の答弁おかしいじゃないか。第四十五条には人権擁護管理官の仕事が載っておるわけだ。そうだろう。たとえば四十四条には調査課の業務というのが載っておるわけだよ。今君は資料を作成するとか、その調査をするとか、それは君どこの所属か、これは四十五条は、君の最後に言ったように啓発活動であるとか、あるいは人権の侵害の排除、あるいは被害者の救済、貧困者の訴訟援助、こういうことが管理官に与えられた業務なんだ。この重要な業務が専任を置かないで君が兼任をしておって適当な人がないなんということは、私は言い抜けにすぎないと思う。もっと法務大臣とよく相談をして、そうしてこの業務というものをやろうとすれば、専任の管理官を置かなくてどうしてできる、局長は局長としての重要な任務があるはずだ、部下の課長の仕事まで私が合わしてできますというふぬけた話はない、まず第一にそういう考え方だから、今日まで人件費というものが不用額としてあげてあって、そして人が探せないとかこういう答弁になってしまう、私はそういう考え方がそもそもおかしいのではないか、こういうふうに思うのだけれども、しかし局長の言い分も聞くつもりですから、いま一度調べて下さい。四十四条と四十五条というものに対するはっきりした認識を持たなければ、これはやはり人員の充足ということも私は基本的な問題になってくると思う、それはどういうことなのか、いま一回答弁して下さい。
#34
○政府委員(鈴木才藏君) 貧困者に対する訴訟援助という重要な項目がございます。ところがはっきり申しますと、人権擁護局ができまして以来貧困者の訴訟援助に関する予算は一文もございません。
#35
○相澤重明君 けしからぬ。
#36
○政府委員(鈴木才藏君) 私が参りましてようやく一千万円の国庫補助金ができたのであります。貧困者の訴訟援助に関します現在の仕事というものは、国庫が出しております法律扶助協会に対する補助金の予算を組み、そしてきまりました一千万円、その後八百万円に減らされまして、三十六年度にようやく一千万円にふえたのでありますが、ただその補助金を法律扶助協会に渡す仕事のほかに、法律扶助協会の仕事の内容につきまして協力いたしまして、一般にPRするとかあるいはその法律扶助の内容を審査いたします程度でございます。
#37
○相澤重明君 法務大臣、今人権擁護局長の説明の通りなんです、予算はない、予算は。今説明をされたのは、これはいわゆる弁護士会等に対する実際の助成なんです。そういうことを国会ですよ、国会が法律を作ってこういうことを行政上やりなさい、法務省の設置法なり、組織令できめられておることをなぜ守らないか、ここに根本がある、法務大臣はどうですか。そういうことは法律や組織令できめられておっても人は別に要らないと思うか、法務大臣の御意見をお尋ねします。
#38
○国務大臣(植木庚子郎君) 仰せの通り仕事は人にあるのでございます。従って適当なる人を得まして、同時にそれに必要なる経費も何とか一つ予算当局からも認めてもらい、国会からも御決議をいただきまして、もっともっとこの仕事について御指摘の通り力をいたさなければならないと思います。御承知の通り先ほど私がお答えいたしました中に、三十六年度の人権擁護関係の経費の増額もあまり十分じゃなかったということをありのままに申し上げましたが、それでもただいま局長からもお答えいたしましたように、少しでも現状の改善ということについては努力をしなければならぬという趣旨のもとに、たとえば今話題になりました法律扶助協会の補助金等のごときも、先年予算の圧縮等に伴いまして減額されたのでございますが、それをこの際復活してもらいましてそして前の額に達しました。またさらに将来はこれをもっと増額していき、あるいはみずから扶助協会にお願いし、かたがた自分たちの方でもその所管の仕事について、ちっとでも国民の人権を伸べ得るような努力をいたさなければならないと存じます。その他の地方の部局におきましての経費もわずかではございますが、しかし先ほどお話に出ましたように、人権擁護関係は中央地方を通じて三千四百万円程度の予算でありましたが、三十六年度には四千万円をこえるところまでどうやらこうやら、わずかではございますが伸ばしていただいて、御審議を願っておるのであります。どうぞ今後も御趣旨の存するところをわれわれ当局も十分意に体しまして、予算の増額、人員の充実等をはかりまして差し繰って極力仕事の内容をよくして参りたい、かように考える次第でございます。
#39
○相澤重明君 大蔵省の関係担当官来ておりますか。
#40
○委員長(佐藤芳男君) 主計官は不幸がございまして、本日早退をいたしたそうでございます。杉山主査が出席をいたしております。
#41
○相澤重明君 それでは大蔵省の担当官に一つお尋ねをしたいのですが、法務省のいわゆる就職の志望者が少なくなる。なぜ少なくなる。こういうことを研究したことがあるかどうか。一つの例を言えば、せっかく法科を出てそうして研修をしても、実際に検事になる、あるいは判事になるという修習生がだんだん少なくなってくる、あるいは遠くへはもう行きたくない、こういうことで弁護士に転向する人が多いと思う。なぜそうなるのか。それは、結局は法務省の関係者の給料が安い、仕事が多過ぎる、こういうところが私どもは根本の原因であると思うが、この人件費を査定をする大蔵省としては一体どう見ておるのか。その点を一つ御説明をいただきたいと思う。法務省の関係の予算を組むときに、特にこの人件費を組むときに、検事や判事、あるいは法務省関係の事務官等の給料がこれでいいんだと、だから予算の人件費はこういうふうに組んだ、こういうことなのか。それとも今の人が足りない、希望者が少ないというのはどこに原因があるのか。こういうことを大蔵省の査定官としてどう見ておったか。そのことを説明してもらいたい。
#42
○説明員(杉山克己君) お話の通り、確かに裁判官あるいは検察官になる者が、司法修習を終了した者のうちから志望する者がだんだん総体的に減ってきておるということは確かに事実でございます。弁護士になる人が最近特に多いというような話も聞いておりまして、そういった面もわれわれといたしましては考慮いたした上で、三十六年度予算などにあたりましては査定をいたしております。
#43
○相澤重明君 これはやっぱり経理部長だな、今度こういう関係のものは。経理部長、今、大蔵省の査定官は、検察官あるいは裁判官等の定員を充足するために、さらにまた今までの傾向を少しでもよくするために、そういうことを含んだ予算を大蔵省としては査定をしておると。ここに具体的にどのくらいずつ給料を上げるつもりなのか、そういうことを考えた予算を組んでおるか、さもなければ、現在までの給料であれば、これは修習生の人が比較をしてみればすぐわかることなんです。結局は志望者に今度は札幌へ行ってくれと言われたときに、私は札幌へ行きませんというのは、やっぱり生活に困るためなんです。今の大蔵省の査定官が言うのは、そういうことを考慮して査定したというように聞こえたが、今度は法務省の経理部長はどういうふうに予算をもらっておるか発表してもらいたい。
#44
○政府委員(近藤忠雄君) 御承知のように、検察官の増員、充員につきましては現在若干の欠員がございます。でありますが、これは一応今後の見通しといたしましては、大部分は司法修習生から任官する人をもって充てる考えでございますが、それを充てられる一つの見通しを持っておるわけでございます。一応俸給の点につきましては、法律によりまして、御承知のように検察官につきましても、その他一般の事務官につきましても一応額がきまっておるわけでございますので、その額のもとにおいて増員なり、あるいは充員なりを考える意味においての予算の要求しかできないわけでございます。今後の方向といたしましては、その欠員の補充の方向が将来さらに困難であるかどうか、あるいは増員をしなければ今後の仕事ができなくなるかどうかという点を考慮して、予算の要求をお願いするわけでございます。現在は、いずれにいたしましても、法律というものによって額が一応きまっておりますので、それに基づく予算の要求の方向を考えておるわけでございます。
#45
○相澤重明君 そういう答弁なら別に大して聞きたい答弁じゃないのです。それはあたりまえの話です。そうでなくて、実際に今法務省自身がどうしたら、今検察官なり裁判官なり充足をし、今の訴訟事務の非常にたまっている問題の処理を早くできるか、こういうことが先日の裁判長会議においても具体的に意見が出ているでしょう。だからそういうようなことも私どもも非常に心配をしているわけです。しかし、それは新しい学卒の人がせっかく修習をして一本立ちになろうというときに、弁護士にいった方がいいのか、あるいは法務省へ志願をした方がいいのか、こういうときにやはりなる率が少ないということは、これは他と比較して給料の点、生活の点でやはりこれは現状では官吏志願をする方が骨だということだと思うのです、私は率直に言って。だから、そういう点をもっと法務省として、やはり大蔵省との折衝のときには力を入れなければ、幾ら一生懸命に、事務の渋滞を避けろ、あるいは裁判を促進しろ、こう言っても実際問題として人間の一人の能力には限度がある。そういう面でやはり予算折衝の過程において、私はあなたにもっと努力をしてもらう必要があるのではないか。そうしてその上に立ってこの運用の問題として、やはり法務省としての最大限の努力は私は必要であろう、これはもうあなたのお話の通りであります。だから根本になるそういう――足りない、なぜこないのか、こういう点を実はもっとえぐってもらいたかった。それはやっぱり大蔵省の査定官がおるし、法務大臣もさっきから言っているように、私ども国会議員もそういうことを端的に言ってもらうことが、やはり予算をきめる際に大きな問題を投げてくるわけです。こう思うからあなたにお尋ねをしているわけです。いかがですか、その点は。率直に一つお答えいただきたい。
#46
○政府委員(近藤忠雄君) 検察官の俸給の点につきましては、現在の俸給が十分であるということはわれわれも考えておりません。でありますが、御承知のように検察官の俸給のみをもって、ほかとの比較を全然考慮せずにこれのみを要求するということも、一般的に申しまして適当でないと考えるわけでございますが、現在の俸給によりまして、われわれの充員が相当程度困難である、ただいま相澤委員の御指摘の通り、弁護士になる人が多くて、検察官ないし裁判官を希望する人が非常に少ないというこの現実からいたしまして、こういう方向で充員をすることが主たる方法である、検察官の充員につきましてはどうしてもその俸給を考慮していただく上について、そのファクトをもう少し強くいろいろな資料を提供いたしまして御検討願うようにいたさなくちゃならないと考えておるわけでございます。でございますが、これはあくまでわれわれのみの要求ということよりも、公平な立場から立ってそういう資料を判断していただいて、それで査定なりあるいは国会の御審議をお願いいたしまして、そういう俸給を作っていただくようにしていただかなくてはならないと考えますがゆえに、われわれの資料を検討いたします今後の方向としましては、そういう資料を提供いたしまして、そういう第三者的な非常に強い公正な御意見をいただくような方向で、何らかの委員会なりあるいはそういうような方向の御審議をお願いするのも、一つの方法かと考えております。
#47
○相澤重明君 そこで、人権擁護局長にお聞きしておきたいのですが、先ほどのあなたの説明の中で、人権擁護局の中における法律専門家といいますか、これが比較的少ない。これは今後専門家を充足する考えですか、それともやはりこの程度で仕方がない、こういう考えでおるのかどうか。
 それから、法務大臣には、先ほど法務大臣はもっともらしい答弁をされたのですが、来た早々ですからそう全部が全部やれるということはできませんけれども、先ほどから局長や経理部長の話を聞いておって、人権擁護局に対するところのまず人事の充足を今年度はしていくつもりなのかどうか――運用としてでもですよ。予算面でできるだけのことはすると同時に、運用としても仕事ができるように充足するのかどうか。こういう点について、これは課長の補充ということになると、局長と十分相談しなければいかぬと思うのですけれども、やはり方法が出ないとこれはできないと思うのです。そこで、専任管理官を置くつもりであるかどうか、こういう点を、やはりこれは大臣の所管ですから、一つあなたからお答えをいただきたい。最初は一つ人権擁護局長の方から。
#48
○政府委員(鈴木才藏君) 現在の法務省人権擁護局の定員法の規定と申しますと、私も詳しいことはわかりませんが、ローヤーの資格を持っている者を充足し得るのは、局長と総務課長と調査課長ではないかと思うのであります。人権擁護管理官は、いわゆる三等級の事務官を充てることになっておるようでございます。私の考えでは、従来調査課に専門調査官――少なくとも四等級程度の人権擁護に慣れました者を八名ほど置きたいという考えで、一昨年来から定員増を要求いたしておりました。このローヤーの資格を持っている人の増員は、なかなか実際問題として容易でないことを悟ったからであります。けれども、私の考えでは、将来はやはり、この人権擁護の仕事というものは、数多くの若い事務官を本省に置きますよりも、相当の練達なローヤーといたしまして、むしろ法律常識というものをよく心得た人たちを相当置く必要があるのではないかと思うので、たとえば人権擁護局の方の先輩でございますが、アメリカの連邦政府の中の、最近昇格をいたしました、シビル・ライト・ディビジョンと申しますか、これは大体人権擁護局に当たると思いますが、その中の人員の構成は従来から人員の非常に少なかったことは事実であります。予算も少ない。ちょうどわれわれの法務省の中における人権擁護局と同じような運命をたどっておりましたが、一昨年アイゼンハワーのもとでようやくディビジョンに昇格をいたしましたが、その大半のスタッフはローヤーで占められておるということを聞いております。私の考えでは、実現ができますかどうかわかりませんが、将来人権擁護局――本省にもう少しローヤーを充足すべきではないかという考えでございます。
#49
○国務大臣(植木庚子郎君) ただいま人権擁護局長の答弁によりまして、現局長の考えているところは御理解願えたと思うのでありますが、私の立場といたしましても、御指摘になった通りでありまして、やはり仕事をやるのにはりっぱな人をまずそろえて、そうしてそれに十分な経費を与えてやらなければできないことは、きまりきったことなのであります。その点におきまして、あるいはただいま局長の申し述べました答弁からいいますと、ややあるいは理想に走り過ぎておりはせぬかというふうにも、私は率直に申して考えるのであります。非常に万全のものを求めるということはなかなか困難であります。給与の点もございましょう。あるいはそのときにおける世上全体の動きからそうした方面への希望者の多い少ないという影響等もございましょうから、簡単には参りません。従って、ときにはやはりやや理想にははずれるところがありましても、それでもなお置いた方がベターか、あるいは欠員にしておいてそうして局長に一つ大いに勉強してもらう方がベターか、この辺はよほど考えてみる必要があると思います。従いまして、私の考えといたしましては、今後十分局長とも話し合いもし、また次官の意見も徴し、御意見の存するところまことにごもっともと存じますから、極力人の充実ということをやる方針で考えてみたいと、かように思う次第であります。
#50
○相澤重明君 一つ将来法務大臣のそういう御意見を実現できるように、これは私希望しておきます。ぜひ充足していただきたい。そこで、考え方としては、管理官の充足を組織令に基づいてすると同時に今、人権擁護局長の言うように、もっとこの人権擁護局そのものが国民にも理解をされ、協力をされる態勢というものを作る必要がある。従って、できるだけやはり定員というものについては、省内の運用ももちろんであるけれども、この局に対する定員というものを私は再検討してもらいたい。局長の意見というものを、法務大臣も十分関係者と打ち合わせて、そうしてこれができるように私は努力をしてもらいたいと思う。この点、法務大臣の御答弁を一つ得たいと思う。
#51
○国務大臣(植木庚子郎君) 御趣旨の存するところまことにごもっともでございますから、十分気をつけて運営をして参りたいと、かように考えます。
#52
○委員長(佐藤芳男君) 関連いたしまして私からも一言いたしたいのでございますが、相澤君の御質疑は私、全面的にこれを支持するものでございます。私は私の属する党の治安対策の委員会にも席を持っているのでございますが、たとえば昨年の三池争議の際におきましても、人権擁護に関する問題が続出をいたした。しかるに人権擁護局の方のお手配と申しますか、結局人員の問題に関連する問題でありますが、きわめて希望に沿うことができなかったなまなましい現実を私は知っているのでございますが、ぜひ一つ人員については再検討されまして、将来万遺憾なきを期していただきまするとともに、現実の問題としてこれに対処する策をお立てを願いたい。
 さらに、もう一点申し上げたいことは、先ほどの御説明によりまするというと、新年度予算におきましては、少ないながら増額を見たということでございますが、そういたしますと、先ほどお話にございました法律扶助協会補助金、これはきわめて重要な問題だと思うのであります。池田内閣は社会保障にも大きな力を入れると、かように宣言をいたしております。法務省関係で社会保障関係の費目をひろってみまするというと、国家公務員共済組合の負担金、これを除きまするというと、法律扶助協会の補助金と更生保護会の補助金、ことに外界の手助けによって本来の使命を全ういたさなければならぬという、こういう事業におきましては、きわめて重要な項目だと思うのでありまして、私は、これらが法務省関係におけるわずかながら社会保障の部に属すると思うのでございます。
 しかるに三十三年度の予算から見まするというと、法律扶助協会補助金が一千万、更生保護会の補助金が一千二百万足らずという格好でございますが、先ほどお話のように、三十六年度においてある程度の予算の増額を見たとおっしゃるのでありまするが、そういたしますると、これらの二つの助成につきましては、やはり三十三年度のこの実施額よりも、ある程度増されるものと、かように考えてよろしいのでございましょうか。その方は増すわけにはいかぬのだ、依然として一千万であり一千二百万足らずであると、かようにおっしゃるのでありましょうか。これは局長から答弁をわずらわしたいと存じます。
#53
○政府委員(鈴木才藏君) 法律扶助協会に対する一千万円の補助金で、法務省の重大な社会保障の費目が事足りるかどうか、少ないではないか、来年度はどうするつもりかという御質問の御趣旨かと存じます。
 確かに金額から申しますと、法律扶助協会、いわゆる貧困者の訴訟段階における援助というものに関しまして、重要なる社会保障的な制度に対して一千万円というのは、まことに少ないような感じがいたします。本年度は一千三、四百万円の予算を要求いたしたのであります。ただここで私は、従来法律扶助の、いろいろな各国の制度を興味を持ちまして研究して参りました。この際、私のはっきりした御意見を委員長にお答えしたいと思うのであります。
 私の考えでは、この法律扶助協会に対する一千万円、これは昨年度も、弁護士の結成いたしております法曹政治連盟とかいうものがございますが、その方から一千万円のような補助金で何をしておるか、七、八千万円、少なくとも一億くらいの国家補助金を出すべきではないかという決議がなされたことははっきりいたしておるのであります。けれども私は、現在の法律扶助協会の組織におきまして、これは組織体としては、非常にまだ貧弱であります。受け入れ態勢が十分でございません。しかも、まだ法律扶助協会の宣伝、いわゆるそういうものがあるということが、一般国民にも知られておらないせいもございますが、法律扶助協会に対する援助の申請件数は、さほど多くないのであります。私の方は厳格なる調査をいたしまして、また計数を出しまして、大蔵省に要求いたしたのが千五百万円以内でございます。イギリスなんかにおきましては、全面的に法律扶助制度を国家的に企画いたしまして、毎年十二億程度、現在で、すでにもう百億円程度の国家予算が支出されておることは事実であります。反対にアメリカにおきましては、むしろ政府あるいは国の金を使うことは、本来の意味のリーガル・エードと申しますか、法律扶助の本質からはずれておる。あくまでもこれは、民間の寄付金によってまかなうべきである。そうでないと、いわゆる法律扶助の実体をなしておるリーガル・プロフェッションと申します、いわゆる法律家の自主性が失なわれると考えるのであります。今まで、ほとんど国から予算をもらうよりも拒絶しておったような状況であります。ここにはっきりと同じリーガル・エイドにつきまして、最も世界的に熱心な両国が反対した一つの見解をとり、また制度をとっておるのであります。イギリスにおきましては、国がこのような膨大なる金を使って、中産階以下の人たちの訴訟援助をやることにつきまして、やはりこの法律制度、裁判制度が異なりますけれども、やや批判があるように漏れ聞いておるのであります。またアメリカにおきましては、ほとんど民事事件の援助でございまして、刑事事件は、むしろ日本が戦後国選弁護によりまして世界的にりっぱな規模を持っておるのでありますが、最近ではアメリカにおきましても、やはりいわゆる国からの費用を出しましたパブリック・デフェンダーと申しますか、いわゆる刑事において専門の弁護人をつけるような制度が考究されまして、やや英米両者が中間的に歩み寄っておるという傾向であります。
 そうして、また私が、この法律扶助協会に対する補助金というものに非常に熱心になりましたのは、日本におきましては、その中間程度をとりたいという感じであります。日本弁護士連合会が、法律扶助協会を昭和二十七年に作りましたときには、むしろアメリカの型を入れまして、国の予算を受けないような方針で進んだのでありますが、日本の実情といたしまして、民間からの寄付金がほとんど望み得ないのであります。そこでどうしても、このせっかく発足いたしました法律扶助協会のてこ入れをするのには、どうしても、ここに国の補助金がなくちゃならぬという感じでございまして、ようやく初年度一千万円程度が入ったのであります。けれども私は、現在の一千万円程度におきまして、もう少し、二千万円程度あるならば、大体にこの貧困者の訴訟段階になった場合の援助はできるように感じるのであります。むしろ貧困者に対する問題は、訴訟になりますよりも、その前の、いわゆる訴訟になる前の段階、あるいは法律上の相談とか、あるいは法廷外におきまして資格を持った弁護士に付き添われて、その援助によって交渉をするという方が、むしろ貧困者にとっては大きな一つの援助になるような感じがいたすのであります。むしろ現在の訴訟段階になった場合の援助におきましては、さほど、一般が一見して、ちょっとこんなわずかな金でとおっしゃいますけれども、そう多くの金は要らないように私は思います。むしろ私は、こういう事業というものは、税制その他の改革によりまして、自主的に民間から寄付を得て、そうして自主的に運営する方が、むしろ将来の方向ではないか。そうでなければ、これは少し夢のようでありますが、国が、ここに五億なり一億円の基金を、国民の訴訟援助基金として設定いたしまして、その運営収益によりまして、自主的にいわゆる弁護士の人たちが、この法律扶助協会のその費用を、運営収益から援助していくように、こう自主的に工夫していくというのが最もいい方法ではないかと、こういうふうに私は今考えておるのであります。
 まだ一千万円の補助金は、少し足りないようでございますけれども、まだ法律扶助協会の全国的な組織は、ここに一挙に相当額の国の補助金を受け入れるには、少しまだ弱体ではないかという感じでございます。
#54
○委員長(佐藤芳男君) 重ねて局長にお伺いいたしますが、大蔵省に対して新年度予算に御要求になったのが約五割増し程度多く御要求になったが、それは結局認められなかったということですね。
 なお、ただいまの御発言の中に、きわめて傾聴に値する問題があると思うんです。すなわち、訴訟段階の以前の、いわゆる法律相談所というような、これはきわめて適切な御意見だと思いますが、今のそうした団体に対しまして、そういうような御指導をされていく御意思がありますか。
#55
○政府委員(鈴木才藏君) 私はむしろ、そのことを弁護士会あるいは法律扶助協会にも強調いたしております。ただいたずらに、一千万円か一千五百万円の補助ばかりをねらって、小さな考えじゃいけないということで、私は非常に僭越ではありますが、会長に申しております。
 そしてまた現在の岡会長は方々から民間の寄付を集めるべく努力をされておりまして、たとえば東京都から百万円、あるいは他の団体からも相当数の寄付を、今現実に集めておられる。その方向に進んでおられるように私は考えております。
#56
○委員長(佐藤芳男君) 了承いたします。
#57
○相澤重明君 その、英国がいいか、米国案がいいかということは、これは十分あとでお互いに研究することにして、いずれにしても、この人権擁護局が組織されておって、その仕事がやはり十分行なえる態勢を作る。これはいわゆる法務省の最高責任者である法務大臣並びに人権擁護局をあずかっておる局長の責任でもある。その点については、先ほど、努力をするという御答弁をいただきましたから、私は了承いたします。
 ところで、具体的なことで私はお尋ねをしておきたいと思うんでありますが、先ほども御説明いただきましたが、この本省の中における人権擁護局が、実は非常に仕事が忙しい。実際の仕事も予算等が伴わないのでできない。こういうことは、もうはっきりしておるわけです。
 ところが、地方においては、いわゆる地方法務局等におきましても、定員というものは、実は先ほども全国で二百人、こう言われておりました。これは、私は非常に少ないと思う。従って、この地方の法務局の足りない点を、どういう形で援助をしておるかといえば、先ほども御説明いただいた人権擁護委員、市町村のいわゆる議会において同意を得た法務大臣の任命されるこれらの人に、私は非常に仕事をおぶさっておると思う。ところが、その人権擁護委員の人たちに対する報酬、手当というものはないのですね、これは実際、車馬賃でしょう。いわゆる旅費といっても車馬賃。そして会議に出たときの手当、こういうものしか、実際には私は支給されておらないと思う。
 これは大蔵省査定官、大蔵省は、こういう人権擁護委員というものは、法務大臣が自分たちの人権擁護の仕事を進めるために委嘱をしている人たちであって、この委員に対するところの車馬賃とかあるい日当というようなもので、はたして調査費とか活動費というものがなくて仕事ができると思っておるのか、予算の査定のときに、あなた方はどう考えたのか、その点を一つ説明してもらいたい。はなはだ私には納得ができない。
 例をあげれば、たとえば横浜市の場合は、この人権擁護委員の人たちに、法務省の予算がないので、結局市の議会で五十万なら五十万の予算化をしなければならぬ。これは各市町村段階の現状だと思うんですな、私は。こういう地方自治団体にしわ寄せをしておるのは、一体何だ、明らかにいわゆる地域住民に対する政府の行政上のサービスの足りないところである。基本的に考えが足りないからそうなんだ、こう私どもは考えるわけです。だから、とてもじゃないけれども、いわゆるせっかく政府と協力してやろうと思っても、こういう仕事をしても、みんな自分のふところから金を出さなければ仕事ができない。こういうことでは、さっきの局長の話ではないけれども、せっかく人権擁護委員になりながら、実は仕事があまり積極的にならない、こういう形に私はなっていこうと思う。そういう点を、大蔵省が法務省と折衝するときに、そういう人権擁護委員に対する報酬、手当等の問題について、どうあなた方は考えて、この査定をされておるのか、その一つ意見を聞かしてもらいたい。
#58
○説明員(杉山克己君) 人権擁護に関する行政が、法務行政全般の中でも、従来比較的谷間であったということは、私どもこれは認めざるを得ないかと存じます。
 そういうことを考慮いたしまして、法務省の要求も、三十五年度におきましても、また三十六年度におきましても、そういった方面に光を当てるように、相当重点として推し進められたように、私どもは大体了解いたしております。そういう気持も十分汲みまして、大蔵省といたしましては、三十五年度におきまして若干の増員を認めましたのを初め、これは人権擁護局直接ではございませんが、法務省全般の増員を認めまして、その中で、何分にも応援していただくというようなことを考えておりました。なおまた、三十六年度におきましても、わずかではございますが、九十八万二千円の庁費あるいは謝金といった経費を認めまして、人権擁護制度、広報普及活動のために、従来、とかく皆さん方に御迷惑をおかけしていた点を、幾分なりとも、その御迷惑を軽減いたしたいという気持で計上いたしております。
 また実費弁償金につきましても、いろいろ雑費もよけいかかるというようなお話も伺いましたので、特に現在のわれわれの立場といたしましては、できる限りの増額をはかったつもりでございます。
#59
○相澤重明君 経理部長、今の大蔵省の査定官は、できるだけの努力をしたということなんだけれども、一体、人権擁護委員に幾らの報酬、手当を出しておるか。それから活動費あるいは人権を侵害されておる人たちに、いわゆる接触をしてその調査をされる、こういうような場合の費用というものは、一体幾ら計上しておるのか、それを一つ説明をしてもらいたい。
#60
○政府委員(近藤忠雄君) 人権擁護委員の実費弁償金の点でございますが、これは昨年度におきましては、千五百六十三万三千円でございまして、それが三十六年度におきましては千九百五十七万八千円に相なりました。でありますので、金額的に申し上げますと、三十六年度は三十五年度に比較いたしまして、三百九十四万五千円の増額であります。
 その内容は、これは事件調査費といたしまして、三十五年度におきましては、単価は一応千五百円にいたしまして、七千九百三十人分の費用を計上されたのでございます。その三十五年度におきましては五千二百九十九人分でございましたのを、三十六年度におきましては七千九百三十人分として査定を受けたわけでございます。
#61
○相澤重明君 三十六年度は、一人当たり幾らになるのです。
#62
○政府委員(近藤忠雄君) 単価は、前年と同様に千五百円ということに相なっております。
#63
○相澤重明君 単価がふえてなければ、結局ふえてないということじゃないですか。単価がふえてないということは、ちっともよくしたということにはならないじゃないか。そんな説明があるか。それはそれとして、よく調べて回答してもらわなきゃならぬが、今の実費弁償、それから旅費、こういう点について、千五百円程度で、年額ですよ、千五百円程度で、一体仕事がさせられるかというのだ。法務大臣、これはどうだ。
#64
○政府委員(近藤忠雄君) 恐縮でございますが、私から、落としましたのでつけ加えさせていただきます。
 先ほどの説明が十分でございませんでしたが、三十五年度の予算におきましての査定単価が五千二百九十九人分でございました。実情は、それを上回る金額においての調査費を必要としたわけなんであります。それを予算上五千二百九十九人に押さえられておったわけでございます。
 それを三十六年度におきましては七千九百三十人分、約二千七百人分あまりの増額に相なったわけであります。さようでございますので、実情は、非常にふえる――非常にふえると申しますと恐縮でございますが、ある程度ふえるということが考えられるのであります。
#65
○相澤重明君 今の御説明は、ですから三十五年度に一人千五百円程度で、とにもかくにも五千二百九十九人分の努力をした、そうして三十六年度の今年度の予算折衝では、その単価でとにかく定員をもっとふやす、これが七千九百三十人分、こういう総額のことを今経理部長は話をしておるでしょう。
 私の言うのは、定員ももちろんであるけれども、一体千五百円年額で、この人件擁護委員のいわゆる調査活動とか、あるいは折衝した、そういう意見を聞くとか、また会議に出る仕事が実際にできるのかどうか、こういうことを聞いておるのだ。一人当たり千五百円の単価というものを上げる気がないのか、それとも、昨年同様の考え方で押していくのかという点をお尋ねしておるわけです。いかがですか。
#66
○政府委員(近藤忠雄君) 事柄の法律的な問題も若干ございますので、主管課長から説明いたさせたいと思います。よろしくどうぞ。
#67
○説明員(勝尾鐐三君) 人権擁護委員の活動を容易ならしめるために、その予算的な手当を十分にいたしたいということを、数年来事務的にいろいろ検討したわけでございます。その際に、一応問題点として私たちが議論いたしましたのは、一つは人権擁護委員法でございますが、御承知のように、人権擁護委員法の建前が、第八条でございますが、「人権擁護委員には、給与を支給しないものとする」と法律上に押さえられておるわけでございます。それからさらに、「人権擁護委員は、政令の定めるところにより、予算の範囲内で、職務を行うために要する費用の弁償を受けることができる」こういう条文になっておるわけでございます。そして、この条文を受けました政令を見ますと、法律では「職務を行うために要する費用」、こうなっておりますのが、政令では、「職務を行うために要した旅費その他の費用」、このように字句が変わってきておるわけでございます。さらに政令では、車馬賃については旅費法を適用して計算をする。こういう工合に、政令並びに法律で、事務的に申し上げますと、非常に厳格な規定の仕方になっている。そのために、私たちの方で増額を要求する際に、人権擁護委員の方から、「要した費用」というものの正確な資料を集めるということで、ここ二、三年来努力をいたしたわけでございます。
 ところが、これは別に委員の方が怠慢であるとかないとかという意味ではありませんが、非常にお忙しい仕事を持っておられる関係からか、この要した費用という点の資料について、若干事務的に十分な資料を集めることができなかったように私たちは感じたわけでございます。
 しかしながら現実問題といたしまして、地方の実情をいろいろ調査等いたしますと、市町村に対して、相当額の負担をかけているということも十分うかがわれるわけでございますので、なんらかの形で、人権擁護委員の実費弁償金の増額をはかりたいということで努力をいたしたわけでございますが、法律並びに政令の仕方が、どこまでも要した費用ということで、現実にポスターに幾らかかったとか、あるいは車馬賃に幾らかかったというような数字でしか支給できないような形になっておるわけでございます。
 そこで、現在私たちの方で考えておりますのは、この法律の改正ということが考えられないかどうかということ、並びに政令の書き方を改正するということが考えられないかどうかということを、まず根本的に三十七年度の予算の際に検討いたしたいと思っております。
 そうして本年度におきましては、従来予算は五千二百人前後で一応千五百円の単価で予算が入っておったのでございますが、実際に人権擁護委員に任命された方が、それを上回っていたという関係で、一人当たりに支給される単価というものは、おそらく千円前後しかなかったのではないか。それをせめて最近における人権擁護委員の実数に合った形で予算をまず獲得したい。そのために昨年の秋、人権擁護局の方で御調査を願って七千九百三十名という現員に合わせまして、一人千五百円という、まず増額をはかったわけでございます。そうして、この総額におきまして七千九百三十名という委員の方に、中にはお忙しい関係で費用をかけない、すなわち実質的に仕事もできなかった方もあるんじゃないかということで、実際問題におきましては千五百円を上回る支給額をできるのではないか。とりあえずは三十六年度は、その段階で予算の折衝をしたわけでございまして、引き続き将来の問題といたしまして、法律並びに政令並びに予算の獲得に対して十分な努力をいたしたいと、このように考えております。
#68
○相澤重明君 今、君の説明した人員のこと、先ほど局長が予算千九百万円、八千人という御説明をしたことと、ちょっと食い違いがあるように思うが、これは局長どうかな。
#69
○政府委員(鈴木才藏君) 八千名と申しましたのは予算を要求いたします前の現在員のことでございます。
#70
○相澤重明君 いや、だから現在で、それはいいけれども、今の予算と、それから人権擁護委員との数ですね。そういうものからいって、単価はどうなんだ。今の課長でしたかの説明をしたのと、君のさっき説明をしたことと、食い違いないか。違いやせんか。
#71
○政府委員(鈴木才藏君) どの数字の点でございますか。一人当たりの。
#72
○相澤重明君 そうそう、一人当たりの。
#73
○政府委員(鈴木才藏君) 一人当たりの年間の旅費及び実費弁償金を加えました数が大体千五百円程度というのは……。
#74
○相澤重明君 今のは、大体部長の説明しておるのは、昨年は千円くらい、ことしは千五百円くらいに。ところが君の言ったのは、さっきは、大体千五百円くらいのを二千円くらいにということじゃないですか。
 それはどういうことか、その違いは。部長の言うのと、局長の言うのと、意見が違うじゃないか。
#75
○政府委員(鈴木才藏君) 私が申しましたのは、大体今度、先ほど経理部長から御説明がありましたように、委員関係全部、いわゆる協議会出席委員旅費、その他の委員旅費と、いわゆる実費弁償金を合わせました額が、約千九百円くらいになる。実費弁償金それ自体を割りますと、大体千五百円くらいになるかと思います。しかし旅費を合わせまして、いわゆる国が委員関係の活動費として出しておるのが大体八千名で、千九百万円ほどありますけれども、まあ約二千万円になるということであります。
#76
○相澤重明君 今の局長の答弁のように部長も答弁したのか。
#77
○政府委員(近藤忠雄君) そうでございます。千五百円と申し上げましたのは、実費弁償金だけでございます。そのほかに人権擁護委員の協議会等の出席旅費等がほかにございますので、それらを合わせて計算いたしますならば、千九百五十円くらいになります。
#78
○相澤重明君 それから法務大臣。ことしは人権擁護デーというのは、やはりやる予定なのか。それとも、これはやはり一定の週期といいますか、十周年であるとか二十周年であるとか、こういうことで、人権擁護に対するところの国民に対するアピールをするつもりなのか。基本的な考え方は、どこに置いておるか、説明をしてもらいたい。
#79
○国務大臣(植木庚子郎君) 昨年か先年やりました催しは、それは世界人権宣言十周年記念の機会に、日本といたしましても、あの催しをしたのでございます。三十六年度としては、同様の趣旨の会合は予定してございません。
 ただ従来通りの、毎年擁護委員の方々で功績のおありの方、長くいろいろ御苦労願った方々に対する大臣表彰等の催しは、これはことしも、ぜひやりたい、かように考えておる次第であります。
#80
○相澤重明君 そこで、さらにお尋ねをしておきたいのは、先ほどは法律、政令等の予算の解釈の問題が、部長から答弁されておったわけですが、これは、この基本的な問題が意思統一がされれば、別に問題がない、これは修正ができるのですから。特に政令の場合には、大臣が、そういう方針を出されれば、閣議できめられるわけです。そういうところに法律、政令できめられておることが、いわゆる基本的な問題というものが、十分に討議されておらないというと、しゃくし定木の解釈になってしまう。ここに私は問題があろうと思う。そういう点を一つ。人権委員には給与を支給しない。それは当然、別に公務員で採用しているわけでないから、だれも、年間千五百円で給与を支給されておるなんと思う者が今どきあるか。そういう機械的な解釈を答弁をしなければいけないというようなところに、実は問題があるわけだ。そこから、先ほども大臣も答弁されたけれども、私は、おととし行なわれたこの国際連合の人権宣言十周年、これに対して、日本でもこの行事はやったけれども、冒頭に申し上げたように、そのときには切手だけを、法務省から、出してもらうように郵政省に頼んだだけじゃないか、こういう悪口を言ったけれども、実際に、そういう予算しかないし、またそれだけのことしか今まで進められておらなかった。
 だから、むしろその関係の人権擁護委員の表彰とか、御苦労をねぎらうと同時に、もっと国民に、この人権擁護に対する私は考え方というものを、アピールしてもらいたい。ここが私は、基本的に一番大事なことじゃないか。これをぜひやってもらうように、私は希望しておきたいと思う。
 そこで、この人権侵犯事件処理規程というものがあるわけですね。この人権侵犯事件の処理規程について、先ほど人権擁護局長から、年間におけるところの件数というものはどのくらいかというと、約一万件、こういう御報告をせられている。この年間に人権擁護に対する侵犯事件で一万件というのは、私は非常に少ないと思うのですよ。
 先ほどもお話があったように、大阪なり東京あるいは福岡等の大都市のことが主です、このあなたの報告されたのは。ところが私どもがみた場合に、農山村、漁村に、非常に私は事件が多いと思う。残念ながら定員がいないし、予算がない。そういう活動ができない。こういうところに、せっかくのこの法律に基づくりっぱな処理規程というものができておっても、これが活用されない。こういうことに私はなろうかと思います。私は一つそういう点について、後刻この人権擁護局長に、一度現地を、たまには見てもらいたいと思うのは、この漁港関係ですね。私は特に、神奈川県の真鶴あたりに、あなたが一度、空気もいいし、東京からもあまり遠くないから、一つ行ってみて、そうして一体、この町というものは、どういうふうに中産階級以下の人たちが、人権に対する熱意を持っているか、あるいはまたそれが侵害をされているか、こういうことを、あなたに調べてみてもらいたい。これは一つの例ですよ。全国的にみれば、私は農山漁村においては、相当そういう問題があると思うのです。今のは都市偏重の報告だと私は思う。
 そういう点について、私の言うのが当たっているかどうか、法務省の考えもあろうと思うのですが、一体その漁村等における、そういう件数というものは、どのくらい上がってきているのか。今までに処理をしておったか。わかったら、一つお答えをいただきたい。
#81
○政府委員(鈴木才藏君) 漁村あるいは農村における人権侵害事件の申告の件でありますが、私のみます点では、最近は、件数におきまして、いわゆる調査を要する件数は、横ばいの状態にあることは事実であります。
 それは、私の方に人権を侵害されたとして、申告をしてくる数であります。これは地方におきましては、あるいは事件が潜在をいたしているのでありますかどうか、よくわかりませんが、増加の傾向にはございません。むしろ非常に注目すべきことは、人権的な相談事件であります。これが毎年ふえておりまして、昨年度は約十万件に達しているので、この中にはいろいろな法律相談的な件もございます。全くいろいろの、ほんとうの、この日常生活における小さないろいろ人権上の悩みを、相談にくる件数でございます。そのほか人件擁護委員が、法務局の方に報告されないで、自分で、いろいろ受けておられるいわゆる人権相談的な件数は、おそらくその倍以上に達するのではないかと、こう思うのであります。必ずしもわれわれの方が手不足で件数が上がっておらないというよりも、むしろ申告自体が、そう多くないということは、事実であります。
#82
○相澤重明君 局長、結局人権侵犯事件処理規程の第二条というものが、実際になかなか行なわれにくい。この処理規程の第二条でいけば、あなたの言うように進んでいくのだけれども、残念ながら横ばい状態です、あなたの言う通り。なぜそういうことに、法律に基づくいわゆる組織令やあるいは訓令が、その通りに進まないかというと、民主化されておらない土地においては、口頭で言ったり、あなたの方に、そういう申告をしたりすると、むしろにらまれてしまう、こういうところがあるわけなんです。これは、先ほど私が言うところの組織令に基づくあなたの管轄が積極的にやらなければ、これはできるものじゃない。それでなければ、民主主義というものを育てていくことはなかなかむずかしい、こういうことを私は実は指摘をしておるわけです。
 ですから、やはりこの定員の問題と予算との関係というものは、先ほど法務大臣も、誠意ある御答弁をなされましたが、私もその通りだと思うのです。やはりもっと積極的にわれわれが進めなければ、これは、いかにこの法律あるいは組織令、訓令を出しても、それは実際の人権を擁護することにはならぬ、こう私は思う。ですからいずれは、この人権擁護に関する問題について具体的なことで、私もあなたと十分相談したいと思うけれども、私は全般的なそういう問題で、法務省の将来におけるこの法律あるいは組織令あるいは処理規程、訓令というものが、実際には空文化するおそれがありはしないか、こういう点を心配しておったわけです。
 そういう点について、訓令の第二条について、あなたは現在どういうふうにお考えになっていますか。届出の問題について、担当官がもっと積極的に出ていく、こういう考え方に立っておりますか、それともやはり報告をされるもの、こういう点に、あなたは重点を置かれますか、その点を一つお聞かせいただきたいと思う。
#83
○政府委員(鈴木才藏君) 私は、もう少しその点、人権擁護委員の活動をより一そう活発ならしめたい。一番、私が悩んでおりますのは、現在八千名の人権擁護委員がおいでになりますが、人権擁護委員の制度を知っておる方は非常に少ないのであります。一昨年の世界人権宣言十周年記念に総理府で世論調査をしていただきましたときに、人権擁護委員制度を知っておられる方が、全国で大体二五%もなかったのであります。そのうち、その地区における人権擁護委員がだれかということを知っておられる方が約五%しかなかったのであります。
 で、現在人権擁護委員の方におきましては、人権擁護委員の氏名を、その地区の住民に知らすことにつきましては、もちろん法務省のわれわれにも責任はございますが、推選母体である市町村理事者が、われわれの活動に協力をする義務があるようになっております。氏名の周知徹底に。現在、最もわれわれが力を入れなければならないのは、人権擁護委員の制度があるということ、だれがその地区の人権擁護委員であるかということをもう少し周知徹底いたしまして、そうして事があれば、何でもその人権擁護委員の方に訴え出られる、相談に出られるということに、われわれはすべきではないか、こういうふうに考えております。われわれの方の職員が積極的に事件をあさりにいくということは、どうかという感じがいたします。
 それで、新聞その他放送によりまして、人権侵犯があったと疑われるような事件がありましたならば、できる限り積極的に取り上げていく、これは、一そう今後も指導して参りたいと考えます。
#84
○相澤重明君 先ほど私は、一番国会から近いからということで、漁村の話をしたけれども、真鶴等の漁村等においては、そういう問題は、やはりいろいろ出ているわけです。
 ですから、小田原の地方法務局が一体、どういうふうに、こういう問題を処理をしておるかということについても、あなたが一度行って見たり聞いたりすれば、なるほどこの処理規程というものは、せっかく作ってあるけれども、これはむずかしいものだということがわかると思う。そのむずかしいのは、やはりあなたの言う通り、これは広く知ってもらって、そして普及するということが大事なことだと思うのです。そういう点を私は申し上げたかったわけであります。あなたの答弁のように、担当者を、係官を若干ふやしても、決してこれは全国の、民主主義を進めるための人権擁護というものは、少数の者では、とても積極的な活動は進められない。従って、人権擁護委員に期待することも非常に大きいと思う。
 ですから、今後は一つこれは、本日は法務大臣も御出席をいただいてお聞きをいただいているわけですから、この人権擁護委員の法律の解釈を、予算の使い方などということで年額千五百円か千九百円しか給料を支給しないという解釈でなく、もっと実際の活動のできるような予算というものを、大蔵省と折衝して作ってもらいたい、これは大臣にも、ぜひお願いしたいが、大臣いかがですか。
#85
○国務大臣(植木庚子郎君) 先刻来、相澤さんにはこの問題について、非常に、また広くは法務省全体の問題について御理解の深い発言御意見の発表がございまして非常にありがたく考えるのであります。
 また委員長の佐藤さんも、特に委員長発言までして下さって、いろいろ御意見をお述べ下さいましたことは、当委員会の方々も皆――同意見の方が、ほとんど全部だろうと考えまして、ほんとうに心強く感ずる次第でございます。
 三十六年度の予算編成にあたりましても、御承知のように私も就任が、予算の査定のまっ最中で、もうそれも間もなく終わる時分に就任いたした等の関係もございまして、十分にこまかいところまで知らなかった点もございまして、必ずしも十分な予算ではございません。しかし大蔵当局も、この問題についてのみならず、法務省全体の予算について、相当深い理解を持っておってくれたと私は信じているのであります。
 御承知のように予算編成方針の中では、ことしは各役所を通じまして定員増は一切認めないで行こうじゃないかというような方針がきまっておったのであります。のみならず、われわれの役所の特殊の性質を理解をして、そうしてわれわれの理想通りとまではいきません、希望通りとまではいきませんでしたが、おおむねどうかこうか、がまんできるところまで定員増についても認めてもらうことができたのであります。
 なお個々の運営の経費の点については、いかに予算総額がふえるときでありましても、われわれは、もちろん国の大事な税金から出てくる国費でございますから、できるだけ節約してやっていかなければならない、その点は、われわれもまた十分大蔵当局、財政当局に、協力して参るつもりであります。
 さればといって、先ほど来御指摘のような年額千五百円くらいの実費弁償といいますか、そんな程度では、月に百円ちょっとの金にしかならない、そういたしますと、委員が活動するのに、それこそ一々電車に乗ってばかりおれません。急ぐときには自動車で行くこともある。それは現に私も、そうした委員の方から、いろいろ御不満あるいは御希望を承っておりまして、そういう話を聞いてみましても、自動車賃一つも出ないような、こんなやり方では、一体われわれは、忙しい体で、しかも特に、こうした大事な問題について協力しようと思ってやっておるけれども、自腹を切ってまでは、ちょっと困るのだというようなお話も聞くのであります。そういう意味で、今後また、なお一そう御意見の存するところも体し、本委員会の皆さんのお考えを十分お察しいたしまして、われわれの部内でも、なお一そう、今後研究もし、財政の問題は、なかなかそう急に倍増とか何とかということには参らぬかもしれませんが、漸を追って、だんだん一つよくしていく、できるならば早くよくするというようなことに、今後とも努力して参りたいと思います。どうぞ今後も、なお一そうの御支援をお願い申し上げる次第でございます。
#86
○相澤重明君 時間がないから、あとは簡単にしておきますが、先ほど私が法務大臣から説明を受けた公安調査庁の破壊活動防止の調査活動経費、こういうものと人権擁護局の予算というものを比較してみた場合に、全く同じ省の中でも、また非常に重要な問題でも、ずいぶん定員、予算等について開きがある。これは、もちろん公安調査庁は公安調査庁としての仕事があるから、それについて、私はきょう言っておるわけじゃない。人権擁護ということは一番大事なことであるから、法律や組織令や訓令の内容について申し上げたわけです。
 そこで最後に一つ、これはやはり、まことに法務大臣のせっかくの御出席で、あなたの誠意ある答弁で、これ以上あまり追及したくないのだけれども、この批難事項のうちの職員の不正行為による国損というものは、これはまことにけしからぬ。しかも横浜地方法務局の小田原支局における川瀬某の使い込みなんというものは、十年間にわたる不正行為を行なっておる。これを発見できなかった法務省というものは、まことに、きわめて遺憾であると私は思う。この点については法務大臣からも遺憾の意を表明されましたけれども、法務大臣は、かわったばかりでありますから、これはむしろ事務当局だ。事務当局に、一つ聞いておきたいのだけれども、どうして十年間も、この事件が発見できなかったのか。
#87
○政府委員(近藤忠雄君) ただいま御指摘になりました通り、小田原の事件のみならず、他の事件も同様でありますが、特に小田原の事件につきましては、長期にわたって、こういう不正事件を発見できなかったということについてのわれわれといたしましての監督につきまして、十分に反省をいたしておるわけでございます。
 調査の結果、判明をいたしました原因でございますが、簡単に申しますと、一番重要なことは、監査監督が不十分であったということ、これは率直に反省をしなければならぬ一点であります。それから第二点といたしましては、同一人が長期間、同一の事務に従事いたしておったことを放任したという点でございます。第三は、会計管理の面におきまして、当然にわれわれ考え、また制度としても考えております相互牽制の組織、それがここにおいては、とられておらなかったという事柄が根本的な三つの原因として考えられておるのでございます。
 さような点が、この事件のみならず他の事件も同様でございますが、特に反省をしなければならぬ点でございますので、これに対しまして、まことにおそまきであるという点においては恐縮なのでございますが、こういうふうな事態を再度発生しないというふうな処置をしなければならぬことは、当然にわれわれの責任でございますので、それに対する対策といたしまして、次のような点を考慮いたしまして処置いたしたわけでございます。
 第一は、これは法務局組織のみならず、法務省全体の組織におきまして、この原因を克明に検討した結果に基づき、厳重にその事実に基づいて、今後の注意すべき点をそれぞれ列記いたしまして通達して、今後のあやまちなからしめるように処置いたしたわけでございます。
 第二の点といたしましては、監査を、この事件におきましても、ある程度やっておったわけなのでございますが、この監査が、所期の目的を達しておらなかったという点でございますが、今後におきましては、監査を一そう厳重にやるように、特に厳重な指示をいたしたわけでございます。
 第三といたしましては、この事件は、登記事務関係のことでございますので、特に登記事件の監査処理要綱を定めまして、これを実施いたしたわけでございます。
 第四点といたしましては、相互牽制のできるような事務の取り扱い方をするようにやらせた点でございます。
 第五といたしましては、当時全国一斉に出納管理の臨時検査を実施したわけでございます。
 なお、最後の点といたしましては、長期在勤者の点が考慮されなければならぬ点でございますので、長期在勤者の配置転換をはかったという点でございます。
 以上のような諸点につきまして、それぞれ処置をいたして、今後にあやまちなきを考えている次第でございますが、むろん通達だけでは十分でございませんし、これらの点も、十分今後監査をいたしまして、再びこのようなあやまちの起こらないように処置いたしているわけでございますので、御了承をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
#88
○相澤重明君 事後対策として今六項目ほど本省としての考え方を述べられましたが、長期在勤者の配置転換を行なったということを言われたが、長期在勤者の配置転換というのは、どの程度までやったのか、実際に、小田原の地方法務局のように十年間も見つからなかったということが、今後繰り返されては、これは大へんであります。従って、あなたの方も、そういう抜き打ち検査もやるし、あるいは相互牽制もやるということを言われたのだけれども、この事件の処理対策として行なわれたその長期在勤者の配置転換を幾人ぐらい、何カ所ぐらい行なわれたのですか。
#89
○政府委員(近藤忠雄君) ただいま正確な資料を持ち合わせておりませんので、概数で申し上げて恐縮でございますが、一応私の理解しておりますところでは、長期三年以上の者を配置転換をしたように記憶いたしております。どの程度の人間を動かしたかということにつきましては、私の手元に今資料がございませんので申し上げることのできないのが残念でございます。
#90
○相澤重明君 当決算委員会としては、三十四年度については、すでに国会に検査報告も出されておりまして、その中では、実はそういう事件がなかったということで、大へん努力の跡がうかがわれるわけでありますけれども、三十三年度の決算を今やっているわけです。そこで、そういう事後対策というものが、現実にどう行なわれたか、こういうことについては、やはり深い関心を皆持っているわけです。
 そこで全国に、そういう示達をせられて、その善後措置というものが、どう行なわれたかということを、法務省なら法務省で地方法務局について何カ所、それから三年以上の者で何人異動されたかということを、これはあとでいいから資料として提出してもらいたい。
 これは、特に私が三十二年にも、実は小田原法務局の問題を取り上げたことがある。それは、この真鶴の事件ではないけれども、小田原の中に米神という漁場問題があった、このときに、刑事訴訟法等の問題を中心に当時取り上げたことがございますが、これは非常に事務がたまっている、やはり定員の問題や、あるいは活動範囲の問題で、私どものほんとうに考えさせられた点がある。そういうことで、おととし実は小田原法務局の問題については、当委員会においても質問した、こういう経緯もあるので、せっかく努力されたことは私も認めます。
 そこで、この三十三年度の事後対策としては、どういうふうにやったかということを資料を提出してもらいたい。
 以上、私もまだ関係の中では、せっかく法務大臣が御出席ですから、質問する事項もあるわけですが、きょうは人権擁護局のことを中心に御質問いたしまして、この程度で私は終わります。
#91
○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑ございませんか。――別に御発言もないようですから、昭和三十三年度決算中、法務省関係の質疑は、これをもって終了いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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