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1960/03/27 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第13号
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1960/03/27 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第13号

#1
第038回国会 決算委員会 第13号
昭和三十六年三月二十七日(月曜日)
   午前十一時十一分開会
   ――――――――――
  委員の異動
三月二十三日委員大谷贇雄君、小酒井
義男君及び椿繁夫君辞任につき、その
補欠として杉原荒太君、阿部竹松君及
び北村暢君を議長において指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           谷口 慶吉君
           仲原 善一君
           野上  進君
           相澤 重明君
           石田 次男君
   委 員
           上原 正吉君
           川上 為治君
           岸田 幸雄君
           鳥畠徳次郎君
           林田 正治君
           谷村 貞治君
           大森 創造君
           北村  暢君
           千葉千代世君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
  政府委員
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部長 広瀬 真一君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第五局長  平松 誠一君
   日本国有鉄道総
   裁       十河 信二君
   日本国有鉄道副
   総裁      吾孫子 豊君
   日本国有鉄道常
   務理事     兼松  学君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
   ――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十三年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は、日本国有鉄道の部を審査いたします。念のために申し上げますが、日本国有鉄道関係の不当事項は、検査報告第三百四十六号から第三百五十一号まででございます。
 まず会計検査院から説明を求めます。
#3
○説明員(平松誠一君) 昭和三十三年度日本国有鉄道関係について御説明いたします。個別事項は不当事項五件、不正行為一件、計六件で、前年度の十六件に比べて少なくなっております。
 三百四十六号から三百四十九号までは工事に関するものでございまして、三百四十六号は、東京電気工事局の委託により盛岡工事局で東北線電化のため必要な自動信号機用の継電器類を収容する建物及び付属設備を施設した工事に関するものでございまして、東京電気工事局で委託しましたのは、三十三年十月で、施行期限を三十四年三月といたしまして、構造はブロック作りとする条件となっていたのでありますが、盛岡工事局では受託後十二月中旬現地の実測をしただけでございまして、三十四年の一月中旬になって、ようやく設計に着手したために、工期を失し、ブロック作りに比べて、断熱性、壁強度等において格別すぐれていると認められない特殊組立構造のものとし、また、その積算にあたりましても、所要材料を過大に見込んでいるため、工事費は平米当たり六万八千余円についておりますが、隣接の工事区間で高崎鉄道管理局が本件同様、東京電気工事局の委託により施行いたしました同一目的の小継電器室は、平米当たり三万三千余円で、これと同程度のブロック作りで施行したといたしますれば、約四百四十万円を節減することができたというものでございます。
 三百四十七号は、東京電気工事局が請け負わせました宇都宮制御所、氏家間制御ケーブル埋設その他工事外三件の工事についてでございます。この工事は、東北線電化に伴いまして、ケーブル一条を施設したのでございますが、関係個所相互の連絡が十分でなく、埋設位置が適切を欠きましたために、別途線路増設工事において、線路敷を拡幅するにあたりまして、ケーブルの一部が支障となり、その移転のため、三十四年度中だけで約百三十五万円が不経済となっておるものと認められるものであります。
 三百四十八号は、東京電気工事局で武蔵境−新宿変電所間に特高ケーブル用管路を施設する等の工事を請け負わしたものについてでございます。この工事の予定価格の積算におきまして、舗装道路の取りこわしについて、実際は大部分が厚さ五センチメートルのアスファルト簡易舗装であるのに、三十センチメートルのコンクリート舗装の歩掛りを適用したり、管路の掘さく埋め戻しの歩掛りが、他の同種工事の例に比へて過大であったり、土砂、骨材の運搬について、人肩運搬の歩掛りを過大に見込んだり、型ワク製作取り付け面積を誤計算しておるため、約六百九十八万円高価となっておると認められるものであります。
 三百四十九号は、新潟鉄道管理局で新潟操車場拡張その一工事を請け負わせておるものについてでありますが、予定価格の積算にあたり、盛土の採取、運搬等の積算が適切を欠いたため、工事費が約四百五十七万円高価となっておると認められるものであります。
 三百五十号は物件に関するものでありますが、大井外二工場において、昭和三十三年度中に鋳鉄及び鋳鋼の鋳物用材料として使用したレールくずは、八百九十五トン余に上っておるのでありますが、これは普通鋼くずより高価に売り渡すことができるものでありますから、これは売り渡し、ほかに発生する普通鋼くず特級品Aのうち、鋳物用として同等に使えるレールのくずがございますので、これを使用いたしましたとすれば、約四百五十万円有利となったと認められるものでございます。
 三百五十一号は、職員の不正行為により損害を与えたものでありまして、東京鉄道管理局北府中駅で、関係職員が収入金三十三万二千余円をほしいままに領得いたしたものであります。
 なお、以上のほか、概況の項におきまして、工事費予定価格の積算、資材の回転率とも改善のあとが見受けられますが、なお、適切を欠き、あるいは過剰品を重ねて購入しておる事例もありますので、一そうの検討改善を要すると認める旨を記述しております。
 以上で一応説明を終わります。
#4
○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十二年度日本国有鉄道決算書の説明につきましては、三十五年五月十一日の当委員会で、すでに説明を聴取いたしておりますが、念のため重ねて説明を求めます。
#5
○国務大臣(木暮武太夫君) 昭和三十三年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の決算検査報告とともに本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和三十三年度における日本国有鉄道の収入は、上半期における経済界不況の影響による不振が大きく響き、下半期に入って幾分持ち直したとはいえ、年間を通じて大きな伸長が見られませんでした。これを予算で予定した収入に比較いたしますと、旅客においては、わずかではありますが予定を上回ったのに対して、貨物においては、大幅に予定を下回りましたので、結局、全体ではかなり予定を下回る結果となりました。一方、支出面におきましては、日本国有鉄道は、極力支出の節約に努め、経営の合理化をはかりましたが、収入減が大きく響き、予定された純利益をあげるまでには至りませんでした。ところが、損益計算上は営業外利益約七十四億円があったため、百一億円余の純利益を生じ、前年度に引き続いて黒字決算となっております。
 以下決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。
 損益勘定におきましては、収入済額は三千三百七十八億円余、支出済額は三千三百三十五億円余でありまして、収入が支出を超過する額は、約四十三億円であります。これに収入、支出済み額に同額計上してある受託工事関係の収支を除き、収入済み額に含まれていませんが損益計算上利益に属する前期損益修正等の営業外収入約九十億円及び支出済み額に含まれていますが、損益計算上損失に属しない資本勘定へ繰入額の中の四十四億円余を加算いたしますとともに、他方支出済み額には含まれていませんが、損益計算上損失に属する固定資産除却約六十億円、前期損益修正等の営業外経費約十六億円を減じますと、本年度純利益は、前述のように百一億円余となります。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千五百七十八億円余に対して約二百億円の減収となります。その内容は、運輸収入におきまして百七十四億円余の減収、雑収入におきまして約二十六億円の減収となっております。他方、支出におきましては、予算現額三千五百九十二億円余から支出済み額を差し引きますと、その差額は約二百五十七億円で、そのうち翌年度への繰越額は約六十一億円で、残りの約百九十六億円は不用額となっております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は一千五十三億円余、支出済み額は一千五十三億円余でありまして、収支差額はありません。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額一千百五十三億円余に対しまして百億円余の収入不足となります。これは、損益勘定よりの受入減約百八十億円、鉄道債券の繰越発行額五十九億円及び資産充当等による収入の増加約二十一億円があったためであります。一方、支出におきましては、予算現額一千二百三十一億円余との差額は百七十八億円余でありまして、全額不用額となっております。
 最後に、工事勘定におきましては、収入済み額は九百六十五億円余、支出済み額は八百七十二億円余でありまして、収入が支出を超過する額は約九十三億円であります。これは、翌年度への工事の繰り越し等があったためでありまして、その超過額は運転資金の増加となって現われております。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが少なかったため、予算額一千六十二億円に対しまして約九十七億円の減少となります。また、支出におきましては、予算現額一千百十五億円余に対しまして二百四十三億円余の差額を生じます。この内容は、翌年度への繰越額九十億円余及び不用額約百五十三億円となっております。
 なお、昭和三十三年度の予算の執行につきまして、前年度に比して半数以下に減少しているとはいえ、会計検査院から不当事項五件、不正行為一件の御指摘を受けましたことは、日本国有鉄道においても種々事情があったこととは存じますが、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督して参りたいと考えております。
 以上昭和三十三年度の日本国有鉄道の決算につきまして、その概略を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。
 何とぞ、御審議のほどお願いいたします。
#6
○委員長(佐藤芳男君) 次に、国鉄総裁から補足説明を求めます。
#7
○説明員(十河信二君) ただいま昭和三十三年度決算検査報告につきまして、会計検査院からいろいろと御注意をいただきまして、まことに恐縮にたえない次第でございます。経営の合理化、職員の企業経営的な訓練、わけても綱紀の粛正などにつきましては、私の就任以来最も力を尽して参ったところでございます。なお、指導に不十分な点がございまして、工事の施行や、資材の調達及び運用等の一部につきまして御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。国鉄におきましては三十二年度から五カ年計画を実施いたして参りましたが、抜本的な輸送力の不足を打開することや、経営の長期安定化のためにはなお不十分でございましたので、関係各方面の御了承をいただきまして、新五カ年計画を打ち立てまして、昭和三十六年度から輸送力の増強、設備の近代化等の諸計画を強力に推進いたしまして、わが国経済の進展に寄与いたして参りたい所存でございます。今後工事の増大に伴いまして、工事の施行及び資材の調達等につきまして、一そう慎重に行ないまして、予定価格の積算につきましても、さらに改善をはかりまして、これを適正に行なうよう指導いたしたいと、覚悟いたしております。また職員の不正事項につきましては、さらに指導、監督を厳重にいたしまして、万遺憾のないようにいたしたい所存でございます。御指摘のありました事項につきましては、それぞれ是正、改善の措置を講じますとともに、関係者につきましては厳正な処分を行なって参りましたが、今後さらにこのようなことのないように一そう努力をいたしたい覚悟でございます。
#8
○委員長(佐藤芳男君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#9
○相澤重明君 運輸大臣にお尋ねをしたいのですが、三十三年度の決算で、御説明によりますというと、営業収入が経済界の不況の影響によって大きく出ている、こういう冒頭における説明があったわけですが、営業収入の面だけで国鉄は経営というものが安定をするのかどうか、大臣にいま一度この基本的考えを述べてもらいたいと思います。この冒頭のあなたの説明をされた昭和三十三年度における国鉄の収入は、上半期における経済界不況の影響による不振が大きいからこういうふうになったという御説明だが、これだけで国鉄は長期安定政策ができるのかどうか、運輸大臣の一つ答弁を願いたい。
#10
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、御指摘の通りただいま御説明申し上げましたように、三十三年度におきましては、国有鉄道の収入が上半期における経済界が非常に不況でありました影響を受けて、それが響いて参りましたので、まあ下半期の方は幾分持ち直して参りましたとはいえ、年間を通じましては予定いたしましたような鉄道の収入の伸びが見られませんでしたようなわけでございます。国有鉄道の経営といたしましては、支出の面におきましても、できるだけ合理化をやりまして、これを減額いたすように努めまするとともに、努力をいたしましてそのときの経済状況に応じまして事業分量を増加して、収入の面におきましてもふやそうという、この収支両面の努力によりまして、その経営の健全を維持したいと、こういうふうに考えておりますことは、これはどこの企業におきましても同じような次第でございまするが、ただいま申し上げましたように、一般的の経済界の動向、趨勢というものが相当に収入面においては大きな力をもって影響をいたしますものですから、一方におきましては、できるだけ企業の合理化等によりまして、支出面におきましても節約をできるだけやって、企業の健全性を維持していきたいということに運輸省といたしましては指導をいたしておりますわけでございます。
#11
○相澤重明君 運輸大臣に私のお尋ねしているのは、この三十三年の上半期における経済界の不況が、収入減を来たしておる大きな理由だということはわかっておる。わかっておるが、この運輸収入だけの問題で国鉄の長期安定というものがはかれるのか、こう聞いておる。それをもっと具体的に言えば、支出というものと収入というものがバランスがとれなければいけないんじゃないか、これは運輸大臣も言っておるが、それでは支出の場合の収入との見合いというものは一体どうなのか、こう考えた場合に、変動費と固定費というものがバランスがとれておるのかどうか、こういう点も私ばお聞きをしたいわけだ。運輸大臣、その点はおわかりになりますか、固定費と変動費というものの支出が一体どんな国鉄にバランスを与えておるのか、そういうことが基本的構想の中になければ、単に口で合理化と言ったって、何が合理化するのか、こういう収入支出というものに対する基本的構想というものを実はお尋ねをしておるわけです。少しこれは事務当局でなければわからぬかもしれぬが、一つ十河総裁、この変動費といわゆる固定費の割合は三十三年度はどうなっておるか、御説明をいただきたい。
#12
○説明員(十河信二君) 私、数字を覚えておりませんから、兼松理事から説明いたさせます。
#13
○説明員(兼松学君) 三十三年度の固定費は指数で申しますと、固定費が一九一で可変費が一〇八でございまして、大体三分の二近くが固定費でございます。三分の一弱が可変費であるという考え方になっております。
#14
○相澤重明君 運輸大臣、今事務当局から説明しておるように、固定費と変動費の内容が国鉄経営にとっては重要な要素を持っておると私は思う。どうしたら一体これは直せるのか運輸大臣、一つあなたのお考えを述べてください。どうしたらこれは直るのか。
#15
○国務大臣(木暮武太夫君) 国鉄におきましては、変動費の方はできるだけ努力をいたしまして、これが圧縮に努めておりますが、今御指摘の固定費は御承知の通り人件費であるとか、あるいは固定資産の償却であるとか、利息であるとかいうようなものですから、これは国鉄の意識的な努力によってばかりではなかなか圧縮ができないという実情でございまして、今御指摘のようなバランスになっているわけでございます。
#16
○相澤重明君 運輸大臣、だから今あなたの説明をするようなことだから、一体それでもって長期安定ができるのかと聞いておる。三分の二は固定費で三分の一が変動費だというのだ。そうすると、支出というものはおのずからもう固定費に重点がかかってしまって、変動費というものはきわめて幅が少ないということになる。それで一体長期安定というのができるのか聞いておる。あなたは運輸大臣じゃないか。国務大臣が国鉄がそういう実情にあるのに国務大臣として一体どうするのだ、そういうことをあなたに私は聞いておる。
#17
○国務大臣(木暮武太夫君) この御指摘の固定費の方がだんだんバランスがとれるように減ることが企業の健全な運営の上からいってきわめて必要なことと思うのですけれども、国鉄がいろいろ仕事をやっておりまする関係上、従来から固定費というものが、こういうふうに大幅にその内容を占めておりますものですから、これを理想といたしましては、もっと固定費の節約というものができまして、そうしてバランスがとれることが健全な経理の内容であることは御指摘の通りでございますが、だんだんとこういう問題についても検討いたしまして改善させるようにいたすことによって、国鉄の経理内容というものを健全化していくというふうに考えております次第でございます。
#18
○相澤重明君 どうも運輸大臣はまだ私の質問に対する理解が足りないようだ。いま一度運輸大臣、私から言いますと、固定費というのは人件費、減価償却、そして借入金の利子等を中心にいっているわけなんですね、あなたも今御説明ありましたように。そうすると人件費というものはそう減らすわけにはいかぬだろうから、人間はそう簡単に首切れるものじゃない。だから減価償却はどうするのか、固定資産税はどうするのか、借入金の利子はどうするのか、あなた今三十六年度の予算の中で提案しているでしょう、一つの方法として。つまり新しい年度からの新線建設については、利子補給をいたしますよと言っているじゃないか。そうですね。そうすると今までの借入金に対する利子はどうするのだということは、これはやはりあなたの一つの政策として出さなければならぬ問題である。それをそのままでいけば、今のような三分の二対三分の一という総経費の中におけるアンバランスになってくる。これを聞いているわけです。あなたどうしますか。そのままでただ経費節約、経費節約というのならどこで節約するのか。この固定費と変動費というもののこのバランスを一体どうするのおかと聞いているのですから。あなたが今三十六年度では、たとえば一つの政府の主張として、その新線建設に対する利子補給はいたしますよ、三億数千万と言っているじゃないか。今までの一体この投資に対してどうするのかということを、あなたは少なくとも決算上からこういうふうに三十六年度は悪い、だから将来こうしなければならぬという国務大臣としてのあなたの答弁があってしかるべきだ。それを聞いているのですよ。いま少しはっきりした答弁をして下さいよ。
#19
○国務大臣(木暮武太夫君) 御指摘のようにこのアンバランスというものが、国鉄の経営の健全化を妨げているということは事実でございますので、今御指摘のように三十六年度からは国において、新線建設の利子補給をわずかながらいたしますとかというようなこともまあやりましたわけでございますけれども、まあ国鉄といたしましては、現在におきましてはいわゆる運賃の収入というものに大きく依存をいたしておりまするとともに、一方ではできるだけ経費の節約をやっている、こういうことを現在までやっておりますわけでございまして、いろいろ御議論があって、いわゆる赤字負担になるようなものに対しては、国の一般会計からこれを出せというような一応の御議論があるのでございますけれども、従来の沿革とかあるいは現在の日本の財政事情から見まして、そういうことに直ちに踏み切るということはなかなか困難でありますものですから、これからにおきましても業務量を増加して収入を増すこととともに、一方では経費をなるべく節減して参って、そうしてバランスをとるように近づけていくということに国鉄を努力させる以外にはただいまのところ道はないと、こう考えている次第でございます。
#20
○相澤重明君 国鉄当局にお尋ねしておきたいと思うのですが、先日木暮運輸大臣は新線建設の借入金の利子補給として三億八百二十五万円を計上することになったから、これで国鉄の安定が保てるだろうというような、私前回の運輸省の決算のときにお尋ねした際に。十河総裁はそれをいいと思うかな、いかがですか。
#21
○説明員(十河信二君) 御承知のように建設審議会におきまして、数回新線建設について政府の出資または利子補給をしてもらいたい、という決議がなされておるのであります。ところが今日までそのことが実現するに至らなかったのであります。今日初めて利子補給の道が開かれたのであります。この利子補給はわずかに三億程度のものでありますけれども、しかしながらこの点は事柄として非常に重大な事柄じゃないか。ここにこういう道が開かれたということは何といいますか、一つ新しい道が開かれたので、曲がり角を曲がったという意味において私は非常に重要な点だと感じております。今後われわれは十分に努力いたしましてこの何を生かしていきたいと考えておる次第であります。
#22
○相澤重明君 総裁、今の新しい角度の方向というものができたことは大へん喜ばしい、私も同感に思います。今まで国鉄は新線建設にどのくらいの借入金をしておるのですか。これは新線建設について三億八百二十五万円というものを運輸大臣は努力をしたと、こういうことを言っておるのですね。そうすると今までの借入金の合計は幾うですか。
#23
○説明員(吾孫子豊君) 二十七年度以降の新線建設に対する投資額は、三十四年度までで三百九十五億ということになっております。これは全部借入金によっておるわけでございます。
#24
○相澤重明君 副総裁、その三百九十五億の借入金の利子の合計は幾らですか。
#25
○説明員(兼松学君) 国鉄の収入金はいろいろの利子のお金を借りておりまして、安いのは六分五厘高いのは七分五厘二毛二糸というような関係でありますが、平均約七分というふうに計算いたしております。そういった計算になりますので二十四、五億という計算になります。
#26
○相澤重明君 運輸大臣、今の国鉄の事務当局の説明によると現在までが三百九十五億約四百億、その利子が二十四、五億。そうすると二十四、五億というものをどうしたら一体あなたの言う経営の合理化というので直せるのですか。あなたは合理化々々々ということを言っておるのですけれども、どうしたらこれをまかなうことができるのか、この基本的な態度というものを一つ出してもらいたい。どうするんですか。
#27
○国務大臣(木暮武太夫君) 先ほど総裁からお話しいたしました通り、これから以後の新線建設の方の利子は国家が新しい観点から、皆さんの御指摘のような意味において補給することになりましたが、過去の利子につきましては、一般会計において補給するということにまで今日なっておらないようなわけであることは、御承知の通りでございまして、いろいろ国鉄といにしましても、先ほど来申し上げまするように、これから業務量がふえましても、動力費であるとか、その他の当然ふえるであろうものについて節約をいたしまして、こういう利子の負担をその方で幾分でも負担していくように努力をしていくことと存じまするけれども、なかなか過去における新線建設に使いましたものの利息まで、今すぐ、具体的に何によってこれをカバーしていくかという御質問には、努力をいたして参りますということよりほかには、これは具体的な問題になりますので、御返事ができないと思うのでございます。
#28
○相澤重明君 運輸大臣は、利子の問題でさえ、まだ、努力をするということ以外にはお答えができないということなんだが、それでは事務当局に再度お伺いいたしましょう。
 昭和二十六年度に新線建設をきめられて、二十七年以降着工した今日までの路線において、一体、この新線を開業して幾らもうかっているのでしょうか。全体のことを話して下さい。運輸大臣はまだ初めてですからわからない。新線建設をしてから今日まで、営業開始して、その路線でどのくらいもうかっているのか。もうかっているとか赤字になっているとか、それを説明して下さい。
#29
○説明員(吾孫子豊君) 二十七年度以降開業いたしました路線は全部赤字路線でございますので、もうかっているというような所はございませんです。それで、それぞれの開業いたしました路線の大体の損失額は個々にはわかっておりますが、今その分の集計までいたしたものは手元にございませんので、それぞれの路線の営業計数を申し上げたいと思います。それで金額にいたしますと、損失額の概算では約二十二億くらいでございます。それだけ申し上げればよろしゅうございますか。
#30
○相澤重明君 ええ。運輸大臣、お聞きの通りなんですね。これは概算。こまかい数字は出ておりますよ。出ておるけれども、とにかく今副総裁が説明をしただけでも、二十七年度着工して営業開始してからすでに二十二億以上の赤字が出ておる。いいですか。これは利子じゃないですよ。営業に対する問題なんだ。
 そこで、基本的な考え方というものは、運輸大臣としては、国務大臣として政策として考えなければならぬ問題が一つ出てくると思う。昨年は、国鉄は従来の政策運賃から原価主義に転化をしておる。そういうこともあなたはお聞きになっておると思う、国鉄から。そうすると、こういう四十七億――五十億にもなんなんとする新線建設による利子並びに営業の赤字、こういうものを今後続けていったら一体だれが払うか、だれが。これは従業員が働き出すとか運賃を値上げするということ以外に、運輸大臣の努力をするというところはないというふうに私は考えるが、そういうことなんですか、どうなんですか。
#31
○国務大臣(木暮武太夫君) 御指摘の通りで、新線建設というものが、国鉄の企業体として独立採算の上から見ますと、赤字を出しているということがいろいろ御議論の的になっておるのでございます。しかしながら、いつも私が繰り返し申し上げるようでおそれ入りますけれども、今の公共企業体としての国鉄が負うところの大きな高い公共性から出て参りまする、日本全体の大衆の福祉を増進するという見地から、仕事をやっております上から見ますると、独立採算制から見ては採算に引き合わないというようなことの理由だけで、今の公共性から出て参ります赤字を負担しても、公共的の仕事をやっていくという新線建設というものをやめるわけには参らない、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
#32
○相澤重明君 運輸大臣、そうするとあれかな、高い公共性の立場をとって、独立採算には問題があるけれども新線建設はやらなければいけない、こういう答弁だな、要約をすれば。それでいいか。
#33
○国務大臣(木暮武太夫君) そういうふうに申し上げたわけでございますが、ただしできるだけ、累増しがちの新線建設からの赤字につきましては、一方経営の上から減らすことを努めなければなりませんから、あまり金のかかり過ぎる線だとか、あるいはまたほかの新しいバス等の交通機関でやれば済むようなものは、地方の人たちの了解を得てそれにやる。どうしても鉄道でなくちゃならぬ所は建設費のかかる鉄道でやっていくというような、そこに工夫をこらしまして、同じ赤字が出るにいたしましても、なるべく赤字が大きくならないようにと、これは独立採算制の上からも企業として当然考えることでもございますし、また建設審議会におきましても、そういう御意見の建議をたびたびと近ごろはしてくれておるような次第でございますが、しかし結局におきまして、ただいま国鉄から説明いたしましたような昭和二十七年度以降にできました新線からは、黒字は生まれずに赤字が出ているというのが、実際でございます。
#34
○北村暢君 ただいまの運輸大臣の答弁はさっぱりあいまいもことしてはっきりしないのですがね。あれは新線審議会ですか、その審議会の二十七年以降の現在までの新線建設計画の建設の実施状況と、今後の新線建設の計画について、だんだん減らしていくようなふうにも聞こえるのですけれども、どういう計画になっているのか、これは一つ発表願いたい。私の聞いている範囲ですと、この新線の建設が、そんなに運輸大臣の言われるように減っていくようには聞いておらないわけです。従ってお伺いしたいのは、今後の建設計画というものが従来の実施してきたものとの比較において、どの程度に減らしていこうと計画されておるのか、この点について御答弁願いたい。
#35
○国務大臣(木暮武太夫君) 御承知の通り、鉄道建設審議会が二十七年から着工すべしということで、国鉄の方で着工いたしました線は四十四線でございまして、うち十九線は全部竣工をいたしまして、現在残りの二十五を継続して工事中であるのでございます。
 それからその後、鉄道建設審議会は三十五年度以降に着工すべき線として十一線を決定いたしまして、その際継続調査線として残された五つの線については、昭和三十五年度中に調査完了の上、審議会に報告をして、逐次それも手をつけて着工をしろ、こういうことに鉄道審議会のはなっておる次第でございます。
 それで鉄道審議会におきましては、御承知の通りにときどき新線建設を一般会計からやってはどうだというような御建議もありましたけれども、それは財政の都合で取り上げることができませんでしたので、そこで今度は新線建設の借入金の利子を補給してはどうだということも、答申あるいは建議としてお話がございましてそれが三十六年度から取り上げられた、こういうことになっておるわけでございます。
#36
○北村暢君 ただいまの説明ではまだはっきりしないのですが、三十五年度までの実施中の事業量と、三十五年度以降の、三十六年度からの事業量と、あなたの説明によると、そういう赤字の要素になるものはだんだん減らしていきたい、自動車その他で減らしていきたいというようなことを言っておるのだけれども、建設審議会の方の計画では一体減っていくような形になっておるのか、なっていないのか、三十六年度からは借入金の利子補給はする、こういうことになったのだが、そのことが国鉄の収支面において従来から見ればどの程度の、公共性ということからして政府が融資面におけるこの援助をするというような形が、どのような形で従来と違ってくるのかということを説明願わないとわからないわけです。その点を聞いておるわけです。
#37
○国務大臣(木暮武太夫君) 予算に載っております金額で、御承知の通りに、三十六年度からは新線建設の方の費用は七十五億円というふうに、前年度から二十億これは減っておりますわけでございます。
#38
○相澤重明君 運輸大臣の先ほどの公共性の問題であるが、今国鉄が公共企業体としての立場で進む場合に、現在の考え方でそのまま行って長期安定というものを期し得るのかどうか、こういう点をさっきから特に新線建設の問題であなたに御答弁を願っておった。そこでいま一度私はあなたに聞いておきたいが、鉄道建設審議会の性格の問題があると思う。鉄道建設審議会はあなたに答申もするでしょう、内閣に建議もする、国鉄の総裁はこの自由採択権があるのかないのか、この建設審議会の答申を、これはどうももうかりそうもないからいけないとか、これはもうかるから建設してもよろしいとかという、そういう採択権があるかないか、それから建議について、内閣に建議されたものについてこれは国鉄としてはどうも困る、こういうような考え方がとれるのかどうか。あなたは少なくとも担当国務大臣として鉄道建設審議会の構成というものを十分御承知だと思う、どうですか、これは。
#39
○国務大臣(木暮武太夫君) 鉄道建設審議会というものは御承知の通り国会議員であるとか各界の代表者とか、学識経験者だとかというような方、二十七名ででき上がっているものでございます。でそういうりっぱなお方々がこの鉄道建設審議会におられまして、そうして日本の経済の基盤を固める上から見て、地方産業の振興の上から見たり、あるいはまた交通の脈絡を作る上から見て、こういうようなものを新線として着工すべしということを、鉄道敷設法の別表の中から選び出して、答申または建議をいたすわけでございますので、私どもといたしましてはこの建議、答申というものは十分に尊重すべきものであるというふうに考えて今までもやって参りましたし、今後も鉄道建設審議会の構成の方々の非常に重要な意見というものとして尊重して参りたいものである、こういうふうに考えている次第でございます。
#40
○相澤重明君 十河総裁はこの鉄道建設審議会の答申は十分わかっていると思うのだが、建議の問題についてはどう考えるか、あなたにとってはきわめて重要な要素を持っていると思うが、あなたの見解はいかがですか。
#41
○説明員(十河信二君) ただいま問題になっております建設につきまして、審議会は内閣総理大臣及び運輸大臣に新線建設に対して建議をいたします。運輸大臣はその建議を国鉄に通知されます。国鉄はこの通知の趣旨に沿って建設許可を申請いたしておるような次第であります。私としては今日、日本の鉄道は今非常に財政的に窮屈になっておりますから、新線の建設審議会の決議の趣旨に沿いまして、できるだけ政府の出資または利子補給というものを増していただきたいと考えておりますが、何分、日本の経済の財政全体を見てどういうふうにあんばいせられるかということは、これはひとり鉄道の建設だけでは判断できないものですから、私としては政府の御決定に服従するのほかないじゃないかと、でき得る限り建設審議会の趣旨を通していただきたいということはお願いいたしますけれども、全体を見て政府が御決定になったことは、これは服従するのほかないじゃないかと、こう考えております。
#42
○相澤重明君 総裁、総裁の今の答弁を聞いておると、政府の御決定されたことはという言葉を今ちょっと私聞いたのだけれども、鉄道建設審議会はそういうものかな、建議は。その中の条文はあなたはそういうふうに理解されますか。これは非常に重要な問題ですよ。運輸大臣いいですか。鉄道建設審議会は各界からの構成になっておって、そこで答申もするし建議もする。その場合に手続上の問題は、運輸大臣は国鉄総裁にこのことを諮らなければならぬでしょう、手続は。国鉄総裁は十分またそのことを検討して運輸大臣にその考えを述べなければならぬでしょう。そういう手続が必要じゃないですか。その手続はどうなんですか。その条文の解釈は。
#43
○説明員(十河信二君) 建設審議会は、先ほど運輸大臣からもお答えがあったかと思いますが、鉄道の系絡上必要な線路、自動車と比較して自動車の方が有利な場合には自動車によるというふうな方針を決定しておられます。それから建設すべしということが決定したものにつきましても、政府が出資をしてほしい、利子補給してほしいというふうなことも建議しておられるのであります。私はその決定せられました新線建設につきまして申請をいたしますにつきましても、建設審議会の決議の趣旨に沿うて政府の出資あるいは利子補給をお願いいたしておる次第であります。それについて政府が最後的に利子補給だけしてやろうということを決定せられましたから、それに服従しておるということを申し上げた次第であります。
#44
○相澤重明君 十河総裁、いま少し言葉を変えて申し上げますが、十河総裁は、鉄道建設審議会の答申あるいは建議のあった場合には、それに拘束をされるというあなたは態度をとっておりますね。それでよろしいのですか。
#45
○説明員(十河信二君) 私は建設審議会に対しましては、でき得る限り、今申し上げたような新線を建設する場合には、政府出資あるいは利子補給をしてほしいということをお願いして参ったのであります。その趣旨を建設審議会でお取り上げになって、今度は利子補給の道を開いて下すったのであります。それで私はそれに服従するということを申し上げている次第であります。
#46
○相澤重明君 総裁あなたの説明の前段はいいのですよ。私の聞いているのは、鉄道建設審議会の性格を今あなたに聞いているのですよ。あなたは、国有鉄道総裁は、この鉄道建設審議会の性格は諮問機関ではない、これは拘束されるものだ、鉄道審議会で決定されればそれにそのまま従わなければならぬ。こういうあなたの答弁であるように聞こえるがよろしいかと聞いているのだ。法律上、規定上どうなのだ。諮問委員会というのは何だ一体。諮問機関であるのかそれとも拘束をされる機関であるのか。運輸大臣も関連だ、運輸大臣、十河総裁と一緒に答弁しなさい、あなた。これは重大な問題だ、運輸大臣の職務権限という問題は重大な問題だよ。
#47
○国務大臣(木暮武太夫君) 国鉄におきましても、国家的に必要な新線につきましては、国鉄の、先ほど来申し上げました公共性にかんがみて十分建設審議会の趣旨を体して建設を従来も進めておるわけでございます。今後もそうやるべきものと私どもは考えております。
#48
○相澤重明君 だから、運輸大臣はそうするとやはりこれは諮問機関ではないという解釈をとるということか。諮問機関でないのかどうなんですか一体。運輸大臣、これは運輸大臣の責任の問題だぞ。
#49
○国務大臣(木暮武太夫君) 審議会の性質は諮問機関でございます。しかしながら、これを扱う場合には、今申し上げましたように、国家議員のお方々が、各派の方のみんな代表者でございましょうから出ておりますし、それから民間からもたくさんの人が出ておりますわけでございまして、これらの人人が国家的見地に立って、公正妥当な必要な新線として御決定になったものは、これはその意見を十分に政府としても国鉄として尊重することの態度を従来もとって参りましたし、今後もこの態度を続けていきたいと、こう考えておる次第でございます。
#50
○北村暢君 今相澤委員の尋ねておることはだね、答申に基づいて利子補給もしてくれる、何するという答申があるにもかかわらず、赤字路線として、国鉄がその答申に基づいて尊重はするんだが、どう検討してもこれは国鉄として赤字だから、これは答申に基づくものを一年延ばすとか二年延ばすとか、そういう自由裁量というものをやろうとする場合、国鉄がそうやろうとする場合、それはできるのか、できないのかということをですね、聞いておる。だろうと私は思うんですよ。そういうものでなしに、答申に出たものは尊重するという建前からいえば、尊重は尊重だけれども、しかしそれは国鉄としてほとんど命令的にこれは実施しなければならないのじゃないか、こういうことを従来の例からいって考えられるのじゃないか。そうするこ諮問機関ではあるけれども、国鉄としてはもうほとんどそれに命令的に服従しなければならないのじゃないか、こういうことなんです。どうなんですか、国鉄総裁は、答申は答申として、自由裁量で、どうしても国鉄ができないというものは、やらなくてもいいというような考え方を持っておるのか、それとも答申に基づいてどうしてもそれは実施しなければならない、こういうふうに考えておるのかどうなんですか。
#51
○説明員(十河信二君) 私個人の意見になるかもしれませんが、法律上は諮問機関の決議はこれを実行しなくても差しつかえないと考えますが、現在ある多くの諮問機関、政府も国鉄も諮問機関を設けて皆さんの御意見を伺う以上は、ことに建設審議会のごとき各党の領袖を、頭を揃えて並べておられる委員会などの答申は、特にこれは尊重する必要があるじゃないか。まあ何といいますか、政治上の原則として、あるいは行政上の方針として、諮問機関ではあるが、これを尊重するということは、私は当然じゃないかと考えて、そういうふうにやっておる次第であります。
#52
○北村暢君 たとえば、その公正妥当な結論を出す鉄道建設審議会というものが、各党派から委員が出ているから非常に公正になされるべきであるのだが、いわばこの政治的路線のようなものが出てきている例というものがあるわけだね。それでも、なおかつ国鉄は、それに従わなければならなかったという実情、そうなれば、これはやはり赤字路線ということを十分知りながら、これをやらなければならないという、国鉄は、そういうことに追い込まれているのではないですか。
 そのことは、私はやはり公共性という問題と関連をして、国鉄の収支に非常にマイナスになるようなものまで引き受けなければならないということになれば、公共性の点からいって、利子補給だけでなしに、一般の道路開発その他においても、これは一般会計から相当な金がつぎ込まれているわけでありますから、鉄道についても、そういう面からいって、私どもは、やはり国の財政投融資という面から、国鉄に対して援助がなければならないはずだ、助成がなければならないはずだ、こう思うのですがね、そういう点から、やってもやらなくてもいいという自由裁量であれば、とんでもない赤字になるからやらないという、こういうふうに突っぱねてもいいのだということになれば、国鉄の自主性によって、そういうことがやらなくていいということであれば、それは私は、公共性というものが薄らいできて、独立採算制の上に立つ立場から、赤字路線は建設しない、こういう自主性が認められるならばいいけれども、今言ったように、相当な半強制的な、命令的なことで国鉄がやらなければならないということになれば、これはやはり私は、政府として、国鉄の公共性という問題については、相当程度見なければならない、こういう理屈になってくると思うのですよ。
 そういう点からいって、今しつこくお伺いしているのですがね、どうなんですかね、その点は国鉄としては、建設審議会の案というものに対して、法律的にいえば、守っても守らなくてもいいということのようですけれどもね、実際においては、やはり半分強制的に建設審議会の決定を守らなくてもよかったという例がたくさんあるのかないのか。私は鉄道関係、全然しろうとですから、お伺いするのですが、どうなんですか。
#53
○説明員(十河信二君) 先ほど申し上げました通り、法律上は、守らなくてもいいという解釈が正しいかと思いますけれども、実際上は守らなければならなくなっておるというのが実情じゃないかと思います。
#54
○相澤重明君 運輸大臣、私は今の十河総裁の答弁は、実に著しいと思うのですよ。これはまあ実際、そのように国鉄は強いられてきたわけです。これは十河総裁であろうと、ほかの総裁にかえたところで、現状までの鉄道建設審議会の答申なり建議というものをやる場合には、こうした赤字が生れている。こういうことをはっきり政府は認識をしてもらわなければならぬと私は思うのです。
 ですから、これは将来の問題として、私は一つ課題をあげておくから、この鉄道建設審議会の性格を、いま一度再検討すべきじゃないか、こう私は思うのです。これを今、十河総裁の言うように、法律上はやってもやらなくてもいいのだけれども、実際の政治上なり政策上なり、高度の鉄道という性格からいくならば、これは、どうしてもやらなければならない。これは、だれの責任です。これはやはり、いわゆる内閣なり、あるいはまあ国会の私どもにも、その責任があるでしょう。こういうことは、やはり考えていかなければならぬと思うのですね。そういう点は、一つ木暮運輸大臣が――あなたの政治生活は長いのですから、一つやって、この辺でやはり考える必要があるのじゃないか。そうしないというと、ただ国鉄の最高の責任者が、あれは仕事がうまいとか、へたであるからとか、黒字になったとか赤字になったとかいうことを批判される、その批判というものは当たらないということなんです。そういうことに私はなろうと思うから、一つ運輸大臣には、鉄道建設、審議会の性格について、運営について、こういうものについて再検討を私はして、次の議会に、一つあなたの所信を述べてもらいたい。
 そこで、それはこの次に、あとに譲っておいて、さっきからの国鉄総裁の答弁なり、あなたのお話を聞いておると、事務当局が説明をしたところの鉄道の新線建設についての利子、及びそれに関連する営業の赤字というものは、これは何だ。これは政府の責任じゃないか。国鉄の責任じゃないじゃないか。そうすれば、あなたの論旨は、それは通っておらない。三十二年度以降、鉄道建設審議会の答申をあなたが尊重をすることになれば、今日の事態においても、赤字になっているその根本原因は、これをなくさなければいけない。一体どうするか。あなたは財政上の問題として、池田内閣になって初めて三億八十五万円の――八百五十万か、この利子補給をしたから、これは前進であると、私も、前進とは認めますよ。認めておるけれども、しかし現在四十五億や五十億の赤字というものは、どうするのだ。これをただ国鉄に赤字があるということで、職員に転嫁することは、あなたけしからぬ。あるいはそれを大衆、国鉄を利用する者に負担させるということは、これはまことにけしからぬと私は思う。根本理由は、あなたがさつき説明したり、十河総裁の言っておることからいけば、私はそうなると思う。
 この五十億にまあ近づく赤字というものは、別に国鉄の十河総裁以下国鉄職員の責任じゃないじゃないですか。あるいは大衆の利用者、通勤、通学、あるいは貨物の運賃等に責任を転嫁すべき問題じゃない。公共負担の割合にしてもしかりだということになるのです。この五十億の赤字を、あなたはどう処理をするか。これは、きわめて重要な問題であるから、やはりあなたの所信をいま一度伺っておかなければならない。この答弁いかんによっては、決算はできませんよ。単に赤字になりましたと言ったって、そうはいきません。百一億の黒字でございますなんといって、得々としておられますが、運輸大臣、一ついま一回、あなたの所信を聞かして下さい。
#55
○国務大臣(木暮武太夫君) 同じような答弁を申し上げて、まことに恐縮でございますが、国鉄のあり方ということから見ますると、これは普通の営利を目的とする企業ではございませんので、高度の公共性を持って、いわゆる日本国民の福祉を増進するという見地から仕事をやっておるということで、戦後において公共企業体というものになりましたので、ただ、企業でありまするから、その経理、経営の健全を保ち、能率を増進するということも、一方では考えなくてはなりませんので、独立採算制を盛っておるわけでございまするが、今野営利を目的とする企業でなく、公共企業体であって、高度の社会福祉を増進するという大きな見地から見ますると、赤字負担もやむを得ないことであると私どもは考えておって、今日の国鉄のあり方は、一方から見ると、公共負担というものをしなくてはならぬし、独立採算制で、採算に引き合うということを考えなくちゃならぬという、二つの矛盾したものの調和をどこでやるかという非常にむずかしい問題があると思うのでございます。
 政府といたしましても、そういう点をよく考慮いたしまして、従来から鉄道建設審議会から建議されておりました、赤字累増の根源になるであろうところの、これからの問題でございますけれども、新線建設の利子補給を来年度からやることに踏み切ったわけでございまして、これは、金額は少ないけれども、一つの解決の方法に出たものであるとして、私は今後の国鉄の経営の上に、おぼろげながら曙光を見出したものであると喜んでいいんじゃないかということを考えますが、しかしながら、これのみで、国鉄の経営が非常に向上するとばかりは考えられませんから、今後におきましては、主管大臣といたしまして、閣内において、よく相談をいたしまして、たとえて申しまするならば、国鉄が今日、昭和三十四年度において百五十四億円というような、国庫預託というものを非常に安い金利でいたしておりますことなどについても、これも何とかして改善の道はないかということで相談をいたしたいということや、もう今日、ほかのものとのつり合いの上から、従来、日本の政府の直営事業のときには負担したかった固定資産諸税というものを八十億も背負っておるわけでございますか、こういうものを何とか――国鉄の公共負担を、赤字においてたくさんやっておるということを勘案して、減税ができないものかどうかというようなことにも、一つ努力をしていきたいと、こういうように私は考えておるのでございまして、現在運輸大臣といたしまして、国鉄の経営の状態をしさいに調べてみますると、国鉄の総裁が今言われたような、御希望を、いろいろ言われるということは無理からぬことがあるように思いますから、主管大臣としては、できるだけ一方では、公共的の負担をいたしまするとともに、その根源である基金であるものを、国鉄が十分にできますようなことを、努力をいたすべきことが当然ではないかというふうに考えております。
 しかし、事いやしくも、日本全体の財政に関係する問題ですから、私の希望通り参りますかどうかということはわかりませんが、私としては、できるだけ今後皆様の御指摘になりました御意見を尊重して、閣内において一つ努力をしてみたい、こういうように考えておる次第でございまして、現在の経営をもって、私は必ずしも満足をいたしておるものではないのでございます。これだけ考え方を申し上げておきます。
#56
○相澤重明君 そうすると、運輸大臣のただいまの誠意ある答弁で、私も方針としては了承しました。
 そうすると、公共性は持っておるから、公共負担はやはり行なわなければならない事情にある、このことはよろしいですれ、それから二つ目には、国鉄の赤字累増について、この赤字累増というものは、できるだけ食いとめていきたい、そうして国鉄総裁の苦衷もわかるから、閣内で努力をしていきたい、その一つの方法として、固定資産税等についても、何とかこれを軽減する方法はないか、そしてこの赤字のとにかくふえるというのをとめていく、なくする努力をする、こういうふうに私は理解してよろしいですか。運輸大臣、いかがですか。
#57
○国務大臣(木暮武太夫君) 今、御指摘の通りでございまして、国鉄の経営が破綻いたしまするならば、いかに公共性を持っておるといっても、公共負担を継続することは困難になって参りますので、国鉄が公共性の高度なるにかんがみて、社会福祉の増進のために公共負担ができ得るような国鉄の健全な経理内容に進めていきたいと、こう考えておる次第でございます。
#58
○相澤重明君 事務当局にお伺いしておきたいのですが、今年度固定資産税は、どのくらい払う予定ですか。それからできれば三十五年の固定資産税も報告して下さい。
#59
○説明員(兼松学君) 約八十億でございます。その中には、納付金も含んでおります。
#60
○相澤重明君 運輸大臣、よろしいですね、今の事務当局から説明をしたように八十億円。私は三十六年度は、もっとふえると思うのです。そういう面からいって、あなたの政治的な配慮というものが、そこにある、私はこう伺っておきます。
 それからいま一つ、これは事務当局に伺っておきたいのですが、先ほど吾孫子副総裁から、二十七年度以降四十四線の新線建設が行なわれたけれども、それが全部黒字のところはない、赤字である。この四十四線の現在の営業を開始している線が、どのくらいたてば、一体独立採算になる見通しなんですか。どのくらいたてば、独立採算に向こう予定なんですか。
#61
○説明員(吾孫子豊君) これは、それぞれの線によりまして、なかなか一がいに申し上げられません。それにまた条件次第で、たとえば利子の補給ということは、今度お願いできるようになったわけでございますが、利子補給の要素を入れましたり、あるいは特別運賃というのを設定している区間等もございますし、それらの要素をいろいろ勘案して考えませんと、いつごろどこの線が黒字になるということは、なかなかむずかしうございますが、全体的に見まして、大部分の線区というものは、まあ黒字になる時期というのは、よほど遠い将来じゃないと、むずかしいのではないかと思います。
#62
○相澤重明君 一つ事務当局に、二十七年度以降新線建設で開業した内容について、あとで資料で私は報告をしてもらいたいと思う。どの線に幾ら投資をして、そして現在までに、赤字はどうなっておるか、こういうことをやはり出してもらわぬと、今の副総裁の答弁で、いつになったら黒字になるのか、全然、かいもく見当がつかぬということであっては、これは私は問題だと思う。またそうなれば、根本的に、いわゆる運輸大臣の言う、公共負担という建前から、これは措置しなければ、運輸大臣の論旨も一貫しない。だから、その指数を出して、そしてこれを運輸大五としては、閣内において担当国務大臣として努力をしなければならぬと私は思う。そのことを後刻一つ資料で提出をしてもらいたいことと、いま一つお尋ねを当局にしておきたいのは、公共負担という建前で、農林、水産等のいわゆる賃率改定については、今回は提案をしない、こういう考え方でおると承ってよろしいのか。事務当局はいかがですか。
#63
○国務大臣(木暮武太夫君) 今回の運賃改定にあたりましては、そのすべての品口につきまして賃率を改定するということにいたしました。ただその中で、今御指摘の農林、水産物資等の百一品目につきましては、これは農林、水産に関係している方々に影響することが多いことにかんがみまして、今日の国鉄の運賃制度と申しますか、運賃体系の上でも、これは特別等級とか、一番低い等級とかいうことで低位にこれは置かれておる品物でございますので、低位に置かれておる品物である上に、さらに、これらにつきましては、御承知の通り、全額二十億円の割引の金額に相当するような暫定割引をやっておるものでございますが、これも、今回の運賃改定が、いろいろの点から検討をされました結果、このごく低いところに運賃の体系の中で置かれておる上に、その上にさらに暫定割引をやっておる、この暫定割引も、従来通り当分据え置いていくと、こういうことにいたしておる次第でございます。
#64
○相澤重明君 そうすると、公共性による、高度な公共性による農林、水産物等については、暫定措置として賃率は改定をしない。そこで通勤、通学等についても、そういうことになっていくと理解してよろしいのですか。運輸大臣、いかがですか。
#65
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま百一品目と申しましたが、ちょっと私の記憶違いで、百十品目だそうでございます。訂正をさしていただきたいと思います。
 それから、ただいまも申し上げましたように、今度の運賃改定にあたりましては、すべての品目につきまして賃率は改定をいたしましたので、その点から農林、水産物資も運賃がその点から改定をされたわけでございますが、しかしながら、ただいま申し上げましたような低いところに置かれておるものは、そのまま等級を低くしておいて、従来ありましたこれらに対する暫定割引は、当分据え置いていくと、こういうことにいたしたわけでございます。
#66
○相澤重明君 通勤、通学の答弁。
#67
○委員長(佐藤芳男君) 通勤、通学の問題につきまして答弁がないのです。
#68
○国務大臣(木暮武太夫君) ちょっと聞き取れなかったものですから、恐縮いたしました。
 通勤、通学の割引率につきましては、御承知の通り、いろいろ運輸審議会などにおきましては、割引率が多過ぎるから、これは改めなくちゃならぬというような答申が参りますけれども、今回の運賃改定の影響することをよく勘案いたしまして、割引率は変えないことにした次第でございます。
#69
○北村暢君 先ほどの御答弁の中で、公共政策割引は、当分の間と言われましたが、これは本年の三月三十一日までで、一応期間切れとなるわけでございますが、これを恒久的な制度とする考えはないかどうか、お伺いいたします。
#70
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま申し上げましたように、国鉄の運賃体系と申しますか、運賃制度というものは、各品目につきまして、その負担力であるとか、あるいは社会政策的の見地等から、いろいろ等級というものがきまっておるのでございまして、その等級の中で、ことに農林、水産物資につきましては、低位にこれを定めておいて、その上に暫定割引というものが今日までありましたわけでございまして、これにつきましても、いろいろ運賃制度の上から見ますと、純理的な見地から、これは運賃体系のワク外であるから、適当なときに是正を必要とするというような、運輸審議会などからも強い要望などがあるのでございますけれども、まあ、そういうような理屈はともかくもとして、今度の運賃改定が影響することをいろいろ勘案いたしまして、このまま据え置こう、こういう考えでありますものですから、今申しましたように、いろいろ運賃体系とか制度とかいう上から見ると、ワク外であるとして、その是正などを一部では強く要求をされておりまする問題でありますので、私どもといたしましては、名前は恒久的なものにせずに、暫定にしておいて、実質的には割引をいたすことでごがまんを願ってよかろう、こういうふうに考えまして、今、暫定という言葉を取って、恒久化するというような考えは、ただいまのところは持っておりませんでございます。
#71
○相澤重明君 運輸大臣に、これも一つ御答弁願っておきたいのですが、それは、合理化の問題ですが、先ほど、あなたは、新線建設については、答弁なり建議を尊重をする、赤字が出ても、新線建設については、答申なり建議を尊重をしていく、しかし、すでに作られておる線区について、これは合理化をしなければならぬ、こういう作業が、国鉄当局で行なわれておると思う。その合理化とは、レールだけを置いて、人はなくしてしまう、荷物は受託をしない、こういうことが合理化であるかどうか、運輸大臣は、どう考えておるか。合理化というものは、たとえば一つの線区について考えた場合に、旅客輸送はする、けれども、鉄道の駅員は配置をしない、あるいは、荷物は特定の駅までしか、これは受託をしない、こういうようなことが合理化の最たるものであるかどうか、運輸大臣は、どういうように考えるか。
#72
○国務大臣(木暮武太夫君) 鉄道の合理化につきましては、国鉄として、いろいろのことをやっておりますわけでございまして、業務量が相当にふえておりましても、いろいろ機械化等の近代化によりまして、あまり要員をふやさなくとも、その増量になりました業務量をさばくことができるようなことも、一つの合理化でございましょうし、あるいは、業務量がふえても、動力費その他のものが、あまり業務量がふえたに応じてふえませんように努力をいたすことも合理化だと思うのでございます。また、ただいま御指摘の、たとえば貨物駅を集中して、そうしてスピードアップをはかるというようなことも、まあこれも近代化、合理化の仕事であると思うのでございますが、まあ、この点につきましては、一般の人たちに迷惑のかからないように、よく御理解を願いまして、実行していくのがしかるべきことであると考えておるのでございますが、詳細のことは、具体的な事実を国鉄当局から御説明をさせたいと思います。
#73
○説明員(十河信二君) 運輸大臣からの御答弁で尽きておると思いますが、今、貨物の集約につきましては、貨物の足が非常にのろいということを、一般に皆さんからおしかりを受けております。適時適所に、貨物を送り届けるということが必要じゃないかと、こう考えまして、全体のために、一部の方には多少御不便をしのんでいただくという、犠牲をおかけすることに相なりますけれども、そういうふうな方法をとって、貨物の足を伸ばしていくこと。従って、輸送量がふえて、滞貨がそれだけ減っていくということに相なりますから、これは相当の合理化になるんじゃないかと考えます。
 また、駅員の無配置というようなことも、これも実は、われわれが発明したことでも何でもないのでありまして、御承知のように外国には、もうそういう例が以前からあるのでありまして、シグナル・ステーションといって、ある場所に限って、お客が合図をすれば初めて列車がとまるといったような、駅員どころでなく、駅舎も便所も、何一つないような駅もあるような次第でありまして、われわれは、でき得る限り鉄道を全国に普及させて皆さんの御満足を得られるようにするが、しかしながら、その経費は、できるだけ合理化して節約をしていくという方法をとっておるような状態でありまして、それについても、たとえば、ある時期には、貨物がどっと出るというふうなところは、その季節だけは御迷惑をかけないように貨物をとめるというふうなこともいたしております。できるだけ皆さんの犠牲は少なくすることは努力いたしておりますが、ある程度の犠牲をしのんでいただいて、全体の貨物の輸送量をふやし、貨物の足を伸ばしていくということをやっていきたいと考えております。
#74
○相澤重明君 今の運輸大臣、十河総裁の答弁は、鉄道をできるだけ利用はしてもらうが、赤字のあるようなところについては、一部の人には、御迷惑でも合理化政策を進めなぎやならぬと、要約すれば、こういう答弁になると思う。
 そうすると、既設の今日まで国内に国鉄が持っておる路線の中で、もうかっておる線というのは、どのくらいあるんだ、もうかっておらない線というのはどうなのか。もうかっておらないから、これは一部の負担は、まあお気の毒であるけれども、やってもらわなきゃならぬと、こういうことになるのであるから、事務当局から、現在までの路線の中で、もうかっておる線区と、もうからない線区の比率を、そして路線名を、一つできれば発表して下
 さい。
#75
○国務大臣(木暮武太夫君) 私が聞いておるところでは、今日国鉄二万キロの中で、黒字の線は二割で八割が赤字であるということを聞いておるのでございます。(笑声)いや私どもも、不思議に思ったのですが、ずいぶんお客が乗っておる線を調べてみても、やっぱりこれは赤字だと、こういう、赤字だからといってその線を全部ひっぺがしてしまうというようなことになれば、日本の輸送上大問題でございますから、これはまあ、やはりそこが公共企業体というわけで、一方の黒字をもって、赤字をカバーしていくというようなことで、国全体としての輸送の円滑化を期するような鉄道網を完成するということに努力しておるんだと私は存ずる次第でございます。
#76
○北村暢君 ただいまの説明で、若干迷惑をかけてくるというような話でございましたが、貨物駅の集約の実施の状況は、どうなっているのか。その後におけるこの貨物の取扱量の経済成長との関係もありますけれども、当然貨物も多くなってくることは、もう間違いないのでありますが、多くなりつつも、貨物の駅の集約をやった結果についての荷の動きというものについて、どのような形になっているのか、一つお伺いしたい。
 それから、貨物駅を廃止せられたところにおける民間農業倉庫を含めて、いろいろ倉庫があるわけですが、この廃止になった駅の倉庫の利用状況というものについて、おわかりになっているのかどうなのか。この集約化されたために起こって参ります影響について、御説明を願いたいと思います。
#77
○説明員(吾孫子豊君) 貨物の現在全国の国鉄の各貨物駅の取扱量を調べてみますというと、一日平均の取扱量が五十トン以下というような駅が、全国で二千百ぐらいあるわけでございます。
 そういうような小さな取扱量の低い、少ない駅について、集約ということをやっているわけでございますが、それの集約の効果といたしましては、大体、まあ荷主さんに対する効果としては、これは駅を集約いにしますと、貨物列車の速度も上がって参りますし、発着時刻等も明確になりますし、また集約した駅は、いろいろと整備をいたしますので、貨車の配給の円滑化等も期することができ、ひっきょう結論的には、貨物が速達されるということにもなりますし、また荷作り、包装費の節減というような輸送サービスの向上ということが、集約の結果行なわれるということが言えるかと思います。
 それから、国鉄の経営上の利点といたしましては、国鉄は、貨物輸送の面では三十三年度に八十六億円、三十四年度には五十五億円の欠損を生じておりまして、経営を健全化いたしますために、あらゆる努力をいたしているのでございますが、貨物駅が集約されて、数が減って参りますれば、これによる経費の節減ということも相当期待できますので、経営改善に寄与することができる。それからまた、長い目で長期的に考えてみましても、貨物の駅を近代的に集約して、必要なところは増強するということをいたしますれば、いわゆる経営の体質改善と申しますか、そういうような効果が期待できるというふうにまあ考えているわけでございます。
 それで、個々の個別の駅につきまして、集約を行なった以後の農業倉庫等の利用状況が、どうなっているかということにつきましては、下部機関の方では、わかっていると思いますが、ただいま私、ここにはその材料を、今手元に持っておりませんので、もし必要でございますれば、あらためてまた御説明申し上げたいと思います。
#78
○相澤重明君 合理化政策というものも、なかなかやり方によっては、歓迎をされるものもあると思うのです。しかし、先ほどの御説明を私は聞いておって、残念ながら十河総裁のお話の中に持たれておると思うのですが――新しい建設については、これは答申なり建議は尊重するから、赤字でもいわゆる建設をするのだ。そうすると、まさか新線建設を、職員の無配備駅というものを、最初から置く考えはないでしょう、あるいは荷物は、全然もうからない路線であっても、受託はしないということはしない。そうすると、新線建設は、一方に赤字を含みながら推進をされながら、既設の線区においては、これは合理化をして、そして貨物の足を早めるというような意味で、いわゆる受託をなくしたり、あるいは駅員の無配備駅を作るということは、若干、論旨が通らぬじゃないか、こういうことを私はその中に、うかがえるわけです。
 そこで、運輸委員会の中でも、これは与党の議員の諸君でさえ、実際は線区のいわゆる取り扱い方については、ずいぶん議論のあったところなんです。ですから、私は国鉄が公共企業性というものからいけば、運輸大臣の、ずっとけさから答弁をしておるように、若干の赤字が出てもやむを得ぬという立場が、私は当然だと思うのです。これはやはり国の一つの政策なんですね。政策でいく以上は、総裁がだれであろうと、やはりその政策によって出る赤字というものは、政府が処理をしなければならぬ、こういうことが、先ほどからあなたも言われておることです、私どももそう思うのです。
 そうすると、合理化なる名によって今まで利便を受けておった地域住民が、利便をそのために受けなくなるということは、これはやはり私は問題じゃないかと思う。その点は、運輸大臣どう思うかね。新線建設は、一方の方では赤字を含みながらも、どんどんと行なわれる、一方においては、もうずいぶん営業後、年数がたっておるけれども、あまりこの線区はもうからないから、ここでもって駅員の配置をやめたり、貨物の受託を一つ考えていこう、こういうことになると、公共性というものが薄らいでくるというふうに私は思う、その点は、運輸大臣はどう思うかね。
#79
○国務大臣(木暮武太夫君) ここが、なかなかむずかしいところでございまして、先ほど来言う独立採算制と赤字負担とのかね合いのむずかしいところでございましょうが、ただ国鉄の方は、ただいま十河総裁の言われたような方針をとられるということは、この新線建設というものの重要性から考えまして、今の個々の小さな貨物駅というようなものと比較いたしまするその比重の点において、少し差があるということから、そういうようなやはり議論が出てくると思いますが、先ほど私が申し上げましたように、そういうようなことをいたす場合におきましても、もうすでに長い間、そこで業務をやっておりまして、一般の周囲の人民の方方に慣熟してきたことであるにかんがみまして、よく地方の方々の御納得と御理解と協力を得るということに、国鉄としても努力をいたして参って、この仕事をやっていきたいというふうに考えるわけでございます。
 なかなか、この小さな駅をやめるとか、貨物駅をやめるとかいうようなことは、これは、どこでもむずかしいというふうに聞きまして、先日もドイツの交通大臣が来ましたときに、そういう話をいたしましたら、ドイツなどでも、非常にむずかしかったが、それを議員さんや地方の方々の御納得を得てやったために、ドイツの国有鉄道は非常に採算が引き合うようになったというようなことを伺いまして、私どもも、今の十河総裁の言わるる方針というものは、私はこれは間違いはないと思っておりますけれども、ただ具体的に、個々別々のものを処理いたします場合には、従来の長い関係等を勘案いたしまして、地方の方の御納得、御協力を得べきものであるというふうには考えておる次第でございます。
#80
○相澤重明君 時間がないから、まあ、昼食の時間というものも必要だということは、さっきから催促されておるので、この辺でやめたいと思うのですが、一つ、やはりこれは非常に重要だから、私は繰り返し聞いておるのですが、先ほど運輸大臣が答弁をされたように、今日の日本国有鉄道の各線区について見るならば、そのうちの約二〇%しか黒字線区というものはない。国鉄のその二〇%の線区というものは、きわめて大都市中心なんですよ。だから、この二〇%のいわゆる大都市周辺の利益によって、幸いに利益がそこが多いから、幾らか全体のカバーがされておる。しかし八〇%が赤字であれば、もしあなたの言う地域住民の納得を願ってということになって、合理化を、そういうふうに進めていくということになったら、一体どうなるのか、そうすると、いま一つ言葉を進めていくと、昔は必要であったけれども、今日はもう必要はなくなった。今、鉄道新線建設については、この十九線が残っており、そうして新たに十一路線が答申をされて建設に着工しようとしておるけれども、今日までの、すでに八〇%というものは、だんだん必要性というものは薄らいでくる、こういう答弁に、半面解釈になってくる。これは、私は非常に重要な問題だと思う。
 そこで、あなたにしつこいようだけれども、一体、運輸大臣は、こうした全国の国鉄の各線区について考えた場合に、かね合いで、非常にこの合理化というのはむずかしいというあなたの率直な答弁だったけれども、私もそう思う。思うけれども、これは運輸大臣が、よほど慎重にしないと、なんだ運輸大臣の言っていることは、新しいものには幾ら赤字になっても金を注ぎ込んで、そうして今まで地域住民が利用しておったサービスということを忘れておる、こういうことになりはしないか。そういうことが行われるとするならば、国鉄の使命というものは、私は半減をしてくる、こう思うので、あなたに答弁を求めておった。いかがですか。この全国の八〇%の赤字の線区について、もし先ほど答弁になったような、一部のという表現ではあるけれども、合理化を進めるということになると、もう古い線区は、必要がなくなったという解釈になる、そういう考えであるかどうか、いかがですか。
#81
○国務大臣(木暮武太夫君) 八〇%は赤字であるということは、きわめて少数の幹線を除いた多くの支線などが赤字であるということをやはり意味しておると思いまして、これらも、日本に広く産業の発展とか、あるいは地方の基盤を強化するとか、あるいは近頃問題になりまする地域的の格差を是正するとかいう見地から見ますると、必要のものが多いと存じまするので、そういうものは、いわゆる鉄道の公共性によりまして、都市周辺なり、あるいは幹線なりの黒字によって、これをカバーしていくということが、私は当然のことであると思うのでございます。
 また、日本全体を見渡した場合に、ある地方だけが黒字なるがゆえに鉄道の改良が行なわれて、スピードアップが行なわれて、赤字のものは、これは放擲されるということは、今の地域的の取り扱いが差があるというようなことに相なりますので、これは日本の政治全体としてはいたすべきことでない。これは国鉄の高度の公共性から見て、都市周辺あるいは幹線の黒字をもって、そういうものの赤字をカバーをしていくというところに国鉄本来の使命があるように考えます。しかしながらあるいは地方の支線などの一部で、もう近来、新しいバスやトラックができましたことにかんがみまして、必ずしも地方のお方々も国鉄、鉄道を必要としないで、舗装道路の上をバスやトラックを走らせることで満足すべきものがあるようなものがありまするならば、こういうようなことは、地方の方々の協力と納得によりまして、あるいは鉄道を、そういう新しい交通機関に変えていくということもあり得るし、鉄道建設審議会などにおきましても、それに似たような御意見を建議していただいていることがあるのでございますが、全体といたしましては八〇%ある赤字の線を、今引きはぐこいりようなことは、日本の輸送業界に対して非常なる革命でございますので、たびたび申し上げまするような国鉄の使命にかんがみて、黒字をもって得たところのものをもって、この八割の赤字のものを補いながら、日本全体の鉄道網と輸送の円滑ということに努力をすべきものであると、こういうふうに考えている次第でございます。
#82
○相澤重明君 運輸大臣の御答弁は、一般論としてよいが、あなたは、この昨年の日本国有鉄道法の改正について読みましたか。少なくとも一般論については、私はそれで了承しますよ。しかし鉄道といえども、先ほどあなたが繰り返されるように公益性と同時に、いわゆる高度な公共性と同時に、独算性ということをいわれている。そこで先ほど吾孫子副総裁の言う、いわゆる線区によるところの適正な賃率というものもやはりとる――原価主義というものに、昨年は方針が変わっているのです。もし、あなたの一般論だけでいくなら、昨年の法律提案というものは、いわゆる変えなければならぬ。原価主義というものか、政策主義というものか、その点は、私は変えてもらわなければならぬと思うが、その点は、どうなんです。
#83
○国務大臣(木暮武太夫君) 原価主義のことにつきましては、御承知の通りに運賃を定める場合には、四つの柱があるということになって、原価主義と公正妥当なことであるとか、産業の発展をはかるとか、あるいは物価、賃金のことを考慮していくとかというようなことが書いてありまするわけでございまして、もちろん企業の経理を健全化する上から申しますると、原価主義に中心をおくべきことはもちろんでございまするけれども、鉄道といたしましては、再三申し上げるような高度の公共性がございますので、運賃の決定にあたりましても、いろいろのものを勘案いたしまして、総括的に、原価主義にだんだんと移行していくようなことで、差しつかえないのだというふうに考えておりますわけでございます。
#84
○相澤重明君 休憩に入る前に、これだけ一つ、運輸大臣にあとで答弁してもらいたい。
 今時間もないから、休憩中に一つ考えておいてもらいたいのだが、現在の国鉄の線区の中で、二〇%が黒字である、八〇%は赤字である。ところが、その二〇%というのは、重要幹線区ですよ。これは、きわめて都市の周辺の重要幹線区ですよ。そうすると、その重要幹線区のごく少数の中で、いわゆる全体をカバーをする、こういうことは、明らかに全部の国鉄の産業上に稗益することからいうと、アンバランスが生まれておる。今あなたも、少し都内を初め大阪近郊の乗車状況なり、あるいは荷物の状況をごらんになったらいいと思う。あなたもこの前たしか、その点は視察をされておると思うのだけれども、今、もうかっている線区は、どうですか、乗客にしても、どのくらいのいわゆる通勤なり通学に困難を来たしておるかということは、あなたも御承知だと思う。もっとこの大衆の負担によってもうかっておるところが、施設を改良促進をしなければ、現在の人に対する非常に私は悲劇だと思う。こういうことからいって、やはり金が上がっておるから、それをほかへ、足りないところへ持っていくというあなたの思想では、私は納得できない。それはどうする。そこに私は第二次修正五カ年計画の実は提案があると思っておる。
 だから、あとで具体的に、この都内の重要ないわゆる通勤通学等で混雑をしている輸送というものを、あなたはどう解消していくのか。そしていわゆる赤字になっておる線区の負担というものは、だれが一体やるのか。あなたは、もうかったところの二〇%の線区でやろうというのはとんでもない。これは、あなたの論旨が一貫しない。これは公共性を持った国鉄が、産業上欠くべからざる重要輸送上のポイントであるから、これは国家が政策的に当然穴埋めをすべきである、こういう論旨が出なければ、あなたの答弁は一貫性がない。それを一つ、後刻どういうふうにしてやるかということを答弁をしてもらいたい。時間がないから、さっきからも、休憩々々と言われておりますけれども、それだけは聞いておかぬというと、私はあとで運賃の問題について、政府の提案をしておることがおざなりになってしまうじゃないか、こういうふうに見られるので、この二〇%と八〇%の関連をどうするか。そして公共性というものは、ほんとうにどこで生かしていくのか、現在の輸送の隘路というものは、どう打開していくか、こういうことを、一つ筋を通して答弁をして下さい。私は以上で、休憩になるでしょうから、終わります。
#85
○委員長(佐藤芳男君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#86
○委員長(佐藤芳男君) 速記を起こして下さい。
 ほかに御質疑もおありのことと存じますが、本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じます。本日は、これにて散会いたします。
  午後一時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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