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1960/04/10 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第17号
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1960/04/10 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第17号

#1
第038回国会 決算委員会 第17号
昭和三十六年四月十日(月曜日)
   午前十時二十六分開会
   ―――――――――――
  委員の異動
四月七日委員谷口慶吉君辞任につき、
その補欠として近藤鶴代君を議長にお
いて指名した。
本日委員近藤鶴代君辞任につき、その
補欠として谷口慶吉君を議長において
指名した。
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           鳥畠徳次郎君
           野上  進君
           相澤 重明君
           北條 雋八君
   委 員
           上原 正吉君
           川上 為治君
           岸田 幸雄君
           田中 清一君
           谷口 慶吉君
           野本 品吉君
           林田 正治君
           増原 恵吉君
           北村  暢君
           武内 五郎君
           千葉千代世君
           山田 節男君
           奥 むめお君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第五局長  平松 誠一君
  参考人
   国民金融公庫総
   裁       中村 建城君
   中小企業金融公
   庫総裁     森永貞一郎君
   中小企業信用保
   険公庫理事長  山本  茂君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
   ―――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 この際理事の補欠互選についてお諮りいたします。谷口君が委員を辞任されましたので理事一名欠員となっております。従ってその補欠互選を行ないたいと存じますが、つきましては成規の手続を省略し、便宜委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。それでは私より鳥畠徳次郎君を理事に指名いたします。
#4
○委員長(佐藤芳男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和三十三年度決算審査のため国民金融公庫ほか八つの政府関係機関の役職員を参考人として逐次出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。
 なお政府関係機関の役職員の人選、出席を求める日時、手続等委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。
   ―――――――――――
#7
○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、同じく特別会計歳入歳出決算、同じく国税収納金整理資金受払計算書、同じく政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は国民金融公庫、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の部を一括して審査いたします。
 昭和三十三年度決算においてはいずれも不当事項の指摘を受けたものはございません。
 それではまず会計検査院より検査報告記載の事案について順次説明を求めます。
#8
○説明員(平松誠一君) 国民金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫の昭和三十三年度検査の結果につきましては、特に不当と認めて報告いたす事項はございません。業務の概要につきましては、百三十八ページから百三十九ページ及び百四十二ページ並びに百四十五ページに記載してございますが、これにつきましても特に補足して説明申し上げる事項はございません。以上でございます。
#9
○委員長(佐藤芳男君) 次に国民金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫の順に説明を求めます。
#10
○参考人(中村建城君) それでは国民金融公庫の昭和三十三年度の決算の概要について御報告申し上げます。大体のことはこの検査報告の百三十八ページ百三十九ページに書いてございますが、多少補足して申し上げたいと思います。
 昭和三十三年度は、御承知のように、昭和三十二年度の五月に例の対外収支の改善のために相当の政策がとられまして、いわゆる金融引き締めの時期であったのでございまして、三十二年度からその効果が現われまして、三十三年度は大体景気も漸次上向きつつあり、かつ金融も比較的ゆるんだ時代でございましたが、何分にも国民金融公庫の対象である零細企業につきましては、依然として資金の需要が旺盛であった時期であります。数字について申し上げますと、昭和三十三年度におきまして貸付額八百九十三億でございまして、これは前年に比しまして百二十五億、一六・四%の増加になっております。このうちいわゆる普通貸付と申しまする一般大衆に対する普通貸付は七百七十二億でございまして、これは前年に比しまして七十二億、二%の増加でございます。期末の貸付残高を見ますると九百四億になっておりまして、これは前年に比しまして百五十六億、二〇%八の増加でございます。そのうち普通貸付は七百五十六億でございまして、前年に比しまして百九億、一六・九%の増加でございます。この貸付財源といたしましては、当初は二百三十五億の政府借入金を充てる予定でございましたが、その後、年末に資金需要が旺盛でありましたために、二十億の追加を受けまして、二百五十五億という新しい借入金をいたすことになっております。しかしながら、借入金の返済が別途百二十五億ございまして、ネットにふえましたのは百三十億でございます。その百三十億と回収金の七百三十六億を合わせまして貸付財源といたしたわけであります。
 次に、収入支出損益関係でございますが、国民金融公庫の収入は、ほとんど全部が貸付金の利息でございます。昭和三十三年度におきましては七十四億というのが利息収入でございます。それから支出といたしましては、総計で六十億でございますが、その支出の一番おもなるものは、政府から借入金いたしておりまするそれの利息でございまして、これが三十七億でございまして、全支出の六二%を占めております。次が代理手数料でございまして、これが九億一千万、一五%占めております。それからいわゆる事務経費――給与とか物件費とかいうものてございますが、これが十三億三千万円、二二%でございまして、これら収入支出を差引計算いたしますと、償却前利益が十四億四千万出ております。それを償却引当金に十三億七千万繰り入れまして、残りの六千五百万円が、これは法律によりまして国庫に納付して、決算を完了した次第であります。
 以上が決算の概要でありますが、検査報告の末にありますように、延滞額のことが出ておりますので、一応御説明申し上げます。延滞の数字はここに出ておる通りでございますが、便宜私どもの方では最終期限経過後六カ月経たもの、これを延滞として計算しております。それによりますと、三十三年度の延滞額は十八万六千件、三十二億五千七百万円でございまして、件数の比率では一七%、金額の比率では三・六%でございまして、これだけ見ますると非常に多いように思うのでございますが、この内訳を洗ってみますると、このうち多いのがいわゆる更生資金貸付――昭和二十四年ごろまで貸しましたものでありまして、これはいわゆる引揚者貸付と申しておりますが、引揚者その他、戦後困窮した者に更生するために貸し付けたものでありまして、これはいろいろないきさつからなかなか十分返って参りません。この更生資金の貸付の延滞が十四万件、十八億五千六百万円というのでございまして、更生資金の件数で七八%、金額で七〇%という相当の比率を占めております。これらを差し引きました一般の貸付におきましては、件数で一万七千件、金額で十億円ばかりでございまして、件数の比率が二・八%、金額の比率が一・三%でございまして、これはそう多い延滞ではないと思います。なお、三十四年度、三十五年度におきましてこの延滞の数字は逐次減少しつつありまして、現在はただいま申し上げました数字よりも相当減っておることをこのさい一言しておきます。
 以上をもって御報告といたします。
#11
○参考人(森永貞一郎君) 中小企業金融公庫の昭和三十年度の主として業務内容につきまして、補足的に御説明申し上げたいと存じます。
 昭和三十三年度の当初の計画におきましては、貸付規模五百七十億円を予定いたしておったのでございましたが、前年度に引き続く景気の低迷も、下半期には在庫投資の増加あるいは設備投資計画の活発化といったような事象が見られるようになりまして、これに伴いまして、中小企業者の当公庫に対する資金需要もとみに高まって参ったのでございまして、これに対処するとともに、中小企業者の旺盛なる年末資金需要にも対処し、また第二十二号台風災害復旧の資金需要もございまして、これらの資金需要に応ずるために、政府借入金の追加二十億円をお願いし、また回収金等の増加によりまして手元余裕金も三十一億円ほど増加いたしましたので、貸付原資を五十一億円増額し、最終的には貸付資金額六百二十一億円ということに相なっております。これは前年度の実績に対比いたしますと、二・三%の増加と相なっております。会計検査院の決算報告書には、貸付金額六百二十七億円とございます。六百二十一億円と申しますのは、払い出しベースでございまして、検査院の報告書に載っております六百二十七億円というのは貸付決定ベースということに相なっておりますので、お断わり申し上げておきたいと存じます。この貸付金の増加の結果、三十三年度末の貸付残高は千八十五億円ということに相なっておったのでございます。これは公庫プロパーの貸付でございますが、このほかに復金からの承継貸付金の残高十一億四千九百万円がございますし、また特殊の貸付として商中貸付金の残高六億五千五百万円がございます。これらを合計いたしますと、千百三億五千八百万円足らずでございます。この数字は検査院の決算報告書に載っている数字でございます。
 なお三十四年度におきましては、貸付資金額七百十三億円、三十五年度は七百五十億円と逐次増額をいたして参っております。三十六年度は八百三十五億円というような計画に相なっておりますことを付け加えて申し上げたいと存じます。貸付のうち直接貸付は公庫の発足より若干おくれまして、三十年の十月から開始されたのでございますが、当公庫といたしましては、その後公庫の直接貸付の伸長に極力意を用いている次第でございまして、その後、支店も逐次新設せられ、窓口も増加いたしました。また店員も増加し、それらを直接貸付の方に重点的に配置いたして参りました次第でございまして、これらの結果三十三年度には十一億円、一五%増加の八十五億という貸付を実行いたしました。三十四年度以降も審査要員の養成並びに審査能率の向上をはかって参りましたが、その結果三十四年度は当初計画百億に対して二十一億円増の百二十一億円の貸付を行なっております。また三十五年度は当初計画百四十億円に対しまして二十七億円増の百六十七億円の貸付を達成いたしました。三十六年度はさらにこれを二百二十億円に増額いたしたいという計画をいたしているような次第でございます。
 代理貸付の方は、三十三年度は前年度に比して六十三億円増、二二%の増加の五百四十二億の貸付を行なっております。その後も三十四年度六百一億円、この中には伊勢湾台風の災害分関係の七十五億円を含んでおります。さらに三十五年度には五百八十三億円、三十六年度には六百十五億円を予定いたしている次第でございまして、これまた逐年充実をはかって参っている次第でございます。
 最後に、先ほどもちょっと申し上げましたが、開発銀行から当公庫が承継いたしましたいわゆる復金承継貸付金につきましては、会計検査院の御指摘もございまして、昭和三十二年度並びに三十三年度において代理店の管理から直接の管理にこれを移しまして、三十二年度から承継債権全般の六カ年計画による整理目標を樹立し、これの回収促進に努力いたしておる次第でございます。その結果、三十三年度は回収二億一千八百万円、償却八千七百万円年度末承継債権残高は十一億円余と相なりました。引き続き三十四年度、五年度と回収整理をはかっておるのでございますが、その結果、三十六年二月末現在では残高は五億三千万円と大幅の減少を示し、結局開銀から承継いたしました百十九億八千万円の九五・六%の整理回収を終わったというような実績に相なっております。
 収支関係その他の事項につきましては、特につけ加えて御説明申し上げる点もございませんので、以上をもちまして補足説明を終わらせていただきます。
#12
○参考人(山本茂君) 中小企業信用保険公庫の昭和三十三年度決算の概要について御説明申し上げます。
 当公庫は、中小企業者の債務の保証等について保険を行なう保険事業と、全国五十二の信用保証協会に対しその業務に必要な資金を融通する融資事業を行なう機関として、昭和三十三年に制定されたした中小企業信用保険公庫法に基づきまして同年七月発足いたしました。従って、本三十三年度決算は、九カ月予算にかかる決算となっております。
 まず昭和三十三年度の事業の概要について申し上げます。当公庫の事業のうち、保険事業におきましては、保険契約済み額は、七百八十四億円でありまして、この契約に基づきまして当公庫が、その保険引き受けをいたしました額は五百六十九億円となりまして、差引二百十五億円の引き受け減となっております。これは包括保証第二種保険及び融資保険の利用が契約額に比し少なかったことによるものであります。
 融資事業におきましては、公庫発足の際の政府の一般会計からの出資二十億円と、公庫の前身であります中小企業信用保険特別会計からの引き継ぎ分十億円との合計額三十億円を原資として、全国五十二の信用保証協会に対して資金の貸付を行なった次第であります。
 次に本年度の決算の概要について御説明申し上げます。本年度の収入支出につきましては、収入済額は八億四千四百万円余であり、支出済額は七億九千九百万円余でありまして、差引四千五百万円余の収入超過となりました。
 この収入支出済額について同年度の予算額と対比しますと、収入につきましては、収入予算額十二億五千三百万円余に対しまして、収入済額は八億四千四百万円余でありますので差引四億八百万円余の減少となりました。これは主として保険に付される保証が見込額より少なかったため保険料収入が予定に比し減少したこと等によるものであります。
 一方、支出につきましては支出予算額は十二億一千二百万円余に対しまして、支出済額は七億九千九百万円余でありますので、差引四億一千三百万円余の減少となりましたが、これは主として保険金の支払いが予定に比し少なかったこと等によるものであります。
 一方、本年度の損益計算についてみますと、総収益は十二億六千四百万円余で、総損失は十四億六千二万円余でありますので、差引一億九千八百万円余の損失を生ずることとなりました。
 この理由は、公庫発足時に中小企業信用保険特別会計から引き継ぎました保険債務を計上したことにより前述の損失を生じたものであります。
 当公庫の保険事業は中小企業者に対する政策的保険でありますので、保険事業収支におきましては損失を計上するも、その基金運用益をもってこれを補てんする建前となっているものであります。
 終わりに一言申し添えますが、当公庫の経理に関しましては、公庫の予算及び決算に関する法律の定めるところにより、予算の編成及び執行並びにこれが決算につきまして政府の監督規制のもとに、厳正に処理することとなっておりまして、いやしくも非違にわたるがごときことは絶対にないよう部内にも厳重に申し渡しており、今まで一度もかかる間違いを犯したことはありませんし、将来も絶対にさようなことのないようにして参る所存であります。
 以上簡単でございますが、御説明申し上げました。
#13
○委員長(佐藤芳男君) それではこれより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#14
○相澤重明君 最初に国民金融公庫にお尋ねをしたいと思うのでありますが、更正資金貸付に関する業務方法書の写しを配付してもらったのですが、これに対して先ほど御説明いただきますと、昭和二十四年以来の引揚者等に対する援護的な貸付資金もだいぶ回収ができた、こういう御説明をいただいたわけであります。ところでこの業務方法書によりますると、法律改正、変更等も行ないまして、再融資のことも行なわれるわけでありますが、現在この更正資金の再融資をしたものがどのくらいいるのか、そうして件数、金額というものを一つあげていただきたいと思う。
#15
○参考人(中村建城君) 更生資金は更生資金と申しまする原資が別に政府からきておりまして、その更生資金を貸し付けましてそれが回収されますと、さらに再回転して貸付をやっておりますので、ただいまのところ、それがすでに更生資金を貸し付けたものであろうと、あるいは新しく更生資金の貸付を受けるものであろうと区別する理由はございませんので、統計上別に再貸付と最初貸付という区分をいたしておりませんので、その更生資金全体の数字はわかっておりますが、再貸付と最初の貸付という区分の統計はただいまとっておりませんので、申しわけありませんが、念のため更生資金貸付の状態を申し上げますと、貸付資金としては三十一億ございまして、それを現在二十一年の九月から三十六年の二月末、つまり制度の始まりましたときからことしの二月末の累計をいたしまして、件数で六十九万件の申し込みに対しまして四十二万件貸し付けております。回収が二十五万件、現在残高として十七万件ございます。金額で申しますと、百五十五億の申し込みに対しまして八十二億貸し付けております。五十八億回収いたしまして、現在二十三億という残高になっております。
 それから先ほど御質問に、大体回収したからというお話がございましたが、実は先ほど申し上げましたように、更生資金は回収成績が非常に悪いのであります。最近貸付分は順調にいっております。当初貸付分は、何分にも引揚者、その他困窮者の更生のために貸し付けたのでありまして、いろいろそれによって更生する計画はあったのでありましょうけれども、現実としてなかなかそれで更生ができない。そのために回収がなかなか悪いのでありまして、現在八〇%の延滞率になっておるということになっております。これにつきましては昨年度、三十四年度、五年度、両年度かけまして実態の貸付先の調査をいたしまして、その結果はまとまりまして、本年度におきまして何らか、回収が非常に困難であるものについては、特別措置を政府と相談して考えていきたいというふうなことを現在やっておるところであります。
#16
○相澤重明君 中村総裁、ここにあなたの方で、更生資金貸付に関する業務方法書の第一の貸付条件、一番下の欄にありますね。これは最初の引揚者、戦災者等の生活困窮者の借受人の資格、貸付限度、貸付期間、利率、償還方法、こういうものが出ておって、なお更生資金再貸付については左の通りとするという条件がついておる、そうですね。
#17
○参考人(中村建城君) はいそうです。
#18
○相澤重明君 その条件がついておるのだから、この条件に基づいて貸し付けたというのは、調査をすればわかることになると思うのです。どういうわけでわからないのですか。
#19
○参考人(中村建城君) もちろん調査すればわかりますのですが、この再貸付の方は利率の特典がないのであります。つまり更生資金貸付は六分というところに魅力がある。ところが再貸付は九分の普通利息でありまして、魅力がないのでございます。そこでその場合でも、もしも更生資金の条件にかなうならば、これは六分の利率で貸しておる、それは更生資金という方で統計しております。それから普通の場合に、更生資金再貸付は別に特別の利益がないものですから、その場合にむしろ普通貸付で貸しておる場合が多いのであります。従って九分でございますから、更生資金という名前をつけましても特別に借りる方に利益がございませんので、普通の貸付にいたしております。その方が金額等の制限もございませんので、むしろ借受人は便宜でございます。九分のものは普通貸付、六分のものは更生資金貸付、こういうふうに統計しておりまして、更生資金の再貸付の分は幾らということは、調べればわかると思いますが、現在そういう統計は実はとってないわけでございます。
#20
○相澤重明君 中村総裁は、この更生資金貸付の延滞状況については、当委員会においても何回か、貸付を回収する問題について審議があったことは御承知でしょう、あなた自身がここの委員会に出て、毎年決算で言われているのだから。そこでこの政府資金を貸し付けた者がいかなる状況によって回収不能になっておるかということを調査しろ、こういうことはあなた、私どもの委員会で言われて、そして三十四年以来あなた方、実質的にこれではなかなか内容が不明であるから積極的な調査をやろうというので、先ほどのお話の三十四年なり三十五年なりに、調査をしたものが四〇%なり五〇%というものが出てきたということでしょう。だからあと三五%なり四〇%というものを調査を完了すれば、全体の今までの残高というものがどういう処理ができるかという、あなたが政府に相談しようという基礎がわかるわけでしょう。そうですね。そうすると更生資金の全体、昭和二十四年から貸し付けたものに対して現在まで返還をし、さらには再貸付を行なったその優秀な人たちと、それから現在のどうしても残されておる、谷間にあるいわゆるボーダーライン以下の人たちと、こういう人たちの統計的な数字が出てくるはずでしょう。そうでしょう。そういうことが金融事業としては一番大事なことです。特に国民金融公庫としての発足をした中で、この引き継いだもののいわゆる回収というものは、どんなに政府資金ということで決算委員会で心配しているかということは、歴年やっていたからはっきりしている。むしろ私の言いたいのは、そういう資料がそろわなくては、国民金融公庫として政府資金をあとどういう形で出したらいいか、貸し付けた場合に回収困難な人たちは一体どうなるのか、わからないわけで、こういう点について、あなた方が政府に対する責任としてお答えが出されなければならぬと思う、その意味で先ほどの区分けができておるかということを聞いた。これはやればわかるでしょう。どうなんです。
#21
○参考人(中村建城君) 今の再貸付の九分のものも調べればもちろんわかりますが、私どもの今やっておりますのは、むしろ残高として相当の額が上っておりますが、実際上そのうちのまあこれは計数的に最終的なことはわかりませんが、おそらく六割くらいのものは実際取れないと思います。そういうものをいたずらに資産に計上しておいても不健全でありますので、これらについては大体調べが完了しましたので、たとえば行方不明、生活困難で保護を受けている、とうていこれは無理じいしても返せぬというのは、監督官庁の許しを得まして、つまり早く言えば消却をいたし、そしてほんとうに取れるものだけを資産に残して置くという措置をとりたいと思っておりまして、今のところ相当数字は集まっておりますが、まだ細目的にきまらぬ点もございますので、ここで発言するのはちょっと早いと思いますが、いずれ三十六年度中にはもう少しはっきりしまして、政府の御了解を得まして、どういうものはどういうふうに措置する、どういうものは残しておく、あるいは残った金をどうするかということをはっきりきめまして、更生資金制度全体を新しい軌道に乗せて運営していきたい。かように考えておる次第でございまして、もう一年お待ち願いたいと思います。
#22
○相澤重明君 今の更生資金貸付については非常に議論のあったところなんです。ですからこれは貸付してもむだだったという意見もあるし、それからそれは政府資金であるから困るというので、われわれ決算委員会としてはできるだけ債務はやはり返還をさせる。こういうことで進んできたわけですから、今総裁の言うように、少なくとも三十六年度中には、残っておる債務がどう処理をされるのが好ましいか、あるいはまあどういうふうにこの現状を打開するかということを、一つお答えを出していただくように努力してもらいたい。
 そこで、その次にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、行政管理庁から昨年の三月、公庫を監察した結果として、大蔵次官に勧告が出されております。その政府代理所に委嘱してある信用組合、市中銀行などは、公庫の貸付を、本業関係の取引者に限定をして取引をすることを条件としておる。こういうようなことについて国民金融公庫としてはどういう対策を講じたのか、この点を一つ御説明いただきたい。
#23
○参考人(中村建城君) 私どもといたしましては、代理所にお願いしたところは、やはり政府機関と同じような気持で、自分の本業を全部離れて、政府機関としてやっていただきたいというのが私どもの理想でございます。しかしながら、やはりそれぞれ銀行であり、信用金庫であり、信用組合でありまして、形は一種の営利組織をとっておりますので、なかなか私どもの理想のようには参っておりません。しかしながら、私どもが大体代理所につきましては、年に一回やるところもございます。あるいは二年に一回のところもございます。監査をいたしました結果、明らかに本業に関係づけている場合には十分戒告いたしまして、それを是正させております。たとえば貸してやるけれどもそのかわりに出資しろとか、あるいはまた貸し付けましたところの一部を預金に取るとか、そういうふうな本業に関係したことが顕著な場合には十分戒告して是正させております。しかしながら、そのほかに必ず自分のところの組合員でなければ貸さぬとかいうことの代理所は、私どもの承知しておるところではごく少ないのでありまして、大部分はやはり全く従来の取引のなかった者にも貸しておるように私どもは承知しております。ただし公庫から借りまして、それからさらに取引を結ぶということはありますが、あまりまたやかましく申せませんが、大体におきまして公的なセンスを持ってやってくれというので指導しておるのでございます。
#24
○相澤重明君 公庫として行政管理庁のそういう意見に対しては、今の対策の説明があったが、たとえば是正をさせているというような今お話がありましたが、具体的にどういうことが是正をさせたところがありますか。御説明いただきます。
#25
○参考人(中村建城君) これは全部で年に七百四十ばかりございますが、年に百四、五十ぐらいの代理所を私ども検査部は検査をしております。そして具体的に本業のためにわれわれの方の代理所を利用した、という顕著な事例があれば必ずそれを直させております。多くの場合は出資金をとる、あるいは預金の増強に露骨に使う、そういう場合にはそれを直させております。こういう例は多々ございます。ございますが、ここでどこの金庫がどうということをここに資料を持っておりませんが、調べればわかりますが、どこの金庫がどういうことをしたということについてだけは、この席で申し上げることはごかんべん願いたいと思います。
#26
○相澤重明君 もちろん信用事業ですからね。銀行あるいは代理業務を行なう場所の具体的な例によってはやはり波紋を投ずると思う。しかし私どもの一番心配するのは、政府資金というものがいかに効率的に運用されるか、こういうことはその資金を出すところの国民金融公庫としての大事な仕事ではないか。それがこの信用組合、市中銀行等が公庫の貸付の本来のもの以外のいわゆる関係者の取引に限定してしまうというようなことになると、一体公庫の資金というものは出ているのか出ていないのか、こういうことになってしまう。そうでしょう。そういう点をよほど厳重にあなたの方で指導監督をされないと、実際にはせっかく国会が政府資金として国民金融公庫に金を出しておっても、それは地方の民間のそういう金融関係に入った場合には、一般の庶民関係には利用ができなくなってしまう。こういうおそれがある。これが、行管の一番心配をされているところです。そういう点を今の私は個々の名前を言えとは言いません。言いませんが、これはきわめて重要な問題だと思うからあなたに所見を伺ったわけです。
 その次に、いま一つ国民金融公庫についてはお尋ねをしておきたいと思うのですが、この現在の借入申込件数、それから貸付の実際の状況というものは先ほど御説明をいただいたのですが、あと資金はどれくらいあれば一体国民金融公庫としては、まあ自分の方で調査をし、そしてこの国民の需要に応ずることができるか。これは今までに、単に申込を受けたからそのまま無条件に貸すというわけではないのですから、それを慎重な審査をして、そしてこれが貸付に相当するものであるという今までの例があると思う。これは今までの貸出高からみて現在の絶対額というものが不足しておりますね。だからその絶対額をどの程度まで一体伸ばしたならば、今申し込み件数のうちでまずまず間違いのない、希望者には需要に応ずることができるのか、この点はいかがですか。
#27
○参考人(中村建城君) ただいまの点は、私どもの方でも何とか、どの程度金があればまず大体において御希望に応ぜられるかというので、各支所を動員いたしまして一昨年あたりから調べておるのであります。これはそこにおける借受人の数でございますが、たとえば事業をしている者がどのくらいあるか、そのうち小さい私どもの対象になるのはどのくらいあるか。それからほかの金融機関がどのくらいあってどういう貸出をしているか。そういうことを全部各支所が調べまして、おそらくこの程度の人にこの程度の金を貸せばまあいいんじゃないかという数字を出しておったのでございます。しかしこれは私ども自信がない。第一回、第二回と相当詳しく調べなければ自信がないのでございますが、まあこの席で言うのは適当かどうか存じませんが、現在におきまして普通貸付が六十七万件あるのであります。これが百万件ぐらいになればいいんじゃないか。それからただいま残高が千億ちょっとこしておりますが、千四百億ぐらいに残高がなるならば、経済状態の変動を除外しまして、まず普通の場合ならばいいんじゃないか。あとはいわゆる自然増でございますね、毎年の自然増によって多少ふえるが、まず現状においてはその程度までいけばわれわれとしては目的を達する、それ以上は無理じゃないかというようなことを思っておるのでございますが、これはどこにも発表しておりませんで、われわれの心がまえとしてそのつもりで、あるいは政府に折衝をし、あるいは各支所がそのつもりをもってやっております。ただし、申し上げますが、これは平均の数字を申し上げましたので、各それぞれの支所によって、そのつもりで支所長がいろいろやっております。しかし、これは公にした数字ではございませんし、また政府にこれはどうということでもございませんが、そのつもりで資金の貸付の折衝もいたし、また貸付についてもそのつもりで各支所がやっていくという、われわれの心づもりでございますが、ただいま御質問がありましたので大体のことを申し上げたのでございますが、そのつもりでやっております。
#28
○相澤重明君 次に、国民金融公庫に借入を申し込んでから審査までどのくらいの期間があるのか。それから実際に貸付を受ける期間はどのくらいの期間なのか、この点を一つ、業務方法書による貸付限度、個人の二十万円以内、あるいは法人に貸し付ける五十万以内、この個人に貸し付ける特別の場合の百万円以内、あるいは法人の場合の連帯貸付の二百万以内、この条件によって違うと思うけれども、一般的にいって借入を申し込んだ場合に、審査をして貸付が行なわれるまでの期間はどのくらいかかるか、この点を一つ御説明いただきたい。
#29
○参考人(中村建城君) 私どもの指導方針といたしましては、金額が小さいのだから、少なくとも窓口にきてから三週間以内にイエスを言えということを指導しております。その結果最近の統計で見ますと、これはイエスをきめるまで、金が手に入るまでではない、申し込みにきても貸すか貸さぬかきめるまでがまず二十二、三日平均でいっております。ただし長いのはもちろん月をこすのがございます。短いのは一週間というのもございますが、ならして二十二、三日いっております。私はこれはもう少し縮めたいと思っておりますが、これはいろいろあるのでございまして数回の貸付で内容のわかっているのは早いのでございます。しかし、初めて申し込みますとかなりひまがかかるということもございますが、そういうふうにやっております。
 それから金が手に入るまでにまた印鑑証明をとるとか、保証人をどうするとか書類を整えますので、これはどうしても一月ぐらい平均でもかかっているように思っております。これも縮めたいと思っておりますが、中には貸すと言ったら安心しまして、よろしい、貸付さえきまれば金は急がぬから手続はあとでいいと言ってくれるというのもございまして、一がいに言えませんが、大体イエスの決定までに二十二、三日、金が手に入るまでが一月ちょっとというような現状でございます。これももう少し縮めたいと思っております。いろいろ努力しておりますが、現状はそこまでしかいっておりません。
#30
○相澤重明君 その期間を短縮するということは、件数が多いから、あるいは新規のものが多いからということなのか、定員のやはり少ないということもこの中にプラス・アルファとしてあるのか。その点はどちらですか。
#31
○参考人(中村建城君) もちろん人が増せばそれだけ処理が早くなりますが、ただこれはまあ全く私どもだけの勝手な考えでございますが、平均して申し込みがくれば非常に能率が上がるのでございます。ところが繁閑がありまして、あるときは申し込みが比較的少ない、あるときはたまってくるということになりますと、いたずらに一番多い月を予想して人数を変えていくわけにいきませんから、どうしても忙しい月はひまがかかるということになりますので、その意味で私どもは、もし平均して申し込みがくるならば非常に能率的にいくのですが、実際はそういきません。たとえば一月、二月になりますとぐっと減る。それから十一月、十二月ごろは非常にふえるというような状態でございまして、そのためにもちろん係を移動させまして、十一月、十二月ごろは、ほかの係も全部表に出して審査をさしたり、契約をさしたりいたしておりますけれども、それでも月平均になりますと、一番多い月の人数をとって、ふだん遊んでいるというわけにはいきません。それで月平均になりますように、それらの点もわれわれの方でもう少しPRといいますか、われわれの方の仕事の内容を世間に知っていただければ申し込みも平均して参ることもあると思いますので、これらも考えていきまして、できるだけ人数をある程度ふやしても、そうふやさないでそして決定を早くするようにということで、いろいろと今研究中でございます。
#32
○相澤重明君 この貸付をする場合の審査には現地調査ということが行なわれておるでしょう。
#33
○参考人(中村建城君) さようでございます、原則として。
#34
○相澤重明君 その現地調査というのは、今の貸付のそういう審査を行なう中のどのくらいの率を占めますか。そういういろいろの金融関係とかあるいは財産関係とか、個人の信用関係とかいうものは調べるでしょう。そういうものはどのくらいなのか、全体のあなたの言う三週間でイエスかノーをきめる中で、三週間の中の一日なのかあるいはそれが大体二日なり三日というものが調査にかかるのか、そういう点はどうですか。
#35
○参考人(中村建城君) これはそれを数学的に申し上げるのは困難でございます。たとえば非常に有能でありかつ忙がしいときでは、一人で一日に七件くらい回っております。それから五件くらいもございますし三件くらいもございます。それを回って相手にうまくぶつかれば調べを了してきます。それを一日七件やって参りまして、あとで整理をして上の方に回す書類を作る、そういう関係がございますから調べるのに一日五件調べて翌日五件が全部貸付の方に回ってくるスピードにはなりませんので、今のように全部ならしますと、申し込みがきて、家を聞いて現地に行って調べ、そうしてそれからこちらの方でいろいろ考えて貸す、貸さないをきめて、それでそれを責任者の決裁を得るということになるのでございまして、その調べるのにどのくらいの。パーセンテージということはちょっとお答えしにくいのでございます。
#36
○相澤重明君 ここにいる上原さんも高野さんも決算委員長をやられており、われわれもずっと毎年やっておるわけです。君にいつもそういうところを聞くわけです。君は横浜の金融公庫の支所に行ったことがあるか。僕らは金融公庫の支所をずっと回ってみると、決算委員会ではこういうようにいろいろと毎年々々内容について君たちの意見を聞いていて、なるほど一生懸命政府関係の機関もやっておる、というように、議会関係ではそのように受け取っておる。さて、現地に行っていろいろそういう金融事業の内容を調べてみると、残念ながら君の言う一カ月以内というのはありはせぬ。一体総裁何をやっておる。国会の答弁でうまいことを言うだけではこれはちっとも国民のためにならない。そういうことをわれわれ歴年決算の審査をしておって、国民金融公庫というのはほんとうに国民のどうにもならない十万、二十万の少額の金を借りるのにこんなに長くかかっていいのかという心配をするわけです。だから少なくともその人たちがほんとうに信用できるなら、できるだけ今君の言うように三週間のものは、二週間でも、あるいは一カ月以内にという処理の方針というものを出すべきものだと思う。私もいろいろと数字を持っております、調べた。だけれどもそういうことはこれは毎年聞いておるのです。できるだけそういう一つ措置をやってもらいたいと思う。
 それからいま一つ総裁に聞いておきたいのは、やっぱり定員が少ないのじゃないか。国民金融公庫はどうなのか、公庫自体の本部にいる人はどうか知らないが、出先機関はきわめて多い件数を扱っており、しかも内容が繁雑である。これに対するところの定員が不足であれば、幾ら本人がやったところで個人の能力には限度がある。その能力の限度をこえてやらせるといってもできるわけではない。そういうことで毎年々々この申し込みがふえている現状について、職員をあなた方はどの程度ふやすつもりでいるのか、今年度はとりあえずどのくらい職員をふやすのかお答えいただきたい。
#37
○参考人(中村建城君) 充員につきましては、私の方で長年やりました者が、大体どういう事務にはどのくらい人が要るという計数を出したわけであります。各支所ごとにこの支所には何人おればやれるということを出しております。その結果を予算のときに要求しております。それが全部無条件に受け入れられたことはないのでありますが、最近は非常に理解されまして、三十五年度では二百二十二人というように、その当時、二千七百人のときでございます。三十六年が二百六十人。私どもいろいろ説明しましたので、漸次大蔵省においてもわかって参りまして割合い大幅にふえております。ことしあたりは二百六十人、相当とるのに苦労をいたしました。こういう状態でございます。もうしばらくこの程度の人を二、三年ふやしてもらえば、今度はいくと思います。同時に事務の機械化が認められていろいろチェックしないで済む。前はだれかがやると、検印を押したりする、それが一ぺんに機械でやると半分で済むということもぼつぼつやっておりますので、二、三年うちにはまず人員の不足の方は解消すると思いますが、現在少し不足だということは事実でございます。
#38
○相澤重明君 最後に、国民金融公庫の方に一つだけお尋ねしておきたいのは貸付利子の問題、これはどうです。金融関係として日銀はじめ、公定歩合の引き下げの問題もあるけれども、公庫としては一体どういうふうに総裁はお考えですか。現在の利子というものはもう動かすことはちょっと無理だ、これを動かすと経理状況に影響がくるとか、今の定員をふやしてどうもなかなかむずかしいとかそういうことなのか、それとも今の金融情勢から反映して、できるだけ貸付利子を下げてやるべきだという考え方に立っているのか、いかがでしょうか。
#39
○参考人(中村建城君) それは相手が弱い連中でございますから、できるならば利子は安い方がよいと思います。それで実は一月一日から九分、三厘下げたのでございます。経理的に申しますと三厘下げました影響は大してございません。今後下げられるかと申しますと、これはいろいろからむのでございますが、私どもの方は御承知の通り大部分の資金源が六分五厘の利付きの財源でやっている、それで資本金は二百億、これは無利子、そのほかに恩給とか厚生資金とか災害とかいうものは特に低利で貸しております。それで利ざや関係で経費は節約いたしますけれども要るものは要る。今のままならば九分でまだまだ余裕はございますが、しかしもう幾ら下げたらどうかということは、今後の財源あるいは出資財源でもいただければ余裕ができますが、六分五厘の利付きの財源でございますと、そう大幅に下げる余裕はないように私ども考えております。
#40
○鳥畠徳次郎君 国民金融公庫の方へちょっと一、二お尋ねいたします。今度の借り入れ申し込みは三十五万七千件、金高で千三百三十一億、これだけの申し込みに対しまして、貸付を実行されたのが二十七万五千件で、借り入れの申し込みに対して約五一%ということに相なっておるようであります。また金高におきまして六百七十七億でありまして、大体半分の六百五十四億というものが切り捨てになってしまったという結果が出ておりますが、これは一体、資金源の関係がおもな事由であろうと思いますが、確かに国民金融公庫としての貸付の条件に合わない、というような関係から切り捨てになったというのが理由にあるものと、それから資金源のためにお断わりをした、貸付できなかったというのは、数字はどうなっておるのか、この点を一つお尋ねしたいと思います。それから、資金源のためが大部分の理由とするならば、いつごろになれば資金源というものがある程度確保できる、全体の八〇%までも、もう一年か二年もたてば、ある程度条件さえよければ貸付ができるであろうというようなお考えがあれば、そういう点もお答えを願いたいと思います。
 私、この国民金融公庫の使命というのは非常に、現下の社会情勢から考えると、最も国民から喜ばれておる制度であり、また大きな期待も持たれておる。こういう意味から、できるだけ一つ、切り捨てを少なくして、条件さえある程度そろえばできるだけ貸出をするということと、もう一つは時間的に、私、一昨年のちょうどこの決算委員会でお尋ねしたときは、少なくとも二十日ぐらいは平均かかったようでありますが、最近は、早いのはさっき総裁の御説明のように一週間、おそくても十二、三日くらいの平均で貸出ができておるようでありまして、こういう点は、今度の会計検査院の報告で不当事項あるいは不正事項が皆無であったというような点から考えても、相当進歩の跡は見られると思うのでありますが、まだいまだに五一%までしかようやく貸出ができないというようなことは、はなはだ残念だと思います。そういう点について一つお尋ねいたしたいと思います。
 それから国民金融公庫の担保をとるのが大体百万円以上ということに、この方法書によってうかがわれるのでありますが、百万円以下は保証人で、担保を大体とられないというようなことでできるように、これで認められるのでありますが、それだといって一方、一面から見ると貸付は二十万円が普通の個人の場合で、法人が百万円未満ということになっておるようでありますが、これが二十万円が特殊の事情のある場合は百万円だ、それからまた一方の方は、五十万円未満とするものは二百万円である。その最高までは貸付をするという規定になっておるようでありますが、大体、私は、百万円以内のものに担保をとらないで貸付するならば、もうこの二十万円というのを特殊の場合に百万円まで拡張できるものなら、二十万円以内に線を引かないで、これを物価あるいはまた社会情勢から考えて、二十万円を五十万円に引き上げる。または大口の法人の五十万円の分を、百万円までは、一応条件がそろえば無条件でいいということに、この制度を改められるお考えはないかどうか。そうしてもう少し貸付を受ける人の便利をはかるということを考えられるかどうか、こういうことをお尋ねしたいと思うのであります。それは大体百万円以下の場合は不動産の担保は要らないのだ、保証人でいいということに、過去のいろいろな経験から考えられた一つの方法だろうと思いますが、そこまで一方担保までも拡張されるならば、二十万円を五十万円ということに、おのおの限度を引き上げるという御意思がないかどうか。これだけを先にお尋ねいたします。
#41
○参考人(中村建城君) 私どもの申し込みと貸付の割合は、件数がこのごろは八〇%をこえております。十申し込みがあれば八くらいお貸しいたします。二つまでお断わりするということでございます。金額で申しますと御指摘のように、せいぜい五一%かそこらでございまして、半分くらいになっておるわけであります。この理由には資金が足りないという点ももちろんございます。各支所の自分の手元に持っておる金と申し込みとをにらみ合わせまして、なるべく貸すようにしたい、多くの人に貸したい、しかし、多くの人に貸せば一人当たりの金額が下がるということもございます。また一方申し込みのなれた人はもう大体わかっておりますが、非常に大きな申し込みをしてとてもそこまで貸せないという場合もずいぶんございます。ことに返済能力というのを私ども見ております。月賦でございますとたとえば月に一万円返せるものなら、二十カ月の期限で二十万貸すというような一種のこちらの方針がございます。そのためにかりにそういう月に一万円しか返せない人が五十万、百万まで申し込んでも貸せないということもございます。しからば、どの程度が資金が足りないのか、どの程度が申し込みが多いのかと言われましても、ちょっと今までそういう調べをいたしたことはございません。実は今そういう調べをやりつつあるわけでございます。一体、資金が足りないために貸付が五一%であるのか、あるいはそれは貸せなくてそうなるのか、現在調べておりますが、今結論は出ておりません。おそらく両方あると思います。金があればもっと貸せるということはございますが、また金があっても相手によってちょっとそれ以上貸せないという例もございます。その点ははっきりと数字的に御説明申し上げられいなのは遺憾でございますが、両方あると思います。
 それからもう一つ、担保でございますが、もちろん百万円以上は業務書によりますと担保を取ることになっております。それ以下は保証人でよろしいということになっております。しかし保証人を立てるのをいやがる人もおりまして、かりに五十万でも担保を出したい、保証人はいやだという人は担保を取ることもございます。こちらの方で担保をぜひ取るというのは百万円以上でございます。しかし本人が保証人がいやで担保を出したいという場合には、百万円以下でも担保を取る場合もございます。
 それから限度引き上げでございますが、これは世間で国民金融公庫を最初から見れば、逐次限度を引き上げておりますが、最近から見ると、かりに二十万円、五十万円はあまり少ないじゃないか、もう少し上げたらいいじゃないか、あるいは二百万、百万円も、もう少し上げたらいいじゃないかという意見もずいぶんあるのでございますが、これらの資金源を確保しておきませんと、一口の限度を上げますと、そうするとかえってまた均霑する人が減るわけでございますので、資金源とのにらみ合わせで政府ととくと相談しなければ、ただ単に金額を上げますと、たくさん金を借りられる人はいいのでありますが、そのために借りられない人も出てくる。結局そうなると資金源をふやして限度を上げなければ実効が上がりませんので、その二つがからむと考えております。おそらく二十万、五十万という限度は非常に少ないと思いますが、私ども原則としては百万、二百万でございまして、二十万、五十万は特殊のサービス業に限っておりまして、大体の商売は個人ならば百万、法人ならば二百万借りられるようになっております。二十万、五十万はごく特殊の原則の例外に業務書はなっておりますが、現実には百万、二百万まで貸せる業態のものが多いと思っております。しかし二十万、五十万というのは少ないからこれを上げろという世論が上がっておりますが、私ども検討しておるのでありまして、結局資金源をいただかないで上げてみても不徹底だということで、現在まだ見送っておる次第であります。
#42
○鳥畠徳次郎君 私の今要望した事項は、もちろん資金源をうんと多くして、そうして件数においても、一つ単位の貸出が多くなっても、件数が減ってくるのでは、これは国民金融公庫のほんとうの性格から考えても間違いであろうと思います。やはり件数を多くすると同時に、それだけ資金源もこれに伴うようにして、しかもどれだけか金額を年々幾分ずつでも増額していくというような経営をやっていただくことが、これが国民金融公庫の一番使命にも沿っておるし、それからそういうような構想がこれから相当多くなるのじゃないか、こういうことが考えられるからお尋ねしたわけでありまして、今後そういう方面になおあきらめずに一つ努力を続けてもらって資金源を確保していただく。そうしてただいまお尋ねしたような点まで引き上げていただくことを私は要望いたしまして、もう一つお尋ねしたいのは、かりに借り主の所在不明というようなために回収不能になったということと、それから借り主の所在ははっきりしておるのだが、それだけの決済の能力がないために回収がついに不能になった、というような件数と金額はどのくらいあるか。
 それからもう一つ最後に、代理事務をやっておる信用組合あるいは相互銀行とか、これは先ほどもちょっとそういうことにお触れになったようでありますが、あなたの方の直接の支所の方の場合は、割合にこういう小言を聞かぬようでありますが、代理事務で委託してある地方に対しては、相当、監査といいますか、監督といいますか、指導を完全にやっていただかないと、やはりややもすると、自分の銀行とか組合に取引のある人たちの方が、おおむねこの恩恵に浴して、あまりその店と取引のない者はいつでもお断わりを食うというようなことを、かなりあっちこっちに聞くようでありますが、こういう点については今後どういうような取り締まりといいますか、指導といいますか、その点のお答えを願いたい、私は質問をこれで終わります。
#43
○参考人(中村建城君) 最初の、つまり債務者が行方不明で取れぬもの、それから行方がわかっているけれども貧窮しておって取れないもの、こういうわけでありますが、これは先ほど申しましたように、一般の貸付については延滞率が非常に低いのでありますが、主として問題になるのはやはり更生資金貸付でございまして、行方不明といいますのは現在の調べでは三割ぐらいございまして、これは更生資金などはどこへ行ってもわからぬのであります。貸したところに行ってもわからぬ、それから本籍地へ照会してもわからぬ、あるいはできるだけ知人その他へ頼ってもどうもわからぬ、こういうのは相当ございます。いわゆる夜逃げした結果、どうもわからぬ、こういうのは更生資金については三割ぐらいございます。それからあとは確かに所在はわかっておるが生活保護を受けておる、あるいは生活保護すれすれの線にあるというのは相当ございます。このパーセンテージはわかっておりませんが、これは相当あると思います。これらは生活保護を受けておる、あるいは生活保護に準ずる者に、わずかの金であっても返せ返せというのも無理だろうというので控えておりますが、これらが重なりまして更生資金の場合の延滞率の多いのは、こういうような二つがおもな原因でございまして、返せる者が不当に返さぬというのはそうたくさんあるわけじゃございません。
 それから代理所の問題でございますが、代理所の方も私どもの意思を体して非常によくやっていただいている向きとそうでないところと、問題のないところとあるところといろいろ分かれておりまして、そのうちの問題のあるのは頻繁に、少なくとも年に一回検査いたしまして毎年注意を繰り返しております。そうしてあとは、これはなかなか相手も信用のある機関でございますから、あまり強いこともできないのでありますが、少なくとも新しく資金を回す場合はやはりいいところへよけい回す、そうしておもわしくないところには、新しい資金を回すときにはかげんをするというようなことはいたしておりまして、いろいろと私どもの目的通りにやっていただくために、間接にいろいろ工夫をいたしておる次第でございますので、いいところは非常によくやってくれますが、ごく少数のところは思うにまかせないところがございますが、これは思い切った手段をとることもなかなかできませんので何度もよく検査する。それから資金を配付するときにそういうところへできるだけ配付を少なくするというようなことでやっておるわけでございます。
#44
○谷口慶吉君 国民金融公庫からいただきました業務報告書の十二ページの貸付金勘定の中に、母子家庭貸付八千八百五十七万匹千五百十四円、八ページの昭和三十三年度における貸付別内訳の中に母子家庭の貸付がゼロになっていますね、これは借り入れる申し込みがなかったのですか、年間。
#45
○参考人(中村建城君) 母子家庭貸付は、一時臨時的にいわゆる地方で貸付が軌道に乗るまで、私どもの方で代行をしておりましてやめたのであります。現在やっておらぬのであります。従いまして残高がありますのは延滞のものがありまして、自然回収されて最後はなくなるものでございまして、新しい貸付はいたしておりません。現在の各地方で貸しておりますあれに移ったんでございます。
#46
○谷口慶吉君 十三ページの損益計算書の中の滞貸償却費三千二百二十五万三千九百六十七円、今度は貸方残高の方の滞貸償却引当金戻入の三千二百二十五万三千九百六十七円、これは同じ金額を両方に計上されておられる。片方は前年度であろう、ところが引き当ての方は本年度だとこう判断しているんですが、この金額が同じな理由はどういうわけですか。ちょっと経理的にわからぬのでお尋ねしているのですが。
#47
○参考人(中村建城君) これは毎年決算上償却前利益が出ますと、その一定割合を償却準備金として積み立てております。現実に償却するときはそれを一応戻入しまして、両方同額にしてやるわけでございます。つまり積立金がなければ毎年度償却をすぐ損に立てなければならない、そういう方法をとりませんで償却準備金を立てまして、そうして現に償却するときにその準備金を一応くずして償却に充てる、片一方で戻入で償却が出る。それから積み立ての方は、償却引当金の繰り入れば、これは決算上利益が出ました場合に、その利益の一部を積み立てておくわけでございます。ちょうど退職金がございますね、その退職金を出したときに損にする場合と、積立金を置きまして、退職が出た場合はその積立金を戻入して両方見合い勘定にして出す、それと同じやり方でございまして、積立金を置く以上は積立金がありながらその年度で償却を出すわけにゆきませんので、一応償却積立金を必要額だけ戻入しまして、それと見合いにして償却に出す、そういうことになっております。
#48
○谷口慶吉君 そういたしますと、滞貸で償却すべき金額は本年度においては一つもなかったと、こういうことですか。
#49
○参考人(中村建城君) いや、そうではございません。たとえば三十三年度におきまして三千二百万円ばかり償却をいたしましたですね、すでにその場合に償却準備金が五十億ばかりある、その年度の経費にすることはないもんですから、積んでおる引当金を一応収入の方に入れまして、それを償却に充てましてとんとんになっておる、その限りにおいては当該年度の損にならない、その限りにおきましては。
#50
○谷口慶吉君 それから財務諸表の負債勘定の方の滞貸償却引当金五十四億一千万円、こうなっていますね、大体この程度の滞貸引当金というものがあれば、九百億程度の貸付金に見合う一応、何と申しますか、限度に来ている、こういうことなんですか、よくわからないんだが。
#51
○参考人(中村建城君) 限度と申しますのはいろいろ会計学上の問題がございましょうが、普通の銀行でございますと、税法の関係で滞貸の償却金を積み立てましても一定限度以上は認めない、その限度はあるわけでございます。私どもは税金がかかりませんのでその限度にこだわる必要はありませんけれども、やはり無制限もおかしいのじゃないかということで大蔵省と話し合いまして、普通の銀行の税法を運用する範囲の五割増しぐらいは積み立ててもいいんじゃないかということで、その方針で今まで積み立てたのが五十何億たまっておるわけです。それをやりますから積み立てたときに一応損になりますが、あと現実に償却するときに損にするわけにゆきませんから、それで両方に出しましてくずして入れる、こういう格好にしておるわけでございます。
#52
○谷口慶吉君 五十四億一千万円が妥当な数字であるかどうかというところも少し私情題があるような気がしてお尋ねしておるわけです。そうして今損益計算書を見ているわけなんですが、できるなら大体総体の損益計算書の帳じりが七十四億程度なんだから、金利という問題に触れて、経営の合理化による何か利子の引き下げなんかということは考えられないもんだろうか、ということを考えてお尋ねしておるわけですが、その辺はどうですか。
#53
○参考人(中村建城君) これはいろいろ考え方がございますが、償却がまあ今のところ五十何億ありましても、これは償却に全部ということでは大へんでありますので、そうはないと思いますが、何か経済界の変動があるときに、やはりある程度償却準備金を厚くしておきませんと、全体の経理に影響してくるのじゃないか、そのときに国が助けてくれるというなら、それまでなんですけれども、われわれとしてはある程度準備しておいて、普通の場合でなくて相当の問題があってもそれでやれるようにというので、一種の準備勘定というつもりでやっております。そこで五十億あるいは六十億は、資本金二百億で貸付残高が千億以上あると思いますが、五、六十億の金があってもいいんじゃないかと思いますが、これは御議論のあるところでございまして、そんなに厚く償却するなら、むしろそうしないでその一部で利下げしたらいいじゃないかという御議論も起こり得ると思います。私どもの気持も準備金を厚くしてもらいたいというようなことで、こういう状態でやっておるわけでございますが、御議論のあることだと思います。
#54
○谷口慶吉君 母子家庭の貸付金の八千八百万円、これは滞納だという、こういう総裁のお答えなんですけれども、今度損益計算書の収入の方の勘定を見ますと五百三十四万円ですか、利子が入っておりますね、これはほんとうに入っておりますか。
#55
○参考人(中村建城君) それはほんとうに入っております。私どもで貸した期間がございまして、その後厚生省の方で各府県でやらせることになりましてやめましたが、残高にはやっぱり利子も入ります、回収もやっております。ただいまでは新しい貸付はもういたしておりません。
#56
○相澤重明君 次に中小企業金融公庫の方を伺います。森永総裁に一つお尋ねしたいと思うのですが、三十三年度業務報告書にだいぶうまいことを書いてあるので、この中の字を見ると「ごぶさた融資」を行なっておって金融が非常に緩和をしたということになっておりますが、そこで私の第一に総裁にお尋ねをしたいのは、「貸付に関する主な事項」、二ページですね、二ページの中で、「不要不急産業への融資を抑制すると共に調整過程に於ける中小企業者の経営の安定を図る」、これはどういうことを具体的にやったか。
 それからその次に、「必要な長期運転資金の融資には配慮」を加えた、配慮を加えたというのは、綿スフ織物工業等の操短の場合あるいは石炭業の場合、こういうようなものに対する融資の方法というものに配慮を加えたと、こういうことなのか。まず最初に「貸付に関する主な事項」の冒頭を一つ説明をしてもらいたい。
#57
○参考人(森永貞一郎君) 三十三年度、私だいぶ就任前でございましたが、私が承知いたしております限りで申し上げますと、私どもの公庫は、御承知のように、設備資金の供給がどうしても多くなるわけでございます。大体そういうことで参っておるわけでございますが、三十二、三年の金融引き締め、これは国際収支の変調に基因するのでありまして、全般的に金融引き締め策がとられざるを得なかったわけでございますが、その機会に、私どもの融資の方針も、やはりそういう国の全体の融資方針、貸付、信用調整の方針に影響を受けざるを得なかったわけでございます。従いまして、設備資金等につきましては、不要不急の設備資金を極力抑制するような気分で臨む必要があったのが第一でございます。同時に金融の引き締めのしわが遺憾ながら中小企業に寄りがちなんでございまして、特に中小企業者は運転資金の確保について当時非常な困難を感じたのでございます。かかる情勢に対処いたしまして融資金が大体多かったのでございますが、三十二、三年のこの変動に際しましては、やはり資金需要が運転資金の方にウエートがかかってきたという事情に即応いたしまして、運転資金の方の供給にも大いに努力をいたしました。その結果は統計の上にも現われておりますが、それがこの必要な調整という字句で表現されておると存ずるのでございます。
 綿スフ織物等の融資についてのお尋ねでございましたが、これはやはり当時の滞貨の問題とか、いろんな問題がございまして、運転資金の供給を増額せざるを得なかった。そういったような事情を非常に簡単な文句で言い表わしていると、さように御了承いただきたいと存じます。
#58
○相澤重明君 そこで、中小企業としての三十三年度の期首における経済の変動に伴う調整が今全体に言われたことだと思うのですが、このためにどのくらいの資金というものが浮いたのか。つまり金融が、経済状態の成長が不十分であったために、引き締めざるを得なかった、こういうことが調整を行なった大きな理由だと私は思うのです。その上半期において、この中小企業公庫としての、そのために引き締めた金額というものはどのくらい想定されているのか、おわかりになりますか。
#59
○参考人(森永貞一郎君) 設備資金等の面には若干引き締めるべき態度をとると同時に、運転資金の面で緩和せざるを得なかった。その引き締めた額はどのくらいになっているかということは、ちょっと今手元に数字がございませんが、金融情勢に対応する意味での調整と申しますか、資金貸し出し規模を増額した額は、先ほども申し上げましたように、当初の計画五百七十億に対しまして五十一億円とか、その中には災害関係も入っておりますが、そういったような年末にさしかかっての大幅の増加措置をとらざるを得なかったというような次第に相なっております。
#60
○相澤重明君 私の質問の主としてお尋ねをしているところは、三十三年はこういう政府関係金融機関の上半期における引き締めということが、一般的に非常に影響を与えている。しかし後半期に経済成長が高度になってきたので、比較的緩和されたのであるけれども、今の金融関係というものも順調に伸びているとはいいながら、一般の銀行、それと証券投資というものから比較をすると、相当大きな問題を今金融問題としては投げかけている。その中に中小企業を育成する中小企業金融公庫としての立場というものは、私は実に重要だと思う。ですから、これからの計画というものが、もし三十三年の上半期のようなことになると、これは私は輸出業等を初めとして、中小企業の諸君には非常な問題点を残すのじゃないか、こういう点を実は心配しているわけであります。そこで、今後計画をされるについて、そうした懸念をなくするように、まあ過去の決算の中から、お互いに今後のそういう不利な条件をなくしていく努力をしなければいかぬだろう、こういう点が私の質問の中心なんです。
 そこで具体的に一つ、今も総裁から綿スフ等の問題についてのお答えをいただいたわけですが、今年の、三十六年の二月十七日に、通産省で繊維業等の操短率の決定をしているわけです。この間当委員会で通産省の決算をやったわけです。そのときに通産省からいわゆる繊維業界に対する操短の内容が発表になった。その発表によるというと、綿が二八・五%、毛は四〇%、スフ綿等は二万三千百トンから二万二千四百三十トンを大体目標にする。そうして輸出のワクというものを、いわゆる生産の情勢に応じて減産をしていく、こういういわば三士二年度にわれわれが経験をしたことが一つの教育資料となって、今日その後の政府における繊維業に対する操短の自主的な率を行なってくるとともに、今年度もそういう方針を出してくる。その場合に、その繊維関係等のいわゆる融資というものは、今年度はどの程度行なわれるか。これはこの中にある、今の「貸付に関する主な事項」の第四に「綿スフ織物操短資金融資については」、云々、こう書いてあるので、これといわゆる石炭業等についての融資の比率、今年度はどの程度行なう考えなのか、これは政府としてもすでに発表されておることだから、中小企業金融公庫としての立場もほぼ私は原則的な考えはまとまっておるのじゃないか、こう思うので、一つ発表していただきたい。
#61
○参考人(森永貞一郎君) 三十三年度の場合は、操短の資金を一定の方針に基づいて貸し出しをいたしておることは、ここに登載してある通りであります。三十六年度の通産省の方針に基づいて、いかなる資金需要が起こるか、またそれに対処していろいろな金融の方法があるわけでございますが、市中金融機関も協力するでございましょうし、また主としては商工中金の守備範囲かと思いますが、われわれの公庫がいかなる役割を果たすべきか、その点につきましては、実はまだ通産省とも十分な打ち合わせを遂げておりません。御承知のように、私どもの方のこの貸し出しの方針は、業種別にあらかじめワクをきめるということは実はいたしていないのでございます。今度、特定機械についてだけは特定の金利を出します関係上、三十億という目標を決定いたしましたが、その他の一般業種につきましては、ワクを作るというような考え方ではなくて、やはり資金需要の実勢に即応いたしまして、弾力的、機動的に運用するというような立場をとっておる関係もございまして、一般にそういうワクを設けていないのでございます。従いまして、ただいま御指摘がございましたような問題につきましても、十分なまだ検討を経ておりませんし、また何らかのお手伝いをするというようなことになるといたしましても、あらかじめワクを作るというようなことでなく、そのときどきの資金需要の態勢に即して運用して参るというような運びに相なるのではないかというふうに存じます。
#62
○相澤重明君 ですから、総裁、今あなたの答弁されたように、この繊維業とか石炭業については、商工中金との協調融資になるわけですよ。そのことは、この四項の終わりに、「公庫と商工中金の五割ずつの協調融資とし、両資金を転貸先について一本の契約証書で貸付けることが出来ることなどを定めている。」と、こうなっておるわけです。あなたの説明の通りなんだ。その説明の通りなんだから、今年度すでに政府がそういう方針をきめておるのだから、三十六年度のいわゆる国家予算も決定をしたので、少なくとも中小企業金融公庫としては、この政府の決定したことに対する、いわゆる方向というものはもう出されてよいのではないか。そうしないというと、このせっかく政府機関できめたのが、そのときの原資の状況とか、あるいは申し入れの状況等ということでもしこの中金が考えるとすると、この今の操短をきめた人たちはいわゆる困惑するわけだ。だから、政府機関がきめたことであるから、この政府機関がきめたこの操短について、これは商工中金とおたくの方と五割ずつの協調融資をするのだから、その点については、原則的な方向というものは私はもうできるのではないかと、こう申し上げたので、今総裁が手元に数字がございませんということですから、これはあとでけっこうですから、そういうすでに通産省が二月きめておるので、一つあなたの方も、どういうふうに今後この資金当てをするかということは重要な問題ですから、資料で、概括でけっこうですから、出していただきたいと思います。
 それから、その次にお尋ねをしておきたいのは、現在の中金の持つ役割というものは、この経済の動向を初め、こまかくいろいろあなたの方でも述べておりますが、その点私も全く同感なんです。中小企業というものにいかに大きな役割を公庫がしておるかということも、私は承知しております。そこで、輸出産業に対する資金というものは、今どのくらいこの公庫は受け持っておるか、全体の資金の中で輸出産業に対する割当はどのくらい持っておるか、それを一つ御発表いただきたい。
#63
○参考人(森永貞一郎君) 前段の操短資金の問題でございますが、これは通産当局とも十分打ち合わせを遂げておりませんので、よく通産当局とも協議いたした上で、何らかのお答えができるようでございますれば、後刻お答え申し上げたいと存じます。
 輸出の問題でございますが、これは私ども中小企業関係の融資で一番重点を置いている事項の一つでございまして、代理店に資金を配付いたします場合にも、総資金の一割程度のワクを輸出別ワクとして留保いたしまして、代理店から輸出に関係のあるものとして要請がありました場合には、これを優先的に払い出す、こういうような取り扱いにいたしておる次第でございます。なお、直接貸付の面におきましても、輸出に関係のあるものにつきましては、一般的な一千万円の限度も、これをこえて融資ができるというようなことに取り扱っておる次第でございまして、お尋ねは、輸出関係の中小企業関係の融資額がどのくらいあるかという端的なお尋ねだと存じますが、ちょっと私今数字を持っておりませんが、いろいろ勉強いたしたことはあるのでございますけれども、的確にこの資金が輸出用に幾ら、国内用に幾らということが、区分けがなかなかつかないようでございまして、企画庁あたりでもその辺のところをいろいろ御研究になっておりますが、まだ確たる統計ができていないような事情もございまして、私どもの方といたしましても、何らかのものが輸出に向いておるということは、なかなかつかみがたいので、先ほど申し上げた輸出別ワクで一割ぐらいのものを留保しておるという、その辺のところで御想像をいただきたいと存じます。
#64
○相澤重明君 この中小企業の輸出は、通産省としても、ジェトロに積極的な対策を進めておるわけです。その裏づけとしては、やはり中金の輸出に対するところの資金割当、こういうものも、これは私は日本の経済をよくするためには、非常に大きな役割を持つものだと思うのです。ですから、全部が輸出の種類か、あるいはそのうちの五〇%か、これは業種によってもかなり違うと思います。違うと思いますが、輸出に対する問題としては非常に重要な役割を持つだろうと思う。その中で、おたくの資料の説明をまた求めたいのだが、その中に第五の「中小企業における新技術の企業化を助長することは中小企業の振興および輸出の進展、国内自給度の向上に極めて重要と認められたので、公庫は、中小企業の新技術企業化融資あっ旋制度を二月十一日に設けた。」と、こうなっていますね。そこで、そういう新技術企業化の融資あっせん制度というのは、いわゆる設備投資にも関係があるでしょう。そういうところで、これが発足してからどの程度の仕事というものが今行なわれておるのか、これはなかなか一般にはよくわからない、こういう機会にPRするのが、総裁としてはきわめて重要だと思うのだが、一つその点を明らかにしてもらいたい。
#65
○参考人(森永貞一郎君) この点非常に御信用をいただいたのでございますが、実は遺憾ながら実績はあまり上がっておりません。三十三年の二月以来今日に至る実績は、千万円単位の微々たるものでございます。新技術の強化のための融資は、このほかにも通産省所管の近代化補助金がございます。これに関連いたしまして、補助金でなくて融資でもいいんじゃないかというようなものが数多くあるわけでございます。そういうものにつきましての府県からの申し込みに対する融資、これは相当活発に行なわれておるのでございますが、ここに書いてございますようなあっせん制度は、どうも周知徹底が不十分であったせいか、あるいは融資条件その他においていろいろ問題があるせいかとも思いますが、先ほど申し上げましたように、遺憾ながら実績はあまり上がってないということを申し上げたいと思います。
#66
○相澤重明君 そこで、実績が上がらないというのは、その項の中にある、いわゆる「融資対象は工業技術院の審査を経たものであって」と、こういうことになっております。これは非常にやはり一つのそういう企業の育成ということに対する制約が私は出ると思うのです。これは民間の人たちが一生懸命に研究をして、そして今の技術の企業化ということをやろうかと思っても、工業技術院の審査を経たものでなければいかぬということになると、やはり一つの私は制約というものが生まれるのじゃないかと思う。そういうことで、今言った実績が上がらないのか、それともそうじゃなくて、やはりまだ内容というものが国民に理解されておらない、こういう制度というものを利用しようとする機会というものは比較的少ないのじゃないかと、こういうことなのか、そのいずれか、またそのほかにも理由はいろいろあると思いますが、総裁の御意見を一つ承っておきたい。
#67
○参考人(森永貞一郎君) 工業技術院の推薦、あっせんにかかるものについても、実績が非常に少ないのでございますが、もちろん推薦を受けないもので、やはり新技術の企業化で、確実の計画のあるものにつきましては、私どもの方でも決してこれをないがしろにはしないわけでございまして、そういう観点から拾い上げますと、あるいは相当実績があるかとも存ずるのでございます。ただ、この工業技術院のあっせんの関係の問題でございますが、ただ、技術が新しいからというだけでは融資が右から左に行なわれるというわけにも参らないわけでございまして、やはり金融の対象になるわけでございますから、その新技術が企業化に値するという点の保証と申しますか、心証が得られなければ融資の方は伴っていかない。もし、企業的には非常に危険なものであっても、やらしてみたいということであるなら、これはむしろ融資じゃなくて、ほかの補助金なり何なり、方法を考えられなくちゃならぬわけでございまして、その辺のけじめをどこに引くか、その辺が非常にむずかしい問題じゃないかと思います。従いまして、融資だけの面じゃなくて、国の施策全体としてこの点はやはり考えなくちゃならぬかと存ずるのでございます。私どもに関する限りは、やはりおそらく企業的に採算が不安であるとか、基礎が全然できていないとかいうようなことがあったのでございましょう。遺憾ながら実績がまだあまり出ていないということでございます。
#68
○相澤重明君 それから三十三年度はそうで、三十五年度末の現状はどうですか、現状でもその後発展はありませんか。
#69
○参考人(森永貞一郎君) 三十三年の創設以来今日に至るまで数千万円程度の、きわめて微々たる実績でございまして、率直に申し上げまして、看板倒れに陥っているわけでございますが、ただいまのようないろいろな問題点もあるわけでございまして、この制度をさらに活用するのにはどうしたらいいかという点につきましては、なおよく検討いたして参りたいと存じます。
#70
○相澤重明君 せっかく総裁が努力検討するというのだから、それ以上言うこともないのだが、せっかく、中小企業に対する新技術を奨励発展をさせる大きな役割を持つ問題だと思うのです。それが実績も、今日まで利用されない、そういうふうに適用されるものは少ないということは、全く制度を作って制度倒れになってしまっている。あなたの今のお言葉の通りだと思う。私は残念だと思うのです。だから、なぜそういう結果に陥るのか、こういう点を少しあなたの方で研究されて、そうしてせっかくのこの中小企業に対する金融措置というものが政府でとられ、国会でもそうした資金の割当を行なっているにもかかわらず十分でない、こういうところを一つ私は端的に出してもらいたいと思う。そういうことがないと、やはり総裁としてのあなたの職務上の問題になると思うから、これはあなたがおったときのことじゃないけれども、しかし、あなたもやはり総裁になった以上は、これは大蔵省のことばかりでなく、あなた自身の問題でもあるから、だからそこを一つ研究して出してもらいたいと思うのです。これは一つ先ほどの国民金融公庫の問題でも、三十六年じゅうに今までの問題については答えを出していただくように、少なくとも三年有余たっている問題ですから、一つ今年度そういう点に早急に結論が出るように、また、利用されるような方向を一つ編み出してもらいたい、要望しておきたいのですが、総裁いかがですか。
#71
○参考人(森永貞一郎君) この制度の運用につきましては、そのつど工業技術院とも十分打ち合わせをいたして参った結果がこういうことになっているのでございますが、なおよくとくと検討いたしまして、中小企業者の要請にこたえる努力をいたして参りたいと存じます。
#72
○相澤重明君 それから、先ほどの輸出別ワク、総資金の大体一割程度、こういうことを御答弁いただいたわけですが、この中小企業の人たちが輸出業を行なう場合には、全部が輸出業であれば、これは全面的に私は国家がそういう融資態勢というものをとっていいのではないか、こう思うのですが、今の総資金の一割というものが、大体そういう考え方で出ているのかどうか、その点いかがです。
#73
○参考人(森永貞一郎君) 私どもの方で出しております輸出関係資金は、大部分の場合、ほとんどといっていいくらい製造工業で、その製品が輸出に向けられるものということでございます。そうして標準といたしましては、大体製品の二割以上が輸出に充てられるというようなものにつきまして、別ワクの使用を認めている次第でございます。五十億は、これは正確な基準で一割見当がいいというようなことで出てきたと申し上げるよりも、むしろ過去のいろいろな経験から割り出された総合的な結論でございまして、それが現在のところ五十億程度ということに相なっていることを御了承いただきたいと思います。
#74
○相澤重明君 その次に、各種、中金が貸し出す業種というものもあると思うのですが、他の系統金融機関との関係もありますが、端的に一つお尋ねをしたいのですが、船等の場合はどうですか、船等については中金は貸し出しをしておりますか。
#75
○参考人(森永貞一郎君) 大きな船は、これは私どもの手に負えませんですが、千トンからまあ二千トンどまりくらいの、いわゆる小型鋼造船、これが今まで瀬戸内海その他では、機帆船が中心になってそういう輸送が行なわれておりましたのでございますが、これもやはりだんだん近代化、合理化する必要がある。また安全性を考えましても、鋼造船化する必要があるというようなことで、最近広島支店、高松支店等におきましては、小型鋼造船の計画が非常に多いのでございます。私どもの方も、運輸省ともいろいろ打ち合わせておりますが、資金事情の許す限りこれらの要請にもこたえたいというようなことで、現に広島支店、高松支店では、総貸付資金の二割から三割ぐらいのものがこの鋼造船に向けられている。全体の公庫の貸付資金の中での割合は、これは代理貸しを含めてでございますが、七、八%にとどまっておりますが、これらの数字からも、比較的小型の鋼造船の建造には力を入れて参っているという事情は御了察いただけるかと存じます。
#76
○相澤重明君 次には国内の不要不急産業という面かもしれぬが、今の小型鋼船ばかりでなくて、漁船あるいはつり船というのかな、そういうようなものは一体どうなっていますか。
#77
○参考人(森永貞一郎君) 漁船とかつり船になって参りますと、ちょっと私どもの方の融資対象――これはまあ御承知のように法律なり政令なりで制限がございますが、今ちょっと入ってこないんじゃないかと思います。むしろ農林漁業金融公庫あたりでお取り扱いになるべき問題じゃないかと思います。
#78
○相澤重明君 その次に、代理店を公庫としてもふやされたわけですが、この現在の代理店とそれからあなたの方のいわゆる支所ですね、直接貸しを行なわせる体制も強化をされておるわけですが、今その資金の割当はどの程度ですか。それは需要と、それから貸付の現状、その二つに分けて御説明いただきたいと思います。つまり直接あなたの方で貸しているのと、それから代理店を通じて貸しているのとありますね。その二つについて御説明いただきたい。
#79
○参考人(森永貞一郎君) 初めは代理貸しだけで発足いたしまして、三十年から直接貸付を始めたのでございますが、その後相対的なウエートといたしましては、だんだん直接貸付の方に重きを置くような気持で運営をいたして参っております。しかしながら、まだ現状では代理貸付の方が圧倒的に多いのでございまして、三十五年の実績で申し上げますと、件数では九三・六%が代理貸し、ただ金額では七七・七%と減ってきております。従いまして、直貸しは件数では六・四%、それから金額では二二・三%ということになっております。三十六年度はさらにこの直貸しの方に力を入れる所存でございまして、直貸しの方を五、六割ふやします。代理貸しの方は五、六%の増加にとどめるつもりでございます。そういたしますと、三十六年度末では代理貸しが、金額で申し上げますが、大体七三、四%、直貸しの方が二五、六%、この傾向は今後もやはり続けて参りまして、将来は直貸し、代理貸し半々くらいのところまでぜひ持っていきたいというような気持で全体の運営をはかっておる次第でございます。
#80
○相澤重明君 次に、中金が代理貸しを行なわせる、いわゆる代理店ですね。普通銀行、信用金庫あるいは相互銀行、こういう代理貸しを行なうところが、やはり自分のお得意さんを中心にしてしまう。これは先ほど質疑のときにもちょっとお話ししましたが、特に中金の場合私は非常に問題があると思う。私の銀行の得意でなければ、どうも中金に申し込んでもらっても、これはどうもなかなか貸し付けるわけにはいかぬ、こういうような不平が現実に、実は一昨年の十一月か、私が調査をしたときにあった。それはこういう問題について、非常に融資を希望する人たち、利用者に不満の声がある。そういう私は例を知っておったんだけれども、一体そういう実情を調査されて、そういう不公正な立場というものを公正にさせるという防止策というものをおとりになっておるのか、この点を一つ御説明いただきたい。
#81
○参考人(森永貞一郎君) 代理店はむろん中小企業金融公庫の融資の方針に即して融資を実行しなければならない責任があるわけでございまして、従いまして、取引関係の有無を問わず、申し込みに門戸を開かなければならないのは、おっしゃる通りでございます。また、かりそめにも公庫の融資に籍口して自己の利益の追求にこれを乱用するというようなことがあってはならぬことも、これは当然でございまして、私どもと各代理店との間の業務委託契約におきましても、特にその点を強調いたしまして、もし違背の場合には代理店契約の停止、解除、その他の措置をとるという厳重な一札を取りかわしておるような次第でございます。しかし、実際問題として、しからば、そういったことが絶無かと申しますと、これはやはり先ほど国民金融公庫総裁からも話がございましたが、なかなか絶無を期しがたいのでございまして、その点は私どもも非常に遺憾に存じます。そこで代理貸しは、これは代理店の自主的な判断で貸し出しを実行さして、事後においてこれは審査するという仕組みになっておるわけでございますので、その事後の審査といたしまして、監査を極力励行いたしております。まあ大体二年に一回、悪いところは毎年、成績のいいところは、あるいはもう少し間があるかもしれませんが、そういうようなことで、毎年二百店くらいの監査を励行いたしておるわけでございます。その際に、ただいま御指摘のございましたような、自己の取引関係に公庫融資を乱用しておるというようなことが判明いたしました場合には、もちろん、その場でこれを是正ぜしめて、あるいは繰り上げ償還等の措置をとり、また、私からも直接厳重に自粛方の示達をする等戒めて参っておるのでございますが、ごく最近になってきめたことでございますが、そういうところには一ぺん代理店のワクの配分を少し待ってみようじゃないか、代理店の資金ワクを配分する際に、責任者を呼びまして、公庫融資についての心がまえも十分ただし、また、反省の程度等をも見きわめまして、しかる後に代理店のワクを配分しよう、そういうことをごく最近にきめまして、ことしからそれを実行する、それによって代理店の自粛反省の一つのよすがにしようというようなことも、実はこの四月から実行いたしたような次第でございます。もちろん、それだけに限りません。各本店、支店の事前の臨店指導等もことしからもっと徹底させまして、公庫の融資に一そう代理店が即応するようにという指導に万全を期したいというように考えておる次第でございます。
#82
○相澤重明君 そこで、それだけの決意を持って中金が国民に対する公正ないわゆる資金融資というものを行なうように、代理金融機関に指示をされるということは、私は非常な進歩だと思うのです。ところが現実に、いいですか総裁、あなたの方がこの信用金庫なり普通銀行なり、相互銀行に幾らのワクを割り付けるのか。一般の国民は自分の取引の銀行へ行くなり、あるいは近くの金融機関に行って、中金の融資を一つ申し込む、こういっても、なかなか幾ら一体国の資金というものがくるのか、どのくらい扱っておるのか、こういう点がわからないから、今言った、場合によると、おたくはどうも私のところとは長い間お客さん関係ではございませんと言われると、これはだめかなという感じになる。こういうところに問題があると思うので、そこで、せっかくそこまで、総裁が言われるように監査なんか強化するなり、あるいは三十六年四月から具体的なそういった指導を行なわれる場合に、全国的にこの金融機関に対しては幾らの額を割り付けたのだということを発表される意思がありますか。つまり、中金全体のワクは幾ら、それで信用金庫には幾ら、相互銀行には幾ら、普通銀行のこういう銀行には幾らの中金の資金は渡っておりますということが発表されますか、いかがですか。
#83
○参考人(森永貞一郎君) 従来、代理店の資金ワクの配分は、やはり個々の金融機関の熱意なり、成績なり、その地方における中小企業の状況なり、一般経済の状況その他を勘案して、これを配分いたしておるのでございますが、このワクの多寡ということが、その金融機関の信用関係を判断する上において不当に乱用されるというような事情もまた一方においては考えなくちゃならぬわけでございまして、従来この資金ワク配分の内容は公表を差し控えて参っておるような次第でございます、しかしながら、内部におきましては、ただいま申し上げましたいろんなファクターを公正に考えまして、最も適正な配分をいたしておるわけでございまして、公表はいたしませんが、配分の方針なり実態につきましては、どうか私どものやり方につきまして御信頼を願ってもよろしいのじゃないかと存じますので、さような方針で今まで発表してないということを御了承いただきたいと存じます。
#84
○相澤重明君 それは森永君の言うことだから、別に信頼しないということじゃないんだけれども、今言った龍頭蛇尾に終わっちゃあ困るわけなんだ。龍頭蛇尾に終わっちゃあ困る。そこでむしろこの金融機関の信用を増すということは、そういう政府関係機関の系統融資というものが着実に行なわれる、これがむしろ国民の信頼を最も増すものだと私は思う。だから悪いことをしたり、不公正なことをすれば、中金としてはこれだけの厳重なことをやっておるんですよという、これは反面解釈になりはせぬか。だから、今までも金融関係であるがゆえに、実は銀行に対するそうした融資の割当額というものは発表しておらなかった。これは大蔵省もその通りだし、中金もその通りだ。しかしこれを一つの例をとっていえば、住宅金融公庫が、今度はおたくの方の関係には一つ何戸の分を出します、どのくらいの資金を割り当てますということは、あなた政府だってやっているでしょう。そうすれば同じ金融関係として別にそうむずかしいことじゃない。けれども、それよりはもっと中小企業の方は内容が大きいだけに、私どもはむしろその信用というものを心配をしておる化けです。心配をしておるから、今まではそういう公表ということは、私どもはあまり言わなかった。あなたの言う中金を信頼してもらいたい――それはまあすることになると思うんだが、問題は、せっかくあなた方が努力をされても、それが龍頭蛇尾に終わったんでは、むしろ逆な効果を出しやせぬか、こういう点で、できればこの次に一つ、今お答えできるかどうかわかりませんが、お答えができなければ、私は資料として提出してもらいたいんだが、そういう臨店監査なり、あるいは定期的な監査を行なって、そしてこの中金の割り当てが不公正な面で是正をさせたというような問題があったら、それを資料として一つ提出して下さい。なかったらなかったでけっこう。しかし、なかったとは私は言わせない。それは私自身が調査をしてわかっておることだから。従って、せっかくあなた方が努力をするんだと言うんだから、それを信用するように私はしたいと思う。そういう点で監査の実情を、三十三年、四年、五年、これを一つ大へんだろうけれども、せっかくの機会でありますから、一つ決算委員会に資料として、とれだけ私どもはやっておりますということを調査をして出してもらいたいと思うんですが、いかがですか。
#85
○参考人(森永貞一郎君) 監査の実行の回数であるとか、その際の成績のいいものとか、悪いものとかの分類とか、そういったようなものは手元にも資料がございますが、ただいまお尋ねのございましたような点に、どの程度資料としてお答えできるかどうか、これはよく検討いたしまして、後ほど御連絡を申し上げることにいたしたいと存じます。
#86
○相澤重明君 その次に、国民金融公庫はだいぶ勉強をして、貸付等に対する審査期間というものを短縮されておるわけです。中金の場合、どうもその期間が長過ぎるということが一般の声です。その貸付に至るまでの期間がどうしたら一体短縮することができるのか。せっかく商売をやろうと思って金を借りようと思ったところが、それがいつまでたっても貸付ができない、商売ができない、こういうことになったら中金の価値はないわけです。そこで、期間を短縮して、そうして企業資金というものを間に合わせることができるようにするには、一体どの程度の期間というものをあなた方は考えておるか。そうしてそのためには、現在の資金量が足りないとか、あるいは今の直接貸しの制度というものと代理貸しの制度というものが、先ほどのパーセンテージで今後の努力目標というものは出されましたが、定員の問題と関連してどうなるか、こういうようなことを率直に一つお答えいただきたいと思う。
#87
○参考人(森永貞一郎君) まあ長期にわたる設備資金の貸し出しが大部分でございまして、企業の先々の見通しも立てなくちゃならぬわけでございますので、右から左というわけにも参らないことは十分もう御了承のことと存じますが、そこで、大体目標といたしましては、申し込みから三カ月ぐらいまでの間に貸し出しが実行されるようにぜひ持って参りたいということを実は考えております。もちろん、これは当該案件の性質によって違います。標準的な案件であれば、そう時間もかかりませんでしょうが、異例にわたるものにつきましては相当長くかかる。また二次口、三次口のものはもっと短い期間で済む、いろいろございましょうが、まあ平均標準といたしましては、ぜひ三カ月ぐらいを目標にいたしたいと思って努力いたしておる次第でございます。
 それに対して現実はどうかということでございますが、代理貸しでございますと、そういう審査並びに事務には大体二カ月ぐらいで事足りるようです。ただし代理店に対する資金ワクの配分に対して需要が非常に多いものでございますから、ワクの手持ちがないというようなことで、次期回しになるというようなことから、やはり相当時間がかかるような結果に相なっておるのは事実でございます。直貸しの方は、目標の九十日に対しまして、遺憾ながら現状では百日あるいは百十日というぐらいの時間がかかっておるわけでございまして、これを何とかして目標の三カ月程度に短縮して参りたい、そのためにはどうしたらいいかということでございますが、一つはやはり人員の充実でございます。直貸し開始以来、毎年相当の定員増加をいたして参りまして、三十五年度も百三十人、それから三十六年度は百四十八人というような比較的大ぜいの人員の充実を見ることになったのでございますが、今後も引き続き人員の充実には努力をしていかなければならぬと存じます。ただ、先ほど中村総裁からもお話がございましたが、審査にあすからでもすぐに使えるような人員は、なかなかもう今日そうたくさんいないのでございまして、やはり採用いたしました学校卒業者を、一定の年限をかけて養成をしていかなければならぬということになるわけでございます。ことしも新規卒業者をだいぶとりましたが、そういう連中を逐次一人前の審査要員に育て上げていくという努力を一方において重ねていかなければならぬわけでございます。さらにもう一つの努力をしなければならない面は、この審査能率をやはり上げていく。今日私どもの方では設備資金の供給でございますので、興業銀行あたりの方式にならいまして、だんだん中小企業金融公庫独自の審査方式を編み出す過程にあるわけでございますが、審査方式の簡素化、能率化等につきましても、もっともっとやはり研究をしなければならぬ面が少なくないと考えておる次第でございまして、人員の充実と能率の向上、この両々相待って、できるだけ審査期間を短くし、需要者に御迷惑をかけることが少なくなるように努力をいたして参りたいと、かように考えておるような次第でございます。
#88
○相澤重明君 最後に一つだけお尋ねして私は終わりたいと思うのですが、どこでも金融機関というのは、職員になかなか実務上経験者というものが採用にならぬというのはよくわかりました。そこで待遇の改善もやはり考えていかないと、なかなかかたいことばかりいってどうもむずかしくて困るというような、こういうような点もあると思う。しかし事金融機関に奉職する者としては、信用が第一ですから、何といっても採用する場合には、非常に厳選をすると思う。厳選をして、せっかく公庫等に入られた人も、やはり生活条件がよくなければこれは安定できない。そこで今の高校新卒についての初任給というものは幾ら払うつもりか、大学卒は幾ら払うつもりか、そうして保証人というものはどうなっているか、それから保証人の保証期間というものはどのくらいお考えになっているか、これを一つ簡単でけっこうですからお答えいただきたい。
 それからいま一つは、日本開発銀行から中金が承継した貸付金が、だいぶ回収がよくなっておるわけですが、残っておるものはいつごろまでに回収が終わる見込みなのか。これは三十六年度のうちに終わるということなのか、それとも何か計画をお待ちになって、どの程度に一体回収が終わるというのか、この点だけを御報告いただきたいと思います。
#89
○参考人(森永貞一郎君) まず後段の点、承継債権の残額についていつ回収が完了するかということでございますが、三十六年度中に終わらせることはちょっとむずかしいのじゃないか、三十七年度ぐらいまではかかるのじゃないだろうか、それからやはりどうしても取れないものを償却するというようなものも相当出てくるのではないかというふうに考えております。
 なお、給与の面の問題でございますが、高校卒の初任給は一万八百円、それから大学卒の初任給は一万六千円、若干端数がついておったかと思いますが、でございまして、これらの給与の水準をどうきめるかということにつきましては、私どもも最も関心を抱いておる問題でございまして、去年十月を期して一般公務員のベースアップ等も行なわれました機会に、政府関係金融機関のあるべき姿をいろいろ検討いたしました結果、ただいま申し上げましたようなところが妥当な線として、そこに落ちついた次第でございます。なお、これは私どもだけではございません。各公庫共通のほぼ同じ水準に相なっておることも、つけ加えて申し上げておきます。
#90
○相澤重明君 保証人はどうですか。
#91
○参考人(森永貞一郎君) 入行に際しまして、やはり一般の慣例に従いまして、二人の保証人をお立ていただいております。その身分保証契約の効果が何年かという問題も、今お尋ねがございましたが、これはやはり一般の取り扱いに準ずべきものと心得ております。
#92
○鳥畠徳次郎君 簡単に一つ保険公庫の方にお尋ねをいたしておきます。先刻来国民金融公庫と中金と、いずれも資金源が非常に少ないことと、非常に迅速を欠くことに質問が集中しておったようでありますが、私保険公庫の点について、これはようやく昭和三十三年に発足したようでありまして、まだ年限も非常に少ないので、十分な機能を発揮するところまでは参らぬかもわかりませんが、私保険事業と融資事業の二つの中で、融資事業の問題をちょっとお尋ねしたいと思います。
 三十三年度の決算から申しますると、あなたの方の特別会計から十億、それに二十億の繰り越し等で合計三十億だけが信用保証協会へ融資しておられるようでありますが、三十億の信用保証協会の融資と申しますと、大体全国各県に信用保証協会が五十二あるはずでございますが、一つの保証協会にようやく六千万である、簡単にこう一応算定ができるのであります。先刻も国民公庫なり中金の問題がずいぶん出ましたが、信用保証協会は、特別金融機関として、地方の中小零細企業者、そういう人たちに非常に親しみの多い、しかも保証協会はほとんど例外なく商工会議所に協会を設置しておるというようなことで、その点、県の中小企業者並びに特に零細企業者、これらの信用の度合いなり、あるいはまた営業の内容なり、いろいろな点について、これは公庫よりか、またいろいろの銀行よりかその辺がよくわかっておる。そのような関係から、信用保証協会の利用者というものは年々非常に多くなってくる。そうして、何かしらそこに一つの親近感を持っておるために、同じ金融を願うならば、やはり保証協会の金融を仰いだ方がいいというような声が非常に多いのであります。そういう点から考え、また、われわれ過去の実績から見まして、非常にそういうふうに嘱望されておる保証協会の融資がようやく三十億では、何とも心細いものだ。その後三十四年、三十五年と、それに本年度の三十六年度は、どのくらい保証協会へ融資をされるのですか。積極的にこの方面を拡張してもらいたい、かように考え、また国民も非常に期待をしておるわけでありますが、それらに対して率直な一つ六年度に対するお考えと、四年度と五年度の実績をここで御発表願いたい。
#93
○参考人(山本茂君) 最初三十億の融資を各保証協会に対してやっておったのでありますが、三十四年度には最初の予算では十億、それから伊勢湾台風の特別措置として十億、合計しまして二十億にふえました。それから三十五年度には十八億ふえました。それから三十六年度としましては、先日予算が成立しまして二十億、合計しますると八十八億の地方の保証協会に対する融資の金額ができるわけであります。もっとも、三十六年度の二十億というものは、予算が成立したばかりでありまして、まだ政府の方からいただいておりませんが、これは遠からず私の方にいただけるものと思っております。
#94
○鳥畠徳次郎君 ただいまのお答えによりますと、多少ずつ毎年ふえておるので、大へんけっこうなことと思いますが、さらに今後もう少し大幅に伸ばしてもらいたいと思うのであります。それは保証協会へあなたの方から、かりに一億融資が増加するとすれば、他方では、ちょうど地方銀行ではそれの十倍までを貸付するということになっております。そういうような関係上、十億出るということは、十億が一つの誘い水になって、地方では百億にそれが運転できるというような、非常に重宝な運営の仕方になっておるわけでありまして、今後さらにもう少し増額されることは、直ちに零細企業者にも、また国民金融公庫とのにらみ合いから見ても非常にいい制度であろう、こういうふうに考えておりますので、重ねて今後いま少し増額されるよう希望する次第であります。
#95
○参考人(山本茂君) まことにありがたいお言葉をちょうだいしまして、心強く思っております。われわれとしましては、年々これは増額をしたいと、今後絶えざる努力を続けたいと思っております。地方庁、都道府県のみならず、市町村あるいは金融機関なんか、地方の金融というものも、現在公庫の資本金、あるいは保証金、あるいは損失補償金、借入金といったようなもので、地方が約百四十億の金を出しておりますので、中央政府として今年度八十八億円になりまするが、いかにも少ないと思いまするので、経済の成長等がありますので、それらを勘案いたしまするというと、それは年々増加していかなければならぬのは当然でありまするので、われわれとしましては、できるだけ年々多額の国家資金が地方の保証協会へ出ていくように不断の努力を続けたいと思います。議員諸公におかれましてもいろいろ一つ御援助をいただきたいと思います。
#96
○相澤重明君 今、御質問もありましたが、保険料について、いま少し負担を軽減するという具体的なお考えを持ったことはありませんか。
#97
○参考人(山本茂君) 私の方では、五十万円以下の零細なものについては七厘三毛、それから五十万円以上七百万円以下のものにつきましては、従前は一分一厘でありましたが、三十六年度から九厘八毛というふうに減少するわけでございまして、これは公庫の資本金がふえまして経理がよくなりますれば、できるだけ年々減少して、理想を言えば、ゼロならば理想でありまするが、そういったことも、なかなかむずかしいと思いますが、できるだけ減少するように努力したいと思っております。
#98
○相澤重明君 三十三年度では、事業収入の約四割が基金の運用益となっておるということですが、ことしの三十六年度は、どの程度見込んでおりますか。
#99
○参考人(山本茂君) 割合からいいますると、大体同じくらいであります。資金がふえますので、トータルはふえて参りまするが、割合は同じことであります。といいまするのは、私どもの方の資金は、一つは保険資金、これは政府にお預けいたしまするし、もう一つは、地方の保証協会に対する融資であります。地方の保証協会に対する融資の利息はわずか二分五厘でありまして、地方の保証協会は、それを六分なり、ことしになりますると五分五厘ということになりますか、とにかく利ざやをかせいで、地方の保証協会の経理内容がよくなって参りますと、よくなれば、地方の保証協会が、中小企業者からとりまする保証料というものも安くなって参ります。それから保険基金の方は、これは預け入れの期間によって多少違うのでありますが、六分のものは五分五厘、あるいは五分のものもありまして、平均五分五厘になりまするので、私どもの方の保険資金というものはふえておりませんけれども、地方の保証協会に貸し付けてありまする保証基金というものは年々ふえておりますので、トータルはふえまするけれども、利息の割合は同じわけであります。
#100
○相澤重明君 どうも総裁早口で、はっきりわからないのでありますけれども、どうなのか、三十六年度は、対三十四年度とそう変わらぬということを説明されたことなんであるが、実際問題として、事業収入の運用益が、今言った保険料かあるいは基金の収益か、こういう問題について、先ほどから言われていることは、資金を増額をしてもらって、利子はなるべく安くしてもらいたいというのが、これは一般の保険料を安くしてもらいたいというのが中小企業者の考えである、こういうことを言っておるわけです。
 そこで、この基金の運用益というものが、ふえるのかふえないのか、あなたは大体同じだと、こう言っておるが、そういうことなのか、その点を、はっきりしてもらいたい。
#101
○参考人(山本茂君) 大体同じということを申し上げましたのは、利率が同じということを申し上げたので、公庫の資本金がふえて参りますれば、収入はふえて参るわけであります。
#102
○相澤重明君 だから、公庫のこの資本金がふえれば収入がふえる、基金の益が多くなるということは、はっきりするわけだね。そうすると、先ほどのお話では、五十万から七百万までは九厘八毛というか、そういう率で利下げを、いわゆるこの料率改定をしたということを言っておるんだが、もっと、適正化というものは、一体どの程度なのか、料率のこの適正化というものは、どの程度までが一体国民の要望であるのか、こういう点も研究されておることと思うんだが、どうですか。
#103
○参考人(山本茂君) これは、中小企業者の方から言いますれば、保証協会が保証する場合に保証料を払う、そうして保証協会はわれわれの方に保険をつける場合に保険料を払うわけでありまするので、理想を言えば、これだけが中小企業者は、大企業に比べてよけい払っておるわけでありまするので、大理想を言いますれば、ゼロということでありましょうけれども、それはゼロにするだけの国家資金をわれわれの方にいただくには、それはまあ非常に莫大な金額になると思いまするので、まあ現在払っておりまするものが、かりにまあいわゆる九厘八毛ということでありますれば、それが半分くらいになれば、まあ相当の理想を達し得るものだと私は考えております。これは個人的な意見でありまするが、それだけの、われわれの方が保険をやっていくためには、よほど国家資金の方を一つふやしていただかぬとできないのではないかと思っております。その目的を達するために、年々の努力を続けたいと思っておるわけであります。
#104
○相澤重明君 まあ、個人的な見解であってもけっこうだと思うのですが、やはりそういういわゆる中小企業のための保険というものをどういうふうに適正にして、中小企業の育成をするかということが、この公庫の生まれた理由なんです。ですから、総裁が諸般のそういうデータというものを集めて、そうして国家資金というものは、どの程度まで、今、必要とするのか。こういうことも、あなたの言われることが、実は大蔵省としては一番大事になる。だから、この保険料についても、料率の問題についても、これはやっぱり、専門家のあなたの方が、そういうデータをそろえて出さなければ、大蔵省も査定のしようがないわけです。
 そういう意味で、私どもとしては、国民ができるだけ――大企業には有利であるけれども、中小企業にはとかく負担が重い、こういうのを何とか是正しなければいけないというのが、今の私は、中小企業に対する問題点だと思う。そういう点でお尋ねしたわけでありまして、今後、そういう方向へ一つあなたも努力してもらいたい。
 それで、資金の問題を出されましたが、同時にまた、この保証についての実は心配がないということが、政府としても、反面、大事だと思うのですね。保証協会が、いわゆる保証したものが間違いがない、従って国家資金というものも、なるべく今総裁の言うように、多く導入をしていきたい、こういうことだと思うのです。
 そこでこの保証協会が、現在までに事業を行なった中に、別に会計検査院からは摘発されたことはないけれども、部内監査をあなたが行なって、あなたがやらして、そうして今問題点となっておるようなところは、どういうところがなっているかというようなことはありませんか。今は全くこの事業がうまくいっておって、もうこの発足した当初から、何も心配することはございません、こういう総裁のお考えですか。それとも、内部監査をやってきたところが、やはりこういう点は直さなければいけないと思います、あるいはこういう点を注意をしたいもんだと、こういうことはございませんか。いかがでしょう。
#105
○参考人(山本茂君) これは、私がしょっちゅう、四六時中心配しておりますることは、公庫の資金をふやしていただきたい、そうすれば、保険料が安くなりまするし、地方の保証協会に対する融資金がふえますれば、地方の保証協会の経理内容がよくなりまするので、自然、中小企業者のためになりますので、私が始終心配しておることは、基金がふえるということが大事なんでありまするが、さらに、われわれの仕事について、お気づきのことがございましたら、一つ遠慮なく御忠告いただきますればそれを反省の資料にしたいと思います。
#106
○谷口慶吉君 一つ関連があるのですがね。山本総裁、ちょっと保証協会の保証手数料、今おっしゃる九厘八毛ですか、それなんですけれども、このたび政府が考えた例の農業近代化資金の三百億、これに対する政府が利子補給しようとする政府の出資が三十億、これを資金部運用の面で、大体一億八千万円の利子を上げて、その大部分を利子補給にしようと、こういうことが農林漁業関係では、反面考えられておるのですよ。そこで、せっかくありがたい制度をこさえても、末端の農村にいった場合に、信用の限度というものがおのおのあるであろうと思うので、せっかくのこの親心が、末端の農民に徹底し得ない場合もあり得るということから、あなたがやっておられるような、こういう農業関係の信用保証協会というものをば、政府はこのたび各都道府県に作らせようとしておる。この際に大事なことは、今の保証手数料の問題になるので、この法律を、農業関係のこの信用保証に関する法律を、今度の国会に出すにあたって、保証手数料をとられたら、せっかく利子補給をして安い金利の金を融通しようという精神にもとる行為になるので、その辺はどうかと、私は農林省の坂村経済局長に聞いてみた。ところが、保証手数料は取らないと答えたのですよ。反面これは、私は農業団体の会長なんだけれども、同じ国民でありながら、片っ方は保証手数料を払わされ片っ方は払わないでもいいということがもしあるならば、私は政治の面において、これは不均等だと考えるのです。ですから、私のあるいは聞き違いかもしれない。農林省の坂村経済局長に対するあるいは聞き違いかもしれない。私はうるさい人間だから、私をごまかして、取りませんと、法律を提案するために、私にそういう便宜上言葉を吐いたのかも、それはわかりません。しかしながら少なくとも、あの法律を提案するに至るまでの経過においては、取らないということをはっきり言った。私は記憶がある。これは証人もおります。岡村委員がその通り。これは、もっと突き詰めて研究してもらいたい。
 私は、この場合要望ですが、今日の場合、中小企業の方は、そういうことがある。農民の場合、そういうことがない。これは、政治の均等を欠く問題であって、これは重大な問題だと思う。これは研究をして下さい。きょうは、それだけお願いを申し上げておきます。
#107
○参考人(山本茂君) 中小企業の方は、はなはだ日があたらぬ業界でありますので、いつも苦労するのであります。農業関係が非常に日があたるというお話でありまして、それと同じように、日があたるように皆様からも一つ御支援をいただきますれば、われわれとしても、できるだけの努力をいたしますから、どうぞ一つ、農業と同じように日があたるように御支援をいただきたいと思います。
#108
○谷口慶吉君 それは、日があたらないからと、御自分でお考えになることが私はいけないことだと思う。そういう認識を国会議員に持たせるほどの努力にあなた方が欠けておるとしか私は言えないのですよ。何か自分たちが一番目のあたらないところにおるから、今後改めてくれと言うのは、何かちょっと人をくったように聞こえていやなんだが。
#109
○参考人(山本茂君) 今の私の申し上げようが悪かったのですが、私といたしましては、できるだけ努力いたしますので御支援をいただきたい。申し上げようが悪かったのであります。
#110
○相澤重明君 総裁ね。さっきあなたは、私が内部監査をやった場合に、いろいろなこの事業に対する意見というものがあるのではないかと、もっとどうしてくれという、ようなことがあるのではないか。あるいはこういう点直さなきゃいかぬじゃないかということを聞いておらぬかと言ったところが、今まではないから、一つあなたの方であったら教えてもらいたいというようなことがあったけれども、一体その業務監査というものは、やっているのかやっていないのか。業務監査というものはやっていないのか。
#111
○参考人(山本茂君) これは保険金を支払う場合に、多少なりとも金額が多いとか、あるいはどうもその手続上多少おかしいと思われるようなところには、必ず職員を派遣して、その保証協会なりあるいは金融機関なりの業務監査をやっておるわけであります。
#112
○相澤重明君 その業務監査の内容は、どういうふうになっておるのか。この冊子を、いろいろ出してもらったけれども、他の金融機関では、かなり部内監査というものはよくやっておるのだが、あるいはあなたの方は、発足がきわめて最近の公庫であるから、そこまで手が届かぬといえばそれまでの話、何もないといえばそれまでの話、しかし、少なくとも金融関係に対する保険であるから、これは私はやっぱりきわめて重要な問題だと思うのです。だから、こういうところに、どういうふうにやられてきたのか。たとえば今言った貸付の保険をかけるときに、その審査をします、それはあたりまえの話だ、そんなことは。そんなことを聞いているのじゃない。そういう内部監査というものは、一体どういうふうに具体的にやっているのか。こういう点を一つ説明しなさい。
#113
○参考人(山本茂君) 保証協会、あるいはその保険金を請求した金融機関に対して、職員を派遣しておりまして、保険約款に違反しておるような場合があるわけでありますので、そういうときには、保険約款によりまして保険金を全額払わぬ場合もありますし、一部分免責する場合も、いろいろあるのでありますが、とにかく監査はやはりやりまして、国家のために損失をこうむらないように努力をしておるわけであります。
#114
○相澤重明君 じゃ要求しましょう。他の金融系統機関は、それぞれ非常によくやっておる。そこで、今までの、公庫が発足してから、こういう点を総裁は部下に命じて調査をさしたと、あるいはこういう点を指摘をして是正をさしたと、こういう点があったら、それを一つ当委員会に資料として提出をしてもらいたい。委員長から、これは要求して下さい。
#115
○委員長(佐藤芳男君) ただいま相澤委員より要求されました資料につきましては、十分お調べの上、できる限りすみやかに提出せられんことを望みます。
 ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もございませんので、それでは昭和三十三年度決算中、国民金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫関係についての質疑は、これをもって終了いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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