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1960/04/17 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第20号
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1960/04/17 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第20号

#1
第038回国会 決算委員会 第20号
昭和三十六年四月十七日(月曜日)
   午前十時二十八分開会
   ―――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           野上  進君
           相澤 重明君
           北條 雋八君
   委 員
           上原 正吉君
           田中 清一君
           谷口 慶吉君
           増原 恵吉君
           阿部 竹松君
           大森 創造君
           北村  暢君
           木下 友敬君
           武内 五郎君
           千葉千代世君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第五局長  平松 誠一君
  参考人
   北海道東北開発
   公庫総裁    松田 令輔君
   日本開発銀行総
   裁       太田利三郎君
   日本開発銀行理
   事       安永 一雄君
   日本輸出入銀行
   総裁      古澤 潤一君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会、内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会、内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会、内閣
 提出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会、内閣提出)
   ―――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算
 委員会を開会いたします。
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、同じく特別会計歳入歳出決算、同じく国税収納金整理資金受払計算書、同じく政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は、北海道東北開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の部を一括して審査いたます。昭和三十三年度決算においてはいずれも不当事項の指摘はございません。会計検査院より検査報告記載の事案について説明を求めます。
#3
○説明員(平松誠一君) 北海道東北開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の昭和三十三年度検査の結果につきましては、特に不当と認めて検査報告に掲記した事項はございません。
 業務の概要が百四十二ページから百四十三ページ、百四十六ページから百四十七ページ、同じく百四十七ページから百四十八ページにそれぞれ記述してございますが、これにつきましても、特に補足して説明申し上げる事項はございません。
 以上でございます。
#4
○委員長(佐藤芳男君) 次に、北海道東北開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の順に、それぞれより説明を求めます。
#5
○参考人(松田令輔君) 昭和三十三年度の北海道東北開発公庫の決算及び最近の業務状況について御説明申し上げます。
 当公庫は、御承知のごとく、昭和三十一年に設立されまして、翌三十三年に至りまして、東北地方も業務地域とされたのであります。すなわち、昭和三十三年度は、北海道東北を通ずる初めての完全な一年度であるのであります。
 昭和三十三年度予算における当公庫資金運用計画は、出資三億円、融資百三十八億円、総額百四十一億円であったのでありますが、その原資調達は、資金運用部からの借入金七十五億円、債券発行三十五億円、前年度からの持越金二十五億円及び自己資金六億円を予定したのであります。これに対しまして、融出資の実績は、北海道が七十八億百万円、東北が六十二億九千八百万円、総額百四十億九千九百万円でありまして、予算に対し約一〇〇%に近い実行を見たわけであります。
 三十三年度の損益決算は、貸付金利息収入等の事業益金の総額が十九億八千五百万円となり、これに対して支払い利息、事務費等の事業損金の総額が十五億六千七百万円でありまして、四億一千八百万円の差益金を生じたのであります。当公庫といたしましては、国庫納付金に関する政令によりまして、年度末貸付残高の一千分の十五まで滞り貸し償却引当金への繰り入れが認められておりまするので、右差益金の大部分、すなわち四億一千六百万円はこれを滞り貸し償却引当金に繰り入れた次第であります。かくいたしまして、昭和三十三年度末の資産、負債の状況は、融出資残高が二百九十九億九千四百万円となり、これに対応し、政府出資金二十五億円のほか、政府借入金残高が百六十五億円、債券発行残高が百十億円、滞り貸し償却引当金が五億二千四百万円となったのであります。なお、融出資残高の地域別の内訳は、北海道が二百三億二千五百万円、東北が九十六億六千九百万円であります。
 次に、当公庫の現況をこの際つけ加えて御説明申し上げます。
 公庫の資本金は、三十二年度に二十五億円となりまして以後、異同はありません。役員は、三十六年度より副総裁が一名増員されましたほか、理事四名、監事二名で変更ありません。職員は、三十六年度に十五名増員されまして、総数百八十八名となりました。配置は、本店七十一名、北海道五十九名、東北五十八名であります。本年三月末の融出資残高は五百三十一億一千七百万円となり、この地域別内訳は、北海道が三百十五億円八千七百万円、東北が二百十五億三千万円であります。これに対応いたしまして、政府出資金二十五億円のほか政府借入金残高二百六十一億円、債券発行残高二百二十五億円となりました。なお、本年一月一日より貸出金利を年九分より年八分七厘に引き下げました。しかし、収支の状況は良好でありまして、所定の滞り貸し償却引当金の繰り入れを行なった上で、約三億五千万円の国庫納付金を生ずる見込みであります。
 以上をもちまして、当公庫の昭和三十三年度の決算及び現況の御説明を終わります。
#6
○参考人(太田利三郎君) 昭和三十三年度におきます業務概要につきまして若干補足説明申し上げます。
 三十三年度のわが国の経済は、その上半期と下半期とでは、かなり異なった様相を描きながら推移しまして、V字型といわれる景気の転換にその特徴があったのでございます。すなわち、上半期は、前年度からの景気沈滞が続きまして、不況状態を呈したのでございますが、下半期に入りますと、消費の堅調、財政支出の増加、在庫投資の増加などに裏づけされまして、急速な回復過程に入り、年度末近くにおいては、一部に景気の過熱化に対する危惧すらも抱かれるほどになったのであります。このような経済情勢を背景としまして、三十三年度の財政投融資計画は、国民経済に対する過度の刺激を避けつつ、将来における経済の安定的基盤をつちかうことに主眼を置きまして、その規模を三十二年度の実行額程度に押え、資金の配分は、経済の安定的成長のために、長期計画に即応して重点的に行なうこととなり、三十三年度の予算編成の基礎となった本行の貸付規模は六百二十億円と、前年度の六百二十七億円に対しましてほぼ同水準に定められたのであります。しかしながら、三十三年の十一月に至りまして、三十三年度の計画造船実施上の必要から、海運関係への融資を十億円増加することと相なりまして、運用規模は六百三十億円となったのであります。その内訳は、電力二百五十億円、海運が百九十億円、その他百九十億円であります。
 次に、三十三年度の貸付運営の特徴を申しますと、第一に、重要産業に対する融資が依然として集中的、重点的に行なわれたということ。第二に石炭の長期生産計画に即応して長期エネルギー基盤の充実、強化の観点から、石炭に対する融資が著増したこと。第三に、石油化学及び合成ゴムに対する融資が、本行の化学工業融資の中心となり、本行融資の重要な一部門を占めるに至りましたこと。第四に、前年度から交渉中でありました電力三社、鉄鋼三社及び電源開発株式会社の七社を対象としまして一億六千六百万ドル、これは円にしまして五百九十七億円余ございますが、これの世銀借款が成立したことでございます。そういったことがこの三十三年度の運営の特徴でございます。
 三十三年度におきまする既往貸付金の回収は、開発資金百二十三億四千万円、見返り承継債権四十七億三千八百万円、復金承継債権四十四億六千万円、合計二百十五億三千八百万円のほか、外貨資金貸付の回収九億一千八百万円を含めまして、検査報告の通り、総計二百二十四億五千六百万円余となったのでございます。
 次に決算の概要について申し述べますと、検査報告にございますように、三十三年度は、百六十億三千六百万円余の純益金を計上し、法令の定めるところに従いまして、期末の貸付残高五千百九億八千七百万円余の千分の七を法定準備金として積み立てて、残額百二十四億五千九百万円余を国庫に納付いたしたのであります。また、年度末におきまする貸付残高は、各資金合計で五千百九億八千七百万円余となり、このうち四十二億五千二百万円余が約定の償還条件に対し延滞となっておりますが、これは三十二年度末の五十七億一千五百万円余に比較いたしまして、十四億六千三百万円余の減少となっております。
 以上をもちまして、開発銀行の補足説明を終わります。
#7
○参考人(古澤潤一君) 日本輸出入銀行の昭和三十三年度の融資状況を申し上げます。
 昭和三十三年度の融資承諾額は四百三十七億円で、三十二年度融資承諾額五百六十八億八千五百万円に対しまして大幅に減少いたしました。融資承諾額の内容について見ますというと、第二表に書いてありますように、輸出金融は四百三十億三千七百万円、それから一般のプラント類が五十五億六千万円増加したのにもかかわらず、船舶が九十一億九千六百万円と大幅に減少を示しております。また海外投資金融も三億九千百万円と、前年度の九十四億七千五百万円に対して大幅に減少しております。これは前年度にアラスカ・パルプに対する大口の融資案件があったのに比較しまして、三十三年度にはこういう大きな案件がなかったことにもよるのでありますが、また輸入金融も前年度の七億三千七百万円に対し、三十三年度は二億七千二百万円と減少しております。
 次に、融資承諾総額の九八%を占める輸出金融の特色を申し上げますと、品目別では船舶が六六%を占め、比重は依然として大きいのでございますが、前年度に比べましてややふるわなくなっております。また一方、一般プラント類は三二%と、前年度の一五%に対し二倍以上のウエートを示すに至っております。
 それからまた仕向け地別にごらんになりますというと、第三表でございますが、アフリカが二百十九億六千四百万円と第一を占め、次いで中南米の八十五億四百万円、東アジア及び東南アジアの七十八億千七百万円、ヨーロッパ三十九億五千三百万円、西アジア七億九千九百万円の順となっております。その内容を見ますというと、船舶の主たる輸出先であるアフリカ――アフリカのリベリアでございますが、の占める割合が前年度の六八%から三十三年度には五一%と低下しているのに対し、中南米以下の地域の占める割合がいずれも上昇しておりますことが注目されております。
 三十三年の融資の著しい特色といたしましては、延べ払い条件の輸出が従来に比し著しく増加したことでございます。すなわち、昭和三十一年度及び三十二年度においては本行の融資対象となった輸出契約のうち延べ払い条件のものは、契約総額のそれぞれ二七%及び二・五%を占めるにすぎなかったものが、三十三年度には六二%と飛躍的に増加いたしました。これは海運市況の不況を反映して船舶の支払い条件が悪化し、延べ払い条件のものの割合が、五八・三%と著しく増加したほかに、中南米、東南アジア諸国の外貨事情が悪化したことに加え、各国の輸出競争が一段と激しくなりまして、一般プラントの支払い条件引き下げに拍車をかけたことによるものでございます。
 次に、貸付回収状況を第二表によって御説明申し上げますと、三十三年度の貸付実行額は、前年度までの融資承諾にかかわるものを含めて四百七十億八千八百万円と、前年度実績を大幅に下回っております。これは主として輸出船舶に対する貸付が百三十一億円も減少したことによるものであります。回収もまた四百四十九億四千六百万円と、三十二年度の五百八十四億五千九百万円に対し百三十五億千三百万円も少なく、前年度中の貸付純増額は二十一億四千二百万円にとどまり、貸付残高は六百五十九億八千七百万円と相なりました。
 表はございませんが、資金の収支状況について御説明申し上げますと、三十三年度の計画では、貸付総額を七百三十億六千百万円、これに政府よりの借入金返済として十七億三千三百万円、合計所要資金七百四十七億九千四百万円予定し、これに対し原資面では、政府借入金八十億円、回収金等自己資金六百六十七億九千四百万円を予定しておりましたが、回収金が予想より大幅に減少して、自己資金が四百八十八億二千百万円と、計画より二百十四億七千三百万円を減少いたしました。また貸付実績が四百七十億八千八百万円と、計画より二百五十九億七千三百万円減少したことにより、政府借入金は三十五億円にとどまりました。この結果、年度末の運用資金量、いわゆる原資は、払い込み資本金三百八十八億円、借入金二百八十億六千七百万円、準備金四十四億千二百万円、合計七百十二億七千九百万円となりましたが、原資総額の構成割合は、自己資本、つまり資本金プラス準備金が六〇%、借入資本が四〇%でございます。なお、貸付計画と実績がかなり相違いたしましたのは、船舶輸出金融が前年度に引き続き伸長するという考え方で計画を作ったのでありましたが、これが予想ほど増加しなかったこと、ミナス製鉄所、パキスタン肥料工場、インド円借款等の大口案件の実施がはずれまして、また賠償、経済協力関係の輸出及び通常輸出の計画との見込み違いもございまして、輸出金融が計画より大幅の減少を見たほか、投資金融についても、一般案件が予想ほどでなかったためであります。
 決算のことについて一言申し上げますと、一般勘定におきましては、三十三年度の収入額は、貸付金利息、手形割引料及び債務保証による保証料が二十五億四千二百万円、手元余裕金の運用による有価証券益及び利息が二億八千二百万円、これに雑収入二百万円を加えて、合計二十八億二千六百万円に上りました。これに対して支出額は、業務諸費、語給与等の経費が二億一千万円、業務委託手数料が五百万円、借入金利息が十七億七百万円、合計十九億二千二百万円となりました。従って、収入額と支出額との差額九億四百万円から、動産不動産価額償却額四百万円及び貸し倒れ準備金繰入額六億六千万円を差し引いた二億四千万円を三十三年度利益金として計上いたしました。なお、この利益金の処分は、日本輸出入銀行法第三十八条の規定によりまして、その金額が、年度末の融資残高六百五十九億八千七百万円の千分の七相当額をこえませんので、二億四千万円全額を準備金として積み立て、国庫納付を行なわなかったのでございます。
 以上をもって説明を終わります。
#8
○委員長(佐藤芳男君) これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○北村暢君 北海道東北開発公庫の貸付の件についてお伺いいたしますが、貸付の実績におきまして、いろいろございますが、そのうちで木材利用工業に貸し付けているものについてお伺いいたしますが、これは額においても、ほかの部分から比べれば非常に多いわけでございますが、このうちで木材糖化のために融資をしているということを聞いておるのですが、これの状況についてお伺いをいたしたいと思います。
#10
○参考人(松田令輔君) 木材糖化事業につきましては、一会社より融資の申し込みがございますけれども、ただいま審査中でありまして、融資の実行はいたしておりません。ただいまのところ、さような状況でございます。
#11
○北村暢君 これは北海道開発に非常に大きな役割を果たすのじゃないかと思いますが、すでに敷地の選定、その他行なわれておるようでございますが、審査中ということは、木材糖化工業の状況についてどのような調査の結果が、申し出はあるのでしょうから、それに対して融資がいまだにできないでいる事情について、ここで発表できるかできないか、ちょっとわかりませんけれども、あなた方の調査しておる状況について、どのような進み方をしておるか、これをお伺いしたいと思います。
#12
○参考人(松田令輔君) 実は木材糖化に対する政府関係金融機関に対する融資申し込みは、北海道関係のほかに内地におきましても二、三あるように聞いておるのであります。その関係等もありまして、監督官庁の方からは、一応両方の審査の進め方というものは、歩調を一にして、そしてそごすることのないようにという注意がありまして、今私どもの方だけで先に進むわけにいかないような状況に相なっております。私どもの方としても、ある程度の審査はいたしておりますが、ただその内容におきましては、会社側の案と完全には一致していない点があるのであります。その辺につきましては、まだ話し合いが十分についておりません。会社との間で話し合いがついておらないという状況になっております。ただいまのところ、そういうことでありまするので、御了承を願いたいと思います。
#13
○北村暢君 そういうことになりゃあむずかしいでしょうけれどもね。もうだいぶたっているのですよ。もう二、三年たっておるわけですから、そうしますと、公庫の方で、審査の結果からいけば、木材糖化工業というものに対する将来の見通しというものについてまだ確信が持てない、こういうことなんでしょうか。
#14
○参考人(松田令輔君) 私どもの仕事からいたしまして、北海道の開発、東北の開発という見地からいたしますと、この種の化学工業が発達することは、当然に私ども非常に希望いたすところであります。ただ、現在の会社の計画いたしております事柄が、そのまま現在の経済事情で、たとえば製品につきましては、政府による特別の措置は講じられておらないのでございますが、これが自由市場において、はたして、その種の製品が、その種の数量が、計画のごとき価格において消化されるかどうかといったようなことについては、なお慎重に検討を要する点があるじゃなかろうかというふうな感じを持っております。しかし、この事柄の性質からいたしますというと、資源の利用開発ということからしますというと、非常にこれは必要なことでございまするので、私どもは政府の承認といいますか、了解を得なくちゃならない点もありまするけれども、それらを得まして、相当な援助というものが、政府においても認められまするならば、これはある程度できるのではなかろうかと、かように考えておるのであります。
#15
○北村暢君 ただいまのお話では、将来全然見込みないということのようでもないようでございます。が、しかし、時期的に、もう建設されるされるといってなかなかできないでおるわけですから、ちょっと私どもも非常に疑問に思うわけですね。でありますから、これは何も公庫の方の責任ではなくて、関係者の事業の推進の仕方が悪いのかどうか知りませんが、しかし、あれは北海道庁としてもだいぶ当初力を入れようとしておった。まあ森林資源の開発というものと、新たな利用ということの開発のために力を入れておったものですから、相当やはり関係者からすれば期待を持っておったわけであります。でありますから、これは会社側に、北海道なり指導しているところに聞かなければ、ちょっとわからないでしょうけれども、そういう機会がございませんので、きょうは、はなはだ、こういう機会を利用させてもらって恐縮なんですけれども、このネックになっておるのは、その事業の見通しがつかないからということか、この資金のことなのか、そこら辺はどうなんでしょうか。政府の方の金融に対する踏み切りというものは、公庫に対する指示というものがないということでこれが進まないのが、資金面からくるネックであるのか、糖化工業そのものの、今言われました、製品が経済ベースに乗るか乗らないか、そういうようなことで、それ自体にあるのか、それ自体にあるとすれば、融資を何ぼやってもこれは見込みがないということになるだろうと思うのです。でありますから、この旭川周辺にできる木糖と、そのほかにもまだだいぶ宣伝もあったようでございますが、とりあえずは旭川のところですね、これについて今申した点でおわかりになっておったら、一つそのネックになって延びておる事情等についてお話し願いたいと思います。
#16
○参考人(松田令輔君) 目下計画されておりまするところの事業を実行する上において何がネックになっておるかということでございますが、これは現実には資金面だと思います。その資金面と申しまする事柄は、正直なところ、私どもの方の融資が決定していないということに帰着すると思います。ただこの融資をいたすか、いたさないかということにつきましては、私どもには私どもなりの一応の事業の見通しというか、を持ちまして、それから割り出したところのある程度の条件といいますかがあるわけでございます。ところが、そのことに関しまして、会社側と協議をいたしておりますが、まだその間における一致が得られないという点が一つ。それからもう一つは、私どもの融資をいたします条件の中で、率直に申しますれば、私どもは、これは事業の性質にかんがみて、単なる融資だけではなく、さらに積極的な出資等もいたすべきではないのかというような考え方を持っております。その点になりますと、政府の了解を得なければならないので、これがまだ了解を得られていないという状況になっておるのであります。今日停滞しておりますポイントはさような点に存在いたします。
#17
○北村暢君 そうしますと、大体様子はわかったのでございますが、ああいう宙ぶらりんな形でいつまでも置くわけにはいかないと思うが、ネックになっておるところはわかったのでありますが、一体どのくらいの目標であなた方はこれを解決しようとされておるのか、ことしじゅうにつくのか、来年じゅうにつくのか、そこら辺の見通しというものは、今のところ発表の段階にはないのでしょうか。
#18
○参考人(松田令輔君) 私どもの一応の考え方は、これは主務の北海道開発庁並びに北海道庁の方には連絡いたしてあります。その案なるものは、一応今私どもで審査いたしました結果としては、まずこれが現在の事態に即応する最善のものではなかろうかということで、その案は北海道開発庁並びに北海道庁に提出してあります。従いまして、北海道開発庁並びに北海道庁において、会社側とも実際上はこれはいろいろ話し合いをいたしておられると思います。私どもも会社とはいたしておりますが、しかし、まだその間の話し合いが結論にはきておらないというのが実情であります。
#19
○北村暢君 なかなか発表しにくいようでございますが、それ以上聞いても無理でしょうから、次にお伺いしたいのは、港湾施設の融資の件でございますが、この港湾施設の概略の融資の内容、これをちょっと御説明いただきたいと思います。
#20
○参考人(松田令輔君) このおもなものは、港湾における埠頭並びにその埠頭の上におけるところのいろいろな施設でございます。場所は、おもなものは室蘭、札幌、釧路、それから一部留萌にもございます。最近は御承知のように、ことに石炭につきまして、港湾荷役の能率化というものが非常に重要になって参りましたので、埠頭におけるこれらの荷役設備というものを、実は公庫設立以来、それの確保においてかなり力こぶを入れて参っており、そのほか雑貸につきましても、やはり倉庫等の施設もかなり拡充して参ったのであります。ここに掲げられてあります数字は、港湾並びにその施設内容と申しますと、大体さようなことになっております。
#21
○北村暢君 そこで一つお伺いしたいのですが、苫小牧港の港湾建設の進捗状況と関連して、あそこの施設は今全然何もないわけですけれども、将来あそこは港湾施設としては膨大な金がかかるのじゃないかと思うのですが、今のところまだ建設途上ですが、何かあなた方の方で、特に苫小牧港の港湾建設に関連する事業等について検討が加えられておるのかどうか、この点一つ御説明願いたい。
#22
○参考人(松田令輔君) 苫小牧の問題につきましては、現在私どもが融資いたしております事項は、臨港工業地帯の土地造成というものに対して融資をいたしております。これは現在は主として土地の買収というものを主にしておりますが、今後この土地をさらに臨海工業地として完成していく上においては、いろいろな設備なりが必要になってくると思います。これがやはり私どもの方の仕事としましては中心になるのでありまして、港湾自体というものは、これは政府の方の事業で行なわれる。私どもの方は、臨海工業地帯並びに海陸連絡設備等につきましては、私どもの方から融資する、出資するとかいうような問題は、今後また起こってくるかと思います。が、現在におきましては、苫小牧の臨海工業地帯の造成の前提としての土地の買収計画が今行なわれておる状況でございます。
#23
○北村暢君 もう一つお伺いしたいのは、釧路港等の港湾施設と関連をいたしまして、主として畜産物ですが、港湾ですから、これの貯蔵施設ですね、こういうようなものに融資をしておるのかどうか。特に釧路港等におきましては、非常に大衆魚が時期的にどっと入ってくるわけですね。それでそれのための冷蔵庫等の不備のために、食料にならずに、えさにしなければならないというような事情があるわけです。従って、私のお伺いしたいのは、港湾施設なり、あるいは農産物加工、貯蔵ということに融資をしておるようでございますが、ああいうところにはどの程度の融資というものがなされておるか。また、資金の、融資の要求というものはないのか、どうなのか、この点。あれば、どういうふうに運用をされるのか。こういう点をお伺いしたいと思うのです。
#24
○参考人(松田令輔君) 水、畜産等の加工、貯蔵等の施設に関する融資の申し入れば相当広範にございます。これは各港湾地帯においてもございますし、また、内陸――主として、港湾と申しましても積み出し港と水揚げ港等の港湾地帯がもちろんおもになりますが、そのほかに、最近は大消費地におけるところのこれに対応する施設につきましてもかなりの申し込みがございます。私どもといたしましては、今お話のございましたように、この問題は、北海道ないし東北におきましては生産品の価値をできるだけ維持する一つの大きなポイントと存じまして、これは設立以来できるだけ充足していきたいということでただいままでやって参っております。従いまして、ここは、数字からいたしますというと、総額としては少ないようでありまするけれども、かなり数におきましては相当広範にこれは行なわれておるわけであります。今後もこの点につきましては、重点的に取り上げていきたいと、さように考えております。
#25
○阿部竹松君 ちょっと関連して一、二点お尋ねしたいのですが、室蘭に日本石油の工場がございますね。あの工場にあなたの方で融資をしておりますか。
#26
○参考人(松田令輔君) 融資をいたしております。
#27
○阿部竹松君 額は十億程度ということをお伺いしたのですが、いかがでしようか。
#28
○参考人(松田令輔君) 大体そんなところだと私は存じております。最初貸しましたのは、あれは昭和三十一年かと思いますが、たしかそのくらいだったように思います。
#29
○阿部竹松君 そこで、当、不当という問題よりも、これは国の政策の一環として、あなたの報告書の中にも記入されているのですが、初めは北海道だけだったわけですから、北海道の地下資源の開発とか林業の開発とか、いろいろ美しい言葉で目的がきめられて出発したのですが、日本石油の室蘭工場にお金を、十億ですか、貸して、そうして北海道の地下資源の方には金を回さない。なお、北海道の道民の中から人を採用して使って上げるということもやらない。単なる、もう日本石油の一企業の応援をしているということも承っているのですが、これはどうですか。
#30
○参考人(松田令輔君) 私どもの方の融資の対象といたしましては、直接の資源の利用開発と、これらの産業の振興のために必要な事業というのが一項目入っておるのでございます。「産業の振興開発のために特に必要な」というのが入っておるのであります。ここの分は、形式的にはどの項目に入るということについてはいろいろあると思いますけれども、実際問題を申し上げますというと、北海道において、今のあそこと、それから函館にもう一カ所精油工場ができたわけであります。二カ所工場ができたわけであります。その結果、現実の問題といたしましては、私どもが行きました当時における北海道は、ガソリンとか軽油等の価格というものは、内地から見ますというと、非常に高いものになっておったわけであります。これが今日におきましては、少なくともガソリン、軽油ともに内地相場というものに大体接近してきたと思います。北海道内におけるところの、ことに漁業その他が消費するところ大量の油というものは、これらの工場ができる以前に比較いたしますというと、非常にこれは負担が軽減されて参っておるのであります。やはりこの種の産機の振興開発という見地に寄与すると見まして、私どもはこれに融資いたしたわけであります。
#31
○阿部竹松君 ところが、実態は今あなたの御答弁のようになっておらぬというのです。現地に十億なり十一億の金を融資して、そのためにガソリンなり重油なり、あるいは軽油なりが安くなっておれば、お説の通りなんです。ところが、あそこには政府からお金を借りない、あるいはあなたの方の公庫からお金を借りないガソリン会社、大協も入っております。昭和も入っております。三菱も入っておりますね。そういうところで同じコストで売っておるわけです。ですから、安い金利の金を北海道開発のために使うのだといって借りておるわけですから、僕は一キロ何銭でも安くなっておれば、お説の通りだと思うのですが、安いお金を単なる日本石油という一企業が借りて、そうして使うということは、僕は問題であると思うのですよ。ですから僕は、ただ、あなたの方の公庫というものは、金を貸しさえすればいいという理屈にはならぬと思うのです。ほかの会社だって自己資金でもって安いガソリンを売っておるのですから、そうするとあなたのお説のようにいっておらぬ。実態はそうなんです。お調べになってみればよくわかることですが、あなたのお説のようにいっておらぬのですよ。ですから、その点は筋が通らぬと私は思うのですが、私はそう思うのですが、どうですか。
#32
○参考人(松田令輔君) 私の言葉が足りませんで恐縮でございますが、私は、この両社の製品がほかよりも安いということよりも、実は三十一年でございますか、この種の工場ができる以前の北海道というものと、今日できた以後とのことを実は申し上げたのであります。それ以前はやはりほかから、内地から持って参りますので、その相場が現地に引きずられるわけであります。今度は現地にそれができますので、今度は内地からくるものが、いやでもそれに引きずっていかれるということになったのでありまして、もしこれがなかったらどうかということになりますというと、私はやはりこの今の運賃諸掛りというものの高いものが、結局現在の相場になっておるだろうと、かように考えるわけでございます。
#33
○阿部竹松君 総裁も現地に行ってごらんになったかわかりませんが、私も三度ほど行ってみたわけです。確かに横浜、川崎あるいは徳山あたりの精油所で精油して運ぶより安い理屈にはなるけれども、原油で持ってきて、大体九八%まで全部使用できるのですから、今では九九%まで使用できるわけで、ですから、そうコストは北海道でやっても、ここでやっても違いませんよというのが、あの人たちの言い分です。あなたもお聞きになったでしょうがね。
 ですから、何で、君のところは安いお金を、政府融資を受けてやっておるのだから、君のところは少し安いはずじゃないかというと、それは同じですよ、こういうのです。そこでこれはけしからぬではないか、少なくとも北海道の多数の人でも使ってくれるなら、まだ話はわかりますよ、と言ったところが、北海道の人は使いたくたって技術的に教育しなければならぬから間に合いませんといって、本社からあれしておる。単に僕は一企業に、ああいう筋でお金を融資するということは、どうしても納得できないのですが、しかしそれがいいとか悪いとかいうことでなくて、あれは何とか少しやってもらわなければ困ると思うのですが、どうですか。
#34
○参考人(松田令輔君) もう一言だけつけ加えて御説明申し上げますが、実は、この日本石油並びに函館におきまする前の北日本石油、この両工場においては、実はそれらの会社が会社のマークで売ります石油のほかに、ほかの石油会社の北海道内において消費されるものも、実はあそこでジョイントで精製されておるのであります。それで初めて両方の価格が北海道で一緒に下がってきておるということになっておるのであります。
 また、私どもの方の融資の金利でございますが、これは実は、ほかの開発銀行におけるところの特殊な事業あるいは他の中小企業とか農林とかいう方面におけるところの、いわゆる政策金利にはなっておりませんで、当初は実は九分という、どこでも同じな基準金利の九分で貸しておるわけでございます。これはもちろんほかに比べまして、高いか安いかということにつきましては、いろいろ議論はあると思いますが、当時におけるところの一般市中の金利の基準を一応考えて、そうしてそれによって、私どもの金利はきめられたと承っております。念のために申し上げます。
#35
○阿部竹松君 金利は、開発銀行とか何とかと私は比較しておるのではない、ほかの一般市中銀行、たとえば三菱、三井、住友銀行その他から金を借りてやっている企業と、それからたとえば三分の一にしろ四分の一にしろ、こういう低利の金を借りてやっておる企業と同じベースで販売をやっているのですからね、商社が。それでは政府から安い金を借りてやっておる商社が、金利分だけでもまるもうけになるではないか、私はこう思うのですが、少なくとも政府から半分なり三分の一の安い融資を受けて事業を始めておるものは、やはり何らか恩返しをしなければならぬ、それが全く同じだというところに、私は文句を言いたいところがあるわけです。
 それからもう一つ、報告書をいただいてみると、まことにりっぱなんですが、かつて東北開発公庫というのがあって、仕事がなかなかうまくいかなかったことがある、これは御承知だと思う。あなたの方に直接関係ないんだが、今これが始まったばかりで回収する段階でないから、まあ若干は回収はなされておると思いますが、回収する段階でないから、スムーズな計数上の報告ができるけれども、東北地方などというものはきわめて、前の東北開発公庫の例を見ても、何か幽霊会社ができたり、不良会社ができたりするんですが、あなたの方は、将来そういう必配はございませんか。
#36
○参考人(松田令輔君) 御指摘のごとく、まだ私どもの方の公庫は、事業を開始いたしまして、年数がそうだっておりませんので、確かなことは申し上げかねると思いますが、しかし一応三十五年度の実績は出ましたので、私どもの方の融資の条件は、最大が三カ年間の据え置きでありまして、一番長くて三年据え置きでございまして、それからは元金の回収に入るわけでございます、短いものになりまするというと、一年ぐらいで回収に取りかかるものもございます。それから三十六年度の約定で回収に相なるべきところの数字が一応予算等にありますが、これに対しては、ただいま予算で見ておりますのが、約二%の回収額の延滞になるものがありはしないかという予算での見積もりをいたしております。この金額は前年度、三十五年度におけるところの回収の実況というものから見まして立ったものでありまして、一応これは、大体できるではなかろうか、さように考えております。ずっと先のことになりますというと、いづれにいたしましても過去の実績が少ないものでございますから、的確なことは申し上げかねますけれども、ここ一両年のところは、さしたる間違いはなかろうか、かように考えております。
#37
○阿部竹松君 対象物が鉱山、地下資源等も含まれておりますので、なかなかやはり容易でなかろうと思いますので、一つ大いに締めつけてやっていただきたいんですが、最後にお尋ねすることは、たとえばいろいろな規約であるようですが、公庫から融資を受ける場合に、五億円なら五億円の申し込みがあって、三億円しか金がないというようなこともあろうと思うんですがね、ただ、大体申し込みを受けて幾らぐらい融資できるわけですか、そのパーセンテージだけ最後にお尋ねしておきます。
#38
○参考人(松田令輔君) 私どもの方の業務の方法書できめられておりますのは、総所要資金の七割までということになっておるのであります。しかし実際問題といたしましては、予算のワクの関係、それから資金の申し込みの額の関係等で、実際問題におきましては、これは年々と率が、割合が下がって参っております。三十六年度の見込みにつきましては、まだ確かなことは申し上げられませんけれども、大体私どもの見通しといたしましては、まずよくて四割から四、三、二というような辺が、かなり多くなるのではなかろうか、かように考えております。
#39
○相澤重明君 隣りに坐っている開発銀行だとか、あるいは中小企業金融公庫と融資の相手が同じような場合があるんではないか、そうすると、北海道東北開発公庫と融資が重複するような場合がないのかどうか、そういうことが将来の、今ろいろ御質問の中にあった回収の状況、経営の状況に大きな影響がある、そういう点はどうですか。
#40
○参考人(松田令輔君) この他の政府付属機関と私どもの方との業務の分野といいますか、の調整につきましては、中小企業、農林漁業金融公庫等と私どもの方との間におきましては、これは農林、中小等において対象とするところの企業に対して、私どもの方ではいたさないということになっております。逆に申しますならば北海道東北地域においても、農林、中小の対象は農林、中小がいたすということになっておるのであります。ただ、開発銀行との間におきましては、これは規定の上におきましては、重複するようなことになっておりますが、これは開発銀行が融資したものには公庫はいたさない。公庫がしたものについては開発銀行がいたさないということに、両方で重複はしないということに規則はなっております。
 それで、実際問題におきましては、重複と申しますことは、同じ設備には少なくともいたさない。ある会社が新規に工場を作るとかいうようなときには、これは多少、会社としては重複するかもしれませんが――、別個の工場に、公庫が対象として貸すということはある。最近におきましては、大体北海道地区におきまするここに掲げられております業種に対する貸し出しは、おおむね私どもの方でいたしております。かような状況であります。
#41
○相澤重明君 それから業務方法書にもあるように、貸付についての今の総裁の答弁のように、他の政府関係金融機関と提携協力をするような閣議了解事項になっておりますね。そういうことで、協調融資ということが中心になると思うのです。その場合にたとえば開発銀行と、それから北海道東北開発公庫との重復ということは、今の御説明で、できるだけそれはないようにというお話はわかりましたが、しかし現実の問題として、既設の上にさらに増加をする場合等には貸す場合がある。その場合に、信用調査等の問題について、開発銀行が貸しておるんだから、これはもう絶対間違いがない、こういうことで、他の機関のいわゆる信用といいますか、融資をされておることが先決条件になって、調査というものが独自性の調査ということが、ややともするとゆるやかになりゃしないか、こういう点が考えられるわけであります。そういう点は、どういうふうにしておやりになっておるか一つ御発表いただきたい。
#42
○参考人(松田令輔君) 開発銀行と私どもの方との関係におきましては、ただいま申し上げましたごとく、原側的には重複して貸し出さないという方針になっております。従いまして、別個の工場とか、施設になったときに私どもの方で貸す、その場合には、私どもの方でやはり別に調査はいたすのであります。在来の、もちろん開発銀行の審査の経過というものは、これは私どもの方で連絡をいたしまして、十分参考にいたしますけれども、新規貸し出しについては、私どもの方はこれは別個にこれをいたして、両方をあわせて遺漏のないようにというふうにいたしております、
 それから協調融資につきましては、直接民間の方と協調融資をいたしておるのでありますが、民間の方で金が出るから、私どもの方でそれを調査しないということでなしに、むしろ今日の実情におきましては、私どもの公庫設立の趣旨が、私どもの方が融資をするということが、言いかえれば、民間の融資の引き水になるということが趣旨でありますので、私どもの方で調査をいたしまして、私どもの方もいいと思って、これは貸すんだが、どうかといって、むしろ民間側の方に、こちらから話しかけて、そうして融資協調の呼びかけをいたしておるのであります。
 その協調が得られぬ場合に、私どもとしても、当然考え直さなければならぬことに相なるのでありますが、その実行の上については、さようなことに相なっております。
#43
○相澤重明君 最後に一つ、少しとっぴなことだけれども、北海道へ私ども現地調査に行ったときに感じたことですが、産業開発のための交通の量、その中に、先ほどの港湾施設の問題については、北村さんや阿部さんからもお話がありましたが、北海道と内地を結ぶ問題については、現在は連絡船以外にはない。あるいはまあ人の輸送、貨物の若干の輸送は飛行機でやっているが、ほとんどは船にたよる。あらしがきたり、大波がくると、実際に船は欠航してしまう、こういうことで、私どもこちらから北海道に行って見ると、いま少し交通というものに本腰が入らぬものだろうか、あるいは北海道の今度は中へ入って見たときに、住宅問題についても、もっと国家的に力を入れてやる必要があるのじゃないか、こういうことを実は感じて帰ってきているわけであります。
 そこで、北海道東北開発公庫ですから、実際は、その一番大さな資金をもつのですから、北海道と東北を結ぶ隧道というものを考えられないものなのか。そういうような専門的なことを、そういう政府関係機関なり、あなたの方なりが研究をされたことがあるのかないのか。またそれを、いわゆる海底トンネルというものを考えた場合には、どのくらいの資金が必要で、もしあなたの方が参加をするとなれば、どのくらいこの資金がもてるのであろうか、こういうような、少し話がとっぴかもしれませんけれども、そういうことをお考えになったことがあるかないか、一つお尋ねをしておきたいと思うのです。
#44
○参考人(松田令輔君) 私どもの公庫設立のときに、実は施設ないし事業を直接自分で実行すべきか、それとも融資だけでよいのかという問題があったのでありますが、当時の経過からしまするというと、結局融資だけにして、直接の事業ないし施設というものは、これは実行に当たらないということになったのであります。私どもといたしましては、その分野で、これを考えまするというと、ただいまお話になりましたような事柄は、私どもの力の範囲のほかであって、もしそれが必要であるのでありますならば、やはりこれは国家自体でもってお考え願うべきで、私どもの方の力では、とてもむずかしいかと、かように考えております。
#45
○相澤重明君 私の言うのは、もちろん北海道東北開発公庫が、そういう事業をやるとは考えていないのですけれども、そういう北海道、東北の開発を主とするいわゆる金融でありますから、そういう面で、金融関係機関なり、あるいは北海道の、東北の、これらの関係の行政機関なり、そういうところで、いろいろとお話があったのじゃないか。またあってしかるべきではないかという印象を、われわれが北海道へ渡って見ているわけなんであります。そういう面で、そういうお話は出たことはなかったか、あるいはあった場合にはどういうものがいいだろう、こういうことも、参考のために実はお聞きをしているわけなんです。
#46
○参考人(松田令輔君) 最近における北海道及び東北地区についても同様でありまするが、やはり産業の開発が進んだ結果かと思いまするが、荷動きは非常に多くなったのであります。そうして、ことにある時期においては貨客というものの停滞が、それは全国的に見ましても、一番はなはだしい地域となっています。
 従いまして、今お話のありましたような事柄の必要でありますることは、私どもも、さように十分考えるのでありまして、北海道と内地との間の連絡並びに東北地区ないしは北海道地区内におけるところの、やはり鉄道、道路その他の設備の増強といったようなものについて、格段の配慮をしていただきたい。少なくとも産業の開発というものにおくれをとらないのみならず、むしろそれを促進するかのごとき意味においてさようにしていただきたいというようなことは、それぞれの筋には申し上げているのであります。なお、そのほか現在におきまする大量の貨物につきましては、最近の状況等では、どうしても増加する部分は船にたよるほかないのでありまして、従いまして、私どもは、北海道、東北ないし北海道から京浜地区辺までの船につきましては、予算の許します限り資金を供給いたしておるような状況でございます。
#47
○委員長(佐藤芳男君) 北海道東北開発公庫については、ほかに御質疑はございませんか――。別に御発言もなければ、それでは北海道東北開発公庫の質疑は、この程度で終了し、日本開発銀行に対する質疑を行ないます。
#48
○北村暢君 この開発銀行の貸付残高のうちの相当部分が電力と海運に集中をしているようでございますが、総合開発そのものが、電力開発というような事情にあるようでございますから、それもやむを得ないのかと思うのですが、この電力と海運に集中をしている原因について、一つ説明をしていただきたいと思います。
#49
○参考人(太田利三郎君) 開発銀行ができましてから、ちょうど今度で十年になるのですが、設立当時から、実は日本の電力が非常に不足しておりまして、これは何といいましても、経済発展の基盤になるものでありますから、安く安定した電力を供給しなければならぬということであったのでございますが、なかなか長期資金の調達ということが、当時並びに現在の日本では非常に困難でございまして、御承知のように、電力の建設は、償却に非常に長期な年限を要しますし、また料金の点でも、これは公共事業といたしまして、政府で監督されておりますので、みだりに料金を上げてこれを償うというわけに参りませんので、なるべく安くて、しかも長期な資金を供給しなければならぬということで、開発銀行が、どの産業にも基盤になるものという意味で、最も基幹的なものといたしまして、電力に集中的に融資をいたしたのでございます。しかも、電気の資金量は、非常に需要が多いものでございますから、ほかの産業に比べて、設備投資というものが非常に巨額に上りますので、こういった点で、今までは非常に電力に対する比重が多くなっておるわけでございます。
 また海運の方は、これも船舶の建造に非常に資金を要しまして、しかもなかなか長期の償還を要する、なおこの数年来、非常に海運市況が不振でございまして、市中銀行の調達、あるいは社債を出すとか、または増資をいたしまして、自己資金を調達するということがきわめて困難でございますので、こういった政府機関が、できるだけ援助をしてあげるということが必要でございまして、どうしても、こういたしませんと、国際競争の非常に激しい海運に対しましては、資金の出し手がないということで、これも、今申しましたような次第でかなり巨額の金を融資いたしたわけでございます。こういったことで、電力、海運に対する融資残高が、総額の九割近くになっておるのじゃないかと思いますが、非常に巨額になっておるわけでございます。
#50
○北村暢君 この貸付の資金計画を見ますと、貸付の方の計画と、それから実績というのは、ほとんど一致しているのですが、これは今電力なり海運に集中しておるようでございますが、それ以外の工業、石炭、鉄鋼、その他あるようでございますが、これは借り入れの申し込みは、この計画通りで、申し込みがないのか、相当な申し込みがあっても、計画量がこういうふうになっているからというので断わらなければならない、こういう事情にあるのか。とにかく低利の長期資金一分でも二分でも安いものを使いたいというのは、これは人情でしょうから、石炭なんか今不況にあるわけですから、資金面において低利の資金を借りたいということは、当然要求として出てくるのだろうと思うのですが、ただ、開発銀行ですから、開発でないものは貸さないのは、趣旨がわかるわけですけれども、こういう資金の需要の要求というものは、どのようになっておるのか、そうして、計画通りで、これまでは応ずるけれども、計画以外のものは応ぜられないのか、ここら辺の事情を、ちょっと御説明願いたいと思います。
#51
○参考人(太田利三郎君) 実は、今仰せのごとく、電力、海運以外にも、各種の事業に融資いたしております。それから、申し込みの要請も非常に多いのでございます。ちょっと私、今数字をはっきりを記憶いたしておりませんが、むろん、石炭、それから硫安、そのほかいろいろな工業、あらゆる産業につきまして、毎年政府の方で、今年度の政府資金の融資対象というものを大体きめられまして、それにのっとって、われわれ融資しておるわけでございますが、その対象に入りまするものについて、いろいろと申し込みがございます。ただ、毎年の貸付計画というものは、資金量が非常に限られておるのでございますから、おそらく、希望だけを募りますと、この何倍というふうになると思うのでございますが、とても応じ切れませんので、通産省、それから運輸省、農林省、建設省、こういった産業官庁におかれまして、大体今年は、この程度の対象に対して何社くらいのところに出してはいかがであろうかといったような、推せんと申しておりますけれども、こういった会社の、こういった事業に対して融資をしてくれないかと、こういう御希望があるわけであります。その金額も、実はわれわれの方の融資計画をはるかに超過いたしておるというような実情でございますので、ほんとうにこれを野放図に希望を受ければ、非常に巨額のものになると思いますが、そういったことで、官庁におかれては、一つの交通整理をしていただいて、その上でわれわれの方で受け付けまして、これを貸しておるという結果になっておるわけでございまして、しかもこの貸付の限度というものが、原資の方で制約されておりまして、足らなければ、日本銀行で借りるとかいう手がないものでありますから、ちょうどその計画範囲でとどめるようにしなければなりませんので、実績も、それくらいにとどまっておると、こういう結果になっておるわけであります。
 石炭のごときも、実はいろいろと申し込みがございますが、これも毎年、かなり出しております。ただ、近年石炭事業会社自体の設備投資意欲というものが比較的弱いということは事実でございますので、一つ申し添えておきます。
#52
○北村暢君 もう一点、今の石炭、鉄鋼その他ですが、特に石炭でございますが、私のお伺いいたしたいのは。石炭は、現状では石炭そのものが不況産業であるために、どうしても合理化というものが要求されてきておるということで、コスト・ダウンの面からいって・設備投資をしなければならないのじゃないかという感じがするのですがね。
 従って、この設備改善なり何なりというものに対して、石炭の方が比較的設備に対する投資の意欲というものがないということは、これはやはり石炭産業そのものが安い労働力によっておるということでいけば、これはどうしても、ほかの石油燃料、こういうものに押されてしまうことにならざるを得ない。そういう点から考えれば、どうしても、やはり石炭の合理化というものは、経営者自身が相当やらなければならない問題だと思うのですがね。それに対して資金需要が、あまり熱意を持っておらないということのようですが、実際そうなんでしょうか。私どもの感じでは、ちょっとやはりその認識が理解できないのじゃないかと思うのです。しかもあなたのところの銀行は、設備改善のための資金も貸すわけでしょうから、そういう点からいけば、やはりこういう開発銀行に対する資金需要というものは、あってしかるべきだと思うのですが、そんなにないわけなんですか。どうなんですか。そこら辺の御説明をちょっとお伺いしたい。
#53
○参考人(太田利三郎君) 石炭融資は、毎年相当やっておりまして、近年は毎年、ワクとしまして六十億から八十億円程度のワクで融資をいたしておるわけでございます。
 それで、比較的投資意欲が少ないと申しますのは、これは他産業に比較しての話でございますが、われわれの方で、いろいろな産業に対しましてアンケートをとって調査しておるのでございますが、一年間に、三割も四割も前年度に比べて設備投資がふえるという結果を見ておるのでございますが、海運と石炭だけは、むしろ前年度よりも減るという数字をちょいちょい見ておるのでございます。
 それで、むろん、お説のように、石炭は日本で持っております非常に大切な資源でございますので、われわれといたしましては、できるだけこれを育成していきたいということでございますが、全然採算のとれない山につぎ込んでみましても、なかなかこれは効果がないので、金額も制限がございますので、将来、重油に対抗し得るような山を特に選定いたしまして、いろいろな会社の中でも、特にそういう山に対して集中的に融資をしていく。それからあとの何と申しますか、保安設備でございますとか、いろいろなそういったことは、これは本来、企業といたしまして内部資金、内部保留で償却費で、これはやっていくのが企業の建前でございますので、われわれの方としましては、新しく坑道を掘りますとか、新しい機械を入れますとか、こういったようなことに重点をおいて、今まで融資してきているわけでございます。昨年度からは、これも御承知と存じますが、無利子の合理化資金が石炭事業整備団から貸し付けられているというような情勢でございますので、両方で相待ちまして、できるだけ石炭の合理化には、われわれとしても相当重点をおいて参っておりますし、また、今後もそのつもりでいきたいと思っているのでございます。
#54
○北村暢君 もう一つお伺いしたいのですが、電力の方は、資金が若干最近減ってきている。これは、いわゆる水力の電源開発というものは、もうそろそろ限界にきている。限界というよりも、減る方向にきている、その場合、電力需用が拡大すれば、どうしても、やはり火力発電という方向にいくのだろうと思うのですが、この火力発電について、重油をたくのと石炭たくのと出てくるのだろうと思いますが、石炭を何とか不況を克服するということになれば、われわれの感覚からいえば、石炭使ってもらった方がいい。そのために火力発電というものを拡大していく、こういうような感じ、産業の構造からいって、そういうふうな感じがするのですが、火力発電に対する需用というものは、最近どのようになっているのか、それからまた、その火力発電に対してあなたのところで積極的に融資をしていこう、こういうような意思があるのかないのか、この点一つ。
#55
○参考人(太田利三郎君) 今の仰せの通りでございまして、水力電源のいい地点がだんだんなくなっておりまして、やりましても、かなりコストがかかります。それで新鋭火力でやった方が、むしろ発電コストも安くなりますというような事情がございまして、今ははとんど各電力会社とも、火力をベース・ロードに使いまして、一時足りない。ヒータ・ロードを、かなり高くなってもやむを得ない水力発電で補う、こういうような方向に進んでおりまして、今計画されておりますところは、大きな設備は、ほとんど火力が実は大部分でございます。従来は、水力の比重が高かったのでございますが、現在はすでにもう半々、あるいは火力が少し多いくらいになっているのでございますが、ここ数年のうちに、火力の比重がずっとふえて参るということでございまして、われわれの方としましても、この新しい火力設備には、むろん積極的に進めていきたい、こういうっもりでおります。
#56
○相澤重明君 この業務報告書の二十三ページに載っている、三十二年五月に電子工業振興臨時措置法というのができたけれども、実際に三十二年、三十三年には、あまり貸付はできなかった。こういうことが載っているわけですが、これはどういう事情で、この貸付があまりなかった、こういうことなのか、いま少し詳しく説明をしてもらいたい。
#57
○参考人(太田利三郎君) ちょっと私、どうしておくれましたか、はっきりと今頭に記憶がございませんが、これも先ほど申しましたように、通産省の方から推せんをいただいているわけでございますが、当時おそらく推せんに値するような、どういうものを育成していこうかというような政府の御方針などが少しおくれていたためと、こういうふうに……、これに出ておりますが、ちょっと私、今それ以上記憶がございませんので、申しわけございませんが。
#58
○相澤重明君 総裁記憶がない。三十三年度の貸付を行なったことを、今御報告いただいているわけですが、この中には、次の二十四ページの下の欄に、電子工業については蓄電器政府推せんは八件、貸付承諾が四件、それから抵抗器が政府推せんが五件、貸付承諾は三件となっているのです。いわゆる政府推せんのものでも十三件あるのに、七件しか貸付を行なっておらない。だから、一体それはどういうことなのかと、こう聞いておるわけです。
 それからもう一つ、これは政府推せんだけで、特にこういう電子工業というのは、自来、非常に花形にまでなってきつつあるわけですが、そういうものが、申し込みは、政府の推せんがなければ、これはもう全然受付をしないと、こういうことなのかどうか、いま少し詳しく説明をして下さい。
#59
○参考人(太田利三郎君) 今のは、二十四ページ、お説のように、推せんの数字と貸付承諾の数字が違っておりますが、これは、今申しましたように、実は、はなはだ申しわけないのですが、はっきりとその辺のことを記憶しておりませんが、このときは、政府の推せんがかなり実はおくれまして、年度末近くくることが多いのでございますので、審査その他かなり手間どりまして、この年度中に、これが実施できなかった、おそらくこの次年度にこれらは繰り越されたのではなかろうかと、こういうふうに今ちょっと私思っておるのでございますが、なお正確なことはまた調べましてお答えいたしたいと思います。
 それから電子工業は、お説のごとく、むろん非常に成長産業でございますが、これもこのたびは、この特定機械並びに電子工業ということで特別の法律によって融資をいたしておる対象でございますので、それに当てはまる業種が、どれもこれもということではございませんので、特別に書いてありますようなものがあげられておるわけでございまして、そのほかの一般の電子、いわゆるこの今のいんしん産業であります電子産業につきましては、まあ開発銀行が融資をいたしませんでも、自己資金あるいは市中銀行の資金で十分やっていけますので、おそらくそういうことでやっていっているのじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
#60
○委員長(佐藤芳男君) 第一問につきましては、はっきり御答弁がないようでございますが、安永理事の方で、何か補足説明を願いたいと思います。
#61
○参考人(安永一雄君) 私も、こういう理由でこの数字の差があるということを、ここで確実には申し上げかねます。ただいま総裁から御返事申し上げましたように、特に電子工業それから特定機械は、従来とも政府の推せんがおくれがちでございまして、近年われわれの方も大いに折衝しまして、なるべく早く推せんをいただくようにいたしておりますが、当時は、多少そういうあれがございまして、従いまして、私どもの方の作業が始まるのが少しおくれたんじゃないかと、ただいまのところは思っております。
#62
○相澤重明君 総裁並びに理事は、きょう呼ばれたのは、何のために呼ばれたのか。三十三年度の決算について、そして、この開発銀行の内容を報告をしてもらう、こういうことできようは参考人として出席を願っておる。自分たちが行なった業務の内容についてわからないとは何ごとだ。決算にならぬ、そんなことでは。何のために出てきたのだ。
#63
○参考人(安永一雄君) ただいまはっきりした数字がありましたので……。電子工業全体で三十三年度十三件の推せんがございました。その参りましたのが十二月でございます。参りまして、私どもの方で審査をいたしまして、条件その他をきめまして、貸付の承諾をいたしましたのがそのうち七件、残りの六件は、三十四年度早々に貸付の承諾をした、そういう実情になっております。
#64
○相澤重明君 それでは、先ほど総裁も言うように、こまかい点について、あとで報告してもらうために、この電子工業の政府推せんの会社名、それから資金、内容、それについて、こまかく報告をして下さい。資料として提出してもらって下さい。委員長、確認して下さい。
#65
○委員長(佐藤芳男君) ただいま相澤委員より御要求になりました資料につきましては、できる限りすみやかに委員長の手元に御提出あらんことを望みます。
#66
○相澤重明君 次に、二十五ページにあるところの、国際観光に七億三千万円の融資をしておる。これはどこのホテルに、どういうふうに資金を出しておるのか。
#67
○参考人(安永一雄君) 恐縮なんでございますが、今数字をすぐ取り寄せまして、ちょっとお待ち下さい。
#68
○相澤重明君 次に、外貨の貸付及び外貨の保証、その中で、二十九ページに三十三年度の外貨の保証状況というのがここに述べられておる。従って、この三十三年度における決算の、先ほどは御報告があったわけですが、この裏手形というのは、どういうふうにしてとっているのか。電力会社に世銀からいわゆる借り受けをした場合に、この銀行から保証をしておる。その保証の仕方、これはどういうふうにしておるか、説明をしてもらいたい。
#69
○参考人(太田利三郎君) これは東京電力、関西電力、日本航空でございますが、この各社から、それぞれ担保を徴収いたしまして、われわれの方として、アメリカの輸出入銀行その他に保証しておる、こういう結果になっております。
#70
○相澤重明君 このいわゆる借款をしているのに、利子は幾らで借りているのか、そしてこれらの電力会社から担保づきでとっている利子は幾らなのか、その点を補足説明してもらいたい。
#71
○参考人(太田利三郎君) ちょっと今利子を、これは時期によって違うものでございますから、ちょっとお待ち下さい。今調べております。
 それから担保の方は、これは担保をとっておるのでございまして、われわれの保証料率は、それに〇・三%を加えたものを徴収しておるわけでございます。
#72
○参考人(安永一雄君) 率の方は、すぐお返事いたしますが、その前に、先ほどのホテルの方をお返事させていただきたいと思います。三十三年度は帝国ホテル、三十三年の七月に貸付をいたしております。それから新大阪ホテル、これが三十三年の六月、それからホテル・ニューナゴヤ、これも七月、それから京都のミヤコ・ホテルに十一月に貸しつけ、それから第一ホテル、これは三十四年になりまして三月に貸しつけております。それから横浜のシルク・ホテルでありますが、十二月に貸しつけいたしております。以上六件でございますが、合計にしたしまして七億三千万円でございます。
#73
○相澤重明君 その内訳を。
#74
○参考人(安永一雄君) 帝国ホテルは三億五千万、これは継続であります。新大阪一億二千万、ホテル・ニューナゴヤ五千万、ミヤコ・ホテル三千万、第一ホテル一億であります。シルクが八千万でございます。
 外貨関係の利率を御返事申し上げます。東京電力、これは横須賀であります。借入金の利率は五%であります。保証料率は〇・三%、それから関西電力でありますが、これも同じく借入金の利率は五%、それから保証料率も同じく〇・三%、日航でありますけれども、日航は借入金の利率は五・五になっております。保証料率は同じく〇・三であります。
#75
○阿部竹松君 貸付金の未回収ですね、不良貸付、これがあるかどうか、あれば何パーセント……。
#76
○参考人(太田利三郎君) これは冒頭に御説明申し上げましたのですが、三十三年度末の貸付金の合計が五千百九億円でございますが、そのうち四十二億五千二百万円が、約定の償還条項に対して延滞になっております。
#77
○阿部竹松君 延滞というものの中に、いろいろあろうと思うのですがね。大体四十数億の金は延滞ということで、将来回収見込みあるのですか、それともこれは、まあ大体見込みないという数字ですか。
#78
○参考人(太田利三郎君) これはおそらく、ほとんど全部回収は可能であろうと思います。と申し上げますのは、担保を十分実はとっておりまして、非常に長期の貸付でございますものですから、途中で一時金繰りに困るとか、事情が悪くなって返せないことがありますけれども、担保としても、かなりとっておりますし、それでも不足の場合は保証をとるというような措置もとっておりますので、全くの回収不能になりますのがありましても、非常に少額ではなかろうかと思っております。現にわれわれの方で、滞り貸しの償却をしておりまするが、それも毎年四、五千万円、その程度のものでございますので、かなり低い方じゃなかろうかと思っております。
#79
○阿部竹松君 そうすると四十数億の金は、ほとんど回収ができて、そのうちの四千万円ですから一%ですが、ほんとうに、回収不可能だというのは一%ぐらいである、こうおっしゃるわけですね。
#80
○参考人(太田利三郎君) これは将来になってみないとわかりませんのですが、今申し上げましたのは、毎年われわれの方で償却をいたしておりますのが、四、五千万円程度、こういうふうに申しておるわけでございまして、その四十億の一%だけで済むかどうか、これはちょっと私申し上げられないと思いますが、普通の銀行の償却額に比べても、むしろかなり少ない方じゃなかろうかと思っております。
#81
○阿部竹松君 その、全く回収不可能と、今日断定するのは危険かもしれませんが、しかし、あなた方も、やはり事業をなさっておれば、これはとうてい不可能であるという、やはり一つの見通しを立てなければならぬ。努力もし、見通しを立てておると思うのですが、それが大体どのくらいかということを端的にお尋ねしておる。
#82
○参考人(太田利三郎君) これは今申しましたように、毎年どうしても償却しなければならぬという数字を出しまして、これをまた大蔵省に見てもらいまして、なるほどこれだけはやむを得ないという数字を償却しておるわけでございますが、これが今申し上げましたように、近年、三千万円から五千万円程度、年々でございますが、そういう程度でございます。現在の状態として、これだけ、幾ら回収不可能になるかということは、ちょっと今申し上げられませんし、また、そういったはっきりした調査も、今のところいたしておらぬわけであります。
#83
○阿部竹松君 帳簿上の整理は、今おっしゃったようなことで整理ができるかもしれませんが、しかし、私の承知している一つの炭鉱で、あなたの方で貸している、これはうんとお貸しになったものが、その炭鉱がだめになってしまったら、これは一文の価値もないわけです。その炭鉱を持っていることによって、帳面上は何十何億ありますという操作はできますけれども、しかし、それがきわめて危険なもので、ずさんなものであるということが、実際的にはいえるのじゃないですか。今のお話を聞くと、一カ年に、とにかく大蔵省と話し合って、そこはいけませんよといって、帳簿上整理してしまう、四千万、五千万……。そういうのは、帳面上そういうことをやっているということになれば、あなたの銀行はきわめて……。私の知っている具体的な例をあげてもいいのですが、たとえば佐賀県の某炭鉱とか、福岡県あるいはその他に貸してあって、それの総額は四千万や五千万円でないはずです。炭鉱は依然として残っているけれども、資産価値はゼロに近い。そういうことをやっておられるのですか。
#84
○参考人(太田利三郎君) これは、現在稼働しておる炭鉱につきまして、やはり稼働しているのでございますから、それをゼロにするということは、これはむずかしい問題でございまして、そういったものを、どう見るかという一つの方式もございまして、それによって、われわれの方は担保価値も計算しております。全く回収期限がきましても、どうしても取れない、炭坑に水が入ってしまって廃業してしまうということになりますと、これは別問題でございますけれども、そうでない限りは、これをできるだけ確保してもらいまして、回収に努めるということをしておりますので、貸しつけの金額、それはなるほど貸しておるものもむろんございますけれども、それはまるまる非常に巨額の回収不能になるというふうにはわれわれは思っておりません次第でございます。
#85
○阿部竹松君 総裁は思っておらんでも、現実の問題として、山がなくなっている。今、たとえば日産五トンでも十トンでも出ておれば、これはゼロに換算して、計数上ゼロにしてしまうということは無理かもしれませんが、実際そういうのは、毎年々々現実に出ているわけですね。これはことしのことを言うておるのじゃないのですよ、前の報告ですから。そういうのは実際あるということを僕はみずから知っているがゆえに、そういう発言をするのです。ただ帳面のあれは、炭鉱は、そのまま残っているのですが、それは五千万の会社とか一億の会社とかいえるかもしれないけれども、それはきわめてずさんなもので、無を有にして金融しておることにひとしいことになるから、これは非常に危険だと思うのですが、それはそれとして、その次に炭鉱の大手、中小というのは分かれて記入されておるのですが、開発銀行としてはどういうものを標準にして大手、中小ときめておられるのですか。
#86
○参考人(安永一雄君) 開発銀行で、大手あるいは中小というふうに概念を一方的にきめているわけではございません。大手十八社と申しまして石炭業界で大手が十八社あります。そしてその大手の業者だけの会もあります。私どもの方で、ここから上は大手である、ここから下は中小であるというような考え方はいたしておりません。
#87
○阿部竹松君 そこで、あなたの方は、ここまでは大手で、ここまでは中小でというのは何を基準としてやっておられるかということを聞いておるわけです。あなたの答弁では、石炭業界がきめたということですが、業界の標準はどうなっておるのですか。ここに大手、中小というのは別に出ております。
#88
○参考人(安永一雄君) 業界の方できめておりますのは、主として出炭量を基準としてきめておると思います。年出炭百万トンというふうに私ども記憶しておりますが、あるいは多少前後するかもしれませんけれども、出炭百万トンというのが一応の基準だろうと思います。
#89
○阿部竹松君 そうなると、あなたの方でお世話になっておる大正鉱業などは百万トン出ますか。
#90
○参考人(安永一雄君) 大正鉱業は現在は出ておらないと思いますが、その実績は過去においてあったと思います。
#91
○阿部竹松君 そこで理解に苦しむのは、そうしますと、あなたの方で表わしているのは、昔のままの標準で今日きておるということですか。
#92
○参考人(安永一雄君) 特に私どもの方で、これは大手からはずして中小の方に回すという業務上の必要はございません。従来大手として扱っておるものはそのまま継続しております。
#93
○阿部竹松君 電気、鉄鋼、大口にあなたの方でお世話しておるのは、そういうものが一、二と取り上げられるわけですが、それは会社数も少ないので、案外あなたの方でも苦労せぬと思う。ところが、あなたの方で一番苦労されているのは石炭会社であり、それは数も多いし、きょうの百万長者があすはとにかく一介の浪人になるというのが石炭業者ですからね。ただ大手の経営者の話とか何かを聞いて、銀行の業務に携わっているあなた方が、それをうのみにしているというのが僕は了解できない。たとえばあなたの説でいくと、中小の方に入るこの間の爆発でやられた上田清次郎さん、これは日本一の長者番付にも出たわけです。今は一番じゃないかもしれませんけれども、とにかくこれは十指に入る。豊州炭鉱で事故を起こした米蔵さんというのは、兄弟三人そろって長者番付に出たわけです。そんな人たちが中小の方に入って、大手というのには、不良で全くどうにもこうにもならぬのがある、ただ業界の話を聞いて帳面に載せているのでしょうが、それは銀行業務に携わるあなた方としてはおかしいんじゃないんですか、一般の通説を取り上げて。あなた方としては、経営の実態をつかんでA、B、C、Dとやられるのじゃないですか。
#94
○参考人(安永一雄君) お話ごもっともだと思いますが、私どもの方の開発銀行といたしまして融資をいたします場合、一番の対象といたしますのは、どういう工事を、どういう規模において、どういう形においてやるか、これが眼目になるわけでございます。従いまして、その企業の経営に当たっている方の資産、信用もむろんわれわれの調査の対象となりますけれども、その企業体がどういう工事、どの程度の工事を持つか、それからその対象となるたとえば山ですと、どういう程度のスケールのものであるかというのがわれわれの研究のまず対象になるわけでございまして、そういう次第でありますから、ただいまの上田清次郎さんというような場合、上田清次郎さん個人の資産が、たとえば三井に匹敵するとか何とかということではなくて、やはりその山をどの程度のスケールにおいて開発するかということが私どもの調査の対象になる、そういうことでございます。
#95
○阿部竹松君 私はそういうことをお尋ねしておるのではない。やはり銀行ですからその人物なり資力が大体判断の基礎になり、融資する場合の大きなウエートを占めると思うのです。そのときに、ただ一般の通説の大手十八社と中小だということで銀行が割り切るのはおかしいじゃございませんか、そこを言うておるわけです。そこはちょっと違うのじゃないですか。
#96
○参考人(安永一雄君) それはわれわれ別に大手、中小と分けて融資の扱いを変えるとかということは全然ないのでございまして、実は中小の中でも非常に優良な山もあるわけでございます。内容からいいますと大手よりもはるかにいい山もあるわけでございまして、われわれの融資態度として分けているのではない。ただ統計上こういうふうに昔からやっているものですから、便宜こういうような分け方をしているというだけのものでございます。そういうふうに一つ御了承願いたいと思う。
#97
○阿部竹松君 そういうお話はよくわかるのですが、そうすると、大手が十八社中小は御承知の通り二百ぐらいある。二百の山と十八の山と、申込件数から、金を貸した件数が同じになっている。そうすると、どうも御答弁と御報告を受けたのとがあまりに違うような気がしますが、……。
#98
○参考人(太田利三郎君) これは全部の山に対して融資するということは物理的にも不可能でございまして、国家としまして、こういう山は一つ育成していこうじゃないか、非常によい原料炭を持っている、あるいはコストも非常に安く上がりそうだ、将来性もあるということを通産省で選定いたしまして、われわれの方に推せんをしていただく、こういうふうになっておるのでありますが、全部まんべんなく資金を分ける、こういう行き方になっておらないのでございます。
#99
○阿部竹松君 私も、三百もある炭鉱にみな金をお貸しなさいとか、半数の百五十に金を貸しなさいとか、こういうことを言っているのではない。片方は二百もあり片方は十八で、その二百のうち、三分の一でも、七十残るはずです。そうしたらそちらの方にもう少し融資できるはずではないかという疑問が起きてくるわけです。私は、何も二百ある炭鉱に全部貸せ、つぶれるかもわからないような炭鉱にまで金を貸しなさいというような、そんなべらぼうなことを言っているわけではない。対象物件が片方は少なくて片方は多いのに、あなたの出された資料によると、まことに平等になっている。そうすると一方的に偏しておるのではないかという疑問を抱くわけです。
#100
○参考人(太田利三郎君) 今申しましたように、炭鉱といたしまして、何かメリットのある、国家資金をつけるのに有意義な山、こういうような尺度で選定しておるのでございますので、あまり非常な小規模のものに国家資金を注ぎ込んで、しかも効果はそれほどでないというようなことではいかがかと思いますので、そういう標準から選びますとそう多くない。もっと資金もふえまた融資の対象もふえて参りますと、これはまた別問題になってくる、こういうふうに思います。
#101
○阿部竹松君 なかなか理解できませんけれども、その次に、この二十七ページの世銀借款実績一覧表の中に諸工業というのがありますね。これはどこですか。昭和三十年度の八幡製鉄の下に諸工業とあるのはどこですか。
#102
○参考人(安永一雄君) その下に出ております四社、株式会社が出ております。
#103
○阿部竹松君 四社ですか、この下のですね。これは新潟にある日本瓦斯化学というのですか、あの会社も世銀から金を借りておるという話を聞いたのですが、これに載っておらぬのですが、どこに……借款関係はないのですか。
#104
○参考人(安永一雄君) ございません。
#105
○委員長(佐藤芳男君) 日本開発銀行については、ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もございません。
 それでは日本開発銀行の質疑はこの程度で終了し、日本輸出入銀行に対する質疑を行ないます。
#106
○北村暢君 輸出入銀行の資金の内容についてお伺いいたしますが、従来のこの資金運用部からの借入金が非常に多かったために、資金内容、これが非常に窮屈である。まあコストの問題ですが、そういう事情があったようですが、これをどのように克服されておるのかということが一つ。
 それからもう一つお伺いいたしたいのは、アラスカ・パルプの現状、これを一つ御説明いただきたいと思います。
#107
○参考人(古澤潤一君) ただいま御質問の第一間についてお答え申し上げます。
 御指摘のように、私の方の銀行は、必要な資金を全部政府の出資金並びに政府からの借入金によってまかなっているのでございまして、出資の分につきましては無利息でございますから問題はありませんが、借入金は年六分五厘の利息を払っているわけでございます。貸出の金利につきましては、現状におきましては輸出金融が四分、それから輸入金融につきましては最近利率を上げまして従前四分五厘だったのを六分五厘にいたしまして、投資につきましてはもと五分だったものを七分にいたしました。それから私の方の金融は市中金融を補完するという建前になっておるのでございまして、輸出金融につきましては私の方が八、市中が二、それからものによってはうちが七とか三とか、ときによって違いますけれども、そういうふうに市中と共同して融資をするということになっておるのでございます。それでその市中の分につきましては、もちろん私どもの銀行よりも利息は高いのであります。それを突きまぜまして、日本のプラント輸出その他の金融につきまして、輸出について申します世界の列強と競争していけるような金利を出しておる。競争と申しましてもむやみに安い金利をつけますと諸外国から文句が出るわけでございまして、輸出入銀行としましては、あんまり文句の出ない世界銀行の金利を一応の標準としているわけでございます。
 そこで、収益のことにちょっとふれますと、私どもの銀行は法律上、いろいろんな給与とかその他経費を支払いまして、赤字を出してはならないというような制限をされておるわけでありまして、経費がかかったりあるいは利息が入ってこなかったりなんかいたしますと赤字になるおそれがありますので、今、現に問題になっておりますように、ある程度金利を上げる必要が起きてきはせぬかということもあるわけでございます。それからまた現に世銀とかあるいはワシントンの輸出入銀行とか、西独の輸出入金融会社とかいう国際機関の輸出金融に対する金利を見てみましても、うちよりは高くなっているわけでございまして、その点で今政府でこの金利を上げていこうじゃないかということで検討中でございますけれども、御承知のように市中の金利が今大体下がる方向にございますし、それからまたアメリカの輸出、いわゆるドル防衛に関連しましてアメリカの出方というものが非常に注目されておりますので、それをなお詳細に検討した上で政府の方で方向をおきめ下さることになっておると思っております。
 それから第二のアラスカ・パルプの現状でございますが、アラスカ・パルプは三十四年の十月に現地の工場の建設を完了いたしまして、十一月から試験操業に入りまして、三十五年の一月には第一回の製品の船積み、大体二千トンばかりの製品を船積みして日本へ持って参りました。いよいよ本格的に操業の段階に入ったわけでございまして、三十五年、去年の六月には現地において完工式を行ないました。なお製品の取引数量とか支払条件、操業規模等については、アラスカ・パルプの採算上の題問とも関連するのでございまして、目下株主たる化繊会社とともにわれわれも協議にあずかりまして検討中でございます。
 それから輸銀の同会社に対する融資の現状を申しますと、その建設に要した所要資金が二百三十七億円でございます。その内訳は二百十九億円が建設費でございまして運転資金が十八億円で、所要資金二百三十七億円のうち六十八億円は米国の市場で調達しております。その内訳を申しますと、社債が四十三億円、借入金が二十五億円でございます。それからそれ以外の百六十九億円は日本の国内で調達している。さらにその百六十九億円のうちの百十九億円は、約七〇%でございますが、日本輸出入銀行から融資しているのでございます。
#108
○北村暢君 いよいよ操業開始して、すでに製品は日本へ入ってきているわけですが、どうでしょう、これは国内の化繊用のパルプとの比較において、コストの問題から今後の見通し等において、相当競争してやっていけるという状態にあるのでしょうか、将来の見通し、どうでしょうか。
#109
○参考人(古澤潤一君) アラスカ・パルプは元来日本の化繊用のバルブを作ることを主たる目的にしておったわけでございます。計画といたしましては日本で十分それを消化し得るという計画だったのでございますけれども、たまたま製品が出て参りましたときに、その化繊が不況になっておりました関係上、もう少し安くしたらいいじゃないかというふうな問題が起きたために、会社は非常に当惑したわけであります。で、会社といたしましてはなるべく予定の価格で買っていただきたいのでありますけれども、化繊の方の都合もございましていろいろ交渉をされているようであります。詳しいことは私は存じませんけれども、化繊側といたしましても、やはり自分の必要な原料の供給を受けるために、日米協力で作った会社でございますから、何らかの妥結点に到達することだろうと存じますから、アラスカ・パルプの将来につきましては、私としてはそう心配してないのでございます。
#110
○北村暢君 この会社の製品はほとんど全部日本が買う、こういう目的でできたはずですね。従って製品が国内でさばけないということになると、これは大へんなことになる。しかも化繊用のパルプで高級なパルプですから、何でもかんでも間に合うというものじゃないのですね、コストの点から。従ってそういう点では化繊の現況からいって、どうも現在パットしない。国内の化繊そのものが輸出その他においてあまり好況とはいえない状態にあるわけですね。従って製品の輸出ということとの関係で非常に大きな影響を持ってくるわけです。ところが化繊は現在国内において操短をやろう、まあ最近の事情、特に私知りませんが、この第一回目の製品が入ってくるころは、全体からいえば操短をやろう、こういうような時期であった、特に国内の相当大きなメーカーである興国人絹等がもうアラスカ・パルプは使わない、国内の自分の製品でやる、こういうような事情もあって、なかなかこれはむずかしいのじゃないかということで心配をしておる。しかしこのアラスカ・パルプの相当部分の資金というものは輸出入銀行から出ているということになれば、これの興廃というものは非常に大きな影響を持ってくるわけです。でありますから非常に関心を持っているところなんですがね。大した心配ないということのようですから、そうかもしれませんが、どうもそうではなしに実際の化繊の業界を見ますと、そう安心したような状態ではないのじゃないかという感じがする。そこで問題は、やはりアラスカ・パルプのあすこで製品にして、パルプとして持ってくるものを予定価格よりも下げるということになれば、会社自身のコストの問題になって参りますので、そういう点からいえば、国内の人絹用化繊のパルプとの競争からいってコストを下げるということになれば、アラスカ・パルプの運営からいってそう心配ない状態にあるというようなこと、ちょっと心配になるわけです。従ってお伺いしておるわけなんですがどうでしょうか、そこら辺の事情はどういうふうな状況で、見通しはどのように……。
 それからまた日本国内だけで処理できないということになれば、ほかのアメリカその他へ持っていける余地はあるのかないのか。そのことはどんなふうに考えておられるか、そういうふうな点おわかりだったら。
#111
○参考人(古澤潤一君) アラスカ・パルプの株主は化繊会社が株主でございます。それから輸銀の融資につきましては化繊会社がそれぞれ保証しておるわけでございます。資金の回収上問題が起こるというようなことはまあないだろうと存じておるわけでございます。
 それから製品の価格につきましては、日本の製品に比べましてもちろん安いのであります。日本の化繊会社は日本の製品のパルプばかりでなくて、外国の製造会社からも製品を買っておるわけであります。そういうわけで、そういう面では外国会社との競争もあるわけであります。化繊としては少しでも安い原料をほしいものですから、会社に対してそういう要求をしておるのだろうと思うのでございますけれども、また一方においては先ほど申し上げましたように、これは成立のそもそもの話が米国と日本との間の話し合いで、日本のパルプ資源が足りないからアラスカの開発をかねて、アラスカのパルプ資源を利用したらどうかというようなことでできた会社でございますから、これは化繊会社としても私どもは協力を期待していいんじゃないかと、こう考えておるような次第であります。
 それからこの製品が日本で売れない場合はどうするかという御質問ですが、これは先ほどお話にもございましたように、この製品は全部日本へ持ってくるという建前だったのでございますけれども、現状においては日本の化繊会社で要らないというような化繊会社も出て参りましたので、全部消化する段階にはなっていないわけでございます。その場合にどういうふうにして向こうの会社が運営をやっていくかというような問題につきましては、会社の首脳部でいろいろと考えておるわけでございまして、化繊パルプ以外のパルプを作ってみたり、それから化繊用のパルプでも日本に持ってこない分につきましては、インドその他の諸国に人を派遣しまして、そっちの市場で消化するとかいうようなことも考えておるようでございますが、具体的に私の知っておる範囲ではインドに多少製品が出ておるという話は聞いておりますが、さらに中南米とか必要なところがあると聞いておりますから、そういったところから今後は見つけ得るものだと考えております。
#112
○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もございません。
 それでは昭和三十三年度決算中、北海道東北開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行関係の質疑はこれをもって終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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