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1960/04/21 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第22号
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1960/04/21 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第22号

#1
第038回国会 決算委員会 第22号
昭和三十六年四月二十一日(金曜日)
   午前十時二十四分開会
   ―――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           鳥畠徳次郎君
           野上  進君
           相澤 重明君
           北條 雋八君
   委 員
           川上 為治君
           木内 四郎君
           谷口 慶吉君
           野本 品吉君
           谷村 真治君
           大森 創造君
           木下 友敬君
           武内 五郎君
           奥 むめお君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
  政府委員
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部長 廣瀬 眞一君
  説明員
   会計検査院事務
   総局第五局長  平松 誠一君
   日本国有鉄道副
   総裁      吾孫子 豊君
   日本国有鉄道経
   理局長     山田 明吉君
   日本国有鉄道施
   設局長     柴田 元良君
   日本国有鉄道新
   幹線総局工事局
   長       宮沢 吉弘君
   ―――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
   ―――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、同じく特別会計歳入歳出決算、同じく国税収納金整理資金受払計算書、同じく政府関係機関決算書を議題といたします。本日は日本国有鉄道の部を三月二十七日の委員会に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○相澤重明君 副総裁にお尋ねしたいと思うのですが、国鉄の新五カ年計画と十一路線の答申についての取り扱い方、それにさらに加うるに東海道新幹線の工事、こういうことからいくと非常に国鉄は膨大な工事をかかえることになるわけですが、これらの問題についてどういうふうに処理をされておるのか、その方針を一つ御説明をいただきたい。
#4
○説明員(吾孫子豊君) 新五カ年計画につきましては、過般おかげさまで国鉄の運賃改定もお認めいただきましたので、これらの財源によりまして所期の通り私どもは万難を排してこれを実現し、現在国鉄が日本経済の発展のまさに隘路に至らんとしつつある、状況をすみやかに解消いたしまして、国全体の経済発展のお役に立てるようにいたす決意でおる次第でございます。
 それからお尋ねの十一路線の問題につきましては、これは今後政府当局にもお諮りをし、近く開催を予定されております建設審議会の御意向を伺いました上で、逐次取り上げていくようになるはずでございます。
 それから東海道新幹線につきましては、これもかねて懸案でありました世界銀行からの借款の問題も、近いうちに調印が行なわれる予定になっておりまするし、三十六年度におきましては相当本格的に工事が進行される見通しでございます。これまた私どもといたしましては、予定の期間内に完成をするべく全力をあげて邁進いたしておる次第でございます。
#5
○相澤重明君 そこで今副総裁から一番大きい概略的な御説明をいただいたのですが、お話のように国鉄の新運賃が国会できまりて、その翌日ですか、兼松常務が、いよいよ国鉄の工事等の問題で金が足りなくなる、来年はまた運賃を値上げしなければならぬ、こういうような新聞発表があったが、あれはどうなんですか、一つ説明をしてもらいたい。
#6
○説明員(吾孫子豊君) 兼松理事が新聞発表をしたということで、かなり大々的に各紙に伝えられまして、実は私どもも率直に申し上げましてがく然とした次第でありますが、よく事情を聞いてみましたところ、別に兼松理事が改まって新聞発表をしたというようなことではございませんでした。たまたま運輸省の建物の中にあります記者クラブに彼が参りました際に、いろいろ話が出ましたので、そのときに新聞記者の方からいろいろお尋ねのあったことに対してお答えしたのが、まあああいうような形で大々的に報道された次第でございました。中身といたしましては、大体新聞記者諸君から重点を置いてお尋ねのあったのは、一体今度の仲裁裁定で国鉄職員のベースアップのために新たに二百億からの財源が要るようになったではないか、それは一体国鉄はどうするつもりなのだと、こういう点が重点になって質問なされたわけであります。それに対して、この二百億の仲裁裁定が出たということは、これまた正直に申し上げて国鉄がかねて予想しておったよりもだいぶ高いものであって、所要財源も非常に予想外に要ることになったからこれは大へんだ。大へんだけれども、しかし仲裁裁定というのは、政府もこれを完全に実行なされるということを御表明になっておられまするし、国鉄当局としてももちろん仲裁裁定には拘束をされる立場でございますから、やらなければならない。それをやる財源については、それじゃ三十六年度予算にそれだけのものが計上してあるかと申しますと、三十六年度の過般の国会を通りました予算の中には、そういうものは計上してございませんので、結局これがために必要な財源というものは、新たに補正予算を組んでいただくということでお願いをしなければならない。その場合の補正予算がどういう形になるかということは、まだ最終的に御決定願ったわけでもございませんので、むろん国鉄当局としてあの兼松君が質問を受けた段階において、明確なことを申し上げられる段階ではなかったわけでございますけれども、大体の考え方といたしまして、結局その場合の財源はいろいろなところから、かき集めることになるであろう。一つは予備費、これは本来三十六年度予算に計上してございます予備費の一部分をまず充当する。それから経営費の中の退職金に計上してございます予算を、退職金を一部そちらの方に回す。しかしそんなことではもちろん足りませんから、さらに思い切った経営の合理化というものを一段と強化して、足りない資金を捻出しなければならない。そのほかに、それだけでできるかといえば、それでもできませんので、どうしても足りない部分は、さらに借入金を増加していただくというような方法が講じられない限り、肝心の工事経費の方の予算に食い込むことに結果的にはなるおそれがありますので、借入金をある程度増額していただかなければなりますまい。その借入金を増加していただく方法については、これから政府の方とも御相談をいたしまして、最終的にきめていただくことになると思うのでございますが、どういう形になりますか、とにかく借入金を増していただく。それでもまだ足りそうもない、それは通常の場合でございますと三十五年度の決算において、利益金が出た場合には、その利益金というものは、これは三十六年度には使用できませんので、三十七年度の予算の財源に充当されることに建前上なっております。その三十五年度の決算というのは、御承知のように六月か七月になりませんとはっきりいたしません。そのときの決算の見込みでかれこれ五十億を少しぐらい上回る程度の利益金が出てくるのではないかと思われる。その予想される利益金は、本来であれば三十六年度の予算でそれを支出を認めていただくということはできない建前だけれども、こういう際であるから、三十七年度の財源に本来であれば回されるべき、予想される利益金を、三十六年度において支出できるように補正予算を組んでいただく場合には、御処置を願うことにしたい。それやこれやいろいろかき集めれば、何とか三十六年度のベースアップの実行だけはできるのではないか。しかも肝心の新五カ年計画の工事経費というようなものに影響を及ぼさずに、三十六年度だけはどうにかそうすればやっていけると思うのだ、こういう説明をしたそうであります。
 なお、その際に、三十六年度はそれじゃできるかもしれないが、三十七年度以降はどうなんだという話も当然出たのでございまして、そういう際に、三十七年度以降はほんとうになかなか大へんだということを申しましたところ、それじゃもう一ぺん運賃の改定というようなことをまたお願いしなければならぬ、というようなことになりはしないのかと言われて、いや、それは今まで総裁、大臣も答弁もしておられるし、運賃の改定というようなことは、とてもそれは当分できることとは思えないと言われ、その上にさらに、一体定期の割引率なんというものはもう一ぺん考え直さなきゃならぬというようなことになりはしないのか、まあ、多分に誘導尋問的に聞かれたことは事実のようでございます。まあ、兼松財務担当の理事としては、非常に苦しいことは事実でございますから、いや、そういうことも考えなきゃならないかもしれない、それほど苦しいのだ、こういうようなことを、そういう意味にとれるように言った模様でございます。それが、何か国鉄当局で定期の割引率をさらにまた改定することを考えておるんだ、というようなふうに新聞に報道せられましたけれども、そういうようなことは私ども現在何も考えておるわけではございませんので、兼松理事が話したことが新聞に出ましたいきさつは、ただいま申し上げましたようなことでございまして、特に当局が新たな方針をきめてそれを発表したとか何とかいうことではございませんので、いずれ補正予算ということも国会で御審議願うことになるであろうから、その場合の何と申しますか、事前のある程度の予備知識を新聞記者の方々にもわかっておいていただく必要があるというような気持で、解説的に彼が話をいたしましたことがあのように新聞に出たわけでございまして、本人も、非常に大きく新聞に取り扱われましたことにつきましては、恐縮いたしておるのでございますが、私どももよほど今後とも言動を慎む必要があるということを痛感いたしておるような次第でございます。
#7
○相澤重明君 今の副総裁の話を聞いておると、結局新聞記者会見におけるニュアンスの問題のようにとれるわけです。新聞記者諸君が次から次へと誘道尋問をしていったので、結局はほんとうの腹を出した。ところがそれがほんとうということを言われたら困るから、そういうことじゃなくて、苦しい説明をしたんだという、そういうふうにもとれるわけだね。まあ、新聞記者諸君がどう受け取ったかということは、主観の問題で確かに言いわけはできるかもしらないが、しかし国民感情としては、この運賃値上げをしておいて、そうしてその値上げがきまったとたんに間髪を入れず、運賃を値上げをするぞというようなことを言ったということは、まことにけしからぬ印象を与えておる。そうすると、いかに副総裁が国会では低姿勢に答弁をしても、うちへ帰れば、やるぞというようなことを大段平を振り上げたような形が常務の方から出ておる。こういうようなことでは全く国鉄の幹部の信頼性というものを私は失うと思うのだ。そういう点について、新聞記者発表について、それでは総裁、副総裁はどういうふうにこの新聞記者諸君の印象を直して、国民に、そういうことではなかったという印象を与えるような機会を作ったのですか。いつどういうこころでそういうことをやりましたか。
#8
○説明員(吾孫子豊君) 兼松理事が記者クラブで話をしたその当日、それからしばらく時間をおきましたあとで、総裁の定例記者会見がございまして、その際に総裁はもちろんそのときには兼松理事が記者クラブで何か話をしたということは、何にも知らなかったわけであります。それで、まあ新聞記者の方からこの同じ問題について質問がありました際に、総裁としては、もちろんまだ補正予算等について政府案その他もまだきまっておらない段階でございますから、国鉄は裁定の完全実施ということについては万難を排しても努力をするつもりである、しかし非常に苦しい、どうしたらいいか苦慮しておるところだというようなことしか、総裁は申しておりません。
 その翌日あの新聞を見まして、私どももびっくりいたしたようなわけでありまするが、その後私どもといたしましては、あすこに、新聞に特に私どもとして気になりましたのは、何か剰余金というような表現で書かれましたので、いかにも何か隠しておった特別の余りがあったのかというような印象を、国民の皆様がお受けになったのではないかというふうに思われましたので、その点について先ほど御説明を申し上げましたような性格のものであると、従ってああいうような何か剰余金があったとか、隠し金があったとかいうような性格のものとは違いますということについて、私の方の担当の広報部長から記者クラブの方へよく御説明は申し上げたのでございますけれども、もう一ぺんああいうふうに大きく取り扱われて出た記事の影響というものは、あとの説明はまあ俗に申すあとの祭りのようでございまして、御説明は申し上げたのでございますけれども、出てしまったことは何ともいたし方ない。それでこれ以上誤解を起こすことのないように、部内の国鉄の建物の中に置かれております記者クラブに対しては、よく御説明を申し上げておりまするし、それから関係の大きな新聞の、おもだった新聞のたとえば論説をあずかっておられるような方々に対しては、事柄の性格はこういう次第でございますということを御説明申し上げてございます。
#9
○委員長(佐藤芳男君) 間もなく本会議が開かれますので、委員会の質疑は午前はこの程度とし、午後一時より委員会を再開することにいたしたいと思います。
 これにて休憩いたします。
   午前十時四十四分休憩
   ――――・――――
   午後一時十四分開会
#10
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を再開いたします。午前に引き続き、日本国有鉄道関係の質疑を行ないます。御質疑を願います。
#11
○相澤重明君 午前中吾孫子副総裁から御答弁をいただいたわけでありますが、特にお互いに口をきくときに気をつけて、あまり利用者の反発を買わぬようにまあやりたいという、まことにけっこうな話だと思う。やはりそういうふうに幹部の方が考えて下さることは私たちも大賛成で、そこで具体的にこの五カ年計画について、まあ一兆億にもなろうとする予算を投入するわけですから、資材の購入とかあるいは計画を遂行するための人員等、そういうようなものについてどういうふうに今計画されているのか。その一点一つ副総裁から御説明を願っておきたいと思います。あと運輸大臣も衆議院の本会議がありますから、先にあなたの方終わったら運輸大臣の方の御質問を行ないたいと思うんです。五ヵ年計画についての一つ副総裁から御答弁願いたいと思います。
#12
○説明員(吾孫子豊君) 新五ヵ年計画遂行につきましての、資材及び要員の関係について、どういう考えでいるかというお尋ねでございまするが、まず、資材関係につきましては、これは実は現在やっております五カ年計画、これは昭和三十二年からちょうど三十五年度まで四年間やったわけでございますが、この間におけるおもな資材の値段の変動を見ますと、木材だけが非常にいろいろな事情から高くなっておりますが、それ以外の鋼材でありますとかセメントでありますとか、あるいは石炭でありますとか、石炭のごときは国の政策の関係もあって値下がりをだいぶしております。そういうような関係で、全体を見ますと、木材関係を除きますと、横ばいが四%ぐらい私どもの方の計算では下がっておりますので、今度の新五カ年計画におきましても、全体としての物価についてはそう大きな変動はないものと、大体横ばいということでものの値段の方は考えておるようなわけでございます。
 それから次に要員関係につきましては、東海道新幹線工事等の関係で若干の増員は必要でございますけれども、これまた過去の五カ年計画におきましても全体としての要員はふやさない。内部の業務の合理化、並びにその合理化による配置転換ということで、必要な場所に必要な人員を充員していくというやり方で今までやって参りましたし、今度の新五カ年計画におきましても、できるだけ増員というようなことはなしに、現在の定員のワクの中で操作をいたしまして、頭数をふやさないようにやって参りたいと思っております。
 また、投資計画そのものにつきましても、できるだけいわゆる近代化、機械化等を行ないまして、今まで相当人手をかけておったような仕事も、少数の人間でやれるような建前に変えていくという、そういう点に重点をおいた投資をいたしまして、全体の人員をふくらまさないで済むように処置をいたすということで計画をいたしておるのでございます。
#13
○相澤重明君 運輸大臣にせっかく御出席いただいておるし、衆議院の本会議の関係もあるので、運輸大臣から先に一つお答えをいただきたいと思うんですが、先月の当委員会で、日本港湾労働組合連合会、日港労連、これの港のストについて、三月十三日でしたか、御質問申し上げたんですが、それに続いて十五日の日に関係業者の代表者会議があるからその経緯を見てと、こういう大臣が答弁をされたわけですね。その結果どういうふうになったのか、御報告を一ついただきたいと思う。それは私がそのときに御質問で申し上げたのは、昨年荷役公示料金が、全港振なり関係者は二・三%の値上げをしてほしいといったのを、当時の運輸省で五%に値上げを押さえたわけです。その結果、荷主あるいは船主の人たちのそういう強い意見が五%というものに押さえたけれども、全港振なり労働者にはそれがはね返って非常に低賃金で押さえられる、あるいは低料率で経営をしなければならぬ、こういうことであるから、これは運輸省が少なくとも中に入って良識ある方向というものをとらすべきじゃないか、というのが私の第一の質問だったのですね。それでもしそのことを放任をしておくと、第二のストライキが起きてあまり好ましくない影響を内外に与えるのではないか、こういう御質問をしたわけです。ところが不幸にして四月十一日の日に百四十三隻ですか、港に船がとまったわけだ。その翌日私は参議院の社労において、石田労働大臣にそのことで緊急質問いたしたわけです。そうしたところが石田労働大臣はそれは大へんなことであるから、今後なお続けられるようではいけないから、木暮運輸大臣の管轄下ではあるけれども、運輸大臣に閣議の中でよく相談をして報告を求めます、閣議で報告を求めます、私の方からもそういう御連絡をいたします、こういう石田労働大臣は私にまあ回答をしたわけなんです。それによって中央で話し合いが持てて、そしてこの港の船がとまらぬように努力しましょう、こういうことで閣議の御相談を実は私ども待っておったわけです。日港労連はきょうあすと、四月二十一日、二十二日と、二日間、四十八時間ストをやるつもりなのを、そういう閣議の非常な努力をされているということを見込んで、ストを中止しているわけだ。きょうは中止しているのです。だから石田労働大臣が閣議の中でそういうふうに努力もし、木暮運輸大臣も非常に努力をしているということを伝え聞いて、これは船主なり荷主の諸君も中央交渉をやろうということをきめたそうですね。だから今やこの平和交渉に入ることになったわけですから、この際上手をやらぬとせっかく閣議の中で努力しようといったことが、実を結ばぬことになるわけですね。そういう意味で運輸大臣の責任は非常に私はこのところ重要になると思うのですよ。日本の港湾における京浜あるいは横浜、名古屋、神戸、大阪等の大港でストライキが行なわれたために船がとまってしまう。荷役がストップする、こういうことは非常に大きな問題ですから、そういうせっかくいい条件が今できつつあるのだから、この際公示料金の問題についても運輸大臣が積極的に私は取り上げていくべきだと思う。そういうことについて閣議におけるあなたのお考えをどういうふうに話をされたのか。それから代表者会議に運輸省の態度はどう処置をされたのか。その二点について一つお答えをいただきたいわけです。これはもう前回からの続きですから……。
#14
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま御指摘のようにこれは三月の六日でございますか、基本給一律五千円賃上げと、それから年末年始の特別有体休暇、日曜祝祭日の完全休日、船内作業員の休憩所及び施設の完全になることを申し入れる、というようなことが三月の六日にございまして、その後いろいろ港湾の運送事業者の方々といわゆる日港労連の方で交渉をなすったんですけれども、話し合いがつかなかったために、多分四月の十一日と思いまするが、東京と川崎と横浜と神戸の四つの港におきまして二十四時間ストが行なわれました。その結果百十九隻の船の荷役がとまって、大ぜいの人たちがこのストライキに参加したという事態が起こったのでございます。その間大阪の方は大体三千円、名古屋は二千円というような賃上げを労使間で妥結を見ましたものですから、幸いにして大阪と名古屋ではストライキはございませんでしたが、ただいま申し上げた四つの港でストライキがあったわけでございまして、この事態のきわめて重要なことを閣議でも報告をいたしまして、その後労働省と緊密な連絡をとりまして、こういうことの起こりませんようにいたしたいものだというふうに実は話し合いを労働大臣ともいたしたようなわけでございます。ただいま御説明がございました通り、その後はきょう二十一日に二度目の四十八時間ストを予定しておったのでございますけれども、港湾の運送事業者の方の方々が労働組合の方々と交渉に応ずるために、中央に新たに団体を作りまして、いわゆる日港労連の傘下の組合員を雇う事業者によりまして、全国港湾荷役事業者協議会というものを結成いたしまして、二十一日の午後二時から交渉を行ないたいという積極的の申し入れを行ないましたために、きょうに予定いたしました第二波の四十八時間ストというものが幸いに延期となりましたことは、これは非常に当面の問題としてはけっこうでございますが、しかしあとに問題が残っておるのでございます。いわゆる全港振と申しまして、全国の港湾荷役振興協会という、労務者を使って港湾において運送をいたしておる事業者の団体がございますが、この方の人たちは現在の料金ではとうてい日港労連の五千円賃上げという要求には応ずることはすこぶる困難だということで、この両者の争いが始まったわけでございまして、その後この全国港湾荷役振興協会という事業者の団体が寄り合いまして、料金を上げるということをこの間内定をいたしたようなことを聞いたわけでございます。しかしながらこれは御承知の通りに、運輸大臣の認可による料金ではございませんで、この運送事業者の団体から原価計算をつけまして、運輸大臣に対して届出をいたしますと同時に、一方、一般にわかるように公示をいたすことによって、その料金を一般に通用させるという、いわゆる届出公示主義とでも申しますか、認可によらない料金であるのでございまして、この場合に船会社であるとか荷主の団体であるとかいう、運送事業者の料金の改定というものに利害関係を持っている人たちが、反対である場合には運輸大臣に対して、これは高いから何とかしてくれというようなことを言うて参りましたときに、初めて運輸大臣としてはこれを取り上げて、そうして運輸審議会にかけて、初めて運輸省の問題となるという実は性質の料金でございまして、先般閣議で抑制をすることを決定いたしました公共料金とは、少し性格の違うものでございます。
 そこで、先般も労働大臣とも話しまして、労働省には、これは法律による機関ではございませんけれども、訓令によりまして昭和三十一年に労働省の中に港湾労働協議会というようなものができておりますので、労働大臣もこういうものにでも一つの相談をしてみて、なるべく円満に妥結するようにいたしたいものだということを言って御努力になっておりまするような次第でございます。
 運輸省といたしましては、ただいま申し上げましたような運輸大臣に届出ということになっておりますので、これが公示の一定の――一カ月でございますか、期間中に利害関係人から異議の申し立てがあった場合に、運輸大臣が必要と認めましたときには、延期命令を出して、運輸審議会に公聴会を開いて、そうしてこれが適当であるか、あるいは不適当であるかということを判断することができる、こういうことになっているわけでございまするが、現在のところ、運輸省といたしましては、港運業界のつまり労務者の方を使って、運送の事業を営みます企業の経営の状態が、どういうふうになっているかということなどにつきまして十分検討いたしまして、物価に及ぼす影響などをも勘案して、料金の改定については慎重なる態度で臨もうと考えているわけでございまして、まだ、ただいま届出がありまするわけでもございませんで、いろいろ交渉をしている最中でございますが、私どもの方としては、ただいま申し上げましたような、この料金に対しては受け身の形をとっているというのが実情であるのでございます。
#15
○相澤重明君 運輸大臣の経過報告をお聞きしたわけですが、私の最も要望したい点は、労働問題だから労働省、運賃問題だから運輸省、こういう各個ばらばらではいかぬと思うのですね。今御説明をいただいたように、たとえば港湾労働協議会があっても、両省の意見というものをその中に十分反映できるようにしなければ、ばらばらになってしまう。だからこういうことでいくと、結局内外に与える影響というものは大きくなる。港湾ストというものは国際的にも影響を与えるものなんですから。ですから私どもとしては、せっかく政府が努力をするんなら、それがよい実を結ぶように、そうして業界自体も被害をなるべくこうむらぬように、ストライキが行なわれないように、これはやっぱり指導というか助言というか、そういう面に努力をすべきだと思う。長引けば長引くほど、これはやっぱり労使の間で、お互いに――政府は一体どう考えているだろう、こういうことで政府の腹を探るだけで、結局はじんぜん日を送るということになってしまう。今のお話を聞いていると、運輸大臣のお話では大へん努力のあとも見えるので、私も運輸大臣を一つ信頼をしていきたいと思う。思うのだけれども、解決のめどを、この次の中央交渉――きようやっていますね、その中央交渉が決裂をしちゃって、また第三波第四波というものが次から次へと組まれて、そのときになってあわてても私は追いつかないと思うのですよ。そういう意味で大臣にお尋ねをしたのだから、全国の業界の人たちもすでに腹がきまっておるようですから、そのことについては十分一つ融資態勢というか、業界については適正な料率のものを見てやる。そうして労働者の生活賃金についても適正な賃金を出させるように。これはやっぱり現時点における解決策だと私は思う。そういう意味でお尋ねをしたのでありますが、この点は一つなお一そう努力をしてもらえると思うのですが、一応のめどをあなたはいつごろまでにお考えになっていますか。それはどうでしょうな。
#16
○国務大臣(木暮武太夫君) まことにごもっともなお尋ねでございまして、こういう港湾荷役の労務者のストライキというものが日本の海運界に及ぼします影響というものは、非常に大きなものであることを痛感をいたしておる次第でございます。ただ、ただいま申し上げました通りに、一方におきましては船会社、それから石炭会社であるとかその他の荷主団体もございますので、これらの人たちも非常な利害関係を持って、いわば三つどもえになっておる、これは問題でございます。それですから、いつごろまでにこういう解決ができるかといういうような見通しをここで申し上げるということは、きわめて事態の性質上困難とは存じますが、しかし事がきわめて重大でございますので、運輸省といたしましても、港湾の運送事業者の団体あるいは労働省の係の人などと緊密な連絡をとりまして、一方また、港湾の荷役料金というものが、物価に及ぼす影響というものも相当あることを心配さるるような事情もございますので、関係の人々ともよく緊密な関係を終始とりまして、事態が悪化いたしませんような線で一つ解決をいたすように努力をいたしてみたい。実際問題とすると運賃料金の問題だけにつきましては、届出がありまして荷主の団体、船会社等の利害関係者がこれに対して異議を申し立てて、初めて運輸省としてはこれに乗り出して、その妥当性を研究して運輸審議会にかけ、公聴会にかけるということが普通の法律上の手続でございますけれども、しかし行政指導の上におきまして何とか争いの発生いたしませんようにいたすということも、またわれわれに課せられた責任であるように考えますので、よく労働省とも緊密な連絡をとりまして、事態の推移を見守りながら御趣旨に沿うて努力はできるだけやってみたい、こう考える次第でございまして、決して今後も問題が運輸省に移ってからは法律的の手続だけをとって、もって能事終われりというような冷たい考えを持っておることでないことだけは、一つ御了解を願いたいと思います。
#17
○相澤重明君 運輸大臣の大へん誠意のある答弁で私はけっこうだと思います。
 ただ十九日の日も当委員会で農林省の輸入食糧の問題について私も一、二例をあげたのですが、船主、荷主の場合に全港振やあるいは労働組合の人たちと意見の違うところが大へんあるわけです。特にこの輸入食糧の扱い算については神戸の食糧事務所の汚職問題が出て、これは船主、荷主とつうつうでもって非常に問題が起きたことは、あるいは大臣も御承知だと思う。この点は時間がなかったから私もあまりそういう問題については申し上げなかったのだけれども、実際にはこの船主、荷主関係と今度はそうした下請けといいますか、あるいは直接そこに働く人、こういうような場合はきわめて明瞭に数字が出てくるわけです。私もいろいろそういう資料をとっておるわけです。ですからこの際私はやはり日本の海運業界が外国と競争をして負けないような形で、しかも日本のこの前時代的ともいわれるような荷役労働者が、やはり近代的な労働者になるように指導をしていく、こういうことは私は政府の責任でもあると思うのですよ。そういう意味で申し上げたので、この日港労連スト問題については運輸大臣の誠意を私は買って、質問はこれで終わりたいと思います。
 そこでその次に、今少し時間いいですか、大臣。
#18
○委員長(佐藤芳男君) 二時まで。
#19
○相澤重明君 では今一つお尋ねをしておきたいのは、この間の決算委員会で今衆議院に上程をされようとする国鉄の借入金に対する利子補給、このことについてはあなたから前進をした御答弁があった。そのときに私から現在までの国鉄の借入金というものはどのくらいであるのか、それからその利子というものはどのくらいか、昭和二十七年以来新線開業した線区に対しての赤字はどのくらいか、こういうことで大体四十五、六億がいわゆる新線開発に伴う赤字である、こういう御説明を事務当局からもしてもらったわけです。それについてさらに国鉄が今政府に納めておる固定資産税は幾らか、今年度はどのくらいになるのか、こういうことを御質問したところが、大体八十億くらいだろう、こういう御答弁をいただいた。これは速記録に全部載っているのですから。そこでとにかく四十五、六億、五十億近いものが新線開発に伴う赤字、そしてことし以降の借入金に対する利子補給はできても、それ以前のものはできない、こういうことで、それに対して運輸大臣はどう対処するのかという私の質問に対して、大体固定資産税に見合うくらいのものを何とか努力する、こういうようにあなたからお答えをいただいたわけですね。従って、その努力を私は買っているのだが、その後国鉄と具体的にそういうような問題について、お話をされたことがあるのかどうか、これは一つ監督大臣としてあなたのお考えを聞かしてほしい、そういう点はどういうふうに作業を、国鉄に数字をはじかしてこのくらいの程度は一つ自分は国務大臣として今後努力していきたいと、こういうようなものについてお話をされたか、一つお聞きしておきたいと思う。
#20
○国務大臣(木暮武太夫君) まだ具体的には、国鉄当局と、そういう事務的の打ち合せやなんかはいたしておりませんわけでございますが、国鉄の経営の健全性を保持しながら、国家の要請する公共負担をやるということが、国鉄の独得の性格のいわゆる高度の公共性から出ることは、御承知の通りでございますけれども、しかしあまり独立採算制から見て国鉄が総体として赤字が多く出るようになりますれば、いかに国家の要請でも、いわゆる公共負担というものをする力が乏しくなることを、私はおそれているわけでございます。現在の程度の問題になります公共負担でありますれば、国鉄全体としてみて今の経済の上から見れば、この程度は国鉄の公共性から見て妥当であるというふうに考えている次第でございまして、その公共負担の中の一部分が新線建設による赤字という形で現われて出るわけでございます。
 今の具体的な事務的ないろいろそろばんをはじいて国鉄と話し合いをするというようなことは、まだ私としてはいたしておりませんけれども、これは国会中で委員会へ出ていろいろ御答弁をしたりなんかする方が、御承知の通り忙しいものですから、そういうような落ちついた仕事は今の国会中ではなかなかできないものですから、いずれそういうことについてもよく国鉄と事務的にも、鉄道監理局の役人を通じて、十分な検討はいたしてみたい、こう考えている次第でございます。
#21
○相澤重明君 先ほど午前中大臣がお見えにならなかったので、吾孫子副総裁からお答えをいただいておったのですが、一昨年十月の新路線十一路線の建設についての答申が出ているわけですが、この十一路線を全部建設すると四十億の赤字になる、これは答申に出ている。これは今までの二十七年開業して以来の借入金あるいは赤字というもの以外に、新しく十一路線を建設すれば四十億の赤字になる、こういうことです。これについては副総裁は今後国鉄の立場から十分検討をして、そして必要があれば審議会にもおかけをしなければならぬだろう。しかし趣旨としては建設審議会の答申は尊重していく、このことについては変わりはないという御答弁だった、私もその通りだと思うのです。この前申し上げた通りそれは変わりないと思う。そうするとやはり赤字の累増ということが出てきますね。これが二つ目。
 それからやはり同じく午前中副総裁から答弁をいただいたのですが、先日公共企業体関係職員のベースアップが行なわれたわけです。公労協のいわゆるベースアップが。これによる二百億の資金を必要とするというので、実は運賃の値上げがきまったとたんに、兼松常務が、どうもこれじゃ足りないから、また来年運賃値上げするんじゃないか、こういう新聞記者の会見で話をしたということで、それはどうかということを副総裁に聞いたわけだ。そうしたら副総裁は、真意というものはそうでなくて、むしろ兼松常務に対する新聞記者諸君の根掘り葉掘り、微に入り細をうがった質問がニュアンスの関係でああいうふうな記事になったんだろう、これは大へんなことであるからということで、国鉄としては十河総裁も吾孫子副総裁も新聞記者諸君にも、よく内容を理解してもらい、国民に疑惑を持たれぬようにさっそく手を打った、こういうことであるが、運輸大臣は一体このベースアップが行なわれたから、今度はその運賃を来年さっそく値上げをするという考えを持っているのかどうか、これはやはり重要な問題だからあなたからお答えを願っておかなければならぬ。いかがでしょう。
#22
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、御指摘になりました先般の国鉄の兼松常務理事の話でございますが、私もあの新聞を見まして直ちに翌日国鉄の人に来てもらいまして、いろいろ事情を聴取いたしましたのですが、午前中おそらく吾孫子副総裁からお答えをしたことと存じまするが、決して兼松理事が新聞に取り上げられたような意味のことを言ったことでないことを確認をいたしましたわけでございます。もちろん私といたしましては、先ほど来衆議院においても参議院におきましても、今回の四百八十六億円の増収を目的といたしまする、国鉄運賃改定法案を御審議される両院の委員のお方々のいろいろ御意見等をよく拝聴いたしましただけに、運賃改定というものには非常な反対、抵抗があることを身をもって体験いたしました。こんなむずかしい問題をまたやろうなどというようなことは、とうていこれは私でなくても、私の地位にあった者は考えられる事態ではございませんで、また今回の運賃改定というものが本年度を起年といたしまして新しい五カ年計画の財源として、四百八十六億という運賃改定の御審議を願い、御可決順いました筋合から申しましても、その中間において財源が足りないからまた運賃改定をするのだ、というような無計画なことを言うべきはずはございませんので、運賃改定などというようなことは先ごろの御審議の経過を顧みても、またその筋道から申しましても、今運賃改定を給与ベースの引き上げ、あるいは仲裁裁定があったからやらざるを得ないということは、私どもは毛頭考えておりません。ただ兼松理事が申したことは、鉄道のふところ工合が非常に苦しいということを、自分が財務の関係で切実に感じたものですから、そういうようなことに言葉が走ったようにも考えられますが、なんとしてもそういう意思のなかったことだけは私が問いただして確認をした次第でございまして、どうぞこの問題につきましては、そういう意思が運輸省においても国鉄におきましてもございませんことを一つ御了解を願いたいと思う次第でございます。
#23
○委員長(佐藤芳男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#24
○委員長(佐藤芳男君) 速記を起こして下さい。
 運輸大臣は他の用件もおありのようでございまするから、本日は運輸大臣の御退席を願って差しつかえないと考えますから、御退席を賜わりたいと思います。
#25
○相澤重明君 次に国鉄当局からお答えをいただきたいと思うのですが、この第二次修正五カ年計画を作って、先ほどの資材の購入とかあるいは要員計画あるいは投資計画はどうか、こういう御説明をいただいたわけですが、国鉄の部内における車両工場等について何かいろいろなうわさが出ておって、職員も非常に気にしているわけでございますが、現在の工場を縮小したり廃止したりする考え方を持っているのかどうか、この修正五カ年計画あるいは十一路線の建設、新東海道線の建設というたくさんの仕事をかかえながら、他面においてそういうお考えがあるのかどうか、一つ副総裁からお答えをいただきたいと思うのです。
#26
○説明員(吾孫子豊君) 今回の新五カ年計画の骨子は再々申し上げておりますように、幹線に重点を置いた輸送力増強ということが中心でございますが、同時に全体の近代化ということをうんと促進したいと思っておるわけでございます。その近代化の中核は、何と申しましても、ただいままで動いておりました蒸気列車を電気機関車にかえるとか、あるいはディゼルカーにかえるとか、そういうことが中心になっておりますので、国鉄が今全国各地に持っております車両修繕工場は、国鉄の動力の近代化あるいは車両の近代化ということが行なわれて参りますと当然それに並行していろいろ新しい時代に合わすような処置を必要として参ります。そういったような関係で、できるだけ能率的に、でき得れば数少ない工場で十分な能力を発揮するようにしむけて参りたいと思いますので、全体の大きな方向といたしましては、今ほどたくさんの工場を全国に置いておく必要はなくなるのではなかろうか、またもっと少ない工場でやれるように進めていくのが、諸外国の鉄道の近代化、合理化の傾向から見ましても、私どもとして当然考えなければならないことではなかろうかと思いますので、部内でもいろいろ検討もいたしておりまするし、また関係の委員会等を作りまして、部外の学識経験者等の御意向も伺いまして、いろいろ検討を続けていきたいと考えておる次第でございます。
#27
○相澤重明君 今のお話だと、新しい設備あるいは近代化、こういう名のもとに、全国にある二十七工場というものは、あるいは改編しなければならぬかもしれぬ、こういう説明だと私は理解をするわけですね。そこでそういう場合でも修繕というものは一日でも休むということはできないと思うのです。多くの車両をかかえておるのだから、あるいはそういう建設もしなければならぬと思うのですが、副総裁の御答弁をいただくと、国鉄の工場がそういう改造をしたりあるいは一部は統廃合をする、解消するということになれば、民間にそういうものを出していく、そういう考えですか、民間に修繕等も委託をする、こういうようなことまで考えておるのかということなんですか、その点いかがでしょう。
#28
○説明員(吾孫子豊君) それは必ずしも、現在国鉄の自家工場でやっております二とを、直ちに民間に業務を委託するとか何とかということは、必ずしも意味しないと思います。ただこれは先ほども申し上げましたように、蒸気機関車というものはなくなって、電気機関車でございますとかディーゼル機関車でございますとか、そういうふうに車の種類自体も変わって参りますから、それに応じてやはり工場の仕事のやり方も変わらなければなりませんし、また工場だけでなしに機関区でございますとか、そういうようなところでも、やはり車が新しくなってくることに応じての改編ということは、当然やらなければならないことでございまして、それらの車の修繕その他について、それは場合によっては部外に委託した方が経済的でもあり、能率的でもあるというようなものが出て参りますれば、そういうことも大きな意味の合理化の一環として考えることになるかと思いますけれども、今直ちに鉄道工場でやっております作業を外注に出すとか何とかというような具体的なことは、今のところ考えておらないのでございます。
#29
○相澤重明君 その、今のところ具体的に考えていないということはわかりました。それはいいけれども、基本的な国鉄の考えが少しどうも甘いのではないかと私は思うのです。それは過去において電車、客車の製造作業というものを民間に委託をしたこともある、あるいは車両の外注ということもやっておる、こういろいろ今までのことを見てきて、はたして国鉄のそういう事業に対してかかる費用というものが、国鉄が従来持ってきた工場等で作った場合とどのくらい違うのか、あるいはそういう作業を行なった場合にどういうふうにコストが下がるのかどうか、こういう点を見ると、どうも私どもにはその点が納得がいかないわけです。ましてや、全国の二十七工場を持っておって、近代化はわかりますよ、私は、それに伴う新しい車両に対するところの設備をしていく、これはもう当然のことです。これはいいが、やはり相当の資産というものはこの中には投入をしておるわけですね。従って、簡単に統合とか廃止ということは、私はなかなか出てこないと思う。内部の施設の改善ということは、これは当然だと思う、近代化に伴う。そういう面からいくと、どうも趣旨が、何か外部へ頼めば安くできるんじゃないか、仕事がはかどるんじゃないかというような考えが基本に流れておるのじゃないか、こういう私は心配をするのですが、そういうことじゃないんですか。私の心配は杞憂ですか。それとも副総裁、やはり一貫して外部へすべて落としていくという基本方針で今後進んでいくということなのか、その点いま少しあなたの考えを明らかにしてもらいたい。実際はあなたが中心なんだから、国鉄をしょって立つ者がどういう計画、方針というものを持っておるかということを聞いておかぬと、私どもなかなか大へんなことだと思うので、一つ副総裁の意見を聞かしてもらいたい。
#30
○説明員(吾孫子豊君) 私ども決して何でもかんでも仕事を外注に出せばいいのだなどというような、そういう考えでやっておるわけではもちろんございませんので、やはりそれは部分的にいろいろな仕事を外注に出すということを従来もやりましたし、今後もやらなければならぬと思っておりますが、その場合には個々の仕事の中身につきまして十分検討をし、また経済計算もいたしまして、国鉄が自分でやるよりは外注に出した方が経済的にもコストが少なくて済むし、また従業員の作業の内容としても、そういう仕事をやるよりは、むしろもっとより高度の仕事をやってもらった方がいいというようなものもございますし、それらの点をいろいろな角度から検討いたしました上で、それぞれの職場についてきめることでございます。まあ、実際問題といたしまして、私どもが外注に出すのが適当だと思っておりますような仕事はどんなものかといいますと、まあ、その仕事の作業の内容が比較的単純な労務でありまして、それほど専門的な技術も必要としない、まあ外注に出しても十分その仕事の中身もこなせるし、またそういう仕事に国鉄の従業員を必ずしも充てる必要がない、一番手っ取り早い例を申し上げれば、庁舎の中の掃除でございますとか、エレベーターを動かすこととか、そういうようなことは何も比較的平均給料の高い国鉄従業員を充当しなくても、外部に委託しても十分間に合うことでございますので、そういうような、これは一つの例でございますけれども、全体の職場についてそれぞれの仕事の中身を十分検討いたしまして、これはいろいろな点から考えて経済的でもあると、また全体の能率向上にも意義があるというようなものを選んで外注に出すというふうに考えておる次第でありまして、今の仕事を原則的に切り離せるものは切り離して外注に出すのだというような、そういうような考え方でやってきたわけでもございませんし、今後もそういうような考え方はいたさないつもりでおります。
#31
○相澤重明君 まあ副総裁が今の説明をしておるように、現在の工場についてどうするかということについては十分検討をするというのだから、まあそれに待ちたいと思うのだけれども、私はこの国鉄の投資したものは相当莫大なものであるから、軽々にこういう問題についてやるべきではないと、十分検討した後で、そうして国鉄の近代化に即応できる体制をとるというのが、やはり国鉄首脳部の皆さんがやるべき仕事だと私は思うのです。これを単に近代化、合理化だから工場を統廃合するのだというような安易な考えがあるとすれば、これは大へんなことだと私は思うのです。そこで一つ私も専門的に調べてみたいと思うので、次のような資料を提出をしてもらいたい。それは全国の工場に国鉄がかけた金は幾らか、いわゆる投資した金が幾らか、工場別に出してもらいたい。この工場には幾らか、鷹取なら鷹取に幾らか、大宮に幾らか、こういうふうに全国の工場別に投資した額を出してもらいたい。それから少なくともこの二十七年度以降国鉄の復旧というものは非常な努力をしておるわけでありますから、そういう意味で、この二十七年度以降今日までの実績、工場におけるところの仕事をしたその実績を出してもらいたい。この工場ではどういうものをどういうふうにしてやってきたか、その実績を一つ資料として提出をしてもらいたい。そういうものがお互いに当決算委員会筆でも検討をすれば、なるほどこれは統廃合もやむを得ざるものであろう、あるいは民間委託もやむを得ないだろう、こういうことも出てくると思うのです。そういうことがない限り、資料がない限り、これは国家財政の中から、少なくとも日本国有鉄道を今までおまかせしてきた国会の立場からいえば非常な重要な問題になると思うのです。そこでそういう点について資料を一つ提出をしてもらいたい。
 それから次に、先ほど副総裁が定員については現在のワクの中でやると、新たな定員というものをふやす考えはない、こういう御説明をいただいたわけです。当局としての考えは、業務量がふえてもそれは機械化、合理化による中で操作が、運用ができる、こういうお考えだと思うのですが、そういうことですか。
#32
○説明員(吾孫子豊君) できるだけそういうふうにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#33
○相澤重明君 今どうですか、要員について、特に鉄道線路保守について非常にまあ苦労をされておる線路工手等の人たちが定員が不足しておると聞いておるのですが、私どものいろいろ関係のところを調べたところでは、千五百人以上も定員は不足をしておる、こういうように聞いておるのだが、そういう点は当局はどういうように把握していますか。
#34
○説明員(吾孫子豊君) 現在の定員というものが決して楽なものではないということは、これはもう私どもも十分承知いたしております。なかなか大へんな負担をしてもらっておると思っておりますけれども、しかしそれじゃ今の定員で仕事ができないのかといわれれば、これはみんなが力を合わせてやればやれる程度の定員は配置してあるというふうに考えておるのでございますが、今お尋ねの線路工手のお話が出ましたが、線路工手につきましては、実は定員が足らないということではなくて、定員だけなかなか充員されておらないということが問題に今なっておるわけでございます。つまり定員一ぱいに人を配置しないで、その足らない分をある程度臨時職員でまかなっておりますので、それらのものを早く本職員にすべきではないかというようなことが問題にされておりますので、そういう点につきましては、漸を追うてできるだけまた早く解決をして参りたいということで、ただいま部内で検討をいたしておる次第でございます。
#35
○相澤重明君 そうすると副総裁あれですか、現在の線路工手の諸君が千五百人ほど不足しておると、欠員をしておると、それは臨時職員でまかなっておるが、できるだけ本職に切りかえて採用していきたいと、そして充足をしていきたいと、こういうことですか、いま一度一つ。
#36
○説明員(吾孫子豊君) だんだんそういうふうにして参りたいと、こういうことでございます。
#37
○相澤重明君 現在のスピード化ですね、あるいは作業の面からいっても、私は非常に底辺といいますか、これらの線路工手の諸君は大へんな労働力だと私は思うのですよ。そこでやはりこの問題については、できるだけ早くそういう困っておる職種については補充をして、危険度をなくしていくというのが大事だと思う。そこで、できるだけ早い機会にそういうふうに欠員補充をするという御趣旨はわかりましたが、今年度どのくらいやるつもりですか、端的に一つ御質問いたしまして、今年度どのくらい本職に採用できますか。
#38
○説明員(吾孫子豊君) 今ここで本年度何名予定しておるかというようなことをちょっとまだはっきり申し上げることはむずかしいのでございますが、本年度の計画の中には、いろいろ作業の機械化でありますとか、近代化によりまして、ある面においては人が減ってくる面もあるわけでございます。そういうような一方において節約し得る人員をにらみ合わせながら、定数の充実の方もあわせてできるだけすみやかにやるということで善処して参りたいというふうに考えております。
#39
○相澤重明君 とにかく三十六年度の国家予算が通り、国鉄の予算もきまっておるわけですから、やはり実際の作業に当たる定員の補充ができないということは、私はやはりいかぬと思うのです。だからすみやかにその点は本職に採用できるように、私は次の機会に一つ答弁してもらいたいと思います。当委員会は二十六日と二十八日に総括質疑を総理大臣以下各関係大臣に御出席願って聞くことになっております。ですから二十六日でも二十八日でもけっこうです。それまでに相談はできると思うのです。そういう点について一つどのくらい一体線路工手等について欠員の充足をできるかということを相談をして報告してもらいたい。
 その次に踏切対策ですが、踏切警手の諸君が非常にいわゆる事故防止のために努力していることは当局も御承知の通りだと思うのですが、とにかく人権問題まで含む、対外折衝まで持つ踏切の人たちに対する待遇あるいは定員、労働時間等についても、当局のお考えがあろうと思うのですが、一つ副総裁はどういうふうに踏切対策に関連をして、これらの要員問題を一つお考えになっておるか、明らかにしてもらいたいと思うのです。
#40
○説明員(吾孫子豊君) 踏切がいろんな意味で大きな社会問題にもなっておりますことにつきましては、私どもも十分意を用いなければならないと思っておる次第でございまして、それがために、今回の新五カ年計画におきましても、全国の特に問題の多いような踏切につきましては、これをできるだけすみやかに立体化をする。また私の方で第三種踏切と呼んでおります例の自動警報機のついております踏切につきましては、これに自助遮断機をつけますとか、できるだけ踏切設備を立体化し、あるいは機械化いたしまして、人手を要しないで、しかも安全性を確保できるような姿にして参りたいということで、今度の新五カ年計画は考えておるわけでございますが、今後もさらに引き続きまして、できるだけ人間の単なる注意力だけでなく、もう機械的に安全の防護ができるような設備に改善してもらいたいということで対処して参るつもりでございます。
#41
○相澤重明君 廣瀬国鉄部長にお尋ねしますが、政府は踏切対策について、ここ数年来強い国会の要請があり、また関係従業員からも、地方の自治体からも、そういう声が大きく盛り上がってきておるんですが、法律として制定をして、この事故を未然に防止をする、こういうような考え方について、現在運輸省としてはどういう措置を考えておるのか、政府の考えを一つこの際明らかにしてもらいたいと思うのです。
#42
○政府委員(廣瀬眞一君) 実は鉄道と道路との交差の法律案ということを前々から運輸省でも考えておりまして、また、かねがね国会の方面の御要望もきわめて強いということを承知しておりますが、率直に申しますと、実は私担当ではございませんので、多少詳細なことは御答弁いたしかねますが、現在はっきり申し上げまして、これは実は建設省との関係でいろいろ問題がございましたが、この問題は現在解消いたしまして、今国会中には法律の提出ができるという段階になっておりますので、おそらく今月末ぐらいには国会に御提出できるという段階まで進んでおるということを御報告申し上げます。
#43
○相澤重明君 法律案が今月ごろには提案できるというのは、その内容の概略、御説明できますか。きょう持ってなければけっこうですが、いかがですか。
#44
○政府委員(廣瀬眞一君) まず道路と鉄道との立体交差を促進するということで、大体基準を設けまして、こういった個所は立体交差にすべしというようなこと、これにつきまして鉄道と道路管理者側との費用の分担というような問題をきめております。それから踏切の保安設備につきまして、やはり同じような基準を設けまして、促進をしていくというようなことが、大体この法律案のきわめて大ざっぱに申し上げまして骨子であるということを御報告いたします。
#45
○相澤重明君 職員の待遇問題については、先ほど国鉄の副総裁の方には尋ねておいたのですが、政府が今提案をしようとする法律案については、どういうお考えですか。
#46
○政府委員(廣瀬眞一君) 踏切警手の何と申しますか、責任等から考えまして、これをはっきりしたらどうかというような考え方もございますが、今回の法律案にはその点は触れておらないように聞いております。
#47
○相澤重明君 それはまことに遺憾千万で、少なくとも今まで国会論議を通じ、あるいは関係者からの陳情もあったことでありますから、やはり責任の重要度等を考えれば、身分保障等の問題についても当然私は法律案の中に盛り込むべきだと思う。そうしないと、やはり単に建設省と運輸省と、いわゆる国鉄ですね、それと、あるいは地方軌道と自治体との予算の区分が、ある程度基準が明らかになって、将来そういう人的問題についてやはり問題が残るのじゃないか、こういう点を私は心配するわけです。そういう点のないように、一つなお今月末に提案をされるとすれば御検討いただきたい。私ども、もちろん国会に上程されれば、十分専門的な立場で、お互いに御討議したいと思うのだけれども、そういう点について今のお話では、ちょっと欠けておるように思うのですが、この点は最終案がきまったのですか、それともまだ検討をして、今月中には何とか上程をしたい、こういうことなんですか、再度一つ。
#48
○政府委員(廣瀬眞一君) 現在の作業の進行模様は、建設省とは話が完全に了解点に達しまして、現在大蔵省と折衝しております。これは近く話がつくと思いますので、今月中くらいには国会に上程の運びということでございまして、私の聞いておりますところでは、今回の法律案の内容は、設備の基準とか、そういった物的な面をおもに取り上げておりますので、今先生からお話のございました踏切警手の人的な問題につきましては、まだ十分検討は尽くされておらぬということで今回の法案には入っていないということを私は承知いたしております。
#49
○相澤重明君 踏切事故対策というのは、政府も閣議の中で樹立をしているわけですね。そうしてダンプカーのいわゆるはなばなしい事故等を未然に防止しようということや、今の都市の近代化に伴う立体交差というものを促進をしようというような、政府自体もこの内閣の中に踏切対策委員会を持っているわけです。そういう中でやはり今の点を十分、運輸省は専門ですからね、専門の省の立場で一つ意見を反映できるように、関係者と一つ話をしてもらいたいと思うのですよ。これは今の御説明では人的問題については入っておらぬというのだけれども、私はやはりこの法律を提案をする以上は、そういう関係の問題についてはきちっと整備をするということが大事だと思う。これは私の要望になるかもしれませんが、政府が持っている踏切対策特別委員会もあるわけですから、そういう面で私は政府に善処してもらいたい。こういうことを要望しておきます。
#50
○政府委員(廣瀬眞一君) ただいまの御意見十分承っておきますが、実は、ただいま準備しております法律案は、いろいろな事情から早急に提出をしなくちゃいかぬというようなことでございまして、遺憾ながら今回の法律案の内容には入っておりませんので、今、人的な問題も、これまたきわめて重要な問題でございますから、引き続いて検討をして参りたい、こういうふうに考えております。
#51
○相澤重明君 次に吾孫子副総裁にお聞きをしたいのですが、先般の台風等を初めとして、災害が全国で非常に数多く出ておるわけです。そういう災害時には国鉄のいわゆる幹線まで実は列車がおくれたり、あるいは事故によってダイヤに大きな支障を来たしておるわけですね。そこで災害時におけるこれらの処理をどういうふうに迅速に行なって、輸送力の隘路を打開をするかということが、きわめて国内需要の大きな私は問題点ではないかと思うのです。過日は北海道の雪害による、雪ですね、なだれによる線路の破壊というようなことも新聞に出ておりましたね。ああいうようなことを、特に台風とか雪害とか、いろいろ災害が突発して、国鉄輸送も麻痺状態に陥ることもあるわけです。それについて根本的な対策というものは、本社の中でどういう形で地方支社あるいは管理局など、末端まで対策を樹立しておるかということは、国民としては非常に大きな関心を持っておると思うのですが、一つ国鉄が今持っておる機能とか、あるいは今後やりたいというようなことがあったらお聞かせをいただきたいと思います。
#52
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄というこの組織が全国に二万キロの線路を持っておりますので、年中全国どこかで何かしら事故が起こります。それでまあ私どももいつもその点につきましては頭を悩めておるようなわけでございますが、全般的な計画といたしましては、毎年度その年度の基本計画というものを策定いたすのでございますが、その基本計画の中で災害予防の措置等については十分考慮を払い、またそれらの点については理事会においても論議をいたすのでございます。しかし、そのつどの、たとえば大きな台風でございますとか、雪害が起こった場合とか、津波の場合とか、いろいろな災害があるわけでございますが、そういうときには、それらの災害の事態に応じまして、国鉄本社の中に災害対策本部というようなものをすみやかに設け、また現地にも対応した対策本部というようなものを設けまして、その処置に遺憾のないことを期しておるわけでございますが、従来やはりいろいろ通信設備その他も十分でなかった点等がございましたので、それらの通信網を、有線の通信機能が破壊された場合には、無線の通信機能によってそれを代替するというような考え方から、超短波の通信設備を全国の各管理局と本社との間に設けますとか、通信機能全体の向上というようなことにここ一両年来非常に力を入れてきておるような次第でございます。また、根本的には、これは結局幹線その他の輸送力増強ということにつながるのでございますけれども、国鉄の現在の線路というものの大部分が御承知の通りまだ単線区間でございます。複線の区間がわずか一三%足らずしかないというような現状にありますので、本来なればもっと軽減し得るはずであった災害の影響が、単線であるがために非常に長引くというようなこともございますので、これは今度の新五カ年計画におきまして、主要幹線の複線化というようなことに十分力を注いで参りまして、それによって国鉄の線路全体としての災害に対する何と申しますか、対応力といいますか、そういうものを強めていくことができると思います。その他、災害防護のための施設につきましては、毎年相当の予算を計上いたしまして、遺憾のないことを期しておるような次第でございます。
#53
○相澤重明君 それから、災害のいわゆる復旧のスピード化、特に今の通信機能についての御説明等もいただき、あるいは単線を複線化して、できるだけ列車の増発をしていきたい、こういうことについてはよくわかりました。ところが、この災害復旧にはやはり人的要素というものもきわめて重要な問題だと私は思うのです。線路保守とか、あるいは機械を出動させて妨害物を排除するとか、いろいろあると思うのです。そういうこの職員の出動に際して、災害時における手当等についてはどういうふうに現在なっているのか。私は聞くところによると、一般の地方の人たちが罹災された場合に、その罹災民に出す給食費、こういうようなものと、国鉄の職員がそういう災害時に出動する場合の給食費といいますか、給与といいますか、そういうものが非常に差があって、国鉄職員に対してはまだまあ明治時代的ともいうべきような考えでおるのじゃないかというようなことを聞くのだが、改善をされておるのか、それとも現在そういう一般と国鉄職員との差はどうなっているのか、こういう点について一つ御説明いただきたい。
#54
○説明員(吾孫子豊君) 災害時に際しての職員の非常の出動というようなことに、またその場合の非常に過激な労働その他に対する手当といたしまして、私どもとしては超過勤務手当その他によりまして、できるだけの考慮は払っておるつもりでございますが、やはり事態によりましては、これは何と申しましても、その災害の状況に応じての話でございますけれども、お客様第一というようなことになりますので、職員の方に対するいろいろな給与等が、お客さま本位にやりますために、若干あと回しになるというようなことは時によっては出てくることもやむを得ないかと思っておりますけれども、しかし私どもといたしましては、従業員の労苦に報いますために、できる限りの処置は今までもやってきたつもりでございますけれども、まだ足らない点もあるかと思いますが、今後なお一そう遺憾のないように努力をいたして参りたいと思っております。
#55
○相澤重明君 そのお客様本位にやるということは、聞こえは非常にいいので、事実がそうなら私も喜ぶのだが、不幸にして私は昨年の十一月の衆議院選挙のときに交通禍で左の足の骨を折って、そこの前の赤坂の前田外科病院に入っておって、そこでテレビを見ておったら、暮れから正月にかけての雪害ですね、あのときの列車がとまったときには、どうもお客さんがだいぶ不平が多かったように私はあのときには聞いておる。まあ急遽――雪害ですから、予測をしないといえばそれまでだけれども、むすび一個でとにかく一昼夜も汽車の中にとめられた、それが三日も四日もとめられたというようなことを聞いて、あれではお客本位という言葉はあまり言えぬのじゃないかという気もするわけです。それから翻って、それじゃ職員の方はどうかといえば、暴風雨時だとか、そういう災害のときの警戒手当も一時間六円くらいでしょう。一時間五円や六円の手当を出して、これで手当を出していると言えますか。その災害時に私はそういう点が――お客さん本位だけれども、むすびは一個だ、そして新香もろくすっぽつかない、そういうことでは、災害のときの準備を、一体本社の中に対策本部を持っておって、地方の支社なり管理局なり、現場に対する指導ができておるのかという点を心配するわけなんだが、こういうことはどうなんです。これは私が病院の中でテレビを見ておって感じたことなんだけれども、きょうはそのことは決算委員会でどうしても私は聞いておきたいと思って、今までがまんして待っておったのだが、どうなんですか。
#56
○説明員(柴田元良君) 先ほど雪の場合につきまして、副総裁の御答弁の中の、旅客本位についてもそう大したことじゃないじゃないかというお話がございましたけれども、これはこの間の事情につきましては、再々私ども、委員会におきましてもいろいろ事情を御説明申し上げて参ったのでありますが、全力を尽くしました結果として、非常に御迷惑をおかけいたして申しわけなかったということでございます。それから一般の災害に際します、ただいまお話のございました警戒に従事しましたときの手当、これは先生の御指摘の通り、一時間当たりはただいまそういうことになっております。これにつきましても、手当を直すという努力を続けて参っておりますし、なお、これ以外に、いろいろ災害の警備につきまして従事いたしました場合のいろいろな手当の併給ということがございまして、先生の御指摘の手当そのものは六円でございますけれども、いろいろな手当もそのほか実はあるわけでございます。
#57
○相澤重明君 いろいろな手当が併給されておるというが、そのいろいろな手当というのがよくわからぬが、いずれにしても、警戒手当――暴風雨だとか災害のときに出て一時間六円なんというような手当が手当であるなんという考え方自体が、僕は前時代的ではないかと、こう言っておるのだよ。それはどうなんです。それであなた方は、これは当然だという考えなんですか。
#58
○説明員(柴田元良君) 当然だとは考えておらないわけでございます。
#59
○相澤重明君 当然ではないというお考えであれば、これは国鉄には関係の組合があるわけですから、そういう労働組合等と協議をして、やはり現時点に必要なものとして改善をするお考えはありますか。
#60
○説明員(柴田元良君) そういう考えで努力をいたしております。
#61
○武内五郎君 今の問題ですが、除雪費の点で、除雪人夫に対してどれくらい払っておりますか。
#62
○説明員(柴田元良君) 平均いたしますと、五百円ないし七百円程度だと思います。
#63
○武内五郎君 それは今年度の災害で出した金ですか。
#64
○説明員(柴田元良君) さようでございます。
#65
○武内五郎君 聞くところによると、三百四十円、三百四十円でとうてい私は除雪人夫なんというものは――きわめて作業は単純であるが、非常な体力を使わなければならない労働なんです。過重労働です。それに三百四十円という公定だそうですね。今聞けば六百円から七百円というお話なんですが、あの当時すでに千円をこえておる。千五百円でなければこない。食事がついて千円でなければ得られなかった。従って、人夫の募集なんというものは、とうてい不可能な状態に陥ったと、私はそこに大きな原因があったのじゃないかと考えられる。その点はどうなんですか。
#66
○説明員(柴田元良君) 今回の雪害のときの人夫の出動が非常に悪かったという問題に関連いたしまして、今、先生のお話のように、国鉄の支払う賃金が少ないのが理由ではないだろうか、こういうような御質問だと思うのでありますが、先生のおっしゃいます通り、国鉄が除雪に従事いたします人夫に支払います賃金の基準は、それぞれの都道府県の一つの基準によって標準を設けており、それに基づいてお払いをする、こういうお約束のもとに払って参っておるわけでありますが、たまたま、暮れ迫りまして、また正月にかけまして、当時の実際に一般の民家で支払われました賃金その他調べておるわけでありますが、二、三の例がおっしゃる通りに非常に高かった、こういう例はございます。しかし、それだけの賃金を鉄道の線路の除雪に従事いたします者にお払いいたしましたとしても、当時の状況下では――自分のうちが雪で非常に難儀をしておられる、こういう状況が非常に強くございましたために、それと年末年始を控えました二つのために非常に困難ではなかったかと、こういうふうに考えておる次第であります。
#67
○武内五郎君 そういうふうな状態で、除雪人夫というものは、今後だんだん募集しにくい状態になるのではないかと考えられますが、そこで、ああいうような豪雪に対する運輸確保の点から考えて、また国鉄の近代化をはかろうという新しい計画のもとに構想を練り、その計画の推進をはかろうということになっておるのですが、除雪のための施設、たとえば除雪機械等の状態は、豪雪地帯等に配置されておるのがどのくらいあるのですか。
#68
○説明員(柴田元良君) 詳細な実は資料を手元に持ち合わせておりませんので、概数でごかんべんいただきたいと思いますが、車両としてラッセルあるいはロータリー、その他広幅の車両式の除雪車は全国で約三百両近くございます。その半分が北海道でありまして、残り半分が裏縦貫を中心に配置をされております。そのほか保線用の機械として、モーターカーを利用いたしますラッセル車などが約二十両前後北海道に配置をいたしております。
#69
○武内五郎君 大体三百両で、北海道にその半分の百五十両が行っており、あとは内地の積雪地帯に百五十が配置をされておる。こういうことになっておるとすれば、たとえば日本で除雪機を使わなければならないような地帯といえば北陸一帯、それから青森県の程度だろうと考えられます。そうなって参りますると、大体七県または十県、こういう程度ですが、雪を排除しなければならない期間というものはそう長いものではない、御承知の通りそう長いものではない。しかもこれがきわめて急激に排除しなければならない。急激に排除しなければならぬものであると同時に、その期間が短いと同時に、これが全体の交通運輸に大きな影響を及ぼす、そうなって参りますると、私は相当多量の機械の施設というものが、特に急激にして、しかも非常な激しい雪の降り方をやる北陸地帯等、新潟、山形、富山等に特に配慮しなければならないのではないか、こういうふうに考えるのだが、新しい計画ではそれくらいのことはあるのですか。
#70
○説明員(柴田元良君) 除雪車の配置は、これは長い間鉄道が雪と戦って参りました過去のいろんな降雪の状態、積雪の状態を統計的に検討いたしまして、こういう地区にこの程度配備するのが最も能率的である、こういう考え方に基づきまして今日の配備計画が作られておるわけでございます。先生の御指摘の通りに、急激に降りました場合に、隣接から応援をいたしますことも現実には相当困難でございます。そういった判断において、今日除雪車が配備されておるわけでありますが、ただ今回のああいう四十年ぶりといわれます雪の量と、非常に吹雪が強かったという二つのことを考えますと、しばしば強力な除雪車すら立ち往生をいたしました、こういったこともございますので、今後増備いたします除雪車につきましては、今回非常に苦労いたしました、機関車を使いましたための能率の低下とか、いろいろな問題を改良しながら、ディーゼルを利用するディーゼル除雪車、これを三十六年度以降新しく作る。なお絶えず小型のものを動かしまして、雪をためないうちに除雪の効果をあげる、こういう意味におきまして、モーターカー式のラッセル車を約二十両前後今年度増備をする。従来の計画の約三倍程度のスピードで機械の近代化をはかる、こういう計画で進んでおるわけでございます。
#71
○武内五郎君 たとえばロータリーあるいははラッセルというような機械は、雪中行進速度というのはどれくらいありますか。
#72
○説明員(柴田元良君) 積雪の状況によって違いますが、一番大型のロータリー車におきましては、約一メートル程度の雪に対しては四十ないし四十五キロぐらいの早さで走ることができます。一メートル程度の雪の場合でございます。
#73
○武内五郎君 今年度は、そうすると大体その二分の一または三分の一程度の速度より出せなかったということになりますね。
#74
○説明員(柴田元良君) ラッセル車は、これはできるだけひんぱんに使いまして雪を両側にかき出す、そうして線路をあける、そのあとだんだん線路の両側の壁が高くなりますので、さらに降りました雪を押しのける空間がなくなりますので、逆に今度はその壁をかき寄せまして、そうしてロータリーで遠くへ飛ばす、こういう作業を繰り返すわけであります。従いまして、今回の場合におきましても、非常に吹雪きました期間を除きましては、速度におきましても、場合によりましては二十キロあるいは四十キロ、そういう程度のスピードの除雪を行なったというわけでございます。
#75
○武内五郎君 だんだん機械も高度化して参りますると、今の単線では不可能である、それから特に最近私何かの記録で見たのですが、国鉄がジェット機による除雪を試験したということを承っておりますが、その結果はどうなんですか どういう状態なんですか、今後使える見込みがあるんですか。
#76
○説明員(柴田元良君) 北海道におきまして防衛庁の御協力を得まして、ジェット・エンジンを使って除雪の試験をいたしました。成績といたしましては、かなりな大雪も強力に排除することができるわけであります。ただ今回の試験の範囲におきましては、さらにもう少し、たとえばジェットを噴出させます角度の問題とか、左右に頭を振らせるいろいろな技術的な問題こういう問題を今後かなり検討いたしませんと、経済的な除雪作業機械として使えるかどうか問題がある、こういうふうな結論になっております。
#77
○武内五郎君 今後これは研究によっては使えるものですか。
#78
○説明員(柴田元良君) ジェット・エンジンそのもの値段が、現在のものでは非常に高価でございます。それから燃料費が非常に高価になります。こういった問題を相当検討し、機械的に改善ができる見込みがございますならば、経済的に従来の除雪方法と比較して、さらに強力な除雪力が期待できる、こういうふうに考えております。
#79
○武内五郎君 だんだんそういうふうに機械も高度化してこなければならぬと思うのでありまするが、従って今のような単線ではだめだが、非常なやはり障害を大きくさせる結果になって出ておりまするが、たとえば東京と直接北陸地方とを結んでいる上越線あるいは信越線、こういうようなものの複線化は一体いつ実現ができるんですか、そういう計画はどうなっています。
#80
○説明員(吾孫子豊君) 今度の新五カ年計画におきまして、上越線も信越線もそれぞれ複線化の工事に三十六年度から着工することになっております。ただいまの計画といたしましては、信越線の方は大体四十年の三月ごろまでに軽井沢まで複線化いたしたいと、それから上越線の方は、これは一部分単線のところは残りますけれども、全線複線化という目標のもとに、これは新五カ年計画の間には全部でき上がりませんけれども、まあ四十三年ごろには全線、隧道の部分ぐらいはちょっとおくれるかと思いますが、それ以外のところは大体複線化できる見込みでおります。
#81
○武内五郎君 御承知の通り、国鉄はこれはやはり生きたものなんです。生きておる。そこで一部に故障が起きると全体が麻痺する。いろいろな故障が影響されてきます。たとえば、かりにそれが毛細管のような状態になっているローカル線であったとしても、やはりそういう影響が出てくると思うのすが、今回の北陸地方の豪雪災害で特に惨たんたる状態になったのは、その毛細管線であります。たとえば先ほどのように人夫のかり出しができない。機械が十分でないので、結局人力によらなければならぬのであるが、人夫のかり出しができない。そういうことで実に長い間これはもう停滞いたしました。ところがこの線というものは、御承知の通り、赤字線だというのでだんだん従業員を減らして、場所によっては無人駅化しておる。また場所によっては赤い帽子をかぶった駅長が一人おって、切符の販売、改札から、あるいは荷物の積みおろしまでやっておる駅もあります。そういうようなことで、何かの故障が起きますると、非常な影響が全体に及ぼして参ります。一体無人駅化、または人員を減らして、一人または二人ぐらいの、今まで数人おったものを、駅員、従業員を減らしていくというようなことは、今後やはり考えられるのですか、そういう線について。
#82
○説明員(吾孫子豊君) 要員全体の問題につきまして、先ほどもお答え申し上げましたように、できるだけ少ない人員で、しかも能率よく、業務に支障を来たさないようにやっていこうというまあ根本的な考え方でおりますので、今後も全線区にわたって作業のやり方ということについては研究を続けまして、それぞれの線区の事情によって、駅員を必ずしも置かないでも間に合うようなところは無配置というような駅を置く場合もございましょうし、また人間の配置の数の方も、人数を減らすことによってお客様、荷主等に御迷惑をかけずに済むようなところは、できるだけ少ない人数で能率を上げるようにして参りませんと、また国鉄の経常全体の合理化ということに対する要求もまことにきびしいものがございますので、私どもとしては、まあ非常に苦しいのでありますけれども、なお一そう努力をいたしまして、できるだけ少ない人員で、しかもサービスに欠けるところのないように努力をいたして参りたいと思っております。
#83
○武内五郎君 そういうような合理化の結果は、場所によっては無人化されるところも出るかもしれないが、そういうような人間の配置について、全体として、国鉄全体として従業員を減らしていくということになるのか、あるいはまた全体は減らさぬが、そういう個所も出てくるのだ、こういうことになるのですか。
#84
○説明員(吾孫子豊君) 私どもは、もしでき得るならば人員を減少できれば減少したいと思っておりますけれども、しかし作業量の方はどんどんふえて参ります。まあ今度の新五カ年計画において想定いたしております輸送量等も相当な年率でふえて参るわけでございますから、人数を今よりも減らすということは、できればやりたいのでございますけれども、それはなかなか無理ではないかと思われますので、せめて頭数をふやさないで全体のワクの中でふえて参ります仕事をこなしていきたいというので、いろいろ苦労をいたしておるわけでございます。
#85
○武内五郎君 最後に私ちょっとお伺いしたいのは、ああいうふうな豪雪が急激に参りますことに対する国鉄の対策というものが非常に実はおくれたという批判が相当強い。しかも気象状況がかなり前から出ておって、大きな災害が私は予測されておったと思う。ところが何らそれに対する迅速な対策ができなかったものだから、非常に作業がおくれ、全体の交通運輸が麻痺するという結果になってきたのですが、この新しい計画で、しかもこれを近代化して科学化していく、こういうことになってくるとすれば、特に私は交通運輸の業務に携わっている国鉄しては、国鉄ばかりではないのですけれども、特に国鉄等は、気象の把握というものは非常に敏感にしていただかなければならぬと思うのですが、気象に対する今まで訓練というものがあったものかどうか。あれほど雷が続いておる状態のところへ上野から間断なく汽車を出しておる。途中でふん詰まりになることをわかっておって出しておる。そういうようなことは、私は気象に対する感覚というものが全然できていなかったのじゃないかと思うのですが、国鉄が今後科学的な運営、科学的な教育、近代化的な運営をやっていこうとする場合に、気象に対する敏感な感覚と、それに対する対処というものが迅速にとられなければならないと思いますが、その訓練というものは、どういうふうに考えておられますか。
#86
○説明員(柴田元良君) 国鉄の職員は、雨といわず、雪といわず風といわず、自然の条件と戦いながら輸送を行なっております。先生の御指摘の気象とは最も深い関係において、私どもは仕事をしておる次第でございます。
 特に気象の関係には、最も関心を持っておりまして、また気象の連絡の方法なり、あるいはそれをいかに現場に伝達して準備の態勢をとらせるか、少なくとも今日までは多くの訓練と、職員自身も十分な自信を持って対処をして参っております。今回の雪につきましては、気象庁の予報は十分私どもも承知いたしておりますし、また現場におきましても、この気象についての発表の内容も承知をいたしております。
 ただ御承知の通りに、気象庁の発表されます内容は、大雪が降る、平野部では二十センチ、山間部では六十センチ程度、その地域的な判断は、こうしたばく然とした気象庁の発表にたよって列車を停止させるということは、実は非常に困難なことでございます。実際問題といたしましては、現場におきまする第一線の線路班におきましては、各個所におきまして、現実に降っておっておりまする降雪量を観測いたしております。特に豪雪時になりますと、昼夜を分かたず観測をしながら、この雪の降り工合によって、ラッセル車の出動を必要とする、こういう経験と観測の結果、除雪の態勢の強化をはかるというのが現実の仕事のやり方でございます。
 今後、気象観測の進歩に伴いまして、私どもも十分勉強をして参り、現場も、こういった問題に対して、さらに検討をして参るということは当然でございますけれども、現実におきましては、そういったことが実際の作業をいたします場合の基準でございます。今回のああいった大雪を、残念ながらあそこまで降るということを予測できませんでしたことは事実でございます。今後とも気象の問題につきましては、十分勉強して参る覚悟でおります。
#87
○相澤重明君 次に、災害時の問題を先ほど御質問申し上げたのですが、この防災関係について、国鉄としては今後どういうふうに考えておるのか、新五カ年計画等に伴うこの考え方を一つ明らかにしてもらいたいと思います。
#88
○説明員(柴田元良君) ただいま申しましたように、気象とたたかっておりまする線路の防災ということは非常に大事なことでございまして、国鉄が営業を開始いたしまして以来、その実績を積み重ね、今日の線路の状態に改良されて参っております。しかし長年の間には、そうした設備も逐次老朽いたします。また、思いがけないところに、いろんな原因が生じまして、線路がしばしば被害を受ける、こういったことがございます。
 このために、毎年二十ないし三十億程度の経費を投入いたしまして、こういった防災の強化に努めて参っておりますが、今後新五カ年計画におきましても、当然、こういった感覚を持って、災害の未然の防止と、最悪の場合の復旧を迅速にできるような強化という考え方に立って推進して参りたいと考えております。
#89
○相澤重明君 私の聞きたいのは、鉄八十年の歴史の中で、さきの日から今日まで、跡を継ぐ者から、一生懸命努力しておることについては、それはもう、よくわかっておるわけです。しかし防災関係については、この辺で、そろそろ基本的な根本対策を立てる時期にきていないか、こういう点を実は主としてお尋ねしているわけです。
 ですから、新五カ年計画とか、あるいは東海道新幹線とか、十一路線の新建設とかいうような、国鉄に対する課題は非常に大きいわけです。そういう中で、ただ二十億必要とします、三十億必要としますというだけでは能がないわけです。いかにして防災計画を基本的に立てていくかということについて、本社の中で、根本的な対策を持つべき段階じゃないか、こう思うのだが、そういう計画をお考えになるかどうか、それを一つお尋ねしておるわけです。いかがでしよう。
#90
○説明員(柴田元良君) お説の通り、最近は非常に大きな災害が起こっておりますし、こういった点につきましては、十分権威ある方々とも御相談しながら、そういう方向で進めて参りたいと思います。
#91
○相澤重明君 次に、先ほど災害時における線路工手等の警戒員の手当問題は、今後組合等と相談して改善するという御答弁をいただいたので、それを私は期待いたしますが、危険な災害時における作業について、職員が就労した場合に、現在は一食三十五円ですか、南京そばくらい、いわゆるラーメン食うのがやっとだと、こういうような話も聞いておるのだが、一般的に、他の諸官庁のいろいろ調査をしてみると、七十円以上、あるいは百円程度まで出しているところもあるわけです。こういう点について、国鉄はやっぱり未だに、もりそばかラーメンを食わせるのがせいぜい、こういうことなのか、そういう点も、他の省庁と十分比較検討してみて、改善をする考えがあるのか、ないのか、その点いかがですか。
#92
○説明員(吾孫子豊君) そういう御指摘のような面の待遇、給与というようなことにつきましては、できるだけよりよく改善をして参りたいと考えております。
#93
○相澤重明君 それでは、そういうこともよく相談をして改善することを希望しておきまして、次に、これは特に京浜間における輸送力増強と通勤の問題とも関連をするので、端的にお尋ねをしておきたいと思うのですが、簡単にお答えいただきたいのですが、南武線の複線化はいつまでに終わるつもりなのか。横浜線の単線を複線化する考えはあるのかないのか。その二つについて、お答えをいただきたい。
#94
○説明員(吾孫子豊君) 南武線及び横浜線につきましては、ただいまのところ、これを全面的に複線化するという
 ようなことは考えておりません。ただ、区間によりまして、輸送量の現状を見て、部分的に必要な区間の線増を行なっていきたい。大体、そういう考えでおりますので、これが全線複線化という時期は、だいぶ先のことになるかと思います。
#95
○相澤重明君 国鉄は、地方自治体との関連において十分接触していかなければならぬと私は思うのですが、地方自治体との関係をよくしないというと、国鉄の独善だとか、あるいは国鉄は国民のための国鉄になっておらぬという非難を受けることに私はなると思う。私も実は、横浜線の朝のラッシュ・アワー、あるいは夕方のときに現地を調査をしたこともあるが非常に混雑をする。しかも神奈川県議会においても、あるいは関係の横浜市とか、原町田とか、八王子市議会においても、横浜線の複線化ということは陳情を出しておる。意見書を地方自治法に基づいて提出をしておる。こういうようなことを、全く地方の問題だというように考えられて片づけておるのか、それとも、そういう問題についても、やはり十分考慮をして輸送力増強をお考えになるのか、この点が、どうもばくとしてつかめないというのが一般の声なんです。それであっては私はならないと思うのですが、端的にいって、南武線の場合は、現在ほとんど複線化は進んでおるし、あと少しやれば、もう全線が複線化になる、いま少しの努力だと私は思う。横浜線が今単線であって、複線化ということがまだ類上に上っておらぬ、こういうことで、二回も三回も地方自治体が要請をしておるのにもかかわらず、考慮をしないということは、一体どういうことなのか、しかもこの輸送力は全く逼迫をしておるという、黒字線になっておるということも、私どもは考えなければならぬと思うのですが、当局はどうなんですか。
 その点では、われわれは少なくとも新五カ年計画をやるのなら、そういうところは、すなおに打開をしていく努力を私はすべきだと思う。何も五カ年のうちに全部やれということを言っておるのじゃない。けれども、そういう考えておらないというような答弁をすること自体が、私は国鉄の独善性ということを一般の国民から言われるのじゃないか、こう思うのだが、この横浜線と南武線について、再度一つ御答弁いただきたい。
#96
○説明員(吾孫子豊君) 私の先ほどのお答えが、何か非常に消極的なように御解釈になったようでございますが、これは今度の新五カ年計画におきまして、何と申しましても、一番根源の幹線そのものが今行き詰っておりますので、幹線の輸送力の増強ということが重点になっておりますために、各線にわたっての輸送力増強ということまでは、まだ十分手が回りかねる点もあるのでございまして、その点は、まことに遺憾に存ずるのでございますけれども、しかし南武線にいたしましても、横浜線にいたしましても、決して放置するというようなことは考えておりませんし、現に新五カ年計画の投資内容といたしましても、たとえば南武線について申し上げますならば、当然、電車の編成長等も大きくしなければならないと思っておりますので、電車の編成の編成長の増大のために必要なプラットホームの延伸の工事でございますとか、あるいはまた電車を増発いたしますために必要な変電所の新設、増設並びに電車線の饋電線の増備というようなことについては予算を計上いたしております。考えておるわけでございます。
 そういう考えで、地元の方々から国鉄が非常に独善的というようなふうにお考えになられるようなことがございましては申しわけのないことでございますので、私どもといたしましても、十分それらの地元の方々の御意向等も承りまして、できる限りの処置はいたしたいと思っておる次第でございます。
#97
○相澤重明君 次に、もうそろそろ結論に近づいたわけですが、あと、いま少しで終わりますが、新五カ年計画について説明を受けましたが、この東海道新幹線について、少しお聞きをしておきたいわけです。
 これは、前回も兼松常務をアメリカに派遣をして、世銀との借款も進んでおると、こういうことで、近いうちに調印がされるという御報告を受けておるわけですが、具体的に幾らの借款がきまったのか、総額幾らか、それから、いつこれは調印をするのか、利子はどのくらいになるか、この点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
#98
○説明員(吾孫子豊君) この世界銀行からの借款の総額は八千万ドルということでお話し合いができたわけでございます。それで、これの正式の調印は、これは大体確定したと申し上げてよろしいと思うのでございますが、多分、五月の二日ごろに調印をいたすことになると思います。それで今月下旬、私どもの方の総裁がアメリカへ参りまして、五月早々に調印をいたすことになると思います。
 それから借款の利率でございますが、これは正式には、政府の御認可を得た上でないときまらないわけでございますが、従来の道路公団その他の借款の例にもありますように、調印をいたします当日のニューヨークにおける市場の利率によってきまるのでございまして、この前の公団の借款がきまったときの利率は、この前の道路公団の場合には六分二厘五毛の利率でございました。それから今年の一月十六日にビルマの国鉄との間で借款契約が成立いたしておりますが、そのときの利率は五分四厘三毛ということでございました。五月上旬のニューヨーク市場における金融市場できまることになるわけでございますが、日本の国内市場で調達いたします場合よりは、相当有利な利率できまることと考えられます。大体、そういうことでございます。
#99
○相澤重明君 副総裁、世銀から借款をするのは、総額当初二億ドルぐらいを予定をしておったのじゃないですか。そうして、当面一億ドルというような話をこの委員会でされたことが、私はあると思うのだが、それが八千万ドルに削られたというのは、一体どういうことなのか、理由は。
#100
○説明員(吾孫子豊君) 一億ドルということで、世銀借款の成立を期待しておりますということは前に申し上げておったと思います。八千万ドルになりましたのは、その後の折衝におきまして、電電公社の方で二千万ドル相当の外債を募集するということになりましたので、まあ一億ドルのワクの中で八千万ドルだけを国鉄の新幹線の借款に回そうと、こういうようなことになったようなわけでございます。
#101
○相澤重明君 そうすると、この東海道新幹線工事促進についてですね、世銀借款が減ったということで、資金計画に支障は生まれないですか。別に支障ありませんか。
#102
○説明員(吾孫子豊君) 世銀借款が減りました分は、日本の国内市場から、鉄道債券を発行いたしまして借りることになりますから、別に、総額には影響ございません。
#103
○相澤重明君 総額に影響がないように、国内市場の債券発行をするということでありますが、どうですかね、実際問題として、国鉄の債券を引き受けるのが順調に進みますか、この点、どうでしょう、現状において一つわかったら御説明いただきたいのですが。
#104
○説明員(吾孫子豊君) 今までのところは、順調に進んできておりますから、今後も、たぶん大丈夫であろうと思っております。
#105
○相澤重明君 そうすると、総額どのくらい債券は発行するのですか、国内では。
#106
○説明員(吾孫子豊君) 新幹線を敷設いたしますための予算の総額は千七百五十億ということになっておりますが、その千七百五十億全額は、外債をも含めた借金でやることになっておりますので、八千万ドル以外は、全部国内で調達する、こういうことになるわけでございます。
#107
○相澤重明君 いや八千万ドル以外はじゃないでしょう。まだあと一億ドルを借款をする計画じゃないですか。それはもう放棄したのですか。当初は二億ドルと言ったでしょう。当面一億ドルのうちに八千万ドルになったでしょう、それで、どうですか。
#108
○説明員(吾孫子豊君) 当初一億ドルという話があったはずだとおっしゃいますけれども、そういうような話があったかもしれませんが、正式な話として表に出たのは、初めから一億ドルであったように承知いたしております。
 それで結局、全体の予算の千七百五十億というワクの中で、一億ドル相当分だけは世銀から借りたいというつもりでおったわけですが、その分が八千万ドルに減りましたので、結局二千万ドル分だけ国内の資金調達分がふえた、こういう勘定になるわけでございます。
#109
○相澤重明君 それから今のお話も、ちょっと僕の記憶では、そういうふうに思っておったのだが、これは議事録に載っておると思うのだが、それからいま一つ、この千七百五十億ドルと言っておるが、この前の建設資金は千七百二十五億ドル、それに利子を含めると、利子がそれだけ加算する、こういうお話じゃなかったのですか。この千七百五十億ドルというのは、この利子を含んでの話かな。それは、どうなんですか。
#110
○説明員(吾孫子豊君) 千七百五十億円の中には利子は含んでおりません。従いまして、利子を含めますと、ほぼ千九百五十億円ぐらいになると思います。
#111
○相澤重明君 国鉄が計画をすることだから、今とやかく私も言う必要はないと思うのだけれども、前に世銀借款を行なうときの大体構想を述べられたときには、先ほど私が申し上げましたように、建設資金は千七百二十五億円、そしてそのうち二億ドルを世銀から借款をする、こういうふうに聞いて、その上に利子がかかるというふうに理解をしておったのだけれども、だいぶ構想が違ってきたと思うのだが、そういうことかな。今の副総裁の答弁したのは、最終的な東海道新幹線の必要経費、それから借款をする内容ですか。ちょっと違うように思うのだが。
#112
○説明員(吾孫子豊君) 今申し上げた数字が、ちょっと私の申し上げたのが少し違っておりましたから、正確なあれを申し上げますと、工事費の総額が千七百二十五億円でございます。それで利子が二百四十六億九千三百万、合計が千九百七十一億九千三百万、そういう予定になっておるわけでございます。
 それで、当初その所要資金のうち、三百六十億円、つまり一億ドル相当額だけを世銀から借りまして、残りの千六百十一億九千三百万というものは、国内調達という予定にしておったんであります。それが若干変わってきた、こういうことでございます。
#113
○相澤重明君 わかりました。
 その次に、東海道新幹線の工事について、これは一つ、どういうお考えで現在おるのか、聞いておきたいのは、たとえば川崎の多摩川を渡る問題ですね。あれについて川崎の市議会は、これは自民党も社会党もない、全部が反対なんですね。上を通さない。通るのなら地下道を掘っていけ、こういうことを自民党の市会議員の人が対策委員長になって、現在全市あげてやっているようでありますが、そのときの金刺市長が市議会に対する答弁は、まだ、十分国鉄との意見交換が行なわれておらないような答弁であり、国鉄の説明を聞けば云々という、技術的にはむずかしいというような話であったけれども、どうも地方自治体でも、そういう関係の向きに対する連絡が不十分のように聞こえるのだが、これは私のように、少し専門的になると心配するわけですが、空を通すわけにもいかないだろうから、結局は高架にするか、平面を通るか、さもなければ、それがどうしても地方の人たちが反対をすれば、地下を通る以外にはないと思うのですね。川崎市議会では、あげて地下でなければ通さぬぞということをやっておる、こういうことを私は聞いておるのだが、一体国鉄は、どういうふうに通過地点に対する自治体との話をしているのかね。この点は、一番東京ののど首だけに、私は心配するわけなんです。どうなんです。
#114
○説明員(吾孫子豊君) いろいろ御心配をおかけして申しわけございません。こんど新幹線の通過予定の場所に対しましては、私どもも、できるだけ地元公共団体その他の御了解を得るように努力はいたしておるつもりでございますけれども、私どもの力が足りず、あるいは不徳のいたすところで、いろいろ御心配をおかけいたしておりますことは申しわけない次第でございますが、問題の川崎付近の具体的な事柄につきましては、新幹線総局の工事局長が参っておりますので、工事局長から、かわって説明をさしていただきたいと思います。
#115
○説明員(宮沢吉弘君) ただいま御指摘の点につきまして、いささかこまかくなって恐縮に存じますが、大体ルートといたしましては、現在の貨物線沿いに多摩川を渡りましてから、川崎市内に入って参るわけでございまして、このルートといたしましては、私どもが期待しております新幹線の企画に合いますような格好におきまして、一番地元の方々の御迷惑の実はかからないようにという基本でルートをきめまして、いろいろ現地、並びに何回もお話し合いも進めるようにいたしておるわけでございます。
 それで、地下の御要望が市当局、市議会あるいはその他沿線の方々からございましたので、いろいろ研究をいたしまして、目下それについての御説明をいたしておる段階でございます。いろいろやってみますと、一番地方の御沿線の御迷惑にならないのが、どうも逆に、地下じゃないようにも考えられておりますので、いろいろ具体的な図面をもちまして、今後さらに地元の方方、あらゆる市御当局、その他ともお話し合いを進める予定でございます。
#116
○相澤重明君 一体、この全線を開通させるのは、じゃあいつまでに考えておるのですか。新幹線を全部完成させるのは、いつまでに考えておるのか。
#117
○説明員(宮沢吉弘君) 三十八会計年度一ぱい、三十九年の四月までというふうに考えております。
#118
○相澤重明君 三十九年の四月に全部、全線を開通させるというのに、とにかく地下でなければ通さんと言っておれば、地下というのは、そんなに簡単に工事ができるものじゃないと思います。しかも工事費だって莫大なものでしょう、地下でやるとすれば。そういうようなことを地方議会が、どんどんどんどん決議をしていったら、幾ら国会議員にあなた方が説明をして、一つ協力願いますと言ったって、これは協力できやしませんよ、そんなこと言ったって。そういうような地方議会が、議決をしない前に行って話をすべきだと思うのだよ。
 私は、現実には、もうすでに川崎では、市議会あげてその反対運動を、対策委員会を作っているわけです。市長も間に入って困っているわけです。幾ら自民党の市長だからといっても、市議会が満場一致で、しかも自分の与党の議員が委員長になって、特別対策委員会を作ってやっていれば、これは幾ら今の池田内閣だって困ってしまうよ、ほんとうの話は。
 そういうようなことをやらしておるのは、私は工事局が、一体何をやっているか。私はそういう点を、もっと国鉄自体がPRもし、それで積極的に中に飛び込んでいって話し合いをしなければ、満足にまとまらんと思う。率直に言って、私は運輸委員会のときにも、東横線のあそこの関係の工事についても、委員会で関係者の人の反対があったけれども、その中で説明をしたら、かなり国鉄のいわゆる工事局長の言うことを信頼をしておるわけだ。ところが、この肝心なのどっ首が、満場一致反対なんです。そういうことは、やっていない証拠じゃないか、君たちが。市長は答弁には、国鉄の話を聞けばと言って、苦しい答弁をしているけれども、実際には、突き上げられてどろにもならん。これは三十九年の四月までに完成しますと言っても、できやしないです、そういうふうなことを言っておったら。
 私は、そう思うのだが、そういう点について、一体、具体的に国鉄の首脳部が行って市当局や市長と、どういうふうに打開策をやるのか、そういうスケジュールでも持っているのかね。どうですか。ざっくばらんに話をしてみて下さいよ。
#119
○説明員(宮沢吉弘君) いろいろ市御当局とも御折衝いたしまして、一番問題は、やはり地元の方々の御了解と御理解と御納得をいただくことを先にすべきだということで、今個々に、今と申しましても、だいぶ去年の暮あたりからも、ずっと引き続き御説明し、御納得がいくようにいたしておる次第でございます。
#120
○相澤重明君 大体ね、今ごろになってから、そんなことを言っているような、ずさんなことだから、結局はもう市議会が、どんどんそういうふうな反対運動を起こしちゃう、関係の三十八工場の人も、絶対にのかぬと、こういうようなことで、市民感情としては非常に国鉄は悪い、従って、その関係の選出国会議員にも、いろいろ陳情があっても、国会議員自身も、そりやみんな弱っちゃっている。地元の川崎に住んでおる国会議員、自民、社会の人たちもおるけれども、みんなそりや頭を抱えておるわ。なぜかといえばやはり国鉄の首脳部の、その工事に対する認識度合いが悪いから、そういうことになる。こういう点については今、昨年の暮あたりから、もう話を進める、何が、昨年の暮あたりだ、そんなことでもって、三十九年までにできるわけがありゃしない。もっと積極的に進める考えがなければ、他に支障を来たすと思うのですよ、ほかの地域にも。
 そういう点を、これは副総裁どうなんです。副総裁自身、こりやそういう点を、もっと積極的に取り上げるべきだと私は思うのだな。今の工事局長も、一生懸命やっておるとは思うよ。思うけれども、そういう、もう世論が硬化をしてきて、もう国鉄が不利な立場に立っているようなときに、この漫然、本社の首脳部が手をこまぬいているようなことじゃ、こりやだめだよ。そりゃどうだい、副総裁、どういうふうにやる。
#121
○説明員(吾孫子豊君) ほんとうに御心配かけて申しわけないと思っておりますが、いろいろ今まで、ほかのことに忙殺されておりまして、不行き届きの点がありましたことは申しわけないのでございますが、これから首脳部一体となりまして努力いたすつもりでおりますから、どうぞ一つ国会の諸先生におかれましても、御支援下さいますようにお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
#122
○相澤重明君 次に、工事関係等のいわゆる作業員ですね、それは、どうなんですか、東海道新幹線に力を入れれば、反対に先ほどの副総裁の話では、職員は採用は、ふやさない、拡大をしないと、こういうことだというと、新五カ年計画について影響しないかな、つまり今私が申し上げるように、東海道新幹線は重要であるから、これは一つ促進しなきゃいけない、これは一致しているわけだね。だから、その方に力を入れる。入れるというと、職員の数が少ないから、いやでもそれに力を入れれば、それに集中してしまう。そうなると、この他の新五カ年計画の方の工事監督とか、あるいはそういう技術者というものは手薄になりはしないかな。その点はどうなの。
#123
○説明員(吾孫子豊君) 私ども、先ほど申し上げましたのは新規採用しないというわけじゃもちろんございませんけれども、新幹線の工事の方には、熟練した人を必要といたしますから、部内から、それぞれの熟練者を選抜いたしまして、新幹線工事の関係に回すように努力をいたしております。そうして、それによって生じました欠員の補充は、これはやはり新規採用をいたすわけでございますが、ただ、私が申し上げましたのは全体としての人数をふやさないで済むように努力しておるということを申し上げたのでございまして、新規採用しないという意味ではもちろんございません。
 ただ、しかし、それにいたしましても、先生も御心配下さいますように、なかなか今度の新五カ年計画遂行のための仕事量というものは、もう膨大なものでございますので、このやり方につきましては、いろいろ直営の工事能力だけで足らない面は、また外注に出すとか、いろいろ部内の協力を求めまして、人数の足らない点は、仕事のやり方でもって補いをつけていくというふうにいたすつもりで、新五カ年計画は、どんなことがあっても、これは必ずやり通す決意でおります。
#124
○相澤重明君 決意はいいのだ、決意はわかっているのだけれども、具体的に工事が進捗しないのじゃ決意倒れになってしまう、そうでしょう。そこで、特に技術者というものは、そう簡単に一日でできるわけじゃなくて、やはり国鉄の工事をやるについては、監督者にしろ技術者にしろ、相当な重要なウエートを持っておると思う。よほど考えていかなければ、これは私は、工事はやってもらったって満足な工事にならない。もし監督が不十分なら、一生懸命やったって、工事そのものが、結果は私はよくないと思う。これはこの間の東急の伊豆長岡線か、あそこの工事でも、事故を起こしたのでわかっているだろうけれども、もちろんそうすれば、結局工事は二カ月おくれる、三カ月おくれるとか、一つのちょっとした工事の支障でも、そういうふうにおくれるということは出てくるわけだ。ましてや東海道新幹線のような大工事をやるのに、よほど国鉄の技術陣がしっかりしないと、私はやっぱり工事が、そう予定をしてもできるものじゃないと思う。
 その意味で、工事技術関係というものは、私は非常に関心を持っておるのだが、具体的に副総裁、どうなんですか。採用しないわけじゃなくて、採用すると言っているのだが、技術者というものは、どのくらい入れるのか。技術者を入れる考えは全然ないのですか、それとも、どのくらい入れるということを計画されておるのですか。
#125
○説明員(吾孫子豊君) 新規採用で、欠員を補充いたしますものの大部分は技術者でございます。
#126
○相澤重明君 だから、どのくらい考えているかと聞いているのだ、幾人くらい。計画がなければ、実際できないじゃないか。
#127
○説明員(吾孫子豊君) 現在、はっきりきめておりますことは、新幹線の工事の関係で、三十六年度予算で三百人増員することにしております。その三百人は、実際には、現在すでに国鉄に務めております各部門の技術者を大部分充当するということになると思います。その三百人の補充は、これはもうもちろん全部技術者になるわけであります。
 それから、なお年度末の特別退職というのを毎年やっておりますけれども、それの数は大体三十五年度は七千人くらいのはずでございますが、それの補充の大部分も、技術者もしくはそれに準ずる者が大多数を占めるようになると思うのでございます。三十七年度以降、毎年、それじゃ何百人づつふやすのかということにつきましては、まだ今、詳細に申し上げる段階でございませんが、これは先ほど来申し上げておりますように、四十五万の全体のワクの中で、必要な人員を生み出していくように合理化に努めて参る考えでおります。
#128
○相澤重明君 最後に一つお尋ねしておきたいのは、国鉄の資産は、今どのくらいになっていますか。それから、国鉄財産を調査されて、どういうふうに内訳がなっているか、それを発表できますか。
#129
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄の資産の総額は、この中には固定資産も流動資産も全部含めての話でございますが、三十四年度末で一兆四千九百九十八億六千七百二十二万一千円ということになっております。
#130
○相澤重明君 その一兆四千九百九十八億幾らという中に、固定資産、流動資産、分離はどのくらいですか。比率は。
#131
○説明員(吾孫子豊君) 固定資産は一兆四千百三十二億七千六百七十五万六千円、それが固定資産であります。それから流動資産は六百五十五億二千六百五十六万二千円ということになっておりまして、その他投資資産、作業資産等があるわけでございます。
#132
○相澤重明君 それで、あれですか、決算委員会は、一番問題にしておるのは、固定財産の調査の状況ですが、これは特に大蔵省の場合は、国有財産ですから、四カ年計画で三十二年から始めて、大体、今年の秋ごろには、報告ができるということになっておるのですがね。国鉄の場合は、調査はいつごろおやりになったのですか、それとも、固定資産の管理状況について、今、調査を進めておるのですか、その点は、どちらですか。
#133
○説明員(山田明吉君) 固定資産の実態調査のお尋ねと存じますが、その前に、国鉄は、資産の再評価をいたしております。これは昭和三十年に、再評価をいたしたわけでございまして、それで、再評価をいたしたのちにおきまして、誤謬の発見をいたしまして、その誤謬修正は、すでに再評価に対する誤謬修正は、今までに完了いたしております。それで、現在やっておりますのは、土地建物、あるいは線路設備等につきまして、実際に帳簿と現物が合っているかどうかという実態調査を実は現在やっております。それで、その大半は、三十五年度末までには終りましたが、まだ、土地あるいは線路設備につきまして、継続中でございまして、これは、最も大きなものが土地でございますので、あとまだ、本年度を含めまして、二、三年かかるのではないかと存じております。
#134
○相澤重明君 これは、国鉄経営についての勧告も、いろいろ出ておるが、のんびりした、あと二、三年かかるということを言っておるのですが、少なくとも固定資産の管理状況というものが明らかにならんと、国有財産、いわゆる国鉄財産というものがはっきりしないわけだ。
 そういう点について、私もいろいろ話を聞いておるわけです。見てもおる。実際に、国鉄の用地に当然、たとえば先ほど申し上げた横浜の複線化をしなければならないようなところに、線路のそばに、新しい家がどんどんできておる。何のために、そういうものを許可しておるのかわからない。私が前に申し上げたときには、そういうことはしませんといいながら、新しい家ができておる。こういうようなことじゃ、国鉄の土地であるにもかかわらず、一銭も料金を支払っておらぬ、こういうようなことも現実に聞いておるわけなんです。
 これはもう四年も前に、そういうことについてはいけないというので、大阪の高架線下の使用状況について、当決算委員会でやかましく言われて、そうしてこの貸借についても、早く処理をしなければいけないということにきまっておったのだ。それが、まだ土地、建物があと二、三年もかかりますという、のんびりしたことを言っているのは、一体どういうことなんだ。そういう実態調査をやる人間が足りないのか、そういうことをやる熱意が欠けているのか、これは国会としては、決算委員会できわめて問題な点なんですがね。どうしておくれているのですか。
#135
○説明員(山田明吉君) 実際、おくれておる現状に対しましては、まことに申しわけございませんと申し上げる以外にはないのでございますが、過去において、国鉄財産の管理という点につきましては、正直に申し上げまして、非常に最重点に取扱うというようなことは、確かになかったと存ずるのでございます。公共企業体になりまして、そういう財産管理あるいは経営の管理ということを、部外からあるいは国会の各委員会のつど御指摘を受けまして、現在では、その点の努力を重点的にやっておるという状況でございます。
 それで、特に土地についておくれておりますのは、戦争中に買収いたしました私鉄関係の帳票その他が非常に不ぞろいでございまして、それから戦争中、その買収いたしました土地あるいは従来持っておりました土地に対する登記所への連絡、あるいは現実に用地ぐい、その他の標識の補修等について、やはり若干おくれがあったわけでございます。そういう点を、現在大いに馬力をかけまして、全国的に帳簿と実地とを一々チェックいたしまして調査いたしておる次第でございます。
#136
○相澤重明君 十河総裁が国会の中で、国鉄財産について質問をされて、これではいけないというので、十河総裁が思い切って管財部を置いたのは、この国鉄の財産調査に実際に乗り出した大きな意義があったわけです。それだけ総裁が一生懸命に国会に対する責任を明らかにしようということでやっても、その後、まだ二年も三年もかかるという、のろのろしたことをやっておるようなことでは、ちっとも国会に対する答弁にならぬじゃないか。大蔵省でさえ、とにかく当初三カ年計画でやったけれども、それでも膨大なものだから、とにかく一年延ばして四年でもって完成をすると言ったのだよ。国鉄は十河総裁がそういうふうに、とにかく今君が言うようなことでは、これではいけないというので、管財部を作って、そうして実態調査に乗りだして、早く明らかにする、こう言っておったのに、もう三年もたつじゃないですか。それが、まだあと二年もかかるということでは……。大蔵省よりも財産は少ないはずだよ、全体から見れば。そういう点は、国鉄の力の入れ方が違うのじゃないかという気がする、僕らは。
 それからいま一つは、それは苦情言ってもしようがない、やってもらう以外にないと思うのだけれども、いま一つは、実際に不急不要のものについては、これを払い下げをして、そうして国鉄の資産というものを明確にしていく、あるいはそういうものの冗費をなくすということが、いわゆる国鉄経営の合理化という問題について、審議会の答申になっているわけだ。そういうことをやっているのかな。何でも実態調査をやれば、財産のあることがわかれば、それでいいというだけで、実際に処理というものは進んで、あるのか、おらぬのか、どうなんだ。私は、いろいろ地方の人たちの実情も聞いておるし、私自身も近いから、東鉄の中でも、いろいろそういうことを聞いている。そういう点、不急不要財産の処理について勧告がされておるにかかわらず、処理がおそいというのは、一体どういうことなんだ。調査もできません、処理もできません、こういうことであっては、首脳部が国会において、総裁が答弁したことを、結局仕事をしないということになるんじゃないか。そういうことにならぬか、これは答弁は副総裁。
#137
○説明員(吾孫子豊君) おくれておりますことは全く申しわけないわけでありますけれども、やっておらぬということじゃもちろんないのでございまして、大体、三十四年度末に大半は実態調査も終わったと申し上げてよろしいかと思うのであります。特に機械でありますとか、車両でありますとか、そういうようなものについては、すべて、もう調べが済んでいるのでありますけれども、土地の関係が、特に一番おくれておりますので、その理由は、先ほど経理局長から申し上げましたように、戦時中いろいろ引き継ぎを受けた私鉄その他の、もともとの整理が悪かったものを、こちらがそのまま引き継いだというようなこともございまして、そのために非常におくれておりますことは申しわけございませんので、今後さらに督励いたしまして、できるだけそういうふうにいたすようにいたしたいと思います。
 それから同時に、いわゆる遊休資産と申しますか、国鉄が、必ずしも必要としないような資産の処理、それは売却いたす場合もございますが、そういうようなことにつきましては、いろいろ御指摘を受けたこともございますし、逐年努力を重ねて参りまして、逐年の数字で申しますと、昭和二十九年度に四億六千九百万、三十年度が六億円、三十一年度が八億、三十二年度はちょっと少のうございますが、二億三千万、三十三年度には九億五千七百万、三十四年度が十四億というように、毎としいわゆる遊休資産といわれるような資産の処分についてはつとめて参りましたが、今回運賃改定をお願いするにあたりまして、なお一そう、この点を力を入れようということで、過般調査をいたしましたところ、現在売即可能と認められる遊休資産というものが、ほぼ三十億くらいある。それを、ここ三年間くらいの間に、全部売却をいたしたいということで、三十六年度の予算では十七億ほど予算に計上いたしているわけでございます。それらを設備改善のための原資に充てるという考えで、売却処分を促進することにいたしているようなわけでございます。
#138
○相澤重明君 これで終わりますが、それでは、実態調査の中で、大半終わったものについて資料として提出できるかな。
#139
○説明員(山田明吉君) 手元にはございませんけれども、資料は整っております。
#140
○相澤重明君 わかったものを当決算委員会に、資料として提出をお願いいたしたい。
 以上で終わります。
#141
○委員長(佐藤芳男君) ただいま、相澤委員より要請のありました資料につきましては、できるだけすみやかに、委員長のもとに御提出を願いたいと思います。
#142
○説明員(吾孫子豊君) 承知いたしました。
#143
○委員長(佐藤芳男君) ほかに御質疑はございませんか。――別に御発言もございませんので、それでは昭和三十三年度決算中、日本国有鉄道関係についての質疑は、これをもって終了いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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