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1960/05/26 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第29号
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1960/05/26 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第29号

#1
第038回国会 決算委員会 第29号
昭和三十六年五月二十六日(金曜日)
   午後二時八分開会
   ――――――――――
  委員の異動
五月二十三日委員小柳牧衞君及び岸田
幸雄君辞任につき、その補欠として安
部清美君及び田中茂穂君を議長におい
て指名した。
本日委員田中茂穂君辞任につき、その
補欠として岸田幸雄君を議長において
指名した。
   ――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理 事
           岡村文四郎君
           鳥畠徳次郎君
           仲原 善一君
           相澤 重明君
           北條 雋八君
   委 員
           川上 為治君
           木内 四郎君
           岸田 幸雄君
           谷口 慶吉君
           野本 品吉君
           林田 正治君
           谷村 貞治君
           大森 創造君
           武内 五郎君
           山田 節男君
  国務大臣
   労 働 大 臣 石田 博英君
  政府委員
   労働大臣官房会
   計課長     和田 勝美君
  説明員
   労働省労働基準
   局賃金課長   東村金之助君
   労働省職業安定
   局失業対策部長 松永 正男君
   ――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決
 算(第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度政府関係機関決算書
 (第三十四回国会内閣提出)
○昭和三十三年度国有財産増減及び現
 在額総計算書(第三十四回国会内閣
 提出)
○昭和三十三年度国有財産無償貸付状
 況総計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
○昭和三十三年度物品増減及び現在額
 総計算書(第三十四回国会内閣提
 出)
   ――――――――――
#2
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。
 委員の変更について報告いたします。五月二十三日に小柳牧衞君が辞任され、その補欠として安部清美君が選任されました。
   ――――――――――
#3
○委員長(佐藤芳男君) 昭和三十三年度決算外三件を一括して議題に供します。本日は、前回に引き続き総括質疑を続行いたします。質疑の通告がございます。これを許します。
#4
○相澤重明君 労働大臣にお尋ねをしたい点が二点ばかりある。それは、第一は労働省の失対事業についての問題点と、いま一つは最低賃金の問題と大体二通りに分けて、予算委員会の関係もありますから、できるだけ私の方も簡略に質疑を行なっていきたいと思う。
 そこで、まず第一は三十三年度の労働省の決算を行なうにあたって特に問題点になったのは、失業対策事業費補助金の経理当を得ないものと、こういうことで各都道府県並びに市町村の指摘が大へん多かった、特にその中でも、前回福岡県の内容を調査をしたところが、六年も続いて決算委員会から当を得ないということで指摘されておる、そこで関係の知事あるいは労働部長、職業安定課長を呼んで当委員会で質疑を行なったのでありますが、そのことを初めとして各府県の内容を見ると、やはり同じようなものが跡を断たないわけですね。これについて労働省の基本的な考えというものをやはりはっきりしておく必要があるのではないか、こう思うので、大臣から基本的な一つお考えを聞いておきたいと思うのです。前回は松永失対部長からいろいろ説明を求めておりますけれども、これはやはり何といっても数多い指摘事項の中で労働省では失対事業関係が一番多い、こういう点の摘出を私どもはしなければならぬと思うのです。そういう意味で大臣に特にきょうは御出席をいただいておりますので、お答えをいただきたいと思います。
#5
○委員長(佐藤芳男君) 労働大臣に申し上げますが、ただいま相澤君の御発言の中にもございましたように、相澤君におかれましてもきわめて簡潔に質疑を行なわれるわけでございますから、予算委員会との関係で、予算委員長と私との申し合わせもございまする関係から、一時間程度で御退席を願いたいと思いますので、きわめて明快に、簡潔にお願いをいたしたいと思います。
#6
○国務大臣(石田博英君) 失業対策事業は御承知のように非常に困難な問題をたくさん内包いたしております。従ってこの事業の本質について、あるいはまたこれからの行き方について根本的な検討を加えなければならず、また目下検討を命じておる段階であります。特にその対象人員の平均年令が非常に高まってきております実情から、さらに固定化しつつあるという実情から、私どもは高年令層の者はいたし方がないといたしましても、若年令層の者はでき得る限り他の常用雇用に転職せしめるようにすることを基本方針といたしまして、これから検討をして参りたいと思っております。
 会計検査院から指摘されておりまする補助費の不正使用でありますが、これはそのこと自体きわめて遺憾であることは申し上げるまでもないことでありまして、私どもの方ではそのつど厳重な、あるいは文書、あるいは口頭をもって各当事者に対して警告を行なっておる次第であります。ただこのことは、先ほど申しましたように、失業対策事業そのものの中に内包する幾つかの困難な問題に、その原因の一半があるということは、これはいなめない問題であります。しかしながらやはり国費を使用しておる事業でありますから、厳正に現行の法規内で処置をしてもらわなければならぬことは言うまでもございません。その原因の一半が、ただいま申しましたように失業対策事業の中に内包する問題でありますが、他の一半は、やはり何と申しまするか、惰性と申しますか、あるいは大ぜいの人の人数に押されるといいますか、いわゆる冷静、合理的な判断に基づかないで、旧来の慣行というものにずるずる引きずられていっておるというようなこともいえるのであります。しかし分けても問題とすべきものは、働いていない架空の人員に対して補助費が支払われるということは、これはもう弁解の余地のない問題でありまして、私ども監督の責任を痛感して、厳重にこの監督を行ないますとともに、その当事者の自粛を促して効果を上げたい。しかし問題の根本は、やはり失業対策事業自体をもっと根本的に検討することにあると考えておる次第であります。
#7
○相澤重明君 そこであなたの今お話しになった中で、高年令層は、これはなかなか教育するとか、配置転換するとかいってもなかなかむずかしい、若年令層については指導の仕方、あるいは教育のいかんによっては他の産業に十分収容できると思う。そういうことで、いわゆる職業訓練というものが非常に重要な要素を持つと私は思うのです。ですから失対事業の中でそういうことを今までお考えになっておって、現在の失業人員、いわゆる登録人員、その中でそういう職業訓練なり、教育指導を行なって他に転換のできる者はどのくらいとお考えになっておるのか。またそういうためにどういうふうにやろうとするのか、その点を一つお答えいただきたい。
#8
○国務大臣(石田博英君) これはどのくらい、本人の積極的な意思の問題とか、意欲の問題、これはどうも統計上、はかりようがございません。従って一般的に申しますと、やはり年令から判断をしていくのが適当じゃないかと存じております。そこで大ざっぱに年令構成を申し上げてみますと、三十四年の統計では二十九才以下が二・七%であります、三十才から三十九才までが一五・二%、そして四十才から四十九才までが二六・七%、五十才から五十九才までが三二・七%、六十才以上が二二・七%で、平均年令が五十才半でございます。この平均年令がやはり年度ごとに、だんだん高まってきております。三十年には四六・七才、三十一年では四七・八才、それから三十二年では四九・八才です。それから三十三年では四九・一才、このことはやはり失業対策事業にみんな固定してきておるということを雄弁に物語っております。私どもは三十九才以下の人人、これは訓練によって転業できるものと、こう考えております。それから四十才から四十九才までの間の人でも、本人の健康、意欲によっては十分できると思っております。
 そこでこれらの人々に対しては、まず職業訓練の準備をいたさなければならぬのでありまして、本年度は、あとで事務当局から御説明申し上げますが、きわめてわずかでありますが、最初の試みといたしまして、失業対策事業対象人員のための職業訓練の予算的措置を講じてございます。これは明年度以降、本人の経験に基づきまして積極的に拡大をして参りたいと思います。それからそれ以外に今、日雇い労働に対する民間の需要が非常に高まっておりまして、賃金その他も比較的高いのでありまするから、職業安定所等を通じまして、民間の高い賃金をもらえる事業の方へ転業させるように若い層はそういたしたい。高年令層、五十才以上の人々は、私どもの訓練所で五十五才の者を訓練いたしまして就職さした経験もございます。ありますけれども、まずこれは常識的に考えましても、何人にも通用するというわけではございませんので、ただいま申しましたような方針でやって参りたいと思っております。
#9
○相澤重明君 そうすると大体四十才までくらいはとにかく職業訓練を施す考え方は持っておる、そして四十才以上の者になれば中にはいい人もあるかもしれないけれども、失対事業でまかなっていかなければならぬということは現実的な問題である。こうなりますと政府がこの職業訓練なりあるいはまあ講習なりいろいろな形で、労働に対する指導を行なっていくと思うんですが、先ほどのお話の中にも出ておりました働かないで賃金を支給するとか何とかいう問題が、今までかなりあったわけですね。賃金カットの理由もあったと思うんです。そこで、この今までそういう慣行というか、あるいは事実上やむを得ざるものというような解釈で、たとえば一つの例ですが、盆暮れの手当あるいは正月の休日、こういうようなものに対しては、事実上、人たるの生活に値いする問題を、これはやっぱり政府自身が考えなければならぬものだ。そういうような問題については、何か政令等であなたの方自身で適切な指導をする考えがあるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
#10
○国務大臣(石田博英君) 手当は出しております。一五・五日分を出しておるわけでありますが、これは各年度ごとに逐次増加いたすように努力をしておりまするし、また実績は上がってきております。その額が適当であるかどうかという問題と、しかしそれが少ないからといって、架空の人員で補助費を、悪い言葉でありますが、欺き取るという言葉とは別個でありますが、事実上関連があるといえばいえるかもしれませんけれども、これはやはり別個に考えなければならぬ問題だと思います。悪いことは悪い、しなければならぬことはしなければならない、こういう態度で臨みたい。従って、盆暮れ、年末等のことについては、さらに善処をしたいと思っております。ただ、国費の補助以外に自治体自身が出す問題について、何か労働省で政令あるいは訓令等の処置をとってくれということでありますが、これは原則としてやらないことになっております。政府がやっておるわけでありますから、それ以外の措置はやらないことになっております。しかし、事実問題としてとられるのであるから、やってはいけないというはっきりした訓令なり、あるいは、やるならこの程度政府の方でさらに上乗せをしてやるなりしてくれと、こういうお話でありますが、やってはいけないと、やったことは認めないということはすでに何度もやっておるわけであります。ところが、今度事実上それが行なわれているから、行なわれていることを一応認めて、政府の方で出すようにしろと、こういうお話ですが、それは今の状態でやってみたところで上に乗せられるだけの話で、現実の解決にならないし、地方財政に対する負担が結局解消はされないと、こう思っておる次第であります。やはり、私は、政府としてはあとう限りの努力はいたしますとともに、やはりけじめははっきりするということを明確にしていかなければならぬものだと思っておる次第であります。
#11
○相澤重明君 まあ私ども国会での討議ですから、当然今大臣の言うような答えになろうし、私どももそう思うわけです。しかし、現実に社会生活の中でいく場合に、一番谷間にある失対の人たち、そうすると、その人たちの生活を向上させるというのは、国民全体のこれは仕事でもある。また、政治家の最も関心を持たなきゃならぬことだと私は思うんです。そういう意味で、これは政府が特にそういう問題を、ただ大ざっぱに平面的に見るだけで、これは政令なり訓令でないからいけないというんでなくて、やはりもし現在の情勢に適合しないものであれば、これはしないということで、それから現在の情勢、これからの社会生活の中で必要だということであれば、やっぱりこれは直していくことが、私はやっぱり政治家のとるべき道だと思うんです。そういう意味でお尋ねをしたんでありますが、これは一つ、今までの欠点というものがやっぱりこの中にたくさん内包されておると思うんです。そういうものはぜひ摘出をしていただいて、そうして法律改正なりあるいは政令で指示をする場合の一つ資料というものを、労働省ではぜひお作りをいただきたい。これは私どもが働く意欲を持っておっても、いわゆる普通の人と違う立場におる人たちには、やはり指導なりあるいはまあそういう他の面で、やはり人をこしらえていくということが大事なことじゃないか。そう思いますので、この点を私は要望しておきたい。そういういろんな問題点なるものを摘出をして、そうして人間を完成させていくその努力を私どもはやるべきだ、こういう点一つ要望しておきたいと思うんですが、大臣いかがですか。
#12
○国務大臣(石田博英君) 先ほどお答えを申しましたように、失業対策事業の中に幾つかの問題を内包いたしております。それを摘出し、さらにそれに対してもっと根本的な処置をとるように、私は就任以来強く省内に命じておるところであります。御要望に従って、私どもの方のいろいろ資料等は差し上げたいと存じます。何せ非常にむずかしい問題でありますが、一つにはやはり現在日雇い労働というものに対する要望は非常に高いんです。ですから安定所で高い賃金であっせんして得られない事態が多い。しかしやっぱり楽な方へいくという動きもこれは否定できない。やはりこれは本人の意欲が一つの前提であります。それと特に今のような情勢ですと、意欲さえあれば高い収入を得られる道が開かれつつあるということを前提におきまして、そういう状態で失業対策事業へ定着することがないように指導いたしたいと考えております。
#13
○相澤重明君 それから端的に一つ私は質問をして、失対事業の問題は終わりたいと思うんですが、実は福岡県の問題を出して、松永君にこの前、説明を求めたんですが、昭和二十九年度から六年間も実はその福岡県の指摘は続いておる。ところが先日の参考人を呼んで話を聞いたところによると、労働省自身が福岡県に対するところの注意を喚起するのが実は三十四年になって初めて行なわれた。これはいわば私と大臣と政党が違うから、相澤は文句を言うんじゃないか、大臣は与党だから与党の立場で、言うんじゃないか、こういうものじゃ私はないと思う。五年も六年も続いておって、それを指摘をしておかないで、そして三十四年になって指摘をしたということは、私は労働省の業務上の非難は免れないと思う。なぜそれをやらなかったか、こういう点について松永部長は三十四年にやったというんだけれども、その前は一体どうしたんだ。われわれは三十三年の決算をやっておるんですが、そういうことからいくと二十九年、三十年、三十一年とこう歴年私どもは指摘をしておるにもかかわらず、労働省がそういう点、この失対事業についての適正を欠いておるということについての、そういう指示が適切に行なわれておらなかったということは、これは労働省の責任である、こういうふうに思うんだが、大臣は一体どうお考えになりますか。
#14
○国務大臣(石田博英君) 確かに文書で警告いたしましたのは三十四年からであります。しかし毎年この事態についてはあるいは担当者を招致いたしまして、口頭で注意は毎年喚起いたさせておったのであります。事態が起こったときに直ちにやればいいじゃないか、正式文書でやればいいじゃないかという御意見ごもっともでありまして、そういうことをしなかったという意味においては、怠慢と言われてもいたし方がないのでありますが、やはり何と申しますか、正式に公文書で警告をされるということは、当該府県にとって決して名誉なことではございません。従ってでき得る限り口頭で御注意を促しまして、そうして自発的にと申しますか、そういう文書を突きつけられなくても、改善されるということが本来望ましいことでありますので、そういう方法をとって参ったのであります。しかし何せあまり重なり過ぎるものでございますから、ただいま申しましたような公文書での処置をとりました。これからは私はそういう事態、これは一般の刑事問題と比較するのもどうかと思いますが、初犯は何と申しますか口頭で注意を促す程度のことでよかろうと思いますが、累犯となりますとやはり文書をもってもっときちきちとやっていくべきだと思います。今後は、まあ初犯は別といたしまして、累犯については福岡県にとりましたと同じような処置を各府県に、あるいは各事業主体団体にとって参る方針でございます。
#15
○相澤重明君 まあ私も、すでに過ぎ去ったことだから、あまり文句は言いたくないのですよ。文句は言いたくないのだけれども、せっかく大臣の御答弁をいただいたのだけれども、どうも私は政治的な問題にしか覚えられないのですね。そうでしょう。二十九年から三十年、三十一年、三十二年、三十三年とずっと指摘されておる。そうして今度は三十四年に知事がかわった。そこで今度はこの文書を出しているわけですね。そうすると労働大臣、僕は別にそういうふうにはとらぬけれども、しかし、まあそういうふうに、これは野党の立場でいくと政府はそういうことをやりゃあがったと、こういうことになる。そうするとほかはどうなんだ、こういうことになると思う。これは今話がうまくいっているからいいけれども、一つ政治的な問題で突っ込んでごらんなさいよ。これはあなた、石田労相、何を言ってやがるんだということになるのですよ、率直に言って。私は、これはあなたが悪いのではなくて、あなたの前の大臣にも責任があると思う。大臣は、まあ政治家ですから、政治家から大臣になっている政党内閣なんですから。そこで、やっぱりこれは事務上の問題なんですよ。私は率直に言うのですよ。ですから、松永失対部長がどう答弁しようと、現実に三十四年に知事がかわってから出したということは、その前は今言ったように、口頭で連絡しておった注意だ。しかし四年も五年も注意を与えておいて、今度は知事がかわったから文書でもって指摘をした。こういうやり方は一貫性がない。従って、この事務上の問題として私どもとしてはこれは納得できぬと、こういうふうに言われても私は抗弁の余地はないと思うのですよ、ほんとうの話が。それをしかも二回やっているのですよ、文書で。だから、そんなら何も僕らが参議院の決算委員会で毎年検査をしておいて、しかも労働省これはいかぬよと、こう言っているのに、なぜ文書でやらなかったのか。こういう点は、私は大臣に責任を持っていかれるようになるけれども、これは事務上の問題であって、なぜ事務上にそういうことを大臣の――国会でしかられたことを実際にやらなかったのか。その責任をむしろ私は追及したい。だから前回も福岡県知事を呼んだときに、その話を聞いてみると、むしろ前の福岡県の土屋知事のときの方がよほど問題が多い。だから前の土屋知事を呼ばなければほんとうのことは出てこぬと、このくらいのことまで私は言ったわけです。これは私は大臣を責めるわけじゃないけれども、そういう労働省の役人の考え方が私は問題だと思う。そういう点は、あなたが就任されてから、ベテランの労働大臣なんだから、いろいろ聞いて知っているだろうと思うけれども、こういう点は私はやはり直してもらいたい、率直に言って。そうでないというと、あれは与党であるから野党であるからというような印象を与えたら、政治に対する不信ですよ、率直に言って。だから、私はやっぱりこの指摘をされたことは率直に各都道府県に通知をして、そうしてこういう不祥事を、あるいはまた、不正不当なことが起きないように指導をするのが私はあなた方の役目ではないかと、こういうように思うのです。
 そこで、それに関連してほかに文書で出した所は何件あるのか、一つお答えをいただきたいと思う。
#16
○国務大臣(石田博英君) これは、まあえらい誤解をちょうだいいたしまして恐縮でありますが、(「誤解じゃない」と呼ぶ者あり)労働省の役人は、むしろどちらかというと社会党のシンパが多いのではないかと私どもは監督上苦慮いたしておるところでございまして、決してそういう不当な取り扱いをいたしたわけではございませんで、特に三十四年度に文書をもって注意をいたしました事案は、三十三年度の事案について文書をもって警告をしておるわけであります。三十三年度は福岡県は土屋君の時代であったように思っておりますので、土屋君の時代に生じた事案について注意を喚起いたしておる。決してそういうつもりではございません。
 それからそのときには三十四年は全国のこういう同じ事例については初犯、累犯を問わず全部一斉に文書で出しております。その出しております所をちょっと御参考までに読み上げますと、北海道、福島県、栃木県の宇都宮市、それから神奈川県の横須賀市、新潟県及び新潟市、金沢市、福井県、それから京都府、それから奈良県、それから今の福岡県、それから大分県の日田市、宮崎県、宮崎県の延岡市、これだけに対して文書でみな警告を出しております。
#17
○相澤重明君 大臣はそう言われたけれども、松永失対部長がそこにすわっているのだけれども、この前あなたはそういう警告文書を出したと言ったか、言わなかったろう。この私どもの決算委員会でそういうのはどうかと、こういう話をしたときに、福岡県については文書で警告を出した、こういうふうに私は聞いておったのだが、あなたはどういうふうに考えておりますか。
#18
○説明員(松永正男君) この前の委員会のときに、相澤先生の御質問で実はちょっとお聞き返しをいたしまして恐縮だったのでございますが、三十四年、五年には出している、その前に出したか、ほかに出したか――これは私は福岡県に対してその前に出したかというふうに受け取りまして、実は出しておりませんとこういうふうにお答えを申し上げましたので、その点がちょっと私の方のお答えが不適当であったかと思うのでございますが、これは三十二年度、三十三年度の会計につきまして三十四年度に指摘をされたわけでございます。それで三十四年度に指摘をされましたものにつきましては、今大臣から申し上げました府県知事に対しまして全部文書で警告を出しまして、それでその県下の各市町村に対しましては、県知事から厳重に監督をしていただきたい、こういうことで文書はすべて知事あてに出してございます。なお福岡につきましても福岡市等がございますので、県知事に対して出しまして、管下の事業主体をこの線で監督をしていただきたい、というお願いをいたしてございます。全部文書は同趣旨にいたしてございます。
#19
○相澤重明君 そうすると君の言うのは三十三年度の決算の結果、三十四年に今、労働大臣が読んだようなものを出したと、それで前回の当委員会での答弁については、三十三年度以前に出したものはないと、こういう考えで答弁をしたということかな。
#20
○説明員(松永正男君) はい。
#21
○相澤重明君 それだというと、われわれの受け取り方が違っているので……。私の聞いたのは、他にもそういう例があるのだが、指摘している所で福岡県以外に出した所があるのかというわれわれの考え方で質問した。それに対して松永失対部長は他にはないと言うから、私はもう他の府県には出しておらぬ……。しかし今になって労働大臣が言うと、松永何を言っているのかという、こういう形にもなる。しかしそれはそういうふうに他に出しているというならば、それはそれでいい。
 そこで、そういう指摘について公文書を出したとすれば、当然改善対策というものについて労働省に回答があるはずだと思いますね。一つ、きょうは総括質問でこの問題を終わりたいと思うから、各府県で今労働大臣が読んだ、労働省から警告を発した、そういう所で改善対策を出したものがあったら、それを当委員会に出してもらいたい。いいですね、これは。
#22
○説明員(松永正男君) はい。
#23
○相澤重明君 どういうふうな対策をもって本省に来ているか、こういうことを知らしてもらいたいと思う。そこで、あとは実際に都道府県の事業主体のものと、それから、今のお話のように市町村の場合があるわけですね。これは都道府県の監督の問題もある。前田失対部長のお話を聞いておると、できるだけ都道府県の段階ではまあ監督官等の懇談会といいますか、打合会というか、そういうものはやっておるようにお話は聞いておるけれども、実際にこの市町村の段階までについては、なかなか都道府県に依頼することが多いのじゃないかと、こういう印象を私ども受けたわけです。
 ここに、やっぱり問題点があるのじゃないか。つまり監督官が足りないのか、それともそういう積極性というものが労働省自身にないのか、こういう点について、私どもちょっと疑問を持つので、監察官いわゆる中央、地方を通じて、その監察官の定期的な会合というものを労働省は考えておるのか。それとも事故が、そういう不正不当な問題が起きたところに、いわゆる中央、地方の監察官を動員をしてやるというのか。その辺の一つ考え方を明らかにしてもらいたいのです。
#24
○国務大臣(石田博英君) 定期的な会合はやっておりまして、定期的な会合において、全般的な問題を提示いたしまして注意を喚起いたしております。実際、監督の実情につきましては、失対部長から御説明申し上げます。
#25
○説明員(松永正男君) 監察官は本省に九人、それから地方に百八人置いてございます。それで、この監察官の合同の会議を定期的にやっております。この際には、研修も兼ねまして、監察の内容と監察の技術をあわせまして会合をやっております。
 それから、これらの監察官が活動をいたしております状況でございますが、本省の監察官は、主として都道府県及び公共職業安定所、それから事業主体も幾分監察をいたします。それから地方の監察官は、事業主体に対しまして、目標といたしまして年二回、各事業主体、年二回の監察をいたしたい。それから安定所に対しまして、年二回の監察をいたしたいということで努力をいたしておりますが、実績といたしましては、そこまでは参りませんで、事業主体に対しまして昨年度の実績が千八百件でございまして、一事業主体、平均一・五回ほどになっております。これは、目標に近づけるべく今努力をいたしておるところでございます。それから安定所に対しましては、年二回の監察の実施をいたしております。
 なお監察と並行をいたしまして、常時業務の運営につきましては、これはそのつど、いろいろな連絡をいたしておるわけでございますが、昨年度から、特に事業主体を直接集めまして本省で指導をいたします事業主体のブロック会議を開催をいたすことにいたしまして、本年も、また開催をいたしたいと考えております。
#26
○相澤重明君 なるべく要領よく答弁してもらいたいの、だが。このブロック会議というのが、私はおざなりのことであってはならぬと思うのですよ。それで、やはり事業主体そのものが、どう認識をしておるかという点が、一番この内容に入った場合に、私は問題点を出しておる。実は私ども決算委員会で、この各都道府県の調査をやったことがあるわけですね、決算委員会が現地調査をやると。それで、たとえば私が奈良の春日市ですか、あれに行ったときに、たとえば同和対策の問題等についても、いろいろ現地を聞いてみると、ずいぶん話のパイプが通っておらぬ、下まで。こういうような問題まで、実は決算委員会の現地調査の中で、いろいろ出てきているわけです。ですから、幹部だけを集めちゃって、そこで会議をやったから、これでもう全部仕事ができたのだと思うと、私は大へんな指導会議になってしまう。もっと、地方監察官もおるのですから、そういう点の今のお話を聞けば、事業主体を年一・五とか、二回に進めていくというお話もあるけれども、私はもっと親切に、そういう点を教えてやるようにしてもらいたいと思う。そのことが実績として、私はそういう不正不当がなくなってくることではないか。だから口で幾ら会議を持ちましたと、こう言っても、やはり実質上、事故件数が多いということは、私は、その指導方針が十分でない、こういうふうに思われるので、そのブロック会議というものが、そういう地方の実際の仕事を担当する人か集めるのかどうか。偉い人だけ集めちゃって、そうして実際に仕事をしておる人が知らぬ、こういうことであっては私はならぬと思うの、だが、その点は、どうでしょう。
#27
○委員長(佐藤芳男君) 簡潔に願います。
#28
○説明員(松永正男君) ただいまの御質問は、実は御指摘の後段でございまして、担当者を集めてやっておるのでございます。ただ、私どもの悩みといたしましては、その担当者によく連絡したことが、たとえば市長さんであるとか助役さんであるとか、上の方に通ずるパイプが、やや詰まりがちである。実は現在の悩みは、それがございます。
#29
○相澤重明君 それでは、その上か下か、どっちがパイプ詰まっておるかということは、これは実績によって出てくる。そういうことで、とにかく私ども決算委員会として言いたいことは、毎年々々こういう同じようなことが繰り返されることは、幾ら労働省が抗弁しようとも、結局指導がよくないと、こういうことが決算委員会のやはり私は答えだと思うのですよ。
 そこで、まあそういうことを、なくするように努力をしてもらいたいことと、いま一つは、そういう制度上の欠陥があるならば、これはやっぱり一つ、先ほど申し上げたように摘出をして、この制度上の改善対策をはかっていくべきである。そういうふうにすれば、こういうふうな不正不当であるというようなことは言われずに済む。私どもはそう思うわけです。そういう点をぜひ一つ努力していただくことを、これは私からお願いしておきたいと思うのです。そこで、その次の問題に入りたいと思うのです、お約束の時間があと、あまりありませんから。
 そこで次には、最低賃金の問題ですが、前回資料要求いたしまして、労働省の方から最低賃金の資料をちょうだいをいたしたわけですが、この現在業者間協定で適用をされておる約五十万の人たちが受けておる給与額というものは、どのくらいである、こういうのを労働省の資料で見ますと、残念ながら非常に給料が安い。私は、この四千円であるとか五千円であるとかというようなものは、これは最低賃金ではない。いかに業者間協定といえども、最低賃金制という、その労働省が労働者に対するところのサービス省として、向上させなければならぬ、また指導をしていかなきゃならぬ立場からいけば、私はそれはやはり、あまりにも低位な賃金体系ではないか、こう思うので、この最低賃金法のいわゆる法律の精神と現在の業者間協定の低位にあるものを、どうして政府は向上させていくのか、こういう具体的な一つ指導方針というものがあったら、お聞かせをいただきたい。
#30
○国務大臣(石田博英君) 現在の時点におきまする適用労働者総数は約七十五万であります。で、その場合に、ただいま御指摘のように、非常にその最低賃金自体の額が低い事例があります。それは、おととし実施されました当初においてきめられたもの、あるいは法が施行される以前に行政指導によってきめられたものが、そのまま今日まで残っておるというものが一つあります。これに対しましては、至急に少なくとも二百円をこえるように行政指導をいたさせております。漸次改善をされると思います。
 それから新しく決定されるものについては、これはもう端的な言葉で言いますると、二百円以下というようなものは、最低賃金じゃないのだということで、できる限り高額のものにもつていくように指導いたしておりますが、最近できました最低賃金の金額は、大体二百三十円から二百五十円というものが非常に多くなってきております。大体、その辺に現在の時点においては、順次落ち着きつつあるのじゃないかと、まあ思っておる次第でありますが、さらにまた、その向上に努めたいと思っております。
 それから第三番目に問題といたしますことは、その最低賃金が、実は最高賃金と間違えられる危険があるということであります。具体的に申しますと、長崎県等のあるいは三菱造船の下請企業等におきましては、三菱造船自体が、その業者間協定によりました最低賃金を、発注する原価計算の労賃の基礎にしておる。あるいはまた、もう少し高く雇いたいと思っても、お互いの業者間の義理合いというようなことで、雇えないのだ、こういうような話をしているものも耳にいたしたこともあります。これは、大へんな誤解でありまして、最低賃金は、あくまでも最低賃金なんで、特に親会社が、そういう観念でいくことは、大へん困る問題であります。そこで、こういう親子の関係の企業の問題の是正につきましては、たとえば日立製作所で今実験と申しますか、実際にやってみまして、成功をおさめておるのでありますが、親会社が、技術指導だけでなくて、その他に、労務管理上の指導も同時に行ない得るように、それの組織を整備いたしまして、これは賃金の問題だけでなく、中小企業にありがちな労務管理上の無知識、無関心というようなものからくる拘束時間がむやみに長くて、実働時間が少なくて能率が悪い、あるいは労務の配置上適切でないというような問題も含めまして指導をいたさして、女子の深夜労働をなくしたり、あるいは実働時間が長くて拘束時間が逆に減ったり、そういうことによって、実質賃金の上昇をきたしたり、各種の事例を見ておるわけであります。これをやって参りますると、親企業は、自分のところの賃金ベースと、そうむやみと違った賃金ベースを子企業には強制するわけに参らなくなってくる、そういうことを通じて改善をしていくつもりであります。
 結論から申し上げますと、私どもは当初に、早い時期にできました低いものを引き上げさせる、それから、新しくできるものについては、できるだけ高い基準にもっていくようにいたすというようなこと、それから最低賃金にからまる馬鹿げた誤解の一掃に努める。さらに親子の関係によって、親企業に子企業の賃金についての責任感を持たしていくというようなことを通じまして、実質賃金の上昇を期待している、そういうところであります。
#31
○相澤重明君 考え方は、まあ私どもも賛成のできるような御答弁いただいて非常にけっこうだと思うのですが、現実に、今大臣のお話になった二百三十円なり二百五十円というのを作られているところもあるわけですね。けれども、全国平均を、私どもはいろいろ調査をしてみると、どうもそういうふうに、なかなかなっておらぬのが多いと思うのですね。そこで、そういう指導のやり方として本省としては、地方の地域条件あるいは業種条件、みんな違いますね。そういう中で、業者間協定というものが作られているわけですが、どういう形で指導をしているか、その指導の方法、あなたは全般に引き上げていくようにしたいと言う、それはその通りであると思うのですよ。その引き上げていくその指導というものが、具体的にどういうふうに、本省としては地方に行なっておるのか、この辺の経緯を、少し説明をしてもらいたいと思うのですがね。
#32
○国務大臣(石田博英君) お手元に差し上げた資料でごらんいただきましても、大体実質賃金の昭和三十六年度以降は二百円以下はわずかに一、二件を数えるようであります。それからやはり二百二十円から二百五十円という層がずっと多くなってきております。これは、どういう方向でやっておるかと申しますと、県基準局長を招致いたしまして、基準局長の会議におきまして、私の今申しましたような方針を明示いたしまして、その方針に基づいて、各管下の基準監督署を指導するようにいたしておるのでありますが、具体的な施策の実例等につきましては、賃金課長から説明いたします。
#33
○相澤重明君 指導方針をちょっと聞かして下さい。
#34
○国務大臣(石田博英君) 指導方針は、先ほどから申し上げましたような方針でありますが、具体的にどうやっているかということは、賃金課長から説明いたさせます。
#35
○説明員(東村金之助君) 最低賃金の金額は、どうきめるかという具体的の問題でございますけれど、業者間協定でございますから、その業者の方が集まって、どの辺に賃金の水準を置こうかということが問題になるわけでございます。そのときに、われわれといたしましては、実際に賃金の姿がどうなっているであろうかということを十分検討しなければいけない。そうして、またこの辺の賃金をとったならば、その業界に全体的に、どういう影響を与えるかという影響も検討しなければいけない。それからまた、一般にその地区で行なわれている賃金の水準は、どの程度であろうかというようなことから、実際に賃金を算出する場合の指導を行なうわけです。具体的に金額がきまりましたならば、各地方の都道府県基準局の中に置かれております最低賃金審議会というのがございます。これは公労使委員の三者構成でやっているわけでございますが、ここにおかけいたしまして、十分御討議をいただく、こういう手続になります。
#36
○相澤重明君 私はやはり、この具体的な指導というものが、実は、さっき大臣がちょっと説明されたように最高賃金制にやはり置きかえられるおそれがないとはいえない。これはやはり、よほど労働省が最低賃金法という、労働者の生活権を確立する問題をよほど理解させないと、やはり問題点が残ると思うんですね、まず第一は。二つ目には、中小企業の場合は、何といっても資金面で非常に悩むんではないかと思うんですね。そこの資金の問題を、どう処理するかということが、やはり賃金構成の主要な要素になってくるんじゃないか。こういう点を私どもは、非常にいろいろな資料をちょうだいしながら、考えさせられているわけです。
 だから、実際に最低賃金を作ってやろうというのが、これでもって、もう最大のものであるから、これでもう行かぬの、だという、最高賃金に押えられていく危険性というものが多分にあるのじゃないか、こういう点をぜひ一つ業者の諸君に、最低賃金法の精神というものを私は、繰り返し繰り返しやはり指導していただきたいということをお願いしておきたいと思うんです。
 そこで、時間がありませんから、端的に、あと二つほど問題の中でお願いしておきたいのは、前回のいわゆる病院ストがありましたね。この病院ストに対するところの平均年令とか、あるいは平均給与というようなものも、厚生省なり、労働省の方から、いろいろ資料を出していただいたわけですが、これに対して具体的には、たしか病院ストをおさめるときには、厚生大臣なり、労働大臣が、いろいろ苦労しているけれども、自分の所管のものと、所管のものでない、こういう問題で、当時、どうもどっちが一体主体的条件をもつかということで、いろいろ批判をされたこともあるわけです。これについては、政府がとにかく、こういう事態をおさめるために、労働省も、厚生省も一つ協力をして、病院ストをなくするように努めなければいかぬということで、何ですか、いわゆる経営者の諸君の対策を作るための会議等ももたれて、そうして、この対策を作るということをお話になったと思うんです。それは六月ころというふうに私は当時聞いておったのですが、現在は、どういう進行状態になっているか、この点一つお答えいただきたい。
#37
○国務大臣(石田博英君) 病院ストが昨年の秋に起こりましたときに、私ども労働省の観点から見た問題点をいろいろ拾ってみますと、それはその当時、新聞等にも発表いたしたのでありますが、その拾った問題点の中で、専門的部面に属する部門がたくさんございます。従って、これは労働省として問題の基準をきめるわけにいかない問題があります。たとえば争議の手段、賃金、待遇その他の条件は、これは別といたしまして、争議の手段としまして保安要員というのが、一体どの程度確保されるべきものかという、これは各科によって違うと思います。それから、たとえば要するに今完全給食でありますから、御飯を提供するという、いわゆる給食の従業員は保安要員に入るか、入らぬかという問題、こういうことは、やはり厚生省においてきめてもらわなければ、専門家の間においてきめてもらわなければならぬ、それから病院の経営上における管理者の、それぞれの責任分担が明確でありません。労務管理は一体理事者の責任であるのか、病院長の責任であるのか、事務長の責任であるのか、はっきりしない。あるいはまた、就業規則ができていないところが大半であります。いわんや労使協定などというものは、労働協約もできていないものが大部分であります。そこで、病院の就業規則というものはいかにあるべきか。これは他の企業と著しく違っておりますのは、少数の異なった職務についておる人が多く集まって構成されておるということであります。これは、たとえば大きな病院、どんな大きな病院でも、レントゲン技師が百人もいるところはないわけでございまして、少数の技師が集まっておる。それから職務上の相違と身分上の相違とか錯綜いたしております。そういうような問題についても、やはり私どもよりは専門的立場で検討してもらわなければならないのでありまして、われわれ労働省側として取り上げました問題を整理いたしまして、厚生省側に昨年しばしば要請をいたしました。今の古井厚生大臣の時代になりまして、ただいまお話しの病院管理に対する協議会というものが――懇談会でございましたか、できました。これは三月一ぱいというのが期限でありまして、三月一ぱいで結論が出て、そして各病院にその結論を配付されて、それによって病院の経営管理というようなものをするように指導されておると、厚生大臣から閣議において報告を承っておる次第であります。
#38
○相澤重明君 そこで、労働省の主要な役目というものは、やはり労働者の人権を守っていく。そのための就業規則とか、あるいは労働契約、労働協約というものがある。それで特に労働省は、少なくとも労使慣行を樹立するためには、労働協約の締結というものを進めておると思います。そういう病院関係等について、特に私はこの争議を振り返ってみて、就業規則はあるけれども、労働協約がない、こういうようなところも多分に見受けられるのじゃないか。せっかく労働大臣がそういう事態の収拾策というものを、関係の厚生大臣なり、他のそういう政府が努力を関係者としても、実際に労働協約そのものがやはり締結をされないというようなことでは、労使慣行の平和的な樹立というものはないわけですね。労働協約を締結せしめるということは、これは非常に私は大きな問題だと思うのです。そういう面で、これはもう時間がないので、これは一つ、どちらが専門的になるのか知らぬが、労働協約というものが、どういうふうに昨年の病院ストを行なったところで締結をされておるのか、これは一つあとで資料を提出していただきたい。今お答えを願うと時間がかかりますから、資料を提出していただきたい。で、特に労災病院は、私はやはりこれは労働省の関係もかなりあるし、労災病院というものは一体どうなっておるのか、こういうような点についても少し説明を加えて、資料を提出してもらいたい。
#39
○国務大臣(石田博英君) 承知いたしました。
#40
○相澤重明君 それからその次に、同じような人権問題も入ります――これはもう慣行としてはできておるのでありますが、繊維関係でありますが、もとの、前に人権ストでもってだいぶ近江絹糸の問題をやりましたが、あれは積極的に推進されてよかったのでありますが、現在通産省の、いろいろ私も資料を出していただきました。その中で見ると、やはりこの資本金、それから従業員、こういうようなところを見ますと、かなり三百人以下の従業員のところもあるわけですね。ところが、今年二月に通産省で繊維の操短を行なっておるわけです。これは、いわゆる毛織物あるいはスフ、人絹等の問題についてですね。そこで、この三百人以下の、そういう繊維業界の中で――私はこれは資料を全部持っておるのですが、実際的に現在操短をした場合でも、これは従来政府が指導してきておって、給与そのものについてはそう不安はないと私は思うのですが、支給されておる現状を一つお調べを、通産省と連絡をとってしてもらいたいと思うのです、どういうふうになっているか。
 それからいま一つは、この労働協約の中で、そういう操短に際する場合の支給の基準というものを作ってあるはずでありますから、そういうようなものを一つ資料として御提出をできたらお願いをしたいと思います。私は通産省だけの問題では――これは労働者の立場からいくと、私ども決算委員からいえば、やはりできるだけ労働者の生活を守ってやりたいという気持がありますから、そういう面でこれは資料要求をしておきたいと思います。いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(石田博英君) 労働協約の締結が労使関係の基本であることは、もう申すまでもないことでありまして、先ほどもお答えをいたしましたように、病院等においてはそれがほとんど少なかった。特に――大体病院だけじゃありませんが、中小企業の場合にそれが非常に少ない。労働省といたしましては、労働協約の締結を極力推進をいたしております。その状況、病院及び繊維関係等につきまして、御要求の資料をできる限り早く取りまとめまして、お手元に差し上げます。
#42
○相澤重明君 けっこうです。
#43
○委員長(佐藤芳男君) 本日の総括質疑の通告分は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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