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1960/04/11 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第10号
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1960/04/11 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第10号

#1
第038回国会 外務委員会 第10号
昭和三十六年四月十一日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
  ―――――――――――――
三月三十日委員青柳秀夫君辞任につ
き、その補欠として西田隆男君を議長
において指名した。
四月一日委員西田隆男君辞任につき、
その補欠として青柳秀夫君を議長にお
いて指名した。
四月三日委員松澤兼人君辞任につき、
その補欠として栗山良夫君を議長にお
いて指名した。
四月五日委員栗山良夫君は議員を辞職
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           青柳 秀夫君
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           森 元治郎君
   委員
           杉原 荒太君
           苫米地英俊君
           野村吉三郎君
           加藤シヅエ君
           曾祢  益君
           佐藤 尚武君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   外務政務次官  津島 文治君
   外務省条約局長 中川  融君
   外務省情報文化
   局長      近藤 晋一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省移住局企
   画課長     中尾 賢次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○移住及び植民に関する日本国とブラ
 ジル合衆国との間の協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出、
 衆議院送付)
○日本国とオーストラリア連邦との間
 の国際郵便為替の交換に関する約定
 の締結について承認を求めるの件
 (内閣送付、予備審査)
○日本国とパキスタンとの間の国際郵
 便為替の交換に関する約定の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣送
 付、予備審査)
○外国仲裁判断の承認及び執行に関す
 る条約の締結について承認を求める
 の件(内閣送付、予備審査)
○犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関す
 るアジア及び極東研修所を日本国に
 設置することに関する国際連合と日
 本国政府との間の協定の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣送付、予
 備審査)
○日本国とグレート・ブリテン及び北
 部アイルランド連合王国との間の文
 化協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出)
○日本国とブラジル合衆国との間の文
 化協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月三日、松津兼人君が委員を辞任され、その補欠として栗山良夫君が選任されました。
 なお、栗山良夫君は、四月五日に議員を辞職されましたので、当然本委員会の委員も退任されたことになります。
#3
○委員長(木内四郎君) 次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。
 理事青柳秀夫君は、去る三月三十日委員を辞任されましたが、四月一日に再び委員になられました。よって、青柳秀夫君を理事の補欠に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#5
○委員長(木内四郎君) 次に、移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題にいたしたいと思います。
 本件は、去る三月十七日、衆議院から送付されまして、本付託になっておりますので、念のため申し上げておきます。
 先般提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入りたいと存じます。質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#6
○森元治郎君 この計画移住のことについて伺いたいのだが、両国政府でこれから計画を作成するのですが、それは、協定ができてからすぐ始まるのですか。あるいは、腹案でもあったら教えてもらいたい。
#7
○説明員(中尾賢次君) 計画は、この協定が発効いたしまして、混合委員会というものが設置されることになっております。ここで初めて両国の間で策定をされるわけでございます。その内容につきましては、現在すでにブラジル側の植民地その他がございますので、そのようなものが内容に入ってくるかと思いますが、正式には、協定が発効してあとでございます。具体的にまだできてはおりません。
#8
○森元治郎君 しかし、この交渉は、三十三年十月から三十五年十月だから、二カ年間を費やしておるので、当然に、これだけの協定のできるまでには、ブラジル側の希望、日本側の希望もしかるベき機会に出し合って、こういう協定ができたと思うので、その年次計画とかいうこまかいことはとにかく、日本側の計画移民に対する期待といったようなものをちょっと聞きたい。
#9
○説明員(中尾賢次君) お答えいたします。
 この協定の眼目の一つは計画移住でございます。この計画移住につきましては、協定の第八条に「計画移住の量は、ブラジル合衆国の移住政策における自由の原則に基づき、日本国の移住者送出の可能性とブラジル合衆国の労働市場の必要性とを照らし合わせ、かつ、配置の実際的見通しに従って決定される。」こういうふうに書いてございます。自由の原則と申しますのは、人種上の差別とか、その他の制限のない、いわば門戸開放というような意味でございます。この計画移住の内窓は、先ほども申しました通り、その前の第七条に番いてございます通りに、両締約国の合意によって作成するわけでございますけれども、この内容につきましては、年次計画、それからさらに、相当長期の計画を立てるということに、交渉の過程においてブラジル側も同意をいたしております。ブルジル側の日本人移住者に対する期待というものは大きいわけでございまして、この計画移住の内容が、第九条に種類が書いてございます。これによりますと、農業者のみならず、技術者につきましても計画移住として取り上げる。従来工業技術者につきましては、自由移住者としてのみ行けたのでございますが、協定が発効いたしますると、これも計画移住として取り上げられる、こういうことになります。そしてこの計画移住者に対しましては、ブラジル側で特別の援助をする、こういうことになっております。ブラジルにおきましては、農業の開発、ことに未開発地域、ブラジル内の未開発地域の農業上の開拓及び工業化の過程にありますので工業の建設、ブラジル国におきましては、計画的に同国の産業の建設をやっておるわけでございます。従いまして、その計画が基本的にはもととなりまして、これに対して日本からの計画移住者が参って、ブラジルの経済建設に貢献をする、こういう意味で、この協定の精神は国際協力にあるということが申せるかと思います。
#10
○森元治郎君 何人くらい、今一万人くらい毎年向うに行っているような話があったと記憶するのだが、これから数はそれよりずっとふえるのですか。この二万人あるいは一万二千人といわれる人数は、自由移民の数だったかな。
#11
○国務大臣(小坂善太郎君) 全体の移住の問題でございますが、一昨年は七千六百人ぐらい、昨年は八千四百人、ことしは二万一千人を送出したい、こう思っているわけです。八千四百人程度しか今までできていなかったのに、なぜことしは一万一千人を見込むかというと、今の計画移住というものは軌道に乗るだろうか、これは、先方に土地を買って、そこへ人を出すわけですから、相当そこに計画性が出てくるわけでございます。そこで、ブラジルとの移住協定ができますと、さらにそうした問題がもっと具体的に、一番大きな移住者の送出国とブラジルとの閥に目安がついてくる。これが今後非常に多くなり、明るい見通しをわれわれに与えるのじゃないかと、こう考えてきているわけです。われわれとして、移住協定を作る際に、今、森さん御質問のように、何人くらいだろうという話があったかという御質問でございますけれども、これは、できた上で、さらにこの問題について話し合うことになっておりますので、今よりは全体計画が軌道に乗って進むであろうという程度しかこの際は申し上げることは困難な次第でございます。
#12
○森元治郎君 この八千四百人という昨年の実績は、これは、従来の計画だから自由移民ですな。
#13
○説明員(中尾賢次君) この計画移住、自由移住という観念は、実はブラジルの国内法の観念から導入されたものでございます。従来も、ブラジルの国内法によります計画移住というものはございます。そして八千四百人は、計画移住と自由移住、その両方でございます。
#14
○森元治郎君 この混合委員会というのは、どんな人で作るのですか、
#15
○説明員(中尾賢次君) 混合委員会の規定は、協定の第四十三条にかかげてございます。それによると、「日本国政府及びブラジル合衆国政府が三人ずつ任命する六人の代表者からなる混合委員会を設置する。」こういうふうになっております。さらに、同じ条にございますように、「各代表団につき三人をこえない技術顧問を任命することができる。」こういうふうになっております。
#16
○森元治郎君 そうすると、委員会の中には、出先の大公使なり領事なりが入るかもしれないし、民間人もなることもあるのですね。
#17
○説明員(中尾賢次君) 具体的には、まだ人選はきまっておらないわけでございます。おっしゃいます通りに、わが方の大使館の館員が兼ねる場合、民間人がなる場合、両方あるかと思います。技術顧問等につきましても同様でございますが、その場合に、日本海外移住振興株式会社あるいは海協連という移住の実務を担当しております機関の職員がなる場合もあるかと思います。
#18
○森元治郎君 今度は計画移住の方に重点が行っちゃって、自由移住の方が置いてきぼりになるかもしれないというおそれがあるのだが、第六条には、そういう人にはいろいろ情報を提供して、利益になる便宜を供与するのだと書いてありますけれども、自由移住の方はどんなふうに指導していくのですか。従来通りというのじゃ少し気が抜けやしないか。
#19
○説明員(中尾賢次君) この協定は計画移住の方に重点があると申し上げましたが、自由移住につきましても、これに必要な援助、保護を与えるということがうたわれておりますし、この第五条に具体的に一つのことが書かれてありますが、それによりますと、自由移住は、雇用契約によって渡航する移住者でございますが、この手続が非常に簡素化されるということがうたってございます。なお、自由移住の雇用契約その他につきまして、今後手続をさらに簡素化することを奪えております。これは、今後協定が発効いたしまして、混合委員会等で、両国の代表の間で話し合われることになると存じます。
#20
○森元治郎君 この雇用契約に基づいてたとえば自由移住者が移住していくというものは、やはり重点からどうもはずされていくのではないか。せっかく両方の政府間で混合委員会を作って、大いに移住の計画に従ってやろうというときに、その他にまた雇用契約を結んで行きたいという人があっても、なかなかその方があと回しというか、非常に弱くなるのではないかと思うのですが、そんな心配はありませんか。
#21
○説明員(中尾賢次君) 実は、雇用契約に基づきまして行く場合でも、これが両国政府の作成いたします計画に乗る場合には、これが計画移住に変わり得るわけでございます。この協定におきまして、全般的に移住の流れを計画化し、組織化しまして、それを実際的、能率的に行なうというところにこの協定の特徴がございますので、次第に計画化されていくということは事実であろうと思うのでございます。しかし、この協定は、決して自由移住の方を制限するというような規定はどこにもございません。これを促進していく、また手続は簡略化していくというような規定になっております。計画移住につきましては、これは、両国政府が作成する計画に基づきまして、さらに特別の援助、補助を両国政府が与える、こういうことでございます。
#22
○森元治郎君 話は違うけれども、このブラジルに行っている日本人の待遇、法的地位といいますか、そういうものは、いわゆる内国民待遇というのか、特別の待遇を受けているのですか、ほかの外人と比べた場合。
#23
○説明員(中尾賢次君) 日本の移住者は、ほかの外国人に比べて不利な取り扱いは受けておりません。今の御質問に関連をいたしまして、この協定に一つ交換公文が付属しておりますが、それには、日本の移住者に対して最恵国待遇を与えるという規定がございます。
#24
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑はございませんか。
#25
○井上清一君 政府の移住に対する指導方針と申しますか、計画移住に対して重点がやはり向けられておると私ども思うのでございますが、自由移住に対する政府の勧奨と申しますか、指導と申しますか、一般に国民に対して移住の奨励というような点から、どういうような方策をおとりになっておりますか。
#26
○説明員(中尾賢次君) 現在は、指名呼び寄せの移住者、これが自由移住者に当たるわけでございますが、これに対しましても、審査をいたしまして、国が渡航費の貸付を行なっております。それから、その他計画移住と何らの区別なしに、移住者が渡航いたします場合の仕度金であるとか、あるいはあっせん所におきます補助であるとか、現在は全く、自由移住、計画移住につきまして、何らの差別を日本側としてはやっておりません。同じ保護、援助を与えております。
#27
○井上清一君 計画移住は、主として農業関係がおもになることは、これはもう当然だと思いますが、商工業者の移住ですね。こういうことについて、具体的な政策と申しますか、何かそういうことをお考えになっておりましたか、今までに。
#28
○説明員(中尾賢次君) 従来ブラジルに参りました日本の移住者は、大部分が農業移住者でございました。しかし、今後は技術者、工業技能者の需要が相当に多いわけでございます。ブラジルの側におきましても、これは、この数年来非常に需要が多くなっております。そこで、この協定におきましても、これを計画移住として取り上げるというふうな規定が入ったわけでございます。これは、ブラジル側の希望も現わしているわけでございます。技術者の場合には、農業者と異なりまして、言語の関係とか、技術の修得程度であるとか、相当に綿密なる訓練あるいは選考等をいたさなければならないのでございまして、これは今後、最初の数は少なくても、次第に着実にこれを伸ばしていこう、こういう方針のもとにやっております。最近、この協定が発効する以前に、すでにサンパウロにおきまする海外協会連合会の支部を通じまして、サンパウロ市を中心とします工業者に対してアンケートを出しまして、その需要状況を調査いたしたのでありますが、それによりますと、かなりの数の各種の技能者の需要がございます。これに基づきまして、最近三十二名の技術者を募集いたしましたが、その後も続々と来ておりまして、近く一、二週間のうちに、第二次の七十数名の募集を行なう段取りとなっております。
#29
○井上清一君 私どもは、工業移住と申しますか、日本から小さなプラントを持って行って、あそこで仕事をやろうという人たちが相当にあるわけなんです。ところが、実際に向こうで仕事をやりたいと思って、いろいろ移住の計画を立てますと、ブラジルの国内では、どうも国内業者のいろいろな策動があったり、日本人が非常によく働いて、また日本のいい工業技術というものを持ってこられると非常に困るというようなことで、農業移民は歓迎するけれども、工業移民はあまり歓迎しないというような実情であるということを私どもは聞いているわけでございますが、今度の移住協定ができますというと、そういう点がなくなるのですか、どうなんですか。相当向こうは工業移民を受け入れる態勢ができるのですか、どうですか、その点をお伺いします。
#30
○説明員(中尾賢次君) ブラジルにおきましても、ブラジル側の工業界には、ある種の日本の技術者が参りますことに対するおそれと申しますか、それがないわけではないようでございます。しかしそれは、この協定の内容が十分よく理解されておらなかったというような事情によるわけでございまして、現地におきますわが方の在外公館あるいは移住関係の機関におきまして、決して向こうの工業を圧迫するようなものではないという点を、こまかい点につきましてPRをいたしております。その結果、誤解に基づく非難とか、そういうような点は解消されたと、こういうふうに私どもは見ております。今後もいろいろ問題はあるかと思いますが、ブラジル側を圧迫するということでなしに、日本のすぐれた技術者が出ていくという部面におきまして、これを伸ばしていくべきであると、こういうふうに考えております。
#31
○井上清一君 ブラジル国内法で、工業移民に関していろいろな制限がある、制約する法律があるということを聞いておりますが、今度のこの協定によって、そういう法律に対してあるいは修正を要求するとか何とかいうような根拠がどこかあるんですか。
#32
○説明員(中尾賢次君) ブラジルにおきます国内法につきまして、この協定発効によってどういうふうに変えなければならないかというようなことにつきましては、この協定では全然触れておりません、御承知かと思いますが、三分の二法という法律がございまして、一企業における外国人の数というものを制限しておるというような法律がございますが、これは、この協定ができましても変わりはないと思います、協定の第三十七条に、融資及び援助に関する規定がございますがこれは新しい、今までになかった規定でございます。
#33
○森元治郎君 大臣、この協定をずっと読んでいくと、感じは、ブラジル側の意向は第一条に強くうたってあるような感じがして、二条から三、四、五、六の自由移住は、日本側ががんばって、自由移住の方も一つお互いの政府の援助、保護を受けるようにしようじゃないか、自由移住は従来通り、あるいはさらにこれを促進していこうじゃないかということを、日本側がこれを強く主張して入れたような感じがするんです。特に第一条で、「日本人の移住の流れを指導し、組織化し、かつ、規制することを目的とする。」規制することを目的とするという字から見ると、計画移住の方に重点があるんだが、しかし、日本側は、二条から六条まで、自由移住の件をがんばって入れたというような感じを受けるんですが、どんなものですか。
#34
○説明員(中尾賢次君) ブラジル側におきまして、一般的なこの日本人の移住者に対する考え方は、以前とはだいぶ変わっておりまして、以前は、御承知の通り、数儀的な制限ということを正面に出して、そのような国内法も実はあるわけでございますが、しかし、この協定におきましては、いかなる個条を見ましても、日本からの移住者の数を制限するという趣旨の規定はございません。自由移住につきましても計画移住につきましても同様でございます。計画移住の方は、その具体的な個々の計画が両国政府によってでき上がるならば、これは無限にその数は伸びる、こういう建前になっております。自由移住の方は、国内法がございまして、ずいぶん古い法律でございますが、年間三千人ということになっておりますが、実際上は、これをはるかにこえた自由移住者が現在も渡航しておるわけでございます。それで、ブラジル側といたしましては、御指摘の通りに、この協定によりまして、日本人の移住の流れを指導し、組織化し、かつ規制するということを考えておるわけでございまして、わが国といたしましても、なるだけ移住の流れを計画的な方向に持って参ろうという点では、全く先方と同じ意見でございます。かくすることによりまして、移住者に対するより厚い援助なり保護が両国政府から受けられることになるわけでございまして、それは移住者の個人にとりましてもよいことでございますし、移住の流れが円滑にスムーズにいくことになるわけでございます。ブラジル側が特に自由移住の方を制限するということはないように思います。
#35
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がないようでございますから、本件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。――別に御意見もないようでございますから、本件に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより本件の採決をいたします。移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題といたします。本件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#38
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件の議長に対する審査報告書の作成につきましては、慣例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#40
○委員長(木内四郎君) 次に、予備審査として送付されました日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件並びに日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約の締結について承認を求めるの件、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を日本国に設置することに関する国際連合と日本国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括議題として、政府より提案理由の説明を承ることにいたしたいと思います。
#41
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま議題となりました日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件及び日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を一括御説明いたします。
 わが国とオーストラリア及びパキスタン両国との間の郵便為替の交換は、両国がいずれも万国郵便連合の郵便為替に関する約定に参加していないため、現在は、わが国との間に為替約定関係のある英国の仲介によって行なっておりますが、仲介による業務には、日数を要すること、仲介手数料を負担する等種々公衆に与える不便があります。よって政府は、かねてより両国政府と郵便為替の直接交換のための約定締結交渉を進めてきましたところ、先般約定の案文について合意が成立いたしましたので、オーストラリアとの間の約定は、本年二月七日東京で日豪双方により、また、パキスタンとの間の約定は、二月七日東京で日本側により、三月七日ラワルピンディでパキスタン側によりそれぞれ署名された次第であります。
 これらの二約定は、いずれも郵便為替交換の経路、表示通貨、料金の割当、振出及び払い渡しの方法等双方の郵政庁が郵便為替の交換を行なうために必要な業務についての基本的事項を定めたものでありまして、オーストラリアとの間に交換する郵便為替が通常為替のみであるのに対し、パキスタンとの間では電信為替も交換できる点を除いては、内容的にほとんど同一であります。
 これらの約定が締結されますと、わが国と両国との閥には面接に郵便為替の交換が行なわれることになりますので、公衆の受ける利便が増大することは申すまでもなく、さらに、わが国とオーストラリア及びパキスタン両国との間の経済的その他の友好関係も一そう促進されることが期待されます。
 よって、ここに両約定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 仲裁判断に関する国際条約としては、一九二三年の「仲裁条項ニ関スル議定書」及び一九二七年の「外国仲裁判断の執行に関する条約」があり、わが国は、このいずれにも当事国となっておりますが、この二つの条約では、現在の国際貿易上の要求を十分に満たすことができませんので、さらにその適用範囲を拡張し、仲裁判断の執行が容易に行なわれるように改正すべきであるとの要望があり、これに基づき、一九五八年わが国を含む四十四カ国の代表が参加して国連国際通事仲裁会議がニューヨークで開催され、同年六月十日に本件条約が採択されました。この条約は、一九五九年六月に効力を生じ、本年二月末現在の当事国は、フランス、ソ連、インド、アラブ連合等十一カ国であります。
 仲裁判断に関する前記の現行二条約により、仲裁判断の執行力はある程度国際的に担保されておりますが、この新条約は、まず第一に、従来は異なった締約国の裁判権に服する当事者間の仲裁契約の効力のみを承認することとなっていたのを、すべての仲裁契約の効力を承認するとしたこと、第二に、従来は、このような仲裁契約に基づく仲裁判断は、異なった締約国の裁判権に服する当事者間で、いずれかの締約国の領域でされた場合にのみこれを承認し、執行することとなっていたのでありますが、新条約では、各締約国はおよそ一切の外国仲裁判断を承認し、執行することとしたこと、第三に、仲裁判断の承認及び執行を求める場合の要件が従来より容易かつ明確になったこと等の改善が加えられることにより、仲裁判断の執行力の国際的担保が一そう広範になった次第であります。このことによって、仲裁制度の国際的な利用の円滑化をさらに前進せしめ、もって外国貿易の発展に寄与することが期待されます。わが国といたしましても、外国貿易特に東南アジアとの貿易の振興上、近来とみにその必要度が増大している仲裁制度の利用を今後一そう円滑にする必要がありますので、この条約を締結する意義はきわめて大きなものがあります。
 なお、この条約の締結に際しましては、わが国は条約第一条3前段の相互主義の宣言を行なう考えでありますが、これは、非締約国でされた仲裁判断をもわが国において承認し、執行する義務を負いますことは必ずしも当を得ないと考えられるからであります。
 よって、以上の諸利益を考慮し、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を日本国に設置することに関する国際連合と日本国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関する研修所をアジア極東地域の適当な場所に設置することを勧告する決議が、一九五四度にラングーンで開催された犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関する第一回国連アジア極東セミナーにおいて採択され、その後、この具体化として、一九五七年の東京における第二回セミナーにおいて、パキスタンのラホールにこの研修所を設置することが内定した旨報告されましたが、同国は、国内事情により、一九五九年に至り、研修所の招請を正式に撤回いたしました。そこで、国連事務局は、パキスタンにかわるべき招請国としても特にわが国にその設置を希望する旨を非公式に伝えてきましたので、政府は、関係当局間で検討の結果、昭和三十五年五月の閣議決定により、本研修所をわが国に設置することとした次第であります。
 この協定に関する交渉は、昨年十二月以来ニューヨークにおいて行なわれ、この結果先般妥結をみましたので、去る三月十五日にニューヨークにおいてこの協定に対する署名を了しました。
 この協定の締結によりまして、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所が、国連とわが国との協力のもとにわが国に設置されることとなり、アジア極東地域の諸国からの研修生に対する社会防衛の分野における研修及びこの問題についての研究調査が行なわれることとなります。このことは、国連との協力及びアジア諸国との友好関係促進というわが国外交政策の基本方針に沿うものであるのみならず、同時に、社会防衛の分野における知識、情報等の国際的交流によって相互に大きな利益をもたらすものであると考えられます。よってここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上四件につき、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
#42
○委員長(木内四郎君) ただいま提案理由の説明を承りました四件の質疑は、これを後日に譲りたいと存じます。
  ―――――――――――――
#43
○委員長(木内四郎君) 次に、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国とブラジル合衆国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、以上、本院先議の両件を一括議題として質疑を続行いたしたいと存じます。質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#44
○森元治郎君 何か、この協定ができると、大きな行事でも予定しておられるのですか。
#45
○政府委員(近藤晋一君) さしあたりのところは、イギリスとの間の文化協定ができますと、主として、イギリスにおきまして、この批准交換の機会に、映画会でございますとか講演会、こういうものを催したいという計画を在英大野大使から言って参っております。従いまして、そのうち適当と思われるものにつきまして検討いたしまして、この批准に伴う文化交流の事業をいたしたいと考えております。
 ブラジルとの方は、まだブラジルの方の国会の承認手続がいつ済みますか、具体的にわかっておりませんので、現地の大使の方からも、この成立に伴う文化交流事業の具体的計画を言って参っておりません。いずれそういう時期になりますれば、われわれの方に言って参ることと存じております。
#46
○森元治郎君 ブラジルの方はまだ批准の手続が終わらないが、イギリスの方はどうなっておりますか。
#47
○政府委員(近藤晋一君) イギリスの方は、大野大使からの報告によりますと、大体今月の二十四日ごろに批准手続が終わるそうでございます。
 ブラジルの方は、三月十五日から国会が始まりまして、本年一ぱい国会があるそうでございまして、具体的にこれがいつ国会の議決を経るかがまだわかっておらない状況であります。
#48
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑はございませんか。――御質疑はないようですから、本日はこの程度で散会いたしたいと存じます。
   午前十一時二十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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