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1960/04/18 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第11号
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1960/04/18 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第11号

#1
第038回国会 外務委員会 第11号
昭和三十六年四月十八日(火曜日)
   午前十時四十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           森 元治郎君
   委員
           草葉 隆圓君
           笹森 順造君
           杉原 荒太君
           苫米地英俊君
           永野  護君
           野村吉三郎君
           堀木 鎌三君
           加藤シヅエ君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   外務政務次官  津島 文治君
   外務省欧亜局長 法眼 晋作君
   外務省経済局長 牛場 信彦君
   外務省条約局長 中川  融君
   外務省情報文化
   局長      近藤 晋一君
   運輸省航空局長 今井 栄文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国とグレート・ブリテン及び北
 部アイルランド連合王国との間の文
 化協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出)
○日本国とブラジル合衆国との間の文
 化協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出)
○通商に関する一方日本国と他方オラ
 ンダ王国及びベルギー=ルクセンブ
 ルグ経済同盟との間の協定の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 本日は、まず日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国とブラジル合衆国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、以上本院先議の両件を一括議題として、前回に引き続き、質疑を続行いたしたいと存じます。
 質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(木内四郎君) 速記を始め
 て。
#4
○加藤シヅエ君 私は、キューバの問題について大臣から少し伺ってみたいと思っております。キューバの今協定の承認の問題がこの委員会にかかっているのでございますけれども、今、大臣はアメリカにお出でになって、日本の対中共政策について、アメリカといろいろ御懇談をなさる立場にいらっしゃるというようなことが新聞で報道されているわけでございます。その問題について、いろいろアメリカの考え方をお聞きになって、そうしてまた、日本の考え方もいろいろ御検討なさろうというようなお考えだというふうに私たちは承知しているのでございますけれども、キューバの問題は、アメリカにとりましては、新聞なんかの表現によりますと、わき腹に赤いとげを刺されたような格好だというようなわけで、アメリカにとっては、非常に地理的に近いところに共産圏から大々的に援助を受けている政権が樹立され、それが今成長しようとしている。そういうようなときに、今また反革命的ないろいろ問題が起こっているわけでございます。そういうようなときに、この協定をお結びになるその過程をちょっと私見ておりますと、このカストロ政権がいよいよだんだん地歩を固めて、キューバの国内で成功しているというようなときに、この日本との協定のいろいろ交渉が時間的に進められているように拝見しているのでございます。そういうようなことは、アメリカが大きな権益をキューバに持っていて、そうして地理的にも非常に近くて、利害関係が非常に密接であるということに対して、何もそういうようなことは考慮に入れないでいろいろ協定をお結びになる、ことに貿易が今まで片貿易であったことを、大いに貿易の観点から日本に非常に利益のあることであるから、どんどん進めるのだというような方針でおやりになる考えでおいでになったのか、あるいは、やはり中共に対してもいろいろちゅうちょしていらっしゃるということであるならば、このキューバに対しても、やはりアメリカのいろいろの考え方というものをそんたくしておやりになるということが、今の政府のやり方としては矛盾のないやり方かと思いますけれども、そうでなくて、この場合には、アメリカが非常に困るようなことを、貿易の面で日本がむしろその政権を非常に有利に導くようなことでもどんどんおやりになるということになりますと、今の政府のおやりになっていることは非常に矛盾しているのじゃないかというふうな印象を受けるのでございますけれども、そういうふうな面は、どういうふうにお考えになっておやりになっていらっしゃるか、その点を伺いたいと思うわけでございます。
#5
○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもの考え方としましては、国交のある国とは、主義信条というものを別にいたしまして、やはりできるだけ通商関係もやっていくという気持でおりますのでございます。キューバの問題は、日本対キューバの関係におきましては国交はございますものですから、その関係で通商をやる。先方はああいう国柄でございますから、国会が停止されておりまして、一方的に閣議決定で条約批准をされてしまっておりますので、昨年五月に批准を了しております。
 われわれの方も、そういう国交あり、しかも協定に調印しておるのでございますから、先方が批准したらこちらもして、そうしてことに通商関係だから、それでよろしいのじゃないかという気持でおりますのでございます。これは、何もカストロ政権という関係じゃございませんで、要するに、キューバにおいて合法的に承認され、現実の支配を及ぼしておる政権に対して国交を持っておるのだから、その間に通商もできる、これだけの気持でおります。
 これに対して、中共の関係は、国交はございませんので、貿易はけっこうでありまするが、そのことと国交、中央承認ということから見ますと、非常にむずかしい問題が出ますものですから、その点に非常にむずかしい関係があると思っておりますけれども、キューバのはそういうことで、まあアメリカの方も、キューバの内政に干渉するようなことは絶対せぬ、こう言っておるのでございまして、要するに、東西冷戦がキューバの中に激化しないということを望むという態度でアメリカはいるのじゃないかと思います。今回のことでも、ことさらにアメリカがこのキューバの反革命を援助しているとか、あるいは、はなはだしきに至っては、日本の真珠湾攻撃まで初にとって、そんなようなものだというような発言が国連であったようでございますけれども、私どもは、そういうふうにこの問題を見ずにいきたいというふうに、キューバ自身の問題だというふうに考えたいと思っております。従って通商関係も、今のような、主義主張が違うから、日本も自由主義陣営の一環として、ことさらに、国交があっても商売の面で締めていくという、そういうようなことでなくて、一般の淡々たる態度でいったらどうかというふうに考えております。
#6
○加藤シヅエ君 大臣の答弁によりますと、今、表面は、まあわれわれとしても内政干渉にわたるようなことはしない、それは、そういう建前をとるのは当然と思いますけれども、アメリカ政府当局では、内心としては、やはりここに一つの冷戦が激化してきたという形に対しては、非常に頭痛の種であろうということは考えられるわけでございます。その場合に、日本が淡々とした気持であって、合法的に認められた政権であるならばというようなワクで貿易をしていくということは、事実上、やはりもしアメリカにとって非常に都合の悪い政権が、そこにまあカストロ政権がそういうようなだんだん形になっていく場合には、やはりカストロ政権を非常に有利に導いていくようなことになると思うわけでございます。それは、貿易がその国にとって非常に小さな問題である場合には、それはもうほんの一部のことで、取るに足らないことかもしれませんけれども、今のキューバの全体の情勢を見ておりますと、アメリカから全面的にお砂糖の輸入を削減されたり、あるいは禁止されたりというような状態で、すぐにその政権の安否にも関係するというような状態になる。そのときに、まあ日本あるいはほかの自由陣営の国の人たちもやっておるようでございますが、やっているということになれば、やはりそれは、その政権を間接的にでもまあ援助するというような、具体的には、現実的にはそういうことになると、そういうことには全然淡々とした気持というようなふうにおやりになるのでございましたらば、この中共と日本との貿易というような関係にも、もう少し淡々とした気持というような、そういうような気持も出てくるというようなことが、矛盾しない一貫した方針になるのじゃないか。もしそうでなくて、中共とのことについて非常にそこには政治的な問題、イデオロギー的な問題が大きく影響されているというようなことが始終御考慮の中に入っておるのでございましたらば、やはりこのキューバとの問題ももちろん、それに関係がないというような御答弁というのは、非常にこれはおかしいのじゃないか、非常に矛盾しているのじゃないかというふうに私は感じるわけでございます。全然関係がないというふうに、もう問題にならないというふうにお考えなのでございますか。
#7
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、国交があれば、国交のある国との間に、しいてその国交がある国にふさわしい形ができることを妨げる必要はないというふうに思っておるのでございます。中共との問題は、私ども実に心配しておりまするのですが、何か、友好商社というような形で、ことさらに日本の国の中に二つの日本でもないけれども、そういう形のものができていくというようなことは非常にまずいことだ、日本は、貿易が伸張すればするだけに、国民が豊かになる宿命を持った国なんでございますから、貿易もその限りにおいては伸ばすのはけっこうだと思いますが、何か、それだからといって、もう日本の今の中共を承認する問題と、国交を日本と中共が持つという問題と貿易の問題というものをからませるのは、ちょっとそう簡単な問題でないものでございますから、この問題については、毎回申し上げておりますように、非常に慎重な考慮をめぐらして、十分慎重の上にも慎重に問題を扱わなければならぬというように思っておる次第でございます。
#8
○加藤シヅエ君 どうも、外務大臣の御答弁は、非常にそこに矛盾しているものがあると思うのでございますけれども、一応、国交を回復している国だから差しつかえないというふうに押し切っておしまいになろうと思うけれども、そこには確かに矛盾している問題があるということを、それをまあ見て見ぬ振りをしているというような状態ではないか。これが、やはりアメリカにおいでになったときに、やはりそういうようなことが、それはお互いに内政干渉をしないという方針ではあっても、やはりそういうような問題がお話し合いの上に出てくるのではないかということを私は想像もいたしますものですから、あまりにも淡淡とした問題ではなくて、そこに一貫したやはり矛盾しない方針というものがなければ、日本の外交というものに非常に権威がないということになる印象を私は与えるのだろうということをおそれているということを申し上げまして、これ以上質問いたしません。
#9
○苫米地英俊君 関連してちょっとお伺いしたいのですが、日本の外交は、自由主義陣営に協力して世界の平和と安全を維持していく、ここにあると思うのです。今、大臣のお話を伺っているというと、法律一点張りなんです。法律一点張りで、自由主義国家の間で、法律上は確かにそういう解釈はできるけれども、自由主義国家の最も強力なアメリカが、日本のああいう行き方に対して、法律的な解釈に対して、政策がやはり協力されておらないことになるのですよ。理屈はとにかくとして、現実においては協力されないと思うのです。これはどうも私は、協力というのは、信頼、信任ということがもとであると思います。すべてに対して道義を一つにしてやっていく、これは、共産圏の方は徹底してそれをやっている。ところが、自由主義陣営の方はどうも徹底しないで、中途半端です。それが現在世界で、共産圏に押されている原因だと私は思うのです。そこのところは、われわれとしては、ゆっくり考えなければならぬ点ですが、今度大臣がアメリカに行かれるのですから、私の見聞してきたところを申でし上げると、砂糖の売買の問題について、アメリカの私が会ったほとんどの人は、日本は協力しているのかどうか、ひどいじゃないかということを露骨に言っております。だからして、そういう印象をアメリカの民衆の責任ある人も感じておるようですからして、法律一点張りで、道義的な方面を、精神的協力の方面をゆるがせにしていいかどうか、これは十分お考えになる必要があると思うのであります。
 それで、今度、いらっしゃるとするならば、アメリカにそういう雰囲気が非常に沸き立っているんだということを腹に置いて行っていただかないというと、向こうに行ってから、ちょっとどぎまぎされることが起こりはしないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
#10
○国務大臣(小坂善太郎君) なかなか、加藤先生といい苫米地先生といい、非常に私は御意見を傾聴をいたすものでございます。御承知のように、問題はだいぶ前に協議されておりますもので、私の力としては、政府の行為ですから、政府が引き継いでおります。これは国会に出すのは当然だと思います。これは、皆さんがどうお考えになるかということでもあろうと思います。これは、政府のみならず、国会の皆さんが、今のようなこのような御判断があれば、それで従って御採決あれば、私もそうしたいと思います。ただ私は、どうも国交のある国と、これは法律論になりますけれども、そうした通商協定に調印して、ただゆえなくほっておくことは、政府の態度としてはよろしくないのでありまして、当然国会の御承認を願うという形であるべきもんだと思う次第でございます。
#11
○苫米地英俊君 それは、法律上ではその通りだと思うのです。けれども、それは平常のときのもので、今のように、冷戦が非常に先鋭化している場合に、しかも、一方では徹底して統一された意思、統一イデオロギーで押してきているときに、日本の商売人がもう少し問い立場から考えて商売をやっていかなきゃならぬ、それが国の不利益になる、自由主義国家群の不利益になるような商売については、実業家自身が考えなければいかぬ。ところが、今の現状をごらんなさい。実業家がソ連と貿易をするときに、ソ連の方ではだんだん追い詰めてきて、もう原価を割らなければ商売ができないようになっておる。そこまで追い詰めてきている。ところが、いろいろな手が伸びて、ある商社の重役は、それまでにして商売をやらなければならぬことはないじゃないかという意見を出す。そうすると、他の商社の方で、ああいう頑迷なやつがあるからソ連の方と貿易ができないのだ、ああいうのは一つ重役をやめさせてもらいたいというような運動が起こっていることは御承知だと思うのです。これじゃ原価を割ってまで商売をしなきゃならぬと、その方が、間接に言えば、ソ連の政策を援助していくということになるのです。こういうところまで日本の実業界の人が道義を忘れ、国を忘れて商売をやるときに、国を立てていくならば、政府もこれに対して強い指導を与えなければいかぬと思うのですよ。ところが、そういうことが日本の実業界で行なわれているのに、政府は知らぬ顔をして、そうして一方では法律をたてにして、最も大事な友邦国がいやがっていることをやらせて、これは法律論からいって当然だというようなことは、これはもう日本の現状、世界の動きというものを見たときに、警戒していかなければいけないと、私はこう心から感じておるわけなんですが、今の大師のお説じゃ、どうも納得できないのです。
#12
○羽生三七君 私は、きょうは質問の予定は何もないんですが、今出たから、一言申し上げておかなければならぬと思うのです。私は、大臣の今のお考え方でいいと思うのです、この問題に関しては、キューバの問題はキューバ自身の問題で、これは内政問題です。ですから、アメリカがキューバのカストロ政権に対して砂糖の貿易上の禁止措置を講じて、それに対して、ソ連が逆にキューバ砂糖の買い上げを決定して、そこで、いろいろ貿易業者がごたごたがあるかもしらぬけれども、それはキューバ自身の問題で、日本がかれこれ言うことはさらさらないと思います。問題はむしろそんなことでなしに、一昨日来起こっている問題がもしさらにこれ以上発展したような場合に、国連の場においてこのキューバ問題がどういう形で取り上げられ、また処理されるかということ、それから、その場合に日本がどういう態度をとるかということこそが、むしろ私は重大だと思うので、私は、あくまでこの問題は、キューバの内政問題と考えておりますから、そのキューバ自身の経済上や、あるいはものの考え方に対して、外部からかれこれ、特に武力攻撃なんかを賛成するような、そういうことが国連の場等で発言されることのないことを私は希望するわけです。ラスク長官やケネディ大統領すら、背後ではどういうことをやっているか知らぬけれども、少なくとも表面上は、そういうことは好ましくないということをはっきり言っておるんですから、そういう点で、私は、キューバ自身の問題は純粋に内政上の問題として、日本がその一方に加担をするような動きなり、あるいは声明なり、そういうものを国連の場でなさらぬことを心から希望をいたしておきます。実を言えば、松平発言の、この間の朝鮮問題に関連する政治委員会ですか、これに関連する前後の事情を見ても、ここで申し上げたいことはたくさんあるし、それから、この前の問題以来、何か松平さんが点数をかせごうとして意地を張っているようなことについて、いろいろ意見があるんですが、きょうはそういうことでないので、私は差し控えますが、先ほど来の話を承っておって、ちょっと誤解があるといけないので、われわれの考え方を明らかにしておくだけであります。別に御答弁を求めません。
#13
○苫米地英俊君 ちょっと一つ、文化協定の提案理由に、「いろいろな措置、たとえば」という例示がありますけれども、それと英国の方との「文化団体の協力などを協力して」と、ここのところにちょっとわからないところがあるんですが、ブラジルの方は、例示のところには、文化団体というものが出てこないので、「相手国の文化機関の援助」と、相手国の援助というので、自分の国の文化機関に対して援助をやるということは述べておらないんですがね。日本の文化団体で、継続的に非常に有力な文化交流、日本のためになるような働きをする団体が私はあると思っているんですが、そういうものに対しては援助をしないのであるか、今までそういうことをしてこなかったからしないというのか、ここのところがはっきりしないのですが、私は、相手国でなしに、自国の文化機関を援助して、そして相手国で十分に働かせるということもきわめて重要じゃないかと思うのですが、その「たとえば」のところで、相手国の文化機関ということをあげて、自国の文化機関を無視しているのは、これはどういうことなのでしょうか。
#14
○国務大臣(小坂善太郎君) あとで補足してもらいますけれども、文化協定というものは、大体現行の両国においての予算がございますので、その予算の範囲内で文化的な交流を活発化しょうという前提がございますように聞いております。従って、イギリスにおける予算内のイギリスにおける文化団体の援助、あるいはわが国においてのその文化団体に対する援助、これは、本年のところは本年の予算で、その前提でやる、しかもなお、相手国に対しても、その有用な文化機関に対してはできるだけの援助をしていこう、こういう精神で書かれておるように承知いたしております。
#15
○苫米地英俊君 もう一つ、私は、二、三年前になりますけれども、日本は文化協定をむやみに結ぶけれども、予算はちっともつけないで、何も活動できないようにしてしまっているじゃないかということを予算委員会で言うたことがあるんでございますが、その後幾らかその方面の予算はふえてきておるようですが、これは、外務省の当局方のお骨折りだと思いますけれども、今の大臣のお言葉もありますけれども、それは、その年その年のは予算によって縛られることは当然でありますけれども、協定を作る腹がまえとしては、永久のことを考えて協定を結んでもらわなければ、ことしは予算の関係でこれだけしかできない、これは納得できるのですよ。しかし、予算の関係があるからして、文化協定の腹がまえまで、永久にわたる腹がまえまでこととしの予算に支配されるというのじゃ、これはちょっと困るのですね。この協定自身は、予算ができたならば動けるようにしておく、それでなければ、予算も取れないのですよ。予算を取るということは、こういうことをやりたいのだ、ぜひやらなければならないのだ、こういう裏づけがなければ予算も取れないのですよ。それを、過去の協定がこうなっているから、これをこう手直しをしたのだ、ことしは予算がないから、こういうふうに表現しておくのだというようなことでは、これは、文化協定をこしらえても、予算は伸びていかないと思うのですよ。だから、やはりこういうところではゆっくり大きく出しておいて、そうして予算の許す限り、予算を取って、そうしてこれを伸ばしていくというふうにいくのが私は正しい道じゃないかと考えておるのですが、いかがでしょうか。
#16
○政府委員(近藤晋一君) ただいまの苫米地委員のお話、まことにごもっともでございまして、われわれ、国際文化交流をするにあたりまして、相手国の活動をできる限り援助すると同時に、われわれの方の文化活動及びそれを取扱う日本側のいろいろの文化団体等に対する政府の援助といいますか、そういう面を強化しなければ、ただいまも申されましたように、文化交流が実際に行なわれないという面は確かにございます。たとえば、国際文化振興会、あるいはブラジル、中南米関係におきましてはラテンアメリカ中央会、こういうようなものがございまして、われわれの努力が足りないために、それらに対する財政的援助というものは不十分でございますが、少しずつは最近の予算におきましてふえておることは、苫米地先生の御承知の通りでございます。この提案理由に述べました「相手国の文化機関の援助」というところは、協定上そう響いてあるからここに言及した次第でありまして、もちろん、その前提といたしまして、文化交流を促進するための日本側の文化機関に対する援助というものは、外務省の方針として、今後とも努力をいたして参りたい、こういう心組みでございます。
#17
○委員長(木内四郎君) 他に御発言もないようでありますから、文化協定の締結について承認を求めるの件、両件に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。――別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両件の採決をいたします。日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国とブラジル合衆国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、以上両件を一括して問題といたします。両件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#20
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。よって両件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の議長に対する審査報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#22
○委員長(木内四郎君) 次に、通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題にいたしたいと思います。本件は、去る三月三十一日衆議院から送付されまして、本付託になっておりますので、念のために申し上げておきます。
 先般提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入りたいと存じます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。――それでは、本件に対する質疑は次回に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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