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1960/04/27 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第14号
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1960/04/27 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第14号

#1
第038回国会 外務委員会 第14号
昭和三十六年四月二十七日(木曜日)
   午前十時五十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員杉原荒太君辞任につき、その
補欠として小沢久太郎君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           井上 清一君
           森 元治郎君
   委員
           笹森 順造君
           小沢久太郎君
           苫米地英俊君
           堀木 鎌三君
           加藤シヅエ君
           羽生 三七君
           石田 次男君
  政府委員
   外務政務次官  津島 文治君
   外務省国際連合
   局長      鶴岡 千仭君
   運輸省航空局長 今井 栄文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省条約局外
   務参事官    東郷 文彦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○航空業務に関する日本国とベルギー
 との間の協定の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出)
○航空業務に関する日本国とドイツ連
 邦共和国との間の協定の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 杉原荒太君が委員を辞任され、その補欠として小沢久太郎君が選任されました。
#3
○委員長(木内四郎君) 本日は、まず航空業務に関する日本国とベルギーとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上本院先議の両件を一括議題として、前回に引き続き質疑を続行いたしたいと存じます。質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#4
○森元治郎君 ベルギーとの協定は、三十四年の六月に協定を署名して、それからドイツの方は、ことしの一月に署名しておるのですが、どうしてこれがおくれたのだろうか。おくれた理由。
#5
○説明員(東郷文彦君) ベルギーとの協定は、今のお話のように、だいぶ前に署名されましたけれども、当時ベルギー側の協定批准の手続が、少なくとも一年あるいはもう少しかかるということでありましたので、こちらでも大体それに見合った方がいいと考えまして、それで、この前協定ができておりましたけれども、国会に御承認を得るのは少し延ばしておったわけであります。
#6
○森元治郎君 ベルギーの方は、いつごろこれは国会で批准されるのですか。
#7
○説明員(東郷文彦君) ベルギーは、昨年の八月にベルギーの国内手続を終わりました次第であります。
#8
○森元治郎君 何か特殊な理由があって一年くらいおくれたのですか。そのベルギー側の協定調印から国内手続が終わるまでの約一年間というのはどういうことなんですか。ベルギーの国内事情はわからないか。
#9
○説明員(東郷文彦君) 特別な理由はございませんで、ただ単にベルギーの国内事情で、普通こういう協定は、非常に時間がかかるということでありました。
#10
○森元治郎君 何か協定そのものに難色が示された、国会通過ができないようなことであったわけではないのですか。
#11
○説明員(東郷文彦君) このベルギーとの協定は、特にベルギーの方でも強い希望がありまして結んだわけでありまして、協定の内容上、特にベルギーが問題があっておくれたというような事情ではなく、ただ普通の国内手続に時間がかかるということであります。
#12
○森元治郎君 ベルギーのあとの方にある、沖繩への適用に関しての交換公文があるのですが、この交換公文の意味をちょっと説明して下さい。
#13
○説明員(東郷文彦君) 現在沖繩は、平和条約によりまして、米国の行政司法権のもとにありますので、ベルギーの定期航空が沖繩に寄ってくるためには、アメリカとの間の取りきめを必要としておるわけであります。そこで、この交換公文は、将来沖繩が日本に戻った場合には、アメリカとの取りきめは当然効力を失うわけでありますから、そのときには、日本政府との間に改めて取りきめをする、そういう趣旨であります。
#14
○森元治郎君 ドイツには、この沖繩は航空路線に入っていない、ベルギーは入っている。こういう、外国で、沖繩立ち寄りに関連して、こういう公文を交換している航空協定はどことどことあるのですか。
#15
○説明員(東郷文彦君) 手元にちょっと書類を持っておりませんけれども、たとえばイギリス、オランダ等の協定には、同じ趣旨の交換公文がついております。なお、必要ならば、その一覧表を後刻お示しいたします。
#16
○森元治郎君 航空局長に一つ聞きたいのだが、羽田に入ってくる、あるいは出ていく、外国の航空会社と日本の航空会社と、お客さんの希望が、毎便とも満員で走っているのか、あるいはBOACに非常に片寄るとか、エア・フランスにみんなお客さんが行っちゃって、ほかの会社が少ないとかというような、お客さんの、何というか、一番はやる会社、はやらない会社、毎航満員で走るのか、平均六・七〇%なのか、それと日航、大よそでけっこうです。
#17
○政府委員(今井栄文君) 日航との関連で申し上げますと、太平洋線と東南アジアの両線があるわけでございますが、太平洋線につきましては、現在大体日航と、それからパン・アメリカンがほとんど満員の状態でございます。もちろん、多少の季節的な差はございまして、夏場は非常に多く、冬場は比較的少ないというような状態でございますが、大体におきまして、日航、パン・アメリカンはほとんど満員というのが現状でございまして、同じ現在太平洋三便飛ばしておりますイギリスのBOACは、比較的利用率が少ないように聞いております。それから南の方でございますが、南の方も、日航は香港から東京まではほとんど満員の状態でございます。これは、南側路線は、会社の数が非常に多うございます。従って、一般的に申しますと、非常によく乗る会社と、比較的少ない会社とございますが、その表をただいま手元に持っておりませんので、後刻資料にいたしまして提出いたしたいと思います。
#18
○森元治郎君 欧州線はどんな工合ですか。エア・フランスとか、あるいはスイス航空とか、いろいろあるでしょう。欧州線の利用率。
#19
○政府委員(今井栄文君) 欧州線につきましても、同じように、やはり北回りもあり、南回りもあり、両方ございますが、北回りにつきましては、現在、御承知のように、エア・フランス、それからスカンジナビア・エア・ライン、それからKLM、この三社が現在やっておるわけでございます。中で、一番お客を吸い取っておりますのは、スカンジナビア・エア・ラインだと記憶しております。その次がエア・フランス、その次がKLM、こういう順序になるのではないかと思いますが、正確な点につきましては……。なお、南回りにつきましては、非常に会社が多うございまして、欧州から直接東京までの客というものは非常に少のうございまして、この各区間々々において乗りおりの客が非常に多うございます。従いまして、各社ともその区間区間においては高度の利用率を示している、かように考えております。
#20
○森元治郎君 一つ、あそこらの小さい東南アジアの国々でやっている会社は、お客さんが非常に少ないように思うのだが、どんなものですか。タイ航空とか何とか、小さい国々みんな持っておりますね。インド航空とか。
#21
○政府委員(今井栄文君) 先生のおっしゃるように、そういう会社の利用率は比較的低いのでございます。
#22
○森元治郎君 比較的じゃないので、つぶれてしまうのではないかというよな感じがするのだが、とても少ないのだが、これはかわいそうになっちゃって、見ていて、比較的というどころじゃない、大へん困っているのじゃないですか。
#23
○政府委員(今井栄文君) お答えいたします。
 今、手元に詳しい資料を持ち合わせておりませんので、資料としてお出しいたしたいと思います。
#24
○森元治郎君 ソ連のやつは、航空協定の件については、現在ソビエト側が日本に回答する順番になっているように聞いておるのだが、外務省どうか。
#25
○説明員(東郷文彦君) 日ソ間では、昭和三十二年ごろソ連の方からそういう話がございましたが、それに対しては、わが方からは、東京−モスクワ間という原則で、一応の意向を提示しまして、そのままになってとぎれておる次第でございます。
#26
○森元治郎君 見通しは、これはなかなかむずかしいということですか。
#27
○説明員(東郷文彦君) もしソ連の方で、東京−モスクワということで話に乗ってくるならば、あるいは比較的見通しは立ち得ると考えますが、現在まだそういうところになっておりませんので、今のところは、ちょっと見通しと申しても申し上げかねる次第です。
#28
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑ございませんか。
#29
○森元治郎君 もう一つ、それじゃ、いい機会だから、日航のこの間の滑走路で突っかけた事故の原因を一つ。
#30
○政府委員(今井栄文君) 事故の概要につきましては、もうすでに新聞紙等で詳しく書いておりますので、簡単に申しますが、二十四日の午後十一時二十九分に、サンフランシスコ、ホノルルを経由してウェーキ島から東京に参りました日航機JA八〇〇三号機でございますが、南端の滑走路に着陸いたしまして、滑走路北端の、現在埋め立てをやっておりますその排水こうに突き当たりまして、滑走路を飛び越えて排水こうに突き当たりまして、機体を大破いたしたわけでありまして、損害の状況は、前部の操縦室と胴体の結合部を大折損いたしました。それからまた、着陸装置も大破損をいたし、エンジンにつきましても、三個が損傷をこうむる、こういうふうな大きな事故を起こしました。現在のところでは、修理は全く不能であるという状況でございます。今御指摘の原因と思われている点につきましては、現在運輸省内に臨時事故調査委員会を作りまして、徹底的にその究明に乗り出しておるわけでございますが、どういうふうな点が事故の原因と考えられるかという点につきましては、まず第一に考えますのは、飛行機が停止できなかった点につきまして、ブレーキ系統がはたして正しくさいていだかどうかという点が第一点でございます。ブレーキには、この飛行機は、通常飛行機を停止せしむるための油圧ブレーキと、それからジェットのブラストを逆に噴射させるいわゆる逆噴射装置という装置と、それからさらに、エマージェンシーにおきまして使います空気ブレーキ、この三つを大体持っておるわけでございます。この三つが十分にきいていたかどうかという点について、徹底的に機材の状況を調査いたしておるわけでございます。それから、もう一つの原因として考えられますのは、操縦士が、はたして規定できめられた接地点において着陸したかという点でございます。つまり接地点が正しかったかどうかという点でございます。それから、もう一つの点といたしましては、接地するときの速度、接地速度がはたして通常きめられたスピードに落ちておったかどうか、この三点でございます。大体そういったふうな角度から現在調査を進めておりますが、新聞等の中では、滑走路が短かったというふうな点についての多少の批判もあるようでございます。それからまた、当時雨が降っておりまして、従って、滑走路が相当スリップしたのではないかというふうな記事も散見いたしたのでございますが、滑走路の長さにつきましては、現在主要な滑走路として使用いたしておりますAランウェイが、八千九百フィートの長さを現在持っておりまして、DC8が着陸いたします場合の最大の着陸重量が十九万九千五百ポンドでございます。それで、この事故を起こしたジェット機は、着陸するときには、十九万九千ポンドの重さでございまして、従いまして、この最大着陸重量からはさらに五百ポンドの余裕を持って着陸いたしておるわけでございます。それから、着陸時において要する滑走路の長さは、計算上四千フィートあれば足りるということになっておりまして、これは、着陸する場合には、非常に燃料その他もほとんどなくなっております関係上、機体は非常に軽くなっておるわけでございます。従って、この四千フィートの滑走路というものがあれば、十分に安全に着陸できるということでございます。で、現在、従来ともそれで安全にジェット機が着陸いたしておったわけでございまして、従って、滑走路の長さというものが事故について原因であったということは考えられないわけでございます。それからなお、降雨における滑走路の使用は、これまた常時行なわれておることでございまして、多少のスリップがあるにしても、これが事故の重大な原因とは考えられない、かように考える次第であります。
#31
○森元治郎君 私も、これで八機を持った航空部長をやったことがあるのだよ。あなたなんか知らないころに、羽田で格納庫を持って、離着陸をやって、こういう事故は三、四回やっている。人は殺していない。そこで考えるのだがね。あなたは三点、接地スピードと、それから、その油圧なり、空気ブレーキの関係だな、それから接地点にうまく着いたかという三点をあげたが、事故の原因というのは、やはり人間の、その操縦士の、あるいはジェット機の一つのチームの気持というものがやはり大きく作用しているのだな、その原因には。やはり月給が少し安いということも考えてやらなくちゃいけないのだ。これは過労です。過労からくるいろいろな問題もあるだろうし、こういう点を本人と、メイン・パイロット、あるいはサブとか、あるいはチームの気持、こういう点も調査すべきだろうと思う。これは、運輸委員会じゃないからあまりやらないけれども、先輩として一つ。
#32
○加藤シヅエ君 私はラジオで聞きましたけれども、スチュワーデスが非常に落ちついて、火災になる心配がないから安全に避難することができるというようなことを言ったので、お客さんが大へん安心して、むだな騒ぎ立てや何かがなかったというようなことを、ちょっとラジオで聞いたのでございますけれども、それが事実とすれば、それは、そのスチュワーデスは非常にいい仕事をしたと思います。その場合に、火災になる心配がないというようなことを申しましたのは、いかなる状態においても、事故が起こったときに火災が起こらないような、何か予防設備というものが飛行機にあるのでございますか。私は、全然飛行機のことは、森さんと違って存じませんから、しろうとにわかるように説明していただきたい。
#33
○政府委員(今井栄文君) 御指摘の火災防止の装置でございますが、この火災を防止するための消火装置が中に完備してございまして、事故後に点検いたしましたところ、完全にその消火装置が使用されておった状態にある、こういうふうに伺っております。それから、いかなる場合にでも火災が防止できるかどうかということは、これは、非常にむずかしい問題だと思います。たとえば、燃料タンク部分が非常な強い衝撃を受けるというようなことによって、はたしてそういう装置がきくかどうか、この点については、必ずしも百パーセントと言うことはできないと思いますが、完備した消火装置を適切な時期において使ったということは、今度の事故について言えるのではないかと思います。
#34
○委員長(木内四郎君) ちょっと伺いたいのですが、損害額はどのくらいですか。
#35
○政府委員(今井栄文君) 損害額について御説明申し上げますが、この飛行機の簿価は、現在二十億五千万円でございまして、東京海上火災との間に二十億八千八百万円の保険契約を締結いたしております。従いまして、機体自体につきましては、実質的には損害はない。ただ、海上火災も、これはやはり外国の会社に再保険しておるようになっておりますので、従いまして、実質的には機体そのものについての損害は填補できるというふうに考えます。それからなお、この飛行機が次の飛行機を入手するまでは使えないということによって起こる損害でございますが、これについては、大体シアトル線――シアトルは今、週二便でやっておりますが、シアトル線を中止して、中部太平洋に全力を上げるということに会社の方針も大体きまったようでございますが、かりにシアトル線を中止いたしますと、運賃収入として、来年の三月までに大体十億円の減収が見込まれるということでございます。それからなお、しかし運航費あるいは燃料費というふうなものにつきましては、支出の方の減もございまして、この支出減が大体六億四千万円程度に見込まれるわけでございまして、この一機が損失を生じてシアトル線を中止することによりまして、差し引き三億六千万程度の損失ではないかと、かように考えるわけであります。ただ、日本航空といたしましては、シアトルの週二便と、それから香港にジェット機を週二便飛ばしておりますが、現在香港から引き上げまして、これを従来使っておりましたDC6Bに置きかえるということにして、最も収益率の高い中部太平洋線には従来の勢力を減じない、こういう建前でやっておりますことと、それからさらに、注文しておりました第五機目が来月の中旬に入手できる予定でおりましたのを、製作会社のダグラス社に督促しまして、大体今のところじゃ、五月五日ごろには五番機が入手できるという状況でございまして、それからさらに、今度つぶれました一機の代替機についても、できるだけ早い機会に補充するように、今内部で検討を進めておる状況であります。私どもは、できるだけこの損害によりまして日航自体の収支関係が悪化しないように、最善の努力を払いたいと考えております。
#36
○委員長(木内四郎君) 今の東京海上が再保険を外国にかけておるというのはどのくらいですか。全額じゃないでしょう。
#37
○政府委員(今井栄文君) 八〇%ということです。
#38
○委員長(木内四郎君) 御質問ないですか。――それでは、本日はこの程度にて散会いたします。
   午前十一時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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