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1960/05/11 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第15号
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1960/05/11 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第15号

#1
第038回国会 外務委員会 第15号
昭和三十六年五月十一日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十八日委員小沢久太郎君辞任に
つき、その補欠として杉原荒太君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事      青柳 秀夫君
           井上 清一君
           森 元治郎君
   委員      笹森 順造君
           杉原 荒太君
           苫米地英俊君
           野村吉三郎君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
           曾祢  益君
           佐藤 尚武君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   外務大臣官房長 湯川 盛夫君
   外務省経済局長 牛場 信彦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省条約局外
   務参事官    東郷 文彦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国とパキスタンとの間の友好通
 商条約の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とベルギー
 との間の協定の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出)
○航空業務に関する日本国とドイツ連
 邦共和国との間の協定の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出)
○国際情勢等に関する調査
 (国際情勢に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 さる四月二十八日に小沢久太郎君が委員を辞任され、その補欠として杉原荒太君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(木内四郎君) 前回において補足説明を聴取し、引き続き質疑をいたしておりまする日本国とパキスタンとの間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたしたいと存じます。
 質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#4
○杉原荒太君 外務大臣が来られるまでに時間があるようだから、一つ質問したい。
 前回質問したことに関連しますが、この間、事業活動の遂行に関する条項について、パキスタンの場合――インドなどの場合もそういう規定の仕方をしておる、そういう先例があるというようなことでしたが、それよりもう一つ前の先例たるアメリカとの条約の場合は、別の規定の仕方をしておる。そして、全く同じ言葉を使っておって、意味が違っているというか、少なくともその範囲が違っておる。広い狭いが違っている。多少でも言い現わし方が違えば意味が異なるのはわかりますけれども、全然同じ用語を使っておって、その中身は違う、こういうことは、本来からすれば、日本の立場のみからすれば、必ずしも好ましいことではない。条約の文ですから、決して好ましいことではないに違いない。それだから、日本側だけの少なくとも都合を言えば、やはりそこは合わせていくのがほんとうではないか。ところが、結果はそういうふうに違ったことになっているのはどういう事情によるのか。アメリカの場合のように、一番最初の先例というか、それのようになし得なかったというわけはどういう事情か、伺いたい。
#5
○説明員(東郷文彦君) インドその他の条約におきましては、サンフランシスコの平和条約第十二条(b)の規定をとって規定したわけであります。これに対して、アメリカの場合には、アメリカがすでに持っておりました通常のアメリカ型の条約を基礎にして作りましたので、その結果、表現が違ってきたわけでございます。
#6
○杉原荒太君 私の聞きたいのは、理論上からすれば、アメリカとの条約の規定の仕方が精密ですよ。それだから、本来日本側だけの立場からすれば、それを貫いていくのがいいことだと思う。しかし、相手のあることで、向こうがどうしても、それはいろいろ日本側はアメリカとの通商航海条約方式を主張したけれども、しかし、向こうが受け入れがたかったという事情があるのかどうか。そうでなくして、初めから日本側がその案を原案として作ったのかどうか。その辺を……。
#7
○説明員(東郷文彦君) インドとの交渉の場合には、日本の方からは、日米条約型の案を原案といたしまして交渉いたしましたが、相手の方で、どうしてもそういう簡単な表現ということで主張しましたので、それが条約になったわけでございますが、それ以来、特に東南アジア諸国との交渉においては、どちらかというと、そのインドの型が先例になりまして、パキスタンの場合にも、日米型を原案としてあくまで主張するということは、わが方としてはしないで、むしろインドの方の型を先例としてとったわけでございます。
#8
○杉原荒太君 そのパキスタンの場合の事情はそれでわかりました。インドの場合、どうしても向こうが日米型を聞き入れなかったというのには、実態的に見て、日米型の規定では困るという、そういう理由で入れられなかったのか。そうすればそのことも、それならそれで一応私には想像がつく。そうすると、中身がやはり違ってくる。それを、この間の説明では、日米型と今のインド型では、形式、エクスプレッションは違うけれども、中身は同じだという説明があった。一体中身が同じなのを、インド側でそれを受け入れないで、こういう形にしたのは、一体どういうわけですか。
#9
○説明員(東郷文彦君) 実体的には相違はないと、われわれ考えておりますが、目印交渉の経過について、私自身はつまびらかにいたしませんが、相手方の方でも、通商航海条約というものは、あまりみずから結んだ経験もなく、あまり詳細な字でぎしぎしやるのは好まなかった、なるべく簡単な形でいきたい、その結果平和条約の形をとった、こういういきさつであったと聞いております。
#10
○杉原荒太君 そうすると、インドの場合は、自分たちはこう解釈すると言うが、向こう側も、内容については同じだ、日米型の案と同じだというふうに解釈しているのか、ちょっとそこが案ぜられる。つまり、私この間そこをお尋ねしたのだが、理論上からすれば、日米の二つに分けて書いてある、前段の方は、つまり事業活動をなし得る権利それ自体のことであって、そうしてその問題がきまったあと、それをかりに事業活動権といえば、事業活動権そのものの問題がきまった後に、それの権利の行使に関するものが後段に規定してあると理解する。そうすると、インド側でそれをいやがったというのには、私、理由があるように思う。それを、中身は全然同じだとこっちが解釈していると言うが、向こう側も解釈しているということが話し合いの中であったのかどうか。
#11
○説明員(東郷文彦君) 交渉の過程においては、そこまで立ち入った議論があってこういうふうになったということではなくて、むしろ一般的な理論で、字としては簡単な方をとった、こういうふうに聞いておりますが、なお、その後この問題に関して、具体的にこの表現の相違から問題が起こったということは、現実問題としてはないわけでございます。
#12
○杉原荒太君 これは、今までは具体的の問題はなかったというだけでは、ちょっと説明としては不十分なんで、これ以上私も質問しませんけれども、これは、いわば法律用語なんですからね。芸術上の表現とは違う。法律用語だから、言葉が違っておって中身は同じというのは、非常にこれは困るので、そういう点などは、もう少し何か私周密におやりになった方がいいように、私はそう思う。まあこれ以上申しません。
#13
○森元治郎君 杉原委員が形式のお話をしたので、私も形式的なことでちょっと伺いたいのだが、通商航海条約のこの型というのは、日本が結んでいる条約のごく標準かな。
#14
○説明員(東郷文彦君) 日米条約は、先ほどからお話しのように、特に詳しく規定してございますが、その後結びましたノルウェー、インドその他は大体この型によっておりまして、いわばこれが標準型と申せば申せると思います。なお、この条約は、パキスタンの方で、海連について特に問題がある、今後大いに開発するということで、海運条項を入れることを同意しなかったものですから、この条約には海運条項が入っておりません。
#15
○森元治郎君 私は、ちょっと関連しますけれども、いずれここで審議するけれども、フィリピンとの航海条約と比較してみると、フィリピンの場合なんかには、第二条の自由の保障とか、第三条の身体の保護とかというようなこまかい規定がフィリピンの方には入っていない。これは、ちょっと標準型の場合よりフィリピンの方は離れているのだが、これはどういう関係になるのか。
#16
○説明員(東郷文彦君) ただいまの点は、むしろパキスタン条約の方が、一つにはアメリカとパキスタンとの間にできた条約をパキスタン側が参考にしたという事情もありまして、その点は、パキスタン条約の方に入っていて、フィリピンの方にそういうのはございませんが、これは、むしろ特別の事情があってはずれたということではないというように御了解を願います。
#17
○森元治郎君 いずれあとは、フィリピンのときにお尋ねします。
#18
○佐多忠隆君 日本国とパキスタンとの間の貿易実態は、三十五年はどうなっているのか。それから、三十六年の見通しなり計画はどういうふうにお立てになっておるのか。
 それから、特にパキスタンに、中国が貿易関係としてどういうふうな進出の仕方をしているのか。それらの事情を御説明を願いたい。
#19
○政府委員(牛場信彦君) 日本とパキスタンとの貿易は、大体従来日本の方が輸入超過になっておりまして、綿花を買っておったものでございますから、輸入が多かったのでございますが、昨年は輸出がだいぶ伸びまして、輸出が五千八百九十九万ドル、輸入が三千百五十五万ドルということで、二千七百四十四万ドルの輸出超過になっております。本年は、この四月から原綿が自由化されましたので、これに対して、パキスタン綿の買付が進むかどうかということは、ちょっと様子を見なければわからないのでありますが、大体昨年を上回る輸入が行なわれるであろうということが予測されます。輸出の方につきましては、現在パキスタンの五カ年計画を援助するために、先進国におきましてクレジットを出すという話が進んでおります。日本は、すでに繊維機械につきまして二千万ドルの延べ払いワクを認めております。そういうような状況で、おそらく機械類の輸出はふえるだろうと思います。ただ、支払いにつきましては、延べ払いの額が多くなりますれば、支払いの方はそれほどふえないのではないか。しかし、現在といたしましては、昨年を上回る貿易の規模が予測できると思います。先方の為替の事情も一時非常に悪かったのでございますが、年年はだいぶ回復いたしまして、本年も引き続いて堅調を続けるだろうということを予測されます。
 中国との関係は、現在のところ非常に少ないようであります。お互いにあまり売り買いする品物がないわけでありますので、はっきりとした統計は、ただいまここに持っておりません。パキスタンから中共向けの輸出が、これは一九五九年、一昨年の統計になりますが、六十五万九千ドル、パキスタンへ中共からの輸入が四百二十七万一千ドルということになっております。非常に規模は小さいことになっております。
#20
○佐多忠隆君 三十六年度の日本とパキスタンとの貿易の規模というか、金額、それはどのくらい見通しておられますか。どのくらい計画しておられますか。
#21
○政府委員(牛場信彦君) 年度につきましては、非常に予測がむずかしいのでありますが、輸出の方が大体六千四、五百万ドルということを予定しておりまして、輸の入方につきましても、これは綿花を昨年並みに買うことになりますれば、おそらく昨年並みあるいはそれ以上に買うということになりますれば、四千四、五百万ドルに達するのではないか。かって一番パキスタンから綿花を買いました年が一九五六年であります。そのとき五千万ドルを出しました。それをちょっと下回る程度には行くのではないかと思います。
#22
○佐多忠隆君 パキスタン側が、日本との関係において、輸出入がバランスしないということで問題は起きないのですか。どうですか、その点は。
#23
○政府委員(牛場信彦君) 先ほども申し上げましたように、一昨年までは、こちらの輸入超過になっておりました関係もありまして、特にバランスの問題につきまして先方から苦情のありましたことはございません。最近は、その五カ年計画を助けるという意味で信用、金を貸してくれという話はありましたけれども、貿易のバランスにつきましては、パキスタンは、東南アジアにおいては、インド、マラヤと並びまして、わが方との貿易のバランスがよくとれているような国に属しております。
#24
○佐多忠隆君 しかし、今の三十六年度の大体見通しによると、六千万ドルと四千万ドルですか、二千万ドルぐらいの差が出てきますね。そこらを契機として問題は起きないのですか。それに対処する方策をお考えになっているのかどうか。
#25
○政府委員(牛場信彦君) ただいま申しましたように、具体的に日本から品物が出ていく、その価格を標準として申しましたので、金を受け取る方は、おそらく延べ払いがだいぶ出ますので、それほどのアンバランスにならないのではないか。受け取りが少し多くても、そう大した額までにはならないのではないか。それよりも、むしろパキスタン側としては機械をたくさん買いまして、日本からの延べ払いの信用を得る方に重点を置いているのではないかと思います。
#26
○佐多忠隆君 その延べ払いの問題は、現在までにやってきた期間なり数額くらいで大体間に合うのですか。もっとその点は今後変えるようになるのか。
#27
○政府委員(牛場信彦君) 最近やりました繊維機械の延べ払いは七年間であります。しかし、今度のパキスタン債権者会議、これは六月初めにワシントンで開かれますが、そこにおきまして、おそらくそれよりも長い期間の信用を出すことになるのではないか。まあアメリカあたりの態度は、非常にパキスタンに対して好意的でありまして、二十年、三十年というような長い信用を出すことを用意しておるようであります。われわれの方は、せいぜい十年ないし十五年ということになるかと思います。いずれにしましても、従来よりは条件のいい信用を出すことになると思います。
#28
○佐多忠隆君 これは、一般問題として大臣にお尋ねしますが、今のその延べ払いの期間の問題ですね。これは相当延長をしてほしいという、特に日本に対しては、さらに相当期間延長してほしいというような要求が強いと思います。これらに対して、政府としてはどう対処しようとしているのか。
#29
○国務大臣(小坂善太郎君) お話の通りでございまして、頭金を少なくして延べ払いの期間を長くするという要求は、一般的に強いわけであります。そこで、やはり国際的に、全般で、延べ払いというものの期間について、ある程度のめどを置いていこうじゃないかというふうな話し合いがだんだん盛り上がってくるように感じております。そこで、やっぱりわれわれとしては、その態勢からあまりかけ離れるということもむろんできないわけでありまして、やはり日本の国力を考えまして、よくその間のコンサルテーションに入っていくという立場をとって、具体的に、われわれが無理にならずに、しかも有利であるという形を考えたいと思っております。結論的なことは、今まだ申し上げるような段階になっておりません。しかし、御承知のように、インドの債権者会議、これでかなり長いものが出ておるわけでございますから、こういう傾向がだんだん世界的なものになるのじゃないかというふうに感じておる次第であります。
#30
○佐多忠隆君 日本として、可能で、しかも無理でない程度の期間というようなものをどういうふうに考えておられるのか。これは、大臣でなくて、事務当局でけっこうですが、具体的には現在どの程度になっているのか。これを世界の趨勢と関連して、合理的にはもっとどう伸ばすべきだとお考えになるのか。さらに、伸ばすべきではあるが、日本の外資の事情なり、外貨の事情なり、為替の事情なり等から考えて、どの程度現在の段階で延長可能になるというふうに見通し、推定をされておるのか、これは事務当局でけっこうです。もう少し具体的にお話し願いたいと思います。
#31
○羽生三七君 答弁の前に、関連して一緒にやっていただきますが、ただいまの問題で、この前、公式の席ではないのですが、水田大蔵大臣の話で、パキスタンを初めAA諸国、それからソ連等では長期の延べ払いを希望しておると、それを認めれば、日本の輸出は相当拡大をすると思われる。しかし、外貨の延べ払いですから、年度間における外貨の日本の受取勘定からいうと、必ずしも目に見えたプラスになるわけではないので、外貨事情からいって一部に異論があって、なかなか思うようにいかない、こういうことを言っておられたわけです。しかし、今のお話、佐多委員のお話にもありましたけれども、延べ払いというものが、パキスタンのみならず、各国の一つの要求になっており、しかしそれは、外貨受け取りからいうと、必ずしも当面の受け取りにはならないので、国際収支の関係から一つの問題点がある。しかし、世界的にそういう延べ払いを要望する声は強いので、日本の今後の貿易関係からいって、どうめどをつけておられるのか。特にパキスタンは、その延べ払いさえ認めれば、相当な規模の輸出が可能だということを大蔵大臣言っておられましたが、今の佐多委員の御質問に関連して、この点をもう少し明確にしていただきたいと思います。
#32
○政府委員(牛場信彦君) 日本のこの輸出延べ払いの財源は、これは、御承知の通り、大部分輸出入銀行、つまり財政資金によっておるわけでございまして、民間の方にはまだそれほどの金があまりありませんので、もちろん協調融資ということで、一部は民間でも負担をいたしておりますけれども、大部分輸出入銀行によるということであります。従いまして、財政資金の量によりまして、輸出入銀行に向けられる差引の量によりまして、おのずから規模が制限されて参るわけでございます。条件につきましては、輸出入銀行は、従来まあ普通の商業輸出につきましては、大体頭金が一〇%ないし三〇%、それから期間は五年ないし七年というような標準でやっておったのでありますが、それがまあだんだん伸びて参りまして、最近は、七年ないし八年というようなところまでは場合によっては認めてきておる。それからまた、これから先はおそらく十年、あるいは非常にその必要のある場合には十五年程度までは認めていこうというようなところまでは来ておるのが現状でございます。それ以上ということになりますと、これは、日本のただいまの経済状況ではちよっとおつき合いしかねるのじゃないかということでありまして、世界的に見ましても、非常に長い信用を出しておりますのはアメリカぐらいのものでありまして、もちろん国際機関による、今度ことに第二世界銀行というのができたことは御承知の通りでありますが、ああいうものによるのは別といたしまして、アメリカの場合は三十五年とか五十年とかということを言っておりますほかは、大体十五年程度ではないか。ドイツあたりがもう少し長い信用を出すということはあり得るかと思います。そういうふうに考えておりまして、まあ当分の間は、その程度でもっていくほかはないのじゃないかと思っておる次第であります。
 もう一つの問題は、資金を自分の国の輸出に結びつけないで、後進国が自由に使えるような格好でもって貸してやるということ、いわゆるアンタイド・ローンというのでありますが、これが最近世界銀行あるいはアメリカ政府あたりから唱えられております。しかし、これにつきましても、わが国といたしましては、まだそういう段階までは日本の経済は来ておらないというように考えておる次第であります。それから、延べ払いにつきましては、羽生委員御指摘の通り、確かに、さしあたりの外貨の手取りという点から見ますれば、それほど有効ではないのでありますが、何分にも世界の趨勢といたしまして列国がこういうことをやっておりますので、日本もこれと歩調を合わしていかないというと、結局輸出競争においておくれをとる。そうして日本は、これから経済を伸ばしていきますためには、どうしても重化学工業関係の輸出をふやさなければならぬわけでありますので、他方こういう重化学工業関係製品を非常に重要視する後進国側におきましては、外貨事情が非常に悪いということでありまして、従いまして、どうしても将来の輸出の伸びということを見込みまして、延べ払いということは行なっていかなければならない。まあむしろわれわれの感じから申しますれば、輸出振興の策はいろいろあるかと存じますが、この輸出入銀行の資金を充実していくということが一番有効な手段ではないかというふうに考えておる次第でございます。それから、またさらに、最近発足いたしました開発基金におきまして、この分につきましては、あるいは十五年というような制限をさらにこえた長い期間の金も出せるようになってくるのではないか、これは、まだ業務が始まったばかりでありまして、はっきりしたことはこれからの問題となると存じますが、この方の資金を充実して参ることもまた、日本としては考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。
#33
○佐多忠隆君 今のお話で、十年から十五年あたりのところに延長する必要があり、可能性もあるというようなお話ですが、特に建設資材その他が中心になると、今のお話の通りに、十年からさらには十五年というようなところに重点が移ってくると思うのですね。そういうふうな要求に応じ得ると、十五年あたりがむしろ重点になるような要求に応じ得ると、応じなければならぬというような点については、大蔵省あるいは輸出入銀行あたりと大体意見は一致しておるのか、そこいらにまだ相当な意見の違いがあるのか、そこいらはどうなんですか。
#34
○政府委員(牛場信彦君) 十五年と申しましても、もちろんこれは、あらゆる場合にそこまでいく用意があるというわけではないのでございまして、後進国に対する援助というような意味を含めた場合にそこまでいくことがあるということでございます。その点につきましては、大蔵当局との間にも全然意見の相違はございません。
#35
○佐多忠隆君 そうすると、十五年ぐらいの期間はむしろ特例的なもので、一般的にはやはり十年ぐらいがせいぜいだというような感じですが、そこのところはどうなんですか。
#36
○政府委員(牛場信彦君) 大体そういう感じであると存じます。ただ、もちろん一般的に、外国の政府に対して金を貸すという例は、日本の場合にはあまりないのでありまして、日本の機械の輸出あるいは日本が現地において工場を建設する、そういう場合に付属した信用の例が多いのでございまして、その場合に、非常に現地において建設される工場が大きなものであるというような場合には、特別の考慮を払うこともあり得ると存じます。
#37
○杉原荒太君 外務大臣が御出席ですから、質問したいと思います。
 今、ここに通商条約が二つ出ておりますので、直接その条約についてではないのですけれども、関連があると思いますから、お尋ねしたい問題は、OECDに対する参加問題ですね。これがまだなかなかうまくいっていないようですが、私が申し上げるまでもなく、これは、いわゆる自由世界の国際経済機構として一番大事なものであります。しかも、主要な産業国の中で、日本だけがのけものになっておる。これはゆゆしい大問題だと私はかねてから思っておるのですが、また事実、実害の上から言って、日本の対外経済政策の上からして、どうしてもこれに入り得るような努力がなされなければならぬことは当然だ。まあ開発のグループ、開発の関係だけは入っておりますけれども、一般の通商政策全般、経済政策なり、これは一番大事なものなんですよ、これにまだ参加が認められないということは実に残念なことだと思う。そうしてこれについて、日本の国内で国論がわいてこないというのは、私は不思議なくらいに感じておる。国会でもそうだと思う。これなどは、もちろん政府は努力目標をここに置いてやっておるに違いないだろうが、国会からも、政府を国論の背景によって鞭撻するということがぜひなされなければならぬことだとかねがね思っておるのですが、これは、一体どういうところに実際の障害があるのか。アメリカなどは、もちろん日本を何とかこれに入れるようにあっせん努力をしてくれていると思うけれども、まだヨーロッパ諸国の方がそれに反対だ。反対だというか、ただ漫然たる気分的なものでなく、おそらく障害があり、障害があるとすれば、日本として、その障害を除くためにどういう努力を一体なさっておるのか。そうして今度総理がケネディとお会いになる、そういうときなどの実は一番大きな大事な問題だと思う。また、申し上げるまでもなく、昨年非常な大騒ぎをした日米の新条約、安保の点もありますけれども、あの中で、経済的にも協力していくということ、われわれはあそこを非常に重視しておるわけです。それだけに、その条約の趣旨からしても、アメリカとしても、こういうものに対して日本の立場を十分尊重して、これに入り得るようにする条約上の義務もあるくらいだと思っておる。しかし、そういったかた苦しいことじゃなくても、ぜひ一つ、アメリカもさらに本腰を入れて努力してもらうように要請する。そうしてまた、今言うように、ヨーロッパとの関係において、どこに日本としてまだ欠けておる点があるか、向こうのオブジェクションがどこに生ずるか、それを排除するためにどういうふうに処置するか、その辺のところを外務大臣からお答え願いたいと思います。
#38
○国務大臣(小坂善太郎君) お話の通りでございまして、ぜひOECDができますときには、日本も加盟したいということを強く言っておるわけであります。OEECは、発生的に、ヨーロッパの関係を主として発生いたしたのでありまして、日本がまず舞台からはずされておったことは発生的にあるわけでありますが、その下部機構でありますDAGのオリジナル・メンバーになって、実はいろいろ寄与いたしておるのであります。これがDAGになり、OECDの下部機構になったときには、その下部機構だけに入っておって、しかも欧州だけの経済機構という性格から脱却して、もっと広範囲の機構になったOECDからわれわれが排除されるということは非常におかしなことになる。何としても強く要請したいと考えておるのであります。アメリカも、この点については非常に理解を持っておりまして、ヨーロッパ諸国に話をしてくれておるということでありまするが、なかなかこれは見通しは明るくないというような状況であります。
 何が障害になるかということでございますが、まあ大体ヨーロッパ諸国においては、日本の最近の実情に対しては、漸次理解を深めつつあるものの、まだ理解が不十分だというものもたくさんあると思うのでありまして、現にガット三十五条を適用いたしておりません、そういう国が主としてヨーロッパにあることは御承知の通りでありまして、その認識そのものに問題があるということでございます。われわれといたしましても、やはり自由化の問題について、日本の自由化が非常におくれているということを強く言われている点は、われわれ自身として、できる限りそうした世界の声というものはこちらも耳を傾けて、この自由化に努力をする、それと同時に、全体の世界機構の中へ入っていって、大きく日本の経済的な地歩を伸ばしていく、こういうことに努めなければならぬと思っております。幸いに、総理もアメリカへ行かれて、大統領と十分話し合う機会がございますわけですし、私も、その後にヨーロッパに参りますので、よくこういう点について理解を深めて参りたい、かように考えております。
#39
○杉原荒太君 そういうふうに努力してもらいたいと思うのです。
#40
○委員長(木内四郎君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(木内四郎君) それでは、これより本件の討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより、日本国とパキスタンとの間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件について探決をいたします。本件を承認することに賛成の方の御挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#43
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件に関し議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(木内四郎君) それでは次に、航空業務に関する日本国とベルギーとの間の協定の締結について承認を求めるの件、同じく、航空業務に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上、本院先議の両件を一括議題として、前回に引き続き質疑を続行いたしたいと存じます。質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
#46
○羽生三七君 けさの新聞に、韓国と航空協定ができたとかできるとかいうふうに出ておったのですが、事情明らかな方があったら、説明していただきたいのです。
#47
○説明員(東郷文彦君) ただいまの件は、われわれも新聞で見ただけでございまして、いずれ伊関局長帰朝したら、どういうことでああいうことになりましたか、わかると思いますが…。
#48
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの点につきましては、私も、実は新聞を見ただけで、それ以上のことを存じておりません。
#49
○委員長(木内四郎君) 別に御発言がないようでございますから、他に御発言がなければ、両件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めまして、それでは、これより両件の討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否と明らかにしてお述べを願いたいと存じます。――別に御発言がなければ、両件に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両件の採決をいたします。航空業務に関する日本国とベルギーとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上両件を一括して問題といたします。
 両件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#52
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。よって両件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の議長に提出する審査報告書の作成につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#54
○委員長(木内四郎君) それでは、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
#55
○佐多忠隆君 私の日本社会党では、沖繩に調査団を派遣して、沖繩の実情、施政権の返還の問題なり、あるいは核兵器設置の問題等について、現地調査、実情調査をしたいと思って、前からしばしば申し入れをしておるんですが、今まで何ら返事を受けていない。ところが、新聞によりますと、向こうの方から、今度は超党派的に各党を招請をするというような話があって、その話を外務大臣が受け継いで、すでに日本の衆参両院議長に連絡をされながら進められているというようなことが新聞に出ております。この辺の経緯、実際の状況を少し詳しく御説明願いたい。
#56
○国務大臣(小坂善太郎君) 新聞に、キャラウェイという高等弁務官が今お話のようなことを言ったということでございまして、それなら、私どももそれを受けて、これは国会に対する何でございますから、これは、当然アメリカの国務省、こちらの大使館、外務省という筋で来るであろう。来たらば、私どもは、これは国会関係ですか、両院議長にそれを申し上げる、こういう手続をとるべきであると思って、実はこれを藤枝内閣総務長官に、そういうふうにするといいと思うから、来たらそうしようというような連絡をしたことはございますが、実はまだ来ないのです。そのままになっております。
#57
○佐多忠隆君 きょうの新聞によると、すでにあなたが向こうの大使に問い合わして、向こうもそれを確認したので、手続を進めておられると、こういうふうに出ておるんですが、その辺はどうですか。
#58
○国務大臣(小坂善太郎君) その新聞はまだ実は見ておりませんけれども、きのう実はアメリカ大使と二回会いました。その最初のときに、その新聞があったものですから、こういうことだがどうだと聞いたら、ちょうど四時半から人を連れて私の所に来るから、そのときまでに、今申しましたようなことで申し入れをして、ちゃんとするようにしようかと、こういう話であったのであります。ところが、四時半に来ましたときは、向こうへ電話をかけて問い合わせて、どうもはっきりしないから、いずれにしてもまた御連絡する、こういうままになっております。従って、私は両院議長にまだ言った覚えはございません。
#59
○森元治郎君 けさ新聞に出ていたので伺うんだが、ガリオア、エロアで、あなたがライシャワーと……。
#60
○国務大臣(小坂善太郎君) これから今決算へ行き内閣へ行きますので……。
#61
○森元治君 簡単に、イエス、ノーだけでけっこうです。これは、新聞でいろいろ額だのその他出ておりますが、やはり国会でこういうことはしょっぱなに話すべきものだと思う。いつでも記者団会見で大臣は発表される。公表される。しかし、国会では、もっぱら被告のような格好をして、突っ張ってばかりいて、さっぱりだめなんで、大事なことは国会でやるべきだと、こういう原則で私は伺うんだが、どういう交渉が始まったかということは、政府部内で案がまとまって、額もきまって、その返済方法なり総額なり、これを提示したんだろうと思うんです。発表できるんだと私は思うんですが、伺いたい。ということは、これが交渉中だから申し上げられないと、普通はおっしゃるんでありますが、もうこの問題はさんざん長い間もみにもんで、およその人も知っておる問題でありますから、どうか国民に向かって発表して下さい。
#62
○国務大臣(小坂善太郎君) 昨日アメリカ大使においで願って、ガリオア、エロアの関係のことについて、処理の問題についての私どもの日本政府としての考え方を伝えました。それは、今おっしゃるように、日本政府の部内において考えがまとまったからでございます。そこで、われわれとしては、この問題をこう考えるに至った経緯理由等を述べまして、文書をもってそのことを申し入れて、そうして従来から長い経緯のある問題であるし、日本政府はここまで踏み切ったんだから、できるだけ早く交渉をまとめるように好意的に配慮されたいということ、並びに、これは条件として言うのではないが、希望として、こうしたものの使用の方法については、後進国の開発援助、特に東南アジアを中心としてこれが用いられるように、教育交換計画というようなものについてこれが用いられるようにということを希望いたしておきました。
#63
○森元治郎君 そこまでは、けさの新聞にみんな書いてあるようですが、そこで、その問題は、一体日本側では四億二、三千万ドルと言い、四億七千万ドル、いずれにしても、五億ドルを下回る額なんです。新聞によっては違いますが、四億三千万ドルあたりのものを債務と心得て、そこのところはちょっとまだ別の機会で一つ――四億三千万ドルぐらいの数字を出していると、こう書いてありますが、その点は御発表になれませんか。
#64
○国務大臣(小坂善太郎君) 交渉の内容については、一つ御勘弁願いたいと思います。
#65
○委員長(木内四郎君) それでは、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午前十一時三十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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