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1960/05/16 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第16号
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1960/05/16 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第16号

#1
第038回国会 外務委員会 第16号
昭和三十六年五月十六日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
  委員長      木内 四郎君
  理事
           青柳 秀夫君
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           森 元治郎君
  委員
           草葉 隆圓君
           笹森 順造君
           杉原 荒太君
           苫米地英俊君
           野村吉三郎君
           加藤シズエ君
           羽生 三七君
  政府委員
   外務政務次官  津島 文治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   法務大臣官房司
   法法制調査部司
   法法制課長   羽山 忠弘君
   法務省法務総合
   研究所次長   天野 武一君
   外務省経済局次
   長       高野 藤吉君
   外務省国際連合
   局外務参事官  高橋  覚君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○通商に関する日本国とキューバ共和
 国との間の協定の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)
○犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関す
 るアジア及び極東研修所を日本国に
 設置することに関する国際連合と日
 本国政府との間の協定の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆
 議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定に附
 属する第三十八表(日本国の譲許
 表)に掲げる譲許を修正し、又は撤
 回するためのドイツ連邦共和国との
 交渉の結果に関する文書の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣送付、
 予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(木内四郎君) それでは速記を始めて下さい。
 まず、通商に関する日本国とキューバ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を日本国に設置することに関する国際連合と日本国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上、衆議院送付の両件を一括議題にいたしたいと存じます。
 両件は、去る四月二十一日衆議院から送付されまして、本付託になりましたので、念のために申し上げておきます。
 両件につきましては、先般提案理由の説明を聴取いたしましたが、さらに補足説明を外務省当局から聴取いたしたいと存じます。
 まず、キューバとの通商協定について説明を聴取いたします。
#4
○説明員(高野藤吉君) 日本とキューバとの通商協定につきまして補足的に御説明申し上げたいと思います。
 御承知の通り、日本とキューバとの貿易関係は、日本がキューバから毎年非常な多量の砂糖を購入いたしておる関係上、非常な片貿易に陥っておるわけでございます。かたがたキューバは、日本に対しましてガット三十五条を援用しておりまして、繊維等につきまして差別待遇をしておるという関係で、その片貿易が非常に激しくなっておる次第でございます。政府といたしましても、この片貿易を早く是正いたしたいということで、数年来キューバと交渉しておりましたのですが、昨年の四月、ちょうどセペロ商務大臣が参りまして、急逝に話がまとまりまして、日本に対する差別待遇をできるだけ緩和する。事実上差別待遇をしない。三十五条の撤回につきましては、将来好意的に考慮するという前提のもとに、キューバとの間に通商協定ができた次第でございます。キューバにおきましては、すでに昨年これらの批准を了しております次第でございます。
 御参考に、日本とキューバとの貿易関係を申し上げますと、一九五六年には、わが方の輸出が三百万ドル近くという僅少な数にもかかわらず、わが方は約六千万ドルの輸入をしておる。一九五七年におきましては、輸出が四百万ドルにつきまして、輸入七千九百万ドル。一九五八年におきましては、五百万ドルの輸出につきまして四千八百万ドルの輸入。一九五九年におきましては、少し輸出が伸びまして、千万ドルの輸出につきまして三千五百万ドルの輸入。昨年は革命騒ぎで、アメリカとの関係がうまく参りませんので、輸入がだいぶ減りまして、千七百万ドル。砂糖の量からいたしますと、五七年が四十五万トン、五八年が五五万トン、五九年が三十四万トン、昨年がだいぶ減りまして二十万トン。御存じのように、日本は年間砂糖を百万トン以上買っておりまして、おもな国は台湾、キューバであります。そういう状態で、日本は砂糖を非常に買っておりますから、できるだけ日本の品物を売りたい。今度の協定が発効いたしますれば、キューバは無差別待遇をいたしますので、繊維、雑貨等につきまして大いに貿易の伸長をはかりたいと希望いたしておる次第でございます。昨年砂糖の輸入がこちらが少なかったのは、一つは砂糖の値段が国際的に少し高かったということと、向こうの内政上の理由によりまして、デリヴァリーが不安定だということで非常に減りましたが、政情が安定化し、また向こうが糖価について勉強すれば、砂粒の買付もふえてくるのではないかと考えておる次第であります。協定の内容につきましては、ほかの国と結んでおります通商協定と大体同様でございまして、特に変わったものはございません。
 以上、簡単でございますが、このたびの協定につきまして補足的に御説明申し上げます。
#5
○委員長(木内四郎君) 次に、犯罪の防止等に関するアジア及び極東研修所設置に関する協定についての補足説明を聴取いたします。高橋国連局参事官。
#6
○説明員(高橋覚君) 犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を日本国に設置することに関する国際連合と日本国政府との間の協定について、この成立の経緯内容等について補足的に御説明申し上げます。
 国際連合は、御承知のように、その事業の一つとして、社会防衛の部面を担当しておりますが、一九五四年十一月にラングーンで開催された犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関する第一回国連アジア極東地域セミナーにおいて、アジアの極東地域の適当な場所にこれらの問題に関する研修を行なうための研修所を設置することを勧告する決議が採択されました。そういたしまして、五七年の第三回の同様のゼミナールで、パキスタンにこの研修所が設置されるということが報告されたわけでありますが、その後パキスタンは、国内事情から、この研修所の招請を撤回いたしましたので、国際連合の事務局は、パキスタンにかわる招請国として日本になってもらえないかという希望を非公式に伝えて参りました。そこで、関係当局間で検討いたしました結果、昨年の五月に、閣議決定によりこの研修所をわが国に招請しようということか決定されまして、昨年の六月以来東京及びニューヨークにおいて、国際連合と政府関係者との間に非公式の意見交換が行なわれ、昨年の十二月以来ニューヨークで正式の交渉が行なわれまして、協定の案文について同意を見たので、この三月十五日に、ニューヨークで松平国連大使とヒル国連経済社会担当事務次長代理との間で協定が署名されたわけであります。
 この協定は、前文及び本文六カ条および末文になっておりまして、第一条において、日本に研修所を設置すること、それから研修所の目的、事業等を規定しております。目的と申しますのは、先ほど申しましたように、「犯罪の防止及び犯罪者の処遇の分野に関し、並びに少年非行の防止及び非行少年の処遇の分野に関し、研修、研究及び調査を行なう」、 それからその事業として、研修計画の実施、アジア極東地域の諸政府及び諸施設との間の連絡、情報交換等を行なうことになっております。
 それから、研修所の人的構成について第二条に規定されておりますが、国際連合が日本政府と協議して任命し、そしてその給与は、国際連合から支払われる所長が一人、それから、同様に、国際連合が日本政府と協議して任命し給与を支払う高級顧問、その他短期の専門家の報酬を払うことのほかに、日本以外の諸国から来る研修生のための奨学金、初年度は五人ないし十人分、一年度以降毎年十人分の奨学金、それから参考資料の費用として初年度に一千ドル、次年度以降に毎年二千五百ドル、合わせまして大体年に五万ドル程度の費用を負担する。これに対しましてわが政府は、先ほど申しました研修所の次長及びその他の必要な職員、研修のために必要な土地、建物、備品、参考資料その他の便宜を提供することが第四条に規定されております。この研修所設置の場所といたしましては、今のところ府中市の府中刑務所に隣接した約三千坪の国有財産の土地が予定されております。そこに建物を置きましてすることになり、今年度の予算に六千五百万円の予算が計上されております。その他経常費として大体日本政府の負担する額が年額二千万円程度ということになっております。
 それから第五条におきまして、研修所の勤務のために任命され、あるいは派遣される国連の役員に対して、一定の特権及び免除、これは、国際連合の特権及び免除に関する一般条約の第五条、第六条、第七条に規定されている特権が与えられることになっております。この国際連合の特権及び免除に関する条約にはわが国はまだ加入しておりませんので、特にここに規定し、そういたしまして、附属書としてそのいかなる特権が与えられるかということは、この条約の五条、六条及び七条の条文に掲げてあるわけでございます。
 それから、この協定の有効期限は、わが国の政府が協定の受諾の通告を国連の事務総長にいたしました日から一九六五年末、大体五年間という効力を有することになっておりますが、いずれか一方の当事者からの提案で、有効期間の延長及び廃止することができるようになっております。
 以上、簡単でございますが、補足説明を終わります。
#7
○委員長(木内四郎君) それでは、これより両件の質疑に入りたいと思います。質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#8
○井上清一君 終戦以来キューバからの砂糖の輸入というのは非常にふえているわけなんですが、ふえた理由をちょっと。
#9
○説明員(高野藤吉君) キューバの砂糖は、非常に規格が統一いたしておりまして、品質もよろしい、値段も非常に安いということで、台湾に並びまして日本といたしましては買付に参りまして、多いときは約五十万トン、約日本の所要量の半分くらいを買っておった次第です。その後、革命後若干国内的に政情も安定しませんので、昨年及び一昨年は集荷が不十分、デリヴァリーが不安定、ないし価格が少し割高になったというふうな情勢で、この二、三年少し減って参った次第でございます。
#10
○井上清一君 ジャワ糖、台湾糖との大体輸入比率を教えていただきたい。それから価格の点ですね。どの程度の相違があるのか。
#11
○説明員(高野藤吉君) 一九五九年におきましては、台湾から約三十五万トン、比率は、日本の所要量の三〇%でございます。それからキューバからは三十八万トン、比率は三三%、すなわちキューバの方が多いのでございまして、しかし、昨年度におきましては、台湾から四十五万トン、比率は三六%、キューバは二十万トンでございまして、約一六%の比率になっております。
#12
○井上清一君 ジャワ糖は入らないのですか。
#13
○説明員(高野藤吉君) インドネシアは、戦前は非常に買っておりましたが、最近は向こうの生産がうまく参りませんので、昨年度におきましては、約千三百トンくらいしか買っておりません。比率は一%にもなっておらない次第でございます。
#14
○井上清一君 価格の点はどうなんですか。沖渡しでどのくらいですか。
#15
○説明員(高野藤吉君) 価格は、大体台湾とキューバと同じでございますが、台湾につきましては、オープン・アカウントの関係上、少し割高に買っておりまして、大体一トン八十万ドル程度でございます。
#16
○井上清一君 ほかにまだ砂糖を日本として輸入できる国がございますか、たとえばパナマだとか、グァテマラだとかいうような所から買い得るのですか。どうですか。
#17
○説明員(高野藤吉君) 昨年度の統計によりますと、台湾、キューバ以外に、大口といたしましては、ブラジルから十八万トン、これがパーセンテージは一四%でございます。それからオーストラリアから十二万トン、これが九%、あとドミニカ、ペルー、フィリピンからも四万トンばかり、約三%強を買っておる次第でございます。昨年は、合計約百三十万トンばかりの砂糖を輸入しております。
#18
○井上清一君 キューバとの貿易は非常に従来片貿易になっておるわけですが、その是正をするためにこうした通商協定を結んで、そしてできるだけ輸出の振興をはかりたいと、こういうお考えのようですが、日本のキューバに対する輸出を伸ばしていくための具体的な方策と申しますかを承りたいし、また、将来のお見込みを伺いたいと思います。
#19
○説明員(高野藤吉君) 日本といたしましては、できるだけ片貿易を是正するためにいろいろ手を打っておる次第でございますが、まず第一に、向こうの政情が安定することが第一でございますが、その次に、この貿易の通商協定によりまして、今まで繊維につきまして差別待遇、差別関税を受けておりましたので、これを撤廃すれば、日本の安くていい繊維、雑貨類が非常に伸びていく、われわれとしては、それを期待しているわけでございまして、商社の活動、及び日本品のいいということが向こうの人に認識されれば、逐次漸増していくというふうに期待し、かつ、そういう方向で努力いたしていきたいと思います。実際にも、貿易が逐次上がっている次第でございます。
#20
○井上清一君 従来アメリカを経てキューバに入っているものが相当あるように聞いておりますが、そうしたものの大体金額はどのくらいあるというふうにお考えになっておりますか。
#21
○説明員(高野藤吉君) 量といたしましてはそうございませんで、大体繊維関係が四、五十万ドルくらいアメリカを経由して入っていたこともございますが、絶対量としては、そう多くないと思います。
#22
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑はございませんか。
#23
○羽生三七君 昨年度キューバーからの砂糖輸入が二十万トンに減ったというのは、それは、貿易のアンバランスのためか、政情不安定のためか、どういうことですか、具体的には。
#24
○説明員(高野藤吉君) 結論的に申し上げますと、政情が不安定、従って、向こうの集荷等がうまくいかないで、値段が非常に高かった。それから第二点といたしまして、デリヴァリーが定期的にうまくレギュラーにいかなかった。従って、日本の商社が不安で契約を差し控えた。そういう二つの条件がからみ合いまして、例年よりだいぶ減った。しかしこれが、最近キューバも値段を下げるような努力をいたしておりますし、政情が安定すれば、また上向きになると考えております。
#25
○委員長(木内四郎君) 両件に対して他に御質疑ありませんか。
#26
○羽生三七君 キューバでなしに、ほかの方もやっていいのですか。
#27
○委員長(木内四郎君) キューバと犯罪防止の研修所、両方です。
#28
○羽生三七君 この犯罪の防止に関連する案件でちょっとお尋ねしたいのですが、この研修所を、国連で、アジア及び極東地域に特に設けるということになったのか、世界の他の地域にも同様のものがあるのか、その辺はどういうことですか。
#29
○説明員(高橋覚君) これは、アジア極東地域だけでなくて、最初にブラジルのサンパウロに一九五九年に置くことにきまっております。しかし、このブラジルと国際連合との間の協定は、一昨年、五九年にできておりますが、実際にはまだ動き出していないようでございます。
#30
○羽生三七君 この種のものが国連で統一的に、加盟各国の共通の問題として取り上げられることはわかるのですが、特定の地域に限定をして作るということは、どういう意味があるのですか。これはどういうことでしょう。
#31
○説明員(高橋覚君) これは、国際連合といたしまして、大体低開発国援助の一つの事業というような趣旨で、アジア・極東地域あるいは中南米地域という所を選んだものと思われます。ただ、アフリカにつきましては、まだそこまで行っていないと申しますか、まず最初に中南米あるいはアジアあたりからということで選ばれたと思います。
#32
○羽生三七君 特に低開発国を中心に犯罪防止のためにこの種の機関を作るということは、わからぬわけではないが、はたして、こういうものを作って、何らかの効果が実際にあるのかどうか。これは、先進国と後進国とで犯罪の型も違うし、起こる条件も違うと思うけれども、特にこの特定の地域を選んで、この種のものを作ることによって、何らかの効果を期待できるのかどうか。その辺は、何か確信がおありになるのですか。
#33
○説明員(天野武一君) お答え申し上げます。
 今お尋ねの点につきましては、私どもも、日本の犯罪防止あるいは犯罪者の処遇というものがどれほど世界における地位を持っているか、よくわかりませんけれども、少なくとも、国連の目をつけましたところによりますと、他のアジア諸国に比べれば、非常に格段の進歩した施設なり内容を持っておるというふうに言われまして、日本以外にアジアではこういう施設を設けるに適当した所はない。私どもとしましては、非常にこの仕事は複雑でありまするし、多岐でありまするし、これに失敗することは非常に不名誉なことでありますので、非常にむずかしいことを覚悟しておりますが、成功すれば、とにかく犯罪というものは非常に国際的なものでありますし、この防止なり処遇というものにつきましては、非常に今各国の共通の問題になっておりまして、アジアはアジアなりに、やはり地域的な特色を持っておりますので、ぜひこれは成功さすべきではないかというふうに、かように考えております。
#34
○羽生三七君 今のお答えである程度わかったのですが、そうすると、日本がアジア・極東地域における先進国の一つとして、むしろこの種の問題に何らかの寄与をする、こういう形のものであるわけですね。何か共通の問題を発見して、そこで、各国が、その研究をそれぞれ参考にするということだけでなしに、日本の、先進国の犯罪に対するいろいろな諸問題、諸研究というものが、他のアジア、極東地域の諸国に何らかの寄与、貢献をするという立場で、特に日本という国が選ばれたと、そう見ていいのですか。
#35
○説明員(天野武一君) そういう面ももちろんございますが、そのほかに、一般的な調査なり、それからお互いの相互の研究なり、それから今おっしゃったような結果を報告し合って共通の啓発をはかるという、大体三つのことを内容としております。
#36
○羽生三七君 それから、先ほども御説明の中にちょっとありましたが、第五条にある「国際連合の特権及び免除に関する」云々というのは、まだ具体的にきまっておらぬということですが、およそどういう種類のものですか。どういう特権が与えられるのですか。
#37
○説明員(高橋覚君) 私、先ほどあるいは言葉が足りなくて、間違った印象を与えたかもしれませんけれども、第五条の国際連合の特権及び免除に関する一般条約というものは、多数国が、現在六十カ国ぐらい参加している条約がございます。わが国は、これにまだ入っておりません。そこで、この条約に規定されている特権及び免除を、この協定に基づいて国連がわが国に派遣する役員及び専門家にも適用するために、本協定の第五条が定められたわけでございます。従って、この国連の役員及び専門家に与えられる特権及び免除の内容というものは、協定の附属書として全文が掲げられております。第五条と申しますのは役員、これは、先ほど申しました第二条の所長と高級顧問に適用されるものでありまして、その他の派遣の短期の専門家に対する特権及び免除は、第六条に規定されております。それから第七条は、これらの職員に国連が支給するレッセ・パッセの規定でございます。
 いずれも、この附属書として掲げられたものは、この協定と不可分の一体ということでございますので、協定自身に書かれたものと同様の効力を有するものと考えております。
#38
○羽生三七君 最初にこの研修所の施設ができる場合には、六千五百万円程度の費用が要ることになり、それは本年度予算に組まれて、その他の部分として約二千万円ということになるわけですが、その他の二千万円というのは、これは、若干の増減はあっても、経常的に要る費用でありますか。
#39
○説明員(天野武一君) 大体九千万円ほどが、そのアジア地域研修所費用の予算として本年度計上されております。そのうち、今お話のありました施設関係が六千五百万円でありまして、その他は、施設ができましたあとの、職員でございますとか、運営の費用でありますとか、研修員の関係の費用とか、そういう経常的なものでございます。
#40
○青柳秀夫君 犯罪防止の方の第三条に、「技術援助」という言葉が使ってあるのが私にはよくわからぬものですから、どうして「技術援助」という言葉を使ったかということをお答え願いたいのですが、と申しますのは、ただ「援助」でよいのではないかという気がいたします。この(a)なり(b)なりを見ましても、所長の俸給とか、奨学金とか、こういうものが書いてある。結局、お金を出すということが援助であって、技術ということが書いてあれば、何か特許権とか、あるいはいろいろな科学的の指導でもするというのなら、「技術」という言葉をつけるのもいいのですが、なぜ「技術」という言葉をここにつけてあるのかという点をちょっと伺っておきたい。
#41
○説明員(高橋覚君) これは、実は国際連合の方で、通常技術援助計画と拡大技術援助計画というものがございまして、大体こういうように、各国にいろいろな技術援助を行なう計画のために一定の予算を持っております。その先方の技術援助計画の事業の一つとして、この国連からの援助が行なわれるので、そこで、「技術援助」と書いてあるわけでございます。
#42
○青柳秀夫君 そういう事情ならわからぬこともありませんけれども、しかし、もっと率直に、これだけ読んでみますと、わざわざ「技術」ということをつけることが、かえって普通の常識に沿わないような気がするのですけれども、そういう点については、国連で調印なんかされるときに、やっぱり言葉がそうなっていれば、そのままになっているのだから、慣例上やっていくというので、別に「技術」という言葉をお使いになることが不自然だとはお思いにならないのですか。私どもは、知識がないためかもしれませんけれども、これだけを読んでみますと、ただ「援助」という方がはっきりするので、「技術援助」ということを言うことが、非常に技術らしくないものですから、お尋ねするのですけれども、いかがなものでございましょうか。
#43
○説明員(高橋覚君) 御指摘の通り、そういう印象を与えることは確かでございますが、一応国連では、従来、たとえば専門家の派遣というようなときには、これはあるいは技術援助ということが適当かもしれませんけれども、留学生のための奨学金を与えるとかいうものを全部技術援助ということで、たとえば技術援助局というようなものがありまして、これは、必ずしも実際に技術を教えるばかりではなく、留学生の奨学金の支出とか、そういうようなものも全部技術援助局というところで担当しているので、こういうことになっている次第でございます。
#44
○井上清一君 この極東研修所というのは、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関して、ただ各国の人が集まって研究するだけなんですか。その研究した結果を国際連合に報告をして、それに基づいていろいろ改善とか何とかいう措置についてアドバイスするとか何とかいうことはないのですか。ただ単なる研究だけなんですか。
#45
○説明員(天野武一君) ただいまおっしゃいましたように、研修、研究のほかに、その結果を報告するとかということは、当然の仕事として、条約の中にも事業として入っております。
#46
○井上清一君 条約の中に入っておりますか。第何条ですか。
#47
○説明員(天野武一君) たとえば、二条の(a)の三号あたりでは、「研修及び調査の資料並びに、適当なときは、調査計画の結果の出版物を関係地域内に配布すること」、四号に、「類似の国内及び国際の団体及び当局と研修所の事業に関する情報の交換を促進すること」。
#48
○井上清一君 つまり、ただ情報の交換だけで、勧告権というものはないわけですね。
#49
○説明員(天野武一君) 勧告権というものはございません。
#50
○井上清一君 そうすると、ただ各国の事情をここでいろいろ聞いて、一応参考の資料を得るというような程度なんですか。
#51
○説明員(羽山忠弘君) 御質問につきましては、今回国際連合と協力いたしまして、アジア・極東研修所を設置いたします趣旨を少し詳しく御説明申し上げることが、十分御理解をいただけるのではないかと思いますので、少し詳しく申し上げます。
 犯罪と申しますのが非常に国際的なものだということは、われわれは従来あまり経験も実感もないのでございますが、ヨーロッパのように、国境を接しておりまして、割合に国民が自由に行ったり来たりしておりますような地域におきましては、隣の国にどろぼうがふえるというようなことが、非常にその国境を接しております他の国にとって脅威になるわけでありまして、また、その脅威がしばしば現実化するわけでございます。ヨーロッパ地域におきましては、千八百年代から、つまり今からすでに百年も前から、国際的にお互いに犯罪を防止する話し合いをして、対策を立てるということを実行して参ったわけでございます。その場合におきまして、その協力活動の調整またはスポンサーとして立場に、しばしば旧国際連盟が当たっておったのでございます。それがこのたび国際連合にその役割が引き継がれまして、先ほど外務省の方から、低開発国という御説明がございましたが、その低開発という趣旨は、犯罪防止の知識の意味で低開発という点ももちろんございますが、従来アジア・極東地域あるいはラテン・アメリカ地域におきましては、この種の国際的な協力の研究、研修というものがなかったわけでございます。それを今度国際連合が、先般まずラテン・アメリカ地域に作りました。その次にアジア地域に作る。それを最初パキスタンが引き受けましたが、国内事情から辞退いたしまして、それを日本が引き受けた、こういうふうになるわけでございます。
#52
○井上清一君 私が今伺っておりますのは、つまり犯罪の防止とか犯罪者の処遇、あるいは少年非行の防止とかいうような問題について研究することも大事だけれども、たとえば、国際的な犯罪についての連絡通報、共同捜査というようなものがもっと現在においては必要なんじゃないか、こういうふうに思うのですよ。それで、こういう研修所を作ることはもちろんけっこうだと思うのだけれども、たとえば麻薬の問題を一つとってみましても、ただ一つの国だけで、これが取り締まりなり防止なんということはできるものではないので、共同的なやはり調査なり、あるいはまた、これに対する防止の方策をとることが大事だと思うのです。ことに東洋――極東・アジアにおいては、こうした問題は非常に大事なんで、もちろんこうした問題は研究されると思いますが、ただ研究ということだけじゃなしに、それがもっとその防止についての強い勧告なり何なりができるということ、これが、先ほどの「類似の国内及び国際の団体及び当局と研修所の事業に関する情報の交換を促進すること」というような、非常に弱いものなんですが、もっと強い、勧告なり何なりがあるようなものが望ましいのじゃないかというふうに私どもは考えるわけです。たとえば、最近の事例を見てみますと、麻薬の問題、あるいは婦女り売買、これはあまりないと思いますが、それから密輸の問題、あるいはまた、国際的な詐欺みたいなものもずいぶんあるようでございますから、そうした問題に対して、ただ単なる研究じゃなしに、むしろ連絡するような、各国政府との間の連絡、そしてまた共同して、研修所がむしろ各国に対していろいろ捜査とかあるいは、研究とかいうようなものについて連絡できるような仕組みがこうした機関においてとれないものかどうかという点を伺いたいと思うんです。
#53
○説明員(羽山忠弘君) 御質問、まことにごもっともでございますが、当面この御審議をいただいておりまする研修所におきましては、勧告権というようなものはございません。しかしながら、たとえば国際連合のここに一つの実例を申し上げますと、受刑者処遇最低基準というようなものができております。それは、刑務所の収容者の処遇はこのレベルまでが最低だと、それ以下にしないというようなことをまあ話し合いできめたのでございますが、こういうのは、かりにきめましても、いろいろ国の予算その他いろいろ事情がございますので、直ちにその会議に代表を送って出席して賛成をした国がすぐ実施するというわけにも参りませんが、一たびこういうものが国際的にきまりますると、やはりそれが一つの基準になって、まあ努力目標になって参るわけでございまして、その意味では非常に意味があることだと考えている次第でございます。
#54
○森元治郎君 五十七年の第二回のゼミナールでパキスタンに置くことにきまりましたが、パキスタンは国内事情で設置をお断わりして、まあ日本に来たような経緯だけれども、どうもこれは、ただいまのお話を伺っていると、パキスタンは、何しろ暑いことが一つ、それからはじつこの方だ。それからもう一つは、日本は官僚日本で、こういうことは大好きな国で、おれの方へ取りたいという運動が――第二回ゼミナールが五七年で、その次の五九年に日本にきまった。二年間という時間があって、この辺、国連で盲動したんじゃないかという感じがするのですが、これはどうですかな、高橋さん。
#55
○説明員(高橋覚君) パキスタンが断わった理由というものは、われわれは、実は先方の国内事情で、どういうところにあるか、よく承知しておりません。しかし、この問題について日本の水準が非常に高いということで、ぜひ東京へ置いてくれないかと、国連の事務局で希望したことは事実でございます。
#56
○委員長(木内四郎君) 他に御発言がなければ、両件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両件の討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。――別に御発言もないようでございますから、両件に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両件の採決をいたします。
 まず、通商に関する日本国とキューバ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行ないたいと思います。本件に承認を与えることに賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#59
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。
 それでは次に、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を日本国に設置することに関する国際連合と日本国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方は御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#60
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。
 よって両件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の議長に提出する、審査報告書の作成につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#62
○委員長(木内四郎君) 次に、予備審査として送付されております、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件を議題といたしまして、提案理由の説明を聴取いたしたいと思います。
#63
○政府委員(津島文治君) ただいま議題となりました関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国は、昭和三十年のガット加入の際の関税交渉、昭和三十一年の第四回ガット関税交渉並びに昭和三十三の対ブラジル及び対スイス関税交渉に参加し、わが国の関税率表の九百四十三税目のうち二百七十九税目についてガット締約国に対して譲許を行なってきておりますが、一部の現行譲許税率については、その後の経済事情の変化に即応しないものとなりましたので、その修正または撤回の必要が生じて参りました。このため、さきにガット第二十八条に基づくガットの再交渉会議が開催されました機会に、大豆、工作機械などの二十四品目につきまして、これらの譲許の原交渉国であるアメリカ合衆国と譲許税率の修正または撤回のための交渉を行なって妥結を見た次第でありますが、このうち、一部の乗用車及び十一品目の工作機械につきましては、ドイツ連邦共和国も原交渉国でありましたので、ドイツとも同様の交渉を行ない、このほど右修正及び撤回の代償として工作機械六品目、ガスホールダーなど計十二品目の関税率について譲許を提供いたすことにより交渉を完了し、去る四月二十九日ジュネーブで日独両国代表の間に、交渉の結果に関する文書への署名を行なった次第であります。
 この新しい譲許は、第二十八条の関税交渉の結果の適用に関するガット上の一般的な手続に従い、わが国が締約国団の書記局長に対して適用通告を行なうことにより、右通告において指定する日から実施されることとなっておりますところ、これらの譲許のうち、工作機械については若干おくれますが、その他のものについては、対米関係品目と同様、本年七月一日までに実施に移す予定であります。
 よってここに、この文書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
#64
○委員長(木内四郎君) 本件に関する質疑は後日に譲りまして、本日は、これにて散会いたしたいと思います。
   午前十一時二十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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